JP2016140230A - サンプル抽出装置、サンプル抽出方法、及びサンプル抽出プログラム - Google Patents

サンプル抽出装置、サンプル抽出方法、及びサンプル抽出プログラム Download PDF

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保雄 鈴置
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Abstract

【課題】情報処理の負荷を低減しつつ需要家全体の電力需要を精度良く予測するためのサンプルを抽出する。【解決手段】一実施形態のサンプル抽出装置1は、複数の世帯のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得部11と、消費電力取得部11により取得された各世帯の各期間の消費電力に基づいて、各世帯と複数の世帯全体との消費電力に関する相関係数を算出する相関値算出部12と、相関値算出部12により算出された各世帯の相関係数が予め定められた基準以上であるか否かの判断と、消費電力に基づく複数の世帯全体に対する各世帯の位置付けと、に基づいてサンプル世帯を抽出する抽出部13と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電力需要を予測するためのサンプルを抽出するサンプル抽出装置、サンプル抽出方法、及びサンプル抽出プログラムに関する。
従来、電力供給の対象となる家庭等の需要家全体への供給電力量を求める際には、各需要家の家屋等に設置された電力メータ等の電力計測機器からデータを収集し、その値(電気使用量)を積算して求めることが一般的である。また、各家庭にスマートメーターが導入されることで、各家庭での電力需要等のデータをより細かな時間単位で収集することが可能となり、収集されたデータを用いた様々なデータ分析が可能となる(非特許文献1参照)。
野村,柏木,山下,河出:「スマートメーター活用のためのソリューション」,FUJITSU.64,6,pp.661-669(2013.11)
電力小売全面自由化以降の時代においては、家庭向け電力供給事業に様々なプレーヤーが参入し、単なる電力供給事業だけでなく、デマンドレスポンス等の節電技術や、見守り等の各種サービスを組み合わせた事業が展開されていくことが予想されている。このような電力小売事業の実施にあたっては、数百〜数千世帯単位での家庭に対して電力の需給計画を立てる必要がある可能性がある。このような需給計画を立てて、計画値同時同量を実施するためには、数百〜数千世帯単位といった規模で集約した家庭の電力需要の特徴(時間帯別、日別等のピーク値及び平均値等)について統計的な傾向を把握することが求められる。
しかしながら、電力供給の対象となる需要家全体の電力需要を把握するために、全ての需要家の供給電力量のデータを収集し、収集されたデータを統計的に評価するという手法を採用した場合には、需要家数の増加に伴って、扱われるデータ量も増大してしまう。その結果、データ処理に時間がかかる、或いは現実的な時間で計算が完了しない、といった問題が生じ得る。また、各家庭へのスマートメーターの導入が進むにつれて、各家庭から単位時間あたりに収集されるデータ量は、さらに増大すると予想される。このように収集された膨大なデータをリアルタイムに分析するためには、大量のデータ(いわゆるビッグデータ)の収集、演算、蓄積等の処理を確実且つ高速に実行できる高度な情報処理能力を備える分散処理アーキテクチャが必要となってしまう(非特許文献1参照)。そこで、高度な情報処理能力を備えるアーキテクチャを必要とせずに、需要家全体の電力需要を精度良く予測できる手法が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑み、情報処理の負荷を低減しつつ需要家全体の電力需要を精度良く予測するためのサンプルを抽出するサンプル抽出装置、サンプル抽出方法、及びサンプル抽出プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一形態に係るサンプル抽出装置は、電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得手段と、消費電力取得手段により取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、各需要家と複数の需要家全体との消費電力に関する相関の度合いを示す相関値を算出する相関値算出手段と、相関値算出手段により算出された各需要家の相関値が予め定められた基準以上であるか否かの判断と、消費電力に基づく複数の需要家全体に対する各需要家の位置付けと、に基づいて需要家を抽出する抽出手段と、を備える。
上記サンプル抽出装置によれば、各需要家と需要家全体との消費電力に関する相関値が予め定められた基準以上の需要家のうちから、消費電力に基づく複数の需要家全体に対する各需要家の位置付けに基づいて需要家を抽出することができる。即ち、消費電力の変動が需要家全体の消費電力の変動に比較的近い需要家のうちから、消費電力に基づく様々な位置付け(例えば、需要家全体の中での消費電力の大きさの順位)に対応する需要家をサンプルとして抽出することができる。このように抽出された一部の需要家の消費電力に基づいて需要家全体の消費電力(電力需要)を予測することで、全ての需要家の消費電力を収集、演算、及び蓄積することなく、電力需要の予測に必要な情報処理の負荷を低減することができる。また、上述のようにサンプルとして抽出された需要家の消費電力を用いることで、複数の需要家のうちからランダムに抽出された同じ数の需要家の消費電力を用いる場合と比較して、需要家全体の電力需要を精度良く予測することができる。以上により、上記サンプル抽出装置によれば、情報処理の負荷を低減しつつ需要家全体の電力需要を精度良く予測するためのサンプルを抽出できる。
上記サンプル抽出装置では、抽出手段は、各需要家間の消費電力に関する相関の度合いを示す相関値を算出し、当該相関値に更に基づいてサンプルとなる需要家を抽出してもよい。
上記サンプル抽出装置によれば、各需要家間の消費電力に関する相関値に基づいて、需要家全体の電力需要をより精度良く予測できることが期待できる。例えば互いに消費電力に関する相関が低い需要家同士をサンプルとして抽出することで、需要家全体の消費電力に対する各需要家の消費電力のばらつきが相殺されることとなり、需要家全体の電力需要をより精度良く予測できることが期待できる。
上記サンプル抽出装置は、抽出手段により抽出された各需要家の所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、複数の需要家全体の消費電力に対する需要家の数の分布の種別を示す情報を保持し、サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて分布の種別に従う分布を生成する分布生成手段と、を更に備えてもよい。
上記サンプル抽出装置では、サンプルとして抽出された各需要家の所定期間の消費電力がサンプルデータとして取得され、予め保持されている分布の種別(例えば、正規分布、対数正規分布等)に従う分布が生成される。このように生成される分布は、上記所定期間における複数の需要家全体の消費電力の傾向を予測する分布であるといえる。従って、上記サンプル抽出装置によれば、サンプルデータに基づいて、需要家全体の電力需要を予測することができる。
本発明の他の形態に係るサンプル抽出装置は、電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得手段と、消費電力取得手段により取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、各需要家と複数の需要家全体との消費電力に関する類似の度合いを示す類似度を算出する類似度算出手段と、類似度算出手段により算出された類似度が予め定められた基準を満たす需要家を抽出する抽出手段と、を備える。
上記サンプル抽出装置によれば、各需要家と需要家全体との消費電力に関する類似度が予め定められた基準を満たす需要家を抽出することができる。このように抽出された一部の需要家の消費電力に基づいて需要家全体の消費電力(電力需要)を予測することで、全ての需要家の消費電力を収集、演算、及び蓄積することなく、電力需要の予測に必要な情報処理の負荷を低減することができる。また、上述のようにサンプルとして抽出された需要家の消費電力を用いることで、複数の需要家のうちからランダムに抽出された同じ数の需要家の消費電力を用いる場合と比較して、需要家全体の電力需要を精度良く予測することができる。以上により、上記サンプル抽出装置によれば、情報処理の負荷を低減しつつ需要家全体の電力需要を精度良く予測するためのサンプルを抽出できる。
上記サンプル抽出装置では、類似度算出手段は、複数の期間のそれぞれについて、複数の需要家の消費電力の和を複数の需要家の数で割った平均値と各需要家の消費電力との差分を算出し、各期間の算出された差分に基づいて類似度を算出してもよい。
上記サンプル抽出装置によれば、複数の需要家の消費電力の平均値と各需要家の消費電力との間の差分に基づく類似度を算出し、当該類似度に基づいて需要家全体の電力需要の予測に適したサンプルとなる需要家を抽出することができる。
上記サンプル抽出装置では、類似度算出手段は、複数の期間のそれぞれについて、複数の需要家全体の消費電力と各需要家の消費電力との間における相関係数を算出し、各期間の算出された相関係数に基づいて類似度を算出してもよい。
上記サンプル抽出装置によれば、需要家全体の消費電力と各需要家の消費電力との間の相関係数に基づく類似度を算出し、当該類似度に基づいて需要家全体の電力需要の予測に適したサンプルとなる需要家を抽出することができる。
上記サンプル抽出装置は、抽出手段により抽出された各需要家の所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段と、を更に備え、全体需要予測手段は、抽出手段により抽出された各需要家の消費電力と複数の需要家全体の消費電力との関係を示す回帰式に、サンプルデータを当てはめることにより、上記所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出してもよい。
上記サンプル抽出装置によれば、サンプルとして抽出された各需要家の消費電力と複数の需要家全体の消費電力との関係を示す回帰式を用いて、サンプルデータから需要家全体の電力需要を精度良く予測することができる。
上記サンプル抽出装置は、抽出手段により抽出された各需要家の所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段と、を更に備え、全体需要予測手段は、上記所定期間に対応する過去の期間における、抽出手段により抽出された各需要家の消費電力に対する複数の需要家全体の消費電力の割合を、サンプルデータに乗じることにより、上記所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出してもよい。
上記サンプル抽出装置によれば、上記所定期間に対応する過去の期間の実績(即ち当該過去の期間における、サンプルとして抽出された各需要家の消費電力に対する複数の需要家全体の消費電力の割合)に基づいて、サンプルデータから需要家全体の電力需要を精度良く予測することができる。
上記サンプル抽出装置は、抽出手段により抽出された需要家であるサンプル需要家について、予測対象単位期間に含まれる所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段と、を更に備え、全体需要予測手段は、予測対象単位期間の気温を取得する気温取得手段と、予測対象単位期間を基準とした過去期間の気温と気温取得手段により取得された予測対象単位期間の気温とを比較し、比較結果に基づいて特定の過去期間を参照期間として決定する参照期間決定手段と、参照期間決定手段により決定された参照期間におけるサンプル需要家の消費電力と複数の需要家全体の消費電力とに基づいて、サンプル需要家の消費電力と複数の需要家全体の消費電力との関係を示す回帰式を生成する回帰式生成手段と、回帰式生成手段により生成された回帰式にサンプルデータを当てはめることにより、所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出する算出手段と、を有してもよい。
上記サンプル抽出装置によれば、予測対象単位期間(例えば予測対象日)の気温(例えば予想最低気温)と過去期間(例えば過去日)の気温(例えば最低気温)との比較結果に基づいて特定の過去期間を参照期間として決定することにより、予測対象単位期間に含まれる所定期間の全体需要を予測するのに適した回帰式を生成することが可能となる。その結果、需要家全体の電力需要の予測精度を向上させることが期待できる。
上記サンプル抽出装置は、抽出手段により抽出された需要家であるサンプル需要家について、予測対象単位期間に含まれる所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段と、を更に備え、全体需要予測手段は、予測対象単位期間の気温を取得する気温取得手段と、予測対象単位期間を基準とした過去期間の気温と気温取得手段により取得された予測対象単位期間の気温とを比較し、比較結果に基づいて特定の過去期間を参照期間として決定する参照期間決定手段と、参照期間決定手段により決定された参照期間に含まれる期間のうち所定期間に対応する期間における、サンプル需要家の消費電力に対する複数の需要家全体の消費電力の割合を算出する割合算出手段と、割合算出手段により算出された割合をサンプルデータに乗じることにより、所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出する算出手段と、を有してもよい。
上記サンプル抽出装置によれば、予測対象単位期間(例えば予測対象日)の気温(例えば予想最低気温)と過去期間(例えば過去日)の気温(例えば最低気温)との比較結果に基づいて特定の過去期間を参照期間として決定することにより、予測対象単位期間に含まれる所定期間の全体需要を予測するのに適した割合(サンプル需要家の消費電力に対する複数の需要家全体の消費電力の割合)を算出することが可能となる。その結果、需要家全体の電力需要の予測精度を向上させることが期待できる。
ところで、本発明は、上記のようにサンプル抽出装置の発明として記述できる他に、以下のようにサンプル抽出装置により実行されるサンプル抽出方法、及びサンプル抽出プログラムの発明としても記述することができる。これらの発明はカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であるため、同様の作用及び効果を奏する。
即ち、本発明の一形態に係るサンプル抽出方法は、装置により実行されるサンプル抽出方法であって、電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得ステップと、消費電力取得ステップにおいて取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、各需要家と複数の需要家全体との消費電力に関する相関の度合いを示す相関値を算出する相関値算出ステップと、相関値算出ステップにおいて算出された各需要家の相関値が予め定められた基準以上であるか否かの判断と、消費電力に基づく複数の需要家全体に対する各需要家の位置付けと、に基づいて需要家を抽出する抽出ステップと、を含む。
また、本発明の一形態に係るサンプル抽出プログラムは、コンピュータを、電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得手段と、消費電力取得手段により取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、各需要家と複数の需要家全体との消費電力に関する相関の度合いを示す相関値を算出する相関値算出手段と、相関値算出手段により算出された各需要家の相関値が予め定められた基準以上であるか否かの判断と、消費電力に基づく複数の需要家全体に対する各需要家の位置付けと、に基づいて需要家を抽出する抽出手段として機能させる。
また、本発明の他の形態に係るサンプル抽出方法は、装置により実行されるサンプル抽出方法であって、電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得ステップと、消費電力取得ステップにおいて取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、各需要家と複数の需要家全体との消費電力に関する類似の度合いを示す類似度を算出する類似度算出ステップと、類似度算出ステップにおいて算出された類似度が予め定められた基準を満たす需要家を抽出する抽出ステップと、を含む。
また、本発明の他の形態に係るサンプル抽出プログラムは、コンピュータを、電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得手段と、消費電力取得手段により取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、各需要家と複数の需要家全体との消費電力に関する類似の度合いを示す類似度を算出する類似度算出手段と、類似度算出手段により算出された類似度が予め定められた基準を満たす需要家を抽出する抽出手段として機能させる。
本発明の他の形態に係るサンプル抽出プログラムは、コンピュータを、更に、抽出手段により抽出された需要家であるサンプル需要家について、予測対象単位期間に含まれる所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段として機能させ、全体需要予測手段は、予測対象単位期間の気温を取得する気温取得手段と、予測対象単位期間を基準とした過去期間の気温と気温取得手段により取得された予測対象単位期間の気温とを比較し、比較結果に基づいて特定の過去期間を参照期間として決定する参照期間決定手段と、参照期間決定手段により決定された参照期間におけるサンプル需要家の消費電力と複数の需要家全体の消費電力とに基づいて、サンプル需要家の消費電力と複数の需要家全体の消費電力との関係を示す回帰式を生成する回帰式生成手段と、回帰式生成手段により生成された回帰式にサンプルデータを当てはめることにより、所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出する算出手段と、を有してもよい。
また、本発明の他の形態に係るサンプル抽出プログラムは、コンピュータを、更に、抽出手段により抽出された需要家であるサンプル需要家について、予測対象単位期間に含まれる所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段として機能させ、全体需要予測手段は、予測対象単位期間の気温を取得する気温取得手段と、予測対象単位期間を基準とした過去期間の気温と気温取得手段により取得された予測対象単位期間の気温とを比較し、比較結果に基づいて特定の過去期間を参照期間として決定する参照期間決定手段と、参照期間決定手段により決定された参照期間に含まれる期間のうち所定期間に対応する期間における、サンプル需要家の消費電力に対する複数の需要家全体の消費電力の割合を算出する割合算出手段と、割合算出手段により算出された割合をサンプルデータに乗じることにより、所定期間の予測される複数の需要家全体の消費電力を算出する算出手段と、を有してもよい。
本発明によれば、情報処理の負荷を低減しつつ需要家全体の電力需要を精度良く予測するためのサンプルを抽出できるサンプル抽出装置、サンプル抽出方法、及びサンプル抽出プログラムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るサンプル抽出装置の機能構成を示すブロック図である。 夏の代表日における計測対象世帯の消費電力の分布を示す図である。 代表日の日平均需要に対する世帯数の分布と当該分布を近似する対数正規分布とを示す図である。 各世帯の日平均需要と全世帯の日平均需要との相関係数の分布を示す図である。 (a)は相関係数が0付近の値を示した世帯Aの日平均需要と全世帯の日平均需要との組をプロットした図であり、(b)は相関係数が0.8付近の値を示した世帯Aの日平均需要と全世帯の日平均需要との組をプロットした図である。 サンプルデータから分布を生成する処理を説明するための図である。 サンプルデータから分布を生成する効果を説明するための図である。 第1実施形態に係るサンプル抽出装置の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るサンプル抽出プログラムのモジュール構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るサンプル抽出装置の機能構成を示すブロック図である。 平均絶対誤差率に基づく類似度を用いて抽出されたサンプル世帯の電力需要の特徴を示す図である。 相関係数に基づく類似度を用いて抽出されたサンプル世帯の電力需要の特徴を示す図である。 (a)は第2のアップスケーリング手法を説明するための図であり、(b)は第3のアップスケーリング手法を説明するための図である。 サンプル抽出方法とアップスケーリング手法との各組み合わせについての予測結果を示す図である。 第2実施形態に係るサンプル抽出装置の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るサンプル抽出プログラムのモジュール構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係るサンプル抽出装置の機能構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係るサンプル抽出装置による予測結果を示す図である。 第3実施形態に係るサンプル抽出装置による予測結果を示す図である。 本発明の第4実施形態に係るサンプル抽出装置の機能構成を示すブロック図である。
本発明に係るサンプル抽出装置、サンプル抽出方法、及びサンプル抽出プログラムの一実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るサンプル抽出装置の機能構成を示すブロック図である。本実施形態に係るサンプル抽出装置1は、電力需要の予測対象として予め定められた複数の需要家のうちから、当該複数の需要家全体の電力需要を予測するためのサンプルとなる一部の需要家を抽出する。また、サンプル抽出装置1は、サンプルとなる需要家を抽出した以後において、抽出されたサンプルの所定期間(例えば1日や30分間等の任意の期間)の消費電力をサンプルデータとして用いることで、複数の需要家全体の電力需要の予測(電力需要のアップスケーリング)を実行する。より具体的には、サンプルとして抽出された一部の需要家の消費電力から、需要家全体における消費電力を予測(推定)する。本明細書において、需要家とは、電力供給の対象となる単位(即ち、電力の消費が行われる単位)であり、例えば、電気利用の契約がなされる単位、又は電気料金が請求される単位、若しくはそれらの集合である。具体的には、需要家は、個々の世帯(住宅)、マンション、商業施設及び行政区画(街)等である。本実施形態では一例として、電力需要の予測対象となる需要家は、個々の世帯であるものとして説明を行う。
サンプル抽出装置1の詳細について説明する前に、実際に計測された複数の世帯の消費電力に関するデータを参照しつつ、複数の世帯の消費電力の統計的な傾向について説明する。図2は、夏の代表日(2012年8月31日)において計測対象となった425世帯の消費電力の分布を示す図である。図2において、横軸は消費電力(Wh/30min)を示しており、縦軸は世帯数を示している。具体的には、図2は、代表日における消費電力の日平均値、最大値、及び最小値のそれぞれについて、50Wh/30minごとに区切られた各範囲に含まれる世帯数を棒グラフで示している。ここで、「日平均値」は、代表日を30分ごとに区切った48個の時間帯のそれぞれにおける消費電力(Wh/30min)を平均した値である。また、「最大値」及び「最小値」は、上記48個の時間帯のそれぞれにおける消費電力のうちの最大値及び最小値である。
図2の例では、消費電力の最大値の分布に多少のばらつきが見られるものの、日平均値、最大値、及び最小値のいずれについても対数正規分布により近似できる可能性があることが、本発明者により見出された。図3は、代表日の日平均値(日平均需要)に対する世帯数の実際の分布(図3の「データ」)と当該分布を近似する対数正規分布L(図3の「式」)とを示す図である。図3において、横軸は日平均需要の対数軸を示しており、縦軸は世帯数を示している。代表日の日平均需要は、カイ二乗検定により、有意水準5%で対数正規分布Lに従っていることが確認された。
上記を踏まえて、サンプル抽出装置1について説明する。まず、サンプル抽出装置1のハードウェア構成の一例について説明する。サンプル抽出装置1は、物理的には、一以上のCPU(Central Processing Unit)と、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)と、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置と、ディスプレイ等の出力装置と、ハードディスクドライブ及び半導体メモリ等の補助記憶装置とを含むコンピュータシステムとして構成される。サンプル抽出装置1は、物理的に1台の装置として構成されてもよいし、連携して動作する複数台の装置により構成されてもよい。これらの構成要素がプログラム等により動作することによって、後述するサンプル抽出装置1としての機能が発揮される。
図1に示すように、サンプル抽出装置1は、機能的な構成要素として、消費電力取得部11、相関値算出部12、抽出部13、サンプルデータ取得部14、及び分布生成部15を備えて構成される。消費電力取得部11、相関値算出部12、及び抽出部13は、電力需要の予測対象である複数の世帯全体(全世帯)の電力需要を予測するサンプルとなる世帯(サンプル世帯)を抽出するための構成要素である。サンプルデータ取得部14及び分布生成部15は、サンプル世帯の所定期間の消費電力をサンプルデータとして用いることで、全世帯の電力需要を予測するための構成要素である。ここで、消費電力取得部11、相関値算出部12、及び抽出部13による処理は、サンプル世帯の抽出のために1回だけ実行されればよい。サンプル世帯が抽出された後は、サンプルデータ取得部14及び分布生成部15は、抽出されたサンプル世帯の所定期間の消費電力のみに基づいて全世帯の電力需要を予測することができる。即ち、全世帯の電力需要(例えば日平均需要)を予測するために全世帯の消費電力を取得する必要がなく、全世帯の中の一部の世帯であるサンプル世帯の消費電力だけを取得すればよい。以下、各機能要素について具体的に説明する。
消費電力取得部11は、電力需要の予測対象である複数の世帯のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得手段である。具体的には、消費電力取得部11は、相関値算出部12及び抽出部13の処理によりサンプル世帯を抽出するための基となるデータとして、複数の世帯の複数の期間における消費電力を取得する。より具体的には、消費電力取得部11は、例えば各世帯の毎月の積算電力量を複数の月(例えば12か月等)について取得してもよい。即ち、消費電力取得部11は、「複数の期間のそれぞれの消費電力」として、複数の月のそれぞれの積算電力量を取得してもよい。通常、各世帯の毎月の積算電力量は、各世帯への電気料金の請求(課金)を行うために電力小売事業者等により必ず収集及び蓄積されている。従って、消費電力取得部11は、例えば上述の電力小売事業者等によって管理され、世帯を識別する情報(例えば識別コード等)と当該世帯の毎月の積算電力量とが互いに関連付けられた情報が複数の世帯について記憶されているデータベース等(不図示)にアクセスすることで、各世帯の毎月の積算電力量を取得することができる。
別のパターンとして、予測対象である複数の世帯にスマートメーターが設置されており、サンプル抽出装置1が各世帯のスマートメーターと通信可能に接続されている場合を考える。この場合、消費電力取得部11は、例えば1日を30分ごとに区切った48個の時間帯のそれぞれにおける各世帯の消費電力を、各世帯に設置されたスマートメーターから取得することができる。具体的には、消費電力取得部11は、スマートメーターが設置された世帯を識別する情報(例えばスマートメーターが予め保持している識別コード等)と当該世帯の消費電力とを関連付けた情報を、複数の世帯のそれぞれについて取得することができる。消費電力取得部11は、任意の日について48個の時間帯のそれぞれにおける各世帯の消費電力を取得することで、当該任意の日における各世帯の日平均需要を算出することができる。また、消費電力取得部11は、このような処理を複数の期間(例えば1か月間)について実施することで、各世帯の日平均需要を1か月分取得することができる。このようにして、消費電力取得部11は、「複数の期間のそれぞれの消費電力」として、複数の日のそれぞれの日平均需要を取得してもよい。
ここで、消費電力取得部11は、各世帯の毎月の積算電力量を取得する場合には、課金請求のために必ず収集及び蓄積されているデータを取得するだけでよいため、容易かつ確実にサンプル世帯を抽出するための基となるデータを取得することができる。例えば全世帯にスマートメーターが設置されていない場合であっても、サンプル世帯を抽出するための基となるデータを取得することができる。また、スマートメーターから1日につき48個の時間帯のそれぞれにおける各世帯の消費電力を取得する場合と比較して、必要となるデータ処理量を減らすことができる。一方、より細かい時間単位での各世帯の消費電力に基づいて精度良くサンプル世帯を抽出したい場合等には、消費電力取得部11は、上述したスマートメーターから得られる各世帯の消費電力を取得してもよい。本実施形態では一例として、消費電力取得部11は、電力需要の予測対象である複数の世帯のそれぞれについて、管理者等により過去の期間の中からサンプルを抽出するための月として任意に選択された月(以下「選択月」という)の各日における日平均需要を取得するものとする。
相関値算出部12は、消費電力取得部11により取得された各世帯の各期間の消費電力に基づいて、各世帯と全世帯との消費電力に関する相関の度合いを示す相関値を算出する相関値算出手段である。具体的には、本実施形態では、相関値算出部12は、選択月の各日における各世帯の日平均需要に基づいて、各世帯の日平均需要と全世帯の日平均需要との相関係数を算出する。より具体的には、相関値算出部12は、世帯ごとに、選択月の各日の日平均需要を日順に並べた数値ベクトルを生成する。また、相関値算出部12は、選択月の各日における全世帯の日平均需要を日順に並べた数値ベクトルを生成する。そして、相関値算出部12は、世帯ごとに、当該世帯の数値ベクトルと全世帯の数値ベクトルとの相関係数を算出する。ここで、全世帯の日平均需要とは、各世帯の日平均需要の平均値(各世帯の日平均需要の和を世帯数で割った値)である。
なお、仮に、消費電力取得部11により各世帯の毎月の積算電力量の情報が取得される場合には、相関値算出部12は、各世帯の積算電力量と全世帯の積算電力量との相関係数を算出すればよい。ここで、全世帯の積算電力量とは、各世帯の積算電力量の和である。また、相関値算出部12により算出される相関値は相関係数に限られるものではなく、各世帯と全世帯との消費電力に関する相関の度合いを示す値であればなんでもよい。
図4は、選択月(一例として2012年8月)の各日における各世帯の日平均需要に基づいて、相関値算出部12により算出された各世帯の日平均需要と全世帯の日平均需要との相関係数の分布を示す図である。図4に示すように、全世帯における相関係数の平均は0.25程度であった。また、全世帯における相関係数の最大値は0.8程度であった。図5(a)は、選択月の各日について、相関係数が0付近の値を示した世帯Aの日平均需要と全世帯の日平均需要との組をプロットした図である。図5(a)において、1つの点は、選択月における1つの日のデータ(世帯Aの日平均需要と全世帯の日平均需要との組)に相当する。また、図5(a)において、横軸は選択月における世帯Aの日平均需要の最大値を100%として規格化した世帯Aの日平均需要を示しており、縦軸は選択月における全世帯の日平均需要の最大値を100%として規格化した全世帯の日平均需要を示している。一方、図5(b)は、図5(a)と同様に、相関係数が0.8付近の値を示した世帯Bの日平均需要と全世帯の日平均需要との組をプロットした図である。図5に示すように、相関係数が比較的高い世帯Bの日平均需要は、全世帯の日平均需要の変動と同様に変動する。
抽出部13は、相関値算出部12により算出された各世帯の相関係数(相関値)が予め定められた基準以上であるか否かの判断と、日平均需要(消費電力)に基づく複数の世帯全体に対する各世帯の位置付けと、に基づいてサンプル世帯を抽出する抽出手段である。ここで、相関係数が予め定められた基準以上の世帯は、上述の通り、全世帯の日平均需要の変動と同様に日平均需要が変動する世帯であり、全世帯の中で日平均需要の大きさの順位が比較的一定である世帯であるといえる。従って、抽出部13は、例えば、全世帯の中で日平均需要の大きさの順位が比較的一定である世帯のうちから、様々な順位(位置付け)に対応する世帯をサンプル世帯として抽出することができる。以下に、抽出部13の処理の一例について説明する。
まず、抽出部13は、相関係数が予め定められた基準以上の世帯を抽出するために、各世帯について、例えば相関係数が予め定められた閾値(例えば0.8等)以上であるか否かを判断し、相関係数が閾値以上である世帯を抽出する。また、抽出部13は、上述の閾値を用いずに、例えば全世帯の中で相関係数の大きさの順位が上位N位(例えばNは全世帯数の10%等)以内であるか否かを判断し、当該順位が上位N位以内の世帯を抽出してもよい。以降の説明では、上述のように抽出部13により抽出された世帯のことを「抽出世帯」という。
続いて、抽出部13は、各抽出世帯について、全世帯の中での日平均需要の大きさの降順(大から小への順序)による順位(消費電力に基づく位置付け)を算出する。例えば、抽出部13は、消費電力取得部11により日平均需要が取得された各期間(本実施形態では一例として、選択月の各日)について、全世帯の日平均需要を比較する。これにより、抽出部13は、全世帯の中での各抽出世帯の日平均需要の大きさの順位を、選択月に含まれる日数分取得する。そして、抽出部13は、各抽出世帯について、例えば31日分の順位の平均値を算出し、当該平均値を各抽出世帯の日平均需要の大きさの順位として得ることができる。
続いて、抽出部13は、全世帯の中での日平均需要の大きさの順位に基づいて、各抽出世帯を分類する。例えば全世帯の数が1000である場合には、以下のように分類することができる。即ち、抽出部13は、順位が200位付近の抽出世帯を全世帯の中で常に日平均需要が大きいカテゴリ(上位カテゴリ)に分類し、順位が500位付近の抽出世帯を全世帯の中で常に日平均需要が平均的なカテゴリ(平均カテゴリ)に分類し、順位が800位付近の抽出世帯を全世帯の中で常に日平均需要が小さいカテゴリ(下位カテゴリ)に分類する。ここで、「X位付近の抽出世帯」とは、例えば、日平均需要の大きさの順位がX位の前後x位(xは管理者等により予め定められた閾値)以内に含まれる抽出世帯である。抽出部13は、例えば、上述のようにして各カテゴリに分類された抽出世帯の中で相関係数が最大となる抽出世帯を、各カテゴリを代表する抽出世帯として決定し、決定された抽出世帯をサンプル世帯として抽出する。
ここでは一例として、抽出部13が、相関係数が予め定められた基準以上の世帯(抽出世帯)を抽出してから各抽出世帯を各カテゴリに分類し、各カテゴリを代表する抽出世帯をサンプル世帯として抽出する手順を説明したが、抽出部13の処理手順はこれに限られない。例えば、抽出部13は、各世帯を各カテゴリに分類してから、各カテゴリの中で相関係数が最大となる世帯をサンプル世帯として抽出してもよい。また、抽出部13は、各カテゴリを代表する抽出世帯を2以上抽出してもよい。また、カテゴリの数及び種類は上述の例に限られない。例えば、後述の分布生成部15の処理により精度の高い分布を得たい場合には、サンプル世帯を多くとるべく、カテゴリの数を増やしたり、各カテゴリを代表する抽出世帯の数を増やしたりしてもよい。
以上述べた消費電力取得部11、相関値算出部12、及び抽出部13の処理により、サンプル世帯が抽出される。詳しくは後述するが、サンプルデータ取得部14及び分布生成部15は、このようにして抽出されたサンプル世帯の所定期間の消費電力(例えば任意の日の日平均需要)をサンプルデータとして用いることで、全世帯の所定期間の消費電力を取得することなく、全世帯の電力需要を予測する(アップスケールする)ことが可能となる。また、全世帯のうちからランダムに抽出された同じ数の世帯の消費電力をサンプルデータとして用いる場合と比較して、全世帯の電力需要を精度良く予測することが可能となる。
サンプルデータ取得部14は、抽出部13によりサンプルとして抽出された各サンプル世帯の所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段である。サンプルデータ取得部14は、例えば管理者等による操作及び設定等に従ってサンプルデータを取得する。また、サンプルデータ取得部14は、例えば消費電力取得部11と同様に、電力小売事業者等のデータベースや各世帯のスマートメーター等から、サンプル世帯の所定期間の消費電力を取得することができる。例えば特定の日における全世帯の日平均需要をサンプルデータに基づいて予測する場合には、サンプルデータ取得部14は、特定の日における各サンプル世帯の日平均需要をサンプルデータとして取得する。また、例えば特定の日の特定の時間帯(例えば13時から13時30分までの30分間等)における全世帯の消費電力をサンプルデータに基づいて予測する場合には、サンプルデータ取得部14は、当該特定の時間帯における各サンプル世帯の消費電力をサンプルデータとして取得する。本実施形態では一例として、サンプルデータ取得部14は、特定の日における各サンプル世帯の日平均需要をサンプルデータとして取得するものとする。
分布生成部15は、電力需要の予測対象となる複数の世帯全体の消費電力に対する世帯の数の分布の種別を示す情報を保持し、サンプルデータ取得部14により取得されたサンプルデータに基づいて上記分布の種別に従う分布を生成する分布生成手段である。本実施形態では一例として、図3に示したように、全世帯の日平均需要が対数正規分布に従うことが予めわかっているものとする。つまり、分布生成部15は、日平均需要に対する世帯の数の分布の種別を示す情報として、対数正規分布を示す情報を予め保持しているものとする。このような分布の種別を示す情報は、例えば管理者等により予め設定される。ここで、対数正規分布を示す情報には、例えば、対数正規分布の分布関数の各種パラメータ(分布の形状を表現するパラメータ)等が含まれる。後述する分布生成部15の処理によって当該各種パラメータの値が決定されることで、分布関数が決定される(即ち、分布が生成される)。
図6を用いて、分布生成部15がサンプルデータに基づいて対数正規分布に従う分布を生成する処理について具体的に説明する。図6は、任意の日(X日,Y日,Z日)のそれぞれについて、分布生成部15によりサンプルデータ(世帯Cの日平均需要及び世帯Dの日平均需要)に基づいて生成される対数正規分布に従う分布(日平均需要に対する世帯数の累積分布)を示す図である。図6において、横軸は日平均需要の対数軸を示しており、縦軸は累積世帯数を示している。ここで、世帯Cは、抽出部13により上位カテゴリを代表する抽出世帯として決定されたサンプル世帯である。より具体的には、世帯Cは、全世帯の中での日平均需要の大きさの順位が一定(およそ200位)である世帯として抽出されたサンプル世帯である。一方、世帯Dは、抽出部13により下位カテゴリを代表する世帯として決定されたサンプル世帯である。より具体的には、世帯Dは、全世帯の中での日平均需要の大きさの順位が一定(およそ800位)である世帯として抽出されたサンプル世帯である。
分布生成部15は、X日,Y日,Z日のそれぞれについて、以下の処理を実行することにより、各日についての全世帯の日平均需要に対する世帯数の累積分布を生成する。つまり、分布生成部15は、全世帯の日平均需要に対する世帯数が従うと予測される累積分布を生成する。このように生成された累積分布は、全世帯の消費電力(本実施形態では一例として日平均需要)の傾向の予測結果を示すものといえる。
具体的には、分布生成部15は、例えば図6に示したようなグラフにおいて、世帯Cの日平均需要を累積世帯数が800世帯となる位置(日平均需要の大きさの順位が200位の位置)の日平均需要としてプロットする。同様に、分布生成部15は、世帯Dの日平均需要を累積世帯数が200世帯となる位置(日平均需要の大きさの順位が800位の位置)の日平均需要としてプロットする。つまり、分布生成部15は、抽出部13によって上位カテゴリを代表する抽出世帯として抽出された世帯Cは、予測対象日においても上位カテゴリに分類される(日平均需要の大きさの順位がおよそ200位である)と仮定して、世帯Cの日平均需要を上述のようにプロットする。同様に、分布生成部15は、抽出部13によって下位カテゴリを代表する抽出世帯として抽出された世帯Dは、予測対象日においても下位カテゴリに分類される(日平均需要の大きさの順位がおよそ800位である)と仮定して、世帯Dの日平均需要を上述のようにプロットする。そして、分布生成部15は、X日,Y日,Z日のそれぞれについて、世帯Cの日平均需要のプロット点C1,C2,C3と世帯Dの日平均需要のプロット点D1,D2,D3とを通るように、上述した対数正規分布の分布関数の各種パラメータを決定することによって分布を求める。パラメータの決定は、従来の関数を用いたフィッティング処理と同様の処理により行うことができる。これにより、X日,Y日,Z日のそれぞれについて、全世帯の日平均需要に対する世帯数を予測する分布L1,L2,L3が生成される。
ここで、月積算電力量の大きさの順位は日平均需要の大きさの順位と相関がある(即ち、日平均需要の大きさの順位が高い場合には月積算電力量の大きさの順位も高い)と考えられる。従って、各世帯の毎月の積算電力量がサンプル世帯を抽出するための基となるデータとして用いられてサンプル世帯が抽出された場合であっても、分布生成部15は、月積算電力量の大きさの順位が予測対象日の日平均需要の大きさの順位に一致すると仮定して上述と同様の処理を実行することにより、全世帯の日平均需要に対する世帯数を予測する分布を生成することができる。
図7を用いて、ランダムに抽出された一部の世帯の日平均需要ではなく、抽出部13により抽出されたサンプル世帯の日平均需要をサンプルデータとして用いることで、全世帯の日平均需要に対する世帯数を精度良く近似する分布が得られる理由について説明する。図7は、任意の日(X日,Y日)のそれぞれについて、分布生成部15により世帯Eの日平均需要と世帯Fの日平均需要とに基づいて生成される対数正規分布に従う分布を示す図である。ここで、世帯Eは、全世帯の中での日平均需要の大きさの順位が一定(およそ100位)である世帯として抽出部13により抽出されたサンプル世帯である。
一方、世帯Fは、ランダムに抽出された世帯であり、全世帯の中での日平均需要の大きさの順位が一定であるとはいえない世帯(上述の相関係数が予め定められた基準未満の世帯)であるものとする。実際、図4に示すように、相関係数の平均値は0.25であることから、全世帯の中からランダムに世帯を抽出した場合には、相関係数が予め定められた基準未満の世帯Fが抽出される可能性が高い。ここでは一例として、全世帯の中での世帯Fの日平均需要の大きさの順位は、日によってばらつきがあり、X日においてはおよそ800位であり、Y日においてはおよそ500位であるものとする。
ここで、分布生成部15は世帯Fの各日における上記順位(X日における800位、及びY日における500位)を把握することはできないことに注意されたい。このような世帯Fの順位を把握するためには各日について全世帯の日平均需要を収集して比較演算する必要があるが、分布生成部15は、サンプルデータ取得部14により取得された一部の世帯(サンプル世帯)の日平均需要しか取得していないからである。このため、分布生成部15は、世帯E及び世帯Fの日平均需要を用いて、上述の分布を生成する処理を実行するためには、全世帯の中での世帯Fの日平均需要の大きさの順位が大体どの程度であるかを仮定する必要がある。
ここで、分布生成部15が、Y日における世帯Fの日平均需要の大きさの順位に基づいて、全世帯の中での世帯Fの日平均需要の大きさの順位がおよそ500位であると仮定した場合について考える。この場合、分布生成部15は、X日における全世帯の日平均需要に対する世帯数を近似する分布として、実際の分布LTとは大きく異なる分布LFを生成してしまうことになる。このように、ランダムに抽出された世帯(全世帯の中での日平均需要の大きさの順位が一定とはいえない世帯)の日平均需要をサンプルデータとして用いた場合には、実際の分布を精度良く近似した分布を生成できないことがわかる。これに対して、本実施形態に係るサンプル抽出装置1では、分布生成部15は、抽出部13により抽出されたサンプル世帯(全世帯の中での日平均需要の大きさの順位がほぼ一定といえる世帯)の日平均電力をサンプルデータとして用いるため、全世帯の日平均需要の傾向を精度良く近似した分布を生成することができる。
なお、上記の例では、分布生成部15は、2つのサンプルデータを用いて分布を生成する場合について説明したが、分布生成部15は、3つ以上のサンプルデータを用いて分布を生成してもよい。この場合、分布生成部15は、例えば最小二乗法により、各サンプルデータに対応するプロット点との残差の二乗和が最小となるような分布関数のパラメータを決定することで、分布を生成してもよい。
また、上記の例では、各サンプル世帯の日平均需要を当該サンプル世帯の順位(日平均需要の大きさの順位)に対応する位置にプロットすることで、分布を生成するためのプロット点を設定したが、必ずしもこのような順位に基づくプロット処理をしなくともよい。例えば、抽出部13により特定の順位に偏ることのないように複数のサンプル世帯が抽出されている場合について考える。この場合、分布生成部15は、当該複数のサンプル世帯の日平均需要に基づいて図3に示したような日平均需要に対する世帯数の分布(図3の「データ」に相当)を作成し、周知のフィッティング処理により、当該分布に近似する分布関数(図3の「式」に相当)を決定してもよい。ただし、このように順位に基づくプロット処理をしない場合には、ある程度の数のサンプル世帯を特定の順位に偏りがないように抽出しておく必要がある。一方、上記の例のように、各サンプル世帯の日平均需要(サンプルデータ)を当該サンプル世帯の順位に対応付けることにより、より少ない数のサンプルデータ(上記の例では2つ)に基づいて全世帯の電力需要(上記の例では日平均需要)を予測する分布を生成することができる。
続いて、図8のフローチャートを用いて、サンプル抽出装置1により実行される処理(サンプル抽出方法)を説明する。本処理は、例えば、サンプル抽出装置1の管理者等がサンプル抽出装置1に対して操作を行うことで開始される。なお、図8においては、複数の世帯のうちからサンプル世帯を抽出するサンプル抽出処理(S1〜S3)と、抽出されたサンプル世帯を用いて複数の世帯全体の電力需要を予測する予測処理(S4,S5)とを一連の処理として記載しているが、サンプル抽出処理と予測処理とは別々のタイミングで実行されてもよい。例えば、サンプル抽出処理によりサンプル世帯が抽出された後に、当該サンプル世帯を用いた予測処理が繰り返し実行されてもよい。また、定期的にサンプル抽出処理が実行されて予測処理に用いるサンプル世帯が更新されてもよい。
まず、サンプル抽出処理(S1〜S3)について説明する。消費電力取得部11により、電力需要の予測対象である複数の世帯(需要家)のそれぞれについて、選択月の各日における日平均需要(複数の期間のそれぞれの消費電力)が取得される(S1、消費電力取得ステップ)。続いて、相関値算出部12により、選択月の各日における各世帯の日平均需要に基づいて、各世帯と全世帯との間で日平均需要に関する相関係数が算出される(S2、相関値算出ステップ)。
続いて、抽出部13により、サンプル世帯を抽出するための処理(S3、抽出ステップ)が実行される。まず、例えば相関係数が予め定められた閾値(例えば0.8等)以上である世帯(抽出世帯)が抽出される(S31)。続いて、全世帯の中での日平均需要の大きさの順位に基づいて、各抽出世帯が各カテゴリ(例えば上述した上位カテゴリ、平均カテゴリ、下位カテゴリ等)に分類される(S32)。続いて、例えば各カテゴリに分類された抽出世帯のうち相関係数が最大となる抽出世帯が、各カテゴリを代表する抽出世帯として決定され、決定された各カテゴリを代表する抽出世帯がサンプル世帯として抽出される(S33)。
続いて、予測処理(S4,S5)について説明する。ここでは一例として、特定の日における全世帯の日平均需要の傾向を予測する場合について説明する。この場合、まず、サンプルデータ取得部14により、特定の日における各サンプル世帯の日平均需要がサンプルデータとして取得される(S4、サンプルデータ取得ステップ)。続いて、分布生成部15により、上述した処理手順により、サンプルデータ取得部14により取得されたサンプルデータに基づいて対数正規分布に従う分布が生成される(S5、分布生成ステップ)。
以上述べたサンプル抽出装置1によれば、消費電力取得部11、相関値算出部12、及び抽出部13により、各世帯と全世帯との消費電力(本実施形態では一例として日平均需要)に関する相関値(本実施形態では一例として相関係数)が予め定められた基準以上の世帯(抽出世帯)のうちから、全世帯に対する各世帯の消費電力の大きさの順位(消費電力に基づく位置付け)に基づいてサンプル世帯を抽出することができる。即ち、消費電力の変動が全世帯の消費電力の変動に比較的近い世帯のうちから、全世帯の中での様々な順位に対応する世帯をサンプル世帯として抽出することができる。このように抽出された一部の世帯の消費電力に基づいて全世帯の電力需要を予測することで、全世帯の消費電力を収集、演算、及び蓄積することなく、電力需要の予測に必要な情報処理の負荷を低減することができる。また、上述のようにサンプル世帯として抽出された世帯の消費電力を用いることで、複数の世帯のうちからランダムに抽出された同じ数の世帯の消費電力を用いる場合と比較して、全世帯の電力需要を精度良く予測することができる。以上により、サンプル抽出装置1によれば、情報処理の負荷を低減しつつ全世帯の電力需要を精度良く予測するためのサンプル世帯を抽出できる。
また、サンプル抽出装置1では、サンプルデータ取得部14により、各サンプル世帯の所定期間における消費電力がサンプルデータとして取得され、分布生成部15により、予め保持されている分布の種別(本実施形態では一例として対数正規分布)に従う分布が生成される。このように生成される分布は、上記所定期間における全世帯の消費電力の傾向を予測する分布であるといえる。従って、上記サンプル抽出装置1によれば、サンプルデータに基づいて、全世帯の電力需要を予測することができる。例えば、一部のサンプル世帯からリアルタイムに取得された消費電力に基づいて、全世帯の需給状況をほぼリアルタイムに推計することが可能となる。また、電力供給先となる需要家全体に対する需給状況を一部のサンプル世帯から取得された消費電力に基づいて簡易に推計でき、余剰電力の融通が可能な状況であるかを迅速に把握することが可能となる。
続いて、上述した一連のサンプル抽出装置1による処理をコンピュータに実行させるためのサンプル抽出プログラムを説明する。サンプル抽出プログラムP1は、コンピュータに挿入されてアクセスされる、あるいはコンピュータが備える記録媒体に形成されたプログラム格納領域内に格納される。
図9に示すように、サンプル抽出プログラムP1は、消費電力取得モジュールP11、相関値算出モジュールP12、抽出モジュールP13、サンプルデータ取得モジュールP14、及び分布生成モジュールP15を備えて構成される。消費電力取得モジュールP11、相関値算出モジュールP12、抽出モジュールP13、サンプルデータ取得モジュールP14、及び分布生成モジュールP15を実行させることにより実現される機能は、上述したサンプル抽出装置1の消費電力取得部11、相関値算出部12、抽出部13、サンプルデータ取得部14、及び分布生成部15とそれぞれ同様である。
なお、サンプル抽出プログラムP1は、その一部又は全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、他の機器により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。また、サンプル抽出プログラムP1の各モジュールは、1つのコンピュータでなく、複数のコンピュータのいずれかにインストールされてもよい。その場合、当該複数のコンピュータによるコンピュータシステムによって上述した一連のサンプル抽出装置1の処理が行われる。
[第1実施形態の変形例]
続いて、第1実施形態に係るサンプル抽出装置1の変形例について説明する。変形例に係るサンプル抽出装置のことを、上記実施形態に係るサンプル抽出装置1と区別するために、サンプル抽出装置100と表記する。サンプル抽出装置100は、抽出部13の代わりに抽出部113を備える点において、サンプル抽出装置1とは相違する。サンプル抽出装置100の抽出部113は、各世帯間の日平均需要(消費電力)に関する相関の度合いを示す相関係数(相関値)を算出し、当該相関係数に更に基づいてサンプル世帯を抽出する点において、サンプル抽出装置1の抽出部13とは相違する。
以下、抽出部113による処理の一例について説明する。例えば、抽出部113は、上述した各カテゴリを代表するサンプル世帯として、各カテゴリにおいて互いの日平均需要に関する相関係数が低い世帯同士の組を一以上抽出してもよい。以下、当該相関係数のことを、上述の相関係数(各世帯の日平均需要と全世帯の日平均需要との相関係数)と区別するために、第2相関係数と表記する。抽出部113は、例えば以下のようにして、上述の組を抽出することができる。即ち、あるカテゴリに着目した場合、抽出部113は、当該カテゴリに分類された抽出世帯のうち、相関係数が最大の抽出世帯(ここでは一例として世帯G)を選択する。そして、抽出部113は、世帯Gと同一カテゴリに分類された各抽出世帯について、各抽出世帯の日平均需要と世帯Gの日平均需要との第2相関係数を算出する。続いて、抽出部113は、第2相関係数が最小(「−1」に最も近い値)となる抽出世帯(ここでは一例として世帯Hとする)を選択する。そして、抽出部113は、世帯G及び世帯H(日平均需要に関する相関係数が低い世帯同士の組)を、当該カテゴリを代表するサンプル世帯として抽出する。
また、抽出部113は、上記処理とは異なる処理の例として、各カテゴリに分類された抽出世帯間の全ての組み合わせについて第2相関係数を算出し、第2相関係数が最小となる抽出世帯の組を、当該カテゴリを代表するサンプル世帯として抽出してもよい。この場合には、各カテゴリ内において、なるべく相関が低い(第2相関係数が最小となる)抽出世帯の組を、当該カテゴリを代表するサンプル世帯として抽出することができる。
変形例に係るサンプル抽出装置100によれば、各世帯間の消費電力に関する相関係数に基づいて、全世帯の電力需要をより精度良く予測できることが期待できる。具体的には、分布生成部15が、上述のように抽出部113により抽出されたサンプル世帯の消費電力をサンプルデータとして用いることで、全世帯の消費電力に対する各世帯の消費電力のばらつきが相殺されることとなり、全世帯の電力需要をより精度良く近似できる分布を生成することが期待できる。
以上、本発明の好適な実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上記実施形態及び変形例に限られず、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形が可能である。
例えば、抽出部13は、必ずしも抽出世帯を各カテゴリに分類する必要はない。抽出部13は、相関係数が予め定められた基準以上の世帯のうちから、全世帯の中での日平均需要の大きさの順位にばらつきが出るようにサンプル世帯を抽出してもよい。例えば、抽出部13は、相関係数が最大の世帯から順に走査し、日平均需要の大きさの順位が既にサンプル世帯として抽出された世帯の順位とほぼ同じ(順位差が予め定められた閾値以内)である世帯については、サンプル世帯から除外してもよい。このように走査して予め定めた一定数のサンプル世帯を抽出することで、なるべく相関係数が大きい世帯を優先しつつ、全世帯の中での日平均需要の大きさの順位にばらつきが出るようにサンプル世帯を抽出できる。
[第2実施形態]
図10〜図16を用いて、本発明の第2実施形態に係るサンプル抽出装置200について説明する。以下の説明においては、主に第1実施形態に係るサンプル抽出装置1と相違する構成について説明し、サンプル抽出装置1と同様の構成については適宜説明を省略する。
サンプル抽出装置200は、機能的な構成要素として、消費電力取得部201、類似度算出部202、抽出部203、サンプルデータ取得部204、及び全体需要予測部205を備えて構成される。消費電力取得部201、類似度算出部202、及び抽出部203は、サンプル世帯を抽出するための構成要素である。サンプルデータ取得部204及び全体需要予測部205は、サンプル世帯の所定期間の消費電力をサンプルデータとして用いることで、全世帯の電力需要を予測するための構成要素である。ここで、消費電力取得部201、類似度算出部202、及び抽出部203による処理は、サンプル世帯の抽出のために1回だけ実行されればよい。サンプル世帯が抽出された後は、サンプルデータ取得部204及び全体需要予測部205は、サンプル世帯の所定期間の消費電力のみに基づいて全世帯の電力需要を予測することができる。即ち、全世帯の電力需要を予測するために全世帯の消費電力を取得する必要がなく、全世帯の中の一部の世帯であるサンプル世帯の消費電力だけを取得すればよい。
消費電力取得部201は、第1実施形態に係る消費電力取得部11と同様に、電力需要の予測対象である複数の世帯のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得手段である。本実施形態では一例として、消費電力取得部201は、過去6か月の各日を30分ごとに区切った48個の時間帯のそれぞれにおける各世帯の消費電力を取得する。即ち、本実施形態では、過去6か月の各日を30分ごとに区切ることで得られる各時間帯が、上記「複数の期間」の1つの単位となる期間である。
類似度算出部202は、消費電力取得部201により取得された各世帯の各期間の消費電力に基づいて、各世帯と全世帯との消費電力に関する類似の度合いを示す類似度を算出する類似度算出手段である。なお、本実施形態における類似度は、第1実施形態に係る相関値算出部12により算出される相関係数(相関値)の上位概念にあたる。抽出部203は、類似度算出部202により算出された類似度が予め定められた基準を満たす世帯をサンプル世帯として抽出する抽出手段である。本実施形態では、類似度算出部202及び抽出部203による処理の具体例として、過去6か月における平均絶対誤差率に基づく類似度を用いる場合及び過去6か月における相関係数に基づく類似度を用いる場合の2つの例について説明する。
(過去6か月における平均絶対誤差率に基づく類似度を用いる場合)
まず、過去6か月における平均絶対誤差率に基づく類似度を用いる場合について説明する。この場合、類似度算出部202は、複数の期間のそれぞれについて全世帯平均需要(全世帯の電力需要(消費電力)の和を全世帯数で割った平均値)と各世帯の電力需要との差分を算出し、各期間について算出された差分に基づいて類似度を算出する。
具体的には、類似度算出部202は、過去6か月の各日について、全世帯平均需要とある世帯Sの電力需要との平均絶対誤差率(%MAE)を、下記式(1)により算出する。下記式(1)において、P(t)(t=1,…,48)は、1日を30分ごとに区切った48個の時間帯のうちt番目の時間帯における世帯Sの電力需要を示す。例えばP(1)は1番目の時間帯である0時から0時30分までの時間帯における世帯Sの電力需要を示し、P(48)は48番目の時間帯である23時30分から24時までの時間帯における世帯Sの電力需要を示す。また、Pall(t)(t=1,…,48)は、t番目の時間帯における全世帯平均需要を示す。
類似度算出部202は、上記式(1)により、全世帯平均需要Pall(t)と世帯Sの電力需要P(t)との差分「P(t)−Pall(t)」を算出し、当該差分に基づいて、過去6か月の各日における世帯Sの平均絶対誤差率%MAEを算出する。そして、類似度算出部202は、過去6か月における世帯Sの日別の平均絶対誤差率%MAEの期間平均値を、世帯Sの類似度を示す値として算出する。類似度算出部202は、上述の処理を各世帯について実行することにより、各世帯の類似度を示す値を算出することができる。この場合、類似度を示す値(過去6か月における日別の平均絶対誤差率%MAEの期間平均値)が小さい程、類似度が大きいことを示す。
抽出部203は、上述のようにして算出された類似度が大きい世帯順に、例えば管理者等により予め定められた数の世帯をサンプル世帯(代表世帯)として抽出する。ただし、抽出部203によるサンプル世帯の抽出方法は上記に限定されない。例えば、抽出部203は、類似度が管理者等により予め設定された閾値よりも大きい世帯をサンプル世帯として抽出してもよい。
図11は、平均絶対誤差率に基づく類似度を用いて抽出されたサンプル世帯の電力需要の特徴を示す図である。図11の(a)は、任意に抽出された1日における全世帯平均需要及び任意に抽出された1つのサンプル世帯の電力需要のそれぞれの時間変動を示す。図11の(a)において、横軸は時間を示し、縦軸は消費電力[W]を示す。図11の(a)に示すように、上述の類似度算出部202及び抽出部203による処理を実行することにより、電力需要の形状(時間変動)及び大きさが全世帯平均需要の形状及び大きさに類似する世帯を優先的にサンプル世帯として抽出することができる。
図11の(b)は、特定の1日における、各サンプル世帯の電力需要と全世帯平均需要との平均誤差率%ME[%]と、類似度が大きい世帯順に累積した%ME(累積%ME)とを示す。図11の(b)において、横軸は類似度が大きい順に並べた世帯を示し、縦軸は%ME[%]を示す。ここで、平均誤差率%MEは、上記式(1)における「|P(t)−Pall(t)|」を「P(t)−Pall(t)」に置き換えた式により算出される値である。)図11の(b)において、左からN番目の世帯に対応する世帯別%MEは、類似度がN番目に大きい世帯の平均誤差率%MEを示す。また、左からN番目のサンプル世帯に対応する累積%MEは、類似度が最大の世帯から類似度がN番目の世帯までの各世帯の平均誤差率%MEの累積値を示す。
(過去6か月における相関係数に基づく類似度を用いる場合)
次に、過去6か月における相関係数に基づく類似度を用いる場合について説明する。この場合、類似度算出部202は、複数の期間のそれぞれについて全世帯の電力需要と各世帯の電力需要との間における相関係数を算出し、各期間について算出された相関係数に基づいて類似度を算出する。
具体的には、類似度算出部202は、過去6か月の各日について、全世帯平均需要Pall(t)と世帯Sの電力需要P(t)との相関係数r(P,Pall)を、下記式(2)により算出する。下記式(2)において、V(P)は上記式(1)におけるP(t)(t=1,…,48)の分散を示し、V(Pall)は上記式(1)におけるPall(t)(t=1,…,48)の分散を示し、Cov(P,Pall)はP(t)及びPall(t)の共分散を示す。
類似度算出部202は、上記式(2)により、過去6か月の各日における全世帯平均需要Pall(t)と世帯Sの電力需要P(t)との相関係数r(P,Pall)を算出する。そして、類似度算出部202は、過去6か月における世帯Sの日別の相関係数r(P,Pall)の期間平均値を、世帯Sの類似度を示す値として算出する。類似度算出部202は、上述の処理を各世帯について実行することにより、各世帯の類似度を示す値を算出することができる。この場合、類似度を示す値(過去6か月における日別の相関係数r(P,Pall)の期間平均値)が大きい(1に近い)程、類似度が大きいことを示す。
抽出部203は、上述のようにして算出された類似度が大きい(1に近い)世帯順に、例えば管理者等により予め定められた数の世帯をサンプル世帯(代表世帯)として抽出する。ただし、抽出部203によるサンプル世帯の抽出方法は上記に限定されない。例えば、抽出部203は、類似度が管理者等により予め設定された閾値よりも大きい世帯をサンプル世帯として抽出してもよい。
図12は、相関係数に基づく類似度を用いて抽出されたサンプル世帯の電力需要の特徴を示す図である。図12の(a)は、図11の(a)と同様に、任意に抽出された1日における、全世帯平均需要と任意に抽出された1つのサンプル世帯の電力需要とのそれぞれの時間変動を示す。図12の(a)に示すように、上述の類似度算出部202及び抽出部203による処理を実行することにより、電力需要の形状(時間変動)が全世帯平均需要の形状に類似する世帯を優先的にサンプル世帯として抽出することができる。
図12の(b)は、図11の(b)と同様に、特定の1日における、各サンプル世帯の電力需要と全世帯平均需要との平均誤差率%ME[%]と、類似度が大きい世帯順に累積した%ME(累積%ME)とを示す。
以上述べた消費電力取得部201、類似度算出部202、及び抽出部203の処理により、サンプル世帯が抽出される。詳しくは後述するが、サンプルデータ取得部204及び全体需要予測部205は、このようにして抽出されたサンプル世帯の所定期間の消費電力(例えば任意の日を30分ごとに分割した48個の時間帯のうちの1つの時間帯の電力需要)をサンプルデータとして用いることで、全世帯の所定期間の消費電力を取得することなく、全世帯の電力需要を予測する(アップスケールする)ことが可能となる。また、全世帯のうちからランダムに抽出された同じ数の世帯の消費電力をサンプルデータとして用いる場合と比較して、全世帯の電力需要を精度良く予測することが可能となる。
サンプルデータ取得部204は、第1実施形態に係るサンプルデータ取得部14と同様に、抽出部203によりサンプルとして抽出された各世帯の所定期間の電力需要をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段である。本実施形態では一例として、サンプルデータ取得部204は、予測対象日の48個の時間帯のうちから管理者等により予め定められた予測対象時間帯(例えば13時から13時30までの時間帯)の各サンプル世帯の電力需要をサンプルデータとして取得する。
全体需要予測部205は、サンプルデータ取得部204により取得されたサンプルデータに基づいて、上記予測対象時間帯(所定期間)の予測される全世帯の電力需要を算出する全体需要予測手段である。本実施形態では、予測対象時間帯における全世帯の電力需要を予測する場合を例に挙げて、全体需要予測部205による予測手法(アップスケーリング手法)の3つの具体例について説明する。
(第1のアップスケーリング手法)
第1のアップスケーリング手法は、予測対象時間帯におけるサンプル世帯の平均需要に全世帯数を乗じることで、予測対象時間帯の予測される全世帯の消費電力(全世帯合計需要)を算出する手法である。
第1のアップスケーリング手法では、全体需要予測部205は、まず下記式(3)により、予測対象時間帯tにおいて取得された各サンプル世帯のサンプルデータである電力需要Prepn(t)に基づいて、予測対象時間帯tにおけるサンプル世帯の平均需要Prep(t)を算出する。下記式(3)において、Nrepは抽出部203により抽出されたサンプル世帯数を示す。続いて、全体需要予測部205は、下記式(4)により、下記式(3)により算出したPrep(t)に全世帯数Nallを乗じることで、予測対象時間帯tの予測される全世帯合計需要P’all(t)を算出する。なお、サンプル世帯数Nrepや全世帯数Nallの情報は、例えばサンプル抽出装置200の補助記憶装置等に記憶される設定ファイル等に示されており、全体需要予測部205は、このような設定ファイルを参照することで、サンプル世帯数Nrepや全世帯数Nallの情報を取得することができる。
(第2のアップスケーリング手法)
第2のアップスケーリング手法は、各サンプル世帯の電力需要と全世帯の電力需要との関係を示す回帰式に、サンプルデータを当てはめることにより、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要を算出する手法である。
第2のアップスケーリング手法では、全体需要予測部205は、例えば消費電力取得部201により取得された過去日(例えば予測対象日の前日)の48個の時間帯のそれぞれについてのサンプル世帯の平均需要と全世帯合計需要との組を算出する。全体需要予測部205は、このようにして得られたサンプル世帯の平均需要と全世帯合計需要との48個の組について、全世帯合計需要を従属変数(目的変数)、サンプル世帯の平均需要を独立変数(説明変数)として回帰分析を実行する。回帰分析の手法は特に限定されないが、本実施形態では一例として、全体需要予測部205は、線形回帰により1次回帰式を求めるものとする。
図13の(a)は、横軸がサンプル世帯の平均需要を示し、縦軸が全世帯合計需要を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は、過去日の48個の時間帯のそれぞれの世帯個別の電力需要の最大値を「1」として規格化している。また、縦軸は、過去日の48個の時間帯のそれぞれにおける全世帯合計需要の最大値を「1」として規格化している。全体需要予測部205は、上述の回帰分析を実行することにより、1次回帰式Mを得る。具体的には、全体需要予測部205は、ある時間帯のサンプル世帯の平均需要をX、当該時間帯の全世帯合計需要をYとした場合に、「Y=a×X+b」で表される1次回帰式Mの係数a,bを算出する。なお、このような1次回帰式Mは、全体需要予測部205により算出される必要は必ずしもなく、例えばサンプル抽出装置200とは異なる装置により算出されてもよい。この場合、全体需要予測部205は、当該装置から1次回帰式Mを取得すればよい。
全体需要予測部205は、上述のようにして得られた1次回帰式Mを用いることで、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要を算出する。具体的には、全体需要予測部205は、サンプルデータ取得部204により取得された予測対象時間帯のサンプル世帯のサンプルデータ(電力需要)から、予測対象時間帯のサンプル世帯の平均需要を算出する。全体需要予測部205は、当該サンプル世帯の平均需要を1次回帰式Mの変数Xに代入することで求まる全世帯合計需要Yを、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要として算出する。
(第3のアップスケーリング手法)
第3のアップスケーリング手法は、予測対象時間帯に対応する過去の時間帯における、各サンプル世帯の平均需要に対する全世帯合計需要の割合を、サンプルデータに乗じることにより、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要を算出する手法である。なお、ここでは一例として、各サンプル世帯の平均需要に対する全世帯合計需要の割合を用いるが、各サンプル世帯の平均需要の代わりに各サンプル世帯の合計需要を用いてもよい。このようにして得られた割合を用いても、以下に説明する方法と同様に、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要を算出することができる。
第3のアップスケーリング手法では、全体需要予測部205は、第2のアップスケーリング手法と同様に、過去日(例えば予測対象日の前日)の48個の時間帯のそれぞれについてのサンプル世帯の平均需要と全世帯合計需要との組を算出する。全体需要予測部205は、このようにして得られたサンプル世帯の平均需要と全世帯合計需要との48個の組に基づいて、48個の時間帯のそれぞれについて、サンプル世帯の平均需要に対する全世帯合計需要の割合(時間帯別割合)を算出する。より具体的には、図13の(b)に示すように、全体需要予測部205は、各時間帯k(k=1,…,48)について、時間帯kにおけるサンプル世帯の平均需要Pave,kに対する全世帯合計需要P’all,kの割合Pall,k/Pave,kを算出し、算出された時間帯別割合を保持する。なお、このような時間帯別割合は、全体需要予測部205により算出される必要は必ずしもなく、例えばサンプル抽出装置200とは異なる装置により算出されてもよい。この場合、全体需要予測部205は、当該装置から時間帯別割合を取得すればよい。
全体需要予測部205は、上述のようにして得られた時間帯別割合を用いることで、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要を算出する。予測対象時間帯が予測対象日の13時から13時30分までの時間帯である場合を例に挙げて、全体需要予測部205の処理について具体的に説明する。この場合、まず、全体需要予測部205は、サンプルデータ取得部204により取得された予測対象時間帯(予測対象日の13時から13時30分までの時間帯)のサンプル世帯のサンプルデータ(電力需要)から、予測対象時間帯のサンプル世帯の平均需要を算出する。全体需要予測部205は、当該サンプル世帯の平均需要に、上述のようにして得られた過去日の13時から13時30分までの時間帯(予測対象時間帯に対応する過去の時間帯)についての割合を乗じることにより、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要を算出する。
図14を用いて、上述したサンプル抽出手法とアップスケーリング手法との各組み合わせについての予測結果について説明する。図14の(a)〜(c)のグラフにおいて、横軸は抽出部203により抽出されるサンプル世帯数を示し、縦軸はある予測対象時間帯において全体需要予測部205により算出された全世帯合計需要と実際の全世帯合計需要との平均絶対誤差率%MAEを示す。
図14において、サンプル抽出方法を示す数字(0〜2)とアップスケーリング手法を示すアルファベット(A〜C)との組み合わせにより、サンプル抽出方法とアップスケーリング手法との組み合わせを示す。「0」はサンプル世帯をランダムに抽出する方法を示し、「1」は過去6か月における平均絶対誤差率に基づく類似度が大きい順にサンプル世帯を抽出する方法を示し、「2」は過去6か月における相関係数に基づく類似度が大きい順にサンプル世帯を抽出する方法を示す。「A」は第1のアップスケーリング手法を示し、「B」は第2のアップスケーリング手法を示し、「C」は第3のアップスケーリング手法を示す。
図14に示す予測結果から、上述したサンプル抽出手法とアップスケーリング手法とを適切に組み合わせることにより、ランダムにサンプル世帯を抽出する場合よりも少ない数のサンプル世帯のサンプルデータを用いて精度良く全世帯合計需要を予測することができることがわかる。具体的には、ランダムに抽出されたサンプル世帯の平均需要に全世帯数を乗じる手法(0A)では、誤差を減らす(予測精度を上げる)ためにサンプル世帯数を多くする必要があるのに対し、上述の類似度に基づいてサンプル世帯を抽出した場合(1X又は2Xの場合)には、「2A」の場合を除いて、「0A」の場合よりも少ないサンプル世帯で精度良く全世帯合計需要を予測できる。
ここで、「2A」の手法の予測精度が「0A」の予測精度よりも悪くなっている理由は、「2A」の手法では相関係数に基づいて抽出したサンプル世帯の平均需要に全世帯数を単純に乗じていることに起因する。以下、これについて具体的に説明する。「2A」の手法では、全世帯平均需要(又は全世帯合計需要)とサンプル世帯の電力需要の大きさの関係には着目せず、全世帯平均需要の形状(時間変化)と類似する世帯を優先的にサンプル世帯として抽出している。このため、全世帯平均需要の形状と類似する一方で、電力需要の大きさが全世帯平均需要と大きく異なる世帯がサンプル世帯として抽出される可能性がある(図12の(b)参照)。その結果、図14の(c)に示すように、相関係数に基づいて抽出されたサンプル世帯の平均需要に全世帯数を単純に乗じるだけでは、実際の全世帯合計需要とは大きく異なる結果が得られる場合がある。
一方、「2B」,「2C」のように、サンプル世帯の平均需要と全世帯合計需要との関係(本実施形態では一例として、相関係数又は割合)に着目してアップスケールを行う第2又は第3のアップスケーリング手法を用いることにより、上記「2A」において生じたような問題を解消でき、予測精度を格段に向上させることができる(図14の(c)参照)。特に、時間帯毎の特性を考慮した第3のアップスケーリング手法は、平均絶対誤差率に基づく類似度を用いてサンプル世帯を抽出する場合と相関係数に基づく類似度を用いてサンプル世帯を抽出する場合との両方において、予測精度の向上に有効であることがわかる(図14の(b)の1C及び図14の(c)の2c参照)。
なお、「1A」の手法の予測精度が「1B」の予測精度よりも良くなっている理由は、平均絶対誤差率に基づく類似度に基づいて抽出されたサンプル世帯は、電力需要の大きさが全世帯平均需要に比較的近い世帯となっているためである。つまり、この場合には、サンプル世帯の平均需要に全世帯数を単純に乗じることにより、精度良く全世帯合計需要を予測できるからである。
続いて、図15のフローチャートを用いて、サンプル抽出装置200により実行される処理(サンプル抽出方法)を説明する。本処理は、例えば、サンプル抽出装置200の管理者等がサンプル抽出装置200に対して操作を行うことで開始される。なお、図15においては、複数の世帯のうちからサンプル世帯を抽出するサンプル抽出処理(S21〜S23)と、抽出されたサンプル世帯を用いて複数の世帯全体の電力需要を予測する予測処理(S24,S25)とを一連の処理として記載しているが、サンプル抽出処理と予測処理とは別々のタイミングで実行されてもよい。例えば、サンプル抽出処理によりサンプル世帯が抽出された後に、当該サンプル世帯を用いた予測処理が繰り返し実行されてもよい。また、定期的にサンプル抽出処理が実行されて予測処理に用いるサンプル世帯が更新されてもよい。
まず、サンプル抽出処理(S21〜S23)について説明する。消費電力取得部201により、電力需要の予測対象である複数の世帯(需要家)のそれぞれについて、過去6か月の各日の48個の時間帯のそれぞれにおける電力需要(複数の期間のそれぞれの消費電力)が取得される(S21、消費電力取得ステップ)。続いて、類似度算出部202により、過去6か月の各日の48個の時間帯のそれぞれにおける各世帯の電力需要に基づいて、各世帯と全世帯との電力需要に関する類似度が算出される(S202、類似度算出ステップ)。ここで、類似度算出部202は、例えば、上述した平均絶対誤差率に基づく類似度や相関係数に基づく類似度を算出する。
続いて、抽出部203により、サンプル世帯を抽出するための処理(S23、抽出ステップ)が実行される。具体的には、抽出部203は、上述のように、類似度が予め定められた基準を満たす世帯をサンプル世帯として抽出する。
続いて、予測処理(S24,S25)について説明する。ここでは一例として、予測対象日の予測対象時間帯における全世帯の電力需要(全世帯合計需要)を予測する場合について説明する。この場合、まず、サンプルデータ取得部204により、予測対象時間帯における各サンプル世帯の電力需要がサンプルデータとして取得される(S24、サンプルデータ取得ステップ)。続いて、全体需要予測部205により、サンプルデータ取得部204により取得されたサンプルデータに基づいて、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要が算出される。(S25、全体需要予測ステップ)。具体的には、全体需要予測部205は、例えば上述した第1〜第3のアップスケーリング手法のいずれかを用いることで、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要を算出する。
以上述べたサンプル抽出装置200によれば、消費電力取得部201、類似度算出部202、及び抽出部203により、各世帯と全世帯との消費電力に関する類似度が予め定められた基準を満たす世帯をサンプル世帯として抽出することができる。このように抽出された一部の世帯の消費電力に基づいて全世帯の電力需要を予測することで、全世帯の消費電力を収集、演算、及び蓄積することなく、電力需要の予測に必要な情報処理の負荷を低減することができる。また、上述のようにサンプルとして抽出された世帯の消費電力を用いることで、複数の世帯のうちからランダムに抽出された同じ数の世帯の消費電力を用いる場合と比較して、全世帯の電力需要を精度良く予測することができる。以上により、サンプル抽出装置200によれば、情報処理の負荷を低減しつつ全世帯の電力需要を精度良く予測するためのサンプル世帯を抽出できる。
また、上記サンプル抽出装置200によれば、全体需要予測部205がサンプル抽出方法に応じて第1〜第3のアップスケーリング手法のいずれかを用いて、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要を算出することにより、サンプルデータから全世帯の電力需要を精度良く予測することができる。また、全体需要予測部205は、サンプルデータ取得部204によりほぼリアルタイムに取得された予測対象時間帯におけるサンプル世帯のサンプルデータに基づいて、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要(以下、「全世帯推定合計需要」という。)を算出することができる。全世帯推定合計需要の情報は、例えば、前日に立案した電力供給の計画値の補正、当日(予測対象日)の電力供給量の調整、翌日の需給計画値立案等に用いることができる。例えば、以下のような利用が考えられる。即ち、全体需要予測部205は、予測対象時間帯における全世帯推定合計需要の情報を、上述のような電力供給の計画値の補正や電力供給量の調整等の処理を実行するための専用コンピュータに出力し、当該専用コンピュータに上記処理を実行させる。なお、第1実施形態に係る分布生成部15により生成される分布についても、本実施形態に係る全世帯推定合計需要と同様の活用方法が考えられる。
続いて、上述した一連のサンプル抽出装置200による処理をコンピュータに実行させるためのサンプル抽出プログラムを説明する。サンプル抽出プログラムP2は、コンピュータに挿入されてアクセスされる、あるいはコンピュータが備える記録媒体に形成されたプログラム格納領域内に格納される。
図16に示すように、サンプル抽出プログラムP2は、消費電力取得モジュールP21、類似度算出モジュールP22、抽出モジュールP23、サンプルデータ取得モジュールP24、及び全体需要予測モジュールP25を備えて構成される。消費電力取得モジュールP21、類似度算出モジュールP22、抽出モジュールP23、サンプルデータ取得モジュールP24、及び全体需要予測モジュールP25を実行させることにより実現される機能は、上述したサンプル抽出装置200の消費電力取得部201、類似度算出部202、抽出部203、サンプルデータ取得部204、及び全体需要予測部205とそれぞれ同様である。
なお、サンプル抽出プログラムP2は、その一部又は全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、他の機器により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。また、サンプル抽出プログラムP2の各モジュールは、1つのコンピュータでなく、複数のコンピュータのいずれかにインストールされてもよい。その場合、当該複数のコンピュータによるコンピュータシステムによって上述した一連のサンプル抽出装置200の処理が行われる。
[第3実施形態]
図17〜図19を用いて、本発明の第3実施形態に係るサンプル抽出装置300について説明する。以下の説明においては、主に第2実施形態に係るサンプル抽出装置200と相違する構成について説明し、サンプル抽出装置200と同様の構成については適宜説明を省略する。
サンプル抽出装置300は、予測対象日(予測対象単位期間)の気温(例えば予想気温)に基づいて上述した第2のアップスケーリング手法における1次回帰式Mを生成するための特定の過去日(過去期間)を参照日(参照期間)として決定する点で、第2実施形態に係るサンプル抽出装置200と主に相違する。すなわち、サンプル抽出装置200においては、単純に予測対象日の前日を参照日としていたのに対し、サンプル抽出装置300は、予測対象日の予想気温に基づいて参照日を決定する。具体的には、図17に示すように、サンプル抽出装置300は、全体需要予測部205の代わりに全体需要予測部310を備える点において、サンプル抽出装置200と相違する。全体需要予測部310は、機能的な構成要素として、気温取得部(気温取得手段)311、参照日決定部(参照期間決定手段)312、回帰式生成部(回帰式生成手段)313、及び算出部(算出手段)314を備える。
気温取得部311は、予測対象日の気温を取得する手段である。ここで、予測対象日の気温とは、例えば、予測対象日の予想最低気温、予想最高気温、予想平均気温等である。気温取得部311は、例えば任意の機関及び団体等(例えば気象庁、民間企業等)が公開する予報データ(予測対象日の予想気温を含むデータ)を取得することにより、予測対象日の予想気温を取得することができる。本実施形態では一例として、気温取得部311は、予測対象日の予想最低気温を予測対象日の気温として取得する。これは、例えば予報データとして簡易に取得できる情報としては最高気温と最低気温とがあるところ、最低気温の方が最高気温よりも日平均電力需要との相関が強いことが把握されているからである。なお、本実施形態の全体需要予測部310は、リアルタイムでの電力需要の予測を行うことを主に想定しているが、任意の過去日のサンプル世帯の電力需要をアップスケーリングすることで当該過去日の全体需要を推定する用途に用いることもできる。このような推定を行う場合には、予測対象日は過去日であるため、既に予測対象日の実測気温が把握されている。このように、予測対象日の実測気温に関するデータを取得できる場合には、気温取得部311は、予測対象日の実測気温(例えば実際に測定された最低気温等)を予測対象日の気温として取得してもよい。また、ここで気温取得部311によって取得される気温に関する情報は、電力需要の予測対象となる世帯が存在する地域の気温に関する情報であることが好ましい。
参照日決定部312は、予測対象日を基準とした過去日の気温(例えば実測された最低気温)と気温取得部311により取得された予測対象日の気温(例えば予想最低気温)とを比較し、比較結果に基づいて特定の過去日を参照日として決定する手段である。上述の通り、最低気温と電力需要との間には比較的強い相関関係があると考えられる。従って、予測対象日の予想最低気温と近い最低気温を記録した過去日を参照日として決定し、決定された参照日の電力需要に基づいて1次回帰式Mを生成することによって、予測対象日に含まれる予測対象時間帯の電力需要の予測に適した1次回帰式Mを得ることが期待できる。
そこで、本実施形態では一例として、参照日決定部312は、以下のようにして参照日を決定する。まず、参照日決定部312は、例えば予測対象日の前日の最低気温と予測対象日の予想最低気温との差を算出し、当該差が予め設定された閾値(例えば2℃)以下であるか否かを判定する。
上記判定において、算出された差が閾値以下であった場合には、参照日決定部312は、予測対象日の前日を参照日として決定する。一方、算出された差が閾値より大きい場合には、参照日決定部312は、予測対象日の予想最低気温とほぼ同じ最低気温が記録された過去日を参照日として決定する。例えば、参照日決定部312は、予測対象日の直近の過去日から順に遡って、予測対象日の予想最低気温と比較対象の過去日の最低気温とが一致する(例えば整数部分で一致する)か否かを判定し、一致すると最初に判定された過去日を参照日として決定してもよい。その際に、ある一定期間(例えば2週間)遡っても予測対象日の予想最低気温と比較対象の過去日の最低気温とが一致する日が無い場合には、予測対象日の予想最低気温と比較対象の過去日の最低気温との差が予め設定された閾値以下であるか否かを判定し、閾値以下であると最初に判定された過去日を参照日として決定してもよい。ここでの閾値は、上述の閾値と同じ2℃でもよいし、上述の閾値よりも小さい値(例えば1℃)でもよい。
参照日決定部312は、上述の処理を実行することにより、予測対象日と予測対象日の前日との間に一定以上の気温差(最低気温の差)が生じると予測される場合(すなわち、気温差が電力需要の傾向に与える影響が大きいと考えられる場合)に、予測対象日からなるべく近い日であり且つ予測対象日の予想最低気温と近い最低気温が記録された過去日を参照日として決定することができる。これにより、参照日決定部312は、気温の観点から電力需要の傾向が予測対象日と類似すると考えられる過去日を参照日として決定することができる。その結果、後述の回帰式生成部313によって予測対象日に含まれる予測対象時間帯の電力需要の予測に適した1次回帰式Mが生成され、電力需要の予測精度が向上することが期待できる。
なお、上記比較処理において、参照日決定部312が過去日において記録された最低気温を取得する方法は任意である。参照日決定部312は、例えば気象庁等が保持する過去の気象データを取得することにより、過去日の最低気温を取得することができる。また、上記以外にも、サンプル抽出装置300がアクセス可能なデータベース等に、過去日毎の気温に関するデータが蓄積される場合には、参照日決定部312は、当該データベースにアクセスすることにより、過去日の最低気温を取得してもよい。
回帰式生成部313は、参照日決定部312により決定された参照日におけるサンプル世帯の電力需要と全世帯の電力需要とに基づいて、サンプル世帯の電力需要と全世帯の電力需要との関係を示す1次回帰式Mを生成する回帰式生成手段である。また、算出部314は、回帰式生成部313により生成された1次回帰式Mにサンプルデータを当てはめることにより、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要を算出する算出手段である。回帰式生成部313が1次回帰式Mを生成するために参照日決定部312により決定された参照日の電力需要に関するデータを用いる点を除いて、回帰式生成部313による1次回帰式Mの生成方法及び算出部314による全世帯合計需要の算出方法は、サンプル抽出装置200の全体需要予測部205による第2のアップスケーリング手法と同様である。
以上述べたサンプル抽出装置300によれば、予測対象日の気温(一例として予想最低気温)と過去日の気温(一例として実測された最低気温)との比較結果に基づいて参照日を決定することにより、予測対象日に含まれる予測対象時間帯の全体需要を予測するのに適した1次回帰式Mを生成することが可能となる。その結果、全世帯合計需要の予測精度を向上させることが期待できる。
図18及び図19に、サンプル抽出装置300による予測結果を示す。図18に示すグラフの横軸は、ある年の8月からその翌年の7月までの各月を示している。また、同グラフの縦軸は、上述した全体需要予測部310による予測処理によって比較対象の予測処理よりも予測精度が向上した日(すなわち、式(1)で示した%MAEが小さくなった日)の数を示している。ここで、「比較対象の予測処理」とは、予測対象日の予想気温に関わらず、常に曜日を考慮した予測対象日の前日を参照日として、上述した回帰式生成部313及び算出部314による処理と同様の処理を実行する場合の予測処理である。また、「曜日を考慮した予測対象日の前日」とは、平日及び休祝日等の分類を考慮した場合の予測対象日の前日を意味する。例えば、予測対象日が土曜日(休祝日に分類される日)の場合には、予測対象日よりも1つ前の休祝日(すなわち、予測対象日の6日前の日曜日)が、曜日を考慮した予測対象日の前日となる。また、予測対象日が月曜日(平日に分類される日)の場合には、予測対象日よりも1つ前の平日(すなわち、予測対象日が含まれる週の1つ前の週の金曜日)が、曜日を考慮した予測対象日の前日となる。
図18に示すグラフにおける各月の縦棒のうち左側の縦棒は、全体需要予測部310による予測処理によって比較対象の予測処理よりも予測精度が向上した日の総数を示している。一方、同グラフにおける各月の縦棒のうち右側の縦棒は、全体需要予測部310による予測処理によって比較対象の予測処理よりも予測精度が向上した日のうち、予測対象日において実際に測定された最低気温と曜日を考慮した予測対象日の前日の最低気温との差が閾値(ここでは2℃)より大きかった日の数を示している。
全体需要予測部310による予測処理によって、年間124日において比較対象の予測処理よりも予測精度を向上することができた(図中の各月の左側の縦棒参照)。また、予測精度が向上した124日のうち、予測対象日の最低気温と曜日を考慮した予測対象日の前日の最低気温との気温差が2℃を超えた日は、44日であった(図中の各月の右側の縦棒参照)。図18に示す予測結果から、例えば3月のように他の時期と比較して気温及び電力需要の変動が大きい時期には、全体需要予測部310による予測処理の効果(すなわち、電力需要の予測精度の向上の効果)が顕著となることがわかる。
図19は、ある年の3月の各日における3つの参照日決定手法の各々についての予測結果(%MAE)を示す。図19において、第1の手法の折れ線グラフは、常に曜日を考慮した予測対象日の前日を参照日として、上述した回帰式生成部313及び算出部314による処理と同様の処理を実行した場合の予測結果を示している。また、第2の手法の折れ線グラフは、常に曜日を考慮しない予測対象日の前日(すなわち、暦通りの予測対象日の前日)を参照日として、上述した回帰式生成部313及び算出部314による処理と同様の処理を実行した場合の予測結果を示している。また、第3の手法の折れ線グラフは、全体需要予測部310による処理を実行した場合の予測結果を示している。
図19に示すように、第1の手法を用いた場合には、日平均絶対誤差(式(1)で示した%MAE)が極端に大きくなる日が散見されたが、第2の手法又は第3の手法を用いた場合には、日平均絶対誤差が極端に大きくなる日はなかった。具体的には、第1の手法を用いた場合には、日平均絶対誤差が10%を超える日が8日あったのに対し、第2の手法又は第3の手法を用いた場合には、日平均絶対誤差が10%を超える日は2〜4日程度しかなかった。このことから、全体需要予測部310の予測処理によれば、安定した予測精度で全世帯合計需要を予測できることがわかる。すなわち、全体需要予測部310の予測処理によれば、予測処理に用いる1次回帰式Mを求めるための参照日を決定する際に、予測対象日の予想気温を考慮することにより、日によって予測精度が極端に悪くなるといったことを抑制することができる。
なお、上記予測結果は、予測対象日の前日を参照日としたとき(第2の手法)の方が、予測対象日の曜日を考慮した前日を参照日としたとき(第1の手法)よりも日平均絶対誤差を安定して抑えることができたことを示しているが、予測対象日によっては第1の手法の方が第2の手法よりも日平均絶対誤差を抑えることができる場合もある。具体的には、曜日分類(平日、休祝日等の分類)が予測対象日と一致する過去日(すなわち、曜日分類の観点から電力需要の傾向が予測対象日と類似すると考えられる過去日)を参照日として決定することにより、予測対象日の電力需要の予測に適した1次回帰式Mが生成され、電力需要の予測精度が向上する場合もある。従って、参照日決定部312は、上述した参照日を決定するための判定処理において、予測対象日の「前日」の代わりに予測対象日の「曜日を考慮した前日」を用いてもよい。
[第4実施形態]
図20を用いて、本発明の第4実施形態に係るサンプル抽出装置400について説明する。以下の説明においては、主に第3実施形態に係るサンプル抽出装置300と相違する構成について説明し、サンプル抽出装置300と同様の構成については適宜説明を省略する。
サンプル抽出装置400は、電力需要を予測するための手法として、上述した第2のアップスケーリング手法ではなく上述した第3のアップスケーリング手法を用いる点で、サンプル抽出装置300と主に相違する。具体的には、サンプル抽出装置400は、全体需要予測部310の代わりに全体需要予測部410を備える点において、サンプル抽出装置300と相違する。全体需要予測部410は、回帰式生成部313及び算出部314の代わりに割合算出部(割合算出手段)411及び算出部(算出手段)412を備える。以下、サンプル抽出装置300と相違する構成(割合算出部411及び算出部412)について説明する。
割合算出部411は、参照日決定部312により決定された参照日に含まれる時間帯のうち予測対象時間帯に対応する時間帯における、サンプル世帯の電力需要に対する全世帯の電力需要の割合を算出する割合算出手段である。割合算出部411は、例えば、上述した第3のアップスケーリング手法と同様に、各サンプル世帯の平均需要に対する全世帯合計需要の割合を上記割合として算出する。また、算出部412は、割合算出部411により算出された割合をサンプルデータに乗じることにより、予測対象時間帯の予測される全世帯合計需要を算出する算出手段である。割合算出部411が上記割合を算出するために参照日決定部312により決定された参照日の電力需要に関するデータを用いる点を除いて、割合算出部411による割合の算出方法及び算出部412による全世帯合計需要の算出方法は、サンプル抽出装置200の全体需要予測部205による第3のアップスケーリング手法と同様である。
以上述べたサンプル抽出装置400によれば、予測対象日の気温(一例として予測最低気温)と過去日の気温(一例として実測された最低気温)との比較結果に基づいて参照日を決定することにより、予測対象日に含まれる予測対象時間帯の全体需要を予測するのに適した割合(サンプル世帯の平均需要に対する全世帯合計需要の割合)を算出することが可能となる。その結果、全世帯合計需要の予測精度を向上させることが期待できる。
なお、本発明者によって、サンプル抽出装置400による予測結果(すなわち、上記の時間帯別割合によって全世帯合計需要を予測する手法による予測結果)は、図18及び図19に示したようなサンプル抽出装置300による予測結果(すなわち、回帰式を用いて全世帯合計需要を予測する手法による予測結果)と同様の傾向を有することが確認されている。すなわち、例えば3月のように他の時期と比較して気温及び電力需要の変動が大きい時期には、全体需要予測部410による予測処理の効果(すなわち、電力需要の予測精度の向上の効果)が顕著となる。また、全体需要予測部410の予測処理によれば、安定した予測精度で全世帯合計需要を予測できる。すなわち、全体需要予測部410の予測処理によれば、予測処理に用いる時間帯別割合を求めるための参照日を決定する際に、予測対象日の予想気温を考慮することにより、日によって予測精度が極端に悪くなるといったことを抑制することができる。
以上述べた本発明の実施形態(第1実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態)は、種々の変形が可能である。例えば各実施形態において説明した種々の特徴を適宜組み合わせてもよい。例えば、第1実施形態に係るサンプル抽出装置1において説明したサンプル抽出方法により抽出したサンプル世帯のサンプルデータに基づいて、第2実施形態に係るサンプル抽出装置200において説明した全体需要予測部205が全世帯推定合計需要を算出するようにしてもよい。
1,100,200,300,400…サンプル抽出装置、11,201…消費電力取得部、12…相関値算出部、13,113,203…抽出部、14,204…サンプルデータ取得部、15…分布生成部、202…類似度算出部、205,310,410…全体需要予測部、311…気温取得部、312…参照日決定部、313…回帰式生成部、314…算出部、411…割合算出部、412…算出部、P1,P2…サンプル抽出プログラム、P11,P21…消費電力取得モジュール、P12…相関値算出モジュール、P13,P23…抽出モジュール、P14,P24…サンプルデータ取得モジュール、P15…分布生成モジュール、P22…類似度算出モジュール、P25…全体需要予測モジュール。

Claims (16)

  1. 電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得手段と、
    前記消費電力取得手段により取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、前記各需要家と前記複数の需要家全体との消費電力に関する相関の度合いを示す相関値を算出する相関値算出手段と、
    前記相関値算出手段により算出された各需要家の相関値が予め定められた基準以上であるか否かの判断と、消費電力に基づく前記複数の需要家全体に対する各需要家の位置付けと、に基づいて需要家を抽出する抽出手段と、
    を備えるサンプル抽出装置。
  2. 前記抽出手段は、各需要家間の消費電力に関する相関の度合いを示す相関値を算出し、当該相関値に更に基づいて需要家を抽出する、
    請求項1記載のサンプル抽出装置。
  3. 前記抽出手段により抽出された各需要家の所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、
    前記複数の需要家全体の消費電力に対する需要家の数の分布の種別を示す情報を保持し、前記サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて前記分布の種別に従う分布を生成する分布生成手段と、を更に備える、
    請求項1又は2記載のサンプル抽出装置。
  4. 電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得手段と、
    前記消費電力取得手段により取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、前記各需要家と前記複数の需要家全体との消費電力に関する類似の度合いを示す類似度を算出する類似度算出手段と、
    前記類似度算出手段により算出された類似度が予め定められた基準を満たす需要家を抽出する抽出手段と、
    を備えるサンプル抽出装置。
  5. 前記類似度算出手段は、前記複数の期間のそれぞれについて、前記複数の需要家の消費電力の和を前記複数の需要家の数で割った平均値と前記各需要家の消費電力との差分を算出し、各期間の算出された前記差分に基づいて前記類似度を算出する、
    請求項4記載のサンプル抽出装置。
  6. 前記類似度算出手段は、前記複数の期間のそれぞれについて、前記複数の需要家全体の消費電力と前記各需要家の消費電力との間における相関係数を算出し、各期間の算出された前記相関係数に基づいて前記類似度を算出する、
    請求項4記載のサンプル抽出装置。
  7. 前記抽出手段により抽出された各需要家の所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、
    前記サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段と、
    を更に備え、
    前記全体需要予測手段は、前記抽出手段により抽出された各需要家の消費電力と前記複数の需要家全体の消費電力との関係を示す回帰式に、前記サンプルデータを当てはめることにより、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する、
    請求項4〜6のいずれか一項記載のサンプル抽出装置。
  8. 前記抽出手段により抽出された各需要家の所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、
    前記サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段と、
    を更に備え、
    前記全体需要予測手段は、前記所定期間に対応する過去の期間における、前記抽出手段により抽出された各需要家の消費電力に対する前記複数の需要家全体の消費電力の割合を、前記サンプルデータに乗じることにより、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する、
    請求項4〜6のいずれか一項記載のサンプル抽出装置。
  9. 前記抽出手段により抽出された需要家であるサンプル需要家について、予測対象単位期間に含まれる所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、
    前記サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段と、
    を更に備え、
    前記全体需要予測手段は、
    前記予測対象単位期間の気温を取得する気温取得手段と、
    前記予測対象単位期間を基準とした過去期間の気温と前記気温取得手段により取得された前記予測対象単位期間の気温とを比較し、比較結果に基づいて特定の過去期間を参照期間として決定する参照期間決定手段と、
    前記参照期間決定手段により決定された参照期間における前記サンプル需要家の消費電力と前記複数の需要家全体の消費電力とに基づいて、前記サンプル需要家の消費電力と前記複数の需要家全体の消費電力との関係を示す回帰式を生成する回帰式生成手段と、
    前記回帰式生成手段により生成された回帰式に前記サンプルデータを当てはめることにより、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する算出手段と、を有する、
    請求項4〜6のいずれか一項記載のサンプル抽出装置。
  10. 前記抽出手段により抽出された需要家であるサンプル需要家について、予測対象単位期間に含まれる所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、
    前記サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段と、
    を更に備え、
    前記全体需要予測手段は、
    前記予測対象単位期間の気温を取得する気温取得手段と、
    前記予測対象単位期間を基準とした過去期間の気温と前記気温取得手段により取得された前記予測対象単位期間の気温とを比較し、比較結果に基づいて特定の過去期間を参照期間として決定する参照期間決定手段と、
    前記参照期間決定手段により決定された参照期間に含まれる期間のうち前記所定期間に対応する期間における、前記サンプル需要家の消費電力に対する前記複数の需要家全体の消費電力の割合を算出する割合算出手段と、
    前記割合算出手段により算出された割合を前記サンプルデータに乗じることにより、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する算出手段と、を有する、
    請求項4〜6のいずれか一項記載のサンプル抽出装置。
  11. 装置により実行されるサンプル抽出方法であって、
    電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得ステップと、
    前記消費電力取得ステップにおいて取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、前記各需要家と前記複数の需要家全体との消費電力に関する相関の度合いを示す相関値を算出する相関値算出ステップと、
    前記相関値算出ステップにおいて算出された各需要家の相関値が予め定められた基準以上であるか否かの判断と、消費電力に基づく前記複数の需要家全体に対する各需要家の位置付けと、に基づいて需要家を抽出する抽出ステップと、
    を含むサンプル抽出方法。
  12. コンピュータを、
    電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得手段と、
    前記消費電力取得手段により取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、前記各需要家と前記複数の需要家全体との消費電力に関する相関の度合いを示す相関値を算出する相関値算出手段と、
    前記相関値算出手段により算出された各需要家の相関値が予め定められた基準以上であるか否かの判断と、消費電力に基づく前記複数の需要家全体に対する各需要家の位置付けと、に基づいて需要家を抽出する抽出手段と
    して機能させるサンプル抽出プログラム。
  13. 装置により実行されるサンプル抽出方法であって、
    電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得ステップと、
    前記消費電力取得ステップにおいて取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、前記各需要家と前記複数の需要家全体との消費電力に関する類似の度合いを示す類似度を算出する類似度算出ステップと、
    前記類似度算出ステップにおいて算出された類似度が予め定められた基準を満たす需要家を抽出する抽出ステップと、
    を含むサンプル抽出方法。
  14. コンピュータを、
    電力の複数の需要家のそれぞれについて、複数の期間のそれぞれの消費電力を取得する消費電力取得手段と、
    前記消費電力取得手段により取得された各需要家の各期間の消費電力に基づいて、前記各需要家と前記複数の需要家全体との消費電力に関する類似の度合いを示す類似度を算出する類似度算出手段と、
    前記類似度算出手段により算出された類似度が予め定められた基準を満たす需要家を抽出する抽出手段と
    して機能させるサンプル抽出プログラム。
  15. 前記コンピュータを、更に、
    前記抽出手段により抽出された需要家であるサンプル需要家について、予測対象単位期間に含まれる所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、
    前記サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段と
    して機能させ、
    前記全体需要予測手段は、
    前記予測対象単位期間の気温を取得する気温取得手段と、
    前記予測対象単位期間を基準とした過去期間の気温と前記気温取得手段により取得された前記予測対象単位期間の気温とを比較し、比較結果に基づいて特定の過去期間を参照期間として決定する参照期間決定手段と、
    前記参照期間決定手段により決定された参照期間における前記サンプル需要家の消費電力と前記複数の需要家全体の消費電力とに基づいて、前記サンプル需要家の消費電力と前記複数の需要家全体の消費電力との関係を示す回帰式を生成する回帰式生成手段と、
    前記回帰式生成手段により生成された回帰式に前記サンプルデータを当てはめることにより、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する算出手段と、を有する、
    請求項14記載のサンプル抽出プログラム。
  16. 前記コンピュータを、更に、
    前記抽出手段により抽出された需要家であるサンプル需要家について、予測対象単位期間に含まれる所定期間の消費電力をサンプルデータとして取得するサンプルデータ取得手段と、
    前記サンプルデータ取得手段により取得されたサンプルデータに基づいて、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する全体需要予測手段と
    して機能させ、
    前記全体需要予測手段は、
    前記予測対象単位期間の気温を取得する気温取得手段と、
    前記予測対象単位期間を基準とした過去期間の気温と前記気温取得手段により取得された前記予測対象単位期間の気温とを比較し、比較結果に基づいて特定の過去期間を参照期間として決定する参照期間決定手段と、
    前記参照期間決定手段により決定された参照期間に含まれる期間のうち前記所定期間に対応する期間における、前記サンプル需要家の消費電力に対する前記複数の需要家全体の消費電力の割合を算出する割合算出手段と、
    前記割合算出手段により算出された割合を前記サンプルデータに乗じることにより、前記所定期間の予測される前記複数の需要家全体の消費電力を算出する算出手段と、を有する、
    請求項14記載のサンプル抽出プログラム。
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