JP2016207208A - 方法及びコンピュータプログラム製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ネットワーク化した複合システムにおける障害検出及び分離を容易にする。【解決手段】本発明は、ネットワーク化した複合システムにおける障害の検出及び分離を容易にし、一方で計算の複雑性及び誤警報を減少させる階層的な障害の検出及び分離システム、方法及びコンピュータプログラム製品の少なくとも一つを提供する。本システム、方法及びコンピュータプログラム製品の少なくとも一つは、システムレベル分離及び検出アルゴリズム及び診断ツリーを利用して、ネットワーク化した複合システムの不良なサブシステム、構成要素などを系統的に分離する。【選択図】図1

Description

本発明は、概してネットワーク化した複合システムにおける障害検出及び分離に関し、より具体的には、航空機の空気管理システムのためのシステムレベル障害診断に係る。
一般に、検知及び制御技術における進歩はネットワーク化した複合システムの開発を容易にしている。ネットワーク化した複合システムは、複数のサブシステムから構成され、これらのサブシステムは、種々の電気的、機械的、油圧又は空気圧接続を介して相互接続された構成要素、異種の検知器及びフィードバック制御装置から構成される。ネットワーク化した複合システムの複雑な相互接続及びフィードバック制御ループは、障害検出及び分離を非常に困難なタスクにしている。
例えば、航空機の空気管理システムなどのネットワーク化した複合システムは、航空機へ加圧空気をコントロールして供給するものであって、複数のサブシステムから構成されている。
複雑な相互接続及びフィードバック制御ループが障害のある(不良な)構成要素を含んでいる場合、この障害のある構成要素は、接続された他の構成要素に入力される公称からずれた(off−nominal)出力を生成する。次いで、このようなことがなければ正常である接続された他の構成要素が、公称からずれた出力を生成し、これにより、不要な偽警報が生じる。さらに、公称からずれた入力により、正常な構成要素は正常な動作条件を超えて駆動され、このため連鎖的な障害が生じることがある。さらに、内蔵コントローラは不良な信号を使用し、連続動作のためにシステム内に存在する障害を隠してしまう。
実施形態は、複数のセンサからのセンサデータを蓄積するための方法を含む。この方法は、ネットワーク化した複合システム内の構成要素及びサブシステムを記述する微分方程式を含む物理ベースモデルを利用することと、複数のセンサからの各々の障害モードの効果を捕捉するための最良のセンサのサブセットを、アルゴリズムにより選択するステップであって、各々のセンサは、前記ネットワーク化した複合システム内の構成要素及びサブシステムの少なくとも一方と関連づけられている、選択するステップと、前記センサデータ内の障害を検出して特定するように、前記ネットワーク化した複合システム内の各々のサブシステム及び構成要素のための複数のニューラルネットワークを学習させるステップと、選択された最良のセンサのサブセット及び各々のサブシステム及び構成要素のために学習した前記複数のニューラルネットワークに応答して、前記センサデータ内の前記障害を検出して分離するように前記アルゴリズムを実行するステップと、を含む。
別の実施形態又は上記の方法の実施形態のいずれかによれば、方法は、前記構成要素の各々についてデータクラスを定義するステップをさらに含み、関連するセンサデータが不良読み込みを含むときに、前記データクラスは、前記複数のニューラルネットワークが正常な構成要素を特定することを可能にする。
別の実施形態又は上記の方法の実施形態のいずれかによれば、データクラスは、正常データクラスと不良データクラスとを含むことができる。
別の実施形態又は上記の方法の実施形態のいずれかによれば、アルゴリズムは、ネットワーク化した複合システム内の前記障害を系統的に分離するために診断ツリーを利用するシステムレベル検出及び分離アルゴリズムであり得る。
別の実施形態又は上記の方法の実施形態のいずれかによれば、前記センサデータ内の障害を検出して分離するように前記アルゴリズムを実行するステップは、前記複数のニューラルネットワークの各々により、ニューラルネットワークに対応するセンサデータの部分のデータクラスを示す値を出力することと、前記値によって障害が示された場合に、前記ネットワーク化した複合システム内の少なくとも一つの構成要素が分離されるまで、ニューラルネットワークに対応する前記センサデータの部分を診断ツリーを下降して伝えることと、をさらに含む、
別の実施形態又は上記の方法の実施形態のいずれかによれば、前記ネットワーク化した複合システム内で二つ又は複数の構成要素が分離される場合、1に最も近い値を出力するニューラルネットワークと関連する構成要素が特定される。
実施形態は、コンピュータプログラム製品を含む。コンピュータプログラム製品には、具現化されたプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含む。前記プログラム命令は、プロセッサによって実行可能であり、前記プロセッサに、ネットワーク化した複合システム内の構成要素及びサブシステムを記述する微分方程式を含む物理学に基づいたモデルを利用して複数のセンサからセンサデータを蓄積するステップと、複数のセンサからの各々の障害モードの効果を捕捉するための最良のセンサのサブセットを、アルゴリズムを利用するにより選択するステップであって、各々のセンサは、前記ネットワーク化した複合システム内の構成要素及びサブシステムの少なくとも一方と関連づけられている、選択するステップと、前記センサデータ内の障害を検出して特定するように、前記ネットワーク化した複合システム内の各々のサブシステム及び構成要素のための複数のニューラルネットワークを学習させるステップと、選択された最良のセンサのサブセット及び各々のサブシステム及び構成要素のために学習した前記複数のニューラルネットワークに応答して、前記センサデータ内の前記障害を検出して分離するように前記アルゴリズムを実行するステップと、を行わせる。
別の実施形態又は上記のコンピュータプログラム製品の実施形態によれば、前記プログラム命令は、前記プロセッサによって実行可能であり、前記プロセッサに、前記構成要素の各々についてデータクラスを定義するステップを行わせ、関連するセンサデータが不良読み込みを含むときに、前記データクラスは、前記複数のニューラルネットワークが正常な構成要素を特定することを可能にする。
別の実施形態又は上記のコンピュータプログラム製品の実施形態のいずれかによれば、前記データクラスは、正常データクラス及び不良データクラスを含むことができる。
別の実施形態又は上記のコンピュータプログラム製品の実施形態のいずれかによれば、前記アルゴリズムは、前記ネットワーク化した複合システム内の障害を系統的に分離するために診断ツリーを利用するシステムレベル検出及び分離アルゴリズムであり得る。
別の実施形態又は上記のコンピュータプログラム製品の実施形態のいずれかによれば、前記センサデータ内の前記障害を検出して分離するように前記アルゴリズムを実行するステップに関して、前記プログラム命令は、前記プロセッサによって実行可能であり、前記プロセッサに、前記複数のニューラルネットワークの各々により、ニューラルネットワークに対応するセンサデータの部分のデータクラスを示す値を出力することと、前記値によって障害が示された場合に、前記ネットワーク化した複合システム内の少なくとも一つの構成要素が分離されるまで、ニューラルネットワークに対応する前記センサデータの部分を診断ツリーを下降して伝えることと、を行わせる。
別の実施形態又は上記のコンピュータプログラム製品の実施形態のいずれかによれば、前記ネットワーク化した複合システム内で二つ又は複数の構成要素が分離される場合、1に最も近い値を出力するニューラルネットワークと関連する構成要素が特定される。
別の実施形態によれば、上記の方法又はコンピュータプログラム製品の実施形態をシステムで使用することができる。
追加の特長及び利点は、本発明の技術によって実現される。本開示の他の実施形態及び態様は、本明細書中で詳細に記載される。利点と特長を伴う本開示をよりよく理解するために、以下の説明及び図面を参照されたい。
本発明とみなされる主題は、明細書の結末にある特許請求の範囲で特に指摘され、明確に主張されている。本発明の前述及び他の特長、並びに利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を受けることにより明らかとなる。
実施形態に従った診断システムを示す図。 実施形態に従った診断システムを示す概略図。 誤警報が実際の障害の結果として表示される場合の例示的な例を示す図。 実施形態に従った診断システムのプロセスフロー。 実施形態に従った処理システムを示す図。 実施形態に従った処理システムを示す図。
本明細書に記載の実施形態は、ネットワーク化した複合システム内の障害検出及び分離を容易にする一方で計算の複雑性と誤警報を減らす、階層的な障害検出及び分離システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品(本明細書中では診断システムと称する)に関する。診断システムは、ネットワーク化した複合システムにおける障害のある(不良な)サブシステム、次いで障害のある(不良な)構成要素などを体系的に分離するために、診断ツリーを伴ったシステムレベル検出及び分離アルゴリズムを利用する。
図1を参照すると、実施形態に従った診断システムが概略的に示されている。診断システムは、コントローラ101を備えるネットワーク化した複合システム100を含み、このコントローラ101は、センサ107,108を介して構成要素103の状態及び構成要素104の状態をモニタする。
動作において、図1はさらに、構成要素103と構成要素104との間及びセンサ107とセンサ108との間における多数の相互接続に起因して生じる問題など、ネットワーク化した複合システム100内での障害の検出及び分離に関する困難な側面を示している。例えば、構成要素103における障害110は、センサ107によって検出される障害111を生成する不良出力を発し、ひいては構成要素104に不良入力をもたらす。これは、他の場合には正常である構成要素104による別の不良出力の生成につながり、センサ108によって検出される誤警報112(例えば、連鎖的な障害)をもたらす。このようにして、コントローラ101は、センサ107,108から、検出された障害111及び誤警報112の双方を受信することとなる。
検出された障害111と誤警報112とを区別するために、診断システムは、システムレベル障害検出及び分離アプローチを採用する。例えば、診断システムは、障害のある構成要素103を検出して分離するために、システムレベル検出及び分離アルゴリズムを使用する。このアプローチでは診断ツリーが全体の診断システムを最初のノードとして用いて構築される一方で、サブシステム及び構成要素は、別のブランチで次のノードを形成する(例えば、構成要素103及び構成要素104は、診断システムから外れたそのブランチ内の2つのノードとなる)。ツリーの各ノードにおいて、他のサブシステム内に一又は複数の障害が存在する場合であっても、ノードの正常な特性を捕捉することができる最適なセンサデータに基づいて診断システムによってニューラルネットワークモデルが構築される。このニューラルネットワークモデルは、次いで、障害がサブシステム/構成要素内に存在するかどうかを検出するためのバイナリ分類器として機能する。システムレベル検出及び分離アルゴリズムは、まず障害を含むサブシステムを検出及び分離し、次いで、高い検出率を維持しつつ誤警報及び計算の複雑性を減少させるため、そのサブシステム内における対応する障害のある構成要素を分離するトップダウン方式で実行される。
システムレベル検出及び分離アルゴリズムは、ネットワーク化した複合システム100内における障害のある構成要素を検出し分離するためにシステム論的アプローチに基づいた診断方法を用いる。さらに、システムレベル検出及び分離アルゴリズムは、まず障害を含むサブシステムを分離し、次いで、障害のある構成要素自体を分離するように階層診断ツリーの概念を用いる。診断ツリーは、ルートノードとして全体としてのネットワーク化した複合システム100で構築される。次のレベルでは、各ノードは、ネットワーク化した複合システム100内のサブシステムを表す。最下層レベルでは、端末ノードはサブシステムの構成要素を表す。このアプローチは、端末ノードとして構成要素の障害モードを含むように拡張することができる。
説明の便宜上、ここでは、診断システム及びネットワーク化した複合システム100を航空機の空気管理システムに言及して説明する。すなわち、図2に示すように、空気管理システム200は、ネットワーク化した複合システム100の実施形態として見ることができる。具体的には、空気管理システム200は、2つの主たる並列なサブシステムで構成される統合された熱制御システムであり、図3を参照して以下に説明するように、これらのサブシステムの各々は、温度、湿度及び圧力が制御された空気を航空機の室内に提供する環境制御サブシステムである。乗員の安全性と快適性のために、空気管理システム200が正常な状態で動作していることを確認することが重要である。さらに、オンボード障害診断ツールの非存在下では、空気管理システム200の定期的なメンテナンスの予定を決める必要があるが、これは望ましくない航空機運航の中断(数日間程度)の原因となるとともに巨大な金銭コストを招くこととなる。診断システムは、障害の警告を早期に発し、かつメンテナンスに基づいた状態を可能にする空気管理システム200のための信頼性の高い障害診断方法を提供する。
空気管理システム200(例えば、ネットワーク化した複合システム100の実施形態)は、シェル201、第一の熱交換器210、第二熱交換器220、空気循環機240(圧縮機241、タービン243,245及びファン247を含む)、凝縮器250、及び水抽出装置260を含む。これらの各々は、チューブ、パイプ、ダクト、バルブなどを介して接続されており、抽気が、航空機のエンジンの低圧位置から初期流量、圧力、温度で入口に流入し、最終的な流量、圧力、温度で出口(例えば、キャビン、フライトデッキなど)に供給されるようになっている。このように、出口における抽気の信頼性(例えば、最終的な流量、圧力、温度)により、航空機が空気管理システム200から加圧及び冷却された空気を受けることが可能となる。
シェル201は、シェル内における静的空気圧を増加させために、航行する航空機によって生み出される動的空気圧を使用するラムシステムのラムチャンバの一実施例である。
熱交換器(例えば、第一熱交換器210及び第二熱交換器220)は、一つの媒体から他の媒体へ効率的に熱伝達するために構成されている機器である。熱交換器の例としては、二重管、シェルとチューブ、プレート、プレートとシェル、断熱ホイール、プレートフィン、枕板、及び流体熱交換器が挙げられる。上記の航空機の実施例を続けて説明するが、(例えば、プッシュ法又はプル法によって)シェルを通して流される空気は、抽気の最終的な温度を制御するために、可変冷却気流で熱交換器全体を横断するように流れる。
空気循環機240は、媒体の圧力を調節する(例えば、ガス又は抽気の圧力を増加させる)機械装置である。圧縮器の例としては、遠心、対角又は混合流、軸流、往復運動、イオン流体ピストン、ロータリースクリュー、回転ベーン、スクロール、ダイヤフラムと気泡コンプレッサが挙げられる。さらに、コンプレッサは、典型的には電気モータ、蒸気又はガスタービン(例えば、タービン243,245)によって駆動される。すなわち、タービン243,245は、圧縮機241を駆動する機械的な装置である。圧縮機241は、第一熱交換器210から受ける抽気の圧力を調節する機械装置である。ファン247は空気循環機に含まれ、プッシュ法又はプル法によりシェル201を通して可変冷却気流で空気を流して熱交換器210,220を横断させる機械装置である。タービン243,245及び圧縮機241は、共に圧力を制御し、例えば、空気循環機240が四輪の空気循環機として作動し得ることを示している。図2は、シェル201、第一熱交換器210及び第二熱交換器220に対する空気循環機240及びその構成要素の配向例を示しているが、他の配向を用いてもよいことに留意されたい。
前述したような熱交換器の一例である凝縮器250は、物質により潜熱が放出され凝縮器冷却材に伝達されるように冷却することにより、物質(例えば、抽気)を気体から液体状態に凝縮するために使用される装置やユニットである。凝縮器は、典型的には熱交換器である。水抽出装置260は、抽気など任意の供給源から一時的又は永続的に水を抽出する処理を行う機械装置である。
バルブは、図2には示されていないが、空気管理システム200のパイプ、チューブなどの内側の様々な通路を開放、閉鎖又は部分的に妨害することにより、媒体(抽気などの気体、液体、流動化固体又はスラリー)の流れの調節、方向付け及び/又は制御を行う装置である。バルブは、空気管理システム200の任意の部分における任意の媒体の流量が所望の値に調整できるように、アクチュエータによって操作することができる。例えば、シェル210の吸気口におけるバルブが航空機の外部の周囲空気をシェル201に取り入れることを可能にし、周囲空気は、第一熱交換器210及び第二熱交換器220を通過し、排気口から流出する前に抽気を冷却することができる(例えば、取入れ方法は、空気循環機240のシャフトによって駆動されるファンによるプル法でもよいしラム法でもよい)。
さらに、空気管理システム200(例えば、ネットワーク化した複合システム100の実施形態)は、複数のセンサA〜Hを備える。一般に、センサは、事象や量の変化を検出し、対応する出力を例えば電気的又は光学的信号として提供する任意のデバイスである。センサが検出できる量の例としては、光、動き、温度、磁場、重力、湿度、水分、振動、圧力、電場、音及び他の外部環境の物理的側面を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。空気管理システム200に関して、センサA〜Hは、異なる構成要素の状態情報を検出して、この情報を診断システムの処理装置(例えば、図5を参照して以下に説明するコントローラ101又は処理装置500)に提供する。第一のセンサは入口圧力センサAである。第二のセンサは、入口質量流量センサBである。第三のセンサはラム空気ファン速度センサCである。第四のセンサは、空気循環機速度センサDである。第五のセンサは、圧縮機温度入口センサEである。第六のセンサは、第二熱交換器出口温度センサFである。第七のセンサは、凝縮器入口温度センサGである。第八のセンサは、環境制御システム出口温度センサHである。さらに、これらのセンサA〜Hは、空気管理システム200の構成要素を制御して、出口において所望の温度及び圧力を生成するために使用されるため、航空機内の乗客の快適性のために正確な測定が必要となる。以下の実施例では、センサA〜Hは、流量センサ、温度センサ、速度センサの3種類のセンサのいずれかである。流量センサは、空気管理システム200の構成要素に流入又は構成要素から流出する抽気の流量を測定する。凝縮器入口温度センサなどの温度センサは、空気循環機240から流出する抽気の温度と、凝縮器250に流入する抽気の温度と、を測定する。空気循環機速度センサなどの速度センサは、空気循環機240の毎分回転数を測定する。
上述のように、空気管理システム200は、2つの並列した環境制御サブシステムから構成することができる。例えば、図3は、空気管理システム200の簡略化した階層図200を示しており、これにより、障害分離機構を介したより高いレベルでの正常な構成要素の系統的な排除が可能となる。
図3は、システムレベル、サブシステムレベル及び構成要素レベルを含む。システムレベルは、上部つまり第一レベルノード(すなわち空気管理システム200)を含み、サブシステムレベルは、2つの第二レベルノード(すなわち環境制御サブシステム301及び環境制御サブシステム302)を含み、構成要素レベルは、環境制御サブシステム301,302の構成要素(すなわち交換器、空気循環機、センサなど)に対応する複数の第三レベルノードを含む。この例では、環境制御サブシステム301は、第一熱交換器210と、第二熱交換器220と、空気循環機240(圧縮機241及びタービン243,245を含む)、凝縮器250、水抽出装置260及びセンサA〜Hを含み、並列の環境制御サブシステム302は同様の構成要素を含んでいる。説明を容易にするため、図3の構成要素レベルは、環境制御サブシステム301のための第二熱交換器220、空気循環機240及びセンサGと、環境制御サブシステム302のための第二熱交換器320、空気循環機340及びセンサG1と、を示す。
また、図3は複数のニューラルネットワークを示しており、各々が特定のノードに関連付けられている。例えば、ニューラルネットワーク372,373は、環境制御サブシステム301,302にそれぞれ関連付けられており、ニューラルネットワーク374〜379は、第二熱交換器220、空気循環機240、センサG、第二熱交換器320、空気循環機340、センサG1にそれぞれ関連付けられている。つまり、各ニューラルネットワーク372〜379は、各ノードの正常又は不良としてのバイナリ分類のためツリーの各ノードで構成されるブラックボックスモデルとなり得る。また、ニューラルネットワーク372〜379は、リアルタイムのアプリケーションでの実施の容易さを提供する。各ニューラルネットワーク372〜379は、一つ又は複数のセンサ(例えば、A〜H)からの選択された読み取り値のセットから受信したデータを介して、障害のあるノードを検出して分離するように学習したモデルを利用する。それらは、例えば、特定の構成要素が正常である間に生成されたデータを使用して学習する。また、このデータは、空気管理システムの他の全ての構成要素に障害がある場合に、公称からずれた入力条件下での正常な構成要素の動作を捕捉するシナリオを含むこともできる。このように、各ニューラルネットワーク372〜379は、ツリーの正常なブランチを排除することによって、計算の複雑さを低減し、ツリーのサブシステムを介した誤警報を低減し、構成要素の分離を容易にする。
さらに図3に示すように、障害381は、構成要素レベル(図3の最下位レベル)において一連の誤警報を生成し得る。これにより、複数の障害のある構成要素について大規模な曖昧性が生じ得る。しかし、システムレベル検出及び分離アルゴリズムの実施を通じて、障害381は最初にニューラルネットワーク372で検出される。次に、システムレベル検出及び分離アルゴリズムの実施は、障害のある構成要素をチェックするためにツリーを下方に移動する。ツリーの他方の側にあるニューラルネットワーク373は、サブシステムが正常に動作しているので、障害を検出しない。これにより、誤警報385,386が除去され、曖昧性が排除されて障害を正しく検出することができる。ニューラルネットワーク372が障害を検出すると、アルゴリズムは、ツリー内を下方に移動し、構成要素レベルで動作するニューラルネットワーク374,375,376を開始する。これらのニューラルネットワークは障害のある構成要素を正しく分離するように学習している。したがって、このプロセスは、誤警報384を排除するとともに、ニューラルネットワーク374における障害381を検出して分離する。
この構造の一実施態様として、第二熱交換器220は、環境制御サブシステム301内の熱を航空機から流出するラムエアに移すように、互いに積層された軽量プレート及びフィンにより構成されるプレート型第一熱交換器であり得る。化学反応、腐食、生物増殖及び凍結を含むいくつかの要因により、第二熱交換器220の流れが遮断され、これにより、ファウリングとして知られている現象(例えば、障害381)を引き起こす。一方、空気循環機240は、圧縮機及び2つのタービンで構成され、圧縮機及びタービンは、抽気を圧縮し膨張して、温度及び圧力の制御を支援するように用いられる。シャフトに沿った偏った荷重の分布に起因して、空気循環機240は動作を停止しやすくなり、これにより、回転の喪失につながり、環境制御サブシステム301によって出る抽気温度の上昇をもたらす。
上記に鑑み、図4を参照して、診断システム及び空気管理システム200について説明する。図4は、実施形態に従った診断システムのプロセスフロー400を示す。
プロセスフロー400は、ブロック405において開始する。ここで、センサデータが、空気管理システム200の実験的に確認されたモデルを利用して、生成され及び/又は蓄積される。モデルは、空気管理システム200内の種々の構成要素及びサブシステムを記述する微分方程式を含む詳細な物理学に基づいたモデルである。例えば、モデルのためのデータを生成するため、表1に記載した各々の障害が、航空機の停留時にモデル内に投入され、119のパラメータの時系列データが記録される。これらのパラメータは、環境制御サブシステム301,302におけるセンサと、種々の他の飛行条件パラメータと、を含む。
Figure 2016207208
さらに、データの600のサンプルが、通常日飛行条件(Tamb=45F)について1サンプル/秒のサンプリング速度で生成され、航空機が海面ゼロ地点で停留している間に全ての測定値が記録される。最初の300秒は、過渡挙動のため無視され、一方、データの次の300秒が学習及び試験のために使用される。これは、システムパラメーターの定常状態解析を可能にし、航空機の状態を試験して航空機が離陸する前に早期発見を提供するための実用的なウィンドウである。データが生成されると、現実生活の状態を模倣するため、25dBの信号対雑音比の付加白色ガウス雑音を付加される。
センサデータを蓄積すると、次いでプロセスフロー400は、ブロック410に進む。このブロックでは、システムレベル検出及び分離アルゴリズムは、依存マトリックスを生成することにより各々の障害モードの効果を捕捉することができる最良のセンサを選択する。依存マトリックスは、行として異なる障害モードと、列として測定値を生成するセンサと、で構築される。各々の障害モードについて、各々のセンサからの測定データは、対応する公称データと比較され、どのセンサが障害モード効果を捕捉するかを決定する。不良対正常なデータの間の残差に由来した統計モーメント(平均/標準偏差)が一定の閾値を超える場合、センサ測定値が障害モードを捕捉することができると仮定されて、1が対応する障害モード及びセンサ下に配置され、センサ測定値において分離が示されないときに0が配置される。その後、空気管理システム内の依存性は、依存マトリックスにおける分離された障害及び曖昧性のある群を観察することにより理解され得る。依存マトリックスの特定の列が単一の「1」だけを含む場合、障害は対応するセンサによって分離される。一方、列における複数の「1」は、センサが障害の曖昧性のある群を形成することを示す。これは、このセンサが複数の障害モードを捕捉し、これらを分離することができないことを意味している。依存性に基づいて、依存マトリックスは、曖昧なものの数を最小限にし、分離される障害の数を増加させるように、さらに減少され得る。何らの変化も捕捉しなかったセンサは、依存マトリックスから排除され得る。
次いで、プロセスフロー400はブロック415に進む。このブロックにおいて、システムレベル検出及び分離アルゴリズムは、各々の構成要素についてデータクラスを定義する。上記のように、他のサブシステムにおける障害は、それ以外は正常な構成要素に対応するセンサの測定に影響を及ぼし、これにより誤警報を招く。したがって、データクラスは、そのセンサデータが不良測定値を記録する場合でも、ニューラルネットワーク372〜379が正常な構成要素を分離することができるように定義される。例えば、各々の構成要素は、正常データ及び不良データの2つのデータクラスからなる。
正常なデータクラスは、a)空気管理システム200内の全ての構成要素が正常であるという条件、及び、b)検討中の構成要素が正常であり、空気管理システム200内のいくつかの他の構成要素に障害(不良)があるという条件の少なくとも2つの条件にて生成されるデータセットからなる。これにより、ニューラルネットワークは、構成要素が正常に実行しているかどうかを理解することができる。他の不良な(障害のある)構成要素から生成される正常なクラスデータに付加することによって、構成要素への入力は不良であり、構成要素の出力は不良であるように思われる。しかし、ニューラルネットワークは、構成要素が正常な状態においてどのように実行するかを理解することができ、ニューラルネットワークにより、診断システムは、空気管理システム200の他の箇所に障害が存在していても、性能が正常/不良であるかを検出することができる。
不良クラスは、検討中の構成要素に障害(不良)があり、空気管理システム200における他の全ての構成要素が正常であるという条件から生成される一つのデータセットからなる。各々の構成要素について、このようにクラスを定義することによって、構成要素の性能を捕捉し、各々の構成要素の状態について二分決定を出力するように、ニューラルネットワーク372〜379を学習させることができる。
次いで、プロセスフロー400は、ブロック420に進み、ニューラルネットワークが学習を行う。すなわち、上記のように、ニューラルネットワーク372〜379は、データセットを分類し、適合するために使用されるブラックボックスモデルである。図5に示すように、ここでは、入力層、隠れ層及び出力層を有する3層のニューラルネットワーク372〜379について検討する。これらの層におけるニューロンは、ニューラルネットワークへの入力データが所望の出力を生成するように学習した重みを有するエッジによって接続される。ニューラルネットワーク372〜379は、診断ツリーのノードが正常又は不良であるかを分類するために使用される。入力層は、空気管理システム200から受けたセンサ測定値からなる。各々のノードのために使用される特定のセンサは、依存マトリックスの対応する列内の「1」に基づいて決定される。隠れ層は、重みを介して入力層及び出力層に接続されるニューロンからなる。出力層は、各々の入力測定を0又は1にマップし、入力層と同数のノードを有する。0はノードが正常であることを表し、1は不良であることを示す。各々のニューラルネットワーク372〜379は、データの2つのクラスを入力層に入れ、対応する出力を出力層に入れることによって学習する。隠れ層におけるニューロンの数は、十分に学習したモデルを生成する最良の数を決定するように、各々のノードについて変動する。また、各々のニューラルネットワーク372〜379は、スケールド・コンジュゲート・グラジエント・バックプロパゲーションアルゴリズム(scaled conjugate gradient back propagation algorithm)を使用して学習することができる。例えば、環境コントロールシステム301のためニューラルネットワーク372を学習させるためには、依存マトリックスにおいて決定した8つのセンサ(例えば、センサA〜H)が入力として使用される。学習データは、上述した正常クラス及び不良クラスデータからなる。学習のために使用される出力は、各々の正常クラスデータポイントのための0と、不良クラスのための1と、からなる。
次いで、プロセスフロー400はブロック425に進み、ここで診断システムが障害を検出し、分離するように実行される。すなわち、センサが選択され、ニューラルネットワークが各々のサブシステム及び構成要素について構築されて、学習すると、システムレベル検出及び分離アルゴリズムが実行される準備が整う。この段階は、トップダウンアプローチを使用して、不良な(障害のある)構成要素を分離するためにツリーの正確な枝を見つける。最初に、不良なサブシステムを分離するために、診断システムから受けたデータを使用する。これは、例えば、選択されたセンサの300秒の時系列データを、サブシステムレベルにおいて依存マトリックスから各々のニューラルネットワーク372〜373に供給することよって行われる。次いで、各々のニューラルネットワーク372〜373は、モデルに供給した各々のデータ点について値、すなわち0又は1のいずれかを出力する。次いで、サブシステムが正常又は不良であるかを分類するために平均をとる。ニューラルネットワーク372がサブシステム301を不良であると分類する場合、不良な構成要素を分離するために、サブシステム301,302と同じアプローチを使用してサブシステム301内におけるニューラルネットワーク374〜376が使用される。ニューラルネットワーク373がサブシステムを正常であると分類する場合、アルゴリズムは枝の下方に進行しない。このアプローチは、学習のために使用されるデータが空気管理システム200における他の障害(不良)の存在下でさえ、サブシステム/構成要素の性能を捕捉するため、どのサブシステムが障害を含んでいるかを検出し、不良な構成要素を分離する一方、正常である枝を排除する。
ニューラルネットワークの学習後、生成されたデータセットに対してシステムレベル検出及び分離アルゴリズムを実施する一つの実施例において、各々の実行の間に、表1に示した正常及び不良データにおける15のデータセットを使用して、100のモンテカルロを実行した。これらのデータセットは、正常なシステム、2つのシャットダウンした空気循環機、ファウリング状態の4つの第二熱交換器、並びにフロー及び凝縮器吸気温度の両方のための4つの付勢センサを含む。加えて、現実生活の状態を模倣するため、各々の実行の間に、付加白色ガウス雑音をデータセットに独立して投入する。次いで、各々のデータセットは、システムレベル検出及び分離アルゴリズムのため図3の診断ツリーを介して伝えられ、全数探索のため各々のニューラルネットワーク372〜379を介して伝えられる。
すなわち、システムレベル検出及び分離アルゴリズムにおける各々のニューラルネットワーク372〜379は、データがどのクラスに属するかについて示すために、0と1の間の値を出力する。ニューラルネットワーク372〜379が障害を検出する場合、障害とともに構成要素を分離するまで、データセットはツリーを下降する。二又は複数の構成要素がサブシステム内の障害を検出する場合、1に最も近い値を出力するニューラルネットワーク374〜379と関連する構成要素が選択される。
システムレベル検出及び分離アルゴリズムは、その性能と、各構成要素の状態の全数探索の伝統的な方法と、を比較することによって試験され、確認される。全数探索の伝統的方法において、各々の構成要素は、構成要素の出力が公称であるか又は公称からずれているかを捕捉するようにニューラルネットワークを学習させる。対照的に、本発明の実施形態は、構成要素が他の構成要素における障害のために公称からずれた出力を生成することができるという事実をカプセル化する。全数探索の伝統的方法では、ニューラルネットワークは、構成要素の挙動がそれぞれ公称であるか又は公称からずれているかを示すために0と1の間の値を出力する。二つ又は複数のニューラルネットワークが、データセットが公称からずれていることを検出する場合、曖昧性のある群が生じ、不良な構成要素は分離されない。この現象は、サブシステム及び構成要素が、誤警報をもたらす複雑な相互接続を有することを示す。本発明の実施形態におけるシステムレベル検出及び分離アルゴリズムは、公称からずれた測定値を組み込む学習モデルにより誤警報の排除が可能になることを示す結果となる。診断ツリー構造により、正常な構成要素を排除する一方、計算の複雑性を減少させて、障害(不良)の分離を行うことできる。
図6を参照すると、本明細書における教示を実施するための処理システム600の実施形態が図示されている。この実施形態において、処理システム600は、一又は複数の中央処理装置(プロセッサ)601a、601b、601c等(集合的に又は一般的にプロセッサ601という)を有する。プロセッサ601(プロセシング回路ともいう)は、システムバス602を介してシステムメモリ603及び種々の他の構成要素に接続される。システムメモリ603は、読み出し専用メモリ(ROM)604及びランダムアクセスメモリ(RAM)605を含むことができる。ROM604は、システムバス602に接続されており、処理システム600の一定の基本機能を制御する基本入出力システム(BIOS)を含んでいてもよい。RAMは、プロセッサ601による使用のためにシステムバス602に接続された読み書きメモリである。
図600は、システムバス602に接続された入出力(I/O)アダプタ606及びネットワークアダプタ607をさらに示す。I/Oアダプタ606は、ハードディスク608及び/又はテープ記憶装置ドライブ609又は任意の他の類似の構成要素と通信する小型コンピュータシステムインタフェース(SCSI)アダプタでもよい。本明細書では、I/Oアダプタ606、ハードディスク608及びテープ記憶装置ドライブ609を、集合的に大容量記憶装置610という。処理システム600での実行のためのソフトウェア611は、大容量記憶装置610において記憶されていてもよい。大容量記憶装置610は、プロセッサ601によって読み込み可能な有形の記憶媒体の例であり、ここでは、ソフトウェア611が図4のプロセスフローなどの方法を行うように、プロセッサ601による実行のための命令として記憶されている。ネットワークアダプタ607は、システムバス602を外側のネットワーク612と相互接続し、処理システム600を他のそのようなシステムと通信できるようにする。スクリーン(例えば、表示装置)615は、ディスプレイアダプタ616によってシステムバス602に接続され、ディスプレイアダプタ616はグラフィクス集中アプリケーション及びビデオコントローラの性能を向上させるように、グラフィックコントローラを含んでもよい。一の実施形態において、アダプタ606、607、616は、一又は複数のI/Oバスに接続していてもよく、これらは中間体バスブリッジ(図示せず)を介してシステムバス602に接続される。ハードディスク制御装置、ネットワークアダプタ及びグラフィックアダプタなどの周辺装置の接続のための適切なI/Oバスは、典型的には、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)などの共通のプロトコルを含む。図示するように、さらなる入出力装置が、インタフェースアダプタ620及びディスプレイアダプタ616を介してシステムバス602に接続されている。キーボード621、マウス622及びスピーカー623は、インタフェースアダプタ620を介してシステムバス602に相互接続することができ、インタフェースアダプタ620は、例えば、単一の集積回路に複数の装置アダプタを組み込んでいるスーパーI/Oチップを含んでいてもよい。
したがって、図6において構成したとおり、処理システム605は、プロセッサ601の形態での処理機能と、システムメモリ603及び大容量記憶装置610を含む記憶機能と、キーボード621及びマウス622などの入力手段と、スピーカー623及びディスプレイ615を含む出力機能と、を含む。一の実施形態において、システムメモリ603及び大容量記憶装置610の部分は、全体としてオペレーティングシステムを格納して、図6に示した種々の構成要素の機能を統合協働させる。
診断システムの技術的な効果及び利益は、システムレベル検出及び分離アルゴリズムを介した計算の複雑性及び誤警報の減少を含む。したがって、診断システムの技術的な効果及び利益は、早期診断ストラテジーを含み、早期診断ストラテジーは、誤警報が関連する高価な設備の望まない時期尚早な置換を防ぐとともに、公称の操作エンベロープを越えて構成要素を駆動し、かつ過度のストレス及び連鎖的な障害を引き起こす公称からずれた入力を回避する。
本発明は、システム、方法及び/又はコンピュータプログラム製品とし得る。コンピュータプログラム製品は、本発明の態様をプロセッサに実施させるために、コンピュータ読み取り可能プログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能記憶媒体(又は複数の記憶媒体)を含み得る。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持し、記憶することができる有形の装置であることができる。
コンピュータ読み取り可能記憶媒体、例えば、電子的記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置又はこれらの任意の適切な組み合わせであってもよいが、これに限定されない。コンピュータ読み取り可能記憶媒体のより具体的な例の非網羅的な一覧は、携帯用コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去及びプログラム可能読み出し専用記憶装置(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、携帯用コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリースティック、フロッピーディスク、パンチカード又は記録された命令を有する溝における隆起した構造などの機械的にエンコードされた装置、及びこれらの任意の適切な組み合わせを含む。本明細書において使用される、コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、電波又は他の自由に伝播する電磁波、導波管又は他の伝送媒体(例えば、光ファイバーケーブルを介して伝わる光パルス)を介して広がる電磁波、又はワイヤーを介して伝達される電気的シグナルなど、それ自体で一時的シグナルであるものとして解釈されるものではない。
本明細書に記載するコンピュータ読み取り可能プログラム命令は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体から各々の演算/処理装置にダウンロードすることができ、あるいは、インターネット、局所的領域ネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/又はワイヤレスネットワーク等のネットワークを介して、外部のコンピュータ又は外部の記憶装置にダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光学的伝送ファイバー、無線送信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含み得る。各々の演算/処理装置におけるネットワークアダプタカード又はネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ読み取り可能プログラム命令を受け、各々の演算/処理装置内のコンピュータ読み取り可能記憶媒体における記憶のためにコンピュータ読み取り可能プログラム命令を転送する。
本発明の操作を実行するためのコンピュータ読み取り可能プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、ステート−セッティングデータ、又は一又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコード又はオブジェクトコードであってもよく、プログラミング言語は、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語及び「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語などの従来の手続きプログラミング言語を含む。コンピュータ読み取り可能プログラム命令は、完全に使用者のコンピュータ上で実行してもよいし、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして部分的に使用者のコンピュータ上で実行してもよいし、部分的に使用者のコンピュータ上でかつ部分的にリモートコンピュータ上で実行してもよいし、あるいは完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行してもよい。後者のシナリオにおいて、リモートコンピュータは、局所的領域ネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含むネットワークの任意のタイプを介して使用者のコンピュータに接続していてもよく、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを介して)外部のコンピュータに接続してもよい。いくつかの実施形態において、本発明の態様を行うために、例えばプログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、電子回路を個人化するように、コンピュータ読み取り可能プログラム命令の状況情報を利用することにより、コンピュータ読み取り可能プログラム命令を実行してもよい。
本発明の態様を、本発明の実施形態に従った方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図に関して本明細書において記述した。フローチャート図及び/又はブロック図の各々のブロック及びフローチャート図及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせをコンピュータ読み取り可能プログラム命令によって実施することができることが理解されよう。
これらのコンピュータ読み取り可能プログラム命令は、マシンを製造するように、汎用電子コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理機器のプロセッサに提供されてもよく、これにより、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理機械のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャート及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックにおいて特定される機能/行為を実行するための手段を作製する。これらのコンピュータ読み取り可能プログラム命令は、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理機械及び/又は他の装置を特定の様式で機能させることができるコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されていてもよく、これにより、記憶された命令を有するコンピュータ読み取り可能記憶媒体が、フローチャート及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックで指定されている機能/行為の態様を実行する命令を含む製品からなる。
コンピュータ読み取り可能プログラム命令は、一連の動作ステップがコンピュータ、他のプログラム可能装置又は他の装置上で実行され、コンピュータで遂行される処理を形成するように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置又は他の装置上にロードされてもよく、これにより、コンピュータ、他のプログラム可能装置又は他の装置上で実行する命令は、フローチャート及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックで指定されている機能/行為を遂行する。
図面におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の種々の実施形態に従ったシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の考えられる実現形態のアーキテクチャ、機能性及び操作を図示する。この点において、フローチャート又はブロック図における各々のブロックは、特定された論理関数(群)を実行するための一つ又はより実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント又は部分を表し得る。いくつかの代替の実施形態において、ブロックにおいて記される機能は、図面において記されるものではない順序で生じてもよい。例えば、連続して示した2つのブロックは、実際には実質的に並行して実行されてもよく、又はブロックは、関係する機能に応じて、逆順序で時には実行してもよい。ブロック図及び/又はフローチャート図の各々のブロック及びブロック図及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、また特定された機能又は行為を行う、又は特別目的ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実施する特別目的ハードウェアに基づいたシステムによって実現することができる点に留意されたい。
本明細書において使用される用語法は、具体的な実施形態を記述するためのみのものであり、及び本発明を限定することは意図されない。本明細書に使用される、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が別途明らかに示さない限り、同様に複数形を含むことが意図される。「含む」及び/又は「含むこと」という用語は、この明細書において使用されるときに、示した特長、完全体、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、そのほかの特長、完全体、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素及び/又はそのグループの存在及び付加を妨げないことがさらに十分に理解されるだろう。
下の請求項における全ての手段又はステップ及び機能要素の対応する構造、材料、動作及び均等物は、具体的に請求したとおりの他の請求された要素と組み合わせて機能を行うための任意の構造、材料又は動作を含むことが意図される。本発明の記述は、例証及び記述の目的のために示され、網羅的であること、又は開示した形態の発明に限定されることを意図するものではない。多くの改変及び変形が本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者にとって明らかだろう。実施形態は、本発明の原理及び実用的適用を最も説明するため、及び他の当業者が想定される特定の使用に適する種々の改変を伴って種々の実施形態について本発明を理解することを可能にするために選択し、及び記述した。

Claims (12)

  1. ネットワーク化した複合システム内の構成要素及びサブシステムを記述する微分方程式を含む物理学に基づいたモデルを利用して複数のセンサからセンサデータを蓄積するステップと、
    複数のセンサからの各々の障害モードの効果を捕捉するための最良のセンサのサブセットを、アルゴリズムにより選択するステップであって、各々のセンサは、前記ネットワーク化した複合システム内の構成要素及びサブシステムの少なくとも一方と関連づけられている、選択するステップと、
    前記センサデータ内の障害を検出して特定するように、前記ネットワーク化した複合システム内の各々のサブシステム及び構成要素のための複数のニューラルネットワークを学習させるステップと、
    選択された最良のセンサのサブセット及び各々のサブシステム及び構成要素のために学習した前記複数のニューラルネットワークに応答して、前記センサデータ内の前記障害を検出して分離するように前記アルゴリズムを実行するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記構成要素の各々についてデータクラスを定義するステップをさらに含み、
    関連するセンサデータが不良読み込みを含むときに、前記データクラスは、前記複数のニューラルネットワークが正常な構成要素を特定することを可能にする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記データクラスは、正常データクラス及び不良データクラスを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記アルゴリズムは、前記ネットワーク化した複合システム内の前記障害を系統的に分離するために診断ツリーを利用するシステムレベル検出及び分離アルゴリズムである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記センサデータ内の前記障害を検出して分離するように前記アルゴリズムを実行するステップは、
    前記複数のニューラルネットワークの各々により、ニューラルネットワークに対応するセンサデータの部分のデータクラスを示す値を出力することと、
    前記値によって障害が示された場合に、前記ネットワーク化した複合システム内の少なくとも一つの構成要素が分離されるまで、ニューラルネットワークに対応する前記センサデータの部分を診断ツリーを下降して伝えることと、
    をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記ネットワーク化した複合システム内で二つ又は複数の構成要素が分離される場合、1に最も近い値を出力するニューラルネットワークと関連する構成要素が特定される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、プログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含み、前記プログラム命令は、プロセッサによって実行可能であり、前記プロセッサに、
    ネットワーク化した複合システム内の構成要素及びサブシステムを記述する微分方程式を含む物理学に基づいたモデルを利用して複数のセンサからセンサデータを蓄積するステップと、
    複数のセンサからの各々の障害モードの効果を捕捉するための最良のセンサのサブセットを、アルゴリズムを利用するにより選択するステップであって、各々のセンサは、前記ネットワーク化した複合システム内の構成要素及びサブシステムの少なくとも一方と関連づけられている、選択するステップと、
    前記センサデータ内の障害を検出して特定するように、前記ネットワーク化した複合システム内の各々のサブシステム及び構成要素のための複数のニューラルネットワークを学習させるステップと、
    選択された最良のセンサのサブセット及び各々のサブシステム及び構成要素のために学習した前記複数のニューラルネットワークに応答して、前記センサデータ内の前記障害を検出して分離するように前記アルゴリズムを実行するステップと、
    を行わせる、コンピュータプログラム製品。
  8. 前記プログラム命令は、前記プロセッサによって実行可能であり、前記プロセッサに、前記構成要素の各々についてデータクラスを定義するステップを行わせ、
    関連するセンサデータが不良読み込みを含むときに、前記データクラスは、前記複数のニューラルネットワークが正常な構成要素を特定することを可能にする、請求項7に記載のコンピュータプログラム製品。
  9. 前記データクラスは、正常データクラス及び不良データクラスを含む、請求項7又は8に記載のコンピュータプログラム製品。
  10. 前記アルゴリズムは、前記ネットワーク化した複合システム内の障害を系統的に分離するために診断ツリーを利用するシステムレベル検出及び分離アルゴリズムである、請求項7〜9のいずれかに記載のコンピュータプログラム製品。
  11. 前記センサデータ内の前記障害を検出して分離するように前記アルゴリズムを実行するステップに関して、前記プログラム命令は、前記プロセッサによって実行可能であり、前記プロセッサに、
    前記複数のニューラルネットワークの各々により、ニューラルネットワークに対応するセンサデータの部分のデータクラスを示す値を出力することと、
    前記値によって障害が示された場合に、前記ネットワーク化した複合システム内の少なくとも一つの構成要素が分離されるまで、ニューラルネットワークに対応する前記センサデータの部分を診断ツリーを下降して伝えることと、
    を行わせる、請求項7〜10のいずれかに記載のコンピュータプログラム製品。
  12. 前記ネットワーク化した複合システム内で二つ又は複数の構成要素が分離される場合、1に最も近い値を出力するニューラルネットワークと関連する構成要素が特定される、請求項7〜11のいずれかに記載のコンピュータプログラム製品。
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