JP2016191718A - スタチン誘発性筋毒性の高感度検出のためのバイオマーカー - Google Patents

スタチン誘発性筋毒性の高感度検出のためのバイオマーカー Download PDF

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Abstract

【課題】スタチン誘発性筋毒性、例えば筋疾患、筋ジストロフィー、筋痛症、筋炎、筋障害または横紋筋融解症と関連するスタチン誘発性筋毒性の検出および診断のための新規リピドームマーカーを提供する。
【解決手段】本発明は、特に、生体試料の脂質濃度または脂質比を検出し、それを対照と比較することによる、スタチン誘発性筋毒性またはその合併症、例えば筋痛症、筋障害および横紋筋融解症を予測する方法ならびにその使用を提供する。本方法は、現在用いられている臨床マーカーよりも、これらのスタチン誘発性筋毒性の検出においてより具体的で高感度な脂質マーカーを同定した。スタチン誘発性筋毒性の予測、診断のための、前記脂質に対する抗体ならびにその使用もまた提供される。本発明はさらに、スタチン誘発性筋毒性の予測および/または診断に使用するための、脂質および/またはそれらに対する抗体を含むキットに関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スタチン誘発性筋毒性を予測または診断するための脂質レベルに関する方法および使用に関する。本発明は、特に、スタチン治療の調整を被験者が必要とするかどうかの決定および、新規脂質低下薬によって誘発される筋毒性の評価に応用できる。本方法は、生体試料の脂質レベルを分析し、それと対照とを比較することを含む。
スタチンは、種々の患者集団において、厳しい心血管エンドポイント(心血管死、心筋梗塞および発作)の発生率を25%〜35%程度減少させるので、現在、最も広く使用されている脂質低下薬である。これらの集団は、安定または不安定冠動脈疾患を有する患者、糖尿病患者および他の危険因子を有する高血圧患者を含む。一般に、スタチンは認容性が良好であるが、筋肉、肝臓および消化管への副作用が生じることがある。スタチンは、非特異的または非定型筋痛症から筋障害および重度の横紋筋融解症症候群までの広範囲の筋副作用と関連することがある。
筋痛症は、全身性または限局性のいずれかであることができる、痛む筋肉の筋肉痛または愁訴と定義される。このような症状は患者の10%までにおいて生じ、医師に、用量の減少、試行錯誤アプローチを用いる他のスタチンへの変更または投薬の完全な中止を余儀なくさせることがある。これらの筋肉症状は、治療の最初の2年以内に比較的高率の患者がスタチン治療を中止する一因ともなり得る。従って、より良性の筋肉症状でさえ重大な結果をもたらすリスクがあり、これらの薬剤によって潜在的に提供される大きな臨床的および社会経済的利益を制限している。
筋障害はまた、横紋筋融解症よりも破滅的ではないが、スタチン治療後に発症することがあり、これはクレアチンキナーゼ(CK)値が正常上限値の少なくとも10倍上昇している筋肉痛および/または筋力低下と定義される。筋障害の発生率はおおよそ1〜5%である。スタチン関連筋毒性の素因となる既知の危険因子は、腎機能障害、甲状腺機能低下症、遺伝性もしくは後天性筋疾患、他のスタチンもしくはフィブラートによる筋毒性歴、フィブリン酸誘導体の併用、アルコール乱用、スタチンの血漿中濃度の上昇によって生じ得る臨床の場およびアジア系統を含む。
横紋筋融解症は、まれな事象(スタチン使用者の0.1%をはるかに下回る)であるが、重篤な筋毒性、血漿クレアチンキナーゼ(CK)値の大幅な上昇(10,000U/Lを超える)および、ミオグロビン毒性に続発する腎機能障害を特徴とする生命を脅かす状態を構成する。横紋筋融解症は、多くの患者の死を引き起こし、それによりスタチンの1つであるセリバスタチン(バイコール、バイエル社)が市場において使用中止になった。他のHMG-CoAレダクターゼ阻害薬であるシンバスタチン(ゾコール、Merck社)を高用量で投与した場合(AZ試験(A to Z trial))、横紋筋融解症の発生率が上昇したこともまた最近見出された。
スタチン誘発性筋毒性のバイオマーカーとして、現在、血漿/血清クレアチンキナーゼ(CK)測定が用いられている。症状が存在するにもかかわらず、圧倒的多数の患者に関して、CK測定は情報を与えていない。血漿/血清CKは、体操を含む多くの他の理由によって上昇しうるため、非特異的マーカーである。より大きな制限は、その低い感度である。なぜなら、それは、組織から血漿へのCK漏出を含む筋細胞への実質的損傷後にのみ指標となるからである。従って、このために、スタチン誘発性筋毒性の診断のための新規バイオマーカーを開発することが十分に正当化される。急性筋肉痛中に患者から得られた筋肉試料に関する以前の研究(Phillips PS et al.:“Statin-associated myopathy with normal creatine kinase levels.”Ann Intern Med. 2002 Oct 1;137(7):581-5)は、組織病理学的研究において、例えば、炎症細胞の集積を明らかにしている。
人体における脂質メディエーターの数はおびただしい。質量分析法および脂質生化学における進歩によって脂質メディエーターの同定および定量を容易にするための試みがなされてきたが、それによって、今日、総称してリピドームと呼ばれる、いくつかの脂質クラスにおける数百の脂質分子種の同時ハイスループット同定および定量が可能である(Ejsing CS, et al: Global analysis of the yeast lipidome by quantitative shotgun mass spectrometry. Proc Natl Acad Sci U S A 2009, 106:2136-2141; Stahlman M, et al: High-throughput shotgun lipidomics by quadrupole time-of-flight mass spectrometry. J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci 2009 Hiukka A, et al: ApoCIII-enriched LDL in type 2 diabetes displays altered lipid composition, increased susceptibility for sphingomyelinase, and increased binding to biglycan. Diabetes 2009, 58:2018-2026; Linden D, et al: Liver-directed overexpression of mitochondrial glycerol-3-phosphate acyltransferase results in hepatic steatosis, increased triacylglycerol secretion and reduced fatty acid oxidation. FASEB J 2006, 20:434-443.)。リピドーム研究は、脂質の細胞分布を確認し、その生化学的機構、相互作用および動力学を説明することを求めた。リピドミクスは、原則として、リピドームの正確な化学組成を定量することができる(Han X, Gross RW: Global analyses of cellular lipidomes directly from crude extracts of biological samples by ESI mass spectrometry: a bridge to lipidomics. J Lipid Res 2003, 44:1071-1079)。
当該技術分野において、脂質データの大部分は、今日、脂質を合計組成フォーマット、すなわち、ホスファチジルコリン(PC)34:1で提供されるが(Brugger B, et al: Quantitative analysis of biological membrane lipids at the low picomole level by nano-electrospray ionization tandem mass spectrometry. Proc Natl Acad Sci U S A 1997, 94:2339-2344)、脂質分子および結合脂肪酸テールは未確認のままである。脂質分子種の同定、例えば、PC16:0/18:1(Ekroos K, et al: Charting molecular composition of phosphatidylcholines by fatty acid scanning and ion trap MS3 fragmentation. J Lipid Res 2003, 44:2181-2192)は先進的リピドミクスの主な特徴であり、これは合計された脂肪酸情報よりはむしろ高度に分離された脂質分子種を提供する。例えば、特定のPC分子を構成している脂肪酸の種類およびそれらのグリセロール骨格への結合部位に関する情報が明らかにされる。ガスクロマトグラフィーと組み合わせた薄層クロマトグラフィーなどの慣用法はあるが、これらの方法は、かなり大量の試料量および面倒な試料調製を必要とするばかりでなく、脂質分子種を提供することもしない。脂質成分を特徴付けることができる多数の質量分析法技術にもかかわらず、それらの大部分は、いまだに、絶対濃度またはほぼ絶対濃度に関する信頼性のある高品質定量的データを提供することができない。
スタチン誘発性筋毒性の検出および診断のための具体的かつ信頼性のある方法ならびにこの点において有用なマーカーが求められている。スタチンまたは脂質低下薬を用いる既存の治療レジメンの改善もまた求められている。
本発明は、特に、スタチン誘発性筋毒性、例えば筋疾患、筋ジストロフィー、筋痛症、筋炎、筋障害または横紋筋融解症と関連するスタチン誘発性筋毒性の検出および診断のための新規リピドームマーカーを提供する。
本発明の一側面において、非特異的または非定型筋痛症から筋障害および重度の横紋筋融解症症候群までのスタチン関連筋副作用を検出するための方法、リピドームマーカー、薬剤(例えば抗体)およびキットが特に開示され、かつ/または特許請求される。筋痛症は、全身性または限局性のいずれかであることができる、痛む筋肉の筋肉痛または愁訴と定義される。筋障害はまた、横紋筋融解症よりも破滅的ではないが、スタチン治療後に発症することがあり、これはCK値が正常上限値の少なくとも10倍上昇している筋肉痛および/または筋力低下と定義される。
本発明の方法は、例えば、a)スタチンで治療される予定の、またはスタチンで治療されてきた治療対象者からの生体試料を提供し;b)前記試料において、本発明の有用なリピドームマーカーとして本明細書において同定された1以上の脂質(単数または複数)および/または1以上の脂質比(単数または複数)の濃度(単数または複数)を決定し、c)前記の決定された脂質濃度(単数または複数)および/または脂質比(単数または複数)と対照における対応する脂質濃度(単数または複数)および/または脂質比(単数または複数)とを比較する段階を含むことができる。
本発明のリピドームマーカーは、スタチン誘発性筋毒性の高感度検出を可能にする。同じことが、スタチン誘発性筋毒性の合併症に当てはまることは明らかであろう。これは、患者管理の改善、発症および苦痛の軽減、スタチンの副作用と関連する疾病率/死亡率の低下の達成を容易にするであろう。従って、本明細書に記載されかつ特許請求されるリピドームマーカーは、スタチンで治療されるかまたは治療される予定の患者に関する薬物介入の個々の調節(tailoring)を可能にする。同様に、本発明は、スタチンおよびスタチン様化合物が試験される場合の動物実験にも応用することができる。本発明は、特に、製造される予定の新規脂質低下剤のより優れた安全性評価を可能にするであろう。
従って、本明細書において特に、被験者が、スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っているかどうかを決定する方法であって、前記被験者からの試料における1以上の脂質(単数または複数)の濃度(単数または複数)を決定し、ここで前記試料における、対照と比較したときの濃度(単数または複数)の上昇または低下が、前記被験者が前記スタチン誘発性筋毒性および/または前記合併症(単数または複数)を患っていることを示し、ここで濃度の上昇が対照と比較される1以上の脂質(単数または複数)が、表2:12-HETE、15-HETE、13-HODE、PE P-18:0/20:4、PE O-18:1/20:4、LacCer(d18:1/22:0)、LacCer(d18:1/20:0)、PE18:0/20:4、Cer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/24:0)、Cer(d18:1/20:0)、PC16:0/20:3、AA、Cer(d18:1/24:1)、Cer(d18:1/26:1)、Glc/GalCer(d18:1/24:1)、Cer(d18:1/22:0)、Glc/GalCer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/24:1)、SM(d18:1/14:0)(d18:1/13:1-OH)、LacCer(d18:1/16:0)、CE 18:3およびPC16:0/20:4から選択され;ここで濃度の低下が対照と比較される1以上の脂質(単数または複数)が表2:11_12-DHET、14_15-DHET、5-HETrE、5-HETEおよび8_9-DHETから選択されることを含む前記方法が提供される。
好ましい実施形態において、濃度の上昇が対照と比較される1以上の脂質(単数または複数)は、表5における脂質:12-HETE、15-HETE、PE P-18:0/20:4、PE O-18:1/20:4、LacCer(d18:1/22:0)およびCer(d18:1/18:0)から選択される。
他の好ましい実施形態において、濃度の低下が対照と比較される1以上の脂質(単数または複数)は、表5における脂質:5-HETEおよび8_9-DHETから選択される。
別の実施形態において、本発明は、被験者が、スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っているかどうかを決定する方法であって、前記被験者からの試料における1以上の脂質比(単数または複数)を決定し、ここで前記試料における、対照と比較したときの脂質比(単数または複数)の上昇または低下が、前記被験者が前記スタチン誘発性筋毒性および/または前記合併症(単数または複数)を患っていることを示し、ここで上昇が対照と比較される1以上の脂質比(単数または複数)が表4における脂質比:12-HETE/5-HETrE、12-HETE/8_9-DHET、12-HETE/5-HETE、12-HETE/14_15-DHET、12-HETE/CE 20:4、12-HETE/15-HETrE、12-HETE/LPC 16:0、15-HETE/8_9-DHET、12-HETE/5-HEPE、12-HETE/PC 18:0/18:2、12-HETE/CK、15-HETE/5-HETE、12-HETE/CE 18:3、13-HODE/8_9-DHETおよび15-HETE/15-HETrEから選択され;ここで低下が対照と比較される1以上の脂質比(単数または複数)が表4における脂質比:11_12-DHET/CE18:2、14_15-DHET/CE 18:2、11_12-DHET/LacCer(d18:1/24:0)、11_12-DHET/Cer(d18:1/16:0)、5-HETE/CE 20:4、14_15-DHET/LacCer(d18:1/22:0)、14_15-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、15-HETrE/LacCer(d18:1/22:0)、11_12-DHET/Cer(d18:1/20:0)、5-HETE/CE 18:2、5-HETE/CE 18:1、8_9-DHET/CE 18:2、8_9-DHET/CE 18:1、8_9-DHET/CE 22:6、14_15-DHET/Cer(d18:1/18:0)、5-HETE/LacCer(d18:1/24:1)、8_9-DHET/CE 16:0、5-HETE/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/26:0)、8_9-DHET/LacCer(d18:1/16:0)、5-HETE/9-HODE、8_9-DHET/Cer(d18:1/16:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/26:1)、8_9-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、11_12-DHET/12-HETE、8_9-DHET/9-HODE、5-HETE/Cer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/AA、5-HETE/PC 16:0/20:3、8_9-DHET/Cer(d18:1/24:1)、8_9-DHET/CE 16:1、11-HETE/12-HETE、8_9-DHET/Cer(d18:1/20:0)、8_9-DHET/PC 16:0/20:3および8_9-DHET/Cer(d18:1/18:0)から選択されることを含む前記方法に関する。
好ましい実施形態において、上昇が対照と比較される1以上の脂質比(単数または複数)は、表6における脂質比:12-HETE/5-HETrE、12-HETE/5-HETE、12-HETE/CE 20:4、12-HETE/15-HETrE、12-HETE/LPC 16:0、15-HETE/8_9-DHET、12-HETE/CK、13-HODE/8_9-DHETおよび15-HETE/15-HETrEから選択される。
他の好ましい実施形態において、低下が対照と比較される1以上の脂質比(単数または複数)は、表6における脂質比:11_12-DHET/Cer(d18:1/16:0)、5-HETE/CE 18:2、8_9-DHET/CE 18:1、8_9-DHET/LacCer(d18:1/16:0)、5-HETE/9-HODE、8_9-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、5-HETE/Cer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/24:1)、11-HETE/12-HETEおよび8_9-DHET/Cer(d18:1/18:0)から選択される。
さらに他の代替実施形態において、本発明は、被験者がスタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っているかどうかを決定する方法であって、前記被験者からの試料における1以上の脂質濃度(単数または複数)および脂質マーカーの組み合わせの1以上の脂質比(単数または複数)を決定し、ここで前記脂質マーカーの組み合わせが、表2、5または7に記載の少なくとも1つの脂質および表4または6に記載の少なくとも1つの脂質比を含み、ここで前記脂質(単数または複数)の濃度(単数または複数)の上昇または低下および/または前記試料における前記脂質比(単数または複数)の、対照と比較したときの増減が、前記被験者が前記スタチン誘発性筋毒性および/または前記合併症(単数または複数)を患っていることを示すことを含む前記方法に関する。変化の方向(低下または上昇)は、表2、4、5、6および7で示されている。
好ましい実施形態において、本発明の方法のいずれかに従って決定される脂質濃度は、表7で示されている脂質の組み合わせのいずれかの脂質濃度である。
他の側面において、本発明は、被験者のスタチン治療または脂質低下薬による治療が調整を必要とするかどうかを決定する方法であって、前記被験者からの試料における1以上の脂質(単数または複数)の濃度(単数または複数)を決定し、ここで前記試料における、対照と比較したときの濃度(単数または複数)の上昇または低下が、前記治療が調整を必要としていることを示し、ここで濃度の上昇が対照と比較される1以上の脂質(単数または複数)が、表2における脂質:12-HETE、15-HETE、13-HODE、PE P-18:0/20:4、PE O-18:1/20:4、LacCer(d18:1/22:0)、LacCer(d18:1/20:0)、PE 18:0/20:4、Cer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/24:0)、Cer(d18:1/20:0)、PC16:0/20:3、AA、Cer(d18:1/24:1)、Cer(d18:1/26:1)、Glc/GalCer(d18:1/24:1)、Cer(d18:1/22:0)、Glc/GalCer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/24:1)、SM(d18:1/14:0)(d18:1/13:1-OH)、LacCer(d18:1/16:0)、CE 18:3およびPC 16:0/20:4から選択され;ここで濃度の低下が対照と比較される1以上の脂質(単数または複数)が表2における脂質:11_12-DHET、14_15-DHET、5-HETrE、5-HETEおよび8_9-DHETから選択されることを含む前記方法に関する。
好ましい実施形態において、濃度の上昇が対照と比較される1以上の脂質(単数または複数)は、表5における脂質:12-HETE、15-HETE、PE P-18:0/20:4、PE O-18:1/20:4、LacCer(d18:1/22:0)およびCer(d18:1/18:0)から選択される。
他の好ましい実施形態において、濃度の低下が対照と比較される1以上の脂質(単数または複数)は、表5における脂質:5-HETEおよび8_9-DHETから選択される。
別の実施形態において本発明は、被験者のスタチン治療または脂質低下薬による治療が調整を必要とするかどうかを決定する方法であって、前記被験者からの試料における1以上の脂質比(単数または複数)を決定し、ここで前記試料における、対照と比較したときの脂質比(単数または複数)の上昇または低下が、前記治療が調整を必要としていることを示し、ここで上昇が対照と比較される1以上の脂質比(単数または複数)が、表4における脂質比:12-HETE/5-HETrE、12-HETE/8_9-DHET、12-HETE/5-HETE、12-HETE/14_15-DHET、12-HETE/CE 20:4、12-HETE/15-HETrE、12-HETE/LPC 16:0、15-HETE/8_9-DHET、12-HETE/5-HEPE、12-HETE/PC 18:0/18:2、12-HETE/CK、15-HETE/5-HETE、12-HETE/CE 18:3、13-HODE/8_9-DHETおよび15-HETE/15-HETrEから選択され;ここで低下が対照と比較される1以上の脂質比(単数または複数)が、表4における脂質比:11_12-DHET/CE 18:2、14_15-DHET/CE 18:2、11_12-DHET/LacCer(d18:1/24:0)、11_12-DHET/Cer(d18:1/16:0)、5-HETE/CE 20:4、14_15-DHET/LacCer(d18:1/22:0)、14_15-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、15-HETrE/LacCer(d18:1/22:0)、11_12-DHET/Cer(d18:1/20:0)、5-HETE/CE 18:2、5-HETE/CE 18:1、8_9-DHET/CE 18:2、8_9-DHET/CE 18:1、8_9-DHET/CE 22:6、14_15-DHET/Cer(d18:1/18:0)、5-HETE/LacCer(d18:1/24:1)、8_9-DHET/CE 16:0、5-HETE/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/26:0)、8_9-DHET/LacCer(d18:1/16:0)、5-HETE/9-HODE、8_9-DHET/Cer(d18:1/16:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/26:1)、8_9-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、11_12-DHET/12-HETE、8_9-DHET/9-HODE、5-HETE/Cer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/AA、5-HETE/PC 16:0/20:3、8_9-DHET/Cer(d18:1/24:1)、8_9-DHET/CE 16:1、11-HETE/12-HETE、8_9-DHET/Cer(d18:1/20:0)、8_9-DHET/PC 16:0/20:3および8_9-DHET/Cer(d18:1/18:0)から選択されることを含む前記方法に関する。
好ましい実施形態において、上昇が対照と比較される1以上の脂質比(単数または複数)は、表6における脂質比:12-HETE/5-HETrE、12-HETE/5-HETE、12-HETE/CE 20:4、12-HETE/15-HETrE、12-HETE/LPC 16:0、15-HETE/8_9-DHET、12-HETE/CK、13-HODE/8_9-DHETおよび15-HETE/15-HETrEから選択される。
他の好ましい実施形態において、低下が対照と比較される1以上の脂質比(単数または複数)は、表6における脂質比:11_12-DHET/Cer(d18:1/16:0)、5-HETE/CE 18:2、8_9-DHET/CE 18:1、8_9-DHET/LacCer(d18:1/16:0)、5-HETE/9-HODE、8_9-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、5-HETE/Cer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/24:1)、11-HETE/12-HETEおよび8_9-DHET/Cer(d18:1/18:0)から選択される。
再度、好ましい実施形態において、本発明の方法のいずれかに従って決定される脂質濃度は、表7に示される脂質の組み合わせのいずれかの脂質濃度である。
さらに他の代替実施形態において、本発明は、被験者のスタチン治療または脂質低下薬による治療が調整を必要とするかどうかを決定する方法であって、前記被験者からの試料における1以上の脂質濃度(単数または複数)および脂質マーカーの組み合わせの1以上の脂質比(単数または複数)を決定し、ここで前記脂質マーカーの組み合わせが、表2、5または7に記載の少なくとも1つの脂質および表4または6に記載の少なくとも1つの脂質比を含み、ここで前記脂質(単数または複数)の濃度(単数または複数)の上昇または低下および/または前記試料における前記脂質比(単数または複数)の、対照と比較したときの増減が、前記治療が調整を必要としていることを示すことを含む前記方法に関する。再度、変化の方向(低下または上昇)は、表2、4、5、6および7で示されている。
被験者のスタチン治療または脂質低下薬による治療が調整を必要とするかどうかを決定する方法のために、前記スタチン治療の調整は、(a)スタチン用量の減少;(b)スタチン治療の中止;(c)スタチン治療の再開;(d)異なるスタチン薬への変更、(e)異なる脂質低下薬への変更または(f)1以上のスタチンとの相互作用によって筋毒性をもたらす他の薬物治療の中止を含むことができる。
他の実施形態において、本発明の方法は、前記スタチンまたは脂質低下剤による治療を受けている被験者において、新規スタチンまたは新規脂質低下剤によって誘発される筋毒性の程度を評価するために用いることができる。
本発明の方法は、前記被験者における筋毒性の初期の警告的徴候を決定するために用いることができる。
これに加えて、あるいはこれに代えて、本方法は、被験者に見られる筋毒性の症状がスタチン誘発性筋毒性によるものであるかどうかを決定するために用いることができる。
本発明の方法のために、表2、4、5、6または7からの少なくとも1つの脂質濃度もしくは脂質比またはそれらの組み合わせは、被験者がスタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っているかどうかを評価するために測定されることもできるし、被験者のスタチン治療または脂質低下薬による治療が調整を必要とするかどうかを決定するために測定されることもできる。しかしながら、表2、4、5、6または7から、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つまたは少なくとも8つの脂質濃度もしくは脂質比またはそれらの組み合わせを決定することも可能であり、好都合であることもできる。同様に、本明細書において前述のように、表7に示されている脂質の組み合わせにおける脂質濃度を決定することが好都合であることができる。例えば、表2、5または7からの少なくとも1つの脂質濃度を決定し、さらに表4および6からの少なくとも1つの比率を決定する前述の決定の組み合わせを実施することもまた有用であることができる。前記の評価において、2以上のリピドームマーカーが測定され、評価に用いられる場合、特定の脂質濃度もしくは脂質比またはそれらの特定の組み合わせが他のものよりも重要であることが、好都合であることができる。
本発明の方法は、1以上のスタチンで治療されている被験者からの試料における脂質濃度(単数または複数)または脂質比(単数または複数)の決定を含む。
あるいは、本発明の方法は、スタチン治療を受けたことがあるが、例えば筋肉痛の発症のために前記治療を中止した被験者からの試料における脂質濃度(単数または複数)または脂質比(単数または複数)の決定を含む。
さらなる選択肢において、本発明の方法は、まだスタチンで治療されたことがない被験者からの試料における脂質濃度(単数または複数)または脂質比(単数または複数)の決定を含む。
本発明の方法は、さらに、スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を発症する高いリスクがある被験者からの試料における脂質濃度(単数または複数)または脂質比(単数または複数)の決定を含むことができる。
本発明の方法のために、被験者の試料の比較が対照に関して行われる。
好ましい実施形態において、対照は例えば対照試料であり、好ましくは被験者の試料に対応する対照試料である。
好ましい実施形態において、対照試料は、スタチン治療を受けているが筋毒性の発症前の同じ被験者からの試料である。しかしながら、対照は、スタチン治療前またはスタチン治療中の同じ被験者からの試料であることもできる。他の好ましい実施形態において、対照試料は、スタチン誘発性筋毒性の徴候または病歴のない他の被験者からの試料であることもできる。
他の好ましい実施形態において、対照は、スタチン誘発性筋毒性の徴候または病歴のない被験者集団からの対照試料である。
しかしながら、さらに他の好ましい実施形態において、対照は試料ではなく、単に、スタチン治療中ではなく、筋毒性の徴候または病歴のない1以上の被験者(単数または複数)から決定された対照値である。あるいは、対照は、好都合には、スタチン治療中であり、筋毒性の徴候または病歴のない1以上の被験者(単数または複数)から決定された対照値であることもできる。
本発明によれば、被験者がスタチン誘発性筋毒性(および/またはその合併症の1以上)を発症するリスクがあるかまたは患っているかどうかを決定するために、あるいは被験者のスタチン治療または脂質低下薬による治療が調整を必要とするかどうかを決定するために、被験者からの試料における個々の脂質(単数または複数)濃度(単数または複数)または脂質比(単数または複数)は、好ましくは、(それが対照試料または対照値であれ)対照における対応する脂質(単数または複数)の濃度(単数または複数)または対応する脂質比(単数または複数)と比較される。被験者の試料と対照との間で行うことができる比較の具体例のいくつかを以下の表に示す:
Figure 2016191718
他方では、被験者がスタチン誘発性筋毒性(および/またはその合併症の1以上)を発症するリスクがあるかまたは患っているかどうかを決定するために、あるいは被験者のスタチン治療または脂質低下薬による治療が調整を必要とするかどうかを決定するために、前記被験者からの試料における個々の脂質(単数または複数)の濃度(単数または複数)または脂質比(単数または複数)の本発明による比較は、(同様に対照試料または対照値のどちらでも)対照における個々の分子(単数または複数)または分子比(単数または複数)の濃度(単数または複数)または比率(単数または複数)に対しても行うことができる。対照におけるこのような他の個々の分子(単数または複数)または分子比(単数または複数)は、本発明に記載のリピドームマーカーに関して前記試料において増減が存在するかどうかを決定するための評価の基準として濃度(単数または複数)または比率(単数または複数)が適しているように、好ましくは、濃度(単数または複数)または比率(単数または複数)が、被験者のすべてまたはその大部分において同様な、または本質的に同様な分子(単数または複数)または比率(単数または複数)である。この点において、例えば、他の脂質(単数または複数)または他の脂質比(単数または複数)が好ましい。同様に、この点において、例えば、タンパク質(単数または複数)またはタンパク質比(単数または複数)が好ましい。この点において、臨床の現場において標準的に測定される対照における分子(単数または複数)または分子比(単数または複数)が特に好ましい。例えば、対照(同様に対照試料または対照値)におけるapoA、apoB、アルブミンまたは総PCの濃度またはそれらの組み合わせに対して比較が行われる実施形態が好ましい。
他の実施形態において、本発明の方法は、さらに、被験者または被験者からの試料におけるクレアチンキナーゼ値(CK)を決定または評価することを含むことができる。本発明の一実施形態において、被験者はクレアチンキナーゼ値の上昇を示す。本発明の他の実施形態において、被験者はクレアチンキナーゼ値の上昇を示さない。
本発明の方法によれば、試料は血漿、血清または筋生検組織であることができる。試料はまた、血液、血漿または血清の分画、例えばリポタンパク分画であることもできる。当業者に公知の技術によって血液試料を調製することもでるし、血漿もしくは血清またはそれらの分画もそれらから分離されることができる。あるいは、被験者からの試料および対照試料は、共に組織試料、例えば筋生検組織であることもできる。
被験者の試料ならびに対照試料からの、本発明の方法によるリピドームマーカー(すなわち、本明細書に記載されかつ特許請求される脂質、脂質濃度、脂質比またはリピドームマーカーの組み合わせ)に関する情報の採取は、種々の化学分析技術および高分解能分析技術によって実施することができる。特に、適切な分析技術は、限定するものではないが、質量分析法および核磁気共鳴分光法を含む。実際、被験者の試料ならびに対照試料からの本発明によるリピドームマーカーを測定するために、個々の脂質または脂質クラスを分離し、その構造情報を提供することができる任意の高分解能技術を用いることができる。従って、本発明の方法のために、脂質濃度(単数または複数)または脂質比(単数または複数)は、好ましくは質量分析法を用いて測定される。しかしながら、この点において、核磁気共鳴分光法、蛍光分光法または二面偏波式干渉、高速分離法、例えばHPLCまたはUPLC、イムノアッセイ、例えばELISAを用いることも有用であり、かつ/または脂質検体に特異的に結合することができる結合部分を用いることもまた有用である。
前述のように、本発明の方法の選択肢またはさらなる実施形態によれば、試料における脂質検体は、検体と検体に特異的に結合することができる結合部分とを組み合わせることによって検出および/または定量することができる。結合部分は、例えば、リガンド-受容体ペア、すなわち特異的結合相互作用を示すことができる一対の分子のメンバーを含むことができる。結合部分は、例えば、特異的結合対、例えば抗体-抗原、酵素-基質、核酸ベースリガンド、他のタンパク質リガンドまたは当該技術分野で公知の他の特異的結合対のメンバーを含むこともできる。
特に好ましい実施形態において、本発明のリピドームマーカーは質量分析法(MS)によって測定され、ここでMS器機は、場合により直接注入法および高速分離法、例えばHPLCまたはUPLCに連結されている。採取された脂質プロフィールを対照と比較する場合に、採取されたリピドームマーカーにおける個々の脂質または脂質クラスの量が用いられる。
本発明の他の側面において、被験者におけるスタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を予測、診断、予防または治療するために、表2、3、5もしくは7における脂質のいずれか1つに対する抗体または表4もしくは6における脂質比における脂質のいずれか1つに対する抗体が用いられる。同様に、本発明は、被験者におけるスタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を予測、診断、予防または治療する方法であって、表2、3、5もしくは7における脂質のいずれか1つに対する抗体または表4もしくは6における脂質比における脂質のいずれか1つに対する抗体の治療的有効量を用いるかまたは投与する前記方法に関する。
スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を予測するための、あるいは本明細書において記載および/または特許請求される方法または使用を実施するためのキットであって、(a)表2、3、5もしくは7における脂質または表4もしくは6における脂質比における脂質から選択される脂質標準品;(b)1以上の対照マーカー(例えば脂質(単数または複数)、好ましくは本明細書において記載および/または特許請求されるリピドームマーカーのいずれかに対応する脂質または他の脂質(単数または複数)、例えば総PC、または他の分子、例えばタンパク質、例えばapoA、apoBもしくはアルブミン);および場合により(c)表2、3、5もしくは7における脂質のいずれか1つまたは表4もしくは6における脂質比における脂質のいずれか1つに結合することができる抗体または他の結合部分;ならびに/または(d)前記方法または使用を実施するための試薬を含む前記キットもまた本発明に含まれる。好ましい実施形態において、スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を予測するために、あるいは本発明に含まれる方法のいずれかを実施するためにキットは用いられ、被験者からの試料における脂質濃度(単数または複数)または脂質比(単数または複数)は、質量分析法を用い、質量分析法によって測定される。本発明のキットの1以上の対照マーカー(単数または複数)は、例えば、(a)脂質(単数または複数)または(a)タンパク質(単数または複数)であることができる。好ましい一実施形態は、請求されるキットの1以上の対照マーカー(単数または複数)が、臨床の現場において標準的に測定される分子(単数または複数)である実施形態である。例えば、好ましい実施形態は、1以上の前記対照マーカー(単数または複数)がapoA、apoB、アルブミンもしくは総PCまたはそれらの組み合わせである実施形態である。
他の側面において、本発明は、アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者の治療に使用するためのスタチンまたは脂質低下薬であって、本明細書において記載および/または特許請求される方法、抗体、キットまたは使用を用いるとき、前記被験者がスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがあるかまたは患っていると同定される前記スタチンまたは脂質低下薬に関する。同様に、本発明は、アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者をスタチンもしくは脂質低下薬で治療する方法であって、本明細書において記載および/または特許請求される方法、抗体、キットまたは使用のいずれかを用いるとき、前記被験者がスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがあるかまたは患っていると同定される前記方法に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者の治療に使用するためのスタチンまたは脂質低下薬であって、本明細書において記載および/または特許請求される方法、抗体、キットまたは使用のいずれかによって、前記被験者が実際にスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがあるかまたは患っていると同定されている前記スタチンまたは脂質低下薬に関する。同様に、本発明は、アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者をスタチンもしくは脂質低下薬で治療する方法であって、記載および/または特許請求される方法、抗体、キットまたは使用のいずれかによって、前記被験者が実際にスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがあるかまたは患っていると同定されている前記方法に関する。
さらに他の側面において、本発明は、アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者の治療に使用するためのスタチンまたは脂質低下薬であって、本明細書において記載および/または特許請求される方法、抗体、キットまたは使用のいずれかを用いるとき、前記被験者がスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがないかまたは患っていないと同定される前記スタチンまたは脂質低下薬に関する。同様に、本発明は、アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者をスタチンもしくは脂質低下薬で治療する方法であって、記載および/または特許請求される方法、抗体、キットまたは使用のいずれかを用いるとき、前記被験者が実際にスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがないかまたは患っていないと同定される前記方法に関する。
他の実施形態において、本発明は、アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者の治療に使用するためのスタチンまたは脂質低下薬であって、本明細書において記載および/または特許請求される方法、抗体、キットまたは使用のいずれかによって、前記被験者がスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがないかまたは患っていないと同定されている前記スタチンまたは脂質低下薬に関する。同様に、本発明は、アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者をスタチンもしくは脂質低下薬で治療する方法であって、本明細書において記載および/または特許請求される方法、抗体、キットまたは使用のいずれかによって、前記被験者がスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがないかまたは患っていないと実際に同定されている前記方法に関する。
さらに他の側面において、本発明は、アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者の治療に使用するためのスタチンまたは脂質低下薬であって、前記治療が、本明細書において記載および/または特許請求される治療の調整の必要性を決定するための方法のいずれかを用いて評価されるかまたは評価されている前記スタチンまたは脂質低下薬に関する。同様に、本発明は、アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者をスタチンもしくは脂質低下薬で治療する方法であって、ここで前記治療が、本明細書において記載および/または特許請求される治療の調整の必要性を決定するための方法のいずれかを用いて評価されるかまたは評価されており、ここで場合により、前記治療がそれによって調整されるかまたは調整されている前記方法に関する。本発明のこの側面と関連して、このような調整は、適切には、限定するものではないが、(a)スタチン用量の減少;(b)スタチン治療の中止;(c)スタチン治療の再開;(d)異なるスタチン薬への変更;(e)異なる脂質低下薬への変更;または(f)1以上のスタチンとの相互作用によって筋毒性をもたらす他の薬物治療の中止、を含むことができる。
本明細書に記載されかつ特許請求される本発明のすべての側面および実施形態との関係において、スタチンは、限定するものではないが、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンXL、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンおよび/またはシンバスタチンからなる群から選択されるものであることができる。
本明細書に記載されかつ特許請求される本発明のすべての側面および実施形態との関係において、脂質濃度(単数または複数)または脂質比(単数または複数)の決定は、一般的にはアッセイを用いて行われる。
本明細書に記載されかつ特許請求される本発明のすべての側面および実施形態との関係において、筋毒性は、筋疾患、例えば筋ジストロフィーと関連することができる。
本明細書に記載されかつ特許請求される本発明のすべての側面および実施形態との関係において、スタチン誘発性筋毒性合併症は、特に、筋痛症、筋炎、筋障害および横紋筋融解症から選択されるものを含む。スタチン筋障害または筋炎は、一般的には、筋肉痛(筋痛症)、筋力低下、関節痛または横紋筋融解症を特徴とする。
患者と対照とを分ける、2つの重要な脂質、8_9-DHETおよび15-HETEのROC曲線である。 患者と対照とを分ける、3つの重要な脂質、8_9-DHETおよび15-HETEおよび15-HETrEのROC曲線である。 15-HETE、15-HETrE、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/22:0)、9-HODEおよび5-HETEの組み合わせに関するROC曲線である。
発明の詳細な説明
本発明は、スタチン誘発性筋毒性を示すバイオマーカーの同定へのリピドミクスの応用の結果である。本発明は、的確な個体が、的確なスタチンまたはコレステロール低下剤を的確な時間および用量で投与されることを確実にする使命を容易にし、それによって、従来、より一般的に用いられていた医薬および/または治療レジメンの個別化に向けてこの治療領域を打ち開く。
リピドミクスの高い感度と高い特異度の両方によって、最小試料量でさえ分析することができる。
本発明によれば、脂質および脂質比は種々の技術によって分析することができる。本発明に関しては、エレクトロスプレーイオン化質量分析法によるリピドミクスが好ましい技術である。ショットガンのこの優れた品質および特異度ならびに標的分析法は、適切な環境に設置された場合に、厳密な規制基準、例えば、医薬品安全性試験実施基準ガイドライン(GLP)を満たすであろう。
本明細書において、筋毒性は、薬物によって誘発される筋肉細胞(単数または複数)および/または筋肉組織の有害な変化である。
本明細書において、筋障害は、筋肉の任意の疾患を指す一般用語である。筋障害は後天性であることも先天性であることもあり、出生時に生じることも後年に生じることもある(出典:NINDS Myopathy Page-http://accessible.ninds.nih.gov/health_and_medical/disorders/myopathy.htm)。
本明細書において、筋痛症は、クレアチンキナーゼ(CK)の上昇を示さない筋肉痛または筋力低下を説明する用語である。
本明細書において、筋炎は、CK値の上昇を示す筋肉症状を説明する用語である。
本明細書において、横紋筋融解症は、顕著なCKの上昇(一般的には、実質的に正常上限値[ULN]の10倍を超える)およびクレアチニンの上昇(通例、褐色尿および尿中ミオグロビンを伴う)を示す筋肉症状を特徴とする。
本明細書において、筋疾患は、筋肉システムを襲う任意の疾患または障害である。
本明細書において、筋ジストロフィーは、筋肉を弱める遺伝性筋疾患である。筋ジストロフィーは、進行性骨格筋筋力低下、筋肉タンパク質の欠損ならびに筋細胞および組織の死を特徴とする。筋ジストロフィーは、デュシェンヌ型、ベッカー型、肢帯型、先天性、顔面肩甲上腕筋、筋緊張性、眼咽頭型、遠位型および/またはエメリ・ドレフュス型疾患を含むことができる。
本明細書において、アテローム性動脈硬化症またはCVDの合併症は、特に、心筋梗塞(MI)、AMI、狭心症、一過性脳虚血発作(TIA)、発作および死から選択される合併症を含む。
本明細書において用いられる略語の一部は次の意味を有する。CKはクレアチンキナーゼであり、ADRは薬物有害反応であり、MSは質量分析法であり、HPLCは高速液体クロマトグラフィーであり、またUPLCは超高速液体クロマトグラフィーであり、ROCは受信者操作特性であり、AUCは曲線下面積である。
中等度ないし重篤なクレアチンキナーゼの上昇は、ULNの10倍を超えるかまたは10,000IU/Lを超えると考えらえるものである。軽度なCKの上昇は、ULNを超えるが、ULNの10倍未満であると考えられる(Jacobson TA,et al: Toward“Pain-Free”Statin Prescribing: Clinical Algorithm for Diagnosis and Management of Myalgia. Mayo Clin Proc. June 2008; 83(6):687-700; Joy TR and Hegele RA,Narrative review: statin-related myopathy. Ann Intern Med. 2009 Jun 16;150(12):858-68)。
本発明によるスタチン およびスタチン 治療は、それぞれ、好ましくは、それぞれ以下のスタチンおよびそれらによる治療が考えられる:セリバスタチン(0.4mg/日、Phillips PS et al: Statin-Associated Myopathy with Normal Creatine Kinase Levels. Ann Intern Med. 2002;137:581-585; Evans M and Rees A: The myotoxicity of statins. Current Opinion in Lipidology. 2002, 13:415-420);フルバスタチン(80mg/日、Jacobson TA, et al: Toward“Pain-Free”Statin Prescribing:Clinical Algorithm for Diagnosis and Management of Myalgia. Mayo Clin Proc. June 2008; 83(6):687-700);フルバスタチンXL(80mg/日、Jacobson TA,et al: Toward“Pain-Free”Statin Prescribing:Clinical Algorithm for Diagnosis and Management of Myalgia. Mayo Clin Proc. June 2008; 83(6):687-700);ロバスタチン(40mg/日、Phillips PS et al: Statin-Associated Myopathy with Normal Creatine Kinase Levels. Ann Intern Med. 2002;137:581-585);プラバスタチン(40mg/日、Phillips PS et al: Statin-Associated Myopathy with Normal Creatine Kinase Levels. Ann Intern Med. 2002;137:581-585; Jacobson TA, et al: Toward“Pain-Free”Statin Prescribing:Clinical Algorithm for Diagnosis and Management of Myalgia. Mayo Clin Proc. June 2008; 83(6):687-700);ロスバスタチン(2.5〜20mg、週1〜7回、好ましい実施形態では1日5または10mg、Joy TR and Hegele RA, Narrative review: statin-related myopathy. Ann Intern Med. 2009 Jun 16;150(12):858-68); Jacobson TA, et al: Toward“Pain-Free”Statin Prescribing:Clinical Algorithm for Diagnosis and Management of Myalgia. Mayo Clin Proc. June 2008; 83(6):687-700); アトルバスタチン(10または20mg/日、Phillips PS et al: Statin-Associated Myopathy with Normal Creatine Kinase Levels. Ann Intern Med. 2002;137:581-585);40mg/日(Laaksonen R, et al: A Systems Biology Strategy Reveals Biological Pathways and Plasma Biomarker Candidates for Potentially Toxic Statin-Induced Changes in Muscle. PLoS ONE. December 2006, Issue 1, e97: 1-9);40または80mg/日(Jacobson TA, et al: Toward“Pain-Free”Statin Prescribing:Clinical Algorithm for Diagnosis and Management of Myalgia. Mayo Clin Proc. June 2008; 83(6):687-700);ならびに/またはシンバスタチン(40または80mg/日、Phillips PS et al: Statin-Associated Myopathy with Normal Creatine Kinase Levels. Ann Intern Med. 2002;137:581-585);80mg/日(Laaksonen R, et al: A Systems Biology Strategy Reveals Biological Pathways and Plasma Biomarker Candidates for Potentially Toxic Statin-Induced Changes in Muscle. PLoS ONE. December 2006, Issue 1, e97: 1-9; Jacobson TA, et al: Toward“Pain-Free”Statin Prescribing: Clinical Algorithm for Diagnosis and Management of Myalgia. Mayo Clin Proc. June 2008; 83(6):687-700)。あるいはまた、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチンおよび/またはシンバスタチンは、40mg/日で投与されることができる(Jacobson TA, et al: Toward“Pain-Free”Statin Prescribing:Clinical Algorithm for Diagnosis and Management of Myalgia. Mayo Clin Proc. June 2008; 83(6):687-700)。この 治療は、フィブラート または エゼチミブの投与を含むこともできるし、含まないこともできる(10mg/日、Jacobson TA, et al: Toward“Pain-Free”Statin Prescribing: Clinical Algorithm for Diagnosis and Management of Myalgia. Mayo Clin Proc. June 2008; 83(6):687-700)。エゼチミブと共に、3.75g/日の用量で、コレセベラムをさらに投与することができる(Joy TR and Hegele RA, Narrative review: statin-related myopathy. Ann Intern Med. 2009 Jun 16;150(12):858-68)。
本発明において、脂質低下薬または脂質低下剤は、好ましくは、HMG-CoAレダクターゼ阻害薬、ナイアシン(ニコチン酸)、コレステロール吸収阻害薬、コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害薬、胆汁酸封鎖剤;フィブラートまたはフィトステロールである。
本発明において、コレステロール吸収阻害薬は、好ましくはエゼチミブまたはSCH-48461であり、コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害薬は、好ましくはトルセトラピブ、アナセトラピブまたはダルセトラピブであり、胆汁酸封鎖剤は、好ましくはコレセベラム、コレスチラミンまたはコレスチポルであり、フィブラートは、好ましくはフェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブレートまたはベザフィブラートである。
本明細書において、被験者は、限定するものではないが、ヒトおよびヒト以外の霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウサギ、ブタならびにげっ歯動物を含むすべての哺乳動物を含む。本発明による特に好ましい被験者はヒトである。
本明細書において、ハイリスク被験者は、一般的には、スタチンの高用量および/または複数投薬(薬剤相互作用のリスクがある)で治療中の、既知の筋疾患を有するかまたは有害事象のリスクを高める可能性のある疾患(例えば、甲状腺機能低下症、腎機能障害または肝疾患)を有する被験者、特にヒトである。
本明細書において、対照は対照試料であることもできるし、単に対照値であることもできる。それが対照値である場合、本発明の方法を開始する前に、それがすでに測定され、算出され、または外挿されたものであることができることは明らかであろう。あるいはまた、対照値は、本発明の方法に従って前記1以上の脂質(単数または複数)の濃度(単数または複数)または前記1以上の脂質比(単数または複数)の決定を行った後に測定され、算出され、または外挿されることができる。従って、本発明による適切な対照値は、文献から採用したものであることができることは明らかであろう。
本明細書において、試料は、被験者、被験者群または被験者集団から得られる任意の生体試料と定義される。本発明において、生体試料は全血、血清または血漿であることができるが、血清および血漿が好ましい。患者の血液試料を採取することは、通常の臨床診療の一部である。血液試料は、例えば、患者におけるコレステロール値の測定と関連して採取することができる。採取した血液試料は調製することができ、当業者に公知の技術で血清または血漿を分離することができる。針およびBD Vacutainer(登録商標)プラスチックチューブまたはVacutainer(登録商標)Plusプラスチックチューブ(血清分離のためのスプレーコーティングされたシリカおよびポリマーゲルを含むBD Vacutainer(登録商標)SST(登録商標)チューブ)を用いて、患者から静脈血試料を採取することができる。血清は、室温で10分間1300 RCFで遠心分離することによって分離され、小さなプラスチックチューブに-80℃で保存されることができる。試料はまた、全血、血漿または血清の分画、例えばリポタンパク分画であることもできる。他の好ましい実施形態において、試料はまた、組織試料、例えば筋生検組織であることもできる。
本発明によって比較が行われる対照における脂質または他の分子は、本明細書において対照マーカーとも呼ばれる。
本明細書において、同じ被験者または他の被験者からの対照試料とは、前記被験者から対照試料が直接に得られたことを意味することができる。あるいはまた、しかしながら、前記被験者から直接に入手または採取した試料の物理的または化学的処理、例えば遠心分離、分画、酵素消化、沈殿などの結果として対照試料が得られたことを意味することもできる。同じことは、本明細書において、被験者群または被験者集団からの対照試料について言う場合にもすべてあてはまる。
本明細書において、被験者群からの対照試料または被験者集団からの対照試料という用語は、さらに、好ましくは、対照試料が前記群または集団を表すことを含む。これに関連して、代表とは、本発明に関して比較が行われる前記対照試料における1以上の脂質の濃度(単数または複数)が、前記群または集団の被験者からの対応する個々の試料における前記脂質(単数または複数)の平均濃度(単数または複数)に相当することを意味するものとする。好ましくは、前記対照試料におけるすべての脂質の濃度は、前記群または集団の被験者からの対応する個々の試料における前記脂質の平均濃度に相当する。同様に、本発明に関して、1以上の他の分子、例えば、他の脂質またはタンパク質、例えば総PCまたはapoA、apoBもしくはアルブミンに対してそれぞれ比較が行われる場合、代表的対照試料は、この(これらの)分子(単数または複数)の濃度(単数または複数)が、前記群または集団の被験者からの対応する個々の試料における前記分子(単数または複数)の平均濃度(単数または複数)に相当する対照試料である。好ましい実施形態において、本発明の意味における被験者群からの対照試料または被験者集団からの対照試料は、前記群または前記集団の被験者から直接に得たまたは採取した等しい量の試料を混合することによって、あるいは等しい量の、分画、成分またはそれらの反応生成物(例えば、酵素反応生成物または沈殿物)を混合することによって得られる。
本明細書において、対照試料は、それが同じかまたは本質的に同じ方法で同じタイプの生体組織または生体源から得られた場合は被験者の試料に対応する。例えば、被験者の試料が全血、血漿もしくは血清試料またはそれらの分画である場合、対応する対照試料は、それぞれ同様に、全血、血漿もしくは血清試料またはそれらの分画である。このような対応する対照試料は、被験者群または被験者集団からの全血、血漿もしくは血清試料またはそれらの特定の分画から得られた全血、血漿もしくは血清試料またはそれらの分画を含むことは明らかであろう(本発明による適切な対照試料に関する本明細書および特許請求の範囲におけるさらなる説明もまた参照のこと)。同じことは、必要な変更を加えて、例えば組織試料に当てはまる。
本明細書において、脂質は、疎水性または両親媒性小分子と定義される。
本発明において、脂質は以下の命名法に従って命名される:CEはコレステリルエステルであり、Cerはセラミドであり、DAGはジアシルグリセロールであり、PC Oはエーテル結合型PCであり、GDはジシアロガングリオシドであり、GlcCerはガラクトシル-およびグルコシルセラミドであり、GMはモノシアロガングリオシドであり、LacCerはラクトシルセラミドであり、LPCはリゾホスファチジルコリンであり、PCはホスファチジルコリンであり、PEはホスファチジルエタノールアミンであり、PIはホスファチジルイノシトールであり、SMはスフィンゴミエリンであり、S1Pはスフィンゴシン-1-リン酸であり、HETEはヒドロキシエイコサテトラエン酸であり、DHETはジヒドロキシエイコサトリエン酸であり、HODEはヒドロキシオクタデカジエン酸であり、HETrEはヒドロキシエイコサテトラエン酸であり、AAはアラキドン酸であり、HEPEはヒドロキシ/ヒドロペルオキシエイコサペンタエン酸であり、EPAはエイコサペンタエン酸であり、DHAはドコサヘキサエン酸である。
命名法X:Yは、Xがその分子の脂肪酸部分(単数または複数)における全炭素原子数であり、Yがその分子の脂肪酸部分(単数または複数)における全二重結合数であることを示す。
命名法A/Bは、DAGおよびPC分子に関して、その分子のグリセロール骨格にAタイプおよびBタイプの脂肪酸部分が結合していることを示す。
命名法(dC/A)は、Cer、GlcCer、LacCerおよびSM分子に関して、Cが、アミド結合した脂肪酸部分Aを有する長鎖塩基のタイプであることを示す。
本明細書において、用語抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、全長抗体、抗体フラグメントおよび前記脂質に特異的結合を示す抗体サブフラグメントを含む。従って、適切な抗体は、任意のクラスの全免疫グロブリン(例えばIgG、IgM、IgA、IgD、IgE)、二重もしくは多重の抗原もしくはエピトープ特異性を有するキメラ抗体もしくはハイブリッド抗体、またはハイブリッドフラグメントを含むフラグメント(例えばF(ab')2、Fab'、Fabなど)であることができ、さらに、特異抗原との結合によって抗体のように作用して複合体を形成する任意の免疫グロブリンまたは任意の天然、合成もしくは遺伝子操作されたタンパク質を含む。用語抗体は、抗体の抗原結合フラグメント(例えば一本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2、Fdフラグメント、FvフラグメントおよびdAbフラグメント)ならびに完全抗体を含む。例えば、Fab分子は、E.コリ(E. coli)などの遺伝的に形質転換された宿主において発現され集積されることができる。従って、被験者が祖先抗体を生成するのと同等以上の潜在的多様性を有するFab集団を発現するために、ラムダ・ベクター・システムを利用することができる。Huse WD,et al.,Science1989,246:1275-81を参照のこと。このようなFabは、抗体の定義に含まれる。抗体と同様に作用し、特異抗原に特異的に結合する、抗体フラグメントまたはサブフラグメントを含む所定の分子の能力は、当該技術分野で公知の結合アッセイ、例えば、結合パートナーとして対象とする抗原を用いるアッセイによって測定されることができる。
本発明による脂質に対する抗体は、当業者に公知の方法によって製造することができる。例えば、マウスを、アジュバントと共に脂質で免疫することができる。2週間隔で3回免疫注射し、血清抗体力価のために隔週に試験採血を行ったマウスからプールとして脾細胞を採取する。脾細胞をアリコート3つに調製し、これらを直ちに融合実験に用いるか、あるいは将来の融合に用いるために液体窒素中に保存する。
次いで、Stewart&Fuller,J.Immunol.Methods1989,123:45-53の手順に従って融合実験を行う。前記脂質でコーティングされた96ウェルELISAプレート上で、酵素免疫測定法(ELISA)によって、モノクローナル抗体(MAb)分泌細胞に関して、増殖しているハイブリッドを含むウェルからの上清をスクリーニングする。ELISA陽性培養物を限界希釈によってクローニングし、一般的には、2回連続のクローニング実験後に単一コロニーから樹立されたハイブリドーマが得られる。
(実施例1)
材料および方法
本治験のために、厳密な基準に従って測定された、明確な筋肉の不耐症表現型を示す患者コホートから被験者を選択した。
被験者の選択基準には以下を用いた:
・治験への参加の文書によるインフォームド・コンセント;
・18歳以上の男性または女性;
・以下のいずれかによって明らかにされるスタチン関連筋毒性の証拠資料:
スタチン治療中に生じ、使用中止もしくは用量減少後に止む筋肉痛;または
スタチン治療開始後に始まり、スタチン投与を停止するのが不可能と考えられる患者においてなお治療されている間持続する筋肉痛;または
スタチンで患者が治療されている間生じ、男性/女性医師の意見で、明確にスタチン関連と考えられる筋肉痛;または
筋肉痛、筋力低下、筋障害もしくは横紋筋融解症によるスタチン不耐症のために、スタチンからエゼチミブに脂質低下レジメンが変更される患者;または
異常を説明する他の原因が無い場合の、スタチンで治療されている間の正常上限値の1.5倍を超える血漿CK値の上昇;または
異常を説明する他の原因が無い場合の、スタチンで治療されている間のミオグロビン尿症もしくは高ミオグロビン血症の存在;
他に責任を負うべき原因が無い場合の、スタチンで治療されている間の横紋筋融解症の臨床診断。
被験者の除外基準には以下を用いた:
医師の判断で、筋肉痛がスタチンの使用と明確には関連しない患者;
安定用量のサプリメントで少なくとも直前の3ヶ月間抑制されず、筋毒性の間存在した甲状腺機能低下症;
前年において既知であり、筋毒性の間存在した甲状腺機能亢進症;
前年において存在し、筋毒性の間存在したアルコール乱用または薬物乱用の病歴;
筋毒性時に200μmol/L以上の血清クレアチニン値を示す既知の腎機能障害(横紋筋融解症に続発したものでない);
筋毒性時の、硬変、胆道閉塞、急性または慢性の感染性肝炎を伴う既知の重篤な肝疾患;既知の遺伝性または後天性筋疾患;
医師の意見で、患者を治験に不適当な志願者とする原因となる任意の健康状態または精神状態;
リクルートメントの30日以内の任意の他の薬物治験の関与。
対照の選択基準には以下を用いた:
治験への参加の文書によるインフォームド・コンセント;
18歳以上の男性または女性;
スタチンの安定用量で少なくとも3ヶ月間治療された既知の脂質異常症;
現在または過去におけるスタチン関連副作用の非存在。
対照の除外基準には以下を用いた:
スタチンによる筋毒性の非存在が状態の前に確定されている場合を除く、安定用量のサプリメントで少なくとも直前の3ヶ月間抑制されない甲状腺機能低下症;
スタチンによる筋毒性の非存在が状態の前に確定されている場合を除く、前年において知られている甲状腺機能亢進症;
スタチンによる筋毒性の非存在が状態の前に確定されている場合を除く、前年におけるアルコール乱用または薬物乱用の病歴;
スタチンによる筋毒性の非存在が状態の前に確定されている場合を除く、リクルートメント時において200μmol/L以上の血清クレアチニン値を示す既知の腎機能障害;
スタチンによる筋毒性の非存在が状態の前に確定されている場合を除く、リクルートメント時に硬変、胆道閉塞、急性または慢性の感染性肝炎を示す既知の重篤な肝疾患;
既知の遺伝性または後天性筋疾患;
医師の意見で、患者を治験に不適当な志願者とする原因となる任意の健康状態または精神状態。
リクルートメントの30日以内の任意の他の薬物治験の関与。
Figure 2016191718
解析方法
質量分析法によるリピドミクス
直接注入/タンデム質量分析法(すなわちショットガンリピドミクス)および2つの液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC-MS/MS)アプローチ(すなわち、セラミドおよびセレブロシドリピドミクスおよびエイコサノイドリピドミクス)を用いてヒト血漿中の脂質分子種を分析することによってスタチン誘発性筋毒性を同定した。適用方法は、特に、分子のコレステリルエステル(CE)、ホスファチジルコリン(PC)、リゾホスファチジルコリン(LPC)および他のリゾリン脂質(LPL)、エーテル結合型ホスファチジルコリン(PC O)および他のエーテル結合型リン脂質(PL O)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジン酸(PA)、ジアシルグリセロール(DAG)、セラミド(Cer)、グルコシルセラミド(GlcCer)、ラクトシルセラミド(LacCer)、遊離脂肪酸(FFA)ならびにエイコサノイドの定量のために最適化された。
本方法に従って以下の材料を用いた。HPLCまたはLC-MSグレードのクロロホルム、メタノール、水、アセトニトリル、ギ酸、メタノール、イソプロパノール、酢酸アンモニウム、酢酸、塩化カリウムおよびブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)は、Sigma-Aldrich社(セントルイス、ミズーリ州、米国)から購入した。
HPLCカラム(Acquity BEH C18、2.1×50mm id. 1.7μm)はWaters社(ミルフォード、マサチューセッツ州、米国)から購入した。HPLCプレカラム(Widepore C18 4x2.0mm)はPhenomenex社(トランス、カリフォルニア州、米国)から購入した。抽出に用いたすべての実験器具はクロロホルムに耐性を示した。エアゾール耐性フィルターチップ(Molecular Bioproducts社)およびEppendorf 2ml safe-lock tube、96ウェルtwin.tec PCRプレートならびにPierce-it-lite thermo-seal foilはVWR International社(ウエストチェスター、ペンシルべニア州、米国)から購入した。CO-RE Filter Tipおよび96ウェル2ml Whatman Uniplateは、Hamilton Robotics社(Bonaduz、スイス)から購入した。合成脂質標準品は、Avanti Polar Lipids社(アラバスター、アラバマ州、米国)、Matreya社(Pleasant Gap、ペンシルべニア州、米国)およびCayman Chemical社(アナーバー、ミシガン州、米国)から購入した。
脂質は、以下のプロトコルに従ってクロロホルム:メタノールで抽出した。データの正規化および内因性脂質定量のために、既知量の非内因性合成内部標準で試料をスパイクした。非内因性合成外部標準品でスパイクしたポスト抽出物を品質管理(quality controlling)に用いた。適切に計量した量の各標準品をクロロホルム:メタノール(2:1、v/v)に溶解して最終濃度500μMにすることによって標準品の原液を調製した。標準原液のそれぞれを含む内部標準混合物を作成し、脂質抽出に用いた。
ショットガンリピドミクスのために血漿5μlを用い、セラミドおよびセレブロシドリピドミクスのために血漿10μlを用いた。Hamilton MICROLAB STARシステム(Hamilton Robotics社、スイス)を用い、自動で脂質抽出を行った。十分に混合した試料を、氷冷したメタノールおよび0.1%BHTを含む96ウェル2ml Whatman Uniplateに分注した。抽出プロトコルにおける各段階後に試料を十分に混合した。適切な量の内部標準混合物およびクロロホルムおよびメタノールを加えることによって室温で抽出を行った。ショットガンリピドミクスならびにセラミドおよびセレブロシドリピドミクスにおいて、20mM酢酸を加えることによって有機相分離を促進し、500×gで5分間プレートを遠心分離した。この有機相を新規の96ウェル2ml Whatman Uniplateに移した。残りの含水相に適切な量のクロロホルムを加えて洗浄し、次いで遠心分離した。2つの有機相をプールし、N2下で乾燥するまで蒸発させた。次いで、合成外部標準品を添加したクロロホルム:メタノール(1:2、v/v)に脂質抽出物を再溶解した。MS分析の前に、-20℃で、抽出物を2ml safe-lock Eppendorf tubeに保存した。脂質抽出物の必要量を、Eppendorf96ウェルtwin.tec PCRプレートに分注し、蒸発を避けるためにアルミホイルでプレートをヒートシールした。
ショットガンリピドミクスにおいて、自動ナノフローイオン源(NanoMate HD、Advion Biosciences社)を備えたハイブリッドトリプル四重極/リニアイオントラップ質量分析計(QTRAP5500、AB Sciex社)で脂質抽出物を分析した。この機械を陽イオンモードおよび陰イオンモードで操作した。陽イオンモードにおいて、スプレー電圧は1.0〜1.4kVに設定し、陰イオンモードにおいて、-1.0〜-1.4kVに設定した。0.3〜0.8psiのガス圧を用い、界面ヒーターは60℃に設定した。合成標準品を用い、衝突エネルギー(CE)およびデクラスタリング電位(DP)を各脂質クラスに最適化した。スキャン速度200Da/秒を用い、単位分解能モードでこの質量分析計を操作した。Stahlmanら(Stahlman M, et al: High-throughput shotgun lipidomics by quadrupole time-of-flight mass spectrometry. J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci 2009)の記載に基づいて、陽イオンモードおよび陰イオンモードの両方で、多重前駆体イオン走査(MPIS)および中性種脱離走査(NLS)を用いて脂質分子を分析した。
セラミドおよびセレブロシドリピドミクスにおいて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析は以下の方法で行った。クロマトグラフ装置には、CTC HTC PALオートサンプラー(CTC Analytics社、スイス)、Rheos Allegro UHPLCポンプ(Flux Instruments社、スイス)、セラミドおよびセレブロシドリピドミクスのために60℃に設定された外部カラムヒーターならびにインラインプレカラムを備えたAcquity BEH C18カラムからなるものを用いた。抽出された試料、各10μlをプレカラムに注入し、分析用カラムを通過させて、500μl/分の流速で質量分析計に射出させた。セラミドおよびセレブロシドリピドミクスにおいて、脂質検体分離のために、0.1%ギ酸を含むHPLCグレード水中に10mM酢酸アンモニウムを含む溶媒Aと、0.1%ギ酸を含むアセトニトリル:イソプロパノール(4:3、v/v)中に10mM酢酸アンモニウムを含む溶媒Bとでグラジエントを用いた。グラジエントは以下のように構築した:0分-65%B;2分-65%B;2.5分-75%B;17.5分-100%B;22.5分-100%B;22.6分-65%B;25分-65%B。
脂質抽出物をHPLC-MS/MSによって分析した。MS分析は、Turbo V(登録商標)イオン源(4000 QTRAP、AB Sciex社)を備えたハイブリッドトリプル四重極/リニアイオントラップ質量分析計で行った。この機械は陽イオンモードで操作した。イオン源電圧は、セラミドおよびセレブロシドリピドミクスに関しては5500Vに設定し、ガングリオシドリピドミクスに関しては-4500Vに設定し、イオン源温度は400℃に設定した。合成標準品を用い、衝突エネルギー(CE)およびデクラスタリング電位(DP)を各脂質クラスに最適化した。各スキャンに20秒の滞留時間を用いた。Sullardsら(Sullards MC, et al: Structure-specific, quantitative methods for analysis of sphingolipids by liquid chromatography-tandem mass spectrometry: "inside-out" sphingolipidomics. Methods Enzymol 2007)の記載に基づいて、マルチプルリアクションモニタリング(MRM)スキャンモードを用いた。
エイコサノイドは固相抽出(SPE)を用いて抽出した。ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を0.1%含む10%メタノールで血漿150μlを抽出した。データの正規化および内因性脂質の定量のために、既知量の非内因性合成内部標準で試料をスパイクした。各標準原液を含む内部標準混合物を作成し、脂質抽出に用いた。Strata-X 33um SPEカートリッジをHPLCグレードメタノールでコンディショニングし、次いで超純水(UPW)でコンディショニングした。試料をSPEに添着し、次いで35%メタノールで洗浄した。アセトニトリルでエイコサノイドを溶出し、溶出試料を窒素雰囲気下で乾燥させた。最終試料抽出物をメタノールで再構成し、質量分析法で直接に分析した。
エイコサノイドの分析において、以下のように高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を行った:クロマトグラフ装置には、CTC HTC PALオートサンプラー(CTC Analytics社、スイス)、Rheos Allegro UHPLCポンプ(Flux Instruments社、スイス)、45℃に設定された外部カラムヒーターおよびスイッチングバルブ(Valco Instruments Co.Inc.and VICI AG、ヒューストン、米国)からなるものを用いた。Phenomenex Jupiter、250×2.0mm id.5μm HPLCカラム(Phenomenex社、トランス、カリフォルニア州)を用いて分離を行った。抽出された試料、各10μlを分析用カラムに注入し、流速300μl/分で質量分析計に射出させた。脂質検体分離のために、0.1%ギ酸を含むアセトニトリル:水(63:37(v/v))を含む溶媒Aと、アセトニトリル:イソプロパノール(50:50(v/v))の溶媒Bとでグラジエントを用いた。グラジエントは以下のように構築した:0分-0%B;6分-20%B;6.50分-55%B;10.0分-55%B;12.0分-100%B;14.0分-100%B;14.50分-0%B;18.0分-0%B。
脂質抽出物をHPLC-MS/MSによって分析した。MS分析は、Turbo V(登録商標)イオン源(4000 QTRAP、AB Sciex社)を備えたハイブリッドトリプル四重極/リニアイオントラップ質量分析計で行った。この機械は陰イオンモードで操作し、イオン源電圧は-4500Vに設定した。入手可能な合成標準品を用い、衝突エネルギー(CE)およびデクラスタリング電位(DP)を各脂質クラスに最適化した。Deemsら(Deems, R., et al: Detection and quantitation of eicosanoids via high performance liquid chromatography-electrospray ionization-mass spectrometry. Methods Enzymol 2007) の記載に基づいて、マルチプルリアクションモニタリング(MRM)スキャンモードを用いた。
データ処理は以下のように行った:初めに、保持時間(LCモードでの)を処理し、内因性標準品を用い、適切な場合にはInformation Dependent Acquisition(IDA)試験によって各ピークの同定を行った。検出されたピークおよび保持時間(LCモードでの)に従って生データを自動で処理した。実際の脂質ピークからバックグラウンドノイズを分離するために厳密なカットオフを用いた。各試料を検査し、厳密な判定基準を満たした時にのみ受け入れた。検出されたピークのピーク面積カウント(cps)を、対応する脂質名のリストに変換した。濃度を引き出すために、脂質を、内部標準および試料量に対して正規化した。
外部標準品(ES)をスパイクした対応するポスト抽出物に対する合成内部標準(IS)の比率および、抽出されたマトリックスおよび溶媒のMS分析を、分析の品質管理(QC)として役立てた。さらに、抽出された参照血漿試料を、機械の性能をモニタリングするために分析した(すなわち、アッセイ内およびアッセイ間変動)。
試料分析の前に、合成または単離された標準品を用いて校正線を得た。用途に基づき、対象とする内因性脂質または検体(単数または複数)と同様な特性を有する合成標準品を選択した。校正線は、予想される定量範囲を含む最低限の5つの基準点からなる。校正線は、モニターされる各脂質クラスの定量ダイナミックレンジ、例えば直線定量限界を決定するため用いた。用いた内部標準は内因性脂質と同様な挙動を示すため、それらを内因性脂質種を定量するために用いた。校正線は、内因性脂質の定量に用いた同じ内部標準に基づいた。
各プラットフォームに関して、実際の脂質ピークからバックグラウンドノイズを分離するために厳密なカットオフを用いた。各試料を検査し、厳密な判定基準を満たした時にのみ受け入れた。検出されたピークの質量およびカウントを、対応する脂質名のリストに変換した。濃度を引き出すために、脂質を、内部標準および試料量に対して正規化した。
統計解析
対照群と患者群との間の脂質濃度の変化率を以下のように算出した:
100*(患者群におけるAVG[C]-対照群におけるAVG[C])/対照群におけるAVG[C]
独立な二標本の平均の差の検定およびマン・ホイットニーのU検定のp値に基づいて、統計的有意性を判定した。
さらに、患者と対照とを最もよく分離する脂質分子および濃度カットオフを見出すためにROC曲線を用いた。感度は、正しく同定された患者数を患者総数で割ったものとして算出される。特異度は、正しく同定された対照数を対照総数で割ったものとして算出される。各脂質濃度、脂質対脂質比および脂質対臨床濃度比に関して感度と特異度を算出した。重要なバイオマーカーは、t検定によるP値が0.05であるか、あるいは感度>=60%であり特異度=>40%である分子または比率と定義した。
さらにまた、改善された診断能力を明らかにするために、脂質の組み合わせを用いるロジスティック回帰モデルの例を表7に示す。患者と対照を互いに分離することができる脂質の種々の組み合わせを見出すためにロジスティックモデルを当てはめた。最初に、すべての脂質を可能な説明変数としてセットし、段階的方法を用い、エントリ有意水準(entry significance level)を0.1とし、ステイ有意水準(stay significance level)を0.05として用いるモデルを選択した。2つの重要な脂質、8_9-DHETおよび15-HETEが見出された。このモデルにおいてこれら2つの脂質を用いる場合、AUC値は0.8056である(図1)。増加したエントリ値およびステイ値を用いれば、さらに1つの脂質、15-HETrEがこのモデルに含まれ、これはAUC値0.8106を与える(図2)。増加したエントリ有意性値およびステイ有意性値を用い同じモデルに当てはめた。このことは、このモデルに脂質を選択するため用いた基準が、前のモデルほど厳密ではないことを意味する。これらの緩い基準を用いて、このモデルに6つの脂質15-HETE、15-HETrE、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/22:0)、9-HODEおよび5-HETEが選択された。これらの脂質では、AUC値は0.8788である(図3)。
結果
治験試料群において、クレアチンキナーゼ値は、対照および患者において実質的に同一であった。従って、この従来用いられてきた酵素マーカーでは、スタチン誘発性筋障害を予測または診断することができなかった。
他方では、リピドームバイオマーカーは、スタチン誘発性筋障害の重要なバイオマーカーと考えられた。本治験において、上記の様に、全部で290の脂質分子を定量した。これらの内、27の脂質分子が、セットの統計基準に基づいて重要なバイオマーカーであった。脂質分子濃度に基づく重要なバイオマーカー候補を表2に示す。異なる脂質対脂質比としてそれらのレベルが表される場合、リピドームバイオマーカーとしての診断的価値は増加する。比率に基づくバイオマーカー候補を表3および4に示す。
同定されたバイオマーカー候補の中から選択される好ましい実施形態を表5および6に示す。
Figure 2016191718
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図1〜3のデータは、脂質の3つの異なる組み合わせが、スタチン誘発性筋障害を予測するバイオマーカーであったことを示している:(i)15-HETE、15-HETrE、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/22:0)、9-HODEおよび5-HETE;(ii)8_9-DHET、15-HETEおよび15-HETrE;ならびに(iii)8_9-DHETおよび15-HETE(表7参照)。
要約すれば、本治験は、スタチン誘発性筋毒性の新規脂質マーカーを提供する。治験試料群において、クレアチンキナーゼ値は、対照および患者において実質的に同一であったので(表1)、リピドームバイオマーカーはスタチン誘発性筋毒性のより具体的な高感度マーカーであった。
次に、本発明の態様を示す。
1. 被験者が、スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っているかどうかを決定する方法であって、
(a)前記被験者からの試料における1以上の脂質の濃度を決定する工程であって、前記試料における、対照と比較したときの濃度の上昇または低下が、前記被験者が前記スタチン誘発性筋毒性および/または前記合併症を患っていることを示し、ここで、濃度の上昇が対照と比較される1以上の脂質が、12-HETE、15-HETE、PE P-18:0/20:4、PE O-18:1/20:4、LacCer(d18:1/22:0)およびCer(d18:1/18:0)から選択され;濃度の低下が対照と比較される1以上の脂質が5-HETEおよび8_9-DHETから選択される、工程;
(b)前記被験者からの試料における1以上の脂質比を決定する工程であって、前記試料における、対照と比較したときの脂質比の上昇または低下が、前記被験者が前記スタチン誘発性筋毒性および/または前記合併症を患っていることを示し、ここで、上昇が対照と比較される1以上の脂質比が、12-HETE/5-HETrE、12-HETE/5-HETE、12-HETE/CE 20:4、12-HETE/15-HETrE、12-HETE/LPC16:0、15-HETE/8_9-DHET、12-HETE/CK、13-HODE/8_9-DHETおよび15-HETE/15-HETrEから選択され;低下が対照と比較される1以上の脂質比が、11_12-DHET/Cer(d18:1/16:0)、5-HETE/CE18:2、8_9-DHET/CE18:1、8_9-DHET/LacCer(d18:1/16:0)、5-HETE/9-HODE、8_9-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、5-HETE/Cer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/24:1)、11-HETE/12-HETEおよび8_9-DHET/Cer(d18:1/18:0)から選択される、工程;または
(c)前記被験者からの試料における1以上の脂質濃度および脂質マーカーの組み合わせの1以上の脂質比を決定する工程であって、前記脂質マーカーの組み合わせが、上記1の(a)に記載の少なくとも1つの脂質および上記1の(b)に記載の少なくとも1つの脂質比を含み、前記脂質の濃度の上昇または低下および/または前記試料における前記脂質比の、対照と比較したときの増減が、前記被験者が前記スタチン誘発性筋毒性および/または前記合併症を患っていることを示す、工程;
を含む前記方法。
2. スタチンおよび/または脂質低下薬による被験者の治療が調整を必要とするかどうかを決定する方法であって、
(a)前記被験者からの試料における1以上の脂質の濃度を決定する工程であって、前記試料における、対照と比較したときの濃度の上昇または低下が、前記治療が調整を必要としていることを示し、ここで、濃度の上昇が対照と比較される1以上の脂質が、12-HETE、15-HETE、PE P-18:0/20:4、PE O-18:1/20:4、LacCer(d18:1/22:0)およびCer(d18:1/18:0)から選択され;濃度の低下が対照と比較される1以上の脂質が5-HETEおよび8_9-DHETから選択される、工程;
(b)前記被験者からの試料における1以上の脂質比を決定する工程であって、前記試料における、対照と比較したときの脂質比の上昇または低下が、前記治療が調整を必要としていることを示し、ここで、上昇が対照と比較される1以上の脂質比が、12-HETE/5-HETrE、12-HETE/5-HETE、12-HETE/CE 20:4、12-HETE/15-HETrE、12-HETE/LPC16:0、15-HETE/8_9-DHET、12-HETE/CK、13-HODE/8_9-DHETおよび15-HETE/15-HETrEから選択され;低下が対照と比較される1以上の脂質比が、11_12-DHET/Cer(d18:1/16:0)、5-HETE/CE18:2、8_9-DHET/CE18:1、8_9-DHET/LacCer(d18:1/16:0)、5-HETE/9-HODE、8_9-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、5-HETE/Cer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/24:1)、11-HETE/12-HETEおよび8_9-DHET/Cer(d18:1/18:0)から選択される、工程;または
(c)前記被験者からの試料における1以上の脂質濃度および脂質マーカーの組み合わせの1以上の脂質比を決定する工程であって、前記脂質マーカーの組み合わせが、上記1の(a)に記載の少なくとも1つの脂質および上記1の(b)に記載の少なくとも1つの脂質比を含み、ここで、前記脂質の濃度の上昇または低下および/または前記試料における前記脂質比の、対照と比較したときの増減が、前記治療が調整を必要としていることを示す、工程;
を含む前記方法。
3. スタチンおよび/または脂質低下薬による前記治療の調整が、
(a)スタチン用量の減少;
(b)スタチン治療の中止;
(c)スタチン治療の再開;
(d)異なるスタチン薬への変更;
(e)異なる脂質低下薬への変更;または
(f)1以上のスタチンとの相互作用によって筋毒性をもたらす他の薬物治療の中止
を含む、上記2に記載の方法。
4. 前記スタチンまたは脂質低下剤による治療を受けている被験者において、新規スタチンまたは新規脂質低下剤によって誘発される筋毒性の程度を評価するためのものである、上記1に記載の方法。
5.(a)前記被験者における筋毒性の初期の警告的徴候を決定するためのものおよび/または
(b)被験者に見られる筋毒性の症状がスタチン誘発性筋毒性によるものであるかどうかを決定するためのものである、上記1〜3のいずれか1つに記載の方法。
6.(a)前記脂質濃度および/または脂質比の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたは少なくとも5つ;ならびに/または
(b)以下の脂質の組み合わせのいずれかの、前記脂質対照と比較しての以下の濃度変化:
(i)上昇:15-HETE、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/22:0)、低下:15-HETrE、9-HODEおよび5-HETE;
(ii)上昇:15-HETE、低下:8_9-DHETおよび15-HETrE;または
(iii)上昇:15-HETE、低下:8_9-DHET
を決定することを含む、上記1〜5のいずれか1つに記載の方法。
7.(a)前記被験者が1以上のスタチンで治療されている;
(b)前記被験者がスタチン治療を受けたことがあるが、筋肉痛の発症のために前記治療を中止した;または
(c)前記被験者が、まだスタチンで治療されたことがない、
上記1〜6のいずれか1つに記載の方法。
8. 被験者が、スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を発症する高いリスクがある、上記1〜7のいずれか1つに記載の方法。
9. 比較される前記対照が、
(a)スタチン治療を受けている、筋毒性の発症前の同じ被験者からの対照試料;
(b)スタチン治療前またはスタチン治療中止中の、同じ被験者からの対照試料;
(c)スタチン誘発性筋毒性の徴候または病歴のない被験者からの対照試料;
(d)スタチン誘発性筋毒性の徴候または病歴のない被験者集団からの対照試料;
(e)スタチン治療中ではなく、筋毒性の徴候または病歴のない1以上の被験者から決定された対照値;
(f)スタチン治療中で筋毒性の徴候または病歴のない1以上の被験者から決定された対照値である、上記1〜8のいずれか1つに記載の方法。
10. 前記被験者または前記被験者からの試料におけるクレアチンキナーゼ値を決定または評価する工程をさらに含み、任意で、被験者がクレアチンキナーゼ値の上昇を示すかまたは示さない、上記1〜9のいずれか1つに記載の方法。
11.(a)試料が血漿、血清、血液のリポタンパク分画または筋生検組織であり;かつ/または
(b)脂質濃度および/または脂質比が、質量分析法、核磁気共鳴分光法、蛍光分光法または二面偏波式干渉、高速分離法、例えばHPLCまたはUPLC、イムノアッセイ、例えばELISAを用いることによって決定され、かつ/または検体に特異的に結合することができる結合部分を用いることによって決定される、
上記1〜10のいずれか1つに記載の方法。
12. 被験者におけるスタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上の予測、診断、予防または治療に使用するための、上記1〜3のいずれか1つにおいて定義された脂質のいずれか1つまたは脂質比における脂質のいずれか1つに対する抗体。
13. スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を予測するための、あるいは上記1〜11のいずれか1つに記載の方法を実施するためのキットであって、
(a)上記1〜3のいずれか1つにおいて定義された脂質から選択される脂質標準品;
(b)1以上の対照マーカー、例えば脂質、例えば上記1〜3のいずれか1つに記載の脂質、またはタンパク質、例えばapoA、apoBもしくはアルブミン;および任意で
(c)上記1〜3のいずれか1つにおいて定義された脂質のいずれか1つに結合することができる抗体または他の結合部分;および/または
(d)前記方法または使用を実施するための試薬;
を含む前記キット。
14. スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を予測するための上記13に記載のキットの使用であって、被験者からの試料における脂質濃度、脂質比またはそれらの脂質の組み合わせが、任意で質量分析法を用いて決定される前記使用。
15. アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者の治療に使用するためのスタチンまたは脂質低下薬であって、
(a)上記1および4〜11に記載の方法、上記12に記載の抗体、上記13に記載のキットまたは上記14に記載の使用のいずれかを用いるとき、前記被験者がスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがあるかまたは患っていると同定される;
(b)上記1および4〜11に記載の方法、上記12に記載の抗体、上記13に記載のキットまたは上記14に記載の使用のいずれか1つによって、前記被験者がスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがあるかまたは患っていると同定されている;
(c)上記1および4〜11に記載の方法、上記12に記載の抗体、上記13に記載のキットまたは上記14に記載の使用のいずれかを用いるとき、前記被験者がスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがないかまたはそれを患っていないと同定される;かつ/または
(d)上記1および4〜11に記載の方法、上記12に記載の抗体、上記13に記載のキットまたは上記14に記載の使用のいずれか1つによって、前記被験者がスタチン誘発性筋毒性を発症するリスクがないかまたはそれを患っていないと同定されている、
前記スタチンまたは脂質低下薬。
16. アテローム性動脈硬化症もしくは心血管疾患(CVD)および/またはそれらの合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っている被験者の治療に使用するためのスタチンまたは脂質低下薬であって、ここで前記治療が、治療が調整を必要とするかどうかを決定するための上記2〜11に記載の方法のいずれかを用いて評価されるかまたは評価されており、かつそれが調整されるかまたは調整されており、ここで前記スタチンまたは脂質低下薬治療の前記調整が、
(a)スタチン用量の減少;
(b)スタチン治療の中止;
(c)スタチン治療の再開;
(d)異なるスタチン薬への変更;
(e)異なる脂質低下薬への変更;または
(f)1以上のスタチンとの相互作用によって筋毒性をもたらす他の薬物治療の中止;
を含む前記スタチンまたは脂質低下薬。
17. (a)前記スタチンがアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンXL、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンおよび/またはシンバスタチンからなる群から選択され;
(b)前記脂質低下薬がHMG-CoAレダクターゼ阻害薬、ナイアシン(ニコチン酸)、コレステロール吸収阻害薬、コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害薬、胆汁酸封鎖剤;フィブラートまたはフィトステロールのいずれかから選択されることができ;ここで場合により、前記コレステロール吸収阻害薬がエゼチミブまたはSCH-48461であり;前記コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害薬がトルセトラピブ、アナセトラピブまたはダルセトラピブであり;前記胆汁酸封鎖剤がコレセベラム、コレスチラミンまたはコレスチポルであり;前記フィブラートがフェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブレートまたはベザフィブラートであり;
(c)筋毒性が筋疾患、例えば筋ジストロフィーと関連し;かつ/または
(d)スタチン誘発性筋毒性の1以上の合併症が筋痛症、筋炎、筋障害および横紋筋融解症から選択される、
上記1〜16のいずれか1つに記載の方法、抗体、キット、使用またはスタチンもしくは脂質低下薬。

Claims (27)

  1. スタチンで治療されている、スタチンで治療される予定の、またはスタチンで治療されてきた被験者が、スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を発症するリスクがあるかまたは患っているかどうかを決定するためのデータを収集する方法であって、前記1以上の合併症は筋痛症、筋炎、筋障害および横紋筋融解症から選択され、
    (a)前記被験者からの試料における1以上の脂質の濃度を決定する工程であって、前記試料における、対照と比較したときの濃度の上昇または低下が、前記被験者が前記スタチン誘発性筋毒性および/またはスタチン誘発性筋毒性の前記合併症を発症するリスクがあるかまたは患っていることを示し、ここで、濃度の上昇が対照と比較される1以上の脂質が、15-HETE、13-HODE、PE P-18:0/20:4、PE O-18:1/20:4、LacCer(d18:1/22:0)、LacCer(d18:1/20:0)、PE 18:0/20:4、Cer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/24:0)、Cer(d18:1/20:0)、PC16:0/20:3、AA、Cer(d18:1/24:1)、Cer(d18:1/26:1)、Glc/GalCer(d18:1/24:1)、Cer(d18:1/22:0)、Glc/GalCer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/24:1)、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)、LacCer(d18:1/16:0)、CE 18:3およびPC 16:0/20:4から選択され;濃度の低下が対照と比較される1以上の脂質が、11_12-DHET、14_15-DHET、5-HETrE、5-HETE、8_9-DHET、15-HETrEおよび9-HODEから選択される、工程;
    (b)前記被験者からの試料における1以上の脂質比を決定する工程であって、前記試料における、対照と比較したときの脂質比の上昇または低下が、前記被験者が前記スタチン誘発性筋毒性および/またはスタチン誘発性筋毒性の前記合併症を発症するリスクがあるかまたは患っていることを示し、ここで、上昇が対照と比較される1以上の脂質比が、12-HETE/5-HETrE、12-HETE/8_9-DHET、12-HETE/5-HETE、12-HETE/14_15-DHET、12-HETE/CE 20:4、12-HETE/15-HETrE、12-HETE/LPC 16:0、15-HETE/8_9-DHET、12-HETE/5-HEPE、12-HETE/PC 18:0/18:2、12-HETE/CK、15-HETE/5-HETE、12-HETE/CE 18:3、13-HODE/8_9-DHETおよび15-HETE/15-HETrEから選択され;低下が対照と比較される1以上の脂質比が、11_12-DHET/CE 18:2、14_15-DHET/CE 18:2、11_12-DHET/LacCer(d18:1/24:0)、11_12-DHET/Cer(d18:1/16:0)、5-HETE/CE 20:4、14_15-DHET/LacCer(d18:1/22:0)、14_15-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、15-HETrE/LacCer(d18:1/22:0)、11_12-DHET/Cer(d18:1/20:0)、5-HETE/CE 18:2、5-HETE/CE 18:1、8_9-DHET/CE 18:2、8_9-DHET/CE 18:1、8_9-DHET/CE 22:6、14_15-DHET/Cer(d18:1/18:0)、5-HETE/LacCer(d18:1/24:1)、8_9-DHET/CE 16:0、5-HETE/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/26:0)、8_9-DHET/LacCer(d18:1/16:0)、5-HETE/9-HODE、8_9-DHET/Cer(d18:1/16:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/26:1)、8_9-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、11_12-DHET/12-HETE、8_9-DHET/9-HODE、5-HETE/Cer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/AA、5-HETE/PC 16:0/20:3、8_9-DHET/Cer(d18:1/24:1)、8_9-DHET/CE 16:1、11-HETE/12-HETE、8_9-DHET/Cer(d18:1/20:0)、8_9-DHET/PC 16:0/20:3および8_9-DHET/Cer(d18:1/18:0)から選択される、工程;または
    (c)前記被験者からの試料における脂質マーカーの組み合わせの1以上の脂質濃度および1以上の脂質比を決定する工程であって、前記脂質マーカーの組み合わせが、請求項1の(a)に記載の少なくとも1つの脂質および請求項1の(b)に記載の少なくとも1つの脂質比を含み、前記試料における、対照と比較したときの前記脂質の濃度の上昇または低下および/または前記脂質比の上昇または低下が、前記被験者が前記スタチン誘発性筋毒性および/またはスタチン誘発性筋毒性の前記合併症を発症するリスクがあるかまたは患っていることを示す、工程;
    を含む前記方法。
  2. スタチンおよび/または脂質低下薬による被験者の治療が調整を必要とするかどうかを決定するためのデータを収集する方法であって、前記脂質低下薬はHMG-CoAレダクターゼ阻害薬、ナイアシン(ニコチン酸)、コレステロール吸収阻害薬、コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害薬、胆汁酸封鎖剤;フィブラートまたはフィトステロールのいずれかから選択されることができ;
    (a)前記被験者からの試料における1以上の脂質の濃度を決定する工程であって、前記試料における、対照と比較したときの濃度の上昇または低下が、前記治療が調整を必要としていることを示し、ここで、濃度の上昇が対照と比較される1以上の脂質が、15-HETE、13-HODE、PE P-18:0/20:4、PE O-18:1/20:4、LacCer(d18:1/22:0)、LacCer(d18:1/20:0)、PE 18:0/20:4、Cer(d18:1/18:0)、LacCer(d18:1/24:0)、Cer(d18:1/20:0)、PC16:0/20:3、AA、Cer(d18:1/24:1)、Cer(d18:1/26:1)、Glc/GalCer(d18:1/24:1)、Cer(d18:1/22:0)、Glc/GalCer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/16:0)、LacCer(d18:1/24:1)、SM (d18:1/14:0) (d18:1/13:1-OH)、LacCer(d18:1/16:0)、CE 18:3およびPC 16:0/20:4から選択され;濃度の低下が対照と比較される1以上の脂質が、11_12-DHET、14_15-DHET、5-HETrE、5-HETE、8_9-DHET、15-HETrEおよび9-HODEから選択される、工程;
    (b)前記被験者からの試料における1以上の脂質比を決定する工程であって、前記試料における、対照と比較したときの脂質比の上昇または低下が、前記治療が調整を必要としていることを示し、ここで、上昇が対照と比較される1以上の脂質比が、12-HETE/5-HETrE、12-HETE/8_9-DHET、12-HETE/5-HETE、12-HETE/14_15-DHET、12-HETE/CE 20:4、12-HETE/15-HETrE、12-HETE/LPC 16:0、15-HETE/8_9-DHET、12-HETE/5-HEPE、12-HETE/PC 18:0/18:2、12-HETE/CK、15-HETE/5-HETE、12-HETE/CE 18:3、13-HODE/8_9-DHETおよび15-HETE/15-HETrEから選択され;低下が対照と比較される1以上の脂質比が、11_12-DHET/CE 18:2、14_15-DHET/CE 18:2、11_12-DHET/LacCer(d18:1/24:0)、11_12-DHET/Cer(d18:1/16:0)、5-HETE/CE 20:4、14_15-DHET/LacCer(d18:1/22:0)、14_15-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、15-HETrE/LacCer(d18:1/22:0)、11_12-DHET/Cer(d18:1/20:0)、5-HETE/CE 18:2、5-HETE/CE 18:1、8_9-DHET/CE 18:2、8_9-DHET/CE 18:1、8_9-DHET/CE 22:6、14_15-DHET/Cer(d18:1/18:0)、5-HETE/LacCer(d18:1/24:1)、8_9-DHET/CE 16:0、5-HETE/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/26:0)、8_9-DHET/LacCer(d18:1/16:0)、5-HETE/9-HODE、8_9-DHET/Cer(d18:1/16:0)、8_9-DHET/Cer(d18:1/26:1)、8_9-DHET/Glc/GalCer(d18:1/18:0)、11_12-DHET/12-HETE、8_9-DHET/9-HODE、5-HETE/Cer(d18:1/18:0)、8_9-DHET/AA、5-HETE/PC 16:0/20:3、8_9-DHET/Cer(d18:1/24:1)、8_9-DHET/CE 16:1、11-HETE/12-HETE、8_9-DHET/Cer(d18:1/20:0)、8_9-DHET/PC 16:0/20:3および8_9-DHET/Cer(d18:1/18:0)から選択される、工程;または
    (c)前記被験者からの試料における脂質マーカーの組み合わせの1以上の脂質濃度および1以上の脂質比を決定する工程であって、前記脂質マーカーの組み合わせが、請求項1の(a)に記載の少なくとも1つの脂質および請求項1の(b)に記載の少なくとも1つの脂質比を含み、前記試料における、対照と比較したときの前記脂質の濃度の上昇または低下および/または前記脂質比の上昇または低下が、前記治療が調整を必要としていることを示す、工程;
    を含む前記方法。
  3. スタチンおよび/または脂質低下薬による前記治療の調整が、
    (a)スタチン用量の減少;
    (b)スタチン治療の中止;
    (c)スタチン治療の再開;
    (d)異なるスタチン薬への変更;
    (e)異なる脂質低下薬への変更;または
    (f)1以上のスタチンとの相互作用によって筋毒性をもたらす他の薬物治療の中止
    を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記コレステロール吸収阻害薬がエゼチミブまたはSCH-48461であり;前記コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害薬がトルセトラピブ、アナセトラピブまたはダルセトラピブであり;前記胆汁酸封鎖剤がコレセベラム、コレスチラミンまたはコレスチポルであり;前記フィブラートがフェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブレートまたはベザフィブラートである、請求項2または3に記載の方法。
  5. 被験者がスタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を患っているかどうかの決定が、前記スタチンまたは脂質低下剤による治療を受けている被験者において、新規スタチンまたは新規脂質低下剤によって誘発される筋毒性の程度を評価するためのものである、請求項1に記載の方法。
  6. (a)被験者がスタチン誘発性筋障害および/またはその合併症の1以上を発症するリスクがあるかどうかの決定が、前記被験者における筋毒性の初期の警告的徴候を決定するためのものである、および/または
    (b)被験者がスタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を患っているかどうかの決定が、被験者に見られる筋毒性の症状がスタチン誘発性筋毒性によるものであるかどうかを決定するためのものである、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  7. (a)前記脂質濃度および/または脂質比の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたは少なくとも5つ;ならびに/または
    (b)以下の脂質の組み合わせのいずれかの、前記脂質対照と比較しての以下の濃度変化:
    (i)上昇:15-HETE、Cer(d18:1/18:0)、Cer(d18:1/22:0)、低下:15-HETrE、9-HODEおよび5-HETE;
    (ii)上昇:15-HETE、低下:8_9-DHETおよび15-HETrE;または
    (iii)上昇:15-HETE、低下:8_9-DHET
    を決定することを含む、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
  8. (a)前記被験者が1以上のスタチンで治療されている;
    (b)前記被験者がスタチン治療を受けたことがあるが、筋肉痛の発症のために前記治療を中止した;または
    (c)前記被験者が、まだスタチンで治療されたことがない、
    請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 被験者が、スタチン誘発性筋毒性および/またはその前記合併症の1以上を発症する高いリスクがある、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 比較される前記対照が、
    (a)スタチン治療を受けている、筋毒性の発症前の同じ被験者からの対照試料;
    (b)スタチン治療前またはスタチン治療中止中の、同じ被験者からの対照試料;
    (c)スタチン誘発性筋毒性の徴候または病歴のない被験者からの対照試料;
    (d)スタチン誘発性筋毒性の徴候または病歴のない被験者集団からの対照試料;
    (e)スタチン治療中ではなく、筋毒性の徴候または病歴のない1以上の被験者から決定された対照値;
    (f)スタチン治療中で筋毒性の徴候または病歴のない1以上の被験者から決定された対照値である、請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
  11. 前記被験者または前記被験者からの試料におけるクレアチンキナーゼ値を決定する工程をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 被験者がクレアチンキナーゼ値の上昇を示すかまたは示さない、請求項11に記載の方法。
  13. (a)試料が血漿、血清、血液のリポタンパク分画または筋生検組織であり;かつ/または
    (b)脂質の濃度および/または脂質比が、質量分析法、核磁気共鳴分光法、蛍光分光法または二面偏波式干渉、高速分離法、イムノアッセイを用いることによって決定され、かつ/または検体に特異的に結合することができる結合部分を用いることによって決定される、
    請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
  14. 高速分離法がHPLCまたはUPLCである、請求項13に記載の方法。
  15. イムノアッセイがELISAである、請求項13に記載の方法。
  16. 請求項1または2において定義された脂質のいずれか1つまたは脂質比における脂質のいずれか1つに対する抗体を含む、スタチンで治療されている、スタチンで治療される予定の、またはスタチンで治療されてきた被験者におけるスタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上の予測、診断または予防に使用するための組成物。
  17. スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を予測するための、あるいは請求項1〜15のいずれか1つに記載の方法を実施するためのキットの使用であって、前記キットは、
    (a)請求項1または2において定義された脂質から選択される脂質標準品;および
    (b)1以上の対照マーカー;
    を含む前記使用。
  18. 1以上の対照マーカーが脂質またはタンパク質である、請求項17に記載のキットの使用。
  19. 1以上の対照マーカーが、請求項1または2に記載の脂質、apoA、apoBまたはアルブミンである、請求項17に記載のキットの使用。
  20. 前記キットが、
    (c)請求項1または2において定義された脂質のいずれか1つに結合することができる抗体または他の結合部分;および/または
    (d)前記方法または使用を実施するための試薬;
    をさらに含む、請求項17に記載のキットの使用。
  21. スタチン誘発性筋毒性および/またはその合併症の1以上を予測するための請求項17に記載のキットの使用であって、被験者からの試料における脂質濃度、脂質比またはそれらの脂質の組み合わせが、質量分析法を用いて決定される前記使用。
  22. (a)前記スタチンがアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンXL、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンおよび/またはシンバスタチンからなる群から選択され;かつ/または
    (b)筋毒性が筋疾患と関連する、
    請求項1〜15のいずれか1つに記載の方法。
  23. 筋疾患が筋ジストロフィーである、請求項22に記載の方法。
  24. (a)前記スタチンがアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンXL、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンおよび/またはシンバスタチンからなる群から選択され;かつ/または
    (b)筋毒性が筋疾患と関連する、
    請求項17〜21のいずれか1つに記載の使用。
  25. 筋疾患が筋ジストロフィーである、請求項24に記載の使用。
  26. (a)前記スタチンがアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンXL、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンおよび/またはシンバスタチンからなる群から選択され;かつ/または
    (b)筋毒性が筋疾患と関連する、
    請求項16に記載の組成物。
  27. 筋疾患が筋ジストロフィーである、請求項26に記載の組成物。
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