JP2016143891A - 電力増幅器 - Google Patents

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和宏 弥政
Kazuhiro Iyomasa
和宏 弥政
新庄 真太郎
Shintaro Shinjo
真太郎 新庄
山中 宏治
Koji Yamanaka
宏治 山中
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Abstract

【課題】受信帯雑音の特性を改善することができる小型の電力増幅器を提供する。【解決手段】LB(Low band)側の送信信号系では、抵抗17とキャパシタ18からなるRC直列回路16をLBT(Low Band Transistor)6のベース端子とグランド19の間に接続するように構成する。これにより、大きなインダクタとキャパシタからなる共振回路を設けることなく、受信帯雑音の特性を改善し、電力増幅器の小型化を図る。【選択図】図1

Description

この発明は、複数のRF信号(高周波信号)の増幅パスを持ち、キャリアアグリゲーションに類する複数の送信帯域を同時に使用する機能を有するマルチバンドの電力増幅器に関するものである。
例えば、通信機器である信号送受信機等に搭載される送信用の電力増幅器では、RF信号を送信する際、そのRF信号の電力が受信信号系(信号を受信する側の回路など)に漏れ出すことがある。
受信信号系に対して漏れ出すRF信号の電力が増大すると、受信帯雑音が劣化することがあるため、受信信号系に対する許容可能な電力の漏れ出し量が規定されている。
受信帯雑音を劣化させる要因の一つとして、RF信号である送信信号の周波数と、受信信号系における受信信号の周波数との差分の周波数(以下、「差周波」と称する)の信号が、送信信号を増幅するトランジスタで当該送信信号とミキシングされることで、その受信信号の周波数における雑音電力が増幅されることが挙げられる。
以下の特許文献1では、受信帯雑音の電力を低減するために、差周波の成分を減衰させる方法が提案されている。
具体的には、共振周波数が差周波に設定されているインダクタとキャパシタからなる直列共振回路がトランジスタの入力端子に接続されている電力増幅器が特許文献1に開示されている。
このような直列共振回路がトランジスタの入力端子に接続されることで、差周波の信号がトランジスタに入力される前に減衰するため、差周波の信号と送信信号がトランジスタでミキシングされることで生じる雑音成分を低減することができる。この結果、受信帯雑音の特性が改善される。
近年、スマートフォンやタブレットに代表される端末の高機能化に伴う部品点数の増加が著しいため、RF信号を増幅する電力増幅器の小型化の要求が高まっている。
また、携帯端末では、複数のバンドを同時に対応できるようにするために、複数のバンドに対応することが可能なマルチバンド電力増幅器の要求が高まっている。
なお、マルチバンド電力増幅器では、送信帯域の有効利用を図るため、キャリアアグリゲーションと称される複数の送信帯域を同時に使用する技術を用いて、データ通信量の拡大を図ってきているが、シングルバンドの電力増幅器と比べて、RF信号を送信する際の受信帯雑音の劣化が予想される。
特開2005−143079号公報(図1)
従来の電力増幅器は以上のように構成されているので、インダクタとキャパシタからなる直列共振回路によって、トランジスタに入力される前に差周波の信号を減衰させることができる。しかし、インダクタとキャパシタからなる直列共振回路は、低い周波数において共振する必要があるため(例えば、送信信号の周波数が2.1GHzで、受信信号の周波数が1.9GHzであれば、200MHzの周波数で共振する必要がある)、大きなインダクタンスと大きなキャパシタンスが必要になり、その場合、多くの表面実装部品(SMD)を必要とする。そのため、電力増幅器の小型化を図ることが困難になるという課題があった。
また、複数のバンドに対応するには、バンド毎に、当該バンドの差周波を共振周波数とする直列共振回路を装荷する必要があるため、さらに部品点数が増加して小型化を図ることが困難になるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、受信帯雑音の特性を改善することができる小型の電力増幅器を得ることを目的とする。
この発明に係る電力増幅器は、第1の送信信号を増幅する第1のトランジスタと、第1の送信信号と周波数が異なる第2の送信信号を増幅する第2のトランジスタと、第1のトランジスタの入力端子とグランドの間に接続され、第1の送信信号の周波数と受信信号系における受信信号の周波数との差分の周波数で共振する共振回路と、第2のトランジスタの入力端子とグランドの間に接続され、抵抗とキャパシタからなる直列回路とを備えるようにしたものである。
この発明によれば、抵抗とキャパシタからなる直列回路を第2のトランジスタの入力端子とグランドの間に接続するように構成したので、受信帯雑音の特性を改善することができる小型の電力増幅器が得られる効果がある。
この発明の実施の形態1による電力増幅器を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による電力増幅器を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による電力増幅器を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による電力増幅器を示す構成図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面にしたがって説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電力増幅器を示す構成図である。
図1において、HB用RF入力端子1はHB(High Band)のRF信号(第1の送信信号)を入力する端子である。
LB用RF入力端子2はHB用RF入力端子1から入力されるHBのRF信号よりも周波数が低いLB(Low band)のRF信号(第2の送信信号)を入力する端子である。
HB用入力整合回路3(図中、「IMC_H」と表記)はHB用RF入力端子1と接続されている入力側の整合回路である。
LB用入力整合回路4(図中、「IMC_L」と表記)はLB用RF入力端子2と接続されている入力側の整合回路である。
第1のトランジスタであるHBT5はベース端子(入力端子)がHB用入力整合回路3と接続され、コレクタ端子がHB用出力整合回路7と接続されているエミッタ接地のヘテロ接合バイポーラトランジスタであり、ベース端子から入力されるHBのRF信号を増幅し、コレクタ端子から増幅後のRF信号を出力する。
第2のトランジスタであるHBT6はベース端子(入力端子)がLB用入力整合回路4と接続され、コレクタ端子がLB用出力整合回路8と接続されているエミッタ接地のヘテロ接合バイポーラトランジスタであり、ベース端子から入力されるLBのRF信号を増幅し、コレクタ端子から増幅後のRF信号を出力する。
この実施の形態1では、HB,LBのRF信号を増幅するトランジスタの種類がHBTである例を説明するが、トランジスタの種類はHBTに限るものではなく、例えば、FETなどを用いるようにしてもよい。
HB用出力整合回路7(図中、「OMC_H」と表記)はHB用RF出力端子9と接続されている出力側の整合回路である。
LB用出力整合回路8(図中、「OMC_L」と表記)はLB用RF出力端子10と接続されている出力側の整合回路である。
HB用RF出力端子9はHBT5により増幅されたHBのRF信号を出力する端子である。
LB用RF出力端子10はHBT6により増幅されたLBのRF信号を出力する端子である。
HB用バイアス回路11(図中、「BC_H」と表記)はHBT5に対してバイアス電流を供給する回路である。
LB用バイアス回路12(図中、「BC_L」と表記)はHBT6に対してバイアス電流を供給する回路である。
直列共振回路13はHBT5のベース端子とグランド19の間に接続されており、HB用RF入力端子1から入力されるHBのRF信号の周波数と、受信信号系(信号を受信する側の回路など)における受信信号の周波数との差分の周波数で共振する回路である。
直列共振回路13はインダクタ14とキャパシタ15が直列に接続されて構成されている。
RC直列回路16は抵抗17とキャパシタ18が直列に接続されて構成されており、HBT6のベース端子とグランド19の間に接続されている。
次に動作について説明する。
直列共振回路13は、HBT5のベース端子とグランド19の間に接続されており、特許文献1に開示されている直列共振回路と同様に、HB用RF入力端子1から入力されるHBのRF信号の周波数Txと、受信信号系における受信信号の周波数Rxとの差分の周波数である差周波ΔFr(=Tx−Rx)で共振するように共振周波数が設定されている。
直列共振回路13の共振周波数が差周波ΔFrに設定されることで、差周波ΔFrにおいて、直列共振回路13のインピーダンスが低下するHB用の受信帯域雑音低減回路である。
これにより、差周波ΔFrの信号のほとんどがHBT5には流れずに、直列共振回路13を介してグランド19に流れるため、差周波ΔFrの信号とHBのRF信号がHBT5でミキシングされることがほとんどなくなる。したがって、HBT5でのミキシングによって生じる雑音成分を低減することができる。
なお、差周波ΔFrにおいて、直列共振回路13のインピーダンスが低下し、かつ、HBのRF信号の送信帯域での電気特性を劣化させないようにするため、キャパシタ15の値は40pF以上とし、また、インダクタ14の値はHBのRF信号の送信帯域において高いインピーダンスとなるように選択する。
RC直列回路16は、抵抗17とキャパシタ18が直列に接続されて構成されているLB用の受信帯域雑音低減回路である。
RC直列回路16は、HBの送信帯域とのアイソレーションを確保しながら、LB用RF入力端子2から入力されるLBのRF信号の周波数Txと、受信信号系における受信信号の周波数Rxとの差分の周波数である差周波ΔFr(=Tx−Rx)において、低いインピーダンスを実現するために、抵抗17の値が40Ω〜100Ωの間に調整されている。
抵抗17は、HBT6の半導体プロセスで形成される抵抗によって実現することで小型化を図ることができるので、直列共振回路を構成するインダクタより小さくすることができる。
なお、抵抗17は、HBの送信帯域とのアイソレーションを確保するために設けられており、また、キャパシタ18は、低周波である差周波ΔFrを短絡するために設けられている。
HBT6のベース端子とグランド19の間に、差周波ΔFrにおいて、低インピーダンスのRC直列回路16を接続することで、差周波ΔFrの信号のほとんどがHBT6には流れずに、RC直列回路16を介してグランド19に流れるため、差周波ΔFrの信号とLBのRF信号がHBT6でミキシングされることがほとんどなくなる。したがって、HBT6でのミキシングによって生じる雑音成分を低減することができる。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、LB側の送信信号系では、抵抗17とキャパシタ18からなるRC直列回路16をHBT6のベース端子とグランド19の間に接続するように構成したので、受信帯雑音の特性を改善することができるとともに、電力増幅器の小型化を図ることができる効果を奏する。
この実施の形態1では、HBT5を第1のトランジスタ、HBT6を第2のトランジスタとして、直列共振回路13をHBT5のベース端子、RC直列回路16をHBT6のベース端子に接続するものを示したが、HBT5を第2のトランジスタ、HBT6を第1のトランジスタとして、図2に示すように、直列共振回路13をHBT6のベース端子、RC直列回路16をHBT5のベース端子に接続するようにしてもよい。この場合も同様の効果を得ることができる。
また、この実施の形態1では、HB側の送信信号系とLB側の送信信号系に対応している電力増幅器を示したが、3つ以上の送信信号系に対応している電力増幅器であってもよい。
この場合、少なくとも1以上の送信信号系に接続されている受信帯域雑音低減回路が、抵抗17とキャパシタ18が直列に接続されて構成されているRC直列回路16であれば、上記実施の形態1と同様に、電力増幅器の小型化を図ることができる。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による電力増幅器を示す構成図であり、図3において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
第1の直列回路であるRC直列回路21は抵抗22とキャパシタ23が直列に接続されて構成されており、HBT5のベース端子とグランド19の間に接続されている。
第2の直列回路であるRC直列回路24は抵抗25とキャパシタ26が直列に接続されて構成されており、HBT6のベース端子とグランド19の間に接続されている。
上記実施の形態1では、2つの送信信号系のうち、一方の送信信号系(HB側の送信信号系、または、LB側の送信信号系)の受信帯域雑音低減回路が、抵抗17とキャパシタ18からなるRC直列回路16である例を示したが、この実施の形態2では、双方の送信信号系の受信帯域雑音低減回路が、抵抗とキャパシタからなるRC直列回路21,24であるようにしている。
この場合、2つの送信信号系において、小型化を図ることができるため、上記実施の形態1よりも更に小型化を図ることができる効果を奏する。
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3による電力増幅器を示す構成図であり、図4において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
LB用バイアス回路12を構成しているバイアス印加用トランジスタ31は、エミッタフォロアのLB増幅用トランジスタであり、バイアス電流をHBT6に供給する。
エミッタフォロア型のバイアス回路では、しばしば温度補償回路として、バイアス印加用トランジスタ31のエミッタ端子とグランドの間に抵抗32を装荷する方式が用いられるが、この実施の形態3では、この抵抗32の一部が、RC直列回路16の抵抗17を兼ねるようにしている。
LB用バイアス回路12内の抵抗32の一部がRC直列回路16の抵抗17を兼ねることで、上記実施の形態1よりも更に小型化を図ることができる効果を奏する。
ここでは、LB用バイアス回路12内の抵抗32の一部がRC直列回路16の抵抗17を兼ねる例を示したが、図2のHB用バイアス回路11を図4に示しているLB用バイアス回路12と同様に構成し、図2のHB用バイアス回路11内の抵抗の一部が、図2のRC直列回路16の抵抗17を兼ねるようにしてもよい。
この場合も、上記実施の形態1よりも更に小型化を図ることができる効果を奏する。
同様に、図3のHB用バイアス回路11及びLB用バイアス回路12を図4に示しているLB用バイアス回路12と同様に構成し、図3のHB用バイアス回路11内の抵抗の一部が、図3のRC直列回路21の抵抗22を兼ねるとともに、図3のLB用バイアス回路12内の抵抗の一部が、図3のRC直列回路24の抵抗25を兼ねるようにしてもよい。
この場合、上記実施の形態2よりも更に小型化を図ることができる効果を奏する。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 HB用RF入力端子、2 LB用RF入力端子、3 HB用入力整合回路、4 HB用入力整合回路、5 HBT(第1のトランジスタ)、6 HBT(第2のトランジスタ)、7 HB用出力整合回路、8 LB用出力整合回路、9 HB用RF出力端子、10 LB用RF出力端子、11 HB用バイアス回路、12 LB用バイアス回路、13 直列共振回路、14 インダクタ、15 キャパシタ、16 RC直列回路、17 抵抗、18 キャパシタ、19 グランド、21 RC直列回路(第1の直列回路)、22 抵抗、23 キャパシタ、24 RC直列回路(第2の直列回路)、25 抵抗、26 キャパシタ、31 バイアス印加用トランジスタ、32 抵抗。

Claims (5)

  1. 第1の送信信号を増幅する第1のトランジスタと、
    前記第1の送信信号と周波数が異なる第2の送信信号を増幅する第2のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタの入力端子とグランドの間に接続され、前記第1の送信信号の周波数と受信信号系における受信信号の周波数との差分の周波数で共振する共振回路と、
    前記第2のトランジスタの入力端子とグランドの間に接続され、抵抗とキャパシタからなる直列回路と
    を備えた電力増幅器。
  2. 前記第2のトランジスタに対してバイアス電流を供給するバイアス回路を構成しているバイアス印加用トランジスタのエミッタ端子とグランドの間に接続されている抵抗が、前記直列回路の抵抗を兼ねていることを特徴とする請求項1記載の電力増幅器。
  3. 第1の送信信号を増幅する第1のトランジスタと、
    前記第1の送信信号と周波数が異なる第2の送信信号を増幅する第2のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタの入力端子とグランドの間に接続され、抵抗とキャパシタからなる第1の直列回路と
    前記第2のトランジスタの入力端子とグランドの間に接続され、抵抗とキャパシタからなる第2の直列回路と
    を備えた電力増幅器。
  4. 前記第2のトランジスタに対してバイアス電流を供給するバイアス回路を構成しているバイアス印加用トランジスタのエミッタ端子とグランドの間に接続されている抵抗が、前記第2の直列回路の抵抗を兼ねていることを特徴とする請求項3記載の電力増幅器。
  5. 前記第1のトランジスタに対してバイアス電流を供給するバイアス回路を構成しているバイアス印加用トランジスタのエミッタ端子とグランドの間に接続されている抵抗が、前記第1の直列回路の抵抗を兼ねていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の電力増幅器。
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