JP2016152552A - 通信システム、及び、通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる通信特性を持つ多数の端末が基地局に収容された際に、特別な契約がされた端末のQoEを満足しつつ、従来よりも多数の端末を収容する。【解決手段】制御サーバは、契約情報と、基地局の混雑を解消する効果の高さに応じた制御方法を示す制御情報とを格納し、端末による通信を監視して特定した混雑状況に基づいて前記基地局が混雑していると判定した場合、前記特定した混雑状況と前記情報とに基づいて、前記端末による通信を最適化する第1の制御方法を、通信最適化システムに通知する制御方法に決定し、通知した後、前記基地局が混雑していると判定した場合、前記端末による通信が所定の通信品質を満たすか判定し、前記通信品質を満たしていないと判定した場合、前記制御情報に基づいて、前記第1の制御方法よりも前記混雑を解消する効果が高い第2の制御方法を、前記制御方法に決定し、前記通信最適化システムに通知する。【選択図】図1
Description
本発明は、通信システム、及び、通信方法に関する。
近年、スマートフォン及びタブレット端末等が急速に普及し、それらの端末上で動作するアプリケーションの多様化に伴い、モバイルトラフィックは急増、かつ、多様化している。今後、コネクテッドカー若しくは通信を行う産業用の機器、又は、各種のウェアラブルデバイスなどのM2M(Machine to Machine)端末若しくはIoT(Internet of Things)端末が普及する見込みであり、これまで以上にトラフィックの増加と多様化の度合いは加速していくと考えられる。
これらのトラフィックのために専用のモバイルネットワークを構築することはコストの観点から現実的ではなく、既存のモバイルネットワークに融合させることが望ましい。この融合においてコネクティビティのみが求められる場合、大きな問題は生じない。
一方で、ある種のM2M/IoT端末による通信が特殊な通信要件を満たさない場合、それらの端末が利用するサービスの品質低下、又は、サービス自体の不成立が発生する可能性がある。特に、基地局が収容する端末が混雑するような状況において、こうしたある種のM2M/IoT端末の通信要件は満たされないため、問題となる。
このため、次世代のモバイルネットワークにおいて、特別扱いすべき端末への通信は、基地局が混雑するような状況でも保護し、所望の品質(QoE:Quality of Experience)を満たすことが求められる。また、端末数が増加するため、多数の端末を基地局に、より多く収容できることが求められる。
そこで、通信状況に応じて通信トラフィックを最適化制御する方法が必要となる(例えば、特許文献1参照)。特許文献1において、「無線リソースの不足およびサービスの差別化の問題」が課題として記載されている。
また、その解決手段として、特許文献1には、「RANにおいて使用可能な帯域幅の使用を最大にするために、無線ネットワークにおけるトラフィックフロー(トラフィックの流れ)の自動最適化の方法およびシステムを提供する。本発明の方法およびシステムは、モバイルネットワークとインターネット間のインタフェース上のある点における移動局向けのリソースの最適化に基づいて、RANの輻輳およびサービスの差別化問題に対する解決策を提供することによって、これらの課題を処理する。」と記載されている。
特許文献1に記載された技術によれば、基地局の負荷を軽減し、優先トラフィックを非優先トラフィックよりも優先的に基地局が収容することが可能になる。しかしながら、M2M/IoT端末のような多様な通信特性のトラフィックの通信要件を満足させること、及び、非優先トラフィックの端末を含め多数の端末を収容することは難しい。
そこで、異なる通信特性を持つ多数の端末が基地局に収容された際に、特別な契約がされた端末のQoEを満足しつつ、従来よりも多数の端末を収容することが課題となる。
上記課題を解決するために、本発明は、通信システムであって、端末と無線によって通信する基地局を介してインターネットとの間で送受信される、前記端末による通信を監視する制御サーバと、前記基地局が収容する前記端末による通信に、前記制御サーバから通知される通信制御方法を適用する通信最適化システムと、を有し、前記制御サーバは、プロセッサ及びメモリを有し、前記端末の利用者による契約の内容を示す契約情報と、前記基地局の混雑を解消する効果の高さに応じた複数の通信制御方法を示す通信制御情報と、を前記メモリに格納し、前記端末による通信を監視して、前記基地局が混雑している程度を示す混雑状況を特定し、前記特定した混雑状況に基づいて前記基地局が混雑していると判定した場合、前記特定した混雑状況と前記契約情報と前記通信制御情報とに基づいて、前記基地局の混雑を解消するように前記端末による通信を最適化する第1の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知する通信制御方法に決定し、前記第1の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知し、前記通知した後、前記基地局が混雑していると判定した場合、前記端末による通信が所定の通信品質を満たすか判定し、前記通信品質を満たしていないと判定した場合、前記通信制御情報に基づいて、前記第1の通信制御方法よりも前記混雑を解消する効果が高い第2の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知する通信制御方法に決定し、前記第2の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知する。
本発明によれば、異なる通信特性を持つ多数の端末が基地局に収容された場合でも、優先的な契約の端末のQoEを満足させることができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づき説明する。各図における同一符号は同一物あるいは相当物を示す。説明の都合上、符号に添え字を追加して区別することがある。
(システム全体の構成)
図1は、本実施例のネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
図1は、本実施例のネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
LTE(Long Term Evolution)は、近年利用されているモバイルネットワークの規格である。以下において、LTEを実現するモバイルネットワークに本実施例を適用した場合の説明を特に示す。ただし、本実施例は、基地局が収容する端末による通信のトラフィク量を取得でき、かつ、通信最適化制御を通信に適用できるモバイルネットワークであれば、LTE以外の規格が用いられたモバイルネットワークに適用してもよい。
図1に示すシステムは、LTEを実現するモバイルコアネットワークを含む。このモバイルコアネットワークは、バックホール100とパケットコア110とによって構成され、インターネット300に接続される。インターネット300は、PDN(Public Data Network)などのネットワークである。
バックホール100は、少なくとも一つの基地局101(LTEの場合はeNB(evolved Node B)と呼ばれる)を含む。基地局101が多数である場合、基地局101は、パケットコア110に含まれるS−GW111と、スイッチ102を介して接続する。基地局101は、端末10の通信を収容する。
パケットコア110は、少なくとも一つのS−GW(Serving GateWay)111、P−GW(PDN GateWay)112、MME(Mobility Management Entity)113、及び、PCRF(Policy and Charging Rules Function)114を含む。
MME113は、端末10の移動管理及び認証(セキュリティ制御)を行い、更に、データ信号を含む通信の伝経路を設定する。S−GW111及びP−GW112は、基地局101とインターネット300との間に設置され、MME113によって設定された伝送路を用いてデータ信号を転送する。
なお、本実施例におけるデータ信号とは、端末10によるインターネット300を介した通信が転送する信号である。また、制御信号とは、パケットコア110に含まれる装置と端末10との間で送受信される信号であり、例えば、端末10による通信を中継するセッションを確立するための信号である。
PCRF114は、P−GW112及びS−GW111における通信品質制御を行うためのQoS(Quality of Service)及び課金方法などのポリシーを決定する。
本実施例の通信システムは、図1に示すLTEのシステムに接続され、制御サーバ60、顧客データベース70、サービスチェインノード120、及び、サービスファンクションサーバ200を含む。また、本実施例の通信システムは、基地局101の混雑状況を推定するための情報を収集する後述のDPI(Deep Packet Inspection)装置50を含んでもよい。
顧客データベース70は、データベースであり、一般的にはBSS(Business Support System)においてサポートされる契約情報であり、端末10の利用者による契約の内容を示す契約情報を保持する。
制御サーバ60は、汎用的な計算機であり、以下の三つの機能を有する。
一つ目の機能は、後述のDPI装置50、又は、図示していないが各基地局101にパラメータ等を設定する機器等、及び、顧客データベース70から、情報を収集する機能である。
二つ目の機能は、収集した情報に基づいて、基地局101の混雑状況を特定し、端末10毎の通信に通信最適化制御を適用するか、適用していた通信最適化制御を解除するかを判定する機能である。
三つ目の機能は、パケットコア110及びバックホール100の機器、並びに、サービスチェインノード120及びサービスファンクションサーバ200へ、PCRF114を介して通信最適化制御の適用及び解除を指示する機能である。
制御サーバ60は、DPI装置50と別に設けられてもよいし、DPI装置50と一体に設けられてもよい。
サービスファンクションサーバ200及びサービスチェインノード120は、本実施例の通信最適化制御を実現する通信制御システムである。サービスファンクションサーバ200及びサービスチェインノード120は、PCRF114を介して制御サーバ60からの指示を受け付ける。
サービスファンクションサーバ200は、各種のネットワークアプライアンスで提供される各種の通信最適化制御を提供する計算機である。
サービスチェインノード120は、制御サーバ60の指示に従い、あらかじめ保持する情報(後述のサービス適用テーブル130及びサービス転送テーブル140)を用いて、サービスファンクションサーバ200にパケットを転送する通信ノードである。サービスファンクションサーバ200は、対象である端末10の通信へ、通信最適化制御を適用する。
なお、サービスチェインノード120は、サービスファンクションサーバ200にパケットを転送するためのヘッダをパケットに付加し、自ら付加したパケットを削除することによってサービスファンクションサーバ200へパケットを転送しない。そして、サービスチェインノード120は、パケットをサービスファンクションサーバ200に転送しないことによって、適用されていた通信最適化制御を解除する。
サービスファンクションサーバ200及びサービスチェインノード120は、別に設けられてもよいし、一体に設けられてもよい。また、サービスファンクションサーバ200及びサービスチェインノード120と、PCRF114とは、別に設けられてもよいし、一体に設けられてもよい。
なお、図1に示す通信システムは、サービスチェインノード120として、クラシファイア機能を有するサービスチェインノード120Aと、フォワーダ機能を有するサービスチェインノード120Bとを含む。
また、サービスファンクションサーバ200は、シェーパアプリケーション231、ペーシングアプリケーション232は、片側TCP高速化アプリケーション233及び圧縮アプリケーション234を有する。パス2は、サービスチェインノード120からシェーパアプリケーション231にパケットを送信するパスであり、パス3は、サービスチェインノード120からペーシングアプリケーション232にパケットを送信するパスである。
また、パス4は、サービスチェインノード120から片側TCP高速化アプリケーション233にパケットを送信するパスであり、パス5は、サービスチェインノード120から圧縮アプリケーション234にパケットを送信するパスである。パス1は、サービスチェインノード120Aからサービスチェインノード120Bにパケットを送信するパスであり、パス6は、サービスチェインノード120Bからサービスチェインノード120Aにパケットを送信するパスである。
(サービスファンクションサーバの説明)
次に、サービスファンクションサーバ200の構成、機能、及び動作に関して説明する。図1に示すサービスファンクションサーバ200は、1台であるが、本実施例のサービスファンクションサーバ200は、複数の通信最適化機能を有する場合、複数台の計算機によって構成されてもよい。
次に、サービスファンクションサーバ200の構成、機能、及び動作に関して説明する。図1に示すサービスファンクションサーバ200は、1台であるが、本実施例のサービスファンクションサーバ200は、複数の通信最適化機能を有する場合、複数台の計算機によって構成されてもよい。
図2は、本実施例のサービスファンクションサーバ200の構成を示すブロック図である。
サービスファンクションサーバ200は、ハードウェア210によって物理的に構成される。ハードウェア210は、少なくともCPU211、メモリ212、記憶装置213、NIC(Network Interface Card)214を備える。
NIC214は、PCRF114及びサービスチェインノード120と接続するためのネットワークインタフェース装置である。
そして、サービスファンクションサーバ200のCPU211は、例えばハイパーバイザー215を実行することにより、少なくとも一つの仮想マシン220を構成する。ハイパーバイザー215は、仮想化の機能を提供するプログラムである。
メモリ212は、ハイパーバイザー215などのプログラム及びデータを一時的に格納する。記憶装置213は、プログラム及びデータを格納する。CPU211は、必要に応じて記憶装置213に格納されるプログラム及びデータをメモリ212に読み出し、メモリ212に格納されたプログラムを実行することによって、サービスファンクションサーバ200の機能を実現する。
図2に示すハイパーバイザー215は、例えば、四つの仮想マシン220A〜220Dを生成する。仮想マシン220は、ゲストOS221を実行し、かつ、機能を実現するためのアプリケーションを実行する。
仮想マシン220のゲストOS221によって実行される一つのアプリケーションの実行要件が、一つのハードウェア210の仕様より十分低い場合、一つのハードウェア210が複数の仮想マシン220を実装してもよい。複数のアプリケーションの実行要件が、一つのハードウェア210の仕様を上回る場合、一つのハードウェア210が一つのアプリケーションのみを実装してもよい。
また、図2は、仮想マシン220がアプリケーションを実行することによって機能が実装されるサービスファンクションサーバ200を示す。しかし、本実施例のサービスファンクションサーバ200は、仮想マシン220を構成しなくてもよく、ハードウェア210のCPU211がアプリケーションのプログラムをそのまま実行してもよい(ベアメタル実行)。
また、図2に示すサービスファンクションサーバ200は、汎用的なサーバのハードウェアによって実装されるが、本実施例のサービスファンクションサーバ200は、専用のネットワークアプライアンス装置によって実装されてもよい。
図2の仮想マシン220は、アプリケーションを実行することによって本実施例の通信最適化制御を実行する機能部を実装する。具体的には、仮想マシン220Aは、シェーパアプリケーション231を有し、仮想マシン220Bは、ペーシングアプリケーション232を有し、仮想マシン220Cは、片側TCP(Transmission Control Protocol)高速化アプリケーション233を有し、仮想マシン220Dは、圧縮アプリケーション234を有する。
このため、シェーパアプリケーション231は、シェーパ機能部であり、ペーシングアプリケーション232は、ペーシング機能部であり、片側TCP高速化アプリケーション233は、片側TCP高速化機能部であり、圧縮アプリケーション234は、圧縮機能部である。
これにより、シェーパアプリケーション231、ペーシングアプリケーション232、片側TCP高速化アプリケーション233及び圧縮アプリケーション234は、各々の機能を通信に適用することにより、基地局101が混雑する場合も通信の帯域等を最適化するため、端末10による通信の品質の劣化を改善することができる。
シェーパアプリケーション231は、指定された通信のパケットをバッファリングし、バッファリングしたパケットを指定されたスループットで出力する。これにより、シェーパアプリケーション231は、指定された通信のスループットを制限しつつ、当該通信のバースト的な振る舞いを排除することができる。
また、シェーパアプリケーション231は、通信毎にシェーピングを実施する個別シェーパ、及び、複数の通信にまとめてシェーピングを実施する共有シェーパを設定する。これにより、シェーパアプリケーション231は、優先度の高い(プレミアムな)通信に個別シェーパを割り当て、それ以外の一般通信に共有シェーパを割り当てることで、混雑状態においても優先度の高い通信のスループットを保証することが可能になる。
シェーパアプリケーション231は、下り方向及び上り方向のいずれの通信へもシェーパの機能を適用する。ただし、本実施例では、特に、下り方向への適用効果が高い。ここで、下り方向とは、インターネット300から端末10方向への通信を意味する。上り方向とは、端末10からインターネット300方向への通信を意味する。
下り方向への効果が高い理由は、シェーパアプリケーション231が、各基地局101へパケットを送信する送信元であるインターネット300との接続点において、シェーパの機能を適用できるためである。
一方で、シェーパアプリケーション231は、混雑した基地局101で既にパケットロスが発生したあとの上り方向の通信を受信する。このため、シェーパアプリケーション231が、パケットロスの発生後に上り方向の通信にシェーパの機能を適用しても、効果が限定的である。しかし、以下のような効果が期待できる。
すなわち、シェーパアプリケーション231が、スループットを重視する端末10(スループット重視端末)の上り通信に対して、個別シェーピングによって帯域を確保し、かつ、スループットを重視しない端末10の上り通信に対して、共有シェーピングによって帯域を制限する。
これにより、上り通信がTCP通信である場合、端末10が有するTCPの輻輳制御メカニズムにより、スループット重視端末のスループットが改善方向へ向かう。また、上り通信がUDP通信であり、かつ、端末10の上位層のアプリケーションが輻輳制御メカニズムに対応している場合、輻輳制御メカニズムにより、スループット重視端末のスループットが改善方向へ向かう。
ペーシングアプリケーション232は、指定された通信のパケットをバッファリングし、バッファリングしたパケットを指定されたペースで送信する。これにより、ペーシングアプリケーション232は、指定された通信の送信ペースを一定化できる。
通常、インターネット300に接続されるサーバ(以下、単にサーバ)、又は端末10が、一定の通信ペースでパケットを送信しても、ネットワークを通過するうちに他のパケットの影響によって通信ペースが乱れる場合がある。特に、混雑した基地局101及びモバイルコアネットワークをパケットが通過する場合、パケットの通信ペースは乱れやすい。
前述のように通信ペースが乱れてしまった場合、ペーシングアプリケーション232がペーシングを行うことで、下り方向及び上り方向、いずれの通信においても乱れてしまった通信ペースを再び一定化する効果がある。特に、ペーシング対象でない通信に対して、シェーパアプリケーション231がシェーピングを行うことが、効果的である。
なお、通信量が多い場合、シェーパアプリケーション231によるシェーパは、ペーシングと同様の効果を奏する。このため、通信量が少ない場合、例えば、一定の周期で機器の状態を監視するための通信に対してペーシングを行う場合、ペーシングアプリケーション232は、特に有効である。
片側TCP高速化アプリケーション233は、指定されたTCP通信を一旦終端し、宛先の端末10又はサーバとの間で、TCPセッションを張り直す。そして、片側TCP高速化アプリケーション233は、受信したACK(Acknowledge)パケットから推測されるパケットロス率の変化率に従って、TCPの輻輳制御において用いられていた帯域幅を低下させる倍率を更新する。従来におけるTCPの輻輳制御は、例えば、パケットロス時に帯域幅を50パーセントに低下させる等、変化しない所定の倍率で帯域幅を低下させる方法である。
片側TCP高速化アプリケーション233によって、基地局101が混雑している場合、又は、バースト的な通信が発生した場合等の影響によるTCP通信のスループット低下を防ぐことができる。また、対向する端末10又はサーバは、従来のTCPをそのまま利用できる。また、端末10とサーバとの間で、片側TCP高速化アプリケーション233がTCP通信をバッファリングすることで、平均スループットを向上させることができる。
片側TCP高速化アプリケーション233は、パケットの送信方法を制御するため、図1に示すサービスファンクションサーバ200の位置に設置される場合、基地局101において下り通信が混雑する場合、混雑を解消するのに効果的な通信最適化制御を行うことができる。一方で、上り通信が基地局101において混雑している場合、片側TCP高速化アプリケーション233は、既にスループットが低下した上り通信を、図1のサービスファンクションサーバ200の位置において制御するため、高い効果が得られない。
このため、端末10に、片側TCP高速化アプリケーション233と同じ機能を実装し、端末10が、片側TCP高速化アプリケーション233と同じ機能を上り通信に適用してもよい。または、片側TCP高速化アプリケーション233は、Selective Ackを利用し、端末10のスループット低下を避けてもよい。なお、端末10が片側TCP高速化アプリケーション233と同じ機能を有する場合、制御サーバ60は、適用する通信最適化制御を端末10に指示してもよい。
または、シェーパアプリケーション231が、スループット重視端末の上り通信に対して、個別シェーピングによって帯域を確保し、かつ、スループットを重視しない端末10の上り通信に対して、共有シェーピングによって帯域を制限してもよい。
圧縮アプリケーション234は、指定された通信をパケットのペイロード単位で圧縮する。または、圧縮アプリケーション234は、指定された通信をバッファリングし、かつ、意味のあるデータ単位で圧縮する。これにより、圧縮アプリケーション234は、当該指定された通信に必要なスループットを低下させることができる。
圧縮アプリケーション234は、特に、スループットを消費しやすい動画視聴、又は、画像データの転送のための通信に効果が高い。圧縮アプリケーション234は、通信が画像データを含む場合、圧縮率の高いJPEG形式へ画像データを変換したり、色彩数を低減したりする。また、圧縮アプリケーション234は、通信が動画データを含む場合、例えば、より解像度の低い形式へ動画データを変換する。
圧縮アプリケーション234は、下り方向及び上り方向、いずれの通信へも適用できる。しかし、基地局101が混雑している場合に特別な契約がされた端末10のQoEを満足させる、又は、多数の端末10を収容するという観点においては、圧縮アプリケーション234の処理は、下り方向の通信にのみ効果がある。
上り方向へ効果を出すためには、端末10に圧縮アプリケーション234と同じ機能を実装し、端末10が圧縮アプリケーション234と同じ機能を上り通信に適用してもよい。なお、端末10が圧縮アプリケーション234と同じ機能を有する場合、制御サーバ60は、適用する通信最適化制御を端末10に指示してもよい。
サービスファンクションサーバ200は、端末10の通信を最適化するアプリケーションであれば、いかなるアプリケーションを有してもよい。また、サービスファンクションサーバ200は、上り通信及び下り通信毎に異なるアプリケーションを有してもよい。
(サービスチェインノード120の説明)
次に、サービスチェインノード120の構成、機能及び動作に関して説明する。図1に示すクラシファイア用のサービスチェインノード120Aとフォワーダ用のサービスチェインノード120Bとは、各々1台である。しかし、1台のサービスチェインノード120が、クラシファイアの機能とフォワーダの機能とを有してもよいし、複数台のサービスチェインノード120が、クラシファイアの機能とフォワーダの機能とを実装してもよい。
次に、サービスチェインノード120の構成、機能及び動作に関して説明する。図1に示すクラシファイア用のサービスチェインノード120Aとフォワーダ用のサービスチェインノード120Bとは、各々1台である。しかし、1台のサービスチェインノード120が、クラシファイアの機能とフォワーダの機能とを有してもよいし、複数台のサービスチェインノード120が、クラシファイアの機能とフォワーダの機能とを実装してもよい。
図3は、本実施例のサービスチェインノード120の構成を示すブロック図である。
サービスチェインノード120は、図3に示すように、ラインカード121と制御カード127と内部スイッチ126とを有する。ラインカード121は、パケットを転送する。制御カード127は、サービスチェインノード120を制御する。
内部スイッチ126は、ラインカード121と制御カード127とを接続する。サービスチェインノード120が大容量の通信を処理するために、サービスチェインノード120は、複数のラインカード121を有してもよい。
制御カード127は、少なくとも制御CPU128、メモリ129及びネットワークインタフェース99を備える。制御CPU128は、制御サーバ60から指示を、ネットワークインタフェース99を介して受信し、受信した指示を解釈する。
また、制御CPU128は、メモリ129が有する制御プログラム150を実行することによって、ラインカード121が有するテーブルデータを更新するためのデータ、及び、ラインカード121によって取得された統計情報等を、メモリ129に一次的に格納する。
ラインカード121は、少なくとも転送エンジン122、ネットワークインタフェース123、内部スイッチインタフェース124、転送テーブル125、サービス適用テーブル130及びサービス転送テーブル140を備える。サービスチェインノード120Aにおけるラインカード121の転送エンジン122は、一般的なパケット転送を実行し、また、通信最適化制御を適用するセッションのパケットの識別、及び、パケットに適用する一つ以上の通信最適化制御の決定を、クラシファイアの機能として実行する。
また、サービスチェインノード120Bの転送エンジン122は、通信最適化制御を適用するセッションのパケットを、決定された通信最適化制御へ転送するフォワーダの機能を提供する。
サービスチェインノード120は、外部のネットワークからパケットが到着した場合、又は、内部のネットワークで全ての通信最適化制御を適用し終えたパケットが到着した場合、パケットを転送するか、又は、クラシファイアの機能を提供するサービスチェインノード120Aとして処理を実行する。
なお、ここで内部のネットワークとは、サービスチェインノード120及びサービスファンクションサーバ200によって構成されるネットワークである。外部のネットワークとは、内部のネットワーク以外のネットワークであり、例えば、インターネット300又はパケットコア110である。
具体的には、外部のネットワークからパケットが到着した場合、サービスチェインノード120Aの転送エンジン122は、ネットワークインタフェース123から受信したパケットのヘッダの中の宛先を示すフィールドを参照する。一般的には、IPの宛先アドレスを示すフィールドを参照して転送テーブル125を検索し、受信パケットをサービスチェインノード120の外部に出力するためのネットワークインタフェース123を決定する。
また、サービスチェインノード120Aの転送エンジン122は、転送テーブル125を利用した宛先検索と並行して、サービス適用テーブル130を検索する。例えば、転送エンジン122は、ネットワークインタフェース123から受信したパケットのヘッダの中のファイブタプル(Source IP Address、Destination IP Address、Protocol、Source Port、Destination Portの5情報)で示されるフィールドを参照し、図4に示すサービス適用テーブル130を検索する。
図4Aは、本実施例のサービス適用テーブル130を示す説明図である。
サービス適用テーブル130は、端末131、サーチキー132、適用機能インデックス133、適用機能数134、次ホップ135を含む。端末131は、端末10の識別子を示す。サーチキー132は、例えば、パケットのヘッダに含まれるファイブタプルを示す。
適用機能インデックス133は、パケットに適用する通信最適化制御の識別子又は複数の通信最適化制御の組み合わせを一意に示す識別子を含む。通信最適化制御を適用するパケットは、端末131が示す端末10による通信のパケットであり、かつ、サーチキー132が示すファイブタプルを含むパケットである。
サービスチェインノード120Aの転送エンジン122は、端末131が示す識別子がパケットのファイブタプルに、送信元の識別子として格納される場合、パケットが上り方向の通信のパケットであると判定し、宛先の識別子として格納される場合、パケットが下り方向の通信のパケットであると判定してもよい。また、サーチキー132は、ファイブタプルの他にパケットの通信種別(通信方法及び通信内容)を示してもよい。
次ホップ135は、パケットを次に出力するネットワークインタフェース123の識別子を示す。なお、コメント136は、適用する通信最適化制御を示すが、本実施例の理解を容易にするため便宜上記載したものであり、実際のサービス適用テーブル130に含まれている必要はない。
なお、サービスチェインノード120Aは、複数の通信最適化制御を通信に適用する場合において、複数の通信最適化制御の組み合わせを一意に示す識別子、及び、複数の通信最適化制御を適用する順番をあらかじめ保持する。
転送エンジン122は、受信したパケットのヘッダから取得したファイブタプル等と、サーチキー132とが一致するエントリをサービス適用テーブル130において特定できるか否かを判定する。一致するエントリをサービス適用テーブル130が含む場合、受信したパケットを収容するセッションは通信最適化制御のターゲットである。このため、転送エンジン122は、受信したパケットに転送テーブル125の結果を利用せず、サービス適用テーブル130において特定されたエントリの次ホップ135が示すネットワークインタフェース123から受信したパケットを出力する。
更に具体的には、サービスチェインノード120Aの転送エンジン122は、サービス適用テーブル130の特定されたエントリの適用機能インデックス133に記録される識別子と適用機能数134に記録される数とを、受信したパケットにヘッダとして付加することによって受信したパケットをカプセル化する。これによって、サービスチェインノード120及びサービスファンクションサーバ200が、ネットワークインタフェースを介して通信する異なる計算機であっても、相互にパケットを送受信することが可能である。
なお、サービスチェインノード120Aの転送エンジン122は、一番目に適用する通信最適化制御を実行するサービスファンクションサーバ200のアプリケーション宛てにパケットを直接送信してもよい。本実施例のサービスチェインノード120Aの転送エンジン122は、通信最適化制御のターゲットのパケットを、まず、パス1を介してサービスチェインノード120Bに転送する。
サービスチェインノード120は、サービスチェインノード120A又はサービスファンクションサーバ200からパケットを受信した場合、フォワーダの機能を提供するサービスチェインノード120Bとして処理を実行する。そして、サービスチェインノード120Bの転送エンジン122は、受信したパケットのヘッダと、サービス転送テーブル140とを参照する。
そして、サービスチェインノード120Bの転送エンジン122は、カプセル化されたパケットの宛先を、一番目に適用する通信最適化制御を実行するサービスファンクションサーバ200のアプリケーション宛てに変更する。サービスチェインノード120Bの転送エンジン122は、サービス転送テーブル140の次ホップ143(後述)に記録されるネットワークインタフェース123からパケットを出力することによって、パケットの宛先を変更する。
これによって、サービスチェインノード120Bは、端末10による通信をサービスファンクションサーバ200の各機能部に振り分け、通信最適化制御を適用することができる。
図4Bは、本実施例のサービス転送テーブル140を示す説明図である。
サービス転送テーブル140は、適用機能インデックス141、残適用機能数142及び次ホップ143を含む。適用機能インデックス141は、サービス適用テーブル130の適用機能インデックス133に対応し、パケットに適用する通信最適化制御又は複数の通信最適化制御の組み合わせを一意に示す。
残適用機能数142は、パケットに適用する残りの通信最適化機能の数を示す。次ホップ143は、パケットを次に出力するネットワークインタフェース123の識別子を示す。
転送エンジン122は、適用機能インデックス133に基づいて付加された通信最適化制御の識別子、及び、通信最適化機能の数を、受信したパケットのヘッダから取得する。そして、転送エンジン122は、取得した識別子と適用機能インデックス141とが一致し、かつ、取得した通信最適化機能の数と残適用機能数142とが一致するエントリを、サービス転送テーブル140において特定する。
そして、転送エンジン122は、サービス転送テーブル140においてエントリを特定した場合、次ホップ143が示すネットワークインタフェース123からパケットを出力する。
例えば、パケットのヘッダが示す通信最適化制御の識別子がAであり、かつ、パケットのヘッダが示す残適用機能数が1である場合、転送エンジン122は、図4Bに示すサービス転送テーブル140を参照し、エントリ144を特定する。エントリ144の次ホップ143はパス2である。
パス2は、サービスファンクションサーバ200のシェーパアプリケーション231に接続されるネットワークインタフェース123を含む。このため、転送エンジン122は、パケットをシェーパアプリケーション231に転送する。
残適用機能数142が0以外である場合、次ホップ135は、サービスファンクションサーバ200において通信最適化制御を提供するアプリケーションと接続するパス及びネットワークインタフェース123を示す。残適用機能数142が0である場合、次ホップ155は、サービスチェインノード120Aと接続するパス及びネットワークインタフェース123を示す。
サービスファンクションサーバ20の仮想マシン220は、各々が有するアプリケーションによってパケットへ通信最適化制御を実行した後、パケットをサービスチェインノード120Bへ送り返す。この際、仮想マシン220のアプリケーションは、パケットのヘッダが示す通信最適化機能数から1を減算する。これによって、サービスチェインノード120Bに送信されるパケットは、残適用機能数を示す。
そして、再び、サービスチェインノード120Bの転送エンジン122は、フォワーダ機能を実行し、前述の通り、パケットを転送する。
例えば、パケットのヘッダが示す通信最適化制御の識別子がAであり、残適用機能数が0である場合、転送エンジン122は、図4Bに示すサービス転送テーブル140を参照し、エントリ145を特定する。エントリ145の次ホップ143はパス6であり、パス6は、サービスチェインノード120Aに接続されるネットワークインタフェース123を示す。
これは、このパケットに既には適用すべき通信最適化制御が全て実行された後であるためである。転送エンジン122は、パケットをサービスチェインノード120Aに転送する。サービスチェインノード120Aの転送エンジン122は、パス6を介してパケットを受信した場合、サービスチェインノード120Bから受信したパケットのカプセルを削除し、転送テーブル125に基づく宛先へ、パケットを転送する。
(制御サーバ60の説明)
図5は、本実施例の制御サーバ60の構成を示すブロック図である。
図5は、本実施例の制御サーバ60の構成を示すブロック図である。
図5を用いて制御サーバ60の構成、機能及び動作に関して説明する。
制御サーバ60は、CPU61、メモリ62、NIC63、及び、記憶装置64を備える。CPU61は、演算装置であり、少なくとも一つのプロセッサである。CPU61がメモリ62に読み出されたプログラムを実行することによって、制御サーバ60の機能が実現する。NIC63は、本実施例のモバイルコアネットワーク、顧客DB70、及び、DPI装置50に接続するためのネットワークインタフェースである。
メモリ62は、データ及びプログラムを一時的に記憶する記憶装置である。記憶装置64は、データ及びプログラムを記憶する記憶装置である。
メモリ62は、不揮発性の記憶素子であるROM及び揮発性の記憶素子であるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、記憶装置213に格納されたプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。
記憶装置64は、例えば、磁気記憶装置(HDD)、フラッシュメモリ(SSD)等の大容量かつ不揮発性の記憶装置である。また、記憶装置64は、CPU61が実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを格納する。すなわち、プログラムは、記憶装置64から読み出されて、メモリ62にロードされて、CPU61によって実行される。
NIC63は、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインタフェース装置である。
CPU61が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD−ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介して制御サーバ60に提供され、非一時的記憶媒体である記憶装置64に格納される。このため、制御サーバ60は、リムーバブルメディアからデータを読み出すインタフェースを有してもよい。
メモリ62は、プログラムとして制御プログラム65を格納する。また、メモリ62は、基地局別適用テーブル80、適用機能テーブル90、端末管理テーブル95及び混雑判定閾値情報71を、データとして格納する。
基地局別適用テーブル80は、基地局101が混雑していると判定された際に、基地局101が収容する通信に適用する通信最適化制御の強度(最適化レベル)を示す。
ここで、最適化レベルとは、基地局101における混雑を解消する効果の高さを示す。本実施例において、最適化レベルはレベル0からレベル4までの値であり、数値が高いほど混雑を解消する効果が高い。
適用機能テーブル90は、通信最適化制御の最適化レベルごとの内容を示す。端末管理テーブル95は、端末10による通信に適用される通信最適化制御の最適化レベルを格納する。
混雑判定閾値情報71は、混雑閾値、混雑解除閾値、バースト閾値及びバースト解除閾値を格納する。混雑閾値は、基地局101が混雑しているかを判定するための閾値であり、バースト閾値は、基地局101が突発的に混雑しているかを判定するための閾値である。また、混雑解除閾値及びバースト解除閾値は、基地局101の混雑が解消したか判定するための閾値である。
制御サーバ60は、基地局101の混雑状況を取得する機能を備える。混雑状況を取得する主な方法の一例を以下に示す。
制御サーバ60の制御プログラム65は、DPI装置50を介して、S−GW111とMME113との間を通過する制御信号を監視し、端末10を識別するためのIMSI(International Mobile Subscriber Identity)と基地局101との対応(収容状況)を制御信号から取得する。
また、制御プログラム65は、DPI装置50を介して、S−GW111と基地局101との間を送受信されるデータ信号(ユーザデータ)を監視し、IMSIごとのトラフィック情報を取得する。トラフィック情報は、パケットのヘッダ又はペイロードの特定部分に含まれる情報である。
DPI装置50は、ネットワークから情報を収集する入力インタフェース、収集した情報を所定のルールに従って集計する集計部、集計した情報を指定した形式で出力する出力インタフェースを備えた装置であり、IMSIと基地局101との対応関係、及び、トラフィック情報を、パケットから抽出できる。
DPI装置50は、同時間帯において取得された、IMSIと基地局101との対応関係、及び、トラフィック情報を照らし合わせることで、基地局101に収容される端末10を特定するための情報、各基地局101にダウンロードされるトラフィック量(下り通信のトラフィック量)、及び、各基地局101からアップロードされるトラフィック量(上り通信のトラフィック量)を集計することが可能である。
具体的には、DPI装置50は、取得したトラフィック情報に含まれる各パケットのサイズと、サイズ毎のパケットの個数とを積算し、積算結果の合計を求めることによってトラフィック量を算出する。
また、制御サーバ60の制御プログラム65は、DPI装置50を介して取得したトラフィック情報が示す特定の識別情報を用いることで、端末10による通信の通信種別を把握することができる。通信種別は、通信方法又は通信内容を識別するための情報である。
制御サーバ60の制御プログラム65は、例えば、レイヤ3ヘッダに含まれるプロトコル番号、レイヤ4ヘッダに含まれるポート番号、及び、レイヤ7ヘッダ又はペイロードに含まれるURLなどを用いて通信コンテンツのタイプを、通信種別として取得することが可能である。
制御プログラム65は、こうした通信種別を参照することによって、例えば、ビデオ、映像、音声、Webブラウジング、又は、ファイル転送等などの通信の種類を識別することが可能である。また、制御プログラム65は、端末10又は端末10の契約情報を、通信種別と照らし合わせることによって、例えば、通信がスマートフォンによる通信であるか、産業機器による通信であるか、コネクテッドカーによる通信であるかの識別も可能である。
制御プログラム65は、各基地局101の混雑度として、下り通信の混雑度及び上り通信の混雑度のそれぞれを判定する。なお、制御プログラム65は、基地局101の情報を直接測定することによって、断定的な混雑度を判定してもよい。
制御プログラム65は、本実施例のDPI装置50の機能を利用することによって、パケットコア110を流れる制御信号及びデータ信号のトラフィックから推測により混雑状況を特定できる。
制御プログラム65は、下り通信及び上り通信のいずれが混雑しているかを、各基地局101の最大通信量(最大伝送速度)に対する、取得したトラフィック量の割合いによって算出された混雑度によって判定する。混雑度は混雑状況を示す。制御プログラム65は、最大通信量として、各基地局101の仕様上の最大通信量を用いてもよい。
また、基地局101を複数のネットワークオペレータが共有している場合、制御プログラム65は、ネットワークオペレータ毎の最大通信量を、最大通信量として用いてもよい。ただし、いずれの場合も、基地局101の仕様で示される最大通信量と実効的な最大通信量とが、測定の結果、大きく異なる場合、制御プログラム65は、実効的な最大通信量を最大通信量として用いてもよい。
制御プログラム65は、例えば、上り通信の混雑度として、各基地局101の最大通信量に対して0〜100%の間の値として算出可能である。一方で、制御プログラム65は、DPI装置50が取得する情報を用いてトラフィック量を算出した場合、下り通信の混雑度として、基地局101が実際にダウンロード可能なトラフィック量を超えた値を算出する。
つまり、制御プログラム65は、下り通信の混雑度として、0〜100%、及び、100%以上の値を算出する。下り通信が基地局101に到達するまでのスイッチ102、又は、基地局101は、100%を超えたぶんの下り通信のトラフィックを廃棄する。
なお、各基地局101が備える管理機能又は各基地局101が接続する管理装置(不図示)経由で基地局101の混雑状況を取得できれば、制御プログラム65は、DPI装置50を用いず、基地局101から取得した情報を用いて、基地局101の混雑度を算出してもよい。
図6は、本実施例の混雑度を用いた混雑の判定方法を示す説明図である。
制御プログラム65は、DPI装置50を用いて取得したトラフィック情報によって混雑度を算出し、図6に示すような判定方法を用いることによって、基地局101の混雑を判定することが可能である。
図6は、一つの基地局101が収容する下り通信の混雑度と閾値とを示す。なお、制御プログラム65は、上り通信における基地局101の混雑度も、図6に示す方法と同じ方法を用いて判定するが、下り通信に用いる閾値と上り通信に用いる閾値とは異なってもよい。
図6の横軸は、基地局101の平均混雑度を示し、縦軸は、基地局101のピーク混雑度を示す。また、遷移M1は、算出されたピーク混雑度が90パーセント以上である場合を示し、遷移M2は、算出された平均混雑度が90パーセント以上である場合を示す。また、遷移M3は、算出されたピーク混雑度及び平均混雑度が、各々50パーセント以下である場合を示す。
また、図6において、混雑判定閾値情報71は、混雑閾値T3と、混雑閾値T3より低い値の混雑解除閾値T4と、バースト閾値T1と、バースト閾値T1より低い値のバースト解除閾値T4を含む。
平均混雑度は、例えば30秒など、所定の時間毎に基地局101に流れた下り通信のトラフィック量の平均値を、基地局101の最大通信量によって割った値である。ピーク混雑度は、平均混雑度を算出した時間よりも一桁程度、又は十分短い所定の時間(例えば、1秒又は500ミリ秒など)毎に、基地局101に流れた下り通信のトラフィック量の平均値を、基地局101の最大通信量によって割った値である。
なお、ピーク混雑度は、平均混雑度が算出された時間帯と同じ時間帯において算出されたピーク混雑度の最高値であってもよい。
制御プログラム65は、平均混雑度を用いることで、比較的長時間における平均的な混雑状況を推測可能である。また、制御プログラム65は、ピーク混雑度を用いることで、基地局101において突発的に(バースト的に)発生する混雑状況を推測可能である。
例えば、制御プログラム65は、平均混雑度が所定の閾値を下回る場合も、特定のアプリケーション、又は、M2M/IoT端末が、バースト的なトラフィック量の通信を受信又は送信している状況を推測することができる。このようなバースト的なトラフィック量の通信が発生している状況では、ジッタ(データ送信間隔の揺らぎ時間)を重視する端末10、又は、低遅延を重視する端末10が悪影響を受け、十分な品質の通信を提供されていない恐れがある。
(混雑判定の例)
基地局101が混雑していると判定するための閾値は、オペレータの設定に依存する。図6に示す例では、制御プログラム65は、遷移M2のように、平均混雑度が90%(混雑閾値T3)以上である場合、基地局101が混雑していると判定する。また、制御プログラム65は、遷移M1のように、ピーク混雑度が90%(バースト閾値T1)以上である場合、基地局101がバースト的に混雑していると判定する。
基地局101が混雑していると判定するための閾値は、オペレータの設定に依存する。図6に示す例では、制御プログラム65は、遷移M2のように、平均混雑度が90%(混雑閾値T3)以上である場合、基地局101が混雑していると判定する。また、制御プログラム65は、遷移M1のように、ピーク混雑度が90%(バースト閾値T1)以上である場合、基地局101がバースト的に混雑していると判定する。
制御プログラム65は、基地局別適用テーブル80、適用機能テーブル90、端末管理テーブル95及び顧客DB70の登録内容を用いて、混雑していると判定された基地局101に収容される端末10の通信に、適用する通信最適化制御を決定する。
また、制御プログラム65は、遷移M3のように、ピーク混雑度が50パーセント(バースト解除閾値T2)を下回り、かつ、平均混雑度が50パーセント(混雑解除閾値T4)を下回った場合、基地局101における混雑が解消されたと判定する。
本実施例において、混雑すると判定する混雑閾値と混雑が解消すると判定する混雑解除閾値とは、異なる値である。これは、トラフィック量の測定の結果、算出した混雑度が閾値を上回ったり下回ったりという振動状況が発生し、通信最適化制御が頻繁に変更されるのを避けるためである。
図7は、本実施例の基地局別適用テーブル80を示す説明図である。
基地局別適用テーブル80は、基地局81、バースト82及び混雑83を含む。基地局81は、基地局101の識別子を示す。
バースト82は、基地局101がバースト的に混雑していると判定された場合に適用される通信最適化制御の最適化レベルを示す。混雑83は、基地局101が混雑していると判定された場合に適用される通信最適化制御の最適化レベルを示す。
図8は、本実施例の適用機能テーブル90を示す説明図である。
適用機能テーブル90は、最適化レベル91及び通信最適化内容92を含む。最適化レベル91は、通信最適化制御の最適化レベルを示す。最適化レベル91は、基地局別適用テーブル80のバースト82及び混雑83が示す最適化レベルに対応する。通信最適化内容92は、通信最適化制御の内容を示す。
通信最適化内容92は、契約種別(後述する顧客DB70の契約種別72)を示す識別子又は文字列、及び、通信種別を示す識別子又は文字列を含む。制御プログラム65は、契約種別及び通信種別に従って通信最適化内容92から通信最適化制御を選択することができる。
さらに、通信最適化内容92は、適用する通信最適化制御に対応するサービスファンクションサーバ200の各機能部を示す情報と、各機能部に入力するパラメータが含まれる。このため、制御プログラム65は、通信最適化制御の内容を通信最適化内容92から選択することによって、用いるサービスファンクションサーバ200の各機能部と、各機能部に入力するパラメータとを選択できる。
また、最適化レベル91に従って通信最適化内容92を示すため、適用機能テーブル90は、基地局101における混雑を解消する効果に従った通信最適化制御の内容を示し、かつ、特別な契約の端末10の通信の品質を極力維持するような通信最適化制御の内容を示す。
図9は、本実施例の端末管理テーブル95を示す説明図である。
端末管理テーブル95は、端末ID96及び最適化レベル97を含む。端末ID96は、端末10の識別子を示す。最適化レベル97は、端末ID96が示す端末10による通信に適用される通信最適化制御のレベルを示す。
図10は、本実施例の顧客データベース70を示す説明図である。
制御サーバ60に接続される顧客DB70は、図10に示す情報を記憶装置に有する。制御プログラム65は、顧客DB70の図10に示す情報を必要に応じて取得する。
顧客DB70は、端末ID71及び契約種別72を含む。端末ID71は、端末10の識別子を示す。契約種別72は、端末10の利用者が通信事業者と契約した内容である。
契約種別72は、特別な契約の端末10(優先端末)による通信に優先して適用される改善の内容を示す。また、契約種別72は、一般的な端末10であるか、優先端末であるかを示す。また、本実施例における契約種別72は、優先端末が、スループットの改善を重視するか、遅延の改善を重視するか、及び、ジッタの改善を重視するかを示す。
契約種別72を後述する通信最適化制御の決定に用いることによって、制御プログラム65は、端末10ごとの契約に従って、混雑を解消するような通信最適化制御を決定できる。
(通信最適化制御の適用及び解除の例)
図11は、本実施例の基地局101の混雑度を判定する処理を示すフローチャートである。
図11は、本実施例の基地局101の混雑度を判定する処理を示すフローチャートである。
制御プログラム65は、DPI装置50を介して、S−GW111とMME113との間の通信を監視し、端末10を識別するための端末情報としてIMSIを取得し、端末10と基地局101との対応を取得する(S400)。これによって、制御プログラム65は、基地局101に収容される端末10を特定する収容状況を取得する。
ステップS400の後、制御プログラム65は、DPI装置50を介して、S−GW111と基地局101との間のデータ信号(ユーザデータ)を監視し、IMSI毎のトラフィック情報を取得する(S410)。ここで、制御プログラム65は、端末10毎の通信種別を取得してもよい。
ステップS410の後、制御プログラム65は、ステップS400において取得した収容状況と、ステップS400において取得したIMSI毎のトラフィック情報を用いて、基地局101毎のトラフィック量を集計する(S420)。
ステップS420の後、制御プログラム65は、図6に示すような方法により、基地局毎に混雑しているかを判定する(S430)。具体的には、制御プログラム65は、集計した基地局101毎のトラフィック量に基づいて、平均混雑度及びピーク混雑度を算出する。そして、制御プログラム65は、算出した平均混雑度及びピーク混雑度を、各々混雑閾値及びバースト閾値と比較し、混雑しているかを判定する。
なお、制御プログラム65は、基地局101が、平均混雑度によってもピーク混雑度によっても混雑していると判定した場合、あらかじめ定められた優先順に従って、平均混雑度によって混雑していると判定したか、ピーク混雑度によって混雑していると判定したかを決定してもよい。これによって、制御プログラム65は、以下に示す処理において、混雑の特性に従った通信最適化制御を適切に決定することができる。
また、制御プログラム65は、上り通信及び下り通信の少なくとも一つについて、基地局101が混雑しているかを判定してもよい。そして、制御プログラム65は、混雑していると判定した通信について、ステップS440及びS450の処理を実行し、通信最適化制御を適用してもよい。これによって、制御プログラム65は、混雑が発生する通信の方向に従って、通信最適化制御を適切に適用できる。
ステップS430の後、制御プログラム65は、平均混雑度及びピーク混雑度の少なくとも一つによって混雑していると判定された基地局101(混雑基地局)に収容される端末10を、ステップ400において取得した収容状況を参照することによって特定する(S440)。
ステップS440の後、制御プログラム65は、特定した端末10に、契約種別に従った通信最適化制御を適用する(S450)。また、制御プログラム65は、パケットの通信種別に従った通信最適化制御を適用してもよい。ステップS450の詳細を、図12のフローチャートを用いて後述する。
ステップS450の後、制御プログラム65は、混雑していないと判定された基地局101、又は、混雑を解消した基地局101が収容する端末10を特定し、特定した端末10による通信に対する通信最適化制御を解除する(S460)。
また、制御プログラム65は、例えば、端末10が混雑基地局のセルを通過し、混雑していない基地局101のセルに入った場合、ステップS460によって通信最適化制御を解除する。なお、制御プログラム65は、端末管理テーブル95に通信最適化制御を適用されていることを示す値が含まれ、かつ、今回混雑していないと判定された基地局101に収容される端末10を、混雑基地局のセルを通過し、混雑していない基地局101のセルに入った端末10として特定してもよい。
また、制御プログラム65は、例えば、端末10は移動しないが、図6に示す遷移M3のように、ピーク混雑度がバースト解除閾値T2を下回り、かつ、平均混雑度が混雑解除閾値T4を下回った場合、基地局101での混雑が解消されたと判定し、ステップS460によって通信最適化制御を解除する。制御プログラム65が通信最適化制御を解除することによって、端末10は、帯域に制限のない通常どおりの通信を行うことができる。
制御プログラム65は、ステップS460において通信最適化制御を解除された端末10がある場合、端末管理テーブル95の解除された端末10を示すエントリの最適化レベル97を、解除を示す識別子(図9において「レベル0」)に更新する。
なお、通信最適化制御を即座に解除し、端末10の通信が不利益を被る場合、制御プログラム65は、一定の条件を満たすまで、端末10への通信最適化制御を継続してもよい。例えば、制御プログラム65が大容量の通信を継続中に片側TCP高速化アプリケーション233を解除した場合、通信のセッションが切断される恐れがある。
このような場合、制御プログラム65は、通信セッションの通信量が十分少なくなるまで、片側TCP高速化制御を継続して適用し、その後に、当該通信セッションの端末10が混雑基地局に収容されていない場合片側TCP高速化制御を解除してもよい。
制御プログラム65は、前述したサービスチェインノード120とサービスファンクションサーバ200に、決定した通信最適化制御の内容と、適用する端末10とを通知することによって通信最適化制御を適用する。また、制御プログラム65は、前述したサービスチェインノード120とサービスファンクションサーバ200に、通信最適化制御を解除する端末10を通知することによって、通信最適化制御を解除する。
サービスチェインノード120の制御プログラム150は、制御サーバ60から受信した通信最適化制御の内容と、適用する端末10とに従って、サービス適用テーブル130を更新する。具体的には、通知された端末10の識別子を端末131に格納し、通知された通信最適化制御の内容に対応する設定値を、サーチキー132(送信元、宛先、又は通信種別等の各通信を識別するための情報を格納)、適用機能インデックス133(通信最適化制御の機能の組み合わせの識別子を格納)、適用機能数134(通信最適化制御の機能の数)、次ホップ135に格納する。
図12は、本実施例の通信最適化制御の適用及び解除の処理を示すフローチャートである。
図12は、ステップ450の通信最適化制御の適用処理を示す。制御プログラム65は、前回実行された図6に示す処理において混雑基地局が混雑していると判定されたかを判定する(S461)。
前回のステップS430における判定時に、混雑基地局が混雑していないと判定していた場合、制御プログラム65は、ステップS462へ遷移する。
ステップS462において、制御プログラム65は、基地局別適用テーブル80の基地局81が、混雑基地局を示すエントリを特定する。そして、制御プログラム65は、今回のステップS430において、基地局101においてバースト的な混雑が発生したとピーク混雑度に基づいて判定した場合、特定したエントリのバースト82から、通信最適化制御の最適化レベルを取得する。
また、制御プログラム65は、今回のステップS430において、基地局101において混雑が発生したと平均混雑度に基づいて判定した場合、特定したエントリの混雑83から、通信最適化制御の最適化レベルを取得する。
なお、制御プログラム65、又は、本実施例のオペレータは、初期状態において、バースト82に「レベル1」を格納し、混雑83に「レベル2」を格納することによって初期化してもよい。
制御プログラム65は、バースト82又は混雑83から取得した最適化レベルを、混雑基地局に収容される端末10に適用する通信最適化制御の最適化レベルに決定する。また、制御プログラム65は、混雑基地局が収容する端末10の契約種別を、顧客DB70の契約種別72から取得する。
そして、制御プログラム65は、決定した最適化レベルと取得した端末10の契約種別との組み合わせに従って、適用機能テーブル90から端末10に適用する通信最適化制御の内容を取得する。具体的には、制御プログラム65は、決定した最適化レベルを最適化レベル91が示し、取得した端末10の契約種別を示す識別子又は文字列を含む通信最適化内容92を含むエントリを、適用機能テーブル90から特定する。
なお、制御プログラム65は、端末10の通信種別によって通信最適化制御の内容を取得してもよい。
これによって、制御プログラム65は、特定したエントリの通信最適化内容92が示す通信最適化制御の方法及びパラメータを、端末10ごとに適用する通信最適化制御の内容に決定する。制御プログラム65は、通信最適化制御の内容と適用する端末10の識別子とをサービスチェインノード120Aに通知する。
なお、制御プログラム65は、顧客DB70から契約種別の情報をあらかじめ取得し、端末管理テーブル95に追加されたフィールドに、取得した情報を複製しておいてもよい。
制御プログラム65は、ステップS652において、決定した最適化レベルを端末管理テーブル95の最適化レベル97に、現在適用している通信最適化制御の最適化レベルとして記録する。なお、制御プログラム65は、初期状態において、最適化レベル97に「レベル0」を格納し、初期化してもよい。
以下に、契約種別の例を示す。本実施例における契約種別は、例えば、優先端末の契約であるプレミアム契約と、一般的な端末10の契約である一般契約(ベストエフォート契約)との二つに大きく分類される。また、契約種別がプレミアム契約である場合、更に契約種別は、例えば、大容量のデータ信号による通信向けのスループット重視、リアルタイム通信向けの遅延重視、及び、所定の周期における通信向けのジッタ重視の三つに契約形態に分類される。また、プレミアム契約は、これらの契約形態の組み合わせ、例えば、スループット重視、かつ、遅延重視等の契約形態に分類されてよい。
前回のステップS430においても混雑基地局が混雑していると判定していた場合、制御プログラム65は、前回実行されたステップS462、又はステップS466によって、最適化レベルに応じた通信最適化制御を適用している。このため、制御プログラム65は、ステップS461からステップS465へ遷移する。
ステップS465において、制御プログラム65は、通信品質が目標を満たしているかを判定する。具体的には、制御プログラム65は、前回の通信最適化制御によってQoEが目標に達したか、及び、混雑基地局に収容される端末10の数が目標数へ達したかを判定する。
(QoEの判定方法)
制御プログラム65は、QoEの品質が目標に達したかを、以下に示す方法で混雑基地局が収容する端末10ごとに判定する。
制御プログラム65は、QoEの品質が目標に達したかを、以下に示す方法で混雑基地局が収容する端末10ごとに判定する。
制御プログラム65は、端末10がスループット重視の契約種別である場合、基地局101に収容される当該端末10宛の下り通信、及び、当該端末10発の上り通信のそれぞれのトラフィック量を測定する。これによって、制御プログラム65は、スループットの増減傾向を推定する。
制御プログラム65は、収容される基地局101が混雑していると判定された後にスループットが減少傾向である場合、他の通信の悪影響を受け続けたことによりQoEが目標に達していないと判定する。一方で、スループットが増加傾向である場合又は変化していない場合、制御プログラム65は、QoEが目標に達したと判定する。
制御プログラム65は、端末10の契約種別が遅延重視であり、かつ、端末10による通信の通信種別がTCP通信である場合、混雑基地局に収容される端末10による通信(当該端末10宛ての下り通信、及び、当該端末10発の上り通信を含む)において、特定のデータパターンを有する上り通信及び下り通信の対応関係を取得する。ここで、特定のデータパターンとは、例えば、往路のデータパケットに含まれるシーケンス番号であり、復路のACKパケットのシーケンス番号である。
そして、制御プログラム65は、取得した対応関係の往路のデータパケットと復路のデータパケットとが、例えばパケットコア110を通過した時刻を求め、往路のパケットの通過時刻と復路のパケットの通過時刻との間隔を、遅延として求める。そして、制御プログラム65は、求めた遅延の揺らぎ傾向を推定することができる。
また、制御プログラム65は、端末10の契約種別が遅延重視であり、かつ、端末10による通信の通信種別がUDP(User Datagram Protocol)通信である場合、特定のデータパターンを有する通信が通過する時刻を記録し、上り通信が通過した時刻と下り通信が通過した時刻との間隔から遅延の揺らぎ傾向を推定できる。ここで、特定のデータパターンを有する通信とは、混雑基地局に収容される端末10宛の下り通信、及び、混雑基地局に収容される当該端末10発の上り通信である。
遅延揺らぎが増加傾向である場合、制御プログラム65は、他の通信の悪影響を受け続けたことによりQoEが目標に達していないと判定する。遅延揺らぎが減少傾向である場合又は変化していない場合、制御プログラム65は、QoEが目標に達したと判定する。
また、制御プログラム65は、端末10の契約種別がジッタ重視である場合、特定のデータパターンを有する通信が通過する時刻を記録し、上り通信が通過した時刻と下り通信が通過した時刻との間隔から遅延の揺らぎ傾向を推定することができる。ここで、特定のデータパターンを有する通信とは、混雑基地局に収容される端末10宛の下り通信、及び、混雑基地局に収容される当該端末10発の上り通信である。
そして、制御プログラム65は、推定した遅延揺らぎが所定の範囲外である場合、他の通信の悪影響を受け続けたことによりQoEが目標に達していないと判定する。所定の範囲内である場合、制御プログラム65は、QoEが目標に達したと判定する。
制御プログラム65は、前述のように契約種別によってQoEを求めることによって、基地局101が混雑した場合においても、優先端末のQoEを確保することができる。
また、制御プログラム65は、基地局101が正常に稼働していると予測される所定の収容端末数を、目標の収容端末数として、基地局101毎にあらかじめ保持する。また、制御プログラム65は、混雑していない平常時に基地局101への接続要求が失敗する標準的な数を、あらかじめ保持する。
そして、制御プログラム65は、ステップS465において、混雑基地局へ接続済である端末10の数が目標の収容端末数以上である場合、又は、混雑基地局への接続要求の失敗数が平常時の数と同等かそれ以下である場合(接続したい端末10自体が少ない場合に該当)、収容される端末10の数が目標に達したと判定する。それ以外の場合、制御プログラム65は、収容される端末10数が目標に達していないと判定する。
制御プログラム65は、ステップS465において収容端末数を用いることにより、基地局101において、端末10が十分な通信品質の通信ができているかを判定することができる。
QoEが目標に達した場合、かつ、混雑基地局に収容される端末10の数が目標数へ達した場合、適用している通信最適化制御に問題はないため、制御プログラム65は、ステップS468へ遷移し、現在適用している通信最適化制御を維持する。
ステップS468の後、制御プログラム65は、図12に示す処理を終了し、図11のステップS460を実行する。
QoEが目標に達していない場合、及び、混雑基地局に収容される端末10の数が目標数へ達していない場合の少なくとも一つの場合において、混雑基地局に収容される端末10は、契約によって補償される範囲内で十分な品質の通信を得られていない。このため、制御プログラム65は、ステップS466へ遷移する。
制御プログラム65は、ステップS466において、現在適用している通信最適化制御の最適化レベルをエスカレーション(強化)し、混雑を解消する効果が高い通信最適化制御を選択する。具体的には、混雑基地局が収容する端末10を示す端末管理テーブル95のエントリの最適化レベル97に1を加算する。
そして、制御プログラム65は、加算後の最適化レベル97に最適化レベル91が対応し、かつ、端末10の契約種別に対応する通信最適化内容92を特定する。そして、制御プログラム65は、特定した通信最適化内容92が示す通信最適化制御を混雑基地局が収容する端末10に適用するように、サービスチェインノード120Aに指示する。
ステップS466の後、制御プログラム65は、関連するテーブルのエントリを更新する(S467)。具体的には、制御プログラム65は、混雑基地局を示す基地局別適用テーブル80のエントリのバースト82、又は、混雑83に1を加算する。
ここで、制御プログラム65は、今回実行したステップS430において、ピーク混雑度に基づいてバースト的に混雑していると判定された場合、バースト82に1を加算し、平均混雑度に基づいて混雑していると判定された場合、混雑83に1を加算する。なお、制御プログラム65は、ステップS467において、バースト82及び混雑83の両方に1を加算してもよい。
この更新により、今回混雑基地局であると判定された基地局101が、次回実行される図11に示す処理において混雑が解消されたと判定され、制御プログラム65が通信最適化制御を解除し、さらにその後、再び当該基地局101が混雑していると判定された場合、制御プログラム65は、ステップS462において、デフォルトの最適化レベルではなく、更新された最適化レベルを、バースト82及び混雑83から取得する。
過去に適用した最適化レベルを、混雑していると判定した際に再度使用することによって、制御プログラム65は、基地局101ごとに混雑する理由の特性が異なる場合においても、基地局101における通信品質(QoE、収容端末数等)が目標に達しやすい通信最適化制御を、即座に適用しやすくなる。
また、基地局別適用テーブル80は、所定の時間帯におけるバースト82及び混雑83を保持してもよい。これによって、制御プログラム65は、基地局101毎の時間帯に特性に従った通信最適化制御を即座に適用しやすくなる。
基地局別適用テーブル80は、例えば、早朝及び夕方の通勤通学の時間帯、又は、日中の時間帯など、所定の時間帯におけるバースト82及び混雑83を保持してもよい。そして、異なる日の同じ時間帯に基地局101が混雑している場合、過去の同時間帯に混雑していると判定された時と同じバースト82及び混雑83を適用してもよい。
更に、基地局別適用テーブル80は、所定の曜日、平日、及び、休日(土曜、日曜及び祝日)などの単位で、バースト82及び混雑83を保持してもよい。これによって、制御プログラム65は、基地局101毎に、曜日に応じた通信最適化制御を即座に適用することができる。また、基地局別適用テーブル80は、所定のイベントの日若しくは期間、月の初め、又は、月末などの所定の日ごとに、バースト82及び混雑83を保持してもよい。
この場合、制御プログラム65は、基地局別適用テーブル80を所定のタイミング(例えば、2日間に1回等)において、初期値又は所定の最適化レベルにリセットしてもよい。これによって、制御プログラム65は、基地局101が混雑する理由が変化した場合においても、基地局101における通信品質が目標に達しやすい通信最適化制御を速やかに適用できる。
また、例えば、基地局別適用テーブル80が1日に含まれる所定の時間帯におけるバースト82及び混雑83を保持する場合、制御プログラム65は、毎週日曜0時に、基地局別適用テーブル80のバースト82及び混雑83を「レベル1」及び「レベル2」に初期化してもよい。
また、例えば、基地局別適用テーブル80が曜日ごとにバースト82及び混雑83を保持する場合、制御プログラム65は、4週間に1回、基地局別適用テーブル80のバースト82及び混雑83を初期化してもよい。
(最適化レベル適用の具体例)
図8に示す最適化レベルごとの通信最適化制御の内容について、具体例を以下に説明する。例えば、最適化レベルが1である場合、制御プログラム65は、バースト通信による悪影響を排除することのみを想定した通信最適化制御を適用してもよい。
図8に示す最適化レベルごとの通信最適化制御の内容について、具体例を以下に説明する。例えば、最適化レベルが1である場合、制御プログラム65は、バースト通信による悪影響を排除することのみを想定した通信最適化制御を適用してもよい。
なお、以下において、契約種別が一般契約である端末10を一般端末と記載し、契約種別がプレミアムである端末10を優先端末と記載する。一般端末は、ベストエフォートにより帯域を確保することを契約した端末10であり、優先端末は、最低限の帯域を確保することを契約した端末10である。
具体的には、制御プログラム65は、最適化レベルが1である場合、基地局101が収容する全ての端末10による通信であり、かつ、契約種別が一般契約である端末10による通信に、サービスファンクションサーバ200のシェーパアプリケーション231を適用する。
そして、制御プログラム65は、優先端末のスループットを奪わない範囲の所定の上限帯域まで、混雑基地局が収容する全ての一般端末による通信に、共有のシェーピングを行う通信最適化制御を適用する。この通信最適化制御を適用することにより、制御プログラム65は、一般端末の総利用帯域を制限しつつ、バースト的な通信を排除する。
また、制御プログラム65は、ジッタを重視する端末10による通信に、ペーシングアプリケーション232を適用し、通信の送信間隔を一定化することでデータ送信間隔の揺らぎ時間を小さくし、ジッタの品質を維持する。
最適化レベルが2である場合、制御プログラム65は、混雑基地局が恒常的に軽度の混雑状況にあると判定し、軽度の混雑を解消することを想定した通信最適化制御を適用する。
具体的には、最適化レベルが2であり、混雑基地局が収容する端末10が、スループット重視の優先端末であり、かつ、TCP通信を行っている場合、制御プログラム65は、サービスファンクションサーバ200の片側TCP高速化アプリケーション233を、当該端末10によるTCP通信に適用する。
また、最適化レベルが2であり、混雑基地局が収容する端末10が、スループット重視の優先端末であり、かつ、UDP通信を行っている場合、制御プログラム65は、サービスファンクションサーバ200のシェーパアプリケーション231を、当該優先端末によるUDP通信に適用する。これにより、制御プログラム65は、当該優先端末に所定の最大スループットを保証できるように個別にシェーピングする。
また、最適化レベルが2である場合、制御プログラム65は、最適化レベルが1である場合と同じく、ジッタを重視する端末10による通信に、ペーシングアプリケーション232を適用する。これによって、制御プログラム65は、通信の送信間隔を一定化することでデータ送信間隔の揺らぎ時間を小さくし、ジッタ品質を維持する。
更に、最適化レベルが2である場合、一般端末へは、優先端末のスループットを奪わない範囲の所定の下限帯域まで、混雑基地局が収容する全ての一般端末による通信に、共有のシェーピングを行う通信最適化制御を適用する。
最適化レベルが3である場合、制御プログラム65は、混雑基地局が恒常的に混雑状況にあると判定し、混雑を解消しつつ、かつ、多数の端末を収容することを想定した通信最適化制御を適用する。
具体的には、最適化レベルが3である場合、制御プログラム65は、最適化レベルが2である通信最適化制御方法に加え、以下の方法を適用する。すなわち、制御プログラム65は、混雑基地局が収容するTCP通信を行うスループット重視の優先端末へ、サービスファンクションサーバ200のシェーパアプリケーション231を適用する。これにより、制御プログラム65は、優先端末毎に所定の最大スループットを保証できるように個別のシェーピングを行う。
更に、最適化レベルが3である場合、制御プログラム65は、混雑基地局が収容する一般端末のうち、画像又は映像のデータを通信している端末10の通信に対して、サービスファンクションサーバ200の圧縮アプリケーション234を適用する。これによって、制御プログラム65は、当該端末10が利用するスループットを低下させ、より多くの端末10の接続を可能にする。
最適化レベルが4である場合、制御プログラム65は、混雑基地局が重度の混雑状況にあると判定し、混雑基地局の重度の混雑を解消しつつ、多数の端末10を収容することを想定した通信最適化制御を適用する。
具体的には、最適化レベルが4である場合、制御プログラム65は、最適化レベルが3である場合の通信最適化制御に加え、以下の方法を適用する。すなわち、制御プログラム65は、混雑基地局に収容される全ての端末10のうち、画像又は映像のデータを通信している全ての端末の通信に対して、サービスファンクションサーバ200の圧縮アプリケーション234を適用する。
制御プログラム65は、特に、一般端末による通信において、最適化レベルが3である際に適用した圧縮率を上げる。これにより、当該一般端末の利用するスループットを低下させ、より多くの端末10の接続を可能にする。
また、制御プログラム65は、最適化レベルが4である場合、基地局101が重度の混雑状況にあるため、目標値を超える数のあらゆる端末10の新規接続を制限する。例えば、制御プログラム65は、MME113を介して行う端末10の接続処理(アタッチ処理)の際に、当該基地局101を経由する通信であれば、MME113に接続処理を拒否させる。
(効果の説明)
以上に説明した本発明をモバイルネットワークへ適用することで、基地局101が異なる通信特性を持つ多数の端末10を収容している場合において、基地局101が混雑しても、契約情報に基づいて、適用する通信最適化制御を決定するため、優先端末のQoEの要求を満足することができる。
以上に説明した本発明をモバイルネットワークへ適用することで、基地局101が異なる通信特性を持つ多数の端末10を収容している場合において、基地局101が混雑しても、契約情報に基づいて、適用する通信最適化制御を決定するため、優先端末のQoEの要求を満足することができる。
また、混雑状況に応じて段階的に選択された通信最適化制御を端末ごとの通信に適用するため、より多くの端末10を収容することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除又は置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能及び処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル又はファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、若しくはSSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、若しくはSDカード等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
10 端末
50 DPI装置
60 制御サーバ
70 顧客データベース
100 バックホール
101 基地局
110 パケットコア
120 サービスチェインノード
200 サービスファンクションサーバ
300 インターネット
50 DPI装置
60 制御サーバ
70 顧客データベース
100 バックホール
101 基地局
110 パケットコア
120 サービスチェインノード
200 サービスファンクションサーバ
300 インターネット
Claims (16)
- 通信システムであって、
端末と無線によって通信する基地局を介してインターネットとの間で送受信される、前記端末による通信を監視する制御サーバと、
前記基地局が収容する前記端末による通信に、前記制御サーバから通知される通信制御方法を適用する通信最適化システムと、を有し、
前記制御サーバは、
プロセッサ及びメモリを有し、
前記端末の利用者による契約の内容を示す契約情報と、前記基地局の混雑を解消する効果の高さに応じた複数の通信制御方法を示す通信制御情報と、を前記メモリに格納し、
前記端末による通信を監視して、前記基地局が混雑している程度を示す混雑状況を特定し、
前記特定した混雑状況に基づいて前記基地局が混雑していると判定した場合、前記特定した混雑状況と前記契約情報と前記通信制御情報とに基づいて、前記基地局の混雑を解消するように前記端末による通信を最適化する第1の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知する通信制御方法に決定し、
前記第1の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知し、
前記通知した後、前記基地局が混雑していると判定した場合、前記端末による通信が所定の通信品質を満たすか判定し、
前記通信品質を満たしていないと判定した場合、前記通信制御情報に基づいて、前記第1の通信制御方法よりも前記混雑を解消する効果が高い第2の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知する通信制御方法に決定し、
前記第2の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記制御サーバは、前記通知した後において前記基地局が混雑していないと判定した場合、前記端末による通信に適用している通信制御方法を解除するように、前記通信最適化システムに通知することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記制御サーバは、
前記端末が収容される基地局が混雑していると過去に判定されたかを示す端末情報を、前記メモリに格納し、
前記端末が前記混雑していると判定された前記基地局に収容された後、前記混雑していないと判定した基地局に収容されたと、前記端末情報に基づいて判定した場合、及び、前記端末が収容される基地局が混雑を解消したと、前記端末情報に基づいて判定した場合、前記端末による通信に適用している通信制御方法を解除するように、前記通信最適化システムに通知することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記制御サーバは、
前記端末による通信を監視して、前記端末の数を取得し、
前記端末の数が所定の閾値より大きい場合、前記端末による通信が所定の通信品質を満たしていないと判定することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記制御サーバは、
前記混雑すると判定した基地局に収容される端末による通信を監視し、
前記端末による通信のスループットが減少しているか、及び、前記端末による上り通信及び下り通信の時間間隔が所定の時間間隔内に収まっているかを、前記監視結果に基づいて判定し、
前記端末による通信のスループットが減少しておらず、かつ、前記端末による上り通信及び下り通信の時間間隔が所定の時間間隔内に収まっている場合、前記端末による通信が所定の通信品質を満たしていると判定することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記制御サーバは、
前記基地局と接続されるコアネットワークが収容する前記端末による通信を監視し、
前記端末と前記コアネットワークとの間で送受信される通信に用いられる制御信号と、前記端末による前記コアネットワークを介した通信に用いられるデータ信号とを、前記コアネットワークから同一の時間帯において取得し、
前記データ信号から得られるトラフィック量と前記制御信号とに基づいて、前記基地局に収容される端末を特定することによって、前記混雑状況を特定することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記制御サーバは、
前記基地局の最大通信量を示す情報を、前記メモリに保持し、
前記端末による通信を監視して、第1の所定の時間における前記基地局の通信量の平均値を前記最大通信量によって除算した結果である混雑度と、前記第1の所定の時間よりも短い第2の所定の時間における前記基地局の通信量の平均値を前記最大通信量によって除算した結果であるピーク混雑度と、を算出することによって、前記混雑状況を特定し、
前記混雑度が第1の所定の上限値を上回った状態、及び、前記ピーク混雑度が第2の所定の上限値を上回った状態の、少なくとも一方の状態である場合において、前記基地局が混雑していると判定し、
前記混雑度が第1の所定の下限値を下回り、かつ、前記ピーク混雑度が第2の所定の下限値を下回った場合、前記基地局の混雑が解消したと判定することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記制御サーバは、
前記端末による通信に含まれる、上り方向の通信と下り方向の通信とを監視し、
前記端末による通信を監視して、前記上り方向の通信によって前記基地局が混雑している程度、及び、前記下り方向の通信によって前記基地局が混雑している程度を示す前記混雑状況を特定し、
前記上り方向の通信によって前記基地局が混雑していると判定した場合、前記基地局の混雑を解消するように前記端末による上り方向の通信を最適化する通信制御方法を決定し、
前記下り方向の通信によって前記基地局が混雑していると判定した場合、前記基地局の混雑を解消するように前記端末による下り方向の通信を最適化する通信制御方法を決定することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記契約情報は、スループットの改善、遅延の改善、及び、ジッタの改善の少なくとも一つが、前記端末に優先的に適用されることを示し、
前記特定した混雑状況と前記契約情報とに基づいて、前記端末に優先的に適用される改善の方法を、前記第1の通信制御方法として決定することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記制御サーバは、
前記通信最適化システムに通知した通信制御方法を示す情報を、前記メモリが有する適用情報に格納し、
前記通信最適化システムに前記第2の通信制御方法を通知した後、前記端末に適用している通信制御方法を解除するように前記通信最適化システムに通知し、その後、前記特定した混雑状況に基づいて前記基地局が混雑しているかを判定し、
当該判定によって前記基地局が混雑していると判定した場合、前記端末の通信に適用する通信制御方法に、前記適用情報に基づいて前記第2の通信制御方法を決定することを特徴とする通信システム。 - 請求項10に記載の通信システムであって、
前記制御サーバは、
所定の周期において、前記第1の通信制御方法を示す情報によって前記適用情報を更新し、
前記更新後、前記基地局が混雑していると判定した場合、前記端末の通信に適用する通信制御方法に、前記適用情報に基づいて前記第1の通信制御方法を決定することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記制御サーバは、
周期的に繰り返す所定の期間を示す期間情報を、前記メモリに格納し、
前記所定の期間において、前記通信最適化システムに通知する通信制御方法として前記第1の通信制御方法を決定した場合、次の前記所定の期間において前記混雑状況を特定し、
前記次の所定の期間において特定した混雑状況に基づいて前記基地局が混雑していると判定した場合、前記通信最適化システムに通知する通信制御方法として前記第1の通信制御方法を決定することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記通信最適化システムは、通信を最適化する通信制御機能部を有し、
前記通信制御情報は、前記通信制御方法として、前記通信制御機能部と当該通信制御機能部において用いられるパラメータとを示し、
前記制御サーバは、前記第1の通信制御方法よりも前記基地局の混雑を解消する効果が高い前記第2の通信制御方法の通信制御機能部及びパラメータを、前記通信制御情報に基づいて決定することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムであって、
前記通信最適化システムは、
シェーピング部、ペーシング部、片側TCP高速化部、及び、圧縮部の少なくとも一つの通信制御機能部を有し、
前記端末による通信を前記通信制御機能部に振り分けることにより、前記制御サーバから通知された通信制御方法を前記端末による通信に適用することを特徴とする通信システム。 - 請求項2に記載の通信システムであって、
前記通信最適化システムは、
通信を最適化する複数の通信制御機能部を有し、
前記端末による通信を前記機能部に振り分けることにより、前記制御サーバから通知された通信制御方法を前記端末による通信に適用し、
所定の識別子を含むヘッダを付加した前記端末による通信を、前記通信制御機能部に振り分け、
前記通信制御方法を解除するように通知された場合、前記ヘッダの付加を停止することを特徴とする通信システム。 - 通信システムによる通信方法であって、
前記通信システムは、
端末と無線によって通信する基地局を介してインターネットとの間で送受信される、前記端末による通信を監視する制御サーバと、
前記基地局が収容する前記端末による通信に、前記制御サーバから通知される通信制御方法を適用する通信最適化システムと、を有し、
前記制御サーバは、プロセッサ及びメモリを有し、
前記メモリは、前記端末の利用者による契約の内容を示す契約情報と、前記基地局の混雑を解消する効果の高さに応じた複数の通信制御方法を示す通信制御情報と、を格納し、
前記通信方法は、
前記プロセッサが、前記端末による通信を監視して、前記基地局が混雑している程度を示す混雑状況を特定し、
前記プロセッサが、前記特定した混雑状況に基づいて前記基地局が混雑していると判定した場合、前記特定した混雑状況と前記契約情報と前記通信制御情報とに基づいて、前記基地局の混雑を解消するように前記端末による通信を最適化する第1の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知する通信制御方法に決定し、
前記プロセッサが、前記第1の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知し、
前記プロセッサが、前記通知した後において前記基地局が混雑していると判定した場合、前記端末による通信が所定の通信品質を満たすか判定し、
前記プロセッサが、前記通信品質を満たしていないと判定した場合、前記通信制御情報に基づいて、前記第1の通信制御方法よりも前記混雑を解消する効果が高い第2の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知する通信制御方法に決定し、
前記プロセッサが、前記第2の通信制御方法を、前記通信最適化システムに通知することを特徴とする通信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015029854A JP2016152552A (ja) | 2015-02-18 | 2015-02-18 | 通信システム、及び、通信方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015029854A JP2016152552A (ja) | 2015-02-18 | 2015-02-18 | 通信システム、及び、通信方法 |
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2015
- 2015-02-18 JP JP2015029854A patent/JP2016152552A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN112769904A (zh) * | 2020-12-25 | 2021-05-07 | 中标慧安信息技术股份有限公司 | 物联网中台控制信息流量管控的方法和系统 |
CN112769904B (zh) * | 2020-12-25 | 2023-01-10 | 中标慧安信息技术股份有限公司 | 物联网中台控制信息流量管控的方法和系统 |
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