JP2016185569A - 引き抜き具 - Google Patents
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Abstract
【課題】周囲に空間が無い状態で引き抜き対象物に嵌まった軸体を引き抜き対象物から引き抜くことができる引き抜き具を提供する。
【解決手段】本発明は、壁面85に嵌まったアウタスリーブ3を壁面85から引き抜くための引き抜き具に関する。該引き抜き具4は、軸心がアウタスリーブ3の軸線と一直線上に配置される筒体5と、該筒体5の周囲にて、該軸心を含む平面内を回動可能に取り付けられ、先端部がアウタスリーブ3の周面を挟持可能な複数の挟持片7と、筒体5にスライド可能に嵌まり、一端部が挟持片7の他端部に接するカム面60を設けたスライド部材6とを備えている。カム面60はスライド部材6のスライド動作に伴って、複数の挟持片7をアウタスリーブ3の周面から離れた第1の位置と、アウタスリーブ3の周面を挟持する第2の位置との間にて回動させる。
【選択図】 図7
【解決手段】本発明は、壁面85に嵌まったアウタスリーブ3を壁面85から引き抜くための引き抜き具に関する。該引き抜き具4は、軸心がアウタスリーブ3の軸線と一直線上に配置される筒体5と、該筒体5の周囲にて、該軸心を含む平面内を回動可能に取り付けられ、先端部がアウタスリーブ3の周面を挟持可能な複数の挟持片7と、筒体5にスライド可能に嵌まり、一端部が挟持片7の他端部に接するカム面60を設けたスライド部材6とを備えている。カム面60はスライド部材6のスライド動作に伴って、複数の挟持片7をアウタスリーブ3の周面から離れた第1の位置と、アウタスリーブ3の周面を挟持する第2の位置との間にて回動させる。
【選択図】 図7
Description
本発明は、引き抜き具、特に壁に装着されたアンカーボルトのアウタスリーブを壁から引き抜く際に使用される引き抜き具に関する。
引き抜き対象物に嵌まった軸体を該引き抜き対象物から引き抜く際には、特許文献1に示す引き抜き具が用いられることがある。これは、支持軸の周囲に複数のクランプを回動自在に設け、クランプの先端部に爪片を設けて構成される。軸体を該引き抜き対象物から引き抜く際には、クランプを開いて引き抜き対象物の外方から軸体に向けて引き抜き具を挿入し、クランプを軸体の外側に配置して、軸体を抱えるようにしてクランプを閉じる。引き抜き具を引き抜き方向に引っ張れば、クランプに抱えられた軸体が引き抜き対象物から引き抜かれる。
特許文献1に記載された引き抜き具にあっては、クランプが軸体を抱えることができるように、軸体の周囲にクランプを配置することが出来る空間が無ければならない。従って、そもそも軸体が例えば壁面に嵌まって、軸体の周囲にクランプを配置することが出来る空間が無い場合は、軸体を引き抜き対象物から引き抜くことができない不便さがある。
本発明の目的は、周囲に空間が無い状態で引き抜き対象物に嵌まった軸体を引き抜き対象物から引き抜くことができる引き抜き具を提供することにある。
本発明の目的は、周囲に空間が無い状態で引き抜き対象物に嵌まった軸体を引き抜き対象物から引き抜くことができる引き抜き具を提供することにある。
引き抜き対象物に嵌まった軸体を該引き抜き対象物から引き抜くための引き抜き具であって、該引き抜き具は、
軸心が前記軸体の軸線と一直線上に配置される筒体と、
該軸心の周囲にて、該軸心を含む平面内を回動可能に取り付けられ、先端部が前記軸体の周面を挟持可能な複数の挟持片と、
前記筒体にスライド可能に嵌まり、一端部が前記挟持片の他端部に接するカム面を設けたスライド部材とを備え、
前記カム面は前記スライド部材のスライド動作に伴って、複数の挟持片を軸体の周面から離れた第1の位置と、軸体の周面を挟持する第2の位置との間にて回動させる。
軸心が前記軸体の軸線と一直線上に配置される筒体と、
該軸心の周囲にて、該軸心を含む平面内を回動可能に取り付けられ、先端部が前記軸体の周面を挟持可能な複数の挟持片と、
前記筒体にスライド可能に嵌まり、一端部が前記挟持片の他端部に接するカム面を設けたスライド部材とを備え、
前記カム面は前記スライド部材のスライド動作に伴って、複数の挟持片を軸体の周面から離れた第1の位置と、軸体の周面を挟持する第2の位置との間にて回動させる。
筒体の軸心を軸体の軸線と一直線上に配置した状態で、スライド部材をスライドさせると、複数の挟持片はカム面によって、軸体の周面から離れた第1の位置と、軸体の周面を挟持する第2の位置との間にて回動する。この第2の位置にて、挟持片が軸体の周面を挟持した状態で、筒体を引き抜き対象物から離れる向きにスライドさせると、軸体は引き抜き対象物から引き抜かれる。これにより、周囲に空間が無い状態で引き抜き対象物に嵌まった軸体であっても、挟持片が軸体の端部周面を挟持すれば、軸体を引き抜き対象物から引き抜くことが出来る。
以下、本発明の一実施形態を図を参照しながら説明する。本発明に係る引き抜き具は、コンクリート壁面に穿設された取付け孔に埋められたアンカーボルトのアウタスリーブを該取付け孔から引き抜くものであり、先ずアンカーボルトを説明する。即ち、本発明の「軸体」の一例として、アウタスリーブを例示する。
図1は、アンカーボルト1の分解図である。アンカーボルト1は、軸線Lに沿って長尺状に延び先端部に拡径部20を、他端部にボルト軸21を夫々形成したアンカー軸2と、該アンカー軸2の外周面に接して被さるようにボルト軸21側から挿入される中空のアウタスリーブ3とを備えている。該アウタスリーブ3は、先端部に拡径部20に沿って外向きに曲がる、即ち展開状態となる展開片31を設けている。
図1は、アンカーボルト1の分解図である。アンカーボルト1は、軸線Lに沿って長尺状に延び先端部に拡径部20を、他端部にボルト軸21を夫々形成したアンカー軸2と、該アンカー軸2の外周面に接して被さるようにボルト軸21側から挿入される中空のアウタスリーブ3とを備えている。該アウタスリーブ3は、先端部に拡径部20に沿って外向きに曲がる、即ち展開状態となる展開片31を設けている。
アンカー軸2とアウタスリーブ3はともに金属製であり、アウタスリーブ3の中空部34の内径はアンカー軸2の径に略等しい。拡径部20は外周面が取付け孔への挿入方向に向かって外向きに広がるテーパ状に形成されている。拡径部20の最大径は、アウタスリーブ3の外径D1と略等しい。
アウタスリーブ3はスリーブ本体30の先端部に、周方向に沿って複数設けられた展開片31を薄肉連結部32を介して設けている。隣り合う展開片31は、軸線Lに沿って延びたスリット33によって互いに離間されている。アウタスリーブ3は内面がアンカー軸2の外面に摩擦を以て接し、アウタスリーブ3はアンカー軸2に嵌まった状態で、展開片31の先端は拡径部20の基端部に位置して、展開片31は未だ展開しない。この状態を第1状態とする。
アウタスリーブ3はスリーブ本体30の先端部に、周方向に沿って複数設けられた展開片31を薄肉連結部32を介して設けている。隣り合う展開片31は、軸線Lに沿って延びたスリット33によって互いに離間されている。アウタスリーブ3は内面がアンカー軸2の外面に摩擦を以て接し、アウタスリーブ3はアンカー軸2に嵌まった状態で、展開片31の先端は拡径部20の基端部に位置して、展開片31は未だ展開しない。この状態を第1状態とする。
図2は、コンクリート壁面85に穿設した取付け孔8の断面図である。取付け孔8は壁面85に開口を向けた細孔80と、該細孔80の奥部に形成された拡径孔部81とを備えている。細孔80の径Dは、拡径部20の最大径及びアウタスリーブ3の外径D1と同程度に形成されており、これにより、アウタスリーブ3とアンカー軸2とは第1状態で、拡径部20とアウタスリーブ3は細孔80に挿入され得る。
拡径孔部81はアンカー軸2の拡径部20に対応した形状であり、その最大径D2は、拡径部20の最大径の両側に展開片31の厚みを加えた大きさに略等しい。取付け孔8の形状は従来と同じであり、該取付け孔8の形成方法も周知であるから、ここでは説明を省く。
拡径孔部81はアンカー軸2の拡径部20に対応した形状であり、その最大径D2は、拡径部20の最大径の両側に展開片31の厚みを加えた大きさに略等しい。取付け孔8の形状は従来と同じであり、該取付け孔8の形成方法も周知であるから、ここでは説明を省く。
(アンカーボルトの取付け孔への取り付け)
アンカーボルト1を組み立てて、これを取付け孔8へ取り付けるには、以下の手順で行う。先ず、展開片31の先端が拡径部20の基端部に位置する(前記の第1状態)まで、アンカー軸2にアウタスリーブ3を挿入する。アウタスリーブ3の内面がアンカー軸2の外面に摩擦を以て接する。これにより、図3に示すように、アンカーボルト1が完成する。
次に、このアンカーボルト1を図3に一点鎖線で示す取付け孔8内に挿入方向Fに沿って挿入する。アンカーボルト1をアウタスリーブ3の外面と細孔80の周壁との摩擦に抗して挿入する。拡径部20の先端面が拡径孔部81の奥面に当接すると、アンカー軸2はそれ以上挿入されることができず、挿入完了状態となる。
アンカーボルト1を組み立てて、これを取付け孔8へ取り付けるには、以下の手順で行う。先ず、展開片31の先端が拡径部20の基端部に位置する(前記の第1状態)まで、アンカー軸2にアウタスリーブ3を挿入する。アウタスリーブ3の内面がアンカー軸2の外面に摩擦を以て接する。これにより、図3に示すように、アンカーボルト1が完成する。
次に、このアンカーボルト1を図3に一点鎖線で示す取付け孔8内に挿入方向Fに沿って挿入する。アンカーボルト1をアウタスリーブ3の外面と細孔80の周壁との摩擦に抗して挿入する。拡径部20の先端面が拡径孔部81の奥面に当接すると、アンカー軸2はそれ以上挿入されることができず、挿入完了状態となる。
次に、図4に示すように、ハンマー(図示せず)等にて、壁面85の外側からアウタスリーブ3の端面3aを殴打して、該アウタスリーブ3だけを拡径孔部81に向けて挿入方向Fに押し込む。しかし、依然としてアウタスリーブ3の内面とアンカー軸2の外面とは摩擦を以て接するから、アンカー軸2とアウタスリーブ3とは、軸線Lを中心とした回転方向に固定されている。また、アウタスリーブ3の外面は取付け孔8の内面に緊密に嵌まっている。
展開片31は拡径部20の外周面に沿って薄肉連結部32を支点として外向きに広がり、展開される。この状態を第2状態とする。これにより、拡径孔部81と拡径部20の隙間は、展開片31によって埋められ、第2状態にてアンカー軸2ひいてはアンカーボルト1は取付け孔8から抜け出ることが防止される。ボルト軸21にナット(図示せず)を螺合させて、所望の物体をアンカーボルト1に取り付けることが出来る。
展開片31は拡径部20の外周面に沿って薄肉連結部32を支点として外向きに広がり、展開される。この状態を第2状態とする。これにより、拡径孔部81と拡径部20の隙間は、展開片31によって埋められ、第2状態にてアンカー軸2ひいてはアンカーボルト1は取付け孔8から抜け出ることが防止される。ボルト軸21にナット(図示せず)を螺合させて、所望の物体をアンカーボルト1に取り付けることが出来る。
このように取付け孔8へ取り付けたアンカーボルト1を、何らかの都合で取付け孔8から引き抜きたい場合がある。また、アウタスリーブ3が正しく殴打されず、アウタスリーブ3の一部が壁面85から突出した状態となる場合がある。この場合も、アンカーボルト1を取付け孔8から引き抜く必要がある。つまり、アウタスリーブ3の周囲に空間が無い状態から、アウタスリーブ3を引き抜く必要がある場合がある。
発明者はこの点に鑑みて、前記の如く、アウタスリーブ3を取付け孔8から引き抜く引き抜き具を着想した。
発明者はこの点に鑑みて、前記の如く、アウタスリーブ3を取付け孔8から引き抜く引き抜き具を着想した。
(第1実施形態)
図5は、引き抜き具4の正面図、図6は、該引き抜き具4の分解断面図である。引き抜き具4は、軸心L1を有するネジ軸である支持軸40と、一部の内面が支持軸40に螺合し、外周面にネジ面を形成した筒体5と、内面が筒体5に螺合し、先端部にカム面60を形成したスライド部材6とを備えて構成される。筒体5とスライド部材6とは、軸心L1と同軸に形成されている。
筒体5の内面は、支持軸40に螺合するネジ孔52と、アンカー軸2のボルト軸21に被さる非ネジ孔53とが一直線上に配置されるように形成される(図6参照)。
図5は、引き抜き具4の正面図、図6は、該引き抜き具4の分解断面図である。引き抜き具4は、軸心L1を有するネジ軸である支持軸40と、一部の内面が支持軸40に螺合し、外周面にネジ面を形成した筒体5と、内面が筒体5に螺合し、先端部にカム面60を形成したスライド部材6とを備えて構成される。筒体5とスライド部材6とは、軸心L1と同軸に形成されている。
筒体5の内面は、支持軸40に螺合するネジ孔52と、アンカー軸2のボルト軸21に被さる非ネジ孔53とが一直線上に配置されるように形成される(図6参照)。
筒体5の先端部には大径部50が形成され、該大径部50には複数、図5では2つの挟持片7が枢軸51を中心として、軸心L1を含む平面内を回動可能に取り付けられている。各挟持片7は先端部が大径部50よりも外側に位置しており、他端部がカム面60に接している。後記の如く、2つの挟持片7の先端部が、アウタスリーブ3の一端部を挟持して、取付け孔8から引き抜く。以下の記載では、引き抜き具4にて挟持片7の先端部が位置する側の端部を、アウタスリーブ側の端部とする。
筒体5とスライド部材6とが軸心L1を中心とする回転を規制された状態で、支持軸40を回転させると、筒体5とスライド部材6とが支持軸40に沿って移動する。支持軸40のアウタスリーブ側とは反対側の端部には、ボルト41が螺合しており、支持軸40を回転させる際にはボルト41を回す。また、ボルト41は筒体5とスライド部材6とがアウタスリーブ側とは反対側の端部に移動し過ぎることを防ぐストッパの役目も有する。
カム面60はスライド部材6の先端部に向かって縮径する斜面であり、スライド部材6が軸心L1を中心として回転し、挟持片7から離れるようにスライドすると、2つの挟持片7は互いの先端部が離間するように回動する。これを第1の位置とする。この第1の位置では、挟持片7はアウタスリーブ3の周面から外側に離れた位置にある。スライド部材6が軸心L1を中心として回転し、挟持片7に向かって進むと、2つの挟持片7はカム面60に押されて互いの先端部が接近するように回動する。これを第2の位置とする。第2の位置にて、2つの挟持片7はアウタスリーブ3の一端部を挟持する。
(アウタスリーブの引き抜き手順)
引き抜き具4を用いて、取付け孔8からアウタスリーブ3を引き抜くには、図7(a)〜(e)に示す手順で行う。アンカーボルト1は当初図4に示す如く、取付け孔8に正しく嵌められており、この状態では、アウタスリーブ3は取付け孔8から外向きに抜け出ることが防止されるだけでなく、取付け孔8の内壁に接して軸線Lを中心とした回転が規制される。
引き抜き具4を用いて、取付け孔8からアウタスリーブ3を引き抜くには、図7(a)〜(e)に示す手順で行う。アンカーボルト1は当初図4に示す如く、取付け孔8に正しく嵌められており、この状態では、アウタスリーブ3は取付け孔8から外向きに抜け出ることが防止されるだけでなく、取付け孔8の内壁に接して軸線Lを中心とした回転が規制される。
図7(a)に示すように、座掘り用具9にて、アウタスリーブ3周りの壁面85を環状に切削して、該アウタスリーブ3周りに環状溝86を開設する。次に、図7(b)に示すように、カム面60の先端が挟持片7の他端部に接した状態で、挟持片7の先端部が環状溝86に入るように、引き抜き具4を配置する。この状態で、支持軸40の軸心L1はアウタスリーブ3の軸線Lと一直線上に位置する。
図7(c)に示すように、スライド部材6を手で回転させて、アウタスリーブ側の端部に進める。挟持片7はカム面60によって互いに接近するように枢軸51を中心に回動し、先端部が環状溝86内のアウタスリーブ3の一端部を挟持する。
図7(c)に示すように、スライド部材6を手で回転させて、アウタスリーブ側の端部に進める。挟持片7はカム面60によって互いに接近するように枢軸51を中心に回動し、先端部が環状溝86内のアウタスリーブ3の一端部を挟持する。
次に、ボルト41を支持軸40とともに回転させる。挟持片7は取付け孔8内に緊密に嵌まったアウタスリーブ3を挟持しているから、支持軸40が回転しても、挟持片7が取り付けられた筒体5は回転しない。従って、図7(d)に示すように、筒体5及び筒体5に螺合したスライド部材6は、挟持片7がアウタスリーブ3を挟持したまま、ボルト41に向かって移動する。図7(e)に示すように、アンカー軸2からアウタスリーブ3が外される。筒体5はボルト41に接するまで、スライドする。取付け孔8内には、アンカー軸2が残され、これは手で簡単に取り出すことが出来る。
上記では、取付け孔8に正しく嵌められたアンカーボルト1のアウタスリーブ3を引き抜く動作を説明したが、引き抜き具4は取付け孔8に正しく嵌められていないアウタスリーブ3を引き抜くことも出来る。
図8(a)は、アウタスリーブ3が取付け孔8の奥部まで完全に殴打されない状態のアンカーボルト1を示している。この場合は、アウタスリーブ3は一端部が壁面85から突出しているから、座掘り用具9にて環状溝86を開設する必要はない。図8(b)に示すように、支持軸40の軸心L1がアウタスリーブ3の軸線Lと一直線上に位置するように、引き抜き具4を配置する。スライド部材6を手で回転させて、アウタスリーブ側の端部に進め、カム面60にて挟持片7を回転させ、2つの挟持片7にてアウタスリーブ3の一端部を挟持させる。支持軸40を回転させると、前記と同様に、筒体5及び筒体5に螺合したスライド部材6は、挟持片7がアウタスリーブ3を挟持したまま、ボルト41に向かって移動する。図8(c)に示すように、アンカー軸2からアウタスリーブ3が外される。
図8(a)は、アウタスリーブ3が取付け孔8の奥部まで完全に殴打されない状態のアンカーボルト1を示している。この場合は、アウタスリーブ3は一端部が壁面85から突出しているから、座掘り用具9にて環状溝86を開設する必要はない。図8(b)に示すように、支持軸40の軸心L1がアウタスリーブ3の軸線Lと一直線上に位置するように、引き抜き具4を配置する。スライド部材6を手で回転させて、アウタスリーブ側の端部に進め、カム面60にて挟持片7を回転させ、2つの挟持片7にてアウタスリーブ3の一端部を挟持させる。支持軸40を回転させると、前記と同様に、筒体5及び筒体5に螺合したスライド部材6は、挟持片7がアウタスリーブ3を挟持したまま、ボルト41に向かって移動する。図8(c)に示すように、アンカー軸2からアウタスリーブ3が外される。
上記ではアウタスリーブ3は取付け孔8の周面に緊密に嵌まって軸線Lを中心として回転が規制されているとした。しかし、図7(e)に示す取付け孔8からアウタスリーブ3を引き出す手前では、アウタスリーブ3と取付け孔8の周面との接触面積が小さくなるから、アウタスリーブ3が回転し易くなる。その結果、支持軸40の回転に伴って、筒体5及びスライド部材6が回転し、挟持片7がアウタスリーブ3を引き出すことが出来なくなる虞がある。また、アウタスリーブ3の外周面と取付け孔8の周面との間に隙間がある場合も、筒体5及びスライド部材6が回転し、挟持片7がアウタスリーブ3を引き出すことが出来なくなる虞がある。
この対策として、図9に示すように、筒体5の大径部50の周面の一部に、平坦な係合面54を形成している。支持軸40の回転に伴って、筒体5及びスライド部材6が回転し始めると、係合面54にスパナ等の治具95を嵌めて筒体5の回転を規制する。この結果、支持軸40を回転させると、筒体5及びスライド部材6が支持軸40に沿って移動し、アウタスリーブ3を引き出すことが出来る。
この対策として、図9に示すように、筒体5の大径部50の周面の一部に、平坦な係合面54を形成している。支持軸40の回転に伴って、筒体5及びスライド部材6が回転し始めると、係合面54にスパナ等の治具95を嵌めて筒体5の回転を規制する。この結果、支持軸40を回転させると、筒体5及びスライド部材6が支持軸40に沿って移動し、アウタスリーブ3を引き出すことが出来る。
本実施形態に係る引き抜き具4にあっては、支持軸40の軸心をアウタスリーブ3の軸線と一直線上に配置した状態で、スライド部材6をスライドさせると、複数の挟持片7はアウタスリーブ3の周面から離れた第1の位置と、アウタスリーブ3の周面を挟持する第2の位置との間にて回動する。この第2の位置にて、挟持片7がアウタスリーブ3の周面を挟持した状態で、支持軸40を回転させて筒体5を壁面85から離れる向きにスライドさせると、アウタスリーブ3は壁面85から引き抜かれる。これにより、周囲に空間が無いアウタスリーブ3であっても、挟持片7がアウタスリーブ3の一端部を挟持すれば、アウタスリーブ3を壁面85から引き抜くことが出来る。
上記実施形態では、挟持片7がアウタスリーブ3の一端部を挟持した状態で、支持軸40を回転させて、アウタスリーブ3を引き出すとした。しかし、図7(c)に示すように、挟持片7がアウタスリーブ3の一端部を挟持した状態で、そのまま引き抜き具4を壁面85から離間する方向に動かして、アウタスリーブ3を引き出してもよい。また、スライド部材6は筒体5に螺合してスライドするとしたが、これに限らず、軸心L1に沿ってスライドする構成であればよい。
また、図7及び図8では、壁面85を図内にて下側に記載しているが、この種のアンカーボルト1は天井壁に取り付けることが多い。更に、挟持片7は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
更に、挟持片7はアウタスリーブ3に点接触して挟持力を高めるべく、図6に示すように、挟持片7の先端部内側にアウタスリーブ3に接する突起70を設けてもよい。
また、図7及び図8では、壁面85を図内にて下側に記載しているが、この種のアンカーボルト1は天井壁に取り付けることが多い。更に、挟持片7は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
更に、挟持片7はアウタスリーブ3に点接触して挟持力を高めるべく、図6に示すように、挟持片7の先端部内側にアウタスリーブ3に接する突起70を設けてもよい。
(第2実施形態)
本実施形態にあっては、アウタスリーブ3の周面上に予め引掛け溝38(図11参照)を形成し、この引掛け溝38を利用して壁面85からアウタスリーブ3を引き抜く引き抜き具4を開示する。
図10は、該引き抜き具4の正面図である。引き抜き具4は、軸心L1を有するネジ軸である支持軸40と、一部の内面が支持軸40に螺合し、外周面にネジ面を形成した筒体5と、内面が筒体5に螺合し、先端部にカム面60を形成したスライド部材6とを備えて構成される。筒体5とスライド部材6とは、軸心L1と同軸に形成されている。即ち、支持軸40と筒体5とスライド部材6は、図5に示す構成と同じである。支持軸40のアウタスリーブ側とは反対側の端部には、ボルト41が螺合している。
筒体5の大径部50には複数、図10では2つの引掛け片100が枢軸51を中心として、軸心L1を含む平面内を回動可能に取り付けられている。各引掛け片100は先端部が大径部50よりも外側に位置しており、他端部がカム面60に接している。引掛け片100の先端部は内向きに突出した爪片110を有し、該爪片110がアウタスリーブ3の引掛け溝38に引掛る。
本実施形態にあっては、アウタスリーブ3の周面上に予め引掛け溝38(図11参照)を形成し、この引掛け溝38を利用して壁面85からアウタスリーブ3を引き抜く引き抜き具4を開示する。
図10は、該引き抜き具4の正面図である。引き抜き具4は、軸心L1を有するネジ軸である支持軸40と、一部の内面が支持軸40に螺合し、外周面にネジ面を形成した筒体5と、内面が筒体5に螺合し、先端部にカム面60を形成したスライド部材6とを備えて構成される。筒体5とスライド部材6とは、軸心L1と同軸に形成されている。即ち、支持軸40と筒体5とスライド部材6は、図5に示す構成と同じである。支持軸40のアウタスリーブ側とは反対側の端部には、ボルト41が螺合している。
筒体5の大径部50には複数、図10では2つの引掛け片100が枢軸51を中心として、軸心L1を含む平面内を回動可能に取り付けられている。各引掛け片100は先端部が大径部50よりも外側に位置しており、他端部がカム面60に接している。引掛け片100の先端部は内向きに突出した爪片110を有し、該爪片110がアウタスリーブ3の引掛け溝38に引掛る。
スライド部材6が軸心L1を中心として回転し、引掛け片100から離れるようにスライドすると、2つの引掛け片100は互いの爪片110が離間するように回動する。これを第1の位置とする。この第1の位置では爪片110は引掛け溝38の外側に離れた位置にある。スライド部材6が軸心L1を中心として回転し、引掛け片100に向かって進むと、2つの引掛け片100はカム面60に押されて、互いの爪片110が接近するように回動する。これを第2の位置とする。第2の位置にて、2つの爪片110はアウタスリーブ3の引掛け溝38に引掛る。
引き抜き具4を用いて、取付け孔8からアウタスリーブ3を引き抜くには、図11(a)〜(e)に示す手順で行う。アンカーボルト1は当初図11(a)に示す如く、取付け孔8に正しく嵌められている。
図11(b)及び(c)に示すように、座掘り用具9にて、アウタスリーブ3周りの壁面85を環状に切削して、該アウタスリーブ3周りに環状溝86を開設する。
環状溝86の底部は引掛け溝38よりも、壁面85の奥側に位置する。
次に、図11(d)に示すように、カム面60の先端が引掛け片100の他端部に接した状態で、爪片110が環状溝86に入るように、引き抜き具4を配置する。この状態で、支持軸40の軸心L1はアウタスリーブ3の軸線Lと一直線上に位置する。
スライド部材6を手で回転させて、アウタスリーブ側の端部に進める。引掛け片100はカム面60によって爪片110が互いに接近するように枢軸51を中心に回動し、爪片110が環状溝86内の引掛け溝38に引掛る。
図11(b)及び(c)に示すように、座掘り用具9にて、アウタスリーブ3周りの壁面85を環状に切削して、該アウタスリーブ3周りに環状溝86を開設する。
環状溝86の底部は引掛け溝38よりも、壁面85の奥側に位置する。
次に、図11(d)に示すように、カム面60の先端が引掛け片100の他端部に接した状態で、爪片110が環状溝86に入るように、引き抜き具4を配置する。この状態で、支持軸40の軸心L1はアウタスリーブ3の軸線Lと一直線上に位置する。
スライド部材6を手で回転させて、アウタスリーブ側の端部に進める。引掛け片100はカム面60によって爪片110が互いに接近するように枢軸51を中心に回動し、爪片110が環状溝86内の引掛け溝38に引掛る。
次に、ボルト41を支持軸40とともに回転させる。爪片110が引掛け溝38に引掛かり、アウタスリーブ3は回転しないから、支持軸40が回転しても、引掛け片100が取り付けられた筒体5は回転しない。従って、図11(e)に示すように、筒体5及び筒体5に螺合したスライド部材6は、爪片110が引掛け溝38に引掛かったまま、ボルト41に向かって移動する。図11(e)に示すように、アンカー軸2からアウタスリーブ3が外される。筒体5はボルト41に接するまで、スライドする。取付け孔8内には、アンカー軸2が残され、これは手で簡単に取り出すことが出来る。
本発明は、壁に装着されたアンカーボルトのアウタスリーブを壁から引き抜く際に使用される引き抜き具に適用すると有用である。
1 アンカーボルト
3 アウタスリーブ
4 引き抜き具
5 筒体
6 スライド部材
7 挟持片
8 取付け孔
40 支持軸
50 大径部
3 アウタスリーブ
4 引き抜き具
5 筒体
6 スライド部材
7 挟持片
8 取付け孔
40 支持軸
50 大径部
Claims (4)
- 引き抜き対象物に嵌まった軸体を該引き抜き対象物から引き抜くための引き抜き具であって、
軸心が前記軸体の軸線と一直線上に配置される筒体と、
該軸心の周囲にて、該軸心を含む平面内を回動可能に取り付けられ、先端部が前記軸体の周面を挟持可能な複数の挟持片と、
前記筒体にスライド可能に嵌まり、一端部が前記挟持片の他端部に接するカム面を設けたスライド部材とを備え、
前記カム面は前記スライド部材のスライド動作に伴って、複数の挟持片を軸体の周面から離れた第1の位置と、軸体の周面を挟持する第2の位置との間にて回動させる、引き抜き具。 - 前記筒体の内面と外面はネジ面を形成し、該筒体の内面には該筒体と同軸に配置される支持軸が螺合し、前記スライド部材は内面が前記筒体の外面に螺合し、
前記スライド部材を回転させることによって前記スライド部材はスライド動作を行い、
前記支持軸を回転させることにより、前記挟持片が前記筒体及びスライド部材とともに、引き抜き対象物に対し接近離間する方向に移動する、請求項1に記載の引き抜き具。 - 前記スライド部材のカム面が、複数の挟持片を第2の位置に回動させた状態で、前記支持軸を回転させることにより、軸体を挟持すべき位置にある前記挟持片が前記筒体及びスライド部材とともに、引き抜き対象物から離間する方向に移動する、請求項2に記載の引き抜き具。
- 引き抜き対象物に嵌まり、周面の所定箇所に引掛け溝を形成した軸体を該引き抜き対象物から引き抜くための引き抜き具であって、
軸心が前記軸体の軸線と一直線上に配置される筒体と、
該軸心の周囲にて、該軸心を含む平面内を回動可能に取り付けられ、先端部に前記軸体の引掛け溝に引掛る爪片を有する複数の引掛け片と、
前記筒体にスライド可能に嵌まり、一端部が前記引掛け片の他端部に接するカム面を設けたスライド部材とを備え、
前記カム面は前記スライド部材のスライド動作に伴って、複数の引掛け片を前記爪片が軸体の引掛け溝から離れた第1の位置と、前記爪片が軸体の引掛け溝に引掛る第2の位置との間にて回動させる、引き抜き具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015065656A JP2016185569A (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | 引き抜き具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015065656A JP2016185569A (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | 引き抜き具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016185569A true JP2016185569A (ja) | 2016-10-27 |
Family
ID=57202461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015065656A Pending JP2016185569A (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | 引き抜き具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016185569A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017047484A (ja) * | 2015-08-31 | 2017-03-09 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | 軸取付部材抜き工具用補助具 |
CN111960260A (zh) * | 2020-07-31 | 2020-11-20 | 清华大学 | 吊装工具 |
-
2015
- 2015-03-27 JP JP2015065656A patent/JP2016185569A/ja active Pending
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CN111960260A (zh) * | 2020-07-31 | 2020-11-20 | 清华大学 | 吊装工具 |
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