JP2016220307A - 受電器、及び、充電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電力を適切に負荷に供給することができる受電器、及び、充電システムを提供する。
【解決手段】受電器は、1次側共振コイルから磁界共鳴又は電界共鳴によって電力を受電する2次側共振コイルの出力側に接続される整流部と、前記整流部の出力側に接続されるDC−DCコンバータと、負荷に接続される出力端子と、前記負荷のインピーダンスよりも大きなインピーダンスを有するインピーダンス部と、前記DC−DCコンバータの出力側に設けられ、前記DC−DCコンバータと、前記出力端子又は前記インピーダンス部のいずれか一方とを切り替え的に接続する切替部とを含み、前記切替部は、前記DC−DCコンバータの動作が立ち上がる前は、前記DC−DCコンバータと前記インピーダンス部とを接続し、立ち上がり後は、前記DC−DCコンバータと前記出力端子とを接続する。
【選択図】図4

Description

本発明は、受電器、及び、充電システムに関する。
従来より、無接点送電回路の近接電磁界に結合する受電部と、前記受電部の出力電圧を整流する整流部と、前記整流部の出力電圧を変圧して受電負荷に出力するDC−DCコンバータと、前記無接点送電回路への信号送信時に、負荷変調することで回路全体のインピーダンスを変化させる負荷変調部とを備える無接点受電回路がある。前記信号送信時に高いインピーダンスとなり前記負荷変調を行わない電力伝送時に低いインピーダンスとなるインピーダンス可変部、および、前記インピーダンス可変部を介して前記整流部とDC−DCコンバータとの間に接続される第1の容量部を有し、前記整流部からの出力電圧を平滑化する平滑容量部をさらに備える(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−088143号公報
ところで、従来の無接点受電回路は、DC−DCコンバータに出力される負荷の種類が変わると、無接点送電回路から無接点受電回路側を見た入力インピーダンスが変化する。このため、DC−DCコンバータの出力電圧が負荷に対して低すぎて負荷が起動しない場合、又は、無接点受電回路が受電する電力が大きすぎてDC−DCコンバータが損傷を受ける場合が生じ得る。
すなわち、従来の無接点受電回路は、負荷の種類が変わると、電力を適切に負荷に供給できなくなるおそれがある。
そこで、電力を適切に負荷に供給することができる受電器、及び、充電システムを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態の受電器は、1次側共振コイルから磁界共鳴又は電界共鳴によって電力を受電する2次側共振コイルの出力側に接続される整流部と、前記整流部の出力側に接続されるDC−DCコンバータと、負荷に接続される出力端子と、前記負荷のインピーダンスよりも大きなインピーダンスを有するインピーダンス部と、前記DC−DCコンバータの出力側に設けられ、前記DC−DCコンバータと、前記出力端子又は前記インピーダンス部のいずれか一方とを切り替え的に接続する切替部とを含み、前記切替部は、前記DC−DCコンバータの動作が立ち上がる前は、前記DC−DCコンバータと前記インピーダンス部とを接続し、立ち上がり後は、前記DC−DCコンバータと前記出力端子とを接続する。
電力を適切に負荷に供給することができる受電器、及び、充電システムを提供することができる。
実施の形態の受電器100を含む充電システム300を示す図である。 図1に示す充電システムの等価回路を示す図である。 DC−DCコンバータ120の出力電圧の時間的な変化を示す図である。 実施の形態の充電システム300の詳細を示す図である。 負荷装置500Aの種類と、可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値と、DC−DCコンバータ120の設定電圧とを関連付けたデータを示す図である。 受電器100の制御部130が実行する処理を示すフローチャートである。 実施の形態の変形例による充電システム300の詳細を示す図である。 実施の形態の充電システム300の変形例を示す図である。
以下、本発明の受電器、及び、充電システムを適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の受電器100を含む充電システム300を示す図である。図2は、図1に示す充電システム300の等価回路を示す図である。
充電システム300は、受電器100と送電器200を含む。
送電器200は、1次側コイル1、1次側共振コイル2、交流電源30、アンプ40、整合回路50、及び制御部210を含む。送電器200は、交流電源30が出力する電力を磁界共鳴によって受電器100に送電する。
受電器100は、2次側共振コイル3、2次側コイル4、整流回路110、DC−DCコンバータ120、及び制御部130を含む。受電器100は、図1及び図2に示す構成要素以外の構成要素を含むが、その詳細については図4を用いて後述する。
受電器100には、インバータ400を介してデスクトップ型のPC(Personal Computer)500が接続される。受電器100は、送電器200から磁界共鳴によって伝送される電力を受電し、PC500に出力する。
まず、送電器200に含まれる1次側コイル1、1次側共振コイル2、及び整合回路50と、交流電源30について説明する。
図1に示すように、1次側コイル1は、ループ状のコイルであり、両端間に整合回路50を介して交流電源30が接続されている。1次側コイル1は、1次側共振コイル2と非接触で近接して配置されており、1次側共振コイル2と電磁界結合される。
また、図2の等価回路に示すように、1次側コイル1は、インダクタンスL1のコイルとして表すことができる。なお、1次側コイル1は、実際には抵抗成分とキャパシタ成分を含むが、図2では省略する。
1次側コイル1は、交流電源30からアンプ40及び整合回路50を経て供給される交流電力によって磁界を発生し、電磁誘導(相互誘導)により電力を1次側共振コイル2に送電する。
図1に示すように、1次側共振コイル2は、1次側コイル1と非接触で近接して配置されて1次側コイル1と電磁界結合されている。また、1次側共振コイル2は、所定の共振周波数を有し、非常に高いQ値を有するように設計されている。1次側共振コイル2の共振周波数は、2次側共振コイル3の共振周波数と等しくされている。なお、図1では見やすさの観点から1次側共振コイル2の両端は開放されているが、1次側共振コイル2の両端の間に、共振周波数を調整するためのキャパシタが直列に接続される場合もある。
1次側共振コイル2は、所定の間隔を隔てて、対向するように配置される。1次側共振コイル2と2次側共振コイル3との間隔は、例えば、数メートル程度であってもよい。1次側共振コイル2と2次側共振コイル3の共振Qが十分大きければ、数メートル程度離れていても、磁界共鳴による電力の伝送が可能である。
また、1次側共振コイル2と2次側共振コイル3とは、互いの中心軸が一致する場合に、磁界共鳴の状態が最も良好になるが、磁界共鳴方式は、1次側共振コイル2と2次側共振コイル3との中心軸がずれていても電力を送電することができる。これは、電磁誘導方式に対する大きなメリットである。すなわち、磁界共鳴方式は、1次側共振コイル2と2次側共振コイル3との位置ずれに対しても強いというメリットがある。
また、図2の等価回路に示すように、1次側共振コイル2は、インダクタンスL2のコイルと、キャパシタンスC2のキャパシタを有するループ回路として表すことができる。キャパシタンスC2は、1次側共振コイル2の両端間に周波数調整用に接続されるキャパシタの容量である。なお、1次側共振コイル2は、実際には抵抗成分を含むが、図2では省略する。
1次側共振コイル2の共振周波数は、交流電源30が出力する交流電力の周波数と同一の周波数になるように設定されている。1次側共振コイル2の共振周波数は、1次側共振コイル2のインダクタンスL2とキャパシタンスC2によって決まる。このため、1次側共振コイル2のインダクタンスL2とキャパシタンスC2は、1次側共振コイル2の共振周波数が、交流電源30から出力される交流電力の周波数と同一の周波数になるように設定されている。
なお、1次側共振コイル2は、寄生容量だけで共振周波数を設定でき、かつ、1次側共振コイル2の浮遊容量を固定できる場合は、両端が開放されていてもよい。
整合回路50は、1次側コイル1と交流電源30とのインピーダンス整合を取るために挿入されており、インダクタLとキャパシタCを含む。
アンプ40は、交流電源30と整合回路50の間に設けられており、交流電源30から出力される交流電力を増幅して整合回路50に入力する。
交流電源30は、磁界共鳴に必要な周波数の交流電力を出力する電源であり、出力電力を増幅するアンプを内蔵する。交流電源30は、例えば、数百kHzから数十MHz程度の高周波の交流電力をアンプ40に出力する。
送電器200は、交流電源30からアンプ40及び整合回路50を介して1次側コイル1に供給される交流電力を磁気誘導により1次側共振コイル2に送電し、1次側共振コイル2から磁界共鳴により電力を受電器100の2次側共振コイル3に送電する。なお、制御部210が実行する処理については後述する。
次に、受電器100について説明する。
図1に示すように、受電器100に含まれる2次側共振コイル3は、1次側共振コイル2と所定の間隔を隔てて、対向するように配置される。
図1では見やすさの観点から2次側共振コイル3の両端は開放されているが、2次側共振コイル3の両端間には、共振周波数を調整するためのキャパシタが直列に接続される場合もある。
2次側共振コイル3は、1次側共振コイル2と同一の共振周波数を有し、非常に高いQ値を有するように設計されている。
2次側共振コイル3と1次側共振コイル2との間隔は、例えば、数メートル程度であってもよい。2次側共振コイル3と1次側共振コイル2は、共振Qが十分大きければ数メートル程度離れていても、磁界共鳴による電力の伝送が可能である。
また、2次側共振コイル3は、2次側コイル4と非接触で近接して配置されており、2次側コイル4と電磁界結合される。
また、図2の等価回路に示すように、2次側共振コイル3は、インダクタンスL3のコイルと、キャパシタンスC3のキャパシタを有するように表すことができる。キャパシタンスC3は、2次側共振コイル3の両端間に周波数調整用に接続されるキャパシタの容量である。なお、2次側共振コイル3は、実際には抵抗成分を含むが、図2では省略する。
2次側共振コイル3の共振周波数は、2次側共振コイル3のインダクタンスL3とキャパシタンスC3によって決まる。このため、2次側共振コイル3のインダクタンスL3とキャパシタンスC3は、2次側共振コイル3の共振周波数が、1次側共振コイル2の共振周波数と、交流電源30から出力される交流電力の周波数と同一の周波数になるように設定されている。
なお、2次側共振コイル3は、寄生容量だけで共振周波数を設定でき、かつ、2次側共振コイル3の浮遊容量を固定できる場合は、両端が開放されていてもよい。
2次側共振コイル3を含む受電器100は、送電器200の1次側共振コイル2から磁界共鳴によって送電される電力を中継し、2次側コイル4に送電する。
図1に示すように、2次側コイル4は、1次側コイル1と同様のループ状のコイルであり、2次側共振コイル3と電磁界結合されるとともに、両端間に整流回路110が接続されている。
2次側コイル4は、2次側共振コイル3と非接触で近接して配置されており、2次側共振コイル3と電磁界結合される。
また、図2の等価回路に示すように、2次側コイル4は、インダクタンスL4のコイルとして表すことができる。なお、2次側コイル4は、実際には抵抗成分とキャパシタ成分を含むが、図2では省略する。
2次側コイル4は、2次側共振コイル3から電磁誘導(相互誘導)により電力を受電し、電力を整流回路110に供給する。
整流回路110は、4つのダイオード7A〜7D及びキャパシタ7Eを有する。ダイオード7A〜7Dは、ブリッジ状に接続されており、2次側コイル4から入力される電力を全波整流して出力する。キャパシタ7Eは、ダイオード7A〜7Dを含むブリッジ回路の出力側に接続される平滑用キャパシタであり、ダイオード7A〜7Dを有するブリッジ回路で全波整流された電力を平滑化して直流電力として出力する。
DC−DCコンバータ120は、整流回路110の出力側に接続されており、整流回路110から出力される直流電力の電圧を所定の設定電圧に変換して出力する。設定電圧は、DC−DCコンバータ120の出力電圧の設定値であり、制御部130によって設定される。DC−DCコンバータ120の設定電圧は、インバータ400の定格入力電圧又はPC500の定格入力電圧によって設定される。なお、DC−DCコンバータ120の設定電圧については、図4乃至図6を用いて後述する。
DC−DCコンバータ120は、整流回路110の出力電圧の方がDC−DCコンバータ120の設定電圧よりも高い場合は、整流回路110の出力電圧をDC−DCコンバータ120の設定電圧まで降圧する。また、DC−DCコンバータ120は、整流回路110の出力電圧の方がDC−DCコンバータ120の設定電圧よりも低い場合は、整流回路110の出力電圧をDC−DCコンバータ120の設定電圧まで昇圧する。
以上の2次側共振コイル3、2次側コイル4、整流回路110、及びDC−DCコンバータ120を含む受電器100は、送電器200から送電される交流電力を直流電力に変換し、さらにDC−DCコンバータ120の設定電圧に変換してインバータ400に供給する。
インバータ400は、受電器100から入力される直流電圧を交流電圧に変換してPC500に出力する。
なお、1次側コイル1、1次側共振コイル2、2次側共振コイル3、2次側コイル4は、例えば、銅線を巻回することによって作製される。しかしながら、1次側コイル1、1次側共振コイル2、2次側共振コイル3、2次側コイル4の材質は、銅以外の金属(例えば、金、アルミニウム等)であってもよい。また、1次側コイル1、1次側共振コイル2、2次側共振コイル3、2次側コイル4の材質は異なっていてもよい。
このような充電システム300において、1次側コイル1及び1次側共振コイル2が電力の送電側であり、2次側共振コイル3及び2次側コイル4が電力の受電側である。
充電システム300は、1次側共振コイル2と2次側共振コイル3との間で生じる磁界共鳴を利用して送電側から受電側に電力を送電する磁界共鳴方式である。このため、充電システム300は、送電側から受電側に電磁誘導で電力を送電する電磁誘導方式よりも長距離での電力の伝送が可能である。
ところで、図1及び図2では、受電器100がPC500に電力を供給する形態を示すが、受電器100は、PC500以外の電子機器に電力を供給するために利用することができる。例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ゲーム機、ラップトップ型のPC等の携帯型の電子機器、又は、ひげ剃りあるいは電動歯ブラシ等の充電型の電化製品に電力を供給するために利用することができる。
上述のような電子機器と電化製品(以下、負荷装置と称す)は、必要な電力(定格電力)が異なる。このため、負荷装置の定格出力が大きい場合には、送電器200から受電器100に送電する電力量を増大し、負荷装置の定格出力が小さい場合には、送電器200から受電器100に送電する電力量を低減することになる。
図3は、DC−DCコンバータ120の出力電圧の時間的な変化を示す図である。図3には、DC−DCコンバータ120に入力される電力が比較的大きい場合のDC−DCコンバータ120の出力電圧の変動を実線で示す。また、DC−DCコンバータ120に入力される電力が比較的小さい場合のDC−DCコンバータ120の出力電圧の変動を実線で示す。
送電器200から受電器100に送電する電力量が大きく、DC−DCコンバータ120に入力される電力が比較的大きいと、DC−DCコンバータ120を立ち上げる際の出力電圧の変動が大きくなる。
このため、図3に実線で示すように、DC−DCコンバータ120がオンになるときに出力電圧が大きく変動し、DC−DCコンバータ120の耐電圧を超えるおそれがある。このような場合には、DC−DCコンバータ120のフェイルセーフ機構により、DC−DCコンバータ120の動作が停止される。従って、受電器100は負荷装置に電力を供給できない状態になる。
また、上述のような過電圧を抑制するために、図3に破線で示すようにDC−DCコンバータ120の入力電力を小さくして、DC−DCコンバータ120の出力電圧を低く設定すると、出力電圧が低すぎて負荷装置を起動できなくなるおそれがある。
すなわち、これらの場合には、電力を負荷装置に適切に供給できなくなるおそれがある。
従って、以下では、電力を適切に負荷に供給することができる受電器100及び充電システム300について説明する。
なお、DC−DCコンバータ120を立ち上げるとき(完全に立ち上がる前)とは、DC−DCコンバータ120に電力が入力されてから、出力電圧が安定する前の過渡応答期間にあるときをいう。また、DC−DCコンバータ120が立ち上がった後とは、過渡応答期間が終了してDC−DCコンバータ120の出力電圧が安定したときをいう。
図4は、実施の形態の充電システム300の詳細を示す図である。図4には、充電システム300に加えて、充電システム300を統括するコンピュータ800を示す。
コンピュータ800は、アンテナ801を有し、受電器100と無線通信でデータ通信を行うことができる。例えば、アンテナ801とアンテナ131との間で、Bluetooth(登録商標)又はWiFi(Wireless Fidelity)等による無線通信を行えばよい。
送電器200は、送電コイル20、交流電源30、アンプ40、制御部210、及びアンテナ211を含む。なお、図4では、整合回路50(図1及び図2参照)を省略する。
送電コイル20は、1次側コイル1及び1次側共振コイル2(図1及び図2参照)を纏めて示すものであるが、送電コイル20は1次側コイル1を含まなくてもよい。アンテナ211は、制御部210に接続されている。
制御部210は、アンテナ211を介して、無線通信で受電器100の制御部130とデータ通信を行うことができる。制御部210は、受電器100の制御部130から送電電力を増大又は減少させる指令を受信すると、受電器100に送電する電力を増大又は減少させる。
なお、制御部210と制御部130との間のデータ通信は、アンテナ211と131の間で、例えば、Bluetooth(登録商標)又はWiFi(Wireless Fidelity)等による無線通信によって行えばよい。
受電器100は、出力端子101、受電コイル10、整流回路110、DC−DCコンバータ120、制御部130、アンテナ131、メモリ132、電圧検出部140、スイッチ150、及び可変インピーダンス部160を含む。受電コイル10は、2次側共振コイル3及び2次側コイル4(図1及び図2参照)を纏めて示すものであるが、受電コイル10は2次側コイル4を含まなくてもよい。
出力端子101には、インバータ400を介して負荷装置500Aが接続されている。負荷装置500Aは、PC500(図1参照)であってもよく、あるいは上述したような様々な負荷装置であってもよい。
制御部130には、アンテナ131とメモリ132が接続されている。
制御部130は、アンテナ131を介して、送電器200の制御部210とデータ通信を行うことができる。また、メモリ132には、負荷装置の種類と、可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値と、DC−DCコンバータ120の設定電圧とを関連付けたデータが格納されている。
制御部130は、アンテナ131を介して、コンピュータ800から、負荷装置の種類を表すデータを受信する。制御部130は、受信した負荷装置の種類を表すデータを用いてメモリ132に格納されたデータを参照し、受信した負荷装置の種類に対応する可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値と、DC−DCコンバータ120の設定電圧とをメモリ132から読み出す。
制御部130は、メモリ132から読み出したDC−DCコンバータ120の設定電圧をDC−DCコンバータ120の出力電圧として設定する。また、制御部130は、メモリ132から読み出した可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値を用いて、可変インピーダンス部160のインピーダンスを設定する。
制御部130は、DC−DCコンバータ120の出力電圧を設定する処理と、スイッチ150の切替制御と、可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定処理と、送電器200の制御部210及びコンピュータ800とのデータ通信とを行えるコンピュータであればよい。制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)チップと内部メモリを有するマイクロコンピュータであればよい。
制御部130は、DC−DCコンバータ120を立ち上げる前に、メモリ132から読み出したDC−DCコンバータ120の設定電圧に基づいて、DC−DCコンバータ120の出力電圧を設定する。
また、制御部130は、DC−DCコンバータ120を立ち上げる前に、スイッチ150を切り替えて、DC−DCコンバータ120と可変インピーダンス部160を接続する。
また、制御部130は、DC−DCコンバータ120を立ち上げているときに、負荷装置500Aの種類に応じて可変インピーダンス部160のインピーダンスを時間的に変化させる。
制御部130は、可変インピーダンス部160のインピーダンスの調節を開始すると、まず、可変インピーダンス部160のインピーダンスを負荷装置500Aのインピーダンスよりも高いインピーダンスに設定し、徐々に負荷装置500Aのインピーダンスに近い値に変化(低下)させる。
このように可変インピーダンス部160のインピーダンスを変化(低下)させるのは、DC−DCコンバータ120の立ち上がり時に出力電圧の過渡特性が生じる期間にわたって行われる。
制御部130は、DC−DCコンバータ120に電力が入力される前に、まず、可変インピーダンス部160のインピーダンスを負荷装置500Aのインピーダンスよりも高いインピーダンスに設定する。
制御部130は、DC−DCコンバータ120に電力が入力され始めると、DC−DCコンバータ120の立ち上がり時において過渡特性が生じる期間にわたって、可変インピーダンス部160のインピーダンスを徐々に負荷装置500Aのインピーダンスに近い値に変化(低下)させる。
制御部130は、過渡特性が生じる期間が終了する時点(あるいはこの時点よりも所定の余裕時間だけ経過した時点)で、可変インピーダンス部160のインピーダンスを負荷装置500Aのインピーダンスと同一のインピーダンスに設定する。
制御部130は、可変インピーダンス部160のインピーダンスを負荷装置500Aのインピーダンスと同一のインピーダンスに設定した後に、受電器100の動作が安定すると、スイッチ150を負荷装置500Aに切り替える。
また、制御部130は、上述のように可変インピーダンス部160のインピーダンスを調整する際に、電圧検出部140が検出する電圧に基づいて、DC−DCコンバータ120の出力電圧が負荷装置500Aに適合した所定の設定電圧に調整されているかを判定する。
また、制御部130は、DC−DCコンバータ120の出力電圧が0Vである場合には、DC−DCコンバータ120に過電圧が生じてフェイルセーフ機構によって動作が停止されていると判定し、エラー信号をコンピュータ800に送信する。
電圧検出部140は、DC−DCコンバータ120の出力電圧を検出する電圧計である。電圧検出部140が検出する電圧値を表す信号は、制御部130に入力される。
スイッチ150は、DC−DCコンバータ120の出力端子、可変インピーダンス部160、及び出力端子101に接続される3端子を有し、DC−DCコンバータ120の出力端子の接続先を可変インピーダンス部160又は出力端子101に切り替えるスイッチである。スイッチ150は、切替部の一例である。
可変インピーダンス部160は、一端がスイッチ150の3端子のうちの1つに接続されており、他端が接地されている。可変インピーダンス部160のインピーダンスは、制御部130によって設定される。可変インピーダンス部160は、インピーダンス部の一例である。
可変インピーダンス部160のインピーダンスは、出力端子101に接続される負荷装置500Aのインピーダンス以上の値に設定することができ、DC−DCコンバータ120を立ち上げる際には、制御部130によって可変インピーダンス部160のインピーダンスよりも大きなインピーダンスに設定される。
可変インピーダンス部160は、例えば、抵抗値を可変的に設定できる可変抵抗器、インダクタンスを可変的に設定できる可変インダクタ、又は、静電容量を可変的に設定できる可変キャパシタ等を用いることができる。なお、可変インピーダンス部160は、例えば、可変抵抗器、可変インダクタ、及び可変キャパシタのうちの2つを含んでもよく、3つすべてを含んでもよい。
図5は、負荷装置500Aの種類と、可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値と、DC−DCコンバータ120の設定電圧とを関連付けたデータを示す図である。図5に示すテーブル形式のデータは、メモリ132(図4参照)に格納されている。
負荷装置500Aの種類は、一例として、id_001, id_002, id_003等の識別子で表される。上述したように、負荷装置500Aとしては、例えば、スマートフォン端末機、及び、デスクトップ型のPC等がある。識別子は、負荷装置500Aの種類毎に割り振られている。
可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値は、id_001の負荷装置500Aについては、imp_1, imp_2, …, imp_N (Nは3以上の自然数)が設定されている。インピーダンスimp_1, imp_2, …, imp_Nは、imp_1>imp_2>…>imp_Nの関係があり、可変インピーダンス部160のインピーダンスを時系列的にこの順に設定することを表す。
インピーダンスimp_1は、可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値の初期値であり、id_001の負荷装置500Aのインピーダンスよりも大きな値に設定されている。初期値とは、DC−DCコンバータ120を立ち上げる際に最初に設定される値である。
初期値を大きくするのは、負荷装置500Aよりも大きなインピーダンスに接続して、DC−DCコンバータ120の立ち上がり時に過電圧が生じるのを抑制し、確実にDC−DCコンバータ120を立ち上げるためである。負荷装置500Aよりも大きなインピーダンスを用いれば、負荷装置500Aが接続されるときよりも消費電力が大きくなり、DC−DCコンバータ120の入力電力が大きくても、過電圧が生じにくくなるからである。
また、インピーダンスimp_Nは、N番目に設定する可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値を表し、id_001の負荷装置500Aのインピーダンスと等しい値に設定されている。N番目に設定するインピーダンスimp_Nは、最終値である。最終値とは、DC−DCコンバータ120を立ち上げる際に最後に設定される値である。
最終値を負荷装置500Aのインピーダンスと等しい値に設定するのは、次のような理由によるものである。スイッチ150の接続先を負荷装置500Aに切り替える直前に、可変インピーダンス部160のインピーダンスを負荷装置500Aと等しくしておけば、負荷装置500Aを接続したときと同じ状態で、DC−DCコンバータ120の動作状態を安定させることができる。そして、DC−DCコンバータ120の動作状態を上述のように安定させてから、スイッチ150を負荷装置500Aに切り替えれば、DC−DCコンバータ120から負荷装置500Aに安定的に確実に電力を供給することができるからである。
また、インピーダンスimp_1, imp_2, …, imp_Nのデータは、DC−DCコンバータ120の立ち上がり時の出力電圧の過渡特性が生じる期間にわたって、初期値imp_1から最終値 imp_Nに順番に設定可能なように時系列的に配列されている。
同様に、id_002の負荷装置500Aについては、imp_3, imp_5, …, imp_M (Mは5以上の自然数)が設定されている。id_003の負荷装置500Aについては、imp_5 imp_8, …, imp_K (Kは9以上の自然数)が設定されている。
id_002の負荷装置500Aについては、DC−DCコンバータ120の立ち上がり時の出力電圧の過渡特性が生じる期間にわたって、初期値imp_3から最終値 imp_Mに順番に設定可能になるように時系列的に配列されている。
id_003の負荷装置500Aについては、DC−DCコンバータ120の立ち上がり時の出力電圧の過渡特性が生じる期間にわたって、初期値imp_5から最終値 imp_Kに順番に設定可能になるように時系列的に配列されている。
設定電圧は、負荷装置500Aの種類に応じたDC−DCコンバータ120の出力電圧を表すデータである。id_001の負荷装置500Aについては、設定電圧V1が関連付けられており、id_002の負荷装置500Aについては、設定電圧V2が関連付けられており、id_003の負荷装置500Aについては、設定電圧V3が関連付けられている。
このように時系列的に割り当てられるインピーダンスの値は、負荷装置500Aの定格出力(負荷装置500Aの必要な電力)に応じて、過電圧が生じないように、かつ、負荷装置500Aを確実に起動できる出力電圧が得られるように、負荷装置500Aの種類に応じて実験等で値を求めて決めておけばよい。
また、DC−DCコンバータ120の過渡特性(過渡応答特性)が生じる期間についても、実験等で値を求めて決めておけばよい。
なお、ここでは、DC−DCコンバータ120の設定電圧は、負荷装置500Aの定格入力電圧に応じて設定されるものとして説明するが、インバータ400(図1及び図2参照)の定格入力電圧に応じて設定されてもよい。
以上のようなDC−DCコンバータ120の設定電圧は、制御部130によって設定される。制御部130は、コンピュータ800から無線通信で負荷装置500Aの種類を表すデータ(識別子)を受信し、受信した識別子に対応する設定電圧をメモリ132から読み出し、DC−DCコンバータ120に設定する。制御部130は、例えば、識別子id_001を用いて、設定電圧V1を読み出してDC−DCコンバータ120に設定する。
また、以上のような可変インピーダンス部160のインピーダンスは、制御部130によって設定される。制御部130は、コンピュータ800から無線通信で負荷装置500Aの種類を表すデータ(識別子)を受信し、受信した識別子に対応する可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値をメモリ132から読み出す。制御部130は、例えば、識別子id_001を用いて、インピーダンスimp_1, imp_2, …, imp_Nを表すデータをメモリ132から読み出し、可変インピーダンス部160に時系列的に設定する。
図6は、受電器100の制御部130が実行する処理を示すフローチャートである。
制御部130は、受電器100の電源が投入されると、処理をスタートする(スタート)。
制御部130は、DC−DCコンバータ120を立ち上げる前に、コンピュータ800から受信した負荷装置の種類を表すデータに対応するインピーダンスの設定値と設定電圧をメモリ132から読み出す(ステップS1)。
制御部130は、DC−DCコンバータ120を立ち上げる前に、DC−DCコンバータ120の出力電圧を設定するとともに、スイッチ150を切り替えて、DC−DCコンバータ120と可変インピーダンス部160を接続する(ステップS2)。
制御部130は、DC−DCコンバータ120を立ち上げる前に、可変インピーダンス部160のインピーダンスを初期値に設定する(ステップS3)。
制御部130は、送電器200の制御部210と通信を行い、送電を開始させる(ステップS4)。これにより、受電器100の受電コイル10が磁界共鳴によって送電器200から電力を受電し、DC−DCコンバータ120に電力が入力され、DC−DCコンバータ120の立ち上げ動作が開始される。
次に、制御部130は、電圧検出部140によって検出されるDC−DCコンバータ120の出力電圧が0Vより大きいかどうかを判定する(ステップS5)。
DC−DCコンバータ120は、過電圧が生じて動作が停止されている場合には、電圧を出力していないため、DC−DCコンバータ120の出力電圧は0Vになる。
また、DC−DCコンバータ120の動作が開始していれば、DC−DCコンバータ120はDC−DC変換した電圧を出力するため、出力電圧は0Vより大きくなる。
制御部130は、出力電圧が0Vより大きくない(S5:NO)と判定すると、DC−DCコンバータ120のエラーが発生していると判定し、コンピュータ800にエラーが発生したことを表す信号を送信する(ステップS6)。この結果、コンピュータ800で、DC−DCコンバータ120にエラーが発生したことを認識することができる。なお、エラーが発生した場合は、制御部130は一連の処理を終了する(エンド)。
制御部130は、出力電圧が0Vより大きい(S5:YES)と判定すると、DC−DCコンバータ120の出力電圧が負荷装置500Aの設定電圧であるかどうかを判定する(ステップS7)。負荷装置500Aの設定電圧であるかどうかは、ステップS1でメモリ132から読み出した設定電圧に対して、DC−DCコンバータ120の出力電圧が所定の範囲内に収まっているかどうかで判定すればよい。所定の範囲とは、例えば、設定電圧に対して±10%の範囲である。
制御部130は、出力電圧が設定電圧ではないと判定する(S7:NO)と判定すると、送電器200の制御部210に、送電電力を調整させる指令を送信する(ステップS8)。より具体的には、制御部130は、出力電圧が設定電圧より低ければ、送電電力を増大させ、出力電圧が設定電圧より高ければ、送電電力を減少させる。送電電力を増大又は減少させる割合は、予め設定しておけばよい。
制御部130は、出力電圧が設定電圧になっていると判定する(S7:YES)と判定すると、可変インピーダンス部160のインピーダンスを次の値に設定する(ステップS9)。
次いで、制御部130は、インピーダンス部160のインピーダンスが最終値であるかどうかを判定する(ステップS10)。
制御部130は、インピーダンスが最終値ではないと判定する(S10:NO)と判定すると、フローをステップS5にリターンさせる。この結果、ステップS5からS10のループが繰り返し実行される。なお、インピーダンスが最終値であるかどうかは、ステップS1で読み出したインピーダンスの設定値が最後のデータであるかどうかで判定すればよい。
制御部130は、電圧検出部140によって検出されるDC−DCコンバータ120の出力電圧が0Vより大きいかどうかを判定する(ステップS11)。ステップS11の判定内容は、ステップS5と同様である。可変インピーダンス部160のインピーダンスを最終値まで設定した後に、DC−DCコンバータ120が動作しているかを確認するために、ステップS11の判定を行う。
制御部130は、出力電圧が0Vより大きくない(S11:NO)と判定すると、フローをステップS6に進行させて、エラーが発生したことを表す信号を送信する(ステップS6)。
制御部130は、出力電圧が0Vより大きい(S11:YES)と判定すると、出力電圧が負荷装置500Aの設定電圧であるかどうかを判定する(ステップS12)。ステップS12の判定内容は、ステップS7と同様である。可変インピーダンス部160のインピーダンスを最終値まで設定してDC−DCコンバータ120が動作している場合に、再度、出力電圧が設定電圧になっているかどうかを確認するために、ステップS12の判定を行う。
制御部130は、出力電圧が設定電圧ではないと判定する(S12:NO)と判定すると、フローをステップS8に進行させて、送電器200の制御部210に、送電電力を調整させる指令を送信する(ステップS8)。
制御部130は、出力電圧が設定電圧であると判定する(S12:YES)と判定すると、スイッチ150を切り替えて、DC−DCコンバータ120と負荷装置500Aを接続する(ステップS13)。
以上で、一連の処理が終了する(エンド)。
以上のように、制御部130は、可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値を負荷装置500Aのインピーダンスよりも大きな初期値から、負荷装置500Aのインピーダンスと等しい最終値にまで段階的に変化させながら、DC−DCコンバータ120を立ち上げる。
インピーダンスの設定値の初期値は、負荷装置500Aのインピーダンスよりも大きいため、耐電圧を超える過電圧の発生を抑制することができる。また、段階的にインピーダンスの設定値を低下させ、最終値は負荷装置500Aのインピーダンスと等しいため、スイッチ150を切り替えてDC−DCコンバータ120と負荷装置500Aを接続すれば、負荷装置500Aに安定的に電力を供給することができる。
従って、実施の形態によれば、電力を適切に負荷に供給することができる受電器100、及び、充電システム300を提供することができる。
なお、以上では、磁界共鳴によって送電器200から受電器100に電力を送電する形態について説明した。しかしながら、磁界共鳴だけでなく電界共鳴(電界共振)等も可能であるので、電界共鳴によって電力を送電してもよい。
また、以上では、DC−DCコンバータ120が立ち上がる直前に、可変インピーダンス部160のインピーダンスを負荷装置500Aと等しい値に設定する形態について説明した。しかしながら、可変インピーダンス部160の代わりに、インピーダンスが固定で、負荷装置500Aのインピーダンスよりも大きいインピーダンスを有するインピーダンス部を用いてもよい。このようなインピーダンス部を用いても、負荷装置500Aに必要な電力をDC−DCコンバータ120に入力すれば、過渡応答期間における過電圧を抑制することができ、DC−DCコンバータ120が立ち上がった後にスイッチ150を切り替えれば、負荷装置500Aに適切に電力を供給できるからである。
また、以上では、ステップS4において、制御部130が送電器200の制御部210と通信を行い、送電を開始させる形態について説明した。しかしながら、制御部130が充電システム300を統括するコンピュータ800を介して送電器200に送電を開始させるようにしてもよい。
また、以上では、ステップS8において、制御部130が送電器200の制御部210に、送電電力を調整させる指令を送信する形態について説明した。しかしながら、制御部130が充電システム300を統括するコンピュータ800を介して送電器200に送電電力を調整させるようにしてもよい。
また、以上では、制御部130がDC−DCコンバータ120の設定電圧を設定する形態について説明した。しかしながら、受電器100に接続され得る複数種類の負荷装置の定格入力電圧がすべて同一の場合には、図5に示すデータは設定電圧を含まなくてよい。また、図6に示すフローチャートは、ステップS1で設定電圧を読み出さなくてよく、ステップS2で設定電圧を設定しなくてよい。
また、以上では、制御部130が充電システム300を統括するコンピュータ800から受信した負荷装置の種類を表すデータに対応する可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値をメモリ132から読み出す形態について説明した。
しかしながら、負荷装置の種類を決定する手法は、充電システム300を統括するコンピュータ800を用いる手法に限られるものではない。例えば、受電器100の筐体の外表面に負荷装置の種類を選択するためのスイッチを設けておき、受電器100を利用する利用者がスイッチを操作して負荷装置の種類を設定するようにしてもよい。
また、クラウドサーバを設け、クラウドサーバのメモリに負荷装置の種類と、可変インピーダンス部160のインピーダンスの設定値と、DC−DCコンバータ120の設定電圧とを関連付けたデータを格納しておいてもよい。そして、受電器100又は充電システム300を統括するコンピュータ800がクラウドサーバからデータをダウンロードして利用するようにしてもよい。また、コンピュータ800がクラウドサーバであってもよい。
図7は、実施の形態の変形例による充電システム300の詳細を示す図である。
図7に示す受電器100の可変インピーダンス部160は、N個のインピーダンス素子160−1、160−2、160−Nを有する。図4に示す可変インピーダンス部160をインピーダンスimp_1, imp_2, …, imp_Nに変化させる代わりに、インピーダンスimp_1, imp_2, …, imp_Nをそれぞれ有するN個のインピーダンス素子160−1、160−2、160−Nを用いて、スイッチ150で順番に切り替えるようにしたものである。また、スイッチ150は、N個のインピーダンス素子160−1、160−2、160−Nを順番にDC−DCコンバータ120に接続するために、端子の数が増えている。
その他の構成は、図4に示す充電システム300と同様である。このように、N個のインピーダンス素子160−1、160−2、160−Nを有する可変インピーダンス部160を用いてもよい。
図8は、実施の形態の充電システム300の変形例を示す図である。
充電システム300は、送電装置1000と受電器100−1、100−2、・・・、100−L(Lは任意の正の自然数)とを含む。
送電装置1000は、送電器200−1、200−2、・・・、200−L、アンプ40−1、40−2、・・・、40−L、制御部210A、及び通過検出部1150を含む。ここで、Lは2以上の整数であり、例えば15である。また、送電装置1000には、交流電源30が接続されている。
送電器200−1、200−2、・・・、200−Lは、図4に示す送電器200のアンプ40と制御部210を外部に設けた構成であり、制御部210Aは、L個の送電器200−1、200−2、・・・、200−Lについて共通である。また、交流電源30もL個の送電器200−1、200−2、・・・、200−Lについて共通である。
送電器200−1、200−2、・・・、200−Lと、アンプ40−1、40−2、・・・、40−Lとは、それぞれ、L個ずつ設けられている。
また、送電装置1000は、搬送ベルト401の下側に配設されている。搬送ベルト401は、一例として、工場内に設置されており、ノート型のPC(Personal Computer)500−1、500−2、・・・、500−Lを搬送する。
図8に示す搬送ベルト401の下に送電装置1000が配設されている区間は、送電装置1000からPC500−1、500−2、・・・、500−Lに磁界共鳴によって電力を送電する区間(送電区間)である。送電区間は、PC500−1、500−2、・・・、500−Lの検査工程の前にバッテリを充電するために設けられている。
図8では、受電器100−1、100−2、・・・、100−Lに接続されたPC500−1、500−2、・・・、500−Lが搬送ベルト401の上を搬送されている。図8では、受電器100−1、100−2、・・・、100−Lと、PC500−1、500−2、・・・、500−Lとの組を破線で囲って示す。
受電器100−1、100−2、・・・、100−Lは、一定の間隔で搬送ベルト401の上を搬送され、停止することなく所定の速度で送電区間を通過する。受電器100−1、100−2、・・・、100−Lは、送電器200−1、200−2、・・・、200−Lが配設される間隔と等しい間隔をあけて搬送ベルト401に搭載され、次から次に搬送される。送電区間では、L個の受電器100−1、100−2、・・・、100−LとPC500−1、500−2、・・・、500−Lとの組が常に搬送されている。
送電器200−1〜200−Lは、それぞれ、アンプ40−1〜40−Lを介して、交流電源30に接続されている。
上述のように、送電器200−1〜200−Lは、受電器100−1、100−2、・・・、100−Lが搬送される際の間隔と等しい間隔をあけて配設されている。
図8では、説明の便宜上、送電器200−1〜200−Lの構成要素として1次側共振コイル2のみを示す。
送電器200−1〜200−Lの各1次側共振コイル2は、搬送ベルト401の搬送面の平行になるように(各1次側共振コイル2の中心軸が搬送面と垂直になるように)配設されている。
また、送電器200−1〜200−Lの整合回路50(図1及び図2参照)は、それぞれ、アンプ40−1〜40−Lに接続される。
制御部210Aは、通過検出部1150がPC500−1〜500−Lの通過を検出すると、アンプ40−1〜40−Lを駆動する。
通過検出部1150は、搬送ベルト401の搬送方向において、送電器200−1よりも上流側に所定距離だけ離れた場所に配設され、PC500−1〜500−Lの通過を検出する。通過検出部1150は、例えば、赤外線センサのように物品の通過を検出できるセンサであればよい。通過検出部1150は、通過検出部の一例である。
通過検出部1150は、検出結果を表す信号を制御部210Aに出力する。通過検出部1150は、PC500−1〜500−Lの通過を検出すると、PC500−1〜500−Lの通過を表す信号を出力する。
なお、実施の形態では、PC500−1〜500−Lと受電器100−1、100−2、・・・、100−Lとの組は、送電器200−1〜200−Lが配置される間隔と等しい間隔で搬送ベルト401の上に並べられた状態で搬送され、搬送ベルト401の移動速度は一定である。
従って、通過検出部1150で先頭のPC500−1の通過を検出すれば、PC500−1〜500−Lが送電器200−1〜200−Lを通過するタイミングは、通過検出部1150から送電器200−1までの距離、送電器200−1〜200−L同士の間隔、及び、搬送ベルト401の移動速度に基づいて検知できる。
なお、共振周波数は予め所定の周波数に設定される。ここでは、一例として共振周波数が6.78MHzであることとする。このような磁界共鳴に利用する共振周波数は、法律等によって割り当てが決められる。従って、交流電源30が出力する交流信号の周波数は、磁界共鳴に利用する共振周波数に合わせて設定すればよい。
搬送ベルト401は、PC500の動作確認試験を行うラインの下流側に設けられており、動作確認試験をパスしたPC500のみを搬送するベルト状の搬送装置である。搬送ベルト401は、搬送路の一例である。
図8には動作確認試験をパスしたPC500−1〜500−Lが搬送ベルト401によって搬送される状態を示す。搬送ベルト401は、図8における左から右の方向(矢印の方向)にPC500−1〜500−Lを搬送する。
PC500−1〜500−Lは、それぞれ、受電器100−1〜100−Lから電力が供給されてバッテリが充電される。以下では、受電器100−1〜100−Lを特に区別しない場合は、単に受電器100と称す。
受電器100−1〜100−Lは、それぞれ、図1及び図2に示す受電器100と同様であり、2次側共振コイル3、2次側コイル4、整流回路110、DC−DCコンバータ120を有する。受電器100−1〜100−Lの各2次側共振コイル3は、PC500−1〜500−Lが搬送ベルト401に載せられた状態で、搬送ベルト401の搬送面と平行になるように(各2次側共振コイル3の中心軸が搬送面と垂直になるように)配設される。このため、PC500−1〜500−Lが搬送ベルト401に載せられた状態で、各2次側共振コイル3の中心軸と、各1次側共振コイル2の中心軸とは一致する。
PC500−1〜500−Lの受電器100−1〜100−Lは、搬送ベルト401によって搬送される間に、送電器200−1〜200−Lから電力を受電する。これにより、PC500−1〜500−Lのバッテリが充電される。
実施の形態の受電器100は、図8に示すような搬送工程の流れ作業の中でPC500を充電することができる。また、受電器100は、PC500の代わりにスマートフォン端末機を充電する場合には、負荷装置の種類を設定することによって、スマートフォン端末機を充電することができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の受電器、及び、充電システムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
1次側共振コイルから磁界共鳴又は電界共鳴によって電力を受電する2次側共振コイルの出力側に接続される整流部と、
前記整流部の出力側に接続されるDC−DCコンバータと、
負荷に接続される出力端子と、
前記負荷のインピーダンスよりも大きなインピーダンスを有するインピーダンス部と、
前記DC−DCコンバータの出力側に設けられ、前記DC−DCコンバータと、前記出力端子又は前記インピーダンス部のいずれか一方とを切り替え的に接続する切替部と
を含み、
前記切替部は、前記DC−DCコンバータの動作が立ち上がる前は、前記DC−DCコンバータと前記インピーダンス部とを接続し、立ち上がり後は、前記DC−DCコンバータと前記出力端子とを接続する、受電器。
(付記2)
前記DC−DCコンバータの出力電圧を検出する電圧検出部と、
前記切替部の接続の切替制御を行う制御部と
をさらに含み、
前記インピーダンス部は、インピーダンスを変化させることができる可変インピーダンス部であり、
前記制御部は、前記DC−DCコンバータの立ち上げ時に、前記切替部に前記DC−DCコンバータと前記可変インピーダンス部とを接続させた状態で、前記可変インピーダンス部のインピーダンスを前記負荷のインピーダンスよりも大きなインピーダンスに設定する、付記1記載の受電器。
(付記3)
前記可変インピーダンス部は、前記負荷のインピーダンスと等しいインピーダンスから、前記負荷のインピーダンスよりも大きなインピーダンスまでインピーダンスを変化させることができ、
前記制御部は、前記DC−DCコンバータの立ち上げ時に、前記可変インピーダンス部のインピーダンスを前記負荷のインピーダンスよりも大きなインピーダンスに設定した後であって、前記DC−DCコンバータの動作が立ち上がる前に、前記可変インピーダンス部のインピーダンスを前記負荷のインピーダンスと等しいインピーダンスまで低下させる、付記2記載の受電器。
(付記4)
前記負荷の種類を表すデータと、前記DC−DCコンバータの立ち上げ時に前記可変インピーダンス部のインピーダンスを時系列的に変化させるデータとを関連付けて格納するメモリをさらに含み、前記制御部は、前記負荷の種類に対応する前記インピーダンスを時系列的に変化させるデータを用いて、前記可変インピーダンス部のインピーダンスを設定する、付記2又は3記載の受電器。
(付記5)
前記可変インピーダンス部は、インピーダンスの異なる複数のインピーダンス素子を有する、付記2乃至4のいずれか一項記載の受電器。
(付記6)
前記制御部は、前記DC−DCコンバータが立ち上がった後に、前記DC−DCコンバータの出力電圧が目標値になっている場合に、前記負荷と前記DC−DCコンバータとが接続されるように前記切替部を制御する、付記1乃至5のいずれか一項記載の受電器。
(付記7)
前記1次側共振コイルを含む送電器と、
付記6記載の受電器と
を含む充電システムであって、
前記制御部は、前記出力電圧が前記目標値より高いときは、前記送電器の送電電力を減少させ、前記出力電圧が前記目標値より低いときは、前記送電器の送電電力を増大させる、充電システム。
100 受電器
3 2次側共振コイル
4 2次側コイル
110 整流回路
120 DC−DCコンバータ
130 制御部
131 アンテナ
132 メモリ
140 電圧検出部
150 スイッチ
160 可変インピーダンス部
200 送電器
1 1次側コイル
2 1次側共振コイル
30 交流電源
40 アンプ
50 整合回路
210 制御部
300 充電システム

Claims (6)

  1. 1次側共振コイルから磁界共鳴又は電界共鳴によって電力を受電する2次側共振コイルの出力側に接続される整流部と、
    前記整流部の出力側に接続されるDC−DCコンバータと、
    負荷に接続される出力端子と、
    前記負荷のインピーダンスよりも大きなインピーダンスを有するインピーダンス部と、
    前記DC−DCコンバータの出力側に設けられ、前記DC−DCコンバータと、前記出力端子又は前記インピーダンス部のいずれか一方とを切り替え的に接続する切替部と
    を含み、
    前記切替部は、前記DC−DCコンバータの動作が立ち上がる前は、前記DC−DCコンバータと前記インピーダンス部とを接続し、立ち上がり後は、前記DC−DCコンバータと前記出力端子とを接続する、受電器。
  2. 前記DC−DCコンバータの出力電圧を検出する電圧検出部と、
    前記切替部の接続の切替制御を行う制御部と
    をさらに含み、
    前記インピーダンス部は、インピーダンスを変化させることができる可変インピーダンス部であり、
    前記制御部は、前記DC−DCコンバータの立ち上げ時に、前記切替部に前記DC−DCコンバータと前記可変インピーダンス部とを接続させた状態で、前記可変インピーダンス部のインピーダンスを前記負荷のインピーダンスよりも大きなインピーダンスに設定する、請求項1記載の受電器。
  3. 前記可変インピーダンス部は、前記負荷のインピーダンスと等しいインピーダンスから、前記負荷のインピーダンスよりも大きなインピーダンスまでインピーダンスを変化させることができ、
    前記制御部は、前記DC−DCコンバータの立ち上げ時に、前記可変インピーダンス部のインピーダンスを前記負荷のインピーダンスよりも大きなインピーダンスに設定した後であって、前記DC−DCコンバータの動作が立ち上がる前に、前記可変インピーダンス部のインピーダンスを前記負荷のインピーダンスと等しいインピーダンスまで低下させる、請求項2記載の受電器。
  4. 前記負荷の種類を表すデータと、前記DC−DCコンバータの立ち上げ時に前記可変インピーダンス部のインピーダンスを時系列的に変化させるデータとを関連付けて格納するメモリをさらに含み、前記制御部は、前記負荷の種類に対応する前記インピーダンスを時系列的に変化させるデータを用いて、前記可変インピーダンス部のインピーダンスを設定する、請求項2又は3記載の受電器。
  5. 前記制御部は、前記DC−DCコンバータが立ち上がった後に、前記DC−DCコンバータの出力電圧が目標値になっている場合に、前記負荷と前記DC−DCコンバータとが接続されるように前記切替部を制御する、請求項1乃至4のいずれか一項記載の受電器。
  6. 前記1次側共振コイルを含む送電器と、
    請求項5記載の受電器と
    を含む充電システムであって、
    前記制御部は、前記出力電圧が前記目標値より高いときは、前記送電器の送電電力を減少させ、前記出力電圧が前記目標値より低いときは、前記送電器の送電電力を増大させる、充電システム。
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