JP2016137477A - 蓋 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉢内の物を擂り潰しやすくしつつ、粉砕物が鉢の外に飛び散るのを抑制した蓋を提供することを目的とする。
【解決手段】蓋10は、撓み変形可能なシート状部材からなり、基部11と、基部11から延びる第1延出部12と、基部11の、第1延出部12とは異なる位置から延びる第2延出部13と、を備える。基部11、第1延出部12および第2延出部13は、鉢1の上縁1Aの一部にそれぞれ載置可能であり、基部11、第1延出部12および第2延出部13のうち少なくとも第1延出部12と第2延出部13の間には、鉢1内の物を擂り潰すための棒部材2が貫通する開口14が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉢の上縁に載置可能な蓋に関する。
従来、すり鉢や乳鉢等の鉢内の物を擂り潰した際に、その粉砕物が鉢の外に飛び散るのを抑制するために、鉢の上面を覆う蓋が知られている(特許文献1参照)。この蓋には、鉢内の物を擂り潰すための棒部材が貫通する孔が形成されている。
実開昭53−28779号公報
ところで、鉢内の物を棒部材で力を入れて擂り潰す際に、棒部材を握った手が鉢内に入り込む場合がある。この際、特許文献1の構成では、鉢の上面を覆う蓋が手を邪魔して鉢内の物を擂り潰しにくくなっていた。
そこで、本発明は、鉢内の物を擂り潰しやすくしつつ、粉砕物が鉢の外に飛び散るのを抑制した蓋を提供することを目的とする。
前記した目的を達成するため、本発明の蓋は、撓み変形可能なシート状部材からなり、鉢の上縁に載置可能な蓋であって、基部と、前記基部から延びる第1延出部と、前記基部の、前記第1延出部とは異なる位置から延びる第2延出部と、を備える。
前記基部、前記第1延出部および前記第2延出部は、前記上縁の一部にそれぞれ載置可能であり、前記基部、前記第1延出部および前記第2延出部のうち少なくとも前記第1延出部と前記第2延出部の間には、前記鉢内の物を擂り潰すための棒部材が貫通する開口が形成されている。
このような構成によれば、鉢の上縁に載置した蓋の開口に貫通された棒部材を掴んだ手により、蓋の、開口の周辺の内側部分を下方に押し付けると、第1延出部と第2延出部が重なり合うことで、蓋が、当該内側部分を先端とした略三角錐状に変形する。つまり、手を押し込むことで、蓋の内側部分が下方に下がるので、棒部材を握った手を蓋が邪魔するのが抑えられ、蓋がない場合と略同じ条件で鉢内の物を擂り潰すことができる。
また、蓋に棒部材を通すための孔が形成された構成だと、棒部材を掴んだ手を蓋の開口の周辺の内側部分を下方に押し付けると、蓋の一部が、鉢の内側に向けて捲れ上がるようにして撓むので、その部分に隙間ができやすく、鉢が密閉されにくい。しかし、上記した構成によれば、第1延出部と第2延出部が重なり合うことで、蓋が捲れ上がらないので、鉢の上縁に蓋の外側部分を接触させることができ、粉砕物が鉢の外に飛び散るのを抑制することができる。
前記した構成において、前記第2延出部の一部は、前記開口に対して前記基部とは反対側で前記第1延出部と重なっている構成とすることができる。
このような構成によれば、蓋が変形する際に、第1延出部と第2延出部が衝突するのを抑制することができるので、蓋の変形がスムーズになる。
前記した構成において、前記シート状部材は、透明である構成とすることができる。
このような構成によれば、鉢内の物を擂り潰す際に、鉢内を視認することができる。
前記した構成において、前記基部、前記第1延出部および前記第2延出部の縁のうち前記開口を形成する内縁から、前記内縁以外の外縁までの長さは、前記鉢の底面の端から上縁までの長さより大きいことが望ましい。
このような構成によれば、蓋が変形した際に、蓋の外縁が鉢の上縁を塞ぎやすくなるので、鉢内で、粉砕された物が飛び散るのをより確実に抑制することができる。
本発明によれば、鉢内の物を擂り潰しやすくしつつ、粉砕物が鉢の外に飛び散るのを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る蓋を示す図である。 鉢内に押し込まれた蓋を上から見た斜視図である。 鉢内に押し込まれた蓋の側断面図である。 第1変形例に係る蓋を示す図である。 第2変形例に係る蓋を示す図である。
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、蓋10は、すり鉢や乳鉢等の鉢1の上縁1Aに載置可能なものであり、紙等の撓み変形可能な矩形状のシート状部材から構成されている。
蓋10は、図示左右方向に延びる基部11と、基部11の図示上端の左側から図示上側に延びる第1延出部12と、基部11の図示上端の右側、つまり、第1延出部12とは異なる位置から延びる第2延出部13とを備えている。
第2延出部13は、基部11から図示上側に延び、第1延出部12と所定の間隔をあけて配置された第1部分13Aと、第1部分13Aの図示上端部から第1延出部12側に延びる第2部分13Bとを備えている。
第2部分13Bの先端部13Cは、第1延出部12と重なっている。言い換えると、第2延出部13の一部は、後述する開口14に対して基部11とは反対側で第1延出部12と重なっている。
このように第2延出部13が形成されることで、基部11、第1延出部12および第2延出部13の間には、矩形状の開口14が形成されている。この開口14は、鉢1内の物を擂り潰すための棒部材2が貫通する程度の大きさになっている。
また、基部11、第1延出部12および第2延出部13は、蓋10を鉢1の上縁1Aに載せた際に、それぞれが上縁1Aの一部に載置可能な大きさに構成されている。
より詳細に、基部11、第1延出部12および第2延出部13は、それぞれが同じ幅になるように形成されており、基部11、第1延出部12および第2延出部13の縁のうち、開口14を形成する内縁10Aから、内縁10A以外の外縁10Bまでの長さAは、鉢1の底面の端1Bから上縁1Aまでの長さB(図3参照)より大きくなっている。
以上のように構成された蓋10の作用効果について説明する。
図2および図3に示すように、鉢1の上縁1Aを覆うように載置された蓋10の開口14部分に、棒部材2の先端部を入れ、棒部材2を掴んだ手3によって、蓋10の開口14の周辺部分を下方に押し込む。
このとき、第2延出部13の第2部分13Bが、第1延出部12上をスライド移動することで、第2延出部13と第1延出部12が重なり合う。これにより、蓋10は、外側部分が上縁1Aに接触したまま開口14の周辺部分が下方に沈み込み、当該周辺部分を先端とした略三角錐状に変形する。つまり、手3を押し込むことで当該周辺部分が下方に下がるので、棒部材2を握った手3を蓋10が邪魔するのが抑えられ、鉢1内の物を擂り潰しやすくなる。
ここで、第1延出部と第2延出部がつながっている構成、つまり、真ん中に孔が形成された構成だと、シート状部材を下方に押し込むことで、シート状部材が捲れ上がる部分が生じて、その部分から粉砕物が飛び散るおそれがある。
しかし、本実施形態では、第1延出部12と第2延出部13が重なり合うことで、蓋10の外側部分が上縁1Aに接触するので、シート状部材が捲れ上がることなく、蓋10が鉢1を塞ぐ。そして、棒部材2および手3により蓋10の開口14の周辺部分が動かされて、鉢1内の物が擂り潰される。このとき、第1延出部12と第2延出部13が互いに重なり合ったまま、蓋10の外側部分が捲れ上がることなく、上縁1Aに接触した状態が維持されるので、鉢1内の粉砕物が鉢1の外側に飛び散るのを抑制することができる。
また、棒部材2を握った手3の位置に応じて、蓋10の開口14の周辺部分が下方に沈み込んだ際に、蓋10の外側部分が上縁1A付近と接触したまま下方にずれるので、鉢1の密閉性が維持されやすい。そのため、棒部材2を握る手3の位置の自由度を向上させることができる。
また、第1延出部12と第2延出部13の第2部分13Bが重なっているので、蓋10を押し込んだ際に、第2延出部13と第1延出部12がスムーズに移動する。そのため、第1延出部と第2延出部が重なっていない構成と比較して、第1延出部12と第2延出部13が衝突するのを抑制することができる。
また、開口14を形成する内縁10Aから、外縁10Bまでの長さAが、鉢1の底面の端1Bから上縁1Aまでの長さBよりも大きいので、蓋10の押し込み量がユーザによって異なっても、より確実に鉢1の上縁1Aを塞ぐことができる。
また、蓋10が撓み変形可能な紙等のシート状部材から構成されているので、鉢1の形状や棒部材2の動きに応じて蓋10が変形しやすい。そのため、撓み変形しない構成と比較して、より鉢1の密閉性を向上させやすく、また、棒部材2を動かしやすい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、第1延出部12と第2延出部13が重なっていたが、本発明はこれに限定されず、重なっていなくてもよい。
図4に示すように、この構成における蓋20は、前記実施形態と同様に、基部21、第1延出部22および第2延出部23を備えている。第1延出部22は、基部21の図示左端部から延びる第1部分22Aと、第1部分22Aの先端部から図示右側に延びる第2部分22Bとを有し、第2延出部23は、基部21の図示右端部から延びる第1部分23Aと、第1部分23Aの先端部から図示左側に延びる第2部分23Bとを有している。基部21、第1延出部22および第2延出部23の間には、略円状の開口24が形成されている。
このような構成だと、蓋20を製造する際、シート状部材に開口24を形成した後に、開口24を形成する内縁20Aからシート状部材の外側に向けて切り込みを入れればよいので、蓋20の製造が容易になる。また、第1延出部22の第2部分22Bおよび第2延出部23の第2部分23Bのいずれかを鉢1の内側に向けて折り曲げて形成することで、第1延出部22と第2延出部23が衝突するのを抑制することができる。
前記実施形態では、シート状部材の一例として紙を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートや塩化ビニル等の材料からなる部材をシート状部材として採用してもよい。これによれば、シート状部材を紙などで形成した構成と比較して、蓋の剛性を高めることができる。
また、この場合、シート状部材を透明なものにするのが望ましい。これによれば、棒部材2で鉢1内の物を擂り潰す際に、鉢1内を視認することができる。
前記実施形態では、第2延出部13が第1部分13Aおよび第2部分13Bを有することで、第1延出部12と重なっていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、蓋30は、図示左右に延びる基部31と、基部31の図示左端から図示右斜め上に延びる第1延出部32と、基部31の図示右端から図示左斜め上に延びる第2延出部33とを備えている。
第1延出部32と第2延出部33は、それぞれの先端部が重なっており、基部31、第1延出部32および第2延出部33の間には、三角形状の開口34が形成されている。
また、このような蓋30は、左右方向に延びるシート状部材の、基部31の左端31Aおよび右端31Bに相当する部分を折り返すことで構成することができる。これによれば、容易に蓋30を製造することができる。
また、上記した各シート状部材は、静電気抑制効果を高めた材料を含むように構成するとよい。これによれば、鉢1内の粉砕物が蓋に付着するのを抑制することができる。
10 蓋
10A 内縁
10B 外縁
11 基部
12 第1延出部
13 第2延出部
14 開口

Claims (4)

  1. 撓み変形可能なシート状部材からなり、鉢の上縁に載置可能な蓋であって、
    基部と、
    前記基部から延びる第1延出部と、
    前記基部の、前記第1延出部とは異なる位置から延びる第2延出部と、を備え、
    前記基部、前記第1延出部および前記第2延出部は、前記上縁の一部にそれぞれ載置可能であり、
    前記基部、前記第1延出部および前記第2延出部のうち少なくとも前記第1延出部と前記第2延出部の間には、前記鉢内の物を擂り潰すための棒部材が貫通する開口が形成されていることを特徴とする蓋。
  2. 前記第2延出部の一部は、前記開口に対して前記基部とは反対側で前記第1延出部と重なっていることを特徴とする請求項1に記載の蓋。
  3. 前記シート状部材は、透明であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓋。
  4. 前記基部、前記第1延出部および前記第2延出部の縁のうち前記開口を形成する内縁から、前記内縁以外の外縁までの長さのうち、最も小さいものは、前記鉢の底面の端から上縁までの長さより大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の蓋。
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