(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられている。演出ボタン125は、遊技者の演出ボタン125の操作を各種演出等に反映させることで、遊技者の興趣を向上させる目的で設けられたものであり、具体的には、演出ボタン125の操作に応じて、後述する装飾図柄表示装置42の表示内容を変更したり、対応する音声を流したりする等の何らかの変化を生じさせる制御が行われる。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット(始動口)33、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、始動入賞ユニット33への入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
始動入賞ユニット33は、始動入球手段としての上入賞口33a(第1始動入球手段)及び下入賞口33b(第2始動入球手段)と、下入賞口33bの両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cを備えている。上入賞口33aは、遊技球が常時入球可能となっているのに対し、下入賞口33bは、開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、詳しくは後述するが、始動入賞ユニット33は、上入賞口33a、下入賞口33bに入球した遊技球をそれぞれ検知する条件成立検出手段(入球検知手段)としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bを備えており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43R(及び後述する装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態(特別遊技状態)が付与される。
本実施形態では、大当たり状態の種別として、「確変大当たり」、「通常大当たり」、及び「特殊確変」がある。「確変大当たり」及び「通常大当たり」の大当たり状態においては、可変入賞装置32が30秒間開放状態とされる、又は、可変入賞装置32に8個の遊技球が入賞することを1ラウンドとして、これが15回繰り返される。一方、「特殊確変」の大当たり状態においては、可変入賞装置32が0.4秒間開放状態とされることを1ラウンドとして、これが2回繰り返される。すなわち、「確変大当たり」及び「通常大当たり」の大当たり状態は、遊技球の大幅な増加が望めるのであるが、「特殊確変」の大当たり状態は、大当たり状態中に獲得可能な遊技球の数が著しく少ない(遊技球の増加がほぼ望めない)ものとなる。
さらに、「確変大当たり」又は「特殊確変」が発生した場合には、大当たり状態の終了後に高確率状態(確変モード)が付与される。一方、「通常大当たり」が発生した場合、大当たり状態の終了後に低確率状態(時間短縮モード、通常モード)が付与される。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、遊技球が上入賞口33aに入球した場合と、下入賞口33bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり状態の種別の振分けが異なるようになっている。上入賞口33aへの遊技球の入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「確変大当たり」、「通常大当たり」、及び「特殊確変」のいずれかに振分けられ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「確変大当たり」、及び「通常大当たり」のどちらかに振分けられることとなる。
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、7セグメント表示装置により構成され、可変入賞装置32の右方に設置されている。そして、始動入賞ユニット33の上入賞口33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて切替表示(変動表示)が行われ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様(例えば、文字)により、大当たりか否かが確定的に表示される。例えば、上入賞口33aに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて、「−」→「7」→「3」→「2」→「−」→・・・という具合に高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選に当選した場合には、「7」、「3」、「2」のいずれかが変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
具体的に、「確変大当たり」が付与される場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「7」が停止表示され、「通常大当たり」が付与される場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「3」が停止表示され、「特殊確変」が付与される場合には第1特別表示装置43Lにおいて「2」が停止表示される(第2特別表示装置43Rにおいては「2」は表示されない)。
また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上入賞口33aに入賞した遊技球、及び下入賞口33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。また、その保留回数が第1保留ランプ46a、第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
尚、基本的に、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が上入賞口33aへ入球した順に記憶されるとともに入球した順に消化され、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が下入賞口33bへ入球した順に記憶されるとともに入球した順に消化される。但し、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示、及び、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が優先的に消化される。すなわち、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示が全て消化された状態でなければ、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下入賞口33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が後回しにされ、先に下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が行われることとなる。以下、説明の便宜上、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。
また、スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、始動入賞ユニット33を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。さらに、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上入賞口33a及び下入賞口33bのうちどちらの入球に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40と、上記第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bと、保留ランプ44とが設けられている。尚、本実施形態では、特別表示装置43L、43R、変動特定ランプ40、及び装飾図柄表示装置42が可変表示装置を構成する。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、始動入賞ユニット33が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たりが確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
尚、リーチ状態が発生しても、大当たり状態が発生しない場合には、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された図柄とは異なる図柄が中図柄表示領域において停止表示される。また、「確変大当たり」又は「通常大当たり」となる場合には、上記のように装飾図柄表示装置42においてゾロ目の数字が停止表示されるのではあるが、「特殊確変」となる場合には、ゾロ目ではなく、予め定められた特定の数字の組み合わせ(以下、チャンス図柄と称する)が停止表示される(例えば、上・中・下図柄表示領域において、「3」・「4」・「1」が停止表示される)。
加えて、変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、始動入賞ユニット33(上入賞口33a)の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で始動入賞ユニット33(上入賞口33a)に入球するようになっている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、始動入賞ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1始動入賞スイッチ224a(第1条件成立検出手段)、第2始動入賞スイッチ224b(第2条件成立検出手段)が設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、始動入賞ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入球を検出する始動入賞スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、始動入賞ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。詳しくは後述するが、現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
さて、本実施形態では、外部出力手段としての外部端子板240に特徴がある。以下、外部端子板240について、図7〜図16を参照して説明する。尚、図7は、外部端子板240をパチンコ機10の後面側から見た正面図である。また、図13の断面図では、便宜上、操作部材404及びコイルばね405の図示を省略している。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータや島設備において各パチンコ機10の上方に設置されるデータカウンタ装置等の外部機器に電気的に接続された配線が差し込まれる差込み部402を備えた透明樹脂(例えばABS)製の本体部401と、差込み部402の内側に設置され、主制御装置261からの電気信号を外部機器からの配線に伝導する端子部としての端子部材403(図13等参照)と、本体部401に対して傾動可能に取付けられる操作部材404と、本体部401と操作部材404との間に介在し、操作部材404を後方に付勢するコイルばね405(図11等参照)とを備えている。
(本体部401)
本体部401は、パチンコ機10(内枠12)の後面に対向するようにして設置される左右に長い略矩形板状の底壁部411(図8等参照)と、底壁部411から底壁部411に直交して後方(図11では右方、図12では左方)に延出し、底壁部411の後面を底壁部411の長手方向(左右方向)において所定間隔毎に区切るようにして複数設けられた隔壁部412(図7等参照)と、底壁部411の上下方向中央部から底壁部411に直行して後方に延び、相対する隔壁部412間を連結する柱部413(図13等参照)と、各隔壁部412の後端部間を連結するようして延びる天壁部414とを備え、これらが射出成形により一体的に形成されている。
図7に示すように、本実施形態では、隔壁部412は、底壁部411の両短辺部から延出するものも含めて全部で11設けられており、隔壁部412によって底壁部411の後面が長手方向において10の領域に区画されている。さらに、隔壁部412によって10区画された底壁部411の後面は、柱部413によってそれぞれ上下2つの領域に区画されている。従って、底壁部411の後面は20の領域に区画されている。本実施形態では、底壁部411、隔壁部412、及び柱部413によって囲まれた各空間が、前記「差込み部402」に相当する。また、各差込み部402にはそれぞれ端子部材403、操作部材404、及びコイルばね405が(それぞれ計20個ずつ)設置される。尚、本実施形態では、差込み部402が10個並ぶ底壁部411の長手方向(左右方向)が特定方向に相当する。
図10、図13等に示すように、各隔壁部412は、後方に向けて次第に上下幅が狭くなるテーパ板状(本実施形態では略半円形状)をなしているとともに、後端部において底壁部411と平行して上下に直線状に延びる縦辺部を有している。当該縦辺部は、柱部413を跨いで上下に延びており、天壁部414は各縦辺部間を連結するようにして形成されている。すなわち、天壁部414は、底壁部411と平行して延びる略矩形板状に構成されるとともに、各差込み部402の後方に張り出す張り出し部421を備えている(図7等参照)。また、天壁部414の各張り出し部421には、その厚み方向(前後方向)に貫通する差込み孔422が形成されている。ちなみに、各差込み部402のうち、柱部413側の部位は前記張り出し部421によって後方が閉塞されているが、底壁部411の上辺部側又は下辺部側の部位は後方に開口している。
また、相対する各隔壁部412には、互いに対向するようにして、それぞれ柱部413に沿って張り出し部421から前方に向けて延び、各差込み部402の内側に膨出する膨出部426(図7破線、図13等参照)が設けられている。膨出部426は、その前端部(図13では右端部)が底壁部411よりも後方(図13では左方)に位置するとともに、当該前端部において略半円形状の凹部が形成されることで構成された軸受部427(図13参照)を有している。当該軸受部427には、後述する操作部材404の軸部444が回動可能に支持される。また、各膨出部426と柱部413との間には若干の隙間が形成されており、当該隙間に後述する端子部材403のベース部481(の左右両側部)が挿通される。
図13に示すように、柱部413には、各差込み部402を形成する上面及び下面の左右方向中央部において、柱部413の後端部から前方に向けて前後方向中央部よりも若干前方位置まで延びる溝部431が形成されることにより、溝部431の前端部においてそれぞれ天壁部414側に臨む係止面432が形成されている。当該係止面432には、後述する端子部材403の係止片486が天壁部414側から係止されるようになっている。尚、図7等に示すように、天壁部414には、成形の都合上、溝部431に連続する切欠き部423が形成されるとともに、当該切欠き部423と前記差込み孔422とを連通させる連通部424が形成されている。また、後述する端子部材403の鍔部482の横幅(左右の幅)は、連通部424の左右の幅よりも大きくなっており、これによって、鍔部482が連通部424の内側に進入することなく、天壁部414(張り出し部421)の裏面(前面)に支持されるようになっている。
図8、図13等に示すように、底壁部411には、天壁部414の各張り出し部421と対向して、底壁部411の厚み方向に貫通する挿通孔434が形成されている。各挿通孔434は、それぞれ対向する張り出し部421とほぼ同形状かつほぼ同じ大きさとなるように矩形状に形成され、その周縁部は各差込み部402を形成する隔壁部412の内側面や柱部413の上面又は下面と連続している。また、図13に示すように、各差込み部402には、底壁部411の表面(後面)から後方に突出し、コイルばね405の一端部を支持するための略円柱状のばね支持部435が設けられている。さらに、底壁部411の裏面(前面)には、各挿通孔434と上下に隣接して、前方に突出する台座部436が形成されている。当該台座部436は略コ字状をなし、内側に形成された嵌合凹部437が挿通孔434に臨む格好で形成されている。当該嵌合凹部437には詳しくは後述する端子部材403の延出部484の先端部位が嵌め込まれることとなる。
また、図13に示すように、相対する隔壁部412の上部間及び下部間をそれぞれ連結するようにして、隔壁部412の端縁に沿って底壁部411から後方に延びる制限手段を構成する規制壁部438が設けられている。ちなみに、規制壁部438と天壁部414との間には、上記のように開口部が形成されており、当該開口部により差込み部402に操作部材404やコイルばね405を設置したり、操作部材404の傾動を許容したりすることができるようになっている。また、規制壁部438には、ばね支持部435に支持されたコイルばね405が略当接し、コイルばね405の抜けが抑止されるとともに、詳しくは後述する操作部材404を操作して操作部材404が所定角度傾動した場合に操作部材404が当接することとなり、これによって、操作部材404の変位量が制限されることとなる。尚、各隔壁部412の上端部及び下端部は、底壁部411の上辺部及び下辺部よりも若干底壁部411の内周側に位置している。
(操作部材404)
操作部材404は、第1操作部材404aと第2操作部材404bとの2種類あり、本体部401(底壁部411)の長手方向において交互に差込み部402に配置されている(図7等参照)。また、柱部413(差込み部402)を挟んで上下に対向配置される操作部材404は同じ種類の操作部材404が互いに反転した向きで配置されている。加えて、本実施形態では、本体部401の長手方向において並んで配置される操作部材404の色が全て異なるとともに、柱部413を挟んで対向配置される操作部材404の色が同じとなっている。
(第1操作部材404a)
図11、図14等に示すように、第1操作部材404aは、本体部401に対して傾動可能に支持される略四角柱状の基部441と、基部441の一端部から基部441と交差する方向(柱部413から離間する方向)に延出する延長部442と、基部441の一端部側から、延長部442とは反対側(柱部413に近付く方向)に突出する保持突起443とを備え、これらが一体的に形成されている。また、基部441の他端部側には、基部441の両側面からそれぞれ外方に突出する円柱状の軸部444が設けられている。そして、当該一対の軸部444が、それぞれ前記隔壁部412の膨出部426の軸受部427に回動可能に支持されている。さらに、第1操作部材404aの本体部401への取付状態においては、基部441及び保持突起443は差込み部402の内側に位置し、延長部442の先端部側は天壁部414と規制壁部438との間に形成される開口部から差込み部402の外方に突出している。
延長部442のうち、差込み部402の内側(相対する隔壁部412間)に位置する基部441側の部位には、裏面(前面)から前方に突出する円柱状のばね受部451が設けられている。そして、本体部401の底壁部411に形成されたばね支持部435と、当該ばね受部451とにかけてコイルばね405を設置することにより、第1操作部材404aが後方に付勢されている。具体的に、ばね受部451は、第1操作部材404aの非操作状態においてばね支持部435よりも柱部413側に位置するとともに、コイルばね405の付勢力に抗して前方に押圧操作された第1操作部材404aの操作状態においてばね支持部435と前後に対向する位置に設けられている。このため、軸部444において本体部401に回動可能に支持された第1操作部材404aは、コイルばね405によって、後方(天壁部414側)かつ柱部413側に付勢されることとなる。
さらに、第1操作部材404aの非操作状態においては、コイルばね405の付勢力により、軸部444が軸受部427に押付けられることとなり、基本的に軸部444が軸受部427から外れないようになっている。また、詳しくは後述するが、第1操作部材404aの非操作状態においては、コイルばね405の付勢力により、保持突起443が、膨出部426と柱部413との間に挿通されて差込み部402の内側に設置される端子部材403のベース部481に圧接されることとなる。
また、図10等に示すように、延長部442のうち、差込み部402の外側に位置する先端部には、表面(後面)から後方に突出する指掛け部453が形成されている。本実施形態では、指掛け部453は、延長部442の延在方向に対して直交して延びる2本の突条部により構成されており、当該2本の突条部のうち、延長部442の先端側に設けられた突条部の方が、より大きく突出している。また、延長部442表面(後面)の指掛け部453近傍部位には、円形状の操作凹部454が形成されている。さらに、操作凹部454を挟んで指掛け部453の反対側には、延長部442の延在方向に対して直交して延びる3本の突条部により構成される滑り止め部455が形成されている。本実施形態では、指掛け部453、操作凹部454、及び滑り止め部455が形成されている部位が「操作部452」に相当する。そして、図11(b)に示すように、操作部452をコイルばね405の付勢力に抗して前方(同図矢印方向)に押圧操作することで、第1操作部材404aが軸部444を中心に傾動(回動変位)し、保持突起443が柱部413(端子部材403のベース部481)から離間することとなる。これにより、天壁部414の差込み孔422から差込み部402に外部機器からの配線を差し込むことができる状態(非保持状態)となる。一方、操作部452から手を離すことで、コイルばね405の付勢力により第1操作部材404aが回動変位し、差込み部402に差し込まれた外部機器からの配線と保持突起443とが圧接するとともに、外部機器からの配線が柱部413側(端子部材403のベース部481)に押付けられた状態(保持状態)となる。
尚、上記のように、隔壁部412は略半円形状をなしているため、第1操作部材404aを傾動させる際に、操作部452を押圧操作している指が隔壁部412に接触し、第1操作部材404aの操作が阻害されてしまうといった事態を防止することができる。また、隔壁部412が略半円形状に構成されることで、本体部401に対する操作部材404やコイルばね405の組付け作業性の向上、省資源化等を図ることもできる。
また、延長部442のうち基部441側の表面(後面)には、第1操作部材404aの非操作状態において天壁部414の上辺部又は下辺部に当接する第1段差部457が形成されている。すなわち、第1操作部材404aの非操作状態においては、当該第1段差部457が天壁部414に引っ掛かり、それ以上の傾動が規制される。さらに、延長部442の中間位置の裏面(前面)には、ばね受部451に支持されたコイルばね405が略当接する第2段差部458が形成されている。当該第2段差部458により、コイルばね405の抜けが抑止される。また、第1操作部材404aは、操作部452を押圧操作して第1操作部材404aを所定角度傾動させた場合に、延長部442の裏面(前面)の第2段差部458近傍部位において本体部401の規制壁部438に当接し、それ以上の傾動が規制される構成となっている。
加えて、基部441及び保持突起443は、延長部442よりも薄肉に構成されている。これにより、基部441及び保持突起443を相対する隔壁部412の膨出部426間に位置させることができる一方で、延長部442先端に形成される操作部452の操作面(後面)の面積を極力大きく確保することができる。本実施形態では、延長部442の横幅は、相対する隔壁部412間の距離とほぼ同じである。さらに、延長部442のうち、ばね受部451等が形成された基部441側の部位は、第1操作部材404aの操作状態及び非操作状態のいずれにおいても、相対する隔壁部412間(差込み部402内)に位置している。これにより、第1操作部材404aの操作に際し、延長部442の基部441側の部位が隔壁部412の内側面に略摺接することとなり、第1操作部材404aの傾動がガイドされ、第1操作部材404aのがたつき等が抑制される。
(第2操作部材404b)
図12、図15に示すように、第2操作部材404bは、基本的に第1操作部材404aと同様の構成を具備しており、一端部側において軸受部427に回動可能に支持される一対の軸部464を備えた基部461と、基部461の他端部から斜めに延出する延長部462と、基部461の他端部側から、延長部462とは反対側に突出する保持突起463とを備えている。特に、第2操作部材404bの基部461や保持突起463の構成は、第1操作部材404aの基部441や保持突起443の構成と同一となっている。但し、本実施形態では、第2操作部材404bの延長部462の構成が、第1操作部材404aの延長部442とは異なっている。
すなわち、第2操作部材404bの延長部462は、基部461の先端部から柱部413から離間する方向に延出する第1辺部471と、第1辺部471の先端部から後方に延出する第2辺部472と、第2辺部472の先端部から柱部413から離間する方向に延出する第3辺部473とを備えている。ちなみに、第1辺部471の裏面(前面)にばね受部475が設けられ、第3辺部473の表面(後面)に操作部476が設けられている。また、操作部476は第1操作部材404aの操作部452と同様に、指掛け部453、操作凹部454、及び滑り止め部455を備えている。
第2操作部材404bの基部461と第1辺部471とのなす角度は、第1操作部材404aの基部441と延長部442とのなす角度と同じである。また、第1辺部471の延出角度と第3辺部473の延出角度とが同じである。但し、第1辺部471及び第3辺部473の各延出長は、第1操作部材404aの延長部442の延出長の1/2以下、1/3以上となっている。これにより、操作部材404a、404bの非操作状態において、第1操作部材404a(延長部442)の先端部は、第2操作部材404b(第3辺部473)の先端部よりも本体部401(底壁部411)外周側に位置している。より詳しくは、上下に隣接する差込み部402のうち上側の差込み部402に対応する第1及び第2操作部材404a、404bに関しては第1操作部材404aの操作部452が第2操作部材404bの操作部476よりも上側に位置し、下側の差込み部402に対応する第1及び第2操作部材404a、404bに関しては第1操作部材404aの操作部452が第2操作部材404bの操作部476よりも下側に位置している。
また、第2操作部材404bが前後に延びる第2辺部472を備えることにより、第2操作部材404bの操作部476は、第1操作部材404aの操作部452よりも後方に位置している。換言すれば、第2操作部材404bに第2辺部472を設けることによって、操作部材404a、404b(操作部452、476)の押圧操作方向である前後方向において、第1操作部材404aの操作部452の位置と、第2操作部材404bの操作部476の位置とをずらしている。本実施形態では、第2辺部472の延出長は7〜12mmとなっており、第1操作部材404aの操作部452の操作面(後面)と、第2操作部材404bの操作部476の裏面(前面)との間に指が入る程度に前後に離間している。
さらに、本実施形態では、第2操作部材404bの操作部476をコイルばね405の付勢力に抗して前方(図12(b)の矢印方向)に操作した場合に、当該第2操作部材404bの操作部476が、非操作状態にある第1操作部材404aの操作部452よりも前方に位置する前の段階で、対応する差込み部402に外部機器からの配線を差し込める状態、すなわち、第2操作部材404bの保持突起463と、対応する端子部材403のベース部481との間に外部機器からの配線が差し込めるだけのスペースが形成された状態となる。
また、第1辺部471の表面(後面)と第2辺部472との境界部には、第2操作部材404bの非操作状態において天壁部414の上辺部又は下辺部に当接する第1突部478が形成されている。すなわち、第2操作部材404bの非操作状態においては、当該第1突部478が天壁部414に引っ掛かり、それ以上の傾動が規制される。さらに、第1辺部471の裏面(前面)と第2辺部472との境界部には、ばね受部475に支持されたコイルばね405が略当接する制限手段を構成する第2突部479が形成されている。当該第2突部479により、コイルばね405の抜けが抑止される。また、第2操作部材404bは、操作部476を押圧操作して第2操作部材404bを所定角度傾動させた場合に、第2突部479の先端部において本体部401の規制壁部438に当接し、それ以上の傾動が規制される構成となっている。加えて、本実施形態では、第2操作部材404bの第2突部479と規制壁部438とが当接した状態において、第2操作部材404bの操作部476は、左右方向において、第1操作部材404aの操作部452と一部重なるようになっている。
さらに、本実施形態では、第2操作部材404bの軸部464の軸心から操作部476の先端部までの直線距離が、第1操作部材404aの軸部444の軸心から操作部452の先端部までの直線距離よりも長くなっている。このため、上記のように、操作部材404a、404bの非操作状態においては、第1操作部材404aの操作部452の方が第2操作部材404bの操作部476よりも底壁部411外周側に位置している(図12(a)参照)のであるが、第2操作部材404bの操作部476を押圧操作して第2操作部材404bを傾動させると、第2操作部材404bの操作部476の方が第1操作部材404aの操作部452よりも底壁部411外周側に位置することとなる(図12(b)参照)。
尚、第2操作部材404bの第2突部479と、本体部401の規制壁部438とが当接した状態において、第2操作部材404bの操作部476、又は第2操作部材404bの少なくとも一部(操作部476でなくても例えば延長部462の一部が)は、非操作状態にある第1操作部材404aの操作部452よりも、操作部452、476の押圧操作方向において同じ位置、又は後方に位置していることとしてもよい。尚、本実施形態では、保持突起443、463を包含する操作部材404及びコイルばね405が保持手段を構成する。また、操作部452、476を包含する操作部材404が操作手段を構成する。
(端子部材403)
図13、図16等に示すように、端子部材403は、略矩形板状のベース部481と、ベース部481のうち一方の短辺部(後辺部)中央からベース部481と直交する方向(柱部413から離間する方向)に突出する鍔部482と、ベース部481のうち他方の短辺部(前辺部)両端から前記鍔部482の突出方向側に延出する抜け止め部483と、前記他方の短辺部(前辺部)中央から鍔部482と同方向に延出する延出部484と、延出部484の先端からベース部481外周側(前方)に突出する接続部485と、ベース部481の略中央部において、鍔部482の突出方向とは反対側に突出する係止片486とを備え、これらが所定形状に打ち抜かれた一枚の金属板を折り曲げることで形成されている。
ベース部481の横幅は、相対する隔壁部412間の距離と略同じであり、ベース部481は、その両側部が各隔壁部412に形成された膨出部426と柱部413との間に挿通されている。このため、ベース部481の大部分は差込み部402の内側に露出するとともに、ベース部481の両側部は膨出部426により支持され、ベース部481が傾倒してしまうといった事態が防止されている。
係止片486は、ベース部481の中央部においてコ字状にスリットを形成し、スリットの内周側を鍔部482等とは反対側(柱部413側)に折り曲げることにより形成されている。当該係止片486は、後辺部(鍔部482側の辺部)においてのみベース部481と連結されている。そして、係止片486を柱部413に摺接させながら、係止片486が柱部413に形成された係止面432よりも後方に位置するまで、ベース部481を差込み部402に挿通させることで、係止片486が自身の弾性力により溝部431の内側に突出し、係止片486の前端部が係止面432に係止される状態となる(図13等参照)。これにより、端子部材403を挿通孔434から前方に引き抜こうとしても、係止片486が係止面432に引っ掛かるため、端子部材403が本体部401から脱落してしまうといった事態を防止することができる。また、上記のように、ベース部481は膨出部426と柱部413とにより挟まれているため、基本的に、係止片486を溝部431から抜け出させることができなくなっている。尚、係止片486は、ベース部481のうち、操作部材404の保持突起443、463と対向する部位を外れた位置に設けられている。
鍔部482は、操作部材404の非操作状態において保持突起443、463の天壁部414側の面(後側面)に押圧され、天壁部414の裏面(前面)に押付けられる構成となっている。すなわち、端子部材403は、上記のように本体部401に対して、ベース部481を膨出部426と柱部413との間に挿通させるとともに、係止片486を溝部431の内側に位置させているだけで取付けられるため、構成の簡素化、組み立て作業性の向上等が図られる一方で、前後に若干動き得るようになっている。しかしながら、この場合、外部端子板240を後述する中継基板491に取付けた際に各種不具合が生じる(本体部401にがたつきが生じる、本体部401の取付状態の姿勢にばらつきが生じる等)おそれがある。これに対し、本実施形態では、各操作部材404を非操作状態とすることで、各端子部材403の位置ずれが防止されることから、この状態で外部端子板240を中継基板491に取付ければ、本体部401にがたつきを生じてしまう等の不具合を回避することができる。
尚、鍔部482はベース部481の短辺部の中央部にのみ形成されるため、ベース部481の差込み部402への挿通に際し、鍔部482が膨出部426に当接することはなく、当該挿通が阻害されるおそれはない。また、保持突起443、463の天壁部414側の面(後面)は、柱部413の延在方向に対して交差して延びる傾斜面となっているため、操作状態において鍔部482と天壁部414とが若干離間していても、非操作状態とすることで鍔部482が保持突起443、463の傾斜面に案内されて、天壁部414に圧接されることとなる。
ベース部481の前辺部から延出する抜け止め部483は、柱部413から離間する方向に向けて、軸受部427に回転可能に支持された軸部444、464の外周方向に凸となるようにして若干湾曲しつつ、後方に延びている。また、抜け止め部483の後面(内周側面)は、軸部444、464と略当接している(図11等参照)。すなわち、操作部材404は、本体部401に対して上記のように、コイルばね405の付勢力により円弧状の軸受部427に軸部444、464を圧接させるだけで取付けられるため、構成の簡素化、組み立て作業性の向上等が図られる一方で、コイルばね405の付勢力に抗して操作部材404を傾動させることなく全体的に前方に変位させる(軸部444、464を前方に変位させる)と、軸部444、464が軸受部427から外れ、操作部材404が本体部401から脱落してしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、軸部444、464を前方に変位させても、軸部444、464が抜け止め部483によって柱部413側に案内されることとなるため、軸部444、464が軸受部427から外れ、操作部材404が本体部401から脱落してしまうといった事態を抑止することができる。
延出部484の先端部側は、本体部401の底壁部411の台座部436に形成された嵌合凹部437に嵌め込まれている。これにより、端子部材403(特に接続部485)の位置ずれが抑制されることとなる。また、延出部484は台座部436の前面よりも後方に位置している。このため、外部端子板240を後述する中継基板491に対して固定する際に、延出部484が中継基板491に当接するといった事態を回避することができる。ちなみに、後述する中継基板491のプリントパターンと電気的に接続される接続部485に関しては、台座部436よりも前方に突出している。尚、台座部436の存在により、外部端子板240と中継基板491との間に隙間を形成することができるため、放熱性の向上を図ることができる。
次に、外部端子板240の組み立て作業について説明する。先ず、本体部401を天壁部414が下向きとなるように配置するとともに、各差込み部402に対し、張り出し部421と規制壁部438との間に形成される開口部を介して、操作部材404の基部441、461側を差込み、軸部444、464を軸受部427に当接(支持)させた状態とする。
続いて、本体部401の差込み部402に対し、底壁部411の挿通孔434を介して、端子部材403を差し込む。このとき、端子部材403のベース部481を、柱部413と膨出部426との間に挿通させるようにして端子部材403を押込む。また、端子部材403の挿通に際して、鍔部482と保持突起443、463とが当接するが、操作部材404は未だコイルばね405によって付勢された状態ではない上、保持突起443、463の前側面は端子部材403の挿通方向に対して傾斜しているため、そのまま端子部材403を押込むことで、操作部材404が追従的に回動することとなり、端子部材403を奥まで挿通させることができる。そして、鍔部482と天壁部414とが略当接するまで、端子部材403を差込み部402に挿入させると、係止片486が溝部431の内側に突出し、延出部484が嵌合凹部437の内側に嵌り込み、抜け止め部483が軸部444、464(の前面側)に略当接することとなる。
その後、本体部401(底壁部411)のばね支持部435にコイルばね405の一端部を支持させるとともに、操作部材404のばね受部451、475にコイルばね405の他端部を支持させる。これにより、操作部材404が後方かつ柱部413側に付勢され、保持突起443、463と端子部材403のベース部481とが圧接することとなる。以上のようにして、外部端子板240が組み立てられる。
また、以上のように構成された外部端子板240は、図17に示す中継基板491に固定されるとともに、外部端子板240(天壁部414)を後方に露出させる開口部が形成された透明なボックス490(図5参照)に収容されている。ボックス490は、中継基板491を係止する係止部(図示略)、及び、裏パックユニット203に係止される係止爪部(図示略)を備えている。そして、一体化された外部端子板240及び中継基板491をボックス490に収容して中継基板491を係止部で係止させるとともに、ボックス490の係止爪部を裏パックユニット203に係止させることで、外部端子板240及び中継基板491が内枠12に取り付けられている。
また、中継基板491には、各端子部材403の接続部485がそれぞれ挿通される計20個の連通孔492が形成されている。そして、各接続部485が各連通孔492に挿通状態とされ、本体部401の台座部436と中継基板491の後面とが当接するとともに、中継基板491の前面側において、中継基板491を貫通した接続部485と中継基板491のプリントパターンとが電気的に接続されている。尚、底壁部411の隅部に対応して設けられた台座部436には、前方に突出する位置決め突部439(図8等参照)が設けられており、中継基板491には、位置決め突部439が差し込まれる位置決め孔493が形成されている。
さらに、中継基板491には、本体部401に対して上下一対で配置される端子部材403のうち上側の端子部材403の接続部485に対応した連通孔492と、下側の端子部材403の接続部485に対応した連通孔492との間に開口部494が形成されている。すなわち、中継基板491のうち、外部端子板240によって覆われる位置に、開口部494が形成されている。当該開口部494により、例えば、中継基板491の裏側(前面側)に不正な基板を配設されたとしても、外部端子板240の透明な本体部401及び中継基板491の開口部494を介して、かかる不正基板を発見することができる。加えて、中継基板491には、主制御装置261に電気的に接続された信号線(ハーネス)が接続されるコネクタ496が設けられている。
また、中継基板491には、信号規制手段としてのフォトカプラ497が搭載されており、図18に示すように、主制御装置261の入出力ポート505に電気的に接続される入力側と、ホールコンピュータ500等の外部機器に電気的に接続される出力側とが電気的に絶縁されている。そして、主制御装置261から信号が出力された場合にのみ、ホールコンピュータ500等の外部機器に信号が送られることとなる。尚、便宜上、具体的な説明は省略するが、主制御装置261の入出力ポート505と中継基板491とが信号線を介して直接接続されていなくてもよく、その他の基板が介在していてもよい。
そして、外部機器からの配線を外部端子板240に接続する際には、操作部材404の操作部452、476を操作して保持突起443、463と端子部材403のベース部481との間に配線挿通用のスペースを空けた状態で、外部機器からの配線を差込み部402に差込み、その後、操作部452、476から手を離す。これにより、差込み部402に差し込まれた外部機器からの配線が、操作部材404の保持突起443、463に押圧されて端子部材403のベース部481に押付けられる。以上のようにして、外部機器からの配線が端子部材403と電気的に接続される。
尚、本実施形態では、主制御装置261とホールコンピュータ500との間にフォトカプラ497を介在させる構成のため、外部端子板240の端子部材403が(上下の)2個で1組となっている。すなわち、上記のように、差込み部402のうち上下に隣接する2つの差込み部402に設置された端子部材403同士が互いに対応している。また、主制御装置261と中継基板491とを電気的に接続する信号線(配線)、及び、ホールコンピュータ500と外部端子板240とを電気的に接続する配線についても、2本で1組である。
ちなみに、上下に隣接する差込み部402に設けられた操作部材404は形状が同じ(同種の操作部材404a、404b)であるとともに、同色である。具体的に、上下一対で10組設けられる操作部材404は、図7の左から第1操作部材404a、第2操作部材404b、第1操作部材404a・・・・となっており、色は図7の左側から紫、黄、茶色、赤、グレー、緑、黒、青、橙色、ピンクとなっている。尚、便宜上、上下一対の端子部材403を、図7の左側から、第1端子部、第2端子部、第3端子部、第4端子部、第5端子部、第6端子部、第7端子部、第8端子部、第9端子部、第10端子部(便宜上、部材番号は省略する)とも称する。また、大当たり状態中である場合には、主制御装置261からの信号が第1、第3、及び第4端子を介して外部機器に出力され、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が停止表示された場合には、主制御装置261からの信号が第2端子を介して外部機器に出力され、時短モード中である場合には、主制御装置261からの信号が第3端子を介して外部機器に出力され、確変モード中である場合には、主制御装置261からの信号が第4端子を介して外部機器に出力され、上入賞口33aに遊技球が入球した場合には、主制御装置261からの信号が第5端子を介して外部機器に出力され、下入賞口33bに遊技球が入球した場合には、主制御装置261からの信号が第6端子を介して外部機器に出力され、不正等の各種エラーを検知した場合には、主制御装置261からの信号が第7端子を介して外部機器に信号が出力され、賞球が払出された場合には、主制御装置261からの信号が第8端子を介して外部機器に出力され、内枠12が開放されている場合には、主制御装置261からの信号が第9端子を介して外部機器に出力され、前面枠セット14が開放されている場合には、主制御装置261からの信号が第10端子を介して外部機器に出力される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図19は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図20に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの大当たり抽選(当否抽選)に使用する当否乱数生成手段としての大当たり乱数カウンタC1と、大当たり状態の種別の決定に使用するモード種別乱数生成手段及び当選種別乱数生成手段としてのモード決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用するリーチ乱数生成手段としての変動選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選(始動入賞ユニット33の開閉部材33cを開状態とするか否かの開放抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1,CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43L、43Rの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターンが決定される。
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とを備えている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、上入賞口33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、下入賞口33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、上記のように特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41における変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数生成手段としての大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、第1の遊技モードとしての低確率状態(通常モードや時間短縮モード等)と、第2の遊技モードとしての高確率状態(確変モード)とで2種類設定されており、本実施形態では、低確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。すなわち、低確率状態においては1/300の確率で当否抽選に当選し(大当たり状態が発生し)、高確率状態においては1/30の確率で当否抽選に当選することとなる。尚、本実施形態では、ROM502に対し、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段としての当否判定テーブルが設けられている。当否判定テーブルは、大当たりに対応する値(以下「当選対応値」と称する)をグループ分けして記憶しているとともに、各グループに個別に対応して、「1」から昇順となる識別情報としての番号(以下「アドレス番号」と称する)を記憶している。具体的に、当否判定テーブルには、アドレス番号「1」に対応して当選対応値「7、307」、アドレス番号「2」に対応して当選対応値「8〜16、308〜316」が記憶されている。
ここで、各種遊技モードについて説明する。本実施形態では、遊技モード(遊技状態)が、通常モード、確変モード、及び時間短縮モードの間で切替設定される。
通常モードとは、確変モード及び時間短縮モードではない通常の状態をいう。従って、通常モード時には、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)が通常の低確率(例えば1/300)となっている。
また、確変モードとは、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「7」が停止表示されること(装飾図柄表示装置42において確変図柄が停止表示されること)によって「確変大当たり」になる、又は、第1特別表示装置43Lにおいて「2」が停止表示されること(装飾図柄表示装置42においてチャンス図柄が停止表示されること)によって「特殊確変」になり、大当たり終了後の大当たり確率が通常モード時に比べアップした状態(例えば1/30)をいう。尚、確変モードは、次回の大当たり状態が発生するまで継続する。
さらに、本実施形態では、確変モードにおいては、大当たり確率が高められるだけでなく、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示時間が短くなる(時間短縮状態となる)。また、通常モード時に比べ、当選1回あたりの始動入賞ユニット33(開閉部材33c)の開放時間が長くなるとともに、開放回数が多くなる。これによって、始動入賞ユニット33が開状態となっている時間帯が長くなるため、始動入賞ユニット33(下入賞口33b)に対して遊技球が頻繁に入球するようになり、大当たり抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。従って、確変モードは、高確率・時間短縮・高入球状態と言い換えることができる。
尚、確変モードにおいて、普通図柄表示装置41における変動時間を短くしたり、普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(開放抽選の当選確率)を通常モード時よりも高くしたりすることとしてもよい。
時間短縮モードとは、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「3」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄以外の通常図柄で停止表示されること)によって「通常大当たり」になり、大当たり状態終了後に、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる合計100回の変動表示にわたって設定される遊技モードである。時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率であり、かつ、始動入賞ユニット33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い遊技モードである。つまり、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)の違いを除いて同様の状態(低確率・時間短縮・高入球状態)となる。尚、時間短縮モードは、大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43L、43Rにて合計100回の変動表示が行われた後、通常モードに移行する。
モード種別乱数生成手段及び当選種別乱数生成手段としてのモード決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、モード決定カウンタC2によって、大当たり状態の種別、すなわち、「確変大当たり」、「通常大当たり」、及び「特殊確変」のいずれを付与するかが決定されるようになっている。
尚、上記のように、本実施形態では、遊技球が上入賞口33aへ入賞した場合と、下入賞口33bへ入賞した場合とで、大当たり状態の種別の振り分けが異なっている。具体的には、遊技球が上入賞口33aへ入賞した場合、モード決定カウンタC2の値が「0〜8」であれば「確変大当たり」の付与が決定され、「9〜12」であれば「特殊確変」の付与が決定され、「13〜19」であれば「通常大当たり」の付与が決定される。すなわち、上入賞口33aへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、45%の確率で「確変大当たり」となり、20%の確率で「特殊確変」となり、35%の確率で「通常大当たり」となる。
一方、遊技球が下入賞口33bへ入賞した場合、モード決定カウンタC2の値が「0〜12」であれば「確変大当たり」の付与が決定され、「13〜19」であれば「通常大当たり」の付与が決定される。すなわち、下入賞口33bへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、65%の確率で「確変大当たり」となり、35%の確率で「通常大当たり」となる(「特殊確変」は発生しない)。
尚、本実施形態では、ROM502には、モード決定カウンタC2の値がいずれの大当たりに対応するかの判定を行う際に参照されるモード種別判定値記憶手段としてのモード種別判定テーブルが設けられている。モード種別判定テーブルは、大当たりの種別に対応する値をグループ分けして記憶しているとともに、各グループに個別に対応して、「1」から昇順となる識別情報としての番号(以下「アドレス番号」と称する)を記憶している。具体的に、モード種別判定テーブルには、アドレス番号「1」に対応して「0〜8」、アドレス番号「2」に対応して当選対応値「9〜12」、アドレス番号「3に対応して「13〜19」が記憶されている。
尚、モード決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、モード決定カウンタC2の値がモード決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、モード決定カウンタバッファに格納されているモード決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
また、リーチ乱数生成手段としての変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値がリーチ状態の発生に対応する値であるか否か及びいずれのリーチに対応するかの判定を行う際に参照されるリーチ判定値記憶手段としてのリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0〜238」の値が記憶され、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する構成となっている。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図20中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別(リーチパターン)やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
なお、本実施形態では、「大当たり」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのうちいずれかが選択され、「前後外れリーチ」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチのうちどちらかが選択され、「前後外れ以外リーチ」が発生する場合にはノーマルリーチが選択される。また、「完全外れ」となる場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのいずれも選択されない。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。通常、当選となる乱数の値の数は6つあり、その範囲は「3〜8」である。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が所定時間の間、開状態となる。
尚、本実施形態では、普通図柄表示装置41にて当選に対応する図柄が停止表示される確率、すなわち、始動入賞ユニット33を開状態とするか否かの開放抽選の当選確率はいずれのモードでも共通である。また、確変モード及び時短モードにあるときには、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が、通常モードにあるときに比べて短縮されている。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図23は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図23において、先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報等)を保存する。
また、本実施形態では、ステップS301において、前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92の状態を確認して、前面枠セット14や内枠12が開放されているか否かを判別し、前面枠セット14や内枠12が開放されている場合、前面枠セット14や内枠12が開放されていることを示す信号を出力するための設定が行われる。そして、当該設定に基づいて、通常処理の外部出力処理に際して、外部端子板240に信号が出力されたりする。さらに、図示等は省略するが、パチンコ機10には、不正な電波や磁力を検知可能な不正検知手段が設けられており、ステップS301において、かかる不正検知手段の状態を確認して、不正されているか否かを判別し、不正が確認された場合、不正が行われていることを示す信号を出力するための設定が行われる。そして、当該設定に基づいて、通常処理の外部出力処理に際して、外部端子板240に信号が出力されたりする。
尚、本実施形態では、可変入賞装置32への入賞(カウントスイッチ223による検知)があった場合、大当たり状態中であるか否かを示す大当たりフラグがオンであるか否かを判別し、大当たり状態中ではないにもかかわらず、可変入賞装置32への入賞が確認された場合には、入球エラーの設定が行われ、当該エラーの設定に基づいて、通常処理の外部出力処理に際して、外部端子板240に信号が出力されたり、エラー表示ランプ104が点灯されたりする。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、変動選択カウンタC3及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、599,19,238,9)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図25のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS501では、遊技球が下入賞口33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、下保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。
ステップS504の後、或いは、ステップS501又はステップS502で否定判別された場合には、ステップS505に移行する。
ステップS505では、遊技球が上入賞口33aに入賞したか否かを第1始動入賞ユニットスイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS505で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS506において、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS506で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS506で肯定判別された場合には、ステップS507に進み、上保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS508では、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップS508の後、本処理を終了する。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。
ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
図24は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図24のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図21のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図22のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43L、43Rや始動入賞ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドであり、本実施形態における指令情報に相当する。従って、この外部出力処理の機能が本実施形態における指令情報出力手段を構成する。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。本実施形態では、例えば通常モード時には「FF10」,「FF11」,「FF12」,「FF13」,「FF14」,「FF15」,「FF16」,「FF17」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、確変モード時には、「FD10」,「FD11」,「FD12」,「FD13」,「FD14」,「FD15」,「FD16」,「FD17」が設定され、時間短縮モード時には、「FE10」,「FE11」,「FE12」,「FE13」,「FE14」,「FE15」,「FE16」,「FE17」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに対応する演出パターンを実行する。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドには通常モード時には「FF11」が設定され、確変モード時には「FD11」が設定され、時間短縮モード時には「FE11」が設定される。なお、本実施形態では、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は通常モード時「20秒」、確変モード時「8秒」、時間短縮モード時「10秒」に設定されている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチには通常モード時で30秒、40秒、50秒パターンの3種類(スーパーリーチSR1,SR2,SR3)が用意されている。なお、確変モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、スーパーリーチSR1ならば通常モード時「FF12」、確変モード時「FD12」、時間短縮モード時「FE12」が変動パターンコマンドに設定される。スーパーリーチSR2ならば通常モード時「FF13」、確変モード時「FD13」、時間短縮モード時「FE13」が設定される。スーパーリーチSR3ならば通常モード時「FF14」、確変モード時「FD14」、時間短縮モード時「FE14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには通常モード時で60秒、70秒パターンの2種類(プレミアムリーチPR1,PR2)が用意されている。なお、確変モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、プレミアムリーチPR1ならば通常モード時「FF15」、確変モード時「FD15」、時間短縮モード時「FE15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば通常モード時「FF16」、確変モード時「FD16」、時間短縮モード時「FE16」が設定される。
また、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドには通常モード時「FF10」、確変モード時「FD10」、時間短縮モード時「FE10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード時で10秒に設定されている。もちろん、確変モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。
さらに、上記のように、本実施形態では、「特殊確変」となる場合には、装飾図柄表示装置42にてリーチ状態が発生することなく、上・中・下図柄表示領域に「3」・「4」・「1」の図柄(チャンス図柄)が停止表示される。本実施形態では、「特殊確変」に対応する変動パターンコマンドには通常モード時「FF17」、確変モード時「FD17」、時間短縮モード時「FE17」が変動パターンコマンドに設定される。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変図柄の組合わせ、通常図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせ、チャンス図柄の組合わせという6つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「A1」,「A2」,「A3」,「A4」,「A5」,「A6」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
以下、停止図柄の区分及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。
確変図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、確変図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに確変図柄を示す「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
通常図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、通常図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに通常図柄を示す「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A3」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A4」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A5」が設定される。また、チャンス図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A6」が設定される。ちなみに、チャンス図柄は1種類であり、本例では、各図柄表示領域にて停止表示される装飾図柄が上から「3」・「4」・「1」となっている。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「A3」〜「A5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「A6」が設定されている場合、サブ制御装置262は、装飾図柄の組合わせとしてチャンス図柄を選択する。尚、本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「A3」〜「A5」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1つだけの構成としてもよい。
また、S201の外部出力処理では、外部端子板240への信号の出力処理についても行う。すなわち、主制御装置261の入出力ポート505と、外部端子板240が取付けられた中継基板491(のフォトカプラ497の入力側)とを電気的に接続する信号線は、2本1組で10セットあり、各種契機に応じて主制御装置261から各種信号線、中継基板491、及び外部端子板240を介してホールコンピュータ等の外部機器に信号が出力される。
例えば、大当たり状態中である場合(大当たりフラグがオンの場合)には、上下一対で10組設けられる端子部材403(第1〜第10端子部)のうち第1、第3、及び第4端子に対応する第1、第3、及び第4信号線に信号が出力される。大当たり状態に対応して信号が出力されることにより、遊技者やホール関係者に大当たりが発生したこと(大当たり中であること)を報知することができる。ちなみに、当該信号に基づいて、遊技ホールの島設備において、各パチンコ機10の上方に設置されるデータカウンタ装置で、本日の通算の大当たり回数を表示することもできる。
特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が停止表示された場合(第1表示制御処理(図27参照)の停止表示設定や判別情報設定処理が行われた場合)には、第2端子に対応する第2信号線に信号が出力される。特別表示装置43L、43Rにおける変動停止に対応して信号が出力されることにより、遊技者やホール関係者に特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止したこと、ひいては、変動表示が行われた回数を報知することができる。ちなみに、当該信号に基づいて、データカウンタ装置で、直前の大当たり状態が終了してから現在までの特別表示装置43L、43Rの通算変動回数を表示することもできる。また、本日の通算の変動回数を表示することもできる。
時短モード中である場合(高確率状態フラグはオフであるが時間短縮状態フラグがオンの場合)には、第3端子に対応する第3信号線に信号が出力される。つまり、第3信号線には、大当たり中及び時短モード中に信号が出力される。時短モードに対応して信号が出力されることにより、ホール関係者に時短モード中であることを報知することができる。
確変モード中である場合(高確率状態フラグがオンの場合)には、第4端子に対応する第4信号線に信号が出力される。つまり、第4信号線には、大当たり中及び確変モード中に信号が出力される。確変モードに対応して信号が出力されることにより、ホール関係者に確変モード中であることを報知することができる。また、データカウンタ装置において、確変大当たりした回数等を表示することもできる。
上入賞口33aに遊技球が入球した場合には、第5端子に対応する第5信号線に信号が出力され、下入賞口33bに遊技球が入球した場合には、第6端子に対応する第6信号線に信号が出力される。上入賞口33a、下入賞口33bへの入球に対応して信号が出力されることにより、ホール関係者に上入賞口33a、下入賞口33bへ入球があったことを報知することができる。これにより、上入賞口33a及び下入賞口33bへの入球がないのにもかかわらず、不正に大当たり状態が発生したこと等を把握することができる。また、かかる報知をカウントすることで、上入賞口33a、下入賞口33bへの通算の入球回数を把握することもできる。
不正等の各種エラーを検知した場合(払出異常信号等を受信した場合)には、第7端子に対応する第7信号線に信号が出力される。エラーの発生に対応して信号が出力されることにより、遊技者やホール関係者にエラーが生じたことを報知することができる。従って、不正行為等の抑止、及び早期発見を図ることができる。
賞球が払出された場合には、(例えば、賞球が10個払出される毎に)第8端子に対応する第8信号線に信号が出力される。賞球の払出しに対応して信号を出力することにより、ホール関係者に賞球状態を報知することができる。例えば、賞球が行われたときの遊技状態を鑑み(外部端子板240を介して出力された信号に基づいて、大当たり状態中、時短モード中、確変モード中、通常モード中のいずれであるかを判断し)、必要以上に(不自然に)賞球が払出されている、すなわち、例えば、大当たり状態中ではないのにもかかわらず、多数の賞球が払出されている等の事態をホール関係者が把握することもでき、賞球の払出しに関する不正の抑止、及び早期発見を図ることができる。尚、貸球の払出しが行われた場合、(例えば、貸球が10個貸し出される毎に)外部端子板240に信号を出力するように構成してもよい。
内枠12が開放されている場合には、第9端子に対応する第9信号線に信号が出力され、前面枠セット14が開放されている場合には、第10端子に対応する第10信号線に信号が出力される。内枠12、前面枠セット14の開放に対応して信号が出力されることにより、ホール関係者に内枠12及び前面枠セット14が開放されていることを報知することができる。これにより、内枠12及び前面枠セット14の不正開放を抑止、及び早期発見することができる。尚、一般に、島設備には、各パチンコ機10に対応して、ホールコンピュータに電気的に接続された赤外線センサ等が設けられており、ホール関係者が赤外線センサ等を介してホールコンピュータに信号を送った上で、内枠12や前面枠セット14を開放することで、ホール関係者が内枠12や前面枠セット14を開放したことを把握することができるようになっている。
尚、外部端子板240に出力される信号が示す情報の内容や数等は特に限定されるものではなく、例えば、パチンコ機10の機種等によって、上記した各種信号の中で外部端子板240に出力される設定のないものがあってもよいし、上記各種信号或いはそのいずれかに加えて又は代えて、その他の情報を示す信号が外部端子板240に出力されるように構成してもよい。
図22の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。尚、当該ステップS203において、各種入賞スイッチに基づいて払出制御装置311に出力した払出コマンドと、払出制御装置311から受信した賞球計数信号との内容が一致するか否かを判別し、一致しない場合には、払出しエラーの設定を行い、当該エラーの設定に基づいて、通常処理の外部出力処理に際して、外部端子板240に信号が出力されたり、エラー表示ランプ104が点灯されたりすることとしてもよい。
次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常(エラー)信号を読み込む。尚、当該ステップS204において、その他の異常(エラー)信号(例えば、不正な電波や磁力を検知したことを示す信号)を読み込んだり、内枠12や前面枠セット14が開放されていることを示す信号を読み込んだりすることとしてもよい。
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにおいてどのような制御を行うか当該特別表示装置43L、43Rの制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターン(演出パターン)の設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態(特別遊技状態)となった場合には、可変入賞装置32の大入賞口の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか当該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、始動入賞ユニット33においてどのような制御を行うか当該始動入賞ユニット33の制御内容の設定が行われる。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211,S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図27のフローチャートを参照して説明する。
図27において、ステップS801では、詳しくは後述する大当たりフラグを参照し、今現在、大当たり中であるか否かを判別する。尚、大当たり中には、大当たり状態(特別遊技状態)の最中と大当たり状態終了後の所定時間(ここで言う大当たり状態終了後の所定時間とは、大当たり状態終了後、通常遊技(特別表示装置43L、43Rにおける変動表示)が開始されるまでの時間であり、一般にこの時間帯は、装飾図柄表示装置42にて大当たり状態の終了や大当たり後に付与されるモードを示す表示が行われる)とが含まれる。また、特別表示装置43L、43R、及び装飾図柄表示装置42にて変動表示が大当たりに対応する態様にて停止表示されてから可変入賞装置32(大入賞口)が開放されるまでの間の期間(一般にこの時間帯は装飾図柄表示装置42にて大当たり状態の開始を示す表示が行われる)についても大当たり中に含まれる。
ステップS801で肯定判別された場合、すなわち大当たり中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS801で否定判別された場合には、ステップS802において、詳しくは後述する第1表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、第1表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際(ステップS917参照)にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際(ステップS811参照)にオフにされる。
そして、ステップS802で否定判別された場合、すなわち、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS803に進み、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判別する。
ステップS803で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS804において、下保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS803の判別処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS805では、第2特別変動保留エリアに格納された変動情報(データ)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS805の後、ステップS806において、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行うとともに、ステップS807において、実行エリアにシフトされた変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される情報)が下入賞口33bに対応するものであるか否かを示す下変動フラグをオンにしてから、ステップS808に移行する。
また、ステップS803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS809において、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする上保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS809で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS809で肯定判別された場合には、ステップS810において、上保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS811では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS811の後、ステップS812において、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行うとともに、ステップS813において、実行エリアにシフトされた変動情報が下入賞口33bに対応するものであるか否かを示す下変動フラグをオフにしてから、ステップS808に移行する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されている変動情報(データ)は、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ステップS808では変動表示設定処理が行われる。ここで、変動表示設定処理の詳細について、図28を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述する高確率状態フラグがオンであるか否かを判別し、高確率状態であるか否かを判別する。当該ステップS901で肯定判別された場合、すなわち高確率状態である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応する値(当否判定テーブルのアドレス番号「1」及び「2」に対応して記憶された値)「7〜16、307〜316」のいずれかであるか否かを判別する。
当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選に当選した(大当たり状態が発生する)と判別された場合には、ステップS903に移行し、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されたモード決定カウンタC2の値が、「通常大当たり」に対応する値(モード種別判定テーブルのアドレス番号「3」に対応して記憶された値)「13〜19」のいずれかと一致するか否かを判別する。
ステップS903で肯定判別された場合、すなわち「通常大当たり」である場合には、ステップS904にて通常大当たり変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS905にて通常図柄(本実施形態では「A2」)を図柄コマンドに設定して、ステップS921へ移行する。
ステップS903で否定判別された場合、ステップS906に進み、実行エリアにシフトされた変動情報が下入賞口33bへの入球に対応するものであるか否かを示す下変動フラグがオンされているか否かを判別する。当該ステップS906で肯定判別された場合、すなわち、モード決定カウンタC2の値「0〜19」のうち、「通常大当たり」に対応する値「13〜19」を除いた値「0〜12」がいずれも「確変大当たり」に対応する場合には、ステップS907にて確変大当たり変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS908にて確変図柄(本実施形態では「A1」)を図柄コマンドに設定して、ステップS921へ移行する。
尚、ステップS904,ステップS907では、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1及び第2変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて装飾図柄の図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターン(変動種別)との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、遊技モード毎にテーブル等により予め規定されている。
ここで、当たり時の第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の大当たり時においては、図30(a)に示すような通常モード中大当たり時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=0〜69のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=70〜149のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=150〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。CS1=197,198かつCS2=0〜120のときは、変動パターンコマンドに「FF15」(プレミアムリーチPR1)が設定される。CS1=197,198かつCS2=121〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF16」(プレミアムリーチPR2)が設定される。
また、ステップS906で否定判別された場合、すなわち、実行エリアにシフトされた変動情報が上入賞口33aへの入球に対応するものである場合には、ステップS909において、実行エリアに記憶されたモード決定カウンタC2の値が「特殊確変」に対応する値(モード種別判定テーブルのアドレス番号「2」に対応して記憶された値)「9〜12」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS909で否定判別された場合、すなわち「確変大当たり」である場合には、上記ステップS907に移行する。
一方、ステップS909で肯定判別された場合、すなわち「特殊確変」である場合には、ステップS910にて特殊確変変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS911にてチャンス図柄(本実施形態では「A6」)を図柄コマンドに設定して、ステップS921へ移行する。尚、上記のように、「特殊確変」に対応する変動パターンコマンドには、遊技状態に応じて、通常モード時「FF17」、確変モード時「FD17」、時間短縮モード時「FE17」が設定される。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態である場合には、ステップS912において、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応する値(当否判定テーブルのアドレス番号「1」に対応して記憶された値)「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS912で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選に当選した(大当たり状態が発生する)と判別された場合には、上記ステップS903に移行し、各種大当たり状態を発生させるための処理を行う。一方、ステップS912で否定判別された場合には、ステップS913に移行する。
ステップS902又はステップS912で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態が発生しない(「外れ」である)と判別された場合には、ステップS913において、リーチ判定テーブルを参酌し、実行エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS913で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS914にて前後リーチ変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS915にて前後外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS921へ移行する。
一方、ステップS912で否定判別された場合には、ステップS916において、リーチ判定テーブルを参酌し、実行エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS916で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS917にて前後外れ以外リーチ変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS918にて前後外れ以外図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS921へ移行する。
また、ステップS916で否定判別された場合、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS919にて外れ変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS920にて完全外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS921へ移行する。
尚、上記ステップS914,ステップS917,ステップS919で外れ時の変動パターンを決定する際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS904やステップS907等と同様である。
ここで、リーチ状態が発生する外れ時の第1変動種別カウンタCS1の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の前後外れリーチ時においては、図30(b)に示すような通常モード中前後外れリーチ時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=0〜90のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=91〜170のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=171〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。また、前後外れ以外リーチ時(C3=2〜21)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらずノーマルリーチとなり、変動パターンコマンドに「FF11」が設定される。また、完全外れ時(C3=22〜238)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらず、変動パターンコマンドに「FF10」が設定される。
また、ステップS915,ステップS918,ステップS920における図柄コマンドが外れの図柄の組合わせの所定区分を指示するものであることも、上記ステップS905、ステップS908等と同様である。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「A3」が図柄コマンドに設定されると、当該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「A4」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「A5」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
さて、ステップS921では、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。第1表示タイマとは、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)が開始される。特別表示装置43L、43Rは上述したような7セグメント表示装置であり、表示されている文字が「−」であれば「7」、「7」であれば「3」、「3」であれば「2」、「2」であれば「−」へ(第2特別表示装置42Rに関しては「2」が表示されることはなく、表示されている文字が「3」であれば「−」へ)切替表示を行う。そして、ステップS921の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図27の説明に戻り、ステップS802で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS814に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、第1表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS815に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップS815が肯定判別される。
ステップS815で否定判別された場合には、ステップS819において、特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在表示されている文字が「−」であれば「7」、「7」であれば「3」、「3」であれば「2」、「2」であれば「−」(第2特別表示装置43Rに関しては「3」であれば「−」)への切替えを行うよう設定する。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップS815で肯定判別された場合には、ステップS816において第1表示中フラグを解除(オフ)し、ステップS817において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、確変モードへの移行を伴う確変大当たりである場合には「7」を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、時間短縮モードへの移行を伴う通常大当たりである場合には「3」を停止表示させ、確変モードへの移行を伴う特殊確変である場合には「2」を停止表示させ、外れである場合には「−」を停止表示させる。繰り返しとなるが、このような特別表示装置43L、43Rによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なものとなっている。
続いて、ステップS818において判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、判別情報設定処理について、図29を参照して説明する。
先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタC1に基づいて、停止表示が大当たりに対応するか否かを判別する。ここで、大当たりに対応する場合には、ステップS1002へ移行し、大当たり設定を行う。具体的には、大当たりフラグ、第1可変フラグ、第1可変タイマ、ラウンド数カウンタ、及び入賞カウンタ等の設定処理を行う。そして、ステップS1002の終了後、判別情報設定処理を終了する。
大当たりフラグとは、特別遊技状態としての大当たり状態か否かを判別するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。大当たりフラグの値は、大当たり乱数カウンタC1の値に基づき決定される。
第1可変フラグとは、可変入賞装置32(大入賞口)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
第1可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間等を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際等に参酌される。本例では、第1可変タイマに対して「7500」が値として設定される。これにより、1ラウンドあたりの最大開放時間(可変入賞装置32が開状態とされる最長時間)が30秒となる。
ラウンド数カウンタとは、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を判別するための判別情報であり、本処理では15ラウンドを示す「15」が値として設定される。
入賞カウンタとは、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントする手段であり、本処理では、1ラウンドあたりの最大入球個数を示す「8」が値として設定される。尚、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図23参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223の検出情報により判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると、入賞カウンタの値が1減算される。
尚、本実施形態では、「確変大当たり」、「通常大当たり」の場合には、上記のように、ラウンド数カウンタに「15」、第1可変タイマに「7500」、入賞カウンタに「8」が設定されるが、「特殊確変」の場合には、ラウンド数カウンタに「2」、第1可変タイマに「100」、入賞カウンタに「8」が設定される。
さて、ステップS1001において、大当たりに対応しない、すなわち外れであると判別された場合には、ステップS1003へ移行する。
ステップS1003では、変動回数カウンタの設定の有無を判別する。変動回数カウンタとは、時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように通常大当たり終了後にカウンタ値として「100」が設定される。
ここで、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、変動回数カウンタが設定されている場合(カウンタ値が「0」以外の場合)には、時間短縮状態の設定中とみなし、ステップS1004において、変動回数カウンタの値を1減算する処理を行い、ステップS1005へ移行する。
ステップS1005では、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判別する。つまり、今回の変動表示が、通常大当たりの終了後(時間短縮状態の付与後)、100回目の変動表示であったか否かを判別する。ここで、変動回数カウンタの値が「0」であれば、ステップS1006において後述する高入球状態フラグをオフする処理を行い、ステップS1007において後述する時間短縮状態フラグをオフする処理を行い、本処理を終了する。
一方、ステップS1005で、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」でないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図31のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201において大当たりフラグがオンであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
ステップS1201で肯定判別された場合、ステップS1202において、第1可変タイマのカウント値を1減算する。続くステップS1203では、第1可変フラグがオンであるか否かを判別する。
ステップS1203で肯定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32が開状態である場合には、ステップS1204に進み、第1可変タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、1ラウンドあたりの可変入賞装置32の開放時間が残されているか否かを判別する。
ステップS1204にて否定判別された場合には、ステップS1205に進み、入賞カウンタの値が「0」であるか否か、すなわち、可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が1ラウンドあたりの規定個数(本例では8個)に達したか否かを判別する。ステップS1204にて否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(ラウンド終了のタイミング)が未だ到来していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1204又はステップS1205にて肯定判別された場合には、ステップS1206に進み、ラウンド数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否か、すなわち、ラウンド数(可変入賞装置32の開放回数)が規定回数に達したか否かを判別する。
ステップS1206で肯定判別された場合には、ステップS1207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。ステップS1207の終了設定処理では、第1可変フラグ及び大当たりフラグをオフするとともに、高確率状態フラグの設定処理、時間短縮状態フラグの設定処理、高入球状態フラグの設定処理、変動回数カウンタの設定処理などが行われる。
高確率状態フラグとは、遊技モードが高確率状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高確率状態フラグの設定処理では、特別変動保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて、フラグ値の切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、高確率状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定され、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、低確率状態の発生を示す「0」がフラグ値として設定される。
時間短縮状態フラグとは、遊技モードが時間短縮状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記時間短縮状態フラグの設定処理では、時間短縮状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
高入球状態フラグとは、遊技モードが高入球状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高入球状態フラグの設定処理では、高入球状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
変動回数カウンタとは、上述したように時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、前記変動回数カウンタの設定処理では、上記高確率状態フラグの設定処理と同様にモード決定カウンタC2の値に基づいて、変動回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、変動回数カウンタの値として変動表示100回分に相当する「100」が設定される。
尚、図29の判別情報設定処理において大当たり設定(ステップS1002)が行われた場合に、高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ、高入球状態フラグ(及び変動回数カウンタ)を一度リセットする(「0」を設定する)構成としてもよい。
ステップS1206で否定判別された場合、すなわちラウンド数が規定回数に達していない場合には、ステップS1208において、ラウンド送り処理を行い、本処理を終了する。ラウンド送り処理では、ラウンド数カウンタの値を1減算する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。また、ラウンド送り処理では、第1可変フラグをオフにするとともに、第1可変タイマに対して、次のラウンドが開始されるまでの時間(ウエイト時間)をセットする。
また、上記ステップS1203にて否定判別された場合、すなわち、ラウンド間のウエイト期間中である場合には、ステップS1209に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS1209にて肯定判別された場合、すなわちウエイト期間が終了し、次のラウンドを開始するタイミングに至った場合には、ステップS1210においてラウンド開始処理を行う。ラウンド開始処理では、第1可変フラグをオンにするとともに、第1可変タイマに対して1ラウンドあたりの可変入賞装置32の開放時間(本例では「7500」)を設定し、入賞カウンタに対して1ラウンドあたりの最大入賞個数(本例では「8」)を設定する。ステップS1209にて否定判別された場合、ステップS1210にてラウンド開始処理が完了した場合には、本処理を終了する。尚、「特殊確変」の場合には、第1可変タイマに対して「400」が設定される。
尚、第1可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。第1可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、第1可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図32のフローチャートを参照して説明する。
図32において、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグの設定状況を見て普通図柄表示装置41による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。本実施形態では、通常モードにおいては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間は2秒であるため、第2表示タイマには「500」が設定される。また、確変モード、時間短縮モードにおいては、第2表示タイマに「100」が設定される。当該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において切換表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
さて、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において第2表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜250のうち「5〜153」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、普通図柄判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、始動入賞ユニット33の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第2可変フラグをオンにして、第2可変タイマに開放時間を設定する。
第2可変フラグとは、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
第2可変タイマとは、始動入賞ユニット33の開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。尚、本実施形態では、高入球状態(確変モード及び時間短縮モード)と低入球状態(通常モード)とで始動入賞ユニット33の開放時間が異なり、高入球状態においては、第2可変タイマに対して「1000」が設定され、低入球状態においては、第2可変タイマに対して「100」が設定される。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS208の契機対応ユニット制御処理について図33のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が開状態であるか否かを示す第2可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、第2可変フラグがオンではない(始動入賞ユニット33が閉状態である)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち第2可変フラグがオンである場合は始動入賞ユニット33が開状態であるとみなし、ステップS2202において第2可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2可変タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の第2可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第2可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行し、ステップS2204にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップS2204の終了設定処理では、第2可変フラグをオフする処理が行われる。
尚、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、始動入賞ユニット33に対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には始動入賞ユニット33に対し開閉部材33cを開放する旨の制御信号が出力され、始動入賞ユニット33が開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には始動入賞ユニット33に対し開閉部材33cを閉鎖する旨の制御信号が出力され、始動入賞ユニット33が閉状態となる(開閉部材33cが閉状態とされ、下入賞口33bへの遊技球の入球が不可能となる)。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図34を参照して受信割込み処理を説明し、その後図35を参照してメイン処理を説明する。
図34は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図36に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図35を参照して説明する。図35は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図36のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図37を参照して以下に説明する。
図37は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図34参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図36のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。
また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えば、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、及び払出しエラー等の報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。すなわち、エラー状態と判別された場合には、エラー表示ランプ104を点灯させたり、主制御装置261に信号を出力したりする。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。また、本実施形態では、賞球の払出しが行われた場合に、主制御装置261に信号を出力する。尚、貸球の払出しが行われた場合にも、主制御装置261に信号を出力するように構成してもよい。
尚、本実施形態では、上述のように、払出しエラー等が発生した場合には、払出制御装置311から主制御装置261に出力された信号に基づいて、主制御装置261から外部端子板204に対応する信号が出力されるよう構成されているが、主制御装置261を介さずに払出制御装置311の入出力ポート515と外部端子板204(中継基板491のフォトカプラ497の入力側)とを電気的に接続し、当該ステップS204、ステップS205等の信号に基づいて、払出制御装置311から外部端子板204に対応する信号が出力されるよう構成してもよい。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
以上詳述したように、外部端子板240には、ホールコンピュータ等の外部機器からの配線が差し込まれる差込み部402が左右方向に10個並ぶようにして設けられるとともに、各差込み部402に対してそれぞれ端子部材403、操作部材404、及びコイルばね405が設けられている。また、操作部材404には、延長部442、462の形状が異なる第1操作部材404aと第2操作部材404bとがあり、左右方向に10個並ぶ差込み分402に対して交互に配置されている。そして、操作部材404の操作方向である前後方向において、第1操作部材404aの操作部452と、第2操作部材404bの操作部476とが離間している。このため、操作部材404同士を(第1操作部材404aと第2操作部材404bとを)近接配置しても、各操作部材404の操作部452、476の周りに一定のスペースを確保することができ、各操作部材404の操作部452、476を比較的スムースに操作することができる。従って、各操作部材404の操作部452、476への操作性を向上させつつ、互いに隣接する操作部材404同士、ひいては、差込み部402同士を近接配置することができ、外部端子板240のコンパクト化を図ることができる。また、外部端子板240のコンパクト化を図るべく端子部材403の数を減らすといった必要もなく、端子部材403の数の減少に伴って防犯性の低下や遊技者に対するサービスの低下を招いてしまうといった事態を回避することができる。もちろん、外部端子板240が大型化することでその他の部材の設置スペースの狭小化を招いてしまうといった事態を抑止しつつ、端子部材403の数を増やすこともできる。
また、本実施形態では、操作部材404の操作部452、476を前方に押圧操作することで、保持突起443、463を柱部413から離間させ、差込み部402に外部機器からの配線を抜き差しできる状態(非保持状態)とすることができる。このように、第1操作部材404aの操作部452の操作方向と、第2操作部材404bの操作部476の操作方向とが同じであるため、外部機器からの配線の端子部材403への接続作業性を向上させることができる。
さらに、第1操作部材404a、第2操作部材404bの非操作状態において、第2操作部材404bの操作部476が、第1操作部材404aの操作部452よりも後方に位置する構成となっている。そして、第2操作部材404bの操作部476を操作した場合に、第2操作部材404bの操作部476が、非操作状態にある第1操作部材404aの操作部452を通り越して前方に位置する前の段階で、第2操作部材404bの保持突起463が柱部413から離間し、差込み部402に外部機器からの配線を抜き差しできる状態となるよう構成されている。
例えば、第2操作部材404bに対応する差込み部402に外部機器からの配線を接続する際に、第2操作部材404bの操作部476が第1操作部材404aの操作部452の前方に位置するまで第2操作部材404bの操作部476を押込む必要がある場合、第2操作部材404bの操作部476を操作する作業者の指等が、隣接する第1操作部材404aの操作部452に引っ掛かってしまうおそれがある。この場合、隣接する第1操作部材404aの操作部452が意図することなく操作されてしまい、当該第1操作部材404aに対応する差込み部402に差し込まれて保持されている外部機器からの配線がかかる差込み部402から抜けてしまうおそれがある。また、第2操作部材404bの操作部476を操作して差込み部402に外部機器からの配線を差し込むスペースを形成する際に、作業者の指が第1操作部材404aの操作部452に接触することに起因して、同操作が阻害され、作業性の低下を招くことが懸念される。
これに対し、本実施形態では、第2操作部材404bの操作に際し、第2操作部材404bの操作部476が、第1操作部材404aの操作部452よりも前方に位置する前の段階で、対応する差込み部402に外部機器からの配線を抜き差しできる状態となるよう構成されている。このため、隣接する第1操作部材404aを変位させることなく、第2操作部材404bに対応する端子部材403に外部機器からの配線を接続することができ、上記不具合を抑止することができる。
加えて、第2操作部材404bの第2突部479と規制壁部438とが当接し、第2操作部材404bの前方へのそれ以上の変位が規制された状態において、第2操作部材404bの操作部476は、左右方向において、第1操作部材404aの操作部452と一部重なるようになっている。このため、例えば、操作部材404の操作部452、476の周りに比較的大きなスペースを確保するべく、第1操作部材404aの操作部452と第2操作部材404bの操作部476とを大きく離間させた場合のように、外部端子板240の大型化を招いてしまうといった事態を抑制することができる。
また、第2操作部材404bの操作部476よりも前方に位置する第1操作部材404aの操作部452は、第2操作部材404bの操作部476よりも本体部401(底壁部411)の外周側に位置している。このため、第1操作部材404a(操作部452)の操作性を飛躍的に向上させることができる。
さらに、第2操作部材404b(及び第1操作部材404a)は、本体部401に対して傾動可能に支持されており、非操作状態において、第1操作部材404aの操作部452よりも後方に位置する第2操作部材404bの操作部476は、第2操作部材404bの操作状態において、第1操作部材404aの操作部452よりも本体部401(底壁部411)の外周側に位置するように構成されている。このため、第2操作部材404bの操作部476を操作した際に、第2操作部材404bの操作部476を操作している指が、隣接する第1操作部材404aの操作部452に意図することなく引っ掛かってしまうといった事態を抑止することができる。従って、意図することなく第1操作部材404aの操作部452が操作されてしまうといった事態を防止するとともに、第2操作部材404bの操作性の向上を図ることができる。尚、第2操作部材404b(及び第1操作部材404a)が本体部401に対して傾動可能に支持されることにより、簡単な構成を採用しつつ、当該作用効果が奏される外部端子板240を得ることができる。
また、操作部材404の操作部452、476には、操作面(後面)から突出する指掛け部453及び滑り止め部455が設けられている。このため、操作部452、476を操作する際に指掛け部453に指をかける等して作業を行うことができ、操作部452、476の操作性を飛躍的に向上させることができる。特に、本実施形態では、操作部材404が傾動する構成となっているが、指掛け部453の存在により、操作部452、476の操作面から作業者の指等が滑って外れてしまうといった事態を抑止することができる。
さらに、操作部452、476の操作面には、操作凹部454が設けられている。例えば、多数のパチンコ機10の外部端子板240に外部機器からの配線を接続する作業を続けて行う場合、作業者が操作部452、476を直接指で操作していくと、指に比較的大きな負担がかかってしまうことが懸念される。これ対し、本実施形態によれば、操作部452、476の操作面に操作凹部454が設けられているため、操作凹部454にドライバー等の工具の先端を差し込んで(押し当てて)操作部452、476を操作することができる。このため、多数のパチンコ機10の外部端子板240に外部機器からの配線を接続する作業を続けて行う場合であっても、作業者は指の疲弊を招くことなく作業を行うことができる。
また、本体部401は透明な材料により構成されている。このため、パチンコ機10(主制御装置261)から外部機器(ホールコンピュータ)に出力される信号のうち、不正行為者が自身に都合の悪い信号が出力されないように、外部端子板240に細工を施す(端子部材403を取除く、端子部材403と外部機器からの配線との間に絶縁体を挟む、外部端子板240の裏側(パチンコ機10への取付面側)に不正基板を介在させる等)といった不正行為を抑制及び早期発見することができる。
さらに、外部端子板240と電気的に接続される中継基板491には、厚み方向に貫通する開口部494が形成されている。そして、外部端子板240が中継基板491に対して開口部494を覆うようにして固定され、その状態でパチンコ機10に取付けられている。このため、例えば、中継基板491の裏側(前面側)に不正な基板を設置されたとしても、透明な外部端子板240の本体部401及び中継基板491の開口部494を介して、不正な基板が設置されていることを発見することができる。
また、中継基板491にはフォトカプラ497が搭載されており、フォトカプラ497の入力側に主制御装置261からの配線が電気的に接続され、出力側に外部端子板240の端子部材403が電気的に接続されている。このため、主制御装置261と外部端子板240(ひいてはホールコンピュータ等の外部機器)とが電気的に絶縁され、主制御装置261から外部機器側への信号の出力のみが許容される構成となっている。従って、外部端子板240を介して、外部からの不正な信号が主制御装置251に入力されてしまうといった事態を防止することができる。
加えて、本実施形態では、左右方向において第1操作部材404aと第2操作部材404bとが交互に配置されている。例えば、左右方向において等間隔で並べられる操作部材404のうち、所定の第1操作部材404aの一側部側に隣接して第2操作部材404bが配置され、他側部側に隣接して第1操作部材404aが配置された場合、第2操作部材404bが隣接している一側部側においては前記所定の第1操作部材404aの操作部452の側方に比較的大きな隙間が形成されるものの、第1操作部材404aが隣接している他側部側においては前記所定の第1操作部材404aの操作部452の側方にあまり隙間が形成されない。このため、前記所定の第1操作部材404aの操作部452を操作する場合、当該操作部452に対し指を前記一側部側にずらして操作する必要が生じることが懸念され、この場合、操作性の低下(操作部452に力をかけにくい)等を招くおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、左右方向において第1操作部材404aと第2操作部材404bとが交互に配置され、同種の操作部材404が隣接しないように構成されていることから、操作部452、476を好適に操作することができ、配線の接続作業性を向上させることができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、特徴部分である外部端子板240を中心に図38〜図42を参照して説明する。尚、外部端子板240の基本構成については、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略するとともに、同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。
図38、図39等に示すように、本実施形態では、左右方向に第1操作部材404aと第2操作部材404bとが交互に配置されているとともに、柱部413(取付状態において後方に開口する差込み部402)を挟んで上下に第1操作部材404aと第2操作部材404bとが対向配置されている。但し、柱部413を挟んで対向配置される操作部材404の色は同じである。
(第1操作部材404a)
図40、図41等に示すように、第1操作部材404aは、上記第1実施形態と同様に、本体部401に対して傾動可能に支持される略四角柱状の基部441と、基部441の一端部から基部441と交差する方向(柱部413から離間する方向)に延出する延長部442と、基部441の一端部側から、延長部442とは反対側(柱部413に近付く方向)に突出する保持突起443とを備え、これらが一体的に形成されている。また、基部441の他端部側には、基部441の両側面からそれぞれ外方に突出する円柱状の軸部444が設けられている。そして、当該一対の軸部444が、それぞれ前記隔壁部412(膨出部426)に形成された軸受部427に回動可能に支持されている。さらに、第1操作部材404aの本体部401への取付状態においては、基部441及び保持突起443は差込み部402の内側に位置し、延長部442の先端部側は天壁部414と規制壁部438との間に形成される開口部から差込み部402の外方に突出している。
さて、本実施形態では、第1操作部材404aの延長部442は、基部441の先端部から柱部413から離間する方向(本体部401外周側)に延出する第1辺部446と、第1辺部446の先端部から後方に延出する第2辺部447と、第2辺部447の先端部から柱部413から離間する側に延出する第3辺部448とを備えている。
第1辺部446のうち差込み部402の内側(相対する隔壁部412間)に位置する部位には、裏面(前面)から前方に突出する円柱状のばね受部451が設けられている。そして、本体部401の底壁部411に形成されたばね支持部435と、当該ばね受部451とにかけてコイルばね405を設置することにより、第1操作部材404aが後方に付勢されている。
また、差込み部402の外側に位置する第3辺部448の表面側(後面側)には、操作部452が形成されている。そして、操作部452をコイルばね405の付勢力に抗して前方に押圧操作することで、第1操作部材404aが軸部444を中心に傾動(回動変位)し、保持突起443が柱部413(端子部材403のベース部481)から離間することとなる。これにより、天壁部414の差込み孔422から差込み部402に外部機器からの配線を差し込むことができる状態(非保持状態)となる。一方、操作部452から手を離すことで、コイルばね405の付勢力により第1操作部材404aが回動変位し、差込み部402に差し込まれた外部機器からの配線と保持突起443とが圧接するとともに、外部機器からの配線が柱部413側(端子部材403のベース部481)に押付けられた状態(保持状態)となる。
(第2操作部材404b)
図40、図42等に示すように、第2操作部材404bは、上記第1実施形態と同様に、一端部側において軸受部427に回動可能に支持される一対の軸部464を備えた基部461と、基部461の他端部から斜めに延出する延長部462と、基部461の他端部側から、延長部462とは反対側に突出する保持突起463とを備えている。
さて、第2操作部材404bの延長部462は、基部461の先端部から柱部413から離間する方向(本体部401外周側)に延出する第1辺部471と、第1辺部471の先端部から後方に延出する第2辺部472と、第2辺部472の先端部から柱部413側(本体部401内周側)に延出する第3辺部473とを備えている。また、第1辺部471の裏面(前面)にはばね受部475が設けられ、第3辺部473の表面(後面)には操作部476が設けられている。
また、第1操作部材404aの第1辺部446と、第2操作部材404bの第1辺部471とは平行して延びているが、第2操作部材404bの第1辺部471の延出長は、第1操作部材404aの第1辺部446の延出長の1/2以下、1/5以上となっている。これにより、操作部材404a、404bの非操作状態において、第1操作部材404aの操作部452は、第2操作部材404bの操作部476よりも本体部401(底壁部411)外周側に位置している(差込み部402への配線の差込み方向に対して交差する(直交する)方向において第1操作部材404aの操作部452が第2操作部材404bの操作部404bよりも本体部401から離間した側に位置している)。より詳しくは、上下に隣接する差込み部402のうち上側の差込み部402に対応する第1及び第2操作部材404a、404bに関しては第1操作部材404aの操作部452が第2操作部材404bの操作部476よりも上側に位置し、下側の差込み部402に対応する第1及び第2操作部材404a、404bに関しては第1操作部材404aの操作部452が第2操作部材404bの操作部476よりも下側に位置している。
本実施形態では、第3辺部473が第2辺部472の後端部から差込み部402側に突出しているため、第3辺部473(操作部476)の裏面側と天壁部414の後面とが対向するようになっているが、上下方向において、第2操作部材404bの第3辺部473(操作部476)は、対応する差込み部402よりも本体部401外周側に位置している(後方から見て第3辺部473が差込み部402と重ならないようになっている)。これにより、差込み部402に差し込まれて端子部材403と電気的に接続された外部機器からの配線が、操作部476によって押されてしまうといった事態を回避することができ、押されることに起因する不具合(配線が差込み部402から抜け易くなるなど)を防止することができる。また、上下方向において、操作部476は、軸部464よりも本体部401外周側に位置しており、操作部476を前方に押圧することで第2操作部材404bが軸部444を中心に前方に向けて確実に回動変位するように構成されている。尚、操作部476の上下の幅が小さく押し難い場合には、操作部476を本体部401外周側にも突出させてもよい。また、上記実施形態のように、第3辺部473を第2辺部472の後端部から本体部401外周側にのみ突出させてもよい。
また、本実施形態では、第1操作部材404aの延出部442にも、後方に延出する第2辺部447が設けられていることによって、第1操作部材404aの操作部452と、第2操作部材404bの操作部476とが前後方向においてほぼ同じ位置に設けられている。さらに、上記のように、第1操作部材404aの操作部452と、第2操作部材404bの操作部476とが上下方向において位置がずれていることから、左右方向において第2操作部材404bの操作部476は第1操作部材404aの第1辺部446と隣接することになる。但し、隣接するとは言っても、第2操作部材404bが第1辺部471から後方に延びる第2辺部472を備えていることにより、第2操作部材404bの操作部476は、第1操作部材404aの第1辺部446よりも後方に位置している。
さらに、本実施形態では、第2操作部材404bの操作部476をコイルばね405の付勢力に抗して前方(図40(b)の矢印方向)に押圧操作した場合に、第1操作部材404a及び第2操作部材404bを左右方向から見て、当該第2操作部材404bの操作部476が、非操作状態にある第1操作部材404aと重なる前の段階で、対応する差込み部402に外部機器からの配線を差し込める状態、すなわち、第2操作部材404bの保持突起463と、対応する端子部材403のベース部481との間に外部機器からの配線が差し込めるだけのスペースが形成された状態となる。特に、本実施形態では、かかる状態(第2操作部材404bに対応する差込み部402に配線を差し込める状態となり、かつ、左右方向から見て当該第2操作部材404bの操作部476が第1操作部材404aと重ならない状態)となったときに、第1辺部471の裏面(前面)と第2辺部472との境界部に形成された突部479(第2突部)が、本体部401の規制壁部438に当接し、それ以上の傾動が規制される構成となっている。
尚、上記第1実施形態では、第1操作部材404aに対応する規制壁部438の突出長(後端部位置)と、第2操作部材404bに対応する規制壁部438の突出長とが同じとなるように形成されているが(図9等参照)、第2実施形態では、第1操作部材404aに対応する規制壁部438の突出長よりも、第2操作部材404bに対応する規制壁部438の突出長の方が大きくなっている。また、上記第1実施形態では、第2操作部材404bを前方に押圧操作した場合に、第2操作部材404bの操作部476が第1操作部材404aの操作部452よりも本体部401の外周側に位置するよう構成されているが、第2実施形態では、第2操作部材404bの操作部476は操作状態にあっても第1操作部材404aの操作部452よりも本体部401内周側に位置する。
以上詳述したように、第2実施形態によれば、第1操作部材404aの操作部452の位置と、第2操作部材404bの操作部476の位置とが、本体部401の外周方向においてずれている。このため、第1操作部材404aと第2操作部材404bとを近接配置しても、各操作部材404の操作部452、476の周りに一定のスペースを確保しやすく、各操作部材404の操作部452、476を比較的スムースに操作することができる。従って、基本的に上記第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
さらに、第1操作部材404aの操作部452は、第2操作部材404bの操作部476よりも本体部401の外周側に位置し、第1操作部材404aのうち第2操作部材404bの操作部476と左右方向において隣接している部位である第1辺部446は、第2操作部材404bの操作部476よりも、操作部材404の操作方向先方側である前方に位置している。このため、第1操作部材404aと第2操作部材404bとを近接配置しても、第2操作部材404bの操作部476の周りに確実にスペースを形成することができる。従って、上記作用効果が確実に奏される。尚、第1操作部材404aの操作部452は第2操作部材404bの操作部476よりも本体部401外周側に位置していることから、第1操作部材404aの操作部452の周りには操作用スペースを確実に確保することができる。
また、本実施形態では、第2操作部材404bの操作部476を操作した場合、第1操作部材404a及び第2操作部材404bを左右方向から見て、第2操作部材404bの操作部476が第1操作部材404aと重なる前の段階で、当該第2操作部材404bに対応する差込み部402に対し配線が差し込める状態となる。
例えば、第2操作部材404bに対応する差込み部402に配線を差し込める状態とするために、第2操作部材404bの操作方向において、第2操作部材404bの操作部476が隣接する第1操作部材404aを通り超すまで第2操作部材404bの操作部476を押込む必要がある場合、第2操作部材404bの操作部476を操作する作業者の指等が隣接する第1操作部材404aに引っ掛かってしまうおそれがある。この場合、隣接する第1操作部材404aが意図することなく操作されてしまい、当該第1操作部材404aに挟持された配線が差込み部402から抜けてしまうおそれがある。また、第2操作部材404bを操作する際に、作業者の指が第1操作部材404aに接触することに起因して、同操作が阻害され、作業性の低下を招くことが懸念される。
これに対し、本実施形態によれば、第2操作部材404bの操作部476を操作した場合に、第2操作部材404bの変位方向において、第2操作部材404bの操作部476が第1操作部材404aの手前側(第1操作部材404aの第1辺部446よりも後方で、かつ、第2辺部447よりも本体部401の内周側)にある段階で、第2操作部材404bに対応する差込み部402へ配線を差し込める状態とされる。従って、隣接する第1操作部材404aを変位させることなく、第2操作部材404bに対応する端子部材403に外部機器からの配線を接続することができ、上記不具合を抑止することができる。
さらに、本実施形態では、第2操作部材404bの操作部476を操作した場合に、当該第2操作部材404bに対応する差込み部402へ配線を差し込める状態とされた後、第1操作部材404a及び第2操作部材404bを左右方向から見て、第2操作部材404bの操作部476が第1操作部材404aと重なる前の段階で、第2操作部材404bが規制壁部438と当接し、それ以上の変位が制限されるよう構成されている。このため、作業者が第2操作部材404bの操作部476を勢いよく操作しても、第2操作部材404bが規制壁部438に当接して第2操作部材404bの操作部476が隣接する第1操作部材404aを通り超していくといった事態が防止される。このため、第2操作部材404bの操作部476を操作する際に、意図することなく隣接する第1操作部材404aが操作されてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
また、第2操作部材404bの操作部476(第3辺部473)は、第2辺部472の後端部から柱部413側(差込み部402側)に突出している。これにより、前後方向において第2操作部材404bの操作部476を、第1操作部材404aの第1辺部446及び本体部401(天壁部414)から離間させることができる。従って、第2操作部材404bの操作部476への操作に際し、操作する指が第1操作部材404aや本体部401に接触して操作性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。さらに、第2操作部材404bの操作部476を本体部401から第1操作部材404aの操作部452に近付く側である本体部401外周側に離間させなくても、当該操作部476を本体部401から離間させることができる。このため、第1操作部材404aの操作部452と第2操作部材404bの操作部476との間の距離が短くなってしまったり、或いは、かかる距離が短くならないように、第1操作部材404aの第1辺部446が比較的長く形成されることで、操作部452が本体部401の外周側に大きく突出し、外部端子板240の大型化を招いてしまったりするといった事態を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第2操作部材404bの操作部476が天壁部414の後面と対向するようにして第2辺部472の後端部から差込み部402側に突出している。このため、例えば、差込み部402を挟んで上下に第2操作部材404bが対向配置されている場合のように、上側の第2操作部材404bの操作部476と、下側の第2操作部材404bの操作部476との間の間隔が狭くなることに起因して、配線の接続作業性の低下を招いてしまうといったおそれを防止することができる。
加えて、第1操作部材404aに関しても、延長部442が基部441から本体部401外周側に延びる第1辺部446と、第1辺部446の先端部から後方に延びる第2辺部447とを備え、第2辺部447の先端部から本体部401外周側に延びる第3辺部448において操作部476が形成されている。これにより、前後方向における第1操作部材404aの操作部452の位置と第2操作部材404bの操作部476の位置とをほぼ同じにすることができる。このため、例えば、第1操作部材404aの操作部452が第2操作部材404bの操作部472よりも前方に位置している場合のように、第1操作部材404aの操作部452への操作に関し、手前側の第2操作部材404bの操作部476を避けながら、操作部452を操作してより前方へ深く押込むといった比較的面倒な作業を回避することができる。従って、第1操作部材404aの操作部452の操作性を向上させることができ、結果として、配線の接続作業性の向上を図ることができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記第1実施形態において、第2操作部材404bの操作部476を操作した際に、第2操作部材404bの操作部476が第1操作部材404aの操作部452よりも前方に位置する前の段階で、第2操作部材404bの第2突起479と本体部401の規制壁部438とが当接し、第2操作部材404bのそれ以上の傾動変位が規制される(第1操作部材404aの操作部452よりも底壁部411側に行かない)よう構成してもよい。この場合、第2突起479及び規制壁部438が制限手段に相当する。当該構成を採用することにより、作業者が第2操作部材404bの操作部476を勢いよく操作しても、第2操作部材404bの操作部476が第1操作部材404aの操作部452を通り超して前方に位置するといった事態が防止される。このため、第2操作部材404bの操作部476を操作する際に、作業者の指が第1操作部材404aの操作部452に引っ掛かってしまうといった事態を防止することができる。従って、意図することなく第1操作部材404aが操作されてしまうといった事態をより確実に防止することができる。尚、第2操作部材404bの操作部476と規制壁部438とが当接した状態においては、第2操作部材404bに対応する差込み部402に対して、外部機器からの配線を抜き差し可能な状態となっていることとする。
(b)上記実施形態では、外部端子板240に設けられる操作部材404は第1操作部材404aと第2操作部材404bとの2種類存在するが、左右に隣接する操作部材404の操作部452(476)の前後位置がずれていればよく、例えば、形状の異なる3種類の操作部材404が設けられていることとしてもよい。但し、生産性の向上、コストの削減等を図るべく、操作部材404は2種類とすることが望ましい。また、操作部材404を1種類とするとともに、各差込み部402の底面(底壁部411)を左右方向において1つおきに上げ底状に形成し(後方に突出させ)、互いに隣接する操作部材404の操作部452(476)の前後位置を異ならせることとしてもよい。但し、この場合、本体部401の構成の複雑化を招く上、形状の異なる2種類の端子部材403を形成する必要があるため、生産性の向上、コストの削減等を図るべく、操作部材404は2種類とすることが望ましい。
(c)上記実施形態において、1つの外部端子板240に設けられる端子部材403の数は特に限定されるものではなく、例えば、パチンコ機10の機種毎に変更することも可能である。また、上記実施形態では、本体部401(底壁部411)の長手方向が左右方向となるように外部端子板240がパチンコ機10に取付けられているが、例えば、長手方向が上下方向となるように取付けられることとしてもよい。加えて、本体部401の天壁部414や規制壁部438を省略したり、操作部材404の操作部452、476の指掛け部453、操作凹部454、滑り止め部455を省略したりすることとしてもよい。
(d)上記実施形態では、外部端子板240と主制御装置261との間にフォトカプラ497が介在しているが、フォトカプラ497に代えて、主制御装置261側からの配線が接続される入力側と、ホールコンピュータ500等の外部機器からの配線が接続される出力側とを電気的に絶縁するリレー(フォトインタラプタ等)を介在させたり、主制御装置261からホールコンピュータ500側にだけ電流が流れるようにダイオードを設けたりすることとしてもよい。また、フォトカプラ497や中継基板491自体を省略することも可能である。
尚、外部端子板240に送られる信号は必ずしも主制御装置261から出力される信号に限定されるものではなく、その他の制御装置(例えば、払出制御装置311、サブ制御装置262等)から主制御装置261を介さずに外部端子板240に信号が出力されるような構成を採用してもよい。この場合、前記その他の制御装置と外部端子板240との間にフォトカプラ497や、それに代えて前記リレー等を介在させることとしてもよい。
尚、外部端子板240や中継基板491において、外部機器からの配線や主制御装置261からの信号線に電気的に接続された発光ダイオードを設けることとしてもよい。この場合、外部端子板240に関わる配線の接続作業が適切に行われたか否かをチェックすることができる。また、断線させるなどして主制御装置261から外部機器に信号が送られないようにするといった不正行為の有無をチェックすることができる。
また、中継基板491の開口部494に対応して内枠12に開口部を形成することとしてもよい。この場合、前面枠セット14を開放した状態において、内枠12の前面側からかかる開口部を介して中継基板491の裏側(前面側)や外部端子板240と中継基板491との間に不正な基板が設置されているか否かを確認することができ、防犯性の向上を図ることができる。
尚、上記実施形態では、中継基板491に開口部494が形成されているが、例えば、開口部494に相当する部位を格子状にしたり、複数の孔部を設けたりすることとしてもよい。また、開口部494を省略する(開口部494を形成しない)こととしてもよい。
(e)上記実施形態では、保持手段を構成する保持突起443、463と、操作手段を構成する延長部442、462とが操作部材404として一体的に形成されているが、例えば、保持手段及び操作手段が別体として構成されるとともに、操作手段の操作に保持手段が連動することとしてもよい。但し、構成の複雑化、生産性の低下等を防止するべく、一体的に形成することが望ましい。加えて、軸部444、464を別体として構成してもよい。
また、上記実施形態では、コイルばね405の付勢力により、差込み部402に差し込まれた配線が保持される構成となっているが、例えば、差込み部402に差し込まれた配線を保持突起443、463で保持した状態にある操作部材404を係止可能な係止手段を設け、差込み部402に外部機器からの配線を差し込んだ後、手動で操作部材404を操作して操作部材404を係止手段に係止させるよう構成してもよい。但し、外部端子板240への配線の接続作業性の低下を回避するべく、上記実施形態のようにコイルばね405を設けることが望ましい。また、操作部材404を付勢する付勢手段としては、特にコイルばね405に限定されるものではなく、例えば、板バネや弾性樹脂等を採用することとしてもよい。但し、差込み部402へ差し込まれた配線の抜けを防止するべく、かかる配線を強固に保持しておく必要があるため、上記実施形態のようにコイルばね405を採用したり、上記係止手段を併用したりすることが望ましい。
(f)上記実施形態では、第1操作部材404a及び第2操作部材404bは、本体部401に対して傾動可能に取付けられ、操作部452、476をコイルばね405の付勢力に抗して前方に押圧操作することで、対応する差込み部402に配線を抜き差し可能な状態(非保持状態)とすることができるよう構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、第2操作部材404bに関しては、操作部476を前方に押圧操作することで対応する差込み部402に配線を差し込めるようになり、第1操作部材404aに関しては、操作部452を後方に引っ張る操作をすることで対応する差込み部402に配線を差し込める状態となるように構成してもよい。さらに、例えば、第1操作部材404a及び第2操作部材404bの各操作部452、476を後方に引っ張ることで、それぞれ対応する差込み部402に配線を差し込める状態となるように構成してもよい。また、第1操作部材404bは、傾動することなく、そのままの姿勢で前後に変位可能に構成されていることとしてもよいし、操作部材404の軸心が前後に延び、操作部材404が左右に傾動するよう構成してもよい。
(g)上記実施形態では、上入賞口33aに遊技球が入球した場合と、下入賞口33bに入球した場合とで、大当たり状態の種別の振り分けが異なるよう構成されているが、同じにしてもよい。また、大当たり状態の種別の内容は特に限定されるものではなく、例えば、2ラウンドの大当たりの後、低確率状態が付与されるような種別を設定してもよい。
加えて、上記実施形態では、上入賞口33aへの入球があった場合にのみ「特殊確変」の発生の可能性がある構成であったが、下入賞口33bへの入球でも「特殊確変」が発生し得るように構成してもよい。尚、かかる構成を採用する場合、「特殊確変」の発生する割合(振分け率)が異なるように(例えば上入賞口33aへ入球したときの方が下入賞口33bへ入球したときよりも特殊確変が発生しやすいように)構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、始動入球手段が2つ(上入賞口33a及び下入賞口33b)設けられているが1つでもよいし、3つ以上設けてもよい。また、上入賞口33aに遊技球が入球した場合に払出される遊技球の数と、下入賞口33bに入球した場合に払出される遊技球の数とが異なることとしてもよい。加えて、上記実施形態では、始動入球手段(上入賞口33a及び下入賞口33b)が上下に並んで配置され、かつ、通常モードにおいては、下入賞口33bへの入球がほとんど望めない構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、2つの始動入球手段を左右に配置してもよいし、開閉部材33cを省略してもよい。
(h)上記実施形態では、上入賞口33aへの入球に基づく第1変動表示よりも、下入賞口33bへの入球に基づく第2変動表示の方が優先して消化されるように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、上入賞口33a及び下入賞口33bに入球があった順番通りに対応する変動表示が実行される構成としてもよい。
(i)上記実施形態では、本体部401が透明な樹脂により構成されていたが、半透明又は不透明の(着色された)樹脂により構成してもよい。また、上記実施形態では、操作部材404が着色された(不透明の)樹脂により構成されているが、透明又は半透明の樹脂により構成してもよい。ちなみに、本体部401及び操作部材404を透明な樹脂により構成した場合、外部端子板240越しに外部端子板240の裏側(前面側)を視認し易くなるため、外部端子板240の裏側や中継基板491の裏側に不正な基板が配設された場合に、かかる不正基板をより早期に発見することができるといった作用効果が奏される。尚、上記実施形態のように、左右に並ぶ操作部材404の色を異ならせる(配線の色と対応させる)ことによって、操作部材404を全て透明(全て同じ色)の樹脂で構成する場合に比べ、配線と差込み部402との対応関係を把握し易く、配線の接続作業性の向上を図ることができる。尚、操作部材404の色を全て同じにした場合であっても、左右方向に並ぶ差込み部402の周縁部の色を異ならせるようにして本体部401を構成した場合には、同様の作用効果が奏される。また、例えば、色を異ならせるのではなく、操作部材404や差込み部402の周縁部に対応する記号、番号、文字(例えば、対応する配線の色が黄色なら「Y」、青なら「B」等)等を付しても同様の作用効果が奏される。
また、上記実施形態では、底壁部411、隔壁部412、柱部413、及び天壁部414を具備する本体部401が一体形成されているが、複数の部材を組付けて構成してもよい。但し、上記実施形態のように、本体部401を一対の金型で成形できるように構成することで、生産性の向上、製造コストの削減、省資源化等を図ることができる。
加えて、上記実施形態では、上下方向において、第1操作部材404aの操作部452の位置と第2操作部材404bの操作部476の位置とがずれている(第1操作部材404aの操作部452の方が本体部401外周側に位置している)が、前後方向(操作部404の操作方向)において両操作部452、476の位置がずれていれば、上下方向における位置を揃えてもよい。この場合、若干操作性は低下するが、隣接する操作部材404を変位させることなく操作部材404を操作することができる。また、当該構成を採用する場合、中継基板491を収容するボックス490において外部端子板240を後方に露出させるために形成された開口部周縁と、外部端子板240との間の隙間を極力小さくすることもできる。
(j)上記実施形態では、差込み部402を挟んで上下に対向配置される操作部材404は同じ種類の操作部404(404a、404b)であったが、異なる種類の操作部材404を上下に対向配置させることとしてもよい。すなわち、第1操作部材404aと第2操作部材404bとが差込み部402を挟んで上下に対向配置されることとなる。
(k)上記実施形態では、左右方向において第1操作部材404aと第2操作部材404bとが隣り合うように交互に配設されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、背面視で左側から「第2操作部材404b」(以下単に「第2」と記載する)、「第1操作部材404a」(以下単に「第1」と記載する)、「第1」、「第2」、「第1」、「第1」、「第2」、「第1」、「第1」、「第2」の順に配置されていること、すなわち、「第2」と「第2」との間に2つの「第1」が存在するように配置されていることとしてもよい。また、例えば、背面視で左側から「第1」、「第2」、「第2」、「第1」、「第2」、「第2」、「第1」、「第2」、「第2」、「第1」の順に配置されていること、すなわち、「第1」と「第1」との間に2つの「第2」が存在するように配置されていることとしてもよい。さらに、例えば、背面視で左側から「第1」、「第2」、「第2」、「第1」、「第1」、「第2」、「第2」、「第1」、「第1」、「第2」の順に配置されていること、すなわち、「第1」及び「第2」がそれぞれ2つずつ交互に配置されていることとしてもよい。
上記のように同種の操作部材404が3つ以上左右に並ばないようになっていれば、所定の操作部材404(404a、404b)に関し、同種の操作部材404が隣接している側にはスペース(操作部材404を操作する際に指等を進入させるスペース)がないものの、異種の操作部材404が隣接している側にはスペース(隣接する操作部材404を意図することなく操作してしまうといった事態を回避するのに十分なスペース)ができる。このため、基本的に上記実施形態と同様の作用効果が奏される。但し、操作部452、476を指で操作する場合に、指の平の中心で操作部452、476を押そうとすると、隣接する同種の操作部材404の操作部452、476に指が接触してしまうおそれがあるため、操作性・作業性の向上の観点からすれば、上記実施形態のように、左右方向において第1操作部材404aと第2操作部材404bとが隣り合うように交互に配設されていることが望ましい。
(l)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。尚、スロットマシンに適用する場合、例えば、スタートレバー操作時、各停止ボタンの操作時、ベットボタン操作時、ボーナス時、メダル払い出し時、エラー発生(不正検知)時、扉開放時、リプレイ確率等がアップしたモード中等において、それぞれ主制御装置から外部端子板を介して外部機器に信号が出力される。
(m)上記第2実施形態では、第1操作部材404aの延長部442は、第1辺部446と第2辺部447と第3辺部448とを備えているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、上記第1実施形態と同様に、延長部442をほぼ直線状に構成してもよい。この場合、第2操作部材404bを操作しても、前後方向(操作部404の操作方向)において第2操作部材404bの操作部476が第1操作部材404aの操作部452よりも後方に位置するよう構成することができる。
また、上記第2実施形態では、第2操作部材404bの第3辺部473(操作部476)が本体部401内周側(天壁部414の差込み孔422側)に突出するようにして設けられているが、第1実施形態のように、本体部401外周側に突出するようにして設けてもよい。
(n)また、上記第2実施形態では、第1操作部材404aのうち左右方向において第2操作部材404bの操作部476と隣接している部位である第1辺部446と、第2操作部材404bの操作部476との前後位置がずれているが、このように前後位置をずらさなくても第2操作部材404bの操作部476を、隣接する第1操作手段404aに触れることなく操作できるように構成することも可能である。以下、かかる構成について、図43〜図47を参照して説明する。尚、基本構成については、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略するとともに、同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。
図43、図44等に示す外部端子板240の第1操作部材404aは、延長部442の中間位置が細くなっている。具体的に、図46に示すように、延長部442のうち、ばね受部451、第1段差部457、及び、第2段差部458が形成された基端部側(基部441との連接部側)の部位と、操作部452が形成された先端部側の部位とは、上記第1実施形態と同様に左右方向において基部441よりも幅広に構成されているが、第1段差部457及び第2段差部458と操作部452との間の部位は、左右方向中央部を残すようにして左右両側部が凹状に形成されることで細く構成されている。以下、延長部442の中間位置の細く形成された部位を薄肉部449と称する。このように、第1操作部材404aに薄肉部449が形成されることにより、第2操作部材404bを挟んで左右に隣り合う一対の第1操作部材404aに関し、薄肉部449間において比較的大きなスペースを形成することができる。
図45、図47に示すように、第2操作部材404bは、上記第1実施形態の第1操作部材404aの延出部442を短くしたような(第1実施形態の第2操作部材404bの第2辺部472及び第3辺部473を省略したような)形状をなし、第2操作部材404bの非操作状態において天壁部414の上辺部又は下辺部に当接する第1突部478に連接して操作部476が設けられている。つまり、第2操作部材404bの延出部462は、第1操作部材404aの延出部442よりも短く、図43、図45等に示すように、第2操作部材404bの操作部476は、左右方向において第1操作部材404aの薄肉部449と隣接している。
そして、図45(b)に示すように、第2操作部材404bの操作部476を前方に押圧操作することで、第2操作部材404bが回動変位し、対応する差込み部402に関して配線を差込み可能な状態となる。上記のように当該第2操作部材404bの両側方に隣接する第1操作部材404aの薄肉部449間に比較的大きなスペースが形成されているため、第2操作部材404bを操作する指が第1操作部材404aに触れないように第2操作部材404bを変位させることができる。また、第2操作部材404bの操作に際し、第2操作部材404bの操作部476と第1操作部材404aの操作部452との接触を避けるのはもちろんのこと、第2操作部材404bの操作部476を操作する指が第1操作部材404bの操作部452に触れないように第2操作部材404bを変位させることができる程度に、第1操作部材404aの操作部452と第2操作部材404bの操作部476とが上下に離間している。本実施形態では、第2操作部材404bを操作して、対応する差込み部402へ配線を差込み可能な状態とした場合、上下方向において、第2操作部材404bの操作部476の本体部401外周側端縁が、第1操作部材404aの操作部452の本体部401内周側端縁とほぼ同じ位置となる。さらに、第2操作部材404bがかかる姿勢となった場合、第2操作部材404bが規制壁部438に当接し、それ以上の変位が規制される。尚、第2操作部材404bの操作部476が、上下方向において、非操作状態にある第1操作部材404aの薄肉部449の形成範囲内でのみ変位可能に構成されることとしてもよい。
以上のように、第1操作部材404aの操作部452が第2操作部材404bの操作部476よりも本体部401外周側に位置するとともに、第1操作部材404aのうち左右方向において第2操作部材404bの操作部476と隣接する部位に薄肉部449が形成されることによって、第1操作部材404aの操作部452の周りにはもちろんのこと、第2操作部材404bの操作部476の周りにも、スペースを形成することができる。このため、操作部452、476の操作性の低下を抑制しつつ、操作部材404を近接配置して外部端子板240の大型化を抑止するといった作用効果が十分に奏される。
また、第1操作部材404aの操作部452の横幅が維持されることにより、操作部452の操作面積が小さくなることに起因して操作部452を操作しにくくなってしまったり、操作部452を操作する指に比較的大きな負担がかかってしまったりしてしまうといった事態を防止することができる。さらに、第1操作部材404aの延長部442のうち差込み部402の内側に位置する部位の横幅が維持されることにより、上記第1実施形態と同様に、第1操作部材404aの変位がガイドされるといった作用効果が奏される。
尚、当該(n)の構成においても、第2操作部材404bの操作部476が、第1操作部材404aのうち左右方向において第2操作部材404bの操作部476と隣接している部位(薄肉部449)よりも後方に位置するように構成してもよい。この場合、第2操作部材404bの操作に際し第1操作部材404aを誤って操作してしまうといった事態をより確実に抑制することができる。態様例として、第2操作部材404b(及び第1操作部材404a)の操作部476(及び452)を本体部401の後面よりも後方に突出形成することとしてもよい。
(o)また、上記第2実施形態のように、第2操作部材404bの操作部476を操作した場合、操作部材404a、404bを左右方向から見て、第2操作部材404bの操作部476が第1操作部材404aと重なる前の段階で、当該第2操作部材404bに対応する差込み部402に対し配線が差し込める状態となるといった構成を採用する場合、左右方向において第1操作部材404aの操作部452の形成範囲と第2操作部材404bの操作部476の形成範囲とが一部重なるように、第1操作部材404a及び第2操作部材404bの操作部452、476を左右方向において幅広に構成する(操作部476の直上方や直下方にまで操作部452が張り出すように構成する)ことも可能である。この場合、各操作部材404a、404bの操作時に操作部材404a、404b同士が接触してしまうといった事態を回避しつつ、操作部452、476の操作性を向上させることができる。また、上記(n)のように、第1操作部材404aのうち左右方向において第2操作部材404bの操作部476と隣接する部位が薄肉部449として構成され、第2操作部材404bを操作しても第1操作部材404aと接触しないように構成される場合においても、左右方向において両操作部材404a、404bの操作部452、476の形成範囲が一部重なるように構成することも可能である。
(p)上記実施形態では、本体部401の長手方向が左右方向となるようにして外部端子板240が取付けられているが、特にこのような構成に限定されることはなく、例えば、本体部401の長手方向が上下方向となるようにして外部端子板240を取付けることとしてもよい。また、上記実施形態では、本体部401が略矩形状をなしているが、特にこのような形状に限定されるものではなく、例えば、本体部401を略円形状に構成することとしてもよい。この場合、例えば、差込み部402は本体部401の外周縁に沿って並ぶようにして形成され、操作部材404は本体部401から放射状に突出するようにして設けられることとしてもよい。さらに、上記実施形態では、差込み部402への配線の差込み方向が前後方向となるように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、差込み部402への配線の差込み方向が左右方向又は上下方向となるように(水平方向又は鉛直方向だけでなく斜めの方向も含む)構成してもよい。但し、上記実施形態のように、差込み部402への配線の差込み方向を前後方向とすることで、パチンコ機10の後面側に取付けられる外部端子板240への配線の接続作業を比較的容易に行うことができる。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
一般に、パチンコ機等の遊技機には、背面側において、遊技機からホールコンピュータ等の外部機器に遊技機の状態を示す信号を出力するための外部出力手段(外部端子板)が設けられている(例えば、特開2009−061067号公報参照)。遊技機から外部機器に出力される信号としては、例えば、大当たりの発生を示す信号、遊技機に設けられる扉体(内枠や前面枠セット)の開放を示す信号、エラー状態の発生(不正行為の検知)を示す信号等があり、遊技機の管理や、遊技機設置島において各遊技機に個別に対応して設置され、遊技者に本日の通算の大当たり回数等を教示するデータカウンタ装置の表示等に利用される。
さらに、遊技機から外部機器に出力される信号が示す情報は、上記のように、大当たりの発生、エラー状態の発生など複数種類存在し、各種情報を示す信号は、別々の配線を介して外部機器に出力されることとなる。
ところで、外部端子板のコンパクト化や、前記各種情報が増加した場合等に外部端子板の大型化の抑止等を図ろうとすると、外部端子板に外部機器からの配線を接続する際の作業性の低下等を招くことが懸念される。
なお、上述した課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、コンパクト化又は大型化の抑制を図る場合等であっても接続作業性の低下を抑制することのできる外部出力手段を備えた遊技機を提供することにある。
手段1.外部機器からの配線が差し込まれる差込み部を複数備えた本体部と、
前記差込み部に対応させて設けられ、所定の電気信号を前記外部機器からの配線に伝導する端子部と、
前記本体部に対して変位可能に取付けられ、前記差込み部に差し込まれた配線を前記端子部に接触させた状態で保持可能な保持状態と、前記差込み部に対する配線の抜き差しを許容する非保持状態とに状態変化可能な保持手段と、
前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させることのできる操作手段とを具備し、
前記端子部、前記保持手段、及び前記操作手段が、前記各差込み部に対応して複数設けられた外部出力手段を備え、
前記操作手段は、前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させる際に操作される操作部を備え、
前記操作手段のうち第1操作手段の操作部と第2操作手段の操作部とは、前記本体部から離間する方向において位置がずれていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、第1操作手段の操作部の位置と、第2操作手段の操作部の位置とが、本体部から離間する方向においてずれている。このため、第1操作手段と第2操作手段とを近接配置しても、各操作手段の操作部の周りに一定のスペースを確保しやすく、各操作手段の操作部を比較的スムースに操作することができる。従って、各操作手段の操作部への操作性を向上させつつ、互いに隣接する操作手段同士、ひいては、差込み部同士を近接配置することができ、外部出力手段のコンパクト化を図ることができる。また、外部出力手段のコンパクト化を図るべく端子部の数を減らすといった必要もなく、端子部の数の減少に伴って防犯性の低下や遊技者に対するサービスの低下を招いてしまうといった事態を回避することができる。もちろん、外部出力手段が大型化することでその他の部材の設置スペースの狭小化を招いてしまうといった事態を抑止しつつ、端子部の数を増やすこともできる。
尚、保持手段及び操作手段が一体的に形成されていることとしてもよいし、保持手段及び操作手段が別体として構成されるとともに、操作手段の操作に保持手段が連動することとしてもよい。また、前記保持手段を前記保持状態となる側に付勢する付勢手段を備えていることとしてもよい。この場合、非保持状態にある保持手段を保持状態とする際の作業性の向上を図ることができる上、保持手段を保持状態で維持するための構成(係止手段等)を別途用意する必要がなくなり、構成の簡素化を図ることができる。尚、外部出力手段と電気的に接続される外部機器としては、例えば、遊技ホールのホールコンピュータが挙げられる。
手段2.外部機器からの配線が差し込まれる差込み部を複数備えた本体部と、
前記差込み部に対応させて設けられ、所定の電気信号を前記外部機器からの配線に伝導する端子部と、
前記本体部に対して変位可能に取付けられ、前記差込み部に差し込まれた配線を前記端子部に接触させた状態で保持可能な保持状態と、前記差込み部に対する配線の抜き差しを許容する非保持状態とに状態変化可能な保持手段と、
前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させることのできる操作手段とを具備し、
前記端子部、前記保持手段、及び前記操作手段が、前記各差込み部に対応して複数設けられた外部出力手段を備え、
前記操作手段は、前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させる際に操作される操作部を備え、
前記操作手段のうち第1操作手段の操作部と第2操作手段の操作部とは、前記差込み部への配線の差込み方向に対して交差する方向において位置がずれていることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、第1操作手段の操作部の位置と、第2操作手段の操作部の位置とが、差込み部への配線の差込み方向に対して交差する方向(本体部の外周方向)においてずれている。従って、基本的に上記手段1と同様の作用効果が奏される。
手段3.前記操作手段は特定方向に並ぶようにして設けられ、
前記第1操作手段の操作部は、前記差込み部への配線の差込み方向に対して交差する方向において、前記第2操作手段の操作部よりも前記本体部から離間した側に位置し(前記第1操作手段の操作部は前記第2操作手段の操作部よりも前記本体部外周側に位置し)、
前記第1操作手段のうち前記第2操作手段の操作部と前記特定方向において隣接している部位は、前記第2操作手段の操作部よりも、前記第2操作手段の操作方向先方側に位置していることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
手段3によれば、第1操作手段のうち第2操作手段の操作部と特定方向において隣接している部位が第2操作手段の操作部よりも第2操作手段の操作方向先方側に位置しているため、第1操作手段と第2操作手段とを近接配置しても、第2操作手段の操作部の周りに確実にスペースを形成することができる。従って、上記手段1、2の作用効果が確実に奏される。尚、第1操作手段の操作部は、第2操作手段の操作部よりも、差込み部への配線の差込み方向に対して交差する方向において本体部から離間した側(本体部外周側)に位置していることから、第1操作手段の操作部の周りには操作用スペースを確実に確保することができる。
手段4.前記第2操作手段の操作部を操作した場合、前記第1操作手段及び前記第2操作手段を前記特定方向から見て、前記第2操作手段の操作部が前記第1操作手段と重なる前の段階で、当該第2操作手段に対応する前記保持手段が非保持状態とされることを特徴とする手段3に記載の遊技機。
例えば、第2操作手段に対応する保持手段を非保持状態とするために、第2操作手段の操作方向において、第2操作手段の操作部が隣接する第1操作手段を通り超すまで第2操作手段の操作部を押込む必要がある場合、第2操作手段の操作部を操作する作業者の指等が隣接する第1操作手段に引っ掛かってしまうおそれがある。この場合、隣接する第1操作手段が意図することなく操作されてしまい、当該第1操作手段に対応する保持手段が非保持状態となって、対応する差込み部から配線が抜けてしまうおそれがある。また、第2操作手段を操作して対応する保持手段が非保持状態となる前に、作業者の指が第1操作手段に接触することに起因して、同操作が阻害され、作業性の低下を招くことが懸念される。
これに対し、本手段4によれば、第2操作手段の操作部を操作した場合に、第2操作手段の変位方向において、第2操作手段の操作部が第1操作手段の手前側にある段階で、第2操作手段に対応する保持手段が非保持状態とされ、差込み部において外部機器からの配線を差し込めるスペースが形成された状態となる。従って、隣接する第1操作手段を変位させることなく、第2操作手段に対応する端子部に外部機器からの配線を接続することができ、上記不具合を抑止することができる。
尚、当該手段を採用することで、各操作手段の操作時に操作手段同士が接触してしまうといった事態を回避しつつ、前記特定方向において前記第1操作手段の操作部の形成範囲と前記第2操作手段の操作部の形成範囲とが一部重なるように、第1操作手段及び第2操作手段の操作部を特定方向において幅広に構成することも可能である。この場合、操作部が操作しやすくなる。
手段5.前記外部出力手段は、前記第2操作手段の操作部が操作されて当該第2操作手段に対応する前記保持手段が非保持状態とされた後、前記第1操作手段及び前記第2操作手段を前記特定方向から見て、前記第2操作手段の操作部が前記第1操作手段と重なる前の段階で、前記第2操作手段のそれ以上の変位を制限する制限手段を備えていることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
手段4によれば、作業者が第2操作手段の操作部を勢いよく操作しても、制限手段によって第2操作手段の操作部が隣接する第1操作手段を通り超していくといった事態が防止される。このため、第2操作手段の操作部を操作する際に、意図することなく隣接する第1操作手段が操作されてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
手段6.前記操作手段は特定方向に並ぶようにして設けられ、
前記第1操作手段の操作部は、前記差込み部への配線の差込み方向に対して交差する方向において、前記第2操作手段の操作部よりも前記本体部から離間した側に位置し(前記第1操作手段の操作部は前記第2操作手段の操作部よりも前記本体部外周側に位置し)、
前記第1操作手段のうち前記第2操作手段の操作部と前記特定方向において隣接している部位は、前記特定方向における幅が当該第1操作手段の操作部の幅よりも小さく構成されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
手段6によれば、第1操作手段のうち第2操作手段の操作部と特定方向において隣接している部位の幅が、当該第1操作手段の操作部の幅よりも小さくなっているため、第1操作手段と第2操作手段とを近接配置しても、第2操作手段の操作部の周りに確実にスペースを形成することができる。従って、上記手段1、2の作用効果が確実に奏される。
手段7.前記本体部は、前記特定方向に沿って2列で並ぶ複数の前記差込み部を備え、
前記第2操作手段の操作部は、前記本体部よりも前記差込み部への配線の差込み方向手前側に位置し、
前記特定方向に直交する方向において前記第1操作手段及び前記第2操作手段のうち異種の操作手段が前記差込み部を挟んで対向配置されていることを特徴とする手段3乃至6のいずれかに記載の遊技機。
手段7によれば、第2操作手段の操作部が本体部よりも差込み部への配線の差込み方向手前側に位置しているため、第2操作手段の操作部を本体部から離間させることができる。これにより、第2操作手段の操作部への操作に際し、操作する指が本体部に接触して操作性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。さらに、第2操作手段の操作部を本体部から第1操作手段の操作部に近付く側である本体部外周側に離間させなくても第2操作手段の操作部と本体部とを離間させることができるため、第1操作手段の操作部と第2操作手段の操作部との間の距離が短くなってしまったり、或いは、かかる距離が短くならないように、第1操作手段の操作部を本体部から本体部外周側に大きく離間させることで外部出力手段の大型化を招いてしまったりするといった事態を抑制することができる。
また、第2操作手段の操作部を極力本体部の内周側(差込み部への配線の差込み方向に対して交差する方向において本体部の近く)に位置させることで、外部出力手段の大型化を抑制しつつ、本体部の外周方向において第1操作手段の操作部と第2操作手段の操作部とを極力離間させることができるが、例えば、差込み部を挟んで第2操作手段と第2操作手段とが差込み部を挟んで対向配置される場合、かかる一対の第2操作手段の操作部間の距離が小さくなり、その間にある差込み部への配線の接続作業性が低下してしまうおそれがある。これに対し、本手段7によれば、差込み部を挟んで異種の操作手段、すなわち、第1操作手段と第2操作手段とが特定方向に直交する方向において対向配置されるため、特定方向に直交する方向における操作部間の距離が小さくなることに起因して接続作業性の低下を招くといった事態を防止することができる。
尚、「前記第2操作手段の操作部は、前記第2操作手段が操作状態及び非操作状態のいずれの状態にあっても、前記差込み部への配線の差込み方向において前記差込み部と重ならないこと」としてもよい。さらに、「前記第2操作手段の操作部の操作方向は、前記差込み部への配線の差込み方向と同一の方向を含むこと」としてもよい。これらの構成を採用する場合、第2操作手段に対応する差込み部への配線の接続作業性の向上を図ることができる。
手段8.前記第1操作手段の操作部の操作方向は、前記第2操作手段の操作部の操作方向と同一の方向を含み、
前記第1操作手段及び前記第2操作手段は、前記第1操作手段及び前記第2操作手段の操作部が前記第1操作手段及び前記第2操作手段の操作方向において同じ位置又はほぼ同じ位置となるように相対配置されていることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
手段8によれば、第1操作手段及び第2操作手段の操作部の操作方向を揃えることで、配線の端子部への接続作業性を向上させることができる。また、例えば、操作手段の操作方向において第1操作手段の操作部の位置と第2操作手段の操作部の位置とがずれていると、操作手段の操作方向先方側に位置している方の操作部の操作に関し、手前側の操作部を避けながら、操作手段の操作方向へより深く押込む必要があるため、操作性の低下を招くおそれがある。これに対し、手段8によれば、操作手段の操作方向において第1操作手段の操作部の位置と第2操作手段の操作部の位置とが同じ又はほぼ同じとなるように構成されている。このため、上記不具合を解消することができ、接続作業性の向上を図ることができる。
手段9.外部機器からの配線が差し込まれる差込み部を複数備えた本体部と、
前記差込み部に対応させて設けられ、所定の電気信号を前記外部機器からの配線に伝導する端子部と、
前記本体部に対して変位可能に取付けられ、前記差込み部に差し込まれた配線を前記端子部に接触させた状態で保持可能な保持状態と、前記差込み部に対する配線の抜き差しを許容する非保持状態とに状態変化可能な保持手段と、
前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させることのできる操作手段とを具備し、
前記端子部、前記保持手段、及び前記操作手段が、前記各差込み部に対応して複数設けられた外部出力手段を備え、
前記操作手段は、前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させる際に操作される操作部を備え、
前記操作手段のうち第1操作手段の操作部と第2操作手段の操作部とは位置がずれていることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、第1操作手段の操作部の位置と、第2操作手段の操作部の位置とがずれている。このため、第1操作手段と第2操作手段とを近接配置しても、各操作手段の操作部の周りに一定のスペースを確保しやすく、各操作手段の操作部を比較的スムースに操作することができる。従って、各操作手段の操作部への操作性を向上させつつ、互いに隣接する操作手段同士、ひいては、差込み部同士を近接配置することができ、外部出力手段のコンパクト化を図ることができる。また、外部出力手段のコンパクト化を図るべく端子部の数を減らすといった必要もなく、端子部の数の減少に伴って防犯性の低下や遊技者に対するサービスの低下を招いてしまうといった事態を回避することができる。もちろん、外部出力手段が大型化することでその他の部材の設置スペースの狭小化を招いてしまうといった事態を抑止しつつ、端子部の数を増やすこともできる。
手段10.外部機器からの配線が差し込まれる差込み部を複数備えた本体部と、
前記差込み部に対応させて設けられ、所定の電気信号を前記外部機器からの配線に伝導する端子部と、
前記本体部に対して変位可能に取付けられ、前記差込み部に差し込まれた配線を前記端子部に接触させた状態で保持可能な保持状態と、前記差込み部に対する配線の抜き差しを許容する非保持状態とに状態変化可能な保持手段と、
前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させることのできる操作手段とを具備し、
前記端子部、前記保持手段、及び前記操作手段が、前記各差込み部に対応して複数設けられた外部出力手段を備え、
前記操作手段は、前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させる際に操作される操作部を備え、
特定方向に並ぶようにして設けられた前記操作手段のうち第1操作手段の操作部と第2操作手段の操作部とは、前記特定方向に対して交差する方向において位置がずれていることを特徴とする遊技機。
手段10によれば、基本的に手段9と同様の作用効果が奏される。尚、必ずしも特定方向において第1操作手段の両側方に第2操作手段が隣接していなくてもよく、少なくとも第1操作手段の一側方に第2操作手段が隣接するよう構成すれば、操作手段の操作部の周りにスペースを確保するといった作用効果が十分に奏される。もちろん、第1操作手段の両側方に第2操作手段を隣接させることで、かかる作用効果が一層確実に奏される。尚、「特定方向に並ぶようにして設けられた前記操作手段のうち、前記特定方向において第1操作手段の少なくとも一側部側に隣接する第2操作手段の操作部と、前記第1操作手段の操作部とは、前記特定方向に対して交差する方向において位置がずれていること」としてもよい。
手段11.外部機器からの配線が差し込まれる差込み部を複数備えた本体部と、
前記差込み部に対応させて設けられ、所定の電気信号を前記外部機器からの配線に伝導する端子部と、
前記本体部に対して変位可能に取付けられ、前記差込み部に差し込まれた配線を前記端子部に接触させた状態で保持可能な保持状態と、前記差込み部に対する配線の抜き差しを許容する非保持状態とに状態変化可能な保持手段と、
前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させることのできる操作手段とを具備し、
前記端子部、前記保持手段、及び前記操作手段が、前記各差込み部に対応して複数設けられた外部出力手段を備え、
前記操作手段は、前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させる際に操作される操作部を備え、
前記操作手段のうち第1操作手段の操作部と第2操作手段の操作部とは、前記第1操作手段及び前記第2操作手段の操作方向(変位方向)において位置がずれていることを特徴とする遊技機。
手段11によれば、第1操作手段及び第2操作手段の操作方向において、第1操作手段の操作部の位置と、第2操作手段の操作部の位置とがずれている。このため、操作手段同士を近接配置しても、各操作手段の操作部の周りに一定のスペースを確保しやすく、各操作手段の操作部を比較的スムースに操作することができる。従って、各操作手段の操作部への操作性を向上させつつ、互いに隣接する操作手段同士、ひいては、差込み部同士を近接配置することができ、外部出力手段のコンパクト化を図ることができる。また、外部出力手段のコンパクト化を図るべく端子部の数を減らすといった必要もなく、端子部の数の減少に伴って防犯性の低下や遊技者に対するサービスの低下を招いてしまうといった事態を回避することができる。もちろん、外部出力手段が大型化することでその他の部材の設置スペースの狭小化を招いてしまうといった事態を抑止しつつ、端子部の数を増やすこともできる。
手段12.外部機器からの配線が差し込まれる差込み部を備えた本体部と、
前記差込み部に対応して設けられ、所定の制御手段からの電気信号を前記外部機器からの配線に伝導する端子部と、
前記本体部に対して変位可能に取付けられ、前記差込み部に差し込まれた配線を前記端子部に接触させた状態で保持可能な保持状態と、前記差込み部に対する配線の抜き差しを許容する非保持状態とに状態変化可能な保持手段と、
前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させることのできる操作手段とを具備し、
前記本体部は、特定方向に沿って並ぶ少なくとも3つ以上の前記差込み部を備えるとともに、前記端子部、前記保持手段、及び前記操作手段が、前記各差込み部に対応して複数設けられた外部出力手段を備え、
前記操作手段は、前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させる際に操作される操作部を備え、
前記特定方向において互いに隣接する前記操作手段のうち一方側である第1操作手段の操作部と、他方側である第2操作手段の操作部とは、前記第1操作手段及び前記第2操作手段の操作方向(変位方向)において位置がずれていることを特徴とする遊技機。
手段12によれば、基本的に上記手段11と同様の作用効果が奏される。
尚、互いに隣接する操作手段とは、所定の差込み部に対応して設けられた操作手段と、特定方向において前記所定の差込み部に隣接する差込み部に対応して設けられた操作手段とを意味する。尚、「前記特定方向において互いに隣接する前記操作手段のうち一方側である第1操作手段、及び他方側である第2操作手段は、前記第1操作手段の操作部と前記第2操作手段の操作部とが、前記第1操作手段及び前記第2操作手段の操作方向において、所定距離(両操作部間に指を差し込めるだけの距離)を隔てるようにして設けられていること」としてもよい。この場合、第1操作手段の操作部及び第2操作手段の操作部の周りにそれぞれより多くのスペースを確保することができ、上記作用効果が一層確実に奏される。
手段13.前記第2操作手段は、対応する前記保持手段を前記非保持状態とするべく当該第2操作手段の操作部を操作することで、当該操作部が前記第1操作手段(の操作部)に近付く方向に変位する構成であって、
前記第2操作手段の操作部を操作した場合に、前記第2操作手段の操作部が、前記第2操作手段の変位方向において、非操作状態にある前記第1操作手段(の操作部)を通り越す前の段階で、前記第2操作手段に対応する前記保持手段が前記非保持状態とされ、対応する前記差込み部に前記外部機器からの配線を差し込み可能となることを特徴とする手段9乃至12のいずれかに記載の遊技機。
例えば、第2操作手段に対応する保持手段を非保持状態とするために、操作手段の操作方向において、第2操作手段の操作部が隣接する第1操作手段(の操作部)を通り超すまで第2操作手段の操作部を押込む必要がある場合、第2操作手段の操作部を操作する作業者の指等が隣接する第1操作手段(の操作部)に引っ掛かってしまうおそれがある。この場合、隣接する第1操作手段(の操作部)が意図することなく操作されてしまい、当該第1操作手段に対応する保持手段が非保持状態となって、対応する差込み部から配線が抜けてしまうおそれがある。また、第2操作手段を操作して対応する保持手段が非保持状態となる前に、作業者の指が第1操作手段(の操作部)に接触することに起因して、同操作が阻害され、作業性の低下を招くことが懸念される。
これに対し、本手段13によれば、第2操作手段の操作部を操作した場合に、第2操作手段の操作部が、第2操作手段の変位方向において、第1操作手段(の操作部)の手前側又は同じ位置で、第2操作手段に対応する保持手段が非保持状態とされ、差込み部において外部機器からの配線を差し込めるスペースが形成された状態となる。従って、隣接する第1操作手段を変位させることなく、第2操作手段に対応する端子部に外部機器からの配線を接続することができ、上記不具合を抑止することができる。
尚、「前記保持状態にある前記保持手段を前記非保持状態とする際の前記第1操作手段の操作方向及び前記第2操作手段の操作方向は同一方向を含むこと」としてもよい。この場合、第1操作手段の操作部の操作方向と、第2操作手段の操作部の操作方向とが同じであるため、外部機器からの配線の端子部への接続作業性を向上させることができる。尚、ここで言う「操作方向が同じ」とは、必ずしも操作の軌道が全く同じことを意味しているのではなく、例えば、第1操作手段の操作方向が前方で、第2操作手段の操作方向が前上方といった具合に、少なくとも同一方向を含んでいればよい。つまり、第1操作手段及び第2操作手段の操作部に対してどちらも同じ方向に力を加えることで、どちらの操作手段も変位させることが可能であり、当該変位によって対応する保持手段を非保持状態とすることが可能である。また、「前記第1操作手段は、対応する前記保持手段を前記非保持状態とするべく当該第1操作手段の操作部を操作することで、当該操作部が前記第2操作手段(の操作部)から遠ざかる方向に変位すること」としてもよい。この場合、第1操作手段に関しては、操作に際して隣接する第2操作手段に近接しないため、接触を気にすることなく操作を行うことができる。
手段14.前記第2操作手段の前記保持手段を前記非保持状態とする側への変位量を制限する制限手段が設けられ、
前記制限手段により前記第2操作手段の変位が制限された状態において、前記第2操作手段の操作部は、前記第2操作手段の操作方向において、前記第1操作手段の操作部の手前側又は同じ位置に位置するように構成されていることを特徴とする手段13に記載の遊技機。
手段14によれば、制限手段により第2操作手段の変位量が制限され、作業者が第2操作手段の操作部を勢いよく操作しても、制限手段によって第2操作手段の操作部が隣接する第1操作手段(の操作部)を通り超していくといった事態が防止される。つまり、制限手段により第2操作手段の変位が制限された状態において、第2操作手段の操作部は、第2操作手段の操作方向において、第1操作手段(の操作部)の手前側又は同じ位置に位置するようになる。このため、第2操作手段の操作部を操作する際に、意図することなく隣接する第1操作手段(の操作部)が操作されてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
手段15.前記制限手段により前記第2操作手段の変位が制限された状態において、前記第2操作手段の操作部は、前記第2操作手段の操作方向と直交する方向において、前記第1操作手段(の操作部)と一部重なる位置にあることを特徴とする手段14に記載の遊技機。
例えば、各操作手段の操作部の周りに比較的大きなスペースを確保するべく、第1操作手段の操作部と第2操作手段の操作部とを大きく離間させた場合、外部出力手段の大型化等を招くおそれがある。これに対し、本手段15によれば、かかる不具合を抑制することができる。
手段16.前記第1操作手段及び前記第2操作手段は、いずれも操作部が操作されることで、前記外部出力手段が取付けられる取付部に対して前記操作部が近付くように変位する構成であって、
前記第1操作手段の操作部は、前記非操作状態にある前記第2操作手段の操作部よりも前記差込み部への配線の差込み方向において前記本体部から離間した側(前記本体部の外周側)に位置することを特徴とする手段13乃至15のいずれかに記載の遊技機。
手段16によれば、操作手段、特に第1操作手段の操作性の向上を図ることができる。
手段17.少なくとも前記第1操作手段及び前記第2操作手段のうち一方は前記本体部に対して傾動可能に支持されており、
前記第1操作手段の操作部は、少なくとも前記第1操作手段の操作部を操作して対応する前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させた状態において、前記第2操作手段の操作部よりも前記本体部の外周側に位置し、
前記第2操作手段の操作部は、少なくとも前記第2操作手段の操作部を操作して対応する前記保持手段を前記非保持状態へと状態変化させた状態において、前記第1操作手段の操作部よりも前記差込み部への配線の差込み方向において前記本体部から離間した側(前記本体部の外周側)に位置することを特徴とする手段9乃至16のいずれかに記載の遊技機。
手段17によれば、第1操作手段又は第2操作手段の操作部を操作して対応する保持手段を非保持状態とした際に、第1操作手段又は第2操作手段の操作部を操作している指が、隣接する第2操作手段又は第1操作手段の操作部に意図することなく引っ掛かってしまうといった事態を抑止することができる。従って、意図することなく第1操作手段の操作部が操作されてしまうといった事態を防止するとともに、操作手段の操作性の向上を図ることができる。特に、手段13に対応しては、第2操作手段の操作部を操作すると、第2操作手段の操作部と第1操作手段(の操作部)とが近接することとなるが、本手段によれば、両操作部が本体部の外周方向において位置がずれるため、第2操作手段の操作部の操作時に意図することなく第1操作手段(の操作部)を操作してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
尚、第1操作手段及び第2操作手段のうち少なくとも一方の操作手段が本体部に対して傾動可能に支持されることにより、簡単な構成を採用しつつ、本手段17の作用効果が奏される外部出力手段を得ることができる。また、上記手段16に対応しては、少なくとも前記第2操作手段は前記本体部に対して傾動可能に支持されていることとしてもよい。
手段18.前記操作部の操作面から突出する指掛け部が設けられていることを特徴とする手段1乃至17のいずれかに記載の遊技機。
手段18によれば、操作部を操作する際に指掛け部に指をかけて作業を行うことができ、操作部の操作性を飛躍的に向上させることができる。特に、上記手段17に記載のように操作手段が傾動する場合には、操作部の操作面から作業者の指等が滑って外れてしまうといった事態を抑止することができる。尚、指掛け部は、操作部の操作面に対し、操作部の変位方向に対して直交する方向に延びる突条部が形成されることで構成されていることとしてもよい。この場合、操作部から作業者の指が外れる(滑る)といった事態をより確実に防止することができる。
手段19.前記操作部の操作面には、凹部が設けられていることを特徴とする手段1乃至18のいずれかに記載の遊技機。
例えば、多数の遊技機の外部出力手段に外部機器からの配線を接続する作業を続けて行う場合、作業者が操作部を直接指で操作していくと、指に比較的大きな負担がかかってしまうことが懸念される。これ対し、手段19によれば、操作部の操作面に凹部が設けられているため、凹部にドライバー等の工具の先端を差し込んで(押し当てて)操作部を操作することができる。このため、多数の遊技機の外部出力手段に外部機器からの配線を接続する作業を続けて行う場合であっても、作業者は指の疲弊を招くことなく作業を行うことができる。
特に、上記手段16に記載のように、前記第1操作手段及び前記第2操作手段がいずれも操作部を操作することで外部出力手段が取付けられる取付部に操作部が近付くように変位する場合、全ての凹部を目視可能に構成することができる上、操作部の操作を凹部に工具を当てて取付部側に押込むといった動作に統一することができるため、当該手段19の作用効果が一層確実に奏される。
手段20.前記本体部は透視性を有する材料により構成されていることを特徴とする手段1乃至19のいずれかに記載の遊技機。
手段20によれば、遊技機(主制御手段)から外部機器に出力される信号のうち、不正行為者が自身に都合の悪い信号が出力されないように、外部出力手段に細工を施す(端子部を取除く、端子部と外部機器からの配線との間に絶縁体を挟む、外部出力手段の裏側(遊技機への取付面側)に不正基板を介在させる等)といった不正行為を抑制及び早期発見することができる。
手段21.前記外部出力手段は、所定の制御手段に電気的に接続された中継基板と電気的に接続され、
前記中継基板は厚み方向に貫通する開口部を備えるとともに、前記外部出力手段は前記中継基板に対して前記開口部を覆うようにして固定された状態で遊技機に取付けられていることを特徴とする手段20に記載の遊技機。
手段21によれば、例えば、中継基板の裏側に不正な基板を設置されたとしても、外部出力手段の透明な本体部及び中継基板の開口部を介して、不正な基板が設置されていることを発見することができる。
手段22.前記外部出力手段の前記各端子部は、所定の制御手段から外部機器側への信号の出力のみを許容する信号規制手段と電気的に接続されていることを特徴とする手段1乃至21のいずれかに記載の遊技機。
手段22によれば、外部出力手段を介して、外部からの不正な信号が所定の制御手段(例えば主制御手段等)に入力されてしまうといった事態を防止することができる。尚、所定の制御手段と電気的に接続された入力側と、外部機器と電気的に接続された出力側とが電気的に絶縁された信号規制手段としてのリレーを備えた中継基板を備え、前記外部出力手段は前記リレーの出力側と電気的に接続されていることとしてもよい。この場合、当該手段22の作用効果が一層確実に奏される。尚、信号規制手段としては、例えば、フォトカプラ、フォトインタラプタ等が挙げられる。
手段23.前記操作手段は特定方向において並ぶようにして設けられるとともに、前記特定方向において前記第1操作手段と前記第2操作手段とが交互に配置されていることを特徴とする手段1乃至22のいずれかに記載の遊技機。
例えば、特定方向において等間隔で並べられる操作手段のうち、所定の操作手段の一側部側に隣接して異種の操作手段が配置され、他側部側に隣接して同種の操作手段が配置された場合、異種の操作手段が隣接している一側部側においては前記所定の操作手段の操作部の側方に比較的大きな隙間が形成されるものの、同種の操作手段が隣接している他側部側においては前記所定の操作手段の操作部の側方にあまり隙間が形成されない。このため、前記所定の操作手段の操作部を操作する場合、当該操作部に対し指を前記一側部側にずらして操作する必要が生じることが懸念され、この場合、操作性の低下(操作部に力をかけにくい)等を招くおそれがある。
これに対し、本手段23によれば、特定方向において第1操作手段と第2操作手段とが交互に配置され、同種の操作手段が隣接しないように構成されていることから、操作部を好適に操作することができ、配線の接続作業性を向上させることができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的には停止ボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的には停止ボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。