JP2016184907A - 電波発信器、移動型端末、無線通信システム、無線通信プログラム及び無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スマートフォン等の移動型端末とビーコンとの間で通信を行う場合において、インターネットに接続することなくビーコンの不適切な利用を防止できるようにすることである。【解決手段】実施形態に係る電波発信器は、記憶装置と発信部とを備える。記憶装置は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を記憶する。発信部は、前記暗号化された情報を電波信号として発信する。【選択図】 図3
Description
本発明の実施形態は、電波発信器、移動型端末、無線通信システム、無線通信プログラム及び無線通信方法に関する。
従来、無線により情報を発信する装置としてビーコン(無線標識)が知られている。ビーコンは、情報を電波として発信する電波発信器である。近年では、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)ビーコンと呼ばれる電池で長期間利用可能なビーコンが登場しており、情報を近距離無線通信規格のデータとして発信することができる。このため、ビーコンを利用してスマートフォン等の携帯電話器に情報を発信するサービスも提供されている。
ビーコンを利用した通信では、ビーコンの無断設置、ビーコンに記録された情報の改ざん、ビーコンに記録された情報の不正なコピー及びビーコンの意図しない移動等の不正を防止することが重要である。そこで、ビーコンに記録される情報を暗号化し、認証局とスマートフォンとの間において無線LAN(local area network)を利用した電子認証を行うことにより、ビーコンの不正利用を防止する技術が提案されている(例えば非特許文献1参照)。
この技術によれば、スマートフォンがビーコンから受信したビーコンの識別情報を、スマートフォンの全地球測位網(GPS:Global Positioning System)受信機能を利用して検出したスマートフォンの位置情報とともに認証局に送信し、認証局に予め登録されたビーコンの位置とスマートフォンの位置との間の距離を測定することにより認証を行うことができる。すなわち、ビーコンの登録位置とスマートフォンの位置との間における距離が大きければ認証に失敗するように電子認証システムが構築されている。このため、認証局に登録されたビーコンの位置にスマートフォンが十分に接近しなければビーコンが発信する情報を復号化することができない。これにより、様々なビーコンの不正利用を防止することができる。
株式会社アプリックス「アプリックス電子認証サービスによる成りすましの防止」、[online]、[2015年3月17日検索]、インターネット<URL:http://www.aplix.co.jp/?page_id=9660>
しかしながら従来のインターネットを利用した認証局による電子認証を行うためには、スマートフォンがインターネットに接続できる環境にあることが必須となる。このため、無線LANの電波が届かない山岳地域等でスマートフォンを携帯する場合やインターネット接続サービスを受けていないスマートフォンを携帯する場合には、認証局による電子認証を受けることができない。
一方、ビーコンから発信される情報にビーコンの位置情報を含めるという方法も考えられるが、ビーコンに記録された情報の改ざんを防止することが困難である。
そこで本発明は、スマートフォン等の移動型端末とビーコンとの間で通信を行う場合において、インターネットに接続することなくビーコンの不適切な利用を防止できるようにすることを目的とする。
本発明の実施形態に係る電波発信器は、記憶装置と発信部とを備える。記憶装置は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を記憶する。発信部は、前記暗号化された情報を電波信号として発信する。
また、本発明の実施形態に係る電波発信器は、記憶装置、暗号化処理部及び発信部を備える。記憶装置は、発信対象となる情報を記憶する。暗号化処理部は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして前記情報を暗号化する。発信部は、前記暗号化された情報を電波信号として発信する。
また、本発明の実施形態に係る無線通信プログラムは、アンテナを備えたコンピュータを、暗号化処理部及び情報記録部として機能させる。暗号化処理部は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして、電波発信器に記録すべき情報を暗号化する。情報記録部は、前記暗号化された情報を前記アンテナから発信して前記電波発信器に書込む。
また、本発明の実施形態に係る無線通信プログラムは、移動型端末を、受信部、位置検出部、復号化処理部及び情報表示部として機能させる。受信部は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を電波発信器から受信する。位置検出部は、前記移動型端末の現在の位置を検出する。復号化処理部は、前記位置検出部により検出された位置をパラメータとする前記演算によって得られる値を復号キーとして前記暗号化された情報の復号化を試行する。情報表示部は、前記復号化に成功した場合には復号化された情報に対応する情報を表示装置に出力する。
また、本発明の実施形態に係る移動型端末は、電波発信器から発信される情報を受信する移動型端末であって、受信部、位置検出部、復号化処理部及び情報表示部を備える。受信部は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を前記電波発信器から受信する。位置検出部は、前記移動型端末の現在の位置を検出する。復号化処理部は、前記位置検出部により検出された位置をパラメータとする前記演算によって得られる値を復号キーとして前記暗号化された情報の復号化を試行する。情報表示部は、前記復号化に成功した場合には復号化された情報に対応する情報を表示装置に出力する。
また、本発明の実施形態に係る無線通信システムは、電波発信器及び移動型端末を備えた無線通信システムであって、前記電波発信器は、記憶装置と発信部とを有する。記憶装置は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を記憶する。発信部は、前記暗号化された情報を電波信号として発信する。前記移動型端末は、受信部、位置検出部、復号化処理部及び情報表示部を有する。受信部は、前記暗号化された情報を前記電波発信器から受信する。位置検出部は、前記移動型端末の現在の位置を検出する。復号化処理部は、前記位置検出部により検出された位置をパラメータとする前記演算によって得られる値を復号キーとして前記暗号化された情報の復号化を試行する。情報表示部は、前記復号化に成功した場合には復号化された情報に対応する情報を表示装置に出力する。
また、本発明の実施形態に係る無線通信方法は、発信対象となる情報を、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化して電波発信器から発信するものである。
また、本発明の実施形態に係る電波発信器は、記憶装置、暗号化処理部及び発信部を備える。記憶装置は、発信対象となる情報を記憶する。暗号化処理部は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして前記情報を暗号化する。発信部は、前記暗号化された情報を電波信号として発信する。
また、本発明の実施形態に係る無線通信プログラムは、アンテナを備えたコンピュータを、暗号化処理部及び情報記録部として機能させる。暗号化処理部は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして、電波発信器に記録すべき情報を暗号化する。情報記録部は、前記暗号化された情報を前記アンテナから発信して前記電波発信器に書込む。
また、本発明の実施形態に係る無線通信プログラムは、移動型端末を、受信部、位置検出部、復号化処理部及び情報表示部として機能させる。受信部は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を電波発信器から受信する。位置検出部は、前記移動型端末の現在の位置を検出する。復号化処理部は、前記位置検出部により検出された位置をパラメータとする前記演算によって得られる値を復号キーとして前記暗号化された情報の復号化を試行する。情報表示部は、前記復号化に成功した場合には復号化された情報に対応する情報を表示装置に出力する。
また、本発明の実施形態に係る移動型端末は、電波発信器から発信される情報を受信する移動型端末であって、受信部、位置検出部、復号化処理部及び情報表示部を備える。受信部は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を前記電波発信器から受信する。位置検出部は、前記移動型端末の現在の位置を検出する。復号化処理部は、前記位置検出部により検出された位置をパラメータとする前記演算によって得られる値を復号キーとして前記暗号化された情報の復号化を試行する。情報表示部は、前記復号化に成功した場合には復号化された情報に対応する情報を表示装置に出力する。
また、本発明の実施形態に係る無線通信システムは、電波発信器及び移動型端末を備えた無線通信システムであって、前記電波発信器は、記憶装置と発信部とを有する。記憶装置は、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を記憶する。発信部は、前記暗号化された情報を電波信号として発信する。前記移動型端末は、受信部、位置検出部、復号化処理部及び情報表示部を有する。受信部は、前記暗号化された情報を前記電波発信器から受信する。位置検出部は、前記移動型端末の現在の位置を検出する。復号化処理部は、前記位置検出部により検出された位置をパラメータとする前記演算によって得られる値を復号キーとして前記暗号化された情報の復号化を試行する。情報表示部は、前記復号化に成功した場合には復号化された情報に対応する情報を表示装置に出力する。
また、本発明の実施形態に係る無線通信方法は、発信対象となる情報を、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化して電波発信器から発信するものである。
本発明の実施形態に係る電波発信器、移動型端末、無線通信システム、無線通信プログラム及び無線通信方法について添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(構成及び機能)
図1は本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの機能ブロック図である。
(構成及び機能)
図1は本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの機能ブロック図である。
無線通信システム1は、所定の位置に設置された電波発信器としての電波ビーコン2から電波信号として発信される識別(ID)情報を移動型端末3で受信し、移動型端末3側において電波ビーコン2から受信したID情報に対応するメッセージ等の情報を表示させるシステムである。そのために、無線通信システム1は、電波ビーコン2、移動型端末3及び情報記録端末4を有する。
電波ビーコン2は、情報を記憶する記憶装置5及び情報を発信する発信部6を有する。発信部6は、信号処理部6A及びアンテナ6Bを用いて構成することができる。信号処理部6Aは、記憶装置5に記憶された情報を所定の発信間隔でBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格の電気信号に変換してアンテナ6Bに出力する回路である。これにより、アンテナ6Bからは、記憶装置5の記憶された情報が所定の発信間隔で無線信号(電波)として発信される。典型的な電波ビーコン2における情報の発信間隔は、10msから10s程度である。
電波ビーコン2の記憶装置5に記憶される情報は標準化されており、汎用固有識別子(UUID:Universally Unique Identifier)、Major(メジャー)値及びMinor(マイナー)値が記憶装置5に記憶される。UUIDは、電波ビーコン2を識別するためのID情報である。従って、UUIDは必ず記憶装置5に記憶される。また、記憶装置5の記憶容量の範囲内において、任意の情報を追加的に記憶させることもできる。従って、電波ビーコン2の記憶装置5に位置情報として緯度及び経度を記憶させることもできる。
電波ビーコン2から発信される情報には、少なくともUUIDが含まれ、他の情報を電波ビーコン2から発信される情報に含めるか否かは電波ビーコン2のユーザが任意に設定することができる。例えば、Major値又はMinor値を複数の値に設定して電波ビーコン2から発信される情報に含めれば、同一のUUIDを記憶した複数の電波ビーコン2が設置された場合であっても、Major値又はMinor値によって電波ビーコン2を識別することができる。このため、同一のユーザが複数の電波ビーコン2を異なる位置に設置した場合や、同一の建物又はエリアに複数の電波ビーコン2が設置された場合には、同一のUUIDを複数の電波ビーコン2に記憶させ、Major値及びMinor値の少なくとも一方を変えることによって複数の電波ビーコン2を識別することができる。
また、発信部6には、無線信号に指向性を持たせて所定の領域に無線信号を発信する機能を設けてもよい。その場合には、単一の電波ビーコン2から複数の領域に独立して無線信号を発信することが可能となる。単一の電波ビーコン2から複数の領域に独立して無線信号を発信する方法としては指向性アンテナを用いる方法などが知られている。単一の電波ビーコン2から複数の領域に無線信号を発信する場合には、複数の領域に同一の無線信号を発信することもできるし、異なる無線信号を発信することもできる。従って、単一の電波ビーコン2から異なる複数の無線信号を発信する場合においても、各無線信号をMajor値又はMinor値等によって識別することができる。
情報記録端末4は、UUIDを含む情報を作成して電波ビーコン2に書込むための端末である。すなわち、電波ビーコン2の記憶装置5に記憶される情報は、電波ビーコン2のユーザが情報記録端末4を用いて作成することができる。情報記録端末4において作成された情報は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格のデータとして無線通信によって電波ビーコン2の記憶装置5に書込むことができる。
情報記録端末4は、電波ビーコン2に情報を記録する際に用いられるため、必ずしもスマートフォンのような携帯型の端末である必要はない。すなわち、電波ビーコン2を新たに設置する場合には、電波ビーコン2を設置する前に情報記録端末4で情報を記録しておくことができる。但し、設置後の電波ビーコン2に記録された情報を更新するために、スマートフォンやタブレット型端末のように携帯型の端末を情報記録端末4として用いることが利便性の向上に繋がる。
情報記録端末4は、情報を作成して電波ビーコン2の記憶装置5に書込むための専用のアプリケーションソフトウェアを、スマートフォンやタブレット型端末等の入力装置7A、表示装置7B、記憶装置7C及びアンテナ7Dを有するコンピュータ7の演算装置7Eに読込ませることによって構築することができる。具体的には、情報記録端末4は、演算装置7Eに情報の書込み用の無線通信プログラムを読込ませることによって情報作成部8、暗号化処理部9及び情報記録部10として機能する。尚、コンピュータ7は回路の一種である電子回路によって構成されるため、情報作成部8、暗号化処理部9及び情報記録部10は、回路によって構成することができると言うこともできる。
コンピュータ7を情報作成部8、暗号化処理部9及び情報記録部10として機能させる情報の書込み用の無線通信プログラムは、プログラムプロダクトとして電波ビーコン2のユーザに提供することができる。例えば、インターネット等のネットワーク経由で情報の書込み用の無線通信プログラムをコンピュータ7にダウンロードできようにしても良いし、情報の書込み用の無線通信プログラムを情報記録媒体に記録して電波ビーコン2のユーザに提供するようにしても良い。
情報作成部8は、表示装置7Bに表示させた設定画面を通じた入力装置7Aの操作によって、電波ビーコン2に記録すべきUUID等の情報を作成する機能を有する。尚、電波ビーコン2に簡易なメッセージも記録する場合には、メッセージを作成することもできる。更に、情報作成部8では、電波ビーコン2に記録する情報とは別に、電波ビーコン2から発信される電波を受信した移動型端末3に表示させるべきメッセージ等の情報を作成することができる。作成されたメッセージ等の情報は、情報の書込み用の無線通信プログラムに対応して準備される情報の読出し用の無線通信プログラムの提供者に提供される。
暗号化処理部9は、情報作成部8において作成された情報を暗号キーを用いて暗号化する機能を有する。すなわち、電波ビーコン2の記憶装置5に記憶される情報は、情報記録端末4において予め暗号化される。電波ビーコン2に記録すべき情報の暗号化に用いられる暗号キーは、電波ビーコン2が設置される予定となっている正規の位置或いは既に電波ビーコン2が設置された正規の位置に基づいて作成される。
情報記録部10は、暗号化処理部9において暗号化された情報をアンテナ7Dから発信して電波ビーコン2に書込む機能を有する。従って、電波ビーコン2の記憶装置5には、暗号化された情報が記憶され、電波ビーコン2の発信部6からは暗号化された情報が電波信号として発信される。
一方、移動型端末3は、電波ビーコン2から発信される情報を受信するための端末である。従って、移動型端末3としては、ノートパソコン、スマートフォン等の携帯電話器、カーナビゲーションシステム等の車載端末、タブレット型端末等の、移動型端末3のユーザと共に移動することが可能な端末を用いることができる。
移動型端末3にも、電波ビーコン2から発信される情報を受信して情報を表示するための専用のアプリケーションソフトウェアが予めインストールされる。すなわち、移動型端末3は、スマートフォンやタブレット型端末等の入力装置11A、表示装置11B、記憶装置11C及びアンテナ11Dを有するコンピュータ11の演算装置11Eに、情報の読出し用の無線通信プログラムを読込ませることによって構築することができる。
具体的には、移動型端末3は、内蔵するコンピュータ11の演算装置11Eに情報の読出し用の無線通信プログラムを読込ませることによって受信部12、位置検出部13、復号化処理部14及び情報表示部15として機能する。尚、コンピュータ11は回路の一種である電子回路によって構成されるため、受信部12、位置検出部13、復号化処理部14及び情報表示部15は、回路によって構成することができると言うこともできる。
移動型端末3に内蔵されるコンピュータ11を受信部12、位置検出部13、復号化処理部14及び情報表示部15として機能させる情報の読出し用の無線通信プログラムは、プログラムプロダクトとして移動型端末3のユーザに提供することができる。例えば、インターネット等のネットワーク経由で情報の読出し用の無線通信プログラムを移動型端末3に内蔵されるコンピュータ11にダウンロードできようにしても良いし、情報の読出し用の無線通信プログラムを情報記録媒体に記録して移動型端末3のユーザに提供するようにしても良い。
受信部12は、電波ビーコン2から発信された暗号化された情報を、アンテナ11Dを通じて受信する機能を有する。
位置検出部13は、位置検出に利用することが可能な電波、例えばGPS衛星16から発信される電波等を利用して移動型端末3の現在の位置を検出する機能を有する。移動型端末3の現在の位置を検出する方法としては、GPS衛星16から発信された電波を利用して移動型端末3の位置を検出する方法の他、携帯電話の基地局から発信される電波の強度に基づいて移動型端末3の位置を検出する方法や無線LANのアクセスポイントからの電波の到達時間又は強度に基づいて移動型端末3の位置を検出する方法が挙げられる。このため、GPS衛星16からの電波が届くエリアでは、移動型端末3のGPS電波受信機能を利用して移動型端末3の位置検出を行い、GPS衛星16からの電波が届かないエリアでは、他の方法で移動型端末3の位置検出を行うようにしてもよい。
また、建物にGPS電波受信器が固定され、建物の内部にGPS電波受信器によって検出された建物の位置情報が電波として発信される場合もある。そのような場合には、建物の内部に発信される電波を受信し、建物の位置を移動型端末3の位置とみなすようにしてもよい。
復号化処理部14は、受信部12において受信された暗号化された情報の復号化を試行する機能を有する。情報の復号化に用いられる復号キーは、位置検出部13において検出された移動型端末3の位置に基づいて取得される。
情報表示部15は、復号化処理部14において情報の復号化に成功した場合には復号化された情報に対応する情報を表示装置11Bに出力する機能を有する。復号化処理部14において復号化された情報には、電波ビーコン2のUUID、Major値及びMinor値等の電波ビーコン2の識別情報が含まれている。このため、情報表示部15において電波ビーコン2を特定することができる。
一方、情報の読出し用の無線通信プログラムのインストールによって、移動型端末3の記憶装置11Cには、情報の取得及び表示の対象となる各電波ビーコン2のUUID等の識別情報と、表示装置11Bに表示させるべき情報とが関連付けて保存される。このため、情報表示部15は、情報の復号化によって取得された電波ビーコン2の識別情報に基づいて記憶装置11Cを検索し、電波ビーコン2の識別情報に対応するメッセージ等の情報を取得することができる。
情報表示部15において取得されたメッセージ等の情報は、移動型端末3の表示装置11Bに表示させることができる。具体例としては、観光案内、道案内、店舗案内、店舗内における売り場案内、イベント会場における案内、交通機関の運行情報等の様々なメッセージを表示装置11Bに表示させることができる。また、メッセージに、URL(Uniform Resource Locator)を含めてリンクを貼れば、移動型端末3のインターネット接続によってより多くの情報を取得又は閲覧することが可能となる。
尚、電波ビーコン2から発信される情報にメッセージ等の移動型端末3に表示させるべき全ての情報が含まれている場合には、記憶装置11Cへの情報の保存及び情報表示部15による情報の検索を省略することができる。そして、電波ビーコン2から発信される情報にメッセージ等の移動型端末3に表示させるべき情報が含まれている場合には、復号化によって取得される当該情報が情報表示部15により表示装置11Bに表示される。実用的な例としては、電波ビーコン2に設置位置として緯度及び経度が記録される場合であれば、当該緯度及び経度を表示装置11Bに表示させる対象とすることができる。
情報表示部15において取得されたメッセージ等の表示対象となる情報は、常に表示装置11Bに表示せずに、入力装置11Aから指示が入力された場合にのみ表示装置11Bに表示させるようにしてもよい。すなわち、情報表示部15による情報の表示処理をバックグラウンド動作に切換えられるようにしてもよい。これにより、移動型端末3における電池の消耗を抑制することができる。
次に電波ビーコン2に記録すべき情報の暗号化方法及び情報の復号化方法について説明する。
図2は、図1に示す電波ビーコン2に記録される情報の暗号化方法を説明する図である。
図2において縦軸は緯度を示し、横軸は経度を示す。電波ビーコン2の本来の2次元(2D:two−dimensional)位置に対応する緯度及び経度を(X,Y)とすると、電波ビーコン2から電波が届く範囲は、電波ビーコン2の位置(X,Y)を基準とする所定の範囲内となる。
電波ビーコン2の出力は可変設定することが可能であり、電波ビーコン2から電波が届く最大距離は400m程度である。但し、電波ビーコン2に備えられる電池の消耗を抑える観点から、標準的には電波ビーコン2から電波が届く距離が80m程度に設定される。更に、電波は水分によって吸収されたり、山や建物に反射するため、電波ビーコン2から電波が届く距離は、電波ビーコン2が設置される地形や環境に依存して変化する。このため、標準的な電波ビーコン2から電波が届く距離は、20mから80m程度と見積もることができる。
電波ビーコン2から電波が届く範囲は正確には円形とはならないが、電波ビーコン2から電波が届く最大距離をRB_MAXとすると、電波ビーコン2から発信された電波が移動型端末3で受信される可能性がある範囲は、電波ビーコン2の設置位置(X,Y)を中心とする半径RB_MAXの円形領域の内部となる。
一方、GPS衛星16から発信される電波を利用して移動型端末3の位置を検出する場合、移動型端末3の使用環境に応じて10mから20m程度の誤差が生じる場合がある。同様に、携帯電話の基地局から発信される電波を利用して移動型端末3の位置を検出する場合や無線LANのアクセスポイントからの電波を利用して移動型端末3の位置を検出する場合においても移動型端末3の使用環境に応じた誤差が生じる。
従って、移動型端末3の位置検出部13において検出される移動型端末3の緯度及び経度を(A,B)とし、移動型端末3の位置(A,B)の検出誤差の最大値をRerror_MAXとすると、位置検出部13による移動型端末3の検出位置(A,B)は、移動型端末3の実際の位置(A0,B0)を中心として半径Rerror_MAXの円形領域の内部となる。
このため、適切な位置(X,Y)に設置された電波ビーコン2から電波を受信した移動型端末3の位置検出部13がどの位置(A,B)を検出しても、電波ビーコン2から発信された情報を復号化するための復号キーを取得できるようにすれば、適切な位置(X,Y)に設置された電波ビーコン2からの情報を移動型端末3において復号化することが可能となる。
そこで、電波ビーコン2の正しい設置位置(X,Y)に応じた所定の範囲内における位置(XX,YY)をパラメータとする演算結果が同一の値(XXX,YYY)となる演算によって得られる値(XXX,YYY)を暗号キー及び復号キーとして情報の暗号化及び復号化を行うことができる。
この場合、演算をOPで表すと、暗号キー及び復号キーの値(XXX,YYY)は、式(1)で求められることになる。
OP(XX,YY)=(XXX,YYY) (1)
OP(XX,YY)=(XXX,YYY) (1)
式(1)において位置(XX,YY)は、電波ビーコン2の正しい設置位置(X,Y)に応じた所定の範囲内において取り得る変数であり、暗号キー及び復号キーの値(XXX,YYY)は固定値である。
尚、式(1)で示されるように、暗号キー及び復号キーの値(XXX,YYY)を求めるために必ずしも電波ビーコン2の正しい設置位置(X,Y)自体は必要ではなく、必要なのは、電波ビーコン2の正しい設置位置(X,Y)に応じた位置(XX,YY)の範囲である。従って、電波ビーコン2に設置位置(X,Y)を記録することも、もちろん必須ではない。
また、UUID等を含むデータIの暗号化処理EIによって得られる暗号化後のデータI'は、式(2)で表される。
EI(XXX,YYY)=I' (2)
EI(XXX,YYY)=I' (2)
従って、情報記録端末4の暗号化処理部9では、式(1)に示すように所定の範囲内における位置(XX,YY)をパラメータとする演算結果が同一の値(XXX,YYY)となる演算OPによって得られる値(XXX,YYY)を暗号キーとして、式(2)により情報が暗号化されることになる。
一方、移動型端末3の復号化処理部14では、位置検出部13により検出された位置(A,B)をパラメータとする演算OPによって得られる値を復号キーとして、暗号化された情報の復号化が試行されることになる。具体的には、復号化処理部14では、式(3)に示すように、検出位置(A,B)を式(1)に代入する演算が実行される。
OP(A,B)=(AA,BB) (3)
OP(A,B)=(AA,BB) (3)
次に、復号化処理部14では、式(3)に示す演算で得られた値(AA,BB)を用いた情報の復号化が試行される。位置検出部13による移動型端末3の検出位置(A,B)が所定の範囲内の位置(XX,YY)であれば、式(4)に示す関係が成立する。従って、式(3)に示す演算で得られた値(AA,BB)を復号キーとして情報を復号化することに成功する。
(AA,BB)=(XXX,YYY) (4)
(AA,BB)=(XXX,YYY) (4)
一方、位置検出部13による移動型端末3の検出位置(A,B)が所定の範囲内の位置(XX,YY)でなければ、式(4)に示す関係が成立しない。従って、式(3)に示す演算で得られた値(AA,BB)は復号キーではなく、情報の復号化に失敗することになる。つまり、式(4)が成立すれば、移動型端末3側において情報の取得及び表示が可能となり、式(4)が成立しなければ移動型端末3側において情報の取得及び表示が不可能となる。
このように、式(1)示す演算で得られる値(XXX,YYY)を復号キーとすれば、位置検出部13による移動型端末3の検出位置(A,B)が所定の範囲内の位置(XX,YY)となった場合に、検出位置(A,B)を式(1)に代入することによって復号キーの値(XXX,YYY)を取得することが可能となる。逆に言えば、移動型端末3の検出位置(A,B)が所定の範囲内の位置(XX,YY)でない場合には、復号キーを取得することが不可能となる。
従って、電波ビーコン2が適切でない位置に移動された場合には、電波ビーコン2から発信された電波が移動型端末3で受信されたとしても、移動型端末3の検出位置(A,B)が所定の範囲内の位置(XX,YY)とはならないため、移動型端末3において復号キーを取得することが不可能となる。すなわち、電波ビーコン2に記録された情報を移動型端末3で読み出すことが不可能となる。逆に言えば、電波ビーコン2が概ね正しい位置(XX,YY)に設置されている場合に限り移動型端末3において復号キーの値(XXX,YYY)を取得することができる。すなわち、電波ビーコン2に記録された情報を移動型端末3で読み出すことが可能となる。
位置(XX,YY)が取り得る所定の範囲は、適切な位置(X,Y)に設置された電波ビーコン2から電波を受信した移動型端末3の位置検出部13が検出し得る移動型端末3の位置(A,B)を、少なくともカバーする任意の範囲として定めることができる。
図2に示す例では、正しい位置(X,Y)に設置された電波ビーコン2からの電波が移動型端末3により受信される可能性がある円形の範囲と、移動型端末3の位置検出部13において検出される可能性がある移動型端末3の位置(A,B)の円形の範囲がいずれもカバーされるように、電波ビーコン2の正しい設置位置(X,Y)を中心とする一辺の長さが2Rの正方形の領域が所定の範囲として定められている。この場合、正方形の一辺の長さ2Rは、電波ビーコン2から電波が届く最大距離RB_MAXと、移動型端末3の位置(A,B)の検出誤差の最大値Rerror_MAXとを加算した値の2倍以上に設定することができる。
もちろん、電波ビーコン2からの電波が移動型端末3により受信される可能性がある円形の範囲と、検出される可能性がある移動型端末3の位置(A,B)の円形の範囲がカバーされれば、円形領域等の正方形以外の範囲を所定の範囲として定めても良い。また、移動型端末3の位置の検出誤差を無視する場合又は無視できる場合には、少なくとも電波ビーコン2からの電波が移動型端末3により受信される可能性がある円形の範囲がカバーされるように所定の範囲を定めるようにしてもよい。
一方、電波ビーコン2から電波が送信される対象となる範囲が設定される場合もある。その場合には、電波ビーコン2からの電波が移動型端末3により受信される可能性がある範囲が設定された特定の領域内となる。このため、電波の送信領域として設定された領域がカバーされるように復号キーを得るための所定の範囲を定めることができる。この場合においても、移動型端末3の位置の検出誤差を無視しない場合又は無視できない場合には、移動型端末3の位置の検出誤差の範囲がカバーされるように、復号キーを得るための所定の範囲を定めることができる。
つまり、復号キーを得ることが可能な位置(XX,YY)の範囲は、電波ビーコン2から電波が届く範囲又は電波ビーコン2から電波が送信される対象となる範囲に基づいて決定することができる。また、復号キーを得ることが可能な位置(XX,YY)の範囲は、暗号化された情報を受信する移動型端末3の位置(A,B)の検出誤差の範囲に基づいて決定することもできる。そして、双方に基づいて復号キーを得ることが可能な位置(XX,YY)の範囲を定めれば、移動型端末3が電波ビーコン2の近傍を移動する場合や、GPS機能等を利用した移動型端末3の検出位置(A,B)に誤差が生じる場合であっても、移動型端末3側において検出位置(A,B)に基づく復号キーの取得が可能となる。
以降では、暗号化及び復号化の処理の簡易化の観点から図2に例示される一辺の長さが2Rの正方形の領域が、復号キーを得ることが可能な所定の範囲として定められる場合を例として説明する。
復号キーを取得することが可能な位置(XX,YY)が一辺の長さが2Rの正方形の領域内である場合には、復号キーを取得することが可能な所定の範囲は式(5−1)及び式(5−2)で表される。
X−RLAT≦XX≦X+RLAT (5−1)
Y−RDLO≦YY≦Y+RDLO (5−2)
但し、式(5−1)及び式(5−2)においてRLATは、距離Rを緯度の差で表した値であり、RDLOは、距離Rを経度の差で表した値である。距離Rが100m以内であれば、緯度の差RLAT及び経度の差RDLOは、2秒から3秒である。従って、緯度XX及び経度YYの取り得る範囲を±5秒未満としても十分な精度となる。
X−RLAT≦XX≦X+RLAT (5−1)
Y−RDLO≦YY≦Y+RDLO (5−2)
但し、式(5−1)及び式(5−2)においてRLATは、距離Rを緯度の差で表した値であり、RDLOは、距離Rを経度の差で表した値である。距離Rが100m以内であれば、緯度の差RLAT及び経度の差RDLOは、2秒から3秒である。従って、緯度XX及び経度YYの取り得る範囲を±5秒未満としても十分な精度となる。
緯度XX及び経度YYの取り得る範囲が±2秒以下であれば、式(1)に示す演算OPを所定の値Sを加算した後に四捨五入を行う演算とし、加算される所定の値Sを演算OPによる演算結果が同一の値(XXX,YYY)となるように決定することができる。すなわち、式(1)を式(6−1)及び式(6−2)で示す演算とすることができる。
OP(XX)=ROUND60(XX+S,3)=XXX (6−1)
OP(YY)=ROUND60(YY+S,3)=YYY (6−2)
但し、式(6−1)及び式(6−2)において関数ROUND60(k,3)は、60進数で表される緯度又は経度kの秒の1の位を四捨五入する演算を示す。
OP(XX)=ROUND60(XX+S,3)=XXX (6−1)
OP(YY)=ROUND60(YY+S,3)=YYY (6−2)
但し、式(6−1)及び式(6−2)において関数ROUND60(k,3)は、60進数で表される緯度又は経度kの秒の1の位を四捨五入する演算を示す。
より具体的な例として、電波ビーコン2の経度Yが135.15.25であり、経度YYの取り得る範囲が電波ビーコン2の経度Yを中心とする±2秒の範囲である場合には、式(5−2)は、135.15.23≦YY≦135.15.27となる。
従って、式(6−2)における所定の値Sを2とすれば、式(6−2)は、135.15.25≦YY+2≦135.15.29の範囲を取り得るYY+2に対する四捨五入となる。従って、式(6−2)の演算結果は、経度YYの値に依らず常にYYY=135.15.30となる。
或いは、式(6−2)における所定の値Sを−3とすれば、式(6−2)は、135.15.21≦YY−3≦135.15.24の範囲を取り得るYY−3に対する四捨五入となる。従って、式(6−2)の演算結果は、経度YYの値に依らず常にYYY=135.15.20となる。
このように、四捨五入した結果が同一の値となるように所定の値Sを決定して所定の範囲内における緯度XX及び経度YYに加算することができる。これにより、式(1)を満たす演算OPを決定することができる。
四捨五入に限らず切捨て又は切上げを行う演算OPを定義すれば、緯度XX及び経度YYの取り得る範囲が±5秒未満である場合、すなわち所定の値Sの加算によって10秒未満の範囲にできる場合において式(1)を満たす演算OPを決定することができる。つまり、所定の値Sを加算した後に四捨五入、切上げ又は切捨てを行う演算OPを定義し、演算OPによる演算結果が同一の値(XXX,YYY)となるように所定の値Sを決定することができる。
一方、緯度XX及び経度YYの取り得る範囲が±5秒以上となる場合であっても、様々な演算を組合わせることによって式(1)を満たす演算OPを決定することができる。
具体例として、緯度XX及び経度YYの取り得る範囲が±5秒である場合には、式(5−2)は、135.15.20≦YY≦135.15.30となる。この場合、経度YYの取り得る範囲の幅は10秒となる。従って、四捨五入、切上げ及び切捨てのいずれを行っても演算結果を同一とするための所定の値Sが存在しない。
そこで、緯度XX及び経度YYの取り得る範囲が±5秒以上である場合には、範囲の幅に応じたN進法で演算を行うようにすることができる。具体的には、緯度XX及び経度YYの取り得る範囲が±m秒である場合には、少なくとも秒を2(m+1)進法で計算すればよい。例えば、経度YYの取り得る範囲が±5秒である場合に電波ビーコン2の経度Y=135.15.25の秒は、12進法では21秒となる。
従って、式(5−2)を、秒のみを12進法とする経度YYS12で表現すれば、135.15.18≦YYS12≦135.15.26となる。N進法における四捨五入は、0からN/2−1までの場合に切捨てとなり、N/2からN−1の場合に切上げとなる。従って、0からBまでを値とする12進法の四捨五入は、0から5の場合に切捨てとなり、6からBの場合に切上げとなる。
そこで、12進法の所定の値S12を−1として秒のみを12進法とする経度YYS12に加算すれば、式(5−2)は、135.15.17≦YYS12−1≦135.15.25となる。このため、YYS12−1を四捨五入すれば、秒のみを12進法とする経度YYS12の値に依らず常に135.15.20となる。秒のみを12進法とする経度135.15.20を10進法による経度YYYで表すと、YYY=135.15.24となる。尚、12進法の所定の値S12を+8としても、YYS12−1の四捨五入の結果を同一の値にすることができる。もちろん、四捨五入に代えて、切捨て又は切上げを行う演算を定義すれば、様々な範囲に対応することが可能である。
このように、復号キーを取得可能な所定の範囲に応じた緯度XX及び経度YYの少なくとも一方の範囲の幅がmを5以上の整数として2m秒である場合には、少なくとも秒の単位を2(m+1)進法で表して所定の値S12を加算した後に2(m+1)進法の四捨五入、切捨て又は切上げを行う演算を定義することができる。そして、所定の値S12は演算結果が同一の値となるように決定することができる。
上述した例の他、緯度XX及び経度YYを少数表記に換算して四捨五入、切捨て又は切上げを行う演算や緯度XX及び経度YYに所定の値を乗じて四捨五入、切捨て又は切上げを行う演算など、様々な演算を式(1)を満たすように決定することができる。
また、上述した例では、緯度XX及び経度YYの双方をパラメータとする暗号化及び復号化の例を示したが、緯度XX及び経度YYの一方のみをパラメータとする暗号化及び復号化を行うことももちろん可能である。逆に、所定の範囲に緯度XX及び経度YYに高度ZZを加えて暗号化及び復号化を行うようにしてもよい。特に電波ビーコン2が山岳地帯や高層ビル街に設置される場合のように電波ビーコン2が高度方向に移動される可能性がある場合には、所定の範囲に高度ZZを加えることが有用である。
暗号化及び復号化は、式(1)を満たす演算OPの計算式が分かれば実行することができる。従って、情報記録端末4の暗号化処理部9には、式(1)を満たす演算OPの計算式を決定する機能を設けることができる。一方、移動型端末3の復号化処理部14には、予め式(1)を満たす演算OPの計算式が通知される。
(動作及び作用)
次に無線通信システム1による無線通信方法について説明する。ここでは、電波ビーコン2が既に所定の位置に設置されている場合を例に説明する。
次に無線通信システム1による無線通信方法について説明する。ここでは、電波ビーコン2が既に所定の位置に設置されている場合を例に説明する。
図3は、図1に示す無線通信システム1による無線通信の流れを示すシーケンスチャートである。
まずステップS1において、情報記録端末4の情報作成部8により、電波ビーコン2に記録すべきUUID等の情報及び移動型端末3に表示させるべきメッセージ等の情報が作成される。移動型端末3に表示させるべきメッセージ等の情報は、無線通信システム1を管理するサービス事業者等に提供され、移動型端末3にインストールされる情報の読出し用の無線通信プログラムに書込まれる。
次に、ステップS2において、情報作成部8において作成されたUUID等の情報を表すデータIが暗号化される。すなわち、暗号化処理部9において式(2)に示す暗号化処理EIが実行される。これにより、暗号化後のデータI'が取得される。情報の暗号化は、式(1)に示す演算OPによって得られる暗号キーの値(XXX,YYY)を用いて実行される。
暗号キーの値(XXX,YYY)の算出に用いられる位置(XX,YY)の範囲は、電波ビーコン2の正しい設置位置(X,Y)に基づいて決定することができる。具体例として、図2に示すように、正しい位置(X,Y)に設置された電波ビーコン2からの電波が届く最大距離RB_MAXと、電波ビーコン2からの電波を受信した移動型端末3の位置(A,B)の検出誤差の最大値Rerror_MAXとに基づいて、電波ビーコン2からの電波を受信した移動型端末3の検出され得る位置(A,B)がカバーされるように、暗号キーの値(XXX,YYY)の算出に用いられる位置(XX,YY)の範囲を決定することができる。
暗号キーの値(XXX,YYY)の算出に用いられる位置(XX,YY)の範囲の決定は、情報記録端末4における入力装置7Aの操作によって行うことができる。実際には、式(1)に示す演算OPの計算式を特定するためのパラメータを設定することによって、暗号キーの値(XXX,YYY)の算出に用いられる位置(XX,YY)の範囲が間接的に設定されるようにしてもよい。或いは、簡易なデータ処理を行うユーザインターフェースを情報記録端末4に設け、図2に例示されるような位置(XX,YY)の範囲を特定するための電波ビーコン2の正しい設置位置(X,Y)や距離R等のパラメータを入力装置7Aの操作によって設定するようにしてもよい。この場合には、距離R等のパラメータの設定値に基づいて、暗号化処理部9が自動的に適切な演算OPの計算式を設定するようにしてもよい。
式(1)に示す演算OPの計算式を特定するためのパラメータについても無線通信システム1を管理するサービス事業者等に提供され、移動型端末3にインストールされる情報の読出し用の無線通信プログラムに書込まれる。
演算OPの計算式を特定するためのパラメータ及び電波ビーコン2のUUID等の識別情報に対応するメッセージ等の情報を記録した情報の読出し用の無線通信プログラムは、移動型端末3のユーザに配布される。このため、移動型端末3のユーザは、情報の読出し用の無線通信プログラムを移動型端末3にインストールして電波ビーコン2を利用した情報提供サービスを受けることが可能となる。情報の読出し用の無線通信プログラムをインストールした移動型端末3の記憶装置11Cには、演算OPの計算式を特定するためのパラメータ及び電波ビーコン2のUUID等の識別情報に対応するメッセージ等の情報が保存される。
データIの暗号化が完了すると、ステップS3において、暗号化処理部9において暗号化された情報が情報記録部10に与えられ、情報記録部10により電波ビーコン2の記憶装置5に記録される。具体的には、情報記録部10において、暗号化されたデータI'が、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格の無線信号に変換される。そして、近距離無線通信規格の暗号化されたデータI'が無線信号としてアンテナ7Dから電波ビーコン2に向けて送信される。これにより、電波ビーコン2の記憶装置5に暗号化されたデータI'が書込まれる。
次に、ステップS4において、電波ビーコン2から暗号化されたデータI'が発信される。具体的には、信号処理部6Aが記憶装置5から暗号化されたデータI'を読込んで、近距離無線通信規格の無線信号に変換する。そして、近距離無線通信規格の暗号化されたデータI'が無線信号としてアンテナ6Bから発信される。
次に、ステップS5において、電波ビーコン2から発信された暗号化後のデータI'が、電波の受信可能エリア内に進入した、情報の読出し用の無線通信プログラムのインストール済みの移動型端末3によって受信される。具体的には、移動型端末3のアンテナ11Dで受信した暗号化後のデータI'が受信部12によって取得される。
次に、ステップS6において、移動型端末3の位置検出部13によりGPS衛星16から発信される電波等を利用した移動型端末3の位置(A,B)の検出が実行される。
次に、ステップS7において、移動型端末3の復号化処理部14においてデータI'の復号化が実行される。データI'の復号化には、予め復号化処理部14に通知されている演算OPの計算式と、位置検出部13により検出された移動型端末3の位置(A,B)が参照される。具体的には、移動型端末3の検出位置(A,B)を用いて式(3)に示す演算OPが実行される。これにより、式(3)の演算値(AA,BB)が得られる。
電波ビーコン2が正しい位置(X,Y)に設置されていれば、移動型端末3の検出位置(A,B)は、データI'の暗号化の際に定めた範囲内の位置(XX,YY)となる。このため、式(4)に示す関係が成立する。すなわち、式(3)の演算値(AA,BB)が、暗号化されたデータI'の復号キーの値(XXX,YYY)となる。これにより、復号キーの値(XXX,YYY)に基づくデータI'の復号化によって復号化されたUUID等のデータIを取得することができる。
逆に、電波ビーコン2が正しい位置(X,Y)に設置されていなければ、復号化処理部14において復号キーの値(XXX,YYY)を取得することができない。このため、正しい位置(X,Y)に設置されていない電波ビーコン2から発信されたデータI'の復号化、すなわちデータIの取得を回避することができる。
次に、ステップS8において、情報表示部15によりUUID等のデータIに対応する情報が表示される。具体的には、情報表示部15は、復号化処理部14において復号化されたデータIを参照し、UUID、Major値及びMinor値等の電波ビーコン2の識別情報に対応するメッセージ等の情報を記憶装置11Cから取得する。そして、情報表示部15は、記憶装置11Cから取得したメッセージ等の情報を表示装置11Bに表示させる。
これにより、移動型端末3のユーザは、電波ビーコン2の識別情報に対応するメッセージ等の情報を閲覧することができる。一方、電波ビーコン2のユーザは、電波ビーコン2の識別情報に対応するメッセージ等の情報を移動型端末3のユーザに提供することができる。
つまり以上のような無線通信システム1は、電波ビーコン2からスマートフォン等の移動型端末3に一方向通信で発信されるUUID等の情報を、移動型端末3による受信が想定される位置をキーとして暗号化するようにしたものである。
(効果)
このため、無線通信システム1によれば、電波ビーコン2の位置が適切でない位置に移動された場合には、電波ビーコン2から発信される情報を移動型端末3側において読み取れないようにすることができる。また、電波ビーコン2が不法にコピーされた場合であっても、コピーされた電波ビーコンの位置が適切でない位置に配置されれば、コピーされた電波ビーコンからの情報の発信を抑止することができる。更に、意図しない電波ビーコンが設置された場合であっても、位置をキーとした復号化に成功しない場合には移動型端末3側において情報を表示させないという処理を実行すれば、意図しない電波ビーコンからの情報の受信も回避することが可能である。
このため、無線通信システム1によれば、電波ビーコン2の位置が適切でない位置に移動された場合には、電波ビーコン2から発信される情報を移動型端末3側において読み取れないようにすることができる。また、電波ビーコン2が不法にコピーされた場合であっても、コピーされた電波ビーコンの位置が適切でない位置に配置されれば、コピーされた電波ビーコンからの情報の発信を抑止することができる。更に、意図しない電波ビーコンが設置された場合であっても、位置をキーとした復号化に成功しない場合には移動型端末3側において情報を表示させないという処理を実行すれば、意図しない電波ビーコンからの情報の受信も回避することが可能である。
つまり、電波ビーコン2の意図しない移動、電波ビーコン2の無断コピー及び意図しない電波ビーコンの設置のいずれがあったとしても、移動型端末3側において不適切な情報の表示を回避することができる。このため、電波ビーコン2を利用した様々なサービスにおいて安全性を向上させることができる。
具体例として、電波ビーコンが、戦場が原や華厳の滝等の名勝の観光案内、店舗案内、渋滞や通行止め等の道路交通情報、バス時刻表等の交通機関の運行情報或いは交差点の位置等の地図情報の案内を発信する場合であれば、電波ビーコンの意図しない移動によって誤った情報が移動型端末側において取得される恐れがある。特に、電波ビーコンが、登山等のガイドを発信する場合であれば、遭難等の事故に繋がる危険性もある。また、電波ビーコンが店舗への訪問客へのクーポンの発行に利用される場合において、電波ビーコンが不正にコピーされれば、実際に店舗に訪れなくてもクーポンを取得できるようになってしまうという問題もある。
これに対して、無線通信システム1によれば、電波ビーコン2の位置が変われば移動型端末3側において情報の復号化ができなくなるため、上述した様々な問題を解消することができる。
しかも、無線通信システム1によれば、GPS機能等によって移動型端末3の位置が検出できれば、インターネットに接続しなくても電子認証を行うことができる。このため、外国人観光客のように、インターネットに接続できる端末を携帯していない場合であっても、GPS機能等を備えた移動型端末3を携帯していれば、電波ビーコン2から発信される情報の取得が可能である。すなわち、インターネットを利用せずに電子認証を行って、電波ビーコン2から発信される情報を移動型端末3側で表示させることができる。
(第2の実施形態)
(構成及び機能)
図4は本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムの機能ブロック図である。
(構成及び機能)
図4は本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムの機能ブロック図である。
図4に示された第2の実施形態における無線通信システム1Aでは、UUID等の情報を暗号化する機能を電波ビーコン2側に設けた点が第1の実施形態における無線通信システム1と相違する。第2の実施形態における無線通信システム1Aの他の構成及び作用については第1の実施形態における無線通信システム1と実質的に異ならないため同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。
無線通信システム1Aの電波ビーコン2は、発信対象となる情報を記憶する記憶装置5及び暗号化された情報を電波信号として発信する発信部6に加え、暗号化処理部20を有する。暗号化処理部20は、電波ビーコン2に搭載された演算チップ等のコンピュータに暗号化処理プログラムを読込ませて構築することができる。
そして、暗号化処理部20は、記憶装置5に保存された情報の暗号化処理を行って発信部6に出力するように構成される。従って、記憶装置5には暗号化前の情報が記憶されることになる。このため、情報記録端末4には、情報作成部8及び情報記録部10が設けられ、暗号化処理部9は設けられない。すなわち、情報記録端末4の情報記録部10からは暗号化前のUUID等の情報が電波ビーコン2の記憶装置5に書込まれる。
暗号化処理部20における情報の暗号化の方法は、第1の実施形態における暗号化の方法と同様である。すなわち、暗号化処理部20は、所定の範囲内における位置(XX,YY)をパラメータとする演算結果が同一の値(XXX,YYY)となる演算OPによって得られる値(XXX,YYY)を暗号キーとして記憶装置5に保存された情報を暗号化する機能を有している。
従って、電波ビーコン2の記憶装置5には、暗号化対象となるUUID等の情報に加えて、情報の暗号化に必要となる演算OPの計算式を特定するための情報が記憶される。そして、暗号化処理部20は、記憶装置5から読込んだ情報に従って暗号化処理を実行するように構成される。
この場合、演算OPの計算式を特定するための情報が電波ビーコン2の記憶装置5に記憶されるため、演算OPの計算式を特定するための情報自体も発信することができる。例えば、演算OPの式(1)を式(6−1)及び式(6−2)で示す演算とする場合には、緯度XX及び経度YYに加算される所定の値Sを発信対象に含めることができる。
その場合には、移動型端末3において、電波ビーコン2から受信した所定の値Sを用いて情報の復号化処理を行うことが可能となる。尚、所定の値Sを含む演算OPの計算式を特定するための情報については復号キーの取得に参照されるため、演算OPによる暗号化が行われずに発信される必要がある。また、演算OPの計算式を特定するために必要な情報であり、かつ電波ビーコン2から発信されない情報については、予め移動型端末3の復号化処理部14に通知されることになる。
電波ビーコン2から発信される所定の値S等の情報についても、公知の暗号化手法によって暗号化することができる。すなわち、秘密鍵方式或いは公開鍵方式で所定の値S等の情報を暗号化して発信することができる。所定の値S等の演算OPの計算式を特定するための情報を暗号化する機能についても暗号化処理部20に設けることができる。
公知の暗号化手法によって暗号化された所定の値S等の演算OPの計算式を特定するための情報は、式(2)に示すように所定の演算OPで得られる暗号キーの値(XXX,YYY)を用いて暗号化されたUUID等のデータI'とともに電波ビーコン2の発信部6から発信することができる。
このため、移動型端末3の復号化処理部14には、演算OPの計算式を特定するための情報を復号化する機能が設けられる。具体的には、演算OPの計算式を特定するための情報を復号化するために必要なキーが予め移動型端末3の復号化処理部14に通知される。
尚、電波ビーコン2から複数の領域に異なる電波が発信される場合には、各電波に異なる所定の値Sを割当てて識別することもできる。すなわち、電波ビーコン2の暗号化処理部20において、異なる値Sを用いて、複数の情報をそれぞれ暗号化することができる。その場合、UUID等の電波ビーコン2の識別情報を変えずに複数の情報を区別して異なる領域に発信することが可能となる。
(動作及び作用)
次に無線通信システム1Aによる無線通信方法について説明する。ここでは、電波ビーコン2が既に所定の位置に設置されている場合を例に説明する。
次に無線通信システム1Aによる無線通信方法について説明する。ここでは、電波ビーコン2が既に所定の位置に設置されている場合を例に説明する。
図5は、図4に示す無線通信システム1Aによる無線通信の流れを示すシーケンスチャートである。尚、図5に示すシーケンスチャートにおいて、図3に示すシーケンスチャートにおけるステップに対応するステップには同符号を付して説明する。
まずステップS1において、情報記録端末4の情報作成部8により、UUID等の情報がデータIとして作成される。そして、UUID等の情報が記録されたデータIは暗号化されずにステップS3において、情報記録部10により電波ビーコン2の記憶装置5に記録される。
一方、情報記録端末4の情報作成部8により作成されたメッセージ等の情報が、情報の読出し用の無線通信プログラムに書込まれる。また、メッセージ等の情報を移動型端末3において表示させる際に必要となる情報の一部、具体的には公知の暗号化手法で暗号化された情報を復号化するための復号キーも情報の読出し用の無線通信プログラムに書込まれる。そして、情報の読出し用の無線通信プログラムは、移動型端末3にインストールされる。これにより、移動型端末3の記憶装置11Cには、公知の暗号化手法で暗号化された情報を復号化するための復号キー及びメッセージ等の情報が保存される。
他方、ステップS2において、電波ビーコン2の暗号化処理部20は、記憶装置5に保存されたデータIを読み出して暗号化を実行する。暗号化の方法は、第1の実施形態における方法と同様である。但し、暗号キーを作成する際に用いた演算OPの計算式を特定するための式(6−1)及び式(6−2)に示す値S等のパラメータが公知の暗号化手法によって暗号化される。
次に、ステップS4において、暗号化されたデータI'を含む情報が電波ビーコン2から発信される。但し、発信される情報には、公知の暗号化手法によって暗号化された値S等の演算OPの計算式を特定するためのパラメータが含められる。
次に、ステップS5において、電波ビーコン2から発信された暗号化後のデータI'及び暗号化後の演算OPの計算式を特定するためのパラメータを含む情報が、電波の受信可能エリア内に進入した、情報の読出し用の無線通信プログラムのインストール済の移動型端末3によって受信される。
次に、ステップS6において、移動型端末3の位置検出部13によりGPS衛星16から発信される電波等を利用した移動型端末3の位置(A,B)の検出が実行される。
次に、ステップS7において、移動型端末3の復号化処理部14においてデータI'の復号化が実行される。データI'の復号化には、演算OPの計算式が必要である。そこで、演算OPの計算式を特定するための値S等のパラメータが、情報の読出し用の無線通信プログラムのインストールによって予め記憶装置11Cに保存された復号キーを参照して復号される。これにより、復号化処理部14において演算OPの計算式を特定することができる。
そして、移動型端末3の検出位置(A,B)を用いた式(3)に示す演算OPによって演算値(AA,BB)が得られる。電波ビーコン2が正しい位置(X,Y)に設置されていれば、移動型端末3の検出位置(A,B)は、所定の範囲内の位置(XX,YY)となる。このため、式(3)の演算値(AA,BB)が暗号化されたデータI'の復号キーの値(XXX,YYY)となる。これにより、復号キーの値(XXX,YYY)を用いた復号化処理によって復号化されたUUID等のデータIを取得することができる。
次に、ステップS8において、情報表示部15は、復号化処理部14において復号化されたデータIを参照し、UUID、Major値及びMinor値等の電波ビーコン2の識別情報に対応するメッセージ等の情報を記憶装置11Cから取得する。そして、情報表示部15は、記憶装置11Cから取得したメッセージ等の情報を表示装置11Bに表示させる。
以上の第2の実施形態における無線通信システム1Aは、UUID等の情報を暗号化する機能を電波ビーコン2側に設けたものである。尚、演算OPの計算式を特定するための値S等のパラメータを電波ビーコン2からの発信対象に含める代わりに、情報の読出し用の無線通信プログラムに記録することによって移動型端末3側に通知するようにしてもよい。
(効果)
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。加えて、第2の実施形態によれば、復号化に必要な情報をUUID等の情報とともに電波ビーコン2から発信することができる。その結果、移動型端末3に予め通知するべき復号化処理に必要な情報を必要最小限に留めることができる。具体例として、復号化の演算OPを所定の値Sの加算後における四捨五入と予め決定しておけば、演算OPの計算式を特定するための情報は、所定の値Sのみとなる。従って、移動型端末3に予め通知しておくべき情報を、公知の暗号化手法で暗号化された所定の値Sを復号化するために必要な復号キーのみとすることができる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。加えて、第2の実施形態によれば、復号化に必要な情報をUUID等の情報とともに電波ビーコン2から発信することができる。その結果、移動型端末3に予め通知するべき復号化処理に必要な情報を必要最小限に留めることができる。具体例として、復号化の演算OPを所定の値Sの加算後における四捨五入と予め決定しておけば、演算OPの計算式を特定するための情報は、所定の値Sのみとなる。従って、移動型端末3に予め通知しておくべき情報を、公知の暗号化手法で暗号化された所定の値Sを復号化するために必要な復号キーのみとすることができる。
このため第2の実施形態における無線通信システム1Aは、特に、電波ビーコン2に常時電力を供給できる場合に有用である。一方、第1の実施形態における無線通信システム1は、電波ビーコン2の消費電力を抑制することが望まれる場合に有用である。
(他の実施形態)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
例えば、第1の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、電波ビーコン2に情報を記録する際に可変設定される演算OPの計算式を特定するための値S等のパラメータを電波ビーコン2から発信される情報に含めることができる。その場合においても、演算OPの計算式を特定するためのパラメータを公知の暗号化手法で予め暗号化して電波ビーコン2に書込むことができる。この場合、情報の読出し用の無線通信プログラムに書込まれる情報を、移動型端末3において表示対象となるメッセージ等の情報と、演算OPの計算式を特定するためのパラメータを復号化するための復号キーのみとすることができる。すなわち、演算OPの計算式を特定するための値S等のパラメータの値自体を情報の読出し用の無線通信プログラムに書込まなくても移動型端末3側においてメッセージ等の情報を復号化することが可能となる。
また、演算OPの計算式を特定するための値S等のパラメータを移動型端末3に送信する方法として、情報の入手対象となる電波ビーコン2自体からではなく駅やショッピングモールに設置された電波ビーコン等の他の電波ビーコンからパラメータを発信する方法や、インターネットを介してWEBサイトから移動型端末3側でパラメータを取得できるようにする方法も可能である。
1、1A...無線通信システム、2...電波ビーコン、3...移動型端末、4...情報記録端末、5...記憶装置、6...発信部、6A...信号処理部、6B...アンテナ、7...コンピュータ、7A...入力装置、7B...表示装置、7C...記憶装置、7D...アンテナ、7E...演算装置、8...情報作成部、9...暗号化処理部、10...情報記録部、11...コンピュータ、11A...入力装置、11B...表示装置、11C...記憶装置、11D...アンテナ、11E...演算装置、12...受信部、13...位置検出部、14...復号化処理部、15...情報表示部、16...GPS衛星、20...暗号化処理部
Claims (10)
- 所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を記憶する記憶装置と、
前記暗号化された情報を電波信号として発信する発信部と、
を備える電波発信器。 - 発信対象となる情報を記憶する記憶装置と、
所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして前記情報を暗号化する暗号化処理部と、
前記暗号化された情報を電波信号として発信する発信部と、
を備える電波発信器。 - アンテナを備えたコンピュータを、
所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして、電波発信器に記録すべき情報を暗号化する暗号化処理部、及び
前記暗号化された情報を前記アンテナから発信して前記電波発信器に書込む情報記録部、
として機能させる無線通信プログラム。 - 移動型端末を、
所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を電波発信器から受信する受信部、
前記移動型端末の現在の位置を検出する位置検出部、
前記位置検出部により検出された位置をパラメータとする前記演算によって得られる値を復号キーとして前記暗号化された情報の復号化を試行する復号化処理部、及び
前記復号化に成功した場合には復号化された情報に対応する情報を表示装置に出力する情報表示部、
として機能させる無線通信プログラム。 - 前記所定の範囲は、前記電波発信器から電波が届く範囲又は前記電波発信器から電波が送信される対象となる範囲に基づいて決定される請求項3又は4記載の無線通信プログラム。
- 前記所定の範囲は、前記暗号化された情報を受信する移動型端末の位置の検出誤差の範囲に基づいて決定される請求項3乃至5のいずれか1項に記載の無線通信プログラム。
- 前記演算は、所定の値を加算した後に四捨五入、切上げ又は切捨てを行う演算であり、前記所定の値は前記演算結果が前記同一の値となるように決定される請求項3乃至6のいずれか1項に記載の無線通信プログラム。
- 電波発信器から発信される情報を受信する移動型端末であって、
所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を前記電波発信器から受信する受信部と、
前記移動型端末の現在の位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部により検出された位置をパラメータとする前記演算によって得られる値を復号キーとして前記暗号化された情報の復号化を試行する復号化処理部と、
前記復号化に成功した場合には復号化された情報に対応する情報を表示装置に出力する情報表示部と、
を備える移動型端末。 - 電波発信器及び移動型端末を備えた無線通信システムであって、
前記電波発信器は、
所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化された情報を記憶する記憶装置と、
前記暗号化された情報を電波信号として発信する発信部と、
を有し、
前記移動型端末は、
前記暗号化された情報を前記電波発信器から受信する受信部と、
前記移動型端末の現在の位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部により検出された位置をパラメータとする前記演算によって得られる値を復号キーとして前記暗号化された情報の復号化を試行する復号化処理部と、
前記復号化に成功した場合には復号化された情報に対応する情報を表示装置に出力する情報表示部と、
を有する無線通信システム。 - 発信対象となる情報を、所定の範囲内における位置をパラメータとする演算結果が同一の値となる演算によって得られる前記値を暗号キーとして暗号化して電波発信器から発信する無線通信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015065333A JP2016184907A (ja) | 2015-03-26 | 2015-03-26 | 電波発信器、移動型端末、無線通信システム、無線通信プログラム及び無線通信方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015065333A JP2016184907A (ja) | 2015-03-26 | 2015-03-26 | 電波発信器、移動型端末、無線通信システム、無線通信プログラム及び無線通信方法 |
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JP2015065333A Pending JP2016184907A (ja) | 2015-03-26 | 2015-03-26 | 電波発信器、移動型端末、無線通信システム、無線通信プログラム及び無線通信方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021064315A (ja) * | 2019-10-17 | 2021-04-22 | 株式会社アイ・オー・データ機器 | 個体識別装置、個体識別システム、および、個体識別方法 |
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2015
- 2015-03-26 JP JP2015065333A patent/JP2016184907A/ja active Pending
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