JP2016152509A - 音響信号処理装置および音響信号処理プログラム - Google Patents

音響信号処理装置および音響信号処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】曲の一部または全体のバランスを考慮した音響信号のレベルの調整が可能な音響信号処理装置および音響信号処理プログラムを提供する。
【解決手段】ヒストグラム生成部20は、音響信号SIのレベルのヒストグラムを生成する。確率密度関数フィッティング部30は、ヒストグラムに確率密度関数をフィッティングする。パラメータ調整部40は、確率密度関数のパラメータを調整する。調整規則算出部50は、パラメータの調整前の確率密度関数とパラメータの調整後の確率密度関数とに基づいて調整規則を算出する。レベル調整部60は、音響信号SIのレベルを調整規則に基づいて調整し、調整後の音響信号を音響信号SOとして出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響信号のレベルを調整する音響信号処理装置および音響信号処理プログラムに関する。
音響信号のダイナミックレンジを圧縮するためにコンプレッサが用いられる(例えば、特許文献1および2参照)。このようなコンプレッサでは、予め設定されたしきい値を超える信号成分のレベル(振幅)が抑制される。
特許第3123052号 特許第2966846号
従来のコンプレッサによると、しきい値を超える信号成分のレベルが局所的に抑制される。そのため、曲の一部または全体のバランスを考慮したレベルの調整を行うことは難しい。
本発明の目的は、曲の一部または全体のバランスを考慮した音響信号のレベルの調整が可能な音響信号処理装置および音響信号処理プログラムを提供することである。
(1)本発明に係る音響信号処理装置は、音響信号のレベルのヒストグラムを生成する生成手段と、ヒストグラムを確率密度関数で近似する近似手段と、確率密度関数のパラメータを調整するための調整手段と、パラメータの調整前の確率密度関数およびパラメータの調整後の確率密度関数に基づいて、音響信号のレベルを調整するための調整規則を算出する算出手段とを備える。
その音響信号処理装置においては、音響信号のレベルのヒストグラムが確率密度関数で近似され、その確率密度関数のパラメータが調整される。パラメータの調整前および調整後の確率密度関数に基づいて調整規則が算出される。この場合、ヒストグラムに近似する確率密度関数は音響信号に含まれる信号成分のレベルの全体的な傾向を示している。したがって、確率密度関数のパラメータの調整により得られる調整規則を用いることにより曲の一部または全体のバランスを考慮した音響信号のレベルの調整が可能となる。
(2)パラメータは、確率密度関数により表される度数分布の平均および分散の少なくとも一方を含み、調整手段は、分散および平均の少なくとも一方を調整可能に構成されてもよい。この場合、分散を調整することにより音響信号のレベルの調整度合いを全体的に変更することができる。また、平均を調整することにより音響信号のレベルを全体的に高くまたは低くすることができる。
(3)調整手段は、確率密度関数により表される度数分布の平均以下のレベルの範囲における分散および度数分布の平均よりも高いレベルの範囲における分散のうち少なくとも一方を調整可能に構成されてもよい。この場合、度数分布の平均以下のレベルの範囲における分散を調整することにより、主として音響信号のリリース成分に関連する信号成分のレベルを調整することができる。また、度数分布の平均よりも高いレベルの範囲における分散を調整することにより、主として音響信号のアタック成分に関連する信号成分のレベルを調整することができる。
(4)本発明に係る音響信号処理プログラムは、音響信号のレベルのヒストグラムを生成する生成ステップと、ヒストグラムを確率密度関数で近似する近似ステップと、確率密度関数のパラメータを調整するための調整ステップと、パラメータの調整前の確率密度関数およびパラメータの調整後の確率密度関数に基づいて、音響信号のレベルを調整するための調整規則を算出する算出ステップとを、コンピュータに実行させるものである。
(5)パラメータは尖度および歪度の少なくとも一方を含み、調整手段は、尖度および歪度の少なくとも一方を調整可能に構成されてもよい。この場合、確率密度関数により表される度数分布の尖度または歪度を調整することにより、音響信号のレベルの特定の範囲における信号成分を強調または抑制することができる。
本発明によれば、曲の一部または全体のバランスを考慮した音響信号のレベルの調整が可能となる。
本発明の一実施の形態に係る音響信号処理装置の機能的な構成を示すブロック図である。 図1の音響信号処理装置の各部の動作を説明するための波形図である。 図1の音響信号処理装置の各部の動作を説明するための波形図である。 パラメータ調整部によるパラメータの調整の例を示す図である。 確率密度関数の他の例を示す図である。 音響信号処理装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。 図6の音響信号処理装置により行われる音響信号処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(1)音響信号処理装置の機能的な構成および動作
図1は本発明の一実施の形態に係る音響信号処理装置の機能的な構成を示すブロック図である。図1の音響信号処理装置1は、音響信号SIの振幅を調整する効果音付与装置(エフェクタ)として機能する。音響信号SIは、音声または楽音等の音響の時間波形を示すサンプル系列である。以下の説明では、音響信号SIの信号成分のうち正側に振れる信号成分の振幅を正のレベルで表し、負側に振れる信号成分の振幅を負のレベルで表す。音響信号処理装置1は、エンベロープ算出部10、ヒストグラム生成部20、確率密度関数フィッティング部30、パラメータ調整部40、調整規則算出部50およびレベル調整部60を含む。
図2および図3は図1の音響信号処理装置1の各部の動作を説明するための波形図である。図2(a)には、音響信号SIが実線で示される。図1のエンベロープ算出部10は、音響信号SIの絶対値を算出する絶対値算出部と、予め定められた周波数以下の周波数成分のみを通過させるローパスフィルタ(LPF)とを含み、音響信号SIのエンベロープ(包絡線)を算出する。図2(b)には、エンベロープ算出部10の絶対値算出部により算出された音響信号の絶対値が実線で示され、エンベロープ算出部10のローパスフィルタ(LPF)により得られたエンベロープが点線で示される。また、図2(c)には、エンベロープ算出部10により得られたエンベロープが実線で示される。エンベロープ上のドットはサンプル点を表す。図2(c)の例では、エンベロープはアタック成分ATおよびリリース成分RLを有する。
図1のヒストグラム生成部20は、エンベロープ算出部10により算出されたエンベロープのレベルのヒストグラムを生成する。図3(a)には、ヒストグラム生成部20により生成されたヒストグラムの一例が示される。図3(a)の横軸は、エンベロープのレベルを表し、縦軸は各レベルの度数を表す。図3(a)には、ヒストグラムがドットで示される。
図1の確率密度関数フィッティング部30は、ヒストグラム生成部20により生成されたヒストグラムに予め定められた確率密度関数をフィッティングする。それにより、ヒストグラムが確率密度関数で近似される。ヒストグラムへの確率密度関数のフィッティングには、例えば最小二乗法が用いられる。本例では、確率密度関数として次式で表されるガウス分布が用いられる。
f(x)=A・exp{−(x−μ)/2σ} …(1)
上式(1)において、xは音響信号のレベルであり、Aは係数である。確率密度関数f(x)はレベルxの度数を表す。また、μは確率密度関数により表される度数分布の平均を表し、σは確率密度関数により表される度数分布の分散を表す。平均μおよび分散σは確率密度関数f(x)のパラメータである。図3(b)には、ヒストグラムがドットで示され、ヒストグラムにフィッティングされた確率密度関数f(x)が実線で示される。以下、確率密度関数により表される度数分布の平均を確率密度関数の平均と略記し、確率密度関数により表される度数分布の分散を確率密度関数の分散と略記する。
図1のパラメータ調整部40は、使用者の操作に基づいて確率密度関数f(x)のパラメータを調整する。使用者の操作については後述する。
図4(a),(b),(c)はパラメータ調整部40によるパラメータの調整の例を示す図である。図4(a),(b),(c)において、調整前の確率密度関数が実線で示され、調整後の確率密度関数が点線で示される。
図4(a)の例では、矢印で示すように、確率密度関数の分散σが調整される。調整前の分散をσ とすると、上式(1)より調整前の確率密度関数f(x)は次式で表される。
(x)=A・exp{−(x−μ)/2σ } …(2)
調整後の分散をσ とすると、上式(1)より調整後の確率密度関数f(x)は次式で表される。
(x)=A・exp{−(x−μ)/2σ } …(3)
調整規則算出部50は、調整前の確率密度関数f(x)と調整後の確率密度関数f(x)とに基づいて調整規則gを算出する。調整前のレベルをxとし、調整後のレベルをxとする。f(x)=f(x)が成立するため、上式(2),(3)より次式が成立する。
(x−μ)/2σ =(x−μ)/2σ …(4)
上式(4)より次式が導かれる。
=(σ/σ)・x−(σ/σ)・μ …(5)
本例では、調整前のレベルxおよび調整後のレベルxは正である。ここで、調整前のレベルxはレベル調整部60に与えられる音響信号SIのレベルに相当し、調整前のレベルxはレベル調整部60から出力される音響信号SOのレベルに相当する。本例では、調整規則gは、音響信号SIのレベルと音響信号SOのレベルとの関係を示す関数である。調整規則算出部50は、上式(5)に基づいて次式の関数g(x)をレベル調整部60に調整規則gとして与える。
g(x)=(σ/σ)・x−(σ/σ)・μ …(5a)
上式(5a)において、xの値は図1の音響信号SIのレベルに相当し、g(x)の値は音響信号SOのレベルに相当する。レベル調整部60は、調整規則gに基づいて音響信号SIのレベルを調整し、調整後の音響信号を音響信号SOとして出力する。この場合、レベル調整部60は、音響信号SIのレベルを上式(5a)のxに代入することによりg(x)の値を音響信号SOのレベルとして算出する。図4(a)の例では、確率密度関数の分散σを調整することにより、音響信号のレベルの調整度合いを全体的に変更することができる。
なお、調整規則gが音響信号SIのレベルと音響信号SOのレベルとの関係を示すテーブルであってもよい。この場合、調整規則算出部50は上式(5a)のxの値とg(x)の値との関係を示すテーブルをレベル調整部60に調整規則gとして与える。レベル調整部60は、テーブルから音響信号SIのレベルに等しいxの値に対応するg(x)の値を音響信号SOのレベルとして抽出する。
また、調整規則gが音響信号SIのレベルから音響信号SOのレベルを算出するための係数であってもよい。この場合、レベル調整部60は次式の関係を予め記憶する。
g(x)=A・x+B …(5b)
上式(5b)において、AおよびBは係数である。調整規則算出部50は上式(5)の係数の値(σ/σ)および係数の値{−(σ/σ)・μ}をレベル調整部60に調整規則gとして与える。レベル調整部60は、調整規則算出部50から与えられた係数の値(σ/σ)および係数の値{−(σ/σ)・μ}を上式(5b)の係数Aおよび係数Bにそれぞれ代入するとともに音響信号SIのレベルを上式(5b)のxに代入することによりg(x)の値を音響信号SOのレベルとして算出する。
図4(b)の例では、矢印で示すように、確率密度関数の平均μが調整される。調整前の平均をμとすると、上式(1)より調整前の確率密度関数f(x)は次式で表される。
(x)=A・exp{−(x−μ/2σ} …(6)
調整後の平均をμとすると、上式(1)より調整後の確率密度関数f(x)は次式で表される。
(x)=A・exp{−(x−μ/2σ} …(7)
(x)=f(x)が成立するため、上式(6),(7)より次式が成立する。
(x−μ=(x−μ …(8)
上式(8)より次式が導かれる。
=x−μ+μ …(9)
本例では、調整規則gは、音響信号SIのレベルと音響信号SOのレベルとの関係を示す関数である。調整規則算出部50は、上式(9)に基づいて次式の関数g(x)を調整規則gとしてレベル調整部60に与える。
g(x)=x−μ+μ …(9a)
上式(9a)において、xの値は図1の音響信号SIのレベルに相当し、g(x)の値は音響信号SOのレベルに相当する。レベル調整部60は、調整規則gに基づいて音響信号SIのレベルを調整し、調整後の音響信号を音響信号SOとして出力する。この場合、レベル調整部60は、音響信号SIのレベルを上式(9a)のxに代入することによりg(x)の値を音響信号SOのレベルとして算出する。図4(b)の例では、確率密度関数の平均μを調整することにより、音響信号のレベルを全体的に高くまたは低くすることができる。
なお、調整規則gが音響信号SIのレベルと音響信号SOのレベルとの関係を示すテーブルであってもよい。この場合、調整規則算出部50は上式(9a)のxの値とg(x)の値との関係を示すテーブルをレベル調整部60に調整規則gとして与える。レベル調整部60は、テーブルから音響信号SIのレベルに等しいxの値に対応するg(x)の値を音響信号SOのレベルとして抽出する。
また、調整規則gが音響信号SIのレベルから音響信号SOのレベルを算出するための係数であってもよい。この場合、レベル調整部60は次式の関係を予め記憶する。
g(x)=C・x+D …(9b)
上式(9b)において、CおよびDは係数である。調整規則算出部50は上式(9)の係数の値1および係数の値(−μ+μ)をレベル調整部60に調整規則gとして与える。レベル調整部60は、調整規則算出部50から与えられた係数の値1および係数の値(−μ+μ)を上式(9b)の係数Cおよび係数Dにそれぞれ代入するとともに音響信号SIのレベルを上式(9b)のxに代入することによりg(x)の値を音響信号SOのレベルとして算出する。
図4(c)の例では、矢印で示すように、確率密度関数のうち平均μ以下のレベルの範囲における分散と平均μよりも高いレベルの範囲における分散とを別個に調整する。調整後の確率密度関数の平均μ以下の範囲における分散をσ とし、調整後の確率密度関数の平均μよりも高い範囲における分散をσ とする。この場合、調整後の確率密度関数f2a(x),f2b(x)は次式(10),(11)で表される。
2a(x)=A・exp{−(x−μ)/2σ } (0<x≦μ)
…(10)
2b(x)=A・exp{−(x−μ)/2σ } (μ<x)
…(11)
ここで、図2(c)に示すエンベロープにおいて、リリース成分RLのサンプルは主として平均μ以下のレベルを有する。また、リリース成分RLのサンプル数はアタック成分ATのサンプル数に比べて多い。そのため、平均μ以下のレベルのサンプルは主としてリリース成分RLに関連する。一方、平均μよりも高いレベルのサンプルは主としてアタック成分ATに関連する。したがって、図4(c)の例において、確率密度関数の平均μ以下のレベルの範囲における分散の調整により主としてリリース成分RLに関連する信号成分のレベルを調整することができる。また、確率密度関数の平均μよりも高いレベルの範囲における分散の調整により主としてアタック成分ATに関連する信号成分のレベルを調整することができる。
図4(c)の例では、調整後の確率密度関数f2a(x)の分散σ が調整前の確率密度関数f(x)の分散よりも大きく、調整後の確率密度関数f2b(x)の分散σ が調整前の確率密度関数f(x)の分散よりも小さい。この場合、リリース成分RLに関連する信号成分のレベルが全体的に抑制され、アタック成分ATに関連する信号成分のレベルも全体的に抑制される。本例では、リリース成分RLに関連する信号成分のレベルとアタック成分ATに関連する信号成分のレベルとを個別に調整することができる。この場合、リリース成分RLに関連する信号成分のレベルのみを調整することも可能であり、アタック成分ATに関連する信号成分のレベルのみを調整することも可能である。
(2)確率密度関数の他の例
確率密度関数フィッティング部30がパラメータとして歪度および尖度のうち少なくとも一方を有する確率密度関数を用いてもよい。この場合、パラメータ調整部40において、歪度および尖度のうち少なくとも一方を調整することができる。
図5は確率密度関数の他の例を示す図である。図5の確率密度関数は次式で表されるガンマ分布である。
Figure 2016152509
ここで、x>0である。上式(12)において、kは形状母数であり、θは尺度母数であり、Γ(k)はガンマ関数である。ガンマ分布は、パラメータとして、平均、分散、歪度および尖度を有する。平均はkθで表され、分散はkθで表され、歪度は2/√kで表され、尖度は6/kで表される。以下、確率密度関数により表される度数分布の歪度を確率密度関数の歪度と略記し、確率密度関数により表される度数分布の尖度を確率密度関数の尖度と略記する。
図5の例では、調整前の確率密度関数f(x)が実線で示され、調整後の確率密度関数f(x)が点線で示される。本例では、調整後の確率密度関数f(x)の形状母数kは調整前の確率密度関数f(x)の形状母数kよりも大きい。それにより、調整後の確率密度関数f(x)の歪度は調整前の確率密度関数f(x)の歪度よりも小さくなり、調整後の確率密度関数f(x)の尖度も調整前の確率密度関数f(x)の尖度よりも小さくなる。このように、確率密度関数の歪度および尖度の少なくとも一方を調整することにより、音響信号の特定のレベルの範囲を強調または抑制することができる。
図1の調整規則算出部50は、パラメータの調整前の確率密度関数f(x)とパラメータの調整後の確率密度関数f(x)とに基づいて調整規則gを算出する。レベル調整部60は、調整規則gに基づいて音響信号SIのレベルを調整し、調整後の音響信号を音響信号SOとして出力する。
(3)音響信号処理装置のハードウエア構成
図6は音響信号処理装置1のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。音響信号処理装置1は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートデバイスまたはタブレット端末等により構成される。図6の音響信号処理装置1は、CPU(中央演算処理装置)110、ROM(リードオンリメモリ)120、RAM(ランダムアクセスメモリ)130、記憶装置140、表示装置150、入力装置160および出力装置170を含む。
ROM120は、例えば不揮発性メモリからなり、システムプログラムおよび音響信号処理プログラム等のコンピュータプログラムを記憶する。RAM130は、例えば揮発性メモリからなり、CPU110の作業領域として用いられるとともに、各種データを一時的に記憶する。CPU110は、ROM120に記憶された音響信号処理プログラムをRAM130上で実行することにより後述する音響信号処理を行う。この場合、図1のエンベロープ算出部10、ヒストグラム生成部20、確率密度関数フィッティング部30、パラメータ調整部40、調整規則算出部50およびレベル調整部60の機能が実現される。
記憶装置140は、ハードディスク、光学ディスク、磁気ディスクまたはメモリカード等の記憶媒体を含む。この記憶装置140には、上記の調整規則gが記憶される。音響信号処理プログラムが記憶装置140に記憶されてもよい。なお、音響信号処理プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納された形態で提供されてROM120または記憶装置140にインストールされてもよく、電話回線またはインターネット等の通信網を介した配信の形態で提供されてROM120または記憶装置140にインストールされてもよい。また、音響信号処理プログラムが通信網に接続されたサーバに格納され、CPU110がサーバに格納された音響信号処理プログラムを実行してもよい。
表示装置150は、液晶表示装置等からなる。入力装置160は、タッチパネル、マウス、キーボード、各種ボタン、音響信号入力端子等を含む。本実施の形態では、表示装置150および入力装置160がタッチパネルディスプレイTPとして一体化されている。出力装置170は、音響信号出力端子およびヘッドフォン等を含む。出力装置170がスピーカを含んでもよい。出力装置170からは音響信号処理により得られた音響信号SOが出力される。
(4)音響信号処理
図7は図6の音響信号処理装置1により行われる音響信号処理を示すフローチャートである。図7の音響信号処理は、図6のCPU110がROM120または記憶装置140に記憶された音響信号処理プログラムを実行することにより行われる。
まず、CPU110は、音響信号SIを取得する(ステップS1)。この場合、曲全体に対応する音響信号SIが取得されてもよく、曲の一部のパートに対応する音響信号SIが取得されてもよい。取得された音響信号SIは記憶装置140に記憶される。音響信号SIは、入力装置160を用いて入力されてもよく、または記憶装置140に予め記憶されてもよい。
次に、CPU110は、音響信号SIのエンベロープを算出し(ステップS2)、エンベロープのレベルのヒストグラムを生成する(ステップS3)。また、CPU110は、ヒストグラムに確率密度関数をフィッティングし(ステップS4)、得られた確率密度関数を変形操作前の確率密度関数として表示装置150の画面上に曲線で表示させる(ステップS5)。
次に、CPU110は、使用者による画面上の確率密度関数の変形操作が検出されたか否かを判定する(ステップS6)。使用者は、画面上に表示される確率密度関数の曲線を指またはマウス等で変形させることにより確率密度関数のパラメータを調整することができる。
確率密度関数の変形操作が検出された場合には、CPU110は、変形操作に基づいて確率密度関数のパラメータを調整する(ステップS7)。次いで、CPU110は、パラメータの調整前の確率密度関数とパラメータの調整後の確率密度関数とに基づいて調整規則gを算出し(ステップS8)、算出した調整規則gを記憶装置140に記憶させる(ステップS9)。その後、CPU110は、記憶装置140に記憶された調整規則gに基づいて音響信号SIのレベルを調整し、調整後の音響信号を音響信号SOとして出力装置170から出力する(ステップS10)。
ステップS10における音響信号SIのレベルの調整は、ステップS9に続けて行われてもよく、使用者により調整が指示された場合に行われてもよい。本実施の形態では、記憶装置140に記憶される調整規則gを用いて、入力装置160により入力される任意の音響信号のレベルを調整することができ、または記憶装置140に記憶された任意の音響信号のレベルを調整することができる。すなわち、調整規則gを算出するために用いられた音響信号とレベルの調整の対象となる音響信号とが異なっていてもよい。
また、曲のパートごとに調整規則gが算出され、各パートに対応付けて調整規則gが記憶装置140に記憶されてもよい。それにより、曲の各パートの音響信号のレベルを異なる調整規則gで調整することができる。
(5)実施の形態の効果
本実施の形態に係る音響信号処理装置1および音響信号処理プログラムによれば、音響信号のレベルのヒストグラムに確率密度関数がフィッティングされ、その確率密度関数の曲線が表示される。使用者は確率密度関数に変形操作を行うことにより確率密度関数のパラメータを調整することができる。パラメータの調整前および調整後の確率密度関数に基づいて調整規則が算出される。この場合、ヒストグラムは音響信号の信号成分のレベルの全体的な傾向を示している。したがって、確率密度関数のパラメータの調整により得られる調整規則を用いて音響信号のレベルを調整することにより曲の一部または全体のバランスを考慮した音響信号のレベルの調整が可能となる。
(6)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、ヒストグラム生成部20が生成手段の例であり、確率密度関数フィッティング部30が近似手段の例であり、パラメータ調整部40が調整手段の例であり、調整規則算出部50が算出手段の例である。また、図7のステップS3が生成ステップの例であり、ステップS4が近似ステップの例であり、ステップS6,S7が調整ステップの例であり、ステップS8が算出ステップの例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることができる。
(7)他の実施の形態
(7−1)上記実施の形態において、音響信号処理装置1がエンベロープ算出部10を含まなくてもよい。この場合、確率密度関数はレベル0を中心として正側および負側に形成される。例えば、確率密度関数がガウス分布の場合には、レベルの平均μが0となる。したがって、確率密度関数は次式で表される。
f(x)=A・exp(−x/2σ) …(13)
ここで、確率密度関数の分散σが調整される。この場合、調整前の分散σをσ とすると、上式(13)より調整前の確率密度関数f(x)は次式で表される。
(x)=A・exp(−x/2σ ) …(14)
調整後の分散σをσ とすると、上式(13)より調整後の確率密度関数f(x)は次式で表される。
(x)=A・exp(−x/2σ ) …(15)
調整前のレベルをxとし、調整後のレベルをxとすると、f(x)=f(x)が成立するため、上式(14),(15)より次式が成立する。
−x /2σ =−x /2σ …(16)
上式(16)より次式が導かれる。
=√(σ /σ )・x …(17)
本例では、上式(17)の係数√(σ /σ )が調整規則gである。この場合、調整規則算出部50はレベル調整部60に調整規則gとして係数√(σ /σ )を与える。レベル調整部60は、音響信号SIに係数√(σ /σ )を乗算し、乗算結果を音響信号SOとして出力する。
なお、調整規則算出部50が音響信号SIと音響信号SOとの関係を示す関数を調整規則gとしてレベル調整部60に与えてもよい。この場合、調整規則算出部50は、上式(17)に基づいて次式の関数g(x)をレベル調整部60に調整規則gとして与える。
g(x)=√(σ /σ )・x …(17a)
上式(17a)において、xの値は図1の音響信号SIのレベルに相当し、g(x)の値は音響信号SOのレベルに相当する。レベル調整部60は、音響信号SIのレベルを上式(17a)のxに代入することによりg(x)の値を音響信号SOのレベルとして算出する。また、調整規則gが音響信号SIのレベルと音響信号SOのレベルとの関係を示すテーブルであってもよい。
(7−2)確率密度関数は上記実施の形態のガウス分布またはガンマ分布に限定されず、他の分布を用いることができる。また、確率密度関数のパラメータとして、他の高次統計量を用いることができる。
(7−3)ヒストグラムを確率密度関数で近似するために、線形結合法等の他の近似方法を用いてもよい。
(7−4)図1の各構成要素の一部または全てが電子回路等のハードウエアにより構成されてもよい。
本発明は、音響信号のレベルを調整するため等に利用することができる。
1…音響信号処理装置,10…エンベロープ算出部,20…ヒストグラム生成部,30…確率密度関数フィッティング部,40…パラメータ調整部,50…調整規則算出部,60…レベル調整部,110…CPU,120…ROM,130…RAM,140…記憶装置,150…表示装置,160…入力装置,170…出力装置,TP…タッチパネルディスプレイ

Claims (4)

  1. 音響信号のレベルのヒストグラムを生成する生成手段と、
    前記ヒストグラムを確率密度関数で近似する近似手段と、
    前記確率密度関数のパラメータを調整するための調整手段と、
    パラメータの調整前の確率密度関数およびパラメータの調整後の確率密度関数に基づいて、前記音響信号のレベルを調整するための調整規則を算出する算出手段とを備える、音響信号処理装置。
  2. 前記パラメータは、前記確率密度関数により表される度数分布の平均および分散の少なくとも一方を含み、
    前記調整手段は、前記分散および前記平均の前記少なくとも一方を調整可能に構成される、請求項1記載の音響信号処理装置。
  3. 前記調整手段は、前記確率密度関数により表される度数分布の平均以下のレベルの範囲における分散および前記度数分布の前記平均よりも高いレベルの範囲における分散のうち少なくとも一方を調整可能に構成される、請求項2記載の音響信号処理装置。
  4. 音響信号のレベルのヒストグラムを生成する生成ステップと、
    前記ヒストグラムを確率密度関数で近似する近似ステップと、
    前記確率密度関数のパラメータを調整するための調整ステップと、
    パラメータの調整前の確率密度関数およびパラメータの調整後の確率密度関数に基づいて、前記音響信号のレベルを調整するための調整規則を算出する算出ステップとを、コンピュータに実行させる、音響信号処理プログラム。
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