JP2016209543A - 検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像特徴の方向性に依存した画像処理或いは画像解析を行うことにより、より効果的な対象物の解析を可能とする。
【解決手段】本発明に係る検査装置は、光源からの測定光を被検査物に対して走査する測定光学系と、被検査物に共役な位置に設けられ、測定光の被検査物からの戻り光を複数の光に分割する分割手段と、分割して得た複数の光を受光する受光手段と、受光手段からの複数の強度信号に基づく被検査物の画像データと戻り光の分割方向とを関連付けて記録する記録手段と、関連付けられた分割方向に基づいて画像データを解析する解析手段と、を有することを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、眼科診療に用いられる眼科撮像装置等、検査装置に関するものである。
共焦点レーザー顕微鏡の原理を利用した眼科撮像装置である走査型レーザー検眼鏡(SLO:Scanning Laser Ophthalmoscope)は、測定光であるレーザーを眼底に対してラスタースキャンを行い、その戻り光の強度から2次元眼底画像を高分解能かつ高速に得る装置(以下、SLO装置)である。
SLO装置において、横分解能を向上させるには、測定光が眼底上で微小なスポットになるようにする必要がある。しかしながら、測定光のビーム径の大径化を単に行っても、被検眼にて発生する、測定光やその戻り光の収差によるスポット形状の乱れにより、分解能を向上することは難しい。
近年、それの解決のため、被検眼による収差を測定し、被検眼にて発生する測定光やその戻り光の収差を波面補正デバイスで補正する補償光学系を組み込んだ補償光学SLO装置(以下、AO−SLO装置)が開発され、高分解能の2次元画像(AO−SLO像)の取得が現実的になってきている。
他方、画像を取得する眼底の部位或いは組織によっては、あえて眼底の撮像部位に対して非共焦点となる光束を用いた2次元画像(非共焦点画像)を取得することで、共焦点画像では得られない眼底組織の情報を得る試みが行われている。
非特許文献1においては、眼底の非共焦点画像を得る場合、眼底からの戻り光をその結像面上で、2つ以上に分割し、それらを各々の光センサに入射させ、各々の信号を演算(差分)して、眼底の画像化を行う非共焦点AO−SLO装置が提案され、取得される2次元画像(血管画像)のSN比向上が試みられている。また、非特許文献2においても、同様の画像化手法によって、従来の共焦点光学系で観察される画像とは異なる画像特徴を持つ眼細胞の典型的な視細胞画像を取得した結果が報告されている。
特開2014−198224号公報
JOSA A,Vol.31,Issue3,pp.569−579(2014) IOVS,55,4244−4251(2014)
上記した非共焦点AO−SLO装置で得られる画像には、例えば得られた画像中の血管の左右において鮮鋭度が異なる等、特定の方向への鮮鋭度の依存性が生ずることがある。これを画像特徴の方向性と呼ぶ。このような画像を解析する際にはこの画像特徴の方向性を考慮することが有益であると考えられる。しかしながら、非特許文献1、2においては、この画像特徴の方向性を考慮せず、例えば単に視細胞の大きさ或いは密度を求めて被検眼の病変等の評価を行うといった従来の解析手法(特許文献1)を用いてきた。このような従来の解析では、特定方向への画像特徴の依存性が高い画像の場合、不鮮明な部分を含む非共焦点画像となり、例えば視細胞を十分に検出できない場合が生じる可能性がある。
本発明の目的の一つは、被検査物の画像データを精度良く解析することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る検査装置は、
光源からの測定光を被検査物に対して走査する測定光学系と、
前記被検査物に共役な位置に設けられ、前記測定光の前記被検査物からの戻り光を複数の光に分割する分割手段と、
前記分割して得た複数の光を受光する受光手段と、
前記受光手段からの複数の強度信号に基づく前記被検査物の画像データと、前記戻り光の分割方向とを関連付けて記録する記録手段と、
前記関連付けられた分割方向に基づいて前記画像データを解析する解析手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、画像特徴の方向性に対応する戻り光の分割方向を考慮した画像解析を行うことができる。すなわち、画像特徴の方向性に依存した画像解析を行うことができる。これにより、被検査物の画像データを精度良く解析することができる。
本発明の実施例におけるSLO装置の全体の構成について説明する図である。 本発明の実施例におけるSLO装置の光学系の構成を説明する図である。 本発明の実施例におけるSLO装置の測定光の波長分布を説明する図である。 本発明の実施例におけるSLO装置による撮像手順を説明する図である。 本発明の実施例におけるSLO装置の制御ソフト画面の構成を説明する図である。 本発明の実施例における画像処理装置600の機能構成を説明する図である。 本発明の実施例におけるSLO装置の第一の光束分割手段の構成を説明する図である。 本発明の実施例におけるSLO装置の受光部の構成を説明する図である。 本発明の実施例におけるSLO装置の第二の光束分割手段の構成を説明する図である。 本発明の実施例における画像処理装置600にて行われる処理の手順を説明する図である。 図10に示した処理で行われる視細胞解析処理の詳細を説明する図である。 本発明の実施例におけるSLO装置の第一の光束分割手段の他の構成を説明する図である。 本発明の実施例におけるSLO装置の第二の光束分割手段の他の構成を説明する図である。
本発明を実施するための形態を、以下の実施例により説明する。なお、以下の実施例は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
なお、本発明は、非共焦点AO−SLO装置より得られた、非共焦点AO−SLO画像を得る際の戻り光の分割方向に対して前述した画像特徴の方向性が依存することが多いという知見に基づくものである。本発明によれば、眼底からの戻り光を光束分割する方向と取得した画像とを関連付けて記録することにより、取得した画像に対して画像処理・解析を施す際、該方向に関する情報を利用して分割する方向に依存する画像特徴を考慮した画像解析が実行できる。
本発明の実施例について説明する。
実施例1による検査装置は、被検眼の光学収差によらず良好な2次元画像が得るための補償光学系を備え、撮像対象である被検眼眼底の高分解能の2次元画像(AO−SLO像)特にその非共焦点画像の撮像を行うことができるAO−SLO装置を備える。また、本装置にはさらに、WF−SLO装置、前眼部観察装置、および固視灯表示装置が付随している。WF−SLO装置は、AO−SLO像の取得を補助することを目的として、より広画角の2次元画像(WF−SLO像)の撮像を行う。前眼部観察装置は、測定光の入射位置を把握するために用いられる。固視灯表示装置は、撮像箇所を調整するために視線を誘導するために用いられる。
ここでは、高分解能の2次元画像を撮像するために、補償光学系を備えているが、高解像度を実現できる光学系の構成であれば、補償光学系を備えていなくてもよい。
<装置全体構成>
図1を用いて、まず、本実施例におけるAO−SLO装置101の概略構成について具体的に説明する。図1(a)はAO−SLO装置101を上から見た図であり、図1(b)は横から見た図である。
AO−SLO装置101は、大まかには、ヘッド部102、ステージ部103、顔受け部104、液晶モニター105、および制御PC106を有する。ヘッド部102は、主要な光学系を内蔵する。ステージ部103は、ヘッド部102を水平垂直方向に移動させる。顔受け部104は、被検者の顔を乗せ位置を調整する。液晶モニター105は、操作画面を表示する。制御PC106は、AO−SLO装置101全体を制御し、図6を用いて後述する画像処理装置600が内蔵されている。
ヘッド部102は、ステージ部103上に配置され、ジョイスティック107を倒すことによって水平方向(図1(a)において紙面に平行な方向)に、回転させることによって垂直方向(図1(a)において紙面に垂直な方向)に移動できる。顔受け部104は、顎を乗せる顎受け108と電動ステージによって顎受け108を移動させる顎受け駆動部109からなる。
<光学系の構成>
次に、図2を用いて、ヘッド部102に内蔵される光学系について、具体的に説明する。なお、以降で述べる光学系、特にAO−SLO部は、本実施例において、光源からの測定光を被検査物に走査する測定光学系を構成する。
光源201−1から出射した光は、光カプラー231によって参照光205と測定光206−1とに分割される。測定光206−1は、シングルモードファイバー230−4、を用いて測定光学系へ導かれ、コリメータレンズ235−1、空間光変調器259を経て、XYスキャナ219−1に至る。該XYスキャナ219−1により走査される測定光は、被検眼の屈折異常値を補正可能なフォーカス機能つき対物レンズ235−10、およびダイクロイックミラー270−1等を介して観察対象の被検査物である被検眼207の眼底227へ導かれる。256は固視灯であり、固視灯256からの光束257は、ダイクロイックミラー270−1を介して測定光学系へ結合され、被検眼207の固視あるいは回旋を促す固視灯を提示する役割を有する。
測定光206−1は、被検眼の眼底227によって反射あるいは散乱された戻り光208となり、光路を逆行し、ビームスプリッタ258−3で反射されて、受光部700を構成するディテクター704−1〜3(図8参照)に入射される。ディテクター704−1〜3は、戻り光208−1の光強度を電圧に変換し、その信号を用いて、被検眼207の2次元画像が構成される。本実施例では、光学系の全体を主にレンズを用いた屈折光学系を用いて構成しているが、レンズの代わりに球面ミラーを用いた反射光学系によっても構成することができる。
また、本実施例では、収差補正デバイスとして反射型の空間光変調器を用いたが、透過型の空間光変調器や、可変形状ミラーを用いても構成することができる。
<AO−SLO部の光源>
つぎに、光源201−1の周辺について説明する。光源201−1は、代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)である。波長は840nmであり、バンド幅は50nmである。ここでは、スペックルノイズの少ない2次元画像を取得するために低コヒーレント光源を選択している。また、光源として、ここでは、SLDを選択したが低コヒーレント光が出射できればよくASE(Amplified Spontaneous Emission)等も用いることができる。
また、波長は眼を測定することを考慮すると、近赤外光が適する。さらに、波長は得られる2次元画像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましく、ここでは840nmとする。観察対象の測定部位によっては他の波長を選んでも良い。
光源201−1から出射された光は、シングルモードファイバー230−1と光カプラー231とを介して、参照光205と測定光206−1とに90:10の割合で分割される。253−2、253−4は偏光コントローラである。
<AO−SLO部の参照光路>
次に、参照光205の光路について説明する。
光カプラー231によって分割された参照光205は、光ファイバー230−2を介して、光量測定装置264に入射される。光量測定装置264は参照光205の光量を測定することにより、測定光206−1の光量をモニターする用途に用いられる。
<AO−SLO部の測定光路>
次に、測定光206−1の光路について説明する。
光カプラー231によって分割された測定光206−1は、シングルモードファイバー230−4を介してコリメータレンズ235−1に導かれ、ビーム径4mmの平行光になるように調整される。
測定光206−1は、ビームスプリッタ258−3、258−1を通過し、レンズ235−5〜6を通過し、空間光変調器259に入射される。
ここで、空間光変調器259は、制御PC106によって、ドライバ部281内の空間光変調器ドライバ288を介して制御される。
次に、測定光206−1は、空間光変調器259にて変調され、レンズ235−7〜8を通過し、XYスキャナ219−1のミラーに入射される。ここでは、簡単のため、XYスキャナ219−1は一つのミラーとして記したが、実際にはXスキャナとYスキャナとの2枚のミラーが近接して配置され、眼底227上を光軸に垂直な方向にラスタースキャンするものである。また、測定光206−1の光軸中心は、XYスキャナ219−1のミラーの回転中心と一致するように調整されている。
ここで、Xスキャナは測定光206−1を紙面に平行な方向に走査するスキャナであり、ここでは共振型スキャナを用いている。駆動周波数は約7.9kHzである。またYスキャナは、測定光206−1を紙面に垂直な方向に走査するスキャナであり、ここではガルバノスキャナを用いている。駆動波形はのこぎり波であり、周波数は32Hz、デューティ比は16%である。Yスキャナの駆動周波数は、AO−SLO像の撮像のフレームレートを決定する重要なパラメータである。
ここで、XYスキャナ219−1は制御PC106によってドライバ部281内の光スキャナ駆動ドライバ282を介して制御される。当該XYスキャナ219−1は、測定光学系において光源201−1からの測定光206−1を被検査物である被検眼の眼底227に走査する。
レンズ235−9および対物レンズ235−10は、眼底227を深さ方向に走査するための光学系であり、測定光206−1を被検眼207の瞳孔中心を支点として、眼底227をスキャンする役割がある。
ここで、測定光206−1のビーム径は4mmであるが、より高分解能な光画像を取得するためにビーム径はより大径化してもよい。
また、対物レンズ235−10を支持するステージ217−1は電動ステージであり、矢印で図示している方向に移動することができ、付随する対物レンズ235−10の位置を動かし、フォーカスを調整することができる。
ここで、電動ステージ217−1は、制御PC106によってドライバ部281内の電動ステージ駆動ドライバ283を介して制御される。
対物レンズ235−10の位置を調整することで、被検眼207の眼底227の所定の層に、測定光206−1を合焦し観察することが可能になる。また、被検眼207が屈折異常を有している場合にも対応できる。
測定光206−1は、被検眼207に入射すると、被検査物である眼底227からの反射や散乱により、戻り光208−1となり受光部700へ入射する。入射した戻り光208−1は後述する分割手段によって分光されて受光手段であるディテクター704−1〜3にそれぞれ到達する。ディテクター704−1〜3には、例えば高速且つ高感度な光センサであるAPD(Avalanche Photo Diode)やPMT(Photomultiplier Tube)が用いられる。これらディテクターは、各々が受光する光束の強度信号を各々出力する。
<受光部>
次に、図7(a)〜図9、および図12(a)〜図13を用いて受光部700の概略構成について説明する。
戻り光208−1は、被検眼の眼底227と略共役な平面である結像面上に配置された第一の光束分割手段である部分反射ミラー711で分割且つ反射された光708は、結像面に配置されたピンホールを通過してディテクター704−1に入射する。そしてピンホール707を通過した光708はディテクター704−1に入射する。以上の構成から、このディテクター704−1の出力とデータ取得時点の走査信号とから共焦点光学系による眼底像を形成し且つ表示するための眼底画像データを得ている。この共焦点画像を形成し且つ表示するために用いる共焦点画像データを得る撮像モードを、第二の撮像モードと呼ぶ。即ち、被検眼眼底と共役な平面上に配置される光束分割手段である部分反射ミラー711は、被検眼からの戻り光を少なくとも2つ以上の複数の光束(光)に分割する。
一方、部分反射ミラー711に入射した他の一部の光709は非共焦点画像の形成のため、図7(a)に示す分割パターン715の中心部の外側にある透過領域712を通過し、さらに結像面に配置された光束分割プリズム706によって2つの光束に分割される。分割後の光束は、ディテクター704−2、704−3でそれぞれ受光され、得られた光束の強度に応じた電圧信号を出力する。図9はこれら構成を立体的に示している。ディテクター704−2、704−3はそれぞれXスキャナの走査方向と同軸上に配置されている。各ディテクターで得られた電圧信号は、制御PC106内のADボード276−1にてデジタル値に変換され、制御PC106に入力する。
ディテクター704−2および704−3に入射したある時点の光から得たデジタル値をそれぞれIa、Ibとすると、下記式からX方向に分割した場合の非共焦点画像の画素値I、すなわち非共焦点画像を形成する眼底画像データを取得する。
Figure 2016209543
このX方向の画素値Iよって生成した画像を用いて、X方向に分割した非共焦点画像を取得するモードが第一の撮像モードである。通常得られる画像は、光束分割プリズム706によって光束分割された方向に応じた方向に特徴、すなわち画像特徴の方向性をもつ画像となる。装置はIの値と光束分割の方向、すなわち光束分割プリズムの光軸に対する回転角度に関する情報としてXスキャナの走査方向をこの第一の撮像モードで撮像した画像とともに記録装置に記録する。当該工程の詳細は、後述する。
ここで、部分反射ミラー711は、中心部の反射領域714、反射領域714の外側に配置される透過領域712、および遮光することで透過領域712を規定する遮光領域713からなる。なお部分反射ミラー711は、図7(a)および7(b)に示したように、これらを形成して得られた分割パターン715、を1組とする分割パターンを複数有してもよい。そして、各種分割パターンの中心は戻り光208の光軸中心に位置するように配置される。部分反射ミラー711は戻り光208の光軸に対して斜めに配置されたときに、各分割パターンの形状が光軸方向から見て円形になるような楕円形状となっている。また、部分反射ミラー711は分割パターン選択制御部289によって、選択的に分割パターンを切り替えて制御される。
図7に示す分割パターン715の切り替え例においては、第二の光束分割手段である光束分割による光束の分割数は2で不変であり、かつ分割パターン715はそのサイズを変更する例であり、以下の効果を有する。即ち、反射領域714の径が小さい分割パターンを選択すると焦点深度が狭まりコントラストが上がるが、信号対雑音比が小さくなる。逆に径が大きい分割パターンを選択すると焦点深度が広がりコントラストが下がるが、信号対雑音比は比較的大きくなる。このように選択的に分割パターンを切り替えることによって、画像のコントラストと信号対雑音比が良好になるように調整することができる。
ここで、部分反射ミラー711は、図7(a)に示すように、異なる分割パターンを円形に配置するように形成した遮光板を機械的に回転させて分割パターンを選択してもよい。或いは、図7(b)に示すように複数の分割パターンが1列に並んで配置された遮光板を機械的にスライドさせて選択してもよい。また、例えば、図12に示す形状としてもよい。詳細には、図12(a)に示すように分割数を4つに増やし、分割の方向、透過領域を分割する遮光領域の幅、反射領域の大きさ各々を変えてこれを回転可能な一反射板に配置することが可能である。なお、光束の分割方向には対応するディテクターを配することが必要である。よって、用いるディテクター個数および配置が一定の場合、図12(b)に示すように分割方向のみを一定とする等、得ようとする画像に応じて各々のパターンを変えることが好ましい。またこれらパターンの配置が円状ではなく直線状に配置することも当然可能である。即ち、受光部への遮光方法或いは態様はここに記載されている限りではない。
なお、ここで述べる分割方向とは、透過領域712を遮光領域713にて分割する際の該遮光領域713の延在する方向とは垂直な方向に対応する。図7(b)に示す例の場合には全てのパターンにおいて紙面における左右に分割が為されおり、図12(b)の場合には左右および上下の4つに、図12(c)の場合には左斜め方向および右斜め方向とで各々上下の4つに分割されることとなる。
また光束分割プリズムとディテクター2つとを分岐点を中心に回転する駆動部を設け、光束分割プリズムとディテクターとを光709の光軸に対して手動、または自動で回転させることとしてもよい。当該構成とすることで光束分離プリズムによる光の分岐方向を変え、Xスキャナの走査方向に対して特定の方向(角度)に対して分割された光束を用いた非共焦点画像を得ることも可能となる。例えば撮像および解析対象が特定の血管である場合、その特徴を強調した非共焦点画像を得るには、対象血管の走行方向に垂直な方向に光束の分割方向を合わせることが望ましい。この場合、本実施例の装置は、Xスキャナの走査方向に対する任意の方向に分割した信号を取得し、画像解析を行うことが可能である。
また、光束分割プリズムによる光束の分割は、2方向のみに限定されるものではない。例えば、任意の方向に分割した信号を取得する方法として、図13のごとく光束分割プリズムに四角錐プリズムを用い、かつ4つのディテクター704−2〜5を設けることで、回転する駆動部を持たずに任意の方向に分割した信号を取得することも可能である。すなわち、4つのディテクターで取得したデジタル値を任意の方向かつ任意の分割の割合で合成することで、演算によって任意の方向に分割した画素値を取得することができる。なお、これらディテクターは、本実施例において分割された光束を受光して各々の光束の強度信号を出力する受光手段を構成する。
このディテクターの数および分割数や分割の方式或いは方向の様式は、前述のもので限定されるものではなく、任意の方法で分割数とその方向とが設定可能であれば良い。この場合、装置は前述の光束分割プリズムの回転角度そのものではなく、演算によって得られる任意の分割方向を算出し、第一の撮像モードで撮像した非共焦点画像とともに記録装置に記録する構成となる。すなわち、撮像モードは、画像に関連付けられて記録装置に記録される。
<WF−SLO部全体>
次に、WF−SLO部について図2(a)を用いて説明する。
WF−SLO部は基本的にAO−SLO部と同様の構成となっている。重複する部分については説明を省略する。
光源201−2から出射した光は、レンズ235−2、レンズ235−11〜13、合焦レンズ235−14、XYスキャナ219−2、ダイクロイックミラー270−1〜3等を介して観察対象である被検眼207に導かれる。光源201−2は、AO−SLO部と同様にSLDである。波長は920nmバンド幅20nmである。
<WF−SLO部の測定光路>
次に、測定光206−2の光路について説明する。
光源201−2から射出された測定光206−2は、レンズ235−2、レンズ235−11〜14、XYスキャナ219−2、ダイクロイックミラー270−1等を介して観察対象である被検眼207に導かれる。
ここで、XYスキャナ219−2の構成要素であるXスキャナは、測定光206−2を紙面に平行な方向に走査するスキャナであり、ここでは共振型スキャナを用いている。駆動周波数は約3.9kHzである。また、Yスキャナは測定光206−2を紙面に垂直な方向に走査するスキャナであり、ここでは、ガルバノスキャナを用いている。駆動波形はのこぎり波であり、周波数は15Hz、デューティ比は16%である。Yスキャナの駆動周波数は、WF−SLO像のフレームレートを決定する重要なパラメータである。
ここで、測定光206−2のビーム径は1mmであるが、より高分解能な光画像を取得するために、ビーム径はより大径化してもよい。
測定光206−2は、被検眼207に入射すると眼底227からの反射や散乱により戻り光となる。該戻り光は、ダイクロイックミラー270−1〜3、レンズ235−13〜14、レンズ235−2〜4、XYスキャナ219−2、ビームスプリッタ258−2等を介してディテクター238−2に到達する。
<ビーコン部の説明>
次に、被検眼207にて発生する収差を測定するためのビーコン部について説明する。
光源201−3から射出された測定光206−3は、レンズ235−15、合焦レンズ16、ダイクロイックミラー270−4等を介して観察対象である被検眼207に導かれる。ここで、測定光206−3は、角膜226からの反射を避けるために、被検眼207の中心から偏心して入射される。戻り光208−3の一部は、ビームスプリッタ258−1およびピンホール298を介して、波面センサ255に入射され、被検眼207で発生する戻り光208−3の収差が測定される。ここで、ピンホール298は、該戻り光208−3以外の不要光を遮蔽する目的で配置されている。波面センサ255は、制御PC106に電気的に接続されている。波面センサ255は、シャックハルトマン方式の波面センサであり、測定レンジは−10D〜+5Dとなっている。得られた収差は、ツェルニケ多項式を用いて表現され、これは被検眼207による収差を示している。ツェルニケ多項式はチルト(傾き)の項、デフォーカスの項、アスティグマ(非点収差)の項、コマの項、トリフォイルの項等からなる。なお、光源201−3の中心波長は760nm、波長幅は20nmである。
ここで、角膜226とXYスキャナ219−1と波面センサ255と空間光変調器259とは光学的に略共役になるようにレンズ235−5〜10等が配置されている。そのため、波面センサ255は、被検眼207による収差を測定することが可能になっている。また、空間光変調器259は被検眼207による収差を補正することが可能になっている。
<固視灯部>
固視灯256は、発光型のディスプレイモジュールからなり表示面(27mm×27mm、128×128画素)をXY平面に有する。ここでは、液晶、有機EL、LEDアレイ等を用いることができる。被検眼207が、固視灯256からの光束257を注視することで、被検眼207の固視あるいは回旋が促される。固視灯256の表示面には例えば図2(b)に示すように、任意の点灯位置265に十字のパターンが点滅して表示される。
固視灯256からの光束257は、レンズ235−17〜18、ダイクロイックミラー270−1〜3を介して眼底227に導かれる。また、レンズ235−17および合焦レンズ18は、固視灯256の表示面と眼底227とが光学的に略共役になるように配置される。また、固視灯256は、制御PC106からドライバ部281内の固視灯駆動ドライバ284を介して制御される。
<前眼部観察部>
次に、前眼部観察部について説明する。
前眼部照明光源(光源)201−4から照射された光は、被検眼207を照らし、その反射光がダイクロイックミラー270−1、2、4、レンズ235−19、20を介してCCDカメラ260に入射する。光源201−4は中心波長740nmのLEDである。
<フォーカス、シャッター、乱視補正>
以上のように、ヘッド部102に内蔵される光学系は、AO−SLO部、WF−SLO部、ビーコン部、固視灯部、前眼部観察部からなる。この中でAO−SLO部、WF−SLO部、ビーコン部、固視灯部はそれぞれ個別に電動ステージ217−1〜4を持ち、4つの電動ステージを連動させて動かしている。ただし、個別にフォーカス位置を調整したい場合には、個別に電動ステージを動かすことで調整可能である。
また、AO−SLO部、WF−SLO部、ビーコン部はそれぞれシャッター(不図示)を備え、シャッターの開閉により個別に被検眼207に測定光を入射させるか否かを制御できる。ここではシャッターを用いたが、光源201−1〜3を直接ON/OFFすることにより、制御することもできる。同様に、前眼部観察部、固視灯部についても、光源201−4および固視灯256のON/OFFにより制御可能である。
また、対物レンズ235−10は交換可能になっており、被検眼207による収差(屈折異常)に合わせて球面レンズやシリンドリカルレンズを用いることができる。また1個のレンズに限らず、複数のレンズを組み合わせて配置することも可能である。
<波長>
AO−SLO部、WF−SLO部、ビーコン部、固視灯部、前眼部観察部に用いられている光源の各波長分布を図3に示す。それぞれの光をダイクロイックミラー270−1〜4で分けるために、それぞれ異なる波長帯になるようにしている。なお、図3は各光源の波長の違いを示すものであり、その強度およびスペクトル形状を規定するものではない。
<画像化>
次に、撮像画像の構成方法について説明する。
ディテクター704−1〜3において入射された光は、光の強度が電圧に変換される。ディテクター704−1〜3で得られた電圧信号は、制御PC106内のADボード276−1にてデジタル値に変換され、制御PC106にて、XYスキャナ219−1の動作や駆動周波数と同期したデータ処理が行われ、AO−SLO画像が形成される。ここで、ADボード276−1の取り込み速度は15MHzである。同様に、ディテクター238−2で得られた電圧信号は、制御PC106内のADボード276−2にてデジタル値に変換され、WF−SLO画像が形成される。これらADボードは、本実施例において、ディテクターからのそれぞれの出力と測定光学系の走査信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段を構成する。
<撮像手順>
次に、本実施例のAO−SLO装置における撮像手順について図4〜5を用いて説明する。
図4に撮像手順を示す。以下に、各ステップについて詳しく述べる。なお、以下に説明するステップで行われる各処理は、特に明記する場合以外は制御PC106によって実行される。
<ステップS210>
ここでは、装置を立ち上げ各種確認を行う。まず制御PC106およびAO−SLO装置の電源を入れる。次に、測定用の制御ソフトを起動すると、図5に示す制御ソフト画面が液晶モニター105に表示される。ここで被検者に顔を顔受け部104にセットしてもらう。
<ステップS220>
ここでは、前眼部画像を取得する。制御ソフト画面の実行ボタン501を押すと、前眼部モニター512に前眼部の画像が表示される。画面中央に瞳孔の中心が表示画面における所定位置に正しく表示されていない場合は、まずジョイスティック107を用いてヘッド部102を略正しい位置に動かす。さらに調整が必要な場合は、制御画面上の電動ステージボタン503を押し、顎受け駆動部109を微動させる。
<ステップS230>
ここではWF−SLO像を取得する。略正しい状態で前眼部画像が表示された場合、WF−SLO像がWF−SLOモニター515に表示される。固視灯位置モニター513で固視灯を中央位置に設定し、被検眼207の視線を中心に誘導する。
次に、WF−SLO強度モニター516を見ながら、フォーカス調整ボタン504を調整して、WF−SLO強度が大きくなるように調整する。ここで、WF−SLO強度モニター516には横軸は時間、縦軸は信号強度でWF−SLO部で検出された信号強度が時系列に表示されている。ここで、フォーカス調整ボタン504を調整することで、対物レンズ235−10、およびレンズ235−14、16、18の位置が同時に調整される。
WF−SLO像が鮮明に表示された場合、WF−SLO記録ボタン517を押して、WF−SLOデータを保存する。
<ステップS240>
ここではAO−SLO像取得位置を決定する。表示されたWF−SLO像を確認し、AO−SLO像を取得したい位置を後述の手段を用いて決める。次に、その位置がWF−SLOモニター515の中央にくるように被検眼207の視線を誘導する。
AO−SLO像を取得する位置を決める手段は2通りあり、一つは固視灯位置モニター513において固視灯の位置を指示する方法、もう一つはWF−SLOモニター515において所望の位置をクリックする方法である。WF−SLOモニター515上の画素と固視灯の位置を関連付けており、固視灯の位置が自動的に移動し、視線を所望の位置に誘導することができる。
AO−SLO像を取得したい位置がWF−SLOモニター515上中央に移動したのを確認して、次の工程に移る。
<ステップS250>
ここでは収差補正を行う。収差測定ボタン506を押すと、WF−SLO測定光である測定光206−2が遮断され、ビーコン光のシャッターが開いてビーコン光である測定光206−3が被検眼207に照射される。波面センサモニター514に波面センサ255で検出されたハルトマン像が表示される。このハルトマン像から計算された収差が収差補正モニター511に表示される。収差はデフォーカス(defocus)成分(μm単位)と、全ての収差量(μmRMS単位)に分けて表示される。ここで、ステップS230において、AO−SLO測定光とビーコン光のフォーカスレンズである対物レンズ235−10、およびレンズ235−16の位置が調整されているため、この工程で収差測定の準備が整っている。具体的には、測定光206−3に対する戻り光208−3が、ピンホール298をケラレることなく通過し、波面センサ255に到達する状態になっている。
ここで自動フォーカスボタン521を押すと、デフォーカスの値が小さくなるように対物レンズ235−10、およびレンズ235−14、16、18の位置が自動的に調整される。
次に収差補正ボタン522を押すと、収差量が小さくなる方向に自動的に空間光変調器259が調整され、リアルタイムに収差量の値が表示される。ここで、収差量の値が事前に決めておいた閾値(0.03μmRMS)以下になると自動的にAO−SLO測定ボタン507が押され、次の工程に移動する。ここで、収差量の閾値は任意に設定できる。また、閾値以下にならない場合には、収差補正一時停止ボタン508を押し、収差補正を停止したのち、AO−SLO測定ボタン507を押すことにより次の工程に移動する。
<ステップS260>
ここではAO−SLO像を取得するが、第一の撮像モードで撮像されるAO−SLO像の非共焦点画像の取得のみでも良いし、第二の撮像モードで撮像されるAO−SLO像の共焦点画像を同時に取得してもかまわない。以下、同時に両画像を取得可能とする構成であることを前提に説明を進めるが、AO−SLO像と記載した場合、双方の画像もしくは適時選択されたいずれか一方の画像を意味するものとする。AO−SLO測定ボタン507が押されると、ビーコン光である測定光206−3が遮断され、AO−SLOの測定光206−1の光路上の不図示のシャッターが開いて測定光206−1が被検眼207に照射される。AO−SLOモニター518に収差補正済みのAO−SLO像が表示される。また、AO−SLO強度モニター519に、WF−SLO強度モニター516と同様に、AO−SLO部で検出された信号強度が時系列に表示される。
信号強度が不十分な場合には、AO−SLO強度モニター519を見ながらフォーカス、顎受け位置を調整し、信号強度が大きくなるように調整する。
また、撮像条件設定ボタン523によって、撮像画角、フレームレート、撮像時間を指定することができる。
また、深さ調整ボタン524を調整して、対物レンズ235−10を光軸方向に移動させ、被検眼207の深さ方向の撮像範囲を調整することができる。具体的には、眼細胞の典型である視細胞層や神経線維層や色素上皮層等の所望の層の像を取得することができる。
AO−SLO像(例えば共焦点画像)が鮮明に表示された場合、AO−SLO記録ボタン520を押して、AO−SLOデータを保存する。その後、測定光206−1は遮断される。なお、AO−SLO像の焦点深度を変えたい場合は、部分反射ミラー711の分割パターンの反射領域の大きさが変わるように分割パターンを変更し、再度AO−SLO像を撮像すればよい。
<ステップS270>
非共焦点モードボタン525(図5参照)が押されると、AO−SLO像の非共焦点画像表示に切り替わる。測定対象に特定の角度の方向依存性がある場合、すなわち特定の血管等の場合、その方向性に合わせて、角度調整部526を用いて受光部の光束分割プリズムを回転させる。角度調整部526にコマンドを入力すると、回転角度に応じてAO−SLO像の非共焦点画像を得る際の光分割プリズムによる光束の分割方向の角度が変化し、その方向性(角度)が強調された非共焦点画像が観察できる。回転が手動の場合は、手動した回転角度情報を表示するように構成することが望ましい。なお、非共焦点画像の焦点深度を変えたい場合は、部分反射ミラー711の分割パターンの透過領域の大きさが変わるように分割パターンを変更し、再度AO−SLO像を撮像すればよい。また、非共焦点画像の表示を行う際に、受光部700で検出したデジタル値Ia、Ibのうちのどちらかを表示することが可能である。また、それぞれのデジタル値を数1の式について計算して得たX方向に分割した場合の画素値Iに基づく画像を表示することも選択できる。また、前述のごとく分割方向と対応するプリズムの回転角とに関するこの角度情報は、画像を保存する際にその画像と関連付けて保存される。ここでは、AO−SLO像の共焦点画像と非共焦点画像を切り替えて撮像しているが、同時に撮像することも可能である。その場合に、同時に表示される撮像ソフトの表示画面を有して、双方を確認しながら撮像することも有用である。
<ステップS280>
撮像位置の変更を行う場合にはステップS240に、左右眼の切り替えを行う場合にはステップS220に戻る。撮像を終了する場合には、ステップS290に移動する。
<ステップS290>
STOPボタン502を押すと、制御ソフトが停止する。
<画像生成・解析装置の構成>
図6は、本実施例における画像処理装置600の機能構成を示したものである。本実施例では眼細胞の典型例である視細胞の検出を行う画像処理装置を例示しているが、解析対象は視細胞に限らず、血管壁細胞等、観察可能な眼細胞であれば、本発明を適用可能である。
図6において、画像取得部610は、ステップS260により保存されたAO−SLO像の共焦点画像、またはAO−SLO像の非共焦点画像および非共焦点画像における光束分割方向に対応するプリズムの回転方向を取得する。取得したAO−SLO像の共焦点画像、またはAO−SLO像の非共焦点画像および光束分割方向は制御部630を通じて記録手段である記憶部640に記憶される。入力情報取得部620は、ユーザーによる入力を取得する。画像処理部650は、位置合わせ部651、距離算出部652、眼細胞解析部653、および比較部654を含む。画像処理部650は、取得したAO−SLO像の複数の非共焦点画像を相互に位置合わせして各AO−SLO像の共焦点画像、またはAO−SLO像の非共焦点画像における相対位置を求める。また、黄斑を検出するAO−SLO像の非共焦点画像と、画像解析対象となるAO−SLO像の非共焦点画像における位置関係から、画像解析対象領域の黄斑からの距離を取得する。画像処理部650は、取得した黄斑からの距離を反映して視細胞解析を行い、密度等の被検眼の検査結果の指標を算出する。さらに画像処理部650、特に比較部654は、記憶部640に保存された正常眼データとの比較を行い、比較結果が明示されるようなグラフや画像を生成する。660は出力部であり、算出した指標をモニター等に出力するほか、記憶部640に記憶されている処理結果をデータベースに出力する。
<画像処理装置の処理手順>
次に、図10のフローチャートを参照して、本実施例の画像処理装置600の処理手順を説明する。
<ステップS1010>
ステップS1010において、画像取得部610は、画像処理装置600に接続されるSLO装置により、被検眼眼底のWF−SLO像と複数のAO−SLO像の共焦点画像、またはAO−SLO像の非共焦点画像および非共焦点画像を取得する。これら画像、および画像を形成する強度信号および走査信号を含む画像形成に関するデータは、画像データとして記憶部640に保存される。また、この際に使用した戻り光208−1の光束分割方向を取得し、制御部630を通じて記憶部640に保存される。また、制御部630は、前述した撮像モードについても、画像データと関連付けて記憶部640に保存させる。
また、該ステップにおいて、AO−SLO像の共焦点画像とAO−SLO像の非共焦点画像を同時に撮像する場合、AO−SLO像の共焦点画像についても同様に保存する。
<ステップS1020>
ステップS1020において、入力情報取得部620は、記憶部640に保存されているAO−SLO像の非共焦点画像を構成するフレームの中から、基準フレームを選択する。
AO−SLO像の非共焦点画像は同一箇所を撮像した複数枚のフレームより構成される。しかし被検眼の固視微動のため、撮像位置にはズレがあり、フレーム中にも歪みが生じている。このフレームの中から、歪みが少なく撮像状態が良好なフレームを、ユーザーが基準フレームとして選択する。
ここでは基準フレームをユーザーが選択する場合を示したが、ソフトウェア的に選択する方法も考えられる。例えば輝度の平均値や分散を算出し、平均値や分散が大きなフレームを選択することが考えられる。さらには、周波数解析を行うことで、視細胞の存在を示すリング構造が明確となるフレームを選択することも考えられる。
また、AO−SLO像の共焦点画像とAO−SLO像の非共焦点画像を同時に撮像する場合、基準フレームをAO−SLO像の共焦点画像とする方法も考えられる。
こうして各AO−SLO像に対して選択された基準フレームが、制御部630を通じて記憶部640に保存される。
<ステップS1030>
ステップS1030において、位置合わせ部651は、記憶部640に保存されているSLO装置により取得された複数のAO−SLO像の非共焦点画像の相互の位置合わせを行う。ここで位置合わせは、各AO−SLO像の非共焦点画像に対して選択された基準フレームを用いて行う。位置合わせに際しては、WF−SLO像に対する実際にAO−SLO像を得た部位各々の移動量も併せて算出する。算出された移動量は、制御部630を通じて記憶部640に保存する。
ステップS1020において、基準フレームをAO−SLO像の共焦点画像とした場合、AO−SLO像の共焦点画像による位置合わせ結果をAO−SLO像の非共焦点画像に反映させ、位置合わせを行うことも可能である。位置合わせ終了後、複数の非共焦点画像は重ね合せられて重畳画像の生成が行われる。
こうして取得されたAO−SLO像の非共焦点画像群の重畳画像は、制御部630を通じて記憶部640に保存される。さらに出力部660を通じてモニター等に表示した後、ステップS1030に戻る。
<ステップS1040>
ステップS1040において、入力情報取得部620は、ステップS1030で生成された重畳画像に対して、黄斑中心の位置を取得する。そうして検出した黄斑中心位置を、制御部630を通じて記憶部640に保存する。
<ステップS1050>
ステップS1050において、距離算出部652は、ステップS1030で算出されたWF−SLO像に対する実際の撮像部位である各AO−SLO像の非共焦点画像の移動量を算出する。また、距離算出部652は、ステップS1040で取得された黄斑位置から各AO−SLO像の非共焦点画像までの距離も算出する。
具体的には、黄斑を座標の原点、重畳画像の上側をY軸方向、右側をX軸方向として、実際の撮像部位である各AO−SLO像の非共焦点画像における中心の座標を求める。このようにして取得される各AO−SLO像の非共焦点画像における座標を黄斑座標と呼ぶ。これはステップS1030で求めた各AO−SLO像の非共焦点画像における移動量について画像iの移動量をベクトルDiとし、ステップS1040で取得された黄斑位置を、WF−SLO像の中心からのベクトルMとした場合に、Di−Mで表される。AO−SLO像の非共焦点画像iにおける中心の座標を(Xi,Yi)とすれば、その黄斑からの距離Riは以下のようにして求めることができる。
Figure 2016209543
そして求められた各AO−SLO像の非共焦点画像における黄斑座標と黄斑からの距離を、制御部630を通じて記憶部640に保存する。
<ステップS1060>
ステップS1060において、眼細胞解析部653は、ステップS1010で取得された実際の撮像部位であるAO−SLO像の非共焦点画像に対して、視細胞解析を行う。後述するように、該眼細胞解析部653は、ディテクターの出力およびスキャナの走査信号に基づいて生成し記憶された画像データと、これに関連付けられた該画像データ取得時の光束分割手段による光束の分割方向とに基づいて、該画像データの解析を行う。
図11に視細胞解析の詳細を説明するためのフローチャートを示す。なお、本実施例では、予め準備された視細胞のモデル画像と取得したAO−SLO像等との類似度を求め、この類似度を用いて取得画像からの視細胞の検出を行っている。ここで、AO−SLO像の非共焦点画像は、例えば鮮鋭度等の画像特徴に方向性を有している。本実施例では、この方向性を勘案し、この方向性と一致する方向性を有した濃度勾配成分を有するモデル画像を用いている。すなわち、非共焦点光の分割方向に対応する画像特徴の方向性に基づいて画像データの解析を行っている。より具体的には、例えば戻り光における被共焦点光の分割方向が左右(遮光領域713が上下方向に延在する)であって、その右側に分割された光に基づく画像の場合、撮像領域において上下方向に走行する部位に関してはその左側が鮮鋭に表示される。従って、分割方向が右側の場合、画像の左方向の画像特徴を優先的に用いることが好ましい。
以下、解析手順について詳述する。
<ステップS1110>
ステップS1110において、眼細胞解析部653は、ステップS1020で取得された基準フレームに基づき、視細胞解析の前処理を行うことになる。なお、本実施例で取得できる画像は、第一の撮像モードで撮像される非共焦点画像のみならず、第二の撮像モードで撮像される共焦点画像の場合もある。第二の撮像モードは戻り光の中心部の光を用いた撮像モードであり、第一の撮像モードは該中心部の外側の光を用いた撮像モードである。そこで、実際に処理を行う対象画像の種別、すなわち共焦点画像であるか非共焦点画像のいずれであるかの判別が必要である。この判別は、実際に画像を取得している状態では用いる信号を得るディテクターを選択すればよい。また、予め記憶部に取得された画像データを参照する場合には、これら画像データ各々に対して該画像データの形成に用いた信号が出力されたディテクターの情報を関連付けておけばよい。
非共焦点画像を処理の対象とする場合に、ステップS1020において、基準フレームがAO−SLO像の共焦点画像であった場合、同時に撮像されたAO−SLO像の非共焦点画像フレームを基準フレームとし、前処理を行う。以下の処理工程の説明は、非共焦点画像を処理する前提で説明をしているが、対象画像が第二の撮像モードで撮像される共焦点画像の場合には、公知の画像の特徴点の抽出を行えばよいので、説明を割愛している。なお、共焦点画像では方向性を有さない状態の画像を得ることが好ましいことから、この場合の特徴点の抽出では画像データにおいて方向性のない特徴点を用いることが好ましい。
前処理には複数の方法が考えられるが、ここでは周波数解析によるノイズ除去について示す。具体的には、基準フレームに周波数変換を行い、高周波を除去するフィルタを適用した後に逆変換する。ここでノイズとして除去する高周波のカットオフ値は、視細胞の大きさが最も小さい(視細胞の密度が最も高い)黄斑部付近で2μm程度であることが知られているため、2μmより短い周期の振動を除去する。さらに、視細胞の密度は黄斑から離れるに従って低くなることが知られているため、ステップS1050で算出した距離に基づきカットオフ周波数を変化させる。例えば、黄斑中心部では2μm、黄斑中心から1.0mmの位置までは黄斑からの距離0.5mmに対して1μmずつ増加、黄斑から1.0mmより離れた位置では4μm(固定)となるように決め、黄斑からの距離に応じたカットオフ周波数とする。
さらに、ノイズ除去の方法として、AO−SLO像の非共焦点画像として取得された複数のフレームを用いて、その重ね合わせを行う方法がある。具体的には、各AO−SLO像の非共焦点画像の複数枚のフレームを、アフィン変換などでレジストレーション処理を行った後、基準フレームに相当する領域に対して平均値処理を行う。この手法の精度は、レジストレーション処理の精度に依存する。そして上記レジストレーション処理を行った後に、上記周波数変換による高周波成分の除去処理を行う。ノイズ除去の方法は、その他の一般的な処理方法を用いてもよく、記述の内容に限定するものではない。こうして取得された画像を前処理後画像と呼ぶ。
<ステップS1120>
前述のごとく、一般に光束分離した2つの受光信号から生成された非共焦点画像に関して、通常得られる画像は光束分割された方向に応じた方向に特徴、すなわち画像特徴の方向性をもつ画像となる。従って、利用する類似度演算用のモデル画像として、その画像特徴の方向性を利用し効果的な画像解析を行うために非共焦点画像における光束分割方向と略一致した方向に濃度勾配成分をもつものが好適である。モデル画像および後述するフィルタは記憶手段たる記憶部640に記憶されている。類似度演算用のモデル画像の作成方法には、複数の方法が考えられる。本実施例では、ステップS1120において、眼細胞解析部653は、視細胞解析用として記憶部640に保存され光束分割方向と同方向に濃度勾配成分をもつ類似度演算用のモデル画像として、ガウス関数の一次微分を用いたモデル画像を用いている。
モデル画像の上側T軸方向、右側をS軸方向として、モデル画像の座標を(s,t)とすれば、ガウス関数の一次微分は以下のように求めることができる。
Figure 2016209543
当該式において、ガウス関数の広がり6σおよびモデル画像の大きさは視細胞の大きさに相当し、視細胞の大きさは黄斑から離れるに従って大きくなることが知られている。このため、ステップS1050で取得した距離に基づきσの値すなわちモデル画像の相対的大きさを自動決定する。具体的には視細胞の直径と黄斑からの距離の関係の近似式を算出し、ステップS1050で取得した距離を用い、視細胞の直径を算出する。視細胞直径とガウス関数の広がり6σが等値であると考えσを算出し、モデル画像の大きさは算出した視細胞直径を一辺とする正方形と自動決定する。即ち、実際に記憶されている画像データの視細胞の大きさに対するモデル画像の相対的な大きさは、この算出された距離に基づいて算出される。また、該モデル画像等は、前述した外側の光束の分割方向に基づいて決定される。
ここで、視細胞の大きさは黄斑からの距離によって自動算出したが、距離情報をユーザーが手入力する方法や視細胞の大きさをユーザーが手入力する方法によって決定してもよい。もしくは、前処理後画像を用いて、視細胞の大きさを画像から自動決定する方法をとってもよい。例えば、前処理後画像に周波数変換を行い、周波数成分を用いることで視細胞の大きさを決定する方法が考えられる。
上記式は、SLO装置における受光部の光束分割方向が主走査方向であった場合のモデル画像生成式である。従って、記憶部640に保存されている非共焦点画像における光束分割方向が主走査方向でない場合、対応する方向にモデル画像を回転させる必要があることは言うまでもない。ここでは、ガウスの一次微分によるモデル画像作成について述べたが、非共焦点画像における光束分割方向と同方向に濃度勾配成分をもつフィルタを作成して適用することも可能である。例えば濃度勾配成分を抽出する代表的なフィルタであるSobelフィルタなどの一般的なエッジ抽出のフィルタを用いる方法も考えられ、記述の方法に限定するものではないが、分割の方向とエッジ抽出の方向を関係付けた処理を行うこととする。また、本実施例では、用いるモデル画像の特性として濃度勾配成分に着目しているが、該モデル画像としては濃度、輝度、鮮鋭度等、或いはこれらの組み合わせにおいて何らかの勾配成分が特定の方向性を有すればよい。
<ステップS1130>
ステップS1130において、眼細胞解析部653は、ステップS1110で取得された前処理後画像とステップS1120で作成したモデル画像の類似度を算出する。類似度を算出する方法は複数考えられるが、ここでは正規化相互相関による類似度算出について示す。画像中の座標(x,y)における前処理画像輝度、モデル画像輝度をI(x,y),M(x,y)それぞれの平均輝度を
Figure 2016209543
とすると正規化相互相関画像C(x,y)は以下のように求めることができる。
Figure 2016209543
こうして取得されたモデル画像との類似度を示す画像をモデル類似度画像と呼ぶ。またステップS1120でフィルタを作成した場合には、ステップS1110で取得された前処理後画像に対してフィルタ処理を行い、取得した画像を以降のステップで用いることとする。
<ステップS1140>
ステップS1140において、眼細胞解析部653は、ステップS1130で取得されたモデル類似度画像に対して、視細胞検出を行う。
まず初めに,モデル類似度画像の輝度の極大値検出を行う。このとき極大値として検出された点同士の距離が、知識として知られる視細胞の大きさよりも小さい場合には、ノイズの影響であるとして検出点同士を統合する処理を行う。ここで用いる視細胞の大きさとして、ステップS1110と同様、ステップS1050で求められた画像解析対象となるAO−SLO像の非共焦点画像(実際の撮像部位)の黄斑からの距離に基づき算出することで、より精度の高い検出を行うことができる。
ここでは視細胞検出の一例を示したが、検出法は上記に限定されるものではなく、様々な方法が考えられる。例えば、輝度値がある閾値以上のピクセルのみ選択し、該選択ピクセルが連結している領域の重心を求める方法がある。他には、小領域の特徴量を算出して、パターン認識の手法を用いて検出することも考えられる。具体的には、例えば11x11ピクセルの小領域に対して、ガボール特徴量を算出する。視細胞とされる検出点を中心に含む複数の小領域と、含まない複数の小領域から得られるガボール特徴量ベクトルを用いて、サポートベクターマシンによる学習を行う。新たに対象とする小領域に対してガボール特徴量を算出し、上記学習結果を用いることで、該小領域の中心が視細胞であるか否かを判断する。
上記ソフトウェアによる検出に加えて、ユーザーによりマニュアルで修正すること、もしくは初めから検出をユーザーによりマニュアルで検出することも可能である。このとき入力情報取得部620は、ステップS1140で検出した検出点に対してユーザーが修正した検出点の位置を取得する。
<ステップS1150>
ステップS1150において、眼細胞解析部653は、ステップS1140で検出された検出点に対して、ボロノイ解析を行う。
具体的には、ステップS1140で検出された全検出点に対して、近傍にある検出点同士の垂直二等分線によって画像内の領域を分割することで、各検出点に属するボロノイ領域を算出する。
<ステップS1160>
ステップS1160において、眼細胞解析部653は、ステップS1140、ステップS1150の解析結果に対し、指標を算出する領域を選択する。なお、ここで述べる指標とは、前述したように被検眼と正常眼とを比較した場合に、該被検眼が異常を有しているか否かを判定する際に用いる指標を意味する。
領域の選択法としては、前処理後画像の中からある大きさのエリアを選択することもできるが、検出点ごとに選択領域を設定することも可能である。例えば、各検出点を中心とした大きさ20μmの円を考え、その円内を各検出点に対応した領域と考えることができる。さらに、検出点に限らず、適当な間隔をあけたピクセルごとに設定することも可能である。この場合も、例えば縦横10ピクセルおきに選択したピクセルに対して、大きさ20μmの円を考え、その円内に含まれる領域を選択領域とすることができる。
さらに、上記選択領域の黄斑からの距離を算出する。ステップS1050により、実際の撮像部位である各AO−SLO像の黄斑からの位置が算出されている。上記選択領域のAO−SLO像内での位置から、選択領域の中心の黄斑からの距離を算出する。
<ステップS1170>
ステップS1170において、眼細胞解析部653は、ステップS1160で選択された領域に対して、ステップS1140、ステップS1150で取得された結果に基づき、指標を算出する。
ここで指標の例として、ステップS1140で求められた検出点の数、検出点数を領域の面積で割った密度、ステップS1150で求められた最近傍検出点までの距離、ボロノイ領域が六角形である割合などがあげられる。
こうして視細胞解析を行った結果および取得した指標を、制御部630を通じて記憶部640に保存した後、ステップS1060に戻る。
<ステップS1070>
ステップS1070において、入力情報取得部620は、ステップS1060で提示された解析結果に対して、ユーザーが修正を行うか否かの判断を取得する。ここでユーザーの修正とは、ステップS1030で行った各AO−SLO像の位置合わせや、ステップS1040で行った黄斑の検出に対してである。
具体的には、ステップS1030のAO−SLO像の位置合わせが間違っていると判断した場合には、ユーザーが該AO−SLO像の位置を変更することができる。さらに、ステップS1040で決められた黄斑の位置を変更することができる。
ユーザーによる修正がない場合には、ステップS1080に進む。修正が行われた場合には、ステップS1050に戻り、修正された黄斑位置および各AO−SLO像の位置に基づき再度距離計算を行い、それ以降の処理を行う。
<ステップS1080>
ステップS1080において、制御部630は、記憶部640に保存されている、算出した指標や比較結果など記憶部640に記憶されている処理結果を、データベースに保存する。
以上述べたように、光束分割した受光信号から生成された非共焦点画像は、画像特徴の方向性を有する。本発明によれば、このような非共焦点画像に対して光束分割の方向と略一致した方向に濃度勾配成分をもつ類似度演算用のモデル画像を用いて解析を行うことで、より精度の高い視細胞の検出を行うことができる。さらに、SLO装置により取得した複数のAO−SLO像の非共焦点画像を解析して指標を算出する場合に、同一のAO−SLO像内に含まれない黄斑との位置関係を考慮しながら、解析を行うことが可能になる。
(その他の実施例)
以上の実施例では、視細胞解析における検出手法について述べた。しかし、血管や腫瘍を検出する際においても非共焦点画像における光束分割方向とフィルタもしくは類似度演算用のモデル画像の濃度勾配成分方向を関連付けて演算することで、検出対象自体、もしくは構造などのエッジ部などを検出することも可能である。
また、本件は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形、変更して実施することができる。例えば、上記の実施例では、被検査物が眼の場合について述べているが、眼以外の皮膚や臓器等の被測定物に本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は眼科装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は眼科装置に例示される検査装置或いは検査装置の作動方法として把握され、被検眼は被検査物の一態様として把握されることが望ましい。
本発明の実施態様は、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによって、実現されることもできる。すなわち、当該プログラムコードを記憶した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、実現される。
101 AO−SLO装置
102 ヘッド部
103 ステージ部
104 顔受け部
105 液晶モニター
106 制御PC
206−1 測定光
259 空間光変調器
256 固視灯
258−3 ビームスプリッタ
704−1〜3 ディテクター
219−1 XYスキャナ

Claims (20)

  1. 光源からの測定光を被検査物に対して走査する測定光学系と、
    前記被検査物に共役な位置に設けられ、前記測定光の前記被検査物からの戻り光を複数の光に分割する分割手段と、
    前記分割して得た複数の光を受光する受光手段と、
    前記受光手段からの複数の強度信号に基づく前記被検査物の画像データと、前記戻り光の分割方向とを関連付けて記録する記録手段と、
    前記関連付けられた分割方向に基づいて前記画像データを解析する解析手段と、を有することを特徴とする検査装置。
  2. 前記記録手段は前記画像データを解析する際に用いるモデル画像を記録し、
    前記解析手段は前記戻り光の分割方向に基づいて決定された前記モデル画像を用いて前記画像データを解析することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記記録手段は前記画像データを解析するための少なくとも方向性のある濃度勾配成分を有するモデル画像およびフィルタの少なくともいずれかを記録し、
    前記解析手段は、前記画像データと関連付けて記録された前記分割の方向と一致する方向性のある濃度勾配成分を有する前記モデル画像および前記フィルタの少なくともいずれかを用いて前記画像データを解析することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  4. 前記分割手段は、前記戻り光の分割方向が可変であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検査装置。
  5. 前記分割手段は、前記戻り光の中心部の光を取り出す第一の光束分割手段と前記中心部の外側の部分の光を複数の光に分割する第二の光束分割手段とを有し、
    前記画像データは、前記外側の部分の光より分割された複数の光に応じて前記受光手段より出力された前記強度信号を用いる第一の撮像モードと、前記中心部の光に応じて前記受光手段より出力された前記強度信号を用いる第二の撮像モードと、により生成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検査装置。
  6. 前記記録手段は、前記第一および第二の撮像モードと前記画像データとを関連付けて記録することを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
  7. 前記解析する画像データが、前記第一の撮像モードおよび前記第二の撮像モードのいずれで取得された画像データであるかを判別する判別手段を有し、
    前記解析手段は、前記取得された画像データが第二の撮像モードで撮像されたと前記判別手段により判別された場合、前記画像データにおいて方向性のない特徴点を抽出する解析を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の検査装置。
  8. 光源からの光を被検査物に走査して得られる戻り光の中心部の外側を分割して得た光の強度と前記外側の光を分割する分割方向とが関連付けられた画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記分割方向と一致する濃度勾配成分を有するモデル画像およびフィルタの少なくともいずれかを用いて前記画像データを解析する解析手段と、
    を有することを特徴とする検査装置。
  9. 前記被検査物は被検眼であって、
    前記被検眼の眼底の撮像部位と黄斑部との距離に関する情報を取得する取得手段と、
    前記距離に関する情報と前記画像データとを関連付けて記録する記録手段とを有し、
    前記解析手段は前記関連付けられた距離に関する情報を用いて前記画像データを解析することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の検査装置。
  10. 前記解析手段は、前記分割方向に対応する画像特徴の方向性に基づいて、前記画像データを解析することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の検査装置。
  11. 被検査物からの戻り光を分割して得た複数の光に基づいて前記被検査物の非共焦点画像を生成する手段と、
    前記戻り光を分割する分割方向を用いて前記非共焦点画像を解析する解析手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
  12. 前記解析手段は、前記分割方向に一致する勾配成分を有するモデル画像およびフィルタの少なくともいずれかを用いて前記非共焦点画像を解析することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 被検査物に共役な位置において、前記被検査物に対して走査された測定光の前記被検査物からの戻り光を複数の光に分割する工程と、
    前記分割された複数の光を受光手段により受光する工程と、
    前記受光手段からの複数の強度信号に基づく前記被検査物の画像データと、前記戻り光の分割方向とを関連付けて記録する工程と、
    前記関連付けられた分割方向に基づいて前記画像データを解析する工程と、を含むことを特徴とする検査装置の作動方法。
  14. 被検査物からの戻り光を分割して得た複数の光に基づいて前記被検査物の非共焦点画像を生成する工程と、
    前記戻り光を分割する分割方向を用いて前記非共焦点画像の画像データを解析する工程と、を有することを特徴とする検査装置の作動方法。
  15. 被検査物に共役な平面上に設けられた分割手段により、前記被検査物に対して走査された測定光の前記被検査物からの戻り光を、中心部の光と前記中心部の外側の複数の光とに分割する工程と、
    前記分割された外側の光に基づいて得た画像データと前記外側の光を分割する分割方向とを関連付けて取得する工程と、
    前記関連付けられた分割方向と一致する方向性のある濃度勾配成分を有するモデル画像およびフィルタの少なくともいずれかを用いて前記画像データを解析する工程と、
    前記解析する工程による解析結果を表示する工程と、を含むことを特徴とする検査装置の作動方法。
  16. 光源からの光を被検査物に走査して得られる戻り光の中心部の外側の光を分割して得た光の強度と前記分割した光の分割方向とが関連付けられた画像データを取得する工程と、
    前記分割方向と一致する濃度勾配成分を有するモデル画像およびフィルタの少なくともいずれかを用いて前記画像データを解析する工程と、を含むことを特徴とする検査装置の作動方法。
  17. 前記画像データと前記分割方向とを関連付けて取得する工程は、前記中心部の光に基づいて前記画像を形成する第二の撮像モードで得られた画像データも取得可能であって、
    前記作動方法は、前記解析する画像データが、前記分割された光に基づいて前記画像を形成する第一の撮像モード、および前記第二の撮像モードのいずれで取得された画像データであるかを判別する工程を有し、
    前記解析する工程は、前記取得された画像データが前記第二の撮像モードで撮像されたと判別された場合、前記画像データにおいて方向性のない特徴点を抽出する解析を行うことを特徴とする請求項15または16に記載の検査装置の作動方法。
  18. 前記被検査物は被検眼であって、
    前記画像データと前記分割方向とを取得する工程は、前記被検眼の眼底の撮像部位と黄斑部との距離に関する情報を取得可能であり、
    前記解析する工程において用いるモデル画像の画像データとの相対的な大きさは、前記得した距離に関する情報に基づき算出することを特徴とする請求項15乃至17のいずれか一項に記載の検査装置の作動方法。
  19. 前記画像データを解析する工程において、前記分割方向に対応する画像特徴の方向性に基づいて、前記画像データを解析することを特徴とする請求項13乃至18のいずれか一項に記載の検査装置の作動方法。
  20. 請求項13乃至19のいずれか一項に記載の作動方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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