JP2016147198A - 遊技機 - Google Patents

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Takaaki Ichihara
高明 市原
坪井 睦
Mutsumi Tsuboi
睦 坪井
好司 新見
Koji Niimi
好司 新見
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Abstract

【課題】始動口への入賞を確実に増加させ、興趣や遊技意欲の低下を抑制するとともに、ゲート装置及び始動口装置を比較的容易に配置することが可能な遊技機の提供。【解決手段】遊技球が通過可能な通過口1859を有するゲート装置と、通過した遊技球を下方に案内するガイド通路1852と、ガイド通路1852に開口して配置された第二始動口1867、入賞可能位置と入賞不能位置との間で移動可能に支持された開閉扉1868、及び普通抽選手段の抽選結果が当りの場合、開閉扉1868を入賞可能位置に変化させる駆動機構1858を有する始動口装置とを備え、これらを一つのユニットとして一体的に構成する。また、ガイド通路1852は、通過口1859と開閉扉1868との間に、遊技球の落下速度を抑制する速度抑制部1862を備える。速度抑制部1862は、第一案内部1863、第二案内部1870、及び緩衝壁部1864から構成されている。【選択図】図97

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
遊技板の前面に形成された遊技領域に、始動口及び障害釘等を配設し、始動口に遊技媒体である遊技球が入賞すると、それに基づいて大当り抽選を行い、抽選結果が大当りの場合、遊技者に有利な遊技状態を発生させるようにした遊技機が知られている。
また、始動口装置として電動開閉入賞装置を備えるとともに、遊技球が通過可能なゲート装置を遊技領域に配設し、ゲート装置の通過口に遊技球が通過することに基づいて抽選(普通抽選)を行い、その抽選結果が当りの場合に、電動開閉入賞装置によって始動口を短時間開放させるようにした遊技機も知られている。
さらに、近年の遊技機では、演出画像を表示する演出表示装置、及び機械的に可動する可動装飾体を備えており、これらを用いた演出を行うことで、遊技者の興趣を一層高めるようにしている。特に演出のインパクトを高めるため、演出表示装置及び可動装飾体は大型化する傾向にある。
しかし、このように演出表示装置及び可動装飾体を大型化した場合には、遊技領域の中で多くの空間を占めることから、始動口装置やゲート装置の配設スペースを確保することが困難となっていた。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、始動口装置やゲート装置を比較的容易に配置することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:「前面に遊技領域を有する遊技板と、
前記遊技領域に配置され遊技球が通過可能な通過口を有するゲート装置と、
前記通過口に遊技球が通過したことを検出する通過検出手段と、
該通過検出手段による遊技球の検出に基づいて普通抽選を行う普通抽選手段と、
前記ゲート装置の前記通過口を通過し流下する遊技球を下方に案内するガイド通路と、を有し、
前記ガイド通路を通過している遊技球を始動口へ向け受け入れ可能な開口を前記ガイド通路内に構成し、
前記ガイド通路を通過している遊技球を前記開口から受け入れ前記始動口に入賞させる入賞位置と前記開口から受け入れず入賞させない入賞不能位置とに動作可能な開閉部と、
前記普通抽選手段の抽選結果に応じて前記開閉部を前記入賞位置と前記入賞不能位置とに変化させる駆動機構と、を有する始動口装置を備え、
前記始動口装置、前記開閉部および前記ガイド通路が入賞装置ユニットとして一体的に構成され、
前記始動口に遊技球が入賞したことを検出する入賞状態検出手段と、
該入賞状態検出手段による遊技球の検出に基づいて大当り抽選を行う大当り抽選手段と、
該大当り抽選手段の抽選結果が大当りの場合、遊技者に有利な遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、を備えている」
ことを特徴とする。
このように、本発明によれば、始動口装置やゲート装置を比較的容易に配置することができる。
実施形態に係るパチンコ遊技機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ遊技機の正面から見た斜視図である。 パチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機の側面図である。 パチンコ遊技機の平面図である。 パチンコ遊技機の背面図である。 パチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図である。 パチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。 外枠の正面斜視図である。 外枠の正面から見た分解斜視図である。 外枠の正面図である。 外枠の背面図である。 図11のB−B断面図(A)と図13(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。 扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 図14に表示されるA−A断面図である。 図14に表示されるB−B断面図である。 扉枠の正面から見た分解斜視図である。 扉枠の背面から見た分解斜視図である。 ハンドル装置と本体枠に設けられる打球発射装置との関係を示す斜視図である。 部品を取り付ける前の本体枠主体の正面図である。 部品を取り付ける前の本体枠主体の背面図である。 部品を取り付ける前の本体枠主体の側面図である。 部品を取り付ける前の本体枠主体の背面から見た斜視図である。 部品を取り付けた本体枠の前方から見た斜視図である。 部品を取り付けた本体枠を外枠に軸支した状態を前方から見た斜視図である。 部品を取り付けた本体枠の背面図である。 部品を取り付けた本体枠の背面から見た斜視図である。 パチンコ遊技機の中程(主制御基板ボックス部分)の水平線で切断したパチンコ遊技機の断面平面図である。 遊技盤の正面から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤の背面図である。 遊技盤の平面図である。 遊技盤に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図である。 遊技盤の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠の部分斜視図である。 打球発射装置の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)である。 打球発射装置の分解斜視図である。 打球発射装置と発射レールとの関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)である。 操作ハンドル部を操作していない状態における打球発射装置と発射レールとの関係を示す背面図である。 操作ハンドル部を操作している状態における打球発射装置と発射レールとの関係を示す背面図である。 打球発射装置に設けられるスライド部材の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。 賞球タンクの斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。 従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。 賞球タンク、タンクレール部材、球通路ユニット、賞球ユニット、及び満タンユニットの関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図である。 賞球タンク、タンクレール部材、球通路ユニット、賞球ユニット、及び満タンユニットの関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図である。 タンクレール部材の下流部と球通路ユニットの上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。 本体枠と球通路ユニット及び賞球ユニットとの関係を示す分解斜視図である。 球通路ユニット及び賞球ユニットとの関係を示す背面図である。 球通路ユニットの背面から見た斜視図である。 球通路ユニットの正面図である。 球通路ユニットと賞球ユニットとの連結構造を説明するための側面図である。 賞球ユニットの背面側から見た分解斜視図である。 払出モータと払出部材としてのスプロケットとの関係を説明するための背面図である。 賞球ユニットの通路と駆動関係を説明するための背面図である。 図54のA−A断面図である。 賞球ユニットと満タンユニットとの関係を示す斜視図である。 満タンユニットの斜視図である。 満タンユニットの正面から見た分解斜視図である。 満タンユニットの背面から見た分解斜視図である。 満タンユニットとファール口との関係を示す一部破断斜視図である。 満タンユニットに設けられる底面揺動板部分で切断した横断面図である。 満タンユニットとファール口との関係を示す断面図である。 錠装置と本体枠との関係を示す背面斜視図である。 錠装置の本体枠への掛け止め構造を示す拡大側方断面図である。 パチンコ遊技機の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図である。 錠装置と本体枠の側壁との詳細な関係を示す拡大断面図である。 錠装置の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)である。 錠装置の背面側から見た斜視図(A)、錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の斜視図(B),(C)である。 錠装置の分解斜視図である。 ガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の作用を説明するための正面図である。 不正防止部材の作用を説明するための正面図である。 基板ユニットを背面側から見た斜視図である。 基板ユニットを前面側から見た斜視図である。 遊技盤を可動装飾体が通常の状態で示す正面図である。 遊技盤を可動装飾体が可動した状態で示す正面図である。 遊技盤を斜め前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め後から見た斜視図である。 図74におけるA−A断面図である。 図74におけるB−B断面図である。 図74におけるC−C断面図である。 遊技盤を構成する主な部材ごとに分解して斜め前から見た斜視図である。 図81の分解図を斜め後から見た斜視図である。 遊技盤における前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダを組立てた状態で縦方向に切断して示す断面図である。 遊技盤を主に構成する前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダ等を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 図84を斜め後から見た分解斜視図である。 盤用基板ホルダに主制御基板ボックスを固定した状態で斜め後から示す斜視図である。 図86を盤用基板ホルダ、ドロワホルダ、及び主制御基板ボックスに分解して斜め後から示す分解斜視図である。 (A)はセンター役物の左側面図であり、(B)はセンター役物の正面図であり、(C)はセンター役物の右側面図である。 センター役物を斜め前から見た斜視図である。 センター役物を斜め後から見た斜視図である。 アタッカユニットを右上斜め前から見た斜視図である。 遊技パネルに装着した入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図である。 入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図である。 入賞装置ユニットを分解して斜め前から見た斜視図である。 図94を斜め後から見た分解斜視図である。 (a)は開閉扉を閉じた状態を示す入賞装置ユニットの駆動機構を斜め前から見た斜視図であり、(b)は開閉扉を開いた状態を示す入賞装置ユニットの駆動機構を斜め前から見た斜視図である。 (a)は開閉扉を閉じた状態を示す入賞装置ユニットの断面図であり、(b)は開閉扉を開いた状態を示す入賞装置ユニットの断面図である。 図92等の例とは異なる実施形態の入賞装置ユニットを用いた遊技盤の正面図である。 図98の例の入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図である。 図99の入賞装置ユニットを分解して斜め前から見た斜視図である。 図100を斜め後から見た分解斜視図である。 図99の入賞装置ユニットを横方向に切断し斜め前から見た横断面斜視図である。 (a)は扉体が開位置の状態を示す入賞装置ユニットの縦断面斜視図であり、(b)は扉体が閉位置の状態を示す入賞装置ユニットの縦断面斜視図である。 扉体とその駆動機構とを組み合わせたものを斜め前から見た斜視図であり、(a)は扉体が開位置の状態を示し、(b)は扉体が閉位置の状態を示す。 (a)は扉体が開位置のときの遊技球の動きを示す断面図であり、(b)は扉体が閉位置のときの遊技球の動きを示す断面図である。 図99等の例とは異なる実施形態の入賞装置ユニットを用いた遊技盤の正面図である。 図106の例の入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図である。 図107の入賞装置ユニットを分解して斜め前から見た斜視図である。 図108を斜め後から見た分解斜視図である。 (a)は扉体が開位置の状態を示す入賞装置ユニットの縦断面斜視図であり、(b)は扉体が閉位置の状態を示す入賞装置ユニットの縦断面斜視図である。 扉体とその駆動機構とを組み合わせたものを左下斜め前から見た斜視図であり、(a)は扉体が開位置の状態を示し、(b)は扉体が閉位置の状態を示す。 (a)は扉体が開位置のときの遊技球の動きを示す断面図であり、(b)は扉体が閉位置のときの遊技球の動きを示す断面図である。 (A)は左側サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から見た斜視図である。 (A)は右側サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から見た斜視図である。 左側サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 右側サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 裏ユニットの正面図である。 裏ユニットを斜め前から見た斜視図である。 裏ユニットを斜め後から見た斜視図である。 裏ユニットを、発光装飾体、可動装飾体、裏箱等に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 図120を斜め後から見た分解斜視図である。 発光装飾体を斜め上前から見た斜視図である。 発光装飾体を斜め上後から見た斜視図である。 発光装飾体を斜め下後から見た斜視図である。 発光装飾体を各部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 図125を斜め後から見た分解斜視図である。 センター可動装飾体を斜め前から見た斜視図である。 センター可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。 センター可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 センター可動装飾体における槌部の回動機構を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 (A)はセンター可動装飾体の移動機構を示す斜視図であり、(B)はセンター可動装飾体の回動機構を示す左側面図である。 センター可動装飾体の槌部の動きを説明する側面図である。 (A)は左サイド可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)は左サイド可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。 左サイド可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 左サイド可動装飾体のサイド移動機構を示す斜視図である。 (A)は右サイド可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)は右サイド可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。 右サイド可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 右サイド可動装飾体のサイド移動機構を示す斜視図である。 (A)はアンダー可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)はアンダー可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。 アンダー可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 アンダー可動装飾体のアンダー移動機構を示す斜視図である。 (A)は液晶表示装置等を支持した状態の裏箱を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)の裏箱を斜め後から見た斜視図である。 図142の裏箱を後から見た背面図である。 図143におけるD−D断面図である。 図142の裏箱を主要な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 パチンコ機における主基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。 パチンコ機における周辺制御基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。 主制御基板での機能的な構成を示すブロック図である。 周辺制御基板での機能的な構成を示すブロック図である。
〔パチンコ遊技機の全体構造〕
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図8を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機1の外枠2に対して本体枠3を開放し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機の正面から見た斜視図であり、図3は、パチンコ機1の正面図であり、図4は、パチンコ機1の側面図であり、図5は、パチンコ機1の平面図であり、図6は、パチンコ機1の背面図であり、図7は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の後方から見た分解斜視図であり、図8は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図8において、本実施形態に係るパチンコ機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101と該遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾カバー板15によって被覆されている下部前面板14が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置650と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取り付けられ、本体枠3の後面開口580(図7参照)を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット250と、ハンドル装置460とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置460が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見てほぼ同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ機1を構成する部材について詳細に説明する。ここで、打球発射装置650が本発明の発射装置に相当する。
〔外枠〕
外枠2について、主として図9乃至図13を参照して説明する。図9は、外枠2の正面斜視図であり、図10は、同外枠2の正面から見た分解斜視図であり、図11は、同外枠2の正面図であり、図12は、同外枠2の背面図であり、図13は、図11のB−B断面図(A)と図13(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。
図9及び図10において、本実施形態に係る外枠2は、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とを、それぞれの端部を連結するための連結部材19で連結することによって方形状に組み付けられるものである。具体的には、連結部材19は、中央と左右とに段差のある表彰台状に形成され、突出した中央の部分が上枠板10及び下枠板11の両端部中央に形成された係合切欠部20に嵌合され、一段下がった左右の部分の平面に上枠板10の裏面と下枠板11の上面とが当接し且つ一段下がった左右の部分の一側面に側枠板12,13の内側面が当接するようになっている。
そして、その状態で、上枠板10の係合切欠部20の両側方及び下枠板11の係合切欠部20の両側方にそれぞれ形成される挿通穴21と連結部材19の一段下がった左右の部分の平面に形成される複数(図示の場合2個)の連結穴22(図10の上枠板10と側枠板12とを連結する連結部材19に表示するが、他の連結部材19にも存在する)とを一致させて上方又は下方から複数(図示の場合2本)の連結ビス23で止着し、更に、側枠板12,13の上下端部分に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴24と連結部材19の一段下がった左右の部分の側面に形成される複数(図示の場合3個)の連結穴25とを一致させて側方外側から複数(図示の場合3本)の連結ビス26,27で止着することにより、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とが強固に連結固定される。ただし、3本の連結ビス26,27のうち、1本の連結ビス27は、側枠板12,13と連結部材19とを連結するものではなく、上枠板10及び下枠板11と連結部材19とを側方から直接連結するものである。
外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、側枠板12,13をアルミニュウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の側面壁540〜543(図23参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域605を大きく形成することができるからである。ただし、側枠板12,13をアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、図13(C)に示すように、側枠板12(側枠板13も全く同じ構造である。)の後方部分内側にリブによって後方が開放した空間部28(側枠板13の空間部28は図12に表示)を形成して後方部分の肉厚h1が厚くなるように引き抜き成型されている。もちろん、この肉厚h1は、従来の木製の肉厚と同等若しくは若干薄い寸法となっている。
また、図13(B),(D)に示すように、側枠板12の空間部28の前方には、連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる溝部29(側枠板13の溝部29は図9に表示)が形成されている。側枠板12の溝部29から前端部までは、図13(B)〜(D)に示すように、その内側面が連結部材19の一段下がった左右の部分の他方の部分が当接する平板状をなすものであるが、その平板部に材料軽減のための浅い凹部が形成されている。更に、前記溝部29が形成される反対側の面(外側面)には、図9及び図13(B)に示すように、上支持金具45の垂下片部53が挿入される凹部30(側枠板13の凹部30は図10に表示)が形成されている。
そして、上記のように形成される軸支側の側枠板12には、連結部材19を取り付けるための構成以外に、その上部に上支持金具45の垂下片部53を側枠板12の外側に止着ビス32で止着するための取付穴31が穿設されると共に、その下部に下支持金具66の垂直当接片72に形成される取付穴69と一致させて止着ビス34で止着するための取付穴33が穿設されている。また、取付穴33の下部であって側枠板12の前方部分に側枠板12と下部前面板14とを止着ビス36で止着するための取付穴35が形成されている。
一方、開放側の側枠板13には、連結部材19を取り付けるための構成以外に、その上部に閉鎖用突起38を取付ネジ39で取り付けるための取付穴37が穿設され、その下部に閉鎖用突起41を取付ネジ42で取り付けるための取付穴40が穿設されると共に、さらに最下方に側枠板13と下部前面板14とを止着ビス44で止着するための取付穴43が形成されている。
なお、この閉鎖用突起38,41は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図67参照)と係合するものであり、後に詳述するように錠装置1000のシリンダー錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖用突起38,41との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定される下部前面板14は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものであり、下部前面板14の表面及び側面は、装飾カバー板15によって被覆されているが、装飾カバー板15の裏面に、その後端に弾性爪が形成される止着突起16(図12参照)が突設され、その止着突起16が下部前面板14に貫通される止着穴17に貫通させられることにより下部前面板14に取り付けられている。なお、外枠2の装飾カバー板15の開放側の上面には、本体枠3の閉止時に該本体枠3をスムーズに案内するための案内板18が交換可能に装着されている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結する機能も兼用する上支持金具45と下部前面板14の一側上面に沿って取り付けられる下支持金具66とが設けられている。上支持金具45には、前方に突出している支持突出片46に該支持突出片46の側方から先端中央部に向かって屈曲して形成された支持鉤穴47が形成されており、この支持鉤穴47に本体枠3の後述する上軸支金具503の軸支ピン504(図25参照)が着脱自在に係合されるようになっている。
また、下支持金具66も前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起68が突設され、この支持突起68に本体枠3の後述する枠支持板506(図26参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具66の支持突起68に本体枠3の枠支持板506に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504を支持鉤穴47に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
また、上支持金具45は、上枠板10の軸支側の上面及び前面に凹状に形成される取付段部49に装着されるものであるが、その装着に際し、上支持金具45に形成される複数(図示の場合2個)の取付穴48と取付段部49に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴50とを一致させて取付ビス51を上方から差し込み、上枠板10の裏面から押し当てられる挟持板52に止着することにより上支持金具45が上枠板10に堅固に固定される。
また、上支持金具45の外側側方には、側枠板12の外側に当接する垂下片部53があり、その垂下片部53にも取付穴が穿設され、この取付穴と前記取付穴31とを止着ビス32で止着することにより、上支持金具45と側枠板12とを固定すると共に、上枠板10と側枠板12とを上支持金具45を介して連結している。
一方、下支持金具66は、前述したように側枠板12の取付穴33と垂直当接片72の取付穴69とを一致させた状態で止着ビス34で止着し、さらに、下支持金具66の水平面の中程に穿設される取付穴70に取付ネジ71を差し込むことにより、前記装飾カバー板15を介して前記下部前面板14の上面に止着されるものである。
上記のように構成される外枠2において、その構成部材である上枠板10と下枠板11と側枠板12,13とを連結部材19で連結することにより、連結部材19が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材19と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。上記した連結部材19と上枠板10及び下枠板11との係合状態に加え、連結部材19の側枠板12,13への取り付けに際し、溝部29に連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる構造であるため、連結部材19の側枠板12,13への取り付けが強固となり、これによっても方形状の枠組みの強度を向上することができると共にその位置決めを正確に行うことができる。
また、連結部材19によって上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結した後、上支持金具45を所定の位置に取り付けたときに、図11及び図12に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸器)と密着して取り付けることができる。また、下支持金具66を取り付けたときにも、下部前面板14の上面と下支持金具66の上面とがほぼ同一平面となるようになっている。
〔扉枠〕
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図14乃至図19を参照して説明する。図14は、扉枠5の正面図であり、図15は、扉枠5の背面図であり、図16は、図14に表示されるA−A断面図であり、図17は、図14に表示されるB−B断面図であり、図18は、扉枠5の正面から見た分解斜視図であり、図19は、扉枠5の背面から見た分解斜視図である。
図14、図15、図18及び図19に示すように、扉枠5は、方形状に形成される扉枠本体100の上部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、該遊技窓101の前面周囲に扉レンズユニット120が取り付けられ、また、遊技窓101の下方の板状部の前面に扉枠本体100に皿ユニット300が設けられ、その皿ユニット300の一側(開放側)にハンドル装置460の操作ハンドル部461が突設固定されている。また、扉枠本体100の裏面には、遊技窓101の周囲に補強板金210が固定され、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット250が取り付けられると共に、前記遊技窓101の下方の板状部の裏面に、前記操作ハンドル部461に対応するジョイントユニット480、装着台280、及び枠装飾中継基板290がそれぞれ取り付けられている。なお、ガラスユニット250の裏面下部には、防犯機能を有する防犯カバー270も装着されている。以下、扉枠5を構成する上記の各構成部材のより詳細な構造について説明する。
<扉枠本体>
図18及び図19に示すように、扉枠本体100は、合成樹脂によって額縁状に形成され、前述したように上方部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、その遊技窓101の下方が板状部となっている。遊技窓101の上部左右には、後述するスピーカ163を貫通させる円形状のスピーカ用開口102が形成され、そのスピーカ用開口102の下方に後述するガラスユニット250の止め片254を係止するための止めレバー108(図15参照)が回動自在に設けられている。なお、本実施形態に係る遊技窓101は、従来に比べて上下方向及び左右方向の寸法が大きくなった遊技盤4が取り付けられるため、遊技窓101の上下方向及び左右方向の寸法も大きくなっている。このため、後述する扉レンズユニット120の形状が従来一般的に知られているものと大きく相違する。
一方、遊技窓101の下方の板状部には、軸支側上部に皿ユニット300の賞球連絡樋451が貫通する賞球通過口103が開設され、その斜め中央寄りに後述する側面開口蓋406を脱着するための蓋用開口105が開設され、その蓋用開口105の開放側の隣接する位置に球送りユニット287を装着するための球送り開口104が開設され、さらに球送り開口104のさらに開放側寄りにシリンダー錠1010が貫通するための錠穴106が開設されている。
また、球送り開口104の下方の板状部の裏面側にジョイントユニット480を取り付けるためのジョイントユニット装着凹部107が形成され、同じく下方の板状部の裏面側の遊技窓101の下部左右にガラスユニット250の掛止突片255を掛け止めるための係合受片(図示せず)が形成され、その係合受片の側方に防犯カバー270の後述する装着弾性片273が装着される装着開口部110が形成されている。また、板状部の前面中央には、前方に向って後述する皿ユニット300の案内穴456(図16参照)に挿入される係合突起111が形成されている。更に、扉枠本体100の下辺は、後方に突出した扉枠突片112となっており、後述するように、この扉枠突片112と本体枠3に形成される係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
<扉レンズユニット>
次に、上記した扉枠本体100の前面側の上部に取り付けられる扉レンズユニット120の構成について説明する。扉レンズユニット120は、前面側を反射面とするリフレクタと、リフレクタの前面及び内側に取り付けられる冷陰極管及びLED基板と、リフレクタの前方を覆う光透過性のあるレンズカバー150と、レンズカバー150に取り付けられるスピーカ163と、レンズカバー150のベースとなるレンズベース体121と、から構成されている。
レンズカバー150は、レンズベース体121における上レンズカバー部151と、側方レンズカバー部156,157とが透過性の樹脂によって形成されている。そして、前述したように扉枠本体100に形成される遊技窓101の開口寸法が従来よりも大きく形成されているため、扉枠本体100の外周辺と遊技窓101の内周辺との間の寸法、換言するならば、レンズカバー150が取り付けられるための寸法(特に、左右両側部の寸法)が狭くなっているため、本実施形態におけるレンズカバー150は、上レンズカバー部151と側方レンズカバー部156,157のすべての最大前方突出部において、その基部寸法(扉枠本体100に当接する部分の幅寸法)に対して前方に向って突出する突出寸法が大きくなるような断面楔形状となっている。より詳細に説明すると、上レンズカバー部151及び側方レンズカバー部156,157は、共に白色レンズ部として断面楔状の前方膨出部が合成樹脂で成形され、その白色レンズ部の下部後端の遊技窓101を縁取る内側に着色の異なる合成樹脂で成形された赤色レンズ部を連結して構成されるものである。
ところで、上レンズカバー部151は、内部が空洞で後方が開放した断面楔状に形成されると共に平面視においてブーメラン形状に構成されるものであり、前述した「く」字状に形成される上冷陰極管とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。そして、上レンズカバー部151の楔状先端部外側には、銀色に着色された不透明な先頭モール部材154が固着されており、上レンズカバー部151のほぼ全体に相当する断面楔状の前方膨出面を上冷陰極管で照明している。また、側方レンズカバー部156,157は、内部が空洞で後方が開放して断面楔状に形成される点で上レンズカバー部151と同様であるが、側方視において楔状の突出量が上レンズカバー部151に比べて少なく、また全体としてなだらかな曲線を有するブーメラン形状に構成されるものであり、前述した直線状に形成される側方冷陰極管とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。
また、本実施形態において、扉枠5の前面周囲を装飾する照明手段として冷陰極管を使用している理由は、以下の通りである。扉枠5の前面周囲を装飾する際に、発光源とその発光源の前面に配置されるレンズカバーの距離をあまり大きく取ることができないという制約がある。この制約は、扉枠5は常に開閉されるため、あまり突出量を大きくすると、開放時における作業等に支障を来たすおそれがあるからである。しかして、発光源とレンズカバーとの間の距離があまりとれない状況において、従来のように、発光源として、ランプやLEDを点在させた場合に、レンズカバーを通して視認できる光装飾は、連続した状態の光装飾が視認できるものではなく光が強い部分と弱い部分との斑模様に視認できるに過ぎない。これに対し、本実施形態のように、発光源として連続した冷陰極管を使用した場合に、冷陰極管とレンズカバー150との距離が短くても、レンズカバー150を通して視認できる光装飾は、連続した状態の美しい光装飾が視認できるものである。このため、正に遊技盤4を囲む領域が連続した美しい光装飾により縁取られた状態となるので、従来のパチンコ遊技機にはない装飾効果を奏することができる。なお、発光源とレンズカバーとの距離をある程度とることができる場合には、LED等の点在する発光源を使用しても光が拡散してレンズカバーの全域をあまり強弱がなく照明することができる。
更に、レンズカバー150の側方レンズカバー部156,157の下方に装飾部材取付領域184が形成され、その装飾部材取付領域184に装飾部材185が取り付けられている。この装飾部材185は、上記したスピーカカバー165と類似した形状にして、レンズカバー150を扉枠本体100の表面に取り付けたときに、レンズカバー150の上部左右と下部左右とがバランスのとれた印象を与えるために取り付けられるものである。なお、上記したスピーカカバー165及び装飾部材185は、上記したように単にスピーカ163の前方を覆ったり、あるいはレンズカバー150の下部を装飾したりするだけではなく、その周囲がLEDで光装飾される構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係るスピーカカバー165及び装飾部材185は、扉枠5の遊技窓101を囲む領域において、前述した冷陰極管及びLED基板による光装飾とは別に四隅を重点的に光装飾するように構成されているので、遊技窓101の下辺を除く全周が漫然と光によって装飾されるのではなく、強弱のある光装飾とすることができる。特に、扉枠5の左右上部における光装飾は、従来、スピーカだけが配置される傾向が強く、そのスピーカ周りの光装飾が行われないため遊技窓101の外周周りの光装飾に斑がある印象を与えていたが、本実施形態のように構成することにより、遊技窓101の下辺を除く全周を効果的に光装飾を行うことができるものである。
<補強板金>
扉枠本体100の前面側には、上記した扉レンズユニット120が取り付けられると共にその下方に皿ユニット300が取り付けられる。ここで、皿ユニット300の構造を説明する前に、扉枠本体100の裏面側に取り付けられる補強板金210、ガラスユニット250、防犯カバー270、装着台280、枠装飾中継基板290、ハンドル装置460について順次説明する。まず、補強板金210について主として図18、図19、及び図15乃至図17を参照して説明する。
補強板金210は、図18及び図19に示すように、扉枠本体100の上辺部裏面に沿って取り付けられる上側補強板金211と、扉枠本体100の軸支側辺部裏面に沿って取り付けられる軸支側補強板金212と、扉枠本体100の開放側辺部裏面に沿って取り付けられる開放側補強板金213と、扉枠本体100の遊技窓101の下辺裏面に沿って取り付けられる下側補強板金214と、が相互にビス等で締着されて方形状に構成されるものである。
図18に示すように、軸支側補強板金212の上下端部には、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン219を有する上軸支部218と、その下面に軸ピン221(図15参照)を有する下軸支部220と、が一体的に形成されている。そして、上下の軸ピン219,221が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具503及び下軸支金具509に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられるものである。
下側補強板金214は、所定幅を有して扉枠本体100の横幅寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片229となっており、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片230となっているものの、その両側部の上折曲突片230に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片231となっている。下折曲突片229の突出量はあまり大きくなく、この下折曲突片229が溝部や凹部と係合して凹凸係合をなすものではなく、強度を高めるために形成されているのに対し、両側部の上折曲突片230の突出量は下折曲突片229の突出量よりもやや大きく下方からの不正具の侵入を多少防止するが、むしろ、本実施形態における下側補強板金214の構成で最も特徴的な構成は、垂直折曲突片231である。
この垂直折曲突片231は、その上端縁形状が後述するガラスユニット250のユニット枠251の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット250を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片231の上端片がガラスユニット250のユニット枠251の幅方向のほぼ中央の外周に沿って形成される係合溝261に係合するようになっている(図17参照)。なお、下側補強板金214には、扉枠本体100に形成される賞球通過口103の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部228が形成されている。
<ガラスユニット(透明板ユニット)>
次に、扉枠5の裏面に取り付けられる透明板ユニットとしてのガラスユニット250について説明する。ガラスユニット250は、図18及び図19に示すように、遊技窓101よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長八角形状のユニット枠251と、ユニット枠251の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板262(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を(ホットメルト系接着剤で)接着することにより構成されるものである。なお、図示は省略するが、ユニット枠251には、内部に乾燥剤を封入する乾燥剤封入空間部が形成されている。
<防犯カバー>
次に、上記したガラスユニット250の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与された防犯カバー270について、主として図15、図17、図18、及び図19を参照して説明する。防犯カバー270は、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金212,213の間のガラスユニット250の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レール603の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部271として形成されていると共に、その当接凹部271に沿って後方に向って防犯後突片274が突設されている。また、防犯カバー270を取り付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片275が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー270の前面には、防犯カバー270を取り付けた状態で前記ガラスユニット250のユニット枠251の下方形状に沿った防犯前突片272が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片273が前方に向けて突設形成されている。
上記のように構成される防犯カバー270は、装着弾性片273を扉枠本体100に形成される装着開口部110に装着することにより、扉枠5の裏面側に着脱自在に取り付けられる。そして、取り付けた状態では、図17に示すように、防犯前突片272がガラスユニット250のユニット枠251の後方下片面と対面するようになっている。また、防犯前突片272の前端は、垂直折曲突片231と当接している。また、防犯後突片274及び防犯後端部突片275は、後方へ突出した状態となっているが、扉枠5を閉じたときに、防犯後突片274の軸支側の半分は、遊技盤4に固定される内レール603の下側面に侵入して対面した状態となるが、防犯後突片274の開放側の半分は、前構成部材601の内レール603に形成されたレール防犯溝607に挿入された状態となり、また、防犯後端部突片275は、本体枠3の軸支側に形成される前記防犯突起608の上面に沿って重合状の位置となる(図30参照)。
しかして、防犯カバー270を取り付けて扉枠5を閉じた状態においては、前述した扉枠突片112と係合溝584,585とによる防犯構造、及び後述する防犯突片285と防犯空間586とによる防犯構造に加えて、ガラスユニット250の下方から不正具を侵入させようとしても、防犯前突片272とユニット枠251との重合により、防犯カバー270の前面下方方向からの不正具の侵入が防止され、防犯後突片274と前構成部材601を構成する内レール603との重合により、防犯カバー270の後面下方方向からの不正具の侵入が防止される。特に、扉枠5の軸支側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、防犯突起608と防犯後端部突片275との重合構造によって外レール602への不正具の侵入が阻止され、さらに内レール603と防犯後突片274との重合構造によって遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。同様に、扉枠5の開放側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、前述した開放側補強板金213の二重の折曲突片223,225による防犯構造に加えて、レール防犯溝607と防犯後突片274との凹凸係合によりさらに遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。なお、防犯カバー270の裏面側の防犯後突片274と防犯後端部突片275との間の垂直面は、扉枠5を閉じた状態で外レール602と内レール603とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うものであるため、当該誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板262への衝突を防止する機能も有している。
<装着台>
装着台280は、図15、図18、及び図19に示すように、扉枠本体100の板部裏面の上半分を覆うように取り付けられるものであり、防犯カバー270と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されるものである。この装着台280は、発射レール515から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台280の後面と本体枠3の板部511とによって発射レール515を挟持するように形成されるものであり、このため、装着台280の後面に球飛送誘導面286が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台280には、その軸支側上部に下側補強板金214に形成される賞球通過口被覆部228の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口281が形成され、その開放側下部に球送りユニット287を取り付ける球送りユニット取付凹部282が形成されている。この球送りユニット取付凹部282から斜め方向の領域が球飛送誘導面286となっている。また、球送りユニット取付凹部282に取り付けられる球送りユニット287は、後述する打球発射装置650の打球槌687の往復動差に対応して揺動する球送り部材が設けられ、この球送り部材の揺動動作によって皿ユニット300の誘導通路部の流下端にある球を発射レール515の発射位置に1個ずつ供給するものである。また、装着台280の中程下部に後述する側面開口蓋406を取り外す際に指を入れることができる蓋用開口283が形成されている。更に、装着台280の上辺の一部に垂直に立設される立壁284が形成されている。この立壁284は、図15に示すように、前記防犯カバー270を取り付けたときに、該防犯カバー270の前面と当接して防犯カバー270の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
更に、本実施形態に係る装着台280の特徴は、上述した球飛送誘導面286の下方から賞球通過口用開口281にかけて斜め状に防犯突片285が後方に向って突設される構造である。この防犯突片285は、前述したように、本体枠3の板部511に形成される防犯空間586との間で、扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
<枠装飾中継基板>
上記した装着台280の下部の軸支側には、図15及び図18に示すように、枠装飾中継基板290が取り付けられ、その枠装飾中継基板290の後面を覆う中継基板カバー291が取り付けられている。この枠装飾中継基板290は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(冷陰極管、LED基板、スピーカ163、操作ハンドル部461内に設けられるスイッチ、貸球ユニット327、操作ボタンユニット329等)からの配線が集約して接続され、その枠装飾中継基板290からの配線が本体枠3の裏面に取り付けられる基板ユニット1100に組み込まれる扉中継基板1102等を介しての賞球払出制御基板1186や遊技盤4に取り付けられる主制御基板ボックス624の主制御基板1350(図78及び図146を参照)に接続されている。
<皿ユニット>
次に、主として図14、図18及び図19を参照して皿ユニット300の構成について説明する。皿ユニット300は、大きく分けて外観を構成するユニット枠301と、ユニット枠301の内部に取り付けられる下部スピーカユニット340と、下部スピーカユニット340の上部に配置され且つ前記ユニット枠301の上面に臨むように設けられる皿体380と、皿体380に設けられる第二球抜弁の球抜き動作をするための第二球抜きリンクユニット(図示せず)と、ユニット枠301の後面を閉塞する皿蓋板450と、から構成されている。
ユニット枠301には、貸球ユニット327が備えられている。この貸球ユニット327は、パチンコ機1に隣接して球貸し機が設けられている場合に、貸出指令を導出するスイッチや貸出残表示器等が設けられるものである。また、ユニット枠301には、上面の前方中央に操作ボタンユニット329が備えられている。なお、操作ボタンユニット329は、複数(図示の場合は3個)の押ボタン330a,330b,330cを有して構成されているが、この複数の操作ボタン330は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置640等で行われる遊技内容に遊技者が参加する際に操作されるものである。
更に、皿ユニット300には、ユニット枠301の上面右側に、第一球抜ボタン316が配置されていると共に、ユニット枠301の中央下部に、第二球抜リンクユニットの一部を構成する第二球抜ボタン421が配置されている。なお、本実施形態において、第一球抜ボタン316と第二球抜ボタン421の2つの球抜ボタン316,421を設けたのは、第一球抜ボタン316の操作によって、皿体380の貯留部381及び誘導通路部に貯留されているすべての球を球抜きすることができるものの、その球抜動作は、誘導通路部382で一列状に整列された球を球抜するために多少時間がかかるのに対し、第二球抜ボタン421の操作によって、皿体380の貯留部381から上流側の球を径の大きな第二球抜開口から素早く球抜することができるため、球抜時間を短くすることができる。このため、遊技者が球抜きにかける時間の長短を選択することができるものである。
また、遊技中に大当りとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる満タンスイッチ916(図57参照)が機能して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当り中であるにもかかわらず遊技が継続できなくなるおそれがあり、このような場合に、第二球抜ボタン421の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当り中の遊技を継続することができるようになっている。
<ハンドル装置>
次に、扉枠5の開放側下部に取り付けられるハンドル装置460について、主に図18、図19、及び図20を参照して説明する。図20は、ハンドル装置460と本体枠3に設けられる打球発射装置650との関係を示す斜視図である。ハンドル装置460は、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部461と、操作ハンドル部461に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部461の回動操作に応じて回転する回転軸465と連携され且つ回転軸465の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット480と、から構成されている。
このハンドル装置460には、図示は省略するが、操作ハンドル部461を回転操作するとONとなるマイクロスイッチと、マイクロスイッチがONとなっている状態で押圧操作するとマイクロスイッチがOFF状態となる単発ボタンと、操作ハンドル部461の外周表面に施された導電性のメッキを介して遊技者の操作ハンドル部461への接触を検知するタッチセンサとを備えている。そして、遊技者が操作ハンドル部461を回動してマイクロスイッチがONとなり且つタッチセンサが接触を検出しているときに打球発射装置650の後述する発射モータ695(図37参照)が回転駆動されるようになっている。また、回転軸465の先端には、勾玉状に形成されたカムが固定されており、このカムが回転することで、ジョイントユニット480のスライド突片492が左右方向に移動するようになっている。
このジョイントユニット480のスライド突片492のスライド移動が、図20に示すように、打球発射装置650のスライド部材710に伝達されて打球発射装置650の付勢バネ684(図37参照)の張力を調節し、もって打球槌687の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置460と打球発射装置650との関係については、打球発射装置650についての説明の後で詳細に説明する。
〔本体枠〕
次に、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置650と、賞球を払い出すための賞球タンク720とタンクレール部材740と球通路ユニット770と賞球ユニット800と満タンユニット900と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置1000と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100と、後面開口580を覆うカバー体1250と、等の各種の部品が本体枠主体500に装着されることにより構成される本体枠3について、図面を参照して説明する。
まず、図21〜図29を参照して、上記した各種の部品が装着される本体枠主体500及び各種の部品が装着された本体枠3について説明する。図21は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の正面図であり、図22は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の背面図であり、図23は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の側面図であり、図24は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の背面から見た斜視図であり、図25は、部品を取り付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図26は、部品を取り付けた本体枠3を外枠2に軸支した状態を前方から見た斜視図であり、図27は、部品を取り付けた本体枠3の背面図であり、図28は、部品を取り付けた本体枠3の背面から見た斜視図であり、図29は、パチンコ機1の中程(主制御基板ボックス624部分)の水平線で切断したパチンコ遊技機の断面平面図である。
図21において、本体枠主体500の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具503及び下軸支金具509(共に図25参照)を取り付けるための軸支金具取付段部501,502が形成され、この軸支金具取付段部501,502に上軸支金具503及び下軸支金具509を取り付けた状態では、本体枠主体500の上辺及び側辺が上軸支金具503の上辺及び側辺とほぼ同一平面状となり、本体枠主体500の下辺及び側辺が下軸支金具509の下辺及び側辺とほぼ同一平面状となっている(図27参照)。ここで、上軸支金具503と下軸支金具509について図25と図27を参照して説明する。上軸支金具503は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン504が立設固定され、その軸支ピン504の側方に扉軸支穴505が穿設されている。一方、下軸支金具509は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板506,507が一体的に突設されている。下方に位置する支持板506は、本体枠3を外枠2の下支持金具66に支持するための枠支持板506を構成するものであり、上方に位置する支持板507は、扉枠5の下軸支部220を本体枠3に支持するための扉支持板507を構成するものである。このため、枠支持板506に外枠2の下支持金具66の支持突起68を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板507に扉枠5の下軸支部220に突設される軸ピン221を挿入するための軸支穴508が穿設されている。
ところで、本体枠主体500は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部510(図25参照)となっており、その遊技盤設置凹部510の下方のやや奥まった領域が板部511となっている。また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部及び前面開放側辺部は、扉枠5の裏面と対面するように所定幅を有して形成されており、前面上辺部には、横方向に平行状に突設される突起によって上部防犯二重溝581が形成され、正面から見て右側の前面開放側辺部には、外側に側部防犯溝582が形成されると共に内側に後端が第一側面壁540に接続される傾斜面となっている内壁によって形成される防犯凹部583が形成され、正面から見て左側の前面軸支側辺部は、前面上辺部や前面開放側辺部と異なり扉枠5の裏面と対面する所定幅を有するように形成されていないが、本体枠主体500の前面軸支側辺部が前面上辺部や前面開放側面部に比べて前方への突出量が多い軸支辺部587となっている。
より詳細に説明すると、前面上辺部に形成される上部防犯二重溝581は、扉枠5の上辺部裏面に取付固定される上側補強板金211の両長辺端を後方に向って折曲される折曲突片215,216がそれぞれ挿入されるようになっているものである。また、前面開放側辺部に形成される側部防犯溝582及び防犯凹部583は、扉枠5の開放部裏面に取付固定される開放側補強板金213の両長辺端を後方に向って折曲される開放側外折曲突片223及び開放側内折曲突片225がそれぞれ挿入されるようになっているものである。更に、前面軸支側辺部の軸支辺部587には、扉枠5の軸支側裏面に取付固定される軸支側補強板金212の軸支側L字状折曲突片217の先端部が当接するようになっている。そして、上記した構造によって扉枠5と本体枠3との当接面の隙間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を防止することができ、特に、最も不正行為が行われやすい開放側辺部や次いで不正行為が行われやすい上辺部における不正行為の防止をはかることができる構造となっている。もちろん、軸支側における軸支側補強板金212と軸支側L字状折曲突片217との当接による不正行為の防止も充分に機能するが、多くの場合、軸支側は、頑丈な支持金具45,66と軸支金具503,509とで本体枠3と扉枠5とが連結されているため、上辺部及び開放側辺部に比べて本体枠3と扉枠5との間に隙間が作り難い。このため、本実施形態においては、二重の防犯構造ではなく、一重の防犯構造としている。これらの点については、後に詳述する。
また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部、前面開放側辺部、及び前面軸支側辺部には、上記した構成以外に前面開放側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取り付けられる後述する錠装置1000に設けられる扉用フック部1041(図67参照)を貫通させて前方に飛び出させるための扉用フック穴549が開設されており、また、前面軸支側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部611と係合するための盤位置決め突起576が設けられている。更に、前面軸支側辺部の盤位置決め突起576のやや下方位置の内側前方面に、扉枠5を閉じた状態で軸支側補強板金212の軸支側L字状折曲突片217の先端が挿入される上下2つの規制突起577が突設されている。この規制突起577の作用については前述した通りである。また、図21に示すように、開放側の平面部分と遊技盤設置凹部510との境目の上下に遊技盤4に設けられる遊技盤止め具614の端部が係合される盤止め具挿入穴578が形成されている。
次に、板部511の構成について図21乃至図26を参照して説明する。板部511の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部512となっており、その遊技盤載置部512のほぼ中央に、当該載置部512に遊技盤4を載置したときに遊技盤4に形成されるアウト口606(図30参照)の下面を支持する通路支持突起513が突設されている。また、図21に示すように、板部511の前面の中央部から開放側の端部に向かってレール取付ボス514が所定間隔を置いて突設され、このレール取付ボス514に発射レール515(図25参照)がビス止め固定されている。また、発射レール515の先端位置に対応する板部511の前面には、レール接続部材516が突設され、遊技盤設置凹部510に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の内レール603の下流端である接続通路部609(図30参照)と隣接するようになっている。また、レール接続部材516の側方位置(発射レール515と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具519(図25参照)の上端部を取り付けるための固定具取付ボス517が突設され、その斜め下方にストッパー518が突設されている。即ち、遊技盤固定具519は、固定具取付ボス517を中心にして回転自在に設けられ、前記遊技盤載置部512に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具519を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具519を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。この場合、遊技盤固定具519はストッパー518により反時計方向の余分な回転ができないようになっている。
また、板部511の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部520が形成されており、この発射装置取付部520に本体枠主体500の裏面から打球発射装置650が固定されている。この点については、後に詳述する。上記した発射装置取付部520の前面壁部分には、前述したジョイントユニット480のスライド突片492と連携されるスライド部材710(図41参照)が収納されるハンドル連結窓522が形成され、該ハンドル連結窓522の隣接する位置に打球槌687の軸受689(図37参照)の端面が臨む軸用穴523が開設されている。また、発射装置取付部520の上壁部分には、打球発射装置650の打球槌687が上方に突出するための槌貫通開口521が切欠形成され、その槌貫通開口521の斜め上方の板部511の前面に錠装置1000のシリンダー錠1010が貫通するシリンダー錠貫通穴526が開設されている。
一方、板部511の裏面には、図22に示すように、軸支側の上部から板部511の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜排出通路524が形成されている。この球抜排出通路524は、後述する球抜接続通路880(図25参照)から排出される球をパチンコ機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部520の上方には、円柱状の案内突起525が後方に向かって突設され、この案内突起525に後述する基板ユニット1100の案内孔1212(図73参照)が差し込まれて基板ユニット1100の取付けを容易にしている。また、基板ユニット1100をビスで取り付けるための取付穴部527が板部511の左右上下に形成され、この取付穴部527に基板ユニット1100の取付片1122を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部520の凹状の内部には、打球発射装置650を取り付けるための発射装置取付ボス529が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、図24に示すように、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、装飾カバー板15の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片528が後方に向かって突設されている。
板部511には、以上説明した構成以外に、図24に示すように、軸支側の端部上面に前記球抜排出通路524の上流端の開口である球抜接続開口530が形成されている。この球抜接続開口530に球抜接続通路880の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口530に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット900(図25参照)を載置するための満タンユニット載置部531が板部511と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部531の前方部分に満タンユニット900の係合片924(図57参照)と係合するユニット係合溝532が形成されている。更に、図25に示すように、満タンユニット載置部531の前方の板部511の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット900の出口921から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置579が設けられている。この出口開閉装置579については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉板5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口921を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット900内に貯留された賞球が出口921から零れ落ちることがない。また、図25に示すように、板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている。この締結連杆534は、本体枠3からの遊技盤4の取り外しを防止するための機構である。
次に、遊技盤設置凹部510の構成について説明する。遊技盤設置凹部510は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁540と、該第一側面壁540から後方に周設される第二側面壁541と、該第二側面壁541から後方に周設される第三側面壁542と、該第三側面壁542から後方に周設される第四側面壁543、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。なお、第一側面壁540〜第四側面壁543は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁540から第四側面壁543に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図29参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁540から第四側面壁543までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁543の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側壁面540から第四側面壁543までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。それと同時に開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取り付けられるが、その取付けを第一側面壁540の後端辺に設けられる錠取付穴547(図63参照)を利用して行うため、その錠取付穴547を形成するためにも開放側の第一側面壁540から第四側面壁543を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁540〜第四側面壁543の段差の寸法も、第一側面壁540と第二側面壁541との段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、第二側面壁541〜第四側面壁543までは段差を形成することなく連続的に形成してもよい。
そして、上記した側面壁540〜543は、図23に示すように、それぞれ奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約135mmとなっている。特に、第一側面壁540の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。つまり、第一側面壁540は、遊技盤4の厚さとほぼ同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第二側面壁541〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部裏面と当接する段差部を有して第一側面壁540から後方に向かってほぼ当該第一側面壁540と平行状に延設され且つ遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図5に示すように、第二側面壁541〜第四側面壁543のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク720の球を貯留する貯留部728の後面壁722とほぼ同じ位置となるように形成されている。これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図22及び図24に示すように、第四側面壁543の後端辺からは背面から見てその左辺(開放側)、上辺及び右辺(軸支側)に、開放側後面壁544、上後面壁545及び後面壁としての軸支側後面壁546がそれぞれパチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。軸支側後面壁546は、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット770と賞球ユニット800とが着脱自在に取り付けられるようになっている。したがって、軸支側後面壁546の内側への突出幅寸法は、球通路ユニット770と賞球ユニット800とを取り付ける幅があれば充分である。また、上後面壁545は、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に後述するタンクレール部材740が取り付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。したがって、上後面壁545の内側への突出幅は、傾斜状に取り付けられるタンクレール部材740の高さ幅寸法があれば充分である。更に、開放側後面壁544には、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に後述するカバー体1250を軸支するカバー体支持筒部575が形成されている。したがって、開放側後面壁544の内側への突出幅寸法は、カバー体支持筒部575を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁543の後端辺から内側に向かって突設される開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の内側は、後面開口580となっており、この後面開口580が後述するカバー体1250によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
次に、遊技盤設置凹部510の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置1000の扉枠用フック部1041が貫通する扉用フック穴549が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴549のさらに上中下に錠装置1000の後述する係止突起1004が係合される錠係止穴548(図22参照)が形成されている。また、開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取り付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴547(図22参照)が第一側面壁540の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003と前記シリンダー錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させてビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取り付けられるようになっている。
また、図24に示すように、第一側面壁540の上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起552が突設され、第一側面壁540の後端辺中央に後述する賞球タンク720の切欠部729と連通する逃げ凹部551が形成され、第一側面壁540と第二側面壁541と接続する垂直面にタンク取付溝550が形成されている。そして、このタンク取付溝550に賞球タンク720の取付鍔部733を取り付けたときには、図28に示すように、賞球タンク720の切欠部729が逃げ凹部551と連通して賞球タンク720内に貯留された球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク720を本体枠3に取り付けたときには、平面視で賞球タンク720の正面側から見て奥側の後面壁722と第四側面壁543の後端辺がほぼ一致(図5参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起552は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と装飾カバー板15との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものである。
また、前述した上後面壁545には、タンクレール部材740を取り付けるためのレール係止溝553が後面開口580の開口縁に沿って形成されており、また、第四側面壁543と上後面壁545の屈曲部にレール係止溝554が形成されている。そして、これらレール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750(図45参照)を係止させることにより、タンクレール部材740を本体枠3に取り付けることができる。また、タンクレール部材740を取り付けたときの下流側に対応する上後面壁545の上部には、レール掛止弾性片555が形成され、レール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750を係止させて、タンクレール部材740を本体枠3に取り付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片555がタンクレール部材740の下流側上端の上から当接するようになっている。タンクレール部材740を取り外すときには、レール掛止弾性片555を後方へ押圧しておいてからレール係止溝553,554と係止突片749,750との係止状態を解除すべくタンクレール部材740を上方に持ち上げればよい。また、レール掛止弾性片555の側方に逃げ穴556が穿設され、レール掛止弾性片555の下方にアース線接続具557形成されている。逃げ穴556は、タンクレール部材740に設けられる整列歯車747の軸ピン748の端部を逃がすために穿設されるものであり、また、アース接続具207は、タンクレール部材740の内部に貼着される金属製の導電板(図示しない)に接触していると共に、電源基板に設けられるアース用コネクタに接続される配線が接続されるものである。
また、軸支側後面壁546には、図22及び図24に示すように、軸支側後面壁546の左右両端に垂直状の立壁560を立設し、その立壁560の間に球通路ユニット770と賞球ユニット800とが取り付けられる。また、左右の立壁560の間の最上流部から中流部よりやや上方まで賞球案内突起561が屈曲状に突設されている。この賞球案内突起561は、軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように後方に向かって突設され、後述する球通路ユニット770を取り付けたときに、該球通路ユニット770の球落下通路772(図50参照)に対応するもので、賞球を一列状に誘導するものである。また、賞球案内突起561の左右には、球通路ユニット770をビスで止着するための通路ユニット取付ボス562、及び位置決めするための位置決めピン574が突設されると共に、後述する球切れスイッチ778(図50参照)に対面するスイッチ対応突起563が突設されている。通路ユニット取付ボス562及び位置決めピン574については、後に詳述する。
更に、左右の立壁560の中流部から下流部にかけて賞球ユニット800の係合部としての鉤状係合部824(図52参照)と係合する係止部としての係合突片565と、賞球ユニット800のボタン挿通係合穴821(図52参照)と係合するロック用弾性爪564と、が形成されると共に、賞球ユニット800のスプロケット807の回転軸808(図52参照)の端部が受け入れられる逃げ穴566が形成されている。また、軸支側後面壁546の下方には、払出モータ用逃げ開口部572が形成されており、この払出モータ用逃げ開口部572に賞球ユニット800の駆動モータとしての払出モータ815が臨むようになっている(図25参照)。そして、賞球ユニット800は、軸支側後面壁546の裏面最下端に形成される係止溝573のその下端を係止して前記係合突片565及びロック用弾性爪564によって軸支側後面壁546に着脱自在に取り付けられるようになっている。この着脱自在の構成については、後に詳述する。
また、軸支側後面壁546の開放側の端部には、そのカバー体1250の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝567が形成されていると共に、該カバー体当接溝567の下方に施錠壁569が突設されている。カバー体当接溝567には、カバー体1250の止め穴1253(図28参照)に対応する止め穴568が形成されており、これら止め穴1253,568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができるようになっている。また、施錠壁569には、平面視U字状の施錠用突出鉤片570が突設され、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570をカバー体1250に形成される貫通穴1254(図28参照)を貫通させ、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
以上、遊技盤設置凹部510及び板部511とからなる本体枠主体500の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、板部511の最下端辺部に、扉枠5を閉じたときに、扉枠本体100の下辺を後方に向けて折曲した扉枠突片112,113(図19参照)が挿入される係合溝584,585(図21参照)が形成されている。係合溝584は、前述した発射装置取付部520の下方に形成される溝であり、係合溝585は、前記係合溝584の一端から軸支側に向って形成される溝である。なお、係合溝585に対応する扉枠突片112は、係合溝584に対応する扉枠突片113の突出量よりも大きくなるように後方に向って突設されている。ただし、開放端下部には、突出量の多い扉枠突片112が僅かに形成されている。そして、上記した扉枠突片112,113と係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
上記のように板部511には、発射レール515や出口開閉装置579が設けられ且つレール接続部材516や発射装置取付部520が突設形成されているが、発射装置取付部520及び発射レール515の板部511における配置位置が開放側に偏り、しかもそれらが板部511の表面よりも突出して形成されている。このため、扉枠5を閉じた状態において、発射装置取付部520及び発射レール515が配置される板部511のほぼ中央部から開放側にいたる領域は、扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面とが密着した状態となるため、前述した扉枠突片112と係合溝585との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具を扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面との間をさらに上手にすり抜けさせて遊技盤4の表面側若しくは遊技盤4の裏面側に到達させることは極めて困難である。
一方、発射装置取付部520及び発射レール515が配置されない板部511のほぼ中央部から軸支側にいたる領域は、板部511の表面に突出した部分がないため、扉枠5を閉じた状態において、扉枠5の裏面と板部511の前面との間に空間586が生じてしまう。このため、前述した扉枠突片112と係合溝584との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具が扉枠5の裏面と板部511の前面との間の空間586を簡単にすり抜けてしまうことができるため、この空間586を不正具が上方に向ってすり抜けないように、扉枠5の裏面下部に取り付けられる装着台280には、扉枠5を閉じた状態で該空間586に侵入する防犯突片285が形成されている。この防犯突片285は、板部511のほぼ中程から軸支側端部までいたるように装着台280に形成されている。したがって、発射レール515及び遊技盤4に取り付けられる外レール602の下方空間は、装着台280に突設される防犯突片285を受け入れる防犯空間586を構成している。そして、この防犯突片285と防犯空間586とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置650、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、満タンユニット900、錠装置1000、基板ユニット1100及びカバー体1250が取り付けられるが、以下、これらを順次説明する。
<遊技盤の概略構成>
遊技盤4の概略構成について図30乃至図35を参照して説明する。図30は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図31は、遊技盤4の正面図であり、図32は、遊技盤4の背面図であり、図33は、遊技盤4の平面図であり、図34は、遊技盤4に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図であり、図35は、遊技盤4の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠3の部分斜視図である。
図30において、遊技盤4は、透明板状の遊技パネル599を保持したほぼ正方形状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の前面に遊技領域605を囲むように取り付けられる前構成部材601と、から構成されている。遊技パネル599の表面には、遊技領域605に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に前構成部材601がパネルホルダ600の前面に取り付けられるが、その前構成部材601は、遊技パネル599の周囲を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形がパネルホルダ600の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面が外レール602として形成され、その外レール602の終端に設けられる衝止部620の下部位置から上辺の前記衝止部620の対称の逆流防止部材604が設けられる位置までが内レール603として形成されている。外レール602は、その始端部に前記発射レール515の延長状に設けられたレール接続部材516に連接する接続通路部609が斜め状に形成されており、その接続通路部609に隣接してファール口610が形成されている。また、ファール口610の上流端から衝止部620までの外レール602には、金属製のレールが密着して取り付けられている。なお、衝止部620は、勢いよく外レール602を滑走してきた打球が衝突したときに、その衝突した打球を遊技領域605の内側に反発させるようにゴムや合成樹脂の弾性体が設けられるものであり、逆流防止部材604は、一端発射されて遊技領域605の内側に取り入れられた打球が再度外レール602に逆流しないように防止するものである。更に、外レール602の下部一側には、金属製のレールの一部に沿うように防犯突起608が突設されている。この防犯突起608は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー270に突設される防犯後端部突片275と上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の軸支側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を防止するものである。
また、内レール603の下部中央には、アウト口606が設けられ、そのアウト口606から逆流防止部材604までの内レール603と外レール602との間は、発射された打球が遊技領域605まで誘導される誘導通路を構成するものであるが、遊技領域605に到達せずに外レール602を逆流した打球はファール口610に取り込まれて後述する満タンユニット900のファール球入口923に導かれて再度皿ユニット300に排出されるようになっている。なお、遊技領域605は、実質的に内レール603によって囲まれる領域である。また、内レール603のアウト口606から衝止部620に向かう途中の前構成部材601には、レール防犯溝607が形成されている。このレール防犯溝607は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー270に突設される防犯後突片274の一部が侵入するように溝状に形成されており、このレール防犯溝607と防犯後突片274との凹凸係合により、上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の開放側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を最終的に防止するものである。
ところで、遊技盤4の一側には、本体枠3に形成される前記盤位置決め突起576に嵌合する位置決め凹部611が形成され、遊技盤4の他側には、本体枠3に形成される前記盤止め具挿入穴578に挿入される遊技盤止め具614が設けられている。遊技盤止め具614は、押し込み固定したときにその端部が盤止め具挿入穴578に挿入されるようになっている。しかして、遊技盤4を本体枠3に固定するためには、本体枠3の前面側から位置決め凹部611が盤位置決め突起576に嵌合するように斜め方向から差し込んだ後、遊技盤4の全体を本体枠3の第一側面壁540に押し込み、その状態でフリーな状態となっている遊技盤止め具614を押し込み固定してその端部を盤止め具挿入穴578に挿入して固定する。その後、遊技盤固定具519を回動して遊技盤4の下部前面を固定する。これによって遊技盤4を本体枠3に簡単に装着することができる。遊技盤4を取り外すには、上記の手順と逆の手順で取り外せばよい。
ところで、本実施形態における遊技盤4は、遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを極めて簡単に防止する構成を有している。即ち、図30及び図34に示すように、遊技盤4の下方の前記通路用切欠部613と反対側の下端部に遊技盤4の前後に貫通する取付用切欠部616を形成し(正確には、前構成部材601に取付用切欠部616が形成されている。)、その取付用切欠部616の下部に水平方向に締結バー617を掛け渡し固定する。締結バー617には、そのほぼ中央に締結バンド619を掛け止めるための帯溝状の締結部618が形成されている。一方、本体枠3に設けられる取り外し防止機構としては、前述したように、本体枠3下方の板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている(図35参照)。
上記のように構成される遊技盤4を本体枠3の遊技盤設置凹部510に収納配置したときには、図34に示すように、締結バー617が遊技盤載置部512に当接して載置した状態になると共に、締結部618と締結連杆534とが一致した状態となる。そして、その状態で締結部618と締結連杆534との一致している部分に対して、締結バー617の上方から一般的に市販されている締結バンド619の先端を取付用切欠部616に差し込んで下方に向けて締結穴533に差し込み前方に導き、その先端を締結バンド619の締結具部分に係合させる。そして、締結バンド619の締結具より前方に飛び出した不必要な先端部分を切断しておく。このようにすれば、締結バンド619を切断しない限り、遊技盤止め具614と遊技盤固定具519等の固定を解除しても、遊技盤4を本体枠3から取り外すことができない。締結バンド619を切断すれば、遊技盤4を本体枠3から取り外すことはできるものの、例えば、締結バンド619をパチンコ店独特のものを使用することにより、異なる締結バンドが締結されていれば、遊技盤4を取り外して何らかの不正行為を行われたことが容易に理解することができるものである。このように極めて簡単な取り外し防止機構により遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを防止することができる。
また、遊技盤4の外形形状は、その上部左右に前記扉枠5の裏面に設けられるスピーカ163の後方突出部分を受け入れるようにスピーカ用切欠部612が形成され、また、ファール口610の側方斜め下に後述する満タンユニット900の前方誘導通路920部分の一部が挿入される通路用切欠部613が形成されている。また、前構成部材601の下方左右には、証明確認用の証紙を貼付する証紙貼付部615が設けられている。
一方、遊技盤4の裏面には、遊技領域605に設けられる各種の遊技装置(例えば、大入賞口装置や一般入賞口等の入賞口)に入賞した球を下流側に整列して誘導する入賞空間形成カバー体621(後述では裏箱2002と称す)が取り付けられており、その入賞空間形成カバー体621の裏面に遊技領域605のほぼ中央に配置される表示装置としての液晶表示装置640(図74等参照)の表示を制御する表示装置制御基板が収納される表示制御基板ボックスとしての液晶表示制御基板ボックス622が取り付けられている。
更に、遊技盤4の裏面には、入賞空間形成カバー体621の下方に盤用基板ホルダ623が固定されている。この盤用基板ホルダ623は、その前方に前記入賞空間形成カバー体621によって整列誘導された入賞球を集めるように空間部(この空間部は、前後方向の幅が入賞空間形成カバー体621の幅よりも比較的広いものとして形成されている。)が形成され、その空間部の底面に落下口629(図29参照)が形成されている。この落下口629は、前記アウト口606の後面部分で合流して後述する基板ユニット1100に形成されるアウト球通路1119(図73参照)に連通するものである。また、盤用基板ホルダ623には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板1350を収納する主制御基板ボックス624と、後述する基板ユニット1100に設けられる払出制御基板1186や電源基板等と接続するための中継端子板625と、が取付けられている。中継端子板625には、遊技盤4を本体枠3に装着するだけで自動的に前記基板ユニット1100に設けられるドロワコネクタ1200,1202と接続されるドロワコネクタ626,627が設けられている。また、盤用基板ホルダ623には、ドロワコネクタ626,627の間から中継端子板625を貫通するように後方に向かって突出する接合案内突起628が形成されている。この接合案内突起628は、後に詳述するように遊技盤4を本体枠3に装着する作業を行ったときに、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627とが自然に接続されるように基板ユニット1100の枠用基板ホルダ1101に形成される接合案内孔1213に挿入される(図73参照)ものである。なお、これらドロワコネクタの接続については、後に詳述する。
<打球発射装置>
打球発射装置650について図36乃至図41を参照して説明する。図36は、打球発射装置650の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図37は、打球発射装置650の分解斜視図であり、図38は、打球発射装置650と発射レール515との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図39は、操作ハンドル部461を操作していない状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図40は、操作ハンドル部461を操作している状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図41は、打球発射装置650に設けられるスライド部材710の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置650は、発射ベース枠651に打球槌687を回動自在に軸支すると共に、その打球槌687に往復回動を付与する発射モータ695を発射ベース枠651に取り付け、さらに打球槌687に復帰する付勢力を付与する付勢バネ684の付勢力を調節するスライド杆677及びスライド部材710が発射ベース枠651に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、図37に示すように、発射ベース枠651は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、そのほぼ中心に打球槌687の軸受689が嵌合される軸受筒652が形成され、その上部及び側方に打球槌687の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材653,654が取り付け固定されている。即ち、ゴムストッパー部材653,654は、打球槌687が付勢バネ684の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌687の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠651の後方(発射レール515の下方に対応する部位の反対側)の上方に横長細溝状のスライド案内孔655が形成され、そのスライド案内孔655の下方にスライド部材収納空間656が形成されている。スライド案内孔655は、後述するスライド杆677の後端上部に突設される案内係止片678が挿入されてスライド杆677のスライド移動を案内するものであり、スライド部材収納空間656には、スライド部材710が左右方向に移動可能に収納されるものである。なお、スライド杆677の前方部分のスライド案内は、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682によって発射ベース枠651に形成される止め穴662に止着される案内ブッシュ681を貫通させることにより行われる。また、スライド部材収納空間656の底面には、図38に示すように、長方形状の連結開口664が形成されている。
また、発射ベース枠651の上辺の前方部分には、発射ベース枠651の本体に対して庇部が形成されており、前記軸受筒652の上方の庇部に作動片用開口657が穿設されている。この作動片用開口657には、前記扉枠5の皿ユニット300の下流側の打球供給口288(図15参照)に臨んで設けられている供給揺動片289(図15参照)と当接する作動片658が作動片用開口657の開口縁の後方上部に突設されている取付部660に止めピン659によって揺動自在に設けられるものである。作動片658は、「て」字状に形成され、その上辺の後端部が止めピン659によって軸支され、その軸支部から下方の円弧部に打球槌687と一体的に回動するベース板690に突設される作動片当接部693と当接し、打球槌687の往復動作に連動して上辺部が供給揺動片289を揺動させ、供給揺動片289の揺動動作により打球供給口288から流出する打球を1個ずつ発射レール515の発射位置に供給するようになっている。
更に、発射ベース枠651には、発射モータ695を内蔵するモータカバー694を止着するためのモータ取付ボス661が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、前記スライド部材収納空間656の下部後方にスライド杆677をスライドさせるためにスライド部材710と連結される揺動片672の下端の軸穴673が挿入される揺動片用ボス663が突設されている。
上記した発射ベース枠651には、打球発射装置650の剛性を高めるために金属プレート665がほぼ密着するように取り付けられている。このため、金属プレート665には、軸受筒652、下方のゴムストッパー部材653、スライド案内孔655、案内ブッシュ681、及び揺動片用ボス663にそれぞれ対応する貫通孔666,667,668,669,671が形成されていると共に、スライド部材710の連結凸部712が貫通する横長楕円状の貫通孔670も貫通されている。上記のように構成される金属プレート665は、スライド部材710をスライド部材収納空間656に収納した後、それぞれの貫通孔666〜671がそれに対応する部材652,653,655,681,712,663を貫通あるいは一致させるように発射ベース枠651に密着させてビス止めすることにより発射ベース枠651に固定されるものである。
金属プレート665が取り付けられた発射ベース枠651の揺動片用ボス663の先端部分が貫通孔671から頭を出しているが、その頭の部分に揺動片672の軸穴673が挿通されて、揺動片672が下端を中心にして揺動自在に軸支される。揺動片672は、図37に示すように、縦長杆状に形成され、その下端に前記軸穴673が形成され、その中程にスライド部材710の連結凸部712が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴674が形成されている。そして、その連結穴674より上方の前方面がスライド杆677の一端(後端)と当接する当接部675となっている。しかして、揺動片672を揺動片用ボス663に挿通し、且つ貫通孔670から頭を出しているスライド部材710の連結凸部712に連結穴674を挿入してワッシャ付きピン676を連結凸部712に止着することにより、揺動片672が発射ベース枠651に取り付けられる。そして、取り付けられた揺動片672は、スライド部材710のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート665の上部前面には、横長杆状のスライド杆677が左右方向にスライド可能に取り付けられる。即ち、スライド杆677の後方上部に突設されるL字状の案内係止片678を金属プレート665の貫通孔668に貫通係合させ、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682を有する案内ブッシュ681を貫通させて止めネジ682を止め穴662に止着する。上記した案内係止片678と貫通孔668、及び案内長孔680と案内ブッシュ681とにより、スライド杆677が金属プレート665を介して発射ベース枠651にスライド可能に装着される。また、スライド杆677には、その一端(後端)に上述した揺動片672の当接部675と当接する被当接部679が形成され、その他端(前端)に付勢バネ684の一端の係止輪685を掛け止めるためのバネ係止部683が突設されている。
金属プレート665が取り付けられた発射ベース枠651の軸受筒652が貫通孔666から突出しているが、その軸受筒652には、打球槌687の軸受689が抜け落ちないように嵌合されている。軸受689の軸には、打球槌687の下端部が固着されると共に同時にベース板690が固着される。ベース板690には、その前方裏面側に前記作動片658と当接する作動片当接部693が突設され、その前方前面に付勢バネ684の他端の係止輪686を掛け止めるためのバネ係止部692が突設され、さらにその後方前面に発射モータ695のモータカム697と係脱するモータ当接突片691が突設されている。打球槌687の上端には、合成樹脂製の槌先688が固着されており、この槌先688が発射レール515の下端部とその上方に固着される発射位置ストッパー702とによって形成される発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠651の前述したモータ取付ボス661には、モータカバー694に収納された発射モータ695が取り付けられる。より具体的には、図38(B)に示すように、モータカバー694は、内部に発射モータ695を収納するように形成された円筒部と、該円筒部の前方に拡大して前記モータ取付ボス661に取り付けるための取付固定穴699が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ695のモータ軸696の先端に逆回転防止カム698とモータカム697とが固定されている。逆回転防止カム698の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス701に揺動自在に固定されるストッパー片700(図39参照)と係合して発射モータ695の逆方向の回転を防止している。これは、モータカム697が逆方向に回転してモータカム697とモータ当接突片691とが噛み合って打球発射装置650が駆動できなくなる故障が発生しないように防止するためである。また、モータカム697は、勾玉状に形成されており、発射モータ695の回転に伴いモータ当接突片691と係脱しながら打球槌687を往復動作させる。なお、モータカバー694をモータ取付ボス661に取り付けたときには、図36(A)に示すように、打球発射装置650の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
ところで、前述したスライド部材収納空間656に収納されてスライド移動するスライド部材710は、図41に示すように、後方が開放した直方体状に形成され、その前面に楕円形状の楕円凸部711が突設され、さらに該楕円凸部711の後方位置に円形状の連結凸部712が突設されている。また、上面及び下面には、スライド部材収納空間656内をスライドし易いように断面円弧状のスライド用当接突部713がその両端に突設されている。一方、直方体状に形成されるスライド部材710の空間は、前記扉枠5の裏面下部に設けられるジョイントユニット480のスライド突片492が挿入される挿入空間714となっている。しかして、この挿入空間714は、スライド方向前方の側壁手前側に第一傾斜面715が形成されると共に、その第一傾斜面715のやや後方寄りに上面及び下面の内側から内部に向かって突設され且つ相互の先端間に所定の間隔が形成される挟持片716が形成されている。挟持片716の手前側にも奥に向かって側方視でハ字状に傾斜する第二傾斜面717も形成されている。しかして、スライド突片492が挿入空間714に挿入された状態では、図41(B)に示すように、スライド突片492の傾斜辺493側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態となっている。なお、スライド部材710の挿入空間714の側方に空間部718が形成されているが、この空間部718は、特に機能を奏しているわけではない。
しかして、上記のように構成されるスライド部材710は、スライド部材収納空間656に収納された状態で、図38(A)に示すように、スライド部材収納空間656の底面に形成される楕円形状の連結開口664に挿入空間714が臨むように形成されていると共に、スライド部材710がスライド部材収納空間656の一方の空間内壁に当接した状態(図38(A)では左の空間内壁に当接しているように図示されているが、通常の状態では右の空間内壁に当接した状態となっている。)となっている。
そこで、まず、スライド部材710と打球発射装置650の付勢バネ684の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材710がスライド部材収納空間656の内部の初期位置(図38(A)において右の空間内壁に当接した位置)にあるときには、図39に示すように、該スライド部材710の連結凸部712に連結された揺動片672がほぼ垂直状態となっている。このため、揺動片672と当接しているスライド杆677も付勢バネ684の付勢力により一方向(図39において左側方向)に付勢された状態で揺動片672の当接部675とスライド杆677の被当接部679とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ684が張力されていないので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動しても、打球槌687の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域605に到達することはない。
一方、スライド部材収納空間656の内部をスライド部材710が初期位置から他方方向に移動したとき(図38(A)において左の空間内壁方向に向かって移動したとき)、図40に示すように、揺動片672が下端の軸穴673を軸として揺動して傾動するため、当接部675と被当接部679との当接によりスライド杆677が他方向(図40において右側方向)に向かってスライド移動する。すると、スライド杆677のバネ係止部683に係止されている付勢バネ684も張力されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ684が張力されているので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動したときの打球槌687の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域605に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材710のスライド部材収納空間656内でのスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材710を移動させることにより、打球発射装置650による弾発力を調整することができるが、このスライド部材710の移動は、前述したハンドル装置460の操作ハンドル部461の回動操作部材464の回動操作に応じて移動するジョイントユニット480のスライド体483の移動と連動するようになっている。この点について図20、を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置460の操作ハンドル部461の回動操作部材464を回転させることにより、回転軸465の先端に固着される勾玉状のカム466も回転するため、ジョイントユニット480のスライド体483が収納体481の内部を一方向に向かってスライド移動する。このため、スライド体483の前面に突設されるスライド突片492も同じ方向にスライド移動することになる。スライド体483のスライド突片492は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠3の発射装置取付部520に形成される連結開口664を貫通してスライド部材710の挿入空間714に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、前述したようにスライド突片492の傾斜辺493側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態である。したがって、スライド突片492が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材710も同一方向に向かってスライド移動することになる。このとき、前述したように、スライド部材710のスライド移動に伴ってスライド杆677もスライド移動するので、付勢バネ684の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置460の回動操作部材464を回動操作することにより、打球発射装置650の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置460が扉枠5に設けられ、打球発射装置650が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置460のスライド突片492と打球発射装置650のスライド部材710とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片492がスライド部材710の挿入空間714に自動的に挿入されてハンドル装置460と打球発射装置650とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片492が挿入空間714から離れてハンドル装置460と打球発射装置650とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置460と打球発射装置650との連携・分離を行うことができる。特に、スライド突片492が挿入空間714に挿入される際には、スライド突片492の位置が上下方向に多少ずれていても、挿入空間714内に突設される挟持片716の第二傾斜面717によってスライド突片492がスムーズに挟持位置に挿入されるようになっている。
また、時として、操作ハンドル部461の回動操作部材464に遊技者が詰め物を詰めてある程度回動した位置で固定している場合があるが、遊技場の店員がその詰め物を知らずに扉枠5を開閉する場合がある。このような場合でも、扉枠5を開放する場合には、単にスライド突片492が挿入空間714から離れるだけであるので問題はないが、扉枠5を閉める場合に、スライド突片492の位置が多少一方向にずれた状態となっているものの、スライド突片492の傾斜辺493とスライド部材710の第一傾斜面715との協働作用により、扉枠5の閉止動作に伴ってスライド部材710を一方向に移動させながら最終的にスライド突片492とスライド部材710とが係合するようになっている。つまり、本実施形態においては、操作ハンドル部461の回動操作部材464がどのような回動位置で固定されていても、操作ハンドル装置460と打球発射装置650との連携を行うことができるものである。
<賞球タンク>
次に、本体枠3の裏面上部に取り付けられる賞球タンク720について、主として図42を参照して説明する。図42は、賞球タンク720の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク720は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝550(図24参照)に着脱自在に取り付けられるものである。しかして、賞球タンク720は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ機1の正面側から見て、その前面壁721に切欠部729が形成され、その底面が上流側壁724から下流側壁723に向かって傾斜する第一傾斜底面726と前面壁721から次に説明する排出口730に向かって傾斜する第二傾斜底面727とによって貯留部728が形成されている。また、その第二傾斜底面727の傾斜下端に排出口730が形成されるが、この排出口730は、パチンコ機1の正面側から見て賞球タンク720の後面壁722よりも外側に突出するように下流側壁723と後面壁722とをコ字状に連結する排出口突出壁725に囲まれるように形成されている。また、賞球タンク720の前面壁721の両端外側には、前記タンク取付溝550と係合する取付鍔部733が形成されていると共に、賞球タンク720の底面の裏面側に本体枠3の前記第四側面壁543に載置当接する載置当接片731,732が突設され、さらに、賞球タンク720の上流側の後面壁722の下部に後述する球ならし部材744を取り付けるための球ならし取付軸735が突設されている。また、排出口730を除く賞球タンク720の後面壁722及び上流側壁724には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材734が着脱自在に取り付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク720においては、本体枠3のタンク取付溝550に対して取付鍔部733を上方から差し込むように取り付け、載置当接片731,732を本体枠3の第四側面壁543に当接させる。これによって、賞球タンク720が本体枠3の裏面側上部に載置して取り付けられるが、この取り付けられた状態においては、図28に示すように、前面壁721の切欠部729を介して貯留部728と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部551とが連通し、また、図5に示すように、排出口730が次に説明するタンクレール部材740の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク720において、球を貯留する貯留部728(第一傾斜底面726及び第二傾斜底面727に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の第二側面壁541〜第四側面壁543までの前後方向の幅とほぼ同じとなるように形成されると共に、それらの側面壁541〜543までの上部に載置されるようになっている。しかして、前述したように、本体枠3の第一側面壁540〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その側面壁541〜543の上部に載置される賞球タンク720の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク720の全体を本体枠3の側面壁542〜543で支持しているので、傾斜底面726,727が変形することなく貯留された球をスムーズに排出口730に導くことができる。また、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているため、貯留部728に貯留された球の流れが第二傾斜底面727から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し突部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
そして、本実施形態においては、前述したように、遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に賞球タンク720の貯留部が載置された状態で、しかも、賞球タンク720の排出口730が貯留部の後面壁722よりも外側に突出して設けられているため、タンクレール部材740が賞球タンク720の貯留部の外側(パチンコ機1の正面から見て奥側)に位置して、タンクレール部材740と賞球タンク720の貯留部728とが上下方向に重複しない位置となっているので、遊技盤4の裏面に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上辺を本体枠3の上辺に近い位置で後方に向って突出させることができ、これにより、遊技装置の後方突出部が遊技盤4の上辺部で突出していても後側面壁541〜543の内部に楽に収納することができる。
更に、賞球タンク720の貯留部728が遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に載置されているか否かに関係なく、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているという構成だけで従来の賞球タンクにはない独特の効果を奏するものである。これについて図43を参考にして説明する。図43は、従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。図において、通常時、賞球タンク720に貯留される球は、賞球タンク720の貯留部に貯留されて滞留した状態となっている。この場合、従来の賞球タンクのように貯留部の傾斜底面の一部を開口して排出口730Aを形成している場合、例えば、図43(A)に示すように、球崩し突部736Aと反対側に排出口730Aが形成された賞球タンクや、図43(B)に示すように、球崩し突部736Bに隣接して排出口730Bが形成されている場合には、排出口730A,730Bの部分では、貯留された球の圧力とその圧力に基く賞球タンクの側壁からの反作用により、常に排出口730A,730B部分に四方から球圧がかかった状態となっている。このため、たまたま球の重合具合によって球同士の圧力が釣り合い、下流側の球が流れ出ても、排出口730A,730B部分で球噛み状態が発生し球詰まりが発生することがあった。これに対し、本実施形態に係る賞球タンク720では、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているので、図43(C)に示すように、排出口730部分における貯留された球の圧力は、貯留部から排出口730方向に向かう作用力とその反作用だけの二方向からの圧力であり、従来のように四方から圧力を受けるわけではない。このため、下流側の球が流れ出ても、排出口730部分における球噛み状態が発生し難く、球詰まりが発生しないという優れた効果を奏することができる。
<タンクレール部材>
上記した賞球タンク720の下方に配置されるタンクレール部材740について主として図44乃至図46を参照して説明する。図44は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図であり、図45は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図であり、図46は、タンクレール部材740の下流部と球通路ユニット770の上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。
タンクレール部材740は、前述したように、本体枠3の上後面壁545のレール係止溝553,554(図24参照)に着脱自在に取り付けられるものである。そのため、タンクレール部材740には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝553に上から差し込まれる複数の係止突片749が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝554に上から掛け止められる鉤状の係止突片750が突設されている。しかして、タンクレール部材740は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク720の排出口730に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット770に臨んでいる。また、タンクレール部材740の内部は、図5に示すように仕切壁741によって球が2列に整列して流下する通路742となっている。なお、通路742の底面は、細溝が切り欠けられており、通路742を球と一緒に転動する異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、通路742の側壁には、静電気を除去するための金属板(図示しない)が貼付されており、この金属板の下流端が前述したアース線接続具557(図22参照)に接続されている。このため、タンクレール部材740を流下する球に帯電していた静電気が金属板からアース線接続具557を介して電源基板のアース用コネクタを経て外部にアースされるようになっている。
また、タンクレール部材740の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材744が揺動自在に設けられている。この球ならし部材744は、前述した賞球タンク720の球ならし取付軸735に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材740の2列のそれぞれの通路742内に向かって垂下され、各通路742を流下する球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材744の設置位置より下流側のタンクレール部材740の上面が球押え板745によって被覆されている。この球押え板745は、球ならし部材744によって1段とならなかった球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。更に、タンクレール部材740の下流端部には、それぞれの通路742に臨んで一対の整列歯車747が軸ピン748によって回転自在に軸支されている。この整列歯車747は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車747の歯のピッチが半ピッチずつずれるようにして軸ピン748に固定されている。このため、タンクレール部材740の各通路742を流下してきた球の上部が整列歯車747の歯と噛み合いながら下流側に流下するときに2列の通路742の球が交互に1つずつ送られることになる。この場合、図46に示すように、各通路742を流れてきた球は、整列歯車747と噛み合いながら2列の通路742の下部に形成される傾斜面743に沿って中央方向に誘導され、その誘導中に次に説明する球通路ユニット770の球落下通路772の上端入口773に2列の通路742からの球を交互に一列状にして落下するようになっている。なお、整列歯車747は、その上面を円弧状の歯車カバー746によって被覆されている。
<球通路ユニット>
上記したタンクレール部材740から一列状に落下される球を賞球ユニット800に導くための球通路ユニット770について、主として図47乃至図51を参照して説明する。図47は、本体枠3と球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す分解斜視図であり、図48は、球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す背面図であり、図49は、球通路ユニット770の背面から見た斜視図であり、図50は、球通路ユニット770の正面図であり、図51は、球通路ユニット770と賞球ユニット800との連結構造を説明するための側面図である。なお、図48及び図49において、賞球ユニット800部分は、ギヤカバー866、アルミ放熱板841、ユニットサブ板825が削除され、ユニットベース体801に形成された球通路部分をわかりやすく描いたものである。ただし、ギヤ等については、球通路との関係を理解し易くするため、一点鎖線で示してある。
球通路ユニット770は、ほぼ長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁771によって球落下通路772が形成されている。この球落下通路772は、図46(A)に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部772aと、該前後屈曲通路部772aに連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部772bと、該左右屈曲通路部772bに連通してほぼ垂直状となっている垂直通路部772cとからなっている。前後屈曲通路部772aは、図46(A)に示すように、上述したタンクレール部材740から落下する上端入口773の位置が前述したように2列の通路742のほぼ中央であるため、本体枠3の上後面壁545及び軸支側後面壁546の表面から背面側に離れた位置となっているので、前後屈曲通路部772aと軸支側後面壁546に突設される前記賞球案内突起561とによって球落下通路772を軸支側後面壁546の表面に近い位置とするように前後方向に屈曲するものである。また、左右屈曲通路部772bは、図50に示すように、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球の勢いを弱めるために球通路ユニット770のほぼ横幅一杯にコ字状に屈曲して形成されるものである。更に、垂直通路部772cもほぼ垂直状に形成されているものの若干緩やかに湾曲して形成され、その垂直通路部772cを構成する一方の屈曲通路壁771に切欠部775が形成され、その切欠部775に上端が支軸777によって軸支される球切れ検出片776が揺動自在に取り付けられている。この球切れ検出片776の側方には、球切れスイッチ778が取り付けられ、球切れスイッチ778のアクチュエータ779が球切れ検出片776に当接している。球切れ検出片776及び球切れスイッチ778によって垂直通路部772cでの球切れを検出する球切れ検出機構が構成されている。
しかして、垂直通路部772cに球が存在しているときには、垂直通路部772cに存在する球によって球切れ検出片776が押圧されてアクチュエータ779を押して球切れスイッチ778をONとするが、垂直通路部772cに球詰まりや球欠乏により球が存在しなくなると球切れ検出片776が垂直通路部772c内に向かって揺動するので、アクチュエータ779が球切れスイッチ778をOFFとする。球切れスイッチ778がOFFになると、後述する賞球ユニット800の払出モータ815の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。なお、切欠部775の下端部には、球切れ検出片776の通路部と反対側への過剰な揺動を防止するためにストッパー突起780が形成されており、また、球通路ユニット770の球切れ検出片776に対応する垂直通路部772cに球詰まり用挿入溝781が形成されている。この球詰まり用挿入溝781は、球詰まり等で球切れ検出片776の揺動動作が行われ難い場合に、球通路ユニット770の後面側からピンを差し込んで球切れ検出片776部分の球詰まりの解消を図るために設けられるものである。更に、球切れ検出片776に対面する他方の屈曲通路壁771は、若干球切れ検出片776側に向かって膨出状に形成されている。これは、垂直通路部772cに球が存在しているときに確実に球切れ検出片776を押圧して球切れスイッチ778をONにするためである。
また、球通路ユニット770には、上記した球落下通路772を避けた位置に止め穴782と位置決めボス783とが形成されている。位置決めボス783は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される位置決めピン574に係合されるものであり、止め穴782は同じく軸支側後面壁546に形成される通路ユニット取付ボス562に対応するものである。しかして、球通路ユニット770を本体枠3に取り付けるには、図47に示すように、位置決めボス783を位置決めピン574に係合させながら通路ユニット取付ボス562と止め穴782とを一致させ、その状態で止め穴782からビス784を螺着することにより行うことができる。更に、球通路ユニット770には、その一側中程にカバー体1250の係合片と係合するカバー体係合溝785が形成されていると共に、下部に賞球ユニット800と連結するための連結蓋部材786が回動自在に設けられている。
連結蓋部材786は、図49に示すように、長方形状の板材の裏面に円弧状に突設される一対の通路壁790を突設することにより構成されており、球通路ユニット770の下部表面の左右両端部に突設される軸支部としての支持突片787に、連結蓋部材786の両端部から延びる支持片788の先端に突設される回転軸部としての突起軸789を嵌合することにより回動自在に軸支されるものである。また、連結蓋部材786は、閉じることにより球通路ユニット770の下方に延長されて通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通した状態(図51(B)に示す状態)と、開放することにより通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通しない状態(図51(A)に示す状態)と、に回動し得るが、開放した状態から閉じた状態に移行する際に、連結蓋部材786の支持片788を案内する案内突起791が球通路ユニット770の後面下端部に突設されている。
しかして、球通路ユニット770を本体枠3の軸支側後面壁546に固定した状態で、しかも、後述するように賞球ユニット800を同じく軸支側後面壁546に装着した状態(図51(A)に示す状態)で、連結蓋部材786を閉じて賞球ユニット800に設けられる係止弾性爪820によってその後面を係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772と賞球ユニット800の屈曲通路803とを通路壁790にて連通して、球通路ユニット770の球落下通路772を落下する球を賞球ユニット800の屈曲通路803に導くことができるものである。このように球通路ユニット770に回動自在な連結蓋部材786を設けた理由は、後述するように賞球ユニット800を本体枠3に対して着脱自在に装着し易くすることと、その着脱自在に装着したことに起因して球通路ユニット770と賞球ユニット800との間に形成される空間が球のスムーズな落下を阻害しないようにするためである。
また、球通路ユニット770に突設される一対の屈曲通路壁771の間に本体枠3の軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように突設される賞球案内突起561を挿入することで、球落下通路772の上端入口773がタンクレール部材740の2列の通路742のほぼ中央下部に位置するように、球落下通路772の上流部を背面からみて前後方向に屈曲する前後屈曲通路部772aとして形成する。これにより、一対の整列歯車747によって2列で流下する球を交互に1個ずつ賞球ユニット800側に送り出す構成において、球落下通路772を通して球を1個ずつスムーズに賞球ユニット800に送り出すことができる。また、この構成によれば、複数の部材の組立体から球落下通路772を構成する必要がないため、球落下通路772を構成する部品点数を削減することができると共に、球落下通路772の組み付け作業性を向上することができる。
また、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球は、左右屈曲通路部772bを通過することでその勢いを弱め、その後、垂直通路部772cを通って賞球ユニット800に送られる。また、勢いが弱められた状態で球が送り込まれる垂直通路部772cには、球切れを検出するための球切れ検出機構(球切れ検出片776及び球切れスイッチ778)が設けられる。これにより、球落下通路772での球切れ、言い換えれば賞球ユニット800に供給する球が切れたこと(球切れ)を確実に検出することができる。
<賞球ユニット>
次に、上記した球通路ユニット770の下流側に配置される賞球ユニット800について、主として図52乃至図55を参照して説明する。図52は、賞球ユニット800の背面側から見た分解斜視図であり、図53は、払出モータ815と払出部材としてのスプロケット807との関係を説明するための背面図であり、図54は、賞球ユニット800の通路と駆動関係を説明するための背面図であり、図55は、図54のA−A断面図である。
図52において、賞球ユニット800は、一対の屈曲通路壁802によって球通路を構成する屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成されるユニットベース体801と、該ユニットベース体801の後面を覆うユニットサブ板825と、該ユニットサブ板825の上部表面(後面側)に取り付けられる中継基板830と、前記ユニットサブ板825のほぼ中央表面領域(後面側領域)に設けられるギヤ群843,844,847及び検出円盤850(回転伝達部材)を被覆するギヤカバー866とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
ユニットベース体801は、ほぼ長方形状の板状(この板部分を「底面」という場合がある。)に形成され、その板状のユニットサブ板825側に向かって突設される一対の屈曲通路壁802によって屈曲通路803が形成されている。屈曲通路壁802は、ユニットベース体801の上部中央から下流側のほぼ中程まで球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体801の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁802が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット807が配置される振分空間805を構成し、その振分空間805の下部からユニットベース体801の下流端までに左右に分かれた前記屈曲通路壁802の対をなすように通路区画壁809が突設形成されている。つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁802と通路区画壁809とによって振分空間805から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路810を構成し、他方の通路が球抜通路811を構成している。なお、通路区画壁809も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁809の内側に払出モータ815を収納するモータ収納空間814が形成されている。即ち、払出モータ815は、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)を避けた位置であって当該球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納固定される。なお、屈曲通路803は、該通路803内に停留する球のスプロケット807への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間805に到達しているが、その振分空間805の上流側の底面に楕円形状の開口804が形成されている。この開口804は、屈曲通路803内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット800を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間805には、外周に球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット807が回転自在に配置されるが、このスプロケット807が固定される回転軸808の他端を軸支する軸受筒806が振分空間805の底面に形成されている。また、振分空間805の底部を構成する通路区画壁809の上端部は、スプロケット807の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路810の上流部には、払出球検出センサ812が着脱自在に装着されている。払出球検出センサ812は、先端部に球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致するスイッチ嵌合凹部865を屈曲通路壁802で形成することにより、簡単に着脱自在に取り付けられるものである。なお、払出球検出センサ812からの配線(図示しない)は、後述する中継基板830に接続されるようになっている。更に、賞球通路810を構成する屈曲通路壁802の下流側には、ユニットサブ板825と一体的に形成される通路蓋板部859に形成される係止部860と係合する係止爪813が複数形成されている。ただし、複数の係止爪813のうち、通路蓋板部859の下端の一方の係止部860と係合する係止爪813は、通路区画壁809側に形成されている。
また、ユニットベース体801の下方であって賞球通路810と球抜通路811との間には、払出モータ815を収納する円形状のモータ収納空間814が形成されるが、このモータ収納空間814の内部に払出モータ815の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ815は、その前面に形成される一対の取付片816によってユニットサブ板825の下方に取り付けられるアルミ放熱板841の裏面側にビス817で固着されるようになっている。そして、払出モータ815がユニットサブ板825のアルミ放熱板841に取り付けられた状態で、払出モータ815のモータ軸818は、アルミ放熱板841に穿設された軸挿通穴842を貫通して第一ギヤ843が固着されるようになっている。また、ユニットサブ板825及びアルミ放熱板841でユニットベース体801の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ815の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ815を収納するモータ収納空間814と前述したスプロケット807が配置される振分空間805とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体801の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット800のコンパクト化を図ることができる。
更に、ユニットベース体801には、上記した球抜通路811の最下端に球抜きされた球を賞球ユニット800の裏面側に誘導する誘導突片819が突設され、この誘導突片819に誘導された球が後述する球抜接続通路880に誘導されて最終的にパチンコ機1の外部(島台の下方に設けられる回収樋)に放出されるようになっている。また、ユニットベース体801の上部には、前述した球通路ユニット770の連結蓋部材786を係止する係止弾性爪820が突設されると共に、賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に着脱自在に取り付けるためのボタン挿通係合穴821及び鉤状係合部824と、ユニットベース体801とユニットサブ板825を挟持した状態でギヤカバー866とを連結するための取付ボス823が設けられている。ボタン挿通係合穴821には、ユニットベース体801の上部一側に設けられて棒状の着脱ボタン822が奥行幅方向に摺動自在に取り付けられるものであり、後述するように、その前方先端が本体枠3の軸支側後面壁546に形成されるロック用弾性爪564に対応している。また、ボタン挿通係合穴821の後端面は、図47に示すように、ロック用弾性爪564の先端部が入り込むように凹状となっている。また、鉤状係合部824は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される係合突片565と係合するもので、賞球ユニット800を軸支側後面壁546に押し当てて下方に押下げることにより、鉤状係合部824と係合突片565とが係合するものである。そして、その係合状態においてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合するので、賞球ユニット800の上方向の移動ができないようになっている。なお、鉤状係合部824は、ユニットベース体801の上部左右に形成されている。また、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結するための取付ボス823は、後面側に向かって長く突設され、ユニットサブ板825に穿設される貫通穴858を貫通した後、ギヤカバー866の取付穴867に対応させ、そのギヤカバー866の表面からネジ868を螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結している。
上記したユニットベース体801を被覆するユニットサブ板825の構成について説明すると、ユニットサブ板825は、ユニットベース体801の屈曲通路803部分と振分空間805部分と賞球通路810部分とを覆う合成樹脂製の板材に払出モータ815が取り付けられると共に球抜通路811の下流部分とを覆うアルミ放熱板841を取り付けることにより構成されている。そして、ユニットサブ板825の合成樹脂板部の表側(後面側)には、中継基板830を取り付けるための中継基板領域826が上部に形成され、その下方に複数のギヤ843,844,847や検出円盤850が取り付けられるギヤ領域840が形成されている。中継基板領域826は、ほぼ正方形状に形成され、その正方形状に沿って中継基板830を載置する載置リブ827が突設され、その一側垂直辺の上下に後述する基板カバー835の係合突起836と係合する係合溝部828が形成され、その他側垂直辺の中央に基板カバー835の係止突部837と係合する係止爪部829が形成されている。また、中継基板領域826には、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴834と中継基板830をビス(図示しない)で止着するための取付ボス部832が形成されている。
上記した中継基板領域826に取り付けられる中継基板830は、賞球ユニット800に設けられる上述した払出球検出センサ812、払出モータ815、及び後述するセンサ855からの配線と、後述する払出制御基板1186(図25及び図72参照)からの配線とを中継するもので、そのために複数のコネクタが設けられると共に、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴833と前記取付ボス部832に対応する取付穴831とが穿設されている。しかして、中継基板830を中継基板領域826の載置リブ827に載置した状態で取付穴831と取付ボス部832とを合致させて図示しないビスで止着することにより中継基板830をユニットサブ板825の表面(後面)に止着することができる。
また、上記のように取り付けられる中継基板830は、基板カバー835によって被覆される。基板カバー835は、ほぼ正方形状の前面側が開放したボックス状に形成され、その一側垂直辺の上下基部に係合突起836と他側垂直辺のほぼ中央側面に係止突部837が形成されている。また、基板カバー835の正方形状の垂直面には、ボタン開口838と接続開口部839とが形成されている。しかして、基板カバー835の係合突起836を中継基板領域826の係合溝部828に差し込んで係合した後、係止突部837と係止爪部829とを係合させることにより、簡単に基板カバー835で中継基板830を被覆することができる。逆に、取り外す場合には、係止爪部829を弾性変形させて係止突部837との係合を解除すると共に基板カバー835を斜め手前側に引いて係合突起836と係合溝部828との係合を解除することができる。なお、基板カバー835を被覆した状態では、ボタン挿通係合穴821に係合されている着脱ボタン822の頭部がボタン挿通穴833,834を挿通してボタン開口838から外部に僅かに臨んでいる。また、中継基板830に接続された配線は、接続開口部839から外部に引き出されるようになっている。
次に、ユニットサブ板825に形成されるギヤ領域840に設けられるギヤ843,844,847、及び検出円盤850について説明する。前述したように、払出モータ815のモータ軸818の先端は、ユニットサブ板825のアルミ放熱板841に穿設される軸挿通穴842を貫通してユニットサブ板825の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第一ギヤ843(駆動ギヤ)が固着されている。第一ギヤ843の上方には、該第一ギヤ843と噛合する第二ギヤ844(回転伝達ギヤ)がギヤカバー866の裏面(前面側)に一端が圧入され且つアルミ放熱板841に穿設される軸穴846に他端が支持される軸845に回転自在に設けられ、その第二ギヤ844の上方には、該第二ギヤ844と噛合する第三ギヤ847(回転伝達ギヤ)がユニットサブ板825に形成される軸穴849に圧入された軸848に回転自在に設けられている。更に、第三ギヤ847の上方には、該第三ギヤ847と噛合するギヤ部852(従動ギヤ)を有する検出円盤850が前記スプロケット807を軸支する回転軸808に回転自在に設けられている。なお、図55に示すように、モータ軸818の先端部がギヤカバー866に形成される受穴に遊嵌されている。また、回転軸808は、その一端がユニットベース体801に形成される軸受筒806に圧入されて支持され、その他端がギヤカバー866に形成される軸受穴に支持されるものであるが、ギヤ領域840の中央よりやや下方に形成された軸貫通穴864を貫通して振分空間805においてスプロケット807を回転自在に軸支し、ユニットサブ板825とギヤカバー866とによって形成される空間において検出円盤850を回転自在に軸支している。ただし、図55に示すように、スプロケット807の後端部が検出円盤850の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット807と検出円盤850とは、回転軸808を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ815が回転駆動すると、その回転が第一ギヤ843、第二ギヤ844、第三ギヤ847、検出円盤850のギヤ部852を介してスプロケット807を回転するように伝達される。
検出円盤850の外周は、ギヤ部852の円よりも一回り大きく形成されており、そのギヤ部852よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット807の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠851が形成されている。この検出切欠851は、ユニットサブ板825の表面に形成される基板取付部857に挟持支持されるセンサ基板854に設けられる投受光方式のセンサ855(回転位置検出手段)によって検出されるものである。そして、センサ855は、払出動作時において所定のインターバル時間内に検出切欠851の検出個数を検出することにより、スプロケット807が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、センサ855により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット807による球噛み状態)には、スプロケット807を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた球の個数は、前述した賞球通路810に設けられる払出球検出センサ812によって検出して計数のために使用している。なお、図55に示すように、センサ基板854の他端辺もギヤカバー866に形成される基板取付部に挟持されるようになっている。
上述したように、ギヤ領域840に設けられる複数のギヤのうち、第二ギヤ844だけがギヤカバー866側に圧入される回転軸845に回転自在に設けられているところ、ギヤ領域840を覆うギヤカバー866には、前記ユニットベース体801に突設されてユニットサブ板825の貫通穴858を貫通する取付ボス823の先端部に対応する位置に穿設される取付穴867が形成されている。そして、ギヤカバー866側に設けられる第二ギヤ844の歯とユニットサブ板825側に設けられる第一ギヤ843及び第三ギヤ847の歯とを噛み合わせながら、取付穴867と取付ボス823とを一致させた状態でギヤカバー866の後面からネジ868で螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持する状態でベースユニット体451とギヤカバー866とが一体的に固定される。また、ギヤカバー866の一側側面には、前記中継基板830に接続される配線(例えば、中継基板830と後述する払出制御基板1186とを接続する配線等)を掛け留めて纏める配線処理片869が突設されている。
以上、賞球ユニット800の構成について説明してきたが、ユニットベース体801とユニットサブ板825と中継基板830と基板カバー835とギヤカバー866とを組み付けた状態においては、図55に示すように、払い出すべき球が導かれる屈曲通路803の下方位置に払出モータ815の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体801には、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)内に配置されたスプロケット807と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納された払出モータ815と、を設け、ユニットサブ板825には、その非閉塞面側に沿って払出モータ815のモータ軸818の回転をスプロケット807の回転軸808に伝達する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)を設け、しかも、払出モータ815と屈曲通路803の振分空間805に配置される払出部材としてのスプロケット807とをユニットサブ板825の後面のギヤ領域840に設けられる複数のギヤ843,844,847,850(852)によって回転駆動するように連結した構造となっている。即ち、ユニットベース体801とユニットサブ板825との間に形成される球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)の奥行き幅内にスプロケット807と払出モータ815とを収納し、しかも、スプロケット807と払出モータ815とを連結する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)をユニットサブ板825の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット800を薄型化することができる。また、このような賞球ユニット800は、当該賞球ユニット800内の球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。即ち、従来のように、払出モータ815を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の軸支側後面壁546の後面側に取り付けたときに、賞球ユニット800のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。なお、図55において、払出モータ815の前端部分がユニットベース体801の後面よりも僅かに突出して構成されているが、この突出部分は、図25に示すように、軸支側後面壁546の下方の払出モータ用逃げ開口部572から本体枠3の前方部分に臨むようになっているため、結果的にその突出寸法から軸支側後面壁546の板厚寸法を差し引いた寸法だけ突出する程度となり、軸支側後面壁546よりも前方に向かう突出量は僅かなものとなっている。また、このような構成をとることにより、本実施形態では、賞球ユニット800が取り付けられる本体枠3の軸支側後面壁546と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
また、上記のように構成される賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に取り付けるためには、図47に示すように、鉤状係合部824と係合突片565とを対応させて位置合わせした後、賞球ユニット800の下端を係止溝573に掛け止め且つ鉤状係合部824と係合突片565とを係合させるために賞球ユニット800を軸支側後面壁546に密着させたまま下方に押下げる。このとき、賞球ユニット800の下端部と係止溝573とが係合し且つ鉤状係合部824と係合突片565とが係合しているので、取付自体は完了しているが、賞球ユニット800を上方に移動させることにより簡単に上記のそれぞれの係合状態が解除されてしまうため、これを防止するために、ロック用弾性爪564がボタン挿通係合穴821に係合するようになっている。つまり、ロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合することにより、取付状態で賞球ユニット800の上方への移動を防止している。このように、賞球ユニット800を取り付けた後に、球通路ユニット770の連結蓋部材786を前述したように回動して係止弾性爪820で係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772下流端と賞球ユニット800の屈曲通路803の上流端とを一対の通路壁790によって構成される通路を介して連通化することができる。また、賞球ユニット800を取り付けた状態では、賞球通路810の下流端と後に詳述する満タンユニット900の賞球入口927とが接続され、球抜通路811の下流端が球抜接続通路880の上流端と接続される。
一方、賞球ユニット800を取り外すときは、係止弾性爪820による係合を解除して連結蓋部材786を手前側に回動し、その後、着脱ボタン822を押圧してロック用弾性爪564を前面側に移動させてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821との係合を解除させ、その後着脱ボタン822を押圧したままの状態で賞球ユニット800を上方に引き上げて賞球ユニット800の下端部と係止溝573との係合及び鉤状係合部824と係合突片565との係合を解除して賞球ユニット800を手前側に引き出すことにより、賞球ユニット800を簡単に取り外すことができる。
<満タンユニット>
上記した賞球ユニット800の下流側に配置される満タンユニット900について、主として図56乃至図62を参照して説明する。図56は、賞球ユニット800と満タンユニット900との関係を示す斜視図であり、図57は、満タンユニット900の斜視図であり、図58は、満タンユニット900の正面から見た分解斜視図であり、図59は、満タンユニット900の背面から見た分解斜視図であり、図60は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す一部破断斜視図であり、図61は、満タンユニット900に設けられる底面揺動板907部分で切断した横断面図であり、図62は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す断面図である。
満タンユニット900は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部531に載置固定されるものであり、図58に示すように、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体901と、該ボックス主体901の上面を覆う蓋体926とから構成されている。ボックス主体901は、賞球通路810の下流端から流入した球が内部をジグザグ状に誘導されて出口921から排出されるようになっている。このため、その上流部に蓋体926に形成される賞球入口927から流入した球を一端から他端に向かって側方に誘導する側方誘導通路902が形成されている。側方誘導通路902の賞球入口927の直下の一端部には、球を側方に向かって誘導するように凹円弧状に形成される側方誘導受部903が設けられ、側方誘導通路902の他端内面に側方誘導通路902を流れてきた球の衝撃を受け止めて該球を下流側に誘導する緩衝部材904が設けられている。
また、側方誘導通路902の他端内面に設けられる緩衝部材904に衝突した球は、向きを下流側に変えた後、側方誘導通路902の球の流れと逆方向に流れるように誘導される逆側方誘導通路905が形成されている。逆側方誘導通路905を流れた球は、その後、前方に向かって形成される前方誘導通路920に導かれて該前方誘導通路920の流下端に形成される出口921から前述した皿ユニット300の賞球連絡樋451に導かれる。
ところで、前記逆側方誘導通路905の上流側の底面には、その底面の全域に亘って開口する底面開口906が形成され、その底面開口906を底面揺動板907が揺動自在に閉塞している。底面開口906は、上面が開放されたほぼ正方形の凹状に形成され、その内部の正面から見て前後方向の側壁に一対の軸支突起911が突設されている。また、底面開口906の凹状の底面にバネ913の下端を位置決めするための円形状のバネ載置凹部912が形成されている。一方、底面開口906を閉塞する底面揺動板907は、ほぼ正方形状に形成され、その裏面下流側に正面から見て前記軸支突起911に嵌合することにより軸支される半円形状の軸受部908が突設形成されている。また、底面揺動板907の裏面中央には、図61に示すように、バネ913の上端が係止されるバネ係止突起910が下方に向かって突設されている。したがって、底面揺動板907は、バネ913の付勢力によりその上流側が常に上方へ揺動された方向に付勢されている。そして、バネ913は、通常の賞球の払出個数(例えば、15個)が一度に底面揺動板907上に載置したときでも底面揺動板907が下方に揺動せず、賞球の払出個数以上の所定個数の球が底面揺動板907上に載置したときに下方に揺動するようなバネ係数を有するバネ部材によって形成されている。更に、底面揺動板907の上流側に検出突片909が前方に向かって突出されている。この検出突片909は、底面揺動板907の軸受部908を軸支突起911に嵌合軸支したときに、連通孔929を貫通して次に説明するスイッチ収納空間914に位置するようになっている。
また、逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側には、満タンスイッチ916を収納するためのスイッチ収納空間914が一体的に形成されている。スイッチ収納空間914に満タンスイッチ916を取り付けるために、スイッチ収納空間914の上部であって逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側面にスイッチ取付部918が形成され、そのスイッチ取付部918に満タンスイッチ916を保持するスイッチホルダ915の取付片917がネジ919によって止着されている。満タンスイッチ916は、投光器と受光器とからなるスイッチとして構成され、その受光器と投光器との間を検出突片909が上下に揺動することによりON・OFFを検出するものである。
更に、逆側方誘導通路905の下流側の一側方にファール球通路922が形成されている。ファール球通路922は、その上流側のファール球入口923が図60に示すように、前述したファール口610に連通し、その下流側が前方誘導通路920の上流側に連通するように屈曲して形成されている。このため、ファール口610に取り入れられたファール球は、ファール球入口923から屈曲したファール球通路922を通って前方誘導通路920に導かれ、さらに出口921及び賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に戻される。
また、ボックス主体901には、前記出口921の両側方と前記ファール球入口923の一側方に前記満タンユニット載置部531に形成されるユニット係合溝532に係合される係合片924が突設されると共に、蓋体926に形成される掛止片928と係合する掛止突起925が形成されている。この掛止突起925は、ボックス主体901の左右後方の側壁上部に適宜形成されている。
一方、蓋体926は、ボックス主体901の側方誘導通路902、逆側方誘導通路905、前方誘導通路920、及びファール球通路922の上面を覆うような板形状に形成され、前記側方誘導通路902に上流端に対応する位置に正方形状の賞球入口927が開口されている。また、蓋体926の周囲には、ボックス主体901の前記掛止突起925と係合するための掛止片928が下方に向かって突設されている。
上記のように構成される満タンユニット900においては、図56に示すように、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球が賞球入口927から側方誘導通路902の上流側に入って側方誘導受部903によって側方に向かって誘導されて緩衝部材904に衝突する。緩衝部材904に衝突した球は、そのまま下流側に向かって逆側方誘導通路905を前記側方誘導通路902の誘導方向と逆方向に誘導されて前方誘導通路920に導かれ、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に導かれる。また、ファール球入口923から入ったファール球も屈曲したファール球通路922によって球の勢いを弱められて前方誘導通路920に合流し、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に導かれる。
そして、通常時、満タンユニット900内を球が自然に流れているときには、側方誘導通路902から逆側方誘導通路905に球が移動する際に、底面揺動板907に落下するが、通常の賞球の払出個数程度では、バネ913の弾発力が強いので、底面揺動板907が揺動することがなく、図61の実線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、皿ユニット300に賞球が貯留されて満タンユニット900内にも球が充満してきたときには、前方誘導通路920及び逆側方誘導通路905の上流側の全域に形成される底面揺動板907上に貯留された球の圧力により底面揺動板907がバネ913の付勢力に抗して下方に揺動し、図61の二点鎖線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ916がONすると、賞球ユニット800の払出モータ815の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、満タンユニット900においては、球が流下する通路(図示の場合には、逆側方誘導通路905)の通路底面の幅とほぼ同じ幅の底面揺動板907によって満タンスイッチ916を作動させるようにすると共に、通常時の球の流れによって揺動せずある程度の球が載置したときに底面揺動板907揺動するように付勢部材(バネ913)で付勢したので、従来のように一部の通路の底面等に球が載置したことにより球詰まりを検出するものに比べて、その一部の通路部分における球の載置が球詰まりによって検出されない事態を確実に防止することができる。このことは、球の満タンを確実に検出することができるものである。
上記したように、本実施形態に係る満タンユニット900においては、本体枠3の満タンユニット載置部531に着脱自在に取り付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット900の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球の勢いを弱めながら皿ユニット300に誘導することができるので、払い出された賞球が皿ユニット300から外に飛び出すこともない。更に、本実施形態に係る満タンユニット900は、ファール球を導くファール球通路922が賞球を払い出す前方誘導通路920の途中に球の勢いを弱めて合流するようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
<錠装置>
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取り付けられる錠装置1000について主として図63乃至図71を参照して説明する。図63は、錠装置1000と本体枠3との関係を示す背面斜視図であり、図64は、錠装置1000の本体枠3への掛け止め構造を示す拡大側方断面図であり、図65は、パチンコ機1の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図であり、図66は、錠装置1000と本体枠3の側壁540,541との詳細な関係を示す拡大断面図であり、図67は、錠装置1000の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)であり、図68は、錠装置1000の背面側から見た斜視図(A)、錠装置1000のコ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の斜視図(B),(C)であり、図69は、錠装置1000の分解斜視図であり、図70は、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の作用を説明するための正面図であり、図71は、不正防止部材1023,1032の作用を説明するための正面図である。
錠装置1000は、本体枠3の開放側の第一側面壁540に沿って本体枠3のほぼ上端から下端にかけて取り付けられるものであり、図63に示すように、本体枠3の外周側辺と第一側面壁540の立ち上がり部との間の上下端近い部分及び中程に形成される複数(図示の場合、3個)の錠係止穴548と、第一側面壁540の垂直面の上部と中程に切り欠けられて形成される錠取付穴547とシリンダー錠貫通穴526の上部近傍に形成される錠取付穴547と、によって次に説明する錠装置1000のコ字状基体1001が支持固定されるものである。そこで、以下、錠装置1000の構造について詳細に説明する。
図67乃至図69に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、該コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、前記コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、該本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取り付けられる不正防止部材1023,1032と、からなる。
コ字状基体1001は、金属を断面コ字状となるように折り曲げ、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設けるものであるが、その横幅寸法は従来の断面L字状に成形された基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これは、前述したように遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしたため、側面壁540と本体枠3の外周辺との間の寸法が極めて小さくなっていることにより、本実施形態に係る錠装置1000の横幅寸法を小さく形成して錠装置1000を本体枠3の裏側に取り付けることができるような取付構造として改良したためである。そして、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取り付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態の不正防止構造となっている。
まず、コ字状基体1001の開放側と反対の閉塞側上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通される長方形状のフック貫通開口1002が開設されると共に、閉塞側であって第一側面壁540と密着する側面1001b(図69参照)上部と中程に水平方向にビス止め部1003が突設され、更に、開放側の第一側面壁540と密着しない側面1001a(図69参照)の上端部及び中間部と、開放側の両側面1001a,1001bの下端部に係止突起1004が突設形成されている。ビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ(図64参照)、その状態でビス止め部1003と錠取付穴547とが一致するため、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができる。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003と前記シリンダー錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させて図示しないビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取り付けられるようになっている。
また、その取り付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中の2箇所に形成されたビス止め部1003及びコ字状基体1001の開放側(前方部)に形成されたビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定し且つ錠装置1000の下方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。換言するならば、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前方部と後方部との係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
また、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に挿通穴1005が形成され、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることにより、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取り付けることができる。即ち、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されるリベット用長穴1042と本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052にそれぞれ1つずつ形成されるリベット用長穴1055,1061にリベット1006を貫通させることにより、扉枠用摺動杆1040が上方に移動できるようにし、本体枠用摺動杆1050が下方に移動できるようになっている。したがって、図68(B)に示すように本体枠用摺動杆1050のリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、図68(C)に示すように扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通している。
更に、コ字状基体1001の下方部には、その閉塞側面に不正防止切欠部1007が形成されると共に、その開放側の本体枠3の第一側面壁540と密着する側面1001bの前端部にシリンダー錠1010を取り付けるための錠取付片1008が側方に向かって突設され、更に、第一側面壁540と密着する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022がそれぞれ形成されている。不正防止切欠部1007は、後に説明する第一不正防止部材1023のストッパー片部1027が進退するようになっている。この点については、後に詳述する。また、錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けた状態で、遊技盤設置凹部510の下端辺よりも下方の位置となるようにコ字状基体1001の側面1001bの前端部から側方に向かって突設されるが、この錠取付片1008には、シリンダー錠1010が貫通する錠挿通穴1009が形成されると共にシリンダー錠1010の錠取付基板1011に形成される取付穴1013をビス1012で取り付けるための取付穴1014が上下2箇所に穿設され、更に、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取り付けるためのビス止め部1003が穿設されている。また、挿入縦開口1020は、シリンダー錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダー錠1010の回動時に侵入するための開口であり、バネ係止片1021は、不正防止部材1023,1032に設けられるバネ1035が係止されるものであり、逃げ横穴1022は、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を構成するものである。この点については後に詳述する。
上記した錠取付片1008に取り付けられるシリンダー錠1010について説明すると、シリンダー錠1010は、錠取付基板1011の前方に円筒状のシリンダー錠本体が固定され、そのシリンダー錠本体の錠軸1015が錠取付基板1011より後面に出ており、その錠軸1015の後端に係合カム1016がビス1019によって固定されている。係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、その一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017となっており、その他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018となっている。そして、上記のように構成されるシリンダー錠1010は、円筒状のシリンダー錠本体部分を錠挿通穴1009に挿通して錠取付基板1011の上下2箇所に形成される取付穴1013と錠取付片1008の取付穴1014とを一致させてビス1012で螺着することにより、シリンダー錠1010をコ字状基体1001に固定することができる。
次に、コ字状基体1001に取り付けられる不正防止部材1023,1032,について図69を参照して説明する。不正防止部材1023,1032は、シリンダー錠1010を正式な鍵で回動せずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。しかして、不正防止部材1023,1032は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、上端の揺動軸穴1025を中心にして揺動自在に構成される縦長の板状に形成され、その揺動軸穴1025を前述したコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取り付けるための挿通穴1005及びリベット1006のうち、最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取り付けられる。
また、第一不正防止部材1023には、その板状面に前記挿入縦開口1020と重複する縦長な突片挿入穴1026が開設され、この突片挿入穴1026に第二係合突片1018が挿入し得るようになっている。つまり、突片挿入穴1026と挿入縦開口1020を第二係合突片1018が貫通することにより、コ字状基体1001の内部に設けられる扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026の開設位置の斜め上方の外形線が傾斜部1024となっている。この傾斜部1024は、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接するもので、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と傾斜部1024とが当接することにより第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図71(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023には、前記突片挿入穴1026の斜め下方の外形線上にストッパー片部1027が突設され、そのストッパー片部1027の下方に規制突片1031が突設され、該規制突片1031の前方部にピン穴1029と連結穴1030とが上下に形成されている。ストッパー片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に前記不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合して本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにするものである。また、規制突片1031は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とはバネ1035によって連結されるが、そのバネ1035で連結されたときに第二不正防止部材1032の付勢方向への移動を規制するものである。ピン穴1029は、ガイドピン1028が固定されるものであり、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側からピン穴1029に固定された状態で、そのガイドピン1028を前記挿入縦開口1020の最下端部に形成される横長状開口部に係合させることにより、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内するものである。更に、連結穴1030は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結するためのものである。
上記した第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033が形成され、その上部他端にバネ係止穴1036が穿設され、下方端部に当接部1037が設けられている。連結穴1033は、第一不正防止部材1023の連結穴1030と一致させて連結ピン1034で連結するためのものであり、バネ係止穴1036は、一端がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されるバネ1035の他端を係止するものである。また、当接部1037は、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定される閉鎖用突起41と当接するものである。なお、上記した第一不正防止部材1023及び第二不正防止部材1032の作用については、後に詳述する。
次に、コ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050について説明する。まず、扉枠用摺動杆1040は、縦長の金属製の板状部材から構成され、その一側縦辺の上中下の3箇所に扉枠用フック部1041が前方に向かって一体的に突設されている。この扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に収納したときに、その開放側から前方に突出しているもので、錠装置1000を本体枠3の裏面に固定したときに、本体枠3に形成される扉用フック穴549(図21及び図22参照)から前方に突出し、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー227(図15参照)に係止するものである。なお、扉枠用フック部1041は、下向きの係合爪形状となっているため、扉枠用摺動杆1040を上昇させることにより扉枠用フック部1041とフックカバー227との係止状態を解除することができる。
また、扉枠用摺動杆1040の上中下の側面中央に、前記リベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042が形成され、該リベット用長穴1042のうちの最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端にガイド突起1043が突設されている。リベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が貫通されるものであり、しかも、このリベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。そして、通常状態においては、リベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通当接した状態となっている。また、ガイド突起1043は、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成される突片移動穴1056,1064に挿通されるものであり、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内するようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040の上端部にスプリングフック部1046が形成され、このスプリングフック部1046にスプリング1048の一端が係止され、そのスプリング1048の他端が本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051に形成されるスプリングフック部1057に係止される。これにより、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、それぞれ相互に付勢されている。扉枠用摺動杆1040の中程には、当接弾性片1047が凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレスで打ち出して凸状に形成したものであり、コ字状基体1001の内側面に当接して内部で扉枠用摺動杆1040がガタつかないようにするものである。更に、扉枠用摺動杆1040の下方部分の側面には、共に縦長な遊び穴1044と上昇係合穴1045とが形成されている。遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動しえる空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040の縦辺下部後方には、前記不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きな切欠である逃げ切欠部1049が形成されている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパー片部1027を確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合させるために邪魔しないように形成されるものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、から構成されている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されているわけではなく、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。このため、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができる。
ところで、上フック部材1051には、その上端部に後方に向かってフック部1054が突設され、その板面部にリベット用長穴1055と突片移動穴1056とが形成され、また、その前方の縦辺下端部にスプリングフック部1057と連結穴1058とが形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1059が形成されている。フック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に設けられる閉鎖用突起38に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、上フック部材1051が下方に向かって移動することができるようになっている。突片移動穴1056は、前述したように扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。スプリングフック部1057は、前述したようにスプリング1048の他端が係止されるものである。また、連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるものである。更に、当接部1059は、コ字状基体1001に収納されたときに、該コ字状基体1001の内部側壁に当接して上フック部材1051の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
一方、下フック部材1052には、その下端部に後方に向かってフック部1065が突設され、その板面部の上方から下方にかけてリベット用長穴1061と下降係合穴1062と遊び穴1063と突片移動穴1064とが順次形成され、また、その前方の縦辺上端部に連結穴1060が、その後方の縦辺下部に係合切欠部1066がそれぞれ形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1067が形成されている。フック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に設けられる閉鎖用突起41に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1061にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動し得る空間を構成するものである。突片移動穴1064は、前述したように扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。また、連結穴1060は、連結線杆1053の下端が折り曲げられて挿入されるものである。更に当接部1067は、コ字状基体1001に収納されたときに、該コ字状基体1001の内部側壁に当接して下フック部材1052の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
以上、錠装置1000を構成する各部材について説明してきたが、この錠装置1000を組み付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とをコ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入する。その後、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。この際、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。ただし、最下端のリベット1006を差し込むときには、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取り付ける必要がある。なお、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取り付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し且つガイドピン1028をピン穴1029に図示しないビスで止着しておき、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片(穴)1021,1036に掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009にシリンダー錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダー錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、このとき係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入し、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入した状態となるようにシリンダー錠1010を錠取付片1008に取り付ける。
上記のようにして組み付けた錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けるためには、前述したように、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠3に形成される扉用フック穴549に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、図63に示すように、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
ところで、本体枠3の裏面に取り付けられた錠装置1000の作用について図70及び図71を参照して説明する。まず、図70を参照して本体枠3の開閉動作と扉枠5の開閉動作について説明する。本体枠3が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図70(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー227とが係止した状態となっている。その状態でシリンダー錠1010に図面示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図70(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。このため、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止状態が解除されるため、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図70(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖用突起38,41の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、遂には、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖用突起38,41とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻る。
一方、シリンダー錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図70(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー227と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるため、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図70(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているため、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー227の上端部と当接するので、扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、遂には、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー227とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長とほぼ同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面のほぼ全長に亘って取り付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているため、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠が確実に行われ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないという利点もある。
上記したように、本実施形態に係る錠装置1000は、シリンダー錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。この場合、シリンダー錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させる不正行為が行われることがあるが、本実施形態においては、このような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図71を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態においては、図71(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパー片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパー片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。このため、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパー片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができない。
一方、シリンダー錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図71(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパー片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。このため、ストッパー片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。このとき、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖用突起38,41との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じるときには、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図71(A)に示す状態とほぼ同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図71(A)に示す状態となる。このため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠3を閉じるときに邪魔になることはない。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係る錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダー錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤の下端辺よりも下方となる位置としたので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取り付けることができる。そして、断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取り付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができない。また、錠装置1000の取り付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003及びビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
なお、上記した実施形態においては、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダー錠貫通穴526の上部近傍に形成した錠取付穴547とを螺着する構造としたが、これに代えて、シリンダー錠1010を錠取付片1008に取り付けるビス1012を利用して、該ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダー錠貫通穴526の上下に形成する構造でも良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付穴547との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定されることを確認している。更に、上記した実施形態においては、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものとしたが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を第一側面壁540に密着しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、第一側面壁540に密着する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としてもよい。この場合でも、実施形態と同じような取付構造及び不正防止構造とすることができる。
<基板ユニット>
次に、本体枠3の裏面下部に取り付けられる基板ユニット1100について、主として図72及び図73を参照して説明する。図72は、基板ユニット1100を背面側から見た斜視図であり、図73は、基板ユニット1100を前面側から見た斜視図である。
基板ユニット1100は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダ用の取付穴部527(図22,図24参照)に取り付けられるものであり、図示すように、合成樹脂成形された枠用基板ホルダ1101に、扉中継基板、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、払出制御基板ボックス1105、主ドロワ中継基板、及び副ドロワ中継基板の各種基板を取り付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、及び払出制御基板ボックス1105は、枠用基板ホルダ1101の後面側に前後方向に重複して取り付けられ、主ドロワ中継基板及び副ドロワ中継基板は、枠用基板ホルダ1101の前面側に取り付けられるものである。なお、払出制御基板ボックス1105の裏面には、電源基板等からの電磁波の影響を防止するためにシールド板が取り付けられ、また、主ドロワ中継基板及び副ドロワ中継基板は、基板カバー1109に被覆されて取り付けられている。
まず、枠用基板ホルダ1101は、横長状に合成樹脂で成形され、図示すように、その後面側一側部に配線用開口1124が形成され、図示は省略するが、配線用開口1124の内側に扉中継基板を取り付けるための中継基板用凹部が形成されている。この枠用基板ホルダ1101の左右両辺及び下辺には、基板ユニット1100を本体枠3に取り付けるための取付片1122が外側に向かって突設され、該取付片1122を本体枠3の前記取付穴部527(図22参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット1100が本体枠3の背面下部に取り付けられる。なお、取付穴部527は、図24に示すように、取付片1122の外形形状に合致する外周壁を有して形成されている。更に、枠用基板ホルダ1101の他端側(図73の右側)側壁の外側に、配線を係止するための配線掛止片1123が突設形成されている。
また、枠用基板ホルダ1101の前面側のほぼ中央には、アウト球通路1119が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路1119は、前述したアウト口606(図31参照)、球抜排出通路524(図22参照)の下流側、及び落下口629(図29参照)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット1100を本体枠3に取り付けたときには、図25に示すように、アウト球通路1119の幅広上流部がアウト口606の下面を支持する通路支持突起513の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路1119の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ遊技機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
基板カバー1109には、主ドロワ中継基板に設けられる主ドロワ中継コネクタ1200及び払出制御基板用コネクタ1201と、副ドロワ中継基板に設けられる副ドロワ中継コネクタ1202及び扉枠用コネクタ1203とが基板カバー1109の外側に突出するための長方形状のコネクタ用開口が開設されている。
払出制御基板ボックス1105は、横長の長方形状の払出制御基板が固定されるボックス主体と、ボックス主体に取り付けられて払出制御基板の表面を覆うカバー体と、から構成されている。ボックス主体とカバー体とは、その一側辺を係合させ、その他側辺に分離切断部1183でカシメ固定している。これによってボックス主体とカバー体とを分離するためには、分離切断部1183を切断しないと分離できないようになっている。ただし、分離切断部1183におけるカシメ固定は、複数箇所(図示の場合は、1〜4の数字で示す4箇所)のうち、いずれかをカシメ部材でカシメれば良く、例えば、検査等で分離する必要がある場合には、3回まで行うことができる。もちろん、不正に分離した場合には、切断した痕跡が残ることになるので、不正行為があったか否かを直ちに知ることができるようになっている。
<カバー体>
次に、カバー体1250について、図6、図24及び図28を参照して説明する。カバー体1250は、本体枠3の後面開口580を覆うものであり、その一側の上中下の3箇所に本体枠3の背面一側に形成されるカバー体支持筒部575に上方から挿入される軸支ピン1251が形成され、その他側のほぼ中央に球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785と係合する係合片1252が形成されている。しかして、カバー体1250の軸支ピン1251をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1250を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1252をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1250を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片1252とカバー体係合溝785との係合を解除すればよい。
また、図示の場合のカバー体1250においては、開放側の係合片1252の上下に止め穴1253が形成され、また、本体枠3の施錠壁569に突設される施錠用突出鉤片570を貫通させる貫通穴1254が形成され、更に詳細に図示しないが、次に説明する第二実施形態に係るカバー体1270と同じように、接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブが形成されている。これら接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブは、第二実施形態に係るカバー体1270の接続操作用開口1283、立壁1284、当接突起1285、補強リブ1286と同じ位置に設けられて同じ機能を奏するものである。しかして、カバー体1250を閉じた状態で、カバー体1250の止め穴1253と本体枠3側の止め穴568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができる。そして、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570がカバー体1250の貫通穴1254を貫通しているので、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
<遊技盤の詳細構成>
遊技盤4の詳細な構成について、主に図74乃至図82を参照して説明する。図74は、遊技盤を可動装飾体が通常の状態で示す正面図であり、図75は、遊技盤を可動装飾体が可動した状態で示す正面図である。また、図76は、遊技盤を斜め前から見た斜視図であり、図77は、遊技盤を斜め後から見た斜視図であり、図78は、図74におけるA−A断面図であり、図79は、図74におけるB−B断面図であり、図80は、図74におけるC−C断面図であり、図81は、遊技盤を構成する主な部材ごとに分解して斜め前から見た斜視図であり、図82は、図81の分解図を斜め後から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技者が操作ハンドル部461を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側で遊技領域605を閉鎖するように配置される透明板状の遊技パネル599と、遊技パネル599の外周を覆うと共に遊技パネル599を前側から着脱可能に保持し、前構成部材601の後側に取付けられる枠状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の後側に取付けられる裏ユニット2000と、裏ユニット2000の後側に配置され所定の演出画像を表示可能な演出表示手段としての液晶表示装置640と、パネルホルダ600の後側に固定され裏ユニット200及び液晶表示装置640の下部を覆い後側に主制御基板ボックス624が固定される盤用基板ホルダ623と、前構成部材601に配置される図柄表示装置1800とを備えている。ここで、遊技パネル599が本発明の遊技板に相当する。
遊技盤4における遊技パネル599は、その略中央部分に配置される枠状のセンター役物1400と、センター役物1400の下側且つアウト口606の上側で遊技領域605の左右方向略中央に配置されるアタッカユニット1500と、センター役物1400の右側の遊技領域605内に配置され遊技球が入賞可能とされた入賞装置ユニット1850と、アタッカユニット1500の左右両側で遊技領域605の外周に略沿うように配置されるサイド入賞口部材1700とを前面側に支持している。ここで、アタッカユニット1500が本発明の開閉入賞装置に相当する。
また、遊技盤4のセンター役物1400は、左右の外周面に遊技領域605を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口1402(図88参照)と、ワープ入口1402に進入した遊技球を枠内の内側へ導くワープ通路1404と、ワープ通路1404を流通した遊技球を左右方向へ転動させた後にセンター役物1400よりも下側の遊技領域605内へ放出可能なステージ1406とを備えている。
また、遊技盤4のアタッカユニット1500は、左右方向の略中央に配置され上方側に開放されて遊技球を常時入賞(受入)可能とされた第一始動口1502と、第一始動口1502の下方に配置され第一始動口1502よりも左右方向へ大きく延びる開閉部材1508の開閉によって遊技球が入賞可能な状態と入賞不能な状態とに変化する大入賞口1510とを備えている。
更に、遊技盤4のサイド入賞口部材1700は、左右方向及び上下方向に所定距離離れた位置に配置され上方側に開放されて遊技球を常時受入可能とされた二つの一般入賞口1702を夫々備えている。
また、遊技盤4の図柄表示装置1800は、図74及び図76に示すように、遊技領域605の外側でアウト口606よりも右側の前構成部材601下部に配置されており、第一始動口1502への遊技球の入賞を契機として変動表示される第一特別図柄表示器1802と、後述する第二始動口1867への遊技球の入賞を契機として変動表示される第二特別図柄表示器1804と、後述するゲート装置1851を遊技球が通過することで変動表示が開始される普通図柄表示器1806と、第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804が変動表示中に第一始動口1502へ遊技球が入賞した場合に変動表示の開始を保留した記憶数を表示する第一特別図柄記憶数表示器1808と、第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804が変動表示中に第二始動口1867へ遊技球が入賞した場合に変動表示の開始を保留した記憶数を表示する第二特別図柄記憶数表示器1810とを備えている。
図柄表示装置1800の第一特別図柄表示器1802と第二特別図柄表示器1804は、夫々7セグメントLEDにより構成されており、各セグメントの組合わせ態様によって、第一始動口1502や第二始動口1867への始動入賞による特別抽選結果(本発明における大当り抽選結果)を示唆するようになっている。また、普通図柄表示器1806は、二色の色(本例では赤色と緑色)に発光可能なLEDにより構成されており、遊技球がゲート装置1851を通過することで抽選される普通抽選結果を発光色によって示唆するようになっている。なお、ゲート装置1851を遊技球が通過して普通図柄表示器1806が当りを示唆する色(例えば、緑色)に発光すると、第二始動口1867を閉鎖する開閉扉1868(後述する)が所定時間開いて遊技球が第二始動口1867へ入賞可能となるようになっている。
また、第一特別図柄記憶数表示器1808、及び第二特別図柄記憶数表示器1810は、夫々二つのLEDによって構成されており、各LEDの点灯・点滅の組合わせによって保留された記憶数(例えば、最大四つ)を示唆するようになっている。
また、図柄表示装置1800には、第一特別図柄記憶数表示器1808や第二特別図柄記憶数表示器1810とは別に、第一始動口1502や第二始動口1867への始動入賞に基いて抽選される特別抽選結果が、アタッカユニット1500の開閉部材1508が所定パターンで開閉動作する「大当り」の時に、開閉部材1508の開閉回数(ラウンド回数)を表示するラウンド表示器1814と、特別抽選結果が「小当り」(詳細は後述する)の時に点灯する一つのLEDからなる小当り表示器1816と、を更に備えている。ラウンド表示器1814は、三つのLEDから構成されており、点灯するLEDの位置によって「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」の何れかを表示することができるようになっている。
この遊技盤4は、図示は省略するが、遊技パネル599の前面に複数の障害釘が所定配列で植設されている。また、遊技パネル599は透明板状とされており、遊技者側から遊技パネル599の後側を視認することができるようになっている。この遊技パネル599には、前後方向に貫通し内周形状が所定形状とされた開口部599e(図84及び図85等を参照)が複数形成されており、これら開口部599eに対応して、センター役物1400、アタッカユニット1500、入賞装置ユニット1850、及びサイド入賞口部材1700が夫々前側から遊技パネル599に固定されている。
また、遊技盤4における遊技パネル599の後側に配置される裏ユニット2000は、図示するように、遊技パネル599から所定距離後側へ離れた位置に液晶表示装置640を支持する裏箱2002と、裏箱2002の前端に遊技パネル599の後面と近接するように支持される円環板状の発光装飾体2004(図79参照)と、発光装飾体2004と液晶表示装置640とで形成される収容空間2010(図79参照)内に配置され裏箱2002内を移動する可動装飾体2006とが備えられている。そして、これら裏ユニット2000の発光装飾体2004及び可動装飾体2006は、遊技パネル599の透明部分や開口部599e等を通して遊技者側から視認できるようになっている。
この裏ユニット2000における可動装飾体2006は、詳細な構成は後述するが、液晶表示装置640の上部前面に配置され、左右方向に移動可能とされると共に液晶表示装置640の表示画面を打撃する回動可能な槌部2202を有したセンター可動装飾体2200と、液晶表示装置640の左右両側前面に配置され、左右方向へ移動可能とされたサイド可動装飾体2300(2300L,2300R)と、液晶表示装置640の下部前面に配置され、表示画面上に昇降可能とされたアンダー可動装飾体2400とを備えている。この一対のサイド可動装飾体2300は、左右方向へ移動することで、互いに接近した接近位置と、互いに離反した離反位置とに位置することができるようになっており、液晶表示装置640の表示画面における遊技者側から視認できる視認範囲を狭くしたり広くしたりすることができ、近接位置から離反位置へ移動することで表示画面の視認範囲を広くすることができるようになっている(図74及び図75を参照)。
[遊技盤における遊技パネルの保持構造]
遊技盤4における遊技パネル599の保持構造について、主に図83乃至図85を参照して説明する。図83は、遊技盤における前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダを組立てた状態で縦方向に切断して示す断面図であり、図84は、遊技盤を主に構成する前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダ等を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図85は、図84を斜め後から見た分解斜視図である。
本実施形態の遊技盤4は、上述したように、遊技領域605と対応する大きさの透明な合成樹脂からなる板状の遊技パネル599と、遊技パネル599を前方から着脱可能に保持する合成樹脂からなる枠状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の前側に配置され遊技領域605の外周を区画形成すると共に遊技領域605内に遊技球を案内する外レール602及び内レール603を備えた前構成部材601と、パネルホルダ600の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内に配置される板状のパネル裏板635とを主に備えている。
この前構成部材601は、図示するように、その後面側に、後方へ突出する複数の位置決めボス601a及び位置決め突起601bが備えられている。これら位置決めボス601a及び位置決め突起601bは、詳細は後述するが、後側に配置されるパネルホルダ600や盤用基板ホルダ623、及び遊技パネル599と位置決めできるようになっている。
遊技盤4における遊技パネル599は、その外形が遊技領域605よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂板により形成されている。なお、遊技パネル599の板厚は、パネルホルダ600によりも薄く、図示しない障害釘を植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。
この遊技パネル599には、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔599aと、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔599bが夫々備えられている。これら嵌合孔599a及び長孔599bは、遊技領域605よりも外側に配置されており、パネルホルダ600との位置決めを行うものである。また、遊技パネル599には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部599cが夫々備えられている。この係合段部599cは、遊技パネル599の板厚の略半分を切り欠いた形態とされると共に、嵌合孔599a及び長孔599bと同様に、遊技領域605よりも外側に配置されており、遊技パネル599をパネルホルダ600へ係合固定するためのものである。
また、遊技パネル599には、所定位置に内レール固定孔599dが複数備えられている。この内レール固定孔599dに内レール603の後側から突出する位置決め突起599bを嵌合固定させることで、内レール603を所定の位置に固定することができるようになっている。
更に、遊技パネル599には、センター役物1400、アタッカユニット1500、入賞装置ユニット1850、及びサイド入賞口部材1700等が備えられるように内形が所定形状で前後方向に貫通する開口部599eが複数形成されていると共に、それらを固定するための固定孔が適宜位置に形成されている。
遊技盤4におけるパネルホルダ600は、遊技パネル599を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、従来のパチンコ機の遊技盤における木製合板からなる部材(例えば、遊技盤ベース等)の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた熱可塑性合成樹脂からなるものである。このパネルホルダ600には、遊技パネル599を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部600aと、保持段部600aの内側において略遊技領域605と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口600bとを主に備えている。
パネルホルダ600の保持段部600aは、前面からの深さが遊技パネル599の厚さと略同じ深さとされており、保持段部600a内に保持された遊技パネル599の前面がパネルホルダ600の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部600aは、その前側内周面が、遊技パネル599の外周面に対して所定量のクリアランスCが形成される大きさとされている。このクリアランスCにより、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネル599が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている(図79参照)。なお、クリアランスC内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ600には、保持段部600aに保持される遊技パネル599に形成された嵌合孔599a及び長孔599bと対応する位置に配置され、保持段部599aの前面から前方に向かって延び、遊技パネル599の嵌合孔599a及び長孔599bに嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン599cを備えている。これらの突出ピン600cを遊技パネル599の嵌合孔599a及び長孔599bに嵌合及び挿通することで、パネルホルダ600と遊技パネル599とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ600には、遊技パネル599の係合段部599cと対応する位置に、係合段部599cと係合する係合爪600d及び係合片600eを供えている。詳述すると、図79及び図80に示すように、係合爪600dは、パネルホルダ600の上側の保持段部600aに配置されており、遊技パネル599における上側の係合段部599cと対応し、保持段部600aの前面から前方に向かって突出し係合段部599cと弾性係合するようになっている。この係合爪600dは、その先端がパネルホルダ600の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片600eは、パネルホルダ600の下側の保持段部600aに配置され、遊技パネル599における下側の係合段部599cと対応し、保持段部600aの前面との間に遊技パネル599の係合段部599cが挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ600の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪600d及び係合片600eに遊技パネル599の係合段部599cを係合させることで、遊技パネル599がパネルホルダ600に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ600には、前構成部材601に備えられた位置決めボス601aを挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔600fを備えており、このボス挿通孔600fに前構成部材601の位置決めボス601aを挿通することで、パネルホルダ600と前構成部材601とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ600には、図83及び図85に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部600gが備えられている。この取付支持部600gにより、パネルホルダ600の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部600gに取付固定される裏ユニット2000における裏箱2002のフランジ状の固定部2018(図142(A)等を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部600gに所定の部材を取付固定することで、その固定部2018がパネルホルダ600よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ600すなわち遊技盤4をパチンコ機1の遊技盤設置凹部510内に確実に設置装着できるようになっている。
また、パネルホルダ600の後面側には、下端より所定高さまでの所定範囲内で取付支持部600gが形成された位置より下側に形成され、前側に向かって窪み、パネル裏板635を収容可能な収容凹部600hと、この収容凹部600h内に前後方向に貫通するように配置されパネル裏板635に形成された係止爪635cを係止可能な係止部600iとを更に備えている。この収容凹部202hは、パネル裏板635の係止爪635cを係止部600iに係止させることでパネル裏板635を着脱可能に収容すると共に、収容されたパネル裏板635の後面が、パネルホルダ600の後面と略同一面となるように形成されている。
更に、パネルホルダ600には、図83及び図85に示すように、後面側の取付支持部600g内及び収容凹部600hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔600jが所定配列で配置されている。また、パネルホルダ600には、取付孔600jと対応するように配置される複数の位置決め孔600kが備えられている。この位置決め孔600kは、取付孔600jを用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱2002の固定部2018に形成された位置決め突起2022)が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔600kは、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔600jに対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔600jを用いるようにしても良い。
更に、パネルホルダ600には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部600lが形成されており、肉抜き部600lによりパネルホルダ600の重量が軽減されるようになっている。図84に示すように、収容凹部600hの前側、つまり、パネルホルダ600の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部600lが形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ600の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材601の接続通路部609の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ600は、図示するように、肉抜き部600lが形成されることで、取付孔600j等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ600の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ600には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部600mが形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル599を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ600の下部には、前構成部材601のアウト口606と連通する開口600nと、前構成部材601のファール口610と連通する連通孔600oとが更に備えられている。
次に、パネル裏板635は、パネルホルダ600の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内の肉抜き部600lを覆うように配置されると共に、パネルホルダ600の収容凹部600hに後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、平面状の後面に所定配列で配置され所定のビスを螺合可能な複数のビス孔635aと、ビス孔635aと対応するように配置される複数の位置決め孔635bと、パネルホルダ600の係止部600iに係止可能な係止爪635cと、前面側から貫通しないように陥没する減量用の凹陥部635dとを備えている。
なお、このパネル裏板635におけるビス孔635a及び位置決め孔635bは、パネルホルダ600における取付孔600j及び位置決め孔600kと略同じ構成とされている。また、このパネル裏板635もパネルホルダ600と同様に、凹陥部635dにより、ビス孔635a及び位置決め孔635b等が形成された部分がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネル裏板635の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。更に、パネル裏板635には、パネルホルダ600の開口600n、連通孔600o、及びボス挿通孔600fと対応した位置に前後方向に貫通する開口635eが備えられている。
このパネル裏板635は、パネルホルダ600の収容凹部600hに収容させると共に、パネル裏板635の係止爪635cをパネルホルダ600の係止部600iに係止させることで、パネルホルダ600と一体となり、その状態では、パネル裏板635の後面が、パネルホルダ600の後面と略同一面となる。このようにパネルホルダ600とパネル裏板635とを一体化することで、パネルホルダ600の後面側には、貫通口600bの外周側で略全周に亘って所定配列で取付孔600j、ビス孔635a等からなる取付孔と、位置決め孔600k及び635bが配置されることとなり、それら取付孔の存在により、所定の部材を任意の位置に取付固定できるようになっている。
上述したように、本例における遊技パネル599の保持構造によると、前方からパネルホルダ600の保持段部600a内へ遊技パネル599を嵌合挿入して、係合爪600d及び係合片600eと、係合段部599cとを係合させることで、パネルホルダ600に遊技パネル599を保持させることができると共に、遊技パネル599とパネルホルダ600の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても遊技パネル599をパネルホルダ600に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技領域605を有した遊技盤4を、遊技パネル599、パネルホルダ600、及び前構成部材601に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する遊技パネル599を交換パーツとすると共に、パネルホルダ600及び前構成部材601を共通パーツとすることができ、パネルホルダ600や前構成部材601等をリサイクル可能とすることができると共に遊技パネル599のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ600に予め複数の取付孔600jが所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ600の後面側に取付固定される裏ユニット2000や盤用基板ホルダ623等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔600jの位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ600を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[盤用基板ホルダ]
盤用基板ホルダ623の詳細な構成について、図81、図86及び図87を参考にして説明する。図86は、盤用基板ホルダに主制御基板ボックスを固定した状態で斜め後から示す斜視図である。図87は、図86を盤用基板ホルダ、ドロワホルダ、及び主制御基板ボックスに分解して斜め後から示す分解斜視図である。
この盤用基板ホルダ623は、パネルホルダ600の後側に取付固定されるものであり、図81に示すように、前方及び上方が開放された箱状とされ、その底部が左右方向の略中央で前側に向かって低くなるように傾斜しており、遊技パネル599の後側に排出された遊技球を受け取った上で、左右方向の略中央から下方へ排出することができるようになっている。この盤用基板ホルダ623の後面には、後側から所定のビスで固定される金属板からなり主制御基板ボックス624に備えられた封止部624aと対応する被封止部1302が形成されたカシメベース部材1300と、中継端子板625及びドロワコネクタ626,627を支持するドロワホルダ1350とが固定されている。
本例の主制御基板ボックス624は、盤用基板ホルダ623の後面との間にカシメベース部材1300を挟み込むようにして盤用基板ホルダ623に支持されると共に、主制御基板ボックス624の封止部624aがカシメベース部材1300の被封止部1302へ封止されるようになっている。そして、この状態で主制御基板ボックス624を盤用基板ホルダ623から取り外す場合、カシメベース部材1300の被封止部1302に開封痕が残るようになっており、主制御基板ボックス624が不正に取り外されたか否かが目視で判るようになっている。
また、主制御基板ボックス624を盤用基板ホルダ623に固定した状態では、カシメベース部材1300を盤用基板ホルダ623へ固定しているビスの頭が、カシメベース部材1300と主制御基板ボックス624との間に配置されるようになっており、カシメベース部材1300ごと主制御基板ボックス624が取り外されるのを防止することができるようになっている。また、カシメベース部材1300が金属板により形成されているので、被封止部1302によって主制御基板ボックス624の封止部624aを強固に封止することができ、不正行為が行われ難い構造となっている。
[センター役物]
センター役物1400の詳細な構成について、図88乃至図90を参考にして説明する。図88(A)はセンター役物の左側面図であり、(B)はセンター役物の正面図であり、(C)はセンター役物の右側面図である。図89は、センター役物を斜め前から見た斜視図である。図90は、センター役物を斜め後から見た斜視図である。
このセンター役物1400は、透明な遊技パネル599の略中央に形成された最も大きな開口部599eの内周縁に略沿った環状で遊技パネル599の前面と当接する前面環状部1400aと、前面環状部1400aの内周端から遊技パネル599の開口部599e内へと延出し内側下部の上面に遊技球が左右方向へ転動可能なステージ1406を有した挿入環状部1400bとを主に備えており、この環状の環内を通して後側に配置される可動装飾体2006や液晶表示装置640等が視認できるようになっている(図74等を参照)。
このセンター役物1400の前面環状部1400aは、図示するように、ステージ1406の前面側を除く左右辺及び上辺が、遊技パネル599の前面から所定量(例えば、15mm〜25mmの範囲内)前方へ突出した堰状に形成され、前面環状部1400aを越えて遊技球がセンター役物1400の外周側から内周側へ移動しないようになっている。この前面環状部1400aには、左右両側の外周面に開口し遊技領域605を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口1402と、ワープ入口1402へ進入した遊技球をセンター役物1400の内周側に形成されたステージ1406へ誘導するワープ通路1404とが備えられている。なお、図90中の符号1405は、ワープ通路1404へ進入した遊技球が出てくるワープ出口である。
また、前面環状部1400aには、その外周で上面側に、遊技領域605内を上方から流下してきた遊技球を左右方向外方へ導く誘導棚1408が備えられている。この誘導棚1408は、センター役物1400の左右方向中央から遠ざかるのに従って低くなるような傾斜面とされており、センター役物1400の上方から流下してきた遊技球をセンター役物1400の左右側面側へ誘導できるようになっている。
一方、センター役物1400の挿入環状部1400bは、ステージ1406が形成された部分を除いて、前後方向の長さ(奥行)が遊技パネル599の厚さと略同じ長さとされている(図78乃至図80を参照)。これにより、遊技パネル599の後側に配置される裏ユニット2000の発光装飾体2004や可動装飾体2006等とセンター役物1400が干渉しないようになっている。
この挿入環状部1400bには、ワープ通路1404のワープ出口1405とステージ1406との間に配置され、ワープ通路1404から供給された遊技球を九十九折状に誘導してステージ1406へ導く九十九折誘導路1410を更に備えている。この九十九折誘導路1410は、ステージ1406のある左右方向の中央へ向かって下がる複数段(例えば、五段)の階段状に形成されていると共に、各段の前後方向に対する傾斜が交互に異なるように形成されており、ワープ通路1404から供給された遊技球が前後方向へ交互に転動しながら順次下段へと送られるようになっている。この九十九折誘導路1410によって、ワープ通路1404から供給された遊技球の速度を減速させてステージ1406へ供給することができると共に、九十九折誘導路1410を含めたステージ1406の奥行が狭くても、ワープ通路1404に進入した遊技球が短時間でステージ1406から遊技領域605内へ排出されるのを防止して、遊技球の転動演出を楽しませることができるようになっている。
このセンター役物1400のステージ1406は、全体的に左右方向中央が下がった湾曲面状に形成されており、前後方向の後側に配置され九十九折誘導路1410から供給される遊技球を受ける第一ステージ1406aと、第一ステージ1406aの前側に配置され左右方向の中央部が滑らかに盛り上がった形態とされた第二ステージ1406bとを備えている。また、第一ステージ1406a及び第二ステージ1406bには、前側が低くなると共に前側へ向かうに従って左右に広がる湾曲状の凹溝1412が形成されており、第一ステージ1406aには左右両端と中央の三個所に、第二ステージ1406bには中央を挟んだ二個所に夫々配置されている。更に、第二ステージ1406bには、その中央に遊技球が進入可能とされた進入口1414が開口している。
ステージ1406の前側に位置する前面環状部1400aは、第二ステージ1406bの凹溝1412が形成された部分を除いて、その前端を遮るように上方に延出した形態されていると共に、左右方向の中央に第二ステージ1406bの進入口1414と連通する放出口1416が形成されている。これにより、ステージ1406上を転動する遊技球は、第二ステージ1406bの凹溝1412又は前面環状部1400aの放出口1416の何れかからセンター役物1400よりも下側の遊技領域605内へ放出されるようになっている。なお、センター役物1400の放出口1416は、アタッカユニット1500における第一始動口1502の真上に配置されており(図74等を参照)、遊技球が、放出口1416から放出されると、高い確率で第一始動口1502に入賞できるようになっている。
また、センター役物1400には、九十九折誘導路1410を含むステージ1406の後側に、上方へ向かって延出する透明板状の保護壁部1418が備えられている。この保護壁部1418によって、ステージ1406や九十九折誘導路1410から遊技球がセンター役物1400の後側へ移動するのを防止することができるようになっている。換言すると、遊技球が、センター役物1400の後側に配置された裏ユニット2000の裏箱2002内(収容空間2010)へ侵入するのを防止することができるようになっている。
本例のセンター役物1400は、ステージ1406、九十九折誘導路1410、及び保護壁部1418を除いた表面側に、金属光沢を有したメッキ層が備えられており、このメッキ層によって、遊技パネル599における開口部599eの端面が、遊技者側から視認できないようにして、見栄えが悪くなるのを防止することができるようになっている。また、前面環状部1400aの前面には、ワニ皮状の装飾が施されており、本パチンコ機1の外観上の特徴が形成されるようになっている。また、センター役物1400は、ステージ1406、九十九折誘導路1410、及び保護壁部1418が無色透明の部材により形成されており、これらを通して後側に配置される裏ユニット2000の可動装飾体2006や発光装飾体2004が視認できるようになっている。
なお、センター役物1400におけるステージ1406は、パチンコ機1が遊技ホール等の島設備に取付けられた上で、パチンコ機1の前側に遊技者が着座した状態で、遊技者の目の高さよりも下側となるような位置に配置されており、ステージ1406を遊技者が見下ろすような状態とすることでステージ1406や九十九折誘導路1410上の遊技球が見易いようになっている。
[アタッカユニット]
アタッカユニット1500の構成について、主に図91を参考に説明する。図91は、アタッカユニットを右上斜め前から見た斜視図である。このアタッカユニット1500は、遊技パネル599におけるセンター役物1400が挿入される開口部599eの下側に形成された開口部599eに前側から挿入され、遊技パネル599の後側から後方へ突出する大きさのケーシング1500aと、ケーシング1500aの前面から遊技パネル599の面に沿って延び開口部599eの前側周縁部と当接するフランジ部1500bとを備えている。このケーシング1500aには、大入賞口1510を閉鎖する開閉部材1508を開閉駆動するためのアタッカソレノイド1514(図91では図示していない)とが備えられており、アタッカソレノイド1514は、図示しないリンク機構によって開閉部材1508を開閉駆動することができるようになっている。
また、ケーシング1500aには、大入賞口1510に入賞した遊技球を検出するカウントセンサ1518(図91では図示していない)が備えられている。なお、大入賞口1510に入賞してカウントセンサ1518によって検出された遊技球は、ケーシング1500a下面の排出口(図示しない)とは異なる位置から下方へ排出されるようになっている。
アタッカユニット1500におけるフランジ部1500bの前面には、図示するように、第一始動口1502が、前方へ突出するように備えられている。また、第一始動口1502からは、フランジ部1500bと一体成形された誘導樋1522が後方へ延びだしている。また、フランジ部1500bは、左右方向へ延びた開閉部材1508の下辺を軸心として回動可能に支持しており、アタッカソレノイド1514の開駆動によって開閉部材1508の上辺が前側へ移動することで閉鎖された大入賞口1510が開状態となるようになっている。
また、このフランジ部1500bには、貫通する複数の取付孔1524が形成されており、これら取付孔1524を介して所定のビスを遊技パネル599の前面にねじ込むことで、アタッカユニット1500を遊技パネル599に取付固定することができるようになっている。
このアタッカユニット1500は、センター役物1400と同様に表面がワニ皮状の装飾が施されていると共に、金属光沢を有したメッキ層が形成されており、本パチンコ機1を特徴付けるようになっている。
[入賞装置ユニット]
続いて、入賞装置ユニット1850の構成について、図92乃至図97を参考に説明する。図92は遊技パネルに装着した状態の入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図93は入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図94は入賞装置ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図95は図94を斜め後から見た分解斜視図であり、図96(a)は開閉扉を閉じた状態を示す入賞装置ユニットの駆動機構を斜め前から見た斜視図であり、図96(b)は開閉扉を開いた状態を示す入賞装置ユニットの駆動機構を斜め前から見た斜視図であり、図97(a)は開閉扉を閉じた状態を示す入賞装置ユニットの断面図であり、図97(b)は開閉扉を開いた状態を示す入賞装置ユニットの断面図である。
図81及び図92に示すように、本実施形態の入賞装置ユニット1850は、遊技パネル599におけるセンター役物1400の右側に形成された開口部599eに前側から挿入された上で、遊技パネル599の前面に固定されている。図92及び図93に示すように、入賞装置ユニット1850は、遊技球が通過可能な通過口1859を有するゲート装置1851と、通過口1859を通過した遊技球を下方に案内するガイド通路1852と、ガイド通路1852によって案内される遊技球が入賞可能な第二始動口1867を有する始動口装置1853とを備えている。ここで、第二始動口1867が本発明の始動口に相当する。
図93乃至図95を基に詳しく説明すると、入賞装置ユニット1850は、遊技パネル599の前面の遊技領域605に配置される台板1855と、遊技パネル599を貫通し遊技パネル599の後側に突出して配置される球経路ベース1856とを備えている。台板1855は、上下方向に貫通するとともに後面側が開放された横断面略コ字形の通路形成部1855aと、通路形成部1855aの後端から左右方向に延出され遊技パネル599の前面に固定される平板状のフランジ部1855bとから構成されている。通路形成部1855aの上端には、ゲート装置1851の通過口1859が上下方向に貫通して形成されており、通過口1859を通過した遊技球が、通路形成部1855aの内部に形成されたガイド通路1852に沿って落下するようになっている。また、通路形成部1855aの下部、すなわちガイド通路1852の流出部分には、右側面から下面に向って円弧状に湾曲した排出部1861が形成されており、これにより、ガイド通路1852を通過し且つ第二始動口1867に入賞しなかった遊技球が、アタッカユニット1500(図81参照)近傍の遊技領域605に向けて排出されるようになっている。
また、通路形成部1855aの上端部分に形成された通過口1859には、遊技球を検出可能なゲートセンサ1860が備えられている。このゲートセンサ1860は、通過口1859の左右側面に形成された挿入溝部1859aに後方から嵌め込まれることで、通路形成部1855aの上端部分に支持されている。ここで、ゲートセンサ1860が本発明の通過検出手段に相当する。
一方、図94及び図96に示すように、球経路ベース1856は、その前面が、通路形成部1855aの後側開放部分(特に上部側)を閉鎖するように配置されており、前面下部には第二始動口1867が形成されている。つまり、ガイド通路1852は、通路形成部1855aと球経路ベース1856の前面とによって構成されており、第二始動口1867がガイド通路1852の後側内壁面に開口して設けられている。また、球経路ベース1856には、第二始動口1867に入賞した遊技球を後側斜め下方に向って誘導する誘導路1869が形成され、誘導路1869には第二始動口1867に遊技球が入賞したことを検出する第二始動口センサ1871が設けられている。なお、第二始動口センサ1871は、誘導路1869に形成された挿入溝部1869aに右側から嵌め込まれることで、球経路ベース1856に支持されている。また、誘導路1869は遊技球を後方へ転動させるように後方に向って下り勾配となっているため、第二始動口センサ1871は誘導路1869の傾斜角度に合わせるように傾けた状態で配置されている。これにより、第二始動口センサ1871の透孔1871aを通過する遊技球は、減速することなく円滑に転動するようになっている。また、球経路ベース1856は右側面が開放された箱状となっており、球経路蓋1857によって塞がれている。ここで、球経路ベース1856が本発明の始動口ベース部材に相当する。
球経路ベース1856には、第二始動口1867を閉鎖する開閉扉1868と、開閉扉1868を開閉させることで、第二始動口1867に遊技球が入賞可能な状態と入賞不能な状態とに切替える駆動機構1858とが設けられている。開閉扉1868は、下端部分が軸部材1868aによって回動可能に支持されており、図96(a)に示すように、略垂直に立設された状態では、第二始動口1867が閉鎖され遊技球を入賞させることができなくなり、一方、図96(b)に示すように、軸部材1868aを中心として開閉扉1868の上辺が前側へ移動した状態では、ガイド通路1852内に突出することで、ガイド通路1852によって案内される遊技球を受止め第二始動口1867に入賞させることができるようになっている。ここで、開閉扉1868が本発明の扉体及び受入部材に相当する。
また、駆動機構1858は、プランジャ1872を直線運動させる始動口ソレノイド1873と、プランジャ1872の下端に連結されプランジャ1872と一緒に上下方向に直線運動するプランジャヘッド1874と、後端側が球経路蓋1857に軸支されるとともに、プランジャヘッド1874に形成された腕部1874aの先端と開閉扉1868に形成された腕部1868bの先端とを連結し、プランジャヘッド1874の直線運動を開閉扉1868の回転運動に変化させるクランク部材1875と、から構成されている。つまり、始動口ソレノイド1873への通電によってプランジャ1872をバネ(図示しない)に抗して上方へ移動させることにより、プランジャヘッド1874及びクランク部材1875を介して、開閉扉1868を入賞不能位置(図96(a)の状態)から入賞可能位置(図96(b)の状態)へ回動させることが可能となっている。ここで、始動口ソレノイド1873が本発明のソレノイドに相当し、プランジャヘッド1874及びクランク部材1875を組合わせたものが本発明の伝達機構に相当する。
ところで、従来の遊技機では、ゲート装置及び第二始動口が夫々別々に配置されているため、ゲート装置への入球が容易となるように設定された場合でも、遊技球が始動口に近寄り難い場合、または始動口が開放されるタイミングと遊技球が始動口に到達するタイミングとが合わない場合には、始動口に遊技球を入賞させることが困難となり、遊技者に苛立ちを生じさせたり遊技意欲を低下させたりすることが懸念されていた。また、液晶表示装置640等を大型化した場合には、遊技領域605の中で多くの空間を占めることから、遊技に不可欠な要素であるゲート装置及び始動口装置の配設スペースを確保することが困難となっていた。
これに対し本例の入賞装置ユニット1850は、ゲート装置1851の通過口1859と始動口装置1853の第二始動口1867とがガイド通路1852を介して連通されているため、通過口1859を通過した遊技球を、確実に且つ略一定のタイミングで第二始動口1867に到達させることが可能である。したがって、確変遊技状態や時短遊技状態など特定の遊技状態の際に、開閉扉1868を頻繁に入賞可能位置に変化させるようにすれば(すなわち普通抽選において当りとなる確率を高くすれば)、繰り返される第二始動口1867の開放動作に合わせて多数の遊技球を順次入賞させることが可能となる。
また、ゲート装置1851、ガイド通路1852、及び始動口装置1853は、一つの入賞装置ユニット1850として一体的に構成されているため、夫々別々に配置する場合と比べ、全体的な大きさを小さくすることができ、それらを配置するためのスペースが限られた大きさであっても、比較的容易に配置することが可能である。特に、始動口装置1853の開閉扉1868は、入賞可能位置の際、ゲート装置1851の通過口1859の真下に位置するため、ゲート装置1851、ガイド通路1852、及び始動口装置1853を縦方向に並べて配置し、入賞装置ユニット1850における左右方向の幅を極力小さくすることが可能である。
ところで、上記のように開閉扉1868を通過口1859の真下に配置した場合には、通過口1859を通過した遊技球が開閉扉1868上へ落下することから、開閉扉1868に加わる衝撃が大きくなり開閉扉1868の寿命が短くなるという問題が発生する。また、遊技球の落下速度が大きくなるため、通過口1859を通過してから第二始動口1867に到達するまでの所要時間が極めて短くなり、ひいては普通抽選が行われて開閉扉1868が入賞可能位置に変化する前に、遊技球が通過してしまう虞、すなわち開閉扉1868が入賞可能位置に変化したにも拘らず第二始動口1867に入賞させることができなくなる虞も生じる。
これに対し、本例の入賞装置ユニット1850では、図97に示すように、通過口1859と開閉扉1868との間のガイド通路1852に、遊技球Kの落下速度を抑制する速度抑制部1862を備えている。これにより、入賞装置ユニット1850を大型化することなく、第二始動口1867に到達するまでの時間をある程度長くすることが可能となっている。また、速度抑制部1862によって遊技球Kの勢いが抑えられるため、開閉扉1868に加わる衝撃を小さくし、開閉扉1868の寿命を長くすることが可能である。なお、図97は、ガイド通路1852内での遊技球Kの挙動(軌跡)を示したものであり、複数の遊技球Kがガイド通路1852内に同時に進入していることを示すものではない。
速度抑制部1862についてさらに詳しく説明する。図97に示すように、速度抑制部1862は、ガイド通路1852の前側内壁面に形成され落下する遊技球Kを対向する後側内壁面側に案内する第一案内部1863と、ガイド通路1852の後側内壁面に形成され第一案内部1863によって案内された遊技球Kを前側内壁面側に案内する第二案内部1870とを備えている。つまり、第一案内部1863及び第二案内部1870によって案内することで、遊技球Kをジグザグ状に落下させることが可能になっている。したがって、遊技球Kの落下速度を効果的に抑制できるとともに、第二始動口1867に到達するまでの移動距離を長くすることができ、第二始動口1867に到達するタイミングを一層遅らせることができる。
また、第一案内部1863及びゲート装置1851は一体成形されている。このため、ゲート装置1851の通過口1859と第一案内部1863との相対位置を正確に合わせることができ、通過口1859を通過した遊技球Kを第一案内部1863によって円滑に案内することが可能である。また、第一案内部1863の構成がシンプルとなり、さらなる小型化が可能となる。
また、ガイド通路1852は、断面コ字状の通路形成部1855aと、その後側に配置された球経路ベース1856の前面とによって構成されており、また、第二案内部1870が球経路ベース1856の前面に形成されている。このため、第一案内部1863及び第二案内部1870の形状が比較的複雑な形状であっても、通路形成部1855a及び球経路ベース1856を夫々別々に成形することで、第一案内部1863及び第二案内部1870を容易に製造することが可能である。また、球経路ベース1856の前面をガイド通路1852の後側内壁面として用いるため、通路形成部1855aにおける前後方向の大きさを小さくでき、さらに小型化を図ることが可能となる。
また、第一案内部1863は、ガイド通路1852の幅が下側ほど狭くなるように円弧状に湾曲して形成されている。このため、落下する遊技球Kに対し大きな抵抗を生じさせることなく後側内壁面に向って円滑に案内することが可能となる。また、第二案内部1870は、高さ方向の中央部分が最も外側に広がるように円弧状に湾曲して形成され、その中央部分が第一案内部1863の下端部分と同じ高さとなるように配置されている。このため、第一案内部1863から第二案内部1870への遊技球Kの受け渡しが円滑となり、第一案内部1863及び第二案内部1870に衝撃を加えることなく遊技球Kをジグザグ状に落下させることができる。また、遊技球Kが滑らかに案内されるため、ガイド通路1852内における遊技球の詰まりが防止される。
また、ガイド通路1852には、第二案内部1870によって案内された遊技球Kに当接し、その遊技球Kの勢いを抑制する緩衝壁部1864が備えられている。したがって、緩衝壁部1864によって遊技球Kの勢いがさらに抑制され、開閉扉1868に加わる衝撃を確実に緩和することができる。
また、台板1855の左右両側面には、遊技者側から視認可能とする窓部1865(図93参照)が形成されている。このため、ゲート装置1851、ガイド通路1852、及び始動口装置1853が一体的に構成されているにも拘らず、ガイド通路1852内での遊技球Kの挙動を注目させることができる。特に、ガイド通路1852の後側には、ガイド通路1852の内部を後側から投光する発光基板1866が備えられているため、ガイド通路1852の内部が明るく照らされ、窓部1865を通して遊技球Kの動きや開閉扉1868の動作を明瞭に視認させることができる。また、ガイド通路1852を目立たせ遊技者の注意を惹き付けることも可能である。ここで、発光基板1866が本発明の発光手段に相当する。
また、開閉扉1868は回動可能に支持され、入賞不能位置になると、後側内壁面に開口して配置された第二始動口1867を閉鎖する構成となっているため、普通抽選の結果が外れの場合における第二始動口1867への入賞、すなわち遊技球Kがガイド通路1852の内壁面で跳ね返って第二始動口1867に入ってしまうことを阻止できる。したがって、入賞可能位置と入賞不能位置との有利性にメリハリを付け、入賞可能位置に変化することへの期待感を高めることが可能である。また、入賞可能位置では開閉扉1868を傾斜した状態(図97(b)参照)で停止させるため、受止めた遊技球Kを円滑に第二始動口1867へ入賞させることができる。
また、第二始動口1867への遊技球の入賞を検出する第二始動口センサ1871が、誘導路1869における第二始動口1867の近傍に配置されている。このため、ゲート装置1851の通過口1859を通過した遊技球Kが第二始動口1867に入賞したか否かを速やかに判定することが可能となる。したがって、遊技球Kの入賞を検出してから次の遊技球Kに対する一連の処理(通過口1859への通過検出及びそれに基く普通抽選)を許可する制御、換言すれば、第二始動口1867に遊技球Kが入賞したか否かを一定の判定時間が経過するまで判定し続け、判定中は次の遊技球Kに対する一連の処理を開始しない制御、を採用した場合でも、判定時間を極力短く設定することができる。
[入賞装置ユニットの第二実施形態]
続いて、上記した入賞装置ユニット1850とは異なる形態の入賞装置ユニット1900について、図98乃至図105を参照して説明する。図98は図92等の例とは異なる実施形態の入賞装置ユニットを用いた遊技盤の正面図であり、図99は図98の例の入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図100は図99の入賞装置ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図101は図100を斜め後から見た分解斜視図であり、図102は図99の入賞装置ユニットを横方向に切断し斜め前から見た横断面斜視図であり、図103(a)は扉体が開位置の状態を示す入賞装置ユニットの縦断面斜視図であり、図103(b)は扉体が閉位置の状態を示す入賞装置ユニットの縦断面斜視図であり、図104(a)は開位置の状態である扉体とその駆動機構とを組み合わせたものを斜め前から見た斜視図であり、図104(b)は閉位置の状態である扉体とその駆動機構とを組み合わせたものを斜め前から見た斜視図であり、図105(a)は扉体が開位置のときの遊技球の動きを示す断面図であり、図105(b)は扉体が閉位置のときの遊技球の動きを示す断面図である。
図98に示すように、本実施形態の入賞装置ユニット1900は、遊技パネル599におけるセンター役物1400の右側の遊技領域605に配置されている。入賞装置ユニット1900は、図99に示すように、遊技球が通過可能な通過口1909を有するゲート装置1901と、通過口1909を通過した遊技球を下方に案内するガイド通路1902と、ガイド通路1902によって案内される遊技球を入賞可能な第二始動口1912を有する始動口装置1903とを備えている。ここで、第二始動口1912が本発明の始動口に相当する。
図99乃至図101を基に詳しく説明すると、入賞装置ユニット1900は、遊技パネル599(図98参照)の前面の遊技領域605に配置される台板1904と、遊技パネル599を貫通し遊技パネル599の後側に突出して配置される上カバー1905及び下カバー1906とを備えている。台板1904の上端には、ゲート装置1901の通過口1909が上下方向に貫通して形成されており、通過口1909を通過した遊技球が、台板1904の上部に形成されたガイド通路1902に沿って流下するようになっている。
通過口1909には、通過口1909を通過する遊技球を検出可能なゲートセンサ1910が備えられている。このゲートセンサ1910は、通過口1909の左右側面に形成された挿入溝部1909aに後方から嵌め込まれることで、台板1904の上端部分に支持されている。ここで、ゲートセンサ1910が本発明の通過検出手段に相当する。
また、台板1904の前面における高さ方向の略中央部分から下側には、上面に第二始動口1912を有する始動口装置1903が遊技領域605に突出して設けられており、ガイド通路1902を通って案内された遊技球を第二始動口1912に入賞させることが可能となっている。なお、第二始動口1912の左側には、排出部1908が形成されており、これにより、ガイド通路1902を通過し且つ第二始動口1912に入賞しなかった遊技球が、第二始動口1912の左側から遊技領域605へ排出されるようになっている。また、図103に示すように、第二始動口1912の下側には、第二始動口1912に入賞した遊技球を左側に誘導しさらに左端から開口部1904aを通って後方に誘導する誘導部1921が形成されている。なお、誘導部1921は、図100に示すように、下カバー1906内に形成されたカバー側誘導路1906aに連通しており、カバー側誘導路1906aに嵌め込まれた第二始動口センサ1922によって、第二始動口1912に入賞した遊技球が検出されるようになっている。ここで、第二始動口センサ1922が本発明の入賞状態検出手段に相当する。
また、上カバー1905及び下カバー1906には、第二始動口1912を閉鎖する扉体1913と、扉体1913を開閉駆動することで、第二始動口1912に遊技球が入賞可能な状態と入賞不能な状態とに切替える駆動機構1907とが設けられている。具体的に、扉体1913は、第二始動口1912を閉鎖する大きさの閉鎖部1913aと、閉鎖部1913aから後方に延出された後方延出部1913bとからなり、上カバー1905の上面に形成された摺動支持部1905aによって前後方向に摺動可能に支持されている。つまり、図103(b)及び図105(b)に示すように、扉体1913が前方へ移動した状態では、第二始動口1912が閉鎖され、ガイド通路1902によって案内される遊技球Kを入賞させることができなくなり、一方、図103(a)及び図105(a)に示すように、扉体1913が後方に移動した状態では、第二始動口1912が開放され、ガイド通路1902によって案内される遊技球Kを入賞させることができるようになっている。
また、図100及び図104に示すように、駆動機構1907は、プランジャ1923を直線運動させるソレノイド1924と、正面視略L字形に形成されるとともに軸部材1925によって垂直方向を軸方向として回動可能に支持されたリンク部材1926とを備えて構成されており、リンク部材1926の一端側に設けられた突起部1926aがプランジャ1923に連結され、リンク部材1926の他端側に設けられた突起部1926bが扉体1913の孔部1913cに連結されている。つまり、ソレノイド1924への通電によってプランジャ1923をバネ(図示しない)に抗して右側へ移動させると、リンク部材1926を介して、扉体1913が閉位置(図104(b)の状態)から開位置(図104(a)の状態)へ水平に移動するように構成されている。
このように、入賞装置ユニット1900においても、ゲート装置1901、ガイド通路1902、及び始動口装置1903は、一つのユニットとして一体的に構成されているため、夫々別々に配置する場合と比べ、全体的な大きさを小さくすることが可能となり、それらを配置するためのスペースが限られた大きさであっても、比較的容易に配置することができる。
また、ゲート装置1901の通過口1909と始動口装置1903の第二始動口1912とはガイド通路1902を介して連通されているため、通過口1909を通過した遊技球を、確実に且つ略一定のタイミングで第二始動口1912に到達させることができる。したがって、確変遊技状態や時短遊技状態など特定の遊技状態の際に、扉体1913を頻繁に開位置に変化させるようにすれば、繰り返される第二始動口1912の開放動作に合わせて多数の遊技球を順次入賞させることが可能となる。
ところで、ゲート装置1901の通過口1909を通過した遊技球は、ガイド通路1902によって第二始動口1912へ案内されるが、仮に遊技球を真直ぐ落下させ第二始動口へ入賞させるように構成するものでは、第二始動口が扉体によって閉鎖されている場合、扉体の上に落下することとなり、遊技球の衝突によって扉体に大きな衝撃が加わり、扉体の寿命が短くなるという問題が発生する。また、遊技球の落下速度が大きくなることから、通過口を通過してから始動口に到達するまでの所要時間が極めて短くなり、ひいては普通抽選が行われて扉体が開位置に変化する前に、扉体に衝突してしまう虞、すなわち扉体が開位置に変化するにも拘らず始動口に入賞させることができなくなる虞も生じる。
これに対し、本例の入賞装置ユニット1900では、図102及び図103に示すように、ガイド通路1902は、遊技パネル599(図98参照)の後側を通過し、閉位置における扉体1913の後側から扉体1913の上面と略同じ高さに遊技球を送込む迂回路1911から構成されている。これにより、遊技球は扉体1913上に滑らかに送込まれ、その扉体1913上で転動することとなる。したがって、扉体1913に加わる衝撃が極めて小さくなり、扉体1913の寿命を長くすることが可能となる。また、迂回路1911は、遊技パネル599の後側を通って形成されているため、遊技パネル599の前面に形成された遊技領域605を狭めることなく、遊技球を迂回させることができる。
また、迂回路1911は、通過口1909を通過した遊技球を後側に案内する第一転動面1915と、第一転動面1915によって案内された遊技球を左方向に案内する第二転動面1916と、第二転動面1916によって案内された遊技球を前側(第二始動口1912側)に案内する第三転動面1917と、を備えて構成されている。つまり、通過口1909を通過した遊技球はまず第一転動面1915を通って後側に案内され、その後、第二転動面1916を通って左側に案内され、さらに第三転動面1917を通って前側に案内されるようになっている。これにより、第一転動面1915から第二転動面1916に移る際、及び第二転動面1916から第三転動面1917に移る際に、遊技球の転動方向が直角に変化することとなる。したがって、遊技球の勢いを抑制しながら扉体1913に送込むことが可能となり、扉体1913に加わる衝撃を一層緩和することができる。なお、第一転動面1915及び第二転動面1916間の壁面、及び第二転動面1916及び第三転動面1917間の壁面には、遊技球の転動方向を変化させる方向変更壁1919が形成されている。
また、通過口1909の真下に位置する第一転動面1915には、遊技球の流下方向を下方から後方へ変化させる円弧状の湾曲部1918が形成されている。これにより、通過口1909を通過した遊技球が、通過口1909の真下の第一転動面1915上に勢いよく衝突しても、跳返ったり通過口1909から飛出したりすることがなく、第一転動面1915に沿って後方へ円滑に案内することができる。
また、迂回路1911には窓部1920が設けられ、迂回路1911を通過する遊技球を視認させることが可能になっている。これにより、遊技球がゲート装置1901の通過口1909に通過したか否かを視覚的に認識させることができ、第二始動口1912への入賞に対して期待感を高めることが可能となる。
ところで、ゲート装置1901の通過口1909を通過した遊技球を、迂回路1911を介して第二始動口1912まで到達させるように構成すると、通過口1909を通過してから第二始動口1912に達するタイミングがばらつく可能性があり、これによれば、第二始動口1912に達するタイミングと第二始動口1912が開放されるタイミングとが合致せず、第二始動口1912が開放されたにも拘らず第二始動口1912に入賞させることができなくなる虞がある。なお、第二始動口1912の開放時間を長くすれば、たとえ第二始動口1912に達するタイミングがばらついても第二始動口1912に入賞させることが可能となるが、これによれば、複数の遊技球が連続して通過口1909を通過した際、夫々遊技球に対して一連の入賞処理(通過する遊技球の検出、それに基く普通抽選、及び抽選結果が当りの場合の第二始動口1912の開放)を繰り返し行うことができなくなる。
これに対し、本例の入賞装置ユニット1900によれば、第二始動口1912及び扉体1913が左右方向に長く形成され、扉体1913が閉位置の場合、迂回路1911を介して案内された遊技球は、扉体1913の右端の後側から送込まれ、その後、扉体1913の上面を長手方向に転動し、扉体1913の左端から排出されるようになっている。このため、第二始動口1912の開放時間(すなわち扉体1913が開位置に位置する時間)が極めて短くても、第二始動口1912に到達するタイミングのばらつきを吸収することができる。そして、第二始動口1912の開放時間を短く設定することで、連続して通過する複数の遊技球に対し一連の入賞処理を繰り返し行うことが可能となる。
また、扉体1913は水平方向にスライド可能に支持されており、第二始動口1912を閉鎖する閉位置では遊技パネル599の前側に突出し、第二始動口1912を開放する開位置では遊技パネル599の後側に後退するようになっている。つまり、左右方向に長く形成された扉体1913を短手方向である前後方向にスライドさせる構成となっている。これにより、扉体1913の移動距離を極力短くし、扉体1913の開閉動作を速やかに行うことが可能である。また、扉体1913が閉位置から開位置に移動する際に、扉体1913上で遊技球が転動していれば、その遊技球を速やかに且つ確実に落下(すなわち第二始動口1912に入賞)させることが可能である。
[入賞装置ユニットの第三実施形態]
続いて、上記した入賞装置ユニット1850及び入賞装置ユニット1900とは異なる形態の入賞装置ユニット1950について、図106乃至図112を参照して説明する。図106は図99等の例とは異なる実施形態の入賞装置ユニットを用いた遊技盤の正面図であり、図107は図106の例の入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図108は図107の入賞装置ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図109は図108を斜め後から見た分解斜視図であり、図110(a)は扉体が開位置の状態を示す入賞装置ユニットの縦断面斜視図であり、図110(b)は扉体が閉位置の状態を示す入賞装置ユニットの縦断面斜視図であり、図111(a)は開位置の扉体とその駆動機構とを組み合わせたものを左下斜め前から見た斜視図であり、図111(b)は閉位置の扉体とその駆動機構とを組み合わせたものを左下斜め前から見た斜視図であり、図112(a)は扉体が開位置のときの遊技球の動きを示す断面図であり、図112(b)は扉体が閉位置のときの遊技球の動きを示す断面図である。
本実施形態の入賞装置ユニット1950は、図106に示すように、遊技パネル599におけるセンター役物1400の右側の遊技領域605に配置されている。図107に示すように、入賞装置ユニット1950は、遊技球が通過可能な通過口1961を有するゲート装置1951と、通過口1961を通過した遊技球を下方に案内するガイド通路1952と、ガイド通路1952によって案内される遊技球を入賞可能な第二始動口1963(図109参照)を有する始動口装置1953とを備えている。ここで、第二始動口1963が本発明の始動口に相当する。
図107乃至図109を基に詳しく説明すると、入賞装置ユニット1950は、遊技パネル599(図106参照)の前面の遊技領域605に配置される前側通路形成部材1955と、前側通路形成部材1955を前面に取着するとともに、遊技パネル599の前面に前側から固定される台板1956と、台板1956の背面に取着され遊技パネル599を貫通し遊技パネル599の後側に突出して配置される上カバー1957及び下カバー1958とを備えている。前側通路形成部材1955の上端には、ゲート装置1951の通過口1961が上下方向に貫通して形成されており、通過口1961を通過した遊技球が、前側通路形成部材1955の内部に形成されたガイド通路1952に沿って流下するようになっている。
また、前側通路形成部材1955は後面側が開放された横断面略コ字形の形状となっており、台板1956の前面に取着されることで後面側が閉鎖されている。つまり、台板1956の前面は、ガイド通路1952の後側内壁面としても機能している。台板1956の上端部分に形成された通過口1961には、通過口1961を通過する遊技球を検出可能なゲートセンサ1962が備えられている。このゲートセンサ1962は、後半部分が台板1956の上部に形成されたセンサ支持部1956aに収容されるとともに、前半部分が通過口1961の左右側面に形成された挿入溝部1961aに後方から嵌め込まれている。ここで、ゲートセンサ1962が本発明の通過検出手段に相当する。
また、前側通路形成部材1955の高さ方向の略中央部分には、第二始動口1963が形成されており、ガイド通路1952を通って落下する遊技球を第二始動口1963に入賞させることが可能となっている。なお、第二始動口1963の左側には、排出通路1971が形成されており、これにより、ガイド通路1952を通過し且つ第二始動口1963に入賞しなかった遊技球は、排出通路1971を通って左側へ排出されるようになっている。なお、排出通路1971には、下流側に向って階段状に形成された転動面1972が形成されており、遊技球の逆流、すなわち排出通路1971の排出口から入球した遊技球が排出通路1971を通って第二始動口1963に入賞することが防止されている。
また、第二始動口1963の下側には、第二始動口1963に入賞した遊技球を左側に誘導しさらに左端から後方に誘導する誘導路1973が形成されている。なお、誘導路1973は、台板1956に形成された誘導部1956bに連通しており、誘導路1973及び誘導部1956bを介して誘導されるようになっている。また、誘導路1973には、第二始動口1963に入賞した遊技球を検出する第二始動口センサ1974が配設されている。第二始動口センサ1974は、前半部分が誘導路1973の内側上面及び内側下面に形成された溝状の挿入溝部1973aに後側から嵌め込まれ、且つ後半部分が台板1956の前面に凹設されたセンサ収容部1956cに収容されることで支持されている。ここで、第二始動口センサ1974が本発明の入賞状態検出手段に相当する。
また、上カバー1957及び下カバー1958には、第二始動口1963を閉鎖する扉体1964と、台板1956の開口部1956dを通して扉体1964を移動させることで、第二始動口1963に遊技球が入賞可能な状態と入賞不能な状態とに切替える駆動機構1959とが設けられている。扉体1964は、第二始動口1963を閉鎖する大きさの閉鎖部1964aと、閉鎖部1964aから後方に延出された後側延出部1964bとからなり、後側延出部1964bが、上カバー1957の底面に形成された上側摺動支持部1978、及び下カバー1958の上面に形成された下側摺動支持部1979によって挟持され、前後方向に摺動可能な状態で支持されている。つまり、図110(b)に示すように、扉体1964が前方へ移動した状態では、第二始動口1963が閉鎖され、ガイド通路1952によって案内される遊技球を入賞させることができなくなり、一方、図110(a)に示すように、扉体1964が後方に移動した状態では、第二始動口1963が開放され、ガイド通路1952によって案内される遊技球を入賞させることができるようになっている。
駆動機構1959は、図108及び図111に示すように、プランジャ1980を直線運動させる始動口ソレノイド1981と、側面視略L字形に形成されるとともに軸部1982aによって水平方向に回動可能に支持されたリンク部材1982とを備えて構成されており、リンク部材1982の一端側に設けられた突起部1982bがプランジャ1980に連結され、リンク部材1982の他端側に設けられた突起部1982cが扉体1964の孔部1964cに連結されている。つまり、始動口ソレノイド1981への通電によってプランジャ1980をバネ(図示しない)に抗して上側へ移動させると、リンク部材1982を介して、扉体1964が閉位置(図111(b)の状態)から開位置(図111(a)の状態)へ水平方向に移動するように構成されている。
このように、入賞装置ユニット1950においても、ゲート装置1951、ガイド通路1952、及び始動口装置1953は、一つのユニットとして一体的に構成されているため、夫々別々に配置する場合と比べ、全体的な大きさを小さくすることが可能となり、それらを配置するためのスペースが限られた大きさであっても、比較的容易に配置することができる。
また、ゲート装置1951の通過口1961と始動口装置1953の第二始動口1963とはガイド通路1952を介して連通されているため、通過口1961を通過した遊技球を、確実に且つ略一定のタイミングで第二始動口1963に到達させることができる。したがって、確変遊技状態や時短遊技状態など特定の遊技状態の際に、扉体1964を頻繁に開位置に変化させるようにすれば、繰り返される第二始動口1963の開放動作に合わせて多数の遊技球を順次入賞させることが可能となる。また、第二始動口1963は、ゲート装置1951の通過口1961の真下に配置されているため、遊技球の落下方向と第二始動口1963への入賞方向とが一致することとなり、扉体1964が開位置に移動した際、通過口1961を通過した遊技球を、扉体1964に接触させることなく、真直ぐ且つ確実に入賞させることができる。特に、比較的速い速度で入賞するため、その後の処理(具体的には、第二始動口1963への入賞に基く大当り抽選、または通過口1961を通過する新たな遊技球に対する普通抽選)を迅速に開始することが可能である。
ところで、上記のように第二始動口1963を通過口1961の真下に配置したものでは、第二始動口1963が扉体1964によって閉鎖されると、通過口1961を通過した遊技球は、ガイド通路1952を落下して扉体1964に衝突することとなる。そして、この際、遊技球に大きな反発力が発生するため、遊技球は上方に跳返り、円滑に排出することが困難となるという問題が生じる。そして、円滑に排出されない場合には、連続してゲート装置1951の通過口1961を通過する新たな遊技球とガイド通路1952内で衝突し、その遊技球が第二始動口1963に達するタイミングを第二始動口1963が開放するタイミングに合致させることができなくなるという不具合も生じる。
これに対し、本例の入賞装置ユニット1950では、図112(b)に示すように、ガイド通路1952に、遊技球Kの跳返りを抑制する跳返り抑制部1965が備えられている。これにより、通過口1961の下方に設けられた第二始動口1963が扉体1964によって閉鎖された状態であっても、上方への跳返りが抑制され円滑に排出することが可能である。つまり、ガイド通路1952内で遊技球K同士が衝突することを未然に防止できるようになっている。なお、図112は、ガイド通路1952内での遊技球Kの挙動(軌跡)を示したものであり、複数の遊技球Kがガイド通路1952内に同時に進入していることを示すものではない。
跳返り抑制部1965について詳細に説明する。跳返り抑制部1965は、ガイド通路1952の前側内壁面からガイド通路1952の内部に向って突出した突出部1966から構成されている。これにより、扉体1964に衝突して反発する遊技球Kは、突出部1966(特にその下面)に突き当たることで上方への動きが規制され、跳返りが抑制されるようになっている。また、比較的シンプルな構造で跳返り抑制部1965が構成されるため、安価に製造することが可能である。
ところで、突出部1966と閉位置の扉体1964との間隔は、遊技球Kの直径に近づけるほど遊技球Kの跳返りを効果的に防止することができるが、その反面、突出部1966と扉体1964との間で遊技球Kが停滞してしまう虞がある。
これに対し、本例の入賞装置ユニット1950では、突出部1966の第二始動口1963側の面(すなわち下面)が斜面1967からなり、その斜面1967と扉体1964との間隔が突出部1966の先端側ほど広くなっている。これにより、突出部1966の下面に突き当たった遊技球Kは、その後、突出部1966から離れるように、すなわち突出部1966と扉体1964との間から抜けるように転動するようになっている。したがって、突出部1966と扉体1964との間での遊技球の停滞を防止することが可能となる。
また、跳返り抑制部1965は、突出部1966の上側の前側内壁面に形成された第一案内部1968と、後側内壁面に形成された第二案内部1969とを備えている。これにより、ゲート装置1951の通過口1961を通過した遊技球Kは、まず突出部1966の上側に形成された第一案内部1968によって後側内壁面側に案内され、その後、第二案内部1969によって前側内壁面側に案内される。つまり、遊技球Kは、第一案内部1968及び第二案内部1969によって、前側内壁面に形成された突出部1966に突き当たることなく(突出部1966によって阻害されることなく)、第二始動口1963側(扉体1964側)に案内されることになる。また、第一案内部1968及び第二案内部1969を通過することで、遊技球Kの落下速度を抑制でき、扉体1964に衝突する遊技球Kの反発力を低減することも可能である。
また、第一案内部1968は、円弧状に湾曲しており、落下する遊技球Kに対し大きな抵抗を生じさせることなく第二案内部1969側に向って円滑に案内することが可能となっている。特に、第一案内部1968は、突出部1966と一体で成形されており、第一案内部1968の下端部分が突出部1966となっている。つまり、突出部1966の構成が一層シンプルなものとなっている。
また、第二案内部1969は、内側内壁面に凹設されているため、ガイド通路1952の奥行寸法に対する突出部1966の突出高さの割合が比較的大きな場合であっても、突出部1966を迂回することが可能となる。また、第二案内部1969には傾斜面1969aが形成されており、第二始動口1963に向って遊技球Kを転動させることが可能になっている。これにより、閉位置の扉体1964に対し、遊技球Kは後側内壁面側である後側斜め上方から衝突することとなり、その反発方向は前側内壁面側(すなわち突出部1966側)となっている。
また、第二案内部1969の下端と第二始動口1963(閉位置の扉体1964)との間に所定の高さの段差が設けられている。このため、突出部1966に突き当たった後の遊技球Kは、第二案内部1969側へ戻ることなく、円滑に排出される。
また、扉体1964に衝突した遊技球Kは、排出通路1971(図110参照)を介して遊技領域605に排出されるようになっているが、この排出通路1971は、ガイド通路1952の下部から左方向に延出して形成されている。このため、遊技領域605に対し比較的ゆっくりとした速さで放出し、排出後の遊技球Kの行方を注目させることが可能となる。また、排出通路1971が左右方向に長く形成されることから、入賞装置ユニット1950における縦方向の大きさを極力小さくでき、ひいては縦方向のスペースが狭い遊技領域においても容易に配設することができる。
ところで、第二始動口1963が開放すると遊技球Kは扉体1964に衝突しないが、第二始動口1963に入賞した遊技球Kを誘導路1973によって左方向に誘導することから、入賞した遊技球Kは第二始動口1963の真下に位置する誘導路1973の内底面に衝突することとなり、その結果、上方に跳返ったり、さらには入賞した遊技球Kが第二始動口1963から飛び出したりする虞がある。
これに対し、本例の入賞装置ユニット1950によれば、図110に示すように、第二始動口1963の下側に位置する誘導路1973の内底面に、円弧状の湾曲部1975が形成されており、これにより遊技球の流下方向が下方から左方向へと変化するようになっている。このため、跳返ったり第二始動口1963から飛出したりすることがなく、誘導路に沿って円滑に左右方向へ誘導することが可能である。
また、第二始動口1963への遊技球の入賞を検出する第二始動口センサ1974が、誘導路1973における第二始動口1963の近傍(すなわち直線部1976における第二始動口1963側の端部)に配置されており、ゲート装置1951の通過口1961を通過した遊技球が第二始動口1963に入賞したか否かを速やかに判定することが可能となっている。したがって、例えば、遊技球の入賞を検出してから、次の遊技球に対する一連の処理を許可する制御を採用した場合でも、判定時間を極力短く設定することができることから、早いタイミングで次の遊技球に対して一連の処理を開始することが可能である。
また、扉体1964は閉位置と開位置との間で水平方向に移動し、開位置ではガイド通路1952の後側に後退するため、第二始動口1963の開放時に、扉体1964によって遊技球の入賞が阻害されることを確実に防止できる。また、図108に示すように、扉体1964には後方に延出された平板状の後側延出部1964bが設けられており、この後側延出部1964bが上側摺動支持部1978及び下側摺動支持部1979によって挟持された状態で支持されているため、遊技球の衝突によって扉体1964に大きな衝撃が加わっても、扉体1964における上下方向の揺動を極力抑え、遊技球の排出方向を安定させることができる。
[サイド入賞口部材]
サイド入賞口部材1700の構成について、図113乃至図116を参考にして説明する。図113(A)は左側サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から見た斜視図である。図114(A)は右側サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から見た斜視図である。図115は、左側サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図116は、右側サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た分解斜視図である。
本例のサイド入賞口部材1700は、円弧状に延びる透明で板状のベース部材1704と、ベース部材1704の前側上部に固定され上側の一般入賞口1702が形成された前面上部部材1706と、ベース部材1704の前側下部に固定され下側の一般入賞口1702が形成された前面下部部材1708とを備えている。このサイド入賞口部材1700は、ベース部材1704に対して、前面上部部材1706及び前面下部部材1708が、後側からベース部材1704を貫通したビスによって組立てられている。
サイド入賞口部材1700のベース部材1704は、遊技パネル599の開口部599e内へ挿入される挿入基部1710と、挿入基部1710から前方へ突出して遊技者側に露出する露出部1712とを備えており、図示は省略するが、露出部1712には微小なレンズが複数形成されており、露出部1712を通過する光を拡散させることができるようになっている。なお、挿入基部1710の前後方向の寸法は、遊技パネル599の厚さと略同じ寸法とされており、遊技パネル599の後面から突出しないようになっている。
また、前面上部部材1706は、ベース部材1704の挿入基部1710と共に遊技パネル599の開口部599e内へ挿入される挿入部1714と、挿入部1714の前端に備えられ遊技パネル599の前面と当接可能なフランジ部1716とを備え、一般入賞口1702がフランジ部1716から前方へ延びだすように形成されている。また、前面上部部材1706は、その上部にフランジ部1716から前方へ延出し上面に遊技領域605の左右方向中央側へ向かって低くなるように傾斜した誘導棚部1718を更に備えている。この誘導棚部1718によって遊技領域605内を流下してきた遊技球を、遊技領域605の中央側へ誘導することができるようになっている。更に、この前面上部部材1706には、一般入賞口1702の後側に、遊技パネル599の後面よりも後方へ突出する長さで一般入賞口1702に入賞した遊技球を遊技パネル599の後側へ誘導する誘導樋1720が備えられている。
一方、前面下部部材1708は、遊技パネル599の前面に略沿って延びるフランジ部1722を備えており、一般入賞口1702がこのフランジ部1722から前方へ延びだすように形成されている。また、前面下部部材1708における一般入賞口1702の後側には、遊技パネル599の後面よりも後方へ突出する長さで一般入賞口1702に入賞した遊技球を遊技パネル599の後側へ誘導する誘導樋1724が備えられている。
なお、前面上部部材1706及び前面下部部材1708のフランジ部1716,1722には、サイド入賞口部材1700を遊技パネル599の前面に取り付けるための取付孔1726が形成されており、所定のビスを前方から取付孔1726を通して遊技パネル599へねじ込むことでサイド入賞口部材1700を固定することができるようになっている。また、前面上部部材1706及び前面下部部材1708のフランジ部1716,1722には、後方へ突出する突起1728が形成されており、この突起1728を遊技パネル599の所定位置に穿設された位置決め孔内に挿入させることで、サイド入賞口部材1700を所定位置に位置決めすることができるようになっている。
このサイド入賞口部材1700は、前面上部部材1706及び前面下部部材1708の表面にワニ皮状の装飾が施されていると共に、金属光沢を有したメッキ層が形成されており、センター役物1400やアタッカユニット1500等と同様に、本パチンコ機1を特徴付けるようになっている。
≪裏ユニット≫
裏ユニット2000の構成について、主に図117乃至図121を参照して説明する。図117は、裏ユニットの正面図であり、図118は、裏ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図119は、裏ユニットを斜め後から見た斜視図である。図120は、裏ユニットを、発光装飾体、可動装飾体、裏箱等に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図121は、図120を斜め後から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における裏ユニット2000は、液晶表示装置640を後側に支持すると共に後側から液晶表示装置640の表示画面によって閉鎖される開口部2012が後壁2014に形成されると共に、パネルホルダ600の後側に取付けられ、前側が開放された箱状の裏箱2002と、裏箱2002の前端部に配置固定される板状の発光装飾体2004と、発光装飾体2004と裏箱2002の後壁2014との間に形成される収容空間2010内に配置され所定方向へ移動可能とされた可動装飾体2006とを備えている。
この裏ユニット2000は、裏箱2002によって、液晶表示装置640、発光装飾体2004、及び可動装飾体2006をユニット化しており、裏箱2002をパネルホルダ600の後側に取付固定するだけで、遊技パネル599の後側に液晶表示装置640等を簡単に固定することができると共に、発光装飾体2004の環内を通して後側に配置された可動装飾体2006や液晶表示装置640等が遊技者側から視認できるようになっている。
この裏ユニット2000は、詳細は後述するが、発光装飾体2004に複数のLED2120が備えられており、遊技状態に応じて種々な発光演出ができるようになっている。また、可動装飾体2006は、液晶表示装置640の上部前面に配置されるセンター可動装飾体2200と、液晶表示装置640の左右両側前面に配置されるサイド可動装飾体2300と、液晶表示装置640の下部前面に配置されるアンダー可動装飾体2400とを備えており、各可動装飾体2006が遊技状態に応じて所定方向へ可動することで種々の可動演出ができるようになっている。更に、裏箱2002は、その後側に液晶表示装置640の他に、発光演出や可動演出などを制御する制御基板が収容された各種の基板ボックスや、各基板を接続・中継するための中継基板等が固定されている。
[発光装飾体]
裏ユニット2000における発光装飾体2004の詳細な構成について、主に図122乃至図126を参考にして説明する。図122は、発光装飾体を斜め上前から見た斜視図であり、図123は、発光装飾体を斜め上後から見た斜視図であり、図124は、発光装飾体を斜め下後から見た斜視図である。図125は、発光装飾体を各部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図126は、図125を斜め後から見た分解斜視図である。
本例の裏ユニット2000における発光装飾体2004は、円環板状の装飾部材2100と、装飾部材2100の後側に配置される透明板状の拡散レンズ部材2110と、拡散レンズ部材2110の後側に配置され表面に複数のLED2120が実装された発光装飾基板2130と、発光装飾基板2130の後側に配置され装飾部材2100、拡散レンズ部材2110、及び発光装飾基板2130を少なくとも支持する発光装飾ベース部材2140とを主に備えている。
発光装飾体2004の装飾部材2100は、図示するように、正面視で外形が遊技領域605の外周形状と略沿い内形がセンター役物1400の内形形状と略沿った円環状とされ、遊技領域605の略中央を中心として放射状に延びると共に前後方向に貫通し周方向に複数形成された開口部2101を備えている。この装飾部材2100は、複数の分割体により構成されており、上半分を形成する半円弧状の上部分割体2102と、上部分割体2102と続き装飾部材2100の下半分の外周を形成する四半円弧状の左下部分割体2103L及び右下部分割体2103Rと、左下部分割体2103Lと右下部分割体2103Rの内周側に配置される四半円弧状の左内部分割体2104L及び右内部分割体2104Rとで構成されている。
この左下部分割体2103Lと右下部分割体2103Rには、サイド入賞口部材1700から後側へ延出する誘導樋1720,1724を挿通可能な貫通孔2105が形成されている。つまり、一般入賞口1702へ入賞した遊技球は、装飾部材2100よりも後側へ誘導されるようにっている。また、左下部分割体2103Lと右下部分割体2103R、及び左内部分割体2104Lと右内部分割体2104Rの遊技領域605の左右方向に対して中央側の端部には、遊技パネル599の開口部599eを通って遊技パネル599の後側へ突出するアタッカユニット1500のケーシング1500aと当接するのを回避させる切欠き部2106が形成されている。この切欠き部2106によって、アタッカユニット1500のケーシング1500aが装飾部材2100の後側へ延出できるようになっている。
また、装飾部材2100における上部分割体2102には、その外周から遊技領域605の中央を中心として外側へ向かって放射状に延びる複数の固定部2107が備えられている。この固定部2107を介して上部分割体2102を、発光装飾ベース部材2140や裏箱2002に固定できるようになっている。
なお、装飾部材2100における左内部分割体2104L及び右内部分割体2104Rは、上部分割体2102、左下部分割体2103L、及び右下部分割体2103Rと比較して、若干後側へ後退した位置に配置されるようになっており、板状の装飾部材2100に対してできる限り立体感を付与できるようにしている。また、装飾部材2100は、その表面が岩を模したような形状に造形されていると共に、金属光沢を有したメッキ層が形成されている。
発光装飾体2004の拡散レンズ部材2110は、装飾部材2100と略対応する大きさ及び形状で板状とされ、装飾部材2100の上部分割体2102と略同じ大きさで上部分割体2102の後側に配置される上部レンズ部材2111と、左下部分割体2103Lと左内部分割体2104Lとを合わせた大きさと略同じ大きさで左下部分割体2103L及び左内部分割体2104Lの後側に配置される下部左レンズ部材2112Lと、右下部分割体2103Rと右内部分割体2104Rとを合わせた大きさと略同じ大きさで右下部分割体2103R及び右内部分割体2104Rの後側に配置される下部右レンズ部材2112Rとを備えている。
この拡散レンズ部材2110には、正面で遊技領域605の略中央を中心として放射状に延びると共に周方向に複数配置され複数の小径レンズからなるレンズ部2113を備えている。このレンズ部2113は、装飾部材2100の開口部2101と対応するように配置形成されており、組立てた状態では、拡散レンズ部材2110のレンズ部2113のみが装飾部材2100の開口部2101を通して遊技者側へ露出するようになっている。また、このレンズ部2113は、後側に配置される発光装飾基板2130のLED2120から放射される光を遊技者側へ広く拡散させるものであり、これにより、少ないLED2120(点状発光するLED2120)でも装飾部材2100の開口部2101を面状に発光させることができるようになっている。
また、拡散レンズ部材2110には、装飾部材2100と同様に、サイド入賞口部材1700から後側へ延出する誘導樋1720,1724を挿通可能な貫通孔2114が形成されている。
発光装飾体2004の発光装飾基板2130は、拡散レンズ部材2110の後側に配置されると共に、表面に複数のLED2120が実装されている。この発光装飾基板2130は、上部レンズ部材2111の左側略半分の後側に配置される上部左基板2131Lと、上部左基板と隣接し上部レンズ部材2111の右側略半分の後側に配置される上部右基板2131Rと、下部左レンズ部材2112Lの後側で左下部分割体2103Lと対応する位置に配置される左下部基板2132Lと、下部右レンズ部材2112Rの後側で右下部分割体2103Rと対応する位置に配置される右下部基板2132Rと、下部左レンズ部材2112Lの後側で左内部分割体2104Lの上半分と対応する位置に配置される左内上部基板2133Lと、下部右レンズ部材2112Rの後側で右内部分割体2104Rの上半分と対応する位置に配置される右内上部基板2133Rと、下部左レンズ部材2112Lの後側で左内部分割体2104Lの下半分と対応する位置に配置される左内下部基板2134Lと、下部右レンズ部材2112Rの後側で右内部分割体2104Rの下半分と対応する位置に配置される右内下部基板2134Rとを備えている。
この発光装飾基板2130は、前側に配置される拡散レンズ部材2110のレンズ部2113と対応する位置の表面にLED2120が実装されており、そのレンズ部2113の大きさに応じて一つのレンズ部2113に対して一つ又は複数のLED2120が備えられている。具体的には、図示するように、正面視で遊技領域605の略中央を中心として放射状に延びるレンズ部2113に対しその延びる長さが長いレンズ部2113の後側に配置されるLED2120は、レンズ部2113の延びる方向と略同じ方向に複数列設されている。つまり、複数のLED2120が放射状に列設されている。
なお、発光装飾基板2130の前面側は、白色に塗装されており、発光装飾基板2130が目立たないようにしていると共に、装飾部材2100の開口部2101がより面状に発光できるようにしている。また、発光装飾基板2130に実装されるLED2120は、様々な色に発光することができ、点灯・点滅だけでなく、発光色によっても種々の発光演出ができるようになっている。
発光装飾体2004の発光装飾ベース部材2140は、外形が矩形状で内形が円形状とされ、上辺が開放された枠状に全体が形成されており、左右方向の略中央で左ベース部材2140Lと右ベース部材2140Rとに分割されている。この発光装飾ベース部材2140には、装飾部材2100、拡散レンズ部材2110、及び発光装飾基板2130等を固定するための取付孔や取付ボスが所定位置に複数備えられている。
また、発光装飾ベース部材2140には、装飾部材2100及び拡散レンズ部材2110と同様に、サイド入賞口部材1700から後側へ延出する誘導樋1720,1724を挿通可能な貫通孔2141が形成されていると共に、遊技パネル599の開口部599eを通って遊技パネル599の後側へ突出するアタッカユニット1500のケーシング1500aと当接するのを回避させる切欠き部2142が形成されている。これら貫通孔2141及び切欠き部2142によって、サイド入賞口部材1700の誘導樋1720,1724及びアタッカユニット1500のケーシング1500aが、発光装飾ベース部材2140の後側へ延出できるようになっている。
本例の発光装飾体2004には、その他に、発光装飾ベース部材2140の後側に固定支持され、サイド入賞口部材1700の誘導樋1720,1724、及びアタッカユニット1500の誘導樋1522によって誘導された遊技球を受取って下方の所定位置へ誘導排出する球誘導部材2150を更に備えている。この球誘導部材2150は、左側に配置されるサイド入賞口部材1700と対応する左球誘導部材2150Lと、右側に配置されるサイド入賞口部材1700及びアタッカユニット1500と対応する右球誘導部材2150Rとを備えている。
この球誘導部材2150には、サイド入賞口部材1700の誘導樋1720,1724により誘導された遊技球を検出する一般入賞口センサ2151が各誘導樋1720,1724毎に対応するように備えられている。また、球誘導部材2150における右球誘導部材2150Rには、アタッカユニット1500の誘導樋1522により誘導された遊技球を検出する第一始動口センサ2152が備えられている。
また、発光装飾体2004には、拡散レンズ部材2110と発光装飾基板2130との間に配置され、複数のLED2120を隣接するレンズ部2113同士の間を遮蔽区画する枠状の発光区画部材2160を更に備えている。詳述すると、発光区画部材2160は、下部左レンズ部材2112Lの後側で装飾部材2100の左内部分割体2104Lと対応する位置に配置されると共に、左内上部基板2133L及び左内下部基板2134Lの前側に配置される左発光区画部材2160Lと、下部右レンズ部材の後側で装飾部材2100の右内部分割体2104Rと対応する位置に配置されると共に、右内上部基板2133R及び右内下部基板2134Rの後側に配置される右発光区画部材2160Rとを備えている。
この発光区画部材2160は、図示するように、拡散レンズ部材2110のレンズ部2113と略同じ形状の開口を有した枠状に形成されており、これにより、或るレンズ部2113の後側に配置されたLED2120から放射される光が、他のレンズ部2113を照射するのを防止して、各レンズ部2113(装飾部材2100の各開口部2101)が独立した発光演出をすることができるようになっている。
本例の発光装飾体2004は、上記したような装飾部材2100、拡散レンズ部材2110、発光装飾基板2130、及び発光装飾ベース部材2140等を互いに組立てることで板状に構成されていると共に、正面視において、センター役物1400の外周で透明な遊技パネル599を通して遊技者側から視認できるようになっている。そして、透明な遊技パネル599を通して視認できる立体的な発光装飾体2004によって、従来のようにセンター役物外周の遊技パネルの前面に絵や図柄等を施した平面的な装飾と比較して、より遊技者の関心を強く引き付けることができるものとなっている。
[可動装飾体におけるセンター可動装飾体]
可動装飾体2006におけるセンター可動装飾体2200の詳細な構成について、図127乃至図132を参考にして説明する。図127は、センター可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、図128は、センター可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図129は、センター可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図130は、センター可動装飾体における槌部の回動機構を分解して斜め前から見た分解斜視図である。図131(A)はセンター可動装飾体の移動機構を示す斜視図であり、(B)はセンター可動装飾体の回動機構を示す左側面図である。図132は、センター可動装飾体の槌部の動きを説明する側面図である。
本実施形態のセンター可動装飾体2200は、左右方向へ移動可能とされていると共に移動する方向と同じ方向の軸心周りに回動可能とされたハンマー形状の槌部2202を備えている。この槌部2202は、図示するように、円筒で蛇腹状の槌部本体2204の先端に略平坦面状の打撃面2206が形成された形態とされている。このセンター可動装飾体2200は、液晶表示装置640の表示画面を槌部2202の打撃面2206で打撃するかのように槌部2202を回動させることができるようになっている。
具体的には、このセンター可動装飾体2200は、左右方向へ延びるガイド部材2208と、ガイド部材2208の両端を支持すると共に裏箱2002内に固定可能とされ金属板によって形成されたセンター用ベース部材2210と、センター用ベース部材2210に固定されるモータベース部材2212と、モータベース部材2212に回転軸が上下方向を向くように固定されるセンター移動用モータ2214と、センター移動用モータ2214の回転軸に固定される移動用駆動ギヤ2216と、移動用駆動ギヤ2216と噛合すると共に移動用駆動ギヤ2216よりも大径とされモータベース部材2212に回転可能に軸支されるピニオンギヤ2218と、ピニオンギヤ2218と噛合しガイド部材2208の延びる軸方向と略同じ方向へ延びるラックギヤ2220を有しガイド部材2208によって案内される摺動体2222と、摺動体2222の略中央に固定される槌用支持部材2224と、槌用支持部材2224に回転軸がガイド部材2208の軸方向と略同じ方向を向くように固定される槌用モータ2226と、槌用モータ2226の回転軸に固定される第一ギヤ2228と、第一ギヤ2228と噛合する第二ギヤ2230と、第二ギヤ2230が基端側に固定されると共に槌用支持部材2224に回転可能に軸支され先端側がガイド部材2208の軸方向と略同じ方向へ延びる回動軸2232と、回動軸2232の先端側に基部が固定され先端に槌部2202が固定される柄部2234とを備えている。
このセンター可動装飾体2200におけるガイド部材2208は、金属製で円柱状の一対のガイドシャフト2208aによって構成されており、これらガイドシャフト2208aは、水平方向に対して略平行となるようにセンター用ベース部材2210に支持されるようになっている。また、ガイドシャフト2208aの表面に、所定のメッキ処理が施されており、摺動体2222の摺動抵抗が小さくなるようになっている。
センター用ベース部材2210は、図示するように、板金を屈曲形成したものであり、略水平方向に広がると共に左右方向に長く延びた本体部2210aと、本体部2210aの長手方向(左右方向)両端から下方へ垂下するように屈曲形成されガイド部材2208としての一対のガイドシャフト2208aを所定間隔で略平行に支持する支持部2210bと、本体部2210aの後端から下方へ垂下するように屈曲形成され裏箱2002に固定される固定部2210cと、本体部2210aの前端から上方へ立上るように屈曲形成され本体部2210aと略同じ長さの補強片2210dとを備えている。
また、センター用ベース部材2210には、所定形状で貫通する複数の貫通穴2210eが本体部2210a及び固定部2210cに形成されている。この貫通穴2210eによって、センター用ベース部材2210を軽量化することができるようになっている。なお、一部の貫通穴2210eは、他部品との干渉を回避するのに用いられている。
なお、詳細な説明は省略するが、センター用ベース部材2210の各部には、他部品を固定したりするための取付孔や位置決め孔等が適宜形成されている。また、詳細な図示は省略するが、槌部2202の内部には、LED2122を有した槌用装飾基板2626が備えられており(図147を参照)、槌用装飾基板2626のLED2122の発光によって、槌部2202を発光装飾させることができるようになっている。
モータベース部材2212は、樹脂により形成されており、センター移動用モータを垂下するように支持している。また、モータベース部材2212は、ガイド部材2208よりも後側で、回転可能に軸支しているピニオンギヤ2218が、ガイド部材2208の軸方向略中央と対応する位置に配置されるように、センター用ベース部材2210の下側に固定されている。これにより、ピニオンギヤ2218と噛合するラックギヤ2220を有した摺動体2222が、ガイド部材2208の略全長に亘って移動できるようになっている。
摺動体2222は、図示するように、ガイド部材2208の延びる方向と同じ左右方向へ長く延びた矩形状とされ、その後端にラックギヤ2220が全長に亘って形成されている。この摺動体2222は、センター用ベース部材2210の本体部2210aとガイド部材2208との間に配置され、長手方向(左右方向)の両端付近にガイドシャフト2208a上を転動するローラ2236を回転可能に支持している。また、摺動体2222には、その下面から一対のガイドシャフト2208aの間へ突出する突出部2222aを備えている。この突出部2222aにおけるローラ2236が配置された位置と対応する位置の下部に、ローラ2236に対してガイドシャフト2208aを挟んで反対側に配置される摺動体押え2238が固定されるようになっている。そして、ローラ2236、摺動体2222の突出部2222a、及び摺動体押え2238によって、摺動体2222が一対のガイドシャフト2208a上を脱落することなく滑らかに移動できるようになっている。
また、摺動体2222には、上面の左右方向の略中央から上方へ突出する筒状で内部が上下方向に貫通した筒状突部2222bを備えている。この筒状突部2222bは、センター用ベース部材2210における本体部2210aの左右方向へ長く延びた矩形状の貫通穴2210eから上方へ臨むようになっている。そして、この筒状突起2222bは、その内部に、摺動体2222の下面に固定された槌用支持部材2224に支持される槌用モータ2226等と接続する配線コードを挿通させた上で、センター用ベース部材2210の貫通穴2210eを通して配線コードを上方へ延びださせるようにすることで、配線コードがセンター用ベース部材2210の貫通穴2210eと接触するのを防止するようにしている。
更に、摺動体2222には、ラックギヤ2220よりも上側で後方へ突出する移動位置検知片2222cが備えられている。この移動位置検知片2222cは、モータベース部材2212に固定支持されるセンター移動検知センサ2240に検知可能とされており、センター移動検知センサ2240に検知されることで摺動体2222の移動位置が検知できるようになっている。
槌用支持部材2224は、一対のガイドシャフト2208aの間と対応し摺動体2222の左右方向略中央の下面に固定されている。この槌用支持部材2224は、槌部2202を回動させる回動軸2232を後側に配置される液晶表示装置640と近接する後側の位置に軸支する(図79を参照)と共に、槌用モータ2226を回動軸2232よりも液晶表示装置640から離れた前側の位置に支持するようになっている。また、この槌用支持部材2224は、回動軸2232が正面視で右側へ延びだすように軸支すると共に、右側へ延びだした回動軸2232の外周を被覆可能とされた円筒部2224aが形成されている。この円筒部2224aの両端に嵌め込まれる軸受け2242によって回動軸2232が回動可能に軸支されている。また、槌用支持部材2224には、その左側面側に開口し、槌用モータ2226等と接続するための槌用中継基板2244を収容保持可能な基板収容部2224bを備えている。
本例のセンター可動装飾体2200は、表面にレリーフ状の偶像が施され槌用支持部材2224の前面側を覆うように固定される前装飾部材2246と、槌用支持部材2224の左側面側を覆うように固定される左装飾部材2248と、槌用支持部材2224の右側面側を覆うように固定される右装飾部材2250とを更に備えている。これら、前装飾部材2246、左装飾部材2248、及び右装飾部材2250によって槌用支持部材2224の前側と下側、及び左右両側を覆った状態となるようになっており、槌用支持部材2224の意匠性を高めるようにしている。
センター可動装飾体2200における前装飾部材2246には、図示するように、レリーフ状に造形された偶像の目にあたる部分に貫通する貫通孔2246aが穿設されている。そして、前装飾部材2246の後側には透光性を有したレンズ部材2252が配置されており、レンズ部材2252には、その前面に前装飾部材2246の貫通孔2246a内に挿入されるレンズ部2252aが形成されている。また、レンズ部材2252の後側には、表面のレンズ部2252aと対応する位置にLED2122が実装された槌支持部装飾基板2254が備えられている。この槌支持部装飾基板2254のLED2122によって、前装飾部材2246の偶像の目が、点灯・点滅したりする発光装飾ができるようになっている。
また、センター可動装飾体2200における右装飾部材2250には、図示するように、槌用支持部材2224の円筒部2224aを囲うように右側へ延びる外筒部2250aが形成されている。この外筒部2250aは、その内形が、円筒部2224aの外周に対して所定の隙間が形成される大きさとされていると共に、上下方向に延びた形状とされており、図示は省略するが、円筒部2224aの他に槌用中継基板2244と槌部2202とを接続する所定の配線コードも挿通可能となっている。
このセンター可動装飾体2200における第一ギヤ2228は、図131(B)にも示すように、約90度の回転角度範囲内にのみ形成されている歯部2228aと、歯部2228aの形成されていない部分から半径方向外側へ突出する回動検知片2228bとを備えている。そして、センター可動装飾体2200には、槌用支持部材2224に固定され第一ギヤ2228の回動検知片2228bを検知可能な回動検知センサ2256が更に備えられている。この回動検知片2228b及び回動検知センサ2256によって、槌部2202の回動位置を検知することができるようになっている。
また、第二ギヤ2230は、約90度の回転角度範囲内にのみ形成されている第一ギヤ2228と噛合する歯部2230aと、複数の歯部2230aを挟んで周方向に所定距離隔てた位置に半径方向外側へ突出する一対の回動規制片2230bとを備えている。一方、槌用支持部材2224には、図131(B)中、第二ギヤ2230の軸心、つまり回動軸2232の軸心の下側に配置され右方から第二ギヤ2230の一方の回動規制片2230bと当接する第一当接部2224cと、回動軸2232の軸心の左側に配置され上方から第二ギヤ2230の他方の回動規制片2230bと当接する第二当接部2224dとを備えている。この第二ギヤ2230における一対の回動規制片2230bと、槌用支持部材2224における第一当接部2224c及び第二当接部2224dとによって、第二ギヤ2230つまり回動軸2232の回動角度が規制されるようになっている。
具体的には、第二ギヤ2230の一方の回動規制片2230bと、槌用支持部材2224の第一当接部2224cとが当接することによって、回動軸2232を介して槌部2202が、図131(B)中、時計回りの方向へこれ以上回動するのを規制することができるようになっている。これにより、槌部2202の打撃面2206が液晶表示装置640の表示画面に対して可及的に接近した打撃位置(図132(B)を参照)よりも液晶表示装置640側へ回動するのを規制した状態となり、槌部2202を打撃位置で確実に回動停止させることができるようになっている。一方、第二ギヤ2230の他方の回動規制片2230bと、槌用支持部材2224の第二当接部2224dとが当接することによって、回動軸2232を介して槌部2202が、図131(B)中、反時計回りの方向へこれ以上回動するのを規制することができるようになっている。これにより、槌部2202の打撃面2206が液晶表示装置640の表示画面からも遠ざかった振上位置(図132(A)を参照)よりも打撃位置とは反対側へ回動するのを規制した状態となり、槌部2202を振上位置で確実に回動停止させることができるようになっている。
このセンター可動装飾体2200は、槌部2202を支持する柄部2234が、図示するように、回動軸2232と直交する面上で「く」字状に屈曲して延びる形態とされており、槌部2202の打撃面2206が、回動軸2232の軸心を通る面と略一致するように槌部2202を支持できるようになっている(図132を参照)。このように、柄部2234が屈曲していることで、回動軸2232により回動する槌部2202の打撃面2206を、液晶表示装置640に可及的に接近させることができるようになっている。また、槌部2202の旋回範囲を可及的に小さくすることができ、相対的に槌部2202を大きくして遊技者の関心を強く引き付けることができるようになっている。
本例のセンター可動装飾体2200におけるセンター移動用モータ2214及び槌用モータ2226は、所定の回転角度毎に回転停止可能とされたステッピングモータとされており、きめ細かくその回転位置を制御することができ、摺動体2222の移動位置や、槌部2202の回動位置を細かく制御することができるようになっている。
また、センター可動装飾体2200には、槌用支持部材2224よりも後側に配置されると共にセンター用ベース部材2210の下側に固定され、表面に所定の装飾が形成されたセンター奥装飾部材2258を更に備えている。このセンター奥装飾部材2258は、図示するように、左右方向へ長く延びた形態とされており、箱状に形成された上装飾部2258aと、上装飾部2258aの後端から下方へ垂下する板状の下装飾部2258bとを有している。このセンター奥装飾部材2258は、上装飾部2258aの表面に銀色の金属光沢を備えたメッキ層が形成されており、また、下装飾部2258bの表面下半分が金色の及び表面上半分が銅色の金属光沢を有したメッキ層が夫々形成されていると共に、メッキ層の間に透光性を有した透過層(図示は省略)が形成されている。
また、センター奥装飾部材2258の上装飾部2258aには、上方に開口する切欠き部2258cが形成されている。この切欠き部2258cを通して上装飾部2258a内にセンター移動用モータ2214等が挿入可能とされており、センター移動用モータ2214等が上装飾部2258a内へ挿入されることで、センター移動用モータ2214を上装飾部2258aによって遊技者側から見えないように隠蔽することができるようになっている。なお、このセンター奥装飾板2258は、液晶表示装置640の上辺と略沿うような位置に配置されるようになっている(図74等を参照)。
また、センター可動装飾体2200には、センター奥装飾部材2258における下装飾部2258bの透過層を有した上半分側の後側に配置される拡散レンズ部材2260と、拡散レンズ部材2260の後側に配置され表面に複数のLED2122が実装されたセンター奥基板2262とを更に備えている。この拡散レンズ部材2260は、図示は省略するが、小径レンズを複数備えており、センター奥基板2262のLED2122からの光を広く拡散させることができるようになっており、LED2122の発光によってセンター奥装飾部材2258を発光装飾させることができるようになっている。なお、本例では、センター奥基板2262が、センター奥左基板2262aと、センター奥右基板2262bの二つに分割された構造となっている。
このセンター可動装飾体2200は、センター移動用モータ2214によって移動用駆動ギヤ2216が回転することで、移動用駆動ギヤ2216と噛合するピニオンギヤ2218が回転する。その際に、ピニオンギヤ2218が移動用駆動ギヤ2216よりも大径とされているので、移動用駆動ギヤ2216よりもピニオンギヤ2218の方が回転速度が速くなる。つまり、センター移動用モータ2214の回転速度よりもピニオンギヤ2218の回転速度の方が速くなる。そして、ピニオンギヤ2218の回転によりピニオンギヤ2218と噛合するラックギヤ2220を有した摺動体2222が、ピニオンギヤ2218の回転する方向と対応する方向へ移動することとなる。この時、ラックギヤ2220を備えた摺動体2222は、一対のガイドシャフト2208a上を転動するローラ2236によって可及的に摺動抵抗の小さい状態で案内されており、一対のガイドシャフト2208a上をスムーズに移動することができるようになっている。なお、摺動体2222は、その長手方向両端(左右方向両端)がセンター用ベース部材2210の支持部2210bと当接するようになっており、支持部2210bと当接することで、左右方向の両移動端が規制されるようになっている。
また、センター可動装飾体2200は、摺動体2222に固定された槌用支持部材2224の槌用モータ2226が回転することで、その回転軸に固定された第一ギヤ2228が回転する。そして、第一ギヤ2228と噛合する第二ギヤ2230が回転することで、第二ギヤ2230と共に回動軸2232が回転し、回動軸2232の先端側に固定された柄部2234を介して槌部2202が回動するようになっている。この槌部2202は、槌用モータ2226の回転によって、図132に示すように、その打撃面2206が略水平となることで液晶表示装置640の表示画面から遠ざかった振上位置(同図(A)を参照)と、打撃面2206が略垂直となることで液晶表示装置640の表示画面と接近した打撃位置(同図(B)参照)との間を往復回動できるようになっている。なお、槌部2202は、第二ギヤ2230の一対の回動規制片2230bと、槌用支持部材2224の第一当接部2224c及び第二当接部2224dとによって、振上位置と打撃位置との間よりも外側へ回動するのを規制されるようになっている。
[可動装飾体におけるサイド可動装飾体]
可動装飾体2006におけるサイド可動装飾体2300の詳細な構成について、図133乃至図138を参考にして説明する。図133(A)は左サイド可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)は左サイド可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図134は、左サイド可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図135は、左サイド可動装飾体のサイド移動機構を示す斜視図である。図136(A)は右サイド可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)は右サイド可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図137は、右サイド可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図138は、右サイド可動装飾体のサイド移動機構を示す斜視図である。
本実施形態のサイド可動装飾体2300は、正面視で液晶表示装置640の左側に配置される左サイド可動装飾体2300Lと、液晶表示装置640の右側に配置される右サイド可動装飾体2300Rとで構成されている。これら左サイド可動装飾体2300L及び右サイド可動装飾体2300Rは、形状の違いはあるものの略同様の部材構成となっており、以下、左サイド可動装飾体2300L及び右サイド可動装飾体2300Rをサイド可動装飾体2300として説明する。
本例のサイド可動装飾体2300は、上下方向に延びると共に表面に立体的な所定の装飾が形成されたサイド装飾部材2302と、サイド装飾部材2302を左右方向へ移動させるサイド移動機構2304と、サイド移動機構2304を支持するサイド用ベース部材2306とを主に備えている。
図134及び図137に示すように、サイド可動装飾体2300におけるサイド装飾部材2302は、レリーフ状で所定形状に造形され略全体的に透光性を有した上装飾部材2308と、上装飾部材2308の下側に配置され、透光性を備えた複数の透過部2310が発光装飾体2004における装飾部材2100の一部の開口部2101と連続するように形成された下装飾部材2312と、上装飾部材2308及び下装飾部材2312の後側に配置される拡散レンズ部材2314と、拡散レンズ部材2314の後側に配置され表面を前方へ向けると共に表面に複数のLED2124が実装されたサイド装飾基板2316とを主に備えている。
この上装飾部材2308は、左サイド可動装飾体2300Lでは青色を基調として黄色いハンマーを持った緑色のワニのキャラクタがレリーフ状に形成されており、右サイド可動装飾体2300Rでは赤色を基調として炎がレリーフ状に形成されている。また、下装飾部材2312は、透過部2310以外の表面に金属光沢を有した(銀色の)メッキ層が形成されている。
拡散レンズ部材2314は、上装飾部材2308、及び下装飾部材2312の透過部2310と対応する位置に、小径レンズが複数配置されたレンズ部2314aが備えられており、サイド装飾基板2316のLED2124からの光を広く拡散させて、上装飾部材2308や下装飾部材2312の透過部2310を面状に発光させることができるようになっている。
また、サイド装飾部材2302には、上装飾部材2308の下側に配置されると共に上方へ向けた表面に複数のLED2124が実装されたサイド上装飾基板2318と、拡散レンズ部材2314とサイド装飾基板2316との間で下装飾部材2312と対応する位置に配置され、サイド装飾基板2316における複数のLED2124を、隣接する拡散レンズ部材2314のレンズ部2314a同士の間を遮蔽区画する枠状の発光区画部材2320とを更に備えている。このサイド上装飾基板2318は、拡散レンズ部材2314の前面に前側へ突出するように形成された一対の基板支持部2314bによって、その左右両端が支持されることで所定位置に配置されるようになっている。また、発光区画部材2320は、下装飾部材2312の透過部2310と略同じ形状の開口を有した枠状に形成されており、或るレンズ部2314aの後側に配置されたLED2124から放射される光が、他のレンズ部2134aを照射するのを防止して、各レンズ部2314aが独立した発光演出をすることができるようになっている。
なお、サイド装飾部材2302は、上装飾部材2308、下装飾部材2312、サイド装飾基板2316、サイド上装飾基板2318、及び発光区画部材2320等が拡散レンズ部材2314に固定されるようになっており、拡散レンズ部材2314がサイド装飾部材2302のベースとしての役割を担っている。
サイド可動装飾体2300におけるサイド移動機構2304は、サイド用ベース部材2306の前面上部に固定されるサイド用モータベース2322と、サイド用モータベース2322によって回転軸が前後方向を向くように固定支持されるサイド用モータ2324と、サイド用モータ2324の回転軸に固定されるピニオンギヤ2326と、ピニオンギヤ2326及びサイド用モータベース2322の前側を覆うようにサイド用モータベース2322に固定され前面側に所定の装飾が施されたサイド用モータベースカバー2328と、サイド用モータベースカバー2328及びサイド用モータベース2322によって左右方向へ案内されると共にサイド装飾部材2302における拡散レンズ部材2314の上部を支持し、ピニオンギヤ2326と噛合し左右方向に延びるラックギヤ2330を有したスライド部材2332とを主に備えている。
サイド移動機構2304は、サイド用モータベース2322及びサイド用モータベースカバー2328に夫々形成され、互いにスライド部材2332を挟んで対向するように配置され、左右方向へ延び上面が平らな平坦面とされたガイド部2322a,2328aと、ガイド部2322a,2328a上へ延出しスライド部材2332のラックギヤ2330下側で左右方向両端付近に穿設された軸受孔2332aに挿通支持される二つのローラシャフト2334と、各ローラシャフト2334の両端に挿入されガイド部2322a,2328a上を転動する複数のローラ2336とを更に備えている。
このサイド移動機構2304は、ローラシャフト2334を介してスライド部材2332に軸支された複数のローラ2336が、サイド用モータベース2322及びサイド用モータベースカバー2328のガイド部2322a,2328a上を転動することで、スライド部材2332がガイド部2322a,2328aの延びる左右方向へ案内されるようになっている。なお、サイド用モータベース2322及びサイド用モータベースカバー2328のガイド部2322a,2328aは、サイド用モータ2324の回転軸に固定されたピニオンギヤ2326よりも下側に配置されていると共に、サイド用モータ2324は、その回転軸が左右方向において、ガイド部2322a,2328aの左右方向略中央と略同じ位置となるようにサイド用モータベース2322に固定されている。
サイド移動機構2304は、スライド部材2332の後面から後方へ突出するように形成された移動検知片2332b(図135及び図138を参照)と、移動検知片を検知しサイド用モータベース2322の下側に固定されるサイド移動検知センサ2338とを更に備えている。このサイド移動検知センサ2338によって、スライド部材2332の移動検知片2332bを検知することで、スライド部材2332の左右方向の移動位置を検知することができるようになっている。
本例のサイド可動装飾体2300は、サイド装飾部材2302よりも後側でサイド用ベース部材2306の前面に固定される上下方向に延びた矩形状の装飾板2340を更に供えている。詳細な図示は省略するが、この装飾板2340には、左右方向における一方の辺に左右方向外方へ突出する係止片2340aが形成されていると共に、係止片2340aが形成された辺とは反対側の辺に、後方へ突出する弾性係止片2340bが形成されている。これら係止片2340a及び弾性係止片2340bは、夫々二つずつ形成されていると共に、上下方向に所定距離離反して夫々配置されており、これら係止片2340a及び2340bによって装飾板2340をサイド用ベース部材2306に固定することができるようになっている。また、装飾板2340は、銅色の金属光沢を有すると共に、所定の模様が施されており、サイド装飾部材2302がサイド移動機構2304によって移動した際に、サイド用ベース部材2306が遊技者側から視認できないようにすることができるようになっている。
また、サイド可動装飾体2300には、サイド装飾部材2302における拡散レンズ部材2314の下端に固定される板状のガイド板2342と、ガイド板2342が前後方向に対して所定範囲内移動できる状態でガイド板2342を左右方向へ案内しサイド用ベース部材2306の下部に固定されるガイドボックス2344とを更に備えている。このガイドボックス2344には、ガイド板2342に対して前後方向に所定量の遊間を形成した状態で左右方向へ延びるガイド溝2344aが形成されており、このガイド溝2344aによって、ガイド板2342(サイド装飾部材2302の下端)が前後方向に対して所定範囲内移動することができるようになっている。
本例のサイド可動装飾体2300におけるサイド用ベース部材2306は、図示するように、板金を屈曲形成したものであり、表面を前方へ向けた状態で上下方向に長く延びた本体部2306aと、本体部2306aの下端から前方へ向かって略水平となるように屈曲形成されガイドボックス2344を支持するガイド支持部2306bとを主に備えている。このサイド用ベース部材2306の本体部2306aには、装飾板2340の係止片2340a及び弾性係止片2340bが挿入係止される矩形状の装飾板係止孔2306cが形成されていると共に、矩形状に貫通する複数の貫通穴2306dが形成されている。この貫通穴2306dによって、サイド用ベース部材2306が軽量化されている。
また、図示するように、サイド用ベース部材2306の本体部2306aは、裏ユニット2000の裏箱2002内に配置された状態で液晶表示装置640から遠ざかった側の長辺が直線状に形成されていると共に、液晶表示装置640と接近する側の長辺が非直線状に形成されている。このサイド用ベース部材2306は、本体部2306aにおける直線状に形成された長辺から前方へ向かうように屈曲形成され、本体部2306aの長さと略同じ長さとされた補強片2306eを更に備えている。この補強片2306eによってサイド用ベース部材2306の剛性が高められている。
なお、サイド用ベース部材2306の本体部2306aには、サイド用モータベース2322やガイドボックス2344等を固定するための取付孔や位置決め孔等が適宜位置に形成されている。
本例のサイド可動装飾体2300は、ステッピングモータからなるサイド用モータ2324によってピニオンギヤ2326が回転すると、ピニオンギヤ2326と噛合するラックギヤ2330を有したスライド部材2332が、ピニオンギヤ2326の回転する方向と対応する左右方向へ移動することとなる。その際、スライド部材2332は、サイド用モータベース2322及びサイド用モータベースカバー2328のガイド部2322a,2328a上を、回転可能に軸支したローラ2336が転動することで、可及的に摺動抵抗の小さい状態で案内されて左右方向へスムーズに移動することができるようになっている。そして、スライド部材2332の移動に伴って、スライド部材2332に支持されたサイド装飾部材2302が左右方向へ移動するようになっている。
このサイド可動装飾体2300は、左サイド可動装飾体2300L及び右サイド可動装飾体2300Rが、正面視で液晶表示装置640の左右両端付近に位置するように裏箱2002に夫々固定支持されており、夫々のサイド移動機構2304によって、互いのサイド装飾部材2302が接近する方向へ移動した接近位置と、互いのサイド装飾部材2302が離反する方向へ移動した離反位置との間で、夫々左右方向に移動することができるようになっている。なお、左サイド可動装飾体2300L及び右サイド可動装飾体2300Rが、夫々接近位置に位置した時は、夫々のサイド装飾部材2302によって液晶表示装置640の左右方向端部付近が覆われた状態となり液晶表示装置640の表示画面が左右方向に狭くなったような状態となる。また、左サイド可動装飾体2300L及び右サイド可動装飾体2300Rが、夫々離反位置に位置した時は、夫々のサイド装飾部材2302によって表示画面の覆われる両が接近位置よりも少なくなって表示画面が左右方向へ広くなったような状態となる。従って、サイド可動装飾体2300の移動によって液晶表示装置640の表示画面の視認可能領域を狭くしたり広くしたりすることができるようになっている。
また、サイド可動装飾体2300は、サイド装飾部材2302が、サイド用モータベース2322、サイド用モータ2324、ピニオンギヤ2326、及びラックギヤ2330を有したスライド部材2332等で構成されるサイド移動機構2304によって、その上部のみが支持された上で、下部がガイドボックス2344によって所定の遊びを有した状態で左右方向へ移動するようになっており、サイド装飾部材2302をユラユラしたユラ付いた状態で移動させることができるようになっている。
なお、スライド部材2330は、その左右方向の両端が、箱状に形成されたサイド用モータベース2322の左右側面の内側と当接することで、左右方向の両移動端が規制されるようになっている。
[可動装飾体におけるアンダー可動装飾体]
可動装飾体2006におけるアンダー可動装飾体2400の詳細な構成について、図139乃至図141を参考にして説明する。図139(A)はアンダー可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、(B)はアンダー可動装飾体を斜め後から見た斜視図である。図140は、アンダー可動装飾体を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図141は、アンダー可動装飾体のアンダー移動機構を示す斜視図である。
本実施形態のアンダー可動装飾体2400は、正面視で液晶表示装置640の前側且つ下側で、左右方向の略中央に配置されるものであり(図146を参照)、外周に立体的な所定の装飾が形成されたアンダー装飾部材2402と、アンダー装飾部材2402を上下方向へ移動させるアンダー移動機構2404と、アンダー移動機構2404を支持するアンダー用ベース部材2406とを主に備えている。このアンダー可動装飾体2400は、アンダー移動機構2404によって、アンダー装飾部材2402が、液晶表示装置640よりも下側に配置される下降位置と、液晶表示装置640の表示画面の前側に配置される上昇位置との間を移動(昇降)することができるようになっている。
アンダー可動装飾体2400におけるアンダー装飾部材2402は、図140に示すように、表面に立体的な装飾が形成された円環状の窓枠状装飾部材2408と、窓枠状装飾部材2408の環内を閉鎖するように後側から挿入される透明なレンズ部材2410とを備えている。この窓枠状装飾部材2408には、略円形状の窓部2408aが形成されており、この窓部2408aを閉鎖するようにレンズ部材2410が後側から固定されるようになっている。また、窓部2408aの左右両外側には、ワニをモチーフに造形されたキャラクタ体2408bが互いに対向するように備えられている。
アンダー可動装飾体2400におけるアンダー移動機構2404は、アンダー用ベース部材2406の後側に固定されると共に回転軸がアンダー用ベース部材2406の前面側へ突出するアンダー移動用モータ2412と、アンダー移動用モータ2412の回転軸に固定されるピニオンギヤ2414と、ピニオンギヤ2414と噛合するラックギヤ2416(図141を参照)が上下方向に延びるように形成されたラック部材2418と、ラック部材2418の上部に固定されると共にアンダー用ベース部材2406によって上下方向へ案内可能とされアンダー装飾部材2402を支持する摺動体2420とを主に備えている。
アンダー可動装飾体2400における摺動体2420は、図示するように、アンダー装飾部材2402を支持固定する円環状の装飾体支持部2420aと、装飾体支持部2420aの下端から左右方向へ延びる腕部2420bと、腕部2402b及び装飾体支持部2420aの下側で左右方向の略中央に配置されラック部材2418の上部が接合固定されるラック固定部2420cとを備えている。この摺動体2420の装飾体支持部2420aには、前面側に後側へ向かって陥没する凹部2420dが形成されており、その凹部2420内にアンダー装飾部材2402のレンズ部材2410の外周を嵌め込んだ上で、装飾体支持部2420に前側から窓枠状装飾部材2408を固定することで、窓枠状装飾部材2408と装飾体支持部2420aとでレンズ部材2410が狭持されると共に、装飾体支持部2420aにアンダー装飾部材2402が固定されるようになっている。また、摺動体2420には、左右の腕部2420bに前後方向へ貫通する貫通孔2420eが夫々形成されている。なお、摺動体2420の後側には、上下方向へ延びると共に後方へ突出する移動検知片2420fが形成されている(図141を参照)。
また、アンダー移動機構2404には、摺動体2420の後側から後方へ突出するように、摺動体2420の貫通孔2420eに挿通される支持ピン2422と、支持ピン2422の後端に装着され前端に外方へ突出するフランジ部2424aを有したブッシュ2424と、ブッシュ2424の後側から支持ピン2422に装着されブッシュ2424よりも大径のワッシャ2426とを更に備えている。なお、支持ピン2422の両端には、CリングやEリング等の止め環(図示は省略する)を装着可能な溝が形成されており、支持ピン2422の両端に止め環を装着することで、支持ピン2422が貫通孔2420eから抜けたり、ブッシュ2424及びワッシャ2426が支持ピン2422から抜けたりするのを防止することができるようになっている。
一方、アンダー可動装飾体2400におけるアンダー用ベース部材2406は、左右方向が摺動体2420よりも大きく形成されており、摺動体2420の貫通孔2420eと対応する位置に、上下方向に延びる長孔2406aが貫通するように形成されている。そして、アンダー用ベース部材2406の長孔2406aを挟んで、アンダー移動機構の支持ピン2422に支持されるブッシュ2424及びワッシャ2426を前後に配置することで、支持ピン2422が長孔2406aによって上下方向に案内されるようになり、而して、支持ピン2422を備えた摺動体2420つまりアンダー装飾部材2402が、アンダー用ベース部材2406によって上下方向へ案内されるようになっている。
また、アンダー可動装飾体2400には、アンダー用ベース部材2406に固定され、摺動体2420の移動検知片2420fを検知可能なアンダー移動検知センサ2428を更に備えている。このアンダー移動検知センサ2428により移動検知片2420fを検知することで、摺動体2420つまりアンダー装飾部材2402の移動位置(上昇位置)を検知することができるようになっている。
更に、アンダー可動装飾体2400には、アンダー用ベース部材2406の前側に固定されると共にアンダー移動機構2402の前側を覆うアンダー用カバー部材2430を更に備えている。このアンダー用カバー部材2430及びアンダー用ベース部材2406とによって、アンダー移動機構2402の腕部2420bよりも下側の部分が覆われるようになっている。
本例のアンダー可動装飾体2400は、ステッピングモータからなるアンダー用モータ2412によってピニオンギヤ2414が回転すると、ピニオンギヤ2414と噛合するラックギヤ2416を有したラック部材2418の上部に固定された摺動体2420が、ピニオンギヤ2414の回転する方向と対応する上下方向へ移動することとなる。この際、摺動体2420は、支持ピン2422に支持されたブッシュ2424及びワッシャ2426が、アンダー用ベース部材2406の上下方向へ延びる長孔2406aに案内されることで、上下方向へスムーズに移動することができるようになっている。また、ラックギヤ2414が上下方向へ延びる二つの長孔2406aの略中央に配置されているので、各長孔2406aに挿入される左右の支持ピン2422に対して、略均等に力が作用するようになっており、摺動体2420がガタ付くことなく昇降できるようになっている。そして、摺動体2420の移動に伴って、摺動体2420に固定されたアンダー装飾部材2402が上下方向へ移動することができるようになっている。
このアンダー可動装飾体2400は、アンダー装飾部材2402が最も下がった下降位置と、最も上昇した上昇位置との間で上下方向に移動することができ、アンダー装飾部材2402が下降位置に下がった状態ではアンダー装飾部材2402が液晶表示装置640の表示画面よりも下側に位置し、アンダー装飾部材2402が上昇位置に上がった状態ではアンダー装飾部材2402が液晶表示装置640の表示画面の前面に位置するようになっている。なお、詳細は後述するが、アンダー装飾部材2402が上昇位置に位置した時に、液晶表示装置640における表示画面の窓枠状装飾部材2408における窓部2408aの真後側に位置する部位には、他の表示部分とは異なる画像を表示させることができるようになっており、これにより、遊技者に対して、あたかも窓枠状装飾部材2408の窓部2408aに画像が表示されているように見せることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
なお、支持ピン2422に支持されたブッシュ2424が長孔2406a内の上端や下端と当接することで、摺動体2420つまりアンダー装飾部材2402の上下方向の両移動端が規制されるようになっている。
[裏箱]
裏ユニット2000における裏箱2002の詳細な構成について、主に図142乃至図145を参考にして説明する。図142(A)は液晶表示装置等を支持した状態の裏箱を斜め前から見た斜視図であり、(B)は(A)の裏箱を斜め後から見た斜視図である。図143は、図142の裏箱を後から見た背面図であり、図144は、図143におけるD−D断面図である。図145は、図142の裏箱を主要な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。
本実施形態の裏ユニット2000は、裏箱2002における後壁2014の後面側に、後壁2014の開口部2012を閉鎖するように後側から固定支持される液晶表示装置640と、液晶表示装置640の下側で背面視左側に固定され、主制御基板ボックス624の主制御基板1350等と接続されるパネル中継基板1352と、パネル中継基板1352の背面視右側に固定され、パネル中継基板1352と接続され発光装飾体2004及び可動装飾体2006の発光演出や可動演出等を制御する第一装飾制御基板1354を収容した第一装飾制御基板ボックス1356と、第一装飾制御基板ボックス1356の第一装飾制御基板1354と接続されると共に第一装飾制御基板1354と協働して発光装飾体2004及び可動装飾体2006の発光演出や可動演出等を制御する第二装飾制御基板1358を収容し、一端が裏箱2002に他端が液晶表示装置640に固定支持される第二装飾制御基板ボックス1360とを主に備えている。
また、裏ユニット2000は、裏箱2002における後壁2014の後面側で開口部2012の背面視左側に固定され、液晶表示装置640の一方の側面側を支持する液晶支持部材1370と、液晶支持部材1370とは開口部2012を挟んで反対側に配置され、液晶表示装置640の他方の側面側を着脱可能に支持する液晶ロック機構1372とを更に備えている。
本例の裏ユニット2000における裏箱2002は、正面視外形が矩形状とされ前後方向に所定幅で延びる角筒状の外筒部2016と、外筒部2016の前端から外方へ延びるフランジ状の複数の固定部2018と、外筒部2016の後端開口を閉鎖する後壁2014と、後壁2014を貫通する略矩形状の開口部2012とを備えている。固定部2018には、前後方向に貫通する固定孔2020と、前方へ突出する位置決め突起2022とが形成されている。この固定部2018をパネルホルダ600の後面側に当接させた上で、固定孔2020を介して所定のビスを、パネルホルダ600やパネル裏板635の取付孔600j,635aにねじ込むことで、裏箱2002つまり裏ユニット2000をパネルホルダ600の後側に取付固定することができるようになっている。
また、位置決め突起2022は、パネルホルダ600やパネル裏板635の後面側に形成された位置決め孔600k,635bと嵌合することで、パネルホルダ600と裏ユニット2000との相対位置を位置決めできるようになっている。なお、図示するように、円柱状の位置決め突起2022に対して、位置決め孔600k,635bが角孔状とされており、位置決め突起2022と位置決め孔600k,635bとの接触面積を小さくしすることで、挿入抵抗を少なくすることができ、簡単に挿入嵌合させることができるようになっている。
この裏箱2002には、後壁2014の前面側や外筒部2016の内周側に、発光装飾体2004や可動装飾体2006等を取付固定するための取付孔や、先端に取付孔が穿設されたボス等が適宜位置に形成されている。また、本例の裏箱2002は、その前面から後壁2014までの距離(深さ)が、50mm〜100mmの範囲内とされている。
また、裏箱2002は、その後壁2014の後面側に、開口部2012の下側で開口部2012の下辺に略沿って左右方向へ延びると共に後方へ所定量延出する液晶支持棚2024と、背面視で開口部2012の左側に開口部2012の側辺に略沿って複数配置され後方に向かって突出し液晶支持部材1370を位置決めする位置決めボス2026と、位置決めボス2026が配置された側とは開口部2012を挟んで反対側に上下方向へ所定距離離反して配置され、液晶ロック機構1372が固定されるロック機構固定部2028とを備えている。この液晶支持棚2024に液晶表示装置640の下端が載置されることで、液晶表示装置640の重量を支持することができるようになっている。
また、位置決めボス2026は、液晶支持部材1370の前面側に形成された位置決め孔(図示しない)内に挿入嵌合することで、液晶支持部材1370を所定位置に位置決めすることができると共に、位置決めボス2026の後面の中心に取付孔が形成されており、その取付孔に対して液晶支持部材1370を通して後側から所定の取付ビスをねじ込むことで、液晶支持部材1370を後壁2014の後側に固定することができるようになっている。なお、図145に示すように、液晶支持部材1370には、上下方向に所定距離離反して配置され前側及び左右両側に開口する凹溝1370aが形成されている。この凹溝1370aは、液晶表示装置640の一方の側面から外方へ延出する固定片640aと対応する位置及び大きさとされ、液晶支持部材1370を裏箱2002に固定することで、凹溝1370aと裏箱2002の後壁2014とによって、液晶表示装置640の一方の固定片640aが背面視で上下及び左方向、更に前後方向への移動が規制された状態となるようになっている。なお、図示は省略するが、液晶表示装置640の他方の側面にも二つの固定片640aが備えられている。
裏箱2002のロック機構固定部2028に固定される液晶ロック機構1372は、ロック機構固定部2028に固定され左右方向へ延びるガイド部を有したロックベース1372aと、ロックベース1372aによって左右方向へスライド可能に支持されるロックスライダ1372bとを備えている。この液晶ロック機構1372のロックベース1372aを裏箱2002に固定した状態で、液晶表示装置640を裏箱2002の後面にセットすると、液晶表示装置640の他方の固定片640a(図示せず)がロックベース1372aによって背面視で上下及び右方向への移動が規制された状態となると共に、裏箱2002の後壁2014によって前方向への移動が規制された状態となる。その状態でロックベース1372aに沿ってロックスライダ1372bを液晶表示装置640に近付く方向(背面視で左方向)へスライドさせることで、ロックスライダ1372bによって他方の固定片640aが後方向へ移動するのを規制されるようになっている。
従って、裏箱2002の後面側に固定された液晶支持部材1370及び液晶ロック機構1372とによって、液晶表示装置640を裏箱2002の後面に固定支持することができるようになっている。また、液晶ロック機構1372のロックスライダ1372bを液晶表示装置640から遠ざかる方向(背面視で右方向)へスライドさせることで、他方の固定片640aが後方向へ移動可能となり、その状態で、液晶表示装置640の他方の固定片640a側を後方へ移動させて、ロックベース1372aから他方の固定片640aを外した後に、液晶表示装置640を背面視で斜め右後方向へ移動させることで、一方の固定片640aが液晶支持部材1370の凹溝1370aから抜けて、液晶表示装置640を裏箱2002の後面側から取外すことができるようになっている。つまり、液晶表示装置640を裏箱2002に対して着脱可能に支持することができるようになっている。
本例の裏箱2002には、図145に示すように、後壁2014の後面側で液晶支持棚2024よりも下側に、パネル中継基板1352を固定するパネル中継基板固定部2030と、第一装飾制御基板ボックス1356を固定する第一装飾制御基板ボックス固定部2032とが備えられている。また、裏箱2002の後壁2014には、パネル中継基板固定部2030と第一装飾制御基板ボックス2032との間に前後方向へ貫通する矩形状の開口2034が形成されており、この開口2034を通して裏箱2002内に固定されるアンダー可動装飾体2400のアンダー用モータ2412が後方へ突出して後壁2014と当接するのを回避させることができるようになっている(図119を参照)。
ところで、図145に示すように、裏箱2002には、後壁2014の後面側で開口部2012よりも上側に配置され、第二装飾制御基板ボックス1360の上端を支持する裏箱側支持部2036が備えられている。この裏箱側支持部2036は、上方側が開放されたフック状に形成されており、左右方向に並んで二つ配置されている。また、液晶表示装置640の後面側には、裏箱2002の後面側に固定された状態で、裏箱側支持部2036の下方となる位置に、第二装飾制御基板ボックス1360の下端を支持する表示側支持部640bが備えられている。この表示側支持部640bは、上方側が開放された箱状に形成されている。一方、第二装飾制御基板ボックス1360には、上端部に配置され裏箱側支持部2036に係止支持される軸状の係止部1360aと、下端部に配置され表示側支持部640bに係止される弾性係止部1360bとを備えている。第二装飾制御基板ボックス1360の係止部1360aは、フック状の裏箱側支持部2036に上方側から係止支持されることで、裏箱側支持部2036に対して着脱可能且つ回転可能に支持されるようになっている。また、第二装飾制御基板ボックス1360の弾性係止部1360bは、上下方向へ弾性変形可能な弾性片1360cの下面に下方へ突出する係止突起1360dが形成されており、この係止突起1360dが表示側支持部640bの後壁内側(前側)と当接することで、第二装飾制御基板ボックス1360下端の後方側への移動が規制されるようになっている。
従って、第二装飾制御基板ボックス1360は、裏箱2002の裏箱側支持部2036及び液晶表示装置640の表示側支持部640bによって、その上端部及び下端部が支持されることで、裏箱2002の後側に固定されるようになっている。なお、第二装飾制御基板ボックス1360は、裏箱2002の後面側に液晶表示装置640を固定した後に、裏箱2002及び液晶表示装置640の後面側に固定支持させるようにしても良いし、或いは、第二装飾制御基板ボックス1360の上端部を、予め裏箱2002の裏箱支持部2036に支持させた状態とし、裏箱2002に液晶表示装置640を固定する際には、裏箱支持部2036を中心として第二装飾制御基板ボックス1360が略水平となるようにその下端部を上方へ回動移動させた状態で、液晶表示装置640を裏箱2002の後面側に固定し、その後、第二装飾制御基板ボックス1360が略垂直となるようにその下端部を下方へ回動移動させると共に、下端部の弾性係止部1360bを液晶表示装置640の表示側支持部640bに係止させることで第二装飾制御基板ボックス1360を裏箱2002の後面側に固定するようにしても良い。
これにより、裏箱2002から液晶表示装置640を取外す際に、少なくとも第二装飾制御基板ボックス1360の弾性係止部1360bを表示側支持部640bから外す必要があり、液晶表示装置640が容易に取外されるのを防止することができるようになっている。また、第二装飾制御基板ボックス1360の係止部1360aを、裏箱2002の裏箱側支持部2036に係止支持させることで、第二装飾制御基板ボックス1360を裏箱2002にとりあえず支持させた状態とすることができ、液晶表示装置640を固定していない状態でも、裏ユニット2000に備えられる発光装飾体2004や可動装飾体2006等の作動確認をすることができるようになっている。
この裏箱2002には、その後壁2014の後面側に、基端側が後壁2014の後面から後側へ突出するように接続されると共に、先端側が後壁2014の後面との間で配線コード(図示せず)が通過不能な隙間を形成する自由端とされ、基端側と先端側との間に配線コードが通過可能な隙間を形成可能な略直線形状のコード保持片2038が複数備えられている。これらコード保持片2038は、裏箱2002と一体に形成されていると共に、裏箱2002の開口部2012の外周に略沿って配線コードを保持することができるように配置されている。
本例の裏ユニット2000は、上述した裏箱2002の後壁2014の前面側(裏箱2002内)に可動装飾体2006におけるセンター可動装飾体2200、サイド可動装飾体2300、及びアンダー可動装飾体2400のセンター用ベース部材2210、サイド用ベース部材2306、及びアンダー用ベース部材2406が夫々所定位置に固定されており、更に可動装飾体2006の前側で裏箱2002の前面側に発光装飾体2100が固定されることで一体的なユニットを構成するようになっている。
<主基板及び周辺制御基板による制御構成>
本実施形態のパチンコ機1における主基板2500及び周辺制御基板2600による詳細な制御構成について、主に図146及び図147を参照して説明する。図146は、パチンコ機における主基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。図147は、パチンコ機における周辺制御基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主制御基板1350及び払出制御基板1186を含む主基板2500のグループと、第一装飾制御基板1354及び第二装飾制御基板1358等を含む周辺制御基板2600のグループとで分担されている。主基板2500のグループは遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺制御基板2600のグループは演出動作(発光装飾や可動演出、音響出力、液晶表示等)を制御している。
図146に示すように、主基板2500の主制御基板1350には、中央演算装置としてのCPU2502、読み出し専用メモリとしてのROM2504および読み書き可能メモリとしてのRAM2506を備えている。このCPU2502は、ROM2504に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺制御基板2600や払出制御基板1186に出力するコマンド信号を作成したりする。また、RAM2506には、主制御基板1350で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。なお、主制御基板1350は、中継端子板625、払出制御基板1186、及び電源中継端子板2528を介して電源基板2530に接続されており、電源基板2530から作動用電力が供給されるようになっている。
この主制御基板1350の入力インタフェースには、パネル中継端子板1352を介して、ゲート装置1851の通過口1859を通過した遊技球を検出するゲートセンサ1860、一般入賞口1702に入賞した遊技球を検出する一般入賞口センサ2151、第一始動口1502に入賞した遊技球を検出する第一始動口センサ2152、第二始動口1867に入賞した遊技球を検出する第二始動口センサ1871、アタッカユニット1500の大入賞口1510に入賞した遊技球を検出するカウントセンサ1518、及び、全ての入賞口に対する入賞数をカウントするための全入賞口入賞数検出センサ2508が接続されている。ここで、第二始動口センサ1871が本発明の入賞状態検出手段に相当する。
また、主制御基板1350の入力インタフェースには、中継端子板625を介して、遊技球を遊技領域605へ打ち込むための遊技者によって操作される操作ハンドル部461の操作状態を検出する操作センサ2510、本体枠3の開放状態を検出する本体枠開放スイッチ2512、及び扉枠5の開放状態を検出する扉枠開放スイッチ2514も接続されている。
一方、パネル中継端子板1352の出力インタフェースには、第二始動口1867を開閉可能な開閉扉1868を開閉駆動する始動口ソレノイド1873、及びアタッカユニット1500の大入賞口1510を閉鎖可能な開閉部材1508を開閉駆動するアタッカソレノイド1514が接続されており、主制御基板1350から駆動信号が出力されるようになっている。また、パネル中継端子板1352の出力インタフェースには、普通図柄・特別図柄表示基板2516を介して、普通図柄表示器1806、第一及び第二特別図柄表示器1802,1804、第一及び第二特別図柄記憶数表示器1808,1810が接続されており、主制御基板1350から、図柄表示装置1800に備えられた普通図柄表示器1806や第一及び第二特別図柄表示器1802,1804等へ駆動信号を出力することが可能になっている。
一方、払出制御基板1186は、中央演算装置としてのCPU2518、読み出し専用メモリとしてのROM2520および読み書き可能メモリとしてのRAM2522を備えている。そして、払出制御基板1186は、主基板1350から入力したコマンド信号を処理し、払出モータ815や、発射制御基板2524に接続された発射モータ695に対して駆動信号を出力する。これにより、払出モータ815は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射モータ695は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
なお、払出制御基板1186には、賞球タンク720内に貯留された遊技球が無くなったことを検出する球切れスイッチ778が接続されており、この球切れスイッチ778の検出に基いて、遊技者及びホール側(ホールコンピュータ)へ球切れの報知がなされる。また、払出制御基板1186には、皿ユニット300の貯留部381に貯留された遊技球が満タンになったことを検出する満タンスイッチ916が接続されており、この満タンスイッチ916の検出に基いて、「遊技球を貯留部381から取り出して下さい」旨の報知がなされるようになっている。
また、主制御基板1350と払出制御基板1186との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主基板1350が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板1186から主制御基板1350にACK信号が返されるようになっている。
更に、主制御基板1350および払出制御基板1186には、外部端子板2526が接続されており、始動口1502,1867や大入賞口1510等への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態及び特別抽選結果や普通抽選結果等の各抽選結果に基く遊技状態等の各種情報が、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力されるようになっている。
一方、周辺制御基板2600は、図147に示すように、CPU2602をはじめROM2604やRAM2606等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。また、周辺制御基板2600には、音声や音楽の基となる音源を記憶したROM2608と、ROM2608に記憶された音源を基に、演出内容等に応じた音声や音楽を出力する音源IC2610とが設けられている。なお、上記の主基板2500と周辺制御基板2600との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板2500から周辺制御基板2600へのコマンド送信はあっても、その逆は行われないようになっている。また、周辺制御基板2600に対しても電源中継端子板2528を介して電源基板2530から作動用電力が供給されるようになっている。
なお、周辺制御基板2600を構成する第一装飾制御基板1354及び第二装飾制御基板1358の何れにもCPU2602や音源IC2610を備えるようにしても良いし、何れか一方のみにCPU2602や音源IC2610を備えるようにしても良い。
この周辺制御基板2600には、液晶表示装置640での演出画像の表示を制御する液晶表示制御基板2612が接続されている。この液晶表示制御基板2612には、液晶表示装置640が接続されており、液晶表示制御基板2612で周辺制御基板2600から送信されたコマンド信号を処理し、液晶表示装置640に対して駆動信号を出力する。詳しく説明すると、液晶表示制御基板2612には、CPU2614、RAM2616、ROM2618、VDP2620及び画像ROM2622が備えられている。
液晶表示制御基板2612のCPU2614は、周辺制御基板2600から送られてきたコマンド信号を、入出力インタフェースを介して受信すると共に、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP2620の制御を行う。RAM2616は、CPU2614の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM2618は、CPU2614用(表示制御用)のプログラムを保持する。
また、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)2620は、液晶表示装置640に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP2620の内部には、レジスタが設けられており、VDP2620の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU2614が書き換えることにより、液晶表示装置640における表示態様を種々に変化させることが可能となる。画像ROM2622は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
なお、周辺制御基板2600と液晶表示制御基板2612との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。また、液晶表示制御基板2612に対しても、周辺制御基板2600及び電源中継端子板2528を介して電源基板2530から作動用電力が供給されるようになっている。
また、周辺制御基板2600には、枠装飾中継端子板290を介して、扉枠5に備えられた扉枠装飾ランプ2624、及びスピーカ163等が接続されており、周辺制御基板2600から、これらランプやスピーカ163等に対して駆動信号が出力されるようになっている。
また、周辺制御基板2600には、枠装飾中継端子板290を介して、扉枠5の前面に配置された三つの押ボタン330a,330b,330c(符号は左から順)からなる操作ボタン330が夫々接続されており、各押ボタン330a,330b,330cの操作信号が入力されるようになっている。
更に、周辺制御基板2600には、発光装飾体2004における発光装飾基板2130としての、上部左基板2131L、上部右基板2131R、左下部基板2132L、右下部基板2132R、左内上部基板2133L、右内上部基板2133R、左内下部基板2134L、及び右内下部基板2134Rが夫々接続されており、周辺制御基板2600から各基板に実装されたLED2120に対して駆動信号を出力することで各LED2120を適宜発光駆動させて発光装飾体2004を発光装飾(発光演出)させることができるようになっている。
また、周辺制御基板2600には、可動装飾体2006におけるセンター可動装飾体2200のセンター移動用モータ2214、センター移動検知センサ2240、及びセンター奥基板2262が接続されていると共に、槌用中継基板2244を介して、槌用モータ2226、回動検知センサ2256、槌支持部装飾基板2254、及び槌用装飾基板2626が接続されている。そして、センター移動検知センサ2240や回転検知センサ2256からの信号が、周辺制御基板2600に入力されることで、それらの信号に基いて、センター移動用モータ2214により左右方向へ移動する摺動体2222や、槌用モータ2226により液晶表示装置640を打撃するかのように回動する槌部2202を、原点復帰させることができるようになっている。また、周辺制御基板2600から槌支持部装飾基板2254や槌用装飾基板2626に実装されたLED2122に対して駆動信号を出力することで各LED2122を適宜発光駆動させて前装飾部材2246やセンター奥装飾部材2258を発光装飾(発光演出)させることができるようになっている。なお、センター移動用モータ2214及び槌用モータ2226は、周辺制御基板2600に対して双方向に接続されており、その回転位置がフィードバックされることで摺動体2222や槌部2202の移動位置や回転位置を高精度に制御することができ、所望の可動演出をさせることができるようになっている。
更に、周辺制御基板2600には、可動装飾体2006におけるサイド可動装飾体2300のサイド装飾基板2316、サイド上装飾基板2318、サイド用モータ2324、及びサイド移動検知センサ2338が接続されており、サイド装飾基板2316やサイド上装飾基板2318に実装されたLED2124に対して駆動信号を出力することで、各LED2124を適宜発光させ、サイド装飾部材2302を発光装飾(発光演出)させることができるようになっている。また、サイド移動検知センサ2338からの検知信号が周辺制御基板2600に入力されることで、その信号に基いてサイド用モータ2324により左右方向へ移動するサイド装飾部材2302を原点復帰させることができる。なお、サイド用モータ2324は、周辺制御基板2600に対して双方向に接続されており、その回転位置がフィードバックされることでサイド装飾部材2302の移動位置を高精度に制御することができ、所望の可動演出をさせることができるようになっている。また、周辺制御基板2600は、左側に配置される左サイド可動装飾体2300L、及び右側に配置される右サイド可動装飾体2300Rを、夫々独立して発光演出や可動演出の制御をすることができるようになっている。
また、周辺制御基板2600には、可動装飾体2006におけるアンダー可動装飾体2400のアンダー用モータ2412及びアンダー移動検知センサ2428が接続されており、周辺制御基板2600にアンダー移動検知センサ2428からの検知信号が入力されると、その信号に基いてアンダー用モータ2412により上下方向へ移動するアンダー装飾部材2402を原点復帰させることができるようになっている。なお、アンダー用モータ2412は、周辺制御基板2600に対して双方向に接続されており、その回転位置がフィードバックされることでアンダー装飾部材2402の昇降位置を高精度に制御することができ、所望の可動演出をさせることができるようになっている。
<遊技演出制御>
本実施形態におけるパチンコ機1の遊技演出にかかる機能的な構成について、主に図148及び図149を参考にして説明する。図148は、主制御基板での機能的な構成を示すブロック図であり、図149は、周辺制御基板での機能的な構成を示すブロック図である。
まず、主制御基板1350での遊技演出制御に係る機能的な構成について、図148等を参考に説明する。なお、遊技球の払出しに係る機能的な構成については省略する。本例の主制御基板1350では、ROM2504に予め格納された所定のプログラムをCPU2502によって実行することで各種の遊技制御や演出制御等が具現化されるようになっている。この主制御基板1350には、ゲートセンサ1860から遊技球の検出信号が入力されると、所定の普通乱数を発生させる普通乱数発生手段2550と、普通乱数発生手段2550により発生した普通乱数と対応する普通図柄変動パターンを、ROM2504に格納された所定の普通図柄変動パターンテーブルから選択する普通図柄変動パターン選択手段2552と、選択された普通図柄変動パターンに基いて普通図柄表示器1806の普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段2556と、普通図柄表示制御手段2556によって普通図柄表示器1806に抽出された普通乱数(普通図柄変動パターン)が「普通当り」であると始動口ソレノイド1873を駆動して開閉扉1868を開く始動口開閉制御手段2558とを備えている。ここで、普通乱数発生手段2550が本発明の普通抽選手段に相当する。
また、主制御基板1350には、第一始動口1502への始動入賞により第一始動口センサ2152で検出された検出信号に基いて所定の第一特別乱数を発生させる第一特別乱数発生手段2562と、第一特別乱数発生手段2562において発生した第一特別乱数と対応する第一特別図柄変動パターンを、ROM2504に予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択する第一特別図柄変動パターン選択手段2564と、第一特別図柄変動パターン選択手段2564で選択された第一特別図柄変動パターンを一時的に記憶する第一特別図柄保留記憶手段2566と、第一特別図柄保留記憶手段2566に記憶された第一特別図柄変動パターンに基いて第一特別図柄表示器1802の第一特別図柄を変動表示させる第一特別図柄表示制御手段2568と、第一特別図柄保留記憶手段2566で保留記憶された第一特別図柄変動パターンの数を記憶数として第一特別図柄記憶数表示器1808に表示させる第一特別図柄記憶数表示制御手段2570とを備えている。
更に、主制御基板1350には、第二始動口1867への始動入賞により第二始動口センサ1871で検出された検出信号に基いて所定の第二特別乱数を発生させる第二特別乱数発生手段2572と、第二特別乱数発生手段2572において発生した第二特別乱数と対応する第二特別図柄変動パターンを、ROM2504に予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択する第二特別図柄変動パターン選択手段2574と、第二特別図柄変動パターン選択手段2574で選択された第二特別図柄変動パターンを一時的に記憶する第二特別図柄保留記憶手段2576と、第二特別図柄保留記憶手段2576に記憶された第二特別図柄変動パターンに基いて第二特別図柄表示器1804の第二特別図柄を変動表示させる第二特別図柄表示制御手段2578と、第二特別図柄保留記憶手段2576で保留記憶された第二特別図柄変動パターンの数を記憶数として第二特別図柄記憶数表示器1810に表示させる第二特別図柄記憶数表示制御手段2580とを備えている。ここで、第二特別乱数発生手段2572が本発明の大当り抽選手段に相当する。
これら第一特別図柄保留記憶手段2566及び第二特別図柄保留記憶手段2576は、第一及び第二特別図柄表示制御手段2568,2578によって第一及び第二特別図柄が変動表示中等の新たに特別図柄を変動表示させることができない時に、第一始動口センサ2152や第二始動口センサ1871からの検出信号を契機とした第一図柄変動パターンや第二図柄変動パターンを所定数(例えば、夫々四つ)まで記憶すると共に、特別図柄の変動表示が可能となるまで記憶した第一特別図柄変動パターンや第二特別図柄変動パターンの実行を保留するものである。
また、主制御基板1350には、第一特別図柄保留記憶手段2566や第二特別図柄保留記憶手段2576に記憶された、第一特別図柄変動パターン(第一特別乱数)や第二図柄変動パターン(第二特別乱数)に基いて遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段2582と、有利遊技状態発生手段2582からの指示に基いて大入賞口1510を閉鎖する開閉部材1508を所定パターンで開閉するようにアタッカソレノイド1514の駆動制御をする大入賞口開閉制御手段2584とを備えている。
更に、主制御基板1350には、普通乱数、第一特別乱数、第二特別乱数に応じた、普通図柄変動パターン、第一図柄変動パターン、第二図柄変動パターン、及び、第一特別図柄記憶数、第二特別図柄記憶数等に基いて、演出コマンド等の所定の制御用のコマンドを生成するコマンド生成手段2586と、コマンド生成手段2586で生成されたコマンドを周辺制御基板2600へ送信するコマンド送信手段2588とを備えている。
一方、周辺制御基板2600には、主制御基板2500から送信される制御用のコマンドを受信するコマンド受信手段2650と、コマンド受信手段2650で受信されたコマンドに基いて、ROM2604に格納された演出パターンを選択する演出パターン選択手段2652と、演出パターン選択手段2652で選択された演出パターンに基いて、各LED2120の発光駆動を制御することで発光装飾体2004を発光演出させる発光演出制御手段2654、液晶表示装置640に所定の演出画像を表示させる演出表示制御手段2656、及びセンター可動装飾体2200、サイド可動装飾体2300、アンダー可動装飾体2400に所定の可動演出をさせる可動演出制御手段2658等を主に夫々制御する演出制御手段2659とを備えている。
また、周辺制御基板2600には、可動演出制御手段2658からの指示に基いて、センター可動装飾体2200のセンター移動用モータ2214及び槌用モータ2226を駆動制御するセンター可動装飾体制御手段2660と、可動演出制御手段2658からの指示に基いてサイド可動装飾体2300のサイド用モータ2324を駆動制御するサイド可動装飾体制御手段2662と、可動演出制御手段2658からの指示に基いてアンダー可動装飾体2400のアンダー用モータ2412を駆動制御するアンダー可動装飾体制御手段2664とを備えている。
また、周辺制御基板2600には、演出パターン選択手段2652で選択された演出パターンに応じて演出を制御する縁種制御手段に基いて操作ボタン330の操作信号を受付可能又は受付不能とする操作受付手段2666と、少なくとも操作受付手段2666により受付けられた操作ボタン330の操作信号と演出制御手段2659により表示される所定の演出画像(例えば、特定演出画像(ハンマーチャンスリーチ演出画像)、特別演出画像(ワニワニパニックリーチ演出画像)、等)とに基いてセンター可動装飾体2200の槌部2202が演出絵柄としての扉絵柄やワニ絵柄等を打撃したか否かを判定する打撃判定手段2668と、打撃判定手段2668で打撃したと判定されると扉絵柄やワニ絵柄等の演出絵柄の表示態様を変更するように演出表示制御手段2656へ指示する絵柄変更手段2670と、打撃判定手段2668で打撃したと判定されるとその打撃回数をカウントする打撃数カウント手段2672とを備えている。なお、打撃数カウント手段2672でカウントされた打撃数は、演出制御手段2659を介して或いは演出表示制御手段2656によって液晶表示装置640に表示されるようになっている。
更に、周辺制御基板2600には、選択された演出パターンに基く演出制御手段2659の指示に従って(制御によって)、操作受付手段2666により操作ボタン330の操作が受付可能とされた時に、操作ボタン330が操作されると所定の操作抽選結果を抽選する操作抽選手段2674を更に備えている。この操作抽選手段2674により抽選された操作抽選結果は、詳細は後述するが、始動入賞により行われる演出パターンに応じて、打撃判定手段2668での打撃判定に用いられたり、絵柄変更手段2670での絵柄の変更に用いられたりするものである。
また、周辺制御基板2600には、打撃数カウント手段2672でカウントされた打撃数に応じて、出没パターンテーブル選択テーブル(図示しない)から出没パターンテーブルを選択して変更する出没パターンテーブル変更手段2676と、選択された演出パターンに基く演出制御手段2659の指示に従って所定の表示抽選結果(所定の乱数値)を抽選する表示抽選手段2678と、表示抽選手段2678で抽選された表示抽選結果と出没パターンテーブル変更手段で選択変更された出没パターンテーブルとに基いて、出没パターン選択テーブル(図示しない)から所定の出没パターンを選択する出没パターン選択手段2680とを更に備えている。
なお、図149に示すように、周辺制御基板2600には、タイマ2682が備えられており、演出パターン選択手段2652で選択された演出パターンに基いて演出制御手段2659で制御される演出時間、演出画像の表示時間、図柄の変動時間、可動装飾体2006の可動タイミング、操作受付手段2666や操作抽選手段2674、及び表示抽選手段2678等の作動タイミング、等に用いられるものである。
続いて、上述の機能的構成を有した本実施形態のパチンコ機1における遊技内容について、具体的に説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置された操作ハンドル部461を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の貯留部381に貯留された遊技球が、透明な遊技パネル599の前面に配置された遊技領域605内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物1400の外周の左側或いは右側の遊技領域605内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、操作ハンドル部461の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域605内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル599の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物1400の左側または右側の遊技領域605を流下する遊技球が、センター役物1400の外周側面に開口したワープ入口1402に進入すると、ワープ通路1404を介してセンター役物1400の枠内の九十九折誘導路1410へと供給された後に、ステージ1406へと供給されるようになっている。この九十九折誘導路1410によって前後方向に蛇行しながら転動する遊技球の動きを楽しませることができると共に、遊技球の転動速度(流下速度)を減速させてステージ1406へ供給できるようになっている。そして、ステージ1406上へ供給された遊技球は、まず、ステージ1406における第一ステージ1406a上を左右方向へ転動し、続いて第二ステージ1406b上を左右方向へ転動し、凹溝1412からセンター役物1400下方の遊技領域605内へ放出されることとなる。その際に、第二ステージ1406bの進入口1414へ遊技球が進入すると、センター役物1400下端中央で第一始動口1502の直上に開口する放出口1416から遊技領域605内へ放出されるようになっている。
本例では、センター役物1400の放出口1416から遊技球が遊技領域605内へ放出されると、極めて高い確率で第一始動口1502に入賞するようになっており、遊技球が第一始動口1502に受入れられて第一始動口センサ2152に検出されると、主制御基板1350等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、3個)の遊技球が、貯留部381へ払出されるようになっている。なお、センター役物1400の凹溝1412から放出された遊技球や、センター役物1400の外側を流下してきた遊技球でも、或る程度の確率で第一始動口1502へ入賞することができるようになっている。
一方、センター役物1400の右側の遊技領域605を流下する遊技球が、センター役物1400の右側に配置された入賞装置ユニット1850に達し、その上部に設けられたゲート装置1851の通過口1859を通過すると(ゲートセンサ1860により検出されると)、その検出信号に基いて主制御基板1350では、普通抽選結果としての普通乱数が普通乱数発生手段2550において発生する。そして、その普通乱数に基いて、図柄表示装置1800における普通図柄表示器1806の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器1806が、赤色と緑色とに交互に発光)され、所定時間経過後に抽出され普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器1806が赤色又は緑色に発光)される。この普通図柄の変動表示は、普通図柄変動パターン選択手段2552で選択された普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1806が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1806が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口1867を閉鎖する開閉扉1868が所定時間開いて、第二始動口1867へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口1867における開閉扉1868の拡開時間については、後述する特別乱数(特別抽選結果)に応じて変化させるようにしても良く、例えば、特別乱数(特別抽選結果)として、「時短当り(普通時短当り、高確率時短当り、等を含む)」が抽出された場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するようにしても良い。具体的には、例えば、普通図柄変動パターン選択手段2552で用いられる普通図柄変動パターンテーブルを異なるテーブルと差替えた上で、選択させることで容易に変化させることができる。
また、本実施形態の入賞装置ユニット1850では、ゲート装置1851の通過口1859と第二始動口1867とはガイド通路1852を介して連通されているため、通過口1859を通過した遊技球を、確実に且つ略一定のタイミングで第二始動口1867に到達させることが可能となっている。したがって、確変遊技状態や時短遊技状態など特定の遊技状態の際に、開閉扉1868を頻繁に入賞可能位置に変化させることで、繰り返される第二始動口1867の開放動作に合わせて多数の遊技球を順次入賞させることが可能となる。
特に、通過口1859を通過してから開閉扉1868に到達するまでの所要時間が速度抑制部1862によって設定されており、一連の処理(遊技球の通過が検出されてから普通抽選が行われ、さらにその抽選結果に基いて開閉扉1868を入賞可能位置へ変化させる処理)が完了するまで、遊技球が開閉扉1868に到達しないように設定されている。このため、普通抽選の契機となった遊技球が、その普通抽選の結果開放された第二始動口1867へ入賞することとなる。換言すれば、普通抽選の結果が全て当りとなるように設定すれば、ゲート装置1851の通過口1859に入球した遊技球を全て第二始動口1867に入賞させることも可能となる。
そして、この場合には、開閉扉1868が極めて短い間隔で繰り返し開閉し、しかも開閉扉1868が入賞可能位置へ変化するごとに遊技球が入賞することから、複数の遊技球が次々と第二始動口1867に吸い込まれるように(換言すれば開閉扉1868が次々と遊技球を食べるように)見せることができ、演出としての視覚的な興趣を大幅に高めることが可能となる。
また、ゲートセンサ1860によって遊技球が検出されてから開閉扉1868の開放及び閉鎖を行うまでの一連の処理時間が、遊技球の発射間隔(例えば600ms)よりも短く設定されているため、例えば、遊技領域605に連続して打込まれた複数の遊技球がゲート装置1851の通過口1859に連続して入球した場合でも、夫々の遊技球に対して第二始動口1867を開放させることが可能になる。したがって、普通抽選における保留処理が不要となり、普通抽選の起点を全て遊技球の通過が検出された時点とすることができる。すなわち、遊技球が通過してから第二始動口1867が開放されるまでのタイミングを常に一定とすることができるようになっている。
なお、遊技球が第二始動口1867へ受入れられて第二始動口センサ1871に検出されると、主制御基板1350等を介して賞球ユニット800から所定数の遊技球が、貯留部381へ払出されるようになっている。特に、本例では、この場合の遊技球の払出し個数は1個となるように設定されている。これにより、遊技領域605に連続して打込まれた複数の遊技球が全てゲート装置1851の通過口1859に入球し、しかもそれに基く普通抽選の抽選結果が殆ど当りとなるように設定されている場合であっても、払い出される遊技球の総数を大幅に増加させることなく(すなわち遊技者に大きな利益を付与することなく)、遊技を継続させることが可能となっている。
入賞装置ユニット1850を流下した遊技球は、図示しない障害釘や、サイド入賞口部材1700の誘導棚部1718等によってセンター役物1400の下方で遊技領域605の左右方向中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物1400の下方に配置された一般入賞口1702に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ2151に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板1350では払出制御基板1186に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板1186が賞球ユニット800の払出モータ815を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、貯留部381へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口1702、第一始動口1502、第二始動口1867、及び大入賞口1510の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域605の左右方向中央下端に設けられたアウト口606から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口1702、第一始動口1502、第二始動口1867、及び大入賞口1510の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域605内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
また、主制御基板1350では、第一始動口1502や第二始動口1867に遊技球が入賞して、第一始動口センサ2152や第二始動口センサ1871に検出されると、夫々の始動口1502,1867に応じて、所定の第一特別乱数や第二特別乱数の発生・抽出が行われる。そして、抽出された特別乱数に基いて、図柄表示装置1800の対応する第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された特別乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804において、「大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット1500の開閉部材1508が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生し、その間に大入賞口1510へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口1510へ入賞すると、賞球ユニット800から所定数(例えば、13個)の遊技球が貯留部381へ払い出されるようになっている。
なお、これら第一始動口1502や第二始動口1867においては、第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当り遊技中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口1502,1867へ遊技球が入賞して第一始動口センサ2152や第二始動口センサ1871での遊技球が検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ2152や第二始動口センサ1871からの検出信号に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された特別乱数の数を、第一特別図柄記憶数表示器1808や第二特別図柄記憶数表示器1810において表示するようになっている。これら第一特別図柄記憶数表示器1808や第二特別図柄記憶数表示器1810は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合わせによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、抽出された特別乱数が破棄されるようになっている。
また、主制御基板1350では、第一始動口センサ2152や第二始動口センサ1871の検出に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数の特別乱数を、予め決められた所定の乱数判定テーブル(特別図柄変動パターンテーブルとも称す)と照合することで、その特別乱数が、「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の何れであるかが判別されると共に、「大当り」について、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」の何れかであるかも判別されるようになっている。また、乱数判定テーブルによって、「確変時短無し当り」「確変当り」、「時短当り」、「確変時短当り」等も判別されるようになっている。
そして、第一始動口1502や第二始動口1867への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第一特別乱数や第二特別乱数が(特別抽選結果が)、「小当り」の場合、主制御基板1350は、アタッカユニット1500の開閉部材1508を、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰り返すようになっている。
一方、抽出された第一特別乱数や第二特別乱数が、「大当り」の場合、主制御基板1350は、アタッカユニット1500の開閉部材1508を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口1510に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材1508を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰り返すようになっており、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰り返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるようになっている。なお、所定ラウンド数の終了後に、「大当り」については、抽出された特別乱数に応じて乱数判定テーブルを高確率時短テーブル等と交換するようになっている。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口1502や第二始動口1867への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一特別乱数や第二特別乱数に応じて(特別抽選結果に応じて)、図柄表示装置1800の第一特別図柄表示器1808や第二特別図柄表示器1810が変動表示される他に、液晶表示装置640においても、特別乱数(特別抽選結果)に応じた演出画像が表示されるようになっている。具体的には、液晶表示装置640において、複数の異なる図柄からなる一連の図柄列が複数列(例えば、三列)表示された状態で各図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され、最終的に全ての図柄列が停止表示されると、停止表示された図柄の組合わせによって抽出された特別乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、始動入賞による特別抽選結果に応じて、複数の図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像が表示されるようになっている。
さらに詳しく説明すると、図149に示すように、周辺制御基板2600には、機能的構成として、停止図柄決定手段2683及び装飾図柄変動制御手段2684が備えられている。停止図柄決定手段2683は、選出パターン選択手段2652によって選択された演出パターンに基づいて、特別抽選結果に応じた停止図柄を決定するようになっている。また、装飾図柄変動制御手段2684は、液晶表示装置640において、複数の異なる図柄からなる一連の図柄列を三列表示状態で変動させるとともに、停止図柄決定手段2683によって決定された停止図柄で各装飾図柄列の変動を停止させるようになっている。なお、第一及び第二特別図柄表示器1808,1810の特別図柄よりも、液晶表示装置640に表示される図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置640に表示された図柄に注目することとなる。
この複数の図柄列が変動表示する演出画像の一つとして、一つの変動する図柄列を残して停止表示された図柄の組合せが特定条件(リーチ)を充足するように表示される「リーチ演出画像」があり、この「リーチ演出画像」が表示される特別抽選結果として、「リーチ当り」、「リーチハズレ」、がある。また、「リーチ演出画像」と繋がるように表示され、リーチ表示後に、変動表示している残りの図柄列を強調して表示する「リーチ発展演出画像」もある。また、液晶表示装置640には、始動入賞に係る演出表示だけでなく、「大当り」遊技中に表示される「大当り遊技演出画像」も表示可能とされている。
なお、第一特別図柄表示器1808や第二特別図柄表示器1810での特別図柄の変動表示は、主制御基板1350によって直接制御されるようになっているのに対して(図146を参照)、液晶表示装置640での図柄の変動表示は、主制御基板1350から周辺制御基板2600へ送信される特別抽選結果や普通抽選結果に係るコマンドに基いて周辺制御基板2600及び液晶表示制御基板2612によって制御されるようになっている。これにより、特に遊技者が注目する液晶表示装置640での図柄の変動表示を周辺制御基板2600等で制御するようにしているので、主制御基板1350から送信されてくる特別抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の図柄の変動パターンを予め用意して液晶表示装置640における図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、「大当り」遊技中等に表示される「大当り遊技演出画像」等も周辺制御基板2600等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出画像が予め用意されている。これにより、主制御基板1350における演算処理の負荷を高めることなく表示される演出画像の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によれば、入賞装置ユニット1850では、ゲート装置1851の通過口1859と始動口装置1853の第二始動口1867とがガイド通路1852を介して連通されているため、通過口1859を通過した遊技球を、確実に且つ略一定のタイミングで第二始動口1867に到達させることができる。したがって、確変遊技状態や時短遊技状態など特定の遊技状態の際に、開閉扉1868を頻繁に入賞可能位置に変化させるようにすれば、繰り返される第二始動口1867の開放動作に合わせて多数の遊技球を順次入賞させることができる。
また、本例の入賞装置ユニット1850では、ゲート装置1851、ガイド通路1852、及び始動口装置1853が、一つのユニットとして一体的に構成されているため、夫々別々に配置する場合と比べ、全体的な大きさを小さくすることができ、それらを配置するためのスペースが限られた大きさであっても、比較的容易に配置することができる。特に、始動口装置1853の開閉扉1868は、入賞可能位置の際、ゲート装置1851の通過口1859の真下に位置するため、ゲート装置1851、ガイド通路1852、及び始動口装置1853を縦方向に並べて配置することが可能となり、入賞装置ユニット1850における左右方向の幅を極力小さくすることができ、ひいては比較的幅の狭い遊技領域605においても配設することができる。
また、本例の入賞装置ユニット1850では、通過口1859と開閉扉1868との間のガイド通路1852に、遊技球の落下速度を抑制する速度抑制部1862が備えられているため、入賞装置ユニット1850を大型化することなく、第二始動口1867に到達するまでの時間をある程度長くすることができる。また、速度抑制部1862によって遊技球の勢いが抑えられるため、開閉扉1868に加わる衝撃が小さくなり、第一案内部1968の寿命を長くすることができる。
また、本例の入賞装置ユニット1850では、第二始動口1867がガイド通路1852の後側内壁面に形成されているため、第二始動口1867に入賞した遊技球を真直ぐ遊技パネル599の後側に誘導することができ、また始動口装置1853の駆動機構1858及び第二始動口センサ1871をガイド通路1852の後方に配置することができる。したがって、左右方向へ突出することのない薄型の入賞装置ユニット1850を構成することができる。
また、本例の入賞装置ユニット1850では、速度抑制部1862は、第一案内部1863と第二案内部1870とを備え、遊技球をジグザグ状に落下させる構成となっているため、遊技球の落下速度を効果的に抑制できるとともに、第二始動口1867に到達するまでの移動距離を長くすることができ、第二始動口1867に到達するタイミングを一層遅らせることができる。
また、本例の入賞装置ユニット1850では、ガイド通路1852は、断面コ字状の通路形成部1855aと、その後側に配置された球経路ベース1856の前面とによって構成されているため、第一案内部1863及び第二案内部1870の形状が比較的複雑な形状であっても、通路形成部1855a及び球経路ベース1856を夫々別々に成形することで、第一案内部1863及び第二案内部1870を容易に製造することができる。また、球経路ベース1856の前面をガイド通路1852の後側内壁面として用いるため、通路形成部1855aにおける前後方向の大きさを小さくでき、さらに小型化を図ることが可能である。
また、本例の入賞装置ユニット1850では、第一案内部1863は、ガイド通路1852の幅が下側ほど狭くなるように円弧状に湾曲しているため、落下する遊技球に対し大きな抵抗を生じさせることなく後側内壁面に向って円滑に案内することができる。また、第二案内部1870は、高さ方向の中央部分が最も外側に広がるように円弧状に湾曲して形成され、その中央部分が第一案内部1863の下端部分と同じ高さとなるように配置されているため、第一案内部1863から第二案内部1870への遊技球の受け渡しが円滑となり、第一案内部1863及び第二案内部1870に衝撃を加えることなく遊技球をジグザグ状に落下させることができる。また、遊技球が滑らかに案内されるため、ガイド通路1852内における遊技球の詰まりを防止できる。
また、本例の入賞装置ユニット1850では、ガイド通路1852には、第二案内部1870によって案内された遊技球の勢いを抑制する緩衝壁部1864が備えられているため、緩衝壁部1864によって遊技球の勢いをさらに抑制し、開閉扉1868に加わる衝撃を確実に緩和することができる。
また、本例の入賞装置ユニット1850では、台板1855の左右両側面に窓部1865が形成されているため、ゲート装置1851の通過口1859を通過してから第二始動口1867に入賞するまでの遊技球の挙動を注目させることができる。特に、ガイド通路1852の後側に発光基板1866が備えられているため、ガイド通路1852の内部が明るく照らされ、窓部1865を通して遊技球の動きや開閉扉1868の動作を明瞭に視認させることができる。また、ガイド通路1852を目立たせ遊技者の注意を惹き付けることもできる。
また、本例の入賞装置ユニット1850では、開閉扉1868は回動可能に支持され、入賞不能位置になると、後側内壁面に開口した第二始動口1867を閉鎖する構成となっているため、普通抽選の結果が外れの場合には遊技球がガイド通路1852の内壁面で跳ね返って第二始動口1867に入ってしまうことを阻止できる。したがって、入賞可能位置と入賞不能位置との有利性にメリハリを付け、入賞可能位置に変化することへの期待感を高めることができる。また、入賞可能位置では開閉扉1868を傾斜した状態で停止させるため、受止めた遊技球を円滑に第二始動口1867へ入賞させることができる。
また、本例の入賞装置ユニット1850では、第二始動口1867への遊技球の入賞を検出する第二始動口センサ1871が、誘導路1869における第二始動口1867の近傍に配置されているため、ゲート装置1851の通過口1859を通過した遊技球が第二始動口1867に入賞したか否かを速やかに判定することができる。このため、開閉扉1868が入賞可能位置に移動したにも拘らず第二始動口1867に入賞させることができない場合があっても、速やかに判定し、極力早いタイミングで次の遊技球に対して一連の処理を開始することができる。
一方、第二実施形態の入賞装置ユニット1900においても、ゲート装置1901、ガイド通路1902、及び始動口装置1903を、一つのユニットとして一体的に構成しているため、夫々別々に配置する場合と比べ、全体的な大きさを小さくすることが可能となり、それらを配置するためのスペースが限られた大きさであっても、比較的容易に配置することができる。
また、第二実施形態の入賞装置ユニット1900では、ゲート装置1901の通過口1909と第二始動口1912とがガイド通路1902を介して連通されているため、通過口1909を通過した遊技球を、確実に第二始動口1912に到達させることができる。したがって、確変遊技状態や時短遊技状態など特定の遊技状態の際に、扉体1913を頻繁に開位置に変化させるようにすれば、繰り返される第二始動口1912の開放動作に合わせて多数の遊技球を順次入賞させることができる。
また、第二実施形態の入賞装置ユニット1900では、ガイド通路1902として、閉位置における扉体1913の後側から扉体1913の上面と略同じ高さに遊技球を送込む迂回路1911を備えているため、遊技球を滑らかに送込むことができ、扉体1913に加わる衝撃を極めて小さくすることができる。また、迂回路1911は、遊技パネル599の後側を通って形成されているため、遊技パネル599の前面に形成された遊技領域605を狭めることなく、遊技球を迂回させることができる。
また、第二実施形態の入賞装置ユニット1900では、迂回路1911は、互いに直角に折れ曲がる第一転動面1915,第二転動面1916,第三転動面1917から構成されているため、遊技球の勢いを抑制しながら扉体1913に送込むことができ、扉体1913に加わる衝撃を一層緩和することができる。
また、第二実施形態の入賞装置ユニット1900では、通過口1909の真下に位置する第一転動面1915には、遊技球の流下方向を下方から後方へ変化させる円弧状の湾曲部1918が形成されているため、通過口1909を通過した遊技球が、通過口1909の真下の第一転動面1915上に勢いよく衝突しても、跳返ったり通過口1909から飛出したりすることがなく、第一転動面1915に沿って円滑に後方へ案内することができる。
また、第二実施形態の入賞装置ユニット1900では、迂回路1911に窓部1920が設けられているため、遊技球がゲート装置1901の通過口1909に通過したか否かを視覚的に認識させることができ、第二始動口1912への入賞に対して期待感を高めることができる。
また、第二実施形態の入賞装置ユニット1900では、第二始動口1912及び扉体1913が左右方向に長く形成され、扉体1913が閉位置の場合、迂回路1911を介して案内された遊技球は、扉体1913の右端の後側から送込まれ、その後、扉体1913の上面を長手方向に転動し、扉体1913の左端から排出されるようになっている。したがって、第二始動口1912に到達するタイミングがばらついても第二始動口1912に入賞させることができ、しかも第二始動口1912の開放時間を短く設定することで、連続して通過する複数の遊技球に対し一連の入賞処理を繰り返し行うことができる。
また、第二実施形態の入賞装置ユニット1900では、扉体1913は水平方向にスライド可能に支持されているため、扉体1913の移動距離を極力短くし、扉体1913の開閉動作を速やかに行うことができる。また、扉体1913が閉位置から開位置に移動する際に、扉体1913上で遊技球が転動していれば、その遊技球を速やかに且つ確実に落下(すなわち第二始動口1912に入賞)させることができる。
一方、第三実施形態の入賞装置ユニット1950においても、ゲート装置1951、ガイド通路1952、及び始動口装置1953が、一つのユニットとして一体的に構成されているため、夫々別々に配置する場合と比べ、全体的な大きさを小さくすることが可能となり、それらを配置するためのスペースが限られた大きさであっても、比較的容易に配置することができる。
また、第三実施形態の入賞装置ユニット1950では、ゲート装置1951の通過口1961と始動口装置1953の第二始動口1963とがガイド通路1952を介して連通されているため、通過口1961を通過した遊技球を、確実に且つ略一定のタイミングで第二始動口1963に到達させることができる。したがって、確変遊技状態や時短遊技状態など特定の遊技状態の際に、扉体1964を頻繁に開位置に変化させるようにすれば、繰り返される第二始動口1963の開放動作に合わせて多数の遊技球を順次入賞させることができる。また、第二始動口1963は、ゲート装置1951の通過口1961の真下に配置されているため、遊技球の落下方向と第二始動口1963への入賞方向とが一致することとなり、扉体1964が開位置に移動した際、通過口1961を通過した遊技球を、扉体1964に接触させることなく、真直ぐ且つ確実に入賞させることができる。また、比較的速い速度で入賞させることが可能となり、その後の処理(具体的には、第二始動口1963への入賞に基く大当り抽選、または通過口1961を通過する新たな遊技球に対する普通抽選)を迅速に開始することができる。
また、第三実施形態の入賞装置ユニット1950では、ガイド通路1952に、遊技球の跳返りを抑制する跳返り抑制部1965が備えられているため、通過口1961の下方に設けられた第二始動口1963が扉体1964によって閉鎖された状態であっても、上方への跳返りを抑制し円滑に排出することができる。つまり、ガイド通路1952内で遊技球同士が衝突することを未然に防止できる。
特に跳返り抑制部1965は、ガイド通路1952の前側内壁面からガイド通路1952の内部に向って突出した突出部1966によって構成されているため、扉体1964に衝突して反発する遊技球の上方への動きを簡単に規制することができる。また、比較的シンプルな構造で跳返り抑制部1965を構成することができ、安価に製造することが可能となる。
また、第三実施形態の入賞装置ユニット1950では、突出部1966の第二始動口1963側の面が斜面1967となっており、その斜面1967と扉体1964との間隔が突出部1966の先端側ほど広くなっているため、突出部1966の下面に突き当たった遊技球は、その後、突出部1966から離れるように、すなわち突出部1966と扉体1964との間から抜けるように転動することとなる。したがって、突出部1966と扉体1964との間で遊技球が停滞することを防止できる。
また、第三実施形態の入賞装置ユニット1950では、跳返り抑制部1965は、第一案内部1968及び第二案内部1969を備えているため、前側内壁面に形成された突出部1966に突き当たることなく、遊技球を第二始動口1963側(扉体1964側)に案内することができる。また、第一案内部1968及び第二案内部1969を通過することで、遊技球の落下速度を抑制でき、扉体1964に衝突する遊技球の反発力をさらに低減することができる。
特に、第一案内部1968は、円弧状に湾曲しているため、落下する遊技球を第二案内部1969側に向って円滑に案内することができる。また、第一案内部1968の下端部分が突出部1966として構成されているため、突出部1966の構成を一層シンプルなものとすることができる。
また、第三実施形態の入賞装置ユニット1950では、第二案内部1969は、内側内壁面に凹設されているため、突出部1966の突出高さが比較的大きな場合であっても、突出部1966を迂回して第二始動口1963に入賞させることができる。また、第二案内部1969には、第二始動口1963に向って遊技球を転動させる傾斜面1969aが形成されているため、前側内壁面に形成された突出部1966に対して、遊技球を容易に突き当てることができる。
また、第三実施形態の入賞装置ユニット1950では、第二案内部1969の下端と第二始動口1963(閉位置の扉体1964)との間に所定の高さの段差が設けられているため、突出部1966に突き当たった後の遊技球が、第二案内部1969側へ戻ることを抑制できる。
また、第三実施形態の入賞装置ユニット1950では、遊技球の排出通路1971は、ガイド通路1952の下部から左方向に延出して形成されているため、遊技領域605に対し比較的ゆっくりとした速さで放出することができ、排出後の遊技球の行方を注目させることが可能となる。また、排出通路1971が左右方向に長く形成されているため、入賞装置ユニット1950における縦方向の大きさを極力小さくし、縦方向のスペースが狭い領域においても容易に配設することができる。特に、入賞した遊技球を誘導する誘導路1973は排出通路1971の下側の空間に配置されているため、下方に誘導するものと比べ、入賞装置ユニット1950における縦方向の大きさをさらに小さく構成することができる。
また、第三実施形態の入賞装置ユニット1950では、第二始動口1963の下側に位置する誘導路1973の内底面に、円弧状の湾曲部1975が形成されているため、跳返ったり第二始動口1963から飛出したりすることがなく、誘導路1973に沿って円滑に誘導することができる。
また、第三実施形態の入賞装置ユニット1950では、第二始動口1963への遊技球の入賞を検出する第二始動口センサ1974が、誘導路1973における第二始動口1963の近傍に配置されているため、ゲート装置1951の通過口1961を通過した遊技球が第二始動口1963に入賞したか否かを速やかに判定することができる。このため扉体1964が開位置に移動したにも拘らず第二始動口1963に入賞させることができない場合があっても、極力早いタイミングで次の遊技球に対して一連の処理を開始することができる。
さらに、第三実施形態の入賞装置ユニット1950では、扉体1964は閉位置と開位置との間で水平方向に移動し、開位置ではガイド通路1952の後側に後退するため、第二始動口1963の開放時に、扉体1964によって遊技球の入賞が阻害されることを防止できる。また、扉体1964には後方に延出された平板状の後側延出部1964bが設けられており、この後側延出部1964bが上側摺動支持部1978及び下側摺動支持部1979によって挟持された状態で支持されているため、遊技球の衝突によって扉体1964に大きな衝撃が加わっても、扉体1964における上下方向の揺動を極力抑えることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、入賞装置ユニット1850(もしくは第二実施形態の入賞装置ユニット1900または第三実施形態の入賞装置ユニット1950)を、センター役物1400の右側の遊技領域605に配置するものを示したが、センター役物1400の左側の遊技領域605またはセンター役物1400の下側の遊技領域605に配置するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
1 パチンコ機(遊技機)
599 遊技パネル(遊技板)
605 遊技領域
650 打球発射装置(発射装置)
1500 アタッカユニット(開閉入賞装置)
1850,1900,1950 入賞装置ユニット
1851,1901,1951 ゲート装置
1852,1902,1952 ガイド装置
1853,1903,1953 始動口装置
1855a 通路形成部
1856 球経路ベース(始動口ベース部材)
1858,1907,1959 駆動機構
1859,1909,1961 通過口
1860,1910,1962 ゲートセンサ(通過検出手段)
1861 排出部
1862 速度抑制部
1863 第一案内部
1864 緩衝壁部
1865,1920 窓部
1866 発光基板(発光手段)
1867,1912,1963 第二始動口(始動口)
1868 開閉扉(扉体,受入部材)
1869,1921,1973 誘導路
1870 第二案内部
1871,1922,1974 第二始動口センサ(入賞状態検出手段)
1871a 透孔
1872 プランジャー
1873 始動口ソレノイド(ソレノイド)
1874 プランジャヘッド(伝達機構)
1875 クランク部材(伝達機構)
1911 迂回路
1915 第一転動面
1916 第二転動面
1917 第三転動面
1918 湾曲部
1964b 後側延出部
1965 跳返り抑制部
1966 突出部
1968 第一案内部
1969 第二案内部
1971 排出通路
1972 転動面
1975 湾曲部
1976 直線部
2550 普通乱数発生手段(普通抽選手段)
2572 第二特別乱数発生手段(大当り抽選手段)
K 遊技球
特開2005−006742号公報

Claims (3)

  1. 前面に遊技領域を有する遊技板と、
    前記遊技領域に配置され遊技球が通過可能な通過口を有するゲート装置と、
    前記通過口に遊技球が通過したことを検出する通過検出手段と、
    該通過検出手段による遊技球の検出に基づいて普通抽選を行う普通抽選手段と、
    前記ゲート装置の前記通過口を通過し流下する遊技球を下方に案内するガイド通路と、を有し、
    前記ガイド通路を通過している遊技球を始動口へ向け受け入れ可能な開口を前記ガイド通路内に構成し、
    前記ガイド通路を通過している遊技球を前記開口から受け入れ前記始動口に入賞させる入賞位置と前記開口から受け入れず入賞させない入賞不能位置とに動作可能な開閉部と、
    前記普通抽選手段の抽選結果に応じて前記開閉部を前記入賞位置と前記入賞不能位置とに変化させる駆動機構と、を有する始動口装置を備え、
    前記始動口装置、前記開閉部および前記ガイド通路が入賞装置ユニットとして一体的に構成され、
    前記始動口に遊技球が入賞したことを検出する入賞状態検出手段と、
    該入賞状態検出手段による遊技球の検出に基づいて大当り抽選を行う大当り抽選手段と、
    該大当り抽選手段の抽選結果が大当りの場合、遊技者に有利な遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、を備えている
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、発光にかかる制御を行う発光制御手段をさらに備えることを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1または2に記載の遊技機において、可動装飾体を可動させる演出制御手段をさらに備えることを特徴とする遊技機。
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