JP2016137534A - 治具の姿勢調整方法、治具及び治具の姿勢調整用補助具 - Google Patents

治具の姿勢調整方法、治具及び治具の姿勢調整用補助具 Download PDF

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【課題】精度よく位置決めを行うことができる治具の姿勢調整方法、治具及び治具の姿勢調整用補助具を提供する。【解決手段】治具30Sは、基台部31と、基台部31に基端部が接続される4つの脚部と、を備える。4つの脚部のうちの少なくとも1つは、基端部から先端部までの長さが変更可能な調整用脚部64である。調整用脚部64の長さを変更することにより、4つの脚部がそれぞれ設定する4つの基準点を含む仮想平面40が水平になるように、基台部31の姿勢を調整可能である。【選択図】図11

Description

本発明は、プリンターなどの装置を製造する際に、その装置を構成する部材の位置決めをするために用いられる治具の姿勢調整方法、治具及び治具の姿勢調整用補助具に関する。
例えばプリンターなどの装置の製造工程において、本体フレームに対して、互いの位置関係が水平や垂直となるように位置を調整しつつ、複数の部材を取り付けていくことがある。その際、特に本体フレームが大型になると、本体フレームにねじりやゆがみなどの変形が生じて部材の取り付け位置に誤差が生じ、取り付けられる部材の水平度や平面度を確保することが難しくなることがある。
そこで、従来、本体フレームに取り付けられる部材において、基準となる4点のうちの3点を固定とし、その固定された3点と同一平面上に配置されるように残りの1点の位置を調整することで、本体フレームに支持される部材の位置決めを行う平面度調整装置がある(例えば、特許文献1)。
特開2013−159089号公報
ところで、上述の平面度調整装置は、本体フレームの平面に対して平行をなすように支持部材を取り付けるものであるが、さらにこの支持部材の平面に対して平行をなすように別の部材を取り付けていくと、各部材の平面同士が少しずつずれて、後に取り付ける部材の位置に誤差が生じてしまう、という課題がある。
なお、このような課題は、プリンターを製造する場合に限らず、取り付けられる部材の位置決めを正確に行う必要がある場合には、概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、精度よく位置決めを行うことができる治具の姿勢調整方法、治具及び治具の姿勢調整用補助具を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する治具の姿勢調整方法は、平面度を出すための基準点を設定する治具の姿勢調整方法であって、前記基準点を含む仮想平面が水平になるように前記治具の姿勢を調整する治具調整工程と、前記治具調整工程にて姿勢を調整した前記治具を部材の上に配置する配置工程と、前記部材上において、前記基準点が同一平面に含まれるように前記治具の姿勢を調整する平面度調整工程と、前記平面度調整工程の後に、前記基準点を含む仮想平面が水平になるように前記治具の姿勢を調整する水平度調整工程と、を備える。
この構成によれば、治具調整工程で基準点を含む仮想平面が水平になるように治具の姿勢を調整することにより、治具の製造誤差による影響を低減することができる。また、治具調整工程の後、平面度調整工程で部材上において基準点が同一平面に含まれるように治具の姿勢を調整することにより、配置工程によって生じる治具の変形の影響を低減することができる。さらに、水平度調整工程において仮想平面を水平にすることにより、部材の製造誤差や変形の影響を低減することができる。そして、そのように誤差の発生を抑制しつつ治具が設定した基準点を含む水平な仮想平面を基準とすることにより、他の部材について、精度よく位置決めを行うことができる。
上記治具の姿勢調整方法において、前記治具調整工程では、基準となる水平面の上に前記治具を配置して、前記基準点を含む仮想平面が水平になるように前記治具の姿勢を調整する。
この構成によれば、治具調整工程では、基準となる水平面の上に治具を配置して治具の姿勢を調整するので、治具の製造誤差の影響を低減して、仮想平面の水平度を確保することができる。
上記治具の姿勢調整方法において、前記基準となる水平面は、定盤の平坦面である。
この構成によれば、定盤の平坦面を水平面の基準として、治具が設定する基準点を含む仮想平面を水平にすることができる。
上記課題を解決する治具は、基台部と、前記基台部に基端部が接続される4つの脚部と、を備え、前記4つの脚部のうちの少なくとも1つは、前記基端部から先端部までの長さが変更可能な調整用脚部であり、前記調整用脚部の長さを変更することにより、前記4つの脚部がそれぞれ設定する4つの基準点を含む仮想平面が水平になるように、前記基台部の姿勢を調整可能である。
この構成によれば、治具は基台部に基端部が接続される4つの脚部を備えるので、基台部を安定して支えることができる。なお、3つの脚部で基台部を支える場合と比較して、4つの脚部で基台部を支える場合には、載置した治具にガタつきが生じるおそれがあるが、調整用脚部の長さを変更することにより、治具のガタつきを抑制することができる。また、調整用脚部の長さを変更すれば、4つの脚部がそれぞれ設定する4つの基準点を含む仮想平面が水平になるように基台部の姿勢を調整することができるので、水平になった仮想平面を基準として、精度よく位置決めを行うことができる。
上記治具において、前記4つの基準点が同一平面に含まれるときの前記調整用脚部の長さを基準長さとすると、前記治具が部材上に配置された状態で前記調整用脚部の長さを変更したときに、前記調整用脚部の長さが前記基準長さになったことを検出する検出部を備える。
治具が位置決めの基準となる部材の上に載置されたときには、治具が変形することにより、4つの脚部がそれぞれ設定する4つの基準点が同一平面に含まれない位置に配置されることがある。その点、上記構成によれば、予め4つの基準点が同一平面に含まれるときの調整用脚部の長さを基準長さとして設定し、治具が部材上に載置された状態で調整用脚部の長さが基準長さになったことを検出部が検出することにより、部材上において4つの基準点が同一平面に含まれるようにして、平面度を確保することができる。
上記治具において、前記検出部は前記部材に接触したときに検出信号を出力するタッチセンサーを有する。
この構成によれば、検出部が有するタッチセンサーは、部材に接触したときに検出信号を出力するので、部材上に載置された調整用脚部の長さに誤差が生じた場合にも、タッチセンサーが検出信号を出力したタイミングで調整用脚部の長さを固定することにより、調整用脚部の長さを適切に設定することができる。
上記治具は、円柱状の軸部材を基準として位置決めを行う治具であって、前記4つの脚部のうちの対をなす2つは、前記軸部材の外周面に当接可能な2つの当接面を有する軸受け部が先端部に設けられる軸受け脚部である。
この構成によれば、軸受け脚部の先端部に設けられた軸受け部の2つの当接面が軸部材の外周面に当接するように治具を軸部材上に載置することにより、軸部材の軸方向と交差する方向における治具の移動が規制される。すなわち、軸方向と交差する方向において治具の位置決めがなされるので、このように位置決めされた治具を基準として、他の部材の位置決めを精度よく行うことができる。
上記課題を解決する治具の姿勢調整用補助具は、上記治具が設定する前記4つの基準点を含む仮想平面が水平になるように、同治具の姿勢を調整するための治具の姿勢調整用補助具であって、円柱状をなす円柱状部材と、前記円柱状部材の外周面に当接可能な2つの当接面を有して水平面上に載置される軸受け部材と、を備える。
この構成によれば、軸受け部材の2つの当接面に外周面が当接するように円柱状部材を軸受け部材の上に配置し、さらに、治具が備える軸受け脚部の先端部に設けられた2つの当接面が円柱状部材の外周面に当接するように治具を円柱状部材の上に配置することにより、円柱状部材の軸方向と交差する方向における治具の移動が規制される。このように、円柱状部材及び軸受け部材を水平面上に配置して、軸受け脚部が軸部材上に配置される状況を再現することで、治具が設定する4つの基準点を含む仮想平面が水平になるように、同治具の姿勢を調整することができる。
治具を用いて製造される記録装置の構成を模式的に示す断面図。 治具を用いて位置決めを行う部材の構成を示す斜視図。 治具調整工程における第1の治具を示す上面図。 配置工程における第1の治具を示す断面図。 水平度調整工程における第1の治具を示す断面図。 治具調整工程における第2の治具を示す上面図。 図6における7−7線矢視断面図。 図6における8−8線矢視断面図。 第2の治具が備える脚部の凸状部とダミーブロックの凸部を示す斜視図。 配置工程における第2の治具を示す断面図。 水平度調整工程における第2の治具を示す断面図。
以下、記録装置の一例であるプリンターを製造する際に、その装置を構成する部材の位置決めをするために用いられる治具の姿勢調整方法及び治具の実施形態について、図を参照して説明する。
図1に示すように、記録装置11は、例えばJIS規格のA0判やB0判などといった比較的サイズの大きい記録媒体Mに対して記録を行う大型のラージフォーマットプリンター(LFP)である。記録媒体Mは、所定幅の長尺のシートからなり、例えば樹脂製フィルムまたは紙などからなる。
記録装置11は、脚台12と、脚台12上に支持された略直方体形状の筐体部13と、長尺の記録媒体Mを搬送する搬送装置15と、搬送装置15が搬送する記録媒体Mを支持する支持台部16とを備える。
搬送装置15は、未使用の記録媒体Mが巻き重ねられたロール体R1を回転させて記録媒体Mを巻き出すとともに、ロール体R1から巻き出された記録媒体Mを巻き取ってロール体R2にする。また、搬送装置15は、筐体部13内において記録媒体Mを挟持して搬送する搬送ローラー17,18を有する。なお、図示は省略するが、搬送装置15は筐体部13内において記録媒体Mを搬送するための搬送ローラーを、搬送ローラー17,18の他にも複数備える。
筐体部13内には本体フレーム19が収容されているとともに、本体フレーム19には記録媒体Mの搬送方向Yと交差する走査方向X(図1では紙面と直交する方向)に延びるガイド軸20,21が互いに平行をなすように架設される。
ガイド軸20,21には、ガイド軸20,21に案内されることによって走査方向Xに沿って往復移動可能なキャリッジ22が保持される。キャリッジ22は、記録媒体Mの搬送経路と対向して配置された記録ヘッド23を保持する。そして、キャリッジ22が走査方向Xに沿って移動する過程で、ロール体R1とロール体R2の間において支持台部16に支持される記録媒体Mに対して、記録ヘッド23が画像や文字等を記録(印刷)する。
図2に示すように、本実施形態において、搬送方向Y及び走査方向Xは重力方向Zと直交する方向であり、走査方向Xの基端側(図2では右側)を1桁側、その反対側(図2では左側)を80桁側という。また、搬送方向Yの上流側を後側、下流側を前側といい、重力方向Zを下方向、反重力方向を上方向という。そして、本体フレーム19は走査方向Xが長手方向となり、ガイド軸20,21は軸方向が走査方向Xに沿う円柱状の軸部材である。
本体フレーム19は、走査方向X及び搬送方向Yに延びる底壁部19aと、底壁部19aの後部に立設される後壁部19bと、底壁部19aの走査方向Xにおける両端付近に搬送方向Yに沿って延びるように立設される一対の側壁部19cと、を有する。
ガイド軸20は底壁部19aから上方向に延びるように、走査方向Xに所定の間隔で取り付けられる複数(本実施形態では5つ)の支持具20aに支持される。ガイド軸21は後壁部19bから前方向に延びるように、走査方向Xに所定の間隔で取り付けられる複数(本実施形態では5つ)の支持具21aに支持される。支持具20a,21aは、例えば本体フレーム19にねじ止めされることにより固定されるが、そのねじ穴を長孔にしておくことにより、固定位置を微調整することができる。
ところで、ガイド軸20,21は、キャリッジ22の走査方向Xに沿う移動を案内するために、記録装置11の製造工程において、互いの軸心が精度よく平行をなすように本体フレーム19に取り付けることが好ましい。例えば、一方のガイド軸20を先に本体フレーム19に取り付け、そのガイド軸20と平行をなすようにガイド軸21を本体フレーム19に取り付ける。また、搬送ローラー17,18など、記録媒体Mを搬送方向Yに搬送する部材についても、ガイド軸20と連動して機能するため、その軸心がガイド軸20と平行をなすことが好ましい。
しかし、直前に取り付けた部材を基準として後の部材を取り付けていくと、部材ごとの位置に少しずつ誤差が生じる結果、後に取り付けられる部材ほど誤差が累積して大きくなってしまう。そうすると、例えばガイド軸20,21や搬送ローラー17,18など、互いに連動して機能する部材同士の位置がずれて、記録媒体Mの搬送精度や印刷品質が低下してしまうおそれがある。
そこで、本体フレーム19にガイド軸20,21など、互いに平行をなすように位置決めを行う必要がある部材を取り付ける際には、平面度を出すために4点の基準点を設定する治具30(30M,30S)を用い、この治具30が設定する基準点に基づいて、部材ごとに位置決めを行う。
始めに、ガイド軸20を本体フレーム19に取り付ける際に用いる第1の治具30Mの構成について説明する。
図3及び図4に示すように、第1の治具30Mは、基台部31と、基台部31に基端部が接続される4つの脚部34,35,36,37と、基台部31に支持される位置決め部39と、を備える。位置決め部39は、例えば基台部31からの距離を測定することのできるマイクロメーターの先端部で構成し、走査方向Xにおいて支持具20aに対する位置合わせの基準となる位置に複数(本実施形態では5つ)設けることが好ましい。
脚部34,35,36,37は、本体フレーム19の底壁部19a上に設定される4カ所の載置部54,55,56,57(図2参照)の上にそれぞれ配置されることで、底壁部19a上で基台部31を支持する。なお、脚部34と脚部35は搬送方向Yに並んで、脚部34は脚部35よりも搬送方向Yの下流側に位置する。また、脚部36と脚部37は搬送方向Yに並んで、脚部36は脚部37よりも搬送方向Yの下流側に位置する。そして、脚部34は脚部36と対をなすように走査方向Xに並び、脚部35は脚部37と対をなすように走査方向Xに並ぶ。
脚部34,35,36,37の基端(本実施形態では、仮に基台部31の底面と交差する位置とする)は、ガイド軸20の位置決めを行うための4点の基準点34P,35P,36P,37Pをそれぞれ設定する。4点の基準点34P,35P,36P,37Pが同一平面に含まれるとき、その平面を仮想平面40(図3に二点鎖線で示す)とする。すなわち、第1の治具30Mの4つの脚部34,35,36,37が仮想平面40を設定するとき、第1の治具30Mにおいて平面度が確保される。
なお、仮想平面40は、3つの脚部が設定する3つの基準点に基づいて設定することもできるが、脚部が4つあると基台部31が大型の場合にも安定して支持することができるため、本実施形態では基準点を4点としている。
図4及び図5に示すように、第1の治具30Mが備える脚部35,36,37の基端部から先端部までの長さLmは、脚部35,36,37の先端から位置決め部39までの重力方向Zにおける距離が、底壁部19aからガイド軸20(図5参照)までの重力方向Zにおける距離と等しくなるように設定される。すなわち、底壁部19aに対して適切な位置にガイド軸20を取り付けると、底壁部19aに第1の治具30Mを置いた時の位置決め部39の先端位置の高さとガイド軸20の取付位置の高さが一致することになる。
これに対して、第1の治具30Mが備える脚部34は、基端部から先端部までの長さが変更可能な調整用脚部であり、脚部34の長さを変更することにより、4つの脚部34,35,36,37がそれぞれ設定する4つの基準点34P,35P,36P,37Pを含む仮想平面40が水平になるように、基台部31の姿勢を調整可能となっている。脚部34は、例えばマイクロメーターにより構成すれば、変更した長さを把握しながらその長さを微調整することが可能であるため、好ましい。
ここで、載置部54,55,56,57が水平面上にある場合、脚部34の長さを他の脚部35,36,37と同じLmにすれば、仮想平面40が水平になる。しかし、本体フレーム19に製造誤差があったり、底壁部19aにねじれやゆがみなどの変形があったりすると、載置部54,55,56,57の重力方向Zにおける位置がばらつくため、脚部34,35,36,37の長さをそろえても、仮想平面40が水平にならなかったり、仮想平面40が設定されなかったりする。
そこで、本実施形態では、載置部54が規定の位置から重力方向Zにおいてどの程度ずれているか、その誤差Deを予め測定しておき、その誤差Deの分、脚部34の長さを変更することにより、4つの基準点34P,35P,36P,37Pを同一平面上に配置して仮想平面40を設定し、さらにその仮想平面40を水平にする。なお、誤差Deは、例えば載置部55,56,57を含む平面から載置部54までの重力方向Zにおける距離として測定することができる。
ところで、第1の治具30Mの基台部31が全く変形しない剛体であれば、予め脚部34の長さを誤差Deの分変更した上で本体フレーム19上に配置すれば、仮想平面40は水平になるはずである。しかし、特に第1の治具30Mが大型になると、自重で撓んだり温度変化に伴って変形したりして、脚部34,35,36,37の基端に設定される基準点34P,35P,36P,37Pの位置がずれてしまうことがある。
そこで、本実施形態では、ガイド軸20の位置決めを行う前に、まず、第1の治具30Mを水平面に載置して仮想平面40が水平になるように脚部34の長さを設定した後、その第1の治具30Mを本体フレーム19上に乗せた状態で、改めて脚部34の長さを再設定する。
例えば、まず、仮想平面40が水平になるように、水平面上に第1の治具30Mを載置して、その状態で脚部34の長さを他の脚部35,36,37と同じ長さLmにする。このとき、4つの基準点34P,35P,36P,37Pは同一平面に含まれるので、このときの調整用脚部34の長さを基準長さLmとする。このように、仮想平面40が水平になるように脚部34の長さを水平面上で設定することを、ゼロリセットともいう。
そして、ゼロリセットして姿勢を調整した第1の治具30Mを持ち上げて移動させ、本体フレーム19上に載置する。このとき、第1の治具30Mの自重により、脚部34が載置部54に強くあたりすぎて傾いたり脚部34と基台部31との接続部分がずれたりすることで、基準点34Pの位置がずれたり脚部34の長さが変わったりしてしまうことがある。
そこで、第1の治具30Mは、脚部34と並ぶように基台部31に対して連結部材53を介して相対位置を変更可能に取り付けられるタッチセンサー51と、タッチセンサー51に付属する報知部としてのLEDランプ52とを備えることが好ましい。タッチセンサー51は、例えば、対象物に接触する先端の円筒部が、その外径よりも直径が大きい内周面を有する円筒状の基端部に対して収容可能な構成になっており、先端部が対象物に接触した後、さらに基端部が対象物に近づくと、円筒部が基端部内奥側に収容されるようにするとよい。
そして、タッチセンサー51は、第1の治具30Mを水平面上に載置して仮想平面40が水平になったときに水平面に接触して点灯するように、基台部31に対して位置決めしておく。すると、タッチセンサー51が対象物(例えば、載置部54が設定される底壁部19a)から離れた状態から徐々に対象物に近づき、その先端が対象物に接触すると、タッチセンサー51は検出信号を出力する。また、この検出信号に基づいて、LEDランプ52が点灯する。
すなわち、ゼロリセットした第1の治具30Mを本体フレーム19上に載置すると、脚部34とともにタッチセンサー51が底壁部19aに強くあたり、LEDランプ52が点灯する。この状態で、脚部34は底壁部19aに衝突した衝撃で、その長さに誤差が生じている可能性があるので、まず、LEDランプ52が消灯する位置まで脚部34の長さを短くする。そして、脚部34の先端が底壁部19aから離れた状態から、再度脚部34を伸ばしていき、LEDランプ52が点灯するタイミング、すなわちタッチセンサー51が対象物に接触するタイミングで脚部34の長さの変更を終了する。
これにより、脚部34の長さはゼロリセットされたときと同じ基準長さLmに再設定されるので、基準点34Pは他の基準点35P,36P,37Pと同一平面に含まれる。また、この状態で、基準点35Pの位置は誤差Deの分ずれて、仮想平面40は傾いた状態になっているため、再設定した脚部34の長さを誤差Deの分変更し、仮想平面40を水平にする。
なお、位置決め部39については、第1の治具30Mを水平面上に載置して仮想平面40が水平になったときに、同じく水平面上において、取り付け部材であるガイド軸20と同じ位置に配置したダミー軸にその先端が接触するように位置あわせしておくとよい。
次に、記録装置11を製造する方法として、第1の治具30Mを用いて、部材の一例である本体フレーム19に他の部材であるガイド軸20を取り付ける工程について、第1の治具30Mの姿勢調整方法と併せて説明する。
まず、図3に示すように、第1の治具30Mを基準となる水平面である定盤41の平坦面42に配置(載置)し、4点の基準点34P,35P,36P,37Pを含む仮想平面40が水平になるように、第1の治具30Mの姿勢を調整する(治具調整工程)。
例えば、脚部34の長さを他の脚部35,36,37と同じ基準長さLmにする。併せて、タッチセンサー51の基台部31に対する位置決めを行い、脚部34の長さが基準長さLmになったときにLEDランプ52が点灯するように設定する。
次に、図4に示すように、治具調整工程にて姿勢を調整した第1の治具30Mを本体フレーム19の底壁部19a上に配置(載置)する(配置工程)。具体的には、ゼロリセットした脚部34の長さを固定した状態で第1の治具30Mを持ち上げて移動させ、第1の治具30Mの脚部34,35,36,37を本体フレーム19の底壁部19a上に設定される4カ所の載置部54,55,56,57にそれぞれ配置する。
続いて、LEDランプ52が点灯するまで脚部34の長さを変更することにより、底壁部19a上において、4つの基準点34P,35P,36P,37Pが同一平面に含まれるように第1の治具30Mの姿勢を調整する(平面度調整工程)。このように、タッチセンサー51は、第1の治具30Mが本体フレーム19上に載置された状態で調整用脚部34の長さを変更したときに、調整用脚部34の長さが基準長さLmになったことを検出する検出部として機能する。
LEDランプ52が点灯したとき、脚部34の長さは他の脚部35,36,37の長さと等しくなるため、4つの基準点34P,35P,36P,37Pを含む仮想平面40は、載置部54,55,56,57を含む平面と平行をなすとともに、誤差Deの分、水平から傾いた状態になっている。
そのため、図5に示すように、平面度調整工程の後に、4つの基準点34P,35P,36P,37Pを含む仮想平面40が水平になるように、脚部34の長さを誤差Deの分、変化させて、治具の姿勢を調整する(水平度調整工程)。例えば、載置部54の位置が所定の位置より低い場合には載置部54を誤差Deの分、長くする。これにより、本実施形態において仮想平面40と重なる基台部31の底面が水平になるので、水平になった基台部31に搭載された位置決め部39によって、ガイド軸20の位置決めを行う。
例えば、走査方向Xに並ぶ位置決め部39の先端に接するように、ガイド軸20の搬送方向Yにおける位置決めをして、支持具20aを底壁部19a及びガイド軸20に固定する。これにより、ガイド軸20は4つの基準点34P,35P,36P,37Pを含む仮想平面40と平行をなすように位置決めされた状態で、本体フレーム19に取り付けられる。そして、ガイド軸20の取付が終了すると、第1の治具30Mを本体フレーム19上から取り除いて、次の工程に移行する。
次に、ガイド軸21を本体フレーム19に取り付ける際に用いる第2の治具30Sの構成について説明する。ガイド軸21は、ガイド軸20と平行をなすように取り付ける必要があるため、第2の治具30Sは、円柱状の軸部材であるガイド軸20を基準として、ガイド軸21の位置決めを行う。なお、第2の治具30Sは第1の治具30Mと類似の構成を有するため、以下においては、第1の治具30Mと相違する点について主に説明する。
図6〜図8に示すように、第2の治具30Sは、基台部31と、基台部31の後部に立設される支持壁部32と、支持壁部32の上端に基台部31と平行をなすように設けられる載置板部33と、基台部31に基端部が接続される4つの脚部64,65,66,67と、載置板部33上に設けられる位置決め部39と、を備える。また、図8に示すように、第2の治具30Sは、脚部64と搬送方向Yに並ぶように基台部31に対して連結部材53を介して相対位置を変更可能に取り付けられるタッチセンサー51と、タッチセンサー51に付属する報知部としてのLEDランプ52とを備える。
対をなす脚部64,66は、本体フレーム19の側壁部19c上に設定される2カ所の載置部74,76(図2参照)にそれぞれ対応する位置に設けられる。これに対して、脚部65,67は、ガイド軸20を位置決めの基準とするため、ガイド軸20上に設定される2カ所の載置部75,77(図2参照)にそれぞれ対応する位置に設けられる。
なお、ガイド軸20が側壁部19cの内側に配置される場合、走査方向Xにおいて脚部64は脚部65よりもやや80桁側(図6では左側)に配置されるとともに、走査方向Xにおいて脚部66は脚部67よりもやや1桁側(図6では右側)に配置される。
脚部64,65,66,67の基端(本実施形態では、仮に基台部31の底面と交差する位置とする)は、ガイド軸21の位置決めを行うための4点の基準点64P,65P,66P,67Pをそれぞれ設定する。4点の基準点64P,65P,66P,67Pが同一平面に含まれるとき、その平面を仮想平面40(図6に二点鎖線で示す)とする。すなわち、第2の治具30Sの4つの脚部64,65,66,67が仮想平面40を設定するとき、第2の治具30Sにおいて平面度が確保される。
本実施形態において、脚部64,66が載置される載置部74,76と、脚部65,67が載置される載置部75,77とは、高さ(重力方向Zにおける位置)が異なる。また、載置部74,76は搬送方向Yに延びる板状の側壁部19c上に設定され、載置部75,77は円柱状のガイド軸21上に設定される。
そのため、図7及び図9に示すように、脚部66の先端には、搬送方向Yに延びる側壁部19cと交差するように走査方向Xに延びる凸状部66aを設けることが好ましい。
また、図7及び図8に示すように、対をなす脚部65,67は、軸部材であるガイド軸21の外周面に当接可能な2つの当接面65a,65b、当接面67a,67bをそれぞれ有する軸受け部65c,67cが先端部に設けられる軸受け脚部とする。
第2の治具30Sが備える脚部64は、基端部から先端部までの長さが変更可能な調整用脚部であり、脚部64の長さを変更することにより、4つの脚部64,65,66,67がそれぞれ設定する4つの基準点64P,65P,66P,67Pを含む仮想平面40が水平になるように、基台部31の姿勢を調整可能となっている。
次に、第2の治具30Sが設定する4つの基準点64P,65P,66P,67Pを含む仮想平面40が水平になるように、水平面上で第2の治具30Sの姿勢を調整するための治具の姿勢調整用補助具について説明する。
図7及び図8に示すように、姿勢調整用補助具は、円柱状をなす一対の円柱状部材20Dと、円柱状部材20Dの外周面に当接可能な2つの当接面85a,85b、当接面87a,87bをそれぞれ有して水平面上に載置される軸受け部材85,87と、ダミーブロック84,86と、を備える。円柱状部材20Dは、ガイド軸20を模して、ガイド軸20と直径が等しくなるように形成することが好ましい。また、ダミーブロック84,86は、その上端に側壁部19cを模した凸部84a,86a(図9参照)をそれぞれ有することが好ましい。なお、ダミーブロック84はダミーブロック86よりも長くして、その凸部84aに脚部64及びタッチセンサー51が接触可能な構成にすることが好ましい。
すなわち、対をなす円柱状部材20Dは載置部75,77が設定されるガイド軸20の形状に合わせて形成され、軸受け部材85,87は円柱状部材20Dを水平面上に安定して配置するためのものである。また、ダミーブロック84,86は載置部74,76が設定される側壁部19cの形状に合わせて形成される。
次に、記録装置11を製造する方法として、第2の治具30S及び姿勢調整用補助具を用いて、部材の一例である本体フレーム19に他の部材であるガイド軸21を取り付ける工程について、第2の治具30Sの姿勢調整方法と併せて説明する。
まず、図6に示すように、第2の治具30Sを基準となる水平面(本実施形態では、定盤41の平坦面42)に配置し、4点の基準点64P,65P,66P,67Pを含む仮想平面40が水平になるように脚部64の長さを設定することにより、第2の治具30Sの姿勢を調整する(治具調整工程)。
このとき、図7及び図8に示すように、平坦面42上における載置部74,75,76,77と対応する位置に円柱状部材20D、軸受け部材85,87及びダミーブロック84,86を載置して、その上に第2の治具30Sを載置する。具体的には、ダミーブロック84の凸部84aの上に脚部64及びタッチセンサー51を配置し、ダミーブロック86の凸部86aの上に脚部66の凸状部66aを配置する。また、2つの円柱状部材20Dの上にそれぞれ軸受け部65c,67cを配置する。
仮想平面40が水平になるときの脚部64の長さを基準長さLmとすると、治具調整工程の後、タッチセンサー51の基台部31に対する位置決めを行い、脚部64の長さが基準長さLmになったときにLEDランプ52が点灯するように設定しておく。
次に、図10に示すように、治具調整工程にて姿勢を調整した第2の治具30Sを本体フレーム19の側壁部19c及びガイド軸20の上に配置(載置)する(配置工程)。具体的には、ゼロリセットした脚部64の長さを固定した状態で第2の治具30Sを持ち上げて移動させ、第2の治具30Sの脚部64,66を本体フレーム19の側壁部19c上に設定される載置部74,76にそれぞれ配置するとともに、第2の治具30Sの脚部65,67をガイド軸20上に設定される載置部75,77にそれぞれ配置する。
続いて、LEDランプ52が点灯するまで脚部64の長さを変更することにより、本体フレーム19上において4つの基準点64P,65P,66P,67Pが同一平面に含まれるように第2の治具30Sの姿勢を調整する(平面度調整工程)。
このように、タッチセンサー51は、第2の治具30Sが本体フレーム19上に配置された状態で調整用脚部64の長さを変更したときに、調整用脚部64の長さが基準長さLmになったことを検出する検出部として機能する。
LEDランプ52が点灯したとき、4つの基準点64P,65P,66P,67Pを含む仮想平面40(本実施形態では基台部31の調整用脚部64が配置されている面である底面)は、誤差Deの分、水平から傾いた状態になっている。
そのため、平面度調整工程の後に、4つの基準点64P,65P,66P,67Pを含む仮想平面40が水平になるように、脚部64の長さを誤差Deの分、変化させて、治具の姿勢を調整する(水平度調整工程)。例えば、載置部74の位置が規定の位置より高い場合には載置部54を誤差Deの分、短くする。これにより、本実施形態において仮想平面40と重なる基台部31の底面が水平になるので、水平になった基台部31に搭載された位置決め部39によって、ガイド軸21の位置決めを行う。
例えば、図11に示すように、走査方向Xに並ぶ位置決め部39の先端に接するように、ガイド軸21の搬送方向Yにおける位置決めをして、支持具21aを後壁部19b及びガイド軸21に固定する。これにより、ガイド軸21は4つの基準点64P,65P,66P,67Pを含む仮想平面40及びガイド軸20と平行をなすように位置決めされた状態で、本体フレーム19に取り付けられる。そして、ガイド軸21の取付が終了すると、第2の治具30Sを本体フレーム19上から取り除いて、次の工程に移行する。
次に、以上のように構成された治具30(30S,30M)の作用と、治具調整工程、治具調整工程、平面度調整工程及び水平度調整工程を備える治具30の姿勢調整方法の作用について説明する。
治具30は、基台部31を支持する脚部を3つにすれば、3点の基準点を含む仮想平面40を設定することができるとともに、基台部31は3点で支持されることになるのでガタつくこともない。しかし、本実施形態のように大型の記録装置11に対応して大型かつ長尺に形成された基台部31は、3つの脚部でバランスよく支持することが難しい。
その点、本実施形態の治具30のように、基台部31を4つの脚部で支持すれば、基台部31を安定して支持することができる。なお、基台部31を4つの脚部で支える場合、3つの脚部に対して4つめの脚部の長さが異なると、基台部31がガタついてしまうという課題があるが、本実施形態のように4つの脚部のうちの1つの長さを変更可能な構成にすることにより、基台部31のガタつきを抑制することができる。
そして、そのように安定して部材(本体フレーム19)上に配置した治具30が設定する仮想平面40を基準として他の部材(ガイド軸20,21等)の位置決めをすることにより、ガイド軸20,21を平行な状態で本体フレーム19に取り付けることが可能になる。
なお、ガイド軸20,21の取り付けに際しては、それら部材の取り付け工程の都度、定盤41の水平面からなる平坦面42の上でゼロリセットした治具30を用いて位置決めを行うため、複数の部材を順次取り付ける場合にも、その取り付け位置の誤差が累積しにくい。
すなわち、本体フレーム19に先に取り付けられたある部材に対してのみ平行となるように別の部材を取り付けていくと、部材ごとの位置や大きさの誤差により、徐々に別の部材の位置がずれていってしまう。これに対して、本体フレーム19上に治具30を載置して設定した水平な仮想平面40を基準とすれば、複数の部材を取り付ける場合であっても、それら部材の位置決めを正確に行うことができる。
さらに、治具30は、ガイド軸20,21などの取り付けを行う間のみ本体フレーム19に配置され、最終製品となる記録装置11に含まれないので、治具30自体に製造誤差やゆがみがあったとしても、それに起因する誤差を記録装置11が含むことはない。また、治具30は持ち運びが可能なため、例えば台車等に固定して移動させるよりも、操作性がよく、作業スペースが小さくて済む。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)治具調整工程で基準点を含む仮想平面40が水平になるように治具30の姿勢を調整することにより、治具30の製造誤差による影響を低減することができる。また、治具調整工程の後、平面度調整工程で本体フレーム19上において基準点が同一平面に含まれるように治具30の姿勢を調整することにより、配置工程によって生じる治具30の変形の影響を低減することができる。さらに、水平度調整工程において仮想平面40を水平にすることにより、本体フレーム19の製造誤差や変形の影響を低減することができる。そして、そのように誤差の発生を抑制しつつ治具30が設定した基準点を含む水平な仮想平面40を基準とすることにより、他の部材について、精度よく位置決めを行うことができる。
(2)治具調整工程では、基準となる水平面の上に治具30を配置して治具30の姿勢を調整するので、治具30の製造誤差の影響を低減して、仮想平面40の水平度を確保することができる。
(3)定盤41の平坦面42を水平面の基準として、治具30が設定する基準点を含む仮想平面40を水平にすることができる。
(4)治具30は基台部31に基端部が接続される4つの脚部を備えるので、基台部31を安定して支えることができる。なお、3つの脚部で基台部31を支える場合と比較して、4つの脚部で基台部31を支える場合には、載置した治具30にガタつきが生じるおそれがあるが、調整用脚部34,64の長さを変更することにより、治具30のガタつきを抑制することができる。また、調整用脚部34,64の長さを変更すれば、4つの脚部がそれぞれ設定する4つの基準点を含む仮想平面40が水平になるように基台部31の姿勢を調整することができるので、水平になった仮想平面40を基準として、精度よく位置決めを行うことができる。
(5)治具30が位置決めの基準となる本体フレーム19の上に載置されたときには、治具30が変形することにより、4つの脚部がそれぞれ設定する4つの基準点が同一平面に含まれない位置に配置されることがある。その点、上記実施形態によれば、予め4つの基準点が同一平面に含まれるときの調整用脚部34,64の長さを基準長さLmとして設定し、治具30が本体フレーム19上に載置された状態で調整用脚部34,64の長さが基準長さLmになったことをタッチセンサー51が検出する。そのため、本体フレーム19上において治具30が設定する4つの基準点が同一平面に含まれるようにして、平面度を確保することができる。
(6)タッチセンサー51は、本体フレーム19に接触したときに検出信号を出力する。そのため、本体フレーム19上に載置された調整用脚部34,64の長さに誤差が生じた場合にも、タッチセンサー51が検出信号を出力したタイミングで調整用脚部34,64の長さを固定することにより、調整用脚部34,64の長さを適切に設定することができる。
(7)軸受け脚部65,67の先端部にそれぞれ設けられた軸受け部65c,67cの2つの当接面がガイド軸20の外周面に当接するように第2の治具30Sをガイド軸20上に載置することにより、ガイド軸20の軸方向と交差する方向における第2の治具30Sの移動が規制される。すなわち、軸方向と交差する方向において第2の治具30Sの位置決めがなされるので、このように位置決めされた第2の治具30Sを基準として、他の部材であるガイド軸21がガイド軸20と平行をなすように、ガイド軸21の位置決めを精度よく行うことができる。
(8)軸受け部材85,87がそれぞれ有する2つの当接面に外周面が当接するように円柱状部材20Dを軸受け部材85,87の上に配置し、さらに、治具30が備える軸受け脚部65,67の先端部に設けられた2つの当接面が円柱状部材20Dの外周面に当接するように第2の治具30Sを円柱状部材20Dの上に配置することにより、円柱状部材20Dの軸方向と交差する方向における第2の治具30Sの移動が規制される。このように、円柱状部材20D及び軸受け部材85,87を水平面上に配置して、軸受け脚部65,67がガイド軸20上に配置される状況を再現することで、第2の治具30Sが設定する4つの基準点を含む仮想平面40が水平になるように、第2の治具30Sの姿勢を調整することができる。
(9)第2の治具30Sにおいて、脚部65,67の軸受け部65c,67cは軸方向(走査方向X)に延びて互いに交差する2つの当接面65a,65b、当接面67a,67bをそれぞれ有するので、基台部31の荷重を受けたときにも、軸受け部65c,67cの撓みが抑制される。
なお、上記実施形態は以下に示す変形例のように変更してもよい。
・治具30の基台部31を3つの脚部で支持し、これら3つの脚部がそれぞれ設定する3つの基準点を含む仮想平面40を設定するようにしてもよい。
・治具30が、長さを変更可能な2以上の脚部を備えるようにしてもよい。例えば、重力方向Zに並ぶ搬送ローラー17,18を取り付ける場合には、搬送ローラー17,18の位置に応じて4つの脚部の長さを変更して、これら搬送ローラー17,18の位置決めを行うようにしてもよい。この場合には、平行に配置することが好ましい搬送ローラー17,18を同じ治具30で位置決めすることにより、治具30ごとの差異を低減することができる。
・基台部31に基端部が接続される脚部は、必ずしも基台部31の自重を支えるものでなくてもよい。例えば、治具30を別の部材等で吊り下げて自重を支えるようにしてもよい。この構成によれば、治具30の自重による変形を抑制することができる。
・仮想平面40は、長さが変更可能な1の調整用脚部が設定する1の基準点と、板状の脚部が設定する1の直線とによって設定されるようにしてもよい。あるいは、長さが変更可能な1の調整用脚部が設定する1の基準点と、4以上の長さが変更されない脚部が設定する4以上の基準点とによって、仮想平面40を設定するようにしてもよい。
・タッチセンサー51の位置は、任意に変更することができる。例えば、調整用脚部の先端にタッチセンサー51を設けてもよい。また、タッチセンサー51が接触する対象物が、調整用脚部が配置される部材と異なっていてもよい。あるいは、側壁部19cにおいて、タッチセンサー51が接触する位置と、調整用脚部が接触する位置とで高さが異なっていてもよい。
・治具30の基台部31は、板状でなくてもよく、例えば、枠状や網状など、任意に変形することができる。
・仮想平面40は基台部31と重ならなくてもよい。
・対をなす円柱状部材20Dは、1つの長尺の円柱状部材20Dとしてもよい。
・軸受け部材85,87は、1つの長尺の軸受け部材としてもよい。
・第2の治具30Sにおいて、脚部64,66の先端に、搬送方向Yに延びて互いに交差する2つの当接面または搬送方向Yに延びる湾曲面を設け、当接面または湾曲面を側壁部19cに係止させる態様で、脚部64,66を側壁部19c上に配置するようにしてもよい。この構成によれば、走査方向Xにおいて第2の治具30Sを位置決めすることができる。すなわち、治具30が備える脚部の先端部の形状は、載置部が設定される位置の形状に応じて任意に変更することができる。この場合、載置部が設定される位置の形状を模したダミーブロックを姿勢調整用補助具として用いて治具調整工程を行うとよい。
・治具30を用いて取り付ける部材はガイド軸20,21に限らず、記録媒体Mを搬送する搬送ローラーや搬送ベルトの回転軸、支持台部16などの部材を、対応する支持フレームに取り付けるために用いてもよい。
・治具30を用いて製造する装置は、記録装置11に限らず、シート状の媒体を搬送する搬送装置や複数の回転軸を有する回転装置など、部材同士の平行度や水平度を確保する必要がある任意の装置の製造や部材の位置決めに用いることができる。
さらに、上記実施形態及び各変更例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(イ)本体フレームと、前記本体フレームに架設されるガイド軸と、前記ガイド軸に保持されるキャリッジと、前記キャリッジに保持される記録部と、を備える記録装置の製造方法であって、
平面度を出すための基準点を設定する治具の姿勢を、前記基準点を含む仮想平面が水平になるように調整する治具調整工程と、
前記治具調整工程にて姿勢を調整した前記治具を前記本体フレームの上に配置する配置工程と、
前記本体フレーム上において、前記基準点が同一平面に含まれるように前記治具の姿勢を調整する平面度調整工程と、
前記平面度調整工程の後に、前記基準点を含む仮想平面が水平になるように前記治具の姿勢を調整する水平度調整工程と、
前記水平度調整工程において姿勢を調整した前記治具が設定する前記仮想平面を基準として、前記ガイド軸の位置決めを行う位置決め工程と、
前記位置決め工程にて位置決めされた前記ガイド軸を前記本体フレームに取り付ける取り付け工程と、
を備えることを特徴とする記録装置の製造方法。
この構成によれば、治具調整工程で基準点を含む仮想平面が水平になるように治具の姿勢を調整することにより、治具の製造誤差による影響を低減することができる。また、治具調整工程の後、平面度調整工程で本体フレーム上において基準点が同一平面に含まれるように治具の姿勢を調整することにより、配置工程によって生じる治具の変形の影響を低減することができる。さらに、水平度調整工程において仮想平面を水平にすることにより、本体フレームの製造誤差や変形の影響を低減することができる。そして、そのように誤差の発生を抑制しつつ治具が設定した基準点を含む水平な仮想平面を基準とすることにより、ガイド軸の位置決めを精度よく行うことができる。これにより、記録装置における記録品質を高めることができる。
(ロ)媒体を搬送方向に搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーが架設される本体フレームと、前記搬送ローラーが搬送する前記媒体に記録を行う記録部と、を備える記録装置の製造方法であって、
平面度を出すための基準点を設定する治具の姿勢を、前記基準点を含む仮想平面が水平になるように調整する治具調整工程と、
前記治具調整工程にて姿勢を調整した前記治具を前記本体フレームの上に配置する配置工程と、
前記本体フレーム上において、前記基準点が同一平面に含まれるように前記治具の姿勢を調整する平面度調整工程と、
前記平面度調整工程の後に、前記基準点を含む仮想平面が水平になるように前記治具の姿勢を調整する水平度調整工程と、
前記水平度調整工程において姿勢を調整した前記治具が設定する前記仮想平面を基準として、前記搬送ローラーの位置決めを行う位置決め工程と、
前記位置決め工程にて位置決めされた前記搬送ローラーを前記本体フレームに取り付ける取り付け工程と、
を備えることを特徴とする記録装置の製造方法。
この構成によれば、治具調整工程で基準点を含む仮想平面が水平になるように治具の姿勢を調整することにより、治具の製造誤差による影響を低減することができる。また、治具調整工程の後、平面度調整工程で本体フレーム上において基準点が同一平面に含まれるように治具の姿勢を調整することにより、配置工程によって生じる治具の変形の影響を低減することができる。さらに、水平度調整工程において仮想平面を水平にすることにより、本体フレームの製造誤差や変形の影響を低減することができる。そして、そのように誤差の発生を抑制しつつ治具が設定した基準点を含む水平な仮想平面を基準とすることにより、搬送ローラーの位置決めを精度よく行うことができる。これにより、搬送ローラーによる媒体の搬送精度を向上させて、記録装置における記録品質を高めることができる。
Lm…基準長さ、19…部材の一例である本体フレーム、20…軸部材としてのガイド軸、20D…円柱状部材、30,30M,30S…治具、31…基台部、34,35,36,37,64,65,66,67…脚部、34,64…調整用脚部、34P,35P,36P,37P,64P,65P,66P,67P…基準点、40…仮想平面、41…定盤、42…平坦面、51…検出部を構成するタッチセンサー、65a,65b,67a,67b,85a,85b,87a,87b…当接面、65,67…軸受け脚部、65c,67c…軸受け部、85,87…軸受け部材。

Claims (8)

  1. 平面度を出すための基準点を設定する治具の姿勢調整方法であって、
    前記基準点を含む仮想平面が水平になるように前記治具の姿勢を調整する治具調整工程と、
    前記治具調整工程にて姿勢を調整した前記治具を部材の上に配置する配置工程と、
    前記部材上において、前記基準点が同一平面に含まれるように前記治具の姿勢を調整する平面度調整工程と、
    前記平面度調整工程の後に、前記基準点を含む仮想平面が水平になるように前記治具の姿勢を調整する水平度調整工程と、
    を備えることを特徴とする治具の姿勢調整方法。
  2. 前記治具調整工程では、基準となる水平面の上に前記治具を配置して、前記基準点を含む仮想平面が水平になるように前記治具の姿勢を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の治具の姿勢調整方法。
  3. 前記基準となる水平面は、定盤の平坦面である
    ことを特徴とする請求項2に記載の治具の姿勢調整方法。
  4. 基台部と、
    前記基台部に基端部が接続される4つの脚部と、
    を備え、
    前記4つの脚部のうちの少なくとも1つは、前記基端部から先端部までの長さが変更可能な調整用脚部であり、
    前記調整用脚部の長さを変更することにより、前記4つの脚部がそれぞれ設定する4つの基準点を含む仮想平面が水平になるように、前記基台部の姿勢を調整可能である
    ことを特徴とする治具。
  5. 前記4つの基準点が同一平面に含まれるときの前記調整用脚部の長さを基準長さとすると、
    前記治具が部材上に配置された状態で前記調整用脚部の長さを変更したときに、前記調整用脚部の長さが前記基準長さになったことを検出する検出部を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載の治具。
  6. 前記検出部は前記部材に接触したときに検出信号を出力するタッチセンサーを有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の治具。
  7. 円柱状の軸部材を基準として位置決めを行う治具であって、
    前記4つの脚部のうちの対をなす2つは、前記軸部材の外周面に当接可能な2つの当接面を有する軸受け部が先端部に設けられる軸受け脚部である
    ことを特徴とする請求項4から請求項6のうち何れか一項に記載の治具。
  8. 請求項7に記載の治具が設定する前記4つの基準点を含む仮想平面が水平になるように、同治具の姿勢を調整するための治具の姿勢調整用補助具であって、
    円柱状をなす円柱状部材と、
    前記円柱状部材の外周面に当接可能な2つの当接面を有して水平面上に載置される軸受け部材と、
    を備えることを特徴とする治具の姿勢調整用補助具。
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