図1は、伝送システムの一例を示す構成図である。伝送システムは、例えば、異なるLAN(Local Area Network)(A),(B)の間に設けられた複数の伝送装置1a〜1fを有する。
LAN(A)及びLAN(B)は、コンピュータなどの端末装置及びネットワーク機器を含み、互いに接続された複数の伝送装置1a〜1fを介して、イーサネットフレームを互いに送受信する。なお、本実施例では、伝送されるデータの単位として、イーサネットフレームを挙げるが、これに限定されることはない。例えば、IP(Internet Protocol)パケット、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)フレーム、及びATM(Asynchronous Transfer Mode)セルなどの他種類のフレームが用いられてもよい。また、以下の説明では、イーサネットフレームを「フレーム」と表記する。
伝送装置1a〜1fは、例えばレイヤ2スイッチであり、LAN(A)及びLAN(B)の間においてフレームを中継する。このため、伝送装置1a〜1fのネットワーク内には、フレームを伝送するための通信回線が設けられている。
本伝送システムは、伝送装置1a〜1fや伝送路などの障害に備えて、少なくとも一部の通信回線が二重化されている。例えば、伝送装置1a,1c間にフレームを伝送する場合、伝送装置1a,1b,1cを経由する伝送経路R1に沿って現用系の通信回線が設けられ、伝送装置1a,1e,1cを経由する伝送経路R2に沿って予備系の通信回線が設けられる。この場合、例えば、伝送経路R1を介してフレームを転送しているとき、伝送経路R1上の伝送装置1bが故障しても、系切り替えを行うことにより、伝送経路R2を介してフレームの伝送が継続される。
このように、本伝送システムは、通信回線の冗長構成を有しているので、LAN(A)及びLAN(B)は、現用系の通信回線に障害が発生しても、系切り替えを行うことにより、予備系の通信回線を用いて通信を継続できる。したがって、各伝送装置1a〜1fは、後述するように、フレームの伝送手段を、現用系の通信回線から予備系の通信回線の切り替える機能を備えている。
図2は、伝送装置1a〜1fの一例を示す構成図である。伝送装置1a〜1fは、複数のインターフェースカード(IFカード)(#1〜#N)91と、スイッチカード(SWカード)92と、コントロールカード93とを有する。各カード91〜93は、例えば、伝送装置1a〜1fの筐体の前面に設けられた個別のスロットに収容される着脱自在な電気回路基板であり、筐体の背面に設けられた配線基板(BWB:Back Wired Board)を介して、互いに電気的に接続される。なお、伝送装置1a〜1fは、上記の構成に限定されず、例えば、各カード91〜93の機能が共通の電気回路基板(マザーボード)に備えられた構成を有してもよい。
IFカード91は、他装置との間においてフレームを送受信する。IFカード91は、複数のポートにより伝送路(例えば光ファイバ)と接続され、例えば10GBASE−LRの規格に基づく通信を行う。
SWカード92は、複数のIFカード91間において、フレームを交換する。すなわち、SWカード92は、IFカード91から入力されたフレームを、当該フレームの宛先に応じたIFカード91に出力する。
コントロールカード93は、複数のIFカード91及びSWカード92を制御する。コントロールカード93は、ネットワーク管理装置などと接続され、各カード91,92に対する制御処理(例えば各種の設定処理)、及び各カード91,92からの情報収集処理(例えば警報の収集処理)などを行う。コントロールカード93は、これらの処理を実行するCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ930、及び、プロセッサ930を駆動するプログラムを記憶するメモリ931を有する。
図3は、IFカード91の一例を示す構成図である。IFカード91は、複数の光送受信器910と、PHY/MAC部911と、入力処理部912と、出力処理部913と、通信処理部914とを有する。
光送受信器910は、他装置から伝送路を介して受信した光信号を電気信号に変換してPHY/MAC部911に出力し、また、PHY/MAC部911から入力された電気信号を光信号に変換し、伝送路を介して他装置に送信する。つまり、複数の光送受信器910は、他装置との間でフレームを送受信するためのポート(#1〜#M)としてそれぞれ機能する。
PHY/MAC部911は、他装置とのリンクの確立処理や光送受信器910に対するフレームの分配処理などを行う。PHY/MAC部911は、光送受信器910から入力されたフレームを入力処理部912に出力し、出力処理部913から入力されたフレームを、フレームの宛先に応じた光送受信器910に出力する。
入力処理部912及び出力処理部913は、イングレス(INGRESS)及びイーグレス(EGRESS)のフレーム処理をそれぞれ行う。入力処理部912は、他装置から受信したフレームを処理し、SWカード92に出力する。出力処理部913は、スイッチカード92から入力されたフレームを処理し、PHY/MAC部911に出力する。
また、入力処理部912及び出力処理部913は、通信処理部914を介して、コントロールカード93及び他のIFカード91と通信する。これにより、IFカード91間の通信、及びIFカード91とコントロールカード93の間の通信が可能となる。なお、入力処理部912及び出力処理部913は、制御情報を交換することもできる。
図4には、伝送装置1a〜1f内のフレームの経路が示されている。なお、図4において、光送受信器910及びPHY/MAC部911は省略されている。
IFカード(#1〜#N)91において受信されたフレームFRMは、当該IFカード(#1〜#N)91の入力処理部912に入力される。フレームFRMは、入力処理部912からSWカード92に出力され、SWカード92により、フレームFRMの宛先に応じたIFカード(#1〜#N)91に転送される。転送されたフレームFRMは、当該IFカード(#1〜#N)91の出力処理部913に入力され、出力処理部913から他装置に送信される。
このように、フレームFRMは、受信されてから送信されるまでの間に、2つのIFカード(#1〜#N)91と、SWカード92とを経由する。このため、IFカード(#1〜#N)91、SWカード92、及びカード91,92間を結ぶBWB(図2参照)のフレーム伝送速度が、伝送装置1a〜1fの伝送容量に影響する。この伝送容量が小さい場合、以下に述べるように、系切り替えを無瞬断で行うことは難しい。
図5は、比較例における伝送システムの機能構成を示す構成図である。本例では、図1に示された伝送システムにおいて、フレームを、伝送装置1aから伝送経路R1,R2を介して伝送装置1cまで伝送する場合を挙げる。このため、図5には、当該伝送に関連する構成のみが示されており、光送受信器910やPHY/MAC部911などの図示は省略されている。
伝送装置1aは、LAN(A)からフレームFRMを受信する。受信されたフレームは、IFカード(#1)91の入力処理部912に設けられたシーケンス番号(SN:Sequence Number)付与部81により、SNが付与される。
SNは、フレームの送信順序を規定するための識別子である。SN付与部81は、フレームが入力されるたびに、例えば、「0」,「1」,「2」,・・・のように、番号を昇順でフレームに付与する。なお、SN付与部81は、SNに代えて、アルファベットなどの文字(つまり、文字コード)を一定の順序で、フレームごとに付与してもよい。
IFカード(#1)91は、フレームに付与されたSNの順序に従って、フレームをSWカード92に出力する。SWカード92において、フレームFRMは、フレーム複製部82により複製され、その結果、共通のデータを含む2個のフレームFRM(#0)及びフレームFRM(#1)が生成される。生成されたフレームFRM(#0)及びフレームFRM(#1)は、SWカード92からIFカード(#2/#3)91にそれぞれ入力される。
フレームFRM(#0)は、IFカード(#2)91の出力処理部913から伝送装置1bに送信され、フレームFRM(#1)は、IFカード(#3)91の出力処理部913から伝送装置1eに送信される。これにより、一方のフレームFRM(#0)は、現用系の通信回線の伝送経路R1に沿って伝送され、他方のフレームFRM(#1)は、予備系の通信回線の伝送経路R2に沿って伝送される。
伝送装置1bは、受信したフレームFRM(#0)を、SNで示される順序に従って伝送装置1cに送信する。伝送装置1cは、受信したフレームFRM(#0)を、IFカード(#4)91の入力処理部912に設けられたバッファ83に格納する。
伝送装置1eは、受信したフレームFRM(#1)を、SNで示される順序に従って伝送装置1cに送信する。伝送装置1cは、受信したフレームFRM(#1)を、IFカード(#5)91の入力処理部912に設けられたバッファ84に格納する。
IFカード(#4)91の入力処理部912は、フレームFRM(#0)を、バッファ83からSWカード92に出力し、IFカード(#5)91の入力処理部912は、フレームFRM(#1)を、バッファ84からSWカード92に出力する。フレームFRM(#0)及びフレームFRM(#1)の各出力タイミングは、SNに基づいて同期するように、予め、IFカード(#4)91及びIFカード(#5)91間で調整されている。
SWカード92は、フレームFRM(#0)及びフレームFRM(#1)を、宛先に応じたIFカード(#6)91の出力処理部913に出力する。つまり、現用系の通信回線を介して受信されたフレームFRM(#0)及び予備系の通信回線を介して受信されたフレームFRM(#1)は、SWカード92を介し、同一のIFカード(#6)91に集められる。
IFカード(#6)91の出力処理部913に設けられた出力選択部85は、フレームFRM(#0)及びフレームFRM(#1)の一方を、SNで示される順序に従ってLAN(B)内の他装置に送信し、他方を廃棄する。すなわち、出力選択部85は、現用系の通信回線からのフレームFRM(#0)をLAN(B)に送信し、予備系の通信回線からのフレームFRM(#1)を廃棄する。
また、障害などの要因により系切り替えが行われた場合、出力選択部85は、予備系の通信回線からのフレームFRM(#1)をLAN(B)内の他装置に送信し、現用系の通信回線からのフレームFRM(#0)を廃棄する。つまり、系切り替えが行われると、現用系と予備系のIFカード91が入れ替わる。
系切り替えが行われたとき、出力選択部85は、SNで示される順序が遵守されるように、送信対象のフレームをフレームFRM(#0)からフレームFRM(#1)に切り替える。例えば、SNで示される順序が昇順である場合、SNが「65」のフレームFRM(#0)の送信が完了した後で系切り替えが行われたとき、出力選択部85は、SNが「66」のフレームFRM(#1)からフレーム送信を開始する。つまり、出力選択部85は、系切り替え前に最後に出力したフレームFRM(#0)のSNの次のSNのフレームFRM(#1)から送信を開始する。
このように、受信側の伝送装置1cは、主信号であるフレームが瞬断しないように、つまり、無瞬断で系切り替えを行うため、SNに基づいて、送信対象のフレームの切り替え処理を行う。
しかし、本例では、現用系及び予備系の各通信回線からのフレームFRM(#0/#1)は、同一のIFカード91に集められた後、一方がLAN(B)内の他装置に送信されるので、伝送装置1c内には、現用系及び予備系の両方のフレームが伝送される。このため、伝送装置1cは、現用系及び予備系の通信回線の組ごとに、主信号(フレーム)の帯域の2倍に相当する伝送容量を必要とする。
したがって、伝送容量は、伝送装置1cの性能のボトルネックとなり得る。例えば、一組の現用系及び予備系の通信回線に許容される伝送容量が100(Gbps)である場合、当該主信号の帯域は、50(Gbps)以下に制限される。
よって、IFカード91、SWカード92、及びBWBのフレーム伝送速度が不十分である場合、伝送装置1cに入力される総トラフィック量が増加すると、伝送容量が不足することにより、フレームロスなどの主信号のエラーが生じ得る。このとき、系切り替えを行うと、主信号が瞬断することで、通信品質の劣化が生ずる。
これに対し、実施例に係る伝送装置1cでは、IFカード(#4)91及びIFカード(#5)91の一方だけが、受信したフレームを、SWカード92を介してIFカード(#6)91に出力する。例えば、IFカード(#4/#5)91が現用系及び予備系の通信回線からフレームをそれぞれ受信する場合、IFカード(#4)91は、フレームをIFカード(#6)91に出力し、IFカード(#5)91は、フレームを廃棄する。これにより、伝送装置1cに必要な伝送容量が、例えば、比較例の半分程度に低減される。
しかし、このとき、受信したフレームを格納するバッファの蓄積量が、IFカード(#4)及びIFカード(#5)91の間で相違することで、系切り替え時に、SNで示されるフレームの送信順序が遵守されない場合が考えられる。例えば、IFカード(#5)91のバッファの蓄積量は、フレームの廃棄のため、IFカード(#4)91のバッファの蓄積量より少なくなり得る。このため、IFカード(#5)91のバッファ内のフレームが、IFカード(#4)91のバッファ内のフレームより先にIFカード(#6)91に出力されることにより、フレームの送信順序のスキップなどが起こり得る。
そこで、実施例に係る伝送装置1cは、現用系の通信回線に対応するIFカード(#4)91から予備系の通信回線に対応するIFカード(#5)91に、出力したフレームに関するSNを通知することにより、SNで示されるフレームの送信順序を遵守する。これにより、無瞬断で系切り替えが行われる。
以下に、比較例と同様に、図1に示された伝送システムにおいて、フレームを、伝送装置1aから伝送経路R1,R2を介して伝送装置1cまで伝送する場合を挙げて、実施例を説明する。
図6は、実施例における送信側の伝送装置1aの機能構成を示す構成図である。図6には、上記の伝送に関連する構成のみが示されており、光送受信器910やPHY/MAC部911などの図示は省略されている。
伝送装置1aにおいて、IFカード(#1)91は、LAN(A)内の他装置からフレームFRMを受信し、SWカード92に出力する。IFカード(#1)91の入力処理部912は、SN付与部20と、ヘッダ付与部21と、フロー設定テーブル22とを有する。
SN付与部20は、受信したフレームFRMのうち、系切り替えの対象となるフレームの各々に、比較例のSN付与部81と同様に、SN(識別子)を付与する。系切り替えの対象となるフレームは、上記の伝送経路R1,R2を経由するフレームである。なお、以降の説明において、系切り替えの対象となるフレームを、「切替対象フレーム」と表記する。
SN付与部20は、フロー設定テーブル22を参照することにより、切替対象フレームを識別する。フロー設定テーブル22は、例えば、入力処理部912内のメモリなどに記憶され、コントロールカード93から内容が設定される。
図7には、送信側の伝送装置1aのフロー設定テーブル22の一例が示されている。フロー設定テーブル22は、VID(Virtual LAN ID)、フローID、切替設定フラグ、マルチキャストフラグ、及び出力設定情報を含む。
VIDは、伝送装置1a〜1fのネットワーク内の論理パスの識別子であり、図8に示されるように、フレームに含まれる。図8は、フレーム(SN付与済みのフレーム)の一例を示す構成図である。
フレームは、DA(Destination Address)、SA(Source Address)、VLANタグ、TYPE、SN、データ領域、FCS(Frame Check Sequence)を含む。DA及びSAは、宛先及び送信元の各MAC(Media Access Control)アドレスをそれぞれ示す。
VLANタグは、TPID(Tag Protocol Identifier)、プライオリティ、DEI(Discard Eligible Indicator)、及びVIDを含む。TPIDは、イーサネットタイプの1種であり、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.1Qに従って0x8100(「0x」は16進数を示す。以下同様。)の値を示す。
プライオリティは、3ビットの領域を有し、当該フレームの優先度を8クラスに区分して示す。DEIは、1ビットの領域を有し、当該フレームの廃棄に関する優先度を示す。DEIが「1」(2進数)であるフレームは、トラフィックの輻輳が生じたとき、DEIが「0」(2進数)であるフレームより優先的に廃棄される。また、VIDは、上述した通りであり、ネットワーク内の論理パスごとに割り当てられる。なお、イーサネットフレームに代えて、MPLSフレームが伝送される場合、VLANタグの代わりにShimヘッダが用いられる。
TYPEは、イーサネットタイプであり、データ領域に格納されるメッセージの種別を示す。例えば、TYPEが0x0800である場合、当該フレームが、IPv4(IP Version 4)のフレームであることを示す。また、TYPEが0x8902である場合、当該フレームが、ITU−T勧告Y.1731に規定されたOAM(Operation Administration and Maintenance)フレームであることを示す。なお、イーサネットタイプの値は、IANA(Internet Assigned Number Authority)により規定されている。
SNは、当該フレームが切替対象フレームである場合、SN付与部20により付与される。SNが付与された場合、上記のTYPEは、SN付与部20により特定の値に書き換えられる。
また、データ領域には、制御メッセージ、または主信号のデータが格納される。FCSは、データ誤りを訂正するための誤り訂正符号(例えばCRC(Cyclic Redundancy Check)−32)である。
再び図7を参照すると、フローIDは、伝送装置1a内におけるフレームの論理パスの識別子であり、VIDごとに設定される。伝送装置1aは、フローIDに基づいてフレームFRMを識別する。また、切替設定フラグは、当該フレームFRMが切替対象フレームであるか否かを示す。フレームFRMは、当該VIDに対応する切替設定フラグが「0」を示す場合、切替対象フレームではなく、当該VIDに対応する切替設定フラグが「1」を示す場合、切替対象フレームである。
このため、SN付与部20は、フロー設定テーブル22を参照することにより、受信したフレームFRMに対応する切替設定フラグを当該VIDに基づいて検索し、切替設定フラグが「1」を示す場合、当該フレームFRMにSNを付与する。図7の例において、VIDが「1」のフレームFRMには、SNが付与されず、VIDが「100」のフレームFRMには、SNが付与される。
SN付与部20は、フローIDごとにSNを保持し、SNの昇順で切替対象フレームの送信順序が規定される場合、SNをフレームFRMに付与するたびに、当該フローIDのSNに、例えば1を加算する。一方、SNの降順で切替対象フレームの送信順序が規定される場合、SN付与部20は、SNをフレームFRMに付与するたびに、当該フローIDのSNから、例えば1を減算する。
また、ヘッダ付与部21は、フレームFRMごとに、当該出力先のIFカード91を示す装置内ヘッダを付与する。ヘッダ付与部21は、フロー設定テーブル22を参照することにより、受信したフレームFRMに対応するマルチキャストフラグ及び出力先設定情報を、当該VIDに基づいて検索し、検索結果に応じた装置内ヘッダを生成する。
マルチキャストフラグは、当該フレームFRMがマルチキャストフレームであるか否かを示す。マルチキャストフレームは、SWカード92において複製され、複数のIFカード91に送信されるフレームである。マルチキャストフラグが「0」を示す場合、フレームFRMは、マルチキャストフレームではなく、1つのIFカード91に出力されるユニキャストフレームである。一方、マルチキャストフラグが「1」を示す場合、フレームFRMは、マルチキャストフレームである。なお、切替対象フレームは、SWカード92において複製されるため、マルチキャストフレームとして設定される。
出力先設定情報は、フレームFRMがマルチキャストフレームであるか否かに応じて内容が異なる。フレームFRMがマルチキャストフレームではない場合(マルチキャストフラグ=「0」)、出力先設定情報は、出力先のIFカード91の番号(#1〜#N)及びポート番号(#1〜#M)を示す。この場合、装置内ヘッダには、出力先のIFカード91の番号(#1〜#N)及びポート番号(#1〜#M)が含まれる。図7の例において、VIDが「0」であるフレームFRMの出力先設定情報は、「#10/#2」を示すため、当該フレームFRMは、SWカード92によりIFカード(#10)91のポート(#2)に出力される。
一方、フレームFRMがマルチキャストフレームである場合(マルチキャストフラグ=「1」)、出力先設定情報は、マルチキャスト番号(MC番号)を示す。この場合、装置内ヘッダには、MC番号が含まれる。SWカード92は、MC番号に応じた複数のIFカード91(または同一のIFカード91内の複数のポート)にフレームFRMを出力する。
再び図6を参照すると、SWカード92は、IFカード(#1)91から入力された切替対象フレームを複製することにより、2つの切替対象フレームFRM(#0/#1)を生成する。SWカード92は、一方の切替対象フレームFRM(#0)をIFカード(#2)91に出力し、他方の切替対象フレームFRM(#1)をIFカード(#3)91に出力する。SWカード92は、フレーム複製部30及びマルチキャスト(MC)設定テーブル31を有する。
フレーム複製部30は、フレームFRMが入力されるたびに、当該フレームFRMに付与された装置内ヘッダを参照し、装置内ヘッダにMC番号が格納されていた場合、MC設定テーブル31から、MC番号に応じた複数の出力先を検索する。フレーム複製部30は、検索された出力先の数だけ、フレームFRMを複製し、当該出力先の各IFカード91に出力する。
図9には、MC設定テーブル31の一例が示されている。MC設定テーブル31は、例えばSWカード92に設けられたメモリなどに記憶され、コントロールカード93から内容が設定される。
MC設定テーブル31には、MC番号ごとに、複数の宛先情報が設定されている。例えば、MC番号が「#1」(MC#1)であるフレームの宛先情報は、「#4/#2」及び「#5/#1」であるので、当該フレームは、IFカード(#4)91のポート(#2)及びIFカード(#5)91のポート(#1)に出力される。
また、MC番号が「#10」〜「#14」(MC#10〜MC#14)である各フレームFRMの宛先情報は、「#2/#1」及び「#3/#1」である。このため、当該フレームFRMを複製して得られた切替対象フレーム(#0/#1)は、SWカード92からIFカード(#2)91のポート(#1)及びIFカード(#3)91のポート(#1)にそれぞれ出力される。なお、図6には、出力先のIFカード(#2/#3)91内の特定のポート(#1)に関連する構成のみが示されている。
フレーム複製部30は、装置内ヘッダにMC番号が格納されていない場合、フレームの複製を行わない。この場合、SWカード92は、装置内ヘッダに格納された出力先のIFカード91にフレームを出力する。
IFカード(#2)91は、切替対象フレームFRM(#0)を、伝送経路R1上の他の伝送装置1bに送信し、IFカード(#3)91は、切替対象フレームFRM(#1)を、伝送経路R2上の他の伝送装置1eに送信する。IFカード(#2/#3)91の各出力処理部913は、ヘッダ削除部40及びバッファ41を有する。
ヘッダ削除部40は、切替対象フレームFRM(#0/#1)から装置内ヘッダを削除する。このように、装置内ヘッダは、伝送装置1a内だけで用いられるため、伝送路の帯域を圧迫することがない。
ヘッダが削除された切替対象フレームFRM(#0/#1)は、バッファ41に格納され、送信タイミングが到来すると、バッファ41から読み出されて、他の伝送装置1b,1eにそれぞれ送信される。このとき、切替対象フレームFRM(#0/#1)は、SNで示される順序に従って送信される。
切替対象フレームFRM(#0/#1)は、伝送装置1b,1eをそれぞれ経由して、受信側の伝送装置1cにより受信される。なお、伝送装置1b,1eにおいても、SNで示される送信順序は遵守される。
図10は、送信側の伝送装置1aのフレーム伝送処理の一例を示すフローチャートである。まず、IFカード(#1)91において、SN付与部20は、受信したフレームFRMに対応する切替設定フラグを、フロー設定テーブル22から取得する(ステップSt1)。
次に、SN付与部20は、切替設定フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップSt2)。SN付与部20は、切替設定フラグが「1」である場合(ステップSt2のYes)、フレームFRMにSNを付与する(ステップSt3)。また、切替設定フラグが「0」である場合(ステップSt2のNo)、SNの付与は行わずに、ステップSt4の処理が行われる。
次に、ヘッダ付与部21は、受信したフレームFRMに対応するマルチキャストフラグを、フロー設定テーブル22から取得する(ステップSt4)。次に、ヘッダ付与部21は、マルチキャストフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップSt5)。
ヘッダ付与部21は、マルチキャストフラグが「1」である場合(ステップSt5のYes)、当該MC番号(MC#1,MC#2,・・・)をフロー設定テーブル22から取得する(ステップSt6)。また、マルチキャストフラグが「0」である場合(ステップSt5のNo)、ヘッダ付与部21は、当該カード番号(#1〜#N)及びポート番号(#1〜#M)を取得する(ステップSt15)。
次に、ヘッダ付与部21は、MC番号、またはカード番号及びポート番号を含む装置内ヘッダを生成してフレームFRMに付与する(ステップSt7)。次に、入力処理部912は、フレームFRMをSWカード92に出力する(ステップSt8)。
次に、SWカード92において、フレーム複製部30は、装置内ヘッダに基づいて、フレームFRMがマルチキャストフレームであるか否かを判定する(ステップSt9)。フレームFRMがマルチキャストフレームではない場合(ステップSt9のNo)、後述するステップSt12の処理が行われる。
フレーム複製部30は、フレームFRMがマルチキャストフレームである場合(ステップSt9のYes)、MC設定テーブル31から、フレームFRMのMC番号に応じた宛先情報を取得する(ステップSt10)。次に、フレーム複製部30は、フレームFRMを、当該宛先情報の数だけ複製する(ステップSt11)。
次に、SWカード92は、フレームFRM、または、複製で得た切替対象フレームFRM(#0/#1)を、宛先のIFカード(#2/#3)91に出力する(ステップSt12)。
次に、IFカード(#2/#3)91において、ヘッダ削除部40は、フレームFRM、または、複製で得た切替対象フレームFRM(#0/#1)から、装置内ヘッダを削除する(ステップSt13)。次に、IFカード(#2/#3)91は、フレームFRM、または、複製で得た切替対象フレームFRM(#0/#1)をバッファ41に格納した後、他の伝送装置1b,1eに送信する(ステップSt14)。
このようにして、送信側の伝送装置1aは、フレーム伝送処理を行う。伝送装置1aは、複製で得た切替対象フレームFRM(#0/#1)を、2つの伝送経路R1,R2をそれぞれ介して、受信側の伝送装置1cに送信する。このため、伝送装置1cは、受信側のIFカード(#4/#5)91において、LAN(B)に送信するフレームFRMを、切替対象フレームFRM(#0/#1)から選択することにより、系切り替えを行うことができる。
図11は、実施例における受信側の伝送装置1cの機能構成を示す構成図である。図11には、上記の伝送に関連する構成のみが示されており、光送受信器910やPHY/MAC部911などの図示は省略されている。なお、図11において、切替対象フレームFRM(#0/#1)を受信するIFカード(#4/#5)91の符号をそれぞれ「91a」及び「91b」とし、フレームFRMをLAN(B)に送信するIFカード(#6)91の符号を「91c」として示す。
IFカード(#4)(第1受信部)91aは、現用系の通信回線(伝送経路R1)を介して切替対象フレームFRM(#0)を受信する。IFカード(#5)(第2受信部)91bは、予備系の通信回線(伝送経路R2)を介して切替対象フレームFRM(#1)を受信する。なお、本実施例では、IFカード(#4)91aを現用系とし、IFカード(#5)91bを予備系とするが、後述するように、同一のSNが付与されたフレームの到着順に応じて、現用系及び予備系の割り当てを上記の逆としてもよい。
IFカード(#4)91aは、受信した切替対象フレームFRM(#0)を、切替対象フレームFRM(#0)ごとに付与されたSNで示される順序に従ってIFカード(#6)(送信部)91cに出力する。
IFカード(#5)91bは、受信した切替対象フレームFRM(#1)を廃棄する。IFカード(#6)91cは、切替対象フレームFRM(#0)をLAN(B)内の他装置に送信する。
伝送装置1cは、系切り替え時、IFカード(#6)91cから送信するフレームFRMを、IFカード(#4)91aにより受信した切替対象フレームFRM(#0)から、IFカード(#5)91bにより受信した切替対象フレームFRM(#1)に切り替える。
このとき、IFカード(#4)91aは、出力した切替対象フレームFRM(#0)に関するSNをIFカード(#5)91bに通知し、SNをIFカード(#5)91bに通知した後に受信した切替対象フレームFRM(#0)を廃棄する。IFカード(#5)91bは、IFカード(#4)91aからSNが通知されると、受信した切替対象フレームFRM(#1)を、IFカード(#4)91aから通知されたSNに応じたフレームから、切替対象フレームFRM(#1)ごとに付与されたSNで示される順序に従ってIFカード(#6)91cに出力する。
このように、実施例の伝送装置1cでは、IFカード(#4)91a及びIFカード(#5)91bの一方だけが、受信したフレームFRMを、SWカード92を介してIFカード(#6)91cに出力するため、必要な伝送容量が、例えば、比較例の半分程度に低減される。さらに、現用系の通信回線に対応するIFカード(#4)91aから予備系の通信回線に対応するIFカード(#5)91bに、出力したフレームに関するSNが通知されるため、無瞬断で系切り替えが行われる。以下に、各IFカード(#4〜#6)91a〜91cの機能の詳細に関して説明する。
IFカード(#4/#5)91a,91bの入力処理部912は、SN検査部50と、遅延算出部51と、入力バッファ52と、読出制御部53と、出力バッファ54と、カウンタ55と、切替制御部56と、制御フレーム生成部57とを有する。また、入力処理部912は、フロー設定テーブル60と、冗長構成設定テーブル61と、遅延設定テーブル62とを有する。各テーブル60〜62は、例えば、入力処理部912内のメモリなどに記憶され、コントロールカード93から内容が設定される。
また、IFカード(#4/#5)91a,91bの出力処理部913は、制御フレーム検出部58を有する。また、IFカード(#6)91cの出力処理部913は、制御フレーム抽出部70を有し、IFカード(#6)91cの入力処理部912は、制御フレーム出力部71を有する。
SN検査部50は、受信したフレームFRM(#0/#1)に付与されたSNを検査し、受信順序が、SNで示される順序に従っていない場合、警報として、SNエラーを切替制御部56に通知する。例えば、SNで示される順序が昇順または降順である場合、SN検査部50は、受信したフレームのSNが連続していないとき(例えば、「1」,「2」,「4」,「5」,・・・)にSNエラーを通知する。
現用系のIFカード(#4)91aの場合、切替制御部56は、SNエラーが通知されると、後述する系切り替え処理を行う。一方、予備系のIFカード(#5)91bの場合、切替制御部56は、SNエラーが通知されると、SNエラーの発生をコントロールカード93に通知する。
SN検査部50は、フロー設定テーブル60を参照することにより、検査対象である切替対象フレームFRM(#0/#1)を識別し、他のフレームFRMについては検査を行わない。
図12には、受信側の伝送装置1cのフロー設定テーブル60の一例が示されている。フロー設定テーブル60は、VIDと、フローIDと、切替設定フラグと、切替グループIDとを含む。
VID、フローID、及び切替設定フラグは、図7を参照して述べた通りである。SN検査部50は、受信したフレームFRMのVIDに対応する切替設定フラグを、フロー設定テーブル60から検索し、切替設定フラグが「1」であるときのみ(つまり切替対象フレームFRM(#0/#1)のみ)、当該フレームFRMのSNを検査する。
なお、同一のVIDのフレームFRMに割り当てられるフローIDは、受信側の伝送装置1cのフロー設定テーブル60と送信側の伝送装置1aのフロー設定テーブル22の間で相違してもよい。例えば、VIDが「100」のフレームFRMに割り当てられるフローIDは、送信側の伝送装置1aでは「10」であるが、受信側の伝送装置1cでは「20」である。SN検査部50は、SNエラーが検出された切替対象フレームFRM(#0/#1)のフローIDを切替制御部56に通知する。
切替グループIDは、一度に系切り替えが行われる複数の論理フローを示す共通の識別子である。図12の例では、フローIDが「20」〜「24」である切替対象フレームFRM(#0/#1)に、同一の切替グループID「1」が割り当てられている。
このため、SN検査部50は、フローID「20」〜「24」の何れかについてSNエラーを検出したとき、同一の切替グループID「1」に対応する全てのフローID「20」〜「24」を、切替制御部56に通知する。これにより、フローID「20」〜「24」の系切り替え処理が一度に行われる。
遅延算出部51は、系切り替えに先立ち、同一のSNが付与された切替対象フレームFRM(#0/#1)の送信時刻を、IFカード(#4)91aとIFカード(#5)91bの間で同期させるため、切替対象フレームFRM(#0/#1)間の遅延時間を算出する。遅延算出部51は、カウンタ55から入力されるカウンタ値に基づいて、切替対象フレームFRM(#0/#1)の受信時刻を取得する。なお、IFカード(#4)91aとIFカード(#5)91bの各カウンタ55は、リアルタイムクロック機能によって、常に同一のカウンタ値を出力するように、予め同期処理が行われている。
遅延算出部51は、遅延設定テーブル62に遅延時間が設定されていないフローIDに関し、切替対象フレームFRM(#0)に与える遅延時間を算出する。遅延算出部51は、切替対象フレームFRM(#0/#1)を受信するたびに、当該受信時刻、SN、及びフローIDを、通信処理部914を介し、冗長構成の他系のIFカード91に通知する。つまり、現用系のIFカード(#4)91a及び予備系のIFカード(#5)91bは、切替対象フレームFRM(#0/#1)をそれぞれ受信するたびに、当該受信時刻、SN、及びフローIDを互いに通知する。
遅延算出部51は、冗長構成設定テーブル61を参照することにより、冗長構成の他系のIFカード91のカード番号(#1〜#N)を取得する。遅延算出部51は、通信処理部914を介し、取得したカード番号のIFカード91に、受信時刻、SN、及びフローIDを通知する。
図13には、冗長構成設定テーブル61の一例が示されている。冗長構成設定テーブル61は、フローIDごとに、冗長構成のペア、つまり系(1)及び系(2)にそれぞれ対応するカード番号(#1〜#N)及びポート番号(#1〜#M)が登録されている。
図13の例では、フローID「20」〜「24」が割り当てられた切替対象フレームFRM(#0/#1)に関し、IFカード(#4)91aのポート(#1)及びIFカード(#5)91bのポート(#1)が、冗長構成として設定されている。なお、図11には、特定のポート(#1)に関連する構成のみが示されている。
遅延算出部51は、受信したフレームFRMのVIDに対応するフローIDを、フロー設定テーブル60から検索する。遅延算出部51は、検索により得られたフローIDに対応するカード番号及びポート番号を、冗長構成設定テーブル61から検索する。本例の場合、検索の結果として、IFカード(#4)91aは、「#5/#1」(カード番号/ポート番号)を取得し、IFカード(#5)91bは、「#4/#1」を取得する。このように、IFカード91は、冗長構成設定テーブル61により冗長構成の他系のカード番号及びポート番号を識別する。
IFカード(#4/#5)91a,91bの各遅延算出部51は、フローID及びSNが同一である切替対象フレームFRM(#0/#1)の受信時刻同士を比較する。そして、受信時刻が早い方の遅延算出部51(本例ではIFカード(#4)91a)は、切替制御部56に現用系の動作設定を行い、受信時刻が遅い方の遅延算出部51(本例ではIFカード(#5)91b)は、切替制御部56に予備系の動作設定を行う。つまり、IFカード(#4/#5)91a,91bのうち、フローID及びSNが同一である切替対象フレームFRM(#0/#1)の到着が早い方が、現用系として振る舞い、遅い方が、予備系として振る舞う。なお、現用系及び予備系の決定は、切替対象フレームFRM(#0/#1)の受信時刻同士に依らず、IFカード(#4/#5)91a,91bに対するコントロールカード93からの設定により行われてもよい。
受信時刻が早いIFカード91、つまりIFカード(#4)91aの遅延算出部51は、受信時刻が遅いIFカード91、つまりIFカード(#5)91bに対する受信時刻の差異を算出する。そして、IFカード(#4)91aの遅延算出部51は、算出した差異に応じた遅延時間を遅延設定テーブル62に設定する。
図14には、遅延設定テーブル62の一例が示されている。遅延設定テーブル62は、フローIDごとに遅延時間Tdが登録されている。遅延時間Tdの単位としては、具体的な時間(μsecなど)や、カウンタ55のクロック信号のパルス数(カウンタ値)などが挙げられる。図14の例では、フローID「20」の切替対象フレームFRM(#0)の遅延時間は、「1」に設定されている。
このため、IFカード(#4)91aは、フローID「20」の切替対象フレームFRM(#0)を1パルス分だけ遅延させ、IFカード(#6)91cに出力する。なお、予備系のIFカード(#5)91bの遅延設定テーブル62には、切替対象フレームFRM(#1)の遅延時間として、例えば「0」が設定される。
入力バッファ52は、受信されたフレームFRM及び切替対象フレームFRM(#0/#1)を一時的に格納する。また、読出制御部53は、切替制御部56の指示に応じて異なる動作を行う。切替制御部56は、予め遅延算出部から行われた動作設定に応じた指示を、読出制御部53に与える。
切替制御部56は、現用系の動作設定の場合、入力バッファ52から切替対象フレームFRM(#0)を読み出して、出力バッファ54に出力するように、読出制御部53に指示する。また、切替制御部56は、予備系の動作設定の場合、入力バッファ52から切替対象フレームFRM(#1)を読み出して廃棄するように、読出制御部53に指示する。
つまり、IFカード(#4)91aの読出制御部53は、入力バッファ52から切替対象フレームFRM(#0)を読み出して、出力バッファ54に出力する。出力バッファ54に格納された切替対象フレームFRM(#0)は、SWカード92を介して、宛先のIFカード(#6)91cに出力される。このとき、切替対象フレームFRM(#0)は、SNで示される順序に従って出力される。
読出制御部53は、切替対象フレームFRM(#0)を読み出すとき、フロー設定テーブル60からフローIDを検索した後、遅延設定テーブル62から、当該フローIDに応じた遅延時間Tdを検索する。そして、読出制御部53は、検索した遅延時間Tdだけ待機した後、当該切替対象フレームFRM(#0)を読み出す。なお、コントロールカード93からの設定により現用系及び予備系が決定された場合、現用系及び予備系に関わらず、IFカード(#4/#5)91a,91bのうち、切替対象フレームFRM(#0/#1)の受信時刻が早い方が、フレームに遅延時間を与える。
つまり、IFカード(#4)91aは、遅延算出部51により算出された差異に応じた遅延時間だけ切替対象フレームFRM(#0)を遅延させ、IFカード(#6)91cに出力する。これにより、IFカード(#4)91a及びIFカード(#5)91bの間において、入力バッファ52からの切替対象フレームFRM(#0/#1)の読み出しタイミングが、SNに基づいて同期するので、系切り替え時に、SNの連続性を維持することが容易となる。
一方、IFカード(#5)91bの読出制御部53は、入力バッファ52から切替対象フレームFRM(#1)を読み出して廃棄する。なお、他のフレームFRMについて、IFカード(#4/#5)91a,91bの各読出制御部53は、動作設定に関わらず、入力バッファ52から読み出して出力バッファ54に出力する。
系切り替え処理において、IFカード(#4)91aの切替制御部56は、読出制御部53に、読み出した切替対象フレームFRM(#0)の廃棄を指示する。これにより、入力バッファ52内に格納された切替対象フレームFRM(#0)が、廃棄される。このとき、出力バッファ54に格納済みの切替対象フレームFRM(#0)は、SWカード92に出力される。
また、IFカード(#4)91aの切替制御部56は、系切り替えの対象となるフローID(SN検査部50から通知されたフローID)について、読出制御部53から、最後に出力バッファ54に出力された切替対象フレームFRM(#0)のSNを取得する。例えば、SNで示される送信順序が昇順である場合、出力バッファ54に格納済みの切替対象フレームFRM(#0)のSNが「30」〜「57」であれば、切替制御部56は、読出制御部53からSN「57」を取得する。
IFカード(#4)91aの切替制御部56は、当該フローID及び取得したSNの次のSNを、通信処理部914を介して他系のIFカード(#5)91aの切替制御部56に出力する。上述した例のように、取得したSNが「57」である場合、切替制御部56は、SN「58」を出力する。このとき、IFカード(#4)91aの切替制御部56は、当該フローIDに基づき、冗長構成設定テーブル61から他系のIFカード91のカード番号(本例では#5)を取得する。
IFカード(#5)91bの切替制御部56は、IFカード(#4)91aの切替制御部56からフローID及びSNが入力されると、当該SN以降の同一フローIDの切替対象フレームFRM(#1)の廃棄を停止する。これにより、当該SN以降の切替対象フレームFRM(#1)が、廃棄されずに、入力バッファ52内に保持される。上述した例のように、IFカード(#4)91aの切替制御部56からSN「58」が入力された場合、SN「58」以降(「58」,「59」,「60」,・・・)の切替対象フレームFRM(#1)が、入力バッファ52内に保持される。
また、IFカード(#4)91aの切替制御部56は、制御フレーム生成部57に、当該フローID及び取得したSNの次のSN(上記の例では「58」)を含む制御フレームの生成を指示する。制御フレーム生成部57は、生成した制御フレームを、出力バッファ54に出力する。
制御フレームは、出力バッファ54において、格納済みの切替対象フレームFRM(#0)の後に格納される。このため、制御フレームは、IFカード(#4)91aの出力バッファ54から最後に出力された切替対象フレームFRM(#0)の後に、IFカード(#6)91cに出力される。上記の例の場合、制御フレームは、SN「58」の切替対象フレームFRM(#0)の後に出力される。
IFカード(#6)91cは、SWカード92から入力された切替対象フレームFRM(#0)を、SNで示される順序に従ってLAN(B)内の他装置に送信する。また、IFカード(#6)91cは、IFカード(#4)91aからSWカード92を介して入力された制御フレームを、SWカード92を介してIFカード(#5)91bに出力する。
制御フレーム抽出部70は、SWカード92から入力されたフレームFRMから、制御フレームを抽出し、制御フレーム出力部71に出力する。制御フレーム出力部71は、制御フレームを、SWカード92を介してIFカード(#5)91bに転送する。
なお、制御フレームの転送は、IFカード(#6)91cではなく、SWカード92において行われてもよい。つまり、SWカード92は、コントロールカード93からの設定に従い、IFカード(#4)91aから入力された制御フレームを、IFカード(#6)91cに出力することなく、IFカード(#5)91bに転送してもよい。
IFカード(#5)91bの制御フレーム検出部58は、転送された制御フレームを検出する。制御フレーム検出部58は、制御フレームからフローID及びSNを取得し、読出制御部53に出力する。
読出制御部53は、入力バッファ52内に保持された切替対象フレームFRM(#1)から、当該フローID及びSNに一致するフレームを検出する。そして、読出制御部53は、入力バッファ52内に保持された切替対象フレームFRM(#1)を、検出したフレームから、SNで示される順序に従って出力バッファ54に出力する。このため、出力バッファ54内のフレームFRMの蓄積量が、IFカード(#4)及びIFカード(#5)91a,91bの間で相違しても、IFカード(#6)91cにおいて、SNで示されるフレームの送信順序が遵守される。
出力バッファ54に入力された切替対象フレームFRM(#1)は、SWカード92を介してIFカード(#6)91cに出力される。IFカード(#6)91cは、IFカード(#5)91bから入力された切替対象フレームFRM(#1)を、SNで示される順序に従ってLAN(B)内の他装置に送信する。
このように、IFカード(#4)91aは、制御フレームにより、出力した切替対象フレームFRM(#0)に関するSNをIFカード(#5)91bに通知する。IFカード(#5)91bは、制御フレームが入力されたことを契機として、受信した切替対象フレームFRM(#1)をIFカード(#6)91cに出力し始める。
上述したように、IFカード(#4)91aは、出力バッファ54から出力した切替対象フレームFRM(#0)の後に、制御フレームをIFカード(#6)91cに出力する。このため、IFカード(#5)91bに制御フレームが入力されたとき、IFカード(#4)91aの出力バッファ54には、切替対象フレームFRM(#1)が格納されていない。
したがって、IFカード(#5)91bが、制御フレームの入力を契機として、切替対象フレームFRM(#1)の出力を開始することで、切替対象フレームFRM(#0/#1)が、同時にIFカード(#6)91cに出力されることが回避される。すなわち、系切り替え処理が行われたとき、IFカード(#5)91bは、IFカード(#4)91aが、出力バッファ54に残存する切替対象フレームFRM(#0)の出力を完了した後、切替対象フレームFRM(#1)の出力を開始する。
これにより、IFカード(#6)91cは、IFカード(#4/#5)91a,91bから切替対象フレームFRM(#0/#1)が同時に入力されることがないので、SNで示される順序に従ったフレーム送信処理が容易となる。
また、IFカード(#4)91aは、上述したように、出力したフレームに関するSNとして、最後に出力した切替対象フレームFRM(#0)の次に出力する切替対象フレームFRM(#0)のSNをIFカード(#5)91bに通知する。このため、IFカード(#5)91bは、入力バッファ52内に保持された切替対象フレームFRM(#1)から、系切り替え後に最初に出力すべき切替対象フレームFRM(#1)を、容易に検出できる。
なお、IFカード(#4)91aは、これに限定されず、例えば、最後に出力した切替対象フレームFRM(#0)のSNをIFカード(#5)91bに通知してもよい。この場合、IFカード(#5)91bは、SNで示される順序が昇順であるとき、通知されたSNに1を加算して得たSNが付与された切替対象フレームFRM(#1)を検出する。例えば、通知されたSNが「34」であれば、SN「35」の切替対象フレームFRM(#1)が検出される。
次に、上述した各処理の詳細を説明する。図15は、遅延設定処理の一例を示すフローチャートである。遅延設定処理は、系切り替え処理に先立って、フローIDごとに行われる。
まず、遅延算出部51は、遅延設定テーブル62を参照し、処理対象のフローIDの遅延時間Tdが設定済みであるか否かを判定する(ステップSt41)。遅延時間Tdが設定済みである場合(ステップSt41のYes)、処理は終了する。
遅延時間Tdが設定済みではない場合(ステップSt41のNo)、遅延算出部51は、当該フローIDの切替対象フレームFRM(#0/#1)が受信されたか否かを判定する(ステップSt42)。切替対象フレームFRM(#0/#1)が受信されていない場合(ステップSt42のNo)、再びステップSt42の判定処理が行われる。
切替対象フレームFRM(#0/#1)が受信された場合(ステップSt42のYes)、遅延算出部51は、カウンタ55から切替対象フレームFRM(#0/#1)の受信時刻を取得する(ステップSt43)。ここで、IFカード(#4)91aの遅延算出部51が取得した受信時刻をt1とし、以降の処理を、IFカード(#4)91aの遅延算出部51の動作として説明する。なお、処理の内容は、IFカード(#4/#5)91a,91bの各遅延算出部51で共通である。
次に、遅延算出部51は、受信した切替対象フレームFRM(#0)のフローID、SN、及び受信時刻(t1)を、通信処理部914を介して、他系のIFカード(#5)91bに出力する(ステップSt44)。なお、遅延算出部51は、出力に先立って、冗長構成設定テーブル61から、他系のIFカード(#5)91bのカード番号(#5)を取得する。
次に、遅延算出部51は、他系のIFカード(#5)91bからの、受信した切替対象フレームFRM(#1)のフローID、SN、及び受信時刻の入力の有無を判定する(ステップSt45)。ここで、IFカード(#5)91bの遅延算出部51から入力された受信時刻をt2とする。
入力が無い場合(ステップSt45のNo)、遅延算出部51は、再びステップSt42の判定処理を行う。また、入力が有った場合(ステップSt45のYes)、遅延算出部51は、入力されたフローID及びSNが、受信済みの切替対象フレームFRM(#0)のフローID及びSNに一致するか否かを判定する(ステップSt46)。
一致しない場合(ステップSt46のNo)、遅延算出部51は、再びステップSt42の判定処理を行う。また、一致する場合(ステップSt46のYes)、遅延算出部51は、当該受信時刻(t1、t2)同士を比較し、t1<t2の成否を判定する(ステップSt47)。この判定処理では、切替対象フレームFRM(#0)の受信時刻(t1)が、切替対象フレームFRM(#1)の受信時刻(t2)より早いか否かが判定される。
t1<t2が成立する場合(ステップSt47のYes)、遅延算出部51は、切替制御部56に、現用系の動作設定処理をする(ステップSt48)。また、t1<t2が成立しない場合(ステップSt47のNo)、遅延算出部51(IFカード(#5)91bの遅延算出部51)は、切替制御部56に、予備系の動作設定処理をする(ステップSt51)。
つまり、IFカード(#4)91aは、同一SNの切替対象フレームFRMを、他系のIFカード(#5)91bより早く受信したので、現用系として振る舞うように設定される。また、IFカード(#5)91bは、同一SNの切替対象フレームFRMを、他系のIFカード(#4)91aより遅く受信したので、予備系として振る舞うように設定される。
これは、系切り替え処理において、SWカード92に出力される切替対象フレームFRMが、切替対象フレームFRM(#0)から切替対象フレームFRM(#1)に切り替えられるときに、SNの連続性を維持するためである。例えば、仮に、受信時刻が早いIFカード(#4)91aを予備系とした場合、IFカード(#4)91aは、系切り替え処理が行われるまで切替対象フレームFRM(#0)を廃棄するので、系切り替え時、SNの順序がスキップされ得る。なお、コントロールカード93からの設定により現用系及び予備系が決定された場合、現用系及び予備系に関わらず、IFカード(#4/#5)91a,91bのうち、切替対象フレームFRM(#0/#1)の受信時刻が早い方が、フレームに遅延時間を与える。これにより、切替対象フレームFRM(#0/#1)の送信時刻が同期する。同期完了後、現用系のIFカード(#4)91aは、切替対象フレームFRM(#0)を出力し、予備系のIFカード(#5)91b切替対象フレームFRM(#1)を廃棄する。
遅延算出部51は、現用系の動作設定処理(ステップSt48)を行った後、受信時刻の差異Δt(=t2−t1)を算出する(ステップSt49)。図16には、フレームの受信時刻の差異Δtが示されている。図16の例において、IFカード(#4)91aは、時刻t1において、フローID「20」及びSN「1」の切替対象フレームFRM(#0)を受信する。また、IFカード(#5)91bが、時刻t2において、フローID「20」及びSN「1」の切替対象フレームFRM(#1)を受信する。
このとき、IFカード(#4)91aの遅延算出部51は、差異Δt=t2−t1を算出する。例えば、受信時刻t1、t2がカウンタ55のカウンタ値により定義される場合、t1=15及びt2=32とすると、差異Δt=32−15=17が算出される。
次に、遅延算出部51は、算出した受信時刻の差異Δtに応じた遅延時間Tdを遅延設定テーブル62に設定する(ステップSt50)。このとき、遅延算出部51は、切替対象フレームFRM(#0)及び切替対象フレームFRM(#1)間において生じる固定的な伝送遅延時間を考慮して、遅延時間Tdを決定する。
固定的な伝送遅延としては、例えば、IFカード(#4/#5)91a,91bとSWカード92の間の各配線遅延時間が挙げられる。配線遅延時間は、BWBにおけるIFカード(#4/#5)91a,91bとSWカード92の間の各配線長に基づき決定される。例えば、IFカード(#5)91bとSWカード92の間の配線遅延時間が、IFカード(#4)91aとSWカード92の間の配線遅延時間より5(カウント値)だけ短く、差異Δt=17である場合、遅延時間Tdは、22(=5+17)に決定される。
一方、予備系の動作設定処理を行った場合(ステップSt51)、遅延算出部51は、遅延時間Td=0を遅延設定テーブル62に設定する(ステップSt52)。このため、IFカード(#5)91bの読出制御部53は、切替対象フレームFRM(#1)を、遅延させずに、入力バッファ52から読み出す。
遅延算出部51は、遅延時間Tdの設定後、処理を終了する。このようにして、遅延設定処理は行われる。遅延設定処理により、IFカード(#4/#5)91a,91b間で、同一SNの切替対象フレームFRM(#0/#1)の入力バッファ52からの各読み出しタイミングが、同期するように調整される。
また、図17は、受信側の伝送装置1cの現用系のフレーム伝送処理の一例を示すフローチャートである。より具体的には、図17は、IFカード(#4)91aにおけるフレーム伝送処理を示す。
まず、SN検査部50は、受信したフレームFRMに対応する切替設定フラグを、フロー設定テーブル60から取得する(ステップSt21)。次に、SN検査部50は、切替設定フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップSt22)。
SN検査部50は、切替設定フラグが「1」である場合(ステップSt22のYes)、フレームFRM、つまり切替対象フレームFRM(#0)のSNを検査する(ステップSt23)。このとき、SN検査部50は、図12に示されるフローIDごとにSNを保持し、受信した切替対象フレームFRM(#0)のSNの連続性が維持されているか否かを判定し、SNが連続していない場合、SNエラーを検出する。また、切替設定フラグが「0」である場合(ステップSt22のNo)、SNの検査は行わずに、後述するステップSt25の処理が行われる。
SN検査部50は、SNエラーを検出した場合(ステップSt24のYes)、SNエラーを切替制御部56に通知し、これにより、切替制御部56が、系切り替え処理を実行する(ステップSt33)。
また、SN検査部50は、SNエラーを検出していない場合(ステップSt24のNo)、フレームFRMを入力バッファ52に書き込む(ステップSt25)。フレームFRMは、書き込まれた順序に従って入力バッファ52に格納される。
次に、読出制御部53は、入力バッファ52からの読み出し対象のフレームFRMが、切替対象フレームFRM(#0)であるか否かを判定する(ステップSt26)。このとき、読出制御部53は、フロー設定テーブル60から、フレームFRMのVIDに対応する切替設定フラグを検索することにより、当該フレームFRMが切替対象フレームFRM(#0)であるか否かを判定する。
読み出し対象のフレームFRMが、切替対象フレームFRM(#0)である場合(ステップSt26のYes)、読出制御部53は、遅延設定テーブル62から取得した遅延時間Tdだけ待機する(ステップSt27)。次に、読出制御部53は、入力バッファ52からフレームFRMを読み出す(ステップSt28)。
つまり、IFカード(#4)91aは、遅延設定テーブル62から取得した遅延時間Tdだけ切替対象フレームFRM(#0)を遅延させ、IFカード(#6)91cに出力する。このため、IFカード(#4)91a及びIFカード(#5)91bの間において、入力バッファ52からの切替対象フレームFRM(#0/#1)の読み出しタイミングが、SNに基づいて同期するので、系切り替え時に、SNの連続性を維持することが容易となる。
一方、読み出し対象のフレームFRMが、切替対象フレームFRM(#0)ではない場合(ステップSt26のNo)、読出制御部53は、待機することなく、入力バッファ52からフレームFRMを読み出す(ステップSt28)。
次に、読出制御部53は、フレームFRMを出力バッファ54に書き込む(ステップSt29)。フレームFRMは、書き込まれた順序に従って出力バッファ54に格納される。
次に、入力処理部912は、フレームFRMをSWカード92に出力する(ステップSt30)。このとき、切替対象フレームFRM(#0)は、SNで示される順序に従って出力される。
次に、SWカード92は、フレームFRMを宛先のIFカード91に出力する(ステップSt31)。これにより、切替対象フレームFRM(#0)は、IFカード(#6)91cに出力される。なお、フレームFRMの宛先のカード番号及びポート番号を示す情報は、例えば、コントロールカード93からSWカード92に設定される。
次に、IFカード(#6)91cは、フレームFRMを、LAN(B)内の他装置に送信する(ステップSt32)。このとき、切替対象フレームFRM(#0)は、SNで示される順序に従って送信される。このようにして、受信側の伝送装置1cの現用系のフレーム伝送処理は行われる。
また、図18は、受信側の伝送装置1cの予備系のフレーム伝送処理の一例を示すフローチャートである。より具体的には、図18は、IFカード(#5)91bにおけるフレーム伝送処理を示す。
まず、SN検査部50は、受信したフレームFRMに対応する切替設定フラグを、フロー設定テーブル60から取得する(ステップSt61)。次に、SN検査部50は、切替設定フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップSt62)。
SN検査部50は、切替設定フラグが「1」である場合(ステップSt62のYes)、フレームFRM、つまり切替対象フレームFRM(#1)のSNを検査する(ステップSt63)。また、切替設定フラグが「0」である場合(ステップSt62のNo)、SNの検査は行わずに、後述するステップSt65の処理が行われる。
SN検査部50は、SNエラーを検出した場合(ステップSt64のYes)、コントロールカード93に、SNエラーを通知する(ステップSt72)。
また、SN検査部50は、SNエラーを検出していない場合(ステップSt64のNo)、フレームFRMを入力バッファ52に書き込む(ステップSt65)。フレームFRMは、書き込まれた順序に従って入力バッファ52に格納される。
次に、読出制御部53は、入力バッファ52からの読み出し対象のフレームFRMが、切替対象フレームFRM(#1)であるか否かを判定する(ステップSt66)。このとき、読出制御部53は、フロー設定テーブル60から、フレームFRMのVIDに対応する切替設定フラグを検索することにより、当該フレームFRMが切替対象フレームFRM(#1)であるか否かを判定する。
読み出し対象のフレームFRMが、切替対象フレームFRM(#1)である場合(ステップSt66のYes)、読出制御部53は、フレームFRMを廃棄する(ステップSt73)一方、読み出し対象のフレームFRMが、切替対象フレームFRM(#1)ではない場合(ステップSt66のNo)、読出制御部53は、入力バッファ52からフレームFRMを読み出す(ステップSt67)。
次に、読出制御部53は、読み出したフレームFRMを出力バッファ54に書き込む(ステップSt68)。次に、入力処理部912は、フレームFRMをSWカード92に出力する(ステップSt69)。
次に、SWカード92は、フレームFRMを宛先のIFカード91に出力する(ステップSt70)。次に、IFカード91は、フレームFRMを他装置に送信する(ステップSt71)。このようにして、受信側の伝送装置1cの予備系のフレーム伝送処理は行われる。
次に、図19及び図20を参照して、系切り替え処理について説明する。図19は、系切り替え処理の一例を示すラダーチャートであり、図20は、系切り替え処理における伝送装置1cの動作例を示す。本例では、フローIDが「20」であるフレームFRMの切り替え処理を挙げて説明する。
系切り替え処理は、上述したように、例えば、SNエラーの検出を契機として実行されるが、これに限定されない。系切り替え処理は、例えば、コントロールカード93からの指示に基づいて実行されてもよい。
まず、IFカード(#4)91aの切替制御部56は、SNエラーの通知、または系切り替えの指示を受けると、読出制御部53に、切替対象フレームFRM(#0)の読み出しの停止を指示する(ステップSt81)。これにより、図20に示されるように、入力バッファ52に格納されたフローID「20」の切替対象フレームFRM(#0)(SN=「101」〜「103」)は、系読み出されずに、入力バッファ52内に保持される。
次に、IFカード(#4)91aの切替制御部56は、通信処理部914を介して、IFカード(#5)91bの切替制御部56に、切替対象フレームFRM(#1)の廃棄の停止を指示する(ステップSt82)。このとき、フレーム廃棄の停止指示には、廃棄停止対象の切替対象フレームFRM(#1)のフローID(本例では「20」)及びSNが含まれる。
フレーム廃棄の停止指示に含まれるSNは、IFカード(#4)91aにおいて出力済みの切替対象フレームFRM(#0)のSNに基づいて決定される。例えば、図20に示されるように、出力バッファ54に格納済みの切替対象フレームFRM(#0)のSNを、「99」及び「100」とすると、フレーム廃棄の停止指示には、SN「100」の次のSN「101」が含まれる。
IFカード(#5)91bの切替制御部56は、フレーム廃棄の停止指示が入力されると、当該指示内容を読出制御部53に通知し、これにより、読出制御部53は、フレーム廃棄を停止する(ステップSt87)。より具体的には、読出制御部53は、フレーム廃棄の停止指示に含まれるSN以降の切替対象フレームFRM(#1)の読み出しを停止する。
例えば、図20に示されるように、IFカード(#5)91bに、フローID「20」及びSN「101」を含むフレーム廃棄の停止指示が入力されたと仮定する。この場合、
フローID「20」の切替対象フレームFRM(#1)のうち、SN「101」以降(つまり、「101」〜「103」)の切替対象フレームFRM(#1)が、読み出されずに、入力バッファ52内に保持される。
上記の例では、IFカード(#4)91aは、出力バッファ54に格納済みの切替対象フレームFRM(#0)のうち、最後に出力される切替対象フレームFRM(#0)のSNの次のSNを、IFカード(#5)91bに出力したが、これに限定されない。例えば、IFカード(#4)91aは、最後に出力される切替対象フレームFRM(#0)のSN「100」をIFカード(#5)91bに出力してもよい。
この場合、IFカード(#5)91bは、入力されたSN「100」に1を加算することで、廃棄を停止する切替対象フレームFRM(#1)の先頭のSN「101」を取得する。なお、上記の例は、切替対象フレームFRM(#0/#1)の送信順序が、SNの昇順であることを前提とするが、フレーム廃棄の停止指示に含まれるSNは、送信順序がSNの降順である場合も同様に決定される。
次に、IFカード(#4)91aは、出力バッファ54内に残存する切替対象フレームFRM(#0)を、SNで示される順序に従い、SWカード92を介してIFカード(#6)91cに出力する(ステップSt83)。例えば、IFカード(#4)91aは、図20に示されるように、出力バッファ54内のSN「99」及び「100」の切替対象フレームFRM(#0)を、SWカード92を介してIFカード(#6)91cに出力する。
IFカード(#6)91cは、IFカード(#4)91aから入力されたる切替対象フレームFRM(#0)を、LAN(B)内の他装置に出力する(ステップSt91)。
次に、IFカード(#4)91aの制御フレーム生成部57は、フローID「20」及び出力した切替対象フレームFRM(#0)に関するSNを含む制御フレームを生成する(ステップSt84)。生成された制御フレームは、出力バッファ54の最後尾に入力される。なお、制御フレームの生成処理は、残存する切替対象フレームFRM(#0)の出力処理(ステップSt83)より前に行われてもよい。
次に、IFカード(#4)91aは、制御フレームを、SWカード92を介してIFカード(#6)91cに出力する(ステップSt85)。次に、IFカード(#6)91cの出力処理部913において、制御フレーム抽出部70が、受信したフレームFRMから制御フレームを抽出する(ステップSt92)。抽出された制御フレームは、入力処理部912に出力される。
次に、IFカード(#6)91cの入力処理部912において、制御フレーム出力部71が、制御フレームを、SWカード92を介してIFカード(#5)91bに出力する(ステップSt93)。出力された制御フレームは、IFカード(#5)91bの出力処理部913において、制御フレーム検出部58により受信される。つまり、制御フレームは、図20内の点線で示されるように、IFカード(#4)91aから出力され、SWカード92及びIFカード(#6)91cを介して、IFカード(#5)91bに入力される。
次に、制御フレーム検出部58は、制御フレームに含まれるSNに基づいて、系切り替え後にIFカード(#5)91bが最初に出力する切替対象フレームFRM(#1)のSNを、検出する(ステップSt88)。IFカード(#4)91aは、例えば、図20に示されるように、出力バッファ54に格納済みの切替対象フレームFRM(#0)のうち、最後に出力される切替対象フレームFRM(#0)のSN「100」の次のSN「101」を、制御フレームに含めて送信する。この場合、制御フレーム検出部58は、IFカード(#5)91bが最初に出力する切替対象フレームFRM(#1)のSNとして、「101」を検出する。
制御フレーム検出部58は、検出したSNを、切替対象フレームFRM(#1)の読み出し開始の指示とともに読出制御部53に出力する。読出制御部53は、読み出し開始の指示を受けると、入力バッファ52からの切替対象フレームFRM(#1)の読み出しを開始する。このとき、入力バッファ52内に保持された切替対象フレームFRM(#1)のうち、制御フレーム検出部58から入力されたSNに応じた切替対象フレームFRM(#1)が最初に読み出される。読み出された切替対象フレームFRM(#1)は、出力バッファ54に入力される。
これにより、IFカード(#5)91bは、IFカード(#6)91cに対し、切替対象フレームFRM(#1)の出力を開始する(ステップSt89)。IFカード(#6)91cは、IFカード(#5)91bからSWカード92を介して入力された切替対象フレームFRM(#1)を、SNで示される順序に従って、LAN(B)内の他装置に送信する(ステップSt94)。
例えば、IFカード(#5)91bは、図20に示されるように、IFカード(#4)91aから通知されたSN「101」(制御フレーム内のSN)に応じ、入力バッファ52内のSN「101」の切替対象フレームFRM(#1)から出力を開始する。ここで、IFカード(#4)91aが最後に出力した切替対象フレームFRM(#0)のSNは、「100」である。
すなわち、IFカード(#6)91cから出力される切替対象フレームFRMが、切替対象フレームFRM(#0)から切替対象フレームFRM(#1)に切り替えられても、切替対象フレームFRMのSNの連続性は維持される。このため、SNで示される送信順序(本例では昇順)は遵守される。
このように、IFカード(#4)91aは、制御フレームを用いて、出力した切替対象フレームFRM(#0)(つまり、出力済みのフレーム)に関するSNを、IFカード(#5)91bに通知する。IFカード(#5)91bは、SNが通知されると、受信した切替対象フレームFRM(#1)を、IFカード(#4)91aから通知されたSNに応じた切替対象フレームFRM(#1)から、SNで示される順序に従ってIFカード(#6)91cに出力する。
IFカード(#4)91aは、出力した切替対象フレームFRM(#0)に関するSNとして、最後に出力した切替対象フレームFRM(#0)の次に出力するフレームのSN「101」をIFカード(#5)91bに通知する。このため、IFカード(#5)91bは、入力バッファ52内に保持された切替対象フレームFRM(#1)から、系切り替え後に最初に出力すべき切替対象フレームFRM(#1)を、容易に検出できる。なお、上述したように、IFカード(#4)91aは、最後に出力した切替対象フレームFRM(#0)のSN「100」をIFカード(#5)91bに通知してもよい。
また、IFカード(#4)91aは、出力バッファ54に格納された最後の切替対象フレームFRM(#0)(SN「100」)の出力後、制御フレームを、IFカード(#6)91c及びSWカード92を介してIFカード(#5)91bに出力する。また、IFカード(#5)91bは、制御フレームの入力を契機として、切替対象フレームFRM(#1)の出力を開始する。
これにより、IFカード(#6)91cは、IFカード(#4/#5)91a,91bから切替対象フレームFRM(#0/#1)が同時に入力されることがないので、SNで示される順序に従ったフレーム送信処理が容易となる。なお、IFカード(#4)91aは、これに限定されず、制御フレームを、SWカード92だけを介してIFカード(#5)91bに出力してもよい。
切替対象フレームFRM(#1)の出力が開始された後、IFカード(#4)91aの切替制御部56は、系切り替えの完了を、通信処理部914を介してIFカード(#5)91bの切替制御部56に通知する(ステップSt90)。IFカード(#4)91aの切替制御部56は、切り替え完了の通知を受けると、読出制御部53に、入力バッファ52内に保持されている切替対象フレームFRM(#0)の廃棄を指示する。
これにより、IFカード(#5)91bは、切替対象フレームFRM(#0)の廃棄を開始する(ステップSt86)。すなわち、IFカード(#4)91aは、SNをIFカード(#5)91bに通知した後に受信した切替対象フレームFRM(#0)を廃棄する。したがって、切替対象フレームFRM(#0)は、SWカード92及びIFカード(#6)91cに出力されないので、必要な伝送容量が低減される。このようにして、系切り替え処理は行われる。
なお、上述した系切り替え処理は、フロー設定テーブル60に、当該切替対象フレームFRMのフローIDに対応する切替グループIDが設定されている場合、同一の切替グループIDが設定された他の全フローIDについて実行される。図12の例では、切替グループID「1」のフローID「20」〜「24」の何れかについてSNエラーを検出されたとき、フローID「20」〜「24」の系切り替え処理が一度に行われる。
これまで述べたように、実施例に係る伝送装置1cは、送信部(IFカード(#6))91cと、第1受信部(IFカード(#4))91aと、第2受信部(IFカード(#5))91bとを有する。第1受信部91aは、現用系の通信回線から切替対象フレームFRM(#0)を受信し、第2受信部91bは、予備系の通信回線から切替対象フレームFRM(#1)を受信し、該受信した切替対象フレームFRM(#1)を廃棄する。送信部91cは、第1受信部91aまたは第2受信部91bから入力された切替対象フレームFRM(#0/#1)を送信する。
第1受信部91aは、受信した切替対象フレームFRM(#0)ごとに付与された識別子(SN)で示される順序に従って、受信した切替対象フレームFRM(#0)を送信部91cに出力し、出力したフレームに関する識別子を第2受信部91bに通知する。第2受信部91bは、第1受信部91aから識別子が通知されると、受信した切替対象フレームFRM(#1)を、第1受信部91aから通知された識別子に応じた切替対象フレームFRM(#1)から、切替対象フレームFRM(#1)ごとに付与された識別子で示される順序に従って送信部91cに出力する。
この構成によると、第1受信部91aは、現用系の通信回線を介して受信した切替対象フレームFRM(#0)を送信部91cに出力し、第2受信部91bは、予備系の通信回線を介して受信した切替対象フレームFRM(#1)を廃棄する。このため、送信部91cには、現用系の通信回線を介して受信した切替対象フレームFRM(#0)のみが入力される。
したがって、伝送装置1c内には、現用系の通信回線を介して受信した切替対象フレームFRM(#0)のみが伝送されるので、必要な伝送容量が低減される。これにより、伝送装置1cに入力される総トラフィック量が増加しても、通信回線に必要な伝送容量は確保され、フレームロスなどのエラーの発生が回避される。
また、第1受信部91aは、受信した切替対象フレームFRM(#0)を、切替対象フレームFRM(#0)ごとに付与された識別子で示される順序に従って送信部91cに出力し、出力した切替対象フレームFRM(#0)に関する識別子を第2受信部91bに通知する。第2受信部91bは、第1受信部91aから識別子が通知されると、受信した切替対象フレームFRM(#1)を、第1受信部91aから通知された識別子に応じた識別子が付与された切替対象フレームFRM(#1)から、切替対象フレームFRM(#1)ごとに付与された識別子で示される順序に従って送信部91cに出力する。
したがって、第2受信部91bは、第1受信部91aから識別子が通知されると、識別子で示される順序で、第1受信部91aが最後に出力した切替対象フレームFRM(#0)の次に出力すべき切替対象フレームFRM(#1)を、最初に出力できる。このため、フレームの送信順序は、送信部91cから送信されるフレームが切り替えられても、遵守される。
よって、実施例に係る伝送装置1cによると、無瞬断で系切り替えを行うことができる。
また、実施例に係る伝送方法は、第1受信部91aと、第2受信部91bと、送信部91cとを用いる。第1受信部91aは、現用系の通信回線から切替対象フレームFRM(#0)を受信し、第2受信部91bは、予備系の通信回線から切替対象フレームFRM(#1)を受信し、該受信した切替対象フレームFRM(#1)を廃棄する。送信部91cは、第1受信部91aまたは第2受信部91bから入力された切替対象フレームFRM(#0/#1)を送信する。
第1受信部91aは、受信した切替対象フレームFRM(#0)ごとに付与された識別子(SN)で示される順序に従って、受信した切替対象フレームFRM(#0)を送信部91cに出力し、出力したフレームに関する識別子を第2受信部91bに通知する。第2受信部91bは、第1受信部91aから識別子が通知されると、受信した切替対象フレームFRM(#1)を、第1受信部91aから通知された識別子に応じた切替対象フレームFRM(#1)から、切替対象フレームFRM(#1)ごとに付与された識別子で示される順序に従って送信部91cに出力する。
実施例に係る伝送方法は、上記の伝送装置1cと同様の構成を含むので、上述した内容と同様の作用効果を奏する。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 現用系の通信回線からフレームを受信する第1受信部と、
予備系の通信回線からフレームを受信し、該受信したフレームを廃棄する第2受信部と、
前記第1受信部または前記第2受信部から入力されたフレームを送信する送信部とを有し、
前記第1受信部は、該受信したフレームごとに付与された識別子で示される順序に従って、前記受信したフレームを前記送信部に出力し、該出力したフレームに関する前記識別子を前記第2受信部に通知し、
前記第2受信部は、前記第1受信部から前記識別子が通知されると、前記受信したフレームを、前記第1受信部から通知された前記識別子に応じたフレームから、フレームごとに付与された前記識別子で示される順序に従って前記送信部に出力することを特徴とする伝送装置。
(付記2) 前記第1受信部は、前記識別子を前記第2受信部に通知した後に受信したフレームを廃棄することを特徴とする付記1に記載の伝送装置。
(付記3) 前記第1受信部は、前記出力したフレームに関する前記識別子として、最後に出力したフレームの次に出力するフレームの前記識別子を前記第2受信部に通知することを特徴とする付記1または2に記載の伝送装置。
(付記4) 前記第1受信部は、前記出力したフレームに関する前記識別子を含む制御フレームを生成して、前記受信したフレームを出力した後に、前記制御フレームを前記送信部に出力し、
前記送信部は、入力された前記制御フレームを前記第2受信部に出力し、
前記第2受信部は、前記制御フレームが入力されたことを契機として、受信したフレームを前記送信部に出力し始めることを特徴とする付記1乃至3の何れかに記載の伝送装置。
(付記5) 前記第1受信部は、前記第2受信部に対する、前記識別子が同一であるフレームの受信時刻の差異を算出し、前記差異に応じた時間だけフレームを遅延させ、前記送信部に出力することを特徴とする付記1乃至4の何れかに記載の伝送装置。
(付記6) 現用系の通信回線からフレームを受信する第1受信部と、
予備系の通信回線からフレームを受信し、該受信したフレームを廃棄する第2受信部と、
前記第1受信部または前記第2受信部から入力されたフレームを送信する送信部とを用い、
前記第1受信部は、該受信したフレームごとに付与された識別子で示される順序に従って、前記受信したフレームを前記送信部に出力し、該出力したフレームに関する前記識別子を前記第2受信部に通知し、
前記第2受信部は、前記第1受信部から前記識別子が通知されると、前記受信したフレームを、前記第1受信部から通知された前記識別子に応じたフレームから、フレームごとに付与された前記識別子で示される順序に従って前記送信部に出力することを特徴とする伝送方法。
(付記7) 前記第1受信部は、前記識別子を前記第2受信部に通知した後に受信したフレームを廃棄することを特徴とする付記6に記載の伝送方法。
(付記8) 前記第1受信部は、前記出力したフレームに関する前記識別子として、最後に出力したフレームの次に出力するフレームの前記識別子を前記第2受信部に通知することを特徴とする付記6または7に記載の伝送方法。
(付記9) 前記第1受信部は、前記出力したフレームに関する前記識別子を含む制御フレームを生成して、前記受信したフレームを出力した後に、前記制御フレームを前記送信部に出力し、
前記送信部は、入力された前記制御フレームを前記第2受信部に出力し、
前記第2受信部は、前記制御フレームが入力されたことを契機として、受信したフレームを前記送信部に出力し始めることを特徴とする付記6乃至8の何れかに記載の伝送方法。
(付記10) 前記第1受信部は、前記第2受信部に対する、前記識別子が同一であるフレームの受信時刻の差異を算出し、前記差異に応じた時間だけフレームを遅延させ、前記送信部に出力することを特徴とする付記6乃至9の何れかに記載の伝送方法。