以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.第4の実施の形態
5.第5の実施の形態
6.第6の実施の形態
7.変形例
<1.第1の実施の形態>
[表示装置の構成例]
図1は、第1の実施の形態としての表示装置100の外観を概略的に示している。この表示装置100はモバイル機器を構成している。この表示装置100は、透明ディスプレイ101を有している。この透明ディスプレイ101の上端に、フロントカメラ(フロントイメージセンサ)102と、リアカメラ(リアイメージセンサ)103が隣接して配置されている。フロントカメラ102は、透明ディスプレイ101の正面側の像を撮像する。リアカメラ103は、透明ディスプレイ101の背面側の像を撮像する。また、透明ディスプレイ101の正面側の面にタッチパネル104が配置されている。
図2(a)は、透明ディスプレイ101を通してユーザに観察される像Iaの一例を示している。この場合、ユーザの手(一部)105が透明ディスプレイ101の正面側にあり、この手105の一部が透明ディスプレイ101を覆っており、像Iaに異物として含まれている。この表示装置100においては、図2(b)に示すように、像Iaに含まれているユーザの手105を削除することが可能とされる。
図3は、第1の実施の形態としての表示装置100の回路構成例を示している。この表示装置100は、透明ディスプレイ101と、フロントカメラ102と、リアカメラ103と、タッチパネル104を有している。また、この表示装置100は、視点推定部121と、領域推定部122と、撮像画像記憶部123と、補間画像作成部124と、表示制御部125と、重畳情報発生部126を有している。
視点推定部121は、リアカメラ103で得られた撮像画像に基づいて、ユーザの視点(眼の位置)を推定する。領域推定部122は、タッチパネル104の出力から、ユーザの手105の領域を異物の領域として検出する。また、領域推定部122は、ユーザの手105の領域の情報と、視点推定部121で得られた視点情報とに基づいて、フロントカメラ102で得られた撮像画像のうち、ユーザの手105の領域に対応した画像の領域を推定する。
撮像画像記憶部123は、フロントカメラ102で得られた撮像画像を所定フレーム期間分だけ記憶する。補間画像作成部124は、領域推定部122の領域推定結果に基づいて、撮像画像記憶部123に記憶されている撮像画像のうち、ユーザの手105の領域に対応した部分の画像を切り出して、補間画像を作成する。重畳情報発生部126は、透明ディスプレイ101に表示する文字や画像などの重畳情報を発生する。
この重畳情報は、例えば、ユーザが透明ディスプレイ101を通して観察する正面側の像に含まれる所定のオブジェクトに関連する情報とされる。この重畳情報は、例えば、フロントカメラ102で得られた撮像画像から所定のオブジェクトが画像認識され、その認識結果に基づいて図示しない通信機能によりインターネット上のサーバ装置から自動的に取得されてもよい。この場合、フロントカメラ102で得られた撮像画像を通信機能によりクラウド上(インターネット上)のサーバ装置に送信し、そのサーバ装置側で画像認識を行って、サーバ装置から重畳情報を受信する構成も考えられる。以上の重畳情報に関することは、以下の他の実施の形態においても同様である。
表示制御部125は、重畳情報発生部126で重畳情報が発生されるとき、この重畳情報を透明ディスプレイ101に表示する。また、表示制御部125は、異物除去モードにあるとき、補間画像作成部124で作成された補間画像を、透明ディスプレイ101のユーザの手105の領域にだけ表示する。
図3に示す表示装置100の動作を簡単に説明する。フロントカメラ102で透明ディスプレイ101の正面側の像を撮像して得られた撮像画像は、撮像画像記憶部123に一時的に記憶される。また、リアカメラ103で透明ディスプレイ101の正面側の像を撮像して得られた撮像画像は、視点推定部121に供給される。この視点推定部121では、リアカメラ103で得られた撮像画像に基づいて、ユーザの視点を推定する。この視点推定結果は領域推定部122に供給される。
タッチパネル104の出力は領域推定部122に供給される。この領域推定部122では、タッチパネル104の出力から、ユーザの手105の領域が異物の領域として検出される。また、この領域推定部122では、ユーザの手105の領域の情報と、視点推定部121で得られた視点情報とに基づいて、フロントカメラ102で得られた撮像画像のうち、ユーザの手105の領域に対応した画像の領域が推定される。この領域推定結果は、補間画像作成部124に供給される。
補間画像作成部124では、領域推定部122の領域推定結果に基づいて、撮像画像記憶部123に記憶されている撮像画像のうち、ユーザの手105の領域に対応した部分の画像が切り出され、補間画像(置き換え)が作成される。表示制御部125では、異物除去モードにあるとき、補間画像作成部124で作成された補間画像を、透明ディスプレイ101のユーザの手105の領域にだけ表示することが行われる。これにより、透明ディスプレイ101を通してユーザに観察される像Iaに含まれているユーザの手105が削除される(図2(b)参照)。また、表示制御部125では、重畳情報発生部126で重畳情報が発生されるとき、この重畳情報を透明ディスプレイ101に表示することが行われる。
図4のフローチャートは、図1、図3に示す表示装置100の異物除去モードにおける処理手順の一例を示している。表示装置100は、ステップST1において、処理を開始し、その後に、ステップST2において、フロントカメラ102およびリアカメラ103による撮像を開始すると共に、タッチパネル104を起動する。
次に、表示装置100は、ステップST3において、タッチパネル104で、手105で覆っている領域を検出する。次に、表示装置100は、ステップST4において、手で覆っている領域の光景(画像)を、フロントカメラ102で得られた撮像画像上で推定して切り出す。次に、表示装置100は、ステップST5において、手で覆っている領域だけに、ステップST4で切り出された画像を表示する。
次に、表示装置100は、ステップST6において、異物除去モードを終了するか否かを判断する。異物除去モードを終了するか否かは、図3にはユーザ操作部を示していないが、例えば、ユーザの明示的な指示操作に基づいて判断する。終了でないと判断するとき、表示装置100は、ステップST3の処理に戻り、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、終了であると判断するとき、表示装置100は、ステップST7において、処理を終了する。
上述したように、図1に示す表示装置100においては、異物除去モードでは、透明ディスプレイ101を通してユーザに観察される像Iaに含まれるユーザの手105の領域だけに、フロントカメラ102で得られた撮像画像のうち、ユーザの手105の領域に対応した部分の画像が表示される。そのため、透明ディスプレイ101を通してユーザに観察される像Iaからユーザの手105が除去され、アンビエント(ambient)性の向上が図られる。
<2.第2の実施の形態>
[表示装置の構成例]
図5は、第2の実施の形態としての表示装置200の外観を概略的に示している。この表示装置200はモバイル機器を構成している。この表示装置200は、透明ディスプレイ201を有している。この透明ディスプレイ201の上端に、フロントカメラ(フロントイメージセンサ)202と、リアカメラ(リアイメージセンサ)203が隣接して配置されている。フロントカメラ202は、透明ディスプレイ201の正面側の像を撮像する。リアカメラ203は、透明ディスプレイ201の背面側の像を撮像する。また、透明ディスプレイ201の背面側の面にタッチパネル204が配置されている。
図6(a)は、透明ディスプレイ201を通してユーザに観察される像Iaの一例を示している。この場合、像Iaにオブジェクト205が異物として含まれている。この表示装置100においては、図6(b)に示すように、像Iaに含まれているオブジェクト205を削除することが可能とされる。
図7は、第2の実施の形態としての表示装置200の回路構成例を示している。この表示装置200は、透明ディスプレイ201と、フロントカメラ202と、リアカメラ203と、タッチパネル204を有している。また、この表示装置200は、視点推定部221と、領域推定部222と、撮像画像記憶部223と、補間画像作成部224と、表示制御部225と、重畳情報発生部226を有している。
タッチパネル204は、ユーザが、透明ディスプレイ201を通して観察される像Iaから、所定のオブジェクト205を指定するために用いられる。この意味で、このタッチパネル201は、オブジェクト指定部を構成している。視点推定部221は、リアカメラ203で得られた撮像画像に基づいて、ユーザの視点を推定する。領域推定部222は、タッチパネル204で指定されたオブジェクト205を含むオブジェクト領域を異物の領域として検出する。また、領域推定部222は、オブジェクト領域の情報と、視点推定部221で得られた視点情報とに基づいて、フロントカメラ202で得られた撮像画像のうち、オブジェクト領域に対応した画像の領域を推定する。
撮像画像記憶部223は、フロントカメラ202で得られた撮像画像を所定フレーム期間分だけ記憶する。補間画像作成部224は、領域推定部222の領域推定結果に基づいて、補間画像を作成する。この場合、補間画像作成部224は、オブジェクト205に動きがあるときは、撮像画像記憶部223に記憶されている撮像画像のうち、オブジェクト205が存在しない過去フレームの撮像画像からオブジェクト領域に対応した部分の画像を切り出して、補間画像(置き換え画像)を作成する。また、補間画像作成部224は、オブジェクト205に動きがないときは、オブジェクト領域の周辺画素を利用して、補間画像(置き換え画像)を作成する。
表示制御部225は、重畳情報発生部226で重畳情報が発生されるとき、この重畳情報を透明ディスプレイ201に表示する。また、表示制御部225は、異物除去モードにあるとき、補間画像作成部224で作成された補間画像を、透明ディスプレイ201のオブジェクト領域にだけ表示する。
図7に示す表示装置200の動作を簡単に説明する。フロントカメラ202で透明ディスプレイ201の正面側の像を撮像して得られた撮像画像は、撮像画像記憶部223に一時的に記憶される。また、リアカメラ203で透明ディスプレイ201の正面側の像を撮像して得られた撮像画像は、視点推定部221に供給される。この視点推定部221では、リアカメラ203で得られた撮像画像に基づいて、ユーザの視点が推定される。この視点推定結果は領域推定部222に供給される。
タッチパネル204が使用され、ユーザが透明ディスプレイ201を通して観察される像Iaから、ユーザが除去を望むオブジェクト205が指定される。この領域推定部222では、タッチパネル204で指定されたオブジェクトを含むオブジェクト領域が異物の領域として検出される。また、この領域推定部222では、オブジェクト領域の情報と、視点推定部221で得られた視点情報とに基づいて、フロントカメラ202で得られた撮像画像のうち、オブジェクト領域に対応した画像の領域が推定される。この領域推定結果は、補間画像作成部224に供給される。
補間画像作成部124では、領域推定部222の領域推定結果に基づいて、補間画像(置き換え画像)が作成される。この場合、補間画像作成部224は、オブジェクト205に動きがあるときは、撮像画像記憶部223に記憶されている撮像画像のうち、オブジェクト205が存在しない過去フレームの撮像画像からオブジェクト領域に対応した部分の画像が切り出され、補間画像(置き換え画像)が作成される。一方、補間画像作成部224では、オブジェクト205に動きがないときは、オブジェクト領域の周辺画素が利用されて、補間画像(置き換え画像)が作成される。
表示制御部225では、異物除去モードにあるとき、補間画像作成部224で作成された補間画像が、透明ディスプレイ201のオブジェクト領域にだけ表示することが行われる。これにより、透明ディスプレイ201を通してユーザに観察される像Iaに含まれているオブジェクト205が削除される(図6(b)参照)。また、表示制御部225では、重畳情報発生部226で重畳情報が発生されるとき、この重畳情報を透明ディスプレイ201に表示することが行われる。
図8のフローチャートは、図5、図7に示す表示装置200の異物除去モードにおける処理手順の一例を示している。表示装置200は、ステップST11において、処理を開始し、その後に、ステップST12の処理に移る。このステップST12において、表示装置200は、フロントカメラ202およびリアカメラ203による撮像を開始すると共に、タッチパネル204を起動する。
次に、表示装置200は、ステップST13において、ユーザのタッチパネル204の操作により、透明ディスプレイ201を通して観察される像から、削除したいオブジェト205を指定する。そして、表示装置200は、ステップST14において、指定オブジェクトに動きがあるか否かを判断する。例えば、フロントカメラ202で得られた撮像画像に基づいて、オブジェクト205の動きベクトルを検出することで、このオブジェクト205の動き判断を行うことができる。
オブジェクト205に動きがあると判断されるとき、表示装置200は、ステップST15において、フロントカメラ202で得られた撮像画像のうち、オブジェクト205が存在していない過去フレームを利用して、オブジェクト領域に対応した補間画像(置き換え画像)を作成する。一方、オブジェクト205に動きがないと判断されるとき、表示装置200は、ステップST16において、フロントカメラ202で得られた撮像画像のうち、オブジェクト領域205の周囲画素を利用して、オブジェクト領域に対応した補間画像(置き換え画像)を作成する。
表示装置200は、ステップST15あるいはステップST16の処理の後、ステップST17の処理に移る。このステップST17において、表示装置200は、ステップST15あるいはステップST16で作成した補間画像を、オブジェクト領域だけに表示する。
次に、表示装置200は、ステップST18において、異物除去モードを終了するか否かを判断する。異物除去モードを終了するか否かは、図7にはユーザ操作部を示していないが、例えば、ユーザの明示的な指示操作に基づいて判断する。終了でないと判断するとき、表示装置200は、ステップST13の処理に戻り、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、終了であると判断するとき、表示装置200は、ステップST19において、処理を終了する。
上述したように、図5に示す表示装置200においては、異物除去モードでは、透明ディスプレイ101を通してユーザに観察される像Iaに含まれる、ユーザが指定したオブジェクト105の領域だけに、フロントカメラ202で得られた撮像画像に基づいて作成された補間画像(置き換え画像)が表示される。そのため、透明ディスプレイ201を通してユーザに観察される像Iaから指定オブジェクト205が除去され、アンビエント(ambient)性の向上が図られる。
<3.第3の実施の形態>
[表示装置の構成例]
図9は、第3の実施の形態としての表示装置300の外観を概略的に示している。この表示装置300はモバイル機器を構成している。この表示装置300は、透明ディスプレイ301を有している。この透明ディスプレイ301の上端に、フロントカメラ(フロントイメージセンサ)302と、リアカメラ(リアイメージセンサ)303が隣接して配置されている。フロントカメラ302は、透明ディスプレイ301の正面側の像を撮像する。リアカメラ303は、透明ディスプレイ301の背面側の像を撮像する。
図10は、透明ディスプレイ301の背面側にいるユーザMaが透明ディスプレイ301の正面側の像Iaを観察した場合のビュー(View from the user)の一例を示している。このビュー(以下、適宜、「ユーザビュー」という)には、像Iaの他に他人Mbが含まれ、さらに、透明ディスプレイ301に表示された文字や画像などの重畳情報(図示の例では文字情報)も含まれている。
また、図10は、透明ディスプレイ301の正面側にいる他人Mbが透明ディスプレイ301の背面側の像Ibを観察した場合のビュー(View from others)の一例を示している。このビュー(以下、適宜、「他人ビュー」という)には、像Ibの他にユーザMaが含まれ、さらに、透明ディスプレイ301に表示された文字や画像などの重畳情報(図示の例では文字情報)も含まれている。
この表示装置300においては、他人Mbの視線が透明ディスプレイ301に表示されている重畳情報に向いているとき、重畳情報の表示色を、像Ibのうち視線方向の領域の色情報に対応した色にすることが可能とされる。
図11は、第3の実施の形態としての表示装置300の回路構成例を示している。この表示装置300は、透明ディスプレイ301と、フロントカメラ302と、リアカメラ303を有している。また、この表示装置300は、視線推定部321と、色情報取得部322と、重畳情報発生部323と、重畳情報処理部324と、表示制御部325を有している。
視線推定部321は、フロントカメラ302で得られた撮像画像に基づいて、他人Mbの視線方向を推定する。この視線方向の推定には、例えば、「“Passive Driver Gaze Tracking with Active Appearance Models ”T.Ishikawa,S.Baker,I.Matthews,and T.Kanade Proceedings of the 11th World Congress on Intelligent Transportation Systems, October, 2004.」に記載される技術などを適用し得る。
色情報取得部322は、視線推定部321で推定された他人Mbの視線の方向が透明ディスプレイ301に表示される重畳情報(文字や画像など)への視線であるとき、リアカメラ303で得られた撮像画像から、その視線方向の領域の色情報を取得する。この視線方向の領域は、他人Mbが透明ディスプレイ301に表示されている重畳情報に視線を向けたときに、この透明ディスプレイ301を通して観察される、重畳情報の背景に位置する像領域である。
重畳情報発生部323は、透明ディスプレイ301に表示する重畳情報(文字や画像など)を発生する。重畳情報処理部324は、プライバシー保護モードにあるとき、重畳情報発生部323で発生される重畳情報を、その表示色が色情報取得部322で取得された色情報に対応した色となるように、色変更の処理をする。なお、重畳情報処理部324は、プライバシー保護モードにないときは、重畳情報発生部323で発生される重畳情報を、色変更処理を施すことなく、そのまま出力する。表示制御部325は、重畳情報発生部323で重畳情報が発生されるとき、重畳情報処理部324を経た重畳情報を、透明ディスプレイ301に表示する。
図11に示す表示装置300の動作を簡単に説明する。フロントカメラ302で透明ディスプレイ301の正面側の像を撮像して得られた撮像画像は、視線推定部321に供給される。この視線推定部321では、その撮像画像が処理されて、その撮像画像に他人Mbが存在するときには、その視線方向が推定される。この視線方向の推定結果は、色情報取得部322に供給される。
また、リアカメラ303で透明ディスプレイ301の背面側の像を撮像して得られた撮像画像は、色情報取得部322に供給される。色情報取得部322では、視線推定部321で推定された他人Mbの視線の方向が透明ディスプレイ301に表示される重畳情報(文字や画像など)への視線であるとき、リアカメラ303で得られた撮像画像から、その視線方向の領域の色情報が取得される。この色情報は、重畳情報処理部324に供給される。
重畳情報処理部324では、プライバシー保護モードにあって、他人Mbの視線が透明ディスプレイ301に表示される重畳情報に向かっているとき、重畳情報発生部323で発生される重畳情報が、その表示色が色情報取得部322で取得された色情報に対応した色となるように、色変更の処理が施される。一方、重畳情報処理部324では、プライバシー保護モードにないときは、重畳情報発生部323で発生される重畳情報がそのまま出力される。
表示制御部325では、プライバシー保護モードにあって、他人Mbの視線が透明ディスプレイ301に表示される重畳情報に向かっているとき、重畳情報処理部524で色変更処理が施された重畳情報を透明ディスプレイ301に表示することが行われる。そのため、他人Mbは、透明ディスプレイ301に表示される重畳情報を把握することが困難となる。なお、プライバシー保護モードにないとき、あるいは、他人Mbの視線が透明ディスプレイ301に表示される重畳情報に向かっていないときは、重畳情報発生部323で発生される重畳情報そのものが、透明ディスプレイ301に表示される。
図12のフローチャートは、図9、図11に示す表示装置300のプライバシー保護モードにおける処理手順の一例を示している。表示装置300は、ステップST21において、処理を開始し、その後に、ステップST22の処理に進む。このステップST22において、表示装置300は、フロントカメラ302およびリアカメラ303による撮像を開始する。そして、ステップST23において、フロントカメラ302の撮像画像から他人Mbの視線方向を推定する。
次に、表示装置300は、ステップST24において、視線方向が透明ディスプレイ301に表示されている重畳情報に向かっているか否かを判断する。視線方向が重畳情報に向かっているとき、表示装置300は、ステップST25において、リアカメラ303で得られた撮像画像から、視線方向の領域の色情報を取得する。そして、表示装置300は、ステップST26において、重畳情報を、その表示色が色情報に対応した色となるように色変更処理を施して表示する。一方、視線方向が重畳情報に向かっていないとき、表示装置300は、ステップST27において、重畳情報発生部323で発生された重畳情報を、色変更処理を施すことなく、そのまま表示する。
次に、表示装置300は、ステップST28において、プライバシー保護モードを終了するか否かを判断する。プライバシー保護モードを終了するか否かは、図11にはユーザ操作部を示していないが、例えば、ユーザの明示的な指示操作に基づいて判断する。終了でないと判断するとき、表示装置300は、ステップST23の処理に戻り、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、終了であると判断するとき、表示装置300は、ステップST29において、処理を終了する。
上述したように、図9に示す表示装置300においては、プライバシー保護モードにあって、他人Mbの視線が透明ディスプレイ301に表示される重畳情報に向かっているとき、色変更処理が施された重畳情報が、透明ディスプレイ301に表示される。そのため、他人Mbは、透明ディスプレイ301に表示される重畳情報を把握することが困難となり、プライバシー保護を図ることができる。
<4.第4の実施の形態>
[表示装置の構成例]
図13は、第4の実施の形態としての表示装置400の外観を概略的に示している。この表示装置400はモバイル機器を構成している。この表示装置400は、透明ディスプレイ401を有している。この透明ディスプレイ401は、正面側透明ディスプレイ401Rと、背面側透明ディスプレイ401Fとからなっている。この透明ディスプレイ401の上端に、フロントカメラ(フロントイメージセンサ)402と、人感センサ403が隣接して配置されている。フロントカメラ402は、透明ディスプレイ401の正面側の像を撮像する。人感センサ403は、透明ディスプレイ401の正面側の一定範囲に存在する人物を検出する。
図14(a)は、透明ディスプレイ401の背面側にいるユーザMaが、透明ディスプレイ401を通してその正面側の像Iaを観察し得ることを示している。また、図14(b)は、透明ディスプレイ401の正面側にいる他人Mbが、透明ディスプレイ401を通してその背面側にいるユーザMaなどを観察し得ることを示している。
この表示装置400においては、他人Mbの存在が検出され、かつ、透明ディスプレイ401に向けた視線があるとき、図14(c)に示すように、背面側透明ディスプレイ401Fにフロントカメラ402で得られた撮像画像を表示し、また、図14(d)に示すように、正面側透明ディスプレイ401Rを非透明状態にすることが可能とされる。
この表示装置400においては、他人Mbの存在が検出され、かつ、透明ディスプレイ4
図15は、第4の実施の形態としての表示装置400の回路構成例を示している。この表示装置400は、正面側透明ディスプレイ401Rと、背面側透明ディスプレイ401Fと、フロントカメラ402と、人感センサ403を有している。また、この表示装置400は、視線推定部421と、人物検出部422と、重畳情報発生部423と、表示制御部424を有している。
視線推定部421は、フロントカメラ402で得られた撮像画像に基づいて、他人Mbの視線方向を推定する。この視線推定部421は、上述の表示装置300における視線推定部321と同様の構成とされる。人物検出部422は、人感センサ403の出力に基づいて、透明ディスプレイ401の正面側の一定範囲に存在する他人Mbを検出する。
重畳情報発生部423は、透明ディスプレイ401に表示する文字や画像などの重畳情報を発生する。表示制御部424は、重畳情報発生部423で重畳情報が発生されるとき、この重畳情報を透明ディスプレイ401、例えば背面側透明ディスプレイ401Fに表示する。
また、表示制御部424は、プライバシー保護モードにあるとき、視線推定部421の視線推定結果および人物検出部422の人物検出結果に基づいて、他人Mbが存在し、かつ、その視線が透明ディスプレイ401に向けられているとう条件を満たすか判断する。表示制御部424は、この条件を満たすと判断するとき、背面側透明ディスプレイ401Fにフロントカメラ402で得られた撮像画像を表示し、正面側透明ディスプレイ401Rを非透明状態にする。
図15に示す表示装置400の動作を簡単に説明する。人感センサ403の出力は人物検出部422に供給される。そして、人物検出部422では、人感センサ403の出力に基づいて、透明ディスプレイ401の正面側の一定範囲に人物が存在するか否かの検出が行われる。この検出結果は、表示制御部424に供給される。
また、フロントカメラ402で透明ディスプレイ401の正面側の像を撮像して得られた撮像画像は、視線推定部421に供給される。この視線推定部421では、その撮像画像が処理されて、その撮像画像に他人Mbが存在するときには、その視線方向が推定される。この視線方向の推定結果は、表示制御部424に供給される。
重畳情報処理部423では、透明ディスプレイ401に表示する重畳情報(文字や画像など)が発生される。この重畳情報は、表示制御部424に供給される。表示制御部424では、その重畳情報を背面側透明ディスプレイ401Fに表示することが行われる。
また、表示制御部424では、プライバシー保護モードにあるとき、視線推定部421の視線推定結果および人物検出部422の人物検出結果に基づいて、他人Mbが存在し、かつ、その視線が透明ディスプレイ401に向けられているとう条件を満たすかが判断される。そして、条件を満たすと判断されるとき、背面側透明ディスプレイ401Fにフロントカメラ402で得られた撮像画像を表示し、正面側透明ディスプレイ401Rを非透明状態にすることが行われる。そのため、他人Mbは、透明ディスプレイ401を通して、その背面側にいるユーザMaなどを観察することが困難となる。
図16のフローチャートは、図13、図15に示す表示装置400のプライバシー保護モードにおける処理手順の一例を示している。表示装置400は、ステップST31において、処理を開始し、その後に、ステップST32の処理に進む。このステップST32において、表示装置400は、フロントカメラ402による撮像を開始し、さらに、人感センサ403を起動する。
次に、表示装置400は、ステップST33において、透明ディスプレイ401の正面側の一定範囲に他人Mbが存在するか否かを判断する。他人Mbが存在するとき、表示装置400は、ステップST34の処理に移る。このステップST34において、表示装置400は、その他人Mbの視線が透明ディスプレイ401に向いているか否かを判断する。
他人Mbの視線が透明ディスプレイ401に向いているとき、表示装置400は、ステップST35において、正面側透明ディスプレイ(外側ディスプレイ)401Rを非透明状態にする。また、このとき、表示装置400が、背面側透明ディスプレイ(内側ディスプレイ)401Fにフロントカメラ402で得られた撮像画像を表示する。一方、ステップST33で他人Mbが存在していないとき、あるいはステップST34で他人Mbの視線が透明ディスプレイ401に向いていないとき、表示装置400は、ステップST36において、正面側透明ディスプレイ401Rおよび背面側透明ディスプレイ401の双方を透明状態に維持する。
次に、表示装置400は、ステップST37において、プライバシー保護モードを終了するか否かを判断する。プライバシー保護モードを終了するか否かは、図15にはユーザ操作部を示していないが、例えば、ユーザの明示的な指示操作に基づいて判断する。終了でないと判断するとき、表示装置400は、ステップST33の処理に戻り、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、終了であると判断するとき、表示装置400は、ステップST38において、処理を終了する。
上述したように、図13に示す表示装置400においては、プライバシー保護モードにあって、他人Mbが存在し、かつ、その視線が透明ディスプレイ401に向けられているとき、背面側透明ディスプレイ401Fにフロントカメラ402で得られた撮像画像が表示され、正面側透明ディスプレイ401Rが非透明状態とされる。そのため、他人Mbは、透明ディスプレイ401を通して、その背面側にいるユーザMaなどを観察することが困難となり、プライバシー保護を図ることができる。この場合、ユーザMaにおける他人Mbから見られているという感覚を低減できる。
なお、上述では、他人Mbが存在し、かつ、その視線が透明ディスプレイ401に向けられているとき、背面側透明ディスプレイ401Fにフロントカメラ402で得られた撮像画像を表示し、正面側透明ディスプレイ401Rを非透明状態とするものである。しかし、他人Mbが存在するとき、背面側透明ディスプレイ401Fにフロントカメラ402で得られた撮像画像を表示し、正面側透明ディスプレイ401Rを非透明状態とすることも考えられる。この場合、他人Mbの視線が透明ディスプレイ401に向けられているという条件を課さないものである。その場合には、図15の表示装置400における視線推定部421は不要となる。
また、上述では、人物検出部422は、人感センサ403の出力に基づいて、透明ディスプレイ401の正面側の一定範囲に存在する他人Mbを検出するものである。しかし、人物検出部403は、フロントカメラ402で得られた撮像画像を処理して透明ディスプレイ401の正面側の一定範囲に存在する他人Mbを認識(検出)するように構成することも可能である。その場合には、人感センサ403は不要となる。
また、上述では、他人Mbが存在し、かつ、その視線が透明ディスプレイ401に向けられているとき、背面側透明ディスプレイ401Fにフロントカメラ402で得られた撮像画像を表示し、正面側透明ディスプレイ401Rを非透明状態とするものである。しかし、透明ディスプレイ401を複数のブロックに分割し、視線が向けられている分割領域についてのみ、背面側透明ディスプレイ401Fにフロントカメラ402で得られた撮像画像を表示し、正面側透明ディスプレイ401Rを非透明状態とすることも考えられる。さらには、視線が向けられている分割領域の透明度を最低とし、その分割領域から遠ざかるほど透明度が高くなるように制御することも考えられる。
<5.第5の実施の形態>
[表示装置の構成例]
図17は、第5の実施の形態としての表示装置500の外観を概略的に示している。この表示装置500はモバイル機器を構成している。この表示装置500は、透明ディスプレイ501を有している。この透明ディスプレイ501の上端に、フロントカメラ(フロントイメージセンサ)502と、リアカメラ(リアイメージセンサ)503が隣接して配置されている。フロントカメラ502は、透明ディスプレイ501の正面側の像を撮像する。リアカメラ503は、透明ディスプレイ501の背面側の像を撮像する。
図18(a)は、透明ディスプレイ501の背面側にいるユーザMaが、透明ディスプレイ501を通して像Iaを観察する際の状態の一例を示している。この例は、ユーザMaの眼と透明ディスプレイ501の表示面との間の距離raに比べて、透明ディスプレイ501の表示面と像Iaとの間の距離rbがかなり大きく(ra<<rb)、透明ディスプレイ501の表示面と像Iaとに対する焦点不一致が発生する状態を示している。図18(b)は、その場合に、ユーザMaが透明ディスプレイ501の表示面を注視した場合に観察されるビューの一例を示しており、像Iaはぼやけた状態となる。なお、図示しないが、逆に、ユーザMaが像Iaを注視した場合に観察されるビューでは、透明ディスプレイ501の表示面の情報がぼやけた状態となる。
図18(c)は、透明ディスプレイ501の背面側にいるユーザMaが、透明ディスプレイ501を通して像Iaを観察する際の状態の一例を示している。この例では、ユーザMaの眼と透明ディスプレイ501の表示面との間の距離raに比べて、透明ディスプレイ501の表示面と像Iaとの間の距離rbがかなり小さく(ra>>rb)、透明ディスプレイ501の表示面と像Iaとに対する焦点不一致が発生しない状態を示している。図18(d)は、その場合に、ユーザMaが透明ディスプレイ501の表示面あるいは像Iaを注視した場合に観察されるビューの一例を示しており、透明ディスプレイ501の表示面の情報および像Iaの双方とも明瞭な状態となる。
この表示装置500においては、透明ディスプレイ501の表示面と像Iaとに対する焦点不一致が検出される場合、図19(a)に示すように、ユーザが透明ディスプレイ501の表示面を注視しているときには、この透明ディスプレイ501にフロントカメラ502で得られた撮像画像を表示し、さらに、この撮像画像に重ねて重畳情報(文字や画像など)を表示することが可能とされる。この場合、図19(b)に示すように、ユーザMaが観察するビューにおいては、重畳情報および像Iaの双方とも明瞭な状態となる。
この表示装置500においては、透明ディスプレイ501の表示面と像Iaとに対する焦点不一致が検出される場合、図19(c)に示すように、ユーザが透明ディスプレイ501の表示面を注視しているときには、この透明ディスプレイ501に重畳情報の表示をしないか、あるいはその重畳情報の透明ディスプレイ501への表示を目立たなくすることが可能とされる。この場合、図19(d)に示すように、ユーザMaが観察するビューにおいては、像Iaが、透明ディスプレイ501に表示される重畳情報に邪魔されることなく、明瞭に表示される状態となる。
図20は、第5の実施の形態としての表示装置500の回路構成例を示している。この表示装置500は、透明ディスプレイ501と、フロントカメラ502と、リアカメラ503を有している。また、この表示装置500は、視線推定部521と、距離推定部522と、距離推定部523と、重畳情報発生部524と、表示制御部525を有している。
視線推定部521は、リアカメラ503で得られた撮像画像に基づいて、ユーザMaの左眼および右眼の視線方向を推定する。この視線推定部521は、上述の表示装置300における視線推定部321と同様の構成とされる。距離推定部522は、リアカメラ503で得られた撮像画像に基づいて、ユーザMaの眼と透明ディスプレイ501の表示面との間の距離raを推定する。距離推定部523は、フロントカメラ502で得られた撮像画像に基づいて、透明ディスプレイ501の表示面と、この透明ディスプレイ501を通してユーザMaが観察する像Iaとの間の距離rbを推定する。
重畳情報発生部524は、透明ディスプレイ501に表示する重畳情報(文字や画像など)を発生する。表示制御部525は、焦点不一致改善モードにあるとき、距離推定部522,523の距離推定結果に基づいて、透明ディスプレイ501の表示面と像Iaとに対する焦点不一致が起こるか否かを判断する。表示制御部525は、例えば、ra<<rbであるときは、焦点不一致があると判断する。
また、表示制御部525は、視線推定部521で推定されるユーザMaの左眼および右眼の視線方向に基づいて、ユーザMaが透明ディスプレイ501の表示面を注視しているか、あるいは像Iaを注視しているかを判断する。表示制御部525は、左眼および右眼の視線が透明ディスプレイ501の表示面のほぼ同一位置(重畳情報の表示位置)に向かっている場合には、ユーザMaが透明ディスプレイ501の表示面を注視していると判断する。一方、表示制御部525は、左眼および右眼の視線が像Iaのほぼ同一位置に向かっている場合には、ユーザMaが像Iaを注視していると判断する。
そして、表示制御部525は、焦点不一致があると判断し、しかも、ユーザMaが透明ディスプレイ501の表示面を注視していると判断するとき、この透明ディスプレイ501にフロントカメラ502で得られた撮像画像を表示し、さらに、この撮像画像に重ねて重畳情報(文字や画像など)を表示する。また、表示制御部525は、焦点不一致があると判断し、しかも、ユーザMaが像Iaを注視していると判断するとき、透明ディスプレイ501に重畳情報の表示をしないか、あるいはその重畳情報のコントラスト落とすなどして目立たなく表示する。なお、表示制御部525は、焦点不一致がないと判断するとき、透明ディスプレイ501に重畳情報のみを表示する。
図20に示す表示装置500の動作を簡単に説明する。リアカメラ503で得られた撮像画像は視線推定部521に供給される。この視線推定部521では、その撮像画像に基づいて、ユーザMaの左眼および右眼の視線方向が推定される。この視線推定結果は表示制御部525に供給される。
また、リアカメラ503で得られた撮像画像は、距離推定部522に供給される。この距離推定部522では、その撮像画像に基づいて、ユーザMaの眼と透明ディスプレイ501の表示面との間の距離raが推定される。また、フロントカメラ502で得られた撮像画像は、距離推定部523に供給される。この距離推定部523では、その撮像画像に基づいて、透明ディスプレイ501の表示面と、この透明ディスプレイ501を通してユーザMaが観察する像Iaとの間の距離rbが推定される。
重畳情報発生部524では、透明ディスプレイ501に表示する重畳情報(文字や画像など)が発生される。表示制御部525では、焦点不一致改善モードにないとき、この重畳情報のみを透明ディスプレイ501に表示することが行われる。また、焦点不一致改善モードにあるとき、表示制御部525では、以下の制御が行われる。
すなわち、距離推定部522,523の距離推定結果に基づいて、透明ディスプレイ501の表示面と像Iaとに対する焦点不一致が起こるか否かが判断される。また、視線推定部521で推定されるユーザMaの左眼および右眼の視線方向に基づいて、ユーザMaが透明ディスプレイ501の表示面を注視しているか、あるいは像Iaを注視しているかが判断される。
そして、表示制御部525では、焦点不一致があると判断され、しかも、ユーザMaが透明ディスプレイ501の表示面を注視していると判断されるとき、この透明ディスプレイ501にフロントカメラ502で得られた撮像画像を表示し、さらに、この撮像画像に重ねて重畳情報(文字や画像など)を表示することが行われる(図19(a),(b)参照)。
また、表示制御部525では、焦点不一致があると判断され、しかも、ユーザMaが像Iaを注視していると判断されるとき、透明ディスプレイ501に重畳情報の表示をしないか、あるいはその重畳情報のコントラスト落とすなどして目立たなく表示することが行われる(図19(c),(d)参照)。なお、表示制御部525では、焦点不一致がないと判断されるときは、上述した焦点不一致改善モードにないときと同様に、透明ディスプレイ501に重畳情報のみを表示することが行われる。
図21のフローチャートは、図13、図15に示す表示装置500の焦点不一致改善モードにおける処理手順の一例を示している。表示装置500は、ステップST41において、処理を開始し、その後に、ステップST42の処理に進む。このステップST42において、表示装置500は、フロントカメラ502およびリアカメラ503による撮像を開始する。
次に、表示装置500は、ステップST43において、リアカメラ503の撮像画像に基づいて、ユーザMaの眼と透明ディスプレイ501の表示面との間の距離raを推定する。次に、表示装置500は、ステップST44において、透明ディスプレイ501の表示面と、この透明ディスプレイ501を通してユーザMaが観察する像Iaとの間の距離rbを推定する。そして、表示装置500は、ステップST45において、距離raと距離rbとを比較する。
次に、表示装置500は、ステップST46において、比較結果に基づいて、透明ディスプレイ501の表示面と像Iaとに対する焦点不一致が起こるか否かを判断する。焦点不一致が起こると判断するとき、表示装置500は、ステップST47において、リアカメラ503の撮像画像に基づいて、ユーザMaの左眼および右眼の視線方向を推定する。
次に、表示装置500は、ステップST48において、視線方向の推定結果に基づいて、ユーザMaが透明ディスプレイ501の表示面を注視しているか否かを判断する。透明ディスプレイ501の表示面を注視していると判断するとき、表示装置500は、ステップST49において、フロントカメラ502の撮像画像と重畳情報発生部524で発生される重畳情報を透明ディスプレイ501に表示する(図19(a),(b)参照)。
また、ステップST48で透明ディスプレイ501の表示面を注視していないと判断するとき、表示装置500は、ステップST50において、透明ディスプレイ501に何も表示しないか、あるいは、重畳情報発生部524で発生される重畳情報を透明ディスプレイ501にコントラストを落とすなどして目立たなく表示する(図19(c),(d)参照)。また、ステップST46で焦点不一致が起こらないと判断するとき、表示装置500は、ステップST51において、透明ディスプレイ501に、重畳情報発生部524で発生される重畳情報のみを、通常の状態で表示する。
表示装置500は、ステップST49、ステップST50、ステップST51の処理の後、ステップST52において、焦点不一致改善モードを終了するか否かを判断する。焦点不一致改善モードを終了するか否かは、図20にはユーザ操作部を示していないが、例えば、ユーザの明示的な指示操作に基づいて判断する。終了でないと判断するとき、表示装置500は、ステップST43の処理に戻り、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、終了であると判断するとき、表示装置500は、ステップST53において、処理を終了する。
上述したように、図17に示す表示装置500においては、焦点不一致改善モードにあって、焦点不一致が起こると判断するとき、ユーザMaが透明ディスプレイ501の表示面を注視しているか否かにより、透明ディスプレイ501の表示状態が変更される。すなわち、ユーザMaが透明ディスプレイ501の表示面を注視しているときには、透明ディスプレイ501に、フロントカメラ502の撮像画像と重畳情報発生部524で発生される重畳情報が表示される。
一方、ユーザMaが透明ディスプレイ501の表示面を注視していないとき、つまり、透明ディスプレイ501を通して正面側の像Iaを観察しているときは、透明ディスプレイ501に、何も表示されないか、あるいは、重畳情報発生部524で発生される重畳情報が目立たなく表示される。そのため、焦点不一致によるユーザMaの不快感の改善を図ることができる。
なお、上述の図20に示す表示装置500では、フロントカメラ502の撮像画像から距離rbを推定し、リアカメラ503の撮像画像から距離raを推定し、これらの距離の比較により、表示制御部525では、焦点不一致を起こすか否かを自動的に判断している。しかし、焦点不一致を起こすか否かの情報を例えばユーザが手動操作で与えることも考えられる。その場合には、図20に示す表示装置500において、距離推定部522,523は不要となる。また、表示制御部525で、距離情報から焦点不一致を起こすか否かの判断を行うことも不要となる。
<6.第6の実施の形態>
[表示装置の構成例]
図22は、第6の実施の形態としての表示装置600の外観を概略的に示している。この表示装置600はモバイル機器を構成している。この表示装置600は、透明ディスプレイ601を有している。この透明ディスプレイ601の上端に、フロントカメラ(フロントイメージセンサ)602と、リアカメラ(リアイメージセンサ)603が隣接して配置されている。フロントカメラ602は、透明ディスプレイ601の正面側の像を撮像する。リアカメラ603は、透明ディスプレイ601の背面側の像を撮像する。また、透明ディスプレイ601の背面側に、液晶レンズやパララックスバリアなどで構成される光線制御部604が被着されている。
図23は、透明ディスプレイ601の背面側にいるユーザMaが、透明ディスプレイ601を通して像Iaを観察する際の状態の一例を示している。この例は、ユーザMaの眼と透明ディスプレイ601の表示面との間の距離raに比べて、透明ディスプレイ601の表示面と像Iaとの間の距離rbがかなり大きい(ra<<rb)状態を示している。この場合、透明ディスプレイ601の表示面と像Iaとの視差が大きいため、左右の像が融合しなくなり、見づらくなる。
この場合、ユーザMaが透明ディスプレイ601の表示面を注視した場合に観察されるビューでは像Iaは融合しない状態となる。また、この場合、ユーザMaが像Iaを注視した場合に観察されるビューでは、透明ディスプレイ601の表示面は融合しない状態となる。
この表示装置600においては、図24(a)に示すように、透明ディスプレイ601の表示面に表示される文字や画像などの重畳情報(図示の例では文字)が、図24(b)に示すように、ユーザMaには像Iaとほぼ同じ位置に知覚されるようにすることが可能とされる。そのために、重畳情報として左眼重畳情報および右眼重畳情報が生成され、これら2つの重畳情報に適切な視差が付与されて、透明ディスプレイ601に表示することが行われる。
図25は、第6の実施の形態としての表示装置600の回路構成例を示している。この表示装置600は、透明ディスプレイ601と、フロントカメラ602と、リアカメラ603と、光線制御部604を有している。また、この表示装置600は、奥行きマップ取得部621と、重畳位置決定部622と、ユーザ始点位置決定部624と、ユーザ始点画像生成部624と、重畳情報生成部625と、表示制御部626を有している。
奥行きマップ生成部621は、フロントカメラ602で得られた撮像画像に基づいて、画素毎の奥行きを検出して奥行きマップを取得する。この奥行きの検出方法としては、ステレオ入力から計算する方法、2D3D変換による推測、単眼カメラと距離センサの組み合わせなどがある。重畳位置決定部622は、奥行きマップを参照して、透明ディスプレイ601の表示面に表示される重畳情報の左眼用および右眼用の表示位置を決定する。この場合、重畳位置決定部622は、ユーザが透明ディスプレイ601を通して観察される正面側の像Iaとほぼ同じ位置に重畳情報を知覚し得るように、左眼用および右眼用の表示位置を決定する。
ユーザ視点位置検出部623は、リアカメラ603で得られた撮像画像に基づいて、ユーザの左眼および右眼の視点位置(眼の位置)を検出する。この視点位置の検出には、例えば、「“Passive Driver Gaze Tracking with Active Appearance Models ”T.Ishikawa,S.Baker,I.Matthews,and T.Kanade Proceedings of the 11th World Congress on Intelligent Transportation Systems, October, 2004.」に記載される技術などを適用し得る。
ユーザ視点画像生成部624は、検出されたユーザの左眼および右眼の視点位置と、取得された奥行きマップを参照して、フロントカメラ602で得られた撮像画像から、左眼および右眼のそれぞれの視点の画像を生成する。画像の奥行きを求め、そこから任意の視点の画像を生成する技術は、例えば、特開2011−176822号公報に記載されている。重畳情報発生部625は、透明ディスプレイ501に表示する文字や画像などの重畳情報を発生する。
表示制御部626は、表示位置調整モードにないときは、重畳情報発生部625で発生された重畳情報をそのまま透明ディスプレイ601に表示する。この場合、透明ディスプレイ601には、左眼および右眼に共通の1つの重畳情報が表示されることとなり、ユーザは、透明ディスプレイ601の表示面に重畳情報を知覚するものとなる。一方、表示制御部626は、表示位置調整モードにあるときは、重畳位置決定部622で決定された左眼用および右眼用の表示位置で示される重畳情報領域に、以下の表示を行う。
この場合、表示制御部626は、左眼の重畳情報領域に、重畳情報を表示し、その表示情報が左眼に照射されるように光線制御部604を制御する。また、表示制御部626は、この左眼の重畳情報領域に、右眼視点の画像からその領域の部分を切り出して表示し、その表示情報が右眼に照射されるように光線制御部604を制御する。
また、表示制御部626は、右眼の重畳情報領域に、重畳情報を表示し、その表示情報が右眼に照射されるように光線制御部604を制御する。また、表示制御部626は、この右眼の重畳情報領域に、左眼視点の画像からその領域の部分を切り出して表示し、その表示情報が左眼に照射されるように光線制御部604を制御する。光線制御部604は、例えば、特開2004−258631号公報に記載されるように、液晶アレイレンズなどで構成できる。図26は、上述した、左眼、右眼の重畳情報領域、つまり光線制御表示部分と、そこに表示される重畳情報や各視点画像の左眼、右眼への照射の関係を示している。
図25に示す表示装置600の動作を簡単に説明する。フロントカメラ602で透明ディスプレイ601の正面側の像を撮像して得られた撮像画像は、奥行きマップ取得部621に供給される。奥行きマップ生成部621では、フロントカメラ602で得られた撮像画像に基づいて、画素毎の奥行きが検出されて奥行きマップが取得される。この奥行きマップは重畳位置決定部622に供給される。この重畳位置決定部622では、ユーザが透明ディスプレイ601を通して観察される正面側の像Iaとほぼ同じ位置に重畳情報を知覚し得るように、左眼用および右眼用の表示位置が決定される。この表示位置情報は、表示制御部626に供給される。
また、リアカメラ603で透明ディスプレイ601の背面側の像を撮像して得られた撮像画像は、ユーザ視点位置検出部623に供給される。このユーザ視点位置検出部623では、リアカメラ603で得られた撮像画像に基づいて、ユーザの左眼および右眼の視点位置(眼の位置)が検出される。視点位置情報は、表示制御部626に供給される。
表示制御部626では、表示位置調整モードにないときは、重畳情報発生部625で発生された重畳情報をそのまま透明ディスプレイ601に表示することが行われる。この場合、ユーザは、透明ディスプレイ601の表示面に重畳情報を知覚するものとなる。また、表示制御部626は、表示位置調整モードにあるときは、透明ディスプレイ601の表示面のうち、重畳位置決定部622で決定された左眼用および右眼用の表示位置で示される重畳情報領域に、以下のように表示することが行われる。
この場合、表示制御部626では、左眼の重畳情報領域に、重畳情報を表示し、その表示情報が左眼に照射されるように光線制御部604を制御する、ことが行われる。また、表示制御部626では、この左眼の重畳情報領域に、右眼視点の画像からその領域の部分を切り出して表示し、その表示情報が右眼に照射されるように光線制御部604を制御する、ことが行われる。
また、表示制御部626では、右眼の重畳情報領域に、重畳情報を表示し、その表示情報が右眼に照射されるように光線制御部604を制御する、ことが行われる。また、表示制御部626では、この右眼の重畳情報領域に、左眼視点の画像からその領域の部分を切り出して表示し、その表示情報が左眼に照射されるように光線制御部604を制御する、ことが行われる。この場合、ユーザは、透明ディスプレイ601を通して観察される正面側の像Iaとほぼ同じ位置に重畳情報を知覚するものとなる。
図27のフローチャートは、図22、図25に示す表示装置600の表示位置調整モードにおける処理手順の一例を示している。表示装置600は、ステップST61において、処理を開始し、その後に、ステップST62の処理に進む。このステップST62において、表示装置600は、フロントカメラ602およびリアカメラ603による撮像を開始する。そして、ステップST63において、フロントカメラ602の撮像画像から、ユーザが透明ティスプレイ601を通して観察する対象物(像Ia)の画素毎の奥行きを検出し、奥行きマップを生成する。
次に、表示装置600は、ステップST64において、リアカメラ603の撮像画像から、ユーザの左眼および右眼の視点位置を検出する。また、表示装置600は、ステップST65において、透明ディスプレイ601の表示面における重畳情報の左眼用および右眼用の重畳位置を決定する。そして、表示装置600は、ステップST66において、フロントカメラ602の撮像画像から、ユーザの左眼および右眼の視点位置と奥行きマップを参照して、ユーザの左眼、右眼の視点画像を生成する。
次に、表示装置600は、ステップST67において、左眼および右眼の重畳位置で示される画像重畳領域のみ、重畳情報および視点画像を表示し、光線制御を行う。これにより、ユーザが、透明ディスプレイ601を通して観察される正面側の像Iaとほぼ同じ位置に重畳情報を知覚可能にする。
次に、表示装置600は、ステップST68において、表示位置調整モードを終了するか否かを判断する。表示位置調整モードを終了するか否かは、図25にはユーザ操作部を示していないが、例えば、ユーザの明示的な指示操作に基づいて判断する。終了でないと判断するとき、表示装置600は、ステップST63の処理に戻り、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、終了であると判断するとき、表示装置600は、ステップST69において、処理を終了する。
上述したように、図22に示す表示装置600においては、表示位置調整モードにあるとき、透明ディスプレイ601に左眼用および右眼用の重畳情報が視差を付与されて表示されると共に光線制御が行われ、ユーザが、透明ディスプレイ601を通して観察される正面側の像Iaとほぼ同じ位置に重畳情報を知覚可能とされるものである。そのため、像Iaと重畳情報とのシームレスが結合を図ることができ、焦点不一致の発生によるユーザの不快感の軽減できる。
<7.変形例>
なお、上述では、本技術をモバイル機器に適用したものを示した。しかし、本技術を、その他の機器、建築構造物などに適用することも考えられる。
例えば、ショーウインドウを、上述の第4の実施の形態の表示装置400と同様の構造とすることが考えられる。その場合、普段は透明ディスプレイを通してショーウインドウの中を観察できるようにされる。作業員がショーウインドウの中に入ってきて展示物の交換などをするときには、内側の透明ディスプレイが非透明状態とされ、外側の透明ディスプレイにカメラ画像、テレビ画像、あるいは再生画像が表示される。
また、例えば、住宅の壁の一部を、上述の第4の実施の形態の表示装置400と同様の構造とすることが考えられる。その場合、普段は、シースルーでアンビエント性が向上され、人物を検知したら、外側の透明ディスプレイを非透明状態にし、内側の透明ディスプレイにカメラ画像、テレビ画像、あるいは再生画像などが表示される。
また、上述の第1の実施の形態(図1参照)、第2の実施の形態(図5参照)、第3の実施の形態(図9参照)、第5の実施の形態(図17参照)および第6の実施の形態(図22参照)では、フロントカメラ502およびリアカメラ503の2つのカメラ(イメージセンサ)を備える構成を示した。しかし、これら2つのカメラを配置する代わりに、例えば、特許4000449号公報に記載されているような単一のカメラ(イメージセンサ)を配置して、透明ディスプレイの正面側および背面側の像を、この単一のカメラで撮像して利用することも考えられる。
また、本技術は、以下のような構成をとることもできる。
(1)透明ディスプレイと、
上記透明ディスプレイの周囲の情報を得るためのセンサ部と、
上記センサ部の出力に基づいて上記透明ディスプレイの表示状態を制御する制御部とを備える
表示装置。
(2)上記センサ部は、
上記透明ディスプレイの周囲の像を撮像して撮像画像を得、
上記制御部は、
上記透明ディスプレイの周囲の撮像画像を利用した画像処理を行って上記透明ディスプレイの表示状態を制御する
前記(1)に記載の表示装置。
(3)上記センサ部は、上記透明ディスプレイの正面側の像を撮像するフロントイメージセンサと、上記透明ディスプレイの背面側の像を撮像するリアイメージセンサとを有する
前記(2)に記載の表示装置。
(4)上記センサ部は、上記透明ディスプレイの正面側および背面側の像を撮像可能な単一のイメージセンサを有する
前記(2)に記載の表示装置。
(5)上記センサ部として、上記透明ディスプレイの正面側の像を撮像するフロントイメージセンサを有し、
上記制御部は、
上記透明ディスプレイを通してユーザに観察される像に含まれる異物の領域だけに、上記フロントイメージセンサで得られた撮像画像のうち、上記異物の領域に対応した部分の画像に応じた画像を表示して、上記透明ディスプレイを通してユーザに観察される像から上記異物を削除する
前記(1)に記載の表示装置。
(6)上記センサ部として、上記透明ディスプレイの正面側の面に配置されるタッチパネルを有し、
上記制御部は、
上記タッチパネルの出力からユーザの手の領域を上記異物の領域として検出し、該ユーザの手の領域だけに、上記フロントイメージセンサで得られた撮像画像のうち、上記ユーザの手の領域に対応した部分の画像を表示して、上記透明ディスプレイを通してユーザに観察される像から上記ユーザの手を削除する
前記(5)に記載の表示装置。
(7)上記透明ディスプレイを通してユーザに観察される像から所定のオブジェクトを指定するオブジェクト指定部をさらに備え、
上記制御部は、
上記指定された所定のオブジェクトを含むオブジェクト領域を上記異物の領域とし、該オブジェクト領域だけに、上記フロントイメージセンサで得られた撮像画像のうち、上記オブジェクト領域に対応した部分の画像に基づく画像を表示して、上記透明ディスプレイを通してユーザに観察される像から上記所定のオブジェクトを削除する
前記(5)に記載の表示装置。
(8)上記制御部は、
上記指定されたオブジェクトに動きがあるとき、上記オブジェクト領域だけに、上記フロントイメージセンサで得られた、上記所定のオブジェクトが存在しない過去フレームの撮像画像のうち、上記オブジェクト領域に対応した部分の画像を表示して、上記透明ディスプレイを通してユーザに観察される像から上記所定のオブジェクトを削除する
前記(7)に記載の表示装置。
(9)上記オブジェクト指定部は、上記透明ディスプレイの背面側に配置されるタッチパネルにより構成される
前記(7)または(8)に記載の表示装置。
(10)上記センサ部として、上記透明ディスプレイの正面側の像を撮像するフロントイメージセンサと、上記透明ディスプレイの背面側の像を撮像するリアイメージセンサとを有し、
上記透明ディスプレイに表示する重畳情報を発生する重畳情報発生部をさらに備え、
上記制御部は、
上記発生された重畳情報を上記透明ディスプレイに表示し、
上記フロントイメージセンサで得られた撮像画像により上記透明ディスプレイに表示された重畳情報への視線が検出されるとき、上記リアイメージセンサで得られた撮像画像から上記透明ディスプレイを通して観察される上記視線方向の領域の色情報を取得し、上記透明ディスプレイに表示する重畳情報の表示色を該取得された色情報に対応した色にする
前記(1)に記載の表示装置。
(11)上記透明ディスプレイは、正面側の第1の透明ディスプレイおよび背面側の第2の透明ディスプレイとからなり、
上記センサ部として、上記透明ディスプレイの正面側の人物を検出する人感センサと、上記透明ディスプレイの正面側の像を撮像するフロントイメージセンサとを有し、
上記制御部は、
上記人感センサにより人物の存在が検出されるとき、上記第1の透明ディスプレイを非透明状態にし、上記第2の透明ディスプレイに、上記フロントイメージセンサで得られた撮像画像を表示する
前記(1)に記載の表示装置。
(12)上記制御部は、
上記フロントイメージセンサで得られた撮像画像に基づいて上記透明ディスプレイへの視線があるかを判断し、
上記人感センサにより人物の存在が検出され、かつ、上記透明ディスプレイへの視線があるとき、上記第1の透明ディスプレイを非透明状態にし、上記第2の透明ディスプレイに上記フロントイメージセンサで得られた撮像画像を表示する
前記(11)に記載の表示装置。
(13)上記制御部は、
上記透明ディスプレイへの視線が、該透明ディスプレイの所定の分割領域への視線であるとき、上記第1の透明ディスプレイの上記所定の分割領域を非透明状態にし、上記第2の透明ディスプレイの上記所定の分割領域に、上記フロントイメージセンサで得られた撮像画像のうち、該所定の分割領域に対応した部分の画像を表示する
前記(12)に記載の表示装置。
(14)上記センサ部として、上記透明ディスプレイの正面側の像を撮像するフロントイメージセンサと、上記透明ディスプレイの背面側の像を撮像するリアイメージセンサとを有し、
上記透明ディスプレイに表示する重畳情報を発生する重畳情報発生部をさらに備え、
上記制御部は、
ユーザにおける上記透明ディスプレイの表示面と上記透明ディスプレイを通して観察される像とに対する焦点不一致が起こるとき、上記リアイメージセンサで得られる撮像画像に基づいて、上記ユーザが上記透明ディスプレイの表示面を注視しているかを判断し、
上記透明ディスプレイの表示面を注視していると判断するとき、上記透明ディスプレイに、上記フロントイメージセンサで得られた撮像画像を表示し、該撮像画像に重ねて上記発生された重畳情報を表示する
前記(1)に記載の表示装置。
(15)上記制御部は、
上記透明ディスプレイの表示面を注視していないと判断するとき、上記発生された重畳情報を透明ディスプレイに表示しないか、あるいは該重畳情報を透明ディスプレイに目立たなく表示する
前記(14)に記載の表示装置。
(16)上記制御部は、
上記リアイメージセンサで得られた撮像画像から推定されたユーザの眼と透明ディスプレイの表示面との間の距離と、上記フロントイメージセンサで得られた撮像画像から推定された上記透明ディスプレイの表示面と上記透明ディスプレイを通して観察される像との間の距離に基づいて、上記ユーザにおける上記透明ディスプレイの表示面と上記透明ディスプレイを通して観察される像とに対する焦点不一致を判断する
前記(14)または(15)に記載の表示装置。
(17)上記透明ディスプレイに表示する重畳情報を発生する重畳情報発生部と、
上記透明ディスプレイの背面側の面に配置された光線制御部とをさらに備え、
上記センサ部として、上記透明ディスプレイの正面側の像を撮像するフロントイメージセンサと、上記透明ディスプレイの背面側の像を撮像するリアイメージセンサとを有し、
上記制御部は、
上記リアイメージセンサで得られた撮像画像から取得された上記透明ディスプレイに対するユーザの左右の眼の位置と、上記フロントイメージセンサで得られた撮像画像から取得された上記透明ディスプレイを通して観察される像の奥行き情報に基づいて、上記重畳情報が上記ユーザに上記透明ディスプレイを通して観察される像の位置に知覚されるための視差が付与された左眼重畳情報および右眼重畳情報を生成して上記透明ディスプレイに表示し、
上記透明ディスプレイに表示された上記左眼重畳情報からの光線がユーザの左眼に到達し、上記透明ディスプレイに表示された上記右眼重畳情報からの光線がユーザの右眼に到達するように上記光線制御部を制御する
請求項1に記載の表示装置。
(18)透明ディスプレイを備える表示装置における表示制御方法であって、
上記透明ディスプレイの周囲環境を検出し、
上記周囲環境に基づいて、上記透明ディスプレイの表示状態を制御する
表示制御方法。