JP2016153631A - 排気浄化システム - Google Patents

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輝男 中田
Teruo Nakada
輝男 中田
隆行 坂本
Takayuki Sakamoto
隆行 坂本
長岡 大治
Taiji Nagaoka
大治 長岡
智宏 是永
Tomohiro Korenaga
智宏 是永
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Abstract

【課題】アイドル運転時に触媒保温制御を実施する際の触媒温度推定精度を効果的に向上する
【解決手段】排気を浄化する触媒31,32を含む排気後処理装置30と、アイドル運転時に吸入空気量を減少させて触媒31,32の温度低下を抑制する触媒保温制御を実施する触媒保温制御部52と、アイドル運転状態で触媒保温制御が実施された際に内燃機関10から排出されるHC量及びCO量を予め取得して記憶した排出量記憶部84A,Bと、触媒保温制御の実施時に排出量記憶部84A,Bから読み取られるHC量及びCO量に基づいて、触媒31,32のHC発熱量及びCO発熱量を推定する発熱量推定部88A,Bと、発熱量推定部88A,Bで推定されるHC発熱量及びCO発熱量に基づいて触媒31,32の温度を推定する触媒温度推定部88C,Dとを備える。
【選択図】図10

Description

本発明は、排気浄化システムに関する。
従来、内燃機関の排気浄化装置として、排気中の窒素化合物(以下、NOx)を還元浄化するNOx触媒や酸化触媒等を備えるものが知られている。NOx触媒や酸化触媒は、その触媒温度が活性温度以上にならないと、十分な浄化性能を発揮することができない。このため、アイドル運転時や車両減速走行時等、排気温度が低下する状況においては、吸入空気量(排気流量)を減少させて、低温排気の触媒への流れ込みを効果的に抑制することで、触媒を保温する所謂触媒保温制御を実施することが好ましい(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2010−116844号公報 特開2005−282545号公報
ところで、触媒温度を高精度に推定するには、エンジンから排出されて触媒内部で反応する炭化水素(以下、HC)や一酸化炭素(以下、CO)の発熱量を考慮する必要がある。特に、吸入空気量を絞る触媒保温制御をアイドル運転時に実施する場合は、通常のリーン運転時や触媒再生処理時とはエンジンから排出されるHC・CO量が異なってくる。このため、触媒温度の推定精度を確保するには、エンジンから排出されるHC・CO量を各運転状態に応じて効果的に推定することが好ましい。
開示のシステムは、アイドル運転時に触媒保温制御を実施する際の触媒温度推定精度を効果的に向上することを目的とする。
開示のシステムは、内燃機関の排気通路に設けられて排気を浄化する触媒を含む排気後処理装置と、前記内燃機関のアイドル運転時に吸入空気量を減少させて前記触媒の温度低下を抑制する触媒保温制御を実施する触媒保温制御手段と、前記内燃機関がアイドル運転状態で前記触媒保温制御が実施された際に当該内燃機関から排出される炭化水素量及び一酸化炭素量の少なくとも一方を予め取得して記憶した第1排出量記憶手段と、前記触媒保温制御の実施時に前記第1排出量記憶手段から読み取られる炭化水素量及び一酸化炭素量の少なくとも一方に基づいて、前記触媒の炭化水素発熱量及び一酸化炭素発熱量の少なくとも一方を推定する発熱量推定手段と、前記発熱量推定手段で推定される炭化水素発熱量及び一酸化炭素発熱量の少なくとも一方に基づいて前記触媒の温度を推定する触媒温度推定手段と、を備える。
開示のシステムによれば、アイドル運転時に触媒保温制御を実施する際の触媒温度推定精度を効果的に向上することができる。
本実施形態に係る排気浄化システムを示す全体構成図である。 本実施形態に係るSOxパージ制御を説明するタイミングチャート図である。 本実施形態に係るSOxパージリーン制御時のMAF目標値の設定処理を示すブロック図である。 本実施形態に係るSOxパージリッチ制御時の目標噴射量の設定処理を示すブロック図である。 本実施形態に係るSOxパージ制御の触媒温度調整制御を説明するタイミングチャート図である。 本実施形態に係るNOxパージ制御を説明するタイミングチャート図である。 本実施形態に係るNOxパージリーン制御時のMAF目標値の設定処理を示すブロック図である。 本実施形態に係るNOxパージリッチ制御時の目標噴射量の設定処理を示すブロック図である。 本実施形態に係る触媒保温制御の処理を示すブロック図である。 本実施形態に係る触媒温度推定処理を示すブロック図である。 本実施形態に係るインジェクタの噴射量学習補正の処理を示すブロック図である。 本実施形態に係る学習補正係数の演算処理を説明するフロー図である。 本実施形態に係るMAF補正係数の設定処理を示すブロック図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る排気浄化システムを説明する。
図1に示すように、ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)10の各気筒には、図示しないコモンレールに畜圧された高圧燃料を各気筒内に直接噴射する筒内インジェクタ11がそれぞれ設けられている。これら各筒内インジェクタ11の燃料噴射量や燃料噴射タイミングは、電子制御ユニット(以下、ECUという)50から入力される指示信号に応じてコントロールされる。
エンジン10の吸気マニホールド10Aには新気を導入する吸気通路12が接続され、排気マニホールド10Bには排気を外部に導出する排気通路13が接続されている。吸気通路12には、吸気上流側から順にエアクリーナ14、吸入空気量センサ(以下、MAFセンサという)40、吸気温度センサ48、可変容量型過給機20のコンプレッサ20A、インタークーラ15、吸気スロットルバルブ16等が設けられている。排気通路13には、排気上流側から順に可変容量型過給機20のタービン20B、排気ブレーキ装置の一部を構成する排気ブレーキバルブ17、排気後処理装置30等が設けられている。なお、図1中において、符号41はエンジン回転数センサ、符号42はアクセル開度センサ、符号46はブースト圧センサ、符号47は外気温度センサ、符号49は車速センサをそれぞれ示している。
EGR装置21は、排気マニホールド10Bと吸気マニホールド10Aとを接続するEGR通路22と、EGRガスを冷却するEGRクーラ23と、EGR量を調整するEGRバルブ24とを備えている。
排気後処理装置30は、ケース30A内に排気上流側から順に酸化触媒31、NOx吸蔵還元型触媒32、パティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタという)33を配置して構成されている。また、酸化触媒31よりも上流側の排気通路13には、ECU50から入力される指示信号に応じて、排気通路13内に未燃燃料(主にHC)を噴射する排気インジェクタ34が設けられている。
酸化触媒31は、例えば、ハニカム構造体等のセラミック製担体表面に酸化触媒成分を担持して形成されている。酸化触媒31は、排気インジェクタ34又は筒内インジェクタ11のポスト噴射によって未燃燃料が供給されると、これを酸化して排気温度を上昇させる。
NOx吸蔵還元型触媒32は、例えば、ハニカム構造体等のセラミック製担体表面にアルカリ金属等を担持して形成されている。このNOx吸蔵還元型触媒32は、排気空燃比がリーン状態のときに排気中のNOxを吸蔵すると共に、排気空燃比がリッチ状態のときに排気中に含まれる還元剤(HC等)で吸蔵したNOxを還元浄化する。
フィルタ33は、例えば、多孔質性の隔壁で区画された多数のセルを排気の流れ方向に沿って配置し、これらセルの上流側と下流側とを交互に目封止して形成されている。フィルタ33は、排気中のPMを隔壁の細孔や表面に捕集すると共に、PM堆積推定量が所定量に達すると、これを燃焼除去するいわゆるフィルタ強制再生が実行される。フィルタ強制再生は、排気管噴射又はポスト噴射によって上流側の酸化触媒31に未燃燃料を供給し、フィルタ33に流入する排気温度をPM燃焼温度まで昇温することで行われる。
第1排気温度センサ43は、酸化触媒31よりも上流側に設けられており、酸化触媒31に流入する排気温度を検出する。第2排気温度センサ44は、酸化触媒31とNOx吸蔵還元型触媒32との間に設けられており、NOx吸蔵還元型触媒32に流入する排気温度を検出する。NOx/ラムダセンサ45は、フィルタ33よりも下流側に設けられており、NOx吸蔵還元型触媒32を通過した排気のNOx値及びラムダ値(以下、空気過剰率ともいう)を検出する。
ECU50は、エンジン10等の各種制御を行うもので、公知のCPUやROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えて構成されている。これら各種制御を行うため、ECU50にはセンサ類40〜48のセンサ値が入力される。また、ECU50は、フィルタ再生制御部51と、SOxパージ制御部60と、NOxパージ制御部70と、触媒保温制御部52と、触媒温度推定部80と、MAF追従制御部98と、噴射量学習補正部90と、MAF補正係数演算部95とを一部の機能要素として有する。これら各機能要素は、一体のハードウェアであるECU50に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
[フィルタ再生制御]
フィルタ再生制御部51は、車両の走行距離、あるいは図示しない差圧センサで検出されるフィルタ前後差圧からフィルタ33のPM堆積量を推定すると共に、このPM堆積推定量が所定の上限閾値を超えると強制再生フラグFDPFをオンにする(図2の時刻t参照)。強制再生フラグFDPFがオンにされると、排気インジェクタ34に排気管噴射を実行させる指示信号が送信されるか、あるいは、各筒内インジェクタ11にポスト噴射を実行させる指示信号が送信されて、排気温度をPM燃焼温度(例えば、約550℃)まで昇温させる。この強制再生フラグFDPFは、PM堆積推定量が燃焼除去を示す所定の下限閾値(判定閾値)まで低下するとオフにされる(図2の時刻t参照)。強制再生フラグFDPFをオフにする判定閾値は、例えば、フィルタ強制再生開始(FDPF=1)からの上限経過時間や上限累積噴射量を基準にしてもよい。
本実施形態において、フィルタ強制再生時の燃料噴射量は、詳細を後述する参照温度選択部89(図10参照)によって適宜選択される酸化触媒温度又は、NOx触媒温度の何れかに基づいてフィードバック制御されるようになっている。
[SOxパージ制御]
SOxパージ制御部60は、本発明の触媒再生手段の一例であって、排気をリッチ状態にして排気温度を硫黄離脱温度(例えば、約600℃)まで上昇させて、NOx吸蔵還元型触媒32をSOx被毒から回復させる制御(以下、この制御をSOxパージ制御という)を実行する。
図2は、本実施形態のSOxパージ制御のタイミングチャートを示している。図2に示すように、SOxパージ制御を開始するSOxパージフラグFSPは、強制再生フラグFDPFのオフと同時にオンにされる(図2の時刻t参照)。これにより、フィルタ33の強制再生によって排気温度を上昇させた状態からSOxパージ制御に効率よく移行することが可能となり、燃料消費量を効果的に低減することができる。
本実施形態において、SOxパージ制御によるリッチ化は、空気系制御によって空気過剰率を定常運転時(例えば、約1.5)から理論空燃比相当値(約1.0)よりもリーン側の第1目標空気過剰率(例えば、約1.3)まで低下させるSOxパージリーン制御と、噴射系制御によって空気過剰率を第1目標空気過剰率からリッチ側の第2目標空気過剰率(例えば、約0.9)まで低下させるSOxパージリッチ制御とを併用することで実現される。以下、SOxパージリーン制御及び、SOxパージリッチ制御の詳細について説明する。
[SOxパージリーン制御の空気系制御]
図3は、SOxパージリーン制御時のMAF目標値MAFSPL_Trgtの設定処理を示すブロック図である。第1目標空気過剰率設定マップ61は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Q(エンジン10の燃料噴射量)に基づいて参照されるマップであって、これらエンジン回転数Neとアクセル開度Qとに対応したSOxパージリーン制御時の空気過剰率目標値λSPL_Trgt(第1目標空気過剰率)が予め実験等に基づいて設定されている。
まず、第1目標空気過剰率設定マップ61から、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてSOxパージリーン制御時の空気過剰率目標値λSPL_Trgtが読み取られて、MAF目標値演算部62に入力される。さらに、MAF目標値演算部62では、以下の数式(1)に基づいてSOxパージリーン制御時のMAF目標値MAFSPL_Trgtが演算される。
MAFSPL_Trgt=λSPL_Trgt×Qfnl_corrd×RoFuel×AFRsto/Maf_corr・・・(1)
数式(1)において、Qfnl_corrdは後述する学習補正された燃料噴射量(ポスト噴射を除く)、RoFuelは燃料比重、AFRstoは理論空燃比、Maf_corrは後述するMAF補正係数をそれぞれ示している。
MAF目標値演算部62によって演算されたMAF目標値MAFSPL_Trgtは、SOxパージフラグFSPがオン(図2の時刻t参照)になるとランプ処理部63に入力される。ランプ処理部63は、各ランプ係数マップ63A,Bからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてランプ係数を読み取ると共に、このランプ係数を付加したMAF目標ランプ値MAFSPL_Trgt_Rampをバルブ制御部64に入力する。
バルブ制御部64は、MAFセンサ40から入力される実MAF値MAFActがMAF目標ランプ値MAFSPL_Trgt_Rampとなるように、吸気スロットルバルブ16を閉側に絞ると共に、EGRバルブ24を開側に開くフィードバック制御を実行する。
このように、本実施形態では、第1目標空気過剰率設定マップ61から読み取られる空気過剰率目標値λSPL_Trgtと、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量とに基づいてMAF目標値MAFSPL_Trgtを設定し、このMAF目標値MAFSPL_Trgtに基づいて空気系動作をフィードバック制御するようになっている。これにより、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けることなく、或いは、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けた場合も当該ラムダセンサのセンサ値を用いることなく、排気をSOxパージリーン制御に必要な所望の空気過剰率まで効果的に低下させることが可能になる。
また、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量として学習補正後の燃料噴射量Qfnl_corrdを用いることで、MAF目標値MAFSPL_Trgtをフィードフォワード制御で設定することが可能となり、各筒内インジェクタ11の経年劣化や特性変化、個体差等の影響を効果的に排除することができる。
また、MAF目標値MAFSPL_Trgtにエンジン10の運転状態に応じて設定されるランプ係数を付加することで、吸入空気量の急激な変化によるエンジン10の失火やトルク変動によるドライバビリティーの悪化等を効果的に防止することができる。
[SOxパージリッチ制御の燃料噴射量設定]
図4は、SOxパージリッチ制御における排気管噴射又はポスト噴射の目標噴射量QSPR_Trgt(単位時間当たりの噴射量)の設定処理を示すブロック図である。第2目標空気過剰率設定マップ65は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照されるマップであって、これらエンジン回転数Neとアクセル開度Qとに対応したSOxパージリッチ制御時の空気過剰率目標値λSPR_Trgt(第2目標空気過剰率)が予め実験等に基づいて設定されている。
まず、第2目標空気過剰率設定マップ65から、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてSOxパージリッチ制御時の空気過剰率目標値λSPR_Trgtが読み取られて、噴射量目標値演算部66に入力される。さらに、噴射量目標値演算部66では、以下の数式(2)に基づいてSOxパージリッチ制御時の目標噴射量QSPR_Trgtが演算される。
SPR_Trgt=MAFSPL_Trgt×Maf_corr/(λSPR_Trgt×RoFuel×AFRsto)−Qfnl_corrd・・・(2)
数式(2)において、MAFSPL_TrgtはSOxパージリーン時のMAF目標値であって、前述のMAF目標値演算部62から入力される。また、Qfnl_corrdは後述する学習補正されたMAF追従制御適用前の燃料噴射量(ポスト噴射を除く)、RoFuelは燃料比重、AFRstoは理論空燃比、Maf_corrは後述するMAF補正係数をそれぞれ示している。
噴射量目標値演算部66によって演算された目標噴射量QSPR_Trgtは、後述するSOxパージリッチフラグFSPRがオンになると、排気インジェクタ34又は、各筒内インジェクタ11に噴射指示信号として送信される。
このように、本実施形態では、第2目標空気過剰率設定マップ65から読み取られる空気過剰率目標値λSPR_Trgtと、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量とに基づいて目標噴射量QSPR_Trgtを設定するようになっている。これにより、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けることなく、或いは、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けた場合も当該ラムダセンサのセンサ値を用いることなく、排気をSOxパージリッチ制御に必要な所望の空気過剰率まで効果的に低下させることが可能になる。
また、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量として学習補正後の燃料噴射量Qfnl_corrdを用いることで、目標噴射量QSPR_Trgtをフィードフォワード制御で設定することが可能となり、各筒内インジェクタ11の経年劣化や特性変化等の影響を効果的に排除することができる。
[SOxパージ制御の触媒温度調整制御]
SOxパージ制御中にNOx吸蔵還元型触媒32に流入する排気温度(以下、触媒温度ともいう)は、図2の時刻t〜tに示すように、排気管噴射又はポスト噴射を実行するSOxパージリッチフラグFSPRのオン・オフ(リッチ・リーン)を交互に切り替えることで制御される。SOxパージリッチフラグFSPRがオン(FSPR=1)にされると、排気管噴射又はポスト噴射によって触媒温度は上昇する(以下、この期間を噴射期間TF_INJという)。一方、SOxパージリッチフラグFSPRがオフにされると、排気管噴射又はポスト噴射の停止によって触媒温度は低下する(以下、この期間をインターバルTF_INTという)。
本実施形態において、噴射期間TF_INJは、予め実験等により作成した噴射期間設定マップ(不図示)からエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに対応する値を読み取ることで設定される。この噴射時間設定マップには、予め実験等によって求めた排気の空気過剰率を第2目標空気過剰率まで確実に低下させるのに必要となる噴射期間が、エンジン10の運転状態に応じて設定されている。
インターバルTF_INTは、触媒温度が最も高くなるSOxパージリッチフラグFSPRがオンからオフに切り替えられた際に、フィードバック制御によって設定される。具体的には、SOxパージリッチフラグFSPRがオフされた際の触媒目標温度と触媒推定温度との偏差ΔTに比例して入力信号を変化させる比例制御と、偏差ΔTの時間積分値に比例して入力信号を変化させる積分制御と、偏差ΔTの時間微分値に比例して入力信号を変化させる微分制御とで構成されるPID制御によって処理される。触媒目標温度は、NOx吸蔵還元型触媒32からSOxを離脱可能な温度で設定され、触媒推定温度は、詳細を後述する参照温度選択部89(図10参照)によって適宜選択される酸化触媒温度又は、NOx触媒温度の何れかで設定されるようになっている。
図5の時刻tに示すように、フィルタ強制再生の終了(FDPF=0)によってSOxパージフラグFSPがオンされると、SOxパージリッチフラグFSPRもオンにされ、さらに前回のSOxパージ制御時にフィードバック計算されたインターバルTF_INTも一旦リセットされる。すなわち、フィルタ強制再生直後の初回は、噴射期間設定マップで設定した噴射期間TF_INJ_1に応じて排気管噴射又はポスト噴射が実行される(図5の時刻t〜t参照)。このように、SOxパージリーン制御を行うことなくSOxパージリッチ制御からSOxパージ制御を開始するので、フィルタ強制再生で上昇した排気温度を低下させることなく、速やかにSOxパージ制御に移行され、燃料消費量を低減することができる。
次いで、噴射期間TF_INJ_1の経過によってSOxパージリッチフラグFSPRがオフになると、PID制御によって設定されたインターバルTF_INT_1が経過するまで、SOxパージリッチフラグFSPRはオフとされる(図5の時刻t〜t参照)。さらに、インターバルTF_INT_1の経過によってSOxパージリッチフラグFSPRがオンにされると、再び噴射期間TF_INJ_2に応じた排気管噴射又はポスト噴射が実行される(図5の時刻t〜t参照)。その後、これらSOxパージリッチフラグFSPRのオン・オフの切り替えは、後述するSOxパージ制御の終了判定によってSOxパージフラグFSPがオフ(図5の時刻t参照)にされるまで繰り返し実行される。
このように、本実施形態では、触媒温度を上昇させると共に空気過剰率を第2目標空気過剰率まで低下させる噴射期間TF_INJをエンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップから設定すると共に、触媒温度を降下させるインターバルTF_INTをPID制御によって処理するようになっている。これにより、SOxパージ制御中の触媒温度をパージに必要な所望の温度範囲に効果的に維持しつつ、空気過剰率を目標過剰率まで確実に低下させることが可能になる。
[SOxパージ制御の終了判定]
SOxパージ制御は、(1)SOxパージフラグFSPのオンから排気管噴射又はポスト噴射の噴射量を累積し、この累積噴射量が所定の上限閾値量に達した場合、(2)SOxパージ制御の開始から計時した経過時間が所定の上限閾値時間に達した場合、(3)エンジン10の運転状態やNOx/ラムダセンサ45のセンサ値等を入力信号として含む所定のモデル式に基づいて演算されるNOx吸蔵還元型触媒32のSOx吸着量がSOx除去成功を示す所定の閾値まで低下した場合の何れかの条件が成立すると、SOxパージフラグFSPをオフにして終了される(図2の時刻t、図5の時刻t参照)。
このように、本実施形態では、SOxパージ制御の終了条件に累積噴射量及び、経過時間の上限を設けたことで、SOxパージが排気温度の低下等によって進捗しなかった場合に、燃料消費量が過剰になることを効果的に防止することができる。
[NOxパージ制御]
NOxパージ制御部70は、本発明の触媒再生手段の一例であって、排気をリッチ状態にしてNOx吸蔵還元型触媒32に吸蔵されているNOxを還元浄化により無害化して放出することで、NOx吸蔵還元型触媒32のNOx吸蔵能力を回復させる制御(以下、この制御をNOxパージ制御という)を実行する。
NOxパージ制御を開始するNOxパージフラグFNPは、エンジン10の運転状態から単位時間当たりのNOx排出量を推定し、これを累積計算した推定累積値ΣNOxが所定の閾値を超えるとオンにされる(図6の時刻t参照)。あるいは、エンジン10の運転状態から推定される触媒上流側のNOx排出量と、NOx/ラムダセンサ45で検出される触媒下流側のNOx量とからNOx吸蔵還元型触媒32によるNOx浄化率を演算し、このNOx浄化率が所定の判定閾値よりも低くなった場合に、NOxパージフラグFNPはオンにされる。
本実施形態において、NOxパージ制御によるリッチ化は、空気系制御によって空気過剰率を定常運転時(例えば、約1.5)から理論空燃比相当値(約1.0)よりもリーン側の第3目標空気過剰率(例えば、約1.3)まで低下させるNOxパージリーン制御と、噴射系制御によって空気過剰率を第3目標空気過剰率からリッチ側の第4目標空気過剰率(例えば、約0.9)まで低下させるNOxパージリッチ制御とを併用することで実現される。以下、NOxパージリーン制御及び、NOxパージリッチ制御の詳細について説明する。
[NOxパージリーン制御のMAF目標値設定]
図7は、NOxパージリーン制御時のMAF目標値MAFNPL_Trgtの設定処理を示すブロック図である。第3目標空気過剰率設定マップ71は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照されるマップであって、これらエンジン回転数Neとアクセル開度Qとに対応したNOxパージリーン制御時の空気過剰率目標値λNPL_Trgt(第3目標空気過剰率)が予め実験等に基づいて設定されている。
まず、第3目標空気過剰率設定マップ71から、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてNOxパージリーン制御時の空気過剰率目標値λNPL_Trgtが読み取られて、MAF目標値演算部72に入力される。さらに、MAF目標値演算部72では、以下の数式(3)に基づいてNOxパージリーン制御時のMAF目標値MAFNPL_Trgtが演算される。
MAFNPL_Trgt=λNPL_Trgt×Qfnl_corrd×RoFuel×AFRsto/Maf_corr・・・(3)
数式(3)において、Qfnl_corrdは後述する学習補正された燃料噴射量(ポスト噴射を除く)、RoFuelは燃料比重、AFRstoは理論空燃比、Maf_corrは後述するMAF補正係数をそれぞれ示している。
MAF目標値演算部72によって演算されたMAF目標値MAFNPL_Trgtは、NOxパージフラグFSPがオン(図6の時刻t参照)になるとランプ処理部73に入力される。ランプ処理部73は、各ランプ係数マップ73A,Bからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてランプ係数を読み取ると共に、このランプ係数を付加したMAF目標ランプ値MAFNPL_Trgt_Rampをバルブ制御部74に入力する。
バルブ制御部74は、MAFセンサ40から入力される実MAF値MAFActがMAF目標ランプ値MAFNPL_Trgt_Rampとなるように、吸気スロットルバルブ16を閉側に絞ると共に、EGRバルブ24を開側に開くフィードバック制御を実行する。
このように、本実施形態では、第3目標空気過剰率設定マップ71から読み取られる空気過剰率目標値λNPL_Trgtと、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量とに基づいてMAF目標値MAFNPL_Trgtを設定し、このMAF目標値MAFNPL_Trgtに基づいて空気系動作をフィードバック制御するようになっている。これにより、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けることなく、或いは、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けた場合も当該ラムダセンサのセンサ値を用いることなく、排気をNOxパージリーン制御に必要な所望の空気過剰率まで効果的に低下させることが可能になる。
また、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量として学習補正後の燃料噴射量Qfnl_corrdを用いることで、MAF目標値MAFNPL_Trgtをフィードフォワード制御で設定することが可能となり、各筒内インジェクタ11の経年劣化や特性変化等の影響を効果的に排除することができる。
また、MAF目標値MAFNPL_Trgtにエンジン10の運転状態に応じて設定されるランプ係数を付加することで、吸入空気量の急激な変化によるエンジン10の失火やトルク変動によるドライバビリティーの悪化等を効果的に防止することができる。
[NOxパージリッチ制御の燃料噴射量設定]
図8は、NOxパージリッチ制御における排気管噴射又はポスト噴射の目標噴射量QNPR_Trgt(単位時間当たりの噴射量)の設定処理を示すブロック図である。第4目標空気過剰率設定マップ75は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照されるマップであって、これらエンジン回転数Neとアクセル開度Qとに対応したNOxパージリッチ制御時の空気過剰率目標値λNPR_Trgt(第4目標空気過剰率)が予め実験等に基づいて設定されている。
まず、第4目標空気過剰率設定マップ75から、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてNOxパージリッチ制御時の空気過剰率目標値λNPR_Trgtが読み取られて噴射量目標値演算部76に入力される。さらに、噴射量目標値演算部76では、以下の数式(4)に基づいてNOxパージリッチ制御時の目標噴射量QNPR_Trgtが演算される。
NPR_Trgt=MAFNPL_Trgt×Maf_corr/(λNPR_Trgt×RoFuel×AFRsto)−Qfnl_corrd・・・(4)
数式(4)において、MAFNPL_TrgtはNOxパージリーンMAF目標値であって、前述のMAF目標値演算部72から入力される。また、Qfnl_corrdは後述する学習補正されたMAF追従制御適用前の燃料噴射量(ポスト噴射を除く)、RoFuelは燃料比重、AFRstoは理論空燃比、Maf_corrは後述するMAF補正係数をそれぞれ示している。
噴射量目標値演算部76によって演算される目標噴射量QNPR_Trgtは、NOxパージフラグFSPがオンになると、排気インジェクタ34又は各筒内インジェクタ11に噴射指示信号として送信される(図6の時刻t)。この噴射指示信号の送信は、後述するNOxパージ制御の終了判定によってNOxパージフラグFNPがオフ(図6の時刻t)にされるまで継続される。
このように、本実施形態では、第4目標空気過剰率設定マップ75から読み取られる空気過剰率目標値λNPR_Trgtと、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量とに基づいて目標噴射量QNPR_Trgtを設定するようになっている。これにより、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けることなく、或いは、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けた場合も当該ラムダセンサのセンサ値を用いることなく、排気をNOxパージリッチ制御に必要な所望の空気過剰率まで効果的に低下させることが可能になる。
また、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量として学習補正後の燃料噴射量Qfnl_corrdを用いることで、目標噴射量QNPR_Trgtをフィードフォワード制御で設定することが可能となり、各筒内インジェクタ11の経年劣化や特性変化等の影響を効果的に排除することができる。
[NOxパージ制御の終了判定]
NOxパージ制御は、(1)NOxパージフラグFNPのオンから排気管噴射又はポスト噴射の噴射量を累積し、この累積噴射量が所定の上限閾値量に達した場合、(2)NOxパージ制御の開始から計時した経過時間が所定の上限閾値時間に達した場合、(3)エンジン10の運転状態やNOx/ラムダセンサ45のセンサ値等を入力信号として含む所定のモデル式に基づいて演算されるNOx吸蔵還元型触媒32のNOx吸蔵量がNOx除去成功を示す所定の閾値まで低下した場合の何れかの条件が成立すると、NOxパージフラグFNPをオフにして終了される(図6の時刻t参照)。
このように、本実施形態では、NOxパージ制御の終了条件に累積噴射量及び、経過時間の上限を設けたことで、NOxパージが排気温度の低下等によって成功しなかった場合に燃料消費量が過剰になることを確実に防止することができる。
[触媒保温制御(MAF絞り制御)]
図9は、触媒保温制御部52による触媒保温制御処理を示すブロック図である。
アイドル運転検出部53は、各種センサ41,42,49から入力されるセンサ値に基づいて、エンジン10がアイドル運転状態にあるか否かを検出する。
モータリング検出部54は、各種センサ41,42,49から入力されるセンサ値に基づいて、エンジン10が所定回転数以上で筒内インジェクタ11の燃料噴射を停止させるモータリング状態にあるか否かを検出する。
排気ブレーキ作動検出部55は、排気ブレーキバルブ17の閉弁により排気圧力を上昇させてエンジン10の回転速度を低下させる排気ブレーキ装置の作動有無を検出する。排気ブレーキ装置の作動有無は、図示しない車両運転室に設けられた排気ブレーキスイッチ56のオン/オフ操作に基づいて検出すればよい。
MAF絞り制御部57は、本発明の触媒保温制御手段であって、以下の条件が成立する場合に、吸気スロットルバルブ16(又は、排気スロットルバルブの少なくとも一方)の開度を閉側に絞って吸入空気量を減少させることにより、各触媒31,32への低温排気の流入を抑止する触媒保温制御(以下、MAF絞り制御ともいう)を実行する。(1)アイドル運転検出部53によってエンジン10のアイドル運転状態が検出された場合。(2)モータリング検出部54によってエンジン10のモータリング状態が検出された場合。なお、MAF絞り制御時のバルブ開度は、通常のリーン運転時よりも低い所定の目標MAF値と、MAFセンサ40のセンサ値(実MAF値)との偏差に基づいてフィードバック制御される。所定の目標MAF値は、例えば、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるベースマップ(不図示)に、吸気温度及び大気圧に応じた補正係数を乗じることで設定されるようになっている。
MAF絞り制御禁止部55Aは、モータリング検出部54によってモータリング状態が検出されても、排気ブレーキ作動検出部55が排気ブレーキ装置の作動を検出した場合は、ブレーキ力を確保すべくMAF絞り制御の実施を禁止する。
このように、本実施形態では、アイドル運転時やモータリング時等、排気温度の低下によって触媒温度が活性温度よりも低く冷却され得る状況で、吸入空気量を絞る触媒保温制御を実施することにより、各触媒31,32を活性状態に効果的に維持することが可能になる。また、モータリング状態であっても、排気ブレーキ装置の作動時は、触媒保温制御の実施を禁止することにより、ブレーキ力を効果的に確保することが可能になる。
[触媒温度推定]
図10は、触媒温度推定部80による酸化触媒温度及び、NOx触媒温度の推定処理を示すブロック図である。
リーン時HCマップ81A(本発明の第2排出量記憶手段)は、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、リーン運転時にエンジン10から排出されるHC量(以下、リーン時HC排出量という)が予め実験等により設定されている。アイドル運転検出部53(図9参照)によってアイドル運転が検出されず、且つ、強制再生フラグFDPF、SOxパージフラグFSP、NOxパージフラグFNPの何れもがオフ(FDPF=0,FSP=0,FNP=0)の場合は、リーン時HCマップ81Aからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られたリーン時HC排出量が各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
リーン時COマップ81B(本発明の第2排出量記憶手段)は、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、リーン運転時にエンジン10から排出されるCO量(以下、リーン時CO排出量という)が予め実験等により設定されている。アイドル運転検出部53(図9参照)によってアイドル運転が検出されず、且つ、強制再生フラグFDPF、SOxパージフラグFSP、NOxパージフラグFNPの何れもがオフ(FDPF=0,FSP=0,FNP=0)の場合は、リーン時COマップ81Bからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られたリーン時CO排出量が各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
長時間NOxパージ時HCマップ82Aは、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、NOxパージ制御の目標実行時間が所定時間以上となる長時間NOxパージを実施した際にエンジン10から排出されるHC量(以下、長時間NOxパージ時HC排出量という)が予め実験等により設定されている。NOxパージフラグFNPがオン(FNP=1)且つ、NOxパージ制御の目標実行時間が所定時間以上となる場合は、NOxパージ時HCマップ82Aからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られた長時間NOxパージ時HC排出量に、エンジン10の運転状態に応じた所定の補正係数が乗じられて、各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
NOxパージ時COマップ82Bは、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、NOxパージ制御の目標実行時間が所定時間以上となる長時間NOxパージを実施した際にエンジン10から排出されるCO量(以下、長時間NOxパージ時CO排出量という)が予め実験等により設定されている。NOxパージフラグFNPがオン(FNP=1)且つ、NOxパージ制御の目標実行時間が所定時間以上となる場合は、NOxパージ時COマップ82Bからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られた長時間NOxパージ時CO排出量に、エンジン10の運転状態に応じた所定の補正係数が乗じられて、各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
短時間NOxパージ時HC推定部83Aは、NOxパージ制御の目標実行時間が所定時間未満となる短時間NOxパージを実施する際に、リーン時HCマップ81A(又は、長時間NOxパージ時HCマップ82A)からエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られるHC排出量に所定の補正係数を乗じることで、短時間NOxパージ制御時にエンジン10から排出されるHC量(以下、短時間NOxパージ時HC排出量という)を推定演算する。演算される短時間NOxパージ時HC排出量は、NOxパージフラグFNPがオン(FNP=1)且つ、NOxパージ制御の目標実行時間が所定時間未満の場合に、各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
短時間NOxパージ時CO推定部83Bは、NOxパージ制御の目標実行時間が所定時間未満となる短時間NOxパージを実施する際に、リーン時COマップ81B(又は、長時間NOxパージ時COマップ82B)からエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られるCO排出量に所定の補正係数を乗じることで、短時間NOxパージ制御時にエンジン10から排出されるCO量(以下、短時間NOxパージ時CO排出量という)を推定演算する。演算される短時間NOxパージ時CO排出量は、NOxパージフラグFNPがオン(FNP=1)且つ、NOxパージ制御の目標実行時間が所定時間未満の場合に、各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
アイドルMAF絞り時HCマップ84A(本発明の第1排出量記憶手段)は、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、上述の触媒保温制御(MAF絞り制御)時にエンジン10から排出されるHC量(以下、アイドルMAF絞り時HC排出量という)が予め実験等により設定されている。アイドル運転状態で触媒保温制御が実行され、且つ、強制再生フラグFDPF、SOxパージフラグFSP、NOxパージフラグFNPの何れもがオフ(FDPF=0,FSP=0,FNP=0)の場合は、アイドルMAF絞り時HCマップ84Aからエンジン回転数Ne及びMAFセンサ値に基づいて読み取られたアイドルMAF絞り時HC排出量が各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
アイドルMAF絞り時HCマップ84B(本発明の第1排出量記憶手段)は、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、上述の触媒保温制御(MAF絞り制御)時にエンジン10から排出されるCO量(以下、アイドルMAF絞り時CO排出量という)が予め実験等により設定されている。アイドル運転状態で触媒保温制御が実行され、且つ、強制再生フラグFDPF、SOxパージフラグFSP、NOxパージフラグFNPの何れもがオフ(FDPF=0,FSP=0,FNP=0)の場合は、アイドルMAF絞り時COマップ84Bからエンジン回転数Ne及びMAFセンサ値に基づいて読み取られたアイドルMAF絞り時CO排出量が各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
フィルタ強制再生時HCマップ85Aは、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、フィルタ強制再生制御を実施した際にエンジン10から排出されるHC量(以下、フィルタ再生時HC排出量という)が予め実験等により設定されている。強制再生フラグFDPFがオン(FDPF=1)の場合は、フィルタ強制再生時HCマップ85Aからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られたフィルタ再生時HC排出量に、エンジン10の運転状態に応じた所定の補正係数が乗じられて、各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
フィルタ強制再生時COマップ85Bは、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、フィルタ強制再生制御を実施した際にエンジン10から排出されるCO量(以下、フィルタ再生時CO排出量という)が予め実験等により設定されている。強制再生フラグFDPFがオン(FDPF=1)の場合は、フィルタ強制再生時COマップ85Bからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られたフィルタ再生時CO排出量に、エンジン10の運転状態に応じた所定の補正係数が乗じられて、各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
第1SOxパージ時HCマップ86Aは、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、筒内インジェクタ11の噴射パターンにアフタ噴射が含まれる状態でSOxパージ制御を実施した際にエンジン10から排出されるHC量(以下、第1SOxパージ時HC排出量という)が予め実験等により設定されている。SOxパージフラグFSPがオン(FSP=1)且つ、筒内インジェクタ11の噴射パターンがアフタ噴射を含む場合は、第1SOxパージ時HCマップ86Aからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られた第1SOxパージ時HC排出量に、所定の補正係数が乗じられて、各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
第2SOxパージ時HCマップ86Bは、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、筒内インジェクタ11の噴射パターンにアフタ噴射が含まれない状態でSOxパージ制御を実施した際にエンジン10から排出されるHC量(以下、第2SOxパージ時HC排出量という)が予め実験等により設定されている。SOxパージフラグFSPがオン(FSP=1)且つ、筒内インジェクタ11の噴射パターンがアフタ噴射を含まない場合は、第2SOxパージ時HCマップ86Bからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られた第2SOxパージ時HC排出量に、所定の補正係数が乗じられて、各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
第1SOxパージ時COマップ87Aは、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、筒内インジェクタ11の噴射パターンにアフタ噴射が含まれる状態でSOxパージ制御を実施した際にエンジン10から排出されるCO量(以下、第1SOxパージ時CO排出量という)が予め実験等により設定されている。SOxパージフラグFSPがオン(FSP=1)且つ、筒内インジェクタ11の噴射パターンがアフタ噴射を含む場合は、第1SOxパージ時COマップ87Aからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られた第1SOxパージ時CO排出量に、所定の補正係数が乗じられて、各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
第2SOxパージ時COマップ87Bは、エンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップであって、筒内インジェクタ11の噴射パターンにアフタ噴射が含まれない状態でSOxパージ制御を実施した際にエンジン10から排出されるCO量(以下、第2SOxパージ時CO排出量という)が予め実験等により設定されている。SOxパージフラグFSPがオン(FSP=1)且つ、筒内インジェクタ11の噴射パターンがアフタ噴射を含まない場合は、第2SOxパージ時COマップ87Bからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて読み取られた第2SOxパージ時CO排出量に、所定の補正係数が乗じられて、各発熱量推定部88A,Bに送信されるようになっている。
なお、SOxパージ用のHC・COマップ86A〜87Bは、アフタ噴射の有無に応じた各2種類のマップに限定されず、パイロット噴射やプレ噴射の有無、各噴射の噴射タイミングに応じた複数のマップを備えるように構成してもよい。
酸化触媒発熱量推定部88Aは、本発明の発熱量推定手段であって、NOxパージフラグFNP、SOxパージフラグFSP、強制再生フラグFDPF、アイドル時のMAF絞りの有無、NOxパージの実行時間長短等に応じて、各マップ81A〜87Bや推定部83A,Bから入力されるHC・CO排出量に基づいて、酸化触媒31内部でのHC・CO発熱量(以下、酸化触媒HC・CO発熱量という)を推定する。酸化触媒HC・CO発熱量は、例えば、各マップ81A〜83Bや推定部83A,Bから送信されるHC・CO排出量等を入力値として含むモデル式やマップに基づいて推定演算すればよい。
NOx触媒発熱量推定部88Bは、本発明の発熱量推定手段であって、NOxパージフラグFNP、SOxパージフラグFSP、強制再生フラグFDPF、アイドル時のMAF絞りの有無、NOxパージの実行時間長短等に応じて、各マップ81A〜87Bや推定部83A,Bから入力されるHC・CO排出量に基づいて、NOx吸蔵還元型触媒32内部のHC・CO発熱量(以下、NOx触媒HC・CO発熱量という)を推定する。NOx触媒HC・CO発熱量は、例えば、各マップ81A〜86Bや推定部87A,Bから送信されるHC・CO排出量を入力値として含むモデル式やマップに基づいて推定演算すればよい。
酸化触媒温度推定部88Cは、本発明の触媒温度推定手段であって、第1排気温度センサ43によって検出される酸化触媒入口温度、酸化触媒発熱量推定部88Aから入力される酸化触媒HC・CO発熱量、MAFセンサ40のセンサ値、外気温度センサ47又は吸気温度センサ48のセンサ値から推定される外気への放熱量等を入力値として含むモデル式やマップに基づいて、酸化触媒31の触媒温度(以下、酸化触媒温度という)を推定演算する。
なお、エンジン10が燃料噴射を停止させるモータリング時は、酸化触媒31内部におけるHC・COの発熱反応がなくなるか、あるいは、無視できるほど低下する。このため、モータリング時は、酸化触媒発熱量推定部88Aから入力される酸化触媒HC・CO発熱量を用いることなく、酸化触媒入口温度、MAFセンサ値、外気への放熱量に基づいて、酸化触媒温度を推定演算するように構成されている。
NOx触媒温度推定部88Dは、本発明の触媒温度推定手段であって、酸化触媒温度推定部88Aから入力される酸化触媒温度(以下、NOx触媒入口温度ともいう)、NOx触媒発熱量推定部88Bから入力されるNOx触媒HC・CO発熱量、外気温度センサ47又は吸気温度センサ48のセンサ値から推定される外気への放熱量等を入力値として含むモデル式やマップに基づいて、NOx吸蔵還元型触媒32の触媒温度(以下、NOx触媒温度という)を推定演算する。
なお、エンジン10が燃料噴射を停止させるモータリング時は、NOx吸蔵還元型触媒32内部におけるHC・COの発熱反応がなくなるか、あるいは、無視できるほど低下する。このため、これらモータリング時は、NOx触媒発熱量推定部88Bから入力されるNOx触媒HC・CO発熱量を用いることなく、NOx触媒入口温度、MAFセンサ値、外気への放熱量に基づいて、NOx触媒温度を推定演算するように構成されている。
このように、本実施形態では、HC・CO排出量がそれぞれ異なる通常のリーン運転時、触媒保温制御(MAF絞り)が実施されるアイドル運転時、フィルタ強制再生時、SOxパージ時、NOxパージ時等の各運転状態に応じてHC・COマップ81A〜87B等を適宜切り替えることで、これら運転状態に応じた触媒内部におけるHC・CO発熱量を精度よく演算することが可能となり、各触媒31,32の温度推定精度を効果的に向上することができる。
また、SOxパージ時は、各触媒31,32におけるHC・CO発熱量が多くなるアフタ噴射実施等、筒内インジェクタ11のマルチ噴射パターンに応じて各マップ86A〜87Bを適宜切り替えることにより、これらマルチ噴射パターンに応じたHC・CO発熱量を精度よく演算することが可能となり、SOxパージ時の触媒温度推定精度を効果的に向上することができる。
また、NOxパージ時は、その実行時間に応じて、例えば、長時間NOxパージ時はマップ82A,Bを用いると共に、マップ化が困難な短時間NOxパージ時はリーン時マップ81A,Bの値に係数を乗じる手法を併用することにより、NOxパージ時間の長短に応じたHC・CO発熱量を精度よく演算することが可能となり、NOxパージ時の触媒温度推定精度を効果的に向上することができる。
また、モータリング時は、HC・CO発熱量を考慮することなく、触媒入口温度、MAF値及び、外部への放熱量に基づいて触媒温度を演算することにより、モータリング時も各触媒31,32の温度を効果的に推定することが可能になる。
[FB制御参照温度選択]
図10に示す参照温度選択部89は、上述したフィルタ強制再生やSOxパージの温度フィードバック制御に用いる参照温度を選択する。
酸化触媒31とNOx吸蔵還元型触媒32とを備える排気浄化システムにおいては、触媒の発熱特性等に応じて各触媒31,32におけるHC・CO発熱量が異なってくる。このため、温度フィードバック制御の参照温度としては、発熱量が多い方の触媒温度を選択することが制御性を向上するうえで好ましい。
参照温度選択部89は、酸化触媒温度及び、NOx触媒温度のうち、そのときのエンジン10の運転状態から推定される発熱量が多い方の触媒温度を一つ選択して、フィルタ再生制御部51及びSOxパージ制御部60に温度フィードバック制御の参照温度として送信するように構成されている。より詳しくは、排気中の酸素濃度が比較的高く、酸化触媒31のHC・CO発熱量が増加するフィルタ強制再生時は、酸化触媒温度推定部88Aから入力される酸化触媒温度が温度フィードバック制御の参照温度として選択される。一方、排気中の酸素濃度の低下によりNOx吸蔵還元型触媒32におけるHC・CO発熱量が増加するSOxパージリッチ制御やNOxパージリッチ制御時は、NOx触媒温度推定部88Bから入力されるNOx触媒温度が温度フィードバック制御の参照温度として選択されるようになっている。
このように、本実施形態では、HC・CO発熱量が多くなる方の触媒温度を温度フィードバック制御の参照温度として選択することで、制御性を効果的に向上することが可能になる。
[MAF追従制御]
MAF追従制御部98は、(1)通常運転のリーン状態からSOxパージ制御又はNOxパージ制御によるリッチ状態への切り替え期間及び、(2)SOxパージ制御又はNOxパージ制御によるリッチ状態から通常運転のリーン状態への切り替え期間に、各筒内インジェクタ11の燃料噴射タイミング及び燃料噴射量をMAF変化に応じて補正する制御(MAF追従制御という)を実行する。
[噴射量学習補正]
図11に示すように、噴射量学習補正部90は、学習補正係数演算部91と、噴射量補正部92とを有する。
学習補正係数演算部91は、エンジン10のリーン運転時にNOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λActと、推定ラムダ値λEstとの誤差Δλに基づいて燃料噴射量の学習補正係数FCorrを演算する。排気がリーン状態のときは、排気中のHC濃度が非常に低いので、酸化触媒31でHCの酸化反応による排気ラムダ値の変化は無視できるほど小さい。このため、酸化触媒31を通過して下流側のNOx/ラムダセンサ45で検出される排気中の実ラムダ値λActと、エンジン10から排出された排気中の推定ラムダ値λEstとは一致すると考えられる。このため、これら実ラムダ値λActと推定ラムダ値λEstとに誤差Δλが生じた場合は、各筒内インジェクタ11に対する指示噴射量と実噴射量との差によるものと仮定することができる。以下、この誤差Δλを用いた学習補正係数演算部91による学習補正係数の演算処理を図12のフローに基づいて説明する。
ステップS300では、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて、エンジン10がリーン運転状態にあるか否かが判定される。リーン運転状態にあれば、学習補正係数の演算を開始すべく、ステップS310に進む。
ステップS310では、推定ラムダ値λEstからNOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λActを減算した誤差Δλに、学習値ゲインK及び補正感度係数Kを乗じることで、学習値FCorrAdptが演算される(FCorrAdpt=(λEst−λAct)×K×K)。推定ラムダ値λEstは、エンジン回転数Neやアクセル開度Qに応じたエンジン10の運転状態から推定演算される。また、補正感度係数Kは、図11に示す補正感度係数マップ91AからNOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λActを入力信号として読み取られる。
ステップS320では、学習値FCorrAdptの絶対値|FCorrAdpt|が所定の補正限界値Aの範囲内にあるか否かが判定される。絶対値|FCorrAdpt|が補正限界値Aを超えている場合、本制御はリターンされて今回の学習を中止する。
ステップS330では、学習禁止フラグFProがオフか否かが判定される。学習禁止フラグFProとしては、例えば、エンジン10の過渡運転時、SOxパージ制御時(FSP=1)、NOxパージ制御時(FNP=1)等が該当する。これらの条件が成立する状態では、実ラムダ値λActの変化によって誤差Δλが大きくなり、正確な学習を行えないためである。エンジン10が過渡運転状態にあるか否かは、例えば、NOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λActの時間変化量に基づいて、当該時間変化量が所定の閾値よりも大きい場合に過渡運転状態と判定すればよい。
ステップS340では、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照される学習値マップ91B(図11参照)が、ステップS310で演算された学習値FCorrAdptに更新される。より詳しくは、この学習値マップ91B上には、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに応じて区画された複数の学習領域が設定されている。これら学習領域は、好ましくは、使用頻度が多い領域ほどその範囲が狭く設定され、使用頻度が少ない領域ほどその範囲が広く設定されている。これにより、使用頻度が多い領域では学習精度が向上され、使用頻度が少ない領域では未学習を効果的に防止することが可能になる。
ステップS350では、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号として学習値マップ91Bから読み取った学習値に「1」を加算することで、学習補正係数FCorrが演算される(FCorr=1+FCorrAdpt)。この学習補正係数FCorrは、図11に示す噴射量補正部92に入力される。
噴射量補正部92は、パイロット噴射QPilot、プレ噴射QPre、メイン噴射QMain、アフタ噴射QAfter、ポスト噴射QPostの各基本噴射量に学習補正係数FCorrを乗算することで、これら燃料噴射量の補正を実行する。
このように、推定ラムダ値λEstと実ラムダ値λActとの誤差Δλに応じた学習値で各筒内インジェクタ11に燃料噴射量を補正することで、各筒内インジェクタ11の経年劣化や特性変化、個体差等のバラツキを効果的に排除することが可能になる。
[MAF補正係数]
MAF補正係数演算部95は、SOxパージ制御時のMAF目標値MAFSPL_Trgtや目標噴射量QSPR_Trgtの設定に用いられるMAF補正係数Maf_corrを演算する。
本実施形態において、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量は、NOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λActと推定ラムダ値λEstとの誤差Δλに基づいて補正される。しかしながら、ラムダは空気と燃料の比であるため、誤差Δλの要因が必ずしも各筒内インジェクタ11に対する指示噴射量と実噴射量との差の影響のみとは限らない。すなわち、ラムダの誤差Δλには、各筒内インジェクタ11のみならずMAFセンサ40の誤差も影響している可能性がある。
図13は、MAF補正係数演算部95によるMAF補正係数Maf_corrの設定処理を示すブロック図である。補正係数設定マップ96は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照されるマップであって、これらエンジン回転数Neとアクセル開度Qとに対応したMAFセンサ40のセンサ特性を示すMAF補正係数Maf_corrが予め実験等に基づいて設定されている。
MAF補正係数演算部95は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号として補正係数設定マップ96からMAF補正係数Maf_corrを読み取ると共に、このMAF補正係数Maf_corrをMAF目標値演算部62及び噴射量目標値演算部66に送信する。これにより、SOxパージ制御時のMAF目標値MAFSPL_Trgtや目標噴射量QSPR_Trgtの設定に、MAFセンサ40のセンサ特性を効果的に反映することが可能になる。
[その他]
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
10 エンジン
11 筒内インジェクタ
12 吸気通路
13 排気通路
16 吸気スロットルバルブ
24 EGRバルブ
31 酸化触媒
32 NOx吸蔵還元型触媒
33 フィルタ
34 排気インジェクタ
40 MAFセンサ
45 NOx/ラムダセンサ
50 ECU

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられて排気を浄化する触媒を含む排気後処理装置と、
    前記内燃機関のアイドル運転時に吸入空気量を減少させて前記触媒の温度低下を抑制する触媒保温制御を実施する触媒保温制御手段と、
    前記内燃機関がアイドル運転状態で前記触媒保温制御が実施された際に当該内燃機関から排出される炭化水素量及び一酸化炭素量の少なくとも一方を予め取得して記憶した第1排出量記憶手段と、
    前記触媒保温制御の実施時に前記第1排出量記憶手段から読み取られる炭化水素量及び一酸化炭素量の少なくとも一方に基づいて、前記触媒の炭化水素発熱量及び一酸化炭素発熱量の少なくとも一方を推定する発熱量推定手段と、
    前記発熱量推定手段で推定される炭化水素発熱量及び一酸化炭素発熱量の少なくとも一方に基づいて前記触媒の温度を推定する触媒温度推定手段と、を備える
    排気浄化システム。
  2. 前記内燃機関のリーン運転時に当該内燃機関から排出される炭化水素量及び一酸化炭素量の少なくとも一方を予め取得して記憶した第2排出量記憶手段をさらに備え、
    前記発熱量推定手段は、前記内燃機関のリーン運転時は前記第2排出量記憶手段から読み取られる炭化水素量及び一酸化炭素量の少なくとも一方に基づいて前記触媒の炭化水素発熱量及び一酸化炭素発熱量の少なくとも一方を推定し、前記内燃機関のアイドル運転時に前記触媒保温制御が開始されると、前記第1排出量記憶手段から読み取られる炭化水素量及び一酸化炭素量の少なくとも一方に基づいて前記触媒の炭化水素発熱量及び一酸化炭素発熱量の少なくとも一方の推定を開始する
    請求項2に記載の排気浄化システム。
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