JP2016223081A - エネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】地下水が自噴しない場所にも適用でき、電力を必要とせず、しかも簡便かつ効率よくエネルギーを交換できるエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法の提供。【解決手段】掘削穴Hに装入された保護管11と、保護管11内に設置されたエネルギー交換手段12とを備え、掘削穴Hは帯水層Xと透水層もしくは被圧帯水層Yとに到達する竪穴であり、保護管11は特定の位置に形成された取水口11aと排水口11bとを有し、エネルギー交換手段12は取水口11aと排水口11bとの間に設置され、ポンプを使用することなく地下水を取水口11aから排水口11bへ移動させるエネルギー交換システム10、およびポンプを使用することなく、帯水層X中の地下水を取水口11aから保護管11内に取り込み、エネルギー交換手段12を通過させ、排水口11bから透水層もしくは被圧帯水層Yへ排水させてエネルギー交換するエネルギー交換方法。【選択図】図1
Description
本発明は、エネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法に関する。
近年、地下水をエネルギー源として利用したエネルギー交換システムが提案されている。
例えば、地下水を熱エネルギー源として利用したシステムとしては、以下のものが知られている。
(1)上部帯水層と下部帯水層との間に不透水性土層が存在している地盤に、不透水性土層を貫通して下部帯水層に達する井戸を施工し、不透水性土層の位置にパッカー(遮水盤)を配置して井戸内を上下に仕切り、パッカーの上下にスクリーンをそれぞれ設け、パッカー近傍に熱交換器を含むヒートポンプ装置を配置し、パッカーの上下にポンプを設置したヒートポンプ設備(特許文献1参照)。
(2)帯水層に到達する井戸を施工し、井戸の所定の位置にストレーナを設け、該ストレーナの位置に遮水管(遮水盤)を配置して井戸内を上下に仕切り、井戸内に熱交換器を設け、地上または井戸内にポンプを配置した地下水熱利用設備における地中装置(特許文献2参照)。
(3)帯水層に到達する井戸を施工し、可動式分離装置(遮水盤)を配置して井戸内を上下に仕切り、可動式分離装置の上下にスクリーンをそれぞれ設け、地上に熱交換器およびポンプを設置した地下水熱交換装置(特許文献3参照)。
(4)砂礫層に到達する井戸を施工し、環状受座(遮水盤)を配置して井戸内を上下に仕切り、環状受座の上側に還流スリットを設け、環状受座の下側に吸水スリットを設け、地上または環状受座の下側に熱交換槽を配置し、環状受座の下側にポンプを配置した熱交換式井戸装置(特許文献4)。
例えば、地下水を熱エネルギー源として利用したシステムとしては、以下のものが知られている。
(1)上部帯水層と下部帯水層との間に不透水性土層が存在している地盤に、不透水性土層を貫通して下部帯水層に達する井戸を施工し、不透水性土層の位置にパッカー(遮水盤)を配置して井戸内を上下に仕切り、パッカーの上下にスクリーンをそれぞれ設け、パッカー近傍に熱交換器を含むヒートポンプ装置を配置し、パッカーの上下にポンプを設置したヒートポンプ設備(特許文献1参照)。
(2)帯水層に到達する井戸を施工し、井戸の所定の位置にストレーナを設け、該ストレーナの位置に遮水管(遮水盤)を配置して井戸内を上下に仕切り、井戸内に熱交換器を設け、地上または井戸内にポンプを配置した地下水熱利用設備における地中装置(特許文献2参照)。
(3)帯水層に到達する井戸を施工し、可動式分離装置(遮水盤)を配置して井戸内を上下に仕切り、可動式分離装置の上下にスクリーンをそれぞれ設け、地上に熱交換器およびポンプを設置した地下水熱交換装置(特許文献3参照)。
(4)砂礫層に到達する井戸を施工し、環状受座(遮水盤)を配置して井戸内を上下に仕切り、環状受座の上側に還流スリットを設け、環状受座の下側に吸水スリットを設け、地上または環状受座の下側に熱交換槽を配置し、環状受座の下側にポンプを配置した熱交換式井戸装置(特許文献4)。
また、地下水を発電エネルギー源として利用したシステムとしては、以下のものが知られている。
(5)井戸水を案内する導水手段と、案内された井戸水により回転されるタービンを備えた発電手段とを有する、自噴する井戸水の水力エネルギーを利用した発電システム(特許文献5)。
(6)ポンプにより井戸内の地下水を汲み上げた際に発生する水の流れの運動エネルギーを電気エネルギーに変換するタービン発電機を備えた発電システム(特許文献6)。
(7)地下水を汲み上げる揚水設備と、汲み上げた地下水を熱源に利用する冷房設備と、利用後の地下水を排水する排水設備と、排水設備に設けられた水力発電設備とを備えた発電システム(特許文献7)。
(8)揚水井と、注入井と、一端を揚水井の地下水に挿入し、他端を注入井内の、揚水井の水面より下方の位置まで挿入したサイホン管と、サイホンの作用でサイホン管に流れる地下水により回転するタービンを有する水力発電機とを備えた発電システム(特許文献8)。
(5)井戸水を案内する導水手段と、案内された井戸水により回転されるタービンを備えた発電手段とを有する、自噴する井戸水の水力エネルギーを利用した発電システム(特許文献5)。
(6)ポンプにより井戸内の地下水を汲み上げた際に発生する水の流れの運動エネルギーを電気エネルギーに変換するタービン発電機を備えた発電システム(特許文献6)。
(7)地下水を汲み上げる揚水設備と、汲み上げた地下水を熱源に利用する冷房設備と、利用後の地下水を排水する排水設備と、排水設備に設けられた水力発電設備とを備えた発電システム(特許文献7)。
(8)揚水井と、注入井と、一端を揚水井の地下水に挿入し、他端を注入井内の、揚水井の水面より下方の位置まで挿入したサイホン管と、サイホンの作用でサイホン管に流れる地下水により回転するタービンを有する水力発電機とを備えた発電システム(特許文献8)。
しかしながら、特許文献1に記載のヒートポンプ設備では、パッカーの上に設置されたポンプにより上部帯水層の地下水を揚水してヒートポンプ装置の熱交換器に供給した後、下部帯水層に環水する。または、パッカーの下に設置されたポンプにより、下部帯水層の地下水を揚水してヒートポンプ装置の熱交換器に供給した後、上部帯水層に環水する。
特許文献2、3に記載の装置では、ポンプにより井戸の上部の帯水層および下部の帯水層のいずれか一方の地下水を揚水し、熱交換器に供給した後、他方の帯水層へ環水する。
特許文献4に記載の熱交換式井戸装置では、ポンプにより吸水スリットから砂礫層の地下水を揚水し、熱交換器に供給した後、環水スリットから砂礫層へ環水する。
このように、地下水を熱利用するには、ポンプを用いて地下水を汲み上げて熱交換器に供給する必要があるため、ポンプ動力用の電源が必要となる。
特許文献2、3に記載の装置では、ポンプにより井戸の上部の帯水層および下部の帯水層のいずれか一方の地下水を揚水し、熱交換器に供給した後、他方の帯水層へ環水する。
特許文献4に記載の熱交換式井戸装置では、ポンプにより吸水スリットから砂礫層の地下水を揚水し、熱交換器に供給した後、環水スリットから砂礫層へ環水する。
このように、地下水を熱利用するには、ポンプを用いて地下水を汲み上げて熱交換器に供給する必要があるため、ポンプ動力用の電源が必要となる。
特許文献5に記載の発電システムは、地下水が自噴しない場所には適用できないため、設置場所が限定される。また、地下水を地上へ噴出させるには設備が大がかりになりやすい。
特許文献6に記載の発電システムの場合、ポンプにより地下水を汲み上げて発電させるため、ポンプ動力用の電源が必要となる。
特許文献7に記載の発電システムの場合、汲み上げた地下水を熱源に利用した後に、発電に用いている。このように、地下水を発電に利用するには、一旦地下水を汲み上げる必要があるため、ポンプ動力用の電源が必要となる。
特許文献8に記載の発電システムの場合、少なくとも2本の井戸と、これらを接続するサイホン管が必要となるため、設置に手間がかかる。また、発電させるために、一方の井戸(揚水井)から地下水を一旦地上まで汲み上げた後、他方の井戸(注入井)へ戻しているため作業効率も悪い。
特許文献6に記載の発電システムの場合、ポンプにより地下水を汲み上げて発電させるため、ポンプ動力用の電源が必要となる。
特許文献7に記載の発電システムの場合、汲み上げた地下水を熱源に利用した後に、発電に用いている。このように、地下水を発電に利用するには、一旦地下水を汲み上げる必要があるため、ポンプ動力用の電源が必要となる。
特許文献8に記載の発電システムの場合、少なくとも2本の井戸と、これらを接続するサイホン管が必要となるため、設置に手間がかかる。また、発電させるために、一方の井戸(揚水井)から地下水を一旦地上まで汲み上げた後、他方の井戸(注入井)へ戻しているため作業効率も悪い。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、地下水が自噴しない場所にも適用でき、電力を必要とせず、しかも簡便かつ効率よくエネルギーを交換できるエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法を提供することを課題とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 掘削穴に装入された保護管と、保護管内に設置されたエネルギー交換手段とを備えたエネルギー交換システムであって、前記掘削穴は、帯水層と、該帯水層の下方または上方に位置する透水層もしくは被圧帯水層とが存在する地盤に掘削された、帯水層と、透水層もしくは被圧帯水層とに到達する竪穴であり、前記保護管は、帯水層の位置に形成された、帯水層中の地下水を保護管内に取り込む取水口と、透水層もしくは被圧帯水層の位置に形成された、保護管内に取り込んだ地下水を透水層もしくは被圧帯水層へ排水する排水口とを有し、前記エネルギー交換手段は、取水口と排水口との間に設置され、ポンプを使用することなく地下水を取水口から排水口へ移動させる、エネルギー交換システム。
[2] 前記エネルギー交換手段は地下水と熱媒体との間で熱交換する熱交換器を備え、地下水との間で熱交換された熱媒体を地上へ導出し、地上にて熱利用された後の熱媒体をエネルギー交換手段へ返送する循環手段をさらに備える、[1]に記載のエネルギー交換システム。
[3] 前記エネルギー交換手段は発電機を備える、[1]に記載のエネルギー交換システム。
[4] 前記発電機により得られた電力を備蓄する電力備蓄手段をさらに備える、[3]に記載のエネルギー交換システム。
[1] 掘削穴に装入された保護管と、保護管内に設置されたエネルギー交換手段とを備えたエネルギー交換システムであって、前記掘削穴は、帯水層と、該帯水層の下方または上方に位置する透水層もしくは被圧帯水層とが存在する地盤に掘削された、帯水層と、透水層もしくは被圧帯水層とに到達する竪穴であり、前記保護管は、帯水層の位置に形成された、帯水層中の地下水を保護管内に取り込む取水口と、透水層もしくは被圧帯水層の位置に形成された、保護管内に取り込んだ地下水を透水層もしくは被圧帯水層へ排水する排水口とを有し、前記エネルギー交換手段は、取水口と排水口との間に設置され、ポンプを使用することなく地下水を取水口から排水口へ移動させる、エネルギー交換システム。
[2] 前記エネルギー交換手段は地下水と熱媒体との間で熱交換する熱交換器を備え、地下水との間で熱交換された熱媒体を地上へ導出し、地上にて熱利用された後の熱媒体をエネルギー交換手段へ返送する循環手段をさらに備える、[1]に記載のエネルギー交換システム。
[3] 前記エネルギー交換手段は発電機を備える、[1]に記載のエネルギー交換システム。
[4] 前記発電機により得られた電力を備蓄する電力備蓄手段をさらに備える、[3]に記載のエネルギー交換システム。
[5] 掘削穴に装入された保護管内にエネルギー交換手段を設置して、保護管内に地下水を流してエネルギー交換するエネルギー交換方法であって、前記掘削穴は、帯水層と、該帯水層の下方または上方に位置する透水層もしくは被圧帯水層とが存在する地盤に掘削された、帯水層と、透水層もしくは被圧帯水層とに到達する竪穴であり、前記保護管は、帯水層の位置に形成された取水口と、透水層もしくは被圧帯水層の位置に形成された排水口とを有し、前記エネルギー交換手段は、取水口と排水口との間に設置され、ポンプを使用することなく、帯水層中の地下水を取水口から保護管内に取り込み、エネルギー交換手段を通過させ、排水口から透水層もしくは被圧帯水層へ排水させてエネルギー交換する、エネルギー交換方法。
本発明のエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法によれば、地下水が自噴しない場所にも適用でき、電力を必要とせず、しかも簡便かつ効率よくエネルギーを交換できる。
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。
なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
また、図2〜5において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
また、図2〜5において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
「第一の態様」
<エネルギー交換システム>
図1は、本発明の第一の態様のエネルギー交換システムの一実施形態を示す概略図である。本発明の第一の態様のエネルギー交換システムは、地下水の熱エネルギーを利用したものである。
図1に示すエネルギー交換システム10は、掘削穴Hに装入された保護管11と、保護管11内に設置されたエネルギー交換手段12および集水管13と、循環手段14とを備える。
<エネルギー交換システム>
図1は、本発明の第一の態様のエネルギー交換システムの一実施形態を示す概略図である。本発明の第一の態様のエネルギー交換システムは、地下水の熱エネルギーを利用したものである。
図1に示すエネルギー交換システム10は、掘削穴Hに装入された保護管11と、保護管11内に設置されたエネルギー交換手段12および集水管13と、循環手段14とを備える。
図1に示す掘削穴Hは、帯水層Xと、帯水層Xの下方に位置する透水層もしくは被圧帯水層Yとが存在する地盤に、地面Gから下方に向かって掘削された、帯水層Xと、透水層もしくは被圧帯水層Yとに到達する竪穴である。
保護管11は、土砂崩落などから掘削穴Hを保護するための有底筒状の管である。
保護管11には、掘削穴Hに挿入した際の帯水層Xの位置に取水口11aが形成され、透水層もしくは被圧帯水層Yの位置に排水口11bが形成されている。
取水口11aは帯水層Xの地下水を保護管11内に取り込むための入口であり、排水口11bは保護管11内に取り込んだ地下水を透水層もしくは被圧帯水層Yへ排水するための出口である。取水口11aから取り込まれた帯水層Xの地下水は、ポンプを使用することなく排水口11bへ移動し、被圧帯水層Yへ排水される。
取水口11aおよび排水口11bには、砂等が保護管11内に侵入するのを防ぐための金網16が取り付けられている。
保護管11には、掘削穴Hに挿入した際の帯水層Xの位置に取水口11aが形成され、透水層もしくは被圧帯水層Yの位置に排水口11bが形成されている。
取水口11aは帯水層Xの地下水を保護管11内に取り込むための入口であり、排水口11bは保護管11内に取り込んだ地下水を透水層もしくは被圧帯水層Yへ排水するための出口である。取水口11aから取り込まれた帯水層Xの地下水は、ポンプを使用することなく排水口11bへ移動し、被圧帯水層Yへ排水される。
取水口11aおよび排水口11bには、砂等が保護管11内に侵入するのを防ぐための金網16が取り付けられている。
エネルギー交換手段12は、取水口11aと排水口11bとの間に設置されている。
第一の態様のエネルギー交換システムのエネルギー交換手段12としては、熱交換器(図示略)を備えるものを用いる。
熱交換器としては、地下水と熱媒体との間で熱交換ができるものであれば、特に制限されない。
第一の態様のエネルギー交換システムのエネルギー交換手段12としては、熱交換器(図示略)を備えるものを用いる。
熱交換器としては、地下水と熱媒体との間で熱交換ができるものであれば、特に制限されない。
集水管13は、エネルギー交換手段12と取水口11aとの間に設置されている。
集水管13としては、取水口11aから保護管11内に取り込んだ地下水を集水し、集水した地下水をエネルギー交換手段12に注水できるものであれば特に制限されないが、例えば図1に示すように、両端が開口し、かつ取水口11a側の端部の直径がエネルギー交換手段12側の端部の直径よりも大きな筒状のものが好ましい。
また、集水管13の少なくとも一方の端部には、フィルタ(図示略)が取り付けられていてもよい。
集水管13としては、取水口11aから保護管11内に取り込んだ地下水を集水し、集水した地下水をエネルギー交換手段12に注水できるものであれば特に制限されないが、例えば図1に示すように、両端が開口し、かつ取水口11a側の端部の直径がエネルギー交換手段12側の端部の直径よりも大きな筒状のものが好ましい。
また、集水管13の少なくとも一方の端部には、フィルタ(図示略)が取り付けられていてもよい。
循環手段14は、エネルギー交換手段12と地面G上に設置された熱交換器15との間で、地下水との間で熱交換された熱媒体を循環させるものである。
以下、エネルギー交換手段12に備わる熱交換器を「第一の熱交換器」といい、地面G上に設置された熱交換器15を「第二の熱交換器」ともいう。
以下、エネルギー交換手段12に備わる熱交換器を「第一の熱交換器」といい、地面G上に設置された熱交換器15を「第二の熱交換器」ともいう。
循環手段14は、地下水との間で熱交換された熱媒体をエネルギー交換手段12から地上へ導出し、第二の熱交換器15へ供給する導出配管14aと、第二の熱交換器15にて熱利用された後の熱媒体をエネルギー交換手段12へ返送する返送配管14bと、ポンプ14cとを備える。
導出配管14aおよび返送配管14bは、それぞれエネルギー交換手段12と第二の熱交換器15とに接続されている。
導出配管14aおよび返送配管14bは、それぞれエネルギー交換手段12と第二の熱交換器15とに接続されている。
第二の熱交換器15は、建物等の空調などに利用されるものある。
第二の熱交換器15としては、熱媒体と空気との間で熱交換ができるものであれば、特に制限されない。
第二の熱交換器15としては、熱媒体と空気との間で熱交換ができるものであれば、特に制限されない。
<エネルギー交換方法>
図1に示すエネルギー交換システム10を用いた、本発明の第一の態様のエネルギー交換方法では、ポンプを使用することなく、帯水層X中の地下水を取水口11aから保護管11内に取り込み、集水管13により集水させた後にエネルギー交換手段12に通過させ、排水口11bから透水層もしくは被圧帯水層Yへ排水させる。
図1に示すエネルギー交換システム10は、保護管11内に取り込んだ地下水の熱エネルギーをエネルギー交換手段12の第一の熱交換器により熱媒体との間で熱交換する。例えば、地下水の温度が外気温よりも高い場合は熱交換により熱媒体を加温し、地下水の温度が外気温よりも低い場合は熱交換により熱媒体を冷却する。地下水は保護管11内で落下することで帯水層Xからエネルギー交換手段12を通過して透水層もしくは被圧帯水層Yへと移動するので、地下水と熱媒体との間での熱エネルギー交換の際にはポンプを使用しない。
図1に示すエネルギー交換システム10を用いた、本発明の第一の態様のエネルギー交換方法では、ポンプを使用することなく、帯水層X中の地下水を取水口11aから保護管11内に取り込み、集水管13により集水させた後にエネルギー交換手段12に通過させ、排水口11bから透水層もしくは被圧帯水層Yへ排水させる。
図1に示すエネルギー交換システム10は、保護管11内に取り込んだ地下水の熱エネルギーをエネルギー交換手段12の第一の熱交換器により熱媒体との間で熱交換する。例えば、地下水の温度が外気温よりも高い場合は熱交換により熱媒体を加温し、地下水の温度が外気温よりも低い場合は熱交換により熱媒体を冷却する。地下水は保護管11内で落下することで帯水層Xからエネルギー交換手段12を通過して透水層もしくは被圧帯水層Yへと移動するので、地下水と熱媒体との間での熱エネルギー交換の際にはポンプを使用しない。
地下水との間で熱交換された(すなわち、地下水により加温または冷却された)熱媒体は、循環手段14のポンプ14cにより導出配管14aを通って地上へ導出され、第二の熱交換器15へ供給される。
第二の熱交換器15では、熱媒体の保有する熱エネルギーを、別途第二の熱交換器15に給気された空気との間で熱交換する。例えば、地下水により加温された熱媒体が第二の熱交換器15に供給される場合は熱交換により空気を加温し、地下水により冷却された熱媒体が第二の熱交換器15に供給される場合は熱交換により空気を冷却する。
温度調節された空気は、建物等の空間を空調する空調装置に導入され、建物等の空間に排気される。一方、第二の熱交換器15にて空気との間で熱交換された、すなわち熱利用された熱媒体は、循環手段14のポンプ14cにより返送配管14bを通ってエネルギー交換手段12へ返送される。
第二の熱交換器15では、熱媒体の保有する熱エネルギーを、別途第二の熱交換器15に給気された空気との間で熱交換する。例えば、地下水により加温された熱媒体が第二の熱交換器15に供給される場合は熱交換により空気を加温し、地下水により冷却された熱媒体が第二の熱交換器15に供給される場合は熱交換により空気を冷却する。
温度調節された空気は、建物等の空間を空調する空調装置に導入され、建物等の空間に排気される。一方、第二の熱交換器15にて空気との間で熱交換された、すなわち熱利用された熱媒体は、循環手段14のポンプ14cにより返送配管14bを通ってエネルギー交換手段12へ返送される。
<作用効果>
以上説明した本発明の第一の態様のエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法によれば、保護管内に取り込んだ地下水の落下を利用して、帯水層の地下水を透水層もしくは被圧帯水層(すなわち、水を吸い込みやすい層)へ移動させるので、ポンプを使用することなくエネルギー交換手段に地下水を通過させてエネルギー交換を行うことができ、電力を必要としない。また、1本の掘削穴(井戸)を掘削して特定の保護管を掘削穴に挿入し、所定の箇所にエネルギー交換手段を設置するだけでエネルギー交換手段(熱交換)が可能であり、しかも地下水と熱媒体とのエネルギー交換に際しては地下水を一旦地上まで汲み上げる必要もないため、簡便かつ効率よくエネルギー交換できる。また、本発明の第一の態様のエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法は、地下水が自噴しない場所に適用できる。
さらに、地下水の水量は安定しているため、エネルギー交換に際して季節や天候の変動を受けにくい。
以上説明した本発明の第一の態様のエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法によれば、保護管内に取り込んだ地下水の落下を利用して、帯水層の地下水を透水層もしくは被圧帯水層(すなわち、水を吸い込みやすい層)へ移動させるので、ポンプを使用することなくエネルギー交換手段に地下水を通過させてエネルギー交換を行うことができ、電力を必要としない。また、1本の掘削穴(井戸)を掘削して特定の保護管を掘削穴に挿入し、所定の箇所にエネルギー交換手段を設置するだけでエネルギー交換手段(熱交換)が可能であり、しかも地下水と熱媒体とのエネルギー交換に際しては地下水を一旦地上まで汲み上げる必要もないため、簡便かつ効率よくエネルギー交換できる。また、本発明の第一の態様のエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法は、地下水が自噴しない場所に適用できる。
さらに、地下水の水量は安定しているため、エネルギー交換に際して季節や天候の変動を受けにくい。
<他の実施形態>
本発明の第一の態様のエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法は、上述したものに限定されない。図1に示すエネルギー交換システム10は、透水層もしくは被圧帯水層Yが帯水層Xの下方に位置し、保護管11の排水口11bが取水口11aよりも下方に形成され、保護管11内に取り込んだ地下水の落下を利用してエネルギー交換するものであるが、例えば図2に示すエネルギー交換システム20であってもよい。
図2に示すエネルギー交換システム20は、透水層もしくは被圧帯水層Yが帯水層Xの上方に位置し、保護管11の排水口11bが取水口11aよりも上方に形成されている。
図2に示すエネルギー交換システム20は、地下水が自噴する場所に設けられ、該エネルギー交換システム20を用いたエネルギー交換方法では、保護管11内に取り込んだ地下水の自噴を利用してエネルギー交換手段12により熱媒体との間で熱交換する。
本発明の第一の態様のエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法は、上述したものに限定されない。図1に示すエネルギー交換システム10は、透水層もしくは被圧帯水層Yが帯水層Xの下方に位置し、保護管11の排水口11bが取水口11aよりも下方に形成され、保護管11内に取り込んだ地下水の落下を利用してエネルギー交換するものであるが、例えば図2に示すエネルギー交換システム20であってもよい。
図2に示すエネルギー交換システム20は、透水層もしくは被圧帯水層Yが帯水層Xの上方に位置し、保護管11の排水口11bが取水口11aよりも上方に形成されている。
図2に示すエネルギー交換システム20は、地下水が自噴する場所に設けられ、該エネルギー交換システム20を用いたエネルギー交換方法では、保護管11内に取り込んだ地下水の自噴を利用してエネルギー交換手段12により熱媒体との間で熱交換する。
図2に示すエネルギー交換システム20および該エネルギー交換システム20を用いたエネルギー交換方法によれば、保護管内に取り込んだ地下水の自噴を利用して、帯水層Xの地下水を透水層もしくは被圧帯水層Yへ移動させるので、ポンプを使用することなくエネルギー交換手段12に地下水を通過させてエネルギー交換を行うことができ、電力を必要としない。また、1本の掘削穴(井戸)を掘削して特定の保護管を掘削穴に挿入し、所定の箇所にエネルギー交換手段を設置するだけでエネルギー交換手段(熱交換)が可能であり、しかも地下水と熱媒体とのエネルギー交換に際しては地下水を一旦地上まで汲み上げる必要もないため、簡便かつ効率よくエネルギー交換できる。
なお、地下水を自噴により地上へ噴出させたり、地下水を地上へ汲み上げたりしてエネルギー交換する場合、エネルギー交換に利用した後の地下水は河川等へ放流して処分されることがある。エネルギー交換に利用した後の地下水はエネルギー交換手段12を通過しているので、廃水扱いとなる場合がある。そのため、この地下水を河川へ放流する際には、河川法等に基づいて放流する必要があり、処分に手間がかかることがある。
しかし、図2に示すエネルギー交換システム20および該エネルギー交換システム20を用いたエネルギー交換方法では、自噴する地下水を一方の層(帯水層)から他方の層(透水層もしくは被圧帯水層)へ流すので、意図的に地下水を地上へ噴出させたり汲み上げたりしない。また、地下水が透水層もしくは被圧帯水層へ排水されずに地上へ噴出したとしても、その量はわずかである。よって、エネルギー交換に利用した後の地下水の処分に手間がかからない。
なお、地下水を自噴により地上へ噴出させたり、地下水を地上へ汲み上げたりしてエネルギー交換する場合、エネルギー交換に利用した後の地下水は河川等へ放流して処分されることがある。エネルギー交換に利用した後の地下水はエネルギー交換手段12を通過しているので、廃水扱いとなる場合がある。そのため、この地下水を河川へ放流する際には、河川法等に基づいて放流する必要があり、処分に手間がかかることがある。
しかし、図2に示すエネルギー交換システム20および該エネルギー交換システム20を用いたエネルギー交換方法では、自噴する地下水を一方の層(帯水層)から他方の層(透水層もしくは被圧帯水層)へ流すので、意図的に地下水を地上へ噴出させたり汲み上げたりしない。また、地下水が透水層もしくは被圧帯水層へ排水されずに地上へ噴出したとしても、その量はわずかである。よって、エネルギー交換に利用した後の地下水の処分に手間がかからない。
また、図1,2に示すエネルギー交換システム10,20は、集水管13を備えているが、集水管13はなくてもよい。ただし、集水管13を備えていれば、取水口11aから取り込まれた地下水を効率よくエネルギー交換手段12に送り込むことができるので、エネルギー交換効率がより高まる。
「第二の態様」
<エネルギー交換システム>
図3は、本発明の第二の態様のエネルギー交換システムの一実施形態を示す概略図である。本発明の第二の態様のエネルギー交換システムは、地下水の運動エネルギーを利用したものである。なお、第二の態様のエネルギー交換システムを「発電システム」ともいい、第二の態様のエネルギー交換システムを用いたエネルギー交換方法を「発電方法」ともいう。
図3に示すエネルギー交換システム30は、掘削穴Hに装入された保護管11と、保護管11内に設置されたエネルギー交換手段12および集水管13と、電力備蓄手段17とを備える。
<エネルギー交換システム>
図3は、本発明の第二の態様のエネルギー交換システムの一実施形態を示す概略図である。本発明の第二の態様のエネルギー交換システムは、地下水の運動エネルギーを利用したものである。なお、第二の態様のエネルギー交換システムを「発電システム」ともいい、第二の態様のエネルギー交換システムを用いたエネルギー交換方法を「発電方法」ともいう。
図3に示すエネルギー交換システム30は、掘削穴Hに装入された保護管11と、保護管11内に設置されたエネルギー交換手段12および集水管13と、電力備蓄手段17とを備える。
図3に示す掘削穴Hは、帯水層Xと、帯水層Xの下方に位置する透水層もしくは被圧帯水層Yとが存在する地盤に、地面Gから下方に向かって掘削された、帯水層Xと、透水層もしくは被圧帯水層Yとに到達する竪穴である。
図3に示す保護管11および集水管13は、第一の態様のエネルギー交換システムの説明において先に例示した保護管および集水管と同じである。よって説明を省略する。
図3に示す保護管11および集水管13は、第一の態様のエネルギー交換システムの説明において先に例示した保護管および集水管と同じである。よって説明を省略する。
エネルギー交換手段12は、取水口11aと排水口11bとの間に設置されている。
第二の態様のエネルギー交換システムのエネルギー交換手段12としては、発電機(図示略)を備えるものを用いる。
発電機としては特に制限されず、水の流れ(位置エネルギーや運動エネルギー)をタービン(図示略)の回転により電気エネルギーに変換できる公知の水力発電機を用いることができる。
第二の態様のエネルギー交換システムのエネルギー交換手段12としては、発電機(図示略)を備えるものを用いる。
発電機としては特に制限されず、水の流れ(位置エネルギーや運動エネルギー)をタービン(図示略)の回転により電気エネルギーに変換できる公知の水力発電機を用いることができる。
電力備蓄手段17は、エネルギー交換手段12に接続され、地面G上に設置されている。
電力備蓄手段17としては、エネルギー交換手段12により得られた電力を備蓄できるものであれば特に制限されない。
電力備蓄手段17としては、エネルギー交換手段12により得られた電力を備蓄できるものであれば特に制限されない。
<エネルギー交換方法>
図3に示すエネルギー交換システム30を用いた、本発明の第二の態様のエネルギー交換方法では、ポンプを使用することなく、帯水層X中の地下水を取水口11aから保護管11内に取り込み、集水管13により集水させた後にエネルギー交換手段12に通過させ、排水口11bから透水層もしくは被圧帯水層Yへ排水させる。
図3に示すエネルギー交換システム30は、保護管11内に取り込んだ地下水が落下するときの運動エネルギーをエネルギー交換手段12の発電機により電気エネルギーに変換することで発電する。エネルギー交換手段12により得られた電力は、電力備蓄手段17に備蓄される。
図3に示すエネルギー交換システム30を用いた、本発明の第二の態様のエネルギー交換方法では、ポンプを使用することなく、帯水層X中の地下水を取水口11aから保護管11内に取り込み、集水管13により集水させた後にエネルギー交換手段12に通過させ、排水口11bから透水層もしくは被圧帯水層Yへ排水させる。
図3に示すエネルギー交換システム30は、保護管11内に取り込んだ地下水が落下するときの運動エネルギーをエネルギー交換手段12の発電機により電気エネルギーに変換することで発電する。エネルギー交換手段12により得られた電力は、電力備蓄手段17に備蓄される。
<作用効果>
以上説明した本発明の第二の態様のエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法によれば、保護管内に取り込んだ地下水の落下を利用して、帯水層の地下水を透水層もしくは被圧帯水層へ移動させるので、ポンプを使用することなくエネルギー交換手段に地下水を通過させてエネルギー交換を行うことができ、電力を必要としない。また、1本の掘削穴(井戸)を掘削して特定の保護管を掘削穴に挿入し、所定の箇所にエネルギー交換手段を設置するだけでエネルギー交換(発電)が可能であり、しかも発電に際して地下水を一旦地上まで汲み上げる必要もないため、簡便かつ効率よく発電できる。また、本発明の第二の態様のエネルギー交換およびエネルギー交換方法は、地下水が自噴しない場所に適用できる。
さらに、地下水の水量は安定しているため、発電に際して季節や天候の変動を受けにくい。
以上説明した本発明の第二の態様のエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法によれば、保護管内に取り込んだ地下水の落下を利用して、帯水層の地下水を透水層もしくは被圧帯水層へ移動させるので、ポンプを使用することなくエネルギー交換手段に地下水を通過させてエネルギー交換を行うことができ、電力を必要としない。また、1本の掘削穴(井戸)を掘削して特定の保護管を掘削穴に挿入し、所定の箇所にエネルギー交換手段を設置するだけでエネルギー交換(発電)が可能であり、しかも発電に際して地下水を一旦地上まで汲み上げる必要もないため、簡便かつ効率よく発電できる。また、本発明の第二の態様のエネルギー交換およびエネルギー交換方法は、地下水が自噴しない場所に適用できる。
さらに、地下水の水量は安定しているため、発電に際して季節や天候の変動を受けにくい。
<他の実施形態>
本発明の第二の態様のエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法は、上述したものに限定されない。図3に示すエネルギー交換システム30は、集水管13を備えているが、集水管13はなくてもよい。ただし、集水管13を備えていれば、取水口11aから取り込まれた地下水を効率よくエネルギー交換手段12に送り込むことができるので、エネルギー交換効率がより高まる。
また、第二の態様のエネルギー交換システムを地下水が自噴する場所に設けてもよい。この場合、透水層もしくは被圧帯水層が帯水層の上方に位置し、保護管の排水口が取水口よりも上方に形成され、保護管内に取り込んだ地下水が自噴する際のエネルギーをエネルギー交換手段の発電機により電気エネルギーに変換することで発電する。
本発明の第二の態様のエネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法は、上述したものに限定されない。図3に示すエネルギー交換システム30は、集水管13を備えているが、集水管13はなくてもよい。ただし、集水管13を備えていれば、取水口11aから取り込まれた地下水を効率よくエネルギー交換手段12に送り込むことができるので、エネルギー交換効率がより高まる。
また、第二の態様のエネルギー交換システムを地下水が自噴する場所に設けてもよい。この場合、透水層もしくは被圧帯水層が帯水層の上方に位置し、保護管の排水口が取水口よりも上方に形成され、保護管内に取り込んだ地下水が自噴する際のエネルギーをエネルギー交換手段の発電機により電気エネルギーに変換することで発電する。
「その他の態様」
図1,2に示すエネルギー交換システム10,20、および図3に示すエネルギー交換システム30における掘削穴Hおよび保護管11は、1つの帯水層Xと、1つの透水層もしくは被圧帯水層Yとに到達しているが、例えば図4に示すように、透水層もしくは被圧帯水層Yの下方に、さらにもう1組以上の帯水層X’と、透水層もしくは被圧帯水層Y’とが存在する場合、掘削穴Hおよび保護管11はこれら帯水層X’と、透水層もしくは被圧帯水層Y’とにも到達していてもよい。図4に示すエネルギー交換システム40の場合、保護管11には1段目(1組目)の取水口11aおよび排水口11bと、2段目(2組目)の取水口11a’および排水口11b’とが、それぞれ所定の箇所に形成されている。そして、1段目の取水口11aおよび排水口11bの間と、2段目の取水口11a’および排水口11b’の間に、それぞれエネルギー交換手段12,12’が設置されている。1段目の帯水層X中の地下水は、取水口11aから保護管11内に取り込まれ、1段目のエネルギー交換手段12を通過した後、排水口11bから1段目の透水層もしくは被圧帯水層Yへ排水されるが、その一部は2段目の帯水層X’中の地下水と共に2段目のエネルギー交換手段12’に送り込まれてもよい。なお、図4において、集水管、金網、循環手段、第二の熱交換器、および電力備蓄手段は省略する。
地下水が自噴する場所に設けられるエネルギー交換システムについても同様であり、帯水層の下方に、さらにもう1組以上の透水層もしくは被圧帯水層と、帯水層とが存在する場合、掘削穴および保護管はこれらにも到達し、各組の取水口と排水口との間にエネルギー交換手段が設置されていてもよい。
図1,2に示すエネルギー交換システム10,20、および図3に示すエネルギー交換システム30における掘削穴Hおよび保護管11は、1つの帯水層Xと、1つの透水層もしくは被圧帯水層Yとに到達しているが、例えば図4に示すように、透水層もしくは被圧帯水層Yの下方に、さらにもう1組以上の帯水層X’と、透水層もしくは被圧帯水層Y’とが存在する場合、掘削穴Hおよび保護管11はこれら帯水層X’と、透水層もしくは被圧帯水層Y’とにも到達していてもよい。図4に示すエネルギー交換システム40の場合、保護管11には1段目(1組目)の取水口11aおよび排水口11bと、2段目(2組目)の取水口11a’および排水口11b’とが、それぞれ所定の箇所に形成されている。そして、1段目の取水口11aおよび排水口11bの間と、2段目の取水口11a’および排水口11b’の間に、それぞれエネルギー交換手段12,12’が設置されている。1段目の帯水層X中の地下水は、取水口11aから保護管11内に取り込まれ、1段目のエネルギー交換手段12を通過した後、排水口11bから1段目の透水層もしくは被圧帯水層Yへ排水されるが、その一部は2段目の帯水層X’中の地下水と共に2段目のエネルギー交換手段12’に送り込まれてもよい。なお、図4において、集水管、金網、循環手段、第二の熱交換器、および電力備蓄手段は省略する。
地下水が自噴する場所に設けられるエネルギー交換システムについても同様であり、帯水層の下方に、さらにもう1組以上の透水層もしくは被圧帯水層と、帯水層とが存在する場合、掘削穴および保護管はこれらにも到達し、各組の取水口と排水口との間にエネルギー交換手段が設置されていてもよい。
また、例えば図5に示すように、帯水層Xと、透水層もしくは被圧帯水層Yとの間には、別の帯水層X’が存在していてもよい。図5に示すエネルギー交換システム50の場合、保護管11には2つの帯水層X,X’の位置にそれぞれ取水口11a,11a’が形成され、1つの透水層もしくは被圧帯水層Yの位置に排水口11b’が形成されている。そして、取水口11a,11a’間と、取水口11a’および排水口11bの間内に、それぞれエネルギー交換手段12,12’が設置されている。帯水層X中の地下水は、取水口11aから保護管11内に取り込まれ、1段目のエネルギー交換手段12を通過した後、取水口11a’から保護管11内に取り込まれた帯水層X’中の地下水と共に2段目のエネルギー交換手段12’に送り込まれる。そして、2段目のエネルギー交換手段12’を通過した後、排水口11bから透水層もしくは被圧帯水層Yへ排水される。なお、図5において、集水管、金網、循環手段、第二の熱交換器、および電力備蓄手段は省略する。
図5に示すエネルギー交換システム50は、地下水の落下を利用して発電するものであるが、地下水の自噴を利用する場合も同様である。
図5に示すエネルギー交換システム50は、地下水の落下を利用して発電するものであるが、地下水の自噴を利用する場合も同様である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
「実施例1」
図1に示すように、帯水層Xと透水層Yとが存在する地盤において、地面Gから下方に向かって直径約200mm、深さ70mまで掘削し、得られた掘削穴Hに、有底筒状であり、直径約150mmの保護管11を挿入した。保護管11としては、掘削穴Hに挿入した際の帯水層Xの位置(具体的には、地面Gから深さ30mの位置)に、直径約20mmの取水口11aが4つ形成され、透水層Yの位置(具体的には、地面Gから深さ69mの位置)に、直径約20mmの排水口11bが6つ形成され、これら取水口11aおよび排水口11bに1mmメッシュの金網16が取り付けられているものを用いた。
地面Gから深さ50mの位置の保護管11内に集水管13を設置し、その約1m下方に第一の熱交換器を備えるエネルギー交換手段12を設置した。集水管13としては、両端が開口し、かつ取水口11a側の端部の直径が約150mmであり、エネルギー交換手段12側の端部の直径が約40mmである筒状のものを用いた。
図1に示すように、帯水層Xと透水層Yとが存在する地盤において、地面Gから下方に向かって直径約200mm、深さ70mまで掘削し、得られた掘削穴Hに、有底筒状であり、直径約150mmの保護管11を挿入した。保護管11としては、掘削穴Hに挿入した際の帯水層Xの位置(具体的には、地面Gから深さ30mの位置)に、直径約20mmの取水口11aが4つ形成され、透水層Yの位置(具体的には、地面Gから深さ69mの位置)に、直径約20mmの排水口11bが6つ形成され、これら取水口11aおよび排水口11bに1mmメッシュの金網16が取り付けられているものを用いた。
地面Gから深さ50mの位置の保護管11内に集水管13を設置し、その約1m下方に第一の熱交換器を備えるエネルギー交換手段12を設置した。集水管13としては、両端が開口し、かつ取水口11a側の端部の直径が約150mmであり、エネルギー交換手段12側の端部の直径が約40mmである筒状のものを用いた。
ポンプを使用することなく、帯水層X中の地下水を取水口11aから保護管11内に取り込み、集水管13により集水させた後にエネルギー交換手段12に通過させ、排水口11bから透水層Yへ排水させた。保護管11内に取り込んだ地下水の熱エネルギーをエネルギー交換手段12により、熱媒体との間で熱交換した。
循環手段14により、地下水との間で熱交換された熱媒体を地上にて第二の熱交換器15にて熱利用した後、エネルギー交換手段12へ返送した。
循環手段14により、地下水との間で熱交換された熱媒体を地上にて第二の熱交換器15にて熱利用した後、エネルギー交換手段12へ返送した。
「実施例2」
図3に示すように、帯水層Xと透水層Yとが存在する地盤において、地面Gから下方に向かって直径約200mm、深さ70mまで掘削し、得られた掘削穴Hに、有底筒状であり、直径約150mmの保護管11を挿入した。保護管11としては、掘削穴Hに挿入した際の帯水層Xの位置(具体的には、地面Gから深さ30mの位置)に、直径約20mmの取水口11aが4つ形成され、透水層Yの位置(具体的には、地面Gから深さ69mの位置)に、直径約20mmの排水口11bが6つ形成され、これら取水口11aおよび排水口11bに1mmメッシュの金網16が取り付けられているものを用いた。
地面Gから深さ50mの位置の保護管11内に集水管13を設置し、その約1m下方に発電機を備えるエネルギー交換手段12を設置した。集水管13としては、両端が開口し、かつ取水口11a側の端部の直径が約150mmであり、エネルギー交換手段12側の端部の直径が約40mmである筒状のものを用いた。
図3に示すように、帯水層Xと透水層Yとが存在する地盤において、地面Gから下方に向かって直径約200mm、深さ70mまで掘削し、得られた掘削穴Hに、有底筒状であり、直径約150mmの保護管11を挿入した。保護管11としては、掘削穴Hに挿入した際の帯水層Xの位置(具体的には、地面Gから深さ30mの位置)に、直径約20mmの取水口11aが4つ形成され、透水層Yの位置(具体的には、地面Gから深さ69mの位置)に、直径約20mmの排水口11bが6つ形成され、これら取水口11aおよび排水口11bに1mmメッシュの金網16が取り付けられているものを用いた。
地面Gから深さ50mの位置の保護管11内に集水管13を設置し、その約1m下方に発電機を備えるエネルギー交換手段12を設置した。集水管13としては、両端が開口し、かつ取水口11a側の端部の直径が約150mmであり、エネルギー交換手段12側の端部の直径が約40mmである筒状のものを用いた。
ポンプを使用することなく、帯水層X中の地下水を取水口11aから保護管11内に取り込み、集水管13により集水させた後にエネルギー交換手段12に通過させ、排水口11bから透水層Yへ排水させた。保護管11内に取り込んだ地下水が落下するときの運動エネルギーをエネルギー交換手段12により電気エネルギーに変換することで発電した。
10,20,30,40,50 エネルギー交換システム
11 保護管
11a,11a’ 取水口
11b,11b’ 排水口
12,12’ エネルギー交換手段
13 集水管
14 循環手段
14a 導出配管
14b 返送配管
14c ポンプ
15 第二の熱交換器
16 金網
17 電力備蓄手段
G 地面
H 掘削穴
X,X’ 帯水層
Y,Y’ 透水層もしくは被圧帯水層
11 保護管
11a,11a’ 取水口
11b,11b’ 排水口
12,12’ エネルギー交換手段
13 集水管
14 循環手段
14a 導出配管
14b 返送配管
14c ポンプ
15 第二の熱交換器
16 金網
17 電力備蓄手段
G 地面
H 掘削穴
X,X’ 帯水層
Y,Y’ 透水層もしくは被圧帯水層
Claims (5)
- 掘削穴に装入された保護管と、保護管内に設置されたエネルギー交換手段とを備えたエネルギー交換システムであって、
前記掘削穴は、帯水層と、該帯水層の下方または上方に位置する透水層もしくは被圧帯水層とが存在する地盤に掘削された、帯水層と、透水層もしくは被圧帯水層とに到達する竪穴であり、
前記保護管は、帯水層の位置に形成された、帯水層中の地下水を保護管内に取り込む取水口と、透水層もしくは被圧帯水層の位置に形成された、保護管内に取り込んだ地下水を透水層もしくは被圧帯水層へ排水する排水口とを有し、
前記エネルギー交換手段は、取水口と排水口との間に設置され、
ポンプを使用することなく地下水を取水口から排水口へ移動させる、エネルギー交換システム。 - 前記エネルギー交換手段は地下水と熱媒体との間で熱交換する熱交換器を備え、
地下水との間で熱交換された熱媒体を地上へ導出し、地上にて熱利用された後の熱媒体をエネルギー交換手段へ返送する循環手段をさらに備える、請求項1に記載のエネルギー交換システム。 - 前記エネルギー交換手段は発電機を備える、請求項1に記載のエネルギー交換システム。
- 前記発電機により得られた電力を備蓄する電力備蓄手段をさらに備える、請求項3に記載のエネルギー交換システム。
- 掘削穴に装入された保護管内にエネルギー交換手段を設置して、保護管内に地下水を流してエネルギー交換するエネルギー交換方法であって、
前記掘削穴は、帯水層と、該帯水層の下方または上方に位置する透水層もしくは被圧帯水層とが存在する地盤に掘削された、帯水層と、透水層もしくは被圧帯水層とに到達する竪穴であり、
前記保護管は、帯水層の位置に形成された取水口と、透水層もしくは被圧帯水層の位置に形成された排水口とを有し、
前記エネルギー交換手段は、取水口と排水口との間に設置され、
ポンプを使用することなく、帯水層中の地下水を取水口から保護管内に取り込み、エネルギー交換手段を通過させ、排水口から透水層もしくは被圧帯水層へ排水させてエネルギー交換する、エネルギー交換方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015108144A JP2016223081A (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | エネルギー交換システムおよびエネルギー交換方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107420100A (zh) * | 2017-09-26 | 2017-12-01 | 中国科学院武汉岩土力学研究所 | 一种分层抽水装置及分层抽水系统 |
-
2015
- 2015-05-28 JP JP2015108144A patent/JP2016223081A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107420100A (zh) * | 2017-09-26 | 2017-12-01 | 中国科学院武汉岩土力学研究所 | 一种分层抽水装置及分层抽水系统 |
CN107420100B (zh) * | 2017-09-26 | 2023-04-07 | 中国科学院武汉岩土力学研究所 | 一种分层抽水装置及分层抽水系统 |
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