JP2016218989A - セキュアなカードカセット - Google Patents

Abstract

【課題】カードカセットのセキュリティを向上させるシステムを提供する。【解決手段】カードを払い出すためのシステムは、積み重ねられたカードを保留するカードカセットとカードカセットからカードを払い出すように構成されるカード払出装置を備えて提供される。カードカセットは、払出装置が積み重ねたカードからカードを受け取り可能なように、閉位置から開位置に動くよう構成されたシャッタを備える。カードカセットは、シャッタの動きを可能にするよう構成されたカセットコントローラを備える。カセットコントローラは、初期化プロセスの間に、払出装置により出力される認証信号を解析すると共にその解析に基づいてシャッタの動きを可能にするよう構成される。【選択図】図２

Description

本発明は、払出装置によって払い出されるために積み重ねられたカードの保留と輸送のためにセキュアなカセットに関するものである。

カード払出装置は広く知られていて、しばしば、券類自動販売機、例えば、しばしば公共輸送機関駅で見られるものに組み込まれる。前払いのクレジットの特定の金額を含んでいるカードは、自動販売機で行われる購入に応答して払出装置によって払い出されることができる。各々のカードはセキュアな要素、例えば磁気ストライプまたは集積回路「ＩＣ」チップを一般的に含むことができ、それはデータを記憶することができる。カード上のデータの暗号化は、払出装置自体で、または、カードが払出装置上へロードされる前に起こることができる。

カードはカセットで払出装置に一般的に提供され、カードカセットは、カードが無くなったり、異なるタイプのカードが要求された場合には、専門家によって取り除かれて置き換えることができるように、払出装置から分離可能なユニットである。カードは一般的にカセットの範囲内で頂部まで互いに積み重ねられ、垂直に整列される形態でカードが積み重ねられ、コンテナ内部に収納される。積み重ねられた最下位のカードは、一般的に使用中は払出装置によって引き出すことができる。

カセットのドアは、カードをカセットに入れるために開放されることができて、これらのカードを安全にするために閉められることができる。各々のカードがそれに金銭的な価値を持つことができるので、カセットの輸送の間、または、それが払出装置に取り付けられる間カードがカセットから簡単に盗まれないように、セキュアなカセットを作ることが望ましい。それ故、一般的にカセットドアは施錠可能で開放されるためには誂えのキーを必要とする。シャッタは、積み上げられたカードから最下位のカードだけにアクセスを許すために、カセットのベースで提供されることができる。キーがシャッタを開放することを要求されるように、このシャッタもまたロック可能であり得る。更なる保護は、カセットが払出装置から分離されるとき、または、カセットが正しくインストールされなかったならば、シャッタに対して開放を妨げるようにロックでシステムと係合するように構成するシャッタコントローラを提供することによってもたらされる。また、ロックシステムは、シャッタの開放を妨げるためにシャッタと係合するために使用可能なソレノイドロックを含む、または、代わりとしてソレノイドロックであることができる。カセットが払出装置に挿入された場合、電子的な回路がシャッタから開放するロックシステムをもたらしていて、それによって手動でシャッタを開放させることをカセットにおいて完成させることができる。しかしながら、これらのような電子的な回路は、適切な払出装置が要求されることなく、偽造デバイスや方法を用いて簡単に完成される。

そのため、カードカセットの中に含まれるカードへの無許可でのアクセスを妨げるためにカードカセットのセキュリティをさらに向上させることが望ましい。

本発明の第１態様によれば、積み重ねられたカードを保留するよう構成されるカードカセットと、前記カードカセットからカードを払い出すよう構成されたカードの払出装置と、を備え、前記カードカセットは前記払出装置が前記積み重ねられたカードからカードを受け取り可能なように、閉位置から開位置に動くよう構成されたシャッタを備え、前記カードカセットは前記シャッタの動きを可能にするよう構成されたカセットコントローラを備え、前記カセットコントローラは初期化プロセスの間に前記払出装置により出力される認証信号を解析すると共に当該解析に基づいて前記シャッタの動きを可能にするよう構成されるカード払い出しのためのシステムが提供される。

上記のシステムは、カードカセットに存在するある程度の知性を要求することによって拡張されたセキュリティレベルを提供する。今や、カードカセットは、電子的コントローラであって、シャッタの動きを許可すべきか否かを決定するために、払出装置によって提供される信号を解析することができるカセットコントローラを備えることが要求される。したがって、カセットコントローラは、開錠またはシャッタを開放するために特定の認証信号（または、複数の認証信号）を要求することができる。この信号が提供されるならば、初期化プロセスは正常に完了する。認証信号は特定のパルス列を備えることができて、なんらかの既知のシステムで起きるように、単にカセット上で電子的な回路を完成する場合に比べ、泥棒がカセットから未許可でカードにアクセスするために繰り返すのは一般的に困難である。それ故、カセットコントローラは、信号解析を実行するために、一以上のプロセッサ、メモリ（揮発性または不揮発性の双方）および潜在的なオンボード電源（バッテリのような）を備える。

種々の異なるセキュリティレベルが前記システムによって可能となる。例えば、基本的なアプローチにおいて、払出装置からカセットコントローラへの片方向通信が初期化プロセスの間に発生する。カセットコントローラは、払出装置から認証信号を単に受け取り、それを解析し、それにより当該信号が正しいことを決定するならば、シャッタの動きを可能とすることができる。前記解析は、信号を認証することができるならば、認証信号をカセットコントローラのメモリに記憶された一以上の所定の信号と比較することが必要であり得る。より先進的な例では、初期化プロセスの間、カセットコントローラと払出装置との間で双方向のデータ交換が行われる。これは、カセットコントローラと払出装置とが互いに前後してコミュニケーションする「ハンドシェーク」手続を含むことができる。前記双方向データ交換は、一般的にセキュリティ認証手続を備える。このとき払出装置に配置された第２電子コントローラ（ここでは払出装置コントローラという）は、特定の入力信号への応答に対して特定の応答セットが払出装置またはカセットのいずれかから要求された場合、双方向データ交換を実行することを要求することができる。セキュリティ認証手続は、他のデバイスによって提供されるため、カードカセットまたは払出装置における所定のパスワードを要求することができ、ローリングコードを用いることによってさらに強化することができる。しかしながら、基本的な片方向通信アプローチにおいて、カードカセットからのデータ信号の入力プロセスに対し払出装置における知性の程度なしで、払出装置コントローラは認証信号を絶えず出力することを要求されない。

双方向通信アプローチにおいて、前記プロセスの間、認証信号は払出装置コントローラからカセットコントローラへ送られる信号の全部かまたは一部かを備えることができる。実際に、それは、初期化プロセスの間にカセットコントローラから払出装置コントローラへ送られる信号の全部または一部を更に備えることができる。しかしながら一般的に、認証信号は払出装置から初期化プロセスの間のカセットコントローラへの最終的な信号出力である。

追加のセキュリティは、カセットコントローラが直列接続によって払出装置に電気的に接続されることにより提供される。これは、カセットと払出装置とがそれぞれシリアルインターフェースコネクタを備えることを要求することができる。例えば、カードカセットが払出装置にインストールされるとき、誂えの雄または雌の電気ターミナルが２つのユニット間で機械的・電気的な接続を可能にするためにカードカセットおよび払出装置に提供されることができる。この直列接続は、払出装置から分離されるときカードカセットを開放するために再度複製するのがより難しい。

いくつかの出願において、カセットおよびカセットに保留された物品の数量やタイプに関する潜在的な情報のための固有の識別番号（ＵＩＤ）を記憶するオンボードメモリを持つカセットが提供されることは既知である。これは、従来、トラッキングとトレーサビリティのために提供されている。カセットを充填するとき、データは技術者によってアクセスされることができるか、払出装置のネットワークの向こうでいろいろなカセットで所在とストックレベルをモニタするために払出装置に接続するホストサーバでアクセスされることができる。しかしながら、さらに本願において、セキュリティは初期化プロセスの部分として、この情報を用いて提供されることができる。例えば、前記カセットコントローラは、カードカセットの識別とカードカセットが使用のために意図される一以上の払出装置の識別に関してデータを含んでいるメモリを備えることができる。それから、前記識別は、初期化プロセスの間に比較されることができる。この比較は、カセットコントローラや払出装置コントローラで実行されることができる。例えば、払出装置コントローラがこの比較を実行する場合、例えば、払出装置とカセットが互いに互換性を有するか否かを示す認証信号をカセットコントローラに発行することができる。カセットコントローラが比較を実行する場合、払出装置によってカセットに発行される、払出装置の識別データを含む信号が認証信号（または、少なくとも認証信号の部分を含む）と考えられる。好ましくは、前記比較はカセットコントローラで実行される。カセットコントローラは一以上の特定の払出装置でのみ開放されることができるようにプログラムされることができる。成功した初期化プロセスは、また、払出装置に記憶された払出装置の所在に関するデータを条件とする。

払出装置がネットワークを介してホストサーバに接続されると共に、払出装置によって送られる認証信号の制御がホストサーバによって決定されることでセキュリティはさらに強化することができる。例えば、ホストサーバは、ネットワークの向こうで複数のカード払出装置にインストールされるカードカセットからＵＩＤをモニタするよう構成することができる。カセットは、シャッタを上げることができるようにするために、ホストサーバによって発行された「ライブ」キーを要求することによってさらにセキュアになることができる。複製のカードカセットＵＩＤが検出された場合には、ホストサーバは払出装置が初期化プロセスを完了するための適切な認証信号を出力するのを妨げることができる。アラームは、いくつかのレベルの偽物が発生することができたことを示すために、その代わりとして発することができる。ホストサーバもまたネットワークの向こうで複数のカード払出装置を管理するために、これらの払出装置がカードを受け取ることができるカードカセットのタイプにリアルタイムで変更を行うことによって、より大きい程度の柔軟性を与えることができる。

カセットコントローラは、前記シャッタの動きをコントロールするようにそれ自体構成されることができる。例えば、カセットコントローラは、認証信号の解析に基づきシャッタを動かすように構成されることができる。初期化プロセスが成功である（すなわちシャッタを開放するための「正しい」認証信号はカセットコントローラでモニタされる）場合、カセットコントローラは、例えば、シャッタ駆動手段に電気信号を出力することができ、自動的に開放するシャッタをもたらす。シャッタ駆動手段は、カセットコントローラからの電気的出力に応答してシャッタを閉じた構成から開いた構成へと動かすためのモータと潜在的なプーリーシステムを含むことができる。しかしながら、有利な構成では、カードカセットはユーザによって提供される機械的な入力に応答してシャッタを開閉するために構成されたシャッタコントローラをさらに備える。ロックシステムは、初期化プロセスに基づいて（すなわち、認証信号の解析に基づいて）カセットコントローラによって提供される電子的な信号に応答してシャッタコントローラの動きを許容または阻止するために提供されることができる。最も好ましくは、シャッタコントローラは手動で使用可能なロック部材（例えば、作動のための誂えのキーを必要とする）を含む。また、好ましいロックシステムは前記シャッタコントローラの作動を妨げるためにシャッタと係合するために使用可能なソレノイドロックを含むことができる。その代わりとして、またはこれに加えて、ロックシステムはシャッタの開放を妨げるためにシャッタと係合するために使用可能なソレノイドロックを含むことができる。これと同じ、または先に参照した上記ソレノイドロックとは異なるソレノイドロックはシャッタコントローラと係合する。ロックシステムは、カセットコントローラからの出力に従ってシャッタと係合または離脱するように、例えば、電磁石によって駆動される格納式部材を備えることができる。そして、動作は機械的な結合によってシャッタコントローラからシャッタへ移すことができる。シャッタを上げるために、シャッタコントローラは、例えば、回転キーで物理的作動を必要とすることができ、したがって、更なるセキュリティをカセットに提供する。また、このシステムは、例えば、モータ付きベルトよりも機械的故障がより少ない傾向がある。

本発明の第２態様により、本発明の第１態様に使用されるカードカセットが提供される。すでに第１態様に関して論じられるように、第２態様は同じ利点と類似した特徴を共有する。

カードカセットと払出装置とを備えた本発明のシステムの一例を示す斜視図である。 図１のカードカセットの構成要素を示す分解斜視図である。

以下、本発明に係る一例を添付図面に基づいて説明する。

カードカセット２０および対応するカード払出装置１０は、図１に示される。カードカセット２０の構成要素は、図２に示されるだけである。カセット２０は、垂直に整列される積み重ねとして提供される複数のカード保留するように構成されるハウジングを形成する。これらのカードは原則としてどんなサイズでもありえるが、一般的に標準化されたＩＤ−１フォーマット（８５．６０×５３．９８ｍｍ）で、一般的に、データを保持するために、セキュアな要素を含む。セキュアな要素上のデータの暗号化は、カードがカードカセット２０の内部へロードされる前に、または、払出装置１０で、従来の接触または非接触の手段によってなされることができる。積み重ねは、カセット２０の背面に提供されると共にカセット２０の垂直軸に位置合わせされたヒンジを軸に回転するドア２５を開放することによって、カセット２０の内部に装填することができる。このドア２５は、カセット２０の内部にカードを安全に保管するためにドアロック４７を用いて閉止された構成内に閉じ込めることができる。

シャッタ２２は、その内部に収容される積み重ねから最後のカードへのアクセスを許容するために、カセットの前部に提供される。この場合、最後のカードは積み重ねの最下位のカードである。シャッタ２２は、フロントパネル２３の後方に配置された基本的に垂直に動かせるプレートであって、カセット２０を開放するために上方に格納されることでウィンドウを出現させ、または、カセット２０を閉止するために下降してウィンドウを閉止させることができる。シャッタを開放させることは、積み重ねから最下位のカードを露出させる。

カセット２０は、カセット２０を運ぶときの運搬の容易性のためのハンドルが取り付けられた上面を有する。また、ロックを形成する機械的シャッタコントローラ３９は、上面４４上に提供される。シャッタコントローラ３９は、ユーザがロックの内部に誂えのキーを挿入して回すことに応答して、シャッタ２２が閉止されるロックされた構成からシャッタ２２が開放されるロックがかかっていない構成へと動く。シャッタコントローラ３９の回転は、シャッタ２２に提供された溝付きの孔２２ｂの内部で回転するためのカム３８をもたらす。カムが溝に対して回転されるとシャッタ２２を上方へ押し上げる力を及ぼすように溝に対して作用する。他の例として、初期化プロセス（後述する）に続いてカセットコントローラ５０によって送られる電気信号に応答して、シャッタ２２自体がモータ付きベルトを備えたシャッタ駆動手段によって自動的に動かすことができるとき、シャッタコントローラ３９は提供されない。

また、ロックシステム（または、「ソレノイドロック」）３０と呼ばれる第３のロックが提供される。手動入力または物理的キーは、このロックを作動するために要求されない。ロックシステム３０はソレノイド３２の範囲内で提供される格納式部材３１を備える。格納式部材３１は、ソレノイド３２によって誘導される電磁力により駆動され、シャッタ２２の垂直の動きを妨げるようにシャッタ２２に提供されたシャッタプレート孔２２ｄと係合するよう構成される。ロックシステム３０は、初期化プロセス成功の結果としてカセットコントローラ５０によってロックシステム３０に電気信号が提供されない限り、格納式部材３１がシャッタプレート孔２２ｄとデフォルトで係合する。格納式部材３１がシャッタプレート孔２２ｄに対して格納されている（すなわち、係合していない）場合、シャッタコントローラ３９およびカム３８は回転することができる。溝孔２２ｂの内側のカム３８の回転はシャッタ２２の持ち上げをもたらし、それによって払出装置１０における積み上げから最下位のカードを露出させる。また、シャッタコントローラ３９を回すことは、払出装置１０へのカセット２０を安全にするためにカセット２０におけるいくらかの機械的係合機能を動かすことができる。この場合、スロット２４ｂの内側のカム３８の回転は、払出装置に対しカセット２０を物理的にロックするように、スロット（図示せず）に対応して払出装置１０に係合するカム３８の一部を物理的に露出させる。代替のシステムでは、例えば、キーの代わりにハンドルを回すことによって、シャッタコントローラ３９はキーを使用することなく作動させることができる。

カセット２０は、カセットに関する情報を記憶しカード払出装置１０と通信するための印刷回路基板（ＰＣＢ）、プロセッサおよびメモリ（揮発性および不揮発性の双方）を備える電子的なカセットコントローラ５０で提供される。カセットコントローラ５０で記憶される情報は、カセット２０、カセット２０内に収納されるカードの数量および／またはタイプ、およびカセット２０が取り付けられることを意図する払出装置の番号または所在を指定する固有の識別番号（ＵＩＤ）を含むことができる。オンボード電源はカセット２０に配置されたバッテリの形態でカセットコントローラ５０に提供されることができる。あるいは、電力は払出装置１０によってカセット２０に供給することができる。また、追加の電子的な要素は、カセット２０に提供されることができる。また、追加の電子的な構成は、カセット２０上で提供されることができる。例えば、トランシーバは、カセット２０のＧＰＳ座標、または、ステータスのアップデートをサーバに送信するために提供されることができる。また、カセット２０は、カセット２０内に保留されたカードの数量を検出する、および／または、カセット２０に対する不正操作または未許可のアクセスを検出するためのセンサを含むことができる。カセット２０は、未許可のアクセスが検出された場合に作動するアラームシステムを含むこともできる。

カードカセット２０は、払出装置１０と噛み合って固定されるように構成される。この場合、カセット２０のフロントパネル２３が払出装置１０上で受け入れ板１５と接し、且つ、カセット２０のベース２１が払出装置１０のトップ外面上へ接するまで、カセット２０は下方に差し込まれる。また、この物理的接続は、カセット２０において提供される雄または雌のシリアルポートコネクタ５５が払出装置１０における対応する雌または雄のシリアルポートコネクタと噛み合ってシリアルインターフェースを接続する。この電気的接続は、初期化プロセスの間に払出装置１０とカードカセット２０との間で生じるデータ転送を可能にする。あるいは、前記電子通信は、カセット２０および払出装置１０に取り付けられている適切な送信機および受信機によりワイヤレスで行うこともできるし、払出装置１０およびカセット２０の間で適切なワイヤを接続することによって行うこともできる。

払出装置１０は、シャッタ２２が開放されているとき、カードカセット２０から最下位のカードを引き抜いて、搬送するように構成される駆動機構１２を備える。あるいは、カセット２０自体は、シャッタ２２が開いているときカセットから払出装置１０まで最終カードを搬送するように、自身のドライブ機構（図示せず）を備えることができる。そして、カードは、カード通信モジュール（データの暗号化および検証ができる）を介して払出位置（例えば、払出装置１０が組み込まれた券類自動販売機の前面に配置されたベゼル）に搬送される。また、払出装置１０は、払出装置１０に関する情報（例えば、ＵＩＤおよび所在）を記憶するコンピュータ（図示せず）、駆動機構１２の制御装置、および顧客によって行われる購入品を処理するよう構成されたユーザインターフェースを備えることができる。このコンピュータはインターネットのようなネットワークを介してホストサーバに接続されることができる。

初期化プロセスの種々の例は、ここに記述される。基本的な実施例において、払出装置１０は払出装置１０のために特性周波数で電気認証信号を絶えず出力する。この信号は与えられた製造／モデルのすべてのカード払出装置に全般的であることができる、または、個々の払出装置１０に特有であることができる。払出装置１０とカセット２０とが互いに電気的に接続される場合、カセットコントローラ５０はこの信号を検出して、メモリに記憶された一以上の「正しい」認証信号に対応するか否かを調べるために解析する。信号が一致する場合、カセットコントローラ５０は、初期化プロセスに成功した（すなわち、カードカセット２０が適切なカード払出装置１０に接続されている）ことを決定する。そして、格納式部材３１がシャッタプレート孔２２ｄから離脱して、シャッタ２２を開放するためにシャッタコントローラ３９がユーザによって回転されることを許容するための電気信号がカセットコントローラ５０からソレノイド３２に出力される。認証信号がカセットコントローラ５０によって認証されない場合、ロックシステム３０がシャッタ２２と係合したままとなり、それによってシャッタ２２の開放が妨げられる。他の例では、シャッタ２２の開放を阻止または許容するために、ロックシステム３０がシャッタコントローラ３９（むしろシャッタ２２における孔２２ｄ）と係合および離脱することを代わりに実施できる。

第２実施例では、初期化プロセスの間に払出装置コントローラとカセットコントローラ５０との間で二方向通信が発生する。データは８ビットを１バイトの文字として送信される。各ビットはバイナリであって、「０」は１０マイクロ秒の高振幅信号の後に続いて２０マイクロ秒の低振幅信号として送られ、「１」は２０マイクロ秒の高振幅信号の後に続いて１０マイクロ秒の低振幅信号として送られる。カセット２０が払出装置１０に電気的に接続されると、二つのユニット同士がデータを交換し始める。

カセット２０が払出装置１０に電気的に接続されると、２つのユニットはデータ交換を始める。この例では、払出装置１０は、このデータ交換の間、カセット２０からの要求および応答の取得を制御している（しかしながら、逆方向もまた可能である）。払出装置コントローラは、カセットコントローラ５０へ文字列で形成されるコマンドを出力する。払出装置コントローラおよびカセットコントローラ５０の各々は、メモリに保持された、セキュリティ認証手続を形成する１以上のコマンドと予め定義された応答を有している。例えば、払出装置は、カセットコントローラ５０からの単純な応答のための要求を最初に送信することができる。コマンドが完了したとき、払出装置コントローラは、高い信号を出力すると共に、持続する低い信号を出力する前にカセットコントローラ５０が処理するために所定時間待つ（１０マイクロ秒以上）。

払出装置１０からのデータ出力は高インピーダンス状態（一般的にトライステート）に解放される。カセットコントローラ５０がデータラインの低い状態を検知すると、送信を望むビットの状態に対応する高い状態または低い状態のいずれかにテータラインを設定する。さらに５マイクロ秒後に、払出装置コントローラはデータラインの状態をチェックして、それを「１」または「０」として読み込む。このプロセスを合計８回繰り返す前にさらに１０マイクロ秒待つ。完了したら、払出装置コントローラはカセットコントローラ５０から５バイトを完全に受け取る。それから、払出装置コントローラは、次のバイトのプロセスを繰り返すための次のタイマー割り込みが生じるまで、通常動作を継続する。これは、全てのデータを受信した時点でＥＸＴ文字を受信するまで繰り返し継続される。

カセットコントローラ５０からの最初の応答は、払出装置コントローラにそのＵＩＤをカセットコントローラ５０へ出力することを要求するコマンドであることができる。払出装置コントローラはこのコマンドを受信し、そのメモリから当該ＵＩＤを読み出し、この情報を備える認証信号をカセットコントローラ５０へ回答する。そして、カセットコントローラ５０は、払出装置ＵＩＤを解析し、カセットメモリに記憶された一以上の払出装置ＵＩＤと比較する（カセット２０が使用のために承認されるかどうか）。ＵＩＤがカセットコントローラ５０によって認識され、且つ、承認された場合、初期化プロセスが成功したとみなされ、シャッタ２２が開放されることができる。ＵＩＤが認識されず、または、カセットコントローラ５０によって不適切な（あるいは、無効な）応答が検出された場合、初期化プロセスは失敗し、シャッタ２２は閉止された構成でロックされたままである。こうして、シャッタ２２が開放されるか否かの最終的な制御は、払出装置１０によって提供される一以上の認証信号を処理するカセットコントローラ５０によって決定される。

他の実施例では、カセット２０のための意図された払出装置や実際の払出装置の所在のような情報は、初期化プロセスの間で読み出され、比較されることもできる。また、この情報は払出装置によって提供される認証情報の一部をなすこともできる。さらにまた、セキュリティ認証手続は、いずれかのデバイスまたは双方のデバイスにおいて提供される、ローリングキーのようなパスワードを使用することでさらに強化することができる。またさらなる実施例では、払出装置コントローラは、初期化プロセスの間にインターネットを介してホストサーバに通信することもできるし、払出装置１０によって提供される認証信号はホストサーバによって与えられる応答に依存することもできる。また、カセットコントローラ５０は、カセット２０におけるセンサによって検出されたいかなる情報（例えば、カセット２０に対する不正またはその内部に収納されたカード数に関する情報）、および／または、技術者によってカセット２０にプログラムされたデータ、および、初期化プロセスの一部としてホストサーバ上への潜在的な情報、または、これ以降の情報を報告することができる。

上記から理解できるように、改良されたシステムは、カセット自体にある程度の知性を組み込むことによって、カードカセットのセキュリティを高めることが提供される。このシステムは、既存のカード払出装置およびカードカセットを有利に更新することができる。

１０ カード払出装置
１２ 駆動機構
１５ 受け入れ板
２０ カードカセット
２１ ベース
２２ シャッタ
２２ｂ 溝付きの孔
２２ｄ シャッタプレート孔
２３ フロントパネル
２５ ドア
３０ ロックシステム
３１ 格納式部材
３２ ソレノイド
３８ カム
３９ シャッタコントローラ
４４ 上面
４７ ドアロック
５０ カセットコントローラ
５５ シリアルポートコネクタ

Claims (18)

1. 積み重ねられたカードを保留するよう構成されるカードカセットと、
   前記カードカセットからカードを払い出すよう構成されたカードの払出装置と、
   を備え、
   前記カードカセットは前記払出装置が前記積み重ねられたカードからカードを受け取り可能なように、閉位置から開位置に動くよう構成されたシャッタを備え、
   前記カードカセットは前記シャッタの動きを可能にするよう構成されたカセットコントローラを備え、
   前記カセットコントローラは初期化プロセスの間に前記払出装置により出力される認証信号を解析すると共に当該解析に基づいて前記シャッタの動きを可能にするよう構成されるカード払い出しのためのシステム。
2. 前記初期化プロセスの間に前記カセットコントローラと前記払出装置との間で双方向のデータ交換が行われる請求項１に記載のシステム。
3. 前記双方向のデータ交換がセキュリティ認証手続を備える請求項２に記載のシステム。
4. 前記カセットコントローラがシリアル接続によって前記払出装置に電気的に接続される請求項１〜３のいずれか一項に記載のシステム。
5. 前記カセットコントローラが前記カードカセットの識別子と前記カードカセットが使用されることを意図する一以上の払出装置の前記識別子とに関するデータを含むメモリを備え、前記識別子が前記初期化プロセスの間に比較される請求項１〜４のいずれか一項に記載のシステム。
6. 前記比較がカセットコントローラで実行される請求項５に記載のシステム。
7. 前記払出装置がネットワークを介してホストサーバに接続され、且つ、前記払出装置によって送られる認証信号の制御は前記ホストサーバによって決定される請求項１〜６のいずれか一項に記載のシステム。
8. 前記カセットコントローラが前記認証信号の解析に基づいて前記シャッタを動かす請求項１〜７のいずれか一項に記載のシステム。
9. 前記カードカセットが、
   ユーザによって提供される機械的入力に応答して前記シャッタを開放および閉止するよう構成されたシャッタコントローラと、
   初期化プロセスに基づいてカセットコントローラによって提供される電子信号に応答して前記シャッタコントローラの動きを許容または阻止するよう構成されたロックシステムと、
   をさらに備えている請求項１〜８のいずれか一項に記載のシステム。
10. 前記シャッタコントローラが手動で使用可能なロック部材を含む請求項９に記載のシステム。
11. 前記ロックシステムが、前記シャッタコントローラの作動を阻止する、前記シャッタコントローラとの係合に使用可能なソレノイドロックを含む請求項１０に記載のシステム。
12. 前記ロックシステムが前記シャッタの開放を阻止するために前記シャッタとの係合に使用可能なソレノイドロックを含む請求項９〜１１のいずれか一項に記載のシステム。
13. 請求項１〜１２のいずれか一項に記載のシステムに使用されるカードカセットであって、
    前記積み重ねられたカードから前記払出装置がカードを受け取り可能なように閉位置から開位置に動くよう構成されたシャッタと、
    前記シャッタの動きを可能にするカセットコントローラと、
    を備え、
    前記カセットコントローラは初期化プロセスの間に払出装置から出力される認証信号を解析すると共に当該解析に基づいて前記シャッタの動きを可能にするよう構成されるカードカセット。
14. 前記カセットコントローラが前記認証信号の解析に基づいて前記シャッタを動かすよう構成される請求項１３に記載のカードカセット。
15. ユーザによって提供される機械的入力に応答して前記シャッタを開放および閉止するよう構成されるシャッタコントローラと、
    初期化プロセスに基づいて前記カセットコントローラによって提供される電子信号に応答して前記シャッタコントローラの動きを許容および阻止するよう構成されるロックシステムと、
    をさらに備える請求項１３に記載のカードカセット。
16. 前記シャッタコントローラが手動で使用可能なロック部材を含む請求項１５に記載のカードカセット。
17. 前記ロックシステムが前記シャッタコントローラの作動を妨げるために前記シャッタコントローラと係合のために使用可能なソレノイドロックを含む請求項１５または１６に記載のカードカセット。
18. 前記ロックシステムが前記シャッタの開放を妨げるために前記シャッタと係合するために使用可能なソレノイドロックを含む請求項１５〜１７のいずれか一項に記載のカードカセット。

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