以下、本発明の実施の形態に係るパチンコ遊技機(遊技機)の構成及び各種動作について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図1〜図160を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るパチンコ遊技機について説明する。
[機能フロー]
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。
パチンコゲームは、図1に示すように、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。
特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
なお、本明細書でいう「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能にするものである。
また、「可変表示」では、例えば特別図柄ゲームの結果として特別図柄(識別情報)が表示される「導出表示」を行うことができる。すなわち、本明細書では、「変動表示」の開始から「導出表示」までの動作を1回の「可変表示」と称する。
なお、本明細書でいう、変動表示される「識別情報」とは、パチンコ遊技機においては、後述の特別図柄表示装置61で表示される特別図柄、後述の普通図柄表示装置62で表示される普通図柄、後述の液晶表示装置13で表示される装飾図柄等を含む意味であり、パチスロ遊技機においては、リール図柄、液晶表示装置で表示される装飾図柄(液晶リール図柄等)、LEDをアレイ状に配置して構成された表示器(セグ表示器等)で表示される装飾図柄(表示パターン)等を含む意味である。
以下、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。
(1)特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタからそれぞれ乱数値(大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値)が抽出され、抽出された各乱数値が記憶される(図1に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かを参照し、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、特別図柄の可変表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とが参照され、特別図柄の変動パターンを決定する。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとが参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
次いで、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、及び、特別図柄の可変表示に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技を行う大当り遊技制御処理が実行される。なお、大当り遊技では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。
通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、「大当り」と判定される確率が増大する遊技状態(以下、「確変遊技状態」という)や、特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に取得される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が保留される。
すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の可変表示(変動表示)が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の可変表示が開始される。以下では、保留されている特別図柄の可変表示を「保留球」ともいう。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞及び第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個の保留球を取得することができる。すなわち、本実施の形態では、最大8個の保留球を取得することができる。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機は、図1には示さないが、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)を判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち先読み演出機能を備えていてもよい。
(2)普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図1に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、普通図柄の可変表示を開始する場合、当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、「当り」とするか否かの当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
次いで、決定された当り判定の結果、及び、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「当り」となると判定されると、当り遊技を行う当り遊技制御処理が実行される。
当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「当り」とならないと判定されると、当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施の形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。
なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[パチンコ遊技機の構造]
次に、図2〜図4を参照して、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の構造について説明する。なお、図2は、パチンコ遊技機の正面図、図3は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。また、図4は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。
パチンコ遊技機1は、図2〜図4に示すように、本体2と、本体2に対して開閉自在に取付けられたベースドア3と、ベースドア3に対して開閉自在に取付けられたガラスドア4とを備える。
[本体]
本体2は、長方形状の開口2aを有する枠状部材で構成される(図4参照)。この本体2は、例えば、木材等の材料により形成される。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア3は、本体2の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置されており、ベースドア3を本体2の一方の側辺端部を軸にして回動させることにより、本体2の開口2aが開閉される。
ベースドア3には、図4に示すように、四角形状の開口3aが設けられる。この開口3aは、ベースドア3の略中央部から上側の領域に渡って形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
また、ベースドア3には、スピーカ11と、遊技盤12と、液晶表示装置13(演出報知手段、演出表示手段)と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出ユニット16と、基板ユニット17とが取付け可能であって、遊技盤12にはそれぞれ後述する稲妻役物80と、ロゴ役物210と、扉役物420とが取付けられる。ここで、本実施の形態のロゴ役物210は、本発明の装飾役物を構成する。
スピーカ11は、ベースドア3の上部(上端部付近)に配置される。遊技盤12は、ベースドア3の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置され、ベースドア3の開口3aを覆うように配置される。
遊技盤12は、光透過性を有する板形状の樹脂部材で構成される。なお、光透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等を用いることができる。
また、遊技盤12の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)には、発射装置15から発射された遊技球が転動する遊技領域12aが形成される。この遊技領域12aは、ガイドレール(具体的には後述のガラスドア4の開口4aを囲む図示しない外レール)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。
さらに、遊技領域12aには、図示しない複数の遊技釘が打ちこまれている。なお、遊技盤12(遊技領域12a)の構成については、後述の図5を参照しながら後で詳述する。
液晶表示装置13は、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)に取付けられる。この液晶表示装置13は、画像を表示する表示領域13aを有する。表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面の全部又は一部の領域を占めるような大きさに設定される。
この液晶表示装置13の表示領域13aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用画像(装飾図柄)等の各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤12を介して、液晶表示装置13の表示領域13aに表示された各種画像を視認することができる。
なお、本実施の形態では、表示装置として液晶表示装置13を用いたが、本発明はこれに限定されず、液晶表示装置13として、例えば、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の表示機器を適用してもよい。
また、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)には、スペーサ19が設けられる。このスペーサ19は、遊技盤12の背面(パチンコ遊技機1の背面側の表面)と液晶表示装置13の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)との間に設けられ、遊技盤12の遊技領域12aを転動する遊技球の流路となる空間を形成する。
スペーサ19は、光透過性を有する材料で形成される。なお、本発明はこれに限定されず、スペーサ19は、例えば、一部が光透過性を有する材料で形成されていてもよいし、光透過性を有さない材料で形成されていてもよい。
皿ユニット14は、遊技盤12の下方に配置される。この皿ユニット14は、上皿21と、その下方に配置された下皿22とを有する。上皿及び下皿22には、図2及び図3に示すように、遊技球の貸出、遊技球の払出(賞球)を行うための払出口21a及び払出口22aがそれぞれ形成される。
所定の払出条件が成立した場合には、払出口21a及び払出口22aから遊技球が排出されて、それぞれ、上皿21及び下皿22に貯留される。また、上皿21に貯留された遊技球は、発射装置15によって遊技領域12aに発射される。
また、皿ユニット14には、演出ボタン23が設けられる。この演出ボタン23は、上皿21上に取付けられる。また、演出ボタン23の周縁には、ダイヤル操作部(ジョグダイヤル)24が演出ボタン23に対して回転可能に取付けられる。
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、演出ボタン23及びダイヤル操作部24の少なくともいずれか一方を用いて行う所定の演出機能を有し、所定の演出を行う場合には、液晶表示装置13の表示領域13aに、演出ボタン23及びダイヤル操作部24の少なくともいずれか一方の操作を促す画像が表示される。
発射装置15は、ベースドア3の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。この発射装置15は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル25と、皿ユニット14の右下部に係合するパネル体26とを備える。発射ハンドル25は、パネル体26の前面側に配置され、パネル体26に回動可能に支持される。
なお、図2〜図4には示さないが、パネル体26の背面側には、遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータ(駆動装置)が設けられる。また、図2〜図4には示さないが、発射ハンドル25の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル25の内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル25の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技者の手が発射ハンドル25のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。
そして、遊技者が発射ハンドル25を把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル25の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレールに案内されて遊技盤12の遊技領域12aへ放出される。
また、図2〜図4には示さないが、発射ハンドル25の側部には、発射停止ボタンが設けられる。発射停止ボタンは、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射を停止させるために設けられたボタンである。遊技者が発射停止ボタンを押下すると、発射ハンドル25を把持して回動させた状態であっても、遊技球の発射が停止される。
払出ユニット16及び基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置される。払出ユニット16には、貯留ユニット(不図示)から遊技球が供給される。払出ユニット16は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿21又は下皿22に払出す。
基板ユニット17は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路70や副制御回路200、払出制御回路300等が設けられる(後述の図41参照)。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、表面が略四角形状の板状部材で構成される。また、ガラスドア4は、遊技盤12の前面側に配置され、遊技盤12を覆う大きさを有する。このガラスドア4の前面において、スピーカ11と対向する上部領域には、スピーカカバー29が設けられる。
また、ガラスドア4の中央部において、遊技盤12の遊技領域12aと対向する領域には、少なくとも遊技領域12aを露出させるような大きさの開口4aが形成される。ガラスドア4の開口4aは、光透過性を有する保護ガラス28が取付けられ、これにより、開口4aが塞がれる。
したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス28は、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aに対面するように配置される。図2に示すように、ガラスドア4の開口4aの周囲の四隅には装飾部材58A〜58Dが設けられており、装飾部材58A〜58Dの後面にはLED(Light Emitting Diode)59a〜59d(図41参照)が設けられている。装飾部材58A〜58Dは、LED59a〜59dの点灯によって後述する右稲妻役物81及び左稲妻役物86に関連する演出表示を行う。なお、ガラスドア4は、本発明の枠体を構成し、装飾部材58A〜58Dは、本発明の枠体側装飾部材を構成する。
図2において、開口4aの左下に位置する装飾部材58Cは、図6に示すように、ガラスドア4に設けられた金属性の左フレーム111の前方に設けられている。左フレーム111は、接地されており、左フレーム111は、アースとしての機能を有している。左フレーム111と装飾部材58Cとの間にはレンズ部材112、リフレクタ113及び電飾基板109が介装されている。
電飾基板109にはLED59c(図2では図示しない)が設けられており、LED59cから照射された光は、リフレクタ113によってレンズ部材112に導光されることにより、レンズ部材112によって装飾部材58Cが演出表示を行う。なお、装飾部材58A、58B、58Dの背面にも図2と同様にLED59a、59b、59dを有する図示しない電飾基板が設けられている。
レンズ部材112にはアルミ蒸着処理が施されている。このため、レンズ部材112に静電気が帯電した結果、装飾部材58Aの電飾基板や、電飾基板109に静電気が流れ、装飾部材58Aの電飾基板や、電飾基板109を損壊させるおそれがある。これに対して、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、リフレクタ113の表面にめっき処理を施してリフレクタ113をレンズ部材112に当接させ、さらに、レンズ部材112及び電飾基板109を左フレーム111に固定した。これにより、レンズ部材112に帯電した静電気をリフレクタ113から左フレーム111に逃がすことができる。
[遊技盤]
次に、遊技盤12の構成について、図5、図7〜図38を参照して説明する。図5は、遊技盤12の構成を示す正面図である。
遊技盤12の前面には、図5に示すように、ガイドレール41と、球通過検出器43と、第1始動口44と、第2始動口45(始動領域)と、普通電動役物46とが設けられる。また、遊技盤12の前面には、一般入賞口51、52と、第1大入賞口53(可変入賞装置)と、第2大入賞口54(可変入賞装置)と、アウト口55と、図示しない複数の遊技釘とが設けられる。
また、図7に示すように、遊技盤12の前面には膨出部57が設けられており、膨出部57は、遊技盤12の前面から前方に膨れ出ている。以後、遊技盤12の前方とは、遊技盤12に対して遊技者側を表し、遊技盤12の後方とは、遊技盤12に対して遊技者側と反対側を表す。また、遊技盤12に対して右側、左側とは、遊技者から見て右側、左側を表す。したがって、遊技盤12を後方から見た場合には紙面において遊技盤12の右側が左側となり、遊技盤12の左側が右側となる。
さらに、遊技盤12の前面において、その下部には、特別図柄表示装置61(識別情報表示手段、特別図柄表示手段)と、普通図柄表示装置62と、普通図柄保留表示装置63と、第1特別図柄保留表示装置64と、第2特別図柄保留表示装置65とが設けられる。
なお、本実施の形態では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LEDや、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示LED等を設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール41は、遊技領域12aを区画するように円弧状に延在し、ガラスドア4の開口4aを囲む図示しない外レール41a(図5で仮想線で示す)と、この外レール41aの内側(内周側)に配置されて円弧状に延在する内レール41bとで構成される。
遊技領域12aは、外レール41aの内側に形成される。外レール41a及び内レール41bは、遊技者側から見て、遊技領域12aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール41aと内レール41bとの間に、発射装置15によって発射された遊技球を遊技領域12aの上部へ案内するガイド経路41cが形成される。
また、遊技領域12aの左側上部に位置する内レール41bの先端部には、該内レール41bの先端部と、それと対向する外レール41aの一部とにより、玉放出口41dが形成される。そして、内レール41bの先端部には、玉放出口41dを塞ぐようにして、玉戻り防止片42が設けられる。
この玉戻り防止片42は、玉放出口41dから遊技領域12aに放出された遊技球が、再び玉放出口41dを通過してガイド経路41cに進入することを防止する。
玉放出口41dから放出された遊技球は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘、第1始動口44、第2始動口45等の遊技領域12aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域12aの略中央には、液晶表示装置13の表示領域13aが設けられる。この表示領域13aの上端には、障害物13bが設けられる。障害物13bを設けることにより、遊技球は、遊技領域12a内の表示領域13aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器43は、遊技者側から見て、表示領域13aの右側端部付近に配置される。球通過検出器43には、球通過検出器43を通過する遊技球を検出するための通過球センサ43a(後述の図41参照)が設けられる。また、球通過検出器43を遊技球が通過することにより、「当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44は、表示領域13aの下方に配置され、第2始動口45は、第1始動口44の下方に配置される。第1始動口44及び第2始動口45は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。
以下、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入ること又は通過することを「入賞」という。そして、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞すると、第1所定数(本実施の形態では3個)の遊技球が払出される。
また、第1始動口44に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。さらに、第2始動口45に遊技球が入球することにより、「大当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44には、第1始動口44に入賞した遊技球を検出するための第1始動口入賞球センサ44a(後述の図41参照)が設けられる。また、第2始動口45には、第2始動口45に入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球センサ45a(後述の図41参照)が設けられる。なお、第1始動口44及び第2始動口45に入賞した遊技球は、遊技盤12に設けられた回収口(不図示)を通過して遊技球の回収部(不図示)に搬送される。
普通電動役物46は、第2始動口45に設けられる。普通電動役物46は、第2始動口45の両側に回動可能に取付けられた一対の羽根部材と、一対の羽根部材を駆動させる普通電動役物ソレノイド46a(後述の図41参照)とを有する。
この普通電動役物46は、普通電動役物ソレノイド46aにより駆動され、一対の羽根部材を拡げて第2始動口45に遊技球を入賞し易くする開放状態、及び、一対の羽根部材を閉じて第2始動口45に遊技球を入賞不可能にする閉鎖状態のいずれか一方の状態を発生させる。
なお、本実施の形態では、普通電動役物46が閉鎖状態である場合、一対の羽根部材の開口形態を、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。
一般入賞口51は、遊技者側から見て、遊技領域12aの左下部付近に配置される。また、一般入賞口52は、球通過検出器43の下方に配置され、かつ、遊技者側から見て、遊技領域12aの右下部付近に配置される。
一般入賞口51及び一般入賞口52は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口51又は一般入賞口52に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口51又は一般入賞口52に遊技球が入賞すると、第2所定数(本実施の形態では10個)の遊技球が払出される。
一般入賞口51には、一般入賞口51に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ51a(後述の図41参照)が設けられる。また、一般入賞口52には、一般入賞口52に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ52a(後述の図41参照)が設けられる。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、球通過検出器43の下方で、かつ、第1始動口44と一般入賞口52との間に配置される。そして、第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第1大入賞口53は、第2大入賞口54の上方に配置される。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、ともに、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ53a及び54aと、シャッタを駆動させるソレノイドアクチュエータ(後述の図41中の第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54b)とを有する。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54のそれぞれは、対応するシャッタが開いている状態(開放状態:第1の状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている状態(閉鎖状態:第2の状態)のときには遊技球を受け入れない。
以下では、遊技球が第1大入賞口53又は第2大入賞口54に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。第1大入賞口53に遊技球が入賞すると、第3所定数球(本実施の形態では10個)の遊技球が払出される。一方、第2大入賞口54に遊技球が入賞すると、第4所定数球(本実施の形態では15個)の遊技球が払出される。
また、第1大入賞口53には、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ53c(後述の図41参照)が設けられる。さらに、第2大入賞口54には、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ54c(後述の図41参照)が設けられる。
アウト口55は、遊技領域12aの最下部に設けられる。このアウト口55は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、一般入賞口52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
本実施の形態の遊技領域12aにおける各種構成部材の配置を図5に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域12aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(右打ちされた場合)、遊技釘等により遊技球が第2始動口45に誘導される。
この場合、第1始動口44に入賞する可能性はほとんどなくなる。なお、本実施の形態では、後述するように、第2始動口45に入賞した方が、第1始動口44に入賞した場合より、遊技者にとって有利な「大当り」の抽選を受け易くなる。
それゆえ、第2始動口45への入賞が比較的容易になる後述の「時短遊技状態」では、右打ちを行うことにより、第1始動口44への入賞の可能性(遊技者にとって不利な遊技状態となる可能性)を低くすることができる。
図7において、膨出部57は、第1大入賞口53の下方に設けられており、膨出部57の上面には傾斜面57Aが形成されている。傾斜面57Aは、遊技者側から見て右上方から左下方に向かって傾斜しており、第1大入賞口53に対して左側の傾斜面57Aには、第2大入賞口54が設けられる。
第2大入賞口54に対して右方に位置する傾斜面57Aの部位には傾斜面57Aの前後方向を挟んでリブ57a、57bが形成されており、リブ57a、57bは、傾斜面57Aの傾斜方向に沿って前後方向に離隔している。
傾斜面57Aは、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する遊技球を第2大入賞口54に導くようになっており、傾斜面57Aを転動する遊技球がリブ57a、57bに衝突すると、遊技球の速度が低下してシャッタ54aが開放状態にある第2大入賞口54に遊技球が入賞し易くなる。
また、図5に示すように、遊技盤12の表示領域13aの周囲には装飾部材58E〜58Hが設けられており、装飾部材58E〜58Hの後面にはLED59e〜59h(図41参照)が設けられている。装飾部材58E〜58Hは、LED59e〜59hの点灯によって後述する右稲妻役物81及び左稲妻役物86に関連する演出表示を行う。なお、装飾部材58E〜58Hは、本発明の遊技盤側装飾部材を構成する。
[稲妻役物の概略構成]
次に、図8〜図13を参照して、本実施の形態の稲妻役物80について説明する。図8は、稲妻役物と稲妻役物を移動させる移動機構の分解斜視図である。図8において、稲妻役物80は、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を備えている。ここで、本実施の形態の右稲妻役物81は、本発明の第1の役物及び役物を構成し、左稲妻役物86は、本発明の第2の役物及び役物を構成する。
右稲妻役物81は、稲妻レンズ82と、稲妻レンズ82の後方に設けられた稲妻インナレンズ83と、稲妻インナレンズ83の後方に設けられ、前面に発光素子としてのLED59i(図41参照)を有する稲妻レンズ基板84と、稲妻レンズ基板84の後方に設けられた稲妻レンズカバー85とを備えている。また、LED59iは、前方の稲妻レンズ82に向かって発光する。
稲妻レンズ82、稲妻インナレンズ83、稲妻レンズ基板84及び稲妻レンズカバー85は、一体化されており、右稲妻役物81は、稲妻レンズ基板84のLED59iが点灯されると、稲妻インナレンズ83を介して稲妻レンズ82が点灯表示されることにより、稲妻を表現する演出表示を行う。また、稲妻レンズカバー85は、稲妻レンズ基板84を設置するための台座を構成するとともに、リフレクタとしての機能を有する。
左稲妻役物86は、稲妻レンズ87と、稲妻レンズ87の後方に設けられた稲妻インナレンズ88と、稲妻インナレンズ88の後方に設けられ、前面に発光素子としてのLED59j(図41参照)を有する稲妻レンズ基板89と、稲妻レンズ基板89の後方に設けられた稲妻レンズカバー90とを備える。また、LED59jは、前方の稲妻レンズ87に向かって発光する。また、稲妻レンズカバー90は、稲妻レンズ基板89を設置するための台座を構成するとともに、リフレクタとしての機能を有する。
稲妻レンズ87、稲妻インナレンズ88、稲妻レンズ基板89及び稲妻レンズカバー90は、一体化されており、左稲妻役物86は、稲妻レンズ基板84のLED59jが点灯されると、稲妻インナレンズ88を介して稲妻レンズ87が点灯表示されることにより、稲妻を表現する演出表示を行う。
稲妻レンズカバー85の基端部にはピン91Aを介して右稲妻役物アーム91の先端部が連結される。図9に示すように、右稲妻役物アーム91の基端部は、ベースプレート93にピン91Bを介して取付けられており、右稲妻役物アーム91は、ピン91Bを支点にベースプレート93に対して揺動する。これにより、右稲妻役物81と右稲妻役物アーム91とは相対移動自在となる。ここで、本実施の形態のベースプレート93は、本発明の支持板を構成し、右稲妻役物アーム91は、本発明の第3の揺動部材を構成する。ここで、支持板は、1枚であってもよいし、複数枚あってもよい。なお、「役物が揺動する」とは、モータ(駆動力、又は動力を発生、又は伝達する手段、又は駆動手段、物体を動かす手段)によって役物が直接的に、又は間接的に、動く(駆動、移動、回動等)態様、事象、現象を示すものである。
稲妻レンズカバー90の基端部にはピン92Aを介して左稲妻役物アーム92が連結される。図9に示すように、左稲妻役物アーム92の基端部は、ベースプレート93にピン92Bを介して揺動自在に取付けられており、左稲妻役物アーム92は、ピン92Bを支点にしてベースプレート93に対して揺動する。これにより、左稲妻役物86と左稲妻役物アーム92とは相対移動自在となる。ここで、左稲妻役物アーム92は、本発明の第4の揺動部材を構成する。
図8、図9において、右稲妻役物アーム91の基端部には歯部91Cが形成されており、歯部91Cは、歯車94に噛合(係合)している。左稲妻役物アーム92の基端部には歯部92Cが形成されており、歯部92Cは、右稲妻役物アーム91の歯部91Cに噛合(係合)している。歯車94は、ベースプレート93に回転自在に取付けられており、歯車94にはモータ60Aの歯車95が噛合(係合)している。また、右稲妻役物アーム91のピン91Bの周囲にはトーションバネ97Aが設けられており、トーションバネ97Aは、ベースプレート93に固定されることにより、右稲妻役物アーム91を初期位置である待機位置に付勢している。
図9において、ベースプレート93には右稲妻役物アーム91の基端部及び左稲妻役物アーム92の基端部を挟み込むようにして上下方向に湾曲して延在するガイド溝93A、93Bと、ベースプレート93の左右両側で左右方向に湾曲するように延在するガイド溝93C、93Dと、左右方向においてガイド溝93A、93B及びガイド溝93C、93Dの間で上下方向に切り欠いたスリット93E、93Fが形成される。
ここで、ガイド溝93Cは、本発明の第1の支持板側案内部を構成し、ガイド溝93Dは、本発明の第2の支持板側案内部を構成する。また、ガイド溝93Aは、本発明の第3の支持板側案内部を構成し、ガイド溝93Bは、本発明の第4の支持板側案内部を構成する。
スリット93E、93Fには右稲妻役物アーム91及び左稲妻役物アーム92のピン91A、92Aが係合しており、右稲妻役物アーム91及び左稲妻役物アーム92は、スリット93E、93Fに沿って移動自在となっている。
右稲妻役物アーム91には突出部91Dが形成されており、突出部91Dは、右稲妻役物アーム91からベースプレート93に向かって突出し、ガイド溝93Aに係合している。左稲妻役物アーム92には突出部92Dが形成されており、突出部92Dは、左稲妻役物アーム92からベースプレート93に向かって突出し、ガイド溝93Bに係合している。
図8において、右稲妻役物81の稲妻レンズカバー85の後方には右稲妻役物アーム96が設けられており、右稲妻役物アーム96は、遊技盤12の前後方向において右稲妻役物アーム91と右稲妻役物81との間に設置される。
右稲妻役物アーム96は、ピン96Aを介してベースプレート93に取付けられており、右稲妻役物アーム96は、ピン96Aを中心にベースプレート93に対して揺動自在となっている。
右稲妻役物アーム96のピン96Aの周囲にはトーションバネ97Bが設けられており、トーションバネ97Bは、ベースプレート93に固定されることにより、右稲妻役物アーム96を初期位置である待機位置に付勢している。
右稲妻役物アーム96にはガイド溝96B、96Cが形成されており、ガイド溝96Bは、右稲妻役物アーム96の延在方向に沿って延在し、ガイド溝96Cは、右稲妻役物アーム96の下部においてガイド溝96Bよりも短く形成される。右稲妻役物81の稲妻レンズカバー85には突出部85Aが形成されており、突出部85Aは、稲妻レンズカバー85から右稲妻役物アーム96に向かって突出し、右稲妻役物アーム96のガイド溝96Bに係合している。
右稲妻役物アーム96には突出部96Dが形成されており、突出部96Dは、右稲妻役物アーム96からベースプレート93に向かって突出し、ベースプレート93のガイド溝93Cに係合している。右稲妻役物アーム96のガイド溝96Cにはカム歯車98のピン98Aが係合しており、カム歯車98は、ベースプレート93に回転自在に支持される。カム歯車98には歯車99が噛合しており、歯車99は、ベースプレート93に回転自在に支持される。
歯車99にはモータ60Bの歯車100が噛合しており、モータ60Bは、ベースプレート93に固定される。左稲妻役物86の稲妻レンズカバー90の後方には左稲妻役物アーム101が設けられる。左稲妻役物アーム101は、ピン101Aを介してベースプレート93に取付けられており、左稲妻役物アーム101は、ピン101Aを中心にベースプレート93に対して揺動自在となっている。ここで、本実施の形態の右稲妻役物アーム96は、第1の揺動部材を構成し、左稲妻役物アーム101は、第2の揺動部材を構成する。また、本実施の形態のピン96Aは、本発明の第1の揺動軸を構成し、ピン101Aは、本発明の第2の揺動軸を構成する。
左稲妻役物アーム101のピン101Aの周囲にはトーションバネ97Cが設けられており、トーションバネ97Cは、ベースプレート93に固定されることにより、左稲妻役物アーム101を初期位置である待機位置に付勢している。
左稲妻役物アーム101にはガイド溝101B、101Cが形成されており、ガイド溝101Bは、左稲妻役物アーム101の延在方向に沿って略L字形状で延在し、ガイド溝101Cは、左稲妻役物アーム101の下部においてガイド溝101Bよりも短く形成される。
左稲妻役物86の稲妻レンズカバー90には突出部90Aが形成されており、突出部90Aは、稲妻レンズカバー90から左稲妻役物アーム101に向かって突出し、左稲妻役物アーム101のガイド溝101Bに係合している。
左稲妻役物アーム101には突出部101Dが形成されており、突出部101Dは、左稲妻役物アーム101からベースプレート93に向かって突出し、ベースプレート93のガイド溝93Dに係合している。左稲妻役物アーム101のガイド溝101Cにはカム歯車102のピン102Aが係合しており、カム歯車102は、ベースプレート93に回転自在に支持される。カム歯車102には歯車103が噛合しており、歯車103は、ベースプレート93に回転自在に支持される。カム歯車102にはモータ60Cの歯車103が噛合しており、モータ60Cは、ベースプレート93に固定される。
ここで、本実施の形態のモータ60Bは、本発明の第1の駆動手段及び駆動手段を構成し、モータ60Cは、本発明の第2の駆動手段及び駆動手段を構成し、モータ60Aは、本発明の第3の駆動手段を構成する。また、右稲妻役物アーム96のガイド溝96Bは、本発明の第1の揺動部材側案内部を構成し、左稲妻役物アーム101のガイド溝101Bは、本発明の第2の揺動部材側案内部を構成する。
また、右稲妻役物81の突出部85Aは、本発明の第1の役物側係合部を構成し、左稲妻役物86の突出部90Aは、本発明の第2の役物側係合部を構成する。また、右稲妻役物アーム96の突出部96Dは、本発明の第1の揺動部材側係合部を構成し、左稲妻役物アーム101の突出部101Dは、本発明の第2の揺動部材側係合部を構成する。
また、右稲妻役物アーム91の突出部91Dは、本発明の第3の揺動部材側係合部を構成し、左稲妻役物アーム92の突出部92Dは、本発明の第4の揺動部材側係合部を構成する。また、右稲妻役物アーム91の歯部91Cは、本発明の第1の基端係合部を構成し、左稲妻役物アーム92の歯部92Cは、本発明の第2の基端係合部を構成する。
また、カム歯車98、歯車99及び歯車100は、第1の駆動手段の駆動力を第1のアームに伝達する第1の動力伝達手段と定義することが可能であり、カム歯車102及び歯車103は、第2の駆動手段の駆動力を第2のアームに伝達する第2の動力伝達手段と定義することが可能である。また、歯車94及び歯車95は、第3の駆動手段の駆動力を第1アーム及び第2のアームに伝達する第3の動力伝達手段と定義することが可能である。
そして、モータ60B、カム歯車98、歯車99、歯車100及び右稲妻役物アーム96を含んだものが本発明の第1の移動機構106及び移動機構を構成し、モータ60C、カム歯車102、歯車103及び左稲妻役物アーム101を含んだものが、本発明の第2の移動機構107及び移動機構を構成し、モータ60A、歯車94、歯車95、右稲妻役物アーム91及び左稲妻役物アーム92を含んだものが本発明の第3の移動機構108を構成する。
右稲妻役物アーム91には突出片91Eが形成されており、突出片91Eは、右稲妻役物81が待機位置に位置した状態(図9参照)で図示しないフォトセンサ等のセンサによって検出される。右稲妻役物アーム96には突出片96Eが形成されており、突出片96Eは、右稲妻役物81が待機位置に位置した状態(図9参照)で図示しないフォトセンサ等のセンサによって検出される。左稲妻役物アーム101には突出片101Eが形成されており、突出片101Eは、左稲妻役物86が待機位置に位置した状態(図9参照)で図示しないセンサによって検出される。これら3つのセンサの検出情報は、主制御回路70(図41参照)に出力されるようになっており、主制御回路70は、当該センサの情報に基づいて、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が待機位置にあることを認識する。なお、各フォトセンサは、突出片91E、96E及び101Eを検出した状態で発光素子から受光素子への光を遮断し、突出片91E、96E及び101Eを非検出した状態となると受光素子が発光素子から光を受光する構成になっている。
このような構成を有する右稲妻役物81は、図9に示すように、表示領域13a外において延在方向が水平方向に位置した状態が待機位置となり、左稲妻役物86は、表示領域13a外において延在方向が傾斜した状態が待機位置となる。図9は、遊技盤12の後方から右稲妻役物81及び左稲妻役物86を見た図であり、右稲妻役物81及び左稲妻役物86は、それぞれ表示領域13aの下方と左方に位置している。また、図5に示すように、遊技盤12を遊技者側から見た場合には、遊技者は、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を視認できない。
次に、図9、図10において、遊技盤12を後方から見た状態に基づいて右稲妻役物81及び左稲妻役物86の動作を説明する。
図9に示すように、右稲妻役物81が待機位置に位置した状態において、モータ60Bが駆動されると、モータ60Bの歯車100の回転が歯車99からカム歯車98に伝達される。このとき、カム歯車98のピン98Aが右稲妻役物アーム96のガイド溝96Cに沿って移動するため、右稲妻役物アーム96がピン96Aを支点にして反時計回転方向に揺動する。右稲妻役物アーム96が反時計回転方向に揺動すると、右稲妻役物アーム96の突出部96Dがベースプレート93のガイド溝93Cの右端から左端に向かってガイド溝93Cに沿って移動することで、右稲妻役物アーム96がガイド溝93Cに沿って案内されて移動する。このとき、右稲妻役物アーム96のガイド溝96Bに係合する突出部85Aを有する右稲妻役物81が、右稲妻役物アーム96に持ち上げられてピン91Aを支点にして水平方向から反時計回転方向に揺動する。
ここで、本実施の形態において「反時計回転方向」というときは、各図面上での反時計回転方向である。例えば、上述の図9のように、遊技盤12の後方、又は遊技機1の後方から見た図面の場合には、「反時計回転方向」とは、遊技盤12の後方、又は遊技機1の後方から見たときの反時計回転方向を意味する。「時計回転方向」についても同様である。
右稲妻役物アーム96の突出部96Dがベースプレート93のガイド溝93Cの左端に当接する位置まで移動すると、モータ60Bの駆動が停止され、右稲妻役物アーム96は、図10、図11に示すように、表示領域13a外から表示領域13a内の第1の位置に移動する。
なお、右稲妻役物アーム96が待機位置にある場合には、カム歯車98のピン98Aが右稲妻役物アーム96のガイド溝96Cの右端に当接しており(図9参照)、この状態から右稲妻役物アーム96が第1の位置に移動してピン98Aがガイド溝96Cの右端に当接する状態(図11参照)に至るまでの間に、カム歯車98の回転に伴ってピン98Aは、ガイド溝96Cの左端に当接してから図11に示すようにガイド溝96Cの右端に当接することになる。すなわち、右稲妻役物アーム96が待機位置から第1の位置に移動するまでの間にピン98Aは、ガイド溝96Cに沿って一往復する。
また、左稲妻役物アーム101が待機位置にある場合には、カム歯車102のピン102Aが左稲妻役物アーム101のガイド溝101Cの左端に当接しており(図9参照)、この状態から左稲妻役物アーム101が第1の位置に移動してピン102Aがガイド溝101Cの左端に当接する状態(図11参照)に至るまでの間に、カム歯車102の回転に伴ってピン102Aは、ガイド溝101Cの右端に当接してから図11に示すようにガイド溝101Cの左端に当接することになる。すなわち、左稲妻役物アーム101が待機位置から第1の位置に移動するまでの間にピン102Aは、ガイド溝101Cに沿って一往復する。
ここで、モータ60Bは、後述する副制御回路200に設けられたモータ制御回路60によって駆動される。具体的には、モータ制御回路60は、右稲妻役物81が待機位置から第1の位置に移動するまでのモータ60Bのステップ数を設定しており、待機位置においてフォトセンサが右稲妻役物アーム96の突出片96Eを検出してからモータ60Bが第1の位置まで移動するだけのステップ数に到達したときに、モータ60Bを停止する。
一方、左稲妻役物86が待機位置に位置した状態において、モータ60Cが駆動されると、モータ60Cの歯車103の回転がカム歯車102に伝達される。このとき、カム歯車102のピン102Aが左稲妻役物アーム101のガイド溝101Cに沿って移動するため、左稲妻役物アーム101がピン101Aを支点にして反時計回転方向に揺動する。
左稲妻役物アーム101が反時計回転方向に揺動すると、左稲妻役物アーム101の突出部101Dがベースプレート93のガイド溝93Dの右端から左端に向かってガイド溝93Dに沿って移動するため、左稲妻役物アーム101がガイド溝93Dに案内されて移動する。このとき、左稲妻役物アーム101のガイド溝101Bに係合する突出部90Aを有する左稲妻役物86が左稲妻役物アーム101に押されてピン92Aを支点にして待機位置から反時計回転方向に揺動する。
左稲妻役物アーム101の突出部101Dがベースプレート93のガイド溝93Dの左端に当接する位置まで移動すると、モータ60Cの駆動が停止され、左稲妻役物アーム101は、図10、図11に示すように表示領域13a内の第1の位置に移動する。ここで、モータ制御回路60は、左稲妻役物86が待機位置から第1の位置に移動するまでのモータ60Cのステップ数を設定しており、待機位置においてフォトセンサが左稲妻役物アーム101の突出片101Eを検出してからモータ60Cが第1の位置まで移動するだけのステップ数に到達したときに、モータ60Cを停止する。この結果、右稲妻役物81及び左稲妻役物86は、ハの字に傾いて左右方向に対向する第1の位置に移動する。ここで、本実施の形態における第1の位置は、駆動位置に相当する。
なお、右稲妻役物81と左稲妻役物86とを待機位置から第1の位置に移動させる演出について、右稲妻役物81を待機位置から第1の位置に移動させた後に、左稲妻役物86を待機位置から第1の位置に移動させる演出としてもよく、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を待機位置から同時に第1の位置に移動させる演出としてもよい。但し、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を待機位置から第1の位置に移動させる演出は、特に限定されるものではない。また、本実施の形態の右稲妻役物81及び左稲妻役物86は、待機位置において表示領域13a外に位置しているが、待機位置において、右稲妻役物81及び左稲妻役物86の一部が位置していてもよい。
右稲妻役物81及び左稲妻役物86が第1の位置に移動した状態において、モータ60Aが駆動されると、モータ60Aの歯車95の回転が歯車94を介して右稲妻役物アーム91の歯部91Cに伝達される。
これにより、図12に示すように、右稲妻役物アーム91がピン91Bを支点にして時計回転方向に揺動する。右稲妻役物アーム91が時計回転方向に揺動すると、右稲妻役物アーム91の突出部91Dがベースプレート93のガイド溝93Aの下端からガイド溝93Aに沿って上方に移動することで、右稲妻役物アーム91がガイド溝93Aに案内されて移動する。
このときには右稲妻役物アーム96は、突出部96Dがガイド溝93Cの左端に当接して反時計回転方向への揺動が規制されている。これにより、右稲妻役物アーム91が時計回転方向に揺動するのに伴って右稲妻役物81の突出部85Aが右稲妻役物アーム96のガイド溝96Bに沿って上方に移動することにより、右稲妻役物81がガイド溝96Bに沿って上方に移動する。
右稲妻役物81は、ピン91Aを介して右稲妻役物アーム91に相対移動自在に連結されるため、表示領域13a内において、右稲妻役物81及び右稲妻役物アーム91がそれぞれガイド溝96B及びガイド溝93Aに沿って上方に移動し、右稲妻役物81が第1の位置よりも上方で、かつ、遊技盤12の前方から見て左斜め上方に傾くように移動する(図13参照)。
一方、左稲妻役物アーム92の歯部92Cは、右稲妻役物アーム91の歯部91Cに噛合しているため、左稲妻役物アーム92がピン92Bを支点にして第1の位置から反時計回転方向に揺動する。左稲妻役物アーム92が反時計回転方向に揺動すると、左稲妻役物アーム92の突出部92Dがベースプレート93のガイド溝93Bの下端からガイド溝93Bに沿って上方に移動することで、左稲妻役物アーム92がガイド溝93Bに案内されて移動する。
このときには、左稲妻役物アーム101は、突出部101Dがガイド溝93Dの左端に当接して反時計回転方向への揺動が規制される。これにより、左稲妻役物アーム92が反時計回転方向に揺動するのに伴って左稲妻役物86の突出部90Aが左稲妻役物アーム101のガイド溝101Bに沿って上方に移動することにより、左稲妻役物86がガイド溝101Bに沿って上方に移動する。左稲妻役物86は、ピン92Aを介して左稲妻役物アーム92に相対移動自在に連結されるため、表示領域13a内において、左稲妻役物86及び左稲妻役物アーム92がそれぞれガイド溝101B及びガイド溝93Bに沿って上方に移動し、左稲妻役物86が第1の位置よりも上方で、かつ、遊技盤12の前方から見て左斜め上方に傾いて右稲妻役物81と略平行になるように移動する。
ここで、「略平行」とは、本実施の形態においては右稲妻役物81と左稲妻役物86とを図13のようにみた場合に、右稲妻役物81と左稲妻役物86とが略平行となっている態様を示すが、これに限られるものでなく、本実施の形態においても右稲妻役物81と左稲妻役物86との長手方向の軸を厳密に算出した場合には平行である、と断言できるものではなく、意匠として略平行な状態を維持、又は右稲妻役物81と左稲妻役物86とのうちの少なくとも一方が駆動しているときに略平行となることがあればよい。より具体的に述べれば、右稲妻役物81を所定の方向から視認したときの周囲に2点を定め、この2点間で結ぶことができる直線と、左稲妻役物86を所定の方向から視認したときの周囲に2点を定め、この2点間で結ぶことができる直線とが平行になればよく、特に右稲妻役物81、左稲妻役物86で描くことができる直線は1本ではなく、役物の形状に応じて複数本の直線を描くことができる。また、遊技者から視認可能である必要はなく、長手方向に限定されず、短手方向でもよく、あくまでも役物の形状に応じて平行と定義可能であるか否かが変化するため略平行と記載する。
また、右稲妻役物81の突出部85A及び左稲妻役物86の突出部90Aがガイド溝96B、101Bの上端に当接したときに、モータ60Aの駆動を停止する。具体的には、モータ制御回路60は、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が第1の位置から第2の位置に移動するまでのモータ60Aのステップ数を設定しており、待機位置においてセンサが右稲妻役物アーム91の突出片91Eを検出してからモータ60Aが第2の位置まで移動するだけのステップ数に到達したときに、モータ60Aを停止する。
また、モータ60A〜60Cを逆回転し、上述した動作と逆の動作を行うことにより、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を第2の位置から待機位置まで戻すことができる。右稲妻役物アーム96、左稲妻役物アーム101及び右稲妻役物アーム91がトーションバネ97A〜97Cによって初期位置に戻る側に付勢されるので、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が第2の位置から待機位置まで戻るときに、右稲妻役物アーム96、左稲妻役物アーム101及び右稲妻役物アーム91により、復帰方向へのアシスト力を得ることができる。
このように本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、右稲妻役物81を駆動するモータ60B及び左稲妻役物86を駆動するモータ60Cを有し、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を演出に応じて待機位置から第1の位置(駆動位置)に移動させる第1の移動機構106及び第2の移動機構107と、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を、第1の位置から右稲妻役物81と左稲妻役物86とが略平行となる第2の位置に移動させることが可能なモータ60Aを備える第3の移動機構108とを有する。
これにより、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、第1の移動機構106及び第2の移動機構107によって右稲妻役物81及び左稲妻役物86を待機位置から第1の位置に移動させた後、第3の移動機構108によって右稲妻役物81及び左稲妻役物86を第1の位置から表示領域13a内で略平行となる第2の位置に移動させることができる。
このため、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を、第1の移動機構106と第2の移動機構107とでは移動できない第2の位置に共通の第3の移動機構108によって移動させることができる。したがって、第1の位置での演出と第2の位置での演出とを連続して行うことができ、従来の単調な役物の演出に比べて演出に対する興趣を向上させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上できる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、ベースプレート93が、右稲妻役物アーム96の突出部96Dに係合するガイド溝93Cと、左稲妻役物アーム101の突出部101Dに係合するガイド溝93Dを有し、第1の移動機構106及び第2の移動機構107が、ピン96A及びピン101Aを中心に揺動自在に設けられ、ガイド溝96B及びガイド溝101Bを有する右稲妻役物アーム96及び左稲妻役物アーム101を有し、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が待機位置から第1の位置に移動するときに、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を、右稲妻役物アーム96のガイド溝96B、左稲妻役物アーム101のガイド溝101B、ベースプレート93のガイド溝93C及びガイド溝93Dに沿って移動させることができる。
このため、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を、単純にモータ60B、60Cの回転方向(駆動方向)に移動させるよりも演出効果の高い方向に移動させることができる。これにより、従来の単調な役物の演出に比べて演出に対する興趣をより効果的に向上させることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより効果的に向上できる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、モータ60Bを有する第1の移動機構106及びモータ60Cを有する第2の移動機構107によって、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が待機位置から第1の位置に移動した後に、モータ60Aを有する第3の移動機構108によって、右稲妻役物81の突出部85Aが右稲妻役物アーム96のガイド溝96Bに沿って移動するとともに、右稲妻役物アーム91の突出部91Dがベースプレート93のガイド溝93Aに沿って移動し、左稲妻役物86の突出部90Aが左稲妻役物アーム101のガイド溝101Bに沿って移動するとともに、左稲妻役物アーム92の突出部92Dがベースプレート93のガイド溝93Bに沿って移動することにより、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を第1の位置から第2の位置に移動させるように構成した。
これにより、ベースプレート93に形成されたガイド溝93A〜93Dと、右稲妻役物アーム96に形成されたガイド溝96B及び左稲妻役物アーム101に形成されたガイド溝101Bとを利用して、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を待機位置から第1の位置を経て第2の位置に段階的に移動させることができる。
このため、ベースプレート93に形成されたガイド溝93A〜93Dと、右稲妻役物アーム96に形成されたガイド溝96B及び左稲妻役物アーム101に形成されたガイド溝101Bとの組合せを適宜設定することにより、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を待機位置から第1の位置を経て第2の位置に移動させるまでの演出表現を多様にできる。したがって、従来の単調な役物の演出に比べて演出に対する興趣をより効果的に向上させることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより効果的に向上できる。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1において、第1の役物を右稲妻役物81から構成し、第2の役物を左稲妻役物86から構成したが、第1の役物を左稲妻役物86から構成し、第2の役物を右稲妻役物81から構成してもよい。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1において、第1の基端係合部を右稲妻役物アーム91に形成し、第2の基端係合部を左稲妻役物アーム92に形成したが、これに限定されるものではなく、第1の基端係合部を左稲妻役物アーム92に形成し、第2の基端係合部を右稲妻役物アーム91に形成してもよい。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1において、モータ60A〜60Cのステップ数に基づいて右稲妻役物81及び左稲妻役物86を待機位置から第2の位置まで移動させているが、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が待機位置、第1の位置及び第2の位置に移動したことをセンサによって直接検出してもよい。
[ロゴ役物の概略構成]
次に、図14〜図20を参照して、本実施の形態のロゴ役物210について説明する。図14は、ロゴ役物210の分解斜視図である。図14において、ロゴ役物210は、右文字部211A、中文字部211C、左文字部211B、指部212、右インナレンズ213、左インナレンズ214、右ロゴ基板215、左ロゴ基板216、右ロゴ裏カバー217、左ロゴ裏カバー218、中ロゴインナレンズ219、ベースレンズ220、右インナレンズ221、左インナレンズ222、中ロゴ基板223及び中ロゴ裏カバー224を備えている。
右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bは、分割されており、右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bは、アルファベット、数字、漢字、ひらがな、カタカナ、記号等の文字から構成されてもよいし、キャラクタを構成する絵や、液晶表示装置13とは異なる他の液晶表示装置を設け、他の液晶表示装置が複数の場合には複数の他の液晶表示装置に1つずつ文字又は絵を表示し、複数の他の液晶表示装置の表示内容を組み合わせることで1つの意味を成すように構成してもよい。また、他の液晶表示装置が単一である場合には、単一又は複数の文字又は絵を表示することによって演出を行ってもよい。
また、各文字、又は絵に対応する表現(同じような文字、又は絵を表現することや、各文字、又は絵から連想可能な演出表示)を液晶表示装置13で表現することで、保留球の増加や、各演出が実行された場合の大当りである確率(各演出の大当り期待度、又は信頼度)の報知やデモ表示を行うことや、遊技機の枠(外枠、フロントドア)に備えられた当該各文字、又は絵に対応した表現可能な部材(同じよう各文字、又は絵を模った装飾部材や、各文字、又は絵から連想可能な装飾部材、又は液晶表示装置)を設け、当該表現可能な部材が発光、可動、駆動、表示等の少なくとも1つを実行する演出を行うことで、遊技機で実行される各演出が実行された場合の大当りである確率(各演出の大当り期待度、又は信頼度)の報知を行う、又はデモ表示に合わせて駆動してもよい。
ここで、本実施の形態の右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bは、本発明の装飾部を構成する。指部212は、左文字部211Bに取付けられた親指212A及び人指し指212Bと、中文字部211Cに取付けられた中指212C及び薬指212Dと、右文字部211Aに取付けられた小指212Eとを有する。
右インナレンズ213及び左インナレンズ214は、右文字部211A及び左文字部211Bの後方に設けられており、右ロゴ基板215及び左ロゴ基板216に設けられた複数のLED59kから照射される光を右文字部211A及び左文字部211Bに導光して右文字部211A及び左文字部211Bを点灯又は点滅させる。
なお、親指212A、人指し指212B、中指212C、薬指212D及び小指212Eが、保留球の数、又は遊技機で実行される各演出が実行された場合の大当りである確率(各演出の大当りの期待度、又は信頼度)に応じて点灯と点滅を選択可能であってもよい。
また、このような場合には、変動中の演出に対応して親指212Aが点滅し、1つ目の保留球が入賞すると人指し指212Bが点灯するような演出が考えられる。また、上記のような親指212A、人指し指212B、中指212C、薬指212D及び小指212Eが保留球の数、又は遊技機で実行される各演出が実行された場合の大当りである確率に応じて駆動可能(例えば、右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bを握り込むように親指212A、人指し指212B、中指212C、薬指212D及び小指212Eが動く等)であってもよい。
右ロゴ裏カバー217及び左ロゴ裏カバー218は、右インナレンズ213、左インナレンズ214、右ロゴ基板215及び左ロゴ基板216をそれぞれ右文字部211A及び左文字部211Bに固定する。
ベースレンズ220は、右ロゴ裏カバー217、左ロゴ裏カバー218及び中ロゴインナレンズ219の後方に設けられており、中ロゴ基板223の中央部に設けられた複数のLED59lから照射される光を、中ロゴインナレンズ219を通して中文字部211Cに導光して中文字部211Cを点灯又は点滅させる。
ベースレンズ220の右側は、右表示部220Aを構成しており、後述するように中文字部211Cに対して右文字部211Aが右方に移動したときに、中文字部211C及び右文字部211Aの後方に設けられた右表示部220Aが視認容易となる。
この状態において、右表示部220Aの後方に設けられた右インナレンズ221が、中ロゴ基板223に設けられた複数のLED59mから照射される光を右表示部220Aに導光することにより、右表示部220Aが稲妻を表す演出表示を行う。
ベースレンズ220の左側は、左表示部220Bを構成しており、後述するように中文字部211Cに対して左文字部211Bが左方に移動したときに、中文字部211C及び左文字部211Bの後方に設けられた左表示部220Bが視認容易となる。ここで、本実施の形態の右文字部211Aは、本発明の第1の装飾部を構成し、左文字部211Bは、本発明の第2の装飾部を構成する。
なお、装飾部材である右表示部220A及び左表示部220Bが視認容易とは、装飾部材が装飾部によって視認困難な状態(例えば、装飾部材の一部、又は全てを遊技者が視認できない、又は視線を遮るように装飾部が設置されている状態)となる態様を示し、単純に装飾部材の一部、又は全てを遊技者が視認可能であれば、視認容易であると判断することも可能であり、必ずしも全ての装飾部材を視認可能とするために設けられている必要もなく、一部、又全てという表現の通り、装飾部材の一部が視認可能な状態から、当初視認可能な表示部材の一部より少しでも装飾部材の視認可能な範囲が広がれば、視認容易であると認識することが可能である。
この状態において、左表示部220Bの後方に設けられた左インナレンズ222が、中ロゴ基板223に設けられた複数のLED59mから照射される光を左表示部220Bに導光することにより、左表示部220Bが稲妻を表す演出表示を行う。
中ロゴ裏カバー224は、中ロゴ基板223、右インナレンズ221及び左インナレンズ222をベースレンズ220に固定する。ここで、本実施の形態のベースレンズ220は、本発明の装飾部材を構成する。また、ロゴ役物210は、ベースプレート225、モータ60D、移動機構226及び支持部材227を備える。ここで、本実施の形態のベースプレート225は、本発明の保持板を構成し、モータ60Dは、本発明の装飾役物駆動手段を構成する。また、保持板は、1枚に限定されることなく、2枚以上であってもよい。
図17、図19に示すように、ベースプレート225は、遊技盤12の上部に設けられており、図15に示すように、ベースプレート225には上下方向に湾曲するガイド溝225Aと、ガイド溝225Aよりも長尺で上下方向に湾曲するガイド溝225Bとが形成されており、ベースプレート225にはベースプレート225から前方に突出するガイドピン225C、225Dが設けられる。ここで、本実施の形態のガイド溝225Aは、本発明の第1の保持板側案内部を構成し、ガイド溝225Bは、本発明の第2の保持板側案内部を構成する。
ベースプレート225の後面にはモータ60Dが設けられる。モータ60Dの出力軸にはピン228Aを有するカム歯車228が設けられる。移動機構226は、カム歯車228、メインアーム229、ロゴリンク231、圧縮ばね232及びサブアーム233を含んで構成される。
メインアーム229は、ベースプレート225の前方に設けられる。メインアーム229には係合穴229Aが形成されており、係合穴229Aは、ベースプレート225のガイドピン225Cに係合している。メインアーム229には係合突起229Bが設けられており、係合突起229Bは、ブッシュ230Aを介してガイド溝225Aに係合している。
メインアーム229にはロゴリンク231の一端部が連結されており、ロゴリンク231の他端部はカム歯車228のピン228Aに連結される。メインアーム229にはスプリング係合部229Cが設けられており、スプリング係合部229Cには圧縮バネ232の一端部が係合している。圧縮バネ232の他端部は、ベースプレート225のスプリング係合部225Eに係合している。図15において遊技盤12を前方から見た場合に、圧縮バネ232は、ガイドピン225Cを支点にしてメインアーム229を反時計回転方向に付勢している。
メインアーム229の先端にはガイド溝229D、229Eが形成されており、ガイド溝229D、229Eは、メインアーム229の先端において円周方向に湾曲している。メインアーム229の先端には開口229Fが形成されており、開口229Fは、ガイド溝229D、229Eの間に形成される。
メインアーム229は、ガイドピン225Cを支点にして揺動するようになっており、揺動時に係合突起229Bがガイド溝225Aに沿って案内されることで、メインアーム229は、後述する待機位置と落下位置との間で揺動する。なお、本実施の形態の落下位置は、本発明の作動位置である。ここで、本実施の形態のガイドピン225Cは、本発明の第1の揺動支点を構成する。また、ガイド溝229Dは、本発明の第1の主揺動部材側案内部を構成し、ガイド溝229Eは、本発明の第2の主揺動部材側案内部を構成する。
サブアーム233は、一端部に係合穴233Aが形成されるとともに、他端部に係合穴233Bが形成されており、係合穴233Aにはガイドピン225Dが係合される。図16において、サブアーム233の背面には係合突起233Cが形成されており、係合突起233Cは、ブッシュ230Bを通してガイド溝225Bに係合する。このため、サブアーム233は、ガイドピン225Dを支点に揺動し、揺動時にガイド溝225Bに沿って案内される。ここで、本実施の形態のガイドピン225Dは、第2の揺動支点を構成する。また、本実施の形態のメインアーム229は、本発明の主揺動部材を構成し、サブアーム233は、本発明の副揺動部材を構成する。
図15、図16において、支持部材227は、支持プレート234、右歯車235、左歯車236、中歯車237、右ラック部材238及び左ラック部材239を備えている。ここで、本実施の形態の中歯車237は、本発明の第1の動力伝達部材を構成し、右歯車235は、本発明の第2の動力伝達部材を構成し、左歯車236は、本発明の第3の動力伝達部材を構成する。また、支持プレート234は、本発明の支持体を構成する。
図16に示すように、支持プレート234の後面には係合突起234A、234B、234Cが形成される。係合突起234Aは、ブッシュ230Cを介してメインアーム229のガイド溝229Dに係合しており、係合突起234Bは、ブッシュ230Dを介してメインアーム229のガイド溝229Eに係合している。また、係合突起234Cは、サブアーム233の係合穴233Bに係合している。ここで、本実施の形態の係合突起234Aは、本発明の第1の係合突起を構成し、係合突起234Bは、本発明の第2の係合突起を構成し、係合突起234Cは、本発明の第3の係合突起を構成する。
支持プレート234には中ロゴ裏カバー224が取付けられており、図16に示すように、支持プレート234に対向する中ロゴ裏カバー224の面にはガイドピン224A、224Bが形成され、ガイドピン224A、224Bは、それぞれ右歯車235及び左歯車236を回転自在に支持する。
右歯車235は、同軸上に大歯車235A及び小歯車235Bを備えており、左歯車236は、同軸上に大歯車236A、236Bを備えている。右ラック部材238には左右方向に延在するラック歯238Aが形成されており、右歯車235の大歯車235Aは、ラック歯238Aに噛合(係合)している。
左ラック部材239には左右方向に延在するラック歯239Aが形成されており、左歯車236の大歯車236Aは、ラック歯239Aに噛合(係合)している。また、中歯車237は、右歯車235の小歯車235B及び左歯車236の小歯車236Bに噛合(係合)しており、中歯車237が回転すると、小歯車235B、237Bの回転に伴って右ラック部材238及び左ラック部材239が左右方向に移動する。ここで、本実施の形態の右ラック部材238は、本発明の第1の係合部材を構成し、ラック歯238Aは、本発明の第1の係合部材の係合部を構成する。また、本実施の形態の左ラック部材239は、本発明の第2の係合部材を構成し、ラック歯239Aは、本発明の第2の係合部材の係合部を構成する。
右ラック部材238には、右文字部211A、右インナレンズ213、右ロゴ基板215及び右ロゴ裏カバー217が固定されており、左ラック部材239には、左文字部211B、左インナレンズ214、左ロゴ基板216及び左ロゴ裏カバー218が固定されている。これにより、右ラック部材238及び左ラック部材239が左右方向に移動すると、右文字部211A、右インナレンズ213、右ロゴ基板215及び右ロゴ裏カバー217と、左文字部211B、左インナレンズ214、左ロゴ基板216及び左ロゴ裏カバー218とがそれぞれ一体で左右方向に移動する。
そして、右ラック部材238及び左ラック部材239が左右方向外方に最大に移動したときに、中文字部211C及び右文字部211Aの後方に設けられた右表示部220Aが視認容易となり、中文字部211C及び左文字部211Bの後方に設けられた左表示部220Bが視認容易となる。
中歯車237は、メインアーム229の開口229Fの周囲に形成された嵌合部229Gに嵌合しており、中歯車237は、メインアーム229に対して相対回転不能となっている。また、中歯車237は、軸237Aに回転自在に支持されており、軸237Aは、中ロゴ裏カバー224とメインアーム229の開口229Fに支持される。このため、中歯車237は、支持プレート234に対して相対回転する。
このような構成を有するロゴ役物210は、メインアーム229の係合突起229Bがブッシュ230Aを介してガイド溝225Aの上端に当接している状態が、右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bが表示領域13a外の初期位置に位置する待機位置となる。
右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bが待機位置に位置した状態において、モータ60Dの駆動によりカム歯車228が図17中、時計回転方向に回転すると、カム歯車228の回転に伴って、ピン228Aがロゴリンク231を左方に引くことにより、ガイドピン225Cを支点にしてメインアーム229が時計回転方向に揺動する。このとき、図15に示すように、メインアーム229は、係合突起229Bがガイド溝225Aに沿って下方に案内され、開口229Fが形成される先端部が下方に移動する。
また、サブアーム233は、支持プレート234を介してメインアーム229に接続されているため、メインアーム229の先端部が下方に移動するのに伴って、サブアーム233がガイドピン225Dを支点にガイド溝225Bに沿って時計回転方向に揺動することにより、サブアーム233の先端部が下方に移動する。これにより、図18、図20に示すように、支持部材227及び右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bが待機位置から表示領域13a内の落下位置に移動する。
また、本実施の形態の支持プレート234は、係合突起234A、234B、234Cが、ブッシュ230C、230Dを介してメインアーム229のガイド溝229D及びガイド溝229Eに係合するとともに、サブアーム233の係合穴233Bに係合しているので、メインアーム229が待機位置から落下位置に揺動するときに、ブッシュ230C、230D及び係合穴233Bの間の距離は、不変である。すなわち、ブッシュ230C、230D及び係合穴233Bを結んで形成される三角形状は、メインアーム229が待機位置から落下位置に揺動したときに同一形状となる。
このため、メインアーム229が待機位置から落下位置に揺動するときに、支持プレート234が水平に姿勢を保ったまま待機位置から落下位置に移動するため、右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bも水平に姿勢を保ったまま待機位置から落下位置に移動する。
また、右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bが待機位置から落下位置に揺動するときには、メインアーム229がガイドピン225Cを支点にして時計回転方向に揺動するため、メインアーム229の先端部が下方に傾く。これにより、中歯車237が時計回転方向に回転して右歯車235の小歯車235B及び左歯車236の小歯車236Bをそれぞれ反時計回転方向に回転させることにより、右歯車235の大歯車235A及び左歯車236の大歯車236Aを介して右ラック部材238及び左ラック部材239を左右方向外方に移動させる。
これにより、右文字部211A及び左文字部211Bが左右方向外方に移動して、図18に示すように、中文字部211C及び右文字部211Aの後方に設けられた右表示部220Aが視認容易となり、中文字部211C及び左文字部211Bの後方に設けられた左表示部220Bが視認容易となる。
すなわち、本実施の形態のロゴ役物210は、移動機構226によって右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bが待機位置から落下位置に移動しながら右文字部211A及び左文字部211Bが左右方向外方に移動する。
そして、メインアーム229の係合突起229Bがベースプレート225のガイド溝225Aの下端に当接した位置まで揺動すると、モータ60Dの駆動が停止される。モータ60Dは、モータ制御回路60(図41参照)によって駆動され、モータ制御回路60は、メインアーム229の係合突起229Bがベースプレート225のガイド溝225Aの上端に当接した位置と下端に当接した位置との間のステップ数を制御することで右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bを待機位置と落下位置との間で移動させる。
また、本実施の形態のメインアーム229は、ガイド溝229D、229Eを有し、ガイド溝229D、229Eに支持プレート234の係合突起234A、234Bを係合しているので、メインアーム229がガイドピン225Cを支点にして時計回転方向に揺動したときに、係合突起234A、234Bがガイド溝229D、229Eに沿って移動するので(図20参照)、支持プレート234によってメインアーム229の揺動が妨げられることがない。
一方、モータ60Dの駆動によりカム歯車228が図15中、反時計回転方向に回転すると、カム歯車228の回転に伴って、ピン228Aがロゴリンク231を右方に押すことにより、ガイドピン225Cを支点にしてメインアーム229が反時計回転方向に揺動する。このとき、メインアーム229は、係合突起229Bがガイド溝225Aに沿って上方に案内され、開口229Fが形成される先端部が上方に移動する。
また、メインアーム229の先端部が上方に移動するのに伴って、サブアーム233がガイドピン225Dを支点にガイド溝225Bに沿って時計回転方向に揺動することにより、サブアーム233の先端部が上方に移動する。これにより、支持部材227及び右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bが落下位置から表示領域13a外の待機位置に移動する。
また、上述したようにメインアーム229が落下位置から待機位置に揺動するときに、ブッシュ230C、230D及び係合穴233Bを形成される三角形状は、同一形状である。これにより、支持プレート234が水平に姿勢を保ったまま落下位置から待機位置に移動するため、右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bも水平に姿勢を保ったまま落下位置から待機位置に移動する。
また、右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bが落下位置から待機位置に揺動するときには、メインアーム229がガイドピン225Cを支点にして反時計回転方向に揺動するため、メインアーム229の先端部が上方に傾く。これにより、中歯車237が反時計回転方向に回転して右歯車235の小歯車235B及び左歯車236の小歯車236Bをそれぞれ時計回転方向に回転させることにより、右歯車235の大歯車235A及び左歯車236の大歯車236Aを介して右ラック部材238及び左ラック部材239を左右方向内方に移動させる。
これにより、右文字部211A及び左文字部211Bが左右方向内方に移動して、中文字部211Cと右文字部211Aとの隙間と、中文字部211Cと左文字部211Bとの隙間とが無くなり、右表示部220A及び左表示部220Bが視認不能なる。すなわち、本実施の形態のロゴ役物210は、移動機構226によって右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bが落下位置から待機位置に移動しながら右文字部211A及び左文字部211Bが左右方向内方に移動する。
そして、メインアーム229の係合突起229Bがベースプレート225のガイド溝225Aの上端に当接した位置まで揺動すると、モータ制御回路60は、モータ60Dの駆動を停止する。
このように本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、モータ60Dによって駆動されることにより、支持部材227を待機位置から落下位置に移動させながら右文字部211A及び左文字部211Bを左右方向外方に移動させる移動機構226を備え、右文字部211A及び左文字部211Bが左右方向外方に移動したときに、中文字部211Cと右文字部211A及び左文字部211Bとの後方に設けられた右表示部220A及び左表示部220Bが視認容易となる。
これにより、中文字部211Cと右文字部211A及び左文字部211Bの落下だけでなく、右文字部211A及び左文字部211Bを左右方向外方に移動させる演出を行い、さらに、右文字部211A及び左文字部211Bの後方に設けられた右表示部220A及び左表示部220Bを表示する演出を行うことができる。したがって、演出に対する興趣を向上させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上できる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bを支持する支持プレート234が、メインアーム229のガイド溝229D、229Eに係合する係合突起234A、234Bと、サブアーム233の係合穴233Bに係合する係合突起234Cとを有する支持プレート234を備える。
これにより、モータ60Dの駆動によってメインアーム229及びサブアーム233が揺動したときに、支持プレート234を介して右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bの姿勢を水平に保ちながら右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bを待機位置から落下位置に移動させることができる。
また、支持部材227が、支持プレート234に回転自在に支持され、中歯車237に噛合する右歯車235及び左歯車236と、右文字部211Aを支持するとともに、右歯車235に噛合するラック歯238Aを有し、支持プレート234に対して左右方向に移動自在な右ラック部材238と、左文字部211Bを支持するとともに、左歯車236に噛合するラック歯239Aを有し、支持プレート234に対して左右方向に移動自在な左ラック部材239とを有する。
これにより、メインアーム229及びサブアーム233が揺動するときに、支持プレート234を介して右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bの姿勢を水平に保ちつつ、メインアーム229の傾きに伴って中歯車237を回転させて右歯車235及び左歯車236を左右方向に移動させることにより、右文字部211A及び左文字部211Bを左右方向に移動させることができる。
この結果、右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bを効果的に移動させる移動機構226によって演出に対する興趣を向上させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上できる。
また、単一のモータ60Dによって右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bを待機位置と落下位置とに移動させるとともに、右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bが落下位置に移動するのに伴って右文字部211A及び左文字部211Bを左右方向に移動させることができるので、モータの数を低減でき、ロゴ役物210の部品点数を低減できる。なお、実施の形態のロゴ役物210は、遊技盤12の上方の待機位置から下方の落下位置に移動するように、初期位置である待機位置が遊技盤12の上方に設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、ロゴ役物210は、遊技盤12の右方又は左方から表示領域13a内に移動するように遊技盤12の右方又は左方に設けられてもよい。例えば、ロゴ役物210は、遊技盤12の斜め方向から表示領域13a内に移動するように遊技盤12の斜め方向に設けられてもよい。
[稲妻役物とロゴ役物との複合演出]
次に、図21、図22を参照して、本実施の形態の稲妻役物80とロゴ役物210との複合演出について説明する。
図21、図22において、第1の移動機構106及び第2の移動機構107の駆動によって右稲妻役物81及び左稲妻役物86が待機位置から第1の位置に移動した状態で、かつ、右文字部211A及び左文字部211Bが遊技盤12の左右方向に開いて、中文字部211Cと右文字部211A及び左文字部211Bとの後方に設けられた右表示部220A及び左表示部220Bが視認容易となる状態において、右稲妻役物81及び左稲妻役物86の先端が右表示部220A及び左表示部220Bの後方で右表示部220A及び左表示部220Bと前後方向で重なる。
このとき、LED59h、59iを点灯させて右稲妻役物81及び左稲妻役物86を点灯させるとともに、LED59mを点灯させてベースレンズ220の右表示部220A及び左表示部220Bにより稲妻を表す表示演出を行う。
また、図2に示すように、ガラスドア4の開口4aの周囲において第1の位置にある右稲妻役物81の延長線上に設けられた装飾部材58A、58Dを、LED59a、59dによって点灯させるとともに、ガラスドア4の開口4aの周囲において第1の位置にある左稲妻役物86の延長線上に設けられた装飾部材58B、58Cを、LED59b、59cによって点灯させることにより、稲妻を表す演出表示を行う。
これに加えて、遊技盤12の表示領域13aの周囲において第1の位置にある右稲妻役物81の延長線上に設けられた装飾部材58F、58Hを、LED59f、59hによって点灯させるとともに、表示領域13aの周囲において第1の位置にある左稲妻役物86の延長線上に設けられた装飾部材58GをLED59gによって点灯させることにより、稲妻を表す演出表示を行う。
これにより、装飾部材58B、58F、右表示部220A、右稲妻役物81、装飾部材58H、58Dと、装飾部材58A、左表示部220B、左稲妻役物86、装飾部材58G、58Cとをそれぞれ通して、パチンコ遊技機1に対して天から稲妻が落ちてきたような演出を行うことができる。
また、図13に示すように、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が第2の位置に移動した状態においては、ガラスドア4の開口4aの周囲において第2の位置にある右稲妻役物81及び左稲妻役物86の延長線上に設けられた装飾部材58A、58Dを、LED59a、59dによって点灯させるとともに、遊技盤12の表示領域13aの周囲において第2の位置にある右稲妻役物81及び左稲妻役物86の延長線上に設けられた装飾部材58E、58Hを、LED59e、59hによって点灯させる。
これにより、装飾部材58A、58E、右稲妻役物81、左稲妻役物86、装飾部材58H、58Dを通して、パチンコ遊技機1に対して天から稲妻が落ちてきたような演出を行うことができる。
なお、右稲妻役物81及び左稲妻役物86とロゴ役物210との移動の順序として、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が待機位置から第1の位置に移動した後に、ロゴ役物210を待機位置から落下位置に移動させるようにしてもよい。
また、ロゴ役物210を待機位置から落下位置に移動させた後に、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を待機位置から第1の位置に移動させるようにしてもよい。あるいは、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が待機位置から第1の位置に移動するのと同時にロゴ役物210を待機位置から落下位置に移動させてもよい。但し、右稲妻役物81及び左稲妻役物86とロゴ役物210との移動の順序としては、特に限定されるものではない。
このように本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が第1の位置(駆動位置)に移動し、かつ、右文字部211A及び左文字部211Bが遊技盤12の左右方向に開いて右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bとの後方に設けられた右表示部220A及び左表示部220Bが視認容易となる状態において、右稲妻役物81及び左稲妻役物86の先端を右表示部220A及び左表示部220Bの一部と前後方向で重なるように構成した。
これにより、右表示部220A及び左表示部220Bと右稲妻役物81及び左稲妻役物86とが関連する演出を実行でき、ロゴ役物210と右稲妻役物81及び左稲妻役物86との演出がそれぞれ単体で行われた場合に比べて、遊技者の遊技に対する興趣を相乗的に向上できる。
また、右稲妻役物81及び左稲妻役物86の先端を右表示部220A及び左表示部220Bのと前後方向で重ねることで、右稲妻役物81及び左稲妻役物86と関連性を有するロゴ役物210のベースレンズ220を、右稲妻役物81及び左稲妻役物86の形状や位置から遊技者に認識させることができる。
これにより、ロゴ役物210が右稲妻役物81及び左稲妻役物86の形態、すなわち、稲妻に応じた演出を行っていることを遊技者が見落としてしまうことを防止でき、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図れないような事態が発生することを防止できる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が第1の位置に移動し、かつ、右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bが落下位置に移動した状態において、右稲妻役物81及び左稲妻役物86の延長線上に位置するガラスドア4の装飾部材58A〜58D及び遊技盤12の装飾部材58E〜58Hが、右稲妻役物81及び左稲妻役物86の形態と連動した演出を行う。
これにより、装飾部材58A〜58Hと右稲妻役物81及び左稲妻役物86とが関連する演出を実行でき、装飾部材58A〜58Hと右稲妻役物81及び左稲妻役物86との演出がそれぞれ単体で行われた場合に比べて、遊技者の遊技に対する興趣を相乗的に向上できる。また、装飾部材58A〜58Hを、右稲妻役物81及び左稲妻役物86の形状や位置から遊技者に認識させることができる。
この結果、装飾部材58A〜58Hが装飾部材58A〜58Hと右稲妻役物81及び左稲妻役物86の形態に応じた演出を行っていることを遊技者が見落としてしまうことを防止でき、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図れないような事態が発生することを防止できる。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、右稲妻役物81及び左稲妻役物86の先端を右表示部220A及び左表示部220Bの一部と前後方向で重なるようにしたが、右稲妻役物81及び左稲妻役物86の先端を右表示部220A及び左表示部220Bの全体と前後方向で重なるようにしてもよく、右稲妻役物81及び左稲妻役物86の先端を右表示部220A及び左表示部220Bに重ねなくてもよい。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、装飾部を3つの右文字部211A、中文字部211C及び左文字部211Bから構成されているが、装飾部は、2つ以上あればよい。
[扉役物の概略構成]
次に、図23〜図32を参照して、本実施の形態の扉役物420について説明する。図23は、扉役物420と扉役物420を移動させる移動機構の分解斜視図である。図23において、扉役物420は、一対の右金扉421及び左金扉422と、右金扉421及び左金扉422に対して後方に設けられた一対の右銀扉423及び左銀扉424とを備えている。本実施の形態の右金扉421及び左金扉422は、本発明の一対の第1の扉部材を構成し、右銀扉423及び左銀扉424は、本発明の一対の第2の扉部材を構成する。ここで、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、一対の右金扉421及び左金扉422と、一対の右銀扉423及び左銀扉424とを有しているが、金扉421及び左金扉422は、いずれか一方があればよく、一対の右銀扉423及び左銀扉424もいずれか一方があれよい。
右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424の下方には下側ガイドレール425が設けられており、下側ガイドレール425は、遊技盤12の左右方向に延在している。右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424の下部には突出部421A、422A、423A、424Aが形成される。ここで、本実施の形態の下側ガイドレール425は、本発明の案内部材を構成する。
突出部421A、422A、423A、424Aは、下側ガイドレール425に移動自在に嵌合されており、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とは、下側ガイドレール425に沿って表示領域13a外の開放位置(図5参照)と表示領域13a内の閉鎖位置(図28、図29参照)とに位置するように遊技盤12の左右方向に移動に支持する。また、右金扉421及び左金扉422が閉鎖位置に移動した場合と、右銀扉423及び左銀扉424が閉鎖位置に移動した場合とにおいて、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用画像(装飾図柄)等の各種画像が目視不能になる。
図28に示すように、右銀扉423及び左銀扉424の後方には右稲妻役物81及び左稲妻役物86が設けられており、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とが閉鎖位置に位置した状態において、右金扉421及び左金扉422と、右銀扉423及び左銀扉424と、右稲妻役物81及び左稲妻役物86とは遊技盤12の前後方向において隙間を介して対向する。
なお、図28、図29では、右稲妻役物81及び左稲妻役物86が右銀扉423及び左銀扉424の後方に位置していることを表すために、右稲妻役物81及び左稲妻役物86を第2の位置に移動した状態で図示している。ここで、本実施の形態の右稲妻役物81及び左稲妻役物86は、扉の役物とは異なる形態の稲妻役物からなり、本発明の第2の移動部材を構成する。なお、第2の移動部材としては、構造物、可動物、装飾用の部材等から構成されてもよく、特に限定されるものでない。
図23〜図25において、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との上方には上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427が設けられており、上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427は、上下方向において平行に設けられる。すなわち、上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427は、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とを挟んで下側ガイドレール425と反対側に設けられている。ここで、本実施の形態の上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427は、本発明の一対の長尺部材を構成する。
右金扉421は、右金扉ラック部材428に取付けられている。右金扉ラック部材428は、右金扉421が取付けられるとともに、上ガイドシャフト426に移動自在に嵌合するガイド板428Aと、ガイド板428Aに一体的に設けられ、左右方向に延在するラック軸428Bと、ラック軸428Bの上下面に形成され、ラック軸428Bの軸線方向に形成されたラック歯428a、428bと有する。
左金扉422は、左金扉ラック部材429に取付けられている。左金扉ラック部材429は、左金扉422が取付けられるとともに下ガイドシャフト427に移動自在に嵌合するガイド板429Aと、ガイド板429Aに一体的に設けられ、左右方向に延在するラック軸429Bと、ラック軸429Bの上面に形成され、ラック軸429Bの軸線方向に形成されたラック歯429aと有する。
右銀扉423は、右銀扉ラック部材430に取付けられている。右銀扉ラック部材430は、右銀扉423が取付けられるとともに、下ガイドシャフト427に移動自在に嵌合するガイド板430Aと、ガイド板430Aに一体的に設けられ、左右方向に延在するラック軸430Bと、ラック軸430Bの上面に形成され、ラック軸430Bの軸線方向に形成されたラック歯430aと有する。
左銀扉424は、左銀扉ラック部材431に取付けられている。左銀扉ラック部材431は、左銀扉424が取付けられるとともに、上ガイドシャフト426に移動自在に嵌合するガイド板431Aと、ガイド板431Aに一体的に設けられ、左右方向に延在するラック軸431Bと、ラック軸431Bの上下面に形成され、ラック軸431Bの軸線方向に形成されたラック歯431a、431bと有する。
図30において、右銀扉423にはねじ溝を有する一対のボス423A、423Bが設けられており、このボス423A、423Bは、水平方向において同一の高さに形成される。右銀扉ラック部材430のガイド板430Aには一対のボス穴431d、431eが形成されており、ボス穴431d、431eは、水平方向において同一の高さに形成される。
ボス穴431d、431eにはボス423A、423Bが嵌合するようになっており、この状態でボス穴431d、431eを通してボス423A、423Bのねじ溝に皿ねじ433A、433Bを締結すなわち、螺合することにより、右銀扉423がガイド板430Aに固定される。なお、右金扉421、左金扉422及び左銀扉424も右銀扉423と同一の構成により、ガイド板428A、429A、431Aに皿ねじ433A、433Bによって固定される。
図23〜図27において、上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427の延在方向左側(本発明の延在方向一方側に相当)には金扉駆動モータ60Eが設けられている。金扉駆動モータ60Eは、前後方向に延在し、延在方向先端部に歯車435が取付けられたモータ軸60eを有し、歯車435が前後方向前方側(本発明の前後方向一方側に相当)に位置するように上ガイドシャフト426の上方に設置される。
歯車435は、歯車436及び歯車437を介して歯車438に噛合しており、金扉駆動モータ60E及び歯車435〜歯車438は、上ガイドシャフト426の延在方向、すなわち、右金扉421及び左金扉422の開閉方向に設置される。
歯車438は、右金扉ラック部材428のラック歯428aに噛合しており、右金扉ラック部材428のラック歯428bと左金扉ラック部材429のラック歯429aとの間には歯車439が噛合している。
このため、金扉駆動モータ60Eの駆動により歯車435が正逆回転すると、歯車436及び歯車437を介して歯車438が回転することにより、右金扉ラック部材428が左右方向に移動する。そして、右金扉ラック部材428の左右方向に移動に伴って歯車439を介して左金扉ラック部材429が左右方向に移動することにより、右金扉421及び左金扉422が開放位置と閉鎖位置との間で移動する。
ここで、本実施の形態の右金扉ラック部材428は、本発明の第1の取付部を構成し、左金扉ラック部材429は、本発明の第2の取付部を構成する。また、本実施の形態の右銀扉ラック部材430は、本発明の第3の取付部を構成し、左銀扉ラック部材431は、本発明の第4の取付部を構成する。また、本実施の形態の金扉駆動モータ60Eは、本発明の第1の可動部材駆動手段を構成し、歯車435〜439及びラック歯428a、428b、429aは、本発明の第1の可動部材移動機構451を構成する。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、右金扉ラック部材428及び右金扉421と、左金扉ラック部材429及び左金扉422と、右銀扉ラック部材430及び右銀扉423と、左銀扉ラック部材431及び左銀扉424とが別部材を一体化したものから構成されているが、一体成形された構成であってもよい。また、右金扉ラック部材428、左金扉ラック部材429、右金扉421及び左金扉422を含んだものが、本発明の第1の移動部材及び第1の可動部材を構成する。また、右銀扉ラック部材430、左銀扉ラック部材431、右銀扉423及び左銀扉424を含んだものが、本発明の第1の移動部材及び第2の可動部材を構成する。
上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427の延在方向右側(本発明の延在方向他方側に相当)には銀扉駆動モータ60Fが設けられている。銀扉駆動モータ60Fは、前後方向に延在し、延在方向先端部に歯車441が取付けられたモータ軸60fを有し、歯車441が前後方向後方側(本発明の前後方向他方側に相当)に位置するように上ガイドシャフト426の上方に設置される。ここで、本実施の形態のモータ軸60e、60fは、本発明の出力軸を構成する。
歯車441は、歯車442及び歯車443を介して歯車444に噛合しており、銀扉駆動モータ60F及び歯車441〜歯車444は、上ガイドシャフト426の延在方向、すなわち、右銀扉423及び左銀扉424の開閉方向に設置される。また、歯車441〜歯車444は、歯車435〜歯車438に対して前後方向に離隔して設置される。
歯車444は、左銀扉ラック部材431のラック歯431aに噛合しており、左銀扉ラック部材431のラック歯431bと右銀扉ラック部材430のラック歯430aとの間には歯車445が噛合している。
このため、銀扉駆動モータ60Fの駆動により歯車441が正逆回転すると、歯車442及び歯車443を介して歯車444が回転することにより、左銀扉ラック部材431が左右方向に移動する。そして、左銀扉ラック部材431の左右方向に移動に伴って歯車445を介して右銀扉ラック部材430が左右方向に移動することにより、右銀扉423及び左銀扉424が開放位置と閉鎖位置との間で移動する。
なお、本実施の形態の右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との開放位置が本発明の第1の位置に対応し、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との閉鎖位置が本発明の第2の位置に対応する。
ここで、本実施の形態の銀扉駆動モータ60Fは、本発明の第2の可動部材駆動手段を構成し、歯車441〜445及びラック歯430a、431a、431bは、本発明の第2の可動部材移動機構452を構成する。また、本実施の形態の歯車435は、本発明の第1の動力出力部材を構成し、歯車441は、本発明の第2の動力出力部材を構成する。
銀扉駆動モータ60Fに対して右外方には金扉センサ446Aが設けられている。金扉センサ446Aは、フォトセンサから構成されており、金扉センサ446Aは、右金扉ラック部材428のガイド板428Aから上方に突出して設けられた突出片428Cを検出する。右金扉ラック部材428は、右金扉421及び左金扉422が表示領域13a外の開放位置に位置したときに、金扉センサ446Aが突出片428Cを検出する。
金扉センサ446Aの検出情報は、主制御回路70のメインCPU71(図41参照)に入力される。メインCPU71は、金扉センサ446Aの検出情報に基づいてモータ制御回路60にモータ駆動コマンドを送信する。モータ制御回路60は、モータ駆動コマンドに基づいて開放位置から金扉駆動モータ60Eのステップ数を制御することにより、右金扉421及び左金扉422を閉鎖位置に移動させる。
金扉駆動モータ60Eに対して左外方には銀扉センサ446Bが設けられている。銀扉センサ446Bは、フォトセンサから構成されており、銀扉センサ446Bは、左銀扉ラック部材431のラック軸431Bから上方に突出して設けられた突出片431Cを検出する。左銀扉ラック部材431は、右銀扉423及び左銀扉424が表示領域13a外の開放位置に位置したときに、銀扉センサ446Bが突出片431Cを検出する。
銀扉センサ446Bの検出情報は、主制御回路70のメインCPU71(図41参照)に入力される。メインCPU71は、銀扉センサ446Bの検出情報に基づいてモータ制御回路60にモータ駆動コマンドを送信する。モータ制御回路60は、モータ駆動コマンドによって開放位置から銀扉駆動モータ60Fのステップ数を制御することにより、右銀扉423及び左銀扉424を開放位置に移動させる。
ここで、本発明における「開放位置」と「閉鎖位置」とは、第1の移動部材が「待機位置」から「駆動位置」に移動する態様と同様であってもよい。すなわち、「開放位置」が「待機位置」であり、「閉鎖位置」が「駆動位置」として機能することも想定される。
図23において、下側ガイドレール425の前面にはLED59g、59hを有する左右一対のLED基板448、449が設けられており、LED基板448、449は、LED基板448、449に形成される開口448a、449aが下側ガイドレール425のボス425a、425bに嵌合される。ボス425a、425bにはねじ溝が形成されており、ねじ溝には図示しないボルトが螺合される。
下側ガイドレール425の前方にはパチンコ遊技機1に固定的に設置される下側パネルベース450が設けられており、下側パネルベース450は、表示領域13aよりも下方に位置して(図5参照)、下側ガイドレール425に固定される。下側パネルベース450は、装飾部材58G、58Hを備えており、装飾部材58G、58Hは、LED59g、59hが点灯すると、稲妻を含んだ演出表示を行う。ここで、本実施の形態の下側パネルベース450は、本発明の固定部材を構成する。すなわち、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、下側ガイドレール425が下側パネルベース450に固定されており、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とは、右稲妻役物81及び左稲妻役物86との間に所定の間隔を有する。また、下側ガイドレール425は、下側パネルベース450と右稲妻役物81及び左稲妻役物86との間に設けられる。
ここで、第1の移動部材と第2の移動部材との間に「所定の間隔」を有するとは、第1の移動部材が開放位置にあり、第2の移動部材が待機位置にある場合に所定の間隔を有する場合、第1の移動部材が閉鎖位置にあり、第2の移動部材が待機位置にある場合に所定の間隔を有する場合、第1の移動部材が開放位置にあり、第2の移動部材が駆動位置にある場合に所定の間隔を有する場合、第1の移動部材が閉鎖位置にあり、第2の移動部材が駆動位置にある場合に所定の間隔を有する場合等が想定されるが、その何れかであってもよいし、全てにおいて「所定の間隔」を有してもよい。
また、案内部材が固定部材と第2の移動部材との「間」に設けられているとは、固定部材と第2の移動部材とが、第2の移動部材の駆動範囲(待機位置から駆動位置までの範囲内)において少なくとも一部が、何れかの方向から視認した場合に重なり合い、視覚的に重なり合う状態で固定部材と第2の移動部材とに点と点とを設け、各点を通過する直線上に案内部材の少なくとも一部が存在する態様が想定されるが、これに加えて、第2の移動部材の駆動範囲を可動方向に延長した場合に、固定部材と第2の移動部材とが何れかの方向から視認した場合に重なり合う場合も想定される。
下側パネルベース450には複数の嵌合穴450a〜450fが形成される。下側ガイドレール425の前面には複数のボス425c〜425fが形成されており、ボス425c〜425fの中でボス425c、425fには図示しないねじが螺合されるねじ溝が形成される。
下側パネルベース450は、左右両側の嵌合穴450a、450fが下側ガイドレール425のボス425c、425fに嵌合され、嵌合穴450a、450fを通してボス425c、425fにねじが螺合されることで、左右両側が下側ガイドレール425に固定される。
また、下側パネルベース450は、嵌合穴450b、450eが下側ガイドレール425のボス425d、425eに嵌合されるとともに、LED基板448、449の開口448a、449aが嵌合される下側ガイドレール425のボス425a、425bに嵌合穴450c、450eが嵌合された状態で、嵌合穴450c、450eを通してねじをボス425a、425bに螺合することにより、LED基板448、449と共に下側ガイドレール425に固定される。
このため、下側ガイドレール425は、ねじの締結力によって下側パネルベース450側に引っ張られて下側パネルベース450に固定されることになり、下側ガイドレール425の剛性が高くなる。
このような本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、下側ガイドレール425が下側パネルベース450に固定され、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とが、右稲妻役物81及び左稲妻役物86との間に所定の間隔を有する。これに加えて、下側ガイドレール425が、下側パネルベース450と右稲妻役物81及び左稲妻役物86との間に設けられる。
これにより、下側ガイドレール425を下側パネルベース450側に引きつけるように固定でき、下側ガイドレール425の剛性を高くできる。このため、何からの外力が下側ガイドレール425に加わった場合に、下側ガイドレール425が前後方向に撓むことを防止でき、右金扉421及び左金扉422と、右銀扉423及び左銀扉424と、右稲妻役物81及び左稲妻役物86との前後方向の隙間を一定に保つことができる。このため、右金扉421及び左金扉422と、右銀扉423及び左銀扉424と、右稲妻役物81及び左稲妻役物86との移動を円滑に行うことができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、右金扉421が右金扉ラック部材428のガイド板428Aを介して上ガイドシャフト426に取付けられ、左金扉422が左金扉ラック部材429のガイド板429Aを介して下ガイドシャフト427の他方に取付けられ、右銀扉423が右銀扉ラック部材430のガイド板430Aを介して下ガイドシャフト427に取付けられ、左銀扉424が左銀扉ラック部材431を介して上ガイドシャフト426に移動自在に取付けられ、上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427の延在方向左側に設けられた金扉駆動モータ60Eと、上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427の延在方向右側に設けられた銀扉駆動モータ60Fとを有する。
これにより、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との前後方向の隙間を小さくするように金扉駆動モータ60E及び銀扉駆動モータ60Fを設置でき、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とを用いた効果的な演出を実現できる。
また、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との前後方向の隙間を小さくできるので、例えば、右金扉421及び左金扉422が閉鎖位置から開放位置に移動したときに、右銀扉423及び左銀扉424が開放位置から閉鎖位置に移動するような演出、すなわち、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との開閉状態が入れ替わるように右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とが移動する演出を行う場合に(図26、図27参照)、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との隙間を小さくできる分だけ、遊技者にとって視覚的に効果的な演出を行うことができる。
このため、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との演出の視覚的効果を向上して、演出に対する興趣を向上させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上できる。
さらに、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との前後方向の隙間を小さくできるので、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とを設置するためのスペースを小さくでき、結果的にパチンコ遊技機1の前後方向の長さを短くできる。この結果、パチンコ遊技機1の設置スペースを小さくできる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、金扉駆動モータ60E及び銀扉駆動モータ60Fは、それぞれ前後方向に延在し、延在方向先端部に歯車435、441が取付けられたモータ軸60e、60fを有し、金扉駆動モータ60Eは、歯車435が前後方向前方側に位置するように上ガイドシャフト426の上方に設置され、銀扉駆動モータ60Fは、歯車435に対して歯車441が前後方向他方側に位置するように上ガイドシャフト426の上方に設置される。
これにより、金扉駆動モータ60E及び銀扉駆動モータ60Fを上ガイドシャフト426の上方において上ガイドシャフト426から前後方向に大きくずれることを防止できる。このため、第1の可動部材移動機構451及び第2の可動部材移動機構452を前後方向に近接して設置することができ、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とを設置するためのスペースを小さくできる。このため、例えば、第1の可動部材移動機構451及び第2の可動部材移動機構452の前方の空いたスペースに装飾部材等を設置することができ、演出効果をより効果的に向上できる。
ここで、本実施の形態のパチンコ遊技機1において、上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427が右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との上方に設けられているが、上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427は、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との下方に設けられてもよい。この場合には、金扉駆動モータ60Eは、歯車435が前後方向前方側に位置するように上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427の下方に設置され、銀扉駆動モータ60Fは、歯車435に対して歯車441が前後方向他方側に位置するように上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427の下方に設置される。
また、このように上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427が右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との下方に設けられる場合には、下側ガイドレール425に相当する案内部材を、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との下方に設置すればよい。
さらに、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とを、上ガイドシャフト426及び下ガイドシャフト427と下側ガイドレール425とによって左右方向に移動自在に支持しているが、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とは、上下方向に移動自在に支持される構成であってもよく、又は斜め方向に支持される構成であってもよい。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、例えば、右銀扉423にはねじ溝を有する一対のボス423A、432Bが設けられ、右銀扉ラック部材430のガイド板430Aには一対のボス穴431d、431eが形成されているが、これに限定する必要はない。
例えば、右金扉ラック部材428のガイド板428A、左金扉ラック部材429のガイド板429A、右銀扉ラック部材430のガイド板430A及び左銀扉ラック部材431のガイド板431Aにねじ溝を形成し、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とのそれぞれに複数のねじ穴を形成し、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とのそれぞれのねじ穴を通してねじ溝にねじを螺合することで、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とをガイド板428A〜431Aに連結してもよい。但し、このように構成した場合には、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とにそれぞれ形成される複数のねじ穴は、上下方向にずれていることが好ましい。
ここで、図31(a)に示すように、右銀扉ラック部材430のガイド板430Aに複数のねじ溝461A、461Bを形成するとともに、右銀扉423に複数のねじ穴462A、462Bを形成し、ねじ穴462A、462Bを上下方向に水平に形成した場合について説明する。ここで、本実施の形態のねじ溝461A、461Bは、本発明の溝を構成し、ねじ穴462A、462Bは、本発明の穴を構成する。なお、穴としては、ねじ穴以外に締結部材の全て、又は一部が貫通する穴であれば、どのような穴でもよい。
ねじ穴462A、462Bが上下方向に水平に形成される右銀扉423を、なべねじ463を用いてガイド板430Aに取付ける場合(なべねじ463を仮想線で示す)に、なべねじ463を右側のねじ穴462Bを通して右側のねじ溝461Bに締結、すなわち、螺合して時計回転方向Rに回転させる。ここで、本実施の形態のなべねじ463は、本発明の締結部材を構成する。
ここで、「締結部材が締結される」とは、本実施の形態においては、ねじによって右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とをガイド板428A、429A、430A、431Aに締結(螺合)しているが、これに限られるものではなく、ボルトとナットを使用して締結してもよく、締結、又は固定することが可能であれば、限定されるものではないが、締結部材に関しては、複数から構成されていたとしても少なくとも1つの締結部材が螺旋形状を一例として、回転動作によって締結する締結部材であることが好ましい。
このとき、図31(b)に示すように、なべねじ463と右銀扉423との摩擦により、ねじ穴462Bとねじ溝461Bの半径方向のガタ分だけ、右銀扉423の中心軸465が鉛直軸に対して右側に傾く。
これに対して、本実施の形態の右銀扉423は、図32に示すように、ねじ穴464Aがねじ穴464Bに対して距離T分だけ上方に位置するように、ねじ穴464A、464Bを上下方向にずらして形成した。
この右銀扉423を右銀扉ラック部材430のガイド板430Aに取付ける場合には、図32(a)に示すように、ねじ穴464Aとねじ溝461A及びねじ穴464Bとねじ溝461Bの半径方向のガタ分だけ、右銀扉423の中心軸465を左側に傾けた状態でねじ穴464Aとねじ溝461A及びねじ穴464Bとねじ溝461Bとを位置決めする。
この状態で、右側のねじ穴464Aを通してなべねじ463(仮想線で示す)をガイド板430Aのねじ溝461Bに螺合してなべねじを時計回転方向Rに回転させると、図32(b)に示すように、なべねじ463と右銀扉423との摩擦力によってねじみぞ461Bとねじ穴464Bの上方との隙間分だけ右銀扉423が傾く。
そして、ねじみぞ461Bとねじ穴461Bの上方との隙間が無くなると、ねじが形成されるなべねじのボルト軸(図32(b)のねじ穴461bに相当)にねじ穴464Bの上端が当接して、右銀扉423は、中心軸465が鉛直軸と同軸となった状態でそれ以上傾くことがなくなる。また、ねじみぞ461Aとねじ穴464Aの下方との隙間は、右銀扉423の中心軸465が鉛直軸と同軸となった状態で無くなる。
このため、左側のねじ穴464Aを通してなべねじをガイド板430Aのねじ溝461Bに螺合した場合に、なべねじのボルト軸(ねじ溝461Aに相当)にねじ穴464Aの下端が当接するので、右銀扉423は、中心軸465が鉛直軸と同軸となった状態でそれ以上傾くことがない。
このように本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とのねじ穴464A、464Bを上下方向にずらしたので、予め、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とを傾けた状態で右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とのそれぞれのねじ穴464A、464Bを通してガイド板428A、429A、430A、431Aのねじ溝461A、461Bになべねじを螺合させ、なべねじの回転方向Rの摩擦力をなべねじから右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とのそれぞれに加えることで右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とを正規の位置に回動させることができる。
このため、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とをガイド板428A、429A、430A、431Aにそれぞれ締結したときには、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424との傾きを補正して右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とが傾くことを防止できる。このため、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とを下側ガイドレール425に沿って左右方向に移動したときに意図しない動作が生じることを防止できる。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、右金扉421及び左金扉422の後方に右銀扉423及び左銀扉424が設けられているが、右銀扉423及び左銀扉424の後方に右金扉421及び左金扉422を設けてもよい。この場合には、右銀扉423及び左銀扉424が一対の第1の扉部材を構成し、右金扉421及び左金扉422が一対の第2の扉部材を構成する。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1で、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とが下側ガイドレール425に沿って表示領域13a外の開放位置(図5参照)と表示領域13a内の閉鎖位置(図28、図29参照)とに位置するように遊技盤12の左右方向に移動に支持されるが、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424とは、閉鎖位置において、一部が表示領域13a内に位置(露出)してもよい。
[第4の図柄の構成]
次に、図33〜図38を参照して、本実施の形態の第4の図柄について説明する。図33は、第4の図柄の分解斜視図である。
図5、図7において、遊技盤12の右方において、表示領域13aの右側に装飾部材470が設けられているとともに、表示領域13aの右下方には装飾部材471が設けられている。図33において、装飾部材470の後方にはパネルベース472、拡散シート473、リフレクタ474及びパネル基板475が設けられており、拡散シート473、リフレクタ474及びパネル基板475は、パネルベース472に取付けられている。
パネル基板475には複数のLED59nが設けられており、LED59nから照射される光は、リフレクタ474によって拡散シート473に導光され、拡散シート473によって拡散されることにより、装飾部材470が点灯また点滅されることで遊技に関連する表示演出が行われる。
装飾部材471の後方には第4の図柄を構成する表示部材476が設けられおり、表示部材476は、一対のレンズ478、479と、レンズ478、479の後方に設けられた表リフレクタ480と、表リフレクタ480の後方に設けられた裏リフレクタ481と、裏リフレクタ481の後方において、パネル基板475の下方に設けられた一対のLED59p、59qとを備えている。
ここで、本実施の形態のLED59p、59qは、本発明の発光素子を構成する。また、表リフレクタ480及び裏リフレクタ481は、本発明の導光部材を構成し、表リフレクタ480は、本発明の第1の導光部材を構成し、裏リフレクタ481は、本発明の第2の導光部材を構成する。また、パネル基板475は、本発明の基板を構成する。
遊技盤12は、表示領域13aを取り囲む枠を構成する台座477を備えており、台座477の下方には一対の開口477A、477Bが形成されるとともに、台座477の下方には開口477A、477Bの周囲において台座477の背面から後方に突出する支持枠477Cが形成される(図34参照)。
図33、図34において、表リフレクタ480にはボス480A、480Bが形成されており、ボス480A、480Bは、遊技盤12の前後方向に延在する貫通孔480C、480Dを有する。
図35、図36において、表リフレクタ480は、台座477の支持枠477Cに嵌合しており、表リフレクタ480が支持枠477Cに嵌合された状態においてボス480A、480Bの先端部は、開口477A、477Bに嵌合している。ここで、本実施の形態の支持枠477Cは、本発明の取付け部を構成する。なお、「取付け部」とは、台座477に設けられた貫通孔、窪み、凹凸、等といった導光部材を設置、又は嵌合可能な形状、部材、又は台座477そのものを利用した設置位置を指し、導光部材の設置を補助、又は導光部材を設置するときに支点となる場所や、導光部材の効果を間接的、又は直接的に高める場合、又は単に導光部材が台座477に設置されている場合も想定される。
図34において、装飾部材471の背面には遊技盤12の前後方向に延在するように一対のボス471A、471Bが設けられており、ボス471A、471Bにはレンズ478、479が嵌合される。図35、図36において、ボス471A、471Bにレンズ478、479が嵌合された状態において、レンズ478、479の後端は、表リフレクタ480のボス480A、480Bの先端面に当接している。
図33、図34において、裏リフレクタ481には遊技盤12の前後方向に延在するようにボス481A、481Bが形成されており、ボス481A、481Bは、遊技盤12の前後方向に延在する貫通孔481C、481Dを有し、貫通孔481C、481Dは、表リフレクタ480のボス480A、480Bの貫通孔480C、480Dに連通する。図35、図36において、表リフレクタ480に対向する側の裏リフレクタ481の貫通孔481C、481Dの開口端481c、481dの内径は、貫通孔480C、480Dの内径よりも小さく形成される。
ここで、表リフレクタ480のボス480A、480Bの貫通孔480C、480Dは、本発明の第1の貫通孔を構成し、裏リフレクタ481のボス481A、481Bの貫通孔481C、481Dは、本発明の第2の貫通孔を構成する。
図33において、パネルベース472の下部には支持部472Aが形成されており、支持部472Aには裏リフレクタ481のボス481A、481Bが支持される。裏リフレクタ481は、拡散シート473、リフレクタ474及びパネル基板475がパネルベース472に取付けられた状態において、ボス481A、481Bの先端面481a、481bが表リフレクタ480のボス480A、480Bの後端面480a、480bと一定の隙間を介して離隔するようにパネル基板475と表リフレクタ480との間でパネルベース472に支持される(図35、図36参照)。
これにより、裏リフレクタ481は、表リフレクタ480とLED59p、59qとの間に設けられる。また、台座477は、表リフレクタ480と裏リフレクタ481の対向面、すなわち、表リフレクタ480のボス480A、480Bの後端面480a、480bと裏リフレクタ481のボス481A、481Bの先端面481a、481bよりも装飾部材471側に設置される。
LED59p、59qは、裏リフレクタ481のボス481A、481Bの後方に位置するようにパネル基板475に設置されている。ここで、本実施の形態の表リフレクタ480及び裏リフレクタ481は、光の遮光性の高い黒色の樹脂部品から構成される。
このように構成されるパチンコ遊技機1において、LED59p、59qから照射される光は、裏リフレクタ481のボス481A、481Bの貫通孔481C、481Dを通して表リフレクタ480のボス480A、480Bの貫通孔480C、480Dに導光された後に、レンズ478、479を通して装飾部材471に導光され、装飾部材471を点灯あるいは点滅する演出表示を行う。これにより、LED59p、59qからレンズ478、479に導光される光は、表リフレクタ480及び裏リフレクタ481によって遮られて干渉することなく、装飾部材471に導光される。
ここで、本実施の形態の表示部材476は、特別図柄を第1の図柄とし、普通図柄を第2の図柄とし、演出用識別図柄(装飾図柄)を第3の図柄とした場合に、第4の図柄を構成するものであり、この第4図柄は、装飾図柄の一種である。例えば、右金扉421及び左金扉422が閉鎖状態にある場合に、表示領域13aが右金扉421及び左金扉422に遮られて、遊技者が表示領域13aの演出用識別図柄を目視できない。
このような場合に、第4の図柄による表示演出によって表示領域13aにおいて演出用識別図柄が変動中であることを遊技者に知らせる。なお、表示部材476としては、7セグを用い、表示領域13aで変動する演出用識別図柄と同一の演出用識別図柄が変動表示するような演出表示を行うようにしてもよい。
このような構成を有するパチンコ遊技機1によれば、リフレクタが、装飾部材471の後方に位置するようにして台座477に嵌合される表リフレクタ480と、表リフレクタ480と別体に設けられ、表リフレクタ480とLED59p、59qとの間に設けられた裏リフレクタ481とを備え、台座477が表リフレクタ480と裏リフレクタ481の対向面よりも装飾部材471側に設置される。
これにより、LED59n、59qから装飾部材471までの距離が長い場合に、LED59n、59qから装飾部材471までの距離よりも短い表リフレクタ480だけを台座477の支持枠477Cに嵌合することで、表リフレクタ480を台座477に組み付ける際に、台座477に対して表リフレクタ480が傾くことを防止でき、表リフレクタ480及び裏リフレクタ481の組み付け性を向上できる。
このため、表リフレクタ480及び裏リフレクタ481によって隣接するLED59p、59qから照射される光が干渉することを防止して、LED59p、59qから装飾部材471まで光を効率よく導光することができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、リフレクタを従来のように細長い単一のリフレクタではなく、表リフレクタ480及び裏リフレクタ481に分割したので、表リフレクタ480及び裏リフレクタ481の設置面積が小さい場合に、表リフレクタ480及び裏リフレクタ481のそれぞれの剛性が低下することを防止でき、結果的にリフレクタの全体の剛性が低下することを防止できる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、表リフレクタ480に対向する側の裏リフレクタ481の貫通孔481C、481Dの開口端481c、481dの内径を表リフレクタ480の貫通孔480C、480Dの内径よりも小さく形成した。
これにより、表リフレクタ480と裏リフレクタ481とに隙間がある場合に、裏リフレクタ481の貫通孔481C、481Dの開口端481c、481dによって光を絞って表リフレクタ480の貫通孔480C、480Dに導くことができる。
これにより、表リフレクタ480と裏リフレクタ481との隙間から光が漏れることを防止できる。このため、表リフレクタ480及び裏リフレクタ481によって隣接するLED59p、59qから照射される光が干渉することをより効果的に防止して、LED59p、59qから装飾部材471まで光を効率よく導光することができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、表リフレクタ480のボス480A、480Bの後端面480a、480bと裏リフレクタ481のボス481A、481Bの先端面481a、481bと当接させて、表リフレクタ480と裏リフレクタ481との隙間を無くしてもよい。
また、図37、図38に示すように、台座477の支持枠477Cの先端477cを、表リフレクタ480のボス480A、480Bの後端面480a、480bと裏リフレクタ481のボス481A、481Bの先端面481a、481bとを覆うように延長してもよい。
このようにすれば、支持枠477Cの先端477cによって表リフレクタ480のボス480A、480Bの後端面480a、480bと裏リフレクタ481のボス481A、481Bの先端面481a、481bとを覆うことができる。
これにより、表リフレクタ480と裏リフレクタ481との隙間から光が漏れることを防止できる。このため、表リフレクタ480及び裏リフレクタ481によって隣接するLED59p、59qから照射される光が干渉することをより効果的に防止して、LED59p、59qまで光を効率よく導光することができる。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、第1〜第3の動力伝達手段として、それぞれカム歯車98、歯車99及び歯車100と、カム歯車102及び歯車103と、歯車94及び歯車95とから構成することが可能であるが、第1〜第3の動力伝達手段は、これに限定されるものではない。例えば、クランク、ソレノイド、レバー等を使用して、回転運動の動力を往復運動を行う部材の動力とすることや、往復運動の動力を回転運動の動力へと伝達可能であってもよく、動力(エネルギー、トルク)の伝達が可能であれば歯車に限定されるものではない。
[特別図柄表示装置]
特別図柄表示装置61は、図5に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
特別図柄表示装置61は、特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施の形態では、図5に示すように、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する装置により特別図柄表示装置61を構成する。
なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置61を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示装置61は、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置61は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。
以下では、遊技球が第1始動口44に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第2始動口45に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
特別図柄表示装置61において、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。
すなわち、特別図柄表示装置61において、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放状態になる。具体的には、本実施の形態では、遊技球が第1始動口44に入賞し、特別図柄表示装置61において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第1大入賞口53が開放状態となる。
一方、遊技球が第2始動口45に入賞し、特別図柄表示装置61において第2特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第2大入賞口54が開放状態となる。
各大入賞口の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば30秒)が経過するまで維持される。そして、各大入賞口の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム間は、大入賞口が閉鎖状態となる。
また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示装置61において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。
すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置61により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口44に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施の形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施の形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口45に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施の形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施の形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施の形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置62は、図5に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。そして、本実施の形態では、普通図柄表示装置62は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の左側に配置される。
普通図柄表示装置62は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置であり、普通図柄表示装置62は、複数のLED(普通図柄表示LED)により構成される。そして、普通図柄表示装置62では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置62は、遊技球が球通過検出器43を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置62は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物46は閉鎖状態を維持する。
すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置62により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物46が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器43を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施の形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置63は、図5に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置であり、普通図柄保留表示装置63は、複数の普通図柄保留表示LEDを備えており、普通図柄保留表示装置63では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて普通図柄保留表示LEDが表示され、普通図柄保留表示LEDは、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄保留表示装置64は、図5に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
第1特別図柄保留表示装置64は、保留されている第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示装置64は、複数の第1特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的に、第1特別図柄保留表示装置64は、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第1特別図柄保留表示LEDが表示され、第1特別図柄保留表示LEDは、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄保留表示装置65は、図5に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
第2特別図柄保留表示装置65は、保留されている第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置であり、第2特別図柄保留表示装置65は、複数の第2特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的には、第2特別図柄保留表示装置65は、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第2特別図柄保留表示LEDが表示され、第2特別図柄保留表示LEDは、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[液晶表示装置]
液晶表示装置13は、上述したように液晶で構成され、その表示領域13aにおいて各種演出表示を行う。
具体的には、本実施の形態では、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄と関連する演出画像が表示領域13aに表示される。この際、例えば、特別図柄表示装置61において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字等からなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域13aに変動表示される。
そして、特別図柄表示装置61において特別図柄が停止表示されると、表示領域13aにも、特別図柄に対応する複数の装飾図柄(後述の液晶図柄揃い目等)が停止表示される。
そして、特別図柄表示装置61において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域13aに表示される。
「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
また、本実施の形態では、液晶表示装置13の表示領域13aに、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65の表示内容と関連する演出画像が表示される。例えば、表示領域13aには、特別図柄の可変表示の保留個数を報知する保留情報(例えば、保留個数と同じ数の保留用図柄)が表示される。また、例えば、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の保留球の情報に基づいて先読み演出を行うが、この際の予告報知も表示領域13aに表示される。
また、本実施の形態では、普通図柄表示装置62において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出画像を液晶表示装置13の表示領域13aに表示させる機能をさらに設けてもよい。
[払出ユニットの概略構成]
次に、図39及び図40を参照して、本実施の形態の払出ユニット16について説明する。図39は、払出ユニット16の全体的な構成を示す図であり、パチンコ遊技機1を背面側から見た図である。また、図40は、後述する払出装置としての賞球ケースユニット170の構成を示す図である。
図39に示すように、払出ユニット16は、遊技機上部の貯留ユニット(不図示)から遊技球が供給され、その供給された遊技球を貯留する球貯留タンクとしての球タンク161と、球タンク161と連通するよう球タンク161に連結された球タンク下通路162と、遊技球をパチンコ遊技機1の外部、すなわち上皿21又は下皿22に払出す等、遊技球の払出を管理可能な賞球ケースユニット170とを備える。
また、球タンク161及び球タンク下通路162の下部であって、賞球ケースユニット170と並列するようにして、払出制御回路300を含む各種制御基板が組み込まれた基板ユニット17が配置されている。
ここで、上述した貯留ユニット(不図示)は、例えばパチンコ遊技機1の球タンク161に遊技球を供給するために設置されたホール(遊技場)の付帯設備としての補給装置である。払出ユニット16において、貯留ユニットから供給された遊技球は、球タンク161、球タンク下通路162を通じて賞球ケースユニット170に誘導され、貯留されるようになっている。
図40に示すように、賞球ケースユニット170は、上述した遊技領域12a(図5参照)に設けられた複数の入賞口としての第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、一般入賞口52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54のいずれかに遊技球が入賞したことを条件に球タンク161内から遊技球を後述する払出通路180に払出すものである。払出通路180は、賞球ケースユニット170の最下部に配置されている。
この賞球ケースユニット170は、第1の球供給通路171Aと、補給検出手段としての第1の15球担保スイッチ172Aと、移動手段としての第1のスプロケット173Aとを備える。ここで、賞球ケースユニット170は、図40では一部を除き省略されているが、上述した第1の球供給通路171A、第1の15球担保スイッチ172A及び第1のスプロケット173Aと同一の構成の第2の球供給通路171B、第2の15球担保スイッチ172B及び移動手段としての第2のスプロケット173Bが図40の紙面方向(パチンコ遊技機1の前後方向)の奥側に配置されている。
つまり、賞球ケースユニット170は、球供給通路171、15球担保スイッチ172及びスプロケット173を2列備えた構造をとる。
ただし、第1のスプロケット173Aと第2のスプロケット173Bとは、互いに位相を60°ずらして配置されている。以下の説明において、特に明記しない場合には、第1の球供給通路171A及び第2の球供給通路171Bを総称して「球供給通路171」といい、第1の15球担保スイッチ172A及び第2の15球担保スイッチ172Bを総称して「15球担保スイッチ172」といい、第1のスプロケット173A及び第2のスプロケット173Bを総称して「スプロケット173」というものとする。
また、払出通路180も実際には、第1の払出通路180Aと第2の払出通路180Bとを有する2列構造である。ただし、以下において、特に明記しない場合には、第1の払出通路180A及び第2の払出通路180Bを総称して「払出通路180」というものとする。
球供給通路171は、球タンク下通路162を介して球タンク161と連通し、球タンク161から球タンク下通路162を介して遊技球が補給されるようになっている。球供給通路171は、球タンク161から補給された遊技球を規定個数(本実施の形態では15個)まで蓄積可能となっている。なお、実際には、第1の払出通路180A及び第2の払出通路180Bの2列構造であるため、これら通路で合計30個の遊技球を蓄積可能である。
15球担保スイッチ172は、球供給通路171内に補給された遊技球を検出するものである。具体的には、15球担保スイッチ172は、遊技球が補給される(通過する)たびに球検知遮蔽板172aが検知センサ172bに検知されることで、遊技球が補給されていることを検出する。
したがって、球供給通路171内に蓄積された遊技球が不足、つまり15個に満たない場合には、球検知遮蔽板172aが作動し検知センサ172bの検知領域から外れることで、球供給通路171内に規定個数(本実施の形態では15個)が蓄積されていないことが検出される。
また、この15球担保スイッチ172は、遊技球が補給されていることを検出している間はON状態とされる。なお、図40では、15球担保スイッチ172が補給された遊技球を検出している状態を示している。
また、この15球担保スイッチ172は、球供給通路171内に補給された遊技球が、15球担保スイッチ172上を通過していることを検出している間はON状態とされる、という機能を備えており、「遊技球が補給される」とは、15球担保スイッチ172が球供給通路171内を遊技球が通過、及び遊技球が球供給通路171内に存在することを検知することで、遊技球が連なっているという前提のもと、球供給通路171内を遊技球が規定個数存在することを担保していることを含んでいる。
スプロケット173は、ステッピングモータで構成された駆動手段としての払出モータ174に接続され、払出モータ174の駆動に応じて図中、時計回り方向に回転するようになっている。スプロケット173は、球供給通路171内に蓄積された遊技球を1球ずつ受け入れ、払出モータ174が所定ステップ数だけ駆動することにより回転し、払出通路180に1球ずつ移動させる、すなわち払出すようになっている。
上記に加えて、スプロケット173は、払出モータ174が所定ステップ数だけ駆動することにより回転し、結果的に球供給通路171内に蓄積された遊技球を1球ずつ受け入れ可能な回転となるといった、払出モータ174の回転に依存する形態をも含みえるものである。
つまり、払出モータ174によってスプロケット173は1球ずつ受け入れ可能な回転を行うとともに1球ずつ払出すとも表現できるし、払出モータ174が所定の回転を行った結果、結果的にスプロケット173が1球ずつ受け入れ、1球ずつ払出したとも表現することができる。
また、スプロケット173は回転することを前提としているが、これに限られるものではなく、スプロケット173を板状として、払出通路180に対して平行、及び垂直に可動、又は駆動するようなスライド式であってもよいし、スプロケット173の形状も遊技球を所定個数ずつ受け入れ、払出可能であればどのような形状であってもよい。
なお、払出モータ174は、第1のスプロケット173Aと第2のスプロケット173Bとで共通のものを用いる。本実施の形態におけるスプロケット173及び払出モータ174は、球供給通路171内を通過した遊技球を移動可能な遊技球制御手段、払出手段を構成する。
また、第1の払出通路180A及び第2の払出通路180Bには、それぞれ第1の計数スイッチ181A及び第2の計数スイッチ181Bが設けられている。ただし、以下において、特に明記しない場合には、第1の計数スイッチ181A及び第2の計数スイッチ181Bを総称して「計数スイッチ181」というものとする。
計数スイッチ181は、スプロケット173により払出通路180に払出された遊技球を検出するものである。本実施の形態における計数スイッチ181は、払出検出手段を構成する。
また、球供給通路171の最上部近傍には、球抜きシャッタ175が設けられている。球抜きシャッタ175が図中時計回り方向に回動させられると、球供給通路171が開放され、球供給通路171の上部に蓄積されている遊技球が球抜き通路176を介して排出されるようになっている。球抜きシャッタ175は、通常時、ロックされた状態であり、例えば球タンク161に貯留された遊技球を排出する際に使用される。
[パチンコ遊技機が備える回路の構成]
次に、図41を参照しながら、本実施の形態のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成について説明する。なお、図41は、パチンコ遊技機1の回路構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図41に示すように、主に遊技動作(遊技の進行動作)の制御を行う主制御回路70(遊技制御手段)と、遊技の進行に応じた演出動作の制御を行う副制御回路200(演出制御手段)と、主に遊技球の払出に関する制御を行う払出制御回路300とを有する。
[主制御回路]
主制御回路70は、メインCPU(Central Processing Unit)71と、メインROM(Read Only Memory)72と、メインRAM(Random Access Memory)73とを備える。また、主制御回路70は、リセット用クロックパルス発生回路74と、初期リセット回路75と、シリアル通信用IC(Integrated Circuit)76とを備える。なお、上述のように、本実施の形態では、第1始動口44又は第2始動口45の入賞時に特別図柄の抽選処理を行うが、この処理は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、遊技状態を遊技者にとって有利な状態に移行させるか否かの抽選処理を行う手段(抽選手段)も兼ねる。
メインCPU71には、メインROM72、メインRAM73、リセット用クロックパルス発生回路74、初期リセット回路75、シリアル通信用IC76等が接続される。メインROM72には、メインCPU71によりパチンコ遊技機1の動作を制御するための各種プログラム(図94〜図106参照)や、各種データテーブル(図78〜図84参照)等が記憶されている。なお、メインROM72には、各種データテーブル(図78〜図93参照)が全て記憶されてもよい。
メインCPU71は、メインROM72に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。メインRAM73は、メインCPU71が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、メインCPU71が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。
なお、本実施の形態では、メインCPU71の一時記憶領域としてメインRAM73を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてもよい。
リセット用クロックパルス発生回路74は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)でクロックパルスを発生する。初期リセット回路75は、電源投入時にリセット信号を生成する。そして、シリアル通信用IC76は、副制御回路200に対してコマンドを供給する。
また、主制御回路70には、図41に示すように、主制御回路70から送られた出力信号に応じて動作する各種の装置が接続される。
具体的には、主制御回路70には、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置62、普通図柄保留表示装置63、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65が接続される。
これらの各装置は、主制御回路70から送られた出力信号に基づいて所定の動作を行う。例えば、主制御回路70から特別図柄表示装置61に所定の出力信号が送信されると、特別図柄表示装置61は、その出力信号に基づいて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の動作制御を行う。
また、主制御回路70には、普通電動役物ソレノイド46a、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bが接続される。そして、主制御回路70は、普通電動役物ソレノイド46aを駆動制御して、普通電動役物46の一対の羽根部材を開放状態又は閉鎖状態にする。
また、主制御回路70は、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bをそれぞれ駆動制御して、第1大入賞口53及び第2大入賞口54を開放状態又は閉鎖状態にする。
さらに、主制御回路70には、図41に示すように、各種センサに接続され、各種センサの出力信号を受信する。具体的には、主制御回路70には、カウントセンサ53c、54c、一般入賞球センサ51a、52a、通過球センサ43a、第1始動口入賞球センサ44a及び第2始動口入賞球センサ45a、バックアップクリアスイッチ121及び金扉センサ446A及び銀扉センサ446B等が接続される。
カウントセンサ53cは、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。カウントセンサ54cは、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。
一般入賞球センサ51aは、一般入賞口51に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力し、一般入賞球センサ52aは、一般入賞口52に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
また、通過球センサ43aは、遊技球が球通過検出器43を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第1始動口入賞球センサ44aは、遊技球が第1始動口44に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
第2始動口入賞球センサ45aは、遊技球が第2始動口45に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。また、バックアップクリアスイッチ121は、電断時等にバックアップデータが遊技店の管理者等の操作に応じてクリアされた場合に、所定の検知信号を主制御回路70及び払出制御回路300に出力する。
また、図41には示さないが、主制御回路70には、外部端子板や呼出装置が接続される。外部端子板は、ホール(遊技店)内の全てのパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いられる。呼出装置は、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
金扉センサ446A及び銀扉センサ446Bは、右金扉421及び左金扉422と右銀扉423及び左銀扉424のが遊技領域13a外の開放位置に位置したことを検出して、メインCPU71に検出信号を出力する。
さらに、主制御回路70には、払出制御回路300が接続される。ここで、主制御回路70は、所定の払出条件が成立したことを条件に後述する賞球ケースユニット170を介して払出される遊技球の数である賞球数を決定する。
こうした賞球数の決定を行う主制御回路70は、払出量決定手段を構成する。なお、所定の払出条件は、上述した各種始動口や各種入賞口に遊技球が入賞したことである。
また、主制御回路70は、上述のように決定された賞球数を含む情報を賞球制御コマンドとして払出制御回路300に送信する。したがって、主制御回路70は、信号送信手段を構成する。
[払出制御回路]
払出制御回路300は、払出CPU301と、ROM302と、RAM303とを備える。ROM302には、例えば賞球ケースユニット170による遊技球の払出動作を制御するための各種プログラム(図135〜図142参照)等が記憶されている。
払出CPU301は、ROM302に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。RAM303は、払出CPU301が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、払出CPU301が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。
なお、本実施の形態では、払出CPU301の一時記憶領域としてRAM303を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてもよい。
この払出制御回路300には、遊技球の払出を行う賞球ケースユニット170が接続される。具体的には、第1及び第2の15球担保スイッチ172A、172B、払出モータ174及び第1及び第2の計数スイッチ181A、181Bのそれぞれが払出制御回路300に接続されている。
第1及び第2の15球担保スイッチ172A、172Bは、第1及び第2の球供給通路171A、171B内に補給された遊技球を検出し、その結果を示す所定の出力信号を払出制御回路300に出力する。
払出モータ174は、払出CPU301からの制御信号に応じて駆動する。第1及び第2の計数スイッチ181A、181Bは、第1及び第2のスプロケット173A、173Bにより第1及び第2の払出通路180A、180Bにそれぞれ払出された遊技球を検出し、その結果を示す所定の出力信号を払出制御回路300に出力する。
また、払出制御回路300には、払出状態報知表示装置178及び下皿満タンスイッチ179が接続されている。払出状態報知表示装置178は、詳しくは後述するが、遊技球の払出に関して異常が発生した場合に、その異常の種別を報知するための表示装置であり、報知手段を構成する。
この払出状態報知表示装置178は、図155に示すように7セグメントディスプレイからなり、ホールの管理者のみが視認可能なように例えばパチンコ遊技機1の裏面の所定箇所に設けられている。
下皿満タンスイッチ179は、下皿22に貯留された遊技球が満タンとなった場合に、これを検知し、その結果を払出制御回路300に出力する。払出制御回路300は、下皿満タンスイッチ179から下皿満タン状態であることを示す信号が入力されると、払出状態報知表示装置178を通じた報知を行うとともに、主制御回路70に下皿満タン状態であることを示す信号を出力する。
これにより、主制御回路70は、副制御回路200に演出制御コマンドを送信して、副制御回路200によりスピーカ11、ランプ18、LEDや液晶表示装置13を通じて下皿22が満タン状態であることを報知させる。
さらに、払出制御回路300には、遊技球の発射を行う発射装置15、外部端子板140、及びカードユニット150が接続される。また、外部端子板140には、データ表示器141が接続され、カードユニット150には、貸し出し用操作部151が接続される。
ここで、カードユニット150は、所定の払出条件が成立したことを条件に後述する要求ケースユニット170を介して払出される遊技球の数である貸し球数を決定する。こうした貸し球数の決定を行うカードユニット150は、払出量決定手段を構成する。なお、所定の払出条件は、上述した貸し出し用操作部151が操作されたことである。
払出制御回路300は、発射ハンドル25が遊技者によって把持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて発射装置15のソレノイドアクチュエータに電力を供給する。これにより、発射装置15は、遊技球を発射させる制御を行う。
外部端子板140は、ホール(遊技場)内の全てのパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いられる。データ表示器141は、例えばパチンコ遊技機1の上部にホールの付帯設備として設置され、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
貸し出し用操作部151は、遊技者に操作されると、カードユニット150に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット150は、貸し出し用操作部151から遊技球の貸出を要求する信号を受信すると、決定された貸し球数の情報を含む貸し球制御信号を払出制御回路300に送信する。したがって、カードユニット150は、信号送信手段を構成する。
払出制御回路300は、主制御回路70から送信される賞球制御コマンド、カードユニット150から送信される貸し球制御信号を受信し、賞球ケースユニット170に対して所定の信号を送信する。
これにより、賞球ケースユニット170は、遊技球を払出す。なお、上述のように賞球制御コマンド及び貸し球制御信号を受信する払出制御回路300は、信号受信手段を構成する。
また、本実施の形態において、払出CPU301は、第1及び第2の担保球カウンタ305A、305B、第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bを有している。これら第1及び第2の担保球カウンタ305A、305B、第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bは、払出CPU301の機能として設けられるものである。
第1及び第2の担保球カウンタ305A、305Bは、それぞれ後述する担保球監視初期設定処理(図135のS609及びS612参照)で設定された初期値(本実施の形態では「1950回」)から、第1及び第2の15球担保スイッチ172A、172Bが遊技球を検知している間、所定時間(本実施の形態では「1ms」)が経過するごとに「1」減算されるカウンタである。
なお、本実施の形態では、第1及び第2の担保球カウンタ305A、305Bとして、カウントダウン用のカウンタを用いたが、カウントアップ用のカウンタを用いてもよい。
したがって、払出CPU301は、第1及び第2のスプロケット173A、173Bによって遊技球の払出が開始され、かつ第1及び第2の15球担保スイッチ172A、172Bが遊技球を検知していることを条件に、初期値(本実施の形態では「1950回」)を所定時間(本実施の形態では「1ms」)が経過するごとに、つまり後述するシステムタイマ割込み処理(図137参照)が行われるたびに「1」減算する、すなわち更新するようになっている。
こうした更新を行う払出CPU301は、第2の更新手段を構成する。なお、第1及び第2の担保球カウンタ305A、305Bによって更新される値は、後述する第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bによって更新される値よりも狭い範囲の値に設定可能であるとともに、第1及び第2の15球担保スイッチ172A、172Bが遊技球を検知している時間に相当し、第2の値を構成する。
第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bは、それぞれ後述する担保球監視初期設定処理(図135のS609及びS612参照)で設定された初期値(本実施の形態では「2000ms」)から、所定時間(本実施の形態では「1ms」)が経過するごとに「1」減算されるタイマである。なお、本実施の形態では、第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bとして、カウントダウン用のタイマを用いたが、カウントアップ用のタイマを用いてもよい。
したがって、払出CPU301は、第1及び第2のスプロケット173A、173Bによって遊技球の払出が開始されたことを条件に、初期値(本実施の形態では「2000ms」)を所定時間(本実施の形態では「1ms」)が経過するごとに、つまり後述するシステムタイマ割込み処理(図137参照)が行われるたびに「1」減算する、すなわち更新するようになっている。
ここで、上述の第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bに設定される初期値(本実施の形態では「2000ms」)は、15個の遊技球の担保が完了すると仮定される時間、つまり球タンク161から所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球を払出すのに十分な時間に設定される。こうした更新を行う払出CPU301は、第1の更新手段を構成する。なお、第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bによって更新される値は、第1の値を構成する。
[副制御回路]
副制御回路200は、主制御回路70のシリアル通信用IC76に接続される。そして、副制御回路200は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置13における表示制御、スピーカ11から発生させる音声に関する制御、ランプ18の制御等を行う。
すなわち、副制御回路200は、主制御回路70からの指令に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を実行する。なお、本実施の形態では、副制御回路200から主制御回路70に対して信号を供給できない構成としたが、本発明はこれに限定されず、副制御回路200から主制御回路70に信号送信可能な構成を備えていてもよい。
副制御回路200は、図41に示すように、サブCPU201と、プログラムROM202と、ワークRAM203と、表示制御回路205と、音声制御回路206と、ランプ制御回路207と、モータ制御回路60とを備える。サブCPU201には、プログラムROM202、ワークRAM203、表示制御回路205、音声制御回路206、ランプ制御回路207及びモータ制御回路60が接続される。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の演出動作を制御するための各種プログラム(図107〜図127参照)や、各種データテーブル(図85〜図93参照)が記憶される。そして、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。特に、サブCPU201は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに従って、副制御回路200全体の制御を行う。
なお、本実施の形態では、プログラムや各種テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM72及びプログラムROM202を適用したが、本発明はこれに限定されない。このような記憶手段としては、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様の記憶媒体を用いてもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を適用してもよい。
また、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。さらに、プログラムは、予め記録媒体に記録されていてもよいし、電源投入後に外部等からダウンロードされ、メインRAM73及びワークRAM203等に記録されてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、サブCPU201が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。なお、本実施の形態では、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてよい。
表示制御回路205は、演出に関する画像を液晶表示装置13に表示させる制御を行う。この表示制御回路205は、図示しないが、画像データプロセッサ(以下、VDP(Video Display Processor)と称する)、画像データROM、フレームバッファ、及び、D/A(Digital to Analog)コンバータ等を有する。
なお、画像データROMには、各種の画像データを生成するためのデータが記憶される。フレームバッファは、画像データを一時的に保存する。また、D/Aコンバータは、画像データ(デジタル電気信号)を画像信号(アナログ電気信号)に変換する。
表示制御回路205は、サブCPU201から供給されるデータに基づいて、液晶表示装置13の表示領域13aに画像を表示させるための種々の処理を行う。また、表示制御回路205は、サブCPU201から供給される画像表示命令に基づいて、装飾図柄(演出用識別図柄)を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路205は、フレームバッファに格納した画像データを所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号に変換し、その画像信号を所定のタイミングで液晶表示装置13に供給する。これにより、液晶表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像が表示される。
音声制御回路206は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、及び、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を有する。
なお、音源ICは、スピーカ11から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に基づいて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。
そして、音源ICは、選択した音声データを音声データROMから読み出し、読み出した音声データを所定の音声信号に変換して、AMPに供給する。また、AMPは、音声信号を増幅して、スピーカ11から音声を発生させる。
ランプ制御回路207は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、及び複数種類のランプ点灯パターンが記憶されているランプデータROM等を有する。なお、ドライブ回路は、サブCPU201から供給されるランプ点灯命令に基づいて、ランプデータROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つのランプ点灯パターンを選択する。
これにより、稲妻役物80、ロゴ役物210及び扉役物210の演出表示を含んだ演出表示が行われる。
モータ制御回路60は、サブCPU201から供給されるデータに基づいて、モータ60A〜モータ60Fを駆動する。
そして、選択したランプ点灯パターンをランプデータROMから読み出し、読み出した音声データを所定のランプ制御信号に変換して、LED59a〜59m及び59p、59q等を含むランプ18の点灯及び消灯を行う。
<遊技フロー>
次に、図42及び図43を参照しながら、本実施の形態のパチンコ遊技機1における遊技フローの内容を説明する。
なお、図42は、主に、サブCPU201(副制御回路200)で制御する演出モードのフローを示す図である。さらに、図42には、演出モードのフロー中に、適宜、メインCPU71(主制御回路70)で制御(管理)する遊技状態も合わせて記載する。
また、図43は、演出モードの移行種別[1]〜[5](大当り遊技終了時の移行形態)の内容をまとめた演出モード移行テーブルである。図43の演出モード移行テーブルは、移行前の演出モードの遊技状態毎に規定された、「大当り」の種類(種別)と、演出モードの移行種別[1]〜[5]及びそれを示す液晶図柄揃い目との関係を示すテーブルである。また、図43の演出モード移行テーブルには、「大当り」の種類毎に、入賞確率及び付与されるラウンドゲーム数、並びに、移行先で実施可能な時短遊技の回数(時短回数)も示す。
なお、本明細書でいう「液晶図柄揃い目」とは、表示領域13aに表示される3つの数字及び/又は文字からなる装飾図柄の揃い態様である。
また、ここでは、3つの数字及び/又は文字に規則性(偶数揃い、奇数揃い、同じ数字(文字)揃い等)がない液晶図柄揃い目を「バラケ目」と称す。
本実施の形態では、図42に示すように、サブCPU201で管理及び移行制御される演出モードは、「通常モード」、「モードA」、「モードB」、「モードC」及び「モードD」の5種類である。そして、各演出モードにおいて、メインCPU71(主制御回路70)で制御(管理)する遊技状態も変化する。
[遊技状態の種別]
まず、サブCPU201で制御される各種演出モードの内容について説明する前に、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別について説明する。
本実施の形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、賞球の期待度が互いに異なる「大当り遊技状態」(特別遊技状態)及び「小当り遊技状態」(特定遊技状態)がある。
「大当り遊技状態」は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54のシャッタの開放期間(すなわち、1ラウンドの期間)が長い(本実施の形態では30秒)ラウンドゲームが発生する遊技状態であり、遊技者にとって大きな賞球が期待できる遊技状態である。すなわち、「大当り遊技状態」では、大入賞口のシャッタの開放状態及び閉鎖状態の繰り返し態様が遊技者によって有利な状態となる。
一方、「小当り遊技状態」は、「大当り遊技状態」に比べて1ラウンドの期間が短い(本実施の形態では1.8秒)ラウンドゲームが発生する遊技状態であり、遊技者にとって大きな賞球が期待できない遊技状態である。すなわち、「小当り遊技状態」では、大入賞口のシャッタの開放状態及び閉鎖状態の繰り返し態様が遊技者によって不利な状態となる。
また、本実施の形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、「大当り」の当選確率が互いに異なる「確変遊技状態」(高確率遊技状態)及び「通常遊技状態」(低確率遊技状態)がある。
「確変遊技状態」は、「大当り」の当選確率(本実施の形態では1/131.86)が高い遊技状態である。一方、「通常遊技状態」は、「確変遊技状態」に比べて「大当り」の当選確率(本実施の形態では1/392.43)が低い遊技状態である。
なお、本実施の形態では、「大当り遊技」が終了した後には、必ず「確変遊技状態」が開始される。そして、「確変遊技状態」は、「大当り遊技」が終了した後から、200回を上限とする所定回数の抽選(特別図柄の変動表示)が行われるまで維持される。
一方、「小当り遊技」が終了した場合には、基本的には、遊技状態は移行せず、「小当り」当選時の遊技状態が維持される。すなわち、「小当り」当選時の遊技状態が「確変遊技状態」であれば、「小当り遊技」終了後も、遊技状態は「確変遊技状態」が維持され、「小当り」当選時の遊技状態が「通常遊技状態」であれば、「小当り遊技」終了後も、遊技状態は「通常遊技状態」が維持される。
ただし、本実施の形態では、例えば「確変遊技状態」(又は「時短遊技状態」)の最後の変動表示(例えば、後述の200回目の変動表示)において「小当り」に当選した場合、次回の変動表示では、遊技状態を「確変遊技状態」から「通常遊技状態」(又は「時短遊技状態」から「非時短遊技状態」)に移行させる。すなわち、このような場合には、例外として、「小当り遊技」の前後で遊技状態が移行する。
さらに、本実施の形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、普通図柄の当選確率(普通図柄が「当り」の態様になる確率)が互いに異なる「時短遊技状態」(高入賞遊技状態)及び「非時短遊技状態」(低入賞遊技状態)がある。
本明細書でいう「時短遊技状態」とは、普通図柄の当選確率が高い遊技状態のことである。すなわち、「時短遊技状態」は、第2始動口45に設けられた普通電動役物46(羽根部材)が開放状態になり易い遊技状態(第2始動口入賞が発生し易い遊技状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、「時短遊技状態」は、「大当り」が決定された場合、又は、後述する所定の時短回数分の特別図柄の変動表示が実行された場合に終了する。
一方、「非時短(時短なし)遊技状態」とは、普通図柄の当選確率が「時短遊技状態」に比べて低い遊技状態のことである。それゆえ、「非時短遊技状態」は、普通電動役物46(羽根部材)が開放状態になり難い遊技状態(第2始動口入賞が発生し難い遊技状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。
そして、本実施の形態では、演出モードに応じて、「大当り遊技状態」及び「小当り遊技状態」以外の上述した遊技状態の組合せが変化する。具体的には、本実施の形態では、演出モードに応じて、「確変遊技状態」と「時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(図42中の「高確率時短あり」の状態)が設けられる。
また、演出モードに応じて、「確変遊技状態」と「非時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(図42中の「高確率時短なし」の状態)が設けられる。さらに、演出モードに応じて、「非時短遊技状態」と「通常遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(図42中の「低確率時短なし」の状態)が設けられる。
なお、本実施の形態では、「通常遊技状態」と「時短遊技状態」とが同時に発生するような遊技状態(「低確率時短あり」の状態)は設けない。しかしながら、本発明はこれに限定されず、「低確率時短あり」の状態を設けた構成にしてもよい。また、「確変遊技状態」と「非時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(「高確率時短なし」の状態)では、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを遊技者が判別することが難しいので、ここでは、このような遊技状態を「潜確遊技状態」ともいう。
上述した各種遊技状態間の移行動作は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、各種遊技状態間の移行動作を制御する手段(第1遊技状態制御手段、第2遊技状態制御手段、第3遊技状態制御手段)を兼ねる。
[通常モード]
通常モードは、例えば遊技開始時に設定される演出モードである。通常モードにおいて、メインCPU71で制御される遊技状態は、図42に示すように、「低確率時短なし」(「通常遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)又は「高確率時短なし」(「確変遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)である。
通常モードにおいて、「大当り」に当選すると、図42に示すように、大当り遊技が実施され、大当り遊技終了後に、演出モードが、モードA、モードB、モードC及びモードDのいずれかに移行する。
なお、この際、大当り当選時の遊技状態、及び、「大当り」の種類(図43の演出モード移行テーブル中の第1特別図柄(特図1)の「当り1」〜「当り17」及び第2特別図柄の「当り1」のいずれか)に応じて、移行先の演出モードが異なる。
また、通常モードにおいて、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」である場合には、図43に示すように、演出モードはモードAに移行しない(移行種別[4]の演出モードの移行は発生しない)。
本実施の形態のパチンコ遊技機1において、例えば、通常モードにおいて、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り15」〜「当り17」のいずれかである場合、すなわち、通常モードにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[4]に対応する「バラケ目」(図43の演出モード移行テーブル中の「低確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードAに移行する。
また、例えば、通常モードにおいて、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り8」〜「当り14」のいずれかである場合、又は、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り14」である場合、すなわち、通常モードにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[3]に対応する「偶数揃い」(図43の演出モード移行テーブル中の「低確率時短なし時」及び「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードBに移行する。
また、例えば、通常モードにおいて、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り3」〜「当り7」のいずれかである場合、又は、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り3」〜「当り7」及び「当り9」〜「当り13」のいずれかである場合、すなわち、通常モードにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[2]に対応する「奇数揃い」又は「偶数揃い」(図43の演出モード移行テーブル中の「低確率時短なし時」及び「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当
り遊技終了後、演出モードがモードCに移行する。
さらに、例えば、通常モードにおいて、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り1」或いは「当り2」である場合、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図2の「当り1」である場合、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図1の「当り1」、「当り2」、「当り8」及び「当り15」〜「当り17」のいずれかである場合、又は、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であり且つ「大当り」の種類が特図2の「当り1」である場合、すなわち、通常モードにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[1]に対応する「バラケ目」、「VVV揃い」、「奇数揃い」、「偶数揃い」又は「777揃い」(図43の演出モード移行テーブル中の「低確率時短なし時」及び「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードDに移行する。
なお、本実施の形態では、大当り遊技終了後、遊技状態は必ず、「確変遊技状態」に移行する。
それゆえ、演出モードが、通常モードから大当り遊技を経由してモードA、モードB、モードC及びモードDのいずれに移行した場合には、大当り当選時の通常モードの遊技状態に関係なく、移行先の演出モードにおける遊技状態は「確変遊技状態」となり、その「確変遊技状態」は、「大当り遊技」が終了した後から、200回を上限とする所定回数の抽選が行われるまで維持される。
また、図42に示すように、通常モードにおいて、「小当り」に当選し、その後、小当り遊技が消化された場合にも、演出モードはモードAに移行する。この場合の移行形態としては、小当り遊技終了直後に演出モードがモードAに移行する形態(小当り遊技状態から直接移行する形態)と、小当り遊技終了後、再度、通常モードに戻って所定回数の特別図柄の変動表示が行われた後に演出モードがモードAに移行する形態(小当り遊技状態から間接的に移行する形態)とがある。
また、本実施の形態では、上述のように、小当り遊技の開始前及び終了後において遊技状態は移行しない。それゆえ、小当り当選時には、モードAへの移行形態に関係なく、遊技状態は移行しない。すなわち、通常モードから小当り遊技状態を経由してモードAに移行する場合、通常モードにおける小当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であれば、移行後のモードAにおいても、「低確率時短なし」の遊技状態が継続される。一方、通常モードにおける小当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であれば、移行後のモードAにおいても、「高確率時短なし」の遊技状態が継続される。
なお、本実施の形態では、小当り当選時に表示装置13の表示領域13aに表示される液晶図柄揃い目を「バラケ目」とし、小当り当選時に表示される液晶図柄揃い目が、大当り当選時に表示される液晶図柄揃い目と区別されないように設定されている。
特に、「小当り」と、「高確率時短なし」時の「大当り」とを区別できないようにすることにより、「通常遊技状態」において「小当り」に当選した場合に、「低確率時短なし」の遊技状態が維持されたのか、又は、遊技状態が「高確率時短なし」に移行したのかを、遊技者が一見して区別できないようにすることができる。この結果、本実施の形態では、遊技性をより向上させることができる。
また、通常モードにおいて、「高確率時短なし」の遊技状態中に特別図柄の変動表示が200回行われたが、「大当り」に当選しなかった場合(「確変遊技状態」が終了した場合)には、演出モードは移行しないが、遊技状態は、「高確率時短なし」から「低確率時短なし」に移行する。
[モードA]
モードAにおいて、メインCPU71で制御される遊技状態は、「低確率時短なし」(「通常遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)又は「高確率時短なし」(「確変遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)である。演出モードが通常モードから小当り遊技を経由してモードAに移行した場合には、モードAの遊技状態は、通常モードの遊技状態(「低確率時短なし」又は「高確率時短なし」)が継続される。また、演出モードが大当り遊技を経由してモードAに移行した場合には、モードAの遊技状態は、「高確率時短なし」になる。
モードAの遊技では、モードAの終了抽選(通常モードへの転落抽選)及びモードBへの昇格抽選が行われる。これらの抽選は、1回の特別図柄の変動表示毎に行ってもよいし、所定回数(2回以上)の特別図柄の変動表示毎に行ってもよい。なお、モードBへの昇格抽選は、モードAの遊技状態が「高確率時短なし」である場合にのみ行われる。
モードAにおいて、「大当り」に当選すると、図42に示すように、大当り遊技が実施され、大当り遊技終了後に、演出モードが、モードA、モードB、モードC及びモードDのいずれかに移行する。
なお、この際、大当り当選時の遊技状態、及び、「大当り」の種類(図43の演出モード移行テーブル中の第1特別図柄(特図1)の「当り1」〜「当り17」及び第2特別図柄の「当り1」のいずれか)に応じて、移行先の演出モードが異なり、その移行形態は、上述した通常モードにおけるモードA、モードB、モードC又はモードDへの移行形態(移行種別[1]〜[4])と同様である。
なお、モードAにおいて、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」である場合には、図43に示すように、演出モードはモードAに移行しない(移行種別[4]の演出モードの移行は発生しない)。すなわち、モードAにおいて、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」である場合には、大当り遊技終了後、モードAは継続されず、演出モードは、モードB、モードC及びモードDのいずれかに移行する。
また、モードAにおいて、遊技状態が「高確率時短なし」であり且つモードBへの昇格抽選に当選したときには、図42に示すように、演出モードがモードBに移行する。
また、モードAにおいて、特別図柄の変動表示が所定回数、実施されたときにも演出モードがモードBに移行する。 この際の移行条件となる、特別図柄の変動表示の所定回数は、抽選により、0〜199回の範囲内で選択される。なお、この移行条件となる特別図柄の変動表示の所定回数の抽選処理では、例えば200回を超える回数が所定回数として選択されるような場合も設定し、抽選結果によっては、演出モードがモードBに移行しないような場合を設けてもよい。
さらに、モードAにおいて、遊技状態が「高確率時短なし」であり、且つ、特別図柄の変動表示(ST:Special Time)が200回実施されたが「大当り」に当選しなかったとき(ST200回終了時)には、図42に示すように、演出モードが通常モードに移行する。
また、モードAにおいて、遊技状態に関係なく、モードAの終了抽選に当選したときにも、演出モードが通常モードに移行する。すなわち、本実施の形態では、モードAの遊技状態が「高確率時短なし」であっても、モードAの終了抽選に当選した場合には、演出モードが通常モードに移行する。
[モードB]
モードBにおいて、メインCPU71で制御される遊技状態は、「高確率時短なし」(「確変遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)である。すなわち、モードBの遊技状態は「潜確遊技状態」となる。なお、モードBにおいても、「確変遊技状態」は、「大当り遊技」が終了した後から、200回を上限とする所定回数の抽選が行われるまで維持される。
モードBにおいて、「大当り」に当選すると、図42に示すように、大当り遊技が実施され、大当り遊技終了後に、演出モードが、モードB、モードC及びモードDのいずれかに移行する。この際、「大当り」の種類に応じて、演出モードの移行先が異なる。
例えば、モードB(「高確率時短なし」)において、「大当り」の種類が特図1の「当り14」である場合、すなわち、モードBにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[3]に対応する「偶数揃い」(図43の演出モード移行テーブル中の「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードBに移行する(モードBが継続される)。
また、例えば、モードBにおいて、「大当り」の種類が特図1の「当り3」〜「当り7」及び「当り9」〜「当り13」のいずれかである場合、すなわち、モードBにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[2]に対応する「奇数揃い」又は「偶数揃い」(図43の演出モード移行テーブル中の「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードCに移行する。
さらに、例えば、モードBにおいて、「大当り」の種類が特図1の「当り1」、「当り2」、「当り8」及び「当り15」〜「当り17」のいずれかである場合、又は、「大当り」の種類が特図2の「当り1」である場合、すなわち、モードBにおいて、液晶図柄揃い目として移行種別[1]に対応する「バラケ目」、「VVV揃い」、「奇数揃い」、「偶数揃い」又は「777揃い」(図43の演出モード移行テーブル中の「高確率時短なし時」欄参照)が表示装置13の表示領域13aに表示された場合には、大当り遊技終了後、演出モードがモードDに移行する。
また、モードBにおいて、特別図柄の変動表示が200回実施されたが、「大当り」に当選しなかった場合、すなわち、「確変遊技状態」(高確率状態)が終了した場合には、図42に示すように、演出モードが通常モードに移行する。
[モードC]
モードCにおいて、メインCPU71で制御される遊技状態は、「確変遊技状態」になる。それゆえ、モードCにおいても、「確変遊技状態」は、「大当り遊技」が終了した後から、200回を上限とする所定回数の抽選が行われるまで維持される。
さらに、モードCでは、モードCに移行する契機となった「大当り」の種類に応じて、40回〜200回の範囲で時短遊技が実施される(図43参照)。具体的には、図42に示すように、演出モードがモードCに移行する場合には、その移行種別は種別[2]となり、この場合には、時短回数は、「大当り」の種類に応じて、「40」、「60」、「80」、「100」及び「200」のいずれかになる(図43の演出モード移行テーブル参照)。すなわち、モードCでは、「大当り」の種類に応じて、40回〜200回の範囲で、遊技状態が「高確率時短あり」(「確変遊技状態」で且つ「時短遊技状態」の状態)となる。
モードCにおいて、選択された所定の時短回数が200回未満である場合、モードCの遊技が開始されると、まず、所定の時短回数分、「高確率時短あり」の遊技状態で遊技が行われる。
そして、選択された所定の時短回数分の遊技が終了すると、すなわち、「時短遊技状態」が終了すると、遊技状態は「高確率時短なし」(「確変遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」の状態)になる。この場合、遊技状態は実質、モードBの遊技状態と同じになるので、モードCにおいて「時短遊技状態」が終了すると、図42に示すように、演出モードはモードBに移行する。なお、この際、移行先のモードBでは、モードCで残っている特別図柄の変動回数(200−時短回数)分の遊技が行われる。
また、モードCにおいて、時短遊技の実施可能か回数が200回であり、且つ、特別図柄の変動表示が200回実施されたが「大当り」に当選しなかった場合には、「確変遊技状態」と「時短遊技状態」とが同時に終了する。この場合には、図42に示すように、演出モードが通常モードに移行する。
また、モードCにおいて、「大当り」に当選すると、図42中の移行種別[5]で示すように、大当り遊技終了後、演出モードがモードDに移行する。なお、移行種別[5]では、「大当り」の種類に関係なく、大当り遊技終了時に200回の時短回数がセットされる(図43の演出モード移行テーブル中の「高確率時短あり時」欄参照)。また、この移行種別[5]の移行形態で演出モードがモードDに移行した場合、表示装置13の表示領域13aに表示される液晶図柄揃いの種別は、「大当り」の種類に応じて変化する。
さらに、モードCへの移行契機となる「大当り」種別に基づいて200回の時短回数に当選した場合、モードCの遊技において、モードDへの昇格抽選を行う。そして、モードDへの昇格抽選に当選すると、演出モードは、図42に示すように、モードDに移行する。この場合、移行先のモードDでは、モードCで残っている特別図柄の変動回数(200−昇格抽選時の時短遊技消化数)分の遊技が「高確率時短あり」の遊技状態で行われる。
[モードD]
モードDにおいて、メインCPU71で制御される遊技状態は、「高確率時短あり」(「確変遊技状態」で且つ「時短遊技状態」の状態)である。そして、「大当り遊技」を経由して演出モードがモードDに移行した場合には、モードDでは、「確変遊技状態」及び「時短遊技状態」がともに、「大当り遊技」が終了した後から、200回を上限とする所定回数の抽選(特別図柄の変動表示)が行われるまで維持される。
モードDにおいて、「大当り」に当選すると、図42中の移行種別[5]で示すように、大当り遊技終了後、モードDが継続される。この際、大当り遊技終了時に、再度、200回の抽選回数(特別図柄の変動回数)がセットされるとともに、200回の時短回数もセットされる。
そして、モードDにおいて、特別図柄の変動表示(ST)が200回実施されたが、「大当り」に当選しなかった場合、すなわち、「確変遊技状態」が終了した場合には、図42に示すように、演出モードが通常モードに移行する。
なお、本実施の形態の各演出モードにおける大当り当選時の移行形態では、上述のように、大当り遊技終了後に、演出モードの移行を行うが、この際、例えば、大当り遊技開始時、大当り遊技中又は大当り遊技終了時に、演出モードが移行する旨を表示装置13等で報知してもよい。また、この場合、移行先の演出モードの種別を報知するようにしてもよい。
<各演出モードにおける演出動作>
次に、各演出モードにおいて、サブCPU71の制御により表示装置13を用いて行われる各種演出動作の概要を説明する。なお、各種演出動作のより具体的な処理内容については、後述の各種フローチャートを参照しながら後で説明する。
[通常の擬似連演出:各演出モード共通]
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、1回の特別図柄の変動表示期間に、複数回の特別図柄の変動表示が繰り返されているかのように見せる擬似連続変動表示演出の機能を有する。そして、本実施の形態では、後述する先読み演出を行わない場合、演出モードの種別に関係なく、従来同様、一般的な擬似連続変動表示演出(以下、「通常の擬似連演出」と称す)を行う。
なお、本実施の形態では、通常の擬似連演出の演出パターンは、後述する先読み演出なし時の変動演出パターンテーブル(後述の図86参照)を参照し、特別図柄の変動パターンに基づいて抽選により決定される。また、通常の擬似連演出の実行の有無は、後述の図86に示す変動演出テーブル(先読み無し)に規定される擬似連演出フラグの値により制御され、擬似連演出フラグの値が「1」である場合には、通常の擬似連演出が実行される。
図44に、本実施の形態において行われる通常の擬似連演出の一動作例を示す。なお、本実施の形態の通常の擬似連演出では、図44に示すように、表示装置13の表示領域13aに表示される3つの装飾図柄(数字及び/又は文字)からなる液晶図柄揃い目が変動表示される。また、図44に示す通常の擬似連演出の演出パターンは、後述の図86に示す変動演出テーブル(先読み無し)で規定される例えば演出パターン「EN02」等の演出パターンである。
図44に示す通常の擬似連演出(演出パターン「EN02」等)では、まず、特別図柄の変動表示が開始されると、変動表示の開始前に表示装置13の表示領域13aに停止表示されていた液晶図柄揃い目(「234」)が変動する。次いで、表示装置13の表示領域13aにおいて、所定期間、液晶図柄揃い目が変動した後、液晶図柄揃い目(「117」)が仮停止する。
この液晶図柄揃い目の仮停止表示では、各図柄は、完全に停止せず、変動方向に沿って揺れた状態となる。そして、仮停止後、再度、液晶図柄揃い目が変動し、1回の特別図柄の変動表示期間の残り期間が経過した後(特別図柄の変動終了時)、所定の液晶図柄揃い目(「147」)が完全に停止(本停止表示)する。
図44に示す通常の擬似連演出では、上述のように、1回の特別図柄の変動表示期間(特別図柄の変動パターンの変動時間)で、液晶図柄揃い目の仮停止表示を1回行う。本明細書では、1回の特別図柄の変動表示期間で行われる液晶図柄揃い目の仮停止表示の回数(液晶図柄揃い目の変動表示及び仮停止表示の繰り返し回数)を「擬似連回数」という。
それゆえ、図44に示す通常の擬似連演出の擬似連回数は、1回となる。
また、本明細書では、液晶図柄揃い目の変動開始から仮停止表示までの演出(以下、サブ演出ともいう)を、「擬似連演出」と称し、液晶図柄揃い目の仮停止表示後から本停止表示までの期間に行われるサブ演出を「リーチ演出」と称する。それゆえ、例えば、図44に示す通常の擬似連演出は、1回の「擬似連演出」と「リーチ演出」とで構成された演出となる。
なお、本実施の形態では、1回の特別図柄の変動表示期間で行う各種演出の演出期間は、演出の種別及び内容(パターン)に関係なく、対応する特別図柄の変動パターンの変動時間(1回の特別図柄の変動表示期間)と略同じとする。しかしながら、本発明はこれに限定されず、演出の内容(パターン)に応じて、演出期間が対応する特別図柄の変動パターンの変動時間と異なる(変動時間より短い期間)ようにしてもよい。
[通常モード内で実施される各種演出]
次に、通常モード(図42参照)において、液晶表示装置13を用いて行われる各種演出について説明する。図45に、本実施の形態のパチンコ遊技機1において、通常モード内に設けられた各種演出ステージ及び各種演出モードの概略構成図を示す。
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、演出モードが互いに異なる複数の演出ステージが通常モード内に設けられる。具体的には、図45に示すように、演出モードが互いに異なる「通常ステージ」、「特殊演出ステージ」、「先読み演出ステージ」及び「高期待度演出ステージ」と称する4種類の演出ステージが設けられる。
通常ステージでは、「通常演出モード」(第1の演出状態)と称する演出モードの演出が行われる。なお、通常演出モードでは、例えば、液晶画面(表示領域13a)に表示される装飾図柄(演出用識別図柄)の変動演出(仮停止無し)等を行う通常の演出だけでなく、上述した通常の擬似連演出(図44参照)、後述の「通常リーチ演出」(特定演出)と称する演出、通常の先読み演出等が実行される。なお、通常リーチ演出は、通常演出モードの演出中に発生するだけでなく、後述のGモード及びRゾーンの各演出モードの演出中にも発生する。
また、通常演出モードでは、背景画像が互いに異なる4種類のステージ(「Dステージ」、「Mステージ」、「Aステージ」及び「Hステージ」)が用意されており、通常演出モードの演出時には、この4種類の背景画像のステージの中から適宜、1つの背景画像のステージが選択される。
特殊演出ステージでは、「ストック擬似連演出」と称する擬似連続変動表示演出が実行される。なお、特殊演出ステージで行われるストック擬似連演出の態様については、後で詳述する。
先読み演出ステージでは、「Gモード」(第2の演出状態)と称する演出モードの演出が行われる。Gモードの演出は、通常演出モードに比べて、演出モードが後述のRゾーンに移行する確率が高いことを示す演出である。なお、Gモードの演出は、該演出が開始された特別図柄の変動表示期間だけで終了する場合もあるが、次回以降の特別図柄の変動表示期間に継続される場合もある。すなわち、Gモードの演出は、複数の特別図柄の変動表示期間に渡って実行される場合もある。
高期待度演出ステージでは、「Rゾーン」(第3の演出状態)と称する演出モードの演出が行われる。Rゾーンの演出は、現在の特別図柄の変動表示が大当りである可能性が高いことを示す演出である。すなわち、Rゾーンの演出は、「大当り期待度」の高い演出となる。
なお、本明細書でいう、所定の演出(演出が単一の演出である場合、演出が複数の演出で構成されている場合、複数の演出が連動する場合、を含む)が実施された場合の「大当り期待度」(特別遊技状態への移行期待度、信頼度を含む)とは、該所定の演出が実行されて「大当り」となる確率を、該所定の演出が実行されて「大当り」となる確率と該所定の演出が実行されて「ハズレ」となる確率との和で除算した数値である。具体的には、例えば、変動パターンとして大当りの変動パターンが選択される確率が1/100であり、大当り時に所定の演出が実施される確率が1/2であり、変動パターンとしてハズレの変動パターンが選択される確率が99/100であり、ハズレ時に所定の演出が実施される確率が1/3である場合には、所定の演出における大当り期待度は、(1/100×1/2)/{(1/100×1/2)+(99/100×1/3)}=1/67≒0.01(約1%)となる。
また、Rゾーンの演出は、該演出が開始された特別図柄の変動表示期間で終了する。すなわち、Rゾーンの演出は、複数の特別図柄の変動表示期間に渡って実行されることはない。
次に、図46を参照しながら、通常演出モード、Gモード及びRゾーンの各演出モードにおける演出の態様について説明する。図46は、通常演出モード、Gゾーン及びRゾーンの各演出における装飾図柄及び背景画像の態様を示す図である。
各演出モードの演出は、液晶画面に表示される装飾図柄の変動及び停止演出(以下、装飾図柄の変動表示演出という)と、装飾図柄の背景画像による演出(以下、背景演出という)とにより構成される。
なお、装飾図柄は、例えば、数字及び/又は文字、並びに、それらを装飾する模様などにより構成される。また、本実施の形態では、装飾図柄の変動表示演出中に表示される背景画像の演出態様は、通常リーチ演出中に表示される背景画像の演出態様と異なる構成にする。
図46に示すように、Gモードの演出では、装飾図柄の態様(通常図柄)及び通常リーチ演出中の背景画像の態様(通常リーチ背景)は、通常演出モードの対応するそれらと同じにする。しかしながら、Gモードの演出では、装飾図柄の変動表示演出中に表示される背景画像に、Gモード専用の背景画像(Gモード専用背景(第1の情報))を用いる。
また、Rゾーンの演出では、装飾図柄としてRゾーン専用の装飾図柄(Rゾーン専用図柄)を使用するとともに、装飾図柄の変動表示演出中に表示される背景画像及び通常リーチ演出中に表示される背景画像のそれぞれに対してもRゾーン専用の背景画像(Rゾーン専用変動背景(第2の情報)及びRゾーン専用リーチ背景)を用いる。なお、Rゾーン専用図柄では、装飾図柄を構成する、例えば、数字及び/又は文字の色やフォント、数字及び/又は文字を装飾する模様などが通常図柄のそれらと異なる。また、Rゾーン専用リーチ背景には、高期待度演出ステージの背景と同じ背景が用いられる。
[各種演出モード間の移行形態]
次に、図47を参照しながら、通常演出モード、Gモード及びRゾーン間における演出モードの移行形態を説明する。なお、図47は、本実施の形態における通常演出モード、Gゾーン及びRゾーン間の演出モードの移行形態を示す図である。
まず、通常演出モードにおいて遊技球が始動口入賞し(保留球が発生し)、該入賞時の演出の抽選により、Gモードへの移行が決定された場合、該始動口入賞時の特別図柄の変動表示の次回の特別図柄の変動表示時に、演出モードが通常演出モードからGモードに移行する。この際、通常演出モードからGモードへの移行演出が液晶表示装置13により行われる。なお、通常演出モードからGモードへの移行演出の具体的な内容については、後で詳述する。
次いで、次回の特別図柄の変動表示開始とともに、Gモードの演出が開始される。その後、Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示期間において、Gモードの演出中に擬似連演出(装飾図柄の仮停止表示演出、第2の演出)が発生すると、その時点で演出モードがGモードからRゾーンに移行する。この際、GモードからRゾーンへの移行演出が液晶表示装置13により行われる。なお、GモードからRゾーンへの移行演出の具体的な内容については、後で詳述する。
一方、Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示期間において、Gモードの演出中に擬似連演出が発生しなかった場合には、演出モードは通常演出モードに移行する(戻る)。この際、詳細な説明は省略するが、Gモードから通常演出モードへの移行演出が液晶表示装置13により行われる。
なお、本実施の形態では、Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示期間のGモードの演出において、擬似連演出が最初に発生したタイミングで、演出モードがGモードからRゾーンに移行する構成を説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、該Gモードの演出において、2回目以降の所定回数目の擬似連演出発生時に演出モードをRゾーンに移行させる構成にしてもよい。
また、本実施の形態では、Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示期間においてGモードの演出中に擬似連演出が発生した場合には、演出モードが必ず、Rゾーンに移行する例を説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、決定された演出パターン等に応じて、該Gモードの演出中に擬似連演出が発生しても演出モードがRゾーンに移行しない場合を設けてもよい。
次いで、演出モードがRゾーンに移行すると、Rゾーンの演出が実行され、最終的に大当りの決定を示す演出が実行されると(例えば、装飾図柄の停止表示態様が大当り態様の液晶図柄揃い目になると)、遊技状態が通常遊技の状態(通常モード)から大当り遊技の状態に移行する。一方、Rゾーンの演出が実行され、最終的に大当りの決定を示す演出が実行されなかった場合(例えば、装飾図柄の停止表示態様がハズレ態様の液晶図柄揃い目になった場合)には、演出モードは通常演出モードに移行する(戻る)。
なお、本実施の形態では、演出モードがGモードを介してRゾーンに移行する場合だけでなく、演出モードが、通常演出モードから直接、Rゾーンに移行する場合や、Gモードにおいて擬似連演出が発生しなくてもRゾーンに移行する場合もある。例えば、後述するように、通常演出モード又はGモード中に実行された通常リーチ演出において、演出の発展先を示す複数のアイコンが出現し、その中からRゾーンのアイコンが選択された場合にも、演出モードがRゾーンに移行する(後述の炎背景又は氷背景の通常リーチ演出参照)。この際もまた、Rゾーンへの所定の移行演出が液晶表示装置13により行われる。なお、通常リーチ演出の内容については、後で詳述する。
[通常演出モード、Gモード及びRゾーン間における演出モードの各種移行動作例]
次に、上述した通常演出モード、Gモード及びRゾーン間における演出モードの移行動作の各種具体例(移行動作例1〜4)を、図面を参照しながら説明する。
(1)移行動作例1
移行動作例1では、Rゾーンへの演出モードの移行が成功した場合の動作例を説明する。図48は、通常演出モード、Gモード及びRゾーン間の演出モードの移行動作例1において液晶画面に表示される演出態様の変化フローを示す図である。
移行動作例1では、既に3個の保留球(特別図柄の可変表示、選択結果)が存在し且つ演出モードが通常演出モードである所定の特別図柄の変動表示期間中に、4つ目の保留球が入賞し、該入賞時の演出抽選により、演出モードのGモードへの移行が決定された場合の演出モードの移行動作例を説明する。また、移行動作例1では、4つ目の保留球に基づく特別図柄の変動表示期間中に擬似連演出が発生して演出モードがGモードからRゾーンに移行する例を説明する。なお、この例では、1つ目〜3つ目の保留球の抽選結果が「ハズレ」であり、演出モードの移行も決定されていない場合を考える。
既に3個の保留球が存在し且つ演出モードが通常演出モードである所定の特別図柄の変動表示期間中に、4つ目の保留球が入賞し、該入賞時に(該入賞に基づいて)演出モードのGモードへの移行が決定された場合、まず、当該変動表示期間において、3つの装飾図柄(左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄)の変動表示演出中に4つ目の保留球が入賞したことを示す演出(保留球が3つから4つに増える演出)が液晶画面上で行われる(図48中の演出態様(1)及び(2))。その後、当該変動表示期間において、液晶画面上で全ての装飾図柄が停止(本停止)して(ハズレ態様の液晶図柄揃い目が停止表示されて)、当該変動が終了する(図48中の演出態様(3))。なお、4つ目の保留球が入賞した特別図柄の変動表示期間中の演出では、その態様として、通常演出モードの装飾図柄及び通常演出モードの変動演出中の背景(図46中の通常図柄及び通常変動背景)が用いられる。
次いで、1つ目の保留球に基づく特別図柄の変動表示が開始されると、液晶画面において、保留球が1つ減る演出が実行されるとともに、背景画像が通常演出モードの通常変動背景からGモードの背景画像(図46中のGモード専用背景)に切り替わる(図48中の演出態様(4))。この際、液晶画面において、例えば後述の図52で説明する態様でGモードへの移行演出が行われる。
次いで、Gモード専用背景において、1つ目の保留球に基づく3つの装飾図柄の変動表示演出が実行される(図48中の演出態様(5))。なお、この際の各装飾図柄の態様は、通常演出モードのそれ(図46中の通常図柄)と同じになる。そして、全ての装飾図柄の変動表示が液晶画面上で停止(本停止)してハズレ態様の液晶図柄揃い目(図48の例では「1,7,8」)が停止表示されると、1つ目の保留球に基づく特別図柄の変動が終了する(図48中の演出態様(6))。
その後、2つ目の保留球及び3つ目の保留球に基づく各特別図柄の変動表示期間において、図48中の演出態様(4)〜(6)に示すGモード中の演出動作が2つ目の保留球及び3つ目の保留球に基づいて実行される。なお、この例では、演出態様(4)〜(6)に示すGモード中の演出動作が2つ目の保留球及び3つ目の保留球に基づいて実行される例を説明するが、本発明はこれに限定されず、2つ目及び3つ目の保留球に基づく特別図柄の変動表示期間中に実行されるGモード中の演出動作の内容(又は演出動作)が、1つ目の保留球又は4つ目の保留球に基づいて決定されてもよい。
次いで、4つ目の保留球(Gモードへの移行が決定された保留球)に基づく特別図柄の変動表示が開始されると、Gモード専用背景の液晶画面において、3つの装飾図柄(左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄)の変動表示演出も開始される(図48中の演出態様(7))。次いで、該4つ目の保留球の変動期間中に擬似連演出が発生し、3つの装飾図柄が液晶画面上で仮停止される(図48中の演出態様(8))。なお、この例では、仮停止された液晶図柄揃い目は「1,NEXT,8」とする。
そして、このGモード中の擬似連演出の発生を契機にして、演出モードがGモードからRゾーンに移行する。この際、液晶画面上では、例えば後述の図53で説明する態様でRゾーンへの移行演出が行われる。その結果、液晶画面に表示される背景画像がGモード専用背景からRゾーン専用の変動演出中の背景画像(図46中のRゾーン専用変動背景)に切り替わるとともに、装飾図柄の態様も通常図柄からRゾーン専用の装飾図柄(図46中のRゾーン専用図柄)に切り替わる(図48中の演出態様(9))。
その後、Rゾーンの演出が実行され、該演出において、最終的には、通常リーチ演出より大当り期待度の高いリーチ演出であるスペシャルリーチ演出(スペシャル演出)が実行される。なお、本実施の形態では、図48中の演出態様(7)の動作から演出態様(9)を介してRゾーンの演出が終了するまでの動作は、4つ目の保留球(Gモードへの移行が決定された保留球)に基づく特別図柄の変動表示期間において実行される。
そして、Rゾーンのスペシャルリーチ演出において、最終的に大当りの決定を示す演出が実行されると(例えば、3つの装飾図柄の停止表示態様が大当り態様の液晶図柄揃い目になると)、遊技状態が通常遊技の状態(通常モード)から大当り遊技の状態に移行する。一方、Rゾーンのスペシャルリーチ演出において、最終的に大当りの決定を示す演出が実行されなかった場合(例えば、3つの装飾図柄の停止表示態様がハズレ態様の液晶図柄揃い目になった場合)には、演出モードは通常演出モードに移行する(戻る)。
(2)移行動作例2
移行動作例2では、Gモードの演出中に擬似連演出が発生せずにハズレ態様の通常リーチ演出が発生した場合、すなわち、演出モードのRゾーンへの移行が失敗した場合の動作を説明する。
図49は、通常演出モード、Gモード及びRゾーン間の演出モードの移行動作例2において液晶画面に表示される演出態様の変化フローを示す図である。なお、図49には、説明を簡略化するため、Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示が開始された後(図48中の演出態様(7)以降)の演出動作を図示する。
Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示が開始されると、Gモード専用背景の液晶画面において、3つの装飾図柄(左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄)の変動表示演出も開始される(図49中の演出態様(1))。次いで、該保留球の変動期間中に、左装飾図柄及び右装飾図柄として同じ数字(図49の例では「1」)が停止表示され且つ中装飾図柄が変動表示中となる装飾図柄態様の表示演出(以下、リーチ態様の装飾図柄演出という)が発生する(図49中の演出態様(2))。
そして、このリーチ態様(所定の変動表示態様)の装飾図柄演出の発生を契機にして、演出態様がGモードの演出態様から通常リーチ演出の態様(図49中の演出態様(3))に切り替わる。
この際、液晶画面において、背景画像が、Gモード専用背景からGモードの通常リーチ演出中の背景画像(図46中の通常リーチ背景)に切り替わる。また、この際、リーチ態様を構成する、左装飾図柄(数字「1」:テンパイ図柄)は縮小されて液晶画面の左上角部付近に移動し、右装飾図柄(数字「1」)は縮小されて液晶画面の右上角部付近に移動し、且つ、中装飾図柄は液晶画面の略中央で変動表示の態様となる。なお、通常リーチ演出の具体的な内容は、後で図面を参照しながら詳述する。
次いで、通常リーチ演出中に擬似連演出が発生せずに、通常リーチ演出が終了すると、演出モードが通常演出モードに移行する。その結果、通常リーチ演出が終了すると、液晶画面において、背景画像が通常リーチ背景から通常演出モードの通常変動背景に切り替わるとともに、3つの装飾図柄の停止表示態様としてハズレ態様の液晶図柄揃い目(図49の例では「1,3,1」)が停止表示されて、Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示が終了する(図49中の演出態様(4))。
(3)移行動作例3
移行動作例3では、Gモードへの移行が決定された保留球の前に既に保留されている保留球の変動期間において、ハズレ態様の通常リーチ演出が発生した場合の動作例を説明する。なお、移行動作例3では、上記移行動作例1と同様に、既に3個の保留球(特別図柄の可変表示)が存在し且つ演出モードが通常演出モードである所定の特別図柄の変動表示期間中に、4つ目の保留球が入賞し、該入賞時にGモードへの移行が決定された場合の例を説明する。そして、移行動作例3では、2つ目の保留球に基づく特別図柄の変動表示期間において、Gモードの演出中にハズレ態様の通常リーチ演出が発生した場合の動作を説明する。
図50は、通常演出モード、Gモード及びRゾーン間の演出モードの移行動作例3において液晶画面に表示される演出態様の変化フローを示す図である。なお、図50には、説明を簡略化するため、2つ目の保留球に基づく特別図柄の変動表示期間の演出動作のみを図示する。それ以外の演出動作としては、例えば、上記移行動作例1と同様の演出動作が発生し得る。
移行動作例3では、まず、1つ目の保留球に基づく特別図柄の変動表示において、ハズレ態様の液晶図柄揃い目(図50の例では「1,7,8」)がGモード専用背景上で停止表示され、当該変動が終了する(図50中の演出態様(1))。次いで、2つ目の保留球に基づく特別図柄の変動表示が開始されると、Gモード専用背景の液晶画面において、保留球が1つ減る演出が実行されるとともに、3つの装飾図柄(左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄)の変動表示演出が開始される(図50中の演出態様(2))。
次いで、2つ目の保留球の変動期間中に、リーチ態様の装飾図柄演出が発生する(図50中の演出態様(3))と、これを契機にして、演出態様がGモードの演出態様から通常リーチ演出の態様(図50中の演出態様(4))に切り替わり、通常リーチ演出が開始される。この際、液晶画面において、背景画像がGモード専用背景から通常リーチ背景に切り替わる。
次いで、通常リーチ演出中に擬似連演出が発生せずに、ハズレ態様の中装飾図柄が停止表示されて(図52中の演出態様(5))通常リーチ演出が終了すると、背景画像が通常リーチ背景からGモード専用背景に切り替わる(戻る)とともに、3つの装飾図柄の停止表示態様としてハズレ態様の液晶図柄揃い目(図50の例では「1,3,1」)が停止表示されて、2つ目の保留球に基づく特別図柄の変動が終了する(図50中の演出態様(6))。
その後、Gモード専用背景において3つ目の保留球に基づく特別図柄の変動表示が開始され、Gモードの演出が継続される。すなわち、本実施の形態では、Gモードへの移行が決定された保留球の前に既に保留されている保留球の変動期間において、ハズレ態様の通常リーチ演出が発生しても、演出モードが通常演出モードに移行せず、Gモードの演出が継続される。
(4)移行動作例4
移行動作例4では、Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示期間に通常リーチ演出が発生し、且つ、該通常リーチ演出中に擬似連演出が発生して、演出モードがRゾーンに移行する場合の動作例を説明する。
図51は、通常演出モード、Gモード及びRゾーン間の演出モードの移行動作例4において液晶画面に表示される演出態様の変化フローを示す図である。なお、図51には、説明を簡略化するため、Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示開始時以降の演出動作を図示する。
Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示が開始されると、Gモード専用背景の液晶画面において、3つの装飾図柄(左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄)の変動表示演出も開始される(図51中の演出態様(1))。次いで、該保留球の変動期間中にリーチ態様の装飾図柄演出が発生する(図51中の演出態様(2))と、演出態様がGモードの演出から通常リーチ演出の態様(図51中の演出態様(3))に切り替わり、通常リーチ演出が開始される。
次いで、通常リーチ演出中に擬似連演出が発生すると(図51中の演出態様(4))、それを契機にして、演出モードがGモードからRゾーンに移行する。この際、液晶画面上では、例えば後述の図53で説明する態様でRゾーンへの移行演出が行われる。
その結果、液晶画面に表示される背景画像がGモード専用背景からRゾーン専用の変動演出中の背景画像(図46中のRゾーン専用変動背景)に切り替わるとともに、装飾図柄の態様も通常図柄からRゾーン専用の装飾図柄の態様(図46中のRゾーン専用図柄)に切り替わり、Rゾーンにおける装飾図柄の変動表示演出が開始される(図51中の演出態様(5))。
次いで、Rゾーンの演出(装飾図柄の変動表示演出)中にリーチ態様の装飾図柄演出が発生する(図51中の演出態様(6))。その後、Rゾーンの演出では、最終的にスペシャルリーチ演出が実行される。なお、本実施の形態では、図51中の演出態様(1)の動作から演出態様(6)を介してRゾーンの演出が終了するまでの動作は、Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示期間において実行される。
そして、Rゾーンのスペシャルリーチ演出において、最終的に大当りの決定を示す演出が実行されると(例えば、3つの装飾図柄の停止表示態様が大当り態様の液晶図柄揃い目になると)、遊技状態が通常遊技の状態(通常モード)から大当り遊技の状態に移行する。一方、Rゾーンのスペシャルリーチ演出において、最終的に大当りの決定を示す演出が実行されなかった場合(例えば、3つの装飾図柄の停止表示態様がハズレ態様の液晶図柄揃い目になった場合)には、演出モードは通常演出モードに移行する(戻る)。
なお、本実施の形態では、上述した各演出モードにおける演出動作は、副制御回路200(サブCPU201)により制御される。すなわち、副制御回路200は、通常演出モードの演出動作を制御する手段(第1の演出状態制御手段)、Gモードの演出動作を制御する手段(第2の演出状態制御手段)及びRゾーンの演出動作を制御する手段(第3の演出状態制御手段)も兼ねる。また、上述した演出モード間の移行動作は、副制御回路200(サブCPU201)により制御される。すなわち、副制御回路200は、演出モード間の移行動作を制御する手段(演出状態移行手段)も兼ねる。
また、上述した液晶画面上で行われる装飾図柄の変動表示演出の動作は、副制御回路200(サブCPU201)により制御される。また、上述した擬似連演出の動作は、副制御回路200(サブCPU201)により制御される。すなわち、副制御回路200は、擬似連演出の動作を制御する手段(再変動制御手段、第2演出制御手段)も兼ねる。また、通常リーチ演出の動作は、副制御回路200(サブCPU201)により制御される。すなわち、副制御回路200は、通常リーチ演出の動作を制御する手段(特定演出制御手段)も兼ねる。
なお、特別図柄の変動表示期間中に保留球(選択結果)が入賞した場合、その保留球の情報を記憶する処理は、主制御回路70(メインCPU71)により制御される。すなわち、主制御回路70は、保留球を記憶する手段(保留記憶手段)も兼ねる。また、記憶された保留球の情報に基づきGモードへの移行を決定する処理は、副制御回路200(サブCPU201)により制御される。すなわち、副制御回路200は、保留球の情報に基づきGモードへの移行を選択可能にする手段(演出状態選択手段)も兼ねる。
なお、本明細書でいう「リーチ態様」は、上記各種移行動作例で説明したリーチ態様、すなわち、識別情報の変動表示中に、所定のライン(有効ライン等)上に同じ識別情報が2つ停止表示され、且つ、1つの識別情報が変動中である態様(図49中の演出態様(2)、図50中の演出態様(3)等)に限定されず、識別情報の変動表示態様が特別遊技状態(大当り遊技)へ移行する可能性を示唆する態様であれば、任意の態様を含み得る。
例えば、図50中の演出態様(4)に示すような識別情報の変動表示態様(左装飾図柄(数字「1」:テンパイ図柄)が液晶画面の左上角部付近に表示され、右装飾図柄(数字「1」)が液晶画面の右上角部付近に表示され、且つ、中装飾図柄が液晶画面の略中央で変動中となる態様)もまた、「リーチ態様」に含まれ得る。
なお、上記各種移行動作例の「リーチ態様」では、例えば、3つの識別情報(左識別情報、中識別情報、右識別情報)のうち、中識別情報(中装飾図柄)のみが変動中となる態様を示すが、「リーチ態様」はこの態様に限定されない。例えば、左識別情報(左装飾図柄)のみが変動中となる態様や、右識別情報(右装飾図柄)のみが変動中となる態様もまた、「リーチ態様」に含まれ得る。
また、「リーチ態様」は、複数の識別情報のうち、1つの識別情報(装飾図柄)のみが変動中であり且つ残りの識別情報が停止表示された態様に限定されない。「リーチ態様」には、複数の識別情報のうち、少なくとも1つの識別情報が変動中であり且つ残りの識別情報が停止表示された態様であれば、任意の態様が含まれ得る。例えば、3つの識別情報のうち、2つの識別情報が変動中であり且つ残りの1つの識別情報が停止表示されたときの態様もまた「リーチ態様」に含まれ得る。
なお、「リーチ態様」で表示される識別情報としての「図柄」は、識別情報の変動表示形態がリーチ態様であることを認識できる図柄であれば、任意の図柄を含み得る。例えば、上記各種移行動作例で説明した数字だけでなく、例えば、キャラクタ、特定の文言、特定の表示などが「図柄」として採用することができる。また、「リーチ態様」における複数の識別情報の配列形態は、任意であり、例えば、上記各種移行動作例で説明したように、1本のライン(有効ライン等)上に複数の識別情報が配列される形態であってもよいし、複数本のライン上に複数の識別情報が配列される形態であってもよい。また、複数の識別情報がライン上に配列されていなくてもよい。
さらに、本明細書でいう「識別情報がリーチ態様になった場合」には、例えば、複数の識別情報のうち、少なくとも1つの識別情報が仮停止し且つ残りの識別情報が変動中である状態において、複数の識別情報の変動表示態様がリーチ態様になった場合(擬似的なリーチ態様が発生した場合)も含まれ得る。なお、この場合には、擬似的なリーチ態様が発生した後、仮停止した識別情報の変動表示が再開される。
また、「識別情報がリーチ態様になった場合」には、識別情報を含む報知(表示)情報の表示態様がリーチ態様になった場合も含まれる。例えば、報知情報として、複数の識別情報の変動表示態様だけでなく、液晶画面等に例えば「リーチ」、「チャンス」等の文言(又はその文言を示唆するような画像)や、停止表示された識別情報とリーチ態様とを関連付けることが可能な情報などが表示されて、遊技者に、リーチ態様が発生したこと示唆することが可能な態様も「識別情報がリーチ態様になった場合」に含まれ得る。この場合、例えば、複数の識別情報の変動表示態様が、例えば、図49中の演出態様(2)や、図50中の演出態様(3)などで示すような一般的なリーチ態様でなくても、表示画面に表示されるその他の報知情報に基づいて、遊技者がリーチ態様が発生したことを認識することができる。
[各演出モードの演出及び移行の態様により得られる効果]
本実施の形態では、図46に示すように、Gモードにおける、変動演出中の背景以外の演出態様(装飾図柄及び通常リーチ演出中の背景)は、通常演出モードのそれらと同様の態様とする。さらに、Rゾーンの演出では、装飾図柄、変動演出中の背景及び通常リーチ演出中の背景のそれぞれに対して、Rゾーン専用の態様が用いられる。すなわち、本実施の形態では、各演出モードにおいて、演出モードの種別に応じた装飾図柄及び背景の態様が設定されている。各演出モードに対してこのような演出の態様を設定した場合、装飾図柄及び背景の態様に基づいて演出モードの移行確率や大当り期待度を遊技者が容易に認識することができ、遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、上述したGモードの演出では、通常リーチ演出が発生した場合、通常リーチ演出中の擬似連演出の発生の有無に応じて、演出モードがRゾーンに移行するか否かを判別することができる。それゆえ、本実施の形態では、Gモード中の通常リーチ演出時に発生し得る擬似連演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
また、上記移行動作例3(図50参照)で説明したように、本実施の形態では、Gモードへの移行が決定された保留球の前に既に保留されている保留球の変動期間において、通常リーチ演出中にハズレ態様の液晶図柄揃い目が液晶画面に停止表示されて通常リーチ演出が終了しても、演出モードは通常演出モードに移行せず、Gモードの演出が継続される。それゆえ、本実施の形態では、Gモードの演出に対する興趣を高めることができるだけでなく、Gモードへの移行が決定された保留球の前に既に保留されている保留球の変動期間の演出に対する遊技者の興趣も高めることができる。
[Gモードへの移行演出]
次に、図52を参照しながら、通常演出モードからGモードへの移行演出の内容について説明する。図52は、演出モードが通常演出モードからGモードに移行する際の演出フローを示す図である。なお、図52には、演出モードが通常演出モード(通常ステージ)からストック擬似連演出モード(特殊演出ステージ)に移行する際の演出フロー、及び、通常演出モード内のステージ間(「Dステージ」、「Mステージ」、「Aステージ」及び「Hステージ」間)における背景画像の切り替えフローも併せて記載する。
本実施の形態では、演出モードが通常演出モードからGモードに移行する際の移行演出として、2種類の移行演出(図52中の第1の移行演出及び第2の移行演出)が設けられている。なお、本実施の形態では、Gモードへの移行演出の種別は、例えば、Gモードの演出開始時に決定されている当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)等に基づいて決定される。
第1の移行演出では、Gモードへの移行が決定された特別図柄の変動表示の次回の特別図柄の変動表示が開始されると、通常演出モードの変動演出中の背景画像(通常変動背景)が表示された液晶画面において、まず、図52に示すように、ステージチェンジを報知する映像演出(以下、ステージチェンジ演出という)が発生する。その後、背景画像が、通常変動背景からGモード専用背景(Gモードの変動演出中の背景画像)に切り替わり、第1の移行演出が終了する。なお、この際、装飾図柄の態様は変化せず、装飾図柄は通常図柄の態様で液晶画面に表示される。
また、本実施の形態では、図52に示すように、演出モードが通常演出モードからストック擬似連演出モード(特殊演出ステージ)に移行する際、及び、通常演出モード内のステージ間において背景画像を切り替える際の演出動作も、この第1の移行演出と同様に、ステージチェンジ演出を介して行われる。それゆえ、第1の移行演出では、液晶画面にステージチェンジ演出が発生した時点では、遊技者にとって演出モードの移行先が分からない状態となる。
一方、第2の移行演出では、Gモードへの移行が決定された特別図柄の変動表示の次回の特別図柄の変動表示が開始されると、通常変動背景が表示された液晶画面において、まず、図52に示すように、遊技者に対して演出ボタン23の押下操作を促す映像演出(以下、ボタン演出という)が行われ、背景画像が準備背景に移行する。なお、このボタン演出では、演出ボタン23への遊技者の押下操作の有無に関係なく、背景画像が準備背景に移行する。
その後、液晶画面にステージチェンジ演出が発生して、背景画像が準備背景からGモード専用背景に切り替わり、第2の移行演出が終了する。この際、装飾図柄の態様は変化せず、装飾図柄は通常図柄の態様で液晶画面に表示される。なお、第2の移行演出で行うステージチェンジ演出は、第1の移行演出で行うそれと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上述のように、第2の移行演出では、演出モードが必ずGモードに移行する。それゆえ、遊技者は、Gモードへの移行演出において、ボタン演出が発生した時点で、Gモードへの移行が確定したことを認識することができる。
[Rゾーンへの移行演出]
次に、図53を参照しながら、GモードからRゾーンへの移行演出の内容について説明する。なお、図53は、演出モードがGモードからRゾーンに移行する際の演出フローを示す図である。
まず、Gモードへの移行が決定された保留球に基づく特別図柄の変動表示期間において、Gモードの演出中に擬似連演出が発生すると、仮停止した液晶図柄揃い目に対応する擬似アイコン(例えば、仮停止した中装飾図柄の拡大画像等)が液晶画面に表示される。この際、仮停止した液晶図柄揃い目は縮小され、液晶画面内の角部(例えば左上の角部)付近に移動して表示される。
次いで、遊技盤12に取り付けられた銀扉役物(銀シャッタ:右銀扉423及び左銀扉425)が閉まる演出が行われる。なお、この演出時にも、液晶画面内の角部(例えば左上の角部)付近には、仮停止した液晶図柄揃い目の縮小図柄が表示されている。
なお、ここでは、銀扉役物(銀シャッタ)が閉まる演出が行われているときに縮小図柄が液晶画面に表示されている例を説明したが、本発明はこれに限定されず、銀扉役物が閉まる演出が行われているときに縮小図柄が液晶画面に表示されていなくてもよい。また、例えば、液晶画面において、縮小図柄上に銀扉役物の演出に対応する演出画像(例えば、エフェクト、キャラクタ、背景等)を重ねて表示してもよい。この場合、銀扉役物の演出に対応する演出画像(例えば、エフェクト、キャラクタ、背景等)が表示されるレイヤは、縮小図柄が表示されるレイヤと異なっていてもよいし、同一であってもよい。さらに、銀扉役物(銀シャッタ)を用いた演出では、銀扉役物の中央の開口部を介して液晶画面に表示される液晶表示装置13による演出と、銀扉役物による演出とを連動させてもよい。この場合には、遊技者の役物と表示装置との連動演出に対する興趣を向上させることができる。
次いで、銀扉役物(銀シャッタ)が開くとRゾーンへの移行画像が液晶画面に表示され、最終的に、演出モードがRゾーンに移行完了(突入)した旨の情報を液晶画面に表示し、Rゾーンへの移行演出が終了する。その後、背景画像がRゾーン専用変動背景に切り替わり、Rゾーンの演出が開始される。そして、Rゾーンでは、演出が、例えば擬似連演出、リーチ態様の装飾図柄演出等に発展し、最終的には、通常(ノーマル)リーチ演出を介して、大当り期待度の高いスペシャルリーチ演出に移行する。
[通常リーチ演出]
次に、上述した通常演出モード、Gモード及びRゾーンの各演出モードにおいて発生する通常リーチ演出の内容について説明する。なお、本実施の形態において、通常リーチ演出は、擬似連演出の実行前に行われる。また、以下に説明する通常リーチ演出の種別、演出パターン等の選択処理は、例えば、特別図柄の変動表示開始時に決定されている変動パターン等に基づいて行われる。
(1)通常リーチ演出の発生態様
まず、図54を参照しながら、通常演出モード、Gモード及びRゾーンの各演出から演出態様が通常リーチ演出に移行する際の移行演出態様について説明する。なお、図54は、通常リーチ演出への移行時に液晶画面で行われる背景演出の移行動作フローを示す図である。
通常演出モード、Gモード及びRゾーンの各演出から演出態様が通常リーチ演出に移行する際、図54に示すように、まず、各演出モードの変動演出中の背景(図46中の通常変動背景、Gモード専用背景又はRゾーン専用変動背景)上にリーチラインが発生する。なお、このリーチラインは、エフェクト画像として生成され、背景画像に重ね合わせて表示される。
次いで、リーチラインの幅を広げる演出を行うとともに、背景画像を変化させる。そして、最終的にリーチラインで背景画像を覆うような演出を行った後、背景画像が通常リーチ演出の背景画像(図46中の通常リーチ背景又はRゾーン専用リーチ背景)に切り替わる。
この際、演出態様が通常演出モード又はGモードの各演出から通常リーチ演出に移行した場合には、背景画像は通常変動背景又はGモード専用背景から通常リーチ背景に切り替わる。また、この際、演出態様がRゾーンの演出から通常リーチ演出に移行した場合には、背景画像はRゾーン専用変動背景からRゾーン専用リーチ背景に切り替わる。その後、切り替えられた背景画像において通常リーチ演出が実行される。
(2)通常リーチ演出の各種背景
本実施の形態では、通常演出モード又はGモードの演出中に通常リーチ演出が発生した場合に液晶画面に表示される背景としては、大別して、2種類の背景(以下、「背景A」及び「背景B」と称す)が用意されている。また、背景Aの通常リーチ演出では、大当り期待度が互いに異なる4種類の背景演出が用意されている。さらに、背景Bの通常リーチ演出では、大当り期待度が互いに異なる3種類の背景演出が用意されている。なお、Rゾーンの演出中に通常リーチ演出が発生した場合に液晶画面に表示される背景としては、1種類の背景(Rゾーン専用リーチ背景)が用意されている。
ここで、図55(a)及び図55(b)を参照しながら、通常演出モード又はGモードの演出中に通常リーチ演出が発生した場合に行われる背景A及び背景Bの演出内容について説明する。なお、図55(a)は、背景Aの演出内容を示す図であり、図55(b)は、背景Bの演出内容を示す図である。
背景Aの通常リーチ演出では、演出開始後、背景A中にキャラクタが5体(キャラクタA〜キャラクタE)が出現する第1背景演出、背景A中にキャラクタが3体(キャラクタC〜キャラクタE)が出現する第2背景演出、背景A中にキャラクタが1体(キャラクタE)が出現する第3背景演出、及び、背景A中に特別キャラクタが出現する第4背景演出の4種類の背景演出が設けられている。なお、本実施の形態では、大当り期待度がキャラクタの種別に応じて異なっており、キャラクタ間における大当り期待度の大小関係は、キャラクタA<キャラクタB<キャラクタC<キャラクタD<キャラクタE<特別キャラクタの関係となる。それゆえ、背景Aの各種背景演出間における大当り期待度も、高い方から、第4背景演出、第3背景演出、第2背景演出及び第1背景演出の順になる。
背景Bの通常リーチ演出では、「炎背景」、「氷背景」及び「雷背景」と称する3種類の背景の演出が設けられている。なお、背景Bの各種背景演出間では、雷背景の演出における大当り期待度が、炎背景及び氷背景の演出における大当り期待度より高くなる。以下、背景Bで行われる通常リーチ演出の内容をより具体的に説明する。
(3)炎背景の通常リーチ演出
炎背景の通常リーチ演出では、演出開始後、まず、液晶画面において、炎背景の背景画像が表示されるとともに、中装飾図柄の領域上に、発展先の演出を報知する5つのアイコン画像(以下、単にアイコンという)が出現する。次いで、5つのアイコンが炎につつまれる映像演出が行われる。その後、4つのアイコンが炎に焼かれて消失し、最終的に1つのアイコンが残る映像演出が行われる。そして、液晶画面に残ったアイコンにより報知された演出が通常リーチ演出後に行われる発展先の演出となる。なお、アイコンは、エフェクト画像として生成され、背景画像に重ね合わせて表示される。
図56に、本実施の形態で用意されている炎背景の演出パターンを示す。図56は、炎背景の演出パターン(No.1〜16)毎に設定された、液晶画面に表示される5つのアイコン(第3の情報)の組合せと大当り期待度との対応関係を示す図である。なお、図56中の補足欄の記載は、発展先の演出を示すが、図56中の補足欄に記載の「デフォルトバリエーション」とは、最も選択されやすい炎背景の演出パターンであることを意味する。
炎背景の通常リーチ演出では、「Rゾーン」、「擬似」、「モードA」、「ハズレ図柄」及び「SP(スペシャルリーチ)」の5種類のアイコンが用意されている。また、「擬似」及び「SP」の各アイコンに対しては、デフォルト色(例えば白色等)及び赤色の2種類のアイコン(「擬似(デフォ)」、「擬似(赤)」、「SP(デフォ)」及び「SP(赤)」)が用意されているが、赤色のアイコンの方が、デフォルト色のアイコンより大当り期待度が高くなる。なお、本実施の形態では、図56に示すように、アイコンとして、「ハズレ図柄」に対応するアイコンは設けられているが、装飾図柄のリーチ態様に対応する「当り図柄」のアイコンは設けられていない。
また、本実施の形態では、図56に示すように、炎背景の演出パターンとして、16種類の演出パターンが用意されている。そして、演出中に出現する5つのアイコンの種別数(装飾色が違うアイコンも別種別とする)が少ない演出パターンの方が、大当り期待度が高くなるように設定されている。例えば、5つのアイコンの種別が全て異なる演出パターン(No.1〜3)の演出が最も大当り期待度の低い(1%)演出となる。
炎背景の通常リーチ演出において、「Rゾーン」のアイコンが選択された場合(消失せずに残った場合)には、通常リーチ演出後、演出がRゾーンの演出に発展する。炎背景の通常リーチ演出において、「擬似(デフォ)」又は「擬似(赤)」のアイコンが選択された場合には、通常リーチ演出後、演出が擬似連演出に発展する。炎背景の通常リーチ演出において、「モードA」のアイコンが選択された場合には、通常リーチ演出後、演出モードがモードA(図42の遊技フロー参照)に移行し、演出がモードAの演出に発展する。炎背景の通常リーチ演出において、「ハズレ図柄」のアイコンが選択された場合には、通常リーチ演出後、演出がハズレ態様の液晶図柄揃い目の表示演出(例えば、図50(移行動作例3)中の演出態様(5)及び(6)参照)に発展する。また、炎背景の通常リーチ演出において、「SP(デフォ)」又は「SP(赤)」のアイコンが選択された場合には、通常リーチ演出後、演出がスペシャルリーチ演出(スペシャル演出)に発展する。
ここで、図57(a)及び図57(b)を参照しながら、炎背景の通常リーチ演出の一動作例を説明する。図57(a)は、炎背景の通常リーチ演出の動作フローを示す図であり、図57(b)は、炎背景の通常リーチ演出の各動作において液晶画面に表示される各種アイコンの表示形態の変化を示す図である。なお、図57(a)及び図57(b)には、図56中の演出パターンNo.1の炎背景の通常リーチ演出の動作例を示す。
通常演出モード又はGモードの演出において、3つの装飾図柄(左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄)の変動表示演出中にリーチ態様の装飾図柄演出が発生する(図57(b)の例では「3,変動中,3」)と、通常リーチ演出が開始される。この際、炎背景の通常リーチ演出が選択されていると、液晶画面に表示される演出態様が炎背景の通常リーチ演出の態様に切り替わり、炎背景の通常リーチ演出が開始される。
具体的には、背景画像が炎背景の画像に変化するとともに、リーチ態様を構成する、左装飾図柄(数字「3」)が縮小されて液晶画面の左上角部付近に移動し、且つ、右装飾図柄(数字「3」)が縮小されて液晶画面の右上角部付近に移動する。さらに、中装飾図柄の変動表示領域上には、円周方向に沿って等間隔に配置された5つのアイコン(「Rゾーン」、「擬似(デフォ)」、「ハズレ図柄」、「SP(デフォ)」及び「モードA」)が出現する。なお、この際、図57(b)に示す例では、液晶画面に表示される5つのアイコンの並び順は、図56の演出内容欄に記載されている5つのアイコンの並び順とは異なるが、図56の演出内容欄に記載されている5つのアイコンの並び順で5つのアイコンを表示してもよい。
次いで、中装飾図柄の変動表示領域上に出現した5つのアイコンが炎につつまれる映像演出(不図示)が行われ、その後、4つのアイコンが炎で焼かれて消失する映像演出(不図示)が行われる。その後、残った1つのアイコンが液晶画面の中央に移動する演出が行われる。なお、図57(b)に示す例では、この炎背景の通常リーチ演出により、「擬似(デフォ)」のアイコンが残るので、「擬似(デフォ)」のアイコンが液晶画面の中央に移動する。
次いで、液晶画面の中央に移動した(選択された)アイコンが「ハズレ図柄」以外のアイコンである場合、すなわち、演出が発展する場合には、該アイコンを強調するような演出(例えば、アイコンを拡大表示する、アイコンにエフェクト効果を与えるなど)を行う。その後、炎背景の通常リーチ演出が終了し、発展先の演出が開始される。例えば、図57(b)に示す例のように、選択されたアイコンが「擬似(デフォ)」である場合には、「擬似(デフォ)」のアイコンが拡大表示された後、炎背景の通常リーチ演出が終了し、擬似連演出が開始される。
一方、液晶画面の中央に移動した(選択された)アイコンが「ハズレ図柄」である場合、すなわち、演出が発展せずに当該変動が終了する場合には、炎背景の通常リーチ演出が終了した後、所定の演出モード(通常演出モード又はGゾーン)の変動終了演出に戻り、ハズレ態様の液晶図柄揃い目が液晶画面に停止表示される(例えば、図49(移行動作例2)中の演出態様(4)、図50(移行動作例3)中の演出態様(6)など参照)。
なお、本実施の形態では、炎背景の演出パターンの種別に関係なく、1回の炎背景の通常リーチ演出において5つのアイコンを出現させる例を説明したが、本発明はこれに限定されず、1回の炎背景の通常リーチ演出において出現させるアイコンの個数は任意に設定することができる。例えば、演出パターンの種別に応じて、出現させるアイコンの個数を変化させてもよいし、通常リーチ演出が発生した演出モードの種別に応じて、出現させるアイコンの個数を変化させてもよい。
また、炎背景の通常リーチ演出で出現させるアイコン(発展先の演出)の種類は、上述した本実施の形態の例に限定されず、パチンコ遊技機が有する演出内容(例えば演出の種別数等)が変われば、それに応じてアイコン(発展先の演出)の種類を適宜設定することができる。例えば、上述したアイコン種別以外の種別のアイコンを用意してもよいし、上述した複数種のアイコン種別のうち、1以上のアイコン種別を設けないようにしてもよい。
(4)氷背景の通常リーチ演出
氷背景の通常リーチ演出では、演出開始後、まず、液晶画面に氷背景の背景画像が表示されるとともに、中装飾図柄の領域上に、発展先の演出を報知する複数のアイコンが一列に配置されて出現する。次いで、該複数のアイコンが、装飾図柄の変動方向に沿って一つずつ順次、コマ送りで移動し、液晶画面の中央で一時停止しながら移動表示される。そして、液晶画面の中央に最終停止したアイコンにより報知された演出が通常リーチ演出後に行われる発展先の演出となる。
図58に、本実施の形態で用意されている氷背景の演出パターンを示す。図58は、氷背景の演出パターン(No.1〜8)毎に設定された、氷背景の演出内容(液晶画面上でコマ送り表示される複数のアイコンの種別及びコマ送り順序)と大当り期待度との対応関係を示す図である。なお、図58中の補足欄の記載は、最終停止するコマ数及び発展先の演出内容を示す。
氷背景の通常リーチ演出では、「Rゾーン」、「擬似」及び「ハズレ図柄」の3種類のアイコンが用意されている。また、「擬似」のアイコンに対しては、デフォルト色(例えば白色等)と赤色の2種類のアイコン(「擬似(デフォ)」及び「擬似(赤)」)が用意されているが、赤色のアイコンの方が、デフォルト色のアイコンより大当り期待度が高くなる。
本実施の形態では、図58に示すように、氷背景の演出パターンとして、8種類の演出パターンが用意されている。また、本実施の形態では、氷背景の各演出パターンにおいて最終停止するコマ数は、4コマ又は5コマとなる。
本実施の形態における氷背景の演出パターンの種類を大別すると、図58に示すように、「ハズレ図柄」のアイコンと他の1種のアイコン(「擬似(デフォ)」、「擬似(赤)」又は「Rゾーン」)とを交互にコマ送りする演出パターン(NO.1〜6)、及び、「ハズレ図柄」以外の1種のアイコン(「擬似(デフォ)」又は「擬似(赤)」)を連続してコマ送りする演出パターン(No.7及び8)の2種類に分けられる。
そして、前者の演出パターンでは、その種別に関係なく、偶数コマ数目(2コマ目及び4コマ目)に「ハズレ図柄」のアイコンが配置され、奇数コマ数目(1コマ目、3コマ目及び5コマ目)に「ハズレ図柄」以外のアイコンが配置される。また、前者の演出パターンでは、その種別に応じて、最終停止のコマ数は4コマ又は5コマとなる。一方、後者の演出パターンでは、その種別に関係なく、最終停止のコマ数は5コマとなる。
すなわち、氷背景の通常リーチ演出では、最終停止が4コマ目となる演出パターンでは、必ず「ハズレ図柄」のアイコンが選択され、最終停止が5コマ目となる演出パターンでは、必ず「ハズレ図柄」以外のアイコンが選択される構成になっている。それゆえ、本実施の形態の氷背景の通常リーチ演出では、アイコンが5コマ進んで最終停止した場合には、大当りへの期待度が高くなる。
ここで、図59(a)及び図59(b)を参照しながら、氷背景の通常リーチ演出の一動作例を説明する。図59(a)は、氷背景の通常リーチ演出の動作フローを示す図であり、図59(b)は、氷背景の通常リーチ演出の各動作において液晶画面に表示される各種アイコンの表示形態の変化を示す図である。なお、図59(a)及び図59(b)には、図58中の演出パターンNo.1の氷背景の通常リーチ演出の動作例を示す。
通常演出モード又はGモードの演出において、3つの装飾図柄(左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄)の変動表示演出中に、リーチ態様の装飾図柄演出が発生する(図59(b)の例では「3,変動中,3」)と、通常リーチ演出が開始される。この際、氷背景の通常リーチ演出が選択されていると、液晶画面に表示される演出態様が氷背景の通常リーチ演出の態様に切り替わり、氷背景の通常リーチ演出が開始される。
具体的には、背景画像が氷背景の画像に変化するとともに、リーチ態様を構成する、左装飾図柄(数字「3」)が縮小されて液晶画面の左上角部付近に移動し、且つ、右装飾図柄(数字「3」)が縮小されて液晶画面の右上角部付近に移動する。さらに、中装飾図柄の変動表示領域上には、装飾図柄の変動方向(図59(b)の図面上では上から下に向かう方向)に沿って等間隔に配置された複数のアイコン(「擬似(デフォ)」及び「ハズレ図柄」)が出現する。
なお、この例では、液晶画面において上下方向に配列可能なアイコンの最大個数を3個とする。それゆえ、図58中の演出パターンNo.1で規定された4コマ目の「ハズレ図柄」のアイコンは、3コマ目のアイコン(「擬似(デフォ)」)が液晶画面の中央に移動した際に出現する(不図示)。
次いで、1コマ目の「擬似(デフォ)」のアイコンから、1コマずつ、アイコンが液晶画面の中央(中装飾図柄の変動表示領域上)にコマ送りで移動して一時停止する演出が行われる。そして、4コマ目の「ハズレ図柄」のアイコンが液晶画面の中央に移動して最終停止する。
そして、図59(b)の例のように、液晶画面の中央に最終停止した(選択された)アイコンが「ハズレ図柄」である場合、すなわち、演出が発展せずに当該変動が終了する場合には、氷背景の通常リーチ演出が終了した後、所定の演出モード(通常演出モード又はGモード)の変動終了演出に戻り、ハズレ態様の液晶図柄揃い目が液晶画面に停止表示される(例えば、図49(移行動作例2)中の演出態様(4)、図50(移行動作例3)中の演出態様(6)などを参照)。
一方、液晶画面の中央に最終停止した(選択された)アイコンが「ハズレ図柄」以外のアイコンである場合、すなわち、演出が発展する場合には、該アイコンを強調するような演出(例えば、アイコンを拡大表示する、アイコンにエフェクト効果を与えるなど)を行う。その後、氷背景の通常リーチ演出が終了し、発展先の演出が開始される。
なお、本実施の形態では、1回の氷背景の通常リーチ演出において、コマ送りする(出現させる)アイコンの個数を4又は5にする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、1回の氷背景の通常リーチ演出においてコマ送りするアイコン画像の個数は任意に設定することができる。例えば、演出パターンの種別に応じて、コマ送りするアイコンの個数を4及び5以外の数にしてもよい。また、例えば、通常リーチ演出が発生した演出モードの種別に応じて、コマ送りするアイコンの個数を変化させてもよい。
さらに、アイコンのコマ送り順序(演出パターン)は、図58に示す例に限定されず、任意に設定することができる。例えば、「ハズレ図柄」のアイコンと他の1種のアイコン(「擬似(デフォ)」、「擬似(赤)」又は「Rゾーン」)とを交互にコマ送りしない演出パターンを設けてもよい。また、例えば、偶数コマ数目(2コマ目及び4コマ目)に「ハズレ図柄」以外のアイコンを配置し、奇数コマ数目(1コマ目、3コマ目及び5コマ目)に「ハズレ図柄」のアイコンを配置するような演出パターンを設けてもよい。
また、氷背景の通常リーチ演出で出現させるアイコン(発展先の演出)の種類は、上述した本実施の形態の例に限定されず、パチンコ遊技機が有する演出内容(例えば演出の種別数等)が変われば、それに応じてアイコン(発展先の演出)の種類を適宜設定することができる。例えば、上述したアイコン種別以外の種別のアイコンを用意してもよいし、上述した複数種のアイコン種別のうち、1以上のアイコン種別を設けないようにしてもよい。
(5)雷背景の通常リーチ演出
雷背景の通常リーチ演出では、演出開始後、まず、液晶画面に雷背景の背景画像が表示されるとともに、中装飾図柄が消える。次いで、液晶画面において稲光が発生する映像演出が行われ、該稲光により、液晶画面の中央に上記背景Aの演出で説明したキャラクタA〜E及び特別キャラクタのいずれかのキャラクタが一瞬映し出される映像演出が行われる。次いで、この稲光によりキャラクタを一瞬映し出す映像演出が所定回数繰り返される。そして、最後の稲光によりキャラクタが映し出されると、演出が、雷背景の通常リーチ演出から該キャラクタの種別に対応するスペシャルリーチ演出に発展する。
図60に、本実施の形態で用意されている雷背景の演出パターンを示す。図60では、雷背景の演出パターン(No.1〜20)毎に設定された、稲光毎(最終の稲光発生時(最終結果)も含む)に映し出されるキャラクタの種別の組合せと大当り期待度との対応関係を示す。なお、雷背景の通常リーチ演出において実際に液晶画面に映し出されるキャラクタの順序(最終結果以外)は、図60の演出内容欄に記載されているキャラクタの並び順であってもよいし、図60の演出内容欄に記載されているキャラクタの並び順でなくてもよい。
本実施の形態では、図60に示すように、雷背景の演出パターンとして、20種類の演出パターンが用意されているが、その種別に関係なく、稲光によりキャラクタが一瞬映し出される映像演出の繰り返し回数は4回に設定されている。それゆえ、本実施の形態では、雷背景の通常リーチ演出後に発展する演出は、4回目の稲光発生演出により映し出されたキャラクタ(図60中の最終結果)に対応するスペシャルリーチ演出となる。
なお、雷背景の通常リーチ演出では、最終結果のキャラクタの種別に応じて大当り期待度が異なる。具体的には、雷背景の通常リーチ演出においても、上記背景Aの通常リーチ演出と同様に、キャラクタ間における大当り期待度の大小関係は、キャラクタA<キャラクタB<キャラクタC<キャラクタD<キャラクタE<特別キャラクタの関係となる。それゆえ、雷背景の各種演出パターンにおける大当り期待度も、図60に示すように、高い方から、最終結果が、特別キャラクタである場合、キャラクタEである場合、キャラクタDである場合、キャラクタCである場合、キャラクタBである場合及びキャラクタAである場合の順になる。
ここで、図61を参照しながら、雷背景の通常リーチ演出の一動作例を説明する。図61は、雷背景の通常リーチ演出の動作フローを示す図である。
通常演出モード又はGモードの演出において、3つの装飾図柄(左装飾図柄、中装飾図柄及び右装飾図柄)の変動表示演出中に、リーチ態様の図柄演出が発生すると、通常リーチ演出が開始される。この際、雷背景の通常リーチ演出が選択されていると、液晶画面に表示される演出態様が雷背景の通常リーチ演出の態様に切り替わり、雷背景の通常リーチ演出が開始される。
具体的には、背景画像が雷背景の画像に変化するとともに、リーチ態様を構成する、左装飾図柄(テンパイ図柄)が縮小されて液晶画面の左上角部付近に移動し、且つ、右装飾図柄(テンパイ図柄)が縮小されて液晶画面の右上角部付近に移動する。さらに、変動中の中装飾図柄の消え、1回目の稲光発生演出が行われ、液晶画面の中央に、キャラクタが一瞬映し出される。
その後、稲光によりキャラクタが一瞬映し出される映像演出が2回繰り返される。そして、最後(4回目)の稲光発生演出が実行され、最終結果となるキャラクタが映し出される。
次いで、最後の稲光発生演出によりに映し出されたキャラクタがキャラクタA〜Eのいずれかである場合には、図61に示すように、遊技盤12に取り付けられた銀扉役物(右銀扉423及び左銀扉425)が閉まる演出が行われる。その後、銀扉役物が開くと、液晶画面において、キャラクタA〜Eのいずれかのキャラクタに対応するスペシャルリーチ演出(SP演出)が開始される。
一方、最後の稲光発生演出によりに映し出されたキャラクタが特別キャラクタである場合には、図61に示すように、遊技盤12に取り付けられた金扉役物(右金扉421及び左金扉422)が閉まる演出が行われるとともに、ロゴ役物210が液晶画面の前面に移動する演出が行われる。そして、ロゴ役物210が元の位置に戻り、金扉役物が開くと、液晶画面において、特別キャラクタに対応するスペシャルリーチ演出(SP演出)が開始される。
なお、雷背景の通常リーチ演出で出現させるキャラクタの種類は、上述した本実施の形態の例に限定されず、パチンコ遊技機が有する演出内容(例えば演出の種別数等)が変われば、それに応じてキャラクタの種類を適宜設定することができる。例えば、上述したキャラクタ種別以外の種別のキャラクタを用意してもよいし、上述した複数種のキャラクタ種別のうち、1以上のキャラクタ種別を設けないようにしてもよい。
また、本実施の形態では、雷背景の通常リーチ演出で出現可能なキャラクタを上記背景Aの通常リーチ演出で出現可能なキャラクタと同じにする例を説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、雷背景の通常リーチ演出で出現可能なキャラクタの全てが、上記背景Aの通常リーチ演出で出現可能なキャラクタと異なっていてもよいし、雷背景の通常リーチ演出で出現可能なキャラクタの一部のみが、上記背景Aの通常リーチ演出で出現可能なキャラクタの一部と同じであってもよい。
さらに、本実施の形態では、通常演出モード及びGモードの各演出において、上述した背景A及び背景Bの通常リーチ演出が発生し得る構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、通常演出モード及びGモードの一方の演出モードにおいてのみ、上述した背景A及び背景Bの通常リーチ演出が発生し得る構成にしてもよい。また、例えば、通常演出モード及びGモードのうち、一方の演出モードにおいて背景Aの演出を実行可能にし、他方の演出モードにおいて背景Bの演出を実行可能にするような構成にしてもよい。
(6)通常リーチ演出により得られる効果
上述のように、本実施の形態では、例えば背景Bの通常リーチ演出において、通常リーチ演出後の発展先の演出内容(擬似連演出等)を示唆する演出が行われる。それゆえ、本実施の形態では、背景Bの通常リーチ演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。また、この演出では、擬似連演出の実行前に、擬似連演出発生の可能性を示唆することができる。それゆえ、本実施の形態では、擬似連演出に対する遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
[保留演出:通常モードにおける演出]
本実施の形態では、通常モードにおける演出として、液晶画面に表示された保留球の図柄の色(以下、「保留色」という)を変化させる演出(以下、「保留演出」という)が設けられる。この保留演出は、例えば、保留入賞時や後述する保留変化予告演出時に実行される。
図62(a)及び図62(b)に、本実施の形態で用意されている各種保留演出の内容(保留色変化パターン)を示す。図62(a)は、保留入賞時に実施可能な保留演出の保留色変化パターンを示す図であり、図62(b)は、後述の保留変化予告演出時に実施可能な保留演出の保留色変化パターンを示す図である。各図には、保留演出の種別と変化後の保留色(保留色変化パターン)との対応関係を示す。
本実施の形態では、保留入賞時には、保留演出A〜保留演出Fの6種類の演出態様(選択結果の表示態様)が用意されており、後述の保留変化予告演出時には、保留演出C〜保留演出Fの4種類の演出態様が用意されている。なお、本実施の形態では、大当り期待度が保留演出の種別に応じて異なっており、保留演出間における大当り期待度の大小関係は、保留演出A<保留演出B<保留演出C<保留演出D<保留演出E<保留演出Fの関係となる。それゆえ、保留演出により保留色が「金」色に変化した場合には、大当り期待度が最も高くなる。
なお、上述した保留演出の動作は、副制御回路200(サブCPU201)により制御される。すなわち、副制御回路200は、保留演出(第3の演出)の動作を制御する手段(第3演出制御手段、保留演出制御手段)も兼ねる。
[保留変化予告演出:通常モードにおける演出]
本実施の形態では、通常モードにおける演出として、「保留変化予告演出」と称する演出が設けられる。この保留変化予告演出では、保留入賞時に決定された保留演出が実行されずに保留色が目的の色(入賞内容に対応する保留色)に変化していない保留球がある場合に、該保留球の色を目的の保留色に変化させる演出を行う。
なお、この際、保留色を1回の保留変化予告演出で目的の保留色に変化させるような構成にしてもよいし、保留変化予告演出を複数回実行して、保留色を段階的に目的の保留色に近づけ、最終的に保留色を目的の保留色に変化させる構成にしてもよい。
また、本実施の形態では、複数種の保留変化予告演出が用意されているが、保留変化予告演出の種別の選択手法は、次の通りである。
本実施の形態では、後述するように、保留変化予告演出中には液晶画面に帯電画像を表示するが、その帯電状態には、複数種(「帯電小」、「帯電中」、「帯電大+落雷」)の状態が用意されている。そして、本実施の形態では、この帯電状態と、保留球の個数とに基づいて、複数種の保留変化予告演出から所定の保留変化予告演出を選択する。
ここで、図63を参照しながら、本実施の形態で実行される各種保留変化予告演出の内容を説明する。図63は、各種保留変化予告演出の動作フローを示す図である。
最初に、特別図柄の変動表示開始時に、保留球の個数が1〜3個である場合の保留変化予告演出の動作例を説明する。
この場合には、まず、特別図柄の変動表示開始から2秒経過すると、「帯電小」に対応する帯電状態の画像が液晶画面に表示される(STEP1の帯電演出)。次いで、STEP1の帯電演出終了後、演出態様は、さらに帯電量が増えるSTEP2の帯電演出、帯電が残る演出及び「ガセ」演出のいずれかに移行する。
演出態様がSTEP1の帯電演出から「ガセ」演出に移行した場合には、帯電が消滅するとともに、当該変動における保留変化予告演出も終了する(後述の図64中の保留変化予告演出Aの演出パターン)。
また、演出態様がSTEP1の帯電演出から帯電が残る演出に移行した場合には、当該変動における保留変化予告演出は終了するが、該残った帯電状態の演出は次回の変動に持ち越される。すなわち、この場合には、保留変化予告演出が次回の変動に継続される(後述の図64中の保留変化予告演出Bの演出パターン)。なお、この演出パターンでは、次回の特別図柄の変動表示は、STEP1の帯電演出が実行される前に既に帯電が存在する状態で開始される。
また、演出態様がSTEP1の帯電演出からSTEP2の帯電演出に移行すると、特別図柄の変動表示開始から2.5秒経過で「帯電中」に対応する帯電状態の画像が液晶画面に表示される。次いで、STEP2の帯電演出終了後、演出態様は、さらに帯電量が増えるSTEP3の帯電演出、帯電が残る演出及び「ガセ」演出のいずれかに移行する。
演出態様がSTEP2の帯電演出から「ガセ」演出に移行した場合には、帯電が消滅するとともに、当該変動における保留変化予告演出も終了する(後述の図64中の保留変化予告演出Cの演出パターン)。
また、演出態様がSTEP2の帯電演出から帯電が残る演出に移行した場合には、当該変動における保留変化予告演出は終了するが、該残った帯電状態の演出は次回の変動に持ち越される。すなわち、この場合には、保留変化予告演出が次回の変動に継続される(後述の図64中の保留変化予告演出Dの演出パターン)。なお、この演出パターンでは、保留変化予告演出B終了時と同様に、次回の特別図柄の変動表示は、STEP1の帯電演出が実行される前に既に帯電が存在する状態で開始される。
また、演出態様がSTEP2の帯電演出からSTEP3の帯電演出に移行すると、特別図柄の変動表示開始から3.5秒経過で「帯電大+落雷」に対応する帯電状態の画像が液晶画面に表示される。次いで、STEP3の帯電演出終了後、保留色の変化演出(保留演出)を行う。
この際、複数の保留球のうち、保留入賞時に保留演出が実行されずに保留色が目的の色(入賞内容に対応する保留色)に変化していない保留球に対して、所定の保留演出(図62(b)中の保留演出C〜Fのいずれか)を実行し保留色を変化させる。なお、この際、この1回の保留演出で保留色が目的の色に変化する場合もあるが、保留色を段階的に目的の色に近づける場合には、この1回の保留演出で、例えば、保留色が、大当り期待度が1段階アップする色に変化する。
次いで、保留演出(保留色の変化演出)の終了後、演出態様は、帯電が残る演出及び帯電が消滅する演出のいずれかに移行する。
演出態様が保留演出から帯電が消滅する演出に移行した場合には、帯電が消滅するとともに、当該変動における保留変化予告演出が終了する(後述の図64中の保留変化予告演出Eの演出パターン)。
一方、演出態様が保留演出から帯電が残る演出に移行した場合には、当該変動における保留変化予告演出は終了するが、該残った帯電状態の演出は次回の変動に持ち越される。すなわち、この場合には、保留変化予告演出が次回の変動に継続される(後述の図64中の保留変化予告演出Fの演出パターン)。なお、この演出パターンでは、保留変化予告演出B終了時と同様に、次回の特別図柄の変動表示は、STEP1の帯電演出が実行される前に既に帯電が存在する状態で開始される。
次に、特別図柄の変動表示開始時に、保留球の個数が4個(1〜3個以外)である場合の保留変化予告演出の動作例を説明する。
この場合には、特別図柄の変動表示開始後、まず、「帯電大+落雷」に対応する帯電状態の画像が液晶画面に表示される。すなわち、保留球の個数が4個(1〜3個以外)である場合には、特別図柄の変動表示開始後、上述したSTEP3の帯電演出が行われる。これは、保留球個数が4個の場合には特別図柄の変動表示時間が短く設定され易くなり、上述したSTEP1及びSTEP2の帯電演出を実行すれば、STEP3の帯電演出及び保留色の変化演出(保留演出)が実行される前に特別図柄の変動表示が終了してしまう可能性があるためである。
また、保留球の個数が4個(1〜3個以外)である場合に実行されるSTEP3の帯電演出において、例えば特別図柄の変動表示期間が3秒であるときには、特別図柄の変動表示開始から2秒後に落雷の映像演出が実行される。
次いで、STEP3の帯電演出終了後、保留色の変化演出(保留演出)を行う。この際、複数の保留球のうち、保留入賞時に保留演出が実行されずに保留色が目的の色(入賞内容に対応する保留色)に変化していない保留球に対して、所定の保留演出(図62B中の保留演出C〜Fのいずれか)を実行し保留色を変化させる。なお、この際、この1回の保留演出で保留色が目的の色に変化する場合もあるが、保留色を段階的に目的の色に近づける場合には、この1回の保留演出で、例えば、保留色が、大当り期待度が1段階アップする色に変化する。
保留演出(保留色の変化演出)の終了後、演出態様は、帯電が残る演出及び帯電が消滅する演出のいずれかに移行する。
演出態様が保留演出から帯電が消滅する演出に移行した場合には、帯電が消滅するとともに、当該変動における保留変化予告演出が終了する(後述の図64中の保留変化予告演出Gの演出パターン)。
一方、演出態様が保留演出から帯電が残る演出に移行した場合には、当該変動における保留変化予告演出は終了するが、該残った帯電状態の演出は次回の変動に持ち越される。すなわち、この場合には、保留変化予告演出が次回の変動に継続される(後述の図64中の保留変化予告演出Hの演出パターン)。なお、この演出パターンでは、保留変化予告演出B終了時と同様に、次回の特別図柄の変動表示は、STEP1の帯電演出が実行される前に既に帯電が存在する状態で開始される。
なお、現在実行中の特別図柄の変動表示に対応する保留球を液晶画面に表示する機能を備えたパチンコ遊技機では、実行中の変動表示に対応する保留球に対しても保留変化予告演出を実行することができる。この場合、実行中の変動表示において上述したSTEP1及びSTEP2の帯電演出を実行すれば、STEP3の帯電演出及び保留色の変化演出(保留演出)が実行される前に実行中の変動表示が終了してしまう可能性があるので、上述した保留球の個数が4個(1〜3個以外)である場合の保留変化予告演出G又はHが実行される。
図64に、上述した保留変化予告演出の各種演出パターン(演出態様)の内容をまとめた図を示す。上述のように、本実施の形態では、保留変化予告演出の種別が、保留変化予告演出A〜Dである場合には、保留色の変化演出(保留演出)を行わず、保留変化予告演出E〜Hである場合には、保留色の変化演出(保留演出)を行う。なお、保留変化予告演出の種別は、例えば、保留変化予告演出を実行する特別図柄の変動表示開始時に決定されている変動パターン等に基づいて選択される。
また、本実施形態の保留変化予告演出の制御では、例えば、保留変化予告演出を行うと判断された保留球(保留変化予告決定保留球)より前に保留された保留球に対して、保留変化予告決定保留球に基づいて保留変化予告演出の内容(実行の有無も含む)を決定してもよいし、保留変化予告決定保留球より後に保留された保留球に対しても、保留変化予告決定保留球に基づいて保留変化予告演出の内容を決定してもよい。この場合には、各々の保留球の保留変化予告演出が連動した演出を実施することができるので、遊技者の保留変化予告演出に対する興趣を向上させることができる。
[回転物体演出:通常モードにおける演出]
本実施の形態では、通常モードにおける演出として、「回転物体演出」(第1の演出)と称する演出が設けられる。図65を参照しながら、各種回転物体演出の内容(演出態様)を説明する。なお、図65は、本実施の形態で用意されている各種回転物体演出の内容、及び、各回転物体演出の実行時に連動して実行され得る演出(対応演出)を示す図である。
回転物体演出は、液晶画面の例えば右下角部付近に表示された回転物体画像を、回転表示する演出であり、本実施の形態では、回転物体画像の回転態様(回転物体画像の動き)が異なる5種類の回転物体演出(回転物体演出A〜回転物体演出E)が用意されている。
回転物体演出Aは、回転物体画像が回転せずに表示されているだけの演出である。回転物体演出Bは、回転物体画像がゆっくり回転表示される演出であり、回転物体演出Cは、回転物体画像が早く回転する演出である。回転物体演出Dは、さらに液晶画面の例えば右上角部及び左上角部から別の回転物体画像が出現し、各回転物体画像が上下の振動動作を行いながら激しく回転する演出である。また、回転物体演出Eは、液晶画面の例えば右上角部及び左上角部から別の回転物体画像が出現し、各回転物体画像が上下の振動動作を行いながら激しく回転するだけでなく、各回転物体画像が拡大表示される演出である。
また、本実施の形態では、演出モードの種別(通常演出モード、Gモード及びRゾーン)、及び/又は、回転物体演出と連動して実行されるその他の演出(擬似連演出、保留演出、保留変化予告演出)の内容に応じて、所定の種別の回転物体演出が実行される。
例えば、回転物体演出Aは、大当り期待度の高い演出が実行されていないような状態(例えば、演出モードが通常演出モードであり且つ保留演出Aが発生した状態)において実施される。回転物体演出Bは、上述した保留変化予告演出において、落雷発生の画像演出が実行されている期間において実施される。
回転物体演出Cは、保留演出B又は保留演出Cが発生した時点(保留色が「白キラキラ」色又は「青」色に変化した時点)から当該変動終了までの期間、及び/又は、擬似連回数が1回である擬似連演出の発生時において実施される。回転物体演出Dは、保留演出D〜保留演出Fが発生した時点(保留色が「緑」色、「赤」色又は「金」色に変化した時点)から当該変動終了までの期間、及び/又は、Gモードにおいて実施される。また、回転物体演出Eは、擬似連回数が2回以上である擬似連演出の発生時、及び/又は、Rゾーンにおいて実施される。なお、本実施の形態の擬似連演出では、擬似連回数が多いほど、大当り期待度が高くなるように設定されている。
上述した回転物体演出の種別と、演出モードの種別(通常演出モード、Gモード及びRゾーン)及びその他の演出(擬似連演出、保留演出、保留変化予告演出)との対応関係から明らかなように、回転物体演出間における大当り期待度の大小関係は、回転物体演出A<回転物体演出B<回転物体演出C<回転物体演出D<回転物体演出Eの関係となる。
なお、本実施の形態では、演出モード及び回転物体演出と連動して実行される演出の中から、最も高い大当り期待度を有する演出態様(演出モード又は演出)に基づいて、回転物体演出の種別(演出態様)が選択される。回転物体演出の種別(演出態様)の具体的な選択処理の内容については、後述の図121〜図123(又は後述の図124)を参照しながら後で説明する。
それゆえ、本実施の形態では、各回転物体演出における大当り期待度は、演出モード及び連動して実行される演出のそれぞれに対して設定された大当り期待度の中から、最も高い大当り期待度に対応する値となる。すなわち、各回転物体演出における大当り期待度は、演出モード及び連動して実行される演出内容に応じて決定される。
なお、上述した回転物体演出の動作、及び、回転物体演出の種別(演出態様)の選択動作は、副制御回路200(サブCPU201)により制御される。すなわち、副制御回路200は、回転物体演出を制御する手段(第1演出制御手段)も兼ねる。
ここで、図66に、回転物体演出の種別と、演出モードの種別(通常演出モード、Gモード及びRゾーン)及びその他の演出(擬似連演出、保留演出、保留変化予告演出)との対応関係をまとめた図を示す。なお、図66中に示す大当り期待度の値は一例であり、本発明はこれに限定されない。
本実施の形態では、図66に示すように、回転物体演出における大当り期待度は、回転物体演出が実施される演出モード、及び、連動して実行される演出のそれぞれに対して設定された大当り期待度の中から、最も高い大当り期待度と同じになる。
例えば、通常演出モードで、擬似連回数が1回である擬似連演出が発生し且つ保留演出Aが発生するような場合には、回転物体演出Cが実施される。この場合には、擬似連回数が1回である擬似連演出が発生したときの大当り期待度が20%であるのに対して、保留演出Aにおける大当り期待度は1%となる。なお、この場合、保留変化予告演出が発生してもその大当り期待度は0〜5%である。それゆえ、この場合には、回転物体演出Cにおける大当り期待度は20%となる。
また、通常演出モードで、保留演出Dが発生するような場合にも、回転物体演出Cが実施される。しかしながら、この場合には、保留演出Dにおける大当り期待度が40%である。一方、この場合において、擬似連演出が発生してもその大当り期待度は1〜20%以上であり、保留変化予告演出が発生してもその大当り期待度は0〜5%である。それゆえ、この場合には、回転物体演出Cにおける大当り期待度は40%となる。すなわち、回転物体演出Cにおける大当り期待度は、回転物体演出Cが実施される演出モード、及び、連動して実行される演出の内容に応じて変化する。
さらに、例えば、Rゾーンでは、回転物体演出Eが実施される。この場合には、Rゾーンにおける大当り期待度が70%以上である。一方、この場合において、擬似連演出が発生してもその大当り期待度は1〜70%以上であり、保留演出が発生してもその大当り期待度は1〜60%であり、また、保留変化予告演出が発生してもその大当り期待度は0〜5%である。それゆえ、この場合には、回転物体演出Eにおける大当り期待度は70%以上となる。
なお、回転物体演出の種別数は、上述した本実施の形態の例に限定されず、任意に設定することができる。例えば用意されている他の演出の種別数や演出モードの数などに応じて、回転物体演出の種別数を増やしてもよいし、減らしてもよい。
上述のように、本実施の形態では、複数の演出(擬似連演出、保留演出、保留変化予告演出及び回転物体演出)が複合(連動)して実施されている場合、回転物体演出の大当り期待度は、その他の演出及び/又は演出モードに設定された大当り期待度のうち、最も高い大当り期待度に対応する。それゆえ、本実施の形態では、複数の演出(擬似連演出、保留演出、保留変化予告演出及び回転物体演出)が複合(連動)して実施されていても、遊技者は、回転物体演出の態様(種別)を見れば、大当り期待度の値を容易に把握することができる。この場合、演出間の関連性を明確にすることができるので、複数の演出が複合して実施されても演出効果を低下させることなく、遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態では、擬似連回数及び保留演出の種別にそれぞれ設定されている大当り期待度の関係性を回転物体演出の種別に応じて容易に把握することができるので、遊技者の演出に対する理解を補助し、遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる。さらに、本実施の形態では、擬似連回数、保留演出の種別及び演出モードの種別にそれぞれ設定されている大当り期待度の関係性を回転物体演出の種別に応じて容易に把握することができるので、遊技者の演出に対する理解をより助け、遊技者の演出に対する興趣を一層高めることができる。
なお、識別情報の変動表示期間中に上述した複数の演出(擬似連演出、保留演出、保留変化予告演出及び回転物体演出)が実施される場合、該複数の演出は、1回の識別情報の変動表示期間で行われてもよい(例えば、1回の識別情報の変動表示期間が50秒である場合には、50秒の間に、複数の演出が実行される)。また、例えば、複数回の識別情報の変動表示期間に渡って連続して演出が行われる場合には、該複数の演出は、複数回の識別情報の変動表示期間に渡って行われてもよい。なお、この場合には、例えば、上述した複数の演出が全て、複数回の識別情報の変動表示期間に渡って行われてもよいし、例えば、上述した複数の演出のうち、1つの演出が複数回の識別情報の変動表示期間に渡って行われ、且つ、他の演出が、複数回の識別情報の変動表示期間のうちの1回の識別情報の変動表示期間で行われるようにしてもよい。
また、識別情報の変動表示期間中に上述した複数の演出(擬似連演出、保留演出、保留変化予告演出及び回転物体演出)が実施される場合、各演出を開始するタイミング(各演出の実行順序)は、例えば、各演出の内容(演出態様)、変動表示期間の時間等の条件などに応じて任意に設定される。
例えば、識別情報の変動表示期間中に回転物体演出(第1の演出)、擬似連演出(第2の演出)及び保留演出(第3の演出)が実施される場合、擬似連演出及び保留演出の実行開始以後(実行開始時又は実行開始後)に回転物体演出が開始されてもよいし、回転物体演出の実行開始後に擬似連演出及び保留演出が開始されてもよい。後者の場合には、回転物体演出が擬似連演出及び保留演出より先に実行されるので、回転物体演出の内容(演出態様)により、その後に実行される擬似連演出及び保留演出の大当り期待度(特別遊技状態への移行期待度)を報知(予告)することが可能になる。この場合には、回転物体演出、擬似連演出及び保留演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
さらに、識別情報の変動表示期間中に上述した複数の演出(擬似連演出、保留演出、保留変化予告演出及び回転物体演出)が実施される場合、各演出を終了するタイミング(各演出の終了順序)もまた、例えば、各演出の内容(演出態様)、変動表示期間の時間等の条件などに応じて任意に設定される。
例えば、識別情報の変動表示期間中に回転物体演出(第1の演出)、擬似連演出(第2の演出)及び保留演出(第3の演出)が実施される場合、擬似連演出及び保留演出の終了時に回転物体演出が終了するようにしてもよいし、回転物体演出の終了前後(終了前又は終了後)に擬似連演出及び保留演出が終了するようにしてもよい。
また、識別情報の変動表示期間中に上述した複数の演出(擬似連演出、保留演出、保留変化予告演出及び回転物体演出)が実施される場合における、各演出の上述した開始タイミングと各演出の上述した終了タイミングとの組合せは、任意であり、様々な組合せ(様々な複合演出)を設定することができる。
[ストック擬似連演出:通常モードにおける演出]
本実施の形態では、通常モードに特殊演出ステージを設ける。そして、特殊演出ステージにおいて、「ストック擬似連演出」と称する擬似連続変動表示演出を行う。
なお、本実施の形態では、ストック擬似連演出の演出パターンは、後述する特殊演出ステージ用の変動演出パターンテーブル(後述の図91参照)を参照し、特別図柄の変動パターンに基づいて抽選により決定される。また、ストック擬似連演出の実行の有無は、後述の図91に示す変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定されるストック擬似連演出フラグの値により制御され、ストック擬似連演出フラグの値が「1」である場合には、ストック擬似連演出が実行される。
(1)ストック擬似連演出の構成
ストック擬似連演出は、所定回数の「擬似連演出」と、「擬似連演出」の後に行われる「リーチ演出」と、「擬似連演出」の前に行われる「ストック演出」(擬似連前演出)とで構成される。
ここで、図67(a)及び図67(b)を参照して、ストック擬似連演出の流れをより具体的に説明する。図67(a)及び図67(b)は、上述した通常の擬似連演出とストック擬似連演出との差異をより明確にするための図であり、図67(a)には、上述した通常の擬似連演出の動作フローを示し、図67(b)には、ストック擬似連演出の動作フローを示す。
なお、図67(a)に示す通常の擬似連演出で行う「リーチ演出」は、図67(b)に示すストック擬似連演出で行う「リーチ演出」と同じであるので、図67(a)及び図67(b)では、変動開始から「リーチ演出」開始時までのサブ演出の動作フローを示す。
図67(a)に示す通常の擬似連演出は、後述の図86に示す変動演出テーブル(先読み無し)で規定されている演出パターン「EN54」に対応する通常の擬似連演出の一例である。具体的には、図67(a)に示す通常の擬似連演出では、特別図柄の変動時間(変動表示期間)が45000ミリ秒であり、擬似連回数が3回であり、且つ、液晶図柄揃い目の3回目の仮停止後(変動開始から33000ミリ秒後)から変動停止までの期間(12000ミリ秒)には「スペシャル演出D」と称する「リーチ演出」が行われる。
また、変動開始から33000ミリ秒までの期間には、図44で説明した液晶図柄揃い目の変動表示及び仮停止表示の動作と同様の動作が、3回繰り返され、1回目、2回目及び3回目の「擬似連演出」は、それぞれ10000ミリ秒、11000ミリ秒及び12000ミリ秒の期間で行われる。
図67(b)に示すストック擬似連演出は、後述の図91に示す変動演出テーブル(特殊演出ステージ)で規定されている演出パターン「EG54」に対応するストック擬似連演出の一例であり、且つ、擬似連回数が14回である場合のストック擬似連演出である。このストック擬似連演出では、図67(b)に示すように、変動開始後、まず、「ストック演出」が行われ、その後、14回の「擬似連演出」(「擬似1」〜「擬似14」)が行われる。次いで、14回目の「擬似連演出」の後、「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)が行われる。
そして、「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)の後、「スペシャル演出D」と称する演出が行われる。それゆえ、図67(b)に示すストック擬似連演出では、「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)から「スペシャル演出D」に渡る一連の演出が、実質、「リーチ演出」となる。
また、図67(b)に示すストック擬似連演出の動作例では、「ストック演出」の開始から2回目の「擬似連演出」(「擬似2」)の終了までの期間が10000ミリ秒となり、3回目の「擬似連演出」(「擬似3」)の開始から7回目の「擬似連演出」(「擬似7」)の終了での期間が11000ミリ秒となり、且つ、8回目の「擬似連演出」(「擬似8」)の開始から「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)の終了までの期間が12000ミリ秒となるように、各サブ演出の期間が設定される。なお、本発明はこれに限定されず、各サブ演出の期間は、例えば、1回の特別図柄の変動表示期間、「擬似連演出」の回数等に応じて適宜変更される。
(2)「ストック演出」の内容
次に、ストック擬似連演出の開始時に行う「ストック演出」の内容について説明する。本実施の形態の「ストック演出」では、3種類のマスコット(マスコットA〜C)を表示装置13の表示領域13aに出現させる演出が行われる。
マスコットA及びBには、それぞれマスコットポイント「1」及び「5」が付与されており、「ストック演出」において、マスコットA又はBが出現する演出(第2擬似連前演出)が実行される度に対応するマスコットポイント(第1擬似連前演出の実行の有無を示す条件)が加算(更新)される。そして、「ストック演出」の期間において、マスコットポイントが「5」以上(所定の条件)になったとき、表示装置13の表示領域13aにマスコットCが出現する(第1擬似連前演出)。本実施の形態では、「ストック演出」において、マスコットCが出現した場合には、「擬似連演出」が必ず行われる。
また、本実施の形態では、マスコットCが出現した場合に行われる「擬似連演出」の回数(擬似連回数)は、マスコットCの出現数以上の値に設定され、その値は、後述の図92に示す擬似連回数決定テーブルを用いた抽選処理により決定される。なお、本実施の形態では、後述の図92に示す擬似連回数決定テーブルに示すように、マスコットCが出現しなかった場合(マスコットC出現数が「0」の場合)であっても、変動パターンの種別に応じて、「擬似連演出」が行われる場合もある。
本実施の形態では、「ストック演出」において、液晶図柄揃い目の変動表示中にマスコットCが出現した場合には、図67(b)に示すように、液晶図柄揃い目として所定のリーチ図柄が表示され、その後、マスコットCがそのリーチ図柄を破壊する演出が行われる。そして、その後、1回目の「擬似連演出」(「擬似1」)が開始される。
(3)「擬似連演出」及び「リーチ演出」への突入演出の内容
各「擬似連演出」では、上記通常の擬似連演出と同様に、表示装置13の表示領域13aにおいて、液晶図柄揃い目の変動表示及び仮停止表示の動作が行われる。
なお、この際、本実施の形態では、表示装置13の表示領域13aにおいて、マスコットCが、変動中の液晶図柄揃い目の各図柄を攻撃して破壊し、それにより各図柄が仮停止するような演出が行われる。
また、「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)では、所定のリーチ図柄を停止する演出を行う。具体的には、「リーチ演出」への突入演出(「擬似15」)において、液晶図柄揃い目の左図柄及び右図柄にリーチ図柄を停止させる演出(中図柄は変動中)が行われる。
(4)ストック擬似連演出の動作例1
次に、図68を参照しながら、本実施の形態におけるストック擬似連演出の動作例1(「擬似連演出」が実行される動作例)を説明する。
なお、図68は、ストック擬似連演出の動作例1の動作フローを示す図である。また、図68に示すストック擬似連演出の動作例1は、例えば、後述の図93に示すマスコット出現数決定テーブルにより、「ストック演出」におけるマスコットA、B及びCの出現数がそれぞれ、「4」、「2」及び「2」と決定された場合のストック擬似連演出の動作例である。
図68に示す動作例1では、特別図柄の変動開始後、まず、「ストック演出」が開始される。この「ストック演出」では、最初に、表示装置13の表示領域13aに、マスコットAが4体連続して出現する。この際、マスコットAの出現毎に、マスコットポイントが「1」加算され、マスコットAが4体出現した時点で、マスコットポイントの合計は「4」ポイントとなる。
次いで、マスコットBが1体出現する。これにより、マスコットポイントに「5」ポイントが加算され、マスコットポイントの合計は「9」ポイントとなる。すなわち、マスコットBの出現により、マスコットポイントが「5」ポイント以上になる。この結果、次に、マスコットCが1体出現する。そして、これにより、マスコットポイントがクリアされる。
その後、再度、マスコットBが1体出現する。これにより、マスコットポイントに「5」ポイントが加算され、マスコットポイントの合計は「5」ポイントとなる。この結果、次に、2体目のマスコットCが出現する。そして、マスコットポイントがクリアされ、「ストック演出」が終了する。
次いで、マスコットCの出現数に対応した所定回数の「擬似連演出」が繰り返される。具体的には、まず、液晶図柄揃い目の変動表示が行われる。次いで、変動中の図柄に対してマスコットC攻撃する演出が行われる。そして、図柄破壊後に液晶図柄揃い目が仮停止する演出が行われる。その後、この1連の演出動作(「擬似連演出」)を所定回数繰り返す。すなわち、本実施の形態では、マスコットCが出現している間、「擬似連演出」が継続する。
そして、所定回数の「擬似連演出」が終了した後、所定の「スペシャルリーチ演出」(例えば後述の図91の変動演出テーブル(特殊演出ステージ)中に規定されている「スペシャル演出A」〜「スペシャル演出D」等)を行うこと決定されている場合には、液晶図柄揃い目の左図柄及び右図柄にリーチ図柄を停止させる演出(「リーチ演出」への突入演出)を行い、その後、所定の「スペシャルリーチ演出」を行う。そして、所定の「スペシャルリーチ演出」が終了すると、ストック擬似連演出も終了する。
一方、所定回数の「擬似連演出」が終了した後、所定の「スペシャルリーチ演出」を行わない場合には、まず、表示装置13の表示領域13aにおいてマスコットCが消える演出が行われる。そして、図柄揃い目の左図柄及び右図柄にリーチ図柄が停止した後、即座に中図柄にハズレ図柄が停止する演出が行われ、ストック擬似連演出が終了する。
(5)ストック擬似連演出の動作例2
次に、図69を参照しながら、本実施の形態におけるストック擬似連演出の動作例2(「擬似連演出」が実行されない動作例)を説明する。なお、図69は、ストック擬似連演出の動作例2の動作フローを示す図である。また、図69に示すストック擬似連演出の動作例2は、例えば、後述の図93に示すマスコット出現数決定テーブルにより、「ストック演出」におけるマスコットA、B及びCの出現数がそれぞれ、「4」、「0」及び「0」と決定された場合のストック擬似連演出の動作例である。
図69に示す動作例2では、特別図柄の変動開始後、表示装置13の表示領域13aに、マスコットAが4体連続して出現し、「ストック演出」が終了する。この場合、マスコットAの出現毎に、マスコットポイントが「1」加算されるが、マスコットAが4体出現した時点での、マスコットポイントの合計は、「4」ポイント(「5」ポイント未満)であるので、マスコットCは出現しない。それゆえ、図69に示す動作例2では、「ストック演出」の終了とともに、ストック擬似連演出も終了する。
(6)ストック擬似連演出の内容の決定処理フロー
次に、図70を参照しながら、上述したストック擬似連演出の内容(各マスコットの出現数、擬似連回数等)を決定する際の処理手順の概要を説明する。図70は、ストック擬似連演出の内容の決定処理フローを示す図である。なお、ストック擬似連演出の内容の決定処理は、サブCPU201により行われる。
本実施の形態では、まず、「リーチ演出」の演出内容を決定する。具体的には、後述の図91に示す変動演出テーブル(特殊演出ステージ)を参照し、特別図柄の変動パターンに基づいて抽選により「リーチ演出」の演出内容(「リーチ演出」の有無も含む)を決定する。
次いで、「擬似連演出」の繰り返し回数(擬似連回数)を決定する。具体的には、後述の図92に示す擬似連回数決定テーブルを参照し、特別図柄の変動パターンに基づいて抽選により擬似連回数を決定する。この際、1回の特別図柄の変動時間から「リーチ演出」に必要な時間を差し引いた時間内に「擬似連演出」が収まる程度の擬似連回数が選択される。
次いで、「ストック演出」におけるマスコットCの出現数を決定する。具体的には、後述の図92に示す擬似連回数決定テーブルを参照し、マスコットCの出現数を決定する。なお、この際、本実施の形態では、擬似連回数がマスコットCの出現数以上となるようにマスコットCの出現数と擬似連回数との対応が適宜設定される。
次いで、マスコットA及びBの出現数を決定する。具体的には、後述の図93に示すマスコット出現数決定テーブルを参照し、決定されたマスコットCの出現数に基づいて、マスコットAの出現数及びマスコットBの出現数を決定する。そして、マスコットA及びBの出現数が決定されると、ストック擬似連演出の内容の決定処理が終了し、その後、特別図柄の変動表示が開始される。
上述したように、本実施の形態の通常モードの特殊演出ステージにおけるストック擬似連演出では、「擬似連演出」の実行回数(擬似連回数)は、マスコットCの出現数以上の所定回数に設定される。それゆえ、遊技者は、表示装置13の表示領域13aに出現したマスコットCの数に基づいて、「擬似連演出」が少なくとも何回実行されるかを把握することができる。それゆえ、本実施の形態では、擬似連続変動表示演出の遊技性の良さを損なわず、擬似連続変動表示演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、擬似連回数が多いほど大当り期待度が高いという擬似連続変動表示演出の一般的な遊技性を考慮すれば、本実施の形態のストック擬似連演出のように、「擬似連演出」の最低実行回数に関する情報を報知することにより、擬似連続変動表示演出に対する安心感を遊技者に与えることができる。それゆえ、本実施の形態のストック擬似連演出では、擬似連続変動表示演出に対する遊技者の興趣をより一層向上させることができる。なお、本実施の形態では、「ハズレ」時よりも「大当り」時にストック擬似連演出が選択され易くなるような構成になっている(後述の図91の変動演出テーブル(特殊演出ステージ)参照)。
上述した本実施の形態では、マスコットCが出現すると、マスコットポイントを全てクリアする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、マスコットポイントの一部をクリアする構成にしてもよい。例えば、図68に示す例において、マスコットポイントの合計が「9」ポイントとなり、1体目のマスコットCが出現した際に、現在のマスコットポイントの合計からマスコットCの出現条件であるマスコットポイントの最小値(「5」ポイント)のみをマスコットポイントの合計から減算し、「4」ポイントのマスコットポイントをクリアせずに残すようにしてもよい。この場合、マスコットCの出現に対する遊技者の期待度をより高めることができるので、マスコットCの出現演出(ストック演出)、及び、その後に行われる「擬似連演出」への遊技者の興趣をより高めることができる。
さらに、上述した本実施の形態では、1回のマスコットポイントの加算処理で加算可能なポイントの上限が、マスコットB出現時の「5」ポイント(マスコットCの出現条件であるマスコットポイントの最小値)である例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、1回のマスコットポイントの加算処理で「5」ポイントより大きなポイントを加算するような演出を設けてもよい。また、この場合、マスコットCの出現時に、上述のように、マスコットポイントの一部のみをクリアしてもよいし、上記実施の形態と同様にマスコットポイントを全てクリアしてもよい。このようなマスコットポイントの加算処理及びクリア処理の組合せ形態は適宜設定することができる。
[潜確期待度報知演出(ランク演出):モードAにおける演出]
図43で説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、通常モードにおいて「小当り」に当選してモードAに移行した場合であっても、「小当り」当選前の通常モードの遊技状態が「確変遊技状態」(「高確率時短なし」)である場合には、モードA移行後もその遊技状態が維持され、モードAにおいても遊技状態が「潜確遊技状態」(「高確率時短なし」)になる。
また、本実施の形態では、通常モードにおいて「大当り」に当選した場合だけでなく、「小当り」に当選した場合にも、モードAを経由して、モードBに演出モードが移行する可能性がある。具体的には、モードAにおいて、遊技状態が「潜確遊技状態」(「高確率時短なし」)であり、且つ、モードBへの昇格抽選に当選した場合には、演出モードがモードBに移行する。すなわち、本実施の形態では、通常モードにおいて「小当り」に当選してモードAに移行した場合であっても、モードAの遊技状態が「潜確遊技状態」(「高確率時短なし」)である場合には、演出モードがモードBに移行して後述の潜確回数報知演出が実施される場合がある。
そこで、本実施の形態では、モードAにおいて、遊技状態が「潜確遊技状態」(「高確率時短なし」)である期待度(以下、「潜確期待度」という)を表示装置13の表示領域13aに表示(報知)する潜確期待度報知演出(以下、「ランク演出」ともいう)を行う。
ここで、図71を参照しながら、モードAで行われるランク演出(潜確期待度報知演出)の内容について具体的に説明する。なお、図71には、説明の便宜上、モードAで行うランク演出の概要だけでなく、モードBで行う後述の潜確回数報知演出の概要も合わせて記載する。
本実施の形態では、図71に示すように、モードAにおける潜確期待度を3段階のステージに分ける。具体的には、潜確期待度を示すステージとして、潜確期待度が「低」であるステージ1、潜確期待度が「中」であるステージ2及び潜確期待度が「高」であるステージ3を設ける。そして、モードAにおけるランク演出では、潜確期待度がより高いステージに上昇した場合に、潜確期待度がアップした旨の情報を報知する(「ステージ移行演出」を行う)。
なお、ステージ3の状態は、遊技状態が「潜確遊技状態」(「高確率時短なし」)であり且つモードBへの移行抽選に当選し易い状態であり、ステージ3においてモードBへの移行抽選に当選した場合には、モードBへの移行演出が行われる。なお、本実施の形態では、上述したステージ移行演出及びモードBへの移行演出を「ランクアップ演出」と称す。
また、図43で説明したように、本実施の形態では、モードAにおいてモードAの終了抽選が行われる。そして、モードAの終了抽選に当選した場合には、ランク演出において、モードAが終了する旨の情報が報知される(「終了演出」が行われる)。
ランク演出(潜確期待度報知演出)において、「ランクアップ演出」及び「終了演出」の演出種別の選択は、図示しないランク演出テーブルを参照し、例えば、現在の遊技状態、現在のステージ、昇格抽選又は終了抽選の結果等の条件に基づいて選択される。なお、本実施の形態では、ランク演出として、「ランクアップ演出」又は「終了演出」を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。ランク演出として、例えば、ランクダウンする演出や各ステージに特有の演出等を行ってもよい。また、本実施の形態では、潜確期待度のステージを3段階に分ける例を説明したが、本発明はこれに限定されず、潜確期待度のステージを2段階又は4段階以上に分けてもよい。
さらに、本実施の形態のランク演出では、1回の特別図柄の変動表示期間において、ステージを1段階変化させる演出を行ってもよいし、ステージを2段階変化させる演出を行ってもよい。なお、後者の演出では、1回の変動期間で、ステージ1がステージ2に変化し、その後、ステージ2がステージ3に変化するような演出を行ってもよいし、1回の変動期間で、ステージ1がステージ3に直接変化するような演出を行ってもよい。また、ステージ1から直接モードBにランクアップするような演出を設けてもよい。
上述したモードAにおける潜確期待度報知演出によれば、遊技者に対して、小当り当選後であっても、遊技状態が「潜確遊技状態」に移行したのではないか、という印象を与えることができる。それゆえ、本実施の形態では、潜確期待度報知演出により、小当り遊技に対する興趣を高めることができるとともに、「潜確遊技状態」の遊技に対する興趣も向上させることができる。
また、本実施の形態では、小当り遊技終了後、潜確期待度報知演出が行われている最中に遊技が終了したパチンコ遊技機1に対して、その終了状況を知らない別の遊技者が遊技を開始した場合、遊技者は、遊技状態が「潜確遊技状態」である可能性を疑い、その結果、遊技者が、潜確期待度報知演出の後に実行される可能性のある後述の「潜確回数報知演出」が終了するまで遊技を継続する可能性がある。この場合には、パチンコ遊技機1の稼働率を高めることができる。
[潜確回数報知演出:モードBにおける演出]
図43で説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、モードBの遊技状態は「潜確遊技状態」であるので、遊技者にとって遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを明確に判別することが難しい。そこで、本実施の形態では、モードBにおいて、残りの特別図柄の変動表示の実行回数(ST)に関する情報を表示装置13の表示領域13aに表示(報知)する潜確回数報知演出を行う。
ここで、図71を参照しながら、潜確回数報知演出の内容について具体的に説明する。本実施の形態では、図71に示すように、モードBにおける残りの特別図柄の変動表示の実行回数(以下、「残り潜確回数」という)を3段階のステージに分ける。具体的には、残り潜確回数を示すステージとして、残り潜確回数が200〜120回であるステージA、残り潜確回数が119〜50回であるステージB及び残り潜確回数が49〜0回であるステージCを設ける。そして、モードBにおける潜確回数報知演出では、各ステージにおいて特有の演出が行われ、遊技者に対して現在の残り潜確回数に関する情報を報知する。
なお、ステージA〜Cのそれぞれに設定された残り潜確回数の範囲は、図71に示す例に限定されず、例えば機種等に応じて、適宜変更してもよい。また、本実施の形態では、残り潜確回数のステージを3段階に分ける例を説明したが、本発明はこれに限定されず、残り潜確回数のステージを2段階又は4段階以上に分けてもよい。
[時短回数報知演出:モードCにおける演出]
図43で説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、モードCで行われる時短遊技の回数(時短回数)は、モードCへの移行契機となった「大当り」の種別に応じて異なる。それゆえ、モードCにおいて、遊技者が、残りの時短回数を明確に判別することが難しい。
そこで、本実施の形態では、モードCにおいて、残りの時短遊技の回数(以下、「残り時短回数」という)に関する情報を、表示装置13の表示領域13aに表示(報知)する時短回数報知演出を行う。
モードCにおける時短回数報知演出では、表示装置13の表示領域13aに、モードC開始時の時短回数(残り時短回数の初期値)から、時短遊技の実行毎に単純に時短回数を「1」減算するような演出(報知)を、基本的には行わない(時短回数の報知パターンによっては、このような単純な演出が行われる場合もある)。本実施の形態では、表示装置13の表示領域13aには、実際の残り時短回数以下の仮の残り時短回数(以下、「報知回数」という)を報知し、該報知回数を減算しながら所定のタイミングで、報知回数を一旦上乗せするような演出(後述の「予告演出」及び「継続演出」)を行う。
ここで、図72を参照しながら、時短回数報知演出の内容について具体的に説明する。なお、図72は、時短回数報知演出のタイムフローの一例である。図72に示す例は、モードCへの移行契機となる「大当り」の種別に応じて、大当り遊技終了時に200回の時短回数(残り時短回数の初期値)がセットされ、その後、モードCが開始された場合における時短回数報知演出のタイムフローの一例である。
図72に示す時短回数報知演出では、最初に、報知回数(仮の残り時短回数)の初期値として「60回」が設定される。なお、報知回数(仮の残り時短回数)の初期値としては、実際の残り時短回数(「200回」)以下の回数が設定される。
その後、40回の時短遊技(特別図柄の変動表示)が消化され、報知回数が「20回」(実際の残り時短回数は「160回」)になった時点の特別図柄の変動表示において、「100回」の報知回数が、報知回数に加算される。この際、上乗せする報知回数は、実際の残り時短回数(「160回」)以下の回数で設定される。そして、本実施の形態では、報知回数が加算された時点の特別図柄の変動期間において、表示装置13の表示領域13aに、時短回数(報知回数)が「100回」上乗せされた旨の情報を報知する所定の演出(以下、「予告演出」という)が行われる。
ここで、図73及び図74に予告演出の一例を示す。図73は、予告演出のフローを示す図であり、図74は、表示装置13の表示領域13aに表示される予告演出(液晶図柄揃い目)の一態様を示す図である。なお、図73中に示す符号「A」〜「E」で示す動作において表示領域13aに表示される液晶図柄揃い目の表示態様が、図74中の液晶図柄揃い目の表示態様A〜Eに対応する。
予告演出では、特別図柄の変動が開始されると、図74中の表示態様Aに示すように、表示領域13aにおいて、3つの図柄(装飾図柄)が変動表示される。次いで、図74中の表示態様Bに示すように、各図柄にシンボル「?」が表示される。その後、図74中の表示態様C〜Eに示すように、左図柄、中図柄及び右図柄の順でシンボル「?」が破壊され、各図柄に上乗せ回数の対応する数字が順次表示される。
図72に示す例では、予告演出のタイミングにおいて、報知回数が「100回」上乗せされるので、左図柄、中図柄及び右図柄に、それぞれ数字「1」、「0」及び「0」が表示される。そして、上乗せ回数が液晶図柄揃い目として表示領域13aに表示されると、予告演出が終了する。
なお、本実施の形態では、予告演出時の特別図柄の変動において、報知回数の上乗せが発生しない場合、図73に示すように、時短回数(報知回数)の上乗せ失敗用の演出(「ガセケムリ出現」演出)が予告演出として実行される。この「ガセケムリ出現」演出では、図74中の表示態様Eの右図柄の表示タイミングで、表示装置13の表示領域13aに、「ケムリ」が出現して、遊技者に上乗せ失敗の情報が報知される。
さらに、本実施の形態では、予告演出時の特別図柄の変動において、「大当り」に当選した場合、その旨を報知する演出(「アタリ文字出現」演出)が予告演出で行われる。例えば、この「アタリ文字出現」演出では、図74中の表示態様C〜Eの動作により、表示領域13aに、液晶図柄揃い目として、「アタリ」の文字が表示される。
なお、上述した予告演出の実行の有無は、時短回数報知演出を行う際に決定される演出パターン(時短回数の報知パターン)によって異なり、本実施の形態では、予告演出が行われない時短回数の報知パターンも用意する。また、予告演出を行う場合、その予告演出を行うタイミングは、時短回数報知演出を行う際に決定される時短回数の報知パターン毎に予め設定されている。
なお、予告演出の内容(演出態様)は、図73及び図74に示す例に限定されず、機種等に応じて任意の演出態様を採用することができる。例えば、上述した例では、破壊するシンボルとしてシンボル「?」を1種類用いる例を説明したが、破壊するシンボルの種類を複数種設け、シンボル毎に、例えば報知回数の上乗せ数表示の期待度を変化させてもよい。
ここで、再度、図72に示す時短回数報知演出の説明に戻って、図72に示す例において、報知回数が「20回」となった時点(実際の残り時短回数が「160回」となった時点)で報知回数が「100回」上乗せされ、報知回数が「120回」に更新された後、時短遊技の実行毎に、表示領域13aに表示される報知回数が「1」減算される。そして、報知回数が「0回」になると、「継続演出」と称する演出が行われる。なお、本実施の形態では、変動毎に報知回数を「1」減算する例を説明するが、本発明はこれに限定されず、「2以上」の所定数を報知回数から減算するようにしてもよい。
図72に示す例では、報知回数が最初に「0回」になった時点(継続演出を行うタイミング)では、実際の残り時短回数はまだ「40回」であるので、この時点では、「40回」以下の回数を報知回数に加算するような継続演出が行われる。図72に示す例では、この時点において、報知回数を「40回」上乗せする継続演出を行う。
ここで、図75に継続演出の一例を示す。図75は、継続演出のフローを示す図である。まず、図75を参照しながら、継続演出において、報知回数を上乗せする演出(図75中の「上乗せ数表示」演出)を行う際の動作を説明する。まず、モードCにおいて、継続演出が開始されると、表示領域13aに「扉」の映像が出現する。次いで、表示領域13aに、「扉」破壊用の「ボタン」の映像が表示される。
次いで、遊技者により、出現した「ボタン」を連打して「扉」を破壊するような操作が行われると、「扉」にヒビが発生するような映像が表示される。この際、本実施の形態では、「扉」のヒビの発生レベルが互いに異なる4つの映像(「扉」にヒビが発生しない映像も含む)のいずれかが表示される。なお、本実施の形態では、「扉」のヒビの発生レベルが高いほど、「扉」の破壊成功率が高くなり、報知回数の上乗せが行われる確率が高くなる。
そして、遊技者による「ボタン」の連打操作により、「扉」が破壊されると(「扉破壊成功」演出が行われると)、報知回数の上乗せ回数(図72に示す例では「40回」)を示す液晶図柄揃い目が表示領域13aに表示される(「上乗せ数表示」演出)。
なお、本実施の形態の継続演出では、時短遊技が終了する危険度も報知する。具体的には継続演出時における時短遊技の終了危険度が互いに異なる3段階のステージを設け、現在の時短遊技の終了危険度がいずれのステージであるかを報知する。そして、継続演出時に報知回数の「上乗せ数表示」演出を行う場合には、その上乗せ数表示とともに、時短遊技の終了危険度が変わらない(「ステージ継続」演出)か、又は、時短遊技の終了危険度が下がる(「ステージランクアップ」演出)かの情報も表示領域13aに表示する。
なお、継続演出時における、時短遊技の終了危険度の報知は、本実施の形態のように、報知回数の上乗せ数表示と同時に行ってもよいし、報知回数の上乗せ数表示の前又は後に行ってもよい。また、時短遊技の終了危険度のステージの切り分けは、現在の報知回数の値及び残り時短回数の値に基づいて設定される。この場合、残り時短回数が多い状態(時短遊技の終了危険度が低いステージ)であるのにも関わらず、報知回数が「0回」となることがあり、遊技者に対して違和感を与える可能性がある。それゆえ、本実施の形態では、時短遊技の終了危険度が低いステージにおいて報知回数が「0回」となった場合には、報知回数の「上乗せ数表示」演出が実行され易くなるように制御してもよい。これにより、遊技者の継続演出に対する違和感を抑制することができ、遊技者の時短回数に関する興趣及び遊技性の向上を図ることが可能になる。
また、本実施の形態では、図43で説明したように、モードCへの移行契機となる「大当り」の種別に基づいて200回の時短回数に当選した場合、モードCでは、モードDへの昇格抽選を行う。そして、継続演出時の特別図柄の変動において、モードDへの昇格抽選に当選した場合、継続演出において、遊技者による「ボタン」の連打操作により、「扉」が破壊された後、モードDへの移行演出が行われる。
さらに、本実施の形態では、図43で説明したように、モードCにおいて、「大当り」に当選した場合には、演出モードがモードDに移行する。そして、継続演出時の特別図柄の変動において、「大当り」に当選した場合には、継続演出において、遊技者による「ボタン」の連打操作により、「扉」が破壊された後、「大当り」に当選したことを報知する演出が行われる。すなわち、モードCにおいて、継続演出時に、報知回数が上乗せされる場合、モードDへの移行抽選に当選した場合、又は、「大当り」に当選した場合には、図75中の「扉破壊成功」時の演出が行われる。
一方、継続演出において、表示領域13aに、「扉」破壊用の「ボタン」の映像が表示された後、「ボタン」の連打操作が行われなかった場合、又は、「ボタン」を連打操作したが「扉」が破壊されなかった場合、すなわち、「扉破壊失敗」の演出が発生した時には、継続演出時に、モードBへの移行演出が行われる。この演出が行われるのは、報知回数及び残り時短回数がともに、「0回」である場合に行われる。それゆえ、図72に示す例において、報知回数が最初に「0回」になった時点では、実際の残り時短回数が「40回」であるので、この時点では、「扉破壊失敗」時の演出は行われない。
そして、図72に示す例において、報知回数が最初に「0回」になった時点の継続演出により報知回数が「40回」に更新(上乗せ)された後は、時短遊技の実行毎に、表示領域13aに表示される報知回数が「1」減算される。
そして、報知回数が「0回」になると、残り時短回数も「0回」となるので、時短遊技が終了する。この際、上記継続演出で説明した、「扉破壊失敗」時の演出、すなわち、モードBへの移行演出が行われる。
なお、継続演出の内容は、図75に示す例に限定されず、上述した「扉破壊成功」時及び「扉破壊失敗」時の演出と報知内容との対応関係が同様であれば、任意の演出態様を用いることができる。
上述したモードCにおける時短回数報知演出では、残り時短回数に関する情報である報知回数を、時短遊技の消化とともに単純に減算するだけの演出(報知)ではなく、報知回数の減算演出の過程において、所定のタイミングで報知回数を一旦上乗せするような演出(「予告演出」及び「継続演出」)を行うことができる。それゆえ、本実施の形態の時短回数報知演出では、遊技者が「時短遊技状態」の継続期間を把握することが難しくなるので、時短回数報知演出中には、「時短遊技状態」がいつまで続くのかという遊技者の期待感を継続させることができる。それゆえ、本実施の形態では、「時短遊技状態」に対する遊技者の興趣を高めることができるとともに、時短回数報知演出に対する遊技者の興趣も向上させることができる。
[確変回数報知演出:モードDにおける演出]
モードDでは、残りの特別図柄の変動回数(ST)に関する情報を、表示装置13の表示領域13aに表示(報知)する確変回数報知演出を行う。なお、この演出は、モードBにおける潜確回数報知演出と同様にして行われる。
<先読み特化ゾーン演出>
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動表示中に、特別図柄の可変表示(保留球)が保留されている場合、該保留球の情報に基づいて各種先読み演出を行う。ここでは、それらの各種先読み演出の中で、「先読み特化ゾーン演出」と称する先読み演出について説明する。
[先読み特化ゾーン演出の概要]
先読み特化ゾーン演出では、所定の保留球の発生時に先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された場合、その時点において存在する全て保留球の変動に渡って一連の演出を行う。なお、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された際に実行されている(現在変動中)特別図柄の変動表示、及び、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された所定の保留球の後に発生した保留球の変動期間は、先読み特化ゾーンの演出には関与しない。
先読み特化ゾーン演出は、主に、先読み特化ゾーン前の演出、先読み特化ゾーン開始時の演出、及び、先読み特化ゾーン中の演出で構成される。そして、先読み特化ゾーン演出では、基本的には、先読み特化ゾーン前の演出、先読み特化ゾーン開始時の演出、及び、先読み特化ゾーン中の演出がこの順で実行される。
また、先読み特化ゾーン演出が、複数の保留球の変動期間に渡って行われる場合、各保留球の変動期間では、先読み特化ゾーン前の演出、先読み特化ゾーン開始時の演出、及び、先読み特化ゾーン中の演出のいずれかが行われる。この演出の割り当ては、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された際に決定される。
この際、先読み特化ゾーン開始時の演出が割り当てられた所定の保留球には、先読み特化ゾーン開始フラグが登録される(先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」にセットされる)。また、先読み特化ゾーン開始時の演出が割り当てられた所定の保留球の次の保留球から先読み特化ゾーン終了フラグが登録された保留球までの各保留球には、先読み特化ゾーン中フラグが登録される(先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」にセットされる)。なお、先読み特化ゾーン開始前の演出が割り当てられた保留球に対しては、これらの先読み特化ゾーン用の各種フラグがセットされない(先読み特化ゾーン用の各フラグの値が「0」にセットされる)。さらに、本実施の形態では、先読み特化ゾーン演出に関与する保留球のうち、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された保留球には、先読み特化ゾーン終了フラグが登録される(先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」にセットされる)。
先読み特化ゾーン前の演出に割り当てられた保留球の変動表示期間では、先読み特化ゾーンに突入することを煽るような演出が行われる。また、先読み特化ゾーン開始時の演出に割り当てられた保留球の変動表示期間では、特化ゾーンへの突入予告演出及びゾーン突入の演出が行われる。なお、本実施の形態では、先読み特化ゾーン前の演出及び先読み特化ゾーン開始時の演出では、表示装置13の表示領域13aに表示された装飾図柄により実行される演出(以下、「図柄演出」という)及び/又は背景図柄で実行される演出(以下、「背景演出」という)が行われる。先読み特化ゾーン前の演出又は先読み特化ゾーン開始時の演出で行われる図柄演出(第1演出)及び/又は背景演出(第2演出)の種別(系統)は、先読み特化ゾーン前の演出又は先読み特化ゾーン開始時の演出が割り当てられた保留球の変動開始時に決定される特別図柄の変動パターンの種別に応じて決定される(後述の図88及び図89の変動演出テーブル参照)。
また、先読み特化ゾーン中の演出では、先読み特化ゾーン前の演出(図柄演出又は背景演出)より、大当り遊技への移行の期待度が高くなるような所定の演出(第3演出)が行われる。すなわち、先読み特化ゾーン演出では、先読み特化ゾーン前の演出から先読み特化ゾーン中の演出の一連の演出に渡って、大当り遊技への移行の期待度が徐々に高くなるような演出が行われる。なお、先読み特化ゾーン中の演出の内容は、先読み特化ゾーン中の演出が割り当てられた保留球の変動開始時に決定される特別図柄の変動パターンの種別に応じて決定される(後述の図90の変動演出テーブル参照)。
[先読み特化ゾーン演出の動作例]
ここで、図76(a)〜図76(c)を参照しながら、先読み特化ゾーン演出の動作例を説明する。なお、図76(a)〜図76(c)は、先読み特化ゾーン演出の動作フローを示す図である。図76(a)〜図76(c)に示す例は、既に3つの保留球が存在する状態で、始動口入賞が発生し(4つ目の保留球が発生し)、その際に先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された場合の先読み特化ゾーン演出の各種動作例である。
この場合、4つ目の保留球が発生した時点で保留されている3つの保留球の変動期間と、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された4つ目の保留球の変動期間とに渡って、一連の先読み演出が行われる。
図76(a)に示す先読み特化ゾーン演出の動作例は、1つ目の保留球に対して先読み特化ゾーン開始時の演出を設定し、2つ目〜4つ目の保留球に対して、先読み特化ゾーン中の演出を設定した場合の動作例である。すなわち、図76(a)に示す先読み特化ゾーン演出の例では、先読み特化ゾーン前の演出は行われない。
この場合、まず、1つ目の保留球の変動表示が開始されると、先読み特化ゾーン開始時の演出(特化ゾーンへの突入予告演出及びゾーン突入の演出)が行われる。次いで、2つ目〜4つ目の保留球の各変動期間では、先読み特化ゾーン中の演出が行われる。なお、各保留球の変動期間における演出内容は、各保留球の変動開始時に決定される特別図柄の変動パターンに基づいて決定される。
図76(b)に示す先読み特化ゾーン演出の動作例は、1つ目の保留球に対して先読み特化ゾーン開始前の演出を設定し、2つ目の保留球に対して先読み特化ゾーン開始時の演出を設定し、3つ目及び4つ目の保留球に対して、先読み特化ゾーン中の演出を設定した場合の動作例である。この場合、まず、1つ目の保留球の変動表示が開始されると、先読み特化ゾーンに突入することを煽るような先読み特化ゾーン開始前の演出が行われる。次いで、2つ目の保留球の変動表示が開始されると、先読み特化ゾーン開始時の演出(特化ゾーンへの突入予告演出及びゾーン突入の演出)が行われる。そして、3つ目及び4つ目の保留球の各変動期間では、先読み特化ゾーン中の演出が行われる。なお、各保留球の変動期間における演出内容は、各保留球の変動開始時に決定される特別図柄の変動パターンに基づいて決定される。
図76(c)に示す先読み特化ゾーン演出の動作例は、1つ目及び2つ目の各保留球に対して先読み特化ゾーン開始前の演出を設定し、3つ目の保留球に対して先読み特化ゾーン開始時の演出を設定し、4つ目の保留球に対して、先読み特化ゾーン中の演出を設定した場合の動作例である。この場合、まず、1つ目及び2つ目の各保留球の変動期間では、先読み特化ゾーンに突入することを煽るような先読み特化ゾーン開始前の演出が行われる。次いで、3つ目の保留球の変動表示が開始されると、先読み特化ゾーン開始時の演出(特化ゾーンへの突入予告演出及びゾーン突入の演出)が行われる。そして、4つ目の保留球の各変動表示では、先読み特化ゾーン中の演出が行われる。なお、各保留球の変動期間における演出内容は、各保留球の変動開始時に決定される特別図柄の変動パターンに基づいて決定される。
[先読み特化ゾーン開始時の演出の動作例]
次に、図77を参照しながら、先読み特化ゾーン開始時の演出の動作例を説明する。なお、図77は、先読み特化ゾーン開始時の演出の動作フローの一例を示す図である。
本実施の形態では、先読み特化ゾーン開始時の演出が設定された保留球の変動表示が開始されると、まず、表示装置13の表示領域13aに、同じ系統の図柄演出と背景演出とを同時に表示する、特化ゾーンへの突入予告演出(「ゾーン移行予告複合成功」演出)が行われる。例えば、図柄演出Aと背景演出Aとが同時に行われる。次いで、所定のゾーン突入演出(先読み特化ゾーン開始演出)が行われる。この一連の先読み特化ゾーン開始時の演出により、遊技者に対して大当り遊技への移行の期待度がより高くなる先読み特化ゾーンに突入したことが報知される。
なお、特化ゾーンへの突入予告演出では、互いに系統の異なる図柄演出と背景演出とを同時に実行するような演出は行われない。例えば、図柄演出Aと、図柄演出Aと系統が異なる背景演出(背景演出B又はC)とを同時に行う演出や、背景演出Aと、背景演出Aと系統が異なる図柄演出(図柄演出B又はC)とを同時に行うような演出は行われない。それゆえ、本実施の形態において、先読み演出において、同じ系統の図柄演出と背景演出とが同時に発生した場合には、遊技者は、遊技が先読み特化ゾーンに突入し、大当り遊技への移行の期待度がより高くなることを認識することができる。
ここで、図76(c)に示す先読み特化ゾーン演出の動作例において、先読み特化ゾーン開始前の演出から先読み特化ゾーン中の演出に渡る演出内容の変化の一例を説明する。
図76(c)に示す先読み特化ゾーン演出の動作例では、例えば、1つ目及び2つ目の保留球の変動期間において、先読み特化ゾーン開始前の演出として例えば、図柄演出Aを2回連続して実行し、先読み特化ゾーンに突入することを煽るような演出を行う。次いで、3つ目の保留球の変動期間において、先読み特化ゾーン開始時の演出として、図柄演出A及び背景演出Aを同時に発生させ、その後、ゾーン突入の所定の演出が行われる。そして、4つ目の保留球の変動期間において、図柄演出A(先読み特化ゾーン開始前の演出)より大当り遊技への移行の期待度が高い所定の先読み特化ゾーン中の演出が行われる。
また、図76(c)に示す先読み特化ゾーン演出の動作例では、例えば、1つ目の保留球の変動期間において、先読み特化ゾーン開始前の演出として図柄演出Aを実行し、2回目の保留球の変動期間において、図柄演出Aを実行するとともに、所定の先読み特化ゾーン突入のあおり演出を追加してもよい。この場合には、先読み特化ゾーン開始前の演出により、先読み特化ゾーンに突入することをより一層、煽るような演出が可能になる。
上述のように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、先読み特化ゾーン演出において、複数の保留球の変動期間に渡って、一連の先読み演出を行う。そして、その先読み特化ゾーン演出では、大当り遊技への移行の期待度が徐々に高くなるような演出が行われる。それゆえ、本実施の形態では、先読み演出において、大当り遊技に対する遊技者の期待度を向上させることができ、先読み演出そのものに対する遊技者の興趣を向上させることができる。
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
次に、図78〜図84を参照しながら、主制御回路70のメインROM72に記憶される各種データテーブルの構成について説明する。
[大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)]
まず、図78を参照して、大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)について説明する。大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)は、第1始動口44に遊技球が入球(入賞)した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定する際に参照されるテーブルである。
なお、大当り判定用乱数値は、始動口入賞を契機に行われる抽選結果を判定するための乱数値であり、より具体的には、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の抽選結果を示す乱数値である。また、本実施の形態では、大当り判定用乱数値は、0〜65535(65536種類)の中から選ばれる。
本実施の形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。それゆえ、大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、図78に示すように、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のそれそれの当選が決定される大当り判定用乱数値の範囲と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」のいずれか)との関係が規定される。
なお、確変フラグは、メインRAM73に格納された管理フラグの一つであり、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「確変遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となる。
本実施の形態では、図78に示すように、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、167/65536となる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、300/65536となる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」及び「777」〜「943」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1273」のいずれかである場合には、図78に示すように、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、497/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、300/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれと同じになる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」及び「777」〜「1273」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施の形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合には、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動する。具体的には、遊技状態が「確変遊技状態」である時に第1始動口44に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「確変遊技状態」でない時のそれの約3倍程度高くなる。
[大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)]
次に、図79を参照して、大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)について説明する。大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)は、第2始動口45に遊技球が入球(入賞)した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて「大当り」か否かの抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
本実施の形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した場合、「大当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。なお、第2始動口45に遊技球が入賞した場合には、「小当り」は当選しない。
それゆえ、大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)には、図79に示すように、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」及び「ハズレ」のそれぞれの当選が決定される大当り判定用乱数値の範囲と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」のいずれか)との関係が規定される。
本実施の形態では、図79に示すように、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、167/65536となる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1273」のいずれかである場合には、図79に示すように、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、497/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1273」のいずれでもない場合には、「ハズレ」となり、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施の形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した場合にもまた、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動する。具体的には、第1始動口44入賞時と同様に、第2始動口45入賞時においても、遊技状態が「確変遊技状態」である時に第2始動口45に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「確変遊技状態」でない時のそれの約3倍程度高くなる。
[大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)]
次に、図80を参照して、大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)について説明する。
本実施の形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した際に行われる大当り判定用乱数値に基づく抽選より「大当り」が決定された場合、大当り図柄乱数値が取得され、該大当り図柄乱数値に基づいて、大当り図柄が選択される。
大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)は、その大当り図柄を選択する際に参照されるテーブルである。なお、大当り図柄乱数値は、「大当り」が決定された際に、大当り図柄を決定するための乱数値であり、0〜99(100種類)の中から選ばれる。
大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、図80に示すように、大当り図柄を指定するための図柄指定コマンド(「z0」〜「z16」)と、該図柄指定コマンドが選択される大当り図柄乱数値との関係が規定される。なお、大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、各図柄指定コマンドが選択される確率(選択率)も規定される。
例えば、大当り図柄の選択処理において、大当り図柄乱数値が「77」〜「96」のいずれかである場合には、図80に示すように、図柄指定コマンド「z13」が選択され、その選択率は、20/100となる。
[大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)]
次に、図81を参照して、大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)について説明する。
本実施の形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した際に行われる大当り判定用乱数値に基づく抽選より「大当り」が決定された場合にもまた、大当り図柄乱数値が取得され、該大当り図柄乱数値に基づいて、大当り図柄が選択される。大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)は、その大当り図柄を選択する際に参照されるテーブルである。
大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)には、図81に示すように、大当り図柄を指定するための図柄指定コマンド(「z17」)と、該図柄指定コマンドが選択される大当り図柄乱数値(0〜99のいずれか)との関係が規定される。なお、大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)には、各図柄指定コマンドが選択される確率(選択率)も規定される。
本実施の形態では、図81に示すように、第2始動口45入賞時に「大当り」が決定された場合には、大当り図柄の選択処理において、大当り図柄乱数値に関係なく、必ず図柄指定コマンド「z17」が選択される(選択率=100/100)。
[大当り種類決定テーブル]
次に、図82を参照して、大当り種類決定テーブルについて説明する。本実施の形態では、大当り図柄乱数判定テーブル(図80及び図81参照)を参照して図柄指定コマンド(「z0」〜「z17」のいずれか)が決定されると、該決定された図柄指定コマンドに基づいて、「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する。大当り種類決定テーブルは、図柄指定コマンドに基づいて、「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する際に参照されるテーブルである。
大当り種類決定テーブルには、図82に示すように、図柄指定コマンド(「z0」〜「z17」)と、「大当り」の種類を決定する各種パラメータとの関係が規定される。「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する各種パラメータとしては、大当り遊技におけるラウンド数の上限値、大当り遊技において出玉(賞球)が比較的得られやすいラウンド数、大当り遊技時に開放する大入賞口の種別、賞球数、並びに、移行先の遊技状態で設定される時短フラグ及び時短回数が規定される。
なお、大当り種類決定テーブルに規定されている、「出玉を比較的得やすいラウンド数」とは、大当り遊技において、大入賞口の開放時間が比較的長くなるラウンドの数を意味する。
例えば、ラウンド数の上限値が16ラウンドであり、出玉(賞球)を比較的得やすいラウンド数が6ラウンドである場合、大当り遊技の第1〜第6ラウンドゲームでは、大入賞口が30秒開放され、残りの第7〜第16ラウンドゲームでは大入賞口の開放時間が0.1秒となる。
このように、大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別に応じて、出玉(賞球)が比較的得られやすいラウンド数を変えることにより、ラウンド数の上限値が同じであっても、大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別により、大当り遊技において最終的に得られる出玉の総数に差異を与えることができる。
また、大当り種類決定テーブルに規定されている、開放する大入賞口の種別「1」は第1大入賞口53に対応し、種別「2」は第2大入賞口54に対応する。そして、第1大入賞口53入賞時の賞球数は「10」球となり、第2大入賞口54入賞時の賞球数は「15」球となる(図82参照)。
このように、本実施の形態では、大当り入賞時に開放する大入賞口の種別を変えることにより、一回の大当り遊技で大入賞口に入賞する回数が同じであっても、総賞球数を変化させることができる。
なお、図82の大当り種類決定テーブルに示すように、時短フラグの値(「1」(オン)又は「0」(オフ))及び付与される時短回数は、大当り当選時の遊技状態毎に規定される。具体的には、本実施の形態では、「低確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、「高確時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、及び、「高確率時短あり」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合のそれぞれにおいて、別個に時短フラグの値及び時短回数が規定される。
なお、時短フラグは、メインRAM73に格納された管理フラグの一つであり、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「1(オン)」となる。
なお、図82に記載の「低確率時短なし」は、「通常遊技状態」及び「非時短遊技状態」が同時に発生している遊技状態であるので、確変フラグの値が「0(オフ)」であり、且つ、時短フラグの値が「0(オフ)」である遊技状態である。
また、「高確率時短なし」は、「確変遊技状態」及び「非時短遊技状態」が同時に発生している遊技状態(「潜確遊技状態」)であるので、確変フラグの値が「1(オン)」であり、且つ、時短フラグの値が「0(オフ)」である遊技状態である。
また、「高確率時短あり」は、「確変遊技状態」及び「時短遊技状態」が同時に発生している遊技状態であるので、確変フラグの値が「1(オン)」であり、且つ、時短フラグの値が「1(オン)」である遊技状態である。
このように、本実施の形態では、大当り当選時の遊技状態に応じて時短遊技の有無及び時短回数を変化させることができる。すなわち、本実施の形態では、大当り遊技終了後の遊技状態を、大当り当選時の遊技状態に応じて変えることができる。
例えば、図柄指定コマンドが「z9」である場合には、図82に示すように、大当り当選時の遊技状態に関係なく、「大当り」の種類(内容)を決定する各種パラメータとして、ラウンド数の上限値「16」、比較的出玉を得やすいラウンド数「6」、大当り遊技時に開放する大入賞口の種別「1」、及び、賞球数「10」が取得される。
しかしながら、この場合、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であるときには、時短フラグ「0」及び時短回数「0」が選択され、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であるときには、時短フラグ「1」及び時短回数「100」が選択され、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短あり」であるときには、時短フラグ「1」及び時短回数「200」が選択される。
また、本実施の形態では、大当り遊技終了後は、必ず、遊技状態が「確変遊技状態」になるので、図82に示す大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値を規定していない。なお、本発明はこれに限定されず、大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値を規定してもよい。
また、本実施の形態では、大当り遊技終了後は、必ず、遊技状態が「確変遊技状態」になる例を説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、大当り遊技終了後、遊技状態が「確変遊技状態」に移行しないような「大当り」の種類を設けてもよいし、「大当り」の種類に応じて、遊技状態が「確変遊技状態」に移行するか否かを決定するような構成にしてもよい。この場合には、大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値が規定される。
[入賞パターン決定テーブル]
次に、図83を参照して、入賞パターン決定テーブルについて説明する。
本実施の形態では、主制御回路70(メインCPU71)は、入賞時(始動口入賞時)に決定された当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)及び図柄指定コマンドに基づいて、入賞パターン(入賞内容を指定する情報)を決定し、該入賞パターンを入賞コマンドとして副制御回路200(サブCPU201)に送信する。入賞パターン決定テーブルは、入賞時に決定された当選種別及び図柄指定コマンドに基づいて、入賞パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
入賞パターン決定テーブルには、図83に示すように、入賞パターンの種別(「NS00」〜「NS19」)と、図柄指定コマンドと、入賞内容を示す各種パラメータとの関係が規定される。入賞内容を示す各種パラメータとしては、当選種別、並びに、移行先の遊技状態で設定される時短フラグの値及び時短回数が規定される。なお、入賞パターン決定テーブルに規定されている当選種別の情報は図78及び図79に示す大当り乱数判定テーブルに規定されている判定値データに対応する。
また、図83に示す入賞パターン決定テーブルでは、時短フラグの値(「1」(オン)又は「0」(オフ))及び時短回数は、大当り当選時の遊技状態毎に規定される。具体的には、「低確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、「高確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、及び、「高確率時短あり」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合のそれぞれにおいて、別個に時短フラグの値及び時短回数が規定される。
なお、本実施の形態では、図柄指定コマンドは、大当り図柄を指定する情報であるので、入賞パターン決定テーブルでは、当選種別「ハズレ」及び「小当り」に対して図柄指定コマンドの情報は規定されない。また、当選種別が「ハズレ」及び「小当り」である場合には、入賞時の遊技状態に関係なく、時短遊技状態に移行しないので、入賞パターン決定テーブルでは、当選種別「ハズレ」及び「小当り」に対して時短フラグの値及び時短回数の情報も規定されない。
[変動パターン決定テーブル]
次に、図84を参照して、変動パターン決定テーブルについて説明する。
本実施の形態では、主制御回路70(メインCPU71)は、特別図柄の変動表示開始時に、当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、図柄指定コマンド、変動時間等の情報に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定し、該変動パターンを変動コマンドとして副制御回路200(サブCPU201)に送信する。
変動パターン決定テーブルは、特別図柄の変動開始時に、当選種別、図柄指定コマンド、変動時間等の情報に基づいて、変動パターンを決定する際に参照されるテーブルである。なお、変動パターン決定テーブルにより決定される特別図柄の変動パターンは、後述するように、特別図柄の変動表示期間に行う演出の演出パターンを指定するための情報にもなる。
変動パターン決定テーブルには、図84に示すように、変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、該変動パターンを選択する際に参照する情報(図柄指定コマンド、変動時間及び当選種別)との関係が規定される。また、変動パターン決定テーブルには、各変動パターンに対応する時短フラグの値及び時短回数も規定される。
なお、時短フラグの値及び時短回数は、大当り当選時の遊技状態毎に規定される。具体的には、「低確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、「高確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、及び、「高確率時短あり」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合において、それぞれ時短フラグの値及び時短回数が規定される。
[プログラムROMに記憶されているデータテーブルの構成]
次に、副制御回路200のプログラムROM202に記憶される各種データテーブルの構成について、図85〜図93を参照して説明する。
[先読み演出フラグテーブル]
まず、図85を参照して、先読み演出フラグテーブルについて説明する。
上述のように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、副制御回路200(サブCPU201)は、特別図柄の可変表示が保留されている場合、該保留されている特別図柄の可変表示の内容(保留球の内容)に応じて所定の先読み演出(先読み特化ゾーン演出も含む)を行う。この際、先読み演出の実行の有無は、先読み演出の管理情報(各種フラグ)により制御される。
図85に示す先読み演出フラグテーブルは、その先読み演出の管理情報(各種フラグ)を設定する際に参照されるテーブルである。なお、先読み演出の管理情報(各種フラグ)は、始動口入賞時に、主制御回路70から副制御回路200に送信される入賞コマンドに含まれる入賞パターンの情報に基づいて決定される。
先読み演出フラグテーブルには、図85に示すように、入賞パターンの種別(「NS00」〜「NS19」)と、先読み演出の管理情報(各種フラグ)を決定するための乱数値と、該乱数値により決定される、変動先読みフラグの値、先読み特化ゾーンフラグの値及び先読み特化ゾーン演出パターンの管理情報セットとの対応関係が規定される。
また、先読み演出フラグテーブルには、各管理情報セットの選択率、及び、各入賞パターンに対応する当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)も規定される。なお、先読み演出フラグテーブルに規定されている当選種別の情報は図78及び図79に示す大当り乱数判定テーブルに規定されている判定値データに対応する。
先読み演出フラグテーブルに規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
先読み演出フラグテーブルに規定される、変動先読みフラグは、先読み演出を行うか否かを決定するフラグであり、先読み演出が行われる場合には、変動先読みフラグの値に「1(オン)」がセットされる。また、先読み特化ゾーンフラグは、上述した先読み特化ゾーン演出を先読み演出として行うか否かを決定するフラグであり、先読み特化ゾーン演出が行われる場合には、先読み特化ゾーンフラグの値に「1(オン)」がセットされる。なお、変動先読みフラグ及び先読み特化ゾーンフラグは、後述の先読み演出フラグ決定処理(後述の図109参照)においてセットされる。
さらに、先読み演出フラグテーブルに規定される、先読み特化ゾーン演出パターンは、先読み特化ゾーンの演出に突入するまでに実行される先読み演出の系統を示す情報である。本実施の形態では、図85に示すように、3種類の先読み特化ゾーン演出パターン(「パターンA」、「パターンB」及び「パターンC」)が用意され、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」である場合に所定のパターンが選択される。
例えば、入賞時に決定された入賞パターンが「NS08」であり、先読み演出の管理情報(各種フラグ等)を設定するために入賞時に取得された乱数値が「100」〜「999」のいずれかの値であれば、変動先読みフラグには「0」がセットされ、先読み特化ゾーンフラグには「1」がセットされ、先読み特化ゾーン演出パターンとしては「パターンA」が選択される。
[変動演出テーブル]
上述のように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、副制御回路200(サブCPU201)の制御により、特別図柄の変動表示中に様々な演出が実行される。
この際に行われる演出の内容(演出パターン)は、特別図柄の変動表示開始時に、主制御回路70から副制御回路200に送信される変動コマンドに含まれる特別図柄の変動パターンの情報等に基づいて決定される。
以下に説明する各種変動演出テーブルは、この演出内容(演出パターン)を変動パターンの情報等に基づいて決定する際に参照される。なお、本実施の形態では、先読み演出の有無及び種別、並びに、ストック擬似連演出の有無等の各種条件に応じて、それぞれ別個の変動演出テーブルが用意される。
(1)変動演出テーブル(先読み無し)
まず、図86を参照しながら、変動演出テーブル(先読み無し)について説明する。変動演出テーブル(先読み無し)は、特別図柄の変動表示中に先読み演出を行わない場合、すなわち、変動先読みフラグの値及び先読み特化ゾーンフラグの値がともに「0」である場合(なお、演出モードが通常モードの特殊演出ステージである場合を除く)に行う、特別図柄の変動表示中の演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(先読み無し)には、図86に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、演出パターン(「EN00」〜「EN54」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及び擬似連演出フラグの値のデータセットとの対応関係が規定される。
また、変動演出テーブル(先読み無し)には、各特別図柄の変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)、当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)及び図柄指定コマンド、並びに、各演出パターンの選択率及び演出内容も規定される。
本実施の形態では、変動演出テーブル(先読み無し)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(先読み無し)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
変動演出テーブル(先読み無し)に規定される、擬似連演出フラグは、図44及び図67(a)で説明した通常の擬似連演出を行うか否かを決定するフラグであり、通常の擬似連演出が行われる場合には、擬似連演出フラグの値に「1(オン)」がセットされる。
例えば、先読み演出が実行されないことが決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された特別図柄の変動パターンが「HN10」であり、且つ、演出パターンを選択するために入賞時に取得された乱数値が「500」〜「999」のいずれかの値である場合には、演出パターンとして「EN20」が選択され、擬似連演出フラグには「1」がセットされる。
この場合には、特別図柄の変動表示期間(25000ミリ秒)に、通常の擬似連演出が行われる。具体的には、まず、所定の擬似連回数の「擬似連演出」が行われ、その後、「ノーマルリーチ演出A」と称する「リーチ演出」が行われる。そして、「ノーマルリーチ演出A」の終了とともに、液晶表示装置13の表示領域13aに「大当り」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
なお、本実施の形態では、「リーチ演出」として、「ノーマルリーチ演出A」の他に、「スペシャル演出A」ないし「スペシャル演出D」と称する演出があり、「非リーチ演出」として、「通常変動演出A」と称する演出がある。また、「リーチ演出」としては、液晶表示装置13で特別図柄(又は、識別情報、識別図柄、普通図柄等)の変動パターンに対応した演出が表示され、当該演出に合わせて稲妻役物80、ロゴ役物210及び扉役物420が駆動される。
なお、演出の結果が「大当り」であることを報知するために、図21のように稲妻役物80とロゴ役物210とが駆動(又は、移動、動作、可動等)することや、例えば、「リーチ演出」から「ノーマルリーチ演出A」に移行(又は、変化、発展、昇格等)する演出が存在する場合に、図28のように右金扉421及び左金扉422が駆動することで、当該演出の移行を報知するようにしてもよい。
(2)変動演出テーブル(先読み有り)
次に、図87を参照しながら、変動演出テーブル(先読み有り)について説明する。変動演出テーブル(先読み有り)は、特別図柄の変動表示時に先読み演出を行うことが決定されている場合、すなわち、特別図柄の変動開始時に、変動先読みフラグの値が「1」であり、且つ、先読み特化ゾーンフラグの値が「0」である場合に行う、特別図柄の変動表示中の演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(先読み有り)には、図87に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、演出パターン(「ES00」〜「ES55」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及び先読み演出の内容(図柄演出及び背景演出の種別)のデータセットとの対応関係が規定される。
なお、本実施の形態では先読み演出において、図柄演出(装飾図柄で行う演出)及び/又は背景演出(背景図柄で行う演出)を行う。そして、本実施の形態では、図柄演出としては「図柄演出A」、「図柄演出B」及び「図柄演出C」の3種類を用意し、背景演出としては「背景演出A」、「背景演出B」及び「背景演出C」の3種類を用意する。本実施の形態では、「図柄演出A」の内容の系統(種類)は、「背景演出A」のそれと同じとし、「図柄演出B」の内容の系統(種類)は、「背景演出B」のそれと同じとし、「図柄演出C」の内容の系統(種類)は、「背景演出C」のそれと同じとする。
また、変動演出テーブル(先読み有り)には、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、並びに、各演出パターンの選択率及び演出内容も規定される。
なお、本実施の形態では、変動演出テーブル(先読み有り)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(先読み有り)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
例えば、先読み演出の実行が決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された特別図柄の変動パターンが「HN00」であり、且つ、演出パターンを選択するために入賞時に取得された乱数値が「0」〜「499」のいずれかの値である場合には、演出パターンとして「ES00」が選択され、先読み演出では、「図柄演出A」が選択される。この場合には、特別図柄の変動表示期間(5000ミリ秒)に、まず、変動開始とともに「図柄演出A」の先読み演出が行われ、該先読み演出が終了した後、「通常変動演出A」と称する演出が行われる。そして、「通常変動演出A」と称する演出の終了とともに、表示装置13の表示領域13aに「ハズレ」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
なお、図87に示す変動演出テーブル(先読み有り)を、先読み演出を行わないときに使用してもよい。すなわち、図87に示す変動演出テーブル(先読み有り)を変動演出テーブル(先読み無し)として使用してもよい。この場合には、先読み演出を行わない通常の特別図柄の変動表示期間においても、先読み演出の実行が決定されている場合と同様の演出を行うことができる。
(3)変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)
次に、図88を参照しながら、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)について説明する。
上述のように、特別図柄の可変表示が複数保留された状態(複数の保留球が存在する状態)で、且つ、先読み特化ゾーンへの移行が決定されている場合、すなわち、特別図柄の変動開始時に、変動先読みフラグの値が「0」であり、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」である場合、先読み特化ゾーン演出を行う。この際、上述のように、先読み特化ゾーン開始前の演出、先読み特化ゾーン開始時の演出及び先読み特化ゾーン中の演出のそれぞれが、対応する保留球の変動表示時において実行される。
図88に示す変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)は、先読み特化ゾーン開始前の演出を行う保留球の変動開始時に、該保留球の変動表示期間に行われる演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)には、図88に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN04」)と、図85に示す先読み演出フラグテーブルで決定された先読み特化ゾーン演出パターンと、演出パターン(「EX00」〜「EX13」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及び先読み特化ゾーン開始前の演出の内容(図柄演出及び背景演出の種別)のデータセットとの対応関係が規定される。すなわち、先読み特化ゾーン開始前の演出の内容は、先読み特化ゾーン演出パターン、及び、変動パターンの種別(「HN00」〜「HN04」)に基づいて決定される。
なお、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)を参照して演出パターンを決定する場合には、先読み演出として図柄演出及び背景演出のいずれかが選択される。また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)には、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」)、並びに、各演出パターンの選択率も規定される。
先読み特化ゾーン演出では、先読み特化ゾーン中の演出において初めて、表示装置13の表示領域13aに「大当り」態様又は「小当り」態様の表示が行われて、特別図柄が変動停止する。すなわち、先読み特化ゾーン開始前及び先読み特化ゾーン開始時の演出では、表示装置13の表示領域13aには「ハズレ」態様の表示が行われて、特別図柄が変動停止する。それゆえ、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)及び後述の図89に示す変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)には、「ハズレ」の当選種別に対応する各種データが規定され、「小当り」及び「大当り」の当選種別に対応する各種データは規定されない。
また、本実施の形態では、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
例えば、先読み特化ゾーン開始前の演出の実行が決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された変動パターンが「HN00」であり、入賞時に決定された先読み特化ゾーン演出パターンが「パターンA」であり、演出パターンを選択するために入賞時に取得された乱数値が「0」〜「499」のいずれかの値である場合には、演出パターンとして「EX00」が選択され、先読み特化ゾーン開始前の演出としては、「図柄演出A」が選択される。この場合には、特別図柄の変動表示期間(5000ミリ秒)において、まず、特別図柄の変動表示が開始されると、先読み演出として「図柄演出A」が行われ、該先読み演出が終了した後、表示装置13の表示領域13aに「ハズレ」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
なお、本実施の形態では、先読み特化ゾーン開始前の演出の演出パターンの種別に応じて、所定の図柄演出又は所定の背景演出だけでなく、先読み特化ゾーンに突入することをさらに煽るような演出(あおり演出)を行う場合もある。
(4)変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)
次に、図89を参照しながら、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)について説明する。
図89に示す変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)は、先読み特化ゾーン開始時(突入時)の演出を行う保留球の変動開始時に、該保留球の変動表示期間に行われる演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)には、図89に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN04」)と、図85に示す先読み演出フラグテーブルで決定された先読み特化ゾーン演出パターンと、演出パターン(「EZ00」〜「EZ20」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及び先読み特化ゾーン開始時の演出の内容(図柄演出及び背景演出の種別)のデータセットとの対応関係が規定される。すなわち、先読み特化ゾーン開始時の演出の内容は、先読み特化ゾーン演出パターン、及び、変動パターンの種別(「HN00」〜「HN04」)に基づいて決定される。
先読み特化ゾーン開始時の演出では、上述のように、まず、特化ゾーンへの突入予告演出(「ゾーン移行予告複合成功」演出)として、演出内容が同じ系統の図柄演出及び背景演出が同時に行われる。それゆえ、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)中の各演出パターンには、同じ系統の図柄演出及び背景演出のデータが規定される。例えば、演出パターン「EZ00」では、先読み演出として「図柄演出A」及び「背景演出A」が規定される。
また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)には、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」)、並びに、各演出パターンの選択率も規定される。なお、本実施の形態では、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
例えば、先読み特化ゾーン開始時の演出の実行が決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された変動パターンが「HN00」であり、且つ、入賞時に決定された先読み特化ゾーン演出パターンが「パターンA」である場合には、先読み特化ゾーン開始時の演出パターンとして「EZ00」が選択され、先読み演出(「ゾーン移行予告複合成功」演出)としては、「図柄演出A」及び「背景演出A」が選択される。この場合には、特別図柄の変動表示期間(5000ミリ秒)において、まず、特別図柄の変動表示が開始されると、「ゾーン移行予告複合成功」演出として「図柄演出A」及び「背景演出A」が同時に行われ、該演出が終了した後、決定された演出パターンに対応する所定のゾーン突入演出が行わる。そして、所定のゾーン突入演出終了後、表示装置13の表示領域13aに「ハズレ」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
(5)変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)
次に、図90を参照しながら、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)について説明する。
図90に示す変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)は、先読み特化ゾーン中の演出を行う保留球の変動開始時に、該保留球の変動表示期間に行われる演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)には、図90に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、演出パターン(「ET00」〜「ET52」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及び演出内容のデータセットとの対応関係が規定される。すなわち、先読み特化ゾーン中の演出の内容は、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)に基づいて決定される。
また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)には、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」、「小当り」及び「大当り」)、並びに、各演出パターンの選択率も規定される。なお、本実施の形態では、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始中)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
例えば、先読み特化ゾーン開始中の演出の実行が決定されており、特別図柄の変動パターンが「HN00」であり、且つ、演出パターンを選択するために入賞時に取得された乱数値が「0」〜「899」のいずれかの値である場合には、先読み特化ゾーン中の演出パターンとして「ET00」が選択され、先読み特化ゾーン中の演出としては、演出内容が「先読み特化ゾーン中演出A」の先読み演出が選択される。この場合には、特別図柄の変動表示期間(5000ミリ秒)において、まず、特別図柄の変動表示が開始されると、「先読み特化ゾーン中演出A」に対応する先読み演出が行われ、該先読み演出が終了した後、表示装置13の表示領域13aに「ハズレ」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
なお、ここでは、先読み特化ゾーンの種類については詳述しないが、本実施の形態では複数種の先読み特化ゾーンを用意し、先読み特化ゾーンの種別に応じて適宜、所定の先読み特化ゾーン開始時の演出及び先読み特化ゾーン中の演出の演出パターンが対応付けられている。例えば、先読み特化ゾーン開始時の演出が「先読み特化ゾーンA」への突入演出である場合には、先読み特化ゾーン開始中の演出としては同系統の「先読み特化ゾーン中演出A」が選択される。また、例えば、先読み特化ゾーン開始時の演出が「先読み特化ゾーンB」への突入演出である場合には、先読み特化ゾーン開始中の演出としては同系統の「先読み特化ゾーン中演出B」が選択される。すなわち、先読み特化ゾーン開始中の演出の系統は先読み特化ゾーン開始時の演出の系統と同じであり、例えば、先読み特化ゾーン開始時の演出が「先読み特化ゾーンA」への突入演出である場合には、先読み特化ゾーン開始中の演出としては異なる系統の「先読み特化ゾーン中演出B」が選択されることはない。
また、複数種の先読み特化ゾーンを設けた場合、先読み特化ゾーンの種別と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行確率とを対応付けてもよい。例えば、「先読み特化ゾーンB」に対応する、遊技者にとって有利な遊技状態への移行確率を、「先読み特化ゾーンA」に対応する、それより高くなるように設定してもよい。この場合、「先読み特化ゾーンB」に対応する先読み演出を行うことにより、遊技者に対して有利な遊技状態への移行の期待度をより一層高めることができる。すなわち、この場合には、先読み特化ゾーン演出に対する遊技者の期待度を、その演出内容に応じて変化させることができるので、先読み特化ゾーン演出に対する興趣を向上させることができる。
(6)変動演出テーブル(特殊演出ステージ)
次に、図91を参照しながら、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)について説明する。
上述のように、本実施の形態では、「通常モード」において、特殊演出ステージが選択された場合、ストック擬似連演出が行われる。図91に示す変動演出テーブル(特殊演出ステージ)は、特殊演出ステージにおいて、特別図柄の変動表示期間に行われるストック擬似連演出の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
変動演出テーブル(特殊演出ステージ)には、図91に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、演出パターン(「EG00」〜「EG54」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及びストック擬似連演出フラグのデータセットとの対応関係が規定される。すなわち、ストック擬似連演出の演出内容は、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)に基づいて決定される。
また、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)には、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」、「小当り」及び「大当り」)、並びに、各演出パターンの選択率及び演出内容も規定される。なお、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定されている演出内容の演出は、上述した「リーチ演出」のことであり、ストック擬似連演出が行われる場合には、所定の擬似連回数の「擬似連演出」の終了後に実行される。
本実施の形態では、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。さらに、変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定される、ストック擬似連演出フラグは、ストック擬似連演出を行うか否かを決定するフラグであり、ストック擬似連演出が行われる場合には、ストック擬似連演出フラグの値に「1(オン)」がセットされる。
例えば、通常モードの特殊演出ステージにおいて、特別図柄の変動表示開始時に決定された変動パターンが「HN27」であり、演出パターンを選択するために入賞時に取得された乱数値が「100」〜「999」のいずれかの値である場合には、ストック擬似連演出の演出パターンとして「EG54」が選択され、ストック擬似連演出フラグには「1」がセットされる。
この場合には、特別図柄の変動表示期間(45000ミリ秒)において、まず、所定の「ストック演出」(各種マスコットが出現する演出)が行われ、その後、所定の擬似連回数の「擬似連演出」が行われる。そして、所定の擬似連回数の「擬似連演出」終了後、「スペシャル演出D」と称する「リーチ演出」が行われる。なお、この際に行われる「ストック演出」及び「擬似連演出」の内容は、後述の擬似連回数決定テーブル(後述の図92参照)及びマスコット出現数決定テーブル(後述の図93参照)を参照して決定される。
[擬似連回数決定テーブル]
次に、図92を参照して、擬似連回数決定テーブルについて説明する。
上述のように、本実施の形態では、ストック擬似連演出における擬似連回数は、ストック擬似連演出開始時に行われる「ストック演出」において出現する「マスコットC」(マスコットポイント)の数(出現数)に応じて変化する。擬似連回数決定テーブルは、ストック擬似連演出の実行が決定された場合に、擬似連回数及びマスコットCの出現数を決定する際に参照されるテーブルである。
擬似連回数決定テーブルには、図92に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、擬似連回数を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される擬似連回数及びマスコットCの出現数のデータセットとの対応関係が規定される。また、擬似連回数決定テーブルには、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」、「小当り」及び「大当り」)、
並びに、各データセットの選択率も規定される。
例えば、通常モードの特殊演出ステージにおいて、ストック擬似連演出を行うことが決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された変動パターンが「HN27」であり、擬似連回数を選択するために入賞時に取得された乱数値が「900」〜「999」のいずれかの値である場合には、ストック擬似連演出における擬似連回数は「15」となり、マスコットCの出現数は「3」となる。なお、この場合、上記変動演出テーブル(特殊演出ステージ)で説明したように、演出パターンとしては「EG54」が選択される。
それゆえ、この場合には、ストック擬似連演出が行われる特別図柄の変動表示期間(45000ミリ秒)において、まず、「ストック演出」でマスコットCが3体出現するような演出が行われ、次いで、15回の「擬似連演出」が行われる。そして、15回の「擬似連演出」が終了した後、「スペシャル演出D」と称する「リーチ演出」が行われる。
なお、本実施の形態では、上述のように、マスコットCの出現数が、「擬似連演出」の最低実行回数となるので、図92の擬似連回数決定テーブルには、図示を省略しているが、例えば、マスコットCの出現数が「1」であっても、「1」〜「15」の擬似連回数の範囲で「擬似連演出」が行われる場合も規定されている。また、マスコットCの出現数が、「擬似連演出」の最低実行回数となるので、表示装置13の表示領域13aに出現したマスコットCの数が、「擬似連演出」の最低実行回数を報知していることになる。
[マスコット出現数決定テーブル]
次に、図93を参照して、マスコット出現数決定テーブルについて説明する。
上述のように、ストック擬似連演出開始時に行われる「ストック演出」では、「マスコットA」(マスコットポイント「1」)及び/又は「マスコットB」(マスコットポイント「5」)の出現によりマスコットポイントが加算され、マスコットポイントが5ポイント以上になった時に「マスコットC」が出現する。それゆえ、所定数の「マスコットC」を出現させるための、「マスコットA」の出現数と「マスコットB」の出現数との組合せが複数種、存在する場合もある。マスコット出現数決定テーブルは、上述した擬似連回数決定テーブル(図92参照)により決定されたマスコットCの出現数に応じて、「マスコットA」の出現数と「マスコットB」の出現数との組合せを決定する際に参照されるテーブルである。
マスコット出現数決定テーブルには、図93に示すように、図92に示す擬似連回数決定テーブルを参照した抽選により決定された「マスコットC」の出現数と、「マスコットA」の出現数及び「マスコットB」の出現数の組合せを選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される「マスコットA」の出現数及び「マスコットB」の出現数の組合せデータとの対応関係が規定される。また、マスコット出現数決定テーブルには、各組合せデータの選択率も規定される。
例えば、図92に示す擬似連回数決定テーブルを参照した抽選により決定された「マスコットC」の出現数が「2」であり、「マスコットA」の出現数及び「マスコットB」の出現数の組合せを選択(決定)するために入賞時に取得された乱数値が「800」〜「899」のいずれかの値であった場合、「マスコットA」の出現数は「4」となり、「マスコットB」の出現数は「2」となる。なお、この場合の「ストック演出」における「マスコットA」及び「マスコットB」の出現順序(出現パターン)は、「マスコットC」が2体出現する順序であれば任意に設定することができる。
また、本実施の形態では、特別図柄の変動パターンの種別に応じて、擬似連回数と「マスコットC」の出現数とが一意的に決定される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。「マスコットC」の出現数を変動パターンとは関係なく、別途抽選で決定し、その後、該決定された「マスコットC」の出現数に応じて、抽選により「マスコットA」の出現数及び「マスコットB」の出現数の組合せを決定してもよい。また、この場合、変動パターン毎に設定された変動時間を考慮に入れて、各マスコットの出現数を抽選により決定してもよい。
[主制御回路の動作説明]
次に、図94〜図106を参照して、主制御回路70のメインCPU71により実行される各種処理の内容について説明する。
[主制御メイン処理]
まず、図94を参照して、メインCPU71の制御による主制御メイン処理について説明する。なお、図94は、本実施の形態における主制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、最初に、メインCPU71は、初期設定処理を行う(S1)。この処理では、メインCPU71は、例えば、メインRAM73へのアクセス許可、バックアップ復帰、作業領域の初期化等の処理を行う。次いで、メインCPU71は、初期値乱数の更新処理を行う(S2)。この処理では、メインCPU71は、初期乱数カウンタ値を更新する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄制御処理を行う(S3)。この処理では、メインCPU71は、特別図柄ゲームの進行、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に関する所定の制御処理を行う。なお、特別図柄制御処理の詳細については、後述の図95を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、普通図柄制御処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄ゲームの進行、及び、普通図柄表示装置62に表示される普通図柄に関する所定の制御処理を行う。なお、普通図柄制御処理の詳細については、後述の図103を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、図柄表示装置の制御処理を行う(S5)。この処理では、メインCPU71は、特別図柄制御処理(S3)及び普通図柄制御処理(S4)の実行結果に基づいて、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)、並びに、普通図柄の可変表示の表示制御を行う。
次いで、メインCPU71は、遊技情報データ生成処理を行う(S6)。この処理では、メインCPU71は、遊技店のホールコンピュータ等に送信する遊技情報データを生成し、該遊技情報データをメインRAM73に格納する。
次いで、メインCPU71は、記憶・遊技状態データ生成処理を行う(S7)。この処理では、メインCPU71は、確変フラグの値及び時短フラグの値に基づいて、副制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、該記憶・遊技状態データをメインRAM73に格納する。
そして、S7の処理後、メインCPU71は、処理をS2の処理に戻し、上述したS2以降の処理を繰り返す。
[特別図柄制御処理]
次に、図95を参照して、主制御メイン処理(図94参照)中のS3で行う特別図柄制御処理について説明する。図95は、本実施の形態における特別図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、図95に示す各処理ステップの符号の下に括弧書きで記載した数値(「00」〜「08」)は制御状態フラグの値を示し、この制御状態フラグは、メインRAM73内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、制御状態フラグの数値に対応する各処理ステップを実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグをロードする(S11)。この処理では、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。
メインCPU71は、S11でロードされた制御状態フラグの値に基づいて、後述のS12〜S20の各種処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S12〜S20のいずれかの処理を実行可能にするものである。
また、メインCPU71は、S12〜S20の各処理に対して設定された待ち時間等に応じて決定される所定のタイミングで、各ステップの処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各ステップの処理を実行せずに、他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で後述のシステムタイマ割込処理(後述の図104参照)も実行する。
そして、S11の処理が終了すると、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理
を行う(S12)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、当り判定、特別図柄の決定、特別図柄の変動パターンの決定等の処理を行う。
また、メインCPU71は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄変動時間管理処理(S13)を示す値(「01」)にセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S12の処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間が経過した後、後述の特別図柄変動時間管理処理が実行されるように設定される。
一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)には、メインCPU71は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。なお、特別図柄記憶チェック処理の詳細については、後述の図96を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を行う(S13)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の変動時間が経過した場合に、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(S14)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。
すなわち、この処理により、S13の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。なお、特別図柄変動時間管理処理の詳細については、後述の図98を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、S13の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であるか否かを判断する。
そして、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(S15)を示す値(「03」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S14の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。
一方、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」でない場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(S20)を示す値(「08」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、特別図柄表示時間管理処理の詳細については、後述の図99及び図100を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、S14において当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であると判定された場合、大当り開始インターバル管理処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、S14の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるため、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。
また、この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(S16)を示す値(「04)」をセットするとともに、大入賞口の開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。なお、大当り開始インターバル管理処理の詳細については、後述の図101を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を行う(S16)。この処理では、まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「04」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
S16において、一方の条件が満たされた場合には、メインCPU71は、所定の大入賞口(第1大入賞口又は第2大入賞口)を閉鎖させるため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。
そして、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(S17)を示す値(「05」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S17でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、大入賞口内残留球監視処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「05」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判断する。
S17において、メインCPU71が上記条件を満たさないと判別した場合には、メインCPU71は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「06」)を制御状態フラグにセットする。
また、メインCPU71は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。
一方、S17において、メインCPU71が上記条件を満たしたと判別した場合には、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S17でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次いで、S17において、メインCPU71が、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、メインCPU71は大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(S18)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「06」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。
また、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU71は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S18の処理後に上述した大入賞口開放中処理(S16)が再度実行されるように設定される。
また、S17において、メインCPU71が、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(S19)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S19の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、大当り終了インターバル処理の詳細については、後述の図102を参照しながら後で説明する。
そして、メインCPU71は、大当り図柄が確変図柄である場合には、遊技状態を確変遊技状態に移行させる制御を行い、大当り図柄が非確変図柄である場合には、遊技状態を通常遊技状態に移行させる制御を行う。なお、大当り図柄が「小当り」に対応する図柄である場合には、メインCPU71は、遊技状態を維持するような制御を行う。
次いで、メインCPU71は、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了した場合、又は、「ハズレ」に当選した場合には、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S20)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU71は、次回の特別図柄の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。
さらに、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S20の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)が実行されるように設定される。
そして、S20の処理後、メインCPU71は、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図94参照)のS4に移す。
上述したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的には、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく且つ当り判定の結果が「ハズレ」である場合には、メインCPU71は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「08」の順にセットする。
これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)、特別図柄変動時間管理処理(S13)、特別図柄表示時間管理処理(S14)及び特別図柄ゲーム終了処理(S20)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU71は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく且つ当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合には、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。
これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)、特別図柄変動時間管理処理(S13)、特別図柄表示時間管理処理(S14)及び大当り開始インターバル管理処理(S15)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU71は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御が実行された場合には、制御状態フラグを「04」、「05」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(S16)、大入賞口内残留球監視処理(S17)及び大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S18)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技又は小当り遊技を実行する。
なお、大当り遊技中に、大当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、メインCPU71は、制御状態フラグを「04」、「05」、「07」、「08」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(S16)、大入賞口内残留球監視処理(S17)、大当り終了インターバル処理(S19)及び特別図柄ゲーム終了処理(S20)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理では、ステータスに応じて処理フローを分岐させている。また、図94に示す主制御メイン処理中のS4の普通図柄制御処理(後述の図103参照)もまた、後述すように、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理フローを分岐させる。
本実施の形態の処理プログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合にコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能となるように、プログラミングされている。その結果、上記処理を実行するためにジャンプテーブルを配置する場合と比較して、本実施の形態では、プログラムの容量を削減することができる。
[特別図柄記憶チェック処理]
次に、図96を参照して、特別図柄制御処理(図95参照)中のS12で行う特別図柄記憶チェック処理について説明する。なお、図96は、本実施の形態における特別図柄記憶チェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(S31)。S31において、メインCPU71が、制御状態フラグが「00」でないと判別した場合(S31がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
一方、S31において、メインCPU71が、制御状態フラグが「00」であると判別した場合(S31がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する(S32)。
S32において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(S32がNO判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数に対応する第2始動記憶数の値を「1」減算する(S33)。
本実施の形態では、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。
第2特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。
なお、各第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている始動記憶に含まれるデータは、例えば、第2始動口45の入賞時に取得した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値等のデータである。
S33の処理後、メインCPU71は、第2始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(S34)。この処理では、メインCPU71は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)に転送(記憶)する。そして、S34の処理後、メインCPU71は、後述のS39の処理を行う。
一方、S32において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(S32がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(第1始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する(S35)。
S35において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(S35がYES判定の場合)、メインCPU71は、デモ表示処理を行う(S36)。そして、S36の処理後、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
なお、S36のデモ表示処理では、メインCPU71は、メインRAM73にデモ表示許可値をセットする。すなわち、メインCPU71は、第1始動口入賞及び第2始動口入賞の保留個数が「0」になった状態(特別図柄ゲームの始動記憶が「0」になった状態)が所定時間(例えば、30秒)維持されると、デモ表示許可値として所定値をセットする。
また、S36のデモ表示処理においてデモ表示許可値が所定値であった場合には、メインCPU71は、デモ表示コマンドデータをメインRAM73にセットする。デモ表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。副制御回路200は、デモ表示コマンドデータを受信すると、液晶表示装置13の表示領域13aにデモ画面を表示させる。
一方、S35において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(S35がNO判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数に対応する第1始動記憶数の値を「1」減算する(S37)。
本実施の形態では、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。
第1特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。
なお、各第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている始動記憶に含まれるデータは、例えば、第1始動口44の入賞時に取得した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値等のデータである。
S37の処理後、メインCPU71は、第1始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(S38)。この処理では、メインCPU71は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)に転送(記憶)する。そして、S38の処理後、メインCPU71は、後述のS39の処理を行う。
次いで、S34又はS38の処理後、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)をセットする(S39)。
次いで、メインCPU71は、大当り判断処理を行う(S40)。この処理では、メインCPU71は、始動口入賞時に抽出され、且つ、第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた大当り判定用乱数値に基づき、入賞始動口の種別に対応する大当り乱数判定テーブル(図78又は図79)を参照して、判定値データを取得する。そして、メインCPU71は、取得した判定値データに基づいて、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれに当選したかを判定(当り判定)する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄決定処理を行う(S41)。この処理では、メインCPU71は、当り判定の結果が「大当り」である場合に、特別図柄として大当り図柄を決定する。
この際、メインCPU71は、始動入賞時に抽出された大当り図柄乱数値を読み出し、その大当り図柄乱数値と、当り判定の結果とに基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM73の所定領域に記憶する。
具体的には、当り判定の結果が「大当り」である場合には、メインCPU71は、特別図柄として大当り図柄を決定し、当り判定の結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合には、特別図柄として、「小当り」及び「ハズレ」のそれぞれに対して設定された所定の図柄を決定する。また、この際、メインCPU71は、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定する場合には、確変遊技状態に移行させる制御を行う。
このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置61に供給される。この結果、特別図柄表示装置61により、特別図柄が導出表示される。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に導出図柄指定コマンドとして供給される。
これにより、副制御回路200では、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置13に導出表示される。なお、特別図柄決定処理の詳細については、後述の図97を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、遊技状態の種別(確変、時短及び通常)、当り判定の結果(当選種別:「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、特別図柄の可変表示の保留個数(始動記憶数)及び特別図柄(大当り図柄等)等に基づいて、変動パターン決定処理を行う(S42)。
この処理では、メインCPU71は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU71は、上述したように決定された特別図柄(大当り図柄等)に基づいて、変動パターンを決定するための大当り種類決定テーブル(図82参照)を参照する。
そして、メインCPU71は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と大当り種類決定テーブルとに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定し、メインRAM73の所定領域に記憶する。メインCPU71は、この特別図柄の変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(変動表示時間等)を決定する。
この記憶された特別図柄の変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置61に供給される。この結果、特別図柄表示装置61により、特別図柄が決定された変動パターンで変動表示される。
また、この記憶された特別図柄の変動パターンを示すデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に変動コマンド(変動パターン指定コマンド)として供給される。そして、サブCPU201は、受信した変動コマンドに対応する演出パターンで演出表示を実行する。
S42の処理後、メインCPU71は、決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする(S43)。次いで、メインCPU71は、今回の変動表示に用いられた記憶領域の情報(データ)をクリアする(S44)。そして、S44の処理後、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
[特別図柄決定処理]
次に、図97を参照して、特別図柄記憶チェック処理(図96参照)中のS41で行う特別図柄決定処理について説明する。なお、図97は、本実施の形態における特別図柄決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理中のS40の処理で行われた当り判定の結果が「大当り」であるか否かを判別する(S51)。
S51において、メインCPU71が、当り判定の結果が「大当り」であると判別した場合(S51がYES判定の場合)、メインCPU71は、大当り図柄決定乱数値に基づいて、大当り図柄を決定する(S52)。
次いで、メインCPU71は、決定された大当り図柄のデータをセットする(S53)。そして、S53の処理後、メインCPU71は、特別図柄決定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理(図96参照)中のS42に移す。
なお、S52の処理において、メインCPU71は、大当り図柄のデータを、特別図柄表示装置61に供給する。これにより、特別図柄表示装置61は、特別図柄を変動表示させて、大当り図柄のデータに基づく態様で特別図柄を停止表示させる。
さらに、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に大当り図柄のコマンドをセットし、該コマンドを導出図柄指定コマンドとして、副制御回路200のサブCPU201に送信する。これにより、副制御回路200は、識別図柄の大当り態様を液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
一方、S51において、メインCPU71が、当り判定の結果が「大当り」でないと判別した場合(S51がNO判定の場合)、メインCPU71は、当り判定の結果が「小当り」であるか否かを判別する(S54)。
S54において、メインCPU71が、当り判定の結果が「小当り」であると判別した場合(S54がYES判定の場合)、メインCPU71は、「小当り」に対応する所定の特別図柄(小当り図柄)のデータをメインRAM73の所定領域にセットする(S55)。そして、S55の処理後、メインCPU71は、特別図柄決定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理(図96参照)中のS42に移す。
なお、S55の処理において、メインCPU71は、小当り図柄のデータを、特別図柄表示装置61に供給する。これにより、特別図柄表示装置61は、特別図柄を変動表示させて、小当り図柄のデータに基づく態様で特別図柄を停止表示させる。
さらに、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に小当り図柄のコマンドをセットし、該コマンドを導出図柄指定コマンドとして、副制御回路200のサブCPU201に送信する。これにより、副制御回路200は、識別図柄の小当り態様を液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
一方、S54において、メインCPU71が、当り判定の結果が「小当り」でないと判別した場合(S54がNO判定の場合)、メインCPU71は、「ハズレ」に対応する所定の特別図柄(ハズレ図柄)のデータをセットする(S56)。そして、S56の処理後、メインCPU71は、特別図柄決定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理(図96参照)中のS42に移す。
なお、S56の処理において、メインCPU71は、ハズレ図柄のデータを、特別図柄表示装置61に供給する。これにより、特別図柄表示装置61は、特別図柄を変動表示させて、ハズレ図柄のデータに基づく態様で特別図柄を停止表示させる。
さらに、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域にハズレ図柄のコマンドをセットし、該コマンドを導出図柄指定コマンドとして、副制御回路200のサブCPU201に送信する。これにより、副制御回路200は、識別図柄のハズレ態様を液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
[特別図柄変動時間管理処理]
次に、図98を参照して、特別図柄制御処理(図95参照)中のS13で行う特別図柄変動時間管理処理について説明する。なお、図98は、本実施の形態における特別図柄変動時間管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であるか否かを判別する(S61)。S61において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)でないと判別した場合(S61がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
一方、S61において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であると判別した場合(S61がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S62)。なお、この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた変動時間が消化されたか否かを判別する。
S62において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S62がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
一方、S62において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S62がYES判定の場合)、メインCPU71は、状態制御フラグに、特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)をセットする(S63)。
次いで、メインCPU71は、図柄停止コマンドをメインRAM73にセットする(S64)。なお、メインRAM73にセットされた図柄停止コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。副制御回路200は、図柄停止コマンドを受信すると、特別図柄が停止されることを認識する。
次いで、メインCPU71は、変動確定後の待ち時間(例えば、10ミリ秒)を待ち時間タイマにセットする(S65)。なお、変動確定後の待ち時間(変動開始待ち時間)は、特別図柄の変動表示を終了してから次の特別図柄の変動表示を開始するまでの待ち時間である。そして、S65の処理後、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
[特別図柄表示時間管理処理]
次に、図99及び図100を参照して、特別図柄制御処理(図95参照)中のS14で行う特別図柄表示時間管理処理について説明する。なお、図99及び図100は、本実施の形態における特別図柄表示時間管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(S71)。S71において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合(S71がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
一方、S71において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合(S71がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する(S72)。この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた変動確定後の待ち時間(変動開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。
S72において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S72がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
一方、S72において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S72がYES判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する(S73)。
S73において、メインCPU71が、特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合(S73がYES判定の場合)、メインCPU71は、後述のS85の処理を行う。一方、S73において、メインCPU71が、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合(S73がNO判定の場合)、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする(S74)。
次いで、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S75)。
S75において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S75がYES判定の場合)、メインCPU71は、後述のS77の処理を行う。一方、S75において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S75がNO判定の場合)、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値を「1」減算する(S76)。
S76の処理後、又は、S75がYES判定の場合、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S77)。
S77において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S77がYES判定の場合)、メインCPU71は、後述のS79の処理を行う。
一方、S77において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S77がNO判定の場合)、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値を「1」減算する(S78)。
S78の処理後、又は、S77がYES判定の場合、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S79)。
S79において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S79がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
一方、S79において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S79がYES判定の場合)、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S80)。
S80において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S80がNO判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする(S81)。具体的には、メインCPU71は、時短フラグをクリアする。
次いで、メインCPU71は、「高確率時短なし」の遊技状態(「確変遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」である状態)に対応する遊技状態コマンドをセットする(S82)。そして、S82の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
一方、S80において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S80がYES判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする(S83)。具体的には、メインCPU71は、時短フラグ及び確変フラグをクリアする。
次いで、メインCPU71は、「低確率時短なし」の遊技状態(「通常遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」である状態)に対応する遊技状態コマンドをセットする(S84)。そして、S84の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
ここで、再度、S73の処理に戻って、S73がYES判定である場合に行われる処理について説明する。S73がYES判定である場合、メインCPU71は、大当りフラグをオン状態にセットする(S85)。なお、大当りフラグは、大当り遊技を行うか否かを示すフラグである。
次いで、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値、遊技状態フラグの値及び時短状態変動回数カウンタの値をクリアする(S86)。次いで、メインCPU71は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする(S87)。
次いで、メインCPU71は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間(例えば、5000ミリ秒)を待ち時間タイマにセットする(S88)。次いで、メインCPU71は、特別図柄に対応する大当り開始コマンドをメインRAM73にセットする(S89)。
次いで、メインCPU71は、大当り種類決定テーブル(図82参照)を参照し、特別図柄(図柄指定コマンドの種別)に対応するラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM73にセットする(S90)。
次いで、メインCPU71は、ラウンド数表示LEDパターンフラグをオン状態にセットする(S91)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。そして、S91の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
[大当り開始インターバル管理処理]
次に、図101を参照して、特別図柄制御処理(図95参照)中のS15で行う大当り開始インターバル管理処理について説明する。なお、図101は、本実施の形態における大当り開始インターバル管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であるか否かを判別する(S101)。
S101において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)でないと判別した場合(S101がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
一方、S101において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であると判別した場合(S101がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S102)。この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた大当り開始インターバル時間が消化されたか否かを判別する。
S102において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S102がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
一方、S102において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S102がYES判定の場合)、メインCPU71は、大入賞口開放中表示コマンドデータをメインRAM73にセットする(S103)。
なお、この処理でメインRAM73にセットされた大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。
次いで、メインCPU71は、制御状態フラグに、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)をセットする(S104)。次いで、メインCPU71は、大入賞口入賞カウンタをクリアする(S105)。次いで、メインCPU71は、大入賞口開放時間を待ち時間タイマにセットする(S106)。
次いで、メインCPU71は、大入賞口開放中データをセットする(S107)。大入賞口開放中データは、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放中であることを示すデータである。
この処理において、メインCPU71は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるために、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。
このように変数を更新することにより、第1大入賞口53又は第2大入賞口54に係るソレノイドアクチュエータを駆動して第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放状態にする。そして、S107の処理後、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
[大当り終了インターバル処理]
次に、図102を参照して、特別図柄制御処理(図95参照)中のS19で行う大当り終了インターバル処理について説明する。なお、図102は、本実施の形態における大当り終了インターバル処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であるか否かを判別する(S111)。
S111において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)でないと判別した場合(S111がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
一方、S111において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であると判別した場合(S111がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S112)。この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。
S112において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S112がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。一方、S112において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S112がYES判定の場合)、メインCPU71は、ラウンド数表示LEDパターンフラグをクリアする(S113)。
次いで、メインCPU71は、制御状態フラグに、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする(S114)。次いで、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする(S115)。
次いで、メインCPU71は、確変フラグの値が「1」であるか(確変フラグがオン状態であるか)否かを判別する(S116)。上述のように、本実施の形態では、大当り遊技終了後、遊技状態が「確変遊技状態」になるので、確変フラグの値も「1」である。
それゆえ、本実施の形態では、通常、S116はYES判定となる。なお、図82に示す大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値が規定されている場合には、S116において、メインCPU71は、大当り種類決定テーブルを参照し、特別図柄決定処理により決定された大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別に応じて、確変フラグの値が「1」であるか否かを判別する。
S116において、メインCPU71が、確変フラグの値が「1」でないと判別した場合(S116がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS119の処理を行う。一方、S116において、メインCPU71が、確変フラグの値が「1」であると判別した場合(S116がYES判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグをセットする(S117)。具体的には、メインCPU71は、確変フラグをセットする。次いで、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値に「200」をセットする(S118)。
そして、S118の処理後、又は、S116がNO判定の場合、メインCPU71は、時短フラグの値が「1」であるか(時短フラグがオン状態であるか)否かを判別する(S119)。
この処理では、メインCPU71は、大当り種類決定テーブルを参照し、特別図柄決定処理により決定された大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別、及び、大当り当選時の遊技状態に応じて、時短フラグの値が「1」であるか否かを判別する。
S119において、メインCPU71が、時短フラグの値が「1」であると判別した場合(S119がYES判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグに「時短遊技状態」をセットする(S120)。
具体的には、メインCPU71は、時短フラグをセットする。次いで、メインCPU71は、大当り種類決定テーブルを参照し、特別図柄決定処理により決定された大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別、及び、大当り当選時の遊技状態に応じて、対応する時短回数の値を時短状態変動回数カウンタにセットする(S121)。そして、S121の処理後、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
一方、S119において、メインCPU71が、時短フラグの値が「1」でないと判別した場合(S119がNO判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグに、「非時短遊技状態」をセットする(S122)。そして、S122の処理後、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図95参照)に戻す。
[普通図柄制御処理]
次に、図103を参照して、主制御メイン処理(図94参照)中のS4で行う普通図柄制御処理について説明する。図103は、本実施の形態における普通図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。
なお、図103に示すフローチャート中の各処理ステップの符号の下に括弧書きで記載した数値(「00」〜「04」)は普通図柄制御状態フラグを示し、この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM73内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する各処理ステップを実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
まず、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグをロードする(S131)。この処理では、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された普通図柄制御状態フラグを読み出す。
メインCPU71は、S131でロードされた普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のS132〜S136の各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通制御制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S132〜S136のいずれかの処理を実行可能にするものである。
また、メインCPU71は、S132〜S136の各処理に対して設定された待ち時間等に応じて決定される所定のタイミングで、各ステップの処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各ステップの処理を実行せずに、他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で後述のシステムタイマ割込処理(後述の図104参照)も実行する。
そして、S131の処理が終了すると、メインCPU71は、普通図柄記憶チェック処理を行う(S132)。
この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でないときには、当り判定等の処理を行う。
また、メインCPU71は、この処理において、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄変動時間監視処理(S133)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S132の処理で決定された普通図柄の変動時間が経過した後、後述の普通図柄変動時間監視処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄変動時間監視処理を行う(S133)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄表示時間監視処理(S134)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。
すなわち、この処理により、S133の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間監視処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄表示時間監視処理を行う(S134)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視処理を示す値(「02」)であり、S133の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「当り」であるか否かを判断する。
そして、当り判定の結果が「当り」である場合、メインCPU71は、普通電動役物開放設定処理を行い、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通電動役物開放処理(S135)を示す値(「03」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。
一方、当り判定の結果が「当り」でない場合、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄ゲーム終了処理(S136)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、S134において当り判定の結果が「当り」であると判定された場合、普通電動役物開放処理を行う(S135)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放処理を示す値(「03」)である場合に、普通電動役物46の開放中において所定数の始動入賞があったという条件、及び、普通電動役物46の開放上限時間を経過した(普通電役開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされたか否かを判断する。
S135において、上記一方の条件が満たされた場合には、メインCPU71は、普通電動役物46である羽根部材を閉鎖状態にするため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄ゲーム終了処理(S136)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄ゲーム終了処理を行う(S136)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数を示すデータを「1」減少させるように記憶更新する。
また、メインCPU71は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)をセットする。すなわち、この処理により、S136の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(S132)が実行されるように設定される。
そして、S136の処理後、メインCPU71は、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図94)のS5に移す。
[システムタイマ割込処理]
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、メインCPU71は、メイン処理の実行中であっても、所定周期でメイン処理を中断し、システムタイマ割込処理を実行する。具体的には、メインCPU71は、リセット用クロックパルス発生回路74から所定周期(例えば2ミリ秒)で発生されるクロックパルスに応じて、システムタイマ割込処理を実行する。
ここで、図104を参照して、メインCPU71により実行されるシステムタイマ割込処理について説明する。なお、図104は、本実施の形態におけるシステムタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、各レジスタのデータ(情報)を退避させる(S141)。次いで、メインCPU71は、乱数更新処理を行う(S142)。この処理では、メインCPU71は、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタ、当り判定用カウンタ、転落判定用カウンタ、変動パターン決定用カウンタ、演出パターン決定用カウンタ等から抽出される各種乱数値を更新する。
なお、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠ける。そのため、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタは、公正さを担保するために2ミリ秒毎の決まったタイミングで更新を行う。
次いで、メインCPU71は、スイッチ入力検出処理を行う(S143)。この処理では、メインCPU71は、各種始動口、各種入賞口及び球通過検出器43への入賞又は通過を検出する。なお、スイッチ入力検出処理の詳細については、後述の図105を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、タイマ更新処理を行う(S144)。具体的には、メインCPU71は、主制御回路70と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等の各種タイマの更新処理を行う。
次いで、メインCPU71は、コマンド出力処理を行う(S145)。この処理では、メインCPU71は、副制御回路200のサブCPU201に、例えば、入賞コマンド、変動コマンド等の各種コマンドを出力する。
次いで、メインCPU71は、遊技情報出力処理を行う(S146)。この処理では、メインCPU71は、遊技店のホールコンピュータ等に、主制御回路70、副制御回路200、払出・発射制御回路123等で処理される遊技に係る各種情報が出力される。
次いで、メインCPU71は、S141で退避させた各レジスタのデータを復帰させる(S147)。そして、S147の処理後、メインCPU71は、システムタイマ割込処理を終了する。
[スイッチ入力検出処理]
次に、図105を参照して、システムタイマ割込処理(図104参照)中のS143で行うスイッチ入力検出処理について説明する。なお、図105は、本実施の形態におけるスイッチ入力検出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、始動口通過検出処理を行う(S151)。この処理では、メインCPU71は、第1始動口44又は第2始動口45に遊技球が入球したか否かを判別する。
すなわち、メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44a又は第2始動口入賞球センサ45aにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。なお、始動口通過検出処理の詳細については、後述の図106を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、一般入賞口通過検出処理を行う(S152)。この処理では、メインCPU71は、一般入賞口51又は52に遊技球が入球したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、一般入賞球センサ51a又は52aにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。そして、一般入賞口51又は52への遊技球の入賞が検出された場合には、メインCPU71は、該入賞に対応する所定の各種処理を行う。
次いで、メインCPU71は、大入賞口通過検出処理を行う(S153)。この処理では、メインCPU71は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54に遊技球が入球したか否かを判別する。
すなわち、メインCPU71は、第1大入賞口ソレノイド53b又は第2大入賞口ソレノイド54bにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。そして、第1大入賞口53又は第2大入賞口54への遊技球の入賞が検出された場合には、メインCPU71は、該入賞に対応する所定の各種処理を行う。
次いで、メインCPU71は、ゲート通過検出処理を行う(S154)。この処理では、メインCPU71は、遊技球が球通過検出器43を通過したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、通過球センサ43aにより遊技球の通過が検出されたか否かを検出する。
そして、遊技球が球通過検出器43を通過したことが検出された場合には、メインCPU71は、該通過に対応する所定の各種処理を行う。そして、S154の処理後、メインCPU71は、スイッチ入力検出処理を終了し、処理をシステムタイマ割込処理(図104参照)のS144に移す。
[始動口通過検出処理]
次に、図106を参照して、スイッチ入力検出処理(図105参照)中のS151で行う始動口通過検出処理について説明する。なお、図106は、本実施の形態における始動口通過検出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44aの出力信号に基づいて、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されたか否かを判別する(S161)。
S161において、メインCPU71が、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されていないと判別した場合(S161がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS167の処理を行う。
一方、S161において、メインCPU71が、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されたと判別した場合(S161がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞に対応する払出情報をメインRAM73にセットする(S162)。本実施の形態では、遊技球が第1始動口44に入賞すると3個の遊技球が払出される。それゆえ、S162の処理では、3個の遊技球の払出情報がセットされる。
S162の処理後、メインCPU71は、第1始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(保留球の個数)が「4」未満であるか否かを判別する(S163)。
S163において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「4」未満でないと判別した場合(S163がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS167の処理を行う。一方、S163において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「4」未満であると判別した場合(S163がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数を「1」加算する処理を行う(S164)。
S164の処理後、メインCPU71は、抽選に用いる各種乱数値を取得し、取得した各種乱数値をメインRAM73の所定領域に格納する(S165)。具体的には、メインCPU71は、大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値を取得する。
次いで、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数増加コマンドデータをメインRAM73にセットする(S166)。なお、この処理でメインRAM73にセットされた第1始動口入賞の保留個数増加コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。
S166の処理後、又は、S161或いはS163がNO判定の場合、メインCPU71は、第2始動口入賞球センサ45aの出力信号に基づいて、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されたか否かを判別する(S167)。
S167において、メインCPU71が、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されていないと判別した場合(S167がNO判定の場合)、メインCPU71は、始動口通過検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図105参照)のS152に移す。
一方、S167において、メインCPU71が、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されたと判別した場合(S167がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞に対応する払出情報をメインRAM73にセットする(S168)。本実施の形態では遊技球が第2始動口45に入賞すると、3個の遊技球が払出される。それゆえ、S168の処理では、3個の遊技球の払出情報がセットされる。
S168の処理後、メインCPU71は、第2始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(保留球の個数)が「4」未満であるか否かを判別する(S169)。
S169において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「4」未満でないと判別した場合(S169がNO判定の場合)、メインCPU71は、始動口通過検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図105)のS152に移す。
一方、S169において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「4」未満であると判別した場合(S169がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数を「1」加算する処理を行う(S170)。
S170の処理後、メインCPU71は、抽選に用いる各種乱数値を取得し、取得した各種乱数値をメインRAM73の所定領域に格納する(S171)。具体的には、メインCPU71は、大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値を取得する。
次いで、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数増加コマンドデータをメインRAM73にセットする(S172)。なお、この処理でメインRAM73にセットされた第2始動口入賞の保留個数増加コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。そして、S172の処理後、メインCPU71は、始動口通過検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図105)のS152に移す。
上述のように、始動口通過検出処理では、特別図柄の変動表示期間中に始動口入賞が発生した場合、該入賞時に行われる抽選結果(各種乱数値)を保留球として記憶し、この処理は、主制御回路70により実行される。
すなわち、主制御回路70は、特別図柄の変動表示期間中に始動口入賞が発生した場合に該入賞時に行われる抽選結果を保留球として記憶する手段(保留球記憶手段)を兼ねる。
[副制御回路の動作説明]
次に、図107〜図114を参照して、副制御回路200のサブCPU201により実行される各種処理の内容について説明する。副制御回路200は、主制御回路70から送信された各種コマンドを受信し、該各種コマンドに基づいて各種処理を行う。
[副制御メイン処理]
最初に、図107を参照して、サブCPU201の制御による副制御メイン処理について説明する。図107は、本実施の形態における副制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。なお、副制御メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
まず、サブCPU201は、初期化処理を行う(S181)。この処理では、サブCPU201は、例えば、ワークRAM203のアクセス許可処理、ワークRAM203の作業領域の初期化処理等の各種初期設定処理を行う。
次いで、サブCPU201は、乱数更新処理を行う(S182)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203の所定領域に格納された乱数値を更新する。
次いで、サブCPU201は、コマンド解析処理を行う(S183)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203の受信バッファに格納されたコマンドの内容を解析する。なお、コマンド解析処理の詳細については、後述の図108を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU201は、演出処理を行う(S184)。この処理では、サブCPU201は、上述した各演出モードにおける各種報知演出及び先読み特化ゾーン演出の実行に必要な各種データがセット(登録)される。なお、このS184の処理で行われる、各種演出の登録(設定)処理については、後述の図115〜図127を参照しながら、演出毎に別途説明する。
次いで、サブCPU201は、表示制御処理を行う(S185)。この処理では、まず、サブCPU201は、液晶表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像を表示するためのデータを表示制御回路205に送信する。
次いで、表示制御回路205内に設けられたVDP(Video Display Processor)は、サブCPU201から供給されたデータに基づいて、装飾図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データ等の各種画像データを画像データROMから読み出す。そして、VDPは、読み出した各種の画像データを重ね合わせて、液晶表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像を表示させる。
次いで、サブCPU201は、音声制御処理を行う(S186)。この処理では、サブCPU201は、音声制御回路206を制御して、スピーカ11から発生させる音声の制御処理を行う。次いで、サブCPU201は、ランプ制御処理を行う(S187)。
この処理では、サブCPU201は、ランプ制御回路207を制御して、ランプ18の発光制御を行う。そして、S187の処理後、サブCPU201は、処理をS182の処理に戻し、S182以降の処理を繰り返す。
上述のように、本実施の形態では、上記S184〜S187の一連の演出制御処理により、上述した各種演出が副制御回路200により実行される。すなわち、副制御回路200は、例えば、上述した先読み特化ゾーン開始前の演出や先読み特化ゾーン開始時の演出等を実行する手段(第1事前演出制御手段)や、上述した先読み特化ゾーン中の演出を実行する手段(第2事前演出制御手段)も兼ねる。また、副制御回路200は、上述したモードAで行う潜確期待度報知演出の動作を制御する手段(期待度報知手段)、上述したモードBで行う潜確回数報知演出の動作を制御する手段(第1抽選回数報知手段)、及び、上述したモードCで行う時短回数報知演出の動作を制御する手段(第2抽選回数報知手段)も兼ねる。さらに、副制御回路200は、上述した通常モードの特殊演出ステージでうストック擬似連演出の中の「ストック演出」の動作を制御する手段(擬似連前演出手段)や、「擬似連演出」の動作を制御する手段(擬似連演出手段)も兼ねる。
[コマンド解析処理]
次に、図108を参照して、副制御メイン処理(図107参照)中のS183で行うコマンド解析処理について説明する。なお、図108は、本実施の形態におけるコマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、後述する副制御回路割込処理(後述の図114参照)において受信したコマンドがあるか否かを判別する(S191)。具体的には、サブCPU201は、ワークRAM203の受信バッファに受信したコマンドが記憶されているか否かを判別する。
S191において、サブCPU201が、受信したコマンドがないと判別した場合(S191がNO判定の場合)、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)のS184に移す。
一方、S191において、サブCPU201が、受信したコマンドがあると判別した場合(S191がYES判定の場合)、サブCPU201は、受信したコマンドを読み出し、該受信コマンドの内容を解析する(S192)。
次いで、サブCPU201は、S192の受信コマンドの解析結果に基づいて、受信したコマンドが変動コマンド(特別図柄の変動パターンの内容を指定するコマンド)であるか否かを判別する(S193)。
S193において、サブCPU201が、受信したコマンドが入賞コマンドであると判別した場合(S193がYES判定の場合)、サブCPU201は、先読み演出フラグ決定処理を行う(S194)。この処理では、サブCPU201は、先読み演出フラグテーブル(図85参照)を参照し、入賞パターンに基づいて、抽選により、変動先読みフラグ及び先読み特化ゾーンフラグの各値(「0」又は「1」)を選択してセットする。なお、先読み演出フラグ決定処理の詳細については、後述の図109を参照しながら後で説明する。そして、S194の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)のS184に移す。
一方、S193において、サブCPU201が、受信したコマンドが入賞コマンドでないと判別した場合(S193がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したコマンドが変動コマンド(特別図柄の変動パターンの内容を指定するコマンド)であるか否かを判別する(S195)。
S195において、サブCPU201が、受信したコマンドが変動コマンドであると判別した場合(S195がYES判定の場合)、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を行う(S196)。この処理では、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の各種変動演出パターン(先読み特化ゾーン演出及びストック擬似連演出の演出パターンを含む)を決定する。なお、変動演出パターン決定処理の詳細については、後述の図110及び図111を参照しながら後で説明する。そして、S196の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)のS184に移す。
一方、S195において、サブCPU201が、受信したコマンドが変動コマンドでないと判別した場合(S195がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したコマンドが導出図柄指定コマンドであるか否かを判別する(S197)。
S197において、サブCPU201が、受信したコマンドが導出図柄指定コマンドであると判別した場合(S197がYES判定の場合)、サブCPU201は、導出図柄指定コマンドに基づいて、液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示させる装飾図柄を決定する(S198)。そして、S198の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)のS184に移す。
一方、S197において、サブCPU201が、受信したコマンドが導出図柄指定コマンドでないと判別した場合(S197がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信コマンドに対応する演出制御データをセットする(S199)。そして、S199の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)のS184に移す。
[先読み演出フラグ決定処理]
次に、図109を参照して、コマンド解析処理(図108参照)中のS194で行う先読み演出フラグ決定処理について説明する。なお、図109は、本実施の形態における先読み演出フラグ決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、先読み演出フラグテーブル(図85参照)を参照し、入賞コマンド(受信コマンドの解析結果により得られた入賞パターン)に基づいて、変動先読みフラグ及び先読み特化ゾーンフラグの各値(「0」又は「1」)を選択する(S201)。なお、本実施の形態では、入賞コマンドに基づいて抽選により変動先読みフラグ及び先読み特化ゾーンフラグの各値が決定されるが、本発明はこれに限定されず、入賞コマンドや演出の種類等に応じて一意的に変動先読みフラグ及び先読み特化ゾーンフラグの各値が決定されるようにしてもよい。
次いで、サブCPU201は、選択された変動先読みフラグの値をワークRAM203の所定領域に登録する(S202)。次いで、サブCPU201は、選択された先読み特化ゾーンフラグの値が「1」であるか否かを判別する(S203)。
S203において、サブCPU201が、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」でないと判別した場合(S203がNO判定の場合)、サブCPU201は、先読み演出フラグ決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図108参照)も終了する。一方、S203において、サブCPU201が、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」であると判別した場合(S203がYES判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーンフラグの値をワークRAM203の所定領域に登録する(S204)。
次いで、サブCPU201は、保留されている特別図柄の可変表示(保留球)の中から、所定の特別図柄の可変表示(保留球)に対して先読み特化ゾーン開始フラグを登録(S205)。なお、この処理において、先読み特化ゾーン開始フラグがセットされる特別図柄の可変表示(保留球)は抽選処理により決定される。この処理により、先読み特化ゾーン開始フラグが登録された所定の特別図柄の変動表示から先読み特化ゾーンが開始される。
次いで、サブCPU201は、保留されている特別図柄の可変表示(保留球)の中から、先読み特化ゾーンへの移行が決定された特別図柄の可変表示(保留球)に対して先読み特化ゾーン終了フラグを登録する(S206)。なお、先読み特化ゾーン終了フラグは、先読み特化ゾーン演出を終了するか否かを示すフラグであり、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」である場合には、先読み特化ゾーン演出を終了し、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「0」である場合には、先読み特化ゾーン演出を継続する。すなわち、先読み特化ゾーンへの移行が決定された特別図柄の可変表示(保留球)以外の先読み特化ゾーン演出に係る保留球では、先読み特化ゾーン終了フラグの値は「0」となる。
そして、S206の処理後、サブCPU201は、先読み演出フラグ決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図108参照)も終了する。
上述のように、先読み演出フラグ決定処理では、始動口入賞時に取得される入賞パターンの内容(保留球の内容)に基づいて、先読み演出(事前演出)を実行するか否かを決定し、この処理は、副制御回路200により実行される。すなわち、副制御回路200は、先読み演出(事前演出)を実行するか否かを決定する手段(事前演出決定手段)を兼ねる。
[変動演出パターン決定処理]
次に、図110及び図111を参照して、コマンド解析処理(図108参照)中のS196で行う変動演出パターン決定処理について説明する。なお、図110及び図111は、本実施の形態における変動演出パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、現在の演出モードが通常モードであり且つ演出ステージがストック擬似連演出を行う特殊演出ステージであるか否かを判別する(S211)。なお、通常モード中には、演出ステージを、ストック擬似連演出を行う特殊演出ステージに移行させるか否かの抽選が行われる。
S211において、サブCPU201が、演出モードが通常モードであり且つ演出ステージがストック擬似連演出を行う特殊演出ステージであると判別した場合(S211がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS218の処理を行う。一方、S211において、サブCPU201が、演出モードが通常モードであり且つ演出ステージがストック擬似連演出を行う特殊演出ステージでないと判別した場合(S211がNO判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S212)。
S212において、サブCPU201が、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」であると判別した場合(S212がYES判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理を行う(S217)。なお、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理の詳細については、後述の図112を参照しながら後で説明する。そして、S217の処理後、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図108参照)も終了する。
一方、S212において、サブCPU201が、先読み特化ゾーンフラグの値が「1」でないと判別した場合(S212がNO判定の場合)、サブCPU201は、変動先読みフラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S213)。
S213において、サブCPU201が、変動先読みフラグの値が「1」でないと判別した場合(S213がNO判定の場合)、サブCPU201は、図86の変動演出テーブル(先読み無し)を参照し、受信コマンド(変動コマンド)の解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み演出無し時の変動演出パターンを決定する(S214)。
具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図86の変動演出テーブル(先読み無し)に規定されている演出パターン及び擬似連演出フラグを選択する。また、この処理では、サブCPU201は、決定された変動演出パターンをワークRAM203に記憶する。そして、S214の処理後、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図108参照)も終了する。
一方、S213において、サブCPU201が、変動先読みフラグの値が「1」であると判別した場合(S213がYES判定の場合)、サブCPU201は、図87の変動演出テーブル(先読み有り)を参照し、受信コマンド(変動コマンド)の解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み演出有り時の変動演出パターンを決定する(S215)。具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図87の変動演出テーブル(先読み有り)に規定されている演出パターン、並びに、図柄演出及び/又は背景演出を選択する。また、この処理では、サブCPU201は、決定された変動演出パターンをワークRAM203に記憶する。
S215の処理後、サブCPU201は、変動先読みフラグの値を「0」にセットする(S216)。そして、S216の処理後、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図108参照)も終了する。
ここで、再度、S211の処理の説明に戻り、S211がYES判定の場合に行われる処理について説明する。S211がYES判定の場合、サブCPU201は、図91の変動演出テーブル(特殊演出ステージ)を参照し、特別図柄の変動パターンに基づいて抽選により、特殊演出ステージにおける変動演出パターンを決定する(S218)。具体的には、サブCPU201は、受信コマンド(変動コマンド)の解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、図91の変動演出テーブル(特殊演出ステージ)に規定されている演出パターン及びストック擬似連擬似連演出フラグを選択する。そして、サブCPU201、決定された変動演出パターンをワークRAM203に記憶する。
次いで、サブCPU201は、ストック擬似連演出フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S219)。S219において、サブCPU201が、ストック擬似連演出フラグの値が「1」でないと判別した場合(S219がNO判定の場合)、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図108参照)も終了する。
一方、S219において、サブCPU201が、ストック擬似連演出フラグの値が「1」であると判別した場合(S219がYES判定の場合)、サブCPU201は、ストック擬似連演出パターン決定処理を行う(S220)。この処理では、サブCPU201は、例えば、ストック擬似連演出における擬似連回数、各種マスコットの出現態様等を決定する。なお、ストック擬似連演出パターン決定処理の詳細については、後述の図113を参照しながら後で説明する。そして、S220の処理後、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を終了するとともに、コマンド解析処理(図108参照)も終了する。
[先読み特化ゾーン演出パターン決定処理]
次に、図112を参照して、変動演出パターン決定処理(図110及び図111参照)中のS217で行う先読み特化ゾーン演出パターン決定処理について説明する。なお、図112は、本実施の形態における先読み特化ゾーン演出パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、入賞パターン取得時に設定された先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S231)。すなわち、この判定処理では、サブCPU201は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーン開始時の演出を行う特別図柄の変動表示であるか否かを判別する。
S231において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」であると判別した場合(S231がYES判定の場合)、すなわち、現在の特別図柄の変動表示において先読み特化ゾーン開始時の演出を行う場合、サブCPU201は、図89の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン開始時の演出における変動演出パターンを決定する(S232)。具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図89の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)に規定されている演出パターン、並びに、図柄演出及び背景演出を選択する。
S232の処理後、サブCPU201は、先読み特化ゾーン開始フラグの値を「0」にセットする(S233)。次いで、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値を「1」にセットする(S234)。そして、S234の処理後、サブCPU201は、後述のS238の処理を行う。
一方、S231において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」でないと判別した場合(S231がNO判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S235)。すなわち、この判定処理では、サブCPU201は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーン中の演出を行う特別図柄の変動表示であるか否かを判別する。なお、先読み特化ゾーン中フラグの値は、上記S234の処理で説明したように、先読み特化ゾーン開始時の演出の変動演出パターンが決定された際に「1」(オン状態)にセットされる。
S235において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」であると判別した場合(S235がYES判定の場合)、すなわち、現在の特別図柄の変動表示において先読み特化ゾーン中の演出を行う場合、サブCPU201は、図90の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン中の演出における変動演出パターンを決定する(S236)。具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図90の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)に規定されている演出パターンを選択する。そして、S236の処理後、サブCPU201は、後述のS238の処理を行う。
一方、S235において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」でないと判別した場合(S235がNO判定の場合)、すなわち、現在の特別図柄の変動表示において先読み特化ゾーン開始前の演出を行う場合、サブCPU201は、図88の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン開始前の演出における変動演出パターンを決定する(S237)。具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図88の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)に規定されている演出パターン、並びに、図柄演出又は背景演出を選択する。そして、S237の処理後、サブCPU201は、後述のS238の処理を行う。
S234、S236又はS237の処理後、サブCPU201は、入賞パターン取得時に設定された先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S238)。すなわち、この処理では、サブCPU201は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーンへの移行が決定された保留球に対応する特別図柄の変動表示であるか否かを判別する。
S238において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」でないと判別した場合(S238がNO判定の場合)、すなわち、先読み特化ゾーン演出が継続される場合、サブCPU201は、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理を終了するとともに、変動演出パターン決定処理(図110及び図111参照)も終了する。
一方、S238において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」であると判別した場合(S238がYES判定の場合)、すなわち、先読み特化ゾーン演出を終了する場合、サブCPU201は、先読み特化ゾーンフラグの値を「0」にセットする(S239)。次いで、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値を「0」にセットする(S240)。そして、S240の処理後、サブCPU201は、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理を終了するとともに、変動演出パターン決定処理(図110及び図111参照)も終了する。
[ストック擬似連演出パターン決定処理]
次に、図113を参照して、変動演出パターン決定処理(図110及び図111参照)中のS220で行うストック擬似連演出パターン決定処理について説明する。なお、図113は、本実施の形態におけるストック擬似連演出パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、図92の擬似連回数決定テーブルを参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、擬似連回数を決定する(S251)。そして、サブCPU201は、該決定された擬似連回数をワークRAM203に記憶する。
次いで、サブCPU201は、図92の擬似連回数決定テーブルを参照し、S251で決定された擬似連回数に基づいて、マスコットC出現数を決定する(S252)。この処理では、サブCPU201は、擬似連回数に基づいて抽選によりマスコットC出現数を決定してもよい。そして、サブCPU201は、該決定されたマスコットC出現数をワークRAM203に記憶する。なお、本実施の形態では、図92の擬似連回数決定テーブルに示すように、特別図柄の変動パターンに基づいて、ストック擬似連演出における擬似連回数及びマスコットC出現数を同時に決定することができる場合には、S251及びS252の処理を同時に行ってもよい。
次いで、サブCPU201は、図93のマスコット出現数決定テーブルを参照し、S252で決定されたマスコットC出現数に基づいて、抽選により、マスコットA出現数及びマスコットB出現数を決定する(S253)。そして、サブCPU201は、該決定されたマスコットA出現数及びマスコットB出現数をワークRAM203に記憶する。
次いで、サブCPU201は、S253で決定されたマスコットA出現数及びマスコットB出現数に基づいて、ストック擬似連演出における、マスコットA及びマスコットBの出現態様(例えば、各マスコットが出現するタイミング、各マスコットの出現順序等)を決定する(S254)。そして、S254の処理後、サブCPU201は、ストック擬似連演出パターン決定処理を終了するとともに、変動演出パターン決定処理(図110及び図111参照)も終了する。
上述のように、ストック擬似連演出パターン決定処理のS252では、擬似連回数に基づいて、マスコットCの出現回数(マスコットCの出現演出の実行回数)を決定し、この処理は、副制御回路200により実行される。すなわち、副制御回路200は、擬似連回数に基づいて、マスコットCの出現回数を決定する手段(第1演出回数決定手段)を兼ねる。また、ストック擬似連演出パターン決定処理のS253では、マスコットCの出現回数に基づいて、マスコットA及びBの出現回数(マスコットA及びBの出現演出の実行回数)を決定し、この処理は、副制御回路200により実行される。すなわち、副制御回路200は、マスコットCの出現回数に基づいて、マスコットA及びBの出現回数を決定する手段(第2演出回数決定手段)も兼ねる。
[副制御回路割込処理]
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、サブCPU201は、副制御メイン処理の実行中であっても、所定周期で、副制御メイン処理を中断し、割込処理を実行する。具体的には、サブCPU201は、副制御回路200内のリセット用クロックパルス発生回路(不図示)から所定周期(例えば2ミリ秒)で発生されるクロックパルスに応じて、割込処理を実行する。
ここで、図114を参照して、サブCPU201により実行される副制御回路割込処理について説明する。なお、図114は、本実施の形態における副制御回路割込処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、乱数更新処理を行う(S261)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203の所定領域に格納された乱数値を更新する。また、この際、サブCPU201は、演出パターン決定用カウンタの値を「1」増加させるように、乱数更新処理を行う。
次いで、サブCPU201は、コマンド受信処理を行う(S262)。この処理では、サブCPU201は、各種制御回路(主制御回路70、表示制御回路205、音声制御回路206、ランプ制御回路207等)から副制御回路200に送信された各種コマンドを受信する。
次いで、サブCPU201は、タイマ更新処理を行う(S263)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶された、各種処理時間をカウントするための各種タイマを更新する。
次いで、サブCPU201は、コマンド出力処理を行う(S264)。この処理では、サブCPU201は、各種制御回路(表示制御回路205、音声制御回路206、ランプ制御回路207等)に各種コマンドを出力する。
そして、S264の処理後、サブCPU201は、副制御回路割込処理を終了する。これにより、処理プログラムのアドレスが割込処理発生前のアドレスに戻る。
<副制御回路による各種報知処理>
次に、図107で説明した副制御メイン処理中の演出処理(S184)で行う各種報知演出の登録処理(演出の実行に必要な各種データのセット処理)について説明する。具体的には、上記図44〜図66で説明した通常モードにおいて行う各種演出(擬似連演出、通常演出モードの演出、Gモードの演出、Rゾーンの演出、通常リーチ演出、保留演出、保留変化予告演出、回転物体演出)の登録(選択)処理の内容について説明する。また、以下では、上記図67〜図75で説明したモードAで行う潜確期待度報知演出の登録処理(潜確期待度報知処理)、モードBで行う潜確回数報知演出の登録処理(潜確回数報知処理)、及び、モードCで行う時短回数報知演出の登録処理(時短回数報知処理)の内容についても説明する。なお、演出処理(S184)内における、潜確期待度報知処理、潜確回数報知処理及び時短回数報知処理の処理順序は任意に設定することができる。
[演出モード制御処理]
最初に、図115を参照して、通常モードにおいて、サブCPU201により実行される演出モード制御処理について説明する。なお、図115は、本実施の形態における演出モード制御処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、通常演出モード演出選択処理を行う(S271)。この処理では、サブCPU201は、通常演出モードにおいて実行する演出の態様を選択する。なお、通常演出モード演出選択処理の詳細については、後述の図117を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU201は、Gモード演出選択処理を行う(S272)。この処理では、サブCPU201は、Gモードにおいて実行する演出の態様を選択する。なお、Gモード演出選択処理の詳細については、後述の図118を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU201は、Rゾーン演出選択処理を行う(S273)。この処理では、サブCPU201は、Rゾーンにおいて実行する演出の態様を選択する。なお、Rゾーン演出選択処理の詳細については、後述の図119を参照しながら後で説明する。そして、S273の処理後、サブCPU201は、演出モード制御処理を終了する。
なお、ここで、図116を参照しながら、上述したS271〜S273の各演出選択処理において用いられる各種フラグを説明する。なお、図116は、S271〜S273の各演出選択処理で用いられる、変動開始時の演出モード毎の各種フラグの組合せと、該組合せが選択される選択率との対応関係を示す図である。また、図116中の補足欄には、各種フラグの組合せ毎に実行される演出の概要を記載する。
本実施の形態では、S271〜S273の各演出選択処理で用いるフラグとして、通常演出モード演出選択処理フラグ、Gモード演出選択処理フラグ、Rゾーン演出選択処理フラグ、通常演出モード移行フラグ、Gモード移行フラグ及びRゾーン移行フラグの6種類のフラグが設けられる。なお、これらの各種フラグは、副制御回路200内のワークRAM203に設けられる。
通常演出モード演出選択処理フラグには、演出モードが通常演出モードである場合に「1」(オン状態)がセットされ、Gモード演出選択処理フラグには、演出モードがGモードである場合に「1」(オン状態)がセットされ、Rゾーン演出選択処理フラグには、演出モードがRでゾーンである場合に「1」(オン状態)がセットされる。また、通常演出モード移行フラグには、演出モードが通常演出モードに移行することが決定された場合に「1」(オン状態)がセットされ、Gモード移行フラグには、演出モードがGモードに移行することが決定された場合に「1」(オン状態)がセットされ、Rゾーン移行フラグには、演出モードがRゾーンに移行することが決定された場合に「1」(オン状態)がセットされる。
例えば、変動開始時の演出モードが通常演出モードであり、通常演出モード演出選択処理フラグ、Gモード演出選処理択フラグ及びGモード移行フラグの各フラグに「1」がセットされ、且つ、その他のフラグに「0」がセットされている場合には、図116に示すように、現在実行中の1変動期間において、通常演出モードの演出、Gモードへの移行演出及びGモードの演出が実行される。
なお、上記6種類のフラグの組合せは、特別図柄の変動表示開始時又は入賞時に抽選により決定される。そして、本実施の形態では、サブCPU201は、これらの各種フラグや、例えば特別図柄の変動表示開始時に決定されている変動パターン等に基づいて決定された各種演出の有無及び演出パターンなどを参照して、S271〜S273の各演出選択処理を行う。
[通常演出モード演出選択処理]
次に、図117を参照して、演出モード制御処理(図115参照)中のS271で行う通常演出モード演出選択処理について説明する。なお、図117は、本実施の形態における通常演出モード演出選択処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、通常演出モード演出選択処理フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S281)。S281において、サブCPU201が、通常演出モード演出選択処理フラグの値が「1」でないと判別した場合(S281がNO判定の場合)、サブCPU201は、通常演出モード演出選択処理を終了し、処理を演出モード制御処理(図115参照)中のS272に移す。
一方、S281において、サブCPU201が、通常演出モード演出選択処理フラグの値が「1」であると判別した場合(S281がYES判定の場合)、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて、通常演出モードの演出で用いる装飾図柄(図46中の通常図柄)の態様を選択する(S282)。なお、この処理では、サブCPU201は、例えば、特別図柄の変動パターンと通常演出モードの演出で用いる通常図柄の態様との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照して通常図柄の態様を選択する。
次いで、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて、通常演出モードにおける装飾図柄の変動表示演出で用いる背景画像(図46中の通常変動背景)を選択する(S283)。なお、この処理では、サブCPU201は、例えば、特別図柄の変動パターンと通常演出モードで用いる通常変動背景との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照して通常変動背景を選択する。
次いで、サブCPU201は、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に通常リーチ演出が含まれるか否か(通常リーチ演出の実行の有無)を判別する(S284)。なお、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて決定された当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)を参照して、この判別処理を行う。
S284において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に通常リーチ演出が含まれないと判別した場合(S284がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS287の処理を行う。
一方、S284において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に通常リーチ演出が含まれると判別した場合(S284がYES判定の場合)、サブCPU201は、決定されている通常リーチ演出の種別に応じて、該通常リーチ演出の背景画像(図46中の通常リーチ背景)を選択する(S285)。例えば、サブCPU201は、この処理において、上述した背景A及び背景B(図55(a)及び図55(b)参照)の中から通常リーチ演出の種別に対応する所定の背景を選択する。なお、この際、サブCPU201は、例えば、通常リーチ演出の種別と通常リーチ背景との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照して通常リーチ背景を選択する。
次いで、サブCPU201は、通常リーチ演出の種別に基づいて、対応する通常リーチ演出の態様(演出パターン)を選択する(S286)。なお、この処理では、サブCPU201は、例えば、通常リーチ演出の種別と通常リーチ演出の態様(例えば、図56、図58及び図60に規定されている演出パターン番号など)との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照して通常リーチ演出の態様(演出パターン)を選択する。
S286の処理後又はS284がNO判定の場合、サブCPU201は、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に擬似連演出が含まれるか否か(擬似連演出の実行の有無)を判別する(S287)。なお、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて決定された当該変動期間の演出態様(演出パターン)及び擬似連演出フラグの値を参照して、この判別処理を行う。
S287において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に擬似連演出が含まれないと判別した場合(S287がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS289の処理を行う。
一方、S287において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に擬似連演出が含まれると判別した場合(S287がYES判定の場合)、サブCPU201は、当該変動表示期間の演出パターンに基づいて、対応する擬似連演出の態様(演出パターン)を選択する(S288)。なお、この処理では、サブCPU201は、例えば、変動表示期間の演出パターンと擬似連演出の態様(演出パターン)との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照して擬似連演出の態様を選択する。
S288の処理後又はS287がNO判定の場合、サブCPU201は、保留変化予告演出選択処理を行う(S289)。この処理では、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等から決定された当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)に基づいて保留変化予告演出の態様(例えば、上記図63及び図64で説明した保留変化予告演出A〜保留変化予告演出Hのいずれか)を選択する。なお、保留変化予告演出選択処理の詳細については、後述の図120を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を行う(S290)。この処理では、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等から決定された当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)に基づいて回転物体演出の態様(例えば、上記図65で説明した回転物体演出A〜回転物体演出Eのいずれか)を選択する。なお、回転物体演出選択処理の詳細については、後述の図121〜図123を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU201は、Gモード移行フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S291)。S291において、サブCPU201が、Gモード移行フラグの値が「1」でないと判別した場合(S291がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS294の処理を行う。
一方、S291において、サブCPU201が、Gモード移行フラグの値が「1」であると判別した場合(S291がYES判定の場合)、サブCPU201は、当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)に対応するGモード移行演出の態様(例えば、上記図52で説明した第1の移行演出又は第2の移行演出)を選択する(S292)。なお、この処理では、サブCPU201は、例えば、変動表示期間の演出パターンとGモード移行演出の態様との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照してGモード移行演出の態様を選択する。次いで、サブCPU201は、通常演出モード演出選択処理フラグの値を「0」にセットする(S293)。
S293の処理後又はS291がNO判定の場合、サブCPU201は、Rゾーン移行フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S294)。S294において、サブCPU201が、Rゾーン移行フラグの値が「1」でないと判別した場合(S294がNO判定の場合)、サブCPU201は、通常演出モード演出選択処理を終了し、処理を演出モード制御処理(図115参照)中のS272に移す。
一方、S294において、サブCPU201が、Rゾーン移行フラグの値が「1」であると判別した場合(S294がYES判定の場合)、サブCPU201は、当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)に対応するRゾーン移行演出の態様(例えば、上記図53で説明したRゾーンへの移行演出等)を選択する(S295)。なお、この処理では、サブCPU201は、例えば、変動表示期間の演出パターンとRゾーン移行演出の態様との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照してRゾーン移行演出の態様を選択する。
次いで、サブCPU201は、通常演出モード演出選択処理フラグの値を「0」にセットする(S296)。そして、S296の処理後、サブCPU201は、通常演出モード演出選択処理を終了し、処理を演出モード制御処理(図115参照)中のS272に移す。
[Gモード演出選択処理]
次に、図118を参照して、演出モード制御処理(図115参照)中のS272で行うGモード演出選択処理について説明する。なお、図118は、本実施の形態におけるGモード演出選択処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、Gモード演出選択処理フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S301)。S301において、サブCPU201が、Gモード演出選択処理フラグの値が「1」でないと判別した場合(S301がNO判定の場合)、サブCPU201は、Gモード演出選択処理を終了し、処理を演出モード制御処理(図115参照)中のS273に移す。
一方、S301において、サブCPU201が、Gモード演出選択処理フラグの値が「1」であると判別した場合(S301がYES判定の場合)、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて、Gモードの演出で用いる装飾図柄(図46中の通常図柄)の態様を選択する(S302)。なお、本実施の形態では、この処理で選択される通常図柄の態様は、通常演出モードの演出で用いる通常図柄の態様と同じである。また、この処理では、サブCPU201は、例えば、特別図柄の変動パターンとGモードの演出で用いる通常図柄の態様との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照して通常図柄の態様を選択する。
次いで、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて、Gモードにおける装飾図柄の変動表示演出で用いる背景画像(図46中のGモード専用背景)を選択する(S303)。なお、この処理で選択されるGモード専用背景は、通常演出モードで用いられる通常変動背景とは異なる。また、この処理では、サブCPU201は、例えば、特別図柄の変動パターンとGモードで用いるGモード専用背景との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照して背景図柄を選択する。
次いで、サブCPU201は、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に通常リーチ演出が含まれるか否か(通常リーチ演出の実行の有無)を判別する(S304)。S304において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に通常リーチ演出が含まれないと判別した場合(S304がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS307の処理を行う。
一方、S304において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に通常リーチ演出が含まれると判別した場合(S304がYES判定の場合)、サブCPU201は、決定されている通常リーチ演出の種別に応じて、該通常リーチ演出の背景画像(図46中の通常リーチ背景)を選択する(S305)。次いで、サブCPU201は、通常リーチ演出の種別に基づいて、対応する通常リーチ演出の態様(演出パターン)を選択する(S306)。なお、S305及びS306の選択処理は、図117の通常演出モード演出選択処理中のS285及びS286で行う選択処理と同様にして行われる。
S306の処理後又はS304がNO判定の場合、サブCPU201は、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に擬似連演出が含まれるか否か(擬似連演出の実行の有無)を判別する(S307)。S307において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に擬似連演出が含まれないと判別した場合(S307がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS309の処理を行う。
一方、S307において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に擬似連演出が含まれると判別した場合(S307がYES判定の場合)、サブCPU201は、当該変動表示期間の演出パターンに基づいて、対応する擬似連演出の態様(演出パターン)を選択する(S308)。なお、S308の選択処理は、図117の通常演出モード演出選択処理中のS288で行う選択処理と同様にして行われる。
S308の処理後又はS307がNO判定の場合、サブCPU201は、保留変化予告演出選択処理を行う(S309)。なお、保留変化予告演出選択処理の詳細については、後述の図120を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を行う(S310)。なお、回転物体演出選択処理の詳細については、後述の図121〜図123を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU201は、通常演出モード移行フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S311)。S311において、サブCPU201が、通常演出モード移行フラグの値が「1」でないと判別した場合(S311がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS314の処理を行う。
一方、S311において、サブCPU201が、通常演出モード移行フラグの値が「1」であると判別した場合(S311がYES判定の場合)、サブCPU201は、当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)に対応する通常演出モード移行演出の態様を選択する(S312)。なお、この処理では、サブCPU201は、例えば、当該変動表示期間の演出パターンと通常演出モード移行演出の態様との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照して通常演出モード移行演出の態様を選択する。次いで、サブCPU201は、Gモード演出選択処理フラグの値を「0」にセットする(S313)。
S313の処理後又はS311がNO判定の場合、サブCPU201は、Rゾーン移行フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S314)。S314において、サブCPU201が、Rゾーン移行フラグの値が「1」でないと判別した場合(S314がNO判定の場合)、サブCPU201は、Gモード演出選択処理を終了し、処理を演出モード制御処理(図115参照)中のS273に移す。
一方、S314において、サブCPU201が、Rゾーン移行フラグの値が「1」であると判別した場合(S314がYES判定の場合)、サブCPU201は、当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)に対応するRゾーン移行演出の態様(例えば、上記図53で説明したRゾーンへの移行演出等)を選択する(S315)。なお、S315の選択処理は、図117の通常演出モード演出選択処理中のS295で行う選択処理と同様にして行われる。
次いで、サブCPU201は、Gモード演出選択処理フラグの値を「0」にセットする(S316)。そして、S316の処理後、サブCPU201は、Gモード演出選択処理を終了し、処理を演出モード制御処理(図115参照)中のS273に移す。
[Rゾーン演出選択処理]
次に、図119を参照して、演出モード制御処理(図115参照)中のS273で行うRゾーン演出選択処理について説明する。なお、図119は、本実施の形態におけるRゾーン演出選択処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、Rゾーン演出選択処理フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S321)。S321において、サブCPU201が、Rゾーン演出選択処理フラグの値が「1」でないと判別した場合(S321がNO判定の場合)、サブCPU201は、Rゾーン演出選択処理を終了するとともに、演出モード制御処理(図115参照)も終了する。
一方、S321において、サブCPU201が、Rゾーン演出選択処理フラグの値が「1」であると判別した場合(S321がYES判定の場合)、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて、Rゾーンの演出で用いる装飾図柄(図46中のRゾーン専用図柄)の態様を選択する(S322)。なお、本実施の形態では、この処理で選択されるRゾーン専用図柄の態様は、通常演出モード又はGモードの演出で用いる通常図柄の態様とは異なる。また、この処理では、サブCPU201は、例えば、特別図柄の変動パターンとRゾーンで用いるRゾーン専用図柄の態様との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照してRゾーン専用図柄の態様を選択する。
次いで、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて、Rゾーンにおける装飾図柄の変動表示演出で用いる背景画像(図46中のRゾーン専用変動背景)を選択する(S323)。なお、この処理で選択されるRゾーン専用変動背景は、通常演出モードで用いられる通常変動背景及びGモードで用いられるGモード専用背景とは異なる。また、この処理では、サブCPU201は、例えば、特別図柄の変動パターンとRゾーンで用いるRゾーン専用変動背景との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照してRゾーン専用変動背景を選択する。
次いで、サブCPU201は、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に通常リーチ演出が含まれるか否か(通常リーチ演出の実行の有無)を判別する(S324)。S324において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に通常リーチ演出が含まれないと判別した場合(S324がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS326の処理を行う。
一方、S324において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に通常リーチ演出が含まれると判別した場合(S324がYES判定の場合)、サブCPU201は、決定されている通常リーチ演出の種別に基づいて、対応する通常リーチ演出の態様(演出パターン)を選択する(S325)。なお、S325の選択処理は、図117の通常演出モード演出選択処理中のS286で行う選択処理と同様にして行われる。また、Rゾーン中の通常リーチ演出で用いられるRゾーン専用の背景画像(図46中のRゾーン専用リーチ背景)の種類は1種類であるので、該背景画像の選択処理は行われない。
S325の処理後又はS324がNO判定の場合、サブCPU201は、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に擬似連演出が含まれるか否か(擬似連演出の実行の有無)を判別する(S326)。S326において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に擬似連演出が含まれないと判別した場合(S326がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS328の処理を行う。
一方、S326において、サブCPU201が、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に擬似連演出が含まれると判別した場合(S326がYES判定の場合)、当該変動表示期間の演出パターンに基づいて、対応する擬似連演出の態様(演出パターン)を選択する(S327)。なお、S327の選択処理は、図117の通常演出モード演出選択処理中のS288で行う選択処理と同様にして行われる。
S327の処理後又はS326がNO判定の場合、サブCPU201は、保留変化予告演出選択処理を行う(S328)。なお、保留変化予告演出選択処理の詳細については、後述の図120を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を行う(S329)。なお、回転物体演出選択処理の詳細については、後述の図121〜図123を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU201は、通常演出モード移行フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S330)。S330において、サブCPU201が、通常演出モード移行フラグの値が「1」でないと判別した場合(S330がNO判定の場合)、サブCPU201は、Rゾーン演出選択処理を終了するとともに、演出モード制御処理(図115参照)も終了する。
一方、S330において、サブCPU201が、通常演出モード移行フラグの値が「1」であると判別した場合(S330がYES判定の場合)、サブCPU201は、当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)に対応する通常演出モード移行演出の態様を選択する(S331)。なお、S331の選択処理は、図118のGモード演出選択処理中のS312で行う選択処理と同様にして行われる。
次いで、サブCPU201は、Rゾーン演出選択処理フラグの値を「0」にセットする(S332)。そして、S332の処理後、サブCPU201は、Rゾーン演出選択処理を終了するとともに、演出モード制御処理(図115参照)も終了する。
[保留変化予告演出選択処理]
次に、図120を参照して、通常演出モード演出選択処理(図117参照)中のS289、Gモード演出選択処理(図118参照)中のS309又はRゾーン演出選択処理(図119参照)中のS328で行う保留変化予告演出選択処理について説明する。なお、図120は、本実施の形態における保留変化予告演出選択処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出において保留演出を実行する(保留色を変化させる)か否か判別する(S341)。なお、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて決定された当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)を参照して、この判別処理を行う。
S341において、サブCPU201が、保留演出を実行しないと判別した場合(S341がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS349の処理を行う。一方、S341において、サブCPU201が、保留演出を実行すると判別した場合(S341がYES判定の場合)、サブCPU201は、現在保留されている保留球の中に、保留入賞時に保留演出が実行されていない(目的の保留色に変化していない)保留球があるか否かを判別する(S342)。なお、サブCPU201は、例えば、各保留球の入賞内容の情報、現在の保留色の情報等を参照して、この判別処理を行う。
S342において、サブCPU201が、保留入賞時に保留演出が実行されていない保留球がないと判別した場合(S342がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS349の処理を行う。一方、S342において、サブCPU201が、保留入賞時に保留演出が実行されていない保留球があると判別した場合(S342がYES判定の場合)、サブCPU201は、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出において保留変化予告演出を実行するか否か判別する(S343)。なお、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて決定された当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)を参照して、この判別処理を行う。
なお、保留変化予告演出の内容(実行の有無も含む)は、保留変化予告演出を行うと判断された保留球(保留変化予告決定保留球)の変動期間で決定されてもよいが、本実施形態では、上述のように、保留変化予告決定保留球より前及び/又は後に保留された保留球の変動期間においても、保留変化予告決定保留球に基づいて保留変化予告演出の内容が決定されてもよい。それゆえ、上述した保留変化予告演出を実行するか否かの判別処理が行われる特別図柄の変動表示期間(上述の今回実行される特別図柄の変動表示期間)は、保留変化予告決定保留球の変動期間に対応していてもよいし、保留変化予告決定保留球の前又は後の保留球の変動期間に対応していてもよい。
S343において、サブCPU201が、保留変化予告演出を実行しないと判別した場合(S343がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS348の処理を行う。一方、S343において、サブCPU201が、保留変化予告演出を実行すると判別した場合(S343がYES判定の場合)、サブCPU201は、現在の保留個数(保留球の数)が1〜3個であるか否かを判別する(S344)。
S344において、サブCPU201が、保留個数が1〜3個でないと判別した場合(S344がNO判定の場合)、サブCPU201は、保留変化予告演出として、保留変化予告演出G又はHを選択する(S345)。この処理では、サブCPU201は、例えば、特別図柄の変動パターンと保留変化予告演出の種別との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照して保留変化予告演出の種別を選択する。そして、S345の処理後、サブCPU201は、後述のS348の処理を行う。
一方、S344において、サブCPU201が、保留個数が1〜3個であると判別した場合(S344がYES判定の場合)、サブCPU201は、保留変化予告演出A〜Fの中から所定の保留変化予告演出を選択する(S346)。この処理では、サブCPU201は、例えば、特別図柄の変動パターンと保留変化予告演出の種別との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照して保留変化予告演出の種別を選択する。次いで、サブCPU201は、保留変化予告演出E又はFが選択されたか否かを判別する(S347)。
S347において、サブCPU201が、保留変化予告演出E又はFが選択されなかったと判別した場合(S347がNO判定の場合)、すなわち、保留変化予告演出で保留色を変化させない場合、サブCPU201は、保留変化予告演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。一方、S347において、サブCPU201が、保留変化予告演出E又はFが選択されたと判別した場合(S347がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS348の処理を行う。
S345の処理後、S343がNO判定の場合又はS347がYES判定の場合、サブCPU201は、現在保留されている保留球のうち、目的の保留色に変化されていない保留球に対して実行する所定の保留演出を選択する(S348)。そして、S348の処理後、サブCPU201は、保留変化予告演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
ここで、再度、S341及びS342の処理に戻って、S341又はS342がNO判定の場合、サブCPU201は、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出において保留変化予告演出を実行するか否か判別する(S349)。
S349において、サブCPU201が、保留変化予告演出を実行しないと判別した場合(S349がNO判定の場合)、サブCPU201は、保留変化予告演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。一方、S349において、サブCPU201が、保留変化予告演出を実行すると判別した場合(S349がYES判定の場合)、サブCPU201は、保留変化予告演出を次回の変動において継続するか否かを判別する(S350)。
S350において、サブCPU201が、保留変化予告演出を次回の変動において継続しないと判別した場合(S350がNO判定の場合)、サブCPU201は、保留変化予告演出として保留変化予告演出A又はCを選択する(S351)。この処理では、サブCPU201は、例えば、特別図柄の変動パターンと保留変化予告演出の種別との対応等を規定したテーブル(不図示)を参照して保留変化予告演出の種別を選択する。そして、S351の処理後、サブCPU201は、保留変化予告演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
一方、S350において、サブCPU201が、保留変化予告演出を次回の変動において継続すると判別した場合(S350がYES判定の場合)、サブCPU201は、保留変化予告演出として保留変化予告演出B又はDを選択する(S352)。そして、S352の処理後、サブCPU201は、保留変化予告演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
[回転物体演出選択処理(実施例1)]
次に、図121〜図123を参照して、通常演出モード演出選択処理(図117参照)中のS290、Gモード演出選択処理(図118参照)中のS310又はRゾーン演出選択処理(図119参照)中のS329で行う回転物体演出選択処理の一例(実施例1)について説明する。なお、図121〜図123は、本実施の形態における回転物体演出選択処理(実施例1)の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、通常演出モード演出選択処理フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S361)。
S361において、サブCPU201が、通常演出モード演出選択処理フラグの値が「1」であると判別した場合(S361がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS364の処理を行う。一方、S361において、サブCPU201が、通常演出モード演出選択処理フラグの値が「1」でないと判別した場合(S361がNO判定の場合)、サブCPU201は、Gモード演出選択処理フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S362)。
S362において、サブCPU201が、Gモード演出選択処理フラグの値が「1」であると判別した場合(S362がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS377の処理を行う。一方、S362において、サブCPU201が、Gモード演出選択処理フラグの値が「1」でないと判別した場合(S362がNO判定の場合)、サブCPU201は、Rゾーン演出選択処理フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S363)。
S363において、サブCPU201が、Rゾーン演出選択処理フラグの値が「1」であると判別した場合(S363がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS380の処理を行う。一方、S363において、サブCPU201が、Rゾーン演出選択処理フラグの値が「1」でないと判別した場合(S363がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS364の処理を行う。
S361がYES判定の場合又はS363がNO判定の場合、サブCPU201は、保留演出の種別が保留演出Aであり、擬似連回数が0回であり、且つ、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に保留変化予告演出が含まれるという条件を満たすか否かを判別する(S364)。なお、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて決定された当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)及び擬似連演出フラグの値を参照して、この判別処理を行う。
S364において、サブCPU201が、S364の判定条件を満たすと判別した場合(S364がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Bを選択する(S365)。そして、S365の処理後、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
一方、S364において、サブCPU201が、S364の判定条件を満たさないと判別した場合(S364がNO判定の場合)、サブCPU201は、保留演出の種別が保留演出Aであるか否かを判別する(S366)。
S366において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出Aでないと判別した場合(S366がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS369の処理を行う。一方、S366において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出Aであると判別した場合(S366がYES判定の場合)、サブCPU201は、擬似連回数が0回であるか否かを判別する(S367)。
S367において、サブCPU201が、擬似連回数が0回でないと判別した場合(S367がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS370の処理を行う。一方、S367において、サブCPU201が、擬似連回数が0回であると判別した場合(S367がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Aを選択する(S368)。そして、S368の処理後、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
ここで、再度、S366の処理に戻って、S366がNO判定の場合、サブCPU201は、保留演出の種別が保留演出B又はCであるか否かを判別する(S369)。
S369において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出B又はCでないと判別した場合(S369がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS372の処理を行う。一方、S369において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出B又はCであると判別した場合(S369がYES判定の場合)、又は、S367がNO判定の場合、サブCPU201は、擬似連回数が1回より多いか否かを判別する(S370)。
S370において、サブCPU201が、擬似連回数が1回より多いと判別した場合(S370がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS376の処理を行う。一方、S370において、サブCPU201が、擬似連回数が1回より多くないと判別した場合(S370がNO判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Cを選択する(S371)。そして、S371の処理後、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
ここで、再度、S369の処理に戻って、S369がNO判定の場合、サブCPU201は、保留演出の種別が保留演出D〜Fのいずれかであるか否かを判別する(S372)。
S372において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出D〜Fのいずれかでないと判別した場合(S372がNO判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Aを選択する(S373)。そして、S373の処理後、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
一方、S372において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出D〜Fのいずれかであると判別した場合(S372がYES判定の場合)、サブCPU201は、擬似連回数が1回より多いか否かを判別する(S374)。
S374において、サブCPU201が、擬似連回数が1回より多くないと判別した場合(S374がNO判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Dを選択する(S375)。そして、S375の処理後、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
一方、S374において、サブCPU201が、擬似連回数が1回より多いと判別した場合(S374がYES判定の場合)、又は、S370がYES判定の場合、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Eを選択する(S376)。そして、S376の処理後、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
ここで、再度、S362の処理に戻って、S362がYES判定の場合、サブCPU201は、擬似連回数が1回以上であるか否かを判別する(S377)。
S377において、サブCPU201が、擬似連回数が1回以上でないと判別した場合(S377がNO判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Dを選択する(S378)。一方、S377において、サブCPU201が、擬似連回数が1回以上であると判別した場合(S377がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Eを選択する(S379)。
そして、S378又はS379の処理後、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
ここで、再度、S363の処理に戻って、S363がYES判定の場合、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Eを選択する(S380)。そして、S380の処理後、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
[回転物体演出演出選択処理(実施例2)]
次に、図121〜図123で説明した回転物体演出処理とは処理動作が異なる別の回転物体演出選択処理の例(実施例2)を、図124を参照して説明する。図124は、本実施の形態における回転物体演出選択処理(実施例2)の手順を示すフローチャートである。なお、この例の回転物体演出演出選択処理もまた、上記実施例1と同様に、通常演出モード演出選択処理(図117参照)中のS289、Gモード演出選択処理(図118参照)中のS309又はRゾーン演出選択処理(図119参照)中のS328で実行される。
まず、サブCPU201は、通常演出モード演出選択処理フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S391)。
S391において、サブCPU201が、通常演出モード演出選択処理フラグの値が「1」であると判別した場合(S391がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Aを選択する(S392)。そして、S392の処理後、サブCPU201は、後述のS397の処理を行う。一方、S391において、サブCPU201が、通常演出モード演出選択処理フラグの値が「1」でないと判別した場合(S391がNO判定の場合)、サブCPU201は、Gモード演出選択処理フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S393)。
S393において、サブCPU201が、Gモード演出選択処理フラグの値が「1」であると判別した場合(S393がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Dを選択する(S394)。そして、S394の処理後、サブCPU201は、後述のS397の処理を行う。一方、S393において、サブCPU201が、Gモード演出選択処理フラグの値が「1」でないと判別した場合(S393がNO判定の場合)、サブCPU201は、Rゾーン演出選択処理フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S395)。
S395において、サブCPU201が、Rゾーン演出選択処理フラグの値が「1」であると判別した場合(S395がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Eを選択する(S396)。そして、S396の処理後、サブCPU201は、後述のS397の処理を行う。一方、S395において、サブCPU201が、Rゾーン演出選択処理フラグの値が「1」でないと判別した場合(S395がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS397の処理を行う。
S392、S394或いはS396の処理後、又は、S395がNO判定の場合、サブCPU201は、演出モードの種別を選択基準とした第1回転物体演出を決定する(S397)。具体的には、S392の処理後にS397の処理が行われた場合には、サブCPU201は、回転物体演出Aを第1回転物体演出として決定する。S394の処理後にS397の処理が行われた場合には、サブCPU201は、回転物体演出Dを第1回転物体演出として決定する。また、S396の処理後にS397の処理が行われた場合には、サブCPU201は、回転物体演出Eを第1回転物体演出として決定する。なお、S395がNO判定の場合には、S397の処理において第1回転物体演出は決定されない。
次いで、サブCPU201は、今回実行される特別図柄の変動表示期間の演出に保留変化予告演出が含まれるか否かを判別する(S398)。なお、サブCPU201は、例えば、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターン等に基づいて決定された当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)を参照して、この判別処理を行う。
S398において、サブCPU201が、保留変化予告演出が含まれると判別した場合(S398がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Aを選択する(S399)。一方、S398において、サブCPU201が、保留変化予告演出が含まれないと判別した場合(S398がNO判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Bを選択する(S400)。
S399又はS400の処理後、サブCPU201は、保留変化予告演出の有無を選択基準とした第2回転物体演出を決定する(S401)。具体的には、S399の処理後にS401の処理が行われた場合には、サブCPU201は、回転物体演出Aを第2回転物体演出として決定する。一方、S400の処理後にS401の処理が行われた場合には、サブCPU201は、回転物体演出Bを第2回転物体演出として決定する。
次いで、サブCPU201は、保留演出の種別が保留演出Aであるか否かを判別する(S402)。なお、サブCPU201は、当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)を参照して、この判別処理を行う。
S402において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出Aであると判別した場合(S402がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Aを選択する(S403)。そして、S403の処理後、サブCPU201は、後述のS408の処理を行う。一方、S402において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出Aでないと判別した場合(S402がNO判定の場合)、サブCPU201は、保留演出の種別が保留演出B又はCであるか否かを判別する(S404)。
S404において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出B又はCであると判別した場合(S404がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Cを選択する(S405)。そして、S405の処理後、サブCPU201は、後述のS408の処理を行う。一方、S404において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出B又はCでないと判別した場合(S404がNO判定の場合)、サブCPU201は、保留演出の種別が保留演出D〜Fのいずれかであるか否かを判別する(S406)。
S406において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出D〜Fのいずれかであると判別した場合(S406がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Dを選択する(S407)。そして、S407の処理後、サブCPU201は、後述のS408の処理を行う。一方、S406において、サブCPU201が、保留演出の種別が保留演出D〜Fのいずれかでないと判別した場合(S406がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS408の処理を行う。
S403、S405或いはS407の処理後、又は、S406がNO判定の場合、サブCPU201は、保留演出の種別を選択基準とした第3回転物体演出を決定する(S408)。具体的には、S403の処理後にS408の処理が行われた場合には、サブCPU201は、回転物体演出Aを第3回転物体演出として決定する。S405の処理後にS408の処理が行われた場合には、サブCPU201は、回転物体演出Cを第3回転物体演出として決定する。また、S407の処理後にS408の処理が行われた場合には、サブCPU201は、回転物体演出Dを第3回転物体演出として決定する。なお、S406がNO判定の場合には、S408の処理において第3回転物体演出は決定されない。
次いで、サブCPU201は、擬似連回数が0回であるか否かを判別する(S409)。なお、サブCPU201は、当該変動表示期間の演出態様(演出パターン)及び擬似連演出フラグの値を参照して、この判別処理を行う。
S409において、サブCPU201が、擬似連回数が0回であると判別した場合(S409がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Aを選択する(S410)。そして、S410の処理後、サブCPU201は、後述のS415の処理を行う。一方、S409において、サブCPU201が、擬似連回数が0回でないと判別した場合(S409がNO判定の場合)、サブCPU201は、擬似連回数が1回であるか否かを判別する(S411)。
S411において、サブCPU201が、擬似連回数が1回であると判別した場合(S411がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Cを選択する(S412)。そして、S412の処理後、サブCPU201は、後述のS415の処理を行う。一方、S411において、サブCPU201が、擬似連回数が1回でないと判別した場合(S411がNO判定の場合)、サブCPU201は、擬似連回数が1回より多いか否かを判別する(S413)。
S413において、サブCPU201が、擬似連回数が1回より多いと判別した場合(S413がYES判定の場合)、サブCPU201は、回転物体演出として回転物体演出Eを選択する(S414)。そして、S414の処理後、サブCPU201は、後述のS415の処理を行う。一方、S413において、サブCPU201が、擬似連回数が1回より多くないと判別した場合(S413がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS415の処理を行う。
S410、S412或いはS414の処理後、又は、S413がNO判定の場合、サブCPU201は、擬似連回数を選択基準とした第4回転物体演出を決定する(S415)。具体的には、S410の処理後にS415の処理が行われた場合には、サブCPU201は、回転物体演出Aを第4回転物体演出として決定する。S412の処理後にS415の処理が行われた場合には、サブCPU201は、回転物体演出Cを第4回転物体演出として決定する。また、S414の処理後にS415の処理が行われた場合には、サブCPU201は、回転物体演出Eを第4回転物体演出として決定する。なお、S413がNO判定の場合には、S415の処理において第4回転物体演出は決定されない。
次いで、サブCPU201は、S397、S401、S408及びS415の処理でそれぞれ決定された第1回転物体演出〜第4回転物体演出の中から最も大当り期待度の高い回転物体演出を選択する(S416)。これにより、最終的に実行される回転物体演出の種別が決定される。そして、S416の処理後、サブCPU201は、回転物体演出選択処理を終了し、処理を、対応する演出選択処理(通常演出モード演出選択処理(図117参照)、Gモード演出選択処理(図118参照)又はRゾーン演出選択処理(図119参照))に戻す。
[潜確期待度報知処理]
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、上述のように、演出モードがモードAである場合、潜確期待度報知演出が行われる(図71参照)。ここで、図125を参照して、モードAにおいて、サブCPU201により実行される潜確期待度報知処理(ランク演出の登録処理)について説明する。なお、図125は、本実施の形態における潜確期待度報知処理の手順を示すフローチャートである。
この図125に示す処理では、主に、モードAにおける変動時の演出の決定処理と、モードAの演出態様(潜確期待度の報知態様)を変更するか否かの決定処理とが行われる。モードAでは、非変動時においても、表示装置13の表示領域13aに表示される非変動時の背景等で潜確期待度の報知が行われており、図125に示す処理では、変動時の抽選結果に基づいて、変動前(非変動時)に表示されているモードAの演出態様(潜確期待度の報知態様)を変更するか否かが抽選により決定される。
まず、サブCPU201は、現在の演出モードがモードAであるか否かを判別する(S421)。
本実施の形態では、ワークRAM203には、現在実行中の演出モードの種別を管理するためのフラグ(通常モード選択中フラグ、モードA選択中フラグ〜モードD選択中フラグ)が設けられる。そして、S421の処理では、サブCPU201は、ワークRAM203に格納されたモードA選択中フラグの値(「0」又は「1」)を参照して、演出モードがモードAであるか否かを判別する。なお、モードA選択中フラグの値が「1」である場合には、モードAの演出が実行されていることを示す。
S421において、サブCPU201が、現在の演出モードがモードAでないと判別した場合(S421がNO判定の場合)、サブCPU201は、潜確期待度報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。一方、S421において、サブCPU201が、現在の演出モードがモードAであると判別した場合(S421がYES判定の場合)、サブCPU201は、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを判別する(S422)。
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、例えば、特別図柄の変動表示毎、遊技状態フラグの更新毎、所定時間毎等の契機にメインCPU71からサブCPU201に各種コマンドが送信され、それらのコマンドには、メインCPU71が制御する遊技状態に関する情報(例えば、時短フラグの値、確変フラグの値等)も含まれる。
それゆえ、S422の処理では、サブCPU201は、メインCPU71から送信された各種コマンドに含まれる遊技状態に関する情報(確変フラグの値)を参照して、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを判別する。
S422において、サブCPU201が、遊技状態が「確変遊技状態」であると判別した場合(S422がYES判定の場合)、サブCPU201は、確変状態用ランク演出テーブル(不図示)を参照し、所定の演出を選択する(S423)。一方、S422において、サブCPU201が、遊技状態が「確変遊技状態」でないと判別した場合(S422がNO判定の場合)、サブCPU201は、通常状態用ランク演出テーブル(不図示)を参照し、所定の演出を選択する(S424)。なお、図示しないが、本実施の形態では、確変状態用ランク演出テーブルにおけるランクアップ演出の選択確率は、通常状態用ランク演出テーブルにおけるランクアップ演出の選択確率より高くなるように設定されている。
そして、S423又はS424の処理後、サブCPU201は、選択された演出がランクアップ演出であるか否かを判別する(S425)。
S425において、サブCPU201が、選択された演出がランクアップ演出であると判別した場合(S425がYES判定の場合)、サブCPU201は、現在の演出ステージがステージ3であるか否かを判別する(S426)。
S426において、サブCPU201が、現在の演出ステージがステージ3でないと判別した場合(S426がNO判定の場合)、サブCPU201は、ステージ移行演出をセットする(S427)。なお、ステージ移行演出では、演出ステージが現在の演出ステージより潜確期待度の高い演出ステージに移行する旨の情報が表示装置13の表示領域13aに表示(報知)される。例えば、現在の演出ステージがステージ1である場合には、演出ステージがステージ2に移行する旨の情報が表示装置13の表示領域13aに表示(報知)される。そして、S427の処理後、サブCPU201は、潜確期待度報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。
一方、S426において、サブCPU201が、現在の演出ステージがステージ3であると判別した場合(S426がYES判定の場合)、サブCPU201は、モードBへの移行演出をセットする(S428)。なお、モードBへの移行演出では、演出モードがモードAからモードBに移行する旨の情報が表示装置13の表示領域13aに表示(報知)される。そして、S428の処理後、サブCPU201は、潜確期待度報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。
ここで、再度、S425の処理の説明に戻って、S425において、サブCPU201が、選択された演出がランクアップ演出でないと判別した場合(S425がNO判定の場合)、サブCPU201は、選択された演出がモードAの終了演出であるか否かを判別する(S429)。
S429において、サブCPU201が、選択された演出がモードAの終了演出であると判別した場合(S429がYES判定の場合)、サブCPU201は、通常モードへの移行演出をセットする(S430)。なお、通常モードへの移行演出では、演出モードがモードAから通常モードに移行する旨の情報が表示装置13の表示領域13aに表示(報知)される。そして、S430の処理後、サブCPU201は、潜確期待度報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。
一方、S429において、サブCPU201が、選択された演出がモードAの終了演出でないと判別した場合(S429がNO判定の場合)、サブCPU201は、潜確期待度報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。この際(「ランクアップ演出」及び「終了演出」のいずれもが選択されなかった場合)、サブCPU201は、通常用又は確変用ランクテーブルから選択された演出をセットした後、潜確期待度報知処理を終了する。
なお、ランク演出テーブルが、「ランクアップ演出」及び「終了演出」以外に、例えば、ランクダウンする演出やステージに特有の演出等が選択できるような構成になっている場合には、S429がNO判定のとき、サブCPU201は、例えば、ランクダウンする演出やステージに特有の演出等に対応する所定の演出がセットされる。
[潜確回数報知処理]
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、上述のように、演出モードがモードBである場合、残り潜確回数を3段階(ステージA〜ステージC)に分けて報知する演出(潜確回数報知演出)が行われる(図71参照)。ここで、図126を参照して、モードBにおいて、サブCPU201により実行される潜確回数報知処理について説明する。なお、図126は、本実施の形態における潜確回数報知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、演出モードがモードBであるか否かを判別する(S441)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203に格納されたモードB選択中フラグの値(「0」又は「1」)を参照して、演出モードがモードBであるか否かを判別する。なお、本実施の形態では、次の3つの条件のいずれかが満たされた場合、S441がYES判定となる。
(1)遊技状態が「潜確遊技状態」であり、且つ、モードAのステージ3で昇格抽選に当選した場合。
(2)非時短遊技状態において、「大当り」に当選した場合。
(3)モードBが実行中である場合。
S441において、サブCPU201が、演出モードがモードBでないと判別した場合(S441がNO判定の場合)、サブCPU201は、潜確回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。一方、S441において、サブCPU201が、演出モードがモードBであると判別した場合(S441がYES判定の場合)、サブCPU201は、残り潜確回数が200回〜120回の範囲内の回数であるか否かを判別する(S442)。本実施の形態では、図示しないが、副制御回路200に、主制御回路70で管理される残り潜確回数を別途、計数するための専用カウンタを設ける。そして、S442の処理では、サブCPU201は、この残り潜確回数計数用の専用カウンタの値に基づいて残り潜確回数の判定処理を行う。
なお、本実施の形態では、主制御回路70において残り潜確回数が更新される度に、主制御回路70から副制御回路200に所定のコマンドが送信され、副制御回路200は、受信した所定のコマンドに基づいて残り潜確回数計数用の専用カウンタの値を更新する。それゆえ、本実施の形態では、主制御回路70で管理される残り潜確回数と副制御回路200で管理される残り潜確回数とは同期して更新される。また、この際、サブCPU201は、所定のコマンドを受信したことに基づいて残り潜確回数計数用の専用カウンタの値を更新してもよい。さらに、所定のコマンドに残り潜確回数に関する情報が含まれている場合には、サブCPU201は、S442の処理において、その残り潜確回数に関する情報を参照して、残り潜確回数を判別してもよい。
S442において、サブCPU201が、残り潜確回数が200回〜120回の範囲内の回数であると判別した場合(S442がYES判定の場合)、サブCPU201は、表示装置13の表示領域13aにステージAに関する情報を表示(報知)するためのデータをセットする(S443)。そして、S443の処理後、サブCPU201は、後述のS447の処理を行う。
一方、S442において、サブCPU201が、残り潜確回数(残りST回数)が200回〜120回の範囲内の回数でないと判別した場合(S442がNO判定の場合)、サブCPU201は、残り潜確回数が119回〜50回の範囲内の回数であるか否かを判別する(S444)。
S444において、サブCPU201が、残り潜確回数が119回〜50回の範囲内の回数であると判別した場合(S444がYES判定の場合)、サブCPU201は、表示装置13の表示領域13aにステージBに関する情報を表示(報知)するためのデータをセットする(S445)。そして、S445の処理後、サブCPU201は、後述のS447の処理を行う。
一方、S444において、サブCPU201が、残り潜確回数が119回〜50回の範囲内の回数でないと判別した場合(S444がNO判定の場合)、サブCPU201は、表示装置13の表示領域13aにステージCに関する情報を表示(報知)するためのデータをセットする(S446)。そして、S446の処理後、サブCPU201は、後述のS447の処理を行う。
S443、S445又はS446の処理後、サブCPU201は、残り潜確回数が0回であるか否かを判別する(S447)。
S447において、サブCPU201が、残り潜確回数が0回でないと判別した場合(S447がNO判定の場合)、サブCPU201は、潜確回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。一方、S447において、サブCPU201が、残り潜確回数が0回であると判別した場合(S447がYES判定の場合)、サブCPU201は、演出モードをモードBから通常モードに移行させる(S448)。そして、S448の処理後、サブCPU201は、潜確回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。
[時短回数報知処理]
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、上述のように、演出モードがモードCである場合、時短回数報知演出が行われる(図72参照)。ここで、図127を参照して、モードCにおいて、サブCPU201により実行される時短回数報知処理について説明する。図127は、本実施の形態における時短回数報知処理の手順を示すフローチャートである。なお、図75で説明したように、継続演出時(報知回数=0)には、残り時短回数の報知演出(上乗せ数表示演出)以外に、大当り演出、モードDへの移行演出、モードBへの移行演出等が行われる場合もあるが、図127には、説明の便宜上、残り時短回数の報知演出以外のこれらの演出処理(報知処理)についての記載は省略し、残りの時短回数の報知処理に特化したフローチャートを示す。
まず、サブCPU201は、遊技状態が「大当り遊技状態」中であるか否かを判別する(S451)。この処理では、サブCPU201は、メインCPU71から送信された所定のコマンドに含まれる遊技状態に関する情報を参照して、遊技状態が「大当り遊技状態」中であるか否かを判別する。この所定のコマンドは、例えば、特別図柄の変動表示毎、遊技状態に関する情報の更新毎、所定時間毎等のタイミングで、メインCPU71からサブCPU201に送信される。
S451において、サブCPU201が、遊技状態が「大当り遊技状態」中でないと判別した場合(S451がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS455の処理を行う。一方、S451において、サブCPU201が、遊技状態が「大当り遊技状態」中であると判別した場合(S451がYES判定の場合)、サブCPU201は、「大当り遊技状態」の「大当り」の種別が「時短有りの大当り」であるか否かを判別する(S452)。この処理では、サブCPU201は、図107に示す副制御メイン処理中のコマンド解析処理(S183)の結果に基づいて、「大当り」の種別が、時短回数が付与される種別であるか否かを判別する。
S452において、サブCPU201が、「大当り」の種別が「時短有りの大当り」でないと判別した場合(S452がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS455の処理を行う。
一方、S452において、サブCPU201が、「大当り」の種別が「時短有りの大当り」であると判別した場合(S452がYES判定の場合)、サブCPU201は、予め設定された時短回数の報知パターンをワークRAM203にセットする(S453)。次いで、サブCPU201は、最初の残り時短報知回数(初期報知回数)をワークRAM203にセットする(S454)。すなわち、本実施の形態では、演出モードがモードCに移行する前の大当り遊技中に、時短回数の報知パターン及び初期報知回数が決定される。この際、初期報知回数は、「大当り」の種別(図柄指定コマンド)毎に設定されている時短回数の上限値以下の値に設定される。例えば、図72で説明した例では時短回数の上限値が200回であり、初期報知回数は60回である。
また、本実施の形態では、図示しないが、副制御回路200に、残り時短遊技の報知回数を計数する専用カウンタを設ける。そして、時短遊技の開始時(演出モードがモードCに移行した際)に、初期報知回数がこの報知回数計数用の専用カウンタにセットされる。
そして、S454の処理後、又は、S451或いはS452がNO判定の場合、サブCPU201は、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを判別する(S455)。
S455において、サブCPU201が、遊技状態が「時短遊技状態」でないと判別した場合(S455がNO判定の場合)、サブCPU201は、時短報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。一方、S455において、サブCPU201が、遊技状態が「時短遊技状態」であると判別した場合(S455がYES判定の場合)、サブCPU201は、現在の残り時短回数を取得する(S456)。なお、この処理では、サブCPU201は報知回数の更新処理も行う。具体的には、サブCPU201は、報知回数計数用の専用カウンタの値を「1」減算する。
本実施の形態では、図示しないが、副制御回路200に、主制御回路70で管理される残り時短回数(時短遊技の実行回数)を別途、計数するための専用カウンタを設ける。そして、S456の処理では、サブCPU201は、この残り時短回数計数用の専用カウンタの値に基づいて残り時短回数の判定処理を行う。なお、本実施の形態では、主制御回路70において残り時短回数が更新される度に、主制御回路70から副制御回路200に所定のコマンドが送信され、副制御回路200は、受信した所定のコマンドに基づいて残り時短回数計数用の専用カウンタの値を更新する。
それゆえ、本実施の形態では、主制御回路70で管理される残り時短回数と副制御回路200で管理される残り時短回数とは同期して更新される。なお、この際、サブCPU201は、所定のコマンドを受信したことに基づいて残り時短回数計数用の専用カウンタの値を更新してもよい。また、所定のコマンドに残り時短回数に関する情報が含まれている場合には、サブCPU201は、S456の処理において、その残り時短回数に関する情報を参照して、残り時短回数を判別してもよい。
次いで、サブCPU201は、報知回数が「0」であるか否かを判別する(S457)。なお、この処理では、サブCPU201は、報知回数計数用の専用カウンタの値を参照して、報知回数が「0」であるか否かを判別する。
S457において、サブCPU201が、報知回数が「0」であると判別した場合(S457がYES判定の場合)、サブCPU201は、残り時短回数が「0」であるか否かを判別する(S458)。
S458において、サブCPU201が、残り時短回数が「0」であると判別した場合(S458がYES判定の場合)、サブCPU201は、時短終了の報知情報をセットする(S459)。そして、S459の処理後、サブCPU201は、時短回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。
一方、S458において、サブCPU201が、残り時短回数が「0」でないと判別した場合(S458がNO判定の場合)、サブCPU201は、時短遊技の継続演出をセットする(S460)。
次いで、サブCPU201は、報知回数の上乗せ更新処理を行う(S461)。この処理では、サブCPU201は、現在の残り時短回数以下の回数を報知回数として新たにセットする(報知回数を上乗せする)。例えば、図72に示す例では、S461の処理で、40回の報知回数が上乗せされる。なお、この際に上乗せされる報知回数は、予め決められた回数(ただし、現在の残り時短回数以下の回数)であってもよいし、現在の残り時短回数に基づいて抽選により上乗せされる報知回数を決定してもよい。そして、S461の処理後、サブCPU201は、時短回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。
なお、報知回数が「0」であり、且つ、残り時短回数が「0」でない場合の処理は、上記S460及びS461の処理に限定されない。例えば、この時点で演出モードのモードDへの移行が決定されている場合には、上記S460及びS461の処理だけでなく、モードDへの移行演出も同時に行うようにしてもよい。
ここで、再度、S457の処理の説明に戻って、S457において、サブCPU201が、報知回数が「0」でないと判別した場合(S457がNO判定の場合)、サブCPU201は、S453でセットされた報知パターンに基づいて、実行中の時短回数の報知パターンが予告演出(予告報知)を行う報知パターンであるか否かを判別する(S462)。
S462において、サブCPU201が、実行中の時短回数の報知パターンが予告演出を行う報知パターンでないと判別した場合(S462がNO判定の場合)、サブCPU201は、時短回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。
一方、S462において、サブCPU201が、実行中の時短回数の報知パターンが予告演出を行う報知パターンであると判別した場合(S462がYES判定の場合)、サブCPU201は、S453でセットされた報知パターンに基づいて、現在の特別図柄の変動表示が予告演出を行うタイミングであるか否かを判別する(S463)。なお、予告演出するタイミングは、時短遊技中において、特別図柄の変動表示毎に抽選により決定してもよい。また、予告演出を行う報知パターンがセットされたとき(S453の処理)に、予め決められた所定のタイミング(例えば何回目の変動表示時)を予告演出するタイミングとして決定するようにしてもよい。
S463において、サブCPU201が、現在の特別図柄の変動表示が予告演出を行うタイミングでないと判別した場合(S463がNO判定の場合)、サブCPU201は、時短回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。一方、S463において、サブCPU201が、現在の特別図柄の変動表示が予告演出を行うタイミングであると判別した場合(S463がYES判定の場合)、サブCPU201は、残り時短回数の予告演出をセットする(S464)。
次いで、サブCPU201は、報知回数の上乗せ更新処理を行う(S465)。この処理では、サブCPU201は、現在の残り時短回数以下の回数を現在の報知回数に加算する(報知回数を上乗せする)。なお、この際に上乗せされる報知回数は、予め決められた回数(ただし、現在の残り時短回数以下の回数)であってもよいし、現在の残り時短回数に基づいて抽選により上乗せされる報知回数を決定してもよい。そして、S465の処理後、サブCPU201は、時短回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。
上述のように、時短回数報知処理中のS461及びS465では、それぞれ継続演出及び予告演出の実行タイミングにおいて、報知回数の上乗せ更新処理が行われ、この処理は、副制御回路200により実行される。すなわち、副制御回路200は、所定のタイミングで報知回数を更新する手段(報知回数更新手段)を兼ねる。
<各種変形例及び応用例>
本発明のパチンコ遊技機における各種演出動作は、上記実施の形態の演出動作例に限定されず、各種変形例及び応用例が考えられる。以下では、その各種変形例及び応用例について説明する。
[変形例1]
上記実施の形態では、演出モードが通常モードである状態において、「小当り」に当選した場合、モードAを経由して遊技状態が「潜確遊技状態」であるモードBに移行し、該移行したモードBにおいて、残り潜確回数を報知する演出を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、通常モードにおいて「小当り」に当選した場合、演出モードが、直接、モードBに移行し、該移行したモードBにおいて特別図柄の変動表示の残りの実行回数を報知するようにしてもよい。変形例1では、このような構成例を説明する。
(1)通常モード及びモードB間のモード移行形態
まず、図128を参照しながら、変形例1における通常モード及びモードB間のモード移行形態について具体的に説明する。なお、図128は、変形例1における通常モード及びモードB間のモード移行形態及びモードBで行われる報知動作の概要を示す。
変形例1では、通常モード(時短なしの遊技状態)中に「大当り」に当選した場合、上記実施の形態と同様に、大当り遊技終了時に200回の特別図柄の変動表示の実行回数(ST)がセットされ、その後、演出モードがモードBに移行する。
また、変形例1では、図128に示すように、通常モードにおいて、「小当り」に当選し、小当り遊技を消化した後、演出モードは、モードBに移行する。この際の演出モードの移行形態としては、上記実施の形態と同様に、小当り遊技終了直後に演出モードがモードBに移行する形態と、小当り遊技終了後、再度、通常モードで所定回数の特別図柄の変動表示が行われた後に演出モードがモードBに移行する形態とがある。なお、変形例1においても、上記実施の形態と同様に、小当り当選時には、モードBへの移行形態に関係なく、遊技状態は移行しない。
それゆえ、変形例1において、通常モードから小当り遊技状態を経由してモードBに移行する場合、通常モードにおける小当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であれば、移行後のモードBにおいても、「低確率時短なし」の遊技状態が継続される。一方、通常モードにおける小当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であれば、移行後のモードBにおいても、「高確率時短なし」の遊技状態が継続される。すなわち、変形例1では、モードBにおける遊技状態は、「高確率時短なし」(潜確遊技状態)又は「低確率時短なし」となる。
また、この例では、モードBの遊技状態が「潜確遊技状態」である場合には、潜確遊技が終了すると、演出モードがモードBから通常モードに移行する。
一方、この例では、モードBの遊技状態が「低確率時短なし」である場合には、モードBにおいて特別図柄の変動表示の残りの実行回数(後述の残り滞在回数)が「0」になったときに、モードBの終了抽選を行う。そして、モードBの終了抽選に当選した場合、演出モードが通常モードに移行する。しかしながら、モードBの終了抽選に当選しなかった場合には、再度、モードBにおいて特別図柄の変動表示の残りの実行回数(後述の残り滞在回数)の初期値が設定され、モードBが継続される。
(2)モードBにおける報知演出の概要
次に、モードBにおける報知演出の概要について説明する。変形例1においても、上記実施の形態と同様に、モードBにおいて、残りの特別図柄の変動表示の実行回数を表示する。
なお、変形例1では、上述のように、小当り遊技を経由して演出モードがモードBに移行した場合、遊技状態が「潜確遊技状態」(高確率時短なし)でなく、「低確率時短なし」となる場合がある。それゆえ、変形例1では、この両方の遊技状態を考慮し、モードBにおいて、残りの特別図柄の変動表示の実行回数を「残り滞在回数」として表示する演出を行う。なお、ここでいう、残り滞在回数は、残り潜確回数を含む意味であり、モードBの遊技状態が「潜確遊技状態」(高確率時短なし)である場合には、残り滞在回数は残り潜確回数となる。また、モードBの遊技状態が「低確率時短なし」である場合には、演出モードがモードBに移行した際に、所定の滞在回数(初期値)が設定される。
そして、図128に示すように、変形例1では、モードBにおける残り滞在回数を3段階のステージに分けて報知する。具体的には、残り滞在回数を示すステージとして、残り滞在回数が200〜120回であるステージA、残り滞在回数が119〜50回であるステージB及び残り滞在回数が49〜0回であるステージCを設ける。そして、モードBにおける残り滞在回数の報知演出では、各ステージにおいて特有の演出を行い、遊技者に対して現在の残り滞在回数に関する情報を報知する。
なお、ステージA〜Cのそれぞれに設定された残り滞在回数の範囲は、図128に示す例に限定されず、例えば機種等に応じて、適宜変更してもよい。また、この例では、残り滞在回数のステージを3段階に分ける例を説明したが、本発明はこれに限定されず、残り滞在回数のステージを2段階又は4段階以上に分けてもよい。
ここで、図129(a)及び図129(b)に、モードBで行われる残り滞在回数の報知演出の動作フローの一例を示す。
図129(a)は、小当り遊技を経由して演出モードがモードBに移行し且つモードBの遊技状態が「低確率時短なし」である場合の残り滞在回数の報知演出の動作フローである。この動作例では、まず、小当り遊技終了後、モードBにおける滞在回数(特別図柄の実行回数)の初期値(図129(a)の動作例では「80回」)がセットされる。なお、この滞在回数の初期値は0〜200回の範囲内から適宜選択される。
図129(a)の動作例では、モードB移行後、最初に、ステージBの滞在回数報知演出が行われ、その後、特別図柄の変動表示毎に残り滞在回数が減る。次いで、残り滞在回数が49回以下となると、滞在回数報知演出が、ステージCの滞在回数報知演出に切り替わる。その後、残り滞在回数が0回になるまでステージCの滞在回数報知演出が行われる。
そして、残り滞在回数が0回になった際に行われるモードBの終了抽選に当選しなかった場合、再度、モードBにおける滞在回数の初期値が設定され、モードBの滞在回数報知演出が繰り返される。一方、モードBの終了抽選に当選した場合には、演出モードが通常モードに移行する。
図129(b)は、遊技状態が「高確率時短あり」であるモードCにおいて時短遊技が終了して、演出モードがモードCからモードBに移行し、且つ、その移行時の残り潜確回数が「80回」である場合に行われる残り滞在回数の報知演出の動作フローである。
図129(b)の動作例では、モードB移行後、最初に、ステージBの滞在回数報知演出が行われ、その後、潜確遊技の消化毎に残り滞在回数が減る。次いで、残り滞在回数(残り潜確回数)が49回以下となると、滞在回数報知演出が、ステージCの滞在回数報知演出に切り替わる。その後、残り滞在回数(残り潜確回数)が0回になるまでステージCの滞在回数報知演出が行われる。この際、残り滞在回数(残り潜確回数)が0回になるまでに、「大当り」に当選しなかった場合、すなわち、確変遊技状態が終了した場合には、残り滞在回数が0回になった後、演出モードが通常モードに移行する。
図129(a)及び図129(b)に示すように、変形例1の滞在回数報知演出では、モードBの遊技状態が「確変遊技状態」であっても、「通常遊技状態」(非確変遊技状態)であっても、同様の演出が行われる。この場合、遊技状態が「潜確遊技状態」であるか否かを判別することが難しくなる。
それゆえ、この例の構成では、「小当り」が発生したか否かを判別できる遊技者が、同じパチンコ遊技機で遊技を行っている場合には、モードBにおいて遊技状態が「潜確遊技状態」であるか否かを判別することが可能である。しかしながら、別の遊技者(次の遊技者)が、モードBに移行した後の遊技機で遊技を行った場合には、遊技状態が「潜確遊技状態」であるか否かを判別することが非常に困難になる。また、この例において、「小当り」と「大当り」との判別をより難しくするために、小当り時の大入賞口の開放態様と同様の開放態様を有する「大当り」の種別を設けてもよい。
(3)滞在回数報知処理の内容
次に、図130を参照して、モードBにおいて、サブCPU201により行われる滞在回数報知演出の登録処理(滞在回数報知処理)について説明する。図130は、変形例1における滞在回数報知処理の手順を示すフローチャートである。なお、変形例1における滞在回数報知処理は、上記実施の形態の潜確回数報知処理と同様に、図107で説明した副制御メイン処理中の演出処理(S184)で行われる。
まず、サブCPU201は、モードB選択中フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S471)。すなわち、この処理では、サブCPU201は、現在の演出モードがモードBであるか否かを判別する。
S471において、サブCPU201が、モードB選択中フラグの値が「1」であるとと判別した場合(S471がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS477の処理を行う。一方、S471において、サブCPU201が、モードB選択中フラグの値が「1」でないと判別した場合(S471がNO判定の場合)、サブCPU201は、モードB初期処理フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S472)。
モードB初期処理フラグは、ワークRAM203に格納されるフラグであり、演出モードがモードBに移行した直後であるか否かを示すフラグである。そして、演出モードがモードBに移行した直後である場合には、モードB初期処理フラグの値が「1」にセットされる。なお、モードB初期処理フラグの値は、次の(A)〜(C)のタイミングで、「1」にセットされる。
(A)小当り遊技終了直後。
(B)小当り遊技終了後、再度、通常モードで所定回数の特別図柄の変動表示が行われた後に演出モードがモードBに移行した直後。
(C)「非時短遊技状態」において「大当り」に当選し、大当り遊技が終了した直後。
S472において、サブCPU201が、モードB初期処理フラグの値が「1」でないと判別した場合(S472がNO判定の場合)、サブCPU201は、滞在回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。一方、S472において、サブCPU201が、モードB初期処理フラグの値が「1」であると判別した場合(S472がYES判定の場合)、サブCPU201は、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを判別する(S473)。
S473において、サブCPU201が、遊技状態が「確変遊技状態」であると判別した場合(S473がYES判定の場合)、サブCPU201は、モードBにおける残り滞在回数の初期値を設定する(S474)。この処理では、サブCPU201は、モードB移行時の残り確変回数(残り潜確回数)を残り滞在回数の初期値として設定し、該設定された残り滞在回数をワークRAM203に記憶する。そして、S474の処理後、サブCPU201は、後述のS476の処理を行う。
一方、S473において、サブCPU201が、遊技状態が「確変遊技状態」でないと判別した場合(S473がNO判定の場合)、すなわち、演出モードが小当り遊技経由でモードBに移行した直後であり且つ遊技状態が「通常遊技状態」である場合、サブCPU201は、モードBにおける残り滞在回数の初期値を0〜200回の範囲内の所定値に設定する(S475)。なお、この際、サブCPU201は、残り滞在回数の初期値を抽選により決定してもよいし、予め設定された所定の回数を残り滞在回数の初期値としてもよい。また、この処理では、サブCPU201は、設定された残り滞在回数の初期値をワークRAM203に記憶する。そして、S475の処理後、サブCPU201は、後述のS476の処理を行う。
S474又はS475の処理後、サブCPU201は、モードB選択中フラグの値を「1」にセットする(S476)。
そして、S476の処理後、又は、S471がYES判定の場合、サブCPU201は、残り滞在回数の値を更新する(S477)。この処理では、サブCPU201は、特別図柄の変動表示毎に残り滞在回数の値を「1」減算し、該減算した残り滞在回数(更新値)をワークRAM203に記憶する。
次いで、サブCPU201は、S477で更新された残り滞在回数の値が「0」であるか否かを判別する(S478)。
S478において、サブCPU201が、残り滞在回数の値が「0」でないと判別した場合(S478がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のS485の処理を行う。一方、S478において、サブCPU201が、残り滞在回数の値が「0」であると判別した場合(S478がYES判定の場合)、サブCPU201は、「確変遊技状態」の終了タイミングであるか否かを判別する(S479)。
S479において、サブCPU201が、「確変遊技状態」の終了タイミングであると判別した場合(S479がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS482の処理を行う。一方、S479において、サブCPU201が、「確変遊技状態」の終了タイミングでないと判別した場合(S479がNO判定の場合)、サブCPU201は、モードBの終了抽選を行う(S480)。次いで、サブCPU201は、モードBの終了抽選に当選したか否かを判別する(S481)。
S481において、サブCPU201が、モードBの終了抽選に当選したと判別した場合(S481がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS482の処理を行う。
S479又はS481がYES判定の場合、サブCPU201は、モードBを終了し、演出モードを通常モードに移行させる(S482)。次いで、サブCPU201は、モードB選択中フラグの値を「0」にセットする(S483)。そして、S483の処理後、サブCPU201は、滞在回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。
一方、S481において、サブCPU201が、モードBの終了抽選に当選しなかったと判別した場合(S481がNO判定の場合)、サブCPU201は、上記S475の処理と同様にして、再度、モードBにおける残り滞在回数の初期値を0〜200回の範囲内の所定値に設定する(S484)。また、この処理では、サブCPU201は、設定された残り滞在回数の初期値をワークRAM203に記憶する。
S484の処理後、又は、S478がNO判定の場合、サブCPU201は、残り滞在回数に応じて、滞在回数のステージ(ステージA〜Cのいずれか)を選択する(S485)。そして、S485の処理後、サブCPU201は、滞在回数報知処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図107参照)に戻す。
[変形例2]
図127で説明した上記実施の形態の時短回数報知処理では、S453及びS454において、予め設定された、時短回数の報知パターン及び初期報知回数(最初の残り時短報知回数)をセットする処理例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、時短回数の報知パターン及び初期報知回数を抽選により決定してもよい。
変形例2では、図131を参照しながら、時短回数の報知パターン及び初期報知回数を抽選により決定する際に用いる時短報知パターンテーブルの一例を説明する。なお、図131は、時短報知パターンテーブルの一構成例を示す図である。
この例の時短報知パターンテーブルには、図柄指定コマンド(「z1」〜「z17」)と、報知パターンの種別(「JT00」〜「JT32」)と、時短回数の報知パターンの種別を決定するための乱数値と、該乱数値により決定される報知パターンの各種パラメータとの対応関係が規定される。なお、時短報知パターンテーブルに規定されている乱数値は、入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
この例の時短報知パターンテーブルでは、時短回数の報知パターンの各種パラメータとして、予告報知フラグの値、初期報知回数及び時短回数が規定される。なお、予告報知フラグは、時短回数の報知パターンが予告演出を行う報知パターンであるか否かを示すフラグであり、予告演出を行う報知パターンである場合には、予告報知フラグの値に「1(オン)」がセットされる。
図131に示す時短報知パターンテーブルを用いた抽選処理では、図柄指定コマンド(大当り図柄)の種別に基づいて、時短回数の報知パターン及びその各種パラメータが決定される。例えば、図柄指定コマンドが「z2」であり、時短回数の報知パターンを決定するための乱数値が「500」〜「999」のいずれかの値であれば、時短回数の報知パターンとして「JT02」がセットされ、報知パターンの各種パラメータとしては、予告報知フラグの値が「1」にセットされ、初期報報知回数が「40」にセットされ、時短回数が「60」がセットされる。
[変形例3]
図76(a)〜図76(c)で説明した上記実施の形態の先読み特化ゾーン演出では、先読み特化ゾーン開始時の演出が割り当てられた保留球の次に保留された保留球の変動時に、先読み特化ゾーン中の演出を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、1つの保留球の変動期間において、先読み特化ゾーン開始時の演出及び先読み特化ゾーン中の演出の両方を行ってもよい。この場合には、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された特別図柄の可変表示(保留球)の前に保留球が存在しない場合においても、先読み特化ゾーン演出を行うことができる。
また、上記実施の形態の先読み特化ゾーン開始時の演出では、特化ゾーンへの突入予告演出(「ゾーン移行予告複合成功」演出)において、図柄演出と背景演出とを同時に発生させる例を説明したが、本発明はこれに限定されず、図柄演出と背景演出とを異なるタイミングで発生させてもよい。
変形例3では、1つの保留球の変動期間に先読み特化ゾーン開始時の演出及び先読み特化ゾーン中の演出の両方を行い、且つ、特化ゾーンへの突入予告演出において図柄演出と背景演出とを異なるタイミングで発生させる先読み特化ゾーン演出の動作例について説明する。
(1)先読み特化ゾーン演出の動作例
まず、図132を参照しながら、変形例3における先読み特化ゾーン演出の一例を説明する。なお、図132は、この例における先読み特化ゾーン演出の動作フローを示す図である。
図132に示す例は、既に3つの保留球が存在する状態で、新たに始動口入賞が発生し(4つ目の保留球が発生し)、該始動口入賞時に先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された場合の先読み特化ゾーン演出の動作例である。この場合、上記実施の形態と同様に、4つ目の保留球が発生した時点で、既に保留されている3つの保留球の変動表示と、先読み特化ゾーン演出を行うことが決定された4つ目の保留球の変動表示とにより、一連の先読み演出が行われる。
この例では、1つ目〜3つ目の各保留球の各変動時には、先読み特化ゾーン開始前の演出が行われ、先読み特化ゾーンに突入することを煽るような演出が行われる。なお、この例では、先読み特化ゾーン開始前の演出において、上記実施の形態と同様に、図柄演出(図柄先読み)又は背景演出(背景先読み)を行うが、この例では、先読み特化ゾーン開始前の演出を行う保留球の変動期間の前半に図柄演出及び背景演出の一方を行い、変動期間の中盤に図柄演出及び背景演出の他方を行う。
また、4つ目の保留球の変動時には、まず、先読み特化ゾーン開始時の演出(特化ゾーンへの突入予告演出及びゾーン突入の演出)が行われ、その後、該変動期間中に先読み特化ゾーン中の演出が行われる。なお、この際、この例では、特化ゾーンへの突入予告演出では、変動期間の前半に所定系統の図柄演出及び背景演出の一方を行い、変動期間の中盤に所定系統の図柄演出及び背景演出の他方を行う。
(2)変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)
次に、図133を参照しながら、この例で用いる変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)について説明する。
図133に示す変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)は、上述した先読み特化ゾーン開始時の演出から先読み特化ゾーン中の演出までの一連の演出を行う保留球の変動開始時に、特別図柄の変動表示期間の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
この例の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)には、図133に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、図85に示す先読み演出フラグテーブルで決定された先読み特化ゾーン演出パターンと、演出パターン(「EZ00」〜「EZ45」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン、先読み演出の内容(図柄演出及び背景演出の種別)及び先読み特化ゾーン中フラグのデータセットとの対応関係が規定される。なお、この例の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)において、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」である演出パターンでは、上述した先読み特化ゾーン開始時の演出から先読み特化ゾーン中の演出までの一連の演出が一つの保留球の変動期間で行われる。
また、この例の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)には、上記実施の形態と同様に、各変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)及び当選種別(「ハズレ」、「小当り」及び「大当り」)、並びに、各演出パターンの選択率も規定される。なお、変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)に規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
例えば、先読み特化ゾーン開始時の演出の実行が決定されており、特別図柄の変動表示開始時に決定された変動パターンが「HN01」であり、入賞時に決定された先読み特化ゾーン演出パターンが「パターンA」であり、乱数値が「0」〜「499」のいずれかである場合には、先読み特化ゾーン開始時の演出パターンとして「EZ03」が選択され、先読み演出としては、「図柄演出A」及び「背景演出A」が選択され、先読み特化ゾーン中フラグに「1」がセットされる。
この場合には、特別図柄の変動期間(10000ミリ秒)の前半に「図柄演出A」及び「背景演出A」の一方が行われ、変動期間の中盤に「図柄演出A」及び「背景演出A」の他方が行われる。次いで、「EZ03」の演出パターンに対応するゾーン突入演出が行われ、そして、表示装置13の表示領域13aに「ハズレ」(当選種別)に対応する態様の表示が行われる。その後、変動パターン「HN01」に基づいて決定される所定の先読み特化ゾーン中の演出が行われ、その後、特別図柄が変動停止する。
(3)先読み特化ゾーン演出パターン決定処理の内容
次に、図134を参照して、変形例3における先読み特化ゾーン演出パターン決定処理について説明する。図134は、この例における先読み特化ゾーン演出パターン決定処理の手順を示すフローチャートである。なお、この例の先読み特化ゾーン演出パターン決定処理は、上記実施の形態と同様に、図110及び図111に示す変動演出パターン決定処理中のS217で行われる。
まず、サブCPU201は、入賞パターン取得時に設定された先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S491)。この判定処理では、サブCPU201は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーン開始時の演出が行われる特別図柄の変動表示であるか否かを判別する。
S491において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」であると判別した場合(S491がYES判定の場合)、すなわち、現在の特別図柄の変動表示において先読み特化ゾーン開始時の演出を行う場合、サブCPU201は、図133の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン開始時の演出における変動演出パターンを決定する(S492)。具体的には、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、図133の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始時)に規定されている演出パターン、図柄演出及び背景演出、並びに、先読み特化ゾーン中フラグの値(「0」又は「1」)を選択する。
S492の処理後、サブCPU201は、先読み特化ゾーン開始フラグの値を「0」にセットする(S493)。次いで、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」であるか否かを判別する(S494)。
S494において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」であると判別した場合(S494がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS497の処理を行う。一方、S494において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」でないと判別した場合(S494がNO判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値を「1」にセットする(S495)。そして、S495の処理後、サブCPU201は、後述のS499の処理を行う。
ここで、再度、S491の処理の説明に戻って、S491において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン開始フラグの値が「1」でないと判別した場合(S491がNO判定の場合)、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S496)。S496において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」であると判別した場合(S496がYES判定の場合)、サブCPU201は、後述のS497の処理を行う。
S494又はS496がYES判定の場合、すなわち、変形例3のように、現在の特別図柄の変動表示期間において、先読み特化ゾーン開始時の演出から先読み特化ゾーン中の演出までの一連の演出を行う場合、又は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーン開始時中の演出のみを行う特別図柄の変動表示である場合、サブCPU201は、図90の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン中)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン中の演出における変動演出パターンを決定する(S497)。そして、S497の処理後、サブCPU201は、後述のS499の処理を行う。
一方、S496において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン中フラグの値が「1」でないと判別した場合(S496がNO判定の場合)、すなわち、現在の特別図柄の変動表示において先読み特化ゾーン演出前の演出を行う場合、サブCPU201は、図88の変動演出テーブル(先読み特化ゾーン開始前)を参照し、受信コマンドの解析結果により得られた特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、先読み特化ゾーン開始前の演出における変動演出パターンを決定する(S498)。そして、S498の処理後、サブCPU201は、後述のS499の処理を行う。
S495、S497又はS498の処理後、サブCPU201は、入賞パターン取得時に設定された先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」(オン状態)であるか否かを判別する(S499)。すなわち、この処理では、サブCPU201は、現在の特別図柄の変動表示が先読み特化ゾーンへの移行が決定された保留球に対応する特別図柄の変動表示であるか否かを判別する。
S499において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」でないと判別した場合(S499がNO判定の場合)、すなわち、先読み特化ゾーン演出が継続される場合、サブCPU201は、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理を終了するとともに、変動演出パターン決定処理(図110及び図111参照)も終了する。
一方、S499において、サブCPU201が、先読み特化ゾーン終了フラグの値が「1」であると判別した場合(S499がYES判定の場合)、すなわち、先読み特化ゾーン演出を終了する場合、サブCPU201は、先読み特化ゾーンフラグの値を「0」にセットする(S500)。次いで、サブCPU201は、先読み特化ゾーン中フラグの値を「0」にセットする(S501)。そして、S501の処理後、サブCPU201は、先読み特化ゾーン演出パターン決定処理を終了するとともに、変動演出パターン決定処理(図110及び図111参照)も終了する。
[払出制御回路による各種報知処理]
次に、図135〜図142を参照して、払出制御回路300の払出CPU301により実行される各種処理の内容について説明する。
[電源投入処理]
最初に、図135を参照して、払出CPU301による電源投入処理について説明する。図135は、本実施の形態における電源投入処理の手順を示すフローチャートである。なお、電源投入処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。払出CPU301は、この電源投入処理が開始されると、最初に、スタックポインタ、割込みモード及び割込みベクタの設定を行う。
まず、払出CPU301は、入出カポートの設定処理を行う(S601)。次いで、払出CPU301は、電断検知状態であるか否かを判別する(S602)。この処理では、払出CPU301は、電断検知信号がHレベル(高レベル)であるか否かを判別する。
S602において、払出CPU301が、電断検知信号がHレベルであると判別した場合(S602がYES判定の場合)、すなわち、電断検知状態である場合、払出CPU301は、S602の処理を再度行う。
一方、S602において、払出CPU301が、電断検知信号がHレベルでないと判別した場合(S602がNO判定の場合)、すなわち、電断検知状態でない場合、払出CPU301は、RAM303の書き込み許可処理を行う(S603)。
この処理では、払出CPU301は、RAM303の書き込み許可処理の他、例えば、RAM303の作業領域の初期化処理等の各種初期設定処理を行う。
次いで、払出CPU301は、バックアップクリアスイッチ121が押下されているか否か、すなわちバックアップクリアスイッチ121(図41参照)がオンであるか否かを判別する(S604)。
S604において、払出CPU301が、バックアップクリアスイッチ121がオンであると判別した場合(S604がYES判定の場合)、払出CPU301は、後述のS610の処理を行う。
一方、S604において、払出CPU301が、バックアップクリアスイッチ121がオンでないと判別した場合(S604がNO判定の場合)、払出CPU301は、電断検知フラグがあるか否かを判別する(S605)。この処理では、払出CPU301は、電断検知フラグの確認を行う。
S605において、払出CPU301が、電断検知フラグがないと判別した場合(S605がNO判定の場合)、払出CPU301は、後述のS610の処理を行う。一方、S605において、払出CPU301が、電断検知フラグがあると判別した場合(S605がYES判定の場合)、払出CPU301は、作業損傷チェック値を算出する(S606)。この処理において、払出CPU301は、RAM303における作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する。
具体的には、払出CPU301は、パリティチェック又はCRC(Cyclic Redundancy Check)等の誤り検出処理を実行し、実行結果として得られたチェックサムを作業損傷チェック値とする。
次いで、払出CPU301は、作業損傷チェック値が正常であるか否かを判別する(S607)。S607において、払出CPU301が、作業損傷チェック値が正常でないと判別した場合(S605がNO判定の場合)、払出CPU301は、後述のS610の処理を行う。
一方、S607において、払出CPU301が、作業損傷チェック値が正常であると判別した場合(S607がYES判定の場合)、払出CPU301は、復電時の初期処理を行う(S608)。
すなわち、払出CPU301が、バックアップクリアスイッチ121がオンでなく、電断検知フラグがあり、且つ、作業損傷チェック値が正常であると判別した場合、すなわち、電源が切られる前の状態にパチンコ遊技機1を復帰させることができる場合には、払出CPU301は、RAM303に記憶されているデータに基づいて、復電時の初期設定処理を行う。
次いで、払出CPU301は、担保球監視初期設定処理を行う(S609)。この処理では、払出CPU301は、第1及び第2の球供給通路171A、171Bにそれぞれ15個の遊技球が担保されているか判別するための初期設定を行う。
具体的には、払出CPU301は、第1及び第2の担保球カウンタ305A、305Bに初期値をそれぞれ設定する。本実施の形態では、1個の遊技球の落下時間130msとして、15個の遊技球の落下時間1950ms(=130ms×15個)に相当する1950回を第1及び第2の担保球カウンタ305A、305Bの初期値とする。
また、払出CPU301は、第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bに初期値をそれぞれ設定する。本実施の形態では、15個の遊技球の落下時間1950ms(1950回)を基に、15個の遊技球の担保が完了すると仮定される時間として2000msを第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bの初期値とする。
S609の処理後、払出CPU301は、プログラムカウンタの値を電断前のアドレスに復帰させる。詳細には、払出CPU301は、電源投入処理を終了し、電源投入処理を実行させたときに実行していたプログラムの処理を継続して行う。
S604がYES判定の場合、S605がNO判定の場合、又は、S607がNO判定の場合、すなわち、電源が切られる前の状態にパチンコ遊技機1を復帰させることができない場合、払出CPU301は、電源が投入されたときの処理を実行する。
詳細には、払出CPU301は、RAM303の全作業領域をクリアし(S610)、電源投入時の初期処理を行う(S611)。この処理では、払出CPU301は、過払出、払出モータ異常の停止要因をリセットする。このとき、後述する過払出規定個数(10個)、リトライ回数も初期化される。
また、球切れによる停止要因が発生した状態では、球供給通路171内の担保球の蓄積状態に左右されないよう、後述する払出状態報知表示装置178による表示を、2秒間消灯する。
具体的には、払出状態報知表示装置178は、上述の停止要因により払出モータ174の駆動を停止するときに所定の初期化操作がなされた場合には、球切れの判定が終了するまでの2秒の間、当該判定の結果を表示しないようにする。
これにより、例えば所定の初期化操作後に球切れの判定が行われ、正常であると判定された場合には払出状態報知表示装置178による報知を行わないようにすることができる。これにより、不要な報知を排除することができる。なお、ここでいう所定の初期化操作とは、例えばバックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われることである。
また、上記実施の形態においては、バックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われた場合には、払出CPU301がRAM303の全作業領域をクリアしていたが、これに限られるものではなく、所定の操作(例えば、バックアップクリアスイッチ121を押下)を行うことで電源の再投入を行わずともRAM303の全作業領域、又はオーバーペイ個数、又はエラー情報部分の作業領域のうち、少なくとも一つを含む作業領域、すなわち3つの作業領域をクリアしてもよいし、選択的に組み合わせて、目的に応じて作業領域をクリアするようにしてもよい。
次いで、払出CPU301は、前述した担保球監視初期設定処理を行い(S612)、後述するメイン処理(図136参照)を実行する(S613)。
上述した電源投入時に対して、電断時は、使用レジスタ、割込み状態及びスタックポインタを退避するとともに、強制的に払出モータ174の励磁データを0とし、かつ低電流に切り替える。
なお、払出動作中に電断した場合は、原点(ステップ数が4の倍数)でない場合も想定できるため、強制的に励磁データを0にすることで、電断時に遊技球が自由落下することを防止する。あるいは、電断時に遊技球を強制的に落下させておく。
なお、電断時に、遊技球を強制的に落下させる場合には、遊技球の落下に必要な時間だけ電断処理を待機又は中断、実行期間の延長を行うようにしてもよい。
また、遊技球を強制的に落下させる場合に替えて、遊技球が自由落下するように制御してもよい。この場合には、自由落下した遊技球を検知するまでに必要な時間を十分取るために、電断処理を待機又は中断、実行期間の延長を行うようにしてもよい。
[メイン処理]
次に、図136を参照して、電源投入処理(図135参照)中のS613で行うメイン処理について説明する。なお、図136は、本実施の形態におけるメイン処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、払出CPU301が有するシステムタイマが4以下であるか否かを判別する(S621)。S621において、払出CPU301が、システムタイマが4以下でないと判別した場合、(S621がNO判定の場合)、払出CPU301は、処理をS621に戻す。
一方、S621において、払出CPU301が、システムタイマが4以下であると判別した場合、(S621がYES判定の場合)、払出CPU301は、システムタイマから「4」を減算する(S622)。この処理では、払出CPU301は、システムタイマを初期化する。
すなわち、システムタイマが1msごとにカウントするタイマであれば、払出CPU301は、S621及びS622を実行することにより、後述するS623以降の処理を4msごとに実行することとなる。
次いで、払出CPU301は、メイン処理内で使用する全てのタイマの値を更新する(S623)。次いで、払出CPU301は、球貸し制御処理を実行する(S624)。この処理では、払出CPU301は、貸し出し用操作部151が操作されたときに、遊技球の管理及びカードユニット150に送信するコマンドの作成、並びに、カードユニット150から送信される球貸しのコマンドを受信したときに、貸し出す遊技球の数の管理等を行う。
次いで、払出CPU301は、賞球制御処理を実行する(S625)。この処理では、払出CPU301は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54に、遊技球が入賞したときに払出す遊技球の管理を行う。
次いで、払出CPU301は、払出制御回路300にエラーが生じたことを条件として、払出制御回路300にエラーが生じた旨を表示させるように、払出状態報知表示装置178を制御する(S626)。そして、S626の処理後、払出CPU301は、処理をS621に戻す。
[システムタイマ割込み処理(1ms)]
次に、図137を参照して、払出CPU301によるシステムタイマ割込み処理について説明する。図137は、本実施の形態におけるシステムタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、払出CPU301は、上述の図136に示すメイン処理の実行中であっても、所定周期でメイン処理を中断し、システムタイマ割込み処理を実行する。
具体的には、払出CPU301は、払出制御回路300内のリセット用クロックパルス発生回路(不図示)から所定周期(例えば1ミリ秒)で発生されるクロックパルスに応じて、システムタイマ割込み処理を実行する。
まず、払出CPU301は、主制御回路70や各種センサの検知コマンド(信号)を受信し、同時に受信したコマンドの解析を行うコマンド受信処理を実行する(S631)。
次いで、払出CPU301は、システムタイマ割込み処理内で使用する全てのタイマ(例えば、第1及び第2の担保球タイマ306A、306B等)の値を更新する(S632)。次いで、払出CPU301は、後述する担保球あり検知処理(図138参照)を実行する(S633)。
次いで、払出CPU301は、後述する担保球なし検知処理(図139参照)を実行する(S634)。その後、払出CPU301は、後述する計数スイッチ検知処理(図140参照)を実行する(S635)。次いで、払出CPU301は、後述するモータ起動待ち処理(図141参照)を実行する(S636)。
そして、最後に、払出CPU301は、払出制御回路300の払出エラー情報を示すコマンドを主制御回路70に送信するコマンド送信処理を実行する(S637)。例えば、払出CPU301は、下皿満タンスイッチ179から下皿満タン状態であることを示す信号が入力された際には、下皿満タン状態であることを示す払出エラー情報コマンドを主制御回路70に送信する。
ただし、電源投入直後の規定時間(例えば6秒間)は、主制御回路70側で副制御回路200の起動待ち時間を保持しているため、主制御回路70側で受信可能となるまで払出エラー情報コマンドを送信しないようにする。
ここで、電源投入時は、払出エラー情報に関する履歴情報はクリアされている。また、電断前に下皿満タン状態であって電断中に下皿22に貯留された遊技球を排出する等して下皿満タン状態を解除したとしても、電断復帰後に下皿満タン状態を解除した旨の情報の送信は行われない。ただし、電源再投入を契機に解除する払出モータ異常や過払出異常に関しては、電断復帰時に初期化される。
[担保球あり検知処理]
次に、図138を参照して、システムタイマ割込み処理(図137参照)中のS633で行う担保球あり検知処理について説明する。図138は、本実施の形態における担保球あり検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であるか否かを判別する(S641)。S641において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であると判別した場合(S641がYES判定の場合)、すなわち、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要でない場合、払出CPU301は、処理をS647に移す。
一方、S641において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないと判別した場合(S641がNO判定の場合)、すなわち、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要である場合、払出CPU301は、第1の15球担保スイッチ172AがON状態であるか否かを判別する(S642)。
S642において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがON状態でないと判別した場合(S642がNO判定の場合)、すなわち、第1の球供給通路171Aに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されていない場合(担保球なしの場合)、払出CPU301は、処理をS647に移す。
一方、S642において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがON状態であると判別した場合(S642がYES判定の場合)、すなわち、第1の球供給通路171Aに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されている場合(担保球ありの場合)、払出CPU301は、第1の担保球カウンタ305Aの値を「1」減算する(S643)。
次いで、払出CPU301は、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であるか否かを判別する(S644)。S644において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないと判別した場合(S644がNO判定の場合)、すなわち、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要である場合、払出CPU301は、処理をS647に移す。
一方、S644において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であると判別した場合(S644がYES判定の場合)、すなわち、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要でない場合、払出CPU301は、第1の落下球確認フラグに1をセットする(S645)。
ここで、第1の落下球確認フラグは、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要でないとき、つまり担保球があるときに「1」にセットされ、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要であるとき、つまり担保球がないときに「0」にセットされるフラグである。
次いで、払出CPU301は、第1の停止要因フラグに0をセットする(S646)。ここで、第1の停止要因フラグは、賞球ケースユニット170による遊技球の払出を停止する要因(停止要因)があるか否かに応じて「0」又は「1」がセットされるフラグであり、特に第1の球供給通路171Aに蓄積(担保)された遊技球の払出に関して、停止要因があるときに「1」にセットされ、停止要因がないときに「0」にセットされるフラグである。
S646の処理においては、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が完了し、所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されているとS644において判断されていることから、停止要因である球切れを解除する意味で第1の停止要因フラグに0がセットされる。なお、停止要因としては、後述するが、球切れ以外に種々の停止要因がある。ここでは、その一例として球切れを挙げている。
次いで、S641がYES判定の場合、S642がNO判定の場合、又は、S644がNO判定の場合、払出CPU301は、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であるか否かを判別する(S647)。
S647において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であると判別した場合(S647がYES判定の場合)、すなわち、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要でない場合、払出CPU301は、担保球あり検知処理を終了する。
一方、S647において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないと判別した場合(S647がNO判定の場合)、すなわち、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要である場合、払出CPU301は、第2の15球担保スイッチ172BがON状態であるか否かを判別する(S648)。
S648において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがON状態でないと判別した場合(S648がNO判定の場合)、すなわち、第2の球供給通路171Bに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されていない場合(担保球なしの場合)、払出CPU301は、担保球あり検知処理を終了する。
一方、S648において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがON状態であると判別した場合(S648がYES判定の場合)、すなわち、第2の球供給通路171Bに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されている場合(担保球ありの場合)、払出CPU301は、第2の担保球カウンタ305Bの値を「1」減算する(S649)。
次いで、払出CPU301は、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であるか否かを判別する(S650)。S650において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないと判別した場合(S650がNO判定の場合)、すなわち、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要である場合、払出CPU301は、担保球あり検知処理を終了する。
一方、S650において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であると判別した場合(S650がYES判定の場合)、すなわち、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要でない場合、払出CPU301は、第2の落下球確認フラグに1をセットする(S651)。
ここで、第2の落下球確認フラグは、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要でないとき、つまり担保球があるときに「1」にセットされ、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要であるとき、つまり担保球がないときに「0」にセットされるフラグである。
次いで、払出CPU301は、第2の停止要因フラグに0をセットして(S652)、担保球あり検知処理を終了する。ここで、第2の停止要因フラグは、賞球ケースユニット170による遊技球の払出を停止する要因(停止要因)があるか否かに応じて「0」又は「1」がセットされるフラグであり、特に第2の球供給通路171Bに蓄積(担保)された遊技球の払出に関して、停止要因があるときに「1」にセットされ、停止要因がないときに「0」にセットされるフラグである。
S652の処理においては、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が完了し、所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されているとS650において判断されていることから、停止要因である球切れを解除する意味で第2の停止要因フラグに0がセットされる。
このようにして、担保球あり検知処理では、担保球カウンタと15球担保スイッチによって、担保球の有無と、遊技球の補給の判断と、(払出モータ、又はスプロケット、又は払出の)停止要因を解除するか否かの判定を行うことが可能となるので、払出における担保球の管理をより正確に行うことが可能となる。
[担保球なし検知処理]
次に、図139を参照して、システムタイマ割込み処理(図137参照)中のS634で行う担保球なし検知処理について説明する。図139は、本実施の形態における担保球なし検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の担保球タイマ306Aの値が0であるか否かを判別する(S661)。S661において、払出CPU301が、第1の担保球タイマ306Aの値が0でないと判別した場合(S661がNO判定の場合)、すなわち、第1の球供給通路171Aに遊技球を補給中である場合、払出CPU301は、処理をS671に移す。
一方、S661において、払出CPU301が、第1の担保球タイマ306Aの値が0であると判別した場合(S661がYES判定の場合)、すなわち、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が完了した場合、払出CPU301は、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であるか否かを判別する(S662)。
S662において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であると判別した場合(S662がYES判定の場合)、すなわち、第1の球供給通路171Aに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されている場合(担保球ありの場合)、払出CPU301は、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態であるか否かを判別する(S663)。
ここで、払出CPU301は、S661及びS662において、図137に示したシステムタイマ割込み処理が1msごとに行われるたびに「1」減算、すなわち更新された第1の担保球タイマ306Aの値と、担保球あり検知処理(図138参照)のS643で「1」減算、すなわち更新された第1の担保球カウンタ305Aの値とを比較し、その比較結果に基づき、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するか否かを判定している。
例えば、S661がYES判定であって、かつS662がYES判定である場合には、第1の担保球タイマ306Aの値、及び第1の担保球カウンタ305Aの値のいずれもが所定値としての0であるため、球タンク161から15個の遊技球を払出すのに十分な時間として設定された第1の担保球タイマ306Aの初期値である2000msが経過したときに、第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)が経過していることとなる。
第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)は、第1の15球担保スイッチ172Aが遊技球を検知していないと減算されない値であるから、2000msが経過したとき(0となったとき)に第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)が0となっていることにより、第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていることが保障される。
一方、S661がYES判定であって、かつS662がNO判定である場合には、第1の担保球タイマ306Aの値が0となったときに第1の担保球カウンタ305Aの値が0となっていないこととなる。
すなわち、第1の担保球タイマ306Aの初期値である2000msが経過したときに、第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)が経過していないこととなる。これにより、2000msが経過するまでの間に、第1の15球担保スイッチ172Aが遊技球を検知していない時間があった、つまり遊技球の補給が途切れた時間があったと推定できる。したがって、S661がYES判定であって、かつS662がNO判定である場合には、第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていないものと判断される。
こうした第1の担保球タイマ306Aの値と第1の担保球カウンタ305Aの値とを比較する処理を行う払出CPU301は、判定手段を構成する。
次いで、S663において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態でないと判別した場合(S663がNO判定の場合)、すなわち、第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されている場合、払出CPU301は、処理をS671に移す。
一方、S663において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態であると判別した場合(S663がYES判定の場合)、すなわち、上述のS661及びS662において、一旦は第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていることが保障されたにも関わらず、何らかの要因により第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていない場合(担保球なしの場合)、払出CPU301は、第1の落下球確認フラグに0をセットする(S664)。
ここで、S663でYES判定される要因としては、例えば第1のスプロケット173Aや払出モータ174の不具合等によって過剰に遊技球が払出された場合等が挙げられる。また、このとき、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出は、禁止される。
ここで、過剰に遊技球が払出された場合とは、例えば、第1のスプロケット173Aが過剰に回転した結果、第1の球供給通路171Aに補給されている遊技球が15個から14個に減少し、払出された遊技球に連なって第1の球供給通路171Aに補給されていた遊技球が第1のスプロケット173A方向に移動することで、第1の15球担保スイッチ172Aが検知していた遊技球も第1のスプロケット173A方向に移動するため、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態となるような場合である。
すなわち、払出CPU301は、第1の担保球タイマ306Aの値が0であるときに第1の担保球カウンタ305Aの値が0であっても、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出が行われる前に第1の15球担保スイッチ172Aにより遊技球が検知されていない場合には、払出モータ174の駆動を通じた第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止する。
このように、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに補給された遊技球が存在するか否かを把握することが可能となるため、より正確に払出管理を行うことが可能となる。
次いで、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視時間として2秒(2000ms)を第1の担保球タイマ306Aにセットする(S665)。なお、ここでセットされた2000msが経過した場合には、停止要因があるものと判断して払出状態報知表示装置178による報知が行われる。
その後、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視回数として1950回(1950ms)を第1の担保球カウンタ305Aにセットして(S666)、処理をS671に移す。
一方、S662において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないと判別した場合(S662がNO判定の場合)、すなわち、第1の球供給通路171Aに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されていない場合(担保球なしの場合)、払出CPU301は、第1の停止要因フラグに1をセットする(S667)。
この処理では、上述した通り、S661及びS662により第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていないものと判断されたため、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するべく、第1の停止要因フラグに1がセットされる。
換言すれば、払出CPU301は、第1の担保球タイマ306Aの値が0であるときに第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないときには、払出モータ174の駆動を通じた第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグに1をセットして(S668)、処理をS671に移す。この処理では、払出CPU301は、第1のスプロケット173Aの原点調整制御を要求する処理を行う。
ここで、第1のスプロケット173Aの原点とは、第1のスプロケット173Aを回転させたときに、遊技球を第1の払出通路180Aに払出すことのできる回転位置(駆動位置)である。本実施の形態では、この原点を基準に払出モータ174のステップ数が制御される。
なお、第1のスプロケット173Aが何らかの停止要因(後述する「払出に関するエラー」等)に基づき停止すると、第1のスプロケット173Aに位置検出センサ(例えば、第1のスプロケット173Aの回転位置を把握させるインデックス)が設けられていないことにより現在の回転位置(駆動位置)が不明となるため、すなわち払出モータ174が原点を基準に何ステップ駆動した位置なのかが不明となるため、第1のスプロケット173Aの原点も不明となってしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態では、第1のスプロケット173Aが停止要因に基づき停止した際、すなわち原点調整フラグが1にセットされた際には、第1のスプロケット173Aの原点を把握するための原点調整制御が行われる。すなわち、払出CPU301は、上述のように遊技球の払出を禁止すると判定されたとき、原点調整制御を行う。後述するリトライ制御についても同様である。
このように、原点調整制御を行うことで、スプロケット173の原点位置を調節することが可能となるので、例えば、位置検出センサを備えていないスプロケット173を用いた払出装置であっても正確に払出を行うことが可能となる。
なお、本実施の形態においては、スプロケット173に位置検出センサが設けられていない払出装置について説明したが、これに限られるものではなく、スプロケットに位置検出センサが設けられている払出装置であっても、原点調整制御を行うことで、より正確にスプロケットの位置と払出の管理とを行うことが可能となるため、より正確に払出を行うことが可能となる。
なお、原点調整フラグは、原点調整制御の要求有無に応じてセットされるフラグであり、原点調整制御の要求がある場合には「1」にセットされ、原点調整制御の要求がない場合には「0」にセットされるフラグである。
具体的には、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181Aによって遊技球が検知されるまで払出モータ174を単位駆動量(本実施の形態では、4ステップ)ずつ駆動させる。ここで、前述の単位駆動量(本実施の形態では、4ステップ)は、後述する払出駆動量(本実施の形態では、16ステップ)よりも少ない。
さらに、単位駆動量(本実施の形態では、4ステップ)は、後述する払出駆動量(本実施の形態では、16ステップ)を特定数としての4回(後述する原点要請リトライ回数)で分割した駆動量である。
また、この原点調整制御は、後述するリトライ制御と共通の制御である。したがって、リトライ制御においても、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181Aによって遊技球が検知されるまで払出モータ174を単位駆動量(本実施の形態では、4ステップ)ずつ駆動させる。詳しくは、後述する。こうした払出モータ174の駆動を制御する払出CPU301は、制御手段及び駆動制御手段を構成する。
ここで、上述のS667では、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するべく第1の停止要因フラグに1がセットされるが、前述のように原点調整制御が要求される場合には、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出が許可しなければ、原点調整を行うことができない。
リトライ制御についても同様である。そこで、本実施の形態では、払出CPU301は、遊技球の払出を禁止すると判定されても、原点調整制御(リトライ制御)を実行していることを条件に、遊技球の払出を許可する。これにより、遊技球の払出が禁止されることにより原点調整制御(リトライ制御)が行えなくなることを防止できる。
次いで、S661がNO判定の場合、S663がNO判定の場合、又は、S666の終了後、あるいはS668の終了後、払出CPU301は、第2の担保球タイマ306Bの値が0であるか否かを判別する(S671)。
S671において、払出CPU301が、第2の担保球タイマ306Bの値が0でないと判別した場合(S671がNO判定の場合)、すなわち、第2の球供給通路171Bに遊技球を補給中である場合、払出CPU301は、担保球なし検知処理を終了する。
一方、S671において、払出CPU301が、第2の担保球タイマ306Bの値が0であると判別した場合(S671がYES判定の場合)、すなわち、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が完了した場合、払出CPU301は、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であるか否かを判別する(S672)。
S672において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であると判別した場合(S672がYES判定の場合)、すなわち、第2の球供給通路171Bに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されている場合(担保球ありの場合)、払出CPU301は、第2の15球担保スイッチ172BがOFF状態であるか否かを判別する(S673)。
ここで、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止するか否かを判定については、上述した第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するか否かの判定と同様であるため、説明を省略する。なお、第2の担保球タイマ306Bの値と第2の担保球カウンタ305Bの値とを比較する処理を行う払出CPU301は、判定手段を構成する。
次いで、S673において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがOFF状態でないと判別した場合(S673がNO判定の場合)、すなわち、第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されている場合、払出CPU301は、担保球なし検知処理を終了する。
一方、S673において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがOFF状態であると判別した場合(S673がYES判定の場合)、すなわち、上述のS671及びS672において、一旦は第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されていることが保障されたにも関わらず、何らかの要因により第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されていない場合(担保球なしの場合)、払出CPU301は、第2の落下球確認フラグに0をセットする(S674)。
ここで、S673でYES判定される要因としては、例えば第2のスプロケット173Bや払出モータ174の不具合等によって過剰に遊技球が払出された場合等が挙げられる。また、このとき、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出は、禁止される。
換言すれば、払出CPU301は、第2の担保球タイマ306Bの値が0であるときに第2の担保球カウンタ305Bの値が0であっても、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出が行われる前に第2の15球担保スイッチ172Bにより遊技球が検知されていない場合には、払出モータ174の駆動を通じた第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止する。
次いで、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視時間として2秒(2000ms)を第2の担保球タイマ306Bにセットする(S675)。なお、ここでセットされた2000msが経過した場合には、停止要因があるものと判断して払出状態報知表示装置178による報知が行われる。
その後、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視回数として1950回(1950ms)を第2の担保球カウンタ305Bにセットして(S676)、担保球なし検知処理を終了する。
一方、S672において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないと判別した場合(S672がNO判定の場合)、すなわち、第2の球供給通路171Bに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されていない(担保球なし)場合、払出CPU301は、第2の停止要因フラグに1をセットする(S677)。
この処理では、上述した通り、S671及びS672により第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されていないものと判断されたため、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止するべく、第2の停止要因フラグに1がセットされる。
換言すれば、払出CPU301は、第2の担保球タイマ306Bの値が0であるときに第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないときには、払出モータ174の駆動を通じた第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグに1をセットして(S678)、担保球なし検知処理を終了する。この処理では、払出CPU301は、第2のスプロケット173Bの原点調整制御を要求する処理を行う。ここで、第2のスプロケット173Bの原点調整制御は、第1のスプロケット173Aにおける原点調整制御と同様であるため、説明を省略する。
[計数スイッチ検知処理]
次に、図140を参照して、システムタイマ割込み処理(図137参照)中のS635で行う計数スイッチ検知処理について説明する。図140は、本実施の形態における計数スイッチ検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したか否かを判別する(S681)。S681において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知していないと判別した場合、(S681がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
ここで、原点調整制御中である場合には、遊技球が未だ第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bで検知されないため、S681がNO判定となる。
一方、S681において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したと判別した場合(S681がYES判定の場合)、すなわち、第1のスプロケット173A又は第2のスプロケット173Bにより遊技球が払出された場合、払出CPU301は、払出要求個数を「1」減算する(S682)。
また、このとき、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181A及び第2の計数スイッチ181Bによって検知された遊技球の数を計数可能である。したがって、払出CPU301は、計数手段を構成する。
ここで、払出要求個数とは、各種始動口や各種入賞口への遊技機の入賞や遊技球の貸出に基づき主制御回路70から送信され、払出制御回路300で受信した賞球制御コマンドや貸し球制御信号に基づき、賞球数又は貸し球数を逐次加算した値であり、賞球ケースユニット170により払出す遊技球の総数(払出量の総計)である。
この払出要求個数は、払出制御回路300のRAM303に記憶される。なお、前述の賞球数及び貸し球数は、払出量に相当する。また、払出制御回路300のRAM303は、払出記憶手段を構成する。また、この払出要求個数は、遊技球の払出が行われることで減算される。
次いで、払出CPU301は、落下要求個数を「1」減算する(S683)。ここで、落下要求個数とは、払出制御回路300のRAM303に記憶された払出要求個数(払出量の総計)に基づき払出モータ174の1回の駆動で払出す遊技球の数として決定されるもので、最大で15個とされる。
例えば、払出要求個数(払出量の総計)が15個以上であれば、落下要求個数は15個とされ、払出要求個数(払出量の総計)が14個以下であれば、落下要求個数は、その記憶された払出要求個数と同数となる。
また、落下要求個数は、払出要求個数(払出量の総計)に応じて払出CPU301により決定される。なお、落下要求個数は、区切払出量に相当する。また、払出CPU301は、区切払出量決定手段に相当する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S684)。S684において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S684がNO判定の場合)、払出CPU301は、処理をS687に移す。
一方、S684において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S684がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグを0にセットする(S685)。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグを1にセットする(S686)。ここで、原点調整完了フラグは、原点調整制御中か原点調整制御完了か否かを判別するためのフラグであり、原点調整制御中のときは「0」にセットされ、原点調整制御が完了しているときは「1」にセットされるフラグである。
次いで、S684がNO判定の場合、又は、S686の終了後、払出CPU301は、落下要求個数が0未満であるか否かを判別する(S687)。S687において、払出CPU301が、落下要求個数が0未満でないと判別した場合、(S687がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S687において、払出CPU301が、落下要求個数が0未満であると判別した場合(S687がYES判定の場合)、すなわち、落下要求個数に対して実際に払出された遊技球が過剰となった場合、払出CPU301は、オーバーペイ個数を「1」加算する(S688)。
ここで、オーバーペイ個数とは、落下要求個数に対して実際に払出された遊技球が過剰となった場合、つまり過払出が発生した場合の落下要求個数を超過した遊技球の数である。例えば、落下要求個数が15個であるのに対して、実際に払出された遊技球の数が16個であった場合には、1個の遊技球が過払出されているためオーバーペイ個数に「1」が加算される。
払出CPU301は、上述のオーバーペイ個数を加算してゆくことによって、第1の計数スイッチ181A及び第2の計数スイッチ181Bによって検知された遊技球の数の総数(実際に払出された遊技球の総数)と払出要求個数との差分としてRAM303に蓄積することができる。
したがって、RAM303は、差分蓄積手段を構成する。なお、オーバーペイ個数は、所定の初期化操作がなされるまでRAM303に蓄積される。ここでいう所定の初期化操作としては、例えば電源再投入等が挙げられる。
また、上記実施の形態においては、バックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われた場合には、払出CPU301がRAM303の全作業領域をクリアしていたが、これに限られるものではなく、所定の操作(例えば、バックアップクリアスイッチ121を押下)を行うことで電源の再投入を行わずともRAM303の全作業領域、オーバーペイ個数、又はエラー情報部分の作業領域のうち、少なくとも一つを含む作業領域、すなわち3つの作業領域をクリアしてもよいし、選択的に組み合わせて、目的に応じて作業領域をクリアするようにしてもよい。
次いで、払出CPU301は、オーバーペイ個数が10以上となったか否かを判別する(S689)。換言すれば、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181A及び第2の計数スイッチ181Bによって検知された遊技球の数の総数(実際に払出された遊技球の総数)と払出要求個数とを比較し、その差分(オーバーペイ個数の総数)が10以上となったか否かを判別する。
S689において、払出CPU301が、オーバーペイ個数が10以上となっていないと判別した場合(S689がNO判定の場合)、すなわち、過払出に係る遊技球の数が許容範囲(許容値)内である場合、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S689において、払出CPU301が、オーバーペイ個数が10以上となったと判別した場合(S689がYES判定の場合)、すなわち、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内でない場合(許容値以上である場合)、払出CPU301は、オーバーペイフラグを1にセットして(S690)、計数スイッチ検知処理を終了する。
ここで、オーバーペイフラグは、過払出に係る遊技球の数が許容範囲(許容値)内であるか否かを判別するためのフラグであり、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内であるときには、0にセットされ、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内でない(許容値以上)ときには、1にセットされるフラグである。
また、オーバーペイフラグが1にセットされると、払出CPU301は、上述の所定の初期化操作がなされるまで第1のスプロケット173A及び第2のスプロケット173Bを停止するよう、払出モータ174を制御する。
[モータ起動待ち処理]
次に、図141を参照して、システムタイマ割込み処理(図137参照)中のS636で行うモータ起動待ち処理について説明する。図141は、本実施の形態におけるモータ起動待ち処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、原点調整完了フラグが1であるか否かを判別する(S701)。S701において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1でないと判別した場合(S701がNO判定の場合)、すなわち、原点調整制御中である場合、払出CPU301は、処理をS706に移す。
一方、S701において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1であると判別した場合(S701がYES判定の場合)、すなわち、原点調整制御が完了済みである場合、払出CPU301は、第1又は第2の停止要因フラグが1であるか否かを判別する(S702)。
S702において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグが1であると判別した場合(S702がYES判定の場合)、すなわち、停止要因がある場合、払出CPU301は、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S702において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグのいずれもが1でないと判別した場合(S702がNO判定の場合)、すなわち、停止要因がない場合、払出CPU301は、第1又は第2の落下球確認フラグが1であるか否かを判別する(S703)。
S703において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグのいずれもが1でないと判別した場合(S703がNO判定の場合)、すなわち、担保球なしの場合、払出CPU301は、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S703において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグが1であると判別した場合(S703がYES判定の場合)、すなわち、担保球ありの場合、払出CPU301は、払出要求個数が0より大きいか否かを判別する(S704)。
S704において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きくないと判別した場合(S704がNO判定の場合)、すなわち、払出要求なしの場合、払出CPU301は、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S704において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きいと判別した場合(S704がYES判定の場合)、すなわち、払出要求ありの場合、払出CPU301は、後述するモータ起動初期処理(図142参照)を実行する(S705)。
S701がNO判定の場合、又は、S705の終了後、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S706)。S706において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合(S706がNO判定の場合)、すなわち、原点調整制御の要求なしの場合、払出CPU301は、処理をS707に移す。したがって、S706がNO判定の場合は、原点調整制御は行われない。
一方、S706において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合(S706がYES判定の場合)、すなわち、原点調整制御の要求ありの場合、払出CPU301は、リトライ回数が12より大きいか否か、すなわち原点調整制御を12回行ったか否かを判別する(S708)。したがって、S706がYES判定の場合は、原点調整制御が行われる。
ここで、リトライ回数とは、原点調整制御を行った回数であり、より詳細には、後述するモータ動作個数が更新されるたびに加算される値である。原点調整制御では、スプロケット173に1つの遊技球を払出させてから次の遊技球を払出させるために必要な駆動量、すなわち遊技球を1球払出すのに必要な駆動量(払出駆動量)だけ払出モータ174を駆動させるので、この1球の遊技球を払出すために必要な払出駆動量(本実施の形態では、16ステップ=単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数))をモータ動作個数=1とした。ここで、励磁データとしての単位駆動量は、4ステップ×5msである。
したがって、後述するS710においてモータ動作個数が1個設定される(更新される)たびに、原点調整制御が1回終了したとして、リトライ回数が加算される。なお、上述した通り、原点調整制御がリトライ制御と共通の制御であるため、リトライ回数は、リトライ制御を行った回数ともいえる。
このように、払出CPU301は、払出モータ174の駆動量が払出駆動量(本実施の形態では、16ステップ)に達したことを条件にリトライ値としてのモータ動作個数を更新する。
こうしたモータ動作個数の更新を行う払出CPU301は、リトライ値更新手段を構成する。また、払出CPU301は、モータ動作個数が更新された回数、又は励磁データが設定された回数、すなわちリトライ回数を原点調整制御(リトライ制御)を行った回数として管理する。
本実施の形態では、第1及び第2のスプロケット173A、173Bがそれぞれ1回転するごとに3個の遊技球が払出されるよう、各スプロケットに遊技球を受け入れるための溝が3つずつ形成されている。
このため、モータ動作個数が6回更新されると、第1及び第2のスプロケット173A、173Bがそれぞれ1回転するだけの駆動量(本実施の形態では、96ステップ=16ステップ(単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数))×6回(12回のリトライ回数の半数))で払出モータ174が駆動したこととなる。
したがって、リトライ回数が12よりも大きくなるとは、第1及び第2のスプロケット173A、173Bの2回転分の駆動量(本実施の形態では、192ステップ=96ステップ(1回転するだけの駆動量)×2回)を超える駆動量で払出モータ174が駆動したことを意味する。なお、12回のリトライ回数は、16ステップ(単位駆動量(4ステップ)×4回)を1セットとしたリトライ制御の上限回数である。
S708において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きいと判別した場合(S708がYES判定の場合)、すなわち、原点調整制御の回数が上限回数(12回)に達した場合、払出CPU301は、処理をS707に移す。
このとき、払出CPU301は、第1及び第2の計数スイッチ181A、181Bによって遊技球が検知されずに、払出モータ174の駆動量が192ステップ(上限駆動量)を超えたこと、あるいはリトライ回数が12回(上限回数)を超えたことを条件に、所定の初期化操作がなされるまで遊技球の払出を停止するよう、払出モータ174の駆動を制御する。これにより、原点調整制御(リトライ制御)が終了する。ここでいう所定の初期化操作としては、例えば電源再投入等が挙げられる。
また、上記実施の形態においては、バックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われた場合には、払出CPU301がRAM303の全作業領域をクリアしていたが、これに限られるものではなく、所定の操作(例えば、バックアップクリアスイッチ121を押下)を行うことで電源の再投入を行わずともRAM303の全作業領域、又はオーバーペイ個数、又はエラー情報部分の作業領域のうち、少なくとも一つを含む作業領域、すなわち3つの作業領域をクリアしてもよいし、選択的に組み合わせて、目的に応じて作業領域をクリアするようにしてもよい。
S707において、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態設定を行って(S707)、処理をS714に移す。この処理では、S706がNO判定の場合は、原点調整制御が行われないので、通常の遊技球の払出が行われるよう、落下要求個数に応じた払出モータ174の加速状態等を設定する。また、S708がYES判定の場合は、遊技球の払出を停止するために払出モータ174をアイドル状態に設定する。
一方、S708において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きくないと判別した場合、(S708がNO判定の場合)、払出CPU301は、次の原点調整制御に備えてステップカウンタマスク値を4ステップにセットする(S709)。この処理では、原点調整制御実行時の払出モータ174の単位駆動量として、4ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、モータ動作個数を1個に設定し(S710)、原点要請リトライ回数に4回を設定する(S711)。この処理では、上述のS709でステップカウンタマスク値としてセットされた4ステップに、原点要請リトライ回数として設定された4回を乗ずることによって、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、落下球監視タイマの値をクリアして0にする(S712)。ここで、落下球監視タイマは、原点調整制御において単位駆動量(4ステップ)分の励磁データで払出モータ174を駆動した後に、落下球があるか否か、及び停止要因が発生したか否かを監視する落下球監視時間(原点調整制御においては130ms)を計測するタイマである。
落下球監視時間(130ms)は、払出モータ174を4ステップ分駆動させた後に第1及び第2のスプロケット171A、171Bの姿勢を保持するための保持期間としての励磁データ保持期間(本実施の形態では30ms)と、払出モータ174の冷却を行う冷却期間(原点調整制御においては100ms)とから構成される。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグに「0」をセットする(S713)。次に、S707の終了後、又は、S713の終了後、払出CPU301は、払出モータ174の励磁データを設定して(S714)、モータ起動待ち処理を終了する。
この処理では、例えば原点調整制御を行う場合には、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップ(単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数))の励磁データを設定する。また、通常の遊技球の払出を行う場合には、落下要求個数分の遊技球を払出すのに必要な駆動量として所定ステップ分の励磁データを設定する。なお、遊技球の払出が停止されるよう、払出モータ174がアイドル状態に設定されているときは、励磁データは0に設定される。
[モータ起動初期処理]
次に、図142を参照して、モータ起動待ち処理(図141参照)中のS705で行うモータ起動初期処理について説明する。図142は、本実施の形態におけるモータ起動初期処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、払出要求個数から落下要求個数を設定する(S721)。この処理では、払出要求個数(払出量の総計)に応じて、最大で15個の落下要求個数が設定される。例えば、払出要求個数(払出量の総計)が20個の場合には、落下要求個数は15個に設定される。一方、払出要求個数(払出量の総計)が10個の場合には、落下要求個数は払出要求個数と同数の10個に設定される。
次いで、払出CPU301は、担保球監視設定処理を行う(S722)。この処理では、払出CPU301は、落下要求個数に応じて、第1及び第2の担保球カウンタ305A、305BにON検知監視回数を設定する。
例えば、落下要求個数が9〜10個である場合には、ON検知監視回数としてそれぞれ650回(650ms)が設定される。また、払出CPU301は、落下要求個数に応じて、第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bに監視時間を設定する。例えば、落下要求個数が9〜10個である場合には、監視時間としてそれぞれ850msが設定される。
ここで、上述のON検知監視回数及び監視時間は、図135の電源投入処理中のS612の担保球監視初期設定処理で設定される、第1及び第2の担保球カウンタ305A、305Bの初期値、第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bの初期値と異なる。
次いで、払出CPU301は、第1及び第2の落下球確認フラグにそれぞれ「0」をセットする(S723)。その後、払出CPU301は、リトライ回数を初期化して(S724)、原点調整完了フラグに「1」をセットする(S725)。
次いで、払出CPU301は、落下球監視タイマの値をクリアして0にする(S726)。ここでクリアされる落下球監視タイマは、原点調整制御やリトライ制御が実行されていない通常の払出制御において、落下要求個数を払出すために必要な駆動量分の励磁データで払出モータ174を駆動した後に、落下要求個数分の落下球があったか否か、及び停止要因が発生していないか否かを監視する落下球監視時間(通常の払出制御においては500ms)を計測するタイマである。
ここでの落下球監視時間(500ms)は、励磁データ保持期間(本実施の形態では30ms)と、払出モータ174の冷却期間(通常の払出制御においては470ms)とから構成される。この落下球監視時間は、一定期間に相当する。
次いで、払出CPU301は、ステップカウンタをクリアして0にする(S727)。ここで、ステップカウンタは、払出モータ174のステップ数をカウントするカウンタである。
例えば、落下要求個数が15個の場合には、15個の遊技球の落下動作すなわち払出動作が完了したときには、ステップカウンタの値は240ステップ分の値となる。この処理では、払出CPU301は、例えば上述のようにカウントされた240ステップ分の値をクリアする。
次いで、払出CPU301は、ステップカウンタマスク値を16ステップにセットして(S728)、モータ起動初期処理を終了する。これにより、1つの遊技球を払出すのに必要な払出モータ174のステップ数として16ステップが設定される。
次に、図143〜図154を参照して、本実施の形態における払出制御に係る特徴的な部分について、詳細に説明する。
図143は、本実施の形態の払出モータ174の励磁方式を示すタイムチャートである。払出モータ174は、2相励磁方式であり、かつ高電流と低電流とを切替可能な方式を採用する。
図143に示すように、払出CPU301は、t1、t2、t3、t4の順に励磁データを変化させることにより払出モータ174を正回転させるようになっている。ただし、本実施の形態では、払出モータ174は、構造的に逆回転不能とされる。
ここで、払出モータ174の「A−」と「B−」とが、ともにオンしている位置が原点とされる。なお、払出モータ174の「A+及びB+(図中「S」で示す)」は、ソフト制御によるオン・オフを表し、「A−及びB−(図中「H」で示す)」は、ソフト出力の論理反転によるオン・オフを表している。
ただし、本実施の形態では、従来のようなインデックスセンサ等の検出手段を有していないため、見かけ上の原点(励磁データ0)と構造的な原点の位相合わせを行う必要がある。こうした原点の位相合わせが原点調整であり、位相合わせを行うべく払出モータ174を制御することを原点調整制御という。
原点調整制御は、原点調整が必要とされる場合(原点調整の対象要因がある場合)に最初の払出要求があった際の1個目の払出動作を利用して行われる。例えば、電源投入後の最初の払出要求時の落下要求個数の1個目の遊技球の払出動作を利用して原点調整制御が行われる。
ここで、払出要求は、主制御回路70から払出制御回路300に対してなされるもので、具体的には、払出要求個数等の情報を含む賞球制御データとして払出制御回路300に送信される。払出制御回路300は、図144に示すように、主制御回路70から賞球制御データを受信割込で受信する。
一方、払出制御回路300は、遊技球の払出に関して何らかのエラーが生じた場合には、図145に示すように、主制御回路70に払出エラー情報データを送信する。
本実施の形態においては、図41に示すように主制御回路70と払出制御回路300とが一方的に通信を行うようにしていたが、図146に示すように、主制御回路70と払出制御回路300とが相互に通信を行うようにしてもよい。
ここで、主制御回路70と払出制御回路300とが相互に通信を行う場合には、最も望ましい形態として、シリアル通信方式を使用するが、シリアル通信方式に限定されるものではなく、パラレル通信方式等の様々な通信方式が使用可能である。
また、図147に示すように、払出制御回路300が自己診断によるエラー検出後に主制御回路70にシリアル通信方式を使用して、後述する払出制御エラー情報を含むエラー情報を送信する。
このとき、払出制御回路300からのエラー送信の最低送信間隔は、所定時間(本実施の形態においては、12ms)に設定されており、連続的にエラー情報が変化した場合に、S637で示したように1msごとに実行可能なコマンド送信処理を利用して、エラー情報が変化する度に主制御回路70に対してエラー情報を送信するのではなく、図147に示したように、エラー情報の合成を行い、最低送信間隔又は最低送信間隔経過後にエラー情報の送信を行う。
また、エラー情報の合成方法としては、図148に示すように、8bitでそれぞれ構成されるパラメータ1及びパラメータ2の各bit数値を更新又は変更し、エラー情報を送信する。
このとき、主制御回路70は、エラー情報としてバラメータ1、パラメータ2を受信すると、各パラメータに対してマスキングを行い、エラー情報(払出制御エラー情報)を取得する。
払出制御回路300におけるエラー情報の管理、主制御回路70におけるエラー情報の管理、及び、副制御回路200におけるエラー情報の管理については図149に示す通りである。
図149は、払出制御回路300におけるエラー情報の報知態様、主制御回路70におけるエラー情報の報知態様、及び、副制御回路200におけるエラー情報の報知態様を示している。
具体的には、払出制御回路300における下皿満タン状態は、主制御回路70で下皿満タン検知として認識され、主制御回路70から送信されるエラー情報に基づいて、副制御回路200が液晶表示装置13を介して「玉を抜いてください」と報知する。
また、払出制御回路300における、球切れ1状態、球切れ2状態、モータ異常状態、VL未接続状態、CR側通信異常、過払出異常、払出球詰まり、受信コマンド異常、受信異常及び通信エラーに関しては、主制御回路70において払出異常検知として認識され、主制御回路70から送信される払出エラー情報に基づいて、副制御回路が液晶表示装置13を介して「係員をお呼びください」と報知する。
上記のように、主制御回路70は、送信される払出制御に関る複数のエラー情報を「下皿満タンエラー情報」と「それ以外の情報」との2種類に分けて管理を行う。
このようなエラー情報の送受信を行うことによって、主制御回路70と払出制御回路300とが相互にシリアル通信を行っている環境下において、払出制御回路300の最低送信間隔でエラー楕報が連続的に変化した(エラー情報、エラーが複数発生した、とも表現できる)場合であっても、エラー惜報の合成を行うことが可能となる。
このため、払出制御回路300は、主制御回路70からエラー情報の送信を求められてから(又は、何らかの送信要求があってから)エラー情報を送信するものではなく、払出制御回路300の最低送信間隔又は予め定められた時間ごとにエラー情報の送信を行うことが可能となる。
また、上記では、エラー情報(払出制御エラー情報)について説明したが、これに限られるものではなく、コマンドの合成としては、様々なコマンドを合成可能である。
次いで、本実施の形態における賞球制御処理について説明する。この賞球制御処理においては、上述の原点調整制御、通常の払出制御、及びリトライ制御が少なくとも行われる。まず、賞球制御処理における原点調整制御について説明する。
原点調整制御は、上述した通り、原点調整の対象要因が生じたときに実行されるものである。ここで、賞球制御処理を利用した原点調整制御を行う際の対象要因としては、パチンコ遊技機1の出荷時、電源投入時、電断復帰時、原点調整制御完了後の過少払出発生時、停止要因の解除時、払出異常要因の解除時、及びオーバーペイ発生時が挙げられる。
原点調整制御完了後の過少払出発生時としては、例えば払出モータ174の脱調が生じている場合や、球供給通路171に所定個数(本実施の形態では15個)の遊技球が担保されていないにも関わらず、短絡により15球担保スイッチ172が遊技球を検知し間欠状態が生じている場合等が挙げられる。
停止要因の解除時の原点調整制御は、例えば下皿満タンスイッチ179の短絡時の遊技球の逆流への対応として行われる。また、払出異常要因の解除時の原点調整制御は、例えば断線や短絡あるいは電波照射により物理的に原点がずれた際の対応として行われる。さらに、オーバーペイ発生時の原点調整制御は、その後の払出モータ174の脱調を考慮して行われる。
原点調整制御では、上述しているように払出モータ174を16ステップ駆動させると1個の遊技球を落下(払出)させることができることから、単位駆動量としての4ステップ×5msの駆動を行い、落下球監視時間(130ms=励磁データ保持期間30ms+冷却期間100ms)内に落下球確認を終了した時点を物理的な原点とみなすこと(原点調整完了)としている。落下球監視時間内に落下球を確認できない場合には、上記のような払出モータ174の駆動を4ステップ単位で16ステップ分行う。
ただし、16ステップ分、払出モータ174を駆動させても落下球を検知できない場合には、正常な払出が行えていないと判断して(又は、停止要因があるものと判断してもよい)、4ステップ単位の払出モータ174の駆動を2回転分、繰り返す。
また、「払出モータ174の駆動を2回転分繰り返す」、とは、払出モータ174を駆動させても落下球を検知できないと判断した時点における、払出モータ174の状態、又はスプロケット173の位置を起点(又は、回転開始位置)として、例えば、モータが1回転するのに48ステップが必要な場合には、96ステップ分の駆動が行われることを示す。
これは、12球落下可能な駆動に相当すると表現することも可能であり、所定数の遊技球の落下を行えるだけの払出モータ174又はスプロケット173の駆動(又は、回転駆動、若しくは回転角度分の駆動)が行われると表現することもできる。
なお、原点調整制御は、落下球が検知されると完了するが、この落下球が払出された遊技球としてカウントされなければ、過払出となってしまう。したがって、原点調整制御完了時の落下球を、払出した遊技球としてカウントする必要がある。
そこで、本実施の形態では、払出CPU301は、原点調整制御が実行されているときに計数スイッチ181により落球球が検知されたことを条件に、落下要求個数を1個減算して14個とする。これにより、原点調整制御の完了を契機に、落下要求個数に対して1個分を除く残りの落下要求個数(14個)を払出すこととなる。その後は、通常の払出動作が実行される。
図150は、賞球制御処理を利用した原点調整制御のタイミングチャートである。例えば、図150に示すように、電源再投入が行われた後に停止要因が解除され、その後、払出要求が発生した場合には、原点調整制御が実行され、まず4ステップ×5ms分の励磁データに基づき払出モータ174が4ステップ分駆動する。このとき、払出モータ174の電流は、原点調整制御の開始とともに低電流から高電流に切り替えられる。
その後、4ステップ分の払出モータ174の駆動が終わると、払出モータ174の電流は30ms(励磁データ保持期間)の間、高電流に維持される。そして、励磁データ保持期間が経過すると、払出モータ174の電流が低電流に切り替えられ、その後、100ms(冷却期間)の間、低電流に維持される。
また、30ms(励磁データ保持期間)と100ms(冷却期間)とで落下球監視時間(130ms)が構成される。なお、この落下球監視時間(130ms)は、自由落下理論式に基づき算出可能である。
その後、落下球監視時間(130ms)内に第2の計数スイッチ181Bで落下球が検知されると、原点調整開始時に3個であった落下要求個数が2個に更新される。また、落下球の検知により原点調整制御が完了し、構造的な原点との位相のずれが解消される。
図151は、賞球制御処理を利用した原点調整未完了後の原点調整リトライ動作のタイミングチャートである。例えば、図151に示すように、上述した4ステップ×5ms分の励磁データに基づき払出モータ174を4ステップ分駆動する動作(これを原点調整サイクルという)を1回行っただけでは、落下球を検出できなかった場合には、同様の原点調整サイクルを16ステップ分まで繰り返す。すなわち、原点調整制御の開始後、合計で4回の原点調整サイクルが繰り返される。
しかしながら、4回の原点調整サイクルが行われてもなお、落下球が検出できない場合には、再度、4回の原点調整サイクルが行われる。ここで、最初の4回の原点調整サイクルが行われている期間を基本リトライ動作期間という。なお、原点調整サイクルは、単位駆動量(4ステップ)×5msであり、基本リトライ動作期間は、単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数)である。図151においては、基本リトライ動作期間中に計数スイッチ計数スイッチ181落下球を検知していない場合に開始される動作を原点調整リトライとしたが、これに限られるものではなく、基本リトライ動作期間を上限回数まで繰り返す態様を原点調整リトライとしてもよい。
図152は、賞球制御処理の基本払出動作、つまり通常の払出動作のタイミングチャートである。また、図152は、15個の遊技球を払出すときの払出動作を例とするタイミングチャートである。
図152に示すように、まず落下要求個数として15個が決定されると、その決定された落下要求個数(15個)に基づき、払出モータ174の駆動量が払出CPU301によって決定される。具体的には、15個分の遊技球の払出に必要な励磁データが決定される。こうした払出モータ174の駆動量を決定する払出CPU301は、駆動量決定手段を構成する。
次いで、15個分の遊技球の払出に必要な励磁データが設定されると、払出モータ174の電流が高電流に切り替えられるとともに設定された励磁データに基づき払出モータ174が駆動される。このときの励磁データは、払出モータ174が徐々に加速し、定常状態となり、その後、減速して停止するように設定される。
その後、設定された励磁データに基づく払出モータ174の駆動が終わると、払出モータ174の電流は30ms(保持期間としての励磁データ保持期間)の間、高電流に維持される。そして、励磁データ保持期間が経過すると、払出モータ174の電流が低電流に切り替えられ、その後、470ms(冷却期間)の間、低電流に維持される。
また、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)とで落下球監視時間(500ms)が構成される。この落下球監視時間(500ms)中は、払出モータ174の駆動が停止される。また、このときの落下球監視時間(500ms)は、原点調整制御中の落下球監視時間(130ms)と異なる。
そして、上述の落下球監視時間(500ms)中は、払出CPU301によって、落下要求個数(15個)分の遊技球の落下が確認できたか否かを監視する。すなわち、払出CPU301は、落下球監視時間(500ms)中に、落下要求個数(15個)に相当する遊技球が第1及び第2の計数スイッチ181A、181Bを通じて検知されたか否かを判定する。こうした判定を行う払出CPU301は、払出判定手段を構成する。
払出CPU301は、上述の落下球監視時間(500ms)中に、落下要求個数(15個)分の遊技球の落下が確認できない場合、つまり落下要求個数(15個)に相当する遊技球が第1及び第2の計数スイッチ181A、181Bを通じて検知されないと判定した場合には、すなわち、停止要因が生じたと判断した場合には、その後の払出モータ174の駆動を停止させるべくアイドル状態に移行させる。これにより、継続して払出動作を行うことができなくなる。
一方で、上述の落下球監視時間(500ms)中に、落下要求個数(15個)分の遊技球の落下が確認できた場合にも、その後の払出動作に備えてアイドル状態に移行する。
ここで、賞球制御処理の基本払出動作における落下要求個数に応じた励磁データは、図153に示す通りである。例えば、落下要求個数が5個〜15個の場合は、図153(a)に示すように、加速状態と減速状態とをそれぞれ遊技球2個分行う励磁データとなる。
図153(b)は、落下要求個数が4個の場合、図153(c)は、落下要求個数が3個の場合、図153(d)は、落下要求個数が2個の場合、図153(e)は、落下要求個数が1個の場合の励磁データをそれぞれ表している。なお、いずれの落下要求個数であっても、上述の落下球監視時間(500ms)が設けられる。
図154は、賞球制御処理の基本払出動作中にリトライ動作が必要となる場合の払出動作のタイミングチャートである。また、図154は、5個の遊技球を払出すときの払出動作を例とするタイミングチャートである。
図154に示すように、落下要求個数(5個)の払出動作が実行された際に、4個目の払出に係る遊技球が第2の計数スイッチ181Bにより検知されていない場合には、落下球監視時間(500ms)の経過したときに、落下要求個数(5個)に対して、1個不足した状態となる。これにより、払出CPU301によって、落下球監視時間(500ms)内において落下要求個数(5個)分の遊技球の落下が確認できないと判断される。
このように、落下要求個数(5個)に対して払出した遊技球の数が不足する過少払出発生時は、図151に示した原点調整未完了後の原点調整リトライ動作と同様の原点調整リトライ動作が行われる。この原点調整リトライ動作の内容は、図151に示したものと同様であるため説明を省略する。
次に、図155〜図159を参照して、本実施の形態におけるエラー処理について説明する。
本実施の形態における遊技球の払出に関するエラーとしては、(1)過払出、(2)払出球詰まり、(3)下皿満タン、(4)球切れ、(5)払出モータ異常等が挙げられる。これらエラーの少なくともいずれかが発生した場合には、そのエラーが払出状態報知表示装置178(図41参照)を介して報知される。以下、これら各エラーについて詳細に説明する。
図155は、払出状態報知表示装置178を示す図である。図155に示すように、払出状態報知表示装置178は、7つのセグメントa〜gと8番目のセグメントDPとからなる。これら各セグメントa〜g、DPは、エラー種別等に応じていずれかが点灯するようになっている。
例えば、(1)過払出のエラーを報知する場合には、bのセグメントが点灯し、(2)払出球詰まりのエラーを報知する場合には、dのセグメントが点灯し、(3)下皿満タンのエラーを報知する場合には、fのセグメントが点灯し、(4)球切れのエラーを報知する場合には、eのセグメントが点灯し、(5)払出モータ異常を報知する場合には、cのセグメントが点灯する。
なお、DPのセグメントは、球貸し中であることを報知する際に点灯するものである。したがって、ホールの管理者は、払出状態報知表示装置178のセグメントの点灯状態を視認することで、どのようなエラーが発生しているのかを容易に判別することができる。
まず、(1)過払出は、発生しても停止要因とはされておらず、払出動作を継続可能なエラーである。この過払出のエラーの報知契機は、図156に示すように、落下要求個数の払出が完了してから過払出された遊技球の数が過払出規定個数(本実施の形態では10個)以上となったタイミングである。
なお、図156中、払出検知信号Aは、第1の計数スイッチ181Aにおいて遊技球を検知したか否かを示す信号であり、遊技球の検知時はオンとされる。払出検知信号Bについても同様、第2の計数スイッチ181Bにおいて遊技球を検知したか否かを示す信号である。
また、この過払出のエラーは、電源が再投入されることで解除される。すなわち、過払出のエラーの解除契機は、電源再投入時である。このとき、併せて過払出のエラーの報知も解除される。
次に、(2)払出球詰まりは、例えば遊技球の逆流による球詰まり、ゴミの付着や異物混入、あるいは計数スイッチ181の断線・短絡等により発生する停止要因に基づくエラーである。図157に示すように、例えば、第1の計数スイッチ181Aの払出検知信号Aがオンとなってから100ms経過してもオフとならない場合に、払出球詰まりが発生、すなわち停止要因が発生したものと判断される。この停止要因が発生したと判断されたときが払出球詰まりのエラーの報知契機とされている。
なお、計数スイッチ181の短絡時は、払出制御回路300側で直接その短絡有無を判断できないため、上述した12回分の原点調整制御のリトライ動作が完了するまで停止要因とすることができない。したがって、このような場合には、12回分の原点調整制御のリトライ動作完了後の落下球監視時間の経過をもって停止要因が発生したものと判断される。
また、払出制御回路300が計数スイッチ181との間に生じ得る電圧の変化を常に監視することによって、計数スイッチ181の短絡を認識又は判断可能である場合には、リトライ動作を行わずにエラーの報知を行ってもよいし、エラーの報知を行うと同時にリトライ動作を開始するようにしてもよい。
また、この払出球詰まりのエラーの報知は、上述した逆流による球詰まり、ゴミの付着や異物混入、あるいは計数スイッチ181の断線・短絡等の各要因が除去されることで解除される。
次に、(3)下皿満タンは、下皿22に貯留された遊技球が満タンとなることで発生する停止要因に基づくエラーである。図158に示すように、例えば、下皿満タンスイッチ179がオンとなってから1秒経過してもオフとならない場合に、下皿満タンに基づく停止要因が発生したものと判断される。この停止要因が発生したと判断されたときが下皿満タンのエラーの報知契機とされている。
また、この下皿満タンのエラーの報知は、下皿22に満タン状態で貯留された遊技球を排出することで解除される。
次に、(4)球切れは、例えば15球担保スイッチ172により担保球が不足していることが検知された場合、球タンク161への遊技球の補充待ち状態である場合、球供給通路171に球詰まりが発生している場合や、15球担保スイッチ172が断線状態である場合等に発生する停止要因に基づくエラーである。
こうした球切れのエラーは、上述した第1及び第2の担保球カウンタ305A、305Bと第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bとの比較結果に基づき、第1の停止要因フラグ又は第2の停止要因フラグが1にセットされたときに発生するものである。
この球切れのエラーの報知契機は、上述の停止要因発生時である。また、この球切れのエラーは、球タンク161に遊技球が補充されたり、球詰まりの原因となっている遊技球が除去されることにより球供給通路171に所定個数(15個)の遊技球が担保されたりすることで解除される。このとき、併せて球切れのエラーの報知も解除される。
次に、(5)払出モータ異常は、図159に示すように、例えば原点調整サイクルに基づき12回分のリトライ動作が実行され、12回目のリトライ動作における落下球監視時間(130ms)が経過しても落下球を確認できないことにより発生する停止要因に基づくエラーである。
こうした停止要因が発生する原因としては、例えば粘着性を帯びた遊技球がスプロケット173に張り付き離れない場合、スプロケット173と貯留球との間で球噛みが生じた場合(モータ回転不良)や、異物混入等のモータ無回転状態(励磁データのみ更新)による脱調が生じた場合等が挙げられる。
この払出モータ異常の報知契機は、図159に示すように、上述の停止要因発生時である。また、この払出モータ異常は、電源が再投入されることで解除される。すなわち、払出モータ異常の解除契機は、電源再投入時である。このとき、併せて払出モータ異常の報知も解除される。
次に、図160を参照して、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の電断時における払出制御回路300の受信処理について説明する。
図160に示すように、払出制御回路300側の受信割込みよりも先にノンマスカブル割込みとして電断時のXINT割込み(電断)が発生した場合は、XINT割込み内で受信データをポーリングして1バイト救済する。
また、主制御回路70による送信バッファへの書き込み直後に電断が発生した場合を想定すると、払出制御回路300側では、XINT割込みの処理中であってもボーレート時間分の遅延後の受信が可能なようにXINT割込み内で受信するための時間経過分を考慮しておくことが好ましい。ただし、電気的に主制御回路70よりも払出制御回路300の電断処理のXINTが先に発生することがないことが条件となる。
以上のように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技球の払出が開始されたことを条件に、それぞれ第1及び第2の担保球タイマ306A、306Bの値(第1の値)及び第1及び第2の担保球カウンタ305A、305Bの値(第2の値)を更新する。
このため、遊技球の払出が開始された後、継続的に第1及び第2の15球担保スイッチ172A、172Bが遊技球を検出していれば、第1の値が0となったときには、第1の値よりも小さい第2の値は、すでに0となっていることとなる。この場合、遊技球の払出に応じて遊技球の補給が行われたことが保障される。
一方、第1の値が0となったときに第2の値が0となっていない場合には、なんらかの要因により遊技球の払出に応じた遊技球の補給がなされていないこととなる。
したがって、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、更新された第1の値と第2の値とを比較することで、遊技球の払出に応じて遊技球の補給が正しく行われたか否かを判断することができる。
この結果、例えば単に第1及び第2の15球担保スイッチ172A、172Bによる遊技球の検出有無により遊技球の補給がなされているか否かを判定する場合と比較して、第1及び第2の球供給通路171A、171B内に蓄積される遊技球の管理及び保障を正確に行うことができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1の値が0であるときに第2の値が0でないときには遊技球の払出を禁止するので、第1及び第2の球供給通路171A、171Bに対する遊技球の補給に関する異常有無の確認等を行うことができる。これにより、遊技球の補給及び払出に関するセキュリティをより向上させることができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1の値が0であるときに第2の値が0となり遊技球の補給が行われたことが一旦保障された場合であっても、その後、遊技球の払出が行われるまでの間に、例えば第1及び第2のスプロケット173A、173Bの不具合等によって過剰に遊技球が払出され第1及び第2の球供給通路171A、171B内の遊技球が減ったような場合には、遊技球の払出を禁止することができる。
これにより、第1及び第2の球供給通路171A、171B内の遊技球の管理をより正確に行うことができ、遊技球の補給及び払出に関するセキュリティをさらに向上させることができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1及び第2の計数スイッチ181A、181Bによって遊技球が検出されるまで払出モータ174を単位駆動量(4ステップ)ずつ駆動させるリトライ制御を実行可能なため、第1及び第2のスプロケット173A、173Bの駆動位置を検出するスリットセンサ等を設けなくとも、例えば球噛みを解消するためのリトライ動作を行うことができる。
また、こうしたリトライ動作を行った場合には、第1及び第2の計数スイッチ181A、181Bが遊技球を検出したときの第1及び第2のスプロケット173A、173Bの駆動位置を原点として調整することも可能となるため、スリットセンサ等を用いずに第1及び第2のスプロケット173A、173Bの原点の調整を行うことができる。
このように、リトライ動作が球噛み時等に限らず原点の調整時にも併用可能であるため、リトライ制御に汎用性を持たせることができ、結果として払出CPU301による処理を簡略化することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、スリットセンサ等を設けていないので、パチンコ遊技機の構成を簡易かつ低コストな構成とすることができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、リトライ制御実行時の払出モータ174の単位駆動量(4ステップ)が、第1及び第2の計数スイッチ181A、181Bに1つの遊技球を払出させてから次の遊技球を払出させるために必要な払出駆動量(16ステップ)よりも少ないので、1つの遊技球を払出すために第1及び第2の計数スイッチ181A、181Bを複数回に分けて駆動させることができる。これにより、例えば球噛み等が生じている場合には、これを解消でき、また原点の調整を行う場合には、正確な原点に調整することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、上述の単位駆動量(4ステップ)が払出駆動量(16ステップ)を4回に分割した駆動量であるため、1つの遊技球を払出す際の払出モータ174の駆動回数を複数回に分割することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1及び第2の計数スイッチ181A、181Bによって遊技球が検出されずに払出モータ174の駆動量が上限駆動量(192ステップ)を超えたときには初期化操作がなされるまで払出手段を停止することができる。このため、過度なリトライ動作の繰り返しにより賞球ケースユニット170に不具合が生ずることを防止することができる。
また、初期化操作がなされるまで払出モータ174を停止するので、当該払出モータ174の停止によって、例えば第1及び第2の球供給通路171A、171Bに蓄積された遊技球が1つもないような異常な状態から賞球ケースユニット170ひいてはパチンコ遊技機1を復帰させる必要があることを促すことができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技球の払出を禁止すると判定されたとき、すなわち停止要因フラグが1にセットされたときに原点調整制御(リトライ制御)を行うので、なんらかの異常により第1及び第2のスプロケット173A、173Bの駆動が停止された後には必ずリトライ動作を行うことができる。
このように、第1及び第2のスプロケット173A、173Bの駆動停止と連動してリトライ動作を行うことで、リトライ動作を単独で行う場合と比較して処理を円滑に進めることができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、原点調整制御(リトライ制御)においてリトライ動作を第1又は第2の計数スイッチ181A、181Bによって遊技球が検出されるまで実行するとともに、モータ動作個数が更新された回数(リトライ回数)をリトライ動作の回数として管理するので、第1又は第2の計数スイッチ181A、181Bによる遊技球の検出有無に関わらずリトライ動作が何回行われたかを確実に、かつ容易に把握することができる。また、スリットセンサ等を設けていなくともリトライ動作の回数を確実に、かつ容易に把握することができる。これにより、リトライ動作の管理を円滑に行うことができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1又は第2の計数スイッチ181A、181Bによって遊技球が検出されずにリトライ回数が上限回数(12回)を超えたときには原点調整制御(リトライ制御)を終了するので、過度なリトライ動作の繰り返しにより賞球ケースユニット170に不具合が生ずることを防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、実際に払出された遊技球の総数と払出要求個数とを比較するので、その比較の結果、実際に払出された遊技球の総数と払出要求個数との間に差分が生じている場合には、遊技球の過払出として把握することができる。
また、その過払出となった上述の差分が許容値(10)以上となったときには、初期化操作がなされるまで第1及び第2のスプロケット173A、173Bを停止するので、例えば不正行為等により不自然な過払出があった場合にそれ以上の過払出が行われることを防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、過払出が生じた際には初期化操作がなされるまで実際に払出された遊技球の総数と払出量要求個数との差分である過払出に係る遊技球の数を蓄積することができる。
これにより、例えば不正行為等により生じた不自然な過払出の事実及びその過払出により生じた不要な遊技球の払出量(賞球数及び貸し球数)を確実に検出することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、払出モータ174を駆動させた後の落下球監視時間中に、落下要求個数に相当する遊技球が第1又は第2の計数スイッチ181A、181Bによって検出されたか否かを判定するので、当該落下球監視時間中に払出モータ174の冷却を行うことができるとともに、同時に落下要求個数に相当する遊技球の払出が行われたか否かを確認することができる。したがって、払出モータ174の十分な冷却期間を確保しつつも払出量(賞球数及び貸し球数)の管理を効率的に行うことができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、払出モータ174を駆動させた後の落下球監視時間が第1及び第2のスプロケット173A、173Bの姿勢を保持するための保持期間と払出モータ174の冷却期間とから構成されるので、払出モータ174が停止した後に第1及び第2のスプロケット173A、173Bの姿勢を保持することができ、第1及び第2のスプロケット173A、173Bが慣性力により過回転してしまうことを防止することができる。また、冷却期間を設けたことにより払出モータ174を冷却することができる。
さらに、保持期間及び冷却期間の間に落下要求個数に相当する遊技球が第1又は第2の計数スイッチ181A、181Bにより検出されない場合には、払出モータ174の駆動を停止するので、保持期間及び冷却期間を利用して効率的に払出モータ174の駆動を管理することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図161〜図166を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
なお、本実施の形態においては、本発明の第1の実施の形態とは、特に、スプロケット173による遊技球の払出先(移動先)を切替可能とした点で異なるが、他の構成は、略同様に構成されている。したがって、以下においては、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略し、特に第1の実施の形態との相違点についてのみ説明する。
図161に示すように、本実施の形態の賞球ケースユニット170は、第1の実施の形態と同様、第1の払出通路180Aと第2の払出通路180Bとを有し、これら各通路は2列構造をとるため、同様の構成である。したがって、第1の払出通路180Aを例にその構成を説明する。
本実施の形態の第1の払出通路180Aは、遊技球をパチンコ遊技機内部(例えば、上皿21等)に払出す(又は、誘導する、供給する、循環させる)ための第1の球通路401Aと、遊技球をパチンコ遊技機外部(例えば、島管理設備の球循環経路等)に誘導(移動)させる(又は、払出す、供給する、循環させる)ための第2の球通路402Aとを有
する。
ここで、島管理設備は、複数又は単一の遊技機と、遊技機に対して設けられた遊技装置(例えば、サンド、各台計数機及びデータ表示機等)と、接続可能な装置であって、遊技球や、遊技機の状態を管理するための管理装置であり、通常はホールコンピュータと呼ぱれる遊技場を管理する設備(例えば、コンピュータ又はデータ管理装置)と接続され、ホールコンピュータに対して遊技機に関する情報を集計しデータ送信を行っている。
ここで、球循環経路とは、島管理装置に備えられた複数又は単一の遊技機間で遊技球の共有を可能とした設備であり、球循環経路は、球循環装置として独立駆動可能なものであってもよいし、島管理装置に備えられていることが必須ではなく、遊技機に備えられていてもよく、遊技機内の遊技球を循環させる装置であってもよい。
第2の払出通路180Bについても、同様に第1の球通路401Bと第2の球通路402Bとを有する。以下、これら第1の球通路401A及び第1の球通路401Bを総称して「第1の球通路401」といい、第2の球通路402A及び第2の球通路402Bを総称して「第2の球通路402」ということがある。
また、第1の球通路401Aには、第1の球通路401Aを通過する遊技球を検知する第1の検出手段としての第1の計数スイッチ491Aが設けられ、第2の球通路402Aには、第2の球通路402Aを通過する第2の検出手段としての第1の球抜きスイッチ492Aが設けられている。
第1の球通路401B及び第2の球通路402Bについても、同様に第2の計数スイッチ491B及び第2の球抜きスイッチ492Bが設けられている。これら第1の計数スイッチ491A及び第2の計数スイッチ491Bを総称して「計数スイッチ491」といい、第1の球抜きスイッチ492A及び第2の球抜きスイッチ492Bを総称して「球抜きスイッチ492」ということがある。
また、払出通路180、より詳細には第1の球通路401と第2の球通路402との間には、スプロケット173による遊技球の払出先を第1の球通路401及び第2の球通路402のいずれか一方に切り替えるよう、払出CPU301によって制御される通路切替手段としての第1及び第2のフラッパ400A、400Bが設けられている。これら第1及び第2のフラッパ400A、400Bを総称して「フラッパ400」ということがある。
フラッパ400は、フラッパ駆動装置410(図162参照)を有し、払出CPU301によってフラッパ駆動装置410の駆動が制御されることで、図中、矢印方向に回動可能とされる。
具体的には、フラッパ400は、遊技球の払出先を第2の球通路402側とする位置(図中、破線で示す位置)と、遊技球の払出先を第1の球通路401側とする位置(図中、実線で示す位置)との間で回動するようになっている。
次に、図162に示すように、本実施の形態の払出制御回路300には、上述した第1の計数スイッチ491A、第2の計数スイッチ491B、第1の球抜きスイッチ492A、第2の球抜きスイッチ492B及びフラッパ駆動装置410が接続されている。なお、フラッパ駆動装置410は、第1のフラッパ400Aと第2のフラッパ400Bとで共通としたが、別箇に設けても構わない。
また、本実施の形態の払出CPU301は、払出制御回路300のRAM303に記憶された賞球数及び貸し球数(払出量)がない状態で、上述したリトライ動作を実行する場合には、遊技球の払出先が第2の球通路402となるよう、フラッパ駆動装置410を介してフラッパ400を切り替えるようになっている。
また、本実施の形態の払出CPU301は、遊技球の払出先が第2の球通路402となるようフラッパ400が切り替えられた状態でリトライ動作を実行した場合には、球抜きスイッチ492によって遊技球が検知されたことを条件にリトライ動作を終了するようになっている。
次に、図163〜図166を参照して、払出制御回路300の払出CPU301により実行される各種処理の内容について、特に、第1の実施の形態と異なるステップを含む処理についてのみ説明する。
[システムタイマ割込み処理(1ms)]
まず、図163を参照して、本実施の形態の払出CPU301によるシステムタイマ割込み処理について説明する。
図163に示すように、本実施の形態におけるシステムタイマ割込み処理において、S731〜S735の各ステップは、第1の実施の形態におけるシステムタイマ割込み処理(図137参照)のS631〜S635と同様であるため、それらステップの説明は省略する。
払出CPU301は、S735の処理終了後、後述するモータ駆動処理を実行して(S736)、原点調整励磁データ設定処理を実行する(S737)。その後、払出CPU301は、コマンド送信処理を実行して(S738)、システムタイマ割込み処理を終了する。本実施の形態のコマンド送信処理(S738)は、第1の実施の形態のコマンド送信処理(S637)と同様である。
[計数スイッチ検知処理]
まず、図164を参照して、本実施の形態のシステムタイマ割込み処理(図163参照)中のS735で行う計数スイッチ検知処理について説明する。
図164に示すように、本実施の形態における計数スイッチ検知処理において、S781〜S790の各ステップは、第1の実施の形態における計数スイッチ検知処理(図140参照)のS681〜S690と同様であるため、それらステップの説明は省略する。
S781がNO判定の場合、S787がNO判定の場合、S789がNO判定の場合、又は、S790の終了後、払出CPU301は、第1の球抜きスイッチ492A又は第2の球抜きスイッチ492Bが遊技球の通過を検知したか否かを判別する(S791)。
S791において、払出CPU301が、第1の球抜きスイッチ492A又は第2の球抜きスイッチ492Bが遊技球の通過を検知していないと判別した場合、(S791がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S791において、払出CPU301が、第1の球抜きスイッチ492A又は第2の球抜きスイッチ492Bが遊技球の通過を検知したと判別した場合、(S791がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S792)。
S792において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S792がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S792において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S792がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグを0にセットする(S793)。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグを1にセットする(S794)。その後、払出CPU301は、フラッパ駆動装置410を制御して、第1及び第2のフラッパ400A、400Bを自動的に第1の球通路401A、401B側(払出側)に切り替え(S795)、計数スイッチ検知処理を終了する。
[モータ駆動処理]
まず、図165を参照して、本実施の形態のシステムタイマ割込み処理(図163参照)中のS736で行うモータ駆動処理について説明する。
まず、払出CPU301は、第1又は第2の停止要因フラグが1であるか否かを判別する(S801)。
S801において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグが1であると判別した場合(S801がYES判定の場合)、すなわち、停止要因がある場合、払出CPU301は、モータ駆動処理を終了する。
一方、S801において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグのいずれもが1でないと判別した場合(S801がNO判定の場合)、すなわち、停止要因がない場合、払出CPU301は、第1又は第2の落下球確認フラグが1であるか否かを判別する(S802)。
S802において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグのいずれもが1でないと判別した場合(S802がNO判定の場合)、すなわち、担保球なしの場合、払出CPU301は、モータ駆動処理を終了する。
一方、S802において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグが1であると判別した場合(S802がYES判定の場合)、すなわち、担保球ありの場合、払出CPU301は、払出要求個数が0より大きいか否かを判別する(S803)。
S803において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きくないと判別した場合(S803がNO判定の場合)、すなわち、払出要求なしの場合、払出CPU301は、モータ駆動処理を終了する。
一方、S803において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きいと判別した場合(S803がYES判定の場合)、すなわち、払出要求ありの場合、払出CPU301は、モータ起動初期処理を実行する(S804)。モータ起動初期処理は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
次いで、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態設定処理を行う(S805)。この処理では、払出CPU301は、原点調整制御を行わないので、通常の遊技球の払出が行われるよう、落下要求個数に応じた払出モータ174の加速状態等を設定する。
その後、払出CPU301は、払出モータ174の励磁データを設定する(S806)。この処理では、払出CPU301は、通常の遊技球の払出を行うものとして、落下要求個数分の遊技球を払出すのに必要な駆動量として所定ステップ分の励磁データを設定する。
次いで、払出CPU301は、払出制御フラグに「1」をセットして(S807)、モータ駆動処理を終了する。ここで、払出制御フラグは、フラッパ400の切替を行うか否かに応じて「0」又は「1」がセットされるフラグであり、フラッパ400の切替を行う場合に「1」にセットされ、フラッパ400の切替を行わない場合に「0」にセットされるフラグである。
[原点調整励磁データ設定処理]
まず、図166を参照して、本実施の形態のシステムタイマ割込み処理(図163参照)中のS737で行う原点調整励磁データ設定処理について説明する。
まず、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S811)。S811において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合(S811がNO判定の場合)、すなわち、原点調整制御の要求なしの場合、払出CPU301は、原点調整励磁データ設定処理を終了する。したがって、S811がNO判定の場合は、原点調整制御は行われない。
一方、S811において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合(S811がYES判定の場合)、すなわち、原点調整制御の要求ありの場合、払出CPU301は、リトライ回数が12より大きいか否か、すなわち原点調整制御を12回行ったか否かを判別する(S812)。したがって、S811がYES判定の場合は、原点調整制御が行われる。
S812において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きいと判別した場合(S812がYES判定の場合)、すなわち、原点調整制御の回数が上限回数(12回)に達した場合、払出CPU301は、処理をS813に移す。
S813において、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態設定を行って(S813)、処理をS823に移す。この処理では、払出CPU301は、遊技球の払出を停止するために払出モータ174をアイドル状態に設定する。
一方、S812において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きくないと判別した場合、(S812がNO判定の場合)、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態のリセットを行う(S814)。
次いで、払出CPU301は、励磁データのリセットを行い(S815)、払出制御フラグが1であるか否かを判別する(S816)。S816において、払出CPU301が、払出制御フラグが1でないと判別した場合(S816がNO判定の場合)、すなわち、第1及び第2のフラッパ400A、400Bの切替が不要である場合、払出CPU301は、処理をS818に移す。この場合、第1及び第2のフラッパ400A、400Bの切替は行われず、遊技球の払出先が第1の球通路401A、401B側(払出側)に維持される。
一方、S816において、払出CPU301が、払出制御フラグが1であると判別した場合(S816がYES判定の場合)、すなわち、第1及び第2のフラッパ400A、400Bの切替が必要である場合、払出CPU301は、フラッパ駆動装置410を制御して、第1及び第2のフラッパ400A、400Bを自動的に第2の球通路402A、402B側(球抜き側)に切り替える(S817)。
次いで、S816がNO判定の場合、又は、S817の終了後、払出CPU301は、原点調整制御に備えてステップカウンタマスク値を4ステップにセットする(S818)。この処理では、原点調整制御実行時の払出モータ174の単位駆動量として、4ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、モータ動作個数を1個に設定し(S819)、原点要請リトライ回数に4回を設定する(S820)。この処理では、上述のS818でステップカウンタマスク値としてセットされた4ステップに、原点要請リトライ回数として設定された4回を乗ずることによって、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、落下球監視タイマの値をクリアして0にする(S821)。落下球監視タイマは、第1の実施の形態と同様である。次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグに「0」をセットする(S822)。
次に、S813の終了後、又は、S822の終了後、払出CPU301は、払出モータ174の励磁データを設定して(S823)、原点調整励磁データ設定処理を終了する。この処理では、例えば原点調整制御を行う場合には、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップ分の励磁データを設定する。
また、通常の遊技球の払出を行う場合には、落下要求個数分の遊技球を払出すのに必要な駆動量として所定ステップ分の励磁データを設定する。なお、遊技球の払出が停止されるよう、払出モータ174がアイドル状態に設定されているときは、励磁データは0に設定される。
以上のように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1の実施の形態における作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
すなわち、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1及び第2の払出通路180A、180Bのそれぞれに、遊技球の払出先を第1の球通路401及び第2の球通路402のいずれか一方に切り替えるフラッパ400が設けられているので、例えば遊技球の貸出時や賞球時等のように遊技機外部への遊技球の払出が行われる場合に原点調整制御(リトライ制御)を実行するときには、スプロケット173による遊技球の払出先をフラッパ400によって第1の球通路401に切り替えることができる。
一方、遊技機外部への遊技球の払出を行わずに原点調整制御(リトライ制御)を実行する場合には、スプロケット173による遊技球の払出先をフラッパ400によって第2の球通路402に切り替えることができる。これにより、原点調整制御(リトライ制御)をによる遊技球の過払出が防止される。
したがって、フラッパ400によって第1の球通路401及び第2の球通路402のいずれかに切り替えることで、遊技機外部への遊技球の払出の有無に関わらず原点調整制御(リトライ制御)を実行することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、払出制御回路300のRAM303に記憶された払出量(賞球数及び貸し球数)がない状態で原点調整制御(リトライ制御)を実行する場合には、スプロケット173による遊技球の払出先が第2の球通路402となるようフラッパ400を切り替えるので、遊技機外部への遊技球の払出を行わずに原点調整制御(リトライ制御)を実行する場合であっても、スプロケット173による遊技球の過払出を防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、球抜きスイッチ492が遊技球を検出したこと条件に原点調整制御(リトライ制御)を終了するので、RAM303に記憶された払出量(賞球数及び貸し球数)がない状態で原点調整制御(リトライ制御)を実行しても、計数スイッチ491で遊技球を検出することがない。
このため、RAM303に記憶された払出量(賞球数及び貸し球数)がない状態で実行された原点調整制御(リトライ制御)によって、スプロケット173から払出された遊技球が遊技機外部に払出された遊技球として検出されることを防止することができる。これにより、原点調整制御(リトライ制御)の運用の幅を広げることができる。
(第3の実施の形態)
次に、図167〜図169を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
なお、本実施の形態においては、本発明の第1の実施の形態とは、特に、原点調整制御の完了後、落下要求個数から1球減算した残りの落下要求個数(例えば、減算前が15個なら残りの落下要求個数は14個)分の遊技球の払出を行う点で異なるが、他の構成は、略同様に構成されている。
したがって、以下においては、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略し、特に第1の実施の形態との相違点についてのみ説明する。具体的には、第1の実施の形態と異なる処理についてのみ説明する。なお、以下に説明する処理以外の処理(例えば、システムタイマ割込み処理等)は、第1の実施の形態における処理と同様である。
[計数スイッチ検知処理]
最初に、図167を参照して、第1の実施の形態と同様のシステムタイマ割込み処理(図137参照)中のS635で行う計数スイッチ検知処理について説明する。図167は、本実施の形態における計数スイッチ検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したか否かを判別する(S881)。S881において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知していないと判別した場合、(S881がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。ここで、原点調整制御中である場合には、遊技球が未だ第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bで検知されないため、S881がNO判定となる。
一方、S881において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したと判別した場合、(S881がYES判定の場合)、払出CPU301は、落下要求個数を「1」減算する(S882)。
すなわち、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bにより遊技球が検知されたことを条件に落下要求個数の更新を行う。こうした更新を行う払出CPU301は、区切払出量更新手段を構成する。
ここで、本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、計数スイッチ検知処理での払出要求個数の減算は行われない。払出要求個数は、後述するモータ起動初期処理(図169参照)におけるS927で、落下要求個数が決定(設定)されたときに、その決定(設定)された落下要求個数分の遊技球の数だけ減算されている。
換言すれば、払出CPU301は、払出要求個数から、落下要求個数が決定(設定)されたときに、その決定(設定)された落下要求個数分の遊技球の数を減算しておくようにしている。こうした遊技球の減算を行う払出CPU301は、減算手段を構成する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S883)。S883において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S883がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S883において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S883がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグを0にセットする(S884)。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグを1にセットする(S885)。その後、払出CPU301は、原点調整実行後フラグを1にセットして(S886)、計数スイッチ検知処理を終了する。
ここで、原点調整実行後フラグは、原点調整制御の実行後であるか、実行前(未実行)であるかに応じて「0」又は「1」がセットされるフラグであり、原点調整制御の実行後である場合に「1」にセットされ、原点調整制御の実行前である場合に「0」にセットされるフラグである。
[モータ起動待ち処理]
次に、図168を参照して、第1の実施の形態と同様のシステムタイマ割込み処理(図137参照)中のS636で行うモータ起動待ち処理について説明する。図168は、本実施の形態におけるモータ起動待ち処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、原点調整完了フラグが1であるか否かを判別する(S901)。S901において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1でないと判別した場合(S901がNO判定の場合)、すなわち、原点調整制御中である場合、払出CPU301は、処理をS905に移す。
一方、S901において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1であると判別した場合(S901がYES判定の場合)、すなわち、原点調整制御が完了済みである場合、払出CPU301は、第1又は第2の停止要因フラグが1であるか否かを判別する(S902)。
S902において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグが1であると判別した場合(S902がYES判定の場合)、すなわち、停止要因がある場合、払出CPU301は、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S902において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグのいずれもが1でないと判別した場合(S902がNO判定の場合)、すなわち、停止要因がない場合、払出CPU301は、第1又は第2の落下球確認フラグが1であるか否かを判別する(S903)。
S903において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグのいずれもが1でないと判別した場合(S903がNO判定の場合)、すなわち、担保球なしの場合、払出CPU301は、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S903において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグが1であると判別した場合(S903がYES判定の場合)、すなわち、担保球ありの場合、払出CPU301は、後述するモータ起動初期処理(図169参照)を実行する(S904)。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態とは異なり、払出要求個数が0より大きいか否かの判別は行われない。
このため、本実施の形態では、後述する払出要求フラグを設定し、主制御回路70から払出制御回路300への払出要求があるか否かを当該払出要求フラグによって判別することとしている。この払出要求フラグは、例えば主制御回路70から払出制御回路300に払出要求個数の情報が送信される際に同時に送信される。なお、払出要求フラグは、払出要求がある場合に「1」にセットされ、払出要求がない場合に「0」にセットされる。
ここで、S905〜S913の処理は、第1の実施の形態におけるS706〜S714の処理と同様であるため、説明を省略する。
[モータ起動初期処理]
次に、図169を参照して、本実施の形態のモータ起動待ち処理(図168参照)中のS904で行うモータ起動初期処理について説明する。図169は、本実施の形態におけるモータ起動初期処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、原点調整実行後フラグが1であるか否かを判別する(S921)。S921において、払出CPU301が、原点調整実行後フラグが1でないと判別した場合(S921がNO判定の場合)、すなわち、原点調整制御の実行前(又は未実行)である場合、払出CPU301は、処理をS923に移す。
一方、S921において、払出CPU301が、原点調整実行後フラグが1であると判別した場合(S921がYES判定の場合)、すなわち、原点調整制御の実行後である場合、払出CPU301は、落下要求個数が0以下であるか否かを判別する(S922)。
S922において、払出CPU301が、落下要求個数が0以下でないと判別した場合、(S922がNO判定の場合)、払出CPU301は、落下要求個数をそのままとして、すなわち計数スイッチ検知処理(図167参照)のS882で「1」減算された後の落下要求個数のまま、処理をS928に移す。
一方、S922において、払出CPU301が、落下要求個数が0以下であると判別した場合、(S922がYES判定の場合)、又は、S921がNO判定の場合、払出CPU301は、落下要求個数の再設定(又は、初期設定)を行うべく、払出要求個数に落下要求個数の値を還元する(S923)。
例えば、払出CPU301は、遊技球の過払出によって落下要求個数の値が「−1」となった場合には、すでに落下要求個数分、減算されている払出要求個数から「1」減算する。
すなわち、払出CPU301は、上述の計数スイッチ検知処理(図167参照)のS882で「1」減算された後の落下要求個数(過払出であれば「−1」)を払出要求個数に反映させる。こうした反映を行う払出CPU301は、反映手段を構成する。なお、このS923の処理が初めて行われるとき(初回)は、払出要求個数及び落下要求個数のいずれも「0」である。
ここで、払出CPU301は、払出要求個数分の全ての遊技球が払出されたときに、上述の計数スイッチ検知処理(図167参照)のS882で「1」減算された後の落下要求個数が「0」でないときには、払出エラーが発生しているものと判定する。こうした判定を行う払出CPU301は、払出エラー判定手段を構成する。
例えば、払出要求個数分の遊技球が払出されたときに前述の減算後の落下要求個数が「0」より大きいときには、過少払出による払出エラーが発生しているものと判定することができる。
一方、払出要求個数分の遊技球が払出されたときに前述の減算後の落下要求個数が「0」よりも小さいときには、過払出による払出エラーが発生しているものと判定することができる。
次いで、払出CPU301は、払出要求個数の値が「−10」より小さいか否かを判別する(S924)。すなわち、払出CPU301は、オーバーペイ個数が10以上となったか否かを判別する。
S924において、払出CPU301が、払出要求個数の値が「−10」より小さいと判別した場合(S924がYES判定の場合)、すなわち、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内でない場合、払出CPU301は、オーバーペイフラグを1にセットして(S925)、モータ起動初期処理を終了する。
一方、S924において、払出CPU301が、払出要求個数の値が「−10」より小さくないと判別した場合(S924がNO判定の場合)、すなわち、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内である場合、払出CPU301は、払出要求フラグが1であるか否かを判別する(S926)。
S926において、払出CPU301が、払出要求フラグが1でないと判別した場合(S926がNO判定の場合)、すなわち、主制御回路70からの遊技球の払出要求がない場合、払出CPU301は、モータ起動初期処理を終了する。
一方、S926において、払出CPU301が、払出要求フラグが1であると判別した場合、(S926がYES判定の場合)、払出CPU301は、払出要求個数から落下要求個数を設定する(S927)。
この処理では、払出要求個数(払出量の総計)に応じて、最大で15個の落下要求個数が設定される。このとき、落下要求個数の設定と同時に、払出要求個数が設定された落下要求個数分、減算される。
ここで、S928〜S934の処理は、第1の実施の形態におけるS722〜S728の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1の実施の形態における作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
すなわち、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1又は第2の計数スイッチ181A、181Bにより遊技球が検出されたことを条件に落下要求個数の更新が行われる。すなわち、落下要求個数は、第1又は第2の計数スイッチ181A、181Bにより遊技球が検出されるたびに更新される。
これにより、例えば落下要求個数に応じた遊技球の払出を行うべく払出モータ174が駆動された際に落下要求個数を超える払出(過払出)があった場合に、この過払出分の遊技球の数を加味して落下要求個数を更新することができる。
一方、払出要求個数は、落下要求個数が決定された時点で落下要求個数分の遊技球の数だけ減算された後、上述の更新された落下要求個数が反映される。これにより、1回の払出モータ174の駆動で上述のような過払出があった場合であっても、払出要求個数から減算された遊技球の数と実際に払出された遊技球の数とを一致させることができる。
この結果、1回の払出モータ174の駆動で過払出が発生するたびに払出モータ174を停止する必要がないため、遊技球の払出を継続することができる。したがって、円滑な払出を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機は、封入式遊技機であって、遊技球を発射する発射手段が遊技機上部に設置され、発射された遊技球が遊技盤に設けられた遊技領域を通過し(遊技盤自体が遊技領域であってもよい)、遊技機内に設けられた球磨き装置や揚送装置に回収される封入式遊技機に対しても適用される。
このような遊技機に本発明に係る遊技機を適用する場合にあっては、スプロケットが揚送装置内に設けられた遊技球を揚送するための手段(例えば、スクリュー等)や、払出モータが揚送するための手段を駆動させるための駆動手段(例えば、揚送モータ)、計数スイッチが揚送装置からの排出検知手段(例えば、遊技球の循環管理を行うセンサ等)であってもよい。
本実施の形態によれば、遊技球が払出通路180を通過し、遊技機前面に設けられた上皿21に払出され、上皿21から発射装置15へ移動する構成であるため、上記のような発射装置15に対して揚送するような装置に対しても、本発明に係る遊技機は適用可能である。
また、本実施の形態において、球タンク下通路162と、球供給通路171と、スプロケット173近辺の球通路と、払出通路180とは、一体的に形成されていてもよい。ここで表現する「一体的に」とは、溶接、型抜き、ネジ止め又はカシメ等によって一体的に形成されている状態を含む。
また、球タンク下通路162と球供給通路171とが一体形成されている場合、球供給通路171とスブロケット173近辺の球通路とが一体形成されている場合、で例示される、4つの構成から2つの構成を抽出し、場合分けした構成によって一体形成されていてもよい。
同様に、スプロケット173近辺の球通路と払出通路180とが一体形成されている場合、球タンク下通路162と球供給通路171とスプロケット173近辺の球通路とが一体形成されている場合、に例示される4つの構成から3つの構成を抽出し、場合分けした構成によってー体形成されていてもよい。
また、球供給通路171は、遊技機を構成する遊技部材(例えぱ、装飾ユニット又は封入式遊技機の球研磨装置等)に設けられていてもよい。これは、スプロケット173に該当する部材が設けられた装置が球供給通路171として作用する遊技部材と接続されている場合であっても、本発明に係る遊技機を適用できることに他ならない。
また、球供給通賂171は、スブロケット173のように遊技球を移動可能な構成が備えられていてもよく、総じていえば、スプロケット173と連動及び同期して球供給通路171内に存在する遊技球が移動可能であれば、本発明に係る遊技機を適用できるものである。
また、本実施の形態の形態においては、払出モータ174の電流は30ms(励磁データ保持期間)の間、高電流に維持され、励磁データ保持期間が経過すると、払出モータ174の電流が低電流に切り替えられ、その後470ms(冷却期間)の間、低電流に維持される。したがって、本実施の形態では、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)とで、落下球監視時間(500ms)を構成していたが、これに限られるものではなく、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)と、0〜100ms(スプロケット調整期間)とで、落下球監視時間(500ms+0〜100ms)を構成してもよい。
このような構成を有することで、スプロケット調整期間においてスプロケット173の位置を微調整することも可能となり、球噛みを想定した正転と逆転とを繰り返してもよい。また、払出モータ174の発熱を検知可能な熱検知手段を備えており、払出モータ174の発熱が所定値、所定域以上であると払出制御回路300が払出モータ174の異常を判断可能な場合には、継続して冷却期間としてスプロケット調整期間を使用してもよい。
さらに、熱検知手段を備えていなくとも、所定値以上の払出(例えば、最大16球の払出のときに、10球以上の払出)が所定回数以上(例えば、3回以上)連続で継続した場合には、スプロケット調整期間を特定値(例えば、50ms)に設定してもよい。このとき、設定されるスプロケット調整期間は、予め定められた値、又は一定値であってもよい。本来であれば十分な冷却期間を設けているのでスプロケット調整期間を設定して冷却を行う必要がないが、遊技機が設置された遊技場ごとに環境が異なるため、本来の冷却期間では払出モータ174の冷却が不十分となる可能性がある。したがって、このような場合を想定して上述のような構成とすることで、払出が連続している場合における払出モータ174の冷却期間に対する手当てが行えることとなる。この結果、より安全に払出を行うことが可能となる。
なお、上述のように、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)と、0〜100ms(スプロケット調整期間)とで、落下球監視時間(500ms+0〜100ms)を構成した場合には、落下球監視時間が延長されたことに基づいて払出モータ174の冷却期間が延長されたとも表現可能であるし、冷却期間が延長されたことに基づいて落下球監視時間が延長されたとも表現することが可能である。
また、本実施の形態においては、フラッパ400について第1の球通路401及び第2の球通路402のいずれか一方に切り替えるよう払出CPU301によって制御されれば、形状、材質、駆動方法について特に限定されるものではない。例えば、図161に示すように、板状であってもよいし、一方の球通路を遊技球が通過不可能となるように、球通路上部から落下する遊技球に治して水平に移動することで、結果的に遊技球の振り分けが行えるような機構であってもよいし、スプロケット173と同様の機構を備え、遊技球を一度受け入れてから任意の方向へと遊技球を導くような態様であってもよい。
また、本実施の形態においては、単位駆動量に相当する励磁データとして5ms×4ステップを規定したが、これに限られるものではなく、例えば、単位駆動量を設定せず、1回のリトライ回数における励磁データとして5ms×16ステップの払出モータ174の駆動を行い、5ms×16ステップの払出モータ174の駆動停止後の励磁データ保持期間30ms+冷却期間470ms=500msを設定し、基本リトライ動作機関としては5000ms(基本リトライ動作期間)に設定し、基本リトライ動作期間から励磁データ保持期間と冷却期間と1回のリトライに必要な時間(5ms×16=80ms)を減算することで求められる時間を落下球監視時間として設定し、落下球監視時間内で停止要因発生、又は規定回数(240回)のリトライが終了した場合には、アイドル状態へ移行するようにしてもよい。このとき、リトライ回数は、240回が上限回数となり、1回のリトライにかかる時間が基本リトライ動作期間として設定される。これにより、落下球監視時間として十分な監視時間が設定されるため、15球担保スイッチ172が断線しているときの間欠防止で貯留させる時間として、落下球監視時間を使用することが可能となり、より安全に払出を行うことが可能となる。
また、本実施の形態においては、払出モータ174の1回の駆動で移動させる遊技球の数を、リトライ制御における計数スイッチ181による遊技球の検出数に基づいて減算することで落下要求個数(区切払出量)を設定するようにしたが、ここでいう「落下要求個数(区切払出量)を設定する」とは、決定、更新、変更といった内容を含み得るものである。
また、本実施の形態における払出とは、遊技媒体として遊技球を払出すことを前提としているが、これに限られるものではなく、遊技媒体としてはメダル、クレジット、電子管理される遊技媒体個数、金額的に扱われる擬似媒体等の様々な媒体を払出すことが考慮される。
なお、本願の請求項に記載の「移動」とは、払出、貸出、リトライ制御、揚送等、遊技球制御手段によって遊技球の位置が移動するような場合を含む。したがって、本願発明は、前述した遊技球制御手段によって遊技球の位置が移動するような場合であれば、いずれの場合にも適用可能である。
また、「遊技球が移動する」とは、遊技球制御手段によって直接的に遊技球が押された場合や、牽引された場合、又は遊技球の係止が解除されることで遊技球が自由落下を開始する場合や、遊技球制御手段によって1球の遊技球を移動させた結果、間接的に1つ、又は複数の遊技球が移動した場合に想定される、間接的に遊技球が動いた場合を含む。
また、本発明における「役物」とは、一般的なギミック、可動部材(可動体)、装飾部材等を含み得るものであり、駆動可能なものであってもよいし、駆動しないものであってもよい。また、複数の可動体を総じて「役物」と呼ぶこともあるが、本発明においては単体の可動体であってもよいし、複数の可動体の総称であってもよい。また、複数の可動体によって形成される「役物」であった場合には、複数の可動体が連動、近接、合体する場合が考えられる。
[応用例]
上記各実施の形態及び上記各種変形例では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した本発明の各種技術は、他の遊技機にも適用可能であり、例えば、弾球遊技機、ゲーミングマシン、封入式遊技機、スロットマシン及びパチスロ遊技機等の各種遊技機に適用することもできる。