JP2016162074A - 要求数予測装置及び要求数予測方法 - Google Patents

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浩亮 坂田
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Abstract

【課題】複数ステップ以上先までの処理要求数を予測する。
【解決手段】要求数予測装置1の学習部4は、各単位時間において発生した処理要求の数に基づいて、処理要求の数を変数とし、単位時間における処理要求の数から次の単位時間における処理要求の予測数を算出する時系列予測アルゴリズムを学習する。要求数予測部5は、学習された時系列予測アルゴリズムを用いて、予測を開始する単位時間の前の単位時間において発生した処理要求の数から、予測を開始する単位時間における処理要求の予測数を算出した後、算出された予測数から、時系列予測アルゴリズムを用いて、予測数が算出された次の単位時間における処理要求の予測数を算出する処理を繰り返して処理要求の予測数の推移を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、要求数予測装置及び要求数予測方法に関する。
近年、キャリアが提供するIP(Internet Protocol)ネットワークサービス(以下、「サービス」と記載する。)は、ISP(インターネットサービスプロバイダ)接続・電話・映像配信を中心に多様なサービスプランを顧客に提案している。例えば、映像配信のチャネル追加・変更、無線アクセスの付加サービス、並びに、利用料の定額制または多段階定額制・従量制の選択等である。こうしたサービスプランの多様化は加入者の増加に留まらず、顧客に選択の幅を広げたことで既加入者によるサービスの契約変更も増大している。
顧客に対するサービスの設定は、上位OpS(オペレーションシステム)からのサービス設定要求に基づき、EMS(エレメント管理システム)からIPネットワークを構成する装置に対してコマンドを投入することで実現されている。つまり、サービス設定要求は、サービスを設定するための処理をEMSへ要求する処理要求に相当する。顧客のサービス契約、解約および契約変更を契機に発生する上位OpSからEMSへのサービス設定要求は、季節・時刻・地域およびイベント等によって頻度が変動する。サービス設定要求には即時処理が求められるものもあるため、EMSは全てのサービス設定要求に即応できるよう、ハイスペックなHW(ハードウェア)/MW(ミドルウェア)の選定や最大負荷時のEMS性能需要を想定してCAPEX(capital expenditure:設備投資)/OPEX(operating expenditure:運用コスト)への投資をしなくてはならなかった。しかし、最大負荷時以外は本来EMS性能需要が小さいため、最大負荷時のサービス設定要求全てに即応可能とすることは、設備効率が良いとはいえない。そこで、EMSの設備資源を最大限に利用可能にすることを目的に、EMS性能余力に基づいて適切に負荷を平準化(ピークシフト)する技術が検討されてきた(例えば、非特許文献1参照)。
EMSで扱うサービス設定要求(以下、「要求」と記載する。)の種別には、一般要求と優先要求の2種類がある。一般要求は、通常の要求であり、設定の遅延がある程度許容されるサービス設定時に発生する。一般要求同士は、要求発生順序に従って処理されなければならない。優先要求は、処理優先度が高い要求であり、設定の遅延が許容されないサービス設定時や緊急時に発生する。優先要求と一般要求が混在して発生した場合、必ず優先要求から処理が行われる。優先要求同士は、要求発生順序に従って処理されなければならない。一般要求か優先要求かの要求種別は、要求元が指定する。
要求の要件において、優先要求は緊急度が高く、EMSからIPネットワーク構成装置へのコマンドシナリオ投入処理のタイミングを遅らせることができない。一方で、緊急度が低い一般要求は、コマンドシナリオ投入処理のタイミングを遅らせることが可能である。従って、EMS負荷を平準化する方法として、一般要求の実行を遅らせて、EMS負荷が小さい時に実行させる方法が考えられる。ただし、一般要求と優先要求は不定期かつ混在して発生することから、EMS性能余力に応じて一般要求の処理タイミングを調節するためには、優先要求を遅延なく処理するだけのEMS性能を常時確保し、EMS性能余力に応じて一般要求の処理数を制御しなければならない。
ここで、EMS性能(EMSにおいて遅延なく処理可能な要求数)をPEMSとし、ある時刻tにおける優先要求数をOpriority(t)とすると、EMS性能余力(t)は下記の式で表せる。
EMS性能余力(t)=PEMS−Opriority(t)
もし、PEMSがOpriority(t)を下回る場合は、全ての優先要求を即時に実行するための性能がEMSに不足しており、EMSは性能需要を満たしていないことになる。
EMS性能余力の事前把握に際し、一般的にPEMSは固定であるのに対し、要求数は変動するため、Opriority(t)を予測しなければならない。EMS負荷は要求数に比例して増大するため、不定期かつ時々刻々と変換するOpriority(t)を如何に精度良く見積もるかが負荷平準化の効果に影響する。
要求は季節や時刻・地域によって発生頻度が変動することが経験的にわかっているため、要求履歴を統計的に分析することで一見して不規則な要求数推移の中にも何らかの特性が見られると考えられる。非特許文献1では、当日の曜日、祝祭日当否、予測時刻直前の要求数および予測時刻における前日と一週間前の要求数などの述べ28個の素性(特徴量)を抽出している。そして、SVR(Support Vector Regression)を適用し、過去の要求履歴より得られるこれらの素性からOpriority(t+1)を予測している。
坂田 浩亮、外2名、「EMS設定制御負荷平準化に向けた業務量推定へのSVRの適用と有効素性の提案」、一般社団法人電子情報通信学会、2013年、電子情報通信学会技術研究報告.ICM、情報通信マネジメント、112(492)、p.19−24
EMS性能余力に基づいて負荷を平準化するEMS負荷平準化技術を実システムに適用し、キャリア網における運用を想定した場合、1ステップ先の要求数を予測する非特許文献1の技術では、次のような課題がある。すなわち、非特許文献1の技術では、1か月後、2か月後などの将来の要求数や運用要件に即したEMS性能需要を計るという用途には適用できないこと、また、負荷平準化により要求に対する処理がどれくらい遅延するかがわからない場合があることである。
非特許文献1におけるSVRは、1ステップ先の要求数を予測するために用いる推定器である。そのため、負荷平準化は、SVRによる優先要求数の予測を毎ステップ(単位時間毎に)繰り返し、その都度EMS性能余力を計算して一般要求の処理数を制御することで実現する。一方で、負荷平準化により後回しにされた一般要求がいつ処理実行されるかは次の予測結果に依存してしまうため、必ずしも1ステップ先で処理されるとは限らない。なぜなら、後回しにされた一般要求は、1ステップ先のEMS性能余力で処理される候補になるが、既存の処理待ち要求数や1ステップ先の優先要求数が多いと、相対的にEMS性能余力が小さくなるからである。その結果、一般要求は1ステップ先のEMS性能余力で処理されない場合があり、その場合はさらに先のステップの処理に回されてしまう。
要求は顧客のサービス契約、解約および契約変更を契機に発生するため、OpSの保守者はEMSに要求を投入した後、その実行結果を確認しなければならい。EMS負荷平準化によりCAPEX/OPEXを削減できる反面、運用現場における保守者の視点からは、こうした要求に対してEMSからの結果通知が遅延した場合に、異常が発生しているのか負荷平準化によるものかの判断が難しくなる。仮に、負荷平準化による遅延であったことが判断できたとしても、要求に対していつ処理が行われるかわかならいと、顧客を持つキャリア網への適用は難しい。
将来必要なEMS性能需要を計るため、また、要求発生から処理開始実行までのタイムラグ(レイテンシ)を予め予測するためには、2ステップ先以降の要求数までも予測する必要がある。
上記事情に鑑み、本発明は、複数ステップ以上先までの処理要求数を予測することができる要求数予測装置及び要求数予測方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、各単位時間において発生した処理要求の数に基づいて、処理要求の数を変数とし、単位時間における処理要求の数から次の単位時間における処理要求の予測数を算出する時系列予測アルゴリズムを学習する学習部と、前記時系列予測アルゴリズムを用いて、予測を開始する単位時間の前の単位時間において発生した処理要求の数から、予測を開始する前記単位時間における処理要求の予測数を算出した後、算出された前記予測数から、前記時系列予測アルゴリズムを用いて、前記予測数が算出された次の単位時間における処理要求の予測数を算出する処理を繰り返して処理要求の予測数の推移を算出する要求数予測部と、を備えることを特徴とする要求数予測装置である。
また、本発明の一態様は、上述の要求数予測装置であって、前記要求数予測部が予測した前記処理要求の予測数の推移と、前記処理要求の処理を行う処理装置が処理可能な処理要求の数とに基づいて、処理要求の発生から処理開始までの遅延時間を算出する処理遅延予測部をさらに備える、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上述の要求数予測装置であって、前記処理要求には、前記処理装置において優先して処理される処理要求である優先要求と、前記処理装置において前記優先要求の処理を行った余力により処理される処理要求である一般要求とがあり、前記学習部は、前記優先要求について前記時系列予測アルゴリズムをさらに学習し、前記要求数予測部は、前記優先要求について学習された前記時系列予測アルゴリズムを用いて、予測を開始するステップの前のステップにおける優先要求の数から、予測を開始する前記ステップにおける優先要求の予測数を算出し、算出された優先要求の前記予測数から、前記優先要求について学習された前記時系列予測アルゴリズムを用いて、優先要求の前記予測数が算出された次のステップにおける優先要求の予測数を算出する処理を繰り返して優先要求の予測数の推移をさらに算出し、前記処理遅延予測部は、前記要求数予測部が予測した前記優先要求の予測数の推移の中に、前記処理装置が処理可能な処理要求の数を超えた予測数がある場合に、エラーを検出する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上述の要求数予測装置であって、前記処理遅延予測部は、前記要求数予測部が予測した所定期間における前記処理要求の予測数の推移の最大値に対する所定割合を、前記処理装置が処理可能な処理要求の数として用いて前記遅延を算出する、ことを特徴とする。
本発明の一態様は、要求数予測装置が実行する要求数予測方法であって、学習部が、各単位時間において発生した処理要求の数に基づいて、処理要求の数を変数とし、単位時間における処理要求の数から次の単位時間における処理要求の予測数を算出する時系列予測アルゴリズムを学習する学習過程と、要求数予測部が、前記時系列予測アルゴリズムを用いて、予測を開始する単位時間の前の単位時間において発生した処理要求の数から、予測を開始する前記単位時間における処理要求の予測数を算出した後、算出された前記予測数から、前記時系列予測アルゴリズムを用いて、前記予測数が算出された次の単位時間における処理要求の予測数を算出する処理を繰り返して処理要求の予測数の推移を算出する要求数予測過程と、を有することを特徴とする要求数予測方法である。
また、本発明の一態様は、上述の要求数予測方法であって、処理遅延予測部が、前記要求数予測過程において予測された前記処理要求の予測数の推移と、前記処理要求の処理を行う処理装置が処理可能な処理要求の数とに基づいて、処理要求の発生から処理開始までの遅延時間を算出する処理遅延予測過程をさらに有する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上述の要求数予測方法であって、前記処理要求には、前記処理装置において優先して処理される処理要求である優先要求と、前記処理装置において前記優先要求の処理を行った余力により処理される処理要求である一般要求とがあり、前記学習過程において、前記優先要求について前記時系列予測アルゴリズムをさらに学習し、前記要求数予測過程において、前記優先要求について学習された前記時系列予測アルゴリズムを用いて、予測を開始するステップの前のステップにおける優先要求の数から、予測を開始する前記ステップにおける優先要求の予測数を算出し、算出された優先要求の前記予測数から、前記優先要求について学習された前記時系列予測アルゴリズムを用いて、優先要求の前記予測数が算出された次のステップにおける優先要求の予測数を算出する処理を繰り返して優先要求の予測数の推移をさらに算出し、前記処理遅延予測過程において、前記要求数予測過程において予測された前記優先要求の予測数の推移の中に、前記処理装置が処理可能な処理要求の数を超えた予測数がある場合に、エラーを検出する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上述の要求数予測方法であって、前記処理遅延予測過程において、前記要求数予測過程において予測した所定期間における前記処理要求の予測数の推移の最大値に対する所定割合を、前記処理装置が処理可能な処理要求の数として用いて前記遅延を算出する、ことを特徴とする。
本発明により、複数ステップ以上先までの処理要求数を予測することが可能となる。
本発明の一実施形態による要求数予測装置の構成を示す機能ブロック図である。 同実施形態による要求数予測装置の要求数の推移予測処理を示す処理フローである。 同実施形態による要求数予測装置の要求数の推移予測の表示例を示す図である。 同実施形態による要求数予測装置の要求数の推移予測の他の表示例を示す図である。 同実施形態による要求数予測装置に適用されるEMS負荷平準化技術を説明するための図である。 同実施形態による要求数予測装置におけるレイテンシ導出の考え方を示す図である。 同実施形態による要求数予測装置におけるレイテンシ導出の考え方を示す図である。 同実施形態による要求数予測装置におけるレイテンシ導出の考え方を示す図である。 同実施形態による要求数予測装置におけるレイテンシ導出の考え方を示す図である。 同実施形態による要求数予測装置のレイテンシ予測処理を示す処理フローである。 同実施形態による要求数予測装置におけるレイテンシの表示例を示す図である。 同実施形態による要求数予測装置がEMS性能を変化させた場合に算出したレイテンシの表示例を示す図である。 同実施形態による要求数予測装置による1日目の加法モデルによる推移予測の結果を示すグラフである。 同実施形態による要求数予測装置による42日目の加法モデルによる推移予測の結果を示すグラフである。 同実施形態による要求数予測装置によるレイテンシの予測結果を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による要求数予測装置1の構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。要求数予測装置1は、1台または複数台のコンピュータ装置により実現される。要求数予測装置を複数台のコンピュータ装置により実現する場合、いずれのコンピュータ装置によりいずれの機能部を実現するかは任意とすることができる。
要求数予測装置1は、複数ステップ先までの処理要求の発生数を予測する。ここでは、処理要求が、上位OpS(オペレーションシステム)からEMS(エレメント管理システム)へ送信されるサービス設定要求である場合を例に説明する。つまり、EMSは、処理要求に応じた処理を実行する処理装置の一例である。また、ステップとは、単位時間を意味する。要求数予測装置1は、要求数の予測に、時系列予測手法を適用する。時系列予測手法とは、時間経過に従って測定されたデータ(時系列データ)から時間とデータの関係(時系列モデル)を分析し、分析した時系列モデルを基に将来の要求数の推移を予測することである。要求数予測装置1は、予測した要求数の推移に基づいて、サービス設定要求(以下、「要求」と記載する。)の発生からその要求が処理されるまでの遅延時間(タイムラグ)であるレイテンシを算出し、運用要件に応じて将来必要となる設備量の見積りを支援する。要求数の推移には周期性が見られることが既に分かっている。そこで、要求数予測装置1は、周期性を考慮した時系列予測手法として、一般的に知られているHolt-Winters法(以下、「HW法」と記載する。)を適用する。
要求数予測装置1は、履歴記憶部2と、処理部3と、入力部7と、表示部8とを備えて構成される。
履歴記憶部2は、履歴情報を記憶する。履歴情報は、上位OpSからEMSへの要求が発生した時刻である要求時刻と、その要求が一般要求であるか優先要求であるかの種別とを示す時系列データである。なお、履歴情報に、各ステップの開始時刻と、そのステップにおいて発生した一般要求と優先要求それぞれの要求数を設定してもよい。優先要求は、要求の処理装置であるEMSにおいて優先して処理されるサービス要求であり、一般要求は、EMSにおいて優先要求の処理を行った余力により処理されるサービス要求である。
処理部3は、学習部4と、要求数予測部5と、処理遅延予測部6とを備えて構成される。
学習部4は、履歴記憶部2に記憶されている履歴情報を用いて、サービス要求の数を変数とし、あるステップにおけるサービス要求の数からそのステップの次のステップにおけるサービス要求の予測数を算出する時系列予測アルゴリズムを学習する。学習部4は、時系列予測アルゴリズムとして、合計要求数予測式及び優先要求数予測式を学習する。合計要求数予測式は、優先要求と一般要求の合計の予測数(以下、「予測合計要求数」とも記載する。)を算出する式である。優先要求数予測式は、優先要求の予測数(以下、「予測優先要求数」とも記載する。)を算出する式である。合計要求数予測式及び優先要求数予測式の両予測式には、HW法が用いられる。
要求数予測部5は、学習部4が学習した合計要求数予測式により、2ステップ以上先までの予測合計要求数を算出する。また、要求数予測部5は、学習部4が学習した優先要求数予測式により、2ステップ以上先までの予測優先要求数を算出する。
処理遅延予測部6は、要求数予測部5が予測した予測合計要求数に基づいて、一般要求のレイテンシを算出する。また、処理遅延予測部6は、要求数予測部5が予測した予測優先要求数の中に、EMS性能を超える予測優先要求数があることを検出した場合、エラーを出力する。
入力部7は、キーボードなどの入力装置であり、ユーザによる入力操作を受ける。入力部7は、要求数予測装置1とネットワークを介して接続されるコンピュータ装置からデータの入力を受けてもよい。
表示部8は、ディスプレイなどの表示装置であり、画像や文字などのデータを画面に表示する。表示部8は、要求数予測装置1とネットワークを介して接続されるコンピュータ装置にデータを表示させてもよい。
ここで、HW法について説明する。HW法は、指数平滑法の一種であるが、指数平滑法の予測値を別の指数平滑法に多次式として適用する2次平滑法である。具体的には、HW法は、指数平滑法を基礎とし、時系列データの分析にトレンドと季節性の概念を取り入れた時系列予測アルゴリズム(時系列予測手法)である。トレンドは、過去から現時点までの変動傾向(上昇/下降傾向)を示すモデルであり、季節性は周期性のある時系列データから一周期における変動傾向を示すモデルである。HW法は、上昇/下降あるいは一定周期で繰り返す変動傾向が含まれる時系列データからの将来予測や、その規則性を基にした異常検知技術などに利用されている。
HW法の基礎となる指数平滑法の基本式は、次式(1)により表される。
Figure 2016162074
式(1)における平滑化定数αは、0と1の間の値をとり、ある時点tの予測値^y及び測定値yを用いて、t+1の予測値^yt+1を得る。ここで、予測値^yにおいても、予測値^yt+1と同様の過程により帰納的に導出されるため、予測値^yの重み係数(1−α)は、指数関数的に過去の実測値に関わっている。つまり、予測において平滑化定数αは、予測時点t+1から過去に遡り、新しい測定値ほど重視し、古い測定値ほど無視する考え方を反映する重み付けパラメタである。αを1に近づけるほど、直近の測定値を重視する。
上述の指数平滑法の考え方を踏襲し、トレンドと季節性の概念を取り入れた手法がHW法である。HW法には、加法モデルおよび乗法モデルの2種類があり、季節性の傾向の反映法に違いがある。加法モデルによる予測値^yt+1の基本式を以下の式(2)に、乗法モデルによる予測値^yt+1の基本式を以下の式(3)に示す。
Figure 2016162074
Figure 2016162074
加法モデル及び乗法モデルに共通してzは基本線を示す項であり、過去の測定値を基に指数平滑法で求められる。bは予測値のトレンドを示す項であり、過去の測定値から直前の測定値にかけて上昇か下降かの傾向を示す。Cは季節性を示す項であり、一周期毎の測定値から指数平滑法により変動傾向を示す。なお、Sは時系列データの周期性を示している。例えば、一年を一周期とした場合、四半期毎の時系列データであればSは4であり、月次であればSは12となる。一週間を一周期とする時系列データの場合、同曜日(および同時刻)の測定値を用いて季節性を抽出する。
図2は、要求数予測装置1による要求数推移予測処理を示す処理フローである。なお、以下では、時刻tから開始するステップを時刻tのステップと記載し、時刻tのステップにおいて発生した要求を時刻tの要求とも記載する。各ステップの時間長は予め入力部7により入力しておくが、履歴情報が、ステップ毎の一般要求と優先要求それぞれの要求数を示す場合、時間長を入力しなくともよい。
まず、学習部4は、履歴記憶部2に記憶される履歴情報が示す時系列データから時刻t−1、t−2、…の各ステップにおける優先要求と一般要求の合計要求数を取得する(ステップS105)。時刻tは、現在時刻または入力部7によりユーザが入力した時刻とすることができる。この場合、予測を開始するステップは、時刻t+1のステップである。学習部4は、時刻t−i(iは1以上の整数)のステップにおける一般要求と優先要求の合計の数を、合計要求数yt−iとする。学習部4は、取得した過去のステップ毎の合計要求数yt−iを用いて、式(2)又は式(3)におけるパラメタα、β、γそれぞれの値を学習する(ステップS110)。学習部4は、式(2)又は式(3)に、学習したパラメタα、β、γを設定して合計要求数予測式を生成する。
続いて、学習部4は、履歴記憶部2に記憶される履歴情報が示す時系列データから時刻t−1、t−2、…の各ステップにおける優先要求数を取得する(ステップS115)。学習部4は、時刻t−i(iは1以上の整数)のステップにおける優先要求の数を、優先要求数yt−iとする。学習部4は、取得した過去のステップ毎の優先要求数yt−iを用いて、式(2)又は式(3)におけるパラメタα、β、γそれぞれの値を学習する(ステップS120)。学習部4は、式(2)又は式(3)に、学習したパラメタα、β、γを設定して優先要求数予測式を生成する。
なお、合計要求数予測式と優先要求数予測式の両方に式(2)又は式(3)を用いてもよく、いずれかの予測式に式(2)を用い、他方の予測式に式(3)を用いてもよい。式(2)と式(3)のいずれを用いるかは、適合性の高さにより選択する。例えば、当該EMSの利用履歴から学習用データと評価用データを生成し、学習用データから式(2)を用いたときの予測式と式(3)を用いたときの予測式を生成する。そして、生成した加法モデルによる予測式及び乗法モデルによる予測式について、評価用データを使って後述するRMSE(Root Mean Sueare Error:平均二乗平方誤差)を求め、RMSEが小さい方のモデルによる予測式を採用する。
要求数予測部5は、変数jに1を設定する(ステップS125)。要求数予測部5は、履歴記憶部2に記憶される履歴情報が示す時系列データから時刻tの一般要求と優先要求の合計要求数を取得する(ステップS130)。要求数予測部5は、学習部4が学習した合計要求数予測式のyに時刻tの合計要求数を代入して^yt+1を算出し、時刻t+jのステップの予測合計要求数とする(ステップS135)。さらに、要求数予測部5は、履歴記憶部2に記憶される履歴情報が示す時系列データから時刻tの優先要求数を取得する(ステップS140)。要求数予測部5は、優先要求数予測式のyに時刻tの優先要求数を代入して^yt+1を算出し、時刻t+jのステップにおける予測優先要求数とする(ステップS145)。
要求数予測部5は、要求数推移予測処理を終了するか否かを判断する(ステップS150)。要求数予測部5は、要求数推移予測処理を終了しないと判断した場合(ステップS150:NO)、合計要求数予測式のyに時刻t+jのステップにおける予測合計要求数を代入して^yt+1を算出し、時刻t+j+1のステップにおける予測合計要求数とする(ステップS155)。さらに、要求数予測部5は、優先要求数予測式のyに時刻t+jのステップにおける予測優先要求数を代入して^yt+1を算出し、時刻t+j+1のステップにおける予測優先要求数とする(ステップS160)。要求数予測部5は、変数jに1を加算して更新し(ステップS165)、ステップS150からの処理を繰り返す。
そして、要求数予測部5は、要求数推移予測処理を終了すると判断した場合(ステップS150:YES)、処理を終了する。例えば、変数jが入力部7により予め入力された予測期間の最後のステップに対応した値を超えた場合や、入力部7により終了の指示が入力された場合、要求数推移予測処理を終了すると判断する。
上記処理により、要求数予測部5は、複数ステップ先までの予測合計要求数及び予測優先要求数の推移予測を得る。なお、合計要求数予測式や優先要求数予測式の学習のみを行う場合、要求数予測部5は、ステップS105〜ステップS120の処理のみを行う。また、要求数予測部5は、合計要求数の推移予測のみを算出する場合、ステップS115、S120、S140、S145、及びS160の処理を省略し、優先要求数の推移予測のみを算出する場合、ステップS105、S110、S130、S135、及びS155の処理を省略する。
図3は、要求数予測装置1における要求数の推移予測の表示例を示す図である。
要求数予測部5は、同図に示すように、履歴情報から得られる時刻tまでの合計要求数及び優先要求数と、時刻t+1以降について算出した予測合計要求数及び予測優先要求数とを、折れ線グラフにより表示部8に表示させる。
図4は、要求数予測装置1における要求数の推移予測の他の表示例を示す図である。
要求数予測部5は、履歴情報から得られる時刻tまでの優先要求数及び一般要求数と、時刻t+1以降について算出した予測優先要求数及び予測一般要求数とを、同図に示すように棒グラフにより表示部8に表示させる。なお、縦軸のメモリは、算出した予測合計要求数の最大値(予測最大要求数)を1.0としたときの値を示す。要求数予測部5は、時刻t+jの予測一般要求数を、時刻t+jの予測合計要求数から時刻t+jの予測優先要求数を減算して算出する。さらに、要求数予測部5は、予測最大要求数に対するEMS性能の割合をグラフ上に表示する。EMS性能は、入力部7によりユーザが入力しておく。
次に、レイテンシ予測について説明する。
要求には、優先要求と一般要求の区別があるものの、基本的にはEMSは要求発生順序を維持して要求を処理する。そのため、負荷平準化により後回しにされた要求処理がどれくらい遅延するか、すなわち、いつ処理実行されるかは、EMS性能余力に依存する。
図5は、要求数予測装置1に適用されるEMS負荷平準化技術を説明するための図である。同図では、時系列の合計要求数(優先要求と一般要求の合計数)の推移p1と優先要求数の推移p2を示している。PEMSは、EMSが遅延なく処理可能な要求数である。EMS負荷平準化技術を使用しない場合、合計要求数がPEMSを超えている時間帯があるため、PEMSが最大の合計要求数(サービス要求数)を超えるようにEMSを増設しなければならない。しかし、最大の合計要求数を想定して設備投資を行うと、EMSの平均の稼働率が低くなってしまい、CAPEX/OPEXの恩恵を最大限に享受できない。EMS負荷平準化技術は、優先要求処理のEMS性能を確保した上で、EMS性能余力を超えた分の一般要求数を、次ステップ以降に要求発生順に処理する。EMS性能余力とは、優先要求数とPEMSとの差分である。
図6〜図9は、要求数予測装置1におけるレイテンシ導出の考え方を示す図である。
時刻tの合計要求数をg(t)、時刻tの優先要求数をe(t)、時刻tにおける処理対象の要求の総数を総要求数G(t)、時刻tにおける処理待ち要求数をw(t)、時刻tにおけるEMS性能余力をPe(t)とする。Pe(t)は、PEMS−e(t)により得られる。
図6は、時系列の過去及び予測の一般要求数及び優先要求数を示している。各ステップの棒グラフの下の部分は優先要求数を示しており、上の部分は一般要求数を示している。優先要求数及び一般要求数を合わせた棒グラフ全体の高さは、合計要求数を表す。同図において、時刻t−1までは、合計要求数がPEMSを下回っており、時刻tにおいて、合計要求数g(t)がPEMSを超過している。つまり、時刻tより前には処理待ちの要求がないため、合計要求数g(t)=総要求数G(t)となる。時刻tにおける一般要求の処理待ち要求数w(t)は、総要求数G(t)−PEMSにより得られる。
図7は、時刻tの処理待ちの一般要求を時刻t+1に遅延させたときの要求数を示す。同図に示すように、時刻t+1の総要求数G(t+1)は、合計要求数g(t+1)と処理待ち要求数w(t)の合計となる。EMSは、EMS性能余力Pe(t+1)の一般要求を要求時刻順に処理する。時刻t+1におけるEMS性能余力Pe(t+1)>処理待ち要求数w(t)であるため、EMSは、時刻tの一般要求全てを時刻t+1において処理する。従って、時刻tの一般要求のレイテンシは1(時刻tのステップから時刻t+1のステップまでのステップ数)となる。時刻t+1における一般要求の処理待ち要求数w(t+1)は、総要求数G(t+1)−PEMSにより得られる。
図8は、時刻t+1の処理待ちの一般要求を時刻t+2に遅延させたときの要求数を示す。同図に示すように、時刻t+2の総要求数G(t+2)は、合計要求数g(t+2)と処理待ち要求数w(t+1)の合計となる。時刻t+2におけるEMS性能余力Pe(t+2)<処理待ち要求数w(t+1)であるため、EMSは、時刻t+2において、時刻t+1に発生した処理待ち要求数w(t+1)の一般要求のうち、要求時刻順にEMS性能余力Pe(t+2)だけ処理を行い、残りは処理待ちとなる。また、時刻t+2に発生した一般要求は全て処理待ちとなる。
時刻t+2における一般要求の処理待ち要求数w(t+2)は、総要求数G(t+2)−PEMSにより得られる。処理待ち要求数w(t+2)は、時刻t+1に発生した一般要求のうち、時刻t+2で処理できなかった一般要求と、時刻t+2に発生した一般要求との合計数である。時刻t+1に発生した処理待ちの一般要求のうち、時刻t+2で処理できなかった一般要求の数をw(t+2)’とし、時刻t+2に発生した処理待ちの一般要求の数をw(t+2)”とする。
図9は、時刻t+2の処理待ちの一般要求を時刻t+3に遅延させたとき要求数を示す。同図に示すように、時刻t+3の総要求数G(t+3)は、合計要求数g(t+3)と処理待ち要求数w(t+2)の合計となる。時刻t+3におけるEMS性能余力Pe(t+3)<処理待ち要求数w(t+2)’であるため、EMSは、時刻t+3において、未処理であった時刻t+1の一般要求をすべて処理する。従って、時刻t+1の一般要求のレイテンシは2(=時刻t+3−時刻t+1)となる。
上記を繰り返すことにより、各時刻に発生した要求のレイテンシが算出される。
上記から、複数ステップ先までの予測合計要求数及び予測優先要求数が得られれば、レイテンシが予測できることが分かる。レイテンシの時間的粒度は、要求数推移予測の時間的粒度、つまり、1ステップの時間に依存する。
図10は、処理遅延予測部6におけるレイテンシ予測処理を示す処理フローである。
このレイテンシ予測処理の開始前に、学習部4は、合計要求数予測式及び優先要求数予測式を学習し、要求数予測部5は、学習部4が学習した合計要求数予測式及び優先要求数予測式を用いて、予測合計要求数及び予測優先要求数を予め算出しておく。なお、要求数予測部5は、処理遅延予測部6からの要求がある度に予測合計要求数及び予測優先要求数を算出してもよい。
まず、処理遅延予測部6に要求発生時刻と、処理待ち要求数wと、EMS性能PEMSとが入力される(ステップS205)。要求発生時刻は、現在時刻でもよく、現在時刻以前または以降の時刻でもよい。処理遅延予測部6は、入力された要求発生時刻を時刻Tに設定する(ステップS210)。
処理遅延予測部6は、時刻Tを要求数予測部5に出力し、合計要求数g(T)及び優先要求数e(T)を要求する。要求数予測部5は、学習部4により学習された合計要求数予測式及び優先要求数予測式を用いて算出された時刻Tにおける予測合計要求数及び予測優先要求数を、合計要求数g(T)及び優先要求数e(T)として処理遅延予測部6に返送する(ステップS215)。なお、時刻Tが現在時刻よりも前の時刻である場合、要求数予測部5は、履歴情報から時刻Tの合計要求数及び優先要求数を取得し、合計要求数g(T)及び優先要求数e(T)として処理遅延予測部6に出力する。以下の処理においても同様である。
処理遅延予測部6は、PEMSが優先要求数e(T)を下回るか否かを判断する(ステップS220)。処理遅延予測部6は、PEMSが優先要求数e(T)を下回ると判断した場合(ステップS220:YES)、エラーと現在の時刻Tの値を出力して処理を終了する(ステップS225)。時刻Tの値を出力することにより、EMS性能要件を満たさないことをエラーで示すだけでなく、いつEMS性能を満たさなくなるかを把握可能とする。
処理遅延予測部6は、PEMSが優先要求数e(T)以上であると判断した場合(ステップS220:NO)、時刻Tにおける総要求数Gを計算する(ステップS230)。総要求数Gは、合計要求数g(T)と処理待ち要求数wとの加算により算出される。処理遅延予測部6は、総要求数Gが、PEMSで処理可能か否かを判断する(ステップS235)。処理遅延予測部6は、総要求数GがPEMS以下であり、総要求数GがPEMSで処理可能であると判断した場合(ステップS235:YES)、レイテンシが0と判断する(ステップS240)。つまり、処理遅延予測部6は、要求発生時刻において発生した要求は、要求発生時刻の次の時刻までに処理が開始されていると判断し、処理を終了する。
処理遅延予測部6は、総要求数GがPEMSより大きく、総要求数GがPEMSで処理できないと判断した場合(ステップS235:NO)、処理待ち要求数wを算出する(ステップS245)。処理待ち要求数wは、総要求数GからPEMSを減算して算出される。処理遅延予測部6は、時刻Tの値を、次のステップの時刻T+1に更新する(ステップS250)。処理遅延予測部6は、更新した時刻Tを要求数予測部5に出力し、合計要求数g(T)及び優先要求数e(T)を要求する。要求数予測部5は、時刻Tにおける予測合計要求数及び予測優先要求数を、合計要求数g(T)及び優先要求数e(T)として処理遅延予測部6に返送する(ステップS255)。
処理遅延予測部6は、PEMSがステップS255により得た優先要求数e(T)を下回るか否かを判断する(ステップS260)。処理遅延予測部6は、PEMSが優先要求数e(T)を下回ると判断した場合(ステップS260:YES)、エラーと時刻Tの値を出力して処理を終了する(ステップS225)。
処理遅延予測部6は、PEMSが優先要求数e(T)以上である判断した場合(ステップS260:NO)、待ち要求数wがEMS性能余力で処理し終えるまで、時刻Tを更新する。そこで、処理遅延予測部6は、PEMSから、優先要求数e(T)を減算してEMS性能余力を算出する(ステップS265)。処理遅延予測部6は、算出したEMS性能余力よりも待ち要求数wが大きいか否かを判断する(ステップS270)。処理遅延予測部6は、待ち要求数wがEMS性能余力よりも大きいと判断した場合(ステップS270:YES)、処理待ち要求数wを更新する(ステップS275)。具体的には、処理遅延予測部6は、合計要求数g(T)と、現在の処理待ち要求数wとの合計から、PEMSを減算した値により、処理待ち要求数wを更新する。処理遅延予測部6は、時刻Tを、次のステップの時刻T+1に更新する(ステップS280)。処理遅延予測部6は、時刻Tを要求数予測部5に出力し、合計要求数g(T)及び優先要求数e(T)を要求する。要求数予測部5は、時刻Tにおける予測合計要求数及び予測優先要求数を、合計要求数g(T)及び優先要求数e(T)として処理遅延予測部6に返送する(ステップS285)。
処理遅延予測部6は、PEMSが優先要求数e(T)を下回るか否かを判断する(ステップS290)。処理遅延予測部6は、PEMSが優先要求数e(T)を下回ると判断した場合(ステップS290:YES)、エラーと時刻Tの値を出力して処理を終了する(ステップS225)。
処理遅延予測部6は、PEMSが優先要求数e(T)以上であると判断した場合(ステップS290:YES)、ステップS265からの処理を繰り返す。
そして、処理遅延予測部6は、待ち要求数wがEMS性能余力以下であると判断した場合(ステップS270:NO)、レイテンシは、要求発生時刻から時刻Tまでの間のステップ数であると判断する(ステップS295)。つまり、処理遅延予測部6は、レイテンシは、要求発生時刻のステップから時刻Tのステップまでのステップ数であり、要求発生時刻において発生した要求は、時刻T+1までに処理が開始されていると判断し、処理を終了する。
上記のように、処理遅延予測部6は、時系列予測手法を適用して得られた要求数の推移に基づいてレイテンシを予測する。レイテンシの時間的粒度は、学習部4が学習したときに用いた要求数推移予測の時間的粒度(1ステップの時間長)に依存する。
ユーザがレイテンシ算出期間を入力部7により入力した場合、処理遅延予測部6は、そのレイテンシ算出期間に含まれる各ステップの時刻をステップS205に入力する要求発生時刻として、図10に示す処理を行う。なお、ステップS205において要求発生時刻とともに入力する処理待ち要求数は、その要求発生時刻よりも前の時刻を要求発生時刻として図10の処理を行ったときに得られた処理待ち要求数を用いる。これにより、レイテンシ算出期間に含まれる各ステップについてのレイテンシが得られる。
図11は、図3に示す要求数の推移予測が得られたときに得られたレイテンシの表示例を示す図である。処理遅延予測部6は、各時刻のステップについて算出したレイテンシを同図に示すようにグラフにより表示する。同図の棒グラフは、1時間毎の要求数推移予測を基にした結果のため、時刻tにおけるレイテンシ(=1)は、時刻tに発生した要求が最大1時間遅延していることを示す。また、同図において、折れ線グラフはEMS性能に対する待ち要求数の割合を表している。同図に示す例では、最大でEMS性能の5倍近くの要求数が待ち時間となる時間帯がある。この待ち要求数が、ESM性能余力で処理されることになる。
上記のように、学習部4において合計要求数予測式及び優先要求数予測式が学習されれば、ユーザがEMS性能を意図的に変更して入力することにより、処理遅延予測部6により、そのEMS性能のときのレイテンシを算出することが可能である。
例えば、ユーザは3か月後までなど、所定期間先までの要求数の予測を入力部7により要求数予測装置1に入力する。学習部4は、履歴情報を参照して合計要求数予測式及び優先要求数予測式を算出し、要求数予測部5は、学習部4が学習した合計要求数予測式及び優先要求数予測式を用いて、現在から指定された所定期間先までの予測合計要求数を算出する。
ユーザは、予測合計要求数の最大値に対するEMS性能の割合を入力部7により要求数予測装置1に入力する。処理遅延予測部6は、要求数予測部5が算出した所定期間先までの予測合計要求数のうち最大値を選択し、選択した予測合計要求数に入力された割合を乗算した結果を、ステップS205において入力されるPEMSとする。そして、処理遅延予測部6は、上述したように、レイテンシ算出期間の各ステップについてレイテンシを算出し、レイテンシ算出期間における最大レイテンシと平均レイテンシを算出する。これにより、EMS性能を変更した場合のレイテンシを得ることができる。
また、ユーザが予測合計要求数の最大値に対するEMS性能の割合を複数入力した場合、処理遅延予測部6は、その割合のそれぞれについてレイテンシ算出期間における最大レイテンシと平均レイテンシを算出する。例えば、0.5〜1.0までの0.1きざみなどのように入力することも可能である。処理遅延予測部6は、それら複数の割合のそれぞれについてレイテンシ算出期間における最大レイテンシと平均レイテンシを算出し、表示部8に表示させる。
図12は、EMS性能を変化させた場合に算出されたレイテンシの表示例を示す図である。処理遅延予測部6は、同図に示すように、予測合計要求数の最大値に対するEMS性能の割合と、最大レイテンシ及び平均レイテンシとの関係を表示部8に表示させる。例えば、事業者が、レイテンシを最大2時間とする場合、図12に示す表示から、EMS性能を最大要求数の0.7以上としなければならないことが分かる。事業者は、この表示を参照して、適切なEMS性能の設備量を供給することにより、過剰なCAPES/OPEXを抑えることが可能となる。
次に、要求数予測装置1に対する実験結果について示す。
実験には、実際のキャリア網において稼働しているEMSから抽出した要求履歴のうち、連続する106日間分(述べ2378805件)を用いた。なお、抽出対象となったEMSは、全体の一部であるため、本実験で用いた要求数は、全体の契約件数を表すものではない。また、HW法で扱う時系列データは、要求履歴を基に1時間ごとに統計を取った要求数(優先要求と一般要求の合計要求数、及び、優先要求数)を使用した。ただし、乗法モデルの適用については測定値0が扱えないため、0は1にスムージングして用いた。
本実験では、予測区間L(=1008時間(6週間))の予測精度を評価した。HW法における加法モデル及び乗法モデルの適合性を計る指標として、以下の式(4)に示すように、RMSEを採用した。RMSEは正解の値と推移予測の誤差を数値化しているため、小さい程予測精度が高く、優れたモデルといえる。
Figure 2016162074
なお、本実験におけるHW法の実装と各パラメタα、β、γの選定及び要求数推移予測は、GNU R(統計処理ソフト R)のHoltWinters及びForcastライブラリを利用した。GNU Rでは、時系列モデル作成時にパラメタを指定しなかった場合、与えられた測定値と推移予測の平均二乗誤差が最も小さくなるようなパラメタが選定される。なお、季節性周期Sは168(1週間)とした。
学習部4による学習の結果得られたパラメタは、加法モデルの合計要求数予測式の場合、α=0.31、β=0.00、γ=0.49であり、加法モデルの優先要求数予測式の場合、α=0.46、β=0.00、γ=0.53であった。また、乗法モデルの合計要求数予測式の場合、α=0.0、β=0.00、γ=0.31であり、乗法モデルの優先要求数予測式の場合、α=0.0、β=0.00、γ=0.58であった。
表1の評価結果は、加法モデルと乗法モデルのそれぞれによる推移予測(予測区間L=1008時間(6週間))のうち、1日目(1〜24時間)、7日目(145〜168時間)、及び、42日目(985〜1008時間)の予測誤差を示す。
Figure 2016162074
上記の表に示すように、HW法は、42日目の優先要求を除き、あらかたの予測期間において良好な予測結果を得ることが確認できた。加法モデルと乗法モデルの予測誤差を比較した結果、本EMSにおける要求数予測にHW法を適用する場合は、加法モデルが有効であると言える。
また、図13は、要求数予測装置1による1日目の加法モデルによる推移予測の結果を示すグラフであり、図14は、要求数予測装置1による42日目の加法モデルによる推移予測の結果を示すグラフである。図13及び図14から、時期の変化により測定値が変化しているにも関わらず精度よく予測ができていることが分かる。また、42日目の予測精度が1日目の予測精度には劣るが、比較的良好な推移予測ができていることが分かる。以上のことから、本方式は、1日先から42日先まで高い精度を維持して予測可能な方式と言える。
図15は、要求数予測装置1によるレイテンシの予測結果を示す図である。最大要求数を処理可能なEMS性能を1.0(横軸)とし、最大要求数に対してどれくらいのEMS性能があれば、どれくらいのレイテンシが発生するのかを要求数予測装置1により算出した。例えば、運用要件として最大3時間あるいは平均0.21時間までのレイテンシを許容できるなら、最大要求数に対して6割程度のEMS性能供給で賄え、逆に最大要求数に対して5割のEMS性能で運用した場合は、最大5時間(平均0.79時間)のレイテンシが発生することがわかる。
図15に示すレイテンシの予測結果は、先に示したHW法(加法モデル)が良好な予測精度であったことから運用上許容できるレイテンシから将来必要なEMS性能需要を適切に見積もれたと考えられる。よって、この結果に基づいて適切なEMS性能(設備量)を供給すれば、CAPEX/OPEXを抑えることが可能となる。
以上説明したように、要求数予測装置1は、サービス設定要求数の推移予測及び要求発生から処理実行までのタイムラグを示すレイテンシの導出を精度よく行うことができる。よって、サービス設定要求の処理が所定の品質を満たす範囲で、CAPEX/OPEXができる限り抑えるように、適切な時EMS性能(設備量)を見積もることか可能となる。
上述した要求数予測装置1の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1 要求数予測装置
2 履歴記憶部
3 処理部
4 学習部
5 要求数予測部
6 処理遅延予測部
7 入力部
8 表示部

Claims (8)

  1. 各単位時間において発生した処理要求の数に基づいて、処理要求の数を変数とし、単位時間における処理要求の数から次の単位時間における処理要求の予測数を算出する時系列予測アルゴリズムを学習する学習部と、
    前記時系列予測アルゴリズムを用いて、予測を開始する単位時間の前の単位時間において発生した処理要求の数から、予測を開始する前記単位時間における処理要求の予測数を算出した後、算出された前記予測数から、前記時系列予測アルゴリズムを用いて、前記予測数が算出された次の単位時間における処理要求の予測数を算出する処理を繰り返して処理要求の予測数の推移を算出する要求数予測部と、
    を備えることを特徴とする要求数予測装置。
  2. 前記要求数予測部が予測した前記処理要求の予測数の推移と、前記処理要求の処理を行う処理装置が処理可能な処理要求の数とに基づいて、処理要求の発生から処理開始までの遅延時間を算出する処理遅延予測部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の要求数予測装置。
  3. 前記処理要求には、前記処理装置において優先して処理される処理要求である優先要求と、前記処理装置において前記優先要求の処理を行った余力により処理される処理要求である一般要求とがあり、
    前記学習部は、前記優先要求について前記時系列予測アルゴリズムをさらに学習し、
    前記要求数予測部は、前記優先要求について学習された前記時系列予測アルゴリズムを用いて、予測を開始するステップの前のステップにおける優先要求の数から、予測を開始する前記ステップにおける優先要求の予測数を算出し、算出された優先要求の前記予測数から、前記優先要求について学習された前記時系列予測アルゴリズムを用いて、優先要求の前記予測数が算出された次のステップにおける優先要求の予測数を算出する処理を繰り返して優先要求の予測数の推移をさらに算出し、
    前記処理遅延予測部は、前記要求数予測部が予測した前記優先要求の予測数の推移の中に、前記処理装置が処理可能な処理要求の数を超えた予測数がある場合に、エラーを検出する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の要求数予測装置。
  4. 前記処理遅延予測部は、前記要求数予測部が予測した所定期間における前記処理要求の予測数の推移の最大値に対する所定割合を、前記処理装置が処理可能な処理要求の数として用いて前記遅延を算出する、
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の要求数予測装置。
  5. 要求数予測装置が実行する要求数予測方法であって、
    学習部が、各単位時間において発生した処理要求の数に基づいて、処理要求の数を変数とし、単位時間における処理要求の数から次の単位時間における処理要求の予測数を算出する時系列予測アルゴリズムを学習する学習過程と、
    要求数予測部が、前記時系列予測アルゴリズムを用いて、予測を開始する単位時間の前の単位時間において発生した処理要求の数から、予測を開始する前記単位時間における処理要求の予測数を算出した後、算出された前記予測数から、前記時系列予測アルゴリズムを用いて、前記予測数が算出された次の単位時間における処理要求の予測数を算出する処理を繰り返して処理要求の予測数の推移を算出する要求数予測過程と、
    を有することを特徴とする要求数予測方法。
  6. 処理遅延予測部が、前記要求数予測過程において予測された前記処理要求の予測数の推移と、前記処理要求の処理を行う処理装置が処理可能な処理要求の数とに基づいて、処理要求の発生から処理開始までの遅延時間を算出する処理遅延予測過程をさらに有する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の要求数予測方法。
  7. 前記処理要求には、前記処理装置において優先して処理される処理要求である優先要求と、前記処理装置において前記優先要求の処理を行った余力により処理される処理要求である一般要求とがあり、
    前記学習過程において、前記優先要求について前記時系列予測アルゴリズムをさらに学習し、
    前記要求数予測過程において、前記優先要求について学習された前記時系列予測アルゴリズムを用いて、予測を開始するステップの前のステップにおける優先要求の数から、予測を開始する前記ステップにおける優先要求の予測数を算出し、算出された優先要求の前記予測数から、前記優先要求について学習された前記時系列予測アルゴリズムを用いて、優先要求の前記予測数が算出された次のステップにおける優先要求の予測数を算出する処理を繰り返して優先要求の予測数の推移をさらに算出し、
    前記処理遅延予測過程において、前記要求数予測過程において予測された前記優先要求の予測数の推移の中に、前記処理装置が処理可能な処理要求の数を超えた予測数がある場合に、エラーを検出する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の要求数予測方法。
  8. 前記処理遅延予測過程において、前記要求数予測過程において予測した所定期間における前記処理要求の予測数の推移の最大値に対する所定割合を、前記処理装置が処理可能な処理要求の数として用いて前記遅延を算出する、
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の要求数予測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108874823A (zh) * 2017-05-12 2018-11-23 阿里巴巴集团控股有限公司 智能客服的实现方法和装置

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