<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。なお、図示による詳細な説明は省略するが、遊技機本体12は、外枠11に回動可能に支持された内枠と、当該内枠の前方に配置され当該内枠に回動可能に支持された前扉枠と、内枠の後方に配置され当該内枠に回動可能に支持された裏パックユニットとを備えている。また、遊技機本体12には、その回動先端部に図示しない施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
遊技機本体12には、図2に示す遊技盤20が搭載されている。以下、図2を参照しながら遊技盤20の構成を説明する。図2は遊技盤20の正面図である。
遊技盤20には前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口21、特電入賞装置22、上作動口23、下作動口24、スルーゲート25、可変表示ユニット26、特図表示部33及び普図表示部34等がそれぞれ設けられている。一般入賞口21、特電入賞装置22、上作動口23及び下作動口24への入球が発生すると、それが遊技盤20の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口27が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口27を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘28が植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した場合に遊技盤20の背面側に排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに当該遊技領域の流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口27への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口21、特電入賞装置22、上作動口23、下作動口24又はスルーゲート25への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口23及び下作動口24は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤20に設置されている。上作動口23及び下作動口24は共に上向きに開放されている。また、上作動口23が上方となるようにして両作動口23,24は鉛直方向に並んでいる。下作動口24には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物24aが設けられている。普電役物24aの閉鎖状態では遊技球が下作動口24に入賞できず、普電役物24aが開放状態となることで下作動口24への入賞が可能となる。
特電入賞装置22は、遊技盤20の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉22aを備えている。開閉扉22aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉22aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、大当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
特図表示部33及び普図表示部34は、遊技領域の下部側に設けられている。特図表示部33では、上作動口23又は下作動口24への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口23への入賞と下作動口24への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域である特図表示部33にて明示される。そして、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、特図表示部33にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、特図表示部33は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部33にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図表示部34では、スルーゲート25への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート25への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート25への入賞に基づく内部抽選の結果が普電開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図表示部34にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、普電開放状態へ移行する。普電開放状態では、下作動口24に設けられた普電役物24aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット26には、絵柄の一種である図柄を変動表示する図柄表示装置31が設けられている。また、可変表示ユニット26には、図柄表示装置31を囲むようにしてセンターフレーム32が配設されている。このセンターフレーム32は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置31の表示面Gの前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示面Gの視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。また、センターフレーム32には、その下部に遊技球が横方向に転動可能なステージ部32aが設けられている。ステージ部32aには、センターフレーム32の左側部に形成された入口部に入球した遊技球が、当該左側部に形成された導出通路を通過することで供給される。そして、ステージ部32aにおいて中央寄りの位置から下方に落下する遊技球は、上作動口23に入賞し易くなっている。
図柄表示装置31は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置31は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置31では、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、特図表示部33において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置31において変動表示が行われる。そして、例えば、遊技結果が大当たり結果となる遊技回では、図柄表示装置31では予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示される。
図柄表示装置31の表示内容について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。図3は図柄表示装置31にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図4は図柄表示装置31の表示面Gを示す図である。
図3(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図4(a)に示すように、図柄表示装置31の表示面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図4(b)に示すように、表示面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面Gには、図4(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置31における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置31にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
また、いずれかの作動口23,24への入賞に基づいて、特図表示部33及び図柄表示装置31にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
図2の説明に戻り、特図表示部33に隣接した位置には、特図表示部33及び図柄表示装置31に対応した特図保留発光部35が設けられている。遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留発光部35の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、普図表示部34に隣接した位置には、普図表示部34に対応した普図保留発光部36が設けられている。遊技球がスルーゲート25を通過した回数は最大4回まで保留され、普図保留発光部36の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部35,36の機能が図柄表示装置31の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
ここで、可変表示ユニット26には、上記図柄表示装置31の他に、演出や報知などを実行するために利用される複数の出力装置として、幕板可動ユニット51と、左右一対の円盤可動ユニット61a,61bと、第1発光部群71と、第2発光部群72と、第3発光部群73と、が設けられている。幕板可動ユニット51及び円盤可動ユニット61a,61bについて、図5を参照しながら説明する。図5は、幕板可動ユニット51及び円盤可動ユニット61a,61bを説明するための遊技盤20の模式図である。
幕板可動ユニット51は、図柄表示装置31の表示面Gよりも前方に配置され当該表示面Gの一部を前方から覆うとともにその覆う領域が可変となるように設けられた幕板可動物52と、当該幕板可動物52を変位させるための複数の幕板用駆動ユニット53a,53bと、を備えている。幕板可動物52は、正面視で長方形状をなし、その長手方向が横方向となるように配置されている。
幕板可動物52において長手方向の中央位置よりも左側端部寄りの位置には、複数の幕板用駆動ユニット53a,53bの一部として、左側の幕板用駆動ユニット53aが設けられているとともに、幕板可動物52において長手方向の中央位置よりも右側端部寄りの位置には、複数の幕板用駆動ユニット53a,53bの残りとして、右側の幕板用駆動ユニット53bが設けられている。つまり、複数の幕板用駆動ユニット53a,53bとして、左右一対の幕板用駆動ユニット53a,53bが設けられている。
左側の幕板用駆動ユニット53a及び右側の幕板用駆動ユニット53bは、同一の構成となっている。具体的には、各幕板用駆動ユニット53a,53bは、縦方向に延びる幕板用レール54a,54bを備えている。幕板用レール54a,54bは、当該センターフレーム32において図柄表示装置31の表示面Gを露出させる露出開口部32bの上縁部よりも上方の位置に設けられている。幕板用レール54a,54bは、その縦方向の寸法が幕板可動物52の縦方向の寸法よりも大きく設定されており、その全体がセンターフレーム32の背面に存在している。つまり、幕板用レール54a,54bは、露出開口部32b側に突出しないようにして設けられている。
各幕板用レール54a,54bに1対1で対応させてスライド部材55a,55bが設けられている。各スライド部材55a,55bは、対応する幕板用レール54a,54bに沿って縦方向にスライド移動可能となっている。各スライド部材55a,55bはそれぞれ、図示しない連結部を介して幕板可動物52と一体化されている。この場合、左側のスライド部材55aは、幕板可動物52における長手方向の中央位置よりも左側端部寄りの領域に対して一体化されており、右側のスライド部材55bは、幕板可動物52における長手方向の中央位置よりも右側端部寄りの領域に対して一体化されている。各スライド部材55a,55bは、幕板可動物52の上端部から上方に突出させて固定されている。各スライド部材55a,55bが対応する幕板用レール54a,54b上をスライド移動することで、これらスライド部材55a,55bに一体化された幕板可動物52が縦方向に変位する。
幕板可動物52と各スライド部材55a,55bとの連結部には所定の遊びが存在しており、前後方向を回転軸とした幕板可動物52の時計回り方向及び半時計回り方向への変位が許容されている。これにより、幕板可動物52の傾斜角度が所定角度となるまでの範囲内において各スライド部材55a,55bのうち一方を他方に対して高さ位置を異ならせることが可能となる。
各スライド部材55a,55bには図示しないピニオンギアが設けられており、各幕板用レール54a,54bには図示しないラックが設けられている。また、各スライド部材55a,55bのそれぞれには、ピニオンギアを回転駆動する幕板用駆動部56a,56bが設けられている。左側の幕板用駆動部56aが駆動状態となることで左側のスライド部材55aが縦方向に変位し、幕板可動物52の左側領域が右側領域に対して縦方向に変位可能となり、右側の幕板用駆動部56bが駆動状態となることで右側のスライド部材55bが縦方向に変位し、幕板可動物52の右側領域が左側領域に対して縦方向に変位可能となる。また、左側の幕板用駆動部56a及び右側の幕板用駆動部56bの両方が駆動状態となることで左右のスライド部材55a,55bがともに縦方向に変位し、幕板可動物52の全体が縦方向に変位する。
各スライド部材55a,55bが幕板用レール54a,54b上において露出開口部32bから最も離間された側に存在している場合、すなわち幕板用レール54a,54bの上端部に存在している場合、幕板可動物52の大部分がセンターフレーム32の背面に隠れ、僅かな領域のみが露出開口部32b内に存在した位置となる。この位置が、幕板可動物52の初期位置であり、幕板可動物52を利用した演出が行われない状況では、当該幕板可動物52は初期位置に配置される。
幕板可動物52が初期位置に配置されている状況において各幕板用駆動部56a,56bが駆動状態となることで、幕板可動物52が露出開口部32bの中央側に向けて移動する。そして、この変位は、各スライド部材55a,55bが幕板用レール54a,54bにおいて露出開口部32b寄りの端部、すなわち幕板用レール54a,54bの下端部に到達する位置を限界位置として行われる。幕板可動物52が下降することで、当該幕板可動物52において露出開口部32bから露出している領域が広くなる。
幕板可動物52が初期位置と限界位置との間を変位可能な構成において、幕板可動物52が初期位置に配置されていることを検知するための幕板初期位置センサ57a,57bが設けられている。当該幕板初期位置センサ57a,57bは、スライド部材55a,55bに1対1で対応させて設けられている。なお、幕板初期位置センサ57a,57bとしては、光学式のセンサが用いられているが、スイッチ式のセンサや電磁式のセンサなどセンサの種類は任意である。
幕板可動物52の位置を検知するためのセンサとして、幕板初期位置センサ57a,57b以外にも、調整位置センサ58a,58bが設けられている。当該調整位置センサ58a,58bは、スライド部材55a,55bに1対1で対応させて設けられている。これら調整位置センサ58a,58bは、初期位置よりも限界位置側である所定の位置にスライド部材55a,55bが存在していることを検知するように、より具体的には初期位置と限界位置との中間位置にスライド部材55a,55bが存在していることを検知するように設けられている。なお、調整位置センサ58a,58bとしては、光学式のセンサが用いられているが、スイッチ式のセンサや電磁式のセンサなどセンサの種類は任意である。
図6(a)〜(e)を参照しながら、幕板可動物52の動作について説明する。図6(a)に示すように幕板可動物52が初期位置に配置されている状況において、両スライド部材55a,55bが一緒に下降するように各幕板用駆動部56a,56bが駆動状態となることで幕板可動物52の全体が下方に変位し(例えば図6(d)に示す状態)、その後に各スライド部材55a,55bの縦方向位置が相対的に変化するように各幕板用駆動部56a,56bが駆動状態となることで、図6(b)及び図6(c)に示すように、幕板可動物52は大部分が露出開口部32bを通じて露出した状態で左に下り傾斜となった状態と右に下り傾斜となった状態とを交互に繰り返す。これにより、幕板可動物52の動作態様として、単に下降する態様だけでなく、左右に傾斜する態様が存在することとなり、動作態様の多様化が図られる。
その後、図6(d)に示すように、両スライド部材55a,55bがそれぞれ対応する調整位置センサ58a,58bにより検知される位置となるまで各幕板用駆動部56a,56bが駆動状態となる。これにより、幕板可動物52は、若干初期位置側に戻った位置において、水平状態となる。その後に、両スライド部材55a,55bが一緒に下降するように各幕板用駆動部56a,56bが駆動状態となることで、図6(e)に示すように、幕板可動物52は水平状態を維持しながら全体が下方に変位する。
このように、幕板可動物52を交互に傾斜状態とする動作態様の後に、水平下降させる動作態様に切り換える場合には、両スライド部材55a,55bが対応する調整位置センサ58a,58bにて検知された後に下降させる構成であることにより、水平状態で幕板可動物52を下降させることが可能となる。
また、幕板初期位置センサ57a,57bよりも限界位置側に調整位置センサ58a,58bを敢えて設け、当該調整位置センサ58a,58bの検知結果を利用して幕板可動物52が水平状態であるか否かを判定するようにしたことにより、交互に傾斜状態とする動作態様の後に水平下降させる動作態様に切り換える場合において幕板可動物52を初期位置まで復帰させる必要が生じない。これにより、当該動作態様の切り換えを早期に行うことが可能となる。
なお、幕板可動物52を利用した演出が終了した場合には、各幕板用駆動部56a,56bが逆方向への駆動状態となることで、幕板可動物52が水平状態を維持しながら上昇し、最終的に初期位置に復帰することとなる。また、上記幕板可動物52を利用した演出は、大当たり結果の期待度が中程度以上であることを示す演出として利用され、例えば期待度が中程度の場合には、交互に傾斜状態となる動作態様による演出は行われるもののその後に水平下降させる動作態様による演出は行われずに、期待度が高い場合には、交互に傾斜状態となる動作態様による演出が行われた後に水平下降させる動作態様による演出が行われる。
次に、図5を再度参照しながら、円盤可動ユニット61a,61bについて説明する。
円盤可動ユニット61a,61bは、図柄表示装置31の表示面Gよりも前方に配置され当該表示面Gの一部を前方から覆うとともにその覆う領域が可変となるように設けられた一対の円盤可動物62a,62bと、各円盤可動物62a,62bを変位させるための一対の円盤用駆動ユニット63a,63bと、を備えている。各円盤可動物62a,62bは同一の構成となっており、正面視で円形状となっている。また、各円盤可動物62a,62bの正面には同一の装飾が施されている。当該装飾は、円盤可動物62a,62bが所定の回転位置に配置されている場合と、それとは異なる特定の回転位置に配置されている場合とで重なり合わない異方性を持つ形状とされている。より詳細には、当該装飾は、円盤可動物62a,62bのいずれの回転位置間においても重なり合わない異方性を持つ形状とされている。なお、円盤可動物62a,62bの外縁形状が、所定の回転位置間で重なり合わない異方性を持つ形状とされていてもよく、いずれの回転位置間においても重なり合わない異方性を持つ形状とされていもよい。
各円盤可動物62a,62bは、対応する円盤用駆動ユニット63a,63bにより駆動されることで、回転するとともにスライド移動する。一対の円盤用駆動ユニット63a,63bは、同一の構成となっている。具体的には、各円盤用駆動ユニット63a,63bは、露出開口部32bの下側の各隅角部外側から当該露出開口部32bの中央側に向けて斜め方向に延びる円盤用レール64a,64bを備えている。円盤用レール64a,64bは、露出開口部32bの周縁部を基準として当該露出開口部32bの内外に延在するように設けられている。円盤用レール64a,64bは、その長さ寸法が円盤可動物62a,62bの直径よりも大きく設定されており、その一部がセンターフレーム32の背面に存在している。
各円盤用レール64a,64bに1対1で対応させて軸付きガイド部材65a,65bが設けられている。各軸付きガイド部材65a,65bは、対応する円盤用レール64a,64bに沿って斜め方向にスライド移動可能となっているとともに、その一部の部材である回転土台が任意のスライド位置において前後方向を回転軸として回転可能となっている。各軸付きガイド部材65a,65bはそれぞれ、対応する円盤可動物62a,62bに上記回転軸が挿入されていることを通じて、各円盤可動物62a,62bと一体化されている。各軸付きガイド部材65a,65bは、円盤可動物62a,62bの背面に設けられており、その全体が当該円盤可動物62a,62bにより前方から覆われた状態となっている。軸付きガイド部材65a,65bが対応する円盤用レール64a,64b上をスライド移動することで、その軸付きガイド部材65a,65bに一体化された円盤可動物62a,62bが斜め方向に変位し、軸付きガイド部材65a,65bの回転土台が回転することで、その軸付きガイド部材65a,65bに一体化された円盤可動物62a,62bが回転する。
各円盤用レール64a,64bには、図示しない駆動ローラ、従動ローラ及びそれらローラにより周回駆動される搬送ベルトが設けられており、各軸付きガイド部材65a,65bには搬送ベルトと噛み合う図示しない連結部が設けられている。また、各円盤用レール64a,64bのそれぞれには、駆動ローラを回転駆動する円盤スライド用駆動部66a,66bが設けられている。円盤スライド用駆動部66a,66bが駆動状態となることで、それに対応する円盤可動物62a,62bが斜め方向に変位する。また、各軸付きガイド部材65a,65bには、回転土台を回転駆動する図示しない円盤回転用駆動部67a,67bが設けられている。円盤回転用駆動部67a,67bが駆動状態となることで、それぞれ対応する円盤可動物62a,62bが回転する。
各軸付きガイド部材65a,65bが円盤用レール64a,64b上において長手方向の中央付近に存在している場合、対応する円盤可動物62a,62bの一部がセンターフレーム32の背面に隠れ、一部の領域のみが露出開口部32b内に存在した位置となる。この位置が、円盤可動物62a,62bのスライド方向の初期位置である。また、円盤可動物62a,62bを利用した演出が行われない状況では、円盤可動物62a,62bの表面に付された装飾の所定の部位が所定の回転位置となるように、円盤可動物62a,62bの回転位置が定められる。この位置が、円盤可動物62a,62bの回転方向の初期位置である。そして、スライド方向の初期位置であって回転方向の初期位置に配置されている位置が、円盤可動物62a,62bの初期位置である。
円盤可動物62a,62bが初期位置に配置されている状況において対応する円盤スライド用駆動部66a,66bが駆動状態となることで、円盤可動物62a,62bが露出開口部32bの中央側に向けて移動する。そして、この変位は、各軸付きガイド部材65a,65bが円盤用レール64a,64bにおいて露出開口部32b中央寄りの端部、すなわち円盤用レール64a,64bの上端部に到達する位置を限界位置として行われる。この限界位置に配置された状態では、円盤可動物62a,62bの全体が露出開口部32bを通じて露出した状態となる。また、スライド方向の任意の位置で円盤回転用駆動部67a,67bが駆動状態となることで、円盤可動物62a,62bが回転する。当該回転動作は、円盤可動物62a,62bがスライド移動している途中であっても可能である。
円盤可動物62a,62bがスライド方向の初期位置と限界位置との間をスライド移動可能な構成において、円盤可動物62a,62bがスライド方向の初期位置に配置されていることを検知するためのスライド初期位置センサ68a,68bが円盤可動物62a,62bに1対1で対応させて設けられている。当該スライド初期位置センサ68a,68bは、センターフレーム32の背面に設けられている。なお、スライド初期位置センサ68a,68bとしては、光学式のセンサが用いられているが、スイッチ式のセンサや電磁式のセンサなどセンサの種類は任意である。
円盤可動物62a,62bが回転可能であって、円盤可動物62a,62bの回転位置として回転方向の初期位置が存在している構成において、円盤可動物62a,62bが回転方向の初期位置に配置されていることを検知するための回転初期位置センサ69a,69bが円盤可動物62a,62bに1対1で対応させて設けられている。当該回転初期位置センサ69a,69bは、対応する軸付きガイド部材65a,65bに設けられているとともに、上記回転土台及び円盤可動物62a,62bの回転に追従しないように設けられている。なお、回転初期位置センサ69a,69bとしては、光学式のセンサが用いられているが、スイッチ式のセンサや電磁式のセンサなどセンサの種類は任意である。
図7(a)〜(e)を参照しながら、円盤可動物62a,62bの動作について説明する。図7(a)に示すように円盤可動物62a,62bが初期位置に配置されている状況において、各円盤スライド用駆動部66a,66bが駆動状態となることで各円盤可動物62a,62bが斜め方向にスライド移動し、図7(b)に示すように限界位置に到達することで各円盤可動物62a,62bのスライド移動が停止される。この場合、各円盤可動物62a,62bのスライド移動が同期するように、各円盤スライド用駆動部66a,66bによる駆動が行われる。また、このスライド移動が行われている間は、円盤回転用駆動部67a,67bでは非駆動状態が維持されるため、円盤可動物62a,62bの回転は行われない。
その後、各円盤回転用駆動部67a,67bが駆動状態となることで、図7(c)に示すように、円盤可動物62a,62bは所定方向に向けて回転を開始する。この場合、各円盤可動物62a,62bの回転方向の初期位置は、各円盤可動物62a,62bの正面に付されている装飾が同一の態様となるように設定されているため、回転開始タイミングにおける各円盤可動物62a,62bの装飾の態様は同一となっている。また、各円盤可動物62a,62bは同一の開始タイミングで回転を開始するとともに、同一の方向に同一の回転速度で回転する。したがって、各円盤可動物62a,62bは相互に同期した状態で回転動作をすることになる。
その後、各円盤スライド用駆動部66a,66bが逆方向への駆動状態となることで、各円盤可動物62a,62bがスライド方向の初期位置に向けたスライド移動を開始し、図7(d)に示すように、最終的にスライド方向の初期位置に復帰することとなる。この場合、当該初期位置に向けたスライド移動が行われている間も、円盤回転用駆動部67a,67bの駆動状態は維持されるため、各円盤可動物62a,62bは回転しながらスライド移動することとなる。また、これらスライド移動及び回転も、各円盤可動物62a,62b間で相互に同期した状態で行われる。その後、図7(e)に示すように、円盤可動物62a,62bの回転位置が回転方向の初期位置となることで、円盤可動物62a,62bの回転動作も停止される。
なお、円盤可動物62a,62bを利用した演出は、大当たり結果の期待度が中程度以上であることを示す演出として利用される。例えば期待度が中程度の場合には、一対の円盤可動物62a,62bのうちいずれか一方のみにおいて図7(a)〜(e)に示したようなスライド動作及び回転動作が行われ、期待度が高い場合には、一対の円盤可動物62a,62bの両方が同期しながら図7(a)〜図7(e)に示したようなスライド動作及び回転動作が行われる。
次に、図2を参照しながら、第1発光部群71、第2発光部群72及び第3発光部群73について説明する。
第1発光部群71、第2発光部群72及び第3発光部群73はいずれも、センターフレーム32に設けられている。各発光部群71〜73は、それぞれ複数の発光体として、複数のLED71a,72a,73aを備えている。これらLED71a〜73aは、複数色発光タイプのものであり、少なくとも白色、青色、赤色、緑色、黄色の光を照射することが可能である。各発光部群71〜73は、複数のLED71a〜73aが複数列及び複数行となるように配列されている。この場合、各発光部群71〜73において異なる列間や異なる行間で異なる色の光が照射された場合には、その色の相違を遊技者が認識可能となるように、各LED71a〜73aの位置や光の強度が設定されている。なお、各発光部群71〜73間で、LEDの数が異なっており、さらに配列の態様も異なっているが、一部の発光部群71〜73間でLEDの数又は配列の態様が同一である構成としてもよく、全ての発光部群71〜73間でLEDの数又は配列の態様が同一である構成としてもよい。
各発光部群71〜73の各LED71a〜73aはいずれも、センターフレーム32において白色半透明に形成された光透過部74,75,76により前方から覆われるようにして設けられている。各発光部群71〜73のうち第1発光部群71は露出開口部32bの上方であって左寄りの位置に設けられており、第2発光部群72は露出開口部32bの上方であって中央寄りの位置に設けられており、第3発光部群73は露出開口部32bの右方の位置に設けられている。
各発光部群71〜73における光の点灯は、演出として利用されるとともに、パチンコ機10の状態報知としても利用される。これらの内容は後に詳細に説明する。
遊技盤20の説明に戻り、当該遊技盤20には、レール部37が取り付けられており、当該レール部37により誘導レールが構成され、内枠において遊技盤20の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構においては、遊技機本体12の前面部に設けられた発射ハンドル41が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
遊技機本体12の前面部には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部42が形成されている。窓部42は略楕円形状をなし、図示しない窓パネル43が嵌め込まれている。窓パネル43は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部42の周囲には、発光手段が設けられている。当該発光手段の一部として表示発光部44が窓部42の上方に設けられている。また、表示発光部44の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部45が設けられている。
遊技機本体12の前面部における窓部42の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部46と下側膨出部47とが上下に並設されている。上側膨出部46内側には上方に開口した上皿46aが設けられており、下側膨出部47内側には同じく上方に開口した下皿47aが設けられている。上皿46aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿47aは、上皿46a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿46a及び下皿47aには、遊技機本体12の背面側に搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
上側膨出部46においてパチンコ機10前方を向く領域には、遊技者により手動操作される操作部を具備する演出操作装置48が設けられている。演出操作装置48の操作部は、図柄表示装置31の表示面Gなどにおける演出内容を所定の演出内容とするために遊技者により手動操作される。
遊技機本体12の背面側には、主制御装置と、音声発光制御装置と、表示制御装置と、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源・発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機10の電気的構成>
図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置90は、遊技の主たる制御を司る主制御基板91と、電源を監視する停電監視基板95と、を具備している。なお、主制御装置90において主制御基板91などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92には、当該MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM93と、そのROM93内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM94と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置90以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置90に設けられた停電監視基板95及び払出制御装置101が接続されている。停電監視基板95には動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置102が接続されており、MPU92には停電監視基板95を介して電力が供給される。
また、MPU92の入力側には、各種入賞検知センサ96a〜96eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ96a〜96eには、一般入賞口21、特電入賞装置22、上作動口23、下作動口24及びスルーゲート25といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU92において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU92では上作動口23及び下作動口24への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU92の出力側には、停電監視基板95、払出制御装置101及び音声発光制御装置103が接続されている。払出制御装置101には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置103には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については後に説明する。
また、MPU92の出力側には、特電入賞装置22の開閉扉22aを開閉動作させる特電用の駆動部22b、下作動口24の普電役物24aを開閉動作させる普電用の駆動部24b、特図表示部33及び普図表示部34が接続されている。なお、図8では図示を省略するが、MPU92の出力側には特図保留発光部35及び普図保留発光部36が接続されている。主制御基板91には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU92は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置22が開閉されるように、MPU92において特電用の駆動部22bの駆動制御が実行される。また、普電役物24aの開放状態当選となった場合には、普電役物24aが開閉されるように、MPU92において普電用の駆動部24bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU92において特図表示部33の表示制御が実行される。また、普電役物24aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU92において普図表示部34の表示制御が実行される。また、上作動口23若しくは下作動口24への入賞が発生した場合、又は特図表示部33において変動表示が開始される場合に、MPU92において特図保留発光部35の表示制御が実行され、スルーゲート25への入賞が発生した場合、又は普図表示部34において変動表示が開始される場合に、MPU92において普図保留発光部36の表示制御が実行される。
停電監視基板95は、主制御基板91と電源・発射制御装置102とを中継し、また電源・発射制御装置102から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置101は、主制御装置90から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置104により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置102は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板91や払出制御装置101等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源・発射制御装置102にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置90のRAM94に記憶保持用の電力が供給される。また、電源・発射制御装置102は遊技球発射機構105の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構105は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置103は、MPU112が搭載された音声発光制御基板111を備えている。MPU112には、当該MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU112では、主制御装置90から受信したコマンドに基づき、遊技回や開閉実行モードなどにおいて実行する演出の内容を決定する。そして、その決定した内容に対応した動作が行われるように、遊技盤20に設けられた第1発光部群71、第2発光部群72及び第3発光部群73の発光制御を行うとともに、遊技機本体12の前面に設けられたスピーカ部45の音出力制御を行う。また、図8では図示を省略するが、MPU112では、遊技盤20に設けられた幕板可動ユニット51及び円盤可動ユニット61a,61bの駆動制御を行うとともに、遊技機本体12の前面に設けられた表示発光部44の発光制御を行う。また、MPU112の入力側には、演出操作装置48が電気的に接続されており、当該MPU112では演出操作装置48の操作有無の監視を行い、当該演出操作装置48が操作された場合にはその操作を演出の進行内容に反映させるための処理を実行する。さらにまた、MPU112では、主制御装置90から受信したコマンドに基づき、報知を行う必要があるか否かを特定し、各種発光部群71〜73の発光制御及びスピーカ部45の音出力制御を行うことで報知を行う。
MPU112は、表示制御装置120と電気的に接続されている。MPU112は、主制御装置90から受信したコマンドに基づき決定した演出の内容を含むコマンド、及び主制御装置90から受信したコマンドに対応した報知の内容を含むコマンドを表示制御装置120に送信する。なお、表示制御装置120は、音声発光制御装置103を介することなく主制御装置90からコマンド受信を行う構成とはなっておらず、主制御装置90との関係では音声発光制御装置103よりも通信方向の下流側に存在していると言える。
表示制御装置120は、プログラムROM123及びワークRAM124が複合的にチップ化された素子であるMPU122と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)125と、キャラクタROM126と、ビデオRAM127とがそれぞれ搭載された表示制御基板121を備えている。
MPU122は、音声発光制御装置103から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP125の制御(具体的にはVDP125に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM123は、MPU122により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要さない不揮発性記憶手段である。ワークRAM124は、MPU122による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要する揮発性記憶手段である。
VDP125は、図柄表示装置31に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP125はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP125は、MPU122、ビデオRAM127等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM127に記憶させる画像データを、キャラクタROM126から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置31に表示させる。
キャラクタROM126は、図柄表示装置31に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM126には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
ビデオRAM127は、図柄表示装置31に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM127の内容を書き替えることに基づき図柄表示装置31の表示内容が変更される。
なお、以下の説明では説明の便宜上、音声発光制御装置103のMPU112、ROM113及びRAM114をそれぞれ音光側MPU112、音光側ROM113及び音光側RAM114といい、表示制御装置120のMPU122、プログラムROM123及びワークRAM124をそれぞれ表示側MPU122、表示側ROM123及び表示側RAM124という。
ここで、本パチンコ機10では、音光側MPU112と表示側MPU122との間でコマンドが双方向通信でやり取りされる。
つまり、音声発光制御装置103と表示制御装置120とは第1の信号線群131を用いて電気的に接続されており、当該第1の信号線群131を利用して音光側MPU112から表示側MPU122に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われるため、第1の信号線群131には、シリアルでのコマンドデータ送信用の信号線132と、コマンドデータに含まれる各単位データ(例えば1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用の信号線133と、一のコマンドの送信開始及び送信終了のうち少なくとも一方を認識させるためのラッチ信号用の信号線134とが少なくとも含まれている。なお、コマンドの送信開始を認識させるためのイネーブル信号用の信号線が別途設けられている構成としてもよい。
また、音声発光制御装置103と表示制御装置120とは第2の信号線群141を用いて電気的に接続されており、当該第2の信号線群141を利用して表示側MPU122から音光側MPU112に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われるため、第2の信号線群141には、シリアルでのコマンドデータ送信用の信号線142と、コマンドデータに含まれる各単位データ(例えば1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用の信号線143と、一のコマンドの送信開始及び送信終了のうち少なくとも一方を認識させるためのラッチ信号用の信号線144とが少なくとも含まれている。なお、コマンドの送信開始を認識させるためのイネーブル信号用の信号線が別途設けられている構成としてもよい。
第1の信号線群131及び第2の信号線群141は、一の接続ユニットとして設けられている。当該接続ユニットは、上記第1の信号線群131及び上記第2の信号線群141の一端が集約されるコネクタと、他端が集約されるコネクタとを備えており、一方のコネクタが音声発光制御装置103のコネクタに対して着脱自在に装着され、他方のコネクタが表示制御装置120のコネクタに対して着脱自在に装着される。
なお、音光側MPU112と表示側MPU122との間の通信方式はシリアル通信に限定されることはなくパラレル通信であってもよい。また、第1の信号線群131と第2の信号線群141とが別々の接続ユニットとして設けられている構成としてもよい。
<主制御装置90のMPU92にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置90のMPU92にて各種抽選を行うための電気的な構成について図9を用いて説明する。
MPU92は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部33の表示の設定、図柄表示装置31の図柄表示の設定、普図表示部34の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図9に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置31が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部33及び図柄表示装置31における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口24の普電役物24aを普電開放状態とするか否かの抽選に使用する普電役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生した場合に、RAM94に取得情報記憶手段として設けられた保留格納エリア94aに格納される。
保留格納エリア94aは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口23又は下作動口24への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組合せが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口23又は下作動口24への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口23又は下作動口24への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、特図表示部33の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
まず、普電役物開放カウンタC4について説明する。普電役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート25に遊技球が入賞したタイミングでRAM94の普電保留エリア94cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電役物開放カウンタC4の値によって普電役物24aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
本パチンコ機10では、普電役物24aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口24の普電役物24aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電役物開放カウンタC4を用いた普電役物開放抽選における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物24aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物24aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電役物開放抽選が行われてから次の普電役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部34における1回の表示継続時間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口24よりも上作動口23への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口23よりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口24への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電役物開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電役物開放抽選が行われてから次の普電役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート25への入賞に基づき普図表示部34にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電役物開放抽選が行われてから次の普電役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングで保留格納エリア94aに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM93に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングで保留格納エリア94aに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先はROM93に振分テーブルとして記憶されている。当該振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜29」が高確大当たり結果に対応している。
低確大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には100回)に達した場合に終了し、低頻度サポートモードに移行する。また、高確大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。
開閉実行モードとは、ラウンド遊技が15回行われるモードである。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置22に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。当該上限継続時間は29secに設定されており、当該上限個数は9個に設定されている。なお、各ラウンド遊技では、特電入賞装置22の開放が1回のみ行われるが、当該開放が複数回行われる構成としてもよい。
本パチンコ機10では、発射ハンドル41が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構105が駆動制御される。そうすると、各ラウンド遊技では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の上限継続時間が設定されていることとなる。したがって、各ラウンド遊技では、特電入賞装置22に、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待できる。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置31における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置31を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置31における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置31の表示面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置31の表示面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、外れ結果に対応した遊技回では、ROM93のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置90において行うのではなく、音声発光制御装置103において行われる。この場合、音声発光制御装置103では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置31にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部33における表示継続時間と、図柄表示装置31における図柄の表示継続時間とをMPU92において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSの値は、特図表示部33における変動表示の開始時及び図柄表示装置31による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
<主制御装置90のMPU92にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置90のMPU92にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるMPU92の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
まず、図10のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
ステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRAM94のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU92の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源・発射制御装置102に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RAM94の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RAM94の初期化として当該RAM94をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRAM94の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置103に送信する。また、払出制御装置101のRAMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置101に送信する。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU92はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RAM94の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図11のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、MPU92にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板91には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路とMPU92との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをMPU92にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路からMPU92に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。MPU92では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、MPU92における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力はMPU92における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、MPU92の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
具体的には、遊技機本体12の前面側には電波検知センサ、磁石検知センサ及び振動検知センサが設けられている。MPU92では、電波検知センサの検知結果に基づいて不正な電波がパチンコ機10に向けて出力されていないか否かを判定し、磁石検知センサの検知結果に基づいて遊技盤20に対して磁石を近づける行為が行われていないか否かを判定し、振動検知センサの検知結果に基づいてパチンコ機10に対して不正な振動が加えられていないか否かを判定する。これらの判定のいずれかにて肯定判定をした場合には、パチンコ機10への不正行為に該当する特定事象が発生しているとして、遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS206では、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。遊技の進行を停止している状態であれば、ステップS207にて、報知コマンドの出力用処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。報知コマンドの出力用処理では、いずれかの特定事象が発生している場合であってその特定事象の発生に対して未だ報知コマンドを出力していない状況において、報知コマンドを音声発光制御装置103に出力する。当該報知コマンドには、その出力の契機となった特定事象の内容が含まれるため、音声発光制御装置103ではその特定事象の内容に対応した報知の実行設定を行う。
一方、ステップS206にて、遊技の進行を停止している状態ではないと判定した場合には、ステップS208以降の処理を実行する。ステップS208では、解除コマンドの出力用処理を実行する。解除コマンドの出力用処理では、既に報知コマンドの出力契機となった特定事象が発生している状態が解除された場合であってその解除に対して未だ解除コマンドを出力していない状況において、解除コマンドを音声発光制御装置103に出力する。当該解除コマンドは、その出力の契機となった解除対象の特定事象の内容が含まれるため、音声発光制御装置103ではその特定事象に対応した報知の解除設定を行う。
続くステップS209では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部22b,24bに行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置22を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部22bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口24の普電役物24aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部24bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS210では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS211では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ96a〜96eから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口21、特電入賞装置22、上作動口23、下作動口24及びスルーゲート25への入球の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS212では、RAM94に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS213では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射ハンドル41に対して発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS214では、入力状態監視処理として、ステップS210の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ96a〜96eの断線確認や、遊技機本体12の開放確認を行う。この場合、当該入力状態監視処理では、遊技機本体12の開放を確認した場合にはステップS207と同様に報知コマンドの出力用処理を実行する。当該報知コマンドの出力用処理では、遊技機本体12が開放状態であることを示す報知コマンドや、各入賞検知センサ96a〜96eに断線が発生していることを示す報知コマンドを送信する。また、入力状態監視処理では、払出制御装置101から受信している信号に基づいて、下皿47aが満タン状態となっているか否かといった判定や、払出装置104に異常が発生しているか否かといった判定を行い、これらの判定において肯定判定をした場合にはそれに対応した報知コマンドを送信する。
続くステップS215では、遊技回の実行制御、及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
続くステップS216では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート25への入賞が発生している場合に普電役物開放カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口24の普電役物24aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS217では、直前のステップS215及びステップS216の処理結果に基づいて、特図表示部33の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部34の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS218では、払出制御装置101から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS219では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。続くステップS220では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
図12は、特図特電制御処理(ステップS215)を示すフローチャートである。
特図特電制御処理では、まずステップS301にて保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には保留格納エリア94aにおける保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数が上限値未満である場合には、保留数を1加算するとともに、前回のステップS202にて更新した当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリアに格納する。
なお、上作動口23及び下作動口24への入賞が同時に発生している場合には、保留情報の取得処理を1回実行する範囲内において、上記保留情報を取得するための処理を複数回実行する。
ステップS301にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS302に進む。ステップS302では、RAM94に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行し、ステップS303にてROM93から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS304にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS302〜ステップS304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に関する処理と、開閉実行モードに関する処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に関する処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS306)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS307)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS308)と、が設定されている。
また、開閉実行モードに関する処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS309)と、特電入賞装置22の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップ310)と、特電入賞装置22の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS311)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS312)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU92にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS306)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS307)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS308)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS309)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS310)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS311)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS312)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS305にて、ステップS304において取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS306の特図変動開始処理にジャンプする。特図変動開始処理では、保留情報が保留記憶されていることを条件に、各種判定処理を実行し、図柄表示装置31及び特図表示部33において変動表示が行われる遊技回を開始するための処理を実行する。その詳細については後に説明する。
取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS307の特図変動中処理にジャンプする。特図変動中処理では、遊技回の表示継続時間中であって、最終停止表示前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、最終停止表示前であれば特図表示部33における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、最終停止表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、最終停止表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、最終停止表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、最終停止表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS308の特図確定中処理にジャンプする。特図確定中処理では、図柄表示装置31にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置103に送信するとともに、特図表示部33における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、特図確定中処理では、最終停止表示中の期間が経過したか否かを判定し、当該期間が経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行い、開閉実行モードへの移行が発生する場合には当該モード移行用の処理を実行する。
ちなみに、最終停止表示中の期間が経過するまで特図確定中処理にて待機するのではなく、当該期間が経過していない場合には本特図確定中処理を終了する。したがって、最終停止表示が開始された後は、最終停止表示中の期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特図確定中処理が起動される。また、最終停止表示中の期間が経過した場合には、開閉実行モードへの移行が発生しない状況では特図特電カウンタの数値情報を初期化(すなわち「0」クリア)し、開閉実行モードへの移行が発生する状況では特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS309の特電開始処理にジャンプする。特電開始処理では、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置103に送信する。また、特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS310の特電開放中処理にジャンプする。特電開放中処理では、1のラウンド遊技を開始させるとともに、当該ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。なお、1のラウンド遊技の開始に際しては、特電入賞装置22を開放状態とするとともに、開放コマンドを音声発光制御装置103に送信する。ラウンド遊技の終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS311の特電閉鎖中処理にジャンプする。特電閉鎖中処理では、1のラウンド遊技を終了させる処理を実行する。この場合、特電入賞装置22を閉鎖状態とするとともに、閉鎖コマンドを音声発光制御装置103に送信する。また、ラウンド遊技間のインターバル期間においては、インターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間が経過していない場合には特電閉鎖中処理にて待機するのではなく本特電閉鎖中処理を終了する。したがって、インターバル期間が開始された場合には当該期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電閉鎖中処理が起動される。また、インターバル期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
一方、最後のラウンド遊技に対する特電閉鎖中処理では1のラウンド遊技を終了させる処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS312の特電終了処理にジャンプする。特電終了処理では、開閉実行モードが終了されることを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置103に送信する。また、特電終了処理では、開閉実行モードのエンディング期間が経過したか否かを判定する。エンディング期間が経過していない場合には特電終了処理にて待機するのではなく本特電終了処理を終了する。したがって、開閉実行モードのエンディング演出が開始された後は、エンディング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電終了処理が起動される。また、エンディング期間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(当否抽選モード及びサポートモード)を設定するための処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を初期化することで、当該カウンタの数値情報を特電終了処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものに更新する。
図13は、特図変動開始処理(ステップS306)を示すフローチャートである。
特図変動開始処理では、まずステップS401にて、保留数Nが1以上であるか否かを判定する。保留数Nが「0」である場合にはそのまま本特図変動開始処理を終了する。保留数Nが1以上である場合には、ステップS402にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、まず保留数Nを1減算するとともに、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声発光制御装置103に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定して送信する構成としてもよい。
続くステップS403では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、まず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合にはROM93に設けられた高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合にはROM93に設けられた低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS404では、ステップS403における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS405にて振分判定処理を実行する。振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を把握する。そして、ROM93に設けられた振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2の数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、低確大当たり結果及び高確大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS406では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において特図表示部33に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM93に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM94に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、特図表示部33に停止表示される絵柄の態様の情報が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
続くステップS407では、振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、RAM94には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS407では、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS405の振分判定結果に対応したフラグに対して「1」をセットする。
一方、ステップS404にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS408にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に対応する遊技回において特図表示部33に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM93に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM94に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS407及びステップS408のいずれかの処理を実行した後は、ステップS409にて、表示継続時間の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置31にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に対応した遊技回が高確大当たり結果又は低確大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でもなく、さらに実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM93に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM93に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、保留数Nが多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留数Nやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
続くステップS410では、ステップS409にて取得した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ更新処理(図11)にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として、特図表示部33における絵柄の変動表示と図柄表示装置31における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置31では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で最終停止時間に亘って最終停止表示される。この場合に、ステップS409にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して最終停止時間を差し引いた時間となっている。この点、表示継続時間を最終停止の前時間と換言することもできる。
続くステップS411では、変動用コマンド及び種別コマンドを出力対象に設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声発光制御装置103では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。ステップS411にて出力対象として設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置103に送信される。
ステップS411の処理を実行した後は、ステップS412にて特図表示部33における絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS413では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS413の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
<演出及び報知の実行制御>
次に、音光側MPU112及び表示側MPU122にて実行される各種出力装置を利用した演出及び報知の実行制御について説明する。
既に説明したとおり、本パチンコ機10では、音光側MPU112と表示側MPU122との間でコマンドが双方向通信でやり取りされる。そして、双方向通信でコマンドがやり取りされることで、音光側MPU112においては、第1発光部群71、第2発光部群72及び第3発光部群73を含む各種発光部の発光制御、スピーカ部45の音出力制御、並びに幕板可動ユニット51及び円盤可動ユニット61a,61bを含む各種可動物の駆動制御が実行され、表示側MPU122においては、図柄表示装置31の表示制御が実行される。以下、これら各種制御を実行するための具体的な処理内容について説明する。
<音光側MPU112のタイマ割込み処理>
図14は、音光側MPU112にて比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
当該タイマ割込み処理では、まずステップS501にて、主側コマンド格納処理を実行する。主側コマンド格納処理は、主制御装置90のMPU92(以下、主側MPU92という)からコマンドを受信した場合に、そのコマンドを音光側RAM114に格納するための処理である。音光側RAM114には主側MPU92から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするための主側リングバッファが設けられており、主側MPU92から受信したコマンドは当該主側リングバッファに順次格納されていくとともに格納された順序に従って順次読み出されていく。
続くステップS502では、表示側コマンド格納処理を実行する。表示側コマンド格納処理は、表示側MPU122からコマンドを受信した場合に、そのコマンドを音光側RAM114に格納するための処理である。音光側RAM114には表示側MPU122から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするための表示側リングバッファが設けられており、表示側MPU122から受信したコマンドは当該表示側リングバッファに順次格納されていくとともに格納された順序に従って順次読み出されていく。
その後、ステップS503にて、主側MPU92から受信したコマンドに対応した処理を行うための主側コマンド対応処理を実行し、ステップS504にて、表示側MPU122から受信したコマンドに対応した処理を行うための表示側コマンド対応処理を実行し、ステップS505にて、第1発光部群71、第2発光部群72及び第3発光部群73を含む各種発光部の発光制御を行うための発光制御処理を実行し、ステップS506にて、スピーカ部45の音出力制御を行うための音出力制御処理を実行し、ステップS507にて、幕板可動ユニット51及び円盤可動ユニット61a,61bを含む各種可動物の駆動制御を行うための可動物制御処理を実行する。詳細な説明は省略するがステップS507の可動物制御処理では、主側MPU92及び表示側MPU122から受信したコマンドの内容に従って、図5〜図7を参照して説明したような動作を各種可動物において行わせるための処理を実行する。ステップS503〜ステップS506の処理内容については後に詳細に説明する。
その後、ステップS508にて、演出操作装置48の操作が有効となっている期間中であるか否かを判定する。本パチンコ機10では、遊技回用演出といった所定の開始契機による一単位の演出が実行されている状況において、演出操作装置48が操作された場合に演出の進行内容をそれに応じた内容とする期間が生じ得る。一方、当該有効期間外においては演出操作装置48を操作したとしてもその操作は演出の進行内容に影響を与えることはなく、その操作自体が無効とされる。ステップS508では、当該有効期間中であるか否かを判定する。
ステップS508にて否定判定をした場合にはそのまま本タイマ割込み処理を終了し、ステップS508にて肯定判定をした場合には、ステップS509にて演出操作装置48が操作されたか否かを判定する。
ここで、当該演出操作装置48は操作部が操作されていない状況ではLOWレベルの操作信号を出力し、操作部が操作されている状況においてHIレベルの操作信号を出力する。音光側MPU112では、演出操作装置48の操作有効期間となることで、当該演出操作装置48から受信している信号のレベルに対応したデータが書き込まれるポート部の定期的(例えば4msec周期)な監視を開始し、LOWレベル信号を受信している状態を確認した監視処理回の次にHIレベル信号を受信している状態を確認した監視処理回が複数回(例えば2回)連続した場合に、ステップS509にて、演出操作装置48が操作されたと判定する。
なお、操作信号のHI・LOWの関係が逆であってもよく、演出操作装置48の操作が開始された側で操作の有無を判断するのではなく、演出操作装置48の操作が終了された側で操作の有無を判断する構成としてもよい。
ステップS509にて否定判定をした場合にはそのまま本タイマ割込み処理を終了し、演出操作装置48が操作されている場合には、ステップS510にて、操作発生コマンドを表示側MPU122に送信した後に、本タイマ割込み処理を終了する。操作発生コマンドは、演出操作装置48の操作の有効期間中に当該演出操作装置48が操作されたことを表示側MPU122に認識させるためのコマンドである。当該コマンドが送信されることによる作用については、後に説明する。
<音光側MPU112の主側コマンド対応処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS503にて実行される主側コマンド対応処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS601では、主側MPU92から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。これらコマンドを受信している場合には、ステップS602にて、遊技結果の記憶処理を実行する。具体的には、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU92にて決定された当否抽選及び振分抽選の結果がいずれであるかの情報、すなわち今回の遊技回の遊技結果が高確大当たり結果、低確大当たり結果及び外れ結果のいずれであるかの情報を特定し、その特定した情報を音光側RAM114に設けられた保持データエリア161に書き込む処理を実行する。保持データエリア161は、遊技回中及び開閉実行モード中の演出、並びに報知を実行するために一時的に利用されるデータであって、これら演出や報知が開始された後においても音光側MPU112にて独自に利用可能とするためのデータを記憶保持しておくためのエリアである。
続くステップS603では、予告抽選処理を実行する。予告抽選処理では、今回の遊技回において図柄表示装置31にて予告表示を行わせるか否かを抽選により決定する。かかる予告表示としては、既に説明したとおり、図柄表示装置31にて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様とするものや、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。当該予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。また、予告抽選処理では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易く、さらに出現率の低い予告表示が発生し易くなるように予告抽選を行う。
続くステップS604では、停止図柄決定処理を実行する。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が高確大当たり結果であれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。但し、同一図柄の組合せを形成する図柄として奇数図柄が選択され易い。また、停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が低確大当たり結果であれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一の偶数図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ表示の有無を特定する。そして、リーチ表示が発生する場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立しない停止結果であって、一又は二の有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ表示が発生しない場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立しない停止結果であって、全ての有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
続くステップS605では、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドの内容から遊技回の表示継続時間の情報を特定するとともに、当該表示継続時間の情報、上記ステップS602にて特定した遊技結果の情報、及び上記ステップS603における予告抽選処理の抽選結果の情報の組合せに対応した演出パターンを選択する。
続くステップS606では、上記ステップS605にて選択した演出パターンの種類、及び上記ステップS604にて決定した停止図柄の種類の各情報を、音光側RAM114の保持データエリア161に書き込む処理を実行する。なお、演出パターンには今回の遊技回の表示継続時間の情報が含まれているため、演出パターンの情報を保持データエリア161に書き込むことで、演出パターンの情報だけでなく表示継続時間の情報についても音光側MPU112は再度読み出すことが可能となる。但し、音光側MPU112では、表示継続時間の計測については行わない。
続くステップS607では、上記ステップS604の処理結果に対応した停止結果コマンドと、上記ステップS605の処理結果に対応したパターンコマンドとを、表示側MPU122に送信する。これらコマンドを受信したことによる表示側MPU122の処理内容については後に説明する。
続くステップS608では、遊技回数の更新処理を実行する。当該更新処理では、音光側RAM114の保持データエリア161に設けられた遊技回数カウンタにおいて計測している消化遊技回数が1加算されるように当該遊技回数カウンタを更新するための処理を実行する。消化遊技回数は、開閉実行モードの終了後において当該開閉実行モードに再度移行することなく消化された遊技回の回数のことである。音光側MPU112では、当該消化遊技回数の情報を演出の内容の決定に際して利用することが可能であり、例えば消化遊技回数が所定回数以上であれば予告抽選処理にて所定の予告表示が選択され易くなるような処理を実行する。
ステップS601にて否定判定をした場合、又はステップS608の処理を実行した後は、ステップS609にて、最終停止コマンドを受信しているか否かを判定する。最終停止コマンドを受信している場合には、ステップS610にて、図柄停止コマンドを表示側MPU122に送信する。図柄停止コマンドは、今回の遊技回に対応した停止図柄を有効ラインL1〜L5上に待機させてその状態を最終停止時間に亘って維持させることを表示側MPU122に指示するためのコマンドである。
ステップS609にて否定判定をした場合、又はステップS610の処理を実行した後は、ステップS611にて、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS612にて、開閉実行モード回数の更新処理を実行する。当該更新処理では、音光側RAM114の保持データエリア161に設けられた開閉実行モード回数カウンタにおいて計測している開閉実行モード回数が1加算されるように当該開閉実行モード回数カウンタを更新するための処理を実行する。開閉実行モード回数は、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへの移行が生じない状況で発生した開閉実行モードの回数のことである。音光側MPU112では、当該開閉実行モード回数の情報を演出の内容の決定に際して利用することが可能であり、例えば開閉実行モード回数が所定回数以上であれば開閉実行モード中において所定の実写画像といったそれに対応した演出が実行されるようにする。
続くステップS613では、オープニング対応処理を実行する。オープニング対応処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている開閉実行モードの移行契機となった大当たり結果の種類を特定し、その大当たり結果の種類に対応した開閉実行モード中の演出内容を決定するための処理を実行する。この場合、今回の開閉実行モードの移行契機となった大当たり結果が高確大当たり結果であり、さらにその直前の遊技回において図柄表示装置31にて同一の奇数図柄の組合せではなく、同一の偶数図柄の組合せを最終停止表示させている場合には、当否抽選モードが低確率モードから高確率モードに昇格したと遊技者に認識させるための内容が含まれる演出を、今回の開閉実行モード中の演出として決定する。
ここで既に説明したとおり、音光側RAM114の保持データエリア161には遊技回用の演出に関して、遊技結果の情報と、図柄表示装置31における遊技回の停止図柄の種類の情報とが記憶されており、遊技回の実行に続けて開閉実行モードとなる場合には保持データエリア161に記憶されている上記遊技結果の情報と停止図柄の種類の情報とは開閉実行モードが終了する場合にクリアされる。したがって、オープニングコマンドに直前の遊技回における図柄表示装置31の表示内容の情報が含まれていなかったとしても、上記のように開閉実行モード中において昇格内容を含む演出を実行することが可能となる。
また、ステップS613のオープニング対応処理では、ステップS612にて更新した後の開閉実行モード回数を特定し、その特定した開閉実行モード回数に応じた演出を今回の開閉実行モード中の演出として設定する。
続くステップS614では、上記ステップS613の処理結果に対応したオープニングコマンドを表示側MPU122に送信する。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU122の処理内容については後に説明する。
ステップS611にて否定判定をした場合、又はステップS614の処理を実行した後は、ステップS615にて、開放コマンドを受信しているか否かを判定する。開放コマンドを受信している場合には、ステップS616にて、特電入賞装置22の開放が新たに開始されたこと、すなわち1のラウンド遊技が新たに開始されたことを表示側MPU122に認識させるために当該表示側MPU122に開放コマンドを送信する。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU122の処理内容については後に説明する。
ステップS615にて否定判定をした場合、又はステップS616の処理を実行した後は、ステップS617にて、閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。閉鎖コマンドを受信している場合には、ステップS618にて、特電入賞装置22が閉鎖されたこと、すなわち1のラウンド遊技が終了されたことを表示側MPU122に認識させるために当該表示側MPU122に閉鎖コマンドを送信する。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU122の処理内容については後に説明する。
ステップS617にて否定判定をした場合、又はステップS618の処理を実行した後は、ステップS619にて、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信している場合には、ステップS620にて、エンディング対応処理を実行する。エンディング対応処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後における当否抽選モードの内容を特定し、その当否抽選モードの種類に対応したエンディング演出の内容を決定するための処理を実行する。この場合、開閉実行モード後に高確率モードとなる場合には、当該高確率モードとなることを遊技者に認識させるための内容が含まれる演出を、今回のエンディング演出として決定し、開閉実行モード後に低確率モードとなる場合には、当該低確率モードとなることを遊技者に認識させるための内容が含まれる演出を、今回のエンディング演出として決定する。
続くステップS621では、上記ステップS620の処理結果に対応したエンディングコマンドを表示側MPU122に送信する。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU122の処理内容については後に説明する。
ステップS619にて否定判定をした場合、又はステップS621の処理を実行した後は、ステップS622にて、報知コマンドを受信しているか否かを判定する。報知コマンドを受信している場合には、何らかの異常やパチンコ機10の状態変化といった報知を実行すべき事象がパチンコ機10において発生していることを意味するため、その報知を行うために、ステップS623にて、発光データの読み出し処理を実行するとともに、ステップS624にて、音出力データの読み出し処理を実行する。これら各読み出し処理の内容については後に説明する。その後、ステップS625にて、今回受信した報知コマンドの内容に対応した報知コマンドを表示側MPU122に送信する。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU122の処理内容については後に説明する。
ステップS622にて否定判定をした場合、又はステップS625の処理を実行した後は、ステップS626にて、解除コマンドを受信しているか否かを判定する。解除コマンドを受信している場合には、パチンコ機10において発生していた異常などの報知対象の事象が解除されたことを意味するため、既に行っている報知を解除するために、ステップS627にて、解除設定処理を実行する。当該解除設定処理の具体的な内容については、後に説明する。その後、ステップS628にて、今回受信した解除コマンドの内容に対応した解除コマンドを表示側MPU122に送信する。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU122の処理内容については後に説明する。
ステップS626にて否定判定をした場合、又はステップS628の処理を実行した後は、ステップS629にてその他対応処理を実行した後に、本対応処理を終了する。その他対応処理では、例えばデモ開始コマンドを受信しているか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合には、デモ開始コマンドを表示側MPU122に送信する。
デモ表示とは、開閉実行モード中ではない状況で遊技回の終了後において新たな遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、0.1sec)が経過した場合、又は主側MPU92への電力供給が開始されてから若しくはパチンコ機10がリセットされてから、新たに遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、3sec)が経過した場合に、図柄表示装置31において開始されるものである。デモ表示では、図柄列Z1〜Z3上に停止表示されている図柄が所定の動作を行っている画像が表示されるが、これに限定されることはなく、例えば、図柄が所定の動作を行っている画像の表示の後に又はそれに代えてメーカ名、機種名若しくは所定のキャラクタによる動画が表示される構成としてもよい。また、図柄列Z1〜Z3上において変動表示される図柄のアニメーションによりデモ表示を行う構成においては、当該図柄として、直前の遊技回で最終停止表示された図柄を用いる構成としてもよい。この場合、デモ表示の多様化が図られる。
<表示側MPU122のV割込み処理>
次に、表示側MPU122にて実行されるV割込み処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。V割込み処理は、予め定められた周期、具体的には20msec周期で繰り返し起動される。
なお、VDP125は図柄表示装置31に1フレーム分の画像信号を出力する場合、表示面Gの左上の隅角部分にあるドットから画像信号の出力を始めて、当該ドットを一端に含む横ライン上に並ぶドットに対して順次画像信号を出力するとともに、各横ラインに対して上から順に左から右のドットへと画像信号を出力する。そして、表示面Gの右下の隅角部分にあるドットに対して最後に画像信号を出力する。この場合に、VDP125は当該最後のドットに対して画像信号を出力したタイミングで、表示側MPU122へV割込み信号を出力して1フレームの画像の更新が完了したことを表示側MPU122に認識させる。このV割込み信号の出力周期は20msecとなっている。この点、V割込み処理は、V割込み信号の受信に同期して起動されると見なすこともできる。但し、V割込み信号を受信していなくても、前回のV割込み処理が起動されてから20msecが経過している場合には、新たにV割込み処理が起動される。
V割込み処理では、まずステップS701にて、コマンド解析処理を実行する。具体的には、表示側RAM124のコマンドバッファに格納されているコマンドの内容を解析する。続くステップS702では、ステップS701の解析結果に基づいて、新規コマンドを受信しているか否かを判定する。新規コマンドを受信している場合には、ステップS703にて、コマンド対応処理を実行する。
コマンド対応処理では、図17のフローチャートに示すように、まずステップS801にて、停止結果コマンド及びパターンコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS801にて肯定判定をした場合には、ステップS802にて、停止結果コマンド及びパターンコマンドの組合せに対応したパターン用データテーブルを表示側ROM123から読み出して表示側RAM124に書き込んだ後に、本コマンド対応処理を終了する。
パターン用データテーブルとは、今回の遊技回用の演出に対応した動画を図柄表示装置31の表示面Gに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。つまり、パターン用データテーブルには、今回の遊技回用の演出における開始タイミングから終了タイミングまでの各フレーム(フレームの更新周期は20msec)に対応した情報群が定められている。
図18を参照しながらパターン用データテーブルについて、より具体的に説明する。なお、図18は高確大当たり結果となる場合に選択され得るパターン用データテーブルの一例である。
図18に示すように、パターン用データテーブルには、対象となる遊技回の表示継続時間に対応したフレーム数分のポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて、タスクの内容の情報と、コマンド出力の有無の情報と、追加データの情報とが設定されている。
タスクの内容の情報は、今回の遊技回に対応した動画表示を行うために設定されている情報であり、当該タスクの内容の情報を一切反映させないような情報が追加データとして設定されない限り、各フレームにおいてタスクの内容の情報に応じた画像が表示される。当該タスクの内容の情報には、対応する更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるためにVDP125に描画指示を行う上で必要なパラメータの情報などが設定されている。
図18に示すパターン用データテーブルについて具体的には、「0」のポインタ情報に変動開始時のデータが設定されており、「200」のポインタ情報に予告演出開始時のデータが設定されており、「300」のポインタ情報に予告演出終了時のデータが設定されており、「400」のポインタ情報にノーマルリーチ開始時のデータが設定されており、「700」のポインタ情報に、スーパーリーチ開始時のデータが設定されており、「1000」のポインタ情報に、確定演出開始時のデータが設定されており、「1400」のポインタ情報に、変動終了時のデータが設定されている。これら各ポインタ情報は、演出の開始、演出の切り換わり、及び演出の終了といった区切りタイミングに対応している。また、これら以外のポインタ情報には、区切りタイミング間の動画表示を可能とするためのデータが設定されている。
コマンド出力の有無の情報は、表示側MPU122から音光側MPU112へのコマンドの出力の有無、及びそのコマンドの種類を示す情報である。表示側MPU122は、動画の内容に応じて所定のタイミングで音光側MPU112にコマンドを出力することで、第1発光部群71、第2発光部群72及び第3発光部群73などの発光部にて画像の内容に応じた光の演出の実行を可能とし、スピーカ部45にて画像の内容に応じた音出力の演出の実行を可能とし、さらに幕板可動ユニット51及び円盤可動ユニット61a,61bなどの可動物にて画像の内容に応じた演出の実行を可能とさせる。
図18に示すパターン用データテーブルについて具体的には、タスクの内容において変動開始時のデータが設定されている「0」のポインタ情報に対して、コマンドデータが設定されている。したがって、遊技回の変動開始時には、表示側MPU122から音光側MPU112へのコマンド送信に基づき、音光側MPU112において発光制御及び音出力制御などが開始される。また、タスクの内容において、予告演出開始時のデータ、ノーマルリーチ開始時のデータ、スーパーリーチ開始時のデータ、確定演出開始時のデータ及び変動終了時のデータのそれぞれが設定されている各ポインタ情報よりも事前送信用のフレーム数(ポインタ数)分前のタイミングのポインタ情報、具体的には、「198」、「398」、「698」、「998」、「1398」の各ポインタ情報に対して、コマンドデータが設定されている。したがって、遊技回の変動開始時以外の区切りタイミングについては、表示側MPU122から音光側MPU112へのコマンド送信が事前に行われており、これら区切りタイミングにおいて図柄表示装置31の表示内容と、発光制御、音出力制御及び可動物の駆動制御の内容とを完全に同期させることが可能となる。
追加データの情報は、パターン用データテーブルの初期設定としてはブランクとして設定されており、報知の実行指示があった場合などに追加データへの書き込み処理が実行される。追加データへの書き込みが行われた場合には、当該追加データに書き込まれている情報がタスクの内容に元々設定されていた情報よりも優先される。例えば、報知として所定の文字を画像として表示することに対応した追加データが設定されている場合には、当該文字画像が、タスクの内容に対応した画像上に追加されているように画像表示がなされる。
ステップS801にて否定判定をした場合には、ステップS803にて、最終停止コマンドを受信しているか否かを判定する。最終停止コマンドを受信している場合には、ステップS804にて、最終停止用の設定処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。最終停止用の設定処理では、今回の遊技回に対応した停止図柄を、最終停止表示中の期間が経過するまで静止表示するためのデータテーブルを表示側ROM123から読み出して表示側RAM124に書き込む処理を実行する。
ステップS803にて否定判定をした場合には、ステップS805にて、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS806にて、オープニングコマンドに対応したオープニング用のデータテーブルを表示側ROM123から読み出して表示側RAM124に書き込んだ後に、本コマンド対応処理を終了する。
オープニング用のデータテーブルとは、今回の開閉実行モード用の演出に対応した動画を図柄表示装置31の表示面Gに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。オープニング用のデータテーブルのデータ構成は、パターン用データテーブルと基本的に同一である。つまり、当該オープニング用のデータテーブルには、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群だけでなく、演出の区切りタイミングに対応させて、音光側MPU112にコマンド送信を行うためのデータが設定されている。
但し、オープニング用のデータテーブルでは、オープニング演出の開始時から、各ラウンド遊技中、及びラウンド遊技間のインターバル期間中の演出の内容が定められている。この場合、ラウンド遊技中のデータは対応するラウンド遊技が終了するまでループ又は最終の更新タイミングの画像が保持されるように設定されており、同様に、インターバル中のデータは対応するインターバルが終了するまでループ又は最終の更新タイミングの画像が保持されるように設定されている。そして、開放コマンド又は閉鎖コマンドの受信に伴って、オープニング用のデータテーブルにおいて参照すべきポインタ情報の範囲が切り換えられる構成となっている。
ステップS805にて否定判定をした場合には、ステップS807にて、開放コマンド及び閉鎖コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。いずれかのコマンドを受信している場合には、ステップS808にて、開閉時の設定処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。開閉時の設定処理では、受信したコマンドの内容に応じて、オープニング用のデータテーブルにおいて参照すべきポインタ情報の範囲を切り換える。
ステップS807にて否定判定をした場合には、ステップS809にて、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信している場合には、ステップS810にて、エンディングコマンドに対応したエンディング用のデータテーブルを表示側ROM123から読み出して表示側RAM124に書き込んだ後に、本コマンド対応処理を終了する。
エンディング用のデータテーブルとは、今回のエンディング用の演出に対応した動画を図柄表示装置31の表示面Gに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。エンディング用のデータテーブルのデータ構成は、パターン用データテーブルと基本的に同一である。つまり、当該エンディング用のデータテーブルには、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群だけでなく、演出の区切りタイミングに対応させて、音光側MPU112にコマンド送信を行うためのデータが設定されている。
ステップS809にて否定判定をした場合には、ステップS811にて別対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
別対応処理では、図19のフローチャートに示すように、まずステップS901にて報知コマンドを受信しているか否かを判定する。報知コマンドを受信している場合には、ステップS902にて、報知用データの設定処理を実行した後に、本別対応処理を終了する。報知用データの設定処理では、現状設定されているデータテーブルの追加データ(図18参照)として、今回の報知コマンドに含まれている報知の内容に対応した報知データを書き込む。これにより、次回の画像の更新に際して、当該報知データの内容が反映され、例えば報知対象事象の種類に対応した文字画像が遊技回用の演出画像や、開閉実行モード用の演出画像に追加される。
ステップS901にて否定判定をした場合には、ステップS903にて、解除コマンドを受信しているか否かを判定する。解除コマンドを受信している場合には、ステップS904にて、報知用データのクリア処理を実行した後に、本別対応処理を終了する。報知用データのクリア処理では、現状、データテーブルの追加データに設定されている報知用データのうち、今回受信した解除コマンドにおいて報知の解除対象として設定されている報知対象事象の種類に対応した報知用データをクリアするための処理を実行する。これにより、次回の画像の更新に際して、当該解除対象となった種類の報知が解除される。
ステップS903にて否定判定をした場合には、ステップS905にて、操作発生コマンドを受信しているか否かを判定する。操作発生コマンドは、既に説明したとおり、演出操作装置48の操作の有効期間中に当該演出操作装置48が操作された場合に音光側MPU112から表示側MPU122に送信されるコマンドである。操作発生コマンドを受信している場合には、ステップS906にて、現状設定されているデータテーブルを参照することで、当該操作発生コマンドを受信したタイミングが、当該データテーブルにおいて設定されている演出操作装置48の操作の有効期間中であるか否かを判定する。ステップS906にて否定判定をした場合には、そのまま本別対応処理を終了し、ステップS906にて肯定判定をした場合には、ステップS907にて、表示側RAM124に設けられた操作有りフラグに「1」をセットした後に、本別対応処理を終了する。操作有りフラグは、演出操作装置48の操作の有効期間中に当該演出操作装置48が操作されたか否かを表示側MPU122にて特定するためのフラグである。
ステップS905にて否定判定をした場合には、ステップS908にて、実行許可コマンドを受信しているか否かを判定する。実行許可コマンドは、演出操作装置48の操作の有効期間中に当該演出操作装置48が操作された場合において当該操作に対応した演出の実行を許可するために、音光側MPU112から表示側MPU122に送信される。実行許可コマンドを受信している場合には、ステップS909にて、現状設定されているデータテーブルの追加データ(図18参照)として、今回の操作演出の内容に対応した操作演出データを書き込む。これにより、次回の画像の更新タイミング以降において、操作演出が開始されることになる。
なお、演出操作装置48の操作に応じた演出が実行され得る遊技回用又は開閉実行モード用のデータテーブルには、タスクの内容として、演出操作装置48が操作されない場合の内容のデータが設定されている。したがって、有効期間中に演出操作装置48が操作されなかった場合には、そのままタスクの内容に従って表示制御が行われることで、非操作時の演出が行われることになる。また、操作演出の内容としては具体的には任意であるが、例えば非操作時の演出では出現しないエフェクト画像、キャラクタ及び動画の少なくとも一つが表示される構成が挙げられる。
ステップS909の処理を実行した後は、ステップS910にて、表示側RAM124に設けられた操作演出フラグに「1」をセットした後に、本別対応処理を終了する。操作演出フラグは、操作演出を行うべき状況であるか否かを表示側MPU122にて特定するためのフラグである。
ステップS908にて否定判定をした場合には、ステップS911にて、その他対応処理を実行した後に、本別対応処理を終了する。その他対応処理では、例えばデモ開始コマンドを受信しているか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合には、デモ表示を行うためのデータテーブルを表示側ROM123から読み出して表示側RAM124に書き込む処理を実行する。
V割込み処理(図16)の説明に戻り、ステップS702にて否定判定をした場合、又はステップS703の処理を実行した後は、ステップS704にて、ポインタ更新処理を実行する。当該ポインタ更新処理では、データテーブルに設定されているポインタの情報を、1フレーム分進めるように更新する。これにより、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために必要な処理を、表示側MPU122において把握することが可能となる。
続くステップS705ではタスク処理を実行する。タスク処理では、図20のフローチャートに示すように、まずステップS1001にて、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したエリアに追加データが存在しているか否かを判定する。追加データが存在していない場合には、ステップS1002にて、今回のポインタのタスクデータをデータテーブルから読み出し、続くステップS1003にて、その読み出したタスクデータに従って、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDP125に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行う。その後、本タスク処理を終了する。
一方、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したエリアに追加データが存在している場合には、ステップS1004にて、その追加データがタスクデータの画像に対する付加データであるか否かを判定する。付加データである場合には、ステップS1005にて、今回のポインタのタスクデータ及び追加データをデータテーブルから読み出し、続くステップS1006にて、その読み出したタスクデータ及び追加データに従って、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDP125に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行う。その後、本タスク処理を終了する。なお、ステップS1005及びステップS1006の処理が実行される場合としては、報知の文字画像を付加する場合が挙げられる。
ステップS1004にて否定判定をした場合には、ステップS1007にて、今回のポインタの追加データをデータテーブルから読み出し、続くステップS1008にて、その読み出した追加データに従って、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDP125に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行う。その後、本タスク処理を終了する。なお、ステップS1007及びステップS1008の処理が実行される場合としては、操作演出を実行する場合が挙げられる。
V割込み処理(図16)の説明に戻り、ステップS705にてタスク処理を実行した後は、ステップS706にて、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したコマンド出力の有無のエリアにコマンドデータが存在しているか否かを判定する。コマンドデータが存在している場合にはコマンドの出力タイミングであるため、ステップS707にてコマンド設定処理を実行する。
コマンド設定処理では、図21のフローチャートに示すように、まずステップS1101にて、図柄表示装置31における確定演出の実行に対応したタイミングであるか否かを判定する。確定演出とは、今回の遊技回の遊技結果が大当たり結果であることを、停止結果を表示するタイミングよりも前のタイミングにおいて報知するための演出である。図柄表示装置31における確定演出の実行タイミングは複数種類存在しており、例えば予告表示の実行途中のタイミング、ノーマルリーチの実行途中のタイミング、及びスーパーリーチの実行途中のタイミングが存在している。なお、図18のデータテーブルでは、スーパーリーチの実行途中のタイミングとして、図柄表示装置31における確定演出が設定されている。
ステップS1101にて肯定判定をした場合には、ステップS1102にて確定実行コマンドを音光側MPU112に送信した後に、本設定処理を終了する。確定実行コマンドは、図柄表示装置31において確定演出が行われることを示す情報が含まれている。また、当該確定実行コマンドには、当該コマンドの出力タイミングから何フレーム後に確定演出を開始すべきであるかを示す情報が含まれている。これにより、確定実行コマンドが確定演出の開始タイミングよりも前のタイミングで送信されるとしても、音光側MPU112では、図柄表示装置31における確定演出の開始に同期させて、各種発光部群71〜73及びスピーカ部45における確定演出を開始させることが可能となる。
なお、確定実行コマンドは、一のパターン用データテーブルにおいて出力契機は最大で1回となるように設定されている。これにより、一の遊技回において図柄表示装置31にて確定演出が複数回発生することが防止されている。但し、これに限定されることはなく、確定実行コマンドが一のパターン用データテーブルにおいて複数回出力され得る構成としてもよい。
ステップS1101にて否定判定をした場合には、ステップS1103にて、操作有効期間の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1103にて肯定判定をした場合には、ステップS1104にて、操作有効開始コマンドを音光側MPU112に送信した後に、本設定処理を終了する。操作有効開始コマンドは、演出操作装置48の操作を有効化すべきことを示す情報が含まれている。
ステップS1103にて否定判定をした場合には、ステップS1105にて、表示側RAM124の操作有りフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。操作有りフラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1106にて、操作有効コマンドを音光側MPU112に送信した後に、本設定処理を終了する。操作有効コマンドは、演出操作装置48の操作が有効期間内の操作であったことを示す情報が含まれている。なお、ステップS1105にて肯定判定をした場合に、操作有りフラグを「0」クリアする。
ステップS1105にて否定判定をした場合には、ステップS1107にて、表示側RAM124の操作演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。操作演出フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1108にて、操作演出コマンドを音光側MPU112に送信した後に、本設定処理を終了する。操作演出コマンドは、演出操作装置48の操作に対応した操作演出を行うことを示す情報と、その操作演出の種類の情報とが含まれている。また、操作演出コマンドには、当該コマンドの出力タイミングから何フレーム後に操作演出を開始すべきであるかを示す情報が含まれている。これにより、操作演出コマンドが操作演出の開始タイミングよりも前のタイミングで送信されるとしても、音光側MPU112では、図柄表示装置31における操作演出の開始に同期させて、各種発光部群71〜73及びスピーカ部45における操作演出を開始させることが可能となる。
ステップS1107にて否定判定をした場合には、ステップS1109にて、その他のコマンド送信処理を実行した後に、本設定処理を終了する。当該その他のコマンド送信処理では、遊技回の演出を開始すべきことを示すコマンド、予告表示を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、変動を終了すべきことを示すコマンド、開閉実行モードの演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技の演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技間のインターバルの演出を開始すべきことを示すコマンド、エンディングの演出を開始すべきことを示すコマンド、及びデモ表示を開始すべきことを示すコマンドなどをそれぞれのタイミングに応じて音光側MPU112に送信する。
この場合、予告表示を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、開閉実行モードの演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技の演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技間のインターバルの演出を開始すべきことを示すコマンド、及びエンディングの演出を開始すべきことを示すコマンドには、その演出の種類の内容が含まれている。
また、予告表示を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、変動を終了すべきことを示すコマンド、及びラウンド遊技の演出を開始すべきことを示すコマンドには、当該コマンドの出力タイミングから何フレーム後に対象となる演出を開始すべきであるかを示す情報が含まれている。これにより、各コマンドが対象となる演出の開始タイミングよりも前のタイミングで送信されるとしても、音光側MPU112では、図柄表示装置31における対象となる演出の開始に同期させて、各種発光部群71〜73及びスピーカ部45における対象となる演出を開始させることが可能となる。
V割込み処理(図16)の説明に戻り、ステップS706にて否定判定をした場合、又はステップS707の処理を実行した後は、ステップS708にて描画リスト出力処理を実行した後に、本V割込み処理を終了する。
描画リスト出力処理では、今回の処理回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストをVDP125に送信する。この場合、当該描画リストでは、直前のタスク処理にて把握された画像が描画対象となり、さらに当該タスク処理にて更新したパラメータの情報が合わせて設定される。VDP125では、この描画リストに従ってビデオRAM127のフレーム領域に描画データを作成する。フレーム領域に作成された描画データに従ってVDP125は図柄表示装置31に信号出力を行う。これにより、図柄表示装置31において1フレーム分の画像が表示されることになる。
<音光側MPU112の表示側コマンド対応処理>
次に、音光側MPU112においてタイマ割込み処理(図14)のステップS504にて実行される表示側コマンド対応処理について説明する。図22は、表示側コマンド対応処理を示すフローチャートである。
まずステップS1201にて、遊技回の演出を開始すべきことを示すコマンド、開閉実行モードの演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技間のインターバルの演出を開始すべきことを示すコマンド、エンディングの演出を開始すべきことを示すコマンド、及びデモ表示を開始すべきことを示すコマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。これらのコマンドのいずれかを受信している場合には、ステップS1202にて、発光データの読み出し処理を実行するとともに、音出力データの読み出し処理を実行する。この場合、既に図柄表示装置31において対応する演出の画像表示を開始させるための処理が実行されているため、ステップS1202にて読み出された発光データ及び音出力データを利用した演出の実行制御は、即座に開始されることとなる。なお、発光データの読み出し処理及び音出力データの読み出し処理については後に詳細に説明する。
ステップS1201にて否定判定をした場合には、ステップS1203にて、表示側MPU122から確定実行コマンドを受信しているか否かを判定する。確定実行コマンドを受信している場合には、ステップS1208にて確定演出時の発光データの読み出し処理と、確定演出時の音出力データの読み出し処理とを実行する。これら読み出し処理の内容については後に詳細に説明する。このように発光データ及び音出力データの読み出し処理が実行されることで、各種発光部群71〜73及びスピーカ部45における確定演出がその後に実行されることとなる。
ステップS1203にて否定判定をした場合には、ステップS1204にて、表示側MPU122からスーパーリーチを開始すべきコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1204にて肯定判定をした場合には、ステップS1205にて、音光側RAM114の保持データエリア161に記憶されている遊技結果の情報を確認することで、今回の遊技回において大当たり結果が発生するか否かを判定する。大当たり結果が発生する場合には、ステップS1206にて、確定演出を発生させるか否かの抽選処理を実行する。当該抽選処理では、低確大当たり結果である場合には1/20の確率で確定演出当選となり、高確大当たり結果である場合には1/5の確率で確定演出当選となるように、抽選処理を実行する。なお、これに限定されることはなく、確定演出の抽選処理では、確定演出を実行するか否かの抽選だけでなく、確定演出を実行する場合にはその種類を抽選により決定する構成としてもよい。その後、ステップS1207にて、確定演出当選であるか否かを判定し、確定演出当選である場合にはステップS1208にて確定演出時の発光データの読み出し処理と、確定演出時の音出力データの読み出し処理とを実行する。これら読み出し処理の内容については後に詳細に説明する。このように発光データ及び音出力データの読み出し処理が実行されることで、各種発光部群71〜73及びスピーカ部45における確定演出がその後に実行されることとなる。
一方、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンドを受信していない場合には、ステップS1204にて否定判定をしてステップS1208の処理を実行しない。また、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンドを受信している場合であっても、今回の遊技回が大当たり結果ではない場合には、ステップS1205にて否定判定をしてステップS1208の処理を実行しない。また、今回の遊技回が大当たり結果であったとしても、確定演出の抽選処理にて外れとなった場合にもステップS1207にて否定判定をしてステップS1208の処理を実行しない。
ここで、図柄表示装置31にて確定演出が実行される場合には、パターン用データテーブルにおいて確定実行コマンドのコマンドデータが設定されているのに対して、図柄表示装置31にて確定演出が実行されない場合であって各種発光部群71〜73及びスピーカ部45において確定演出が実行され得る場合には、パターン用データテーブルにおいてそれに対応したコマンドのコマンドデータが設定されていない。その代わりに、これら各種発光部群71〜73及びスピーカ部45においてのみ確定演出が実行されるタイミングがスーパーリーチの開始時として設定されているとともに、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンドが表示側MPU122から送信されることを契機として音光側MPU112において当該確定演出を実行すべきか否かが決定される。かかる構成とすることにより、図柄表示装置31にて実行されない確定演出についてはその実行タイミングを示すコマンドデータをパターン用データテーブルにおいて設定しておく必要がないため、パターン用データテーブルのデータ容量の削減及び設計の容易化が図られる。
その一方で、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンドが表示側MPU122から送信された場合には、音光側MPU112において今回の遊技回が大当たり結果となるか否かが判定され、少なくとも今回の遊技回が大当たり結果であることを条件として、図柄表示装置31は非連動となる選択的確定演出の実行を決定する。これにより、上記のようにパターン用データテーブルのデータ容量の削減及び設定の容易化を図った構成において、大当たり結果とならない遊技回において確定演出が実行されてしまうことを防止することができる。
また、大当たり結果となる遊技回であっても確定演出の抽選処理において確定演出当選とならない限り、図柄表示装置31は非連動となる選択的確定演出の実行は決定されない。これにより、上記構成において、確定演出の実行について不規則性を与えることが可能となる。
さらにまた、図柄表示装置31にて確定演出が実行される場合には、確定演出の抽選処理を実行することなく、各種発光部群71〜73及びスピーカ部45における確定演出の実行を決定する。これにより、図柄表示装置31と、各種発光部群71〜73及びスピーカ部45との間で、確定演出の実行に関してズレが生じてしまうことが抑制される。
ステップS1204にて否定判定をした場合、ステップS1205にて否定判定をした場合、ステップS1207にて否定判定をした場合、又はステップS1208の処理を実行した場合には、ステップS1209にて、可動物の動作開始タイミングに対応しているか否かを判定する。ステップS1209にて肯定判定をした場合には、ステップS1210にて、音光側ROM113の可動物用データ群153から今回の動作開始タイミングに対応した可動物データを読み出して音光側RAM114の可動物データエリア164に書き込む。詳細な説明は省略するが、当該可動物データの読み出しが行われることで、タイマ割込み処理(図14)における次回以降の可動物制御処理(ステップS507)にて、図5〜図7を参照して説明したような動作を各種可動物において行わせるための処理を実行する。
ステップS1209にて否定判定をした場合、又はステップS1210の処理を実行した後は、ステップS1211にて、発光データの更新タイミングであるか否かを判定する。ステップS1211にて肯定判定をした場合には、ステップS1212にて、発光データの読み出し処理を実行する。この場合、当該更新タイミングに対応する演出の画像表示を開始させる処理は未だ実行されていないため、ステップS1212にて読み出された発光データを利用した演出の実行制御は、対応する演出の画像表示の開始に同期させて開始されることとなる。なお、発光データの読み出し処理については後に詳細に説明する。
ステップS1211にて否定判定をした場合、又はステップS1212の処理を実行した後は、ステップS1213にて、音出力データの更新タイミングであるか否かを判定する。ステップS1213にて肯定判定をした場合には、ステップS1214にて、音出力データの読み出し処理を実行する。この場合、当該更新タイミングに対応する演出の画像表示を開始させる処理は未だ実行されていないため、ステップS1214にて読み出された音出力データを利用した演出の実行制御は、対応する演出の画像表示の開始に同期させて開始されることとなる。なお、音出力データの読み出し処理については後に詳細に説明する。
ステップS1202の処理を実行した場合、ステップS1213にて否定判定をした場合、又はステップS1214の処理を実行した場合には、ステップS1215にて、操作演出系コマンドを受信しているか否かを判定する。操作演出系コマンドを受信していない場合には、そのまま本表示側コマンド対応処理を終了する。操作演出系コマンドを受信している場合には、ステップS1216にて操作系対応処理を実行した後に、本表示側コマンド対応処理を終了する。
ステップS1216の操作系対応処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1301では、操作有効開始コマンドを受信しているか否かを判定する。操作有効開始コマンドを受信している場合には、ステップS1302にて、操作有効期間に設定した後に、本操作系対応処理を終了する。これにより、音光側MPU112のタイマ割込み処理(図14)におけるステップS508にて肯定判定をすることとなる。
ステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1303にて、操作有効コマンドを受信しているか否かを判定する。操作有効コマンドを受信している場合には、ステップS1304にて、表示側MPU122に実行許可コマンドを送信するとともに、操作有効期間を解除した後に、本操作系対応処理を終了する。操作有効期間が解除されることで、音光側MPU112のタイマ割込み処理(図14)におけるステップS508にて否定判定をすることとなる。
ステップS1303にて否定判定をした場合には、ステップS1305にて、操作演出コマンドを受信しているか否かを判定する。操作演出コマンドを受信している場合には、ステップS1306にて、発光データの読み出し処理を実行するとともに音出力データの読み出し処理を実行した後に、本操作系対応処理を終了する。これら読み出し処理については後に詳細に説明する。
ステップS1305にて否定判定をした場合には、操作有効終了コマンドを受信していることを意味する。この場合、ステップS1307にて、操作有効期間を解除した後に、本操作系対応処理を終了する。
<操作演出が実行される場合の通信の内容>
次に、図24のタイミングチャートを参照しながら、操作演出が実行される場合の通信の内容について説明する。
図24(a)は表示側MPU122にて読み出されたパターン用データテーブルにおいて演出操作装置48の操作が有効として設定されている期間を示し、図24(b)は音光側MPU112において演出操作装置48の操作が有効として設定されている期間を示し、図24(c)は演出操作装置48の操作状況を示し、図24(d)は操作演出の実行有無を示し、図24(e)は表示側MPU122から音光側MPU112に送信されるコマンドの内容を示し、図24(f)は音光側MPU112から表示側MPU122に送信されるコマンドの内容を示す。
t1のタイミングで、図24(a)に示すように、パターン用データテーブルにおいて設定されている操作有効期間の開始タイミングとなることで、図24(e)に示すように、表示側MPU122から音光側MPU112に操作有効開始コマンドが送信される。これにより、t2のタイミングにて、図24(b)に示すように、音光側MPU112において演出操作装置48の操作有効期間となる。
その後、パターン用データテーブル及び音光側MPU112の双方において演出操作装置48の有効期間中であるt3のタイミングで演出操作装置48の操作が開始される。これにより、図24(f)に示すように、音光側MPU112から表示側MPU122に操作発生コマンドが送信される。当該操作発生コマンドは、パターン用データテーブルにおいて演出操作装置48の有効期間中に送信されているため、図24(e)に示すように、t4のタイミングで、表示側MPU122から音光側MPU112に操作有効コマンドが送信される。これにより、音光側MPU112において演出操作装置48の操作の有効期間が解除される。そして、図24(f)に示すように、t5のタイミングで、操作演出の実行を許可する実行許可コマンドが音光側MPU112から表示側MPU122に送信される。
表示側MPU122は、当該実行許可コマンドを受信することで、t6のタイミングで、図24(d)に示すように操作演出を開始するとともに、図24(e)に示すように操作演出コマンドを音光側MPU112に送信する。その後、図24(c)に示すように、t7のタイミングで、演出操作装置48の操作が終了されるとともに、図24(a)に示すように、t8のタイミングで、パターン用データテーブルにおける演出操作装置48の操作有効期間の終了タイミングとなる。
以上のとおり、演出操作装置48の操作有効期間の開始タイミング及び終了タイミングは、表示側MPU122において読み出されているデータテーブルに基づき当該表示側MPU122にて特定され、当該表示側MPU122からそれぞれのタイミングに対応したコマンドが音光側MPU112に送信されることで、当該音光側MPU112において各タイミングが特定される。かかる構成とすることにより、演出操作装置48の操作有効期間を独自に特定可能とするデータテーブルを音光側MPU112において持つ必要がなくなり、データ容量の削減が図られる。
表示側MPU122では図柄表示装置31における動画表示の表示制御が行われるのに対して、音光側MPU112では各種発光部群71〜73の発光制御やスピーカ部45の音出力制御が行われる構成であるため、表示側MPU122に比べて音光側MPU112の方が処理負荷は比較的軽い。この場合に、演出操作装置48が操作されたか否かの監視を音光側MPU112において行うようにすることで、処理負荷を分散することが可能となる。
音光側MPU112では、表示側MPU122から操作有効開始コマンドを受信するまでは演出操作装置48からの操作信号の監視を行わずに、当該操作有効開始コマンドを受信することで当該操作信号の監視を行う構成である。これにより、音光側MPU112では、演出操作装置48からの操作信号の監視を常時行う必要がなく、監視負担の軽減が図られる。
音光側MPU112は、操作有効期間中に演出操作装置48が操作された場合に操作発生コマンドを送信し、表示側MPU122では、当該操作発生コマンドを受信した場合にパターン用データテーブルを参照することで、当該操作発生コマンドを受信したタイミングがパターン用データテーブルにおいて定められている操作有効期間中であるかを判断する。これにより、演出操作装置48の操作が操作有効期間中であるか否かの判断が、音光側MPU112だけでなく表示側MPU122においても行われることとなり、演出操作装置48が操作有効期間中に操作されたか否かの監視を正確に行うことが可能となる。
表示側MPU122は、音光側MPU112から操作有効期間中に操作発生コマンドを受信した場合には、その操作が有効であったことを示す操作有効コマンドを音光側MPU112に送信する。そして、音光側MPU112では、当該操作有効コマンドを受信することで、演出操作装置48の操作有無の監視を解除する。これにより、音光側MPU112では操作演出の開始を待たずに、演出操作装置48の操作有無の監視を解除することが可能となり、音光側MPU112における監視負担の軽減が図られる。
音光側MPU112は、表示側MPU122から操作有効コマンドを受信した場合には、当該表示側MPU122に実行許可コマンドを送信する。そして、表示側MPU122では当該実行許可コマンドを受信することで、操作演出を開始する。これにより、表示側MPU122では操作有効コマンドが音光側MPU112において正常に受信されたことを確認してから操作演出を開始することが可能となる。
表示側MPU122は操作演出を開始する場合に操作演出コマンドを音光側MPU112に送信し、当該音光側MPU112では操作演出コマンドを受信することで、図柄表示装置31において実行される操作演出に対応させて、各種発光部群71〜73及びスピーカ部45においても操作演出を実行する。これにより、これら操作演出を確実に同期させることが可能となる。
<音光側MPU112における発光制御>
次に、音光側MPU112にて実行される各種発光部群71〜73の発光制御の内容について説明する。
音光側MPU112は、各種発光部群71〜73の発光制御を行う場合に、音光側ROM113に予め記憶された発光用データ群151を利用する。また、この利用に際しては、発光用データ群151の一部を表示側RAM124に設けられた発光データエリア162に読み出して利用する。これら発光用データ群151及び発光データエリア162について、図25〜図27を参照しながら説明する。図25(a)は発光用データ群151のデータ構成を説明するための説明図であり、図25(b)は発光データエリア162の構成を説明するための説明図である。図26(a)〜(d)及び図27は発光用データ群151に含まれる各データの内容を説明するための説明図である。
図25(a)に示すように、発光用データ群151には、パレットデータ群151aと、開始位置データ群151bと、トータル時間データ群151cと、継続時間データ群151dと、リストデータ群151eと、グループデータ群151fと、データ選択テーブル151gとが存在している。
パレットデータ群151aには、発光色の切り換えパターンを示すパレットデータが多数存在している。具体的には、図26(a)に示すように、パレットデータ0では、2色の発光色による切り換えパターンが定められている。具体的には、青色の発光色の次に白色の発光色に切り換えるパターンが定められており、さらにパレットデータ0が選択された状態が継続した場合には白色の発光色の次は青色の発光色に復帰することとなる。したがって、パレットデータ0では、青→白→青→白→青→・・・という発光色の切り換えパターンが定められていることとなる。
また、パレットデータ1では、5色の発光色による切り換えパターンが定められており、パレットデータ2では、3色の発光色による切り換えパターンが定められている。但し、パレットデータ1では、切り換えパターンの1周分が、設定されている5色の発光色を1回ずつ表示するパターンとして定められているのに対して、パレットデータ2では、切り換えパターンの1周分が、設定されている3色の発光色の少なくとも1種類を2回以上表示するパターンとして定められている。具体的には、パレットデータ1では、赤→青→緑→黄→白→赤→青→緑→・・・という発光色の切り換えパターンが定められており、パレットデータ2では、赤→青→赤→緑→青→緑→青→赤→青→赤→・・・という発光色の切り換えパターンが定められている。なお、パレットデータは、上記パレットデータ0〜2以外にも多数存在している。
各パレットデータにおいては、切り換え対象となる各発光色データに対して連番の識別情報が1対1で定められている。当該識別情報は、パレットデータを利用して一のLED71a〜73aの発光制御を開始する場合においていずれの順番の発光色から発光制御を開始するのかを示す開始位置データに対応している。
開始位置データ群151bには、発光制御対象となる発光部群71〜73に含まれる各LED71a〜73aに対して、いずれかのパレットデータを利用して発光色の切り換えを行う場合において、対象となるパレットデータに定められている一連の発光色のうちいずれの順番の発光色から発光制御を開始するのかを示す開始位置データが多数存在している。ここで、音光側MPU112が各発光部群71〜73の発光制御を行う場合、基本的に発光部群71〜73単位でパレットデータや開始位置データの設定を行う。この場合に、開始位置データは発光部群71〜73に含まれる各LED71a〜73aに対して個別に発光色の開始位置を示すデータである一方、発光部群71〜73間でLED71a〜73aの数は相違している。したがって、開始位置データは、各発光部群71〜73においてLED71a〜73aの数が相違するものに対して個別に設定されている。
開始位置データについて図26(b)を参照しながら具体的に説明する。図26(b)に示す開始位置データ0及び開始位置データ1は、16個のLED72aが存在する第2発光部群72に適用される開始位置データの一例である。開始位置データ0及び開始位置データ1のそれぞれでは、ビット0〜ビット15のそれぞれに1対1で対応させて開始位置番号が定められている。この場合、ビット0〜ビット15のそれぞれが16個のLED72aのうち1番目のLED72a〜16番目のLED72aのいずれかに対応している。そして、各LED72aにおいて発光色の切り換え演出を開始する場合には、対応するビットに設定されている開始位置番号に対応した順番の発光色を使用対象のパレットデータから特定し、その特定した発光色から順次、発光色の切り換えが行われるようにする。
例えば、開始位置データ0をパレットデータ0に適用した場合には、第2発光部群72の1番目のLED72aから8番目のLED72aまでは白色から開始され、9番目のLED72aから16番目のLED72aまでは青色から開始される。一方、開始位置データ1をパレットデータ0に適用した場合には、第2発光部群72の1番目のLED72aから8番目のLED72aまでは青色から開始され、9番目のLED72aから16番目のLED72aまでは白色から開始される。
トータル時間データ群151cには、一のパレットデータが利用されるトータルの時間を特定可能とするトータル時間データが多数存在している。例えば選択されたパレットデータの切り換えパターンが1周するのに要する時間がトータル時間よりも短い場合には、トータル時間が経過するまではその切り換えパターンが繰り返されることとなる。
継続時間データ群151dには、選択されたパレットデータに従って発光色の切り換えを行う場合に、一の発光色を点灯した状態の継続時間を特定可能とする継続時間データが多数存在している。例えば図26(a)のパレットデータ0が選択されている状況で2secの継続時間データが選択された場合には、一のLEDにおいて発光色が青色に2sec維持される状態と、発光色が白色に2sec維持される状態とが繰り返されることとなる。
リストデータ群151eには、リストデータが多数存在している。一の発光部群71〜73に対しては一のパレットデータが利用されることを基本としながら、例外として、一の発光部群71〜73に対して複数のパレットデータを同時に利用する場合において、その複数のパレットデータの種類が一のリストデータに定められている。具体的には、図26(c)に示すように、リストデータ0では、使用するパレットデータとして、パレットデータ0と、パレットデータ1と、パレットデータ2とが設定されている。また、リストデータ1では、使用するパレットデータとして、パレットデータ10と、パレットデータ11と、パレットデータ12と、パレットデータ13とが設定されている。
各リストデータにおいては、使用対象となるパレットデータに対して連番のリスト番号が1対1で定められている。当該リスト番号は、リストデータを利用して、一の発光部群71〜73に含まれる各LED71a〜73aに使用するパレットデータを選択する場合において、各LED71a〜73aにいずれのパレットデータを使用するのかを示す指定データに対応している。
グループデータ群151fには、グループデータが多数存在している。グループデータには、一の発光部群71〜73に対してリストデータを使用する場合に、一の発光部群71〜73に含まれる各LED71a〜73aに、リストデータに設定されている各パレットデータのいずれを使用するのかを示すデータが設定されている。ここで、グループデータは発光部群71〜73に含まれる各LED71a〜73aに対して使用対象のパレットデータを個別に示すデータである一方、発光部群71〜73間でLED71a〜73aの数は相違している。したがって、グループデータは、各発光部群71〜73においてLED71a〜73aの数が相違するものに対して個別に設定されている。
グループデータについて図26(d)を参照しながら具体的に説明する。図26(d)に示すグループデータ0及びグループデータ1は、16個のLED72aが存在する第2発光部群72に適用されるグループデータの一例である。グループデータ0及びグループデータ1のそれぞれでは、ビット0〜ビット15のそれぞれに1対1で対応させてリスト番号が定められている。この場合、ビット0〜ビット15のそれぞれが16個のLED72aのうち1番目のLED72a〜16番目のLED72aのいずれかに対応している。そして、各LED72aに使用するパレットデータを選択する場合には、対応するビットに設定されているリスト番号に対応した順番のパレットデータを使用対象のリストデータから特定し、その特定したパレットデータを使用する。
例えば、グループデータ0をリストデータ0に適用した場合には、第2発光部群72の1番目のLED72aから8番目のLED72aまではパレットデータ0が使用対象として選択され、9番目のLED72aから16番目のLED72aまではパレットデータ1が使用対象として選択される。一方、グループデータ1をリストデータ1に適用した場合には、第2発光部群72の1番目のLED72aから4番目のLED72aまではパレットデータ10が使用対象として選択され、5番目のLED72aから8番目のLED72aまではパレットデータ11が使用対象として選択され、9番目のLED72aから12番目のLED72aまではパレットデータ12が使用対象として選択され、13番目のLED72aから16番目のLED72aまではパレットデータ13が使用対象として選択される。
データ選択テーブル151gは、各発光部群71〜73の発光制御に際して使用するデータの組合せが定められたデータである。具体的には、図27に示すように、データ選択テーブル151gには、使用するデータの組合せを特定する場合に利用される要求番号が当該組合せの種類数分設定されており、各要求番号に対応させて、パレットデータの種類と、開始位置データの種類と、トータル時間データの種類と、継続時間データの種類と、リストデータの種類と、グループデータの種類とが設定されている。
但し、既に説明したとおり、一の発光部群71〜73に対しては一のパレットデータが利用されることを基本としながら、例外として、一の発光部群71〜73に対して複数のパレットデータが同時に利用される。データ選択テーブル151gでは、基本組合せに対応した要求番号と、例外組合せに対応した要求番号とが、それぞれ個別に設定されている。具体的には、要求番号0〜10などは基本組合せに対応しており、当該基本組合せには、パレットデータの種類と、開始位置データの種類と、トータル時間データの種類と、継続時間データの種類とが定められており、リストデータの種類とグループデータの種類とは定められていない。一方、要求番号120〜130などは例外組合せに対応しており、当該例外組合せには、開始位置データの種類と、トータル時間データの種類と、継続時間データの種類と、リストデータの種類と、グループデータの種類とが定められており、パレットデータの種類は定められていない。
次に、図25(b)を参照しながら、発光データエリア162について説明する。
発光データエリア162には、データ選択テーブル151gから要求番号を利用して特定された組合せに含まれる各データが読み出され、それら各データを利用して発光データが作成される。当該発光データは、遊技回用として利用される場合には一遊技回の一部の演出に対応しており、開閉実行モード用として利用される場合には一開閉実行モードの一部の演出に対応している。一方、報知用として利用される場合には当該報知の全体に対応している。
発光データエリア162には、様々な種類の発光データが作成されることとなるが、これら発光データは所定の区分毎に発光データエリア162において異なるエリアに格納される。具体的には、発光データエリア162には、図25(b)に示すように、ベース用エリア162aと、割込み用エリア162bと、報知用エリア162cとが設けられている。
ベース用エリア162aには、通常演出用の発光データが格納される。当該通常演出用の発光データが使用される状況としては、例えば図柄表示装置31にて遊技回が行われている場合において、予告表示やリーチ表示が行われていない状況が挙げられる。ベース用エリア162aには、第1発光部群71、第2発光部群72及び第3発光部群73に1対1で対応したエリアが設けられており、各発光部群71〜73に対応する通常演出用の発光データが個別に格納される。
ベース用エリア162aには、例えば遊技回用の発光データであれば、一の遊技回において、各発光部群71〜73のそれぞれについて格納される発光データは1個のみであり、一の遊技回中では当該1個の発光データを利用した発光色の切り換えパターンの実行が繰り返されることとなる。また、例えば開閉実行モード用の発光データであれば、一の開閉実行モードにおいて、各発光部群71〜73のそれぞれについて格納される発光データは1個のみであり、一の開閉実行モード中では当該1個の発光データを利用した発光色の切り換えパターンの実行が繰り返されることとなる。これらの場合、当該発光データを作成するための組合せデータではトータル時間データとして、時間制限無しのデータが選択される。
但し、これに限定されることはなく、一の遊技回中では、前半側の通常演出の発光データ及び後半側の通常演出の発光データといったように、通常演出の発光データが複数設定され得る構成としてもよく、予告表示及びリーチ表示以外の通常演出の発光データと、予告表示用の通常演出の発光データと、リーチ表示用の通常演出の発光データと、最終停止表示用の通常演出の発光データとが設定されている構成としてもよい。このように通常演出の発光データが一連演出中に複数設定され得る構成を、開閉実行モードに適用してもよい。
割込み用エリア162bには、通常演出用の発光制御よりも優先される割込み演出用の発光制御に利用されるデータが格納される。当該割込み演出用の発光データが使用される状況としては、例えば図柄表示装置31にて遊技回が行われている場合において、予告表示やリーチ表示が行われている状況が挙げられる。また、当該割込み演出用の発光データが使用される状況には、確定演出が行われる状況が含まれる。さらに、開閉実行モード中においては昇格演出が行われる状況が挙げられる。割込み用エリア162bには、第1発光部群71、第2発光部群72及び第3発光部群73に1対1で対応したエリアが設けられており、各発光部群71〜73に対応する割込み演出用の発光データが個別に格納される。
割込み用エリア162bには、例えば遊技回用の発光データであれば、一の遊技回において、各発光部群71〜73のそれぞれについて格納され得る発光データは複数個存在しており、一の遊技回中では各発光部群71〜73のそれぞれにおいてこれら複数個の発光データが適宜書き換えられる。また、例えば開閉実行モード用の発光データであれば、一の開閉実行モードにおいて、各発光部群71〜73のそれぞれにおいてこれら複数個の発光データが適宜書き換えられる。これらの書き換えは、発光データ間の優先度に応じて行われる。この書き換えの優先度の内容については後に詳細に説明する。
報知用エリア162cには、割込み演出用の発光制御よりも優先される報知用の発光制御に利用されるデータが格納される。当該報知用の発光データが利用される状況は、パチンコ機10における報知対象事象の発生が検知され、主側MPU92から報知コマンドが送信された場合である。報知用エリア162cには、第1発光部群71、第2発光部群72及び第3発光部群73に1対1で対応したエリアが設けられており、各発光部群71〜73に対応する報知用の発光データが個別に格納される。
報知用エリア162cには、報知対象事象の発生に際して各発光部群71〜73のそれぞれについて格納される発光データは1個のみであり、報知対象事象が発生している状況では当該1個の発光データを利用した発光色の切り換えパターンの実行が繰り返されることとなる。この場合、当該発光データを作成するための組合せデータではトータル時間データとして、時間制限無しのデータが選択される。なお、報知用の発光データを利用する状況は、主側MPU92から解除コマンドを受信するまで継続される。
<音光側MPU112の発光データの読み出し処理>
次に、音光側MPU112の表示側コマンド対応処理(図22)におけるステップS1202、ステップS1208及びステップS1212の発光データの読み出し処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該発光データの読み出し処理は、第1発光部群71、第2発光部群72及び第3発光部群73のそれぞれに対して個別に実行される。以下の発光データの読み出し処理の説明では第2発光部群72に対する処理を例に挙げて説明するが、第1発光部群71及び第3発光部群73についても基本的に同様である。
まずステップS1401にて、発光データの書き込み対象となるエリアが報知用エリア162cであるか否かを判定する。報知用エリア162cである場合には、ステップS1402にて、今回受信した報知コマンドに含まれる要求番号に対応した各種データの組合せの種類をデータ選択テーブル151gから特定し、その特定した組合せの種類に対応した各種データを音光側ROM113から読み出す。そして、ステップS1403にて、その読み出した各種データを利用してデータ展開処理を実行して、発光データを報知用エリア162cに書き込む。この場合、受信している報知コマンドの内容に関係なく同一種類のデータが読み出されるため、同一の発光データが書き込まれることとなる。つまり、報知対象事象がいずれであっても、第2発光部群72では同一の態様で報知が行われることとなる。
その後、ステップS1404にて、音光側RAM114に設けられた発光側の報知設定フラグに1をセットした後に、本読み出し処理を終了する。発光側の報知設定フラグは、報知用エリア162cに発光データが存在しているか否かを音光側MPU112にて特定するためのフラグである。当該発光側の報知設定フラグに1がセットされた状態は、主側MPU92から解除コマンドを受信することにより、主側コマンド対応処理(図15)のステップS627の解除設定処理にてクリアされる。また、この際、報知用エリア162cに記憶されている発光データがクリアされる。
ステップS1401にて否定判定をした場合には、ステップS1405にて、発光データの書き込み対象となるエリアがベース用エリア162aであるか否かを判定する。ベース用エリア162aである場合には、ステップS1406にて、今回受信したコマンドに含まれる要求番号に対応した各種データの組合せの種類をデータ選択テーブル151gから特定し、その特定した組合せの種類に対応した各種データを音光側ROM113から読み出す。そして、ステップS1407にて、その読み出した各種データを利用してデータ展開処理を実行して、発光データをベース用エリア162aに書き込む。その後、本読み出し処理を終了する。
ステップS1405にて否定判定をした場合には、ステップS1408にて、今回書き込む発光データが確定演出に対応しているか否かを判定する。確定演出に対応している場合には、ステップS1409にて、今回の確定演出についての要求番号に対応した各種データの組合せの種類をデータ選択テーブル151gから特定し、その特定した組合せの種類に対応した各種データを音光側ROM113から読み出す。そして、ステップS1410にて、その読み出した各種データを利用してデータ展開処理を実行して、発光データを割込み用エリア162bに書き込む。その後、ステップS1411にて、音光側RAM114に設けられた割込み設定フラグに1をセットするとともに、確定演出についての発光データに対応した発光側優先度データを音光側ROM113から読み出して音光側RAM114に書き込んだ後に、本読み出し処理を終了する。
割込み設定フラグは、割込み用エリア162bに発光データが存在しているか否かを音光側MPU112にて特定するためのフラグである。また、発光側優先度データは、割込み用エリア162bに既に発光データが存在している状況で、当該割込み用エリア162bへの新たな発光データの書き込み指示があった場合に、既に存在している発光データを割込み用の発光データとしてそのまま利用するのか、それとも新たに書き込み指示された発光データを割込み用の発光データとして利用するのかを決定する場合に、優先度を決定付けるためのデータである。当該発光側優先度データは、確定演出に対応した発光データが最も優先度が高く、それ以降は、遊技回用の演出については、対象となる演出の大当たり結果の期待度が高い発光データほど優先度が高くなるように設定されており、開閉実行モード用の演出については、昇格演出に対応した発光データの方が優先度が高くなるように設定されている。
ステップS1408にて否定判定をした場合には、ステップS1412にて、現状の割込み用エリア162bに設定されている発光データに対応した発光側優先度データP1を読み出し、続くステップS1413にて、今回書き込み指示がされている発光データに対応した発光側優先度データP2を読み出す。そして、ステップS1414にて、P2>P1であるか否かを判定することで、今回書き込み指示がされている発光データの方が、現状の割込み用エリア162bに設定されている発光データよりも優先度が高いか否かを判定する。
なお、現状の割込み用エリア162bに発光データが設定されていない場合には、ステップS1414にて肯定判定をし、今回書き込み指示がされている発光データを割込み用エリア162bに書き込む。
ステップS1414にて否定判定をした場合には、現状の割込み用エリア162bに設定されている発光データの方が優先度が高いことを意味する。したがって、今回書き込み指示がされている発光データの割込み用エリア162bへの書き込みを行うことなく、本読み出し処理を終了する。
一方、ステップS1414にて肯定判定をした場合には、今回書き込み指示がされている発光データの方が優先度が高いことを意味する。したがって、ステップS1415にて、今回受信したコマンドに含まれる要求番号に対応した各種データの組合せの種類をデータ選択テーブル151gから特定し、その特定した組合せの種類に対応した各種データを音光側ROM113から読み出す。そして、ステップS1416にて、その読み出した各種データを利用してデータ展開処理を実行して、発光データを割込み用エリア162bに書き込む。その後、ステップS1417にて、音光側RAM114に設けられた割込み設定フラグに1をセットするとともに、今回新たに書き込んだ発光データに対応した発光側優先度データを音光側ROM113から読み出して音光側RAM114に書き込んだ後に、本読み出し処理を終了する。
図29は、ステップS1403、ステップS1407、ステップS1410及びステップS1416の場合に起動されるデータ展開処理を示すフローチャートである。
まずステップS1501では、展開対象のデータが基本組合せであるか否かを判定する。基本組合せである場合には、ステップS1502にて、音光側RAM114に設けられた作成対象ビットの値を「0」に設定する。これにより、第2発光部群72の1番目のLED72aが発光データの作成対象となる。
続くステップS1503では、要求番号に対応させて読み出された開始位置データから作成対象ビットの開始位置番号を取得する。そして、ステップS1504にて、要求番号に対応させて読み出されたパレットデータを参照することで、ステップS1503にて取得した開始位置番号を基準として切り換えパターンを読み出す。
続くステップS1505では、継続時間データをポインタ情報に換算して設定するとともに、ステップS1506では、トータル時間データをポインタ情報に換算して設定する。ここで、音光側MPU112では、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(図14)にて発光制御処理を実行する構成であり、当該発光制御処理の各処理回では発光データのポインタ情報を1更新する。したがって、ステップS1505及びステップS1506では、継続時間データ及びトータル時間データを4msecで除算した場合の商の値がそれぞれの最終ポインタ情報となるように当該ポインタ情報への換算を行う。
ちなみに、トータル時間データとして時間制限無しのデータが設定されている場合には、トータル時間データは存在しないものとし、さらに発光データとして、発光色の切り換えパターンの1周期分のデータを作成する。一方、トータル時間データとして時間制限無しのデータ以外のデータ、すなわち時間制限が存在しているデータが設定されている場合には、そのトータル時間データに対応した時間が経過した場合に最終ポインタ情報となるように、トータル時間データ分の発光色の切り換えパターンを設定する。この場合、そのトータル時間データが継続時間データとの関係で発光色の切り換えパターンの1周期分の時間を超えている場合には、1周期を超える分の発光色の切り換えパターンが設定されることとなる。
上記ステップS1503〜ステップS1506の処理が実行されることで、現状の作成対象ビットの値に対応したLEDについての発光データが作成される。その後、ステップS1507にて作成対象ビットの値を1加算することで、発光データの作成対象を次の順番のLEDに更新する。そして、ステップS1508にて、作成対象ビットの値が第2発光部群72に含まれるLEDの数を超えたか否かを判定する。
ステップS1508にて否定判定をした場合には、更新された作成対象ビットの値に対応したLEDについてステップS1503〜ステップS1506の処理を実行することで発光データを作成する。ステップS1508にて肯定判定をした場合には、ステップS1509にて、今回作成した各発光データを、ベース用エリア162a、割込み用エリア162b及び報知用エリア162cのうち書き込み対象となるエリアに書き込む。その後、本データ展開処理を終了する。
一方、ステップS1501にて否定判定をした場合にはステップS1510に進む。ステップS1510では、音光側RAM114の作成対象ビットの値を「0」に設定する。これにより、第2発光部群72の1番目のLED72Aが発光データの作成対象となる。
続くステップS1511では、要求番号に対応させて読み出されたグループデータから作成対象ビットのリスト番号を取得する。そして、ステップS1512にて、要求番号に対応させて読み出されたリストデータを参照することで、ステップS1511にて取得したリスト番号に対応したパレットデータを音光側ROM113から読み出す。
その後、ステップS1513にて、要求番号に対応させて読み出された開始位置データから作成対象ビットの開始位置番号を取得し、ステップS1514にて、ステップS1512において読み出したパレットデータを参照することで、ステップS1513にて取得した開始位置番号を基準として切り換えパターンを読み出す。続くステップS1515では、継続時間データをポインタ情報に換算して設定するとともに、ステップS1516では、トータル時間データをポインタ情報に換算して設定する。
上記ステップS1511〜ステップS1516の処理が実行されることで、現状の作成対象ビットの値に対応したLEDについての発光データが作成される。特に、この場合、要求番号に対応させて読み出された組合せのデータは例外組合せであり、グループデータ及びリストデータを利用して発光データが作成されるため、第2発光部群72の各LED72aについてそれぞれ異なるパレットデータに基づく発光データを作成することが可能であり、発光パターンの多様化が図られる。
その後、ステップS1517にて作成対象ビットの値を1加算することで、発光データの作成対象を次の順番のLEDに更新する。そして、ステップS1518にて、作成対象ビットの値が第2発光部群72に含まれるLEDの数を超えたか否かを判定する。
ステップS1518にて否定判定をした場合には、更新された作成対象ビットの値に対応したLEDについてステップS1511〜ステップS1516の処理を実行することで発光データを作成する。ステップS1518にて肯定判定をした場合には、ステップS1519にて、今回作成した各発光データを、ベース用エリア162a、割込み用エリア162b及び報知用エリア162cのうち書き込み対象となるエリアに書き込む。その後、本データ展開処理を終了する。
上記データ展開処理が実行された場合に作成される発光データの一例を、図30を参照しながら説明する。
図30は、第2発光部群72の各LED72aに対して、図26(a)のパレットデータ0及び図26(b)の開始位置データ0を適用した場合に作成される発光データであって発光データエリア162のベース用エリア162aに格納される発光データの一例である。この場合、パレットデータ0では発光色の設定が2回行われるため、継続時間データに対応した時間の2倍の時間に対応した数が最終ポインタ情報となるようにしてポインタ情報が連番で設定される。より具体的には、パレットデータ0では青→白という発光色の切り換えパターンが設定されているとともに、継続時間データとして4secが設定されているため、最終ポインタ情報が「1999」となるようにしてポインタ情報が連番で設定されている。また、ビット0〜ビット7に対応するLED72aは、青色の発光色を4sec継続した後に、白色の発光色を4sec継続する発光データが作成され、ビット8〜ビット15に対応するLED72aは、白色の発光色を4sec継続した後に、青色の発光色を4sec継続する発光データが作成される。
<音光側MPU112の発光制御処理>
次に、音光側MPU112のタイマ割込み処理(図14)におけるステップS505の発光制御処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該発光制御処理は、第1発光部群71、第2発光部群72及び第3発光部群73のそれぞれに対して個別に実行される。以下の発光制御処理の説明では第2発光部群72に対する処理を例に挙げて説明するが、第1発光部群71及び第3発光部群73についても基本的に同様である。
まずステップS1601では、音光側RAM114の報知設定フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。報知設定フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1602にて、報知用エリア162cの発光データにおける現状のポインタ情報に対応したデータに基づき第2発光部群72の各LED72aを発光制御する。
ステップS1601にて否定判定をした場合には、ステップS1603にて、音光側RAM114の割込み設定フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。割込み設定フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1604にて、割込み用エリア162bの発光データにおける現状のポインタ情報に対応したデータに基づき第2発光部群72の各LED72aを発光制御する。
ステップS1603にて否定判定をした場合には、ステップS1605にて、ベース用エリア162aの発光データにおける現状のポインタ情報に対応したデータに基づき第2発光部群72の各LED72aを発光制御する。
つまり、発光データエリア162のベース用エリア162a、割込み用エリア162b及び報知用エリア162cのそれぞれには同時に発光データが格納され得るが、これらベース用エリア162a、割込み用エリア162b及び報知用エリア162cのうち、報知用エリア162cに格納されている発光データが発光制御に際して最も優先される。これにより、演出の実行よりも報知を優先することが可能となり、パチンコ機10に異常などの報知対象事象が発生していることを遊技ホールの管理者に認識させることが可能となる。また、報知用エリア162cに発光データが格納されていない場合には、割込み用エリア162bに格納されている発光データが発光制御に際して次に優先される。これにより、確定演出や期待度が高い演出の実行が優先され、発光部群71〜73における演出への注目度を高めることが可能となる。
ステップS1602、ステップS1604又はステップS1605の処理を実行した後は、ステップS1606にて、ベース用エリア162a、割込み用エリア162b及び報知用エリア162cに格納されている発光データのうち、ポインタ情報が最終ポインタ情報となっている発光データが存在しているか否かを判定する。ステップS1606にて肯定判定をした場合には、ステップS1607にて、その最終ポインタ情報となっているエリアがベース用エリア162a又は報知用エリア162cであるか否かを判定する。ベース用エリア162a又は報知用エリア162cである場合には、ステップS1608にて、その最終ポインタ情報となっている発光データのポインタ情報を開始ポインタ情報に復帰させる。当該復帰処理が実行されることにより、その復帰対象となった発光データのポインタ情報の更新が繰り返されることとなる。
ステップS1607にて否定判定をした場合には、ステップS1609にて、音光側RAM114の割込み設定フラグを「0」クリアするとともに、割込み用エリア162bのクリア処理を実行する。つまり、割込み用エリア162bに格納されている発光データは、最終ポインタ情報となることでクリアされる。
ステップS1606にて否定判定をした場合、ステップS1608の処理を実行した場合又はステップS1609の処理を実行した場合には、ステップS1610にて、発光データエリア162のベース用エリア162a、割込み用エリア162b及び報知用エリア162cのそれぞれについて、ポインタ情報の更新処理を実行する。これにより、発光制御処理の次回の処理回では、新たなポインタ情報に対応したデータに基づき発光制御が実行される。但し、当該ポインタ情報の更新処理は、ステップS1608における開始ポインタ情報への復帰処理の対象となった発光データは処理対象外となる。その後、本発光制御処理を終了する。
<発光制御が行われる様子>
次に、発光制御が行われる様子について、図32のタイミングチャートを参照しながら説明する。図32(a)は通常演出の実行状況を示し、図32(b)はリーチ演出の実行状況を示し、図32(c)は確定演出の実行状況を示し、図32(d)は報知用発光の実行状況を示し、図32(e)は割込み用エリア162bに発光データを格納すべきことを示すコマンド(以下、割込み設定用コマンドという)の受信有無を示す。なお、以下の説明では、第2発光部群72における発光演出について説明する。また、図32においては実際に選択されている発光制御態様に囲み線を付している。
t1のタイミングでベース用エリア162aに発光データが格納されることで、図32(a)に示すように、第2発光部群72において通常演出が開始される。そして、当該通常演出が実行されている状況であるt2のタイミングで図32(e)に示すように割込み設定用コマンドを受信することで、リーチ演出に対応した発光データが割込み用エリア162bに格納され、図32(a)に示すように通常演出が中止され、図32(b)に示すように第2発光部群72においてリーチ演出が開始される。但し、割込み用エリア162bに格納されている発光データを利用して発光制御が行われることでリーチ演出が行われている状況であっても、ベース用エリア162aに格納されている発光データのポインタ更新は継続される。
その後、リーチ演出が実行されている状況であるt3のタイミングで、図32(e)に示すように確定演出に対応した割込み設定用コマンドを受信する。確定演出に対応した発光データは、割込み用エリア162bに格納される発光データの中で最も優先度が高いため、確定演出に対応した発光データが割込み用エリア162bに上書きされ、図32(c)に示すように第2発光部群72において確定演出が開始される。この場合、それまで割込み用エリア162bに格納されていたリーチ演出に対応した発光データは消去される。また、割込み用エリア162bに格納されている発光データを利用して発光制御が行われることで確定演出が行われている状況であっても、ベース用エリア162aに格納されている発光データのポインタ更新は継続される。
その後、確定演出が実行されている状況であるt4のタイミングで、図32(e)に示すように割込み設定用コマンドを受信する。但し、当該割込み設定用コマンドにより指示される演出に対応した発光データの優先度は、確定演出に対応した発光データの優先度よりも低いため、割込み用エリア162bの上書きは行われずに、確定演出に対応した発光データがそのまま利用されることとなる。
その後、確定演出が実行されている状況であるt5のタイミングで、報知コマンドを受信することで、報知用エリア162cに報知に対応した発光データが格納される。これにより、図32(c)に示すように確定演出が中止され、図32(d)に示すように第2発光部群72において報知が開始される。但し、報知用エリア162cに格納されている発光データを利用して発光制御が行われることで報知が行われている状況であっても、ベース用エリア162aに格納されている発光データのポインタ更新、及び割込み用エリア162bに格納されている発光データのポインタ更新は継続される。
その後、t6のタイミングで解除コマンドを受信することで、報知用エリア162cがクリアされるとともに発光側の報知設定フラグが「0」クリアされる。これにより、図32(d)に示すように報知が終了され、図32(c)に示すように割込み用エリア162bに格納されている発光データを利用した確定演出が再開される。この場合、報知が行われている状況であっても、割込み用エリア162bに格納されている発光データのポインタ更新は継続されていたため、再開されたタイミングにおける確定演出の発光態様は報知の割込みがなかった場合の当該タイミングにおける確定演出の発光態様と同一となる。したがって、報知の割込みが生じたとしても、当該報知が解除されたタイミング以降において第2発光部群72における確定演出の発光態様と、図柄表示装置31における確定演出の表示態様とを同期させることが可能となる。
その後、t7のタイミングで確定演出の終了タイミングとなることで、割込み用エリア162bがクリアされるとともに割込み設定フラグが「0」クリアされる。これにより、図32(c)に示すように確定演出が終了され、図32(a)に示すようにベース用エリア162aに格納されている発光データを利用した通常演出が再開される。そして、t8のタイミングで当該通常演出が終了される。
<音光側MPU112における音出力制御>
次に、音光側MPU112にて実行されるスピーカ部45の音出力制御の内容について説明する。
音光側MPU112は、スピーカ部45の音出力制御を行う場合に、音光側ROM113に予め記憶された音出力用データ群152を利用する。また、この利用に際しては、音出力用データ群152の一部を音光側RAM114に設けられた音出力データエリア163に読み出して利用する。これら音出力用データ群152及び音出力データエリア163について、図33を参照しながら説明する。図33(a)は音出力用データ群152のデータ構成を説明するための説明図であり、図33(b)は音出力データエリア163の構成を説明するための説明図である。
図33(a)に示すように、音出力用データ群152には、変動ベースデータ群152aと、予告演出開始時データ群152bと、予告演出終了時データ群152cと、ノーマルリーチ時データ群152dと、スーパーリーチ時データ群152eと、確定演出時データ群152fと、変動終了時データ群152gと、報知発生時データ群152hと、オープニング用データ群152iと、ラウンド用データ群152jと、インターバル用データ群152kと、エンディング用データ群152lと、昇格演出用データ群152mとが少なくとも存在している。
変動ベースデータ群152aには、遊技回中において予告表示やリーチ表示が行われていない状況において繰り返される楽曲を出力するための音出力データが複数存在している。予告演出開始時データ群152bには、予告表示が開始されてから予告表示が終了する前までの楽曲を出力するための音出力データが複数存在している。予告演出終了時データ群152cには、予告表示が終了される場合の楽曲を出力するための音出力データが複数存在している。ノーマルリーチ時データ群152dには、ノーマルリーチが行われている状況において繰り返される楽曲を出力するための音出力データが複数存在している。スーパーリーチ時データ群152eには、スーパーリーチが行われている状況での楽曲又は音声を出力するための音出力データが複数存在している。確定演出時データ群152fには、確定演出が行われている状況での楽曲又は音声を出力するための音出力データが複数存在している。変動終了時データ群152gには、遊技回中において図柄の変動表示が終了される場合の楽曲を出力するための音出力データが複数存在している。報知発生時データ群152hには、報知を行うための報知音又は音声を出力するための音出力データが複数存在している。オープニング用データ群152iには、開閉実行モードにおいてオープニング演出が行われている状況での楽曲を出力するための音出力データが複数存在している。ラウンド用データ群152jには、開閉実行モードにおいてラウンド遊技中の演出が行われている状況での楽曲を出力するための音出力データが複数存在している。インターバル用データ群152kには、開閉実行モードにおいてインターバル中の演出が行われている状況での楽曲を出力するための音出力データが複数存在している。エンディング用データ群152lには、開閉実行モードにおいてエンディング演出が行われている状況での楽曲又は音声を出力するための音出力データが複数存在している。昇格演出用データ群152mには、開閉実行モードにおいて昇格演出が行われている状況での楽曲又は音声を出力するための音出力データが複数存在している。
つまり、音出力用データ群152には、遊技回用の演出や開閉実行モード用の演出といった所定の契機で開始される一連演出の全体分の音出力データがそのまま設定されているのではなく、当該一連演出において演出の進行態様が相違する範囲(例えば出現するキャラクタの種類が異なる範囲や、図柄の変動表示が変化する範囲)毎に一連演出の全体分の音出力データが分割された状態で設定されている。そして、各分割データ毎に、複数種類の音出力データが設定されている。したがって、遊技回用の演出や開閉実行モード用の演出を行う場合には、主側MPU92や表示側MPU122から送信されるコマンドに対応する分割データを読み出し、その読み出した分割データに従って音出力制御を行うこととなる。
ちなみに、音出力データは音光側RAM114に展開された状態において、当該音出力データに設定されている楽曲、音声又は報知音の1周期分の出力継続時間に対応した分のポインタ情報と、各ポインタ情報に1対1で対応する出力内容データとを備える。ポインタ情報に対応させて設定された出力内容データに対応した信号をスピーカ部45に出力するとともに、当該信号出力の内容を当該ポインタ情報が更新される度にそれに合わせて変更することで、音出力データに対応した楽曲、音声又は報知音が出力されることとなる。
次に、図33(b)を参照しながら、音出力データエリア163について説明する。
音出力データエリア163には、複数の音出力データを同時に読み出して、制御対象とすることが可能なように、複数の音出力エリア171〜186が設けられている。具体的には、第1音出力エリア171〜第16音出力エリア186の16個設けられている。これにより、所定の音出力データを利用して音出力制御を行っている状況において新たな音出力データの読み出し指令が発生したとしても、所定の音出力データについては音光側RAM114に読み出した状態を維持しながら、その新たな音出力データを音光側RAM114に読み出すことが可能となる。また、音出力エリア171〜186の数は、同時に読み出し指令が生じ得る音出力データの最大個数以上に設定されている。
<音光側MPU112の音出力データの読み出し処理>
次に、音光側MPU112の表示側コマンド対応処理(図22)におけるステップS1202、ステップS1208及びステップS1214の音出力データの読み出し処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1701にて、報知コマンド受信時の読み出し処理であるか否かを判定する。ステップS1701にて肯定判定をした場合には、ステップS1702にて、その受信した報知コマンドの内容に対応した音出力データを音光側ROM113の音出力用データ群152における報知発生時データ群152hの中から読み出す。そして、その読み出した音出力データを、ステップS1703にて、音出力データエリア163における第1音出力エリア171〜第16音出力エリア186のうち音出力データが格納されていない音出力エリアのうち最上位のエリアに書き込む。その後、ステップS1704にて、今回読み出した音出力データに対応した報知用の音出力側優先度データを音光側ROM113から読み出して、ステップS1703にて書き込み対象となった音出力エリアとの対応関係を特定可能とした状態で音光側RAM114に書き込む。
音出力側優先度データは、複数の音出力エリア171〜186に音出力データが格納されている状況において、いずれの音出力エリアに格納されている音出力データについて音出力制御を行うのかを音光側MPU112にて決定する場合に、優先度を決定付けるためのデータである。当該音出力側優先度データは、報知に対応した音出力データが最も優先度が高く、次に確定演出に対応した音出力データの優先度が高く、それ以降は、遊技回用の演出については、対象となる演出の大当たり結果の期待度が高い音出力データほど優先度が高くなるように設定されており、開閉実行モード用の演出については、昇格演出に対応した音出力データの方が優先度が高くなるように設定されている。
ちなみに、音出力側優先度データは、発光データエリア162におけるベース用エリア162a、割込み用エリア162b及び報知用エリア162c間の優先度、並びに発光側優先度データと対応しており、発光制御において優先して実行されている事象と音出力制御において優先して実行されている事象とが同一となるように構成されている。したがって、発光制御と音出力制御とが実行内容が一致するようになっている。
続くステップS1705では、報知用の音出力側優先度データが既に音光側RAM114に設定されているか否かを判定する。既に設定されていない場合にはそのまま本読み出し処理を終了する。既に設定されている場合にはステップS1706にて出力開始タイミングの調整処理を実行した後に、本読み出し処理を終了する。
ここで、スピーカ部45における報知においては、報知の対象となっている事象毎に対応した報知音又は報知音声が出力される。つまり、報知発生時データ群152hには、報知の対象となっている事象に1対1で対応させて音出力データが設定されており、報知の対象となっている事象が重複して発生した場合には、各事象に対応した報知用の音出力データがそれぞれ異なる音出力エリアに格納される。この場合、各報知用の音出力データについては音出力側優先度データが同一の優先度となるように設定されており、ステップS1706では、各音出力データの出力開始タイミングをずらすことで、それら各音出力データの全てが音出力制御の対象となるようにする。具体的には、新たに設定された報知用の音出力データが、既に設定されている報知用の音出力データに続けて音出力制御対象となるように、開始ポインタ情報を調整する。また、パチンコ機10の報知状態が解除されていない状況では報知が繰り返されることとなるが、報知用の音出力データが複数設定されている場合にはそれぞれ異なる事象を対象とした報知が連続して出力される状態が繰り返されることとなる。
なお、報知用の音出力データは、当該音出力データに対応した報知対象事象が解除されたことを示す解除コマンドを主側MPU92から受信した場合にクリアされる。また、この際、報知用の音出力側優先度データもクリアされる。
ステップS1701にて否定判定をした場合には、ステップS1707にて、今回読み出し処理の対象となっている音出力データが複数存在しているか否かを判定する。スピーカ部45からは図柄表示装置31における動画の内容に応じた音が出力されることとなるが、遊技回用の演出において予告表示が行われる場合には、予告表示の開始時と予告表示の終了時とで異なる内容の音が出力される。これに対して、表示側MPU122は音光側MPU112に対して、それぞれのタイミングでコマンド出力を行うのではなく、予告表示の開始に対応させたタイミングにおいてのみ予告表示に対応したコマンドを出力する。そこで、音光側MPU112では、当該予告表示に対応したコマンドを受信した場合には、予告表示の開始時に対応した音出力データと、予告表示の終了時に対応した音出力データとを読み出す。
具体的には、ステップS1708にて、先側の音出力データを音光側ROM113の音出力用データ群152から読み出し、その読み出した音出力データを、ステップS1709にて、音出力データエリア163における第1音出力エリア171〜第16音出力エリア186のうち音出力データが格納されていない音出力エリアのうち最上位のエリアに書き込む。その後、ステップS1710にて、今回読み出した音出力データに対応した音出力側優先度データを音光側ROM113から読み出して、ステップS1709にて書き込み対象となった音出力エリアとの対応関係を特定可能とした状態で音光側RAM114に書き込む。
その後、ステップS1711にて、後側の音出力データを音光側ROM113の音出力用データ群152から読み出し、その読み出した音出力データを、ステップS1712にて、音出力データエリア163における第1音出力エリア171〜第16音出力エリア186のうち音出力データが格納されていない音出力エリアのうち最上位のエリアに書き込む。その後、ステップS1713にて、今回読み出した音出力データに対応した音出力側優先度データを音光側ROM113から読み出して、ステップS1712にて書き込み対象となった音出力エリアとの対応関係を特定可能とした状態で音光側RAM114に書き込む。
続くステップS1714では、音光側RAM114に設けられた出力待機フラグに「1」をセットするとともに、出力待機エリアのセット処理を実行する。出力待機フラグは、音出力制御の対象となることが待機されている音出力データが存在していることを音光側MPU112にて特定するためのフラグであり、出力待機エリアの設定処理では、その待機されている音出力データが格納されている音出力エリアを特定するためのデータを設定するとともに、その待機されている音出力データの出力開始タイミングを設定する。その後、本読み出し処理を終了する。
ステップS1707にて否定判定をした場合には、ステップS1715にて、今回の読み出し処理に対応した音出力データを音光側ROM113の音出力用データ群152から読み出し、その読み出した音出力データを、ステップS1716にて、音出力データエリア163における第1音出力エリア171〜第16音出力エリア186のうち音出力データが格納されていない音出力エリアのうち最上位のエリアに書き込む。その後、ステップS1717にて、今回読み出した音出力データに対応した音出力側優先度データを音光側ROM113から読み出して、ステップS1716にて書き込み対象となった音出力エリアとの対応関係を特定可能とした状態で音光側RAM114に書き込む。
続くステップS1718では、音光側RAM114に設けられた出力待機フラグに「1」をセットするとともに、出力待機エリアのセット処理を実行する。出力待機フラグは、音出力制御の対象となることが待機されている音出力データが存在していることを音光側MPU112にて特定するためのフラグであり、出力待機エリアの設定処理では、その待機されている音出力データが格納されている音出力エリアを特定するためのデータを設定するとともに、その待機されている音出力データの出力開始タイミングを設定する。その後、本読み出し処理を終了する。
<音光側MPU112の音出力制御処理>
次に、音光側MPU112のタイマ割込み処理(図14)におけるステップS506の音出力制御処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1801では、音光側RAM114の音出力データエリア163における第1音出力エリア171〜第16音出力エリア186の更新対象の音出力エリアのうち、上位(第1音出力エリア171が最上位であり、第16音出力エリア186が最下位側)2つの音出力エリアに設定されている各音出力側優先度データを読み出す。ここで、更新対象の音出力エリアとは、音出力データが格納されている音出力エリアであって、出力開始タイミングが設定されていない音出力エリア、すなわち音出力制御の待機状態とされていない音出力エリアのことをいう。続くステップS1802では、それら読み出した各音出力側優先度データのいずれの優先度が高いのかを特定し、ステップS1803にて、優先度が高い側の音出力エリアを出力用のエリアに設定する。
続くステップS1804では、更新対象の音出力エリアについて次に上位側の音出力エリアの音出力側優先度データを読み出すとともに、ステップS1805では、出力用のエリアの音出力側優先度データを読み出す。そして、ステップS1806にて、それら読み出した各音出力側優先度データのいずれの優先度が高いのかを特定し、ステップS1807にて、優先度が高い側の音出力エリアを出力用のエリアに設定する。
その後、ステップS1808にて、更新対象の音出力エリアの全てについて音出力側優先度データの比較処理が完了したか否かを判定する。ステップS1808にて否定判定をした場合には、ステップS1804〜ステップS1807の処理を繰り返し、ステップS1808にて肯定判定をした場合には、ステップS1809に進む。
ステップS1809では、出力用のエリアに設定された音出力エリアに格納されている音出力データにおいて現状のポインタ情報に対応したデータに基づきスピーカ部45を音出力制御する。この場合、1回の音出力制御処理では一の音出力データのみが音出力制御の対象となり、他の更新対象の音出力エリアに格納されている音出力データは音出力制御の対象とならない。つまり、当該音出力データについては消音設定された状態となっている。
続くステップS1810では、更新対象となっている音出力エリアに格納されている音出力データのうち、ポインタ情報が最終ポインタ情報となっている音出力データが存在しているか否かを判定する。ステップS1810にて肯定判定をした場合には、ステップS1811にて、その最終ポインタ情報となっている音出力データがベースデータ又は報知発生時データであるか否かを判定する。ベースデータ又は報知発生時データである場合には、ステップS1812にて、その最終ポインタ情報となっている音出力データのポインタ情報を開始ポインタ情報に復帰させる。当該復帰処理が実行されることにより、その復帰対象となった音出力データのポインタ情報の更新が繰り返されることとなる。
なお、ベースデータ及び報知発生時データのいずれであるかの特定は、音出力側優先度データを利用して行われる。つまり、音出力側優先度データは優先度の比較だけでなく、音出力データの種類を特定する場合にも利用可能となっている。
ステップS1811にて否定判定をした場合には、ステップS1813にて、最終ポインタ情報となっている音出力データのクリア処理を実行するとともに、当該音出力データが格納されている音出力エリアの音出力側優先度データのクリア処理を実行する。つまり、ベースデータ及び報知発生時データ以外の音出力データは、最終ポインタ情報となることでクリアされる。
ステップS1810にて否定判定をした場合、ステップS1812の処理を実行した場合、又はステップS1813の処理を実行した場合には、ステップS1814にて、第1音出力エリア171〜第16音出力エリア186のうち更新対象のエリアのそれぞれについてポインタ情報の更新処理を実行する。これにより、音出力制御処理の次回の処理回では、新たなポインタ情報に対応したデータに基づき音出力制御が実行される。但し、当該ポインタ情報の更新処理は、ステップS1812における開始ポインタ情報への復帰処理の対象となった音出力データは処理対象外となるとともに、更新対象となることが待機されている音出力データも処理対象外となる。
その後、ステップS1815にて、更新対象となることが待機されている音出力データの中に出力開始タイミングとなった音出力データが存在しているか否かを判定する。ステップS1815にて否定判定をした場合には、そのまま本音出力制御処理を終了し、ステップS1815にて肯定判定をした場合には、ステップS1816にて、その出力開始タイミングとなった音出力データを更新対象の音出力データとして追加した後に、本音出力制御処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
音光側MPU112は表示側MPU122が送信するコマンドに基づいて各種発光部群71〜73及びスピーカ部45における演出の実行を制御し、表示側MPU122は音光側MPU112が送信するコマンドに基づいて図柄表示装置31における演出の実行を制御する。これにより、各種発光部群71〜73、スピーカ部45及び図柄表示装置31のそれぞれで同一の期間に演出を実行する場合に、各演出にずれが生じづらくなる。よって、複数種類の演出手段を利用した演出を好適に行うことが可能となる。
特に、主側MPU92を基準とした場合に音光側MPU112は表示側MPU122に対して通信の上流側に存在しているにも関わらず、音光側MPU112では表示側MPU122がコマンドを送信することを敢えて待ってから演出が実行されるようにする構成であるため、各種発光部群71〜73、スピーカ部45及び図柄表示装置31における各演出にずれが生じてしまうことを抑制することが可能となる。
演出操作装置48が操作された場合にそれに対応した演出が各種発光部群71〜73、スピーカ部45及び図柄表示装置31のそれぞれで実行される構成において、表示側MPU122は、音光側MPU112が操作発生コマンドを送信した後に、図柄表示装置31にて操作対応の演出を行い、それだけでなく、音光側MPU112は、表示側MPU122が操作演出コマンドを送信した後に、各種発光部群71〜73及びスピーカ部45にて操作対応の演出を行う。このように演出操作装置48が操作されたか否かの信号が音光側MPU112に入力される構成において、音光側MPU112では表示側MPU122が操作演出コマンドを送信することを敢えて待ってから操作対応の演出が実行されるようにする構成であるため、操作対応の各演出にずれが生じてしまうことを抑制することが可能となる。
なお、図柄表示装置31の表示制御に比べて、スピーカ部45の音出力制御及び各種発光部群71〜73の発光制御の方が処理負荷は低い。この場合に、演出操作装置48の信号が音光側MPU112に入力される。これにより、処理負荷が比較的高い側の表示側MPU122において演出操作装置48の監視を行う必要がなくなり、当該表示側MPU122の処理負荷の軽減が図られる。
音光側MPU112は表示側MPU122が操作有効開始コマンドを送信した場合に演出操作装置48が操作されたか否かの監視を開始すればよいため、音光側MPU112において独自に当該監視の開始タイミングを特定する必要がなくなる。これにより、操作対応の演出にずれが生じづらくなるようにした構成において、音光側MPU112の処理負荷の軽減が図られる。また、音光側MPU112における各種処理の開始タイミングを決定する主体が表示側MPU122に集約されることとなるため、処理構成の簡素化が図られる。
演出操作装置48の操作が有効期間中のものであるか否かの判定が、音光側MPU112だけでなく表示側MPU122においても行われる。これにより、有効期間中に演出操作装置48に対する操作が行われていないにも関わらず、操作対応の演出が実行されてしまう可能性が低減される。
音光側MPU112は、表示側MPU122から操作有効コマンドを受信した場合には、当該表示側MPU122に実行許可コマンドを送信する。そして、表示側MPU122では当該実行許可コマンドを受信することで、操作演出を開始する。これにより、表示側MPU122では操作有効コマンドが音光側MPU112において正常に受信されたことを確認してから操作演出を開始することが可能となる。
音光側MPU112は表示側MPU122において決定される演出の実行タイミングに従って各種発光部群71〜73及びスピーカ部45の演出の実行制御を行えばよいため、音光側MPU112において独自に演出の実行タイミングを特定する必要がなくなる。これにより、各演出にずれが生じづらくなるようにした構成において、音光側MPU112及び表示側MPU122のそれぞれで演出の実行タイミングを独自に特定可能とした場合に比べて、処理負荷の軽減が図られる。
音光側MPU112は表示側MPU122において決定される演出の実行タイミングに従うだけでなく、実行する演出の内容も表示側MPU122において決定された内容に従えばよいため、音光側MPU112において独自に演出の内容を決定する構成に比べて、処理負荷の軽減が図られる。
表示側MPU122から送信されるコマンドに従って、音光側MPU112にて演出の実行タイミングが特定される構成において、表示側MPU122は、制御実行タイミングとなる度にコマンドを送信するのではなく、所定の制御実行タイミングとなった場合にコマンドを送信する構成であるため、表示側MPU122におけるコマンドの送信頻度を低減させることが可能となる。これにより、表示側MPU122の処理負荷の軽減が図られる。
遊技回や開閉実行モードにおいて実行される演出の全体に対応した分のテーブルデータは表示側MPU122にて読み出される。その一方、音光側MPU112では、当該全体に対応した分のテーブルデータは読み出されずに、表示側MPU122から遊技回や開閉実行モード中の各タイミングで送信されたコマンドに応じて、当該期間中に実行される演出の一部分の制御用データが読み出される。これにより、音光側MPU112及び表示側MPU122のそれぞれで全体に対応した分の制御用データを読み出す構成に比べて、制御用データを読み出すのに必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特に、図柄表示装置31を表示制御する側の表示側MPU122において遊技回や開閉実行モードにて実行される演出の全体に対応した分のテーブルデータが読み出されるため、何らかの通信異常が発生したとしても、図柄表示装置31における表示の更新を継続することが可能となる。図柄表示装置31における演出は遊技者に注目され易いため、当該図柄表示装置31における表示の更新が継続されることで、通信異常が発生した際の影響が低減される。
遊技回や開閉実行モードの一連演出には、演出の態様が相違する複数の演出範囲を含み得る構成であり、上記一部分の制御用データは、上記複数の演出範囲に対応させて設定されている。これにより、制御用データの単位が細切れ的になり過ぎることを抑制することが可能となり、音光側MPU112における制御用データの読み出し頻度を適度に抑えることが可能となる。
表示側MPU122ではデータテーブルを各制御実行タイミングにおいて参照することで、遊技回や開閉実行モードの一連演出の実行制御を行うことが可能であるとともに、音光側MPU112に向けたコマンドの送信タイミングも特定することが可能である。よって、表示側MPU122において参照すべき情報が集約されることとなり、処理負荷の軽減が図られる。
主側MPU92を基準として表示側MPU122よりも通信の上流側に音光側MPU112が存在し、遊技回や開閉実行モードの開始に際してそれら演出の実行内容が音光側MPU112において決定される構成において、遊技回や開閉実行モードにて実行される演出の全体に対応した分のデータテーブルの読み出しが表示側MPU122にて行われる構成であるため、処理負荷の分散化を図ることが可能となる。
音光側MPU112において遊技回や開閉実行モードの演出の開始契機を特定する構成において、音光側MPU112では表示側MPU122がコマンドを送信することを敢えて待ってから、これら一連演出に対応した演出が各種発光部群71〜73やスピーカ部45にて開始されるようにする構成であるため、演出の開始タイミングにずれが生じてしまうことを抑制することが可能となる。
遊技回や開閉実行モードの一連演出の開始に際しては表示側MPU122からコマンドが送信されるまで待機するのに対して、異常が発生した場合には表示側MPU122からコマンドが送信されるまで待機することなく音光側MPU112において独自に報知を開始させる。これにより、報知を早期に開始させることが可能であるとともに、音光側MPU112と表示側MPU122との間で通信異常が発生していたとしても各種発光部群71〜73やスピーカ部45において報知を開始することが可能となる。
遊技回にて実行される演出の全体に対応した分のデータテーブルの読み出しが表示側MPU122にて行われる構成において、音光側MPU112において遊技結果の情報(大当たり結果か否かの情報や、大当たり結果の種類の情報)は記憶保持される。これにより、音光側MPU112では表示側MPU122が送信するコマンドに従って演出の実行制御を行う構成において、当該演出の実行制御に際して遊技結果も踏まえることが可能となる。
表示側MPU122は遊技結果の情報を踏まえることなくコマンドを音光側MPU112に向けて送信すればよいため、当該コマンドを送信するための構成の好適化が図られる。また、音光側MPU112では、遊技結果の情報が記憶保持されており、表示側MPU122が送信したコマンドに対応させて実行する演出の内容が遊技結果に対応しているか否かを判定した上で演出の実行制御を行うため、上記のように表示側MPU122についてコマンドを送信するための構成の好適化を図った場合において、音光側MPU112において遊技結果に対応した演出の実行制御を行うことが可能となる。
図柄表示装置31にて確定演出が行われる場合には、音光側MPU112ではその確定演出の内容が遊技結果に対応しているか否かに関係なく、当該確定演出の内容に対応した演出の実行制御が行われる。これにより、各種発光部群71〜73、スピーカ部45及び図柄表示装置31間で演出の内容が一致することを優先させることが可能となり、演出のずれを生じづらくすることが可能となる。
音光側MPU112は、表示側MPU122が送信した一のコマンドから、遊技回中においてそれぞれ異なる開始タイミングの演出に対応した制御用データを読み出すことが可能である。これにより、表示側MPU122におけるコマンドの送信頻度を抑えることが可能となる。
音光側MPU112は、パレットデータに対して、異なる開始位置番号や継続時間を適用することで、所定の期間において発光部群71〜73を発光制御するための発光データを複数導出することが可能である。これにより、発光部群71〜73において実行される演出の種類毎に異なる発光データをパチンコ機10製造段階で音光側ROM113に記憶させておく構成に比べて、音光側ROM113において必要な記憶容量を削減することが可能となる。
パレットデータに対して少なくとも開始位置番号と継続時間とが適用されて上記発光データが導出される構成であるため、一のパレットデータから導出される発光データを多様化することが可能となる。この場合に、使用するパレットデータと、当該パレットデータに適用する開始位置番号の種類及び継続時間の種類との対応関係を定めたデータ選択テーブル151gが音光側ROM113に予め記憶されている構成であるため、パレットデータとそれに適用するパラメータデータとの対応関係を特定するための処理の簡素化が図られる。
パレットデータが複数記憶されているとともに、開始位置番号も複数記憶されている。これにより、発光データの多様化を、音光側ROM113において必要な記憶容量を抑えながら実現することが可能となる。この場合に、パレットデータと開始位置番号との対応関係を定めた開始位置データが予め記憶されている。これにより、パレットデータと開始位置番号との対応関係を特定するための処理の簡素化が図られる。
パレットデータには、LED71a〜73aの発光色が順次切り換わる場合の切り換わり先の発光色の内容が定められており、当該パレットデータに適用される開始位置番号は、パレットデータにおいて定められている複数の切り換わり先の発光色のうち、いずれの切り換わり先の発光色からLED71a〜73aにおける発光制御を開始するのかを示すパラメータである。かかる構成とすることにより、開始位置番号を異ならせるという簡易な手法により、一のパレットデータから複数の発光データを導出することが可能となり、音光側ROM113の記憶容量を抑えながらの発光データの多様化を、設計の容易化を図りながら実現することが可能となる。
パレットデータには、LED71a〜73aの発光色が順次切り換わる場合の切り換わり先の発光色の内容が定められており、当該パレットデータに適用される継続時間は、パレットデータにおいて定められている切り換わり先の発光色を継続させる場合の継続時間を示すパラメータである。かかる構成とすることにより、継続時間を異ならせるという簡易な手法により、一のパレットデータから複数の発光データを導出することが可能となり、音光側ROM113の記憶容量を抑えながらの発光データの多様化を、設計の容易化を図りながら実現することが可能となる。
発光部群71〜73は複数のLED71a〜73aを備えており、複数のLED71a〜73aに対して同一のパレットデータを利用しながら、これらLED71a〜73aの一部に適用される開始位置番号や継続時間を異ならせることで、同一のパレットデータを利用しながら複数のLED71a〜73aに対して異なる発光データを導出することが可能となる。これにより、複数のLED71a〜73a間で異なる演出を実行する場合であっても同一のパレットデータを利用可能であるため、記憶容量を抑えながら演出の多様化を図ることが可能となる。
一の発光部群71〜73に対して同一のパレットデータを利用する場合と、異なるパレットデータを利用する場合とがある。これにより、発光部群71〜73に適用するパレットデータの数を変更するだけで、簡素な発光演出態様と複雑な発光演出態様との切り換えを行うことが可能となる。
一の発光部群71〜73に対して異なるパレットデータを適用する場合において、当該発光部群71〜73に含まれる各LED71a〜73aに対応したパレットデータの種類を示すリストデータ及びグループデータが利用される構成である。これにより、各LED71a〜73aに対応するパレットデータを適用するための処理の簡素化が図られる。
発光データエリア162には、ベース用エリア162aと、割込み用エリア162bと、報知用エリア162cとが設けられており、これら各エリア162a〜162cのそれぞれにおいて発光データを格納可能な構成である。これにより、一の発光データを利用して発光部群71〜73の発光制御を行っている状況において他の発光データを利用してその発光部群71〜73の発光制御を行う必要が生じた場合であっても、当該他の発光データを上記一の発光データとは別に記憶することが可能となる。これにより、一の発光部群71〜73において状況に応じた様々な発光パターンを発生させることが可能である。さらに、一の発光パターンから次の発光パターンに切り換える場合に前者の発光パターンに対応した発光データを残しておくことが可能であるため、当該前者の発光パターンへの復帰に際しての処理負荷の軽減が図られる。
先に使用されていた発光データの利用を中止して他の発光データの利用を開始した場合、当該他の発光データの利用が終了して上記先に使用されていた発光データを利用する状態に復帰する場合には、その復帰タイミングにおいて、当該先に使用されていた発光データが継続使用されていた場合と同様の発光態様が発光部群71〜73にて行われる。これにより、他の発光データの割込み使用が発生したとしても、経過時間に応じた発光態様を発光部群71〜73にて行わせることが可能となる。特に、発光部群71〜73の発光態様が図柄表示装置31の表示内容と関連付けて行われる構成においては、当該図柄表示装置31における表示内容との対応関係を担保することが可能となる。
発光データには発光部群71〜73の利用対象となる場合の優先度が定められており、複数の発光データが同時に記憶されている場合に一の発光データを利用する場合、優先度が高い発光データを利用対象とする構成である。これにより、複数の発光データが同時に記憶される構成において、優先度が高い発光データが利用対象となるため、発光部群71〜73において生じる発光動作を適切なものとすることが可能となる。また、複数の発光データが同時に記憶されている場合であっても、優先度の比較を行うことで利用対象とすべき発光データの選択を容易に行うことが可能となる。よって、利用対象の発光データを選択するための処理の簡素化が図られる。
音光側RAM114の発光データエリア162には、ベース用エリア162aと、割込み用エリア162bと、報知用エリア162cとが設けられており、これらエリア単位で発光データの優先度が設定されている。これにより、利用対象の発光データを選択する場合に発光データ毎に優先度の比較を行う必要が生じない。よって、利用対象の発光データを選択するための処理の簡素化が図られる。
割込み用エリア162bは、当該割込み用エリア162bに既に発光データが記憶されている状況で新たな発光データの記憶指示が発生し得る構成であり、当該割込み用エリア162bに記憶される発光データには、当該割込み用エリア162bに記憶させる上での発光側優先度が定められており、割込み用エリア162bに既に発光データが記憶されている状況で新たな発光データの記憶指示が発生した場合、既に記憶されている発光データの方が新たな発光データよりも発光側優先度が高い場合には当該新たな発光データの記憶処理を実行することなく既に記憶されている発光データが記憶された状態が維持され、新たな発光データの方が、既に記憶されている発光データよりも発光側優先度が高い場合には新たな発光データが割込み用エリア162bに上書きされる。
かかる構成であることにより、一の発光データを利用して発光部群71〜73の発光制御を行っている状況において他の発光データを利用してその発光部群71〜73の発光制御を行う必要が生じた場合、当該他の発光データを利用した発光制御に切り換わり得る。これにより、一の発光部群71〜73において状況に応じた様々な動作を行わせることが可能となる。また、割込み用エリア162bに既に発光データが記憶されている状況であっても新たな発光データが上書きされ得る構成において、発光側優先度が高い発光データが割込み用エリア162bに記憶された状態となるため、発光部群71〜73における発光動作を適切なものとすることが可能となる。さらにまた、割込み用エリア162bに記憶させる発光データを決定する場合には、発光側優先度を比較するだけでよいため、割込み用エリア162bに発光データを記憶させる場合の処理の簡素化が図られる。
音出力データエリア163には、第1音出力エリア171〜第16音出力エリア186が設けられており、これら各エリア171〜186のそれぞれにおいて音出力データを格納可能な構成である。これにより、一の音出力データを利用してスピーカ部45の音出力制御を行っている状況において他の音出力データを利用してそのスピーカ部45の音出力制御を行う必要が生じた場合であっても、当該他の音出力データを上記一の音出力データとは別に記憶することが可能となる。これにより、スピーカ部45において状況に応じた様々な音を出力させることが可能である。さらに、一の音出力パターンから次の音出力パターンに切り換える場合に前者の音出力パターンに対応した音出力データを残しておくことが可能であるため、当該前者の音出力パターンへの復帰に際しての処理負荷の軽減が図られる。
先に使用されていた音出力データの利用を中止して他の音出力データの利用を開始した場合、当該他の音出力データの利用が終了して上記先に使用されていた音出力データを利用する状態に復帰する場合には、その復帰タイミングにおいて、当該先に使用されていた音出力データが継続使用されていた場合と同様の音出力がスピーカ部45にて行われる。これにより、他の音出力データの割込み使用が発生したとしても、経過時間に応じた音出力態様をスピーカ部45にて行わせることが可能となる。特に、スピーカ部45の音出力態様が図柄表示装置31の表示内容と関連付けて行われる構成においては、当該図柄表示装置31における表示内容との対応関係を担保することが可能となる。
音出力データにはスピーカ部45の利用対象となる場合の音出力側優先度が定められており、複数の音出力データが同時に記憶されている場合に一の音出力データを利用する場合、音出力側優先度が高い音出力データを利用対象とする構成である。これにより、複数の音出力データが同時に記憶される構成において、音出力側優先度が高い音出力データが利用対象となるため、スピーカ部45において生じる音出力動作を適切なものとすることが可能となる。また、複数の音出力データが同時に記憶されている場合であっても音出力側優先度の比較を行うことで利用対象とすべき音出力データの選択を容易に行うことが可能となる。よって、利用対象の音出力データを選択するための処理の簡素化が図られる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、遊技回用の演出として、図柄表示装置31において図柄の変動表示が所定の態様(具体的には全ての図柄列Z1〜Z3において図柄の変動表示が高速で開始される態様)で開始されてから当該変動表示が終了されて所定の停止図柄が停止表示される単位変動表示が複数回発生し得る構成となっている。それに伴って、音光側MPU112における主側コマンド対応処理及び表示側コマンド対応処理の処理内容が上記第1の実施形態と異なっている。以下、これら各対応処理について説明する。なお、以下の説明では、一の遊技回において単位変動表示が複数回行われる演出のことを擬似遊技回演出といい、当該擬似遊技回演出における各単位変動表示回を擬似遊技回という。
図36は、本実施形態における主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。
まずステップS1901では、主側MPU92から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。これらコマンドを受信している場合には、ステップS1902にて、遊技結果及び表示継続時間の記憶処理を実行する。遊技結果の情報については上記第1の実施形態と同様に種別コマンドから特定し、表示継続時間の情報については変動用コマンドから特定する。
続くステップS1903では、今回の表示継続時間が擬似遊技回演出の実行に対応しているか否かを判定する。つまり、擬似遊技回演出を実行するか否かは、表示継続時間により一義的に定められるようになっている。この場合、主側MPU92では、擬似遊技回演出に対応した表示継続時間を、大当たり結果となる遊技回及び外れリーチ表示となる遊技回の場合の方が、これら以外の遊技回よりも選択し易い構成となっている。また、擬似遊技回演出の実行有無だけでなく、当該擬似遊技回演出において実行する擬似遊技回の回数も、表示継続時間により一義的に定められる。この場合、擬似遊技回の回数としては2回、3回及び4回のいずれかであり、大当たり結果となる遊技回及び大当たり結果の期待度が高い外れリーチ表示となる遊技回の方が、大当たり結果の期待度が低い外れリーチ表示となる遊技回よりも擬似遊技回の回数が多くなる。
続くステップS1904では、擬似遊技回の回数を音光側RAM114の保持データエリア161に記憶する。その後、ステップS1905にて、予告抽選処理を実行する。当該処理の内容は上記第1の実施形態におけるステップS603と同様である。
続くステップS1906では、1回目の停止図柄決定処理を実行する。当該停止図柄決定処理では、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立しない停止結果であって、全ての有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報であり、さらに最終回以外の擬似遊技回に対応した停止結果の情報(例えばいずれかの有効ライン上に「3・4・1」といった所定の図柄組合せが成立する停止結果の情報)を、今回の停止結果の情報として決定する。また、ステップS1907にて、1回目の演出パターンの決定処理を実行する。当該処理では、今回の遊技回の表示継続時間に対応する1回目の擬似遊技回の演出パターンを選択する。ちなみに、当該1回目の擬似遊技回の表示継続時間は、今回の遊技回の表示継続時間よりも短い時間となっている。
続くステップS1908では、上記ステップS1907にて選択した演出パターンの種類、及び上記ステップS1906にて決定した停止図柄の種類の各情報を、音光側RAM114の保持データエリア161に書き込む。その後、ステップS1909にて、上記第1の実施形態におけるステップS607と同様に、停止結果コマンド及びパターンコマンドを表示側MPU122に送信するとともに、ステップS1910にて、上記第1の実施形態におけるステップS608と同様に、遊技回数の更新処理を実行する。
ステップS1903にて否定判定をした場合には、ステップS1911にて非当選時の処理として、上記第1の実施形態におけるステップS605〜ステップS608と同様の処理を実行する。また、ステップS1901にて否定判定をした場合、ステップS1910の処理を実行した場合、又はステップS1911の処理を実行した場合には、ステップS1912にてその他の処理として、上記第1の実施形態におけるステップS609〜ステップS629と同様の処理を実行する。
図37は、本実施形態における表示側コマンド対応処理を示すフローチャートである。
まずステップS2001では、表示側MPU122から変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドは、表示側MPU122において停止結果コマンド及びパターンコマンドを受信した場合に読み出されたパターン用データテーブルを利用した表示制御が完了した場合に当該表示側MPU122から音光側MPU112に送信されるコマンドである。また、ステップS2002では、今回の遊技回において擬似遊技回演出を実行中であるか否かを判定する。また、ステップS2003では、主側コマンド対応処理のステップS1904にて音光側RAM114に記憶した擬似遊技回数の方が、今回の遊技回において完了した擬似遊技回の実行回数よりも多いか否かを判定する。
ステップS2001〜ステップS2003の全てで肯定判定をした場合には、ステップS2004に進む。ステップS2004では、音光側RAM114の保持データエリア161に記憶されている今回の遊技結果及び表示継続時間を読み出す。その後、ステップS2005では、今回の遊技回のこれまでの擬似遊技回の演出パターンの種類を読み出す。
続くステップS2006では、実行回数に対応した停止図柄決定処理を実行する。当該停止図柄決定処理では、今回の擬似遊技回が最終回ではない場合には、1回目の停止図柄決定処理と同様の停止結果の情報を選択し、今回の擬似遊技回が最終回である場合には、上記第1の実施形態におけるステップS604と同様に、今回の遊技回の遊技結果に対応した停止結果の情報を選択する。
続くステップS2007では、実行回数に対応した演出パターンの決定処理を実行する。当該演出パターンの決定処理では、今回の擬似遊技回が最終回ではない場合には、今回の遊技回の表示継続時間に対応するとともに今回の擬似遊技回の実行回数に対応する演出パターンを選択し、今回の擬似遊技回が最終回である場合には、今回の表示継続時間に対応する種類のリーチ表示が実行される演出パターンを選択する。また、当該演出パターンの決定処理では、ステップS2005にて読み出した情報を参照することで、各擬似遊技回において共通の演出が実行されるように演出パターンを選択する。具体的には、1回目の擬似遊技回において予告表示が行われている場合には、今回の遊技回においてその後に実行される擬似遊技回においても予告表示が行われるようにする。この場合、後側の擬似遊技回の方が、大当たり結果の期待度が高い予告表示が行われるようにしてもよい。
続くステップS2008では、上記ステップS2007にて選択した演出パターンの種類、及び上記ステップS2006にて決定した停止図柄の種類の各情報を、音光側RAM114の保持データエリア161に書き込む。その後、ステップS2009にて、上記第1の実施形態におけるステップS607と同様に、停止結果コマンド及びパターンコマンドを表示側MPU122に送信するとともに、ステップS2010にて、音光側RAM114に設けられた実行回数カウンタの値を1加算する。
ステップS2001、ステップS2002及びステップS2003のいずれかにて否定判定をした場合、又はステップS2010の処理を実行した場合には、ステップS2011にてその他の処理として、上記第1の実施形態における表示側コマンド対応処理(図22)のステップS1201〜ステップS1216の処理を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、擬似遊技回演出が行われる場合であっても、各擬似遊技回の全体分のデータテーブルは表示側MPU122において読み出され、音光側MPU112では表示側MPU122から擬似遊技回中に送信されるコマンドに従って制御用のデータを設定して各種発光部群71〜73の発光制御及びスピーカ部45の音出力制御を行う構成である。これにより、擬似遊技回演出が行われる場合であっても、制御用のデータを設定するのに必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
また、各擬似遊技回の開始に際しては、音光側MPU112において該当遊技回の遊技結果及びそれまでに消化された擬似遊技回の内容を踏まえて演出パターンが決定される。これにより、遊技回の遊技結果及びそれまでに消化された擬似遊技回の内容を踏まえて、擬似遊技回の演出パターンが決定される構成において、当該決定を行うための処理負荷を音光側MPU112に振り分けることが可能となる。よって、処理負荷の分散化が図られる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)遊技回や開閉実行モードといった一連演出の開始時については、音光側MPU112は、表示側MPU122からの一連演出の開始に対応したコマンドを受信することなく、各種発光部群71〜73の発光制御及びスピーカ部45の音出力制御を開始する構成としてもよい。特に、保留用エリアREに保留情報が格納されていない状況で上作動口23又は下作動口24への入賞が発生して遊技回が開始される場合、当該遊技回の開始タイミングは任意のタイミングとなるため、表示側MPU122は遊技回の開始に対応したコマンドを事前に送信しておくことができない。この場合に、上記のように一連演出の開始時については、表示側MPU122からのコマンドを受信することなく各種発光部群71〜73の発光制御及びスピーカ部45の音出力制御を行うことで、これらの演出が遊技回の開始タイミングに対して遅れづらくなる。
(2)表示側MPU122は音光側MPU112に演出内容の切り換わりに対応したタイミングであることを示すコマンドを出力するのみで、その切り換わりに対応したタイミングがいずれの演出内容に対応しているのか否かは音光側MPU112において特定される構成としてもよい。例えば、音光側MPU112では、遊技回や開閉実行モードが開始されてからの表示側MPU122の送信コマンド回数を計測し、その計測結果から、表示側MPU122が送信するコマンドがいずれの演出内容への切り換わりに対応しているのかを特定する構成が考えられる。具体的には、図18に示すデータテーブルが表示側MPU122において読み出されている状況においては、音光側MPU112は1回目のコマンド受信が変動開始時に対応していることを特定し、2回目のコマンド受信が予告演出開始時に対応していることを特定する。かかる構成によれば、表示側MPU122から送信するコマンドの内容の簡素化が図られ、例えばコマンド送信に必要な期間を短くすることが可能となる。
(3)遊技回や開閉実行モードの一連演出を実行するためのデータとして、相対的に長い側のデータがRAMに設定される対象は、表示側MPU122ではなく、音光側MPU112であってもよい。この場合、音光側MPU112において設定されたデータテーブルに従って一連演出の全体の流れが制御され、一連演出に含まれる各演出範囲の実行タイミングとなった場合には当該音光側MPU112から表示側MPU122にコマンドが送信され、当該表示側MPU122では当該コマンドを受信することで、そのコマンドに対応した演出範囲の制御用のデータを読み出して、当該演出範囲の演出の実行制御を行う。
(4)音光側MPU112では演出操作装置48が操作されたか否かの監視を常時行う構成としてもよい。この場合、演出操作装置48が操作された場合には音光側MPU112から操作発生コマンドが送信され、それに対して表示側MPU122においてその操作が操作有効期間中のものであるか否かの判定が行われる。当該構成においては、操作有効開始コマンドや操作有効終了コマンドを表示側MPU122が送信する必要がなくなる。
(5)音光側MPU112から演出操作装置48の操作発生コマンドが送信された場合、その操作発生コマンドが演出操作装置48の操作有効期間中である場合には、表示側MPU122は操作有効コマンドを送信するのではなく、操作演出を開始させて、操作演出コマンドを音光側MPU112に送信する構成としてもよい。当該構成においては、表示側MPU122は操作有効コマンドを送信する必要がなくなり、音光側MPU112は実行許可コマンドを送信する必要がなくなる。
(6)表示側MPU122から操作有効コマンドを受信した場合に、音光側MPU112において操作演出に対応した発光制御用のデータや音出力制御用のデータの読み出しが開始され、表示側MPU122から操作演出コマンドを受信した場合に、音光側MPU112においてそれら読み出しが完了しているデータを利用した発光制御や音出力制御が行われる構成としてもよい。
(7)演出操作装置48は音光側MPU112及び表示側MPU122以外の制御手段、例えば主側MPU92に操作信号を出力する構成としてもよい。この場合であっても、演出操作装置48が操作されたか否かの情報が表示側MPU122よりも先に音光側MPU112に送信される構成においては、上記各実施形態にて説明したような構成を適用することが好ましい。
また、演出操作装置48は音光側MPU112ではなく表示側MPU122に操作信号を出力する構成としてもよい。この場合において、音光側MPU112において操作演出の内容を決定する構成とした場合には、音光側MPU112と表示側MPU122との間で双方向通信を行った上で、操作演出を実行する必要が生じる。
(8)表示側MPU122が音光側MPU112にコマンドを送信するタイミングは、演出内容の変わり目を示すためのタイミングに限定されることはなく、所定フレーム数が消化される度に、すなわち表示側MPU122において図柄表示装置31の制御実行タイミングとなった回数が所定回数となる度に、表示側MPU122から音光側MPU112にコマンドが送信される構成としてもよい。この場合、当該コマンドには、表示側MPU122において読み出されたデータテーブルの現状のポインタ情報に対応したデータ、例えば図柄表示装置31に表示されている図柄の種類、背景画像の内容、図柄以外のキャラクタの種類、及びキャラクタの動作内容といったフレーム内容が設定される構成としてもよい。そして、音光側MPU112では、当該コマンドに含まれるフレーム内容から設定すべき発光データ及び音出力データなどを特定する構成としてもよい。本構成によれば、表示側MPU122は、定期的にコマンドを送信するだけでよく、しかもそのコマンドには単にフレーム内容を設定するだけでよいため、コマンドを送信するための各回の処理内容をルーチン化することが可能となり、処理の簡素化が図られる。
なお、コマンドを定期的に送信するタイミングを毎フレームとするのではなく、10フレームや100フレームといったように複数である特定数のフレームに1回コマンドを送信する構成とすることで、コマンドの送信頻度を抑えることが可能となる。
また、本構成においては、音光側MPU112に対して発光データや音出力データを事前に設定しておくためのコマンドが送信されないため、コマンドを受信したタイミングで、これら発光データや音出力データの設定が開始されることとなる。
(9)表示側MPU122が音光側MPU112にコマンドを送信するタイミングは、演出内容の変わり目を示すためのタイミングに限定されることはなく、表示側MPU122において読み出されたデータテーブルの演出期間を均等に分割し、それら分割範囲の開始に対応した各タイミングにおいて表示側MPU122から音光側MPU112にコマンドが送信されて、当該音光側MPU112ではその分割範囲に対応した制御用のデータが設定される構成としてもよい。例えば、上記データテーブルの演出期間を前半と後半とに分割した場合には、前半の分割範囲の開始に対応したタイミングでコマンドが送信されるとともに、後半の分割範囲の開始に対応したタイミングでコマンドが送信されることとなる。当該構成によれば、表示側MPU122においてコマンドの送信タイミングを特定するための処理の簡素化が図られる。
(10)表示側MPU122では、遊技回や開閉実行モードの一連演出に対応した全体分のデータテーブルを一度に読み出すのではなく、音光側MPU112において一度に設定される発光データや音出力データよりも長い期間に対応したデータテーブルを読み出すものの、それが一連演出に対応した全体分よりも短い期間に対応している構成としてもよい。例えば、主側MPU92からコマンドを受信したことに応じて音光側MPU112から表示側MPU122にコマンドが送信される場合において、そのコマンド毎に表示側MPU122においてデータテーブルが読み出される構成としてもよい。
この場合、遊技回中においては、主側MPU92が変動用コマンド及び種別コマンドを送信した場合に、表示側MPU122では遊技回の開始時から図柄の最終停止表示直前のタイミングまでのデータテーブルが読み出され、主側MPU92が最終停止コマンドを送信した場合に、表示側MPU122では遊技回の最終停止表示の期間分のデータテーブルが読み出される構成としてもよい。
また、開閉実行モード中においては、主側MPU92がオープニングコマンドを送信した場合に、表示側MPU122では開閉実行モードの開始時から特電入賞装置22の最初の開放回が開始されるまでのデータテーブルが読み出され、主側MPU92が開放コマンドを送信した場合に、表示側MPU122ではその開放回に対応したデータテーブルが読み出され、主側MPU92が閉鎖コマンドを送信した場合に、表示側MPU122ではそのインターバルに対応したデータテーブルが読み出され、主側MPU92がエンディングコマンドを送信した場合に、表示側MPU122ではエンディング演出の開始から開閉実行モードの終了までのデータテーブルが読み出される。
当該構成であっても、音光側MPU112では、表示側MPU122からその都度送信されるコマンドに応じて、当該表示側MPU122において読み出されるデータテーブルよりも短い期間に対応した発光データや音出力データが設定される構成とすることで、必要な記憶容量を抑えることが可能となる。なお、本構成においては、一部の演出範囲については、音光側MPU112において読み出される発光データや音出力データの対応期間が、表示側MPU122において読み出されるデータテーブルの対応期間と一致する構成としてもよい。
(11)主側MPU92から送信されるコマンドが音光側MPU112だけでなく、表示側MPU122においても受信される構成としてもよい。この場合、主側MPU92からコマンドが送信された場合には、音光側MPU112では当該主側MPU92からのコマンドを正常に受信した旨のコマンドを表示側MPU122に送信し、当該表示側MPU122では当該音光側MPU112からそのコマンドを受信した場合に、主側MPU92から受信しているコマンドに応じたデータテーブルを読み出す構成としてもよい。この場合、音光側MPU112では主側MPU92から受信しているコマンドに応じたデータテーブルを読み出すようにしてもよいが、上記各実施形態と同様に、当該コマンドに応じたデータテーブルを設定することなく、表示側MPU122から送信されるコマンドに応じた部分的な演出範囲に対応した発光データや音出力データを設定する構成とすることで、必要な記憶容量の削減が図られる。また、当該構成においては、パチンコ機10に異常などの報知対象事象が発生した場合には、報知コマンドが音光側MPU112及び表示側MPU122の両方に送信される構成とし、これら音光側MPU112及び表示側MPU122では報知コマンドを受信した場合には相手側からのコマンド送信を待つことなく、各種発光部群71〜73及びスピーカ部45における報知、及び図柄表示装置31における報知が開始される構成としてもよい。
(12)音光側RAM114の保持データエリア161では、所定の予告表示や所定のリーチ表示が行われた回数を計測する構成としてもよい。この場合、例えば規定回数の遊技回が消化されたにも関わらず所定の予告表示が実行されていない場合には、当該所定の予告表示の選択確率が高められる構成としてもよく、所定の予告表示が強制的に選択される構成としてもよい。
(13)音光側RAM114の保持データエリア161に遊技回の遊技結果の情報が記憶保持され、音光側MPU112では確定演出の実行可能タイミングに対応したコマンドを表示側MPU122から受信した場合には保持データエリア161に記憶保持されている遊技結果の情報を参照することで確定演出を実行すべきか否かの判定が行われる構成としたが、これに限定されることはなく、表示側MPU122において遊技結果の情報を踏まえたコマンド送信を行うことで、音光側MPU112では確定演出の実行に対応したコマンドを表示側MPU122から受信した場合には確定演出の実行制御を行う構成としてもよい。
(14)音光側MPU112では、表示側MPU122から確定実行コマンドを受信した場合であっても、保持データエリア161に記憶保持されている遊技回の遊技結果の情報を参照することで、確定演出を実行すべきか否かを判定する構成としてもよい。この場合、何らかの異常が発生して、大当たり結果ではないにも関わらず図柄表示装置31にて確定演出が実行されるとしても、各種発光部群71〜73やスピーカ部45における確定演出の実行を阻止することが可能となる。また、この際に、各種発光部群71〜73やスピーカ部45において、図柄表示装置31における確定演出が正常の動作ではないことを報知するようにしてもよい。
(15)音光側MPU112において表示側MPU122からの一のコマンドに対して複数の制御用データを読み出す構成を、音出力データの読み出し処理に加えて又は代えて、発光データの読み出し処理に対して適用してもよい。また、一のコマンドに対して読み出される制御用データは2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。
(16)表示側MPU122では音光側MPU112において一度に設定される制御用データよりも長い期間に対応した制御用データが読み出され、音光側MPU112では表示側MPU122からコマンドが送信されることに応じて、一部の演出範囲に対応した制御用データが設定される構成とした場合、制御用データを設定するための記憶容量の削減が図られるという効果に着目した場合、音光側MPU112と表示側MPU122との間の通信方式が双方向通信である必要はない。例えば、主側MPU92を基準とした場合に表示側MPU122は音光側MPU112よりも通信方向の上流側に存在している構成とし、表示側MPU122において主側MPU92から送信されるコマンドに応じた一連演出の全体分のデータテーブルが読み出されるとともに、音光側MPU112では表示側MPU122から送信されるコマンドに応じて部分的な演出範囲に対応した制御用のデータが設定される構成とした場合、音光側MPU112と表示側MPU122との間の通信方式が双方向通信ではなくてもよい。
(17)音光側MPU112と表示側MPU122との間の通信方式が双方向通信であることにより、音光側MPU112において実行制御される演出と、表示側MPU122において実行制御される演出との間でずれが生じづらくなるという効果に着目した場合、音光側MPU112及び表示側MPU122の両方において一連演出の全体分に対応したデータテーブルが読み出される構成としてもよい。この場合、例えば音光側MPU112及び表示側MPU122のうち一方では、他方から送信されるコマンドに応じて所定の演出範囲の実行制御を開始すべきであるか否かを判定し、開始タイミングであると特定した場合に既に読み出されている全体分のデータテーブルについてのポインタ情報を、その所定の演出範囲の開始タイミングに対応した情報に更新させる構成としてもよい。
(18)元情報に設定用情報を適用することで制御情報群を導出する構成を、発光データに加えて又は代えて、音出力データに対して適用してもよく、可動物駆動制御用の駆動データに対して適用してもよい。例えば、可動物駆動制御用の駆動データに適用する場合、可動物の動作内容が順次切り換わる場合の切り換わり先の動作内容が定められた元データと、元データにおいて定められている複数の切り換わり先の動作内容のうちいずれの切り換わり先の動作内容から可動物における動作を開始するのかを示す開始基準データと、元データにおいて定められている切り換わり先の動作内容を継続させる場合の継続時間を示す継続基準データとを少なくとも用意し、それらの組合せにより、元データ、開始基準データ及び継続基準データの数よりも多数の駆動データを導出可能な構成としてもよい。
(19)発光用データ群151においてリストデータ群151e及びグループデータ群151fが不具備である構成としてもよい。この場合、発光データを作成するための処理の簡素化が図られる。
(20)報知用の音出力データ間においても音出力側優先度が設定されている構成としてもよい。この場合、最も優先度が高い報知用の音出力データのみが出力対象となる構成としてもよく、その音出力側優先度に従った順序で、報知用の音出力データが順次、音出力制御の対象となる構成としてもよい。本構成においては、例えば、報知の対象となる各種事象のうち、不正に特典の付与を受けようとする行為に対する報知を、下皿47aが満タン状態であるといった報知や遊技機本体12が開放されているといった報知などのパチンコ機10の状態報知よりも優先して実行することが可能となり、不正行為への対処を早期に促すことが可能となる。
(21)発光データエリア162の報知用エリア162cに代えて、パチンコ機10に対する不正行為に対応する事象が発生した場合に異常報知を行うための異常報知用エリアと、パチンコ機10の状態であって上記不正行為に対応する事象以外の事象が発生した場合に状態報知を行うための状態報知用エリアとを個別に設ける構成としてもよい。この場合、異常報知用エリアの発光側優先度を状態報知用エリアの発光側優先度よりも高くすることで、異常報知を最優先で実行することが可能となる。また、状態報知用エリアの発光側優先度を、ベース用エリア162aや割込み用エリア162bの発光側優先度よりも高くすることで、状態報知を演出よりも優先して実行することが可能となる。
(22)表示側MPU122は、パターン用データテーブルに応じた演出を実行している期間中の各タイミングで、当該パターン用データテーブルに従って音光側MPU112にコマンドを送信する構成に限定されることはなく、パターン用データテーブルを読み出した後において当該パターン用データテーブルに応じた演出を開始する前に音光側MPU112にコマンドを送信し得る構成としてもよい。例えば、パターン用データテーブルに対応した演出を開始させる場合の制御用データを読み出させるためのコマンドは、当該演出の実行制御が表示側MPU122において開始される前に事前に送信され、その後に、当該パターン用データテーブルに応じた演出を実行している期間中の所定のタイミングで再びコマンドが送信される構成としてもよい。
(23)音光側MPU112と表示側MPU122とが同一の基板上に設けられている構成としてもよい。この場合、VDP125、キャラクタROM126及びビデオRAM127が、当該同一の基板上に設けられている構成としてもよく、別基板に設けられている構成としてもよい。
(24)特電入賞装置22の閉鎖中は特電入賞装置22が完全に閉鎖される構成としたが、特電入賞装置22の一部の領域が閉鎖されていない構成としてもよい。この場合、その一部の領域を通じて、閉鎖中であっても特電入賞装置22に遊技球が入賞し得る構成としてもよく、その一部の領域が遊技球よりも狭い領域であることにより閉鎖中において特電入賞装置22への遊技球の入賞が不可である構成としてもよい。
(25)普電役物24aの閉鎖中は下作動口24への遊技球の入賞が不可となる構成に代えて、普電役物24aの閉鎖中であっても下作動口24への遊技球の入賞が発生し得る構成としてもよい。但し、その入賞のし易さは、普電役物24aの開放中よりも低い必要がある。
(26)上作動口23への入賞が発生したことにより取得された保留情報と下作動口24への入賞が発生したことにより取得された保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口24側の保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口23側の保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、上作動口23であるか下作動口24であるかに関係なく取得順序で消化される構成を適用してもよい。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口23に対応した第1作動口と、下作動口24に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル41の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。
また、上記構成において、特図表示部33に、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(27)上作動口23への入賞が発生したことにより取得された保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口24への入賞が発生したことにより取得された保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、上作動口23側の保留情報が当否判定の対象となる場合には上記実施形態のような遊技結果の振分が行われるが、下作動口24側の保留情報が当否判定の対象となり大当たり当選となった場合には最有利大当たり結果、明示高確大当たり結果及び低確大当たり結果のいずれかに振り分けられる構成としてもよい。
また、上記実施形態のように作動口を複数設ける構成においては、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。また、作動口が1個のみ設けられた構成としてもよい。
(28)主制御装置90を基準とした場合に音声発光制御装置103が表示制御装置120よりも通信方向の上流側に存在している構成に代えて、表示制御装置120が音声発光制御装置103よりも通信方向の上流側に存在している構成としてもよい。また、音声発光制御装置103と表示制御装置120とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置90に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置90に集約されていてもよい。また、主制御装置90から音声発光制御装置103に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置103から表示制御装置120に出力されるコマンドの構成も任意である。
(29)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置31に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組合せによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(30)上記各実施形態では、特図表示部33において各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、特図表示部33を不具備としてもよく、いずれの遊技結果であっても特図表示部33において共通の停止結果が表示される構成としてもよく、特図表示部33において停止結果がランダムに表示されることで、結果的に特図表示部33の表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(31)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると普電役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.第1演出手段(スピーカ部45、幕板可動ユニット51、円盤可動ユニット61a,61b、発光部群71〜73)を制御する第1制御手段(音光側MPU112)と、
第2演出手段(図柄表示装置31)を制御する第2制御手段(表示側MPU122)と、
を備え、
前記第1制御手段と前記第2制御手段とは双方向通信可能であり、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段が送信する送信情報に基づいて、所定期間において前記第1演出手段にて演出が実行されるようにする第1側実行手段(音光側MPU112における発光制御処理、音出力制御処理及び可動物制御処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段が送信する送信情報に基づいて、前記所定期間の少なくとも一部と重複する期間において前記第2演出手段にて演出が実行されるようにする第2側実行手段(表示側MPU122におけるタスク処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1制御手段は第2制御手段が送信する送信情報に基づいて第1演出手段における演出の実行を制御し、第2制御手段は第1制御手段が送信する送信情報に基づいて第2演出手段における演出の実行を制御する。これにより、第1演出手段及び第2演出手段のそれぞれで同一の期間に演出を実行する場合に、両者の演出にずれが生じづらくなる。以上より、複数の制御手段を利用する構成において、制御を良好に行うことが可能となる。
特徴A2.遊技者の入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作装置48)を備え、
当該操作受入手段にて入力操作を受け入れたか否かの情報は前記第1制御手段に入力される構成であり、
前記第1制御手段は、前記操作受入手段にて入力操作が受け入れられたことに対応した操作対応送信情報(操作発生コマンド)を送信可能であり、
前記第2側実行手段は、前記第1制御手段が前記操作対応送信情報を送信した後に、それに対応した演出が前記第2演出手段にて実行されるようにする第2側操作対応実行手段(表示側MPU122におけるステップS909の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記操作受入手段にて入力操作が受け入れられたことに対応した演出が前記第2演出手段にて実行される場合に、それに対応した実行送信情報(操作演出コマンド)を送信可能であり、
前記第1側実行手段は、前記第2制御手段が前記実行送信情報を送信した後に、それに対応した演出が前記第1演出手段にて実行されるようにする第1側操作対応実行手段(音光側MPU112におけるステップS1306の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、操作受入手段にて入力操作が受け入れられた場合にそれに対応した演出が第1演出手段及び第2演出手段のそれぞれで実行される構成において、第2制御手段は、第1制御手段が操作対応送信情報を送信した後に、第2演出手段にて操作対応の演出を行い、それだけでなく、第1制御手段は、第2制御手段が実行送信情報を送信した後に、第1演出手段にて操作対応の演出を行う。このように操作受入手段にて入力操作を受け入れたか否かの情報が第1制御手段に入力される構成において、第1制御手段では第2制御手段が実行送信情報を送信することを敢えて待ってから操作対応の演出が実行されるようにする構成であるため、操作対応の各演出にずれが生じてしまうことを抑制することが可能となる。
特徴A3.前記第1制御手段は、前記第2制御手段が操作監視送信情報(操作有効開始コマンド)を送信した場合に、前記操作受入手段にて入力操作が受け入れられたか否かの監視を開始するものであり、当該監視を行っている期間中に前記操作受入手段にて入力操作が受け入れられた場合に前記操作対応送信情報を送信可能であることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第1制御手段は第2制御手段が操作監視送信情報を送信した場合に操作受入手段にて入力操作が受け入れられたか否かの監視を開始すればよいため、第1制御手段において独自に当該監視の開始タイミングを特定する必要がなくなる。これにより、操作対応の演出にずれが生じづらくなるようにした構成において、第1制御手段の処理負荷の軽減が図られる。また、第1制御手段における各種処理の開始タイミングを決定する主体が第2制御手段に集約されることとなるため、処理構成の簡素化が図られる。
特徴A4.前記第2制御手段は、前記第1制御手段が前記操作対応送信情報を送信した場合に、当該操作対応送信情報に対応した前記操作受入手段における入力操作の受け入れが入力操作の有効期間中のものであるか否かを判定する有効判定手段(表示側MPU122におけるステップS906の処理を実行する機能)を備え、
前記第2側操作対応実行手段は、前記有効判定手段にて有効であると判定された後に、前記操作受入手段にて入力操作が受け入れられたことに対応した演出が前記第2演出手段にて実行されるようにするものであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、操作受入手段における入力操作の受け入れが入力操作の有効期間中のものであるか否かの判定が、第1制御手段だけでなく第2制御手段においても行われる。これにより、有効期間中に操作受入手段に対する入力操作が行われていないにも関わらず、操作対応の演出が実行されてしまう可能性が低減される。
特徴A5.前記第2制御手段は、前記有効判定手段にて有効であると判定された場合に、有効送信情報(操作有効コマンド)を送信可能であり、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段が前記有効送信情報を送信した場合に、許可送信情報(実行許可コマンド)を送信可能であり、
前記第2側操作対応実行手段は、前記第1制御手段が前記許可送信情報を送信した場合に、前記操作受入手段にて入力操作が受け入れられたことに対応した演出が前記第2演出手段にて実行されるようにするものであることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1制御手段と第2制御手段との間の双方向通信が正常であることが明確な状況下で操作対応の演出が開始されることとなるため、有効期間中に操作受入手段に対する入力操作が行われていないにも関わらず、操作対応の演出が実行されてしまう可能性が低減される。
特徴A6.前記第2制御手段は、前記第1演出手段において前記所定期間の演出を実行するタイミングを特定可能な送信情報を送信可能であることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第1制御手段は第2制御手段において決定される演出の実行タイミングに従って第1演出手段の演出の実行制御を行えばよいため、第1制御手段において独自に演出の実行タイミングを特定する必要がなくなる。これにより、両者の演出にずれが生じづらくなるようにした構成において、第1制御手段及び第2制御手段のそれぞれで演出の実行タイミングを独自に特定可能とした場合に比べて、処理負荷の軽減が図られる。
特徴A7.前記第1演出手段では、前記所定期間の演出として複数種類の演出内容のうちいずれかの演出内容を実行可能であり、
前記第2制御手段は、前記所定期間の演出として実行する演出内容の種類を特定可能な態様で送信情報を送信可能であることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、第1制御手段は第2制御手段において決定される演出の実行タイミングに従うだけでなく、実行する演出の内容も第2制御手段において決定された内容に従えばよいため、第1制御手段において独自に演出の内容を決定する構成に比べて、処理負荷の軽減が図られる。
特徴A8.前記第2側実行手段は、制御実行タイミングとなる度に前記第2演出手段における演出の実行制御を行うものであり、
前記第2制御手段は、前記制御実行タイミングとなる度に前記第1制御手段に前記送信情報を送信するのではなく、所定の制御実行タイミングに対応させたタイミングで前記第1制御手段に前記送信情報を送信するものであることを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、第2制御手段から送信される送信情報に従って、第1制御手段にて演出の実行タイミングが特定される構成において、第2制御手段は、制御実行タイミングとなる度に送信情報を送信するのではなく、所定の制御実行タイミングとなった場合に送信情報を送信する構成であるため、第2制御手段における送信情報の送信頻度を低減させることが可能となる。これにより、第2制御手段の処理負荷の軽減が図られる。
特徴A9.前記第1制御手段は、抽選処理を実行する抽選実行手段(音光側MPU112におけるステップS603〜ステップS605の処理を実行する機能)を備え、
前記第1演出手段では前記所定期間における演出が、前記抽選処理の結果に対応した内容で行われる構成であり、
前記第2演出手段では前記所定期間の少なくとも一部と重複する期間における演出が、前記抽選処理の結果に対応した内容で行われる構成であることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、第1制御手段において抽選処理が実行されるにも関わらず、第1制御手段では第2制御手段が送信情報を送信することを敢えて待ってから演出が実行されるようにする構成であるため、第1演出手段及び第2演出手段における各演出にずれが生じてしまうことを抑制することが可能となる。
特徴A10.遊技の進行を制御する進行制御手段(主側MPU92)を備え、
前記抽選実行手段は、前記進行制御手段が送信する送信情報の内容を踏まえて前記抽選処理を実行するものであることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、進行制御手段を基準とした場合に第1制御手段は第2制御手段に対して通信の上流側に存在しているにも関わらず、第1制御手段では第2制御手段が送信情報を送信することを敢えて待ってから演出が実行されるようにする構成であるため、第1演出手段及び第2演出手段における各演出にずれが生じてしまうことを抑制することが可能となる。
特徴A11.送信情報を前記第1制御手段に向けて送信し、前記第2制御手段に向けて送信しない進行制御手段(主側MPU92)を備え、
前記第1演出手段では前記所定期間における演出が、前記第1制御手段が送信する送信情報に対応した内容で行われる構成であり、
前記第2演出手段では前記所定期間における演出が、前記第1制御手段が送信する送信情報に対応した内容で行われる構成であることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、進行制御手段を基準とした場合に第1制御手段は第2制御手段に対して通信の上流側に存在しているにも関わらず、第1制御手段では第2制御手段が送信情報を送信することを敢えて待ってから演出が実行されるようにする構成であるため、第1演出手段及び第2演出手段における各演出にずれが生じてしまうことを抑制することが可能となる。
特徴A12.前記第2側実行手段は、所定の開始契機となった場合に、前記所定期間の少なくとも一部と重複する期間である特定継続期間(遊技回中、開閉実行モード中)において前記第2演出手段にて特定範囲演出(遊技回用の演出、開閉実行モード用の演出)を実行させるものであり、
前記第2制御手段は、前記所定の開始契機となった場合に、前記第2演出手段にて前記特定範囲演出を実行させるために用いられる特定制御情報群(パターン用データテーブル、オープニング用のデータテーブル)を設定する第2側設定手段(表示側MPU122におけるステップS802及びステップS806の処理を実行する機能)を備え、
前記第1側実行手段は、前記特定継続期間において前記第1演出手段にて前記特定範囲演出に対応した演出を実行させるものであり、
前記第1制御手段は、前記特定継続期間中において前記第1演出手段にて演出を実行させるために用いられる制御情報群(発光データ、音出力データ)を設定する第1側設定手段(音光側MPU112における発光データの読み出し処理及び音出力データの読み出し処理を実行する機能)を備え、
当該第1側設定手段は、前記特定継続期間中に実行される演出の全体に対応した分の制御情報群を一度に設定するのではなく、前記第2制御手段が前記特定継続期間中の各タイミングで送信情報を送信したことを契機として、前記特定継続期間中に実行される演出の一部分に対応した制御情報群を設定する手段(音光側MPU112における割込み用エリア162bに発光データを設定する機能、及び確定演出時データ群152fから音出力データを設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群は第2制御手段側にて設定される。その一方、第1制御手段側では、当該全体に対応した分の制御情報群は設定されずに、第2制御手段から特定継続期間中の各タイミングで送信される送信情報に応じて、特定継続期間中に実行される演出の一部分の制御情報群が設定される。これにより、第1制御手段側及び第2制御手段側のそれぞれで全体に対応した分の制御情報群を設定する構成に比べて、制御情報群を設定する記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴A13.前記特定範囲演出には、演出の態様が相違する複数の演出範囲(予告表示、リーチ表示など)を含み得る構成であり、
前記一部分に対応した制御情報群は、前記複数の演出範囲に対応させて設定されていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、制御情報群の単位が細切れ的になり過ぎることを抑制することが可能となり、第1制御手段における制御情報群の設定頻度を適度に抑えることが可能となる。
特徴A14.前記特定制御情報群には、前記特定継続期間中における各制御実行タイミングでの制御内容を特定可能な情報が含まれており、これら制御実行タイミングに対応させて、前記第1制御手段に向けて送信する送信情報の送信タイミングが含まれていることを特徴とする特徴A12又はA13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、第2制御手段では特定制御情報群を各制御実行タイミングにおいて参照することで、特定範囲演出の実行制御を行うことが可能であるとともに、第1制御手段に向けた送信情報の実行タイミングも特定することが可能である。よって、第2制御手段において参照すべき情報が集約されることとなり、処理負荷の軽減が図られる。
特徴A15.前記第2側実行手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信した場合に、前記特定継続期間において前記第2演出手段にて前記特定範囲演出を実行させるものであり、
前記第2側設定手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信した場合に、前記特定制御情報群を設定するものであることを特徴とする特徴A12乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、第1制御手段側において所定の開始契機となったことを特定する構成において、特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群の設定を第2制御手段側にて行う構成とすることで処理負荷の分散化を図ることが可能となる。
特徴A16.前記第1側設定手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信したことに対して、前記特定範囲演出を開始させることに対応した送信情報を前記第2制御手段が送信した場合に、当該特定範囲演出の開始に対応した所定制御情報群(変動開始時の発光データ、変動開始時の音出力データ)を設定する手段(音光側MPU112におけるステップS1202の処理を実行する機能)を備え、
前記第1側実行手段は、前記第1側設定手段が前記所定制御情報群を設定した後に、前記特定範囲演出に対応した演出を開始させるものであることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、第1制御手段側において所定の開始契機となったことを特定する構成において、第1制御手段では第2制御手段が送信情報を送信することを敢えて待ってから特定範囲演出に対応した演出が実行されるようにする構成であるため、特定範囲演出の開始タイミングにずれが生じてしまうことを抑制することが可能となる。
特徴A17.前記第1制御手段は、
報知対象事象の発生を特定する報知用特定手段(音光側MPU112におけるステップS622の処理を実行する機能)と、
当該報知用特定手段において報知対象事象の発生が特定された場合に、報知発生情報を前記第2制御手段に向けて送信する報知用送信手段(音光側MPU112におけるステップS625の処理を実行する機能)と、
前記報知用特定手段において報知対象事象の発生が特定された場合に、前記第2制御手段が送信情報を送信したか否かに関係なく、前記第1演出手段にて報知を行わせる報知実行手段(音光側MPU112におけるステップS623、ステップS624、ステップS1602、及びステップS1809の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、特定範囲演出の開始に際しては第2制御手段から送信情報が送信されるまで待機するのに対して、報知対象事象が発生した場合には第2制御手段から送信情報が送信されるまで待機することなく第1制御手段において独自に報知を開始させる。これにより、報知を早期に開始させることが可能であるとともに、第1制御手段と第2制御手段との間で通信異常が発生していたとしても第1演出手段側において報知を開始することが可能となる。
特徴A18.遊技者に特典を付与するか否かの特典抽選処理を実行する特典抽選実行手段(主側MPU92におけるステップS301及びステップS403の処理を実行する機能)を備え、
前記所定の開始契機は前記特典抽選処理が実行された場合であり、当該特典抽選処理が実行されたことを契機として前記特定範囲演出が実行される構成であり、
前記第1制御手段は、前記特定継続期間において当該特定継続期間の特定範囲演出の実行契機となった前記特典抽選処理の結果の情報を記憶保持するものであることを特徴とする特徴A12乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群の設定が第2制御手段にて行われる構成において、第1制御手段において特典抽選処理の結果の情報は記憶保持される。これにより、第1制御手段では第2制御手段が送信する送信情報に従って演出の実行制御を行う構成において、当該演出の実行制御に際して特典抽選処理の結果も踏まえることが可能となる。
特徴A19.前記第2制御手段は、前記特典抽選処理の結果に関係なく、前記特定継続期間の所定の出力タイミングとなった場合に前記第1制御手段に向けて送信情報を送信するものであり、
前記第1制御手段は、前記送信情報を受信した場合に、特典対応演出(確定演出)を実行することが前記特典抽選処理の結果に対応しているか否かを判定する対応判定手段(音光側MPU112におけるステップS1205の処理を実行する機能)を備え、
前記第1側設定手段は、前記対応判定手段において前記特典抽選処理の結果に対応していると判定された場合に、前記特典対応演出に対応した制御情報群を設定する手段(音光側MPU112におけるステップS1207にて肯定判定をしてステップS1208の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A18に記載の遊技機。
特徴A19によれば、第2制御手段は特典抽選処理の結果を踏まえることなく送信情報を第1制御手段に向けて送信すればよいため、当該送信情報を送信するための構成の好適化が図られる。また、第1制御手段では、特典抽選処理の結果の情報が記憶保持されており、第2制御手段が送信した送信情報がその特典抽選処理の結果に対応しているか否かを判定した上で演出の実行制御を行うため、上記のように第2制御手段について送信情報を送信するための構成の好適化を図った場合において、第1制御手段側において特典抽選処理の結果に対応した演出の実行制御を行うことが可能となる。
特徴A20.前記第2制御手段は、前記第2演出手段にて行わせる演出の内容に対応した送信情報を送信し得るものであり、
前記第1側設定手段は、前記第2制御手段が前記第2演出手段にて特定演出(確定演出)を行わせることに対応した送信情報を送信した場合、当該特定演出に対応した演出の実行が前記特典抽選処理の結果に対応したものであるか否かに関係なく、当該送信情報に対応した制御情報群を設定する手段(音光側MPU112におけるステップS1203にて肯定判定をしてステップS1208の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、第2演出手段にて特定演出が行われる場合には、第1制御手段側ではその特定演出の内容が特典抽選処理の結果に対応しているか否かに関係なく、当該特定演出の内容に対応した演出の実行制御が行われる。これにより、第1演出手段と第2演出手段との間で演出の内容が一致することを優先させることが可能となり、演出のずれを生じづらくすることが可能となる。
特徴A21.前記第1側設定手段は、前記第2制御手段が送信した一の送信情報の内容から、前記特定継続期間中においてそれぞれ異なる開始タイミングの演出に対応した制御情報群を設定することが可能であることを特徴とする特徴A12乃至A20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A21によれば、第2制御手段における送信情報の送信頻度を抑えることが可能となる。
特徴A22.前記第2演出手段は、表示面を有する表示手段(図柄表示装置31)であることを特徴とする特徴A1乃至A21のいずれか1に記載の遊技機。
表示面を有する表示手段にて演出が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特に、上記特徴A12の構成を備えている場合には、当該表示手段を表示制御する側の第2制御手段において特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群が設定されるため、何らかの通信異常が発生したとしても、表示手段における表示の更新を継続することが可能となる。表示手段における演出は遊技者に注目され易いため、当該表示手段における表示の更新が継続されることで、通信異常が発生した際の影響が低減される。
特徴A23.前記第1演出手段は、音出力手段(スピーカ部45)及び発光手段(発光部群71〜73)の少なくとも一方であることを特徴とする特徴A22に記載の遊技機。
表示面を有する表示手段にて演出が実行されるとともに、音出力手段及び発光手段の少なくとも一方にて演出が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
ここで、表示手段の表示制御に比べて、音出力手段の音出力制御又は発光手段の発光制御の方が処理負荷は低い。この場合に、上記特徴A2を備えた構成においては、操作受入手段にて入力操作を受け入れたか否かの情報が音出力手段及び発光手段の少なくとも一方を制御する第1制御手段側に入力される。これにより、処理負荷が比較的高い側の第2制御手段において操作受入手段の監視を行う必要がなくなり、当該第2制御手段の処理負荷の軽減が図られる。
<特徴B群>
特徴B1.第1演出手段(スピーカ部45、幕板可動ユニット51、円盤可動ユニット61a,61b、発光部群71〜73)を制御する第1制御手段(音光側MPU112)と、
第2演出手段(図柄表示装置31)を制御する第2制御手段(表示側MPU122)と、
を備え、
前記第2制御手段は、
所定の開始契機となった場合に、特定継続期間(遊技回中、開閉実行モード中)において前記第2演出手段にて特定範囲演出(遊技回用の演出、開閉実行モード用の演出)を実行させる第2側実行手段(表示側MPU122におけるタスク処理を実行する機能)と、
前記所定の開始契機となった場合に、前記第2演出手段にて前記特定範囲演出を実行させるために用いられる特定制御情報群(パターン用データテーブル、オープニング用のデータテーブル)を設定する第2側設定手段(表示側MPU122におけるステップS802及びステップS806の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
前記特定継続期間において前記第1演出手段にて前記特定範囲演出に対応した演出を実行させる第1側実行手段(音光側MPU112における発光制御処理、音出力制御処理及び可動物制御処理を実行する機能)と、
前記特定継続期間中において前記第1演出手段にて演出を実行させるために用いられる制御情報群(発光データ、音出力データ)を設定する第1側設定手段(音光側MPU112における発光データの読み出し処理及び音出力データの読み出し処理を実行する機能)と、
を備え、
当該第1側設定手段は、前記特定継続期間中に実行される演出の全体に対応した分の制御情報群を一度に設定するのではなく、前記第2制御手段が前記特定継続期間中の各タイミングで送信情報を送信したことを契機として、前記特定継続期間中に実行される演出の一部分に対応した制御情報群を設定する手段(音光側MPU112における割込み用エリア162bに発光データを設定する機能、及び確定演出時データ群152fから音出力データを設定する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1制御手段では第2制御手段からその都度出力される送信情報に従って第1演出手段の演出の実行制御を行う構成であるため、第1演出手段及び第2演出手段のそれぞれで同一の期間に演出を実行する場合に、両者の演出にずれが生じづらくなる。
この場合に、特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群は第2制御手段側にて設定される。その一方、第1制御手段側では、当該全体に対応した分の制御情報群は設定されずに、第2制御手段から特定継続期間中の各タイミングで送信される送信情報に応じて、特定継続期間中に実行される演出の一部分の制御情報群が設定される。これにより、第1制御手段側及び第2制御手段側のそれぞれで全体に対応した分の制御情報群を設定する構成に比べて、制御情報群を設定する記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
以上より、複数の制御手段を利用する構成において、制御を良好に行うことが可能となる。
特徴B2.前記特定範囲演出には、演出の態様が相違する複数の演出範囲(予告表示、リーチ表示など)を含み得る構成であり、
前記一部分に対応した制御情報群は、前記複数の演出範囲に対応させて設定されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、制御情報群の単位が細切れ的になり過ぎることを抑制することが可能となり第1制御手段における制御情報群の設定頻度を適度に抑えることが可能となる。
特徴B3.前記特定制御情報群には、前記特定継続期間中における各制御実行タイミングでの制御内容を特定可能な情報が含まれており、これら制御実行タイミングに対応させて、前記第1制御手段に向けて送信する送信情報の送信タイミングが含まれていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第2制御手段では特定制御情報群を各制御実行タイミングにおいて参照することで、特定範囲演出の実行制御を行うことが可能であるとともに、第1制御手段に向けた送信情報の実行タイミングも特定することが可能である。よって、第2制御手段において参照すべき情報が集約されることとなり、処理負荷の軽減が図られる。
特徴B4.前記第2側実行手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信した場合に、前記特定継続期間において前記第2演出手段にて前記特定範囲演出を実行させるものであり、
前記第2側設定手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信した場合に、前記特定制御情報群を設定するものであることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、第1制御手段側において所定の開始契機となったことを特定する構成において、特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群の設定を第2制御手段側にて行う構成とすることで、処理負荷の分散化を図ることが可能となる。
特徴B5.前記第1側設定手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信したことに対して、前記特定範囲演出を開始させることに対応した送信情報を前記第2制御手段が送信した場合に、当該特定範囲演出の開始に対応した所定制御情報群(変動開始時の発光データ、変動開始時の音出力データ)を設定する手段(音光側MPU112におけるステップS1202の処理を実行する機能)を備え、
前記第1側実行手段は、前記第1側設定手段が前記所定制御情報群を設定した後に、前記特定範囲演出に対応した演出を開始させるものであることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1制御手段側において所定の開始契機となったことを特定する構成において、第1制御手段では第2制御手段が送信情報を送信することを敢えて待ってから特定範囲演出に対応した演出が実行されるようにする構成であるため、特定範囲演出の開始タイミングにずれが生じてしまうことを抑制することが可能となる。
特徴B6.前記第1制御手段は、
報知対象事象の発生を特定する報知用特定手段(音光側MPU112におけるステップS622の処理を実行する機能)と、
当該報知用特定手段において報知対象事象の発生が特定された場合に、報知発生情報を前記第2制御手段に向けて送信する報知用送信手段(音光側MPU112におけるステップS625の処理を実行する機能)と、
前記報知用特定手段において報知対象事象の発生が特定された場合に、前記第2制御手段が送信情報を送信したか否かに関係なく、前記第1演出手段にて報知を行わせる報知実行手段(音光側MPU112におけるステップS623、ステップS624、ステップS1602、及びステップS1809の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、特定範囲演出の開始に際しては第2制御手段から送信情報が送信されるまで待機するのに対して、報知対象事象が発生した場合には第2制御手段から送信情報が送信されるまで待機することなく第1制御手段において独自に報知を開始させる。これにより、報知を早期に開始させることが可能であるとともに、第1制御手段と第2制御手段との間で通信異常が発生していたとしても第1演出手段側において報知を開始することが可能となる。
特徴B7.遊技者に特典を付与するか否かの特典抽選処理を実行する特典抽選実行手段(主側MPU92におけるステップS301及びステップS403の処理を実行する機能)を備え、
前記所定の開始契機は前記特典抽選処理が実行された場合であり、当該特典抽選処理が実行されたことを契機として前記特定範囲演出が実行される構成であり、
前記第1制御手段は、前記特定継続期間において当該特定継続期間の特定範囲演出の実行契機となった前記特典抽選処理の結果の情報を記憶保持するものであることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群の設定が第2制御手段にて行われる構成において、第1制御手段において特典抽選処理の結果の情報は記憶保持される。これにより、第1制御手段では第2制御手段が送信する送信情報に従って演出の実行制御を行う構成において、当該演出の実行制御に際して特典抽選処理の結果も踏まえることが可能となる。
特徴B8.前記第2制御手段は、前記特典抽選処理の結果に関係なく、前記特定継続期間の所定の出力タイミングとなった場合に前記第1制御手段に向けて送信情報を送信するものであり、
前記第1制御手段は、前記送信情報を受信した場合に、特典対応演出(確定演出)を実行することが前記特典抽選処理の結果に対応しているか否かを判定する対応判定手段(音光側MPU112におけるステップS1205の処理を実行する機能)を備え、
前記第1側設定手段は、前記対応判定手段において前記特典抽選処理の結果に対応していると判定された場合に、前記特典対応演出に対応した制御情報群を設定する手段(音光側MPU112におけるステップS1207にて肯定判定をしてステップS1208の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、第2制御手段は特典抽選処理の結果を踏まえることなく送信情報を第1制御手段に向けて送信すればよいため、当該送信情報を送信するための構成の好適化が図られる。また、第1制御手段では、特典抽選処理の結果の情報が記憶保持されており、第2制御手段が送信した送信情報がその特典抽選処理の結果に対応しているか否かを判定した上で演出の実行制御を行うため、上記のように第2制御手段について送信情報を送信するための構成の好適化を図った場合において、第1制御手段側において特典抽選処理の結果に対応した演出の実行制御を行うことが可能となる。
特徴B9.前記第2制御手段は、前記第2演出手段にて行わせる演出の内容に対応した送信情報を送信し得るものであり、
前記第1側設定手段は、前記第2制御手段が前記第2演出手段にて特定演出(確定演出)を行わせることに対応した送信情報を送信した場合、当該特定演出に対応した演出の実行が前記特典抽選処理の結果に対応したものであるか否かに関係なく、当該送信情報に対応した制御情報群を設定する手段(音光側MPU112におけるステップS1203にて肯定判定をしてステップS1208の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第2演出手段にて特定演出が行われる場合には、第1制御手段側ではその特定演出の内容が特典抽選処理の結果に対応しているか否かに関係なく、当該特定演出の内容に対応した演出の実行制御が行われる。これにより、第1演出手段と第2演出手段との間で演出の内容が一致することを優先させることが可能となり、演出のずれを生じづらくすることが可能となる。
特徴B10.前記第1側設定手段は、前記第2制御手段が送信した一の送信情報の内容から、前記特定継続期間中においてそれぞれ異なる開始タイミングの演出に対応した制御情報群を設定することが可能であることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、第2制御手段における送信情報の送信頻度を抑えることが可能となる。
特徴B11.前記第2演出手段は、表示面を有する表示手段(図柄表示装置31)であることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
表示面を有する表示手段にて演出が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特に、当該表示手段を表示制御する側の第2制御手段において特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群が設定されるため、何らかの通信異常が発生したとしても、表示手段における表示の更新を継続することが可能となる。表示手段における演出は遊技者に注目され易いため、当該表示手段における表示の更新が継続されることで、通信異常が発生した際の影響が低減される。
特徴B12.前記第1演出手段は、音出力手段(スピーカ部45)及び発光手段(発光部群71〜73)の少なくとも一方であることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
表示面を有する表示手段にて演出が実行されるとともに、音出力手段及び発光手段の少なくとも一方にて演出が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.第1演出手段(スピーカ部45、幕板可動ユニット51、円盤可動ユニット61a,61b、発光部群71〜73)を制御する第1制御手段(音光側MPU112)と、
第2演出手段(図柄表示装置31)を制御する第2制御手段(表示側MPU122)と、
を備え、
前記第1制御手段は、所定の開始契機となった場合に、特定継続期間(遊技回中、開閉実行モード中)において前記第1演出手段にて演出を実行させる第1側実行手段(音光側MPU112における発光制御処理、音出力制御処理及び可動物制御処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、
前記第2演出手段にて前記特定継続期間中に演出を実行させるために用いられる特定制御情報群(パターン用データテーブル、オープニング用のデータテーブル)を設定する第2側設定手段(表示側MPU122におけるステップS802及びステップS806の処理を実行する機能)と、
制御実行タイミングとなる度に、前記特定制御情報群において当該制御実行タイミングに対応した情報を利用することで、前記特定継続期間中において前記第2演出手段にて演出を実行させる第2側実行手段(表示側MPU122におけるタスク処理を実行する機能)と、
前記第2演出手段における前記特定継続期間中の演出が進行していくことに合わせて、前記第1制御手段に送信情報を送信する第2側送信手段(表示側MPU122におけるコマンド設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1側実行手段は、前記第2側送信手段が送信する送信情報を利用して、前記特定継続期間中において前記第1演出手段に実行させる演出の内容を前記第2演出手段における演出の内容に対応させることが可能であり、
前記第2側送信手段は、前記制御実行タイミングとなる度に前記第1制御手段に送信情報を送信するのではなく、所定の制御実行タイミングに対応させたタイミングで前記第1制御手段に送信情報を送信するものであることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、第1制御手段では第2制御手段から送信される送信情報を利用して、特定継続期間中において第1演出手段に実行させる演出の内容を第2演出手段における演出の内容に対応させる構成であるため、第1演出手段及び第2演出手段のそれぞれで同一の期間に演出を実行する場合に、両者の演出にずれが生じづらくなる。
この場合に、第2制御手段は、制御実行タイミングとなる度に送信情報を送信するのではなく、所定の制御実行タイミングとなった場合に送信情報を送信する構成であるため、第2制御手段における送信情報の送信頻度を低減させることが可能となる。これにより、第2制御手段の処理負荷の軽減が図られる。
以上より、複数の制御手段を利用する構成において、制御を良好に行うことが可能となる。
特徴C2.前記特定制御情報群には、前記特定継続期間中における各制御実行タイミングでの制御内容を特定可能な情報が含まれており、これら制御実行タイミングに対応させて、前記第1制御手段に向けて送信する送信情報の送信タイミングが含まれていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、第2制御手段では特定制御情報群を各制御実行タイミングにおいて参照することで、特定継続期間中の演出の実行制御を行うことが可能であるとともに、第1制御手段に向けた送信情報の実行タイミングも特定することが可能である。よって、第2制御手段において参照すべき情報が集約されることとなり処理負荷の軽減が図られる。
特徴C3.前記第2演出手段において前記特定継続期間中に実行される特定範囲演出(遊技回用の演出、開閉実行モード用の演出)には、演出の態様が相違する複数の演出範囲(予告表示、リーチ表示など)を含み得る構成であり、
前記第2側送信手段は、前記各演出範囲の開始タイミングを前記第1制御手段において特定可能とするように前記送信情報を送信するものであることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第2制御手段は各演出範囲に応じて送信情報を送信すればよいため、送信情報の送信頻度を抑えることが可能である。また、第1制御手段においては、第2制御手段が送信する送信情報に応じて、第1演出手段に実行させる演出の内容を第2演出手段における演出の内容に対応させる場合に、各演出範囲単位での調整を行えばよいため、当該調整を行い易くなる。
特徴C4.前記第1側実行手段は、前記第2側送信手段が送信する送信情報から、前記特定継続期間中に実行させるべき演出の内容を把握するものであることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、第1制御手段は第2制御手段が送信する送信情報に応じて、第1演出手段に実行させる演出の内容を第2演出手段における演出の内容に対応させるだけでなく、実行する演出の内容も第2制御手段において決定された内容に従えばよいため、第1制御手段において独自に演出の内容を決定する構成に比べて処理負荷の軽減が図られる。
特徴C5.前記第1制御手段は、前記特定継続期間中に実行される演出の全体に対応した分の制御情報群を一度に設定するのではなく、前記第2制御手段が前記特定継続期間中の各タイミングで送信情報を送信したことを契機として、前記特定継続期間中に実行される演出の一部分に対応した制御情報群を設定する第1側設定手段(音光側MPU112における割込み用エリア162bに発光データを設定する機能、及び確定演出時データ群152fから音出力データを設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群は第2制御手段側にて設定される。その一方、第1制御手段側では、当該全体に対応した分の制御情報群は設定されずに、第2制御手段から特定継続期間中の各タイミングで送信される送信情報に応じて、特定継続期間中に実行される演出の一部分の制御情報群が設定される。これにより、第1制御手段側及び第2制御手段側のそれぞれで全体に対応した分の制御情報群を設定する構成に比べて、制御情報群を設定する記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴C6.前記第2演出手段において前記特定継続期間中に実行される特定範囲演出(遊技回用の演出、開閉実行モード用の演出)には、演出の態様が相違する複数の演出範囲(予告表示、リーチ表示など)を含み得る構成であり、
前記一部分に対応した制御情報群は、前記複数の演出範囲に対応させて設定されていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、制御情報群の単位が細切れ的になり過ぎることを抑制することが可能となり第1制御手段における制御情報群の設定頻度を適度に抑えることが可能となる。
特徴C7.前記第2側実行手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信した場合に、前記特定継続期間において前記第2演出手段にて特定範囲演出を実行させるものであり、
前記第2側設定手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信した場合に、前記特定制御情報群を設定するものであることを特徴とする特徴C5又はC6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、第1制御手段側において所定の開始契機となったことを特定する構成において、特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群の設定を第2制御手段側にて行う構成とすることで、処理負荷の分散化を図ることが可能となる。
特徴C8.前記第1側設定手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信したことに対して、前記特定範囲演出を開始させることに対応した送信情報を前記第2制御手段が送信した場合に、当該特定範囲演出の開始に対応した所定制御情報群(変動開始時の発光データ、変動開始時の音出力データ)を設定する手段(音光側MPU112におけるステップS1202の処理を実行する機能)を備え、
前記第1側実行手段は、前記第1側設定手段が前記所定制御情報群を設定した後に、前記特定範囲演出に対応した演出を開始させるものであることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、第1制御手段側において所定の開始契機となったことを特定する構成において、第1制御手段では第2制御手段が送信情報を送信することを敢えて待ってから特定範囲演出に対応した演出が実行されるようにする構成であるため、特定範囲演出の開始タイミングにずれが生じてしまうことを抑制することが可能となる。
特徴C9.前記第1制御手段は、
報知対象事象の発生を特定する報知用特定手段(音光側MPU112におけるステップS622の処理を実行する機能)と、
当該報知用特定手段において報知対象事象の発生が特定された場合に、報知発生情報を前記第2制御手段に向けて送信する報知用送信手段(音光側MPU112におけるステップS625の処理を実行する機能)と、
前記報知用特定手段において報知対象事象の発生が特定された場合に、前記第2制御手段が送信情報を送信したか否かに関係なく、前記第1演出手段にて報知を行わせる報知実行手段(音光側MPU112におけるステップS623、ステップS624、ステップS1602、及びステップS1809の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、特定範囲演出の開始に際しては第2制御手段から送信情報が送信されるまで待機するのに対して、報知対象事象が発生した場合には第2制御手段から送信情報が送信されるまで待機することなく第1制御手段において独自に報知を開始させる。これにより、報知を早期に開始させることが可能であるとともに、第1制御手段と第2制御手段との間で通信異常が発生していたとしても第1演出手段側において報知を開始することが可能となる。
特徴C10.遊技者に特典を付与するか否かの特典抽選処理を実行する特典抽選実行手段(主側MPU92におけるステップS301及びステップS403の処理を実行する機能)を備え、
前記所定の開始契機は前記特典抽選処理が実行された場合であり、当該特典抽選処理が実行されたことを契機として前記特定継続期間中の演出が実行される構成であり、
前記第1制御手段は、前記特定継続期間において当該特定継続期間の演出の実行契機となった前記特典抽選処理の結果の情報を記憶保持するものであることを特徴とする特徴C5乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群の設定が第2制御手段にて行われる構成において、第1制御手段において特典抽選処理の結果の情報は記憶保持される。これにより、第1制御手段では第2制御手段が送信する送信情報に従って演出の実行制御を行う構成において、当該演出の実行制御に際して特典抽選処理の結果も踏まえることが可能となる。
特徴C11.前記第2制御手段は、前記特典抽選処理の結果に関係なく、前記特定継続期間の所定の出力タイミングとなった場合に前記第1制御手段に向けて送信情報を送信するものであり、
前記第1制御手段は、前記送信情報を受信した場合に、特典対応演出(確定演出)を実行することが前記特典抽選処理の結果に対応したものであるか否かを判定する対応判定手段(音光側MPU112におけるステップS1205の処理を実行する機能)を備え、
前記第1側設定手段は、前記対応判定手段において前記送信情報の対応した演出の内容が前記特典抽選処理の結果に対応したものであると判定された場合に、当該送信情報に対応した制御情報群を設定する手段(音光側MPU112におけるステップS1207にて肯定判定をしてステップS1208の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、第2制御手段は特典抽選処理の結果を踏まえることなく送信情報を第1制御手段に向けて送信すればよいため、当該送信情報を送信するための構成の好適化が図られる。また、第1制御手段では、特典抽選処理の結果の情報が記憶保持されており、第2制御手段が送信した送信情報がその特典抽選処理の結果に対応しているか否かを判定した上で演出の実行制御を行うため、上記のように第2制御手段について送信情報を送信するための構成の好適化を図った場合において、第1制御手段側において特典抽選処理の結果に対応した演出の実行制御を行うことが可能となる。
特徴C12.前記第2制御手段は、前記第2演出手段にて行わせる演出の内容に対応した送信情報を送信し得るものであり、
前記第1側設定手段は、前記第2制御手段が前記第2演出手段にて特定演出(確定演出)を行わせることに対応した送信情報を送信した場合、当該特定演出に対応した演出の実行が前記特典抽選処理の結果に対応したものであるか否かに関係なく、当該送信情報に対応した制御情報群を設定する手段(音光側MPU112におけるステップS1203にて肯定判定をしてステップS1208の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
特徴C12によれば、第2演出手段にて特定演出が行われる場合には、第1制御手段側ではその特定演出の内容が特典抽選処理の結果に対応しているか否かに関係なく、当該特定演出の内容に対応した演出の実行制御が行われる。これにより、第1演出手段と第2演出手段との間で演出の内容が一致することを優先させることが可能となり、演出のずれを生じづらくすることが可能となる。
特徴C13.前記第1側設定手段は、前記第2制御手段が送信した一の送信情報の内容から、前記特定継続期間中においてそれぞれ異なる開始タイミングの演出に対応した制御情報群を設定することが可能であることを特徴とする特徴C5乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、第2制御手段における送信情報の送信頻度を抑えることが可能となる。
特徴C14.前記第2演出手段は、表示面を有する表示手段(図柄表示装置31)であることを特徴とする特徴C1乃至C13のいずれか1に記載の遊技機。
表示面を有する表示手段にて演出が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特に、上記特徴C5の構成を備えている場合には、当該表示手段を表示制御する側の第2制御手段において特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群が設定されるため、何らかの通信異常が発生したとしても、表示手段における表示の更新を継続することが可能となる。表示手段における演出は遊技者に注目され易いため、当該表示手段における表示の更新が継続されることで、通信異常が発生した際の影響が低減される。
特徴C15.前記第1演出手段は、音出力手段(スピーカ部45)及び発光手段(発光部群71〜73)の少なくとも一方であることを特徴とする特徴C14に記載の遊技機。
表示面を有する表示手段にて演出が実行されるとともに、音出力手段及び発光手段の少なくとも一方にて演出が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.第1演出手段(スピーカ部45、幕板可動ユニット51、円盤可動ユニット61a,61b、発光部群71〜73)を制御する第1制御手段(音光側MPU112)と、
第2演出手段(図柄表示装置31)を制御する第2制御手段(表示側MPU122)と、
を備え、
前記第2制御手段は、前記第2演出手段にて実行されている演出が進行していくことに合わせて、前記第1制御手段に所定送信情報を送信する第2側送信手段(表示側MPU122におけるコマンド設定処理を実行する機能)を備え、
前記第1制御手段は、
前記第2側送信手段が前記所定送信情報を送信した場合に、所定タイミングであることを特定する特定手段(音光側MPU112におけるステップS1204の処理を実行する機能)と、
当該特定手段が所定タイミングであることを特定した場合に、前記所定送信情報に含まれる情報とは異なる情報(保持データエリア161に記憶されている遊技結果の情報)を少なくとも利用して、所定演出(確定演出)を実行するか否か、及び当該所定演出(確定演出)の内容の少なくとも一方を決定する内容決定手段(音光側MPU112におけるステップS1205及びステップS1206の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、第1制御手段では、第2演出手段にて実行されている演出が進行していくことに合わせて第2制御手段から送信される所定送信情報により、所定タイミングであることを特定して、第1演出手段の演出の実行制御を行う構成であるため、第1演出手段及び第2演出手段のそれぞれで同一の期間に演出を実行する場合に、両者の演出にずれが生じづらくなる。
この場合に、第1制御手段では、所定タイミングであることを特定した場合、送信情報に含まれる情報とは異なる情報を少なくとも利用して、所定演出を実行するか否か、及び当該所定演出の内容の少なくとも一方を決定する。これにより、所定送信情報は所定タイミングであることを第1制御手段に認識させる情報を含んでいればよく、所定演出を実行するか否かの情報や、所定演出の内容の情報を含んでいる必要がない。よって、第1演出手段における演出の内容を適切なものとしながら、所定送信情報のデータ容量の小容量化、第2制御手段の処理負荷の低減、及び設計の容易化を図ることが可能となる。
以上より、複数の制御手段を利用する構成において、制御を良好に行うことが可能となる。
特徴D2.遊技者に特典を付与するか否かの特典抽選処理を実行する特典抽選実行手段(主側MPU92におけるステップS301及びステップS403の処理を実行する機能)を備え、
前記所定送信情報に含まれる情報とは異なる情報には、前記特典抽選処理の結果の情報(保持データエリア161に記憶されている遊技結果の情報)が含まれることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、第1制御手段では第2制御手段から送信情報が送信されることに応じて所定演出を実行するか否か、及び当該所定演出の内容の少なくとも一方を決定する構成において、当該演出の実行制御に際して特典抽選処理の結果も踏まえることが可能となる。
特徴D3.前記内容決定手段は、
前記特定手段が所定タイミングであることを特定した場合に、前記所定演出として特典対応演出(確定演出)を実行することが前記特典抽選処理の結果に対応しているか否かを判定する対応判定手段(音光側MPU112におけるステップS1205の処理を実行する機能)と、
当該対応判定手段において前記特典抽選処理の結果に対応していると判定された場合に、前記特典対応演出に対応した制御情報群を設定する第1側設定手段(音光側MPU112におけるステップS1208の処理を実行する機能)と、
当該第1側設定手段が設定した制御情報群を利用して前記第1演出手段の演出の実行制御を行う第1側実行手段(音光側MPU112における発光制御処理、音出力制御処理及び可動物制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、第2制御手段は特典抽選処理の結果を踏まえることなく送信情報を第1制御手段に向けて送信すればよいため、当該送信情報を送信するための構成の好適化が図られる。また、第1制御手段では、第2制御手段が送信した送信情報がその特典抽選処理の結果に対応しているか否かを判定した上で演出の実行制御を行うため、上記のように第2制御手段について送信情報を送信するための構成の好適化を図った場合において、第1制御手段側において特典抽選処理の結果に対応した演出の実行制御を行うことが可能となる。
特徴D4.前記第1側設定手段は、前記第2側送信手段が前記第2演出手段にて特定演出(確定演出)を行わせることに対応した送信情報を送信した場合、当該特定演出に対応した演出の実行が前記特典抽選処理の結果に対応したものであるか否かに関係なく、当該送信情報に対応した制御情報群を設定する手段(音光側MPU112におけるステップS1203にて肯定判定をしてステップS1208の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、第2演出手段にて特定演出が行われる場合には、第1制御手段側ではその特定演出の内容が特典抽選処理の結果に対応しているか否かに関係なく、当該特定演出の内容に対応した演出の実行制御が行われる。これにより、第1演出手段と第2演出手段との間で演出の内容が一致することを優先させることが可能となり、演出のずれを生じづらくすることが可能となる。
特徴D5.前記特定手段は、前記所定送信情報の内容から、前記所定演出とは異なる演出の実行に対応したタイミングであることを特定可能であることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D5によれば、一の所定送信情報への情報の集約化を図ることが可能となり、所定送信情報の送信頻度を抑えることが可能となる。
特徴D6.前記第2制御手段は、
所定の開始契機となった場合に、特定継続期間(遊技回中、開閉実行モード中)において前記第2演出手段にて特定範囲演出(遊技回用の演出、開閉実行モード用の演出)を実行させる第2側実行手段(表示側MPU122におけるタスク処理を実行する機能)と、
前記所定の開始契機となった場合に、前記第2演出手段にて前記特定範囲演出を実行させるために用いられる特定制御情報群(パターン用データテーブル、オープニング用のデータテーブル)を設定する第2側設定手段(表示側MPU122におけるステップS802及びステップS806の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定制御情報群には、前記特定継続期間中における各制御実行タイミングでの制御内容を特定可能な情報が含まれており、これら制御実行タイミングに対応させて、前記第1制御手段に向けて送信する送信情報の送信タイミングが含まれていることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、第2制御手段では特定制御情報群を各制御実行タイミングにおいて参照することで、特定継続期間中の演出の実行制御を行うことが可能であるとともに、第1制御手段に向けた送信情報の実行タイミングも特定することが可能である。よって、第2制御手段において参照すべき情報が集約されることとなり処理負荷の軽減が図られる。
特徴D7.前記第2演出手段において前記特定継続期間中に実行される特定範囲演出には、演出の態様が相違する複数の演出範囲(予告表示、リーチ表示など)を含み得る構成であり、
前記第2側送信手段は、前記各演出範囲の開始タイミングを前記第1制御手段において特定可能とするように前記送信情報を送信するものであることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
特徴D7によれば、第2制御手段は各演出範囲に応じて送信情報を送信すればよいため、送信情報の送信頻度を抑えることが可能である。また、第1制御手段においては、第2制御手段が送信する送信情報に応じて、第1演出手段に実行させる演出の内容を第2演出手段における演出の内容に対応させる場合に、各演出範囲単位での調整を行えばよいため、当該調整を行い易くなる。
特徴D8.前記第1制御手段は、前記特定継続期間中に実行される演出の全体に対応した分の制御情報群を一度に設定するのではなく、前記第2制御手段が前記特定継続期間中の各タイミングで送信情報を送信したことを契機として、前記特定継続期間中に実行される演出の一部分に対応した制御情報群(発光データ、音出力データ)を設定する第1側設定手段(音光側MPU112における割込み用エリア162bに発光データを設定する機能、及び確定演出時データ群152fから音出力データを設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴D6又はD7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群は第2制御手段側にて設定される。その一方、第1制御手段側では、当該全体に対応した分の制御情報群は設定されずに、第2制御手段から特定継続期間中の各タイミングで送信される送信情報に応じて、特定継続期間中に実行される演出の一部分の制御情報群が設定される。これにより、第1制御手段側及び第2制御手段側のそれぞれで全体に対応した分の制御情報群を設定する構成に比べて、制御情報群を設定する記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴D9.前記第2演出手段において前記特定継続期間中に実行される特定範囲演出には、演出の態様が相違する複数の演出範囲(予告表示、リーチ表示など)を含み得る構成であり、
前記一部分に対応した制御情報群は、前記複数の演出範囲に対応させて設定されていることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、制御情報群の単位が細切れ的になり過ぎることを抑制することが可能となり第1制御手段における制御情報群の設定頻度を適度に抑えることが可能となる。
特徴D10.前記第2側実行手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信した場合に、前記特定継続期間において前記第2演出手段にて特定範囲演出を実行させるものであり、
前記第2側設定手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信した場合に、前記特定制御情報群を設定するものであることを特徴とする特徴D8又はD9に記載の遊技機。
特徴D10によれば、第1制御手段側において所定の開始契機となったことを特定する構成において、特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群の設定を第2制御手段側にて行う構成とすることで処理負荷の分散化を図ることが可能となる。
特徴D11.前記第1側設定手段は、前記所定の開始契機となったことで前記第1制御手段が送信情報を送信したことに対して、前記特定範囲演出を開始させることに対応した送信情報を前記第2制御手段が送信した場合に、当該特定範囲演出の開始に対応した所定制御情報群(変動開始時の発光データ、変動開始時の音出力データ)を設定する手段(音光側MPU112におけるステップS1202の処理を実行する機能)を備え、
前記第1側実行手段は、前記第1側設定手段が前記所定制御情報群を設定した後に、前記特定範囲演出に対応した演出を開始させるものであることを特徴とする特徴D10に記載の遊技機。
特徴D11によれば、第1制御手段側において所定の開始契機となったことを特定する構成において、第1制御手段では第2制御手段が送信情報を送信することを敢えて待ってから特定範囲演出に対応した演出が実行されるようにする構成であるため、特定範囲演出の開始タイミングにずれが生じてしまうことを抑制することが可能となる。
特徴D12.前記第1制御手段は、
報知対象事象の発生を特定する報知用特定手段(音光側MPU112におけるステップS622の処理を実行する機能)と、
当該報知用特定手段において報知対象事象の発生が特定された場合に、報知発生情報を前記第2制御手段に向けて送信する報知用送信手段(音光側MPU112におけるステップS625の処理を実行する機能)と、
前記報知用特定手段において報知対象事象の発生が特定された場合に、前記第2制御手段が送信情報を送信したか否かに関係なく、前記第1演出手段にて報知を行わせる報知実行手段(音光側MPU112におけるステップS623、ステップS624、ステップS1602、及びステップS1809の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D11に記載の遊技機。
特徴D12によれば、特定範囲演出の開始に際しては第2制御手段から送信情報が送信されるまで待機するのに対して、報知対象事象が発生した場合には第2制御手段から送信情報が送信されるまで待機することなく第1制御手段において独自に報知を開始させる。これにより、報知を早期に開始させることが可能であるとともに、第1制御手段と第2制御手段との間で通信異常が発生していたとしても第1演出手段側において報知を開始することが可能となる。
特徴D13.前記第2演出手段は、表示面を有する表示手段(図柄表示装置31)であることを特徴とする特徴D1乃至D12のいずれか1に記載の遊技機。
表示面を有する表示手段にて演出が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特に、上記特徴D6の構成を備えている場合には、当該表示手段を表示制御する側の第2制御手段において特定継続期間にて実行される演出の全体に対応した分の制御情報群が設定されるため、何らかの通信異常が発生したとしても、表示手段における表示の更新を継続することが可能となる。表示手段における演出は遊技者に注目され易いため、当該表示手段における表示の更新が継続されることで、通信異常が発生した際の影響が低減される。
特徴D14.前記第1演出手段は、音出力手段(スピーカ部45)及び発光手段(発光部群71〜73)の少なくとも一方であることを特徴とする特徴D13に記載の遊技機。
表示面を有する表示手段にて演出が実行されるとともに、音出力手段及び発光手段の少なくとも一方にて演出が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、上記特徴A群、上記特徴B群、上記特徴C群及び上記特徴D群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機として、複数種類の演出装置を利用して演出を行う構成が知られている。
例えば液晶表示装置などの表示装置と、スピーカとを少なくとも利用して演出を行う構成が知られており、この場合、表示装置における表示内容に応じた音がスピーカから出力される。また、例えばLEDなどの発光部と、スピーカとを少なくとも利用して演出を行う構成が知られており、この場合、スピーカから出力される音の内容に応じた点灯パターンで発光部が制御される。また、例えば上記表示装置と、可動物とを少なくとも利用して演出を行う構成が知られており、この場合、表示装置における表示内容に応じて可動物の動作が開始される。
上記例示等のように複数種類の演出装置を利用して演出を行う構成において、所定の演出装置と特定の演出装置とで演出の実行制御を行う制御手段を異ならせることで処理負荷を分散させることが可能となる。この場合に、複数の制御手段を利用する構成において、制御を良好に行うことが可能な構成が求められている。
<特徴E群>
特徴E1.演出を実行することが可能な演出手段(発光部群71〜73)と、
当該演出手段において演出を実行させるために用いられる制御情報群(発光データ)を、前記演出手段の演出の実行制御を行う場合に利用可能となるように設定する情報設定手段(音光側MPU112における発光データの読み出し処理を実行する機能)と、
制御実行タイミングとなった場合に、前記制御情報群において当該制御実行タイミングに対応した情報を利用することで、所定の期間中において前記演出手段にて演出を実行させる実行手段(音光側MPU112における発光制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記情報設定手段は、
前記制御情報群を設定するために用いられる元情報(パレットデータ)を記憶手段(音光側ROM113)から読み出す元情報読み出し手段(音光側MPU112におけるステップS1402、ステップS1406、ステップS1409及びステップS1415の処理を実行する機能)と、
当該元情報読み出し手段が読み出した元情報に対して設定用情報(開始位置情報、継続時間データ)を適用することで前記制御情報群を導出する導出手段(音光側MPU112におけるデータ展開処理を実行する機能)と、
を備え、
当該導出手段は、前記元情報に対して異なる前記設定用情報を適用することで、異なる制御情報群を導出可能であることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、元情報に対して異なる設定用情報が適用されることで異なる制御情報群が導出される。これにより、所定の期間中に実行される演出の種類毎に異なる制御情報群を遊技機製造段階で記憶手段に記憶させておく構成に比べて、当該記憶手段において必要な記憶容量を削減することが可能となる。以上より、演出の実行制御を好適に行うことが可能となる。
特徴E2.前記導出手段は、
前記元情報に対して第1設定用情報(開始位置番号)を適用する手段(音光側MPU112におけるステップS1504の処理を実行する機能)と、
前記元情報に対して第2設定用情報(継続時間データ)を適用する手段(音光側MPU112におけるステップS1505の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記記憶手段には、使用する前記元情報と、当該元情報に適用する前記第1設定用情報の種類及び前記第2設定用情報の種類との対応関係を定めた種類関係情報(データ選択テーブル151g)が記憶されていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、元情報に対して少なくとも第1設定用情報と第2設定用情報とが適用されて制御情報群が導出される構成であるため、一の元情報から導出される制御情報群を多様化することが可能となる。この場合に、使用する元情報と、当該元情報に適用する第1設定用情報の種類及び第2設定用情報の種類との対応関係を定めた種類関係情報が記憶手段に予め記憶されている構成であるため、元情報と各設定用情報との対応関係を特定するための処理の簡素化が図られる。
特徴E3.前記元情報は、前記記憶手段に複数記憶されており、
一の前記元情報に対して適用可能な前記設定用情報は複数であることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、制御情報群の多様化を、記憶手段において必要な記憶容量を抑えながら実現することが可能となる。
特徴E4.前記記憶手段には、使用する前記元情報と当該元情報に適用する前記設定用情報との対応関係を定めた対応関係情報(開始位置データ群151b)が記憶されていることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、元情報と設定用情報との対応関係を特定するための処理の簡素化が図られる。
特徴E5.前記元情報には、前記演出手段における演出内容が順次切り換わる場合の切り換わり先の内容が定められており、
前記導出手段は、前記設定用情報として、前記元情報において定められている複数の切り換わり先の内容のうち、いずれの切り換わり先の内容から前記演出手段における演出を開始するのかを示す開始基準情報(開始位置番号)を適用する手段(音光側MPU112におけるステップS1504の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、開始基準情報を異ならせるという簡易な手法により、一の元情報から複数の制御情報群を導出することが可能となり、記憶容量を抑えながらの制御情報群の多様化を、設計の容易化を図りながら実現することが可能となる。
特徴E6.前記元情報には、前記演出手段における演出内容が順次切り換わる場合の切り換わり先の内容が定められており、
前記導出手段は、前記設定用情報として、前記元情報において定められている切り換わり先の各内容を継続させる場合の継続期間を示す継続基準情報(継続時間データ)を適用する手段(音光側MPU112におけるステップS1505の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E6によれば、継続基準情報を異ならせるという簡易な手法により、一の元情報から複数の制御情報群を導出することが可能となり、記憶容量を抑えながらの制御情報群の多様化を、設計の容易化を図りながら実現することが可能となる。
特徴E7.前記演出手段は、複数の単位演出手段(LED71a〜73a)を備えており、
前記導出手段は、前記複数の単位演出手段に対して同一の前記元情報を利用しながら、当該複数の単位演出手段のうち少なくとも第1単位演出手段と第2単位演出手段とで異なる前記設定用情報を適用することで異なる前記制御情報群が導出されるようにする第1導出手段(音光側MPU112におけるステップS1502〜ステップS1508の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E7によれば、同一の元情報を利用しながら複数の単位演出手段において異なる制御情報群を導出することが可能となる。これにより、複数の単位演出手段間で異なる演出を実行する場合であっても同一の元情報を利用可能であるため、記憶容量を抑えながら演出の多様化を図ることが可能となる。
特徴E8.前記演出手段は、複数の単位演出手段(LED71a〜73a)を備えており、
前記導出手段は、
前記複数の単位演出手段に対して同一の前記元情報を利用する第1導出手段(音光側MPU112におけるステップS1502〜ステップS1508の処理を実行する機能)と、
前記複数の単位演出手段のうち一部の単位演出手段に対して異なる前記元情報を利用する第2導出手段(音光側MPU112におけるステップS1510〜ステップS1518の処理を実行する機能)と、
を備えていること特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E8によれば、複数の単位演出手段に利用する元情報の数を変更するだけで、簡素な演出態様と複雑な演出態様との切り換えを行うことが可能となる。
特徴E9.前記第2導出手段は、前記設定用情報として、前記複数の単位演出手段のそれぞれに適用する前記元情報の種類を示す適用対象情報(リストデータ、グループデータ)を適用する手段(音光側MPU112におけるステップS1511及びステップS1512の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
特徴E9によれば、複数の単位演出手段間で異なる元情報を適用する場合、適用対象情報を参照するだけでよいため、当該適用処理の簡素化が図られる。
特徴E10.前記演出手段は発光手段であり、
前記制御情報群は、前記所定の期間中における前記発光手段の発光パターンを定めるためのものであり、
前記元情報には、前記発光手段における発光内容が順次切り換わる場合の切り換わり先の内容が定められていることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E10によれば、発光手段の発光制御に関して既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、上記特徴E群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機として、CPUやROMを有する、又はCPUやROM等が1チップ化されたものを有する制御装置を備え、当該制御装置により、表示装置(例えば液晶表示装置)、発光部(例えばLED)、スピーカなどといった演出装置が制御されることで、演出が実行される構成が知られている。
当該制御装置では、演出の内容を決定付けるデータを読み出し、その読み出したデータに対応した処理を実行することで演出の実行を制御する。具体的には、表示装置の表示制御においては、例えば制御装置にて実行すべき演出の内容に対応したデータを読み出し、その読み出したデータを利用して表示装置に所定の表示を行わせることで、表示演出を制御する構成が考えられる。また、発光部の発光制御においては、例えば制御装置において実行すべき演出の内容に対応したデータを読み出し、その読み出したデータを利用して発光部を所定のパターンで発光させることで、発光演出を制御する構成が考えられる。また、スピーカの音出力制御においては、例えば制御装置において実行すべき演出の内容に対応したデータを読み出し、その読み出したデータを利用してスピーカから所定の音を出力させることで、音出力演出を制御する構成が考えられる。
ここで、所定の演出装置にて実行される演出の種類は多い方が好ましく、演出の種類を多くする上でその制御方法について改善の余地がある。
<特徴F群>
特徴F1.演出及び報知の少なくとも一方を実行することが可能な出力手段(スピーカ部45、発光部群71〜73)と、
当該出力手段を動作させるために用いられる制御情報群(音出力データ、発光データ)を、前記出力手段の出力制御を行う場合に利用可能となるように設定する情報設定手段(音光側MPU112における音出力データの読み出し処理を実行する機能、音光側MPU112における発光データの読み出し処理を実行する機能)と、
制御実行タイミングとなった場合に、前記制御情報群において当該制御実行タイミングに対応した情報を利用することで、前記出力手段を動作させる実行手段(音光側MPU112における音出力制御処理を実行する機能、音光側MPU112における発光制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記制御情報群を設定可能な記憶領域(第1音出力エリア171〜第16音出力エリア186、ベース用エリア162a、割込み用エリア162b及び報知用エリア162c)を複数備え、
前記実行手段は、複数の前記記憶領域に前記制御情報群が記憶されている場合、それら前記制御情報群のうち一部の前記制御情報群を利用することで、前記出力手段を動作させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、一の制御情報群を利用して出力手段の出力制御を行っている状況において他の制御情報群を利用して出力手段の出力制御を行う必要が生じた場合であっても、当該他の制御情報群を上記一の制御情報群とは別に記憶することが可能となる。これにより、一の出力手段において状況に応じた様々な動作を行わせることが可能である。さらに、一の動作から次の動作に切り換える場合に前者の動作に対応した制御情報群を残しておくことが可能であるため、当該前者の動作への復帰に際しての処理負荷の軽減が図られる。以上より、出力手段の利用を好適に行うことが可能となる。
特徴F2.前記制御情報群には、各制御実行タイミングに対応した情報を特定可能とする指定情報(ポインタ情報)が含まれており、
前記実行手段は、前記指定情報に対応した情報を前記制御情報群から読み出して利用することで、当該制御情報群に対応した態様で前記出力手段を動作させるものであり、
複数の前記記憶領域に記憶されている各制御情報群のうち前記実行手段の利用対象となっていない制御情報群の前記指定情報についても、利用対象となっている制御情報群の前記指定情報の更新が行われる場合に更新する更新手段(音光側MPU112におけるステップS1610の処理を実行する機能、音光側MPU112におけるステップS1814の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、先に使用されていた制御情報群の利用を中止して他の制御情報群の利用を開始した場合、当該他の制御情報群の利用が終了して上記先に使用されていた制御情報群を利用する状態に復帰する場合には、その復帰タイミングにおいて、当該先に使用されていた制御情報群が継続使用されていた場合と同様の動作が出力手段にて行われる。これにより、他の制御情報群の割込み使用が発生したとしても、経過時間に応じた動作を出力手段にて行わせることが可能となる。
特に、出力手段の動作が他の出力手段と関連付けて行われる構成においては、当該他の出力手段における動作との対応関係を担保することが可能となる。
特徴F3.前記複数の記憶領域に記憶される制御情報群には、前記出力手段の利用対象となる場合の優先度が定められており、
前記実行手段は、複数の前記記憶領域に前記制御情報群が記憶されている場合に一部の前記制御情報群を利用する場合、前記優先度が高い制御情報群を利用対象とするものであることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、複数の制御情報群が同時に記憶される構成において、優先度が高い制御情報群が利用対象となるため、出力手段における動作を適切なものとすることが可能となる。また、複数の制御情報群が同時に記憶されている場合であっても、優先度の比較を行うことで利用対象とすべき制御情報群の選択を容易に行うことが可能となる。よって、利用対象の制御情報群を選択するための処理の簡素化が図られる。
特徴F4.複数の前記記憶領域は、前記優先度に対応させて設けられていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F4によれば、記憶領域の単位で優先度が設定されているため、利用対象の制御情報群を選択する場合に制御情報群毎に優先度の比較を行う必要が生じない。よって、利用対象の制御情報群を選択するための処理の簡素化が図られる。
特徴F5.前記実行手段は、
報知用の前記制御情報群が利用対象となっている場合に前記出力手段にて報知が実行されるようにする報知実行手段(音光側MPU112におけるステップS1602の処理を実行する機能)と、
演出用の前記制御情報群が利用対象となっている場合に前記出力手段にて演出が実行されるようにする演出実行手段(音光側MPU112におけるステップS1604及びステップS1605の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記報知用の前記制御情報群は、前記演出用の前記制御情報群よりも前記優先度が高いことを特徴とする特徴F3又はF4に記載の遊技機。
特徴F5によれば、報知の実行を演出の実行よりも優先させることができるとともに、報知の実行を優先させる場合には優先度の比較を行うだけでよいため、処理の簡素化が図られる。
特徴F6.前記実行手段は、
ベース用の前記制御情報群が利用対象となっている場合に前記出力手段にてベース動作がされるようにするベース実行手段(音光側MPU112におけるステップS1605の処理を実行する機能)と、
割込み用の前記制御情報群が利用対象となっている場合に前記出力手段にて割込み動作がされるようにする割込み実行手段(音光側MPU112におけるステップS1604の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記割込み用の前記制御情報群は、前記ベース用の前記制御情報群よりも前記優先度が高いことを特徴とする特徴F3乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F6によれば、ベース動作に対して割込み動作を優先して実行することが可能となり、出力手段における動作の設計の容易化が図られる。また、割込み動作を優先させる場合には優先度の比較を行うだけでよいため、処理の簡素化が図られる。
特徴F7.複数の前記記憶領域のうち少なくとも特定記憶領域(割込み用エリア162b)は、当該特定記憶領域に既に前記制御情報群が記憶されている状況で新たな制御情報群の記憶指示が発生し得る構成であり、
前記特定記憶領域に記憶される制御情報群には、当該特定記憶領域に記憶させる上での記憶優先度(発光側優先度)が定められており、
前記特定記憶領域に既に前記制御情報群が記憶されている状況で新たな制御情報群の記憶指示が発生した場合、既に記憶されている制御情報群の方が前記新たな制御情報群よりも前記記憶優先度が高い場合には当該新たな制御情報群の記憶処理を実行することなく前記既に記憶されている制御情報群が記憶された状態を維持させ、前記新たな制御情報群の方が前記既に記憶されている制御情報群よりも前記記憶優先度が高い場合には前記新たな制御情報群を前記特定記憶領域に上書きする書き込み手段(音光側MPU112におけるステップS1412〜ステップS1416の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F7によれば、特定記憶領域に記憶させる制御情報群を決定する場合には、記憶優先度を比較するだけでよいため、特定記憶領域に制御情報群を記憶させる場合の処理の簡素化が図られる。
特徴F8.遊技者に特典を付与するか否かの特典抽選処理を実行する特典抽選実行手段(主側MPU92におけるステップS301及びステップS403の処理を実行する機能)を備え、
前記実行手段は、
特典発生確定用の前記制御情報群が利用対象となっている場合に前記出力手段にて特典発生確定用の演出が実行されるようにする確定実行手段と、
特典発生期待用の前記制御情報群が利用対象となっている場合に前記出力手段にて特典発生期待用の演出が実行されるようにする期待実行手段と、
を備え、
前記特典発生確定用の制御情報群は、前記特典発生期待用の制御情報群よりも前記記憶優先度が高いことを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
特徴F8によれば、特典発生確定用の演出の実行を優先させることができる。また、当該特典発生確定用の演出の実行を優先させる場合には、記憶優先度を比較するだけでよいため、特定記憶領域に制御情報群を記憶させる場合の処理の簡素化が図られる。
特徴F9.前記演出手段は発光手段であり、
前記制御情報群は、前記所定の期間中における前記発光手段の発光パターンを定めるためのものであることを特徴とする特徴F1乃至F8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F9によれば、発光手段の発光制御に関して既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
<特徴G群>
特徴G1.演出及び報知の少なくとも一方を実行することが可能な出力手段(発光部群71〜73)と、
当該出力手段を動作させるために用いられる制御情報群(発光データ)を、前記出力手段の出力制御を行う場合に利用可能となるように特定記憶領域(割込み用エリア162b)に記憶させる情報設定手段(音光側MPU112における発光データの読み出し処理を実行する機能)と、
制御実行タイミングとなった場合に、前記特定記憶領域に設定されている前記制御情報群において当該制御実行タイミングに対応した情報を利用することで、前記出力手段を動作させる実行手段(音光側MPU112における発光制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定記憶領域に記憶される制御情報群には、当該特定記憶領域に記憶させる上での記憶優先度(発光側優先度)が定められており、
前記特定記憶領域に既に前記制御情報群が記憶されている状況で新たな制御情報群の記憶指示が発生した場合、既に記憶されている制御情報群の方が前記新たな制御情報群よりも前記記憶優先度が高い場合には当該新たな制御情報群の記憶処理を実行することなく前記既に記憶されている制御情報群が記憶された状態を維持させ、前記新たな制御情報群の方が前記既に記憶されている制御情報群よりも前記記憶優先度が高い場合には前記新たな制御情報群を前記特定記憶領域に上書きする書き込み手段(音光側MPU112におけるステップS1412〜ステップS1416の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、一の制御情報群を利用して出力手段の出力制御を行っている状況において他の制御情報群を利用して出力手段の出力制御を行う必要が生じた場合、当該他の制御情報群を利用した出力制御に切り換わり得る。これにより、一の出力手段において状況に応じた様々な動作を行わせることが可能となる。
また、特定記憶領域に既に制御情報群が記憶されている状況であっても新たな制御情報群が上書きされ得る構成において、記憶優先度が高い制御情報群が特定記憶領域に記憶された状態となるため、出力手段における動作を適切なものとすることが可能となる。さらにまた、特定記憶領域に記憶させる制御情報群を決定する場合には、記憶優先度を比較するだけでよいため、特定記憶領域に制御情報群を記憶させる場合の処理の簡素化が図られる。以上より、出力手段の利用を好適に行うことが可能となる。
特徴G2.遊技者に特典を付与するか否かの特典抽選処理を実行する特典抽選実行手段(主側MPU92におけるステップS301及びステップS403の処理を実行する機能)を備え、
前記実行手段は、
特典発生確定用の前記制御情報群が利用対象となっている場合に前記出力手段にて特典発生確定用の演出が実行されるようにする確定実行手段と、
特典発生期待用の前記制御情報群が利用対象となっている場合に前記出力手段にて特典発生期待用の演出が実行されるようにする期待実行手段と、
を備え、
前記特典発生確定用の制御情報群は、前記特典発生期待用の制御情報群よりも前記記憶優先度が高いことを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、特典発生確定用の演出の実行を優先させることができる。また、当該特典発生確定用の演出の実行を優先させる場合には、記憶優先度を比較するだけでよいため、特定記憶領域に制御情報群を記憶させる場合の処理の簡素化が図られる。
特徴G3.前記演出手段は発光手段であり、
前記制御情報群は、前記所定の期間中における前記発光手段の発光パターンを定めるためのものであることを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、発光手段の発光制御に関して既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、上記特徴F群及び上記特徴G群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機として、CPUやROMを有する、又はCPUやROM等が1チップ化されたものを有する制御装置を備え、当該制御装置により、表示装置(例えば液晶表示装置)、発光部(例えばLED)、スピーカなどといった出力装置が制御されることで、演出や報知が実行される構成が知られている。
当該制御装置では、演出や報知の内容を決定付けるデータを読み出し、その読み出したデータに対応した処理を実行することで演出や報知の実行を制御する。具体的には、表示装置の表示制御においては、例えば制御装置にて実行すべき演出や報知の内容に対応したデータを読み出し、その読み出したデータを利用して表示装置に所定の表示を行わせることで、表示演出や報知用表示の実行を制御する構成が考えられる。また、発光部の発光制御においては、例えば制御装置において実行すべき演出や報知の内容に対応したデータを読み出し、その読み出したデータを利用して発光部を所定のパターンで発光させることで、発光演出や報知用発光の実行を制御する構成が考えられる。また、スピーカの音出力制御においては、例えば制御装置において実行すべき演出や報知の内容に対応したデータを読み出し、その読み出したデータを利用してスピーカから所定の音を出力させることで、音出力演出や報知用音出力の実行を制御する構成が考えられる。
ここで、演出や報知の実行に関して、好適な制御方法が求められている。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。