JP2016188816A - 光デバイス及び光デバイスの測定方法 - Google Patents

光デバイス及び光デバイスの測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検出光の検出精度をより向上させることの可能な光デバイスを提供する。【解決手段】光検出部11は、入射される被検出光に応じた信号とバイアス信号とに応じた検出信号を出力し、バイアス部12は、第1周波数のバイアス信号を光検出部11に出力する。第1出力部13が検出信号から第1周波数の成分を抽出することにより、光検出部11の内部抵抗に応じた信号、すなわち光検出部11の温度情報を取得することができ、同時に第2出力部14が検出信号から第1周波数を除く周波数成分を抽出することにより、入射される被検出光に応じた信号、すなわち、被検出光の光強度等に応じた情報を取得することができる。第1出力部13で抽出した信号に基づき取得した温度情報に基づき、第2出力部14で抽出した信号に基づき取得した被検出光の光強度等に応じた情報を温度補正することによって、被検出光の検出精度を向上させることができる。【選択図】 図1

Description

本発明は光デバイス及び光デバイスの測定方法に関する。
微小のエネルギーを持つ長波長の赤外線を検出する赤外線センサとしては、一般に熱型センサである焦電センサ、サーモパイルセンサ、及びボロメータセンサが知られている。また他のセンサとしては、フォトダイオードやフォトコンダクター等の量子型(光起電力型)赤外線センサが期待されている。具体例として、InSbやInAlSbやInAsSb等のナローバンドギャップの半導体材料を光吸収層に用いたフォトダイオード構造の量子型赤外線センサが挙げられる。
これらの材料を用いた赤外線センサの具体的な用途の例としては、人感センサや非接触式温度計や非分散型赤外線吸収方式(NDIR:Non−dispersive Infrared)のガスセンサ等が挙げられる。これらいずれの用途においても、被検出光による出力信号が微弱であるため、高感度な赤外線センサが要求される。
またInSb、InAlSb、InAsSb等の半導体材料を用いた赤外線センサはバンドギャップが小さいため、一般的な環境温度(例えば25℃付近)で動作させた場合、周囲の温度変動によって赤外線センサの感度が大きく変動する。それに伴い、同程度の検出光が入射されているときでも、赤外線センサの出力信号は変動してしまう。したがって高感度であることと同時に、温度特性に優れた赤外線センサが要求される。
しかしながら、ナローギャップ半導体からなるフォトダイオード等のセンサの感度は小さく、さらに温度変化による影響を受けやすいため、微弱の光信号を測定する場合、高精度な出力は得られ難い。そのため、多くの用途では赤外線センサが検出した被検出光による出力信号を温度補正する必要がある。
温度補正を行う最も簡易的な方法としては、センサ付近に温度計(例えばサーミスタ)を設け、その周囲の温度を測定しながら、後段で出力信号の温度補正の演算を行うという方法がある。
もう一つの手段としては、センサの内部抵抗が持つ温度情報を利用するという方法がある。この場合、最も簡易的な手段としては、センサと、初段の増幅アンプの入力端との間に、リレーやスイッチ等の切り替え回路を設け、センサの出力信号からセンサの内部抵抗を測定するときには、センサを抵抗測定回路に接続し、センサの出力信号から光信号を測定するときには、センサの出力を初段の増幅アンプに接続するという方法も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
WO2007/125873
従来技術では、切り替え回路及び抵抗測定回路を利用した抵抗測定手段は部品の数が増えるだけではなく、センサの内部抵抗を測定している間は、光信号の測定はできないため、センサの出力の信号体雑音比(以下、S/N比:Signal to Noise ratioともいう。)が低下するという問題がある。
また、サーミスタ等の温度計を用いて温度情報を取得する場合、センサの周囲の温度の測定はできるが、その温度はセンサの芯(例えばフォトダイオードのPN接合部分)の温度とは異なる場合があり、また、センサの芯の温度変化のタイミングとサーミスタの温度変化のタイミングは一般的に異なるため、高精度且つ高速での光信号の温度補正は困難である。
本発明は、上記問題点に着目してなされたものであり、被検出光の検出精度をより向上させることの可能な光デバイス及び光デバイスの測定方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様による光デバイスは、入射される被検出光に応じた信号とバイアス信号とに応じた検出信号を出力する光検出部と、第1周波数の電流信号又は電圧信号を前記バイアス信号として前記光検出部に出力するバイアス部と、前記検出信号が入力され、当該検出信号から前記第1周波数の成分を抽出する第1出力部と、前記検出信号が入力され、当該検出信号から前記第1周波数を除く周波数成分を抽出する第2出力部と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の他の態様による光デバイスの測定方法は、被検出光が入射される光検出部を備えた光デバイスの測定方法であって、第1周波数の電流信号又は電圧信号をバイアス信号として前記光検出部に供給し、当該光検出部から出力される検出信号から、前記第1周波数の成分と前記第1周波数を除く周波数成分とを個別に抽出し、抽出した前記第1周波数の成分から前記光検出部の温度を推定し、前記第1周波数を除く周波数成分を前記入射される被検出光に応じた信号として、推定した前記温度に基づき補正することを特徴としている。
本発明の一態様によれば、サーミスタ等の温度計を用いることなく、光検出部に入射される被検出光に応じた信号を測定することができると同時に、光検出部の温度に応じた抵抗情報を測定することができる。これら測定結果を用いて被検出光に応じた信号を温度補正することによって、被検出光の検出精度をより向上させることができる。
本発明の第一実施形態における光デバイスの一例を示す構成図である。 本発明の第二実施形態における光デバイスの一例を示す構成図である。 本発明の第三実施形態における光デバイスの一例を示す構成図である。 本発明の第四実施形態における光デバイスの一例を示す構成図である。 本発明の第五実施形態における光デバイスの一例を示す構成図である。 実施例1における光デバイスの一例を示す構成図である。 ロックインアンプの一例を示す構成図である。 実施例1における、時間の経過に伴う、光電流Ipと内部抵抗R0の測定結果の一例を示す特性図である。 実施例1における、時間の経過に伴う、温度補正後の光電流Ip1の一例を示す特性図である。 比較例1における光デバイスの一例を示す構成図である。 比較例1における、時間の経過に伴う、温度補正後の光電流Ip1の一例を示す特性図である。 比較例2における光デバイスの一例を示す構成図である。 比較例2における、時間の経過に伴う、温度補正後の光電流Ip1の一例を示す特性図である。
本発明者は鋭意検討した結果、入射される被検出光に応じた信号とバイアス信号とに応じた検出信号を出力する光検出部と、第1周波数の電流信号又は電圧信号を前記バイアス信号として光検出部に出力するバイアス部と、検出信号が入力され、この検出信号から第1周波数の成分を抽出する第1出力部と、検出信号が入力され、この検出信号から第1周波数を除く周波数成分を抽出する第2出力部と、を光デバイスに設けることで、被検出光の検出精度をより向上させることができることを見出した。
なお、以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の具体的な構成について記載されている。しかしながら、このような特定の具体的な構成に限定されることなく他の実施態様が実施できることは明らかであろう。また、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施形態で説明されている特徴的な構成の組み合わせの全てを含むものである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態に係る光デバイス1の構成例を示す概念図である。
図1に示すように、光デバイス1は、光検出部11と、バイアス部12と、第1出力部13と、第2出力部14と、を備える。
光検出部11には、外部からの被検出光が入射されると共に、バイアス部12から電流又は電圧からなる変調信号がバイアス信号Sbiasとして供給され、光検出部11では、入射される被検出光に応じた信号とバイアス信号Sbiasに応じた信号との和を、検出信号S1として第1出力部13及び第2出力部14に出力する。
光検出部11は、フォトダイオードのような量子型光検出素子を適用することができる。量子型光検出素子が被検出光に応じた信号を出力することで、ボロメータのような熱型検出素子と比して、光の検出を高速に行うことが可能となる。
本発明の一実施形態では、光検出部11としての量子型光検出素子は、その受光部がインジウムIn及びアンチモンSbの少なくともいずれか一方を含むナローバンドギャップ化合物半導体から形成される。
量子型光検出素子の受光部がIn及びSbの少なくともいずれか一方を含むナローバンドギャップ化合物半導体から形成されることで、赤外線を含む波長帯での光検出部11の感度を高め、S/N比の高い光デバイス1を実現することができる。
本発明の一実施形態における光検出部11としての量子型光検出素子は、PN接合又はPIN接合を備えたフォトダイオードである。光検出部11としてフォトダイオードを用いた場合、検出可能な波長帯は主にPN接合又はPIN接合に使われる材料のバンドギャップで決まる。例えば、被検出光が長波長の赤外線の場合、PN接合又はPIN接合に使われる材料として、In又はSbの少なくとも一方を含むナローバンドギャップ半導体が挙げられる。
例えば、受光部に、InSb、InAlSb、InAsSbのいずれかを含むフォトダイオードの場合、数μm以上12μm以下の波長の光を検出することができる。このような材料からできたフォトダイオードは、CO、CO、NO、等の環境汚染ガスが吸収する波長を受光することができるため、これらのガスの濃度測定に好適である。
また、光デバイス1を、人体から輻射を受ける高精度のセンサとして用いる場合、本発明の一実施形態では、フォトダイオードの受光部として、InSb又はInAsSbを用いる。
これらの半導体材料を用いたフォトダイオードは室温で低い抵抗を持ちながら、そのバンドギャップによって室温でもキャリアが励起されるため、感度が小さいだけではなく感度が温度環境の影響を受けやすい場合が多く、高精度の測定を実現するには温度補正が必要な場合が多い。また、このような材料の場合、温度によって内部抵抗が大きく変動し、例えば、InSbの場合には1℃あたり内部抵抗が3%程度変動するため、電流出力の方が望ましい場合がある。光検出部11として、半導体材料を用いたフォトダイオードを用いた場合、微弱な電圧を印加することによって内部抵抗に応じた電流を得ることができる。上記のような材料を用いたフォトダイオードは無バイアス(ゼロ電圧)付近では、室温ではほぼ線形の電流−電圧特性を示す。この線形な領域内にバイアス信号Sbiasとしての変調電圧の値を設定することで、被検出光に対しての感度や発熱を抑制することができるため、好適である。
バイアス部12は、電流又は電圧からなる第1周波数f1の変調信号をバイアス信号Sbiasとして光検出部11に供給する。本発明の一実施形態では、バイアス部12は電圧電源又は電流電源である。
なお、本発明の一実施形態では、被検出光の周波数帯域とバイアス信号Sbiasの周波数(帯域)f1とは異なる。
第1出力部13には、光検出部11からの検出信号S1が入力される。この検出信号S1は、光検出部11に入射された被検出光に応じた信号と、バイアス部12から供給されるバイアス信号Sbiasに応じた信号との和からなる信号である。第1出力部13は、入力された検出信号S1の中から第1周波数f1の成分を抽出する。バイアス信号Sbiasは、第1周波数f1の変調信号である。したがって、第1出力部13は、第1周波数f1の成分の信号を抽出することにより、バイアス信号Sbiasに相当する信号を抽出することになる。よって、光検出部11に供給したバイアス信号Sbiasと光検出部11の検出信号S1とから、光検出部11の抵抗情報を得ることができる。
第2出力部14には、光検出部11からの検出信号S1が入力される。第2出力部14は、入力された検出信号S1の中から第1周波数f1を除く他の周波数成分又はその一部の周波数成分を抽出する。バイアス信号Sbiasは第1周波数f1の変調信号であるため、検出信号S1のうち、第1周波数f1を除く周波数成分の信号は、すなわち被検出光に応じた信号である。つまり、第2出力部14は、第1周波数f1を除く周波数成分の信号を抽出することにより、被検出光に応じた信号を抽出する。
第1出力部13及び第2出力部14において、検出信号S1から所定の周波数成分を抽出する手段としては、入力された検出信号S1のうち所定の周波数成分のみを通過させるようなバンドパスフィルタBPF(Band Pass Filter)や、所定の周波数よりも高い成分のみを通過させるようなハイパスフィルタHPF(High Pass Filter)や、所定の周波数よりも低い成分のみを通過させるようなローパスフィルタLPF(Low Pass Filter)等を用いることができる。また、第1出力部13にバイアス部12からのバイアス信号Sbiasを参照信号として入力し、この参照信号に基づき、第1出力部13に入力された検出信号S1の中から所定の周波数成分を抽出するようにしてもよい。この場合、所定の周波数成分を抽出する手段としては、何らかの復調手段を用いてもよい。例えば、バイアス部12からバイアス信号Sbiasと同じ周波数を持つ参照信号としてバイアス信号Sbiasを入力し、このバイアス信号Sbiasと同じ周波数と同期を持つ信号成分を選択するロックイン(Lockin)アンプを、復調手段として用いてもよい。
第2出力部14が、検出信号S1の中から第1周波数f1を除く周波数成分の信号、すなわち、被検出光に応じた信号を抽出する具体的な方法としては、一例として、被検出光の周波数(帯域)よりも低い成分のみを選択するローパスフィルタLPF等が利用できる。例えば、被検出光に応じた信号が0[Hz](DC)からある周波数fの成分まで含むような信号の場合、第2出力部14はfという遮断周波数を持ったローパスフィルタLPFを用いることができる。また、この場合バイアス信号Sbiasの周波数はfより高い周波数fHに設定する必要がある。第1出力部13は、検出信号S1の中から周波数fH成分のみを抽出し、その振幅に応じた信号を出力することができる。このような抽出手段としてはfHを中心伝達周波数としたバンドパスフィルタBPFが挙げられる。このバンドパスフィルタBPFの出力の振幅値は、例えば、光検出部11内にあるセンサ部、すなわち量子型光検出素子の抵抗R0に反比例しても良い。また、第1出力部13はこの量子型光検出素子の抵抗R0に応じた信号を出力しても良い。
このような構成を有する光デバイス1では、光検出部11の検出信号S1のうち、バイアス部12から印加されるバイアス信号Sbiasに応じた信号成分は、光検出部11の抵抗によって変動する。バイアス信号Sbiasの具体的な例として、一定の周波数及び一定の振幅を持つ交流(例えば正弦波)の電圧電源が挙げられる。この場合、バイアス信号Sbiasの振幅に応じた電流信号を含む検出信号S1が光検出部11から出力される。
後述のように、例えばインジウム若しくはアンチモンを含むナローギャップ半導体から成る量子型光検出素子から形成される光検出部11は、微小のバイアスの場合、理想的には抵抗とみなすことができるので、光検出部11は、バイアス部12から印加された電圧信号からなるバイアス信号Sbiasを自身の抵抗で割った値の電流を出力する。ここでは第1出力部13で、バイアス信号Sbiasの周波数に基づいて、光検出部11の検出信号S1から所定の周波数成分を抽出することで、バイアス部12から印加された電圧の値すなわちバイアス信号Sbiasに応じた電流値を得ることができ、これらの値から光検出部11の抵抗値を測定することが可能となる。また得られた抵抗値に基づいて、光検出部11の温度を推定することが可能である。推定された温度情報は、光検出部11の光電流の温度補正を行うときに用いることができる。
本発明の一実施形態における第1出力部13は、光検出部11の検出信号S1のうち、バイアス部12からのバイアス信号Sbiasの周波数を有する周波数成分の信号を抽出し出力する。すなわち、バイアス信号Sbiasに応じた信号であり、且つ光検出部11の内部抵抗R0に応じた信号を抽出し、R0情報信号として出力する。したがって、第1出力部13の後段の回路(図示せず)においては、第1出力部13から出力される光検出部11の内部抵抗R0に応じたR0情報信号に基づき、光検出部11の温度を推定することが可能となる。例えば光検出部11が量子型光検出素子を含む場合には、R0情報信号は、量子型光検出素子の内部抵抗に応じた信号であるため、量子型光検出素子の温度を推定することができる。
また、本発明の一実施形態における第2出力部14は、光検出部11の検出信号S1のうち、バイアス信号Sbiasの周波数を除く周波数成分の信号、すなわち、光検出部11に入射された被検出光に応じた光電流に基づく信号を抽出し、Ip情報信号として出力する。
第2出力部14によって抽出されたIp情報信号は、光検出部11に入射された被検出光の強度を表す信号であるから、このIp情報信号を用いることによって、人感検知やガス濃度の演算を行うことができる。
また、本発明の一実施形態では、第2出力部14は、光検出部11としての量子型光検出素子の抵抗に応じた信号であるR0情報信号に基づいて量子型光検出素子の温度情報を推定し、該温度情報に基づいて量子型光検出素子に入射された被検出光による光電流に応じた信号であるIp情報信号を補正してもよい。
例えば、第1出力部13の後段に、光検出部11の温度情報を推定する回路を有する場合には、この回路で推定した光検出部11の温度情報を第2出力部14に入力し、これに基づきIp情報信号を補正してもよく、また、第1出力部13からのR0情報信号を直接第2出力部14に入力し、第2出力部14において、光検出部11の温度情報を推定し、これに基づき、Ip情報信号を補正してもよい。或いは、第1出力部13からのR0情報信号と第2出力部14からのIp情報信号とを入力する温度補正回路を設け、この温度補正回路において、R0情報信号から温度情報を推定し、推定した温度情報に基づいてIp情報信号を補正し、補正したIp情報信号を、環境の温度の影響を受けない被検出光の強度に応じた信号として出力するようにしてもよい。
第2出力部14で抽出されたIp情報信号を、温度補正することで、特に長波長用途の場合に、光信号が微弱且つ、環境の温度の影響が受けやすいナローギャップ半導体からなるフォトダイオード等の量子型センサの場合でも、光検出の精度を高めることができる。
このように、本発明の第一実施形態に示す光デバイス1では、光検出部11の抵抗値を測定しながら、被検出光に応じたIp情報信号が同時に出力される。したがって、光検出部11の抵抗を表すR0情報信号に基づき温度を推定しながら、被検出光による出力信号であるIp情報信号を補正することによって、高速且つ高精度に、被検出光の測定を行うことができる。
このような光デバイス1の応用例としては、微弱の長波長の赤外線の光の検出装置が挙げられる。具体的には、人体からの輻射を検出するセンサや、赤外線を用いたガスセンサ、例えばNDIR方式のガスセンサ等が挙げられる。一般的なNDIR方式のガスセンサは環境汚染ガスの濃度の測定に使われるが、場合によってはppm又はppbの精度で濃度を検出する必要がある。またこのような応用例では被検出ガスの吸収波長帯は数μm以上数10μm以下となる。この波長帯の光に使われる光源(例えばLED)のエネルギーは小さく、さらに使われるセンサの感度(例えば、フォトダイオード)が小さいだけでなく、システムの温度が変動すると出力光の強度も変動し、センサの感度が大きく変動する。一方、ppm及びppbの精度での濃度の測定には、光の僅かな変動を高精度に検出する必要があるが、システムの僅かな温度変動によって、検出濃度に大きな誤差が含まれてしまう。
つまり、高精度のガス濃度の測定を実現するためには、高精度の温度測定も必要となるが、本実施形態における光デバイス1によれば、高精度に温度測定を行いつつ光検出による出力信号を得ることができる。よって、測定した温度に基づき被検出光による出力信号を補正することにより、高精度なガス濃度の測定用の光デバイスとして、特に効果的である。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図2は、本発明の第2実施形態における光デバイス1の一例を示す構成図である。
なお、第1実施形態における光デバイス1と同一部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
図2に示すように、第2実施形態における光デバイス1は、光検出部11とバイアス部12と第1出力部13と第2出力部14とを備えると共に、さらに、光源部15を備える。
図2に示すように、バイアス部12は、第1周波数(f1)の電流又は電圧信号からなる変調信号をバイアス信号Sbiasとして光検出部11に供給する。
光源部15は、第1周波数f1とは異なる第2周波数f2の光を光検出部11に出力する。
光検出部11は、入射した被検出光に応じた信号と、バイアス部12から供給されたバイアス信号Sbiasに応じた信号との和を検出信号S1として出力する。
第1出力部13には光検出部11からの検出信号S1が入力され、第1出力部13では、R0情報信号として、検出信号S1の中から周波数f1の成分を抽出する。第1出力部13で抽出されたR0情報信号は、光検出部11が出力するバイアス信号Sbiasに応じた信号を表すものである。よって、バイアス信号Sbiasと検出信号S1とから、R0情報信号を取得することにより、光検出部11の抵抗情報を得ることができる。
第2出力部14には光検出部11から検出信号S1が入力される。第2出力部14では、検出信号S1の中から周波数f2の成分を抽出する。第2出力部14によって抽出された周波数f2の成分の信号は、光検出部11に入射される被検出光の強度を表すものであり、この信号を用いて物体検知やガス濃度等の推定を行うことができる。
光源部15が光検出部11に出力する光を所望の周波数に変調することで、例えば一定の周波数を持ったパルス光信号等、第2出力部14が復調しやすいような信号を検出信号S1として出力することができる。そのため、被検出光の検出精度を高めることができ、結果的に、第2出力部14の出力信号であるIp情報信号に基づく、物体検知や、ガス濃度等の測定精度を向上させることができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
この第3実施形態は、図1に示す第1実施形態における光デバイスにおいて、光検出部11として、量子型光検出素子を用いたものである。
図3は、第3実施形態における光デバイス1の一例を示す構成図である。第1実施形態における光検出部11と同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
この第3実施形態における光デバイス1では、バイアス部12から出力されるバイアス信号Sbiasは電圧信号からなる。また、第3実施形態における光デバイス1では、バイアス信号Sbiasは、後述のオペアンプ11bの被反転入力端子に接続される。
第3実施形態における光検出部11は、量子型光検出素子としてのフォトダイオード11aと、オペアンプ11bと、抵抗器11cとを備える。フォトダイオード11aのアノードがオペアンプ11bの反転入力端子に接続され、フォトダイオード11aのカソードはグランド電位GNDに接続される。抵抗器11cは、オペアンプ11bの出力端子と反転入力端子との間に接続される。また、オペアンプ11bの被反転入力端子には、バイアス部12としての電圧電源の一端が接続され、他端はグランド電位GNDに接続される。そして、オペアンプ11bの出力端子が第1出力部13及び第2出力部14に接続される。
第3実施形態における光デバイス1では、被検出光はフォトダイオード11aに入射され、フォトダイオード11aにおいて検出光により生成された光電流は、フォトダイオード11a内の電流―電圧変換回路によって電圧に変換されて、オペアンプ11bを介して、第1出力部13及び第2出力部14に出力される。
図3に示す光検出部11は、フォトダイオード11aからの短絡電流を電圧に変換するトランスインピーダンス(Transimpedance)アンプと呼ばれる増幅回路を構成している。
このため、フォトダイオード11aからの短絡電流と同様の振幅と周波数の電圧信号が、抵抗器11cを介してオペアンプ11bからフォトダイオード11aに印加される。
この場合、フォトダイオード11aの内部抵抗R0に応じた電流がトランスインピーダンスアンプによって電圧信号に変換され、オペアンプ11bから出力される。これによってフォトダイオード11aからの出力を電圧値として読み取ることが可能となる。
また図3で示したトランスインピーダンスアンプ構成以外にも、オペアンプ11bの代わりにフォトダイオード11aの解放電圧を増幅する高インピーダンスのアンプを利用しても良い。この場合、フォトダイオード11aに印加されるバイアス信号Sbiasは、フォトダイオード11aと並列に接続された電流電源であってもよい。
以上の構成とすることによって、フォトダイオード11aでの被検出光に応じた信号(Ip情報信号)と、バイアス信号Sbiasとの和に応じた電圧信号からなる検出信号S1が光検出部11から出力されるため、第1出力部13及び第2出力部14では、検出光に応じた検出信号S1を電圧信号として処理することができる。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
この第4実施形態は、図1に示す第1実施形態における光デバイスにおいて、第2出力部14が温度補正部14aを備えたものである。
図4は、第4実施形態における光デバイス1の一例を示す構成図である。第1実施形態における光検出部11と同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
この第4実施形態における光デバイス1では、第2出力部14の温度補正部14aは、光検出部11の抵抗に応じた信号(R0情報信号)に基づいて光検出部11の温度情報を推定し、推定した温度情報に基づいて光検出部11に入射された被検出光による光電流に応じた信号(Ip情報信号)を補正する。
以下に温度補正部14aでの補正方法の一例を示す。
(温度補正方法の一例)
Ip情報信号及び温度Tと相関を持つR0情報信号は共に温度依存性を持つため、Ip情報信号は一般的に次式(1)で表すことができる。
Ip=Ri×Φ
={A(R0)+An−1(R0)n−1+…+A(R0)+A} ……(1)
ただし、(1)式中のRiは一定の温度Tでの光検出部11の感度、Φは光検出部11に入射される光信号の強度、A〜Aは定数である。
(1)式において、温度T及びR0情報信号の影響を受けないIp情報信号であるIp1は次式(2)で表すことができる。
Ip1
=Ip/{A(R0)+An−1(R0)n−1+…+A(R0)+A
……(2)
ここで、{A(R0)+An−1(R0)n−1+…A(R0)+A}に於ける、係数A〜Aは、光検出部11の温度をある範囲の中で変動させながら、R0情報信号とIp情報信号とを測定することで求めることが可能である。
したがって、温度Tにおける感度Riと、同じ温度における光信号の強度Φに対するIp情報信号とが予め分かっていれば、任意の温度に於けるR0とIpを同時に測定し、式(2)を利用して、予め決められた温度TでのIp情報信号に換算(補正)した、光信号の強度Φの被検出光に応じたIp情報信号であるIp1を求めることができる。言い換えれば、式(1)から、被検出光の強度Φは任意の温度に於けるIp及び抵抗R0から求めることができる。
このように予め決められた温度T以外の温度でも、その時のR0とIpを測定し温度補正を行うことで、温度TでのIp及び被検出光の強度Φ(式(1)よりΦ=Ip1/Ri)を求めることができ、周囲の温度変化が大きいような環境下でも光検出の精度を高めることができる。
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
この第5実施形態は、図3に示す第3実施形態における光デバイスにおいて、第2出力部14が温度補正部14aを備えたものである。
図5は、第5実施形態における光デバイス1の一例を示す構成図である。第3実施形態における光検出部11と同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
この第5実施形態における光デバイス1では、第2出力部14の温度補正部14aは、量子型検出素子としてのフォトダイオード11aの抵抗に応じた信号(R0情報信号)に基づいてフォトダイオード11aの温度情報を推定し、推定した温度情報に基づいて、フォトダイオード11aに入射された被検出光による光電流に応じた信号(Ip情報信号)を補正する。
補正方法は、上記第4実施形態で用いた温度補正方法を用いることができる。
このように、光電流に応じた信号(Ip情報信号)の温度補正を行うことで、特にナローギャップ半導体からなるフォトダイオード等のセンサのように、感度が小さく、温度環境の影響を受けやすいセンサにより、微弱な光信号を測定する場合であっても、光検出の精度を高めることができる。
以下、本発明の一実施形態における光デバイスの実施例を説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、変更可能であることは言うまでもない。
<実施例1>
図6は、実施例1における光デバイス1の一例を示す構成図である。
図6に示すように、光検出部11としてフォトダイオード11aを用い、オペアンプ11b及び抵抗器11cを設けることにより、トランスインピーダンス(Transimpedance)アンプと呼ばれる増幅回路を構成した。また、光源部15として、黒体炉を用いた。
フォトダイオード11aには、InSb系のPINフォトダイオードを用いた。フォトダイオード11aの具体的な構成は、0.7mm角のガリウム砒素GaAs基板上に400個のPINのフォトダイオードを形成し、互いに直列に接続した。被検出光の入射面は、基板のフォトダイオードが形成された面とは逆側の面とした。室温での感度を高めるために、フォトダイオード11aのP層とI層との間に電子の拡散を抑制するバリア層を挿入した。この場合、無バイアス付近の抵抗は室温では約150kΩとなる。
ここで多数のフォトダイオードを直列に接続することによって、高いS/N比を実現することができる。被検出光の周波数は90Hzである。また、バイアス部12から出力されるバイアス信号Sbiasの周波数を390Hz、振幅を5mVに設定した。
第1出力部13は、光検出部11からの検出信号S1のうち、参照信号として、バイアス信号Sbiasの周波数と同じ390Hzの信号成分を抽出するロックインアンプ(図6ではロックインアンプ1)を用いた。これにより、第1出力部13からは光検出部11のフォトダイオード11aの内部抵抗に応じた出力信号、すなわちR0情報信号が得られる。第2出力部14は、光検出部11からの検出信号S1のうち、参照信号として、被検出光の周波数と同じ90Hzの信号成分を抽出するロックインアンプ(図6ではロックインアンプ2)を用いた。これにより、第2出力部14からはフォトダイオード11aに入射された被検出光に応じた信号成分が得られる。
このように、実施例1における光デバイス1は、被検出光(例えば黒体炉からの輻射)に応じた検出信号とフォトダイオード11aの環境温度に応じた検出信号とを同時に出力することができる。したがって、光源部15からの輻射、又は他の外乱熱源によるセンサの加熱があったとしても、その温度変化によって、フォトダイオード11aのゼロバイアス付近の抵抗R0も変動するため、その抵抗R0情報を利用して被検出光による検出信号を補正することによって、被検出光による検出信号に含まれる温度特性による検出誤差を容易に補正することができる。
<ロックインアンプの動作原理>
ここで、ロックインアンプの動作原理を説明する。
図7に、ロックインアンプの基本回路を示す。
図7に示すように、ロックインアンプは、入力信号を後段での処理に適した大きさまで増幅するプリアンプ101と、プリアンプ101で増幅された入力信号Vinと、リファレンス信号Vrefとをもとに同期検波を行うことにより周波数変換するミキサー102と、ミキサー102から出力される周波数変換された出力信号Vpsdから所定周波数成分のみを抽出し、ロックインアンプの出力として出力するローパスフィルタLPF103と、参照信号としてのリファレンス信号を入力し、参照信号(リファレンス信号)と同じ周波数且つ一定の振幅を持つ信号を出力するトリガー生成回路104と、トリガー生成回路104から出力された信号と入力信号Vinとの位相差が零となるように位相調整を行い位相調整後の参照信号Vrefをミキサー102に出力する位相調整回路105と、を備える。
ここで、ロックインアンプへの入力信号が、次式(3)で示すような余弦波であるとする。
Vin=Acos(2πft) ……(3)
ただし、(3)式中のAは振幅、tは時間、fは周波数である。
参照信号としてのリファレンス信号は入力信号と同じ周波数を持つため、次式(4)で表すことができる。
Vref=Bcos(2πft+θ) ……(4)
ただし、(4)式中のBは振幅を示す。またθは入力信号Vinとリファレンス信号Vrefとの位相差を示し、位相差θは、ロックインアンプ内部に備える位相調整回路105で調整される。
ミキサー102には、プリアンプ101で増幅された入力信号Vinと位相調整回路105で位相調整が行われた後のリファレンス信号Vrefとが入力される。ミキサー102の出力信号Vpsdは次式(5)で表すことができる。
Vpsd=Vin×Vref
=(1/2)×ABcos(θ)+(1/2)ABcos(4πft+θ)……(5)
ここで、ローパスフィルタ(LPF)103を、f成分を除く成分を除去するようにし、また、振幅Bを一定にすれば、ロックインアンプの出力信号は、振幅A及びcos(θ)に比例したDC信号となる。
つまり、f成分を除く周波数の信号は除去され、f成分の信号のみが抽出され、出力される。また、ローパスフィルタ103の遮断周波数が小さい程、高いS/N比を得ることができる。
<温度補正の実証>
実施例1では、図6に示す光デバイス1を用いて温度補正の実証を行った。
まず、フォトダイオード11aの温度Tが25℃の場合における一定の光信号について、光検出部11としてのフォトダイオード11aによる出力電流の測定を行った。ここでは、光源部15として温度227℃の黒体炉を用い、アパーチャー径φは22.2mm、黒体炉からフォトダイオード11aまでの距離は100mmとし、光を周波数90Hzでチョッピングした場合の光信号を出力させた。この光信号をフォトダイオード11aにより測定したところ、フォトダイオード11aの出力信号(Ip情報信号)は実効値で、5.8nArmsであった。この実効値5.8nArmsは、オペアンプ11bの出力を抵抗器11cの抵抗値R1との比を算出することで求めた。
また、バイアス部12として、周波数390Hz、振幅5mVrmsの正弦波電圧電源を用いた。
次に、フォトダイオード11aの温度を25℃以上50℃以下の範囲で変動させながら、R0情報信号とIp情報信号とを測定した。これにより、R0情報信号とIp情報信号との間に、次式(6)に示すような相関を得た。
Ip
=−5.55×10−39R0+3.19×10−33R0
−7.46×10−28R0+9.13×10−23R0
−6.24×10−18R0+2.32×1013R0
+1.98×10−9[Arms] ……(6)
フォトダイオード11aの環境温度が変化した場合、温度が25℃の場合での電流を得るには、前記(2)式に基づき、次式(7)から求めることができる。
Ip1
=5.8×10−9/(−5.55×10−39R0+3.19×10−33R0
−7.46×10−28R0+9.13×10−23R0
−6.24×10−18R0 +2.32×1013R0
+1.98×10−9)[Arms] ……(7)
また式(1)よりΦ=Ip1/Riの関係から、任意の温度に於ける被検出光の強度を求めることができる。
なお、ロックインアンプの出力の演算処理及びその温度補正は、コンピューターによって演算処理を行った。
<温度補正の効果>
温度補正の効果を実証するために、フォトダイオード11aの温度が70℃付近まで加熱されるように、熱風をフォトダイオード11aに与えた。そのときのIp情報信号とR0情報信号と時間との関係を図8に示す。図8において、横軸は経過時間、縦軸は、光電流Ip(Ip情報信号)及び内部抵抗R0(R0情報信号)である。
ここで、式(7)を利用して、フォトダイオード11aの温度が25℃の場合のIp情報信号と等しくなるように温度補正した電流を求めた。
その結果を図9に示す。横軸は経過時間を表し、縦軸は温度補正後の光電流Ip1(Ip情報信号)を表す。図9から分かるように、熱風等の外乱によってフォトダイオード11aの温度が変化するような環境においても、温度変化の影響は大幅にキャンセルされており、安定した光電流の値が得られていることが分かる。
<比較例1>
比較例1として図10に示すように、光検出部11としてフォトダイオード11aを用い、フォトダイオード11aの出力電流を第2出力部14としてのロックインアンプ2に入力すると共に、フォトダイオード11aのそばにサーミスタ(白金抵抗体)21を設け、サーミスタ21の抵抗を抵抗測定装置22により測定し、測定した抵抗値を温度情報とした。それ以外の条件は、実施例1と同様にした。
そして、実施例1の実証実験と同様に、フォトダイオード11a及びサーミスタ21に熱風を与えながら、抵抗測定装置22により測定した温度情報としての抵抗値に基づき、フォトダイオード11aから出力されるIp情報信号の温度補正を行った。その結果を図11に示す。図11において、横軸は経過時間を表し、縦軸は、温度補正後の光電流Ip1(Ip情報信号)を表す。
外部から加えられた熱風の影響によってフォトダイオード11aの温度が急激に変化(経過時間100s付近)している時に、図11に示すように約28%の出力変動が生じている。これはサーミスタ21の温度追従性が悪いため、温度補正の際に使用するフォトダイオード11aの温度情報が正確な温度からはずれたものとなったためであり、温度補正の精度が不十分であることが原因と考えられる。
<比較例2>
比較例2として図12に示すような回路を用いて実験を行った。
すなわち、図12に示すように、光検出部11としてフォトダイオード11aを用い、フォトダイオード11aの両端を、スイッチSWを介して第2出力部14としてのロックインアンプ2と、抵抗測定装置22とのいずれか一方に切り換えて接続するようにした。
スイッチSWを用いて、フォトダイオード11aの両端を抵抗測定装置22に接続する期間をTRとし、Ip情報信号測定用のロックインアンプ2からなる第2出力部14に接続する期間をTIとし、フォトダイオード11aの両端の接続先を交互に切り換えながら、フォトダイオード11aによるIp情報信号の測定と、フォトダイオード11aの抵抗値に基づくR0の測定とを行った。今回の測定では、TRを450ms、TIを150msとした。
そして、実施例1における実証実験と同様に、熱風を与えながら、抵抗測定装置22により測定したR0に基づきフォトダイオード11aから出力されるIp情報信号の温度補正を行った。その結果を図13に示す。
図13において、横軸は経過時間、縦軸は、温度補正後の光電流Ip1(Ip情報信号)を表す。
図13に示すように、比較例2における実験結果は、図11に示す比較例1における実験結果に比較して、温度が変化した場合、温度補正後の光電流Ipの変動は小さいが、図9に示す実施例1における実験結果に比較して、S/N比が約1/2となっていることが分かる。また外部から加えられた熱風の影響によってフォトダイオード11aの温度が急激に変化(経過時間100s付近)している時の温度補正後の光電流Ip1は図9に示す実験結果よりも変動が大きい。これはスイッチSWを切り替えてIp情報信号と抵抗測定装置22による抵抗R0の測定とを交互に行っているため、正確なフォトダイオード11aの温度を測定できていない期間が存在し、そのような温度を用いて温度補正を行った結果、温度補正の精度が悪化したためと考えられる。
(まとめ)
以上のように、本発明の一実施形態における光デバイス1は、被検出光に応じたIp情報信号と、光検出部11の抵抗に応じたR0情報信号とを同時に出力することができる。そのため、S/N比の高い、被検出光に応じた光電流に基づくIp情報信号を得ることができる。また、被検出光に応じたIp情報信号と同時に出力される、温度に応じて変化する光検出部11の抵抗に応じたR0情報信号に基づいて、Ip情報信号を温度補正することによって、より高精度なIp情報信号を得ることができ、すなわち、光デバイス1による被検出光の検出精度や被検光の強度測定を向上させることができる。
また、サーミスタ等の温度計を用いることなく、光検出部11の温度に応じた抵抗情報を得ることができるため、部品数の増加を抑制し、光デバイス1の小型化や薄型化を図ることができる。
また、光検出部11の近傍の温度ではなく、光検出部11の芯の温度、つまり、光検出部11としてフォトダイードを用いた場合には、フォトダイードのPN接合部分の温度に応じた抵抗情報を得ることができる。サーミスタ等の温度計を用いた場合には、光検出部11の芯の位置つまりフォトダイオードのPN接合部分と、温度計の配置位置とに差があるためこれら間には温度にずれが生じ、また、PN接合部分の温度変化と、例えばサーミスタの温度変化との間にはずれが生じるため、PN接合部分の瞬時の温度を高精度に得ることは困難である。しかしながら、本発明の一態様では、光検出部11の検出信号S1から抵抗情報を取得しているため、PN接合部分の温度変化を瞬時に高精度に反映した抵抗情報を得ることができる。したがって、この抵抗情報に基づいて温度を推測することによって、高精度に温度推測を行うことができる。
したがって、このようにして得た光検出部11の温度に基づいて被検出光に応じた信号(Ip情報信号)を補正することによって、被検出光の検出精度をより向上させることができる。
なお、ここまで、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
本発明の光デバイスは、微弱の赤外線に対し、高精度な測定を要求するNDIR方式のガスセンサ等に応用することができる。
1 光デバイス
10 半導体発光素子
11 光検出部
11a フォトダイオード
11b オペアンプ
11c 抵抗器
13 第1出力部
14 第2出力部
14a 温度補正部
15 光源部
21 サーミスタ
22 抵抗測定装置

Claims (10)

  1. 入射される被検出光に応じた信号とバイアス信号とに応じた検出信号を出力する光検出部と、
    第1周波数の電流信号又は電圧信号を前記バイアス信号として前記光検出部に出力するバイアス部と、
    前記検出信号が入力され、当該検出信号から前記第1周波数の成分を抽出する第1出力部と、
    前記検出信号が入力され、当該検出信号から前記第1周波数を除く周波数成分を抽出する第2出力部と、を備える光デバイス。
  2. 前記第1出力部で抽出した前記第1周波数の成分に基づいて前記光検出部の温度を推定し、推定した温度に基づいて前記第2出力部で抽出した前記第1周波数を除く周波数成分を補正する温度補正部を備える請求項1記載の光デバイス。
  3. 前記被検出光となる、前記第1周波数とは異なる第2周波数の光を出力する光源部をさらに備え、
    前記第2出力部は、前記検出信号から前記第2周波数の成分を抽出する請求項1又は請求項2に記載の光デバイス。
  4. 前記光検出部は、量子型光検出素子を含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光デバイス。
  5. 前記量子型光検出素子の受光部は、インジウム及びアンチモンのうちのいずれか一方を含むナローバンドギャップ化合物半導体から形成される請求項4に記載の光デバイス。
  6. 前記光検出部は、オペアンプと抵抗器とをさらに備え、
    前記オペアンプの出力端子と反転入力端子との間に前記抵抗器が接続されると共に、前記オペアンプの反転入力端子とグランド電位との間に前記量子型光検出素子が接続され、前記バイアス部の出力が前記オペアンプの非反転入力端子に接続される請求項4又は請求項5に記載の光デバイス。
  7. 前記第1出力部は、前記第1周波数の成分として前記量子型光検出素子の抵抗に応じた信号を抽出する請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の光デバイス。
  8. 前記被検出光となる、前記第1周波数とは異なる第2周波数の光を出力する光源部を備え、
    前記第2出力部は、前記第2周波数の成分として、前記量子型光検出素子に入射される被検出光により生じる光電流に応じた信号を抽出する請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の光デバイス。
  9. 前記量子型光検出素子はフォトダイオードである請求項4から請求項8のいずれか1項に記載の光デバイス。
  10. 被検出光が入射される光検出部を備えた光デバイスの測定方法であって、
    第1周波数の電流信号又は電圧信号をバイアス信号として前記光検出部に供給し、
    当該光検出部から出力される検出信号から、前記第1周波数の成分と前記第1周波数を除く周波数成分とを個別に抽出し、
    抽出した前記第1周波数の成分から前記光検出部の温度を推定し、
    前記第1周波数を除く周波数成分を前記入射される被検出光に応じた信号として、推定した前記温度に基づき補正する光デバイスの測定方法。
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