JP2016217882A - 電磁界強度推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】要保護機器の極近傍に電磁界センサを配置せず、要保護機器が曝される電磁界強度を推定可能な電磁界強度推定装置電磁界強度推定装置を提供する。
【解決手段】電磁界センサ93が在る位置と異なる第1の位置における電磁界強度を推定する電磁界強度推定装置であって、電磁界センサ93が検出した電磁界強度を記憶する記憶部101と、距離の増大に応じて電磁界強度が減衰するように定式化された減衰式と、最大電磁界強度と、を用いて第1の位置における電磁界強度を推定する推定部103とを含み、減衰式は、第1の位置と電磁波を放射する機器91が在る第2の位置とを結ぶ直線上にある位置における電磁界強度を算出する式であり、最大電磁界強度は、第1の位置と第2の位置とを結ぶ線分上の位置(ただし、第1の位置と第2の位置を除く)にて当該線分に直交する平面上の複数の位置で電磁界センサ93が検出した電磁界強度のうちの最大値である。
【選択図】図1
【解決手段】電磁界センサ93が在る位置と異なる第1の位置における電磁界強度を推定する電磁界強度推定装置であって、電磁界センサ93が検出した電磁界強度を記憶する記憶部101と、距離の増大に応じて電磁界強度が減衰するように定式化された減衰式と、最大電磁界強度と、を用いて第1の位置における電磁界強度を推定する推定部103とを含み、減衰式は、第1の位置と電磁波を放射する機器91が在る第2の位置とを結ぶ直線上にある位置における電磁界強度を算出する式であり、最大電磁界強度は、第1の位置と第2の位置とを結ぶ線分上の位置(ただし、第1の位置と第2の位置を除く)にて当該線分に直交する平面上の複数の位置で電磁界センサ93が検出した電磁界強度のうちの最大値である。
【選択図】図1
Description
本発明は、電磁界センサが在る位置と異なる位置における電磁界強度を推定する電磁界強度推定装置に関する。
無線通信用の携帯端末から放射された電波が他の機器(例えば医用電気機器[JIS T 0601-1:2012参照]であり、以下、「要保護機器」と呼称する)に与える電磁干渉はこれまで様々な機関によって評価がされており、要保護機器が電磁干渉を受けることが確認されている(下記非特許文献1〜3参照)。
このような電磁干渉を防止あるいは低減するための方法として、携帯端末の所持者が携帯端末の電源を切る、電波を放射しないように設定する、といった行動を取ることが考えられる。しかし、そのような行動をいつ取るべきか、つまり自身が所有する携帯端末が周囲の要保護機器に電磁干渉を与えるかどうかの判断が所持者には難しい。このような課題について、下記特許文献1〜3は、電磁干渉を避けたいエリア内でのみ、所持者が操作を行わなくても自動的に携帯端末の電源が切れる、または携帯端末の送信電力が低下する携帯端末が提案されている。
不要電波問題対策協議会(現在の電波協議会),"〜医用電気機器への電波の影響を防止するため〜携帯電話端末等の使用に関する調査報告書",平成9年4月.
総務省,"電波の医用機器等への影響に関する調査研究報告書",平成14年3月.
電波環境協議会,"医療機関における携帯電話等の使用に関する報告書",平成26年8月.
電源を切る場合は当該エリアにて通信ができなくなるので、携帯端末が放射する電力を抑制する方法が好ましいと考えられるが、この場合、電力をどこまで下げればよいかの基準が明確でなかった。このため、例えば、要保護機器に電磁界センサを取り付けて、電磁界センサで検出した電磁界強度が電磁干渉を避けるために設定された値を超えないように携帯端末の放射電力を制御することも考えられるが、要保護機器の極近傍に電磁界センサを取り付けたこと自体が、医療行為等を妨害する虞がある。
そこで本発明は、要保護機器の極近傍に電磁界センサを配置せず、要保護機器が曝される電磁界強度を推定可能な電磁界強度推定装置を提供することを目的とする。
本発明の電磁界強度推定装置は、電磁界センサが在る位置と異なる第1の位置における電磁界強度を推定する電磁界強度推定装置であって、電磁界センサが検出した電磁界強度を記憶する記憶部と、距離の増大に応じて電磁界強度が減衰するように定式化された減衰式と、最大電磁界強度と、を用いて第1の位置における電磁界強度を推定する推定部とを含み、減衰式は、第1の位置と電磁波を放射する機器が在る第2の位置とを結ぶ直線上にある位置における電磁界強度を算出する式であり、最大電磁界強度は、第1の位置と第2の位置とを結ぶ線分上の位置(ただし、第1の位置と第2の位置を除く)にて当該線分に直交する平面上の複数の位置で電磁界センサが検出した電磁界強度のうちの最大値であることを特徴とする。
あるいは、本発明の電磁界強度推定装置は、複数の電磁界センサのそれぞれの位置と異なる第1の位置における電磁界強度を推定する電磁界強度推定装置であって、複数の電磁界センサが検出した電磁界強度を記憶する記憶部と、距離の増大に応じて電磁界強度が減衰するように定式化された減衰式と、最大電磁界強度と、を用いて第1の位置における電磁界強度を推定する推定部とを含み、減衰式は、第1の位置と電磁波を放射する機器が在る第2の位置とを結ぶ直線上にある位置における電磁界強度を算出する式であり、最大電磁界強度は、第1の位置と第2の位置とを結ぶ線分上の位置(ただし、第1の位置と第2の位置を除く)にて当該線分に直交する平面上に配置されている複数の電磁界センサが検出した電磁界強度のうちの最大値であることを特徴とする。
本発明によると、距離の増大に応じて電磁界強度が減衰するように定式化された減衰式を用いるので、要保護機器の極近傍に電磁界センサを配置せずとも、要保護機器が曝される電磁界強度を推定できる。
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1に示すように、電磁界強度推定装置100は、電磁界センサ93が在る位置と異なる第1の位置における電磁界強度を推定する。第1の位置には、例えば医用電気機器のような要保護機器92が置かれている。本実施形態では、第1の位置は不動であることを予定している。また、電磁界センサ93が在る位置とも第1の位置とも異なる第2の位置には、電磁波を放射する機器91(例えば無線通信用の携帯端末[スマートホン、タブレット、フィーチャーホン、データ通信用端末、ルータなど]であり、以下、このような機器を代表して「携帯端末」と呼称する)が置かれている。
要保護機器92は通常、3次元の寸法を持つ有体物であるので、要保護機器92と第1の位置との関係について説明を加える。第1の位置については種々の定義が考えられる。例えば、要保護機器92に含まれる電磁干渉に弱い構成要素において任意に定めた一点を第1の位置としてもよい。あるいは、第2の位置を中心とする球であって要保護機器92の一部を含む直径が最小の球を考えたとき、この球に含まれる要保護機器92の一部を第1の位置としてもよい。
また、携帯端末91も通常、3次元の寸法を持つ有体物であるので、携帯端末91と第2の位置との関係について説明を加える。第2の位置には、携帯端末91の持つ無線アンテナ(図示せず)が位置するように、携帯端末91が置かれているものとする。無線アンテナも通常、3次元の寸法を持つ有体物であるが、本実施形態では、無線アンテナの任意に定めた一点を第2の位置とする。
本実施形態では、一つまたは複数の電磁界センサ93が用いられる。各電磁界センサ93として、日本国総務省の電波防護指針(平成2年6月、[平成27年4月30日検索]インターネット<URL:http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/material/dwn/guide38.pdf>)に開示されている電磁界プローブ(物理的に微小なダイポールアンテナ又はループアンテナを二軸又は三軸に直交配置することによって等方性及び広帯域特性を持たせるとともに、高抵抗線などを用いて干渉特性等を改善したアンテナ系)を例示できる。各電磁界センサ93は、第1の位置とも第2の位置とも異なる位置に置かれている。特に、各電磁界センサ93は、要保護機器92の極近傍ではない位置(換言すれば、医療行為など要保護機器92の使用を妨げない位置)に配置されている。
複数の電磁界センサ93を用いる場合、各電磁界センサ93が置かれている位置は、第1の位置と第2の位置とを結ぶ線分上の位置p(ただし、第1の位置と第2の位置を除く、さらに好ましくは第1の位置の近傍と第2の位置の近傍を除く)にて当該線分に直交する平面P上の複数の位置である。本実施形態では、各電磁界センサ93が置かれている位置は不動であることを予定している。このため、第1の位置から平面Pまでの距離d2は既知である。一つの電磁界センサ93を用いる場合、当該電磁界センサ93は、平面P上の複数の位置のそれぞれにて、電磁界強度の検出を行う。また、各電磁界センサ93は、電磁界強度推定装置100の構成要素であってもよいし、電磁界強度推定装置100とは別の物理的実体であってもよい。
各電磁界センサ93が検出した電磁界強度は電磁界強度推定装置100に有線通信または無線通信で伝送され、電磁界強度推定装置100の記憶部101は、受信した各電磁界センサ93からの電磁界強度を記憶する。ただし、無線通信において電磁波を使用する場合には、要保護機器92への影響が無い/少ないような周波数や放射電力が選択される。
複数の電磁界センサ93を使用する場合には各電磁界センサ93が置かれている位置にて検出した電磁界強度のうち最大の電磁界強度、或いは、一つの電磁界センサ93を使用する場合には当該電磁界センサ93が検出した複数個所での電磁界強度のうち最大の電磁界強度を、Esensor [V/m]とする。第1の位置から距離dだけ離れている位置における電磁界強度E(d)は、距離dの増大に応じて電磁界強度E(d)が減衰するように定式化された減衰式(1)によって表すことができる。AとBは定数であり、携帯端末91が放射する電磁波の放射電力と周波数に応じて定められた値である。具体的には、国際電気通信連合が定めるIMT-2000(International Mobile Telecommunication 2000)規格に準拠したシステム(所謂、LTE[Long Term Evolution]を含めた第3世代移動通信システム)を用いる携帯端末91において、800MHz帯の電波を用い、その放射電力が最大の場合はA=1.6, B=1.1であり、2GHz帯の電波を用い、その放射電力が最大の場合はA=2.5, B=0.9である。従来、遠方界であればB=1、近傍界であればBは放射源からの距離に応じて決まるが、本発明では、式(1)に用いられる定数AとBを携帯端末91が放射する電磁波の放射電力と周波数に応じて定めることを特徴の一つとしている。
本発明によると、第2の位置と電磁界センサ93が置かれている平面Pとの距離をd1とすると、検出最大値Esensorは式(2)によって表される。式(2)を変形することによって、d1は式(3)のように減衰式の定数AとB、および検出最大値Esensorによって表される。第1の位置と平面Pとの距離をd2とすると、第1の位置に在る要保護機器92が曝される電磁界強度EEDは式(4)で表される。式(4)に式(3)で求めたd1を代入すると、式(5)のように、電磁界強度EEDをA, B, Esensor, d2で表すことができる。本実施形態では、上述のように、第2の位置は携帯端末91の移動によって変化しえる(換言すれば、第2の位置と平面Pとの距離d1が変化しえる)が、距離d2は不動であることを予定している。したがって、A, B, Esensor, d2はいずれも既知であるから、電磁界強度EEDは式(5)に従って既知の情報A, B, Esensor, d2から求められる。
上述のように、式(5)は、第1の位置と第2の位置とを結ぶ直線上にある位置における電磁界強度を算出する式である。この点、本発明者らが実際に調査した、第1の位置における電磁界強度EEDの実測値と検出最大値Esensorを用いた式(5)との関係を図2に示す。図2から、検出最大値Esensorを検出した電磁界センサ93が第1の位置と第2の位置とを結ぶ直線上にない場合であっても式(5)による推定が有効適切であることが明らかになった。このように、本発明では、第1の位置と第2の位置とを結ぶ直線上にある位置における電磁界強度を算出する減衰式と、平面P上の複数の位置で一つの電磁界センサ93が検出した電磁界強度のうちの最大値、あるいは、平面P上に配置されている複数の電磁界センサ93が検出した電磁界強度のうちの最大値である検出最大値Esensorを用いることを特徴の一つとしている。
このため、電磁界強度推定装置100の推定部103は、減衰式(5)と電磁界強度Esensorを用いて第2の位置における電磁界強度EEDを推定する。なお、記憶部101には、平面Pとと第1の位置との距離d2が予め記憶されている。推定部103は、推定の際に、このルックアップテーブルを参照することによって、平面Pと第1の位置との距離d2を得ることができる。また、推定部103は、携帯端末91が放射する電磁波の周波数と放射電力がそれぞれ一定であれば、放射電力と周波数に応じて予め定められた定数AとBを用いる。なお、後述のように、定数AとBを更新する実施構成を採用することも可能である。
このように、要保護機器92の極近傍に電磁界センサ93を配置しないため、要保護機器92を用いた作業を邪魔することなく、要保護機器92が曝される電磁界強度EEDを推定できる。
このため、電磁干渉を低減するための電磁界強度EEDの許容値Vaを、例えばIEC 60601-1-2で規定された医療機器の放射電磁界に対するイミュニティレベル3または10[V/m]とすると、式(6)のEEDに3または10(あるいは、安全性を考慮して厳しい判定を行うために、イミュニティレベルよりも大きな値)を代入することによって、電磁界強度Esensorの許容値Vbが求まる。このことから、電磁界強度推定装置100は、検出最大値Esensorがこの許容値Vbを超えた場合に、あるいは、式(5)による電磁界強度EEDが許容値Vaを超えた場合に、携帯端末91のユーザの感覚器で感知可能な所定の物理的刺激を発する通知手段(図示せず)を含んでもよい。「ユーザの感覚器で感知可能な所定の物理的刺激」とは、例えば、光、音、振動、熱、視覚情報などであるが、通常は、光、音、振動、視覚情報のうち一つ以上が選択される。物理的刺激が光の場合には通知手段は例えば発光ダイオード、物理的刺激が音の場合には通知手段は例えばスピーカ、物理的刺激が振動の場合には通知手段は例えば振動発生器、物理的刺激が視覚情報の場合には通知手段は例えば文字や図記号などを表示する液晶ディスプレイである。なお、通知手段は、電磁界強度推定装置100の構成要素であることに限定されず、電磁界強度推定装置100とは別の物理的実体であってもよい。許容値を超えた事実が携帯端末91のユーザに通知されることによって、ユーザが携帯端末91の電源を切る、機内モードなど電波を放射しないように携帯端末91を設定する、携帯端末91を持って要保護機器92から遠ざかるなどの行動を取ることができ、要保護機器92への電磁干渉を防止あるいは低減することができる。
あるいは、電磁界強度推定装置100は、検出最大値Esensorが許容値Vbを超えた場合に、あるいは、式(5)による電磁界強度EEDが許容値Vaを超えた場合に、有線通信または無線通信で制御信号を送信する送信制御手段(図示せず)を含んでもよい。無線通信には、電磁波、音波、光などを利用できる。ただし、制御信号として電磁波を使用する場合には、要保護機器92への影響が無い/少ないような周波数や放射電力が選択される。この場合、携帯端末91は電磁界強度推定装置100からの制御信号を受信する受信制御手段(図示せず)を含む。受信制御手段は、制御信号を受信すると、携帯端末91の放射電力を検出最大値Esensorが許容値Vbを超えないように、あるいは、式(5)による電磁界強度EEDが許容値Vaを超えないように制御する、あるいは、電波を放射しない設定に切り替える、あるいは、携帯端末91の電源を切る、という制御を行う。このような制御は周知技術によって達成できるのでその詳細についての説明を省略する。このような構成であれば携帯端末91のユーザの面倒を回避でき、あるいは、ユーザが要保護機器92への電磁干渉を防止あるいは低減するための行動を取らない場合であっても自動的に要保護機器92への電磁干渉を防止あるいは低減することができる。
さらに、電磁界強度推定装置100は、携帯端末91が放射する電磁波の周波数を解析するスペクトラム分析部(図示せず)を含んでもよい。減衰式に含まれる定数Bは携帯端末91が放射する電磁波の周波数によって値が変わる。携帯端末91が放射する電磁波の周波数が不明な場合や周波数が変わる場合には、スペクトラム分析部によって電磁界センサ93が検出した電磁界の周波数を解析する。記憶部101には、周波数と定数Bの値とが対応付けられたルックアップテーブルが予め記憶されている。推定部103は、このルックアップテーブルを参照して、スペクトラム分析部によって得られた周波数に応じたBの値を選択することで決まる減衰式(5)を用いて上述の推定を行う。このような構成によると、携帯端末91が放射する電波の周波数に応じたより高精度な電磁界強度EEDの推定が可能となり、精度よく電磁干渉を防止あるいは低減できる。なお、スペクトラム分析部は、電磁界強度推定装置100の構成要素であることに限定されず、電磁界強度推定装置100とは別の物理的実体であってもよい。このようなBの値の更新は、定期あるいは不定期に実施される。Bの値の定期更新の例として「所定時間ごと」、「所定回数の推定が実施されるごと」が挙げられる。Bの値の不定期更新の例として「電磁界センサ93が電磁界を検出するごと」が挙げられる。
さらに、距離センサ(図示せず)によって得られた携帯端末91と平面Pとの距離に基づいて減衰式の定数Aを定めてもよい。減衰式に含まれる定数Aは携帯端末91が放射する電磁波の放射電力に応じて定まる値である。携帯端末91が放射する電磁波の放射電力は常に一定であるとは限らない。このため、距離センサによって携帯端末91と平面Pとの距離d1を測定する。推定部103は、B、Esensor、距離センサによって得られた距離d1を用いた式(7)に従ってAの値を求め、このAの値で決まる減衰式(5)を用いて上述の推定を行う。このような構成によると、携帯端末91が放射する電波の放射電力に応じたより高精度な電磁界強度EEDの推定が可能となり、精度よく電磁干渉を防止あるいは低減できる。なお、距離センサは、電磁界強度推定装置100の構成要素であってもよい。このようなAの値の更新は、定期あるいは不定期に実施される。Aの値の定期更新の例として「所定時間ごと」、「所定回数の推定が実施されるごと」が挙げられる。Aの値の不定期更新の例として「電磁界センサ93が電磁界を検出するごと」が挙げられる。
なお、距離センサを用いずにAの値を求めることもできる。複数の電磁界センサ93を用いる場合、各電磁界センサ93が置かれている位置を、第1の位置と第2の位置とを結ぶ線分上の位置p(ただし、第1の位置と第2の位置を除く、さらに好ましくは第1の位置の近傍と第2の位置の近傍を除く)にて当該線分に直交する平面P上の複数の位置と、当該線分上の位置pと異なる位置q(ただし、第1の位置と第2の位置を除く、さらに好ましくは第1の位置の近傍と第2の位置の近傍を除く)にて当該線分に直交する平面Q上の複数の位置とする(図3参照)。第1の位置から平面Pまでの距離と第1の位置から平面Qまでの距離は既知とする。一つの電磁界センサ93を用いる場合、当該電磁界センサ93は、平面P上の複数の位置のそれぞれと平面Q上の複数の位置のそれぞれにて、電磁界強度の検出を行う。平面Pで検出された検出最大値をEsensor1とし、平面Qで検出された検出最大値をEsensor2とし、第2の位置と平面Pとの距離をD1とし、平面Pと平面Qとの距離をD3とし、第1の位置と平面Qとの距離をD2とすると、式(8)(9)が成立するので、Aは式(10)で得られる。B, D3, Esensor1, Esensor2はいずれも既知であるから、Aは式(10)に従って既知の情報B, D3, Esensor1, Esensor2から求められる。推定部103は、B, D3, Esensor1, Esensor2を用いた式(10)に従ってAの値を求め、このAの値で決まる減衰式(5)を用いて上述の推定を行う。このような構成によると、携帯端末91が放射する電波の放射電力に応じたより高精度な電磁界強度EEDの推定が可能となり、精度よく電磁干渉を防止あるいは低減できる。このようなAの値の更新も定期あるいは不定期に実施される。定期更新と不定期更新の例は上述のとおりである。
この他、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
Claims (3)
- 電磁界センサが在る位置と異なる第1の位置における電磁界強度を推定する電磁界強度推定装置であって、
上記電磁界センサが検出した電磁界強度を記憶する記憶部と、
距離の増大に応じて電磁界強度が減衰するように定式化された減衰式と、最大電磁界強度と、を用いて上記第1の位置における電磁界強度を推定する推定部と
を含み、
上記減衰式は、上記第1の位置と電磁波を放射する機器が在る第2の位置とを結ぶ直線上にある位置における電磁界強度を算出する式であり、
上記最大電磁界強度は、上記第1の位置と上記第2の位置とを結ぶ線分上の位置(ただし、上記第1の位置と上記第2の位置を除く)にて当該線分に直交する平面上の複数の位置で上記電磁界センサが検出した電磁界強度のうちの最大値である
ことを特徴とする電磁界強度推定装置。 - 複数の電磁界センサのそれぞれの位置と異なる第1の位置における電磁界強度を推定する電磁界強度推定装置であって、
上記複数の電磁界センサが検出した電磁界強度を記憶する記憶部と、
距離の増大に応じて電磁界強度が減衰するように定式化された減衰式と、最大電磁界強度と、を用いて上記第1の位置における電磁界強度を推定する推定部と
を含み、
上記減衰式は、上記第1の位置と電磁波を放射する機器が在る第2の位置とを結ぶ直線上にある位置における電磁界強度を算出する式であり、
上記最大電磁界強度は、上記第1の位置と上記第2の位置とを結ぶ線分上の位置(ただし、上記第1の位置と上記第2の位置を除く)にて当該線分に直交する平面上に配置されている上記複数の電磁界センサが検出した電磁界強度のうちの最大値である
ことを特徴とする電磁界強度推定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の電磁界強度推定装置において、
Eを上記第2の位置から距離dだけ離れた位置における電磁界強度とし、AとBを定数として、上記減衰式はE=Ad-Bで表され、
上記Aと上記Bは、上記機器が放射する電磁波の放射電力と周波数に応じて定められた値である
ことを特徴とする電磁界強度推定装置。
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