以下では、本開示のいくつかの特定の実施形態について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。関連する従来技術を詳しく説明することで、本開示の要点の理解が妨げられる場合、本明細書ではその従来技術の詳しい説明を省いた。それぞれの実施形態において、同じ機能を実行する要素または構成部は、同じ参照数字を使用して表してある。
(第1の実施形態)
図4は、本開示を適用している通信システムを示しており、当該通信システムは、送信ポイントにおける実際の送信と想定した送信との不一致を解決するための提案手順を提供する。
図4に示したように、本開示による通信システム400は、複数のユーザ機器4011,4012,…,および401nと、少なくとも1つの送信ポイント402とを含む。図4には、一例として、2基のユーザ機器4011,4012のみを示してあり、このうちユーザ機器4011は対象のユーザ機器(UE1)であると想定し、ユーザ機器4012はペアである可能性のあるユーザ機器(UE2)であると想定する。
本開示による通信システム400において、送信ポイント402は、最初に、ユーザ機器4011にメッセージを送信する(ステップ1)。ユーザ機器4011は、このメッセージに基づいて関連するMU−CQIを計算し、そのMU−CQIを送信ポイント402にフィードバックする(ステップ2)。ここで、メッセージは、ユーザ機器4011とペアである可能性のあるユーザ機器4012によって使用されるBCIを含むことができる。
上記例によると、ペアであるユーザ機器4012に関連付けられる実際のPMI(対象のユーザ機器4011の観点ではBCI)は、送信ポイント402から対象のユーザ機器4011にシグナリングされる。対象のユーザ機器4011は、送信ポイント402から通知されたBCIに基づいてMU−CQIを計算する。したがって、MU動作を目的として送信ポイント側においてMU−CQIを更新しないことが可能である。
なお、MU−CQIの計算に実際に影響する要素はBCIではなく、下りリンクチャネル行列を乗じたBCIである。一般的には、下りリンクチャネル行列を乗じたBCIを対象のユーザ機器に明示的にシグナリングすることは可能ではない。なぜなら、送信ポイントは下りリンクチャネル行列を認識していないためである。
本開示の第1の実施形態の別の例として、対象のユーザ機器4011は、下りリンクチャネルを測定して、下りリンクチャネル行列を得ることができ、測定された下りリンクチャネル行列に送信ポイント402から送られたBCIを乗じて、対象のユーザ機器への干渉を得る。次に、対象のユーザ機器4011は、その干渉に基づいてMU−CQIを計算する。具体的には、対象のユーザ機器4011は、次の等式に基づいてMU−CQIを計算することができる。
SNR=S/(I+N)
式中、Sは信号を表し、Nは雑音を表し、Iは干渉を表す。Iは、HWの情報に基づいて計算することができ、Hは下りリンクチャネル行列を表し、W→はBCIを表す。
本開示の第1の実施形態では、送信ポイント側においてCQIを更新する必要がなく、MU−MIMOのためのCQIは正確である。
(第2の実施形態)
図5は、本開示による送信ポイントのブロック図を示す。
図5に示すように、本開示による送信ポイント500(図4に示した送信ポイント402と想定することができる)は、互いに接続されている受信部502および送信部506を含む。
さらに、本開示による送信ポイント500は、関連するプログラムを実行してさまざまなデータを処理し、送信ポイント500の各装置の動作を制御する中央処理装置(CPU)510と、CPU510がさまざまなプロセスおよび制御を実行するうえで要求される様々なプログラムを格納する読み出し専用メモリ(ROM)513と、プロセスおよび制御の手順の中でCPU510によって一時的に生成される中間データを格納するランダムアクセスメモリ(RAM)515と、様々なデータを格納する記憶装置516と、を含むことができる。上記の受信部502、送信部506、CPU510、ROM513、RAM515、記憶装置516などは、データ/コマンドバス520を介して接続することができ、互いに信号を伝送することができる。
上記各構成部は、本開示の範囲を制限するものではない。本開示の一実施形態によると、受信部502および送信部506のいずれかの機能を、上記CPU510、ROM513、RAM515、記憶装置516などとの組合せにおいて、機能的なソフトウェアによって実施することもできる。さらに、受信部502および送信部506の機能を、1つの構成部に組み合わせることによって実施することもできる。
本開示の第2の実施形態によると、送信部506は、対象のユーザ機器4011にメッセージを送信する。対象のユーザ機器4011は、そのメッセージに基づいてMU−CQIを計算し、そのMU−CQIを送信ポイント402にフィードバックする。送信ポイント402の受信部502は、対象のユーザ機器4011からのMU−CQIを受信する。ここで、メッセージは、対象のユーザ機器4011とペアである可能性のあるユーザ機器4012によって使用されるBCIを含むことができる。
上記例によると、ペアであるユーザ機器4012に関連付けられる実際のPMI(対象のユーザ機器4011の観点ではBCI)は、送信ポイント402から対象のユーザ機器4011にシグナリングされる。対象のユーザ機器4011は、送信ポイント402から通知されたBCIに基づいてMU−CQIを計算する。したがって、MU動作を目的として送信ポイント402においてCQIを更新しないことが可能である。
本開示の第2の実施形態の別の例として、対象のユーザ機器4011は、下りリンクチャネルを測定して、下りリンクチャネル行列を得て、測定された下りリンクチャネル行列に送信ポイント402の送信部506から送られたBCIを乗じて、対象のユーザ機器4011への干渉を得る。次に、対象のユーザ機器4011は、その干渉に基づいてMU−CQIを計算する。具体的には、対象のユーザ機器4011は、次の等式に基づいてMU−CQIを計算することができる。
SNR=S/(I+N)
式中、Sは信号を表し、Nは雑音を表し、Iは干渉を表す。Iは、HWの情報に基づいて計算することができ、Hは下りリンクチャネル行列を表し、W→はBCIを表す。
本開示の第2の実施形態では、送信ポイント側においてCQIを更新する必要がなく、MU−MIMOのためのCQIは正確である。
(第3の実施形態)
図6は、本開示によるユーザ機器のブロック図を示す。
図6に示すように、本開示によるユーザ機器600(図4に示したユーザ機器401と想定することができる)は、互いに接続されている受信部602と、測定部603と、処理部604と、送信部606とを含む。
さらに、本開示によるユーザ機器600は、関連するプログラムを実行してさまざまなデータを処理し、ユーザ機器600の各装置の動作を制御する中央処理装置(CPU)610と、CPU610がさまざまなプロセスおよび制御を実行するうえで要求される様々なプログラムを格納する読み出し専用メモリ(ROM)613と、プロセスおよび制御の手順の中でCPU610によって一時的に生成される中間データを格納するランダムアクセスメモリ(RAM)615と、様々なデータを格納する記憶装置616とを、含むことができる。上記の受信部602、測定部603、処理部604、送信部606、CPU610、ROM613、RAM615、記憶装置616などは、データ/コマンドバス620を介して接続することができ、互いに信号を伝送することができる。
上記各構成部は、本開示の範囲を制限するものではない。本開示の一実施形態によると、受信部602、測定部603、処理部604、および送信部606のいずれかの機能を、上記CPU610、ROM613、RAM615、記憶装置616などとの組合せにおいて、機能的なソフトウェアによって実施することもできる。さらに、受信部602、測定部603、処理部604、および送信部606の機能を、1つの構成部に組み合わせることによって実施することもできる。
本開示の第3の実施形態によると、ユーザ機器4011の受信部602は、送信ポイント402から送信されるメッセージを受信する。ユーザ機器4011の処理部604は、このメッセージに基づいてMU−CQIを計算する。送信部606は、MU−CQIを送信ポイント402にフィードバックする。ここで、メッセージは、ユーザ機器4011とのペアである可能性のあるユーザ機器4012によって使用されるBCIを含むことができる。
上記例によると、ペアであるユーザ機器4012に関連付けられる実際のPMI(ユーザ機器4011の観点ではBCI)が、送信ポイント402からユーザ機器4011にシグナリングされる。ユーザ機器4011は、送信ポイント402から通知されたBCIに基づいてMU−CQIを計算する。したがって、MU動作を目的として送信ポイント側においてCQIを更新しないことが可能である。
本開示の第3の実施形態の別の例として、ユーザ機器4011の測定部603は、下りリンクチャネルを測定して下りリンクチャネル行列を得る。処理部604は、測定された下りリンクチャネル行列に送信ポイント402の送信部506から送られたBCIを乗じて、ユーザ機器4011への干渉を得る。次に、ユーザ機器4011の処理部604は、その干渉に基づいてMU−CQIを計算する。具体的には、ユーザ機器4011の処理部604は、次の等式に基づいてMU−CQIを計算することができる。
SNR=S/(I+N)
式中、Sは信号を表し、Nは雑音を表し、Iは干渉を表す。Iは、HWの情報に基づいて計算することができ、Hは下りリンクチャネル行列を表し、W→はBCIを表す。
本開示の第3の実施形態では、送信ポイント側においてCQIを更新する必要がなく、MU−MIMOのためのCQIは正確である。
(第4の実施形態)
上記第1〜第3の実施形態においては、BCIなどのメッセージが送信ポイント402から対象のユーザ機器4011に明示的にシグナリングされる場合について説明した。BCIを対象のユーザ機器に明示的にシグナリングするためのいくつかの単純な方法が存在する。例えば、コードブックベースのBCIを、RRC(無線リソース制御)またはPDCCH(物理下りリンク制御チャネル)のいずれかを通じてシグナリングする。しかしながら、RRCシグナリングは低速であり、動的なMU−MIMO動作を実現することができない。一方で、PDCCHシグナリングでは、大きなシグナリングオーバーヘッドが生じる。RRCシグナリングおよびPDCCHシグナリングのいずれの場合も、BCIの精度はコードブックのサイズによって制限されるが、LTE−Aにおける送信は非コードブックベースとすることができる。
なお、特定のRE(リソース要素)に対して、送信ポイントにおけるアンテナアレイにBCIが適用される場合、ユーザ機器は、その特定のREにおけるチャネル行列が乗算された対応するBCIを測定することができる。上記手順は、参照信号およびアンテナポートの設計において使用されるアンテナ仮想化に類似している。したがって、本実施形態では、特定のRS(参照信号)ポートが、対象のユーザ機器ではなく、ペアである可能性のあるユーザ機器(不要信号)に関連付けられていることを、ユーザ機器に指示することを提案する。例えば、CSI−RS(チャネル状態インジケータ−参照信号)ポートまたはDMRS(復調用参照信号)ポートが、ペアである可能性のあるユーザ機器に関連付けられる。
要約すると、本実施形態では、特定のリソースがユーザ機器4011を対象とする信号ではなく、不要信号に関連付けられていることを、送信ポイント402が対象のユーザ機器4011に通知することを開示する。例えば、送信ポイント402からユーザ機器4011に送信されるメッセージには、特定の参照信号ポートが不要信号に関連付けられていることを示す情報が含まれる。この場合、対象のユーザ機器4011の測定部603は、不要信号に関連付けられている参照信号ポートにおける信号電力を、対象のユーザ機器4011への干渉として測定する。また、対象のユーザ機器4011の処理部604は、その干渉に基づいてMU−CQIを計算する。このようなシグナリングは、対象のユーザ機器4011および別のユーザ機器4012がペアである場合、すなわち、これらのユーザ機器が同じリソース上のデータを受信するようにスケジューリングされているときに、対象のユーザ機器4011のリンクアダプテーションがより正確に行われることに貢献する。
不要信号に関連付けられているリソースの割り当てに関する情報は、対象のユーザ機器4011にビットマップ方式で明示的にシグナリングすることができる。しかしながら、不要信号に関連付けられているリソースが、事前に定義された特定のパターンに従って割り当てられていることを、対象のユーザ機器4011に通知することも可能である。例えば、不要信号に関連付けられているリソースが、1つまたは複数のCSI−RSポートに割り当てられていることがある。その場合、送信ポイント402は、単に、CSI−RSポートのインデックスを対象のユーザ機器4011に指示する。別の例においては、不要信号に関連付けられているリソースが、1つまたは複数のDMRSポートに割り当てられていることがある。その場合、送信ポイント402は、DMRSポートのインデックスを対象のユーザ機器4011に指示する。LTE−Aのリリース10においては、参照信号ポート7〜14がDMRSポートとして割り当てられており、参照信号ポート15〜22がCSI−RSポートとして割り当てられている。
DMRSポートの場合には、本実施形態の1つの例によると、PDSCH信号が第1のDMRSポートに関連付けられており、不要信号が第2のDMRSポートに関連付けられている場合、対象のユーザ機器4011は、第1のDMRSポートにおける信号電力を信号として測定し、第2のDMRSポートにおける信号電力を干渉として測定する。具体的には、不要信号がDMRSポート8に関連付けられており、PDSCH信号がDMRSポート7に関連付けられている場合、対象のユーザ機器4011は、DMRSポート7における測定値に基づいて信号電力Sを計算し、DMRSポート8における測定値に基づいて干渉Iを計算した後、次の等式に基づいてMU−CQIを計算することができる。
SNR=S/(I+N)
式中、Sは信号を表し、Nは雑音を表す。送信ポイント402は、ペアである可能性のあるユーザ機器4012のプリコーディングベクトルをDMRSポート8に適用することができる。したがって、対象のユーザ機器4011は、変調・符号化方式を予測するとき、ペアである可能性のあるユーザ機器4012による干渉電力を正確に認識することができ、リンクアダプテーションの精度を高めることができる。上記のDMRSポートの場合、本実施形態の別の例によると、信号電力SをCSI−RSポート15〜18に基づいて計算することができる(フィードバックの目的)。
CSI−RSポートの場合、本実施形態の別の例によると、PDSCH信号のチャネルがCSI−RSポート15〜18(4TxCSI−RSポート)を通じて推定される場合、CSI−RSポート15〜18がPDSCH送信に関連付けられており、CSI−RSポート19が不要信号に関連付けられており、CSI−RSポート20〜22の送信電力がゼロであることを、送信ポイント402が対象のユーザ機器4011にシグナリングすることが可能である。この場合、対象のユーザ機器4011の測定部603は、CSI−RSポート19における測定値に基づいて干渉電力Iを計算し、CSI−RSポート15〜18における測定値に基づいて信号電力Sを計算し、次の等式に基づいてMU−CQIを計算することができる。
SNR=S/(I+N)
式中、Sは信号を表し、Nは雑音を表す。送信ポイント402は、ペアである可能性のあるユーザ機器4012のプリコーディングベクトルをCSI−RSポート19に適用することができる。
本実施形態の更なる例によると、PDSCH信号のチャネルがCSI−RSポート15〜18(4TxCSI−RSポート)を通じて推定される場合、次のように設定することが可能である。すなわち、予め定義されたサブフレームのサブセットにおけるCSI−RSポート15〜18がPDSCH送信に関連付けられており、サブフレームの別のサブセットにおけるCSI−RSポート15〜18(またはポート15)が不要信号に関連付けられる。なお、これらのサブフレームは時間領域において連続する一連の時間・周波数リソースである。この場合、対象のユーザ機器4011の測定部603は、サブフレームの第2のサブセットにおけるCSI−RSポート15〜18(またはポート15)に基づいて干渉電力Iを計算し、次の等式に基づいてMU−CQIを計算することができる。
SNR=S/(I+N)
式中、Sは信号を表し、Nは雑音を表す。送信ポイント402は、ペアである可能性のあるユーザ機器4012のプリコーディングベクトルをサブフレームの第2のサブセットにおけるCSI−RSポート15〜18(またはポート15)に適用することができる。
この第4の実施形態では、動的なMU動作が可能であり、わずかな下りリンクのオーバーヘッドによってリンクアダプテーション性能が向上する。さらに、精度はコードブックのサイズによって制限されない。
(第5の実施形態)
上記第4の実施形態では、MU−MIMO動作の状況について説明した。本開示は、MU−MIMO動作に適用可能であるのみならず、複数の送信ポイントが協働する場合にも有用である。マルチポイント送信の場合、サービング送信ポイント以外の送信ポイントから、不要信号が送信されることがある。
図7は、本開示による、複数の送信ポイントを含む通信システムを示す。
図7において、通信システム700は、複数の送信ポイントを含むことができるが、2基の送信ポイント701,702のみを示す。図7に示すように、送信ポイント701は、サービング送信ポイントであると想定し、他方の送信ポイント702は、干渉する送信ポイントであると想定する。マルチポイント送信の場合、対象のユーザ機器703への干渉は、サービング送信ポイント701におけるペアである可能性のあるユーザ機器からではなく、干渉する送信ポイント702からの信号である。サービング送信ポイント701および干渉する送信ポイント702は、同じセルIDまたは異なるセルIDを有することができる。サービング送信ポイント701は対象のユーザ機器703に信号を送信し、干渉する送信ポイント702は不要信号(干渉)をユーザ機器703に送信する。この場合、通信システム700は、複数の干渉する送信ポイント702を含むことができる。この場合、送信ポイント701,702は、送信ポイント500と同じ構成を採ることができ、ユーザ機器703はユーザ機器600と同じ構成を採ることができる。
例えば、干渉する送信ポイント702およびサービング送信ポイント701が同じセルIDを有し、1つの参照信号ポートのみが不要信号に関連付けられているものと想定する。PDSCH信号のチャネルがCSI−RSポート15〜18(すなわち4TxCSI−RSポート)を通じて推定される場合、CSI−RSポート19が対象のユーザ機器703に対する不要信号に関連付けられていることを、サービング送信ポイント701が対象のユーザ機器703にシグナリングすることが可能である。対象のユーザ機器703は、CSI−RSポート15〜18に基づいてCQI/PMIをサービング送信ポイント701に報告する。その一方で、CSI−RSポート19における信号は不要信号であり、干渉する送信ポイント702からの信号である。この場合、対象のユーザ機器703の測定部603は、CSI−RSポート19における信号電力を干渉Iとして測定し、対象のユーザ機器703の処理部604は、上述したように干渉Iに基づいてMU−CQIを計算する。さらに、対象のユーザ機器703は、CSI−RSポート19に基づいて測定された干渉電力を考慮したMU−CQIをサービング送信ポイント701に報告することができる。この場合、干渉する送信ポイント702は、ペアである可能性のあるユーザ機器(図示していない)のプリコーディングベクトルをCSI−RSポート19に適用することができる。すなわち、サービング送信ポイント701および干渉する送信ポイント702が同じセルIDを有し、かつ1つの信号ポートのみが不要信号に関連付けられている場合、対象のユーザ機器703は、その1つの参照信号ポートにおける信号電力を干渉として測定し、その干渉に基づいてMU−CQIを計算して報告する。
別の例においては、干渉する送信ポイント702およびサービング送信ポイント701が異なるセルIDを有し、かつ1つの信号ポートのみが不要信号に関連付けられているものと想定する。PDSCH信号のチャネルがCSI−RSポート15〜18(すなわち4TxCSI−RSポート)を通じて推定される場合、CSI−RSポート19が不要信号に関連付けられていることを、サービング送信ポイント701が対象のユーザ機器703にシグナリングすることが可能である。対象のユーザ機器703は、CSI−RSポート15〜18に基づいてCQI/PMIをサービング送信ポイント701に報告する。その一方で、CSI−RSポート19における信号は、不要信号であり、干渉する送信ポイント702からの信号である。この場合、対象のユーザ機器703の測定部603は、CSI−RSポート19における信号電力を干渉Iとして測定し、対象のユーザ機器703の処理部604は、上述したように干渉Iに基づいてMU−CQIを計算する。さらに、対象のユーザ機器703は、CSI−RSポート19に基づいて測定された干渉電力を考慮したMU−CQIをサービング送信ポイント701に報告することができる。この場合、干渉する送信ポイント702は、干渉している可能性のあるユーザ機器(図示せず)のプリコーディングベクトルをCSI−RSポート19に適用することができる。本実施形態の1つの例によると、干渉は、サービング送信ポイント701における別のユーザ機器からではなく、干渉する送信ポイント702からであり、CSI−RSポート19のスクランブリングは、干渉する送信ポイント702のセルIDではなくサービング送信ポイント701のセルIDに基づくことができる。あるいは、CSI−RSポート19のスクランブリングは、サービング送信ポイント701のセルIDではなく干渉する送信ポイント702のセルIDに基づくことができる。いずれの場合も、送信ポイント701,702の一方または両方が、CSI−RSポート19(不要信号)に関連付けられているセルIDを、対象のユーザ機器703にさらに指示する。この場合、CSI−RSポート19に関連付けられているセルIDを使用して、CSI−RSポート19における信号をデスクランブルすることができる。また、それと同時に、CSI−RSポートとセルIDとの関連付けをシグナリングすることによって、CSI−RSポート19およびCRSポート0〜3における干渉電力を重複してカウントすることを回避することができる。すなわち、サービング送信ポイント701および干渉する送信ポイント702が異なるセルIDを有し、1つの参照信号ポートのみが不要信号に関連付けられている場合、サービング送信ポイント701は、不要信号に関連付けられている参照信号ポートに対応するセルIDを、対象のユーザ機器703に指示し、対象のユーザ機器703は、その1つの信号ポートにおける信号電力を干渉として測定し、その干渉に基づいてMU−CQIを計算して報告する。
さらなる例においては、干渉する送信ポイント702およびサービング送信ポイント701が同じセルIDを有するが、少なくとも2つの参照信号ポートが不要信号に関連付けられているものと想定する。PDSCH信号のチャネルがCSI−RSポート15〜18(すなわち4TxCSI−RSポート)を通じて推定される場合、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つのポートが対象のユーザ機器703にとって不要信号に関連付けられていることを、サービング送信ポイント701が対象のユーザ機器703にシグナリングすることが可能である。対象のユーザ機器703は、CSI−RSポート15〜18に基づいてCQI/PMIをサービング送信ポイント701に報告する。その一方で、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つのポートにおける信号は、不要信号であり、干渉する送信ポイント702からの信号である。この場合、対象のユーザ機器703の測定部603は、ペアである可能性のあるユーザ機器(図示せず)によって使用されるBCIとして、発生する干渉が最小であるBCIを、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つのポートに基づいて推定する。また、対象のユーザ機器703の処理部604は、そのBCIに基づいてMU−CQIを計算し、対象のユーザ機器703の送信部606は、BCIと、最小の干渉に起因するMU−CQIの劣化を、サービング送信ポイント701にさらに報告する。すなわち、サービング送信ポイント701および干渉する送信ポイント702が同じセルIDを有し、2つ以上の参照信号ポートが不要信号に関連付けられている場合、対象のユーザ機器703の測定部603は、対象のユーザ機器703への干渉が最小であるBCIを推定し、対象のユーザ機器703の処理部604は、そのBCIに基づいてMU−CQIを計算し、対象のユーザ機器703の送信部606は、BCIおよびMU−CQIをサービング送信ポイントにさらに報告する。
さらに別の例においては、干渉する送信ポイント702およびサービング送信ポイント701が異なるセルIDを有するが、少なくとも2つの信号ポートが不要信号に関連付けられているものと想定する。PDSCH信号のチャネルがCSI−RSポート15〜18(すなわち4TxCSI−RSポート)を通じて推定される場合、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つが不要信号に関連付けられていることを、サービング送信ポイント701が対象のユーザ機器703にシグナリングすることが可能である。対象のユーザ機器703は、CSI−RSポート15〜18に基づいてCQI/PMIをサービング送信ポイント701に報告する。その一方で、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つのポートにおける信号は、不要信号であり、干渉する送信ポイント702からの信号である。この場合、対象のユーザ機器703の測定部603は、ペアである可能性のあるユーザ機器(図示せず)によって使用されるBCIとして、発生する干渉が最小であるBCIを、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つのポートに基づいて推定する。また、対象のユーザ機器703の処理部604は、そのBCIに基づいてMU−CQIを計算し、対象のユーザ機器703の送信部606は、発生する干渉が最小であるBCIと、最小の干渉に起因するMU−CQIの劣化とを、サービング送信ポイント701にさらに報告する。
本実施形態の1つの例によると、干渉は、サービング送信ポイント701における別のユーザ機器からではなく、干渉する送信ポイント702からのものであるが、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つのポートのスクランブリングは、干渉する送信ポイント702のセルIDではなく、サービング送信ポイント701のセルIDに基づくことができる。あるいは、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つのポートのスクランブリングは、サービング送信ポイント701のセルIDではなく、干渉する送信ポイント702のセルIDに基づくことができる。いずれの場合も、送信ポイント701,702の一方または両方が、CSI−RSポート19〜22(不要信号)に関連付けられているセルIDを、対象のユーザ機器703にさらに指示することができる。この場合、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つのポートに関連付けられているセルIDを使用して、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つのポートにおける信号をデスクランブルすることができる。それと同時に、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つのポートにおける干渉電力を重複してカウントすることを回避することができる。すなわち、サービング送信ポイント701および干渉する送信ポイント702が異なるセルIDを有し、2つ以上の信号ポートが不要信号に関連付けられている場合、対象のユーザ機器703は、発生する干渉が最小であるBCIを、CSI−RSポート19〜22のうちの少なくとも2つのポートに基づいて推定し、そのBCIに基づいてMU−CQIを計算し、BCIおよびMU−CQIをサービング送信ポイント701にさらに報告する。また、送信ポイント701,702のいずれかが、不要信号に関連付けられているセルIDを対象のユーザ機器703に指示する。
複数のポートが不要信号に関連付けられている場合として、以下の2つのケースが存在する。
ケース1:すべてのポートが1つの干渉する送信ポイントに関連付けられている。例えば、CSI−RSポート19〜22が1つの干渉する送信ポイントから送信され、CSI−RSポート19〜22のスクランブリングが、サービング送信ポイントのセルIDまたは干渉する送信ポイントのセルIDのいずれかに従う。この場合、対象のユーザ機器は、CSI−RSポート19〜22に基づいて、発生する干渉が最小であるBCIを報告し、干渉に起因するMU−CQIの劣化をさらに報告する。干渉電力を重複してカウントすることを回避するため、送信ポイントは、CSI−RSポート19〜22に関連付けられるセルIDを対象のユーザ機器にさらに指示する。
ケース2:ポート19〜22が、それぞれ、複数の干渉する送信ポイントに関連付けられている。具体的には、CSI−RSポート19〜22は、それぞれ、複数の干渉する送信ポイントから送信され、CSI−RSポート19〜22のスクランブリングは、サービング送信ポイントのセルIDか、または、(1つまたは複数の)干渉する送信ポイントのうちの1つの干渉する送信ポイントのセルID、のいずれかに従う。この場合、対象のユーザ機器は、CSI−RSポート19〜22のそれぞれにおける信号電力を干渉として測定し、これらの干渉それぞれに基づいてMU−CQIを計算し、複数の干渉する送信ポイントそれぞれからの干渉に起因するMU−CQIの劣化を報告する。別の例として、対象のユーザ機器は、CSI−RSポート19〜22すべてにおける全体の信号電力を干渉として測定し、その全体の干渉に基づいてMU−CQIを計算し、複数の干渉する送信ポイントすべてからの干渉に起因するMU−CQIの劣化を、サービング送信ポイントに報告する。干渉電力を重複してカウントすることを回避するため、送信ポイントは、CSI−RSポート19〜22に関連付けられるセルIDをユーザ機器にさらに指示する。
本開示によると、動的なMU動作が可能であり、わずかな下りリンクのオーバーヘッドによってリンクアダプテーション性能が向上する。さらに、精度はコードブックのサイズによって制限されない。
(第6の実施形態)
図8は、本開示による、通信システムにおいてMU−CQIを送信ポイントにフィードバックする方法を示すフロー図である。
図8に示したように、送信ポイントおよび複数のユーザ機器を含む通信システムにおいてチャネル品質インジケータ(MU−CQI)を送信ポイントにフィードバックする方法は、ステップ801〜ステップ803を含んでいる。ステップ801において、送信ポイントは、複数のユーザ機器のうちの対象のユーザ機器にメッセージを送信する。ステップ802において、対象のユーザ機器は、メッセージに基づいてMU−CQIを計算する。ステップ803において、対象のユーザ機器は、MU−CQIを送信ポイントにフィードバックする。
上記方法において、メッセージは、複数のユーザ機器のうち、対象のユーザ機器とペアである可能性のある別のユーザ機器によって使用されるプリコーディング行列インデックス(BCI)を含むことができる。
上記方法においては、本方法は、対象のユーザ機器が下りリンクチャネルを測定し、測定された下りリンクチャネルに、送信ポイントから送られたBCIを乗じて、対象のユーザ機器への干渉を得るステップと、対象のユーザ機器が、その干渉に基づいてMU−CQIを計算するステップと、をさらに含む。
上記方法において、対象のユーザ機器は、等式:SNR=S/(I+N)に基づいて、MU−CQIを計算する。この式において、Sは信号を表し、Nは雑音を表し、Iは干渉を表す。Iは、HWの情報に基づいて計算することができ、Hは下りリンクチャネル行列を表し、W→はBCIを表す。
上記方法において、メッセージは、少なくとも1つの信号ポートが不要信号に関連付けられていることを示す情報を含むことができる。
上記方法において、対象のユーザ機器は、少なくとも1つの信号ポートにおける信号電力を、対象のユーザ機器への干渉として測定し、この干渉に基づいてMU−CQIを計算する。
上記方法において、信号ポート7〜14はDMRSポートとして割り当てられ、信号ポート15〜22はCSI−RSポートとして割り当てられる。
上記方法において、通信システムは、サービング送信ポイントと少なくとも1つの干渉する送信ポイントとから構成される複数の送信ポイントを含み、不要信号は、少なくとも1つの干渉する送信ポイントからの信号である。
上記方法において、サービング送信ポイントおよび少なくとも1つの干渉する送信ポイントは、同じセルIDまたは異なるセルIDを有する。
上記方法において、1つの参照信号ポートが不要信号に関連付けられている場合、対象のユーザ機器は、その1つの信号ポートにおける信号電力を干渉として測定し、その干渉に基づいてMU−CQIを計算して報告する。
上記方法において、2つ以上の信号ポートが、不要信号に関連付けられており、かつ1つの干渉する送信ポイントから送信される場合、対象のユーザ機器は、対象のユーザ機器への最小の干渉を引き起こすBCIを推定し、そのBCIに基づいてMU−CQIを計算し、さらにBCIおよびMU−CQIをサービング送信ポイントに報告する。
上記方法において、2つ以上の信号ポートが、不要信号に関連付けられており、かつ、それぞれが、異なる干渉する送信ポイントから送信される場合、対象のユーザ機器は、信号ポートそれぞれにおける信号電力を干渉として測定し、これらの干渉それぞれに基づいてMU−CQIを計算して報告する。
上記方法において、2つ以上の信号ポートが、不要信号に関連付けられており、かつ、それぞれが、異なる干渉する送信ポイントから送信される場合、対象のユーザ機器は、すべての信号ポートにおける全体の信号電力を干渉として測定し、その干渉に基づいてMU−CQIを計算して報告する。
上記方法において、サービング送信ポイントおよび干渉する送信ポイントが異なるセルIDを有する場合、サービング送信ポイントは、さらに、不要信号に関連付けられているセルIDを対象のユーザ機器に指示する。
本開示による方法の各ステップは、ユーザ機器600の受信部602、測定部603、処理部604、および送信部606のそれぞれによって、もしくは、送信ポイント装置500の受信部502および送信部505のそれぞれによって、またはその両方によって、実行することができる。
本開示によると、動的なMU動作が可能であり、わずかな下りリンクのオーバーヘッドによってリンクアダプテーション性能が向上する。さらに、精度はコードブックのサイズによって制限されない。
本開示の上記の実施形態は、例示的な説明にすぎず、その特定の構造および動作は、本開示の範囲を制限するものではない。当業者には、上記の各実施形態における異なる部分および動作を組み合わせて、同様に本開示の概念に合致する新規の実施形態を創案することができるであろう。
本開示の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアによって、またはこれらの組合せにおいて実施することができ、実施形態を実施する方法は、本開示の範囲を制限するものではない。
本開示の実施形態における各機能要素(構成部)の間の接続関係は、本開示の範囲を制限するものではなく、1つまたは複数の機能要素または構成部は、任意の別の機能要素を含んでいる、または任意の別の機能要素に接続することができる。
ここまで、本開示のいくつかの実施形態について、添付の図面と組み合わせて図示および説明してきたが、当業者には、本開示の請求項の範囲およびその等価形態の範囲内である、実施形態の変形形態および修正形態を、本開示の原理および概念から逸脱することなく創案できることを理解されたい。