以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行ない表示結果を導出する可変表示手段に特定表示結果が導出されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別の特徴を表形式で説明する図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。本実施の形態では、特別図柄の変動表示に関し、第1特別図柄による第1実行条件と、第2特別図柄による第2実行条件との両方が成立しているときには、第2特別図柄の変動表示の開始条件が、第1特別図柄の変動表示の開始条件よりも優先的に成立し、第2特別図柄の変動表示が優先的に実行される。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが形成される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる(以下、単にRともいう)。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図においては、大当りおよび小当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2に示すように、ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。小当りにおいては、2ラウンドの大当り遊技状態と同様の開放回数および開放時間の小当り遊技状態となる。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20を、各ラウンドについて予め定められた開放態様で開放状態とする制御が行なわれる。15ラウンドの大当り遊技状態においては、各ラウンドにおいて1回だけ開放状態とされる場合と、あるラウンドにおいて1回だけ開放状態とされてその他のラウンドにおいて複数回開放状態にされる場合とがある。各ラウンドは次のような終了条件が成立したときに終了する。
1回のラウンド中において1回だけ開放状態とされるラウンドについては、ラウンド開始から所定期間(たとえば29秒間)または所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生するまでの期間、特別可変入賞球装置20が開放状態とされる。また、1回のラウンド中において複数回開放状態とされるラウンドにおいては、複数回のうち最終回の開放が終了する以前に所定個数の入賞がなかった場合は最終回の開放が終了する時点、または、複数回のうち最終回の開放が終了する以前に所定個数の入賞があった場合はその入賞があった時点で終了する。そして、各ラウンドの終了条件が成立すると、継続権が発生し、所定のインターバル(大入賞口が一旦閉状態となる)期間の経過後、次のラウンドに移行して、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。このような継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、15ラウンドの大当り遊技状態よりも遊技者にとって不利な開放態様で開放状態とする制御が行なわれる。2ラウンドの大当り遊技状態においては、各ラウンドにおいて1回だけ開放状態とされる。各ラウンドは、ラウンド開始から所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したというラウンドの終了条件が成立したことに応じて終了される。そして、第1ラウンドの終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれた後、第2ラウンドの終了条件が成立すると大当り遊技状態が終了する。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。本実施の形態の場合、2ラウンドの大当りとしては、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)、すなわち、出玉が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
なお、「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
この実施の形態では、確変状態に制御するときに時短状態にも制御される。時短状態とは、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される状態のことである。また、特別遊技状態としては、時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
なお、電チューサポート制御としては、前述の普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうちのいずれか1つの制御を実行することにより高ベース状態を実現させるものでもよい。また、電チューサポート制御としては、前述の普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうち、いずれか2つの制御の任意の組合せ、または、いずれか3つの制御の任意の組合せにより高ベース状態を実現させるものでもよい。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確高ベース状態」、および、「高確低ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンド(以下、15Rともいう)の大当りとしては、通常大当りと、確変大当りが設けられている。また、2ラウンド(以下、2Rともいう)の大当りとしては、確変大当り(以下、突然確変大当り、突確大当りともいう)が設けられている。また、2ラウンドの大当り遊技状態と同様の開放回数および開放時間の小当りが設けられている。
15R通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、低確低ベース状態となる。そして、大当り遊技状態終了後の変動時間は、通常の変動時間(非時短状態の変動時間)である。
15R確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後には、高確高ベース状態に移行する制御が行なわれる。そして、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。変動表示が100回実行されるまでに大当りが発生しないときには、低確率/低ベース状態に移行する制御が行なわれる。なお、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態のような特別遊技状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続するようにしてもよい。
また、突然確変大当りの場合は、確変状態よりなる特別遊技状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。変動表示が100回実行されるまでに大当りが発生しないときには、低確率/低ベース状態に移行する制御が行なわれる。なお、突然確変大当りについては、確変状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続するようにしてもよい。
また、小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されない。このように、小当りは、小当り遊技状態終了後に、小当り遊技状態の開始前における遊技状態としての大当り確率およびベース状態が維持される当りである。なお、この実施の形態において、小当りは、小当り遊技状態において、突然確変大当りと同一の開放回数および同一の開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当りである例を示すが、これに限らず、小当りとしては、特別可変入賞球装置20の開放態様が、突然確変大当りのときの開放態様と完全に一致するものでないが、突然確変大当りのときの開放態様と区別しにくいように見えるものであってもよい。つまり、小当りとしては、特別可変入賞球装置20の開放態様が、突然確変大当りと略同一の開放回数および略同一の開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当りであればよい。
突確大当りと、小当りとは、特別可変入賞球装置20の開放回数および開放時間が同じであるので、大当り遊技状態および小当り遊技状態中に、突確大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識しにくい。これにより、突確大当りの大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれるときには、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい。このような制御状態は、確変状態が潜伏しているような状態であるので潜伏演出状態と呼ばれ、このような潜伏状態にする制御が潜伏演出制御と呼ばれる。なお、突確大当りとしては、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御されず、電チューサポート制御に制御されるものを設けてもよい。
この実施形態によるパチンコ遊技機1においては、演出制御用マイクロコンピュータ100において、突確大当りの大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出を行なう潜伏制御が行なわれる。このような潜伏制御が行なわれることにより、遊技者に対して確変状態であるか否かについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。そして、このような潜伏制御が行なわれている場合には、後述する通常演出(通常ステージ)または、特殊演出(特殊ステージ)とは異なる、潜伏演出制御用の潜伏ステージが設けられる。なお、この実施形態では、小当りを設けた例を示したが、これに限らず、小当りは設けなくてもよい。
図3は、パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板等を示す構成図である。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示せず)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート(図示せず)を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、主基板側で用いられる各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(通常大当り、確変大当り、突確大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、15R通常大当り、15R確変大当り、および、突確大当り(2R確変大当り)という複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。また、当りとしては、小当りも含まれており、大当り判定用乱数(ランダム1)が小当り判定用乱数として兼用されている。そして、大当り判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて小当りとする決定がされたときには、小当り図柄が、予め定められた図柄に決定される。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数が用いられるが、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図5は、大当り判定テーブル、小当り判定テーブル、および、大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、通常時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図5(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図5(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図5(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図5(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行なう場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行なう場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図5(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行なうように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行なわないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較し、大当り判定用乱数値が図5(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。また、図5(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。したがって、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図5(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(D)、および、図5(E)の特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(D)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(E)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。なお、第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、「突確大当り」が設けられていないが、「突確大当り」を設けるようにしてもよい。
また、図5(D),(E)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「突確大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
なお、図5(D),(E)の大当り種別判定テーブルにおいては、第2特別図柄の方が第1特別図柄と比べて「突確大当り」に当選することがないので、遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が高く設定されていた。しかし、これに限らず、第1特別図柄の方が第2特別図柄と比べて遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が高く設定されるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が同じ割合に設定されるようにしてもよい。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図6においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図6に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。演出制御用CPU101は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、通常大当り、確変大当り、突確大当りの遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。コマンドA004(H)は、小当りの遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301〜A303(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。なお、大当り終了1〜3指定コマンドは、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA304(H)は、小当り終了画面を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞口13について第1特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドA402(H)は、第2始動入賞口14について第2特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が低確低ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(低確低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確高ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高確高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高確低ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高確低ベース状態指定コマンド)である。
このような演出制御コマンドにより、遊技状態が、低確低ベース状態、高確高ベース状態、高確低ベース状態のうちのどの状態となっているかを演出制御用マイクロコンピュータ100に知らせることができる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技状態が、低確低ベース状態、高確高ベース状態、高確低ベース状態のうちのどの状態になっているかを認識することができるので、それぞれの状態に応じた画像表示等の各種演出を行なうことが可能となる。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(表示結果先読みコマンド)である。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、どのような変動パターンとなるかを示す演出制御コマンド(変動パターン先読みコマンド)である。これらの表示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンドは、始動入賞が発生した際に送信されるコマンドである。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞発生時にランダムR〜ランダム3の乱数を抽出して保留記憶情報として格納するが、その際に併せてそれらの乱数を判定することによって、その保留情報に基づく変動の変動パターンや当り外れの結果を判定する。これを“先読み”と称する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、その先読み結果に基づいた示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンドを演出制御基板80へ送信する。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図7に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560側において、第1保留記憶手段としての第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶手段としての第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)等のデータが記憶される。
このような第1保留記憶バッファにおいては、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データが記憶される。第2保留記憶バッファにおいては、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データに対応する判定結果保留記憶データが記憶される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。そして、保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
ここで、「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示(以下、“ターゲットの変動表示”、“ターゲットの変動”とも称する)が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、先読み予告演出として、予告対象となる変動表示に対する始動入賞(保留記憶)が発生した後に開始される変動表示から演出を開始し、その予告演出の対象となる始動入賞(保留記憶)に対応する変動表示が開始されるよりも前の複数回の変動表示に亘って連続して通常演出とは異なる特殊演出が実行される。
なお、先読み予告演出としては、予告対象となる変動表示(ターゲットの変動)に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるものの他に、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生した後に開始される変動表示から演出を開始するものが含まれてもよい。また、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、予告対象の変動表示が開始される以前に、先読み予告が実行される。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間ごとに起動されることになる。
図9は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
前述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。始動口スイッチ通過処理においては、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図10に示すような始動入賞時の各種判定処理が行なわれる。そして、パチンコ遊技機1の内部制御状態を示す特別図柄プロセスフラグに応じて、S300〜S310のうちいずれかの処理が行なわれる。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
小当り開放前処理(S308)は、小当りに応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。小当り開放中処理(S307)は、小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、小当り終了処理に移行する。小当り終了処理(S310)は、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
大当り終了処理においては、後述するように大当りの種別に応じて遊技状態が変更される。一方、本実施の形態において、小当り終了処理においては、遊技状態は変更されない。
なお、突然確変大当りと小当りとを区別し難くするため、小当り遊技状態中のラウンド表示、および、小当り遊技状態が終了したことの報知は、突然確変大当りの場合の大当り遊技状態中のラウンド表示、および、大当り遊技状態が終了したことの報知と、共通とされる、または、区別し難くされる。
図10は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。また、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。
次に、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時に予め先読み判定する入賞時演出処理を実行する(S215)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて表示結果先読みコマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S216)とともに、変動パターン先読みコマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S217)。さらに、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S218)とともに、第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S219)。
なお、S216,S226を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU65は、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず表示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンドの両方を演出制御用CPU101に対して送信する。
また、この実施の形態では、S216〜S219が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、表示結果先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S216で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
次に、CPU56は、入賞時判定処理を実行する(S225)。そして、CPU56は、入賞時判定処理の判定結果に基づいて表示結果先読みコマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S226)とともに、変動パターン先読みコマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S228)とともに、第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S229)。
なお、S226,S227を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU65は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず表示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンドの両方を演出制御用CPU101に対して送信する。
また、この実施の形態では、S226〜S229が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、表示結果先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、S213〜S219の処理とS223〜S229の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
図11は、S215およびS225において実行される入賞時判定処理を示すフローチャートである。図11を参照して、S215およびS225における入賞時判定処理を説明する。
入賞時判定処理では、CPU56は、まず、S214,S224で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S230)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、予め大当りや小当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターンを先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果や変動パターンを予測し、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなることを予告する先読み予告を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S230のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態、高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S231)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S214,S224で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S232)。なお、始動入賞時にS231で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS231で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後で確変状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS231で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS60参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S232のN)、CPU56は、S214,S224で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S233)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S215の入賞時判定処理を実行する場合)には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S225の入賞時判定処理を実行する場合)には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S233のN)、CPU56は、「ハズレ」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう(S234)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S233のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータを表示結果指定コマンドに設定する処理を行なう(S235)。
S230またはS232で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S214,S224で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S236)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S215の入賞時判定処理を実行する場合)には、図5(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞14への始動入賞があった場合(S225の入賞時判定処理を実行する場合)には、図5(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」または「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを表示結果果指定コマンドに設定する処理を行なう(S237)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータを表示結果指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータを表示結果指定コマンドに設定する処理を行なう。
次に、CPU56は、S214,S224で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、S234、S235、S237で設定された各表示結果に応じた変動パターンを判定する(S238)。
そして、CPU56は、決定結果に応じたEXTデータを変動パターン先読みコマンドに設定する処理を行なう(S239)。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別決定用乱数の値の範囲の判定を行なわないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、たとえば、演出制御用CPU101は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告を実行するようにしてもよい。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ(図7参照)に保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行なう一連の処理を実現するためのプログラムを指している。この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるS55〜S76の処理、S301の変動パターン設定処理、S302の表示結果指定コマンド送信処理、S303の特別図柄変動中処理およびS304の特別図柄停止処理が含まれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
このように、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。これにより、次のような効果を得ることができる。大当り遊技状態の終了後の所定期間中においては、時短制御が行なわれることにより、可変入賞球装置15において、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなる。したがって、大当り遊技状態の終了後の所定期間中には、それ以外のときに比べて、第2保留記憶のデータが発生しやすくなる。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファの両方に保留記憶データが記憶されている場合は、第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して実行されるので、大当り遊技状態の終了後の時短状態において発生しやすい保留記憶データを効率的に処理することができるから、第2保留記憶数の上限値による制限により第2保留記憶として記憶できず無効となる始動入賞(始動条件)の発生を低減することができる。これにより、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行効率を向上させることができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、第1保留記憶数指定コマンドを受信したときに第1保留記憶数指定コマンドが指定する第1保留記憶数を記憶する第1保留記憶数記憶領域と、第2保留記憶数指定コマンドを受信したときに、第2保留記憶数指定コマンドが指定する第2保留記憶数を記憶する第2保留記憶数記憶領域とが設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ100では、第1保留記憶数指定コマンドを受信するごとに第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数のデータを更新することで、最新の第1保留記憶数を認識し、第2保留記憶数指定コマンドを受信するごとに第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数のデータを更新することで、最新の第2保留記憶数を認識する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合は、遊技状態が通常状態の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当り、または、突確大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件といずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図5(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。なお、小当りとするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を小当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(D)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(E)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(D)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(E)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。また、この場合に、図5(E)に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、確変大当りが選択される割合が高い。
図5(E)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。大当り種別が「突確大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのどちらもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「突確大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、予め特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数に基づいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果に基づいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。図13は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
演出制御基板80では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU101が起動して、図13のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図13に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、所定の初期化処理を実行して(S701)、RAM103のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行なう。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行なう(S702)。タイマ割込みフラグは、たとえばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(たとえば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(S702のN)、S702の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU101は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/Oに含まれる入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取込む。このとき取込まれた演出制御コマンドは、たとえば演出制御基板80に搭載されたRAM103における演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
S702でタイマ割込みフラグがオンである場合には(S702のY)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S703)、コマンド解析処理を実行する(S704)。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、たとえば演出制御基板80に搭載されたRAM103における演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。たとえば、始動入賞時受信コマンドバッファ(始動入賞時コマンド格納領域)を構成するデータが、演出制御バッファ設定部の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファは、第1保留記憶情報に対応するデータを記憶する第1保留記憶用バッファと、第2保留記憶情報に対応するデータを記憶する第2保留記憶用バッファとを含む。第1保留記憶用バッファおよび第2保留記憶用バッファの各々は、保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。
第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド、表示結果先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド、第1保留記憶数指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンド等のコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。
演出制御用CPU101は、始動入賞時に送信されるコマンドを受信したときに、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとのいずれであるかに基づいて、第1保留記憶情報に関するデータであるか、第2保留記憶情報に関するデータであるかを判断することにより、第1保留記憶用バッファと第2保留記憶用バッファとに振分け、始動入賞時に受信した順番で表示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域に格納していく。これにより、第1保留記憶情報に関しては、コマンド受信が正常に行なわれれば、第1保留記憶用バッファのバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域にコマンドが格納されていく。また、第2保留記憶情報に関しては、コマンド受信が正常に行なわれれば、第2保留記憶用バッファのバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域にコマンドが格納されていく。
第1保留記憶用バッファおよび第2保留記憶用バッファのそれぞれに格納されているコマンドは、第1特別図柄または第2特別図柄に対応して演出図柄の変動表示を開始する毎に、第1保留記憶用バッファおよび第2保留記憶用バッファのうち、変動表示を行なう特別図柄に対応するバッファにおいて、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。
S704でコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S705)。S705の演出制御プロセス処理では、たとえば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ27からの音声出力動作、および枠LED28というような装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作というような、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行なわれる。
S705の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(S706)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM103に設けられた演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出制御用CPU101では、演出用乱数として、演出図柄の表示結果を決定するために用いるSR1−1(左演出図柄決定用),SR1−2(中演出図柄決定用),SR1−3(右演出図柄決定用)が用いられる。さらに、演出制御用CPU101では、演出用乱数として、先読み予告を実行するか否かの判定および先読み予告を実行するときの演出態様(ステージ(演出場面))の選択を行なう先読み予告判定用乱数SR2等の各種の演出用乱数が用いられる。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用CPU101では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、枠LED28等の各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行ない、前述したような演出図柄の表示結果決定用の演出用乱数(SR1−1,SR1−2,SR1−3)を用いて決定される。
たとえば、「通常大当り」、および、「確変大当り」のような大当りとなるときには、大当り種別に対応して予め定められた大当り表示結果(ゾロ目の表示結果)が決定される。また、「突確大当り」または「小当りと」なるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目が表示結果として決定される。また、はずれとなるときには、ぞろ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果を決定する。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
図14は、特殊ステージ中の各期間における演出を示す説明図である。本実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100により、先読み予告演出として選択されること、または変動ごとに実行される抽選に当選することを契機として、演出場面(以下、ステージとも称する)を切替える(移行する)演出が行なわれる。ステージを表示する演出は、ステージ演出と呼ばれる。本実施の形態では、ステージ演出として、通常ステージ(通常演出)と、特殊ステージ(特殊演出)とが設けられている。通常ステージは、先読み予告が行なわれていない場合、または変動ごとの抽選に当選していない場合のステージである。特殊ステージ(特殊演出)は、先読み予告演出として選択される場合、または変動ごとの抽選に当選したことで選択される場合のステージである。
本実施の形態では、ステージ演出の一例として、背景画像を用いたステージ演出を行なう例を示す。演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告が行なわれていない場合、または変動ごとの抽選に当選していない場合の通常の演出状態において第1の背景画像を選択して表示する通常ステージ状態に制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出として選択されること、または変動ごとの抽選に当選したことで選択される特殊な演出状態において第2の背景画像を選択して表示する特殊ステージ状態に制御する。
なお、特殊ステージとしては1つの特殊ステージが選ばれる場合に限らず、たとえば、第1特殊ステージおよび第2特殊ステージというような複数の特殊ステージが設けられており、そのステージ中から決められた選択割合でいずれかの特殊ステージが選ばれるようにしてもよい。また、ステージとしては、前述したように背景画像のみが異なるステージとして設定された通常ステージと特殊ステージとから選択するようにしてもよく、背景画像が異なることに加えて、または、背景画像が異ならず、表示されるキャラクタの種類が異なるステージ、表示される演出図柄の種類が異なるステージ、表示されるキャラクタの形状および色等の表示態様が異なるステージ、表示される演出図柄の形状および色等の表示態様が異なるステージ等、演出態様で区別可能な演出状態であればどのような演出状態を用いてもよい。
また、特殊ステージは、特殊ステージとする期間中において、先読み予告の対象とした保留記憶情報についての遊技者にとって有利な度合いに応じて、演出が所定段階で変化するようにしてもよい。たとえば、特殊ステージの実行期間中において、所定回数(1回または複数回)の演出図柄の変動表示が実行されるごとに、特殊ステージの種類が、特殊ステージA→特殊ステージB→特殊ステージCというように複数段階で段階的に変化可能とし、先読み予告の対象とした保留記憶情報が遊技者にとって有利な度合いが高い程、特殊ステージがAからCまで段階的に移行しやすいように制御してもよい。
図14に示す通常ステージから特殊ステージへと演出態様が変化する所定条件としては、先読み予告演出として選択されること、または変動ごとの抽選に当選したことがある。また、特殊ステージは変動回数nにより3つの期間に分類することができる。ここで、変動回数は、1回変動表示が行なわれると1回転したと呼ばれる。具体的には、変動回数nが1〜4回転の期間を第1期間、変動回数nが5〜30回転の期間を第2期間、変動回数nが31回転以上の期間を第3期間と称する。なお、所定条件は突確大当りや小当りが発生することで成立するものであってもよい。その場合、前述した潜伏演出として特殊ステージへ移行させることになる。
特殊ステージにおいては、特殊ステージから通常ステージへ移行する演出である解除演出が行なわれる場合がある。解除演出は、所定の抽選に当選したときに行なわれる。第1期間では、後述するように解除演出が実行されない。また、第2期間では、解除演出が3回実行されるまでは、解除演出が1/3の決定割合で抽選され、解除演出が3回実行された後は、遊技者が特殊ステージを終了しなければ(解除しなければ)解除演出が1/10の決定割合で抽選される。さらに、第3期間では、解除演出は実行されず、特殊ステージの強制終了が1/10の決定割合で抽選される。なお、解除演出は、特殊ステージから通常ステージへ移行するか否かを選択する演出であるため、解除演出を選択演出と称してもよい。
図15は、演出表示装置9における特殊ステージの表示例を示す表示画面図である。先読み予告を実行すると決定したときに特殊ステージに移行するか否かの判定を行ない、判定結果により特殊ステージで先読み予告が行なわれる場合がある。図15を参照して、たとえば、特殊ステージへの移行条件として、先読み予告演出を実行することが決定されていないときには、(A)に示すような通常ステージに対応する背景画像(たとえば、山の風景画像)が表示される。そして、先読み予告を実行することが決定されたときは、通常ステージから特殊ステージに移行する制御が行なわれ、(B)に示すような特殊ステージに対応する背景画像(たとえば、海の風景画像)が表示される。
特殊ステージ状態に移行したときには、(C)に示すように特殊ステージに対する背景画像上で矢印で示すような態様により演出図柄の変動表示が実行され、最低4回の変動表示(4変動表示)が実行されるまでは、通常ステージへの移行を禁止する移行禁止期間(第1期間)とし、通常ステージに移行することが禁止される解除禁止制御が行なわれる。
そして、特殊ステージ状態に移行してから4回の変動表示が実行された後には、通常ステージへの移行禁止期間が終了して、プッシュボタン120の操作に応じて特殊ステージから通常ステージに戻ることで特殊ステージを解除する解除演出が行なわれる。解除演出としては、プッシュボタン120の操作が受付可能な状態となり、(D)に示すような「ボタン押すと通常ステージに戻る」というような、プッシュボタン120の操作に応じて特殊ステージから通常ステージに戻ること、すなわち、先読み予告演出の解除操作が可能となったことを示すメッセージ画像90が表示されることによる解除操作報知が行なわれる。
そして、このように特殊ステージが解除可能となったときに、プッシュボタン120が押圧操作されると、その操作に応じて、(E)に示すように、ステージが特殊ステージから通常ステージに移行する制御が行なわれる。
このように、特殊ステージが、遊技者の操作に応じて解除可能となるので、複数回の変動表示に亘り継続する特殊ステージを遊技者の意思に基づいて、継続させるか否かを選択する制御を行なうことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図15では、特殊ステージへの移行条件として、先読み予告演出を実行することが決定されたときを示したが、変動ごとに行なわれる予定の抽選で特殊ステージへ移行した場合にも同様の表示画面となる。
図16は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。
図16に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の有無や演出態様を決定して実行する先読み予告判定処理(S811)を実行する。先読み予告判定処理の具体的な処理内容については、後述する。
演出制御プロセス処理において、先読み予告判定処理を実行した後には、たとえばRAM103の演出制御フラグ設定部等に設けられた演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドを受信したときにコマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を停止図柄決定用の乱数値に基づいて決定する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、大当り表示結果となるときには、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に対応した値に更新し、はずれ表示結果となるときには、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンド受信待ち処理において変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄変動開始処理により演出図柄の変動表示を開始させ、演出図柄変動中処理において図柄確定指定コマンドを受信したとき、または変動時間タイマがタイムアウトしたときに、演出図柄変動停止処理により演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、演出図柄変動開始処理において、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるか、小当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
演出制御用CPU101は、たとえば、次のように演出図柄の停止図柄を決定する。たとえば、演出図柄変動開始処理において、演出図柄の停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的には、通常大当りおよび確変大当りとなるときには、左,中,右の演出図柄が揃ったぞろ目の大当り図柄の組合せを演出図柄の大当り表示結果として決定する。大当り図柄の組合せは、通常大当りとなるときには、たとえば、「4」等の偶数のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。また、確変大当りとなるときには、たとえば、「7」等の奇数のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。
このように、偶数のぞろ目と、奇数のぞろ目との表示結果で通常大当りと、確変大当りとを区別することにより、確変大当りであるかどうかを区別しやすいようにすることができる。また、通常大当りとなるときには奇数図柄の組合せを大当り表示結果として選択決定し、確変大当りとなるときには偶数図柄の組合せを大当り表示結果として決定してもよい。
また、突確大当りとなるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目を、大当り図柄の組合せとして決定する。なお、突確大当りとなるときに表示するチャンス目は、複数種類のチャンス目のうちから選択決定するようにしてもよい。また、小当りとなるときには、突確大当りとなるときと同様にチャンス目を、小当り図柄の組合せとして決定する。
一方、はずれとなるときには、ぞろ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果を決定する。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、演出図柄変動中処理において、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、演出図柄変動中処理において、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、コマンド解析処理により、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる遊技状態指定コマンドとしての低確率/低ベース状態指定コマンド、高確率/高ベース状態指定コマンド、高確率/低ベース状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理により、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、演出制御プロセス処理において、前述した潜伏演出制御を次のように行なう。突確大当りの終了を示す大当り終了3指定コマンドを受信したときと、小当りの終了を示す小当り指定コマンドを受信したときには、演出制御プロセス処理において、大当り遊技状態の終了時および小当り遊技状態の終了時のそれぞれにおいて、次に大当りが終了するまでの間に亘り潜伏演出フラグをセットする。そして、潜伏演出フラグがセットされている間において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変状態であるか否かを報知せず、共通の背景画像を表示する等、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい潜伏演出を行なう。なお、このような潜伏演出は、所定回数(たとえば、100回等)の変動表示(特別図柄および演出図柄の変動表示)が実行されるまでの期間継続させる例の他に、次回の大当りが発生するまでの期間継続させる、ようにしてもよい。また、潜伏演出の背景画像は特殊ステージの背景画像と異ならせるようにすることが望ましい。潜伏演出と特殊ステージの背景を異ならせることで、遊技者は現在の遊技状態がどのような状態であるかを判断することが可能となる。
図17は、先読み予告演出について、実行の有無、および、実行するときの予告表示態様を決定する判定(以下、先読み予告判定という)をするために用いられるデータテーブルである先読み予告判定テーブルを表形式で示す図である。
先読み予告判定テーブルは、先読み予告決定用の乱数SR2(0〜99の100個の値を取り得る)の抽出値と、予告の有無および予告をするときの表示態様(予告なし(通常ステージからの移行なし)、特殊ステージ(先読み予告あり))のそれぞれとの関係が設定されたデータテーブルであり、演出制御基板80に搭載されたROM102に記憶されている。
図17に示される先読み予告判定テーブルにおいては、新たな保留記憶情報、すなわち、今回の予告対象となる保留記憶情報についての大当りの判定結果(入賞時判定処理での判定結果)別に、予告なし(通常ステージからの移行なし)、特殊ステージ(先読み予告あり)のそれぞれを選択する乱数SR2の値が割振られている。たとえば、本実施の形態では、判定結果が、通常大当り、確変大当り、はずれとに分けられ、それぞれについて、予告演出の態様を選択する先読み予告判定用乱数SR2の値が割振られている。なお、突確大当り、小当りについては、先読み予告を実行せずに潜伏制御を行ない、潜伏制御のための演出が行なわれる。そして、突確大当り、小当りの場合には、潜伏制御用のステージが実行される。しかし、突確大当り、小当りについても先読み予告を行ない特殊ステージへ移行するように設定してもよい。
また、図17においては、先読み予告判定用乱数SR2による選択割合を明確化するために、予告なし、および特殊ステージのそれぞれを選択する乱数SR2が、設定された個数(たとえば、20,50・・・)で示されている。たとえば、通常大当りについては、予告なしを選択する乱数SR2として50個の値が設定され、特殊ステージを選択する乱数SR2として50個の値が設定されている。また、確変大当りについては、予告なしを選択する乱数SR2として20個の値が設定され、特殊ステージを選択する乱数SR2として80個の値が設定されている。また、はずれについては、予告なしを選択する乱数SR2として95個の値が設定され、特殊ステージを選択する乱数SR2として5個の値が設定されている。
このように判定結果を分けた場合において、遊技者にとっての有利度の大小関係は、賞球が得られるかどうか、および、確変状態となるかどうかに基づけば、確変大当り>通常大当り>はずれという関係になる。
このような先読み予告判定テーブルを用いることにより、先読み予告について、予告なし、および特殊ステージ(先読み予告あり)のいずれかが選択されるので、先読み予告を実行するか否かの判定を行なうことができる。なお、先読み予告判定テーブルとしては、先読み予告を実行するか否かを判定する第1の判定テーブルと、当該第1の判定テーブルにより先読み予告を実行することが決定されたときに先読み予告の予告表示態様を複数の中から選択決定する第2の判定テーブルとを設けてもよい。
以上のようなデータ設定により、新たな予告対象の保留記憶情報が遊技者にとって有利となる判定結果である程、先読み予告が実行される割合、すなわち、特殊ステージに移行する演出が行なわれる割合が高くなる。これにより、先読み予告としての特殊ステージへの移行を実行することに基づいて遊技者の興趣を向上させることができる。さらに、新たな予告対象の保留記憶情報が、遊技者にとって有利となる判定結果である程、先読み予告演出、すなわち、特殊ステージに移行する演出が実行される割合が高くなる。これにより、先読み予告、すなわち、特殊ステージへの移行を実行することに基づいて、遊技者の興趣をより一層向上させることができる。
図18は、演出制御プロセス処理における先読み予告判定処理(S811)を示すフローチャートである。先読み予告判定処理において、演出制御用CPU101は、まず、始動入賞時に送信されるコマンドのうちの少なくともいずれかを新たに受信したか否かを確認する(S851)。具体的には、演出制御用CPU101は、RAM103に形成されている入賞時判定結果指定コマンド格納領域に少なくとも図柄指定コマンド、変動パターン先読みコマンド、表示結果先読みコマンドまたは保留記憶数指定コマンドのうちのいずれかが新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。いずれのコマンドも新たに受信していなければ、そのまま処理を終了する。なお、各種の演出制御コマンドは、RAM103に形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に受信した順に格納されている。
始動入賞時に送信されるコマンドのうち少なくともいずれかを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、既に先読み予告演出(特殊ステージの演出)を実行中であることを示す先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S852)。なお、先読み予告実行中フラグは、後述するS856においてセットされる。先読み予告実行中フラグがセットされていれば、処理を終了する。
なお、S856の処理が実行されることによって、この実施の形態では、先読み予告演出を実行中でないことを条件に新たな先読み予告演出の判定処理が実行される。そして、先読み予告演出を開始した後には、既に先読み予告実行中フラグがセットされていることから、先読み予告演出の判定処理を再度実行することなく、既に決定した演出態様で先読み予告演出が実行される。
先読み予告実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、図17に示した先読み予告判定テーブルのデータを取得する(S853)。そして、演出制御用CPU101は、先読み予告判定用乱数SR2を抽出し、S853で取得した先読み予告判定テーブルを用いて、乱数SR2の抽出値と、予告対象となる保留記憶情報の判定結果(通常大当り、確変大当り、または、はずれ)とに基づいて、先読み予告の実行の有無を決定する(S854)。
そして、S854での決定結果に基づいて、先読み予告を実行する決定がされた否かを判定する(S855)。先読み予告を実行する決定がされたと判定されたときは、先読み予告演出の実行中であることを示す先読み予告実行中フラグをオン状態にセットし(S856)、特殊ステージ滞在カウンタのカウントを開始する(S857)。特殊ステージ滞在カウンタは、後述する演出図柄変動停止処理のS746においてカウントアップされ、現在特殊ステージが何変動回目であるか(現在特殊ステージで何回目の変動が行なわれたか)を計数する。なお、S857の処理において特殊ステージ滞在カウンタのカウントを開始せず、実際に特殊ステージに切り替わる変動から特殊ステージ滞在カウンタのカウントを開始するようにしてもよい。
図19は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域(表示結果指定コマンドを格納する領域(演出制御コマンド受信用バッファ))に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターン(リーチ状態とならない変動パターン)に対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
はずれとすることに決定されていない場合に(S601)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果指定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、通常大当り、確変大当り、突確大当り、小当りのうちから、当りの種別を判定する。
通常大当りにすることに決定されていないと判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、演出制御用CPU101は、突確大当り、または小当りにすることに決定されていると判定したときには、チャンス目図柄決定用テーブルを用いて、チャンス目図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」というような特定のはずれ図柄の組合せ)を選択決定する。チャンス目図柄決定用テーブルは、複数種類のチャンス目図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。チャンス目図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、チャンス目図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、チャンス目図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
次に、演出制御用CPU101は、変動表示ごとに実行する大当り予告等の予告演出の実行の有無の決定および実行するときの予告演出パターンを決定して予告演出を設定する予告演出設定処理を実行する(S616)。特殊ステージへの移行については、予告演出設定処理によって決定される。予告演出設定処理の処理内容については、図20を用いて後述する。
次に、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する(S617)。S617において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した予告演出パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
演出制御基板80に搭載されたROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
演出制御用CPU101は、S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図20および図21は、演出図柄変動開始処理における予告演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、先読み予告が実行中であるか否かを判断するために、先読み予告実行中フラグがセットされている否かを確認する(S901)。そして、S901で先読み予告実行中フラグがセットされていないとき(S901のN)は、特殊ステージ滞在フラグがセットされているか否かを確認する(S902)。なお、先読み予告実行中フラグとは、先読み予告が実行中であることを示すフラグ、特殊ステージ滞在フラグとは、特殊ステージに滞在していることを示すフラグである。そして、特殊ステージ滞在フラグがセットされていないとき(S902のN)は、特殊ステージ移行判定処理を行なう(S903)。特殊ステージ移行判定処理では、1/100の決定割合で特殊ステージへ移行するか否かを決定するための抽選が行なわれる。具体的には、演出制御用の乱数から特殊ステージへ移行する乱数値が抽出された場合に特殊ステージへ移行するかことが決定される。
次いで、演出制御用CPU101は、特殊ステージに移行する決定がされたか否かを確認する(S905)。特殊ステージに移行する決定されていれば(S905のY)、特殊ステージ滞在フラグをセットする(S906)。次いで、特殊ステージ滞在カウンタのカウントを開始する(S907)。そして、予告演出設定処理が終了する。また、特殊ステージに移行する決定されていなければ(S905のN)、特殊ステージの滞在フラグをセットすることなく予告演出設定処理が終了する。
演出制御用CPU101は、S901で先読み予告実行中フラグがセットされているとき(S901のY)は、特殊ステージに滞在中か否かを特殊ステージ滞在フラグがセットされているか否かによって確認する(S908)。特殊ステージ滞在中でないとき(S908のN)は、特殊ステージで各種演出を行なうことに決定(先読み予告を行なうことに決定)する(S909)。さらに、特殊ステージ滞在フラグをセットする(S910)。そして、S911の処理へ移行する。特殊ステージに滞在中の場合(S908のY)には、S909、S910の処理を実行せずにS911の処理へ移行する。
演出制御用CPU101は、S911において、今回の変動が先読み予告のターゲットの変動であるか否かを確認する。今回の変動がターゲットの変動である場合(S911のY)には、先読み予告実行中フラグをリセットする(S912)。そして、予告演出設定処理を終了する。今回の変動がターゲットの変動でない場合(S911のN)には、先読みフラグ実行中フラグをリセットせずに予告演出設定処理を終了する。
演出制御用CPU101は、S902において、特殊ステージ滞在フラグがセットされているとき(S902のY)は、特殊ステージ滞在カウンタのカウント値が1〜4であるか否かを確認する(S913)。特殊ステージ滞在カウンタのカウント値が1〜4であるとき(S913のY)は、特殊ステージで各種演出を行なうことに決定する(S914)。S913のYのとき、つまり、特殊ステージ滞在カウンタのカウント値が1〜4であるときは、特殊ステージが継続し、後述する解除演出が実行されることはない。よって、特殊ステージが終了するようなことがない。
S913において、特殊ステージ滞在カウンタのカウント値が1〜4でない場合には、演出制御用CPU101は、図21のS915に示すように特殊ステージの滞在カウンタのカウント値が5〜30であるか否かを確認する(S915)。
演出制御用CPU101は、特殊ステージの滞在カウンタのカウント値が5〜30の範囲内であれば(S915のY)、後述する解除演出許容カウンタのカウント値が3以下であるか否かを確認する(S916)。解除演出許容カウンタのカウント値が3以下であるとき(S916のY)は、解除演出実行判定処理を行なう(S917)。解除演出実行判定処理では、特殊ステージを解除して通常ステージへ移行する解除演出を報知するかの所定の抽選を実行する。この所定の抽選は、1/3の割合で解除演出を報知する決定がされるように行なわれる。具体的には、演出制御用の乱数から解除演出を実行する乱数値が抽出された場合に解除演出が実行されることが決定される。また、解除演出許容カウンタのカウント値が3以下でない場合、つまり4以上の場合(S916のN)には、S917と同様に解除演出実行判定処理を行なう(S918)。ただし、S918の解除演出実行判定処理の場合には、1/10の割合で解除演出を報知する決定がされるように行なわれる。具体的には、演出制御用の乱数から解除演出を実行する乱数値が抽出された場合に解除演出が実行されることが決定される。
次いで、演出制御用CPU101は、S919の処理において、解除演出の実行が決定されたか否かを確認する(S919)。S917、S918の処理において、解除演出の実行が決定されている場合(S919のY)に、演出制御用CPU101は、解除操作報知フラグをセットする(S920)。また、解除演出を当該変動中に行なうことに決定する(S921)。さらに、解除演出許容カウンタの値を+1カウントアップする(S922)そして、予告演出設定処理を終了する。S919において、解除演出の実行が決定されていない場合には、S920〜S922の処理を実行せずに予告演出設定処理を終了する。このように、特殊ステージ滞在カウンタが5〜30のときは、特殊ステージを解除して通常ステージへ移行する解除演出を所定の割合で実行することを決定する処理が行なわれる。そして、解除演出が実行されることが決定された場合には、当該変動中に解除演出が報知されるように決定される。
演出制御用CPU101は、S915において、特殊ステージの滞在カウンタのカウント値が5〜30の範囲内でない場合(S915のN)、つまり特殊ステージの滞在カウンタのカウント値が31以上の場合には、特殊ステージ強制終了判定処理を実行する(S923)。特殊ステージ強制終了判定処理は、特殊ステージを強制的に終了するか否かを決定する処理である。S923では、1/10の決定割合で特殊ステージを強制終了させる決定がされる。具体的には、演出制御用の乱数から特殊ステージを強制終了する乱数値が抽出された場合に特殊ステージが強制終了することが決定される。なお、乱数値の抽選ではなく、規定回数(たとえば、50回)に達した場合に特殊ステージを強制終了するようにしてもよい。また、乱数値の抽選に加えて、規定回数(たとえば、50回)に達した場合に特殊ステージを強制終了するようにしてもよい。このような場合には、抽選に当選するか、規定回に到達するかのいずれか早い方が行なわれた場合に、特殊ステージが強制終了される。
次いで、演出制御用CPU101は、特殊ステージを強制終了することが決定しているか否かを確認する(S924)。特殊ステージを強制終了することが決定している場合(S924のY)には、通常ステージで各種演出を行なうことに決定する(S925)。そして、特殊ステージ滞在フラグをリセット(特殊ステージ滞在カウンタのカウント値を0に)する(S926)。さらに、特殊ステージ滞在カウンタをリセットする(S927)。その後、予告演出設定処理を終了する。なお、S924の処理で特殊ステージを強制終了することが決定されていなければ(S924のN)、S925〜S927の処理を実行せずに予告演出設定処理を終了する。このように、特殊ステージ滞在カウンタが31以上のときは、特殊ステージを強制終了するか否かの判定が行なわれ、強制終了すると判定された場合に、特殊ステージを終了する。
図22は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。
演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S821)、変動表示時間タイマの値を1減算する(S822)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S823)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S823のN)は、S826に進む。S823においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S823のY)、プロセスデータの切替えを行なう(S824)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S824)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S825)。
ここで、操作演出について説明する。操作演出とは、プッシュボタン120等の操作手段を操作することが演出態様に関与する演出である。本実施の形態では、操作演出の種類として、通常操作演出と解除演出とがある。通常操作演出は、通常操作演出処理で実行され、解除演出は解除演出処理で実行される。S826では、通常操作演出処理が行なわれる。通常操作演出処理では、セリフ予告等のプッシュボタン120の操作等の操作手段の操作が演出態様に関与する演出が行なわれる。なお、後述のステージ演出に関連する解除演出もプッシュボタン120が演出に関与するので、解除演出以外の操作演出が行なわれる演出を通常操作演出と称する。
通常操作演出が行なわれる通常操作演出処理では、演出図柄変動開始処理におけるS617の演出制御パターン決定処理において通常操作演出処理の演出パターンの実行が決定された場合、たとえば、プッシュボタン120等の操作が演出に関与するセリフ予告等の操作演出が実行される。具体的には、プッシュボタン120が押下げ操作されたことに応じて、所定の演出を実行する。通常操作演出処理においては、まず、プロセスデータとして、たとえば、セリフ予告のようなプッシュボタン120の操作に応じた演出を行なうプロセスデータが設定されているか否かを判断する。このようなプロセスデータが設定されていないときには次のステップに進む。一方、このようなプロセスデータが設定されているときは、操作を受付ける画像を表示した後、所定の操作有効期間に亘り操作(プッシュセンサ124からの操作検出信号の入力)を待ち、所定の操作有効期間内に操作されたときは、操作されたときに表示する画像として予め定められた操作時画像を表示し、所定の操作有効期間内に操作されないときは、操作されないときに表示する画像として予め定められた非操作時画像を表示する。これにより、プッシュボタン120の操作が演出態様に関与する演出を実行することができる。なお、操作有効期間内に操作されないときは、非操作時画像を表示せず、操作時画像が消えて行くだけのものでもよい。
より具体的には、左,中,右の全図柄変動が開始されてから演出図柄の変動表示状態がリーチ表示状態となるより前に、所定のキャラクタ画像やメッセージ画像等を表示することといった、演出図柄の変動表示態様以外の表示態様により、演出図柄の変動表示状態がリーチ表示状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行される。この実施の形態では、通常操作演出処理として「セリフ予告」が実行される。
「セリフ予告」では、全図柄の変動が開始されてから、2つ以上の演出図柄表示部(たとえば「左」および「右」の演出図柄表示部)で演出図柄が導出表示されるより前に、ボタン操作に関する所定の演出動作が行なわれる。ボタン操作に関する演出は、たとえば画像表示装置9の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させること等により、遊技者によるプッシュボタン120の操作を促す演出動作であればよい。遊技者によるプッシュボタン120の操作を促す演出動作としては、画像表示装置9に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ27から所定の音声を出力させるもの、装飾用LEDを所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、あるいは、これらのいずれかを組み合わせたものであってもよい。こうしたボタン操作に関する演出が行なわれるときには、遊技者によるプッシュボタン120の操作を有効に検出する操作有効期間が設定される。そして、操作有効期間内に遊技者によるプッシュボタン120の操作が検出されると、その操作が検出されたタイミングで、ボタン操作に関する演出の実行を停止するとともに、予め用意された複数種類のセリフのうち、いずれかのセリフを示すメッセージ画像を画像表示装置9に表示させる等の演出動作が実行される。
通常操作演出処理が実行された後は、解除演出処理が実行される(S827)。解除演出処理については、図23において詳細に説明する。
次に、演出制御用CPU101は、変動表示時間タイマの値に基づいて、変動表示時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S828)。変動表示時間タイマがタイムアウトしていれば(S828のY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S304)に応じた値に更新する(S830)。一方、変動表示時間タイマがタイムアウトしていないときは(S828のN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S829)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S829のN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S829のY)、S830に移行する。このように、変動表示時間タイマがタイムアウトしていなくても(S828のN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図23は、図22のS827における解除演出処理を示すフローチャートである。解除演出処理において、演出制御用CPU101は、解除操作報知フラグがセットされているか否かを確認する(S870)。解除操作報知フラグがセットされていなければ(S870のN)、解除演出処理を終了する。解除操作報知フラグがセットされていれば、解除操作の操作有効期間中であるか否かを確認する(S871)。解除操作の操作有効期間中でなければ(S871のN)、処理を終了する。なお、解除操作の操作有効期間は、図21のS921で示すように当該変動中の期間を示す。具体的には、図示しない変動の開始から終了までの有効期間を確認するステップにより操作の有効期間が計時されている。なお、操作の有効期間は、変動中に限らず変動途中から所定期間とするなど、適宜変更してもよい。
解除操作の有効期間中であれば(S871のY)、演出制御用CPU101は、解除操作検出があるか否かを判定する(S872)。なお、解除操作検出があるとは、プッシュボタン120が遊技者によって長押し(所定期間(たとえば、3秒)押圧)されたことをプッシュセンサ124によって検出し、演出制御用CPU101へプッシュセンサ124からの操作検出信号の入力があったことを示している。
ここで、解除操作検出ではプッシュボタン120が長押し操作されたことを条件として、操作の検出が確認される。これは、上述した通常操作演出処理でも同様にプッシュボタン120を用いた操作が行なわれるが、通常操作演出処理では、たとえば、瞬間的な操作(たとえば、1秒押圧時)でも有効な操作と判定されるので、プッシュボタン120の操作時間の違いに基づいて遊技者にいずれの操作を行なうかの意思を明確に示すためである。このように、通常操作演出処理では、プッシュボタン120の瞬間的な押し下げ動作があったことに基づいて演出が実行され、解除演出では、プッシュボタン120が長押しされる動作があったことに基づいて演出が実行される。このような構成により、解除演出と通常操作演出とが同時に実行されても、どちらの演出を実行するのかという遊技者の意思を好適に遊技に反映することができる。
演出制御用CPU101は、S872の処理において解除操作検出がなければ(S872のN)、解除操作演出の処理を終了する。解除操作検出があれば(S872のY)、特殊ステージから通常ステージへと表示態様を変更する(S873)。また、演出制御用CPU101は、解除演出許容カウンタをリセットし(S874)、特殊ステージ滞在フラグをリセットし(S875)、特殊ステージ滞在カウンタをリセットする(S876)。
図24は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件、または、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときに、この演出図柄変動停止処理が実行される。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。また、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。
演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、解除操作報知フラグがセットされているか否かを確認する(S729)。解除操作報知フラグがセットされていれば(S729のY)、解除操作報知フラグをリセットし(S730)、S731の処理へ移行する。解除操作報知フラグがセットされていなければ、S730の処理を実行せずにS731の処理へ移行する。そして、S731では、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときに演出制御プロセス処理に進んだ場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間で変動表示の終了タイミングについての認識がずれないようにするために、図柄確定指定コマンドを受信したことという条件が成立したときにS731の処理を実行するのが望ましい。停止図柄表示フラグがセットされていれば、732に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄の組合せまたは小当り図柄の組合せを表示した場合には、後述するS737で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S738に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、決定されている停止図柄を停止表示させる制御を行なう(S732)。そして、停止図柄として、大当りまたは、小当りに対応する図柄の組合せを表示したか否かを確認する(S733)。大当りまたは小当りとならないときには、演出制御用CPU101は、S744に進む。
大当りまたは小当りとなるとき(S733のY)には、演出制御用CPU101は、当りの種類が通常大当りまたは確変大当りであるか否かを確認する(S734)。そして、通常大当りまたは確変大当りのとき(S734のY)には、特殊ステージ滞在フラグがセットされていれば、特殊ステージ滞在フラグをリセットする(S735)。さらに、特殊ステージ滞在カウンタをリセットする(S736)。次いで、停止図柄表示フラグをセットする(S737)。S734において、当りの種類が通常大当りまたは確変大当りでないとき(S734のN)には、S735、S736の処理を実行せずにS737の処理へ移行する。これにより、通常大当りまたは確変大当りとなる表示結果を導出表示するときに、特殊ステージであれば、特殊ステージが終了する。
次いで、演出制御用CPU101は、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ〜大当り開始3指定コマンド受信フラグのいずれか)または小当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S738)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、セットされている停止図柄表示フラグをリセットする(S739)。そして、S740の処理では、演出制御用CPU101は、当り種別に対応するファンファーレ演出等のプロセステーブルを選択する。次いで、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S741)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27等)の制御を実行する(S742)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S807)に応じた値に更新する(S743)。
S738の処理において、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(S738のN)には、S739〜S743の処理を実行せずに演出図柄変動停止処理を終了する。
また、演出制御用CPU101は、S733の処理において大当りまたは小当りとならないときには、先読み予告が実行中であるか否かを判断するために、先読み予告実行中フラグがセットされている否かを確認する(S744)。先読み予告実行中フラグがセットされていなければ(S744のN)、特殊ステージ滞在フラグがセットされているか否かを確認する(S746のY)。特殊ステージ滞在フラグがセットされていれば(S745のY)、特殊ステージ滞在カウンタを+1する(S746)。また、S744の処理において、先読み予告実行中フラグがセットされているとき(S744のY)についても、S746の処理において特殊ステージ滞在カウンタを+1する。このように、特殊ステージ滞在カウンタは、特殊ステージに制御されているときに、はずれとなる変動表示が実行されるごとにカウントアップされる。
S746の後に、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S747)、処理を終了する。S745の処理において、特殊ステージ滞在フラグがセットされていない場合(S745のN)にも、S747の処理へ移行し、その後、演出図柄変動停止処理を終了する。
なお、図20のS901、S908〜S912に示すように、先読み予告演出が特殊ステージの演出として実行されるときにおいては、ターゲットの変動まで特殊ステージが終了することはないので、先読み予告演出が途中で終了する不都合が生じないため、このような不都合に起因して生じ得る遊技の興趣低下を防止することができる。
また、図20のS913、S914に示すように、特殊ステージ滞在カウンタが1〜4の場合にも演出制御用CPU101は、特殊ステージの終了を制限する。よって、通常ステージから特殊ステージへ演出態様が変化した後、1〜4回の変動表示については、特殊ステージの終了が制限されるので、特殊ステージが短期間で終了してしまい特殊ステージの興趣が低下してしまうことを防止することができる。ここで、先読み予告演出の場合にも同様に特殊ステージへ移行するので、1〜4回の変動表示については、先読み予告として特殊ステージへ移行したのか、変動ごとの抽選に当選して特殊ステージへ移行したのか、遊技者には見た目上見分けが付かない。よって、遊技者に先読み予告として特殊ステージへ移行しているかもと思わせることができ、遊技の興趣が向上する。
また、S734で通常大当りまたは確変大当りと判定された後は、S735において特殊ステージ滞在フラグがリセットされるとともにS736において特殊ステージ滞在カウンタがリセットされるので、大当り終了後は通常ステージへ移行することになる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、解除演出が実行される場合に、プッシュボタン120の操作を促す操作促進演出が表示される例を説明する。図25は、第2実施形態によるボタン操作についての説明図である。
演出制御用CPU101では、解除演出を行うとき、及び通常操作演出を行うときに、プッシュボタン120による操作を示唆するボタン操作示唆表示を演出表示装置9に表示する。具体的には、図25に示すように、ボタン操作示唆表示201として、「PUSH!」などの文字列とともにプッシュボタン120の形状を模した絵柄を含む表示が表示される。また、ボタン操作示唆表示201の表示期間を示すメータ202が、ボタン操作示唆表示201の下方に表示される。なお、本実施の形態におけるボタン操作示唆表示の表示期間とは、ボタン操作示唆表示201が演出表示装置9に表示されてから、プッシュボタン120が操作されずにボタン操作示唆表示201が演出表示装置9に表示されなくなるまでの期間をいう。メータ202の表示態様は、ボタン操作示唆表示201の残り表示時間に応じて変化する。図25に示すようにボタン操作示唆表示201が表示された当初はメータ202がフルの状態を示しており、残り表示時間の減少に伴いメータ202が空に近づき、残り表示時間が0になるとメータ202が空になった後、ボタン操作示唆表示201及びメータ202が演出表示装置9に表示されなくなる。これにより遊技者はプッシュボタン120の操作が有効となる残り時間を大まかに把握することができる。
本実施の形態では、ボタン操作示唆表示201の表示期間が、実際のボタン予告演出の操作の有効期間や、実際の役物作動演出の操作の有効期間よりも前(特定期間前)に終了するように設定している。即ち、図25に示すように実際のプッシュボタン120の操作有効期間の終了よりも前に、ボタン操作示唆表示201の表示期間が終了する。通常、遊技者はボタン操作示唆表示201の表示期間がプッシュボタン120の操作の有効期間であると認識し、メータ202(有効時間メータ、促進演出)が空になる以前にプッシュボタン120を操作しようと試みる。しかしながら、遊技者がメータ202が空になる直前にプッシュボタン120を操作したと認識した場合であっても、実際にプッシュボタン120が操作されたのはメータ202が空になった後、即ちボタン操作示唆表示201の表示期間が過ぎた後である場合がある。このようなケースで、仮にボタン操作示唆表示201の表示期間の終了時と、プッシュボタン120の操作有効期間の終了時が合致しているとすると、遊技者は、「操作有効期間内にプッシュボタン120を操作したにもかかわらず、演出が実行されない」と誤解して、遊技の興趣が減退するという問題がある。本実施の形態のように、操作有効期間よりも前にボタン操作示唆表示を終了させることで、実際の操作有効期間内に遊技者がプッシュボタン120を操作する可能性が高まり、興趣の減退を防止することができる。
人が視覚野で視覚情報(演出表示装置9の表示内容)を認識してから手の神経に命令を伝達するまでには0.1秒程度を要する。従って、表示内容を視認したと同時にプッシュボタン120を操作したと遊技者が認識した場合でも、実際には0.1秒以上は遅延していることになる。この遅延は上記のような遊技者の誤解が生じる要因の1つである。また、実際にはボタン操作示唆表示201の表示期間が終了したにもかかわらず、遊技者が残像効果によって「ボタン操作示唆表示201が演出表示装置9に表示されている」と認識する可能性もある。これも上記のような遊技者の誤解が生じる要因の1つとなりうる。本実施形態では、ボタン操作示唆表示201の表示期間を、実際の操作有効期間が終了する0.2秒前に終了させるようにしている。従って、遊技者がメータ202の残り時間が0になる直前にプッシュボタン120を操作したと認識したときに、実際にはボタン操作示唆表示201が消えてからプッシュボタン120が操作されていた場合であっても、操作有効期間内には操作されていることになる。このようにすることで上記の誤解を防止することができる。一方で、仮にボタン操作示唆表示201の表示期間が終了してから0.5秒以上経過した時点でのプッシュボタン120の操作が有効になってしまうと、遊技者は明らかに操作が間に合っていないにもかかわらず、操作が有効になったと認識して違和感を感じてしまう。これらの要因を考慮して、ボタン操作示唆表示201の表示期間を、実際の操作有効期間が終了する0.1〜0.4秒前に終了させることが適しており、本実施形態では0.2秒前に終了させている。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図14および図21のS917、S918に示されるように、通常ステージから特殊ステージへ移行した場合には、5〜30回転の変動中において解除演出許容カウンタが3以下のときに1/3の決定割合で解除演出を実行することが決定され、解除演出許容カウンタが4以上ときに1/10の決定割合で解除演出を実行することが決定される。また、図23のS872、S873に示すように解除操作検出があった場合に、特殊ステージから通常ステージへと演出態様が変化する。このように、特殊ステージを実行しているときに特殊ステージの実行を終了するか否かを選択できる解除演出を遊技者が選択可能であるため、特殊ステージについての継続の可否の判断に遊技者の意思を反映させることができ、遊技の興趣が向上する。また、解除演出を3回実行するまでは、1/3の割合で解除演出を実行するとともに、解除演出を3回実行した後は、1/3よりも低い1/10の割合で解除演出を実行する。このように、解除演出の実行頻度が低下することで、特殊ステージに滞在することを望む遊技者が、解除演出が何度も出現することにより煩わしさを感じることを防止することができる。
(2) 図22のS826におけるセリフ予告等の通常操作演出処理と、図23のS872における特殊ステージを終了させる解除演出とでは、ともにプッシュボタン120を用いて遊技者の動作が検出される。しかし、通常操作演出ではプッシュボタン120の瞬間的な押下げ動作によって検出されるのに対し、解除演出ではプッシュボタン120の所定期間以上の長押し動作によって検出される。このように、遊技者の動作を区別して検出可能であるので、プッシュボタン120に対する動作として、遊技者の意思を好適に遊技に反映することができる。
(3) 図14および図20のS913、S914に示すように、通常ステージから特殊ステージへ演出態様が変化した後の1〜4回転の変動中は、特殊ステージで各種演出が行なわれることに決定される。つまり、特殊ステージの終了が制限される。このように通常ステージから特殊ステージに演出態様が変化した後、所定の期間は特殊ステージの終了が制限されるので、特殊ステージが短期間で終了してしまい特殊ステージの興趣が低下してしまうことを防止することができる。
(4) 図25に示すように、実際のプッシュボタン120の操作有効期間の終了よりも0.2秒前に、ボタン操作示唆表示201およびメータ202(有効時間メータ、促進演出)の表示期間が終了する。このような構成によると、遊技者は実際のプッシュボタン120の操作有効期間の終了するまでのタイミングで特殊ステージを終了するように促され、特殊ステージを終了する動作が行なわれたのに操作有効期間が過ぎていて特殊演出の終了が行なわれないという誤解を抑制できる。
(5) 図20のS901、S908〜S912に示すように、先読み予告実行中はターゲットの変動まで特殊ステージが終了することはない。また、図23のS872、S873に示すように解除操作検出があった場合に、特殊ステージから通常ステージへと演出態様が変化する。このように、特殊ステージを実行しているときに特殊ステージの実行を終了するか否かを選択できる解除演出を遊技者が選択可能であるため、特殊ステージについての継続の可否の判断に遊技者の意思を反映させることができ、遊技の興趣が向上する。また、先読み予告実行中に通常ステージから特殊ステージへ移行した場合は、ターゲットの変動が終了するまで特殊ステージが維持される。つまり、通常ステージから特殊ステージに演出態様が変化した後、所定の期間は特殊ステージの終了が制限されるので、特殊ステージが短期間で終了してしまい特殊ステージの興趣が低下してしまうことを防止することができる。
(6) 図14および図21のS923〜S927に示すように、特殊ステージが始まってから変動表示の回数が31回転以上経過すると遊技者の選択の有無に関わらず強制的に特殊ステージを終了させる制御の抽選が開始される。このようにすれば、特殊ステージがあまりにも長期間に亘って継続することがなく、特殊ステージ対する演出効果を高めることができる。また、プッシュボタン120が故障した際には、通常ステージに戻すことができずいつまでも特殊ステージに滞在してしまう事態を防ぐことができる。
(7) 図14および図21のS915〜S927に示すように、特殊ステージへ移行してから変動表示の回数が5回転から30回転までは、変動ごとに解除演出を実行するか否かの抽選をし、31回転以上は、遊技者の選択の有無に関わらず強制的に特殊ステージを終了させる制御を実行するか否かの抽選が開始される。また、図23のS872、S873に示すように解除操作検出があった場合に、特殊ステージから通常ステージへと演出態様が変化する。このように、特殊ステージを実行しているときに特殊ステージの実行を終了するか否かを選択できる解除演出を遊技者が選択可能であるため、特殊ステージについての継続の可否の判断に遊技者の意思を反映させることができ、遊技の興趣が向上する。また、特殊ステージにおいて5回転から30回転までの期間では、解除演出を実行するか否かの抽選をし、31回転以上の期間では、遊技者の選択の有無に関わらず強制的に特殊ステージを終了させる制御の抽選を行なうので、複数の期間において特殊ステージの終了に係る抽選の態様が異なり、特殊ステージの演出効果を高めることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、変動表示において実行する演出としては、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(2) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(3) 前述した実施の形態では、2つの特別図柄表示器である第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを設け、2つの特別図柄を変動表示する例を示した。しかし、これに限らず、2つの特別図柄表示器の代わりに、1つの特別図柄表示器を設け、1つの特別図柄を変動表示させる構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合には、特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が、第1始動入賞口13の入賞、および、第2始動入賞口14への入賞のそれぞれに応じて実行されるようにすればよい。つまり、第1始動入賞口13の入賞に基づいて第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄を実行させるための各種制御と、第2始動入賞口14の入賞に基づいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄を実行させるための各種制御とをそれぞれ、1つの特別図柄表示器における特別図柄の変動表示について適用すればよい。
(4) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(5) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(6) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点等を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(7) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) 前述した実施の形態では、通常ステージから特殊ステージへのステージ変更(移行)の契機として、先読み予告を実行するときに所定の割合で特殊ステージへ移行する場合と、変動ごとの抽選に当選した場合に特殊ステージへ移行する場合とを示した。しかし、通常ステージから特殊ステージへの変更の契機となる所定条件は、これらの条件の他に、可変表示開始時の大当り判定結果、可変表示開始時の変動パターン決定結果、または、遊技時間等に基づいて予め定められた所定条件が成立したことを条件に実行されるものであればよい。また、通常ステージから特殊ステージへは、先読み予告を実行するときにのみ移行するものでもよいし、変動ごとの抽選に当選したときにのみ移行するものでもよい。
(9) 前述した実施の形態では、通常ステージから特殊ステージへ移行した後、特殊ステージ滞在中は、特殊ステージの演出態様が続く場合を示した。しかし、特殊ステージの実行中に演出制御用CPU101の判定値に基づいて、特殊ステージの実行をすると決定された場合に、一度通常ステージに演出態様を戻した後、再び特殊ステージに演出態様を変化させてもよい。このような構成によれば、特殊ステージに対する演出効果を向上できるとともに、特殊ステージを実行する機会を複数担保できる。なお、通常ステージに戻す期間は、変動単位でもよいし、1変動中のある期間だけでもよい。また、擬似連の1回目の変動で通常ステージに戻して、2回目の再変動で特殊ステージへ移行するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、先読み予告実行中の場合に特殊ステージへ移行し、特殊ステージにおいて各種の演出が行なわれる場合を示した。この先読み予告実行中の演出として、通常ステージ、特殊ステージの態様となる演出とは異なる特別演出であるカウントダウン予告を行なうようにしてもよい。そして、演出制御用CPU101は、カウントダウン予告を行なうか否かを判定するとともに、特殊ステージの態様となる演出とカウントダウン予告とが同時に実行される場合には、カウントダウン演出の実行中は特殊ステージの終了を制限するようにしてもよい。このような構成によれば、特殊ステージの態様となる演出とカウントダウン予告の実行により特殊ステージの実行が終了してしまうことによる演出の不整合を防止することができる。なお、カウントダウン予告中に特殊ステージを終了するようにしてもよい。なお、カウントダウン予告とは、予告対象の可変表示(ターゲットの変動)までの可変表示残り回数を文字列によって報知する連続予告演出のことである。また、カウントダウン演出とは別に、複数回の可変表示に亘って一連のストーリーを形成する演出等の連続予告演出として実行してもよい。一連のストーリーを形成する演出は、各々の回の可変表示中に実行される演出の内容とそれに続く可変表示中に実行される演出の内容とが連関している(内容に関連性がある)一連の演出である。
(11) 前述した実施の形態は、通常ステージから特殊ステージに移行するステージ演出について、通常ステージにおける変動表示回数を計数し、所定の変動表示回数に亘りリーチ状態が生じなかったときに行なうようにしてもよい。また、通常ステージから特殊ステージに移行するステージ演出は、遊技開始時からの経過時間(遊戯時間)を計時し、当該経過時間が所定時間に達したときに行なうようにしてもよい。このように、通常ステージから特殊ステージに移行するステージ演出は、先読み判定結果、変動表示開始時の大当り判定結果、変動表示開始時の変動パターン決定結果、変動表示回数、または、遊技時間等に基づいて予め定められた特定条件が成立したことを条件に実行されるものであればよい。また、通常ステージから特殊ステージに移行するステージ演出を実行するための条件は、パチンコ遊技機1の内部制御により成立するものであり、遊技者が選択操作等により成立に関与できないように設定されていればよい。
(12) 前述した実施の形態では、解除演出を実行し、遊技者がプッシュボタン120を長押しすることで、特殊ステージを通常ステージへ戻すことが判定されていた。しかし、このような遊技者の意思を確認する手段の例としては、以下に一例を示すようなその他の意思確認手段を用いるようにしてもよい。たとえば、遊技者を撮像して遊技者の動作を画像処理に基づいて検出可能な動作検出装置を設け、遊技者による所定の終了動作を要求を行なった後、遊技者が終了動作をしたか否かに基づいて遊技者の意思を確認するようにしてもよい。また、遊技者の音声を分析する処理に基づいて遊技者の意思を確認可能な音声処理装置を設け、遊技者から所定の終了音声(終了を指示する音声)を要求を行なった後、遊技者が終了音声を発したか否かに基づいて遊技者の意思を確認するようにしてもよい。また、遊技者所有の携帯端末装置(たとえば、携帯電話)の操作に応じて送信されるデータ(たとえば、赤外線信号によるデータ)を受信して携帯端末装置における操作態様を検出する処理を行なうことが可能な操作データ処理装置を設け、携帯端末装置の所定の操作(終了を指示する操作)に応じたデータ送信を要求を行なった後、遊技者から所定の操作に応じたデータが送信された(受信された)か否かに基づいて遊技者の意思を確認するようにしてもよい。また、遊技機に別途設けられた十字キーなどを複数回操作することによるコマンドによって、解除演出と通常操作演出とを区別できるようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、当該変動中解除演出が実行されるように決定される場合を示したが、解除演出は当該変動中は実行されずに、次回の変動から実行するようにしてもよい。また、解除演出の開始のタイミングは当該変動の開始直後に行なわれてもよいし、変動開始から所定時間経過後に実行されるようにしてもよい。解除演出の終了のタイミングも同様に、変動終了と同時に終了するようにしてもよいし、変動終了の数秒前に終了するようにしてもよい。なお、このよう開始や終了のタイミングは、パチンコ遊技機1に計時手段を設け、計時手段によって、測定される値から決定するようにすればよい。
(14) 前述した実施の形態では、プッシュボタン120の長押しによって、遊技者の動作が検出されていたが、スティックコントローラ122の操作、またはトリガボタン125の操作によって遊技者の動作が検出されるようにしてもよい。また、遊技機1に遊技者の動作を光を用いて検出可能な光センサ(モーションセンサ)を設け、遊技者が所定の動きをすることにより、遊技者の動作が検出されるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、図14に示すように第1期間は変動表示回数が1〜4回転、第2期間は変動表示回数が5〜30回転、第3期間は変動表示回数が31回転以上と設定されていたが、これら変動回数は適宜変更することが可能である。また、第2期間における解除演出の決定割合、第3期間における特殊ステージの強制終了の割合も適宜変更が可能である。さらに、第2期間では解除演出が3回実行されたことにより解除演出の決定割合が低下するようになっていたが、解除演出の数を変更してもよい。
(16) 前述した実施の形態では、第1期間、第2期間、第3期間が設定されていたが、第1期間のみが設けられる場合、第2期間のみが設けられる場合、第3期間のみが設けられる場合があってもよい。また、第1期間と第2期間とが設けられる場合等、2つの期間を組合せるようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、遊技者が特殊ステージを終了するか否かを選択する解除演出は、演出表示装置9の表示領域にボタンを示す画像が表示される場合を示したが、プッシュボタン120が発光することにより現在解除演出が実行されていることを知らせるようにしてもよい。また、スピーカ27から解除演出を示す音が出力されるようにしてもよい。さらに、ボタンの発光と画像表示と音との組合せにより報知するようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、検出手段としてのプッシュボタン120を用いた演出としてセリフ予告を示したが、検出手段を用いた他の演出として、プッシュボタン120を押すことでメールが開封する演出、宝箱が開くような演出を実行してもよい。また、特殊ステージを終了する場合にプッシュボタンを長押しするようにしていたが、特殊ステージの終了をプッシュボタン120の押下げ、他の演出をプッシュボタン120の長押しとしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、図14に示すように、変動回数が1〜4回転のときには、解除演出の抽選自体が実行されない場合を示したが、解除演出の抽選自体は実行し、抽選に当選しても、解除演出を実行しないように制御してもよい。
(20) 前述した実施の形態では、図14、図21のS915〜S918に示すように変動回数が5〜30回転の範囲では、解除演出の抽選に3回当選したことに基づいて、解除演出の抽選の決定割合が低下していた。しかし、解除演出の抽選に当選しなかった場合には、所定回数に至ったことに基づいて抽選確率を下げるようにしてもよい。このようにすれば、一度も抽選に当選しなくても解除演出の抽選確率を下げることが可能となる。
(21) 前述した実施の形態では、先読み予告で特殊ステージへ移行されることが決定された場合と、変動ごとの抽選で特殊ステージへ移行することが決定された場合とで、同様の特殊ステージが選択されていた。しかし、特殊ステージの種類を複数設け、先読み予告の場合と変動ごとの抽選の場合とで異なる特殊ステージに移行するようにしてもよい。なお、先読み予告として特殊ステージへ移行する場合には、大当りとなる予告の方がはずれとなる予告より、大当り期待度の高い特殊ステージへ移行するようにしてもよい。また、先読み予告で特殊ステージへ移行する場合と変動ごとの抽選で特殊ステージへ移行する場合とで解除演出の態様を異なるようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態では、図14、図21のS923に示すように特殊ステージを強制終了する際は1/10の決定割合で強制終了を決定する抽選が行なわれていた。しかし、このように特殊ステージの強制終了の選択を抽選とはせずに、ある一定の変動回数(たとえば、特殊ステージでの変動開始から50回)に至った場合に必ず通常ステージへ移行するようにしてもよい。また、変動回数が増加すればするほど、強制終了を決定する抽選の確率を向上(たとえば、31〜40回転では1/10、41〜50回転では1/5等とする)するようにしてもよい。
(23) 前述した実施の形態では、解除演出として、遊技者がプッシュボタン120を操作しなければ、特殊ステージが終了しなかったが、操作を行なわなければ、特殊ステージが終了するようにしてもよい。このような場合には、操作を行なうことで逆に特殊ステージが継続される。また、操作を行なうと特殊ステージが終了する解除演出の後に、操作を行なわないと特殊ステージが終了する解除演出を行なってもよい。さらに、これらの順番が逆になってもよい。このようにすれば、特殊ステージを継続するため(もしくは終了するため)に、少なくとも操作を行なわなければならず、より好適に遊技者の意思を遊技に反映することができる。
(24) なお、特開2011−5297号公報では、複数の演出モードのうちから、遊技者が演出モードを選択することが可能に構成され、通常の遊技状態において定常的に実行される演出モードを、遊技者の選択操作に応じて変更する制御が行なわれているが、単に、通常の遊技状態において定常的に実行される演出モードを遊技者が無条件で選択可能とされたものであり、たとえば、遊技において所定条件が成立したときに限り実行される特殊演出のような通常演出とは異なる特殊な演出態様について、遊技者が遊技機の内部制御に関与して勝手に継続させるか否かを選択できるものではなかった。このため、遊技者が演出態様を選択不可能な特殊演出については、継続可否に遊技者が関与できなかったので、たとえば、特殊演出が遊技者の意に反して過剰に継続する場合でも、遊技者が継続可否の判断に関与することができず、遊技の興趣が低下するおそれがあった。本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、特殊演出の継続可否の判断に遊技者の意思を反映可能とし、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することをも目的とする。
(25) 上述の実施の形態に加えて、特殊ステージ(特殊演出)において通常ステージにおいては実行されない特定演出を実行可能としてもよい。特定演出としては上述した先読み予告や、リーチ演出、今回実行される変動表示に対して行う予告演出等が考えられる。ここで予告演出は、例えばS616の処理において、今回実行される変動表示が大当りとなるか否かや、リーチとなるか否かに応じて予告演出が実行するか否かが決定され、実行するときには予告演出の態様(例えば、キャラクタの種類等)が決定され、決定された演出が実行されるものであり、プッシュボタン120を操作することを条件に決定された態様の予告演出が実行される(より具体的には、予告演出を実行するときにプッシュボタン120の操作を促す演出を実行し、操作有効期間内にプッシュボタン120の操作が検出されたときに決定されている態様の予告演出を実行し、操作が検出されなかったときには予告演出自体を実行しない)、所謂ボタン予告であってもよい。特殊ステージにおける先読み予告や予告演出として出現させるキャラクタや背景、表示される文字などを、通常ステージにおける先読み予告や予告演出として出現させるキャラクタや背景、表示される文字などと遊技者が区別して認識できるものである場合には前者が特定演出であり、また、区別して認識できるものではなく、先読み予告や予告演出自体が特殊ステージでしか出現しないのであれば、当該先読み予告や予告演出自体が特定演出となる。なお、特定演出は先読み予告や予告演出に限られるものではなく、特殊ステージにおいて実行される演出であればよく、変動表示される演出図柄の種類、出現するキャラクタ、楽曲等の音声、ランプの発光態様などであってもよい。
(27) 上述の実施の形態では、特殊ステージは、第2期間において解除演出の実行中に遊技者によるプッシュボタン120の操作があったときや、第3期間において抽選により強制終了と決定されたときに、終了するものであったが、それに加え、または代えて、上述した特定演出の実行を、特殊ステージの終了の条件としてもよい。具体的には、例えば先読み予告や予告演出を特定演出とした場合に、特殊ステージに移行した後、当該特定演出が実行されたことを少なくとも終了の1つの条件とし、実行されたことにより(複数回実行されたことを条件としてもよい)通常ステージに移行させ、または、実行されたこと(複数回実行されたことを条件としてもよい)により直ぐに通常ステージに移行させるのではなく、第2期間や第3期間へさせる条件とすればよい。なお、上述の実施の形態の第1期間が経過するまでは特定演出が実行されたときでも終了の条件は成立させないようにしてもよい。特定演出の実行を特殊ステージを終了する条件とする場合、例えば、特殊モードに移行するときにカウンタの値をセット(例えば、100)し、特定演出が実行されることを契機に第1値(例えば、1。ただし、0としてもよい)をカウンタから減算(第1値が0の場合は減算しない)し、特定演出が実行されないときには第1値よりも少ない第2値(例えば、10)を減算し、カウンタの値が0になったときに終了の条件が成立するようにする。なお、特定演出の種類が複数ある場合には、実行された特定演出の種類によって第1値を異ならせたり、特定演出を実行しない場合でも、リーチ演出等の変動表示の種類に応じて第2値を異ならせるようにしてもよく、減算ではなく加算の方式によりカウンタの値を更新するものであってもよい。この場合、特定演出は上述のボタン予告とすることが望ましい。このようにすることで、特殊ステージにおいて実行される可能性のある特定演出が実行されることにより長期間特殊ステージに滞在させることができるとともに、特殊演出における演出を遊技者が堪能できるので、演出効果を向上させることができる。すなわち、遊技者がプッシュボタン120を操作することにより特殊ステージに滞在する期間が長くなるので、遊技者の介入性を持たせることができ、遊技者の嗜好に合わせた演出を提供することができる。
(28) 上述の実施の形態では、特殊ステージは、第2期間において解除演出の実行中に遊技者によるプッシュボタン120の操作があったときや、第3期間において抽選により強制終了と決定されたときに、終了するものであったが、上記実施の形態に加えて、または上記実施の形態に代えて、第2期間以外の期間においてもプッシュボタン120の操作により強制終了とするようにしてもよく(第1終了条件)、さらに、それとは別に特定の可変表示(例えばリーチ演出)が実行されたとき(第2終了条件)のいずれかの条件の成立により特殊ステージを強制終了とするようにしてもよい。後者については、上述の第1期間から第3期間の一部の期間で特定の可変表示が発生したときに終了条件を成立させるようにしてもよく、すべての期間において終了条件を成立させるものであってもよい。この場合、例えば、図20のS902でYとなったときに、特定の可変表示かを判定し、特定の可変表示である場合に、図21のS925の処理を実行するようにすればよい。ここで、特定の可変表示は、リーチ演出以外の可変表示(例えば、擬似連の変動など)であってもよく、リーチ演出の中の一部(例えば、信頼度の高いスーパーリーチなど)であってもよい。さらには突確大当りや小当りなどが発生するときに実行される可変表示であってもよく、これらの可変表示の複数の組み合わせを特定の可変表示としてもよく、すべてを特定の可変表示としてもよい。このようにすることで、例えばプッシュボタン120が故障したときであっても、特殊ステージを終了させることができるので、演出効果が低減することを防止し、遊技の興趣を向上させることができる。なお、上述の実施の形態のように第1期間(他の期間を含んでもよい)では特定の可変表示が実行された場合でも終了条件を成立させないようにすることで、早々と特殊ステージが終了してしまうことを防止できる。特殊ステージであるときと特殊ステージではないときとで、特定の可変表示を実行するときには、例えば背景なども共通のものとして、共通の態様で可変表示を実行するようにしてもよい。また、操作手段は赤外線センサなどの非接触のセンサで構成し、遊技者の動作を検出するものであってもよい。
(29) 上述の実施の形態では、特殊ステージ状態に移行してから4回の変動表示が実行された後には、通常ステージへの移行禁止期間が終了して、プッシュボタン120の操作に応じて特殊ステージ状態から通常ステージ状態に戻ることで特殊ステージ状態を解除する解除演出が行なわれることを説明した。しかしながら、上述の実施形態に限らず移行禁止期間が終了した後であっても、例えばこれから実行される(あるいは実行されている)変動表示が演出表示装置9においてリーチ演出が行われるリーチ変動パターンの変動表示である場合(特定条件の成立としてのリーチ(リーチ演出)が成立する変動表示の実行が決定されている場合、実行されている場合)は特殊ステージ状態を解除する解除演出が行なわれないようにしてもよい。解除演出を行うことに伴って操作有効期間である旨などが報知されてしまうことで、リーチ変動(演出)に対する遊技の興趣が低下してしまうことが考えられるからである。解除演出が行なわれないようにするための具体例としてリーチ変動パターンの変動表示が開始される前に表示していた解除操作報知を(一旦)終了するとともに解除操作の操作有効期間を(一旦)無効とする。この場合当該変動表示が終了したあと、新たに実行される変動表示が例えば演出表示装置9においてリーチ演出が行われない非リーチ変動パターンである場合には解除操作報知を再開するとともに操作有効期間を再度有効とするようにしてもよい。なお、必ず操作有効期間を再度有効にさせるのではなく、抽選などを行って当選した場合に再度有効とするようにしてもよい。またリーチ(リーチ演出の実行)が成立する変動表示が決定されている場合、あるいは実行されている場合に必ず特殊ステージを解除する解除演出が行なわれないようにするのではなく抽選などに当選した場合は特殊ステージを解除する解除演出が行なわれないようにしても良い。或いは抽選ではなく、前述したようにリーチ変動でも一の種類のリーチ変動パターンの変動表示であれば第2終了条件の成立として特殊ステージ状態を解除し、一の種類以外の他の種類のリーチ変動パターンの変動表示であるときは特殊ステージ状態を解除する解除演出が行なわれないようにしても良い。このようにすればリーチ変動が実行されていること或いはリーチ変動(演出が)実行されることを認識しがたくすることが出来る。
(30) 上述の(29)では、特定条件としてリーチ変動(リーチ演出)の実行を説明したが、これに限らず、非リーチ変動だがリーチ変動となるか否かを煽る(示唆する)演出が実行される変動である場合や、擬似連の演出が実行される変動、擬似連の演出が実行されるか否か煽る(示唆する)演出が実行される変動である場合は特殊ステージを解除する解除演出が行なわれないようにしても良い。このように特定の成立は遊技者にとって有利な事象が発生しうること、有利な事象が発生することが示唆(予告)されることなどが考えられる。この有利な事象が発生することの示唆は、保留記憶における保留情報に対応する以降に実行される変動表示にともなって有利な事象が発生することの示唆の概念も含む。具体的には先読み演出としての保留変化演出や連続演出の実行が決定されている或いは実行されている変動表示中においては特殊演出の実行を終了させない(特殊ステージを解除する解除演出が行なわれない)ようにしても良い。
(31) 解除操作報知は変動終了毎に消去してもよいが変動を跨いで報知(表示)されるようにしてもよい。また変動開始時に報知を開始するのではなく変動の途中から報知を開始するようにしてもよい。
(32) 移行禁止期間について4回の変動表示が実行されるまでの期間として説明したが、移行禁止期間については変動表示の回数ではなく、時間の経過(例えば特殊ステージ状態が開始してから5分間経過)などでもよい。
(31) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。