JP2016186480A - 電磁誘導式電気伝導率検出器および電磁誘導式電気伝導率計 - Google Patents

電磁誘導式電気伝導率検出器および電磁誘導式電気伝導率計 Download PDF

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Abstract

【課題】組み込み先の配管の外径や構成の影響を受けず、安定して精度よく測定することが可能な電磁誘導式電気伝導率検出器および電磁誘導式電気伝導率計を提供する。
【解決手段】電気伝導率検出器は、絶縁体からなる管状の絶縁管で構成された被測定流体が流れる管路と、管路に相互に間隔をあけて設けられ、被測定流体に接触する第1、第2の電極、並びにこれらの電極を間に挟み被測定流体に接触する第3、第4の電極と、管路の外部に配置され、第1の電極と第2の電極を接続する第1の導線と、第1の導線がその中心孔を通り、交流電圧の印加により第1の導線と管路内の被測定流体とにより形成されるループ経路に誘導電流を発生させる円環状の励磁用コイルと、第1の導線がその中心孔を通り、ループ経路に流れる誘導電流により起電力が生じる円環状の検出用コイルと、管路の外部に配置され、第3の電極と第4の電極を接続する第2の導線と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、配管の内側を流れる被測定流体の電気伝導率に応じた信号を出力する電磁誘導式電気伝導率検出器(以下、単に「検出器」という場合がある。)、およびこの検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計に関する。
従来、配管の内側を流れる被測定流体の電気伝導率を測定する電磁誘導式電気伝導率検出器として、被測定流体と接触する二つの電極と、その電極間の被測定流体を抵抗として含むループ経路に対して鎖交して配置される励磁用コイルおよび検出用コイルとを備え、励磁用コイルに交流電圧が印加された際に、ループ経路に流れる誘導電流を検出用コイルにより検出する検出器が知られている。
特許文献1の図7には、前述した従来の電磁誘導式電気伝導率検出器の一例が示されている。管路(配管P:以下、特許文献1の図7の符号を括弧にて表記する)は、内側に被測定流体(被測定液S)が流れるものである。管路(P)には、二つのリング状の電極(T11、T12)が、管路(P)の一部として配置されている。二つの電極(T11、T12)は、導線(リード線LD)により接続されている。二つの電極(T11、T12)の間は、絶縁物からなる円筒状の絶縁管(絶縁配管M)となっている。絶縁管(M)には、励磁用コイル(C11)および検出用コイル(C12)となる二つのトロイダルコイルが、絶縁管(M)の一部を環状に囲んで配置されている。
交流電源(AC)が励磁用コイル(C11)に交流電圧を印加すると、二つの電極(T11、T12)間の被測定流体(S)と導線(LD)とにより構成されるループ経路に誘導電流(I)が流れる。この誘導電流(I)は、検出用コイル(C12)に起電力を生じさせ、検出用コイル(C12)に接続されたアンプ(A)から被測定流体(S)の電気伝導率に応じた電圧(Eo)が出力される。
このような検出器は、工場内の配管や他の装置内の配管に組み込まれて使用されるため、それら組み込み先の配管の内径と検出器の管路の内径とを合わせる必要がある。また、一般に管路の外径は内径に応じて変わる。したがって、電極間の管路上にトロイダルコイルを配置する検出器では、管路の外径(すなわち、組み込み先の配管の外径)に合わせて、多種のトロイダルコイルを用意する必要がある。このため、トロイダルコイルを製造するためのコストが増大したり、製造納期が長くなったりしてしまう。また、トロイダルコイルは、特性により巻数や大きさが制限されるため、特に、外径の大きい配管に組み込む検出器に用いるトロイダルコイルは、製造自体が困難である。
一方、特許文献2の図20〜23には、絶縁体からなる管路に設けられ、被測定流体に接する二つの電極と、これらの電極を接続し、励磁用コイルおよび検出用コイル(トロイダルコイル)を通る導線とを備えた電磁誘導式電気伝導率検出器が開示されている。このような構成の検出器においては、導線上にトロイダルコイルを配置するため、管路の外径を考慮することなくトロイダルコイルを選定することができる。
特開平9−329633号公報 特表2007−518079号公報
特許文献2に開示されているような検出器は、組み込み先の配管の外径を考慮する必要がないため、例えば、工場内の大口径の配管に組み込んだり、他の装置内の小口径の配管に組み込んだりすることが自在にできる。しかしながら、検出器(絶縁体からなる管路)の外側で、組み込み先の導電性の配管自体や配管上に設置される部品(例えば、電磁弁や継手)等を介して電気的な短絡(外部短絡)が生じている場合には、精度のよい測定ができなくなる。
例えば、特許文献2に開示されているような検出器を組込んだ配管において外部短絡が生じている場合に、検出器の管路に被測定流体が流れると、外部短絡は被測定流体を介して検出器の電極と導通することとなる。この場合、二つの電極を接続する導線と二つの電極間の被測定流体とにより形成されるループ経路(測定経路)とは別の、誘導電流が流れる経路(外部短絡経路)が、二つの電極を外側から接続するようにして測定経路の外部に形成されることとなる。この外部短絡経路は、二つの電極を端子として測定経路と並列に接続された状態となっている。
この状態において励磁コイルに交流電圧が印加されると、導線に流れる誘導電流は、一方の電極において、測定経路に流れる誘導電流と、外部短絡経路に流れる誘導電流とに分流される。これらの誘導電流は、他方の電極において合流して導線に流れ、合流した誘導電流に比例した起電力を検出用コイルに生じさせる。
この外部短絡が生じている状態での誘導電流は、外部短絡経路における抵抗(以下「外部抵抗」という。)に応じて変化し、外部短絡が生じていない状態での誘導電流に、外部抵抗に応じた値が加算されたものとなる。そのため、被測定流体の電気伝導率は、外部抵抗に応じた誘導電流の加算分だけ大きく検出されることとなる。
ここで、外部抵抗は、外部短絡経路において抵抗となる物質の材質、長さ、断面積に応じて変化するところ、外部短絡は、常に一定の部位にて発生するとは限らず、外部短絡経路において抵抗となる要素(配管自体や配管上の部品の抵抗、配管内の流体の電気伝導率等)も一定とは限らない。したがって、外部抵抗の値は常に一定となるわけではない。そのため、ある時点で、加算分を含めて電気伝導率計の校正を行っても、外部抵抗が変動すると測定値の真値がずれてしまう。また、外部短絡が生じているか否かは容易にはわからない。このため、特許文献2に開示されているような検出器では、常に精度よく測定することが困難であるという問題があった。
本発明は、前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、電磁誘導式電気伝導率検出器が組み込まれる配管の外径や構成(組み込み先の配管接続状態、配管の材質、配管上の部品等)の影響を受けず、安定して精度よく測定することが可能な電磁誘導式電気伝導率検出器およびこの検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明に係る電磁誘導式電気伝導率検出器は、絶縁体からなる管状の絶縁管で構成され、内側に被測定流体が流れる管路と、前記管路に、該管路の長さ方向に対して相互に間隔をあけて設けられ、前記管路内の前記被測定流体に接触する第1の電極および第2の電極と、前記管路に、前記第1の電極および前記第2の電極を間に挟んで設けられ、前記管路内の前記被測定流体に接触する第3の電極および第4の電極と、前記管路の外部に配置され、前記第1の電極と前記第2の電極とを接続する第1の導線と、円環状であって、その中心孔に前記第1の導線が通り、交流電源から交流電圧が印加されることで前記第1の導線と前記管路内の前記被測定流体とにより形成されるループ経路に誘導電流を発生させる励磁用コイルと、円環状であって、その中心孔に前記第1の導線が通り、前記ループ経路に流れる前記誘導電流により起電力が生じる検出用コイルと、前記管路の外部に配置され、前記第3の電極と前記第4の電極とを接続する第2の導線と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、絶縁体からなる管路上に配設された第1の電極と第2の電極は、第1の導線により電気的に接続され、第1の導線および第1の電極と第2の電極との間の被測定流体を通る電気的な経路(第1ループ経路)が形成される。また、絶縁体からなる管路上に配設された第3の電極と第4の電極は、第2の導線により電気的に接続され、第1の導線、第1の電極と第3の電極(または第4の電極)との間の被測定流体、第2の導線、および、第4の電極(または第3の電極)と第2の電極との間の被測定流体を通る電気的な経路(第2ループ経路)が形成される。
このため、誘導電流が第3の電極と第4の電極の外側にまで流れ出ることはなく、第1の導線に流れる誘導電流の値は、常に、第1ループ経路を流れる誘導電流の値に、第2ループ経路を流れる誘導電流の値を加算したものとなり、被測定流体の電気伝導率に応じた値とすることができる。
前記構成において、前記第1の導線は、前記励磁用コイルの中心孔および前記検出用コイルの中心孔の両方またはいずれか一方に、複数回通されてもよい。
この構成によれば、ループ経路に流れる誘導電流は、ループ経路の一部を構成する第1の導線が励磁用コイルの中心孔を通る回数(ターン数)に比例して増加する。また、検出用コイルに生ずる起電力は、第1の導線が検出用コイルの中心孔を通る回数(ターン数)に比例して増加する。これにより、絶縁管、電極、コイル等の部品構成を大きく変更することなく、検出器の検出感度を高めることが可能となり、被測定流体の電気伝導率が低い場合であっても精度よく測定することができる。
前記構成において、さらに、前記第1の導線が前記励磁用コイルの中心孔に通される回数および前記第1の導線が前記検出用コイルの中心孔に通される回数のうち、少なくともいずれか一方を切り替えるターン数切替手段を備えてもよい。
この構成によれば、ターン数切替手段により検出器の検出感度を容易に変更することが可能となり、低電気伝導率から高電気伝導率までの幅広い範囲で、精度のよい測定を容易に行うことができる。
また、前記課題を解決するため、本発明に係る電磁誘導式電気伝導率計は、絶縁体からなる管状の絶縁管で構成され、内側に被測定流体が流れる管路と、前記管路に、該管路の長さ方向に対して相互に間隔をあけて設けられ、前記管路内の前記被測定流体に接触する第1の電極および第2の電極と、前記管路に、前記第1の電極および前記第2の電極を間に挟んで設けられ、前記管路内の前記被測定流体に接触する第3の電極および第4の電極と、前記管路の外部に配置され、前記第1の電極と前記第2の電極とを接続する第1の導線と、円環状であって、その中心孔に前記第1の導線が通り、交流電源から交流電圧が印加されることで前記第1の導線と前記管路内の前記被測定流体とにより形成されるループ経路に誘導電流を発生させる励磁用コイルと、円環状であって、その中心孔に前記第1の導線が通り、前記ループ経路に流れる前記誘導電流により起電力が生じる検出用コイルと、前記管路の外部に配置され、前記第3の電極と前記第4の電極とを接続する第2の導線と、を有する検出器と、前記第1の導線が前記励磁用コイルの中心孔に通される回数および前記第1の導線が前記検出用コイルの中心孔に通される回数のうち、少なくともいずれか一方を切り替えるターン数切替手段と、前記検出用コイルに生じる起電力を変換して、前記被測定流体の電気伝導率を求める演算部を有する変換器と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、検出用コイルに起電力を生じさせる誘導電流を、常に被測定流体の電気伝導率に応じた値とすることができるとともに、検出器の検出感度を切り替えるターン数切替手段を検出器外に設けることができ、低電気伝導率から高電気伝導率までの幅広い範囲で、安定して精度のよい測定を容易に行うことができる。
本発明によれば、検出器が組み込まれる配管の外径や構成の影響を受けず、安定して精度よく測定することが可能な電磁誘導式電気伝導率検出器およびこの検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る電磁誘導式電気伝導率検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計の概略構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電磁誘導式電気伝導率検出器の概略構成図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電磁誘導式電気伝導率計の概略構成図である。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る電磁誘導式電気伝導率検出器20(以下「検出器20」という。)を用いた電磁誘導式電気伝導率計10について、図1を用いて説明する。
図1に示されるように、電磁誘導式電気伝導率計10は、検出器20と、検出器20への電圧印加や演算、制御等を行う変換器30とを備えている。検出器20は、工場内の配管や他の装置内の配管等の被測定流体Fが流れる外部の配管(不図示)に組み込まれ、検出する誘導電流に基づき、検出器20の内部を流れる被測定流体Fの電気伝導率を測定するものである。
検出器20は、内側に被測定流体Fが流れる管路Pと、管路Pに管路Pの長さ方向に対して相互に間隔をあけて設けられる四つの電極22、23、24、25と、内側の二つの電極22、23を接続するリード線である第1の導線26と、外側の二つの電極24、25を接続するリード線である第2の導線29と、励磁用コイル27と、検出用コイル28と、を備えている。
管路Pは、絶縁体からなり一定の内径を有する円筒状に形成された絶縁管21で構成され、上流側から、第1絶縁管21a、第2絶縁管21b、第3絶縁管21c、第4絶縁管21dおよび第5絶縁管21eを備えている。管路Pの内側には、被測定流体Fが管路Pの上流端から下流端へ向って流れるようになっている。
なお、絶縁管21は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂やポリプロピレン等の絶縁性を有する合成樹脂等により形成されている。
四つの電極22〜25は、導電性の金属で構成され、管路Pの内径と同じ内径となるリング状に形成されている。管路Pの外部で第1の導線26により電気的に接続される内側の二つの電極22、23は、一対の測定極であり、それぞれ上流側から第1の電極である第1測定極22、第2の電極である第2測定極23となっている。また、管路Pの外部で第2の導線29により電気的に接続される外側の二つの電極24、25は、一対のガード極であり、それぞれ上流側から第3の電極である第1ガード極24、第4の電極である第2ガード極25となっている。すなわち、これら四つの電極22〜25は、管路Pの上流側から第1ガード極24、第1測定極22、第2測定極23、第2ガード極25の順に並べられている。
これら四つの電極22〜25は、第1絶縁管21aと第2絶縁管21bとの間に第1ガード極24が、第2絶縁管21bと第3絶縁管21cとの間に第1測定極22が、第3絶縁管21cと第4絶縁管21dとの間に第2測定極23が、第4絶縁管21dと第5絶縁管21eとの間に第2ガード極25が、それぞれ挟まれ、管路Pの長さ方向に対して等間隔になるように配設され、管路Pを構成している。
管路Pがこのように構成されることで、管路P内に被測定流体Fが入っていない場合には、絶縁体である第1絶縁管21a、第2絶縁管21b、第3絶縁管21c、第4絶縁管21dおよび第5絶縁管21eにより、各電極22〜25は、管路P内においては相互に導通しないようにされるとともに、管路Pの両端に接続された組み込み先の配管とも導通しないようにされている。また、各電極22〜25は、その金属部分が管路Pの内側に露出した状態となっているため、管路P内に被測定流体Fが入ると被測定流体Fを介して導通する。
励磁用コイル27と検出用コイル28は、円環状の磁性体のトロイダルコアに、銅線等の導電体が巻き付けられた円環状のトロイダルコイルであり、それぞれ中心孔27a、28aを有している。励磁用コイル27の中心孔27aと検出用コイル28の中心孔28aには、第1の導線26が1回ずつ通されている。そして、励磁用コイル27が第1測定極22側に、検出用コイル28が第2測定極23側にそれぞれ配置されている。
このように、励磁用コイル27と検出用コイル28を、管路P上ではなく、第1の導線26上に配置することで、管路Pの外径を考慮することなく、励磁用コイル27および検出用コイル28とするトロイダルコイルを選定することができるようになっている。
このように構成される検出器20において、管路Pに被測定流体Fを流すと、第1測定極22、第1測定極22と第2測定極23との間の被測定流体F1、第2測定極23、および第1の導線26により、電気的なループ(以下「第1ループ経路」という。)Lc1が形成される。すなわち、ループ経路となる第1ループ経路Lc1は、第1測定極22および第2測定極23を介して、第1の導線26と被測定流体F1とにより形成されることとなる。
また、第1測定極22、第1測定極22と第1ガード極24との間の被測定流体F2a、第1ガード極24、第2の導線29、第2ガード極25、第2ガード極25と第2測定極23との間の被測定流体F2b、第2測定極23、および第1の導線26により、電気的なループ(以下「第2ループ経路」という。)Lc2が形成される。すなわち、第2ループ経路Lc2は、第1測定極22、第1ガード極24、第2ガード極25および第2測定極23を介して、第1の導線26と被測定流体F2aと第2の導線29と被測定流体F2bとにより形成され、第1ループ経路Lc1と一部(第1測定極22、第1の導線26、第2測定極23)が共通するように構成される。
このように第1ループ経路Lc1と第2ループ経路Lc2が形成されることで、第1ループ経路Lc1と第2ループ経路Lc2は、励磁用コイル27および検出用コイル28と、第1の導線26の部分でそれぞれ鎖交していることとなる。
次に変換器30について説明する。
変換器30は、交流電源である電源部31と、電気伝導率を演算する演算部32と、各種情報や設定を外部から入力するための入力部33と、電気伝導率等を外部に出力する出力部34と、これらを制御する制御部35とから概略構成される。
電源部31は、励磁用コイルに27接続され、制御部35からの指示に基づいて励磁用コイル27に交流電圧を印加するものである。
演算部32は、検出用コイル28に接続され、制御部35からの指示に基づいて検出用コイル28から入力される電圧を所定の増幅率で増幅し、演算に必要な情報を参照して被測定流体Fの電気伝導率を求めるものである。
入力部33は、演算に必要な情報(電気伝導率の基準データやセル定数等)や電磁誘導式電気伝導率計10の動作設定等を外部から入力するためのものである。
出力部34は、演算部32から受け取る演算結果や各種情報あるいは設定等を表示器(不図示)に表示させたり、外部のコンピュータ等(不図示)に出力したりするものである。
次に、本実施の形態に係る検出器20を用いた電磁誘導式電気伝導率計10の動作について説明する。
管路Pに被測定流体Fが流れると、検出器20では、被測定流体F1を抵抗r1として含む第1ループ経路Lc1と、被測定流体F2aおよび被測定流体F2b(以下、合せて「被測定流体F2」という。)を抵抗r2として含む第2ループ経路Lc2とが、形成される。ここで、抵抗r2は、被測定流体F2aの抵抗r2aと、被測定流体F2bの抵抗r2bとを合成したものである。この抵抗r1と抵抗r2とは、第1の導線26に対して並列に接続された状態となる。
この状態において、励磁用コイル27に電源部31から交流電圧が印加されると、励磁用コイル27と鎖交する第1ループ経路Lc1と第2ループ経路Lc2には、電磁誘導により第1誘導電流i1と第2誘導電流i2がそれぞれ流れる。
ここで、あるタイミングにおける各誘導電流i1、i2の流れる方向が、図1に破線矢印で示す方向である場合、第1誘導電流i1と第2誘導電流i2は、第2測定極23において合流し、第1の導線26には、合流した誘導電流Iが流れる。この誘導電流Iは、第1測定極22において、第1誘導電流i1と第2誘導電流i2とに分流されている。
このとき、第1ループ経路Lc1に流れる第1誘導電流i1の値と、第2ループ経路Lc2に流れる第2誘導電流i2の値は、それぞれのループ経路Lc1、Lc2が抵抗として含む被測定流体F1、F2の抵抗r1、r2の値(被測定流体Fの電気伝導率に応じた値)により定まる。ここで、流体の抵抗値は、流体の断面積に反比例し、流体の長さに比例するところ、本実施の形態においては管路Pの内径が一定(被測定流体の断面積が一定)であるため、抵抗r1、r2の値は、被測定流体F1、F2の長さに比例する。
さらに、本実施の形態においては各電極22〜25が等間隔で配設されているため、被測定流体F1の抵抗r1の値をRとすると、被測定流体F2の抵抗r2の値は2Rとなる。第1の導線26に誘起される起電力をVとすると、第1誘導電流i1の値はV/Rとなり、第2誘導電流i2の値はV/2Rとなる。
そして、第1誘導電流i1と第2誘導電流i2は、第2測定極23において合流するため、第1の導線26に流れる誘導電流Iの値は、第1誘導電流i1の値と第2誘導電流i2の値を足し合わせた3V/2Rとなる。すなわち、第1の導線26に流れる誘導電流Iの値は、常に、第1ループ経路Lc1に流れる第1誘導電流i1の値に、第2ループ経路Lc2に流れる第2誘導電流i2の値が、加算されたものとなる。
このように、励磁用コイル27と検出用コイル28を、測定極22、23間の管路P上ではなく、管路Pの外部で測定極22、23を接続する第1の導線26上に配置した場合、第1の導線26に流れる誘導電流Iは、測定極22、23と被測定流体Fを介して、測定極22、23の外側にも流れ出る。この状態において、仮に、第1ガード極24と第2ガード極25がなく、組み込み先の配管で電気的な短絡(外部短絡)が生じていると、測定極22、23と被測定流体Fを介して、外部短絡と第1の導線26とにより誘導電流が流れる外部短絡経路が形成されることとなる。この場合、第1の導線26に流れる誘導電流Iの値は、第1ループ経路Lc1に流れる第1誘導電流i1の値に、外部短絡経路を流れる誘導電流の値が加算されたものとなる。前述のように、外部短絡経路における抵抗(外部抵抗)の値は一定とは限らないため、外部抵抗が変動すると測定値の真値がずれてしまう。
しかし、本実施の形態のように、第1ガード極24と第2ガード極25とを設け、これらを第2の導線29により電気的に接続して第2ループ経路Lc2が形成されるようにすれば、測定極22、23の外側に流れ出た誘導電流は第2ループ経路Lc2に流れ、ガード極24、25の外側にまで流れ出ることがない。そのため、第1の導線26に流れる誘導電流Iの値は、常に第1ループ経路Lc1に流れる第1誘導電流i1の値に、第2ループ経路Lc2に流れる第2誘導電流i2の値を加算したものとなり、常に被測定流体Fの抵抗値(電気伝導率)に応じた値とすることができる。
そして、第1ループ経路Lc1と第2ループ経路Lc2は、共に第1の導線26部分において検出用コイル28と鎖交しているので、検出用コイル28には、誘導電流Iによる電磁誘導で起電力が誘起される。この起電力は、被測定流体Fの電気伝導率に比例した値となる。
この起電力の電圧値は、検出用コイル28に接続されている演算部32に入力される。そして、入力された電圧値は、演算部32において演算され、被測定流体Fの電気伝導率が求められる。
このように、本実施の形態に係る検出器20を用いた電磁誘導式電気伝導率計10においては、第1測定極22と第2測定極23とを挟むようにして第1ガード極24と第2ガード極25を配置し、第1ガード極24と第2ガード極25とを第2の導線29で接続したことで、管路Pの内側に被測定流体Fを流すと、第2ループ経路Lc2が構成される。第1ループ経路Lc1に流れる第1誘導電流i1の値と、第2ループ経路Lc2に流れる第2誘導電流i2の値は、共に被測定流体Fの電気伝導率に応じた値となるため、検出用コイル28に起電力を生じさせる誘導電流Iの値を、常に被測定流体Fの電気伝導率に応じた値とすることが可能となる。そのため、本実施の形態に係る検出器20を用いた電磁誘導式電気伝導率計10においては、組み込み先の配管構成の影響を受けることなく、安定して精度よく電気伝導率の測定を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、管路Pは、第1〜第5絶縁管21a〜21eからなる絶縁管21を備えているが、これに限定されず、各電極22〜25の形状や配設の方法に応じて適宜設計することができ、例えば絶縁管21は一つの部材であってもよい。
また、各電極22〜25の相互間の間隔は、等間隔に限定されない。
さらにまた、各電極22〜25の形状はリング状に限定されず、各電極22〜25の一部が被測定流体Fに接触していればどのような形状で設けられてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電気伝導率検出器120(以下「検出器120」という。)について、図2を用いて説明する。なお、第2の実施の形態において、前述の第1の実施の形態と同一の部材については、同じ符号を付して説明を省略する。
図2に示されるように、第2の実施の形態に係る検出器120は、第1の実施の形態とは、第1の導線126の配線が異なっている。
第1測定極22と第2測定極23とを電気的に接続するリード線である第1の導線126は、励磁用コイル27の中心孔27aおよび検出用コイル28の中心孔28aと、励磁用コイル27および検出用コイル28の外側とを二周半周回することで、励磁用コイル27の中心孔27aおよび検出用コイル28の中心孔28aにそれぞれ3回ずつ通されている。すなわち、第1ループ経路Lc1と第2ループ経路Lc2は、励磁用コイル27と検出用コイル28とに第1の導線126部分で各々3回鎖交している状態にある。
以下、第1の導線126が、励磁用コイル27の中心孔27aおよび検出用コイル28の中心孔28aをそれぞれ1回ずつ通る状態を1ターンとして説明することとする。本実施の形態においては、第1の導線126は、励磁用コイル27の中心孔27aおよび検出用コイル28の中心孔28aをそれぞれ3回ずつ通る3ターンの状態にある。
この状態において励磁用コイル27に電源部31から交流電圧が印加されると、各ループ経路Lc1,Lc2は、励磁用コイル27に3回鎖交しているため、第1の導線126には、1ターンのときの3倍の誘導電流Iが流れることになる。また、各ループ経路Lc1,Lc2は、検出用コイル28に3回鎖交しているため、検出用コイル28には、1ターンのときの3倍の起電力が生じることになる。
つまり、各ループ経路Lc1、Lc2の一部を形成する第1の導線126には、1ターンのときの3倍の誘導電流Iが流れ、検出用コイル28には1ターンのときの3倍の起電力が生じるので、誘導電流Iにより検出用コイル28に生ずる起電力は、1ターンのときの9倍となる。すなわち、本実施の形態に係る検出器120は、励磁用コイル27に対するターン数に、検出用コイル28に対するターン数を乗じた積の分だけ検出感度を高めることができる。
このように、各ループ経路Lc1、Lc2に共通する第1の導線126に流れる誘導電流Iは、励磁用コイル27に対するターン数に比例して増加し、検出用コイル28に生ずる起電力は、検出用コイル28に対するターン数に比例して増加することとなる。
一般に、本実施の形態のような、いわゆる配管型の電磁誘導式電気伝導率検出器の検出感度を上げる方法としては、被測定流体Fが流れる管路Pの内径を大きくする、第1測定極22と第2測定極23との間の間隔を短くする、印加する交流電圧を大きくする、励磁用コイル27または検出用コイル28の巻数を調整する等の、検出器120や変換器の構成を大きく変更する方法が知られている。
これに対し、本実施の形態に係る検出器120においては、第1の導線126を、励磁用コイル27の中心孔27aと検出用コイル28の中心孔28aのそれぞれに通す回数を多くするだけで、検出感度を高めることができるとともに、この検出器120を用いることにより、高い検出感度を有する電磁誘導式電気伝導率計110を提供することができる。
なお、本実施の形態において、励磁用コイル27に対するターン数と、検出用コイル28に対するターン数とは、同じ回数であってもよく、異なる回数であってもよい。例えば、励磁用コイル27に対するターン数が3回で、検出用コイル28に対するターン数が1回の場合には、検出用コイル28に生ずる起電力は、1ターンのときの3倍となる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る電磁誘導式電気伝導率計210について、図3を用いて説明する。なお、第3の実施の形態において、前述の第1の実施の形態と同一の部材については、同じ符号を付して説明を省略する。
図3に示されるように、第1測定極22と第2測定極23には、管路Pの外部に配置されるリード線である第1の導線226が接続されている。第1の導線226は、第2の実施の形態と同様に、励磁用コイル27の中心孔27aと検出用コイル28の中心孔28aとに、それぞれ3回ずつ通されている。
変換器230は、第1の実施の形態と同様に、電源部231、演算部232、入力部233、出力部234および制御部235を備えるとともに、さらに第1の導線226が接続されるリレーであるスイッチ236を備えている。スイッチ236は、第1の導線226と被測定流体F1と共に第1ループ経路Lc1を構成し、また、第1の導線226と被測定流体F2と第2の導線29と共に第2ループ経路Lc2を構成する。スイッチ236は、制御部235からの指示に基づいて、ループ経路Lc1、Lc2の励磁用コイル27および検出用コイル28に対するターン数を切り替えるターン数切替手段である。スイッチ236には、一つの共通端子236aと、三つの選択端子236b、236c、236dとが設けられている。
スイッチ236は、第1の導線226における、第2測定極23と検出用コイル28の中心孔28aとの間に配設されている。スイッチ236の共通端子236aは、第1の導線226aにより第2測定極23と接続されている。選択端子236bには、検出用コイル28の中心孔28aへと延びる第1の導線226bが接続されている。選択端子236bから延びる第1の導線226bは、検出用コイル28の中心孔28aと、励磁用コイル27の中心孔27aと、励磁用コイル27および検出用コイル28の外側とを二周半周回するとともに、一周周回するごとに分岐し、分岐した先において、スイッチ236の選択端子223cと選択端子223dとにそれぞれ接続されている。
この状態において、スイッチ6の共通端子236aが選択端子236bに接続されると、第1測定極22と第2測定極23とは、第1の導線226a、226bとスイッチ236とにより電気的に接続される。そして、励磁用コイル27に電源部231から交流電圧が印加されると、ループ経路Lc1、Lc2は、3ターンの状態となる。同様に、スイッチ236の共通端子236aが選択端子236cに接続されると、ループ経路Lc1、Lc2は、2ターンの状態となり、スイッチ236の共通端子236aが選択端子236dに接続されると、ループ経路Lc1、Lc2は、1ターンの状態となる。
すなわち、スイッチ236の共通端子236aが選択端子236bと接続されると、検出器220の検出感度は、1ターンの状態(スイッチ236の共通端子236aが選択端子236dに接続されている状態)の9倍となり、スイッチ236の共通端子236aが選択端子236cと接続されると、検出器220の検出感度は、1ターンの状態の4倍となる。
このように、本実施の形態に係る電磁誘導式電気伝導率計210においては、第1の導線226にターン数切替手段であるスイッチ236を介在させることにより、ループ経路Lc1、Lc2のターン数(すなわち、第1の導線226が励磁用コイル27の中心孔27aと検出用コイル28の中心孔28aを通る回数)を容易に変更することが可能となる。したがって、スイッチ236を切り替えることにより、検出器220の検出感度を、例えば1倍、4倍、9倍の複数の検出感度から容易に選択することができる。そのため、低電気伝導率から高電気伝導率までの幅広い範囲で電気伝導率の測定をすることができる検出器220と、これを用いた電磁誘導式電気伝導率計210を得ることができる。
なお、本実施の形態において、励磁用コイル27に対するターン数と、検出用コイル28に対するターン数とは、第2の実施の形態と同様に、異なる回数であってもよい。
また、スイッチ236の位置は、本実施の形態の位置に限定されない。第1の導線226が、励磁用コイル27の中心孔27aおよび検出用コイル28の中心孔28aのそれぞれを通る回数を切り替えることが可能であればよい。
さらに、スイッチ236の数は、本実施の形態においては一つであるが、これに限定されず、例えば、励磁用コイル27に対するターン数を切り替えるものと、検出用コイル28に対するターン数を切り替えるものとの二つを設けてもよい。
さらにまた、スイッチ236は、接点の切り替えができるものであればよく、例えば、IC等の半導体スイッチやディップスイッチなどでもよい。
なお、本実施の形態においては、スイッチ236は、変換器230に備えられているが、検出器220に備えられていてもよいし、別のユニットとされていてもよい。また、スイッチ236は、制御部35からの指示に基づいて切り替えられるものとして説明したが、手動で切り替えるものであってもよい。さらに、制御部35からスイッチ236への切り替え指示は、あらかじめ設定された条件に基づくものであってもよいし、入力部33からの入力に基づくものであってもよい。
上述の電磁誘導式電気伝導率計10、110、210は、電気伝導率を濃度に変換することで、被測定流体Sの特定物質の濃度を測定する電磁濃度計に用いることもできる。
また、電磁誘導式電気伝導率計10、110、210は、検出器20、120、220に温度計を備え、温度補償をした電気伝導率や特定物質の濃度を測定することができるものであることが好ましい。
以下、本発明の効果を明らかにするための実施例を示す。以下の実施例では、塩化カリウム水溶液(KCl溶液)を被測定流体Fとして用いた。また、塩化カリウム水溶液の液温は25℃に保ち、いずれの場合も温度補償を行わずに測定した。さらに、各電極22〜25の間隔は同一とし、特に記載がない限り励磁用コイル27および検出用コイル28に対するターン数は、1ターンとしている。
まず、基準電気伝導率計(東亜ディーケーケー製電気伝導率・pHメータWM−50EG)を用いて塩化カリウム水溶液を測定した。このときの電気伝導率は12mS/cmであった。
次いで、第1の実施の形態(図1)と同様に構成した電磁誘導式電気伝導率計を用意し、第2の導線29を接続しない状態で、塩化カリウム水溶液を測定し、電気伝導率が12mS/cmとなるように指示の合わせこみを行った。
(a)第2の導線29を接続した状態(第1の実施の形態、図1と同様の構成)で、塩化カリウム水溶液の電気伝導率を測定した。このときの電気伝導率は18mS/cmであり、第2の導線29を接続しない状態での電気伝導率の1.5倍の値であった。前述のとおり、各電極22〜25の間隔が同一である場合、第1の導線26に流れる誘導電流Iは、3V/2R(V:印加電圧、R:被測定流体の抵抗)となり、第2の導線29を接続した状態は、接続しない状態の1.5倍となるが、これと同様の結果であった。
(b)次に、第1ガード極24と第2ガード極25とを挟むようにして、管路Pの両端をジャンパー線で短絡させた状態で、塩化カリウム水溶液の電気伝導率を測定した。このときの電気伝導率は、18mS/cmであり、管路Pの外部における短絡の有無に影響されず、正確な電気伝導率の測定ができることが分かった。
(c)次に、第1の導線26を励磁用コイル27および検出用コイル28の中心孔27a、28aに、一回ずつ通した電磁誘導式電気伝導率計の検出器(1ターン)で、塩化カリウム水溶液を測定した。このときの電気伝導率は10mS/cmであった。次いで、同じ検出器を用いて、第1の導線26を励磁用コイル27および検出用コイル28の中心孔27a、28aに二回ずつ通した場合(2ターン)と、三回ずつ通した場合(3ターン)とにおいて、塩化カリウム水溶液の電気伝導率を測定した。その結果、2ターンの場合は40mS/cm、3ターンの場合は90mS/cm(3ターン)の値を示し、ターン数の二乗の比率で測定感度が向上することが分かった。
F…被測定流体、P…管路、Lc1…第1ループ経路(ループ経路)、Lc2…第2ループ経路、I…誘導電流、i1…第1誘導電流、i2…第2誘導電流、
10、110、210…電磁誘導式電気伝導率計、20、120、220…検出器(電磁誘導式電気伝導率検出器)、21…絶縁管、22…第1測定極(第1の電極)、23…第2測定極(第2の電極)、24…第1ガード極(第3の電極)、25…第2ガード極(第4の電極)、26、126、226…第1の導線、27…励磁用コイル、27a…中心孔、28…検出用コイル、28a…中心孔、29…第2の導線、30、230…変換器、31、231…電源部(交流電源)、32、232…演算部、33…入力部、34…出力部、35…制御部、236…スイッチ(ターン数切替手段)。

Claims (4)

  1. 絶縁体からなる管状の絶縁管で構成され、内側に被測定流体が流れる管路と、
    前記管路に、該管路の長さ方向に対して相互に間隔をあけて設けられ、前記管路内の前記被測定流体に接触する第1の電極および第2の電極と、
    前記管路に、前記第1の電極および前記第2の電極を間に挟んで設けられ、前記管路内の前記被測定流体に接触する第3の電極および第4の電極と、
    前記管路の外部に配置され、前記第1の電極と前記第2の電極とを接続する第1の導線と、
    円環状であって、その中心孔に前記第1の導線が通り、交流電源から交流電圧が印加されることで前記第1の導線と前記管路内の前記被測定流体とにより形成されるループ経路に誘導電流を発生させる励磁用コイルと、
    円環状であって、その中心孔に前記第1の導線が通り、前記ループ経路に流れる前記誘導電流により起電力が生じる検出用コイルと、
    前記管路の外部に配置され、前記第3の電極と前記第4の電極とを接続する第2の導線と、
    を備えることを特徴とする電磁誘導式電気伝導率検出器。
  2. 前記第1の導線は、前記励磁用コイルの中心孔および前記検出用コイルの中心孔の両方またはいずれか一方に、複数回通されることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導式電気伝導率検出器。
  3. さらに、前記第1の導線が前記励磁用コイルの中心孔に通される回数および前記第1の導線が前記検出用コイルの中心孔に通される回数のうち、少なくともいずれか一方を切り替えるターン数切替手段、を備えることを特徴とする請求項2に記載の電磁誘導式電気伝導率検出器。
  4. 絶縁体からなる管状の絶縁管で構成され、内側に被測定流体が流れる管路と、
    前記管路に、該管路の長さ方向に対して相互に間隔をあけて設けられ、前記管路内の前記被測定流体に接触する第1の電極および第2の電極と、
    前記管路に、前記第1の電極および前記第2の電極を間に挟んで設けられ、前記管路内の前記被測定流体に接触する第3の電極および第4の電極と、
    前記管路の外部に配置され、前記第1の電極と前記第2の電極とを接続する第1の導線と、
    円環状であって、その中心孔に前記第1の導線が通り、交流電源から交流電圧が印加されることで前記第1の導線と前記管路内の前記被測定流体とにより形成されるループ経路に誘導電流を発生させる励磁用コイルと、
    円環状であって、その中心孔に前記第1の導線が通り、前記ループ経路に流れる前記誘導電流により起電力が生じる検出用コイルと、
    前記管路の外部に配置され、前記第3の電極と前記第4の電極とを接続する第2の導線と、を有する検出器と、
    前記第1の導線が前記励磁用コイルの中心孔に通される回数および前記第1の導線が前記検出用コイルの中心孔に通される回数のうち、少なくともいずれか一方を切り替えるターン数切替手段と、
    前記検出用コイルに生じる起電力を変換して、前記被測定流体の電気伝導率を求める演算部を有する変換器と、
    を備えることを特徴とする電磁誘導式電気伝導率計。
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