JP2016209300A - 遊技機 - Google Patents

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豊浩 埜口
Toyohiro Noguchi
豊浩 埜口
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Abstract

【課題】遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】移動回転体制御基板は、移動回転体を回転駆動するモータが1秒間継続して駆動する毎にRAM上に形成されるカウンタKCを5ずつカウントアップし(S3004、S3006)、モータが1秒間継続して停止する毎にカウンタKCを1ずつカウントダウンする。そして、カウンタKCの値が「600」以上になったか否かを判定しS3008、カウンタKCの値が「600」以上になったと判定された場合には(S3008でYES)、モータの駆動を休止するS3010。そして、「600」以上になったカウンタKCの値が「550」未満になった場合には、モータの駆動休止を解除してモータを駆動可能状態に復帰させる。
【選択図】図30−4

Description

本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
従来、遊技盤に設けられた始動装置へ遊技球が入球することにより大当たり判定を行い表示器にて特別図柄を変動表示させ、このとき遊技盤の中央等に設けられる液晶表示装置に、装飾図柄の変動表示を行う遊技機が知られている。ここで特別図柄が大当たりとなると、対応する装飾図柄が特定の組み合わせ(例えば「7、7、7」)で停止表示されて、遊技者にとって有利な大当たり遊技が開始される。
このような遊技機では、特別図柄が停止表示されるまでの間、役物などを用いた演出が行われる。特に、大当たりである可能性が高いことを示唆する、いわゆる激アツ演出では、役物が可動する演出が現れる(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−023617号公報
しかしながら、役物が可動する演出も、マンネリ化している傾向にある。結果として、遊技の興趣を低下させることが懸念される。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技の興趣を向上させることにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
[適用例1]
本発明の遊技機(遊技機100)は、可動体(移動回転体190)と、前記可動体の駆動を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)とを備え、前記制御手段は、前記可動体が、駆動している時間を計時する駆動計時手段(ステップS3004)と、前記可動体が、駆動していない時間を計時する駆動停止計時手段(ステップS3052)と、前記駆動計時手段が計時した時間と、前記駆動停止計時手段が計時した時間とに基づいて前記可動体の駆動休止を実行する駆動休止実行手段(ステップS3010)と、前記駆動計時手段が計時した時間が所定時間(T1:1秒)を経過する毎に所定のカウント値(C1:5)を加算すると共に、前記駆動停止計時手段が計時した時間が所定時間(T2:1秒)を経過する毎に所定のカウント値(C2:1)を減算することにより、カウント値(C1−C2)を演算する演算手段(ステップS3006、ステップS3056)とを有し、前記カウント値(C1)と前記カウント値(C2)とは、異なる値に設定され、前記駆動休止実行手段は、前記カウント値(C1−C2)が所定カウント値(HC:600)に達した場合に、前記可動体の駆動休止を実行することを要旨とする。
[適用例2]
また、適用例1に記載の遊技機(遊技機100)において、前記所定カウント値(HC)に達した前記カウント値(C1−C2)が、該所定カウント値(HC)未満になった場合には、前記駆動休止実行手段による前記可動体の駆動休止を解除する(ステップS3062)ことを要旨とする。
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機100の正面図である。 外枠160に対して、ガラス枠150と内枠170が開いた状態を示す遊技機100の斜視図である。 遊技機100の機能ブロックを表す図である。 主制御基板300のメインROM301bとメインRAM301cを説明するための説明図である。 各種の判定テーブル等を示す説明図である。 大当たり図柄判定テーブルT2と、大当たりの種別の振り分け割合を示す説明図である。 特1通常時変動パターンテーブルT4Aを例示する説明図である。 操作レバー180が原点位置にある場合の枠ギミック機構195を正面略下方から視た図である。 操作レバー180が原点位置にある場合の枠ギミック機構195を右略下方から視た図である。 操作レバー180が原点位置にある場合の枠ギミック機構195の右側面図である。 操作レバー180が第1操作位置又は第2操作位置にあって、移動回転体190が原点位置にある場合の枠ギミック機構195を正面略下方から視た図である。 操作レバー180が第1操作位置にあって、移動回転体190が原点位置にある場合の枠ギミック機構195を右略下方から視た図である。 操作レバー180が第1操作位置又は第2操作位置にあって、移動回転体190が原点位置にある場合の枠ギミック機構195の右側面図である。 操作レバー180が第1操作位置にあって、移動回転体190が進出位置にある場合の枠ギミック機構195を正面略下方から視た図である。 操作レバー180が第1操作位置にあって、移動回転体190が進出位置にある場合の枠ギミック機構195を右略下方から視た図である。 操作レバー180が第1操作位置にあって、移動回転体190が進出位置にある場合の枠ギミック機構195の右側面図である。 操作レバー180が収納位置にある場合の枠ギミック機構195を正面略下方から視た図である。 操作レバー180が収納位置にある場合の枠ギミック機構195を右略下方から視た図である。 操作レバー180が収納位置にある場合の枠ギミック機構195の右側面図である。 操作レバー180の構造を示す説明図である。 右側アーム部181に連結されるギア構成等を詳細に示す説明図である。 モータ2113の駆動力の伝達構造を模式的に示す説明図である。 左側アーム部182に連結されるギア構成等を詳細に示す説明図である。 (A)は操作レバー180の把持部183の発光態様を示す説明図であり、(B)は把持部183の消灯態様を示す説明図である。 操作レバー180の把持部183の内部構造を示す説明図である。 操作レバー180とリトラクタブル137との連動機構を示す説明図である。 操作レバー180とリトラクタブル137との連動機構を拡大して示す説明図である。 操作レバー180の挙動を模式的に示す説明図である。 移動回転体190と操作レバー180との挙動を模式的に示す説明図である。 (A)は操作レバー180と表示領域2610との関係を模式的に示す説明図であり、(B)は操作レバー180の収納位置を模式的に示す説明図である。 レバーセンサ2001と検出領域との関係を示す説明図である。 移動回転体190が進出位置に位置している場合の移動回転体ユニット2700の全体図である。 移動回転体190が原点位置に位置している場合の移動回転体ユニット2700の全体図である。 移動回転体ユニット2700の図27における(移動回転体190が進出位置に位置している場合の)右側面図である。 基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bが取り外されたときの、支持部材2702の構成を示す説明図である。 補助コイルスプリング2735a,2735bが支持部材2702から取り外されたときの、支持部材2702の構成を示す説明図である。 移動回転体190と支持部材2702との取り付け状態を示す説明図である。 移動回転体190が進出位置に位置している場合の補助コイルスプリング2735a及び基本コイルスプリング2730aの状態を示す説明図である。 移動回転体190が原点位置に位置している場合の補助コイルスプリング2735a及び基本コイルスプリング2730aの状態を示す説明図である。 移動回転体190が第2位置に位置している場合の補助コイルスプリング2735a及び基本コイルスプリング2730aの状態を示す説明図である。 巻き取りプーリー2777の全体斜視図である。 巻き取りプーリー2777の分解斜視図である。 第1プーリー2782aの分解斜視図である。 ワイヤ張力調整機構2720aにおける第1プーリー2782a及び第2プーリー2783aの取り付け状態を示す説明図である。 ワイヤ2760a,2760bが解放状態にある場合の第1プーリー2782a,2782b及び第2プーリー2783a,2783bの状態を示す説明図である。 ワイヤ2760a,2760bが巻き取り状態にある場合の第1プーリー2782a,2782b及び第2プーリー2783a,2783bの状態を示す説明図である。 モータ機構2710の構成を示す説明図である。 ウォーム歯車2772のワイヤ巻取部2774と対面する係合面2968の構成を示す説明図である。 ワンウェイクラッチ2970の構成を模式的に示す説明図である。 回転軸2768がウォーム歯車2772に挿通される前の状態、及び、回転軸2768がウォーム歯車2772に挿通された状態を示す説明図である。 乗り上げ機構部2910の斜視図、及び、乗り上げ機構部2910に乗り上げカム2911が係合している状態を示す斜視図である。 乗り上げカム2911の表面及び裏面(係合面)を示す乗り上げカム2911の斜視図である。 回転軸2768が乗り上げカム2911に挿通される前の状態、及び、回転軸2768が乗り上げカム2911に挿通された状態を示す説明図である。 乗り上げカム2911が乗り上げ機構部2910に乗り上げていない場合のワイヤ巻取部2774の状態を示す説明図である。 乗り上げカム2911が乗り上げ機構部2910に乗り上げている場合のワイヤ巻取部2774の状態を示す説明図である。 乗り上げカム2911と乗り上げ機構部2910との係合状態を示す説明図である。 移動回転体190が進出位置に位置している場合の、フレキシブルフラットケーブル2790及び保護部材2791の状態を示す説明図である。 保護部材2791の分解斜視図である。 保護部材2791と基本プレート2704の接続状態を示す斜視図である。 保護部材2791と移動回転体190との接続状態を示す斜視図である。 移動回転体190が原点位置に位置している場合の保護部材2791の状態を示す説明図である。 移動回転体190が第2位置に位置している場合の保護部材2791の状態を示す説明図である。 移動回転体190の内部構成を示す説明図である。 移動回転体ユニット2700の機能ブロックを主に表す図である。 移動回転体制御基板2725のCPU3010aによって行われるモータ加熱抑止処理の内容を示すフローチャートである。 移動回転体制御基板2725のCPU3010aによって行われるモータ駆動休止処理の内容を示すフローチャートである。 移動回転体制御基板2725のCPU3010aによって行われるモータ復帰(駆動休止解除)処理の内容を示すフローチャートである。 移動回転体制御基板2725のCPU3010aによって行われるモータ駆動休止処理及びモータ復帰(駆動休止解除)処理の具体例を示す折れ線グラフである。 第1停止面3106が停止しているときの移動回転体190の点灯状態を示す説明図である。 第2停止面3107が停止しているときの移動回転体190の点灯状態を示す説明図である。 移動回転体190の演出態様を説明するための模式的な正面図及び左側面図である。 移動回転体190の回転演出種別を説明するための模式的な側面図である。 移動回転体190のガタガタ演出を説明するための模式的な左側面図である。 移動回転体190の演出態様(a)を示す説明図である。 移動回転体190の演出態様(b)を示す説明図である。 移動回転体190の演出態様(c)を示す説明図である。 操作レバー180と移動回転体190とによる関連演出を説明するための図である。 操作レバー180が原点位置に位置する場合の枠ギミック機構195を上から見た図である。 操作レバー180が第1操作位置に位置する場合の枠ギミック機構195を上から見た図である。 操作レバー180の操作軌跡を説明するための模式図である。 発光移動ユニットを説明する図であって、(A),(B)が正面図であり、(C)が背面図である。 (A)が左側回転発光部の分解図であり、(B)が導光板の拡大図であり、(C)が(B)の41c−41c断面図であり、(D)が左側固定発光部のLED配置を説明する図である。 メイン表示装置と、右側回転発光部と、左側回転発光部との位置関係を示す模式的な側面図である。 (A)〜(C)が、右サイドギミック及び左サイドギミックによる複合演出を説明する図であり、(D)が回転時の光の軌道を説明する模式図である。 (A)〜(C)が、演出パターンを説明する図である。 (A)〜(C)が、サブ表示装置及びサブ表示装置装飾ユニットの正面図である。 (A)〜(C)が、サブ表示装置及びサブ表示装置装飾ユニットを模式的に示す側面図である。 (A)〜(I)が、メイン表示装置、サブ表示装置及びサブ表示装置装飾ユニットを模式的に示す側面図である。 (A),(B)が、サブ表示装置及びサブ表示装置可動ユニットの正面図である。 サブ表示装置の移動を説明するための遊技機100の正面図である。 (A),(B)が、爪状役物を移動させる移動機構の一部を模式的に示す正面図である。 爪状役物、第1連結部及び第2連結部を折り曲げる機構について説明する図であって、(A)が第1支持部の背面図であり、(B),(C)が回転片の拡大図である。 (A),(B)が、サブ表示装置及びサブ表示装置装飾ユニットを模式的に示す側面図であり、(C)が第1連結部の拡大図であり、(D)が第2連結部の拡大図である。 ボタンカバーを外した状態の第1演出ボタンの外観図である。 ボタン部及びボタンカバーの外観図である。 第1基板及び第2基板の外観図である。 機構部の構造を示す図である。 第1演出ボタン135の作動の様子を示す図である。 第2基板のLEDからカバーに光が入射する様子を示す図である。 顔ギミックが展開した場合の外観図である。 顔ギミックを作動させる作動機構の構造図であり、 顔ギミックの作動の様子を示す図である。 主制御基板300で実行される処理の概略フローを示す説明図である。 演出制御基板320の詳細を示すブロック図である。 演出制御基板320で実行される処理の一覧を示す説明図である。 演出パターン決定処理のフローチャートである。 表示演出を説明するための図である。 表示演出と役物可動演出との連携例1を説明するための図である。 表示演出と役物可動演出との連携例2を説明するための図である。 復活演出を含む一連の表示演出を説明するための図である。 表示演出と役物可動演出との連携例3を説明するための図である。 表示演出と役物可動演出との連携例4を説明するための図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の実施形態としての遊技機100について説明する。
[遊技機100の構成]
図1,2を用いて、まず、遊技機100の構成について説明する。図1は、本実施形態の遊技機100の正面図であり、図2は、外枠160に対して、ガラス枠150と内枠170が開いた状態を示す遊技機100の斜視図である。なお、遊技機100は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。
以下の説明では、必要に応じて、遊技機100の左右方向を「X方向」とも呼び、特に、遊技機100の右方向を「+X方向」とも呼び、遊技機100の左方向を「−X方向」とも呼ぶ。また、遊技機100の上下方向を「Y方向」とも呼び、特に、遊技機100の上方向を「+Y方向」とも呼び、遊技機100の下方向を「−Y方向」とも呼ぶ。さらに、遊技機100の奥行方向を「Z方向」とも呼び、特に、遊技機100に対して奥側に向かう方向を「+Z方向」とも呼び、遊技機100に対して手前側に向かう方向を「−Z方向」とも呼ぶ。
遊技機100は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠160と、その外枠160の前方側で該外枠160と回動可能に支持された内枠170、及びその内枠170の前方側で該内枠170と回動可能に支持されたガラス枠150を備えている。ガラス枠150には、図2に示すように、ガラス部材151が裏側から着脱自在に設けられる。また、ガラス枠150の所定位置には、ガラス枠150が開放されたことを検出するための図示しないガラス枠開放スイッチが、内枠170の所定位置には、内枠170が開放されたことを検出するための図示しない内枠開放スイッチがそれぞれ設けられている。
内枠170には、遊技機100を構成する主要な機構や種々の部品及び基板などが設けられると共に、遊技盤102が着脱自在に設けられている。ガラス部材151と遊技盤102との間には、遊技領域106が設けられている。この遊技領域106は、遊技球が流下する遊技球流下領域(図示せず)と、メイン表示装置131の表示画面領域と、サブ表示装置139の表示画面領域とを含む。
ガラス枠150の下部側には、上皿128、下皿129及び発射ハンドル装置103が設けられている。上皿128は、遊技領域106に発射するための遊技球を貯留するための皿である。下皿129は、上皿128に貯留しきれない遊技球を貯留するための皿である。上皿128に貯留された遊技球は、発射レール(図示せず)に導出され、発射ハンドル装置103により所定の発射強度で発射レールを介して誘導レール(図示せず)に誘導されて、遊技領域106(遊技球流下領域)に発射される。この場合、遊技者による発射ハンドル装置103の回転操作具合により、発射ハンドル装置103から発射された遊技球は、遊技領域106に含まれる遊技球流下領域の左側ルート106a、または、右側ルート106bを通過する。具体的には、遊技者が、発射ハンドル装置103を比較的弱めに回転操作した場合には、発射ハンドル装置103から発射された遊技球は、左側ルート106aを通過し得る。一方、遊技者が、発射ハンドル装置103を比較強めに回転操作した場合には、発射ハンドル装置103から発射された遊技球は、右側ルート106bを通過し得る。
また、上皿128には、押圧操作により演出態様を変更させるための第1演出ボタン135及び第2演出ボタン136が設けられている。第1演出ボタン135は、主として「決定ボタン」の機能を果たし、第2演出ボタン136は、主として「選択ボタン」の機能を果たすものである。なお、第1演出ボタン135の詳細については、後述する。
一方、ガラス枠150の上部前側には、図1に示すように、遊技者が操作可能な操作レバー180と、移動及び回転可能な移動回転体190と、移動回転体190の左右両側に
配置され、図2の矢印A、Bに示す方向に回動可能な一対のリトラクタブル137とが設けられている。なお、後述するように、操作レバー180は操作レバーユニット189の構成要素であり、移動回転体190は移動回転体ユニット2700の構成要素であり、リトラクタブル137はリトラクタブルユニット137uの構成要素となっている。操作レバーユニット189、移動回転体ユニット2700、及び、リトラクタブルユニット137uを合わせて「枠ギミック機構195」ともいう。
遊技領域106の略中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を有する第1始動装置112が設けられている。この第1始動装置112は、一般入賞装置タイプの入賞装置であって、遊技球が入賞すると、大当たり乱数が取得されて大当たり判定が行われると共に、所定の賞球(例えば3個)が払い出される。
また、第1始動装置112の下方には、遊技球が入球可能な始動領域を有する第2始動装置115が設けられている。第2始動装置115は、一対の可動片115bを有したいわゆるチューリップ式電動役物であって、これら一対の可動片115bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片115bが開状態となる第2の態様とに可変制御される。なお、第2始動装置115が第1の態様に制御されているときには、遊技球の受入れを不可能としている(図1では、第2始動装置115が第1の態様に制御されているときを示している)。一方で、第2始動装置115が第2の態様に制御されているときには、一対の可動片115bが受け皿として機能し、第2始動装置115への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動装置115は、第1の態様にあるときには、遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
第2始動装置115は、遊技球が入賞すると、上記第1始動装置112と同様に、大当たり乱数が取得されて大当たり判定が行われると共に、例えば第1始動装置112と同じ賞球(3個)が払い出される。
遊技領域106の左側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を有する普通図柄作動ゲート113aが設けられている。普通図柄作動ゲート113aは、遊技球が通過すると、当たり乱数取得されて当たり判定が行われる。なお、普通図柄作動ゲート113aを遊技球が通過しても、その通過に基づいた賞球が払い出されることはない。
遊技領域106の右側の領域には、上から順に、遊技球が通過可能な普通領域を有する普通図柄作動ゲート113bと、遊技球が入球可能な大入賞装置117と、遊技球を第2始動装置115へ誘導する誘導板116とが設けられている。普通図柄作動ゲート113bは、上記普通図柄作動ゲート113aと同一機能を有している。
大入賞装置117は、いわゆるアタッカ型電動役物であって、その下部には、遊技盤面側からガラス板側に立設可能な開閉扉117bを有しており、この開閉扉117bが遊技盤面側に立設する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される(図1では、開閉扉117bが開放状態に制御されているときを示している)。そして、開閉扉117bが遊技盤面に立設していると、遊技球を大入賞装置117内に導く受け皿として機能し、遊技球が大入賞装置117に入賞可能となる。また、大入賞装置117に遊技球が入賞すると、所定の賞球(例えば15個)が払い出される。
誘導板116は、遊技盤面側に突設する板状部材であって、遊技領域106の右側の領域を落下して誘導板116に到達した遊技球を、第2始動装置115の方向に遊技球を転動させて誘導するよう下り傾斜を有している。つまり、誘導板116は、第2始動装置115が第2の態様にあるときに、当該第2始動装置115への遊技球の入賞を容易にする部材である。
なお、遊技領域106の最下部には、第1始動装置112、第2始動装置115、大入賞装置117のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口111が設けられている。
遊技領域106の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなるメイン表示装置131が設けられており、このメイン表示装置131は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動装置112、第2始動装置115の遊技球の入賞に基づいて、大当たりの判定結果を報知するための複数の装飾図柄が変動表示され、特定の装飾図柄の組合せ(例えば、777等)が停止して確定停止表示されることにより、大当たり判定結果として大当たりが報知される。
つまり、装飾図柄は、第1始動装置112、第2始動装置115に遊技球が入賞したときには、後述する第1特別図柄表示装置120、第2特別図柄表示装置122に表示される特別図柄の変動表示に合わせて変動表示すると共に、所定の変動時間経過後に特別図柄の停止表示に合わせて停止表示する。すなわち、メイン表示装置131による装飾図柄の変動表示と第1特別図柄表示装置120、第2特別図柄表示装置122による特別図柄の変動表示のタイミングは、同期している。また、この装飾図柄の変動表示中に、様々な画像やキャラクタ等を演出表示したり、あるいは、特別図柄に係る保留表示の先読み演出等を表示したりすることによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもなっている。
また、メイン表示装置131の略中央下部には、図1に示すように、サブ表示装置139が設けられており、このサブ表示装置139は、メイン表示装置131にて表示される画像に関連して、該メイン表示装置131の表示画像の補助的な画像を演出表示したりする。なお、このサブ表示装置139の詳細については、後述する。
また、本実施形態においては、メイン表示装置131及びサブ表示装置139を液晶表示装置として用いているが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイを用いてもよいし、プロジェクタや、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス、回転ドラム等の表示装置を用いてもよい。
更に、遊技領域106には、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作で移動させることによって各種の演出を行う、可動役物としての顔ギミック109、右サイドギミック140及び左サイドギミック141が設けられている。これら顔ギミック109、右サイドギミック140及び左サイドギミック141は、遊技盤102に対して可動可能に構成され、顔ギミック109は、遊技領域106の上部略中央に、右サイドギミック140及び左サイドギミック141は、遊技領域106の右及び左側に配置されるよう設けられている。なお、これら顔ギミック109、右サイドギミック140及び左サイドギミック141の詳細については、後述する。
ここで、誘導板116下方には、図1に示すように、表示器125が設けられている。表示器125は、普通図柄表示装置118と、第1特別図柄表示装置120と、第2特別図柄表示装置122と、普通図柄保留表示器119と、第1特別図柄保留表示器123と、第2特別図柄保留表示器124とを有する。表示器125の詳細は後述する。
メイン表示装置131は、遊技盤102の略中央に配置され、3つの装飾図柄が変動表示され、種々の演出が表示される。このようなメイン表示装置131で表示される演出は、後述する演出パターンに基づいて実行される。以下では、メイン表示装置131で表示される演出を、単に「表示演出」とも呼ぶ。なお、本実施形態では、装飾図柄は、数字の
1〜9と、特殊図柄とを含む。
メイン表示装置131における表示演出では、後述する大当たり判定で、当選した場合、すなわち、大当たりの場合には、最後に、3つの装飾図柄を停止表示させて、大当たりを表す大当たり図柄配列(例えば、「7,7,7」などのゾロ目)を表示させる。また、表示演出において、後述する大当たり判定で、落選した場合、すなわち、ハズレの場合には、最後に、3つの装飾図柄を停止表示させて、ハズレを表すハズレ図柄配列(例えば、「2,5,1」などのばらけ目)を表示させる。これにより、遊技者は、大当たり判定の結果を認識することができる。
遊技者が発射ハンドル装置103を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、遊技領域106における左側領域を流下する。一方、遊技者が発射ハンドル装置103を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、遊技領域106における右側領域を流下する。したがって、ゲート113bや大入賞装置117へ入賞させる際は「右打ち」が必要となってくる。
第1始動装置112は、常時開放されている始動装置である。一方、第2始動装置115は、通常時は可動片115bによって閉塞されている。可動片115bは、ゲート113a,113bへの遊技球の入球を条件とする判定結果に基づいて、第2始動装置115を開放する。この場合、遊技球が入球し易い状態が作出される。遊技球が第1始動装置112又は第2始動装置115へ遊技球が入球した場合には、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、および、変動パターン乱数が取得され、以下の4つの判定が実行され得る。
(1)遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かの判定(以下では、大当たり判定とも呼ぶ)。
(2)表示器125において、大当たり判定の結果を報知するための図柄(以下では、特別図柄とも呼ぶ)の判定(以下では、大当たり図柄判定とも呼ぶ)。
(3)この大当たり判定図柄判定では、大当たりの場合には、当該大当たりの種別を表す図柄(以下では、大当たり図柄とも呼ぶ)を判定する。
(4)メイン表示装置131での表示演出において、リーチを行うか否かの判定(以下では、リーチ判定とも呼ぶ)複数の変動パターンのうち、いずれの変動パターンとするかの判定(以下では、変動パターン判定とも呼ぶ)
「大当たり遊技」とは、大入賞装置117を開放させる特別遊技である。
「リーチ」とは、メイン表示装置131において、変動表示する3つの装飾図柄のうち、2つの装飾図柄が停止表示し、当該2つの装飾図柄が、大当たり図柄配列を構成する3つの装飾図柄のうちの2つを構成する状態となった場合をいう。例えば、メイン表示装置131において、変動表示する3つの装飾図柄のうち、2つの装飾図柄が停止表示し、当該2つの装飾図柄が同じ状態となった場合をいう。この場合、大当たり図柄配列を構成する3つの装飾図柄のうちの2つを構成する装飾図柄を、リーチ図柄とも呼ぶ。
また、以下の説明では、第1始動装置112を通過した遊技球の入賞を条件として実行される上記4つの判定を「第1特別図柄判定」とも呼び、第2始動装置115への遊技球の入賞を条件として実行される上記4つの判定を「第2特別図柄判定」とも呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」とも呼ぶ。
また、遊技球がゲート113a,113bを通過した場合には、普通図柄乱数が取得され、可動片115bを開放するか否かの判定が実行される。以下では、ゲート113a,113bへの遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」とも呼ぶ。本
実施形態の遊技機100では、普通図柄判定で当たりとなる確率、すなわち、可動片115bを開放すると判定する確率は、遊技機100の遊技状態で変化する仕様となっている。
大入賞装置117は、大当たり図柄判定の結果に応じて開放される。大入賞装置117の開口部には、大入賞装置117を開閉するプレートが設けられている。大入賞装置117は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、大当たり判定の判定結果が大当たりである場合、上記プレートを作動させて大入賞装置117を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に「右打ち」を行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
[表示器125の説明]
図1に示す表示器125は、主に大当たり図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示し、第1特別図柄表示器120、第2特別図柄表示器122、第1特別図柄保留表示器123、第2特別図柄保留表示器124、普通図柄表示器118、及び、普通図柄保留表示器119を有している。
第1特別図柄表示器120は、第1特別図柄判定が行われると、特別図柄を変動表示してから停止表示し、当該停止表示した特別図柄によって、第1特別図柄判定における大当たり図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器120には、大当たり図柄判定の判定結果として、大当たりであることを示す大当たり図柄、または、第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示器122は、第2特別図柄判定が行われると、特別図柄を変動表示してから停止表示し、当該停止表示した特別図柄によって、第2特別図柄判定における大当たり図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器122には、大当たり図柄判定の判定結果として、大当たりであることを示す大当たり図柄、又は第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
ところで、本実施形態の遊技機100は、特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第1始動装置112に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第1特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行しない構成となっている。そこで、遊技機100は、第1特別図柄判定を保留し、当該第1特別図柄判定のための4つの乱数情報を1組の保留情報として格納する保留機能を備えている。第1特別図柄保留表示器123は、このようにして格納された第1特別図柄判定のための保留情報の数を表示する。
同様に、遊技機100は、特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第2始動装置115に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第2特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行しない構成となっている。そこで、遊技機100は、第2特別図柄判定を保留し、当該第2特別図柄判定のための4つの乱数情報を1組の保留情報として格納する保留機能を備えている。第2特別図柄保留表示器124は、このようにして格納された第2特別図柄判定のための保留情報の数を表示する。
普通図柄表示器118は、普通図柄判定が行われると、普通図柄を変動表示してから停止表示し、当該停止表示した普通図柄によって、普通図柄判定の判定結果を報知する。ところで、普通図柄表示器118における普通図柄の変動表示中など、遊技球がゲート113a,113bを通過しても普通図柄判定及び普通図柄判定に係る普通図柄の変動表示を即座に実行しない構成となっている。そこで、遊技機100は、普通図柄判定を保留し、当該普通図柄判定のための普通図柄乱数の情報を保留情報として格納する保留機能を備え
ている。普通図柄保留表示器119は、このようにして格納された普通図柄判定のための保留情報の数を表示する。
[遊技機100の内部構成]
図3は、遊技機100の機能ブロックを表す図である。遊技機100は、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、画像制御基板330、ランプ制御基板340、発射制御基板350、及び電源基板360を備えている。
主制御基板300は、遊技機の基本動作を制御する。主制御基板300は、ワンチップマイコン301を備えている。ワンチップマイコン301は、メインCPU301a、メインROM301bおよびメインRAM301cを含んでいる。また、主制御基板300は、主制御用の入力ポート及び出力ポート(いずれも図示せず)を備えている。
この主制御用の入力ポートには、ゲート113a,113bに遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ303、第1始動装置112に遊技球が入球したことを検知する第1始動装置検出スイッチ304、第2始動装置115に遊技球が入球したことを検知する第2始動装置検出スイッチ305、大入賞装置117に遊技球が入球したことを検知する入賞装置検出スイッチ306、及び、払出制御基板310が接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板300に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、可動片115bを開閉動作させる始動装置開閉ソレノイド307、大入賞装置117を開閉するプレートを動作させる大入賞装置開閉ソレノイド308、特別図柄及び普通図柄を表示する図柄表示器118,120,122、特別図柄判定のための保留情報数及び普通図柄判定のための保留情報数を表示する図柄保留表示器119,123,124、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板309、払出制御基板310、及び、演出制御基板320が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
なお、遊技情報出力端子板309は、主制御基板300において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板309は主制御基板300と配線接続され、遊技情報出力端子板309には、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
主制御基板300のワンチップマイコン301において、メインCPU301aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づき、メインROM301bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
図4は、主制御基板300のメインROM301bとメインRAM301cを説明するための説明図である。特に、図4(A)は、メインROM301bに格納される格納情報を説明するための図であり、図4(B)は、メインRAM301cにおける格納領域を説明するための図である。
メインROM301bには、遊技制御用のプログラムや各種遊技に必要なテーブルが格納されている。例えば、メインROM301bには、図4(A)に示すように、大当たり判定テーブルT1と、大当たり図柄判定テーブルT2と、リーチ判定テーブルT3と、変動パターンテーブルT4と、普通図柄判定テーブルT5が格納されている。
大当たり判定テーブルT1は、大当たり乱数に基づいて、大当たり判定を行うためのテーブルである。大当たり判定テーブルT1は、2つの大当たり判定テーブル、すなわち、
非確変時大当たり判定テーブルT1Aと、確変時大当たり判定テーブルT1Bとを含む。
大当たり図柄判定テーブルT2は、大当たり図柄乱数に基づいて、大当たり図柄判定を行うためのテーブルである。大当たり図柄判定テーブルT2は、2つの大当たり図柄判定テーブル、すなわち、特1大当たり図柄判定テーブルT2Aと、特2大当たり図柄判定テーブルT2Bとを含む。
リーチ判定テーブルT3は、リーチ判定乱数に基づいて、リーチ判定を行うためのテーブルである。リーチ判定テーブルT3は、4つのリーチ判定テーブル(図示せず)、すなわち、特1通常時リーチ判定テーブルと、特1確変時リーチ判定テーブルと、特2通常時リーチ判定テーブルと、特2確変時リーチ判定テーブルとを含む。これらの4つのリーチ判定テーブルは、遊技状態や特別図柄の種別によって、選択される。具体的には、特1通常時リーチ判定テーブルは、非確変遊技状態において、第1始動装置112への入球に基づく表示演出でリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。特1確変時リーチ判定テーブルは、確変遊技状態において、第1始動装置112への入球に基づく表示演出でリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。特2通常時リーチ判定テーブルは、非確変遊技状態において、第2始動装置115への入球に基づく表示演出でリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。特2確変時リーチ判定テーブルは、確変遊技状態において、第2始動装置115への入球に基づく表示演出で装飾図柄を用いてリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。
なお、非確変遊技状態や確変遊技状態など、各種の遊技状態の詳細は、後述する。
変動パターンテーブルT4は、変動パターン乱数に基づいて、変動パターン判定を行うためのテーブルである。変動パターンテーブルT4は、4つの変動パターンテーブル、すなわち、特1通常時変動パターンテーブルT4Aと、特1確変時変動パターンテーブルT4Bと、特2通常時変動パターンテーブルT4Cと、特2確変時変動パターンテーブルT4Dとを含む。これら4つの変動パターンテーブルは、遊技状態と特別図柄の種別によって、選択される。具体的には、特1通常時変動パターンテーブルT4Aは、非確変遊技状態で、第1始動装置112への入球に基づく第1特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。特1確変時変動パターンテーブルT4Bは、確変遊技状態で、第1始動装置112への入球に基づく第1特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。特2通常時変動パターンテーブルT4Cは、非確変遊技状態で、第2始動装置115への入球に基づく第2特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。特2確変時変動パターンテーブルT4Dは、確変遊技状態で、第2始動装置115への入球に基づく第2特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。
普通図柄判定テーブルT5は、普通図柄乱数に基づいて、普通図柄判定を行うためのテーブルである。
上述した大当たり判定テーブルT1、大当たり図柄判定テーブルT2、変動パターンテーブルT4、および、普通図柄判定テーブルT5についての詳細は、後述する。
また、メインRAM301cは、メインCPU301aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM301cは、図4(B)に示すように、保留情報記憶領域301cxと、保留情報判定領域301cyとを有している。また、メインRAM301cは、各種フラグ(後述する確変遊技フラグ、時短遊技フラグ、および、大当たり遊技フラグなど)や、各種記録値(後述の変数Kや定数Km)などが格納される記憶領域(図示せず)を有している。
保留情報記憶領域301cxは、第1始動装置112に係る保留情報を格納可能な4つの保留情報領域(第1保留情報領域、第2保留情報領域、第3保留情報領域、第4保留情報領域)と、第2始動装置115に係る保留情報を格納可能な4つの保留情報領域(第1
保留情報領域、第2保留情報領域、第3保留情報領域、第4保留情報領域)と、が設けられている。保留情報記憶領域301cxの第1特別図柄に対応する保留情報領域において、保留情報の格納の優先順は、第1保留情報領域が最優先で格納対象とされ、第1保留情報領域に保留情報が格納されていれば、次に、第2保留情報領域が優先で格納対象とされ、次に、第3保留情報領域が優先で格納対象とされ、最後に、第4保留情報領域が格納対象として選択される。第2特別図柄に対応する保留情報領域においても同様である。
保留情報判定領域301cyは、保留情報に基づいて、特別図柄判定が実行される判定領域である。
払出制御基板310は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板310は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板300に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計測スイッチ311、扉開放スイッチ312、及び、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板300に送信する。また、払出制御基板310の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ313が接続されている。払出CPUは、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ313を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板320は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板320は、サブCPU320a、サブROM320b、サブRAM320cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から演出制御基板320への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU320aは、主制御基板300から受信した各種コマンド、第1演出ボタン135、第2演出ボタン136、及び、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM320bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。
例えば、演出制御基板320におけるサブCPU320aは、主制御基板300から変動開始コマンドを受信すると、メイン表示装置131、サブ表示装置139、音声出力装置331、操作レバーユニット189、移動回転体ユニット2700、発光移動ユニット4000、サブ表示装置可動ユニット4801、サブ表示装置装飾ユニット4501、および、第1演出ボタン135等に遊技演出を実行させるための演出パターンを決定し、当該演出パターンを実行するための演出パターン指定コマンドを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。この演出パターンの決定についての詳細は、後述する。
サブROM320bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータおよび複数のテーブルが格納されている。これらのテーブルについての詳細は、後述する。
サブRAM320cは、サブCPU320aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能すると共に、遊技状態、演出パターン、装飾図柄、計数カウンタ、および、発射操作情報等が格納される。また、サブRAM320cには、複数の記憶領域が設けられている。これらの記憶領域についての詳細は、後述する。
画像制御基板330は、メイン表示装置131の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、制御ROM、制御RAM、CGROM、VRAM、VDPと、音声CPU、
音声ROM、及び、音声RAMを備えている。この画像制御基板330は、演出制御基板320に双方向通信可能に接続されており、その出力側にメイン表示装置131、サブ表示装置139、および、音声出力装置331が接続されている。
画像CPUは、演出制御基板320から受信したコマンドに基づいて、VDPに所定の画像を表示させる制御を行う。制御RAMは、画像CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、制御ROMから読み出されたデータを一時的に格納する。また、制御ROMには、画像CPUの制御処理のプログラムや、演出パターンに基づくアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報などが格納されている。
CGROMには、メイン表示装置131に表示される装飾図柄や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUは、演出制御基板320から送信された演出パターン指定コマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、CGROMに格納された所定の画像データをVRAMに展開させ、VRAMに展開された画像データをメイン表示装置131に表示させる制御を行い、表示演出を実現する。
また、音声ROMには、音声出力装置331から出力するための音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板320から送信された演出パターン指定コマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置331における音声出力制御を行い、音声演出を実現する。
ランプ制御基板340は、遊技盤102に設けられた盤ランプ122や枠部材101に設けられた枠ランプ103などの演出用照明装置342を点灯または点滅制御して、照明演出を実現する。また、ランプ制御基板340は、操作レバーユニット189、移動回転体ユニット2700、発光移動ユニット4000、サブ表示装置可動ユニット4801、および、サブ表示装置装飾ユニット4501を駆動制御することで、駆動したユニットに備わる役物(可動体)が可動する役物可動演出を実現する。また、後に詳述するが、移動回転体ユニット2700は、移動回転体制御基板2725(図27−1,30−2参照)を備えており、この移動回転体制御基板2725がランプ制御基板340に接続されるようになっている。なお、移動回転体制御基板2725は、ランプ制御基板340(演出制御基板320)からの指令(コマンド)等に基づいて、移動回転体190の各種動作を制御する機能を有する。
発射制御基板350は、タッチセンサ351からのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム352から供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド353や玉送りソレノイド354に対する通電制御を行う。
タッチセンサ351は、遊技者が発射ハンドル装置103に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成され、遊技者が発射ハンドル装置103に触れたことを検知すると、発射制御基板350に発射用ソレノイド353の通電を許可するタッチ信号を出力する。
発射ボリューム352は、可変抵抗器から構成され、その発射ボリューム352に印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板350へ供給する。
ここで、発射用ソレノイド353の回転速度は、発射制御基板350に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間に発射される遊技球の個数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射
されることになる。
なお、タッチセンサ351からのタッチ信号及び発射ボリューム352からの電圧信号は、演出制御基板320へ入力されるようになっている。これにより、演出制御基板320において遊技球の発射を検出可能となる。
電源基板360は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機100に電源電圧を供給する。具体的には、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、発射制御基板350へ電源電圧を供給すると共に、電断時にメインRAM301cをバックアップする。また、遊技機100に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板300に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルからローレベルになると主制御基板300は電断状態の発生を検知し、これによりメインCPU301aは電力供給停止時の処理を実行する。なお、バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
[遊技状態の説明]
図5は、各種の判定テーブル等を示す説明図である。具体的には、図5(A)は、非確変時大当たり判定テーブルT1Aを示し、図5(B)は、確変時大当たり判定テーブルT1Bを示し、図5(C)は、普通図柄判定テーブルT5を示す。
本実施形態の遊技機100では、大当たり判定に関する遊技状態として、「非確変遊技状態」または「確変遊技状態」に設定され得る。また、遊技機100では、普通図柄判定に関する遊技状態として、「非時短遊技状態」または「時短遊技状態」に設定され得る。以下にこれらの遊技状態について説明する。
[非確変遊技状態と確変遊技状態の説明]
非確変遊技状態における大当たり判定では、図5(A)に示す非確変時大当たり判定テーブルT1Aが用いられる。非確変時大当たり判定テーブルT1Aは、大当たり判定で大当たりと判定される大当たり値が「0」〜「2」の3つの数値に設定される。非確変時大当たり判定テーブルT1Aを用いた大当たり判定では、第1始動装置112又は第2始動装置115への入球時に取得される大当たり乱数(「0」〜「1199」のいずれかの数値)が、上記3つの大当たり値のいずれかである場合には、「大当たり」と判定され、いずれでもない場合には「ハズレ」と判定される。すなわち、非確変遊技状態の場合に大当たり判定で大当たりと判定される確率(大当たり確率とも呼ぶ)は1/400である。
確変状態における大当たり判定では、図5(B)に示す確変時大当たり判定テーブルT1Bが用いられる。確変時大当たり判定テーブルT1Bは、大当たり判定で大当たりと判定される大当たり値が「0」〜「19」の20個の数値に設定される。確変時大当たり判定テーブルT1Bを用いた大当たり判定では、第1始動装置112又は第2始動装置115への入球時に取得される大当たり乱数(「0」〜「1199」のいずれかの数値)が、上記20個の大当たり値のいずれかである場合には、「大当たり」と判定され、いずれでもない場合には「ハズレ」と判定される。すなわち、確変遊技状態の場合の大当たり確率は1/60である。
従って、確変遊技状態は、非確変遊技状態よりも、大当たり判定での大当たり確率が高く設定され、非確変遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。確変遊技状態の場合には、確変遊技フラグが「ON」にセットされ、非確変遊技状態の場合には、確変遊技フラグが「OFF」となっている。また、非確変遊技状態から確変遊技状態への移行、または、確変遊技状態から非確変遊技状態への移行は、大当たり遊技終了後に実行され
得る。
[非時短遊技状態と時短遊技状態の説明]
図5(C)に示すように、普通図柄判定テーブルT5は、非時短遊技状態における普通図柄判定では、当たりと判定される当たり値が「0」のみに設定され、時短遊技状態における普通図柄判定では、当たりと判定される当たり値が「0」〜「65534」の65535個に設定される。
非時短遊技状態における普通図柄判定では、ゲート113a,113bへの遊技球通過時に取得される普通図柄乱数(「0」〜「65535」のいずれかの数値)が、上記1つのみの当たり値「0」である場合には、「当たり」と判定され、「0」でない場合には、「ハズレ」と判定される。すなわち、非時短遊技状態の場合に普通図柄判定で当たりと判定される確率は、1/65536である。
一方、時短遊技状態における普通図柄判定では、ゲート113a,113bへの遊技球通過時に取得される普通図柄乱数(「0」〜「65535」のいずれかの数値)が、上記65535個の当たり値のいずれかである場合には、「当たり」と判定され、いずれでもない場合には、「ハズレ」と判定される。すなわち、非時短遊技状態の場合に普通図柄判定で当たりと判定される確率は、65535/65536≒1/1.00002である。
また、非時短遊技状態では、ゲート113a,113bを遊技球が通過したことを条件として普通図柄判定の判定を実行した後、普通図柄の変動を開始してから停止表示するまでの変動時間が12秒と比較的長く設定され、かつ、当たりに当選した際に可動片115bを可動させて第2始動装置115を開放する開放制御時間が0.2秒と比較的短く設定される。すなわち、非時短遊技状態では、ゲート113a,113bを遊技球が通過すると、普通図柄判定が行われて、普通図柄表示器118において普通図柄の変動表示が行われ、変動表示された普通図柄は、変動表示が開始されてから12秒後に停止表示する。判定結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、可動片115bの可動により第2始動装置115が0.2秒間開放される。
これに対して、時短遊技状態では、ゲート113a,113bを遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄判定を実行した後、普通図柄の変動を開始してから停止表示するまでの変動時間が3秒と比較的短く設定され、かつ、当たりに当選した際に可動片115bを可動させて第2始動装置115を開放する開放制御時間が2.5秒と比較的長く設定される。すなわち、時短遊技状態では、ゲート113a,113bを遊技球が通過すると、普通図柄判定が行われて、普通図柄表示器118において普通図柄の変動表示が行われ、変動表示された普通図柄は、変動表示が開始されてから3秒後に停止表示する。判定結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、可動片115bの可動により第2始動装置115が2.5秒間開放される。
以上のように、非時短遊技状態では、普通図柄判定の当たり確率は、1/65536と比較的低く設定され、かつ、普通図柄の変動時間が12秒と比較的長く設定され、かつ、可動片115bの開放制御時間が0.2秒と比較的短く設定されている。
一方で、時短遊技状態では、普通図柄判定の当たり確率は、65535/65536と比較的高く設定され、かつ、普通図柄の変動時間が3秒と比較的短く設定され、かつ、可動片115bの開放制御時間が2.5秒と比較的長く設定されている。
従って、ゲート113a,113bを同じ数の遊技球が通過した場合において、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも、第2始動装置115が開放状態に制御されやすくなる。これにより、時短遊技状態では、遊技の進行において遊技球の消費が抑えられ、非時短
遊技状態よりも遊技者にとって有利に遊技を進行できる。時短遊技状態の場合には、時短遊技フラグが「ON」にセットされており、非時短遊技状態の場合には、時短遊技フラグが「OFF」となっている。また、非時短遊技状態から時短遊技状態への移行、または、時短遊技状態から非時短遊技状態への移行は、大当たり遊技終了後に実行され得る。
上記実施形態の時短遊技状態では、非時短状態と比較して、普通図柄判定の当たり確率が高く、かつ、普通図柄の変動時間が短く、かつ、可動片115bの開放制御時間が長く設定され、遊技の進行において遊技球の消費を抑制するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、時短遊技状態では、非時短遊技状態と比較して、普通図柄判定の当たり確率、普通図柄の変動時間、及び、可動片115bの開放制御時間のうち少なくとも一つが、遊技球の消費が抑制されるように設定されていてもよい。例えば、時短遊技状態では、遊技球の消費を抑制するために、非時短遊技状態と比較して、普通図柄の変動時間のみが短くなるように設定されていてもよい。
以下では、非確変遊技状態、かつ、非時短遊技状態である遊技状態を通常遊技状態とも呼ぶ。非確変遊技状態、かつ、時短遊技状態である遊技状態を低確時短遊技状態とも呼ぶ。確変遊技状態、かつ、時短遊技状態である遊技状態を、高確時短遊技状態とも呼ぶ。
また、時短遊技状態は、所定の変動回数の間継続して行われ得る。このように時短遊技状態が行われる変動回数を、時短変動回数とも呼ぶ。
[大当たり遊技の説明]
大当たり遊技は、大当たり遊技フラグがONの場合に実行され、大入賞装置117が最初に開放されるまでのオープニング演出と、大入賞装置117が開放及び閉塞を繰り返す複数のラウンド遊技と、大入賞装置117が閉塞してから次に特別図柄の変動が開始されるまでのエンディング演出と、で構成される。ラウンド遊技は、大入賞装置117の一回の開放期間をいい、ロング開放のラウンド遊技と、ショート開放のラウンド遊技とがある。
ロング開放のラウンド遊技では、大入賞装置117に規定個数(本実施形態では9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。また、規定個数の遊技球が入球しない場合でも、規定秒数(本実施形態では29.5秒)が経過すると、1回のラウンド遊技が終了となる。このようなロング開放のラウンド遊技では、大入賞装置117に遊技球が入球し易くなるとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能である。
一方、ショート開放のラウンド遊技は、例えば0.1秒だけ大入賞装置117が開放されて、1回のラウンド遊技が終了となる。これはいわゆる「パカ」と呼ばれる開放態様であり、遊技球が入球困難な開放態様である。したがって、ショート開放のときは、大入賞装置117への遊技球の入球は期待できず、ほとんど賞球は望めない。
このような「大当たり遊技」は、いわゆる「右打ち」で消化することとなる。ショート開放であっても遊技球が入球すれば賞球が行われるため、「右打ち」を指示するようにしてもよい。
[大当たり種別の説明]
図6は、大当たり図柄判定テーブルT2と、大当たりの種別の振り分け割合を示す説明図である。図6(A)は、特1大当たり図柄判定テーブルT2Aを示す説明図であり、図6(B)は、特2大当たり図柄判定テーブルT2Bを示す説明図であり、図6(C)は、大当たり種別の振り分け割合を示す説明図である。
図6(A)および(B)に示すように、本実施形態における特1大当たり図柄判定テー
ブルT2Aおよび特2大当たり図柄判定テーブルT2Bでは、大当たり図柄として「特定図柄A」、「特定図柄B」及び「特定図柄C」が設定されている。これらの大当たり図柄判定テーブルT2A,T2Bは、特定図柄A〜Cに0〜9の乱数(数値)が割り当てられており、割り当てられた乱数(数値)の数によって、大当たり図柄の選択割合が決められている。
以下では、各大当たり図柄(大当たり種別)とその選択割合について説明する。
(1)特定図柄A:16R確変大当たり
特定図柄Aは、大当たり遊技において、16回のロング開放のラウンド遊技が実行される大当たりである。特定図柄Aで大当たりした場合には、メイン表示装置131における表示演出において、3つの装飾図柄がゾロ目で停止表示することで特定図柄Aでの大当たりが報知される。また、特定図柄Aで大当たりした場合には、大当たり遊技終了後に、遊技状態が高確時短遊技状態に制御される。このときの時短変動回数は100回となる。図6(A)および(B)に示すように、第1特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「1,7」であるので2/10の割合で選択される。一方、第2特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「0,1,4,6,7,9」であるので6/10の割合で選択される。
(2)特定図柄B:4R確変大当たり
特定図柄Bは、大当たり遊技において、4回のロング開放のラウンド遊技が実行される大当たりである。特定図柄Bで大当たりした場合には、メイン表示装置131における表示演出において、3つの装飾図柄がゾロ目で停止表示することで特定図柄Bでの大当たりが報知される。また、特定図柄Bで大当たりした場合には、大当たり遊技終了後に、遊技状態が高確時短遊技状態に制御される。このときの時短変動回数は100回となる。図6(A)および(B)に示すように、第1特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「0,2,4,5,8,9」であるので6/10の割合で選択される。一方、第2特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「2,5,8」であるので、3/10の割合で選択される。
(3)特定図柄C:2R確変大当たり
特定図柄Cは、大当たり遊技において、2回のショート開放のラウンド遊技が実行される大当たりである。特定図柄Cで大当たりした場合には、メイン表示装置131における表示演出において、装飾図柄の中図柄に特殊図柄が停止することで特定図柄Cでの大当たりが報知される。特殊図柄は、例えば、「確変」と表記された図柄である。また、特定図柄Cで大当たりした場合には、大当たり遊技終了後に、遊技状態が高確時短遊技状態に制御される。このときの時短変動回数は100回となる。図6(A)および(B)に示すように、第1特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「3,6」であるので2/10の割合で選択される。一方、第2特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「3」であるので1/10の割合で選択される。
なお、以下では、特定図柄Aを「特A」、特定図柄Bを「特B」、特定図柄Cを「特C」とも呼ぶ。
図6(C)に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たり種別の振り分け割合が異なっている。第1特別図柄では16R確変大当たりに割り振られる確率が「20%」、4R確変大当たりに振り分けられる確率が「60%」、2R確変大当たりに振り分けられる確率が「20%」となっているのに対して、第2特別図柄では16R確変大当たりに割り振られる確率が「60%」、4R確変大当たりに振り分けられる確率が「30%」、2R確変大当たりに振り分けられる確率が「10%」となっている
[変動パターンテーブルの説明]
図7は、特1通常時変動パターンテーブルT4Aを例示する説明図である。まず、特1通常時変動パターンテーブルT4Aについて説明し、その後、その他の変動パターンテー
ブルT4B,T4C,T4Dについて説明する。
図7に示すように、特1通常時変動パターンテーブルT4Aは、10の変動パターン(変動パターン1〜10)を有している。これらの変動パターン1〜10について説明する。
[変動パターン1]
変動パターン1は、通常ハズレ演出を実行するための変動パターンである。この変動パターン1は、変動時間が5秒であり、ハズレの場合の21/30の割合で選択される。この通常ハズレ演出とは、メイン表示装置131において、リーチを形成するリーチ形成演出が行われずに、大当たり判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄配列(例えば、「2」「5」「1」)が形成される演出である。
[変動パターン2]
変動パターン2は、ノーマルリーチ(ハズレ)演出を実行するための変動パターンである。この変動パターン2は、変動秒数が10秒であり、ハズレの場合の4/30で選択される。このノーマルリーチ(ハズレ)演出は、メイン表示装置131において、リーチを形成するリーチ形成演出が実行された後、発展演出が行われずに、変動中の装飾図柄がリーチ図柄とは異なる図柄で停止表示されて、ハズレ図柄配列(例えば、「7」「6」「7」)が形成される演出である。
[変動パターン3]
変動パターン3は、ノーマルリーチ(特C当たり)演出を実行する場合の変動パターンである。この変動パターン3は、変動時間が10秒であり、特定図柄Cでの大当たりの場合に選択される。このノーマルリーチ(特C当たり)は、リーチ形成演出が実行された後、発展演出が行われずに、変動中の装飾図柄が特殊図柄で停止表示されて、特定図柄Cでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
[変動パターン4]
変動パターン4は、SPリーチ(ハズレ)演出を実行するための変動パターンである。この変動パターン4は、変動時間が30秒であり、ハズレの場合の3/30で選択される。SPリーチ(ハズレ)演出は、リーチ形成演出が実行された後、発展演出としてスーパーリーチ演出の一つであるSPリーチ演出が実行されて、ハズレ図柄配列が形成される演出である。
[変動パターン5]
変動パターン5は、SPリーチ(特A,特B当たり)演出を実行するための変動パターンである。この変動パターン5は、変動時間が30秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の5/30で選択される。SPリーチ(特A,特B当たり)演出は、リーチ形成演出が実行された後、SPリーチ演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを表す大当たり図柄配列(例えば、「7」「7」「7」)が形成される演出である。
[変動パターン6]
変動パターン6は、SPSPリーチ(ハズレ)演出1を実行するための変動パターンである。この変動パターン6は、変動時間が60秒であり、ハズレの場合の1/30で選択される。SPSPリーチ(ハズレ)演出1は、リーチ形成演出、SPリーチ演出が実行された後、さらに、発展演出としてスーパーリーチ演出の一つであるSPSPリーチ演出が実行されて、ハズレ図柄配列が形成される演出である。
[変動パターン7]
変動パターン7は、SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出1を実行するための変動パターンである。この変動パターン7は、変動時間が60秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の10/30で選択される。SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出1は、リーチ形成演出、SP演出が実行された後、SPSPリーチ演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
[変動パターン8]
変動パターン8は、SPSPリーチ(ハズレ)演出2を実行するための変動パターンである。この変動パターン8は、変動時間が60秒であり、ハズレの場合の1/30で選択される。SPSPリーチ(ハズレ)演出2は、リーチ形成演出、SPリーチ演出が実行された後、さらに、発展演出としてスーパーリーチ演出の一つであるSPSPリーチ演出が実行されて、ハズレ図柄配列が形成される演出である。なお、この変動パターン8が選択された場合におけるSPSPリーチ演出では、後述の自動操作レバー演出が実行される。
[変動パターン9]
変動パターン9は、SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出2を実行するための変動パターンである。この変動パターン9は、変動時間が60秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の10/30で選択される。SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出2は、リーチ形成演出、SP演出が実行された後、SPSPリーチ演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。なお、この変動パターン8が選択された場合におけるSPSPリーチ演出では、後述の自動操作レバー演出が実行される。
[変動パターン10]
変動パターン10は、SPSPリーチ復活(特A,特B当たり)演出を実行するための変動パターンである。この変動パターン10は、変動時間が80秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の5/30で選択される。SPSPリーチ復活(特A,特B当たり)演出は、リーチ形成演出、SP演出、SPSPリーチ演出が実行されて、一旦、ハズレ図柄配列で仮停止表示させた後、装飾図柄を再変動させる復活演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
なお、本実施形態では、変動パターンに基づく表示演出として、ノーマルリーチ演出が行われた場合よりも、SPリーチ演出が行われた場合の方が大当たりとなる期待度(以下では、大当たり期待度とも呼ぶ)が高くなるように、変動パターンの選択率が設定されている。また、SPリーチ演出が行われた場合よりも、SPSPリーチ演出が行われた場合の方が大当たり期待度が高くなるように、変動パターンの選択率が設定されている。
本実施形態では、特1確変時変動パターンテーブルT4Bは、10の変動パターン(変動パターン11〜20)を有しており、これらの変動パターンのうちの変動パターン12〜20は、特1通常時変動パターンテーブルT4Aが有する9つの変動パターン(変動亜パターン2〜10)とそれぞれ同様となっている。特1確変時変動パターンテーブルT4Bが有する変動パターン11は、特1通常時変動パターンテーブルT4Aが有する変動パターン1と同様に通常ハズレ演出を実行するための変動パターンであるが、変動パターン1と比較して、変動時間が長く、変動時間が10秒に設定されている。
また、特2通常時変動パターンテーブルT4Cは、10の変動パターン(変動パターン21〜30)を有しており、これらの変動パターン21〜30は、特1通常時変動パターンテーブルT4Aが有する10の変動パターン(変動パターン1〜10)とそれぞれ同様
となっている。
さらに、特2確変時変動パターンテーブルT4Dは、10の変動パターン(変動パターン31〜40)を有している。これらの変動パターンのうちの変動パターン32〜40は、特1通常時変動パターンテーブルT4Aが有する9つの変動パターン(変動パターン2〜10)とそれぞれ同様となっている。特2確変時変動パターンテーブルT4Dが有する変動パターン31は、特1通常時変動パターンテーブルT4Aが有する変動パターン1と同様に通常ハズレ演出を実行するための変動パターンであるが、変動パターン1と比較して、変動時間が短く、変動時間が2秒に設定されている。
[枠ギミック機構の動作]
次に、操作レバーユニット189、移動回転体ユニット2700及びリトラクタブルユニット137uからなる枠ギミック機構195の動作について図8〜19を用いて説明する。図1に示したように、枠ギミック機構195は、遊技機100の上部側であって、ガラス枠150の上部前側に設けられ、所定の遊技状態になると、操作レバー180、移動回転体190及びリトラクタブル137は、所定の関連動作を実行する。
操作レバー180は、遊技者の操作に基づいて動作し、後述する上方位置と、原点位置と、第1操作位置と、第2操作位置と、収納位置との間を移動可能に構成される。移動回転体190は、後述する原点位置と、進出位置との間を移動可能に構成される。リトラクタブル137は、後述する閉鎖位置(原点位置)と、開放位置(進出位置)の間を移動可能に構成される。
図8〜10を参照しながら、まず、操作レバー180が原点位置にある場合について説明する。図8は、操作レバー180が原点位置にある場合の枠ギミック機構195を正面略下方から視た図、図9は、操作レバー180が原点位置にある場合の枠ギミック機構195を右略下方から視た図、図10は、操作レバー180が原点位置にある場合の枠ギミック機構195の右側面図である。
操作レバー180が原点位置に位置する状態では、図に示すように、移動回転体190は原点位置に固定され、また、リトラクタブル137は閉鎖位置に固定されるようになっている。また、操作レバー180の原点位置は、移動回転体190の斜め前上方であり、リトラクタブル137の閉鎖位置では、正面視するとリトラクタブル137の先端側が移動回転体190の両端部分を略覆うようになっている。
つまり、この状態における操作レバー180、移動回転体190及びリトラクタブル137の位置関係は、操作レバー180及びリトラクタブル137が、移動回転体190の進出を妨げる位置となっている。ただし、操作レバー180が原点位置に、リトラクタブル137が閉鎖位置に位置する場合であっても、移動回転体190の進出位置側への所定位置までの移動は許容され、移動回転体190が原点位置で完全に固定されるわけではない。なお、原点位置に位置する操作レバー180は、正面視するとガラス枠150外に位置する。
なお、図8及び図10に二点鎖線で示すように、操作レバー180は原点位置よりも上方の上方位置まで移動可能となっている。この上方位置を用いて、後述する操作レバー煽り演出が行われる。
図11〜13を参照しながら、次に、操作レバー180が第1操作位置又は第2操作位置にあって、移動回転体190が原点位置にある場合について説明する。図11は、操作レバー180が第1操作位置又は第2操作位置にあって、移動回転体190が原点位置にある場合の枠ギミック機構195を正面略下方から視た図、図12は、操作レバー180
が第1操作位置にあって、移動回転体190が原点位置にある場合の枠ギミック機構195を右略下方から視た図、図13は、操作レバー180が第1操作位置又は第2操作位置にあって、移動回転体190が原点位置にある場合の枠ギミック機構195の右側面図である。
操作レバー180が第1操作位置(図11、13においては実線の操作レバー180の位置)又は第2操作位置(図11、13においては二点鎖線の操作レバー180の位置、図12では省略)に位置する状態では、図に示すように、リトラクタブル137は開放位置に固定されるようになっている。なお、移動回転体190は、操作レバー180が第1操作位置又は第2操作位置に位置する場合、原点位置から進出位置までの任意の位置をとり得る(図11〜13では、原点位置を図示)。
ここで、第2操作位置は、遊技者が操作レバー180を下方に引いたときの最大移動位置であり、第1操作位置は、第2操作位置で遊技者が操作レバー180から手を離したときに操作レバー180が自動で戻る位置である。つまり、第1操作位置と第2操作位置との間は、操作レバー180のストローク上の遊びであり、遊技者が操作レバー180を操作すると、操作レバー180は、一旦、第2操作位置で停止した後、第1操作位置で停止する。
移動回転体190が原点位置に位置する場合、操作レバー180の第1操作位置は、移動回転体190下部の前方であり、リトラクタブル137の開放位置は、正面視するとリトラクタブル137の先端側が移動回転体190の両端部分から前方左右に離間している。また、操作レバー180の第2操作位置は、第1操作位置よりも操作レバー180の略2個分程度下方に位置するようになっている。
つまり、これらの状態における操作レバー180、移動回転体190及びリトラクタブル137の位置関係は、操作レバー180及びリトラクタブル137が、移動回転体190の進出を妨げない位置となっている。なお、第1操作位置又は第2操作位置に位置する操作レバー180は、正面視するとガラス枠150内に位置する。
図14〜16を参照しながら、次に、操作レバー180が第1操作位置にあって、移動回転体190が進出位置にある場合について説明する。図14は、操作レバー180が第1操作位置にあって、移動回転体190が進出位置にある場合の枠ギミック機構195を正面略下方から視た図、図15は、操作レバー180が第1操作位置にあって、移動回転体190が進出位置にある場合の枠ギミック機構195を右略下方から視た図、図16は、操作レバー180が第1操作位置にあって、移動回転体190が進出位置にある場合の枠ギミック機構195の右側面図である。
操作レバー180が第1操作位置に位置する状態では、上記したように、リトラクタブル137は開放位置に固定され、移動回転体190は、原点位置から進出位置までの任意の位置をとり得る(図14〜16では、進出位置を図示)。移動回転体190が進出位置に位置する場合、操作レバー180の第1操作位置は、移動回転体190と並列するように該移動回転体190の略下方に位置し、正面視するとリトラクタブル137の先端側が移動回転体190の両端部分から左右に離間している。
つまり、この状態における操作レバー180、移動回転体190及びリトラクタブル137の位置関係は、操作レバー180及びリトラクタブル137が、移動回転体190の後退を妨げない位置となっている。なお、進出位置に位置する移動回転体190は、正面視するとガラス枠150外に位置する。
図17〜19を参照しながら、次に、操作レバー180が収納位置にある場合について説明する。図17は、操作レバー180が収納位置にある場合の枠ギミック機構195を正面略下方から視た図、図18は、操作レバー180が収納位置にある場合の枠ギミック機構195を右略下方から視た図、図19は、操作レバー180が収納位置にある場合の枠ギミック機構195の右側面図である。
操作レバー180が収納位置に位置する状態では、図に示すように、移動回転体190は原点位置に固定され、また、リトラクタブル137は閉鎖位置に固定されるようになっている。つまり、この状態における移動回転体190とリトラクタブル137との位置関係は、上記図8〜10の場合と同様である。
ここで、収納位置は、遊技機100の梱包時や輸送時などに、操作レバー180が前方に突出して邪魔にならないようにするためのもので、移動回転体190下方の第2操作位置より下側であって、図19に示すように、リトラクタブル137の先端よりも前方に突出しない位置となっている。また、原点位置よりも、下方に位置する。
操作レバー180を収納位置に移動するには、遊技機100の裏側に設けられる後述のスイッチを操作することにより行う。これにより、操作レバー180は収納位置にロック機構により固定される。従って、遊技機100の稼働中に、操作レバー180が収納位置に移動することはない。また、操作レバー180を収納位置から原点位置側へ移動させるには、原点位置側への荷重をかけることによりロックを解除する。なお、当然ながら、収納位置に位置する操作レバー180は、正面視するとガラス枠150内に位置する。
[操作レバー180の構造]
次に、操作レバーユニット189の構造について説明する。操作レバーユニット189は、操作レバー180と、後述するモータ2113を含む右側ギアユニット2101(図21,図22参照)、及び、左側ギアユニット2301(図23参照)と、レバーセンサ2001とを備える。以下の説明では、図20に示すように、適宜、遊技機100の左右方向を「X方向」といい、遊技機100の上下方向を「Y方向」といい、遊技機100の奥行方向を「Z方向」という。
図20は操作レバー180の構造を示す説明図であり、図21は、右側アーム部181に連結されるギア構成等を詳細に示す説明図である。図22はモータ2113の駆動力の伝達構造を模式的に示す説明図であり、図23は、左側アーム部183に連結されるギア構成等を詳細に示す説明図である。さらにまた、図24は操作レバー180の把持部183を示す説明図であり、図25は、把持部183の内部構造を示す説明図である。図26−1及び図26−2は、操作レバー180とリトラクタブル137との連動機構を示す説明図であり、図26−3は、操作レバー180の挙動を模式的に示す説明図である。図26−4は移動回転体190と操作レバー180との挙動を模式的に示す説明図である。図26−5(A)は操作レバー180と表示領域2610との関係を模式的に示す説明図であり、図26−5(B)は操作レバー180の収納位置を模式的に示す説明図である。図26−6はレバーセンサ2001と検出領域との関係を示す説明図である。
操作レバー180は、右側アーム部181、左側アーム部182、及び、把持部183を有している(図20など参照)。
[右側アーム部181]
右側アーム部181は、さらに、軸支部181a、軸支部181aから延設される延設部181b、及び、延設部181bからさらに延設される先端部181cを有している。
図20に示すように、延設部181bは、軸支部181aから内側へ折れ曲がるように
斜めに延設されている。そして、先端部181cは、軸支部181aと平行になるよう延設部181bからさらに延設されている。
軸支部181aは、その端部が、図21(A)に示すように、ガラス枠150に固定される右側ギアユニット2101に回転可能に支持される。詳しくは、右側ギアユニット2101は、右板金2102をベースとし、この右板金2102から突出する支軸2103を有している。軸支部181aは、この支軸2103に円形状のストッパ2104とともに回転可能に支持される。ストッパ2104は、その端縁部に、右板金2102側へ突出する突部2105を有しており、当該突部2105が右板金2102の溝2102aに没入することで、軸支部181aの回転を規制するようになっている。図21(C)に示すように、軸支部181aの端部は、側面視円形状となっており、周囲にギア181dが形成されている。また、渦巻きバネ181fで所定回転方向へ付勢されるようになっている。さらに、図21(A)に示すように、軸支部181aの端部には、リトラクタブル137を開閉させるための側方へ突出する山部181gが形成されている。
なお、右側ギアユニット2101におけるギア構成については後述する。
[左側アーム部182]
図20に示す左側アーム部182は、右側アーム部181と同様、軸支部182a、軸支部182aから延設される延設部182b、及び、延設部182bからさらに延設される先端部182cを有している。
図20に示すように、延設部182bは、軸支部182aから内側へ折れ曲がるように斜めに延設されている。そして、先端部182cは、軸支部182aと平行になるよう延設部182bからさらに延設されている。
軸支部182aは、その端部が、図23(A)に示すように、ガラス枠150に固定される左側ギアユニット2301に回転可能に支持される。詳しくは、左側ギアユニット2301は、左板金2302をベースとし、この左板金2302から突出する支軸2303を有している。軸支部182aは、この支軸2303に回転可能に支持される。左側の軸支部182aも、右側の軸支部181aと同様、図示しないストッパによって、その回転が規制されるようになっている。また、図23(B)に示すように、軸支部182aの端部は、側面視円形状となっており、ギア182dが形成されている。また、ギア182dの近傍には、小溝182eが形成されている。さらに、軸支部181aと同様、渦巻きバネ182fが設けられており、所定回転方向へ付勢されるようになっている。また、図23(A)に示すように、軸支部181aと同様、リトラクタブル137を開閉させるための側方へ突出する山部182gが形成されている。
[右板金2102及び左板金2302による回転規制]
操作レバー180は、上述したように、右板金2102とストッパ2104との関係において、第2操作位置でその回転が規制されるようになっている。
この右板金2102及び左板金2302は、外枠160と内枠170との連結部及び内枠170とガラス枠150との連結部よりも弱くなっている。すなわち、操作レバー180に対し第2操作位置で大きな荷重が生じた場合、外枠160と内枠170との連結部及び内枠170とガラス枠150との連結部よりも先に、右板金2102及び左板金2302が変形するようになっている。したがって、第2操作位置で大きな荷重が生じた場合(例えば操作レバー180にぶら下がったりした場合)、外枠160に対し支持された内枠170、又は、内枠170に対し支持されたガラス枠150が開放されてしまうことはない。なお、右板金2102及び左板金2302の変形によって操作レバー180の原点位置、第1操作位置、第2操作位置、収納位置は、それぞれ下方へずれる虞はあるが、右板
金2102及び左板金2302の変形度合いによっては、遊技継続が可能となる。なお、本実施形態では、操作レバー180は、原点位置よりも上方へも移動可能となっており、この位置を「上方位置」という。
[把持部183]
図20に示す把持部183は、遊技者が把持しやすいX方向に延びる棒状となっている。把持部183は、右側アーム部181の先端部181cと左側アーム部182の先端部182cとに支持され、両方の先端部181c,182cを連結する。
[右側ギアユニット2101]
図21(A)に示すように、右板金2102には、支軸2103の他、第1ギア軸2106、第2ギア軸2107が突出するように設けられている。第1ギア軸2106には、クラッチギア2108及びギア2109が回転可能に支持される。また、第2ギア軸2107には、ギア2110が回転可能に支持される。
図22は、モータの2113の配置を模式的に示す説明図である。
図21(B)に示すように、ギア2110の側面視右側には、円形のくぼみが形成されている。このくぼみには、図22に示すように、モータ2113のモータ軸2114に取り付けられた駆動ギア2115が配置される。モータ2113の駆動力は、この駆動ギア2115からギア2110に伝達される。ここで、モータ軸2114には、トルクリミッタ2116が設けられており、ギア2110から所定値以上のトルクが駆動ギア2115に作用するとモータ軸2114を回転させないように滑る。
モータ2113の駆動力が駆動ギア2115からギア2110に伝達されることで、ギア2109を介して、軸支部181aのギア181dに伝達される。これにより、操作レバー180の移動が実現される。
このような操作レバー180の移動は、図20に示すレバーセンサ2001にて検出される。レバーセンサ2001の検出範囲については後述する。
また、軸支部181aのギア181dには、図21(C)に示すように、ギアのない欠損部181eが設けられている。これにより、原点位置から第1操作位置では、クラッチギア2108及びギア2109がともにギア181dに噛み合うこととなるが、第1操作位置と第2操作位置との間では、クラッチギア2108だけがギア181dに噛み合うこととなる。一方で、クラッチギア2108は、ワンウェイクラッチであり、ギア2109の右側方視時計回りの回転(操作レバー180が原点位置から離れる方向への回転)に対してはギア2109とともに回転するが、右側方視反時計回りの回転(操作レバー180が原点位置へ向かう方向の回転)に対してはギア2109に対して滑るようになっている。したがって、第1操作位置と第2操作位置との間で、原点位置へ戻す方向のモータ2113の駆動力は、軸支部181aに伝達されない。
さらに、軸支部181aの端部には、図21(C)に示すように、渦巻きバネ181fが設けられている。これにより、軸支部181aは、右側方視反時計回り(操作レバー180が原点位置へ向かう方向)へ常時付勢されている。したがって、軸支部181は、第1操作位置と第2操作位置との間では、モータ2113による駆動力がないときは、渦巻きバネ181fの付勢力によって第1操作位置へ戻る。このとき、第1操作位置までくると、クラッチギア2108だけでなくギア2109がギア181dに噛み合う。渦巻きバネ181fの付勢力が上述したトルクリミッタの所定値よりも小さくなっているため、第1操作位置において軸支部181aの回転が規制される。また、第1操作位置と第2操作位置との間においてもクラッチギア2108がギア181dに噛み合っていることで、第1操作位置においてギア2109が、ギア181dにスムーズに噛み合うようになってい
る。
また、図21(B)などに示すように、右側ギアユニット2101のZ方向奥側には、スイッチ2111が設けられている。このスイッチ2111は、X方向の軸2112に対して回転し、上方向へ操作される。このスイッチ2111は、ガラス枠150を開放した状態でガラス枠150の裏側から操作可能となっており、スイッチ2111を上方向へ操作すると軸支部181aの第2操作位置における回転規制が解除されるようになっている。これにより、第2操作位置から収納位置へ操作レバー180を引き下げることが可能となる。
収納位置は、遊技機100の運搬時などに用いられ、操作レバー180の把持部183の位置が、Z方向において、リトラクタブル137の先端よりも遊技盤102に近づく位置である。したがって、前方への突出距離が小さくなる。また、原点位置よりも下方に位置し、上方への突出距離が小さくなる。
[左側ギアユニット2301]
図23(A)に示すように、左板金2302には、支軸2303の他、第1ギア軸2304、第2ギア軸2305、及び、第3ギア軸2306が突出するように設けられている。第1ギア軸2304にはギア2307が回転可能に支持され、第2ギア軸2305にはギア2308が回転可能に支持され、第3ギア軸2306にはギア2309が回転可能に支持されている。
左側ギアユニット2301は、主として収納位置において機能する。
第2操作位置から収納位置へ操作レバー180を移動させると、図23(B)に示した軸支部182aのギア182dが、ギア2307に噛み合う。すると、ギア2308を介して、ギア2309が反時計回りに回転する。ギア2309には図示しないトルクリミッタが設けられており、第2操作位置側へ付勢される操作レバー180を収納位置側へ留める。さらにギア2307は、図23(B)に示す小溝182eに引っかかり、操作レバー180が収納位置においてロックされるようになっている。収納位置においてロックされた操作レバー180は、第2操作位置側へ操作されることで、小溝182eに引っかかったギア2307が外れ、ギア2309に設けられたトルクリミッタの所定値を越える力で操作されることでギア2307が軸支部182aのギア182dから外れると、渦巻きバネ182fの付勢力により、第1操作位置まで戻る。
[把持部183]
把持部183は、上述したように、右側アーム部181及び左側アーム部182を連結し、棒状を呈している。
図24は、把持部183の正面図(Z方向視)である。図24に示すように、把持部183は、円筒状の本体部2401を有している。本体部2401は、表面が塗装された樹脂製であり、その一部に、表示部2402を有している。表示部2402は、例えば青色などの色付きの透明樹脂であり、ここに「SUPER」の文字が書かれている。
右側アーム部181の先端部181c及び左側アーム部182の先端部182cは、本体部2401の両端よりも僅かに径の大きなリング状の固定部(不図示)を有しており、当該固定部で本体部2401を挟み込むようにして保持する。この固定部を覆うようにして、第1飾り部2403aが外側から取り付けられている。第1飾り部2403aは、円錐台形状であり、本体部2401から外側へ広がるように径が大きくなっている。さらにその外側に、第2飾り部2403bが取り付けられている。第2飾り部2403bは、第1飾り部2403aの端部から径が徐々に小さくなっている円錐台形状である。第2飾り
部2403bの外側には、発光部2404が取り付けられている。発光部2404は、卵形状であり、例えば赤色などの色付きの透明樹脂で形成されている。
本体部2401の外側には、本体部2401よりも一回り径の大きな円筒状の透明カバー2405が設けられている。この透明カバー2405は、固定されておらず、本体部2401の周りを回転可能に取り付けられている。
[把持部183の内部構成]
図25は、円筒状の本体部2401を切り欠いて示す説明図である。ここでは、透明カバー2405を省略して示した。円筒状の本体部2401の内部には、プリント基板2406が配置されている。プリント基板2406は、本体部2401と同等の長さで、本体部2401の内径よりも僅かに小さな幅の基板である。そして、正面から(Z方向に)見て斜め下方に表面が向くようにして配置されている。これは、遊技者から見ると、プリント基板2401の表面が概ね正対するようにするためである。上述した表示部2402は、このプリント基板2401の表面に合わせて形成されており、遊技者の目線に正対することになる。プリント基板2406の表面には、複数のLED2407が並べられている。また、プリント基板2406の端部には、横方向(X方向)の指向性を有するサイドLED2408が設けられている。
LED2407を点灯させることで、図24(A)に示すように、本体部2401の表示部2402が明るく光り、「SUPER」の文字が浮かび上がる。LED2407を消灯状態から点灯状態とする演出を「点灯演出」という。一方、LED2407を消灯させることで、図24(B)に示すように、本体部2401の表示部2402が暗くなり「SUPER」の文字が目立たなくなる。LED2407を点灯状態から消灯状態とする演出を「消灯演出」という。また、LED2407の点灯状態と消灯状態とを繰り返す演出を「点滅演出」という。
サイドLED2408を点灯させることで発光部2404は明るくなり、サイドLED2408を消灯させることで発光部2404が暗くなる。
[リトラクタブル137の開閉機構]
図26−1及び図26−2は、リトラクタブル137の開閉機構を示す説明図である。
リトラクタブルユニット137uは、リトラクタブル137(図8など参照)と、開閉機構137kとから構成されている。開閉機構137kは、軸棒2601、回転片2602、バネ2604、取付部2605、及び、押し出し片2606を有している。
ガラス枠150は、その上部左右に一対の軸棒2601を有している。ここでは右側の構造のみを示す。なお、左側の構造も同様となっている。
軸棒2601は、ガラス枠150に固定されており、その軸方向は、上下方向(Y方向)となっている。この軸棒2601に回転可能に支持されるのが、回転片2602である。回転片2602は、軸棒2601の下部に支持されており、前面側(Z方向)へ突出する上面視略三角形状の部材である。そして、前面側へ突出する突出部分に、上方へ突出する突部2603が形成されている。回転片2602の下方には、バネ2604が配置されている。さらに、リトラクタブル137が取り付けられる取付部2605が、軸棒2601に回転可能に支持されている。取付部2605は、軸棒2601の上部及び下部にそれぞれ配置されている。取付部2605は、取付面を有しており、リトラクタブル137の所定箇所にネジ止めされてリトラクタブル137を支持する。下側の取付部2605は、回転片2602と一体となって回転するようになっている。
右側アーム部181及び左側アーム部182の軸支部181a,182aに、リトラク
タブル137を開閉させるための山部181g,182gが形成されていることは既に述べた。そして、軸支部181aの山部181gが所定位置までくると側方へ押し出されるのが、押し出し片2606である。押し出し片2606は、横方向(X方向)へ摺動可能になっており、操作レバー180の操作に合わせて押し出されるようになっている。具体的には、第1操作位置から第2操作位置までの間で最大の変位となるようになっている。
これにより、原点位置では、バネ2604により、回転片2602が上面視時計回り方向へ付勢される。その結果、リトラクタブル137は閉じた状態となっている。操作レバー180が原点位置から第1操作位置に近づくと、軸支部181aの山部181gによって、図26−1に示した押し出し片2606が側方へ押し出される。この押し出し片2606は、回転片2602の突部2603を外側へ押し出して、回転片2602を上面視反時計回りに回転させる。その結果、リトラクタブル137が開く。押し出し片2606が第1操作位置から第2操作位置で最大の変位となるため、リトラクタブル137も第1操作位置から第2操作位置までの間でもっとも開くことになる。第2操作位置を越えると軸支部181aの山部181gの高さが小さくなるため、バネ2604の付勢力によって、回転片2602が元へ戻り、リトラクタブル137が再び閉じる。
[操作レバー180の挙動]
図26−3は、操作レバー180の挙動を説明するための模式的な説明図である。図26−3(A)、(B)は、操作レバー180が原点位置にある場合であり、上述した図8〜図10に対応する。また、図26−3(C)、(D)は、操作レバー180が第1操作位置又は第2操作位置にある場合であり、上述した図11〜図16に対応する。図26−3(E)は、操作レバー180が収納位置にある場合であり、上述した図17〜図19に対応する。
[操作レバー煽り演出]
図26−3(A)は、操作レバー煽り演出を示す説明図である。操作レバー180は、原点位置において、さらに上方の上方位置へ移動させることが可能となっている。そして、モータ2113の駆動力により、原点位置と上方位置との間を往復させる操作レバー煽り演出を実現する。図26−4(A)は、操作レバー煽り演出を正面から模式的に示している。なお、操作レバー180の往復移動を「揺動」ともいう。
[操作レバー180の手動操作]
図26−3(B)は、操作レバー180が原点位置にある場合を示している。また、図26−3(C)は、操作レバー180が第2操作位置にある場合を示している。図26−4(B)は、操作レバー180が原点位置から第2操作位置まで移動させられた様子を示している。例えば、操作レバー180が原点位置にある場合に、表示演出の一種として、SPSP中レバー演出が行われることがある。この演出は、メイン表示装置131に「レバーを引け!」などのメッセージを表示するものである。このSPSP中レバー演出は、有効期間が設定されており、この有効期間に遊技者が操作レバー180を移動させることで、操作レバー180に関連する演出が行われる。例えば、後述するように移動回転体190が進出位置へ移動する演出(回転体飛び出し演出)を行うことが可能である(図26−4(B))。
なお、操作レバー180は、右側ギアユニット2101の支軸2103及び左側ギアユニット2301の支軸2303を軸として可動する。したがって、把持部183は、原点位置から第2操作位置まで移動するとき、遊技機100の下側(Y方向)に移動するとともに遊技機100の手前側(Z方向)にも移動する。第2操作位置では、軸支部181aの内側のストッパ2104によって移動が規制される。
また、操作レバー180の手動操作では、モータ軸2114の駆動ギア2115を回転
させる力が加わるが、モータ軸2114にはトルクリミッタ2116が設けられており、モータ2113に負荷がかからないようになっている。
反対に、第2操作位置から原点位置まで遊技者の手動操作で操作レバー180が移動させられた場合も同様に、上述したトルクリミッタ2116によってモータ2113には負荷がかからないようになっている。
[操作レバー留め動作]
操作レバー180は、第2操作位置において遊技者が手を離すと、渦巻きバネ181f,182fの作用によって、第1操作位置まで戻るようになっている。ただし、移動回転体190が進出位置へ移動している場合、第1操作位置まで戻ると移動回転体190に干渉する虞がある。そこで、移動回転体190が進出位置へ移動している間は、モータ2113の駆動力によって、操作レバー180を第2操作位置に留める操作レバー留め動作を行う。
[自動レバー操作演出]
上述したようにSPSP中レバー演出においては操作レバー180の手動操作が有効となる有効期間が設定されている。この有効期間に遊技者が操作レバー180を移動させない場合、演出制御基板320による制御により、モータ2113の駆動力を用い、操作レバー180を、原点位置から第2操作位置まで移動させる自動レバー操作演出を行うことが可能である。自動レバー操作演出を行った場合にも回転体飛び出し演出(後述)を行うことが可能である(図26−4(B))。また、自動レバー操作演出の後も、移動回転体190が進出位置へ移動している間は、モータ2113の駆動力によって、操作レバー180を第2操作位置に留める操作レバー留め動作を行う。
[操作レバー振動演出]
図26−4(C)は、操作レバー振動演出を示す説明図である。第2操作位置へ移動した操作レバー180を振動させる演出が操作レバー振動演出である。モータ2113の正回転及び逆回転を短時間のうちに繰り返すことで、操作レバー180を振動させることができる。振動は、例えば1秒間にモータ2113の正回転及び逆回転を30回ずつ行うことで実現される。すなわち、上述した操作レバー煽り演出と比べ、操作レバー振動演出は、操作レバー180が小刻みに動く演出である。なお、例えば把持部183の内部などに振動を生じさせる別のモータを備える構成としてもよい。このときは、プリント基板2406に設けられるLEDドライバなどを用いてモータを駆動させることが考えられる。また、操作レバー振動演出は、第2操作位置以外で行ってもよい。
[付勢力による戻り動作]
図26−3(D)は、操作レバーが第1操作位置にある場合を示す説明図である。移動回転体190が原点位置へ戻ると、操作レバー留め動作を終える。すると、操作レバー180は、渦巻きバネ181f,182fの付勢力により、第2操作位置から第1操作位置まで移動する。図26−4(D)は、二点鎖線で示す第2操作位置から実線で示す第1操作位置への付勢力による戻り動作を示している。
[操作レバー戻り演出]
図26−3(D)に示す第1操作位置から図26−3(B)に示す原点位置まで、操作レバー180を復帰させる操作レバー戻り演出が行われる。この操作レバー戻り演出のタイミングは、例えば移動回転体190の演出に基づいて決定される。したがって、操作レバー180を第2操作位置まで移動させた場合に、移動回転体190が進出位置へ移動するケースと、移動回転体190が原点位置に留まるケースとで、操作レバー戻り演出の実行タイミングが異なる。なお、操作レバー戻り演出は、操作レバー180に関連する各種演出に基づいて決定されればよく、移動回転体190の演出以外の演出に基づくものとし
てもよい。例えば表示演出に基づくものとしてもよい。
[演出に関係ない操作レバー180の操作]
なお、演出に関係なく操作レバー180が原点位置から第2操作位置まで移動させられた場合、遊技者が操作レバー180の把持部183から手を離すと、即座に、渦巻きバネ181f,182fの付勢力により、第1操作位置へ戻る。このときは、操作レバー180が原点位置にないことを検出した後、所定時間(例えば1秒)の経過を待って、操作レバー戻り演出を実行する。
[操作レバー180と表示領域]
図26−5(A)は、操作レバー180の第2操作位置と表示領域2610との関係を示す説明図である。遊技機100の遊技領域で、メイン表示装置131の視認可能な部分を表示領域2610とした。このとき、操作レバー180は、遊技機100のY方向に移動するため、表示領域2610に近づく方向へ移動する。第2操作位置において、操作レバー180の把持部183は、表示領域2610の近傍に位置する。ただし、表示領域2610の表示を妨げることがない。したがって、操作レバー180が手動操作されて第2操作位置へ移動した場合も、自動レバー操作演出によって第2操作位置へ移動した場合も、表示演出が妨げられることはない。
[操作レバー180の収納位置]
操作レバー180は、第2操作位置において、軸支部181aの内側のストッパ2104によって移動が規制される。上述したように、スイッチ2111を操作することで、ストッパ2104による移動規制が解除される。第2操作位置における規制が解除されると、操作レバー180は、収納位置まで移動させることができる。
図26−3(E)は、操作レバー180が収納位置にある場合を示す説明図である。このときは、操作レバー180の把持部183が前方及び上方へ突出する距離は、操作レバー180が他の位置にある場合と比べて小さくなる。また、このときは、図26−5(B)に示すように、Z方向に見ると、表示領域2610の前側に把持部が位置する。
[レバーセンサ2001と検出領域]
図26−6を用いてレバーセンサ2001の検出領域について説明する。
レバーセンサ2001は、レバーセンサ2001aとレバーセンサ2001bとで構成される。
レバーセンサ2001aは、上方位置を含む上方領域及び原点位置を含む原点領域に操作レバー180が位置するときにONとなる。すなわち、レバーセンサ2001aは、操作レバー180が上方位置又は原点位置にあるときにONとなる。
一方、レバーセンサ2001bは、原点位置を含む原点領域及び第1操作位置、第2操作位置、収納位置を含む下方領域に操作レバー180が位置するときにONとなる。すなわち、レバーセンサ2001bは、操作レバーが原点位置、第1操作位置、第2操作位置、又は、収納位置にあるときにONとなる。
したがって、上述した操作レバー180の手動操作では、上述した有効期間に、操作レバー180が原点領域から下方領域へ移動したか否かで判断する。自動レバー操作演出においても、操作レバー180が原点領域から下方領域へ移動したか否かで判断する。
「有効期間前の操作レバー180の手動操作」
上述した有効期間となる前に操作レバー180を第2操作位置へ移動させてしまったときは、有効期間において、当初より操作レバー180が下方領域に位置し、原点領域から下方領域への移動が判断できない。このときは、上述した有効期間の最初に操作レバー180が第2位置へ移動させられたものとみなして、同様の演出を行うこととしている。
[収納位置における電源投入時の処理]
操作レバー180が収納位置へ移動させられる場合は、遊技機100の運搬時などであることを想定しており、電源遮断の状態である。また、収納位置からの復帰は、第2操作位置側への手動操作で行われる。そのため、遊技機100の電源投入時に操作レバー180が収納位置にあると自動では復帰させることができない。そこで、電源投入時に操作レバー180が原点位置にないことを検出すると、操作レバー180に関するエラー報知を行うようになっている。
[移動回転体ユニットの構成]
図27−1、27−2を用いて、移動回転体ユニット2700の構成について説明する。図27−1は、移動回転体190が進出位置に位置している場合の移動回転体ユニット2700の全体図、図27−2は、移動回転体190が原点位置に位置している場合の移動回転体ユニット2700の全体図である。
移動回転体ユニット2700は、原点位置(図27−2の位置)と進出位置(図27−1の位置)との間を変位可能な移動回転体190と、この移動回転体190を支持する支持部材2702とを有している。
支持部材2702は、金属プレートなどにより略コの字状に形成されており、ガラス枠150の前面側(外側)に平行に取り付けられる基本プレート2704と、ガラス枠150の前面側(外側)に立設するように、基本プレート2704の左右に設けられて移動回転体190を支持するサイドプレート2706a,2706bとを備えている。
図27−1に示すように、基本プレート2704には、移動回転体190の移動(原点位置と進出位置との間の移動)を制御するための移動制御機構が設けられており、この移動制御機構は、基本プレート2704の略中央に設けられるモータ機構2710と、モータ機構2710の左右に設けられるワイヤ張力調整機構2720a,2720bを有している。なお、モータ機構2710及びワイヤ張力調整機構2720a,2720bの構成については、後述する。
図中、2725は、上記のランプ制御基板340(図3参照)に接続され、遊技機100の遊技情報を入力して移動回転体190を所定の態様に移動制御する移動回転体制御基板であって、この移動回転体制御基板2725は、移動回転体ユニット2700において、左側のワイヤ張力調整機構2720bを略覆うように設けられており、従って、図27−1、27−2においては、左側のワイヤ張力調整機構2720bは、移動回転体制御基板2725で略隠れた状態になっている。
図27−3に示すように、サイドプレート2706aには、移動回転体190が進出する方向と平行状に溝2940aが穿設されている。なお、図27−3は、移動回転体ユニット2700の図27−1における(移動回転体190が進出位置に位置している場合の)右側面図である。また、移動回転体ユニット2700の左側面図は省略するが、サイドプレート2706bにも、溝2940aと同様な溝2940bが穿設されている。更に、サイドプレート2706a,2706bには、図27−1における溝2940a,2940bの奥側内面に、溝2940a,2940bと平行状の、すなわち移動回転体190が進出する方向と平行状の第2ガイド部材2741a,2741bが付設されている。
移動回転体190の右端部であるサイドカバー2902aは、内部が中空状に形成され、その外面(右端面)には、溝2940aと平行状の、すなわち移動回転体190が進出する方向と平行状の第1ガイド部材2945aが付設されている。また、図27−3に示すように、サイドカバー2902aの上部から奥側下方にかけて、第1ストッパ部294
6a及び第2ストッパ部2947aを段差状(第1ストッパ部2946aが高い位置)に有する覆い部材2948aが設けられている。そして、第1ストッパ部2946aの下方には、後述の第1スライド部材2951aを収納する第1収納溝2943aが、第2ストッパ部2947aの下方には、後述の第2スライド部材2952aを収納する第2収納溝2944aがそれぞれ形成されている。なお、移動回転体190の左端部であるサイドカバー2902bは、右端部のサイドカバー2902aと同様に構成され、その外面(左端面)には、第1収納溝2943b、第2収納溝2944b、第1ガイド部材2945b、第1ストッパ部2946b及び第2ストッパ部2947bを有する覆い部材2948bが設けられている。
図中、2950a,2950bはスライド機構であり、このスライド機構2950a,2950bは、移動回転体190と、支持部材2702(基本プレート2704及びサイドプレート2706a,2706b)とを連結する。すなわち、スライド機構2950a,2950bは、移動回転体190の進出方向及びその移動範囲を規定するための機能を有する。
スライド機構2950a,2950bは、移動回転体190に設けられた第1ガイド部材2945a,2945bに係合する第1スライド部材2951a,2951bと、サイドプレート2706a,2706bに設けられた第2ガイド部材2741a,2741bに係合する第2スライド部材2952a,2952bとを備えている。
図27−3に示すように、第1スライド部材2951a,2951bと第2スライド部材2952a,2952bとは、段差状(第1スライド部材2951a,2951bが高い位置)に一体的に形成され、第1スライド部材2951a,2951bは、第2スライド部材2952a,2952bの手前側に位置している。また、第1スライド部材2951a,2951bの第1ガイド部材2945a,2945bと係合する面は、内側を向いており、第2スライド部材2952a,2952bの第2ガイド部材2741a,2741bと係合する面は、外側を向いている。
また、第1スライド部材2951a,2951bにおいて、第1ガイド部材2945a,2945bと係合する面の手前側には、段差状(第1ガイド部材2945a,2945bと係合する面が高い位置)に係合片2954a,2954bが設けられている。係合片2954a,2954bは、略逆L字状に形成され、その上端部分が内側に突出するよう形成されている。なお、この係合片2954a,2954bの上端部分は、後述のサイドカバー2902a,2902bに設けられる係合リブ2750a,2750bと係合するように設けられる。
更に、第1スライド部材2951a,2951bの第1ガイド部材2945a,2945bとの係合面と反対面の原点側端部には、外側に突出して溝2940a,2940bにスライド自在に遊嵌する円柱状のスライド突起2953a,2953bが突設されている。このスライド突起2953a,2953bは、第1スライド部材2951a,2951b及び第2スライド部材2952a,2952bの進出方向の移動範囲を規定するための機能、すなわち移動回転体190の移動範囲を規定するための機能を有する。
[基本コイルスプリング、補助コイルスプリングの構成]
ここで、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bの構成について詳細に説明する。図27−1、28−1、28−2において、基本プレート2704の左右両端には、基本コイルスプリング2730a,2730bの下端(原点側の端部)が止着される筒状の止着部材2732a,2732bが立設され、止着部材2732a,2732bの手前側には、補助コイルスプリング2735
a,2735bの原点側への移動を規制する規制板2736a,2736bが設けられている。これら止着部材2732a,2732b及び規制板2736a,2736bは、基本プレート2704よりも所定距離だけ進出位置側に形成され、また、規制板2736a,2736bの表面略中央には、ゴム等で形成された緩衝部材2737a,2737bが設けられている。
基本コイルスプリング2730a,2730bと補助コイルスプリング2735a,2735bとは、図27−1において、前後に重なるように僅かな間隔を持って平行状に形成され、前側に補助コイルスプリング2735a,2735bが位置し、後側に基本コイルスプリング2730a,2730bが位置するように設けられている。なお、図28−1、28−2は、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bの構成を説明するための説明図であって、図28−1は、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bが支持部材2702から取り外された状態を示し、図28−2は、補助コイルスプリング2735a,2735bのみが支持部材2702から取り外された状態を示している。また、図28−1、28−2は、図27−1、27−2、27−3に示す移動回転体ユニット2700を、前側に略90度傾倒した状態を斜め右上方から視た斜視図であって、更に、説明容易のため、種々の部品等が取り外された状態を示している。
また、図27−1、27−2、28−3に示すように、サイドカバー2902a,2902bの下側には、補助コイルスプリング2735a,2735bの上端部を覆うように略方形状の囲繞部材2749a,2749bが設けられている。この囲繞部材2749a,2749bは、内部に補助コイルスプリング2735a,2735bの上端と当接するリング状の当接部材(図示省略)が設けられている。更に、囲繞部材2749a,2749bには、図27−1、28−3に示すように、サイドカバー2902a,2902bから外側に突出するように係合リブ2750a,2750bが設けられており、この係合リブ2750a,2750bは、移動回転体190が原点位置から進出位置へ移動する過程で(詳しくは、後述する第2位置で)係合片2954a,2954bの上端部分と係合することにより、移動回転体190とスライド機構2950a,2950bとを連動させるためのものである。
なお、図28−3は、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bの構成を説明するための説明図であって、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bが支持部材2702に取り付けられた状態を示している。また、図28−3は、図28−1、28−2に示す移動回転体ユニット2700を、後側の左上方から視た斜視図であって、移動回転体190と支持部材2702との取り付け状態を説明するため、移動回転体190が分離した状態を示している。
上記したスライド機構2950a,2950bにおいて、第1スライド部材2951a,2951bの下端(原点側の端部)には、補助コイルスプリング2735a,2735bの下端を止着する内側に突出する板状の止着部材2754a,2754bが設けられている(図27−1、28−1、28−2参照)。なお、図28−1、28−2、28−3において、第1スライド部材2951a,2951bの上部分は、説明容易のため取り除いている。
また、止着部材2754a,2754bには、補助コイルスプリング2735a,2735bを遊嵌するための棒状の芯部材2755a,2755bが移動回転体190側に向かって延設されている。すなわち、図28−3に示すように、補助コイルスプリング2735a,2735bは、移動回転体190の進出方向と平行状に設けられ、その内側には
、芯部材2755a,2755bが遊挿されている。これにより、芯部材2755a,2755bは、補助コイルスプリング2735a,2735bを安定的に移動回転体190の進出方向に案内して伸縮させる機能を有する。
また、スライド機構2950a,2950bにおいて、第2スライド部材2952a,2952bの上端(進出側の端部)には、基本コイルスプリング2730a,2730bの上端を止着する内側に突出する板状の止着部材2756a,2756bが設けられている。従って、基本コイルスプリング2730a,2730bは、支持部材2702(基本プレート2704)の止着部材2732a,2732bとスライド機構2950a,2950bの止着部材2756a,2756bとにより両端が固定され、支持部材2702(基本プレート2704)の左右端部とスライド機構2950a,2950bとに掛け渡される。
また、止着部材2732a,2732bと止着部材2756a,2756bとの間には、止着部材2732a,2732bと止着部材2756a,2756bを連結する棒状の芯部材2757a,2757bが、図28−3に示すように、移動回転体190の進出方向と平行状に設けられ、基本コイルスプリング2730a,2730bの内側には、この芯部材2757a,2757bが遊挿されている。すなわち、芯部材2757a,2757bは、基本コイルスプリング2730a,2730bを安定的に移動回転体190の進出方向に案内して伸縮させる機能を有する。
しかして、図28−3に示すように、補助コイルスプリング2735a,2735b及び芯部材2755a,2755bを囲繞部材2749a,2749bに挿入し、第1ガイド部材2945a,2945bと第1スライド部材2951a,2951bとを係合し、第2スライド部材2952a,2952bと第2ガイド部材2741a,2741bとを係合することにより、移動回転体190を支持部材2702に連結する。この連結状態では、囲繞部材2749a,2749b内部の当接部材(図示省略)に補助コイルスプリング2735a,2735bの上端が常時当接し、且つ芯部材2755a,2755bが当接部材に対して進出又は原点方向に移動自在に貫通するよう設けられる。これにより、補助コイルスプリング2735a,2735bは、囲繞部材2749a,2749bと止着部材2754a,2754bとにより、移動回転体190のサイドカバー2902a,2902bとスライド機構2950a,2950bとに掛け渡される。
すなわち、移動回転体190を支持部材2702に連結した場合、移動回転体190が進出位置にあるときは、図27−1、27−3、28−4に示すように、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bは、最も伸長して進出位置側への付勢力がほぼ失われた状態となる。また、この進出位置の状態では、補助コイルスプリング2735a,2735bの芯部材2755a,2755bの略先端部分のみが当接部材のリング部を貫通しており、スライド突起2953a,2953bは溝2940a,2940b上端に当接し、係合片2954a,2954b上端が係合リブ2750a,2750bと係合している。また、特に図27−3に示すように、第1スライド部材2951aは、第1収納溝2943aから離脱して、その先端が第1ストッパ部2946aの下方に位置し、第2スライド部材2952aは、第2収納溝2944aから離脱して、その先端が第2ストッパ部2947aの下方に位置している。なお、図28−4は、移動回転体190が進出位置に位置している場合の補助コイルスプリング2735a及び基本コイルスプリング2730aの状態を示す説明図である。
一方、移動回転体190が原点位置にあるときは、図27−2、28−5に示すように、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bは、最も縮小して進出位置側への付勢力が最も大きな状態となる(図27−2
、28−5においては、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bは視認できない)。また、この原点位置の状態では、補助コイルスプリング2735a,2735bの芯部材2755a,2755bの略全体が当接部材のリング部を貫通してサイドカバー2902a,2902b内部に深く進入しており、スライド突起2953a,2953bは溝2940a,2940b下端に当接し、係合リブ2750a,2750bが係合片2954a,2954b上端の下方に位置して、係合片2954a,2954b上端が係合リブ2750a,2750bから係脱している。また、第1スライド部材2951aは、第1収納溝2943aに収納され、その先端が第1ストッパ部2946aと当接し、第2スライド部材2952aは、第2収納溝2944aに収納され、その先端が第2ストッパ部2947aと当接した状態となっている。なお、図28−5は、移動回転体190が原点位置に位置している場合の補助コイルスプリング2735a及び基本コイルスプリング2730aの状態を示す説明図である。
また、図28−6に示すように、移動回転体190が、原点位置から進出位置に移動する過程で、補助コイルスプリング2735a,2735bが最も伸長して進出位置側への付勢力がほぼ失われた状態になっている位置(後述する第2位置)にあるときは、基本コイルスプリング2730a,2730bは、略半分程度の伸長で進出位置側への付勢力を保っている。また、この第2位置の状態では、進出位置と同様に補助コイルスプリング2735a,2735bの芯部材2755a,2755bの略先端部分のみが当接部材のリング部を貫通している。しかしながら、第2位置では、スライド機構2950a,2950bは原点位置と同じ位置を維持する(原点位置から進出位置側に移動しない)ので、スライド突起2953a,2953bは溝2940a,2940b下端に当接するものの、係合片2954a,2954b上端は、係合リブ2750a,2750bと係合している。また、特に図27−3に示すように、進出位置と同様、第1スライド部材2951aは、第1収納溝2943aから離脱して、その先端が第1ストッパ部2946aの下方に位置し、第2スライド部材2952aは、第2収納溝2944aから離脱して、その先端が第2ストッパ部2947aの下方に位置している。なお、図28−6は、移動回転体190が第2位置に位置している場合の補助コイルスプリング2735a及び基本コイルスプリング2730aの状態を示す説明図である。
なお、補助コイルスプリング2735a,2735bは、上記したように、一端側(原点位置側)が止着部材2754a,2754bに固定され、他端側(進出位置側)が囲繞部材2749a,2749bの当接部材に当接するだけの非固定(自由端)に構成したが、これは、限定することなく、例えば、一端側(原点位置側)を非固定(自由端)としたり、他端側(進出位置側)を固定したりするように構成してもよい。また、基本コイルスプリング2730a,2730bは、上記したように、両端側が止着部材2732a,2732b及び止着部材2756a,2756bに固定されるようにしたが、これも補助コイルスプリング2735a,2735bと同様に、固定、非固定は自由に構成してもよい。また、移動回転体190が進出位置、原点位置、第2位置に位置している場合の補助コイルスプリング2735b及び基本コイルスプリング2730bの状態を示す説明図は省略するが、これは、図28−4、28−5、28−6に示した補助コイルスプリング2735a及び基本コイルスプリング2730aと同様である。
なお、本実施形態における弾性部材としての補助コイルスプリング2735a及び基本コイルスプリング2730aは、移動回転体190を原点位置から進出位置に押し出すための圧縮コイルバネ(押しバネ)として構成されているが、これは、種々の変形例が可能である。例えば、弾性部材として引張コイルバネ、板バネ、トーションバー、皿バネ、渦巻きバネなどを用いて構成することもできる。また、弾性部材の材質は、高炭素鋼(硬鋼線、ピアノ線)、合金鋼(オイルテンパー線)、ステンレス鋼(ステンレス鋼線)などを適宜用いることができる。
[ワイヤ張力調整機構の構成]
次に、ワイヤ張力調整機構2720a,2720bの構成について詳細に説明する。図27−1、28−3、28−4、28−5、28−6に示すように、移動回転体190のサイドカバー2902a,2902b奥側の下部(原点側部)であって、第2収納溝2944a,2944bの反対面には、ワイヤ2760a,2760bの係止部2759a,2759b(進出側端)を止着する止着部材2761a,2761bが設けられている。また、基本プレート2704に設けられたモータ機構2710には、ワイヤ2760a,2760bの他端となる後述の係止部2758a,2758b(原点側端)が止着されるようになっている。
ワイヤ張力調整機構2720a,2720bは、この止着部材2761a,2761bとモータ機構2710の間に設けられる。つまりワイヤ2760a,2760bは、ワイヤ張力調整機構2720a,2720bを介して移動回転体190の左右端部とモータ機構2710とに止着されている。なお、ワイヤ張力調整機構2720aとワイヤ張力調整機構2720bとは、同様な構成であるので、ここでは、代表してワイヤ張力調整機構2720aについて説明する。
図27−1に示すように、ワイヤ張力調整機構2720aは、2つの移動プーリーとしての第1プーリー2782a,第2プーリー2783aとを有しており、また、ワイヤ張力調整機構2720aにワイヤ2760aを誘導するための、2つの固定プーリーとしての縦プーリー2780a,横プーリー2781aとが、ワイヤ張力調整機構2720aの前段側(モータ機構2710と反対側)に設けられている。
図27−1において、縦プーリー2780aは、縦方向に回動可能に基本プレート2704に取り付けられるプーリーであって、基本コイルスプリング2730aの下端が止着される止着部材2732aの左側に配置され、移動回転体190の止着部材2761aから延びるワイヤ2760aを該縦プーリー2780aの下側で巻架し、略90度方向を変えて横プーリー2781aに誘導している。なお、縦プーリー2780aと止着部材2761aとの間に位置するワイヤ2760aは、移動回転体190の進出方向と略同じ方向に張架される。
横プーリー2781aは、横方向に回動可能に基本プレート2704に取り付けられるプーリーであって、縦プーリー2780aの後側に配置され、縦プーリー2780aから延びるワイヤ2760aを該横プーリー2781aの後側で巻架し、略180度方向を変えて第1プーリー2782aに誘導している。
第1プーリー2782aは、ワイヤ張力調整機構2720aにおいて横方向に回動可能に設けられるプーリーであって、横プーリー2781aの左側に配置され、横プーリー2781aから延びるワイヤ2760aを該第1プーリー2782aの前側で巻架し、第2プーリー2783aに誘導している。
第2プーリー2783aは、ワイヤ張力調整機構2720aにおいて横方向に回動可能に設けられるプーリーであって、第1プーリー2782aの左側、つまりワイヤ巻取部2774の右側に配置され、第1プーリー2782aから延びるワイヤ2760aを該第2プーリー2783aの後側で巻架し、ワイヤ巻取部2774の内部に設けられる巻き取りプーリー2777の上巻き取りプーリー2778に該ワイヤ巻取部2774の前側から誘導している。これにより、移動回転体190の止着部材2761aから延びるワイヤ2760aは、縦プーリー2780a,横プーリー2781a,第1プーリー2782a及び第2プーリー2783aを経由してワイヤ巻取部2774内の巻き取りプーリー2777
の上巻き取りプーリー2778に誘導される(後述の図28−E、28−F参照)。
なお、上記の4つのプーリーに加え、モータ機構2710の左に設けられるワイヤ張力調整機構2720bの後段側(モータ機構2710側)には、更に1個の横プーリー(固定プーリー)2795が基本プレート2704に取り付けられている。この横プーリー2795は、ワイヤ巻取部2774の後ろ側からワイヤ2760bを巻き取らせるためのものであって、この横プーリー2795により、ワイヤ2760bは十分な張力が得られるようになっている。すなわち、移動回転体190の止着部材2761bから延びるワイヤ2760bは、縦プーリー2780b,横プーリー2781b,第1プーリー2782b,第2プーリー2783b及び横プーリー2795を経由してワイヤ巻取部2774内の巻き取りプーリー2777の下巻き取りプーリー2779に誘導される(後述の図28−E、28−F参照)。
図28−A、28−Bを用いて、ここで、巻き取りプーリー2777の構成について説明する。図28−Aは、巻き取りプーリー2777単体の全体斜視図、図28−Bは、巻き取りプーリー2777の分解斜視図であって、(a)は、上巻き取りプーリー2778にワイヤ2760aが取り付けられた状態を示し、(b)は、下巻き取りプーリー2779にワイヤ2760bが取り付けられた状態を示し、(c)は、ワイヤ2760aが取り付けられた上巻き取りプーリー2778と、ワイヤ2760bが取り付けられた下巻き取りプーリー2779とを組み付け、巻き取りプーリー2777を組み立てる状態を示している。
図28−Aに示すように、巻き取りプーリー2777は、上巻き取りプーリー2778を下巻き取りプーリー2779に被せるように重合することにより形成され、後述のモータ2770の駆動により、双方向に回転するように構成されている(時計回りの正回転:ワイヤ2760a,2760bを巻き取る、反時計回りの逆回転:ワイヤ2760a,2760bを送出する)。
上巻き取りプーリー2778及び下巻き取りプーリー2779は、その中心に円形の孔2801,2802が穿設されており、上巻き取りプーリー2778の表面側には、図28−Aに示すように、孔2801の周囲にギア部2803が設けられている。このギア部2803は、後述のウォーム歯車2772のギア部2769と噛合して、巻き取りプーリー2777を回転する機能を有する。すなわち、巻き取りプーリー2777は、ギア部2803によって双方向に回転することで、ワイヤ2760a,2760bを巻き取ったり、送り出したりする。図中、2796は、上巻き取りプーリー2778が備えるワイヤ巻き取り通路、2797は、下巻き取りプーリー2779が備えるワイヤ巻き取り通路であり、第2プーリー2783aから誘導されたワイヤ2760aは、ワイヤ巻き取り通路2796を通って巻き取られ、横プーリー2795から誘導されたワイヤ2760bは、ワイヤ巻き取り通路2797を通って巻き取られるようになっている。
図28−Bを参照して、(a)は、上巻き取りプーリー2778の内面側を示しており、上巻き取りプーリー2778は、上記のギア部2803が設けられる上フランジ2805と、この上フランジ2805の内側に設けられる下フランジ2806とを備えている。つまり、ギア部2803は、上フランジ2805の表面側に設けられており、また、ワイヤ巻き取り通路2796は、上フランジ2805と下フランジ2806との間に形成されるようになっている(図28−A参照)。図中、2808は、孔2801の周囲に上フランジ2805表面から内側に向かって延設されるボスであり、このボス2808は、下巻き取りプーリー2779の孔2802に挿入されるようになっている。なお、このボス2808には、後述するウォーム歯車2772の回転軸2768が挿通される。
上巻き取りプーリー2778の内面側には、ワイヤ2760aの係止部2758aを嵌め込むための溝2809が凹状に形成され、また、溝2809に嵌め込まれたワイヤ2760aをワイヤ巻き取り通路2796にガイドするための円弧状のガイド壁2810が、溝2809に連なるように形成されている。そして、下フランジ2806は、このガイド壁2810が形成されている箇所が切り欠かれた切欠部2811を有しており、また、この切欠部2811と略反対側の下フランジ2806内面側には、下巻き取りプーリー2779と係合するための凸状の突起片2812が設けられている。図中、2813a,2813bはボスであり、このボス2813a,2813bは、上フランジ2805の内面側に設けられ、当該上巻き取りプーリー2778と下巻き取りプーリー2779とを結合するときに用いられるネジ2815a,2815bが螺入されるようになっている。
(b)は、下巻き取りプーリー2779の内面側を示しており、下巻き取りプーリー2779は、巻き取りプーリー2777の底面となる下フランジ2821と、下フランジ2821の内側に設けられる上フランジ2820とを備えている。そして、ワイヤ巻き取り通路2797は、この下フランジ2821と上フランジ2820との間に形成されるようになっている(図28−A参照)。
下巻き取りプーリー2779の内面側には、ワイヤ2760bの係止部2758bを嵌め込むための溝2822が凹状に形成され、また、溝2822に嵌め込まれたワイヤ2760bをワイヤ巻き取り通路2797にガイドするための円弧状のガイド壁2823が、溝2822に連なるように形成されている。そして、上フランジ2820は、このガイド壁2823が形成されている箇所が切り欠かれた切欠部2824を有しており、また、この切欠部2824と略反対側の上フランジ2820内面側には、上巻き取りプーリー2778と係合するための凸状の突起片2825が設けられている。図中、2826a,2826bはネジ孔であり、このネジ孔2826a,2826bは、下フランジ2821の内面側に設けられ、上フランジ2820側のボス2813a,2813bと重合してネジ2815a,2815bが螺入されるようになっている。
上記のように構成された、上巻き取りプーリー2778と下巻き取りプーリー2779とを組み付けるには、(c)に示すように、ボス2813a,2813bとネジ孔2826a,2826bとを重ね合わせ、ボス2808を孔2802に挿入することにより、上巻き取りプーリー2778の下フランジ2806内面と下巻き取りプーリー2779の上フランジ2820内面とを重合させる。
この際、上巻き取りプーリー2778の下フランジ2806の切欠部2811に、下巻き取りプーリー2779の上フランジ2820の突起片2825が嵌まり込み、下巻き取りプーリー2779の上フランジ2820の切欠部2824に、上巻き取りプーリー2778の下フランジ2806の突起片2812が嵌まり込む。これにより、上巻き取りプーリー2778の下フランジ2806と下巻き取りプーリー2779の上フランジ2820とが係合する。それと共に、溝2809に嵌め込まれたワイヤ2760aの係止部2758aが上フランジ2820により閉塞され、溝2822に嵌め込まれたワイヤ2760bの係止部2758bが下フランジ2806により閉塞される。そして、その状態で、ネジ2815a,2815bをネジ孔2826a,2826bを介してボス2813a,2813bに螺入することにより、上巻き取りプーリー2778と下巻き取りプーリー2779とが結合し、図28−Aに示すように、巻き取りプーリー2777が組み立てられる。これにより、ワイヤ2760a,2760bは、その他端(原点側端)側である係止部2758a,2758bが、強固に巻き取りプーリー2777に止着されることになる。
図28−Cを用いて、次に、ワイヤ張力調整機構2720aに設けられる移動プーリーとしての第1プーリー2782a及び第2プーリー2783aの構成について説明する。
なお、第1プーリー2782aと第2プーリー2783aとは同様な構成であるので、ここでは、代表して第1プーリー2782aについて説明する。図28−Cは、第1プーリー2782aの分解斜視図である。第1プーリー2782aは、ワイヤ2760aを掛ける滑車2830と、滑車2830を上方から覆うように設けられる略コの字状のカバー部2831と、滑車2830の回転軸2833を備える移動土台部2832とから構成されている。
移動土台部2832は、方形の板状に形成され、回転軸2833は、移動土台部2832の略中央表面に上方に向かって垂設されている。回転軸2833は、円筒状に設けられて軸孔2829を有し、この軸孔2829に、カバー部2831を固定するためのネジ2834が螺入されるようになっている。図28−Cにおいて、移動土台部2832の奥辺の両角には、一対の突起状の位置決め部材2835a,2835bが設けられている。この位置決め部材2835aと位置決め部材2835bとの間隔は、カバー部2831の後述の離脱防止片2837a,2837bの幅とほぼ同じ大きさになっており、当該箇所には、離脱防止片2837a,2837bが嵌合する浅底の嵌合溝2836が形成されている。また、移動土台部2832の裏面側の中央には、後述の第1スライド溝2840aに移動自在に嵌め込まれる土台取付部2838が設けられており、この土台取付部2838には、第1スライド軸2785を挿通するための挿通孔2839が穿設されている。
滑車2830は、その中央に回転軸2833を遊嵌する軸孔2843が穿設されており、この軸孔2843の周囲に、ワイヤ2760aを引っ掛けるワイヤ掛部2844が形成されている。つまり、滑車2830は、回転軸2833を中心に、ワイヤ2760aの移動に伴って横方向に回動自在に設けられる。
図28−Cにおいて、カバー部2831は、板状の覆い部2842と、覆い部2842の前後両縁から下方に延びる、一対の緩やかに湾曲した離脱防止片2837a,2837bと、覆い部2842の中央上部に設けられる結合部2845とを有している。結合部2845には、その中央に止着孔2846が設けられており、この止着孔2846は、組み付け時に回転軸2833の軸孔2829と重合するようになっている。
上記のように構成された滑車2830と、カバー部2831と、移動土台部2832とを組み付けるには、図28−Cに示すように、回転軸2833に滑車2830を嵌め込み、止着孔2846と軸孔2829とが重なり合うように、カバー部2831を滑車2830に被せる。この際、離脱防止片2837aが位置決め部材2835aと位置決め部材2835bとの間に嵌まり込んで、その下端部が嵌合溝2836に嵌合する。これにより、カバー部2831が位置決められる。
また、この状態では、滑車2830と離脱防止片2837a,2837bとは僅かに離間しており、離脱防止片2837a,2837bが滑車2830の回転を妨げないようになっている。そして、その状態で、ネジ2834を止着孔2846を介して回転軸2833の軸孔2829に螺入することにより、滑車2830、カバー部2831及び移動土台部2832が結合し、第1プーリー2782aが組み立てられる(図27−1参照)。この構成により、ワイヤ2760aは、滑車2830の回転により巻き取られたり、送り出されたりすることが可能となる。更に、ワイヤ2760aが緩んだ場合であっても、離脱防止片2837a,2837bにより当該ワイヤ2760aが第1プーリー2782aから外れて離間することはない。
なお、第2プーリー2783aは、上述した第1プーリー2782aと同様な構成であるが、位置決め部材2835a,2835bの取り付け位置が、第1プーリー2782aとは逆になる。すなわち、第2プーリー2783aの位置決め部材2835a,2835
b及び嵌合溝2836は、図28−Cにおいて、移動土台部2832の手前辺側に設けられ、第2プーリー2783aが組み立てられた場合、離脱防止片2837bが位置決め部材2835aと位置決め部材2835bとの間に嵌まり込んで、その下端部が嵌合溝2836に嵌合するようになっている。ただし、カバー部2831は前後左右で対称状に形成されているので、この場合、離脱防止片2837aが位置決め部材2835a,2835bとの間に嵌まり込んで、その下端部が嵌合溝2836に嵌合するように構成することも可能である。これにより、第1プーリー2782a及び第2プーリー2783aの組み立てが容易となる。
また、固定プーリーとしての縦プーリー2780a及び横プーリー2781aも、上述した第1プーリー2782aと略同様な構成であり、主に異なる点は、移動土台部2832が無い点と、回転軸(回転軸2833に相当)が基本プレート2704から延設されている(縦プーリー2780aの回転軸は基本プレート2704と平行、横プーリー2781aの回転軸は基本プレート2704と垂直に設けられている)点である。
また、モータ機構2710の左に設けられるワイヤ張力調整機構2720bの移動プーリーとしての第1プーリー2782b、第2プーリー2783bも、上述した第1プーリー2782a及び第2プーリー2783aと同様な構成である。更に、モータ機構2710の左側に配置された固定プーリーとしての縦プーリー2780b及び横プーリー2781bも、上述した縦プーリー2780a及び横プーリー2781aと同様な構成である。また更に、モータ機構2710とワイヤ張力調整機構2720bとの間に設けられる固定プーリーとしての横プーリー2795も、横プーリー2781aと同様な構成である。
図28−Dを用いて、次に、ワイヤ張力調整機構2720aにおいて、第1プーリー2782a及び第2プーリー2783aが取り付けられる機構の構成について説明する。図28−Dは、ワイヤ張力調整機構2720aにおける第1プーリー2782a及び第2プーリー2783aの取り付け状態を説明するための説明図である。
基本プレート2704には、図28−Dにおいて、その前後方向に2条の第1スライド溝2840a及び第2スライド溝2841aが平行凹状に穿設されており、第1スライド溝2840aが右側、第2スライド溝2841aが左側に形成されている。そして、第1スライド溝2840a内には第1スライド軸2785aが、第2スライド溝2841a内には第2スライド軸2786aが、それぞれ丸棒状に形成されて第1スライド溝2840a及び第2スライド溝2841aと平行の前後方向に架設されている。
第1スライド軸2785aには、第1プーリー2782aの移動土台部2832が遊挿され、第2スライド軸2786aには、第2プーリー2783aの移動土台部2832が遊挿され、その結果、第1プーリー2782aは、第1スライド軸2785a上を前後方向に移動可能に設けられ、第2プーリー2783aは、第2スライド軸2786a上を前後方向に移動可能に設けられる。つまり、上記したように、移動土台部2832の土台取付部2838の挿通孔2839に第1スライド軸2785a又は第2スライド軸2786aが遊挿されることにより、土台取付部2838が第1スライド溝2840a又は第2スライド溝2841a内を前後方向に摺動可能となる。これにより、第1プーリー2782aは、第1スライド軸2785a上を、第2プーリー2783aは、第2スライド軸2786a上を移動する。
ここで、第1スライド軸2785aには第1コイルスプリング2787aが、第2スライド軸2786aには第2コイルスプリング2788aが、それぞれ遊挿されている。第1コイルスプリング2787aは、図28−Dにおいて、基本プレート2704後壁と第1プーリー2782aの移動土台部2832の後側との間に設けられ、これにより、第1
コイルスプリング2787aは、第1プーリー2782aを常時前側に付勢するようになっている。一方、第2コイルスプリング2788aは、図28−Dにおいて、基本プレート2704前壁と第2プーリー2783aの移動土台部2832の前側との間に設けられ、これにより、第2コイルスプリング2788aは、第2プーリー2783aを常時後側に付勢するようになっている。つまり、第1コイルスプリング2787a及び第2コイルスプリング2788aは、常時、第1プーリー2782a及び第2プーリー2783aを離間する方向に付勢するようになっている。すなわち、ワイヤ張力調整機構2720aは、第1スライド軸2785a及び第2スライド軸2786aにより、第1コイルスプリング2787a及び第2コイルスプリング2788aを当該軸方向に案内して伸縮させ、第1プーリー2782a及び第2プーリー2783aを基本プレート2704に対して安定して前後方向に移動させる機能を有する。
なお、ワイヤ張力調整機構2720bには、上記の第1スライド溝2840a、第2スライド溝2841a、第1スライド軸2785a、第2スライド軸2786a、第1コイルスプリング2787a、第2コイルスプリング2788aと同様な構成の、第1スライド溝2840b、第2スライド溝2841b、第1スライド軸2785b、第2スライド軸2786b、第1コイルスプリング2787b、第2コイルスプリング2788bが設けられるが、これらは、ワイヤ巻取部2774を挟んで左右対称状に設けられる。
しかして、ワイヤ張力調整機構2720a,2720bを介してワイヤ2760a,2760bを移動回転体190の左右端部とモータ機構2710のワイヤ巻取部2774とに止着すると、第1プーリー2782a,2782b及び第2プーリー2783a,2783bは、ワイヤ2760a,2760bが解放状態(後述のワンウェイクラッチ機構によりワイヤ巻取部2774への動力伝達が遮断された状態、例えば移動回転体190が進出位置に移動している状態)では、図28−Eに示す状態となり、ワイヤ2760a,2760bが巻き取り状態(後述のワンウェイクラッチ機構によりワイヤ巻取部2774への動力伝達がなされた状態、例えば移動回転体190が原点位置に移動している状態)では、図28−Fに示す状態となる。
すなわち、ワイヤ2760a,2760bをワイヤ張力調整機構2720a,2720bにセットした場合、ワイヤ2760a,2760bが解放状態にあるときは、図28−Eに示すように、第1コイルスプリング2787a,2787b及び第2コイルスプリング2788a,2788bは伸長して、第1プーリー2782a,2782bは最も前側に位置し、第2プーリー2783a,2783bは最も後側に位置する状態となる。すなわち、ワイヤ2760a,2760bが解放状態の場合であっても、第1コイルスプリング2787a,2787b及び第2コイルスプリング2788a,2788bの付勢力により該ワイヤ2760a,2760bの緩みを抑制した状態となっている。
一方、ワイヤ2760a,2760bが巻き取り状態にあるときは、図28−Fに示すように、第1コイルスプリング2787a,2787b及び第2コイルスプリング2788a,2788bは縮小して、第1プーリー2782a,2782b及び第2プーリー2783a,2783bは、横プーリー2781a,2781bから延びるワイヤ2760a,2760bに適度な張力を保持させる位置に位置する状態となる。すなわち、第1プーリー2782a,2782bは、第1コイルスプリング2787,2787bの付勢力に抗して第2プーリー2783より後側に位置し、第2プーリー2783は、第2コイルスプリング2788の付勢力に抗して第1プーリー2782より前側に位置する状態となる。この状態では、横プーリー2781a,2781bから延びるワイヤ2760a,2760bは、略「く」の字状にワイヤ巻取部2774に誘導されている。なお、図28−Eは、ワイヤ2760a,2760bが解放状態にある場合の第1プーリー2782a,2782b及び第2プーリー2783a,2783bの状態を示す説明図であり、図28
−Fは、ワイヤ2760a,2760bが巻き取り状態にある場合の第1プーリー2782a,2782b及び第2プーリー2783a,2783bの状態を示す説明図である。
[モータ機構の構成]
次に、モータ機構2710の構成について詳細に説明する。図27−1、29−1に示すように、モータ機構2710は、モータ2770と、ウォーム2771とウォーム歯車2772とからなるウォームギア2773と、ワイヤ巻取部2774とを有している。なお、図29−1は、モータ機構2710の構成を説明するための説明図であって、図27−1、27−2、27−3に示す移動回転体ユニット2700を、前側に略90度傾倒した状態を斜め右上方から視た斜視図であって、更に、説明容易のため、種々の部品等が取り外された状態を示している。
モータ2770は、ステッピングモータであり、移動回転体制御基板2725とハーネス2775で接続され(図27−1参照)、移動回転体制御基板2725からの指令に基づいて、双方向(正回転、逆回転)に所定のステップ数回転可能に制御される。なお、移動回転体制御基板2725は、ハーネス2776によりランプ制御基板340と接続されて当該遊技機100の遊技情報を入力し、この入力した遊技情報に基づいてモータ2770に指令を出す。
ウォーム2771は、モータ2770のモータ軸に取り付けられる螺旋状に歯が切られたねじ状歯車であって、ケース内部に設けられ、モータ軸の回転に連動して双方向(正回転、逆回転)に回転する。ウォーム2771は、ウォーム歯車2772と噛合してウォームギア2773を構成しており、自身の回転によりウォーム歯車2772を回転させる。
ウォーム歯車2772は、ウォーム2771と噛合する多数の歯を持つ円盤状歯車であって、ウォーム2771の回転に連動して双方向(正回転、逆回転)に回転する。なお、モータ2770のモータ軸(ウォーム2771の軸)とウォーム歯車2772の軸との軸角は略90度である。
図29−1に示すように、ウォーム歯車2772において、ワイヤ巻取部2774と反対側の面には、その中心にボス2960が設けられており、このボス2960の周りには、円状の周壁2961が形成されている。これにより、ボス2960と周壁2961との間にはリング状の溝2962が形成され、このリング状の溝2962に、コイルスプリング2963とワッシャー2964とが、介装されるようになっている。図中、2768は、その一端側がウォーム歯車2772のボス2960に挿通される回転軸であり、この回転軸2768は、その他端側は、上述したワイヤ巻取部2774の巻き取りプーリー2777のボス2808に挿通されるようになっている。
図29−2を用いて、ここで、ウォーム歯車2772のワイヤ巻取部2774と対面する係合面2968の構成について説明する。図29−2は、ウォーム歯車2772のワイヤ巻取部2774と対面する係合面2968の構成を示す説明図である。ウォーム歯車2772の係合面2968には、その中心にボス2960の内部領域となる円形凹状の嵌合孔2969が穿設されており、この嵌合孔2969には、ワンウェイクラッチ2970が嵌合するようになっている。なお、嵌合孔2969には、その周面に係合突起2971が突設されており、ワンウェイクラッチ2970は、この係合突起2971に自身の周面に形成された係合溝部2972を係合させることにより、嵌合孔2969に嵌合される。
また、ワンウェイクラッチ2970には、その中央に回転軸2768を挿通させる挿通孔2974が穿設され、この挿通孔2974の周面は、回転軸2768の回転に関連して回転するウォーム歯車2772及びワイヤ巻取部2774の回転態様を規制するカム面2
973として機能するようになっている。ここで、図29−3を用いてワンウェイクラッチ2970の構成について説明する。図29−3は、ワンウェイクラッチ2970の構成を模式的に示す説明図である。
ワンウェイクラッチ2970の挿通孔2974に回転軸2768が挿通されて該回転軸2768と接触するカム面2973には、ポケット2975が複数設けられている。そして、これら各ポケット2975の内部には球状のローラー2976がそれぞれ配置され、該ローラー2976は、スプリング2977によって常時回転軸2768の外周面2768aに接触するように保たれている。この状態で、(1)に示すように、回転軸2768に対してウォーム歯車2772を逆回転(反時計回り)させると、ローラー2976は逆回転方向に移動し、カム面2973と外周面2768aとの間に挟まれる。その結果、カム面2973とローラー2976との接触面圧が発生し、回転軸2768は、ウォーム歯車2772の回転に連動して逆回転する。一方、(2)に示すように、回転軸2768に対してウォーム歯車2772を正回転(時計回り)させると、ローラー2976はカム面2973と離間した状態を維持する。その結果、カム面2973とローラー2976との接触面圧が無くなり、回転軸2768は、ウォーム歯車2772が正回転しても、それに連動することなく回転しない。
図29−2に戻って、ウォーム歯車2772の係合面2968において、嵌合孔2969の周囲には、ギア部2769が設けられており、このギア部2769は、ワイヤ巻取部2774の巻き取りプーリー2777の上述したギア部2803と噛合するようになっている。ここで、回転軸2768は、図29−4に示すように、小径の円柱状に両端側に形成されたクラッチ挿入部2978及び乗り上げ機構挿入部2979と、クラッチ挿入部2978及び乗り上げ機構挿入部2979の間に設けられ、これらクラッチ挿入部2978及び乗り上げ機構挿入部2979よりも大径の円柱状に形成されると共に、乗り上げ機構挿入部2979側の端部両側面が切り欠かれて略々四角柱状に形成された乗り上げカム挿入部2980とを有している。
回転軸2768において、クラッチ挿入部2978は、上述したように、ウォーム歯車2772のワンウェイクラッチ2970に挿通される箇所である。なお、図29−4において、(1)は、回転軸2768がウォーム歯車2772に挿通される前の状態を示す説明図であり、(2)は、回転軸2768がウォーム歯車2772に挿通された状態を示す説明図である。また、乗り上げ機構挿入部2979は、巻き取りプーリー2777の下側に設けられる後述する乗り上げ機構部2910に挿通される箇所であり、乗り上げカム挿入部2980は、乗り上げ機構部2910の内部に係合される後述の乗り上げカム2911に挿通される箇所である。
図29−1に戻って、基本プレート2704には、巻き取りプーリー2777の回転軸2768方向への移動を防止すると共に該巻き取りプーリー2777を保護するためのカバー部材2939が、ビス等で取り付けられている。カバー部材2939は、ギア部2803が設けられている上巻き取りプーリー2778の表面に当接するように設けられ、その中央に、ギア部2803を露出するための円形孔2938が形成されている。また、カバー部材2939の周縁には、ウォーム歯車2772側に向かって延びるボス2967が設けられており、このボス2967には、ネジ2966が螺着されて蓋2965がカバー部材2939に取り付けられるようになっている。
上記したように、ウォーム歯車2772のリング状の溝2962にはコイルスプリング2963が介装されるようになっており、つまり、コイルスプリング2963は、蓋2965をカバー部材2939に取り付けることによりウォーム歯車2772を巻き取りプーリー2777側に常時付勢し、ウォーム歯車2772のギア部2769と巻き取りプーリ
ー2777のギア部2803とをしっかりと噛合する機能を有している。
次に、巻き取りプーリー2777の下側(原点位置側)に位置し、基本プレート2704に直接形成される乗り上げ機構について説明する。乗り上げ機構は、図29−5に示すように、乗り上げ機構部2910と乗り上げカム2911とを有している。なお、図29−5において、(1)は乗り上げ機構部2910の斜視図、(2)は乗り上げ機構部2910に乗り上げカム2911が係合している状態(乗り上げ機構部2910に乗り上げカム2911が乗り上げていない状態)を示す斜視図である。
図29−5を参照して、乗り上げ機構部2910は、基本プレート2704に穿設された円形溝2909を有し、この円形溝2909の底面2908には、円形状の台座2912が設けられている。台座2912には、巻き取りプーリー2777(ウォーム歯車2772)側に延びる該台座2912よりも一回り小さい円形状の周壁2913が突設されている。周壁2913には、均等間隔で3箇所に係合凸部2914が設けられており、この係合凸部2914は、後述する乗り上げカム2911の回転範囲を規制する部材であって、乗り上げ機構部2910の中心側に向かって周壁2913から突出するように設けられている。
乗り上げ機構部2910の中心には、回転軸2768の乗り上げ機構挿入部2979が挿入される巻き取りプーリー2777側に向かって延びるボス2915が設けられており、つまり、このボス2915には、その一端(クラッチ挿入部2978)がウォーム歯車2772のワンウェイクラッチ2970に挿入された回転軸2768の他端(乗り上げ機構挿入部2979)が挿入されるようになっている。
周壁2913の内側には、台座2912面から円形溝2909の底面2908に亘って内部円形溝2907が穿設されており、この内部円形溝2907と周壁2913との間に段差面2906が形成されている。従って、内部円形溝2907は、ボス2915の周囲を囲むように、該ボス2915と段差面2906との間に形成される。
ここで、内部円形溝2907において、ボス2915と段差面2906との間には、均等間隔で3箇所に傾斜面2916及び乗り上げ面2917を有する断面略直角三角形状(後述の図29−10参照)の乗り上げ突部2918が設けられている。つまり、乗り上げ突部2918は、傾斜面2916が、底面2908から段差面2906まで延びるように形成され、乗り上げ面2917が、段差面2906と同じ平面上に係合凸部2914の一端下側に連接するように形成される。また、この乗り上げ突部2918は、ボス2915の外面から内部円形溝2907の周面2905に亘って放射状に連設され、図29−5(1)において平面視すると、ボス2915側が狭く、周面2905側が幅広の略扇状に形成されている。そして、乗り上げ突部2918同士の間には、これら2つの乗り上げ突部2918、底面2908、周面2905及びボス2915の外面により、平面視略扇状の空間領域2919が形成されている。
図29−6を用いて、次に、乗り上げ機構部2910と係合する乗り上げカム2911の構成について説明する。図29−6は、乗り上げカム2911の斜視図であって、(1)は乗り上げカム2911の表面、(2)は乗り上げカム2911の裏面(係合面)を示している。乗り上げカム2911は、基本構成となる円形状のベース部2921を有し、このベース部2921の中央には、回転軸2768の乗り上げカム挿入部2980が挿入される軸孔2920が穿設されている。この軸孔2920は、乗り上げカム挿入部2980と同形状の略々四角柱状に形成され、その結果、図29−7(2)に示すように、回転軸2768を乗り上げカム2911に挿通した状態では、回転軸2768は乗り上げカム2911にしっかりと固定される。これにより、乗り上げカム2911は、回転軸276
8の回転に連動して回転する。なお、図29−7において、(1)は、回転軸2768が乗り上げカム2911に挿通される前の状態を示す説明図であり、(2)は、回転軸2768が乗り上げカム2911に挿通された状態を示す説明図である。
ベース部2921の周縁には、均等間隔で3箇所に係合突片2922が設けられており、これらの係合突片2922は、ベース部2921の周縁から外側に向かって突出するように形成されている。そして、図29−5(2)に示すように、乗り上げカム2911が乗り上げ機構部2910と係合する際は、係合突片2922は、乗り上げ機構部2910の係合凸部2914同士の間を移動(回転)可能に、空間領域2919に位置するように設けられ、この状態では、係合突片2922の裏面が段差面2906に載置されるように該段差面2906と当接した状態になっている。
図中、2923は、係合凸部2914に隣接してベース部2921の裏面側に設けられる乗り上げ部材であり、これらの乗り上げ部材2923は、傾斜面2924及び乗り上げ面2925を有する断面略直角三角形状(後述の図29−10参照)に形成されている。つまり、乗り上げ部材2923は、図29−5(2)に示すように、乗り上げカム2911が乗り上げ機構部2910と係合する際、傾斜面2924及び乗り上げ面2925が、乗り上げ突部2918の傾斜面2916及び乗り上げ面2917と係合するよう、空間領域2919に位置するように設けられる。なお、乗り上げ部材2923と対応するベース部2921の表面部には、乗り上げ部材2923と略同形状であって、該乗り上げ部材2923よりも小さな溝2926が穿設されている。
図29−8、29−9、29−10を用いて、次に、ワイヤ巻取部2774において、巻き取りプーリー2777とウォーム歯車2772とを回転軸2768で連結した場合の構成について説明する。図29−8は、乗り上げカム2911が乗り上げ機構部2910に乗り上げていない場合のワイヤ巻取部2774の状態を示す説明図、図29−9は、乗り上げカム2911が乗り上げ機構部2910に乗り上げている場合のワイヤ巻取部2774の状態を示す説明図、図29−10は、乗り上げカム2911と乗り上げ機構部2910との係合状態を示す説明図である。なお、ここでは、説明容易のため、カバー部材2939、コイルスプリング2963、ワッシャー2964及び蓋2965などの部品は省略している。
上述したように、ワイヤ巻取部2774において、巻き取りプーリー2777は、図29−8、29−9に示すように、ウォーム歯車2772の下方に設けられ、ウォーム歯車2772の回転に連動して双方向(正回転、逆回転)に回転可能に設けられている。つまり、モータ2770の回転に連動してウォームギア2773(ウォーム2771及びウォーム歯車2772)が回転することにより、巻き取りプーリー2777は回転するようになっている。
ここで、モータ2770が時計回りに正回転した場合(ワイヤ2760a,2760bが巻き取られる場合)、上記したワンウェイクラッチ2970の作用により、ウォーム歯車2772が正回転しても、回転軸2768はそれに連動することなく回転しないように構成されている。そして、回転軸2768が回転しない状態では,図29−8(2)に示すように、乗り上げカム2911は、乗り上げ機構部2910に乗り上げない状態を維持する。なお、図29−8(2)では、説明容易のため、図29−8(1)の構成から巻き取りプーリー2777を除外した図となっている。
すなわち、ウォーム歯車2772が正回転している場合(ワイヤ2760a,2760bが巻き取られる場合)、図29−10(1)に示すように、乗り上げ部材2923(乗り上げカム2911)の傾斜面2924と、乗り上げ突部2918(乗り上げ機構部29
10)の傾斜面2916とがピッタリと重合し、且つ、図29−10(3)に示すように、係合突片2922(乗り上げカム2911)の一端部2922aと係合凸部2914(乗り上げ機構部2910)の一側面2914aとが当接しており、これにより、乗り上げカム2911は、乗り上げ機構部2910に乗り上げない状態を維持する。また、一端部2922a及び一側面2914aは、乗り上げカム2911の正回転を規制する機能を有している。
また、この乗り上げカム2911が乗り上げ機構部2910に乗り上げない状態では、コイルスプリング2963(図29−1参照)の付勢力により、図29−8(1)に示すように、ウォーム歯車2772のギア部2769と巻き取りプーリー2777のギア部2803とは強固に噛合しており、これによりウォーム歯車2772から巻き取りプーリー2777への動力(トルク)伝達が行われ、巻き取りプーリー2777は正回転してワイヤ2760a,2760bが巻き取られることになる。
なお、ワイヤ巻取部2774において、ウォーム歯車2772と巻き取りプーリー2777との間には、図示しないトルクリミッタが設けられており、このトルクリミッタ作動時には、ウォーム歯車2772がそれ以上回転しても、ウォーム歯車2772から巻き取りプーリー2777へのそれ以上のトルク伝達は遮断され、巻き取りプーリー2777は回転せずに、停止状態を維持するようになっている。
一方、図29−8に示す状態から、モータ2770が反時計回りに逆回転した場合(ワイヤ2760a,2760bが巻き取られる場合)、上記したワンウェイクラッチ2970の作用により、ウォーム歯車2772が逆回転すると、回転軸2768はそれに連動して逆回転するように構成されている。そして、回転軸2768が逆回転すると、その回転に連動して乗り上げカム2911が逆回転することにより、乗り上げ部材2923は、図29−10(1)に示す状態から、傾斜面2924が乗り上げ突部2918の傾斜面2916上を摺動し、図29−10(2)に示すように、乗り上げ面2925が乗り上げ突部2918の乗り上げ面2917に乗り上げた状態となる。
しかして、乗り上げ部材2923の乗り上げ面2925が乗り上げ突部2918の乗り上げ面2917に乗り上げると、図29−9(1)に示すように、乗り上げカム2911に連結された回転軸2768が上方に移動し、その移動に連動してウォーム歯車2772がコイルスプリング2963の付勢力に抗して上昇するようになる。この構成により、ウォーム歯車2772のギア部2769と巻き取りプーリー2777のギア部2803との噛合が解除され、ウォーム歯車2772から巻き取りプーリー2777への動力(トルク)伝達が遮断される。
更に、乗り上げ部材2923の乗り上げ面2925が乗り上げ突部2918の乗り上げ面2917に乗り上げた状態では、図29−10(4)に示すように、係合突片2922(乗り上げカム2911)の他端部2922bと係合凸部2914(乗り上げ機構部2910)の他側面2914bとが当接しており、つまり、他端部2922b及び他側面2914bは、乗り上げカム2911の逆回転を規制する機能を有している。
そして、ウォーム歯車2772から巻き取りプーリー2777への動力伝達が遮断されると、巻き取りプーリー2777は回転フリーの状態となり、上述した基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bの付勢力により巻き取りプーリー2777が逆回転してワイヤ2760a,2760bが送り出され、移動回転体190が進出位置に移動することになる。
ここで、乗り上げ部材2923の乗り上げ面2925が乗り上げ突部2918の乗り上
げ面2917に乗り上げた状態、すなわち乗り上げカム2911が乗り上げ機構部2910に乗り上げた状態は(図29−9(2)、図29−10(2),(4)参照)、巻き取りプーリー2777(モータ2770)の逆回転が停止するまで、つまりワイヤ2760a,2760bの送り出しが終了して移動回転体190が進出位置に移動するまで維持され、その後、モータ2770の逆回転が停止してウォーム歯車2772への動力(トルク)伝達が遮断されると、コイルスプリング2963の付勢力により乗り上げ部材2923の傾斜面2924及び乗り上げ面2925が、乗り上げ突部2918の傾斜面2916を摺動して乗り上げカム2911が正回転することにより、乗り上げカム2911は、逆回転する前の位置、すなわち図29−9(2)、図29−10(1),(3)の位置に復帰するように構成されている。なお、乗り上げカム2911が逆回転する前の位置に復帰する際、一端部2922aが係合凸部2914の一側面2914aに当接することにより、それ以上の乗り上げカム2911の正回転を規制する。なお、図29−9(2)では、説明容易のため、図29−9(1)の構成から巻き取りプーリー2777を除外した図となっている。
[フレキシブルフラットケーブルの保護部材の構成]
図27−1に戻って、サイドプレート2706bには、移動回転体190が原点位置にあるか否かを検出する原点位置検出センサ3025(後述の図30−2参照)が設けられており、この原点位置検出センサ3025は、第2ガイド部材2741bの後側であって基本コイルスプリング2730bの下端が止着される2732b近傍に配置されている。原点位置検出センサ3025は、光センサで構成され、移動回転体190が原点位置に位置する場合に、覆い部材2948bの下端に設けられた遮光部材(図示省略)が光センサの発光部と受光部との間に進入して光を遮断することにより、移動回転体190が原点位置にあるか否かを検出する。そして、原点位置検出センサ3025は、移動回転体制御基板2725とハーネス2789で接続され、検出結果、すなわち移動回転体190が原点位置にあるか否かを示す信号を移動回転体制御基板2725に出力する。なお、原点位置検出センサ3025は、磁気センサなど、他のセンサで構成してもよい。また、原点位置検出センサ3025は、サイドプレート2706aに設けるようにしてもよい。
図29−Aに示すように、移動回転体制御基板2725には、フレキシブルフラットケーブル(FFC)2790の一端が接続されており、その他端は、移動回転体190に内蔵される後述の図30−1,30−2に示す中継基板3020に接続されている。図中、2791は、フレキシブルフラットケーブル2790を保護するための保護部材であって、この保護部材2791は、樹脂等の透明材料により内部が視認可能な薄肉中空状に形成され、その内部にフレキシブルフラットケーブル2790が遊挿されるようになっている。なお、図29−Aは、移動回転体190が進出位置に位置している場合の、フレキシブルフラットケーブル2790及び保護部材2791の状態を示す説明図である。以下、保護部材2791の構成について詳細に説明する。
保護部材2791には、基本プレート2704と接続する下端(原点側の端部)に形成される下ヒンジ部2792と、移動回転体190と接続する上端(進出側の端部)に形成される上ヒンジ部2793と、下ヒンジ部2792と上ヒンジ部2793との間に形成される中ヒンジ部2792とが設けられ、移動回転体190の移動(原点位置と進出位置との間の移動)に伴ってこれら3つのヒンジ部2792,2793,2794が回動することにより、保護部材2791が中ヒンジ部2794箇所で略「く」の字状に折れ曲がったり伸びたりして、伸縮するようになっている。
図29−Bは、保護部材2791の分解斜視図であり、図29−Cは、保護部材2791と基本プレート2704の接続状態を示す斜視図であり、図29−Dは、保護部材2791と移動回転体190との接続状態を示す斜視図である。なお、図29−C、29−D
は、図29−Aの反対側から視た図となっている。図29−Bに示すように、保護部材2791は、原点位置側に配置される長尺状のベース長部2927と、進出位置側に配置される短尺状のベース短部2928とを有している。なお、図29−Bにおいて、ベース長部2927は、図29−Aに示すベース長部2927を上下逆にして視た状態を示しており、ベース短部2928は、図29−Dに示すベース短部2928と同じ方向から視た状態を示している。
下ヒンジ部2792と中ヒンジ部2794との間に設けられるベース長部2927は、ケーブル挿入部2929を有しており、このケーブル挿入部2929は、対面する一対の波板2937a,2937b及び側面板2985により一側面が開口された略コの字状溝であって、全体が細長い略S字の波形状に形成されている。従って、このケーブル挿入部2929にフレキシブルフラットケーブル2790を挿入することにより、ベース長部2927において、フレキシブルフラットケーブル2790は保護部材2791の変動に拘わらず略S字の波形状態の姿勢を保持することが可能となっている。
図29−Bにおいて、2930は、下ヒンジ部2792を構成するベース長部2927の下ヒンジ部材であり、2931は、中ヒンジ部2794を構成するベース長部2927の中ヒンジ部材である。下ヒンジ部材2930は、ベース長部2927の端部(原点位置側)であって波板2937a端部に連接するように、筒状のケーブル誘導部2932を有している。ケーブル誘導部2932は、保護部材2791(ケーブル挿入部2929)から露出したフレキシブルフラットケーブル2790を、移動回転体制御基板2725の該フレキシブルフラットケーブル2790を接続するコネクタ2981(図29−A参照)側に誘導する機能を有している。つまり、ケーブル誘導部2932は、図29−Aに示すように、下ヒンジ部材2930において、ベース長部2927から露出したフレキシブルフラットケーブル2790を、自身の円弧状の外周面に沿わせて方向転換させ、コネクタ2981側に直線的に誘導するようになっている。
また、ケーブル誘導部2932の内部には、後述する蓋部材2933を螺着するためのボス2934が設けられている。更に、ケーブル誘導部2932の蓋部材2933と反対側の端部には、鍔部2935aが形成され、この鍔部2935aには、外側に向かって突出するように、回転軸2936aが突設されている。
中ヒンジ部材2931は、ケーブル誘導部2932と反対側のベース長部2927の端部(進出位置側)であって、波板2937a端部に連接するように円弧板状のケーブル誘導板2983を有している。ケーブル誘導板2983は、中ヒンジ部2794による保護部材2791の折れ曲がり回動の際、フレキシブルフラットケーブル2790を、露出しないように保護すると共に自身の円弧状の内周面に沿わせて方向転換させ、ベース短部2928側に誘導する機能を有している(図29−E、29−F参照)。
ケーブル誘導板2983の側面には、ケーブル挿入部2929の開口と反対側の側面板2985から連なる略円状のサイドカバー2984aが設けられており、このサイドカバー2984aの略中央からベース短部2928側に向かって、該ベース短部2928を回動自在に軸支するための回転軸2986が突設されている。なお、この回転軸2986には、後述の座付ネジ2987が螺着される孔2988が穿設されている。また、波板2937aにおいて、下ヒンジ部材2930と中ヒンジ部材2931との略中央箇所には、蓋部材2933を螺着するためのボス2989が付設されている。
蓋部材2933は、ケーブル挿入部2929の開口部を閉塞する該開口部と略同形状に形成された閉塞板2990を有し、この閉塞板2990の端部には、ベース長部2927の下ヒンジ部材2930と対向するように下ヒンジ部材2991が設けられている。この
下ヒンジ部材2991には、閉塞板2990に連接するように止着板2992が設けられ、止着板2992の略中央には、ケーブル誘導部2932の内部に嵌まり込んでボス2934と係合するボス2993が突設されている。また、止着板2992において、ボス2993が設けられている箇所には、該ボス2993と連通する孔2994が穿設され、この孔2994を介してボス2934及びボス2993にネジ2995を螺着することにより、下ヒンジ部材2930と下ヒンジ部材2991とが結合される。
また、止着板2992の端部には、鍔部2935aと対向するように、鍔部2935bが設けられている。そして、鍔部2935bには、外側に向かって突出するように、回転軸2936bが突設されている。従って、下ヒンジ部材2930と下ヒンジ部材2991とが結合された状態では、一対の回転軸2936a,2936bが形成され、これら回転軸2936aと回転軸2936bとは、一直線上に対向するように設けられると共に、後述する軸受部材2996(図29−C参照)に回動可能に軸支されるようになっている。
また、閉塞板2990において、ボス2989と対向する位置には、該ボス2989と係合するボス2997が突設されると共に、このボス2997の反対側には該ボス2997と連通する孔2998が穿設され、この孔2998を介してボス2989及びボス2997にネジ2999を螺着する。つまり、蓋部材2933は、ネジ2995及びネジ2999により固着され、これによりフレキシブルフラットケーブル2790がベース長部2927内に略密閉状に遊挿可能となる。
次に、ベース短部2928の構成について説明する。ベース短部2928は、上ヒンジ部2793と中ヒンジ部2794との間に設けられ、ベース長部2927のケーブル挿入部2929と連通するケーブル挿入部2955が形成されている。ケーブル挿入部2955は、対面する一対の円弧板2956a,2956b及び側面板2957により一側面が開口された全体が円弧状の略コの字状溝に形成されている。従って、このケーブル挿入部2955にフレキシブルフラットケーブル2790を挿入することにより、ベース短部2928において、フレキシブルフラットケーブル2790は保護部材2791の変動に拘わらず円弧状態の姿勢を保持することが可能となっている。なお、ベース短部2928の全長は、ベース長部2927の全長の略半分程度に形成されている。
図29−Bにおいて、2958は、上ヒンジ部2793を構成するベース短部2928の上ヒンジ部材であり、2959は、中ヒンジ部2794を構成するベース短部2928の中ヒンジ部材である。上ヒンジ部材2958は、ベース短部2928の端部(進出位置側)であってケーブル挿入部2955に連接するように、筒状のケーブル誘導部2949を有している。ケーブル誘導部2949は、保護部材2791(ケーブル挿入部2955)から露出したフレキシブルフラットケーブル2790を、後述する誘導ローラー2942(図29−D参照)側に誘導するようになっている。つまり、ケーブル誘導部2949は、図29−Dに示すように、上ヒンジ部材2958において、ベース短部2928から露出したフレキシブルフラットケーブル2790を、自身の円弧状の外周面に沿わせて方向転換させ、移動回転体190側に誘導するようになっている。
また、ケーブル誘導部2949の内部は、後述する支持部材2941の回転軸2904にケーブル誘導部2949が回動可能に軸支されるための孔2903が穿設され、側面板2957は、上ヒンジ部材2958側の端部が、図29−Bに示すように、孔2903の周囲を囲むように円形の鍔状に形成されている。
中ヒンジ部材2959は、ケーブル誘導部2949と反対側のベース短部2928の端部(原点位置側)であって、円弧板2956b端部に連接するように筒状のケーブル誘導部2901と、円弧板2956a端部に連接するように円弧板状のケーブル誘導板290
0とを有している。また、ケーブル誘導部2901の端部、つまりケーブル誘導板2900の側面には、ケーブル挿入部2955の開口と反対側の側面板2957から連なる略円状のサイドカバー2984bが設けられており、ケーブル誘導部2901は、このサイドカバー2984bの略中央からベース長部2927側に向かって、回転軸2986が遊挿されるように突設されている。
また、サイドカバー2984bにおいて、ケーブル誘導部2901が設けられている箇所には、該ケーブル誘導部2901と連通する孔2899が穿設され、この孔2899を介して回転軸2986の孔2988に座付ネジ2987を螺着することにより、中ヒンジ部材2931と中ヒンジ部材2959とが結合される。ここで、中ヒンジ部材2931と中ヒンジ部材2959とを結合した状態では、回転軸2986の方がヒンジ部材2959の幅よりもやや長く形成されており、回転軸2986端面に座付ネジ2987の座が当接するようになっている。これにより、回転軸2986を軸として中ヒンジ部材2959が回動可能に軸支され、従って、中ヒンジ部2794においては、ベース長部2927に対してベース短部2928が折れ曲がるように回動可能となる。
なお、この中ヒンジ部2794による保護部材2791の折れ曲がり回動の際、ケーブル誘導部2901は、フレキシブルフラットケーブル2790を自身の円弧状の外周面に沿わせて方向転換させる機能を有し、ケーブル誘導板2900は、フレキシブルフラットケーブル2790が露出しないように保護する機能を有している(図29−E、29−F参照)。また、円弧板2956aにおいて、上ヒンジ部材2958と中ヒンジ部材2959との略中央箇所には、蓋部材2898を螺着するためのボス2897が付設されている。
蓋部材2898は、ケーブル挿入部2955の開口部を閉塞する該開口部と略同形状に形成された閉塞板2896を有し、この閉塞板2896の端部であってボス2897と対向する位置には、該ボス2897と係合するボス2895が突設されている。また、閉塞板2896において、ボス2895の反対側には該ボス2895と連通する孔2894が穿設され、この孔2894を介してボス2897及びボス2895にネジ2893を螺着する。つまり、蓋部材2898は、ネジ2893により固着され、これによりフレキシブルフラットケーブル2790がベース短部2928内に略密閉状に遊挿可能となる。すなわち、保護部材2791(ベース長部2927及びベース短部2928)内にフレキシブルフラットケーブル2790が略密閉状に遊挿可能となる。
図29−Cを用いて、次に、保護部材2791と基本プレート2704の接続状態について説明する。なお、図29−Cは、移動回転体190が進出位置に位置している場合の、フレキシブルフラットケーブル2790及び保護部材2791の状態を示している(図29−A参照)。基本プレート2704の奥側であって、移動回転体制御基板2725の後方には(図27−1参照)、保護部材2791の下ヒンジ部2792を回動自在に軸支する軸受部材2996が立設されている。軸受部材2996は、左右に矩形板状の軸受部2892a,2892bを有しており、軸受部2892aと軸受部2892bとの間には、切欠部2892が設けられ、この切欠部2892の下側に軸受部2892aと軸受部2892bとを連結する連結部2889が設けられている。
また、軸受部2892a,2892bの下方には、これら軸受部2892a,2892bから基本プレート2704側に延設された段組状の枠部材2891が設けられており、この枠部材2891に軸受部2892a,2892b及び連結部2889がネジ2888で螺着されている。そして、軸受部2892a,2892bが取り付けられた枠部材2891は、ネジ2890等により基本プレート2704に螺着され、これにより軸受部材2996が基本プレート2704に固着される。
しかして、切欠部2892は断面凹状に形成され、この凹状箇所に保護部材2791の下ヒンジ部2792が位置するように、該保護部材2791が軸受部材2996に取り付けられる。ここで、軸受部2892a,2892bには、保護部材2791(ベース長部2927)の回転軸2936a,2936b(図29−B参照)を遊挿するための一対の軸孔(図示省略)が、切欠部2892との接面から左右方向に延びるように穿設されている。つまり、保護部材2791は、回転軸2936a,2936bを軸孔に遊挿することにより、軸受部材2996(軸受部2892a,2892b)に回動可能に軸支されることになる。なお、図29−Cにおいて、2887は、ランプ制御基板340から延びて移動回転体制御基板2725に接続されるハーネス2776を纏め、その引き回しを良くするためのハーネス処理部であって、このハーネス処理部2887は、軸受部2892bからモータ2770側に延設され、ハーネス処理部2887が備える開口通路にハーネス2776を挿通するようになっている。
図29−Dを用いて、次に、保護部材2791と移動回転体190の接続状態について説明する。なお、図29−Dは、移動回転体190が進出位置に位置している場合の、フレキシブルフラットケーブル2790及び保護部材2791の状態を示している(図29−A参照)。移動回転体190の左下側の裏側には(図27−1参照)、保護部材2791の上ヒンジ部2793を回動自在に軸支する支持部材2941が設けられている。
支持部材2941は、後述する本体カバー3001(図30−1参照)に一体的に形成される、樹脂等の透明材料により内部が視認可能な部材であって、本体カバー3001の左下側の裏側から基本プレート2704側に延びる薄板状の覆い板部2886と、覆い板部2886の端部と当接して該覆い板部2886と直交するサイド板2885とを有している。
図29−Dにおいて、サイド板2885は、保護部材2791の上ヒンジ部2793に隣接するように該上ヒンジ部2793の左側に位置し、その下部に回転軸2904が上ヒンジ部2793側に向かって突設されている。なお、サイド板2885の下方部分は、覆い板部2886から露出するように該覆い板部2886から下方に向かって突出した状態となっており、回転軸2904は、この覆い板部2886から突出した部分に形成されている。そして、この回転軸2904は、図29−Bに示したベース短部2928の上ヒンジ部材2958に遊挿されるようになっている。
すなわち、サイド板2885から突出した回転軸2904は、上ヒンジ部材2958のケーブル誘導部2949に側面板2957から先端が突出した状態で遊挿され、この回転軸2904の先端側に設けられた軸孔(図示省略)に座付ネジ2884を螺着することにより、上ヒンジ部材2958を回動自在に軸支するようになっている。これにより、保護部材2791(上ヒンジ部2793)は、支持部材2941に回動可能に取り付けられることになる。
また、サイド板2885には、図29−Dに示すように、保護部材2791の上ヒンジ部2793の直ぐ上の斜め後方側に、誘導ローラー2942が設けられており、この誘導ローラー2942は、座付ネジ2883が螺着された図示しない回転軸が遊挿され、上ヒンジ部材2958と同じ方向に回動可能になっている。そして、この誘導ローラー2942は、覆い板部2886と近接して設けられており、保護部材2791の上ヒンジ部2793から誘導されたフレキシブルフラットケーブル2790は、誘導ローラー2942と覆い板部2886との隙間を通過するように該誘導ローラー2942の外周面に沿って移動回転体190側へと導出されるようになっている。この際、覆い板部2886は、フレキシブルフラットケーブル2790の誘導ローラー2942に対する巻着状態の弛みを抑
止する。
すなわち、フレキシブルフラットケーブル2790は、保護部材2791の上ヒンジ部2793の前側を通過後、直ちに誘導ローラー2942の後側を通過する略S字状の通過経路を経た後、移動回転体190側へ導出され、その後、移動回転体190の下面側を沿うようにしてサイドカバー2902b内に進入してから、後述する移動回転体190の本体3000内部に設けられる中継基板3020に接続されるようになっている。これにより、移動回転体制御基板2725は、ハーネス2776によりランプ制御基板340(演出制御基板320)から入力したコマンドに基づいて生成した制御信号を、フレキシブルフラットケーブル2790を介して中継基板3020に出力可能となる。その結果、移動回転体190は、当該遊技機100の遊技状態に合わせて所定の態様に駆動制御される。
図29−A、29−E、29−Fを用いて、次に、移動回転体190の移動に係わって変化する保護部材2791の状態について説明する。なお、以下の説明では、図27−1、27−2、29−Bも併せて参照されたい。基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bが最も伸長して移動回転体190が進出位置にあるときは、図27−1、29−Aに示すように、保護部材2791は、中ヒンジ部2792の箇所が下ヒンジ部2792及び上ヒンジ部2793よりもやや前方に位置し、下ヒンジ部2792と上ヒンジ部2793とは、中ヒンジ部2792からほぼ同じ距離だけ後方側に位置し、全体として中ヒンジ部2792箇所で緩やかに折れ曲がった「く」の字状態(ベース長部2927とベース短部2928との角度が165度程度)になっている。また、この状態では、中ヒンジ部2792において、ベース長部2927のケーブル誘導板2983が、ベース短部2928のケーブル誘導板2900の略全体を覆うように重なっている。なお、図29−Aは、移動回転体190が進出位置に位置している場合の保護部材2791の状態を示す説明図である。
一方、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bが最も縮小して移動回転体190が原点位置にあるときは、図27−2、29−Eに示すように、保護部材2791は、中ヒンジ部2792の箇所が下ヒンジ部2792及び上ヒンジ部2793よりも大きく前方に位置し、ベース長部2927とベース短部2928とが重合するように全体が完全に折れ曲がった状態(ベース長部2927とベース短部2928との角度が5度程度)となっている。ただし、この状態においても、図29−Eに示すように、ベース長部2927の波形状とベース短部2928の円弧形状により、ベース長部2927とベース短部2928とは非接触状態を保っている。これにより、保護部材2791が破損することを抑止する。また、この状態では、中ヒンジ部2792において、ベース長部2927のケーブル誘導板2983が、ベース短部2928のケーブル誘導板2900を僅かに覆うように重なっており、上ヒンジ部2793は、前後方向において下ヒンジ部2792と中ヒンジ部2792とのほぼ中間に位置している。なお、図29−Eは、移動回転体190が原点位置に位置している場合の保護部材2791の状態を示す説明図である。
また、図29−Fに示すように、移動回転体190が、原点位置から進出位置に移動する過程であって、補助コイルスプリング2735a,2735bが最も伸長し、基本コイルスプリング2730a,2730bが略半分程度伸長して移動回転体190が後述する第2位置にあるときは、保護部材2791は、中ヒンジ部2792の箇所が、移動回転体190が原点位置にあるときの位置と進出位置にあるときの位置とのほぼ中間(図29−Aに示す位置と、図29−Eに示す位置とのほぼ中間)に位置し、全体として中ヒンジ部2792箇所で折れ曲がった「つ」の字状態(ベース長部2927とベース短部2928との角度が80度程度)になっている。また、この状態では、中ヒンジ部2792において、ベース長部2927のケーブル誘導板2983が、ベース短部2928のケーブル誘
導板2900の半分程度を覆うように重なっており、上ヒンジ部2793は、前後方向において下ヒンジ部2792よりもやや前方(図29−Aに示す位置と、図29−Eに示す位置とのほぼ中間)に位置している。なお、図29−Fは、移動回転体190が第2位置に位置している場合の保護部材2791の状態を示す説明図である。
つまり、保護部材2791において、ベース長部2927のケーブル誘導板2983とベース短部2928のケーブル誘導板2900との関係は、移動回転体190が進出位置にあるとき、ケーブル誘導板2983とケーブル誘導板2900とが最大で重なり合い、移動回転体190が原点位置にあるとき、ケーブル誘導板2983とケーブル誘導板2900とが最小で重なり合い、移動回転体190が原点位置と進出位置との中間にあるとき、ケーブル誘導板2983とケーブル誘導板2900とが最大未満且つ最小より大きく重なり合うように構成されている。この構成により、保護部材2791は、移動回転体190が何れの位置にある場合であっても、フレキシブルフラットケーブル2790が該保護部材2791から露出するのを防止している。その結果、フレキシブルフラットケーブル2790の折れ曲がりを抑止できると共に、フレキシブルフラットケーブル2790が遊技者や他部品等との接触により損傷することがない。
しかも、フレキシブルフラットケーブル2790は、各ヒンジ間、つまり下ヒンジ部2792と中ヒンジ部2792との間、及び、上ヒンジ部2793と中ヒンジ部2794との間が略波形状及び円弧形状に形成された保護部材2791に遊挿されているので、保護部材2791の中で、同様に遊びを持って波形状及び円弧形状を維持するようになっている。これにより、例えば直線状の保護部材に遊びなくフレキシブルフラットケーブル2790が挿入されている場合に比して、移動回転体190の移動に伴ってフレキシブルフラットケーブル2790が緊張した場合であっても、該フレキシブルフラットケーブル2790が切断等して損傷するのを防止することができ、その結果、耐久性が向上する。
更に、保護部材2791は、移動回転体190が何れの位置に移動しても、その移動は、図27−1、27−2に示すA−A断面(移動回転体190の左右水平方向に対して直交する予め定められた平面)で形成される同一平面上の範囲内となっている。つまり、保護部材2791は、移動回転体190が何れの位置に移動しても、図27−1、27−2において左右方向に移動することがない。換言すれば、保護部材2791は、移動回転体190の進出方向と平行する予め定められた平面上のみを移動するようになっている。これにより、移動回転体190の移動に伴って保護部材2791(フレキシブルフラットケーブル2790)が移動しても、該保護部材2791は、左右に振れたり、左右方向へ移動したりすることがなく、その結果、保護部材2791の左右に配置された種々の部品や装置と保護部材2791とが、干渉することがない。
[移動回転体の構成]
図30−1、30−2、31−1、31−2を用いて、次に、移動回転体190の構成について説明する。図30−1は、移動回転体190の内部構成を示す説明図、図30−2は、移動回転体ユニット2700の機能ブロックを主に表す図、図31−1は、第1停止面3106が停止しているときの移動回転体190の点灯状態を示す説明図、図31−2は、第2停止面3107が停止しているときの移動回転体190の点灯状態を示す説明図である。
図30−1を参照して、移動回転体190は、本体3000と、本体カバー3001と、上述のサイドカバー2902a,2902bとを有している。本体カバー3001は、本体3000の外側に中央が大径の略筒状に形成され、その内部に本体3000を内蔵するようになっている。本体カバー3001は、樹脂などの材料により透明に形成されて内部の本体3000が視認可能になっており、その左右両端にサイドカバー2902a,2
902bが固着されるようになっている。
本体3000は、アウター3003と、駆動機構部3005とを有している。アウター3003は、上記した本体カバー3001と略同じ形状であって、本体カバー3001よりも一回り小さく形成されている。アウター3003には、その表面半分に図31−1に示す第1停止面3106と、第1停止面3106の反対側(表面半分)に図31−2に示す第2停止面3107とを備えている。
第1停止面3106には、中央に丸形状を形成するレンズ3108と、レンズ3108の左右両側に対称に略三角形状を形成するレンズ3109a,3109bとからなる星レンズ3110が設けられており、第2停止面3107には、アルファベットの「A」「B」「C」の文字形状を形成するレンズ3111,3112,3113とからなるロゴレンズ3114が設けられている。これら、星レンズ3110及びロゴレンズ3114は、後述の図30−1に示すLED3021により、所定の態様で発光する。なお、図31−1において、(A)は第1停止面3106が発光している場合、(B)は第1停止面3106が消灯している場合を示しており、図31−2において、(A)は第2停止面3107が発光している場合、(B)は第2停止面3107が消灯している場合を示している。また、図31−1,31−2においては、サイドカバー2902a,2902bは省略している。
図30−1に示すように、駆動機構部3005は、アウター3003の内部に設けられ、その略中央にはベース板3016が設けられている。このベース板3016は、左右両端がサイドカバー2902a,2902bに固着されている。なお、図30−1は、移動回転体190のうち、本体カバー3001及びアウター3003などの手前半分の構成を取り除いた図となっている。
ベース板3016には、右端側にモータ3017と、手前側に中継基板3020とが取り付けられている。図中、3018は、モータ3017のモータ軸であり、このモータ軸3018の両端部には、回転ホイール3019a,3019bが軸着されている。そして、この回転ホイール3019a,3019bは、その周縁部がアウター3003両端の周壁に沿って取り付けられている。
従って、モータ3017の駆動によりモータ軸3018が回転すると、その回転に連動して回転ホイール3019a,3019bが回転する。すなわち、移動回転体190において、第1停止面3106及び第2停止面3107を有するアウター3003が、モータ軸3018を中心にして回転(揺動)する。なお、モータ3017は、ステッピングモータであり、中継基板3020を介して移動回転体制御基板2725とフレキシブルフラットケーブル2790で接続され、移動回転体制御基板2725からの指令に基づいて、双方向(正回転、逆回転)に所定のステップ数回転可能に制御される。
中継基板3020の前面側には、アウター3003の星レンズ3110(第1停止面3106)及びロゴレンズ3114(第2停止面3107)に対応するように複数のLED3021(例えば、フルカラーLED)が設けられており、これらのLED3021は、中継基板3020を介して移動回転体制御基板2725とフレキシブルフラットケーブル2790で接続され、移動回転体制御基板2725からの指令に基づいて、所定の態様に点灯制御される。なお、図示していないが、中継基板3020とアウター3003との間には、リフレクターレンズが設けられており、このリフレクターレンズにより、第1停止面3106及び第2停止面3107を効率よく発光可能としている。
また、ベース板3016の左端部には、アウター3003が所定位置にあるか否かを検
出する回転位置検出センサ3027(図30−2参照)が設けられており、この回転位置検出センサ3027は、光センサで構成され、アウター3003が所定位置に位置する場合に、回転ホイール3019bに設けられた遮光部材(図示省略)が光センサの発光部と受光部との間に進入して光を遮断することにより、アウター3003が所定位置にあるか否かを検出する。例えば、遮光部材を90度間隔で回転ホイール3019bに4箇所設け、アウター3003の原点位置(例えば、第1停止面3106で停止している位置)と、この原点位置から90度毎の回転位置を検出するようにしてもよい。このようにすれば、モータ3017のステップ数と回転位置検出センサ3027とにより、より精度高くアウター3003の回転制御を実行することが可能となる。そして、回転位置検出センサ3027は、中継基板3020を介して移動回転体制御基板2725とフレキシブルフラットケーブル2790で接続され、検出結果、すなわちアウター3003が所定位置にあるか否かを示す信号を移動回転体制御基板2725に出力する。なお、回転位置検出センサ3027は、磁気センサなど、他のセンサで構成してもよい。
図30−2を参照して、上述したように、移動回転体ユニット2700は、ランプ制御基板340とハーネス2776により接続され、移動回転体ユニット2700の備える移動回転体制御基板2725が、ランプ制御基板340(演出制御基板320)からの指令(コマンド)等に基づいて、移動回転体190の各種動作を制御するようになっている。
移動回転体制御基板2725は、CPU3010a、ROM3010b、RAM3010cなどからなるワンチップマイコン3010を備え、移動回転体制御基板2725にハーネス2775で接続された、移動回転体190の原点位置と進出位置との間の移動に係わるモータ(ステッピングモータ)2770を、ランプ制御基板340からの指令に基づいて双方向(正回転、逆回転)に所定のステップ数だけ駆動(回動)制御する。
また、移動回転体制御基板2725は、ハーネス2789により原点位置検出センサ3025が接続されており、この原点位置検出センサ3025から移動回転体190が原点位置にあるか否かを示す信号が入力されるようになっている。つまり、移動回転体制御基板2725は、ランプ制御基板340からの指令と原点位置検出センサ3025からの検出結果とに基づいて、後述するような移動回転体190の原点位置と進出位置との間の移動に係わって、該移動回転体190を所定の動作に駆動制御する。
また、移動回転体制御基板2725は、フレキシブルフラットケーブル2790により移動回転体190の内部に設けられた中継基板3020と接続されており、この中継基板3020には、移動回転体190の内部に設けられた、移動回転体190の回転駆動に係るモータ(ステッピングモータ)3017、LED3021及び回転位置検出センサ3027が接続されている。
すなわち、モータ3017は、フレキシブルフラットケーブル2790を介して移動回転体制御基板2725からの指令を入力し、この入力した指令に基づいて、アウター3003を双方向(正回転、逆回転)に所定のステップ数だけ駆動(回動)制御する。ここで、移動回転体制御基板2725には、回転位置検出センサ3027により、アウター3003が所定位置にあるか否かの、アウター3003の位置情報を示す信号が入力されるようになっている。従って、移動回転体制御基板2725は、モータ3017を所定のステップ数だけ駆動制御することにより、アウター3003を、所定の態様に回転制御すると共に、第1停止面3106又は第2停止面3107にて正確に停止することが可能となる。
なお、移動回転体制御基板2725は、連続駆動することによりモータ3017が加熱して故障や誤作動等のトラブルが発生するのを抑止するための、後述のモータ加熱抑止処理も行うようになっている。これについては、後に詳述する。
また、LED3021は、フレキシブルフラットケーブル2790を介して移動回転体制御基板2725からの指令を入力し、この入力した指令に基づいて、アウター3003の第1停止面3106又は第2停止面3107を、所定の態様で発光(点灯、消灯、点滅、発光色等)することが可能となっている。
なお、上記では、移動回転体制御基板2725(移動回転体ユニット2700)は、ランプ制御基板340に接続するようにしたが、これは、演出制御基板320や画像制御基板330に接続するようにしてもよい。すなわち、移動回転体制御基板2725(移動回転体ユニット2700)は、ランプ制御基板340以外のその他のサブ側の基板(主制御基板300から単方向に指令(コマンド)を受けて動作する基板)に接続するようにしてもよい。
[移動回転体制御基板のモータ加熱抑止処理]
図30−3、30−4、30−5、30−6を用いて、移動回転体制御基板2725のCPU3010aが実行するモータ加熱抑止処理について説明する。図30−3は、移動回転体制御基板2725のCPU3010aによって行われるモータ加熱抑止処理の内容を示すフローチャートである。なお、このモータ加熱抑止処理は、移動回転体190の回転駆動に係るモータ3017の加熱を抑止するための処理であって、所定の周期(例えば4ms)毎に繰り返し実行される。また、移動回転体制御基板2725は、このモータ加熱抑止処理以外にも、モータ3017の移動回転体190の回転駆動に係る制御処理や、移動回転体190の原点位置と進出位置との間の移動に係るモータ2770の制御処理、及び、移動回転体190の発光に係るLED3021の制御処理など、その他の処理も実行するが、ここでの説明は省略する。
図30−3を参照して、モータ加熱抑止処理が開始されると、まず、ステップS3000(以下、ステップSは、単に「S」ともいう)において、CPU3010aは、モータ駆動休止処理を実行する。図30−4は、移動回転体制御基板2725のCPU3010aによって行われるモータ駆動休止処理の内容を示すフローチャートである。
図30−4を参照して、モータ駆動休止処理が開始されると、まず、S3002において、CPU3010aは、RAM3010cに記憶されたモータ休止フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する。ここで、モータ休止フラグは、「ON」に設定されているときはモータ3017が休止中で駆動不能状態であることを示し、「OFF」に設定されているときはモータ3017が駆動可能状態であることを示すフラグである。そして、CPU3010aは、モータ休止フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(S3002でYES)、このモータ駆動休止処理を終了し、モータ休止フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合(S3002でNO)、S3004に移行する。
S3004において、CPU3010aは、モータ3017が1秒間継続して励磁されたか否か、すなわち、移動回転体190(アウター3003)が、所定の演出を行うために1秒間継続して回転駆動されたか否かを判定する。そして、CPU3010aは、モータ3017が1秒間継続して励磁されていないと判定した場合(S3004でNO)、このモータ駆動休止処理を終了し、モータ3017が1秒間継続して励磁されていると判定した場合(S3004でYES)、S3006に移行する。
S3006において、CPU3010aは、モータ3017が1秒間継続して励磁されたことに基づいて、RAM3010c上に形成されるカウンタKCに「5」を加算(+5)し、加算後のカウンタKCの値をRAM3010cの所定記憶領域に格納する。つまり、カウンタKCは、モータ3017が1秒間駆動する毎に5ずつカウントアップされるカウンタとなっている。なお、カウンタKCは、「0」以上の整数の値をとり、その初期値
は、「0」が設定される。
S3006の処理を終えるとS3008に移行して、CPU3010aは、カウンタKCの値が、「600」以上になったか否かを判定する。ここで、CPU3010aは、カウンタKCの値が「600」以上になっていないと判定した場合(S3008でNO)、このモータ駆動休止処理を終了し、カウンタKCの値が「600」以上になっていると判定した場合(S3008でYES)、S3010に移行する。
S3010において、CPU3010aは、カウンタKCの値が「600」以上になったことに基づいて、モータ3017の駆動を一時的に停止、すなわち休止する。そして、S3010の処理を終えるとS3012に移行して、CPU3010aは、モータ休止フラグを「ON」に設定する。そして、このモータ駆動休止処理を終了する。
つまり、このモータ駆動休止処理では、モータ3017が1秒間駆動してカウンタKCに「5」が加算された結果、該カウンタKCの値が「600」以上になった場合には、モータ3017の駆動を休止し、それと共に、モータ休止フラグを「ON」に設定する処理となっている。
図30−3に戻って、S3000のモータ駆動休止処理を終えると、CPU3010aは、S3050に移行して、モータ復帰(駆動休止解除)処理を実行する。図30−5は、移動回転体制御基板2725のCPU3010aによって行われるモータ復帰(駆動休止解除)処理の内容を示すフローチャートである。
図30−5を参照して、モータ復帰(駆動休止解除)処理が開始されると、まず、S3052において、CPU3010aは、モータ3017が1秒間継続して停止しているか否かを判定する。ここで、モータ3017の停止とは、モータ3017の休止(モータ休止フラグが「ON」)は元より、モータ休止フラグが「OFF」(モータ3017が駆動可能状態)になっていも、モータ3017が駆動していない場合も含むものである。すなわち、モータ3017停止とは、モータ休止フラグのオンオフに係わらずモータ3017が駆動していない状態であって、モータ3017休止よりも大きな概念である。
S3052において、CPU3010aは、モータ3017は1秒間継続して停止していないと判定した場合(S3052でNO)、このモータ復帰(駆動休止解除)処理を終了し、モータ3017は1秒間継続して停止していると判定した場合(S3052でYES)、S3054に移行する。S3054に移行すると、CPU3010aは、モータ3017が1秒間継続して停止されたことに基づいて、カウンタKCから「1」を減算(−1)し、減算後のカウンタKCの値をRAM3010cの所定記憶領域に格納する。つまり、カウンタKCは、モータ3017が1秒間停止(休止)する毎に1ずつカウントダウンされるカウンタとなっている。
そして、S3056の処理を終えるとS3058に移行して、CPU3010aは、カウンタKCの値が、「550」未満になったか否かを判定する。ここで、CPU3010aは、カウンタKCの値が「550」未満になっていないと判定した場合(S3058でNO)、このモータ復帰(駆動休止解除)処理を終了し、カウンタKCの値が「550」未満になっていると判定した場合(S3058でYES)、S3060に移行する。
S3060において、CPU3010aは、上記のS3002と同様に、モータ休止フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する。そして、CPU3010aは、モータ休止フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(S3060でNO)、このモータ復帰(駆動休止解除)処理を終了し、モータ休止フラグが「OFF」に設定されて
いると判定した場合(S3060でYES)、S3062に移行する。つまり、S3060では、モータ3017が休止している状態でカウンタKCの値が「550」未満になった場合のみ、処理をS3062に進める。
S3062において、CPU3010aは、モータ3017が休止している状態でカウンタKCの値が「550」未満になったことに基づいて、モータ3017の駆動休止を解除、すなわちモータ3017を駆動可能状態に復帰させる。そして、S3062の処理を終えるとS3064に移行して、CPU3010aは、モータ休止フラグを「OFF」に設定する。そして、このモータ復帰(駆動休止解除)処理を終了する。
つまり、このモータ復帰(駆動休止解除)処理では、モータ休止フラグが「ON」に設定されている状態で、モータ3017が1秒間駆動を休止してカウンタKCから「1」が減算された結果、該カウンタKCの値が「550」未満になった場合には、モータ3017の駆動休止を解除して該モータ3017を駆動可能状態に復帰させ、それと共に、モータ休止フラグを「OFF」に設定する処理となっている。
すなわち、モータ加熱抑止処理のモータ駆動休止処理(S3000)及びモータ復帰(駆動休止解除)処理(S3050)においては、移動回転体制御基板2725は制御手段として機能し、該制御手段は、移動回転体190が回転駆動している時間を計時する駆動計時手段と、移動回転体190が回転駆動していない時間を計時する駆動停止計時手段とを有し、駆動計時手段が計時した時間と、駆動停止計時手段が計時した時間とに基づいて移動回転体190の回転駆動の休止及び休止解除を実行する構成となっている。
そして、移動回転体制御基板2725は、制御手段として、駆動計時手段が計時した時間が所定時間(T1=1秒)を経過する毎にカウンタKCに所定のカウント値(C1=5)を加算すると共に、駆動停止計時手段が計時した時間が所定時間(T2=1秒)を経過する毎にカウンタKCに所定のカウント値(C2=1)を減算することにより、カウンタKCのカウント値(C1−C2≧0)を演算する演算手段を有し、移動回転体190の回転駆動の休止は、カウント値(C1−C2≧0)が所定の上限カウント値(HC=600)に達した場合に実行し、移動回転体190の回転駆動の休止解除は、上限カウント値(HC=600)に達したカウント値(C1−C2≧0)が、所定の下限カウント値(LC=550)に達した場合に実行する構成となっている。
なお、移動回転体190の回転駆動の休止解除は、上限カウント値(HC=600)に達したカウント値(C1−C2≧0)が、再び該上限カウント値(HC=600)未満になった場合に実行するようにしてもよい。
上記の説明から明らかなように、本実施形態の遊技機においては、移動回転体190(アウター3003)を回転駆動するモータ3017が、連続駆動で加熱することにより発生する故障や誤作動等のトラブルを、温度センサ等のハード資源を用いることなく、移動回転体制御基板2725がソフト制御することにより抑止する構成となっている。その結果、移動回転体190における貴重な空間領域を有効活用でき、コンパクトな設計が可能になると共にコストダウンを図ることが可能となる。
図30−6を用いて、ここで、モータ加熱抑止処理のモータ駆動休止処理(S3000)及びモータ復帰(駆動休止解除)処理(S3050)の具体例について説明する。図30−6は、移動回転体制御基板2725のCPU3010aによって行われるモータ駆動休止処理(S3000)及びモータ復帰(駆動休止解除)処理(S3050)の具体例を示す折れ線グラフである。
図30−6において、横軸(x軸)は時間(分)を示し、縦軸(y軸)はカウンタKC
の値を示している。上述したように、移動回転体制御基板2725は、ランプ制御基板340からの指令(コマンド)を受けてモータ3017を駆動制御し、移動回転体190(アウター3003)を所定の態様に回転させる構成となっている。
図30−6を参照して、今、1分経過後にモータ3017の駆動(励磁)が開始され、この駆動状態が1分間継続したとする。すると、カウンタKCの値は、モータ3017が1秒間駆動する毎に5ずつカウントアップされることにより、ポイントP0に示す「0」からポイントP1に示す「300」となる。つまり、ポイントP0の座標は(1分,0)、ポイントP1の座標は(2分,300)となり、ポイントP0−P1間のカウンタKCの値の変遷は、傾きが+5の線分P0−P1で表される。そして、この線分P0−P1は、モータ3017が駆動している状態を表している。
次に、ポイントP1の時点でモータ3017の駆動が停止され、この駆動停止状態が1分間継続したとする。すると、カウンタKCの値は、モータ3017が1秒間停止する毎に1ずつカウントダウンされることにより、ポイントP1に示す「300」からポイントP2に示す「240」となる。つまり、ポイントP2の座標は(3分,240)となり、ポイントP1−P2間のカウンタKCの値の変遷は、傾きが−1の線分P1−P2で表される。そして、この線分P1−P2は、モータ3017が駆動停止している状態を表している。
次に、ポイントP2の時点でモータ3017の駆動が開始され、この駆動の継続によりカウンタKCの値が同様にカウントアップされ、カウンタKCの値がポイントP3に示す「600」に到達したとする。すると、カウンタKCの値が「600」になったことに基づいて、モータ3017の駆動が強制的に休止される。例えば、ランプ制御基板340からの指令がモータ3017の駆動を継続する内容であっても、移動回転体制御基板2725は、カウンタKCの値が「600」になったら、その指令に反して直ちにモータ3017駆動を休止する。なお、ポイントP3の座標は(4分12秒,600)となり、ポイントP2−P3間のカウンタKCの値の変遷は、傾きが+5の線分P2−P3で表される。そして、この線分P2−P3は、モータ3017が駆動している状態を表しており、線分P0−P1と平行となっている。
次に、ポイントP3の時点でモータ3017の駆動休止が開始され、この駆動休止状態は、カウンタKCの値が同様にカウントダウンされて「550」未満になるまで、すなわちポイントP4に到達するまで強制的に継続される。例えば、ランプ制御基板340からの指令がモータ3017を駆動する内容であっても、移動回転体制御基板2725は、カウンタKCの値が「550」未満になるまで、その指令に反してモータ3017駆動を継続して休止する。すなわち、ポイントP3−P4間は、モータ3017の駆動不能状態である。なお、ポイントP4の座標は(5分2秒,550)となり、ポイントP3−P4間のカウンタKCの値の変遷は、傾きが−1の線分P3−P4で表される。そして、この線分P3−P4は、モータ3017が駆動を休止している状態を表しており、線分P1−P2と平行となっている。
ここで、ポイントP4に到達後も、モータ3017の駆動が停止され、この駆動停止状態は、ポイントP5になるまで継続されたとする。つまり、この駆動停止状態が50秒継続され、カウンタKCの値が同様にカウントダウンされて「500」となる。ただし、ポイントP4−P5間は、見た目上はポイントP3−P4間の延長に見えるが、このポイントP4−P5間は、例えば、ランプ制御基板340からの指令がモータ3017を駆動する内容であれば、移動回転体制御基板2725は、その指令に従って直ちにモータ3017を駆動する。すなわち、P3−P4間がモータ3017の駆動不能状態であるのに対して、ポイントP4−P5間は、モータ3017の駆動可能状態である。つまり、ポイントP4は、駆動不能状態と駆動可能状態との境界ポイントである。なお、ポイントP5の座
標は(5分52秒,500)となり、ポイントP4−P5間のカウンタKCの値の変遷は、傾きが−1の線分P4−P5で表される。そして、この線分P4−P5は、モータ3017が駆動を停止している状態を表しており、線分P1−P2,P3−P4と平行となっている。
次に、ポイントP5の時点でモータ3017の駆動が開始され、この駆動の継続によりカウンタKCの値が同様にカウントアップされ、カウンタKCの値がポイントP6に示す「580」に到達し、このポイントP6の時点で、モータ3017の駆動が停止されたとする。つまり、ポイントP6におけるカウンタKCの値は「600」未満であるから、ポイントP6の時点でモータ3017の駆動が強制的に休止されることはない。なお、ポイントP6の座標は(6分8秒,580)となり、ポイントP5−P6間のカウンタKCの値の変遷は、傾きが+5の線分P5−P6で表される。そして、この線分P5−P6は、モータ3017が駆動している状態を表しており、線分P0−P1,P2−P3と平行となっている。
そして、ポイントP6の時点でモータ3017の駆動が停止され、この駆動停止の継続によりカウンタKCの値が同様にカウントダウンされ、カウンタKCの値がポイントP7に示す「550」に到達したとする。更に、このポイントP7に到達後も、引き続いてモータ3017の駆動停止状態が継続されたとする。しかしながら、ポイントP7に到達する前の状態は、駆動休止状態ではなく駆動停止状態であるので、従い、カウンタKCの値が「550」に到達した場合であっても、モータ3017の駆動状態が変化することはない。すなわち、ポイントP6−P7間と、ポイントP7以降の区間は、同じモータ3017の駆動停止状態となる。なお、ポイントP7の座標は(6分38秒,550)となり、ポイントP6−P7間のカウンタKCの値の変遷は、傾きが−1の線分P6−P7で表される。そして、この線分P6−P7は、モータ3017が駆動を停止している状態を表しており、線分P1−P2,P3−P4,P4−P5と平行となっている。これは、線分P7以降も同様である。
なお、図30−4に示したモータ駆動休止処理(S3000)では、一例として、カウンタKCの値は、モータ3017が1秒間駆動する毎に5ずつカウントアップするようにしたが、これは、限定するものではなく、また、カウンタKCの値が「600」以上になった場合に、モータ3017の駆動を休止するようにしたが、これも、限定するものではない。これらは、環境に応じて適宜設定するようにすればよい。
また同様に、図30−5に示したモータ復帰(駆動休止解除)処理(S3050)では、一例として、カウンタKCの値は、モータ3017が1秒間停止(休止)する毎に1ずつカウントダウンするようにしたが、これは、限定するものではなく、また、カウンタKCの値が「550」未満になった場合に、モータ3017の駆動休止を解除させて復帰するようにしたが、これも、限定するものではない。これらは、環境に応じて適宜設定するようにすればよい。
図30−3に戻って、S3000のモータ駆動休止処理及びS3050のモータ復帰(駆動休止解除)処理を終えると、CPU3010aは、S3080に移行して、ここで電源断処理を実行する。
具体的には、移動回転体制御基板2725において、RAM3010cは、その一部の記憶領域がバックアップ電源によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMを構成している。すなわち、遊技機100に対する電力供給が停止しても、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM3010cが記憶する一部のデータの内容は保持される。従って、このS3080の電源断処理においては、CPU3010aは、電力供給が停止した場合、カウンタKCの値を、バックアップ電源によってバックアップされる
記憶領域(不揮発性記憶手段)に格納する。これにより、遊技機100に対する電力供給が停止しても、カウンタKCの値は記憶保持される。
S3080の電源断処理を終えると、CPU3010aは、このモータ加熱抑止処理を終了する。
このように、電断時にカウンタKCの値を記憶保持するように構成すれば、例えば、次のような効果を奏する。
すなわち、カウンタKCが「600」に近い値(600未満)で電力供給が停止した場合、カウンタKCの値が記憶保持されていないと、電力供給が復旧した際、カウンタKCの値は初期設定の「0」からスタートすることになる。つまり、モータ3017が駆動休止される直前の加熱した状態で、カウンタKCの値が「0」からスタートする。すると、本来であれば、直ぐに駆動休止されるモータ3017が、駆動休止されることなくそのまま駆動を継続してしまうという事象が発生し、その結果、故障や誤作動等、トラブルの原因となる。従って、カウンタKCの値を記憶保持するようにすれば、このような不具合を解消することが可能となる。
つまり、カウンタKCの値を記憶保持するようにすれば、電力供給が復旧した場合に電断前のカウンタKCの値から引き続きスタートすることができ、その結果、電断発生に影響されることなく、モータ3017の加熱制御(S3000のモータ駆動休止処理及びS3050のモータ復帰(駆動休止解除)処理)を適正に行うことが可能となる。
なお、RAM3010cの一部の記憶領域をバックアップする構成は、移動回転体制御基板2725自体にバックアップ電源を設けるようにしてもよいし、上述した電源基板360が備えるバックアップ電源から移動回転体制御基板2725へ電力を供給するようにしてもよい。何れにしても、移動回転体制御基板2725は、電断検知信号等の入力により電断状態の発生を検知することにより、CPU3010aが上記したS3080の電源断処理を実行する。
なお、RAM3010cは、その全部を不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMで構成してもよい。例えば、これは、RAM3010cを不揮発性メモリとしてのFeRAM(Ferroelectric RAM)などで構成することにより実現できる。
あるいは、S3080の電源断処理は、次のようにしてもよい。すなわち、電力供給が復旧した場合には、モータ3017の駆動を強制的に所定時間停止(休止)させるように制御してもよい。例えば、このモータ3017駆動を強制的に停止させる所定時間は、上記のモータ加熱抑止処理においては、50秒を超える時間に設定すればよい。これにより、例えカウンタKCが「600」に近い値(600未満)で電力供給が停止した場合であっても、電力供給が復旧後には、カウンタKCの値を、モータ3017の駆動休止を解除することとなる「550」未満から、確実にスタートすることができる。従って、このような構成にすれば、電力供給の復旧後、直ちにモータ3017を駆動することはできなくなるが、RAM3010cをバックアップするバックアップ電源を設ける必要がなくなり、その結果、コストダウンとなる。
なお、モータ3017の駆動(励磁)中に、ガラス枠150又は内枠170が開放されて扉開放スイッチ312がオンした場合には(図2,3参照)、つまり主制御基板300からの扉開放エラー開始指定コマンドを演出制御基板320が受信した場合には、上記カウンタKCの値に拘わらず、当該駆動中のモータ3017を停止(休止)するように構成されている。そして、この駆動を停止したモータ3017は、ガラス枠150又は内枠170が閉鎖されて扉開放スイッチ312がオフした場合には、つまり主制御基板300からの扉開放エラー終了指定コマンドを演出制御基板320が受信した場合には、若しくは扉開放スイッチ312がオフ(扉開放エラー終了指定コマンドを受信)してから所定時間(例えば30秒)経過した後は、モータ3017の駆動休止が解除されるようになってい
る。
ここで、上記のようにモータ3017の駆動を停止する場合、移動回転体190(アウター3003)が原点位置にある場合は、そのまま移動回転体190が原点位置に位置する状態でモータ3017の駆動を停止し、一方、移動回転体190が原点位置以外の所定位置に位置している場合(例えば所定の演出を実行中)には、移動回転体190を所定位置から原点位置まで回転した後にモータ3017の駆動を停止するようにすればよい。
なお、モータ3017の駆動休止が解除された場合は、モータ3017は、その駆動休止が解除された時点から移動回転体制御基板2725からの指令に基づいて、回転制御される(図30−2参照)。例えば、移動回転体190が所定の演出を実行すべき状態中にモータ3017の駆動休止が解除された場合は、当該駆動休止が解除された時点から所定の演出を実行するようにすればよい。つまり、この場合には、移動回転体190の所定の演出は、途中から実行されることになる。
[移動回転体の動作]
次に、移動回転体190の原点位置と進出位置との間の移動に係わり、移動回転体ユニット2700の主な動作について説明する。移動回転体190は、通常、図27−2に示すように、原点位置に位置しており、モータ2770及びウォームギア2773(ウォーム2771及びウォーム歯車2772)のトルクにより、ワイヤ2760a,2760bがワイヤ巻取部2774に最大限巻き取られている。
この移動回転体190が原点位置に位置する状態では、スライド突起2953a,2953bは溝2940a,2940bの下端に当接しており、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bは、最も縮小している。また、この状態では、補助コイルスプリング2735a,2735bの下端部が規制板2736a,2736b(緩衝部材2737a,2737b)と当接し、第1ストッパ部2946a,2946bが第1スライド部材2951a,2951b上端と当接し、第2ストッパ部2947a,2947bが第2スライド部材2952a,2952b上端と当接し、第1スライド部材2951a,2951b及び第2スライド部材2952a,2952bは、第1収納溝2943a,2943b及び第2収納溝2944a,2944bに略収納されている。これにより、これ以上の移動回転体190の原点側への移動が規制されている。
また、移動回転体190が原点位置に位置する状態では、ワイヤ張力調整機構2720a,2720bにおいて、図27−2、28−Fに示すように、第1コイルスプリング2787a,2787b及び第2コイルスプリング2788a,2788bが縮小し、第1プーリー2782a,2781bは、第1コイルスプリング2787a,2787bの付勢力に抗して第2プーリー2783,2783bより後側に位置し、第2プーリー2783,2783bは、第2コイルスプリング2788a,2788bの付勢力に抗して第1プーリー2782a,2782bより前側に位置している。つまり、横プーリー2781a,2781bから延びるワイヤ2760a,2760bは、最短距離で第1プーリー2782a,2782b及び第2プーリー2783a,2783bを経由して略「く」の字状にワイヤ巻取部2774(上巻き取りプーリー2778及び下巻き取りプーリー2779)に誘導される。これにより、ワイヤ2760a,2760bが巻き取り状態にあるときは、ワイヤ2760a,2760bに最適な張力を保持させることができ、その結果、ワイヤ2760a,2760bを円滑に巻き取ることが可能となる。
また、移動回転体190が原点位置に位置する状態では、図29−8、29−10(1)(3)に示すように、乗り上げカム2911は、乗り上げ機構部2910に乗り上げない状態を維持している。つまり、乗り上げ部材2923の傾斜面2924と、乗り上げ突
部2918の傾斜面2916とが重合し、係合突片2922の一端部2922aと係合凸部2914の一側面2914aとが当接することにより、乗り上げカム2911の正回転を規制している。また、コイルスプリング2963(図29−1参照)により、ウォーム歯車2772のギア部2769を下方に付勢し、該ギア部2769を巻き取りプーリー2777のギア部2803に強固に噛合している。
また、移動回転体190が原点位置に位置する状態では、保護部材2791(フレキシブルフラットケーブル2790)は、図29−Eに示すように最も縮小し、全体として中ヒンジ部2792箇所で折れ曲がった「つ」の字状態になっており、原点位置検出センサ3025は、移動回転体190の遮光部材によりオンとなり、移動回転体190が原点位置に位置していることを検出している。更に、移動回転体190は、星レンズ3110を有する第1停止面3106で停止しており、回転位置検出センサ3027は、回転ホイール3019bの遮光部材によりオンとなり、アウター3003が第1停止面3106で停止していることを検出している。
しかして、移動回転体190が原点位置に位置する状態でモータ2770が逆回転すると、モータ2770の逆回転に連動してウォームギア2773(ウォーム2771及びウォーム歯車2772)が逆回転し、それに連動してワイヤ巻取部2774も逆回転する。すると、ワイヤ巻取部2774が逆回転した分だけ、ワイヤ2760a,2760b、基本コイルスプリング2730a,2730b、補助コイルスプリング2735a,2735bが伸長し、移動回転体190が原点位置から基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bが伸長した分だけ進出位置側(以下、第1位置ともいう)へ移動する。なお、この状態でモータ2770が正回転すると、上記と逆の作用により、移動回転体190は再び原点位置側へ移動する。この動作を短時間で繰り返すと、移動回転体190は、原点位置と第1位置との間で反復移動(揺動)する、いわゆる「ガタガタ演出」が実行され、原点位置検出センサ3025はオンオフを繰り返す。
また、この「ガタガタ演出」が実行されると、モータ2770の小刻みな正逆回転に連動して、ワイヤ張力調整機構2720a,2720bにおいて、図27−2、28−Fに示す第1コイルスプリング2787a,2787b及び第2コイルスプリング2788a,2788bが小刻みに伸縮し、それに伴って第1プーリー2782a,2781b及び第2プーリー2783,2783bが小刻みに前後に移動すると共に、図27−2、29−Eに示す保護部材2791(フレキシブルフラットケーブル2790)が、小刻みに折れ曲がり動作及び折れ曲がり解放動作をA−A断面(図27−1参照)上で繰り返す。
ここで、この「ガタガタ演出」の実行に係わって、モータ2770が逆回転すると、ワンウェイクラッチ2970の作用により回転軸2768も逆回転するが、乗り上げ部材2923は、図29−10(1)に示す状態から、傾斜面2924が乗り上げ突部2918の傾斜面2916を上方に向かって摺動するものの、図29−10(2)に示すように、乗り上げ面2925が乗り上げ突部2918の乗り上げ面2917に乗り上げる前に、すなわち、ウォーム歯車2772のギア部2769が巻き取りプーリー2777のギア部2803から係脱する前に、モータ2770が正回転する。これにより、傾斜面2924は、今度は逆に、傾斜面2916を下方に向かって摺動して元の位置に復帰し、乗り上げカム2911は、図29−8(2)、図29−10(3)に示す状態となる。このとき、乗り上げカム2911は、図29−10(3)に示すように、係合突片2922の一端部2922aが係合凸部2914の一側面2914aに当接し、それ以上の正回転方向への移動が規制される。つまり、「ガタガタ演出」が実行されると、傾斜面2924が傾斜面2916上を行ったり来たりする状態となる。そして、この動作により、「ガタガタ演出」における移動回転体190の原点位置と第1位置との間での反復移動(揺動)の動作が規
定される。
このように、「ガタガタ演出」が実行されると、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735b、第1コイルスプリング2787a,2787b及び第2コイルスプリング2788a,2788b及び保護部材2791等は、負荷の大きい動作を行うことになるが、上記したように、基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bの伸縮に係わって移動回転体190の原点側への移動規制機能や、第1コイルスプリング2787a,2787b及び第2コイルスプリング2788a,2788bの伸縮に係わってワイヤ2760a,2760bに最適な張力を与える張力保持機能、あるいは、保護部材2791のフレキシブルフラットケーブル2790の露出防止機能や、乗り上げカム2911の回転規制機能、及び、コイルスプリング2963によるギア部2769とギア部2803との噛合強化機能などにより、確実に「ガタガタ演出」を実行することが可能となる。
次に、移動回転体190が第1位置に位置する状態で、モータ2770が更に逆回転すると、つまり、移動回転体190が原点位置に位置する状態から所定のステップ数逆回転すると、ワンウェイクラッチ2970の作用により回転軸2768が更に逆回転し、図29−10(2)(4)に示すように、乗り上げ面2925が乗り上げ突部2918の乗り上げ面2917に乗り上がる。すると、図29−9(2)に示すように、乗り上げカム2911が乗り上げ突部2918の高さ分だけ上昇し、それに伴って回転軸2768及びウォーム歯車2772がコイルスプリング2963の付勢力に抗して上昇する。すると、図29−9(1)に示すように、ギア部2769が巻き取りプーリー2777のギア部2803から係脱する。これにより、ウォーム歯車2772からワイヤ巻取部2774への動力伝達が遮断され、巻き取りプーリー2777は、回転自由の状態になる。なお、乗り上げ面2925が乗り上げ面2917に乗り上げたとき、図29−10(4)に示すように、係合突片2922の他端部2922bが係合凸部2914の他側面2914bに当接し、これにより、それ以上の乗り上げカム2911の逆回転方向への移動が規制される。
すると、ワイヤ2760a,2760bが解放され、移動回転体190は、図27−1、27−3、28−4、29−Aに示すように、基本コイルスプリング2730a,2730b、補助コイルスプリング2735a,2735bの付勢力により、第1位置から一気に進出位置まで移動する。また、このとき、第1プーリー2782a,2782b及び第2プーリー2783a,2783bは、図27−1、28−Eに示すように、第1コイルスプリング2787,2787b及び第2コイルスプリング2788a,2788bの付勢力により、第1プーリー2782a,2782bが最も前側に移動し、第2プーリー2783a,2783bが最も後側に移動する。また、保護部材2791は、図27−1、29−Aに示すように、予め定められた同一平面としてのA−A断面上で移動して最も伸長し、全体として中ヒンジ部2792箇所で緩やかに折れ曲がった「く」の字状態となる。
ここで、移動回転体190が原点位置から進出位置まで移動する場合には、まず、スライド機構2950a,2950b(第1スライド部材2951a,2951b及び第2スライド部材2952a,2952b)は移動することなく、移動回転体190のみが、基本コイルスプリング2730a,2730b、補助コイルスプリング2735a,2735bの付勢力により、第1ガイド部材2945a,2945bが第1スライド部材2951a,2951b上を進出方向に摺動することで、進出位置側(以下、第2位置ともいう)へ移動し、それに伴ってワイヤ2760a,2760bが伸長する。
この第2位置は、上記の第1位置よりも進出位置側であって、補助コイルスプリング2735a,2735bは、最も伸長して進出位置側への付勢力がほぼ失われた状態となっ
ており、基本コイルスプリング2730a,2730bは、略半分程度の伸長で進出位置側への付勢力を保っている。また、第2位置では、スライド突起2953a,2953bは溝2940a,2940bの下端に当接し、補助コイルスプリング2735a,2735bの下端部が規制板2736a,2736b(緩衝部材2737a,2737b)と当接した状態となっているものの、第1ストッパ部2946a,2946bは第1スライド部材2951a,2951bと離間し、第2ストッパ部2947a,2947bは第2スライド部材2952a,2952bと離間し、第1スライド部材2951a,2951b及び第2スライド部材2952a,2952bは、第1収納溝2943a,2943b及び第2収納溝2944a,2944bに対して非収納状態となっている。更に、この移動回転体190が第2位置に移動すると、係合リブ2750a,2750bが上昇して係合片2954a,2954bに当接する。
また、第2位置では、ワイヤ張力調整機構2720a,2720bにおいて、第1コイルスプリング2787,2787b及び第2コイルスプリング2788a,2788bは、図28−Eと図28−Fに示した長さの略中間の長さまで伸長した状態となり、従って、第1プーリー2782a,2782b及び第2プーリー2783a,2783bも、同様に図28−Eと図28−Fとの略中間に位置する状態となる。また、保護部材2791は、A−A断面上で移動し、図29−Fに示すように、図29−Aに示す位置と図29−Eに示す位置との略中間に位置し、全体として中ヒンジ部2792箇所で折れ曲がった「つ」の字状態となる。なお、乗り上げカム2911は、第2位置においても、図29−10(2)に示すように、乗り上げ面2925が乗り上げ突部2918の乗り上げ面2917に乗り上がった状態を維持する。
そして、この第2位置から、基本コイルスプリング2730a,2730bの付勢力により、スライド機構2950a,2950bは、第2スライド部材2952a,2952bが第2ガイド部材2741a,2741b上を進出方向に摺動することで、進出位置側へ移動する。このスライド機構2950a,2950bの進出位置側への移動により、移動回転体190は、進出位置側へ移動する。また、移動回転体190の第2位置から進出位置側への移動により、スライド突起2953a,2953bは溝2940a,2940bの下端から離間し、補助コイルスプリング2735a,2735bは、規制板2736a,2736bから離間する。また、係合リブ2750a,2750bと係合片2954a,2954bとは、係合リブ2750a,2750bが係合片2954a,2954bを押し上げるように係合しながら進出位置側へ移動する。
そして、スライド突起2953a,2953bが溝2940a,2940bの上端に当接すると、移動回転体190は、進出位置側への移動を停止する。これにより、移動回転体190は、進出位置への移動が完了し、ワイヤ2760a,2760bが最も伸長した状態となる。そして、この進出位置では、既に最も伸長していた補助コイルスプリング2735a,2735bに加え、基本コイルスプリング2730a,2730bも、最も伸長して進出位置側への付勢力がほぼ失われた状態となっている。
更に、移動回転体190の進出位置への移動が完了するのとほぼ同時に、図27−1、図28−Eに示すように、第1コイルスプリング2787a,2787b及び第2コイルスプリング2788a,2788bが最も伸長し、第1プーリー2782a,2782bは第1コイルスプリング2787a,2787bの付勢力により最も前側に位置し、第2プーリー2783a,2783bは第2コイルスプリング2788a,2788bの付勢力により最も後側に位置するようになる。つまり、横プーリー2781aから延びるワイヤ2760aは、最長距離で第1プーリー2782a及び第2プーリー2783aを経由して略「N」字状にワイヤ巻取部2774の上段側に配置された上巻き取りプーリー2778に誘導される。同様に、横プーリー2781bから延びるワイヤ2760bは、最長
距離で第1プーリー2782b、第2プーリー2783b及び横プーリー2795を経由して略「N」字状にワイヤ巻取部2774の上段側に配置された下巻き取りプーリー2779に誘導される。これにより、移動回転体190の進出位置への移動に伴ってワイヤ巻取部2774が回転自由の状態になった場合であっても、ワイヤ2760a,2760bは緩むことがない。また更に、この状態では、保護部材2791は、第2位置から進出位置に移動する際もA−A断面上を移動し、進出位置では、上記したように最も伸長した状態になっており、また、原点位置検出センサ3025は、オフとなる。
なお、移動回転体190が進出位置から原点位置に移動する場合には、上述した移動回転体190が原点位置から進出位置に移動する場合と略逆の動作となるので、ここでは、簡略して説明する。すなわち、移動回転体190が進出位置に位置している状態では、モータ2770の逆回転停止により、モータ2770からウォーム歯車2772への動力(トルク)伝達が遮断されており、回転軸2768、ウォーム歯車2772及び乗り上げカム2911は、コイルスプリング2963の付勢力により、図29−9(2)、図29−10(1),(3)に示す位置に位置し、ウォーム歯車2772のギア部2769と巻き取りプーリー2777のギア部2803とが噛合している。
そして、この状態(移動回転体190が進出位置に位置する状態)でモータ2770が正回転すると、ワンウェイクラッチ2970の作用により、モータ2770の正回転に連動してウォームギア2773(ウォーム2771及びウォーム歯車2772)が正回転し、それに連動して巻き取りプーリー2777も正回転する。すなわち、モータ2770が正回転する場合、ウォーム歯車2772からワイヤ巻取部2774への動力伝達を常に実行する。
進出位置で巻き取りプーリー2777が正回転すると、まず、ワイヤ2760a,2760bが巻き取られ、それに伴って第1コイルスプリング2787及び第2コイルスプリング2788が縮小する。すると、第1プーリー2782及び第2プーリー2783が後側及び前側に移動し、ワイヤ2760a,2760bは、上記の略「N」字状から略「く」の字状に縮小する。
ワイヤ2760a,2760bが略「く」の字状に縮小した後、更にワイヤ巻取部2774が正回転すると、移動回転体190は、進出位置から第2位置まで移動する。この場合、モータ2770(ウォーム歯車2772)のトルクにより、ワイヤ2760a,2760bが巻き取られ、基本コイルスプリング2730a,2730bが縮小し、スライド機構2950a,2950bは、第2スライド部材2952a,2952bが第2ガイド部材2741a,2741b上を原点方向に摺動することで、第2位置側へ移動する。このスライド機構2950a,2950bの第2位置側への移動により、移動回転体190は、第2位置側へ移動する。なお、モータ2770の回転速度を変更することにより、移動回転体190の移動速度に変化を与えるようにしてもよい。
また、移動回転体190の進出位置から第2位置側への移動により、スライド突起2953a,2953bは溝2940a,2940bの上端から離間する。そして、スライド突起2953a,2953bが溝2940a,2940bの下端に当接すると、スライド機構2950a,2950bは、原点位置側への移動を停止する。これにより、移動回転体190は、第2位置へ移動した状態となる。
ここで、モータ2770が正回転している場合の第2位置では、見た目上、移動回転体ユニット2700の状態は、上述の移動回転体190が原点位置から第2位置に到達した場合と同じ状態であるが、モータ2770(ウォーム歯車2772)のトルクにより、基本コイルスプリング2730a,2730bの進出位置側への付勢力に抗して、移動回転
体190を原点位置側へ移動させる力が働いている。
次に、移動回転体190が第2位置に位置する状態で、モータ2770が更に正回転すると、スライド機構2950a,2950bは移動することなく、モータ2770(ウォーム歯車2772)のトルクにより、第1ガイド部材2945a,2945bが第1スライド部材2951a,2951b上を原点方向に摺動することで、ワイヤ2760a,2760bが巻き取られ、基本コイルスプリング2730a,2730b、補助コイルスプリング2735a,2735bが縮小することで、移動回転体190のみが原点位置側へ移動する。従って、この時点で、係合片2954a,2954bの原点位置側への移動が停止、係合リブ2750a,2750bのみが原点位置側へ移動して、係合片2954a,2954bと係合リブ2750a,2750bとが離間し始める。そして、補助コイルスプリング2735a,2735bの下端部が規制板2736a,2736b(緩衝部材2737a,2737b)に到達することで、移動回転体190の原点位置側への移動が停止し、移動回転体190の原点位置への移動が完了する。
なお、移動回転体190が原点位置に到達すると、原点位置検出センサ3025がオンすることでモータ2770の正回転は停止するが、仮に、移動回転体190が原点位置に位置する状態でモータ2770が更に正回転した場合には、ウォームギア2773(ウォーム2771及びウォーム歯車2772)は、ワイヤ2760a,2760bを巻き取る方向に回転するものの、この場合、トルクリミッタが作動し、ウォーム歯車2772からワイヤ巻取部2774へのトルク伝達は遮断され、巻き取りプーリー2777は回転しない。
上記の説明から明らかなように、移動回転体ユニット2700において、移動回転体190が原点位置から進出位置へ移動する場合には、負荷が大きい移動回転体190の初動動作を、複数の弾性部材、すなわち基本コイルスプリング2730a,2730b、補助コイルスプリング2735a,2735bにより行うようになっている。そして、移動回転体190が原点位置から所定位置(第2位置)まで進出すると、その後の負荷が小さい動き出し後の動作、すなわち第2位置から進出位置までの移動回転体190の移動動作は、単数の弾性部材、すなわち基本コイルスプリング2730a,2730bのみにより行うようになっている。
逆に、移動回転体190が進出位置から原点位置へ移動する場合には、負荷が大きい移動回転体190の初動動作を、単数の弾性部材、すなわち基本コイルスプリング2730a,2730bの付勢力のみに抗してモータ2770が駆動することにより行うようになっている。そして、移動回転体190が進出位置から所定位置(第2位置)まで後退すると、その後の負荷が小さい動き出し後の動作、すなわち第2位置から原点位置までの移動回転体190の移動動作は、複数の弾性部材、すなわち基本コイルスプリング2730a,2730b、補助コイルスプリング2735a,2735bの付勢力に抗してモータ2770が駆動することにより行うようになっている。
これにより、移動回転体ユニット2700においては、移動回転体190の原点位置と進出位置との間の移動を、より小さな動力で行うことが可能となり、その結果、駆動力のより小さいモータ2770を用いてコストダウンを図ることが可能となる。なお、この変形例として、例えば、移動回転体190が、原点位置から所定位置(第2位置)へ移動する場合には、補助コイルスプリング2735a,2735bのみで行うようにし、所定位置(第2位置)から進出位置へ移動する場合には、基本コイルスプリング2730a,2730bのみで行うようにしてもよい。このように構成すると、上述した例に比して、移動回転体190の初動動作に係る動力は大きくなるものの、基本コイルスプリング2730a,2730bの全長を短縮でき、その結果、移動回転体ユニット2700の設計の自
由度が増大する。更に、移動回転体190を第2位置から原点位置まで移動させる際は、補助コイルスプリング2735a,2735bのみの付勢力に抗すればよいので、モータ2770の動力を低減することもできる。
また、移動回転体190を原点位置から進出位置へ移動させる際には、ワンウェイクラッチ2970の作用により、乗り上げカム2911を乗り上げ機構部2910に乗り上げさせて、ウォーム歯車2772からワイヤ巻取部2774への動力伝達を遮断することにより、移動回転体190を、原点位置から極めて短時間に進出位置へ基本コイルスプリング2730a,2730b及び補助コイルスプリング2735a,2735bの付勢力により移動させている。この構成により、移動回転体190を用いた当該遊技機100の演出力が向上する。また、モータ2770を用いてないので、移動回転体190を進出位置まで移動させる際の動力を低減するこができると共に、モータ2770の耐久性が向上する。更に、乗り上げカム2911は、係合突片2922が乗り上げ機構部2910の係合凸部2914と係合することにより、正逆回転方向への移動が規制されるので、これにより、上述したスライド機構2950a,2950b等、その他の移動回転体190の移動範囲を規定する部材や機構と相俟って、移動回転体190を確実に原点位置及び進出位置に位置させることが可能となる。
また、ワイヤ張力調整機構2720a,2720bは、モータ2770のトルクにより、移動回転体190を所定位置に停止させる場合、巻き取りプーリー2777を回転してワイヤ2760a,2760bを巻き取る場合、及び、移動回転体190の進出位置への移動に伴って巻き取りプーリー2777が回転自由となりワイヤ2760a,2760bが解放されて伸長した場合において、弾性部材、すなわち第1コイルスプリング2787a,2787b及び第2コイルスプリング2788a,2788bの付勢力により、テンションローラとしての第1プーリー2782a,2782b及び第2プーリー2783a,2783bを介して常時所定の張力をワイヤ2760a,2760bに与えるようになっている。
これにより、移動回転体190の移動を、ワイヤ2760a,2760bにより円滑に行うことが可能になり、その結果、ワイヤ2760a,2760bが緩んで移動回転体190の移動に支障を来すことがない。加えて、ワイヤ2760a,2760bが他の部品に引っ掛かることにより発生する故障・トラブル等を、未然に防止することも可能となる。
また、モータ2770は、所定のステップ数だけ回転制御可能なステッピングモータを使用し、更に、移動回転体190の原点位置を検出する原点位置検出センサ3025を設け、移動回転体制御基板2725が、モータ2770のステップ数と原点位置検出センサ3025の検出信号とにより、移動回転体190が原点位置へ移動したか否かを検出するようにしている。
これにより、移動回転体190の原点位置への移動を、モータ2770のステップ数と原点位置検出センサ3025の検出信号とにより、より精度高く検出することが可能となり、その結果、移動回転体190の移動に係る演出をより確実に行うことが可能となる。例えば、モータ2770を所定のステップ数回転させて移動回転体190を原点位置へ移動させる場合、所定のステップ数回転させても原点位置検出センサ3025がオフになっているときは、原点位置検出センサ3025がオンになるまで、更にモータ2770のステップ調整を行う制御などが可能となる。なお、これは、後述のアウター3003を所定位置へ回転制御するための、モータ3017と回転位置検出センサ3027についても同様である。
また、移動回転体制御基板2725と移動回転体190との制御信号などのやり取りは、フレキシブルフラットケーブル2790で行うようになっており、このフレキシブルフラットケーブル2790は、3つの下ヒンジ部2792,上ヒンジ部2793,中ヒンジ部2792を有する波形状の保護部材2791に挿入され、移動回転体190が何れの位置にある場合であっても、つまり保護部材2791がどのような姿勢になっても露出しないように保護されている。
これにより、フレキシブルフラットケーブル2790が遊技者や他の部品と接触することを防止することが可能となり、その結果、フレキシブルフラットケーブル2790の損傷を防止することが可能となる。しかも、保護部材2791は、移動回転体190が何れの位置に移動しても、その移動は、図27−1、27−2に示すA−A断面(移動回転体190の左右水平方向に対して直交する予め定められた平面)で形成される同一平面上の範囲内となっているので、保護部材2791、すなわちフレキシブルフラットケーブル2790は、移動回転体190が何れの位置に移動しても進出方向と平行する面(A−A断面)上のみを移動し、左右方向に移動することがない。その結果、保護部材2791の左右に配置された種々の部品や装置とフレキシブルフラットケーブル2790とが干渉することがない。更に、保護部材2791は、移動回転体190の移動に伴って「つ」,「く」の字状に折れ曲がったり伸びたりして伸縮し、しかも各ヒンジ間が波形状及び円弧形状に形成されているので、フレキシブルフラットケーブル2790は、移動回転体190の移動に対して保護部材2791の中で波形状及び円弧形状の姿勢を維持し、過度に伸縮することが抑止される。その結果、フレキシブルフラットケーブル2790の耐久性が向上する。すなわち、フレキシブルフラットケーブル2790を保護部材2791で保護することにより、移動回転体190の移動に係る演出をより確実に行うことが可能となる。
なお、ガタガタ演出は、上記では、移動回転体190が原点位置から進出位置側へ移動する際に、移動回転体190が原点位置と第1位置との間で反復移動(揺動)することにより行う場合を説明したが、これは、移動回転体190が進出位置から原点位置側へ移動する際であっても、上記に準じて実行することができる。更に、移動回転体190が原点位置側へ移動する場合には、移動回転体190が何れの位置であっても、ガタガタ演出は実行可能となる。この理由は、移動回転体190が原点位置側へ移動する場合は、ワイヤ2760a,2760bは解放されておらず、ウォーム歯車2772からワイヤ巻取部2774への動力伝達が常になされているからである。
ところで、上記したように、移動回転体制御基板2725は、遊技機100の遊技情報を入力し、この入力した遊技情報に基づいてモータ3017及びLED3021を制御することにより、移動回転体190の原点位置と進出位置との間の移動に関連して、アウター3003を所定の態様で回転制御したり、第1停止面3106又は第2停止面3107で停止させたり、星レンズ3110(第1停止面3106)又はロゴレンズ3114(第2停止面3107)を所定の態様で発光制御する構成となっている。
しかして、移動回転体190における回転態様は、第1停止面3106及び第2停止面3107を有するアウター3003のみが、モータ3017のモータ軸3018の回転に連動して回転するようになっている。つまり、アウター3003が回転しても、アウター3003の内部に位置するベース板3016は回転しないので、ベース板3016に設けられた中継基板3020及び中継基板3020に設けられたLED3021は回転しないようになっている。
すなわち、移動回転体190の内部には、回転不能に設けられた中継基板3020の片面側に配置され、アウター3003の第1停止面3106又は第2停止面3107を照射可能な発光手段としてのLED3021が設けられている。これにより、回転制御される
アウター3003の第1停止面3106(星レンズ3110)及び第2停止面3107(ロゴレンズ3114)を、容易且つ確実に発光させることが可能となり,その結果、移動回転体190の発光に係る演出をより確実に行うことが可能となる。更に、中継基板3020は回転せずに固定されるので、駆動機構部3005における配線の取り回しなどが容易になると共に、回転に伴う故障・トラブルなどを回避することができる。
なお、移動回転体190における停止面の切り替えは、上述した例では回転することにより行う例を示したが、これは、限定するものではなく、例えば、移動回転体190の前面側に第2停止面3107が設けられたシャッター部材を設け、シャッター部材が開いている場合には第1停止面3106が停止し、シャッター部材が閉じている場合には第2停止面3107が停止する構成としてもよい。
また、移動回転体190(アウター3003)の回転態様は、種々考えられ、例えば、回転の速度や範囲、回転方向、回転時間などが変化可能である。同様に、移動回転体190(アウター3003)の発光態様は、種々考えられ、例えば、点灯、点滅、消灯などの点灯種別やその時間、点滅速度、点灯色、輝度(照度)などが変化可能である。つまり、移動回転体190は、原点位置と進出位置との間の揺動や停止位置に関連して、移動態様、回転態様及び発光態様を遊技状態に係わって変化させたり、更には、それに伴って音声を変化させたりすることにより、様々な演出を行うことができる。
以下に、主な移動回転体190の演出態様について説明する。
[移動回転体の演出態様]
移動回転体190は、遊技機100が所定状態になったときに、操作レバー180及びリトラクタブル137と連動して種々の演出を行う。上記したように、移動回転体190は、ガラス枠150の上部前側に設けられ、原点位置と進出位置との間を変位可能、及び回転可能な可動体であって、図32(A)に示すように、常時は原点位置に位置し、所定の遊技条件が成立すると、原点位置から斜め上前方側に向かって平行移動することにより、図32(B)に示すように、進出位置に到達する。
移動回転体190は、原点位置では、図32(A)に示すように、遊技機100(ガラス枠150)の上端から上側にはみ出すことはなく、進出位置では、図32(B)に示すように、遊技機100(ガラス枠150)の上端から少なくともその一部がはみ出した状態(正面視したとき枠上端より上方、側面及び平面視したとき枠前面より前方)となる。なお、図32は、移動回転体190の演出態様を説明するための模式的な正面図及び左側面図であって、(A)は、移動回転体190が原点位置に位置する場合、(B)は、移動回転体190が進出位置に位置する場合を示している。
すなわち、移動回転体190は、例えば、リーチや大当たりになる場合等に、遊技機100から遊技者側に向かって飛び出すように動作すると共に、その過程で回転したり発光したりする。このような、枠ギミックが枠の外に飛び出すという従来にはない演出態様により、リーチや大当たりに係る演出の趣向を著しく増大させ、遊技の興趣を極めて高めることが可能となる。
以下に、基本的な移動回転体190の演出要素について説明する。
(1)移動回転体190は、図32(A)の矢印Aに示すように、原点位置で回転演出する場合と、図32(B)の矢印Bに示すように、進出位置で回転演出する場合とがある。また、回転演出の種別は、揺動する演出として、図33(A)に示す「ぐるぐる回転演出」、図33(B)に示す「小刻み回転演出」、図33(C)に示す「大刻み回転演出」の3種類と、揺動しない演出として、無回転演出とがある。
ぐるぐる回転演出は、図33(A)の矢印Dに示すように、時計回りの一方向に回転するものと、図33(A)の矢印Eに示すように、反時計回りの一方向に回転するものとがある。小刻み回転演出は、図33(B)の矢印Fに示すように、小さい角度α(例えば20度)の間隔で時計回りと反時計回りの回転を短時間T1で反復するものである。大刻み回転演出は、図33(C)の矢印Gに示すように、角度αより相対的に大きい角度β(例えば90度)の間隔で時計回りと反時計回りの回転を短時間T2(T2≧T1)で反復するものである。
各種回転演出の可動範囲の関係は、ぐるぐる回転演出>大刻み回転演出>小刻み回転演出>無回転演出となる。そして、ぐるぐる回転演出、大刻み回転演出、小刻み回転演出と上記のガタガタ演出は、移動回転体190を揺動することにより、回転体煽り演出を実行可能とする。なお、図33は、移動回転体190の回転演出種別を説明するための模式的な側面図であって、(A)は、ぐるぐる回転演出、(B)は、小刻み回転演出、(C)は、大刻み回転演出を示している。
(2)移動回転体190は、図34(A)の矢印Hに示すように、原点位置で上記のガタガタ演出する場合と、図34(B)の矢印Iに示すように、進出位置でガタガタ演出する場合とがある。なお、図34は、移動回転体190のガタガタ演出を説明するための模式的な左側面図であって、(A)は、移動回転体190が原点位置に位置する場合、(B)は、移動回転体190が進出位置に位置する場合を示している。
なお、上記(1)、(2)は、移動回転体190が、原点位置と進出位置との間で停止している場合や、原点位置と進出位置との間を移動している場合にも適用できる。また、移動回転体190の回転が停止する場合は、第1停止面3106又は第2停止面3107で停止する。この場合、第1停止面3106と第2停止面3107との停止確率を異ならせ、リーチや大当たり信頼度(遊技者にとって有利な遊技状態となる期待度)を、第1停止面3106が停止した場合と第2停止面3107が停止した場合とで異ならせることもできる。例えば、第1停止面3106の停止確率(例えば9/10)が第2停止面3107の停止確率(例えば1/10)よりも高い場合、遊技者は、第2停止面3107が停止すると期待度が高くなる。また更に、第1停止面3106及び第2停止面3107を、所定の発光態様で発光可能である。
以下に、具体的な移動回転体190の演出態様を列挙しておく。
(a)図35−1に示すように、原点位置で第1停止面3106で停止後、無回転演出又は小刻み回転演出しながら進出位置に移動する(回転体飛び出し演出)。そして、進出位置で、ぐるぐる回転演出又は大刻み回転演出した後、第2停止面3107で停止する。つまり、移動回転体190は、第1可動態様で原点位置から進出位置まで移動し、該進出位置で、該第1可動態様に比して可動範囲が大きい第2可動態様で可動する。
(b)図35−2に示すように、原点位置でガタガタ演出後、ぐるぐる回転演出又は大刻み回転演出しながら進出位置に移動し、進出位置でガタガタ演出後、無回転演出、小刻み回転演出、ぐるぐる回転演出又は大刻み回転演出しながら原点位置に移動する。つまり、移動回転体190は、原点位置、進出位置、及び、原点位置から進出位置又は進出位置から原点位置の移動中、所定の可動態様で可動する。また、移動回転体190は、原点位置又は進出位置と、原点位置及び進出位置とは異なる所定位置との間で揺動する。
(c)図35−3に示すように、原点位置でガタガタ演出又は小刻み回転演出した後、第1停止面3106を点灯/点滅状態(例えば青色の高い輝度)で点灯する(点灯演出)。なお、この時点では、移動回転体190は進出位置側に移動しない(回転体保留演出)。そして、第1停止面3106を一旦消灯(消灯演出)又は輝度(照度)を低くした後(
輝度低下演出)、直ちに進出位置に移動し、進出位置にて点灯/点滅(点滅演出)状態(例えば赤色(点灯色変更演出)の高い輝度)でぐるぐる回転演出又は大刻み回転演出した後、第2停止面3107で停止する。つまり、移動回転体190は、原点位置で揺動した後、第1発光態様にて発光させると共に、原点位置から進出位置に向かって移動する場合、原点位置における第1発光態様を、第1発光態様に比して輝度が低い第2発光態様又は消灯する演出を所定期間実行する。
なお、図35−1は、移動回転体190の演出態様(a)を示す説明図、図35−2は、移動回転体190の演出態様(b)を示す説明図、図35−3は、移動回転体190の演出態様(c)を示す説明図である。また、移動回転体190の演出態様は、(a)〜(c)に限定されるものではなく、更に、以下のような演出態様も実行され得る。
(1)移動回転体190が原点位置から進出位置に飛び出し、進出位置で回転する演出を行う場合に、所定のエラー(移動回転体190の飛び出しに係るエラー)が発生しているときは、移動回転体190は進出位置に飛び出すことなく、原点位置で回転する演出に変更する。これにより、所定のエラーが発生している場合であっても、移動回転体190の演出を行うことが可能になる。
(2)移動回転体190の停止面は、遊技状態に関連して変更するようにしてもよい。例えば、移動回転体190は、通常遊技状態(非確変遊技状態かつ非時短遊技状態)では、主に、原点位置にて第1停止面3106で停止し、進出位置にて第2停止面3107で停止させ、高確時短遊技状態(確変遊技状態かつ時短遊技状態)では、主に、原点位置にて第1停止面3106又は第2停止面3107で停止(例えば、第1停止面3106と第2停止面3107とを交互に停止)する。これにより、移動回転体190の進出位置での演出及び第2停止面3107での停止に対する信頼度を高めることが可能となる。更に、高確時短遊技状態における無駄な移動回転体190の進出位置への飛び出しを抑制することも可能となる。
(3)移動回転体190の回転演出(ぐるぐる回転演出、大刻み回転演出、小刻み回転演出)は、その回転速度が、移動回転体190の位置に関連して変更するようにしてもよい。例えば、原点位置(及び移動中)では遅く、進出位置(及び移動中)では速く回転する。これにより、移動回転体190の進出位置での演出に対する信頼度を高めることが可能となる。更に、この回転速度は、遊技状態に関連して変更するようにしてもよい。例えば、大当たり確率の低い通常遊技状態又は低確時短遊技状態では、回転速度を速くし、大当たり確率の高い確変遊技状態又は高確時短遊技状態では、回転速度を遅くする。これにより、通常遊技状態又は低確時短遊技状態における移動回転体190の演出に対する信頼度を高めることが可能となる。
また更に、ぐるぐる回転演出は、遊技状態に関連してその回転方向を変更するようにしてもよい。例えば、遊技状態がリーチ又は大当たりになる場合には、図33(A)の矢印Dに示すように時計回りに回転し、はずれ又はリーチはずれになる場合には、図33(A)の矢印Eに示すように反時計回りに回転する。これにより、ぐるぐる回転演出において時計回りに回転した場合には、遊技者の期待度を高めることが可能となる。
(4)移動回転体190のガタガタ演出は、その移動速度や移動幅が、遊技状態に関連して変更するようにしてもよい。例えば、大当たり確率の低い通常遊技状態又は低確時短遊技状態では、移動速度を速くかつ移動幅を大きくし、大当たり確率の高い確変遊技状態又は高確時短遊技状態では、移動速度を遅くかつ移動幅を小さくする。これにより、通常遊技状態又は低確時短遊技状態における移動回転体190の演出に対する信頼度を高めることが可能となる。
(5)移動回転体190の発光態様は、移動回転体190の可動態様に関連して変更するようにしてもよい。例えば、移動回転体190の可動態様がガタガタ演出又は回転演出のみで行われる場合には、低輝度点灯/点滅(低速点滅)にし、ガタガタ演出及び回転演出両者で行われる場合には、高輝度点灯/点滅(高速点滅)にする。これにより、ガタガタ演出及び回転演出両者で行われる演出に対する信頼度を高めることが可能となる。
また、回転演出においては、ぐるぐる回転演出、大刻み回転演出、小刻み回転演出、無回転演出の順に、点灯/点滅の輝度を高輝度から低輝度にする。これにより、ぐるぐる回転演出、大刻み回転演出、小刻み回転演出、無回転演出の順に、信頼度を高めることが可能となる。更には、移動回転体190の発光態様は、移動回転体190の位置に関連して変更するようにしてもよい。例えば、原点位置での発光は輝度を低く又は消灯し、進出位置での発光は輝度を高くし、移動中での発光は輝度を高く又は輝度を低く若しくは消灯する。これにより、移動回転体190の進出位置での演出に対する信頼度を高めることが可能となる。また、移動回転体190の発光において、輝度が高ければ高いほど明度/彩度の高い発光色にすれば、回転演出で輝度の高い演出が行われた場合、更に遊技者の期待度を高めることが可能となる。
その他、移動回転体190は、移動直前に点灯/点滅又は消灯したり、移動中に点灯/点滅又は消灯したりすることもでき、更には、原点位置で消灯→進出位置で点灯、原点位置で点灯→進出位置で点灯、原点位置で点灯→進出位置で消灯、原点位置で消灯→進出位置で消灯、進出位置で消灯→原点位置で点灯、進出位置で点灯→原点位置で点灯、進出位置で点灯→原点位置で消灯、進出位置で消灯→原点位置で消灯する態様も可能である。
(6)移動回転体190の可動態様に関連して音声を変更するようにしてもよい。この音声変更は、上述の画像制御基板330が音声出力装置331を制御することにより行われる。例えば、移動回転体190が、原点位置に位置する場合や第1停止面3106で停止する場合は、音声出力を小さくし、進出位置に位置する場合や第2停止面3107で停止する場合は、音声出力を大きくする。これにより、移動回転体190の進出位置での演出及び第2停止面3107での停止に対する信頼度を高めることが可能となる。
また、回転演出においては、ぐるぐる回転演出、大刻み回転演出、小刻み回転演出、無回転演出の順に、音声出力を大から小にする。これにより、ぐるぐる回転演出、大刻み回転演出、小刻み回転演出、無回転演出の順に、信頼度を高めることが可能となる。更に、移動回転体190の可動態様がガタガタ演出又は回転演出のみで行われる場合には、音声出力を小さくし、ガタガタ演出及び回転演出両者で行われる場合には、音声出力を大きくする。これにより、ガタガタ演出及び回転演出両者で行われる演出に対する信頼度を高めることが可能となる。
以上、移動回転体190の演出態様の詳細について説明したが、移動回転体190の演出態様は、(1)〜(6)に限定されるものではなく、更に、遊技状態が大当たりになっている場合にも、適宜変化可能である。例えば、大当たりのオープニング、ラウンド中、エンディングで、又は、ラウンド毎に、あるいは、大当たりの種別(確変大当たり、通常大当たり等)によって、上記に準じて移動回転体190の演出態様を変化させてもよい。
また、遊技機100が、確変遊技状態に移行するための入賞領域(確変決定V領域)を備えたV確変機、あるいは、遊技機100が2種大当たりに移行するための入賞領域(2種大当たりV領域)を備えた1種2種混合機にあっては、大当たり遊技状態において、遊技球がV領域を通過したときに、上記に準じて移動回転体190の演出態様を変化させてもよい。例えば、遊技球がV領域(確変決定V領域、2種大当たりV領域)を通過したと
き、移動回転体190が原点位置から進出位置に飛び出し、進出位置で、回転速度の速い、時計回り、高輝度点灯/点滅(高速点滅)又は/及び音声出力大(大音量)のぐるぐる回転演出を行うようにすればよい。このようにすれば、遊技球がV領域を通過したとき、遊技者に多大な喜びと満足感を与える演出を実行でき、遊技の興趣が極めて向上する。
[操作レバー180と移動回転体190による関連演出(煽り演出含む)]
図36は、操作レバー180と移動回転体190とによる関連演出を説明するための図である。この図36は、操作レバー180が第1操作位置に位置し、移動回転体190が進出位置に位置している場合に、操作レバー180と移動回転体190との位置関係を遊技者目線で示している。すなわち、図36は、図1における枠ギミック機構195をやや下方から見上げた図に対応する。
演出制御基板320のサブCPU320aは、操作レバー180と移動回転体190とを用いて、操作レバー180と移動回転体190とが互いに絡む関連演出を実行可能である。以下に、この関連演出の3つの例を説明する。
関連演出1:
関連演出1は、図36に示すように、操作レバー180が第1操作位置に位置し、移動回転体190が進出位置に位置している場合に、操作レバー180と移動回転体190とが隣接して配置されることによって実現される。
関連演出2(煽り演出):
関連演出2は、操作レバー180を揺動させる操作レバー煽り演出(図26−3参照)を実行しつつ、移動回転体190を揺動させる回転体煽り演出(ガタガタ演出、小刻み回転演出、大刻み回転演出、ぐるぐる回転演出:図33、34参照)を実行することで実現される。このように操作レバー180による操作レバー煽り演出と移動回転体190による回転体煽り演出を総称して、単に煽り演出とも呼ぶ。この関連演出2(煽り演出)は、操作レバー180および移動回転体190がそれぞれ原点位置にある場合、または、操作レバー180が第1操作位置にあり、移動回転体190が進出位置にある場合に実行される。なお、これに限られず、関連演出2は、種々の場合に実行可能であり、関連演出2(煽り演出)は、操作レバー180が原点位置から第1操作位置の間にある場合であって、移動回転体190が原点位置にある場合に実行されてもよい。また、この関連演出2は、関連演出2(煽り演出)は、操作レバー180が第1操作位置にある場合であって、移動回転体190が原点位置と進出位置の間にある場合に実行されてもよい。
関連演出3:
関連演出3は、操作レバー180と移動回転体190とを点滅させる点滅演出を実行したり、操作レバー180と移動回転体190とを消灯状態から点灯させる点灯演出(図24、図31−1、図31−2参照)を実行することで実現される。
なお、上記関連演出1〜3を組み合わせて、一つの関連演出としてもよい。例えば、関連演出2としての煽り演出中に、関連演出3における点滅演出や点灯演出を実行するようにしてもよい。
ところで、上記関連演出において、移動回転体190が操作レバー180と隣接して配置される場合、移動回転体190で回転体煽り演出(ガタガタ演出、小刻み回転演出、大刻み回転演出、ぐるぐる回転演出)を実現される場合、および、移動回転体190で点滅演出、点灯演出が実行される場合では、移動回転体190(アウター3003)の停止態様が、第1停止面3106(ロゴレンズ3114側)となるパターンと、第2停止面3107(星レンズ3110側)となるパターンとの2つのパターンで実現される。
また、上記関連演出は、操作レバー180と移動回転体190とが関連的または一体的に行う演出であればよく、種々の演出を含む概念である。例えば、操作レバー180と移動回転体190とを用いて一つの意匠を形成し、操作レバー180と移動回転体190とを連動制御する演出を関連演出としてもよい。具体的には、操作レバー180に一つまたは複数の文字を形成し、移動回転体190に一つまたは複数の文字を形成し、操作レバー180と移動回転体190とによって、一つの文章、または、熟語を形成するようにしてもよい。また、操作レバー180に文字の一部を形成し、移動回転体190に文字の一部を形成し、操作レバー180と移動回転体190とによって、一つの文字を形成するようにしてもよい。また、操作レバー180にキャラクタの一部を形成し、移動回転体190にキャラクタの一部を形成し、操作レバー180と移動回転体190とによって、一つのキャラクタを形成するようにしてもよい。また、操作レバー180にシンボルマークの一部を形成し、移動回転体190にシンボルマークの一部を形成し、操作レバー180と移動回転体190とによって、一つのシンボルマークを形成するようにしてもよい。また、操作レバー180に絵の一部を形成し、移動回転体190に絵の一部を形成し、操作レバー180と移動回転体190とによって、一つの絵を形成するようにしてもよい。
上記では、操作レバー180と移動回転体190とを用いて関連演出を実行しているが、これに限られず、操作レバー180と移動回転体190とメイン表示装置131とを用いて関連演出を実行するようにしてもよい。例えば、操作レバー180と移動回転体190とで上記関連演出2または関連演出3を実行し、操作レバー180と移動回転体190とをメイン表示装置131に隣接させ、かつ、メイン表示装置131で、操作レバー180と移動回転体190による関連演出を示唆する表示演出(操作レバー180および移動回転体190がメイン表示装置131に移動する様子を表す表示演出など)を実行してもよい。また、操作レバー180と移動回転体190とメイン表示装置131との3つの装置を用いて、一つの意匠を形成するようにしてもよい。具体的には、操作レバー180に一つまたは複数の文字を形成し、移動回転体190に一つまたは複数の文字を形成し、メイン表示装置131に一つまたは複数の文字を形成し、操作レバー180と移動回転体190とメイン表示装置131とによって、一つの文章、または、熟語を形成するようにしてもよい。また、操作レバー180に文字の一部を形成し、移動回転体190に文字の一部を形成し、メイン表示装置131に文字の一部を形成し、操作レバー180と移動回転体190とメイン表示装置131とによって、一つの文字を形成するようにしてもよい。また、操作レバー180にキャラクタの一部を形成し、移動回転体190にキャラクタの一部を形成し、メイン表示装置131にキャラクタの一部を形成し、操作レバー180と移動回転体190とメイン表示装置131とによって、一つのキャラクタを形成するようにしてもよい。また、操作レバー180にシンボルマークの一部を形成し、移動回転体190にシンボルマークの一部を形成し、メイン表示装置131にシンボルマークの一部を形成し、操作レバー180と移動回転体190とメイン表示装置131とによって、一つのシンボルマークを形成するようにしてもよい。また、操作レバー180に絵の一部を形成し、移動回転体190に絵の一部を形成し、メイン表示装置131に絵の一部を形成し、操作レバー180と移動回転体190とメイン表示装置131とによって、一つの絵を形成するようにしてもよい。なお、上記では、操作レバー180と移動回転体190とメイン表示装置131との3つの装置で関連演出を実行する例を示したが、これに限られず、メイン表示装置131と操作レバー180、または、メイン表示装置131と移動回転体190とで、上記のような関連演出を実行するようにしてもよい。
上記では、操作レバー180と移動回転体190とを用いて関連演出を実行しているが、この場合に、メイン表示装置131を用いて関連演出の実行を示唆する表示演出を実行するようにしてもよい。
上記関連演出は、遊技球を隠さない領域、すなわち、遊技領域外で実行される。これに
より、遊技者は、遊技球の動きを視認しつつ、関連演出を視認することができ、その結果、遊技球の動きによる興趣と、関連演出による興趣との両方を享受することができる。
[操作レバー180と移動回転体190による回転体飛び出し演出]
サブCPU320aは、後述する演出パターンに基づく演出中に、操作レバー180が第1操作位置に操作された場合において、移動回転体190を原点位置から進出位置へ可動制御する回転体飛び出し演出(図14〜図16参照)を実行可能である。また、サブCPU320aは、後述する演出パターンに基づく演出中に、操作レバー180が第1操作位置に操作されたにも拘わらずに、移動回転体190を原点位置に留める回転体保留演出(図11〜図13参照)を実行可能である。回転体飛び出し演出、および、回転体保留演出は、後述の演出パターン1に基づく演出に含まれる。ただし、この回転体飛び出し演出と、回転体保留演出とは、同時に実行されることはない。
演出パターンに基づく演出中に、回転体飛び出し演出が出現した場合は、回転体保留演出が出現した場合よりも大当たり期待度が高くなるように設定されている。
なお、移動回転体190は、操作レバー180が原点位置から第1操作位置の間に位置する場合には、操作レバー180によって原点位置から進出位置へ飛び出す(進出する)ことはできない構成となっている。言い換えれば、移動回転体190は、操作レバー180が原点位置から第1操作位置の間に位置する場合には、操作レバー180によって飛び出しが抑制された状態であり、すなわち、固定された状態となっている。
遊技機100では、操作レバー180が第1操作位置に操作されたことに基づいて、移動回転体190が原点位置から進出位置へ飛び出す回転体飛び出し演出が実行される構成となっている。従って、回転体飛び出し演出時において、操作レバー180が第1操作位置に位置する場合に、移動回転体190が進出位置に位置することになるので、そのタイミングで、上述した煽り演出(関連演出2)を実行することができる。
上記回転体保留演出では、操作レバー180が操作されても移動回転体190は飛び出さないが、この場合に、移動回転体190を用いて、ぐるぐる回転演出を実行するようにしてもよい。このように、回転体保留演出において移動回転体190を用いてぐるぐる回転演出を実行する演出を、回転体保留ぐるぐる回転演出とも呼ぶ。
遊技機100では、移動回転体190が原点位置にあるかどうかを判断する回転体リトライ処理を随時実行する。ところで、後述の演出パターンに基づいて、上記回転体飛び出し演出を実行すると決定された場合であっても、回転体リトライ処理で、移動回転体190が原点位置にないと判断すると、すなわち、リトライエラーと判断すると、上記回転体飛び出し演出を実行せずに、当該回転体飛び出し演出の代わりに、回転体保留ぐるぐる回転演出を実行してもよい。なお、回転体リトライ処理において、所定回数(例えば、40回)連続で移動回転体190が原点位置にいない場合に、リトライエラーと判断する。
[操作レバー180と移動回転体190とリトラクタブル137との関係]
移動回転体190は、操作レバー180が第1操作位置まで操作されたことによって原点位置から進出位置に可動することができる。従って、演出制御基板320のサブCPU320aは、後述する演出パターンに基づく演出を実行する場合、操作レバー180が第1操作位置まで操作され、演出パターンに基づく所定のタイミングとなった場合に、移動回転体190を原点位置から進出位置に可動制御する。言い換えれば、サブCPU320aは、操作レバー180の位置に基づいて、移動回転体190の位置を可動制御していると言える。
リトラクタブル137は、操作レバー180が原点位置から第1操作位置まで徐々に操
作されると、徐々に原点位置から進出位置に機械的に可動する。言い換えれば、操作レバー180は、操作レバー180の位置に基づいて、リトラクタブル137の可動位置を制御している。
移動回転体190は、操作レバー180が第1操作位置まで操作されたことにより、リトラクタブル137が原点位置から進出位置へ可動したことによって、原点位置から進出位置に可動することができる。従って、サブCPU320aは、後述する演出パターンに基づく演出を実行する場合、操作レバー180が第1操作位置まで操作されることによって、リトラクタブル137が原点位置から進出位置へ可動されて、演出パターンに基づく所定のタイミングとなった場合に、移動回転体190を原点位置から進出位置に可動制御する。言い換えれば、サブCPU320aは、リトラクタブル137の位置に基づいて、移動回転体190の位置を可動制御していると言える。
なお、操作レバー180と移動回転体190とリトラクタブル137の関係において、以下のように表現することも可能である。すなわち、操作レバー180は、第1操作位置まで操作されるまで、移動回転体190の可動を制限しているとも表現できる。また、リトラクタブル137は、進出位置まで可動するまで、移動回転体190の可動を制限しているとも表現できる。
[操作レバー180と第1演出ボタン135との位置関係]
図37は、操作レバー180が原点位置に位置する場合の枠ギミック機構195を上から見た図である。言い換えれば、図37は、操作レバー180が原点位置に位置する場合の枠ギミック機構195をY方向から見た図である。
図38は、操作レバー180が第1操作位置に位置する場合の枠ギミック機構195を上から見た図である。言い換えれば、図38は、操作レバー180が第1操作位置に位置する場合の枠ギミック機構195をY方向から見た図である。
図39は、操作レバー180の操作軌跡を説明するための模式図である。詳しくは、図39は、遊技機100を横方向(X方向)から見た図である。図37と図39には、遊技機100の遊技盤102に平行な平面(X方向とY方向に平行な平面)であるXY平面xy1が、遊技者と遊技機100との間に示されている。また、図38と図39には、遊技機100の遊技盤102に平行な平面(X方向とY方向に平行な平面)であるXY平面xy2が、遊技者と遊技機100との間に示されている。さらに、図39には、操作レバー180が原点位置から収納位置までに操作された場合における操作軌跡を表す操作軌跡領域SKRが示されている。操作レバー180は、所定の支点を中心とした半円軌道に沿って操作可能となっており、図39に示すように、操作軌跡領域SKRは、X方向から見て、半円状の領域で表される。
本実施形態の遊技機100では、図37に示すように、操作レバー180が原点位置にある場合において、操作レバー180と第1演出ボタン135とがXY平面xy1を通過するように、操作レバー180と第1演出ボタン135とが配置されている。言い換えれば、操作レバー180が原点位置にある場合において、遊技機100の上から見た場合に操作レバー180と第1演出ボタン135とが重なるように、操作レバー180と第1演出ボタン135とが配置されている。
また、遊技機100では、図38に示すように、操作レバー180が第1操作位置にある場合において、操作レバー180と第1演出ボタン135とがXY平面xy2を通過するように、操作レバー180と第1演出ボタン135とが配置されている。言い換えれば、操作レバー180が第1操作位置にある場合において、遊技機100を上から見た場合
に操作レバー180と第1演出ボタン135とが重なるように、操作レバー180と第1演出ボタン135とが配置されている。
上記を言い換えれば、遊技機100では、操作レバー180の操作軌跡領域SKRと第1演出ボタン135とがXY平面xy1およびXY平面xy2を通過するように、操作レバー180と第1演出ボタン135とが配置されている。
なお、遊技機100は、これに限られず、操作レバー180の操作軌跡領域SKRの少なくとも一部を通過する所定のXY平面上に第1演出ボタン135が配置されている構成であればよい。
上記遊技機100では、操作レバー180の操作軌跡領域SKRと第1演出ボタン135とがXY平面xy1およびXY平面xy2を通過するように、操作レバー180と第1演出ボタン135とが配置されているが、これに限られず、操作レバー180が原点位置にある場合に、操作レバー180の略中心(中心軸)を通る所定のXY平面上に第1演出ボタン135が配置される構成でもよい。この場合、第1演出ボタン135において、第1演出ボタン135をY方向(上方向)から見た場合に、当該所定のXY平面よりも遊技者側の面積が、第1演出ボタン135をY方向から見た場合の面積の半分よりも大きくなるように、操作レバー180と第1演出ボタン135とが配置される構成であってもよい。このような構成により、遊技者に対して、操作レバー180の操作軌跡領域SKRよりも、第1演出ボタン135が遊技者側にある印象を付与することができ、第1演出ボタン135による演出を際立たせることができる。
上記遊技機100の操作レバー180は、所定の支点を中心とした半円軌道に沿って操作可能となっているが、これに限られず、遊技盤102に平行な平面に沿って操作可能な構成としてもよい。この場合、操作軌跡領域が、X方向(横方向)から見て長方形に形成される。
また、遊技機100では、操作レバー180と第1演出ボタン135とは、遊技盤102に垂直な平面であって遊技機100の上下方向に平行な平面(Y方向とZ方向に平行な平面)であるYZ平面を通過するように、配置されている。なお、このYZ平面は、遊技盤102の略中央領域を通過する平面である。しかしながら、これに限られず、YZ平面は、遊技盤102の略中央領域以外の領域(遊技盤102の右側領域、または、遊技盤102の左側領域など)を通過する平面としてもよい。
[発光移動ユニット]
図40〜図44に基づき、右サイドギミック140及び左サイドギミック141を備える発光移動ユニット4000について説明する。
[右サイドギミック140及び左サイドギミック141の構成]
図40(A)〜(C)は、右サイドギミック140及び左サイドギミック141の正面図である。理解を容易にする目的で、遊技機100における他の構成要素は図示を省略している。
右サイドギミック140は、右側支持部4001、右側回転発光部4002、右側固定発光部4003、右側回転発光部4002を移動させる右側移動機構部4004、及び右側回転発光部4002及び右側固定発光部4003に設けられたLEDの発光を制御する図示しない右側発光制御部を有している。
右側支持部4001には、右側固定発光部4003、右側移動機構部4004、及び右側発光制御部が取り付けられる。右側支持部4001は遊技盤102に対して固定されて
いる。
右側回転発光部4002は、主たる面が遊技盤102と略平行に配置された板状の部材であり、図40(A)の状態(後述する隣接状態)においては遊技領域106の中央を中心とする円周方向に長さを有している。右側回転発光部4002の内部にはLEDが配置されている。
右側固定発光部4003は主たる面が遊技盤102と略平行に配置された板状の部材であり、内部にはLEDが配置されている。
右側移動機構部4004は、右側支持部4001と右側回転発光部4002とを連結する右側連結部材4005と、右側連結部材4005を、右側第1回転軸4006を中心として右側支持部4001に対して回転させる駆動力を発生させる右側第1モータ4007と、右側回転発光部4002を、右側第2回転軸4008を中心として右側連結部材4005に対して回転させる駆動力を発生させる右側第2モータ4009と、各モータの駆動力を伝達する複数のギアと、を有する。ギアについての詳細な説明は割愛する。
なお、発光移動ユニット4000にて用いるモータは全てステップモータである。
右側連結部材4005は、長さを有する板状の部材である。右側連結部材4005は、一方の端部にて右側第1回転軸4006を中心に回転可能に右側支持部4001に支持されており、他方の端部にて右側第2回転軸4008を中心に回転可能に右側回転発光部4002を支持している。
右側第1回転軸4006は、右側支持部4001の下部に設けられる。右側連結部材4005が右側第1回転軸4006を中心として回転することで、右側連結部材4005に連結された右側回転発光部4002が移動する。
左サイドギミック141は、左側支持部4011、左側回転発光部4012、左側固定発光部4013、左側回転発光部4012を移動させる左側移動機構部4014、及び左側回転発光部4012及び左側固定発光部4013に設けられたLEDの発光を制御する図示しない左側発光制御部を有している。
左側支持部4011には、左側固定発光部4013、左側移動機構部4014、及び左側発光制御部が取り付けられる。左側支持部4011は遊技盤102に対して固定される。
左側回転発光部4012は、主たる面が遊技盤102と略平行に配置された板状の部材であり、図46(A)の状態においては遊技領域106の中央を中心とする円周方向に長さを有している。左側回転発光部4012の内部にはLEDが配置されている。
左側固定発光部4013は主たる面が遊技盤102と略平行に配置された板状の部材であり、内部にはLEDが配置されている。
左側移動機構部4014は、左側支持部4011と左側回転発光部4012とを連結する左側連結部材4015と、左側連結部材4015を、左側第1回転軸4016を中心として左側支持部4011に対して回転させる駆動力を発生させる左側第1モータ4017と、左側回転発光部4012を、左側第2回転軸4018を中心として左側連結部材4015に対して回転させる駆動力を発生させる左側第2モータ4019と、各モータの駆動力を伝達する複数のギアと、を有する。ギアについての詳細な説明は割愛する。
左側連結部材4015は、長さを有する板状の部材である。左側連結部材4015は、一方の端部にて左側第1回転軸4016を中心に回転可能に左側支持部4011に支持さ
れており、他方の端部にて左側第2回転軸4018を中心に回転可能に左側回転発光部4012を支持している。
左側第1回転軸4016は、左側支持部4011の上部に設けられる。左側連結部材4015が左側第1回転軸4016を中心として回転することで、左側連結部材4015に連結された左側回転発光部4012が移動する。
次に、発光移動ユニット4000の為す形態について説明する。
図40(A)において、右サイドギミック140は右側回転発光部4002が右側に位置し、右側固定発光部4003と隣接した隣接状態である。また、左サイドギミック141は左側回転発光部4012が左側に位置し、左側固定発光部4013と隣接する隣接状態である。
右側回転発光部4002及び右側固定発光部4003は、隣接状態において、上下に繋がった有意の形状を構成する。本実施形態においては、右側回転発光部4002及び右側固定発光部4003は遊技者から見て遊技領域106の中央を中心とする円周方向に長さを有する1つの板状の部材を構成する。左側回転発光部4012及び左側固定発光部4013も同様である。
なお隣接状態とは、所定の距離以下に接近した複数の部材を遊技者が視認した結果、1つの繋がっている形状の物体を想定できる程度に近接した状態である。所定の距離はその部材の形状や大きさによって個別に定まるが、例えば、2つの物体が並ぶ方向に関する間隔が、2つの物体を1つの形態として見たときの当該方向の長さの1/10、望ましくは1/20とすることが考えられる。
図40(B)、(C)において、右サイドギミック140は右側回転発光部4002が左に移動しており、隣接状態よりも右側固定発光部4003との間隔が離れた離間状態である。また、左サイドギミック141は左側回転発光部4012が右に移動しており、隣接状態よりも左側固定発光部4013との間隔が離れた離間状態である。
右サイドギミック140及び左サイドギミック141は、隣接状態と離間状態の間を遷移可能に構成されている。
[発光移動ユニット4000の発光機構]
次に、図41(A)〜(C)に基づいて左側回転発光部4012の内部の構成について説明する。
図41(A)は、左側回転発光部4012の分解図である。左側回転発光部4012は、発光基板4101と、導光板4102と、カバー4103と、を有する。
発光基板4101には、複数のLEDが配置されている。LED以外の回路やチップについては図示を省略する。
LEDは大きく2種類に分類できる。一方は、発光基板4101の縁部に間隔を空けて配置され、発光基板4101と直交する方向に光を照射する外縁LED4111である。他方は、発光基板4101の表面に沿う方向(図中、矢印方向)に光を照射する中央LED4112である。なお本項(右サイドギミック140及び左サイドギミック141の説明)における以下の記載において、単にLEDと記載する場合は、これら両方を含むものとする。
図41(A)の発光基板4101上に破線で示すように、導光板4102は、発光基板4101に組み付けられた状態においては中央LED4112を覆い、外縁LED411
1は覆わない。カバー4103は発光基板4101と導光板4102の全体を覆う。
外縁LED4111は、上述した直交方向に向けて、言い換えると遊技者に向けて光を照射する。その光は導光板4102を経由しないため、導光板4102による光の拡散が抑制される。その結果、外縁LED4111は発光領域を強く強調することができる。なお本項において、LEDによる強調とは、光が照射されることによりその領域が遊技者から明るく見えることを意味する。
外縁LED4111が配置される発光基板4101の縁部とは、左側回転発光部4012の縁部に相当する。外縁LED4111が発光することで、遊技者は左側回転発光部4012の縁部において強く強調された領域を視認することができる。
中央LED4112は、導光板4102に覆われており、導光板4102を照らすように構成されている。導光板4102は、導光板4102の長さ方向に沿って形成されたリブ4113により複数の領域4114に区切られている。
図41(B),(C)を用いて導光板4102の形状を詳細に説明する。上述した領域4114の下面には、中央LED4112が配置される位置(本項において、単にLED位置とも記載する)から、光の照射方向に配置された次の中央LED4112の位置までの領域である強調領域4115の間で、LED位置を中心とした同心円状に複数の溝4116が形成されている。溝4116はLED位置に近いほど円の半径が小さく溝4116のカーブが大きくなるため、LED位置の近傍では照射された光が大きく拡散する。一方、LED位置から離れると拡散の度合が低下する。
このような導光板4102により、上述した強調領域4115内において中央LED4112の光を適度に拡散しつつその領域内を強調する。導光板4102には、中央LED4112それぞれに対応する強調領域4115が設けられている。よって、中央LED4112の発光を個別に制御することにより、強調領域4115単位で強調の有無が制御される。
カバー4103は、透光性の部材であって、着色がなされ、また光拡散のための凹凸や傾斜面が形成されている。
図41(D)は、左側固定発光部4013のLED配置を示している。左側固定発光部4013は、詳細な説明は割愛するが、左側回転発光部4012と同様に発光基板、導光板、カバーなどを有している。
なお、右側回転発光部4002及び右側固定発光部4003も、左側回転発光部4012及び左側固定発光部4013と同様の構成であるため、詳細な説明を割愛する。
[右側回転発光部4002と左側回転発光部4012の位置関係]
図42は、メイン表示装置131と、右側回転発光部4002と、左側回転発光部4012との位置関係を示す模式的な側面図である。図42に示されるように、メイン表示装置131の前方に間隔を空けて右側回転発光部4002が位置しており、右側回転発光部4002の前方に間隔を空けて左側回転発光部4012が位置している。即ち、右側回転発光部4002と左側回転発光部4012とは前後方向(Z方向)に離間している。
右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012が変位する範囲も、図42に示す位置関係をとる。つまり、右側回転発光部4002が隣接状態から離間状態の間で変位する範囲及び右側第2回転軸4008を中心として回転変位する範囲より前方に、左側回転発光部4012が隣接状態から離間状態の間で変位する範囲及び左側第2回転軸4018を中心として回転変位する範囲が位置する。なお、遊技領域106における前方とは遊技
者側の方向である。
[発光移動ユニット4000による演出の例]
図43(A)〜(C)を用いて、右サイドギミック140及び左サイドギミック141による複合演出を説明する。この演出は、右側移動機構部4004、右側発光制御部、左側移動機構部4014、及び左側発光制御部を制御するランプ制御基板340によって実行される。図43(A)〜(C)は、右サイドギミック140及び左サイドギミック141の正面図である。
複合演出は、発光演出を実行している期間内に、(i)隣接状態、(ii)離間状態、(iii)離間状態にて右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012が回転する状態、(iv)離間状態にて上記回転が停止する状態、(v)隣接状態、の5つの状態を(i)〜(v)の順番で遷移する演出である。
発光演出とは、LEDの点灯、消灯、点滅などを所定の順序で実行することによる演出である。なお、発光演出を実行していない状態とは、LEDが発光していない状態のみを指すものではなく、発光演出として予め定められたパターン以外の発光を行っている状態も含む。
図43(A)は、上記(i)の隣接状態にて発光演出を行っている状態を示している。
図43(B)は、上記(ii)の離間状態に遷移した状態を示している。右側回転発光部4002と右側固定発光部4003、及び、左側回転発光部4012と左側固定発光部4013とはそれぞれ離間するが、発光演出は継続されており、それぞれに設けられたLEDは所定パターンでの点灯が引き続き実行される。
図43(C)は、上記(iii)の右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012が共に回転し、それらの一部が前後方向(Z方向)に重なるタイミングの一例を示している。上述したように右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012の回転する領域は前後方向に離間している。よって、右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012が共に回転しても接触することはない。
なお本実施形態においては、右側回転発光部4002は左回りに回転し、左側回転発光部4012は右回りに回転する構成を例示しているが、回転の方向はこの例に限らない。この例と逆に回転してもよいし、右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012が同一の方向に回転してもよい。
また、右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012のどちらか一方または両方の回転速度を変化させてもよい。たとえば、高速回転と低速回転(または停止)を繰り返すように構成されていてもよい。
上記(iii)の後、右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012の回転が停止して(iv)の状態となる。この状態は、図43(B)に示す(ii)の状態と同様である。
上記(iv)の後、隣接状態に遷移して(v)の状態となる。この状態は、図43(A)に示す(i)の状態と同様である。
ところで、ランプ制御基板340は、図43(A)の隣接状態から図43(B)の離間状態に遷移させるとき、即ち、右側第1モータ4007を駆動して右側連結部材4005を回転させ右側回転発光部4002を遊技領域106の中央側に移動させるときには、右側第2モータ4009に通電して励磁状態とし静止トルクを発生させる。このように静止トルクを発生させることで、右側連結部材4005が回転するときに右側回転発光部4002が右側連結部材4005に対してふらふらと揺れ動いてしまうことを抑制する。離間状態から隣接状態に戻るときも同様に静止トルクを発生させる。
またランプ制御基板340は、右側第2モータ4009を駆動して図43(C)のように右側回転発光部4002を回転させるときには、右側第1モータ4007に通電して励磁状態とし静止トルクを発生させる。このように静止トルクを発生させることで、右側回転発光部4002が回転するときに右側連結部材4005が右側支持部4001に対して揺れ動いてしまうことを抑制する。
左サイドギミック141においても上述した右サイドギミック140の場合と同様に、ランプ制御基板340はモータを励磁して静止トルクを発生させることで、隣接状態から離間状態となるとき及び離間状態から隣接状態となるときにおける左側回転発光部4012の左側連結部材4015に対する揺れ動き(ふらつき)、及び、左側回転発光部4012が回転するときの左側連結部材4015の左側支持部4011に対する揺れ動き(ふらつき)を抑制する。
なお、励磁状態として静止トルクを発生させる場合には、2相励磁とすることが考えられる。
複合演出の変形例を説明する。複合演出は、発光演出を実行する期間内に隣接状態から離間状態になり、更に隣接状態に戻るという動作を含む様々な態様とすることができる。例えば、上述した(iii)(iv)が実行されない演出、つまり右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012が回転しない演出であってもよい。
また、上述した(iii)のような回転動作以外の動作を実行する演出であってもよい。例えば上記(ii)の後、右側回転発光部4002がXY平面方向に移動し、その後(v)となる演出や、(ii)の後に右側回転発光部4002が複数のパーツに分解し、その後再び一体化して(v)となる演出などが考えられる。左側回転発光部4012においても同様である。
また、上記(i)の前、又は(v)の後に何らかの演出が加えられてもよい。例えば、右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012が回転しているときに発光演出が開始され、その後発光演出が継続されたまま回転を停止して隣接状態(i)となり、その後(ii)〜(v)の状態に順に遷移する演出を実行してもよい。
また発光演出は、上述したように右側回転発光部4002,右側固定発光部4003,左側回転発光部4012,及び左側固定発光部4013からなる発光体群が点灯や点滅を継続する演出のみに限定されず、発光体群のいずれかのLEDが一定期間消灯したり、発光体群が順番に発光したりする演出としてもよい。
例えば、上述した(iii)の回転動作を行うタイミングにおいて右側固定発光部4003及び左側固定発光部4013の発光を停止する演出とすることで、回転する右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012を強調させることができる。また、右サイドギミック140と左サイドギミック141を交互に発光させる演出としてもよい。
また例えば発光演出において、右サイドギミック140及び左サイドギミック141のいずれか一方又は両方のLEDが全て消灯するタイミングを有していてもよいし、発光演出中はいずれか1つ以上のLEDが点灯しているように構成されていてもよい。
図43(D)は、上記(iii)のように発光演出を行いながら左側回転発光部4012が回転したときの遊技者から見える光の軌跡を模式的に示したものである。外縁LED4111は強い光を放つため、くっきりとした軌跡を確認することができる。中央LED4112により強調される複数の強調領域4115の一部は、幅方向に並ぶ強調領域4115同士(強調領域4115a同士、又は強調領域4115b同士)の長さ方向の配置が揃うようになっている。したがって、長さ方向に並ぶ強調領域4115(強調領域4115aと強調領域4115b)については軌跡が重ならず、遊技者はそれぞれの発光を個別に認識することができる。
図44(A)〜(C)を用いて、その他の演出について説明する。
図44(A)は、右側連結部材4005及び左側連結部材4015が小刻みに動作する演出の説明図である。この演出では、右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012が隣接状態から破線の位置までの間でガタガタと震える。右側回転発光部4002と右側固定発光部4003、及び、左側回転発光部4012と左側固定発光部4013は、隣接状態において1つの形状を構成しているため、その一部分のみが震える動作することで遊技者に新しい興趣を与えることができる。
図44(B)は、LEDの点灯を上下方向に移動させる演出の説明図である。右側回転発光部4002及び右側固定発光部4003は全体として上下に長く配置されるため、全体を通して上下に発光位置を変化させることで、遊技者に新しい興趣を与えることができる。左サイドギミック141についても同様である。
なお、右サイドギミック140及び左サイドギミック141の両方を共に発光させる場合、それぞれが同じ方向に発光位置を移動させてもよいが、上下の方向が異なるようにしてもよい。右サイドギミック140及び左サイドギミック141はそれぞれ円周状に長さを有しているため、上下を異ならせて発光させることで発光位置が回転しているように遊技者に見せることができる。
図44(C)は、LEDの点灯を左右方向に移動させる演出の説明図である。右サイドギミック140及び左サイドギミック141の両方を共に発光させる場合、それぞれが同じ方向に発光位置を変化させてもよいが、左右を異ならせてもよい。
なお、図43及び図44で説明した演出は、右サイドギミック140及び左サイドギミック141が共に行うものを例示したが、左右のいずれか一方のみで行われてもよい。また右サイドギミック140及び左サイドギミック141の発光は点対称、線対称となるように実行されてもよいし、左右で全く別の発光制御を行ってもよい。
また、右側連結部材4005及び左側連結部材4015を回転させることによる右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012の移動も、左右が同時に実行されてもよいし、異なるタイミングで実行されてもよい。例えば右側回転発光部4002及び左側回転発光部4012を交互に動作させてもよい。
[サブ表示装置装飾ユニット及びサブ表示装置可動ユニット]
図45〜図51に基づき、サブ表示装置装飾ユニット4501及びサブ表示装置可動ユニット4801について説明する。
[サブ表示装置装飾ユニットの爪状役物の移動態様]
図45(A)〜(C)は、サブ表示装置139及びサブ表示装置装飾ユニット4501の正面図である。サブ表示装置139とサブ表示装置装飾ユニット4501との位置関係が変化することにより遊技者により視認される形態が変化するため、ここではそれらの取り得る形態を説明する。
サブ表示装置139は表示画面4502を有しており、画像制御基板330からの制御信号に従って画像を表示する。
サブ表示装置装飾ユニット4501は、3つの爪状役物4503と、爪状役物4503を移動させる移動機構と、を有している。移動機構については後述する。
図45(A)は、サブ表示装置139の後方、言い換えると背面側に爪状役物4503が配置されている状態を示す正面図である。以降、爪状役物4503のこの位置を背面位置と記載する。この背面位置においては、爪状役物4503は遊技者から視認されない。
図45(B)は、爪状役物4503が背面位置から一定距離上方に移動した状態を示す正面図である。以降、爪状役物4503のこの位置を途上位置と記載する。この途上位置においては、遊技者はサブ表示装置139の上方に爪状役物4503の一部(裏面側)を視認することができる。
図45(C)は、爪状役物4503の一部がサブ表示装置139の前方に位置するように移動した状態を示す正面図である。以降、爪状役物4503のこの位置を前面位置と記載する。上述した背面位置及び途上位置においては、爪状役物4503はサブ表示装置139の表示画面4502を全く隠さない。一方、前面位置においては、爪状役物4503が表示画面4502の一部を覆う。
なお、3つの爪状役物4503は間隔を空けて設けられているため、前面位置においても表示画面4502を隠し過ぎることがない。
なお確認的に記載すると、上述した背面位置、途上位置、及び前面位置は、爪状役物4503のサブ表示装置139を基準とした位置である。また前後方向は上述したZ方向であり、遊技者が位置する方向が前方である。
図46(A)〜(D)は、サブ表示装置139及びサブ表示装置装飾ユニット4501の一部を模式的に示す側面図であって、図46(A)は爪状役物4503が背面位置にある状態であり、図46(B)は爪状役物4503が途上位置にある状態であり、図46(C)は、爪状役物4503が途上位置からわずかに前方に移動した状態であり、図46(D)は爪状役物4503が前面位置にある状態である。
なお図46(A)〜(D)では、各構成要素の位置関係の理解を容易にするため、部品単位で実線と破線とを使い分けている。よって、他部品に隠れているが実線で示される部分と、隠れていないが破線で示される部分とが存在する。図51においても同様である。
図46(A)〜(D)に示されるように、サブ表示装置装飾ユニット4501は爪状役物4503を支持する複数の部品を有している。具体的には、基部4601と、第1連結部4602と、第2連結部4603と、を有している。なお、1つの基部4601から3組の第1連結部4602及び第2連結部4603が設けられており、それら3組の先にそれぞれ爪状役物4503が設けられている。これら3組は同じように作動するため、代表して1つを図示する。
図46(A)に示すように、背面位置においては基部4601、第1連結部4602及び第2連結部4603は上下(Y方向)に並ぶような位置関係となっている。
図46(B)に示すように、途上位置においても、基部4601、第1連結部4602及び第2連結部4603の位置関係は背面位置と同じである。即ち、爪状役物4503は同じ態様のまま背面位置から途上位置までの範囲を移動する。
図46(C)に示すように、途上位置から基部4601がわずかに上方に移動すると、第1連結部4602及び第2連結部4603は基部4601に対して前方に傾斜し、爪状役物4503はそれらよりも大きく前方に傾斜する。
図46(D)に示すように、前面位置においては、基部4601は途上位置よりも更に上方に位置する。第1連結部4602及び第2連結部4603は図46(C)の状態よりも大きく前方に傾斜する。爪状役物4503は先端が下向きに折り返されて下方を向くようになる。
以上説明したように、爪状役物4503は、サブ表示装置139を基準とする上述した背面位置から前面位置までを含む範囲で移動する。爪状役物4503が背面位置から前面位置に移動するとき、基部4601は上方に移動する。爪状役物4503は、背面位置から途上位置までの範囲では上方に移動するだけであるが、途上位置よりも前面位置側に位置するときには、前面位置側に近づくほど大きく前方に傾斜する。即ち、爪状役物4503は、上昇する動きと、前方に折れ曲がる動きと、の2段階の動作を実行する。
爪状役物4503がこのように移動することにより、遊技者からは、隠れていた爪状役物4503が急にサブ表示装置139の後方から表示画面4502を覆う位置に現われたように見える。
また、爪状役物4503は、図46(A)〜(C)の範囲でのみ移動させる演出、即ち、遊技者からその裏面側のみが見える状態で移動する演出や、図46(B)〜(D)の範囲でのみ移動する演出、即ち、遊技者から常に爪状役物4503が見える状態で移動する演出なども可能である。また、図46(A),(B)の範囲で爪状役物4503が折れ曲がらずに動作する演出も可能である。
[サブ表示装置及び爪状役物の移動態様]
次に、メイン表示装置131を基準とした、サブ表示装置139及び爪状役物4503の移動について説明する。
図47(A)〜(I)は、メイン表示装置131及びサブ表示装置装飾ユニット4501の一部を模式的に示す側面図である。メイン表示装置131は移動せず、サブ表示装置139及びサブ表示装置装飾ユニット4501のみ位置が変化する。
図47(A)は、サブ表示装置139がメイン表示装置131の下部の前方に位置する状態を示す側面図である。以降、サブ表示装置139のこの位置を下方位置と記載する。図47(A)では、爪状役物4503は背面位置に位置する。
図47(B)は、サブ表示装置139が下方位置と比較して相対的に上方に位置する状態を示す側面図である。以降、サブ表示装置139のこの位置を中間位置と記載する。図47(B)では、爪状役物4503は背面位置に位置する。
図47(C)は、サブ表示装置139が中間位置と比較して相対的に上方に位置する状態を示す側面図である。以降、サブ表示装置139のこの位置を上方位置と記載する。図47(C)では、爪状役物4503は背面位置に位置する。
図47(D)は、サブ表示装置139が下方位置であって、爪状役物4503が途上位置に位置する状態を示す模式図である。
図47(E)は、サブ表示装置139が中間位置であって、爪状役物4503が途上位置に位置する状態を示す模式図である。
図47(F)は、サブ表示装置139が上方位置であって、爪状役物4503が途上位置に位置する状態を示す模式図である。
図47(G)は、サブ表示装置139が下方位置であって、爪状役物4503が前面位置に位置する状態を示す模式図である。
図47(H)は、サブ表示装置139が中間位置であって、爪状役物4503が前面位置に位置する状態を示す模式図である。
図47(I)は、サブ表示装置139が上方位置であって、爪状役物4503が前面位置に位置する状態を示す模式図である。
爪状役物4503は、サブ表示装置139が下方位置及び上方位置の間のいずれかの領域に位置する場合に、自在に背面位置から前面位置までの間で移動することができる。ま
た、サブ表示装置139は、爪状役物4503が背面位置及び前面位置の間のいずれかの領域に位置する場合に、自在に下方位置から上方位置までの間で移動することができる。
言い換えると、サブ表示装置139と爪状役物4503とは別個に移動することができ、いずれか一方の位置によって制限を受けることなく移動が可能である。
このような移動が可能である、サブ表示装置139及び爪状役物4503により、以下のような演出が可能である。
(i)サブ表示装置139が下方位置及び上方位置の間のいずれかの領域に位置するときに、隠れていた爪状役物4503が遊技者によって視認可能である位置に現われる演出(爪出現演出)が可能である。
例えば、図47において(A)(D)(G)の順、(B)(E)(H)の順、(C)(F)(I)の順に遷移する演出や、図46において(A)(B)(C)(D)の順に遷移する演出が上記演出に該当する。
(ii)サブ表示装置139が下方位置及び上方位置の間のいずれかの領域に位置するときに、遊技者によって視認可能である位置に存在していた爪状役物4503が隠れる演出(爪消失演出)が可能である。
例えば、図47において(G)(D)(A)の順、(H)(E)(B)の順、(I)(F)(C)の順に遷移する演出が上記演出に該当する。
(iii)爪状役物4503が前面位置又は遊技者から視認可能な位置に存在するときに、サブ表示装置139が移動する演出が可能である。
具体的には、例えば、爪状役物4503が隠れた位置から視認可能である位置に出現し、その状態から爪状役物4503は移動せずサブ表示装置139のみ下方に移動する演出(爪押下演出、図47において(C)(F)(I)(H)(G)の順に遷移)が可能である。この爪押下演出では、爪状役物4503によってサブ表示装置139が移動した演出を遊技者に視認させることができる。
また、爪状役物4503は移動せずに図47において(I)(H)(G)の順に遷移する演出も可能である。
また、爪押下演出の前にサブ表示装置139が上方に移動してもよい。つまり、図47において(A)(B)(C)(F)(I)(H)(G)の順に遷移する演出であってもよい。
(iv)サブ表示装置139と爪状役物4503とが共に移動する演出が可能である。サブ表示装置139及び爪状役物4503の移動の開始及び停止がいずれも同時であってもよいし、開始及び停止のいずれか一方及び両方のタイミングが異なっていてもよい。
具体的には、例えば、サブ表示装置139が下方位置から上方位置へ移動する間に、爪状役物4503は背面位置から前面位置へ移動し、また背面位置へ戻るという演出が考えられる。つまり、図47において(A)(H)(C)の順に遷移する演出が考えられる。爪状役物4503は、図47において(A)から(H)に遷移する間に背面位置から前面位置に移動し、(H)から(C)に遷移する間に前面位置から背面位置に移動する。
ところで、上述したサブ表示装置139及び爪状役物4503の移動範囲や形態はあくまで一例である。一定の範囲を移動することで遊技者によって視認される形態が変化する範囲で、様々な構成を採用することができる。
例えば、爪状役物4503が背面位置に移動する構成を例示したが、爪状役物4503
は完全に遊技者から視認できない位置まで移動するものでなくてもよい。爪状役物4503における遊技者から視認される領域の大きさが変化したり、視認される領域自体が変化したりすることで、サブ表示装置139及びサブ表示装置装飾ユニット4501全体としての形態が変化し、遊技者の興趣の向上を図ることができるものであることが望ましい。
なお、サブ表示装置139及び爪状役物4503は、それらの移動範囲においてわずかに移動したり、その移動の後すぐに元の位置に戻ったりすることもできる。例えば、爪状役物4503が前面位置から途上位置に向かって移動し、すぐに前面位置に戻る、という移動を小刻みに繰り返す演出が可能である。
[サブ表示装置可動ユニットによるサブ表示装置139の移動]
次に、サブ表示装置可動ユニット4801について説明する。以下の説明に用いる図において、サブ表示装置139の移動に関連しない部品は図示しない場合がある。なお、以下の説明で登場するモータの駆動は、ランプ制御基板340により制御されている。即ち、サブ表示装置139の移動、及びそれを用いた演出は、ランプ制御基板340により制御されている。
図48−1(A),(B)は、サブ表示装置139を移動させるサブ表示装置可動ユニット4801の正面図である。図48−1(A)はサブ表示装置139が上述した下方位置にあるときの状態を示しており、図48−1(B)はサブ表示装置139が上述した上方位置にあるときの状態を示している。
爪状役物4503はサブ表示装置装飾ユニット4501ごとサブ表示装置139に設けられているため、サブ表示装置139が移動すると爪状役物4503も移動する。なお“サブ表示装置139に設けられている”状態とは、サブ表示装置装飾ユニット4501がサブ表示装置139に対して固定された部分を有しており、サブ表示装置139が移動すれば爪状役物4503がサブ表示装置139に伴って移動する状態を意味する。
サブ表示装置可動ユニット4801は、遊技盤102に対して固定される盤面固定部4802と、サブ表示装置139に固定されてサブ表示装置139を支持する板状の第1支持部4803と、を有する。
盤面固定部4802には、図示しないモータと、モータにより駆動する第1腕部4804と、モータの駆動力を第1腕部4804に伝達する図示しない複数のギアと、が設けられている。
第1腕部4804は棒状の部材であって、回転軸4805を中心として回転する。回転軸4805から間隔を空けた第1腕部4804の先端付近には、長穴4806が形成されている。この長穴4806には、第1支持部4803に設けられた突起4807が挿入されている。
第1腕部4804はモータの回転に伴って回転する。第1腕部4804は、図48−1(A)に示すようにその先端が下方にある位置と、図48−1(B)に示すように先端が相対的に上方にある位置と、の間を移動する。
第1腕部4804の先端が下方にあるときは、突起4807も下方に位置している。第1腕部4804の先端が上方に移動すると、第1腕部4804は長穴4806に挿入されている突起4807を上方に押し上げる。
その結果、第1支持部4803全体がサブ表示装置139と共に上方に移動する。第1
腕部4804の先端が下方に移動すると、第1支持部4803と共にサブ表示装置139も下方に移動する。
図48−2は、サブ表示装置139が移動した状態を説明する遊技機100の正面図である。上方位置にあるときのサブ表示装置139は実線(一部破線)で示されており、下方位置にあるときのサブ表示装置139は二点鎖線で示されている。サブ表示装置139は、上方位置にあるときは下方位置のときよりもメイン表示装置131の中央寄りに位置している。そのため、遊技者により注目されやすくなり、画面表示による演出や爪状役物4503を用いた演出などの効果が高くなる。なお、図1はサブ表示装置139が下方位置であって、爪状役物4503が背面位置にある場合を示している。
[サブ表示装置装飾ユニットの移動機構]
図49〜51を用いて、サブ表示装置装飾ユニット4501における爪状役物4503を移動させる移動機構について説明する。サブ表示装置装飾ユニット4501は、爪状役物4503を上下に移動させる機構と、その移動に伴って爪状役物4503を折り曲げる機構と、を有している。以下の説明で登場するモータの駆動は、ランプ制御基板340により制御されている。即ち、爪状役物4503の移動、及びそれを用いた演出は、ランプ制御基板340により制御されている。
まず、爪状役物4503を上下に移動させる機構を説明する。
図49(A),(B)は、爪状役物4503を移動させる移動機構の一部を示す正面図である。図49(A)は爪状役物4503が上述した背面位置にあるときの状態を示しており、図49(B)は爪状役物4503が上述した前面位置にあるときの状態を示している。なお図49(A),(B)では、各構成要素の位置関係の理解を容易にするため、爪状役物4503をその位置に関わらず破線で示している。
サブ表示装置装飾ユニット4501はサブ表示装置139に設けられている。より厳密には、サブ表示装置装飾ユニット4501は第1支持部4803を介してサブ表示装置139に固定されており、サブ表示装置139の上下の移動にあわせて上下に移動する。
サブ表示装置装飾ユニット4501は、図示しないモータの回転軸に設けられたモータギア4901と、モータギア4901の回転に伴って回転する一対の第2腕部4903(4903L,4903R)と、上下に移動する第2支持部4904と、を有する。一対の第2腕部4903L,4903Rはいずれも棒状の部材であって、左右方向(X方向)に隣接する回転軸4911L,4911Rを中心として、逆方向に回転する。
なお、上述したモータギア4901及びその他のギア,回転軸4911L,4911Rは、第1支持部4803に固定された図示しないギアボックス内に設けられており、第1支持部4803に対して位置が変化しない。
第2腕部4903L,4903Rにおける回転軸4911L,4911Rから間隔を空けた端部近傍には、突起4912が形成されている。
第2支持部4904には、左右方向に長さを有する長穴4913が形成されている。突起4912は長穴4913に挿入されている。この第2支持部4904は、第1支持部4803に左右一対に設けられた上下方向に長さを有するガイド穴4914に沿って上下方向に移動する。
また第2支持部4904は、ガイド穴4914を介して、第1支持部4803を基準として第2支持部4904が位置する側とは反対側に位置する基部4601と連結されている。
第2腕部4903はモータの回転に伴って回転する。第2腕部4903は、突起4912が図49(A)に示すように下方にある位置と、突起4912が図49(B)に示すように相対的に上方にある位置と、の間を回転移動する。突起4912が下方にある状態にて、モータを駆動力として、左側の第2腕部4903Lは右回りに回転させ、右側の第2腕部4903Rは左回りに回転させると、突起4912が上方に移動する。この突起4912の移動に伴って第2支持部4904が上方に移動する。
第2支持部4904が上方に移動すると基部4601も上方に移動し、爪状役物4503も上方に移動する。なおモータを上述したものと逆に回転させると、突起4912は下方に移動し、それに伴って基部4601も下方に移動する。
次に、爪状役物4503、第1連結部4602及び第2連結部4603を折り曲げる機構について説明する。上述したように、爪状役物4503、第1連結部4602及び第2連結部4603は3組設けられているが、これら3組は同じように作動するため、代表して1つを説明する。
図50(A)は、第1支持部4803の背面図である。図50(A)に示すように、第1支持部4803にはガイド穴4914以外に3つの長穴5001が形成されている。基部4601には、板状の第1支持部4803の法線方向に長さを有する回転軸5002を中心に回転する回転片5003が配置されている。この回転片5003には、回転軸5002から間隔を空けた位置に突起5004が設けられており、突起5004が長穴5001に挿入されている。
長穴5001は、下端から上方の所定高さまでは上下方向の直線状に形成されており、所定高さにて屈曲し、その上方は上下方向に対して傾斜した直線状に形成されている。以降、下端から屈曲部分5001aまでの範囲を第1範囲とし、屈曲部分5001aより上側を第2範囲として説明する。
図50(B)は突起5004が第1範囲に存在するときの回転片5003の拡大図であって、図50(C)は突起5004が第2範囲に存在するときの回転片5003の拡大図である。
回転片5003は、突起5004が第1範囲に存在する間は、基部4601が上下に移動しても変位しない。しかしながら、基部4601が上方向に移動し、突起5004が第2範囲に入ると、長穴5001が傾斜しているため突起の位置が長穴5001に沿って移動する。それにより、回転片5003は回転軸5002を中心として回転する。
回転片5003は、第1連結部4602に設けられている押し片5011と係合する係合部5012が設けられている。押し片5011は、回転片5003の回転に伴って上下方向に移動する。
図51(A),(B)は、基部4601,第1連結部4602,第2連結部4603,及び爪状役物4503を模式的に示す側面図である。
第1連結部4602及び第2連結部4603は、基部4601及び爪状役物4503のそれぞれに対して回転可能に連結されている。
第1連結部4602は、第1主回転軸5101を中心として基部4601に対して回転可能に連結されており、第2主回転軸5102を中心として爪状役物4503に対して回転可能に連結されている。
また第2連結部4603は、第1副回転軸5111を中心として基部4601に対して回転可能に連結されており、第2副回転軸5112を中心として爪状役物4503に対して回転可能に連結されている。
即ち、基部4601,第1連結部4602,第2連結部4603,及び爪状役物4503は、基部4601が固定された四節リンク機構を構成する。この四節リンクは、第1連結部4602が第1主回転軸5101を中心に前方に回転すると、爪状役物4503が第1連結部4602に対して前方に回転するように構成されている。
第1連結部4602には、上述したように押し片5011が設けられている。押し片5011が回転片5003の回転に伴って下方から上方に移動すると、つまり図50(B)から図50(C)の状態に遷移すると、第1連結部4602が第1主回転軸5101を中心に前方に回転する。その結果、爪状役物4503も前方に回転する。
以上説明したように、サブ表示装置装飾ユニット4501は、モータの回転によって第2支持部4904が上下する。基部4601は、間に第1支持部4803を挟んで第2支持部4904に固定されているため、第2支持部4904が上下に移動すればそれに伴って上下に移動する。
基部4601が上方に移動して突起5004が長穴5001の屈曲部分5001aを越えると(長穴5001の第1範囲から第2範囲に進入すると)、回転片5003が回転して第1連結部4602を前方に回転させる。このとき第1連結部4602は前方に傾斜しているが、四節リンクによって爪状役物4503は第1連結部4602よりも大きく前方に回転する。基部4601が可動範囲の上端まで移動すると、爪状役物4503の先端は下方に折り返されたようになる。
ところで、図51(C),(D)に示すように、第1連結部4602及び第2連結部4603における爪状役物4503と基部4601の間の領域は、前側、即ちサブ表示装置139側が後方に窪んだ凹状に形成されている。
図51(C),(D)は、第1連結部4602及び第2連結部4603の拡大図である。
図51(C)に示すように、第1連結部4602における、サブ表示装置139と近接する側に設けられた凹部5121は、その最深部が第1主回転軸5101と第2主回転軸5102とを結んだ線分を越えた位置にある。
図51(D)に示すように、第2連結部4603における、サブ表示装置139と近接する側に設けられた凹部5122は、その最深部が第1副回転軸5111と第2副回転軸5112とを結んだ線分を越えた位置にある。
このように凹部が形成されていることより、第1連結部4602及び第2連結部4603が前傾してもサブ表示装置139に接触しにくくなる結果、第1連結部4602及び第2連結部4603をよりサブ表示装置139に近い位置に配置できる(図46(C),(D)参照)。それにより、爪状役物4503はサブ表示装置139により近い位置で屈曲等の作動を行うことができ、遊技者に対して恰も爪状役物4503がサブ表示装置139の上を滑るように移動したように視認させることができる。
[第1演出ボタンの構成]
図52〜図57に基づき、次に第1演出ボタン135の構成について説明する。
図52に基づき、まず、第1演出ボタン135の概略の構成について説明する。図52
は、ボタンカバー5207を外した状態の第1演出ボタン135の概略の外観図である。
第1演出ボタン135は、ベース5200(図52参照)、機構部5201(図55参照)、第1基板5202(図54参照)、レンズ板5203(図57参照)、ボタン部5204、第2基板5205(図54参照)及びボタンカバー5207を備えており、ボタン部5204の内部に、機構部5201、第1基板5202、レンズ板5203、第2基板5205が配置されている。
ベース5200は、アクリルなどの樹脂材を略筒状に形成したものであり、円筒内部に機構部5201が配置され、円筒の端面に第2基板5205が載置されている。
ベース5200には、上部可動板5505が下端に位置したことを検知する図示しないボタンセンサが設けられている。このボタンセンサは、光センサであり、後述するように、上部可動板5505の下側面に設けられた突起によって、光が遮断されることによるオン、光が検出されるときにオフとなる。つまり、ボタン部5204が遊技者により押下されることによって、上部可動板5505が下端まで押下げられた場合に、突起によって光センサがオンとなりボタン部5204が下端まだ押下されたことを検知するようになっている。
図53に基づき、次に、ボタン部5204及びボタンカバー5207の構成について説明する。図53(a)は、ボタン部5204の外観図であり、図53(b)は、ボタンカバー5207の外観図である。
図53(a)に示すように、ボタン部5204は、アクリルなどの透明な樹脂を天井面5300を有する円筒状に形成したものであり、側面5301は、無色透明であり、第1基板5202の複数のLED5400で発光した光を側面5301外部に広く散乱させるための亀甲状のレンズ加工が施してある。また、天井面5300は、無色透明であり、第1基板5202の複数のLED5400(図54参照)で発光した光の上面に対する散乱を抑制するための凹凸が形成されている。
また、天井面5300の凹凸面が形成されている面の更に上面には、赤色などの有色透明なカバー5302が取り付けられている。このカバー5302には、光の散乱を抑制するエンボス加工が施されており、さらに、演出の興趣を向上させるためのロゴマーク(本実施形態では「AA」マーク)などの模様が施されている。
また、ボタン部5204の開口部の端面にはフランジ5303が設けられており、そのフランジ5303の外側には、第2基板5205のLEDに対向する位置に下向きの突起部5306が設けられおり、突起部5306の内側(フランジ5303の根元)には、上部可動板5505(図55参照)の突起部に嵌合する孔が設けられている。この孔と上部可動板5505の突起部とが嵌合することにより、ボタン部5204が回転しないようになっている。
図53(b)に示すように、ボタンカバー5207は、ボタン透明のアクリルなどの樹脂材を天井面5304のある円筒状に形成したものである。天井面5304と側面(円筒面)5305とは、角ができないように滑らかな曲面となるように形成されている。換言すれば、ボタンカバー5207の円筒状の開口面の端面から光を入射した場合に、天井面5304と側面5305の境界で入射光が屈折しないように形成されている。これにより、ボタンカバー5207の開口面端面から入射される光により、ボタンカバー5207全体が光るようになる。
また、ボタンカバー5207の天井面5304の裏面には、表面から見て、遊技者の興趣を向上させるようなロゴマーク(本実施形態では「ABC」)や模様が、エンボス加工などにより施され、その部分に入射される光を散乱させるようになっている。
さらに、ボタンカバー5207の開口面の直径は、開口面の端部が、ボタン部5204のフランジ部分に載置される大きさとなっている。
図54に基づき、次に、第1基板5202及び第2基板5205の構成について説明する。図54(a)は、第1基板5202の概略の構成を示す図であり、図54(b)は、第2基板5205の概略の構成を示す図である。
図54(a)に示すように、第1基板5202は、円盤状に形成された回路基板であり、ベース5200に取り付けられている2本の支柱5503(図55参照)に上部可動板5505を取り付けた状態で、2本の支柱5503の先端にボルトで取り付けられて固定されている。第1基板5202の上面には、複数のLED5400が、放射状に配置されている。
第1基板5202の上側には、レンズ板5203(図57参照)が取り付けられている。レンズ板5203は、アクリルなどの樹脂材を外形が円形になるように形成したものであり、平面部分には、下側から入射される光を、上側に所定のパターンで集光して上側に放射するように、上側が凸になるように形成してある。
これにより、第1基板5202に配置されている複数のLED5400から放射される光が所定のパターンで、ボタン部5204の天井面5300に照射されるようになる。
図54(b)に示すように、第2基板5205は、中空の円盤状に形成された回路基板であり、略円筒形状のベース5200の上端面に載置されボルトで固定されている。第2基板5205の上面側には、複数のLED5401が、ボタン部5204の開口部のフランジ5303に設けられた複数の透明の突起部に対向する位置に配置されている。
第2基板5205には、図示しない第2基板カバーが被せられている。この第2基板カバーは、ポリプロピレンなどの薄い樹脂材を、第2基板5205の表面を被うように、中空の円盤状に形成してなっており、端面が全周に亘って下方に突出している。これにより、第2基板5205の表面及び側面を被い、水分などが第2基板5205に浸透しないようになっている。
図55に基づき、次に、機構部5201の構成について説明する。図55は、機構部5201の概略の構成を示す図である(図55(a):正面図、図55(b):平面図)。なお、図55においては、説明を分かりやすくするため、実際の構成を簡略化した図となっている。
図55に示すように、機構部5201は、モータ5500、ギア5501、円筒カム5502、支柱5503、コイルスプリング5504及び上部可動板5505を備えている。
モータ5500の回転軸5500aの先端にピニオンギア5500bが装着されており、モータ5500の回転がピニオンギア5500bを介してギア5501の上部歯車5501aに伝達される。
ギア5501は、半径の大きな上部歯車5501aと上部歯車5501aよりも半径の小さな下部歯車5501bの二重構造になっており、上部歯車5501aはモータ5500のピニオンギア5500bと噛み合い、下部歯車5501bは円筒カム5502の歯車5502aと噛み合っている。モータ5500の回転は、ギア5501の上部歯車5501aと下部歯車5501bを介して、円筒カム5502に伝達される。
円筒カム5502は、プラスチックなどの樹脂材を円筒状に形成したものであり、下端部分の円周に歯車5502aが形成されており、ギア5501の下部歯車5501bと噛み合っている。また、円筒の外周面の対向する位置には、下端部分に円周方向に、円周の約半分の長さの第1溝5502bが形成され、その第1溝5502bの一端から上端まで螺旋状の第2溝5502cが形成されている。
第2溝5502cは、溝を形成する一方の壁面が側面から見て傾斜している。この壁面(以下、傾斜壁面とも呼ぶ)の傾斜角は一定ではなく、下部の約3分の1程度の傾斜角が小さく(傾斜が小さい)、上部の残り3分の2の傾斜角が大きく(傾斜が大きい)なっている。また、傾斜角の変化点は、第2溝5502cに嵌合する上部可動板5505のローラ5505aがスムーズに接触移動できるように滑らかに形成されている。
さらに、第2溝5502c部を形成するもう一方の壁面(以下、垂直壁面とも呼ぶ)は、円筒カム5502の中心軸に平行になるように形成されている。
この第1溝5502b及び第2溝5502cに対して上部可動板5505のローラ5505aが接触移動することにより、円筒カム5502の回転時にカムとして作動する。
支柱5503は、SUS材などの金属棒であり、ベース5200の底面から、円筒カム5502を挟むように対向する位置に計2本設けられており、先端に上部可動板5505が図示しないボルトで取り付けられる。
2本の支柱5503の外側にはコイルスプリング5504が差し込まれている。このコイルスプリング5504の長さは、支柱5503よりも長く、上部可動板5505が支柱5503に取り付けられる際に、圧縮された状態となり、上部可動板5505を上側に押し上げるように作用する。
上部可動板5505は、プラスチックなどの樹脂材料を中空の円盤状に形成した板部材であり、上側平面の対向する位置に、回転軸が中空部分の直径方向に向くように配置された2個のローラ5505aが設けられている。
この2個のローラ5505aは、円筒カム5502の第1溝5502b及び第2溝5502cに嵌合して、カムとして作動し、モータ5500で円筒カム5502が回転する際及びコイルスプリング5504の付勢力で上部可動板5505が押し上げられる際に上部可動板5505を一定の高さに保持したり、上下方向に移動させるようになっている。
また、上部可動板5505において、支柱5503に対応する位置に2箇所に支柱5503を通すための孔が設けられている。この孔の直径は、支柱5503を通すがバネを上部可動板5505の下面で抑えることができる大きさとなっている。
また、上部可動板5505には、ボタン部5204のフランジ5303に設けられる突起部5306に嵌合する位置に孔5506が設けられ、その孔の内側にボタン部5204のフランジ5303に設けられた孔と嵌合する突起部が設けられている。この孔5506の位置は、第2基板5205に配置されているLED5401の位置に対向する位置となっている。
また、上部可動板5505の下側面には、円周方向を長手方向とする薄板状の図示しない突起が設けられている。この突起は、ベース5200に設けられているボタンセンサ(光センサ)の光を遮断ことによって、オン(遮断)・オフさせるためのものである。
[第1演出ボタン135の作動]
図56に基づき、次に、第1演出ボタン135の作動について説明する。図56(a)は、ボタン部5204及びボタンカバー5207が下端位置にある場合の機構部5201及び上部可動板5505の図であり、図56(b)は、ボタン部5204及びボタンカバー5207が上端位置にある場合の図であり、図56(c)は、ボタン部5204及びボ
タンカバー5207が下降中もしくは上下振動している場合の図である。
図56(a)に示すように、上部可動板5505(つまり、ボタン部5204及びボタンカバー5207)が下端位置にある場合、上部可動板5505のローラ5505aが円筒カム5502の第1溝5502aに嵌合して、ローラ5505aが上から抑えられている状態となり、上部可動板5505は下端位置で静止し、それに伴いボタン部5204及びボタンカバー5207も下端位置で静止している。
この状態から、モータ5500を作動させ、ローラ5505aを上から見て左回転させると、第1溝5502aがローラ5505aに沿って移動し、ローラ5505aの位置が第2溝5502cの垂直壁面の位置に達すると、ローラ5505aを上から抑えるものがなくなるため、支柱5503に支えられているコイルスプリング5504の付勢力によって、上部可動板5505が上昇し、それに伴いボタン部5204及びボタンカバー5207も上昇する。この状態で、モータ5500の作動を停止させれば、上部可動板5505及びボタンカバー5207が上端位置で停止する(図56(b)参照)。
この状態で更にモータ5500を作動させて、ローラ5505aを上から見て左回転させると、上部可動板5505のローラ5505aがローラ5505aの第2溝5502cの傾斜壁面に斜め上から抑えられ、上部可動板5505のローラ5505aは、コイルスプリング5504の付勢力で傾斜壁面に押し付けられながら、傾斜壁面に沿って降下していくとともにボタン部5204及びボタンカバー5207も降下していく(図56(c)参照)。
さらに、ローラ5505aを左回転させると、上部可動板5505のローラ5505aは、ローラ5505aの第1溝5502aに嵌合し、下端位置となり、ボタンカバー5207も下端位置となる(図56(a)参照)。
このようにして、ローラ5505aを左回転させることにより、ローラ5505aの第1溝5502a、第2溝5502c及び上部可動板5505のローラ5505aで構成されるカム機構により上部可動板5505、ボタン部5204及びボタンカバー5207が上下する。
また、上部可動板5505のローラ5505aがローラ5505aの第2溝5502cの傾斜壁面に押し付けられた状態で、モータ5500の回転を正・逆の回転方向に作動させて、ローラ5505aを左右方向に回転させると、上部可動板5505のローラ5505aが傾斜壁面に沿って上下するため、上部可動板5505、ボタン部5204及びボタンカバー5207も上下する(図56(c)参照)。
[導光の説明]
図57に基づき、次に、第1基板5202及び第2基板5205のLED5401から発光された光がどのように導光されて、放射されるかについて説明する。図57(a)は、ボタンカバー5207が下端位置にある場合の導光の様子を示す図であり、図57(b)は、ボタンカバー5207が下端位置から離隔した場合の導光の様子を示す図である。
図57(a)に示すように、ボタンカバー5207が下端位置にある場合には、第2基板5205に配置されているLED5401から発光された光が、ボタン部5204のフランジ5303に設けられている無色透明の突起部5306の下端から入射される。
このとき、ボタンカバー5207の開口端がボタン部5204の突起部5306の上端に密着しているため、突起部5306に入射した光は、図57(a)中に矢印で示すように、突起部5306を透過してボタンカバー5207の開口端に入射される。
前述のように、ボタンカバー5207は無色透明で、天井面5304と側面5305の境界面光の屈折が生じないため、ボタンカバー5207の開口端に入射した光は、図57(a)中に矢印で示すように、そのままボタンカバー5207の側面5305と天井面5304に伝達され、天井面5304に施された模様やロゴマークを光らせる。つまり、ボタンカバー5207を導光手段として第2基板5205のLED5401で発光した光がボタンカバー5207の天井面5304に導光される。
一方、図57(b)に示すように、ボタンカバー5207が下端位置から離隔している状態(例えば、遊技者がボタン部5204及びボタンカバー5207の降下中にボタンカバー5207を引っ張り上げたような場合)では、第2基板5205のLED540から発光された光は、図57(b)中に矢印で示すように、ボタン部5204の突起部5306の下端に入射されるものの、突起部5306とボタンカバー5207の開口端とが離隔しているため、突起部5306からボタンカバー5207の開口端に入射される光量が非常に少なくなる。
したがって、ボタンカバー5207が下端部から離隔している場合には、ボタンカバー5207の天井面5304に導光される光量が非常に少なくなる。
図57(a)及び図57(b)に示すように、第1基板5202に配置されているLED5400から発光された光は、レンズ板5203により所定のパターンに集光されて、ボタン部5204の天井面5300の裏面に放射される。このとき、ボタンカバー5207と異なり、第1基板5202のLED5400の位置とボタン部5204との位置は変化しないため、LED5400が発光した場合には、一定の光量の光がボタン部5204の天井面5300の裏面に照射されることになる。
なお、以上のような作動及び導光を行う第1演出ボタン135を用いて行う演出をボタン作動演出と呼ぶ。
[ボタン作動演出]
図56に示す作動によって行われるボタン作動演出について説明する。ボタン作動演出は、ボタン通常演出、ボタン上昇演出とボタン揺動演出とによって行われる。
ボタン通常演出では、ボタンカバー5297の天井面5304の湾曲している部分が上皿面から出た状態で、第2基板5205のLED5401を発光させたり消灯させたりしてボタンカバー5297を光らせたり、光らせなかったりする。また、ボタンカバー5297の天井面5304の湾曲している部分が上皿面から出た状態で、第1基板5202のLED5400を発光させたり消灯させたりして、ボタンカバー5297の天井面5304を赤色に光らせたり光らせなかったりする。
ボタン上昇演出は、図56(a)の状態から図56(b)の状態に遷移させる演出であり、例えば、SPリーチ状態で大当りが確定演出が行われる場合、ボタン部5204及びボタンカバー5297を上昇させ、上皿128の上面から突出させる演出である。
ボタン上昇演出を行う際には、ボタンカバー5207とボタン部5204とがともに上昇した状態であるため、ボタンカバー5207にはボタン通常演出と同様に、第2基板5205のLED5401を発光・消灯させることにより、ボタンカバー5297を光らせたり光らせなかったりする。
また、ボタン部5204が上皿面から突出した状態では、ボタン部5204及びボタンカバー5297の側面が現れる。この際、ボタン部5204の天井面5300(及びボタンカバー5207の天井面5304)と第1基板5202とが離隔するので、第1基板5202のLED5400から発した光は、レンズ加工が施された側面5301で散乱し、ボタンカバー5297の側面から放射される。
このように、ボタン上昇演出では、ボタン部5204の天井面5300や側面5301から放射される光によりボタンカバー5207の天井面5304や側面5305を光らせ
たり光らせなかったりして、演出を行うことができる。
ボタン揺動演出は、図56(c)中に矢印で示すように、ボタン部5204及びボタンカバー5297を下降途中の状態、つまり、ボタン部5204及びボタンカバー5297を上皿から少し突出させた状態で上下に揺動させる演出である。
ボタン揺動演出の際には、ボタン部5204及びボタンカバー5207が上昇したり下降したりするため、ボタン部5204の天井面5300(及びボタンカバー5304)と第1基板5202のLED5400との距離が変化する。
したがって、ボタン部5204の天井面5300や側面5301から放射され、ボタンカバー5207の天井面5304や側面5305を光らせる光の強さや入射方向が変化する。
ボタン揺動演出では、その光の強さや入射方向の変化を利用し、第1基板5202のLED5400及び第2基板5205のLED5401を点灯・消灯させて、演出を行うようにすることができる。
[遊技機の特徴]
以上のような第1演出ボタン135を備えた遊技機100によれば、遊技の興趣を向上させることができる。つまり、他の可動役物(例えば操作レバー180)の作動やメイン表示装置131に表示される演出に応じて第1演出ボタン135を作動させる。
たとえば、メイン表示装置131にリーチ演出がなされている際に、第1演出ボタン135のボタンカバー5207を上下に揺動させるとともにLED5401を点滅させ、メイン表示装置131に操作レバー180を引くことを示唆する演出が表示された場合、ボタンカバー5207を上端位置まで突出させて、LED5401を発光させるなどとする。
このように、他の可動役物(例えば操作レバー180)の作動やメイン表示装置131に表示される演出に応じて第1演出ボタン135を作動させることにより、遊技の興趣を向上させることができるのである。
[顔ギミック109の構成]
図58〜図60に基づき、次に顔ギミック109の構成について説明する。図58は、顔ギミック109が展開した場合の外観図(図58(a):正面図、図58(b):側面図、図58(c):裏面図)であり、図59は、顔ギミック109を作動させる作動機構5900の構造図であり、図60は、顔ギミック109の作動の様子を示す図である。
顔ギミック109は、遊技盤102の前面において作動する可動役物であり、後述するギアボックス5807に収納されている作動機構5900によって作動する。
図58に示すように、顔ギミック109は、頭部ギミック5801とアイギミック5802とを備えており、頭部ギミック5801とアイギミック5802とで一体となり、1つの顔を表現する意匠性を有している。
頭部ギミック5801は、顔の額を模した形状に形成されており、さらに、遊技機100のモチーフとなる装飾や文字など(本実施形態では「SUPER」の文字)の装飾部5803が設けられている。装飾部5803には、LEDなどの発光部品及び発光部品を作動させるための図示しない回路基板が内蔵されており、演出内容に基づいて発光や消灯(点滅を含む)して、遊技の興趣を向上させるようになっている。
アイギミック5802は、顔の眼の部分(額の一部や眼)を模した形状に形成されている。また、眼を模した部分(、以下、疑似眼5805よ呼ぶ)は、LEDなどの発光部品
及び発光部品を作動させる図示しない回路基板が内蔵されており、演出内容に基づいて発光や消灯(点滅を含む)して、遊技の興趣を向上させるようになっている。
さらに、額の一部には、LEDなどの発光部品および発光部品を作動させるための回路基板が内蔵された発光部5804が形成されており、演出内容に基づいて発光・消灯(点滅を含む)することで、遊技の興趣を向上させるようになっている。
図58(b)に示すように、アイギミック5802は、頭部ギミック5801の裏面に配置されている。具体的には、頭部ギミック5801の裏面にアイギミック5802を取り付けるためのアイギミック取付板部材5806が頭部ギミック5801の裏面から遊技盤102の奥側に離隔した位置に、上部の2箇所で取り付けられている。
また、図58(c)に示すように、アイギミック取付板部材5806の左右両端近傍には、遊技盤102の縦方向にスライド用溝5806aが設けられている。
アイギミック5802において、アイギミック取付板部材5806のスライド用溝5806aに対応した位置(2箇所)に、スライダ5802aが設けられている。
そして、アイギミック5802を頭部ギミック5801の裏面とアイギミック取付板部材5806の間の間に挟むようにし、2箇所に設けられたスライダ5802aをアイギミック取付板部材5806のスライド用溝5806aに嵌合させることによって、アイギミック5802が頭部ギミック5801の裏面で上下に移動可能となる。
また、アイギミック5802の下端部近傍に、遊技盤102の奥側に向けて突出した突起部5802bが設けられている。アイギミック5802が上端位置にある場合、この突起部5802bが後述する作動機構5900の第2カム5909の左端部分で支えられ、第2カム5909の上下移動によって、アイギミック5802が上下に移動するようになっている。
[作動機構の構成]
図59に基づいて、次に、顔ギミック109の作動機構5900の構成について説明する。図59(a)は、作動機構5900にモータ5902が装着されている場合の図であり、図59(b)は、作動機構5900からモータ5902を取り外した場合の図である。
前述のように、作動機構5900は、顔ギミック109の裏面にあるアイギミック取付板部材5806のさらに後方(遊技機100の前面から見て裏側)に取り付けられる図示しないギアボックス5807に収納されている(図58参照)。
図59(a)に示すように、ギアボックス5807には、回転軸にピニオンギア5901が取り付けられたモータ5902が装着されるとともに、5つのギア(以下、第1〜第5ギアと呼ぶ)、2つのカム(以下、第1カム5908、第2カム5909と呼ぶ)及び頭部ギミック取付板部材5912が内蔵されている。
第1ギア5903は、上部歯車5903aと下部歯車5903bの二重構造になっており、下部歯車5903bは、モータ5902のピニオンギア5901の歯車と嵌合するようになっており、上部歯車5903aによりモータ5902のピニオンギアの回転を第2ギア5904に伝達する。
第2ギア5904は、歯車が第1ギア5903、第3ギア5905及び第4ギア5906の歯車と嵌合しており、第1ギア5903の回転を第3ギア5905及び第4ギア5906に伝達する。
第3ギア5905は、歯車が第2ギア5904及び第5ギア5907の歯車と嵌合して
おり、第2ギア5904を介して伝達される第1ギア5903の回転を第5ギア5907に伝達する。
第4ギア5906は、歯車が第2ギア5904の歯車と嵌合し、第2ギア5904の回転により回転する。
第4ギア5906は、一部が歯車よりも外側に延伸されたバー部材5906aの先端に、第1カム5908の溝と嵌合する突起5903dが形成された形状になっている。
第4ギア5906は、第2ギア5904により回転しつつ、バー部材5906aを回転させ、第1カム5908の溝と嵌合した突起5906bにより、第1カム5908を作動させる。
第5ギア5907は、上部歯車5907aと突起部5907bの二重構造になっており、上部歯車5907aは、第3ギア5905と嵌合する歯車であり、突起部5907bは、上部歯車5907aから下方に突出した突起部である。この突起部5906bが第2カム5909と嵌合して第2カム5909を作動させる。
第1カム5908は、プラスチックなどの樹脂材を細長い平板状に形成した部材であり、長手方向の一端部分が、ギアボックス5807に設けられた係止部5910に回転可能に取り付けられている。
第1カム5908の平板部分には、平板の長手方向に長く、かつ、短手方向に湾曲した溝5908aが形成されており、この溝5908aに第4ギア5906のバー部材5906aの先端の突起部5906cが嵌合し、第4ギア5906の回転に伴い、係止部5910を回転中心として、先端が、遊技盤102の上下方向に移動するようになっている。
また、第1カム5908の先端には、長円形状の孔5908bが設けられており、この孔5908bに頭部ギミック取付板部材5912の裏面に設けられている突起部が嵌合し、第1カム5908の先端の上下移動に伴い、頭部ギミック取付板部材5912が遊技盤102の上下方向に移動することにより、頭部ギミック5801が上下方向に移動する。
第2カム5909は、ブラスチックなどの樹脂材を細長い平板状に形成した部材であり、図59中で、長手方向の右端から約3分の1の長さの位置を中心として回転可能となるようにギアボックス5807に設けられた係止部5911でギアボックス5807に取り付けられている。
第2カム5909の右端には、突起部5909aが設けられており、この突起部5909aが第5ギア5907の突起部5907bと嵌合することにより、係止部5911を回転中心として左端が遊技盤102の上下方向に移動するようになっている。
頭部ギミック取付板部材5912は、アクリルなどの樹脂製の板材である。頭部ギミック5801の左端近傍には、遊技盤102の上下方向に移動するためのスライダ5913が設けられている。
このスライダ5913が、ギアボックス5807に設けられているレール5914に嵌合して、上下方向にスライドできるようになっている。また、スライダ5913とレール5914の間には、図示しないバネが配置されており、スライダ5913が上端位置から下向きに下降した場合に上向きに戻すような付勢力が作用するようになっている。
また、顔ギミック取付板部材5913の、第1カム5908の先端の長円形の孔5908aに対向する位置に、遊技盤102の奥側に突出した図示しない突起部が設けられている。この突起部が第1カム5908の長円形の孔5908aに嵌合することにより、第1カム5908の先端の上下方向への移動に伴い、顔ギミック取付板部材5912が上下方向に移動し、その結果、顔ギミック109が上下方向に移動する。
[顔ギミックの作動]
図60に基づき、次に顔ギミック109の作動について説明する。演出制御装置からの制御信号により、顔ギミック109は下記(ア)〜(キ)の作動を行う。なお、この作動を行う顔ギミック109を用いて行う演出を顔ギミック演出と呼ぶ。
(ア)アイギミック5802が上昇し、遊技盤102の上部に位置する状態で、頭部ギミック5801の装飾部5803及びアイギミック5802の模擬眼5805が点滅する(図60(a)参照)。
(イ)モータ5902を裏面から見て左回転させ、第2カム5909を左回転させることにより、第2カム5909からアイギミック5802の裏面の突起部5802bが外れ、頭部ギミック5801の裏面のスライド用溝5806aに沿って、図60(b)中に矢印で示すように、頭部ギミック5801からアイギミック5802から落下する。
(ウ)アイギミック5802の模擬眼5805とともに発光部5804が点滅する(図示せず)。
(エ)さらに、モータ5902を裏面から見て左回転させ、図6(c)中に矢印で示すように、頭部ギミック5801を、落下した状態のアイギミック5802とともに、遊技盤102の上部から遊技盤102の中央近傍まで降下させる。この降下の途中、頭部ギミック5801の装飾部5803、アイギミック5802の模擬眼5805や発光部5804を点滅させる(図示せず)。
(オ)頭部ギミック5801及びアイギミック5802をこの状態で保持し、演出内容に基づいて、頭部ギミック5801の装飾部5803、アイギミック5802の模擬眼5805や発光部5804を点滅させる(図示せず)。
(カ)所定時間経過後、モータ5902を裏面から見て右回転させ、直線カムを右回転させることにより、アイギミック5802の突起部を第2カム5909に引っかけるようにして引き上げ、図60(d)中に矢印で示すように、アイギミック5802を頭部ギミック5801と一体化させる。一体化した際には、アイギミック5802の発光部5804は、頭部ギミック5801の裏面に隠れる(図60(d)参照)。なお、この場合、顔ギミック109としては、図60(a)に示す状態と同じ形態となる。
アイギミック5802を引き上げる際にも、演出内容に基づいて、頭部ギミック5801の装飾部5803やアイギミック5802の模擬眼5805を点滅させる(図示せず)。
(キ)さらに、モータ5902を裏面から見て右回転させ、図60(e)中に矢印で示すように、頭部ギミック5801を上端位置(遊技盤102の上部)まで引き上げる。このとき、アイギミック5802も同時に引き上げられ、(ア)の状態となる。
[顔ギミック演出と顔ギミックの作動との関係]
図60に示す作動によって行われる顔ギミック演出について説明する。顔ギミック演出は、顔ギミック通常演出、顔ギミック下降演出と顔ギミック上昇演出とからなる。
顔ギミック通常演出では、顔ギミック109の頭部ギミック5801とアイギミック5802を一体化させた状態で、アイギミック5802の疑似眼5805のLEDを発光・消灯させたり、頭部ギミック5801の装飾部5803のLEDを発光・消灯させたりする。
このようにして、疑似眼5805や装飾部5803を光らせたり、光らせなかったり、あるいは、発光・消灯のパターンを変化させたりする。また、疑似眼5805や装飾部5803を光らせる場合には、それらのLEDの発光色を変化させる。これにより、顔ギミック109が遊技盤102の上部に位置する状態で演出を行い、興趣を向上させることができる。
また、疑似眼5805は2個あるため、2個の疑似眼5805を交互に発光、消灯させた演出を行うようにしてもよい。
顔ギミック下降演出は、図60(a)の状態から図60(c)の状態に遷移させる演出である。顔ギミック下降演出では、まず顔ギミック109の頭部ギミック5801からアイギミック5802を下降させる(図60(b)参照)。この状態で、疑似眼5805や装飾部5803を光らせたり、光らせなかったり、発光・消灯のパターンを変化させたり、発光色を変化させたりする。
また、頭部ギミック5801からアイギミック5802を降下させると、アイギミック5802の発光部5804が現れる(視認可能となる)ので、発光部を光らせたり、光らせなかったり、発光・消灯のパターンを変化させたり、あるいは発光色を変化させたりして興趣を向上させることができる。
また、アイギミック5802を降下させた状態で、顔ギミック109全体を降下させる際(図60(c)参照)にも、疑似眼5805、装飾部5803、発光体5804を発光・消灯させあり、発光色を変化させて興趣を向上させることができる。
顔ギミック上昇演出では、顔ギミック下降演出と逆に、アイギミック5802を上昇させ、頭部ギミックと一体化させる(図60(d)参照)。この様態では、アイギミック5802の発光体5804が頭部ギミック5801の裏側に隠れるので、装飾部5803、疑似眼5805を発光・消灯させたり、発光・消灯のパターンを変化させたり、発光色を変化させたりする。
さらに、頭部ギミック5801とアイギミック5802とを一体化させた状態で、顔ギミック109全体を上昇させる(図60(e)参照)。この状態においても、装飾部5803、疑似眼5805を発光・消灯させたり、発光・消灯のパターンを変化させたり、発光色を変化させたりする。
このような顔ギミック演出とメイン表示装置131に表示される演出表示を組み合わせ、たとえば、SPリーチ状態で大当り確定演出が行われる場合、顔ギミック109を遊技盤102の上部に位置させて、顔ギミック通常演出を行い、確定演出が終了した際に、顔ギミック109を遊技盤102の上部から中央へ下降させて顔ギミック下降選出を行い、その状態を所定時間保持した後に顔ギミック上昇演出を行って顔ギミック109を遊技盤102の中央から上部へ上昇させて顔ギミック上昇演出を行い、大当り確定演出状態を終了させたり、更に発展演出につなげたりするようにして、興趣を向上させることができる。
[遊技機の特徴]
以上のような顔ギミック109を用いた遊技機100は、遊技の興趣を向上させることができる。つまり、演出の際、遊技盤102の前面において、2つの可動役物(頭部ギミック5801とアイギミック5802)が一体化した状態から、LEDが発光しつつ1つの可動役物(アイギミック5802)が下降し、1つの顔を形成するといった意匠性を有する作動をする。
また、1つの顔を形成した状態でLEDが発光しつつ、遊技盤102の前面において下降し、その後上昇し、頭部ギミック5801とアイギミック5802とが一体化する。
このように、意匠性を呈するとともに多彩な形状を呈することにより、遊技の興趣を向上させることができるのである。
さらに、1つのモータ5902で頭部ギミック5801とアイギミック5802の2つの可動役物を作動させることができるため、遊技機の消費電力を抑制することができる。
[主制御基板300での処理一覧]
図61は、主制御基板300で実行される処理の概略フローを示す説明図である。
主制御基板300のメインCPU301aは、電源が供給されると、メインROM30
1bに格納されているプログラムに基づいて、メイン処理を実行する。メインCPU301aは、メイン処理として、電源遮断から、電源遮断前の遊技状態に復旧するための電源復旧処理、または、メインRAM301cを初期化するRAMクリア処理を実行する。また、メインCPU301aは、メイン処理として、各種の乱数(例えば、大当たり乱数)の初期値の更新を実行する。
さらに、メインCPU301aは、メイン処理の実行中に、一定周期(例えば4ミリ秒周期)ごとに繰り返しタイマ割込処理を実行する。以下に、タイマ割り込み処理の各種処理を説明する。
[乱数更新処理]
まず、メインCPU301aは、乱数更新処理を実行する。この乱数更新処理は、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および、普通図柄乱数などの各種乱数値を更新する。これらの乱数値は、この処理が行われる毎に「1」加算される。なお、各乱数値は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻される。
[スイッチ処理]
続いて、メインCPU301aは、スイッチ処理を行う。このスイッチ処理は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に実行される。スイッチ処理には、始動装置スイッチ処理、ゲートスイッチ処理、および、大入賞装置スイッチ処理などが含まれる。
メインCPU301aは、始動装置スイッチ処理として、第1始動装置112または第2始動装置115に入球があった場合に、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、および、変動パターン乱数を取得して、これらを保留情報として、メインRAM301cの保留情報記憶領域301cxに格納する。例えば、メインCPU301aは、第1始動装置112に遊技球が入球し、第1特別図柄に対する保留情報を取得すると、保留情報記憶領域301cxの第1特別図柄に対応する保留情報領域において、保留情報が格納されている保留情報領域を特定し、当該保留情報領域の次に優先的に格納すべき保留情報領域に保留情報を格納する。ただし、第4保留情報領域に保留情報が格納されている場合には、保留情報の格納は行わない。第2特別図柄に対する保留情報が取得された場合も同様の処理が行われる。
また、メインCPU301aは、ゲートスイッチ処理として、ゲート113a,113bに遊技球が通過した場合に、普通図柄乱数を取得して、メインRAM301cの所定の記憶領域に格納する。さらに、メインCPU301aは、大入賞装置スイッチ処理として、大当たり遊技を実行中において、大入賞装置117に入賞した遊技球の検知を実行する。
[特別図柄処理]
スイッチ処理の後、メインCPU301aは、特別図柄に関する処理である特別図柄処理を行う。この特別図柄処理には、保留情報シフト処理と、大当たり判定処理と、大当たり図柄判定処理と、リーチ判定処理と、変動パターン設定処理と、特別図柄停止処理と、が含まれる。特別図柄処理の各処理について以下に説明する。
メインCPU301aは、保留情報シフト処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、特別図柄の変動表示が終了すると、メインRAM301cの保留情報記憶領域301cxにおいて、保留情報をシフトさせる。例えば、メインCPU301aは、保留情報記憶領域301cxにおいて、第1特別図柄に対する保留情報が第1保留情報領域と第2保留情報領域に格納されており、かつ、第2特別図柄に対する保留情報が格納されていない状態で、特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2保留情報領域の保留情報を第1保留情報領域へシフトさせ、第1保留情報領域の保留情報をメインRAM301c
の保留情報判定領域301cyにシフトさせる。
次に、メインCPU301aは、大当たり判定処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、保留情報シフト処理によって、保留情報判定領域301cyにシフトされた保留情報に含まれる大当たり乱数と大当たり判定テーブルT1とに基づいて、大当たり判定を実行する。この場合、遊技状態が非確変遊技状態の場合には、非確変時大当たり判定テーブルT1Aを用い、確変遊技状態の場合には、確変時大当たり判定テーブルT1Bを用いる。
次に、メインCPU301aは、大当たり図柄判定処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、大当たり判定が終了すると、大当たり判定の結果が大当たりの場合には、保留情報シフト処理によってシフトされた保留情報に含まれる大当たり図柄乱数と大当たり図柄判定テーブルT2とに基づいて、大当たり図柄判定を実行して、大当たり図柄(特別図柄)を決定する。この場合、シフトされた保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、特1大当たり図柄判定テーブルT2Aを用い、シフトされた保留情報の種別が第2特別図柄の場合には、特2大当たり図柄判定テーブルT2Bを用いる。一方、メインCPU301aは、大当たり判定でハズレの場合には、所定のハズレ図柄(特別図柄)を決定する。
次に、メインCPU301aは、リーチ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、シフトされた保留情報に含まれるリーチ乱数とリーチ判定テーブルT3とに基づいて、リーチ判定を実行する。この場合、遊技状態が非確変遊技状態であり、保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、特1通常時リーチ判定テーブルを用いる。遊技状態が確変遊技状態であり、保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、特1確変時リーチ判定テーブルを用いる。遊技状態が非確変遊技状態であり、保留情報の種別が第2特別図柄である場合には、特2通常時リーチ判定テーブルを用いる。遊技状態が確変遊技状態であり、保留情報の種別が第2特別図柄である場合には、特2確変時リーチ判定テーブルを用いる。
次に、メインCPU301aは、変動パターン設定処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、まず、変動パターンテーブルT4に含まれる4つの変動パターンテーブルのうち、いずれの変動パターンテーブルを用いるのか選択する。この場合、遊技状態が非確変遊技状態であり、保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、特1通常時変動パターンテーブルT4Aを用いる。遊技状態が確変遊技状態であり、保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、特1確変時変動パターンテーブルT4Bを用いる。遊技状態が非確変遊技状態であり、保留情報の種別が第2特別図柄である場合には、特2通常時変動パターンテーブルT4Cを用いる。遊技状態が確変遊技状態であり、保留情報の種別が第2特別図柄である場合には、特2確変時変動パターンテーブルT4Cを用いる。そして、メインCPU301aは、大当たり図柄判定の結果、リーチ判定の結果、シフトされた保留情報に含まれる変動パターン乱数、および、選択した変動パターンテーブルに基づいて、変動パターン判定を実行し、変動パターンを決定する。この場合、例えば、大当たり図柄判定の結果、特定図柄が決定されている場合には、選択した変動パターンテーブルにおける変動パターンのうち、当該特定図柄の演出内容に対応する変動パターンの中から選択する。また、リーチ判定の結果、リーチを行うと判定されている場合には、選択した変動パターンテーブルにおける変動パターンのうち、リーチを実行する演出内容に対応する変動パターンの中から選択する。メインCPU301aは、変動パターンを決定すると、決定した変動パターンを含む変動開始コマンドをセットする。
また、メインCPU301aは、特別図柄停止処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、変動パターン設定処理後、第1特別図柄表示器120又は第2特別図柄
表示器122に特別図柄を変動表示させて、変動パターン判定で判定された変動パターンに基づく時間が経過すると、変動中の特別図柄を停止表示させ、当該停止表示させた特別図柄によって、大当たり図柄判定の判定結果を報知させる。この場合、メインCPU301aは、図柄確定コマンドをセットする。
さらに、メインCPU301aは、特別図柄停止処理において、変動中の特別図柄を停止表示させた後、大当たり図柄判定の判定結果に基づいて、大当たり遊技フラグをONするか否かを判定し、ONすると判定した場合には、大当たり遊技フラグをONする処理を実行する。
この特別図柄処理において、メインCPU301aは、時短遊技フラグおよび確変遊技フラグがONの場合に、時短変動回数が所定回数(例えば、100回)となった場合には、これら時短遊技フラグおよび確変遊技フラグをOFFする処理も実行する。
[普通図柄処理]
メインCPU301aは、普通図柄処理を行う。この普通図柄処理は、普通図柄判定処理と、動作パターン設定処理と、開閉部材制御処理と、を含む。普通図柄処理の各処理について以下に説明する。
メインCPU301aは、普通図柄判定処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、普通図柄の保留情報がある場合には、当該保留情報に含まれる普通図柄乱数と普通図柄判定テーブルT5とに基づいて、普通図柄判定を実行する。メインCPU301aは、普通図柄判定で当たりと判定した場合には、可動片115bの動作パターン設定処理を行う。具体的には、メインCPU301aは、非時短遊技状態であるときは0.1秒間の開放を2回行う動作パターンを設定(合計開放制御時間は0.2秒)し、時短遊技状態であるときは0.5秒間の開放を5回行う動作パターンを設定(合計開放制御時間は2.5秒)する。メインCPU301aは、普通図柄判定の結果が、ハズレの場合には、動作パターンの設定を行わない。
メインCPU301aは、開閉部材制御処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、普通図柄判定を実行後、普通図柄表示器118に普通図柄を変動表示させ、普通図柄判定の判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。この場合、普通図柄の変動秒数は、非時短遊技状態であるときは12秒と設定され、時短遊技状態であるときは3秒と設定される。メインCPU301aは、普通図柄を停止表示させた後、動作パターン設定処理において動作パターンが設定されていれば、当該動作パターンに基づいて、可動片115bを開閉制御する。
[大入賞装置開放制御処理]
続いて、メインCPU301aは、大入賞装置開放制御処理を行う。具体的には、メインCPU301aは、大当たり遊技フラグがONである場合には、オープニング演出中に、大当たり図柄判定の結果に基づいて、大入賞装置117の開放パターンを設定する開放パターン設定処理を行う。メインCPU301aは、オープニング演出が終了すると、設定した開放パターンに基づいて、大入賞装置117の開閉制御を行い、ラウンド遊技を実現させる。また、メインCPU301aは、エンディング演出が終了する場合に、大当たり遊技フラグをOFFする処理と、時短遊技フラグ、および、確変遊技フラグをONする処理とを実行すると共に、時短変動回数を所定回数(例えば、100回)に設定する遊技状態設定処理を行う。
[払出処理]
続いて、メインCPU301aは、払出処理を実行する。この払出処理は、遊技球の入
賞に応じた賞球の払い出しを制御する処理である。
[コマンド送信処理]
次に、メインCPU301aは、コマンド送信処理を実行する。このコマンド送信処理は、上記処理においてメインRAM301cにセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板320に送信する。
[演出制御基板320の電気的構成]
図62は、演出制御基板320の詳細を示すブロック図である。演出制御基板320は、主制御基板300から送信されるコマンドに基づき、演出パターンを決定して、演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドを画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信する。上述したように、画像制御基板330にはメイン表示装置131、サブ表示装置139、および、音声出力装置331が電気的に接続されており、ランプ制御基板340には操作レバーユニット189、移動回転体ユニット2700、発光移動ユニット4000、サブ表示装置可動ユニット4801、サブ表示装置装飾ユニット4501、および、演出用照明装置342が電気的に接続されている。かかる構成により、画像制御基板330およびランプ制御基板340は、演出制御基板320から送信される演出パターン指定コマンドに基づいて、表示演出、音声演出、照明演出、および、役物可動演出を実行することが可能となる。
図62に示すように、サブROM320bには、基幹表示演出指定テーブルTS1と、装飾図柄決定テーブルTS2と、チャンスアップ決定テーブルTS3とが格納されている。
基幹表示演出指定テーブルTS1は、主制御基板300から送信される変動パターンに基づいて、上述した通常ハズレ演出、ノーマルリーチ(ハズレまたは当たり)演出、SPリーチ(ハズレまたは当たり)演出、SPSPリーチ(ハズレまたは当たり)演出1、SPSPリーチ(ハズレまたは当たり)演出2、および、SPSPリーチ復活(当たり)演出のうちのいずれかの演出を、表示演出における基幹となる演出(以下では、基幹表示演出とも呼ぶ)として指定するためのテーブルである。本実施形態では、主制御基板300から送信される変動パターンと基幹表示演出とが一対一に対応している。
なお、変動パターンに対し複数の基幹表示演出を対応させておき、演出制御基板320のサブCPU320aが抽選で基幹表示演出を選択するようにしてもよい。このようにすれば、同じ変動パターンであっても、その演出内容を変えることができる。また、複数の変動パターンに対して一つの基幹表示演出を対応させるようにしてもよい。
装飾図柄決定テーブルTS2は、演出パターンに基づく表示演出において、仮停止表示や確定停止表示する装飾図柄の組み合わせと、リーチを実行する場合におけるリーチ図柄と、を決定するためのテーブルである。
チャンスアップ決定テーブルTS3は、表示演出において、所定のチャンスアップ演出を決定するためのテーブルである。ここで、チャンスアップ演出とは、通常の演出とは異なる態様の表示演出を実行して、通常の演出と比較して、大当たりの期待度を上昇させるための演出である。例えば、通常の演出では、役物可動演出が実行されないのに対して、チャンスアップ演出では、爪出現演出、爪押下演出、複合演出、顔ギミック演出、ボタン作動演出、操作レバー煽り演出、操作レバー振動演出、無回転演出、小刻み回転演出、大刻み回転演出、ぐるぐる回転演出、ガタガタ演出、点灯演出、点滅演出、消灯演出、関連演出1〜3、回転体飛び出し演出、または、回転体保留演出などの役物可動演出が実行される。通常の表示演出では、所定の画像(後述のレバー画面小など)が小さいのに対して、チャンスアップ演出では、所定の画像(後述のレバー画面大など)が大きく表示される。
図62に示すように、サブRAM320cには、保留記憶領域320c1が設けられている。
保留記憶領域320c1は、第1特別図柄に対応した第1保留領域、第2保留領域、第3保留領域、および、第4保留領域と、第2特別図柄に対応した第1保留領域、第2保留領域、第3保留領域、および、第4保留領域との8つの領域に区分され、それぞれに1つの保留フラグが格納可能となっている。保留記憶領域320c1の第1特別図柄に対応する保留領域において、保留フラグの格納の優先順は、第1保留領域が最優先で格納対象とされ、第1保留領域に保留フラグが格納されていれば、次に、第2保留領域が優先で格納対象とされ、次に、第3保留領域が優先で格納対象とされ、最後に、第4保留領域が格納対象として選択される。第2特別図柄に対応する保留領域においても同様である。演出制御基板320が主制御基板300からの保留コマンドを受信すると、保留記憶領域320c1において、保留フラグが格納されている保留領域を特定し、当該保留領域の次に優先的に格納すべき保留領域に保留フラグを格納する。ただし、第4保留領域に保留フラグが格納されている状態で、保留コマンドを受信した場合には、保留フラグの格納は行わない。
また、保留フラグの消去の優先順は、格納する場合の優先順の逆であり、すなわち、第4保留領域が最優先で消去対象とされ、第4保留領域に保留フラグが格納されていないと、次に、第3保留領域が優先で消去対象とされ、次に、第2保留領域が優先で消去対象とされ、最後に、第1保留領域が消去対象として選択される。演出制御基板320が主制御基板300から図柄確定コマンドを受信すると、保留記憶領域320c1において、保留フラグが格納されている保留領域を特定し、優先的に消去すべき保留領域の保留フラグを消去する。第1保留領域に保留フラグを格納されていない場合には、消去処理を行わない。
[演出制御基板320での処理一覧]
図63は、演出制御基板320で実行される処理の一覧を示す説明図である。演出制御基板320のサブCPU320aは、電源が供給されると、演出メイン処理を実行する。サブCPU320aは、演出メイン処理として、主制御基板300で実行される電源復旧処理に対応する電源復旧演出処理、または、主制御基板300で実行されるRAMクリア処理に対応するRAMクリア演出処理を実行する。
また、サブCPU320aは、演出メイン処理中の実行中に、一定周期(例えば、2ミリ秒)ごとに繰り返し演出タイマ割込処理を実行する。なお、このような演出制御基板320で行われる処理は、サブROM320bに格納されているプログラムに基づいて実行される。
[演出タイマ割込処理]
サブCPU320aは、演出タイマ割込処理において、乱数更新処理と、コマンド受信処理と、演出ボタン処理と、コマンド送信処理とを実行する。以下に、演出タイマ割込処理の各種処理を説明する。
[乱数更新処理]
サブCPU320aは、乱数更新処理として、演出に用いる各種乱数(例えば、装飾図柄決定乱数、チャンスアップ乱数を更新する。具体的には、サブCPU320aは、各種乱数に「1」を加算して更新し、所定の値まで到達すると「0」にリセットする。
[コマンド受信処理]
サブCPU320aは、コマンド受信処理として、演出パターン決定処理と、保留処理と、普図演出処理と、図柄確定処理と、大当たり処理とを実行する。以下に、コマンド受
信処理の各種処理を説明する。
演出パターン決定処理は、基幹表示演出指定テーブルTS1、装飾図柄決定テーブルTS2、および、チャンスアップ決定テーブルTS3に基づいて、演出パターンを決定するための処理である。この演出パターン決定処理についての詳細は、図64を用いて後述する。
[保留処理]
サブCPU320aは、保留処理として、主制御基板300からの保留コマンドを受信した場合であって、サブRAM320cに設けられた保留記憶領域320c1における第4保留領域に保留フラグが格納されていない場合に、格納優先度が高い保留領域に保留フラグを格納する。例えば、サブCPU320aは、第1〜第2保留領域に保留フラグが格納された状態で、保留コマンドを受信した場合には、第3保留領域に保留フラグを格納する。また、サブCPU320aは、保留処理として、演出パターン決定処理で演出パターンが決定された場合(変動開始コマンドを受信した場合)に、保留フラグの消去優先度の高い保留領域から1つの保留フラグを消去する。サブCPU320aは、第1〜第4保留領域に保留フラグが格納された状態で、演出パターンが決定された場合(変動開始コマンドを受信した場合)には、第4保留領域の保留フラグを消去する。
また、サブCPU320aは、保留処理として、保留表示に係る処理を実行する。具体的には、保留記憶領域320c1の4つの保留領域に対応させて、メイン表示装置131において保留表示を行うための保留表示コマンドをセットする。例えば、保留記憶領域320c1において、第1〜第3保留領域に保留フラグが格納されている状態では、メイン表示装置131において3つの保留があることを示す保留表示コマンドをセットする。この保留表示コマンドは、後述のコマンド送信処理において、画像制御基板330に送信される。画像制御基板330は、保留表示コマンドを受信した場合には、メイン表示装置131を制御して、当該保留表示コマンドに基づく保留表示を実行する。
[普通図柄演出処理]
普通図柄演出処理は、普通図柄判定における判定結果に応じて、メイン表示装置131の所定の領域(例えば、メイン表示装置131の角)などで、普通図柄の変動に対応する演出を行う。例えば、普通図柄の変動中は「○」と「×」とを交互に表示し、判定結果に応じて当たりであれば「○」、ハズレであれば「×」を表示する。
[図柄確定処理]
サブCPU320aは、図柄確定処理として、主制御基板300からの図柄確定コマンドに基づいて、メイン表示装置131で変動中の装飾図柄を確定停止表示させるための処理を実行する。
[大当たり処理]
サブCPU320aは、大当たり処理として、主制御基板300からの所定のコマンドを受信することによって、大当たり遊技の初めのオープニング演出を実行するためのオープニング処理、大当たり遊技中のラウンド遊技に対応するラウンド演出を実行するためのラウンド処理、および、大当たり遊技の最後に、エンディング演出を実行するためのエンディング処理を実行する。
[演出ボタン処理]
サブCPU320aは、演出ボタン処理として、演出ボタン105や演出キー106を介した入力を第1演出ボタン135及び第2演出ボタン136で検出し、それに応じた所定の演出を行う。
[コマンド送信処理]
サブCPU320aは、コマンド送信処理として、上記各種処理でセットされたコマンドを画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信する。
[演出パターン決定処理]
図64は、演出パターン決定処理のフローチャートである。この演出パターン決定処理において、まず、サブCPU320aは、主制御基板300からの変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(S2803)。サブCPU320aは、変動開始コマンドを受信していない場合(S2803:NO)には、この演出パターン決定処理を終了し、コマンド受信処理に戻る。
サブCPU320aは、変動開始コマンドを受信した場合(S2803:YES)には、S2805の処理で、変動開始コマンドに含まれる変動パターンを取得する。
次に、サブCPU320aは、S2807の処理で、演出パターンを決定する。具体的には、サブCPU320aは、基幹表示演出の決定、リーチ図柄の決定、チャンスアップの決定、および、停止図柄の決定を行うことで演出パターンを決定する。以下に、この詳細について説明する。
サブCPU320aは、基幹表示演出指定テーブルTS1に基づいて、S2805の処理で取得した変動パターンに対応する演出を基幹表示演出として決定する。例えば、サブCPU320aは、取得した変動パターンが変動パターン6の場合、基幹表示演出指定テーブルTS1に基づいて、変動パターン6に対応する演出であるSPSPリーチ(ハズレ)演出1を基幹表示演出として決定する。
次に、サブCPU320aは、取得した変動パターンがリーチ(リーチ形成演出)を実行する演出に対応している場合には、装飾図柄決定乱数と装飾図柄決定テーブルTS2に基づいて、リーチ図柄を決定する。サブCPU320aは、取得した変動パターンがリーチ(リーチ形成演出)を実行する演出に対応していない場合には、この処理を飛ばす。
続いて、サブCPU320aは、取得した変動パターンと、チャンスアップ乱数とに基づいて、上述のようなチャンスアップ演出実行の有無を決定する。
次に、サブCPU320aは、取得した変動パターンと、装飾図柄決定乱数とに基づいて、最終停止する装飾図柄の図柄配列を決定する。
以上より、サブCPU320aは、基幹表示演出、リーチ図柄、チャンスアップ実行の有無、および、最終停止する装飾図柄の図柄配列を決定し、この決定に沿った表示演出、役物可動演出、音声演出、および、発光演出を実現するための演出パターンを最終決定する。
[演出パターンに基づく表示演出および役物可動演出]
図65は、表示演出を説明するための図である。図66は、表示演出と役物可動演出との連携例1を説明するための図である。図67は、表示演出と役物可動演出との連携例2を説明するための図である。図68は、復活演出を含む一連の表示演出を説明するための図である。図69は、表示演出と役物可動演出との連携例3を説明するための図である。図70は、表示演出と役物可動演出との連携例4を説明するための図である。図65〜図70における表示演出例は、メイン表示装置131の表示画面で実行されている。これら表示演出例および役物可動演出例は、演出制御基板320のサブCPU320aによって演出パターン決定演出(図64参照)にて決定された演出パターンに基づいて実行される。この場合、サブCPU320aは、決定した演出パターンに基づいて、画像制御基板330およびランプ制御基板340に所定のコマンドを送信して、画像制御基板330およびランプ制御基板340を制御することで、演出パターンに基づく遊技演出(表示演出、音声演出、照明演出、および役物可動演出)を実現する。
図65を用いて表示演出を説明する。図65(A)〜(G)に示す表示演出は、大当たりとなる場合の特定の演出パターンに基づく一連の表示演出(変動開始演出、リーチ形成演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出、SPSPリーチ中レバー演出(レバー画像大)、および、図柄確定停止演出)を示している。また、図65(H)および(I)は、ハズレとなる場合の特定の演出パターンに基づく一連の表示演出のうちのSPSPハズレ演出および図柄確定停止演出を示している。さらに、図65(J)は、SPSPリーチ中レバー演出(レバー画像小)を示している。
[当たりとなる場合の一連の表示演出の例]
図65(A)〜(G)に示す一連の表示演出では、まず、図65(A)に示すように、メイン表示装置131において、装飾図柄が変動を開始する変動開始演出が実行される。次に、図65(B)に示すように、2つの装飾図柄を仮停止表示させ、リーチを形成するリーチ形成演出が実行される。なお、図65(B)では、リーチ図柄として「7」が用いられている。
続いて、図65(C)に示すように、発展演出としてSPリーチ演出が実行される。このSPリーチ演出では、背景画像が薄めの色(例えば、水色)に設定され、リーチ図柄がリーチ形成演出時と比較してやや上方に移動し、小さく形成される。また、このSPリーチ演出では、味方キャラクタと敵キャラクタとの対決が実行され、最終的に、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北し、装飾図柄が仮停止表示されて、ハズレ図柄配列が形成される。
次に、図65(D)に示すように、SPリーチ演出からのさらなる発展演出としてSPSPリーチ演出が実行される。このSPSPリーチ演出では、SPリーチ演出と同様に味方キャラクタと敵キャラクタとの対決が実行されるが、背景画像がSPリーチ演出時と比較して目立つ色(例えば、濃い赤色)に設定される。そして、このSPSPリーチ演出中には、図65(E)に示すように、SPSPリーチ中レバー演出が実行される。このSPSPリーチ中レバー演出では、比較的大きいレバー画像が表示される。このレバー画像では、インジケータ131zが示される。このインジケータ131zは、SPSPリーチ中レバー演出の有効期間(以下では、レバー有効期間とも呼ぶ)を表し、詳しくは、インジケータ131zの左側から右側へハッチング領域が移動することで、タイムアウトまでの時間を示唆している。
続いて、図65(F)に示すように、SPSPリーチ当たり演出が実行される。このSPSPリーチ当たり演出では、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出が実行される。
そして、図65(G)に示すように、装飾図柄を当たり図柄配列とする図柄確定停止演
出が実行される。
なお、上記した当たりとなる場合の一連の表示演出は、主制御基板300で変動パターン7、9((基幹表示演出がSPSPリーチ(特A,B当たり)演出1、2に対応)が選択された場合に決定される演出パターンに基づく表示演出である。
[ハズレとなる場合の一連の表示演出の例]
ハズレとなる場合の一連の表示演出では、図65(A)〜(E)に示す表示演出と同様に、変動開始演出、リーチ形成演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出、および、SPSPリーチ中レバー演出が実行される。次に、図65(H)に示すように、SPSPリーチハズレ演出が実行される。このSPSPリーチハズレ演出では、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する演出が実行される。
そして、図65(I)に示すように、装飾図柄をハズレ図柄配列とする図柄確定停止演出が実行される。
なお、上記したハズレとなる場合の一連の表示演出は、主制御基板300で変動パターン6、8((基幹表示演出がSPSPリーチ(ハズレ)演出1,2に対応)が選択された場合に決定される演出パターンに基づく表示演出である。
[SPSPリーチ中レバー演出(レバー画像小)]
一連の表示演出においてSPSPリーチ中レバー演出を実行する場合に、レバー画像が大きいSPSPリーチ中レバー演出(レバー画像大)(図65(E))に代えて、図65(J)に示すように、レバー画像が小さいSPSPリーチ中レバー演出(レバー画像大)が実行される場合が存在する。
[表示演出と役物可動演出との連携例1]
図66を用いて表示演出と役物可動演出の連携例1を説明する。図66(A)〜(C)には、表示演出を示し、図66(1)〜(4)には、役物可動演出を示している。図66(A)〜(C)は、時系列順に示されており、図65(E)〜(G)にそれぞれ対応するので、その説明を省略する。
図66(1)〜(4)に示す役物可動演出では、まず、表示演出としてSPSPリーチ中レバー演出(レバー画像大)が実行される前に、図66(1)に示すように、操作レバー180と移動回転体190とを用いて煽り演出が実行される。
次に、表示演出としてSPSPリーチ中レバー演出(レバー画像大)が実行され、インジケータ131zが示すレバー有効期間内に、操作レバー180が操作された場合(センサ2001を用いて操作タイミングが検知された場合)には、図66(2)に示すように、回転体飛び出し演出が実行される。なお、この場合、インジケータ131zが示すレバー有効期間内に操作レバー180が操作されなかった場合(センサ2001によって操作タイミングが検知されなかった場合)には、自動レバー操作演出が実行されて、回転体飛び出し演出が実行される。
続いて、図66(3)に示すように、操作レバー振動演出、および、ぐるぐる回転体演出が実行される。
次に、表示演出として、SPSPリーチ当たり演出が実行された後に、図66(4)に示すように、操作レバー戻り演出が実行される。その後、図66(C)に示すように、表示演出として図柄確定停止演出が実行される。
なお、上記した連携例1となる場合の一連の表示演出および役物可動演出は、主制御基
板300で変動パターン9((基幹表示演出がSPSPリーチ(特A、B当たり)演出2に対応)が選択された場合に決定される演出パターンに基づく表示演出である。
[表示演出と役物可動演出との連携例2]
図67を用いて表示演出と役物可動演出の連携例2を説明する。図67(A)〜(C)には、表示演出を示し、図67(1)〜(3)には、役物可動演出を示している。図67(A)〜(C)は、時系列順に示されており、図67(A)は、図65(J)に対応し、図67(B)、(C)は、図65(H)、(I)にそれぞれ対応するので、その説明を省略する。
図67(1)〜(3)に示す役物可動演出では、まず、表示演出としてSPSPリーチ中レバー演出(レバー画像小)が実行される前に、図67(1)に示すように、操作レバー180と移動回転体190とを用いて煽り演出が実行される。
次に、表示演出としてSPSPリーチ中レバー演出(レバー画像小)が実行され、インジケータ131zが示すレバー有効期間内に、操作レバー180が操作された場合(センサ2001によって操作タイミングが検知された場合)であっても、図67(2)に示すように、回転体飛び出し演出が行われずに、回転体保留演出が実行される。なお、この場合、インジケータ131zが示すレバー有効期間内に操作レバー180が操作されなかった場合(センサ2001によって操作タイミングが検知されなかった場合)には、自動レバー操作演出が実行されて、回転体保留演出が実行される。
続いて、図67(3)に示すように、操作レバー振動演出、および、ぐるぐる回転体演出が実行される。
次に、表示演出として、SPSPリーチハズレ演出が実行された後に、図67(3)に示すように、操作レバー戻り演出が実行される。その後、図67(C)に示すように、表示演出として図柄確定停止演出が実行される。
なお、上記した連携例2となる場合の一連の表示演出および役物可動演出は、主制御基板300で変動パターン8((基幹表示演出がSPSPリーチ(ハズレ)演出2に対応)が選択された場合に決定される演出パターンに基づく表示演出である。
[復活演出を含む一連の表示演出の例]
図68(A)〜(J)に示す復活演出を含む一連の表示演出では、図68(A)〜(E)に示す表示演出は、図65(A)〜(E)に示す表示演出とそれぞれ同様に実行される。
また、図68(F)に示すSPSPリーチハズレ演出は、図65(F)に示すSPSPリーチハズレ演出と同様に実行される。
SPSPリーチハズレ演出後、図68(G)に示すように、装飾図柄をハズレ図柄配列として図柄配列を仮停止させる図柄仮停止演出が実行される。この場合、仮停止とは、図柄配列を完全に停止表示させずに、微妙に揺動させる状態である。
図柄仮停止演出後、図68(H)に示すように、メイン表示装置131の表示画面をブラックアウトする暗転演出が実行される。
続いて、図68(I)に示すように、SPSPリーチ当たり演出が実行される。このSPSPリーチ当たり演出は、図65(F)を用いて説明したSPSPリーチ当たり演出と同様である。
そして、図68(J)に示すように、装飾図柄を当たり図柄配列とする図柄確定停止演出が実行される。
復活演出とは、以上のように、ハズレ図柄配列が仮停止表示された後に、再び、当たり
演出を実行させて、最終的に当たり図柄配列が停止表示される演出である。
[表示演出と役物可動演出との連携例3]
図69を用いて表示演出と役物可動演出の連携例3を説明する。図69(A)〜(C)には、表示演出を示し、図69(1)〜(4)には、役物可動演出を示している。図69(A)〜(C)は、時系列順に示されており、図68(H)〜(J)にそれぞれ対応するので、その説明を省略する。
図69(1)〜(4)に示す役物可動演出では、まず、表示演出として暗転演出が実行される前に、図69(1)に示すように、操作レバー180と移動回転体190とを用いて煽り演出が実行される。
次に、表示演出として、暗転演出が実行されているときに、自動レバー演出が実行され、回転体飛び出し演出が実行される。
続いて、図69(3)に示すように、操作レバー振動演出、および、ぐるぐる回転体演出が実行される。
次に、表示演出として、SPSPリーチ当たり演出が実行された後に、図69(4)に示すように、操作レバー戻り演出が実行される。その後、図69(C)に示すように、表示演出として図柄確定停止演出が実行される。
上記した復活演出を含む一連の表示演出および役物可動演出は、主制御基板300で変動パターン10((基幹表示演出がSPSPリーチ復活(特A,B当たり)演出に対応)が選択された場合に決定される演出パターンに基づく表示演出である。
[表示演出と役物可動演出との連携例4]
図70を用いて表示演出と役物可動演出の連携例4を説明する。図70(A)〜(C)には、表示演出を示し、図70(1)〜(3)には、役物可動演出を示している。図70(A)〜(C)は、時系列順に示されている。図70(A)は、ボタン作動報知演出を示している。このボタン作動報知演出では、第1演出ボタン135を示唆するボタン画像を表示させると共に、インジケータ131yを表示させる。このインジケータ131yは、ボタン作動報知演出の有効期間(以下では、ボタン有効期間とも呼ぶ)を表し、詳しくは、インジケータ131yの左側から右側へハッチング領域が移動することで、タイムアウトまでの時間を示唆している。図70(B)、(C)は、図65(F)、(G)にそれぞれ対応するので、その説明を省略する。
図70(1)〜(3)に示す役物可動演出では、まず、表示演出として、ボタン作動報知演出が実行されているときに、図70(1)に示すように、ボタン作動演出が実行される。そして、インジケータ131yが示すボタン有効期間内に、第1演出ボタン135が操作された場合(押下された場合)には、図70(2)に示すように、複合演出が実行される。なお、この場合、インジケータ131yに示すボタン有効期間内に第1演出ボタン135が操作されなかった場合でも、ボタン有効期間後、複合演出を実行してもよい。
次に、表示演出として、SPSPリーチ当たり演出が実行されているときに、図70(B)に示すように、顔ギミック演出が実行される。その後、図70(C)に示すように、表示演出として図柄確定停止演出が実行される。
上記した連携例4となる場合の一連の表示演出および役物可動演出は、主制御基板300で変動パターン7、9((基幹表示演出がSPSPリーチ復活(特A,B当たり)演出に対応)が選択された場合に決定される演出パターンに基づく表示演出である。
[その他の連携例の説明]
本実施形態の遊技機100では、役物可動演出として、自動レバー操作演出を実行しない演出パターンが存在する。このような演出パターンとして、例えば、変動パターン6に基づく演出パターン(基幹表示演出がSPSPリーチ(ハズレ)演出1(自動レバー操作演出無し)に対応)、変動パターン7に基づく演出パターン(基幹表示演出がSPSPリーチ(特A,B当たり)演出1(自動レバー操作演出無し)に対応)などの複数の演出パターンを有している。遊技機100では、自動レバー操作演出が実行されるか否かは、変動パターンによって予め定められている。言い換えれば、自動レバー操作演出が実行されるか否かは、演出制御基板320側ではなく、主制御基板300側で決定されている。
上記役物可動演出において、煽り演出、回転体飛び出し演出、回転体保留演出、操作レバー振動演出、ぐるぐる回転演出、操作レバー戻り演出、ボタン作動演出、複合演出、および、顔ギミック演出などの演出が実行されているが、これらの演出を実行するか否かは、演出パターン決定処理(図64参照)のS2807の処理で、チャンスアップ演出を実行するか否かで決定される。しかしながら、これに限られず、これらの演出の実行が、予め変動パターンによって予め定められていてもよい。言い換えれば、これらの演出が実行されるか否かが、演出制御基板320側ではなく、主制御基板300側で決定されてもよい。
上記役物可動演出として、操作レバー振動演出が実行されているが、本実施形態の遊技機100では、操作レバー振動演出が実行されない演出パターンが存在する。本実施形態の遊技機100では、SPSPリーチ中レバー演出のレバー画像が小さい場合には、SPSPリーチ中レバー演出のレバー画像が大きい場合と比較して、操作レバー振動演出の出現割合が低くなるように演出パターンが決定される。また、遊技機100では、SPSPリーチ中レバー演出のレバー画像が大きい表示演出を実現した場合には、SPSPリーチ中レバー演出のレバー画像が小さい表示演出を実現した場合と比較して、大当たり期待度が高くなるように設定される。従って、遊技機100では、操作レバー振動演出が実行された場合には、操作レバー振動演出が実行されない場合と比較して、大当たり期待度が高くなるように設定されている。
[演出パターンに基づく役物可動演出の変形例]
なお、上記役物可動演出としての各種演出は、上記で説明したタイミングに限られず、種々のタイミングで実現され得る。例えば、爪出現演出、爪押下演出がSPSPリーチ演出中に実行されてもよいし、複合演出、ボタン作動演出、自動レバー操作演出、および、操作レバー煽り演出が、SPSPリーチ当たり演出中に実行されてもよい。また、操作レバー煽り演出、操作レバー振動演出、回転体飛び出し演出、ガタガタ演出、点灯演出、点滅演出、小刻み回転演出、大刻み回転演出、および、ぐるぐる回転演出などがSPリーチ演出中に実行されてもよい。
上記役物可動演出として、煽り演出、回転体飛び出し演出、回転体保留演出、操作レバー振動演出、ぐるぐる回転演出、操作レバー戻り演出、ボタン作動演出、複合演出、および、顔ギミック演出などの演出を実行している場合において、点灯演出、点滅演出、または、消灯演出などを実行してもよい。さらに、これらの演出に代えて、移動回転体190の輝度を低下させる輝度低下演出を実行するようにしてもよいし、移動回転体190の点灯色を変更させる点灯色変更演出を実行するようにしてもよい。
また、上記役物可動演出において、特定の演出に関しては、他の演出に代替するようにしてもよい。例えば、小刻み回転演出の実行に代えて、無回転演出が実行されてもよい。また、大刻み回転演出の実行に代えて、ぐるぐる回転演出が実行されてもよい。
[その他の変形例]
上記実施形態では遊技機として遊技機100を例に挙げて説明したが、これに限らず他の遊技機としては、スロットマシン等の回胴式遊技機やアレンジボール遊技機、雀球遊技機等でもよく、またこれらの遊技機は玉やメダル等の媒体を払出すための払出装置を搭載したものであっても、そうではないもの(例えば、所謂封入式)であってもよい。特に、遊技機及び回胴式遊技機という具合に異なる種別の遊技機において、本実施形態の遊技システムを共有して採用することにより、遊技機の種別の枠を超えて、新たな遊技の楽しみを提供することができる。
上記実施形態において説明した遊技機100の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の表示態様の画面であってもよい。
[効果]
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る遊技機100においては、移動回転体190は、遊技機100の枠の外側であるガラス枠150の上部前側に設けられ、所定の遊技条件が成立すると、原点位置と進出位置との間を揺動(移動、回転等)可能及び発光可能に構成されると共に、その揺動態様(移動態様、回転態様等)及び発光態様を変化可能に構成されている。すなわち、本実施形態に係る遊技機100は、発明A〜Fとして、次のような構成を有している。
◆発明A
(1)遊技枠(ガラス枠150)に設けられ、原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体(移動回転体190)と、前記可動体を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)とを備え、前記制御手段は、前記可動体を、前記原点位置で可動する第1可動態様と、前記進出位置で可動する第2可動態様とにより、所定の演出を実行することを特徴とする遊技機(遊技機100)。
なお、前記第1可動態様又は前記第2可動態様は、進出方向への反復移動(ガタガタ)、小刻み回転、大刻み回転及びぐるぐる回転を含み、前記所定の演出は、これらの可動態様の中から適宜選択して実行するようにしてもよい。
(2)前記制御手段は、前記可動体を回転することにより可動させることを特徴とする(1)に遊技機。
なお、前記回転は、小刻み回転、大刻み回転及び/又はぐるぐる回転を含む。
従って、このような構成の発明Aによれば、可動体を、原点位置で可動する第1可動態様と進出位置で可動する第2可動態様とにより、演出の趣向を向上させることができる。特に、第2可動態様は、可動体が遊技者側に向かって飛び出した位置で行われるので、第1可動態様と相俟って、より演出の趣向を増大させ、遊技の興趣を極めて高めることが可能となる。
◆発明B
(3)遊技枠(ガラス枠150)に設けられ、原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体(移動回転体190)と、前記可動体を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)とを備え、前記制御手段は、前記可動体を、第1可動態様で前記原点位置から前記進出位置まで移動し、該進出位置で、該第1可動態様に比して可動範囲が大きい第2可動態様で可動することにより、特定の演出を実行することを特徴とする遊技機(遊技機100)。
例えば、前記制御手段は、前記第1可動態様として無回転、小刻み回転又は大刻み回転
で前記原点位置から前記進出位置まで移動し、該進出位置で、第2可動態様として小刻み回転、大刻み回転又はぐるぐる回転することにより、特定の演出を実行するようにしてもよい。
(4)遊技枠(ガラス枠150)に設けられ、原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体(移動回転体190)と、前記可動体を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)とを備え、前記制御手段は、前記可動体を、前記原点位置、前記進出位置、及び、前記原点位置から前記進出位置又は前記進出位置から前記原点位置の移動中、所定の可動態様で可動することにより、特定の演出を実行することを特徴とする遊技機(遊技機100)。
なお、前記特定の演出は、ガタガタ演出(進出方向への反復移動演出)、無回転演出、小刻み回転演出、大刻み回転演出及びぐるぐる回転演出を含む。
従って、このような構成の発明Bによれば、進出位置で、可動体を、進出位置に変位する前の第1可動態様に比して可動範囲が大きい第2可動態様で可動することにより、演出の趣向を向上させることができる。すなわち、遊技者側に向かって飛び出した位置で可動体を可動範囲が大きい第2可動態様で可動することにより、第1可動態様と相俟って、遊技者に多大な期待感を与えることが可能となり、その結果、遊技の興趣が極めて向上する。
◆発明C
(5)遊技枠(ガラス枠150)に設けられ、原点位置と進出位置との間を変位可能、及び発光可能な可動体(移動回転体190)と、前記可動体を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)とを備え、前記制御手段は、前記可動体を、前記原点位置で第1発光態様にて発光させると共に、前記原点位置から前記進出位置に向かって移動する場合、該原点位置における当該可動体の第1発光態様を、該第1発光態様に比して輝度が低い第2発光態様に変更又は消灯する演出を所定期間実行することを特徴とする遊技機(遊技機100)。
(6)前記制御手段は、前記可動体を揺動した後に、前記演出を実行することを特徴とする(5)に記載の遊技機。
なお、前記揺動は、進出方向への反復移動(ガタガタ)、小刻み回転、大刻み回転及び/又はぐるぐる回転を含む。
従って、このような構成の発明Cによれば、原点位置から進出位置に向かって移動する場合、可動体を、進出位置に変位する前の第1発光態様に比して、輝度が低い第2発光態様に変更又は消灯することにより、例えば、第1発光態様から、一旦、第2発光態様に変更し、その後進出位置に進出したら再び所定の態様で発光させる演出を行うことが可能となる。すなわち、可動体の発光態様を、輝度が低い第2発光態様に変更又は消灯することにより、遊技者に一旦失望感を与え、その後遊技者側に向かって飛び出した進出位置で可動体を発光させることで、例えば復活大当たりのような復活演出を行うことができる。そして、(6)に記載したように、可動体を揺動した後に第2発光態様に変更する演出を行えば、その演出効果(大当たりやリーチ期待度)は著しく増大する。なお、この揺動は、可動体を第2発光態様に変更した後、進出位置に変位する前までの期間で行うようにしてもよい。
◆発明D
(7)遊技枠(ガラス枠150)に設けられ、原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体(移動回転体190)と、前記可動体を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)とを備え、前記制御手段は、前記可動体を、前記原点位置では第1の面(第1停止面3106)で停止し、前記進出位置では該第1の面とは異なる第2の面(第2停止面3107)で停止することを特徴とする遊技機(遊技機100)。
なお、停止面は、3つ以上あってもよい。
(8)前記可動体は回転可能に設けられ、前記可動体の内部には、回転不能に設けられた基板(中継基板3020)の片面側に配置され、該可動体の停止面を照射可能な発光手段(LED3021)が設けられていることを特徴とする(7)に記載の遊技機。
なお、前記可動体は、内部が中空であって、その外周面(アウター3003の外周面)が回転可能に設けられると共に、該外周面に前記第1の面及び前記第2の面が設けられるように構成してもよい。
従って、このような構成の発明Dによれば、可動体を、原点位置では第1の面で停止し、進出位置では第1の面とは異なる第2の面で停止させることにより、例えば、可動体が遊技者側に向かって飛び出している進出位置で停止する第2の面を、第1の面に比して、より凝った信頼度の高い(例えば、大当たりになることを予期させる遊技者に期待感を抱かせるような)形態にすることが可能となる。その結果、遊技の興趣を極めて高めることが可能となる。また、停止面(第1の面、第2の面)を発光させる発光手段を(8)記載のように構成することで、停止面の発光、すなわち、可動体の発光をより確実に行うことが可能となる。特に、可動体内部の発光手段が設けられた基板は回転せずに固定されるので、遊技機における配線の取り回しなどが容易になると共に、可動体の回転に伴う故障・トラブルなどを抑制することが可能となる。
◆発明E
(9)原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体(移動回転体190)と、前記可動体を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)とを備え、前記制御手段は、前記可動体を、第1態様と、該第1態様とは相違する第2態様とで可動させることにより、所定の演出を実行することを特徴とする遊技機(遊技機100)。
なお、前記第1態様又は前記第2態様は、進出方向への反復移動(ガタガタ)、小刻み回転、大刻み回転及びぐるぐる回転を含み、前記所定の演出は、これらの可動態様の中から該第1態様と該第2態様とで異なる可動を行うことにより実行するようにしてもよい。
(10)前記第1態様は前記変位方向への移動であり、前記第2態様は回転であることを特徴とする(9)に記載の遊技機。
例えば、前記第1態様は進出方向への反復移動(ガタガタ)であり、前記第2態様は小刻み回転、大刻み回転又はぐるぐる回転としてもよい。
(11)前記可動体は、遊技枠(ガラス枠150)に設けられていることを特徴とする(9)又は(10)に記載の遊技機。
従って、このような構成の発明Eによれば、原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体を、第1態様と、第1態様(変位方向への移動)とは相違する第2態様(回転)とで可動させることで、例えば、特別図柄や装飾図柄の変動でリーチや大当たりになるか否かに係る演出の趣向をより増大させ、遊技の興趣を極めて高めることが可能となる。特に、可動体が、遊技枠に設けられていれば、例えば、遊技者の至近距離で接触(操作)可能に可動させることができ、これにより、より煽り演出の趣向を高めることが可能となる。
◆発明F
(12)遊技枠(ガラス枠150)に設けられ、原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体(移動回転体190)と、前記可動体を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)とを備え、前記制御手段は、前記可動体を、前記原点位置と、該原点位置及び前記進出位置とは異なる所定位置との間で揺動後、該進出位置へ進出させる第1演出と、該原点位置に留める第2演出とを実行することを特徴とする遊技機。
前記制御手段は、更に、前記可動体を、前記原点位置と前記進出位置との間の第2所定位置と、該第2所定位置とは異なる第3所定位置との間で揺動するようにしてもよい。なお、前記揺動は、進出方向への反復移動(ガタガタ)、小刻み回転、大刻み回転及び/又
はぐるぐる回転を含む。
従って、このような構成の発明Fによれば、可動体を、原点位置と、原点位置及び進出位置とは異なる進出位置との間で揺動後、進出位置に進出させる第1演出を行ったり、原点位置に留める第2演出を行ったりすることが可能となる。例えば、特別図柄や装飾図柄の変動でリーチや大当たりになる場合など、遊技状態が遊技者にとって有利となる場合には第1演出を行い、逆に、リーチや大当たりにならない場合など、遊技状態が遊技者にとって有利とならない場合には第2演出を行うことが可能となる。その結果、遊技者のリーチや大当たりなど、遊技状態の変化に関連する期待感や失望感に変化を与え、遊技の趣向をより増大させることが可能となる。
ここで、発明A〜Fにおいて、前記制御手段は、前記可動体を前方側(遊技者側)に向かって進出させるようにしてもよい。そして、前記可動体を前方側(遊技者側)に向かって進出させる場合、前記原点位置又は前記原点位置と前記進出位置との間の所定位置から平行移動するようにしてもよい。また、前記進出位置に位置する前記可動体は、正面視又は側面視した場合、少なくともその一部が前記遊技枠の外側(上側)に位置するようにしてもよい。また、遊技枠は、ガラス枠150に限らず、外枠160又は内枠170であってもよい。
従って、このように構成される発明A〜F記載の遊技機によれば、遊技状態がリーチや大当たりになる場合(特別図柄や装飾図柄の変動)等に係わって、可動体を所定の態様に制御することにより、様々な趣向を凝らした演出(煽り演出)を行うことができる。例えば、可動体の演出種別(演出態様、演出パターン)毎にリーチや大当たり時に選択される割合(抽選確率)を異ならせることにより、当該可動体の演出種別(演出態様、演出パターン)毎にリーチや大当たりの信頼度を異ならせることが可能となる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機100においては、移動回転体190が円滑に動作して上記した演出を確実に実行できるように構成されている。すなわち、本実施形態に係る遊技機100は、発明G〜Jとして、次のような構成を有している。
◆発明G
(13)原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体(移動回転体190)と、前記可動体を支持する支持部材(支持部材2702)と、前記支持部材に設けられる前記可動体を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)と、前記可動体と前記制御手段を電気的に接続して前記制御手段からの制御信号を少なくとも送信可能な電線(フレキシブルフラットケーブル2790)と、前記可動体と前記支持部材との間に位置し、前記電線の所定区間をカバーするカバー体(保護部材2791)とを備えた遊技機(遊技機100)であって、前記カバー体は、可動体側端部(上ヒンジ部材2958)と支持部材側端部(下ヒンジ部材2930)の間に該カバー体を折り曲げ可能な折曲可動部(中ヒンジ部2794)を有し、前記可動体の変位に伴って該折曲可動部が可動することにより所定の同一平面(A−A断面)上を移動することを特徴とする遊技機。
(14)前記同一平面は、前記可動体の進出方向と平行する平面であることを特徴とする(13)に記載の遊技機。
(15)前記カバー体は、前記可動体側端部及び前記支持部材側端部が、前記可動体及び前記支持部材に回動可能に接続され、前記可動体側端と前記折曲可動部との間、又は/及び、前記支持部材側端と前記折曲可動部との間が、少なくとも1の円弧形状を含む形状(ベース長部2927、ベース短部2928)に形成されていることを特徴とする(13)又は(14)に記載の遊技機。
また、(15)に記載の遊技機は、(15’)のように構成してもよい。
(15’)原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体(移動回転体190)と、前記可動体を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)と、前記可動体と前記制御手段を電気的に接続して前記制御手段からの制御信号を少なくとも送信可能な電線(フレキシブルフラットケーブル2790)と、前記電線の所定区間をカバーするカバー体(保護部材2791)とを備えた遊技機(遊技機100)であって、前記カバー体は、可動体側端部(上ヒンジ部材2958)と制御手段側端部(下ヒンジ部材2930)との間に、前記可動体の変位に伴って該カバー体を折り曲げ可能な折曲可動部(中ヒンジ部2794)を有し、前記可動体側端部と前記折曲可動部との間、又は/及び、前記制御手段側端部と前記折曲可動部との間が、少なくとも1の円弧形状を含む形状(ベース長部2927、ベース短部2928)に形成されていることを特徴とする遊技機。
なお、(15’)において、前記カバー体は、前記可動体側端部及び前記制御手段側端部が、前記可動体及び前記制御手段に回動可能に接続されるように構成してもよい。
また、(13)〜(15)、(15’)において、電線は、折曲可動部が可動することでカバー体がどのような態様になっても、露出しないように構成するとよい。
従って、このような構成の発明Gによれば、カバー体は、可動体が何れの位置に変位しても、その移動は、予め定められた同一平面上の範囲内となっている。これにより、可動体の変位に伴ってカバー体(電線)が移動しても、カバー体は、同一平面外に振れたり、移動したりすることがない。これにより、カバー体の近傍に該カバー体の移動範囲を想定して種々の部品や装置を配置することが可能となり、その結果、カバー体がそれらの種々の部品や装置と干渉することがない。また、予め定められた同一平面を可動体の進出方向と平行に構成すれば、カバー体の構成が簡素化できると共に、カバー体を安定して移動することができる。更に、カバー体を(15)、(15’)のように構成すれば、可動体の変位に伴ってカバー体が折れ曲がることにより電線が緊張した場合であっても、カバー体の円弧形状により電線が切断等して損傷するのを抑止することができ、その結果、電線の耐久性が向上する。
◆発明H
(16)原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体(移動回転体190)と、前記可動体を支持する支持部材(支持部材2702)と、前記可動体と前記支持部材とに接続されるワイヤ(ワイヤ2760a,2760b)と、前記ワイヤを巻き取る又は送り出すことにより、前記可動体を前記原点位置又は前記進出位置側へと移動させるワイヤ巻取送出手段(モータ機構2710)とを備えた遊技機であって、前記可動体と前記ワイヤ巻取送出手段との間には、前記ワイヤに所定の張力を与えるワイヤ張力付与手段(ワイヤ張力調整機構2720a,2720b)を有し、前記ワイヤ張力付与手段は、前記ワイヤを巻架する所定方向に移動可能な第1プーリー(2782a,2782b)及び第2プーリー(第2プーリー2783a,2783b)と、前記第1プーリー及び前記第2プーリーを付勢する第1付勢手段(第1コイルスプリング2787a,2787b)及び第2付勢手段(第2コイルスプリング2788a,2788b)を有し、前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段により、前記第1プーリーと前記第2プーリーとが互いに離間する方向に付勢することを特徴とする遊技機。
従って、このような構成の発明Hによれば、第1付勢手段及び第2付勢手段の付勢力により、第1プーリー及び第2プーリーを介して常時所定の張力をワイヤに与えることができる。これにより、可動体の移動を、ワイヤにより円滑に行うことが可能になり、その結果、ワイヤが緩んで可動体の移動に支障を来すことがない。加えて、ワイヤが他の部品に引っ掛かることにより発生する故障・トラブル等を、未然に防止することも可能となる。
◆発明I
(17)原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体(移動回転体190)を備えた
遊技機であって、前記可動体は、前記原点位置から、該原点位置及び前記進出位置との間の所定位置(第2位置)まで進出させる場合には、複数の付勢手段(基本コイルスプリング2730a,2730b、及び、補助コイルスプリング2735a,2735b)で付勢すると共に、該所定位置から前記進出位置まで進出させる場合には、前記複数の付勢手段よりも少ない数の付勢手段(基本コイルスプリング2730a,2730b)で付勢することを特徴とする遊技機。
(18)前記複数の付勢手段は、第1弾性部材(基本コイルスプリング2730a,2730b)と、第2弾性部材(補助コイルスプリング2735a,2735b)とを有し、前記複数の付勢手段よりも少ない数の付勢手段は、前記第1弾性部材又は前記第2弾性部材であることを特徴とする(17)に記載の遊技機。
従って、このような構成の発明Iによれば、可動体が原点位置から進出位置へ変位する場合には、負荷が大きい初動動作を、複数の付勢手段(第1弾性部材及び第2弾性部材)で行い、可動体が原点位置から所定位置(第2位置)まで進出すると、その後の負荷が小さい動き出し後の動作は、複数の付勢手段よりも少ない数の付勢手段(第1弾性部材又は第2弾性部材)で行うことができる。その結果、原点位置から進出位置への変位を、より小さな動力で行うことが可能となり、設計の自由度が増大すると共にコストダウンを図ることが可能となる。
◆発明J
(19)原点位置と進出位置との間を変位可能な可動体(移動回転体190)と、前記可動体を支持する支持部材(支持部材2702)と、前記可動体と前記支持部材とに接続されるワイヤ(ワイヤ2760a,2760b)と、前記ワイヤを巻き取る又は送り出すことにより、前記可動体を前記原点位置又は前記進出位置側へと移動させるワイヤ巻取送出手段(モータ機構2710)とを備えた遊技機であって、前記ワイヤ巻取送出手段は、前記ワイヤを送り出す方向に付勢する付勢手段(基本コイルスプリング2730a,2730b、補助コイルスプリング2735a,2735b)と、正逆回転可能なモータ(モータ2770)と、前記モータの回転に連動して正逆回転する回転部材(ウォーム歯車2772)と、前記回転部材と係合することにより該回転部材の回転に連動して正逆回転する、前記ワイヤが巻き付けられるワイヤ巻取回転部材(巻き取りプーリー2777)とを有し、前記ワイヤを巻き取る場合は、前記回転部材と前記ワイヤ巻取回転部材とを係合させることにより、前記回転部材の前記ワイヤ巻取回転部材への動力を伝達し、前記付勢手段の付勢に抗して該ワイヤ巻取回転部材を正回転し、前記ワイヤを送り出す場合は、前記回転部材と前記ワイヤ巻取回転部材とを係脱させることにより前記回転部材の前記ワイヤ巻取回転部材への動力伝達を遮断し、前記付勢手段の付勢力によって該ワイヤ巻取回転部材を逆回転することを特徴とする遊技機。
(20)前記回転部材には、ワンウェイクラッチ(ワンウェイクラッチ2970)を介して回転軸(回転軸2768)が挿入され、前記ワンウェイクラッチは、前記回転部材が逆回転する場合にのみ、前記回転軸を連動させて該回転軸を逆回転し、前記回転軸が逆回転することにより前記回転部材を前記ワイヤ巻取回転部材から係脱する方向に移動させることを特徴とする(19)に記載の遊技機。
(21)前記回転軸には、カム(乗り上げカム2911)が取り付けられ、前記カムが逆回転した場合に所定部材(乗り上げ機構部2910)と係合することにより、前記回転部材は、前記ワイヤ巻取回転部材から離間して該ワイヤ巻取回転部材から係脱する方向に移動することを特徴とする(19)又は(20)に記載の遊技機。
(22)前記回転部材を前記ワイヤ巻取回転部材側に付勢する回転部材付勢手段(コイルスプリング2963)を有していることを特徴とする(19)乃至(21)の何れか1つに記載の遊技機。
なお、カム及びカムが係合する所定部材には、カムの回転範囲を規制する部材や機構を設けるようにするとよい。
従って、このような構成の発明Jによれば、可動体を原点位置から進出位置へ変位させる際には、回転部材からワイヤ巻取回転部材への動力伝達を遮断することによりワイヤを送り出し、可動体を原点位置から極めて短時間で一気に進出位置へ、付勢手段の付勢力により変位させることができる。その結果、可動体を用いた当該遊技機の演出性が増大し、遊技の興趣が向上する。また、モータを用いていないので、可動体を進出位置まで変位させる際の動力を低減するこができると共に、モータの耐久性が向上する。
また、本実施形態に係る遊技機100においては、移動回転体190を駆動するモータ3017が連続駆動することにより加熱して、移動回転体190に故障や誤作動等のトラブルが発生するのを抑止するように構成されている。すなわち、本実施形態に係る遊技機100は、発明Kとして、次のような構成を有している。
◇発明K
(23)可動体(移動回転体190)と、前記可動体の駆動を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)とを備え、前記制御手段は、前記可動体が、駆動している時間を計時する駆動計時手段(ステップS3004)と、前記可動体が、駆動していない時間を計時する駆動停止計時手段(ステップS3052)と、前記駆動計時手段が計時した時間と、前記駆動停止計時手段が計時した時間とに基づいて前記可動体の駆動休止を実行する駆動休止実行手段(ステップS3010)と、前記駆動計時手段が計時した時間が所定時間(T1:1秒)を経過する毎に所定のカウント値(C1:5)を加算すると共に、前記駆動停止計時手段が計時した時間が所定時間(T2:1秒)を経過する毎に所定のカウント値(C2:1)を減算することにより、カウント値(C1−C2)を演算する演算手段(ステップS3006、ステップS3056)とを有し、前記カウント値(C1)と前記カウント値(C2)とは、異なる値に設定され、前記駆動休止実行手段は、前記カウント値(C1−C2)が所定カウント値(HC:600)に達した場合に、前記可動体の駆動休止を実行することを特徴とする遊技機。
(24)前記所定カウント値(HC)に達した前記カウント値(C1−C2)が、該所定カウント値(HC)未満になった場合には、前記駆動休止実行手段による前記可動体の駆動休止を解除する(ステップS3062)ことを特徴とする(23)に記載の遊技機。
従って、このような構成の発明Kによれば、可動体の駆動を制御する制御手段が加熱することにより発生する故障や誤作動等のトラブルを、温度センサ等のハード資源を用いることなく、該制御手段がソフト制御することにより抑止することができ、その結果、コストダウンとなる。
なお、(23)又は(24)に記載の遊技機において、前記制御手段に対する電力供給が停止した場合に、前記カウント値(C1−C2)を記憶保持する記憶保持手段(不揮発性記憶手段)を備えるように構成してもよい。このような構成によれば、制御手段に対する電力供給の停止に影響されることなく、可動体の駆動を適正に行うことが可能となる。
あるいは、(23)又は(24)に記載の遊技機において、前記制御手段に対する電力供給が開始された場合には、前記制御手段による前記可動体の駆動を強制的に所定時間停止するように構成してもよい。このような構成によれば、カウント値(C1−C2)を記憶保持する記憶保持手段を設けることなく、コストダウンを図りながら可動体の駆動を適正に行うことが可能となる。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
なお、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用い
られる意味で用いられることが理解されるべきである。従って、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語及び技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。
100…遊技機
190…移動回転体(可動体)
340…ランプ制御基板
2725…移動回転体制御基板(制御手段)
3003…アウター
3017…モータ
3010a…CPU
3010c…RAM
[適用例1]
本発明の遊技機(遊技機100)は、役物(移動回転体190)と、前記役物の駆動を制御可能な制御手段(移動回転体制御基板2725)とを備え、前記制御手段は、前記役物が、駆動している時間を計時する駆動計時手段(ステップS3004)と、前記役物が、駆動していない時間を計時する駆動停止計時手段(ステップS3052)と、前記駆動計時手段が計時した時間と、前記駆動停止計時手段が計時した時間とに基づいて前記役物の駆動休止を実行する駆動休止実行手段(ステップS3010)と、前記駆動計時手段が計時した時間が所定時間(T1:1秒)を経過する毎に所定のカウント値(C1:5)を加算すると共に、前記駆動停止計時手段が計時した時間が所定時間(T2:1秒)を経過する毎に所定のカウント値(C2:1)を減算することにより、カウント値(C1−C2)を演算する演算手段(ステップS3006、ステップS3056)とを有し、前記カウント値(C1)と前記カウント値(C2)とは、異なる値に設定され、前記駆動休止実行手段は、前記カウント値(C1−C2)が所定カウント値(HC:600)に達した場合に、前記役物の駆動休止を実行することを要旨とする。

Claims (2)

  1. 可動体と、
    前記可動体の駆動を制御可能な制御手段と
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記可動体が、駆動している時間を計時する駆動計時手段と、
    前記可動体が、駆動していない時間を計時する駆動停止計時手段と、
    前記駆動計時手段が計時した時間と、前記駆動停止計時手段が計時した時間とに基づいて前記可動体の駆動休止を実行する駆動休止実行手段と、
    前記駆動計時手段が計時した時間が所定時間(T1)を経過する毎に所定のカウント値(C1)を加算すると共に、前記駆動停止計時手段が計時した時間が所定時間(T2)を経過する毎に所定のカウント値(C2)を減算することにより、カウント値(C1−C2)を演算する演算手段と
    を有し、
    前記カウント値(C1)と前記カウント値(C2)とは、異なる値に設定され、
    前記駆動休止実行手段は、
    前記カウント値(C1−C2)が所定カウント値(HC)に達した場合に、前記可動体の駆動休止を実行すること
    を特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  2. 前記所定カウント値(HC)に達した前記カウント値(C1−C2)が、該所定カウント値(HC)未満になった場合には、前記駆動休止実行手段による前記可動体の駆動休止を解除すること
    を特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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