以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図12を用いて、本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシン1の構成について説明する。ここで、図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の機能の概略を示すブロック図であり、図3はこのスロットマシン1における制御システムを示すブロック図であり、図4はリールの外周面の図柄配列の一例を示す説明図であり、図5は役と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図6は操作手段の操作とリールの作動のタイミングを示す説明図であり、図7は各遊技状態に対して設定された役抽選テーブルの当選確率を示す説明図であり、図8は役に割り当てられたストップボタンの押し順を示す説明図であり、図9はリールの停止制御に用いられるテーブルを説明するための説明図であり、図10はこのスロットマシン1における遊技状態の遷移を示す説明図であり、図11は押し順不問役に正解押し順を割り当てるためのテーブルを示す説明図であり、図12は主制御手段100の記憶領域の構成及びその領域に記憶される情報を示す説明図である。
このスロットマシン1は、図1に示すように、3個のリール21a〜21cに表示されている図柄のうち、所定の図柄の組み合わせを所定のライン上に揃えることにより、所定の枚数の遊技メダルを獲得する遊技を提供するものであり、図2に示すように、リール21a〜21cにより図柄を表示する図柄表示手段20と、遊技者の操作を受け付ける操作手段30と、遊技の制御を行う主制御手段100と、遊技に対する演出を行う演出手段40と、この演出手段40を制御する副制御手段200と、から構成されている。
(主制御手段100)
主制御手段100は、スロットマシン1における遊技の進行や演出等を含む全体を統括制御する手段であり、役の抽選を行う当選役決定手段110、図柄表示手段20の駆動(回転及び停止)制御を行うリール制御手段120、図柄表示手段20が停止したときの図柄の判定を行う入賞判定手段130、入賞時の遊技メダルの払い出し等を制御する払出制御手段140、出玉率に関する設定値を設定する設定値設定手段150、遊技の進行や状態を制御する状態制御手段160、後述するフリーズ演出を行うフリーズ制御手段170、操作手段30を構成するストップボタン33a〜33cの押し順を判定する操作順序判定手段175、遊技に関する情報を、外部集中端子板80を介して外部機器(例えば、スロットマシン1を管理するホールコンピュータや各々のスロットマシン1の状態を表示する表示装置等)に出力する外部信号送信手段180、主制御手段100から副制御手段200に制御コマンドを送信する制御コマンド送信手段185、及び、第2乱数発生手段190を有して構成されている。この主制御手段100は、図3に示すように、演算等を行うメインCPU101と、役の抽選や演出(フリーズ)の抽選等を行うための乱数値を発生させる乱数発生器102と、メインCPU101が各種制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM103と、遊技の進行等に必要なプログラムを記憶しておくROM104と、副制御手段200と通信を行うI/F回路105と、が主制御基板上に取り付けられて構成されており、これらはバス106で接続されてデータの送受信が可能に構成されている。この主制御手段100において、メインCPU101は、ROM104に記録された遊技用制御プログラムをRAM103に展開して実行し、遊技の制御を行うように構成されている。なお、メインCPU101には、プログラムの実行で用いる数値等を記憶するレジスタを有しており、以下の説明では、このレジスタを用いた処理について説明するが、これらの処理は一例であって、メインCPU101のレジスタとRAM103とは適宜使用することができる。
この主制御手段100の出力側(図2中、右側)には、図柄表示手段20が電気的に接続されている。この図柄表示手段20は、円筒外周面に沿って多種の図柄が描かれた回転可能な3個のリール21(左リール21a、中リール21b、右リール21c)、リール駆動手段22(左リール駆動手段22a、中リール駆動手段22b、右リール駆動手段22c)、及び、リール位置検出手段23(左リール位置検出手段23a、中リール位置検出手段23b、右リール位置検出手段23c)を有して構成されている。そして、3個のリール21a〜21cが、スロットマシン1の前扉3に形成されたリール表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、これらの左リール21a、中リール21b及び右リール21cは、スロットマシン1のリール表示窓11からは、合計9個の図柄(図柄90〜98)が見えるように配置されている。
リール21a〜21cの各々には、例えば、図4に示すように0番から15番までの16個の図柄が表示されており、番号が増加する順で変動表示される。なお、この図4に示す図柄及びその配置は一例である。また、図2に示すように、リール駆動手段22(22a〜22c)は、ステッピングモータ等で構成され、リール21(21a〜21c)の各々の回転中心部に連結され、その作動は主制御手段100のリール制御手段120により制御される。さらに、リール位置検出手段23a〜23cは、有効ライン上に表示されている図柄を判定するときに各々のリール21a〜21cの停止位置を決定するためのものであり、このリール位置検出手段23a〜23cによる検出値は主制御手段100により読み出され入賞判定手段130により処理される。ここで、各々のリール駆動手段22(22a〜22c)の上方には、リールセンサが配置されている。このリールセンサは、リール21(21a〜21c)の基準となる位置を検知するものであり、リール21(21a〜21c)とリール駆動手段22(22a〜22c)とを連結する部分に取り付けられた被検知部材(インデックス)がこのリールセンサの前を通過したときに、リールセンサで被検知部材を検出するように構成されている。これにより、リール21(21a〜21c)が一回転するごとに、それぞれの被検知部材がリールセンサにより検知され、基準となる位置を特定することができ、この基準となる位置に基づいて各々のリール21a〜21cの停止位置を決定することができる。なお、リールセンサとしては、フォトセンサ、磁気センサ、タッチセンサ等を用いることができる。
また、リール表示窓11から見える9つの図柄のそれぞれの後方に、9個のバックランプ44が配置されている。このバックランプ44を点灯することにより、各図柄を強調表示することができる。あるいは、全てのバックランプ44を点灯し、強調したいライン上のバックランプ44の照度を高くし、強調したくないその他のバックランプ44の照度を低くしてもよい。このように、リール21(21a〜21c)は、複数の図柄が表示された複数の表示領域(リール表示窓11から見える合計9つの図柄の領域)を変動表示させる変動表示手段としての機能を有し、また、バックランプ44は、この変動表示手段の表示領域に対する演出を行う表示領域演出手段としての機能を有している。また、後述する入賞役−A1のようにストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている役に対してその押し順を演出として報知するときに、後述する無効ライン上にあるバックランプ44を点滅させたり、ストップボタン33a〜33cの停止操作毎に複数ある無効ライン上のバックランプ44を、1ラインずつ消灯させたりするように構成してもよい。
なお、図4に示すリール21a〜21cに表示されている図柄は一例であり、一般的なスロットマシンに用いられる「ベル」、「スイカ」、「チェリー」や「7」、「バー」等の図柄を用いることも可能である。
また、主制御手段100の入力側(図2中、左側)には、操作手段30が電気的に接続されており、この操作手段30はベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)、スタートレバー32、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)、清算ボタン34、電源スイッチ35、設定変更キースイッチ36、及び、リセット/設定スイッチ37を有している。
スタートレバー32は、図柄表示手段20として設けられたリール21a〜21cを始動させるときに操作するレバーであって、始動手段としての機能を有している。また、ストップボタン33(33a〜33c)は、回転しているリール21a〜21cの各々を停止させるときに遊技者が操作するボタンであって、停止手段としての機能を有している。また、ベットボタン31は、遊技者が貯留メダル(後述する「クレジット」)をスロットマシン1に投入する(ベットする)ときに操作するスイッチであって、その操作によって後述する図柄組み合わせラインが有効化される。なお、図1に示すメダル投入口51は、ベットボタン31と同様に、図柄組み合わせラインを有効化するために遊技メダルを投入する部分であり、このメダル投入口51からの遊技メダルの投入は、ベットボタン31の操作に含まれるものである。なお、1回の単位遊技にベット可能な枚数を超えて遊技メダルが投入された場合には、所定の枚数の範囲内でこのスロットマシン1の内部(遊技媒体貯留手段141)に電子的な情報として貯留される(例えば、RAM103に記憶される)ように構成されている(以下、単に「貯留」と呼ぶ)。また、清算ボタン34は、スロットマシン1の内部に貯留された遊技メダル及びベットされている遊技メダルを払い出すためのボタンである。また、電源スイッチ35は、このスロットマシン1の電源をオン・オフするためのスイッチである。また、設定変更キースイッチ36およびリセット/設定スイッチ37は、後述する設定値設定手段150で設定値を変更するとき等に用いられる。
また、この主制御手段100の入力側には、メダル投入口51から投入された遊技メダルを検出するための2つのセンサ(第1投入センサ61及び第2投入センサ62)、遊技メダルを払い出す装置であるホッパー装置から払い出された遊技メダルを検出する払出センサ71、前扉3の開閉を検出するドアスイッチ91、並びに、設定変更キースイッチ36等が格納されたエリアのドアの開閉を検出する設定ドアスイッチ92が接続されている。第1及び第2投入センサ61,62並びに払出センサ71の検出結果は払出制御手段140で処理され、ドアスイッチ91及び設定変更キースイッチ36は設定値設定手段150で処理される。なお、メダル投入口51からホッパー装置に連通する流路に対し、上流側に第1投入センサ61が配置され、下流側に第2投入センサ62が配置されている。また、この流路を遊技メダルが流下する過程で、第1及び第2投入センサ61,62が同時に遊技メダルを検出するタイミングがあるように配置されている。
また、この主制御手段100の出力側には、メダル投入口51から投入された遊技メダルの流路を決定するセレクタに設けられたブロッカ60、ホッパーモータ70および外部集中端子板80が接続されている。ここで、ブロッカ60は、遊技メダルを受け付けない期間にメダル投入口51から投入されたメダルを返却用の流路に導く機能を有している。また、ホッパーモータ70は、ホッパー装置から遊技メダルを払い出すときに作動する。これらのブロッカ60及びホッパーモータ70の動作は、払出制御手段140により制御される。
(当選役決定手段110)
当選役決定手段110は、図3に示す乱数発生器102(以降の説明では、この乱数発生器102を「第1の乱数発生手段」とも呼ぶ)から第1の乱数値を取得し、この乱数発生器102とは異なる第2の乱数発生手段190(詳細は後述する)から第2の乱数値を取得して、これらの第1の乱数値及び第2の乱数値を演算により処理して第3の乱数値を生成し、この第3の乱数値と、複数の役の各々の当選確率が乱数値の取り得る範囲に対応して定義された役抽選テーブルとにより役に当選したか否かを判定するように構成されている(以下、役抽選テーブルに設定された役毎の当選確率のデータを「確率データ」と呼ぶ)。この当選役決定手段110による当選役の決定方法については後述する。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1の役としては、図5に示すように、特別役(特別役−1、特別役−2)、入賞役(入賞役−01〜59)、及び、再遊技役(再遊技役−1,再遊技役−2)が設けられている。この当選役決定手段110は、何らかの役に当選したときは、後述するフラグ情報記憶手段111に対して当選した役のフラグをオンにする。このように、当選役決定手段110は、当選役を決定し、変動表示手段の表示領域を変動表示させるときに、少なくともその変動表示内容(停止図柄)を決定する役決定手段及び抽選手段としての機能を有している。
ここで、特別役とは、その役に対応する図柄の組み合わせが後述する有効ライン上に停止(入賞)すると、遊技メダルは払い出されないが、特別遊技状態に移行されるという役であり、本実施形態においては、BB(ビックボーナス)が設けられている。このBBは、BBは、特別遊技の1つであるBB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、図5に示す特別役−1又は特別役−2の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される(入賞する)と、特別遊技に移行するように構成されている。ここで、BB遊技は、後述するRB遊技を、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、345枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。具体的には、RB遊技の連続作動において、RBが2回遊技又は2回入賞で終了するという動作を、上記終了条件を満たすまで繰り返すように構成されている。
なお、特別役はこのBBに限定されることはなく、RB(レギュラーボーナス)、MB(ミドルボーナス)、SB(シングルボーナス)、CB(チャレンジボーナス)等を設けることもできる。RBは特別遊技の他の1つであるRB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る条件作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。ここで、RB遊技は、所定入賞役が高確率で当選するボーナスゲームを12回行うか、8回入賞するまで繰り返し行うことができる遊技である。また、MB遊技(いわゆる、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)は、抽選結果に関わらず全ての入賞役が当選した状態となり、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、30枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。なお、このMB遊技においては、後述するリール制御手段120が、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから、1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるよう定められている(例えば、右リール21cが該当する)。また、SBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、所定入賞役が高確率で当選するボーナスゲームを1遊技行うSB遊技が行われるが、このSBは遊技状態を制御するための役として用いられることもある。また、CBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、抽選結果に関わらず全ての入賞役が当選した状態となり、1遊技の結果が得られた場合に終了する。このCB遊技において、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるように定められている。
また、入賞役(本実施形態では入賞役−01〜59)とは、その図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、予め定められた枚数の遊技メダルが払い出される役であり、図5に示すように、入賞役の種類に応じて、その役に対応する図柄の組み合わせ及び払い出される遊技メダルの枚数が異なるように設定されている。また、図柄の組み合わせに対応して払い出される遊技メダルの枚数は、ベットされた遊技メダルの枚数(規定数または賭け枚数)に応じて異なるように設定されるように構成してもよい。具体的には、本実施形態に係るスロットマシン1の特別役をBBに替えてMBとする場合(MB遊技)では、遊技メダルの枚数は、2枚のときにのみ遊技が可能であり、入賞役−01〜12、および入賞役−55〜59に対応して払い出される遊技メダルの枚数は、2枚に設定される。また、入賞役−13〜54に対応して払い出される遊技メダルの枚数も、2枚に設定されるよう構成してもよい。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図柄の組み合わせに対応して払い出される遊技メダルの枚数は、ベットされた遊技メダルの枚数(規定数または賭け枚数)に応じて異なるように設定されておらず、BB遊技では遊技メダルの枚数は、3枚のときにのみ遊技が可能であり、BB遊技以外の遊技では、遊技メダルの枚数は、2枚または3枚での遊技が可能である。また、再遊技役(リプレイ)とは、この再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った遊技で投入したメダル枚数を維持して再度遊技が行えるようにした役である。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図5に示すように再遊技役−1〜2が設定されている。なお、再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止した次の遊技においても、メダル投入口51からの遊技メダルの投入は可能である。
この当選役決定手段110は、抽選結果等を記憶するフラグ情報記憶手段111、及び、当選役決定手段110で特別役に当選したときに、後述する有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止するまで(入賞するまで)当選した状態を保持する特別役持ち越し手段112を有している。
(フラグ情報記憶手段111)
フラグ情報記憶手段111は、当選役決定手段110によって何らかの役に当選したとき(後述するように、役抽選処理S5080において当選した役の条件装置検索番号が条件装置番号バッファに設定されたとき)に、当選した役の種類及びそのフラグをオンにして記憶する。なお、特別役を有するスロットマシンにおいては、フラグ情報記憶手段111に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。すなわち、特別役の場合、フラグ情報記憶手段111に記憶されている情報は、特別役の図柄が有効ライン上に揃ったことを条件として消去され、特別役の図柄が有効ライン上に揃わなければ次遊技以降、当該図柄が有効ライン上に揃うまで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役に対する図柄が有効ライン上に揃うか否かに関わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。このように、フラグ情報記憶手段111は、当選役決定手段110で決定された役を記憶する決定役記憶手段としての機能を有している。
(特別役持ち越し手段112)
特別役持ち越し手段112は、当選役決定手段110により特別役に当選し、フラグ情報記憶手段111に、この特別役に対するフラグが立てられると、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで、その当選役を持ち越し(フラグが立てられた状態を維持し)、特別役の図柄が有効ライン上に揃うと特別役の持ち越しを終了する(フラグが下げられる)。なお、特別役のうちSB及びCBと、その他の役は、当選した遊技で図柄を揃えることができないと、フラグは下げられる(次遊技に持ち越すことはできない)。また、特別役を持ち越し中(後述する内部中遊技状態RT1にあるとき)に、当選役決定手段110による役抽選の結果、入賞役が当選したときは、特別役と入賞役のフラグが立っている状態であり、停止態様によって当選フラグのうちのいずれかを有効ライン上に停止させることができる。
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、操作手段30のスタートレバー32及びストップボタン33が操作されたタイミングに応じて、リール21a〜21cの回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、図6(a)に示すように、リール制御手段120は、時刻t0においてスタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cを回転させ、その後、時刻t1〜t3においてストップボタン33a〜33cが操作される毎に、後述する状態制御手段160の遊技状態制御手段161で管理されている遊技状態(例えば、非内部中遊技状態、内部中遊技状態、特別遊技状態等)、当選役決定手段110による抽選の結果、並びに、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)が操作されたタイミングに基づいて、当該操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cの停止位置を決定すると共に、リール駆動手段(ステッピングモータ)22a〜22cの駆動を制御して、その決定した位置でリール21a〜21cの各々を停止させる。このように、リール制御手段120は、複数の図柄が表示された表示領域を変動表示させる変動表示手段としてのリール21a〜21cを、停止手段であるストップボタン33a〜33cの操作に応じて停止させる変動表示制御手段の機能を有している。
ここで、スロットマシン1のリール表示窓11に表示されているリール21a〜21cには、図柄組み合わせラインが設けられている。この「図柄組み合わせライン」とは、リール21a〜21cの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組み合わせを形成させるラインである。例えば、本実施形態では、図1に示すように、リール表示窓11に表示される3×3の9個の図柄停止位置90〜98に対して、それぞれのリール21a〜21cから1個ずつの図柄停止位置を選択してそれらを結ぶラインとして構成される。
さらに、これらの図柄組み合わせラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止したときに、入賞と判定されその役に応じた利益が遊技者に付与されるラインである。一方、「無効ライン」とは、図柄組み合わせラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(遊技メダルの払い出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組み合わせの成立対象となっていないラインである。これらの有効ライン及び無効ラインは、遊技者によって投入された遊技メダルの枚数に応じて設定されるように構成することもできるし、予め決めておくこともできる。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、図1に示すように、左リール21a〜右リール21cの中段の図柄停止位置91,94及び97を結ぶラインLが有効ラインとして設定されている。なお、この図柄組み合わせラインの構成は一例であって、本発明がこの構成に限定されることはない。
上述したリール駆動手段22a〜22cの各々を構成するステッピングモータは、特に図示していないが、主制御手段100から供給される駆動パルスにより励磁する4相のコイルを有している。そして、4相のコイルのうち、同時に2つが励磁した状態となる2相励磁と、4相のコイルのうちの1つが励磁した状態となる1相励磁とが交互に繰り返される1〜2相励磁により、ローターが回転するように構成されている。また、このステッピングモータにはリール21a〜21cの制御用に所定のステップ数が定められており、リール21a〜21cの各図柄に対してステップ数を割り当てることで、1図柄単位での停止を制御するように構成されている。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1が有するステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)におけるステップ数の割り当てについて説明する。このステッピングモータは、全ステップ数として例えば336ステップ(=21×16)が設定され、かつ、回転速度が80rpmとなっている。また、このスロットマシン1では、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から所定の時間Ts(例えば、190ms)以内に、かつ、当該時点から最大4個の図柄の範囲内で、リール21a〜21cの回転を停止させるように構成されている。
例えば、リール21a〜21cとして、周囲に16個の図柄が配置されたリールを使用する場合には、各図柄に対して、均等に21ステップを割り当てることができる。そして、上述したように、ステッピングモータの回転速度は80rpmであることから、1ステップ当たりの制御時間は2.23msとなる。すると、ストップボタン33a〜33cの各々が操作された時点から最大で4図柄先で停止させるとすると、4図柄分のステップ数は84ステップ(=21×4)であるため、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するリール21a〜21cが停止するまでの時間は、187.32ms(=2.23×84)となる。なお、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングによっては、1ステップ分、遅れて停止の処理が行われる可能性があるが、これを考慮しても、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するリール21a〜21cが停止するまでの時間は、最大で189.55ms(=187.32+2.23)となり、190ms以内に収めることができる。
また、上述したように、当選役決定手段110で決定される役に特別役が含まれるスロットマシン1のリール制御手段120は、特別役に当選し、特別役持ち越し手段112によりその特別役が持ち越されている遊技において、入賞役や再遊技役に当選しているときは、これらの役を優先して有効ライン上に停止させるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成することができる。具体的には、再遊技役が当選しているときは他の当選役に優先して必ずこの再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。また、入賞役については、特別役に優先して図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するように構成することができる。なお、このようなリール21a〜21cを停止させる際の制御は、後述するようにリール制御用の停止テーブルを用いて行われる。
また、リール制御手段120は、前の遊技と次の遊技との間隔が所定の時間(最小遊技時間)T0以上になるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。すなわち、図6(a)に示すように、時刻t0においてスタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始したときから最小遊技時間T0が経過した後に次の遊技が開始されたとき(時刻t0から時間T0が経過した時刻t4よりも後の時刻t5において再びスタートレバー32が操作されたとき)は、そのスタートレバー32の操作に応じてリール21a〜21cの回転を開始させる(時刻t5にリール21a〜21cの回転を開始させる)。しかし、図6(b)に示すように、最小遊技時間T0が経過する時刻t4より前の時刻t5′においてスタートレバー32が操作されたときは、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作された時点(時刻t5′)ではリール21a〜21cの回転は開始させず、最小遊技時間T0が経過した時点(時刻t4)においてリール21a〜21cの回転を開始させる。なお、この最小遊技時間T0としては、例えば、4.1秒が設定される。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1において、入賞役は、上述したように入賞役−01〜59の59個の役から構成されている。この入賞役−01〜59は、図5に示すようにそれぞれの図柄の組み合わせが異なるように構成されている。また、これらの役に対して複数の図柄の組み合わせが対応付けられている場合がある(例えば、入賞役−13〜54)。なお、これらの入賞役−01〜59に対しては、図7に示すように、これらの入賞役−01〜59を組み合わせた(重複当選されるように構成された)32個の当選役が割り当てられている(入賞役−A1〜入賞役−P3、特殊役−A及び特殊役−B)。この図7において、当選役の括弧内は、各々の当選役に割り当てられた入賞役を示し、例えば、当選役として入賞役−A1が決定されたときは、入賞役−01、入賞役−09、入賞役−15、入賞役−39、入賞役−49及び入賞役−52が重複して当選することを示している。特殊役−A、Bも同様である。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、入賞役−Mや入賞役−N1、N2のように、いずれかの入賞役が単独当選する当選役を含むように構成されている。
そして、図8に示すように、これらの当選役のうち、入賞役−A1〜入賞役−F2に対して、ストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている。また、入賞役−G1〜入賞役−L2に対してもストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている。以下、これらの入賞役のうち、入賞役−A1〜入賞役−F2を「8枚押し順ベル」と呼び、入賞役−G1〜入賞役−L2を「3枚押し順ベル」と呼び、全体をまとめて「押し順ベル」と呼ぶ。また、「8枚押し順ベル」において、8枚の払出がある入賞役−01〜入賞役−06の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させることができる押し順を「8枚正解押し順」と呼び、入賞役−A1〜入賞役−L2において、3枚の払出がある入賞役−07〜入賞役−12の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させることができる押し順を「3枚正解押し順」と呼び、これらの押し順をまとめて「正解押し順」と呼ぶ。この図8において、たとえば、「中左右」は、第1停止として中ストップボタン33bが操作され、第2停止として左ストップボタン33aが操作され、第3停止として右ストップボタン33cが操作される場合を示している。なお、1回の単位遊技において、全てのリール21a〜21cが回転している状態で、最初にストップボタン33a〜33cのうちのいずれかを操作することを「第1停止」と呼び、次に操作することを(1つのリールが停止し、2つのリールが回転している状態で、回転している2つのリールのいずれか一方を停止させる操作を)「第2停止」と呼び、最後の操作(2つのリールが停止して、1つのリールが回転しているときに、この回転しているリールを停止させる操作)を「第3停止」と呼ぶ。
上述したように、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの各々が操作されると、対応するリール21a〜21cを、その操作がされたときに、リール表示窓11の中段に相当する位置にある図柄を含めて4図柄以内に停止するように構成されている。図4に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、左リール21a〜右リール21cの何れにおいても、「紫」の図柄は、互いの間隔が4図柄以内になるように配置されている。また、これらのリール21a〜21cにおける「青」の図柄、及び、「桃」の図柄も同様に、互いの間隔が4図柄以内になるように配置されている。そのため、これらのリール21a〜21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、ストップボタン33a〜33cの操作がされると、リール制御手段120は、有効ライン上に、左リール21aから順に、「紫」−「青」−「桃」の図柄を引き込んで停止表示させることができる。そのため、上述した入賞役−A1〜入賞役−A2(8枚押し順ベル)が当選し、8枚正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、ストップボタン33a〜33cがどのタイミングで操作されたとしても、リール制御手段120は、上述した図柄で構成される入賞役−01の図柄の組み合わせ(「紫」−「青」−「桃」)を有効ライン上に停止表示させる制御を行うように構成されている。入賞役B1〜入賞役−F2についても同様である。
以下に、押し順ベルが当選したときのリール制御手段120による停止制御の例として、8枚押し順ベルである入賞役−A1が当選役である場合について、図8(c)を用いてストップボタン33a〜33cの押し順毎に説明する。なお、図8(c)は、図5、図7、図8から入賞役−A1で当選する入賞役の図柄の組み合わせ、払い出し枚数及び押し順を抽出した図である。この図8(c)に示すように入賞役−A1に対しては、入賞役−01、入賞役−09、入賞役−15、入賞役−39、入賞役−49及び入賞役−52が重複当選し、その8枚正解押し順(入賞役−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順)は「左中右」であり、3枚正解押し順(入賞役−09の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順)は「中左右」である。
(左中右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
当選役として入賞役−A1が決定されたときに、左中右の順でストップボタン33a〜33cが操作される、すなわち、第1停止として左ストップボタン33aが操作され、第2停止として中ストップボタン33bが操作され、第3停止とし右ストップボタン33cが操作されると、各々のストップボタン33a〜33cの操作において、リール制御手段120は「枚数優先停止制御」に従って、有効ライン上に入賞役−01(「紫」−「青」−「桃」)の図柄の組み合わせを停止表示させ8枚の払い出しを行う(図8(a)の「◎」)。ここで、「枚数優先停止制御」とは、重複当選している複数の入賞役のうち、最も払い出し枚数が多い役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するようにリール21a〜21cを停止制御することを指す。本実施形態において、入賞役−A1で重複当選する入賞役のうち、払い出される遊技メダルの枚数が最も多いのは、図5に示すように、8枚の遊技メダルが払い出される入賞役−01である。
(左右中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
左中右で操作した場合の停止制御で説明したように、第1停止である左ストップボタン33aの操作時に、リール制御手段120は「枚数優先停止制御」に従って、左リール21aの中段(有効ライン上)に入賞役−01を構成する「紫」の図柄を停止表示させる。
次に、第2停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの中段(有効ライン上)に停止表示させる図柄を決定する。ここで、「個数優先停止制御」とは、1つのリール(21a〜21cの各々)の停止受付時に、停止可能な範囲内でその図柄を有効ライン上に停止表示させたときに入賞可能性を有する役の数が最も多くなるように、リール21a〜21cを停止制御することを指す(一つの役に複数の図柄の組み合わせが割り当てられているときは、図柄の組み合わせ毎に1個の役と考える)。本実施形態のスロットマシン1において、入賞役−A1を構成する入賞役−01、入賞役−09、入賞役−15、入賞役−39、入賞役−49及び入賞役−52に割り当てられた図柄の組み合わせのうち、左リール21aに「紫」の図柄を含む図柄の組み合わせ(役)が割り当てられているものは、入賞役−01及び入賞役−15である。ここで、右リール21cの中段に「桃」の図柄を停止表示させると入賞役−01を構成する1つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができないが、「青」の図柄を停止表示させると入賞役−15を構成する2つの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。また、図4に示すように、右リール21cにおいて、どのタイミングで右ストップボタン33cが操作された場合であっても、中段に「青」の図柄を引き込んで停止させることができる。以上より、リール制御手段120は、第2停止に対して右リール21cの中段に「青」の図柄を停止表示させる。
そして、第3停止である中ストップボタン33bが操作される時点で、上述のように、左リール21aの中段に「紫」の図柄が停止表示され、右リール21cの中段に「青」の図柄が停止表示されているため、中リール21aの中段に「灰」又は「緑」の図柄を停止表示させることで入賞役−15の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うことになる。そのため、リール制御手段120は、中ストップボタン33bが操作されたときに、中リール21bの中段に「灰」又は「緑」の図柄を引き込むことができるときはこの図柄を停止表示させて1枚の払い出しを行い、引き込むことができないときは、こぼし目となる図柄を停止させる(図8(a)の「△or×」)。ここで、こぼし目は、図5に示す図柄の組み合わせのいずれとも異なる図柄の組み合わせである。
このように、左右中でストップボタン33a〜33cが操作されたときに、図4から明らかなように、中リール21bにおいて、「灰」の図柄(1番の図柄)は13番〜15番及び0番の図柄(4つの図柄)のいずれかが有効ライン上にあるときに中ストップボタン33bが操作されると引き込むことができ、「緑」の図柄(5番の柄)は1番〜4番の図柄(4つの図柄)のいずれかが有効ライン上にあるときに中ストップボタン33bが操作されると引き込むことができる。すなわち、中リール21bの16個の図柄のうち、8つの図柄が有効ライン上にあるときに中ストップボタン33bが操作されると「灰」または「緑」の図柄を中リール21bの中段に引き込んで入賞役−15の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させることができる。そのため、左右中の順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、1/2の確率で入賞役−15の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させて1枚の払い出しが行われ、1/2の確率でこぼし目となる。
(中左右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
第1停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、中リール21bの中段(有効ライン上)に停止表示させる図柄を決定する。本実施形態に係るスロットマシン1の場合、中リール21bの中段に「紫」を停止表示させると、入賞役−09及び入賞役−39を構成する3つの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることが可能になり、他の図柄では、1つ又は2つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができない。ここで、中リール21bにおいては、中ストップボタン33bがどのタイミングで操作されたとしても「紫」の図柄を有効ライン上に停止表示させることができる。したがって、リール制御手段120は、第1停止である中ストップボタン33bの操作に対して中リール21bの中段に「紫」の図柄を停止表示させる。
次に、第2停止である左ストップボタン33aの操作時点で、中リール21bの中段に「紫」の図柄が停止しているため、リール制御手段120は、「枚数優先停止制御」に従って、左リール21aの中段に「青」の図柄を停止表示させる。上述したように、入賞役−09は3枚の遊技メダルが払い出され、入賞役−39は1枚の遊技メダルが払い出されるからである。この左リール21aにおいては、左ストップボタン33aがどのタイミングで操作されたとしても「青」の図柄を有効ライン上に停止表示させることができる。
そして、第3停止である右ストップボタン33cが操作される時点で、上述のように、左リール21aの中段に「青」の図柄が停止表示され、中リール21bの中段に「紫」の図柄が停止表示されているため、右リール21cの中段に「青」の図柄を停止表示させる。この右リール21cにおいては、右ストップボタン33cがどのタイミングで操作されたとしても「青」の図柄を有効ライン上に停止表示させることができる。
このように、中左右でストップボタン33a〜33cが操作された場合は、必ず入賞役−09の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止し、3枚の払い出しが行われる(図8(a)の「○」)。
(中右左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
中左右で操作されたときの停止制御で説明したように、第1停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、中リール21bの中段(有効ライン上)に入賞役−09又は入賞役−39を構成する「紫」の図柄を停止表示させる。
次に、第2停止である右ストップボタン33cの操作時点で、中リール21bの中段に「紫」の図柄が停止表示されているため、リール制御手段120は、「個数優先停止制御」に従って、「桃」の図柄を右リール21cの中段に停止表示させる。中リール21bの中段に「紫」の図柄を有する図柄の組み合わせのうち、右リール21cの中段に「青」の図柄を停止させると入賞役−09の1つの図柄の組み合わせしか揃えることができないが、「桃」の図柄を停止させると入賞役−39の2つの図柄の組み合わせを揃えることができるからである。
そして、第3停止である左ストップボタン33aが操作される時点で、上述のように、中リール21bの中段に「紫」の図柄が停止表示され、右リール21cの中段に「桃」の図柄が停止表示されているため、リール制御手段120は、左リール21aの中段に「灰」又は「緑」の図柄を引き込むことができるときはこの図柄を停止表示させて1枚の払い出しを行い、引き込むことができないときは、こぼし目となる図柄を停止表示させる(図8(a)の「△or×」)。
このように、中右左でストップボタン33a〜33cが操作されたときに、図4から明らかなように、左リール21aにおいて、「灰」の図柄(1番の図柄)は13番〜15番及び0番の図柄(4つの図柄)のいずれかが有効ライン上にあるときに中ストップボタン33bが操作されると引き込むことができ、「緑」の図柄(5番の柄)は1番〜4番の図柄(4つの図柄)のいずれかが有効ライン上にあるときに中ストップボタン33bが操作されると引き込むことができる。すなわち、左リール21aの16個の図柄のうち、8つの図柄が有効ライン上にあるときに左ストップボタン33aが操作されると「灰」または「緑」の図柄を左リール21aの中段に引き込んで入賞役−39の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させることができる。そのため、中右左の順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、1/2の確率で入賞役−39の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させて1枚の払い出しを行い、1/2の確率でこぼし目となる。
(右左中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
右左中の順でストップボタン33a〜33cが操作されると、第1停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って右リール21cの中段に停止表示させる図柄を決定する。本実施形態に係るスロットマシン1の場合、右リール21cの中段に「紫」の図柄を停止表示させると、入賞役−49及び入賞役−52を構成する4つの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることが可能になり、他の図柄(「青」又は「桃」)では、3つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができない。ここで、右リール21cにおいては、右ストップボタン33cがどのタイミングで操作されたとしても「紫」の図柄を有効ライン上に停止表示させることができる。したがって、リール制御手段120は、第1停止である右ストップボタン33cの操作に対して右リール21cの中段に「紫」の図柄を停止表示させる。
次に、第2停止である左ストップボタン33aの操作時点では、右リール21cの中段に「紫」の図柄が停止しているため、左リール21aの中段に「黄」又は「赤」の図柄を停止させると、入賞役−49又は入賞役−52の図柄の組み合わせを揃えることができる。そのため、リール制御手段120は、左ストップボタン33aが操作されたときに、「黄」又は「赤」の図柄を左リール21aの中段に引き込むことができるときはこの図柄を停止表示させ、引き込むことができないときは、ハズレ目となる図柄を停止表示させる。
そして、第3停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は、左リール21a及び右リール21cの中段に、入賞役−49の図柄の組み合わせを構成する図柄が停止しているとき(具体的には、左リール21aの中段に「黄」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「紫」の図柄が停止しているとき)で、中リール21bの中段に「灰」又は「緑」の図柄を引き込むことができるときは、この図柄を停止表示させて1枚の払い出しを行い、引き込むことができないときは、こぼし目を構成する図柄を停止表示させる。また、左リール21a及び右リール21cの中段に、入賞役−52の図柄の組み合わせを構成する図柄が停止しているとき(具体的には、左リール21aの中段に「赤」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「紫」の図柄が停止しているとき)で、中リール21bの中段に「黄」又は「赤」の図柄を引き込むことができるときは、この図柄を停止表示させて1枚の払出を行い、引き込むことができないときは、こぼし目を構成する図柄を停止表示させる。また、左リール21aの中段にこぼし目を構成する図柄が停止しているときは、中リール21bの中段にもこぼし目を構成する図柄を停止表示させる(図8(a)の「△or×」)。
図4から明らかなように、第2停止で左リール21aの中段に「黄」又は「赤」の図柄を停止させることができる確率は1/2であり、また、第3停止で中リール21bに「灰」、「緑」のいずれか、又は「黄」、「赤」のいずれかを停止させることができる確率も1/2であるため、右左中の順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、1/4の確率で入賞役−49又は入賞役−52の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させて1枚の払い出しを行い、3/4の確率でこぼし目となる。
(右中左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
右左中で操作されたときの停止制御で説明したように、第1停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの中段に入賞役−49又は入賞役−52の図柄の組み合わせを構成する「紫」の図柄を中段(有効ライン上)に停止表示させる。
次に、第2停止である中ストップボタン33bの操作時に、入賞役−49又は入賞役−52の図柄の組み合わせを構成する「灰」、「緑」、「黄」、「赤」の図柄のいずれかを中リール21bの中段に引き込んで停止させる。図4から明らかなように、中ストップボタン33bの操作タイミングに関わらず、「灰」、「緑」、「黄」、「赤」の図柄のいずれかを有効ライン上に引き込んで停止表示させることができる。
そして、第3停止である左ストップボタン33aの操作時に、リール制御手段120は、中リール21bの中段に「灰」又は「緑」の図柄が停止しているときで、左リール21aの中段に「黄」の図柄を引き込むことができるときはこの図柄を停止表示させて1枚の払い出しを行い、引き込むことができないときはこぼし目の図柄を停止表示させる。また、中リール21bの中段に「黄」又は「赤」の図柄が停止しているときで、左リール21aの中段に「赤」の図柄を引き込むことができるときはこの図柄を停止表示させて1枚の払い出しを行い、引き込むことができないときはこぼし目の図柄を停止表示させる(図8(a)の「△or×」)。
図4から明らかなように、左リール21aに「黄」の図柄を停止表示させることができる確率は1/4であり、「赤」の図柄も1/4である。したがって、右中左の順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、1/4の確率で入賞役−49又は入賞役−52の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させて1枚の払い出しを行い、3/4の確率でこぼし目となる。
ここで、図8(c)から明らかないように、本実施形態に係るスロットマシン1では、入賞役−A1として重複当選する入賞役の中に、8枚の遊技メダルが払い出される入賞役(入賞役−01であって、これを「8枚ベル」と呼ぶ)と、3枚の遊技メダルが払い出される入賞役(入賞役−09であって、これを「3枚ベル」と呼ぶ)と、1枚の遊技メダルが払い出される複数の入賞役(入賞役−15、入賞役−39、入賞役−49及び入賞役−52であって、これらを「1枚ベル」と呼ぶ)が含まれている。また、8枚ベルを揃えるための正解押し順(8枚正解押し順)の第1停止は左ストップボタン33aであり、また、3枚ベルを揃えるための正解押し順(3枚正解押し順)の第1停止は中ストップボタン33bであるため、第1停止で操作するストップボタン(停止対象のリール)は異なるように構成されている。さらに、8枚ベル及び3枚ベルの各々の図柄の組み合わせのうち、第1停止の図柄は、当該第1停止のリールにおいて1枚ベルの図柄組み合わせの少なくとも2つと共通している。例えば、8枚ベルである入賞役−01の第1停止である左リール21aは「紫」の図柄であり、また、1枚ベルである入賞役−15の2つの図柄の組み合わせの左リール21aは「紫」の図柄である。また、3枚ベルである入賞役−09の第1停止である中リール21bは「紫」の図柄であり、また、1枚ベルである入賞役−39の2つの図柄の組み合わせの中リール21bは「紫」の図柄である。
このように構成することにより、入賞役−A1の当選に対して、ストップボタン33a〜33cが「左中右」の順序(第一操作順序)で操作されると、8枚ベルの図柄の組み合わせが揃い、「中左右」の順序(第二操作順序)で操作されると、3枚ベルの図柄の組み合わせが揃う。また、第1停止が8枚ベル又は3枚ベルの正解押し順で、第2及び第3停止が正解押し順とは異なる押し順で操作される(「左右中」又は「中右左」で操作される)と、1/2の確率で1枚ベルの図柄の組み合わせが揃い、1/2の確率でこぼし目となる。また、これ以外の押し順(第1停止が右ストップボタン33cの押し順)では、1/4の確率で1枚ベルの図柄の組み合わせが揃い、3/4の確率でこぼし目となる。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、入賞役−A1に当選したときに、演出として8枚正解押し順(第一操作順序)を報知すると、8枚の払い出しが行われ、3枚正解押し順(第二操作順序)を報知すると、3枚の払い出しが行われ、報知を行わないと、1枚の払い出しが行われるか、払い出しが行われないようにすることができる。上述したように、本実施形態においては遊技の開始時に3枚の遊技メダルをベットするように構成されているため、8枚正解押し順を報知することにより、遊技者の遊技メダルを増やすことができ、3枚正解押し順を報知することにより遊技者の遊技メダルの増減を無くし、報知しないことにより遊技者の遊技メダルを減らすことができる。なお、以上の説明では、8枚押し順ベル(例えば入賞役−A1)に対して、8枚、3枚、1枚の遊技メダルを獲得できる入賞役を割り当てた場合について説明したが、この枚数に限定されることはない。例えば、3枚ベルの代わりに4枚ベルとすることにより、4枚ベルの押し順を報知することで、8枚ベルに比べて遊技毎に増える遊技メダルの枚数を少なくすることができる。同様に、3枚ベルの代わりに2枚ベルとすることにより、2枚ベルの押し順を報知することで、1枚ベルに比べて遊技毎に減る遊技メダルの枚数を少なくすることができる。
また、入賞役−G1〜入賞役−L2についても、図8(b)に示すように、それぞれの当選役に割り当てられた3枚正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されると、3枚の遊技メダルが払い出され、それ以外の押し順で操作されると、1枚又はハズレとなる。なお、入賞役−A1〜入賞役−L2は、図7に示すように、後述する非内部中遊技状態RT0及び内部中遊技状態RT1−1,RT1−2のときだけ当選可能な役である。
また、入賞役−Mは、ストップボタン33a〜33cがどの順でどのタイミングで操作されても、必ず入賞役−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されて8枚の払い出しが行われる。また、入賞役−N1及び入賞役−N2は、ストップボタン33a〜33cがどの順でどのタイミングで操作されても、必ず入賞役−09又は入賞役−10の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されて3枚の払い出しが行われる。なお、これらの入賞役−M、入賞役−N1及び入賞役−N2は、図7に示すように、後述する非内部中遊技状態RT0及び内部中遊技状態RT1−1,RT1−2であって、且つ、規定数が3のときだけ当選可能な役である。
また、入賞役−P1及び入賞役−P3は、ストップボタン33a〜33cがどの順でどのタイミングで操作されても、必ず入賞役−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されて8枚の払い出しが行われる。また、入賞役−P2は、ストップボタン33a〜33cがどの順でどのタイミングで操作されても、必ず入賞役−09の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されて3枚の払い出しが行われる。なお、入賞役−P1〜入賞役−P3は、図7に示すように、後述する特別遊技状態RT2−1,RT2−2のときだけ当選可能な役である。
また、特殊役−Aは、入賞役−55、入賞役−56、入賞役−57及び入賞役−58が重複当選し、特殊役−Bは、入賞役−55、入賞役−56、入賞役−57及び入賞役−59が重複当選する。図5から明らかなように、入賞役−55は「緑−緑−緑]で構成され、入賞役−56は「黄−黄−黄」で構成され、入賞役−57は「赤−赤−赤」で構成されており、これらの「緑」、「黄」、「赤」の図柄は各リールに1ずつ設けられている。そのため、これらの特殊役−A又は特殊役−Bが当選したときは、遊技者が各リールで同じ色を狙ってストップボタン33a〜33cを操作しないと揃えることができない。例えば、特出役−A又は特殊役−Bに当選したときに、演出として「緑を狙え」等を報知することで揃えることができる可能性が高くなる。なお、特殊役−A及び特殊役−Bは、図7に示すように、後述する非内部中遊技状態RT0及び内部中遊技状態RT1−1,RT1−2のときだけ当選可能な役である。
また、当選役である再遊技役(リプレイ)は、図5及び図7に示すように、再遊技役−1及び再遊技役−2で構成されている。そして、図4に示すリールの図柄配置と図5に示すこれらの再遊技役−1及び再遊技役−2の図柄の組み合わせから、ストップボタン33a〜33cがどの順でどのタイミングで操作されても、必ず再遊技役−1又は再遊技役−2の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されて、再遊技が行われる。なお、再遊技役−1及び再遊技役−2は、図7にしめすように、後述する非内部中遊技状態RT0及び内部中遊技状態RT1−1,RT1−2のときだけ当選可能な役である。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、入賞役−M、入賞役−N1、入賞役−N2、再遊技役−1及び再遊技役−2の図柄の組み合わせは、ストップボタン33a〜33cの操作順序およびタイミングに拘わらず必ず有効ライン上に停止表示可能である。したがって、以降の説明ではこれらの役を「押し順不問役」と呼ぶ。
また、このようなスロットマシン1においては、特別役(特別役−1又は特別役−2)が当選するときに、入賞役−01や再遊技役−01又は再遊技役−02が重複して当選するように構成してもよい。例えば、特別役と入賞役−01又は再遊技役−01、再遊技役−02が重複当選する構成の場合は、特別役が当選した遊技では、入賞役−01又は再遊技役−01、再遊技役−02の図柄の組み合わせが有効ライン上に優先して揃うため、当該遊技で特別役の図柄の組み合わせが揃うことはない。これに限らず、特別役は単独当選をしてもよく、非内部中遊技状態から内部中遊技状態へ移行したときは、特別役が入賞する(特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する)のを困難にするために、再遊技役の当選領域を多くすることもできる(例えば、本実施形態に係るスロットマシン1のように、非内部中遊技状態のときははずれの頻度を高くし、内部中遊技状態のときは、はずれの領域を再遊技役の領域にすることで、特別役の入賞を困難にすることができる。特に、内部中遊技状態RT1−2であって、且つ、規定数が3のときは、特別役の入賞が著しく困難となっている)。
また、本実施形態に係るスロットマシン1は、図7に示すように、3枚の遊技メダルをベットした遊技(規定数が3の遊技)で当選することができる特別役−1と、2枚の遊技メダルをベットした遊技(規定数が2の遊技)で当選することができる特別役−2と、を有している。なお、規定数が3の遊技で当選した特別役−1は、規定数が2の遊技では無効となり、また、規定数が2の遊技で当選した特別役−2は、規定数が3の遊技では無効になるように構成されている。これらの特別役を無効とする方法は、規定数が異なる遊技では、当選してもいてもリール制御手段120により停止図柄を決定する対象とならないようにして(引き込み対象とならないようにして)、当該特別役の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させない方法や、引き込み対象として有効ライン上に当該特別役の図柄の組み合わせが停止表示させることができるが、停止表示されたとしても特別遊技に移行しない(ハズレと同じ扱いをする)方法が用いられる。また、このような本実施形態に係るスロットマシン1において、特別役−1又は特別役−2に当選して内部中遊技状態RT1−1又はRT1−2に移行すると、この内部中遊技状態RT1−1,RT1−2では、新たな特別役の抽選を行わないように構成されている。具体的には、特別役−1に当選して内部中遊技状態RT1−1となった場合に、規定数が2で遊技をした場合は、上述したように内部中の特別役−1は無効となり、併せて、役抽選としても特別役−2が当選役として決定されることはない。
ここで、リール制御手段120によるリール21a〜21cの停止制御の方法について説明する。このリール制御手段120は、上述したリール21a〜21cの制御を行うために、図2に示すように、回転開始制御手段121、停止テーブル記憶手段122、停止位置データ作成手段123、回転位置検出手段124及び回転停止制御手段125を有している。
(回転開始制御手段121)
回転開始制御手段121は、リール21a〜21cの回転の開始に関する制御を行うためのものであり、具体的には、スタートレバー32の操作に基づいて出力されるスタート信号が入力されることで、各々のリール21a〜21cに設けられているステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)に回転開始信号を出力し、これらのステッピングモータを起動させることにより、全てのリール21a〜21cの回転を開始させるように構成されている。また、回転開始制御手段121は、スタートレバー32が操作されると、予め定められた所定の加速度で全てのリール21a〜21cを回転させ、全てのリール21a〜21cの回転速度が所定の速度に達すると、この所定の速度で定速回転を行わせるように構成されている。
(停止テーブル記憶手段122)
停止テーブル記憶手段122は、リール21a〜21cを停止させるための情報である停止順序選択テーブル及び停止テーブルを記憶している。停止テーブルは、図9(b)に示すように、リール21a〜21cの各々において、ストップボタン33a〜33cが操作されたときにリール表示窓11の中段に相当する位置にある図柄の番号(0〜15番)に対して、どの図柄を下段に相当する位置に停止させるかについて規定されているテーブルであり、それぞれにテーブル番号が割り当てられている。例えば、図9(b)に示す停止テーブルは、押し順ベルの1つである入賞役−A1を停止させるために用いられるテーブルを示している。
具体的に、この図9(b)において、1番のテーブルは、左リール21a、中リール21b及び右リール21cの中段に「紫」の図柄を停止させるために用いられる。また、2番のテーブルは、左リール21a、中リール21b及び右リール21cの中段に「青」の図柄を停止させるために用いられる。また、3番のテーブルは、右リール21cの中段に「桃」の図柄を停止させるために用いられる。また、4番のテーブルは、左リール21a及び中リール21bの中段に「灰」又は「緑」の図柄を停止させるために用いられる。また、5番のテーブルは、左リール21a及び中リール21bの中段に「黄」又は「赤」の図柄を停止させるために用いられる。また、6番のテーブルは、中リール21bの中段に「灰」、「緑」、「黄」、「赤」の図柄を停止させるために用いられる。また、7番のテーブルは、左リール21aの中段に「緑」の図柄を停止させるために用いられる。そして、8番のテーブルは、左リール21aの中段に「灰」の図柄を停止させるために用いられる。なお、図9(b)においては、2つの図柄番号を選択可能なときは、いずれか一方の図柄番号を予め設定するように構成してもよい。あるいは、両方を設定して、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに応じて、所定のアルゴリズムに従って停止する図柄番号を選択するように構成してもよい。なお、この図9(b)は入賞役−A1の場合を例示しているだけであり、その他の当選役に対しても定義されている。また、4番のテーブルは、左リール21a及び中リール21bの中段に「灰」又は「緑」の図柄を停止表示することができないときは「桃」の図柄を中段に停止表示させるように構成されている。同様に、5番のテーブルは、左リール21aの中段に「黄」又は「赤」の図柄を停止表示することができないときは「桃」の図柄を中段に停止表示させるように構成されている。さらに、7番及び8番のテーブルは、左リール21aの中段に「緑」又は「灰」の図柄を停止表示することができないときは「紫」の図柄を中段に停止表示させるように構成されている。
そして、上述の入賞役−A1を例にして説明したリール制御手段120の具体的な停止制御に示すように、当選役とストップボタン33a〜33cの押し順(打順)により、どの停止テーブルを使用するかを決定することができる。本実施形態に係るスロットマシン1は、この当選役と打順の関係を、図9(a)に示す停止順序選択テーブルに記憶している。ここで、当選役決定手段110で当選した役(条件装置番号)に対して、図柄制御番号を割り当て、停止順序選択テーブルは、この図柄制御番号をキーにして打順とテーブルの関係を定義している。なお、この図9(a)において、「/」は、それまでに有効ライン上に停止している図柄により選択されるテーブルが変化する場合を表している。また、この図9(a)は入賞役−A1の場合を例示しているだけであり、その他の当選役に対しても定義されている。
また、図9(a),(b)に示す停止順序選択テーブル及び停止テーブルにおいて、一部のテーブルは2以上のリールで共用してもよい。本実施形態に係るスロットマシン1では、図4に示すように、3つのリール21a〜21cで図柄の配置が共通しているため、「紫」の図柄を停止表示させる1番のテーブルや、「青」の図柄を停止表示させる2番のテーブル等は、複数の押し順で共用するように構成されている。このように構成することにより、停止テーブルのための記憶容量を少なくし、ROM104等を有効利用することができる。もちろん、押し順毎に同じテーブルを複数設けてもよい。
なお、図9(b)に示す停止テーブルは、受付操作がされたときの中段に位置する図柄番号と、その図柄番号に対して何番の図柄番号の図柄を下段に停止させるかの対応が定義されているが、本発明はこの構成に限定されることはない。例えば、受付操作がされた図柄番号に対して、何コマ滑らせて停止するかを定義するテーブル構成とすることもできる。例えば、図9(b)に示すテーブル番号が1番の停止テーブルは左リール21a、中リール21b及び右リール21cの中段に「紫」の図柄を停止させるものである。ここで、左リール21aにおいて、10番の「桃」の図柄が中段にあるときに左ストップボタン33aが操作されると11番の「青」の図柄を下段に停止させる。そのため、滑らせるコマ数(スベリコマ数)で停止テーブルを規定するときは、10番の図柄番号に対しては「2」が設定される(中段にある10番から2コマ滑ると11番の図柄が下段に停止する)。このようなスベリコマ数による停止テーブルは、本実施形態に係るスロットマシン1のリール21a〜21bのいずれにも使用することもできるし、リール21a〜21bのうち、一部のルールに対しては、図9(b)に示す停止図柄の図柄番号を規定した停止テーブルを使用し、残りのリールに対してはスベリコマ数で定義した停止テーブルを使用するというように、使い分けることもできる。
(停止位置データ作成手段123)
停止位置データ作成手段123は、当選役決定手段110による抽選の結果に基づき、ストップボタン33a〜33cが操作された場合にリール21a〜21cを停止させる停止位置を決定するために、上述した停止順序選択テーブルに基づいて停止テーブルからいずれかのテーブルを選択して停止位置データを作成する。この停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されて、3個のリール21a〜21cが全て定速回転状態となると、第1停止のストップボタンが操作されるまでの間に、3個のリール21a〜21cのそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また、第1停止のストップボタン(ストップボタン33a〜33cのいずれか)が操作された後は、この第1停止から遅くとも第2停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第2停止のストップブタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第1停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作がいまだ行われていない残りの2個のリール(すなわち、第1停止のストップボタンが操作された時点で回転中の2個のリール)のそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また同様に、第2停止のストップボタンが操作された後は、第2停止のストップボタンが操作されてから遅くとも第3停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第3停止のストップボタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第2停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作がいまだ行われていない残りの1個のリール(すなわち、第2停止のストップボタンが操作された時点で回転中の1個のリール)について、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。
例えば、スタートレバー32が操作された後、中リール21bに対応する中ストップボタン33b、左リール21aに対応する左ストップボタン33a、右リール21cに対応する右ストップボタン33cという順番で(すなわち、入賞役−A1に対する3枚正解押し順である中左右の順で)、ストップボタン33a〜33cの操作が行われるものとする。この場合には、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作され、3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となると、全てのリール21a〜21cについて停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。図9(a)に示す例では、第1停止の前に、左リール21aに対しては1番のテーブルを選択し、中リール21bに対しては1番のテーブルを選択し、右リール21cに対しては1番のテーブルを選択して停止位置データを作成する。そして、第1停止として中ストップボタン33bが操作されると、第2停止である左ストップボタン33aが操作されるまでの間に、回転中の左リール21a及び右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。すなわち、左リール21aに対しては2番のテーブルを選択し、右リール21cに対しては3番のテーブルを選択する。さらに、第2停止として左ストップボタン33aが操作されると、第3停止である右ストップボタン33cが操作されるまでの間に、回転中の右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。ここでは、右リール21cに対して2番のテーブルを選択する。なお、第2停止又は第3停止に対する停止位置データの作成において、その前の停止操作の前(第2停止のときは第1停止の操作であり、第3停止のときは第2停止の停止操作)で選択された停止テーブルと同じ停止テーブルを選択して停止位置データを作成するときは、既にその停止テーブルによる停止位置データが作成されているため、再度の作成の必要はなく、第1停止又は第2停止のための停止位置データをそのまま第2停止又は第3停止で利用することができる(もちろん、再度作成し直してもよい)。
また、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されたときは、3つ全てのリール21a〜21の回転速度が定速となったときではなく、3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの間や、リール21a〜21cが回転を開始するまでの間に、全てのリール21a〜21cについて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成するように構成してもよい。また、停止位置データ作成手段123は、ストップボタン33a〜33cのうち、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンが操作される時点までの間に、停止テーブルを選択しなおすのではなく、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンの操作が可能となる時点(すなわち、次のストップボタンの操作を受付可能な状態となる時点)までの間に、停止テーブルを選択して停止位置データを作成しなおすように構成してもよい。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてから第1停止のストップボタンが操作されるまで、及び、ストップボタン33a〜33cのうち、いずれか一つのストップボタンが操作されてから次のストップボタンが操作されるまでに、リール21a〜21cのうち、回転中の全てのリールについての停止テーブルを選択して停止位置データを作成できるようにすべく、スタートレバー32及びストップボタン33a〜33cが操作された後に、所定時間の間、次のストップボタンの操作を受付不可とする受付不可期間を設けている。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてから3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの時間は、これらのリール21a〜21cについての停止データを選択して停止位置データを作成するために十分なものとなっている。
(回転位置検出手段124)
回転位置検出手段124は、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるリール21a〜21cの位置を検出するためのものである。具体的には、回転位置検出手段124は、特に図示していないが、ステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)から出力されるパルス信号をカウントするためのカウント手段、及び、このカウント手段によるパルス信号のカウント値をリセットするためのリセット手段などを備えている。より具体的には、各リール21a〜21cが回転を開始し、全てのリール21a〜21cが所定の速度で定速回転するようになった後、リールセンサ(図示しておらず)により被検知部材(インデックス)の通過が検知されたことを契機として、カウント手段が、ステッピングモータから出力されるパルス信号のカウントを開始する。そして、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるカウント値に基づいて、被検知部材(インデックス)の回転角度を算出し、これによりストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるリール21a〜21cの位置を検出することとなる。また、カウント手段によるパルス信号のカウント値は、リールセンサにより被検知部材(インデックス)の通過が検知される都度、リセット手段によりリセットされ、この時点から新たにパルス信号のカウントが行われるものとなっている。
(回転停止制御手段125)
回転停止制御手段125は、ストップボタン33a〜33cの操作に基づき、停止位置データ作成手段123aにより作成された停止位置データにおいて当該ストップボタン33a〜33cが操作された時点のリール21a〜21cの位置に対応して定められた停止位置で、これらのリール21a〜21cを停止させるためのものである。すなわち、ストップボタン33a〜33cが操作されると、このストップボタン33a〜33cが操作された時点のリール21a〜21cの位置に対応して、停止位置データにおいて定められている停止位置で、リール21a〜21cは停止することとなる。
なお、図7には、後述する各遊技状態における役の当選確率(役抽選テーブルの構成)も示している。ここで、各役に示される「−」は、その遊技状態では当該役の抽選は行われないことを示している。また、どの役にも当選しない確率(いわゆる「はずれ」の場合の確率)は、特別役、入賞役及び再遊技役の当選確率の合計を1から引いた確率である。なお、「はずれ」は設けなくてもよい(抽選により、何れかの役に必ず当選するように構成してもよい)。また、役抽選の結果がはずれのときは、リール制御手段120は、図5に示す図柄の組み合わせのいずれにも該当しない図柄の組み合わせ(上述した「こぼし目」)を有効ライン上に停止させるように構成されている。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、ベットされた遊技メダルの枚数(規定数または賭け枚数)により、当選確率が異なるように構成されている。この図7において「3枚」は規定数が3の場合を示し、「2枚」は規定数が2の場合を示している。
(入賞判定手段130)
入賞判定手段130は、リール21a〜21cの全てが停止したときに、上述の有効ライン上に役の図柄の組み合わせが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役が成立した(入賞した)、又は、遊技状態が移行する特定図柄が停止したと判定する。このとき、入賞判定手段130は、リール位置検出手段23a〜23cを用いて、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上に位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の成立(入賞)の有無を判定する。なお、リール21a〜21cを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール21a〜21cが実際に停止してから入賞判定手段130が図柄の組み合わせを判定するのではなく、リール制御手段120により上述したようなテーブルを用いてリール21a〜21cの停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組み合わせを判定するようにしてもよい。
(払出制御手段140)
払出制御手段140は、入賞判定手段130による判定の結果、成立(入賞)している役(本実施形態に係るスロットマシンにおいては入賞役−01〜入賞役−59)に応じた遊技メダルの払い出しを行う。すなわち、この払出制御手段140は、リール21a〜21cの所定の図柄の組み合わせが停止表示されたことに基づいて遊技者に利益を付与する利益付与手段としての機能を有している。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、払出制御手段140に設けられた遊技媒体貯留手段141により、内部に所定の枚数(例えば50枚)の遊技メダルを電子情報として貯留することができる(このスロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルを「クレジット」と呼ぶ)。メダル投入口51から最大のベット数(本実施の形態では3枚)を超える遊技メダルが投入されるか、若しくは、遊技メダルが払い出される役に入賞すると、払出制御手段140は、その遊技メダルを遊技媒体貯留手段141に記憶(内部に貯留)する。なお、貯留されている遊技メダル(クレジット)の枚数が所定の枚数(上述の場合50枚)を超えると、払出制御手段140は、超えた枚数の遊技メダルの払い出しを、ホッパーモータ70を作動させてホッパー装置に行わせるように構成されている。また、払出制御手段140は、清算ボタン34が操作されると、ベットされている遊技メダル及び貯留されている遊技メダル(クレジット)の払い出しを、ホッパー装置に行わせるように構成されている。このとき、ベットされている遊技メダル及び遊技媒体貯留手段141の貯留数は0になる。この遊技媒体貯留手段141に貯留されているクレジット数は、このスロットマシン1の前面(前扉3)の所定の位置(例えば、前扉3の上端部)に表示される(貯留されているクレジット数を表示する部分を「クレジット表示部」と呼ぶ)。
(設定値設定手段150)
設定値設定手段150は、設定変更キースイッチ36の操作により、本実施形態に係るスロットマシン1における役の抽選や払い出しに関する設定等を行うものである。このスロットマシン1においては、電源スイッチ35がオフにされている状態で設定変更キースイッチ36をオンにしたまま電源スイッチ35をオンして電源を投入し、所定の操作(リセット/設定スイッチ37の操作)を行って設定値を入力した後、スタートレバー32を操作し、設定変更キースイッチ36をオフすると、この設定値が設定値記憶手段151に記憶されるように構成されている。スタートレバー32が操作されると、この設定値が設定値記憶手段151に記憶されるように構成してもよい。例えば、1〜6までの6段階の設定値を設定することができ、当選役決定手段110は、当該設定値に応じて役の当選確率を変化させ、これにより、払い出される遊技メダルの出玉率(払出し率)を変化させるように構成されている。したがって、図7に示す当選確率は一例である(例えば、設定値が1のときの値である)。また、設定値の変更が行われると遊技に関する情報のうちの一部は保持される一方、他の情報(リールの駆動状態や入賞役の当選フラグなど)は初期化されるように構成することもできる。また、特別役を有するスロットマシンにおいては、特別遊技状態にあるときは、上記操作を行っても設定値の変更ができないように構成することもできる。さらに、内部中遊技状態においても設定値の変更ができないように構成してもよい。また、フリーズが実行されているときは設定変更できないように構成してもよい。また、設定値を変更しても役の当選確率は変化しないように構成し、副制御手段200で実行される演出における抽選確率を変化させることで、出玉率を変化させるように構成してもよい。本実施形態に係るスロットマシン1における設定変更処理の詳細については後述する。
(状態制御手段160)
状態制御手段160は、このスロットマシン1における遊技状態を制御する遊技状態制御手段161、及び、内部遊技状態を制御する内部遊技状態制御手段162を有して構成されている。
(遊技状態制御手段161)
遊技状態制御手段161は、上述したフラグ情報記憶手段111により記憶されている、後述する当選役情報、遊技状態情報に基づいて、このスロットマシン1の遊技状態を制御している。後述するRT情報、当選役情報、遊技状態情報に基づいて、このスロットマシン1の遊技状態を制御するように構成してもよい。図10(a)に示すように、工場出荷後に初めて電源が投入されたときや復帰不可能エラーから復帰した後のような初期状態において、遊技状態制御手段161は、このスロットマシン1の遊技状態を非内部中遊技状態RT0にする。ここで、「非内部中」とは、特別役に当選していない状態のことを指す。
そして、この非内部中遊技状態RT0において、抽選役決定手段110により特別役(特別役−1又は特別役−2)に当選すると、後述する役決定情報記憶領域に特別役の当選役情報が記憶され、その遊技においてリール21a〜21cの有効ライン上に特別役に割り当てられた図柄の組み合わせ以外の図柄の組み合わせが停止したこと、すなわち、特別役の当選に対して当該遊技で特別遊技へ移行しないことが決定すると、遊技状態制御手段161は、この特別役の当選役情報に基づき、このスロットマシン1の遊技状態を、特別役−1に当選しているときは内部中遊技状態RT1−1に移行させ、特別役−2に当選しているときは内部中遊技状態RT1−2に移行させる。ここで、「内部中」とは、特別役に当選はしているが、有効ライン上にこの特別役に対応する図柄の組み合わせを揃えていない状態のことである。なお、上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、規定数により当選可能な特別役が異なるように構成されている。具体的には規定数が3の遊技においては特別役−1に当選可能であり(特別役−2は当選しない)、規定数が2の遊技においては特別役−2に当選可能である(特別役−1は当選しない)。したがって、図10(a)に示すように、規定数が3の遊技で特別役−1に当選し、その図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されなかったときは、内部中遊技状態RT1−1に移行し、規定数が2の遊技で特別役−2に当選し、その図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されなかったといは、内部中遊技状態RT1−2に移行する。また、非内部中遊技状態RT0において、当選役決定手段110により特別役(特別役−1又は特別役−2)に当選したときに、遊技状態制御手段161は、このスロットマシン1の遊技状態を、特別役−1に当選しているときは内部中遊技状態RT1−1に移行させ、特別役−2に当選しているときは内部中遊技状態RT1−2に移行させるように構成してもよい。
また、内部中遊技状態とは、リプレイ(再遊技役)の当選確率が非内部中遊技状態RT0とは異なるように構成された遊技状態である。ここで、図7に示す内部中遊技状態RT1−1,RT1−2の当選確率のように、リプレイ(例えば、再遊技役−2)の当選確率が非内部中遊技状態RT0よりも高く設定されている遊技状態を「リプレイタイム(RT)」とも呼ぶ。このように、内部中遊技状態RT1−1,RT1−2に移行すると、特別役持ち越し手段112により、当選した特別役(特別役−1又は特別役−2)の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うまで当選した特別役の当選役情報が持ち越される(すなわち、内部中遊技状態RT1−1,RT1−2が継続される)。この通常の遊技状態(非内部中遊技状態RT0及び内部中遊技状態RT1−1,RT1−2)では、後述するAT遊技が実行されなければ、基本的にはベットする遊技メダルの枚数の方が当該遊技で獲得できる期待枚数より多くなる。
ここで、AT遊技とは、上述した押し順ベル(入賞役A1〜F2、入賞役G1〜L2)が当選したときに、後述する副制御手段200の演出制御手段301により、ストップボタン33a〜33cに対する正解押し順を演出として画像表示装置41等を用いて遊技者に報知する(アシストする)ことで、8枚ベル又は3枚ベルの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができるという遊技者に有利な遊技を提供するものである。このとき、AT遊技にRT遊技を組み合わせてART遊技とすることも可能である。このRT遊技とは、遊技状態制御手段161により制御される通常の遊技状態(非内部中遊技状態RT0及び内部中遊技状態RT1−1,RT1−2)のうち、特に、再遊技役(リプレイ)の当選確率が非内部中遊技状態RT0と異なる内部中遊技状態RT1−1,RT1−2において行われる遊技のことを示している。
また、非内部中遊技状態RT0及び内部中遊技状態RT1−1,RT1−2において、当選した特別役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、後述する遊技状態情報記憶領域に特別遊技が作動している状態を示す遊技状態情報が記憶され、遊技状態制御手段161は、この遊技状態情報に基づき、このスロットマシン1の遊技状態を、特別遊技状態に移行させる(図10(a)に示すように、RT1−1からはRT2−1に移行し、RT1−2からはRT2−2に移行する)。特別遊技状態RT2−1,RT2−2に移行すると、所定の終了条件を満たすまで遊技者にとって有利な遊技(特別遊技)が実行される。ここで、所定の終了条件とは、上述したように、例えばその特別遊技状態RT2−1,RT2−2において、遊技者に対して所定の枚数以上の遊技メダルが払い出された場合(本実施形態に係るスロットマシン1は、30枚を超える枚数が払い出された場合)である。この特別遊技状態RT2−1,RT2−2において所定の終了条件が満たされると、後述する遊技状態情報記憶領域に特別遊技が作動していない状態を示す遊技状態情報が記憶され(特別遊技が作動している状態を示す遊技状態情報がクリアされることである)、遊技状態制御手段161は、この遊技状態情報に基づき、このスロットマシン1の遊技状態を非内部中遊技状態RT0に移行させる。
なお、いずれの遊技状態においても、入賞役に当選して対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される(入賞する)と払出制御手段140により所定の枚数の遊技メダルが払い出され(若しくは貯留され)、再遊技役(リプレイ)に当選して対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると再遊技が実行されるように構成されている。また、以上の遊技状態の説明は一例であり、本発明がこの遊技状態の遷移に限定されることはない。例えば、有効ライン上に当選役の図柄の組み合わせが揃うことにより遊技状態を移行させるように構成してもよいし、有効ライン上に当選役とは異なる遊技状態移行図柄(遊技メダルの払い出しや再遊技の付与の対象とならない図柄の組み合わせ)を表示させて、遊技状態を移行させてもよい。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1は、上述したように、ベットされた遊技メダルの枚数が2枚か3枚かにより(現在実行されている遊技の規定数が2か3かにより)、当選する特別役が異なるように構成されている。例えば、2枚の遊技メダルがベットされて(規定数が2で)遊技が実行された場合に、特別役−2に当選して内部中になると(内部中遊技状態RT1−2に移行すると)、3枚の遊技メダルがベットされて(規定数が3で)遊技が実行された場合には、この特別役−2が無効となり、特別遊技状態RT2−2に移行することはないように構成されている。すなわち、工場出荷時や設定変更時に2枚の遊技メダルをベットして特別役−2に当選した状態(内部中遊技状態RT1−2に移行した状態)にすると、以降の遊技で3枚の遊技メダルをベットして遊技を行う限り、内部中遊技状態RT1−2で遊技が行われることになる。本実施形態に係るスロットマシン1は、内部中遊技状態RT1−2の状態で、3枚の遊技メダルをベットして(規定数が3で)遊技することを前提にしている。
(内部遊技状態制御手段162)
内部中遊技状態制御手段162は、このスロットマシン1の内部遊技状態(フリーズ状態)を管理するものであり、詳細については後述する。
(フリーズ制御手段170)
フリーズ制御手段170は、所定の条件を満たしたときに、遊技の進行を所定の期間において不能にする(一時停止状態にする)又は抽選結果を停止表示させる制御を遅延するフリーズ演出を行う。すなわち、このフリーズ制御手段170は、フリーズ演出を実行するための抽選を行う抽選手段として機能を有している。
遊技の進行を所定期間一時停止状態にして遅延させる「フリーズ演出」としては、例えば、遊技媒体(遊技メダル)の受け付け、予めクレジットされた遊技媒体の賭け枚数を定めるためのベットボタン31の操作の受け付け、遊技を開始するためのスタートレバー32の操作の受け付け、又は、リール21a〜21cの停止操作の受け付け(ストップボタン33a〜33cの操作の受け付け)に関する機能を一時停止状態(操作受付不可状態)にすることが挙げられる。
また、フリーズ演出としては、前述した遊技の進行に関わる全ての機能に関して一時停止状態にしてもよいし、一部の機能に関してのみ一時停止状態にしてもよい。
遊技の進行を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく制御処理(通過センサ(第1及び第2投入センサ61,62)による遊技媒体の投入検出処理、ベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、スタートレバー32の操作に基づいたリール回転処理または役抽選処理、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいたリール停止処理)を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出によって遊技の進行を一時停止状態にしている期間中に遊技者の操作に基づいた入力信号が発せられたときは、入力信号に基づく制御処理を行わない、入力信号を受け付けない、入力信号の送信を所定期間が経過するまで遅延させるなどの処理を行うことで、フリーズ演出を行わない場合と比べ1回の遊技における終了タイミングが遅延することになる。
スタートレバー32の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、スタートレバー32が操作されたときに所定期間はリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後にリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されたときに所定期間は役抽選とリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後に役抽選とリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されたときに所定期間は役抽選を行うがリール21a〜21cの回転は行わずに所定期間の経過後にリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されて役抽選が行われた後に所定期間を設定し所定期間中はリール21a〜21cの回転や停止を行う場合が挙げられる。
ストップボタン33a〜33cの操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、ストップボタン33a〜33cの操作の受け付けに基づいて行うフリーズ演出と、ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出と、において、フリーズ演出の制御処理が異なる。また、ストップボタン33a〜33cの押し順(操作態様)によって、フリーズ演出が発生するか否かを決定するように構成してもよい。
ストップボタン33a〜33cの操作の受け付けに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、回転しているリール21a〜21cの停止制御処理を行わないことが挙げられる。これにより所定期間においては、遊技者が回転しているリール21a〜21cを停止できなくなるが、所定期間が経過したことによりストップボタン33a〜33cの操作の受付処理より後の停止制御処理を行うので、停止受け付けからリール停止までのタイミングを遅延させることができる。
ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、ストップボタン33a〜33cのうち、最後のストップボタン以外のストップボタンの操作で特定の図柄が有効ライン上に停止表示されたときは、次に停止するストップボタンの停止制御を行わず、最後のストップボタンの操作で特定の図柄がリール上に停止表示されたときは、次の遊技を開始するベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、または、再遊技役(リプレイ)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したときに行う自動賭け枚数設定処理に基づく制御処理を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、遊技者の操作に基づく遊技進行制御を一時停止状態にさせるが、遊技の進行に関わらない遊技機動作は実行可能である。例えば、ストップボタン33a〜33cの操作に基づく停止制御処理は行わないが、リール21a〜21cの回転態様は任意に設定することができる。
所定期間におけるリール21a〜21cの回転態様として、リール21a〜21cを通常回転とは逆方向に回転すること、リール21a〜21cを所定図柄数だけ回転させて特定の図柄組合せを停止すること、複数のリール21a〜21cのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にすること、リール21a〜21cの回転速度を変化すること、または、遊技者の操作に起因してリール21a〜21cの動作を変化することが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、所定の条件(遊技者の操作、抽選等)によって変化させることができる。ここで、所定の条件とは、遊技者による操作(スタートレバー32、ベットボタン31、ストップボタン33a〜33c、清算ボタン32)に基づく信号の検出や抽選による所定の結果が挙げられる。また、変化させることとは一時停止状態の期間を短くすることや長くすることが挙げられる。
一時停止状態の期間を短くする制御処理として、一時停止状態の期間を強制終了すること、または、一時停止状態の期間よりも短い期間に書き換えることが挙げられる。そして、一時停止状態の期間を長くする制御処理として、一時停止状態の期間の後に他の期間を追加すること、または、一時停止状態の期間よりも長い期間に書き換えることが挙げられる。また、フリーズ演出に基づく一時停止状態の期間は、最大時間が定められたものでなく、遊技者の操作に基づき一定の結果が得られるまで継続してもよい。
フリーズ演出を行う一時停止状態の期間は、ウエイト期間の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了する場合は、ウエイト期間後にフリーズ演出期間を設定する態様やフリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開する態様が挙げられる。または、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ演出期間を設けることで、このような判断処理を省略することも可能である。
フリーズ演出として、あたかも通常の遊技を進行しているかのような疑似遊技フリーズ演出を行うことが挙げられる(以降の説明では単に「疑似遊技」とも呼ぶ)。疑似遊技フリーズ演出は、スタートレバー32が操作されたことに基づいたスタートレバー受付処理からリール21a〜21cの回転開始処理までの間にフリーズ演出期間を定め、フリーズ演出期間中は、通常の遊技のようにスタートレバー32の操作に基づいてリール回転制御を行い、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいてリール停止制御を行う。但し、スタートレバー32の操作に基づく役抽選処理やストップボタン33a〜33cの操作に基づく入賞判定処理または払出制御処理は行わない。
疑似遊技フリーズ演出では、ストップボタン33a〜33cが操作されたタイミング、リール21a〜21cのうち、特定のリールが回転したタイミング、又は、全てのリールが停止したタイミングで上下に揺動する動き(揺れ変動)を行ってもよい。これにより、通常の遊技(以降の説明では「本遊技」と呼ぶ)であるか疑似遊技フリーズ演出であるかを示唆することができる。
なお、フリーズ演出は、所定の期間が経過すると終了するように構成されている。但し、所定の期間が経過する前に、所定の操作(スタートレバー32やストップボタン33a〜33cの操作)を行うと、フリーズ演出をキャンセルできるように構成することも可能である。また、所定の期間が経過する前に、さらに所定の期間だけフリーズ演出を実行するか否かを抽選で決定するように構成することも可能である。なお、フリーズ演出が終了した時点のリール21a〜21cの状態によっては、この状態からリール21a〜21cを回転開始させると、リール21a〜21cを停止させるための、ストップボタン33a〜33cの操作の補助となるおそれがあるため、全てのリール21a〜21cの回転開始時間をランダムに変化させる(すなわち、フリーズ演出後に、リール21a〜21cの回転開始順序がランダムに変化する)ように構成することができる。あるいは、フリーズ演出が実行されないときのリール21a〜21cの回転開始処理と、フリーズ演出が実行された後のリール21a〜21cの回転開始処理とを異なるように構成することも可能である。また、フリーズ演出でリール21a〜21cを回転及び停止させたときは、リール21a〜21cの図柄の位置を、フリーズ演出が実行される前の状態に戻し、そこから回転を開始するように構成することができる。
(操作順序判定手段175)
操作順序判定手段175は、押し順ベル(8枚押し順ベル及び3枚押し順ベル)が当選した遊技において、ストップボタン33a〜33cの操作順序を取得し、当選役に割り当てられた押し順か否かを判定する手段である。この判定結果に基づいて、リール制御手段120による上述したリール21a〜21cの停止図柄の決定、及び、外部信号の出力が行われる。また、この操作順序判定手段175は、押し順不問役が当選した遊技において、ストップボタン33a〜33cの操作順序を取得し、後述するように、内部遊技状態制御手段162により、決定された正解押し順か否かを判定する手段である。この判定結果に基づいて、内部遊技状態制御手段162による内部遊技状態(フリーズ状態)の移行が行われる。
−押し順による内部遊技状態(フリーズ状態)の管理−
本実施形態に係るスロットマシン1は、図10(b)に示すように、フリーズ演出の実行頻度が異なる複数の内部遊技状態(フリーズ状態)を備えており、内部遊技状態Eでは、特定のフリーズ演出が実行されるように構成されている。この特定のフリーズ演出において、画像表示装置41に表示されたサブリール46を用いて疑似遊技が実行されるように構成されている。この疑似遊技は、上述したようにフリーズ演出の一種であって、遊技の開始時にスタートレバー32が操作されても、リール21a〜21bは回転を開始せず、画像表示装置41に表示されたサブリール46が回転する演出が実行される。そして、ストップボタン33a〜33cの操作がされると、その操作に応じてサブリール46が停止し、再度スタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cが回転を開始して本遊技が行われるように構成されている。なお、疑似遊技は、連続して複数回実行されることもある。
内部遊技状態(フリーズ状態)の移行は、内部遊技状態管理手段162で管理されており、具体的には、内部遊技状態A、内部遊技状態B、内部遊技状態C、内部遊技状態D及び内部遊技状態Eの5つの内部遊技状態の移行を制御している。ここで、内部遊技状態制御手段162は、この内部遊技状態の移行を、上述した押し順不問役の当選時に割り当てた押し順(これを「正解押し順」と呼ぶ)により制御するように構成されている。具体的には、内部遊技状態Aのときに押し順不問役に当選すると、内部遊技状態制御手段162は、図11(a)に示す抽選モード抽選テーブルを用いて抽選モードを決定する。この図11(a)では、抽選モードとしてA〜Fの6つのモードが設けられている。そして、内部遊技状態制御手段162は、図11(b)に示す抽選テーブル決定テーブルに基づいて、決定された抽選モードと現在の内部遊技状態から、正解押し順を決定するための正解押し順決定テーブルの群を決定する。ここでは、A群〜D群の4つの群が設けられている。押し順不問役の当選に対して、ストップボタン33a〜33cが正解押し順で操作されると、内部遊技状態制御手段162は、図10(b)のフローに従って、内部遊技状態を移行させる。なお、抽選モードは内部遊技状態Aのときに決定されるため、以降の処理において内部遊技状態が移行したときは、内部遊技状態Aに戻るまで保持される。すなわち、内部遊技状態Aで抽選モードが「A」に決定されて、A群の正解押し順決定テーブルにより押し順が決定され、内部遊技状態Bに移行したときは、抽選モードは「A」であるため、内部遊技状態BではB群の正解押し順決定テーブルが用いられ、同様に、内部遊技状態Cに移行したときはC群の正解押し順決定テーブルが用いられる。なお、内部遊技状態Dでは、抽選モードに拘わらずD群の正解押し順決定テーブルが用いられるように構成されている。このD群の正解押し順決定テーブルは6通りの押し順から一つの押し順が決定されるように構成されている。
図11(c)に示すように、A群、B群、C群の正解押し順決定テーブルは、3つのストップボタン33a〜33cに対する6通りの押し順のうちの4つの押し順から正解押し順を決定するように構成されている。この4つの押し順の組み合わせは、A群、B群、C群で異なるように構成されている。また、図11(b)に示すように、各抽選モードにおいて、内部遊技状態毎に別の群の正解押し順決定テーブルが選択されるように構成されている。具体的には、抽選モードが「A」のとき、内部遊技状態A、内部遊技状態B、及び、内部遊技状態Cのいずれにおいても、A群の正解押し順決定テーブルが選択されるようにしておらず、内部遊技状態Aでは、A群の正解押し順決定テーブルが選択され、内部遊技状態Bでは、B群の正解押し順決定テーブルが選択され、内部遊技状態Cでは、C群の正解押し順決定テーブルが選択されるようにしている。このような構成によると、押し順不問役の当選に対して、後述する演出制御手段301により演出として正解押し順を報知すれば、容易に内部遊技状態Eに移行させることができるが、他方、正解押し順を報知しなければ、正解押し順で操作される可能性は低くなり、内部遊技状態Eへ移行させることは困難になる。さらに、上述したように、各抽選モードにおいて、内部遊技状態毎に別の群の正解押し順決定テーブルが選択されるように構成されており、各群の4つの押し順の組み合わせは異なるため、遊技者が6通りのうちの所定の押し順で常に遊技していた場合は、偶然に内部遊技状態が内部遊技状態Eへ移行してしまうことを防止することもできる。具体的には、例えば、遊技者が右中左の押し順で遊技している場合、抽選モードが「A」のときは、内部遊技状態Aで選択されるA群の正解押し順決定テーブルでは、右中左の押し順は正解押し順として決定されないようになっている。同様に、遊技者が中右左の押し順で遊技している場合は、抽選モードが「A」のときは、内部遊技状態Bで選択されるB群の正解押し順決定テーブルでは、中右左の押し順は正解押し順として決定されないようになっている。
また、抽選テーブル決定テーブルでは、A〜Fの6つの抽選モードに対して、内部遊技状態A〜Cで選択されるA群、B群、C群の正解押し順決定テーブルの順番が異なるように構成されている。このような構成によると、遊技者による現在の内部遊技状態の特定がなされたとしても、選択された正解押し順決定テーブルの予測は困難であり、正解押し順の予測も困難となる。具体的には、内部遊技状態と選択される正解押し順決定テーブルが1対1の関係であると、内部遊技状態が特定された場合、選択される正解押し順テーブルも特定されたことと等しく、正解押し順の予測が容易となってしまうが、内部遊技状態と選択される正解押し順決定テーブルの関係が、抽選モードによって異なるとすると、内部遊技状態が特定された場合であっても、選択された抽選モードの特定は困難であり、選択された正解押し順決定テーブルの予測は困難であり、正解押し順の予測は困難となる。
なお、内部遊技状態Aにあるときに、遊技者が毎遊技ストップボタン33a〜33cの押し順を変えて遊技を行うと、偶然に内部遊技状態Dに移行する可能性がある。そのような場合は、内部遊技状態Dの遊技で押し順不問役に当選したときに、副制御手段200の演出により、図11(c)に示すD群の正解押し順決定テーブルで決定された正解押し順とは異なる押し順を報知することで内部遊技状態Aに戻すことができる。
また、以上の説明では、内部遊技状態Aと内部遊技状態Eとの間に、B〜Cの3つの内部遊技状態を設けた場合について説明したが、1つ又は2つの内部遊技状態を設けてもよいし、4つ以上の内部遊技状態を設けてもよい。あるいは、内部遊技状態Aにおいて、押し順不問役の当選時に正解押し順となったときに内部遊技状態Eへ移行させてもよいし、内部遊技状態Eに移行させることなく、特定のフリーズ演出を実行してもよい。内部遊技状態Aにおいて、連続した複数回の押し順不問役の当選時において、いずれも正解押し順となったときに、内部遊技状態Eへ移行させてもよいし、内部遊技状態Eに移行させることなく、特定のフリーズ演出を実行してもよい。正解押し順決定テーブルも3つの群に限定されることはなく、2つ以上の群があればよい。例えば、2つの群の場合は、A群の正解押し順決定テーブルは、左中右、中左右、及び、右中左の押し順のなかから正解押し順を決定するものであり、B群の正解押し順決定テーブルは、左右中、中右左、及び、右左中の押し順のなかから正解押し順を決定するものとなる。また、抽選テーブル決定テーブルを予め定めておくこと無く、内部遊技状態Aにおいては、押し順不問役の当選時に、A群、B群及びC群の正解押し順決定テーブルから1つの抽選テーブルを抽選で決定し、決定された正解押し順テーブルを用いて押し順を決定するように構成してもよい。このとき、内部遊技状態Aで決定した正解押し順決定テーブルの群を記憶しておき、内部遊技状態Bでは、内部遊技状態Aで選択されていない群の中から正解押し順決定テーブルを抽選で決定し、内部遊技状態Bで決定した正解押し順決定テーブルの群を記憶しておき、内部遊技状態Cでは内部遊技状態A及び内部遊技状態Bで選択されていない群の正解押し順決定テーブルを選択するように構成してもよい。あるいは、押し順の抽選時に前回と同じ正解押し順が決定された場合に異なる押し順となるまで決定を繰り返すか、予め前回の正解押し順と異なる押し順から今回の正解押し順を決定するようにしてもよい。
また、内部遊技状態を遷移させる押し順不問役の正解押し順を以上のような手順で決定することにより、遊技者は、ペナルティを気にすることなく好きな押し順でストップボタン33a〜33cを操作することができる。なお、押し順不問役(再遊技役−1、再遊技役−2、入賞役−M、入賞役−N1、入賞役−N2)は、ストップボタン33a〜33cの操作順序に拘わらず、有効ライン上にこれらの役に割り当てられた図柄の組み合わせを停止表示させることができる役であるため、内部遊技状態を移行させるための押し順でストップボタン33a〜33cの操作をしたとしても、遊技者に不利益が発生することはない。なお、すべての押し順不問役で内部遊技状態を遷移させる正解押し順を決定する必要はなく、所定の押し順不問役(例えば、再遊技役−1、再遊技役−2、入賞役−M)のときにのみ決定するように構成してもよい。
(外部信号送信手段180)
外部信号送信手段180は、主制御手段100に接続された外部集中端子板80を介して、遊技に関する情報を出力するものである。ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー32が操作されたときの情報、投入された遊技メダルや払い出された遊技メダルの情報、特定の図柄の組み合わせ(例えば「赤7−赤7−赤7」)が有効ライン上に表示されたときの情報等であって、これらの情報に基づいて遊技回数やボーナスゲームの開始を外部装置で表示する(若しくは管理する)ための情報である。例えば、スタートレバー32が操作されたときの情報により遊技回数を表示することができ、投入された遊技メダルと払い出された遊技メダルの差から差枚数を表示することができる。また、特定の図柄が有効ライン上に表示されたときの情報により、ボーナスの回数を表示することができる。具体的な処理については後述する。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、BB信号である外部信号1及びRB信号である外部信号2を出力するように構成されており、外部信号1及び外部信号2を同時にオン状態にすることでAT遊技の開始を示し、外部信号1をオン−オフ−オンと切り替えることによりAT遊技の継続を示し、外部信号1及び外部信号2をオフすることでAT遊技の終了を示している。
(制御コマンド送信手段185)
制御コマンド送信手段185は、主制御手段100の情報を副制御手段200に伝達するための制御コマンドを送信するための手段である。副制御手段200は、後述するように、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、演出の態様や実行タイミングを決定するように構成されている。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、副制御手段200による制御コマンドの取りこぼし等を防止するために、後述するように、同じコマンドを2回送信するように構成されている。
(第2乱数発生手段190)
主制御手段100は、この主制御手段100により発生する乱数値の更新が行われる第2乱数発生手段190を有している。この第2乱数発生手段190により発生する乱数値は2バイトの乱数値であって、ソフト乱数とも呼ばれる。この第2乱数発生手段190は、後述する割込処理が実行されるごとにソフト乱数更新処理が実行されその値が更新されるように構成されている。また、このソフト乱数更新処理は、遊技を開始してからスタートレバー32が操作されるまでの間と、リール21a〜21cが回転を開始してから全てのリールが停止するまでの間においても実行されるように構成されている。このように、割込処理だけでなく、遊技進行メイン処理内のループ処理内でソフト乱数を更新することにより、後述する遊技進行メイン処理内の更新タイミング及び回数は、遊技者の操作の影響を受けて変化するため(1回の単位遊技でソフト乱数が更新される回数が遊技者の操作タイミング等で変化するため)、この第2乱数発生手段190で発生される乱数値(ソフト乱数)のランダム性を担保することができる。
(遊技に関する情報と設定変更時の処理について)
まず、本実施形態に係るスロットマシン1において用いられる遊技に関する情報の一例を図12に示す。なお、これらの情報は、上述したフラグ情報記憶手段111により記憶されている情報であって、RAM103の所定の領域に記憶されている。なお、以降の説明では各情報の記憶領域は8ビットで構成されており、図12においては、下位ビットから上位ビットに向かってそれぞれB0〜B7で識別している。この図12に示すRT遊技状態情報記憶領域は、現在の遊技状態(これをRT状態とも呼ぶ)を識別するためのRT情報(RT状態番号として管理している)を記憶する領域であり、下位2ビット(B0,B1)で状態を示している。具体的には、特別役−1に当選している内部中遊技状態であるRT1−1を二進数の01(十進数の1)で示し、特別役−2に当選している内部中遊技状態であるRT1−2を二進数の10(十進数の2)で示している。また、非内部中遊技状態RT0及び特別遊技状態RT2−1,RT2−2のときは2進数の00(十進数の0)となる。すなわち、内部中遊技状態RT1−1であるときはB0ビットに「1」が設定され、内部中遊技状態RT1−2であるときはB1ビットに「1」が設定される。このRT遊技状態情報記憶領域は、遊技状態制御手段161が、遊技状態(RT状態)を移行させた際(役決定情報記憶領域に特別役の当選情報が記憶されたときや、遊技状態情報記憶領域に特別遊技が作動している状態を示す遊技状態情報が記憶されたとき)に更新される。なお、本実施形態に係るスロットマシン1において、特別遊技状態RT2−1,RT2−2のときは2進数の00(十進数の0)としているが、特別遊技状態RT2−1,RT2−2のときは2進数の11(十進数の3)としてもよい。あるいは、下位3ビット(B0,B1,B2)で状態を示すようにして、特別遊技状態RT2−1のときは2進数の011(十進数の3)とし、特別遊技状態RT2−2のときは2進数の100(十進数の4)としてもよい。
また、役決定情報記憶領域は、現在の遊技で当選した役の情報(これを当選役情報と呼ぶ)を記憶する領域であり、例えば、特別役−1に当選するとB0ビットに「1」が設定され、特別役−2に当選するとB1ビットに「1」が設定されるように構成されている。なお、図12では、特別役−1,2の他に再遊技役−1,2、入賞役−A1,A2,B1,B2を示しているが、図7に示す他の当選役も同様の方法で管理される(すなわち、この役決定情報記憶領域は当選役の種類分のビットで構成されている)。なお、上述したように、入賞役及び再遊技役の情報は、次遊技の開始時までにクリアされ、特別役の情報は、当選した特別役が成立する(当選した特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される)まで持ち越され、成立するとクリアされる。また、図12では、特別役、再遊技役、入賞役を連続した領域で管理しているが、役の種類毎に分けて管理してもよい。
成立情報記憶領域は、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせにより、成立したと判定された成立情報を記憶する領域であり、特別役−1の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときはB0ビットに「1」が設定され、特別役−2の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときはB1ビットに「1」が設定され、再遊技役−1又は再遊技役−2の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときはB2ビットに「1」が設定される。この成立情報記憶領域は、次遊技の開始時に参照され、遊技情報記憶領域の設定に用いられ、この設定が終了したときにクリアされる。
遊技状態情報記憶領域は、遊技開始時に成立情報記憶領域に記憶されている成立情報に基づいて、以後の遊技の情報に関する情報(これを遊技状態情報と呼ぶ)を記憶する領域であり、特別役−1の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときは、次遊技以降は特別遊技となるため、特別役−1の特別遊技が作動している状態を示すためにB0ビットに「1」が設定され、特別役−2の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときは、次遊技以降は特別遊技となるため、特別役−2の特別遊技が作動している状態を示すためにB1ビットに「1」が設定され、再遊技役−1又は2の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときは、再遊技が作動している状態を示すためにB2ビットに「1」が設定される。なお、再遊技が作動している状態を示すB2ビットは、全てのリール21a〜21cが停止したときにクリアされ、特別役−1,2の特別遊技が作動している状態を示すB0ビット及びB1ビットは、特別遊技の終了条件が成立した遊技の全てのリール21a〜21cが停止したときにクリアされる。
持越条件装置情報記憶領域は、特別役のうち、特別役−2に当選している情報を記憶する領域であり、特別役−2に当選するとB1ビットに「1」が設定され、特別役−2の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されて成立するまで持ち越され、成立するとクリアされる。
このような構成のスロットマシン1において、電源スイッチ35がオフの状態で設定変更キースイッチ36をオンにし、再び電源スイッチ35をオンにした場合には、各記憶領域に記憶されていた情報の一部は初期化され、他の一部は設定変更後に引き継がれる(設定変更開始前の電源断時に記憶されていた情報が、電源復帰後においても継続して保持される)ように構成されている。具体的には、RT遊技状態情報記憶領域、役決定情報記憶領域、成立情報記憶領域及び遊技状態情報記憶領域に記憶された情報は初期化されてクリアされ、持越条件装置情報記憶領域に記憶された情報及び設定値記憶手段151に記憶された設定値は維持される。そして、リセット/設定スイッチ37を操作して設定の変更を行い、スタートレバー32を操作後に、設定変更キースイッチ36をオフした場合(設定変更後)に、新たな設定値が設定値記憶手段151に記憶され、持越条件装置情報記憶領域に記憶されている情報に基づき、役決定記憶情報領域に記憶されている当選役情報を更新し、この役決定情報記憶領域に記憶された情報に基づき、RT遊技状態情報記憶領域に記憶されているRT情報を更新し、遊技状態を復帰させる。上述したように、持越条件装置情報記憶領域には、特別役−2に当選して内部中になっている情報のみが記憶されている。したがって、設定変更後の役決定情報記憶領域及びRT遊技状態情報記憶領域も、特別役−2に当選して内部中になっている状態(内部中遊技状態RT1−2)のときだけ、この遊技状態に復帰し、その他の遊技状態(非内部中遊技状態RT0、内部中遊技状態RT1−1、特別遊技状態RT2−1,RT2−2)のときは、遊技状態が、非内部中遊技状態RT0に設定される。すなわち、設定変更処理が実行されると、内部中遊技状態RT1−2のときはこの遊技状態が維持され、その他の遊技状態のときは非内部中遊技状態RT0に設定されるように構成されている。ここで、特別役−1の当選役情報および特別役−2の当選役情報は、同じ役決定情報記憶領域に記憶されている。初期化する際は、初期化する領域の範囲を指定してまとめて初期化することで処理を軽減することができるが、初期化する領域のうち特定のビット位置のみ初期化しないといった処理を行おうとするとまとめて初期化することが難しくなり処理が増加してしまう。したがって、以上のような構成にすると、初期化を行う際に、役決定情報記憶領域の特別役−2に関するビット位置のみを初期化しないといったような処理を行わずとも、内部中遊技状態RT1−1では、設定変更が行われると設定変更後の遊技状態は、非内部中遊技状態となるが、内部中遊技状態RT1−2では、設定変更が行われても内部中遊技状態RT1−2を維持することができる。
なお、図12に示すように、RT遊技状態情報記憶領域、役決定情報記憶領域及び持越条件装置情報記憶領域において、特別役−2に関するビットの位置は同じB1ビットである。したがって、持越条件装置情報記憶領域に記憶されている情報を役決定記憶情報領域に書き込み、この役決定情報記憶領域に記憶された情報に基づき、RT遊技状態情報記憶領域に記憶されているRT情報を更新しなくとも、持越条件装置情報記憶領域に記憶されている情報を役決定記憶情報領域およびRT遊技状態情報記憶領域に書き込むことで、設定変更後の処理を軽減させることができ、速やかに遊技を開始可能な状態にすることができる。このように、持越条件装置情報記憶領域に記憶されている情報から役決定情報記憶領域に記憶された情報およびRT遊技状態情報記憶領域に記憶された情報を設定するときは、持越条件装置情報記憶領域に記憶されている情報(特別役−2に関するビット位置の情報)を参照して、その情報に基づき、役決定情報記憶領域に記憶された情報(特別役−2に関するビット位置の情報)を設定し、その情報に基づき、RT遊技状態情報記憶領域に記憶された情報(特別役−2に関するビット位置の情報)を設定してもよいし、RT遊技状態情報記憶領域、役決定情報記憶領域及び持越条件装置情報記憶領域において、特別役−2に関するビットの位置を同じビット位置にすることで、持越条件装置情報記憶領域に記憶された情報を参照することなく、役決定記憶情報領域およびRT遊技状態情報記憶領域に書き込むことで設定することもできる。
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、2枚の遊技メダルがベットされた遊技で特別役−2に当選し、遊技状態が内部中遊技状態RT1−2であるときに、3枚の遊技メダルをベットして遊技を行うように構成されている。したがって、設定変更時の処理を以上のような構成とすると、設定変更が行われても内部中遊技状態RT1−2が維持されるため、再度、2枚ベットで遊技をして内部中遊技状態RT1−2に移行させる必要がない。
なお、リセット/設定スイッチ37を操作し設定の変更を行い、スタートレバー32を操作した場合に、新たな設定値が設定値記憶手段151に記憶され、持越条件装置情報記憶領域に記憶されている情報に基づき、役決定記憶情報領域に記憶されている当選役情報を更新し、この役決定情報記憶領域に記憶された情報に基づき、RT遊技状態情報記憶領域に記憶されているRT情報を更新し、遊技状態を復帰させるように構成してもよい。また、電源スイッチ35がオフの状態で設定変更キースイッチ36をオンにし、再び電源スイッチ35をオンにした場合に、各記憶領域に記憶されていた情報の一部は初期化され、他の一部は設定変更後に引き継がれるように構成しているが、初期化するタイミングは、リセット/設定スイッチ37を操作し設定の変更を行い、スタートレバー32を操作後に、設定変更キースイッチ36をオフした場合(設定変更後)に、新たな設定値が設定値記憶手段151に記憶され、その後、各記憶領域に記憶されていた情報の一部を初期化するように構成してもよい。この場合は、初期化された後に、持越条件装置情報記憶領域に記憶されている情報に基づき、役決定記憶情報領域に記憶されている当選役情報を更新し、この役決定情報記憶領域に記憶された情報に基づき、RT遊技状態情報記憶領域に記憶されているRT情報を更新し、遊技状態を復帰させるように構成するようにすることが望ましい。もちろん、スタートレバー32を操作後に、新たな設定値が設定値記憶手段151に記憶され、その後、各記憶領域に記憶されていた情報の一部を初期化するように構成してもよい。
(副制御手段200)
このようなスロットマシン1においては、遊技の結果に外部からの影響を加えることができないように、遊技を制御する主制御手段100とその遊技に対する演出を制御する副制御手段200とは分離して構成されている。そのため、主制御手段100は、副制御手段200で実行される演出を制御するために、上述の当選結果や遊技状態等の遊技に関する情報(制御状態)を含む制御コマンドを副制御手段200に送信するように構成されており、副制御手段200を構成する副制御基板300の演出制御手段301は、この制御コマンドを受信してその演出の態様を決定し、演出手段40を構成する画像表示装置41、各種演出用ランプ42、放音部(スピーカー)43、及び、バックランプ44により映像、光及び音響効果並びにリール表示窓11に表示される図柄を用いて演出を行うように構成されている。
この副制御手段200において副制御基板300と画像制御基板400とは、図3に示すように、バス210に接続されている。副制御基板300には、サブCPU310、乱数発生器320、RAM330、ROM340、及びI/F回路350が設けられており、これらはバス210に接続されている。一方、画像制御基板400には、サブサブCPU470、画像制御IC410及び音源IC440が設けられており、上述のバス210に接続されたサブサブCPU470により制御される。さらに、画像制御IC410には、ビデオRAM420及び画像ROM430と、画像表示装置41が接続されている。また、音源IC440には音源ROM450及びアンプ460が接続され、アンプ460には上部及び下部スピーカー43(43a,43b)が接続されている。また、バス210には、上述の各種演出用ランプ42(42a,42b)、及び、バックランプ44も接続されてその点灯・消灯動作が副制御基板300により制御される。さらにバス210には、サブ操作スイッチ45が接続されている。このサブ操作スイッチ45は、副制御手段200の副制御基板300で実行される演出に対して遊技者からの指示を与えるものであり、例えば、ボタン及び方向キーから構成されている。このサブ操作スイッチ45は、例えば、図1に示すように、ストップボタン33a〜33cの上方に配置されている。
サブCPU310は、ROM340に記録された演出用制御プログラムをRAM330に展開して実行し、画像制御基板400に設けられたサブサブCPU470に対してサブ制御コマンドを送信することにより、このサブサブCPU470により画像制御IC410及び音源IC440を制御して、画像表示装置41や放音部43(43a,43b)を用いて映像や音響効果による遊技の演出を行うように構成されている。なお、画像表示装置41に表示される映像は、画像制御IC410が、画像ROM430に記憶された画像情報をビデオRAM420に展開して実行することにより表示され、また、放音部43(43a,43b)から出力される音響効果(音楽、音声、効果音等)は、音源IC440が音源ROM450から取り出した音響情報に基づいて再生され、アンプ460を介して放音部43(43a,43b)から出力される。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、画像表示装置41に表示される映像を用いた演出における放音部43を用いた音声の出力は、副制御基板300のサブCPU310から送信されるサブ制御コマンドに基づいて、画像制御基板400のサブサブCPU470により実行される。また、画像表示装置41を用いず、放音部43からの音の出力だけの演出(及びエラーの報知)も、サブCPU310から送信されるサブ制御コマンドによりサブサブCPU470で実行される。そのため、画像制御基板400に搭載される音源IC(サウンドチップ)440として、音を出力するチャネルを複数有するものを用いることにより、複数のチャネルに対して画像表示装置41を用いた演出の音声の出力(主に、画像制御基板400の制御による音の出力)と、画像表示装置41を用いない演出の音声の出力(主に、副制御基板300の制御による音の出力)とのそれぞれで使用するチャネルを割り当てることにより、副制御基板300と画像制御基板400とで使用チャネルが重ならないようにすることができる(例えば、16チャネルある音源IC440の場合に、1〜6チャネルを演出制御基板300に割り当て、7〜16チャネルを画像音響生成基板400に割り当てる)。このように、副制御基板300は音出力指示手段としての機能を有し、画像制御基板400は音出力制御手段としての機能を有している。
なお、このサブCPU310で実行される演出は、上述したように、主制御手段100から送信される制御コマンドを、サブCPU310がI/F回路350を介して受信し、この制御コマンドに応じて決定・制御されるが、この演出の態様(パターン)の一部は、副制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生された乱数値を用いて決定されるように構成されている。
図2に示すように、副制御基板300には、演出を実行する演出制御手段301、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段302及び画像制御基板400に対してサブ制御コマンドを送信するサブ制御コマンド送信手段303が設けられている。また、画像制御基板400には、画像及びサウンドの制御を行う画像/サウンド出力手段401、及び、副制御基板300から送信されたサブ制御コマンドを受信するサブ制御コマンド受信手段402が設けられている。なお、上述したように、主制御手段100は、同一の制御コマンドを2回送信するように構成されている。そのため、副制御基板300は、2個の同一の制御コマンドを受信したときにその制御コマンドを有効としてもよい(1個しか受信できないときは無効として破棄する)。この場合、主制御手段100から受信した制御コマンドの信頼性が向上する。また、いずれか一個の制御コマンドを受信できたときにその制御コマンドを有効としてもよい。あるいは、2個の制御コマンドの一部が欠損してもそれらの制御コマンドから1つの制御コマンドを再生することができるとは、その制御コマンドを有効として扱ってもよい。この場合、主制御手段100から送信される制御コマンドの取りこぼしを防止することができる。
(副制御基板300による処理の制御)
このような副制御基板300における処理の制御について、図13を用いて具体的に説明する。なお、図13は、副制御基板300で実行されるサブメインループ処理の流れを示すフローチャートである。この副制御基板300のサブCPU310は、図13に示すサブメインループ処理を繰り返し実行するように構成されている(本実施形態では約16ms毎にこの処理を繰り返すように構成されており、1回の処理を「フレーム」と呼んでいる)。
1フレームの処理が開始されると、副制御基板300のサブCPU310は、ランプ(演出用ランプ42、バックランプ44等)の点灯及び音を出力するための制御を行う(ステップS700)。また、液晶ユニット(画像表示装置41及びこれを制御するための画像制御IC410等)の監視(ステップS701)、アンプ(音源IC440やアンプ460)の状態の監視(ステップS702)、及び、バスコントローラ(バス210等)の監視(ステップS703)を行う。さらに、サブCPU310は、フレーム毎に実行すべき処理の実行を行う(ステップS704)。そして、現在実行しているフレームの残りの時間で、主制御手段100から送信された制御コマンドをコマンドバッファから取り出し、当該制御コマンドに応じた処理(ステップS705)及び乱数の更新などの残余時間処理(ステップS706)を実行し、16msが経過して1フレームが終了したと判断すると上述したステップS730に戻りこれらの処理を繰り返す(ステップS707)。
(副制御手段200によるサブリール演出)
本実施形態に係るスロットマシン1では、上述したように主制御手段100によりリール21a〜21cの回転及び停止制御が行われて遊技が実行されるが、図1に示すように、副制御手段200により画像表示装置41に映像としてのサブリール46を表示して、スタートレバー32及びストップボタン33a〜33cの操作に対応してこのサブリール46を回転及び停止させる表示行うことによる演出を実行するように構成されている。図1に示すようにサブリール46も3つのリールで構成され、スタートレバー32で回転を開始し、3つのリールに対応したストップボタン33a〜33cの操作に応じて停止するように構成されている。また、このスロットマシン1では、上述した内部遊技状態Eのときに、フリーズ制御手段170によりメインリール21a〜21cのフリーズ制御を行い、副制御手段200によりサブリール46を用いた演出(スタートレバー32の操作により回転を開始し、ストップボタン33a〜33cの操作により停止する演出であって、以降の説明では「疑似遊技」と呼ぶ)を実行するように構成されている。詳細については後述する。
なお、本実施形態においては、サブリール46を画像表示装置41に表示される画像として構成した場合について説明したが、機械的なリールを用いることも可能である。また、サブリール46として回転・停止するリールの数はリール21a〜21cと同一でなくてもよい。
(主制御手段100での処理)
次に、図14〜図34を合わせて用いて主制御手段100で実行される処理について説明する。ここで、図14はプログラム開始処理の流れを示すフローチャートであり、図15は設定変更処理の流れを示すフローチャートであり、図16は電源復帰処理の流れを示すフローチャートであり、図17は制御コマンドセット1処理及び制御コマンドセット2処理の流れを示すフローチャートであり、図18は遊技進行メイン処理の流れを示すフローチャートであり、図19は遊技メダル管理処理の流れを示すフローチャートであり、図20は遊技メダル投入チェック処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図21は遊技メダル投入チェック処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図22は貯留枚数1枚加算処理及び遊技メダル1枚加算処理の流れを示すフローチャートであり、図23は役抽選処理の流れを示すフローチャートであり、図24は抽選判定処理の流れを示すフローチャートであり、図25は内部遊技状態移行処理の流れを示すフローチャートであり、図26は疑似遊技開始処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図27は疑似遊技開始処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図28はリール停止管理処理の流れを示すフローチャートであり、図29は遊技終了チェック処理の流れを示すフローチャートであり、図30は内部遊技状態チェック処理の流れを示すフローチャートであり、図31は外部信号制御処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図32は外部信号制御処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図33は割込処理及び電源断処理の流れを示すフローチャートであり、図34は制御コマンド送信処理及びソフト乱数更新処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るスロットマシン1において、主制御手段100のメインCPU101で実行される遊技用制御プログラムとして、電源投入時に実行されるプログラム開始処理S500及びこのプログラム開始処理S500に続けて実行されるプログラムであって、単位遊技毎に繰り返し実行される遊技進行メイン処理S550と、所定の割込間隔で実行される割込処理S570とで構成されている。
−プログラム開始処理S500−
本実施形態に係るスロットマシン1の電源スイッチ35が操作されて電源が投入されると、主制御手段100のメインCPU101において、図14に示すプログラム開始処理S500が実行される。このプログラム開始処理S500において、主制御手段100は、まず、メインCPU101のレジスタを初期化し(ステップS501)、今回の電源投入の前の電源断において、後述する電源断処理S5400が正常に実行されたか否かを電源断処理フラグで確認する(ステップS502)。このステップS502において、電源断処理フラグが正常値である、すなわち、電源断処理S5400が正常に実行されたと判断すると、主制御手段100は、RAM103の全範囲に対してチェックサムを算出する(ステップS503,S504)。なお、ステップS502において電源断フラグが正常値でない(例えば設定されていない)ために電源断処理S5400が正常に実行されていないと判断したときは、このチェックサムを算出する処理は実行されず、電源断処理フラグに異常値を設定する。異常値を設定することで、電源断復帰データが異常であるとみなされる。そして、チェックサムを算出した結果を電源断復帰データとしてレジスタに記憶する(ステップS505)。すなわち、RAM103のいずれかの領域で異常が検出された情報、若しくは、RAM103の全ての範囲で正常である情報が電源断復帰データとして記憶される。
次に、主制御手段100は、入力ポート1のデータを読み出してレジスタに記憶する(ステップS506)。この入力ポート1は、1バイト(8ビット)の情報であって、ドアスイッチ91、設定ドアスイッチ92、設定変更キースイッチ35及びリセット/設定スイッチ37の開閉又はオン・オフ情報が予め決められたビットに設定されるように構成されている。すなわち、この入力ポート1の1バイトの情報を読み出すことにより、ドアの開閉又は設定変更キースイッチのオン・オフを検知することができる。主制御手段100は、この入力ポート1の情報のうち、指定スイッチ(ドアスイッチ91、設定ドアスイッチ92及び設定変更キースイッチ36の全て)がオンであるか否かを判断する(ステップS507)。そして、これらの全てのスイッチがオンであると判断すると、主制御手段100は、ステップS505でレジスタに記憶した電源断復帰データが異常であるか否かを判断し(ステップS508)、異常で無いと判断すると、設定変更不可フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS509)。この設定変更不可フラグは、設定変更処理を不可とするためのフラグであって、本発明に係るスロットマシン1では、後述する役抽選処理S555から遊技終了チェックS561までの間はこの設定変更不可フラグがオンとなる。主制御手段100は、ステップS507で指定スイッチの全てがオンでないと判断したとき、及び、ステップS509で設定変更不可フラグがオンでないと判断したときは、電源断復帰データが正常か否かを判断し(ステップS510)、正常であると判断したときは電源復帰処理S532を実行し、正常でないと判断したときは、復帰不可能エラーの状態が継続する(ステップS511)。また、ステップS508で電源断復帰データが異常であると判断したとき、及び、ステップS509で設定変更不可フラグがオンであると判断したときは、設定変更処理S512を実行する。
−設定変更処理S512−
主制御手段100は、設定変更処理S512に移行したときは、図15に示すように、RAM103の初期化範囲として所定範囲をレジスタに記憶する(ステップS513)。この所定範囲は、電源断処理S5400が正常に実行されたと判断した場合の範囲であって、設定値データ、及び、持越条件装置情報記憶領域に記憶された情報は含まれない(これらの値は初期化されない)。また、主制御手段100は上述した電源断復帰データが正常か否かを判断し(ステップS514)、正常でないと判断したときは、RAM103の初期化範囲として特定範囲をレジスタに記憶する(ステップ515)。電源断処理S5400が正常でないと判断したときは、設定値データ、及び、持越条件装置情報記憶領域に記憶された情報も初期化の対象とする。そして、主制御手段100は、上述したステップS513又はステップS515で設定された範囲の初期化を行う(ステップS516,S517)。
次に主制御手段100は、割込の種類や、タイマ割込の周期等の割込処理の起動設定を行い(ステップS518)、「設定変更開始」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS519)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS520)。
また、主制御手段100は、RAM103に記憶された設定値が正常範囲(1〜6)であるか否かを判断し(ステップS521)、正常でないと判断したときは、設定値として「1」をRAM103に記憶する(ステップS522)。そして、主制御手段100は、設定変更処理中を示すランプを点灯させ(ステップS523)、リセット/設定スイッチ37の操作を検出したときに(ステップS524)設定値を更新する(ステップS525)という処理をスタートレバー32の操作を検知するまで繰り返す(ステップS526)。ここで、設定変更処理中のランプは、例えば7セグメントディスプレイで構成され現在の設定値が表示されるように構成することができる。主制御手段100は、スタートレバー32の操作を検出し、設定変更キースイッチ36がオフになったことを検出すると(ステップS527)、上述したように、持越条件装置情報記憶領域の情報に基づいて役決定情報記憶領域の情報を設定し、さらに、役決定情報記憶領域の情報に基づいてRT遊技状態情報記憶領域の情報を設定する(ステップS528)。具体的には、特別役−2に当選しているとき(特別役−2のビットに「1」が設定されているとき)は、役決定情報記憶領域の特別役−2のビットに「1」を設定し、さらに、RT遊技状態情報記憶領域の内部遊技状態RT2−2のビットに「1」を設定する。一方、特別役−2に当選していないとき(特別役−2のビットに「0」が設定されているとき)は、役決定情報記憶領域の特別役−2のビットに「0」を設定し、さらに、RT遊技状態情報記憶領域の内部中遊技状態RT2−2のビットに「0」を設定する。なお、特別役−2に当選していないとき(特別役−2のビットに「0」が設定されているとき)は、役決定情報記憶領域及びRT遊技状態情報記憶領域の上記ビットの設定は行わなくてもよいが、持越条件装置情報記憶領域に記憶されている情報を役決定情報記憶領域及びRT遊技状態情報記憶領域に書き込むことで遊技状態を復帰させる場合は、特別役−2に当選しているとき(特別役−2のビットに「1」が設定されているとき)であっても、特別役−2に当選していないとき(特別役−2のビットに「0」が設定されているとき)であっても、持越条件装置情報記憶領域に記憶されている情報を役決定情報記憶領域及びRT遊技状態情報記憶領域に書き込む処理を行うようにした方が、特別役−2に当選しているか否かによって処理を変更する必要がなくなり、処理負担を軽減することができる。そして、設定変更処理中のランプを消灯し(ステップS529)、「設定変更終了」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS530)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS531)、遊技進行メイン処理S550を実行する。
−電源復帰処理S532−
主制御手段100は、電源復帰処理S532に移行したときは、図16に示すように、RAM103に記憶された設定値が正常範囲(1〜6)であるか否かを判断し(ステップS533)、正常であると判断したときは、RAM103の未使用領域の初期化範囲をレジスタに記憶し(ステップS534)、この初期化範囲の初期化を行う(ステップS535,S536)。次に、主制御手段100は、電源断前の入力データから最新のデータに更新するために、入力ポート0〜2のデータを読込(ステップS537)、割込の種類や、タイマ割込の周期等の割込処理の起動設定を行い(ステップS538)、「電源断処理フラグ」を示すデータをRAM103からクリアし(ステップS539)、電源断がされたときに中断されたプログラムの実行位置に復帰する。なお、主制御手段100は、ステップS533で設定値が正常でないと判断したときは、復帰不可能エラーの状態が継続する(ステップS540)。また、入力ポート0は、1バイト(8ビット)の情報であって、各ビットに、清算ボタン34、1ベットボタン31a、MAXベットボタン31b、スタートレバー32、左ストップボタン33a、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cがオンになったときに1がセットされるように構成されている。また、入力ポート2も1バイト(8ビット)の情報であって、各ビットに、電源断を検知したとき、第1投入センサ61及び第2投入センサ62で遊技メダルを検知したとき、払出センサ71で遊技メダルを検知したとき、並びに、ホッパー装置の満杯を検知したときに1がセットされるように構成されている。
−制御コマンドセット1処理S5000−
−制御コマンドセット2処理S5010−
制御コマンドセット1処理S5000は、制御コマンドセット2処理S5010を呼び出して、レジスタに記憶された情報を制御コマンドとして制御コマンドバッファに記憶させるための処理である。なお、この処理で設定された制御コマンドは、後述する制御コマンド送信処理S5290で副制御手段200に送信される。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1における制御コマンドは2バイトデータで構成され、上位1バイトを「第1制御コマンド」と呼び、下位1バイトを「第2制御コマンド」と呼ぶ。また、副制御手段200に送信するための制御コマンドを記憶しておく制御コマンドバッファは、RAM103に設けられ、32個の制御コマンドをバッファ可能に構成されている(データサイズは64バイト)。
主制御手段100は、制御コマンドセット1処理S5000が呼び出されると、図17に示すように、まず、割込処理の実行を禁止し(ステップS5001)、制御コマンドセット2処理S5010を実行する(ステップS5002)。
この制御コマンドセット2処理S5010が呼び出されると、主制御手段100は、書込ポインタのアドレスをレジスタにセットし(ステップS5011)、このアドレスのデータ(書込ポインタの値)をレジスタにセットする(ステップS5012)。ここで、書込ポインタは、制御コマンドバッファにおいて、次の制御コマンドを書き込める位置を保持しており、制御コマンドバッファに1つの制御コマンドが書き込まれると、書込ポインタの値に1が加算される。なお、制御コマンドバッファは循環的に使用されるため、この制御コマンドバッファの最後の領域に制御コマンドが書き込まれると、書込ポインタは、制御コマンドバッファの先頭の領域の位置を記憶するように構成されている。同様に、後述する読込ポインタは、制御コマンドバッファに記憶された制御コマンドであって、未だ送信されていない制御コマンドうち、最初に記憶された位置を保持している。そして、制御コマンドバッファの先頭アドレスをレジスタにセットし(ステップS5013)、このレジスタの先頭アドレスの値に、レジスタにセットされた書込ポインタの値を2倍したものを加算することにより、制御コマンドを書き込むアドレス(以下「指定アドレス」と呼ぶ)を決定する(ステップS5014)。
次に、主制御手段100は、レジスタに記憶されている指定アドレスの位置に記憶されているデータを読み出し、このデータが「0」でないか否かを判断する。すなわち、この指定アドレスのデータが「0」でないときは、制御コマンドバッファに32個のコマンドがバッファされていることになるため、主制御手段100は、指定アドレスのデータとして「0」が記憶されているか否かを判断することにより、制御コマンドバッファに記憶されている制御コマンド数が32よりも小さいか否かを判断する(ステップS5015)。このステップS5015で制御コマンドバッファにバッファされている制御コマンドの数が32より少ないと判断すると、主制御手段100は、制御コマンドバッファに書き込むデータが、RAM103に記憶されているデータを参照する必要があるデータか否かを判断し(ステップS5016)、RAM103に記憶されているデータを参照するときは、第2制御コマンドとして書き込むデータをRAM103から読み出してレジスタに記憶する(ステップS5017)。ここで、「データを参照する必要があるデータ」としては、規定数情報(再遊技時の自動投入枚数)、設定値情報、RT状態番号、等である。そして、制御コマンドセット1処理S5000が実行される直前の処理でレジスタに記憶されたデータを、第1制御コマンドを示すデータとしてRAM103の指定アドレスの位置に記憶し(ステップS5018)、レジスタに記憶されている指定アドレスに1を加算して、RAM103の第1制御コマンドを記憶した次のアドレスに、レジスタに記憶されている第2制御コマンドを示すデータを記憶し(ステップS5019)、書込ポインタに1を加算し(ステップS5020)、制御コマンドセット1処理に戻る。そして、主制御手段100は、割込を許可し(ステップS5003)、制御コマンドセット1処理S5000を終了して、この制御コマンドセット1処理S5000が呼び出された処理に戻る。
−遊技進行メイン処理S550−
本実施形態に係るスロットマシン1は、電源投入後に上述したプログラム開始処理S500、設定変更処理S512、電源復帰処理S532が実行されると、遊技の進行を制御する遊技進行メイン処理S550が実行される。ここでは、1回の遊技の進行に沿ってこの遊技進行メイン処理S550を説明する。
主制御手段100は、遊技進行メイン処理S550に移行したときは、図18に示すように、まず、遊技開始処理を実行する(ステップS551)。この遊技開始処理S551では、前回の遊技で有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせにより、今回の遊技が再遊技又は特別遊技(BB遊技)であると判断したときは、上述したように、それぞれの遊技に対応する作動フラグ(遊技状態情報記憶領域の再遊技作動フラグ(B2ビット)又は特別遊技作動フラグ(B0又はB1ビット))をセットする。また、前回の遊技において、サブボーナス遊技等の副制御手段200で実行される所定の演出が終了したときは、この所定の演出の終了に関する演出を副制御手段200で実行するために、所定の時間のウエイト(待機処理)を行う。また、各種遊技情報(設定値、遊技状態、RT状態(内部中状態))を示す制御コマンドを制御コマンドバッファに書き込む。また、今回の遊技が再遊技であるときは、前回の遊技でベットされた遊技メダルを自動投入する処理を行う。さらに、セレクタのブロッカ60をオンにし、メダルの流路を形成する。但し、今回の遊技が再遊技であって、クレジット数が最大(50枚)であるときは、ブロッカ60をオンにしない。
次に、主制御手段100は、メダル投入口51から投入されるかベットボタン31が操作されてベットされた遊技メダルの数と規定数が一致し(遊技メダル限界フラグがオンの状態)、且つ、スタートレバー32がオンされるまで、繰り返し遊技メダル管理処理S5030を実行する(ステップS552,S553)。なお、遊技メダル限界フラグは、遊技開始処理S551でクリアされる。また、このステップS553で遊技メダル限界フラグがオンで且つスタートレバー32がオンされたと判断すると、スタートレバー受付フラグがオフにされる。また、このスタートレバー受付フラグがオンとなっているときはスタートレバー32が操作可能であることを所定のランプで報知する。そして、主制御手段100は、ステップS553でベットされた遊技メダルの枚数と規定数が一致し、且つ、スタートレバー32がオンされたと判断すると、セレクタのブロッカ60をオフし(ステップS554)、役抽選処理S5080を実行して当選役を決定し(ステップS555)、続いて内部遊技状態移行処理S5120により当選役や内部遊技状態に基づいて内部遊技状態を遷移させるための押し順を決定する(ステップS556)。そして、所定の条件を満たしたときは、疑似遊技開始処理により疑似遊技を実行し(ステップS557)、続いてリール停止管理処理により本遊技を実行し(ステップS558)、全てのリール21a〜21cが停止すると、有効ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせに基づいて何れかの役に対応する図柄の組み合わせが停止したか否かを判断し(ステップS559)、入賞役に当選しているときは、停止表示されている図柄の組み合わせの入賞役に割り当てられている枚数の遊技メダルの払出しを行い(ステップS560)、遊技終了チェック処理S5220を実行し(ステップS561)、一回の遊技を終了してステップS551に戻る。
−遊技メダル管理処理S5030−
遊技メダル管理処理S5030は、上述した遊技進行メイン処理S550において、遊技開始時の遊技メダルのベットを管理するものである。遊技メダル管理処理S5030が実行されると主制御手段100は、図19に示すように、ブロッカ60がオンであるか否かを判断し(ステップS5031)、ブロッカ60がオンのときは、さらに、第1投入センサ61又は第2投入センサ62がオンであるか否かを判断し(ステップS5032)、いずれかの投入センサがオンのときは遊技メダル投入チェック処理S5038を実行する。なお、図19〜図21においては、第1投入センサ61を「投入センサ1」と表記し、第2投入センサ62を「投入センサ2」と表記する。また、ステップS5031でブロッカ60がオンでないと判断したとき、及び、ステップS5032で2つの投入センサ61,62のいずれもがオンでないと判断したときは、主制御手段100は、ベットボタン31及び清算ボタン34の操作が受け付け可能であるか否かを判断し(ステップS5033)、さらに、これらのボタンの操作が受け付け可能であるときは、ベットボタン31又は清算ボタン34の操作受付を検出したか否かを判断する(ステップS5034)。そして、ステップS5034で操作受付を検出したときは、その操作受付が清算ボタン34に対する操作であるときは、遊技メダル清算処理を実行し(ステップS5036)、清算ボタン34に対する操作でないときはベットボタン31に対する操作であるため、遊技メダルの貯留投入処理を実行し(ステップS5037)、遊技メダル管理処理S5030を終了して遊技進行メインS540に戻る。なお、ステップS5033でベットボタン31及び清算ボタン34の操作受付が可能でないと判断したとき、及び、ステップS5034でベットボタン31又は清算ボタン34の操作受付を検出していないと判断したときは、そのまま遊技メダル管理処理S5030を終了する。
一方、ステップS5032で、第1投入センサ61又は第2投入センサ62がオンになったことを検知すると、主制御手段100は、図20に示す遊技メダル投入チェック処理S5038を実行する。主制御手段100は、スタートレバー受付許可フラグをクリアし(ステップS5039)、第1投入センサ61がオンであるか否かを判断する(ステップS5040)。第1投入センサ61がオンでないときは、下流側の第2投入センサ62が先に遊技メダルを検出したことを意味しているため、主制御手段100は、図21に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
図20に戻り、主制御手段100は、ステップS5040で第1投入センサ61がオンであると判断すると、投入センサ1通過チェック時間をセットし(ステップS5041)、第1投入センサ61及び第2投入センサ62がオンであるか否かを判断する(ステップS5042)。そして、このステップS5042で第1及び第2投入センサ61,62がオンでないと判断すると、主制御手段100は、第1投入センサ61がオンであるか否かを判断する(ステップS5043)。このステップS5043で第1投入センサ61がオンでないときは、遊技メダルが流路を逆流していると考えられるため、図21に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5043で第1投入センサ61がオンであると判断したときは、投入センサ1通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5044)、経過していないと判断したときはステップS5042に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5044で投入センサ1チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第1投入センサ61で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、図21に示すように、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
図20に戻り、ステップS5042で第1及び第2投入センサ61,62がオンであると判断すると、主制御手段100は、投入センサ2通過チェック時間をセットし(ステップS5045)、第1投入センサ61がオフで、且つ、第2投入センサ62がオンであるか否かを判断する(ステップS5046)。主制御手段100は、第1投入センサ61がオフで、且つ、第2投入センサ62がオンでないと判断すると、次に、第1及び第2投入センサ61,62がオンであるか否かを判断し(ステップS5047)、これらのセンサ61,62がオンでないと判断すると、図21に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5047で、第1及び第2投入センサ61,62がオンであると判断したときは、投入センサ1通過チェック時間又は投入センサ2通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5048)、いずれの通過チェック時間も経過していないと判断したときはステップS5046に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5048で投入センサ1チェック時間又は投入センサ2チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第1及び第2投入センサ61,62で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、図21に示すように、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
ステップS5046で第1投入センサ61がオフで、第2投入センサ62がオンであると判断すると、主制御手段100は、図21に示すように、第1及び第2投入センサ61,62がオフであるか否かを判断し(ステップS5049)、第1及び第2投入センサ61,62がオフでないと判断すると、第2投入センサ62がオンであるか否かを判断し(ステップS5050)、第2投入センサ62がオンでないときは、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。一方、ステップS5050で第2投入センサ62がオンであると判断したときは、主制御手段100は、投入センサ2通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5051)、経過していないと判断したときはステップS5049に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5051で投入センサ2チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第2投入センサ62で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
次に、主制御手段100は、ステップS5049で第1及び第2投入センサ61,62がオフであると判断すると、現在の遊技の規定数を取得し、また、現在の遊技において再遊技作動フラグがオンになっているか(再遊技が作動しているか)を確認し(ステップS5052)、貯留されている遊技メダルの枚数(クレジット数)を読み込む(ステップS5053)。そして、現時点でベットされている遊技メダルの枚数と貯留されている遊技メダルの枚数の合計値が、規定数に最大貯留数を加えた枚数より少ないか否かにより、次の遊技メダルも投入可能であるか否かを判断し(ステップS5054)、投入可能でないときはブロッカ60をオフにする(ステップS5055)。このブロッカ60のオフにより、以降に投入された遊技メダルは返却口へ戻されることになる。
更に、主制御手段100は、「1枚投入」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5056)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5057)。そして、主制御手段100は、遊技メダル限界フラグがオンであるか否かを判断し(ステップS5058)、この遊技メダル限界フラグがオンであるときは貯留枚数1枚加算処理S5059を実行し、オフであるときは遊技メダル1枚加算処理S5063を実行する。なお、遊技メダル限界フラグは、後述する遊技メダル1枚加算処理S5063でセットされる。
貯留枚数1枚加算処理S5059は、上記の処理により投入が検出された遊技メダルを、クレジットとして遊技媒体貯留手段141に加算するための処理であり、主制御手段100は、図22に示すように、貯留されている遊技メダルの枚数をRAM103から読み込み(ステップS5060)、この貯留枚数に1を加算して更新し(ステップS5061)、更新された貯留枚数をRAM103に保存し(ステップS5062)、図21に示すように、スタートレバー受付許可フラグをオンにして(ステップS5077)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
遊技メダル1枚加算処理S5063は、上記の処理により投入が検出された遊技メダルを、ベットされる遊技メダルの枚数に加算するための処理であり、主制御手段100は、図22に示すように、ベットされている遊技メダルの枚数をRAM103から読み出し(ステップS5064),この遊技メダル枚数に1を加算して更新し(ステップS5065)、更新された遊技メダル枚数をRAM103に保存する(ステップS5066)。次に、主制御手段100は、前回遊技における入賞で獲得した遊技メダルの枚数の情報をクリアし(ステップS5067)、ベットされた遊技メダルの枚数を出力ポートに設定することによりこの投入枚数を表示するLEDを点灯させる(ステップS5068)。さらに、主制御手段100は、現在の遊技の規定数を確認し(ステップS5069)、また、現在ベットされている遊技メダルの枚数をRAM103から読み込み(ステップS5070)、ベットされている遊技メダルの枚数と規定数が一致するか否かを判断することにより、ベットできる遊技メダルの枚数が限界に達しているか否かを判断し(ステップS5071)、限界に達しているときは遊技メダル限界フラグをセットし(ステップS5072)、スタートレバー受付許可フラグをオンにし(ステップS5073)、図21に戻り遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。なお、ステップS5071で限界に達していないと判断したときはステップS5072及びステップS5073は実行されない。
−役抽選処理S5080−
役抽選処理S5080は、上述した遊技進行メイン処理S550において、当選役を決定する処理である。図23に示すように、役抽選処理S5080において、主制御手段100は、第1乱数発生手段である乱数発生器102の乱数値レジスタから乱数値(2バイト乱数)を取得して第1の乱数値とし(ステップS5081)、また、第2乱数発生手段190からソフト乱数(2バイト)を読み出して第2の乱数値とする(ステップS5082)。そして、第1の乱数値と第2の乱数値から演算で(例えば、加算処理により)第3の乱数値を生成して役抽選用乱数値とし(ステップS5083)、この役抽選用乱数値をレジスタにセットする(ステップS5084)。このように、第1乱数発生手段である乱数発生器102から取得した第1の乱数値と、第2乱数発生手段190から取得したソフト乱数である第2の乱数値とから演算により第3の乱数値を生成して役抽選に用いることにより、この役抽選で用いる乱数値のランダム性を高くし、当選する役に規則性がないようにすることができる。
主制御手段100は、このようにして生成された役抽選用乱数値を用いて役の抽選を行うが、このとき、本実施形態に係るスロットマシン1では、再遊技役、入賞役、特別役の順で抽選を行う。但し、再遊技役の抽選は特別遊技状態RT2−1,RT2−2では実行されない。また、特別役の抽選は、内部中遊技状態RT1−1,RT1−2及び特別遊技状態RT2−1,RT2−2では実行されない。
まず、主制御手段100は、特別役条件装置が作動しているか否か(役決定情報記憶領域の特別役の条件装置フラグがセットされているか否か)を取得して、非内部中であるか内部中であるかを決定し(ステップS5085)、次に、特別遊技が作動しているか否か(遊技状態情報記憶領域の特別遊技作動フラグがセットされているか否か)を判断することにより特別遊技状態RT2−1又はRT2−2であるか否かを判断し(ステップS5086)、特別遊技状態RT2−1又はRT2−2でないときは、非内部中遊技状態RT0、内部中遊技状態RT1−1又はRT1−2であるかに応じて再遊技役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5087)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5088)。ここで、条件装置内部抽選アドレステーブルとは、図7に示す当選番号を検索キーとし(以下、検索番号と呼ぶ)、この検索番号に対して当該検索番号に対応する役の確率データ(図7に示す値数)が役の種類毎(再遊技役、入賞役、特別役)に設定されているテーブルである。後述する抽選判定処理S5100で当選の判定を行う順に検索番号と確率データの組みが並んで記憶されている。なお、以降の説明では当選判定を行う役の全てを検索番号及び確率データの組として列挙している場合について説明するが、検索番号が連続し、同じ確率データを繰り返すときは、その繰り返すデータの検索番号、確率データ及び繰り返し数を記憶するように構成してもよい。例えば、図7に示す構成の場合、非内部中遊技状態RT0において検索番号(当選番号)が5〜16の入賞役−A1〜F2は、その値数(確率データ)が3400であるため、「検索番号=5」、「確率データ=3400」、「繰り返し回数=12」と表し、繰り返す毎に検索番号に1を加算するように構成することができる。このように構成すると、条件装置内部抽選アドレステーブルに使用するメモリ量を削減することができる。
図24に示すように、抽選判定処理S5100において、主制御手段100は、再遊技役又は入賞役の抽選判定であるか否かを判断し(ステップS5101)、再遊技役又は入賞役の抽選判定であるときは、その条件装置内部抽選アドレステーブルの最初の検索番号をセットする(ステップS5102)。例えば、再遊技役の抽選判定であって、再遊技役の確率データが図7に示す順序に設定されている場合、検索番号として「3」が設定される。次に設定値別の確率データがあるか否かを判断し(ステップS5103)、設定値別の確率データがないときは、現在設定されている検索番号に基づいて設定値共通の確率データを取得し(ステップS5104)、設置値別の確率データがあるときは、設定値を取得し(ステップS5105),この設定値と現在設定されている検索番号に基づいて設定値別の確率データを取得する(ステップS5106)。また、役抽選処理S5080のステップS5084でセットした役抽選用乱数値(第3の乱数値)を読み込み(ステップS5107)、この役抽選用乱数値から現在の検索番号の確率データを減算し(ステップS5108)、確率データが減算された役抽選用乱数値を保存する(ステップS5109)。そして、主制御手段100は、現在の役抽選用乱数値が0より小さいかを判断し(ステップS5110)、役抽選用乱数値が0以上のときは、検索番号に1を加算し(ステップS5111)、全ての検索番号について検索が終了したか否かを判断し(ステップS5112)、当否判定が終了していないときは、ステップS5107に戻り上記の処理を繰り返す。
以上より、ステップS5110で役抽選用乱数が0より小さくなったときに、そのときの検索番号の役に当選したと判断し、ステップS5112において、条件装置内部抽選アドレステーブルの全ての検索番号の確率データを減算しても役抽選用乱数が0以上のときは検索番号をクリアする(検索番号=0)ことにより(ステップS5113)、現在の条件装置内部抽選アドレステーブルに含まれる役には当選していないと判断することができる。図7の場合、非内部中遊技状態RT0のときに(3枚ベット)、抽選判定手段S5100が呼び出された時点の役抽選用乱数値(第3の乱数値)が9200であった場合、検索番号(当選番号)3及び4の再遊技役の確率データ(値数)をこの役抽選用乱数から減算しても0より小さくならないため、再遊技役には当選していないと判断される。また、役抽選用乱数(第3の乱数値)が50であった場合、検索番号(当選番号)が「3」の再遊技役−1の確率データ(9020)を役抽選用乱数から減算すると0より小さくなるため、この再遊技役−1に当選したと判断することができる。
図23に戻り、ステップS5088の抽選判定処理の結果、検索番号が0でないか否かにより再遊技役に当選したか否かを判断し(ステップS5089)、当選していると判断したときは、現在の検索番号を条件装置番号バッファに保存し(ステップS5097)、この役抽選処理S5080を終了する。一方、ステップS5089で再遊技役に当選していないと判断したときは、次に、現在の遊技状態(非内部中遊技状態RT0、内部中遊技状態RT1−1又はRT1−2、特別遊技状態RT2−1又はRT2−2)に応じて入賞役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5090)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5091)。上述の例で説明すると、ステップS5083で生成した役抽選用乱数値(第3の乱数値)が9200であった場合、再遊技役に対する抽選判定処理を実行した時点で役抽選用乱数値は179となっている(再遊技役の全ての確率データの合計値が9021であるため)。そのため、非内部中遊技状態RT0における検索番号(当選番号)5の入賞役−A1の確率データが3400であるため、この入賞役−A1が当選したと判断される。主制御手段110は、ステップS5091の抽選判定の結果から入賞役に当選しているか否かを判断し(ステップS5092)、当選していないと判断したとき(検索番号が0であるとき)は、特別役条件装置が作動して内部中遊技状態RT1−1又はRT1−2であるか否か、特別遊技が作動して特別遊技状態RT2−1又はRT2−2であるか否かを判断し(ステップS5093)、内部中遊技状態RT1−1又はRT1−2、特別遊技状態RT2−1又はRT2−2でないときは、特別役の条件装置検索番号を取得し(ステップS5094)、特別役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5095)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5096)。この処理でも、特別役に当選したときはその検索番号が設定され、特別役に当選していないとき(再遊技役、小役、特別役のいずれにも当選していなく、はずれとなったとき)は、検索番号に0が設定されている。最後に、現在の条件装置検索番号を条件装置番号バッファに保存し(ステップS5097)、この役抽選処理S5080を終了する。なお、ステップS5090において、特別遊技作動中はBB作動中のアドレスがセットされ、非作動中は非内部中、内部中に応じたアドレスがセットされる。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、役抽選のために生成した第3の乱数値(役抽選用乱数値)から、予め決められた順序で確率データ(当選判定データ)を減算していき、0より小さくなったときの確率データに対する役に当選したと判断するように構成されている。この構成によると、当選の判定を行いたい役(判定対象)毎に確率データを対応付けて条件装置内部抽選アドレステーブル(当選判定データ群)として記憶し、第3の乱数値からこの確率データを順に減算処理するだけで判定することができるので、抽選の判定処理を簡単に実現することができる。もちろん、第3の乱数値(役抽選用乱数値)に上記確率データを順番に加算していき、最大値(2バイトデータの場合は65535)を超えたときに当選していると判定することも可能である。しかしながら、加算により判定する場合、例えば、乱数値の範囲が0〜999の抽選を行う場合、第3の乱数値に所定の値(例えば、2バイトデータなら64537)を加算した上でさらに確率データを加算しなければならず、処理が複雑になってしまう。一方、上述した減算方式であれば、乱数値がどのような範囲であっても、抽選用の乱数値から確率データを順に減算することで判定することができる。
なお、以上の説明では、役の種類毎に、条件装置内部抽選アドレステーブルを設定する場合について説明したが、例えば、抽選の順序にしたがって、再遊技役、入賞役、特別役の順でまとめてテーブルを定義しておき、当選判定をする際に、判定に用いる範囲を指定するように構成してもよい。例えば、再遊技役が5個あり、その検索番号が1〜5とし、入賞役が5個あり、その検索番号が6〜10とし、特別役が1個あり、その検索番号が11として、この順で並んで定義されているとする。この場合、非内部中遊技状態RT0で再遊技役、入賞役、特別役の順で判定するときは、「検索番号が1から11個の確率データを使って判定する」と指定することで、再遊技役、入賞役、特別役の当選判定を行うことができる。一方、内部中遊技状態RT1−1又はRT1−2のときは、特別役の当選判定をしないので、「検索番号が1から10個の確率データを使って判定する」と指定することで、再遊技役と入賞役の判定を行うことができる。そのため、このようなデータ構造で条件装置内部抽選アドレステーブルを記憶すると、当選判定の処理をより簡単に実現することができる。
−内部遊技状態移行処理S5120−
内部遊技状態移行処理S5120は、上述したサブリール46による疑似遊技を実行するための内部遊技状態の移行処理を行うものである。この内部遊技状態の移行は、上述したように押し順不問役(本実施形態に係るスロットマシン1では、再遊技役−1、再遊技役2、入賞役−M、入賞役−N1及び入賞役−N2)の当選に対して、ストップボタン33a〜33cの正解押し順を割り当てることにより行われる。なお、この内部遊技状態移行処理S5120では押し順不問役に対する正解押し順の割り当てを行い、内部遊技状態の移行は全てのリール21a〜21cが停止した後の処理(内部遊技状態チェック処理S5231)で実行される。
図25に示すように、主制御手段100は、内部遊技状態移行処理S5120を実行すると、まず、当選役決定手段110により押し順不問役に当選したか否かを判断し(ステップS5121)、押し順不問役に当選していないときはこの内部遊技状態移行処理S5120を終了する。一方、ステップS5121で押し順不問役に当選していると判断したときは、主制御手段100は、現在の内部遊技状態が「A」であるか否かを判断し(ステップS5122)、内部遊技状態Aであると判断したときは、図11(a)に示す抽選モード抽選テーブルを用いて、抽選により抽選モードを決定し(ステップS5123)、当選した抽選モードをRAM103に記憶する(ステップS5124)。そして、主制御手段100は、図11(b)に示す抽選テーブル決定テーブルに基づいて、現在の内部遊技状態(内部遊技状態A)と現在の抽選モードにより、正解押し順決定テーブルの群を決定し、図11(c)に示す正解押し順決定テーブルの該当する群のテーブルを用いて抽選により正解押し順を決定してRAM103に記憶し(ステップS5125)、内部遊技状態移行処理S5120を終了する。また、主制御手段100はステップS5122で内部遊技状態が「A」でないと判断したときは、現在の内部遊技状態が「B」、「C」、「D」のいずれかであるか否かを判断し(ステップS5126)、「B、C、D」のいずれかであるときは、図11(b)に示す抽選テーブル決定テーブルに基づいて、現在の内部遊技状態(内部遊技状態B,C,Dのいずれか)と現在の抽選モード(内部遊技状態Aのときに決定された抽選モード)により、正解押し順決定テーブルの群を決定し、図11(c)に示す正解押し順決定テーブルの該当する群のテーブルを用いて抽選により正解押し順を決定してRAM103に記憶し(ステップS5127)、内部遊技状態移行処理S5120を終了する。
さらに、ステップS5126で現在の内部遊技状態が「B、C、D」のいずれでも無いと判断したときは、現在の内部遊技状態は「E」であるため、主制御手段100は、保障カウンタ番号を抽選で決定し(ステップS5128)、当選した保障カウンタ番号をRAM103に記憶し(ステップS5129)、内部遊技状態移行処理S5120を終了する。ここで、保障カウンタ番号は、内部遊技状態Eのときに実行される疑似遊技の回数を示す値である。
−疑似遊技開始処理S5140−
本実施形態に係るスロットマシン1では、所定の条件を満たすと(具体的には内部遊技状態が「E」になると)、スタートレバー32が操作されたタイミングで、本遊技を開始する前に疑似遊技が実行される。本実施形態に係るスロットマシン1の疑似遊技とは、フリーズ演出の一種であって、スタートレバー32及びストップボタン33a〜33c、並びに、サブリール46を用いて、あたかも通常の遊技を進行しているかのような演出を行うものである。具体的には、スタートレバー32が操作されると、サブリール46が回転を開始し、遊技者がストップボタン33a〜33cを操作すると、サブリール46の各々のリールが停止する。このサブリール46による疑似遊技の回数は、上述した保障カウンタ番号及び後述する継続抽選で決定される。そして、最後の疑似遊技が実行された後に遊技者が再度スタートレバー32を操作すると、フリーズが解除され、リール21a〜21cの回転が開始され、通常の遊技(これを本遊技と呼ぶ)が実行される。なお、内部遊技状態は、押し順不問役に当選したときに抽選で割り当てられた正解押し順によりストップボタン33a〜33cが操作されたことにより移行する。そのため、副制御手段200による演出で正解押し順を報知することで移行させることができる。すなわち、本実施形態に係るスロットマシン1では、疑似遊技の実行タイミングを副制御手段200が決定するように構成されている。なお、本実施形態では疑似遊技の実行中リール21a〜21cは変動せず、サブリール46のみ変動を行うものとしたが、リール21a〜21cを操作に応じて回転、停止させるものとしてもよい。
疑似遊技開始処理S5140が実行されると、主制御手段100は、図26に示すように、内部遊技状態が「E」であるか否かを判断し(ステップS5141)、内部遊技状態Eでないときはこの疑似遊技開始処理S5140を終了する。一方、ステップS5141で内部遊技状態Eであると判断したときは、主制御手段100は、保障カウンタの値が0より大きいか否かを判断し(ステップS5142)、0より大きいと判断したときは保障カウンタの値から1を減算し(ステップS5143)、ステップS5146に進んで疑似遊技を実行する。一方、保障カウンタの値が0であるときは、後述する継続率に応じた継続抽選を行い(ステップS5144)、継続に当選したと判断すると(ステップS5145)、ステップS5146に進んで疑似遊技を実行する。なお、継続抽選は、例えば継続率が高いほど継続に当選する確率が高くなるように構成することができる。
主制御手段100は、保障カウンタの値が0より大きいか、保障カウンタの値は0であるが継続抽選に当選したと判断したときは、保障カウンタの値をレジスタにセットし(ステップS5146)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5147)。また、副制御手段200で実行させる演出パターンを決定するためのカットイン番号を抽選で決定し(ステップS5148)、このカットイン番号をレジスタにセットし(ステップS5149)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5150)。さらに、サブリール46による演出(疑似遊技としての回転パターンや、停止図柄の組み合わせ等)を実行させるためのサブ遊技パターンを抽選で決定し(ステップS5151)、当選したサブ遊技パターンをレジスタにセットし(ステップS5152)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5153)。
そして、主制御手段100は、図27に示すように、入力検知時間(例えば、20秒)をRAM103に記憶し(ステップS5145)、ストップボタン33a〜33cに対する操作を受け付けるか、入力検知時間を経過するまで待機し(ステップS5155),ストップボタン33a〜33cの操作を受け付けるか入力検知時間が経過したと判断すると、サブリール46のうち停止するサブリールを示すデータをレジスタにセットし(ステップS5156)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5157)。なお、ストップボタン33a〜33cが操作されずに入力検知時間が経過すると、現在回転しているすべてのサブリール46が停止したと判断する。そして、全てのサブリール46が停止したか否かを判断し(ステップS5158)、全てのサブリール46が停止していないと判断したときは、ステップS5154に戻って全てサブリール46が停止するまで上記の処理を繰り返す。さらに、ステップS5158で全てのサブリール46が停止したと判断したときは、ステップS5142に戻って保障カウンタの値が0になり、継続抽選にはずれるまで上記の処理を繰り返す。
図26に戻り、主制御手段100は、ステップS5145で継続抽選にはずれたと判断したときは、終了フラグをレジスタにセットし(ステップS5159)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5160)。また、上述したカットイン番号を抽選で決定し(ステップS5161)、このカットイン番号をレジスタにセットし(ステップS5162)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5163)。さらに、主制御手段100は、最後の疑似遊技に対するサブ遊技パターンであるサブ遊技パターン1をレジスタにセットし(ステップS5164)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5165)。
また、主制御手段100は、図27に示すように、入力検知時間(例えば、20秒)をRAM103に記憶し(ステップS5166)、ストップボタン33a〜33cに対する操作を受け付けるか、入力検知時間を経過するまで待機し(ステップS5167),ストップボタン33a〜33cの操作を受け付けるか入力検知時間が経過したと判断すると、サブリール46のうち停止するサブリールを示すデータをレジスタにセットし(ステップS5168)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5169)。そして、全てのサブリール46が停止したか否かを判断し(ステップS5170)、全てのサブリール46が停止していないと判断したときは、ステップS5166に戻って全てサブリール46が停止するまで上記の処理を繰り返す。そして、主制御手段100は、ステップS5170ですべてのサブリール46が停止したと判断すると、「疑似遊技終了」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5171)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5172)、疑似遊技開始処理S5140を終了する。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、疑似遊技が実行されるときに、主制御手段100でフリーズ演出を実行し、スタートレバー32やストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたときに制御コマンドを副制御手段200に送信することにより、サブリール46の作動(演出)を副制御手段200で実行させるように構成されている。また、一回のフリーズ演出で実行される疑似遊技の回数は、上述したように、保障カウンタの値(この保障カウンタの値は内部遊技状態が「D」から「E」に移行するときに決定される)と継続抽選の結果で決定される。例えば、内部遊技状態Eに移行するときに保障カウンタに2が設定されている場合は、少なくとも3回の疑似遊技が実行される。副制御手段200は、AT遊技の実行中、または、AT遊技を実行するときに疑似遊技を実行させ、この疑似遊技毎にAT遊技の遊技数の上乗せ抽選を行うように構成されている。したがって、サブリール46による疑似遊技の回数が多いほど、遊技者はAT遊技の遊技数が上乗せされる期待が高くなるように構成されている(AT遊技の詳細は後述する)。
−リール停止管理処理S5190−
疑似遊技開始処理S5140が終了すると、本遊技におけるリール21a〜21cの回転開始及び停止の制御のためにリール停止管理処理S5190が実行される。主制御手段は、図28に示すように、役抽選処理S545で決定された当選役を副制御手段200に送信するために、「当選番号」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5191)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5192)。
次に、主制御手段100は、前の遊技の開始(リール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているかを監視し(ステップS5193)、最小遊技時間を経過しているときは、リールが回転開始待機状態であるという状態を副制御手段200に渡すために、「リール回転開始待機」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5194)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5195)、リール21a〜21cを定速回転(80rpm/分)にするための情報をRAM103に記憶する(ステップS5196)。なお、リール21a〜21cの回転及び停止の制御(リール駆動制御)は、後述する割込処理S570で実行される。
また、主制御手段100は、リールが定速で回転中か否かを判断し(ステップS5197)、定速中のときは不良検出カウンタ値が異常値であるか否かを判断し(ステップS5198)、異常値であるときは、例えばリール21a〜21cを回転させるステッピングモータが脱調等している可能性があるため、リール21a〜21cを定速回転にするための情報をRAM103に再度記憶する(ステップS5199)。さらに、主制御手段100は、リール21a〜21cの全てに対して、リールが定速で回転中かの確認が終了したか否かを判断し、確認が終了するまでステップS5197に戻って上記の処理を繰り返す(ステップS5200)。
以上の処理が終了すると、リール21a〜21cが定速で回転している状態であるため、主制御手段100は、次に、リール制御手段140で説明した停止位置データ(停止可能位置)が作成済みか否かを判断し(ステップS5201)、作成されていない場合は、停止位置データ(停止可能位置)を作成する(ステップS5202)。さらに、主制御手段100は、ストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたか否かを判断し(ステップS5203)、ストップボタン33a〜33cの受け付けを検知すると、上述した停止位置データに基づいて停止位置を決定し(ステップS5204)、「停止するリール及び滑りコマ数」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5205)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5206)。そして、主制御手段100は、全てのリール21a〜21cが停止したか否かを判断し(ステップS5207)、停止していない場合はステップS5197に戻って上記の処理を繰り返し、停止しているときはこのリール停止管理処理S5190を終了する。
−遊技終了チェック処理S5220−
遊技終了チェック処理S5220は、一回の遊技の最後に主制御手段100で実行される遊技の状態や演出(疑似遊技)の状態(内部遊技状態)を管理する処理である。この遊技終了チェック処理S5220が実行されると、主制御手段100は、図29に示すように、まず、フラグ情報記憶手段111における役決定情報記憶領域のアドレスをセットし(ステップS5221)、このアドレスに記憶されている全ての非持ち越し役に対応する条件装置フラグをオフにする(ステップS5222,S5223)。また、入賞判定処理S549で、有効ライン上に特別役作動図柄(特別役に割り当てられた図柄の組み合わせ)が停止しているか否かを判断し(ステップS5224),停止しているときは遊技状態情報記憶領域の特別遊技作動中を示す特別遊技作動フラグをセットし、役決定情報記憶領域の特別役の条件装置フラグをクリアする(ステップS5225)。また、主制御手段100は、図12に示す遊技状態情報記憶領域の特別遊技作動中を示す特別遊技作動フラグ及び再遊技作動中を示す再遊技作動フラグをチェックし(ステップS5226)、特別遊技が作動中か否かを判断し(ステップS5227)、特別遊技が作動中であるときは、この特別遊技が開始してから払い出された遊技メダルの枚数が特別遊技の終了条件を満たしているか否かを判断し、終了条件を満たしているときは特別遊技作動フラグをクリアする(ステップS5228)。そして、図12に示す役決定情報記憶領域から条件装置フラグを取得し(ステップS5229)、この条件装置フラグ及び特別遊技作動フラグの状況(セットされているかクリアされているか)から現在の遊技状態を示すRT情報を更新して図12に示すRT遊技状態情報記憶領域に保存し(ステップS5230)、内部遊技状態チェック処理S5231を実行する。
−内部遊技状態チェック処理S5231−
遊技終了チェック処理S5220が終了すると、続いて内部遊技状態チェック処理S5231が実行される。この内部遊技状態チェック処理S5231は、押し順不問役の操作に応じて内部遊技状態を切り替え、また、押し順ベル(8枚押し順ベル及び3枚押し順ベル)の操作に応じて外部信号の出力を制御するための処理である。
この内部遊技状態チェック処理S5231において、主制御手段100は、図30に示すように、外部信号制御処理S5270を実行する(ステップS5232)。この外部信号制御処理S5270において、主制御手段100は、図31に示すように、外部信号1,2を出力中か否かを判断し(ステップS5271)、出力中でないときは、当該遊技で8枚押し順ベル(入賞役−A1〜F2のいずれか)に当選しているか否かを判断する(ステップS5272)。主制御手段100は、ステップS5272で8枚押し順ベルに当選していると判断したときは、8枚の遊技メダルが払い出されたか否かを判断し(ステップS5273)、8枚の遊技メダルが払い出されたと判断したときは、ベルカウンタBCに1を加算する(ステップS5274)。なお、ステップS5273の処理は、8枚ベルの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったか否かで判断してもよいし、ストップボタン33a〜33cが8枚正解押し順で操作されたか否かで判断してもよい。さらに、主制御手段100は、当該遊技で当選した役が8枚押し順ベルのうち、変則押しで8枚ベルの図柄の組み合わせが揃う役(入賞役C1〜F2のいずれか)であるか否かを判断し(ステップS5275)、入賞役−C1〜F2であるときは外部カウンタGCに1を加算する(ステップS5276)。ステップS5275で順押しすると8枚ベルの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃う役(入賞役−A1〜B2)であると判断したときは、ステップS5276は実行されない。また、主制御手段100は、ステップS5273で、8枚の遊技メダルが払い出されなかった(あるいは、8枚ベルの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃わなかった、もしくは、8枚正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されなかった)と判断したときは、ベルカウンタBC及び外部カウンタGCに0を設定しクリアする(ステップS5277、S5278)。
また、主制御手段100は、ステップS5272で8枚押し順ベルに当選していないと判断したときは、3枚押し順ベル(入賞役-G1〜L2)に当選しているか否かを判断し(ステップS5279)、3枚の遊技メダルが払い出されなかった(あるいは、3枚ベルの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃わなかった、もしくは、3枚正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されなかった)と判断したときは、ベルカウンタBC及び外部カウンタGCに0を設定しクリアする(ステップS5277、S5278)。また、主制御手段100は、ステップS5279で3枚押し順ベルに当選していないと判断したときは、ステップS5280、S5277、S5278は実行せず、また、ステップS5280で3枚の遊技メダルが払い出されたと判断したときはステップS5277、S5278を実行しない。
そして、主制御手段100は、外部カウンタGCの値が4であるか否かを判断する(ステップS5281)。また、ステップS5281で外部カウンタGCの値が4でないと判断したときは、現在の内部遊技状態が「E」であるか否かを判断する(ステップS5282)。このステップS5281で外部カウンタGCの値が4であると判断したとき、及び、ステップS5282で現在の内部遊技状態が「E」であると判断したときは、主制御手段100は、外部信号1,2を一旦オフにし(ステップS5283)、さらに、外部信号1,2をオンにし(ステップS5284)、ベルカウンタBCに0を設定してクリアし(ステップS5285)、外部信号制御処理S5270を終了する。また、ステップS5282で現在の内部遊技状態が「E」でないと判断したときは、そのまま外部信号制御処理S5270を終了する。
一方、主制御手段100は、ステップS5271で外部信号1,2を出力中であると判断したときは、図32に示すように、現在の内部遊技状態が「E」であるか否かを判断し(ステップS5290)、内部遊技状態Eであると判断したときは、外部信号1,2を一旦オフにし(ステップS5300)、さらに、外部信号1,2をオンにし(ステップS5301)、ベルカウンタBCに0を設定してクリアし(ステップS5302)、外部信号制御処理S5270を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5290で現在の内部遊技状態が「E」でないと判断したときは、8枚押し順ベルである入賞役−A1〜F2のいずれかに当選しているか否かを判断し(ステップS5291)、8枚押し順ベルに当選していると判断したときはさらに8枚の遊技メダルの払出がされかた(あるいは、8枚ベルの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったか、もしくは、8枚正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたか)を判断し(ステップS5292)、8枚の払い出しがされたと判断したときはベルカウンタBCに1を加算する(ステップS5293)。そして、主制御手段100は、ベルカウンタBCの値が30であるか否かを判断し(ステップS5294)、ベルカウンタBCの値が30であるときは、外部信号1を一旦オフにし(ステップS5295)、さらに外部信号1をオンにし(ステップS5296)、ベルカウンタBCに0を設定してクリアし(ステップS5297)、外部信号制御処理S5270を終了する。ステップS5294でベルカウンタBCの値が30でないと判断したときはそのまま外部信号制御処理S5270を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5292で8枚押し順ベルに当選しているにも拘わらず8枚の遊技メダルが払い出されなかったと判断したときは、外部信号1,2をオフにし(ステップS5298)、ベルカウンタBCに0を設定してクリアし(ステップS5299)、外部信号制御処理S5270を終了する。また、ステップS5291で8枚押し順ベルに当選していないと判断したときも、そのまま外部信号制御処理S5270を終了する。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1の外部信号の出力について説明する。このスロットマイン1において、AT遊技が開始された情報(初当たりの情報)は、BB信号である外部信号1とRB信号である外部信号2を出力することにより外部に出力している。ここで、これらの外部信号1及び外部信号2の出力は、8枚押し順ベルの当選に対し、連続して4回正解押し順で操作されることにより、AT遊技が開始されていると判断してオンになるように構成されている。但し、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタン33a〜33cが順押しされても変則押しされてもペナルティを課さないように構成されているが、一般的に順押し(若しくは挟み打ち)で遊技する遊技者が多いことを考慮すると、AT遊技の開始の判断に、順押し(左中右正解、及び、左右中正解)の8枚押し順ベルを含めてしまうと、例えば、偶発的に4回連続で左中右が正解押し順の8枚押し順ベル(入賞役−A1又はA2)に当選してしまった場合、副制御手段200側でAT遊技を開始していないにも関わらず、主制御手段100によりAT遊技が開始されたこと示す外部信号1,2が出力されてしまう恐れがある。そのため、上述したように、8枚押し順ベルのうち、順押しでストップボタン33a〜33cを操作することにより8枚の遊技メダルが払い出される役(左中右正解及び左右中正解の8枚押し順ベル(入賞役−A1〜B2))を除く8枚押し順ベル(ストップボタン33a〜33cを変則押しすることにより8枚の遊技メダルが払い出される役(入賞役−C1〜F2))に当選した遊技において、連続して4回押し順が一致した場合に外部信号1,2を出力するように構成されている。
また、後述するように、AT遊技の遊技数は上乗せされてAT遊技が継続する場合があり、この状態を外部に出力するために、AT遊技の継続時に、外部信号1をオフ・オンするように構成されている。本実施形態に係るスロットマシン1では、副制御手段200でAT遊技を開始してから150枚の差枚数が得られるごとに、外部信号1をオフ・オンする。具体的には、上述した順押しでストップボタン33a〜33cが操作されると8枚の遊技メダルが払い出される入賞役−A1〜B2を含む8枚押し順ベル(入賞役−A1〜F2)に当選して8枚の遊技メダルが払い出されると5枚の差枚数(入賞して得られる8枚−ベットした3枚)が得られるため、この8枚の遊技メダルが払い出されたときの回数(ベルカウンタBC)が30回になった場合(5枚×30回=150枚)に出力するように構成している。ここで、ベルカウンタBCは、AT遊技が開始したときの外部信号1及び2が出力されていないときからカウントしている。これにより、副制御手段200側でAT遊技が開始しているにも関わらず、当選する役の状況によりAT初当り時の信号(外部信号1,2)が出力されない場合であっても、AT継続時の信号(外部信号1)は、おおむね正確なタイミングで出力させることができる。
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、内部遊技状態Eに移行したときも、外部信号1,2を出力するように構成されている。ここで、後述するように、副制御手段200による演出では、内部遊技状態Eへの移行をAT遊技中に決定されるようになっており、内部遊技状態Eへ移行させることが決定されたときは、内部遊技状態Eに移行するまでは、8枚押し順ベルの当選に対して8枚の遊技メダルが獲得できる8枚正解押し順を報知しない(ナビをしない)ように構成している。これは、内部遊技状態Eへ移行する間もナビを継続して行うものとすると、AT遊技中の差枚数の増加量(AT遊技中の傾斜)が高くなりすぎてしまうことを抑止するためである。また、本実施形態では、ストップボタン33a〜33cに対してナビを無視した操作がなされた場合に、ペナルティを課すことをしていないため、遊技者によっては、状態移行押し順のナビ(押し順不問役に割り当てられた正解押し順のナビ)を無視することで、内部遊技状態Eへ移行させず、AT遊技の終了を引き伸ばす行為がなされる恐れがあるためである。このように、本実施形態では、8枚押し順ベルのナビをしなくなるため、上述した外部信号処理S5270により、内部遊技状態Eに移行するまでに、一旦外部信号1,2が出力停止となり、内部遊技状態Eへ移行するとともに再度外部信号1,2が出力されるように構成されている。しかし、内部遊技状態Eへ移行するまでに必ず外部信号1,2が出力停上になるとは限らないため(例えば、8枚押し順ベルに当選する前に、内部遊技状態Eへ移行してしまうことがあるため)、内部遊技状態Eに移行したときは、外部信号1,2が出力中であるか出力停止中であるかに関わらず、一旦出力停止にした後に、再度外部信号1,2を出力するように構成している。外部信号1,2が出力中であるか否かを判定しなくてもよいため、処理を共通化でき、主制御手段100による処理の負担を軽減することができる。
図30に戻り、主制御手段100は、当該遊技で押し順不問役に当選しているか否かを判断し(ステップS5233)、押し順不問役に当選していないときはそのまま内部遊技状態チェック処理S5231を終了する。一方、主制御手段100は、ステップS5233で押し順不問役に当選していると判断したときは、現在の内部遊技状態が「A」であるか否かを判断し(ステップS5234)、内部遊技状態Aであるときは、正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたか否かを判断し(ステップS5235)、正解押し順で操作されたときは内部遊技状態を「B」に設定し(ステップS5236)、正解押し順で操作されなかったときは内部遊技状態を「A」に設定し(ステップS5237)、内部遊技状態チェック処理S5231を終了する。
また、主演出手段100は、ステップS5234で現在の内部遊技状態が「A」でないと判断したときは、現在の内部遊技状態が「B」であるか否かを判断し(ステップS5240)、内部遊技状態Bであるときは、正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたか否かを判断し(ステップS5241)、正解押し順で操作されたときは内部遊技状態を「C」に設定し(ステップS5242)、正解押し順で操作されなかったときは内部遊技状態を「A」に設定し(ステップS5243)、内部遊技状態チェック処理S5231を終了する。また、主演出手段100は、ステップS5240で現在の内部遊技状態が「B」でないと判断したときは、現在の内部遊技状態が「C」であるか否かを判断し(ステップS5245)、内部遊技状態Cであるときは、正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたか否かを判断し(ステップS5246)、正解押し順で操作されたとき内部遊技状態を「D」に設定し(ステップS5247)、正解押し順で操作されなかったときは内部遊技状態を「A」に設定し(ステップS5248)、内部遊技状態チェック処理S5231を終了する。
また、主制御手段100は、ステップS5245で現在の内部遊技状態が「C」でないと判断したときは、現在の内部遊技状態が「D」であるか否かを判断し(ステップS5250)、内部遊技状態Dであるときは、正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたか否かを判断し(ステップS5251)、正解押し順で操作されたときは、内部遊技状態Eで実行される疑似遊技の継続率である継続番号を抽選で決定し(ステップS5252)、当選した継続番号をRAM103に記憶し(ステップS5253)、内部遊技状態を「E」に設定して(ステップS5254)、内部遊技状態チェック処理S5231を終了する。一方、ステップS5251において正解押し順で操作されなかったと判断したときは、主制御手段100は、内部遊技状態を「A」に設定し(ステップS5255)、内部遊技状態チェック処理S5231を終了する。また、ステップS5250で現在の内部遊技状態が「D」でないと判断したときは、現在の内部遊技状態は「E」であるため、内部遊技状態を「A」に設定して(ステップS5255)、内部遊技状態チェック処理S5231を終了する。
−割込処理S570−
主制御手段100のメインCPU101は、上述した遊技進行メイン処理S550を実行しているが、所定の割込間隔で、割込処理S570を実行するように構成されている。この割込処理S570は、制御用カウンタの更新、ソフト乱数の更新、入力ポートからのデータによる操作手段30等の操作の検出、リール21a〜21cの駆動制御、制御コマンドの送信等を行う処理である。
図33に示すように、この割込処理S570が実行されると、主制御手段100は、まず初期処理としてレジスタ値の退避及び重複割込の禁止を行う(ステップS571)。次に、主制御手段100は、電源断検出回路により電源電圧が所定値以下になったことに基づいて出力される信号が入力ポートに入力されるため、この入力ポートの状態により電源断を検知したか否かを判断し(ステップS572)、電源断を検出したときは後述する電源断処理S5280を実行する。一方、電源断を検知しないときは、制御用カウンタ値の更新を行う(ステップS573)。この制御用カウンタとは、上述した揺れ変動カウンタや割込カウンタ等である。また、主制御手段100は、タイマ計測を行う(ステップS574)。具体的には、最小遊技時間を計測カウンタやメダル滞留時間を計測するカウンタの減算処理を行う。また、主制御手段100は、7セグメントディスプレイの表示制御処理を実行する(ステップS575)。本実施形態では詳細に説明していないが、スロットマシン1には、このスロットマシン1の状態に応じて、設定値、獲得枚数値、貯留枚数値を表示するための7セグメントディスプレイが設けられており、これらの発光パターンが制御される。また、主制御手段100は、入力ポート0〜2の情報を読み出す処理を行う(ステップS576)。この処理により、ベットボタン31、スタートレバー32、ストップボタン33a〜33c等の操作系、並びに、セレクタやホッパー装置のセンサ系の状態を、入力ポートから読み出したデータにより生成し、RAM103に記憶する。さらに、主制御手段100は、リール21a〜21cの各々に対して回転や停止等の作動の制御を行い(ステップS577,S578)、また、ポート出力処理を行う(ステップS579)。具体的には、リール21a〜21cを回転させるステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)やホッパーモータ70、ブロッカ60を作動させるための励磁出力値を出力ポートに設定する。また、主制御手段100は、後述する制御コマンド送信処理S5500を実行して遊技進行メイン処理S550等でRAM103の制御コマンドバッファに記憶された制御コマンドを副制御手段200に送信する(ステップS580)。
さらに、主制御手段100は、RAM103に記憶されている外部信号1データ、及び、外部信号2データをレジスタにセットし(ステップS581)、これらの外部信号1、2データに基づいて外部信号出力する(ステップS582)。また、主制御手段100は、上述した第2乱数発生手段190のソフト乱数値を更新し、また、リール回転開始待機カウンタ値に乱数値の更新処理(減算)を行う(ステップS583)。最後に、ステップS571で退避させたレジスタ値を復帰させ、次回の割込許可をして(ステップS584)、一回の割込処理S570を終了する。
−電源断処理S5400−
電源断処理S5400が実行されると、主制御手段100は、図33に示すように、全出力ポートの出力をオフし(ステップS5401)、電源断処理が実行されたことを示すデータである電源断処理フラグをRAM103に記憶する(ステップS5402)。なお、電源断処理フラグには、この電源断処理S5400が実行されたときは、例えば「1」が設定される。そして、制御コマンドの読込ポインタ(詳細は後述する)の値を偶数に設定する(ステップS5403)。本実施形態に係るスロットマシン1では、制御コマンドを副制御手段200に送信するときに、同じコマンドを2回送信している。そのため、制御コマンドの1回目の送信をしたときに電源断が発生すると、電源断復帰後の制御コマンドの処理(設定処理及び送信処理)が複雑になるため、電源断発生時に再度1回目の送信から再開できるように、読込ポインタの値を偶数にしている(具体的には書込ポインタの値の最後のビットを0にする)。このように、本実施形態においては、最後のビットの値で1回目の送信であるか2回目の送信であるかを判断しているが、1回目の送信及び2回目の送信をフラグにより管理してもよい。例えば、1回目の送信が行われると送信済みフラグを設定し、2回目の送信が行われたときにこの送信済みフラグをクリアするようにしてもよい。また、電源断発生時には再度1回目の送信から再開できるように送信済みフラグをクリアする。
次に、主制御手段100は、RAM103の全範囲に対してチェックサムデータを算出し(ステップS5404,S5405)、このチェックサムデータをRAM103に記憶し(ステップS5406)、上述したリセットがされるまで待機する(ステップS5407)。電源電圧が低下してこの電源断処理S5400が実行された後に、電源電圧が復帰すると、主制御手段100に設けられた電源電圧監視装置からリセット信号が出力され、このスロットマシン1は再起動することになる。
−制御コマンド送信処理S5500−
制御コマンド送信処理S5500は、割込処理S570で実行され、制御コマンドを副制御手段200に送信する処理を行う。図34に示すように、まず、主制御手段100は、制御コマンドバッファ(制御コマンドセット2処理S5010で制御コマンドが書き込まれる領域)の先頭アドレスをレジスタにセットし(ステップS5501)、さらに、読込ポインタのアドレスをレジスタにセットし(ステップS5502)、先頭アドレスがセットされているレジスタの値に、読込ポインタの値(読込ポインタのアドレスに格納されている値)を加算することにより、送信制御対象の制御コマンドが格納されている制御コマンドバッファのアドレスを決定する(ステップS5503)。なお、このステップS5503において、最下位ビットの値を0にする(2進数で、11111110と論理積を行う)。これにより、読込ポインタが偶数のときも、この偶数のときから1進めた奇数のときも、偶数のときと同じアドレスになる。すなわち、読込ポインタが偶数のときは制御コマンド送信の1回目の送信が行われ、奇数のときは同じデータに対して2回目の送信を行うことができる。なお、制御コマンドバッファの先頭アドレスも偶数であるものとする。そして、このアドレスに格納されている値が0であるか否かを判断することにより制御コマンドが格納されているか否かを判断し(ステップS5504)、制御コマンドが格納されていないときはこの制御コマンド送信処理S5500を終了する。
一方、ステップS5504で制御コマンドが格納されていると判断したときは、副制御手段200に制御コマンドを送信するためのレジスタ(送信用レジスタ)のアドレスをレジスタにセットし(ステップS5505)、現在の制御コマンドバッファのアドレス(レジスタに設定されている値)にあるデータ(制御コマンドの上位1バイト)を読み出して、このデータを送信用レジスタのアドレス(レジスタに設定されている)に書き込み、また、制御コマンドバッファのアドレス(レジスタに設定されている値)に1を加算する(ステップS5506)。さらに、現在の制御コマンドバッファのアドレスにあるデータ(ステップS5506でアドレスが1進められているため、制御コマンドの下位1バイト)を読み出して、送信用レジスタのアドレスにこのデータを送信用レジスタのアドレスに書き込む(ステップS5507)。なお、送信用レジスタにデータが書き込まれると、そのデータが副制御手段200に送信される。
さらに、主制御手段100は、読込ポインタの値が奇数であるか否かを判断することにより、制御コマンドの2回目の送信が行われた否かを判断し(ステップS5508)、2回目の送信が行われたときは当該制御コマンドが格納されている送信対象制御コマンドバッファの値を0に設定してクリアする(ステップS5509)。最後に(1回目の送信時も2回目の送信時も)、読込ポインタの値に1を加算して(ステップS5510)、制御コマンド送信処理S5500を終了する。
−ソフト乱数更新処理S5570−
図34を用いてソフト乱数更新処理S5570について説明する。上述したように、割込処理S570や、遊技進行メイン処理S550等からソフト乱数更新処理S5570が呼び出されると、第2乱数発生手段190からソフト乱数の現在値を取得し(ステップS5571)、この現在値に所定の加算値を加算する(ステップS5572)。ここで、加算値は素数であって、例えば10909が利用される。このような素数を加算して更新することにより、2バイトの乱数値であれば、各更新時には異なる値となり、且つ、65536回更新すると初期値に戻る。そして、RAM103に記憶されているソフト乱数の初期値を取得し(ステップS5573)、この初期値と加算値が加算された現在値とを比較する(ステップS5574)。初期値と現在値とが一致したときは、割込処理S570が実行される毎にカウントされる割込カウンタ値を取得し(ステップS5575)、この割込カウンタ値を第2乱数発生手段190の現在値として記憶し(ステップS5576)、また、割込カウンタ値を初期値として保存する(ステップS5577)。最後に現在値(ステップS5572において更新値が加算された現在値、又は、ステップS5576で割込カウンタ値が設定された現在値)をソフト乱数値として保存することで(ステップS5578)、第2乱数発生手段190の乱数値の更新を終了する。
なお、以上の説明において、「割り込み処理」とは、主制御手段100のメインCPU101において、現在行われている処理を中断し、別の処理を実行することを意味しており、割り込み方式は特に限定されない(例えば、ハードウェア割り込みやソフトウェア割り込みといった方式を採用することができる)。
(副制御基板300による演出)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、主制御手段(主制御基板)100で制御される遊技の進行に応じて、単位遊技ごとに、副制御手段200の副制御基板300で実行される演出制御手段(例えば、副制御基板300のサブCPU310で実行されるプログラム)301により演出パターンが選択され、画像表示装置41、演出用ランプ42、放音部43、バックランプ44等からなる演出手段40を用いた演出が実行される。まず、図35を用いてこの副制御基板300で実行される演出の流れについて説明する。ここで、図35は副制御基板300で実行される演出状態の流れを示す説明図である。
(演出状態の遷移)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1は、2枚の遊技メダルをベットして遊技を行い、特別役−2当選した状態(内部中中遊技状態RT1−2である状態)に移行させ、この内部中遊技状態RT1−2で、3枚の遊技メダルをベットして遊技を行うように構成されている。そのため、内部中遊技状態RT1−2の状態で遊技が実行されるため、遊技状態の遷移の説明は省略する。このスロットマシン1において、副制御手段200の演出制御手段301で実行される演出の状態遷移について、図35を用いて説明する。図35に示すように、このスロットマシン1は、工場出荷時のような状態では、演出制御手段301は通常演出状態D1の演出を実行する。また、この通常演出状態D1の遊技において、所定の条件を満たしたときに(例えば、特殊役−1、特殊役−2のように当選確率が低い役(以下、「レア役」と呼ぶ)が当選したときに)抽選が行われ、この抽選でAT遊技に当選したときは、演出制御手段301は、演出状態をAT演出状態D2に移行させる。このAT演出状態D2では、所定の終了条件を満たすまで、押し順ベルの当選に対してその正解押し順(8枚押し順ベルのときは8枚正解押し順であり、3枚押し順ベルのときは3枚正解押し順)を報知して、遊技者にとって有利な遊技を提供する演出が実行される。ここで、所定の終了条件は、例えば、AT遊技の開始時に決定された差枚数の遊技メダルを獲得することであるが、遊技数とすることや、押し順ベルの当選回数(または、正解押し順の報知回数)とすることも可能である。演出制御手段301は、所定の終了条件を満たすと、演出状態を通常演出状態D1に移行させる。
また、通常演出状態D1の遊技において、上述した所定の条件を満たして上乗せAT遊技に当選したときは、演出制御手段301は、演出状態を準備中演出状態D3に移行させる。また、AT演出状態D2の遊技において、所定の条件を満たしたときに(例えばレア役に当選したときに)抽選が行われ、この抽選で上乗せ遊技に当選したときも、演出制御手段301は、演出状態を準備中演出状態D3に移行させる。この準備中演出状態D3では、押し順不問役が当選したときにその正解押し順を報知する演出を実行して、主制御手段100における内部遊技状態を「A」から「E」に移行させる。なお、上述したように、内部遊技状態を「A」から「E」に移行させるときは、8枚押し順ベルが当選しても8枚正解押し順は報知せず、3枚正解押し順を報知する(8枚押し順ベルの当選に対しては、正解押し順を報知しないように構成してもよい)。また、3枚押し順ベルが当選したときは3枚正解押し順を報知する(正解押し順を報知しないように構成してもよい)。このように3枚正解押し順を報知すると、当該押し順ベルが当選した遊技では、3枚の遊技メダルをベットして3枚の遊技メダルを得ることができるので、差枚数が変化しないようすることができる。そして、内部遊技状態が「E」に移行すると、演出制御手段301は、演出状態を上乗せ演出状態D4に移行させる。
上乗せ演出状態D4に移行すると、主制御手段100では、特定のフリーズ演出が行われ、この間、演出制御手段301は、画像表示装置41に表示されたサブリール46の画像によりスタートレバー32、ストップボタン33a〜33c及びベットボタン31の操作に応じて疑似遊技を実行する。そして、演出制御手段301は、疑似遊技が終了すると演出状態をAT演出状態D2に移行させる。なお、演出制御手段301は、疑似遊技が行われる毎にAT遊技に上乗せする差枚数(この上乗せする差枚数をAT遊技の残り差枚数に加算することにより、AT遊技の終了条件を満たすための差枚数が増加する)を抽選で決定しており、AT演出状態D2に移行するときに、現在のAT遊技の残り差枚数(AT演出状態D2から準備中演出状態D3を経て上乗せ演出状態D4に移行したときは、準備中演出状態D3に移行するときの残り差枚数であり、また、通常演出状態D1から準備中演出状態D3を経て上乗せ演出状態D4に移行したときは、通常演出状態D1で決定された初期差枚数)に上乗せ演出状態D4の疑似遊技で得た上乗せ差枚数の合計を加算する。
(各演出状態における演出制御手段の処理)
それでは、図35に示す上述の各演出状態における演出制御手段の処理について図36〜図39を用いて説明する。ここで、図36は通常演出処理を示すフローチャートであり、図37はAT演出処理を示すフローチャートであり、図38は準備中演出処理を示すフローチャートであり、図39は上乗せ演出処理を示すフローチャートである。
なお、演出制御手段の基本的な処理は、遊技者によりスタートレバー32が操作されると、現在の演出状態に応じて、抽選により演出パターンを決定し、遊技の進行(ストップボタン33a〜33cの操作や、遊技メダルの払い出し、ベットボタン34の操作等)に応じて、演出パターンにより決定される演出を画像表示装置41、演出用ランプ42、放音部43、及び、バックランプ44等を用いて実行する。ここで、演出パターンには、スタートレバー32が操作されてから第3停止のストップボタン33(33a〜33cのいずれか)が操作されて全てのリール21a〜21cが停止するまでの間に行う演出パターン(この演出パターンによる演出を「演出1」と呼ぶ)、全てのリール21a〜21cが停止したときに実行される演出パターン(「演出2」)、及び、次の遊技のベットボタン31の操作時に行う演出パターン(「演出3」)が含まれる。また、演出制御手段は、通常演出状態D1のときは、通常演出処理S600を実行し、AT演出状態D2のときは、AT演出処理S620を実行し、準備中演出状態D3のときは準備中演出処理S640を実行し、上乗せ演出状態D4のときは、上乗せ演出処理S660を実行するが、これらは、RAM330等に記憶されて管理される演出状態によって切り換えられるように構成されている。この演出状態は、例えば工場出荷時のような初期状態においては、通常演出状態D1に設定されているものとする。また、上述した疑似遊技も、1つの単位遊技として処理が実行される。
なお、本実施形態に係るスロットマシン1は、上述したように、演出制御手段301により画像表示装置41にサブリール46の画像を表示して、このサブリール46の回転及び停止を行う演出を実行するように構成されている。このサブリール46を用いた演出は、上述した疑似遊技のときは、スタートボタン32、ストップボタン33a〜33c及びベットボタン34の操作に応じて、回転及び停止する演出が実行されるが、それ以外の遊技においても、リール21a〜21cとともに回転及び停止する演出が実行されるように構成してもよい。この場合、演出1でサブリール46の回転及び停止が行われ、主制御手段100で入賞役に当選したときに、サブリール46の所定のライン(上段、中段、下段のラインや斜めのライン)に所定の図柄(例えば「ベル」の図柄)を停止させ、演出2で「ベル」の図柄が揃ったときの演出を実行するという構成とすることができる。また、このサブリール46には、一般的なスロットマシンで表示される図柄(ベル、スイカ、チェリー、バー、7等)を表示し、また、各々のサブリールの図柄の数も一般的なスロットマシンと同じく20又は21に設定することができる。図1に示すように、画像表示装置41は、前扉3の上下方向略中央部に配置されており、サブリール46は、遊技者が遊技をするときに最もよく見える位置にある。そのため、このサブリール46を一般的なスロットマシン1で用いられるリールの大きさ及び図柄とその配置にすることにより、遊技者に対してサブリール46で遊技が実行されているような感覚を与えることができる。
[通常演出状態D1]
まず、図36を用いて、通常演出状態D1における演出制御手段の処理(通常演出処理S600)について説明する。演出制御手段301は、主制御手段100から送信されるスタートレバーが受け付けられたことを示す制御コマンドを受信してスタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS601)、遊技状態等が含まれる制御コマンドを受信して、遊技状態、内部遊技状態又は、フリーズ制御の有無、種類、並びに、条件装置番号(当選役決定手段110による役の抽選結果)等の遊技情報を取得し、これらの情報をRAM330に記憶する(ステップS602)。そして、演出制御手段301は、通常演出状態D1に対応した演出パターンを抽選で決定する(ステップS603)。
また、演出制御手段301は、条件装置番号からレア役に当選しているか否かを判断し(ステップS604)、レア役に当選しているときは、AT遊技及び上乗せAT遊技を実行するか否かを抽選で決定する(ステップS605)。そして、演出制御手段301は、まず、AT遊技の実行に当選しているか否かを判断し(ステップS606)、当選しているときは次の遊技からの演出状態を「AT」とする(ステップS607)。なお、AT遊技の実行に当選したときは、次の遊技からAT遊技を実行せずに、所定の遊技数の遊技を実行した後にAT遊技に移行するように構成してもよい。この場合、AT遊技に移行するまでの遊技においては、AT準備中演出として期待感を煽る演出を実行することができる。一方、ステップS606でAT遊技に当選していないと判断すると、演出制御手段301は、上乗せAT遊技に当選しているか否かを判断し(ステップS608)、当選しているときは次の遊技からの演出状態を「準備中」とする(ステップS609)。また、AT遊技又はAT上乗せ遊技に当選しているときは、AT遊技を実行するときの初期差枚数(AT遊技において獲得した遊技メダルの数がこの差枚数に達するとAT遊技は終了するが、後述するように終了条件の差枚数は上乗せされることがある)を抽選で決定しRAM330に記憶し(ステップS610)、ステップS611に移行する。また、ステップS604でレア役に当選していないと判断したとき、及び、ステップS608で上乗せAT遊技に当選していない(すなわち、現在の遊技の抽選では、AT遊技にも上乗せAT遊技にも当選しなかったことを意味する)と判断したときは、ステップS611に移行する。
次に、演出制御手段は、ステップS603で決定された演出パターンに基づいて、通常演出状態D1における通常の演出1を実行する(ステップS611)。ここで、通常の演出1には、上述したように、演出パターンにより決定される演出を画像表示装置41、演出用ランプ42及び放音部43を用いて音声(音楽を含む)及び映像により行う演出に加えてバックランプ44を用いて行う演出が含まれる。なお、この通常演出状態D1では、押し順ベルが当選しても、その押し順等の報知は行われない。また、リール21a〜21cの回転・停止に対応してサブリール46を回転・停止させる演出が含まれる。すなわち、この通常演出状態D1において、演出1として、画像表示装置41に表示されているサブリール46をスタートレバー32及びストップボタン33a〜33cの操作に応じて回転及び停止をさせる演出を行ってもよい。このとき、サブリール46の所定のライン上に停止表示される図柄の組み合わせを、主制御手段100で当選した役(リール21a〜21cの有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせ)に対応させてもよい。例えば、入賞役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止した場合には、サブリール46の所定のライン上にも「ベル」の図柄や、「スイカ」の図柄が揃う演出を行うことができる。また、レア役に当選してAT演出状態D2移行することが決定したときは、サブリール46の所定のライン上に「7」の図柄を停止表示させる演出を行ってもよいし、サブリール46の左リールの上段や下段に「チェリー」の図柄が停止する演出を行ってもよい。
さらに、演出制御手段は、例えば、主制御手段100から送信される制御コマンドのうち、ストップボタン33a〜33cに対する第3停止の受け付けを示すコマンド等により全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS612)、有効ライン上に停止した図柄(停止図柄)を判定する(ステップS613)。そして、演出制御手段301は、上述した演出パターンに基づいて通常演出状態D1における演出2を実行する(ステップS614)。この演出2としては、何らかの役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したときに、当該図柄の後方にあるバックランプ44を点灯又は点滅させたり、画像表示装置41にその役に応じた画像を表示させたりしてもよい。また、例えば、入賞役の図柄の組み合わせがリール21a〜21cの有効ライン上に停止したことに応じてサブリール46の所定のライン上(中段や斜めのライン上)に「ベル」や「スイカ」の図柄を停止表示させたときは、それらの図柄を強調するとともに遊技メダルを獲得したことを報知する演出を行ってもよい。
最後に、演出制御手段301は、次の遊技のベット操作が行われ、主制御手段100から送信された制御コマンドによりベット操作がされたと判断すると(ステップS615)、上述の演出パターンに基づいて演出3を実行し(ステップS616)、一回の単位遊技に対する演出を終了する。
[AT演出状態D2]
通常演出状態D1の遊技において、AT演出状態D2に移行することが決定すると、次の遊技から、AT演出状態D2の演出の処理(AT演出処理S620)が演出制御手段301により実行される。このAT演出処理S620について、図37を用いて説明する。演出制御手段301は、スタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS621)、遊技情報を取得してRAM330に記憶し(ステップS622)、さらに、AT演出状態D2に対応した演出パターンを抽選で選択する(ステップS623)。
また、演出制御手段301は、条件装置番号からレア役に当選しているか否かを判断し(ステップS624)、レア役に当選しているときは、上乗せ遊技を実行するか否かを抽選で決定する(ステップS625)。そして、演出制御手段301は、上乗せ遊技の実行に当選しているか否かを判断し(ステップS626)、当選しているときは次の遊技からの演出状態を「準備中」とする(ステップS627)。なお、AT演出状態D2から準備中演出状態D3に移行したときは、現在の演出に関する情報(例えば、AT遊技の終了条件である残り差枚数等)を記憶しておき、上乗せ演出状態D4が終了した後に、中断した状態から再度AT演出状態D2の演出が実行される(但し、残り差枚数は上乗せされる場合がある)。
また、演出制御手段301は、条件装置番号より押し順ベル(8枚押し順ベルである入賞役−A1〜F2及び3枚押し順ベルである入賞役−G1〜L2)に当選しているか否かを判断し(ステップS628)、押し順ベルに当選しているときは、演出1として、ストップボタン33a〜33cが受付可能となるまでに、正解押し順(8枚押し順ベルのときは8枚正解押し順、3枚押し順ベルのときは3枚正解押し順)を、画像表示装置41等を用いて報知する(ステップS629)。一方、押し順ベルに当選していないときは、通常のAT演出状態D2における演出1を実行する(ステップS630)。このAT演出状態D2においても、演出1として、画像表示装置41に表示されているサブリール46をスタートレバー32及びストップボタン33a〜33cの操作に応じて回転及び停止をさせる演出を行ってもよい。このとき、サブリール46の所定のライン上に停止表示される図柄の組み合わせを、主制御手段100で当選した役(リール21a〜21cの有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせ)に対応させてもよい。例えば、入賞役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止した場合には、サブリール46の所定のライン上にも「ベル」の図柄や、「スイカ」の図柄が揃う演出を行うことができる。このようにAT演出状態D2では、8枚押し順ベルの当選に対して8枚正解押し順が報知されるので、外部信号1,2がオンとなる。また、8枚正解押し順の報知回数が所定の回数(本実施形態では30回)になると、外部信号1がオフ・オンされる。
そして、演出制御手段301は、全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS631)、停止図柄を判定する(ステップS632)。また、演出制御手段301は、AT演出状態D2の終了条件を満足しているか否かを判断する(ステップS633)。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1におけるAT演出状態D2の終了条件とは、上述したように、このAT演出状態D2での総差枚数(AT遊技を開始してから当該遊技までに獲得した遊技メダルとベットした遊技メダルとの差)が所定の値になった場合であるが、押し順ベルに当選してストップボタン33a〜33cの操作態様(正解押し順)が報知された回数が所定の値になった場合でもよいし、AT演出状態D2の遊技において払い出された遊技メダルの枚数が所定の値を超えた場合でもよいし、AT演出状態D2の遊技回数でもよい。そして、演出制御手段301は、このステップS633において、終了条件を満足していないと判断すると、AT演出状態D2における通常の演出2を実行する(ステップS624)。一方、演出制御手段301は、ステップS623でAT演出状態D2の終了条件を満たしていると判断したときは、次の遊技からの演出状態を「通常」に設定し(ステップS635)、演出2としてAT遊技の終了を報知する(ステップS636)。なお、通常演出状態D1に移行すると、演出制御手段301は、押し順ベルに対する押し順の報知を行わないため、上述したように、外部信号1及び外部信号2はオフとなる。この演出2においても、演出1でサブリール46の回転及び停止を行う演出をして、入賞役に対応する図柄の組み合わせを停止表示させたときは、それらの図柄を強調するとともに遊技メダルを獲得したことを報知する演出を行ってもよい。
最後に、演出制御手段は、次の遊技のベット操作がされたと判断すると(ステップS637)、演出3を実行して(ステップS638)、一回の単位遊技に対する演出を終了する。
[準備中演出状態D3]
本実施形態に係るスロットマシン1において、AT遊技の終了条件である差枚数を上乗せするための演出は、主制御手段100の内部遊技状態を「E」に移行させ、このとき実行されるフリーズ演出に対応した疑似遊技をサブリール46で実行することにより行われる。そのため、準備中演出状態D3において、演出制御手段301は、上乗せ演出を実行する前に、押し順不問役に対する正解押し順を報知して内部遊技状態を「E」に移行させる。このとき実行される準備中演出処理S640について、図38を用いて説明する。演出制御手段301は、スタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS641)、遊技情報を取得してRAM330に記憶し(ステップS642)、さらに、準備中演出状態D3に対応した演出パターンを抽選で選択する(ステップS643)。
また、演出制御手段301は、条件装置番号より押し順不問役(再遊技役−1、再遊技役−2、入賞役−M、入賞役−N1、入賞役−N2)に当選しているか否かを判断し(ステップS644)、押し順不問役に当選しているときは、演出1として、ストップボタン33a〜33cが受付可能となるまでに、押し順不問役に割り当てられた正解押し順を、画像表示装置41等を用いて報知する(ステップS645)。また、演出制御手段301は、ステップS644で押し順不問役に当選していないと判断したときは、押し順ベル(入賞役−A1〜F2及び入賞役−G1〜L2)に当選しているか否かを判断し(ステップS646)、押し順ベルに当選しているときは、8枚押し順ベルであっても3枚押し順ベルであっても、3枚正解押し順を報知する(ステップS647)。一方、押し順ベルに当選していないときは、通常の準備中演出状態D3における演出1を実行する(ステップS648)。本実施形態に係るスロットマシン1では、上述したように、内部遊技状態を「E」に移行させる期間は、差枚数の増加を抑えるように構成されている。なお、8枚押し順ベルに対して8枚正解押し順を報知しないため、AT演出状態D2からこの準備中演出状態D3に移行したときは、一旦外部信号1及び外部信号2がオフされる場合があるが、内部遊技状態が「E」になった遊技で再度外部信号1及び外部信号2がオンされるため、上乗せ演出状態D4の後に実行されるAT演出状態D2の遊技では、外部信号1及び外部信号2がオンされた状態で遊技が行われる。なお、この準備中演出状態D3においても、演出1としてサブリール46を回転・停止させる演出を行ってもよい(その演出態様は、上述した通常演出状態D1やAT演出状態D2と同じである)。
そして、演出制御手段301は、全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS649)、停止図柄を判定する(ステップS650)。さらに、演出制御手段301は、上乗せ演出状態D4への移行条件が成立しているか否かを判断する(ステップS651)。具体的には、押し順不問役の当選したときに報知した正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作され、現在実行されている遊技で内部遊技状態Eに移行したときに上乗せ演出状態D4への移行条件が成立したと判断する。演出制御手段301は、ステップS651で、移行条件を満たしていると判断したときは、次の遊技からの演出状態を「上乗せ」とし(ステップS652)、演出2として上乗せ遊技が実行されることを報知し(ステップS653)、移行条件を満たしていないと判断したときは、準備中演出状態D3における通常の演出2を実行する(ステップS654)。
最後に、演出制御手段301は、次の遊技のベット操作が行われ、主制御手段100から送信された制御コマンドによりベット操作がされたと判断すると(ステップS655)、上述の演出パターンに基づいて演出3を実行し(ステップS656)、一回の単位遊技に対する演出を終了する。
[上乗せ演出状態D4]
準備中演出状態D3の遊技において、上乗せ演出状態D4に移行することが決定すると、次の遊技から、上乗せ演出状態D4の演出の処理(上乗せ演出処理S660)が演出制御手段301により実行される。この上乗せ演出処理S660について、図39を用いて説明する。なお、上乗せ演出処理S660は、主制御手段100でフリーズ演出(具体的には、上述したように、スタートレバー32が操作されたときに、所定の条件を満たすまでストップボタン33a〜33c、ベットボタン34及びスタートレバー32の操作がされてもフリーズ状態となる演出)が実行されているときに、スタートレバー32、ストップボタン33a〜33c及びベットボタン34の操作に応じてサブリール46を回転・停止させる演出を実行し、主制御手段100でフリーズ演出が終了すると、AT演出状態D2移行し、主制御手段100の本遊技に対してはAT演出状態D2の演出を実行するように構成されている。したがって、この上乗せ演出状態D4の説明では、フリーズ演出中のスタートレバー32、ストップボタン33a〜33c及びベットボタン34の一連の操作を一つの遊技(疑似遊技)として処理する場合について説明する。
演出制御手段301は、スタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS661)、遊技情報を取得してRAM330に記憶し(ステップS662)、さらに、上乗せ演出状態D4に対応した演出パターンを抽選で選択する(ステップS663)。また、演出制御手段301は、上乗せ演出状態D4における演出1(疑似遊技としての演出1)を実行する(ステップS664)。具体的には、主制御手段100の疑似遊技開始処理S5140で決定されたカットイン番号に応じて、画像表示装置41に表示するカットイン演出を実行し、また、サブ遊技パターンに応じてサブリール46の回転態様や停止図柄を決定し、スタートレバー32及びストップボタン33a〜33cの操作に応じてサブリール46を回転及び停止させる演出を行う。
そして、演出制御手段301は、全てのサブリール46を停止させたと判断すると(ステップS665)、カットイン番号やサブ遊技パターンに基づいて上乗せする差枚数を決定し、RAM330に記憶する(ステップS666)。
次に、演出制御手段301は、疑似遊技が終了したか否かを判断し(ステップS667)、疑似遊技が終了していないときは疑似遊技中の演出2を実行する(ステップS668)。一方、疑似遊技が終了したときは、AT遊技の残り差枚数にこの上乗せ演出状態D4の演出で獲得した上乗せ差枚数の総和を加算し(ステップS669)、演出2として上乗せ遊技の終了を報知し(ステップS670)、次の遊技からの演出状態を「AT」とする(ステップS671)。なお、上乗せ演出状態D3で実行される疑似遊技毎に獲得した上乗せ差枚数を報知してもよいし、上乗せ演出状態D3を終了するときに総上乗せ差枚数を報知してもよい。
最後に、演出制御手段は、次の遊技のベット操作がされたと判断すると(ステップS672)、演出3を実行して(ステップS673)、一回の単位遊技(疑似遊技)に対する演出を終了する。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、上乗せ演出状態D4の演出を実行するために、準備中演出状態D3の遊技において主制御手段100の内部遊技状態を移行させる演出を実行している。上述したように、内部遊技状態を移行させるためには、押し順不問役に対する正解押し順を複数の遊技に亘って報知する必要があり、準備中演出状態D3における演出は連続演出として構成することができる。このとき、上述したように、押し順ベルの当選に対して3枚正解押し順を報知することにより、出玉率(差枚数の増加率)を抑えることができ、遊技メダルの払い出しに対する遊技者の興味を抑えられ、演出に注目させることができる。また、上述したAT遊技のような特定遊技の終了条件を差枚数としている場合、3枚正解押し順を報知することにより遊技メダルの増加率を抑えることができ、この連続演出中に特定遊技が終了してしまう可能性を減らすことができる。また、3枚の遊技メダルをベットして3枚の遊技メダルを獲得できるので、出玉率を100%とすることができ、連続演出をいつでも実行可能とすることができる。またこの場合、特定遊技の終了条件である残り差枚数を増減させるように構成することにより(例えば、上述したように上乗せ演出状態D4により増加させるように構成してもよいし、AT演出状態D2の遊技における演出で、残り差枚数を増減させるように構成してもよい)、特定遊技の延長や短縮をすることができ、また、特定遊技で払い出される遊技メダルの枚数を調整することができる。ここで、押し順ベルのうち、8枚押し順ベルの当選に対する3枚正解押し順の報知を「安目ナビ」と呼び、8枚正解押し順の報知を「高目ナビ」と呼ぶ。また、連続演出は、複数の遊技に亘って連続性又は継続性を有する演出を行い、演出の最後で遊技者が有利となる抽選の当否結果(例えばボーナスやATの当選)を報知するものとすることができる。
また、AT演出状態D2の遊技においてレア役に当選したときの上乗せ抽選の結果に基づき、当該遊技で準備中演出状態D3に移行するか否かを演出として遊技者に告知するのではなく、所定の遊技数の連続演出を行って準備中演出状態D3から上乗せ演出状態D4への移行を示唆、又は煽る演出を実行し、その連続演出が終了したときに上乗せ抽選に当選していたときは準備中演出状態D3に移行するように構成してもよい。この連続演出においても、8枚押し順ベルの当選に対して3枚正解押し順を報知することにより、上述した効果を得ることができる。
なお、以上の説明では上乗せ演出状態D4の演出を疑似遊技に対して行っているが、通常の本遊技(主演出手段100でフリーズ演出が実行されない遊技)に対して行うように構成することも可能である。このとき、8枚押し順ベルの当選に対して3枚正解押し順を報知するように構成することができる。この構成により、出玉率(差枚数の増加率)を抑えることができ、遊技メダルの払い出しに対する遊技者の興味を抑えられ、演出に注目させることができる。また、この上乗せ演出状態D4において、8枚押し順ベルの当選に対して3枚押し順を報知したときに獲得できる枚数の差(8枚−3枚=5枚)をAT遊技の残り差枚数に上乗せする枚数に加えるように構成してもよい。さらに、8枚押し順ベルの当選に対して3枚正解押し順で操作されたときに有効ライン上に停止表示する図柄の組み合わせ(有効ラインと異なるライン上に停止表示される図柄の組み合わせであってもよいし、サブリール46の所定のライン上に停止表示される図柄の組み合わせであってもよい)をいわゆるチャンス役の図柄の組み合わせとすることにより、上乗せの告知と停止表示された図柄の組み合わせ(出目)とを一致させることができ、遊技性を向上させることができる。
また、AT演出状態D2の終了期間(終了条件が成立する前の期間、例えば、残り差枚数が10枚以下となっている状態)の遊技において当選した8枚押し順ベルに対して、所定の条件(抽選に当選、定められた回数)を満たすと3枚正解押し順を報知するように構成してもよい。上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1のAT遊技の終了条件は差枚数であるため、3枚正解押し順を報知することにより、差枚数の増加率を低くする(本実施形態では3枚の遊技メダルのベットに対して3枚の払い出しがあるため、増加率は0%(出玉率は100%)となる)ことができ、AT遊技等の特定遊技の期間を延長し、このような特定遊技が終了してしまう可能性を減らすことができるとともに、レア役に当選して準備中演出状態D3へ移行する可能性を高めることができる。例えば、AT演出状態D2の演出として連続演出を実行していた場合、終了条件を満たして連続演出が中断される可能性を低くすることができる。また、上述したように、出玉率(差枚数の増加率)を抑えることができ、遊技メダルの払い出しに対する遊技者の興味を抑えられ、演出に注目させることができる。なお、8枚押し順ベルの当選に対して3枚正解押し順を報知する安目ナビを行ったときは、上乗せに関する処理を行ってもよい。この上乗せに関する処理には、終了条件の差枚数に上乗せする構成や、疑似遊技の継続率等を決定するためのポイントを加算する構成が含まれる。この構成により、特定遊技の期間を延長しつつ、上乗せの期待を抱かせることができる。
また、以上の説明では、通常演出状態D1において、AT遊技に当選したときは次遊技からAT演出状態D2に移行し、上乗せAT遊技に当選したときは、準備中演出状態D3及び上乗せ演出状態D4を経由してAT演出状態D2に移行するように構成した場合について説明したが、通常演出状態D1からAT演出状態D2に移行するときに、AT遊技の確定画面を表示する演出状態や、準備中の演出を行う演出状態を経由してAT演出状態D2に移行するように構成してもよい。ここで、確定画面を表示する演出状態とは、サブリール46の所定のライン上に特定の図柄の組み合わせ(例えば、「7−7−7」)が停止表示可能な抽選結果になり、この特定の図柄の組み合わせが停止表示したときに上乗せ演出状態D4に移行することを告知する演出状態であり、準備中の演出状態とは、この特定の図柄の組み合わせを停止表示可能な抽選状態になるまでの演出状態、または、外部信号が出力されるのを待つための演出状態である。このとき、確定画面を表示する演出状態や準備中の演出を行う演出状態においては、8枚押し順ベルの当選に対して安目ナビを行うように構成してもよい。この構成により、確定画面を表示する演出状態や準備中の演出を行う演出状態の遊技における出玉率を抑え、抑えられた出玉率をAT遊技等の特定遊技の終了条件等に転換させることができる。また、出玉率を100%とすることで、遊技メダルを減らす可能性が少なくなり、特定遊技が実行されるまでに遊技メダルを維持することができる。同様に、通常演出状態D1でAT遊技への移行を抽選する遊技において、いわゆるチャンスゾーンの演出(通常演出状態D1において、AT演出状態D2への移行を高確率で当選させる状態の演出)を行い、このチャンスゾーンの演出において当選した8枚押し順ベルに対して安目ナビを行うように構成してもよい。このように、確定画面を表示する演出状態、準備中の演出状態及びチャンスゾーンの演出が実行される演出状態において、安目ナビを行うことにより、遊技者は遊技メダルの消費を抑えることができる。
また、演出状態に関わらず、8枚押し順ベルの当選に対して安目ナビを行うときは、上乗せに関する処理を行うことができる。また、安目ナビだけでなく、高目ナビをしたときも上乗せに関する処理を行うときは、安目ナビを実行したときの方が高目ナビを実行したときよりも上乗せを優遇するように構成してもよい。また、副制御手段200の状態(例えば、AT遊技が高確率で当選する状態や低確率で当選する状態等)に応じて、安目ナビ及び高目ナビを報知する頻度(割合)を変化させるように構成してもよい。この構成により、遊技メダルの増加率(傾斜)の異なる状態を複数備えることができるため、有利な状態を多様化することができる。また、8枚押し順ベルの当選に対する安目ナビの実行を、所定の確率、又は、高目ナビの実行回数に応じて決定するように構成してもよい。このような構成によると、出玉率を調整することができる。
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、ストップボタン33a〜33cの押し順が報知されていないときに変則押しをしてもペナルティは発生しないように構成しているが、8枚押し順ベルの当選に対して安目ナビが実行されたときに、この安目ナビとは異なる順序でストップボタン33a〜33cが操作されるとペナルティを課すように構成してもよい。ここで、ペナルティとは、例えば、所定のゲーム数の間、AT遊技に移行しないような処理や、押し順ベルに対して正解押し順(または、8枚押し順ベルに対して8枚正解押し順を報知しない処理が含まれる。また、安目ナビと異なる押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、警告音の出力が警告表示を行うように構成してもよい。また、高目ナビに対してストップボタン33a〜33cが操作されたときは、ペナルティを課さないように構成してもよい。
また、AT遊技における8枚押し順ベルに対する押し順の報知を、高目ナビにするか安目ナビにするかを、遊技者が選択可能に構成してもよい。例えば、遊技が開始されていない状態(スタートレバー32が操作されていない状態)で、演出制御手段301はサブ操作スイッチ45の受け付けを可能とし、このサブ操作スイッチ45が操作されたときは、ナビ選択画面を画像表示装置41に表示して、ストップボタン33a〜33c等を用いて高目ナビにするか安目ナビにするかを選択させるように構成することができる。上述したように、高目ナビにすると、遊技メダルの枚数の増加率は高くなり、安目ナビにすると、遊技メダルの増加率は低くなる。したがって、このような構成によると、AT遊技の遊技時間を、遊技者が高目ナビを選択すると短くすることができ、安目ナビを選択すると長くすることができるので、遊技時間を選択することができる。
以上の説明では、通常演出状態D1において、AT遊技に当選したときは次遊技からAT演出状態D2に移行するように構成した場合について説明したが、通常演出状態D1からAT演出状態D2に移行するときに、準備中の演出を行う演出状態を経由してAT演出状態D2に移行するように構成した場合に、通常演出状態D1において、AT遊技に当選したときに、AT初期差枚数を決定せずに、準備中の演出を行う演出状態において、複数遊技に亘って初期差枚数を決定してもよい。この場合は、準備中の演出を行う演出状態において、8枚押し順ベルに当選した回数をカウントしておき、AT演出状態D2の終了時に表示される獲得差枚数として、AT演出状態D2において獲得した差枚数に、準備中の演出を行う演出状態において獲得した差枚数を加算して表示してもよい。