JP2016162587A - 固体高分子形燃料電池並びに計測装置及び方法 - Google Patents

固体高分子形燃料電池並びに計測装置及び方法 Download PDF

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央輝 関澤
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朋哉 宇留賀
康裕 岩澤
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康裕 岩澤
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Abstract

【課題】透過型XAFS計測及び角度分散型XRD計測を可能とする固体高分子形燃料電池並びに固体高分子形燃料電池のXAFS計測とXRD計測を高速に交互に切り替えうる様な計測装置及び方法の提供。
【解決手段】膜/電極接合体20と、接合体20の第1の側の、貫通孔17a、17bが形成された第1の流路板17と、接合体20の第2の側の、貫通孔18a、18bが形成された第2の流路板18と、第1の流路板17に設けられ、貫通孔17a、17bを覆う第1のPEEKフィルム23と、第2の流路板18に設けられ、貫通孔18a、18bを覆う第2のPEEKフィルム24とを含み、第1の流路板17の貫通孔17a、17b及び第2の流路板18の貫通孔18a、18bは、入射されたX線が貫通孔17a、17b及び貫通孔18a、18bを通って接合体20を透過できる様に形成される固体高分子型燃料電池。
【選択図】図1

Description

この発明は、固体高分子形燃料電池並びにこの固体高分子形燃料電池の計測装置及び方法に関し、詳しくは、X線を使用して固体高分子形燃料電池を計測するものに関する。
固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)の基本単位である単セルは、空気極(正極)、燃料極(負極)、固体高分子電解質膜およびガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)からなる膜/電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)と流路板から構成される。空気極および燃料極には一般にカーボンブラックなどの担体に触媒を担持したものが用いられる。ガス拡散層には一般にカーボン繊維による多孔質基材が用いられる。流路板にはガスに対して不透過な導電材料が用いられ、表面に反応ガスを流す細かい溝が形成されている。なお、以下では、固体高分子形燃料電池の単セルのことを固体高分子形電池又は燃料電池と称することもある。
発電中の固体高分子形電池に対する計測にはX線を使用することができる。燃料電池電極触媒の触媒活性のような一過性の化学反応を追跡するには、ミリ秒から分オーダーの時間スケールでX線吸収微細構造(XAFS:X-ray Absorption Fine Structure)計測を連続的に実行することが有効である。高速なXAFS計測にはクイックXAFS計測法(QXAFS:Quick scan X-ray Absorption Fine Structure)(非特許文献1を参照)とエネルギー分散型XAFS計測法(DXAFS:Energy Dispersive X-ray Absorption Fine Structure)(非特許文献2を参照)があるが、固体高分子形燃料電池のように稀薄で不均一な系ではエネルギー分散型XAFS計測法による計測は適応できないため、クイックXAFS計測法を利用した計測が行われている(非特許文献3を参照)。
固体高分子形燃料電池の時分割XAFS計測(非特許文献3を参照)ではXAFS解析から求まるPt−Pt結合やPt−O結合の配位数から結晶・非結晶領域からなる触媒粒子の結晶部分の構造について間接的に評価されてきた。一方、角度分散型X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)計測ではシェラーの式(非特許文献4を参照)から結晶子の粒径を求める手法が広く用いられており、触媒粒子表面で生ずる反応素過程において、XRD計測から直接触媒粒結晶子の粒径および面構造の時間変化を検出し、XAFS計測と相補的な情報を得ることができる。
"Quick XAFS System using Quasimonochromatic Undulator Radiation at SPring‐8", T. Uruga, H. Tanida, K. Inoue, H. Yamazaki, T. Irie, AIP Conf. Proc., 882 (2007) 914-916. "A Fast X-Ray Absorption Spectrometer for Use with Synchrotron Radiation ", T. Matsushita, R. P. Phizackerley, Jpn. J. Appl. Phys., 20, (1981) 2223-2228. "Operando Time-Resolved X-ray Absorption Fine Structure Study for Surface Events on a Pt3Co/C Cathode Catalyst in a Polymer Electrolyte Fuel Cell during Voltage-Operating Processes", N. Ishiguro, T. Saida, T. Uruga, S. Nagamatsu, O. Sekizawa, K. Nitta, T. Yamamoto, S. Ohkoshi, Y. Iwasawa, T. Yokoyama, M. Tada, ACS Catal., 2 (2012) 1319-1330. "Bestimmung der Groesse und der inneren Struktur von Kolloidteilchen mittels Roentgenstrahlen", P. Scherrer, Goettinger Nachrichten Gesell., 2 (1918) 98 -100. German. "Study of fuel cell structure and heating method: Development of JARI’s standard single cell", Y. Hashimasa, T. Numata, K. Moriya, S. Watanabe, J. Power Sources, 155 (2006) 182-189. "In Situ and Real-Time Monitoring of Oxide Growth in a Few Monolayers at Surfaces of Platinum", H. Imai, K. Izumi, M. Matsumoto, Y. Kubo, K. Kato, Y. Imai, J. Am. Chem. Soc., 131 (2009) 6293-6300.
従来のX線計測用の固体高分子形燃料電池は、一般財団法人日本自動車研究所(JARI:Japan Automobile Research Institute)標準セル(非特許文献5を参照)の据え付け板および集電板に対して、X線が垂直に透過する位置にX線透過窓が設けられている。広い角度範囲にわたって回折X線を透過させることは困難であった。
また従来の流路板の材質は、樹脂を含浸した黒鉛や金属が用いられている。これらのX線の回折や散乱が非常に大きく、JARI標準セルを利用したX線回折計測は困難である。そのため、固体高分子形燃料電池ではなく電気化学セルを利用したその場XRD計測が行われている(非特許文献6を参照)。
さらに、同じ固体高分子形燃料電池を用いた場合でも、XAFS計測時には、固体高分子形燃料電池に対する計測最適位置にXAFS検出器を置いて計測し、その後、XAFS検出器を移動し、XRD計測用の最適位置にXRD検出器を置いて計測を行っていた。そのため、どんなに急いでもXAFS計測からXRD計測に移るまで数十秒〜数分の時間間隔が生じていた。
この発明は上記の課題を解決すべく、透過型XAFS計測及び角度分散型XRD計測を可能とする固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。また、固体高分子形燃料電池のXAFS計測とXRD計測を高速に交互に切り替えることができるような計測装置及び方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、この出願に係る固体高分子形燃料電池は、X線を透過させることができる固体高分子形燃料電池であって、膜/電極接合層と、前記膜/電極接合層の第1の側に設けられ、貫通孔が形成された第1の流路層と、前記膜/電極接合層の第2の側に設けられ、貫通孔が形成された第2の流路層と、前記第1の流路層の第1の側に設けられ、前記第1の流路層の貫通孔を覆う第1のガス遮断絶縁層と、前記第2の流路層の第2の側に設けられ、前記第2の流路層の貫通孔を覆う第2のガス遮断絶縁層とを含み、前記第1の流路層の貫通孔及び前記第2の流路層の貫通孔は、入射されたX線が前記第1の流路層の貫通孔及び前記第2の流路層の貫通孔を通って前記膜/電極接合層を透過できるように形成されたものである。
前記第1の流路層の貫通孔及び前記第2の流路層の貫通孔は、入射されたX線が前記膜/電極接合層に垂直な一つの面内で前記膜/電極接合層の表面に対し所定角度以上の範囲で前記膜/電極接合層を透過できるように形成されてもよい。
前記所定角度は、10°から30°の範囲にあってもよい。前記第1のガス遮断絶縁層及び前記第2のガス遮断絶縁層は、非晶質ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyetheretherketone)フィルムによって構成されてもよい。
前記膜/電極接合層は、固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の第1の側に設けられた第1の電極触媒層及び第1のガス拡散層と、前記固体高分子電解質膜の第2の側に設けられた第2の電極触媒層及び第2のガス拡散層とを含んでもよい。
前記第1の流路層と前記第1のガス遮断絶縁層との間に第1の集電層を含み、前記第2の流路層と前記第2のガス遮断絶縁層との間に第2の集電層を含み、前記第1の集電層及び第2の集電層にはそれぞれ貫通孔が形成され、これらの貫通孔は、入射されたX線がこれらの貫通孔とともに前記第1の流路層及び前記第2の流路層に形成された貫通孔を通って前記膜/電極接合体を透過できるように形成されてもよい。
前記第1のガス遮断絶縁層の第1の側に第1のセパレーター層を含み、前記第2のガス遮断絶縁層の第2の側に第2のセパレーター層を含み、前記第1のセパレーター層及び前記第2のセパレーター層にはそれぞれ貫通孔が形成され、これらの貫通孔は、入射されたX線がこれらの貫通孔とともに前記第1の流路層及び前記第1の集電層並びに前記第2の流路層及び前記第2の集電層に形成された貫通孔を通って前記膜/電極接合体を透過できるように形成されてもよい。
前記第1のセパレーター層に形成された開口には、その長尺方向に向けて傾斜する切欠面が形成され、前記第2の側の表面に前記第2のセパレーター層に形成された開口には、その長尺方向に向けて傾斜する切欠面が形成されてもよい。前記第1のセパレーター層及び前記第2のセパレーター層に形成された切欠面は、前記膜/電極接合層の表面となす角度が10°から30°までの範囲にあってもよい。
この出願に係る計測装置は、前記固体高分子形燃料電池の計測装置であって、前記固体高分子形燃料電池に入射されるX線を所定のエネルギーに分光する分光器と、前記固体高分子形燃料電池を透過したX線を検出する第1の検出器と、前記固体高分子形燃料電池で回折されたX線を検出する第2の検出器と、前記第1の検出器に適する所定のエネルギー範囲の掃引と、前記第2の検出器に適する所定エネルギーの分光とを切り替えるように前記分光器を制御するとともに、前記第1の検出器及び前記第2の検出器の少なくとも一方を前記分光器に連動して動作するように制御する制御部とを含むものである。
前記第1の検出器は、イオンチェンバー検出器であってもよい。前記第2の検出器は、位置敏感型検出器であってもよい。
前記分光器は、前記制御部から供給された制御信号に応じて分光器結晶をサーボモーターで駆動するものであってもよい。前記分光器は、前記制御部から供給された制御信号に応じて分光器結晶をガルバノスキャナで駆動するものであってもよい。
この出願に係る計測方法は、前記計測装置を用いて固体高分子形燃料電池を計測する計測方法であって、前記制御部が前記分光器に供給する制御信号について、前記第1の検出器に適する所定のエネルギー範囲に掃引するように制御する第1の制御信号を供給する第1の期間と、前記第2の検出器に適する所定エネルギーに分光するように制御する第2の制御信号を前記分光器に制御する第2の期間とを含むものである。
この発明の固体高分子形燃料電池によると、透過型XAFS計測及び角度分散型XRD計測が可能になる。また、この発明の計測装置及び方法によると、固体高分子形燃料電池のXAFS計測とXRD計測を高速に交互に切り替えることができる。
固体高分子形燃料電池の概略的な構成を示す分解図である。 固体高分子形燃料電池を図1のI−I面で切断した断面図である。 固体高分子形燃料電池を図1のII−II面で切断した断面図である。 固体高分子形燃料電池に入射するX線の膜/電極接合層に対する角度とX線透過長の関係を説明する模式図である。 固体高分子形燃料電池に対するX線の直入射と斜入射のXAFSを対比するグラフである 計測装置の概略的な構成を示す側面図である。 計測方法を説明するタイムチャートである。 他の計測方法を説明するタイムチャートである。
以下、この発明に係る固体高分子形燃料電池並びに計測装置及び方法について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、固体高分子形燃料電池の概略的な構成を示す分解図である。図1において、水平面内にXY軸、鉛直方向にZ軸を設定し、Y軸の正方向と負方向の側をそれぞれ第1の側と第2の側、Z軸の正方向と負方向の側をそれぞれ上側と下側と称することにする。図2は、固体高分子形燃料電池を図1のXY面に平行なI−I面で切断した断面図である。図2(a)はこの断面図であり、図2(b)は図2(a)中の領域Aを拡大した一部拡大断面図である。図3は、固体高分子形燃料電池を図1のYZ面に平行なII−II面で切断した断面図である。図3(a)はこの断面図であり、図3(b)は図3(a)中の領域Bを拡大した一部拡大断面図である。
本実施の形態の固体高分子形燃料電池10は、固体高分子電解質層を構成する固体高分子電解質膜11を含んでいる。固体高分子電解質膜11の第1の側には、所定幅を有する周縁部を除いて第1の電極触媒層31と第1のガス拡散層(gas diffusion layer:GDL)13が形成されている。また、固体高分子電解質膜11の第2の側には、第1のガス拡散層13と同様に、所定幅を有する周縁部を除いて第2の電極触媒層32と第2のガス拡散層14が形成されている。固体高分子電解質膜11、第1の電極触媒層31及び第2の電極触媒層32、第1のガス拡散層13及び第2のガス拡散層14は、膜/電極接合層をなす膜/電極接合体(MEA:membrane electrode assembly)20を構成している。
また、固体高分子形燃料電池10は、第1のガス拡散層13の第1の側に設けられた第1の流路層をなす第1の流路板17と、第2のガス拡散層14の第2の側に設けられた第2の流路層をなす第2の流路板18とを含んでいる。第1の流路板17及び第2の流路板18において流路が形成された流路領域は、所定幅を有する周縁部を除いた、第1のガス拡散層13及び第2のガス拡散層14が形成された領域に対応している。
本実施の形態では、第1の流路板17には、第1の貫通孔17aと第2の貫通孔17bが形成されている。第1の貫通孔17aと第2の貫通孔17bは、それぞれ、流路領域において、略矩形板状の第1の流路板17の上端と下端に略平行な方向を長尺方向として所定の幅で略矩形状に形成され、互いに平行になるように所定間隔にわたり離間されている。第1の貫通孔17aと第2の貫通孔17bは、長尺が29.8mmであり、短尺幅が0.5mmとすることができる。
第2の流路板18には、第1の貫通孔18aと第2の貫通孔18bが形成されている。第1の貫通孔18aと第2の貫通孔18bは、第1の流路板17の第1の貫通孔17aと第2の貫通孔17bに対応し、膜/電極接合体20挟んで対向するように設けられている。すなわち、流路領域において、略矩形板状の第2の流路板18の上端と下端に略平行な方向を長尺方向として所定の幅で略矩形状に形成され、互いに平行に所定間隔だけ離間されている。第1の貫通孔18aと第2の貫通孔18bは、第1の流路板17におけるものと同様に、長尺が29.8mmであり、短尺幅が0.5mmとすることができる。
本実施の形態では、第1の流路板17の第1の貫通孔17aと第2の流路板18の第1の貫通孔18aは、固体高分子形燃料電池10に入射するX線について、これら第1の貫通孔17a,18aの長尺方向に延びて膜/電極接合体20の表面に垂直な一つの面内において膜/電極接合体20の表面に対し10°以上の角度をなすものが、膜/電極接合体20を透過できるように形成されている。なお、この角度は、10°以上に限らず、10〜30°の範囲にある所定角度以上であってもよい。
同様に、第1の流路板17の第2の貫通孔17bと第2の流路板18の第2の貫通孔18bは、固体高分子形燃料電池10に入射するX線について、これら第2の貫通孔17b,18bの長尺方向に延びて膜/電極接合体20の表面に垂直な一つの面内において膜/電極接合体20の表面に対し10°以上の角度をなすものが、膜/電極接合体20を透過できるように形成されている。なお、この角度は、10°以上に限らず、10〜30°の範囲にある所定角度以上であってもよい。
第1のガス拡散層13と第1の流路板17の間において、第1のガス拡散層13と第1の流路板17の周縁部に相当する領域には、第1のガスケット15が設けられている。また、第2のガス拡散層14と第2の流路板18の間において、第2のガス拡散層14と第2の流路板18の周縁部に相当する領域には、第2のガスケット16が設けられている。第1のガスケット15と第2のガスケット16は、第1の流路板17と第2の流路板18の間に膜/電極接合体20を封止している。
さらに、固体高分子形燃料電池10は、第1の流路板17の第1の側に設けられた第1の集電層及び第1のガス遮断絶縁層である第1の集電板21及び第1のPEEKフィルム23を含んでいる。また、第2の流路板18の第2の側に設けられた第2の集電層及び第2のガス遮断絶縁層である第2の集電板22及び第2のPEEKフィルム24を含んでいる。
さらにまた、固体高分子形燃料電池10は、第1のPEEKフィルム23の第1の側に設けられた第1のヒーター層及び第1のセパレーター層である第1のフィルムヒーター25及び第1のセパレーター27を含んでいる。また、第2のPEEKフィルム24の第2の側に設けられた第2のヒーター層及び第2のセパレーター層である第2のフィルムヒーター26及び第2のセパレーター28を含んでいる。
本実施の形態において、第1の集電板21、第1のフィルムヒーター25及び第1のセパレーター27には、第1の流路板17の第1の貫通孔17aと第2の貫通孔17bに対応する位置に、第1の貫通孔21a、25a、27a及び第2の貫通孔21b、25b、27bがそれぞれ形成されている。これら第1の貫通孔21a、25a、27a及び第2の貫通孔21b、25b、27bは、第1の流路板17に形成された第1の貫通孔17aと第2の貫通孔17bと同様のサイズを有している。
第1のセパレーター27において、その第1の貫通孔27a及び第2の貫通孔27bが第1の側の表面に形成する開口には、その長尺方向に向けて傾斜する切欠面が形成されている。この切欠面は、前記一つの平面内において膜/電極接合体20の表面と10°の角度をなしている。なお、この角度は、10°以上に限らず、10〜30°の範囲にある所定角度以上であってもよい。
また、第2の集電板22、第2のフィルムヒーター26及び第2のセパレーター28には、第2の流路板18の第1の貫通孔18aと第2の貫通孔18bに対応する位置に、第1の貫通孔22a、26a、28a及び第2の貫通孔22b、26b、28bがそれぞれ形成されている。これら第1の貫通孔22a、26a、28a及び第2の貫通孔22b、26b、28bは、第2の流路板18に形成された第1の貫通孔18aと第2の貫通孔18bと同様のサイズを有している。
第2のセパレーター28において、その第1の貫通孔28a及び第2の貫通孔28bが第2の側の表面に形成する開口には、その長尺方向に向けて傾斜する切欠面が形成されている。この切欠面は、前記一つの平面内において膜/電極接合体20の表面と10°の角度をなしている。なお、この角度は、10°以上に限らず、10〜30°の範囲にある所定角度以上であってもよい。
本実施の形態では、第1の集電板21、第1のフィルムヒーター25及び第1のセパレーター27にそれぞれ形成された第1の貫通孔21a、25a、27aと、第2の集電板22、第2のフィルムヒーター26及び第2のセパレーター28にそれぞれ形成された第1の貫通孔22a、26a、28aは、第1の流路板17の第1の貫通孔17aと第2の流路板18の第1の貫通孔18aとともに、固体高分子形燃料電池10に入射するX線について、第1の流路板17の第1の貫通孔17a及び第2の流路板18の第1の貫通孔18aの長尺方向に延びて膜/電極接合体20の表面に垂直な一つの面内において膜/電極接合体20の表面に対し10°以上の角度をなすものが、膜/電極接合体20を透過できるように形成されている。なお、この角度は、10°以上に限らず、10〜30°の範囲にある所定角度以上であってもよい。
同様に、第1の集電板21、第1のフィルムヒーター25及び第1のセパレーター27にそれぞれ形成された第2の貫通孔21b、25b、27bと、第2の集電板22、第2のフィルムヒーター26及び第2のセパレーター28にそれぞれ形成された第2の貫通孔22b、26b、28bは、第1の流路板17の第2の貫通孔17bと第2の流路板18の第2の貫通孔18bとともに、固体高分子形燃料電池10に入射するX線について、第1の流路板17の第2の貫通孔17b及び第2の流路板18の第2の貫通孔18bの長尺方向に延びて膜/電極接合体20の表面に垂直な一つの面内において膜/電極接合体20の表面に対し10°以上の角度をなすものが、膜/電極接合体20を透過できるように形成されている。なお、この角度は、10°以上に限らず、10〜30°の範囲にある所定角度以上であってもよい。
なお、本実施の形態の固体高分子型燃料電池においては、第1のフィルムヒーター25と第2のフィルムヒーター26を備えるものとしたが、本発明はこれに限定されない。これら第1のフィルムヒーター25と第2のフィルムヒーター26に代えて、第1のセパレーター27と第2のセパレーター28の外側にそれぞれラバーヒーターを貼り付けてもよい。また、第1のセパレーター27と第2のセパレーター28にそれぞれカートリッジヒーターを差し込んでもよい。
図2を参照すると、本実施の形態の固体高分子形燃料電池においては、第1の流路板17、第1の集電板21、第1のフィルムヒーター25及び第1のセパレーター27にそれぞれ第1の貫通孔17a、21a、25a、27aが形成され、第2の流路板18、第2の集電板22、第2のフィルムヒーター26及び第2のセパレーター28にそれぞれ第1の貫通孔18a、22a、26a、28aが形成されている。また、第1のセパレーター27の第1の貫通孔27aと第2のセパレーター28の第1の貫通孔28aには所定の切欠面が形成されている。したがって、固体高分子形燃料電池10に入射するX線は、前記一つの面内において膜/電極接合体20の表面に対し10°以上の角度をなすものが、第1の貫通孔17a、21a、25a、27a及び第1の貫通孔18a、22a、26a、28aを通り、膜/電極接合体20を透過できる。
また、第1の流路板17、第1の集電板21、第1のフィルムヒーター25及び第1のセパレーター27にそれぞれ第2の貫通孔17b、21b、25b、27bが形成され、第2の流路板18、第2の集電板22、第2のフィルムヒーター26及び第2のセパレーター28にそれぞれ第2の貫通孔18b、22b、26b、28bが形成されている。また、第1のセパレーター27の第2の貫通孔27bと第2のセパレーター28の第2の貫通孔28bには所定の切欠面が形成されている。したがって、固体高分子形燃料電池10に入射するX線は、前記一つの面内において膜/電極接合体20の表面に対し10°以上の角度をなすものが、第2の貫通孔17b、21b、25b、27b及び第1の貫通孔18b、22b、26b、28bを通り、膜/電極接合体20を透過できる。
したがって、本実施の形態の固体高分子形燃料電池10は、入射角度が一定であるXAFS計測のみならず、膜/電極接合体20による回折光が広い角度範囲にわたって広がる角度分散型XRD計測にも適用することができる。すなわち、固体高分子形燃料電池10においては、一つの面内において膜/電極接合体20の表面と10°以上の角度をなす回折光は固体高分子形燃料電池10の貫通孔を通って出射される。
図3を参照すると、本実施の形態の固体高分子形燃料電池10においては、X線光路上の障害物による回折・散乱・吸収を低減するために、第1のセパレーター27と第2のセパレーター28のX線透過部はそれぞれ第1及び第2の貫通孔27a、27bと第1及び第2の貫通孔28a、28bとしている。
そして、第1のセパレーター27の第1及び第2の貫通孔27a、27bと第2のセパレーター28の第1及び第2の貫通孔28a、28bから反応ガスが固体高分子形燃料電池10外に漏れ出さないように、〜50μm厚の第1のPEEKフィルム23と第2のPEEKフィルム24を用いて覆っている。詳しくは、第1のPEEKフィルム23は、第1のセパレーター27によって第1の集電板21に密着される。また、第2のPEEKフィルム24は、第2のセパレーター28によって第2の集電板22に密着される。
ここで、PEEKは固体高分子形燃料電池の作動温度(〜100℃)において優れた耐疲労性、耐摩耗性、耐薬品性、耐放射線性を有しており、数10μm程度の厚みでも高温加湿の水素ガスや空気を流すPEFC作動条件下で安定して利用することができる。また、PEEKフィルムは重元素を含まないため硬X線に対する吸収係数は小さく、X線の強度を損なうことなく透過させるため吸収源とならず、さらに非晶質であるため計測のバックグラウンドとなる回折X線が生じることもないためXRD計測の妨げとならない。
これによりX線光路上には非晶質PEEKからなる貫通孔の覆い材、膜/電極接合体20のみとなり、障害物を最小限にとどめることが可能となった。なお、この覆い材は、窓材とも称されることがある。この貫通孔の覆い材には、固体高分子形燃料電池の作動温度(〜100℃)において耐疲労性、耐摩耗性、耐薬品性、耐放射線性を有する範囲においてPEEK以外にもさまざまの樹脂材料を利用可能である。
図4は、固体高分子形燃料電池10に入射するX線Lの膜/電極接合体20に対する角度とX線透過長の関係を説明する模式図である。図中には、入射された所定径のX線LとこのX線Lに対して角度が異なる第1〜5の膜/電極接合体20〜20が描かれている。図中において、膜/電極接合体201〜5の表面とX線は、それぞれ90°、45°、30°、20°、10°の角度をなしている。膜/電極接合体201〜5の表面とX線Lのなす角度が小さくなると、X線Lと膜/電極接合体201〜5が重なる領域に相当するX線透過長が大きくなっている。
具体的には、X線Lが第1〜5の膜/電極接合体20〜20となす角度θとX線透過長Dとの関係は、D=1/sinθで表され、次の表1のようになる。
本実施の形態の固体高分子形燃料電池10では、X線光路上の障害物を最低限に抑えたことにより、膜/電極接合体20の表面に対してX線のなす角度が10°以上の斜入射配置におけるX線計測が可能となる。ここで、斜入射とは、X線と膜/電極接合体20の表面のなす角度が実質的に90°ではない角度であることをいう。
本実施の形態では、X線と膜/電極接合体20のなす角度が10°の斜入射配置とすることで、計測対象である膜/電極接合体20のX線透過長は約6倍(1/sin 10°=5.8)になっている。
これによりXAFS計測ではサンプルのX線吸収量が増加し、XRD計測ではサンプルからのX線回折強度が増加するため、従来の触媒濃度(0.5〜0.6mg/cm)では高品質なXAFSスペクトル及びX線回折像を得ることができ、さらに実用系の触媒濃度である0.1mg/cmといった低濃度の試料においても従来と同等の計測が可能となった。
図5は、固体高分子形燃料電池10に対するX線の斜入射と直入射のXAFSを対比するグラフである。図5(a)は直入射によるXAFS計測の結果であり、図5(b)は斜入射によるXAFS計測の結果を示している。ここで、直入射とは、X線と膜/電極接合体20の表面のなす角度が実質的に90°であるものをいう。
膜/電極接合体20において、固体高分子電解質膜11には、Pt触媒量0.62mgcm−2のものを用い、2msにわたりXAFSのうちエックス線吸収端近傍構造(XANES:X-ray Absorption Near Edge Structure)を計測した。図5(b)に示す本実施の形態の斜入射においては、比較例として図5(a)に示した直入射の場合よりもXAFSスペクトルの質が大幅に向上していることが確認できる。
図6は、計測装置の概略的な構成を示す側面図である。計測装置は、図示しない光源から入射されたX線Lをエネルギーに応じて分光する分光器40と、分光器40から所定のエネルギーのX線Lが入射される固体高分子形燃料電池10と、この固体高分子形燃料電池10の位置や角度を調整して設置することができる載置台30とを含んでいる。
分光器40は、図示しない制御装置から入力される制御信号に従い、略水平に入射されたX線Lのうちで特定のエネルギーを有する成分のみを回折させる。この分光器40には、例えば、チャネルカット分光結晶の如き分光器結晶を備えたサーボモーター駆動の分光器を使用することができる。また、ガルバノスキャナ駆動の分光器を使用することもできる。
固体高分子形燃料電池10は、上述した本実施の形態の構成を有するものであり、載置台30上に取り付けられる。ここでは、固体高分子形燃料電池10の第1の流路板17に形成された第1の貫通孔17aと第2の流路板18等に形成された第1の貫通孔18a等の長尺方向に延び、膜/電極接合体20の表面に垂直な一つの平面が略鉛直になるように設定する。また、分光器40から入射された略水平なX線Lの光軸が、前記第1の貫通孔15a、16a等を通り、前記一つの平面内で膜/電極接合体20の表面と10°の角度をなし、膜/電極接合体20において前記第1の貫通孔17a、18a等の中央に相当する部分を透過するように設置する。
なお、固体高分子形燃料電池10においては、第1の流路板17及び第2の流路板18以外にも第1及び第2の貫通孔が形成されているが、ここでは簡単のために第1の流路板17の第1の貫通孔17a及び第2の流路板18の第1の貫通孔18aを例示した。また、第1の貫通孔17a、18aに限られず、第2の貫通孔17b、18bを使用することもできる。入射されるX線Lと膜/電極接合体20の表面のなす角度は10°以上に限られず、10°〜30°の範囲にある所定角以上であってもよい。
また、計測装置は、固体高分子形燃料電池10を透過したX線Lを検出する第1の検出器であるイオンチェンバー検出器50と、固体高分子形燃料電池10で回折されたX線Lを検出する第2の検出器である位置敏感型検出器60とを含んでいる。
イオンチェンバー検出器50は、固体高分子形燃料電池10の膜/電極接合体20を透過した略水平なX線Lが入射され、このX線Lの強度を検知することができる。イオンチェンバー検出器50は、分光器40によってエネルギーが掃引されたX線Lに由来する透過X線Lの強度を検出することにより、固体高分子形燃料電池10の膜/電極接合体20のXAFS計測をすることができる。
位置敏感型検出器60は、固体高分子形燃料電池10の膜/電極接合体20によって略鉛直面内に回折されたX線Lが入射され、このX線Lの鉛直方向の位置と強度を検知することができる。この位置敏感型検出器60には、PILATUSのような2次元ピクセル検出器を使用することができる。位置敏感型検出器60は、分光器40によってエネルギーが一定にされたX線Lに由来する回折X線Lの回折角と強度を検出することにより、角度分散型XRD計測をすることができる。
図7は、計測方法を説明するタイムチャートである。この計測方法は、計測装置の分光器40にチャネルカット分光結晶の角度をサーボモーター駆動で制御するものを用いる。この計測方法は、制御部として図示しない制御装置によって実行することができる。制御装置には、例えば市販のパーソナルコンピュータなどを使用することができる。
図中の(a)は、分光器40の分光器結晶の角度を制御する制御信号を示している。この制御信号は、制御装置から供給された第1の制御信号により、固体高分子形燃料電池10の膜/電極接合体20を透過するX線Lを検出するイオンチェンバー検出器50に適する所定のエネルギー範囲を掃引する第1の期間を含んでいる。この第1の期間においては、制御信号は略正弦半波の如く立ち上がった後で立ち下がっている。分光器40のサーボモーターは、分光器結晶の角度を制御信号に従って制御し、分光器40で分光されたX線Lは、これに応じて所定のエネルギー範囲においてエネルギーを掃引する。
また、(a)の制御信号は、制御装置から供給された第2の制御信号により、固体高分子形燃料電池10の膜/電極接合体20で回折されたX線Lを検出する位置敏感型検出器60に適する所定のエネルギーに分光する第2の期間を含んでいる。この第2の期間においては、制御信号は一定の値に留まっている。分光器40のサーボモーターは、分光器結晶の角度をこの第2の期間の制御信号に従って一定の角度に保ち、分光器40で分光されたX線Lのエネルギーは一定の所定エネルギーに保たれる。
この第2の期間内において、図中(b)に示す分光器の出力信号はハイになる。この分光器出力信号の立ち上がりに同期し、図中(d)に示す位置敏感型検出器60の制御信号もハイになり、分光器出力信号がハイの期間内にわたり連動して維持される。位置敏感型検出器60は、分光器出力信号に同期してオンとされ、第2の期間内に回折されたX線Lを検出するための露光の動作を続ける。図中、位置敏感型検出器60が露光をする期間をTで示している。
一方、図中(c)に示すXAFS計測の制御信号は、(b)に示す分光器の出力信号の立ち上がりに略同期してハイになり、周期Tについて3Tにわたり連続している。したがって、この期間にわたって、イオンチェンバー検出器50と付随するアナログデジタルコンバータ(ADC)とエンコーダはオンとされ、XAFS計測を行う。
なお、XAFS計測の制御信号がオンの間においては、所定エネルギー範囲の掃引を6回行っている。したがって、XAFS計測を3Tにわたり連続することに限らず、制御信号の立ち上がり又は立下りに相当する0.5TごとにXAFS計測をすることも可能である。
このような第1の期間と第2の期間を繰り返し行うことにより、XAFS計測とXRD計測を繰り返し高速で切り替えることが可能である。したがって、XAFS計測とXRD計測を周期Tによって規定される時間分解能で実施することができる。
図8は、他の計測方法を説明するタイムチャートである。他の計測方法は、計測装置の分光器40に分光器結晶の角度をガルバノスキャナで制御するものを用いる。図中の(a)は、位置敏感型検出器60の制御信号であり、周期的に所定期間にわたりハイとなっている。ハイの期間は第2の期間に相当し、位置敏感型検出器60がオンとなり、回折されたX線Lの露光を行う。
図中(b)に示すように、位置敏感型検出器60がオンである期間にわたり、位置敏感型検出器60からはローの信号が出力される。図中(c)に示す分光器40の制御信号は、位置敏感型検出器60からの出力信号の立ち上がりに同期して略三角波状に立ち上がった後、立ち下がっている。この期間が第1の期間に相当し、分光器40において制御信号に従いガルバノスキャンすることにより所定のエネルギー範囲を掃引する。
図中(d)に示すXAFS計測の制御信号は、(a)の位置敏感型検出器60の制御信号の立ち上がりに略同期してハイになり、周期Tについて3Tにわたり連続している。したがって、この期間にわたって、イオンチェンバー検出器50と付随するADCはオンとされ、XAFS計測を行う。
本実施の形態の計測装置及び方法におけるXAFS計測とXRD計測では照射するX線のエネルギーの走引方法(分光器結晶の角度走引方法)が異なる。XAFS計測ではX線のエネルギーを所定の範囲で変化(分光器結晶の角度を走引)させて吸収係数の変化を計測するのに対し、XRD計測ではX線のエネルギーを一定に保持(分光器結晶の角度を固定)したまま回折像を計測する。
このため、計測装置を図7及び図8に示したタイムチャートに従う計測方法で制御すると、XAFS計測とXRD計測を高速で交互に計測することができるようになる。具体的には、分光器40としてサーボモーター駆動(例えば最大周波数〜50Hz)を用いて図7のタイムチャートに従い制御するか、ガルバノスキャナ駆動(例えば最大周波数〜625Hz)を用いて図8のタイムチャートに従い制御し、分光器結晶を角度走引させてX線を試料に照射する。
検出器はXAFS計測には例えば高速な応答が可能な電極間隔3mmのイオンチェンバー検出器50を使用し、XRD計測には例えばPILATUS検出器のような位置敏感型検出器60を使用する。イオンチェンバー検出器50では分光器40の状態に関わらずX線強度及び透過X線強度を連続的に記録し、位置敏感型検出器60は分光器40と同期して露光する。
本発明によると、固体高分子形燃料電池を放射光の如きX線で計測することが可能であり、発電下の固体高分子形燃料電池に対して非破壊で、ミリ秒の時間分解能でXAFSおよびXRD計測を交互に連続して行うことが可能なである。
例えば、化学反応過程にある各種の触媒物質(燃料電池電極触媒、蓄電池電極触媒、光触媒、化学合成触媒等)や材料物質の構造や化学状態が変化する様子をミリ秒の時間分解能でその場観察することが可能な計測装置と計測手法を提供することができる。また、XAFS計測及びXRD計測に用いる固体高分子形燃料電池、この固体高分子形燃料電池のXAFS計測及びXRD計測に適用することができる。
10 固体高分子形燃料電池
11 固体高分子電解質膜
13 第1のガス拡散層
14 第2のガス拡散層
17 第1の流路板
18 第2の流路板
20 膜/電極接合体
21 第1の集電板
22 第2の集電板
23 第1のPEEKフィルム
24 第2のPEEKフィルム
27 第1のセパレーター
28 第2のセパレーター
30 載置台
31 第1の電極触媒層
32 第2の電極触媒層
40 分光器
50 イオンチェンバー検出器
60 位置敏感型検出器

Claims (15)

  1. X線を透過させることができる固体高分子形燃料電池であって、
    膜/電極接合層と、
    前記膜/電極接合層の第1の側に設けられ、貫通孔が形成された第1の流路層と、
    前記膜/電極接合層の第2の側に設けられ、貫通孔が形成された第2の流路層と、
    前記第1の流路層の第1の側に設けられ、前記第1の流路層の貫通孔を覆う第1のガス遮断絶縁層と、
    前記第2の流路層の第2の側に設けられ、前記第2の流路層の貫通孔を覆う第2のガス遮断絶縁層と
    を含み、
    前記第1の流路層の貫通孔及び前記第2の流路層の貫通孔は、入射されたX線が前記第1の流路層の貫通孔及び前記第2の流路層の貫通孔を通って前記膜/電極接合層を透過できるように形成された固体高分子形燃料電池。
  2. 前記第1の流路層の貫通孔及び前記第2の流路層の貫通孔は、入射されたX線が前記膜/電極接合層に垂直な一つの面内で前記膜/電極接合層の表面に対し所定角度以上の範囲で前記膜/電極接合層を透過できるように形成された請求項1に記載の固体高分子形燃料電池。
  3. 前記所定角度は、10°から30°の範囲にある請求項2に記載の固体高分子形燃料電池。
  4. 前記第1のガス遮断絶縁層及び前記第2のガス遮断絶縁層は、非晶質ポリエーテルエーテルケトンフィルムによって構成された請求項1から3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池。
  5. 前記膜/電極接合層は、固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の第1の側に設けられた第1の電極触媒層及び第1のガス拡散層と、前記固体高分子電解質膜の第2の側に設けられた第2の電極触媒層及び第2のガス拡散層とを含む請求項1から4のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池。
  6. 前記第1の流路層と前記第1のガス遮断絶縁層との間に第1の集電層を含み、前記第2の流路層と前記第2のガス遮断絶縁層との間に第2の集電層を含み、前記第1の集電層及び第2の集電層にはそれぞれ貫通孔が形成され、これらの貫通孔は、入射されたX線がこれらの貫通孔とともに前記第1の流路層及び前記第2の流路層に形成された貫通孔を通って前記膜/電極接合体を透過できるように形成された請求項1から5のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池。
  7. 前記第1のガス遮断絶縁層の第1の側に第1のセパレーター層を含み、前記第2のガス遮断絶縁層の第2の側に第2のセパレーター層を含み、前記第1のセパレーター層及び前記第2のセパレーター層にはそれぞれ貫通孔が形成され、これらの貫通孔は、入射されたX線がこれらの貫通孔とともに前記第1の流路層及び前記第1の集電層並びに前記第2の流路層及び前記第2の集電層に形成された貫通孔を通って前記膜/電極接合体を透過できるように形成された請求項6に記載の固体高分子形燃料電池。
  8. 前記第1のセパレーター層に形成された開口には、その長尺方向に向けて傾斜する切欠面が形成され、前記第2の側の表面に前記第2のセパレーター層に形成された開口には、その長尺方向に向けて傾斜する切欠面が形成された請求項7に記載の固体高分子形燃料電池。
  9. 前記第1のセパレーター層及び前記第2のセパレーター層に形成された切欠面は、前記膜/電極接合層の表面となす角度が10°から30°までの範囲にある請求項8に記載の固体高分子形燃料電池。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池の計測装置であって、
    前記固体高分子形燃料電池に入射されるX線を所定のエネルギーに分光する分光器と、
    前記固体高分子形燃料電池を透過したX線を検出する第1の検出器と、
    前記固体高分子形燃料電池で回折されたX線を検出する第2の検出器と、
    前記第1の検出器に適する所定のエネルギー範囲の掃引と、前記第2の検出器に適する所定エネルギーの分光とを切り替えるように前記分光器を制御するとともに、前記第1の検出器及び前記第2の検出器の少なくとも一方を前記分光器に連動して動作するように制御する制御部と
    を含む計測装置。
  11. 前記第1の検出器は、イオンチェンバー検出器である請求項10に記載の計測装置。
  12. 前記第2の検出器は、位置敏感型検出器である請求項10又は11に記載の計測装置。
  13. 前記分光器は、前記制御部から供給された制御信号に応じて分光器結晶をサーボモーターで駆動するものである請求項10から12のいずれかに記載の計測装置。
  14. 前記分光器は、前記制御部から供給された制御信号に応じて分光器結晶をガルバノスキャナで駆動するものである請求項10から12のいずれかに記載の計測装置。
  15. 請求項10から14のいずれかに記載の計測装置を用いて固体高分子形燃料電池を計測する計測方法であって、前記制御部が前記分光器に供給する制御信号について、
    前記第1の検出器に適する所定のエネルギー範囲に掃引するように制御する第1の制御信号を供給する第1の期間と、
    前記第2の検出器に適する所定エネルギーに分光するように制御する第2の制御信号を前記分光器に制御する第2の期間と
    を含む計測方法。
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