JP2016141561A - 吸引ノズル、及び当該吸引ノズルを備えた糸巻取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パッケージから引き出された糸端を確実に捕捉でき、かつ、捕捉した糸端が切れにくい吸引ノズルを提供する。【解決手段】自動ワインダに設けられる吸引ノズル5は、吸引口6と、引掛け部7と、を備える。吸引口6は、パッケージ20からの糸端を吸い込む。引掛け部7は、吸引口6に吸い込んだ糸端が、その吸込み方向とは逆方向に引き出されることを阻止する。引掛け部7は、吸引口6における吸込み方向と交差する方向に複数の歯が並べられた歯列部71c,72cを有する。歯列部71c,72cは、吸込み方向で互いに異なる位置に複数配置されている。【選択図】図5
Description
本発明は、主として、糸端を吸引して捕捉する吸引ノズルに関する。
従来から、給糸部から供給された糸を巻取部により巻き取ってパッケージを形成する糸巻取装置が知られている。一般に、この糸巻取装置は、給糸部と巻取部との間で分断された糸端を捕捉する糸捕捉案内装置と、糸捕捉案内装置により案内された糸端を糸継ぎする糸継装置(糸継部)と、を備える。
特許文献1は、上記の糸捕捉案内装置が備える糸端引出し装置(吸引ノズル)を開示する。この特許文献1の糸端引出し装置は、以下の構成となっている。即ち、巻取パッケージから糸端を吸引する吸引部が、吸引口と、その内方へ突出する櫛歯と、糸端規制部材と、を備えている。前記吸引部は、前記吸引口の内方へ突出する櫛歯を介して巻取パッケージの糸端を引っ掛けて捕捉して、吸引する。前記糸端規制部材は、前記吸引された糸端が前記櫛歯の先端を折れ点としてばたつくことを規制する。特許文献1は、この構成により、吸引捕捉時の糸端の切断を防ぐことができるとする。
特許文献2は、上記の糸捕捉案内装置に備えた吸込みノズル(吸引ノズル)を開示する。この特許文献2の吸込みノズルは、備えた吸込み開口部(吸引口)のコームストリップに高い歯と低い歯とを交互に配置するように構成されている。特許文献2は、この構成により、綾巻きパッケージに巻き付く糸端部を常に確実に受け取ることができるとする。
糸巻取装置において、給糸部と巻取部との間で糸が分断された場合、パッケージの回転を停止させて糸継装置で糸継ぎする必要があるが、糸の分断後もパッケージは慣性によってある程度回転する。従って、糸端はパッケージに巻き取られるが、そのときに糸(糸端)がパッケージの表面にピッタリと付着する場合がある。
一般的に、特許文献1や2に開示される吸引ノズルが当該糸端を吸引して捕捉するとき、糸巻取装置はパッケージを、糸端を解舒する方向(逆方向)に回転させる。これにより、吸引ノズルが当該糸端を捕捉し易くなる。しかしながら、糸端付近の糸の部位がパッケージの表面に強い力で付着していた場合、糸端がいったん吸引ノズルに吸い込まれても、パッケージの逆回転によって当該糸端が吸引ノズルから引き出されてしまい、糸端の捕捉に失敗することがある。
この点、特許文献1及び2の構成では、吸引口の先端に櫛歯(歯)を設けることで、糸端引出し装置(吸込みノズル)により吸引された糸端を引っ掛けることにより、パッケージの逆回転により当該糸端が引き出されることを防止している。
しかし、糸端を櫛歯部材によって引っ掛けるだけでは、糸端を吸引した状態を保持する力が十分でないため、糸端付近の糸の部位がパッケージに強い力で付着していた場合に、パッケージの逆回転に伴って糸端が吸引ノズルから引き出されてしまい易い。
なお、特許文献2では、櫛歯部材の引掛け力を向上するために櫛歯の先端を鋭く形成することが提案されているが、この場合、糸端がその鋭い歯により切断されて捕捉失敗の原因となるのに加えて、糸屑がパッケージに巻き込まれて不良が発生してしまう可能性がある。
このように、吸引口の先端の歯の先端の角度を小さくすると糸が切断されるおそれが増大する一方で、角度を大きくすると糸端を引っ掛けて保持する力が不足してしまい、この解決が望まれていた。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、パッケージから引き出された糸端を確実に捕捉でき、かつ、捕捉した糸端が切れにくい吸引ノズルを提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の吸引ノズルが提供される。即ち、この吸引ノズルは、糸を巻き取ってパッケージを形成する糸巻取装置に設けられ、吸引口と、引掛け部と、を備える。前記吸引口は、前記パッケージからの糸端を吸い込む。前記引掛け部は、前記吸引口に吸い込んだ前記糸端が、その吸込み方向とは逆方向に引き出されることを阻止する。前記引掛け部は、前記吸引口における前記吸込み方向と交差する方向に複数の歯が並べられた歯列部を有する。前記歯列部は、前記吸込み方向で互いに異なる位置に複数配置されている。
これにより、パッケージからの糸端を複数の歯列部で同時に引っ掛けることができるので、糸端を確実かつ好適に捕捉することができる。また、糸端に加わる力が複数箇所に分散されるので、糸が切断されにくくなる。そして、複数箇所で糸端を引っ掛けているので、吸引捕捉された糸端のバタつきも抑制することができる。
前記の吸引ノズルにおいては、前記歯列部は、前記吸込み方向で互いに異なる位置に2つ配置されていることが好ましい。
これにより、簡単な構成で、糸端に加わる力を分散できる引掛け部を構成することができる。
前記の吸引ノズルにおいては、複数の前記歯列部の形状は同一であることが好ましい。
これにより、製造工数及び製造コストを低減することができる。
前記の吸引ノズルにおいては、複数の前記歯列部のうち、ある前記歯列部における前記歯の先端は、他の前記歯列部における前記歯の先端と、前記歯が並べられる方向でズレる位置に配置されることが好ましい。
これにより、それぞれの歯列部の歯を狭い間隔で形成しなくても、複数の歯列部の組合せで、より細かい間隔で歯が並べられた歯列部と同等の効果を得ることができる。即ち、糸端を一層好適に引っ掛けることができる。
前記の吸引ノズルにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記吸引口は、前記パッケージの巻幅方向に細長い形状に形成されている。前記吸引ノズルは、前記吸引口を挟んで互いに対面する第1壁部及び第2壁部を備える。前記パッケージが前記糸端を解舒する向きに回転するのに伴って当該パッケージの表面が移動する方向を巻出し方向と呼ぶときに、前記第1壁部は、前記第2壁部よりも、前記吸引口を前記パッケージの表面に接近させた状態で前記巻出し方向の下流側に位置している。前記歯列部は前記第1壁部側に配置されている。
これにより、パッケージの巻出し方向の回転によって、パッケージから吸引口へ引き出される糸端を歯列部側に寄せることができ、歯列部が当該糸端を一層好適に引っ掛けることができる。
前記の吸引ノズルにおいては、前記吸込み方向で見たときに、当該吸込み方向の上流側に位置する前記歯列部は、前記吸込み方向の下流側に位置する前記歯列部よりも、前記第2壁部から遠い側に配置されることが好ましい。
これにより、それぞれの歯列部に引っ掛かる箇所において糸端が強く屈曲されにくくなるので、糸端の切断を一層確実に防止することができる。
前記の吸引ノズルにおいては、前記歯列部は金属から構成されることが好ましい。
これにより、例えばプレス加工を用いることにより、歯列部を低コストで形成することができる。また、歯列部が硬度を有するため、耐久性が優れる。
前記の吸引ノズルにおいては、前記歯列部は、ステンレス鋼から構成されることが好ましい。
これにより、防錆性及び耐摩耗性を有する歯列部を低コストで実現することができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の糸巻取装置が提供される。即ち、この糸巻取装置は、前記吸引ノズルと、給糸部と、巻取部と、糸継部と、糸端案内部と、を備える。前記給糸部は、糸を供給する。前記巻取部は、前記給糸部から供給された前記糸を巻き取って、前記パッケージを形成する。前記糸継部は、前記給糸部と前記巻取部との間に配置され、前記給糸部側の糸端と前記巻取部側の前記糸端とを糸継ぎする。前記糸端案内部は、前記給糸部側の前記糸端を捕捉して前記糸継部に案内する。前記吸引ノズルは、前記パッケージからの前記糸端を吸引捕捉して、前記糸継部に案内する。
これにより、吸引ノズルがパッケージからの糸端を吸引捕捉する際に、当該糸端を複数の歯列部で同時に引っ掛けることができるので、糸端を確実に捕捉して糸継部に案内することができる。この結果、糸継部における糸継ぎをスムーズに行うことができ、糸巻取装置全体の効率を向上することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る自動ワインダ100の全体的な構成を示す概略正面図である。
図1に示す自動ワインダ(糸巻取装置)100は、並べて配置された複数のワインダユニット(糸巻取ユニット)10と、ブロアボックス80と、機台制御装置90と、玉揚装置91と、を主に備える。
ブロアボックス80の内部には、図略のブロアが配置されている。このブロアは、各ワインダユニット10に圧縮空気を供給するための圧縮空気源として機能するとともに、負圧を供給するための負圧源としても機能する。
機台制御装置90は、各ワインダユニット10と通信可能に構成されている。自動ワインダ100のオペレータは、機台制御装置90を適宜操作することにより、複数のワインダユニット10を集中的に管理することができる。また、機台制御装置90は、玉揚装置91の動作を制御する。
玉揚装置91は、ワインダユニット10においてパッケージ20が満巻(規定量の糸12が巻き取られた状態)となった場合に、当該ワインダユニット10の位置まで走行し、満巻であるパッケージ20を取り外すとともに、空の巻取ボビン22をセットするように構成されている。
次に、図2及び図3を主に参照してワインダユニット10の構成について説明する。図2は、ワインダユニット10の側面図である。図3は、ワインダユニット10において糸12が分断状態になった場合に、糸端を糸継装置3に案内する様子を示す側面図である。
ワインダユニット10は、主として、給糸部1と、巻取部2と、を備えている。このワインダユニット10は、給糸部1に供給された給糸ボビン11の糸12を解舒して、解舒された糸12を巻取ボビン22に巻き取ってパッケージ20を形成するように構成されている。なお、以下の説明においては、パッケージ20において、糸12を巻き取る方向の回転を正回転と称し、その逆方向の回転を逆回転と称することがある。
給糸部1は、図略の搬送トレイに載せられた給糸ボビン11を所定の位置で支持し、この給糸ボビン11から糸12を解舒して供給することができる。この給糸部1は、給糸ボビン11から全ての糸12が解舒されると、空になった給糸ボビン11を排出して、図略の給糸ボビン供給装置から新しい給糸ボビン11の供給を受けることができるように構成されている。なお、給糸部1は、上記のような搬送トレイ式に限られず、例えば、図示しないマガジンから供給された給糸ボビンを所定の位置で支持して糸12を解舒して供給するマガジン式の給糸部であっても良い。
巻取部2は、巻取ボビン22を装着可能に構成されたクレードル21と、糸12をトラバースさせながら巻取ボビン22又はパッケージ20を駆動する綾振ドラム23と、を備える。
クレードル21は、巻取ボビン22(パッケージ20)を回転可能に支持するように構成されている。また、クレードル21は、支持しているパッケージ20の外周面(表面)を綾振ドラム23の外周面に接触させることができるように構成されている。
綾振ドラム23は、図略の駆動源(電動モータ等)によって回転駆動され、巻取ボビン22又はパッケージ20の外周面に接触した状態で回転することで、巻取ボビン22を従動回転させる。このようにパッケージ20を回転(正回転)させることで、糸12を巻取ボビン22に巻き取ることができる。また、綾振ドラム23の外周面には図略の綾振溝が形成されており、この綾振溝によって糸12を所定の幅でトラバース(綾振り)することが可能になっている。以上の構成で、糸12をトラバースさせながら巻取ボビン22に巻き付けて、所定長で所定形状のパッケージ20を形成することができる。
そして、ワインダユニット10において、給糸部1と巻取部2との間の糸走行経路中に、解舒補助装置13と、張力付与装置14と、中継パイプ(糸端案内部)4と、糸継装置(糸継部)3と、糸品質測定装置(糸欠陥検出部)19と、吸引ノズル5を配置した構成となっている。
解舒補助装置13は、給糸ボビン11の芯管に被せることが可能な規制部材13aを備えている。規制部材13aは、略筒状に構成されており、給糸ボビン11の糸層上部に形成されたバルーンに接触するように配置されている。なお、バルーンとは、給糸ボビン11から解舒される糸12が遠心力によって振り回されている部分のことである。このバルーンに対して規制部材13aを接触させることにより、当該バルーンの部分の糸12に対してテンションを付与し、糸12が過度に振り回されることを防止する。これにより、当該糸12を給糸ボビン11から適切に解舒することができる。
張力付与装置14は、走行する糸12に所定のテンションを付与するものである。本実施形態において、張力付与装置14は、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置するゲート式のもので構成されている。可動側の櫛歯は、櫛歯同士が噛み合わせ状態となるように付勢されている。噛み合わせ状態の櫛歯の間を屈曲させながら糸12を通過させることにより、当該糸12に対して適度なテンションを付与してパッケージ20の品質を高めることができる。ただし、張力付与装置14は上記ゲート式のものに限らず、例えばディスク式のものを採用することができる。
中継パイプ4は、給糸部1と巻取部2との間で糸12が何らかの理由により分断状態となったときに、給糸ボビン11側の糸12(糸端)を捕捉して糸継装置3に案内することができるように構成されている。この中継パイプ4は、給糸部1側及び巻取部2側に旋回可能に構成されている。また、中継パイプ4の先端近傍には、糸端を吸引するための吸引空気流を発生させることができる。
糸継装置3は、糸12が上記の分断状態となったときに、給糸部1側の糸12(糸端)と、巻取部2側の糸12(糸端)と、を糸継ぎするものである。本実施形態において、糸継装置3は、圧縮空気により発生させた旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置として構成されている。ただし、糸継装置3としては上記スプライサ装置に限らず、例えば機械式のノッタ等を採用することができる。
糸品質測定装置19は、走行する糸12の太さ等を適宜のセンサで監視することにより、糸欠陥を検出する。糸品質測定装置19の近傍には、当該糸品質測定装置19が糸欠陥を検出したときに直ちに糸12を切断するためのカッタ(切断部)24が設けられている。
吸引ノズル5は、糸12が上記の分断状態となったときに、パッケージ20側の糸12(糸端)を捕捉して糸継装置3に案内することができるように構成されている。
吸引ノズル5は、軸部51と、パイプ部材52と、吸引部53と、を備える。パイプ部材52は、機台制御装置90の制御により、軸部51を中心として、給糸部1側及び巻取部2側に旋回することができる。パイプ部材52の先端側に配置される吸引部53は、図4に示すように細長い形状の吸引口6を有しており、この吸引口6の長手方向はパッケージ20の巻幅方向と平行となっている。吸引ノズル5の軸部51はブロアボックス80内の負圧源に図略の配管を介して接続されており、これにより、吸引口6の近傍に、糸端を吸い込むための吸引空気流を発生させることができる。なお、吸引口6の内部では、吸引流の向き(糸端を吸い込む向き)はパッケージ20の巻幅方向とほぼ垂直に向けられており、以下、この向きを吸込み方向と呼ぶことがある。
以上により、ワインダユニット10は、巻取ボビン22に糸12を巻き付けてパッケージ20を形成することができる。
次に、糸品質測定装置19が糸欠陥を検出してカッタ24が糸12を切断した場合に、分断された糸12を糸継ぎして巻取りを再開するまでのワインダユニット10の動作について、図2及び図3を参照して説明する。
ワインダユニット10において、糸12の巻取作業時に糸品質測定装置19が糸欠陥を検出した場合、カッタ24は糸12を自動的に切断する。分断された糸12のうち、パッケージ20側(巻取部2側)の糸端は、慣性回転するパッケージ20に巻き取られる。
パッケージ20の回転が停止するのと前後して、図略の制御部は、吸引ノズル5を、その吸引部53がパッケージ20に接近するように上方へ旋回させ、図3の鎖線で示す位置まで移動させる。この結果、吸引ノズル5の吸引口6はパッケージ20の表面とほぼ対面する位置に移動する。その後、制御部は、綾振ドラム23を制御してパッケージ20を逆回転させるとともに、吸引口6に吸引空気流を発生させる。これにより、吸引ノズル5は、パッケージ20からの糸端を吸引口6から吸引して捕捉することができる。
一方、分断された糸12のうち給糸ボビン11側(給糸部1側)の糸端は、中継パイプ4の先端に発生している吸引空気流によって捕捉される。
そして、制御部は、吸引ノズル5を図3の太線矢印に示すように下方へ旋回させるとともに、中継パイプ4を太線矢印に示すように上方へ旋回させる。これにより、吸引ノズル5により捕捉されたパッケージ20側の糸端と、中継パイプ4により捕捉された給糸ボビン11側の糸端とが、糸継装置3に案内される。
その後、分断された糸端同士が糸継装置3により糸継ぎされる。給糸部1と巻取部2の間で糸12が連続状態となると、制御部は、綾振ドラム23を制御して巻取ボビン22又はパッケージ20を正回転させ、糸12の巻取りを再開する。
次に、本実施形態の吸引ノズル5について詳細に説明する。なお、以下の説明で、吸引ノズル5に関して「先端側」という場合は、軸部51から遠い側、言い換えれば、パッケージ20の糸端を吸引する際に当該パッケージ20に接近する側を意味する。
本実施形態の吸引ノズル5が備える吸引部53は、中空状に構成されており、その内部空間がパイプ部材52の内部と接続されている。また、この吸引部53は、図4に示すように、吸引口6と、引掛け部7と、を備える。吸引口6の近傍には、上記したとおり、糸12を吸い込んで捕捉するための吸引空気流を生成することができる。
吸引口6は、図3の鎖線で示すように吸引ノズル5がパッケージ20に接近するとき、パッケージ20の外周面に対向するように、吸引ノズル5の先端側に配置されている。吸引ノズル5が発生させる吸引空気流により、パッケージ20の表面近傍に位置する糸端が吸引口6を介して吸引ノズル5の内部に吸引される。
当該吸引口6は、図4に示すように、パッケージ20の巻幅の略全部を含むように細長い矩形に形成されている。しかし、吸引口6の形状は矩形に限定せず、パッケージ20の巻幅の略全体にわたって吸引空気流を作用させることができれば、例えば長円状等の細長い形状としても良い。
吸引部53は、図4及び図5に示すように、互いに平行に配置された第1壁部61及び第2壁部62を有する。第1壁部61及び第2壁部62は、何れも、パッケージ20の巻幅方向にほぼ平行に細長く形成されている。また、第1壁部61と第2壁部62とは、細長い隙間(開口54)を挟んで相互に対面するように配置されている。吸引口6(開口54)がパッケージ20の表面に接近した状態で、第1壁部61は、パッケージ20の逆回転に伴って当該パッケージ20の表面が移動する方向(以下、巻出し方向と呼ぶことがある)の下流側に位置し、第2壁部62は、当該方向の上流側に位置する。
引掛け部7は、図4及び図5に示すように、第1櫛歯部材71と、第2櫛歯部材72と、を備える。
第1櫛歯部材71は、取付け部71aと、曲げ部71bと、を備える。取付け部71aは、第1壁部61と平行に延びるように形成され、第1壁部61の外側に(後述のスペーサ8等を介して)固定されている。吸引ノズル5の先端側をパッケージ20に接近させた状態において、曲げ部71bは、取付け部71aにおいてパッケージ20に近い側の端部から、第2壁部62に近づく向きにほぼ垂直に曲げて形成されている。曲げ部71bの先端には、同一形状の歯が直線状に繰り返し並べられた歯列部71cが形成されている。歯列部71cにおいて、歯は、パッケージ20の巻幅方向の略全部を含む長さにわたって並べられている。
第1櫛歯部材71は、第1壁部61とほぼ同じ幅を有する金属製の板状部材に対し、プレス加工により歯列部71cを形成することで構成されている。なお、このプレス加工において、曲げ部71bを形成する折曲げ加工を同時に行っても良い。
第2櫛歯部材72は、取付け部72aと、曲げ部72bと、歯列部72cと、を備える。取付け部72a、曲げ部72b、及び歯列部72cは、第1櫛歯部材71と実質的に同じ構成であるため、説明を省略する。
なお、第1櫛歯部材71と第2櫛歯部材72とにおける曲げ部71b,72bは、歯列部71c,72cを含めて同じ形状とされており、この結果、製造工数とコストの低減が実現できている。
一方で、図5に示すように、第1櫛歯部材71の取付け部71aは、第2櫛歯部材72の取付け部72aよりも長く形成されている。これにより、第1櫛歯部材71の歯列部71cは、第2櫛歯部材72の歯列部72cよりもパッケージ20の表面に近い側に配置される。言い換えれば、2つの歯列部71c,72cは、吸引ノズル5において吸引口6が糸12を吸い込む方向(前記の吸込み方向)で互いに異なる位置に配置されている。また、第1櫛歯部材71の曲げ部71bの形状は第2櫛歯部材72の曲げ部72bの形状とほぼ同じであるが、第1櫛歯部材71の取付け部71aは、第2櫛歯部材72の取付け部72aの外側に、板状のスペーサ8を介して固定される。従って、第1櫛歯部材71の歯列部71cは、第2櫛歯部材72の歯列部72cよりも、パッケージ20の逆回転に伴って当該パッケージ20の表面が移動する方向(上記の巻出し方向)の下流側に配置される。
本実施形態の第1櫛歯部材71及び第2櫛歯部材72は、ステンレス鋼の板金により構成されている。これにより、低コストで、加工が簡単で、防錆性及び耐摩耗性を有する櫛歯部材を実現することができる。
第2櫛歯部材72の曲げ部72bは、図4及び図5に示すように、吸引口6における吸込み方向と交差(好ましくは直交)する向きで開口54の内部に突出している。言い換えれば、開口54の一部が曲げ部72bによって閉鎖され、残りの部分が吸引口6とされている(この結果、曲げ部72bの先端の歯列部72cが、吸引口6の輪郭の一部を構成することになる)。これにより、吸引口6から吸い込まれた糸端を歯列部72cで引っ掛けることで、糸端がパッケージ20の逆回転により吸引口6から引き出されることを阻止できる。
曲げ部72bが開口54の内部に突出する長さは、当該曲げ部72bが吸引空気流を大きく妨げることがないように、第1壁部61と第2壁部62との間の隙間(開口54)との関係で十分に短く設定されている。具体的には、曲げ部72bの突出量は、上記の隙間の半分以下となっている。これにより、第2櫛歯部材72を吸引ノズル5の先端部に取り付けても、吸引口6を介して糸端をスムーズに吸引ノズル5の内部に吸引することができる。
第1櫛歯部材71が有する曲げ部71bは、吸引口6の外側で、第2櫛歯部材72の曲げ部72bと同じ向きに曲げられている。また、前述したように、第1櫛歯部材71の歯列部71cは、第2櫛歯部材72の歯列部72cよりもパッケージ20の表面に近い側に配置されるとともに、第2櫛歯部材72の歯列部72cよりも、パッケージ20の逆回転に伴って当該パッケージ20の表面が移動する方向の下流側に配置される。
具体的に説明すると、吸引口6における吸込み方向で見るとき、図6に示すように、第1壁部61側に取り付けられている第1櫛歯部材71の歯列部71cは、開口54の輪郭の内側に配置されている。一方、第2櫛歯部材72の歯列部72cは、開口54の輪郭の内側で、かつ、第1櫛歯部材71の歯列部71cよりも第1壁部61に近い側(第2壁部62から遠い側)に配置されている。
言い換えれば、吸引口6における吸込み方向で見るとき、第1櫛歯部材71の曲げ部71bの先端(歯列部71c)と第2櫛歯部材72の曲げ部72bの先端(歯列部72c)との両方とも見えるように、第1櫛歯部材71と第2櫛歯部材72とが、吸引口6の長手方向とも吸込み方向とも交差(好ましくは直交)する向き(歯列部71c,72cにおいてそれぞれの歯が突出する向き)にズレて配置されている。
このように構成することで、糸端を2つの歯列部71c,72cで同時に引っ掛けることで、糸端を強く保持することができるとともに、それぞれの歯列部71c,72cが糸12に加える力が小さくなるので、糸端が切れることを防止できる。また、糸端は2箇所で引っ掛けられるので、糸端のバタつきを良好に抑えることができる。しかも、上記のように歯列部71c,72cが互いにズレて配置されているので、糸端がそれぞれの歯列部71c,72cに引っ掛けられる部分において強く屈曲されにくくなり(図5を参照)、この意味でも、糸端を切れにくくすることができる。
図4及び図5に示すように、第1櫛歯部材71と第2櫛歯部材72との間にはスペーサ8が設けられている。当該スペーサ8の厚みを調整することにより、第1櫛歯部材71の歯列部71cと第2櫛歯部材72の歯列部72cとのズレ量を調整することができる。
また、上記の引掛け部7(2つの歯列部71c,72c)は、吸引口6を挟んで配置される第1壁部61及び第2壁部62のうち、前記の巻出し方向の下流側に位置する第1壁部61側に配置されている。この構成とすることで、糸端付近の糸12の部位がパッケージ20の表面に強く貼り付いていた場合でも、パッケージ20の逆方向の回転に伴って糸端がそれぞれの歯列部71c,72cに近づくように寄せられ、歯に引っ掛かり易くなる。この結果、吸引口6にいったん吸い込まれた糸端が当該吸引口6から引き出されるのを良好に防止することができる。
第1櫛歯部材71と第2櫛歯部材72とで、歯列部71c,72cの形状は完全に一致しているので、それぞれの歯列部71c,72cにおいて歯が繰り返し並べられる間隔(歯のピッチ)も同一となっている。一方、図6に示すように、第1櫛歯部材71と、第2櫛歯部材72とは、吸引口6の長手方向に僅かにズレて配置されている。この構成により、図7に示すように、第1櫛歯部材71の歯列部71cにおける歯の先端と、第2櫛歯部材72の歯列部72cにおける歯の先端と、が吸引口6の長手方向(言い換えれば、歯が並べられる方向)でズレることになる。なお、第1櫛歯部材71と第2櫛歯部材72とのズレ量(言い換えれば、歯のズレ量)は、前記の歯のピッチのほぼ半分とすることが好ましい。
これにより、第1櫛歯部材71における歯列部71cと第2櫛歯部材72における歯列部72cとの組合せで、更に短いピッチで歯が並べられた歯列部と同等の効果を得ることができる。即ち、糸12を歯で確実に引っ掛けるには歯列部71c,72cにおける歯のピッチを短くすることが好ましいが、プレスによる打抜き加工の事情等により、歯のピッチを短くするのも限界がある。この点、本実施形態の構成によれば、一方の歯列部71cの歯と歯の間に対応する位置に他方の歯列部72cの歯が配置されることになるので、糸を引っ掛ける効果を実質的に増大させることができる。
本実施形態の第1櫛歯部材71と第2櫛歯部材72においては、図4に示すように、その取付け部71a,72aに、吸込み方向に平行な長孔75が形成されている。そして、当該長孔75を介して、当該第1櫛歯部材71と第2櫛歯部材72が例えばボルト等の固定部材で吸引ノズル5の吸引部53(第1壁部61)に取り付けられている。これにより、上記の吸込み方向における、第1櫛歯部材71及び第2櫛歯部材72の位置(歯列部71c,72cの位置)を簡単に調整することができる。
本実施形態の吸引ノズル5を用いてパッケージ20から糸端を捕捉する場合の効果は、図8のグラフに明確に示されている。図8は、従来の構成(即ち、櫛歯部材が1つである構成)の吸引ノズルと、本実施形態の吸引ノズル5とで、パッケージ20からの糸端を実際に捕捉させる実験を4台のワインダユニット10について多数回行い、捕捉ミス率をそれぞれ計算した結果を示したものである。図8に示すように、本実施形態のように2つの櫛歯部材71,72を備える吸引ノズル5を用いることで、従来よりも高い確率で糸端を捕捉することができることが分かる。
以上に説明したように、本実施形態の吸引ノズル5は、糸12を巻き取ってパッケージ20を形成する自動ワインダ100に設けられている。吸引ノズル5は、吸引口6と、引掛け部7と、を備える。吸引口6は、パッケージ20からの糸端を吸い込む。引掛け部7は、吸引口6に吸い込んだ糸端が、その吸込み方向とは逆方向に引き出されることを阻止する。引掛け部7は、吸引口6における吸込み方向と交差(好ましくは直交)する方向に複数の歯が並べられた歯列部71c,72cを有する。歯列部71c,72cは、前記吸込み方向で互いに異なる位置に複数配置されている。
これにより、パッケージ20からの糸端を、引掛け部7が備える複数の歯列部71c,72cで同時に引っ掛けることができるので、糸端を確実かつ好適に捕捉することができる。また、糸端に加わる力が複数箇所に分散されるので、糸12が切断されにくくなる。そして、複数箇所で糸端を引っ掛けているので、吸引捕捉された糸端のバタつきも抑制することができる。
また、本実施形態の吸引ノズル5において、歯列部71c,72cは、前記吸込み方向で互いに異なる位置に2つ配置されている。
これにより、簡単な構成で、糸端に加わる力を分散できる引掛け部7を構成することができる。
また、本実施形態の吸引ノズル5において、複数の歯列部71c,72cの形状は同一である。
これにより、製造工数及び製造コストを低減することができる。
また、本実施形態の吸引ノズル5において、複数の歯列部71c,72cのうち、第1櫛歯部材71の歯列部71cにおける前記歯の先端は、第2櫛歯部材72の歯列部72cにおける前記歯の先端と、前記歯が並べられる方向でズレる位置に配置される。
これにより、それぞれの歯列部71c,72cの歯を狭い間隔で形成しなくても、複数の歯列部71c,72cの組合せで、より細かい間隔で歯が並べられた歯列部と同等の効果を得ることができる。即ち、糸端を一層好適に引っ掛けることができる。
また、本実施形態の吸引ノズル5において、吸引口6は、パッケージ20の巻幅方向に細長い形状に形成されている。また、吸引ノズル5は、吸引口6を挟んで互いに対面する第1壁部61及び第2壁部62を備える。パッケージ20が糸端を解舒する向きに回転するのに伴ってパッケージ20の表面が移動する方向を巻出し方向と呼ぶときに、第1壁部61は、第2壁部62よりも、吸引口6をパッケージ20の表面に接近させた状態で、前記巻出し方向の下流側に位置している。そして、歯列部71c,72cは、第1壁部61側に配置されている。
これにより、パッケージ20の逆回転(巻出し方向の回転)によって、パッケージ20から吸引口6へ引き出される糸端を歯列部71c,72c側に寄せることができるので、歯列部71c,72cが当該糸端を一層好適に引っ掛けることができる。
また、本実施形態の吸引ノズル5において、前記吸込み方向で見たときに、当該吸込み方向の上流側に位置する第1櫛歯部材71の歯列部71cは、吸込み方向の下流側に位置する第2櫛歯部材72の歯列部72cよりも、第2壁部62から遠い側に配置されている。
これにより、それぞれの歯列部71c,72cに引っ掛かる箇所において糸端が強く屈曲されにくくなるので、糸端の切断を一層確実に防止することができる。
また、本実施形態の吸引ノズル5において、歯列部71c,72cは金属から構成される。
これにより、プレス加工により歯列部71c,72cを低コストで形成することができる。また、歯列部71c,72cが硬度を有するため、耐久性が優れる。
また、本実施形態の吸引ノズル5において、前記歯列部71c,72cはステンレス鋼から構成される。
これにより、防錆性及び耐摩耗性を有する歯列部71c,72cを低コストで実現することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ100は、吸引ノズル5と、給糸部1と、巻取部2と、糸継装置3と、中継パイプ4と、を備える。給糸部1は、糸12を供給する。巻取部2は、給糸部1から供給された糸12を巻き取って、パッケージ20を形成する。糸継装置3は、給糸部1と巻取部2との間に配置され、給糸部1側の糸端と巻取部2側の糸端とを糸継ぎする。中継パイプ4は、給糸部1側の糸端を捕捉して糸継装置3に案内する。吸引ノズル5は、パッケージ20からの糸端を吸引捕捉して、糸継装置3に案内する。
これにより、吸引ノズル5がパッケージ20からの糸端を吸引捕捉する際に、当該糸端を複数の歯列部71c,72cで同時に引っ掛けることができるので、糸端を確実に捕捉して糸継装置3に案内することができる。この結果、糸継装置3における糸継ぎをスムーズに行うことができ、自動ワインダ100全体の効率を向上することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態の引掛け部7は、2つの櫛歯部材71,72から構成する構成に限定せず、1つの櫛歯部材に2つの歯列部を有するように構成しても良い。また、引掛け部7には、3つ以上の歯列部を設けても良い。
櫛歯部材71,72の取付け部71a,72aは、第1壁部61(吸引部53)の外側ではなく内側に取り付けられても良い。
上記実施形態において、第1櫛歯部材71の歯列部71cは、吸込み方向で見たときに、図6に示すように開口54の輪郭の内側に配置されている。しかしながらこれに限定されず、当該歯列部71cは、開口54の輪郭の外側に配置されても良いし、開口54の輪郭と重なる位置に配置されても良い。また、吸込み方向で見たときに、第1櫛歯部材71の歯列部71cが、第2櫛歯部材72の歯列部72cとほぼ重なる位置に配置されても良い。
歯の先端の位置は、複数の歯列部71c,72cの間で、互いに対応する位置に配置されていても良い。歯列部71c,72cは、同一形状の歯が繰返し形成されている構成に限定されず、例えば、互いに形状が異なる複数の歯が交互に並べて形成されていても良い。また、歯の形状は、複数の歯列部71c,72cの間で異なっていても良い。
第2櫛歯部材72の曲げ部72b(歯列部72c)は、吸引部53に形成される開口54付近に配置される代わりに、吸引口6よりも吸込み方向下流側(即ち、吸引部53の内部)に配置されていても良い。言い換えれば、開口54が曲げ部72bによって遮られないようにして、開口54の全部が前記吸引口6となるように構成しても良い。更には、2つの歯列部71c,72cの両方が吸引部53の内部(吸引口6よりも吸込み方向下流側)に配置されていても良い。
櫛歯部材71,72は、ステンレス以外の金属製であっても良いし、金属以外の材料で構成されていても良い。また、櫛歯部材71,72のうち、歯列部71c,72cの部分だけが他の部分と異なる材料で構成されていても良い。更には、歯列部71c,72cは、プレス加工以外の方法で形成されても良い。
上記実施形態において、給糸部1からの糸端は中継パイプ4によって捕捉されて糸継装置3に案内される。しかしながら、他の部材によって糸端を捕捉及び案内しても良い。
上記実施形態の吸引ノズル5は、自動ワインダ以外の糸巻取装置、例えば、空気精紡機、オープンエンド精紡機、撚糸機等にも適用することができる。
1 給糸部
2 巻取部
3 糸継装置(糸継部)
4 中継パイプ(糸端案内部)
5 吸引ノズル
6 吸引口
7 引掛け部
10 ワインダユニット
53 吸引部
54 開口
61 第1壁部
62 第2壁部
71 第1櫛歯部材
71c 歯列部
72 第2櫛歯部材
72c 歯列部
100 自動ワインダ(糸巻取装置)
2 巻取部
3 糸継装置(糸継部)
4 中継パイプ(糸端案内部)
5 吸引ノズル
6 吸引口
7 引掛け部
10 ワインダユニット
53 吸引部
54 開口
61 第1壁部
62 第2壁部
71 第1櫛歯部材
71c 歯列部
72 第2櫛歯部材
72c 歯列部
100 自動ワインダ(糸巻取装置)
Claims (9)
- 糸を巻き取ってパッケージを形成する糸巻取装置に設けられる吸引ノズルであって、
前記吸引ノズルは、
前記パッケージからの糸端を吸い込む吸引口と、
前記吸引口に吸い込んだ前記糸端が、その吸込み方向とは逆方向に引き出されることを阻止する引掛け部と、
を備え、
前記引掛け部は、前記吸引口における前記吸込み方向と交差する方向に複数の歯が並べられた歯列部を有し、
前記歯列部は、前記吸込み方向で互いに異なる位置に複数配置されていることを特徴とする吸引ノズル。 - 請求項1に記載の吸引ノズルであって、
前記歯列部は、前記吸込み方向で互いに異なる位置に2つ配置されていることを特徴とする吸引ノズル。 - 請求項1又は2に記載の吸引ノズルであって、
複数の前記歯列部の形状は同一であることを特徴とする吸引ノズル。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載の吸引ノズルであって、
複数の前記歯列部のうち、ある前記歯列部における前記歯の先端は、他の前記歯列部における前記歯の先端と、前記歯が並べられる方向でズレる位置に配置されることを特徴とする吸引ノズル。 - 請求項1から4までの何れか一項に記載の吸引ノズルであって、
前記吸引口は、前記パッケージの巻幅方向に細長い形状に形成されており、
前記吸引口を挟んで互いに対面する第1壁部及び第2壁部を備え、
前記パッケージが前記糸端を解舒する向きに回転するのに伴って当該パッケージの表面が移動する方向を巻出し方向と呼ぶときに、前記第1壁部は、前記第2壁部よりも、前記吸引口を前記パッケージの表面に接近させた状態で前記巻出し方向の下流側に位置しており、
前記歯列部は前記第1壁部側に配置されていることを特徴とする吸引ノズル。 - 請求項5に記載の吸引ノズルであって、
前記吸込み方向で見たときに、当該吸込み方向の上流側に位置する前記歯列部は、前記吸込み方向の下流側に位置する前記歯列部よりも、前記第2壁部から遠い側に配置されることを特徴とする吸引ノズル。 - 請求項1から6までの何れか一項に記載の吸引ノズルであって、
前記歯列部は、金属から構成されることを特徴とする吸引ノズル。 - 請求項7に記載の吸引ノズルであって、
前記歯列部は、ステンレス鋼から構成されることを特徴とする吸引ノズル。 - 請求項1から8までの何れか一項に記載の吸引ノズルと、
糸を供給する給糸部と、
前記給糸部から供給された前記糸を巻き取って前記パッケージを形成する巻取部と、
前記給糸部と前記巻取部との間に配置され、前記給糸部側の糸端と前記巻取部側の前記糸端とを糸継ぎする糸継部と、
前記給糸部側の前記糸端を捕捉して前記糸継部に案内する糸端案内部と、
を備え、
前記吸引ノズルは、前記パッケージからの前記糸端を吸引捕捉して、前記糸継部に案内することを特徴とする糸巻取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015021328A JP2016141561A (ja) | 2015-02-05 | 2015-02-05 | 吸引ノズル、及び当該吸引ノズルを備えた糸巻取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015021328A JP2016141561A (ja) | 2015-02-05 | 2015-02-05 | 吸引ノズル、及び当該吸引ノズルを備えた糸巻取装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016141561A true JP2016141561A (ja) | 2016-08-08 |
Family
ID=56569598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015021328A Pending JP2016141561A (ja) | 2015-02-05 | 2015-02-05 | 吸引ノズル、及び当該吸引ノズルを備えた糸巻取装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2016141561A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018100464A1 (en) * | 2016-11-30 | 2018-06-07 | Maschinenfabrik Rieter Ag | Method for detecting the yarn end on a bobbin in a textile machine producing or processing yarn and a device for performing the method |
-
2015
- 2015-02-05 JP JP2015021328A patent/JP2016141561A/ja active Pending
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WO2018100464A1 (en) * | 2016-11-30 | 2018-06-07 | Maschinenfabrik Rieter Ag | Method for detecting the yarn end on a bobbin in a textile machine producing or processing yarn and a device for performing the method |
CN110023219A (zh) * | 2016-11-30 | 2019-07-16 | 里特机械公司 | 在制造或处理纱线的纺织机中检测筒管上的纱线端部的方法及执行该方法的装置 |
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