JP2016203934A - ハイブリッド車両用変速システム - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチ寿命を向上させることを可能とするハイブリッド車両用変速システムを提供する。【解決手段】入力シャフト31と、入力シャフト31とギアを介して連結可能で駆動輪Wl,Wrに対してトルクを伝達可能な出力シャフト32と、ギア段を変更することにより入力シャフト31と出力シャフト32との回転比を変更する変速装置と、を有するトランスミッションTMと、エンジンEGが出力するエンジントルクが伝達される駆動軸と入力シャフト31との間に設けられ、駆動軸から入力シャフトに伝達するクラッチトルクを可変として駆動軸と入力シャフト31間を断接するクラッチCと、モータジェネレータMGが出力シャフト32にモータトルクを伝達中で且つクラッチCが継合していない場合、入力シャフト31の回転数が所定の範囲に収まるように、ギア段を変更するよう変速装置を制御するTM−ECU13と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、動力源にエンジンとモータを備え、走行モードとしてモータを動力源として走行する電気自動車モードと、エンジンとモータの両方を動力源として走行するハイブリッドモードと、を有するハイブリッド車両の変速システムに関するものである。
内燃機関(例えば、エンジン)とトランスミッションの入力シャフトを切り離すことが可能なクラッチと、内燃機関とは別にトランスミッションの入力シャフト又は出力シャフトに駆動力を出力可能なモータジェネレータを有する自動変速機を有するハイブリッド車両が知られている。一般的にハイブリッド車両は、エンジンを停止させモータジェネレータのみを動力に駆動するEV(Electric Vehicle)走行からエンジンを始動し、エンジンとモータジェネレータの両方を動力に駆動するHV(Hybrid Vehicle)走行に移行する方法として車両の運動エネルギーを用いたクランキングにより停止中のエンジンを始動させる押しがけを用いる。ここで、クランキングとは走行中にクラッチを継合させることである。
押しがけ時のエンジン始動制御として、例えば、特許文献1には、モータのトルクによりエンジンの回転数を上昇させてエンジンを始動するエンジン始動制御手段が、第1締結要素の締結容量を、モータから車両駆動軸へ所望のトルクを出力しつつ第1締結要素に出力可能なトルクの範囲内で、エンジンの始動に必要なトルクに対応する締結容量まで第1速度で上昇させる第1締結フェーズを有することが開示されている。
特開2012−131497号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、クラッチ継合時の入力シャフトの回転数とエンジンの回転数との差が大きい場合、クラッチで吸収するエネルギーが大きくなるので、クラッチの磨耗量が大きくなり、クラッチ寿命が短くなるという問題がある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、クラッチ寿命を向上させることを可能とするハイブリッド車両用変速システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るハイブリッド車両用変速システムは、入力シャフトと、前記入力シャフトと連結可能で駆動輪に対してトルクを伝達可能な出力シャフトと、前記出力シャフトに対する前記入力シャフトの回転比を変更する変速装置と、を有するトランスミッションと、エンジンが出力するエンジントルクが伝達される駆動軸と前記入力シャフトとの間に設けられ、前記駆動軸から前記入力シャフトに伝達するクラッチトルクを可変として前記駆動軸と前記入力シャフト間を断接するクラッチと、モータトルクを出力し、前記モータトルクが伝達されるモータ軸を有するモータジェネレータと、前記モータジェネレータが前記出力シャフトに前記モータトルクを伝達中で且つ前記クラッチが継合していないEVモードであり、且つ前記入力シャフトの回転数が閾値回転数を超える場合、前記出力シャフトに対する前記入力シャフトの回転比を下げるよう前記変速装置を制御する制御部と、を備える。
この構成により、入力シャフトの回転数を閾値回転数以下に維持することができるので、入力シャフトの回転数とエンジン回転数との差を抑えたまま維持することができる。このため、いつ押しがけ要求があってクラッチを継合することになってもクラッチの継合時の磨耗量を抑え、クラッチの寿命を向上させることができる。
上記のハイブリッド車両用変速システムにおいて、前記EVモードであり且つ前記入力シャフトの回転数が閾値回転数を超える場合において、前記ギア段が第1の閾値ギア段を超えるとき、前記制御部は、前記モータ軸と前記出力シャフトの連結を切断し、前記入力シャフトと連結された前記モータ軸の回転を制動するように前記モータジェネレータを制御してもよい。
この構成により、ギア段が第1の閾値ギア段を超えて、これ以上ギア段を変更するできない場合もしくはギア段を上げても入力シャフトの回転数を下げることができない場合でも、入力シャフトの回転が制動されるので、入力シャフトの回転数を下げることができる。その結果、入力シャフトの回転数とエンジンの回転数の差を抑えられるので、クラッチの継合時の磨耗量を抑え、クラッチの寿命を向上させることができる。
上記のハイブリッド車両用変速システムにおいて、前記EVモードであり且つ前記入力シャフトの回転数が前記エンジンを始動するのに最低限必要な回転数であるエンジン始動最低回転数未満の場合、前記制御部は、前記出力シャフトに対する前記入力シャフトの回転比を上げるよう前記変速装置を制御してもよい。
この構成により、ギア段を下げることでインプット回転数をエンジン始動最低回転数以上に維持できるので、いつ押しがけ要求があってクラッチを継合することになっても入力シャフトの回転数がエンジン始動最低回転数以上になるのを待たなくてもよいので、いつでも短時間にエンジンを始動することができる。
上記のハイブリッド車両用変速システムにおいて、前記EVモードであり且つ前記入力シャフトの回転数が、前記エンジンを始動するのに最低限必要な回転数であるエンジン始動最低回転数未満で前記ギア段が前記第1の閾値ギア段以下の第2の閾値ギア段未満の場合、前記制御部は、前記モータトルクが大きくなるよう前記モータジェネレータを制御してもよい。
この構成により、インプット回転数を上げてエンジン始動最低回転数以上に維持することができる。このため、いつ押しがけ要求があってクラッチを継合することになっても、インプット回転数がエンジン始動最低回転数以上になるのを待たなくてもよいので、いつでも短時間でエンジンを始動させることができる。
上記のハイブリッド車両用変速システムにおいて、前記EVモードであり且つ前記駆動輪に伝達されるトルクの抜けが許容範囲内である場合、前記制御部は、前記クラッチを継合させる前に、前記モータ軸と前記出力シャフトの連結を切断し、前記モータ軸の回転を制動するように前記モータジェネレータを制御してもよい。
この構成により、出力シャフトへのモータトルクの伝達を遮断することになるが、トルクの抜けが許容範囲であるのでドライバビリティを低下させない。また、モータジェネレータから入力シャフトに伝達されるトルクを下げることができるので、入力シャフトの回転数を下げることができる。その結果、入力シャフトの回転数とエンジンの回転数の差を抑えられるので、クラッチの継合時の磨耗量を抑え、クラッチの寿命を向上させることができる。このため、ドライバビリティを低下させることなく、クラッチの寿命を向上させることができる。
上記のハイブリッド車両用変速システムにおいて、前記EVモードであり且つ前記クラッチの温度が予め決められた閾値温度より高い場合、前記制御部は、前記クラッチを継合させる前に、前記モータ軸と前記出力シャフトの連結を切断し、前記モータ軸の回転を制動するように前記モータジェネレータを制御してもよい。
この構成により、クラッチの温度が閾値温度より高い場合、モータジェネレータから入力シャフトに伝達されるトルクを下げることができるので、入力シャフトの回転数を下げることができる。その結果、入力シャフトの回転数とエンジンの回転数の差を抑えられるので、クラッチの継合時の磨耗量を抑え、クラッチの寿命を向上させることができる。それとともに、クラッチの継合時の磨耗量を抑えることができることにより、クラッチの更なる温度上昇を抑えることができるので、クラッチが耐久できる限界の温度を超えないようにすることができる。
上記のハイブリッド車両用変速システムにおいて、前記モータ軸の回転を制動するように前記モータジェネレータを制御する制御は、前記モータ軸の回転を入力として前記モータジェネレータを発電機として作動させる制御であってもよい。
この構成により、入力シャフトの回転にブレーキがかかるので、入力シャフトの回転数を下げることができる。それとともに、モータジェネレータを発電機として作動させることにより、モータ軸の回転による運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、変換された電気エネルギーでバッテリを充電することができる。
上記のハイブリッド車両用変速システムにおいて、モータ軸の回転を制動するように前記モータジェネレータを制御する制御は、前記エンジンの押しがけ要求があった場合に実行されてもよい。
この構成により、モータ軸の回転を制動するようにモータジェネレータを制御する制御が押しがけ要求があったときにのみ実行されるので、トルクが抜けたようにドライバが感じる頻度を少なくすることができる。これにより、トルクが抜けたようにドライバが感じる頻度を少なくしつつ、クラッチの寿命を延ばすことができる。
上記のハイブリッド車両用変速システムにおいて、前記出力シャフトに対する前記入力シャフトの回転比を変更するよう前記変速装置を制御する制御は、前記EVモードであり且つ前記車速が予め決められた第2の閾値車速より高い場合に実行されてもよい。
この構成により、車速が第2の閾値車速を越える場合にギア段を変更しても、第2の閾値車速を越える車速で走行中は、路面などからの騒音が大きく変速時の騒音がドライバに許容されるのでドライバへ不快感を与えない。よって、ドライバへ不快感を与えずに、ギア段を上げるよう変速装置を制御する制御、またはギア段を下げるよう変速装置を制御する制御を実行することができる。
上記のハイブリッド車両用変速システムにおいて、前記出力シャフトに対する前記入力シャフトの回転比を変更するよう前記変速装置を制御する制御は、前記EVモードであり且つアクセルペダルの踏込量が予め決められた閾値踏込量より大きい場合に実行されてもよい。
この構成により、アクセルペダルの踏込量が閾値踏込量より大きい場合にギア段を変更しても、このような加速中は変速時の騒音がドライバに許容されるのでドライバへ不快感を与えない。よって、ドライバへ不快感を与えずに、ギア段を上げたり下げたりできる。
本発明の一態様に係るハイブリッド車両用変速システムは、入力シャフトと、前記入力シャフトと連結可能で駆動輪に対してトルクを伝達可能な出力シャフトと、前記出力シャフトに対する前記入力シャフトの回転比を変更する変速装置と、を有するトランスミッションと、エンジンが出力するエンジントルクが伝達される駆動軸と前記入力シャフトとの間に設けられ、前記駆動軸から前記入力シャフトに伝達するクラッチトルクを可変として前記駆動軸と前記入力シャフト間を断接するクラッチと、モータトルクを出力し、前記モータトルクが伝達されるモータ軸を有するモータジェネレータと、前記モータジェネレータが前記出力シャフトに前記モータトルクを伝達中で且つ前記クラッチが継合していないEVモードであり、且つ前記入力シャフトの回転数が閾値回転数を超える場合、前記モータ軸と前記出力シャフトの連結を切断し、前記入力シャフトと連結された前記モータ軸の回転を制動するように前記モータジェネレータを制御する制御部と、を備えてもよい。
この構成により、入力シャフトの回転が制動されるので、入力シャフトの回転数を下げることができる。その結果、入力シャフトの回転数とエンジンの回転数の差を抑えられるので、クラッチの継合時の磨耗量を抑え、クラッチの寿命を向上させることができる。
本発明の一態様によれば、入力シャフトの回転数を閾値回転数以下に維持することができるので、入力シャフトの回転数とエンジン回転数との差を抑えたまま維持することができる。このため、いつ押しがけ要求があってクラッチを継合することになってもクラッチの継合時の磨耗量を抑え、クラッチの寿命を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るハイブリッド車両用変速システムが搭載された車両の概略構成図である。 アクセル開度と車速から設定されるアップシフト及びダウンシフトの変速線の図である。 噛み合い機構の斜視図である。 噛み合い機構の断面図である。 噛み合い機構を構成するハブ及びスリーブの斜視図である。 ギア切替制御の場合の各パラメータの時間変化を示すタイムチャートの一例である。 MG回転数制御のギア段の切り替え順序を示す模式図である。 MG回転数制御の場合の各パラメータの時間変化を示すタイムチャートの一例である。 TM−ECUが実行する制御の流れの一例を示すフローチャートである。 従来の押しがけ時における各パラメータの時間変化を示すタイムチャートの一例である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1を用いて本発明の実施形態に係る車両の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両用変速システムが搭載された車両Mの概略構成図である。図1に示すように、車両Mは、エンジンEG及びモータジェネレータMGが出力するトルクによって、駆動輪Wl、Wrを駆動させる車両である。
図1に示すように、車両Mは、車両M全体を制御するハイブリッドECU(以下、HV−ECUともいう)11と、エンジンEGと、エンジンEGが出力するエンジントルクが伝達される駆動軸EG−1と、エンジンEGと接続されたエンジンECU(以下、EG−ECUともいう)12と、アクセルペダル95と、HV−ECU11と接続されたアクセルセンサ96と、ハイブリッド車両用変速システム100と、ハイブリッド車両用変速システム100からトルクが伝達されるデファレンシャルDFと、デファレンシャルDFからトルクが伝達される駆動輪Wl、Wrと、を備える。
エンジンEGは、ガソリンや軽油等の炭化水素系燃料の燃焼によって回転トルク(駆動
力)を発生させるものである。エンジンEGの駆動力は、クラッチC、ハイブリッド車両用変速システム100に含まれる後述する自動変速機TM、及びデファレンシャルDFを介して駆動輪Wl、Wrに伝達されるように構成されている。エンジンEGは、燃料噴射装置EG−2、スロットルバルブEG−3を有していて、これら燃料噴射装置EG−2、スロットルバルブEG−3は、エンジンECU12に通信可能に接続され、エンジンECU12によって制御される。エンジンEGの駆動力を出力する駆動軸EG−1の近傍には、駆動軸EG−1の回転速度、即ち、エンジンEGの回転速度を検出するエンジン回転速度センサEG−4が設けられている。エンジン回転速度センサEG−4はエンジンECU12に通信可能に接続され、検出したエンジン回転数をエンジンECU12に出力する。
アクセルペダル95は、ドライバが踏込量を可変に操作可能なペダルである。アクセルペダル95には、アクセルペダル95の踏込量であるアクセル開度を検出するアクセルセンサ96が設けられている。
デファレンシャルDFは、トランスミッションTMの出力シャフト32及びモータジェネレータMGの少なくとも一方から入力された回転トルクを差動可能に駆動輪Wl,Wrに伝達する装置である。デファレンシャルDFは、出力ギヤ56と噛合するリングギヤDF−1を有する。このような構造により、出力シャフト32は駆動輪Wl,Wrに回転連結されている。
ここで、ハイブリッド車両用変速システム100は、トランスミッションTMと、クラッチCと、クラッチCと接続されたクラッチアクチュエータ29と、トランスミッションTMとアクチュエータと接続されたトランスミッションECU(以下、TM−ECUという)13と、を備える。更に、ハイブリッド車両用変速システム100は、トランスミッションTMにトルクを伝達するモータジェネレータMGと、モータジェネレータMGと電気的に接続されたインバータINVと、インバータINVと接続されたモータジェネレータECU(以下、MG−ECUともいう)14と、インバータINVと電気的に接続されたバッテリBTと、バッテリBTと接続されたバッテリECU(以下、BT−ECUという)15とを備える。
クラッチCは、エンジンEGが出力するエンジントルクが伝達される駆動軸EG−1とトランスミッションTMの後述する入力シャフト31との間に設けられ、駆動軸EG−1から入力シャフト31に伝達するクラッチトルクを可変として駆動軸EG−1と入力シャフト31間を断接する。クラッチCは例えば、駆動軸EG−1と入力シャフト31間の伝達トルクを電子制御可能なクラッチである。本実施形態では、クラッチCは一例として、乾式単版ノーマルクローズクラッチであり、フライホイール21、クラッチディスク22、プレッシャープレート24及びダイヤフラムスプリング25を有している。フライホイール21は、所定の質量を有する円板であり、駆動軸EG−1に接続し、駆動軸EG−1と一体回転する。クラッチディスク22は、その外縁部に摩擦部材が設けられた円板状であり、フライホイール21と接離可能に対向している。クラッチディスク22は、入力シャフト31と接続し、入力シャフト31と一体回転する。
ダイヤフラムスプリング25は、所謂皿ばねの一種で、その厚さ方向に傾斜するダイヤフラムが形成されている。ダイヤフラムスプリング25の外縁は、プレッシャープレート24に当接するよう対向している。ダイヤフラムスプリング25は、プレッシャープレート24を介してクラッチディスク22をフライホイール21に押圧している。この状態では、クラッチディスク22の摩擦部材がフライホイール21及びプレッシャープレート24によって押圧され、摩擦部材とフライホイール21及びプレッシャープレート24間の摩擦力により、クラッチディスク22とフライホイール21が一体回転し、駆動軸EG−1と入力シャフト31が接続される。
クラッチアクチュエータ29は、TM−ECU13によって駆動制御され、ダイヤフラ
ムスプリング25の外縁部を、フライホイール21側に押圧又は当該押圧を解除し、クラ
ッチCの伝達トルクを可変とするものである。クラッチアクチュエータ29には、電動式
のものや油圧式のものが含まれる。クラッチアクチュエータ29がダイヤフラムスプリン
グ25の外縁部をフライホイール21の反対側に押圧すると、ダイヤフラムスプリング2
5の外縁が、フライホイール21から離間する方向に変形する。すると、当該ダイヤフラ
ムスプリング25の変形によって、フライホイール21及びプレッシャープレート24が
クラッチディスク22を押圧する押圧力が徐々に低下し、クラッチディスク22とフライ
ホイール21間の伝達トルクも徐々に低下し、駆動軸EG−1と入力シャフト31が切断される。このように、TM−ECU13は、クラッチアクチュエータ29を駆動することにより、クラッチディスク22とフライホイール21間の伝達トルク(クラッチトルク)を任意に変化させることができる。クラッチトルクは、クラッチアクチュエータ29のストローク量とクラッチトルク量との関係を求めたクラッチトルクマップを予め設定することで、クラッチアクチュエータ29に設けられたストロークセンサ(図示せず)により検出されるストローク量から求められる。
モータジェネレータMGは、駆動輪Wl、Wrに回転トルクを付与するモータとして動作するとともに、車両Mの運動エネルギーを電力に変換する発電機としても作動する。モータジェネレータMGは、モータトルクを出力し、このモータトルクが伝達されるモータ軸MG−2を有する。モータジェネレータMGは、不図示のケースに固定されたステータ(図示せず)と、このステータの内周側に回転可能に設けられたロータ(図示せず)とから構成されている。
インバータINVは、モータジェネレータMGのステータ及びバッテリBTと電気的に接続されている。インバータINVは、MG−ECUと通信可能に接続されている。インバータINVは、MG−ECU14からの制御信号に基づいて、バッテリBTから供給される直流電流を、昇圧するとともに、交流電流に変換した上で、ステータに供給し、モータジェネレータMGで回転トルクを発生させ、モータジェネレータMGをモータとして機能させる。また、インバータINVは、モータジェネレータECU14からの制御信号に基づいて、モータジェネレータMGを発電機として機能させ、モータジェネレータMGで発電された交流電流を、直流電流に変換するとともに、電圧を降下させて、バッテリBTを充電する。
バッテリBTは、充電可能な二次電池である。バッテリBTは、インバータINVと接続されている。バッテリBTはBT−ECU15と通信可能に接続されている。
ここで、トランスミッションTMは、エンジンEGからの回転トルクを複数のギア段の変速比で変速して、デファレンシャルDFに出力する歯車機構式の自動変速機である。また、本実施形態のトランスミッションTMは、シンクロナイザーリング等のシンクロ機構を有さず、後述する第1スリーブ112、第2スリーブ122、第3スリーブ132、第4スリーブ142を有するドグクラッチ式の自動変速機を一例として用いている。トランスミッションTMは、入力シャフト31と、入力シャフト31と連結可能で駆動輪Wl、Wrに対してトルクを伝達可能な出力シャフト32と、出力シャフト32に対する入力シャフト31との回転比を変更する変速装置と、を有する。ここで変速装置は、第1ドライブギヤ41、第2ドライブギヤ42、第3ドライブギヤ43、第4ドライブギヤ44、第5ドライブギヤ45、第1ドリブンギヤ51、第2ドリブンギヤ52、第3ドリブンギヤ(アウトプットギヤ)53、第4ドリブンギヤ54、第5ドリブンギヤ55、出力ギヤ56、回転シャフト81、ギヤ82、ドライブギヤMG−1、第1噛み合い機構110、第2噛み合い機構120、第3噛み合い機構130、及び第4噛み合い機構140、を有する。
ここで、出力シャフト32に対する入力シャフト31の回転比は、出力シャフト32が1回転するのに入力シャフト31が回転する数である。本実施形態では、一例として、ギア段を変更する、すなわちドリブンギヤとドライブギヤとのギア比を変更することにより、出力シャフト32に対する入力シャフト31の回転比を変更する。なお、ギア(歯車)以外の機構を用いて、出力シャフト32に対する入力シャフト31の回転比を変更してもよい。
入力シャフト31は、エンジンEGから回転トルクが入力される軸であり、クラッチCのクラッチディスク22と一体回転する。出力シャフト32は、入力シャフト31と略平行に配設されている。入力シャフト31及び出力シャフト32は、それぞれ図示しないトランスミッションTMのハウジングに回転可能に支承されている。
第1ドライブギヤ41、及び第2ドライブギヤ42は、入力シャフト31に相対回転不能に固定された固定ギヤである。第3ドライブギヤ43、第4ドライブギヤ44、第5ドライブギヤ45は、入力シャフト31に相対回転可能(遊転可能)に設けられた遊転ギヤである。第1ドリブンギヤ51と第2ドリブンギヤ52は、出力シャフト32に対して相対回転可能で、軸方向に移動不能に設けられた遊転ギヤである。第3ドリブンギヤ53は、出力シャフト32に対して相対回転可能で、軸方向に移動不能に設けられた遊転ギヤである。第4ドリブンギヤ54と第5ドリブンギヤ55は、出力シャフト32に相対回転不能に固定された固定ギヤである。
第1ドライブギヤ41と第1ドリブンギヤ51とは、互いに噛合する。第2ドライブギヤ42と第2ドリブンギヤ52とは、互いに噛合する。第3ドライブギヤ43と第3ドリブンギヤ53とは、互いに噛合する。第4ドライブギヤ44と第4ドリブンギヤ54とは、互いに噛合する。第5ドライブギヤ45と第5ドリブンギヤ55とは、互いに噛合する。
第1ドライブギヤ41、第2ドライブギヤ42、第3ドライブギヤ43、第4ドライブ
ギヤ44、第5ドライブギヤ45の順にギヤ径が大きくなっている。一方、第1ドリブンギヤ51、第2ドリブンギヤ52、第3ドリブンギヤ53、第4ドリブンギヤ54、第5ドリブンギヤ55の順にギヤ径が小さくなっている。
入力シャフト31の近傍、又は第1ドライブギヤ41、第2ドライブギヤ42の近傍には、入力シャフト31の回転速度(以下、インプット回転数という)を検出するための、入力軸回転速度センサ91が設けられている。出力シャフト32の近傍、又は第3ドリブンギヤ53、第4ドリブンギヤ54、第5ドリブンギヤ55の近傍には、出力シャフト32の回転速度(以下、アウトプット回転数という)を検出するための、出力軸回転速度センサ92が設けられている。入力軸回転速度センサ91及び出力軸回転速度センサ92はTM−ECU13と通信可能に接続され、それぞれの検出信号をTM−ECU13に出力する。
出力シャフト32は、トランスミッションTMに入力された回転トルクをデファレンシャルDFのリングギヤDF−1と噛合し、出力シャフト32に入力された回転トルクを、デファレンシャルDFに出力する。
モータジェネレータMGのモータ軸MG−2がドライブギヤMG−1に直結する。これにより、モータ軸MG−2の回転がドライブギヤMG−1に伝達されるので、モータジェネレータMGが出力するトルクがドライブギヤMG−1に伝達される。回転シャフト81には、ギヤ82が取り付けられている。回転シャフト81は、ハウジングに回転可能に軸支されている。ギヤ82は、モータジェネレータMGによって回転するドライブギヤMG−1と噛合し、且つトランスミッションTMの第3ドリブンギヤ53と噛合している。これにより、第3ドリブンギヤ53が出力シャフト32に係合している場合、モータジェネレータMGが出力するトルクが、出力シャフト32に伝達される。また、第3ドライブギヤ43が入力シャフト31に係合している場合、モータジェネレータMGが出力するトルクが、入力シャフト31に伝達される。
第1噛み合い機構110は、第1ドリブンギヤ51又は第2ドリブンギヤ52を選択して、出力シャフト32に相対回転不能に連結する。従って、第1噛み合い機構110の回転速度は、出力シャフト32の回転速度Nosと同一である。第1噛み合い機構110は、第1ドリブンギヤ51と第2ドリブンギア52の間に配設されている。図3は、噛み合い機構の斜視図である。図4は、噛み合い機構の断面図である。図3及び図4に示すように、第1噛み合い機構110は、第1ハブ111、第1スリーブ112、第1フォーク部材113、及び第1シフトアクチュエータ114を有している。
第1ハブ111は、第1ドリブンギヤ51と第2ドリブンギヤ52の間において、出力シャフト32に相対回転不能に固定されている。図5は、噛み合い機構を構成するハブ及びスリーブの斜視図である。図5に示すように、第一ハブ111の外周には、外歯111aが形成されている。第一スリーブ112は円環状である。第一スリーブ112の内周には、内歯112aが形成されている。外歯111aと内歯112aが嵌合することにより第一スリーブ112は第一ハブ111に対して回転不能であり、且つ出力シャフト32の軸線方向に移動可能に配設されている。
図4に示すように、第1ドリブンギヤ51の第1ハブ111に対向する側面には、ドグ歯51aが形成されている。図4及び図5に示すように、第2ドリブンギヤ52の第一ハブ111に対向する側面には、ドグ歯52aが形成されている。
第1スリーブ112が第1ドリブンギヤ51側に移動されれば、内歯112aとドグ歯51aが嵌合して第1ドリブンギヤ51が出力シャフト32に相対回転不能に連結される。一方で、第1スリーブ112が第2ドリブンギヤ52側に移動されれば、内歯112aとドグ歯52aが嵌合して、第2ドリブンギヤ52が出力シャフト32に相対回転不能に連結される。
図3及び図4に示すように、第1フォーク部材113は、シャフト113aとフォーク113bとから構成されている。フォーク113bは、第1スリーブ112の外周部に凹陥形成された係合部112bに係合している。第1シフトアクチュエータ114は、フォーク部材113を介して、第1スリーブ112を第1ドリブンギヤ51側もしくは第2ドリブンギヤ52側に移動させるか、または第1ドリブンギヤ51と第2ドリブンギヤ52の中間の第1ニュートラル位置に移動させるサーボモータである。本実施形態では、回転軸114aまたは回転軸114aに連結された部材は、シャフト113aまたはシャフト113aと連結された部材と螺合している。回転軸114aが回転すると、シャフト113aが軸線方向に移動する。第1シフトアクチュエータ114は、TM−ECU13によって駆動制御される。
第1シフトアクチュエータ114が、第1スリーブ112を第1ドリブンギヤ51側に移動させると、第1ドリブンギヤ51が第1スリーブ112を介して、出力シャフト32に相対回転不能に連結され、ギア段が第1段となり第1速が形成される。第1シフトアクチュエータ114が、第1スリーブ112を第2ドリブンギヤ52側に移動させると、第2ドリブンギヤ52が第1スリーブ112を介して、出力シャフト32に相対回転不能に連結され、ギア段が第2段となり第2速が形成される。第1シフトアクチュエータ114が、第一スリーブ112を、第1ニュートラル位置に移動させると、第1ドリブンギヤ51及び第2ドリブンギヤ52のいずれもが、出力シャフト32に対して相対回転可能なニュートラル状態となる。
第2噛み合い機構120は、第4ドライブギヤ44または第5ドリブンギヤ45を選択して、入力シャフト31に相対回転不能に連結する。従って、第2噛み合い機構120の回転速度は、入力シャフト32の回転速度Nisと同一である。第2噛み合い機構120は、上述の第1噛み合い機構110と同様の構造であるので、図示を省略する。第2噛み合い機構120は、第2ハブ121、第2スリーブ122、不図示の第2フォーク部材、不図示の第2シフトアクチュエータを有する。第2ハブ121は、第3ドライブギヤ43と第4ドライブギヤ44の間の入力シャフト31に相対回転不能に固定されている。換言すると、第2ハブ121は、第4ドライブギヤ44と第5ドライブギヤ45の側方に配設されている。第2スリーブ122は、第2ハブ121に対して相対回転不能、且つ入力シャフト31の軸線方向に移動可能に設けられている。第2スリーブ122は、第4ドライブギヤ44及び第5ドライブギヤ45と係脱する。
不図示の第2シフトアクチュエータは、TM−ECU13によって駆動制御され、第2スリーブを第4ドライブギヤ44側もしくは第5ドライブギヤ45側に移動させるが、または第4ドライブギヤ44と第5ドライブギヤ45の中間の第2ニュートラル位置に移動させる。具体的には、第2シフトアクチュエータ124が、第2スリーブ122を第4ドライブギヤ44側に移動させると、第4ドライブギヤ44が第2スリーブ122を介して、入力シャフト31に相対回転不能に連結され、ギア段が第4段となり第4速が形成される。第2シフトアクチュエータ124が、第2スリーブ122を第5ドライブギヤ45側に移動させると、第5ドライブギヤ45が第2スリーブ122を介して、入力シャフト31に相対回転不能に連結され、ギア段が第5段となり第5速が形成される。第2シフトアクチュエータ124が、第2スリーブ122を、第2ニュートラル位置に移動させると、第4ドライブギヤ44及び第5ドライブギヤ45のいずれもが、入力シャフト31に対して相対回転可能なニュートラル状態となる。
第3噛み合い機構130は、第3ドライブギヤ43を選択して、入力シャフト31に相対回転不能に連結する。従って、第3噛み合い機構130の回転速度は入力シャフト31の回転速度Nisと同一である。第3噛み合い機構130は、上述の第1噛み合い機構110と同様の構造であるので、図示を省略する。第3噛み合い機構130は、第3ハブ131、第3スリーブ132、不図示の第3フォーク部材、不図示の第3シフトアクチュエータを有する。第3ハブ131は、第3ドライブギヤ43の側方の入力シャフト31に相対回転不能に固定されている。第3スリーブ132は、第3ハブ131に対して相対回転不能、且つ入力シャフト31の軸線方向に移動可能に設けられている。第3スリーブ132は、第3ドライブギヤ43と係脱する。
第3シフトアクチュエータ134は、TM−ECU13によって駆動制御され、第3フォーク部材を介して、第3スリーブ132を、第3ドライブギヤ43側に移動させるか、または第3ドライブギヤ43から離間した第3ニュートラル位置に移動させる。具体的には、第3シフトアクチュエータ134が、第3スリーブ132を第3ドライブギヤ43側に移動させると、第3ドライブギヤ43が第3スリーブ132を介して、入力シャフト31に相対回転不能に連結され、ギア段が第3段となり第3速が形成される。第3シフトアクチュエータが、第3スリーブ132を、第3ニュートラル位置に移動させると、第3ドライブギヤ43が入力シャフト31に対して相対回転可能なニュートラル状態となる。この様にして、入力シャフト31と出力シャフト32との回転比を複数のギア段で変更する。
第4噛み合い機構140は、第3ドリブンギヤ53を選択して、出力シャフト32に相対回転不能に連結する。従って、第4噛み合い機構140の回転速度は出力シャフト32の回転速度Nosと同一である。第4噛み合い機構140は、上述の第1噛み合い機構110と同様の構造であるので、図示を省略する。第4噛み合い機構140は、第4ハブ141、第4スリーブ142、不図示の第4フォーク部材、不図示の第4シフトアクチュエータを有する。第4ハブ141は、第3ドリブンギヤ53の側方の出力シャフト32に相対回転不能に固定されている。第4スリーブ142は、第4ハブ141に対して相対回転不能、且つ出力シャフト32の軸線方向に移動可能に設けられている。第4スリーブ142は、第3ドリブンギヤ53と係脱する。
不図示の第4シフトアクチュエータは、TM−ECU13によって駆動制御され、第4フォーク部材を介して、第4スリーブ14を、第3ドリブンギヤ53側に移動させるか、または第3ドリブンギヤ53から離間した第3ニュートラル位置に移動させる。具体的には、第3シフトアクチュエータ134が、第4スリーブ142を第3ドリブンギヤ53側に移動させると、第4ドリブンギヤ43が第4スリーブ142を介して、出力シャフト32に相対回転不能に連結されるアウト接続状態となる。これにより、モータジェネレータMGが出力するトルクが出力シャフト32に伝達される。一方、第4シフトアクチュエータが、第4スリーブ142を、第4ニュートラル位置に移動させると、第3ドリブンギヤ53が出力シャフト32に対して相対回転可能なニュートラル状態となる。
なお、本実施形態では、ハイブリッドECU11、エンジンECU12、トランスミッションECU13、モータジェネレータECU14、及びバッテリECU15を別体として説明するが、これに限定されるものではない。例えば、ハイブリッドECU11、エンジンECU12、トランスミッションECU13、モータジェネレータECU14、及びバッテリECU15が一体であってもよい。
HV−ECU11は、車両の走行を統括制御する上位の制御装置である。HV−ECU11、EG−ECU12、TM−ECU13、MG−ECU14、BT−ECU15は、CAN(Controller Area Network)によって相互に通信可能である。これにより、HV−ECU11は、MG−ECU14と信号SG1の交信が可能であり、HV−ECU11は、BT−ECU15と信号SG2の交信が可能である。また、HV−ECU11は、アクセルセンサ96と接続されアクセル開度Acの受信が可能である。
HV−ECU11は、ドライバのアクセルペダル95の操作に基づくアクセル96のアクセル開度Acに基づいて、ドライバが要求する出力シャフト32における「ドライバ要求トルクTd」を演算する。HV−ECU11は、「ドライバ要求トルクTd」と、バッテリBTの充電状態や車両速度等の情報に基づいて、モータジェネレータMGが出力することを求めるトルクである「要求モータトルクTmr」を演算する。そして、HV−ECU11は、「ドライバ要求トルクTd」から「要求モータトルクTmr」を減算して、エンジンEGが出力することを求めるトルクである「要求エンジントルクTer」を演算し、この「要求エンジントルクTer」をEG−ECU12へ出力する。このように、HV−ECU11は「ドライバ要求トルクTd」のうち「要求モータトルクTmr」では足りない分のトルクを「要求エンジントルクTer」とする。
図2は、アクセル開度と車両Mの速度(車速)から設定されるアップシフト及びダウンシフトの変速線の図である。HV−ECU11は、アクセル開度と車速を用いて、図2に示すアクセル開度と車速との関係を表した変速線を越えたと判断した場合、あるいは、運転者が不図示のシフトレバーを操作した場合、ギア段の変更を要求する「変速要求」をTM−ECU13に出力する。ここで、車速は例えば、出力軸回転速度センサ92から入力された検出信号から得られるアウトプット回転数からHV−ECU13によって算出され、HV−ECU11に伝達される。また、TM−ECU13が「変速要求」を受信すると、エンジンEGの制御権限がHV−ECU11からTM−ECU13に移動し、モータジェネレータMGの制御権限がHV−ECU11からTM−ECU13に移動する。
また、EVモード時にドライバ要求トルクが閾値を上回り、モータジェネレータMGの出力トルク(以下、モータトルクともいう)だけではドライバ要求トルクTdを満たせなくなった場合、エンジンEGを押しがけするよう要求する「押しがけ要求」をTM−ECU13に出力する。この押しがけ要求により、HV−ECU11は、EVモードからHVモードへ移行させることができる。TM−ECU13が「押しがけ要求」を受信すると、エンジンEGの制御権限がHV−ECU11からTM−ECU13に移動し、モータジェネレータMGの制御権限がMG−ECU14からTM−ECU13に移動する。
EG−ECU12は、エンジンEGを制御する制御装置である。EG−ECU12は、HV−ECU11から取得した要求エンジントルクTerに基づいて、スロットルバルブEG−3の開度を調整し、吸気量を調整するとともに、燃料噴射装置EG−2の燃料噴射量を調整し、点火装置を制御する。これにより、燃料を含んだ混合気の供給量が調整され、エンジントルクTeが要求エンジントルクTerに調節されるとともに、エンジン回転速度Neが調節される。なお、アクセルペダル95が踏まれていない場合には(アクセル開度Ac=0)、エンジン回転速度Neはアイドリング回転速度(例えば、700r.p.m.)に維持される。
また、EG−ECU12は、エンジン回転速度センサEG−4が検出したエンジン回転速度Ne、不図示の吸気センサからの吸気温、不図示の吸気圧センサからの吸気圧、不図示の吸気流量センサからの吸気流量、燃料噴射装置EG−2が噴射している燃料噴射量に基づいて、実際にエンジンEGが出力しているエンジントルクTeを演算する。なお、エンジンEGが停止した場合には、マイナスのエンジントルクTeであるエンジンフリクショントルクを演算する。
TM−ECU13は、トランスミッションTMを制御する制御装置である。TM−ECU13は、バスを介してそれぞれ接続された入出力インタフェース、不図示のCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、記憶部を備える。TM−ECU13のCPUは、HV−ECU11から「変速要求」を受信した場合、トランスミッションTMへ要求するギア段である要求ギア段を変更する。TM−ECU13のCPUは、この要求ギア段に応じて、実ギア段を変更するようトランスミッションTMを制御する。TM−ECU13のCPUは、図9のフローチャートに対応したプログラムを実行する。RAMはこのプログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶する。記憶部は、不揮発性メモリであり、このプログラムを記憶している。TM−ECU13は、不図示のシフトアクチュエータからの検出信号に基づいて、各スリーブ112、122、132のストロークを検出する。
MG−ECU14は、インバータINVを制御する制御装置である。
BT−ECU15は、バッテリBTの充放電状態、温度状態等のバッテリBTの状態を管理する制御装置である。
続いて、図10のタイムチャートを用いて従来の押しがけの問題点について説明する。図10は、従来の押しがけ時における各パラメータの時間変化を示すタイムチャートである。図10に示すように、時刻t31においてドライバ要求トルクTdが閾値を上回り、モータトルクだけではドライバ要求トルクTdを満たせなくなった場合、HV−ECU11は押しがけ要求をTM−ECU13へ送信する。押しがけ要求を受信したTM−ECU13は、エンジン始動要求をローレベルからハイレベルに変更し、このエンジン始動要求がEG−ECU12に伝達される。TM−ECU13は、クラッチアクチュエータ29を制御してクラッチCを徐々に継合し始める。これにより、クラッチトルクが上昇する。時刻t32において、クランキングにより停止中のエンジンが始動する。そして、時刻t33において、クラッチが完全に継合し、エンジン回転数がインプット回転数と同一になる。
図10の場合、押しがけ要求時にインプット回転数とエンジン回転数との差が大きいので、エンジン始動要求がハイレベルになった時(図10の時刻t31)からクラッチが完全に継合する時(図10の時刻t33)までの間に、インプット回転数の曲線及びエンジン回転数の曲線とで囲まれる領域R31の面積が大きくなる。この領域R31の面積が大きいほどクラッチで吸収するエネルギーが大きくなるので、クラッチの磨耗量が大きくなり、クラッチ寿命が短くなるという問題がある。
続いて、本実施形態に係るTM−ECU13が実行するギア切替制御について説明する。TM−ECU13は、モータジェネレータMGが出力シャフト32にモータトルクを伝達中で且つクラッチCが継合しておらず且つインプット回転数が閾値回転数を超える場合、ギア段を上げるよう変速装置を制御する。ここで、閾値回転数は、クラッチCの耐久性を担保するために予め決められた回転数である。上記制御の一例としてとして本実施形態では、TM−ECU13は、モータジェネレータMGが出力シャフト32にモータトルクを伝達中で且つクラッチCが継合していないEVモードであり、且つインプット回転数が閾値回転数を超える場合において、現在のギアが第1の閾値ギア段(ここでは例えば、最大ギア段−1=4段)以下のとき、ギア段を上げるようトランスミッションTMを制御する。ここで第1の閾値ギア段は、ギア段を上げることによってインプット回転数を下げることができるギア段のうち最大のギア段である。その際、TM−ECU13は、例えば、ギア段を現在のギア段より1段上のギア段に上げる。
このようにギア段を上げるとドライブギヤのギヤ径が大きくなるので、入力シャフト31の回転数が落ちる。これにより、TM−ECU13は、インプット回転数が閾値回転数以下に常時維持することができるので、インプット回転数とエンジン回転数の差を抑えたままで常時維持することができる。このため、いつ押しがけ要求があってクラッチCを継合することになっても、クラッチCの継合時の摩耗量を抑え、クラッチCの寿命を向上させることができる。なお、TM−ECU13は、ギア段を現在のギア段より複数段上のギア段に上げてもよい。例えば、TM−ECU13は、インプット回転数が高いほど、上げるギア段の数を大きくしてもよい。
一方、TM−ECU13は、モータジェネレータMGが出力シャフト32にモータトルクを伝達中で且つクラッチCが継合していないEVモードであり、且つインプット回転数がエンジン始動最低回転数未満の場合、ギア段を下げるよう変速装置を制御する。ここで、エンジン始動最低回転数は、エンジンEGを始動するのに最低限必要な回転数である。上記制御の一例としてとして本実施形態では、TM−ECU13は、モータジェネレータMGが出力シャフト32にモータトルクを伝達中で且つクラッチCが継合ししていないEVモードであり、且つインプット回転数がエンジン始動最低回転数未満の場合において、現在のギアが第1の閾値ギア以下の第2の閾値ギア(ここでは例えば、最小ギア段+1段=2段)以上の場合、ギア段を下げるよう変速装置を制御する。ここで第2の閾値ギア段は、ギア段を下げることによってインプット回転数を上げることができるギア段のうち最小のギア段である。その際、TM−ECU13は、例えば、ギア段を現在のギア段より1段下のギア段に下げる。
このようにギア段を下げるとドライブギヤのギヤ径がギア段を下げる前よりも小さくなるので、入力シャフト31の回転数が落ちる。これにより、TM−ECU13は、インプット回転数がエンジン始動最低回転数以上に常時維持することができる。このため、いつ押しがけ要求があってクラッチCを継合するときになっても、インプット回転数を更に上昇させることなくエンジンを始動させることができるので、押しがけ要求があってから短時間でエンジンを始動させることができる。なお、TM−ECU13は、ギア段を現在のギア段より複数段下のギア段に下げてもよい。例えば、TM−ECU13は、インプット回転数が低いほど、下げるギア段の数を大きくしてもよい。
図6のタイムチャートを用いて、TM−ECU13がギア切替制御を実行してアップ変速(例えば、第1速から第2速への変速)した後に、偶然エンジンEGの押しがけ要求があった場合の各パラメータの時間変化について説明する。図6は、ギア切替制御後に押しがけ要求があった場合の各パラメータの時間変化を示すタイムチャートの一例である。図6において、当初はEV走行しているものとする。
TM−ECU13は、モータジェネレータMGが出力シャフト32にモータトルクを伝達中で且つクラッチCが継合していないEVモードであり、且つインプット回転数が閾値回転数を超える場合において、現在のギアが第1の閾値ギア段(例えば、最大ギア段−1)より低いとき、図6の時刻t1に示すように、要求ギア段を第1段から第2段に変更する。第1シフトアクチュエータ114は、この要求ギア段の変更に応じて、実ギア段を第1段から第2段に切り替える。図6の時刻t1で実ギア段が第1段から抜けニュートラル状態(N)になり、時刻t2で実ギア段がニュートラル状態から第2段になる。この時刻t1から時刻t2までの間、実ギア段がニュートラル状態となり、入力シャフト31は出力シャフト32との連結が解除されて入力シャフト31にモータトルクが伝達されず、且つクラッチCも未だ継合されておらずエンジンからのトルクが伝達されない状態であるので、インプット回転数は徐々に下落する。時刻t2で実ギア段が第2段になると、入力シャフト31に再度モータトルクが伝達され始め、モータトルクの上昇に伴ってインプット回転数も徐々に上昇する。
その後、図6の時刻t3において、TM−ECU13がHV−ECU11から押しがけ要求を受信すると、TM−ECU13はエンジン始動要求をハイレベルにし、クラッチCを継合し始める。これにより、クラッチトルクが徐々に上昇し始める。その後、図6の時刻t4において、エンジンEGが始動するので実エンジントルクが急激に上昇する。それに応じて、TM−ECU13は、ドライバ要求トルクを過不足なく満たすため、モータトルクを減少させる。モータトルクその後、図6の時刻t5から時刻t6にかけて、TM−ECU13は、クラッチCを徐々に継合させる。図6の時刻t6でクラッチCが完全に継合し、インプット回転数がエンジン回転数と同一となる。
図6の領域R11に示すように、TM−ECU13はインプット回転数が閾値回転数を超えた場合に、ギアを上げるように制御することで、インプット回転数が閾値回転数以下に収まるようにする。これにより、インプット回転数が閾値回転数以下に維持されるので、インプット回転数とエンジン回転数との差を抑えたまま維持することができる。これにより、いつ押しがけ要求があった場合でも、エンジン始動要求がハイレベルになった時(例えば、図6の時刻t3)からクラッチCが完全に継合する時(例えば、図6の時刻t6)までの間に、インプット回転数の曲線及びエンジン回転数の曲線とで囲まれる領域R12の面積を図10の領域R31の面積よりも小さくすることができる。このため、図10の場合よりも、クラッチCの継合時にクラッチCで吸収するエネルギーを抑えることができるので、クラッチCの磨耗量が抑えられ、クラッチ寿命を向上させることができる。
続いて、図7及び図8のタイムチャートを用いて、TM−ECU13が実行するMG回転数制御について説明する。図7は、MG回転数制御のギア段の切り替え順序を示す模式図である。図7におけるEVモードでは、上述したギア切替制御により、現在のギア段が一例として第3段となっており、図7の楕円E1で示すように、第3噛み合い機構130により、第3ドライブギヤ43が入力シャフト31に相対回転不能に連結されていると仮定する。
図7においてEVモード時には、図7の楕円E2で示すように第4噛み合い機構140により、第3ドリブンギヤ53が出力シャフト32に相対回転不能に連結されている。これにより、モータジェネレータMGが出力したトルクが出力シャフト32に伝達され、更にデファレンシャルDFを介して駆動輪Wl、Wrに伝達される。
TM−ECU11から押しがけ要求があった場合、TM−ECU13は、第4噛み合い機構140による第3ドリブンギヤ53の出力シャフト32への連結を解除する。一方、図7の楕円E3で示すように、第3噛み合い機構130により、第3ドライブギヤ43が入力シャフト31に相対回転不能に連結されている状態は維持される。これにより、モータトルクが入力シャフト31に伝達される。この状態で、TM−ECU13は、入力シャフト31の回転を下げるようモータジェネレータMGを制御する。ここで、モータ軸MG−2の回転を制動するようにモータジェネレータMGを制御する制御は、モータ軸MG−2の回転を入力としてモータジェネレータを発電機として作動させる制御を含む。これにより、モータ軸MG−2の回転という運動エネルギーが電気エネルギーに変換されて回収されることで制動として利用する回生ブレーキとして働き、この電気エネルギーがインバータINVを介してバッテリBTに充電される。そして、モータ軸MG−2の回転が制動されて、入力シャフト31の回転が制動される。これにより、インプット回転数が徐々に低下する。
そして、インプット回転数とエンジン回転数の差が、予め決められた許容範囲に収まった場合、図7の楕円E4で示すように、TM−ECU13は、クラッチCの継合を開始させる。このようにして、EVモードからモータクランキング(Motor cranking)モードに移行する。これにより、モータトルクが入力シャフト31を介してエンジンEGに伝達される。このトルクによって、エンジンEGが押しがけされてエンジンEGが始動する。
このように、モータジェネレータMGが出力シャフト32にモータトルクを伝達中で且つクラッチCが継合していないEVモードであり、且つインプット回転数が閾値回転数を超える場合(以下、第1の条件を満たす場合という)、TM−ECU13は、クラッチCを継合させる前に、モータ軸MG−2と出力シャフト32の連結を切断し、モータ軸MG−2の回転を制動するようにモータジェネレータMGを制御する。これにより、入力シャフト31に回転にブレーキがかかることによりインプット回転数が低下するので、インプット回転数とエンジン回転数の差を抑えることができる。このため、クラッチCの継合時の摩耗量を低減することができるので、クラッチCの寿命を延ばすことができる。
例えば、TM−ECU13は、この制御を、上記第1の条件を満たし且つ現在のギアが第1の閾値ギア段(ここでは例えば、最大ギア段−1=4段)を超える場合(以下、第2の条件を満たす場合という)、実行してもよい。このように、TM−ECU13は、現在のギアが第1の閾値ギア段を超えてしまいギア切替制御でインプット回転数を下げることができないときに、この制御を実行する。これにより、入力シャフト31に回転方向とは反対向きのトルクがかかることによりインプット回転数が低下するので、インプット回転数とエンジン回転数の差を抑えることができる。このため、クラッチCの継合時の摩耗量を低減することができるので、クラッチCの寿命を延ばすことができる。
第2の条件を満たす場合に常にこの制御を実行した場合、モータ軸MG−2と出力シャフト32の連結を切断することにより、出力シャフト32にモータトルクが伝達されなくなるので、トルクが抜けたようにドライバが感じる頻度が多くなるという課題がある。そこで本実施形態ではその課題を解決するために、その一例として、TM−ECU13は、この制御を、上記第2の条件を満たす場合において、押しがけ要求があったときに実行する。これにより、この制御が押しがけ要求があったときにのみ実行されるので、トルクが抜けたようにドライバが感じる頻度を少なくすることができる。これにより、トルクが抜けたようにドライバが感じる頻度を少なくしつつ、クラッチCの寿命を延ばすことができる。
エンジンEGが始動した場合、TM−ECU13は、第3噛み合い機構130による第3ドライブギヤ43の入力シャフト31への連結を解除する。それとともに図7の楕円E5で示すように、TM−ECU13は、第4噛み合い機構140により、第3ドリブンギヤ53を出力シャフト32に相対回転不能に連結させる。これにより、モータジェネレータMGが出力したトルクが出力シャフト32に伝達され、更にデファレンシャルDFを介して駆動輪Wl、Wrに伝達される。更に図7の楕円E6で示すように、TM−ECU13は、第1噛み合い機構110により、第2ドライブギヤ42を入力シャフト31に相対回転不能に連結させる。これにより、エンジンEGが出力したトルクが入力シャフト31に伝達され、更に出力シャフト、デファレンシャルDF、駆動輪Wl、Wrの順に伝達される。このように、HVモードでは、モータジェネレータMGが出力したトルクと、エンジンEGが出力したトルクの両方が駆動輪Wl、Wrに伝達される。このようにして、モータクランキングモードからHVモードへの移行が完了する。
図8は、MG回転数制御の場合の各パラメータの時間変化を示すタイムチャートの一例である。図8において、当初はEV走行しており、第4噛み合い機構140により、第3ドリブンギヤ(アウトプットギア)53が出力シャフト32に相対回転不能に連結されている。
図8の時刻t10において、TM−ECU13は、押しがけ要求をHV−ECU11から受信した場合、TM−ECU13は、MG回転数制御を実行する。そして、TM−ECU13は、図8の時刻t11に示すように、要求アウトプットギアを、第3ドリブンギヤ53が出力シャフト32に相対回転不能に連結されているアウト接続状態から、第3ドリブンギヤ53が出力シャフト32に連結されていないニュートラル(N)状態に変更する。そして、TM−ECU13は、時刻t11からモータトルクを減少させる。次に、時刻t12に、第3ドリブンギヤ53が出力シャフト32に連結されていないニュートラル(N)状態に変更され、第3噛み合い機構130により、第3ドライブギヤ43が入力シャフト31に相対回転不能に連結され、クラッチCの継合が開始される。このようにしてEVモードから、モータクランキングモードに移行する。
時刻t13において、TM−ECU13は、モータトルクをマイナスへ減少させるようモータジェネレータMGを制御する。すなわちTM−ECU13は、モータトルクの向きを反転させるようモータジェネレータMGを制御する。これにより、入力シャフト31に回転方向とは逆向きのトルクがかかり、インプット回転数が減少する。それとともに、インバータINVは、モータジェネレータMGを発電機として機能させ、モータジェネレータMGで発電された交流電流を用いて、バッテリBTを充電することができる。これにより、時刻t14において、インプット回転数はエンジン回転数付近まで減少する。時刻t15において、TM−ECU13は、エンジン始動要求をローレベルからハイレベルに変更し、このエンジン始動要求がEG−ECU12に伝達される。そして、時刻t15において、TM−ECU13は、クラッチアクチュエータ29を制御してクラッチCを徐々に継合し始める。これにより、クラッチトルクが上昇する。
時刻t16において、クランキングにより停止中のエンジンが始動し、実エンジントルクが上昇する。そして、時刻t17において、TM−ECU13は、要求アウトプットギヤを、第3ドリブンギヤ53が出力シャフト32に連結されていないニュートラル(N)状態から、第3ドリブンギヤ53が出力シャフト32に相対回転不能に連結されているアウト接続状態に変更する。これに応じて、時刻t18において、第3噛み合い機構130による第3ドライブギヤ43の入力シャフト31への連結が解除され、第4噛み合い機構140により、第3ドリブンギヤ53が出力シャフト32に相対回転不能に連結される。これにより、図7に示すように、モータジェネレータMGが出力したトルクが出力シャフト32に伝達される。更に、第1噛み合い機構110により、第2ドライブギヤ42が入力シャフト31に相対回転不能に連結される。これにより、図7に示すように、エンジンEGが出力したトルクが、入力シャフト31に伝達され、更に出力シャフト32に伝達される。このように、HVモードでは、モータジェネレータMGが出力したトルクと、エンジンEGが出力したトルクの両方が出力シャフト32に伝達され、出力シャフト32からこれら両方のトルクが駆動輪Wl、Wrに伝達される。このように、時刻t18において、HVモードに遷移し、ドライバ要求トルクは、モータトルクと実エンジントルクにより満たされる。そして、時刻t19において、クラッチCが完全に継合し、インプット回転数がエンジン回転数とほぼ同一となる。
図8の領域R21に示すように、第3ドリブンギヤ53が出力シャフト32に連結されていないニュートラル(N)状態にし、且つ第3ドライブギヤ43が入力シャフト31に連結されている接続状態にする。これにより、モータトルクが伝達される対象が、出力シャフト32から入力シャフト31に切り替わり、モータジェネレータMGがインプット回転数を制御することができる。
その後、図8の領域R22に示すように、TM−ECU13は、モータトルクをマイナスへ減少させるようモータジェネレータMGを制御する。すなわちTM−ECU13は、それまでとは反対方向の出力トルクを発生させるようモータジェネレータMGを制御する。これにより、入力シャフト31に回転方向とは逆向きのトルクがかかり、インプット回転数が下がる。その結果、エンジン始動要求がハイレベルになった時(図8の時刻t15)からクラッチCが完全に継合する時(図8の時刻t19)までの間に、インプット回転数の曲線及びエンジン回転数の曲線とで囲まれる領域R23の面積を、図10の領域R31の面積よりも小さくすることができる。このため、従来よりも、クラッチCの継合時にクラッチCで吸収するエネルギーを抑えることができる。その結果、クラッチCの磨耗量を抑え、クラッチCの寿命を向上させることができる。
なお、インプット回転数が、エンジン始動最低回転数未満でギア段が第1の閾値ギア段以下の第2の閾値ギア段未満の場合、TM−ECU13は、モータトルクが大きくなるようモータジェネレータMGを制御してもよい。これにより、インプット回転数を上げてエンジン始動最低回転数以上に維持することができる。このため、いつ押しがけ要求があってクラッチCを継合することになっても、インプット回転数がエンジン始動最低回転数以上になるのを待たなくてもよいので、いつでも短時間でエンジンEGを始動させることができる。
続いて、図9を用いてTM−ECU13が実行する制御について説明する。図9は、TM−ECU13が実行する制御の流れの一例を示すフローチャートである。
(ステップS101)TM−ECU13は、インプット回転数が所定の範囲外の場合に、ギア段を変更してインプット回転数が所定の範囲に収まるようにする。ここで、所定の範囲とは例えば、エンジン始動最低回転数から閾値回転数までの範囲である。ここで、そのためステップS101において、TM−ECU13は、インプット回転数がエンジン始動最低回転数以上で且つ閾値回転数以下であるか否か判定する。インプット回転数がエンジン始動最低回転数以上で且つ閾値回転数以下である場合、TM−ECU13はそのまま待機する。
続いて、TM−ECU13は、以下のステップS102及びS103で出力シャフト32のトルク抜けを許容するか否か判定するトルク抜け許容判定を実行する。例えば、ドライバに加速の意思がなく(例えば、加速度が閾値加速度未満)且つ第1の閾値車速以上で走行中である場合、EVモードでモータトルクが出力シャフト32へ伝達されなくなっても、ドライバはトルク抜けを感じない。この場合、トルク抜けが許容されるので、TM−ECU13は、MG回転数制御を実行する。ここで、閾値加速度は、予め決められた加速度の閾値である。
(ステップS102)具体的には、ステップS101でインプット回転数がエンジン始動最低回転数未満もしくは閾値回転数を超えていると判定された場合(ステップS101 NO)、TM−ECU13は、加速度が閾値加速度以上であるか否か判定する。加速度が閾値加速度以上であると判定された場合、処理がステップS104に進む。なお、本フローチャートではドライバの加速の意思を一例として加速度で判断したが、アクセルペダル95の踏込量で判断してもよい。
(ステップS103)ステップS102で加速度が閾値加速度未満であると判定された場合(ステップS102 NO)、TM−ECU13は、車速が第1の閾値車速以下であるか否か判定する。ここで、第1の閾値車速は、トルク抜けが感じられない最低の車速である。車速が第1の閾値車速以下であると判定された場合、処理がステップS104に進む。一方、車速が第1の閾値車速を越えると判定された場合、出力シャフト32のトルク抜けが許容されるので、処理がステップS108に進む。
(ステップS104)ステップS102で加速度が閾値加速度以上であると判定されたか、ステップS103で車速が第1の閾値車速以下であると判定された場合、出力シャフト32のトルク抜けが許容されないので、TM−ECU13は、クラッチ温度が閾値温度以下であるか否か判定する。ここで、閾値温度は、クラッチCが耐久できる限界の温度である耐久限界温度をクラッチCの温度が超えてしまわないように設けられた温度であり、クラッチCの耐久限界温度以下に設定されている。仮にクラッチ温度が閾値温度より高い場合にギア切替制御が行われると、クラッチCの継合時の摩擦熱によりクラッチCの温度が耐久限界温度を超えてしまう可能性があり、それが原因でクラッチCが破損する恐れがある。それを避けるために、クラッチ温度が閾値温度より高い場合、インプット回転数をコントロールしてクラッチCの継合時の摩擦をより少なくすることができるMG回転数制御が選択される。よって、クラッチ温度が閾値温度より高いと判定された場合(ステップS104 NO)、処理がステップS108に進む。
(ステップS105)TM−ECU13は、現在のギア段が所定の範囲外である場合、ギア切替によってインプット回転数をコントロールすることができないので、MG回転数制御を選択する。ここで、所定の範囲は例えば、第2段から第4段までの範囲であるが、これに限ったものではない。ステップS104においてクラッチ温度が閾値温度以下と判定された場合(ステップS104 YES)、TM−ECU13は、現在のギア段が最小ギア段を超え且つ最大ギア段未満であるか否か判定する。現在のギア段が最小ギア段の場合、これ以上低いギア段に下げる(ダウンシフトする)ことができないので、ギア段を下げることでインプット回転数をエンジン始動最低回転数以上に上げるということができない。このため、インプット回転数をコントロールすることができるMG回転数制御が選択される。一方、現在のギア段が最大ギア段の場合、これ以上高いギア段に上げる(アップシフトする)ことができないので、ギア段を上げることでインプット回転数を閾値回転数より下げるということができない。このため、インプット回転数をコントロールすることができるMG回転数制御が選択される。よって、現在のギア段が最小ギア段または最大ギア段の場合(ステップS105 NO)、処理がステップS108に進む。
(ステップS106)ステップS105において現在のギア段が最小ギア段を超え且つ最大ギア段未満であると判定された場合(ステップS105 YES)、車速が第2の閾値車速以下であるか否か判定する。第2の閾値車速を越える車速で走行中は、路面などからの騒音が大きく変速時の騒音がドライバに許容されるため、ギア切替制御が実行される。よって、車速が第2の閾値車速を越えると判定された場合、処理がステップS107に進む。一方、車速が第2の閾値車速以下であると判定された場合、処理がステップS101に戻る。
(ステップS107)ステップS106において車速が第2の閾値車速を越えると判定された場合(ステップS106 NO)、TM−ECU13は、ギア切替制御を実行する。具体的には、インプット回転数が閾値回転数を超える場合、TM−ECU13は、ギア段を上げることでインプット回転数を下げる。一方、インプット回転数がエンジン始動最低回転数未満の場合、ギア段を下げることでインプット回転数を上げる。
(ステップS108)TM−ECU13は、押しがけ要求があるか否か判定する。押しがけ要求がないと判定された場合、処理がステップS101に戻る。
(ステップS109)ステップS108において押しがけ要求があると判定された場合(ステップS109 YES)、TM−ECU13は、MG回転数制御を実行する。
以上、ステップS101及びステップS107で説明したように、TM−ECU13は、モータジェネレータMGが出力シャフト32にモータトルクを伝達中で且つクラッチCが継合していないEVモードであり、且つ入力シャフト31の回転数が閾値回転数を超える場合、出力シャフト32に対する入力シャフト31の回転比を下げるよう(その一例として、ギア段を上げるよう)変速装置を制御する。これにより、入力シャフト31の回転数を閾値回転数以下に維持することができるので、入力シャフト31の回転数とエンジン回転数との差を抑えたまま維持することができる。このため、いつ押しがけ要求があってクラッチCを継合することになってもクラッチCの継合時の磨耗量を抑え、クラッチCの寿命を向上させることができる。
一方、TM−ECU13は、EVモードであり、且つ入力シャフト31の回転数がエンジン始動最低回転数より低い場合、出力シャフト32に対する入力シャフト31の回転比を上げるよう(その一例として、ギア段を下げるよう)変速装置を制御する。これにより、ギア段を下げることでインプット回転数をエンジン始動最低回転数以上に維持できるので、いつ押しがけ要求があってクラッチCを継合することになってもインプット回転数がエンジン始動最低回転数以上になるのを待たなくてもよいので、いつでも短時間にエンジンEGを始動することができる。
ステップS105、S108及びS109で説明したように、EVモードであり且つ入力シャフト31の回転数が閾値回転数を超える場合において、ギア段が第1の閾値ギア段を超えるとき、TM−ECU13は、クラッチCを継合させる前に、モータ軸MG−2と出力シャフト32の連結を切断し、モータ軸の回転を制動するようにモータジェネレータMGを制御する。これにより、ギア段が第1の閾値ギア段を超えてこれ以上ギア段を変更するできない場合もしくはギア段を上げても入力シャフト31の回転数を下げることができない場合でも、入力シャフト32の回転が制動されるので、インプット回転数を下げることができる。その結果、インプット回転数とエンジン回転数の差が抑えられクラッチCの継合時の磨耗量を抑え、クラッチCの寿命を向上させることができる。
ステップS102、S103、S108及びS109で説明したように、EVモードであり、且つ駆動輪Wl、Wrに伝達されるトルクの抜けが許容範囲内である場合、TM−ECU13は、クラッチCを係合させる前に、モータ軸MG−2と出力シャフト32の連結を切断し、モータ軸の回転を制動するようにモータジェネレータMGを制御する。この構成により、出力シャフト32へのモータトルクの伝達を遮断することになるが、トルクの抜けが許容範囲であるのでドライバビリティを低下させない。また、入力シャフト32の回転にブレーキがかかるので、インプット回転数を下げることができる。その結果、インプット回転数とエンジン回転数の差が抑えられクラッチCの継合時の磨耗量を抑え、クラッチCの寿命を延ばすことができる。従って、ドライバビリティを低下させることなく、クラッチCの寿命を向上させることができる。
その際、TM−ECU13は例えば、車両加速度もしくはアクセルペダル95の踏込量と、車速とに基づいて、駆動輪Wl、Wrに伝達されるトルクの抜けが許容範囲内であるか否か判定する。これにより、車両加速度もしくはアクセルペダルの踏込量からドライバの加速の意思を判断でき、ドライバの加速の意思がなくある車速以上で走行中である場合、ドライバはトルク抜けを感じないので、駆動輪Wl、Wrに伝達されるトルクの抜けが許容範囲内であるか否か判定することができる。
具体的には例えば、TM−ECU13は、車両加速度が閾値加速度より小さく、且つ車速が第1の閾値車速よりも速い場合、駆動輪Wl、Wrに伝達されるトルクの抜けが許容範囲内であると判定する。これにより、車両加速度が閾値加速度より小さく且つ第1の閾値車速以上で走行中である場合、ドライバはトルク抜けを感じないので、駆動輪Wl、Wrに伝達されるトルクの抜けが許容範囲内であると判定することができる。
ステップS104、S108及びS109で説明したように、EVモードであり且つクラッチCの温度が予め決められた閾値温度より高い場合、TM−ECU13は、クラッチCを継合させる前に、モータ軸MG−2と出力シャフト32の連結を切断し、モータ軸の回転を制動するようにモータジェネレータMGを制御する。これにより、クラッチCの温度が閾値温度より高い場合、入力シャフト32の回転にブレーキがかかるので、インプット回転数を下げることができる。その結果、インプット回転数とエンジン回転数の差が抑えられクラッチCの継合時の磨耗量を抑えることができるので、クラッチCの寿命を延ばすことができる。それとともに、磨耗によるクラッチCの更なる温度上昇を抑えることができ、クラッチCの温度が耐久限界温度を超えないようにすることができる。従って、クラッチの破損を回避しつつ、クラッチCの寿命を延ばすことができる。
図8の時刻t13から時刻t14のモータトルクが示すように、モータ軸の回転を制動するようにモータジェネレータMGを制御する制御は、前記モータ軸の回転を入力として前記モータジェネレータを発電機として作動させる制御を含む。これにより、入力シャフト32の回転にブレーキがかかるので、入力シャフト31の回転数を下げることができる。それとともに、モータジェネレータMGを発電機として作動させることにより、モータ軸の回転による運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、変換後の電気エネルギーでバッテリBTを充電することができる。
ステップS108及びS109で説明したように、モータ軸の回転を制動するようにモータジェネレータMGを制御する制御は、エンジンEGの押しがけをする前に実行される。これにより、モータ軸の回転を制動するようにモータジェネレータMGを制御する制御が押しがけ要求があったときにのみ実行されるので、トルクが抜けたようにドライバが感じる頻度を少なくすることができる。これにより、トルクが抜けたようにドライバが感じる頻度を少なくしつつ、クラッチCの寿命を延ばすことができる。
ステップS106及びS107で説明したように、出力シャフト32に対する入力シャフト31の回転比を変更するよう変速装置を制御する制御(例えば、ギア段を上げるよう変速装置を制御する制御、またはギア段を下げるよう変速装置を制御する制御)は、例えば、EVモードであり且つ車速が予め決められた第2の閾値車速より高い場合に実行される。第2の閾値車速を越える車速で走行中は、路面などからの騒音が大きく変速時の騒音がドライバに許容されるので、ドライバへ不快感を与えずにギア段を変更することができる。
なお、出力シャフト32に対する入力シャフト31の回転比を変更するよう変速装置を制御する制御(例えば、ギア段を上げるよう変速装置を制御する制御、またはギア段を下げるよう変速装置を制御する制御)は、EVモードであり且つアクセルペダルの踏込量が予め決められた閾値踏込量より大きい場合に実行されてもよい。これにより、アクセルペダル95の踏込量が閾値踏込量より大きい場合にギア段を変更するが、このような加速中は、変速時の騒音がドライバに許容されるのでドライバへ不快感を与えない。また入力シャフト31の回転数が所定の範囲に収めることができるので、いつ押しがけ要求があってクラッチCを継合することになってもクラッチCの継合時の磨耗量を抑えることができる。よって、ドライバへ不快感を与えずに、クラッチCの寿命を向上させることができる。
なお、本実施形態では、EVモード時に押しがけ要求があった場合に、TM−ECU13は、モータ軸MG−2を入力シャフト31に連結し、モータトルクが下がるようモータジェネレータMGを制御して、入力シャフト31の回転数を落としたが、押しがけ要求があった場合に限ったものではない。押しがけ要求がなくても、EVモード時に、TM−ECU13は、この制御を実行してもよい。すなわち、TM−ECU13は、モータジェネレータMGが出力シャフト32にモータトルクを伝達中で且つクラッチCが継合していないEVモードであり、且つインプット回転数が閾値回転数を超える場合、モータ軸MG−2と出力シャフト32の連結を切断し、モータ軸の回転を制動するようにモータジェネレータMGを制御してもよい。これにより、入力シャフト31に入力シャフト31の回転方向とは逆向きのトルクがかかることによりインプット回転数が下がるので、インプット回転数とエンジン回転数の差を抑えることができる。このため、いつ押しがけ要求があってクラッチCを継合することになっても、クラッチCの継合時の磨耗量を抑えることができ、クラッチCの寿命を延ばすことができる。
なお、発明は、上記しかつ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
11・・・ハイブリッドECU(HV−ECU)、12・・・エンジンECU(EG−ECU)、13・・・トランスミッション制御部(TM−ECU、制御部)、14・・・モータジェネレータECU(MG−ECU)、15・・・バッテリECU(BT−ECU)、29・・・クラッチアクチュエータ、31・・・入力シャフト、32・・・出力シャフト、41・・・第1ドライブギヤ、42・・・第2ドライブギヤ、43・・・第3ドライブギヤ、44・・・第4ドライブギヤ、45・・・第5ドライブギヤ、51・・・第1ドリブンギヤ、52・・・第2ドリブンギヤ、53・・・第3ドリブンギヤ、54・・・第4ドリブンギヤ、55・・・第5ドリブンギヤ、95・・・アクセルペダル、96・・・アクセルセンサ、110・・・第1噛み合い機構、111・・・第1ハブ、111a・・・外歯、112・・・第1スリーブ、112a・・・内歯、113・・・第1フォーク部材、113a・・・シャフト、113b・・・フォーク、114・・・第1シフトアクチュエータ、114a・・・回転軸、120・・・第2噛み合い機構、121・・・第2ハブ、122・・・第2スリーブ、130・・・第3噛み合い機構、131・・・第3ハブ、132・・・第3スリーブ、140・・・第4噛み合い機構140、141・・・第4ハブ、142・・・第4スリーブ、C・・・クラッチ、DF・・・デファレンシャル、EG・・・エンジン、M・・・車両、MG・・・モータジェネレータ、MG−1・・・ドライブギヤ、MG−2・・・モータ軸、Wl、Wr・・・駆動輪。

Claims (8)

  1. 入力シャフトと、前記入力シャフトと連結可能で駆動輪に対してトルクを伝達可能な出力シャフトと、前記出力シャフトに対する前記入力シャフトの回転比を変更する変速装置と、を有するトランスミッションと、
    エンジンが出力するエンジントルクが伝達される駆動軸と前記入力シャフトとの間に設けられ、前記駆動軸から前記入力シャフトに伝達するクラッチトルクを可変として前記駆動軸と前記入力シャフト間を断接するクラッチと、
    モータトルクを出力し、前記モータトルクが伝達されるモータ軸を有するモータジェネレータと、
    前記モータジェネレータが前記出力シャフトに前記モータトルクを伝達中で且つ前記クラッチが継合していないEVモードであり、且つ前記入力シャフトの回転数が閾値回転数を超える場合、前記出力シャフトに対する前記入力シャフトの回転比を下げるよう前記変速装置を制御する制御部と、
    を備えるハイブリッド車両用変速システム。
  2. 前記EVモードであり且つ前記入力シャフトの回転数が閾値回転数を超える場合において、前記ギア段が第1の閾値ギア段を超えるとき、前記制御部は、前記モータ軸と前記出力シャフトの連結を切断し、前記入力シャフトと連結された前記モータ軸の回転を制動するように前記モータジェネレータを制御する
    請求項1に記載のハイブリッド車両用変速システム。
  3. 前記EVモードであり且つ前記入力シャフトの回転数が前記エンジンを始動するのに最低限必要な回転数であるエンジン始動最低回転数未満の場合、前記制御部は、前記出力シャフトに対する前記入力シャフトの回転比を上げるよう前記変速装置を制御する請求項1または2に記載のハイブリッド車両用変速システム。
  4. 前記EVモードであり且つ前記入力シャフトの回転数が、前記エンジンを始動するのに最低限必要な回転数であるエンジン始動最低回転数未満で前記ギア段が前記第1の閾値ギア段以下の第2の閾値ギア段未満の場合、前記制御部は、前記モータトルクが大きくなるよう前記モータジェネレータを制御する
    請求項2に記載のハイブリッド車両用変速システム。
  5. 前記EVモードであり且つ前記駆動輪に伝達されるトルクの抜けが許容範囲内である場合、前記制御部は、前記クラッチを継合させる前に、前記モータ軸と前記出力シャフトの連結を切断し、前記モータ軸の回転を制動するように前記モータジェネレータを制御する
    請求項1に記載のハイブリッド車両用変速システム。
  6. 前記EVモードであり且つ前記クラッチの温度が予め決められた閾値温度より高い場合、前記制御部は、前記クラッチを継合させる前に、前記モータ軸と前記出力シャフトの連結を切断し、前記モータ軸の回転を制動するように前記モータジェネレータを制御する
    請求項1に記載のハイブリッド車両用変速システム。
  7. 前記出力シャフトに対する前記入力シャフトの回転比を変更するよう前記変速装置を制御する制御は、前記EVモードであり且つ前記車速が予め決められた第2の閾値車速より高い場合に実行される
    請求項1または3に記載のハイブリッド車両用変速システム。
  8. 前記出力シャフトに対する前記入力シャフトの回転比を変更するよう前記変速装置を制御する制御は、前記EVモードであり且つアクセルペダルの踏込量が予め決められた閾値踏込量より大きい場合に実行される
    請求項1または3に記載のハイブリッド車両用変速システム。
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