JP2016217223A - 太陽熱ガスタービン発電システム - Google Patents

太陽熱ガスタービン発電システム Download PDF

Info

Publication number
JP2016217223A
JP2016217223A JP2015101749A JP2015101749A JP2016217223A JP 2016217223 A JP2016217223 A JP 2016217223A JP 2015101749 A JP2015101749 A JP 2015101749A JP 2015101749 A JP2015101749 A JP 2015101749A JP 2016217223 A JP2016217223 A JP 2016217223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
gas turbine
power generation
heat transfer
solar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015101749A
Other languages
English (en)
Inventor
豊彦 矢野
Toyohiko Yano
豊彦 矢野
紀志 渡邉
Noriyuki Watanabe
紀志 渡邉
正憲 有冨
Masanori Aritomi
正憲 有冨
康 武藤
Yasushi Muto
康 武藤
隆雄 石塚
Takao Ishizuka
隆雄 石塚
文男 浦野
Fumio Urano
文男 浦野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sesa Co Ltd
Tokyo Institute of Technology NUC
Original Assignee
Sesa Co Ltd
Tokyo Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sesa Co Ltd, Tokyo Institute of Technology NUC filed Critical Sesa Co Ltd
Priority to JP2015101749A priority Critical patent/JP2016217223A/ja
Publication of JP2016217223A publication Critical patent/JP2016217223A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/40Solar thermal energy, e.g. solar towers
    • Y02E10/46Conversion of thermal power into mechanical power, e.g. Rankine, Stirling or solar thermal engines

Landscapes

  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Abstract

【課題】太陽熱発電において、タービンサイクルの熱効率を向上させるとともに、蓄熱の経済性を向上させることを課題とする。【解決手段】太陽熱ガスタービン発電システムが、太陽光を反射する複数のヘリオスタットと、複数のヘリオスタットによって反射された太陽光を受光して加熱される集熱部と、集熱部を冷却すると共に、集熱部の熱を輸送する、少なくともナトリウムを含む液体状の第1の熱媒と、潜熱蓄熱材として使用されるアルミニウム又はアルミニウム混合物を有し、第1の熱媒から熱を受け取って蓄熱する蓄熱部と、蓄熱部の熱を輸送する、少なくとも二酸化炭素ガスを含むガス状の第2の熱媒と、第2の熱媒から熱を受け取り、タービンを動かして発電する二酸化炭素ガスタービンサイクルと、を備える。【選択図】図1

Description

この発明は、太陽熱(太陽光によって発生する熱)によってガスを加熱してタービンを動かすことで発電する太陽熱ガスタービン発電システムに関し、特にナトリウムを含む熱媒で熱を輸送し、アルミニウムによって蓄熱する太陽熱ガスタービン発電システムに関する。
近年、化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題が深刻化し、その対策として、熱エネルギーの有効利用に注目が集まっている。熱エネルギーとしては、温泉や地熱の中低温エネルギー、工場等の排熱エネルギー、バイオマス熱エネルギー、太陽熱エネルギー等、様々なものが挙げられるが、特に、太陽熱エネルギーは、枯渇の心配がなく、クリーンで地球温暖化対策にもなり、しかも莫大であるので、これを利用した太陽熱発電システムも提案されている。
従来の太陽熱発電システムとしては、例えば、タワー集光・溶融塩冷却方式の太陽熱タービン発電システムがある。図13に示すように、従来のタワー集光・溶融塩冷却方式の太陽熱タービン発電システム10は、例えば、太陽Sからの光(太陽光SL)を反射するヘリオスタット1、ヘリオスタット1によって反射された太陽光を集める集光タワー2、集光タワー2の頂部に配置され、集められた太陽光を熱に変換して溶融塩に伝える集熱部3、溶融塩を収容する溶融塩タンク4、集熱部3によって熱せられた溶融塩を溶融塩タンク4に移動させるための溶融塩循環用配管5、蒸気タービンシステム6を備えている。蒸気タービンシステム6は、蒸気発生器6a、蒸気によって動く蒸気タービン6b、蒸気タービン6bの動きによって発電する発電機6c等を備えている。溶融塩タンク4は高温溶融塩貯蔵タンク4aと低温溶融塩貯蔵タンク4bに分かれ、高温溶融塩貯蔵タンク4aと低温溶融塩貯蔵タンク4bの間には溶融塩の熱で蒸気を発生させる蒸気発生器6aが設置されている。このような構成のタワー集光・溶融塩冷却方式の太陽熱タービン発電システム10は、スペイン、米国等で商業発電プラントとして実用に供されている。また、集光タワー2の位置に反射鏡を設置して、太陽光を地上に向けて集めるビームダウン方式の太陽熱タービン発電システムもパイロットプラント規模であるが開発された経緯がある。
ここで、溶融塩は熱を移動、循環させると同時に顕熱(相変化なしで温度変化のためだけに費やされる熱)蓄熱を行う働きをしている。太陽光は夜間や雨天、曇天の際には利用できないので、蓄熱は必須の条件である。このために用いられる流体に望ましい特性は、常温から650℃程度の高温まで相変化が無く安定であること、安価であること、比熱が大きいこと、熱伝導率が良好なことが挙げられる。しかし、これらの条件を完全に満たす流体は存在しない。
例えば、従来、溶融塩として、硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合物が用いられている。この混合物は、融点が220℃で使用温度では液体であり、比熱が1.56kJ/kg・Kと大きく、相変化はあるものの安定で毒性が無く安価であることから近年多く採用されている。しかし、溶融塩硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合物の熱伝導率は0.566W/m・Kと、さほど高くないために太陽熱利用率を高くすることができない。また、溶融塩硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合物は、常温では固体であるため、長い溶融塩循環用配管5を常に融点以上の温度に保たなければならないことや、顕熱蓄熱であるから溶融塩タンク4の寸法が巨大になることなどの短所がある。更に、硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの分解温度がそれぞれ380℃、400℃であることから、使用最高温度は600℃に満たないと考えられている。
太陽熱タービン発電システム10の経済性を向上させるには熱効率の向上が必要である。太陽熱発電の場合、化石燃料と異なり燃料費はかからないが、熱効率が上昇すれば、同一発電量に対して設備容量が低減されることになるので経済性が向上する。熱効率は、入射する太陽熱が蓄熱材またはタービン流体に有効に利用される割合(太陽熱利用率)と、タービン流体に伝えられた熱エネルギーがタービンの機械的エネルギーに変換される割合(サイクル熱効率)の積である。サイクル熱効率を向上させるにはタービン温度を上げればよい。
しかしながら、溶融塩として硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合物を用いる、従来のタワー集光・溶融塩冷却方式の太陽熱タービン発電システム10においては、溶融塩温度で約600℃が限界であり、蒸気タービン6bの入口温度では約550℃が限界であるので、これ以上の温度上昇、即ち、サイクル熱効率の向上は望めない。
また、集熱部3の表面の温度が高くなると、放射熱損失や対流熱損失(以下、合わせて「放射・対流熱損失」とも称する。)が増加し、特に放射熱損失が急激に増加する問題がある。放射熱損失の量は絶対温度の4乗に比例するので、太陽熱発電システムにおいて、集熱容器構造等に放射熱損失を低減する工夫を加えずに溶融塩温度を上げれば、詳細な計算式等は省略するが、溶融塩温度が550℃までは熱効率が向上するものの、それ以上の温度ではかえって熱効率が低下してしまうことが分かっている。
また、従来のタワー集光・溶融塩冷却方式の太陽熱タービン発電システム10においては、蒸気タービンシステム6を採用しているが、蒸気タービンシステム6の熱効率は、一般に、40%程度が経済的に達成し得る上限であり、一層の熱効率の向上は望めない状況にある。そこで、蒸気タービンシステム6のかかる問題を解決するため、ガスタービンを利用することが提案されている(特許文献1参照)。また、ガスタービンを利用し、かつ熱伝達、蓄熱媒体として金属アルミニウムを使用する太陽熱発電システムも提案されている(特許文献2参照)。
特開2011−017449号公報 特開2014−001641号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、単に既存の溶融塩太陽熱発電システムの蒸気タービンを既知の超臨界COガスタービンに置換することで熱効率を向上させ得るとしたもので、熱伝達流体として溶融塩を用いているため、前記したように、許容温度が高々600℃であることから、高温化による熱効率向上は期待できない。また、熱伝導率が低いために高温では太陽熱利用率が低くなり、常温では固体であるために長い配管を常に融点以上の温度に保たなければならないことや、顕熱蓄熱であるからタンクの寸法が巨大になること等の短所がある。
また、特許文献2の技術では、蓄熱媒体として金属アルミニウムを使用することにより、タービンサイクルの熱効率を向上させるとともに、蓄熱の経済性を向上させることができるが、集光した太陽熱を蓄熱するアルミニウム貯槽を高所に置かれる集熱部に近接して設置しなければならないといった問題がある。特許文献2に記載されていようなタワー集光方式の太陽熱発電システムにおいては、タワーの高さは約100mに及び、その頂上に集熱部が設置されるが、蓄熱に必要なアルミニウムの量は体積で1500m、重量で4000tonにもなる。このような巨大な重量物を地上100mの高所に設置することは、技術的観点からも、また経済的観点からも非常に困難である。また、上述のビームダウン方式の集光システムを用いて、集熱部の高さをより低くすることも考えられるが、中心反射鏡の直径を過大にしないという条件の下では、タワーの最低高さは50m程度が限界であり、ビームダウン方式の集光システムを用いたとしても、依然として上記問題を解決することができない。
そこで、本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、太陽熱発電において、発電システムの熱効率を向上させるとともに、蓄熱の経済性を向上させることを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明の太陽熱ガスタービン発電システムは、太陽光を反射する複数のヘリオスタットと、複数のヘリオスタットによって反射された太陽光を受光して加熱される集熱部と、集熱部を冷却すると共に、集熱部の熱を輸送する、少なくともナトリウムを含む液体状の第1の熱媒と、潜熱蓄熱材として使用されるアルミニウム又はアルミニウム混合物を有し、第1の熱媒から熱を受け取って蓄熱する蓄熱部と、蓄熱部の熱を輸送する、少なくとも二酸化炭素ガスを含むガス状の第2の熱媒と、第2の熱媒から熱を受け取り、タービンを動かして発電する二酸化炭素ガスタービンサイクルと、を備える。
このような構成によれば、太陽熱利用率及びガスタービンサイクルの熱効率を向上させるとともに、蓄熱の経済性を向上させることができる。
また、集熱部と蓄熱部とに接合され、第1の熱媒を集熱部と蓄熱部との間で循環させる第1の配管と、蓄熱部と二酸化炭素ガスタービンサイクルとに接合され、第2の熱媒を蓄熱部と二酸化炭素ガスタービンサイクルとの間で循環させる第2の配管と、を備え、蓄熱部は、第1の配管に接続され、第1の熱媒の熱を蓄熱部に伝達する第1の伝熱管と、第2の配管に接続され、第2の熱媒の熱を蓄熱部に伝達する第2の伝熱管と、を有するように構成することができる。
また、蓄熱部は、アルミニウム又は前記アルミニウム混合物が充填された升形の内側容器を備え、第1の伝熱管及び第2の伝熱管は、それぞれ、内側容器を貫通するように、鉛直方向に所定の間隔をおいて第1方向に水平に配置された2N本(Nは1以上の整数)の直管部と、各直管部を順に接続する2N−1本の曲り管部と、から構成され、第1の伝熱管と第2の伝熱管は、第1方向及び鉛直方向と直交する第2方向に互いに近接して配置され、第1の伝熱管の上から第1番目及び第2N番目の直管部と、第2の伝熱管の上から第1番目及び第2N番目の直管部とが、内側容器を挟んで第1方向反対側に引き出され、第1の伝熱管の上から第1番目及び第2N番目の直管部が、第1の配管に接続され、第2の伝熱管の上から第1番目及び第2N番目の直管部が、第2の配管に接続されるように構成することができる。
また、蓄熱部は、内側容器を覆うように形成された外側密閉容器と、内側容器と外側密閉容器との間に充填されたアルゴンガスと、を備え、アルミニウム又はアルミニウム混合物と、曲り管部とが、アルゴンガスに曝されていることが望ましい。
また、第1の熱媒は、第1の伝熱管の上から第1番目の直管部に供給され、第2N番目の直管部から排出され、第2の熱媒は、第2の伝熱管の上から第2N番目の直管部に供給され、第1番目の直管部から排出されることが望ましい。
また、第1の伝熱管及び第2の伝熱管を、それぞれM個(Mは2以上の整数)備え、第1の伝熱管及び前記第2の伝熱管が、第2方向に交互に配置されていることが望ましい。
また、複数のヘリオスタットにより集光する方式は、タワートップ方式、または、ビームダウン方式のいずれかであることが望ましい。
また、二酸化炭素ガスタービンサイクルシステムは、超臨界COガスタービンサイクルであることが望ましい。
本発明によれば、太陽熱発電において、太陽熱利用率及びサイクル熱効率を向上させることにより、システム全体の熱効率を向上させ、更に、蓄熱の経済性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る太陽熱ガスタービン発電システムの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る太陽熱ガスタービン発電システムのヘリオスタット、集光タワー、及び集熱部の位置関係を説明する図である。 本発明の実施形態に係る太陽熱ガスタービン発電システムの集熱部の構成を説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る太陽熱ガスタービン発電システムの集熱部を溶融塩で冷却する場合とナトリウムで冷却する場合の、集熱部外径寸法の比較を示す図である。 本発明の実施形態に係る太陽熱ガスタービン発電システムの集熱部を溶融塩で冷却する場合とナトリウムで冷却する場合の、太陽熱利用率の比較を示す図である。 本発明の実施形態に係る太陽熱ガスタービン発電システムの蓄熱部の概略構造を説明する図である。 本発明の実施形態に係る太陽熱ガスタービン発電システムの蓄熱部の内側容器内部の温度分布を示す図である。 本発明の実施形態に係る太陽熱ガスタービン発電システムのCOガスタービンシステムの基本系統を示す図である。 各種タービンサイクルの熱効率を比較する図である。 バイパス圧縮機回路を有するCOガスタービンシステム(超臨界COガスタービンシステム)の系統を示す図である。 再熱回路を有するCOガスタービンシステムの系統を示す図である。 本発明の実施例に係る太陽熱ガスタービン発電システムのエネルギー収支を示す図である。 従来のへリオスタット方式の太陽熱利用タービン発電システムの全体構成図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と称する。)について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、説明や符号付与の都合上、同じ構成について別の符号を付したり、符号を省略したりしている場合があり、また、重複する説明は適宜省略する。
図1は、本実施形態に係る太陽熱ガスタービン発電システム100の概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100は、いわゆるタワートップ方式のシステムであり、太陽Sによる光(太陽光SL)を反射する複数のヘリオスタット11と、ヘリオスタット11によって反射された太陽光SLを集める集光タワー12と、集光タワー12の頂部に配置された集熱部13と、集熱部13によって集熱された熱を蓄える金属アルミニウムからなる蓄熱部20と、蓄熱部20によって加熱されたCOガスによってタービンを動かして発電するCOガスタービンシステム30等から構成されている。
本実施形態の集熱部13と蓄熱部20は、内部に熱媒としての液体金属ナトリウム19(図1において不図示。以下、単に「ナトリウム19」という。)が充填された複数のナトリウム配管15、16によって接続されている。ナトリウム配管15と16は、蓄熱部20内部に設けられたナトリウム伝熱管25を介して接続されており、ナトリウム配管16の途中に設けられたナトリウムポンプ17によって、集熱部13と蓄熱部20との間をナトリウム19が循環するように構成されている。このため、ヘリオスタット11によって反射された太陽光SLは集熱部13において熱エネルギーに変わり、集熱部13内部を流れるナトリウム19に伝達される。そして、集熱部13を出るナトリウム19がナトリウム配管15、ナトリウム伝熱管25を通過することにより、ナトリウム19の熱エネルギーが蓄熱部20に伝導する。
また、本実施形態の蓄熱部20とCOガスタービンシステム30は、内部に熱媒としてのCOガス29(図1において不図示)が充填されたCO配管21、22によって接続されている。CO配管21と22は、蓄熱部20内部に設けられたCO伝熱管20bを介して接続されており、蓄熱部20とCOガスタービンシステム30との間をCOガス29が循環するように構成されている。このため、蓄熱部20に伝わった熱エネルギーは、さらにCO伝熱管27内を流れるCOガス29に伝わり、COガスタービンシステム30に送られる。そして、COガスタービンシステム30に送られたCOガス29は、タービンを回転させ、発電を行うのに使用される。
このように、本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100の特徴は、従来技術においては蒸気タービン発電であったところをCOガスタービン発電(つまり、COガスタービンシステム30)にし、また、従来技術においては溶融塩によって熱輸送をしていたところをナトリウム19によって熱輸送する構成とし、さらに従来技術では溶融塩による顕熱蓄熱をしていたところをアルミニウムからなる蓄熱部20によって潜熱(融解熱、気化熱など、相変化のためだけに費やされる熱)および顕熱蓄熱する構成としたところである。以下、本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100の構成について、さらに詳述する。
図2は、本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100のヘリオスタットフィールド(つまり、ヘリオスタット11が配置される領域)、集光タワー12及び集熱部13の位置関係を説明する図である。図2に示すように、本実施形態のヘリオスタット11は、例えば直径3m程度の鏡板であり、数万枚のヘリオスタット11が、集光タワー12を中心とする内径D1(例えば、60m)、外径D2(例えば、800m)の環状のフィールドに、それぞれ所定の角度で傾斜して並べられている。各ヘリオスタット11に入射する太陽光線はヘリオスタット11によって上焦点UFに向けて反射されるが、上焦点UFの位置が低すぎると、反射光線は隣接するヘリオスタット11の影に入ってしまい遮られてしまうといった問題がある。そこで、本実施形態においては、かかる問題を防止するために、上焦点UFをかなり高い位置(例えば、地表面から高さ120mの位置)に設けている。そして、これに伴い、集熱部13も非常に高い位置(例えば、地表面から高さ100mの位置)に設けている。そして、ヘリオスタットフィールドの最外周に配置されたヘリオスタット11からの反射光線(つまり、最外周の太陽光線)も、ヘリオスタットフィールドの最内周に配置されたヘリオスタット11からの反射光線(つまり、最内周の太陽光線)も、全て集熱部13に入射するように構成されている。なお、図2から明らかなように、集熱部13の外径D3と集熱部13の有効高さHとの間には一定の関係があり、一方の値を決めれば他方も決まることになる。
図3は、本実施形態の集熱部13の構成を説明する断面図である。図3に示すように、本実施形態の集熱部13は、中空円筒状のステンレス鋼からなる部材である。集熱部13の円筒内周面と円筒外周面との間は中空となっており、内部に環状のナトリウム流路13aが形成されている。また、集熱部13の軸方向下端部には、複数のナトリウム配管16が接続される入口管寄せ13bが形成され、集熱部13の軸方向上端部には、複数のナトリウム配管15が接続される出口管寄せ13cが形成されており、ナトリウム配管16から供給されるナトリウム19がナトリウム流路13aを通り、ナトリウム配管15から流出するように構成されている。上述したように、集熱部13の外壁面(つまり、円筒外周面)には各ヘリオスタット11によって反射された太陽光が入射するため、集熱部13が加熱され、ナトリウム流路13a内のナトリウム19が熱せられる。
なお、図3に示すように、ヘリオスタット11から集熱部13の外壁面に入射する太陽光SLは、集熱部13の外壁面で反射され、一部が反射太陽光RLとして失われる。また、集熱部13の外壁面の温度が上昇すると、放射熱損失G及び対流熱損失Fとして熱が失われるため、残りの熱がナトリウム流路13a内を流れるナトリウム19に伝達されることとなる。
なお、集熱部13の外壁面の表面積(=円周率π×外径D3×有効高さH)を小さくすると太陽エネルギーの熱密度が上がり、表面積を大きくすると太陽エネルギーの熱密度が低下する。従って、集熱部13を小さくする方が設備費を減少させることができるが、反面、熱密度が上がると、外壁面の表面温度が上がり、外壁面自身が発する放射熱損失G及び対流熱損失Fも増加するため、集熱部13の各寸法は、設備費、放射熱損失G、対流熱損失F等を考慮して適宜決定される。
図4及び図5は、集熱部13に入射する太陽エネルギー量を125MWと仮定し、この熱量を従来の溶融塩を用いて輸送する場合とナトリウム19を用いて輸送する場合とで、必要とされる集熱部13の外径D3(m)と、太陽熱利用率(%)を計算した結果を示すグラフである。図4の縦軸は必要とされる集熱部13の外径D3(m)を示し、横軸はCOガスタービンシステム30の入口温度を示している。また、図5の縦軸は太陽熱利用率(%)を示し、横軸はCOガスタービンシステム30の入口温度を示している。なお、本計算においては、溶融塩またはナトリウム19の集熱部13の入口温度は、COガスタービンシステム30の入口温度よりも約20℃程高くとってある。
図4に示すように、溶融塩の熱伝導率が0.566W/m/Kであるのに対して、ナトリウム19の熱伝導率が65.5W/m/Kと100倍以上高性能であるため、ナトリウム19を用いて輸送する場合の方が、集熱部13の外径D3(m)を小さくできることがわかる。COガスタービンシステム30の入口温度を650℃とした場合には、熱媒としてナトリウムを使用すると、集熱部13の外径D3(m)は約8mであるのに対して、溶融塩を使用すると集熱部13の外径D3(m)は約12mと大きくする必要があることがわかる。
また、図5に示すように、太陽熱利用率で比較すると、ナトリウム19を用いた場合には約75%の太陽熱利用率が得られるのに対して、溶融塩を用いた場合には太陽熱利用率は61%と非常に低い値となってしまうことがわかる。
このように、集熱部13の熱量を、ナトリウム19を用いて輸送すると、集熱部13のサイズを小さくすることができ、また太陽熱利用率を上げることができることから、本実施形態においては、従来の溶融塩に代えて、ナトリウム19を用いている。なお、ナトリウム19の沸点は881℃であり、本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100で想定する最高使用温度約700℃に比べて十分に高いものとなっており、またナトリウム19の融点は98℃であり、溶融塩(融点:220℃)に比べて非常に低いものとなっているため凝固の恐れもない。
図6は、本実施形態の蓄熱部20の概略構造を説明する図である。図6(a)は蓄熱部20の平面透視図であり、図6(b)は蓄熱部20の正面透視図であり、図6(c)は蓄熱部20の右側面透視図である。図6に示すように、本実施形態の蓄熱部20は、升形形状の内側容器26と、直方体形状の外側密閉容器23と、複数のナトリウム伝熱管25と、複数のCO伝熱管27等から構成されている。
内側容器26は、内部にアルミニウム28が充填されたステンレス鋼の容器であり、外側密閉容器23は、内側容器26を覆うように形成されたステンレス鋼の密閉容器である。内側容器26の上部は開放されており、アルミニウム28は、内側容器26と外側密閉容器23の間の空間に充填されたアルゴンガス24に曝されている。なお、本実施形態においては、アルゴンガス24は、外側密閉容器23の頂部に配設された不図示の吸気ノズルより供給され、外側密閉容器23の底部近くに配設された不図示の排気ノズルより排出されるようになっている。また、排気ノズルには必要に応じてアルミニウム微粒子除去フィルターが設置される。
ナトリウム伝熱管25は、直管部と曲り管部とから構成されるU字管を上下方向(高さ方向)に直列に複数接続して形成した蛇行形状のパイプ部材であり、奥行方向に一定の間隔をおいて、複数設けられている。図6(b)に示すように、本実施形態の各ナトリウム伝熱管25は、内側容器26を貫通するように、鉛直方向(高さ方向)に所定の間隔をおいて幅方向に水平に配置された2N本(Nは1以上の整数)の直管部と、各直管部を順に接続する2N−1本の曲り管部と、から構成され、U字状の曲り管部が内側容器26と外側密閉容器23の間の空間に露出するように配置されている。各ナトリウム伝熱管25の上側端部(つまり、最上段の直管部)は、正面視したときに、外側密閉容器23の左側に引き出されており、ナトリウム入口ヘッダ25aに連結されている。また、各ナトリウム伝熱管25の下側端部(つまり、最下段の直管部)は、正面視したときに、外側密閉容器23の左側に引き出されており、ナトリウム出口ヘッダ25bに連結されている。ナトリウム入口ヘッダ25aは、ナトリウム配管15(図6おいて不図示)に接続され、ナトリウム出口ヘッダ25bは、ナトリウム配管16(図6おいて不図示)に接続されており、ナトリウム伝熱管25内をナトリウム19が移動するように構成されている。ナトリウム19がナトリウム伝熱管25内を移動すると、ナトリウム伝熱管25の直管部を介して、ナトリウム19の熱エネルギーが蓄熱部20のアルミニウム28に伝導する。
CO伝熱管27は、直管部と曲り管部とから構成されるU字管を上下方向(高さ方向)に直列に複数接続して形成した蛇行形状のパイプ部材であり、各ナトリウム伝熱管25に隣接するように、奥行方向に一定の間隔をおいて、複数設けられている。図6(b)に示すように、本実施形態の各CO伝熱管27は、ナトリウム伝熱管25と同様、内側容器26を貫通するように、鉛直方向(高さ方向)に所定の間隔をおいて幅方向に水平に配置された2N本(Nは1以上の整数)の直管部と、各直管部を順に接続する2N−1本の曲り管部と、から構成され、U字状の曲り管部が内側容器26と外側密閉容器23の間の空間に露出するように配置されている。各CO伝熱管27の下側端部(つまり、最下段の直管部)は、正面視したときに、外側密閉容器23の右側に引き出されており、CO入口ヘッダ27aに連結されている。また、各CO伝熱管27の上側端部(つまり、最上段の直管部)は、正面視したときに、外側密閉容器23の右側に引き出されており、CO出口ヘッダ27bに連結されている。CO入口ヘッダ27aは、CO配管21(図6おいて不図示)に接続され、CO出口ヘッダ27bは、CO配管22(図6おいて不図示)に接続されており、CO伝熱管27内をCOガス29が移動するように構成されている。COガス29がCO伝熱管27内を移動すると、アルミニウム28の熱エネルギーがCO伝熱管27の直管部を介して、COガス29に伝導する。
なお、本実施形態においては、集熱部13からナトリウム19によって輸送される太陽熱は、約700℃で内側容器26に入り、アルミニウム28を加熱しつつCO伝熱管27内を流れるCOガス29に伝えられ、約626℃の温度で内側容器26を出て集熱部13に戻るように構成されている。一方、COガス29は約468℃で内側容器26に入り、約650℃に昇温されて内側容器26を出て、COガスタービンシステム30に送られる。
このように、本実施形態においては、アルミニウム28を介して、ナトリウム19の熱エネルギーがCOガス29に移動するように構成されている。本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100においては、夜間は、アルミニウム28に熱エネルギーが伝わらないため、早朝のアルミニウム28は全て固体であり、日照に伴い、上部より溶融し始める。なお、ナトリウム19に伝わる太陽熱の一部は、融解熱として使われるため、その残りがCOガス29に伝達されることとなる。日暮れになると、太陽熱が供給されなくなるため、ナトリウム19からアルミニウム28への熱エネルギーの移動がなくなるが、アルミニウム28が多量の凝固熱を出して固体化するまで、アルミニウム28の温度は融点(約660℃)以上に保たれる。更にアルミニウム28の温度が下がると、凝固熱は利用できなくなるが、比較的大きな比熱(0.897kJ/kg/K)により200℃程度温度降下する間は顕熱が利用できるため、引き続きCOガスタービンシステム30の運転により発電が可能になっている。つまり、本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100においては、アルミニウム28の潜熱と顕熱の利用により夜間の蓄熱運転が可能となっている。
図7は、本実施形態の内側容器26内部の主要部の代表的な温度分布を示すグラフである。図7の縦軸は温度(℃)を示し、横軸は内側容器26の上部からのメッシュ位置(内側容器26を高さ方向に10分割したときの各分割位置)を示している。なお、本温度分布計算は過渡計算ではなく定常計算の結果であるが、最も溶融が進んだ段階での温度分布と考えて差支えない。図7に示すように、アルミニウム28の熱伝導率は非常に大きいので、太陽熱はナトリウム伝熱管25からアルミニウム28を経由して、ナトリウム入口及びCO出口の最高温部では50℃程度の少ない温度降下でCO伝熱管27に伝えられる。ここで、メッシュ位置:4までのアルミニウム28の温度が660℃以上になっていることから、内側容器26充填されているアルミニウム28の約30%が融解していることが分かる。従って、本実施形態のアルミニウム28の量が約4000tonであるとすると、アルミニウム28の総量の約30%に相当する約1200tonの融解熱が蓄えられていることとなる。
なお、上述したように、本実施形態においては、複数のU字管を上下方向(高さ方向)に直列に接続して形成したナトリウム伝熱管25とCO伝熱管27を近接して配置する構成としている。このため、ナトリウム伝熱管25及びCO伝熱管27は、圧力損失が小さく、また熱膨張を容易に吸収できる。また、図6に示すように、本実施形態においては、ナトリウム伝熱管25の端部を正面視左側に引き出し、CO伝熱管27の端部を正面視右側に引き出すことで、ナトリウム入口ヘッダ25a及びナトリウム出口ヘッダ25bとCO入口ヘッダ27a及びCO出口ヘッダ27bを蓄熱部20の四隅に配置し、互いに干渉しないように配置している。また、多数本のナトリウム伝熱管25及びCO伝熱管27を同一条件で配置しているため、CO加熱器としてのみならず、2分割してCO再熱器とすることも容易であり(図11参照)、また構造的に無理なく、サイクル熱効率を向上させることも可能となっている。
また、上述したように、本実施形態の蓄熱部20においては、内側容器26と外側密閉容器23の間の空間にアルゴンガス24が封入されており、アルミニウム28の表面、ナトリウム伝熱管25の曲り管部及びCO伝熱管27の曲り管部がアルゴンガス24に覆われる構成となっている。従って、通常、アルミニウム28は700℃以上の温度では空気と反応して燃焼するが、本実施形態においては、不活性気体であるアルゴンガス24に覆われているため、仮にアルミニウム28の温度が予定の温度を大幅に超えるようなことがあっても、化学反応を起こす(つまり、燃焼する)心配は無い。なお、アルミニウム28の表面が溶融した際に蒸発するのを防止するため、アルゴンガス24の圧力を大気圧よりも高く設定しておくのが望ましい。
また、本実施形態の蓄熱部20においては、頻繁に温度上昇及び下降を繰り返すため、熱膨張を容易に吸収できるような構造が求められるところ、アルミニウム28は溶融すると14%の体積膨張を伴うが、溶融が始まる上部表面が開放されているため、これによって溶融による体積膨張が吸収される。また、アルミニウム28の凝縮は下部より始まり、体積が収縮するが、凝固が終了するまでは柔らかいので、ナトリウム伝熱管25及びCO伝熱管27を損傷するような荷重が加わることもない。また、ナトリウム伝熱管25及びCO伝熱管27は水平方向(幅方向)に内側容器26を貫通しているが、この部分では金属ワイヤーメッシュカラーなどの適切な摺動構造を施工することにより、水平方向に無理なく膨張または収縮できるように配慮されている。
次に、本実施形態のCOガスタービンシステム30について説明する。図8は、本実施形態のCOガスタービンシステム30の基本系統図である。本実施形態のCOガスタービンシステム30は、COガス29を作動流体とするガスタービンサイクルである。COガスタービンシステム30のガスタービンサイクルはブレイトンサイクルとも呼ばれ、加熱器としてのCO伝熱管27、タービン31、圧縮機32、前置冷却器33及び再生熱交換器34を基本構成要素とする閉サイクルであり、高温でのタービン仕事から低温での圧縮仕事を差し引いた仕事を発電機40の駆動に利用する。本サイクルのタービン入口条件(650℃、8MPa)でのサイクル熱効率は44.62%である。なお、本実施形態のCOガスタービンシステム30には、様々なタイプのシステムを適用することができ、例えば、圧縮機32での圧縮を出来る限り低温で行うために中間冷却器35を用いてもよく、また、タービン31での膨張を出来る限り高温で行う方法として再熱タービン(後述)を用いてもよい。
なお、ガスタービンサイクルの作動ガスとしては、一般に、ヘリウムガス、窒素ガスなどが利用されるが、本実施形態においては、熱効率の観点からCOガスを用いている。図9は、各作動ガスにおける、タービン入口温度(℃)とサイクル熱効率(%)との関係を示すグラフである。図9に示すように、本サイクルのタービン入口条件(650℃)において、COガスタービンサイクルは他のガスタービンサイクルよりも高い熱効率を達成できている。これは、COの臨界点が利用に適した温度及び圧力(31℃、7.4MPa)であり、この近傍において圧縮機32に要する仕事が小さくなるためである。このように、本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100にCOガスタービンシステム30を用いると、サイクル熱効率(%)が改善される。なお、図9のCOガスタービンサイクルのプロットは、超臨界COガスタービンサイクルのサイクル熱効率をプロットしたものであるが、20MPaレベルの超臨界でなくとも、他のガスと比べると高いサイクル熱効率が得られる。
なお、図8に記載のCOガスタービンシステム30においては、臨界点近傍での圧縮仕事が小さくなる一方、低温高圧側と高温低圧側の熱容量に差が生じるために、再生熱交換器34の有効利用が妨げられるといった問題が発生する。そこで、かかる問題を解決するため、図10に示すように、前置冷却器33の手前でガスを分岐して、再生熱交換器34の高圧側の途中に入れる方法(超臨界COガスタービンサイクル)を採用することもできる。本サイクルでは、20MPaレベルの高圧を必要とし、低圧圧縮機36及び高圧圧縮機37と、バイパス圧縮機38とが並列運転となり、再生熱交換器34も2基必要となるなど、システム構成や運転制御が複雑となるなどの課題があるが、非常に高いサイクル熱効率を達成できる。本サイクルのタービン入口条件(650℃、20MPa)でのサイクル熱効率は48.91%である。
また、再熱タービンは、加熱器容器(つまり、蓄熱部20)内部に2種類の伝熱管束を設置しなければならないといった問題があるが、本発明の蓄熱部20の構造においては、これを容易に実現できるため、サイクル熱効率を向上させる方法として有力である。図11は、図8のCOガスタービンサイクルに再熱タービンを適用した場合の基本系統図である。高圧タービン31bで膨張して仕事をし、温度降下したCOガス29は蓄熱部20内の再熱器CO伝熱管27Aで加熱されて再び高温となり、低圧タービン31aで仕事をする。これにより低圧タービン31a及び高圧タービン31bは高温で膨張できるので仕事が増加してサイクル熱効率が向上する。本サイクルのタービン入口条件(650℃、11MPa)でのサイクル熱効率は46.90%である。なお、この再熱システムは、図10の超臨界COガスタービンサイクルに適用することも可能である。
次に、実施例を挙げ、本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100の太陽熱利用率およびサイクル熱効率について説明する。
(実施例)
以下、本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100に図10に示した超臨界COガスタービンを適用した場合の実施例について説明する。なお、集められる太陽エネルギーに関しては、直径800mの円形の敷地内に直径3.4mの円形のヘリオスタット11を42,000枚配置し、集熱部13に入射する太陽熱が125MWである場合について計算した。なお、集熱部13の受熱面の放射率εは0.9であるとし、集熱部13に入射する太陽熱のε(εは放射率)(112.5MW)が集熱部13内に吸収され、1−εは反射して失われるものとした。
評価指標として、熱利用率、全ての熱をCO加熱に利用する場合の発電の最大熱効率、一定割合で夜間発電も行う場合の発電の熱効率を示す。これらの定義は下記の通りである。
・熱利用率=(ナトリウムに伝達される熱量)/(集熱部に入射する熱量)×100%
・発電の最大熱効率=(最大発電量)/(ナトリウムに伝達される熱量)×100%
・昼間発電の熱効率=(昼間発電量)/(ナトリウムに伝達される熱量)×100%
なお、COガスタービンサイクルとして、図8や図11のサイクルを接続する場合は、熱効率はやや劣るが、比較的低圧であることから設備費が低減される利点がある。
(実施例1)
本実施例は、図1の太陽熱ガスタービン発電システム100に図10に示した超臨界COガスタービンを適用した場合の実施例であり、構成は以下のとおりである。なお、図12に本実施例のエネルギー収支を示す。
1)集熱部
・集熱方式 タワートップ方式
・集熱部形状 円環外側加熱式
・集熱容器寸法 外径7m×板厚5mm
・集熱流路部寸法 外径6.99m×内径6.93m×高さ12.81m
・集熱部シェル ステンレス鋼(熱伝導率16.3W/m・hr・K)
・集熱部冷却流体 ナトリウム(熱伝導率65.45W/m・hr・K)
・ナトリウム入口温度 626℃
・ナトリウム入口圧力 0.12MPa
・ナトリウム流量 1000kg/s
・ナトリウム出口温度 700℃
・ナトリウム環状部圧力損失 108kPa
・ナトリウム配管 内径1m
・ナトリウム配管圧力損失 3.0kPa
・ナトリウムポンプ動力 0.2MWe
・大気温度 40℃
・放射率 0.9
・大気への熱伝達率 10W/m・K
・放射熱損失量 17.0MW
・対流熱損失量 2.1MW
・ナトリウムに伝達される熱量 93.4MW
・ナトリウムが受取る熱量(伝達される熱量+ポンプ動力) 93.6MW
2)蓄熱部
・形式 アルミニウム直方体充填槽
・アルミニウム充填槽 幅7m×奥行100m×高さ2.5m
・伝熱管形式 U字管連結式
・ナトリウム伝熱管寸法 外径60.5mm×板厚35mm×ピッチ303mm
・CO伝熱管寸法 外径60.5mm×板厚14.5mm×ピッチ303mm
・ナトリウム伝熱管とCO伝熱管の奥行き方向ピッチ 158mm
・充填槽(内側容器)シェル ステンレス鋼(熱伝導率16.3W/m/K)
・充填媒体 アルミニウム(熱伝導率237W/m/K)
・ナトリウム入口温度 700℃
・ナトリウム入口圧力 0.1MPa
・ナトリウム出口温度 626℃
・ナトリウム配管ポンプ動力 37kW
・CO配管ポンプ動力 503kW
・ナトリウムから受け取る熱量 93.6MW×(10hr+0.5×2hr)
ここで、日の出から1hrと日没前1hrは太陽熱量が2分の1となるものとする。
・昼間COに伝達される熱量 57.2MW(×12hr)
・アルミニウムに蓄えられる夜間発電用熱量 28.6MW(×12hr)
3)COガスタービンサイクル(図10参照)
・サイクル形式 中間冷却部分冷却(バイパス圧縮機)方式
・タービン入口温度 650℃
・タービン入口圧力 20MPa
・前置冷却器出口温度 35℃
・タービン断熱効率 92%
・圧縮機断熱効率 88%
・再生熱交換器温度効率 91%(高温側と低温側の平均値)
・機器圧力損失(接続配管を含む)
CO伝熱管:1.2%、前置冷却器:1.0%、中間冷却器:0.8%
再生熱交換器高温側:0.4%、再生熱交換器低温側:1.2%
・サイクル熱効率 48.91%
・伝熱管入口ガス温度 468℃
4)エネルギー収支
・熱利用率=(93.4MW)/(125MW)×100%
=74.7%
・最大発電量=(93.6MW)×(48.91%)×(98%)―0.2MWe
=44.66MWe(93.6MWの47.7%の熱効率となる)
ここで、98%は発電機効率、0.2MWeはナトリウムポンプ動力
・最大発電時の発電熱効率=(44.66MWe)/(125MW)×100%
=35.7%
・昼間発電量=(57.2MW)×(47.7%)=27.3MWe
・昼間発電時の発電熱効率=(27.3MWe)/(125MW)×100%
=21.8%
実施例1によれば、従来技術の場合と比較して、発電熱効率が総じて高いと言える。例えば、最大発電時の発電熱効率について、従来技術の場合は20%程度とされているが、本実施例では35.7%と2倍近い高い値となっている。
(既存システムと本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100(以下、「本システム」とも称する。)との比較)
・既存システムでは蒸気タービン発電でサイクル熱効率が上限40%程度であるのに対して、本システムでは48.9%のサイクル熱効率を達成できる。
・既存システムでは熱伝導率(0.566W/m・K)の溶融塩を用いるのに対して、本システムでは熱伝導率(65.5W/m・K)のアルミニウムを用いるため、集熱部表面の熱損失を低減して、高い太陽熱利用率を達成できる。
・既存システムで用いられる溶融塩の安定な使用限界は550℃程度(高々600℃)であり、更に溶融塩からタービン流体に熱を伝えるために少なくとも20℃の温度差を必要とするので、本システムのようなクローズドサイクルガスタービンは効率よく適用できない。
・既存システムでは、溶融塩が顕熱のみの蓄熱であるため、蓄熱容積が巨大となる。
・本システムでは、重量物である蓄熱部20を地上に配置することができる。
・以上の特性を考慮すると、本システムの場合、最大発電熱効率35.7%(実施例)という既存システムと比較して非常に高い値を達成できるので、発電コストの大幅な低減を期待できる。
(まとめ)
このように、本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100によれば、特に、COガスタービンシステム30を採用したことと、熱伝達・熱輸送媒体として熱伝導率の高い液体金属ナトリウム(ナトリウム19)を使用し、潜熱蓄熱材としてアルミニウム28を使用することにより、太陽熱発電において、太陽熱利用率及びガスタービンサイクルの熱効率を向上させるとともに、蓄熱の経済性を向上させることができる。
また、重量物である蓄熱部20を特許文献2の技術では不可能であった地上に配置するように構成したため、集光タワー12上の集熱部13を比較的軽量に構成することができ、建設コストの大幅な低減も期待できる。
以上が本実施形態の説明であるが、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において様々な変形が可能である。例えば、本実施形態においては、熱伝達・熱輸送媒体として熱伝導率の高い液体金属ナトリウム(ナトリウム19)を使用する構成としたが、このような構成に限定されるものではなく、少なくともナトリウムを含む液体状の熱媒(例えば、NaK(ナトリウムカリウム合金))であればよい。
また、本実施形態の蓄熱部20においては、潜熱蓄熱材としてアルミニウムを用いたが、アルミニウム混合物(例えば、アルミニウムとSiCの混合物)を用いることも可能である。
また、本実施形態の太陽熱ガスタービン発電システム100は、タワートップ方式のシステムであるものとして説明したが、本発明は、ビームダウン方式のシステムに適用することも可能である。
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 ヘリオスタット
2 集光タワー
3 集熱部
4 溶融塩タンク
4a 高温溶融塩貯蔵タンク
4b 低温溶融塩貯蔵タンク
5 融塩循環用配管
6 蒸気タービンシステム
6a 蒸気発生器
6b 蒸気タービン
10 太陽熱発電システム
11 ヘリオスタット
12 集光タワー
13 集熱部
13a ナトリウム流路
13b 入口管寄せ
13c 出口管寄せ
15、16 ナトリウム配管
17 ナトリウムポンプ
19 ナトリウム
20 蓄熱部
21、22 CO配管
22 内側容器
23 外側密閉容器
24 アルゴンガス
25 ナトリウム伝熱管
25a ナトリウム入口ヘッダ
25b ナトリウム出口ヘッダ
26 内側容器
27 CO伝熱管
27a CO入口ヘッダ27a
28 アルミニウム
29 COガス
30 COガスタービンシステム
31 タービン
32 圧縮機
33 前置冷却器
34 再生熱交換器
35 中間冷却器
36 低圧圧縮機
37 高圧圧縮機
40 発電機
100 太陽熱ガスタービン発電システム

Claims (8)

  1. 太陽光を反射する複数のヘリオスタットと、
    前記複数のヘリオスタットによって反射された太陽光を受光して加熱される集熱部と、
    前記集熱部を冷却すると共に、前記集熱部の熱を輸送する、少なくともナトリウムを含む液体状の第1の熱媒と、
    潜熱蓄熱材として使用されるアルミニウム又はアルミニウム混合物を有し、前記第1の熱媒から熱を受け取って蓄熱する蓄熱部と、
    前記蓄熱部の熱を輸送する、少なくとも二酸化炭素ガスを含むガス状の第2の熱媒と、
    前記第2の熱媒から熱を受け取り、タービンを動かして発電する二酸化炭素ガスタービンサイクルと、
    を備えることを特徴とする太陽熱ガスタービン発電システム。
  2. 前記集熱部と前記蓄熱部とに接合され、前記第1の熱媒を前記集熱部と前記蓄熱部との間で循環させる第1の配管と、
    前記蓄熱部と前記二酸化炭素ガスタービンサイクルとに接合され、前記第2の熱媒を前記蓄熱部と前記二酸化炭素ガスタービンサイクルとの間で循環させる第2の配管と、
    を備え、
    前記蓄熱部は、前記第1の配管に接続され、前記第1の熱媒の熱を前記蓄熱部に伝達する第1の伝熱管と、前記第2の配管に接続され、前記第2の熱媒の熱を前記蓄熱部に伝達する第2の伝熱管と、を有することを特徴とする請求項1に記載の太陽熱ガスタービン発電システム。
  3. 前記蓄熱部は、前記アルミニウム又は前記アルミニウム混合物が充填された升形の内側容器を備え、
    前記第1の伝熱管及び前記第2の伝熱管は、それぞれ、前記内側容器を貫通するように、鉛直方向に所定の間隔をおいて第1方向に水平に配置された2N本(Nは1以上の整数)の直管部と、各直管部を順に接続する2N−1本の曲り管部と、から構成され、
    前記第1の伝熱管と前記第2の伝熱管は、前記第1方向及び鉛直方向と直交する第2方向に互いに近接して配置され、
    前記第1の伝熱管の上から第1番目及び第2N番目の直管部と、前記第2の伝熱管の上から第1番目及び第2N番目の直管部とが、前記内側容器を挟んで前記第1方向反対側に引き出され、
    前記第1の伝熱管の上から第1番目及び第2N番目の直管部が、前記第1の配管に接続され、
    前記第2の伝熱管の上から第1番目及び第2N番目の直管部が、前記第2の配管に接続される
    ことを特徴とする請求項2に記載の太陽熱ガスタービン発電システム。
  4. 前記蓄熱部は、前記内側容器を覆うように形成された外側密閉容器と、前記内側容器と前記外側密閉容器との間に充填されたアルゴンガスと、を備え、
    前記アルミニウム又は前記アルミニウム混合物と、前記曲り管部とが、前記アルゴンガスに曝されていることを特徴とする請求項3に記載の太陽熱ガスタービン発電システム。
  5. 前記第1の熱媒は、前記第1の伝熱管の上から第1番目の直管部に供給され、第2N番目の直管部から排出され、
    前記第2の熱媒は、前記第2の伝熱管の上から第2N番目の直管部に供給され、第1番目の直管部から排出される
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の太陽熱ガスタービン発電システム。
  6. 前記第1の伝熱管及び前記第2の伝熱管を、それぞれM個(Mは2以上の整数)備え、
    前記第1の伝熱管及び前記第2の伝熱管が、前記第2方向に交互に配置されていることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の太陽熱ガスタービン発電システム。
  7. 前記複数のヘリオスタットにより集光する方式は、タワートップ方式、または、ビームダウン方式のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の太陽熱ガスタービン発電システム。
  8. 前記二酸化炭素ガスタービンサイクルシステムは、超臨界COガスタービンサイクルであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の太陽熱ガスタービン発電システム。
JP2015101749A 2015-05-19 2015-05-19 太陽熱ガスタービン発電システム Pending JP2016217223A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015101749A JP2016217223A (ja) 2015-05-19 2015-05-19 太陽熱ガスタービン発電システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015101749A JP2016217223A (ja) 2015-05-19 2015-05-19 太陽熱ガスタービン発電システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016217223A true JP2016217223A (ja) 2016-12-22

Family

ID=57580420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015101749A Pending JP2016217223A (ja) 2015-05-19 2015-05-19 太陽熱ガスタービン発電システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016217223A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106704126A (zh) * 2017-01-22 2017-05-24 华北电力大学 基于压缩超临界co2气体蓄能的塔式太阳能热发电系统
CN106922637A (zh) * 2017-01-22 2017-07-07 陆川县米场镇初级中学 一种引诱灭蚊器
WO2018070305A1 (ja) 2016-10-14 2018-04-19 株式会社ダイセル 化粧料組成物
JP2021504632A (ja) * 2017-11-28 2021-02-15 ハンファ・パワー・システムズ・カンパニー・リミテッド 超臨界二酸化炭素発電システム
JP2021092172A (ja) * 2019-12-09 2021-06-17 新太郎 石山 超臨界co2ガスを用いた発電装置及び発電システム
JP2021525333A (ja) * 2018-05-23 2021-09-24 ザ ユニバーシティー コート オブ ザ ユニバーシティー オブ エジンバラThe University Court Of The University Of Edinburgh 超高温熱エネルギー貯蔵システム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018070305A1 (ja) 2016-10-14 2018-04-19 株式会社ダイセル 化粧料組成物
CN106704126A (zh) * 2017-01-22 2017-05-24 华北电力大学 基于压缩超临界co2气体蓄能的塔式太阳能热发电系统
CN106922637A (zh) * 2017-01-22 2017-07-07 陆川县米场镇初级中学 一种引诱灭蚊器
CN106704126B (zh) * 2017-01-22 2023-07-21 华北电力大学 基于压缩超临界co2气体蓄能的塔式太阳能热发电系统
JP2021504632A (ja) * 2017-11-28 2021-02-15 ハンファ・パワー・システムズ・カンパニー・リミテッド 超臨界二酸化炭素発電システム
JP7217286B2 (ja) 2017-11-28 2023-02-02 ハンファ・パワー・システムズ・カンパニー・リミテッド 超臨界二酸化炭素発電システム
JP2021525333A (ja) * 2018-05-23 2021-09-24 ザ ユニバーシティー コート オブ ザ ユニバーシティー オブ エジンバラThe University Court Of The University Of Edinburgh 超高温熱エネルギー貯蔵システム
JP2021092172A (ja) * 2019-12-09 2021-06-17 新太郎 石山 超臨界co2ガスを用いた発電装置及び発電システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9541070B2 (en) Plant for energy production
Romero et al. Solar thermal CSP technology
Kelly Advanced thermal storage for central receivers with supercritical coolants
JP5011462B2 (ja) 太陽光集熱器、太陽光集光用反射装置、太陽光集光システムおよび太陽光エネルギ利用システム
US7051529B2 (en) Solar dish concentrator with a molten salt receiver incorporating thermal energy storage
JP2016217223A (ja) 太陽熱ガスタービン発電システム
US7836695B2 (en) Solar energy system
US9488386B2 (en) Concentrated solar power system receiver
CN208578679U (zh) 一种基于塔式定日镜的改良布雷顿光热发电系统
US20120216536A1 (en) Supercritical carbon dioxide power cycle configuration for use in concentrating solar power systems
Pitz-Paal Solar energy–concentrating solar power
CN103649648A (zh) 太阳能锅炉以及使用了该太阳能锅炉的太阳能发电设备
JP2014001641A (ja) 太陽熱ガスタービン発電システム
EP2683983A1 (en) Thermal storage facility especially suitable for concentrating solar power installations
Turchi et al. Concentrating solar power
Zarza-Moya Concentrating solar thermal power
Giostri Transient effects in linear concentrating solar thermal power plant
Al-Nasser Performance and economics of a solar thermal power generation plant in Jubail, Saudi Arabia: Parabolic trough collector
Donatini et al. High efficency integration of thermodynamic solar plant with natural gas combined cycle
Munoz et al. A conceptual design of solar boiler
Wagner Thermodynamic simulation of solar thermal power stations with liquid salt as heat transfer fluid
Pitz‐Paal et al. Solar thermal power production
Fereres Solar Thermal Energy Systems
Lecuona‐Neumann et al. Direct gas heating in linear concentrating solar collectors for power and industrial process heat production: Applications and challenges
Cipollone et al. Integration between gas turbines and concentrated parabolic trough solar power plants