JP2016200913A - 省エネルギー支援及び見守りシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】消費電力を極小化した、個人住宅用省エネルギー支援及び見守りシステムを提供する。【解決手段】センサユニット群111,112,113,711,712と結節点装置801の間を無線又は有線通信にて接続し、結節点装置801と中央制御装置800との間を光ファイバーで接続する。通常時は、中央制御装置800からトリガー信号を送出することでシステムを間欠的に動作させ、異常時はセンサユニット群からのトリガー信号によりシステムを連続的に稼働させる。【選択図】図3

Description

本発明は、個人住宅、小規模店舗、及び、小規模オフィスに設置された冷暖房機器、電気器具、電子機器の省エネルギーを支援すると同時に、これらを利用する人を見守るシステムに関するものである。
光(赤外線、可視光線)及び/又は超音波を用いる人感センサが、トイレ、洗面所、廊下、階段などの照明器具の自動点灯・消灯に広く用いられている。個人住宅においては、人感センサと照明器具からなるシステムは独立したものである。一方、病院においては、トイレ個室に入室した同一人が一定時間以上入室したままの場合、中で意識を失っているなどの異常事態である可能性もあり、トイレ内人感センサの信号を常時集中監視するシステムが用いられる。また、ビル内キャッシュディスペンサーコーナーや駅舎のシャッターを夜間自動的に閉じる場合、泥酔者の閉じ込めを防ぐためのシステムに人感センサが利用される。
特許文献1にはビル各階における在室者数をエレベーター内に設置された防犯カメラの画像解析によってエレベーターの乗降者数から算出・推定し、階毎の空調対象者を設定して空調設備の制御を行う方法が開示されている。ここで、防犯カメラはセンサの一種として利用されている。
特許文献2には、基本仕様建物が具備する建物要素の情報に基づいてシミュレーションを実行した結果から導き出した熱損失係数−暖房負荷近似線情報を保持する近似線情報記憶手段と、個別建物が具備する建物要素の情報から熱損失係数を算出する熱損失係数算出手段と、算出された前記熱損失係数と前記近似線情報とに基づいて暖房負荷を予測する暖房負荷予測手段と、前記暖房負荷を提示する提示手段と、を備えた個別建物の性能情報提示装置が開示されている。この装置にはセンサは用いられず、計算に必要なデータは数値データとして入力される。
特許文献3には、キーボードやマウスなどからなる入力手段と、液晶などの表示手段と、作成した建物の間取図を記憶するメモリと、建物の部屋の各種の大きさに応じた床、天井、外壁などのそれぞれの面積やそれぞれの大きさの部屋の気積や部屋に設ける各種の窓や引戸などの開口面積を記憶したメモリと、各種の窓や引戸,外壁,天井,床等の熱貫流率(単位面積、単位時間、単位温度差当たりで移動する熱量)やその窓や引戸,外壁,天井,床等の日射侵入率(輻射熱の透過率)を記憶したメモリと、窓や外壁等が設けられる方位に対応した方位係数や外気との接触度を示す係数を記憶したメモリと、Q値である熱損失係数を演算する演算式やμ値である夏期日射取得係数を演算する演算式を記憶したメモリと、各種のキッチン、玄関、階段、トイレ、洗面所や各種の居室空間などやドア、引戸、窓等の建具の平面図を示すデータや家具等の平面図を示すデータを記憶したメモリと、熱損失係数や夏期日射取得係数(特定季節の日射取得係数)などを演算して求め、メモリに記憶された各種のデータに基づいて間取図を作成するための演算処理を行う演算制御装置等を備えた建物の温熱環境シミュレーション装置及び温熱環境表示方法が開示されている。ここでも演算処理を実施するに当たり、センサからのデータは用いられていない。
特許文献4には、家庭内に存在する全機器の稼動状態の組み合わせを学習する手間が少なく、かつ、未知の機器が稼動した場合でも推定誤りが少ない機器状態検出装置等を得るため、1又は複数の機器の状態を検出する機器状態検出装置であって、機器が設置されている環境の物理量を計測する計測手段と、前記計測手段が計測した計測値の特徴量を計算する特徴量計算手段と、予め前記機器毎の前記特徴量とこれに対応する機器状態とを辞書データとして記憶する記憶手段と、前記特徴量計算手段が計算した特徴量を検索キーとして前記辞書データに記憶された特徴量を検索し、検索結果として特定した該特徴量に対応する機器状態に基づいて機器状態を検出する機器状態検出手段とを有することを特徴とする機器状態検出装置、さらに、無線通信機からの受信電波の強度を計測する無線通信手段と、該無線通信手段により計測された電波強度の時間変化から生活者の活動状態を判定し、その判定結果を活動情報とする活動判定手段と、生活者の周辺に設置された機器の稼動状態を検知し、その状態を機器情報とする稼動機器検知手段と、前記活動情報及び前記機器情報から生活者の異常の有無を検知する異常検知手段を備えた生活者異常検知装置などが開示されている。また、前記機器状態検出装置を用いることで、省エネルギーのためのアドバイスが可能であると記載されている。ただし、前記機器状態検出装置自体及びこれら装置からなるシステム自体の省エネルギー対策に関する記述はない。
特許文献5には、要介護者等宅に設置され、要介護者等の身体異常を検知してセンターに対して報知をするための複数種類の検知装置と、センターに設置され、検知装置からの報知を受信して緊急出動などの対応指示を表示する表示装置と、からなる在宅要介護者等緊急対応システムであって、検知装置は、要介護者等の状態を検知するためのセンサ部と、検知結果を要介護者等別にセンターに対して送信するための検知結果送信部と、をそれぞれ有し、表示装置は、検知結果送信部から送信される検知結果を要介護者等別に受信する検知結果受信部と、検知結果からの対応の緊急度演算用の緊急度演算式を格納した緊急度演算式格納部と、要介護者等毎に検知結果を緊急度演算式を用いて演算し緊急度を得る緊急度演算部と、要介護者等単位で検知結果の受信順位を取得する受信順位取得部と、演算された緊急度と取得した受信順位とに基づいて緊急出動などの対応順位を演算するための対応順位演算式を格納した対応順位演算式格納部と、対応順位演算式に従って要介護者等単位で対応順位を演算する対応順位演算部と、対応順位演算部での演算結果に従って対応順位を表示する表示部と、を有する在宅要介護者等緊急対応システムが開示されている。
特許第5091544号公報 特許第4331870号公報 特許第5123808号公報 特許第5084906号公報 特許第5120557号公報
しかしながら、これらの従来技術は、以下のような課題を有する。
第1に、オフィスビルの冷暖房システムの消費電力を削減するためのシステム消費電力は、建物利用者の数が個人住宅等に比べ多数であるため一人当たりに割り振ると無視できるほど小さい。それゆえまた、省エネシステムが常時通電型であっても問題にならない。ところが、これらの消費電力削減システムを、そのまま、個人住宅等へ持ち込むと、建物利用者一人当たりの消費電力削減システムの消費電力は無視できないほど大きくなり、さらに常時通電方式にすると、消費電力削減システムの分だけ確実に消費電力が増大する。これでは本末転倒である。すなわち、個人住宅等の消費電力削減システムは、本質的に、稼働時消費電力及び待機時消費電力が極小化されていなければならない。
第2に、個人住宅等の利用者の個人情報漏洩防止が厳重に担保されることが好ましい。特に近年、パーソナルコンピュータの性能が過去の大型計算機を超える高性能になっているため、センサなどとの省電力無線通信の暗号化のレベルが比較的高い場合であっても、「盗聴」によって個人情報が漏洩する可能性は皆無ではない。無線伝送の電波出力を必要最小限に絞り、電波を部屋に閉じ込め、部屋間のデータ伝送は有線で行うシステムが望まれる。
第3に、省エネルギーアドバイスに基づいた建物の保温性能改良工事や冷暖房機の運転方法改善の「具体的効果」をセンサ群からの実測値を用い、確認することが望まれる。特に、個人住宅等の消費電力全体の記録には、測定年度の気候の影響が反映していて、それだけで省エネルギー効果を正しく判定できるとは限らない。
第4に、省エネルギーと個人情報保護を最大限に担保しつつ、安全・快適な環境を提供することが望まれる。例えば、要介護者の安全監視、健常者の就寝時異常発生の検知・通報、火災発生時の早期対応、不審者侵入の検知・通報、及び、厨房への有害獣(ねずみ)・虫(ゴキブリなど)の進入経路検知と対策のアドバイスなどのサービスを省エネルギーかつ個人情報保護と同時に提供することが望まれる。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その主な目的は、個人住宅、小規模店舗、及び小規模オフィスに設置された冷暖房機器、電気器具、電子機器等の省エネルギーを支援すると同時に、これらを利用する人の安全を見守るシステムの稼働時消費電力及び待機時消費電力を極小化することにある。以下、個人住宅、小規模店舗、及び小規模オフィスを「個人住宅等」と定義する。また、個人住宅等の内部において壁又はパーティションなどで区切られた空間を「区画空間」と定義する。
本発明は、センサ部と、第1通信部と、動作用電力を供給する第1電源部とを備え、担当する区画空間において前記センサ部で得られたセンシングデータの送出を行う1つ以上のセンサユニットと、上位の中央制御装置と、第2通信部と、前記センサユニットから受信した前記センシングデータに対して個体識別符号を付与する個体識別付与部と、動作用電力を供給する第2電源部とを備え、前記センサユニットと前記中央制御装置との間の双方向通信を行う結節点装置とを備え、前記中央制御装置は、前記第2電源部を制御する機能と、前記結節点装置を経由して前記センサユニット毎に前記第1電源部を制御する機能と、前記結節点装置に集約された前記センサユニットからの前記センシングデータを前記個体識別符号とともに受信する機能と、前記結節点装置及び前記センサユニットへ起動信号を送出する機能と、受信したセンシングデータを受信時刻と前記個体識別符号によるラベルに基づきデータベースとして蓄積する機能と、前記データベースに蓄積された情報を解析するデータ処理機能とを有し、前記1つ以上のセンサユニットの少なくともいずれかのセンサユニット、前記結節点装置、及び前記中央制御装置は、間欠的に稼働する間欠稼働モードを備え、前記中央制御装置から前記起動信号を送出することで前記1つ以上のセンサユニットの少なくともいずれかの前記第1電源部、及び前記第2電源部を間欠的に稼働させ、消費電力を低減することを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、前記1つ以上のセンサユニットの少なくともいずれかのセンサユニット、前記結節点装置、及び前記中央制御装置は、連続的に稼働する連続稼働モードを備え、前記連続稼働モードにある前記センサユニットで異常を検出すると第2起動信号を前記結節点装置及び前記中央制御装置に送出し、前記結節点装置及び前記中央制御装置を間欠稼働モードから連続稼働モードに移行させる。
本発明の他の実施形態では、前記連続稼働モードにある前記センサユニットは、電気機器、厨房機器の少なくともいずれかの異常発熱あるいは火災を検知するセンサユニットである。
本発明のさらに他の実施形態では、前記結節点装置及び前記中央制御装置は、異常発熱あるいは火災を検知する前記センサユニットから前記第2起動信号を受信すると連続稼働モードに移行し、前記第2起動信号を送出した前記センサユニットが設置されている区画空間と同一の区画空間に設置された画像センサユニットに起動信号を送出して前記画像センサを間欠稼働モードから連続稼働モードに移行させる。
本発明のさらに他の実施形態では、前記連続稼働モードにある前記センサユニットは、区画空間内の病人、要介護者、就寝中の健常者の少なくともいずれかの異常を検知するセンサユニットである。
本発明のさらに他の実施形態では、前記結節点装置及び前記中央制御装置は、異常を検知する前記センサユニットから前記第2起動信号を受信すると連続稼働モードに移行し、前記第2起動信号を送出した前記センサユニットが設置されている区画空間と同一の区画空間に設置された画像センサユニットに起動信号を送出して前記画像センサを間欠稼働モードから連続稼働モードに移行させる。
本発明のさらに他の実施形態では、前記中央制御装置は、前記センサユニットにより検出された、冷暖房機が設置された区画空間にいる人体からの発熱、前記区画空間に設置された電気機器の発熱、窓、壁、床及び天井を通じての熱の出入り、換気装置を通じての熱の出入り、及び日照による発熱、の少なくともいずれかを前記データベースに蓄積し、前記冷暖房機の運転状態を自動制御する。
本発明のさらに他の実施形態では、前記中央制御装置は、前記冷暖房機が設置された前記区画空間における年間を通じての熱のロスを算出し、窓、壁、床あるいは天井の保温効果改善工事に関する情報を提示し、かつ、工事完了後の熱のロスを算出して工事の効果を提示する。
本発明のさらに他の実施形態では、前記中央制御装置は、前記センサユニットにより不法侵入者が検出された場合に、前記不法侵入者に対して認証を要求する処理を実行し、認証が確認されないときに前記センサユニットが設置された区画空間と同一区画空間に設置された画像センサユニットに起動信号を送出して前記画像センサを間欠稼働モードから連続稼働モードに移行させ、あるいは外部の警備センターに通報する。
本発明のさらに他の実施形態では、前記中央制御装置から送出される起動信号の周期は、前記センサユニット毎に可変設定される。
本発明のさらに他の実施形態では、前記結節点装置及び前記中央制御装置は、電気信号と光信号を相互に変換する変換機能を備え、前記結節点装置と前記中央制御装置との間の通信は、光ファイバー、あるいは光ファイバーと電線の併用で行われる。
本発明のさらに他の実施形態では、前記結節点装置と前記中央制御装置との間の前記光ファイバーの切り替えは、熱レンズ方式、MEMS方式、機械式のいずれかの方式の光スイッチにより行われる。
本発明のさらに他の実施形態では、前記結節点装置と前記センサユニットの少なくともいずれかは、前記光ファイバー対応の光電池を備え、前記中央制御装置から送出され前記光ファイバーを経由して伝送されたレーザー光により発電する。
本発明のさらに他の実施形態では、前記中央制御装置は、前記結節点装置に対して前記光ファイバーを経由して画像データを送出する。
本発明のさらに他の実施形態では、前記1つ以上のセンサユニットの少なくともいずれかは、前記結節点装置と一体化する。
本発明のさらに他の実施形態では、前記結節点装置は、室内照明器具に内蔵される。
本発明のさらに他の実施形態では、前記センサユニットは、区画空間への有害獣や虫の侵入、区画空間内の一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、プロパン、都市ガス、ホルマリン等の有害気体、ハウスダスト、PM2.5、花粉、臭気の少なくともいずれかを検出し、前記中央制御装置は、検出された事象に応じて当該区画空間に設置された電気機器を制御する。
本発明によれば、区画空間に設けられたセンサユニット群からの信号を必要最小出力の無線送信又は有線で結節点装置へ送り、通常時は間欠稼働で中央制御装置にセンシングデータを蓄積し、緊急時は連続通電で対処することで、個人住宅等に設置された冷暖房機器、電気器具、電子機器等の省エネルギーを支援すると同時に、これらを利用する人のプライバシーを尊重しつつ安全を見守るシステムの稼働時消費電力及び待機時消費電力を極小化することが可能になる。
実施形態に例示した個人住宅等の区画空間の立面配置と、センサユニット群、結節点装置、及び中央制御装置の配置例を示す概念図である。 実施形態に例示した個人住宅等の区画空間の平面配置と、センサユニット群、結節点装置、及び中央制御装置の配置例を示す概念図である。 実施形態のシステムにおけるセンサユニット群、結節点装置、及び中央制御装置の間の無線通信回線又は有線回線を示す概念図である。 センサユニット、結節点装置、中央制御装置、内部電源装置、及び、外部電源装置の機能を概念的に示すブロック図である。 実施形態のタイミングチャートである。 実施形態の他のタイミングチャートである。 他の実施形態のシステム構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態における個人住宅等の区画空間の立面配置と、センサユニット群、結節点装置、及び中央制御装置の配置例を示す概念図である。また、図2は、本実施形態における個人住宅等の区画空間の平面配置と、センサユニット群、結節点装置、及び中央制御装置の配置例を示す概念図である。
例示する個人住宅等には、区画空間、例えば個人住宅における部屋として、区画空間1,2,3,4,5,6が存在する。区画空間1〜4は1階に存在し、区間空間5,6は2階に存在する。また、部屋以外の区画空間、例えば洗面所、トイレ、玄関・廊下、階段として区画空間7,8,9,99が存在する。
区画空間1は、壁10,11,12で仕切られて、床201、天井301、出入り口101、建物内外温度センサユニット付き窓111,112、及び建物内外温度センサユニット兼換気ユニット113を備える。また、区画空間1は、冷暖房機701、動画センサユニット711,712、シーリングライト兼結節点装置801を備える。なお、窓に取り付けられた温度センサユニットは輻射熱による熱ロスの計測に好適であり、また、換気ユニットに取り付けられる温度センサユニットは換気に伴う熱ロスの計測に適している。
区画空間2は壁20,21,22で仕切られて出入り口102、建物内外温度センサユニット付き窓121、及び建物内外温度センサユニット兼換気ユニット123を備える。また、区画空間2は冷暖房機702、動画センサユニット721,722、シーリングライト兼結節点装置802を備える。
区画空間3は壁30,31,32,33で仕切られて、床203、天井303、出入り口103、建物内外温度センサユニット付き窓131、及び建物内外温度センサユニット兼換気ユニット133を備える。また、区画空間3は厨房ガスコンロ601、厨房シンク602、冷蔵庫603、冷暖房機703、動画センサユニット731,732、火災報知器型センサユニット733、シーリングライト兼結節点装置803、中央制御装置800を備える。
区画空間4は壁40,41,42で仕切られて出入り口104、建物内外温度センサユニット付き窓141、及び建物内外温度センサユニット兼換気ユニット143を備える。また、区画空間4は冷暖房機704、動画センサユニット741,742、シーリングライト兼結節点装置804を備える。なお、これらの建物内外温度センサユニット兼換気ユニットの他に、所定位置に換気ユニット134,174,184が設けられる。
区画空間5は壁50で仕切られて床205、天井305を備え、動画センサユニット751,752、シーリングライト兼結節点装置805を備える。区画空間6は壁60,61で仕切られて床206、天井306を備え、動画センサユニット761,762、シーリングライト兼結節点装置806を備える。区画7は出入り口107を備え、人感センサユニット771を備える。区画8は出入り口108を備え、人感センサユニット781を備える。区画空間9は出入り口109を備え、動画センサユニット兼結節点装置791を備える。区画空間99は壁90で仕切られ、動画センサユニット799を備える。
さらに、例示の個人住宅は、1階床下の区画空間200、1階天井裏の区画空間300、屋根401の屋根裏の区画空間400が存在する。屋根401には太陽電池ユニット500が設置される。
図3は、センサユニット群、結節点装置、中央制御装置の間の接続関係を示す概念図である。センサユニット群については、説明の都合上、区画空間1についてのみ示す。
区画空間1は、既述したように、建物内外温度センサユニット付き窓111,112、建物内外温度センサユニット兼換気ユニット113、動画センサユニット711,712を備える。また、区画空間1は、シーリングライト兼結節点装置801を備える。建物内外温度センサユニット付き窓111,112、建物内外温度センサユニット兼換気ユニット113、動画センサユニット711,712のセンサユニットと、シーリングライト兼結節点装置801とは、それぞれ無線又は有線の通信回線1111,1112,1113,1711,1712でそれぞれ接続される。
他方、各区画空間のシーリングライト兼結節点装置801,802,803,804,805,806、及び動画センサユニット兼結節点装置791と、区画空間3に設けられた中央制御装置800とは、有線回線2801,2802,2803,2804,2805,2806,2791でそれぞれ接続される。従って、例えば建物内外温度センサユニット兼換気ユニット113に着目すると、建物内外温度センサユニット兼換気ユニット113と中央制御装置800は、シーリングライト兼結節点装置801を介してデータ送受可能であり、センサからの検出信号を中央制御装置800で受信し、あるいは中央制御装置800からのコマンド信号をセンサで受信する。
図4は、建物内外温度センサユニット兼換気ユニット113、シーリングライト兼結節点装置801、中央制御装置800の機能ブロック図である。
図4に例示する外部電源装置1134,8004,8014は本発明のシステムが休止状態(待機状態)にあるときは必要最小限の待機電力で連続稼働状態にあり、対応する内部電源装置1133,8003,8013へ必要とする電力を供給する。
センサユニットの外部電源装置は電源コンセント(図示せず)に接続されたAC−DC電源又は室内光で発電する光電池と蓄電池又はキャパシターとを組み合わせた独立電源が好適に用いられる。
特に、センサユニットが無線で上位の結節点装置に接続する場合、室内光で発電する光電池と蓄電池又はキャパシターとを組み合わせた独立電源であると設置が容易である。
結節点装置の外部電源は電源コンセント(図示せず)に接続されたAC−DC電源又は中央制御装置800の内部電源から分岐して接続された電線(図示せず)又は中央制御装置800に接続された光ファイバーからのレーザー光で発電する光電池である。
中央制御装置800の外部電源装置は電源コンセント(図示せず)に接続されたAC−DC電源及び/又は蓄電池でバックアップされた無停電電源装置が好適に用いられる。
本発明のシステムに用いられる内部電源装置1133,8003,8013などは、本発明のシステムの特徴である「間欠運転」を実現するために有用な役割を果たすものである。
まず、中央制御装置800の内部電源8003は、常時、必要最小限の待機電力を用いて内部時計を動作させ、所定の制御周期に基づき所定の時刻において本発明のシステムを所定の時間幅について、稼働状態とする。又、常時稼働状態にある緊急時対応のセンサからのトリガー信号を受信したときに、本発明のシステムが迅速に稼働状態に移行することに備えているものとする。なお、本発明のシステムを構成する要素の連動タイミングについては図5及び図6の説明として後に記載する。
結節点装置801などの内部電源8013などは中央制御装置800からのトリガー信号を電力として受電し休止状態から稼働状態へ移行するものとする。結節点装置としての起動に要する時間を早めるため、内部電源が必要最小限の電力で待機状態にあってもよい。
個々のセンサユニット113などの外部電源1134などが独立電源の場合、その内部電源1133は室内光の光発電に基づき常時稼働状態にある。センサユニット113などの外部電源1134が独立電源でない場合、内部電源1133などは中央制御装置800からのトリガー信号を上位の結節点装置801などを経由して受信し、休止状態から稼働状態へ移行するものとする。センサユニットとしての起動に要する時間を早めるため、内部電源が必要最小限の電力で待機状態にあってもよい。又、センサユニットが上位の結節点装置と有線で接続される場合及び結節点装置に一体化されている場合、センサユニットとしての外部電源は不要であり、センサユニットの内部電源1133への電力は上位の結節点装置から供給される。
建物内外温度センサユニット兼換気ユニット113は、機能ブロックとして、センサ素子1130、デジタル化回路及びメモリ1131、無線又は有線の外部インターフェイス1132、及び内部電源1133を備える。内部電源1133は、外部電源1134からの電源供給を受け、電源電線11132,11133,11134を介してセンサ素子1130、デジタル化回路及びメモリ1131、外部インターフェイス1132に動作用電力を供給する。外部インターフェイス1132は、通信回線1113を介してシーリングライト兼結節点装置801と通信する。
シーリングライト兼結節点装置801は、機能ブロックとして、無線又は有線の入出力ポート8010、センシング信号(検出信号)への識別符号付与装置及びメモリ8011、電線及び/又は光ファイバーの外部インターフェイス8012、内部電源8013を備える。内部電源8013は、外部電源8014からの電源供給を受け、電源電線80102,80103,80104を介して入出力ポート8010、センシング信号(検出信号)への識別符号付与装置及びメモリ8011、外部インターフェイス8012に動作用電力を供給する。外部インターフェイス8012は、通信回線2801を介して中央制御装置800と通信する。
中央制御装置800は、機能ブロックとして、電線及び/又は光ファイバーの入出力ポート8000、中央演算装置及びデータベース8001、電線及び/又は光ファイバーの外部インターフェイス8002、内部電源8003、ディスプレイ・インターフェイス8005を備える。内部電源8003は、外部電源8004からの電源供給を受け、電源電線80002,80003,80004を介して入出力ポート8000,中央演算装置及びデータベース8001、外部インターフェイス8002に動作用電力を供給する。外部インターフェイス8002は、ディスプレイデータ出力線80006を介してデータを出力する。ディスプレイ・インターフェイス8005は、ディスプレイケーブル80007を介して外部のディスプレイ8006に動画等を出力する。
図4において、センサユニット113(建物内外温度センサユニット兼換気ユニット113)のセンサ素子1130(例えば室内の温度を測定する素子)のアナログ出力はデジタル化回路及びメモリ1131にてデジタル信号に変換されメモリに一時蓄積される。中央制御装置800から送出され、シーリングライト兼結節点装置801を経由したトリガー信号は、入出力ポート8010、有線又は無線回線1113、外部インターフェイス1132を経てデジタル化回路及びメモリ1131に供給され、蓄積されたセンシングデータ(デジタル信号)は、逆の経路でシーリング兼結節点装置801の入出力ポート8010に送出され、センシング信号への識別符号付与装置及びメモリ8011にて入出力ポートの識別符号が付与されたセンシングデータ(デジタル信号)として、外部インターフェイス8012、有線回線2801、及び、電線及び/又は光ファイバー入出力ポート8000を通過し、中央制御装置800の中央演算装置及びデータベース8001に時刻及びセンシング信号の識別符号とともに蓄積される。
中央演算装置及びデータベース8001は、ハードディスクないしSSDを搭載したパーソナルコンピュータに相当する演算処理及び外部インターフェイス機能を有し、例えば、外部インターフェイスを通じで外部の警備センターや介護ケア施設などへ個人住宅等で発生した事象を通報し、あるいは蓄積されたデータをディスプレイ8006にグラフィカルに表示する。
中央制御装置800の機能を列挙すると、以下の通りである。
・シーリングライト兼結節点装置801の内部電源8013を制御する機能
・シーリングライト兼結節点装置801を経由してセンサユニット113等の内部電源1133等をセンサユニット毎に制御する機能
・シーリングライト兼結節点装置801に集約されたセンサユニット111,112,113,711,712からのセンシングデータを個体識別符号とともに受信する機能
・シーリングライト兼結節点装置801及びセンサユニット111,112,113,711,712へ起動信号を送出する機能
・受信したセンシングデータを受信時刻と個体識別符号によるラベルに基づきデータベースとして蓄積する機能
・前記データベースに蓄積された情報を解析する機能
なお、上記の機能は、他のシーリングライト兼結節点装置802等との関係においても同様である。一般に、センサユニットaが結節点装置Aの管理下にある場合、中央制御装置800は、結節点装置Aを経由してセンサユニットaの動作を制御する。
センサユニット111等の少なくともいずれかは間欠的に稼働し、センサユニット111等の少なくともいずれかは連続的に稼働する。連続的に稼働するセンサユニットは、特に緊急時に対応するためのセンサユニットである。シーリングライト兼結節点装置801等の結節点装置及び中央制御装置800は、間欠的に稼働する間欠稼働モードを備える。通常時には、緊急時に対応するためのセンサユニット以外のセンサユニット、結節点装置及び中央制御装置800は、間欠稼働モードで動作し消費電力を抑制する。ここで、「間欠稼働モード」とは、動作状態と休止状態を交互に繰り返すモードをいう。休止状態では、センサユニット113の内部電源1133やシーリングライト兼結節点装置801の内部電源8013は休止状態にあり、各部に電力を供給しないか、あるいは必要最小限度の電力のみを供給する。中央制御装置800についても同様である。中央制御装置800は、休止状態にある場合に、所定の制御周期でトリガー信号(起動信号)をシーリングライト兼結節点装置801に送出し、シーリングライト兼結節点装置801の内部電源8013を起動させる。シーリングライト兼結節点装置801は、中央制御装置800から送出されたトリガー信号をさらに管理下にあるセンサユニット113等に送出し、センサユニット113の内部電源1133を起動させる。これにより、センサユニット113等及びシーリングライト兼結節点装置801は、休止状態から動作状態に移行する。この動作状態において、センサユニット113からのセンシング信号はシーリングライト兼結節点装置801を経由して中央制御装置800に送出される。このように、中央制御装置800からのトリガー信号(起動信号)を受けて間欠的に稼働することでシステム全体の消費電力を低減させることができる。
図5は、本実施形態のタイミングチャートである。図5(a)は中央制御装置800のタイミングチャート、図5(b)は結節点装置の一例としてのシーリングライト兼結節点装置801のタイミングチャート、図5(c)はセンサユニットの一例としてのセンサユニット113のタイミングチャートである。中央制御装置800、結節点装置801、及びセンサユニット113がいずれも休止状態にあり、中央制御装置800の内部電源8003は内部時計によってクロックをカウントして所定の制御周期に基づき所定の時刻に達したか否かを判定する。なお、後述するように、所定の制御周期は、センサユニット毎に個別に設定されていてもよい。所定の制御周期に基づき所定の時刻に達すると、中央制御装置800は、トリガー信号を結節点装置801に送出する。トリガー信号は、起動しようとするセンサユニットを管理する結節点装置に送出することは言うまでもない。結節点装置801は、トリガー信号を受信すると、内部電源8013が起動して各部に動作用電力を供給して休止状態から稼働状態に移行する。稼働状態に移行した結節点装置801は、トリガー信号をセンサユニット113に送出するとともに、センサユニット113からのセンシングデータの受信待機状態となる。センサユニット113は、トリガー信号を受信すると、内部電源1133が起動して各部に動作用電力を供給して休止状態から稼働状態に移行し、センサ素子1130で温度等を検出し、デジタル化してセンシングデータとして結節点装置801に送出する。結節点装置801は、センシングデータに所定の処理を施した後、中央制御装置800に送出する。中央制御装置800は、受信したセンシングデータをデータベース8001に蓄積する。センシングデータの送受信が完了した後、中央制御装置800、結節点装置801及びセンサユニット113は、再び休止状態に移行する。以上の処理を繰り返すことにより間欠稼働モードで動作する。稼働状態から休止状態に移行する際に、中央制御装置800は休止状態に復帰するコマンド指令を結節装置801、センサユニット113に送出してもよい。
他方、センサユニットのうち、連続的に稼働するセンサユニットで何らかの異常が検出された場合、当該センサユニットからトリガー信号(起動信号)が当該センサユニットを管理する結節点装置、及びこの結節点装置を経由して中央制御装置800に送出される。センサユニットからトリガー信号を受信した結節点装置及び中央制御装置800は、間欠稼働モードから連続稼働モードに移行し、当該センサユニットからのセンシング信号を連続的に受信して蓄積する。さらに中央制御装置800は外部インターフェイスを通じで外部の警備センターや介護ケア施設などへ個人住宅等で発生した緊急の事象を通報する。
図6は、本実施形態の他のタイミングチャートである。図6(a)は中央制御装置800のタイミングチャート、図6(b)は結節点装置のタイミングチャート、図6(c)はセンサユニットのタイミングチャートである。中央制御装置800、及び結節点装置は共に間欠稼働モードにあり、センサユニットは連続稼働状態にある。センサユニットがあるタイミングにおいて火災等の異常を検出すると、トリガー信号(第2トリガー信号)を上位の結節点装置に送出する。結節点装置は、センサユニットからのトリガー信号(第2トリガー信号)を受信すると、間欠稼働モードから連続稼働モードに移行し、センサユニットからのセンシングデータの待機状態となる。また、結節点装置は、トリガー信号(第2トリガー信号)を中央制御装置800に送出する。中央制御装置800は、トリガー信号(第2トリガー信号)を受信すると、間欠稼働モードから連続稼働モードに移行し、センサユニットからのセンシングデータの待機状態となる。上位の結節点装置801及び中央制御装置800が連続稼働モードに移行すると、センサユニットはセンシングデータを結節点装置に送出し、結節点装置はセンシングデータに所定の処理を施して中央制御装置800に送出する。中央制御装置800は、受信したセンシングデータをデータベース8001に蓄積する。
中央制御装置800は、公知のコンピュータと同様に、プロセッサ、プログラムメモリ、ワーキングメモリ、大容量外部メモリ、入出力インターフェイスを備え、ROM等のプログラムメモリに予め記憶された処理プログラムをプロセッサが読み出して順次実行することで実現される。
以下、各構成要素について詳述する。
〔センサの種類〕
本実施形態の構成要素の1つである、センサユニットに搭載されるセンサは、検知・計量した物理量を電気信号に変えて送出できるものであれば特に制約なく、任意のものを使用することができる。電気信号はデジタル化回路1131でデジタル化されていることが好ましい。本実施形態に係る住環境の省エネルギー及び生活の安全・安心に特に有用に用いられるセンサを以下に列挙する。
温度センサ: 熱電対などの熱起電力素子、サーミスターなどの半導体素子、温度変化による振動子の周波数変化を例えば静電容量の変化として検知するセンサなど
電流センサ: 電磁誘導コイル、ホール素子など
光明暗センサ: 光起電力を発生する半導体素子、光電池など
画像センサ: 紫外線〜可視光線〜赤外線に感度を有する撮像素子、動画像をマイクロミラーデバイスで検知するMEMS画像センサなど。MEMS画像センサは元の情報がモザイク化されているため、本質的にプライバシーを守ることを重視した、住環境における画像センサとして特に有用である。区画空間1における動画センサユニット711,712のように、二次元画像センサを室内に2基以上設置すると、画像データの演算処理により、バーチャルな三次元・立体画像空間として認識が可能になる。なお、立体画像の電子処理を行う場合、複数の画像センサの初期設定手順において、特定波長で発光する例えば長さ1mの基準棒を壁面、天井、床面の要所に設置してキャリブレーションを行うことで、当該区画空間内の窓、出入り口などの寸法を自動計測し、「間取図」、「部屋の体積」、壁面、天井、床面の面積を自動的に算出させることができる。
音波センサ: 10Hz以下の低周波数、可聴周波数、超音波を検知するセンサなど。例えば、超音波音源と2基以上の超音波センサを設けることで室内における動体の移動を検知することができる。
ガスセンサ: 半導体素子の表面における吸着気体の化学反応を検知する有害ガスのセンサ、検知面に吸着したガスによる反射の分光学的変化を検知するセンサなど。近年、臭気センサは家庭用エアクリーナーの自動運転に広く用いられている。
微粒子センサ: 水晶振動子の吸着面に静電気を利用して空気中の微粒子を脱着させ、振動の周波数変化を検知するセンサ、ガス流路内の光散乱強度変化を検知するセンサなど。
バイタルセンサ: 要介護者及び在宅療養者に用いられる各種のバイタルセンサ。
〔センサの消費電力と稼働率〕
センサを常時通電するシステムに使用する場合、個々のセンサの稼働時及び待機時の消費電力は小さい程好ましい。しかしながら、本実施形態の省エネルギー支援及び見守りシステムにおいては、「システム全体の常時通電」は不要である。緊急性の高いセンサのみ必要最小限の電力で連続稼働し、緊急時において、本実施形態のシーリング兼結節点装置801等、及び中央制御装置800を稼働状態にするトリガー信号を発する。このようなトリガー信号の伝送には、標準的な電線を用い、中央制御装置800と結線することが好ましい。
緊急性が高く、必要最小限の電力で連続稼働されるセンサは、例えば以下の通りである。
[A]要介護者及び在宅療養者のバイタルセンサ、及び介護ベッドからの落下検知
このような緊急時対応の常時通電センサから間欠運転中の中央制御装置800へのトリガー信号の伝送には、標準的な電線を用い、センサユニットと中央制御装置800と結線することが好ましい。トリガー信号を受信した、当該センサユニットを管理する結節点装置及び中央制御装置800は、間欠稼働モードから連続稼働モードに移行する。また、中央制御装置800は、当該センサユニットが設置された要介護者等の区画空間と同一の区画空間に設置された画像センサが間欠稼働モードにあれば、これにトリガー信号を送出して連続稼働モードに移行させる。
[B]火災報知器(電源電池内蔵のものが多い)
トリガー信号の伝送には、標準的な電線を用い、中央制御装置800と結線することが好ましい。区画区間3の火災報知器型センサユニット733はシーリングライト兼結節点装置803と無線又は有線の通信回線で接続され、シーリングライト兼結節点装置803と中央制御装置800は有線回線2803で接続され、これらの通信回線を介してトリガー信号が火災報知器型センサユニット733から中央制御装置800に送出される。トリガー信号の受信により、シーリングライト兼結節点装置803と中央制御装置800は間欠稼働モードから連続稼働モードに移行する。また、中央制御装置800は、当該火災報知器が設置された区画空間と同一の区画空間に設置された画像センサが間欠稼働モードにあれば、これにトリガー信号を送出して連続稼働モードに移行させる。
その他のセンサユニットについては、常時稼働は不要であり、所定の制御周期、例えば1時間に1回の頻度で、中央制御装置800からのトリガー信号(起動信号)をシーリング兼結節点装置801等を経由して受信することで起動し、稼働状態に入ってから、測定データをシーリング兼結節点装置801等を経由して中央制御装置800へ送出する。例えば、建物内外温度センサユニット付き窓111の建物内外温度センサユニットは常時稼働は不要であり、1時間に1回、中央制御装置800からのトリガー信号をシーリング兼結節点装置801を経由して受信することで起動する。そして、稼働状態に入ってから、デジタル化された測定データをシーリング兼結節点装置801を経由して中央制御装置800に送出する。こうすることで、仮に稼働時の消費電力が10Wのセンサであっても、1時間当たり1.0秒の稼働であれば、待機電力はゼロかつ平均消費電力は2.78mWと計算される。
ここで、中央制御装置800からトリガー信号を送出する周期は、センサユニット毎の用途や目的に応じて適応的に可変設定することが好ましい。例えば、常時人がいる部屋の建物内外温度センサユニットについては30分に1回と設定し、その他の区画空間の温度センサユニットについては1時間に1回と設定し、人感センサユニットについては5分に1回と設定する等である。また、センサユニットを稼働させる時間もセンサユニット毎の用途や目的に応じて適応的に可変設定することが好ましい。
なお、通常の常時通電型監視装置の電源を強制的に断続すると、個々の構成要素の立ち上がり時間の相違、センサ類の起動時初期化手順の開始等の事象の複雑な錯綜が起こり、誤動作する可能性が極めて高い。これに対し、本実施形態のシステムにおいては、通常時の間欠稼働と緊急時の連続稼働とのモード切り替えを前提に、個々の構成要素を設計・チューニングすることができるため、誤動作の心配なしに、待機電力の極小化と稼働時消費電力の低減が可能である。
〔留守宅への不審者侵入等の異常の検知〕
常時通電型の既存の防犯システムと本実施形態のシステムの連携が可能である。すなわち、常時通電型の既存の防犯システム(消費電力は小さい)の赤外線センサが、まず、監視区画空間の異常の可能性を無線信号で既存の防犯システムの中央制御装置(図示せず)へ送出する。既存の防犯システム・中央制御装置は、起動のトリガー信号を本実施形態の中央制御装置800へ送り、中央制御装置800は間欠稼働モードから連続稼働モードに移行する。中央制御装置800は、対応する結節点装置を経由して監視区画空間に設置された動画センサユニット711等を間欠稼働モードから連続稼働モードに移行させる。中央制御装置800は、得られた画像データを解析し、ペット(犬、ねこなどの動物)が監視区画空間へ侵入したか、不審者の侵入かを判定する。
ここで、自動音声伝達・認識装置が監視区画空間に設けられていれば、自動的に「誰ですか?」等の質問を発して認証を要求する。この認証要求に対し、正しい応答がある、例えば氏名と暗唱コードを答えた、あるいは正しい暗証番号を入力した等があれば、監視モードを切らずに入室した住人であることが確認され、防犯システム会社への無駄な通報は行われずに済む。他方で、正しい音声応答等がない場合は、中央制御装置800は、不審者の侵入として防犯システム会社への通報等の緊急時対応手順を発動する。
〔火災発生の検知〕
常時通電型の既存の火災報知器と本実施形態のシステムを連携させることも可能である。すなわち、常時通電型の既存の火災報知器(消費電力は小さい)の熱又は煙感知センサが、まず、監視区画空間の火災発生の可能性を検知すると、通常は警報音を発する。既存の火災報知器に改良を加え、警報音の発報と同時に、起動のトリガー信号を本実施形態の中央制御装置800へ送るようにする。中央制御装置800は、連続稼働モードに移行する。中央制御装置800は、対応する結節点装置を経由して監視区画空間に設置された動画センサユニット731等を間欠稼働モードから連続稼働モードに移行させる。中央制御装置800は、得られた画像データを解析し、「調理の過熱による煙発生」と「炎の連続的発生、すなわち火災発生」を判定し、火災時には外部の警備センターへの通報等の所定の緊急時対応手順を発動する。
なお、火災発生点の近くに人がいる場合、発声すると息を吸ったとき気道火傷の危険があるため、音声による確認手順は避けることが好ましい。警備サービスのセンターから、緊急時対応が可能な場合は一方的に対処方法を音声で通達するのがよい。また、個人住宅の場合、誤動作したときの損害が大きいため、スプリンクラーを設置することは希であり、二酸化炭素消化器は窒息の心配がある。さらに厨房における油火災の場合、注水によって炎が急拡大する。警備サービスのセンターから、緊急時対応が可能な場合は画像をディスプレイ8006等でモニタしながら、遠隔操作で二酸化炭素消化器を間欠的に作動させるなど、入念な対応が可能となる。
〔センサユニットの電源とデータ送受信機能〕
図4に示すように、本実施形態で用いられるセンサユニットの電源は、センサ素子1130、デジタル化回路及びメモリ1131、シーリングライト兼結節点装置801等との無線又は有線による接続を行う外部インターフェイス1132に電力を供給するものである。センサユニットの電源は、待機時(休止状態)にゼロであることが好ましいが、機能維持のため、10μW程度の最小限の電力を消費しても差し支えない。むしろ重要なのは中央制御装置800へ緊急時トリガー信号を送出する際、及び中央制御装置800からの起動要請に応じてセンサユニットを稼働状態とするための対応時間ができるだけ短いことである。対応時間は長くとも100ミリ秒、好ましくは10ミリ秒以下、さらに好ましくは1ミリ秒以下であることが要求される。公知のエレクトロニクス技術を用いてこの要求に対応可能である。
センサユニットの電源出力は、センサの送出する単位時間当たりのデータ量が数キロバイト以下であれば、100mW以下で充分である。この場合、センサユニットの稼働時間が1時間当たり1秒以下であれば、室内光で発電する光電池と蓄電池の併用で対応が可能である。一方、大容量の画像データを複数セット、1秒以内でまとめて送出する場合は、単純な電線で中央制御装置800から給電する方式が最もシンプルであり、かつ、システムの総合消費電力低減のため、有効である。
〔個人住宅等の延べ床面積と区画空間数及び結節点装置の設置数〕
本実施形態では、個人住宅等の省エネルギーを支援すると同時に、これを利用する人の安全を見守るシステムの消費電力を極小化することを目的とするが、想定している延べ床面積は、200平方メートル以内、及び1つの区画空間当たり1基の結節点装置を設ける場合、その数は25以内である。これ以上、延べ床面積が大きい店舗及びオフィスの場合、常時通電型システムとの差別化が困難になる。換言すると、本実施形態は、エネルギー消費型装置が集約されて設置された個人住宅等の省エネルギー支援に特に有用である。
〔センサユニットの設置〕
温度センサ: 外気と区画空間内の温度を同時に測定するには、外部と繋がった開口部、具体的には、非電動の換気ユニット(建築法で住宅への設置が制定されている)113等に建物内外温度センサユニットを組み込んだものが好適に用いられる。コンデンサーの劣化による異常発熱を検知するため、電動の換気ユニット(送風ファン)134,174,184に温度センサを設けてもよい。また、屋上に設けられた太陽電池ユニット500の裏側501に温度センサを設けることで、夏季の温度上昇による発電能力の低下に関するデータを蓄積することが可能である。
電流センサ: 個人住宅等に設置された電気機器すべてに電流センサを設ける必要はなく、個々の電気コンセント、消費電力50W以上の機器、特に冷蔵庫603及び冷暖房機701,702,703,704、換気ユニット(送風ファン)134,174,184、シーリングライト兼結節装置(照明器具)801,802,803,804等に電流センサを設けることが望まれる。また、太陽電池ユニット500の発電量をモニタし、記録し、経時劣化の様子を把握することができる。
光明暗センサ: 日中、不必要な照明機器の電源自動停止に有用である。明暗センサとは異なるが、照度計を屋上に設けられた太陽電池500の近傍に設けることで、太陽光発電の様子を的確に検知し、記録することが可能になる。
画像センサ: 動画センサユニット711等の画像センサを室内に2基以上設置すると、画像データの演算処理により、バーチャルな立体画像空間として認識が可能になり、さらに前述のように初期設定時にキャリブレーションを行うことで、後述の省エネルギー対策提案を自動的に行う際に有用である。要介護者及び在宅療養者の居室、洗面所、トイレ、浴室にプライバシー尊重型のMEMS画像センサを設けることが好ましく、例えば動画センサユニットをMEMS型画像センサとする。監視対象者が洗面所、トイレ、浴室内で動けなくなった事態、及び寝台からの落下、住宅内徘徊などの異常事態を確実に検知することができる。
音波センサ: 厨房への有害獣・虫の侵入を検知するのに有効である。侵入が検知された場合、高解像度の赤外線センサを稼働させることで、侵入経路の推定が可能になる。
ガスセンサ: 屋内でガス器具を用いる場合、その区画空間に設けることが好ましい。
微粒子センサ: 花粉症や黄砂アレルギー症状の人の居室に設けることができる。
バイタルセンサ: 要介護者及び在宅療養者の寝台に設置することが好ましい。健常人であっても、夜間無呼吸症状の発現などを検知する際、有効である。
〔無線電波の閉じ込め〕
センサユニットと結節点装置は、一体化するのが好ましい。例えば、動画センサユニット兼結節点装置791は、画像データの他、隣接する区画空間7及び区画空間8の人感センサユニットからの信号を建物内の薄い壁越しに無線で受信し、中央制御装置800へ送出してもよい。
また、センサユニット群との無線通信を専門に行う結節点装置は、既述したように、天井に設置されるシーリングライトに内蔵させてシーリングライト兼結節点装置801,802,803,804とすることで、室内に結節点装置が露出することを避けることができる。
いずれにしても、無線信号の出力を「外部に面した壁」(個人住宅等の内側の薄い壁は除く)を通過できないほど小さくしつつ、区画空間内に設けられた結節点装置の無線受信機で確実に受信できるようにすることで、プライバシーの保護を担保しつつ、利便性の高い無線接続センサユニットを利用できる。なお、設置に手間はかかるが、センサユニットと結節点装置を有線で結べばデータ漏洩の可能性は極小化できる。一方、複数の壁を越えて、個人住宅等内で結節点装置から中央制御装置800へ強い電波出力で送出するシステムでは、個人の生活に関する情報が、電波と同時に外部へ漏洩する。無線通信の電波は「部屋に閉じ込めること」が強く望まれる。本実施形態のシステムにより、それが可能となる。
センサユニットからの無線通信を個人住宅等の外部で、悪意を持って連続的に傍受すると、例えば「長期留守状態にあるとき、夜間室内照明を自動点灯させる」ような防犯対策が、簡単に見破られてしまう。
個人住宅等の壁がコンクリートないし計量発泡コンクリートの場合、外部に面した窓から電波が漏洩する可能性がある。採光可能な電波遮蔽・窓用フィルムが市販されており、これらを用いるのが好ましい。個人住宅等が木造ないし壁材が耐火パネルの場合、壁を通じて電波が漏洩しやすい。これを防ぐフィルムやボードも市販されており、これらを用いるのが好ましい。
〔センサユニット及び結節点装置の個体識別符号の付与とデータ識別機能〕
センサユニット、結節点装置及び中央制御装置800の新設時初期化と、センサユニット、結節点装置の増設時の初期化として、センサユニット及び結節点装置の個体識別符号の付与を行う必要がある。センサユニット及び結節点装置が設置された区画空間毎に、個体識別符号を付与するには、既存のLANに広く用いられている「TCP/IP」規格の「IPアドレス」方式を採用する方法が最も簡便である。この場合、センサユニットはパソコン、結節点装置はハブ、中央制御装置800はルーターに例えられる。また、設定手順は極めて簡便で、中央制御装置800、個々の結節点装置、次いでセンサユニットの順番に接続・通電し、全センサユニットの初期化が完了するまで、通電を続ければよい。システム全体を間欠運転することを前提にすると、IPアドレスは「固定式」である必要がある。
個々のセンサユニットと結節点装置の対応は1対1であるため、個々のセンサユニットにIPアドレス発信の機能を持たせる必要はなく、結節点装置の配下にあるセンサユニットからの無線又は有線によるセンシングデータ入出力ポートに当該センサユニットの個体識別符号を持たせ、結節点装置から中央制御装置800へ送出されるセンシングデータの識別を行うことができる。こうすることで、個々のセンサユニットの機能を単純化し、稼働時の消費電力を低減することが可能になる。すなわち、個々のセンサユニットのデータ送出部分は、トリガー信号を受信したときデータを排出する一時記録メモリ機能のみを有すればよい。例えば、図3において、シーリングライト兼結節点装置801の配下にあるセンサユニットとして、センサユニット111,112,113,711,712が存在する場合、これらに対してプライベートIPアドレスを付与し、
センサユニット111:(192.168.0.0)
センサユニット112:(192.168.0.1)
センサユニット113:(192.168.0.2)
センサユニット711:(192.168.0.3)
センサユニット712:(192.168.0.4)
とする等である。
個々の結節点装置は、管理下のセンサユニットからのデータ送出を順次、切り替える機能、その時点で開いているセンシングデータ入出力ポートの識別符号(接続されたセンサユニットの識別符号を兼ねる)を当該センシングデータに追加して中央制御装置800へ送出する機能を担う。
中央制御装置800は、管理下の結節点装置から送出されるセンシングデータを受信時刻及び識別符号とともにデータベース8001に順次蓄積していく。
<第2実施形態>
〔熱レンズ方式光制御光スイッチの利用〕
本発明者等は、1基の熱レンズ方式光制御光スイッチ及び6基の制御光光源によって、信号光のレーザービームを7方向、13方向、最大25方向へ切り替えることができる技術を既に開発している(例えば特許第4822115号)。この光スイッチを中央制御装置800に搭載し、光スイッチのチャンネルを切り替えると同時に、中央制御装置800に光ファイバー2791,2801,2802,2803,2804,2805,2806で接続された複数の結節点装置791,801,802,803,804,805,806へ、順次、トリガー信号を発信し、各結節点装置に無線又は有線の通信回線1111等で接続された個々のセンサユニット(建物内外温度センサユニット付き窓)111等を起動させ、各々から「定時連絡」に相当するセンシングデータを送出させ、個々のセンサユニットの個体識別符号(IPアドレス)とともに、データを蓄積することができる。すなわち、例えばシーリングライト兼結節点装置801の識別符号付与装置及びメモリ8011が個々のセンサユニットのIPアドレスとともにセンシングデータをメモリに蓄積する。中央制御装置800と各結節点装置との間は、このような光ファイバーによる接続の他に、光ファイバーと電線との併用でもよく、中央制御装置800と特定の結節点装置との間は光ファーバーのみとし、中央制御装置800と別の結節点装置との間は光ファーバーと電線との併用とする等でもよい。
本実施形態における、センサユニットと結節点装置と中央制御装置800との間の接続形態を例示すると以下の通りである。
(1)センサユニット−(電線接続)−結節点装置−(光ファイバー接続)−中央制御装置800
(2)センサユニット−(電線接続)−結節点装置―(光ファイバーと電線の併用接続)−中央制御装置800
(3)センサユニット−(光ファーバー)−結節点装置−(光ファイバー接続)−中央制御装置800
光ファイバーのチャンネルが開いている場合、個々のセンサユニットと中央制御装置800の間で双方向の送受信が可能である。また、センサユニット及び/又は結節点装置に光ファイバー対応の光電池を設けることで、中央制御装置800内に設けた、例えば波長1250nm前後のレーザー光源から、センサユニットを稼働させるエネルギーを100ないし200mW供給することが可能である。例えば、上記の(2)の接続パターンでは、中央制御装置800からシーリングライト兼結節点装置801にレーザー光を供給してシーリングライト兼結節点装置801の光電池で発電し、得られた電力を建物内外温度センサユニット付き窓111のセンサユニットの内部電源に供給する。あるいは、上記の(3)の接続パターンでは、中央制御装置800からセンサユニットまで光ファイバーで接続されているので、中央制御装置800のレーザー光源から直接、センサユニットの光電池で発電して得られた電力を当該センサユニットの内部電源に供給してもよい。本実施形態では、中央制御装置800からのトリガー信号の送出により結節点装置及びセンサユニットの内部電源を起動させて休止状態から稼働状態に移行させるが、このようなレーザー光をトリガー信号として用いることもできる。
緊急時にセンサユニット側から中央制御装置800へトリガー信号を送出する場合は、上記の光ファイバーのチャンネルは閉じているので、電線での送出が好ましい。
上記光スイッチに接続される光ファイバーの種類としては、光通信に広く用いられているシングルモードファイバーが好適である。想定している個人住宅等の規模においては、波長890nmないし1600nmの光を波長多重で、双方向データ送受信及びセンサユニットへのエネルギー供給が可能である。
また、近年、高画質のTV放送のコンテンツを、高画質のまま、6チャンネル以上、2週間程度記録することのできるハードディスクレコーダーが市販されている。非常に便利なAV機器ではあるが、ハードディスク数台を連続通電するため、50W以上の電力を常時消費する、エネルギー多消費型家電製品の1つである。これを個人住宅の部屋毎に設置することは省エネルギー対策上、好ましくない。
そこで、中央制御装置800へハードディスクレコーダー1台のみを設置し、常時記録させ、要求のあった区画空間に設けられたディスプレイへ、使用時のみ、画像データを配信する方式が有用である。この画像データ配信に、上記の光制御光スイッチに接続された、宅内光ファイバーを極めて有効に使用することができる。画像データバッファ機能を活用することで、例えば、宅内で同時に2ないし3か所へ、高画質画像データを配信することができる。この場合であっても、その他の結節点装置と中央制御装置800とのセンシングデータ通信は充分、担保される。
上記の光制御光スイッチの代わりに、機械式光スイッチやMEMS光スイッチを用いることも可能である。
<第3実施形態>
上記の実施形態に加え、中央制御装置800は、センシングデータを解析することにより冷暖房の省エネルギーの改善アドバイスや、改善実施後の評価を行ってもよい。
冷暖房の省エネルギー改善アドバイス、及び改善実施後の評価は以下の手順で行われる。
〔省エネルギー改善のアドバイス〕
中央制御装置800に蓄積されたデータの量が充分になった場合、ユーザのリクエストに応じ、例えば外気温度、個々の区画空間内の温度及び冷暖房負荷(在室人間数、電気器具の発熱など)、冷暖房機の消費電力、システム全体の消費電力、太陽光発電量などを時間軸に沿ってディスプレイ8006にグラフ形式で提示する。あるいは、1年分のデータが蓄積された場合は、冷暖房機に投入したエネルギーの損失から、壁、天井、床、窓など建築部材の省エネルギー性能の現状、部材変更又は追加による省エネルギー効果の改善をディスプレイ8006に提示してアドバイスする。この場合、ディスプレイ8006は区画空間のいずれかに設置されたテレビであってもよい。ユーザは、省エネルギー効果の高い部分から改善を行う判断を行う。そして、実際に改善工事を行った後は、中央制御装置800は、再び1年間のデータからエネルギーの損失量を算出し、工事前後を比較して改善工事の効果を評価してディスプレイ8006に提示する。また、中央制御装置800は、人感センサを設けていないテレビ、照明器具等が、当該区画空間が無人の場合に稼働状態にあることをグラフ表示に追加して表示し、ユーザの省エネルギー改善行動を促すこともできる。さらに、区画空間の断熱対策が充分な場合は、短時間の不在の場合、冷暖房機を連続運転させた方が、冷暖房機コンプレッサーの起動時突入電量の無駄を省くことが可能で、それについてアドバイスすることも可能である。
<第4実施形態>
上記の各実施形態において、人感センサを設けていないTV、照明器具などが、当該区画空間が無人の場合に稼働状態にあることを実施形態のシステムが検知した場合に、中央制御装置800がデータ処理した情報に応じて区画空間に設けられた電気機器類の運用を制御してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、実施形態では、中央制御装置800は個人住宅等に設置されているが、その一部又は全部の機能を個人住宅等とは別の施設に設置してもよく、その一部又は全の機能を外部のサーバコンピュータで実現してもよい。
図7は、外部のサーバコンピュータと連携して処理する場合のシステム構成図である。個人住宅等に設置された中央制御装置800は、インターネットを介してサーバコンピュータと接続される。中央制御装置800は、既述したように、プロセッサ、プログラムメモリ、ワーキングメモリ、データベース及び入出力インターフェイスを備える。プロセッサは、図示しないクロックあるいはタイマにより計時し、所定の周期で結節点装置を経由してセンサユニットにトリガー信号を送出し、センサユニットから結節点装置を経由してセンシングデータを受信してデータベースに蓄積する。また、火災報知器等の連続稼働しているセンサユニットから送出されたトリガー信号(第2トリガー信号)を受信して間欠稼働モードから連続稼働モードに移行し、当該センサユニットあるいは同一区画空間に設置された画像センサユニットからセンシングデータを受信してデータベースに蓄積する。中央制御装置800は、データベースに蓄積されたこれらのセンシングデータを、インターネットを介して外部の高速処理可能なサーバコンピュータに送出する。サーバコンピュータは、受信したセンシングデータを解析し、解析結果に応じて各区画空間に設置された電気機器等を自動制御するためのコマンド指令をインターネットを経由して中央制御装置800に送出する。中央制御装置800は、受信したコマンド指令に応じて各区画空間に設置された電気機器等を制御する。中央制御装置800は、相対的に計算量が多い処理についてサーバコンピュータに代替処理を依頼してもよい。例えば、冷暖房機が設置された区画空間にいる人体からの発熱、区画空間に設置された電気機器の発熱、窓、壁、床及び天井を通じての熱の出入り、換気装置を通じての熱の出入り、及び日照による発熱、の各センシングデータをサーバコンピュータに送出し、サーバコンピュータで冷暖房機が設置された区画空間における年間を通じての熱のロスを算出する処理を実行してもよく、あるいは、サーバコンピュータで窓、壁、床あるいは天井の保温効果改善工事に関する情報を作成して中央制御装置800に送出し、かつ、工事完了後の熱のロスを算出して工事の効果を評価して中央制御装置800に送出してもよい。
1,2,3,4,5,6 区画空間(例、個人住宅の部屋)、7 区画空間(例、洗面所)、8 区画空間(例、トイレ)、9 区画区間(例、玄関〜廊下)、
10,11,12 区画空間1の壁、
20,21,22 区画空間2の壁、
30,31,32,33 区画空間3の壁、
40,41,42 区画空間4の壁、
50 区画空間5の壁、
60,61 区画空間6の壁、
90 区画空間9の壁、99 区画空間(例、階段)、
101,102,103,104,107,108,109 出入り口、
111,112,121,131,141 建物内外温度センサユニット付き窓、
113,123,133,143,144 建物内外温度センサユニット兼換気ユニット(非電動)、
134,174,184 換気ユニット(電動)、
200 区画空間(例、1階床下)、300 区画空間(例、1階天井裏)、400 区画空間(例、屋根裏)、
201,203,205,206 床、
301,303,305,306 天井、
401 屋根、
500 太陽電池ユニット、501 太陽電池の裏側、
601 厨房ガスコンロ、602 厨房シンク、603 冷蔵庫、
701,702,703,704 冷暖房機、
711,712,721,722,731,732,741,742,751,752,761,762、799 動画センサユニット、
771,781 人感センサユニット、
733 火災報知器型センサユニット、
791 動画センサユニット兼結節点装置、
800 中央制御装置、
801,802,803,804,805,806 シーリングライト兼結節点装置、
1111,1112,1113,1711,1712 センサユニット・結節点装置間の無線又は有線通信回線、
2791,2801,2802,2803,2804,2805,2806 結節点装置と中央制御装置間の有線回線、
1130 センサ素子、
1131 デジタル化回路及びメモリ、
1132 無線又は有線・外部インターフェイス、
1133,8003,8013 内部電源、
1134,8004,8014 外部電源、
8000 電線及び/又は光ファイバー入出力ポート、
8001 中央演算装置及びデータベース、
8005 ディスプレイ・インターフェイス、
8006 ディスプレイ、
8010 無線又は有線・入出力ポート、
8011 センシング信号への識別符号付与装置及びメモリ、
8002,8012 電線及び/又は光ファイバー・外部インターフェイス、
11130 センシングデータ伝送線、
11131,80000,80001,80100,80101 入出力信号線、
11132,11133,11134,11135,80002,80003,80004,80005,80102,80103,80104、80105 電源電線、
80006 ディスプレイデータ出力線、
80007 ディスプレイケーブル。

Claims (18)

  1. センサ部と、第1通信部と、動作用電力を供給する第1電源部とを備え、担当する区画空間において前記センサ部で得られたセンシングデータの送出を行う1つ以上のセンサユニットと、
    上位の中央制御装置と、
    第2通信部と、前記センサユニットから受信した前記センシングデータに対して個体識別符号を付与する個体識別付与部と、動作用電力を供給する第2電源部とを備え、前記センサユニットと前記中央制御装置との間の双方向通信を行う結節点装置と、
    を備え、
    前記中央制御装置は、前記第2電源部を制御する機能と、前記結節点装置を経由して前記センサユニット毎に前記第1電源部を制御する機能と、前記結節点装置に集約された前記センサユニットからの前記センシングデータを前記個体識別符号とともに受信する機能と、前記結節点装置及び前記センサユニットへ起動信号を送出する機能と、受信したセンシングデータを受信時刻と前記個体識別符号によるラベルに基づきデータベースとして蓄積する機能と、前記データベースに蓄積された情報を解析するデータ処理機能とを有し、
    前記1つ以上のセンサユニットの少なくともいずれかのセンサユニット、前記結節点装置、及び前記中央制御装置は、間欠的に稼働する間欠稼働モードを備え、前記中央制御装置から前記起動信号を送出することで前記1つ以上のセンサユニットの少なくともいずれかの前記第1電源部、及び前記第2電源部を間欠的に稼働させ、消費電力を低減することを特徴とする省エネルギー支援及び見守りシステム。
  2. 前記1つ以上のセンサユニットの少なくともいずれかのセンサユニット、前記結節点装置、及び前記中央制御装置は、連続的に稼働する連続稼働モードを備え、前記連続稼働モードにある前記センサユニットで異常を検出すると第2起動信号を前記結節点装置及び前記中央制御装置に送出し、前記結節点装置及び前記中央制御装置を間欠稼働モードから連続稼働モードに移行させることを特徴とする請求項1に記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  3. 前記連続稼働モードにある前記センサユニットは、電気機器、厨房機器の少なくともいずれかの異常発熱あるいは火災を検知するセンサユニットであることを特徴とする請求項2に記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  4. 前記結節点装置及び前記中央制御装置は、異常発熱あるいは火災を検知する前記センサユニットから前記第2起動信号を受信すると連続稼働モードに移行し、前記第2起動信号を送出した前記センサユニットが設置されている区画空間と同一の区画空間に設置された画像センサユニットに起動信号を送出して前記画像センサを間欠稼働モードから連続稼働モードに移行させることを特徴とする請求項3に記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  5. 前記連続稼働モードにある前記センサユニットは、区画空間内の病人、要介護者、就寝中の健常者の少なくともいずれかの異常を検知するセンサユニットであることを特徴とする請求項2に記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  6. 前記結節点装置及び前記中央制御装置は、異常を検知する前記センサユニットから前記第2起動信号を受信すると連続稼働モードに移行し、前記第2起動信号を送出した前記センサユニットが設置されている区画空間と同一の区画空間に設置された画像センサユニットに起動信号を送出して前記画像センサを間欠稼働モードから連続稼働モードに移行させることを特徴とする請求項5に記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  7. 前記中央制御装置は、前記センサユニットにより検出された、冷暖房機が設置された区画空間にいる人体からの発熱、前記区画空間に設置された電気機器の発熱、窓、壁、床及び天井を通じての熱の出入り、換気装置を通じての熱の出入り、及び日照による発熱、の少なくともいずれかを前記データベースに蓄積し、前記冷暖房機の運転状態を自動制御することを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  8. 前記中央制御装置は、前記冷暖房機が設置された前記区画空間における年間を通じての熱のロスを算出し、窓、壁、床あるいは天井の保温効果改善工事に関する情報を提示し、かつ、工事完了後の熱のロスを算出して工事の効果を提示することを特徴とする請求項7に記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  9. 前記中央制御装置は、前記センサユニットにより不法侵入者が検出された場合に、前記不法侵入者に対して認証を要求する処理を実行し、認証が確認されないときに前記センサユニットが設置された区画空間と同一区画空間に設置された画像センサユニットに起動信号を送出して前記画像センサを間欠稼働モードから連続稼働モードに移行させ、あるいは外部の警備センサに通報することを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  10. 前記中央制御装置から送出される起動信号の周期は、前記センサユニット毎に可変設定されることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  11. 前記結節点装置及び前記中央制御装置は、電気信号と光信号を相互に変換する変換機能を備え、前記結節点装置と前記中央制御装置との間の通信は、光ファイバー、あるいは光ファイバーと電線の併用で行われることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  12. 前記結節点装置と前記中央制御装置との間の前記光ファイバーの切り替えは、熱レンズ方式、MEMS方式、機械式のいずれかの方式の光スイッチにより行われることを特徴とする請求項11に記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  13. 前記結節点装置と前記センサユニットの少なくともいずれかは、前記光ファイバー対応の光電池を備え、前記中央制御装置から送出され前記光ファイバーを経由して伝送されたレーザー光により発電することを特徴とする請求項11記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  14. 前記中央制御装置は、前記結節点装置に対して前記光ファイバーを経由して画像データを送出することを特徴とする請求項11記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  15. 前記1つ以上のセンサユニットの少なくともいずれかは、前記結節点装置と一体化していることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  16. 前記結節点装置は、室内照明器具に内蔵されていることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  17. 前記センサユニットは、区画空間への有害獣や虫の侵入、区画空間内の一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、プロパン、都市ガス、ホルマリン等の有害気体、ハウスダスト、PM2.5、花粉、臭気の少なくともいずれかを検出し、
    前記中央制御装置は、検出された事象に応じて当該区画空間に設置された電気機器を制御することを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
  18. 前記センサユニットの電源は室内の光で発電する光電池と蓄電池又はキャパシターとを組み合わせた独立電源であることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の省エネルギー支援及び見守りシステム。
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