JP2016160775A - 太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽日射の急速な喪失時であっても、蒸気タービン入口蒸気温度を許容偏差内に制御して蒸気タービン機器の故障を防止し、装置の寿命を長くするができること。【解決手段】本発明の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムは、上記課題を解決するために、太陽光集熱(CSP)装置で発生したCSP蒸気を分岐して、ボイラの伝熱管の入口及び出口に投入するボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統と、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統の途中に設置され、前記伝熱管の入口へ前記CSP蒸気を投入するための開閉を行うボイラ入口投入CSP蒸気止弁と、前記ボイラ出口投入CSP蒸気系統の途中に設置され、前記伝熱管の出口への前記CSP蒸気の流量を調整するボイラ出口投入CSP蒸気加減弁と、該ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御する制御装置とを備えていることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム及びその制御方法に係り、特に、太陽熱集熱装置によって蒸気を発生させる装置と、燃料を燃焼させた熱で蒸気を発生する装置を組み合わせたものに好適な太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム及びその制御方法に関する。
近年、地球温暖化対策のためのCO2排出量削減のため、再生可能エネルギーの利用が推進される中、太陽熱を利用して蒸気を生成し、蒸気タービン等により発電する太陽熱集熱(以下、CSP(Concentrating Solar Patrols)という)発電システムが開発されている。CSPにおける集熱量は、太陽からの日射量により決定されるため、立地、季節により太陽光が雲に遮られるなど、短時間に集熱量が増減することが考えられる。
年間の累積直達日射量が2000kWh/m2を超えるサンベルト地帯でも、雨季には日射量の急変があり、また、サンベルト地帯以外の温帯地域などでは、1日の天候の変化により日射量の増減が繰り返される。
CSPを利用した発電システムの構成としては、主としてCSPで蒸気を発生し発電する単独発電システムと、燃料の燃焼により主として蒸気を発生するボイラの一部蒸気をCSPで補助する複合発電システムがある。
CSP発電システムにおいて、太陽日射量の変動に伴い蒸気発生量或いは発生蒸気温度が変動することに対応するため、以下のような特許文献1及び2がある。
例えば、特許文献1には、CSP装置と補助的なボイラを備え、CSP装置が日射量変動により集熱量が変化したときに、ボイラで発生する蒸気によりバックアップすることが記載されている。また、特許文献2には、蓄熱装置を備え、CSPで発生した蒸気により蓄熱槽内の熱媒体を加熱し、集熱量の変化を蓄熱槽の熱により補助して蒸気を発生させることが記載されている。
ここで、燃料焚きボイラをCSPにより補助する複合発電システムにおいて、太陽日射量の変動に伴う蒸気量、蒸気温度の増減抑制という課題を考える。
燃料焚きボイラを主とする複合発電システムでは、特許文献1及び2に記載されている補助ボイラ、蓄熱槽などの蒸気生成をバックアップする熱源装置を設置することは、補助設備であるCSPの設備コスト増大を招くため、可能な限り避けるべきである。また、CSPによる補助熱量が、システム全体の蒸気熱量の小さな部分、即ち、1〜2%しか占めなければ、太陽日射量の変動が発電に用いる全蒸気へ与える影響は小さく、ボイラの熱慣性とCSPの蒸気滞留時間による時間遅れ効果により、蒸気状態の変動を吸収できる。しかし、CSP補助熱量が小さいということは、ボイラ燃料の焚き減らしが少なくなり、CO2排出量の削減効果、或いは運転コストの低減効果が小さいことを意味する。
これらの目的、効果を大きくするためには、CSPによる補助熱量を大きくする必要がある。この場合、図8に示す太陽日射強度の変動において、(1)の日射強度の小さな変動には対応できても、(2)の急速な日射喪失では装置に問題が起きる。
図9に、ボイラ入熱の5%をCSPで補助する複合発電システムにおいて、太陽日射が急速に喪失した場合の現象を模式的に示している。
該図に示す如く、太陽日射が小さな変動をしても、ボイラの制御回路により蒸気タービン(ST)入口の蒸気温度変化を燃料流量の操作にフィードバックし、ST入口蒸気温度を一定に保持することができる。しかし、ボイラの制御によってST入口蒸気温度を一定に保つことが可能なのは、入熱の変化速度が5〜10%/分以下の場合であり、そのため、従来のボイラでは、負荷変化速度などに制限をかけてST入口蒸気温度の変動を抑制し、STの翼損傷などの故障を防止している。
従って、5%の入熱が10〜20秒以内で喪失する自然現象では、ボイラ制御の限界を超え、ST入口温度の目標値からの偏差が許容下限を超えてしまい、STに損傷を与えたり或いは装置寿命を短くする可能性がある。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、太陽日射の急速な喪失時であっても、蒸気タービン入口蒸気温度を許容偏差内に制御して蒸気タービン機器の故障を防止し、装置の寿命を長くするができる太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム及びその制御方法を提供することにある。
本発明の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムは、上記目的を達成するために、燃料を燃焼する燃焼器、該燃焼器での燃焼ガスの熱を、伝熱管内を通る給水に伝えるボイラ、前記伝熱管で発生した蒸気により駆動される蒸気タービン、該蒸気タービンに連結されて発電する発電機からなる燃料ボイラ発電装置と、太陽熱を集熱し、この太陽熱で太陽光集熱(CSP)給水を加熱してCSP蒸気を発生させるCSP装置と、該CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記ボイラの入口側若しくは出口側に投入する投入系統とを備えた太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムであって、前記投入系統を分岐して前記CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記伝熱管の入口及び出口に投入するボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統と、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統の途中に設置され、前記伝熱管の入口へ前記CSP蒸気を投入するための開閉を行うボイラ入口投入CSP蒸気止弁と、前記ボイラ出口投入CSP蒸気系統の途中に設置され、前記伝熱管の出口への前記CSP蒸気の流量を調整するボイラ出口投入CSP蒸気加減弁と、該ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御する制御装置とを備えていることを特徴とする。
また、本発明の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法は、上記目的を達成するために、燃料を燃焼する燃焼器、該燃焼器での燃焼ガスの熱を、伝熱管内を通る給水に伝えるボイラ、前記伝熱管で発生した蒸気により駆動される蒸気タービン、該蒸気タービンに連結されて発電する発電機からなる燃料ボイラ発電装置と、太陽熱を集熱し、この太陽熱で太陽光集熱(CSP)給水を加熱してCSP蒸気を発生させるCSP装置と、該CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記ボイラの入口側若しくは出口側に投入する投入系統とを備えた太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムを制御する際に、前記投入系統をボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統に分岐して、前記CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統を介して前記伝熱管の入口及び出口に投入すると共に、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統の途中に設置されたボイラ入口投入CSP蒸気止弁を開閉することで前記伝熱管の入口へ前記CSP蒸気を投入し、かつ、前記ボイラ出口投入CSP蒸気系統の途中に設置されたボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の開度を変えることで前記伝熱管の出口への前記CSP蒸気の流量を調整し、しかも、制御装置で前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御することを特徴とする。
本発明によれば、太陽日射の急速な喪失時であっても、蒸気タービン入口蒸気温度を許容偏差内に制御して蒸気タービン機器の故障を防止し、装置の寿命を長くするができる。
以下、図示した実施例に基づいて本発明の図面を用いて本発明の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム及びその制御方法を説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用する。
図1に、本発明の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの実施例1を示す。
該図に示す如く、本実施例の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムは、燃料4を燃焼する燃焼器(図示せず)、この燃焼器での燃焼ガスの熱を、ボイラ伝熱管5内を通るボイラ給水3に伝える燃料ボイラ1、ボイラ伝熱管5で発生したボイラ蒸気6により駆動される蒸気タービン7、この蒸気タービン7に連結されて発電する発電機8からなる燃料ボイラ発電装置と、太陽熱を集熱し、この太陽熱で太陽光集熱(CSP)給水13を加熱してCSP蒸気15を発生させるトラフ型CSP装置14と、このトラフ型CSP装置14で発生したCSP蒸気15を、燃料ボイラ1の入口側若しくは出口側に投入する投入系統と、この投入系統を分岐してトラフ型CSP装置14で発生したCSP蒸気15を、ボイラ伝熱管5の入口及び出口に投入するボイラ入口投入CSP蒸気系統18及びボイラ出口投入CSP蒸気系統19と、ボイラ入口投入CSP蒸気系統18の途中に設置され、ボイラ伝熱管5の入口へCSP蒸気15を投入するための開閉を行うボイラ入口投入CSP蒸気止弁16と、ボイラ出口投入CSP蒸気系統19の途中に設置され、ボイラ伝熱管5の出口へのCSP蒸気15の流量を調整するボイラ出口投入CSP蒸気加減弁17と、ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁17の弁開度を制御する制御装置23とから概略構成されている。
更に詳述すると、燃料ボイラ1には、給水ポンプ2によりボイラ給水3が供給され、燃料4を燃焼して生成する高温の燃焼ガス中を通るボイラ伝熱管5内でボイラ給水3が加熱され、ボイラ蒸気6が発生する。ボイラ蒸気6は蒸気タービン7に送られて蒸気タービン7を駆動し、蒸気タービン7に連結された発電機8が回転することにより発電する。また、蒸気タービン7の下流側には復水器9が設置され、蒸気タービン7からの蒸気が復水器9で冷却、凝縮されて給水となり、この給水が途中で分岐されて一方がボイラ伝熱管5内を通るボイラ給水3となり燃料ボイラ1に送られ、他方が太陽熱で加熱されるCSP給水13となりトラフ型CSP装置14に送られる。即ち、本実施例は、上述した構成の燃料ボイラ発電装置に、太陽熱で熱量を補助するトラフ型CSP装置14が組み合わされているものである。
なお、燃料ボイラ1とトラフ型CSP装置14への給水量割合は、ボイラ給水加減弁11とCSP給水加減弁12の開度により調整される。また、トラフ型CSP装置14は、太陽光を反射、集光するよう曲面構造を持つ鏡面と、鏡面で反射された太陽光の焦点にCSP給水13を通過させ加熱する水管をもつ構造であり、地上平面で太陽熱を集熱できるため、建設コストが比較的安価である利点を持つ。
そして、本実施例では、上述した如く、トラフ型CSP装置14により加熱され発生したCSP蒸気15は、ボイラ入口投入CSP蒸気系統18とボイラ出口投入CSP蒸気系統19に分岐されている。本実施例では、ボイラ入口投入CSP蒸気系統18が主経路であり、この主経路のボイラ入口投入CSP蒸気止弁16を開き、トラフ型CSP装置14で発生したCSP蒸気15が分岐したボイラ入口投入CSP蒸気系統18を投入することで、燃料ボイラ発電システムをCSP蒸気15の熱量により補助するものである。
一方、ボイラ出口投入CSP蒸気系統19の途中には、ボイラ出口投入蒸気加減弁17が設置されており、このボイラ出口投入蒸気加減弁17の開度を調整して、CSP蒸気15の一部を燃料ボイラ1のボイラ伝熱管5の出口に投入する割合を制御している。ボイラ出口投入蒸気系統19は、ボイラ蒸気6の温度を抑制するスプレとして働き、蒸気温度を調節している。
上述のボイラ出口投入蒸気加減弁17の開度指令24は、制御装置23より発信されており、この制御装置23では、ボイラ蒸気6とCSP蒸気15が合流した蒸気タービン入口蒸気20の温度を計測する蒸気タービン入口蒸気温度計21から受信する蒸気タービン入口蒸気温度信号22と、CSP蒸気15の温度を計測するCSP蒸気温度計25から受信するCSP蒸気温度信号26と、及び/又は太陽日射の強度を測定する日射強度計27から受信する日射強度信号28とに基づいて、ボイラ出口投入蒸気加減弁17の開度指令24を決定している。
図2に、図1の制御装置23で実施される制御ロジックの概略を示している。
該図に示す如く、太陽日射が得られている状態で用いる常用の蒸気温度制御回路33では、蒸気タービン入口蒸気温度計21で計測された蒸気タービン入口蒸気温度信号22を受信し、この受信された蒸気タービン入口蒸気温度と予め設定された設定温度との偏差を偏差計算機34で計算する。そして、受信された蒸気タービン入口蒸気温度と設定温度の偏差を縮小するように、比例−積分−微分器35で制御信号が生成され、関数変換器36にてボイラ出口投入蒸気加減弁17の開度指令24の数値に変換される。ボイラ出口投入蒸気加減弁17の開度指令24により、ボイラ出口投入蒸気加減弁17の弁開度が調整され、蒸気タービン入口蒸気温度は、設定値から一定偏差内に制御される。
この常用の蒸気温度制御回路33によって、太陽日射の小さな変動によるCSP蒸気15の温度変化、及びその影響による蒸気タービン入口蒸気20の温度変化を吸収することが可能である。
また、本実施例では、太陽日射が急速に喪失した場合に対応する制御回路が、併せて設けられている。即ち、太陽日射が急速に喪失した場合、トラフ型CSP装置14と燃料ボイラ1の滞留時間だけ遅れを持って、蒸気タービン入口蒸気20の温度は急速に低下する。それに先立ち、制御装置23は、日射強度計27からの日射強度信号28によって直接日射の喪失を感知し、或いはCSP蒸気15の温度の低下をCSP蒸気温度計25からのCSP蒸気温度信号26によって検知する。
どちらの信号についても、値の急落は微分器38、40によって検出されて制御信号が発信される。この制御信号は、関数変換器39、41によって蒸気加減弁開度指令の変更値に変換され、加算器37においてボイラ出口投入蒸気加減弁17の開度指令24の値を調整する。具体的には、ボイラ出口投入蒸気加減弁17の開度を絞り、蒸気タービン入口蒸気20の温度を抑制していたCSP蒸気15の流量を減少させることにより、蒸気タービン入口蒸気20の温度が許容偏差以下に落ちるまでの時間を延長させ、この間に燃料ボイラ1の制御系統の働きで燃料流量を増加させて、許容偏差内で蒸気温度を上昇に転じさせることが可能となる。
比較のため、図10に、本実施例の構成を持たない従来の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの構成例を示す。
該図に示す従来技術では、燃料ボイラ発電システムに対するCSP蒸気15の投入箇所は、ボイラ伝熱管5の入口側の1箇所である。蒸気温度の制御としては、CSP蒸気15の温度を制御するためのCSP蒸気スプレ水31(このCSP蒸気スプレ水31は、制御装置23からのCSP蒸気スプレ加減弁開度信号32により、CSP蒸気スプレ加減弁32Aの弁開度が制御され、流量が調整される)、或いは蒸気タービン入口蒸気20の温度を制御するためのボイラ蒸気スプレ水29の系統を設置できるが、これらは蒸気温度が高温側に変動した場合に抑制する目的の系統である。従って、太陽日射の喪失による蒸気タービン入口蒸気20の温度低下には、スプレ水の減少と燃料ボイラ1の燃料流量増加で対応するしかない。このとき、スプレ水は加熱前の給水を使用するため、燃料で1度加熱した蒸気を水で減温することになり、燃料ボイラ1の熱効率を大きく下げることになる。一方、効率を上げるために常用時は、スプレ水をできる限り使用していない設計であれば、太陽日射の喪失時に蒸気温度が許容偏差まで下がる時間を延長する効果が得られない。
これに対し、図1に示した本実施例の構成であれば、蒸気タービン入口蒸気20を常用で制御しているスプレの役割を、CSP蒸気15から分岐した蒸気に負わせているため、従来技術に比べ効率の低下は少ない。これは、燃料に頼らないCSP蒸気15を投入しており、トラフ型CSP装置14により集めた熱量は、全て燃料ボイラ1の補助に使用されていることによる。水による再冷却は必要なく、高い熱効率を維持できる。
従って、本実施例によれば、蒸気タービン入口温度を許容偏差内に維持して蒸気タービンの損傷を防止し、システムを長寿命化する効果をシステム効率を大きく低下させずに得られる。また、もし太陽日射の喪失がほぼ発生しない場合、例えば、サンベルト地帯の乾季、或いは温帯の日本でも太平洋側の冬季などは、ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁17を全閉し、蒸気温度抑制効果をなくし、効率を最高化する制御方法も取りうる。
よって、本実施例では、太陽日射の急速な喪失時も、蒸気タービン入口蒸気温度を許容偏差内に制御し、蒸気タービン機器の故障を防止して装置寿命を長くする効果が得られるし、また、補助ボイラや蓄熱装置の設置の必要が無いため、設備コストを抑制する効果があり、しかも、CSPの補助熱量の割合を大きくすることができ、燃料ボイラ1の燃料焚き減らしが大きくなり、運転コストを削減してCO2の排出量を削減する効果が得られる。
図3に、本発明の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの実施例2を示す。
該図に示す本実施例では、太陽熱集熱(CSP)装置として、実施例1のトラフ型CSP装置14に代えて、タワー型CSP装置42を用いたものである。他の構成とその制御のし方は、実施例1と同様である。
本実施例でのタワー型CSP装置42は、所定の高さを有するタワーの上に伝熱管パネルを設置し、一方、地上面に多数の集光ミラーを配置して、太陽光を集光ミラー群で伝熱管パネルに集光して高温の蒸気を発生することができる。そのため、より多くの熱量を、燃料ボイラ発電システムの補助に使える。
一方、実施例1のトラフ型CSP装置14に比べ、蒸気系統の容積が小さいタワー型CSP装置42は、太陽日射の急速な喪失時に蒸気温度の低下速度がより速くなり、蒸気温度の許容偏差外への逸脱が起きやすく、蒸気タービン7の損傷リスクが高い傾向がある。
そこで、本実施例の構成と制御方法を実施して、従来技術に比べ蒸気タービン入口蒸気20の温度を許容偏差内に維持することにより、蒸気タービン7の損傷リスクが高くなることを抑えることができる。
図4に、本発明の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの実施例3を示す。
該図に示す本実施例では、太陽熱集熱(CSP)装置として、実施例1のトラフ型CSP装置14に代えて、リニアフレネル型CSP装置43を用いたものである。他の構成とその制御のし方は、実施例1と同様である。
本実施例でのリニアフレネル型CSP装置43は、平面状或いは曲面状の集光ミラーを角度を少しずつ変えて複数枚並べ、その集光ミラー群の上方に多数の伝熱管を配置し、太陽光を集光ミラー群で伝熱管に集光して高温の蒸気を生成することができる。
このリニアフレネル型CSP装置43は、地上平面で太陽熱を集熱する構造をもっているため、実施例1のトラフ型CSP装置14と同様に建設コストが低く抑えられる。それと同時に、リニアフレネル型CSP装置43は、集光ミラーを地上に並列に並べ、それぞれの角度を調整して空中の伝熱管に焦点を合わせる構造であるため、集光ミラー群の位置が実施例1のトラフ型CSP装置14より低く、強風時などに損傷を受けにくい特徴がある。
このような本実施例でも、実施例1と同じく、蒸気タービン入口温度を許容偏差内に維持し、蒸気タービンの損傷を防止してシステムを長寿命化する効果を、システム効率を大きく低下させずに得られる。
図5に、本発明の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの実施例4を示す。
該図に示す本実施例では、太陽熱集熱(CSP)装置として、実施例1の実施例1のトラフ型CSP装置14と実施例2のタワー型CSP装置42を用いたものである。他の構成とその制御のし方は、実施例1と同様である。
実施例1で述べたように、トラフ型CSP装置14は、建設コストが低い特徴がある。一方、実施例2で述べたように、タワー型CSP装置42は、高温の蒸気生成に適している。
従って、本実施例のように、CSP給水13を蒸発させる蒸発器に当たる部分には、比較的低温で実施可能なので、建設コストの低いトラフ型CSP装置14を設置し、蒸気を高温に昇温する加熱器に当たる部分には、タワー型CSP装置42を設置すれば、最小建設コストで高温のCSP蒸気を発生でき、燃料ボイラ発電システムへの補助熱量を大きくすることができる。
このとき、やはり補助熱量の増加は、太陽日射喪失時の蒸気温度変動を大きくするので、本実施例の構成が、より効果が大きく得られる構成といえる。また、地上平面に設置することから建設コストが低いことは、実施例3のリニアフレネル型CSP装置43も同様なので、本実施例のトラフ型CSP装置14の変わりに、実施例3のリニアフレネル型CSP装置43を設置する構成も勿論取り得るは言うまでもない。
図6に、本発明の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの実施例5を示す。
該図に示す本実施例では、図5に示す実施例を実現化するに当たり、より詳細に蒸気系統を表し、燃料ボイラ側のCSP蒸気投入箇所を詳細に示した。
図6中、燃料ボイラ発電システムの系統は、油焚き或いは石炭焚きの事業用ボイラ発電システムに準じて構成を示している。
該図において、燃料ボイラ1は、高圧の主蒸気を発生する主蒸気伝熱管44と、中圧の蒸気を発生する再熱器伝熱管48とを備えている。給水ポンプ2から供給されるボイラ給水3は、主蒸気伝熱管44で燃料4を燃焼した燃焼ガスの熱を受け、主蒸気45を発生する。主蒸気45は、高圧蒸気タービン46を駆動し、高圧蒸気タービン46から減圧して排出された再熱入口蒸気47は、再熱器伝熱管48で加熱され再熱蒸気49となり、中圧蒸気タービン50と低圧蒸気タービン51を駆動する。そして、高圧蒸気タービン46、中圧蒸気タービン50、低圧蒸気タービン51に接続された発電機8が回転し発電するものである。なお、54は低圧蒸気タービン51から低圧給水加熱器53に供給される低圧抽気、56は中圧蒸気タービン50から脱気器55に供給される中圧抽気、55は高圧蒸気タービン46から高圧給水加熱器57に供給される高圧抽気である。
また、低圧蒸気タービン51から排出された蒸気は、復水器9で冷却され復水10となり、復水10は、復水ポンプ52により低圧給水加熱器53に送られ、低圧給水加熱器53において加熱された後、脱気器55で脱気される。次に、脱気器55で脱気された給水は、給水ポンプ2で高圧に加圧され、高圧給水加熱器57で加熱後、ボイラ給水3となってボイラ1の主蒸気伝熱管44に供給される。
一方、給水ポンプ2の中間段から給水の一部が分岐されてCSP給水13となり、このCSP給水13は、CSP給水加減弁12で流量調整され、トラフ型CSP装置14で加熱され飽和蒸気となる。この飽和蒸気は、汽水分離器59で蒸気と水に分離され、水は循環水60として循環ポンプ61によりCSP給水13に戻され、汽水分離器59で分離された飽和蒸気は、タワー型CSP装置42に送られ、過熱されたCSP蒸気15となる。
このCSP蒸気15は、実施例1と同様に、ボイラ入口投入CSP蒸気系統18及びボイラ出口投入CSP蒸気系統19に分岐され、主経路として再熱器伝熱管48の入口にボイラ入口投入CSP蒸気系統18として合流し、一方、分岐した一部のCSP蒸気15は、ボイラ出口投入CSP蒸気系統19として、実施例1と同様に制御して、ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁17の開度を調整することにより流量調節し、再熱器伝熱管48の出口に投入される。また、ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁17の開度は、制御装置23から発信される開度指令24により決定される。
即ち、常用時には、ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁17の開度指令24は、制御装置23内で、再熱蒸気温度計62で計測され再熱蒸気温度信号63として送信される温度を一定の偏差内に制御するよう決定される。また、太陽日射の急速な喪失があった場合は、再熱蒸気温度の低下を遅らせるため、ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁17の開度を絞るよう操作されることは、実施例1に示した図2の制御方法と同様である。
なお、太陽日射の喪失を検知する計測端としては、日射強度を直接計測する日射強度計27、及び/又はCSP蒸気15の温度低下を計測するCSP蒸気温度計25、及び/又はCSPでの蒸気発生量低下を検知するため、汽水分離器59の上流の蒸気温度が飽和温度以下に低下することを検知し、制御装置23にCSP蒸発器出口温度信号65を送信するCSP蒸発器出口温度計64が設置されている。
このように本実施例では、事業用ボイラの再熱器系統に、トラフ型CSP装置14及びタワー型CSP装置42で生成した蒸気を投入し補助熱量として利用しており、再熱器系統は主蒸気系統よりも圧力が低いため、トラフ型CSP装置14及びタワー型CSP装置42の系統も低圧仕様にでき、建設コストを低く抑えることができる利点がある。また、上述した実施例と同様に、本実施例でも太陽日射の喪失時に中圧蒸気タービン50の入口蒸気温度を許容偏差内に制御でき、蒸気タービンの損傷を防止してシステムを長寿命化する効果を、システム効率を大きく低下させずに得られる。
なお、トラフ型CSP装置14に代えて、リニアフレネル型CSP装置43を用いても同様な効果が得られることは勿論である。
図7に、本発明の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの実施例6を示す。
該図に示す本実施例では、図6に示す実施例5と、ボイラ発電システム、CSP装置及びそれぞれの系統は同一の構成をとる。
図7に示す本実施例と図6に示す実施例5との相違点は、CSP蒸気15をボイラ入口投入CSP蒸気系統18及びボイラ出口投入CSP蒸気系統19に分岐し、燃料ボイラ1の主蒸気伝熱管44の入口と出口に投入する点にある。なお、66は主蒸気伝熱管44から送られ高圧蒸気タービン46の入口温度を計測し、主蒸気温度信号67を制御装置に送信する主蒸気温度計である。
即ち、本実施例での主蒸気は、燃料ボイラ1の主蒸気伝熱管44を通った高圧、高温の蒸気により高圧蒸気タービン46を駆動し、発電機8の回転に寄与するため、効率の高い熱系統といえる。従って、高圧のCSP蒸気15を生成して投入することにより、補助熱量を発電に利用する効率も高くなる利点がある。
このような本実施例でも、実施例5と類似の制御方法により、高圧蒸気タービン46の入口蒸気温度を許容偏差内に制御でき、蒸気タービンの損傷を防止してシステムを長寿命化する効果を、システム効率を大きく低下させずに得られる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加,削除,置換をすることが可能である。
1…燃料ボイラ、2…給水ポンプ、3…ボイラ給水、4…燃料、5…ボイラ伝熱管、6…ボイラ蒸気、7…蒸気タービン、8…発電機、9…復水器、10…復水、11…ボイラ給水加減弁、12…CSP給水加減弁、13…CSP給水、14…トラフ型太陽熱集熱(CSP)装置、15…CSP蒸気、16…ボイラ入口投入CSP蒸気止弁、17…ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁、18…ボイラ入口投入CSP蒸気系統、19…ボイラ出口投入CSP蒸気系統、20…蒸気タービン入口蒸気、21…蒸気タービン入口蒸気温度計、22…蒸気タービン入口蒸気温度信号、23…制御装置、24…ボイラ出口投入蒸気加減弁の開度指令、25…CSP蒸気温度計、26…CSP蒸気温度信号、27…日射強度計、28…日射強度信号、29…ボイラ蒸気スプレ水、30…ボイラ蒸気スプレ加減弁開度信号、31…CSP蒸気スプレ水、32…CSP蒸気スプレ加減弁開度信号、32A…CSP蒸気スプレ加減弁、33…蒸気温度制御回路、34…偏差計算機、35…比例−積分−微分器、36…関数変換器、37…加算器、38、40…微分器、39、41…関数変換器、42…タワー型CSP装置、43…リニアフレネル型CSP装置、44…主蒸気伝熱管、45…主蒸気、46…高圧蒸気タービン、47…再熱入口蒸気、48…再熱器伝熱管、49…再熱蒸気、50…中圧蒸気タービン、51…低圧蒸気タービン、52…復水ポンプ、53…低圧給水加熱器、54…低圧抽気、55…脱気器、56…中圧抽気、57…高圧給水加熱器、58…高圧抽気、59…汽水分離器、60…循環水、61…循環ポンプ、62…再熱蒸気温度計、63…再熱蒸気温度信号、64…CSP蒸発器出口温度計、65…CSP蒸発器出口温度信号、66…主蒸気温度計、67…主蒸気温度信号。
Claims (22)
- 燃料を燃焼する燃焼器、該燃焼器での燃焼ガスの熱を、伝熱管内を通る給水に伝えるボイラ、前記伝熱管で発生した蒸気により駆動される蒸気タービン、該蒸気タービンに連結されて発電する発電機からなる燃料ボイラ発電装置と、太陽熱を集熱し、この太陽熱で太陽光集熱(CSP)給水を加熱してCSP蒸気を発生させるCSP装置と、該CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記ボイラの入口側若しくは出口側に投入する投入系統とを備えた太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムであって、
前記投入系統を分岐して前記CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記伝熱管の入口及び出口に投入するボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統と、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統の途中に設置され、前記伝熱管の入口へ前記CSP蒸気を投入するための開閉を行うボイラ入口投入CSP蒸気止弁と、前記ボイラ出口投入CSP蒸気系統の途中に設置され、前記伝熱管の出口への前記CSP蒸気の流量を調整するボイラ出口投入CSP蒸気加減弁と、該ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御する制御装置とを備えていることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項1に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記伝熱管は、ボイラ給水が通るボイラ伝熱管であり、かつ、前記蒸気タービンの下流側に復水器が設置され、前記蒸気タービンからの蒸気が前記復水器で冷却、凝縮されて給水となり、該給水が途中で分岐されて一方が前記ボイラ伝熱管内を通る前記ボイラ給水であり、他方が太陽熱で加熱される前記CSP給水であることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項2に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記ボイラで発生した蒸気と前記CSP蒸気が合流した前記蒸気タービンの入口蒸気温度を計測する蒸気タービン入口蒸気温度計と、前記CSP蒸気の蒸気温度を計測するCSP蒸気温度計及び/又は太陽の日射強度を計測する日射強度計とを備え、
前記蒸気タービン入口蒸気温度計、前記CSP蒸気温度計及び/又は前記日射強度計で計測されたそれぞれの計測値が前記制御装置に入力され、該制御装置では、入力されたそれぞれの計測値に基づいて前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御することを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項3に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記制御装置内に、前記蒸気タービン入口蒸気温度計で計測された蒸気温度と予め設定された設定温度の偏差を許容偏差内に保つよう前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御する蒸気温度制御回路を備え、
前記蒸気温度制御回路は、前記日射強度計で計測した日射強度及び/又は前記CSP蒸気温度計で計測した前記CSP装置の蒸気温度の減衰信号を検知し、この蒸気温度の減衰信号に基づいて前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度指令を調整することを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項4に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記蒸気温度制御回路は、前記蒸気タービン入口蒸気温度計で計測された蒸気タービンの入口蒸気温度の信号を受信して予め設定された設定温度との偏差を計算する偏差計算機と、該偏差計算機で計算された前記偏差を縮小するように制御信号が生成される比例−積分−微分器と、該比例−積分−微分器で生成された制御信号を前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度指令の数値に変換する関数変換器と、該関数変換器で変換された前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度指令の数値と前記日射強度計で計測した日射強度及び/又は前記CSP蒸気温度計で計測した前記CSP装置の蒸気温度の減衰信号が加算され、前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度指令を調整する加算器とを備えていることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項5に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記制御装置は、前記日射強度計からの信号によって直接日射の喪失を感知するか、或いは前記CSP蒸気温度計からの信号によって前記CSP蒸気の温度の低下を検知し、かつ、両者の前記信号の喪失或いは低下を検出して制御信号を発信する微分器と、該微分器から発信された制御信号が前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度指令の変更値に変換され、その変換された信号を前記加算器に送信する関数変換器とを備えていることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記CSP装置として、トラフ型CSP装置或いはタワー型CSP装置若しくはリニアフレネル型CSP装置のいずれか1つ、又は前記トラフ型CSP装置或いはタワー型CSP装置若しくはリニアフレネル型CSP装置のうちの少なくとも2種類の組み合わせが用いられていることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項1に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記燃料ボイラ発電装置は、前記燃焼器での燃焼ガスの熱を、高圧の主蒸気を発生する主蒸気伝熱管内を通るボイラ給水及び中圧の蒸気を発生する再熱器伝熱管内を通る再熱入口蒸気に伝えるボイラと、前記主蒸気伝熱管で発生した主蒸気により駆動される高圧蒸気タービンと、該高圧蒸気タービンから減圧して排出された前記再熱入口蒸気が前記再熱器伝熱管で加熱されて発生する再熱蒸気により駆動される中圧及び低圧蒸気タービンと、該低圧蒸気タービンに連結されて発電する発電機とから成り、
前記投入系統を分岐して前記CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記再熱器伝熱管の入口及び出口に投入するボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統と、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統の途中に設置され、前記再熱器伝熱管の入口へ前記CSP蒸気を投入するための開閉を行うボイラ入口投入CSP蒸気止弁と、前記ボイラ出口投入CSP蒸気系統の途中に設置され、前記再熱器伝熱管の出口への前記CSP蒸気の流量を調整するボイラ出口投入CSP蒸気加減弁と、該ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御する制御装置とを備えていることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項1に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記燃料ボイラ発電装置は、前記燃焼器での燃焼ガスの熱を、高圧の主蒸気を発生する主蒸気伝熱管内を通るボイラ給水及び中圧の蒸気を発生する再熱器伝熱管内を通る再熱入口蒸気に伝えるボイラと、前記主蒸気伝熱管で発生した主蒸気により駆動される高圧蒸気タービンと、該高圧蒸気タービンから減圧して排出された前記再熱入口蒸気が前記再熱器伝熱管で加熱されて発生する再熱蒸気により駆動される中圧及び低圧蒸気タービンと、該低圧蒸気タービンに連結されて発電する発電機とから成り、
前記投入系統を分岐して前記CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記主蒸気伝熱管の入口及び出口に投入するボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統と、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統の途中に設置され、前記主蒸気伝熱管の入口へ前記CSP蒸気を投入するための開閉を行うボイラ入口投入CSP蒸気止弁と、前記ボイラ出口投入CSP蒸気系統の途中に設置され、前記主蒸気伝熱管の出口への前記CSP蒸気の流量を調整するボイラ出口投入CSP蒸気加減弁と、該ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御する制御装置とを備えていることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項8又は9に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記再熱器伝熱管からの再熱蒸気と前記CSP蒸気が合流した前記中圧蒸気タービンの入口蒸気温度を計測する再熱蒸気温度計又は前記主蒸気伝熱管からの主蒸気と前記CSP蒸気が合流した前記高圧蒸気タービンの入口蒸気温度を計測する主蒸気温度計と、前記CSP蒸気の蒸気温度を計測するCSP蒸気温度計及び/又は太陽の日射強度を計測する日射強度計とを備え、
前記再熱蒸気温度計又は前記主蒸気温度計、前記CSP蒸気温度計及び/又は前記日射強度計で計測されたそれぞれの計測値が前記制御装置に入力され、該制御装置では、入力されたそれぞれの計測値に基づいて前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御することを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項10に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記制御装置内に、前記再熱蒸気温度計又は前記主蒸気温度計で計測された蒸気温度と予め設定された設定温度の偏差を許容偏差内に保つよう前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御する蒸気温度制御回路を備え、
前記蒸気温度制御回路は、前記日射強度計で計測した日射強度及び/又は前記CSP蒸気温度計で計測した前記CSP装置の蒸気温度の減衰信号を検知し、この蒸気温度の減衰信号に基づいて前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度指令を調整することを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項11に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記蒸気温度制御回路は、前記再熱蒸気温度計又は前記主蒸気温度計で計測された前記中圧蒸気タービンの入口蒸気温度又は前記高圧蒸気タービンの入口蒸気温度の信号を受信して予め設定された設定温度との偏差を計算する偏差計算機と、該偏差計算機で計算された前記偏差を縮小するように制御信号が生成される比例−積分−微分器と、該比例−積分−微分器で生成された制御信号を前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度指令の数値に変換する関数変換器と、該関数変換器で変換された前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度指令の数値と前記日射強度計で計測した日射強度及び/又は前記CSP蒸気温度計で計測した前記CSP装置の蒸気温度の減衰信号が加算され、前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度指令を調整する加算器とを備えていることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項12に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記制御装置は、前記日射強度計からの信号によって直接日射の喪失を感知するか、或いは前記CSP蒸気温度計からの信号によって前記CSP蒸気の温度の低下を検知し、かつ、両者の前記信号の喪失或いは低下を検出して制御信号を発信する微分器と、該微分器から発信された制御信号が前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度指令の変更値に変換され、その変換された信号を前記加算器に送信する関数変換器とを備えていることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項8乃至13のいずれか1項に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記CSP装置は、トラフ型CSP装置又はリニアフレネル型CSP装置とタワー型CSP装置から成り、前記タワー型CSP装置が上流側に設置されていることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項14に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記トラフ型CSP装置又はリニアフレネル型CSP装置とタワー型CSP装置の間に汽水分離器を設け、前記CSP給水が前記トラフ型CSP装置又はリニアフレネル型CSP装置で加熱されて生成する飽和蒸気は、前記汽水分離器で蒸気と水に分離され、水は循環水として循環ポンプにより前記CSP給水に戻され、かつ、前記汽水分離器で分離された飽和蒸気は前記タワー型CSP装置に送られ、過熱されたCSP蒸気となることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 請求項15に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムにおいて、
前記トラフ型CSP装置又はリニアフレネル型CSP装置と気水分離器の間に、前記汽水分離器の上流の蒸気温度が飽和温度以下に低下することを検知するCSP蒸発器出口温度計が設置され、該CSP蒸発器出口温度計で計測された計測値は、前記制御装置に送信されることを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システム。 - 燃料を燃焼する燃焼器、該燃焼器での燃焼ガスの熱を、伝熱管内を通る給水に伝えるボイラ、前記伝熱管で発生した蒸気により駆動される蒸気タービン、該蒸気タービンに連結されて発電する発電機からなる燃料ボイラ発電装置と、太陽熱を集熱し、この太陽熱で太陽光集熱(CSP)給水を加熱してCSP蒸気を発生させるCSP装置と、該CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記ボイラの入口側若しくは出口側に投入する投入系統とを備えた太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムを制御する際に、
前記投入系統をボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統に分岐して、前記CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統を介して前記伝熱管の入口及び出口に投入すると共に、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統の途中に設置されたボイラ入口投入CSP蒸気止弁を開閉することで前記伝熱管の入口へ前記CSP蒸気を投入し、かつ、前記ボイラ出口投入CSP蒸気系統の途中に設置されたボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の開度を変えることで前記伝熱管の出口への前記CSP蒸気の流量を調整し、しかも、制御装置で前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御することを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法。 - 請求項17に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法において、
前記ボイラで発生した蒸気と前記CSP蒸気が合流した前記蒸気タービンの入口蒸気温度を計測する蒸気タービン入口蒸気温度計と、前記CSP蒸気の蒸気温度を計測するCSP蒸気温度計及び/又は太陽の日射強度を計測する日射強度計とを備え、
前記蒸気タービン入口蒸気温度計、前記CSP蒸気温度計及び/又は前記日射強度計で計測されたそれぞれの計測値が前記制御装置に入力され、該制御装置では、入力されたそれぞれの計測値に基づいて前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御することを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法。 - 請求項17に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法において、
前記制御装置内に、前記蒸気タービン入口蒸気温度計で計測された蒸気温度と予め設定された設定温度の偏差を許容偏差内に保つよう前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御する蒸気温度制御回路を備え、
前記蒸気温度制御回路によって、前記日射強度計で計測した日射強度及び/又は前記CSP蒸気温度計で計測した前記CSP装置の蒸気温度の減衰信号を検知し、この蒸気温度の減衰信号に基づいて前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度指令を調整することを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法。 - 請求項17に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法において、
前記燃料ボイラ発電装置は、前記燃焼器での燃焼ガスの熱を、高圧の主蒸気を発生する主蒸気伝熱管内を通るボイラ給水及び中圧の蒸気を発生する再熱器伝熱管内を通る再熱入口蒸気に伝えるボイラと、前記主蒸気伝熱管で発生した主蒸気により駆動される高圧蒸気タービンと、該高圧蒸気タービンから減圧して排出された前記再熱入口蒸気が前記再熱器伝熱管で加熱されて発生する再熱蒸気により駆動される中圧及び低圧蒸気タービンと、該低圧蒸気タービンに連結されて発電する発電機とから成り、
前記投入系統を前記再熱器伝熱管の入口及び出口に投入するボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統に分岐して、前記CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統を介して前記再熱器伝熱管の入口及び出口に投入すると共に、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統の途中に設置されたボイラ入口投入CSP蒸気止弁を開閉することで前記再熱器伝熱管の入口へ前記CSP蒸気を投入し、かつ、前記ボイラ出口投入CSP蒸気系統の途中に設置されたボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の開度を変えることで前記再熱器伝熱管の出口への前記CSP蒸気の流量を調整し、しかも、前記制御装置で前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御することを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法。 - 請求項17に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法において、
前記燃料ボイラ発電装置は、前記燃焼器での燃焼ガスの熱を、高圧の主蒸気を発生する主蒸気伝熱管内を通るボイラ給水及び中圧の蒸気を発生する再熱器伝熱管内を通る再熱入口蒸気に伝えるボイラと、前記主蒸気伝熱管で発生した主蒸気により駆動される高圧蒸気タービンと、該高圧蒸気タービンから減圧して排出された前記再熱入口蒸気が前記再熱器伝熱管で加熱されて発生する再熱蒸気により駆動される中圧及び低圧蒸気タービンと、該低圧蒸気タービンに連結されて発電する発電機とから成り、
前記投入系統を前記主蒸気伝熱管の入口及び出口に投入するボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統に分岐して、前記CSP装置で発生したCSP蒸気を、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統及びボイラ出口投入CSP蒸気系統を介して前記主蒸気伝熱管の入口及び出口に投入すると共に、前記ボイラ入口投入CSP蒸気系統の途中に設置されたボイラ入口投入CSP蒸気止弁を開閉することで前記主蒸気伝熱管の入口へ前記CSP蒸気を投入し、かつ、前記ボイラ出口投入CSP蒸気系統の途中に設置されたボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の開度を変えることで前記主蒸気伝熱管の出口への前記CSP蒸気の流量を調整し、しかも、前記制御装置で前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御することを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法。 - 請求項20又は21に記載の太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法において、
前記再熱器伝熱管からの再熱蒸気と前記CSP蒸気が合流した前記中圧蒸気タービンの入口蒸気温度を計測する再熱蒸気温度計又は前記主蒸気伝熱管からの主蒸気と前記CSP蒸気が合流した前記高圧蒸気タービンの入口蒸気温度を計測する主蒸気温度計と、前記CSP蒸気の蒸気温度を計測するCSP蒸気温度計及び/又は太陽の日射強度を計測する日射強度計とを備え、
前記再熱蒸気温度計又は前記主蒸気温度計、前記CSP蒸気温度計及び/又は前記日射強度計で計測されたそれぞれの計測値が前記制御装置に入力され、該制御装置では、入力されたそれぞれの計測値に基づいて前記ボイラ出口投入CSP蒸気加減弁の弁開度を制御することを特徴とする太陽熱と燃料ボイラの複合発電システムの制御方法。
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