JP2016159476A - エンボス加工装置 - Google Patents

エンボス加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016159476A
JP2016159476A JP2015038798A JP2015038798A JP2016159476A JP 2016159476 A JP2016159476 A JP 2016159476A JP 2015038798 A JP2015038798 A JP 2015038798A JP 2015038798 A JP2015038798 A JP 2015038798A JP 2016159476 A JP2016159476 A JP 2016159476A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fabric
unit
blower
irradiation
irradiation unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015038798A
Other languages
English (en)
Inventor
高島 健一
Kenichi Takashima
健一 高島
大介 川端
Daisuke Kawabata
大介 川端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiren Co Ltd
Original Assignee
Seiren Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiren Co Ltd filed Critical Seiren Co Ltd
Priority to JP2015038798A priority Critical patent/JP2016159476A/ja
Publication of JP2016159476A publication Critical patent/JP2016159476A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

【課題】布帛の外面に立体的な凹凸模様を形成することができる、エンボス加工装置を提供する。【解決手段】エンボス加工装置は、加工部と、第一照射部と、第二照射部を備える。加工部は、成形部と、ヒータを備える。成形部は、所定の凹凸模様に対応する成形面を有する。ヒータは、成形部を加熱する。加工部は、ヒータによって加熱された成形部によって、搬送される布帛の外面に、凹凸模様を形成する。第一照射部は、加工部より布帛が搬送される第一方向の上流側で、且つ第一方向に搬送される布帛の搬送経路に対して、第一方向に直交し且つ布帛の厚み方向に沿った第二方向の第一側に設けられる。第一照射部は、第二方向の第二側に近赤外線を照射する。第二照射部は、加工部より第一方向の上流側で、且つ搬送経路に対して、第二方向の第二側に設けられる。第二照射部は、第二方向の第一側に近赤外線を照射する。【選択図】図1

Description

本発明は、エンボス加工装置に関する。
エンボス加工に関する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、エンボス化粧シートの製造装置が開示されている。この製造装置では、金属ロールとゴムロールが並べられ、それらのロール間にポリプロピレンを主成分とする熱可塑性化粧シートが通される。金属ロールは、凹凸パターンを有する。ゴムロールには、シリコンゴムが巻かれている。製造装置では、化粧シートが金属ロールとゴムロールの間に入る前に複数のガイドロールにより搬送経路が形成され、それと対向して複数の強熱ヒータからなるヒータ群が配置される。強熱ヒータとしては、ヘレウス社の短波長赤外線ラジエーターが使用されている。シートの表面温度は、ヒータ群に入る前で40℃、金属ロールの直前で130℃とされている。シートの送り速度は50m/分とされている。この他、特許文献1には、複数の加熱ロールを併用した製造装置が開示されている。この製造装置では、シートの表面温度は、搬送経路の最上流側に設けられる加熱ロールの直前で30℃、金属ロールの直前で130℃とされている。シートの送り速度は50m/分とされている。
特許文献2には、凹凸模様を有する自動車又は鉄道車輌等の車輌の座席用表皮材の製造方法が開示されている。この製造方法では、積層シートが、所定の間隔で設置された一対のエンボスロールとヒートロールの間を、加工スピード0.3〜10m/分で押圧された状態で通過する。エンボスロールとヒートロールの加熱温度は共に100〜250℃とされている。積層シートは、表地と基材を積層一体化して得られる。座席用表皮材において、基材は、クッション層となる。基材としては、軟質ポリウレタンフォーム材が好ましいとされている。基材の厚さは、1〜10mmとされている。
この他、特許文献3には、凹凸状シートの製造方法及び製造装置が開示されている。特許文献4には、オレフィン化粧シートの製造方法及び製造装置が開示されている。特許文献5には、エンボス装置及びエンボスを加工する方法が開示されている。
特開平11−48336号公報 特開2007−276285号公報 特開2005−144698号公報 特開平10−230546号公報 特公平7−119057号公報
各種製品の表地として用いられる各種の布帛の意匠性を向上させるために、この布帛の外面をエンボス加工し、布帛の外面に凹凸模様を形成することがある。この布帛は、クッション性を有する厚手となることもある。この場合、この布帛は、厚手の基材と、薄手の生地による積層体であることもある。厚手の基材は、クッション性を有する。積層体である布帛は、厚手の基材の外面に、薄手の生地を貼り合わせて形成される。薄手の生地は、基材の表裏両面に貼り合わされることもある。
発明者は、生産の現場において、布帛の外面をエンボス加工した場合、十分な凹凸が形成されないことがあることを知得している。更に、発明者は、布帛が厚手である場合に、前述の点が問題となることが多いことを知得している。例えば、発明者は、布帛が、クッション性を有する厚手の基材の表裏両面に、薄手の生地が貼り合わされたような積層体である場合、基材の両面に貼り合わされた生地が密着する程度の凹部と、この凹部に隣接する凸部による凹凸模様を、形成することが困難であることを知得している。仮に、前述したような凹凸模様を形成しようとすると、種々の問題が発生することが想定される。例えば、加工速度が遅くなることが想定される。そこで、発明者は、布帛が、クッション性を有する厚手の基材の外面の両方(表裏両面)又は一方(表面又は裏面)に、薄手の生地が貼り合わされたような積層体であっても、布帛の外面に、立体形状を形成することができるエンボス加工技術を検討した。その際、発明者は、エンボス加工の加工速度についても考慮した。検討したエンボス加工技術は、布帛が積層体ではなく、クッション性を有する厚手の素材による布帛にも適用可能である。
本発明は、布帛の外面に立体的な凹凸模様を形成することができる、エンボス加工装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、所定の凹凸模様に対応する成形面を有する成形部と、前記成形部を加熱するヒータと、を備え、前記ヒータによって加熱された前記成形部によって、搬送される布帛の外面に、前記凹凸模様を形成する加工部と、前記加工部より前記布帛が搬送される第一方向の上流側で、且つ前記第一方向に搬送される前記布帛の搬送経路に対して、前記第一方向に直交し且つ前記布帛の厚み方向に沿った第二方向の第一側に設けられ、前記第二方向の第一側とは反対側となる前記第二方向の第二側に近赤外線を照射する第一照射部と、前記加工部より前記第一方向の上流側で、且つ前記搬送経路に対して、前記第二方向の第二側に設けられ、前記第二方向の第一側に近赤外線を照射する第二照射部と、を備える、エンボス加工装置である。
これによれば、加工部によって凹凸模様が形成される前(エンボス加工前)の布帛を、近赤外線によって予備加熱することができる。その際、布帛を、第一照射部からの近赤外線と第二照射部からの近赤外線によって、第二方向の第一側及び第二側から予備加熱することができる。厚手の布帛であっても、布帛の内部まで昇温することができる。布帛の搬送速度を高めることが可能となる。
エンボス加工装置において、前記第一照射部と前記第二照射部とは、前記搬送経路を介して前記第二方向に対向する状態で設けられる、ようにしてもよい。これによれば、布帛を、第一照射部からの近赤外線と第二照射部からの近赤外線によって、第二方向の第一側及び第二側から同じタイミングで予備加熱することができる。
エンボス加工装置は、前記第一照射部を前記第二方向に移動する第一移動部と、前記第二照射部を前記第二方向に移動する第二移動部と、を備える、ようにしてもよい。これによれば、第二方向において、布帛の温度を均一化することが可能となる。ここで、第二方向の第一側及び第二側の各面の色が異なる布帛がエンボス加工の対象となることがある。デザインの相違に伴い、第一の布帛と、この第一の布帛とはデザインの異なる第二の布帛では、第二方向の第一側の面又は第二側の面の色が異なることがある。第二方向の第一側及び第二側の各面の色の相違に伴い、近赤外線の照射量が同一であっても、発熱量が変化する。第二方向の第一側又は第二側の面が近赤外線を吸収し易い色である場合、発熱量は所望する値より高くなり易い。一方、第二方向の第一側又は第二側の面が近赤外線を吸収し難い色である場合、発熱量は所望する値より低くなり易い。第一移動部によって第一照射部の第二方向の位置を調整することができる。第二移動部によって第二照射部の第二方向の位置を調整することができる。エンボス加工の対象となる布帛に応じて、第二方向の第一側及び第二側における発熱量を適宜調整することができる。
エンボス加工装置は、前記第一方向において前記加工部と前記第一照射部との間で、且つ前記搬送経路に対して、前記第二方向の第一側に設けられ、前記第二方向の第二側に熱風を吹き出す第一ブロワ部と、前記第一方向において前記加工部と前記第二照射部との間で、且つ前記搬送経路に対して、前記第二方向の第二側に設けられ、前記第二方向の第一側に熱風を吹き出す第二ブロワ部と、を備える、ようにしてもよい。これによれば、第一照射部からの近赤外線と第二照射部からの近赤外線によって昇温された布帛の温度を、第一ブロワ部からの熱風と第二ブロワ部からの熱風によって、更に所望の温度まで昇温することができる。第一ブロワ部からの熱風と第二ブロワ部からの熱風によって、布帛の温度を、所望の温度に維持することも可能である。加工部に搬送される前に布帛の温度を昇温し、布帛の温度が低下することを抑制することができる。所望の温度とされた布帛を対象として、凹凸模様を形成することができる。
エンボス加工装置は、前記第一照射部より前記第一方向の上流側で、且つ前記搬送経路に対して、前記第二方向の第一側に設けられ、前記第二方向の第二側に熱風を吹き出す第三ブロワ部と、前記第二照射部より前記第一方向の上流側で、且つ前記搬送経路に対して、前記第二方向の第二側に設けられ、前記第二方向の第一側に熱風を吹き出す第四ブロワ部と、を備える、ようにしてもよい。これによれば、布帛を、第三ブロワ部からの熱風と第四ブロワ部からの熱風によって予備加熱し、更に、第一照射部からの近赤外線と第二照射部からの近赤外線によって予備加熱することができる。
本発明によれば、布帛の外面に立体的な凹凸模様を形成することができる、エンボス加工装置を得ることができる。
エンボス加工装置の概略の一例を示す斜視図である。 布帛の断面図である。上段は、エンボス加工前の状態を示す。下段は、エンボス加工後の状態を示す。 近赤外線による予備加熱特性を示すグラフである。 熱風による予備加熱特性を示すグラフである。
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。
<エンボス加工装置>
エンボス加工装置10について、図1を参照して説明する。エンボス加工装置10は、布帛1を搬送し、布帛1の外面に、所定の凹凸模様を形成する加工装置である。エンボス加工装置10を用いて布帛1の外面に所定の凹凸模様を形成する成形方法は、エンボス加工と称される。実施形態では、長尺の布帛1を例に説明する。従って、エンボス加工装置10では、供給部によって長尺の布帛1がエンボス加工装置10に供給され、供給された布帛1が連続的に搬送され、布帛1の外面に凹凸模様が形成される。その後、布帛1は、回収部によって回収される。供給部と回収部に関し、エンボス加工装置10では、公知のエンボス加工装置が備える供給部と回収部を採用することができる。従って、エンボス加工装置10が備える供給部と回収部に関する説明は省略する。図1では、布帛1は、2点鎖線(想像線)によって図示されている。
布帛1は、図2上段に示すように、厚手の基材2と、薄手の表布3と、薄手の裏布4を貼り合わせて形成される。即ち、布帛1は、基材2の一方側の外面に表布3が貼り合わされ、基材2の他方側の外面に裏布4が貼り合わされた積層体である。布帛1は、クッション性を有する。但し、布帛1は、積層体ではなく、クッション性を有する厚手の布帛であってもよい。実施形態では、積層体である布帛1を例に説明する。布帛1の厚みは、数mm〜数十mmとされる。例えば、布帛1の厚みは、10mm程度とされる。実施形態では、表布3が貼り合わされた布帛1の外面を「表面」といい、裏布4が貼り合わされた布帛1の外面を「裏面」という。基材2についても、布帛1の表面及び裏面に準じ、表布3が貼り合わされる基材2の外面を「表面」といい、裏布4が貼り合わされる基材2の外面を「裏面」という。実施形態において、「布帛1の外面」は、布帛1の表面及び裏面を区別せず、又は布帛1の表面及び裏面を総称するものである。「基材2の外面」は、基材2の表面及び裏面を区別せず、又は基材2の表面及び裏面を総称するものである。
基材2は、クッション性を有する。これに伴い、布帛1は、上述したように、クッション性を有する。基材2としては、例えば、発泡ウレタンが挙げられる。表布3は、表皮材である。即ち、表布3は、布帛1が縫製される等して、所定の製品が布帛1によって形成された場合、その製品の表皮となる。表布3としては、例えば、ポリエステル生地が挙げられる。裏布4は、布帛1を縫製する際、縫製装置の作業面上で布帛1をスムーズに滑らせることができるようにするために、基材2の裏面に設けられる。裏布4としては、例えば、ポリエステル生地が挙げられる。
エンボス加工装置10は、搬送部20と、加工部30と、第一照射部41と、第二照射部42と、第一移動部50と、第二移動部60と、ブロワ70を備える。
搬送部20は、供給部によって供給された布帛1を搬送する。実施形態では、布帛1が搬送部20によって搬送される方向を「第一方向」という。第一方向に直交し、布帛1の厚み方向に沿った方向を「第二方向」という。実施形態では、第一方向は、布帛1の長手方向に沿った方向であり、第二方向は、鉛直方向である。第二方向の一方側を「第二方向の第一側」といい、第二方向の第一側とは反対側を「第二方向の第二側」という。第二方向の第一側は、鉛直方向の上側であり、第二方向の第二側は、鉛直方向の下側である。
搬送部20によって第一方向に搬送される布帛1は、搬送途中に、第一照射部41及び第二照射部42と、第一ブロワ部71及び第二ブロワ部74と、エンボスロール32及びバックアップロール33を通過する。第一ブロワ部71及び第二ブロワ部74とエンボスロール32及びバックアップロール33については後述する。実施形態では、搬送部20において、布帛1は、裏面が第二方向の第一側となり、表面が第二方向の第二側となる状態で搬送される。
搬送部20は、上流側ローラ21と下流側ローラ22を含む複数の搬送ローラを備える。図1では、搬送部20を形成する複数の搬送ローラのうち、上流側ローラ21と下流側ローラ22が図示されており、上流側ローラ21と下流側ローラ22以外の搬送ローラの図示は省略されている。加工部30を基準としたとき、上流側ローラ21は、加工部30より第一方向の上流側に設けられ、下流側ローラ22は、加工部30より第一方向の下流側に設けられる。
搬送対象である布帛1は、複数の搬送ローラに架けられる。従って、複数の搬送ローラは、各ローラの外周面で、布帛1の表面又は裏面に接する。上流側ローラ21は、上流側ローラ21の外周面で、布帛1の表面に接する。下流側ローラ22は、下流側ローラ22の外周面で、布帛1の裏面に接する。布帛1は、上流側ローラ21と下流側ローラ22に架け渡される。上流側ローラ21と下流側ローラ22に架け渡された状態において、布帛1は、表面及び裏面が水平な状態とされる。
複数の搬送ローラは、第一方向に対応する方向にそれぞれ回転する。図1において、上流側ローラ21と下流側ローラ22の内部に示す弧状の矢印は、各ローラの回転方向を示す。複数の搬送ローラのうちの所定のローラには、モータが取り付けられる。モータが取り付けられた搬送ローラは、モータの回転に応じて、第一方向に対応する方向に回転する。図1では、このモータの図示は省略されている。モータが取り付けられていない搬送ローラは、布帛1の表面又は裏面との接触によって、第一方向に対応する方向に従動して回転する。これに伴い、布帛1は、搬送部20の複数の搬送ローラによって形成される搬送経路を、第一方向にスムーズに搬送される。例えば、布帛1は、上流側ローラ21と下流側ローラ22によって形成される布帛1の搬送経路の一部を、表面及び裏面が水平な状態で、第一方向に搬送される。
加工部30は、搬送部20によって搬送される布帛1の外面をエンボス加工する加工装置である。即ち、加工部30は、搬送部20によって搬送される布帛1の外面に凹凸模様を形成する。加工部30は、成形部31と、複数のヒータ34を備える。
成形部31は、エンボスロール32と、バックアップロール33を備える。エンボスロール32は、上流側ローラ21と下流側ローラ22によって形成される布帛1の搬送経路に対して、第二方向の第二側に設けられる。バックアップロール33は、上流側ローラ21と下流側ローラ22によって形成される布帛1の搬送経路に対して、第二方向の第一側に設けられる。このとき、エンボスロール32とバックアップロール33は、各ロールの外周面が所定の間隔で第二方向に対向した状態で設けられる。搬送部20によって搬送される布帛1は、エンボスロール32とバックアップロール33の間を通過する。
エンボスロール32は、外周面で、搬送部20によって搬送される布帛1の表面に接する。エンボスロール32の外周面は、成形面とされる。エンボスロール32の外周に形成された成形面は、布帛1の外面に形成される所定の凹凸模様に対応する凹凸を含む。バックアップロール33は、外周面で、搬送部20によって搬送される布帛1の裏面に接する。バックアップロール33の外周面は、円筒面とされる。
エンボスロール32は、第一方向に対応する方向に回転する。バックアップロール33は、第一方向に対応する方向に回転する。図1において、エンボスロール32の回転軸とバックアップロール33の回転軸に対して示す弧状の矢印は、各ロールの回転方向を示す。エンボスロール32とバックアップロール33の一方又は両方には、モータが取り付けられる。例えば、エンボスロール32には、モータが取り付けられる。このモータは、エンボスロール32を第一方向に対応する方向に回転させる。図1では、このモータの図示は省略されている。バックアップロール33は、布帛1の裏面との接触によって、第一方向に対応する方向に従動して回転する。エンボスロール32とバックアップロール33の両方を、モータによって第一方向に対応する方向に回転させるようにしてもよい。この場合、エンボスロール32とバックアップロール33の回転速度は、同一とされる。エンボスロール32とバックアップロール33を、所定の伝達機構によって連結し、モータの回転が一方のロールから他方のロールに伝達されるようにしてもよい。伝達機構としては、例えば、歯車、又はチェーン若しくはタイミングベルトが挙げられる。
ヒータ34は、成形部31に設けられ、成形部31を加熱する。即ち、ヒータ34は、エンボスロール32とバックアップロール33にそれぞれ設けられ、エンボスロール32とバックアップロール33をそれぞれ加熱する。エンボスロール32とバックアップロール33の設定温度は、諸条件を考慮して適宜設定される。例えば、エンボスロール32とバックアップロール33の設定温度は、共に210℃程度に設定される。
実施形態では、ヒータ34の総数を8個とし、エンボスロール32とバックアップロール33に各4個のヒータ34を設けることとしている。エンボスロール32において、4個のヒータ34は、エンボスロール32の内部に埋め込まれる。バックアップロール33において、4個のヒータ34は、バックアップロール33の内部に埋め込まれる。ヒータ34の総数と、エンボスロール32とバックアップロール33のそれぞれにおけるヒータ34の数は、諸条件を考慮して適宜設定される。エンボスロール32とバックアップロール33におけるヒータ34の配置も、諸条件を考慮して適宜設定される。
加工部30において、布帛1は、エンボスロール32とバックアップロール33の間を通過する際、複数のヒータ34によってそれぞれ加熱されたエンボスロール32とバックアップロール33に挟み込まれ、第二方向に押圧される。例えば、エンボスロール32の成形面が、図1に示すような格子状の凹凸形状であるとする。この場合、布帛1を、ヒータ34によってそれぞれ加熱されたエンボスロール32とバックアップロール33の間を通過させることで、布帛1の外面に、図1に示す格子状の凹凸形状に対応する格子模様を形成することができる(図2下段参照)。加工部30によって外面に凹凸模様が形成された布帛1は、搬送部20によって第一方向に搬送され、回収部によって回収される。
第一照射部41と第二照射部42は、加工部30によって行われるエンボス加工に際し、加工対象である布帛1を予備加熱する。即ち、第一照射部41と第二照射部42は、第一の予備加熱装置を構成する。第一照射部41は、加工部30より第一方向の上流側に設けられる。更に、第一照射部41は、上流側ローラ21と下流側ローラ22によって形成される布帛1の搬送経路に対して、第二方向の第一側に設けられる。即ち、第一照射部41は、加工部30より第一方向の上流側で、搬送部20によって搬送されている布帛1の裏面に対向する。
第二照射部42は、加工部30より第一方向の上流側に設けられる。更に、第二照射部42は、上流側ローラ21と下流側ローラ22によって形成される布帛1の搬送経路に対して、第二方向の第二側に設けられる。即ち、第二照射部42は、加工部30より第一方向の上流側で、搬送部20によって搬送されている布帛1の表面に対向する。
第一照射部41は、上述した位置で、第二方向の第二側に、所定の波長の近赤外線を照射する。第二照射部42は、上述した位置で、第二方向の第一側に、所定の波長の近赤外線を照射する。例えば、第一照射部41と第二照射部42は、ピーク波長が0.8〜2.0μm、より好ましくは、1.2〜1.7μmの範囲の近赤外線を照射する。第一照射部41と第二照射部42からそれぞれ照射される近赤外線の波長は、同一とされる。但し、第一照射部41と第二照射部42からは、それぞれ異なる波長の近赤外線が照射されるようにしてもよい。第一照射部41からの近赤外線は、布帛1の裏面に照射され、第二照射部42からの近赤外線は、布帛1の表面に照射される。
第一照射部41と第二照射部42がそれぞれ設けられる第一方向の位置は、同一とされる。従って、第一照射部41と第二照射部42は、上流側ローラ21と下流側ローラ22によって形成される布帛1の搬送経路を介して第二方向に対向する。これに伴い、布帛1は、搬送部20によって第一方向に搬送され、第一照射部41と第二照射部42を通過する際、第二方向の第一側(裏面)及び第二方向の第二側(表面)から同時に加熱される。第一照射部41と第二照射部42は、同じ近赤外線発生ユニットによって構成される。第一照射部41と第二照射部42を構成する近赤外線発生ユニットは、棒状をした複数の近赤外線ヒータ43を備える。近赤外線発生ユニットにおいて、複数の近赤外線ヒータ43は、第三方向に沿った状態で、第一方向に並べて設けられる。第三方向は、第一方向と第二方向の両方向に直交する方向である。第三方向は、長尺の布帛1の幅方向に沿った方向である。
第一移動部50は、第一照射部41を第二方向に移動する。第二移動部60は、第二照射部42を第二方向に移動する。実施形態では、第一移動部50は、例えば、エアシリンダのようなアクチュエータによって構成されている。この場合、第一移動部50では、エアシリンダのロッド51の先端部分が、第一照射部41の第二方向の第一側の面に取り付けられる。第一照射部41の第二方向の位置は、第一移動部50によって、布帛1の裏面との間隔G1が、例えば、40〜200mmの範囲に調整される。
第二移動部60は、例えば、ボールねじ61と、モータ64と、タイミングベルト65を備える。第二移動部60では、ボールねじ61のねじ軸62の先端部分が、第二照射部42の第二方向の第二側の面に取り付けられる。モータ64の回転は、タイミングベルト65によって、ボールねじ61のナット63に伝達される。これに伴い、ナット63が回転する。ナット63の回転に応じて、ねじ軸62が第二方向に移動する。第二移動部60をこのような構造とすることで、第二方向において第二移動部60を小型化することが可能となる。第二照射部42の第二方向の位置は、第二移動部60によって、布帛1の表面との間隔G2が、例えば、40〜200mmの範囲に調整される。
第一移動部50は、第二移動部60と同様、ボールねじと、モータと、タイミングベルトによって構成するようにしてもよい。第二移動部60は、第一移動部50と同様、エアシリンダのようなアクチュエータによって構成するようにしてもよい。
ブロワ70は、第一照射部41と第二照射部42によって予備加熱された布帛1を、更に予備加熱する。即ち、ブロワ70は、第二の予備加熱装置を構成する。第二の予備加熱装置としてのブロワ70は、第一照射部41と第二照射部42で、所定の温度まで加熱された布帛1を、所望の温度まで更に昇温し、及び/又は所望の温度に維持する。ブロワ70は、第一ブロワ部71と、第二ブロワ部74と、熱風発生器77と、ダクト78を備える。
第一ブロワ部71は、第一方向において加工部30と第一照射部41の間に設けられる。更に、第一ブロワ部71は、上流側ローラ21と下流側ローラ22によって形成される布帛1の搬送経路に対して、第二方向の第一側に設けられる。即ち、第一ブロワ部71は、加工部30より第一方向の上流側で、且つ第一照射部41より第一方向の下流側で、搬送部20によって搬送されている布帛1の裏面に対向する。第一ブロワ部71には、第一吹出面72に、複数の第一吹出口73が形成される。第一吹出面72は、布帛1の裏面に対向することとなる第一ブロワ部71の面である。
第二ブロワ部74は、第一方向において加工部30と第二照射部42の間に設けられる。更に、第二ブロワ部74は、上流側ローラ21と下流側ローラ22によって形成される布帛1の搬送経路に対して、第二方向の第二側に設けられる。即ち、第二ブロワ部74は、加工部30より第一方向の上流側で、且つ第二照射部42より第一方向の下流側で、搬送部20によって搬送されている布帛1の表面に対向する。第二ブロワ部74には、第二吹出面75に、複数の第二吹出口76が形成される。第二吹出面75は、布帛1の表面に対向することとなる第二ブロワ部74の面である。
熱風発生器77は、所定の温度に調整された熱風を発生する。例えば、熱風発生器77は、80〜350℃の範囲に調整された熱風を発生する。ダクト78は、熱風発生器77と第一ブロワ部71を接続し、熱風発生器77と第二ブロワ部74を接続する。
実施形態では、熱風発生器77の台数を1台としている。そのため、ダクト78は、共通流路部79と、第一支流路部80と、第二支流路部81によって形成される。共通流路部79は、一方側の端部で、熱風発生器77に接続される。第一支流路部80と第二支流路部81は、共通流路部79の他方側の端部からそれぞれ分岐した支流路である。第一支流路部80は、共通流路部79の側とは反対側となる端部で、第一ブロワ部71に接続される。第二支流路部81は、共通流路部79の側とは反対側となる端部で、第二ブロワ部74に接続される。熱風発生器77からの熱風は、ダクト78を流れて、第一ブロワ部71と第二ブロワ部74にそれぞれ供給される。
第一ブロワ部71は、上述した位置で、複数の第一吹出口73から第二方向の第二側に、共通流路部79と第一支流路部80を介して供給された熱風を吹き出す。第一ブロワ部71からの熱風は、布帛1の裏面に吹き付けられる。第二ブロワ部74は、上述した位置で、複数の第二吹出口76から第二方向の第一側に、共通流路部79と第二支流路部81を介して供給された熱風を吹き出す。第二ブロワ部74からの熱風は、布帛1の表面に吹き付けられる。
第一ブロワ部71と第二ブロワ部74がそれぞれ設けられる第一方向の位置は、同一とされる。従って、第一ブロワ部71と第二ブロワ部74は、上流側ローラ21と下流側ローラ22によって形成される布帛1の搬送経路を介して第二方向に対向する。これに伴い、第一照射部41と第二照射部42によって加熱された布帛1は、搬送部20によって第一方向に搬送され、第一ブロワ部71と第二ブロワ部74を通過する際、第二方向の第一側(裏面)及び第二方向の第二側(表面)から同時に加熱される。
第一ブロワ部71の第二方向の位置は、諸条件を考慮して適宜設定される。例えば、第一ブロワ部71は、第一吹出面72と布帛1の表面の間隔G3が70mm程度となる状態で設けられる。第二ブロワ部74の第二方向の位置は、諸条件を考慮して適宜設定される。例えば、第二ブロワ部74は、第二吹出面75と布帛1の表面の間隔G4が70mm程度となる状態で設けられる。エンボス加工装置10では、第一ブロワ部71を第二方向に移動する移動部を設け、この移動部によって、間隔G3を所定の範囲に調整するようにしてもよい。エンボス加工装置10では、第二ブロワ部74を第二方向に移動する移動部を設け、この移動部によって、間隔G4を所定の範囲に調整するようにしてもよい。
<実施例>
近赤外線と熱風を用いた予備加熱に関し、各加熱源における予備加熱特性について実験を行ったので、これについて説明する。以下では、上述したエンボス加工装置10に関する説明との対応を明らかにするため、各部の名称及び符号は、上記で用いた名称及び符号を用いる。間隔G1,G2,G3,G4についても、上記同様である(図1参照)。
<実験方法>
上述した通り、今回の実験では、予備加熱の加熱源は、近赤外線と熱風である。近赤外線による予備加熱特性は、エンボス加工装置10において実行される第一照射部41と第二照射部42による予備加熱に対応する。熱風による予備加熱特性は、エンボス加工装置10において実行されるブロワ70による予備加熱に対応する。
実験に用いた布帛1と、近赤外線及び熱風による加熱条件と、温度測定位置は、次の通りである。近赤外線による予備加熱に関し、布帛1には、第一照射部41と第二照射部42のそれぞれからの近赤外線が、第二方向の第一側と第二側から照射される。熱風による予備加熱に関し、布帛1には、ブロワ70の第一ブロワ部71と第二ブロワ部74のそれぞれからの熱風が、第二方向の第一側と第二側から吹き付けられる。
<布帛の構成>
基材2(材質/厚み/色調):ウレタン/5mm/水色
表布3(材質/厚み/色調):ポリエステル/0.7〜0.8mm/黒色
裏布4(材質/厚み/色調):ポリエステル/0.3〜0.4mm/白色
寸法(長手×短手×厚み) :297×210×6.0〜6.2mm(A4サイズ)
<近赤外線加熱条件>
ヒータ出力:40kW/m
ピーク波長:1.4μm
間隔G1 :60mm
間隔G2 :40mm
<熱風加熱条件>
温度 :170℃
風速 :3〜5m/分
間隔G3:70mm
間隔G4:70mm
<温度測定位置>
位置A:基材2の裏面(基材2と裏布4の境界)
位置B:基材2の中央
位置C:基材2の表面(基材2と表布3の境界)
<実験結果>
実験結果について、図3及び図4を参照して説明する。第一照射部41と第二照射部42による布帛1の予備加熱に関し、位置Aでは、布帛1の温度を常温から110℃まで昇温するのに要する時間は、11.1秒であった(図3参照)。位置Bでは、前述の時間は、12.4秒であった(図3参照)。位置Cでは、前述の時間は、11.7秒であった(図3参照)。位置A,B,Cにおける最高到達温度は、約130℃であった。実験後半(約19〜20秒経過後)の温度低下は、第一照射部41と第二照射部42による布帛1の予備加熱が終了したことに伴うものである。
ブロワ70による布帛1の予備加熱に関し、位置Aでは、布帛1の温度を常温から110℃まで昇温するのに要する時間は、16秒で、布帛1の温度を常温から130℃まで昇温するのに要する時間は、23.5秒であった(図4参照)。位置Bでは、前述の各時間は、24秒(110℃)と33秒(130℃)であった(図4参照)。位置Cでは、前述の各時間は、19.2秒(110℃)と26.5秒(130℃)であった(図4参照)。
従って、ブロワ70による布帛1の予備加熱に関し、布帛1の温度を110℃から130℃まで昇温するのに要する時間は、位置Aでは、7.5秒(23.5秒−16秒)であった(図4参照)。位置Bでは、前述の時間は、9秒(33秒−24秒)であった(図4参照)。位置Cでは、前述の時間は、7.3秒(26.5秒−19.2秒)であった(図4参照)。
熱風温度170℃の設定に対して、布帛1の表面及び裏面の溶融は認められなかった。基材2についても溶融は認められなかった。即ち、布帛1の全体で、品位及び物性の劣化は認められなかった。
<考察>
(1)今回の実験から、次のことが明らかとなった。近赤外線による予備加熱における到達温度の目標を110℃とし、熱風による予備加熱における到達温度の目標を130℃としたとする。この場合、第一照射部41と第二照射部42によれば、12.4秒で、布帛1の全体を110℃とすることができる。その後、110℃まで予備加熱された布帛1の全体を、ブロワ70によって、9秒で130℃とすることができる。
即ち、第一照射部41及び第二照射部42とブロワ70によれば、21.4秒(12.4秒+9秒)で、常温の布帛1を130℃程度の温度まで加熱することができる。例えば、布帛1が、第一照射部41及び第二照射部42とブロワ70を通過する際の第一方向の距離を、1mに設定したとする。この場合、搬送部20による布帛1の搬送速度を、約3m/分(搬送速度=1m/(21.4秒/60秒))に設定することができる。
(2)発明者は、上述した各条件による実験を含む実験を行った。発明者は、これら各実験の結果から、上述した布帛1のような布帛を対象としたエンボス加工装置10によるエンボス加工のより好ましい予備加熱の条件として、次のような条件を取得した。このような条件によれば、搬送部20による布帛1の搬送速度を、3〜5m/分に設定することも可能であると考えられる。近赤外線加熱条件について、第一照射部41と第二照射部42では、ヒータ出力と近赤外線のピーク波長は、下記の範囲内の所定の値にそれぞれ設定される。第一照射部41のヒータ出力と第二照射部42のヒータ出力は、下記の範囲内であれば、同一又は異なる所定の値とすることができる。第一照射部41からの近赤外線のピーク波長と第二照射部42からの近赤外線のピーク波長は、下記の範囲内であれば、同一又は異なる所定の値とすることができる。
<近赤外線加熱条件>
ヒータ出力:40〜50kW/m
ピーク波長:1.2〜1.4μm
間隔G1 :50〜60mm
間隔G2 :40〜50mm
<熱風加熱条件>
温度 :150〜170℃
風速 :3〜5m/分
間隔G3 :70mm
間隔G4 :70mm
<実施形態の効果>
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)エンボス加工装置10には、加工部30と、第一照射部41及び第二照射部42と、ブロワ70が設けられる(図1参照)。第一照射部41は、加工部30より第一方向の上流側で、且つ布帛1の搬送経路に対して、第二方向の第一側に設けられる。第二照射部42は、加工部30より第一方向の上流側で、且つ布帛1の搬送経路に対して、第二方向の第二側に設けられる。第一照射部41と第二照射部42は、布帛1の搬送経路を介して第二方向に対向する状態で設けられる。第一照射部41は、第二方向の第二側に近赤外線を照射し、第二照射部42は、第二方向の第一側に近赤外線を照射する。
ブロワ70は、第一ブロワ部71と、第二ブロワ部74と、熱風発生器77と、ダクト78を備える。第一ブロワ部71は、第一方向において加工部30と第一照射部41の間で、且つ布帛1の搬送経路に対して、第二方向の第一側に設けられる。第二ブロワ部74は、第一方向において加工部30と第二照射部42の間で、且つ布帛1の搬送経路に対して、第二方向の第二側に設けられる。第一ブロワ部71は、複数の第一吹出口73から第二方向の第二側に熱風を吹き出し、第二ブロワ部74は、複数の第二吹出口76から第二方向の第一側に熱風を吹き出す。熱風発生器77は、所定の温度に調整された熱風を発生する。熱風発生器77からの熱風は、ダクト78を流れて、第一ブロワ部71と第二ブロワ部74にそれぞれ供給される。
そのため、エンボス加工装置10では、加工部30による凹凸模様の形成前に、第一照射部41及び第二照射部42とブロワ70によって、搬送部20によって加工部30に搬送される布帛1を予備加熱することができる。その際、布帛1を、第一照射部41からの近赤外線と第二照射部42からの近赤外線によって、第二方向の第一側(裏面)及び第二側(表面)から予備加熱することができる。第一照射部41からの近赤外線と第二照射部42からの近赤外線によって昇温された布帛1の温度を、第一ブロワ部71からの熱風と第二ブロワ部74からの熱風によって、更に所望の温度まで昇温することができる。第一ブロワ部71からの熱風と第二ブロワ部74からの熱風によって、布帛1の温度を、所望の温度に維持することも可能である。加工部30に搬送される前に布帛1の温度を昇温し、布帛1の温度が低下することを抑制することができる。布帛1が厚手の布帛であっても、布帛1の内部まで昇温することができる。布帛1の搬送速度を高めることが可能となる。所望の温度とされた布帛1を対象として、布帛1の外面に凹凸模様を形成することができる。
布帛1が基材2と表布3と裏布4の積層体であるとする。例えば、基材2は、発泡ウレタンであり、表布3と裏布4は、ポリエステル生地である。この場合、第一照射部41及び第二照射部42とブロワ70によって130℃とされた布帛1を、ヒータ34によって210℃程度の温度とされたエンボスロール32とバックアップロール33による成形部31を通過させることができる。これによって、布帛1を、図2上段に示す状態から図2下段に示す状態とすることができる。即ち、成形部31によって、130℃まで予備加熱されたクッション性を有する基材2の所定の領域を押圧することができる。成形部31によって押圧された基材2と表布3と裏布4の領域は、表布3と裏布4が密着する程度の凹状に変形する。図2下段に示すように、表布3と裏布4が密着する程度の凹部と、この凹部に隣接する凸部による凹凸模様を、布帛1の表面及び裏面に形成することができる。第一照射部41及び第二照射部42とブロワ70による予備加熱後の布帛1の温度130℃と、エンボスロール32とバックアップロール33の温度210℃は、例示である。
(2)エンボス加工装置10では、第一照射部41と第二照射部42は、布帛1の搬送経路を介して第二方向に対向する状態で設けられる(図1参照)。そのため、布帛1を、第一照射部41からの近赤外線と第二照射部42からの近赤外線によって、第二方向の第一側及び第二側から同じタイミングで予備加熱することができる。
(3)エンボス加工装置10では、第一移動部50と、第二移動部60が設けられる。第一移動部50は、第一照射部41を第二方向に移動する。第二移動部60は、第二照射部42を第二方向に移動する。そのため、第二方向において、布帛1の温度を均一化することが可能となる。ここで、第二方向の第一側及び第二側の各面の色が異なる布帛1がエンボス加工の対象となることがある。デザインの相違に伴い、第一の布帛と、この第一の布帛とはデザインの異なる第二の布帛では、第二方向の第一側の面又は第二側の面の色が異なることがある。第二方向の第一側及び第二側の各面の色の相違に伴い、近赤外線の照射量が同一であっても、発熱量が変化する。第二方向の第一側又は第二側の面が近赤外線を吸収し易い色である場合、発熱量は所望する値より高くなり易い。一方、第二方向の第一側又は第二側の面が近赤外線を吸収し難い色である場合、発熱量は所望する値より低くなり易い。第一移動部50によって第一照射部41の第二方向の位置を調整することができる。第二移動部60によって第二照射部42の第二方向の位置を調整することができる。従って、エンボス加工の対象となる布帛1に応じて、第二方向の第一側及び第二側における発熱量を適宜調整することができる。
<変形例>
実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は適宜省略する。
(1)エンボス加工装置10は、第一照射部41と、第二照射部42と、ブロワ70を備える(図1参照)。ブロワ70は、第一ブロワ部71と、第二ブロワ部74を備える。第一ブロワ部71は、第一方向において加工部30と第一照射部41の間に設けられる。第二ブロワ部74は、第一方向において加工部30と第二照射部42の間に設けられる。エンボス加工装置では、第一ブロワ部71と第二ブロワ部74を省略し、第三ブロワ部と第四ブロワ部を、次の位置に設けるようにしてもよい。第三ブロワ部は、第一ブロワ部71と同様の構成とされる。第四ブロワ部は、第二ブロワ部74と同様の構成とされる。即ち、第三ブロワ部は、第一ブロワ部71に対応するブロワ部であり、第四ブロワ部は、第二ブロワ部74に対応するブロワ部である。第三ブロワ部は、第一照射部41より第一方向の上流側で、且つ搬送経路に対して、第二方向の第一側に設けられる。第三ブロワ部は、第一ブロワ部71と同様、ダクトを介して熱風発生器77と接続される。第三ブロワ部は、複数の第三吹出口から第二方向の第二側に熱風を吹き出す。複数の第三吹出口は、第三吹出面に形成される。第三吹出面は、布帛1の裏面に対向することとなる第三ブロワ部の面である。第四ブロワ部は、第二照射部42より第一方向の上流側で、且つ搬送経路に対して、第二方向の第二側に設けられる。第四ブロワ部は、第二ブロワ部74と同様、ダクトを介して熱風発生器77と接続される。第四ブロワ部は、複数の第四吹出口から第二方向の第一側に熱風を吹き出す。複数の第四吹出口は、第四吹出面に形成される。第四吹出面は、布帛1の表面に対向することとなる第四ブロワ部の面である。第三ブロワ部と第四ブロワ部がそれぞれ設けられる第一方向の位置は、例えば、第一ブロワ部71と第二ブロワ部74と同様、同一とされる。熱風発生器77と第三ブロワ部を接続し、熱風発生器77と第四ブロワ部を接続するダクトは、共通流路部79と、第一支流路部80と、第二支流路部81によって形成されるダクト78と同様の構成とされる。
この場合、例えば、布帛1は、第三ブロワ部からの熱風と第四ブロワ部からの熱風によって、所定の温度まで昇温された後、第一照射部41からの近赤外線と第二照射部42からの近赤外線によって、所望の温度まで昇温される。第一照射部41からの近赤外線と第二照射部42からの近赤外線によって、布帛1の温度を、所望の温度に維持することも可能である。加工部30に搬送される前に布帛1の温度を昇温し、布帛1の温度が低下することを抑制することができる。第一照射部41からの近赤外線と第二照射部42からの近赤外線による予備加熱に関し、図2に示す最高到達温度の約130℃は、上述した通り、予備加熱を終了したことに伴うものである。第一照射部41からの近赤外線と第二照射部42からの近赤外線によっても、加工部30に搬送される前の布帛1の温度を、これ以上の温度まで昇温することは可能である。ブロワは、第一ブロワ部71と第二ブロワ部74と共に、上述した第三ブロワ部と第四ブロワ部を備える構成としてもよい。ダクトは、4個のブロワ部に対応した構成とされ、熱風発生器77と各ブロワ部を接続する。
更に、エンボス加工装置では、ブロワ70は省略するようにしてもよい。この場合、予備加熱は、第一照射部41からの近赤外線と第二照射部42からの近赤外線によって行われる。ブロワ70が省略されたエンボス加工装置では、第一照射部41と第二照射部42は、加工部30より第一方向の上流側で、加工部30に隣り合った状態で設けられる。このエンボス加工装置では、第一方向における加工部30と第一照射部41及び第二照射部42の間隔は、図1に示すエンボス加工装置10の場合より、短くされる。
ブロワ70が省略されたエンボス加工装置では、第一照射部41からの近赤外線と第二照射部42からの近赤外線によって布帛1を予備加熱しつつ、布帛1の温度を測定し、測定された温度に基づいた制御が実行されるようにしてもよい。このエンボス加工装置は、この制御を実行する制御部を備える。例えば、測定された温度に基づき、第一移動部50を駆動させ、第一照射部41の第二方向の位置が調整される。測定された温度に基づき、第二移動部60を駆動させ、第二照射部42の第二方向の位置が調整される。測定された温度が高い又は温度の上昇速度が速いとする。この場合、第一移動部50を駆動させ、第一照射部41を第二方向の第一側に移動する。第一照射部41は、布帛1の裏面から離間する。第二移動部60を駆動させ、第二照射部42を第二方向の第二側に移動する。第二照射部42は、布帛1の表面から離間する。測定された温度が低い又は温度の上昇速度が遅いとする。この場合、第一移動部50を駆動させ、第一照射部41を第二方向の第二側に移動する。第一照射部41は、布帛1の裏面に接近する。第二移動部60を駆動させ、第二照射部42を第二方向の第一側に移動する。第二照射部42は、布帛1の表面に接近する。この他、測定された温度に基づき、第一照射部41及び/又は第二照射部42における近赤外線ヒータ43のヒータ出力が調整されるようにしてもよい。即ち、測定された温度が高い又は温度の上昇速度が速い場合、近赤外線ヒータ43のヒータ出力は低下される。測定された温度が低い又は温度の上昇速度が遅い場合、近赤外線ヒータ43のヒータ出力は上昇される。エンボス加工装置10に、前述した制御を実行する制御部を設けるようにしてもよい。
(2)エンボス加工装置10では、第一照射部41と第二照射部42は、布帛1の搬送経路を介して第二方向に対向する状態で設けられる(図1参照)。第一照射部41と第二照射部42は、第一方向においてそれぞれ異なる位置に、ずれた状態で設けられるようにしてもよい。
ブロワ70では、第一ブロワ部71と第二ブロワ部74は、布帛1の搬送経路を介して第二方向に対向する状態で設けられる(図1参照)。第一ブロワ部71と第二ブロワ部74は、第一方向においてそれぞれ異なる位置に、ずれた状態で設けられるようにしてもよい。上述した第三ブロワ部と第四ブロワ部についても同様である。
(3)エンボス加工装置10では、第一移動部50が第一照射部41に対して設けられ、第二移動部60が第二照射部42に対して設けられる(図1参照)。エンボス加工装置では、第一移動部50と第二移動部60の一方又は両方を省略するようにしてもよい。第一移動部50が省略された場合、第一照射部41からの近赤外線に伴う布帛1での発熱は、例えば、第一照射部41におけるヒータ出力を調整することで、調整される。第二移動部60が省略された場合、第二照射部42からの近赤外線に伴う布帛1での発熱は、例えば、第二照射部42におけるヒータ出力を調整することで、調整される。
(4)ブロワ70は、1台の熱風発生器77を備える(図1参照)。ダクト78は、共通流路部79と第一支流路部80と第二支流路部81によって形成される(図1参照)。熱風発生器77からの熱風は、共通流路部79と第一支流路部80を介して第一ブロワ部71に供給され、共通流路部79と第二支流路部81を介して第二ブロワ部74に供給される。熱風発生器は、第一ブロワ部71と第二ブロワ部74のそれぞれに対して1台設けるようにしてもよい。この場合、ブロワは、第一ブロワ部71と、第二ブロワ部74と、第一熱風発生器と、第二熱風発生器と、第一ダクトと、第二ダクトを備える。このブロワでは、第一ブロワ部71と第一熱風発生器は、第一ダクトによって接続され、第二ブロワ部74と第二熱風発生器は、第二ダクトによって接続される。第一熱風発生器からの熱風は、第一ダクトを介して第一ブロワ部71に供給され、複数の第一吹出口73から、第二方向の第二側に吹き出される。第二熱風発生器からの熱風は、第二ダクトを介して第二ブロワ部74に供給され、複数の第二吹出口76から、第二方向の第一側に吹き出される。
ブロワに、第一ブロワ部71から吹き出された熱風と第二ブロワ部74から吹き出された熱風を回収する装置を設け、熱風を循環するようにしてもよい。熱風は、第一吸込部と第二吸込部から吸い込まれる。例えば、第一吸込部は、第一ブロワ部71に対して、第一方向の上流側及び/又は下流側で、第一ブロワ部71と隣り合った状態で設けられる。第二吸込部は、第二ブロワ部74に対して、第一方向の上流側及び/又は下流側で、第二ブロワ部74に隣り合った状態で設けられる。
(5)加工部30では、成形部31は、エンボスロール32と、バックアップロール33を備える(図1参照)。成形部31では、エンボスロール32とバックアップロール33が互いに第一方向に対応する方向に回転する。布帛1は、搬送部20によって第一方向に搬送され、エンボスロール32とバックアップロール33の間を通過する。このようにして、加工部30では、凹凸模様が布帛1の外面に形成される。加工部において、布帛1の外面に凹凸模様を形成する成形部は、エンボスロール32とバックアップロール33の組み合わせとは異なる公知の構成としてもよい。
1 布帛、 2 基材、 3 表布、 4 裏布、 10 エンボス加工装置
20 搬送部、 21 上流側ローラ、 22 下流側ローラ、 30 加工部
31 成形部、 32 エンボスロール、 33 バックアップロール
34 ヒータ、 41 第一照射部、 42 第二照射部、 43 近赤外線ヒータ
50 第一移動部、 51 ロッド、 60 第二移動部、 61 ボールねじ
62 ねじ軸、 63 ナット、 64 モータ、 65 タイミングベルト
70 ブロワ、 71 第一ブロワ部、 72 第一吹出面、 73 第一吹出口
74 第二ブロワ部、 75 第二吹出面、 76 第二吹出口、 77 熱風発生器
78 ダクト、 79 共通流路部、 80 第一支流路部、 81 第二支流路部
A,B,C 位置、 G1,G2,G3,G4 間隔

Claims (5)

  1. 所定の凹凸模様に対応する成形面を有する成形部と、前記成形部を加熱するヒータと、を備え、前記ヒータによって加熱された前記成形部によって、搬送される布帛の外面に、前記凹凸模様を形成する加工部と、
    前記加工部より前記布帛が搬送される第一方向の上流側で、且つ前記第一方向に搬送される前記布帛の搬送経路に対して、前記第一方向に直交し且つ前記布帛の厚み方向に沿った第二方向の第一側に設けられ、前記第二方向の第一側とは反対側となる前記第二方向の第二側に近赤外線を照射する第一照射部と、
    前記加工部より前記第一方向の上流側で、且つ前記搬送経路に対して、前記第二方向の第二側に設けられ、前記第二方向の第一側に近赤外線を照射する第二照射部と、を備える、エンボス加工装置。
  2. 前記第一照射部と前記第二照射部とは、前記搬送経路を介して前記第二方向に対向する状態で設けられる、請求項1に記載のエンボス加工装置。
  3. 前記第一照射部を前記第二方向に移動する第一移動部と、
    前記第二照射部を前記第二方向に移動する第二移動部と、を備える、請求項1又は請求項2に記載のエンボス加工装置。
  4. 前記第一方向において前記加工部と前記第一照射部との間で、且つ前記搬送経路に対して、前記第二方向の第一側に設けられ、前記第二方向の第二側に熱風を吹き出す第一ブロワ部と、
    前記第一方向において前記加工部と前記第二照射部との間で、且つ前記搬送経路に対して、前記第二方向の第二側に設けられ、前記第二方向の第一側に熱風を吹き出す第二ブロワ部と、を備える、請求項1から請求項3の何れか1項に記載のエンボス加工装置。
  5. 前記第一照射部より前記第一方向の上流側で、且つ前記搬送経路に対して、前記第二方向の第一側に設けられ、前記第二方向の第二側に熱風を吹き出す第三ブロワ部と、
    前記第二照射部より前記第一方向の上流側で、且つ前記搬送経路に対して、前記第二方向の第二側に設けられ、前記第二方向の第一側に熱風を吹き出す第四ブロワ部と、を備える、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のエンボス加工装置。
JP2015038798A 2015-02-27 2015-02-27 エンボス加工装置 Pending JP2016159476A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015038798A JP2016159476A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 エンボス加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015038798A JP2016159476A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 エンボス加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016159476A true JP2016159476A (ja) 2016-09-05

Family

ID=56846060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015038798A Pending JP2016159476A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 エンボス加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016159476A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019031159A1 (ja) * 2017-08-09 2019-02-14 セーレン株式会社 エンボス加工装置及びエンボス加工方法
JP2019217661A (ja) * 2018-06-18 2019-12-26 カシオ計算機株式会社 樹脂シートの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019031159A1 (ja) * 2017-08-09 2019-02-14 セーレン株式会社 エンボス加工装置及びエンボス加工方法
JPWO2019031159A1 (ja) * 2017-08-09 2020-07-02 セーレン株式会社 エンボス加工装置及びエンボス加工方法
JP7107941B2 (ja) 2017-08-09 2022-07-27 セーレン株式会社 エンボス加工装置及びエンボス加工方法
US11491699B2 (en) 2017-08-09 2022-11-08 Seiren Co., Ltd. Emboss fabrication apparatus and emboss fabrication method
JP2019217661A (ja) * 2018-06-18 2019-12-26 カシオ計算機株式会社 樹脂シートの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101193292B1 (ko) 접착 필름의 절단 방법 및 절단 장치
JP2020172110A (ja) フォイルを適用するための方法、適用装置及びプリント装置
JP5271745B2 (ja) シート融着体の製造方法及びレーザー式接合装置
US2609568A (en) Apparatus and method of embossing thermoplastic sheets
US3796785A (en) Method of stretching a thermoplastic sheet using a shortened stretching zone
ES2816074T3 (es) Dispositivo para revestir un sustrato con un material de recubrimiento termoplástico
JP2016159476A (ja) エンボス加工装置
JP2013071282A (ja) シート接合装置
US20090169668A1 (en) Transverse stretching device
JP2011126011A (ja) シート融着体の製造方法及びレーザー式接合装置
CN112078123A (zh) 造形物的制造方法及造形装置
ES2971227T3 (es) Un método y máquina para la impresión digital de vidrio
US9302425B1 (en) Method and apparatus for edge sealing of foam boards
DE2401292A1 (de) Verfahren zur herstellung von praegekunststoffen
JPH0318552Y2 (ja)
US20100101711A1 (en) Device and method for applying decoration, which adheres to a film, to an object
US20100038021A1 (en) Device and method for applying decoration, which adheres to a film, to a multidimentional object
KR102100559B1 (ko) 필름생산 라인 연계형 보호용 필름 엠보싱 성형장치
WO2019159613A1 (ja) 化粧シート、エンボス加工方法及びエンボス加工型
EP0469694B1 (en) Embossing apparatus and method
JP6847568B2 (ja) 熱可塑性合成樹脂製の帯状立体装飾片の製造方法及びその製造装置
US20060182838A1 (en) Apparatus and method for vacuum forming a film
JP2009255449A (ja) 合成樹脂表皮材の製造方法
EP2078603A1 (en) Method of manufacturing patterned resin sheet
JP5479936B2 (ja) シート体の加熱方法及びその装置