JP2016163391A - 電力変換装置、およびダブルセル - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換装置を構成する複数の単位変換器のいずれかに障害が発生した場合においても、制御できる信頼性の高い電力変換装置を提供する。
【解決手段】オン・オフ制御デバイス(201)とエネルギー貯蔵素子(203)を有する単位変換器(209)を少なくとも2つ以上直列接続したアーム(104)を有する電力変換装置であって、前記2つ以上の単位変換器がそれぞれの前記エネルギー貯蔵素子から制御用電力を得る電力供給手段(204)を備え、前記2つ以上の単位変換器の自給電源となる前記電力供給手段(204)のそれぞれの出力端子がそれぞれの逆流防止ダイオード(205)を介して並列に接続されている。
【選択図】図2A

Description

本発明は、電力変換装置に関する。例えば前記電力変換装置の制御電源に関する。
一つまたは複数の単位変換器を直列に接続して構成する電力変換器がある。
例えば、非特許文献1には、モジュラー・マルチレベル・カスケード変換器(MMCC:Modular Multilevel Cascade Converter)の4つの回路方式とその技術が開示されている(abstract、Fig2(a)、(b)、Fig3(a)、(b)参照)。
MMCCは、1つまたは複数の単位変換器(非特許文献1では「cell」と称している)を直列に接続して構成したアームをY結線、Δ結線、またはブリッジ状(2つのY結線と見なすこともできる)に接続して構成された電力変換回路である。
MMCCの特徴は、複数の単位変換器を直列接続しているために、個々の単位変換器に用いているIGBT等の耐圧を超える高電圧、かつ、正弦波に近い電圧を直接出力できる点である。
また、特許文献1には、電力変換装置であるMODULAR MULTILEVEL VOLTAGE SOURSE CONVERTERの単位変換器(cell)のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のコレクタ・エミッタ間に自給電源装置を接続し、該自給電源装置が、前記IGBTのゲート駆動回路に電源を供給する構成、技術が開示されている(FIG.2参照)。
国際公開2013/091675号
H. Akagi, "Classification, terminology, and applica-tion of the modular multilevel cascade converter (MMCC)," IEEE Trans-actions on Power Electronics, vol. 26、 no. 11, Nov. 2011, pp. 3119-3129.
しかしながら、非特許文献1に開示された技術では、MMCCに備えられた2つの双方向チョッパが同一回路構成である場合、オン・オフ制御デバイスの動作に伴って、1つの双方向チョッパのどの点を基準としても、いずれかのコンデンサの電位が変動してしまう。したがって、電力供給手段に印加されるコモンモードノイズが大きくなってしまうという課題があった。
また、特許文献1に開示された技術では、単位変換器を構成するIGBTのコレクタ・エミッタ間電圧からエネルギーを得て、該IGBTのゲート駆動回路に供給しているので、単位変換器が故障し、該単位変換器の出力端子を短絡した場合、前記のIGBTのコレクタ・エミッタ間電圧が低下して、ある時点でゲート駆動回路も動作を停止してしまうという課題があった。また、それにともない単位変換器のモニタリングや追加の制御ができなくなるという課題があった。
本発明は、前記した課題に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、信頼性の高い電力変換装置等を提供することである。
前記の課題を解決して、本発明の目的を達成するために、以下のように構成した。
すなわち、本発明の電力変換装置は、オン・オフ制御デバイスとエネルギー貯蔵素子を有する単位変換器を少なくとも2つ以上直列接続したアームを有する電力変換装置であって、前記2つ以上の単位変換器がそれぞれのコンデンサから制御用電力を得る電力供給手段を備え、前記2つ以上の単位変換器の自給電源となる電力供給手段のそれぞれの出力端子がそれぞれのダイオードを介して並列に接続されていることを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、信頼性の高い電力変換装置等を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の回路構成例を示すとともに、交流系統および直流装置との接続を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置のアームに用いられるダブルセルの回路構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置に備えられる電力供給手段の回路構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の回路構成例を示すとともに、交流系統および直流装置との接続を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の回路構成例を示すとともに、交流系統および直流装置との接続を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る電力変換装置の回路構成例を示すとともに、交流系統および直流装置との接続を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る電力変換装置の回路構成例を示すとともに、交流系統および直流装置との接続を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る電力変換装置が備えるハーフブリッジ形ダブルセルの回路構成例を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る電力変換装置の回路構成例を示すとともに、交流系統との接続を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る電力変換装置が備える2つの単位変換器によるセル群の回路構成例とそれら単位変換器の関連を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る電力変換装置が備える3つの単位変換器によるセル群の回路構成例とそれら単位変換器の関連を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下においては「実施形態」と称する)を、図面を参照して説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は、適宜、省略する。
≪第1実施形態≫
本発明の第1実施形態に係る電力変換装置について以下に説明する。
なお、主要な項目の構成としては、<電力変換装置の構成>、<ダブルセルの回路構成>、<電力供給手段の詳細>、<双方向チョッパ回路の接続についての詳細>、<各オン・オフ制御デバイスのオン・オフ状態と、ダブルセルの出力電圧の関係>、<電力変換装置が交直変換回路として動作する原理>、<補足>、<第1実施形態の効果>の内容と順番で説明する。なお、各項目で、適宜、内容を細分化して記載している。
<電力変換装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置101の回路構成例を示すとともに、交流系統100および直流装置103との接続を示す図である。
図1において、電力変換装置101は、MMCC(Modular Multilevel Cascade Converter)であって、交流系統100から受電した三相交流(U相、V相、W相)の交流電力(電圧)を、直流電力(電圧)に変換する装置である。また、変換した直流電力を直流装置103に供給している。
三相交流電力(電圧)を直流電力(電圧)に変換するために、電力変換装置101は、U相正側アーム104up、U相負側アーム104unと、V相正側アーム104vp、V相負側アーム104vnと、W相正側アーム104wp、W相負側アーム104wnと、各相のそれぞれの正側アームと負側アームの接続点側に直列接続した複数のバッファリアクトル(リアクトル)105と、前記の各アームを統一して制御する中央制御手段108とを備えて構成されている。
U相正側アーム104upとU相負側アーム104unとは、それぞれバッファリアクトル105を介してU点で接続されている。
V相正側アーム104vpとU相負側アーム104vnとは、それぞれバッファリアクトル105を介してV点で接続されている。
W相正側アーム104wpとW相負側アーム104wnとは、それぞれバッファリアクトル105を介してW点で接続されている。
U相正側アーム104upとV相正側アーム104vpとW相正側アーム104wpとは、それぞれの正側端子を正側直流端子110Pに接続されている。
U相負側アーム104unとU相負側アーム104vnとW相負側アーム104wnとは、それぞれの負側端子を負側直流端子110Nに接続されている。
なお、前記の各アームにバッファリアクトル105を直列に接続しているのは、主として、各レグ(<アーム104upとアーム104un>、<アーム104vpとアーム104vn>、<アーム104wpとアーム104wn>)を循環するスイッチングリプル電流を抑制するためである。
電力変換装置101は、前記のU点、V点、W点において、交流系統100のU相、V相、W相の電力線と、それぞれ接続されている。
また、電力変換装置101は、正側直流端子110Pと負側直流端子110Nとによって、直流装置103(正側端子P点、負側端子N点)と接続されている。ここで、直流装置103は、直流負荷、直流電源、他の電力変換装置等を代表して表記している。
6つのアーム、すなわちU相正側アーム104up、U相負側アーム104un、V相正側アーム104vp、V相負側アーム104vn、W相正側アーム104wp、W相負側アーム104wnを特に区別する必要が無い場合、以下において、単に「アーム104」と、適宜、表記する。
各アーム104は、ダブルセル106の直列回路で構成されている。
なお、ダブルセル106の具体的回路構成は後記する。
各ダブルセル106は、制御通信線128を介して、中央制御手段108に接続されている。
中央制御手段108は、前記したように、各アーム104、および各アーム104に備えられた各ダブルセル106を統一して制御する。
この制御によって、電力変換装置101は、交流系統100から供給される三相交流電力(電圧)を直流電力(電圧)に変換する。変換された直流電力は、直流装置103に供給される。
なお、図1の電力変換装置101は、6つのアームをブリッジ状に構成して三相交流を直流に変換する構成であるので、「三相ブリッジ」と称される構成でもある。
また、以降の説明のために、図1における各部の電圧・電流を以下のように定義する。
三相交流の交流系統100の相電圧をVSu、VSv、VSw(図1ではVSu、v、wと簡略化して表記)、電流をIu、Iv、Iwと表記する。
U相正側アーム104up、U相負側アーム104unの出力電圧をそれぞれVup、Vunと表記する。
V相正側アーム104vp、V相負側アーム104vnの出力電圧をそれぞれVvp、Vvnと表記する。
W相正側アーム104wp、W相負側アーム104wnの出力電圧をそれぞれVwp、Vwnと表記する。
また、直流装置103を接続しているP点(110P)とN点(110N)の間の電圧をVdc、直流装置103に流れている電流をIdcと表記する。
<ダブルセルの回路構成>
次に、図2Aと図2Bを参照して、ダブルセル106の内部の回路構成を説明する。
図2Aは、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置101のアーム104に用いられるダブルセル106の回路構成例を示す図である。
図2Aにおいて、ダブルセル106は、双方向チョッパ209x、209yと、電力供給手段204x、204yと、機械スイッチ207x、207yと、逆流防止ダイオード(ダイオード)205x、205yと、電圧検出手段206x、206yと、ダブルセル制御手段218とを備えて構成されている。
ダブルセル106は、2つの単位変換器(セル)を備えている。すなわち、双方向チョッパ209xと、電力供給手段204xと、機械スイッチ207xと、逆流防止ダイオード205xと、電圧検出手段206xとで、一つの単位変換器(第1の単位変換器)を構成している。
また、双方向チョッパ209yと、電力供給手段204yと、機械スイッチ207yと、逆流防止ダイオード205yと、電圧検出手段206yとで、もう一つの単位変換器(第2の単位変換器)を構成している。
ただし、機能としての観点から、双方向チョッパ209x、あるいは209yを一つの単位変換器とみなすこともある。また、そのように表記することもある。
また、双方向チョッパ209x、あるいは209yを特別に区別する必要がない場合、以下において、単に「双方向チョッパ209」、あるいは「単位変換器209」と、適宜、表記する。
また、機械スイッチ207x、あるいは207yを特別に区別する必要がない場合、以下において、単に「機械スイッチ207」と、適宜、表記する。
《双方向チョッパ》
図2Aにおいて、双方向チョッパ209x(第1の双方向チョッパ)は、それぞれエミッタとカソードで直列に接続されたIGBT201xp(第1のオン・オフ制御デバイス)、IGBT201xn(第2のオン・オフ制御デバイス)と、この接続点と反対側のIGBT201xpのカソードとIGBT201xnのエミッタとの間に接続されたコンデンサ(エネルギー貯蔵素子)203x(第1のコンデンサ)と、IGBT201xp、IGBT201xnにそれぞれ逆並列に接続された還流ダイオード(ダイオード)202xp、202xnと、を備えて構成されている。
双方向チョッパ209y(第2の双方向チョッパ)は、それぞれエミッタとカソードで直列に接続されたIGBT201yp(第3のオン・オフ制御デバイス)、IGBT201yn(第4のオン・オフ制御デバイス)と、この接続点と反対側のIGBT201ypのカソードとIGBT201ynのエミッタとの間に接続されたコンデンサ203y(第2のコンデンサ)と、IGBT201yp、IGBT201ynにそれぞれ逆並列に接続された還流ダイオード202yp、202ynと、を備えて構成されている。
なお、オン・オフ制御デバイス(IGBT201xp、201xn、201yp、201yn)を特に区別する必要がない場合、適宜、単に「オン・オフ制御デバイス201」と表記する。
また、エネルギー貯蔵素子(コンデンサ203x、203y)を特に区別する必要がない場合、適宜、単に「エネルギー貯蔵素子203」または「コンデンサ203」と表記する。
双方向チョッパ209xのIGBT201xpのエミッタとIGBT201xnのカソードとの接続点がダブルセル106の一方の出力端子106pとなっている。
双方向チョッパ209yのIGBT201ypのエミッタとIGBT201ynのカソードとの接続点がダブルセル106の他方の出力端子106nとなっている。
また、IGBT201xnのエミッタ端子とコンデンサ203xの一端との接続点と、IGBT201ypのカソードとコンデンサ203yの一端との接続点とが、互いに接続されてm点として共有する構成となっている。
すなわち、ダブルセル106は、2つの双方向チョッパ209x、209yがm点を共有して接続した構成である。このm点で一つの共通電位を作り、この共通電位をダブルセル制御手段の筺体電位(グランド)としてダブルセル制御手段218の回路を構成している。
双方向チョッパ209xは、IGBT201xpとIGBT201xnとをオン・オフして出力端子106pとコンデンサ203xとの間で電荷のやり取りをすることによって、等価的に種々の電気的特性を生成する。
同様に、双方向チョッパ209yは、IGBT201ypとIGBT201ynとをオン・オフして出力端子106nとコンデンサ203yとの間で電荷のやり取りをすることによって、等価的に種々の電気的特性を生成する。
双方向チョッパ209xと双方向チョッパ209yは、m点を共有化しているので、IGBT201xp、IGBT201xn、IGBT201yp、IGBT201ynを、オン・オフして出力端子106p、出力端子106nと、コンデンサ203x、コンデンサ203yとの間で電荷のやり取りをすることによって、等価的に種々の電気的特性を生成する。
図1の電力変換装置は、図2Aに示した各ダブルセル106を統一的に所定の制御することにより、三相交流電力(電圧)を直流電力(電圧)に変換している。
なお、図2Aにおいて、オン・オフ制御デバイスであるIGBT201xnのコレクタ・エミッタ間電圧をVxjkと表記する。
また、IGBT201ypのコレクタ・エミッタ間電圧をVyjkと表記する。
ちなみに、電圧Vxjk、Vyjkにおける添え字jは、ダブルセル106が属するアームを表わしておりj=up、un、vp、vn、wp、wnである。また、添え字kは該アームにおける該ダブルセルの順番を示し、k=1、2、・・・、Nである。
また、ダブルセル106の出力電圧である出力端子106pと出力端子106n間の電圧Vjkは、VxjkとVyjkの和である。
《機械スイッチ》
図2Aにおいて、機械スイッチ207x(第1の機械スイッチ)、機械スイッチ207y(第2の機械スイッチ)は、例えばコイルを備えた電磁接触器であり、ダブルセル制御手段218が前記コイルを励磁することでオンして、電圧Vxjk、または電圧Vyjkを短絡する
機械スイッチ207x、207yは、通常はオフの状態であるが、双方向チョッパ209x、もしくは双方向チョッパ209yが故障した場合に、オンすることによって、双方向チョッパ209x、もしくは双方向チョッパ209yを回路から等価的に排除することによって、残りの正常な双方向チョッパのみの動作とする。
例えば、双方向チョッパ209xが故障した場合には、機械スイッチ207xをオンさせて、出力端子106pとm点とを短絡(ショート)する。出力端子106pとm点が短絡すると双方向チョッパ209xの各素子には、電位差がなくなり電気的な動作ができなくなる。
また、出力端子106pとm点が短絡すると、m点が出力端子106pと同電位となって、双方向チョッパ209yが出力端子106pと出力端子106nとの間で動作できるようになる。
また、双方向チョッパ209yが故障した場合には、機械スイッチ207yをオンさせて、出力端子106nとm点とを短絡(ショート)する。この場合には、双方向チョッパ209yが回路から排除され、双方向チョッパ209xが出力端子106pと出力端子106nとの間で動作できるようになる。
《電力供給手段》
図2Aにおいて、電力供給手段204x(第1の電力供給手段)は、双方向チョッパ209xのコンデンサ203xから電力を受けて、適正な電圧に変換してからダブルセル制御手段218に電力を供給する。
一方、電力供給手段204y(第2の電力供給手段)は、双方向チョッパ209yのコンデンサ203yから電力を受けて、適正な電圧に変換してからダブルセル制御手段218に電力を供給する。
逆流防止ダイオード(ダイオード)205x(第1の逆流防止ダイオード)は、電力供給手段204xの一方の出力端子に備えられている。
逆流防止ダイオード205y(第2の逆流防止ダイオード)は、電力供給手段204yの一方の出力端子に備えられている。
電力供給手段204xの出力端子と電力供給手段204yの出力端子は、それぞれ逆流防止ダイオード205x、205yを介して、並列に接続されている。
この逆流防止ダイオード205xと逆流防止ダイオード205yを備えるのは、電力供給手段204xと電力供給手段204yは、前記のように逆流防止ダイオード205x、205yを介して、それぞれの出力端子が並列に接続され、同一の配線でダブルセル制御手段218に電力を供給しているからである。
すなわち、双方向チョッパ209xもしくは双方向チョッパ209yが故障した場合に、電力供給手段204xと電力供給手段204yの出力電圧に差がでて、電力供給手段204xと電力供給手段204yとの間に逆流電流が流れるのを防止するためである。
また、電力供給手段(電力供給手段204x、204y)を特に区別する必要がない場合、適宜、単に「電力供給手段204」と表記する。
また、逆流防止ダイオード(ダイオード205x、205y)を特に区別する必要がない場合、適宜、単に「逆流防止ダイオード205」と表記する。
なお、電力供給手段204x、204yについてのより詳細な説明については後記する。
《電圧検出手段》
図2Aにおいて、電圧検出手段206x(第1の電圧検出手段)は、双方向チョッパ209xのコンデンサ203xの電圧を検出して、ダブルセル制御手段218にその電圧検出値を入力している。
一方、電圧検出手段206y(第2の電圧検出手段)は、双方向チョッパ209yのコンデンサ203yの電圧を検出して、ダブルセル制御手段218にその電圧検出値を入力している。
《ダブルセル制御手段》
図2Aにおいて、ダブルセル制御手段218は、前記したように、電力供給手段204xと電力供給手段204yとから、電力(電力エネルギー)を受けて自身が動作するための電源(エネルギー源)としている。
また、ダブルセル制御手段218は、前記したように、双方向チョッパ209xのコンデンサ203xの電圧の電圧検出値と、双方向チョッパ209yのコンデンサ203yの電圧の電圧検出値と、を入力している。
また、ダブルセル制御手段218は、中央制御手段108(図1)からの制御指示情報を制御通信線128から得ている。
このダブルセル制御手段218は、各IGBT201xp、201xn、201yp、201ynのゲート・エミッタ間電圧を制御することで、各IGBT201xp、201xn、201yp、201ynのオン・オフを制御する。
また、IGBT201xp、201xn、201yp、201ynのオン・オフを、制御通信線128を介して、中央制御手段108(図1)からの制御指示情報に基づいて行う。
また、ダブルセル制御手段218は、電圧検出手段206p、206nを用いて検出したコンデンサ203p、203nの電圧VCxjp、VCyjkを、制御通信線128を介して中央制御手段108に伝送する。
また、ダブルセル制御手段218は、電圧検出手段206x、206yの電圧検出値による双方向チョッパ209x、双方向チョッパ209yが正常か否かの判断情報に基づき、または、中央制御手段108の指令に基づき、必要に応じて、機械スイッチ207x、もしくは機械スイッチ207yをオン(短絡)する。
《その他》
なお、図2Aにおいて、双方向チョッパ209xと双方向チョッパ209yが共有するm点は、ダブルセル制御手段218の筺体電位FGjk(FG:Frame Ground、jはアーム位置、kはダブルセルの順番)となっている。
図2Aに示したダブルセル106は、図1における各ダブルセル106のすべてに用いられる。図1において、アームの配列の位置をj番目、同一のアームにおけるダブルセルの順番をk番目とする。
このとき、各ダブルセル106のm点の電位、すなわち筺体電位FGjkは、ダブルセル106が電力変換装置101のどの位置(j,k)に配置されるかによって異なる。
そのため、j,kを添え字として筺体電位FGjkとして、表記している。
また、双方向チョッパ209x、機械スイッチ207x、電力供給手段204x、電圧検出手段206x、およびダブルセル制御手段218によって、一つの単位変換器が構成される。
また、同様に、双方向チョッパ209y、機械スイッチ207y、電力供給手段204y、電圧検出手段206y、およびダブルセル制御手段218によって、一つの単位変換器が構成される。
この二つの単位変換器をひとつにまとめて、ダブルセル106が構成されている。なお、ダブルセル106においては、前記のダブルセル制御手段218は共用されている。
<電力供給手段の詳細>
電力供給手段について、より詳しく説明する。
《電力供給手段の回路構成例》
図2Bは、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置101に備えられる電力供給手段204(204x、204y)の回路構成の一例を示す図である。
図2Bにおいて、抵抗1001、ツェナーダイオード(定電圧ダイオード)1002、コンデンサ1003、変圧器1006、IGBT1005、3個のダイオード1004、平滑コンデンサ1007によって、絶縁型フォワードコンバータの電力供給手段204が構成されている。
まず、コンデンサ203x(図2A)の電圧VCxjk、またはコンデンサ203y(図2A)の電圧VCyjkのいずれかを電圧VCpjkと表記するものとする。
この電圧VCpjkを、抵抗1001とツェナーダイオード1002を用いて分圧し、コンデンサ1003の両端に電圧Vzdを得る。
オン・オフ制御デバイス(スイッチング素子)であるIGBT1005は、スイッチングによって、電圧Vzdから交流電圧を作り、変圧器1006の1次コイル1006aに印加する。
変圧器1006の2次コイル1006b側では、二次側に伝達された前記の交流電圧(電力)を2個のダイオード1004bによって整流し、コンデンサ(平滑コンデンサ)1007の両端に電圧Vpspを得る。
以下、より具体的な動作を説明する。
IGBT1005がオンである場合、電圧Vzdが1次コイル1006aに印加される。
また、変圧器1006の2次コイル側では、2次コイル1006bに巻数比に応じた電圧が誘起される。
誘起された電圧は、ダイオード1004bを介してコンデンサ1007を充電する。
IGBT1005がオフになると、1次コイル1006aに流れていた電流は零となり、変圧器1006の鉄心に蓄積されていた磁束の変化によってリセットコイル1006cに電圧が誘起され、ダイオード1004aに電流が流れる。
この場合,2次コイル1006bには、IGBT1005がオンである場合とは逆極性の電圧が誘起されるが、ダイオード1004bが逆バイアスされるため、2次コイル1006bには電流が流れない。
変圧器1006の鉄心に蓄積された磁気エネルギーは、コンデンサ1003に流入し、リセットコイル1006cの電流は零に減衰する。
IGBT1005が再びオンすると、前記のようにコンデンサ1007が充電される。
以上のように、オン・オフ制御デバイスであるIGBT1005がオン、オフを繰り返すことにより、変圧器1006によって電気的絶縁を確保しつつ、コンデンサ203xまたはコンデンサ203y(図2A)の電圧VCpjkから電圧(直流電圧)Vpspを得られる。
また、変圧器1006の巻数比やIGBT1005のオン時間比率によって、電圧Vpspの電圧値を制御できる。
なお、図2Bに示した電力供給手段204(204x、204y)の回路構成は一例であって、前記したフォワードコンバータ以外にも、フライバックコンバータ、あるいはシャントレギュレータとフォワードコンバータの組み合わせ、シャントレギュレータとフォワードコンバータの組み合わせ等が考えられる。
また、図2Bにおける出力電圧の直流電圧Vpspは、図2Aにおいて、電力供給手段204x、204yのそれぞれ出力電圧Vpsx、Vpsyとなる。この出力電圧Vpsx、Vpsyは、コンデンサ203x、203yと電気的に絶縁されていることが望ましいので、図2Bのようにトランス(変圧器)1006を用いる回路方式が望ましい。
《2つの電力供給手段204x、204yの接続について》
以下、本発明に特徴的な、2つの電力供給手段204x、204yの接続について説明する。
図2Aにおいて、電力供給手段204x、204yのそれぞれの出力電圧VpsxとVpsyは、逆流防止ダイオード205x、205yを介して突き合わされ(並列接続)、電圧Vpsを得る。
すなわち、電圧Vpsは、VpsxとVpsyのうち高い方の電圧となる。電圧Vpsは、ダブルセル制御手段218に、ダブルセル106が自給する電源電圧(電力)として供給される。
例えば、電力供給手段204xが故障、あるいは、コンデンサ203xが放電し、電圧が零となると、電力供給手段204xは動作を停止し、Vpsxは零となる。
しかし、ダブルセル制御手段218の電源電圧Vpsは、Vps=Vpsyに維持できるため、ダブルセル制御手段218は動作を継続できる。
また、電力供給手段204yが故障、あるいはコンデンサ203yが放電し、電圧が零となった場合も同様に、Vps=Vpsxに維持できる。
したがって、本発明の第1実施形態では、一つの電力供給手段204が動作を停止しても、ダブルセル制御手段218は、動作を継続できるという効果を得られる。
前記したように、電力変換装置101は、例えば1つのオン・オフ制御デバイス(IGBT)が故障した場合には、該オン・オフ制御デバイスを含む双方向チョッパ209(209x、209yのいずれか)を、機械スイッチ207(207x、207yのいずれか)で短絡して、全体としては運転を継続できる。
本発明の第1実施形態に係る電力変換装置101のように、電力供給手段204x、204yのいずれかが停止しても、ダブルセル制御手段218に電源を供給できる場合、機械スイッチ207x、207yを確実にオンできる(コイルを励磁できる)という効果が得られる。
すなわち、電力変換装置101として、信頼性が向上する効果がある。
<双方向チョッパ209x、209yの接続についての詳細>
次に、本発明のもう一つの特徴である、ダブルセル106内における双方向チョッパ209x、209yの接続について説明する。
図2Aにおいて、2つの双方向チョッパ209x、209yは、前記したように、m点を共有して接続されている。したがって、m点は2つの双方向チョッパ209x、209yの共通電位である。
例えばm点をダブルセル106の筺体電位FGjk(FG:Frame Ground、jはアーム位置、kはダブルセルの順番)に接続し、ダブルセル制御手段218も筺体電位FGjkに接続すれば、ダブルセル制御手段218から各オン・オフ制御デバイスまでの電位は、コンデンサ203x、203yの1つ分の電位(VCxjkあるいは−VCyjk)にできる。
また、コンデンサ203x、203yのそれぞれの1端子は、m点に接続されているため、このm点を基準としたコンデンサ203x、203yの電位は変動しない。
このため、コンデンサ203x、203yにそれぞれ接続している電力供給手段204x、204yの電位も変動しない。
したがって、電力供給手段204x、204yに印加されるコモンモードノイズが低減されるという効果が得られる。
なお、前記した背景技術(非特許文献1)のように、2つの双方向チョッパが共通電位を持たない場合、オン・オフ制御デバイスの動作に伴って、1つの双方向チョッパのどの点を基準としても、いずれかのコンデンサの電位が変動してしまい、電力供給手段に印加されるコモンモードノイズが大きくなっていた。
それに対し、第1実施形態の電力変換装置101は、前記のように、コンデンサ203x、203yに接続している電力供給手段204x、204yの電位も変動せず、電力供給手段204x、204yに印加されるコモンモードノイズを低減できるという効果が得られる。
さらに、オン・オフ制御デバイス201を圧接型のIGBTやGCT(Gate Commutated Turn-off thyristor)等で構成した場合、4つのオン・オフ制御デバイス201を1つのスタックとして構成できるという効果を得られる。すなわち、デバイスとしてのコンパクト化や低コスト化に効果がある。
<各オン・オフ制御デバイスのオン・オフ状態と、ダブルセルの出力電圧Vjkの関係>
以下、図2Aを参照して、各オン・オフ制御デバイス(IGBT)201のオン・オフ状態と、ダブルセル106の出力電圧Vjkの関係を説明する。
《双方向チョッパ209xの出力電圧Vxjkについて》
まず、双方向チョッパ209xの出力電圧Vxjkについて説明する。
オン・オフ制御デバイスであるIGBT201xpがオン、IGBT201xnがオフの場合、出力電圧Vxjkはコンデンサ203xの電圧VCxjkと概ね等しくなる。すなわち、概ねVxjk=VCxjkである。
IGBT201xpがオフ、IGBT201xnがオンの場合、出力電圧Vxjkは概ね零となる。すなわち、概ねVxjk=0である。
したがって、IGBT201xp、201xnを制御することで、双方向チョッパ209xの出力電圧Vxjkを制御できる。
《双方向チョッパ209yの出力電圧Vyjkについて》
次に、双方向チョッパ209yの出力電圧Vyjkについて説明する。
オン・オフ制御デバイスであるIGBT201ypがオン、IGBT201ynがオフの場合、出力電圧Vyjkは概ね零となる。すなわち、概ねVyjk=0である。
IGBT201ypがオフ、IGBT201ynがオンの場合、Vyjkはコンデンサ203yの電圧VCyjkと概ね等しくなる。すなわち、概ねVyjk=VCyjkである。
したがって、IGBT201yp、201ynを制御することで、双方向チョッパ209yの出力電圧Vyjkを制御できる。
ダブルセル106の出力電圧Vjkは、VxjkとVyjkの和であるから、IGBT201xp、201xn、201yp、201ynのそれぞれのオン・オフ状態を制御することにより、Vjk=0、VCxjk、VCyjk、(VCxjk+VCyjk)の4通りに制御できる。
なお、VCxjk=VCyjk=VCである場合は、0、VC、2VCの3通りに制御できる。
<電力変換装置101が交直変換回路として動作する原理>
次に、図1を参照して、電力変換装置101が交直変換回路として動作する原理を説明する。
前記のように、ダブルセル106の出力電圧は、オン・オフ制御デバイス(IGBT)201のオン・オフ状態を制御することで制御できる。
各アーム104は、ダブルセル106の直列回路であるから、ダブルセル106の出力電圧を制御することで、アーム104の出力電圧Vup、Vun、Vvp、Vvn、Vwp、Vwnを制御できる。
このように、アーム104の出力電圧Vup、Vun、Vvp、Vvn、Vwp、Vwnを制御できるので、これらを適切に制御することによって、電力変換装置101として三相交流電力(電圧)を受けながら、所定の電圧を出力して直流電力(電圧)を出力することができる。
前記したように、図1において、電力変換装置101は、交流系統から三相交流電力(電圧:VSu、VSv、VSw、図1ではVSu,v,wと表記)を受けて、直流電力(電圧:Vdc)に変換し、直流装置103に直流電力(電圧)を供給している。
これらの過程をより具体的に、「交流系統100と電力変換装置101の間の電力授受」と「直流装置103と電力変換装置101の間の電力授受」として、次に、より詳しく説明する。
《交流系統100と電力変換装置101の間の電力授受について》
まず、以下において、交流系統100と電力変換装置101の間の電力授受について説明する。
三相交流のU相に着目すると、交流系統100のU相に流れる電流Iuは、次に示す(1)式に従う。
VSu=Lb/2×(d/dt)Iu+(Vun−Vup)/2 ・・・(1)
ここで、VSuは交流系統100のU相の電圧、Vun、VupはそれぞれU相の上アームと下アームの出力電圧、Lbはバッファリアクトル105のインダクタンス(値)である。
したがって、U相正側アーム104upとU相負側アーム104unの出力電圧Vupと出力電圧Vunを制御することによって、(1)式の右辺第3項を制御すれば、U相に流れる電流Iuを任意の振幅、位相に制御できる。
Iuの振幅と位相を制御できれば、交流系統100と電力変換装置101のU相が授受する電力を制御できる。
V相、W相についても同様に、各アーム(104vp、104vn、104wp、104wn)の各出力電圧(Vvp、Vvn、Vwp、Vwn)を制御することで、V相、W相がそれぞれ授受する電力を制御できる。
《直流装置103と電力変換装置101の間の電力授受について》
次に、直流装置103と電力変換装置101の間の電力授受について説明する。ただし、直流装置103を電圧源であるとし、その電圧をVdcとして説明する。
直流装置103に流れる電流Idcは、次に示す(2)式に従う。
(2/3)×Lb×(d/dt)Idc=(Vup+Vun+Vvp
+Vvn+Vwp+Vwn)/6−Vdc ・・・(2)
したがって、各アーム104の電圧を制御することで、(2)式の右辺第1項を制御すれば、Idcを制御できる。
Idcを制御すれば、電力変換装置101と直流装置103が授受する電力を制御できる。
なお、図1の中央制御手段108は、制御通信線128を介して得られた各ダブルセル106(j,k)のコンデンサ203x、203yのそれぞれの電圧VCxjk、VCyjkに基づき、制御通信線128を介して各ダブルセル106(j,k)のIGBT201xp、201xn、201yp、201ynのオン・オフを統一的に制御する指示を各ダブルセル106(j,k)に対して送信する。
また、制御通信線128を介して得られた前記の電圧VCxjk、VCyjkによって、いずれかのダブルセル106の故障、不具合を検出した場合には、制御通信線128を介して該当するダブルセル106の機械スイッチ207x、207yのいずれか、または両方にオン(短絡)する指示を該当するダブルセル106に対して送信する。
なお、機械スイッチ207x、207yのいずれか、または両方がオン(短絡)されている場合には、その状態を前提に、中央制御手段108は、各ダブルセル106のIGBTのオン・オフを統一的に制御する。
<補足>
図1に示した第1実施形態の電力変換装置101において、交流電力側を、交流系統100として説明したが、これに限定されない。
交流系統100に代えて、電動機などの交流負荷を接続しても、電力変換装置101は、同様の効果が得られる。
また、前記したように、図1における直流装置103は、直流負荷、直流電源、他の電力変換装置等を代表しているので、直流装置103が何であるかに関わらず、電力変換装置101は、同様の効果が得られる。
また、図1の電力変換装置101は、三相交流電力(電圧)を直流電力(電圧)変換する装置として説明したが、中央制御手段108の制御方法を変えることによって、電力変換装置101は、直流電力(電圧)を、三相交流電力(電圧)に変換することもできる。
<第1実施形態の効果>
以上、第1実施形態の電力変換装置101によれば、ある単位変換器が故障した場合においても、他の健全な単位変換器が、該故障した単位変換器の出力電圧を分担して肩代わりすることによって、MMC全体としての運転を継続できる。
また、一つの電力供給手段204が動作を停止しても、ダブルセル制御手段218は動作を継続できるという効果がある。
また、電力供給手段204x、204yのいずれかが停止しても、ダブルセル制御手段218に電源を供給できるので、機械スイッチ207x、207yを確実にオン(短絡)できるという効果がある。
このm点を基準としたコンデンサ203x、203yの電位は変動しないので、コンデンサ203x、203yにそれぞれ接続している電力供給手段204x、204yの電位も変動しない。すなわち安定した電位が得られる。したがって、電力供給手段204x、204yに印加されるコモンモードノイズが低減されるという効果が得られる。
さらに、オン・オフ制御デバイス201を圧接型のIGBTやGCT等で構成した場合、4つのオン・オフ制御デバイス201を1つのスタックとして構成できるという効果を得られる。すなわち、デバイスとしてのコンパクト化や低コスト化に効果がある。
≪第2実施形態≫
本発明の第2実施形態に係る電力変換装置301について、以下に説明する。
《電力変換装の構成》
図3は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置301の回路構成例を示すとともに、交流系統100および直流装置103との接続を示す図である。
以下、図3を参照して、本発明の第2実施形態の電力変換装置301の全体構成を説明する。ただし、第1実施形態の電力変換装置を示した図1との相違点について、主として説明し、図1と重複する箇所については、適宜、説明を省略する。
図3において、電力変換装置301は、変圧器302を介して交流系統100に接続している。交流系統100はA相、B相、C相からなる三相交流である。
変圧器302の交流系統100側が例えばΔ結線であり、アーム104u、104v、104w側が千鳥結線である。
以下、便宜上、変圧器302の交流系統100側を1次側あるいは1次巻線、変圧器303のアーム104u、104v、104w側を2次側あるいは2次巻線と称する。
各アーム104u、104v、104wの一端は、それぞれ変圧器302の2次側のU、V、W点の各点に接続されており、他端はそれぞれ正側直流端子310pを介してP点に接続している。
また、変圧器302の2次巻線の中性点を引き出し、中性側直流端子310nを介してN点に接続している。
P点とN点の間には、図1と同様に直流装置103が接続している。
各アーム104u、104v、104wは、それぞれダブルセル106の直列回路である。
なお、図3の電力変換装置301は、図1の電力変換装置101が6つのアームをブリッジ状に構成して三相交流を直流に変換する構成であるのに対し、3つのアームを片側だけに用いた構成であるので、「ハーフブリッジ」または「三相ハーフブリッジ」と称される構成でもある。
以下、図3各部の電圧・電流を定義する。
交流系統100の相電圧をVSa、VSb、VSc、交流系統100の各相(A相、B相、C相)の電流をIa、Ib、Ic、各アーム104u、104v、104wの出力電圧をVu、Vv、Vwと表記する。
図1に示した第1実施形態と同様に、各アーム104u、104v、104wの出力電圧Vu、Vv、Vwは、ダブルセル106のオン・オフ制御デバイス201のオン・オフ状態を制御することによって、制御可能である。
《交流系統100と電力変換装置301の電力授受について》
図3に示した第2実施形態における、交流系統100と電力変換装置301の電力授受について説明する。
交流系統100のA相に着目すると、電流Iaは、次に示す(3)式に従う。ただし、mは変圧器302の変圧比、Lは変圧器302の漏れインダクタンスである。
VSa=L×(d/dt)Ia+m(Vu−Vdc) ・・・(3)
したがって、アーム104uの電圧Vuを制御することで電流Iaを制御できる。
同様に、交流系統100のB相、C相についても電流Ib、電流Icを制御できる。
電流Ia、電流Ib、電流Icのそれぞれの振幅と位相を制御することで、交流系統100と電力変換装置301が授受する電力を制御できる。
《直流装置103と電力変換装置301の間の電力授受について》
次に、直流装置103と電力変換装置301の間の電力授受について説明する。ただし、直流装置103を電圧源であるとし、その電圧をVdcとして説明する。
直流装置103に流れる電流Idcは、次に示す(4)式に従う。ただし、L0は変圧器302の2次巻線の零相電流に対するインダクタンスである。
L0/3×(d/dt)Idc=(Vu+Vv+Vw)/3−Vdc ・・・(4)
したがって、各アーム104の電圧(Vu、Vv、Vw)を制御することで、(4)式の右辺第1項を制御すれば、直流装置103に流れる電流Idcを制御できる。
電流Idcを制御すれば、電力変換装置301と直流装置103が授受する電力を制御できる。
<第2実施形態の効果>
本発明の第2実施形態では、各アームにダブルセル106を用いることにより、第1実施形態と同様の効果を得られる。
また、第2実施形態においては、変圧器302の2次側は、千鳥結線となっているので、3次高調波を打ち消し、リップルが少なくなるという特徴がある。
≪第3実施形態≫
本発明の第3実施形態に係る電力変換装置ついて以下に説明する。
図4は、本発明の第3実施形態に係る電力変換装置401の回路構成例を示すとともに、交流系統100および直流装置103との接続を示す図である。
図4において、図3と異なるのは、アームの構成と変圧器402の2次側の巻線の構成である。
図3の電力変換装置301は、3つのアームを片側だけに用いたハーフブリッジと称される構成であるのに対し、図4の電力変換装置501は、6つのアームを正側と負側の両側に用いてブリッジ状(フルブリッジ)に構成していることである。
また、変圧器402の2次側の巻線を正側の3本で千鳥結線を構成し、また負側の3本で千鳥結線を構成している。
そして、2次側の巻線の正側の3本を、それぞれ正側の3つのアームに接続するとともに、2次側の巻線の負側の3本を、それぞれ負側の3つのアームに接続している。
ただし、それ以外は同一であるので、図4に示した第3実施形態の電力変換装置401は、図3に示した第2実施形態の電力変換装置301と同じ動作をして、同じ効果がある。重複する説明は省略する。
なお、前記したように、図4において、6つのアームを正側と負側の両側に用いてブリッジ状(フルブリッジ)に構成であり、図3においては、3つのアームを片側だけに用いたハーフブリッジと称される構成である。そのため、第3実施形態の電力変換装置401は、より高い値の直流電圧と、脈流の少ない直流電力(電圧)を直流装置103に供給できるという特徴がある。
≪第4実施形態≫
本発明の第4実施形態に係る電力変換装置ついて以下に説明する。
図5は、本発明の第4実施形態に係る電力変換装置501の回路構成例を示すとともに、交流系統100および直流装置103との接続を示す図である。
図5において、図4と異なるのは、変圧器502の一次側の結線である。
図4における、変圧器402の一次側は、Δ結線であるのに対し、図5の変圧器502の一次側は、Y結線である。ただし、それ以外は同一であるので、図5に示した第4実施形態の電力変換装置501は、図4に示した第3実施形態の電力変換装置401と同じ動作をして、同じ効果がある。重複する説明は省略する。
なお、前記したように、図5において、変圧器502の一次側の結線はY結線であり、図4における変圧器402の一次側の結線はΔ結線である。そのため、変圧器502の一次側にY結線を用いた第4実施形態の電力変換装置501は、より高圧の交流系統100に対応できるという特徴がある。
≪第5実施形態≫
本発明の第5実施形態に係る電力変換装置ついて以下に説明する。
図6は、本発明の第5実施形態に係る電力変換装置601の回路構成例を示すとともに、交流系統100および直流装置103との接続を示す図である。
以下、図6を参照して、本発明の第5実施形態の電力変換装置の全体構成を説明する。ただし、第1実施形態の電力変換装置を示した図1との相違点について、主として説明し、図1と重複する箇所については、適宜、説明を省略する。
図6において、電力変換装置601は、変圧器602を介して交流系統100に接続している。
変圧器602の交流系統100側がΔ結線であり、アーム104up、104vp、104wp側がスター結線(Y結線)、アーム104un、104vn、104wn側がスター結線(Y結線)である。以下、便宜上、変圧器602の交流系統100側を1次側あるいは1次巻線、変圧器602のアーム104up、104vp、104wp側を2次側あるいは2次巻線、変圧器602のアーム104un、104vn、104wn側を3次側あるいは3次巻線と称する。
変圧器602の2次巻線と3次巻線の中性点(n2点とn3点)は接続されている。
アーム104up、vp、wp側の一端は、それぞれ変圧器602の2次側のU2、V2、W2点の各点に接続されており、他端はそれぞれP点(610p)に接続している。
アーム104un、vn、wn側の一端は、それぞれ変圧器602の3次側のU3、V3、W3点の各点に接続されており、他端はそれぞれN点(610n)に接続している。
P点とN点の間には、図1と同様に直流装置103が接続している。
各アーム104up、104un、104vp、104vn、104wp、104wnは、それぞれダブルセル106の直列回路である。
《各部の電圧・電流を定義》
以下、図6の各部における電圧・電流を定義する。
交流系統100の相電圧をVSa、VSb、VSc、交流系統100の各相の電流をIa、Ib、Ic、各アーム104up、104un、104vp、104vn、104wp、104wnの出力電圧をVup、Vun、Vvp、Vvn、Vwp、Vwnと表記する。
第1実施形態と同様に、各アーム104up、104un、104vp、104vn、104wp、104wnの出力電圧Vup、Vun、Vvp、Vvn、Vwp、Vwnは、ダブルセル106のオン・オフ制御デバイス201のオン・オフ状態を制御することによって、制御可能である。
《交流系統100と電力変換装置601の電力授受について》
以下、交流系統100と電力変換装置601の電力授受について説明する。
交流系統100を三相交流A相、B相、C相として、このA相(a相)に着目すると、電流Iaは(5)式に従う。ただし、mは変圧器602の変圧比、Lは変圧器602の漏れインダクタンスである。
VSa=L×(d/dt)Ia+m(Vun−Vup)/2 ・・・(5)
したがって、アーム104uの電圧Vu(Vun,Vup)を制御することで、電流Iaを制御できる。
電流Iaの振幅と位相を制御することで、交流系統100と電力変換装置601が授受する電力を制御できる。
《直流装置103と電力変換装置601の間の電力授受について》
次に、直流装置103と電力変換装置601の間の電力授受について説明する。ただし、直流装置103を電圧源であるとし、その直流電圧を電圧Vdcとして説明する。
直流装置103に流れる電流Idcは、次に示す(6)式に従う。ただし、L0は変圧器402の2次巻線と3次巻線の零相電流に対するインダクタンスである。
L0/3×(d/dt)Idc=(Vup+Vun+Vvp
+Vvn+Vwp+Vwn)/6−Vdc ・・・(6)
したがって、各アーム104の電圧(Vup、Vun、Vvp、Vvn、Vwp、Vwn)を制御することで、(6)式の右辺第1項を制御すれば、Idcを制御できる、Idcを制御すれば、電力変換装置601と直流装置103が授受する電力を制御できる。
<第5実施形態の効果>
以上の第5実施形態では、各アームにダブルセル106を用いることにより、第1実施形態と同様の効果を得られる。例えば、1つの単位変換器の故障時にも、ダブルセル制御手段の動作を継続できるという効果を得られる。その他の重複する説明は省略する。
なお、図6においては、変圧器602の1次側に対して、2次側と3次側とに二つ(n2、n3)に分かれている。したがって、上アーム(104up、104vp、104wp)から下アーム(104un、104uv、104wn)に直接、流れる経路が存在しない。
すなわち、上アームから下アームを循環するスイッチングリブル電流がなく、ノイズの少ない直流電力(電圧)を直流装置103に供給できるという効果がある。
≪第6実施形態≫
本発明の第6実施形態に係る電力変換装置ついて以下に説明する。
図7は、本発明の第6実施形態に係る電力変換装置が備えるハーフブリッジ形ダブルセル706の回路構成例を示す図である。
また、図8は、本発明の第6実施形態に係る電力変換装置801の回路構成例を示すとともに、交流系統100との接続を示す図である。
なお、第6実施形態の電力変換装置801は、例えばSTATCOM(Static Synchronous Compensator:静止形無効電力補償装置)として機能する回路である。すなわち、電力変換装置801は、交流系統100に等価的に無効電力を供給し、交流系統100の力率の改善と、電圧の調整を行う機能を有するものである。
まず、図7を参照して、ハーフブリッジ形ダブルセル(ダブルセル)706の構成を説明する。その後、図8を参照して、第6実施形態の電力変換装置の全体構成を説明する。
<ハーフブリッジ形ダブルセル>
図7において、ハーフブリッジ形ダブルセル(ダブルセル)706は、2つのハーフブリッジ709x、709yのそれぞれの直列接続したコンデンサ(<203x1,203x2>、<203y1、203y2>)の中点を互いに接続した構成である。
ハーフブリッジ形ダブルセル706は、ハーフブリッジ709x(第1のハーフブリッジ)、ハーフブリッジ709y(第2のハーフブリッジ)と、電力供給手段204x(第1の電力供給手段)、電力供給手段204y(第2の電力供給手段)と、逆流防止ダイオード205x(第1の逆流防止ダイオード)、逆流防止ダイオード205y(第2の逆流防止ダイオード)と、電圧検出手段206x1(第1の電圧検出手段)、電圧検出手段206x2(第2の電圧検出手段)、電圧検出手段206y1(第3の電圧検出手段)、電圧検出手段206y2(第4の電圧検出手段)と、ダブルセル制御手段718とを備えて構成されている。
また、ハーフブリッジ形ダブルセル706は、2つの単位変換器(セル)を備えている。すなわち、ハーフブリッジ709xと、電力供給手段204xと、逆流防止ダイオード205xと、電圧検出手段206x1、206x2とで、一つの単位変換器(第1の単位変換器)を構成している。
また、ハーフブリッジ709yと、電力供給手段204yと、逆流防止ダイオード205yと、電圧検出手段206y1、206y2とで、もう一つの単位変換器(第2の単位変換器)を構成している。
《ハーフブリッジ》
ハーフブリッジ709xは、それぞれエミッタとカソードで直列に接続されたIGBT201xp(第1のオン・オフ制御デバイス)、IGBT201xn(第2のオン・オフ制御デバイス)と、それぞれの一端で直列に接続されたコンデンサ203x1(第1のコンデンサ)、コンデンサ203x2(第2のコンデンサ)と、IGBT201xp、IGBT201xnにそれぞれ逆並列に接続された還流ダイオード202xp、202xnと、機械スイッチ207xと、を備えて構成されている。
なお、IGBT201xpのカソードとコンデンサ203x1の他端は接続され、IGBT201xnのエミッタとコンデンサ203x2の他端は接続されている。
また、機械スイッチ207x(第1の機械スイッチ)は、IGBT201xp、IGBT201xnの接続点と、コンデンサ203x1、コンデンサ203x2の接続点との間に設けられている。
ハーフブリッジ709yは、それぞれエミッタとカソードで直列に接続されたIGBT201yp(第3のオン・オフ制御デバイス)、IGBT201yn(第4のオン・オフ制御デバイス)と、それぞれの一端で直列に接続されたコンデンサ203y1(第3のコンデンサ)、コンデンサ203y2(第4のコンデンサ)と、IGBT201yp、IGBT201ynにそれぞれ逆並列に接続された還流ダイオード202yp、202ynと、機械スイッチ207yと、を備えて構成されている。
なお、IGBT201ypのカソードとコンデンサ203y1の他端は接続され、IGBT201ynのエミッタとコンデンサ203y2の他端は接続されている。
また、機械スイッチ207y(第2の機械スイッチ)は、IGBT201yp、IGBT201ynの接続点と、コンデンサ203y1、コンデンサ203y2の接続点との間に設けられている。
ハーフブリッジ709xのIGBT201xpのエミッタとIGBT201xnのカソードとの接続点がハーフブリッジ形ダブルセル706の一方の出力端子706pとなっている。
ハーフブリッジ509yのIGBT201ypのエミッタとIGBT201ynのカソードとの接続点がハーフブリッジ形ダブルセル706の他方の出力端子706nとなっている。
また、コンデンサ203x1、コンデンサ203x2との接続点と、コンデンサ203y1、コンデンサ203y2との接続点とが、接続されてm点となっている。
ハーフブリッジ709xは、IGBT201xpとIGBT201xnとをオン・オフして出力端子706pとコンデンサ203xとの間で電荷のやり取りをすることによって、等価的に種々の電気的特性を生成する。
同様に、ハーフブリッジ709yは、IGBT201ypとIGBT201ynとをオン・オフして出力端子706nとコンデンサ203yとの間で電荷のやり取りをすることによって、等価的に種々の電気的特性を生成する。
ハーフブリッジ709xとハーフブリッジ709yは、m点を共有化しているので、IGBT201xp、IGBT201xn、IGBT201yp、IGBT201ynを、オン・オフして出力端子706p、出力端子706nと、コンデンサ203x1、203x2、コンデンサ203y1、203y2との間で電荷のやり取りをすることによって、等価的に種々の電気的特性を生成する。
なお、ハーフブリッジ709x、709yを特に区別する必要がない場合、適宜、単に「ハーフブリッジ709」と表記する。
また、オン・オフ制御デバイスであるIGBT201xnのコレクタ・エミッタ間電圧をVxjkと表記する。
また、IGBT201ypのコレクタ・エミッタ間電圧をVyjkと表記する。これは、y点を基準としたm点の電圧をVyjkと表記することでもある。
ただし、添え字jは、ハーフブリッジ形ダブルセル706が属するアームを表わしておりj=up、un、vp、vn、wp、wnである。また、添え字kは、前記アームにおけるハーフブリッジ形ダブルセル706の順番を示し、k=1、2、・・・、Nである。
また、ハーフブリッジ形ダブルセル706の出力電圧である出力端子706pと出力端子706n間の電圧Vjkは、VxjkとVyjkの和である。
なお、ハーフブリッジ709xとハーフブリッジ709yとで共有するm点は、ダブルセル制御手段718の筺体電位FGjk(FG:Frame Ground、jはアーム位置、kはハーフブリッジ形ダブルセルの順番)となっている。
図7に示したハーフブリッジ形ダブルセル706は、図8に示した電力変換装置801おける各ハーフブリッジ形ダブルセル706のすべてに用いられる。
このとき、各ハーフブリッジ形ダブルセル706のm点の電位、すなわち筺体電位FGjkは、ハーフブリッジ形ダブルセル706が電力変換装置801のどの位置(j,k)に配置されるかによって、異なる。そのため、j,kを添え字として筺体電位FGjkとして、表記している。
《機械スイッチ》
図7において、機械スイッチ207xは、ハーフブリッジ形ダブルセル706の一方の出力端子706pとm点との間をオン・オフする。
機械スイッチ207yは、ハーフブリッジ形ダブルセル706の他方の出力端子706nとm点との間をオン・オフする。
機械スイッチ207x、207yは、例えばコイルを備えた電磁接触器であり、ダブルセル制御手段718が、前記のコイルを励磁することでオンして、Vxjk、またはVyjkを短絡する。
なお、図7では、機械スイッチ207x、207yは、それぞれハーフブリッジ709x、709yの構成要素として含まれている。
《電力供給手段》
電力供給手段204xは、ハーフブリッジ709xのコンデンサ203x1の他端とコンデンサ203x2の他端とから電力を受けて、適正な電圧に変換してからダブルセル制御手段718に電力を供給する。
電力供給手段204yは、ハーフブリッジ509yのコンデンサ203y1の他端とコンデンサ203y2の他端とから電力を受けて、適正な電圧に変換してからダブルセル制御手段718に電力を供給する。
逆流防止ダイオード205xは、電力供給手段204xの出力端子に備えられている。
逆流防止ダイオード205yは、電力供給手段204yの出力端子に備えられている。
逆流防止ダイオード205x、205yを備える理由は、第1実施形態と同様であって、電力供給手段204xと電力供給手段204yの高い方の電圧を出力することと、電圧が低い方への逆流を防止するためである。
《電圧検出手段》
電圧検出手段206x1は、ハーフブリッジ709xのコンデンサ203x1の電圧を検出して、ダブルセル制御手段218にその電圧検出値を入力している。
電圧検出手段206x2は、ハーフブリッジ709xのコンデンサ203x2の電圧を検出して、ダブルセル制御手段218にその電圧検出値を入力している。
電圧検出手段206y1は、ハーフブリッジ709yのコンデンサ203y1の電圧を検出して、ダブルセル制御手段218にその電圧検出値を入力している。
電圧検出手段206y2は、ハーフブリッジ709yのコンデンサ203y2の電圧を検出して、ダブルセル制御手段718にその電圧検出値を入力している。
《ダブルセル制御手段》
ダブルセル制御手段718は、前記したように、電力供給手段204xと電力供給手段204yとから、電力(電力エネルギー)を受けて動作するための電源(エネルギー源)としている。
また、ダブルセル制御手段718は、前記したように、ハーフブリッジ709xのコンデンサ203x1、203x2の電圧検出値と、ハーフブリッジ709yのコンデンサ203y1、203y2の電圧検出値と、を入力している。
また、ダブルセル制御手段718は、中央制御手段808(図8)からの制御指示情報を制御通信線128から得ている。
また、ダブルセル制御手段718は、各IGBT201xp、201xn、201yp、201ynのゲート・エミッタ間電圧を制御することで、各IGBT201xp、201xn、201yp、201ynのオン・オフを制御する。
また、各IGBT201xp、201xn、201yp、201ynのオン・オフを、制御通信線128を介して、中央制御手段808(図8)からの制御指示情報に基づいて行う。
また、ダブルセル制御手段718は、電圧検出手段206x1、206x2、206y1、206y2を用いて検出したコンデンサ203x1、203x2、203y1、203y2の電圧VCx1、VCx2、VCy1、VCy2を、制御通信線128を介して中央制御手段808(図8)に伝送する。
また、ダブルセル制御手段718は、電圧検出手段206x1、206x2、206y1、206y2の電圧検出値によるハーフブリッジ709x、ハーフブリッジ709yが正常か否かの判断情報に基づき、または、中央制御手段808の指令に基づき、必要に応じて、機械スイッチ207x、もしくは機械スイッチ207yをオンする。
《電力供給手段204x、204yの接続について》
図7のハーフブリッジ形ダブルセル706における2つの電力供給手段204x、204yについては、エネルギー源となる入力電力をコンデンサ203x1、203x2の両端から得ていること以外は、図2Aのダブルセル106における電力供給手段204x、204yと同じであるので、重複する説明は省略する。
ただし、重要なポイントは、電力供給手段204x、204yのいずれか一つが動作を停止しても、ダブルセル制御手段718は動作を継続できるという効果があることである。
そのため、機械スイッチ207x、207yを確実にオンできて、オン・オフ制御デバイス201のひとつが故障した場合にも、機械スイッチ207で短絡して、電力変換装置801(図8)全体としては運転を継続できるという利点を有する。
《ハーフブリッジ709x、709yの接続について》
次に、本発明のもう一つの特徴である、ハーフブリッジ709x、709yの接続について説明する。
2つのハーフブリッジ709x、709yはm点を共有して接続されている。したがって、m点は2つのハーフブリッジ709x、709yの共通電位である。
例えばm点をハーフブリッジ形ダブルセル706の筺体電位FGjk(FG:Frame Ground、jはアーム位置、kはハーフブリッジ形ダブルセルの順番)に接続し、ダブルセル制御手段718もFGjkに接続すれば、ダブルセル制御手段718から各オン・オフ制御デバイス201までの電位は、コンデンサ203x1、203x2、203y1、203y2の1つ分の電位(VCx1、−VCx2、VCy1、あるいは−VCy2)にできる。
また、コンデンサ203x1、203x2、203y1、203y2のm点に対する電位は変動しないため、コンデンサ203x1、203x2、203y1、203y2に接続している電力供給手段204x、204yの電位も変動しない。
このため、電力供給手段204x、204yに印加されるコモンモードノイズを低減できるという効果が得られる。
<各オン・オフ制御デバイスのオン・オフ状態と、ハーフブリッジ形ダブルセルの出力電圧Vjkの関係>
次に、各オン・オフ制御デバイス201のオン・オフ状態と、ハーフブリッジ形ダブルセル706の出力電圧Vjkの関係について説明する。
まず、ハーフブリッジ709xの出力電圧Vxjkについて説明する。
IGBT201xpがオン、IGBT201xnがオフの場合、出力電圧Vxjkは、コンデンサ203x1の電圧VCx1と概ね等しくなる。すなわち、概ね、Vxjk=VCx1である。
IGBT201xpがオフ、IGBT201xnがオンの場合、出力電圧Vxjkは、コンデンサ203x2の電圧VCx2の逆極性の電圧と概ね等しくなる。すなわち、概ねVxjk=−VCx2である。
したがって、オン・オフ制御デバイスであるIGBT201xp、201xnを制御することで、出力電圧Vxjkを制御できる。
次に、ハーフブリッジ709yの出力電圧Vyjkについて説明する。
IGBT201ypがオン、IGBT201ynがオフの場合、出力電圧Vyjkは、コンデンサ203y1の電圧VCy1の逆極性の電圧と概ね等しくなる。すなわち、概ねVyjk=−VCy1である。
IGBT201ypがオフ、IGBT201ynがオンの場合、出力電圧Vyjkは、コンデンサ203y2の電圧VCy2と概ね等しくなる。すなわち、概ねVyjk=VCy2である。
したがって、オン・オフ制御デバイスであるIGBT201yp、201ynを制御することで、出力電圧Vyjkを制御できる。
ハーフブリッジ形ダブルセル706の出力電圧Vjkは、VxjkとVyjkの和である。
したがって、オン・オフ制御デバイスであるIGBT201xp、201xn、201yp、201ynのオン・オフ状態を制御することにより、Vjk=VCx1+VCy2、−VCx1+VCy2、−VCx2−VCy1、−VCx2+VCy2の4通りに制御できる。
ただし、VCx1=VCx2=VCy1=VCy2=VCである場合は、VC、0、−VCの3通りに制御できる。
<第6実施形態の全体の回路構成>
次に、図8を参照して、第6実施形態の全体構成を説明する。
なお、第1〜第5実施形態とは異なり、第6実施形態の電力変換装置801は交直電力変換回路ではない。
前記したように、第6実施形態の電力変換装置801は、例えばSTATCOM(Static Synchronous Compensator:静止形無効電力補償装置)として機能する回路である。すなわち、電力変換装置801は、交流系統100に等価的に無効電力を供給し、交流系統100の力率の改善と、電圧の調整を行う機能を有するものである。
図7のハーフブリッジ709x(709y)は、IGBT201xpとIGBT201xn(IGBT201ypとIGBT201yn)とをオン・オフして出力端子706p(出力端子706n)とコンデンサ203x1、203x2(コンデンサ203y1、203y2)との間で電荷のやり取りをすることによって、等価的に種々の電気的特性を生成する。
図8の電力変換装置は、図7に示した各ハーフブリッジ形ダブルセル706を統一的に所定の制御することにより、交流系統100に無効電力を生成している。
前記したように、図8は、本発明の第6実施形態に係る電力変換装置801の回路構成例を示すとともに、交流系統100との接続を示す図である。
図8に示した電力変換装置801の回路構成は、MMCC−SDBC(modular multilevel cascade converter based on single-delta bridge-cells)と呼称されるものである。図8における単位変換器(706)に、図7で説明したハーフブリッジ形ダブルセル706を用いるのが本発明の第6実施形態に係る電力変換装置801の特徴である。
なお、ハーフブリッジ形ダブルセル706は、前記したように2つの単位変換器を有していると説明したが、繰り返せば図7のハーフブリッジ形ダブルセル706を図8における単位変換器(706)に用いる。
図8において、電力変換装置801は、変圧器802と、アーム804uv、アーム804vw、アーム804wuと、3個のリアクトル805と、中央制御手段808とを備えている。
電力変換装置801は、内部に備えられた変圧器802を介して交流系統100に接続している。
変圧器802の交流系統100側は、例えばΔ結線であり、電力変換装置601に備えられたアーム104uv、104vw、104wu側は、例えばΔ結線である。
以下において、便宜上、変圧器802の交流系統100側を1次側あるいは1次巻線、変圧器802のアーム804uv、804vw、804wu側を2次側あるいは2次巻線と表記する。
アーム804uvと第1のリアクトル805は直列に接続され、この直列回路のアーム804uv側の一端は、変圧器802の2次側のV点に接続され、リアクトル805側の他端は、変圧器802の2次側のU点に接続されている。
アーム804vwと第2のリアクトル805は直列に接続され、この直列回路のアーム804vw側の一端は、変圧器802の2次側のW点に接続され、リアクトル805側の他端は、変圧器802の2次側のV点に接続されている。
アーム804wuと第3のリアクトル803は直列に接続され、この直列回路のアーム804wu側の一端は、変圧器802の2次側のU点に接続され、リアクトル805側の他端は、変圧器802の2次側のW点に接続されている。
換言すれば、電力変換装置801は。アーム804uv、804vw、804wuの各々とリアクトル805との直列回路でΔ結線を構成した回路を、変圧器802を介して交流系統100に接続した回路である。
アーム804uv、804vw、804wuは、それぞれ図7に示したハーフブリッジ形ダブルセル706の直列回路である。
また、中央制御手段808は、制御通信線128を介して、アーム804uv、804vw、804wuの各ハーフブリッジ形ダブルセル706に備えられたダブルセル制御手段718を制御する。
前記したようにダブルセル制御手段718は、ダブルセル制御手段718に備えられたIGBT201xp、201xn、201yp、201ynを中央制御手段808の制御指示情報に基づいて行う。
すなわち、中央制御手段808は、ダブルセル制御手段718を介して、すべてのIGBT201xp、201xn、201yp、201ynを統一的に制御する。
また、各ダブルセル制御手段718が取得した電圧検出手段206x1、206x2、206y1、206y2の電圧検出値は、制御通信線128を介して、中央制御手段808に集約される。
<数値解析による説明>
図8に示した第6実施形態を数値解析によって、より詳しい動作、機能の説明をする。
以下、図8の各部の電圧・電流を定義する。
各アーム804uv、804vw、804wuの出力電圧をそれぞれVuv、Vvw、Vwuと表記することにする。
また、交流系統100の各相に流れる電流をIa、Ib、Ic、各アーム804uv、804vw、804wuに流れる電流をIuv、Ivw、Iwu、変圧器802のU、V、W点に流れる電流をそれぞれIu、Iv、Iwと表記することにする。
以下、交流系統100と電力変換装置801の電力授受について説明する。
変圧器802の2次側のU、V相に着目すると、電流Iuvは、次に示す(7)式に従う。ただし、mは変圧器802の変圧比、Lはリアクトル805のインダクタンスである。
VSa−VSb=m{L×(d/dt)Iuv+Vuv} ・・・(7)
同様に、変圧器802の2次側のW、U相に着目すると、電流Iwuは、次に示す(8)式に従う。
VSc−VSa=m{L×(d/dt)Iwu+Vwu} ・・・(8)
(7)、(8)式より、出力電圧Vuvを制御することで電流Iuvを制御でき、また出力電圧Vwuを制御することで電流Iwuを制御できることが分かる。
ここで、変圧器802の2次側のU点に流れる電流Iuは、
Iu=Iuv−Iwu
である。したがって、電流Iuv、Iwuを制御することで、電流Iuを制御できる。
また、変圧器802の1次側のA相の電流Iaは、変圧器802の変圧比をmとすれば、
Ia=Iu/m
である。したがって、電流Iuを制御できれば、電流Iaを制御できる。
以上より、アーム804uvとアーム804wuの出力電圧Vuv、Vwuを制御することで、電流Iaを制御できる。
電流Iaの振幅と位相を制御すれば、交流系統100と電力変換装置801が授受する電力を制御できる。
以上では、変圧器802の1次側のA相に着目して説明したが、B、C相についても同様に制御可能である。
<第6実施形態の効果>
図8に示した第6実施形態は、前記したように、無効電力補償装置(STATCOM)として機能する回路であるが、図7に示すハーフブリッジ形ダブルセル706を用いることによって、電力変換装置の第1実施形態と同様に、1つの単位変換器の故障時にも、ダブルセル制御手段718(図7)の動作を継続できるという効果を得られる。
したがって、無効電力補償装置として動作の信頼性が向上する効果がある。
≪第7実施形態≫
本発明の第7実施形態に係る電力変換装置ついて以下に説明する。
図9は、本発明の第7実施形態に係る電力変換装置が備える2つの単位変換器(911、912)によるセル群の回路構成例とそれら単位変換器の関連を示す図である。
なお、図9に示す2つの単位変換器によるセル群を備える電力変換装置の回路構成は、図1の回路を準用するものとする。すなわち、電力変換装置としては図1の回路構成であって、図1のダブルセル106の箇所に図9に示した回路を用いるものである。
図9のセル群の回路構成は、単位変換器911と単位変換器912とセル制御手段928とを備えて構成されている。
単位変換器911は、双方向チョッパ909xと、電力供給手段204xと、逆流防止ダイオード205xと、電圧検出手段206xとを備えて構成されている。
また、単位変換器912は、双方向チョッパ909yと、電力供給手段204yと、逆流防止ダイオード205yと、電圧検出手段206yとを備えて構成されている。
単位変換器911と単位変換器912とは、同一の構成である。
双方向チョッパ909xは、それぞれエミッタとカソードで直列に接続されたIGBT(オン・オフ制御デバイス)201xp、IGBT201xnと、この接続点と反対側のIGBT201xpのカソードとIGBT201xnのエミッタとの間に接続されたコンデンサ(エネルギー貯蔵素子)203xと、IGBT201xp、IGBT201xnにそれぞれ逆並列に接続された還流ダイオード202xp、202xnと、IGBT201xnのエミッタとカソード間に接続された機械スイッチ207xと、を備えて構成されている。
なお、IGBT201xnのカソードとエミッタに、それぞれ出力端子911p、911nを有している。
双方向チョッパ909yは、それぞれエミッタとカソードで直列に接続されたIGBT201yp、IGBT201ynと、この接続点と反対側のIGBT201ypのカソードとIGBT201ynのエミッタとの間に接続されたコンデンサ203yと、IGBT201yp、IGBT201ynにそれぞれ逆並列に接続された還流ダイオード202yp、202ynと、IGBT201ynのエミッタとカソード間に接続された機械スイッチ207yと、を備えて構成されている。
なお、IGBT201ynのカソードとエミッタに、それぞれ出力端子912p、912nを有している。
また、双方向チョッパ909xの出力端子911nと双方向チョッパ909yの出力端子912pとは接続されている。この接続により、2個の単位変換器911、912の出力端子は直列に接続される。
また、双方向チョッパ909xの出力端子911pと双方向チョッパ909yの出力端子912nが、図1におけるダブルセル106の2本の出力端子に相当する。
第7実施形態の図9における電力供給手段204x、204yと電圧検出手段206x、206yは、第1実施形態の図1における電力供給手段204x、204y、電圧検出手段206x、206yと、それぞれ同じ構成、機能であるので重複する説明は省略する。
セル制御手段928は、双方向チョッパ909xにおけるIGBT201xp、201xnと、機械スイッチ207x、および双方向チョッパ909yにおけるIGBT201yp、201ynと、機械スイッチ207yのそれぞれのオン・オフを制御している。
また、セル制御手段928には、電力供給手段204xの出力電圧Vpsxと、電力供給手段204yの出力電圧Vpsyが、それぞれ逆流防止ダイオード205xと逆流防止ダイオード205yを介して、並列接続され出力電圧Vpsとして、入力している。
また、セル制御手段928には、電圧検出手段206x、206yが、それぞれ検出した双方向チョッパ909xのコンデンサ203xの電圧検出値と、双方向チョッパ909yのコンデンサ203yの電圧検出値とを入力している。
また、セル制御手段928は、中央制御手段108(図1)に制御通信線128を介して、前記の電圧検出値を送る。また、セル制御手段928は、中央制御手段108(図1)から双方向チョッパ909x、909yにおけるIGBT201xp、201xn、201yp、201ynのオン・オフの制御指示情報を、制御通信線128を介して、得ている。
以上の第7実施形態である図9の単位変換器911と単位変換器912によるセル群の回路構成は、第1実施形態の図2Aに示したダブルセル106の構成とは、主に次の点に相違がある。すなわち、共通電位をとっていないこと、および単位変換器911と単位変換器912が同一の回路構成であることである。
このように、第1実施形態の図2Aと異なる第7実施形態の図9の回路構成でも、セル制御手段928の電源確保に有効であること、およびオン・オフ制御デバイスであるIGBT201xp、201xn、201yp、201ynの制御によって、単位変換器911の出力電圧Vxjkと、単位変換器912の出力電圧Vyj(k+1)の制御が可能であることを次に説明する。
なお、図9の回路構成においては、2個の単位変換器911と単位変換器912があるという意味で単位変換器911にはアームにおける単位変換器の位置をk番目とし、単位変換器912にはアームにおける単位変換器の位置を(k+1)番目としている。
そのため、前記のように、単位変換器911の出力電圧Vxjkに対して、単位変換器912の出力を出力電圧Vyj(k+1)として、異なるアームにおける単位変換器の位置の番号を割り当てた表記となっている。
《電力供給手段204x、204yの接続》
図9において、前記したように、電力供給手段204xの出力の電圧Vpsxと電力供給手段204yの出力の電圧Vpsyは、それぞれ逆流防止ダイオード205xと、逆流防止ダイオード205yとを介して突き合わされ(並列に接続され)、電圧Vpsを得る。
すなわち、電圧Vpsは電圧Vpsxと電圧Vpsyのうち高い方の電圧となる。電圧Vpsは、セル制御手段928に自給の電源電圧として供給される。
例えば、電力供給手段204xが故障、あるいは、コンデンサ203xが放電し、電圧が零となると、電力供給手段204xは、動作を停止し、Vpsxは零となる。
しかし、電力供給手段204yが正常であれば、セル制御手段928の電源電圧Vpsは,Vps=Vpsyに維持できるため、セル制御手段928は動作を継続できる。
また、逆に電力供給手段204yが故障、あるいはコンデンサ203yが放電し、電圧が零となった場合も同様に、電力供給手段204xが正常であれば、Vps=Vpsxに維持できる。
したがって、本発明の第7実施形態では、1つの電力供給手段204(204x、204y)が動作を停止しても、セル制御手段928は動作を継続できるという効果を得られる。
すなわち、電力供給手段204x、204yのいずれかが停止しても、セル制御手段928に電源を供給できるので、機械スイッチ207x、207yを確実にオンできる(コイルを励磁できる)という効果が得られる。
そのため、図9に示した2個の単位変換器をアームに用いた電力変換装置101(図1)は、例えば、図9における1つのオン・オフ制御デバイスが故障した場合には、該オン・オフ制御デバイスを含む双方向チョッパ909x、909yのいずれかを、機械スイッチ207x、機械スイッチ207yのいずれかで短絡して、電力変換装置101(図1)の全体としては運転を継続できるという利点を有する。
《双方向チョッパの出力電圧》
以下、各オン・オフ制御デバイスであるIGBT201xp、201xnのオン・オフ状態と、双方向チョッパ909xの出力電圧Vxjkの関係を説明する。
なお、IGBT201xnのコレクタ・エミッタ間電圧をVxjkと表記する。
また、IGBT201ynのコレクタ・エミッタ間電圧をVxj(k+1)と表記する。
また、コンデンサ203xの両端の電圧をVCjkと表記する。
また、コンデンサ203yの両端の電圧をVCj(k+1)と表記する。
以上において、添え字jは、単位変換器(911、912)が属するアームを表わしておりj=up、un、vp、vn、wp、wnである。また、添え字kは、該アームにおける該単位変換器の順番を示し、k=1、2、・・・、Nである。
図9において、IGBT201xpがオン、IGBT201xnがオフの場合、Vxjkはコンデンサ203xの電圧VCjkと概ね等しくなる。すなわち、概ねVxjk=VCjkである。
また、IGBT201xpがオフ、IGBT201xnがオンの場合、Vxjkは概ね零となる。すなわち、概ねVxjk=0である。
したがって、IGBT201xp、201xnを制御することで、Vxjkを制御できる。
同様に、図9において、IGBT201ypがオン、IGBT201ynがオフの場合、Vyj(k+1)はコンデンサ203yの電圧VCj(k+1)と概ね等しくなる。すなわち、概ねVyj(k+1)=VCj(k+1)である。
また、IGBT201ypがオフ、IGBT201ynがオンの場合、Vyj(k+1)は概ね零となる。すなわち、概ねVyj(k+1)=0である。
したがって、IGBT201yp、201ynを制御することで、Vyj(k+1)を制御できる。
すなわち、図1において、ダブルセル106の箇所に、図9に示した2個の単位変換器911と単位変換器912とセル制御手段928とによる回路を用いて、図1の中央制御手段108で、図9のセル制御手段928をそれぞれ制御すれば、ある単位変換器が故障した場合においても、他の健全な単位変換器が、該故障した単位変換器の出力電圧を分担して肩代わりすることによって、電力変換装置(MMC)全体としての運転を継続できるという効果がある。
また、一つの電力供給手段204(204x、204y)が動作を停止しても、セル制御手段928は動作を継続できるので、信頼性が高いという効果がある。
なお、電力変換装置(101)としては、図1の回路構成で説明をしたが、図3、図4、図5、図6の回路構成に、図9に示した2個の単位変換器911と単位変換器912とセル制御手段928とによる回路を適用してもよい。
≪第8実施形態≫
本発明の第8実施形態に係る電力変換装置ついて以下に説明する。
図10は、本発明の第7実施形態に係る電力変換装置が備える3つの単位変換器(911、912、913)によるセル群の回路構成例とそれら単位変換器の関連を示す図である。
なお、図10に示す3つの単位変換器によるセル群を備える電力変換装置の回路構成は、図1の回路を準用するものとする。
図10において、図9に示した2個の単位変換器911、912に対して、さらに単位変換器913を備えたものである。
単位変換器913は、双方向チョッパ909zと、電力供給手段204zと、逆流防止ダイオード205zと、電圧検出手段206zとを備えて構成されている。
単位変換器913の回路構成は、単位変換器911、あるいは、単位変換器912と同じ構成である。
また、双方向チョッパ909xの出力端子911nと双方向チョッパ909yの出力端子912pとは接続されている。双方向チョッパ909yの出力端子912nと双方向チョッパ909zの出力端子913pとは接続されている。この接続により、3個の単位変換器911、912、913の出力端子は直列に接続される。
また、双方向チョッパ909xの出力端子911pと双方向チョッパ909zの出力端子913nが、図1におけるダブルセル106の2本の出力端子に相当する。
第8実施形態の図10における電力供給手段204zと電圧検出手段206zは、第7実施形態の図10における電力供給手段204x、204y、電圧検出手段206x、206yと、それぞれ同じ構成、機能であるので重複する説明は省略する。
セル制御手段938は、双方向チョッパ909x、909yと同様に、双方向チョッパ909zにおけるIGBT201zp、201znと、機械スイッチ207zのオン・オフを制御している。
また、セル制御手段938には、電力供給手段204zの出力電圧Vpszが、電力供給手段204xの出力電圧Vpsxと、電力供給手段204yの出力電圧Vpsyとともに、それぞれ逆流防止ダイオード205zとダイオード205xとダイオード205yを介して、並列接続され出力電圧Vpsとして、入力している。
また、セル制御手段938には、電圧検出手段206zが、検出した双方向チョッパ909zのコンデンサ203zの電圧検出値を入力している。
以上の構成により、本発明の第8実施形態では、1つの電力供給手段204(204x、204y、204z)が動作を停止しても、セル制御手段938は動作を継続できるという効果を得られる。
すなわち、電力供給手段204x、204y、204zのいずれかが停止しても、セル制御手段938に電源を供給できるので、機械スイッチ207x、207y、207zを確実にオンできる(コイルを励磁できる)という効果が得られる。
そのため、図10に示した3個の単位変換器をアームに用いた電力変換装置101(図1)は、例えば、図10における1つのオン・オフ制御デバイスが故障した場合には、該オン・オフ制御デバイスを含む双方向チョッパ209x、209y、209zのいずれかを、機械スイッチ207x、207y、207zのいずれかで短絡して、電力変換装置101(図1)の全体としては運転を継続できるという利点を有する。
前記の第7実施形態においては2個の単位変換器が2個の電力供給手段204x、204yがセル制御手段928に電源電力を供給しているのに対し、この第8実施形態においては、3個の単位変換器が3個の電力供給手段204x、204y、204zがセル制御手段938に電源電力を供給している。
したがって、3個の電力供給手段204x、204y、204zからセル制御手段938に電源電力を供給される第8実施形態の方が、第7実施形態よりも、電力供給手段に関連する異常に対しては、より信頼性が高い。
≪その他の実施形態≫
以上、本発明は、前記した実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
以下に、その他の実施形態や変形例について、さらに説明する。
《交流系統100への接続》
第1実施形態では、図1に示したように、交流系統100と電力変換装置101が直接接続しているが、交流系統100と電力変換装置101の間に変圧器を設けても、第1実施形態で説明した同様の効果を得られる。
また、逆に第6実施形態では、図8に示したように、変圧器802を介して交流系統100に接続しているが、変圧器802を用いることなく、各アーム804uv、804vw、804wvとリアクトル805の直列回路が、直接に交流系統100に接続する場合にも、第6実施形態で説明した同様の効果が得られる。
《ハーフブリッジの組数について》
図8に示した第6実施形態において、ハーフブリッジ形ダブルセル706(図7)の構成を2つのハーフブリッジ709x、709yの組としたが、これに限定されない。
3つ以上のハーフブリッジ709を1組とする場合にも、本発明の効果を得ることができる。
《双方向チョッパの組数について》
図1に示した第1実施形態、図3に示した第2実施形態、および図6に示した第5実施形態において、ダブルセル106の構成を2つの双方向チョッパ209x、209yの組としたが、これに限定されない。
3つ以上の双方向チョッパ209を1組とする場合にも、本発明の効果を得ることができる。
《セル群を構成する単位変換器の個数》
第7実施形態の図9においては、単位変換器が2個、第8実施形態の図10においては、単位変換器が3個でセル群を構成する回路例を示したが、これらの単位変換器の個数に限定されない。単位変換器が4個以上で構成してもよい。構成する単位変換器の数が大きい程、一つの電力供給手段の故障に対する信頼性は向上する。
また、図9、図10のセル群を構成する単位変換器の個数は、必ずしも同一の個数に限定されない。単位変換器が2個で構成されたセル群と、単位変換器が3個で構成されたセル群が混在してもよい。この場合には、アームにおいて単位変換器の数が奇数や素数を含めて任意の個数の場合においても、適用できて、前記した本発明の実施形態の効果と同様の効果が得られる。
《機械スイッチの配置》
第1実施形態におけるダブルセルの構成を示した図2Aでは、機械スイッチ207x、207yは、双方向チョッパ209x、209yには含まれていない。
一方、第7実施形態における2個の単位変換器の構成を示した図9では、機械スイッチ207x、207yは、双方向チョッパ909x、909yに含まれて配置されている。
すなわち、機械スイッチが双方向チョッパに含まれているか、独立しているかは本質的な問題ではない。
そのため、図2Aでは、機械スイッチ207x、207yを、双方向チョッパ209x、209yにそれぞれ含まれている回路構成も可能である。
また、図9において、機械スイッチ207x、207yを、双方向チョッパ909x、909yから除いて、独立させた回路構成も可能である。
《オン・オフ制御デバイス、エネルギー貯蔵素子》
第1実施形態において、オン・オフ制御デバイス(スイッチング素子)としてIGBTで説明したが、IGBTに限定されない。例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、スーパージャンクションMOSFET、バイポーラトランジスタ、BiCMOS(バイポーラCMOS)、サイリスタ、GTO(Gate Turn-Off thyristor)、GCT(Gate Commutated Turn-off thyristor)等のスイッチング素子でもよい。
また、エネルギー貯蔵素子として単にコンデンサとして説明したが、各種のコンデンサ、および等価の機能を有する素子であればよい。
第2実施形態を示した図3において、変圧器302の2次側の巻線を千鳥結線の場合について説明したが、変圧器302の2次側の巻線をY結線とした場合についても、ダルセル106(図2A)を用いる効果のある電力変換装置となる。
すなわち、図3において、変圧器302の2次側の巻線をY結線とした回路図の構成の電力変換装置も有効である。
同様に、第3実施形態として示した図4の変圧器402の2次側をY結線とした場合についても、ダルセル106(図2A)を用いる効果のある電力変換装置となる。
また、同様に、第4実施形態として示した図5の変圧器502の2次側をY結線とした場合についても、ダルセル106(図2A)を用いる効果のある電力変換装置となる。
《ハーフブリッジ形ダブルセルの他の装置への応用》
第6実施形態では、図8に示したMMCC−SDBC(modular multilevel cascade converter based on single-delta bridge-cells)の装置の単位変換器をハーフブリッジ形ダブルセル706とした場合を説明した。
しかし、単位変換器をハーフブリッジ形ダブルセル706とするのは、前記のMMCC−SDBC(3つのアームをΔ結線)に限定されない。
3つのアームをY結線しているMMCC−SSBC(modular multilevel cascade converter based on single-star bridge-cells)の単位変換器をハーフブリッジ形ダブルセル706とした場合にも、本発明の効果を得られる。
《交流の相数》
図1、図3、図4の電力変換装置は、三相交流を直流に電力変換している回路構成であるが、三相に限定されない。すなわち、単相(一相)でも二相でもよい。また、四相以上でもよい。
100 交流系統
101、301、401、501、601、801 電力変換装置
103 直流装置
104、104u、104v、104w、104up、104un、104vp、104vn、104wp、104wn、804uv、804vw、804wu アーム
105、805 リアクトル、バッファリアクトル
106 ダブルセル
108、308、408、508、608、808 中央制御手段
128 制御通信線
201、201xp、201xn、201yp、201yn、201zp、201zn、1005 IGBT、オン・オフ制御デバイス
202xp、202xn、202yp、202yn、202zp、202zn 環流ダイオード
203、203x、203y、203x1、203x2、203y1、203y2、203z、1003、1007 コンデンサ(エネルギー貯蔵素子)
204、204x、204y、204z 電力供給手段
205、205x、205y、205z 逆流防止ダイオード
206x、206y、206x1、206x2、206y1、206y2、206z 電圧検出手段
207x、207y、207z 機械スイッチ
218、718 ダブルセル制御手段
209、209x、209y、909x、909y、909z 双方向チョッパ(単位変換器)
302、402、502、602、802、1006 変圧器
706 ハーフブリッジ形ダブルセル、ダブルセル
709x、709y ハーフブリッジ
911、912、913 単位変換器
928、938 セル制御手段
1001 抵抗
1002 ツェナーダイオード
1004a、1004b ダイオード

Claims (15)

  1. オン・オフ制御デバイスとエネルギー貯蔵素子を有する単位変換器を少なくとも2つ以上直列接続したアームと、
    前記2つ以上の単位変換器がそれぞれの前記エネルギー貯蔵素子から制御用電力を得る2つ以上の電力供給手段と、
    を備え、
    前記2つ以上の電力供給手段のそれぞれの出力端子がそれぞれのダイオードを介して並列に接続されている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1において、
    前記2つ以上の単位変換器がそれぞれ生成する所定の共通電位を共有して接続され、
    前記オン・オフ制御デバイスのオン・オフに関わらず、前記エネルギー貯蔵素子の少なくとも1端子の電位が前記共通電位を基準として安定している
    ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記エネルギー貯蔵素子がコンデンサである
    ことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項3において、
    前記2つ以上の単位変換器が双方向チョッパを備えて構成され、
    前記2つ以上の双方向チョッパに具備される前記コンデンサの少なくとも1端子が互いに電気的に接続されている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項3において、
    前記2つ以上の単位変換器がハーフブリッジを備えて構成され、
    前記2つ以上のハーフブリッジに具備される前記コンデンサの少なくとも1端子が互いに電気的に接続されている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項4において、
    前記アームを6つ備えて構成され、
    当該の各アームに少なくとも1つのリアクトルを直列接続された回路が三相ブリッジ状に接続されている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項4において、
    第1、第2の巻線を有する変圧器と、
    3つの前記アームと、
    を備え、
    前記変圧器の第1の巻線に交流系統あるいは交流負荷が接続され、
    前記変圧器の第2の巻線は千鳥結線で構成され、
    前記3つのアームの一端を前記変圧器の第2の巻線の千鳥結線の各端子にそれぞれ接続され、前記3つのアームの他端を第1の直流端子に接続され、
    前記千鳥結線の中性点が第2の直流端子に接続される
    ことを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項4において、
    第1、第2の巻線を有する変圧器と、
    3つの正側の前記アームと、3つの負側の前記アームと、
    を備え、
    前記変圧器の第1の巻線に交流系統あるいは交流負荷が接続され、
    前記変圧器の第2の巻線は千鳥結線で構成され、
    前記3つの正側のアームの一端を前記変圧器の第2の巻線の正側の千鳥結線の各端子にそれぞれ接続され、前記3つの正側のアームの他端を第1の直流端子に接続され、
    前記3つの負側のアームの一端を前記変圧器の第2の巻線の負側の千鳥結線の各端子にそれぞれ接続され、前記3つの負側のアームの他端を第2の直流端子に接続される
    ことを特徴とする電力変換装置。
  9. 請求項4に記載の電力変換装置であって、
    第1、第2、第3の巻線を有する変圧器と、
    6つの前記アームと、
    を備え、
    前記変圧器の第1の巻線に交流系統あるいは交流負荷が接続され、
    前記変圧器の第2、第3の巻線はそれぞれY結線で構成され、該Y結線の中性点が互いに接続され、
    前記6つのアームの内の3つのアームの一端を前記変圧器の第2の巻線のY結線の各端子にそれぞれ接続され、前記3つのアームの他端を第1の直流端子に接続され、
    前記6つのアームの内の他の3つのアームの一端を前記変圧器の第3の巻線のY結線の各端子にそれぞれ接続され、前記他の3つのアームの他端を第2の直流端子に接続される
    ことを特徴とする電力変換装置。
  10. 請求項5に記載の電力変換装置であって、
    3つの前記アームを備え、
    該3つのアームをΔ結線またはY結線の構成にして、
    前記Δ結線またはY結線の各端子が交流系統に接続される
    ことを特徴とする電力変換装置。
  11. 請求項5に記載の電力変換装置であって、
    第1、第2の巻線を有する変圧器と、
    3つの前記アームにリアクトルをそれぞれ直列に接続された3つの直列回路と、
    を備え、
    前記3つの直列回路をΔ結線の構成にして、該Δ結線の各端子が前記変圧器の第2の巻線に接続され、
    前記変圧器の第1の巻線の各端子が交流系統に接続される
    ことを特徴とする電力変換装置。
  12. 請求項5に記載の電力変換装置であって、
    第1、第2の巻線を有する変圧器と、
    3つの前記アームと、
    を備え、
    前記3つのアームをY結線の構成にして、該Y結線の各端子が前記変圧器の第2の巻線に接続され、
    前記変圧器の第1の巻線の各端子が交流系統に接続される
    ことを特徴とする電力変換装置。
  13. 直列に接続された第1、第2のオン・オフ制御デバイスと該第1、第2のオン・オフ制御デバイスの直列回路の両端に接続された第1のコンデンサとを有する第1の双方向チョッパと、
    前記第1のコンデンサから電力を受けて所定の電圧に変換して出力する第1の電力供給手段と、
    前記第2のオン・オフ制御デバイスの両端を短絡する第1の機械スイッチと、
    前記第1の電力供給手段の出力端子に接続された第1の逆流防止ダイオードと、
    前記第1のコンデンサの両端の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、
    を具備する第1の単位変換器と、
    直列に接続された第3、第4のオン・オフ制御デバイスと該第3、第4のオン・オフ制御デバイスの直列回路の両端に接続された第2のコンデンサとを有する第2の双方向チョッパと、
    前記第2のコンデンサから電力を受けて所定の電圧に変換して出力する第2の電力供給手段と、
    前記第3のオン・オフ制御デバイスの両端を短絡する第2の機械スイッチと、
    前記第2の電力供給手段の出力端子に接続された第2の逆流防止ダイオードと、
    前記第2のコンデンサの両端の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、
    を具備する第2の単位変換器と、
    前記第1、第2、第3、第4のオン・オフ制御デバイス、および前記第1、第2の機械スイッチのオン・オフを制御するダブルセル制御手段と、
    を備え、
    前記第1のコンデンサの一端と前記第2のコンデンサの一端とが共有点として接続され、
    前記第1の電力供給手段の出力端子と前記第2の電力供給手段の出力端子とが前記第1の逆流防止ダイオードと前記第2の逆流防止ダイオードとを介して並列に接続されて、前記ダブルセル制御手段の電源端子に接続され、
    前記第1、第2の電圧検出手段のそれぞれの電圧検出値が前記ダブルセル制御手段に入力され、
    前記第1、第2のオン・オフ制御デバイスの接続点と、前記第2、第3のオン・オフ制御デバイスの接続点とが出力端子となる
    ことを特徴とするダブルセル。
  14. 直列に接続された第1、第2のオン・オフ制御デバイスと該第1、第2のオン・オフ制御デバイスの直列回路の両端に接続された第1、第2のコンデンサの直列回路と前記第1、第2のオン・オフ制御デバイスの接続点と前記第1、第2のコンデンサの接続点との間に接続された第1の機械スイッチとを有する第1のハーフブリッジと、
    前記第1、第2のコンデンサの直列回路の両端から電力を受けて所定の電圧に変換して出力する第1の電力供給手段と、
    該第1の電力供給手段の出力端子に接続された第1の逆流防止ダイオードと、
    前記第1のコンデンサの両端の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、
    前記第2のコンデンサの両端の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、
    を具備する第1の単位変換器と、
    直列に接続された第3、第4のオン・オフ制御デバイスと該第3、第4のオン・オフ制御デバイスの直列回路の両端に接続された第3、第4のコンデンサの直列回路と前記第3、第4のオン・オフ制御デバイスの接続点と前記第3、第4のコンデンサの接続点との間に接続された第2の機械スイッチとを有する第2のハーフブリッジと、
    前記第3、第4のコンデンサの直列回路の両端から電力を受けて所定の電圧に変換して出力する第2の電力供給手段と、
    該第2の電力供給手段の出力端子に接続された第2の逆流防止ダイオードと、
    前記第3のコンデンサの両端の電圧を検出する第3の電圧検出手段と、
    前記第4のコンデンサの両端の電圧を検出する第4の電圧検出手段と、
    を具備する第2の単位変換器と、
    前記第1、第2、第3、第4のオン・オフ制御デバイス、および前記第1、第2の機械スイッチのオン・オフを制御するダブルセル制御手段と、
    を備え、
    前記第1、第2のコンデンサの接続点と前記第3、第4のコンデンサの接続点とが共有点として接続され、
    前記第1の電力供給手段の出力端子と前記第2の電力供給手段の出力端子とが前記第1の逆流防止ダイオードと前記第2の逆流防止ダイオードとを介して並列に接続されて、前記ダブルセル制御手段の電源端子に接続され、
    前記第1、第2、第3、第4の電圧検出手段のそれぞれの電圧検出値が前記ダブルセル制御手段に入力し、
    前記第1、第2のオン・オフ制御デバイスの接続点と、前記第2、第3のオン・オフ制御デバイスの接続点とが出力端子となる
    ことを特徴とするダブルセル。
  15. 請求項13または請求項14のダブルセルを備えた電力変換装置。
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