JP2016196446A - Rafキナーゼ阻害剤としての縮合三環式化合物 - Google Patents

Rafキナーゼ阻害剤としての縮合三環式化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】Rafキナーゼを阻害するために、およびRafキナーゼが介在する障害を処置するために有用でありうる、特定の三環式化合物の提供。
【解決手段】下記一般式1で表される化合物。

(QはC又はN;WはC又N;XはCH2又はO;YはNR12、O又はS;ZはO、S、NR13、CO、SO、SO2又はCR13R14;R1〜R6は夫夫独立に水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル等。)
【選択図】なし

Description

本明細書において、縮合三環式化合物、少なくとも1つのそのような縮合三環式化合物を含む薬学的組成物、その調製法、および治療におけるその使用を開示する。本明細書において、Rafキナーゼを阻害するために、およびRafキナーゼが介在する障害を処置するために有用でありうる、特定の三環式化合物を開示する。
細胞の生存、成長、増殖および腫瘍形成において関心がもたれているのは、Raf/MEK/ERK経路である(Zebisch et al., Curr Med Chem. 14(5): 601-623, 2007;Roberts and Der, Oncogene 26 (22): 3291-3310, 2007;Montagut and Settleman, Cancer Lett. 283(2): 125-134, 2009)。Raf/MEK/ERKシグナル伝達経路の刺激は、リガンドが膜結合型受容体チロシンキナーゼに結合した後に起こりうる。GTP結合型RASが活性化され得、これは続いてRafファミリータンパク質(A-Raf、B-Raf、および以前はC-Rafとして公知のRaf1)の活性化を促進し得る(Wellbrock et al., Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 5: 875-885, 2004)。Raf/MEK/ERKシグナル経路における様々なRAS GTPアーゼおよびB-Rafキナーゼの突然変異は、MAPK経路を構成性に活性化し、細胞分裂および生存を高めることになると報告されている(Bos, Cancer Res. 49: 4682-4689, 1989;Hoshino et al., Oncogene. 18(3): 813-822, 1999)。例えば、B-Raf突然変異は、報告によれば、ヒト黒色腫および甲状腺がんの大多数で見られる(Davies et al., Nature417: 949-954, 2002)(Cohen et al., J. Nat. Cancer Inst. 95(8): 625-627, 2003;Kimura et al., Cancer Res. 63(7): 1454-1457, 2003;Pollock and Meltzer, Cancer Cell2: 5-7, 2002)。加えて、それより少ないが、それでもなおかなりの頻度のB-Raf突然変異が、バレット腺がん(Garnett et al., Cancer Cell6:313-319, 2004;Sommerer et al., Oncogene 23(2): 554-558, 2004)、乳がん(Davies et al., Nature417: 949-954, 2002)、子宮頸がん(Moreno-Bueno et al., Clin. Cancer Res. 12(12): 365-3866, 2006)、胆管がん(Tannapfel et al., Gut. 52(5): 706-712, 2003)、神経膠芽腫(Knobbe et al., Acta Neuropathol. (Berl.). 108(6): 467-470, 2004)、結腸直腸がん(Yuen et al., Cancer Res. 62(22): 6451-6455, 2002;Davies et al., Nature417: 949-954, 2002)、胃がん(Lee et al., Oncogene22(44): 6942-6945)、肺がん(Brose et al., Cancer Res. 62(23): 6997-7000, 2002)、卵巣がん(Russell and McCluggage, J. Pathol. 203(2): 617-619, 2004;Davies et al., Nature417: 949-954, 2002)、膵臓がん(Ishimura et al., Cancer Lett. 199(2): 169-173, 2003)、前立腺がん(Cho et al., Int. J. Cancer. 119(8): 1858-1862, 2006)、および血液のがん(Garnett and Marais, Cancer Cell6: 313-319, 2004)で報告されている。これらの報告は、B-Rafがヒトのがんにおいて最も高頻度で変異する遺伝子の1つであることを示唆している。B-Rafキナーゼは、前臨床でのターゲットバリデーション、疫学およびドラッガビリティーに基づく抗がん療法の優れた標的でありうる。
Rafキナーゼの阻害剤は、腫瘍細胞増殖の妨害における、したがって、がん、例えば、黒色腫、大腸結腸がんを含む結腸直腸がん、組織球性リンパ腫、肺腺がん、小細胞肺がん、膵臓がんおよび乳がんの処置における(Crump, Current Pharmaceutical Design 8: 2243-2248, 2002;Sebastien et al., Current Pharmaceutical Design 8: 2249-2253, 2002)、ならびに/または心停止後の脳虚血、卒中および多発梗塞性認知症を含む、虚血事象から生じる神経変性に関連する障害の処置もしくは予防における使用について議論されてきた。Rafキナーゼの阻害剤は、頭部損傷、手術および/または出産中に起こるものなどの脳虚血事象の後における(York et al., Mol. and Cell. Biol. 20(21): 8069-8083, 2000;Chin et al., Neurochem. 90: 595-608, 2004)、ならびに多発性嚢胞腎(Nagao et al., Kidney Int. 63(2): 427-437, 2003)における使用についても議論されてきた。
加えて、特定の過剰増殖性障害は、Rafキナーゼ機能の過剰な活性化、例えば、タンパク質の突然変異または過剰発現によって特徴付けてもよい。したがって、Rafキナーゼの阻害剤は、がんなどの過剰増殖性障害の処置において有用でありうる。
B-Rafキナーゼの小分子阻害剤が抗がん療法のために開発中である。Nexavar(登録商標)(ソラフェニブトシラート)はB-Rafキナーゼの阻害を含む多標的キナーゼ阻害剤であり、進行性腎細胞がんおよび切除不能の肝細胞がんを有する患者の処置のために承認されている。他のRaf阻害剤、例えば、SB-590885、RAF-265、PLX-4032、GSK2118436およびXL-281も開示されているか、または臨床試験に入っている。
他のB-Raf阻害剤も公知である。例えば、米国特許出願公開第2006/0189627号、米国特許出願公開第2006/0281751号、米国特許出願公開第2007/0049603号、国際公開公報第2007/002325号、国際公開公報第2007/002433号、国際公開公報第03/068773号および国際公開公報第2007/013896号を参照されたい。
特定の窒素含有ヘテロアリール置換アリール二環式化合物がRaf阻害剤として特定されている。例えば、国際公開公報第2007/067444号および米国特許出願公開第2010/0197924号を参照されたい。
特定のRafキナーゼ阻害剤も特定されている。例えば、国際公開公報第2005/062795号、国際公開公報第2008/079906号、国際公開公報第2008/079909号、国際公開公報第2006/066913号、国際公開公報第2008/028617号および国際公開公報第2009/012283号を参照されたい。
本明細書において、B-RafキナーゼなどのRafキナーゼを阻害することができる化合物を開示する。式Iの化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を提供する:
式中、
QはCおよびNから選択され;
WはCおよびNから選択され;
XはCH2およびOから選択され;
YはNR12、O、およびSから選択され;
ZはO、S、NR13、CO、SO、SO2、およびCR13R14から選択され;
R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR13R14、-OR13、-COR13、-CO2R13、-CONR13R14、-C(=NR13)NR14R15、-NR13COR14、-NR13CONR14R15、-NR13CO2R14、-SO2R13、-NR13SO2NR14R15、および-NR13SO2R14から選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびヘテロシクリルは少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよく、または(R1およびR2)、および/もしくは(R3およびR4)、および/もしくは(R5およびR6)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;ただし、QがNである場合、R1は存在せず、かつWがNである場合、R5は存在せず;
R7は水素、ハロゲン、アルキル、-O-アルキル、および-S-アルキルから選択され;
R12は水素およびアルキルから選択され;
R13、R14およびR15は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか;または(R13およびR14)および/もしくは(R14およびR15)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環をそれぞれ形成し;
R16はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-CN、-OR'、-NR'R''、-COR'、-CO2R'、-CONR'R''、-C(=NR')NR''R'''、-NR'COR''、-NR'CONR'R''、-NR'CO2R''、-SO2R'、-SO2アリール、-NR'SO2NR''R'''、およびNR'SO2R''から選択され、ここでR'、R''、およびR'''はH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立に選択されるか、または(R'およびR'')および/もしくは(R''およびR''')は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成する。
少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、本明細書に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物とを含む薬学的組成物も提供する。
Rafキナーゼの阻害に反応性のがんを処置する方法であって、そのようながんの処置を必要としている対象に、がんを処置するのに有効な量の、本明細書に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を投与する段階を含む方法も提供する。
Rafキナーゼを阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の使用も提供する。
がんを処置するための医薬の製造における、本明細書に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の使用も提供する。
本明細書において用いられる以下の単語、語句および記号は一般に、それらが用いられる文脈がそうではないと示す範囲を除き、以下に示す意味を有することが意図される。以下の略語および用語は終始示した意味を有する。
本明細書における「アルキル」なる用語は、1から12個などの、さらには1から6個などの、1から18個の炭素原子を含む、直鎖および分枝飽和炭化水素基から選択される炭化水素基を意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、1-プロピルまたはn-プロピル(「n-Pr」)、2-プロピルまたはイソプロピル(「i-Pr」)、1-ブチルまたはn-ブチル(「n-Bu」)、2-メチル-1-プロピルまたはイソブチル(「i-Bu」)、1-メチルプロピルまたはs-ブチル(「s-Bu」)、および1,1-ジメチルエチルまたはt-ブチル(「t-Bu」)から選択されうる。アルキル基の他の例は、1-ペンチル(n-ペンチル、--CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ペンチル(--CH(CH3)CH2CH2CH3)、3-ペンチル(--CH(CH2CH3)2)、2-メチル-2-ブチル(--C(CH3)2CH2CH3)、3-メチル-2-ブチル(--CH(CH3)CH(CH3)2)、3-メチル-1-ブチル(--CH2CH2CH(CH3)2)、2-メチル-1-ブチル(--CH2CH(CH3)CH2CH3)、1-ヘキシル(--CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ヘキシル(--CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3-ヘキシル(--CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2-メチル-2-ペンチル(--C(CH3)2CH2CH2CH3)、3-メチル-2-ペンチル(--CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4-メチル-2-ペンチル(--CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3-メチル-3-ペンチル(--C(CH3)(CH2CH3)2)、2-メチル-3-ペンチル(--CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3-ジメチル-2-ブチル(--C(CH3)2CH(CH3)2)および3,3-ジメチル-2-ブチル(--CH(CH3)C(CH3)3基から選択されうる。
本明細書における「アルケニル」なる用語は、少なくとも1つのC=C二重結合および2から6個などの、2から18個の炭素原子を含む、直鎖および分枝炭化水素基から選択される炭化水素基を意味する。アルケニル基の例は、エテニルまたはビニル(--CH=CH2)、プロパ-1-エニル(--CH=CHCH3)、プロパ-2-エニル(--CH2CH=CH2)、2-メチルプロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、ブタ-1,3-ジエニル、2-メチルブタ-1,3-ジエン、ヘキサ-1-エニル、ヘキサ-2-エニル、ヘキサ-3-エニル、ヘキサ-4-エニル、およびヘキサ-1,3-ジエニル基から選択されうる。
本明細書における「アルキニル」なる用語は、少なくとも1つのC≡C三重結合および2から6個などの、2から18個の炭素原子を含む、直鎖および分枝炭化水素基から選択される炭化水素基を意味する。アルキニル基の例には、エチニル(--C≡CH)、1-プロピニル(-C≡CCH3)、2-プロピニル(プロパルギル、-CH2C≡CH)、1-ブチニル、2-ブチニル、および3-ブチニル基が含まれる。
本明細書における「シクロアルキル」なる用語は、単環式および多環式(例えば、二環式および三環式)基を含む、飽和および部分不飽和環式炭化水素基から選択される炭化水素基を意味する。例えば、シクロアルキル基は、3から8個などの、さらには3から6個、3から5個、または3から4個などの3から12個の炭素原子を含みうる。さらには、例えば、シクロアルキル基は、3から8個、3から6個などの3から12個の炭素原子を含む、単環式基から選択されうる。単環式シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、およびシクロドデシル基が含まれる。二環式シクロアルキル基の例には、[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]および[6,6]環系から選択される二環式環として、またはビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ、およびビシクロ[3.2.2]ノナンから選択される架橋二環式環として配置された、7から12個の環原子を有するものが含まれる。環は飽和であってもよく、または少なくとも1つの二重結合を有していてもよいが(すなわち、部分不飽和)、完全に共役ではなく、かつ芳香族はではなく、芳香族は本明細書において定義される。
本明細書における「アリール」なる用語は、下記から選択される基を意味する:
5および6員の芳香族炭素環、例えば、フェニル;
少なくとも1つの環が、例えば、ナフタレン、インダン、および1,2,3,4-テトラヒドロキノリンから選択される、炭素環式および芳香族である、7から12員の二環式環系などの二環式環系;および
少なくとも1つの環が、炭素環式および芳香族、例えば、フルオレンである、10から15員の三環式環系などの三環式環系。
例えば、アリール基は、N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよい5から7員の複素環またはシクロアルキルに縮合した5および6員の芳香族炭素環から選択され、ただし、芳香族炭素環が複素環と縮合している場合、結合点は芳香族炭素環にあり、芳香族炭素環がシクロアルキル基と縮合している場合、結合点は芳香族炭素環またはシクロアルキル基にありうる。置換ベンゼン誘導体から形成され、環原子に自由原子価を有する二価の基は、置換フェニレン基と呼ばれる。自由原子価を有する炭素原子から1個の水素原子を除去することにより、名前が「-イル」で終わる一価の多環式炭化水素基から誘導される二価の基は、対応する一価の基の名前に「-イデン」を加えて呼ばれ、例えば、2つの結合点を有するナフチル基はナフチリデンと呼ばれる。しかし、アリールは、以下に別に定義されるヘテロアリールを包含することはなく、またはいかなる様式でも重複することはない。したがって、1つまたは複数の芳香族炭素環が芳香族複素環と縮合している場合、生じる環系は、本明細書において定義されるヘテロアリールであって、アリールではない。
本明細書における「ハロゲン」または「ハロ」なる用語は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
本明細書における「ヘテロアリール」なる用語は、下記から選択される基を意味する:
N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、例えば、1から4個、または、いくつかの態様において、1から3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である、5から7員の芳香族単環式環;
N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、例えば、1から4個、または、いくつかの態様において、1から3個、または、他の態様において、1もしくは2個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である、8から12員の二環式環であって、少なくとも1つの環は芳香族であり、かつ芳香環に少なくとも1つのヘテロ原子が存在する環;および
N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、例えば、1から4個、または、いくつかの態様において、1から3個、または、他の態様において、1もしくは2個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である、11から14員の三環式環であって、少なくとも1つの環は芳香族であり、かつ芳香環に少なくとも1つのヘテロ原子が存在する環。
例えば、ヘテロアリール基には、5から7員のシクロアルキル環に縮合した5から7員の芳香族複素環が含まれる。環の1つだけが少なくとも1つのヘテロ原子を含む、そのような縮合二環式ヘテロアリール環系について、結合点は芳香族複素環またはシクロアルキル環にあってもよい。
ヘテロアリール基におけるSおよびO原子の総数が2以上である場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しない。いくつかの態様において、ヘテロアリール基におけるSおよびO原子の総数は2以下である。いくつかの態様において、ヘテロアリール基におけるSおよびO原子の総数は1以下である。
ヘテロアリール基の例には、(優先順位1に割り当てられた連結位置から番号付けた)ピリジル(2-ピリジル、3-ピリジル、または4-ピリジルなど)、シンノリニル、ピラジニル、2,4-ピリミジニル、3,5-ピリミジニル、2,4-イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、チエニル、トリアジニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、フタラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリル、トリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ピラゾリル、ピロロピリジニル(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルなど)、ピラゾロピリジニル(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イルなど)、ベンゾキサゾリル(ベンゾ[d]オキサゾール-6-イルなど)、プテリジニル、プリニル、1-オキサ-2,3-ジアゾリル、1-オキサ-2,4-ジアゾリル、1-オキサ-2,5-ジアゾリル、1-オキサ-3,4-ジアゾリル、1-チア-2,3-ジアゾリル、1-チア-2,4-ジアゾリル、1-チア-2,5-ジアゾリル、1-チア-3,4-ジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、フロピリジニル、ベンゾチアゾリル(ベンゾ[d]チアゾール-6-イルなど)、インダゾリル(1H-インダゾール-5-イルなど)および5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
本明細書における「複素環式」または「複素環」または「ヘテロシクリル」なる用語は、酸素、硫黄、および窒素から選択される、1〜4個のヘテロ原子などの、さらには1〜3個などの、またはさらには1もしくは2個のヘテロ原子などの、少なくとも1つのヘテロ原子に加えて、少なくとも1つの炭素原子を含む、4から12員の単環式、二環式および三環式、飽和および部分不飽和環から選択される環を意味する。本明細書における「複素環」は、5、6、および/または7員のシクロアルキル、芳香族炭素環または芳香族複素環と縮合した、N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5から7員の複素環であって、ただし、複素環が芳香族炭素環または芳香族複素環と縮合している場合、結合点は複素環にあり、複素環がシクロアルキルと縮合している場合、結合点はシクロアルキルまたは複素環にありうる環も意味する。本明細書における「複素環」は、N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む脂肪族スピロ環であって、ただし、結合点が複素環にある環も意味する。環は飽和であってもよく、または少なくとも1つの二重結合を有していてもよい(すなわち、部分不飽和)。複素環はオキソで置換されていてもよい。結合点は複素環中の炭素またはヘテロ原子であってもよい。複素環は、本明細書において定義されるヘテロアリールではない。
複素環の例には、(優先順位1に割り当てられた連結位置から番号付けた)1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、2,4-イミダゾリジニル、2,3-ピラゾリジニル、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、2,5-ピペラジニル、ピラニル、2-モルホリニル、3-モルホリニル、オキシラニル、アジリジニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2-ジチエタニル、1,3-ジチエタニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、チオモルホリニル、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、1,4-オキサチアニル、1,4-ジオキセパニル、1,4-オキサチエパニル、1,4-オキサアゼパニル、1,4-ジチエパニル、1,4-チアゼパニルおよび1,4-ジアゼパン1,4-ジチアニル、1,4-アザチアニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、1,4-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジチアニル、ジチオラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、ピリミジノニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニルおよびアザビシクロ[2.2.2]ヘキサニルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。置換複素環には、ピペリジニルN-オキシド、モルホリニル-N-オキシド、1-オキソ-1-チオモルホリニルおよび1,1-ジオキソ-1-チオモルホリニルなどの、1つまたは複数のオキソ部分で置換された環系も含まれる。
本明細書における「縮合環」なる用語は、2つの環が2つの環原子および1つの結合だけを共有している、多環式環系、例えば、二環式または三環式環系を意味する。縮合環の例は、前述の[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]および[6,6]環系から選択される二環式環として配置された、7から12個の環原子を有するものなどの縮合二環式シクロアルキル環;前述の7から12員の二環式アリール環系などの縮合二環式アリール環、前述の10から15員の三環式アリール環系などの縮合三環式アリール環;前述の8から12員の二環式ヘテロアリール環などの縮合二環式ヘテロアリール環、前述の11から14員の三環式ヘテロアリール環などの縮合三環式ヘテロアリール環;ならびに前述の縮合二環式または三環式ヘテロシクリル環を含みうる。
本明細書に記載の化合物は不斉中心を含んでいてもよく、したがって鏡像異性体として存在してもよい。本明細書に記載の化合物が2つ以上の不斉中心を有する場合、それらはさらにジアステレオマーとして存在してもよい。鏡像異性体およびジアステレオマーはより広いクラスの立体異性体に入る。実質的に純粋な分割された鏡像異性体、そのラセミ混合物、ならびにジアステレオマーの混合物などの、すべての可能な立体異性体は、含まれることが意図される。本明細書において開示する化合物のすべての立体異性体および/またはその薬学的に許容される塩は、含まれることが意図される。特に記載がないかぎり、1つの異性体への言及は任意の可能な異性体に適用される。異性体組成が明記されていない場合はいつも、すべての可能な異性体が含まれる。
本明細書において用いられる「実質的に純粋な」なる用語は、目的の立体異性体が、30重量%以下などの、さらには25重量%以下などの、さらには20重量%以下などの、35重量%以下の任意の他の立体異性体を含むことを意味する。いくつかの態様において、「実質的に純粋な」なる用語は、目的の立体異性体が、10重量%以下、例えば、1重量%以下などの5重量%以下の任意の他の立体異性体を含むことを意味する。
本明細書に記載の化合物がオレフィン二重結合を含む場合、特に記載がないかぎり、そのような二重結合はEおよびZ両方の幾何異性体を含むことになる。
本明細書に記載の化合物のいくつかは、互変異性体と呼ばれる、水素結合点が異なる状態で存在してもよい。例えば、カルボニル-CH2C(O)-基(ケト型)を含む化合物は互変異性を起こしてヒドロキシル-CH=C(OH)-基(エノール型)を生成しうる。ケト型およびエノール型の両方は、個別にならびにその混合物が、該当する場合には含まれることが意図される。
反応生成物を互いに、および/または出発原料から分離することは有利でありうる。各段階または一連の段階の所望の生成物を、当技術分野において一般的な技術により、所望の程度の均質性まで分離および/または精製(以下分離)する。典型的にはそのような分離は多相抽出、溶媒もしくは溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィを含む。クロマトグラフィは、例えば:逆相および順相;サイズ排除;イオン交換;高圧、中圧および低圧液体クロマトグラフィ法および機器;小規模分析;疑似移動床(「SMB」)および調製用薄層または厚層クロマトグラフィ、ならびに小規模薄層およびフラッシュクロマトグラフィの技術を含む任意の数の方法を含みうる。当業者であれば、所望の分離を最も達成しそうな技術を適用するであろう。
ジアステレオマー混合物を、それらの物理化学的な差に基づき、クロマトグラフィおよび/または分別結晶などの当業者には周知の方法によって、それらの個々のジアステレオマーに分離することができる。鏡像異性体は、鏡像異性体混合物を適切な光学活性化合物(例えば、キラルアルコールまたはモッシャーの酸塩化物などのキラル補助剤)との反応によりジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に変換(例えば、加水分解)することによって分離することができる。鏡像異性体は、キラルHPLCカラムの使用によって分離することもできる。
単一の立体異性体、例えば、実質的に純粋な鏡像異性体を、光学活性分割剤を用いてジアステレオマーを生成するなどの方法を用いての、ラセミ混合物の分割によって得てもよい(Eliel, E. and Wilen, S. Stereochemistry of Organic Compounds. New York: John Wiley & Sons, Inc., 1994;Lochmuller, C. H., et al. ''Chromatographic resolution of enantiomers: Selective review.'' J. Chromatogr., 113(3) (1975): pp. 283-302)。本発明のキラル化合物のラセミ混合物を、下記を含む任意の適切な方法によって分離および単離することができる:(1)キラル化合物とのイオン性ジアステレオマーの塩の生成および分別結晶または他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬とのジアステレオマー化合物の生成、ジアステレオマーの分離、および純粋な立体異性体への変換、ならびに(3)実質的に純粋または濃縮された立体異性体のキラル条件下での直接分離。Wainer, Irving W., Ed. Drug Stereochemistry: Analytical Methods and Pharmacology. New York: Marcel Dekker, Inc., 1993を参照されたい。
「薬学的に許容される塩」には、例えば、塩酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、スルフィン酸塩、および硝酸塩から選択される、無機酸との塩;ならびに、例えば、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、2-ヒドロキシエチルスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、酢酸塩などのアルカン酸塩、およびnが0から4から選択されるHOOC-(CH2)n-COOHとの塩から選択される、有機酸との塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない。同様に、薬学的に許容されるカチオンの例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、およびアンモニウムが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
加えて、本明細書において開示する化合物が酸付加塩として得られる場合、遊離塩基は酸性塩の溶液を塩基性化することにより得ることができる。反対に、生成物が遊離塩基である場合、薬学的に許容される付加塩などの付加塩は、塩基性化合物から酸付加塩を調製するための通常の手順に従い、遊離塩基を適切な有機溶媒に溶解し、溶液を酸で処理することによって生成してもよい。当業者であれば、非毒性の薬学的に許容される付加塩を調製するために、過度の実験を行うことなく用いうる様々な合成法を理解するであろう。
本明細書において定義される「その薬学的に許容される塩」は、式I、II、III、IV、および/またはVの少なくとも1つの化合物の塩、ならびに鏡像異性体の塩、および/またはジアステレオマーの塩などの、式I、II、III、IV、および/またはVの少なくとも1つの化合物の立体異性体の塩を含む。
「処置すること」、「処置する」、または「処置」あるいは「軽減」とは、本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/もしくはその少なくとも1つの立体異性体、ならびに/またはその少なくとも1つの薬学的に許容される塩を、例えば、がんを有する、それを必要としていると認められる対象に投与することを意味する。
「有効量」なる用語は、本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/もしくはその少なくとも1つの立体異性体、ならびに/またはその少なくとも1つの薬学的に許容される塩の、対象の疾患または障害を前述の定義のとおり「処置する」ために有効な量を意味する。
本明細書において開示する「少なくとも1つの置換基」なる用語は、例えば、1つから3つなどの、さらには1つまたは2つなどの、1つから4つの置換基を含む。例えば、本明細書において開示する「少なくとも1つの置換基R16」は、本明細書に記載のR16のリストから選択される、1つから3つなどの、さらには1つまたは2つなどの、1つから4つの置換基を含む。
式Iの化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を提供する:

式中、
QはCおよびNから選択され;
WはCおよびNから選択され;
XはCH2およびOから選択され;
YはNR12、O、およびSから選択され;
ZはO、S、NR13、CO、SO、SO2、およびCR13R14から選択され;
R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR13R14、-OR13、-COR13、-CO2R13、-CONR13R14、-C(=NR13)NR14R15、-NR13COR14、-NR13CONR14R15、-NR13CO2R14、-SO2R13、-NR13SO2NR14R15、-NR13SO2R14、および-NR13SO2アリールから選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびヘテロシクリルは少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよく、または(R1およびR2)、および/もしくは(R3およびR4)、および/もしくは(R5およびR6)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;ただし、QがNである場合、R1は存在せず、かつWがNである場合、R5は存在せず;
R7は水素、ハロゲン、アルキル、-O-アルキル、および-S-アルキルから選択され;
R12は水素およびアルキルから選択され;
R13、R14およびR15は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか;または(R13およびR14)および/もしくは(R14およびR15)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環をそれぞれ形成し;
R16はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-CN、-OR'、-NR'R''、-COR'、-CO2R'、-CONR'R''、-C(=NR')NR''R'''、-NR'COR''、-NR'CONR'R''、-NR'CO2R''、-SO2R'、-SO2アリール、-NR'SO2NR''R'''、NR'SO2R''、および-NR'SO2アリールから選択され、ここでR'、R''、およびR'''はH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立に選択されるか、または(R'およびR'')および/もしくは(R''およびR''')は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成する。
いくつかの態様において、XはCH2である。
いくつかの態様において、XはOである。
いくつかの態様において、YはNHであり、かつWはCである。
いくつかの態様において、YはSであり、かつWはCである。
いくつかの態様において、QはCである。
いくつかの態様において、QはNであり、かつR1は存在しない。
いくつかの態様において、ZはOである。
いくつかの態様において、R1およびR2はそれぞれ水素である。
いくつかの態様において、R3およびR4は、それらが結合している環と一緒に、ナフチリジニル(例えば、ジヒドロナフチリジニル)、ピロロピリジニル(例えば、ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)、およびプリニルなどの複素環またはヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し、該環は、オキソなどの少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよい。
いくつかの態様において、R3およびR4は同じでも、または異なっていてもよく、それぞれ水素、-CONHCH3などの-CONR13R14、および少なくとも1つのハロアルキルなどの少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロアリール(例えば、イミダゾール)から選択され、ここでハロアルキルは、例えば、-CF3である。
いくつかの態様において、R5およびR6はそれらが結合している環と一緒に、ベンゾイミダゾリル(例えば、1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)、およびイミダゾピリジニル(例えば、3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-イル)などの、ヘテロアリール環である縮合環を形成し、該ヘテロアリール環は、ハロアルキル(例えば、-CF3)、アルキル(例えば、メチル、tert-ブチル)、ハロゲン、CN、ハロアルキルオキシ(例えば、OCF3)、アルキルオキシ(例えば、メトキシ)、ヒドロキシル、およびフェニルなどの少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよい。
いくつかの態様において、R5およびR6は同じでも、または異なっていてもよく、それぞれ水素、フェニルなどのアリール、ならびにハロアルキル(例えば、-CF3)、アルキル(例えば、メチル、tert-ブチル)、ハロゲン、CN、ハロアルキルオキシ(例えば、OCF3など)、アルキルオキシ(例えば、メトキシ)、ヒドロキシル、およびフェニルなどの少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロアリール(例えば、ピリジル) から選択される。
いくつかの態様において、式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、以下の式(II)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される:
式中、
QはCおよびNから選択され;
XはCH2およびOから選択され;
YはNR12、O、およびSから選択され;
ZはO、S、NR13、CO、SO、SO2、およびCR13R14から選択され;
R1、R2、R3、R4、R8、R9、R10およびR11は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR13R14、-OR13、-COR13、-CO2R13、-CONR13R14、-C(=NR13)NR14R15、-NR13COR14、-NR13CONR14R15、-NR13CO2R14、-SO2R13、-NR13SO2NR14R15、および-NR13SO2R14から選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびヘテロシクリルは少なくとも1つの置換基R16でそれぞれ置換されていてもよく、または(R1およびR2)、および/もしくは(R3およびR4)、および/もしくは(R8およびR9)、および/もしくは(R9およびR10)、および/もしくは(R10およびR11)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;ただし、QがNである場合、R1は存在せず;
R7は水素、ハロゲン、アルキル、-O-アルキル、および-S-アルキルから選択され;
R12は水素およびアルキルから選択され;
R13、R14およびR15は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか;または(R13およびR14)および/もしくは(R14およびR15)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環をそれぞれ形成し;
R16はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-CN、-OR'、-NR'R''、-COR'、-CO2R'、-CONR'R''、-C(=NR')NR''R'''、-NR'COR''、-NR'CONR'R''、-NR'CO2R''、-SO2R'、-SO2アリール、-NR'SO2NR''R'''、NR'SO2R''、および-NR'SO2アリールから選択され、ここでR'、R''、およびR'''はH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立に選択されるか、または(R'およびR'')および/もしくは(R''およびR''')は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成する。
いくつかの態様において、式(II)のXはOである。
いくつかの態様において、式(II)のXはCH2である。
いくつかの態様において、式(II)のYはSである。
いくつかの態様において、式(II)のZはOである。
いくつかの態様において、式(II)のQはCである。
いくつかの態様において、式(II)のQはNであり、かつ式(II)のR1は存在しない。
いくつかの態様において、R3およびR4は、それらが結合している環と一緒に、ナフチリジニル(例えば、ジヒドロナフチリジニル)、ピロロピリジニル(例えば、ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)、およびプリニルなどの複素環またはヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し、該環は、オキソなどの少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよい。
いくつかの態様において、R1およびR2はそれぞれ水素である。
いくつかの態様において、R3およびR4は同じでも、または異なっていてもよく、それぞれ水素、-CONHCH3などの-CONR13R14、および少なくとも1つのハロアルキルなどの少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロアリール(例えば、イミダゾール)から選択され、ここでハロアルキルは、例えば、-CF3である。
いくつかの態様において、式(II)のR8、R9、R10、およびR11は同じでも、または異なっていてもよく、それぞれアルキル(例えば、メチル、tert-ブチル)、水素、ハロアルキル(例えば、-CF3)、ハロゲン、ヒドロキシ、-CN、-Oアルキル(例えば、メトキシ)、および-Oハロアルキル(例えば、OCF3)、およびアリール(例えば、フェニル)から選択される。
いくつかの態様において、式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、式(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される:
式中、
XはCH2およびOから選択され;
ZはO、S、NR13、CO、SO、SO2、およびCR13R14から選択され;
Aは-CH2-、-CH2CH2-、-CH=CH-、=CH-、-NR13-、-CH2-O-、-O-、および-S-から選択され;
Mは=CH-および-C(O)-から選択されるか;またはMは存在せず;
R1、R2、R8、R9、R10およびR11は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR13R14、-OR13、-COR13、-CO2R13、-CONR13R14、-C(=NR13)NR14R15、-NR13COR14、-NR13CONR14R15、-NR13CO2R14、-SO2R13、-SO2アリール、-NR13SO2NR14R15、および-NR13SO2R14から選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびヘテロシクリルは少なくとも1つの置換基R16でそれぞれ置換されていてもよく、
または(R1およびR2)、および/もしくは(R8およびR9)、および/もしくは(R9およびR10)、および/もしくは(R10およびR11)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;
R12は水素およびアルキルから選択され;
R13、R14およびR15は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか;または(R13およびR14)および/もしくは(R14およびR15)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環をそれぞれ形成し;
R16はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-CN、-OR'、-NR'R''、-COR'、-CO2R'、-CONR'R''、-C(=NR')NR''R'''、-NR'COR''、-NR'CONR'R''、-NR'CO2R''、-SO2R'、-SO2アリール、-NR'SO2NR''R'''、NR'SO2R''、および-NR'SO2アリールから選択され、ここでR'、R''、およびR'''はH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立に選択されるか、または(R'およびR'')および/もしくは(R''およびR''')は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成する。
いくつかの態様において、式(III)のA-Mは-CH2-CH2-C(O)-である。
いくつかの態様において、式(III)のA-Mは-CH=CH-である。
いくつかの態様において、式(III)のA-Mは-CH2-O-C(O)-である。
いくつかの態様において、式(III)のR12はHである。
いくつかの態様において、式(III)のXはOである。
いくつかの態様において、式(III)のXはCH2である。
いくつかの態様において、式(III)のZはOである。
いくつかの態様において、式(III)のR8、R9、R10、およびR11は同じでも、または異なっていてもよく、それぞれアルキル(例えば、メチル、tert-ブチル)、水素、ハロアルキル(例えば、-CF3)、ハロゲン、ヒドロキシ、-CN、-Oアルキル(例えば、メトキシ)、-Oハロアルキル(例えば、OCF3)、およびアリール(例えば、フェニル)から選択される。
いくつかの態様において、式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、式(IV)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される:
式中、
BはCH2、O、およびNR13から選択され;
XはCH2およびOから選択され;
R1、R2、R8、R9、R10およびR11は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR13R14、-OR13、-COR13、-CO2R13、-CONR13R14、-C(=NR13)NR14R15、-NR13COR14、-NR13CONR14R15、-NR13CO2R14、-SO2R13、-SO2アリール、-NR13SO2NR14R15、および-NR13SO2R14から選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびヘテロシクリルは少なくとも1つの置換基R16でそれぞれ置換されていてもよく、または(R1およびR2)、および/もしくは(R8およびR9)、および/もしくは(R9およびR10)、および/もしくは(R10およびR11)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;
R12は水素およびアルキルから選択され;
R13、R14およびR15は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか;または(R13およびR14)および/もしくは(R14およびR15)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環をそれぞれ形成し;
R16はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-CN、-OR'、-NR'R''、-COR'、-CO2R'、-CONR'R''、-C(=NR')NR''R'''、-NR'COR''、-NR'CONR'R''、-NR'CO2R''、-SO2R'、-SO2アリール、-NR'SO2NR''R'''、NR'SO2R''、および-NR'SO2アリールから選択され、ここでR'、R''、およびR'''はH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立に選択されるか、または(R'およびR'')および/もしくは(R''およびR''')は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成する。
いくつかの態様において、R1およびR2は同じでも、または異なっていてもよく、それぞれ水素、アルキル、およびハロから選択される。
いくつかの態様において、式(IV)のR12はHである。
いくつかの態様において、式(IV)のXはOである。
いくつかの態様において、式(IV)のXはCH2である。
いくつかの態様において、式(IV)のR8、R9、R10、およびR11は同じでも、または異なっていてもよく、それぞれアルキル(例えば、メチル、tert-ブチル)、水素、ハロアルキル(例えば、-CF3)、ハロゲン、ヒドロキシ、-CN、-Oアルキル(例えば、メトキシ)、-Oハロアルキル(例えば、OCF3)、およびアリール(例えば、フェニル)から選択される。
いくつかの態様において、式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、式(V)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される:
式中、
XはCH2およびOから選択され;
R8、R9、R10およびR11は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-NR13R14、-OR13、-COR13、-CO2R13、-CONR13R14、-C(=NR13)NR14R15、-NR13COR14、-NR13CONR14R15、-NR13CO2R14、-SO2R13、-SO2アリール、-NR13SO2NR14R15、および-NR13SO2R14から選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびヘテロシクリルは少なくとも1つの置換基R16でそれぞれ置換されていてもよく、または(R8およびR9)、および/もしくは(R9およびR10)、および/もしくは(R10およびR11)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;
R13、R14およびR15は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか;または(R13およびR14)および/もしくは(R14およびR15)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環をそれぞれ形成し;
R16はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-CN、-OR'、-NR'R''、-COR'、-CO2R'、-CONR'R''、-C(=NR')NR''R'''、-NR'COR''、-NR'CONR'R''、-NR'CO2R''、-SO2R'、-SO2アリール、-NR'SO2NR''R'''、NR'SO2R''、および-NR'SO2アリールから選択され、ここでR'、R''、およびR'''はH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立に選択されるか、または(R'およびR'')および/もしくは(R''およびR''')は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成する。
いくつかの態様において、少なくとも1つの式(V)の化合物は光学的に純粋である。
いくつかの態様において、式(V)のXはOである。
いくつかの態様において、式(V)のXはCH2である。
いくつかの態様において、式(III)のR8、R9、R10、およびR11は同じでも、または異なっていてもよく、それぞれアルキル(例えば、メチル、tert-ブチル)、水素、ハロアルキル(例えば、-CF3)、ハロゲン、ヒドロキシ、-CN、-Oアルキル(例えば、メトキシ)、-Oハロアルキル(例えば、OCF3)、およびアリール(例えば、フェニル)から選択される。
以下の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物も本明細書において提供する。
以下の立体化学を示す以下の化合物から選択される少なくとも1つの化合物も本明細書において提供する。
本明細書において開示する化合物、および/またはその薬学的に許容される塩は、本明細書における開示とあわせれば、市販の出発原料から合成することができる。以下のスキームは、本明細書において開示する化合物のいくつかの調製法を例示する。
スキームI
Pr=保護基;
PrO=保護ヒドロキシ基;
Alk=アルキル基;
Halo=ハロゲン。
このスキームにおいて、式1の市販のヒドロキシルベンゾフランまたはヒドロキシルインデンのヒドロキシル基をヒドロキシル保護基(メチル、エチル、イソプロピル、ベンジル、p-メトキシベンジル、トリチル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニルアセチル、ベンゾアート、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリ-イソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリルまたはtert-ブチルジフェニルシリルなど、さらには臭化ベンジルからのベンジル、およびTBSClからのtert-ブチルジフェニルシリルなど)で保護して、式2の保護ヒドロキシベンゾフランまたはヒドロキシインデンを提供する。式2の化合物はジアゾ酢酸アルキル(ジアゾ酢酸エチルなど)とRhまたはCu触媒存在下で反応して、式3のシクロプロパン誘導体を提供する。式3のキラル誘導体を、Cu(OOCCF3)2から系内(in situ)で形成されるキラル触媒およびキラルアミノアルコールを用いて、または市販のキラルRh触媒を用いて得てもよい。式3の化合物を前述のとおりに脱保護して、式4のフェノール誘導体を提供する(例えば、TBS保護基をフッ化水素ピリジンで処理することにより除去してもよい)。得られた式4のフェノール誘導体は式5のハロヘテロアリール誘導体(式5のフルオロ置換ヘテロアリール誘導体など)と反応して、式6の化合物を提供し、これを続いて水酸化ナトリウムなどの塩基を用いて式7の遊離酸に加水分解する。酸7のさらなるカップリングおよび環化を当技術分野において公知の標準の条件下で達成して、式Iの化合物を提供する。
Rafキナーゼの阻害に反応性のがんを処置する方法であって、がんの処置を必要としている哺乳動物またはヒトなどの対象に、本明細書に記載の式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の有効量を投与する段階を含む方法も本明細書において提供する。
式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、単独でまたは処置のための少なくとも1つの他の治療剤との組み合わせで用いてもよい。いくつかの態様において、式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、少なくとも1つの追加の治療剤との組み合わせで用いることもできる。少なくとも1つの追加の治療剤は、例えば、抗過剰増殖剤、抗がん剤、および化学療法剤から選択することができる。本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/または少なくとも1つの薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの他の治療剤と共に、単一の剤形中で、または別々の剤形として投与してもよい。別々の剤形として投与する場合、少なくとも1つの他の治療剤は、本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/または少なくとも1つの薬学的に許容される塩の投与の前、同時、または後に投与してもよい。「化学療法剤」は、作用機作に関係なく、がんの処置において有用な化学化合物である。化学療法剤には、「標的療法」および通常の化学療法において用いられる化合物が含まれる。適切な化学療法剤は、例えば、下記から選択することができる:アポトーシスを誘導する剤;ポリヌクレオチド(例えば、リボザイム);ポリペプチド(例えば、酵素);薬物;生物学的模倣物;アルカロイド;アルキル化剤;抗腫瘍抗生物質;代謝拮抗剤;ホルモン;白金化合物;抗がん薬、毒素、および/または放射性核種とコンジュゲートしたモノクローナル抗体;生物学的応答調節物質(例えば、IFN-aなどのインターフェロンおよびIL-2などのインターロイキン);養子免疫療法剤;造血成長因子;腫瘍細胞分化を誘導する剤(例えば、全トランス型レチノイン酸);遺伝子療法試薬;アンチセンス療法試薬およびヌクレオチド;腫瘍ワクチン;ならびに血管新生阻害剤。
化学療法剤の例には、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.);ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.);フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca);スニチニブ(SUTENT(登録商標)、Pfizer);レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis);メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Novartis);PTK787/ZK 222584(Novartis);オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標)、Sanofi);5-FU(5-フルオロウラシル);ロイコボリン;ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth);ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline);ロナファルニブ(SCH 66336);ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、Bayer);イリノテカン(CAMPTOSAR(登録商標)、Pfizer)およびゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca);AG1478、AG1571(SU 5271、Sugen);チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロスホスファミド(cyclosphosphamide)などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのアルキルスルホナート;ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、およびウレドーパ(uredopa)などのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロメラミンなどのエチレンイミンおよびメチラメラミン(methylamelamine);アセトゲニン(ブラタシンおよびブラタシノンなど);カンプトテシン(合成類縁体トポテカンなど);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065およびそのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類縁体;クリプトフィシン(クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8など);ドラスタチン;デュオカルマイシンならびにKW-2189およびCB1-TM1などのその合成類縁体;エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロマファジン(chlomaphazine)、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムヌスチン(ranimnustine)などのニトロス尿素(nitrosurea);エンジイン抗生物質(例えば、カリケアミシンガンマ1IおよびカリケアミシンオメガI1などのカリケアミシン(Angew Chem. Intl. Ed. Engl. (1994) 33:183-186)などの抗生物質;ジネミシンAなどのジネミシン;クロドロナートなどのビスホスホナート;エスペラミシン;ならびにネオカルジノスタチン発色団および関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)(ドキソルビシン)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類縁体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類縁体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジンなどのピリミジン類縁体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フロリン酸(frolinic acid)などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジコン;エルフォルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;メイタンシンおよびアンサミトシンなどのメイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products, Eugene, Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(T-2毒素、ベラクリン(verracurin)A、ロリジンAおよびアングイジンなど);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、TAXOL(登録商標)(パクリタキセル;Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, N.J.)、ABRAXANE(登録商標)(Cremophorを含まない)、パクリタキセルのアルブミン改変ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners, Schaumberg, Ill.)、およびTAXOTERE(登録商標)(ドキセタキセル(doxetaxel);Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France);クロランブシル;GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン);6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類縁体;ビンブラスチン;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(登録商標));イバンドロナート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;および上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸および誘導体が含まれる。
「化学療法剤」は、例えば、下記からも選択することができる:(i)腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するようにはたらく抗ホルモン剤、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標);クエン酸タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびFARESTON(登録商標)(クエン酸トレミファイン(toremifine))を含む、抗エストロゲンおよび選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM);(ii)副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素であるアロマターゼを阻害する、アロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロール)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン;Pfizer)、ホルメスタニー(formestanie)、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;Novartis)、およびARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;AstraZeneca);(iii)抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリン;ならびにトロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシン類縁体);(iv)タンパク質キナーゼ阻害剤;(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば、異常な細胞増殖に関与するシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの、例えば、PKC-アルファ、RalfおよびH-Ras;(vii)リボザイム、例えば、VEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標))およびHER2発現阻害剤;(viii)ワクチン、例えば、遺伝子療法ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、およびVAXID(登録商標);PROLEUKIN(登録商標)rIL-2;トポイソメラーゼ1阻害剤、例えば、LURTOTECAN(登録商標);ABARELIX(登録商標)rmRH;(ix)抗血管新生剤、例えば、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech);および(x)上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸および誘導体。
「化学療法剤」は、例えば、治療用抗体、例えば、アレムツズマブ(Campath)、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech);セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、Imclone);パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、Amgen)、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)、Genentech/Biogen Idec)、ペルツズマブ(OMNITARG(登録商標)、2C4、Genentech)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、トシツモマブ(Bexxar、Corixia)、および抗体薬物複合体、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標)、Wyeth)からも選択することができる。
式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物との組み合わせで化学療法剤としての治療上の可能性を有するヒト化モノクローナル抗体は、例えば、下記から選択してもよい:アレムツズマブ、アポリズマブ、アセリズマブ(aselizumab)、アトリズマブ、バピネオズマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ、セルトリズマブペゴール、シドフシツズマブ(cidfusituzumab)、シドツズマブ(cidtuzumab)、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルリズマブ、フェルビズマブ、フォントリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ(motovizumab)、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ(nolovizumab)、ヌバビズマブ(numavizumab)、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ、ペクフシツズマブ(pecfusituzumab)、ペクツズマブ(pectuzumab)、ペルツズマブ、パキセリズマブ、ラリビズマブ(ralivizumab)、ラニビズマブ、レスリビズマブ(reslivizumab)、レスリズマブ、レシービズマブ(resyvizumab)、ロベリズマブ(rovelizumab)、ルプリズマブ(ruplizumab)、シブロツズマブ、シプリズマブ、ソンツズマブ(sontuzumab)、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ(tadocizumab)、タリズマブ、テフィバズマブ(tefibazumab)、トシリズマブ、トラリズマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブ(tucotuzumab)セルモロイキン、ツクシツズマブ(tucusituzumab)、ウマビズマブ(umavizumab)、ウルトキサズマブ、およびビジリズマブ。
式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体とを含む組成物も本明細書において提供する。
式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を含む組成物は、経口、局所、直腸、非経口、吸入噴霧、または埋め込みレザバーなどの、様々な公知の様式で投与することができるが、任意の所与の症例において最も適した経路は、特定の宿主、ならびに活性成分を投与している対象となる状態の性質および重症度に依存することになる。本明細書において用いられる「非経口」なる用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液包内、胸骨内、くも膜下腔内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を含む。本明細書において開示する組成物は、単位剤形で都合よく提示し、当技術分野において周知の任意の方法によって調製してもよい。
式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、カプセル剤、錠剤、トローチ、糖衣丸、顆粒剤および散剤などの固体剤形、またはエリキシル剤、シロップ剤、乳剤、分散剤、および懸濁剤などの液体剤形で経口投与することができる。本明細書において開示する式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、分散剤、懸濁剤または液剤などの滅菌液体剤形で非経口投与することもできる。局所投与用の軟膏、クリーム、滴剤、経皮パッチもしくは散剤として、眼への投与用の眼用液剤もしくは懸濁剤製剤、すなわち点眼剤として、吸入もしくは鼻内投与用のエアロゾル噴霧剤もしくは粉末組成物として、または直腸もしくは膣投与用のクリーム、軟膏、噴霧剤もしくは坐剤として、本明細書において開示する式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を投与するために他の剤形も用いることができる。
本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/またはその少なくとも1つの薬学的に許容される塩ならびに乳糖、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などの粉末担体を含むゼラチンカプセル剤も用いることができる。同様の希釈剤を用いて圧縮錠剤を作製することもできる。錠剤およびカプセル剤はいずれも、ある期間にわたって薬剤の持続的放出を提供するための徐放性製品として製造することができる。圧縮錠剤は、任意の不快な味をマスクし、錠剤を環境から保護するために、糖コーティングもしくはフィルムコーティングすることができ、または胃腸管における選択的崩壊のために、腸溶コーティングすることもできる。
経口投与用の液体剤形は、患者の受容を高めるために、着色剤および着香剤から選択される少なくとも1つの作用物質をさらに含むことができる。
一般に、水、適切な油、生理食塩水、水性デキストロース(グルコース)、および関連する糖溶液ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコールは、非経口液剤に適した担体の例でありうる。非経口投与用の液剤は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物の水溶性塩、少なくとも1つの適切な安定化剤、および必要があれば、少なくとも1つの緩衝化物質を含んでいてもよい。亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸などの抗酸化剤は、単独または組み合わせのいずれかで、適切な安定化剤の例でありうる。クエン酸およびその塩ならびにEDTAナトリウムも、適切な安定化剤の例として用いうる。加えて、非経口液剤は、例えば、塩化ベンザルコニウム、メチルおよびプロピルパラベン、ならびにクロロブタノールから選択される少なくとも1つの保存剤をさらに含みうる。
薬学的に許容される担体は、例えば、組成物の活性成分と適合性であり(かつ、いくつかの態様において、活性成分を安定化することができ)、治療する対象に対して有害でない担体から選択される。例えば、シクロデキストリン(これは本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/または少なくとも1つの薬学的に許容される塩と共に、特定の、より可溶性の複合体を形成しうる)などの可溶化剤を、活性成分の送達のための薬学的賦形剤として用いることができる。他の担体の例には、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、およびD&C Yellow # 10などの色素が含まれる。適切な薬学的に許容される担体は、当技術分野において標準的な参照テキストであるRemington's Pharmaceutical Sciences, A. Osolに記載されている。
本明細書において開示する式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を、がんの処置における有効性について、インビボアッセイによりさらに試験することができる。例えば、本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/またはその少なくとも1つの薬学的に許容される塩を、がんを有する動物(例えば、マウスモデル)に投与し、その治療的有効性を評価することができる。そのような試験の1つまたは複数において陽性結果が得られれば、科学的知識の宝庫を増大させるのに十分で、したがって試験した化合物および/または塩の実用性を示すのに十分である。結果に基づき、ヒトなどの動物に対する適切な用量範囲および投与経路も決定することができる。
吸入による投与のために、本明細書において開示する式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を、エアロゾル噴霧剤の形態で圧縮パックまたはネブライザーから都合よく送達してもよい。本明細書において開示する式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を、製剤化されていてもよい散剤として送達してもよく、粉末組成物を吹送粉末吸入装置を利用して吸入してもよい。吸入のための1つの例示的送達系は、定量吸入(MDI)エアロゾルでありえ、これは本明細書において開示する式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の、例えば、フッ化炭化水素および炭化水素から選択される少なくとも1つの適切な噴射剤中の懸濁液または溶液として製剤化してもよい。
眼への投与のために、眼用製剤は、本明細書において開示する式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を眼表面と十分な期間接触させ続けて、化合物を眼の角膜および内部領域に浸透させるように、適切な眼用媒体中の適切な重量パーセンテージの本明細書において開示する式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の溶液または懸濁液を用いて製剤化してもよい。
本明細書において開示する式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の投与のために有用な薬学的剤形には、ゼラチン硬および軟カプセル剤、錠剤、非経口注射剤、ならびに経口懸濁剤が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
投与する用量は、受容者の年齢、健康および体重、疾患の程度、併用処置があればその種類、処置の頻度、ならびに所望の効果の性質などの因子に依存することになる。一般に、活性成分の1日用量は、例えば、1日に0.1から2000ミリグラムまで変動しうる。例えば、所望の結果を得るために1日に10〜500ミリグラムを1回または複数回が有効でありうる。
いくつかの態様において、標準の2部分からなるゼラチン硬カプセルにそれぞれ、例えば、粉末の本明細書において開示する式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物100ミリグラム、乳糖150ミリグラム、セルロース50ミリグラム、ならびにステアリン酸マグネシウム6ミリグラムを充填することにより、多数の単位カプセル剤を調製することができる。
いくつかの態様において、式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の、ダイズ油、綿実油またはオリーブ油などの可消化油の混合物を調製し、容積式ポンプによってゼラチン中に注入して、活性成分100ミリグラムを含むゼラチン軟カプセル剤を形成することができる。カプセル剤を洗浄して乾燥する。
いくつかの態様において、用量単位が、例えば、式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物100ミリグラム、コロイド状二酸化ケイ素0.2ミリグラム、ステアリン酸マグネシウム5ミリグラム、微結晶セルロース275ミリグラム、デンプン11ミリグラムおよび乳糖98.8ミリグラムを含むように、通常の手順によって、多数の錠剤を調製することができる。嗜好性を高める、または吸収を遅らせるために、適切なコーティングを適用してもよい。
いくつかの態様において、注射による投与に適した非経口組成物は、10体積%プロピレングリコール中1.5重量%の本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/またはその少なくとも1つの鏡像異性体、ジアステレオマー、もしくは薬学的に許容される塩を撹拌することにより調製することができる。溶液を注射用水で望まれる量にして、滅菌する。
いくつかの態様において、経口投与用に水性懸濁剤を調製することができる。例えば、式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の微粒子100ミリグラム、カルボキシメチルセルロースナトリウム100ミリグラム、安息香酸ナトリウム5ミリグラム、ソルビトール溶液U.S.P. 1.0グラム、ならびにバニリン0.025ミリリットルを含む水性懸濁剤各5ミリリットルを用いることができる。
式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を、少なくとも1つの他の治療剤と段階的に、または共に投与する場合、同じ剤形を一般に用いることができる。薬物を物理的組み合わせで投与する場合、剤形および投与経路は組み合わせた薬物の適合性に応じて選択すべきである。したがって、「同時投与」なる用語は、少なくとも2つの剤の同時もしくは逐次投与、または少なくとも2つの活性成分の固定用量の組み合わせとしての投与を含むと理解される。
本明細書において開示する式(I)(例えば、式(II)、(III)、(IV)および(V))の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、唯一の活性成分として、または、例えば、患者のがんを処置するのに有用であることが公知の他の活性成分から選択される少なくとも1つの第二の活性成分との組み合わせで投与することができる。
以下の実施例は、純粋に例示的であることが意図され、いかなる様式でも限定的であると考えられるべきではない。用いる数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証するよう努力してきたが、幾分の実験誤差および偏りが含まれるであろう。特に記載がないかぎり、温度は摂氏度である。試薬はSigma-Aldrich、Alfa Aesar、またはTCIなどの商業的供給業者から購入し、特に記載がないかぎり、それ以上精製せずに用いた。
特に記載がないかぎり、以下に示す反応は窒素もしくはアルゴンの陽圧下で、または無水溶媒中、乾燥チューブを用いて実施し;反応フラスコには基質および試薬をシリンジから導入するためのゴム栓を取り付け;ガラス器具は乾燥器で乾燥および/または熱乾燥した。
特に記載がないかぎり、カラムクロマトグラフィ精製は、シリカゲルカラムを有するBiotageシステム(製造者:Dyax Corporation)もしくはシリカSepPakカートリッジ(Waters)で行うか、またはTeledyne Isco Combiflash精製システムであらかじめ充填されたシリカゲルカートリッジを用いて行った。
1H NMRスペクトルはVarian機器で400MHzで操作して記録した。1H-NMRスペクトルは溶媒としてCDCl3、CD2Cl2、CD3OD、D2O、d6-DMSO、d6-アセトンまたは(CD3)2COおよび参照標準としてテトラメチルシラン(0.00ppm)または残留溶媒(CDCl3:7.25ppm;CD3OD:3.31ppm;D2O:4.79ppm;d6-DMSO:2.50ppm;d6-アセトン:2.05;(CD3)2CO:2.05)を用いて得た。ピーク多重度を報告する場合、以下の略語を用いる:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、qn(五重線)、sx(六重線)、m(多重線)、br(幅広)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)。カップリング定数を示す場合、ヘルツ(Hz)で報告する。試薬以外のすべての化合物名はChemDrawバージョン12.0で作成した。
以下の実施例において、以下の略語を用いる。
AcOH 酢酸
Aq 水性
食塩水 塩化ナトリウム飽和水溶液
Bn ベンジル
BnBr 臭化ベンジル
CH2Cl2 ジクロロメタン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
Dppf 1,1''-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DIEAまたはDIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-N,N-ジメチルアミノピリジン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
Et2Oまたはエーテル ジエチルエーテル
G グラム
hまたはhr 時間
HATU 2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートメタンアミニウム
HCl 塩酸
HPLC 高性能液体クロマトグラフィ
IPA 2-プロパノール
i-PrOH イソプロピルアルコール
Mg ミリグラム
mL ミリリットル
Mmol ミリモル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
Min 分
msまたはMS マススペクトル
Na2SO4 硫酸ナトリウム
PE 石油エーテル
PPA ポリリン酸
Rt 保持時間
Rtまたはrt 室温
TBAF フッ化テトラ-ブチルアンモニウム
TBSCl 塩化tert-ブチルジメチルシリル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィ
μL マイクロリットル
実施例1:化合物1.1〜1.3の合成
化合物1.1
段階A:6-(ベンジルオキシ)-2,3-ジヒドロインデン-1-オン
DMF(300mL)中の6-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロインデン-1-オン(30g、0.203mol)の溶液を撹拌し、これにK2CO3(70g、0.507mol)を加え、続いてBnBr(38.2g、0.225mol)を0℃で滴加した。混合物を周囲温度に戻し、20時間撹拌した。混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、次いでろ過して固体を除去した。ろ液を食塩水(200mL×5)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた固体をエーテル中で再結晶して、表題化合物(44.5g、92%)を白色固体で得た。
段階B:6-(ベンジルオキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オール
MeOH(500mL)中の段階Aからの生成物(44g、0.185mol)の溶液を撹拌し、これにNaBH4(7.1g、0.186mol)を0℃で分割して加えた。混合物を周囲温度に戻し、20時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、200mLのNaOH水溶液(20%)を加えた。得られた混合物をEtOAc(200mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水(200mL×3)で洗浄し、乾燥し、濃縮して、表題化合物(32.0g、72%)を白色固体で得た。
段階C:5-(ベンジルオキシ)-1H-インデン
トルエン(200mL)中の段階Bからの生成物(15.0g、62.5mmol)の溶液を撹拌し、これにp-TsOH(1.0g、6.25mmol)を周囲温度で加え、混合物を80℃で1.5時間加熱した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=30:1で溶出)で精製して、表題化合物(12.3g、89%)を白色固体で得た。
段階D:(±)-エキソ-3-(ベンジルオキシ)-1,1a,6,6a-テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン-1-カルボン酸エチル
ジクロロメタン(200mL)中の段階Cからの生成物(10g、45mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸銅(I)(トルエンとの2:1複合体、0.23g、4.5mmol)の溶液に、ジクロロメタン(50mL)中のジアゾ酢酸エチル(47mL、450mol)をシリンジポンプから室温で10時間かけて加えた。混合物を室温でさらに2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(PE=100%で溶出)で精製して、表題化合物を黄色油状物(5.5g、40%)で得た。
段階E:(±)-エキソ-3-ヒドロキシ-1,1a,6,6a-テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン-1-カルボン酸エチル
MeOH(20mL)中のPd/C(0.4g)の混合物に、MeOH(20mL)中の段階Dからの生成物(4g、0.013mol)の溶液を室温で加えた。混合物をH2雰囲気下、室温で2時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc:PE=1:10で溶出)で精製して、表題化合物(2.3g、82%)を無色油状物で得た。
段階F:(±)-エキソ-3-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1,1a,6,6a-テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン-1-カルボン酸エチル
DMF(30mL)中の段階Eからの生成物(2.0g、9mmol)、5-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(1.5g、9mmol)および炭酸セシウム(6g、18mmol)の混合物を120℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc:PE=1:5〜1:1で溶出)で精製して、表題化合物(1.4g、42%)を白色固体で得た。
段階G:(±)-エキソ-3-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1,1a,6,6a-テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン-1-カルボン酸(中間体I)
水酸化ナトリウム溶液(7.7mL、2M、15mmol)を、THF(24mL)およびメタノール(24mL)中の段階Fからの生成物(1.4g、3.8mmol)の撹拌溶液に室温で加えた。混合物を60℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水(20mL)に溶解した。溶液をHCl(1mol/L)でpH=7まで中性化し、白色固体が溶液から沈澱した。白色固体をろ取し、風乾して、表題化合物(0.9g、70%)を得た。
段階H:(±)-エキソ-N-(2-アミノフェニル)-3-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1,1a,6,6a-テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン-1-カルボキサミド
DMF(1mL)中の中間体I(30 mg、0.089mmol)、ベンゼン-1,2-ジアミン(9.6mg、0.089mmol)およびHATU(37mg、0.101mmol)の溶液にDIPEA(0.1mL)を室温で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。MS: M/e 427 (M+1)+
段階I:(±)-エキソ-5-((1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1,1a,6,6a-テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン-3-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(化合物1.1)
酢酸(2mL)中の段階Hからの生成物(38mg、0.089mmol)の混合物を80℃で3時間撹拌した。溶媒を除去し、NaOHの溶液(2mL、2mol/L)を残渣に加えた。混合物をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物を白色固体で得た。
化合物1.2:(±)-エキソ-5-((1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1,1a,6,6a-テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン-3-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
DMF(10mL)中の中間体I(338mg、1.0mmol)、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン(190mg、1.1mmol)およびDIPEA(500mg、3.9mmol)の溶液に、HATU(405mg、1.1mmol)を室温で加えた。混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物をエチルEtOAc(50mL)で希釈した。混合物を食塩水(3×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。
残渣を酢酸(10mL)に溶解し、混合物を90℃で5時間撹拌した。溶媒を除去した。残渣をEtOAc(50mL)で希釈した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×20mL)、食塩水(2×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(DCM:MeOH=50:1〜20:1で溶出)で精製して、表題化合物(245mg、51%)を白色固体で得た。
化合物1.2を、キラル調製用HPLCにより、2つの鏡像立体異性体(化合物1.2a、前のピーク、および化合物1.2b、後ろのピーク)に分離した。キラル分離条件を以下に示す。
化合物1.3
段階A:(±)-エキソ-N-(2-メルカプトフェニル)-3-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1,1a,6,6a-テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン-1-カルボキサミド
CH2Cl2(3.0mL)中の中間体I(34mg、0.1mmol)の溶液に(COCl)2(0.03mL、0.4mmol)およびDMF(触媒量)をN2下、室温で加えた。混合物を1.5時間撹拌した。次いで、溶媒を除去し、残渣をCH2Cl2(3.0mL)に溶解し、次いでDIPEA(0.07mL、0.4mmol)および2-アミノベンゼンチオール(14mg、0.11mmol)をN2下、0℃で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をCH2Cl2で希釈し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過して濃縮した。残渣を調製用TLC(CH2Cl2:MeOH=10:1)で精製して、粗生成物(20mg)を黄色固体で得、これを次の段階で直接用いた。
段階B:(±)-エキソ-5-((1-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-1,1a,6,6a-テトラヒドロシクロプロパ[a]インデン-3-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(化合物1.3)
トルエン(4.0mL)中の段階Aからの生成物(20mg、粗製)の溶液にPPA(200mg)を加えた。混合物を140℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を除去した。残渣をCH2Cl2(10mL)で溶解し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、CH2Cl2(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧化で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(3.8mg、9%、2段階)を淡黄色固体で得た。
実施例2:化合物2.1〜2.37の合成
化合物2.1
段階A:(ベンゾフラン-5-イルオキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン
DMF(50mL)中のベンゾフラン-5-オール(5.2g、0.039mol)の溶液を撹拌し、これにイミダゾール(5.3g、0.078mol)およびTBSCl(6.1g、0.041mol)を室温で加えた。混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、飽和NaHCO3溶液(150mL)を反応混合物に加え、混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(3×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(100%PEで溶出)で精製し、表題化合物(7.8g、81%)を無色油状物で得た。
段階B:(±)-エキソ-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
ジクロロメタン(200mL)中の段階Aからの生成物(9.25g、0.037mol)およびトリフルオロメタンスルホン酸銅(I) (トルエンとの2:1複合体、1.9g、3.7mmol)の溶液に、ジクロロメタン(50mL)中のジアゾ酢酸エチル(38.7mL、0.37mol)をシリンジポンプから10時間かけて加えた。次いで、混合物を室温でさらに2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(PE=100%で溶出)で精製して、表題化合物を得た。生成物をそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
段階C:(±)-エキソ-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
THF(25mL)中の段階Bからの生成物(10g、0.030mol)の溶液に、THF中のTBAF(15mL、1M、0.015mol)を0℃で滴加した。次いで、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc:PE=1:10で溶出)で精製して、表題化合物(3.8g、2段階の収率46%)無色油状物で得た。
段階D:(±)-エキソ-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
DMF(50mL)中の段階Cからの生成物(3.8g、0.017mol)、5-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(2.85g、0.017mol)および炭酸セシウム(11.2g、0.034mol)の混合物を120℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc:PE=1:5〜1:1で溶出)で精製して、表題化合物(2.8g、44%)を白色固体で得た。
段階E:(±)-エキソ-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸(中間体II)
水酸化ナトリウム水溶液(18mL、2M、36mmol)をTHF(54mL)およびメタノール(54mL)中の段階Dからの生成物(2.8g、7.7mmol)の撹拌溶液に室温で加えた。混合物を60℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水(20mL)に溶解した。溶液をHCl(1mol/L)でpH=7に中和し、白色固体が溶液から沈澱した。白色固体をろ取し、風乾して、表題化合物(2.4g、92.7%)を得た。
段階F:(±)-エキソ-N-(2-アミノフェニル)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキサミド
DMF(1mL)中の段階Eからの生成物(30mg、0.088mmol)、ベンゼン-1,2-ジアミン(9.6mg、0.088mmol)、DIPEA(17.2mg、0.130mmol)およびHATU(37mg、0.101mmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
段階G:(±)-エキソ-5-((1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(化合物2.1)
酢酸(1mL)中の段階Fからの生成物(37mg、0.088mmol)の混合物を80℃で3時間撹拌した。溶媒を除去し、NaOHの溶液(2mL、2mol/L)を残渣に加えた。混合物をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(10mg、41%)を白色固体で得た。
(1S,1aS,6bR)-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル(中間体III)の立体選択的合成
段階A:(1S,1aS,6bR)-5-((tert-ブチルメチルシリル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
トリフルオロメタンスルホン酸銅(I) (トルエンとの2:1複合体、250mg、2.4%)および(S,S)-(+)-2,2-イソプロピリデンビス(4-tert-ブチル)-2-オキサゾリン(205mg、3.4%)をジクロロメタン(15mL)中、N2雰囲気下、周囲温度で1時間撹拌した。ジクロロメタン(85mL)中の(ベンゾフラン-5-イルオキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(5.0g、20.2mmol)の溶液を加え、続いてジアゾエタン酸エチル(40mL、380mmol)をシリンジポンプを用いて10時間の間にゆっくり加えた。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィで精製して粗製化合物(7.3g)を得、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
段階B:(1S,1aS,6bR)-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル(中間体III)
フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAF、THF中1M、4mmol)をTHF(100mL)中の段階Aの生成物(7.3g、粗製)の溶液に0℃で滴加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィで精製して、表題化合物を固体で得た(2.52g、2段階で57%、72%ee)。
化合物2.2:(±)-エキソ-5-((1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
DMF(5mL)中の中間体II(1g、2.96mmol)、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン(0.52g、2.96mmol)、DIPEA(1.15g、8.88mmol)およびHATU(1.69g、4.44mmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。
残渣を酢酸(10mL)に溶解した。混合物を80℃で3時間撹拌した。溶媒を除去し、NaOHの溶液(20mL、2mol/L)を残渣に加えた。混合物をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(330mg、23.6%)を白色固体で得た。
化合物2.2を、キラル調製用HPLCにより、2つの鏡像立体異性体(化合物2.2a、前のピーク、および化合物2.2b、後ろのピーク)に分離した。キラル分離条件を以下に示す:
化合物2.2b:5-(((1R,1aS,6bR)-1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
段階A:(1S,1aS,6bR)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
DMF(20mL)中の中間体III(400mg、1.8mmol)、5-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(250mg、1.5mmol)および炭酸セシウム(801mg、2.3mol)の混合物を120℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc:PE=3:1で溶出)で精製して、表題化合物(360mg、54.6%)を白色固体で得た。
段階B:(1S,1aS,6bR)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
THF(3mL)およびメタノール(3mL)中の段階Aのエステル生成物(360mg、0.98mmol)の溶液を撹拌し、これに水酸化ナトリウム水溶液(1mL、2M、2mmol)を室温で加えた。混合物を60℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水(5mL)に溶解した。溶液をHCl(2mol/L)でpH=7に中和し、白色固体が溶液から沈澱した。白色固体をろ取し、風乾して、表題化合物(230mg、69.3%)を得た。
段階C:5-(((1R,1aS,6bR)-1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
DMF(1mL)中の段階Bの生成物(50mg、0.15mmol)、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン(26mg、0.15mmol)、DIPEA(0.1mL)およびHATU(84mg、0.22mmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。
残渣を酢酸(1mL)に溶解した。混合物を80℃で3時間撹拌した。溶媒を除去し、NaOHの溶液(2mL、2mol/L)を残渣に加えた。混合物をEtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(10mg、収率14.1%;69.6%ee)を白色固体で得た。
化合物2.3:(±)-エキソ-5-((1-(5,6-ジクロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
DMF(10mL)中の中間体II(600mg、1.8mmol)、4,5-ジクロロベンゼン-1,2-ジアミン(312mg、1.8mmol)、DIPEA(0.69g、5.4mmol)およびHATU(1.01g、2.7mmol)の混合物を窒素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。
残渣を酢酸(10mL)に溶解した。混合物を80℃で3時間撹拌した。溶媒を除去し、NaOHの溶液(10mL、2mol/L)を残渣に加えた。混合物をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(320mg、37.6%)を白色固体で得た。
化合物2.3を、キラル調製用HPLCにより、2つの鏡像立体異性体(化合物2.3a、前のピーク、および化合物2.3b、後ろのピーク)に分離した。キラル分離条件を以下に示す:
化合物2.4:(±)-エキソ-5-((1-(5-フルオロ-6-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
DMF(7mL)中の中間体II(338mg、1.0mmol)、4-フルオロ-5-メチルベンゼン-1,2-ジアミン(169mg、1.2mmol)、およびトリエチルアミン(300mg、3.0mmol)の溶液にHATU(420mg、1.1mmol)を室温で加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、白色固体が沈澱した。混合物をろ過し、固体を減圧下で十分に乾燥した。
固体を酢酸(7mL)に溶解し、混合物を85℃で8時間撹拌した。溶媒を除去した。残渣をDCM(20mL)で希釈し、有機相をNaOHの溶液(2mol/L、5mL)で洗浄した。水相をさらに50mLのDCMで抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(DCM:MeOH=50:1〜20:1で溶出)で精製して、表題化合物(230mg、52%)を褐色固体で得た。
化合物2.4を、キラル調製用HPLCにより、2つの鏡像立体異性体(化合物2.4a、前のピーク、および化合物2.4b、後ろのピーク)に分離した。キラル分離条件を以下に示す:
化合物2.5:(±)-エキソ-5-((1-(5-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
DMF(5mL)中の中間体II(300mg、0.887mmol)およびトリエチルアミン(500mg、5mmol)の溶液にHATU(370mg、0.97mmol)を0℃で加えた。混合物を15分間撹拌した後、DMF(1mL)中の4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン(228mg、1.09mmol)を反応混合物に加えた。混合物を室温に戻し、20時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、白色固体が沈澱した。混合物をろ過し、固体を減圧下で十分に乾燥した。
固体を酢酸(5mL)に溶解し、混合物を85℃で5時間撹拌した。溶媒を除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(DCM:MeOH=50:1〜20:1で溶出)で精製して、表題化合物(205mg、45%)を淡黄色固体で得た。
化合物2.5を、キラル調製用HPLCにより、2つの鏡像立体異性体(化合物2.5a、前のピーク、および化合物2.5b、後ろのピーク)に分離した。キラル分離条件を以下に示す:
化合物2.6〜2.25を、当業者であれば理解しうる適切な条件下で、出発原料として対応するベンゾフランおよびジアミンを用い、化合物2.1について記載した手順に従って調製した。
化合物2.6
化合物2.7
化合物2.8
化合物2.9
化合物2.10
化合物2.11
化合物2.12
化合物2.13
化合物2.14
化合物2.15
化合物2.16
化合物2.17
化合物2.18
化合物2.19
化合物2.20
化合物2.21
化合物2.22
化合物2.23
化合物2.24
化合物2.25
化合物2.26:(±)-エキソ-5-((1-(7-クロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
ピリジン(1mL)中の中間体II(30mg、0.09mmol)および3-クロロ-2-ニトロベンゼンアミン(15.3mg、0.09mmol)の溶液に三塩化ホスホリル(2滴)を0℃で加えた。次いで、混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸(2mL)に溶解し、鉄粉末(15mg、0.27mmol)を反応混合物に加えた。混合物を70℃で2時間撹拌した。反応混合物をメタノール(20ml)で希釈し、セライトパッドを通してろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(6mg、15%)を白色固体で得た。
化合物2.27:(±)-エキソ-5-((1-(6-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
段階A:4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-ニトロアニリン
DMF(10mL)中の4-アミノ-3-ニトロフェノール(1.0g、6.5mmol)およびTBSCl(1.32g、8.8mmol)の溶液に、イミダゾール(0.88g、13.0mmol)を室温で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(PE:EtOAc 2:1で溶出)で精製して、表題化合物(1.85g、100%)を灰色固体で得た。
段階B:4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ベンゼン-1,2-ジアミン
EtOH(10mL)中の4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-ニトロベンゼンアミン(0.5g、1.9mmol)、Fe粉末(1.1g、19mmol)および酢酸(1.0mL、18mmol)の混合物を還流温度で4時間撹拌した。混合物をセライトパッドを通してろ過し、ろ液を濃縮した。残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(3×30mL)および食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(PE:EtOAc 2:1で溶出)で精製して、表題化合物(0.34g、77%)を灰色液体で得た。
段階C:(±)-エキソ-5-((1-(6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
DMF(2mL)中の中間体II(30mg、0.09mmol)、4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ベンゼン-1,2-ジアミン(9.6mg、0.089mmol)、DIPEA(0.5mL)およびHATU(37mg、0.101mmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
酢酸(2mL)中の前述の生成物の混合物を80℃で3時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を水で希釈し、2N NaOHでpH 7〜8に調節した。混合物をDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物を白色固体で得た(20mg、40%)。
段階D:(±)-エキソ-5-((1-(6-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(化合物2.27)
THF(2mL)中の前述の生成物(30mg、0.037mmol)の溶液に、THF中のTBAF(0.01mL、1M、0.01mmol)を0℃で滴加した。次いで,混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(10mg、63%)を白色固体で得た。
化合物2.28:(±)-エキソ-5-((1-(6-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
ジオキサンおよび水の混合溶液(2mL、4/1)中の5-((1-(6-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(22mg、0.045mmol)、フェニルボロン酸(16.5mg、0.135mmol)、Pd(PPh3)4(20mg、0.017mmol)およびK2CO3(21mg、0.15mmol)の混合物を、N2下、還流温度で5時間撹拌した。混合物を食塩水(2mL)で希釈し、酢酸エチル(2mL×3)で抽出した。合わせた有機物を食塩水(2mL×3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥して濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(12mg、55%)を白色固体で得た。
化合物2.29:(±)-エキソ-5-((1-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
段階A:(±)-エキソ- N-((ヒドロキシイミノ)(フェニル)メチル)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキサミド
DMF(1mL)中の中間体II(30mg、0.088mmol)、N-ヒドロキシベンズイミドアミド(12mg、0.088mol)、HATU(37mg、0.1mmol)およびDIEPA(17mg、0.13mmol)の混合物を、室温で終夜撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣(50mg)をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
段階B:(±)-エキソ-5-((1-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(化合物2.29)
ピリジン(1mL)中の段階Aからの生成物(50mg、粗製)の混合物を100℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(10mg、26%)を白色固体で得た。
化合物2.30:(±)-エキソ-5-((1-(4-フェニル-1H-イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
段階A:(±)-エキソ-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸2-オキソ-2-フェニルエチル
DMF(1mL)中の中間体II(30mg、0.088mmol)、2-ブロモ-1-フェニルエタノン(35mg、0.176mol)およびK2CO3(36mg、0.264mmol)の混合物を室温で0.5時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣(50mg)をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
段階B:(±)-エキソ-5-((1-(4-フェニル-1H-イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(化合物2.30)
AcOH(1mL)中の段階Aからの生成物(50mg、粗製)およびNH4OAcの混合物を120℃で10時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、混合物を飽和NaHCO3溶液(30mL)で希釈し、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(7mg、18%)を白色固体で得た。
化合物2.31
化合物2.31を、化合物2.30について記載した手順に従い、2-ブロモ-1-(ピリジン-4-イル)エタノンを用いて調製した。
化合物2.32
化合物2.32を、化合物2.30について記載した手順に従い、 2-ブロモ-1-(2-クロロフェニル)エタノンを用いて調製した。
化合物2.33:(±)-エキソ-5-((1-(4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
段階A:(±)-エキソ-5-((1-(ヒドロキシメチル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
THF(10mL)中の5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル(中間体II、217mg、0.59mmol)の混合物に、LiAlH4(27mg、0.71mmol)を加えた。反応混合物を室温で0.25時間撹拌した。水(10mL)を滴加し、混合物を酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣(190mg)をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
段階B:(±)-エキソ-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルバルデヒド
DCM(5mL)中の段階Aの生成物(190mg、粗製)およびPCC(255mg、1.2mmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を飽和水(30mL)で希釈し、DCM(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(DCM/MeOH=15/1)で精製して、表題化合物(35mg、2段階で17%)を白色固体で得た。
段階C:(±)-エキソ-5-((1-(4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(化合物2.33)
3,3-ジブロモ-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オン(30mg、0.11mmol)およびNaOAc(8mg、0.11mmol)を水(1mL)に溶解し、100℃で1時間加熱した。混合物をメタノール(3mL)中の段階Bの生成物(35mg、0.1mmol)および水酸化アンモニウム(0.5mL)の溶液に加えた。得られた混合物を室温で40分間撹拌し、次いで1時間加熱還流した。冷却後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(8mg、19%)を白色固体で得た。
化合物2.34:(±)-エキソ-5-((1-(1-(2-ヒドロキシエチル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
段階A:2-((2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)エタノール
THF(10mL)中の2-アミノエタノール(1.76g、28.8mmol)の溶液に、1-フルオロ-2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(2.0g、9.6mmol)を0℃で加えた。溶液を室温に戻し、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtOAc(100mL)で希釈し、食塩水(30mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して、表題化合物(2.4g、100%)を得、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
段階B:N-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)アニリン
DMF(15mL)中の段階Aの生成物(2.4g、9.6mmol)およびTBSCl(1.73g、11.5mmol)の溶液に、イミダゾール(1.3g、19.2mmol)を室温で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、食塩水(30mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(PEで溶出)で精製して、表題化合物(3.5g、100%)を黄色固体で得た。
段階C:N1-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン
MeOH(20mL)中の段階Bの生成物(3.5g、9.6mmol)およびPd/C(0.3g)の混合物をH2雰囲気下、室温で4時間撹拌した。混合物をセライトパッドを通してろ過し、ろ液を濃縮した。次いで、残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈し、食塩水(30mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、表題化合物(3.1g、90%)を紫色固体で得た。
段階D:(±)-エキソ-5-((1-(1-(2-ヒドロキシエチル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(化合物2.34)
DMF(5mL)中の中間体II(300mg、0.9mmol)、段階Cの生成物(440mg、1.45mmol)、DIPEA(1mL)、およびHATU(551mg、1.45mmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
酢酸(5mL)中の粗生成物の混合物を80℃で8時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を水で希釈した。得られた混合物のpH値を、2N NaOHを用いて7〜8に調節した。混合物をDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(PE:EtOAc 1:3で溶出)で精製して粗生成物を得、これを次いで調製用HPLCでさらに精製して、表題化合物を白色固体で得た(61mg、13%)。
化合物2.35:(±)-エキソ-5-((3-メチル-1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
段階A:2-ブロモ-4-メトキシフェノール
CHCl3(50mL)中の4-メトキシフェノール(10g、81mmol)の溶液に、BR2(4mL、78mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで室温に戻し、混合物を室温で1時間撹拌した。得られた混合物をジクロロメタン(500mL)で希釈し、飽和NaHSO3(3×100mL)および食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して、表題化合物(16.6g、100%)をオフホワイト固体で得、これを次の段階で用いた。
段階B:2-ブロモ-1-(2,2-ジエトキシエトキシ)-4-メトキシベンゼン
DMF(10mL)中の段階Aからの生成物(1.01g、5mmol)、2-ブロモ-1,1-ジエトキシエタン(1.05g、5.25mmol)およびCs2CO3(2.04g、6mmol)の混合物を120℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=6:1で溶出)で精製して、表題化合物(2.7g、85%)を油状物で得た。
段階C:7-ブロモ-5-メトキシベンゾフラン
トルエン(10mL)中の段階Bからの生成物(2.7g、8.5mmol)の混合物に、PPA(1.0mL)を加えた。反応混合物を70℃で1時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水相をNaOH(2mol/L)でpH7〜8に調節した。有機相を食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカカラムクロマトグラフィ(PEで溶出)で精製して、表題化合物(0.27g、16%)を油状物で得た。
段階D:5-メトキシ-7-メチルベンゾフラン
1,4-ジオキサン(50mL)およびH2O(10mL)中の段階Cからの生成物(3.6g、16mmol)、メチルボロン酸(1.4g、24mmol)、Pd(dppf)2Cl2(0.65g、0.8mmol)およびCs2CO3(13.0g、40mmol)の混合物をN2雰囲気下で3時間還流した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトパッドを通してろ過した。ろ液をEtOAc(200mL)で希釈し、食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカカラムクロマトグラフィ(PEで溶出)で精製し、表題化合物(1.0g、38%)を油状物で得た。
段階E:7-メチルベンゾフラン-5-オール
アセトニトリル(10mL)中の段階Dからの生成物(850mg、5.2mmol)およびK2CO3の混合物に、TMSI(1.1mL)を加えた。混合物を2時間還流した。反応混合物を室温まで冷却した。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=5:1で溶出)で精製して、表題化合物(200mg、25%)を油状物で得た。
段階F:tert-ブチルジメチル((7-メチルベンゾフラン-5-イル)オキシ)シラン
DMF(5mL)中の段階Eからの生成物(200mg、1.4mmol)、TBSCl(225mg、1.5mmol)およびイミダゾール(190mg、2.8mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PEで溶出)で精製して、表題化合物を油状物で得た(260mg、71%)。
段階G:(±)-エキソ-5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-メチル-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
ジクロロメタン(2mL)中の段階Fからの生成物(260mg、1mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸銅(I)(トルエンとの2:1複合体、1mg、0.03mmol)の溶液に、ジクロロメタン(10mL)中のジアゾ酢酸エチル(1.0mL、10mol)をシリンジポンプから10時間かけて加えた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(PEで溶出)で精製して、表題化合物(200mg、粗製)を得、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
段階H:(±)-エキソ-5-ヒドロキシ-3-メチル-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
THF(5mL)中の段階Gからの生成物(200mg、0.6mmol)の溶液に、THF中のTBAF(0.15mL、1M、0.15mmol)を0℃で滴加した。次いで、混合物を室温で10分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc:PE=1:10で溶出)で精製して、表題化合物(100mg、2段階の収率43%)を無色油状物で得、これを次の段階で直接用いた。
段階I:(±)-エキソ-3-メチル-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
DMF(5mL)中の段階Hからの生成物(90mg、0.38mmol)、5-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(64mg、0.38mmol)および炭酸セシウム(188mg、0.58mmol)の混合物を120℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
段階J:(±)-エキソ-3-メチル-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
水酸化ナトリウム溶液(3mL、2M)をメタノール(9mL)中の段階Iからのエステル生成物(60mg、3.8mmol)の撹拌溶液に室温で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水(10mL)に溶解した。溶液をHCl(2mol/L)でpH=7に中和し、EA(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
段階K:(±)-エキソ-5-((3-メチル-1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(化合物2.35)
DMF(2mL)中の段階Jからの生成物(45mg、0.13mmol)、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン(25mg、0.14mmol)、DIPEA(0.5ml)およびHATU(61mg、0.16mmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。水(2mL)を加え、沈澱した固体を回収し、水(2mL)で洗浄して、中間体アミド生成物を得た。
酢酸(2mL)中の中間体アミド生成物の溶液を80℃で2時間撹拌した。溶媒を除去し、NaOHの水溶液(2mL、2mol/L)を残渣に加えた。混合物をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(6mg、9.5%)を白色固体で得た。
化合物2.36:(±)-エキソ-5-((4-クロロ-1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
段階A:(±)-エキソ-4-クロロ-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
アセトニトリル(10mL)中の5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル(化合物2.1の合成における段階Cからの生成物、500mg、2.3mmol)の溶液に、NCS(302mg、2.3mmol)を室温で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
段階B:(±)-エキソ-4-クロロ-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
DMF(20mL)中の段階Aからの生成物A(577mg、2.3mmol)、5-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(377mg、2.3mmol)および炭酸セシウム(1.1g、3.4mmol)の混合物を120℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(40mL)で希釈し、酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(40mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc:PE=1:5〜1:1で溶出)で精製して、表題化合物(320mg、80%)を白色固体で得た。
段階C:(±)-エキソ-4-クロロ-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
水酸化ナトリウム溶液(1mL、2M)をメタノール(3mL)中の段階Bからのエステル生成物(320mg、0.8mmol)の撹拌溶液に室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水(10mL)に溶解した。溶液をHCl(1mol/L)でpH=7に中和し、白色固体が溶液から沈澱した。白色固体をろ取し、風乾して、表題化合物(230mg、77.2%)を得た。
段階D:(±)-エキソ-5-((4-クロロ-1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(化合物2.36)
DMF(2mL)中の段階Cからの生成物(60mg、0.16mmol)、4-フルオロ-5-メチルベンゼン-1,2-ジアミン(22.6mg、0.16mmol)、およびDIPEA(0.1mL)の溶液に、HATU(92mg、0.24mmol)を室温で加えた。混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(5mL)で抽出した。混合物を食塩水(3×5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。
残渣を酢酸(5mL)に溶解し、混合物を80℃で3時間撹拌した。溶媒を除去し、NaOHの溶液(2mol/L、10mL)を残渣に加えた。水相をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(20mg、26.0%)を白色固体で得た。
化合物2.37:(±)-エキソ-5-((4-クロロ-1-(6-フルオロ-5-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
化合物2.37を、化合物2.36の合成における段階Cの生成物から、当業者には理解されうる適切な条件下で4-フルオロ-5-メチルベンゼン-1,2-ジアミンを用いることにより、化合物2.36について記載する手順に従って調製した。
実施例3:化合物3.1〜3.8の合成
化合物3.1:(±)-エキソ-N-メチル-4-((1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)ピコリンアミド
段階A:(±)-エキソ-5-((2-(メチルカルバモイル)ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
DMF(4mL)中の5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル(化合物2.1における段階Cからの化合物、50mg、0.23mmol)、4-クロロ-N-メチルピコリンアミド(39mg、0.23mol)、および炭酸セシウム(225mg、0.69mmol)の混合物を120℃で30分間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc:PE=1:2)で精製して、表題化合物(40mg、50%)を白色固体で得た。
段階B:(±)-エキソ-5-((2-(メチルカルバモイル)ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
段階Aからの生成物(60mg、0.17mmol)、水酸化ナトリウム水溶液(0.34mL、2M、0.68mmol)、THF(2mL)およびメタノール(2mL)の混合物を60℃で1時間撹拌した。溶液をHCl(2mol/L)でpH=7に中和し、溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル(3×30mL)で溶解し、水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(57mg、100%)を得、これを次の段階で直接用いた。MS: M/e 327(M+1)+
段階C:(±)-エキソ-N-メチル-4-((1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)ピコリンアミド(化合物3.1)
DMF(3mL)中の段階Bからの生成物B(57mg、0.17mmol)、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン(34mg、0.19mmol)、DIPEA(0.035mL、0.20mmol)およびHATU(72mg、0.19mmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
粗生成物を酢酸(3mL)に溶解し、60℃で6時間撹拌した。混合物をEtOAc(50mL)で抽出し、NaHCO3水溶液で塩基性化し、食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc:PE=1:2)で精製して、表題化合物(50mg、63%)を白色固体で得た。
化合物3.2:(±)-エキソ-2-(5-(ピリミジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
段階A:(±)-エキソ-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
メタノール(13.5mL)中の5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル(化合物2.1の合成における段階Bからの生成物、1.5g、4.5mmol)の溶液を撹拌し、これに水酸化ナトリウム水溶液(4.5mL、2M、9.0mmol)を室温で加えた。混合物を60℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水(30mL)に溶解した。溶液をHCl(2mol/L)でpH=7に中和し、白色固体が溶液から沈澱した。白色固体をろ取し、風乾して、表題化合物(450mg、52%)を得、これを次の段階で直接用いた。
段階B:(±)-エキソ-1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-オール
DMF(5mL)中の段階Aからの生成物(100mg、0.52mmol)、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン(101mg、0.57mmol)、DIPEA(0.11mL、0.62mmol)およびHATU(217mg、0.57mmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物はCH2Cl2(3×30mL)であり、食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
粗生成物を酢酸(3mL)に溶解し、60℃で1.5時間撹拌した。混合物をNaHCO3水溶液で塩基性化し、EtOAc(3×30mL)で抽出し、食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc:PE=1:2)で精製して、表題化合物(30mg、17%)を褐色油状物で得た。
段階C:(±)-エキソ-2-(5-(ピリミジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(化合物3.2)
DMF(2mL)中の段階Bからの生成物(20mg、0.06mmol)、4-クロロピリミジン(8mg、0.06mol)および炭酸セシウム(60mg、0.18mmol)の混合物を100℃で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc:PE=1:2)で精製して、粗製化合物(16mg)を淡黄色固体で得、次いで調製用HPLCでさらに精製して、所望の生成物(5mg、24.6%)を淡黄色固体で得た。
化合物3.3
段階A:(±)-エキソ-5-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
トルエン(5mL)中の5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル(化合物2.1の合成における段階Cからの化合物、100mg、0.46mmol)、4-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(180mg、0.46mol)、K2CO3(158mg、1.15mmol)、Pd2(dba)3(触媒量)、X-PHOS(22mg、0.046mmol)の混合物を脱気し、マイクロ波内、130℃で60分間撹拌した。混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc:PE=1:4)で精製して、表題化合物(120mg、56%)を黄色油状物で得た。
段階B:(±)-エキソ-5-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
水酸化ナトリウム水溶液(0.54mL、2M、1.08mmol)をTHF(4mL)およびメタノール(4mL)中の段階Aからの生成物(125mg、0.27mmol)の撹拌溶液に室温で加えた。混合物を60℃で10分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水(5mL)に溶解した。溶液をHCl(2mol/L)でpH=7に中和し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(120mg、100%)を得、これを次の段階で直接用いた。
段階C:(±)-エキソ-6-(トリフルオロメチル)-2-(5-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
DMF(5mL)中の段階Bからの生成物(120mg、0.28mmol)の溶液に、DIPEA(0.049mL、0.33mmol)およびHATU(115mg、0.31mmol)を加えた。30分間撹拌した後、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン(53.4mg、0.31mmol)を室温で終夜かけて加えた。混合物を終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
粗生成物を酢酸(5mL)に溶解し、混合物を60℃で6時間撹拌した。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、NaHCO3水溶液で塩基性化し、食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc:PE=1:2)で精製して、表題化合物(100mg、63%)を白色固体で得た。MS: M/e 579 (M+1)+
段階D:(±)-エキソ-2-(5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(化合物3.3)
THF(10mL)中の段階Cからの生成物(43mg、0.074mmol)、エタン-1,2-ジアミン(0.5mL)およびTHF中のTBAFの溶液(0.3mL、1.0M)の溶液をN2雰囲気下、60℃で撹拌した。10時間撹拌した後、さらにTHF中のTBAF(0.5mL、1.0M)を加え、さらに10時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(10mL)で処理し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、調製用TLC(EtOAc:PE=1:2)で精製して、表題生成物(20mg、60.3%)を白色固体で得た。
化合物3.4:(±)-エキソ-6-(トリフルオロメチル)-2-(5-((2-(4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
段階A:(±)-エキソ-5-((2-シアノピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
DMF(6mL)中の5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル(化合物2.1の合成における段階Cからの化合物、100mg、0.46mmol)、4-クロロピコリノニトリル(64mg、0.46mol)および炭酸セシウム(450mg、1.3mmol)の混合物を100℃で120分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc:PE=1:3)で精製して、表題化合物(100mg、67.5%)を白色固体で得た。
段階B:(±)-エキソ-5-((2-カルバムイミドイルピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸メチル
メタノール(3mL)中の段階Aからの生成物(45mg、0.14mmol)の溶液に、NaOMe(15mg、0.28mmol)を室温で加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、NH4Cl(12mg、0.21mmol)を室温で加え、混合物を1時間撹拌し、次いで60℃で1.5時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
段階C:(±)-エキソ-5-((2-(4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸メチル
CH3CN(3mL)中の段階Bからの粗生成物の溶液に、K2CO3(78mg、0.56mmol)および3-ブロモ-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オン(32mg、0.17mmol)を室温で加えた。混合物を60℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解した。有機相を食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc:PE=1:2)で精製して、表題化合物(10mg、17%)を黄色固体で得た。
段階D:(±)-エキソ-5-((2-(4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
水酸化ナトリウム水溶液(0.28mL、2M、0.56mmol)をTHF(1mL)およびメタノール(1mL)中の段階Cからの生成物(60mg、0.14mmol)の撹拌溶液に室温で加えた。混合物を50℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をCH2Cl2(20mL)および水(5mL)に溶解した。溶液をHCl(2mol/L)でpH=7に中和し、CH2Cl2(3×30mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(40mg、72%)を黄色固体で得、これを次の段階で直接用いた。MS: M/e 404(M+1)+
段階E:(±)-エキソ-6-(トリフルオロメチル)-2-(5-((2-(4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(化合物3.4)
DMF(2mL)中の段階Dからの生成物(40mg、0.1mmol)、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン(19mg、0.11mmol)、DIPEA(0.02mL、0.12mmol)の溶液にHATU(42mg、0.11mmol)を加えた。混合物を室温で8時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
粗生成物を酢酸(2mL)に溶解し、60℃で2時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(5.1mg、10%)を白色固体で得た。
化合物3.5:(±)-エキソ-6-((1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-9H-プリン
段階A:(±)-エキソ-5-((9-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-9H-プリン-6-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
トルエン(5mL)中の5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル(化合物2.1の合成における段階Cからの化合物、61mg、0.28mmol)、6-クロロ-9-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-9H-プリン(80mg、0.28mol)、K2CO3(96.6mg、0.70mmol)、Pd2(dba)3(触媒量)、X-PhOS(13.3mg、0.028mmol)の混合物を脱気し、マイクロ波内、130℃で2.5時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc:PE=1:2)で精製して、表題化合物(73mg、56%)を無色油状物で得た。MS: M/e 469 (M+1)+
段階B:(±)-エキソ-5-((9-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-9H-プリン-6-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
段階Aからの生成物(65mg、0.14mmol)、水酸化ナトリウム水溶液(0.28mL、2M、0.56mmol)およびTHF(4mL)の溶液を撹拌し、これを6時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をHCl(2mol/L)でpH=4〜5に中和し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(62mg、100%)を得、これを次の段階で直接用いた。
段階C:(±)-エキソ-6-((1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-9-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-9H-プリン
DMF(5mL)中の段階Bからの生成物(62mg、0.14mmol)の溶液に、DIPEA(21.7mg、0.188mmol)およびHATU(58.5mg、0.154mmol)を加えた。0.5時間撹拌した後、(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン(27.1mg、0.15mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
粗生成物を酢酸(5mL)に溶解し、60℃で5時間撹拌した。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2CO3水溶液および食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc)で精製して、表題化合物(50mg、61.4%)を白色固体で得た。MS: M/e 581 (M+1)+
段階D:(±)-エキソ-6-((1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-9H-プリン(化合物3.5)
THF(10mL)中の段階Cからの生成物(50mg、0.086mmol)、エタン-1,2-ジアミン(0.5mL)の溶液に、THF中のTBAFの溶液(0.3mL、1.0M)をN2雰囲気下で加えた。混合物を60℃で5時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(20mL)で処理し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を調製用TLC(CH2Cl2:MeOH=10:1)で精製して、表題生成物(10mg、26%)を白色固体で得た。
化合物3.6:(±)-エキソ-2-(5-(ピリジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
段階A:(±)-エキソ-5-(ピリジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル
DMF(5mL)中の5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸エチル(化合物2.1の合成における段階Cからの化合物、150mg、0.69mmol)、4-ブロモピリジン塩酸塩(134mg、0.69mol)、炭酸セシウム(681mg、2.07mmol)および銅粉末(触媒量)の混合物を、マイクロ波内、150℃で30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(5×10mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc:PE=1:2)で精製して、表題化合物(20mg、10%)を無色油状物で得た。MS: M/e 298 (M+1)+
段階B:(±)-エキソ-5-(ピリジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
THF(4mL)中の段階Aからの生成物(20mg、0.077mmol)および水酸化ナトリウム水溶液(0.15mL、2M、0.30mmol)の混合物を60℃で5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、混合物をHCl(2mol/L)でpH=7に中和し、減圧下で濃縮して、表題粗製化合物を得、これを次の段階で直接用いた。
段階C:(±)-エキソ-2-(5-(ピリジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(化合物3.6)
DMF(3mL)中の段階Bからの生成物(0.077mmol)の溶液に、DIPEA(20mg、0.155mmol)およびHATU(32.4mg、0.0853mmol)を加えた。30分後、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン(15mg、0.0853mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をそれ以上精製せずに次の段階で直接用いた。
粗生成物を酢酸(4mL)に溶解し、混合物を60℃で6時間還流した。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2CO3水溶液および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(10mg、31.6%、3段階)を白色固体で得た。
化合物3.7:(±)-エキソ-5-((1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-1H-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン-2(4H)-オン
段階A:(4-フルオロ-3-ホルミルピリジン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(20mL)中の4-フルオロピリジン-2-イルカルバミン酸tert-ブチル(1g、4.72mmol)の溶液を撹拌し、これにn-BuLi(4.7mL、11.8mmol)を-78℃で滴加した。0.5時間撹拌した後、THF(2mL)中のDMF(2mL)の溶液を-78℃で滴加した。TLCにより、反応の完了が示された。1N HClにより-78℃でpH=4にして反応を停止した。次いで、水(20mL)を加え、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィ(EtOAc:PE=1:2)で精製して、表題化合物(0.65g、57%)を白色固体で得た。
段階B:4-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イルカルバミン酸tert-ブチル
MeOH(3mL)中の段階Aの生成物(480mg、2mmol)の溶液に、NaBH4(76mg、2mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。飽和NH4Cl(1mL)および水(5mL)で反応を停止し、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(460mg、95%)を白色固体で得、これを次の段階で直接用いた。
段階C:3-(ブロモメチル)-4-フルオロピリジン-2-イルカルバミン酸tert-ブチル
CBr4(531mg、1.6mmol)をTHF(3mL)中の段階Bの生成物(242mg、1mmol)の溶液に加えた。次いで、THF中のトリフェニルホスフィンの溶液(1mL)を滴加し、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物をシリカゲルカラムにロードした。(EtOAc:PE=1:3)で溶出して、表題化合物(160mg、52%)を白色固体で得た。
段階D:5-フルオロ-1H-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン-2(4H)-オン
DMSO(1mL)中の段階Cの生成物(120mg、0.4mmol)の溶液をN2下、60℃で4時間撹拌した。次いで、水(10mL)を加え、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLC(EtOAc:PE=1:1)で精製して、表題化合物(20mg、30%)を固体で得た。
段階E:(±)-エキソ-5-((1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-1H-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン-2(4H)-オン
DMF(2mL)中の化合物3.2の段階Bの生成物(16mg、0.1mmol)、段階Dの生成物(33mg、0.1mmol)およびCs2CO3(98mg、0.3mmol)の混合物を110℃で3時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、水(10mL)を加え、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物(7mg、15%)を白色固体で得た。
化合物3.8:(±)-エキソ-6-クロロ-5-((1-(6-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン
AcOH(2mL)中の化合物2.2(70mg、0.15mmol)の溶液を撹拌し、これにNCS(19mg、0.15mmol)を周囲温度で加え、混合物を60℃で3時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣に2N NaOH水溶液2mLを加え、EtOAc(2mL×3)で抽出した。合わせた抽出物を食塩水(2mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を調製用TLCで精製して、表題化合物(9mg、12%)を白色固体で得た。
Raf IC50アッセイプロトコル
本明細書において開示する化合物を、B-Raf(V600E)(PV3849、Invitrogen)またはC-Raf(Y340D/Y341D)(PV3805、Invitrogen)に対して、時間分解蛍光エネルギー転移アッセイで試験した。アッセイを、0.0625nM B-Rafまたは0.5nM C-Raf、25mM トリスpH7.4、10mM MgCl2、0.5mM EGTA、0.5mM Na3BO4、5mMベータ-グリセロリン酸、0.01%トリトンX-100、2.5mM DTT、0.1%BSA、0.1mM ATP、13.7nM GST標識MEK1(K97R突然変異を有する全長タンパク質、細菌発現系から精製した組換えタンパク質)および0〜5μMの本明細書において開示する化合物(最終濃度1%DMSO)を含む反応混合物(10μL)中で実施した。酵素を化合物と共に室温で60分間インキュベートし、ATPおよびGST-MEK1の添加により反応を開始した。室温で60分間インキュベートした後、25mMトリスpH7.4、400mM KF、50mM EDTA、0.01%BSA、0.01%トリトンX-100、Eu3+クリプタートコンジュゲートウサギポリクローナル抗体抗ホスホMEK1/2(Ser217/221)の1試験分およびd2コンジュゲートマウスモノクローナル抗体抗グルタチオンS-トランスフェラーゼの1試験分を含む、同量の停止緩衝液を加えて、反応を停止した。プレートを密封し、室温で2時間インキュベートし、次いでTR-FRETシグナルをBMG PHERAstar FS装置で読み取った。各化合物のIC50をGraphpad Prismソフトウェアでの非線形回帰により計算した。
化合物1.1〜1.3、2.1〜2.37および3.1〜3.8は0.1nMから10μMの範囲のIC50値で、B-Raf(V600E)/C-Rafを阻害した。
(表1)IC50

Claims (10)

  1. 式Iの化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される、少なくとも1つの化合物:
    式中、
    QはCおよびNから選択され;
    WはCおよびNから選択され;
    XはCH2およびOから選択され;
    YはNR12、O、およびSから選択され;
    ZはO、S、NR13、CO、SO、SO2、およびCR13R14から選択され;
    R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR13R14、-OR13、-COR13、-CO2R13、-CONR13R14、-C(=NR13)NR14R15、-NR13COR14、-NR13CONR14R15、-NR13CO2R14、-SO2R13、-NR13SO2NR14R15、-NR13SO2R14、および-NR13SO2アリールから選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびヘテロシクリルは少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよく、または(R1およびR2)、および/もしくは(R3およびR4)、および/もしくは(R5およびR6)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;ただし、QがNである場合、R1は存在せず、かつWがNである場合、R5は存在せず;
    R7は水素、ハロゲン、アルキル、-O-アルキル、および-S-アルキルから選択され;
    R12は水素およびアルキルから選択され;
    R13、R14およびR15は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか;または(R13およびR14)および/もしくは(R14およびR15)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環をそれぞれ形成し;
    R16はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-CN、-OR'、-NR'R''、-COR'、-CO2R'、-CONR'R''、-C(=NR')NR''R'''、-NR'COR''、-NR'CONR'R''、-NR'CO2R''、-SO2R'、-SO2アリール、-NR'SO2NR''R'''、NR'SO2R''、および-NR'SO2アリールから選択され、ここでR'、R''、およびR'''はH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立に選択されるか、または(R'およびR'')および/もしくは(R''およびR''')は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成する。
  2. 式(II)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物:
    式中、
    QはCおよびNから選択され;
    XはCH2およびOから選択され;
    YはNR12、O、およびSから選択され;
    ZはO、S、NR13、CO、SO、SO2、およびCR13R14から選択され;
    R1、R2、R3、R4、R8、R9、R10およびR11は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR13R14、-OR13、-COR13、-CO2R13、-CONR13R14、-C(=NR13)NR14R15、-NR13COR14、-NR13CONR14R15、-NR13CO2R14、-SO2R13、-NR13SO2NR14R15、および-NR13SO2R14から選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびヘテロシクリルは少なくとも1つの置換基R16でそれぞれ置換されていてもよく、または(R1およびR2)、および/もしくは(R3およびR4)、および/もしくは(R8およびR9)、および/もしくは(R9およびR10)、および/もしくは(R10およびR11)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;ただし、QがNである場合、R1は存在せず;
    R7は水素、ハロゲン、アルキル、-O-アルキル、および-S-アルキルから選択され;
    R12は水素およびアルキルから選択され;
    R13、R14およびR15は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか;または(R13およびR14)および/もしくは(R14およびR15)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環をそれぞれ形成し;
    R16はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-CN、-OR'、-NR'R''、-COR'、-CO2R'、-CONR'R''、-C(=NR')NR''R'''、-NR'COR''、-NR'CONR'R''、-NR'CO2R''、-SO2R'、-SO2アリール、-NR'SO2NR''R'''、NR'SO2R''、および-NR'SO2アリールから選択され、ここでR'、R''、およびR'''はH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立に選択されるか、または(R'およびR'')および/もしくは(R''およびR''')は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成する。
  3. 式(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物:
    式中、
    XはCH2およびOから選択され;
    ZはO、S、NR13、CO、SO、SO2、およびCR13R14から選択され;
    Aは-CH2-、-CH2CH2-、-CH=CH-、=CH-、-NR13-、-CH2-O-、-O-、および-S-から選択され;
    Mは=CH-および-C(O)-から選択されるか;またはMは存在せず;
    R1、R2、R8、R9、R10およびR11は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR13R14、-OR13、-COR13、-CO2R13、-CONR13R14、-C(=NR13)NR14R15、-NR13COR14、-NR13CONR14R15、-NR13CO2R14、-SO2R13、-SO2アリール、-NR13SO2NR14R15、および-NR13SO2R14から選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびヘテロシクリルは少なくとも1つの置換基R16でそれぞれ置換されていてもよく、
    または(R1およびR2)、および/もしくは(R8およびR9)、および/もしくは(R9およびR10)、および/もしくは(R10およびR11)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;
    R12は水素およびアルキルから選択され;
    R13、R14およびR15は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか;または(R13およびR14)および/もしくは(R14およびR15)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環をそれぞれ形成し;
    R16はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-CN、-OR'、-NR'R''、-COR'、-CO2R'、-CONR'R''、-C(=NR')NR''R'''、-NR'COR''、-NR'CONR'R''、-NR'CO2R''、-SO2R'、-SO2アリール、-NR'SO2NR''R'''、NR'SO2R''、および-NR'SO2アリールから選択され、ここでR'、R''、およびR'''はH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立に選択されるか、または(R'およびR'')および/もしくは(R''およびR''')は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成する。
  4. 式(IV)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物:
    式中、
    BはCH2、O、およびNR13から選択され;
    XはCH2およびOから選択され;
    R1、R2、R8、R9、R10およびR11は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR13R14、-OR13、-COR13、-CO2R13、-CONR13R14、-C(=NR13)NR14R15、-NR13COR14、-NR13CONR14R15、-NR13CO2R14、-SO2R13、-SO2アリール、-NR13SO2NR14R15、および-NR13SO2R14から選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびヘテロシクリルは少なくとも1つの置換基R16でそれぞれ置換されていてもよく、または(R1およびR2)、および/もしくは(R8およびR9)、および/もしくは(R9およびR10)、および/もしくは(R10およびR11)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;
    R12は水素およびアルキルから選択され;
    R13、R14およびR15は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか;または(R13およびR14)および/もしくは(R14およびR15)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環をそれぞれ形成し;
    R16はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-CN、-OR'、-NR'R''、-COR'、-CO2R'、-CONR'R''、-C(=NR')NR''R'''、-NR'COR''、-NR'CONR'R''、-NR'CO2R''、-SO2R'、-SO2アリール、-NR'SO2NR''R'''、NR'SO2R''、および-NR'SO2アリールから選択され、ここでR'、R''、およびR'''はH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立に選択されるか、または(R'およびR'')および/もしくは(R''およびR''')は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成する。
  5. 式(V)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物:
    式中、
    XはCH2およびOから選択され;
    R8、R9、R10およびR11は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-NR13R14、-OR13、-COR13、-CO2R13、-CONR13R14、-C(=NR13)NR14R15、-NR13COR14、-NR13CONR14R15、-NR13CO2R14、-SO2R13、-SO2アリール、-NR13SO2NR14R15、および-NR13SO2R14から選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびヘテロシクリルは少なくとも1つの置換基R16でそれぞれ置換されていてもよく、または(R8およびR9)、および/もしくは(R9およびR10)、および/もしくは(R10およびR11)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;
    R13、R14およびR15は同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか;または(R13およびR14)および/もしくは(R14およびR15)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基R16で置換されていてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環をそれぞれ形成し;
    R16はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-CN、-OR'、-NR'R''、-COR'、-CO2R'、-CONR'R''、-C(=NR')NR''R'''、-NR'COR''、-NR'CONR'R''、-NR'CO2R''、-SO2R'、-SO2アリール、-NR'SO2NR''R'''、NR'SO2R''、および-NR'SO2アリールから選択され、ここでR'、R''、およびR'''はH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールから独立に選択されるか、または(R'およびR'')および/もしくは(R''およびR''')は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成する。
  6. 以下の化合物
    、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される、少なくとも1つの化合物。
  7. Raf酵素アッセイにおいて10μM以下のIC50に対応するRaf阻害活性を有する、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物。
  8. 少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含み、かつ請求項1に記載の少なくとも1つの化合物の治療的有効量を活性成分として含む、薬学的組成物。
  9. Rafキナーゼの阻害に反応性のがんを処置する方法であって、それを必要としていると認められる対象に、Rafキナーゼを阻害するのに有効な量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物を投与する段階を含む方法。
  10. Rafキナーゼの活性を阻害するための医薬を作製するための方法であって、請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物を医薬に含める段階を含む方法。
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