以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、携帯電話機1の構成を示す図である。図1(a)および(b)は、それぞれ、携帯電話機1の正面図および背面図である。
以下、説明の便宜上、図1に示すように、キャビネット2の長手方向を上下方向と定義し、キャビネット2の短手方向を左右方向と定義する。
携帯電話機1は、キャビネット2と、表示面3と、マイクロフォン4と、通話スピーカ5と、キー操作部6と、外部スピーカ7とを備えている。
キャビネット2は、正面から見て、ほぼ長方形状を有する。キャビネット2の正面に、後述する表示部13の表示面3が配されている。表示面3には、各種の画像(画面)が表示される。
キャビネット2の内部には、下端部にマイクロフォン4が配されており、上端部に通話スピーカ5が配されている。マイクロフォン4には、キャビネット2の正面に形成されたマイク孔4aを通じて音声が入力される。マイクロフォン4は、入力した音に応じた電気信号を生成する。通話スピーカ5からは、音声が出力される。出力された音声は、キャビネット2の正面に形成された出力孔5aを通じて外部に放出される。
キャビネット2の正面には、キー操作部6が設けられている。キー操作部6は、複数の操作キーから構成されている。各操作キーには、実行中のプログラムを操作するための各種の機能が割り当てられる。
キャビネット2の内部には、外部スピーカ7が配されている。キャビネット2の背面には、外部スピーカ7に対応する出力孔7aが形成されている。外部スピーカ7から出力された音(音声、報知音等)は、出力孔7aを通じて外部に放出される。
図2は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。携帯電話機1は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、タッチ検出部14と、音声入力部15と、音声出力部16と、音声処理部17と、キー入力部18と、通信部19とを備えている。
記憶部12は、ROM、RAM等から構成される。記憶部12には、各種のプログラムが記憶されている。記憶部12に記憶されるプログラムは、携帯電話機1の各部を制御するための制御プログラムの他、各種アプリケーション(たとえば、電話、電子メール、地図、ゲーム、スケジュール管理、等)を含む。
さらに、記憶部12には、テキストファイル、画像ファイル、音楽ファイル等の各種ファイルが記憶されている。
記憶部12には、プログラムの実行の際、一時的に利用または生成されるデータを記憶するワーキング領域も含まれる。
制御部11は、CPU等から構成されている。制御部11は、プログラムに従って、携帯電話機1を構成する各部(記憶部12、表示部13、タッチ検出部14、音声入力部15、音声出力部16、音声処理部17、キー入力部18、通信部19等)を制御する。
表示部13は、液晶ディスプレイ等から構成される。表示部13は、制御部11からの制御信号と画像信号に基づき、表示面3に画像(画面)を表示する。表示部13は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイ等、他の表示装置から構成されてもよい。
タッチ検出部14は、表示面3への指の接触を検出するタッチパネル等から構成されている。タッチパネルは、透明なシート状に形成され、表示面3上を覆いキャビネット2の正面に配される。タッチパネルは、静電容量式、超音波式、感圧式、抵抗膜式、光検知式等、各種方式のタッチパネルであってよい。
タッチ検出部14は、前記表示面3へのユーザによるタッチを検出する。即ち、タッチ検出部14は、指が触れた表示面3上の位置を入力位置として検出し、検出した入力位置に応じた位置信号を制御部11へ出力する。
ユーザは、表示面3に指を触れることにより各種のタッチ操作を行うことができる。タッチ操作の種類として、タップ操作、フリック操作、スライド操作、ロングタッチ操作、ダブルタップ操作等が挙げられる。タップ操作は、表示面3に指を接触させた後、短時間のうちに離す操作である。フリック操作は、表示面3を指で任意の方向に弾く操作である。スライド操作は、表示面3に指を接触させたまま任意の方向へ移動させる操作である。ロングタッチ操作は、所定時間以上、指を表示面3に接触させ続ける操作である。ダブルタップ操作は、短時間の間にタップ操作を2回繰り返す操作である。
音声入力部15は、マイクロフォン4等から構成される。音声入力部15は、マイクロフォン4からの電気信号を音声処理部17へ出力する。
音声出力部16は、通話スピーカ5、外部スピーカ7等から構成される。音声出力部16には、音声処理部17からの電気信号を入力され、通話スピーカ5または外部スピーカ7から音(音声、報知音等)が出力される。
音声処理部17は、音声入力部15からの電気信号にA/D変換等を施し、変換後のデジタルの音声信号を制御部11へ出力する。音声処理部17は、制御部11からのデジタルの音声信号にデコード処理およびD/A変換等を施し、変換後の電気信号を音声出力部16に出力する。
キー入力部18は、キー操作部6の各操作キーが押下されたときに、押下された操作キーに応じた信号を制御部11へ出力する。
通信部19は、通話や通信を行うため、信号を変換するための回路、電波を送受信するアンテナ等を備える。通信部19は、制御部11から入力される通話や通信のための信号を無線信号に変換し、変換された無線信号を、アンテナを介して基地局や他の通信装置等の通信先へ送信する。さらに、通信部19は、アンテナを介して受信した無線信号を制御部11が利用できる形式の信号へ変換し、変換された信号を制御部11へ出力する。
さて、本実施形態の携帯電話機1では、記憶部12に記憶された各種ファイルの一覧を表示させることができる。
図3(a)および(b)は、ファイルの一覧画面の表示例を示す図である。図3(a)に示すように、一覧画面には、複数のファイル、即ち、ファイルに対応するテキストアイコンが並べられる。各ファイルは、たとえば、各ファイルが同一の階層であることを示すバスにより連結されている。
ユーザは、一覧画面において、フォルダを作成することができる。作成されたフォルダは、たとえば、各ファイルと同じ階層とされる。ユーザは、作成したフォルダ内への各ファイルの移動や、各ファイルのコピーの作成を行うことができる。
さらにユーザは、一覧画面において、不要なファイルを削除することができる。
図3(b)に示すように、たとえば、ユーザによる所定の操作によって、一覧画面にメニューウィンドウがポップアップ表示される。メニューウィンドウには、一覧画面中の各ファイルに対して実行可能な処理(移動、コピー、削除、開く等)の項目が表示される。ユーザは、メニューウィンドウから所望の項目を選択する。ユーザにより選択された項目に対応する処理(ファイル移動処理、ファイルコピー処理、ファイル削除処理、ファイル開放処理等)は制御部11により実行される。以下、ファイル移動処理、ファイルコピー処理、ファイル削除処理、ファイル開放処理等を総称する場合、「ファイル処理」と称する。
図2に戻り、一覧画面中のファイルに対してファイル処理を実行するため、制御部11は、表示制御部21と、操作判定部22と、選択部23と、処理実行部24とを備えている。
表示制御部21は、表示部13に対する表示制御を行う。たとえば、表示制御部21は、ファイルの一覧画面を表示部13に表示させる。さらに、表示制御部21は、ファイル処理が実行されると、処理に従って一覧画面の表示を更新する。
操作判定部22は、ファイル処理において、タッチ検出部14による検出結果に基づき、ファイル処理に係るユーザの操作を判定する。操作判定部22は、ファイルの移動先またはコピー先のフォルダを指定する指定操作の有無を判定する。フォルダの指定操作は、たとえば、フォルダ(フォルダのテキストアイコン)へのタップ操作である。操作判定部22は、フォルダの位置へのタッチを検出した後、予め定めた第1時間以内にタッチが検出されなくなった場合に、フォルダへのタップ操作がなされたと判定する。
さらに、操作判定部22は、一覧画面より先頭のファイルを指定する開始操作の有無と、停止操作の有無とを判定する。開始操作は、たとえば、先頭のファイルとして指定するファイル(ファイルのテキストアイコン)へのロングタッチ操作である。操作判定部22は、ファイルの位置へのタッチを検出した後、予め定めた第2時間以上、タッチが検出され続けた場合に、ファイルへのロングタッチ操作がなされたと判定する。終了操作は、たとえば、ロングタッチ操作に続いて表示面3から指をリリースする操作である。操作判定部22は、ロングタッチ操作であると判定した後に、継続していたタッチの検出がなくなった場合に、ロングタッチ操作に続くリリース操作がなされたと判定する。
さらに、操作判定部22は、データ処理を終了させるための終了操作の有無を判定する。終了操作は、たとえば、一覧画面の背景領域(フォルダおよびファイル以外の領域)へのダブルタップ操作である。操作判定部22は、背景領域の位置でのタップ操作が予め定めた第3時間以内の間隔で2回検出された場合に、背景領域へのダブルタップ操作がなされたと判定する。
選択部23は、ファイル処理において、操作判定部22により開始操作がなされたと判定されると、開始操作の際に指定された先頭のファイルから所定の選択順位に従ってファイルを順次選択する。選択順位は、たとえば、一覧画面におけるファイルの配列順とすることができる。図3(a)のように、一覧画面において、ファイルが、上下一列に配列されている場合、たとえば、上方に位置するファイルほど順位が小さくなるように順位が決められる。選択順位が一位でないファイルが先頭のファイルに指定された場合、選択部23は、選択順位が最下位のファイルを選択すると、次に、選択順位が一位のファイルに戻り、選択順位に従ってファイルの選択を継続する。選択部23は、選択順位が最下位のファイルを選択すると、選択順位が一位のファイルには戻らず、ファイルの選択を終了する構成とされても良い。
処理実行部24は、選択部23により順次選択されたファイルに対して移動、コピー、削除、開放等の処理を実行する。さらに、処理実行部24は、操作判定部22により停止操作がなされたと判定されると、処理の順次実行を停止する。
図4は、ファイル移動処理の流れを示すフローチャートである。図5および図6は、ファイル移動処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
図3(b)に示すメニューウィンドウの中から、ユーザにより「移動」の項目が選択されると、制御部11は、ファイル移動処理を開始する。項目の選択が終了すると、メニューウィンドウは消去される。
まず、ユーザは、表示部13に表示された一覧画面において、ファイルの移動先となるフォルダを指定する。ユーザによりフォルダへのタップ操作がなされると(図5の画面A参照)、制御部11(操作判定部22)は、フォルダの指定操作がなされたと判定する(S101:YES)。制御部11は、指定されたフォルダを移動先フォルダに決定する(S102)。制御部11(表示制御部21)は、表示部13に、移動先フォルダが決定されたことに基づく表示を行う(S103)。S103の処理における表示とは、たとえば、指定されたフォルダが移動先フォルダであることを示すマーカが付されることである(図5の画面B参照)。
次に、ユーザは、最初に移動させる先頭のファイルを指定して移動の開始操作を行う。ユーザにより先頭のファイルへのロングタッチ操作がなされると(図5の画面C参照)、制御部11(操作判定部22)は、先頭のファイルを指定する開始操作がなされたと判定する(S104:YES)。制御部11(選択部23)は、一覧画面から、指定されたファイルを選択し、移動の対象ファイルに決定する(S105)。制御部11(表示制御部21)は、表示部13に、対象ファイルが決定されたことに基づく表示を行う(S106)。たとえば、対象ファイルを他のファイルと区別するために、対象ファイルがハイライト表示される(図5の画面D参照)。
制御部11(処理実行部24)は、対象ファイルを移動先フォルダに移動させる(S107)。
ユーザは、表示面3に指をタッチさせ続ける。タッチが継続している間、制御部11(操作判定部22)は、停止操作がないと判定する(S108:NO)。制御部11は、対象ファイルの移動が完了したか否かを判定し(S109)、移動が完了したと判定すると(S109:YES)、移動した対象ファイルが最後の対象ファイルであるか否か判定する(S110)。たとえば、先頭のファイルに指定されたファイルの選択順位が一位のファイルである場合、選択順位が最下位のファイルが移動されると、移動した対象ファイルが最後の対象ファイルであると判定される。
移動が完了した対象ファイルが先頭のファイルであれば、最後の対象ファイルでないと判定されるので(S110:NO)、制御部11(選択部23)は、選択順位に従って、次のファイルを一覧画面から選択し、選択したファイルを対象ファイルに決定する(S111)。
次に、制御部11(表示制御部21)は、表示部13に、移動の完了および対象ファイルの決定に基づく表示を行う(S112)。たとえば、移動されたファイルは、移動先フォルダの下の階層であることが分かるよう、移動先フォルダの下方に、移動先フォルダとバスで連結されて表示される。移動元のファイルの表示は消去される。新たな対象ファイルが、消去されたファイルの位置、即ち、指でタッチされている位置に移動され、ハイライト表示される。残りのファイルも対象ファイルの移動に合わせて移動する(図5の画面E参照)。
ステップS107に戻り、制御部11(処理実行部24)により、新たな対象ファイルが移動先フォルダへ移動される。停止操作がなされることなく移動が完了し、次の対象ファイルが決定されれば、移動の完了と対象ファイルの決定に基づく表示がなされる(S108〜S112)。たとえば、新たに移動されたファイルが、先に移動したファイルに続いて移動先フォルダの下方に表示され、移動元のファイルの表示が消去される。新たな対象ファイルが、消去されたファイルの位置に移動され、ハイライト表示される。残りのファイルも対象ファイルの移動に合わせて移動する(図5の画面F参照)。
このようにして、ユーザは、ロングタッチ操作後に継続して表示面3に指をタッチさせておけば、一覧画面からファイルが順次選択され、選択されたファイルが移動先フォルダに移動される。つまりユーザは、表示面3に指をタッチさせた位置を移動させることなくファイルを選択することができる。
ユーザは、次のファイルを移動させない場合、そのファイルの移動が開始された後、直ちに停止操作を行う。停止操作とは、たとえば、ユーザが表示面3から指を離す操作である。ユーザによりロングタッチ操作に続いてリリース操作がなされると、制御部11(操作判定部22)は、停止操作がなされたと判定する(S108:YES)。制御部11は、対象ファイルの移動開始から予め定めた確定時間が経過したか否かを判定する(S113)。現在のファイルの移動が開始されてから直ちに停止操作がなされた場合は、確定時間が経過していないため(S113:NO)、制御部11(処理実行部24)は、ファイルの移動を中止する(S114)。
一方、現在のファイルを移動させてから、順次のファイルの移動を停止する場合、ユーザは、確定時間の経過を待って指を表示面3から離す。確定時間が経過しているため(S113:YES)、制御部11(処理実行部24)は、そのまま、対象ファイルの移動を継続する。
対象ファイルの移動が中止されると(S114)、あるいは、対象ファイルの移動が完了すると(S115:YES)、制御部11(選択部23)は、ファイルの選択を停止する(S116)。制御部11(表示制御部21)は、表示部13に、移動処理の停止に基づく表示を行う(S117)。
移動が中止された場合には、たとえば、移動が中止されたファイルのハイライト表示が消去される(図5の画面G参照)。一方、移動が完了している場合には、たとえば、新たに移動されたファイルが、先に移動したファイルに続いて移動先フォルダの下方に表示され、移動元のファイルの表示が消去される。残りのファイルは移動せず、ハイライト表示も行われない(図5の画面H参照)。
ユーザは、所望のファイルをフォルダへ移動させると、終了操作を行う。ユーザによりダブルタップ操作がなされると(図6(a)の画面I参照)、制御部11(操作判定部22)は、終了操作がなされたと判定する(S118:YES)。制御部11(表示制御部21)は、表示部13に、ファイル移動処理が終了されたことに基づく表示を行う(S119)。たとえば、移動先フォルダに付されたマーカが一覧画面から消去される(図6(a)の画面J参照)。こうして、ファイル移動処理が終了する。
ユーザは、一旦、ファイルの移動を停止した後に、さらに、移動させたいファイルがある場合、移動しないファイルを飛ばして、移動させる先頭のファイルを新たに指定し、開始操作を行う。ユーザにより新たな先頭のファイルへのロングタッチ操作がなされると(図6(b)の画面K参照)、制御部11(操作判定部22)により、先頭のファイルを指定する開始操作がなされたと判定され(S104:YES)、指定されたファイルから、再びファイルの移動が行われる(S105〜S107,図6(b)の画面Lおよび画面M参照)。
ユーザは、移動先フォルダと同じ階層の全てのファイルを移動先フォルダに移動させる場合、全てのファイルの移動が完了するまでロングタッチ操作を続ける。最後のファイルの移動が完了すると、ステップS110において、最後のファイルであると判定され(S110:YES)、制御部11(表示制御部21)は、表示部13に、ファイル移動処理が終了されたことに基づく表示を行う(S119)。移動先フォルダの下方に、移動された全てのファイルが表示され、移動先フォルダと同じ階層のファイルの表示は全て消える(図6(c)参照)。
なお、先頭ファイルに指定したファイルのみを移動する場合は、図5の画面Eに示すように先頭ファイルの移動が完了した後、ユーザにより停止操作が行われる。
図7は、ファイルコピー処理の流れを示すフローチャートである。図8および図9は、ファイルコピー処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
図3(b)に示すメニューウィンドウの中から、ユーザにより「コピー」の項目が選択されると、制御部11により、ファイルコピー処理が開始される。
ファイルコピー処理は、対象ファイルに対する処理がコピー処理である点を除き、ファイル移動処理と同様である。
即ち、ユーザの指定操作(タップ操作)によりコピー先フォルダが指定され、先頭のファイルを指定する開始操作(先頭ファイルへのロングタッチ操作)がなされると、先頭のファイルから、選択順位に従って、順次、ファイルの選択が行われ、選択されたファイルのコピーが行われる(S201〜S212,図8の画面A〜画面F参照)。ファイルのコピーが順次実行されている間に、ユーザにより停止操作(ロングタッチ操作に続くリリース操作)がなされると、コピー処理が停止される(S213〜S217,図8の画面Gおよび画面H参照)。
さらに、コピー処理が停止された後、ユーザにより、コピーしないファイルが飛ばされ、新たな先頭ファイルが指定されて開始操作がなされると、新たな先頭ファイルからファイルのコピーが行われる(S204〜S212,図9(b)参照)。また、コピー処理が停止された後にユーザにより終了操作(ダブルタップ操作)がなされると、あるいは、ロングタップ操作が継続されて、コピー先フォルダと同じ階層の全てのファイルがコピー先フォルダへコピーされると、ファイルコピー処理が終了される(S218、S219,図9(a)、(c)参照)。
なお、ファイルコピー処理では、ファイル移動処理と異なり、コピー元のファイルは残る。よって、図8の画面E〜画面Hに示すように、コピー処理されたファイルの表示は、そのまま残る。コピー先フォルダの表示は、コピー先フォルダの下方にコピーされたファイルの表示が追加される度に、上方へシフトする。
図10は、ファイル削除処理の流れを示すフローチャートである。図11および図12は、ファイル削除処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
図3(b)に示すメニューウィンドウの中から、ユーザにより「削除」の項目が選択されると、制御部11により、ファイル削除処理が開始される。
ファイル削除処理は、移動先フォルダが指定されない点、および対象ファイルに対する処理が削除処理である点を除き、ファイル移動処理と同様である。
即ち、先頭のファイルを指定する開始操作(先頭ファイルへのロングタッチ操作)がなされると、先頭のファイルから、選択順位に従って、順次、ファイルの選択が行われ、選択されたファイルの削除が行われる(S301〜S309,図11の画面A〜画面D参照)。対象ファイルの削除が完了したことに基づく表示(S309)として、削除されたファイルの表示が、一覧画面上から消去される。ファイルの削除が順次実行されている間に、ユーザにより停止操作(ロングタッチ操作に続くリリース操作)がなされると、削除処理が停止される(S310〜S314,図11の画面Eおよび画面F参照)。
さらに、削除処理が停止された後、ユーザにより、削除しないファイルが飛ばされ、新たな先頭ファイルが指定されて開始操作がなされると、新たな先頭ファイルからファイルの削除が行われる(S301〜S309,図12(b)参照)。また、削除処理が停止された後にユーザにより終了操作(ダブルタップ操作)がなされると、あるいは、ロングタップ操作が継続されて、階層が同じである全てのファイルが削除されると、ファイル削除処理が終了される(S315、S316,図12(a)、(c)参照)。ファイル削除処理では、たとえば、図12(a)の画面Hに示すように、削除処理の終了に基づく表示が、削除処理の停止に基づく表示と同じ表示とされる。
図13は、ファイル開放処理の流れを示すフローチャートである。図14および図15は、ファイル開放処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。開放処理とは、ファイルの内容を表示する処理、もしくは、ファイルに基づく機能を実行するである。
図3(b)に示すメニューウィンドウの中から、ユーザにより「開く」の項目が選択されると、制御部11により、ファイル開放処理が開始される。
ファイル開放処理は、対象ファイルに対する処理が開放処理である点を除き、ファイル削除処理と同様である。
即ち、先頭のファイルを指定する開始操作(先頭ファイルへのロングタッチ操作)がなされると、先頭のファイルから、選択順位に従って、順次、ファイルの選択が行われ、選択されたファイルが開かれる(S401〜S409,図14の画面A〜画面D参照)。制御部11は、選択されたファイルに対応するアプリケーションを起動し、起動したアプリケーションによってファイルを開く。対象ファイルが開いたことに基づく表示(S409)として、一覧画面における、ファイルの表示がなされていない領域に、開かれたファイルの内容が表示される。
ファイルの開放が順次実行されている間に、ユーザにより停止操作(ロングタッチ操作に続くリリース操作)がなされると、開放処理が停止される(S410〜S414,図14の画面Eおよび画面F参照)。
さらに、開放処理が停止された後、ユーザにより、開かないファイルが飛ばされ、新たな先頭ファイルが指定されて開始操作がなされると、新たな先頭ファイルからファイルが開かれる(S401〜S409,図15(b)参照)。また、開放処理が停止された後にユーザにより終了操作(ダブルタップ操作)がなされると、あるいは、ロングタップ操作が継続されて、階層が同じである全てのファイルが開かれると、ファイル開放処理が終了される(S415、S416,図15(a)、(c)参照)。ファイル開放処理では、ファイル削除処理と同様、たとえば、図15(a)の画面Hに示すように、開放処理の終了に基づく表示が、開放処理の停止に基づく表示と同じ表示とされる。
以上、本実施形態によれば、先頭のファイルを指定した開始操作がなされると、その後停止操作が行われるまで、先頭のファイルから順次、自動的にファイルが選択され、選択されたファイルに対して移動、コピー、削除、開放等の処理が行われる。よって、ユーザは、処理を行う単位(1個/複数/全部)を選択する操作を行う必要がなく、所望の個数のファイルを処理するための操作を軽減することができる。
さらに、本実施形態によれば、停止操作がなされた後に、新たな先頭ファイルを指定する開始操作の有無が判定され、開始操作があれば、新たな先頭ファイルから処理を再開する。よって、ユーザは、処理が不要なファイルを飛ばして、処理が必要なファイルから再び処理を開始することができので、ユーザの使い勝手が良くなる。
さらに、本実施形態によれば、先のファイルに対する処理が完了して次のファイルの処理が開始されても、開始から所定時間(確定時間)が経過する前に停止操作がなされれば、そのファイルに対する処理が中止される。よって、不要なファイルが処理されないように、先のファイルに対する処理が終了した後にユーザによる停止操作を待つための待機時間を設ける必要がなく、先のファイルが処理された後直ちに次のファイルの処理を開始できる。結果、ファイルを連続的に処理する時間が短縮できる。
さらに、本実施形態よれば、現在、処理が行われているファイルを他のファイルと区別するための表示として、処理が行われているファイルがハイライト表示される。よて、ユーザは、現在、処理が行われているファイルを容易に把握できる。
さらに、本実施形態によれば、ユーザは表示面3を指で押下し、所望のファイルが処理されたタイミングで表示面3から指を離す(押下をやめる)ことにより、容易な操作にて複数個のファイルを連続的に処理することができる。
<変更例1>
上記実施形態では、ファイルの移動、コピー、削除および開放の各処理に本発明が適用された。しかしながら、一覧画面に表示された音楽ファイルを、音楽再生リストのフォルダ(再生リストフォルダ)に登録する、あるいは、一覧画面に表示されたファイルをお気に入りリストのフォルダに登録するなどのファイル登録処理に、本発明を適用することもできる。
図16は、変更例1に係る携帯電話機1のファイル登録処理の流れを示すフローチャートである。図17および図18は、ファイル登録処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。図18には、音楽ファイルを再生リストフォルダに登録する場合の画面が示されている。
ファイル登録処理は、対象ファイルに対する処理が登録処理である点を除き、ファイル移動処理と同様である。
即ち、ユーザの指定操作(タップ操作)により登録先フォルダ(たとえば、再生リストフォルダ)が指定され、先頭のファイル(たとえば、音楽ファイル)を指定する開始操作(先頭のファイルへのロングタッチ操作)がなされると、先頭のファイルから、選択順位に従って、順次、ファイルの選択が行われ、選択されたファイルが登録先フォルダへ登録される(S501〜S512,図17の画面A〜画面F参照)。ファイルの登録が順次実行されている間に、ユーザにより停止操作(ロングタッチ操作に続くリリース操作)がなされると、登録処理が停止される(S513〜S517,図17の画面Gおよび画面H参照)。
さらに、登録処理が停止された後、ユーザにより、登録しないファイルが飛ばされ、新たな先頭ファイルが指定されて開始操作がなされると、新たな先頭ファイルからファイルの登録が行われる(S504〜S512,図18(b)参照)。また、登録処理が停止された後にユーザにより終了操作(ダブルタップ操作)がなされると、あるいは、ロングタップ操作が継続されて、登録先フォルダと同じ階層の全てのファイルが登録先フォルダへ登録されると、ファイル登録処理が終了される(S518、S519,図18(a)、(c)参照)。
なお、ファイル登録処理では、ファイル移動処理と異なり、登録元のファイルは残る。よって、図17の画面E〜画面Hに示すように、登録処理されたファイルの表示は、そのまま残る。登録先フォルダの表示は、登録先フォルダの下方に登録されたファイルの表示が追加される度に、上方へシフトする。
<変更例2>
図19は、変更例2に係る携帯電話機1の構成について説明するための図である。
本変更例では、停止操作によって、ファイルに対する処理(たとえば、ファイルの移動)が停止されると、図19(a)の画面Aに示すように、表示制御部21により、ユーザが復元操作を行うための復元ボタン101が一覧画面上に表示される。
ユーザにより復元ボタン101がタッチされると、処理実行部24は、図19(a)の画面Bに示すように、処理の停止前に最後に選択されたファイルに対する処理を無効にし、そのファイルに対して処理が行われる前の状態に戻す。ファイルの状態が、先頭のファイルに対して処理が行われる前の状態まで戻っていなければ、復元ボタン101が一覧画面上に表示され続ける。さらに、復元ボタン101がタッチされると、処理実行部24は、図19(a)の画面Cに示すように、ファイルの状態を、さらに一つ前のファイルに対して処理が行われる前の状態に戻す。ファイルの状態が、先頭ファイルに対して処理が行われる前の状態まで戻れば、復元ボタン101が一覧画面上から消去される。
図19(b)の画面Dに示すように、表示制御部21により、復元ボタン101に加えて全復元ボタン102が一覧画面上に表示される構成とすることもできる。この場合、ユーザにより全復元ボタン102がタッチされると、処理実行部24は、図19(b)の画面Eに示すように、ファイルの状態を、先頭のファイルに対して処理が行われる前の状態まで戻す。
一覧画面に全復元ボタン102が表示されるが復元ボタン101が表示されない構成とされても良い。また、復元ボタン101および全復元ボタン102の少なくとも1つのボタンが、一覧画面上に表示される構成とされても良い。
本変更例によれば、ユーザは、誤ってファイルが処理されても、容易な操作により、そのファイルを処理がなされる前の状態に戻すことができる。
<変更例3>
図20は、変更例3に係る携帯電話機1の構成について説明するための図である。
本変更例では、制御部11が、報知部として、個々のファイルに対する処理が完了する度に、完了した旨をユーザに通知するための報知を行う。たとえば、図20(a)および(b)に示すように、制御部11は、個々のファイルに対する処理(たとえば、ファイルの移動)が完了する度に、一覧画面上に、処理が完了したことを示す通知ウィンドウをポップアップ表示する。
制御部11は、外部スピーカ7からビープ音等の音を出力することにより、処理の完了を示す報知を行っても良い。さらに、携帯電話機1にバイブレータが内蔵されている場合、制御部11は、バイブレータによって機器本体を振動させることにより、処理の完了を示す報知を行っても良い。
本変更例の構成によれば、個々のファイルに対する処理が終了したタイミングをユーザが容易に把握できるため、ユーザが停止操作を忘れて、不要なファイルが処理されてしまうことが起こりにくい。
<変更例4>
図21〜図23は、変更例4に係る携帯電話機1の構成について説明するための図である。図21〜図23を参照し、本変更例のファイル移動処理について説明する。
まず、図21を参照する。ファイル移動処理において、ユーザによる指定操作(タップ操作)に基づいて移動先フォルダが決定されると(画面A参照)、表示制御部21により、移動先フォルダに移動されたファイルを格納するための格納エリアが、一覧画面上に表示される(画面B参照)。さらに、ファイルの移動するため操作方法を知らせる通知ウィンドウが、一定時間、一覧画面上に表示される。
次に、ユーザにより先頭のファイルを指定した開始操作(ロングタッチ操作)がなされ、対象ファイルの移動が開始されると(画面C参照)、表示制御部21により、対象ファイルが移動先フォルダへ移動する過程を表す過程表示が一覧画面上で行われる(画面D参照)。
対象ファイルの移動が完了すると、表示制御部21により、移動されたファイルが格納エリア内に表示される(画面E参照)。格納エリア内には、さらに、移動されたファイルに対して、コピーおよび削除の処理を行うために操作される「コピー」および「削除」のテキストアイコンが表示される。
本変更例では、ユーザにより停止操作(ロングタッチ操作に続くリリース操作)がなされた後に、予め定められた一定時間が経過すると、制御部11は、ユーザによる終了操作がなされなくても、ファイル移動処理を終了させる。ファイル移動処理が終了すると、表示制御部21により、格納エリアの表示は消去され、移動されたファイルが移動先フォルダの下の階層として移動先フォルダの下方に表示される(画面Fおよび画面G参照)。
次に、図22を参照する。対象ファイルの移動が開始された後、確定時間内に停止操作がなされれば、その対象ファイルの移動は中止される。この場合、画面Hに示すように、表示制御部21により、移動先フォルダへ向かっていたファイルが元の位置へ戻る過程表示が一覧画面上で行われる。
次に、図23を参照する。停止操作がなされた後、ユーザは、移動されたファイルをコピーしたり、削除したりできる。図23(a)に示すように、移動されたファイルをコピーする場合、ユーザは、ファイルにタッチした後、「コピー」のアイコンにタッチする(画面K参照)。処理実行部24により、移動先フォルダ内にタッチされたファイルのコピーが作成される。コピーが完了すると、表示制御部21により格納エリア内に、コピーされたファイルが表示される(画面L参照)。図23(b)に示すように、移動されたファイルを削除する場合、ユーザは、ファイルにタッチした後、「削除」のアイコンにタッチする(画面M参照)。処理実行部24により、タッチされたファイルが削除される。削除が完了すると、表示制御部21により格納エリア内から、削除されたファイルの表示が消去される(画面N参照)。
なお、ファイルコピー処理において、上記図21〜図23に示すファイル移動処理と同様の表示制御が、表示制御部21により行われても良い。
本変更例によれば、フォルダを指定した後に操作方法を通知する通知ウィンドウが表示されるので、ユーザは操作方法を容易に確認できる。
さらに、本変更例によれば、処理が開始されると、ファイルがフォルダへ向かう過程が視覚的に示されるので、ユーザは処理が実行中であることを容易に確認できる。また、処理が中止されると、ファイルがフォルダから戻る過程が視覚的に示されるので、ユーザは処理が中止されたことを容易に確認できる。
さらに、本変更例によれば、ユーザは、フォルダ内に設けられた「コピー」または「削除」のアイコンを操作することにより、フォルダ内に格納されたファイルに対して、削除またはコピーの処理を行うことができる。
<変更例5>
上記実施形態では、表示面3に対するタッチ操作により入力が行われる携帯電話機1に本発明が適用されている。しかしながら、以下に説明する通り、キーパッドにより入力が行われる携帯電話機1に、本発明が適用されても良い。
図24は、変更例5に係る携帯電話機50の構成を示す図である。図24(a)は、携帯電話機50を開いた状態の正面図であり、図24(b)は、携帯電話機50を閉じた状態の正面図である。
以下、説明の便宜上、図24に示すように、第1キャビネット51および第2キャビネット52の長手方向を上下方向と定義し、第1キャビネット51および第2キャビネット52の短手方向を左右方向と定義する。
携帯電話機50は、いわゆる、スライド式の携帯電話機である。携帯電話機50は、第1キャビネット51と第2キャビネット52を備えている。第1キャビネット51および第2キャビネット52は、正面から見て、ほぼ長方形状を有する。第2キャビネット52は、上下方向にスライド可能に第1キャビネット51に連結されている。
第1キャビネット51の正面には、キーパッド53が配されている。キーパッド53は、4個の起動キー531と、方向キー532と、決定キー533と、通話キー534と、終話キー535と、12個のテンキー536と、クリアキー537とを備えている。
起動キー531は、主に、電子メール、電話帳、ウェブブラウザなどの特定のアプリケーションを起動する際に操作される。方向キー532は、主に、表示部13に表示されたカーソルを移動する際に操作される。決定キー533は、主に、カーソルにより指定された項目を選択する際に操作される。通話キー534は、主に、通話を開始する際に操作され、終話キー535は、主に、通話を終了する際に操作される。テンキー536は、主に、文字(ひらがな、カタカナ、アルファベット)、数字および記号の入力を行う際に操作される。クリアキー537は、主に、入力した文字等を消去する際に操作される。
第2キャビネット52の正面には表示面54が配されている。表示面54には、各種の画像(画面)が表示される。
第1キャビネット51の内部には、下端部にマイクロフォン55が配されている。マイクロフォン55には、第1キャビネット51の正面に形成されたマイク孔55aを通じて音声が入力される。第2キャビネット52の内部には、上端部に通話スピーカ56が配されている。通話スピーカ56から出力された音声は、第2キャビネット52の正面に形成された出力孔56aを通じて外部に放出される。
携帯電話機50を閉じた状態では、図24(b)に示すように、第2キャビネット52が第1キャビネット51の前方にほぼ完全に重なっている。この状態(閉じた状態)では、第2キャビネット52の背後にキーパッド53の全てのキーが隠れた状態となる。第2キャビネット52が、上方へスライドされ、携帯電話機1が完全に開かれると、図24(a)に示すように、キーパッド53の全てのキーが外部に露出する。
本変更例の携帯電話機50においても、図4に示す上記実施形態のファイル移動処理と同様のファイル移動処理が実行される。ただし、本変更例では、表示面54に対するタッチ操作ではなく、キーパッド53に対する操作により、指定操作、開始操作、停止操作および終了操作が行われる。
図25および図26は、ファイル移動処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。以下、図25および図26を参照して、本変更例のファイル移動処理を具体的に説明する。
まず、図25を参照する。ファイルの一覧画面において、ユーザは、移動先フォルダの指定操作を行う。即ち、ユーザは、方向キー532によりカーソルを所望のフォルダの位置まで移動させ、決定キー533を押下する(画面A参照)。移動先フォルダに決定されたフォルダにマーカが付される(画面B参照)。
次に、ユーザは、先頭のファイルを指定した開始操作を行う。即ち、ユーザは、方向キー532によりカーソルを所望のファイルの位置まで移動させ、決定キー533に対して長押し操作を行う(画面C参照)。対象ファイルに決定されたファイルがハイライト表示される(画面D参照)。
先頭ファイルの移動先ファイルへの移動が開始され、以降、ユーザが決定キー533を押し続けている間、順次、移動先フォルダへファイルが移動される。移動されたファイルは、元の位置から消去され、次の対象ファイルに決定されたファイルがハイライト表示される。上記実施形態のようにロングタッチ操作が行われる場合とは異なり、移動元のファイルの位置は移動しない(画面Eおよび画面F参照)。
ファイルの移動が順次実行されている間に、ユーザにより停止操作、即ち、決定キー533を離す操作がなされると、移動処理が停止される。(画面Gおよび画面H参照)。ハイライト表示は消去され、移動されたファイルの次の選択順位のファイルの位置にカーソルが表示される。
次に、図26(a)を参照して、ファイル移動処理が実行されたときの画面表示について説明する。まず、ユーザは、所望のファイルをフォルダへ移動させた後、終了操作を行う。ユーザは、終了操作に割り当てられたクリアキー537を押下する(画面I参照)。クリアキー537が押下されると、ファイル移動処理が終了し、移動先フォルダに付されていたマーカが消去される(画面J参照)。
次に、図26(b)を参照して、ファイル移動処理が実行されたときの画面表示について説明する。ユーザは、ファイルの移動を停止した後に、さらに、移動させたいファイルがある場合、移動しないファイルを飛ばして、移動させる先頭のファイルを新たに指定し、移動の開始操作を行う。即ち、ユーザは、方向キー532により新たな先頭ファイルまでカーソルを移動させ、決定キー533に対して長押し操作を行う(画面K参照)。決定キー533に対して長押し操作が行われると、指定されたファイルから、ファイルの移動が再開される(画面Lおよび画面M参照)。
本変更例では、さらに、上記実施形態と同様のファイルコピー処理、ファイル削除処理およびファイル開放処理を実行することができる。さらに、変更例1と同様のファイル登録処理を実行することができる。これらファイル処理においてユーザにより行われるキー操作は、上述の通りである。
本変更例においても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記のようなスライド式の携帯電話機に限られず、他のキー入力方式の携帯電話機、たとえば、いわゆる折り畳み式の携帯電話機に、本発明が適用されても良い。
<その他>
以上、本発明の実施形態および変更例について説明したが、本発明は、上記実施形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施形態および変更例では、ファイルに対する移動、コピー、削除、開放等の処理に、本発明が適用されている。しかしながら、アプリケーション、あるいはアプリケーションのショートカットに対する移動、コピー、削除、開放等の処理に、本発明が適用されても良い。アプリケーションに対して開放処理が実行された場合は、対象となるアプリケーションが起動する。
さらに、上記実施形態において、以下に説明するファイルの連続コピー処理が実行される構成とされても良い。図27は、連続コピー処理が実行されたときの画面表示例を示す図である。
ユーザは、コピー元となるファイルを指定した開始操作を行う。たとえば、コピーしたいファイルに対してロングタッチ操作を行う(画面A参照)。指定されたファイルがハイライト表示されて、コピーが開始される(画面B参照)。コピーにより新たに作成されたファイルは、コピー元のファイルと同じ階層とされる。一つのコピーが完了する度に、コピー元のファイルの下に、コピーにより作成された新たなファイルの表示が行われる(画面Cおよび画面D参照)。こうして、ロングタッチ操作がなされている間、指定されたファイルのコピーが繰り返し作成される。ユーザにより停止操作、たとえば、表示面3から指を離す操作がなされると、連続コピー処理が終了する(画面E参照)。
さらに、上記実施形態において、ファイルに対する処理(移動、コピー、削除、開放等)の実行中に電話や電子メールの着信があった場合、ファイルに対する処理が一時停止される構成とされても良い。ファイルに対する処理が一時停止された場合、着信に対応する処理が終了した後(たとえば電話であれば、通話が終了した後)には、一時停止前に処理が完了したファイルの次の選択順位のファイルに対して開始操作(たとえばロングタッチ操作)が行われることにより、そのファイルからファイルに対する処理が再開される。たとえば、通話終了後に、着信前に表示部13に表示されていたファイルの移動処理の実行中画面上における次の選択順位のファイルがハイライト表示されることにより、ファイルの移動処理を再開するために操作すべき位置が示されることとしてもよい。このような態様により、ユーザは、処理を再開するファイルを容易に認識することができる。
別の態様として、ファイルに対する処理の実行中に着信があった場合、ファイルに対する処理が中止され、着信に対応する処理の終了後には、ファイルに対応する処理が開始される前の一覧画面が表示部13に表示されても良い。この場合、ユーザにより、最初からファイルに対する処理が行われることとなる。
上記態様は、着信に限らず、アラーム、スケジュール報知等、ファイルに対する処理の実行中に割り込んで実行されるあらゆる処理に適用することができる。
さらに、上記変更例2では、停止操作によってファイルに対する処理が停止されると、一覧画面に復元ボタン101が表示された。しかしながら、復元ボタン101に替えて、あるいは復元ボタン101に加えて、他の処理(ファイル移動処理の実行中であれば、ファイルコピー処理、ファイル削除処理、ファイル開放処理等)を実行するためのボタンが表示されても良い。これらボタンが選択されると、ボタンに対応する処理に変更される。
たとえば、ファイル移動処理が行われている場合には、「コピー」、「削除」、「開放」の各ボタンが表示される。たとえば、「コピー」のボタンが押されると、フォルダが指定された状態から、即ち、図7のステップS204の処理から引き続いて、同一覧画面上でファイルコピー処理が開始される。「削除」ボタン、もしくは、「開放」ボタンが押下された場合も同様に、図10のファイル削除処理が開始され、もしくは、図13のファイル開放処理が開始される。このような構成とすれば、ユーザは、別の処理への変更を容易に行うことができる。
また別の態様として、上記と同様に復元ボタン101に替えて、あるいは復元ボタン101に加えて、他の処理を実行するためのボタンが表示され後、これらのボタンが選択された場合、ファイル移動処理で移動処理を完了したファイルを対象に、選択されたボタンに応じた処理が実行されることとしてもよい。
より具体的には、ファイル移動処理完了後に「コピー」ボタンが押下された場合は、移動後のファイルと同じファイルを、移動元もしくは移動先のフォルダにコピー(作成)するファイルコピー処理が実行される。また、ファイル移動処理の完了後に、「削除」ボタンが押下された場合は、移動後のファイルを対象としてファイル削除処理が実行される。つまり、図10のS304に基づく処理が実行される。また、「開放」ボタンが押下された場合は、移動後のファイルを対象としてファイル開放処理が実行される。つまり、図13のS404に基づく処理が実行される。上記態様によれば、ユーザはファイルの移動処理の完了後に、移動処理を実行したファイルに対して即座に別の処理を実行させることができる。
当該他の処理を実行するためのボタンは、ファイルの移動処理の完了後に所定時間表示される、もしくは、別の操作が実行されることにより表示が消去されることとしてもよい。
本発明は、携帯電話機に限られず、パーソナルコンピュータ、PDA(PersonalDigital Assistant)、タブレットPC(Tablet PC)、電子書籍端末等の各種の情報処理装置に適用可能である。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。