JP2016160155A - 金属担持酸化マグネシウムの製造方法 - Google Patents

金属担持酸化マグネシウムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より効果的に金属を担持した金属担持酸化マグネシウムを、より効率的に製造するための製造方法を提供する。【解決手段】水と金属マグネシウムを含む混合液中で火花放電を行うことにより水酸化マグネシウムを含むスラリーを生成し、当該スラリーに金属源を添加し、得られた金属源を含む水酸化マグネシウムを含むスラリーから固形物を回収したのちに、固形物を加熱して水酸化マグネシウムを酸化マグネシウムとすることを特徴とする金属担持酸化マグネシウムの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、金属担持酸化マグネシウムの製造方法に関するものである。
金属担持酸化マグネシウムの用途の一例として、触媒化学気相成長法(CCVD法)によるカーボンナノチューブの合成に用いられる触媒体が挙げられる。触媒体は、担体上に金属をより均一に担持したものであることが好ましく、担体には取り扱いの簡便さなどから、酸化マグネシウムが選択され、その担体上に鉄などの金属を均一に担持する方法が広く行われている。その例としては特許文献1〜2等が挙げられる。特許文献1では、酸化マグネシウムと触媒金属を水中で加熱し、水を減圧除去した後に得られる固形物を850〜950℃で加熱して得た触媒体により、純度の高いカーボンナノチューブ組成物を得られることが開示されている。しかしながら、水を減圧除去する工程が必要であるため、操作が煩雑で設備も大掛かりになる問題があった。特許文献2では、スラリーから固形物を回収する工程は濾過法でよいという利点があるが、水中での触媒原料を加熱する工程を加圧下で行う必要があるため、高圧装置の導入が不可欠となり設備にかかるコストが大きくなるという問題があった。
これら特許文献1〜2の課題である設備の大規模化を軽減するべく、特許文献3においては、水酸化マグネシウムと触媒金属源を水中で常圧下にて加熱還流することにより、簡便な工程、かつ比較的簡便なプロセスで製造する方法が開示されている。しかしながら、依然として昇温、降温を含む加熱操作が必要であることに変わりはなく、工程数も多いままであるため、さらなる効率化が望まれていた。
一方、ここで担体としている酸化マグネシウムの製造方法については種々あるが、例えば特許文献4が開示されている。この方法は一般金属ないしは合金の酸化微細粉の製造方法として使用でき、数mm程度に粗粒子状にした一般金属ないしは合金を原料として、水中にて火花放電処理を行うことにより、原料の粒子表面からの微細片の剥離が進行し、酸化微細粉を得るものである。この方法においては、一般金属ないしは合金を微細に粉砕して酸化する効果は見込まれるものの、酸化微細粉上に別途、金属を均一に担持する目的においては適用できなかった。
特開2009−078235号公報 国際公開第2010/101205号 特開2012−071239号公報 特公昭44−18569号公報
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、より効果的に金属を担持した金属担持酸化マグネシウムを、より効率的に製造するための製造方法を提供することを課題とする。
金属担持酸化マグネシウムの製造方法として、従来は担体となる酸化マグネシウム、ないしは水酸化マグネシウム粉末等の乾燥体をスラリー化してから加熱処理を行う方法が知られていた。しかしながら上記の課題に鑑み、発明者は鋭意検討の結果、担体である酸化マグネシウム製造工程における火花放電処理後の当該スラリーに対して金属源を添加することで、金属担持酸化マグネシウムを得られる方法を新たに見出した。よって本発明は、より効果的に金属を担持した金属担持酸化マグネシウムを、より効率的に製造するための製造方法を提供する。
すなわち、本発明は以下に示す特徴を含むものである。
(1)水と金属マグネシウムを含む混合液中で火花放電を行うことにより水酸化マグネシウムを含むスラリーを生成し、当該スラリーに金属源を添加し、得られた金属源を含む水酸化マグネシウムを含むスラリーから固形物を回収したのちに、固形物を加熱して水酸化マグネシウムを酸化マグネシウムとすることを特徴とする金属担持酸化マグネシウムの製造方法。
(2)金属源が、水溶性の金属化合物である(1)に記載の金属担持酸化マグネシウムの製造方法。
(3)金属源添加時のスラリーの温度が90℃以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の金属担持酸化マグネシウムの製造方法。
(4)金属源添加後、1時間以上滞留攪拌することを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の金属担持酸化マグネシウムの製造方法。
(5)(1)〜(4)いずれかに記載の方法で製造された金属担持酸化マグネシウムを500〜1200℃の温度で炭素を含むガスと接触させることによってカーボンナノチューブ組成物を製造する方法。
本発明により、従来、金属担持酸化マグネシウムの製造において必要であった、加熱操作、加減圧操作を必要とせず、安価な設備、少ない工程数、簡便な操作により金属担持酸化マグネシウムを得ることができる。また、本発明により得られる金属担持酸化マグネシウムは、従来の方法と比較して投入する金属源をより有効に利用でき、且つより均一に金属を担持できる。
図1はカーボンナノチューブ組成物の合成方法で使用した縦型反応装置の概略図である。
本発明は、金属担持酸化マグネシウムの製造方法を提供するものである。ここで、金属担持酸化マグネシウムとは、酸化マグネシウム担体上に別途金属が担持された総体物のことをいう。
本発明における、水酸化マグネシウムを含むスラリーを生成する工程については、特許文献4に示された方法に準じ、生成槽中において2〜7mm程度の粒子状にした金属マグネシウムと、これを流動させるための水とを混合し、当該液中にて火花放電処理を行うことにより生成する。火花放電処理は、生成槽に内設された一組の棒状電極に脈流パルスを発生させることにより行うことができる。ここで、脈流パルスの発生方法には約10kV、約20〜100kHzの能力を有する脈流パルス発生装置を用いることが好ましく、周波数は60kHz前後がより好ましい。電極間距離は脈流パルスの尖頭電圧に関係するがアーク放電をなさない程度に適宜開き、例えば30〜50mm程度であることが好ましい。また、当該装置は、生成物の回収機構や効率化のための流動を促す機構など、種々の機構を併設することでより効率的な処理が望める。これら構成の装置を用いて火花放電処理を行うことで、水酸化マグネシウムを含むスラリーを生成する。
つぎに、上記火花放電処理により得られた当該スラリーに金属源を添加する。金属源の種類は特に限定されないが、カーボンナノチューブの合成に用いる触媒体として使用する場合には元素周期表に定められた1族〜16族より選ばれる典型金属元素、遷移金属元素を少なくとも1種類以上含む金属元素を挙げることができる。中でもCo、Fe、Niが好ましく、Feを用いるのがより好ましい。金属源の形態としては、金属塩の形態でも金属微粒子でも良く、特に限定されないが、簡便性の点から金属塩を用いるのが好ましく、硝酸塩、硫酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、クエン酸アンモニウム塩などの有機酸塩、例えばエチレンジアミン4酢酸錯体やアセチルアセトナート錯体のような有機錯塩、金属のハロゲン化物などが用いられる。より均一に金属を酸化マグネシウム上に担持する目的においては、上記金属源は溶媒に溶解することが好ましく、水酸化マグネシウムを含むスラリーと混合することを考慮すれば水に溶解することがより好ましい。
金属源を投入する際の水酸化マグネシウムを含むスラリーの温度は特に限定されないため加熱還流などの特別な操作は必要でなく、具体的な処理可能領域としては90℃以下において好適に実施できる。当該スラリーは火花放電処理により発熱して室温よりも高くなっていることが想定されるため、実質的には40〜60℃程度での投入となることが好ましい。
金属源を投入した後の水酸化マグネシウムを含むスラリーは、水酸化マグネシウム上に金属源を担持するためには、滞留させることが好ましい。滞留にかかる時間は1時間以上であることが好ましく、4時間以上であることがより好ましい。また、滞留中は攪拌することが好ましく、攪拌の条件についてはスラリーが十分に混合する限りにおいては特に制限はなく、循環などの攪拌と同様の効果が得られる操作であってもよい。
上記の一連の操作により、水酸化マグネシウム担体上に金属源がより均一に担持することが期待できる。この機構については明らかになっていないが、火花放電処理直後においては、スラリー中の水酸化マグネシウムの微細粉が孤立分散ないしはそれに近い状態、すなわち表面積がより大きい状態で存在しており、金属源をより効果的且つ効率的に担持できる状態が継続しているためと推定される。金属源の添加前にスラリー中からの固形分の回収操作を行うと、孤立分散ないしはそれに近い状態にあった微細粉同士が合一し、担持に有利な状態が崩れてしまうため、金属源の添加操作は、固形分の回収操作よりも前に行う必要があると考えられる。
金属源を混合する量については特に制限はないが、より均一に金属を酸化マグネシウム上に担持する目的においては担体に対して十分少量であることが好ましく、特にカーボンナノチューブの合成に用いる触媒体として使用する場合には、得られる水酸化マグネシウムの総重量に対して、金属純分の重量が、好ましくは0.1〜10.0重量%、より好ましくは0.2〜3.5重量%であることが好ましい。
得られた金属源を含む水酸化マグネシウムを含むスラリーから固形物を回収する操作については特に制限はなく、ろ過や遠心分離などの固液分離操作や、減圧除去などの液体の除去操作といった既知の方法を適用できる。とりわけ装置コストや操作の簡便さから、ろ過などの固液分離操作を用いるのが好ましい。得られた固形物は、しばしば含水ケークとして得られるが、水分を除去する目的で一旦乾燥してもかまわない。乾燥方法については100〜130℃の温度で行う限り制限は無いが、6時間以上乾燥することが好ましく、120℃で12時間以上乾燥することがより好ましい。また、この段階で所望の形状や大きさに成形、分級してもよく、特に縦型反応容器を用いてカーボンナノチューブの合成用触媒体として使用する場合には、0.2〜2.0mmの粒状、顆粒状、またはペレット状とすることが、反応効率の面から好ましい。
上記の固形物は、加熱することにより水酸化マグネシウムから酸化マグネシウムとなる。加熱する温度については、300〜1200℃で加熱するのが好ましく、より好ましくは550〜1100℃で加熱するのが好適であり、600〜900℃で加熱するのが好適である。また、加熱する時間については、30分〜6時間程度加熱することが好ましい。
加熱は、酸素存在下で行うが、通常は酸素と他の1種類以上の気体を混合した雰囲気下で行われる。また、混合する気体は使用する酸化物担体および触媒金属と反応しない気体であることが好ましい。前記反応しない気体としては不活性ガスを用いるのが好ましい。不活性ガスとしてはヘリウム、アルゴン、ネオン、窒素等が挙げられる。酸素濃度は1〜24vol%であるのが好ましく、最も好ましくは空気雰囲気下で加熱するのが好適である。
また、加熱温度と時間は、加熱温度が高いほど短く、加熱温度が低いほど長く調整するのがより好ましい。
加熱後に先述の成形、分級を行うことも可能であるが、粒子が比較的もろくなり処理の難易度が高くなるため、成形、分級が必要な場合は加熱前に実施することが好ましい。
本発明によって得られた金属担持酸化マグネシウムは炭素含有化合物を接触させることによってカーボンナノチューブを製造することができる。その接触の温度は、500〜1200℃、好ましくは600〜1000℃である。通常、温度が低いと収率良くカーボンナノチューブを得ることが困難になり、温度が高いと使用する反応器の材質に制約が生じる。
炭素含有化合物としては、気体、液体、固体いずれでも良いが、500〜1200℃の高温条件下でガス状となるものであることが、収率良くカーボンナノチューブを得られることから好ましい。炭素含有化合物の種類としては、炭素原子を含有していれば特に限定はないが、通常は一酸化炭素や炭化水素化合物であり、脂肪族であっても芳香族であってもよく、炭素-炭素結合も飽和結合であっても不飽和結合を含んでいても良い。これらは、単独で使用しても、混合して使用しても構わない。
芳香族の炭化水素では、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン又はこれらの混合物などを使用することができる。また、非芳香族の炭化水素では、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、エチレン、プロピレンもしくはアセチレン、又はこれらの混合物等を使用することができる。炭化水素では、酸素を含むもの、例えばメタノール若しくはエタノール、プロパノール、ブタノールのなどのアルコール類、アセトンのなどのケトン類、及びホルムアルデヒドもしくはアセトアルデヒドのなどのアルデヒド類、トリオキサン、ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類又はこれらの混合物であってもよい。中でも、得られるカーボンナノチューブの質の点で、メタン、エタン、アセチレンを用いるのが好ましく、より好ましくはメタンを用いるのが好適である。
炭素含有化合物は、窒素、アルゴン、水素、ヘリウム等の不活性ガスとの混合物として用いても、単独で用いても構わないが、触媒体に炭素ガスが供給される反応場は、不活性ガス、または真空雰囲気下(減圧下)であることが、収率良くカーボンナノチューブが得られることから好ましい。
金属担持酸化マグネシウムと炭素含有化合物の接触のさせ方は特に限定されない。例えば、触媒体を加熱炉内に保持し、炭素含有化合物を加熱炉内に供給して加熱炉内で接触させる方法や、触媒体を加熱炉で流動させ、炭素含有化合物を加熱炉内に供給して加熱炉内で接触させる方法などがある。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、下記の実施例は例示のために示すものであって、いかなる意味においても、本発明を限定的に解釈するものとして使用してはならない。
実施例中、金属担持酸化マグネシウムの評価、およびカーボンナノチューブ組成物の合成と評価は以下の方法で行った。
<金属担持酸化マグネシウムの評価方法>
[金属担持収率の測定方法]
金属担持操作後に固液分離により得られた水について、ICP発光分光分析装置により金属量を定量し、その値から水中の金属含有量(A)を算出した。金属担持収率は、投入した金属源中の金属純分量(B)として、{(B)−(A)}×100/(B)式より算出した。
[酸化マグネシウムへの転化の確認方法]
約10mgの試料を示差熱分析装置(島津製作所製 TGA−60)に設置し、空気中、10℃/分の昇温速度にて室温から600℃まで昇温した。そのときの重量変化を測定し、水酸化マグネシウムの減量の有無により確認した。
<カーボンナノチューブ組成物の合成方法>
[合成例]
図1に示した縦型反応装置でカーボンナノチューブを合成した。図1は縦型反応装置の概略図である。
反応器200は内径64mm、長さは120mmの円筒形石英管である。中央部に石英突起が4つついており、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガス供給ライン204、上部には廃ガスライン205を具備する。触媒の投入が出来るように石英管の上部は開閉が出来るようになっている。石英管下部は触媒を取り出せるように開閉が出来るようになっている。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器206を具備する。
加熱器206には装置内の触媒の状態が確認できるよう点検口207が設けられている。
厚さ5mm、直径64mmの不織布(図1中下側の不織布201)を石英管中央部に付いている突起に引っ掛かるように突起の上部に取り付け、後述する触媒208を1200mg取り、石英管上部より投入した後、上部より、厚さ5mm、直径64mmの不織布201(図1中上側の不織布201)を先に取り付けた不織布(図1中下側の不織布201)から上方1cmの位置に取り付けた。次いで、原料ガス供給ライン204からアルゴンガスを1000mL/分で供給開始した。反応器内をアルゴン雰囲気下とした後、温度を870℃に加熱した(昇温時間30分)。
870℃に到達した後、温度を保持し、原料ガス供給ライン204のアルゴン流量を225mL/分にし、さらにメタンを11mL/分で反応器に供給開始した。該混合ガスを60分供給した後、アルゴンガスのみの流通に切り替え、合成を終了させた。
加熱を停止させ室温まで放置し、室温になってから反応器から触媒とカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ組成物を取り出した。
<カーボンナノチューブ組成物の評価方法>
[熱分析による収率評価]
カーボンナノチューブ組成物を含む約10mgの試料を示差熱分析装置(島津製作所製 TGA−60)に設置し、空気中、10℃/分の昇温速度にて室温から900℃まで昇温した。そのときの重量変化を測定し、カーボンナノチューブ組成物の重量比率を収率とした。
[SEM観察]
走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子社製 JSM−6700F)を用いて倍率30000倍により観察した。
[ラマン分光分析によるカーボンナノチューブの性状評価]
共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)に粉末試料を設置し、532nmのレーザー波長を用いて測定を行った。
<実施例1>
蒸留水3L中に粒径2〜7mm程度の粒状の金属マグネシウム63gを投入し、火花放電処理装置を用いて火花放電処理を行うことにより、水酸化マグネシウムを含むスラリーを得た。
上記スラリーの液温を確認したところ、60℃であった。
150g相当の水酸化マグネシウムを含むスラリー液3Lに対して、別途調製した10wt%クエン酸鉄(III)アンモニウム(和光純薬工業株式会社)水溶液18mLを添加し、4時間攪拌した。
攪拌終了後、処理液を遠心分離(3000g、10分)により分離し、上水と沈殿物を回収した。上水についてICP分析により鉄の含有量を測定したところ、0.01ppm未満であり、金属源の投入量に対する担持収率は100%であった。この結果から、投入したクエン酸鉄(III)アンモニウムは全量が水酸化マグネシウムに吸着したと判断した。
上記方法により得られた沈殿物は、空気雰囲気下、電気炉で加熱(加熱時間;600℃、5時間)して水酸化マグネシウムを酸化マグネシウムとし、金属担持酸化マグネシウム102gを得た。なお、酸化マグネシウムへの転化は熱分析により確認した。
<実施例2>
実施例1で得られた金属担持酸化マグネシウムを20メッシュ(目開き0.84mmに相当)、および32メッシュ(目開き0.50mmに相当)のふるいを通し、中間層の顆粒を得た。
上記顆粒状金属担持酸化マグネシウムは、カーボンナノチューブ組成物の合成方法に示した通りに原料ガスと60分接触させることによってカーボンナノチューブ組成物を合成した。
合成処理を行った後の金属担持酸化マグネシウムについて、走査型電子顕微鏡(SEM)により表面観察を行ったところ、カーボンナノチューブ組成物が明確に生成していることを確認した。
こうして得られたカーボンナノチューブ組成物付きの金属担持酸化マグネシウム約10mgを熱分析による収率評価に示した方法で収率を評価したところ、収率は3.6%であった。
また、上記で得られたカーボンナノチューブ組成物付きの金属担持酸化マグネシウムのラマン分光分析を、532nmのレーザー波長を用いて3回測定し、それぞれのGバンドとDバンドの高さ比(G/D比)を平均すると16.1であった。
<比較例1>
金属源の添加時期を変更すべく、金属源の添加をせずに得られた酸化マグネシウムを蒸留水中にリスラリーしてから金属源を添加するよう操作順序を変更し、その後改めて固形物を回収したこと以外は実施例1と同じ方法で操作を行った。
金属源を添加後の固形物の回収時に得られた上水と沈殿物それぞれについてICP分析により鉄の含有量を測定したところ、上水は0.01wt%、沈殿物は0.02wt%であり、金属源の投入量に対する担持収率は2%であった。この結果から、投入したクエン酸鉄(III)アンモニウムは酸化マグネシウムに対して優位に担持されていないと判断した。
本発明によれば、安価な設備、少ない工程数、簡便な操作により金属担持酸化マグネシウムを得ることができる。これにより、金属担持触媒やそれを利用して製造されるナノ材料等の製品開発を効果的に実施することができる。
200 反応器
201 不織布
204 原料ガス供給ライン
205 廃ガスライン
206 加熱器
207 点検口
208 触媒

Claims (5)

  1. 水と金属マグネシウムを含む混合液中で火花放電を行うことにより水酸化マグネシウムを含むスラリーを生成し、当該スラリーに金属源を添加し、得られた金属源を含む水酸化マグネシウムを含むスラリーから固形物を回収したのちに、固形物を加熱して水酸化マグネシウムを酸化マグネシウムとすることを特徴とする金属担持酸化マグネシウムの製造方法。
  2. 金属源が、水溶性の金属化合物である請求項1に記載の金属担持酸化マグネシウムの製造方法。
  3. 金属源添加時のスラリーの温度が90℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属担持酸化マグネシウムの製造方法。
  4. 金属源添加後、1時間以上滞留攪拌することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の金属担持酸化マグネシウムの製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の方法で製造された金属担持酸化マグネシウムを500〜1200℃の温度で炭素を含むガスと接触させることによってカーボンナノチューブ組成物を製造する方法。
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