JP2016153352A - 結晶育成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏析現象によるドーパントの高濃度化及び結晶の有転位化を簡便に抑制することができる結晶育成方法を提供する。
【解決手段】CZ法において、結晶育成中のルツボ内のメルトに原料を供給しながら結晶を育成する方法であって、前記原料としてロッド状原料を用い、該ロッド状原料を固体のまま育成中の結晶とルツボ壁との間のメルトに接触させ、連続的又は断続的に前記ロッド状原料を挿入し、溶解しながら、前記結晶を育成することを特徴とする結晶育成方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(Czochralski method、以下、CZ
法と略称する)による結晶育成方法に関する。
CZ法ではルツボに原料を仕込みこれを溶融したメルト(シリコン溶融液)から結晶を育成する。結晶の育成に伴い、ルツボ内のメルト量は減少する。この減少を補う方法として結晶育成後に原料を追加した後、再度結晶を育成するリチャージ法や、結晶成長中に原料を追加する連続チャージが考案されている(例えば非特許文献1)。
リチャージ法は結晶育成中に原料を追加するのではないので、原料投入に起因する、単結晶の有転位化の問題がほとんどないというメリットがある。しかし、抵抗調整用に投入される不純物(ドーパント)が、偏析現象により結晶成長に伴い濃度が高くなり、抵抗率が低下してしまう。このため偏析係数の比較的大きいBに比べ、Pなどの偏析係数が小さいドーパントでは、抵抗率規格を満足する結晶長さが短くなり、歩留まりが低下する。IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などパワー用などに用いられるスイッチングデバイスでは主にPなど偏析係数が小さい金属をドーパントとしたN型結晶が用いられるので、高コストとなってしまう。
これに対し結晶成長中に原料を追加する連続チャージ法では、偏析現象によるドーパントの高濃度化を原料の追加により抑制することが可能であり、抵抗率が均一な結晶ができるというメリットがある。しかし連続チャージ法では単結晶を引上げながら、原料を供給しなければならないので有転位化という問題がある。
これを抑制するため2重ルツボを使う技術が開示されている(例えば特許文献1)。この2重ルツボの内側で単結晶の育成をして、外側に原料が供給される。投入される原料は粒状又は小片状であり、多くは引上げ機外側に設けた供給装置から適量を制御しながら投入される(例えば特許文献2)。しかし2重ルツボは高価であるという問題がある。そこで高価な2重ルツボを用いない方法が開示されている。例えば特許文献3ではメルトに原料供給する管の先端に不活性ガスの排気管を備えた隔離管を設けている。この様な装置で2重ルツボを用いなくとも有転位化を抑制できる可能性がある。しかしやはり装置的には複雑な構造である。また、主目的は品質向上であるが、磁場を印加して対流を制御する技術も開示されている(例えば特許文献4、5)。このように磁場を印加することで対流を抑制できるので、追加原料起因の有転位化を減らす効果がある可能性も考えられる。
また粒状の原料を誘導加熱等により溶解した後、供給する方法が開示されている(例えば特許文献6、7)。しかし粒状ポリを制御しながら投入するためには、特許文献2に開示されているような供給装置が必要であり、装置的に簡単とはいえない。
そこで粒状ポリによる供給ではなく、原料棒を用いた供給法が特許文献8などに開示されている。このような原料棒による供給であれば、粒状ポリのような供給装置が不要となり装置的には簡単にできる可能性がある。しかし特許文献8等に開示されている技術は、原料棒を溶解した後、溶融液として供給する方法である。このためルツボを加熱するためのメインヒータに加え、原料棒を溶解するための加熱源が必要となってしまい、やはり装置が複雑になるという問題があった。
特開昭63−233092号公報 特開平3−60489号公報 実開平4−84362号公報 特開平6−92776号公報 特開2010−30860号公報 特開平5−279166号公報 特開平8−183688号公報 特開平2−279582号公報
Fumio Shimura, Semiconductor Silicon Crystal Technology, P178−183, 1989
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、偏析現象によるドーパントの高濃度化及び結晶の有転位化を簡便に抑制することができる結晶育成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、CZ法において、結晶育成中のルツボ内のメルトに原料を供給しながら結晶を育成する方法であって、前記原料としてロッド状原料を用い、該ロッド状原料を固体のまま育成中の結晶とルツボ壁との間のメルトに接触させ、連続的又は断続的に前記ロッド状原料を挿入し、溶解しながら、前記結晶を育成することを特徴とする結晶育成方法を提供する。
このような結晶育成方法であれば、結晶成長中に原料を追加することにより、偏析現象によるドーパントの高濃度化を防ぐことができる。また、ロッド状原料を固体のままメルトに接触させることで、従来法の粒状原料の投下による液滴のハネや、溶融液の投入によるメルト表面の振動などにより育成中の結晶が有転位化する問題がほとんど無くなる。
また、前記ロッド状原料を引上げ炉内に挿入する際、前記ロッド状原料を上下動可能な可動部を具備する挿入機を用い、前記ロッド状原料を前記可動部により前記引上げ炉内に挿入することが好ましい。
このような挿入機を用いることで、ロッド状原料を引上げ炉内に容易に挿入することができる。
この場合、前記ロッド状原料を追加する際、該追加を、前記挿入機として更に前記引上げ炉内と炉外を隔絶することができるゲートバルブを有する挿入部を具備するものを用い、前記ゲートバルブにより前記引上げ炉内と炉外を隔絶した後に行うことが好ましい。
このような結晶育成方法であれば、用いる結晶育成装置が大掛かりなものとならず、簡単に追加のロッド状原料を投入することができ、製造コストを削減することができる。
また、前記ロッド状原料の断面積を育成する結晶の1/10以下、10mm以上とすることが好ましい。
このようなロッド状原料を用いることで、結晶が育成され減少したメルト量を十分に補うことができる。また、このようなロッド状原料は容易に溶かすことができる。
また、前記ロッド状原料の本数を複数本とすることができる。
このように複数本のロッド状原料を用いることで、結晶育成中に減少するメルト量を容易に補うことができる。
また、前記メルトに中心磁場強度500−6000Gの磁場を印加することが好ましい。
このような中心磁場強度の磁場を印加することで、ロッド状原料を溶解して生成された比較的低温のメルトが、育成中の結晶に大量に届いてしまうのを防ぐことができる。
また、前記メルトを前記ルツボの周りに配したヒータを用いて加熱し、前記ヒータの発熱部の上端を前記メルトの表面である湯面より上にすることが好ましい。
このようにヒータ発熱部を位置させることで、ロッド状原料に輻射熱を与えることができ、より効率的に溶解することができる。
また、メルト中に固化層を形成することが好ましい。
このようにメルト中に固化層を形成することにより、抵抗率の制御性をより高めることができる。
また、前記ロッド状原料をノンドープの原料又は初期メルトの導電型と同じ導電型の原料とし、前記ロッド状原料の溶解比率αを(1−k)/10≦α≦1(ここでαは一定時間内においてメルトから結晶化した質量に対する、ロッド状原料をメルトに溶解した質量であり、kは抵抗率制御のためにメルトに投入されているドーパントの偏析係数である。)とすることが好ましい。
このようなロッド状原料を用い、溶解比率αを上記の範囲内とすることで、抵抗率の低下をある程度抑えることができる。
また、前記育成中の結晶の成長速度V(mm/min)を、0.01≦V≦15000/D+0.45(ここでDは育成中の結晶直径(単位:mm)である。)とすることが好ましい。
このような結晶育成方法であれば、ロッド状原料を結晶の横に挿入しても、メルト表面に固化が発生しない。
また、前記ロッド状原料の挿入を、育成中の結晶における製品部分の育成の開始からスリップバック長さ分育成した後に開始することができる。
このような結晶育成方法であれば、直胴長さが比較的短い部分で有転位化した場合も、従来通り再溶融することが可能となる。
また、前記結晶を育成した後、次の結晶育成前に原料をリチャージし、再度次の結晶育成において上記本発明の結晶育成方法を用いて、次の結晶を育成することにより、ひとつの石英ルツボから複数の結晶を育成することができる。
このような結晶育成方法であれば、ロッド状原料をα=1の溶解比率より小さい比率で溶解させる場合であっても、ひとつの石英ルツボから複数の結晶を育成するマルチプーリングをすることが可能である。
また、前記ロッド状原料の導電型を初期メルトの導電型と同じとし、前記ロッド状原料のドーパント濃度を初期メルト濃度に対して±10%以内とし、前記ロッド状原料の溶解比率αを0.9≦α≦1.1以内(ここでαは一定時間内においてメルトから結晶化した質量に対する、ロッド状原料をメルトに溶解した質量である。)とすることが好ましい。
このようにαが1程度であれば、メルト量がほぼ一定でありメルト表面の高さもほぼ一定であるため、すなわち、通常のCZ法の様に結晶成長に伴いメルト表面の高さ位置が低下しないため、ルツボを上昇させる必要がない。また、ロッド状原料のドーパント濃度を初期メルト濃度、すなわち、結晶育成開始前までに溶融した原料と投入したドーパント(主ドーパント)量から決まる初期メルト中のドーパント濃度と同等程度とすることで、結晶中の抵抗率を一定に保つことができる。
また、前記ロッド状原料をノンドープの原料とし、前記ロッド状原料の溶解比率αを(1−k)/10から1−kの間(ここでαは一定時間内においてメルトから結晶化した質量に対する、ロッド状原料をメルトに溶解した質量であり、kは抵抗率制御のためにメルトに投入されているドーパントの偏析係数である。)とすることが好ましい。
このようにαが(1−k)/10から1−kの間の場合、メルト量は減少するので、メルト表面高さをある程度一定に保つため、ルツボを上昇させる必要がある(熱環境を一定に保つことはできない)ものの、結晶長さ方向の抵抗率を一定に保つことができる。また、α=1の場合のように多くのロッド状原料を同時に溶解しなくてもよい。
本発明の結晶育成方法であれば、偏析現象によるドーパントの高濃度化及び原料チャージに伴う結晶の有転位化を簡便に抑制することができる。また、育成結晶の抵抗率を正確に制御することができるので、製品部分の長さを長くでき、歩留まりを向上させることができる。これにより、パワーデバイスなどに用いられるスイッチングデバイスやダイオード用のシリコン単結晶を低コストで製造することができる。
本発明の結晶育成方法の手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の結晶育成方法に使用できる結晶育成装置の一例を示す概略図である。 実施例1,2及び比較例で育成した結晶の軸方向抵抗率分布を評価した結果を示す図である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
上記のように、偏析現象によるドーパントの高濃度化及び結晶の有転位化を簡便に抑制することができる結晶育成方法が求められている。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。その結果、結晶育成中のルツボ内のメルトに供給される原料をロッド状原料とする結晶育成方法が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図2は本発明の結晶育成方法に使用できる結晶育成装置の一例を示す概略図である。図2に示すように、結晶育成装置(引上げ炉)100は、メインチャンバー1と、メインチャンバー1の天井部(トップチャンバー11)に接続され、育成した結晶棒3を収納する引上げチャンバー2とを具備する。引上げチャンバー2の上部に結晶棒3をワイヤーで引上げる機構(不図示)が設けられている。
メインチャンバー1内には、メルト(原料融液)4を収容する石英ルツボ5とその石英ルツボ5を支持する黒鉛ルツボ6が設けられ、これらのルツボ5、6は駆動機構(不図示)によって回転昇降自在にルツボ軸で支持されている。そして、ルツボ5、6を囲繞するように、原料を溶融させるための加熱ヒータ(メインヒータ)7が配置されている。この加熱ヒータ7の外側には、断熱部材8がその周囲を取り囲むように設けられている。
また、引上げチャンバー2の上部にガス導入口10が設けられており、アルゴンガス等の不活性ガスが導入され、メインチャンバー1の下部のガス流出口9から排出されるようになっている。更にメルト4と対向するように遮熱部材13が設けられ、メルト4の表面からの輻射をカットするとともにメルト4の表面を保温するようにしている。
更に、メルト4の上方には、ガスパージ筒12が設けられ、ガス導入口10から導入された不活性ガスにより結晶棒3の周囲をパージすることができる構成になっている。
トップチャンバー11には、可動部を具備する挿入機14が設けられ、ロッド状原料15をメルト4中に挿入できる構成になっている。この挿入機14には、通常、挿入部が設けられ、この挿入部には引上げ炉内と炉外を隔絶することができるゲートバルブを設けることが好ましい。
次に、本発明の結晶育成方法について説明する。本発明は、図2のような装置を用いたCZ法において、結晶育成中のルツボ5内のメルト4に原料を供給しながら結晶3を育成する方法であって、前記原料としてロッド状原料15を用い、該ロッド状原料15を固体のまま育成中の結晶3とルツボ5の内壁との間のメルト4に接触させ、連続的又は断続的に前記ロッド状原料15を挿入し、溶解しながら、前記結晶3を育成する結晶育成方法である。
このように、ロッド状の原料(以下、ロッド状原料という)を固体のままメルトに溶融する場合、従来法の粒状原料の投下による液滴のハネや、溶融液の投入によるメルト表面の振動などにより育成中の結晶が有転位化する問題がほとんど無くなる。またロッド状原料を用いるので、これを挿入する速度を制御するだけでよく、粒状ポリのような原料の投入量を制御するための供給装置や、原料を溶解して溶融液とするための加熱装置を用いる必要も無い。
一般にCZ法ではルツボの周りに溶融液を加熱するためのヒータがあるので、ルツボ内の温度分布は外周ほど高く中心ほど低い。この温度の低い中心部分で結晶を育成する一方で、温度が高めである結晶とルツボ壁との間でロッド状原料を溶解することが可能である。更にロッド状原料のある部分はロッド状原料によりヒータからの直接輻射が当たらないので、結晶が冷えやすいという利点もある。
図1は本発明の結晶育成方法の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図1のフローチャートの各工程について詳述する。まず、図1に示すように、ロッド状原料の準備をする。本発明において結晶育成中のルツボ内のメルトに供給される原料はロッド状原料であれば特に限定されない。例えば、角柱又は円柱形状のシリコン単結晶又は多結晶シリコンとすることができる。この場合、一つのロッド状原料の大きさや一つの結晶を育成する際に用いるロッド状原料の合計量は特に限定されず、ルツボサイズ、育成する結晶の直径、導電型、抵抗率範囲、重量等を考慮して適宜決定することができる。なお、ロッド状原料はドーパントを含むものでも、ノンドープの原料でもよい。
また、ロッド状原料の断面積を育成する結晶の1/10以下、10mm以上とすることが望ましい。
ロッド状原料を育成中の結晶の横に挿入するので、例えば育成中の結晶と同じ太さの原料を溶かすことは容易ではない。そこで、ロッド状原料の1本あたりの断面積は、育成中の結晶の1/10以下であることが好ましい。一方で、結晶が育成され減少したメルト量をある程度補うためには、ロッド状原料があまりに細くては、いくら高速で溶融しても効果が小さい。従って、10mm以上の断面積があることが望ましい。
更にはロッド状原料の本数を複数本とすることができる。
前述のように、成長中の結晶の横のメルトにロッド状原料を挿入するので、あまり太い原料を溶融することは難しい。そこで原料を細くするが、細くすると減少するメルト量を補うことが難しくなる。そこで、ロッド状原料を複数本溶融することで、減少するメルト量を補うことが好ましい。
更には先述したように、ロッド状原料の影になる部分は、ヒータからの直接輻射が遮られて冷えるので、例えば複数本のロッド状原料を結晶の周りに同心円状に配置して、ロッド状原料の溶融と育成結晶の冷却を同時に促進させて結晶育成速度の高速化を図ることも可能である。なお、複数本のロッド状原料を結晶の周りに同心円状に配置する方法としては、図2に示す挿入機14を結晶の周りに同心円状に複数配置する方法を挙げることができる。なお、一つの挿入機に順次ロッド状原料を追加することで、ロッド状原料を複数本溶融してもよい。さらに一つの挿入機に複数本のロッド状原料を同時に装填してもよい。
次に、図1に示すように、ロッド状原料を溶解しつつ結晶の育成を行う。本発明では、上記のようにして準備したロッド状原料を固体のまま育成中の結晶とルツボ壁との間のメルトに接触させ、連続的又は断続的にロッド状原料を挿入し、溶解しながら、結晶を育成する。
具体的には、結晶育成前にルツボに原料(ここでいう原料はロッド状原料に限定されない)をチャージし、ルツボの周りに配したヒータで原料を加熱して溶融し、メルトを形成した後、結晶を育成するときにロッド状原料を挿入し、溶解しながら行う。ここで、本発明において育成することができる結晶としては、シリコン単結晶、化合物半導体単結晶等を挙げることができる。
本発明では、図2に示すメインチャンバー1の外周部に磁場印加装置(不図示)を設けることで、MCZ法(磁場印加CZ法)によって結晶を育成することができる。この際、メルトに中心磁場強度500−6000Gの磁場を印加することが好ましい。
特許文献4、5には連続チャージ法において、メルトに磁場を印加する技術が開示されている。これらの主目的は育成する結晶の品質の均一化ではあるが、磁場印加により対流を抑制している。本発明の場合、育成中の結晶の横でロッド状原料を溶解している。ここで生成された比較的低温のメルトが、育成中の結晶に大量に届いてしまうと、固化が発生し有転位化してしまうことがある。それを防止するためにはメルトに磁場を印加することが有効である。
磁場強度は中心磁場強度で500G以上6000G以下が好ましい。500G以上の中心磁場強度であれば、対流を十分抑制することができる。6000G以下の中心磁場強度であれば、磁場を発生させる装置は大型とならず、周囲への漏れ磁場の問題も発生しにくい。またあまりに強い磁場強度下では育成される結晶の品質も悪化する可能性も否定できないので、6000G以下の中心磁場強度とすることが好ましい。
また、上記のように本発明では、メルトをルツボの周りに配したヒータを用いて加熱することが好ましい。この場合、ヒータの発熱部の上端をメルトの表面である湯面より上にすることが好ましい。
本発明においては、ロッド状原料を溶解するために加熱源を新たに用意する必要はない。基本的にはルツボの周りに配したメインヒータで加熱されたメルトに、ロッド状原料を挿入することで溶解させる。この際、ロッド状原料にヒータからの輻射熱を与えることで、ロッド状原料がより溶解しやすくなる。シリコンは低温では赤外線を透過してしまうので輻射による加熱は低効率であるが、本発明におけるロッド状原料はメルト直上に至る間に高温になっており、ヒータからの直接輻射を十分吸収可能である。そこでヒータ(メインヒータ)の発熱部の上端をメルト表面より上にすることで、ロッド状原料に輻射熱を与えることができ、より効率的に溶解することができる。
ここでヒータの発熱部とは、例えば黒鉛ヒータにおいてスリットが入っている部分である。一般に黒鉛ヒータでは、形状を上下から交互にスリットを切った形状とし、1本又は2本の回路を有し、電流が端子から端子へ流れる構造となっている。一般的なヒータでは上から入れたスリットと下から入れたスリットが隣り合って、高さ方向で重なっている部分が、最も細くなっており、電気的な抵抗が高い部分である。この高抵抗である部分が電気を流した際に最も強く発熱する部分であり、発熱部などと呼ばれている。ここで言う発熱部は一般的な黒鉛ヒータの場合であれば、上下のスリットが隣り合い高さ方向で重なっている部分である。また一般的な構造でない場合には、周囲に比較して抵抗率が高めであり、発熱し易い部分ということを意味する。
また、メルト中に固化層を形成することが好ましい。
メルト中、主には石英ルツボの底に固化層を形成する手法はDLCZ(Double Layer CZ)法と呼ばれ、抵抗率の制御を行うための方法として知られている。この方法はメルトの表面で単結晶を育成させる一方で、メルト中に形成した固化層を溶解させることでメルト中のドーパント濃度の均一化を図るものである。固化層の制御がうまくできれば抵抗率の均一化が図れ、酸素濃度の制御にも応用可能な技術である。
抵抗率の均一化を図るためには結晶成長の序盤では固化層を大きくし、終盤では固化層を小さくしていくという制御が必要である。しかし、一般的に固化層を徐々に溶かしていくための制御は簡単ではなく、初期の固化層の形成に時間が掛かったり、育成結晶に固化層が接触するといった問題がある。
そこで、本発明をDLCZ法における固化層の制御の難しさを補う技術として用いることが可能である。例えば、固化層が溶けにくい場面ではロッド状原料を多めに挿入し、固化層が溶けやすい場面ではロッド状原料を挿入しないといった対応によりDLCZ法の抵抗率制御を補完することができる。
このようにすれば、育成される結晶の重量に対して少ないロッド状原料でも抵抗率の均一性が高い結晶を得ることが可能となる。
さらには、メルト中に固化層を形成したまま酸素濃度を所望の値とし、抵抗率制御を主に本発明を用いて行うことも可能である。
ロッド状原料を引上げ炉内に挿入する際、ロッド状原料を上下動可能な可動部を具備する挿入機を用い、ロッド状原料を可動部により引上げ炉内に挿入することが好ましい。
このようにロッド状原料を上下動可能な可動部のみで構成された装置で挿入することができる。
しかし、通常、結晶径に比較してロッド状原料の径は小さいので、ロッド状原料の長さは長くなりがちである。その分の可動域を設けようとすると、装置が大掛かりになってしまう。
そのため、挿入機における挿入部はゲートバルブ等で引上げ炉内と炉外を隔絶することが可能な構造とすることが望ましい。引上げ炉内と炉外を隔絶したのち、ロッド状原料を追加し、これを先のロッド状原料に引き続き引上げ炉内に挿入すれば、挿入部が長くなってしまうことを防ぐことができる。
また、ロッド状原料が、育成中の結晶に近すぎると、有転位化の原因となってしまうので、結晶の外周とロッド状原料の外側との距離が少なくとも2cm離れた位置に挿入することが好ましい。一方で石英ルツボに近すぎると、石英ルツボの変形により接触する可能性があるので、石英ルツボの内壁とロッド状原料外側との距離が少なくとも2cm離れた位置に挿入することが好ましい。
上述のようにロッド状原料はドーパントを含むものでも、ノンドープの原料でもよい。また、一定時間内におけるロッド状原料の溶解質量は特に限定されない。例えば、ロッド状原料をノンドープの原料又は初期メルトの導電型と同じ導電型の原料とし、ロッド状原料の溶解比率αを(1−k)/10≦α≦1とすることが好ましい。ここでαは一定時間内においてメルトから結晶化した質量に対する、ロッド状原料をメルトに溶解した質量である。kは抵抗率制御のためにメルトに投入されているドーパントの偏析係数である。
この場合、ロッド状原料の導電型を初期メルトの導電型と同じとし、ロッド状原料のドーパント濃度を初期メルト濃度に対して±10%以内とし、ロッド状原料の溶解比率αを0.9≦α≦1.1以内とすることがより好ましい。更に、ロッド状原料のドーパント濃度を初期メルト濃度と同等とし、ロッド状原料の溶解比率αを1とすることが特に好ましい。
一方、ロッド状原料をノンドープの原料とし、ロッド状原料の溶解比率αを(1−k)/10から1−kの間とすることもできる。
ロッド状原料は1本だけでなく複数本の場合もあるので、溶解比率αにおけるロッド状原料をメルトに溶解した質量とは、全てのロッド状原料の溶解質量を合わせたものである。また、溶解比率αにおける一定時間とは、ロッド状原料を連続的に投入する場合には非常に短くても良く、基本的にはその瞬間である。一方で断続的に挿入していく場合には少なくとも挿入間隔よりは長い時間のことである。瞬間的にはαは0の場合もあるし、1を超える場合もありえる。特に投入回数の少ない場合には結晶育成の開始から終了までを取る必要がある場合も考えられる。
またここで溶解比率を(1−k)/10≦α≦1とする理由を説明する。なお、以下では、ロッド状原料の導電型を初期メルトの導電型と同じとし、ロッド状原料のドーパント濃度を初期メルト濃度と同等程度とした場合、ロッド状原料の溶解比率αを1程度とすることが好ましい理由及びロッド状原料をノンドープの原料とした場合、ロッド状原料の溶解比率αを(1−k)/10から1−kの間とすることが好ましい理由についても合わせて説明する。
原料を結晶成長中に連続的に投入していく連続チャージ法におけるメリットのひとつは先に述べた抵抗率の均一化であるが、もうひとつは熱環境の均一化である。結晶化した質量と同量の原料を溶解させる、つまりα=1であると、メルト量が一定でありメルト表面の高さも一定である、すなわち、通常のCZ法の様に結晶成長に伴いメルト表面の高さ位置が低下しない。従って、ルツボを上昇させることでメルト表面をほぼ一定の高さに保つ必要がない。このため結晶長さ方向に対してルツボ位置やヒータ発熱状態を同じ状態で保つことが可能である。従って均一な品質の結晶を得やすくなる。この場合α=1であることが最も好ましい。
このとき、結晶育成開始前までに溶融した原料と投入したドーパント(主ドーパント)量から決まる初期メルト中のドーパント濃度と、同じ導電型で同濃度のロッド状原料を溶解することで、結晶中の抵抗率を一定に保つことができる。もちろん同濃度のロッド状原料を溶解するということは、低濃度原料と高濃度原料など複数の原料を同時に溶解して、その平均値が初期メルト濃度と同等であるようにしてもよい。
以上が最も好ましい製法であるが、本発明はロッド状原料を育成中の結晶の横で溶解するため、溶解比率α=1で溶解するためには多くのロッド状原料を同時に溶解することになり、難しい場合がある。そこで次に好ましいのは、ドーパントの含まれていないノンドープのロッド状原料を溶解比率α=(1−k)で投入することである。これにより、最も重要な目的である結晶長さ方向の抵抗率を一定に保つことができる。
ただこの場合α=1ではなく、メルト量は減少するので、メルト表面高さをある程度一定に保つため、ルツボを上昇させる必要がある。従って熱環境を一定に保つことはできないが、全く投入しない通常のCZ法の場合に比較すれば均一化される方向である。もちろん全くドーパントの含まれていないロッド状原料でなく、初期メルトに投入したものと同じ導電型のドーパントが入っていればそれに応じて、αを(1−k)より大きく1までの間で調整することによって、長さ方向の抵抗率を一定に保つことができる。なおこのときルツボの上昇速度はメルト面高さがほぼ一定高さに保たれるようにαの値に応じて制御されることが好ましい。
更には長さ方向に抵抗率が一定でなくとも、抵抗率の低下をある程度抑えるだけでも、製品部分の長さを長くでき、歩留まりを大幅に向上させることができる。特にドーパントの偏析係数が小さく抵抗率の低下が激しいN型結晶では、製品部分に対する、製品部分に至るまでに作製する拡径部(コーン部)や製品部分の後に形成する縮径部(丸め部)などの非製品部分の割合が高いので、製品部分を数十%長くしただけでも効果が大きい。この様な効果を享受できるにはα≧(1−k)/10であることが好ましい。
以上の観点から、ロッド状原料の溶解比率αを(1−k)/10から1の間とすることが好ましい。またここではロッド状原料中のドーパントを初期に投入した主ドーパントと同じ導電型で、ノンドープから初期メルト濃度と同等濃度程度までを想定した。しかし、これに限るものではなく、ロッド状原料中のドーパント濃度がこれより高い場合でも、導電型の異なる副ドーパントを含んだ場合にも応用することができる。さらにはメルト中に固化層を形成した場合にも応用できる。もちろんこの場合、最適範囲が溶解比率(1−k)/10≦α≦1からはみ出す場合も考えられる。従ってより正確には、投入されるロッド状原料の平均濃度やメルト中に形成された固化層の状況に応じてαの最適値を決めることが重要であるが、おおよそ(1−k)/10≦α≦1であれば良い。
本発明において育成中の結晶の成長速度は特に限定されないが、育成中の結晶の成長速度V(mm/min)を、0.01≦V≦15000/D+0.45とすることが好ましい。ここでDは育成中の結晶直径(単位:mm)である。
連続チャージに関する多くの特許文献が挙げられるような15−30年前に、今回開示したロッド状原料の連続チャージが行われなかったのは、当時の結晶成長速度が原因のひとつと考えられる。当時は現在のようにデバイス技術や品質評価技術や進んでいなかったため、シリコン単結晶の品質は現在ほど重視されておらず、生産性や歩留まりが重視されていた。このため結晶の成長速度は一般的に速かった。成長速度を高速化するには、結晶を冷却する必要があり、ヒータパワーを低めにして結晶を育成する。このためルツボ内のメルト温度が低めになり、今回開示したようなロッド状原料を結晶の横に挿入すれば、固化が発生し、単結晶化が困難であった可能性がある。
しかしデバイス・評価技術の進化と共にGrown−in欠陥の低減が要求され、これに伴い結晶の成長速度は低速化してきた。これによりヒータパワーは高めになり、ルツボ内のメルト温度は高めになった。これによりロッド状原料を結晶の横に挿入しても、固化が発生せず、単結晶が得られるようになった、という側面もある。
以上より、本発明はGrown−in欠陥の低減を図っているような操業に適用するのが好ましい。その成長速度の範囲は結晶の直径に依存しており、おおよそ15000/D+0.45以下の範囲である。一方で成長速度が0.01mm/min以上であれば、生産性を維持することができる。従って本発明を適用する範囲(育成中の結晶の成長速度の範囲)は0.01≦V≦15000/D+0.45とすることが好ましい。
また、ロッド状原料は結晶育成中に挿入を開始すればよく、挿入のタイミングは特に限定されない。例えば、ロッド状原料の挿入を、育成中の結晶における製品部分の育成の開始からスリップバック長さ分育成した後に開始してもよい。
通常CZ法又はMCZ法における単結晶製造では、何らかの要因で単結晶化が阻害され、有転位化がしばしば発生する。有転位化が発生すると、有転位部で発生した転位が、すでに単結晶化しているがまだ高温の状態にある部分に滑っていくスリップバックが起こる。このため、有転位化が発生した長さからスリップバックした長さを差し引いた長さしか、単結晶を得ることができない。更に結晶のトップ部は抵抗率以外の品質、例えば酸素濃度やGrown−in欠陥特性などが、規格値に入らない部分があるので、トップ部からある程度の長さを除いた部分が製品向けに設定されている。従って、結晶が比較的短い長さで有転位化した場合には、トップ部の製品に向かない部分と、スリップバックとによって、全く製品が取れないことになる。このため、有転位化した結晶をメルト中に沈めて再溶融してしまい、再度単結晶製造をやり直すことが行われている。
ドーパント濃度が初期メルト濃度より低い濃度のロッド状原料の溶解を例えば直胴部成長開始と共に開始した場合、直胴長さが比較的短い部分で有転位化し再溶融すると、それまでに溶解させたロッド状原料の分、メルト中のドーパント濃度が低くなってしまう。これにより抵抗率が狙いより高くなってしまう。そこでロッド状原料の挿入開始を育成中の結晶における製品部分の育成の開始からスリップバック長さ分育成した後としてもよい。さらには、初期メルトだけで抵抗率が規格を満たす範囲内に挿入(すなわち、抵抗率が規格より低くなる前にロッド状原料の挿入)を開始すればなお良い。この様にすることで、直胴長さが比較的短い部分で有転位化した場合も、従来通り再溶融することが可能となる。
上記のようにして結晶を育成した後、次の結晶育成前に原料(ここでいう原料はロッド状原料に限定されない)をリチャージし、再度次の結晶育成において上記本発明の結晶育成方法を用いて、次の結晶を育成する、すなわち、ロッド状原料を固体のまま育成中の結晶とルツボ壁との間のメルトに接触させ、連続的又は断続的にロッド状原料を挿入し、溶解しながら、次の結晶を育成することにより、ひとつの石英ルツボから複数の結晶を育成してもよい。
前述したように溶解比率α=1の場合、メルト量は減少しないので、1本の結晶を育成した後、原料をリチャージすることなく次の結晶を育成し始めることができる。しかし本発明には、ロッド状原料をα=1の溶解比率より小さい比率で溶解させることも含まれている。この場合には、1本の結晶を育成し終わった後に、メルト量は初期に比較して減っている。この場合に、リチャージにより原料及び必要なドーパントを投入し溶融して、次の結晶引上げに備えることができる。これにより次の結晶育成においても、ロッド状原料を挿入させながら、育成することができる。もちろん溶解比率αや狙い抵抗率などは、各々の結晶で変えることが可能である。この様なことを繰り返すことにより、ひとつの石英ルツボから複数の結晶を育成するマルチプーリングをすることが可能である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
概略図を図2に示した結晶育成装置を用いて、N型で、抵抗率50Ωcm±7%、直径206mmの結晶を育成した。原料の初期チャージ量を200kgとし、直胴長さ100cmの結晶を中心磁場強度が4000Gの水平磁場を印加して育成した。平均の単結晶成長速度はおおよそ0.7mm/minであった。結晶トップ部は抵抗率以外の品質が入らない場合があるので、直胴10cmで規格上限の53.5Ωcmなるように狙って、P(リン)を初期ドープした。
また4cm角柱形状のロッド状原料を4本、挿入機に装着して、直胴育成中に挿入した。ロッド状原料はドーパントをほとんどドープしていない抵抗率が3000Ωcm以上の高抵抗率の単結晶から切り出して作製した。もちろん、ロッド状原料を切り出す結晶は単結晶である必要は無く、多結晶シリコンを用いることも可能である。
ロッド状原料の挿入速度は単結晶成長速度に同期させて制御し、単結晶成長速度の1.5倍とした。これによる溶解比率α(=原料溶解質量/結晶化質量)は約0.288である。ロッド状原料の挿入は直胴の成長開始と同時に開始した。また途中で挿入機についているゲートバルブを閉じて、ロッド状原料を追加しながら結晶を育成した。これにより得られた結晶の中心部における抵抗率を図3に示す。
(実施例2)
実施例1で結晶を育成した後、リチャージにより原料を追加しルツボ内の原料を200kgとして、2本目の結晶育成を中心磁場強度が4000Gの水平磁場を印加して行った。狙いの抵抗率は実施例1と同じ、N型、50Ωcm±7%である。今回は育成中の結晶における製品部分の育成の開始からスリップバック長さ育成した後に、具体的には製品開始長さ(10cm)+スリップバック長さ(約20cm)=30cmからロッド状原料を追加することとした。そこで、初期のメルト中のドーパント濃度は、製品開始長さの10cmで53.5Ωcmとなる濃度、つまり原料を追加しない場合と同じ濃度となるようにPをリチャージ時に追加ドープした。
結晶直径、結晶長さ、成長速度、ロッド状原料形状・本数・材料はそれぞれ実施例1と同じとした。ただし、ロッド状原料の追加を製品部の途中から開始するので、抵抗率規格を満たす製品部長さが実施例1に比較して短めになってしまう。そこでロッド状原料の挿入速度は実施例1より若干速く、単結晶成長速度の1.6倍とした。これによる溶解比率α(=原料溶解質量/結晶化質量)は約0.307である。これにより得られた結晶の中心部における抵抗率を図3に示す。
(比較例)
ロッド状原料を挿入しないことを除いては実施例2と同じ条件で、結晶引上げを行った。これにより得られた結晶の中心部における抵抗率を図3に示した。
図3は実施例1,2及び比較例で育成した結晶の軸方向抵抗率分布を評価した結果を示す図である。図3において、縦軸は抵抗率(Ωcm)、横軸は結晶長さ(cm)である。図3に示すように、実施例1では得られた結晶の中心部における抵抗率は、直胴10cmから直胴約97cmまで狙い規格内に入った。また、実施例2では得られた結晶の中心部における抵抗率は図3に示す通りであり、直胴10cmから直胴約80cmまで狙い規格内に入った。一方、図3に示すように、ロッド状原料を挿入しなかった比較例では直胴の10cmから約50cmまでが狙い規格内に入った。しかしこの長さは実施例1、2に比較して大幅に短いものであった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…メインチャンバー、 2…引上げチャンバー、 3…結晶棒、
4…メルト(原料融液)、 5…石英ルツボ、 6…黒鉛ルツボ、
7…加熱ヒータ(メインヒータ)、 8…断熱部材、 9…ガス流出口、
10…ガス導入口、 11…トップチャンバー、 12…ガスパージ筒、
13…遮熱部材、 14…挿入機、 15…ロッド状原料、
100…結晶育成装置(引上げ炉)。

Claims (14)

  1. CZ法において、結晶育成中のルツボ内のメルトに原料を供給しながら結晶を育成する方法であって、前記原料としてロッド状原料を用い、該ロッド状原料を固体のまま育成中の結晶とルツボ壁との間のメルトに接触させ、連続的又は断続的に前記ロッド状原料を挿入し、溶解しながら、前記結晶を育成することを特徴とする結晶育成方法。
  2. 前記ロッド状原料を引上げ炉内に挿入する際、前記ロッド状原料を上下動可能な可動部を具備する挿入機を用い、前記ロッド状原料を前記可動部により前記引上げ炉内に挿入することを特徴とする請求項1に記載の結晶育成方法。
  3. 前記ロッド状原料を追加する際、該追加を、前記挿入機として更に前記引上げ炉内と炉外を隔絶することができるゲートバルブを有する挿入部を具備するものを用い、前記ゲートバルブにより前記引上げ炉内と炉外を隔絶した後に行うことを特徴とする請求項2に記載の結晶育成方法。
  4. 前記ロッド状原料の断面積を育成する結晶の1/10以下、10mm以上とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の結晶育成方法。
  5. 前記ロッド状原料の本数を複数本とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の結晶育成方法。
  6. 前記メルトに中心磁場強度500−6000Gの磁場を印加することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の結晶育成方法。
  7. 前記メルトを前記ルツボの周りに配したヒータを用いて加熱し、前記ヒータの発熱部の上端を前記メルトの表面である湯面より上にすることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の結晶育成方法。
  8. 前記メルト中に固化層を形成したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の結晶育成方法。
  9. 前記ロッド状原料をノンドープの原料又は初期メルトの導電型と同じ導電型の原料とし、前記ロッド状原料の溶解比率αを(1−k)/10≦α≦1(ここでαは一定時間内においてメルトから結晶化した質量に対する、ロッド状原料をメルトに溶解した質量であり、kは抵抗率制御のためにメルトに投入されているドーパントの偏析係数である。)とすることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の結晶育成方法。
  10. 前記育成中の結晶の成長速度V(mm/min)を、0.01≦V≦15000/D+0.45(ここでDは育成中の結晶直径(単位:mm)である。)とすることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の結晶育成方法。
  11. 前記ロッド状原料の挿入を、育成中の結晶における製品部分の育成の開始からスリップバック長さ分育成した後に開始することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の結晶育成方法。
  12. 前記結晶を育成した後、次の結晶育成前に原料をリチャージし、再度次の結晶育成において請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の結晶育成方法を用いて、次の結晶を育成することにより、ひとつの石英ルツボから複数の結晶を育成することを特徴とする結晶育成方法。
  13. 前記ロッド状原料の導電型を初期メルトの導電型と同じとし、前記ロッド状原料のドーパント濃度を初期メルト濃度に対して±10%以内とし、前記ロッド状原料の溶解比率αを0.9≦α≦1.1以内(ここでαは一定時間内においてメルトから結晶化した質量に対する、ロッド状原料をメルトに溶解した質量である。)とすることを特徴とする請求項1から請求項8、請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の結晶育成方法。
  14. 前記ロッド状原料をノンドープの原料とし、前記ロッド状原料の溶解比率αを(1−k)/10から1−kの間(ここでαは一定時間内においてメルトから結晶化した質量に対する、ロッド状原料をメルトに溶解した質量であり、kは抵抗率制御のためにメルトに投入されているドーパントの偏析係数である。)とすることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の結晶育成方法。
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