以下、本発明の一実施形態に係るドロップケーブル回収装置1について説明する。
なお、本実施形態に係るドロップケーブル回収装置1は、例えば、図28に示すように、本回線M1が配線されている電信柱Eから住宅Hへ引き込まれる引き込み線(ドロップケーブルC)を地上から回収するために用いられる装置である。なお、以下の説明において、ドロップケーブルを単にケーブルとも記載することがあるが、共に引き込み線を示すものである。
図1は、本発明の一実施形態に係るドロップケーブル回収装置1の構成を示す全体図である。
ドロップケーブル回収装置1は、切断するドロップケーブルの地上からの高さに合わせて伸縮自在の操作棒30と、その先端に、ドロップケーブルを切断し保持する回収部10とを有している。
始めに、操作棒30について図1、図3、図6及び図7を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態に示すドロップケーブル回収装置1の操作棒30は、第1操作棒31と、第1操作棒31に連結される第2操作棒33と、第2操作棒33に連結される第3操作棒35とを有する。また、第3操作棒35の先端には、回収部10が接続される接合具34(図3を参照)を有する。
第1操作棒31は、円筒形の棒状部材であり、基端部310の付近に略U字形状のステップ32を備える。ステップ32は、図6及び図7に示すように、第1操作棒31の基端部310に回動軸321を中心に回動自在に連結される。ステップ32は、ドロップケーブル回収装置1の収納時においては、図6に示すように第1操作棒31に沿って畳まれている。そして、ドロップケーブル回収装置1を用いて、ケーブル回収を行う場合には、回動軸321を中心に第1操作棒31の中心軸から、先端部322が離間する方向へ所定の角度回動し、地面と接触する。ステップ32は、この状態において、作業者により踏まれることにより操作棒30の操作角度を保持する。
第2操作棒33は、第1操作棒31よりも若干縮径した円筒形の棒状部材であり、第1操作棒31内を軸方向に摺動自在に配置される。第2操作棒33は、第1操作棒31から所定の長さを伸ばしたところで、ロックピン36が第1操作棒31の係合孔に突出し固定される。第2操作棒33の先端部331及び第1操作棒31の先端部312には、ガイド部37が設けられる。ガイド部37は、後述するカッター部200に固定され、延出される操作ひも250を操作棒30に沿って配置するためのものである。また、第2操作棒33は、その一部に操作棒30の長さを示す目盛39を備える。
第3操作棒35は、第2操作棒33よりも若干縮径した円筒形の棒状部材であり、第2操作棒33内を軸方向に摺動自在に配置される。第3操作棒35は、第2操作棒33から所定の長さを伸ばしたところで、ロックピン36が第2操作棒33の係合孔に突出し固定される。第3操作棒35の先端部351には、ブロック状の接合具34がボルト固定される(図3を参照)。第3操作棒35は、第2操作棒33と同様にその一部に操作棒30の長さを示す目盛39を備える。
このような構成を有する操作棒30は、回収が必要な引き込み線の高さに合わせて、第1操作棒31、第2操作棒33または第3操作棒35の伸縮量を調整することができる。なお、係合孔を複数設け操作棒30を所望の長さに調整可能にしてもよい。また、必要に応じて、ドロップケーブルを押し上げることができる。また、目盛39を有していることによりその時の引き込み線までのおおよその高さを計測することができる。また、第1操作棒31の基端部310にステップ32を備えていることにより、作業者の手の力だけでは操作棒30を支持することが困難な場合においても、ステップ32を踏むことにより、操作棒30を支えることができる。また、ステップ32を脚で支える構造としているため、両手を用いて操作棒30及び後述する操作ひも250を操作することができる。このため、回収動作における、安全性を確保することができるとともに、作業者の疲労を軽減することができる。
なお、本実施形態において操作棒30は、3本を連結する構成としているが、この操作棒30の構成はこれに限られない。例えば、引き込み線の高さに合わせて操作棒の連結数を増やすことも、また、一本の長さを長くすることも可能である。また、ある程度引き込み線の高さが決まっている場合には、数種の高さの繋ぎのない操作棒を採用することも出来る。操作棒の構成については、作業地域の状況等を考慮して適宜調整することができる。また、操作棒の材料としては、軽量であって、ある程度の強度を有し、絶縁性であることが好ましい。例えば樹脂材料やFRPを採用することができる。
次に、回収部10の構造について図1、図2および図3を用いてさらに詳細に説明する。なお、図1及び図2において、一点鎖線で示す仮想線Pは、後述する把持プレート110を2分し、操作棒30の軸に沿って設けられている。また、図1、図2に示すドロップケーブル回収装置1の回収部10は定位置を示している。
回収部10は、切断対象のドロップケーブルを保持し、ドロップケーブル切断時においてドロップケーブルを固定する把持部100と把持部100により固定されたドロップケーブルを切るカッター部200とを備えている。把持部100とカッター部200の配置について、簡単に説明する。図3の図示左側に示すように、操作棒30の先端部に設けられた接合具34から、操作棒30の軸方向と直交する方向に向かって固定軸40が延設されている。この固定軸40に、カッター部200及び把持部100が順番に連結される。
なお、配置される順番は、接合具34側から順に、カッター部200、把持部100である。
把持部100は、図2に示すように、把持プレート110と、抜け防止具130と、第1保持部150とを備えている。また、第1保持部150は、リンク機構170によって、後述するカッター部200と連動可能に連結されている。
把持プレート110は、矢羽根型の板状部材で内側に略V字形状のケーブルガイド111と、ケーブルガイド111のV字の頂部に連結されたU字形状の溝部112とを有する。把持プレート110は、操作棒30の先端に把持プレート110が操作棒30の中心軸と略平行になる位置で中心軸に沿って固定軸40で固定される。
ケーブルガイド111は、図2に示すように、仮想線Pに対して略対称に形成され、図示左側のガイド突起Lおよび右側部分のガイド突起Rに挟まれ、溝部112の図示上側に形成される略V字形状の空間を有する。ガイド突起Lは、ケーブルガイド111側に第1の傾斜部115Lと、段部113Lと、第2の傾斜部117Lとを有する。ガイド突起Rは、ケーブルガイド111側に第1の傾斜部115Rと、段部113Rと、第2の傾斜部117Rとを有する。
ケーブルガイド111は、溝部112の図示上側に溝部112よりも幅広に形成され、切断対象とするドロップケーブルCをスムーズに導入するためのものである。また、ガイド突起L及びガイド突起Rの第1の傾斜部115L、115Rと第2の傾斜部117L、117Rとの間に所定の幅の段部113L、113Rをそれぞれ設けることにより、操作棒30を操作して把持プレート110のケーブルガイド111へ案内されたドロップケーブルCが把持プレート110の外側へ抜けることを規制する。言い換えれば、段部113L、113Rは、ケーブルガイド111内へ導入されたドロップケーブルの返しとして機能する。なお、第1の傾斜部115L、115R、第2の傾斜部117L、117R及び段部113L、113Rの幅や、傾斜角度または長さについては、特に限定されず、回収されるケーブルの敷設されている状況や回収されるケーブルの太さ等を考慮して適宜設計される。
溝部112は、図2に示すように、ケーブルガイド111の基端側に設けられる。溝部112は、略U字形状に切り取られた凹形状の部分である。溝部112は、ケーブルガイド111から案内されたドロップケーブルCを最終的に把持プレート110に保持するための空間である。なお、溝部112の大きさについては特に定められていないが、保持されるドロップケーブルとの関係を考慮して適宜設計される。本実施形態において、溝部112は、例えば、電話線として一般的に採用されている、いわゆる1対〜6対までのドロップケーブルを収納可能として形成した。
抜け防止具130は、図2に示すように、第1の押さえ具131と、第1の付勢部材である引張コイルばね(戻りばね)133と、第1の回動端部である回動軸135とを備えている。第1の押さえ具131は、略S字型の板状部材であり、回動軸135と連結する先端部134と、先端部134の反対側に設けられる基端部136と、先端部134と基端部136とを繋げる連絡部132とを有する。先端部134は、把持プレート110のガイド突起Rの段部113Rよりも図示下側に回動軸135で回動可能に連結される。連絡部132は、例えば、第2の傾斜部117Rに沿って傾斜する。このとき基端部136は、溝部112とケーブルガイド111との接続位置(開口部120)に設けられる。また、先端部134には、回動軸135の取り付け位置よりもさらに先端側に引張コイルばね133の一端が固定される。引張コイルばね133の他端は、把持プレート110の所定の位置に固定される。引張コイルばね133は、第1の押さえ具131の基端部136を溝部112の開口部120が開く方向に付勢力を発生させる。第1の押さえ具131の基端部136は、後述する第1保持部150の先端部154に係止され、第1の押さえ具131の基端部136の底辺139が仮想線Pと略直交する位置で支持される。
このような抜け防止具130は、回動軸135を回動端部として、回動可能に支持され、第1の押さえ具131の基端部136を溝部112の開口部120を塞ぐ閉塞位置(定位置)と、溝部112の開口部120を開放する開放位置に第1の押さえ具131の位置を変化する。つまり、溝部112の開閉ゲートとして機能する。具体的には、抜け防止具130は、図2に示すように、ケーブルガイド111へ案内されたドロップケーブルによって、所定の圧力で基端部136が図示下向きに押圧されると溝部112の開口部120が開放されて、ドロップケーブルを溝部112へ挿入させる。ドロップケーブルが溝部112へ挿入されると、第1の押さえ具131に係る圧力が開放される。すると、引張コイルばね133の付勢力により、第1の押さえ具131は、所定の位置へ戻り、溝部112の開口部120を閉じる。また、本実施形態の第1の押さえ具131の底辺139は、直線により形成され、溝部112の側辺119と略直交する。このような配置にすることにより、溝部112へ導入されドロップケーブルを保持した状態で、回収部10をドロップケーブルに沿って移動するときに、保持されたドロップケーブルが、溝部112の開口部120付近で、第1の押さえ具131の基端部136の間に挟まれて動かなくなることを防止することができる。なお、本実施形態においては付勢部材として引張コイルばね133を採用しているが、付勢部材はこれに限られず、ある程度の弾性力を備え、第1の押さえ具131を溝部112の開口部120の位置で保持し、ドロップケーブルの抜け防止具として機能させることが可能なものであればよい。
第1保持部150は、図2及び図3に示すように、2枚の第2の押さえ具151と、第2の回動端部である回動軸153と、ねじりコイルばね155とを有する。また、第1保持部150は、後述するカッター部200の切断動作と連動し、第2の押さえ具151を待機位置と、溝部112へ導入されたドロップケーブルを溝部112の内底部118との間で挟持する挟持位置とに移動させるためのリンク機構170と連結される。
第2の押さえ具151は、図2に示すように鉤状を有する。第2の押さえ具151は、把持プレート110に第2の回動端部である回動軸153で連結される基端部152と、ドロップケーブルを挟持する鉤部159を備える先端部154を有する。さらに、基端部152には、第2の押さえ具151が図2に示す待機位置(定位置)にある場合において、回動軸153よりも溝部112側にリンク機構170と連結する連結部156を備える。また、先端部154には、第1の押さえ具131の基端部136が掛かり、第2の押さえ具151を挟持位置で固定する凹部157を鉤部159と反対側の外周に有している。
第2の押さえ具151は、図2に示すように、待機位置において、把持プレート110のガイド突起L側に把持プレート110の図示上方に向けて、第2の押さえ具151の先端部154が向く位置に連結される。また、第2の押さえ具151の鉤部159は、このとき溝部112側を向く位置に配置される。また、先端部154の端部は、第1の押さえ具131の基端部136の端部と当接し、第1の押さえ具131の回動を規制する。第2の押さえ具151は、かかる第1の押さえ具131からの押圧力に抗するため、回動軸153にねじりコイルばね155が設けられる。ねじりコイルばね155は、把持プレート110の両面に配置された第2の押さえ具151を背部158から溝部112の方向へ付勢する。つまり、ねじりコイルばね155は、第2の押さえ具151を仮想線P側へ付勢し、第1の押さえ具131の押圧力に抗して待機位置の姿勢を維持する。
2枚の第2の押さえ具151は、把持プレート110を挟んで把持プレート110の両面(第1の面114及び第2の面116)にそれぞれ対向配置される。2枚の第2の押さえ具151は、1つのねじりコイルばね155によりその姿勢が保持される。また、第2の押さえ具151の鉤部159の鉤形状やその大きさは、溝部112へ挿入されるケーブルの太さや材質等を考慮し、効率的にケーブルを保持することができる形状に適宜設計される。
次にカッター部200について説明する。なお、カッター部200は、溝部112へ案内されたケーブルを切断するための部材である。
カッター部200は、図2、図4及び図5に示すように、第1のカッター部材210と、第2のカッター部材220と、固定軸40とを有する。第1のカッター部材210は、第1の操作アーム213と、補助アーム219とを有する。第1の操作アーム213は、第1の刃211と第1の操作杆215を有し、第1の操作杆215の先端に第1の刃211が形成されている。補助アーム219は、第1の操作アーム213に連結され、第1の操作アーム213の第1の操作杆215を延設する部材である。補助アーム219の基端部212には、後述する定滑車217が設けられている。
第2のカッター部材220は、第2の操作アーム223と、補助アーム229とを有する。第2の操作アーム223は、第2の刃221と第2の操作杆225を有し、第2の操作杆225の先端に第2の刃221が形成されている。補助アーム229は、第2の操作アーム223に連結され、第2の操作アーム223の第2の操作杆225を延設する部材である。補助アーム229の基端部222には、後述する定滑車227が設けられている。
また、カッター部200は、第1のカッター部材210と第2のカッター部材220とを交差させた交差部分に固定軸40を有する。また、カッター部200は、図4に示すように、非切断位置(定位置)において、第1の刃211と第2の刃221との間に形成され、把持プレート110の溝部112と一部が連通する空間部230を備える。さらに、カッター部200は、一端を補助アーム219に固設し、他端を補助アーム229に固設されたねじりコイルばね240(図2参照)を有する。ねじりコイルばね240は、基端部212と基端部222とを互いに反対方向に離間させる付勢部材である。
また、補助アーム219及び補助アーム229には、図2に示すように、カッター部200の切断動作を操作する操作部材が設けられる。操作部材は、操作ひも250と、中継具として補助アーム219(第1のカッター部材210)の基端部212に定滑車217と、補助アーム229(第2のカッター部材220)の基端部222に定滑車227とを備える。操作ひも250は、定滑車217よりも第1の操作アーム213側に位置する固定端251に固定される。操作ひも250は、固定端251から延出され、定滑車227を中継し、固定端251と同じ側の定滑車217を中継した後に操作棒30の軸方向に沿って操作棒30の基端部310方向へ延出される。
このような構成を有するカッター部200は、操作棒30の基端部310へ向かって操作ひも250がねじりコイルばね240の付勢力に抗して引かれると、図5に示すように、固定軸40を回動軸として補助アーム219の基端部212及び補助アーム229の基端部222を互いに接近させる方向に回動させる。これにより、第1の刃211と第2の刃221との間の空間部230が遮断され、その間に配置されているものを切断する。なお、上記動作の終了後に操作ひも250に係る張力を開放すると、ねじりコイルばね240が復元し、カッター部200は、非切断位置まで戻る。
なお、本実施形態においては、操作部材として、操作ひも250と定滑車217、227を用いているが、操作部材はこれに限られない。例えば、補助アーム219及び補助アーム229の夫々に固定端を設けた2本の操作ひもを操作棒30に沿って延出する構成とすることも可能である。また、本実施形態においては、操作ひも250を手動で引くことを想定し、補助アーム219、補助アーム229を設けて、いわゆる「テコの原理」により軽い力で操作可能としているが、カッター部200の操作方法は上記方法に限られない。例えば、電動モータ等と操作ひも250を繋げることにより、電動化してカッター部200を操作することも可能である。また、操作ひも250の材料は特に限定されていないが、本実施形態においては、絶縁性や強度を考慮して、例えばKEVLAR(登録商標)を含むひもを使用している。
続いて、リンク機構170について説明する。
リンク機構170は、把持プレート110に設けられた第1保持部150の第2の押さえ具151をカッター部200のケーブル切断動作に連動させるための機構である。
リンク機構170は、センターステー171と第1のサイドステー173と、第2のサイドステー175と、を有している。センターステー171は、把持プレート110の固定軸40の固定位置の図示下方に仮想線Pに沿って延設された状態で固定され、その固定位置と反対側に略長孔状のガイド孔178を備える。第1のサイドステー173は、第1の操作アーム213と回動可能に回動軸174(第1の回動支点)で連結される。一方、第1のサイドステー173の他端は、センターステー171のガイド孔178とガイド孔178に沿って移動可能に連結軸部176を介して連結される。
同様に第2のサイドステー175の一端は、カッター部200の第2の操作アーム223とセンターステー171とを連絡する。具体的には、第2のサイドステー175は、第2の操作アーム223と回動可能に回動軸172(第2の回動支点)で連結される。一方、第2のサイドステー175の他端は、センターステー171のガイド孔178とガイド孔178に沿って移動可能に連結軸部176を介して連結される。
また、リンク機構170は、牽引部材として引張コイルばね177と、ワイヤー179とを備える。具体的には、第2のサイドステー175は、連結軸部176側において、第1保持部150の第2の押さえ具151の連結部156と引張コイルばね177を介して連結される。さらに、第2のサイドステー175は、回動軸172側において、第2の押さえ具151の連結部156とワイヤー179を介して連結される。
リンク機構170は、上記の構成を有することにより、カッター部200によるケーブルの切断動作と第1保持部150の第2の押さえ具151の挟持位置への移動動作を連動させる。そして、リンク機構170は、カッター部200の第1の刃211及び第2の刃221がドロップケーブルと当接する前(切断前)に第2の押さえ具151を引張コイルばね177の作用により挟持位置へ移動させドロップケーブルを挟持することができる。そして、切断動作に入った後には、ワイヤー179が作用して第2の押さえ具151を確実に固定する。
次に、図8から図13を用いてドロップケーブル回収装置1を用いた引き込み線ケーブルの回収動作について説明する。
図8は、切断対象であるドロップケーブルCをケーブルガイド111へ挿入した様子を示す正面図である。図9は、ドロップケーブルCにより抜け防止具130の第1の押さえ具131が押圧され、溝部112の開口部120が開口し、ドロップケーブルCが溝部112へ挿入された様子を示す正面図である。図10は、ドロップケーブルCが溝部112へ挿入された後、第1の押さえ具131へ係る付勢力により第1の押さえ具131が閉塞位置(定位置)へ戻った様子を示す正面図である。図11は、カッター部200が操作されるとともに、カッター部200のドロップケーブルCの切断動作に連動して、第1保持部150が動き始めた様子を示す説明図である。図12は、第1保持部150の第2の押さえ具151がドロップケーブルCを挟持した後に、カッター部200によりドロップケーブルCが切断された様子を示す正面図である。図13は、ドロップケーブルCが切断された後、カッター部200が非切断位置(定位置)に戻った様子を示す正面図である。
始めに、撤去・回収対象となる引き込み線であるドロップケーブルCを確認する。回収対象のドロップケーブルCに対して地上から、ドロップケーブル回収装置1の操作棒30を伸ばし対象のドロップケーブルCまでアクセスする。図8に示すように、操作棒30の先端部351に設けられた回収部10の把持プレート110をドロップケーブルCに近づけるとともに、ケーブルガイド111へドロップケーブルCを導入する。
続いて、ケーブルガイド111の内側にドロップケーブルCが導入された状態において、ドロップケーブル回収装置1の溝部112をドロップケーブルCの方向へ向かって移動させる。把持プレート110がドロップケーブルCに対して略直交する位置において、抜け防止具130の第1の押さえ具131とドロップケーブルCとを当接させる。第1の押さえ具131は、図9に示すように、傾斜辺137側から引張コイルばね133の付勢力を超える圧力で押されることにより、溝部112へ向かって矢印の方向へ回動する。第1の押さえ具131は、開放位置に移動する。言い換えれば、溝部112の開口部120が開口しケーブルガイド111と連通する。ドロップケーブルCは、第1の押さえ具131を開放位置へ押しのけるようにして、溝部112の中へ挿入される。
次に、図10に示すように、ドロップケーブルCが溝部112の所定の深さまで挿入されると、ドロップケーブルCと第1の押さえ具131が離間し第1の押さえ具131への押圧力が無くなる。すると、第1の押さえ具131は、引張コイルばね133の付勢力により矢印Tの方向に回動し、溝部112の開口部120を閉じる方向に移動して、第2の押さえ具151と当接して閉塞位置(定位置)で停止する。これにより、ドロップケーブルCは、溝部112の内部に収容され、抜け防止具130により抜けが防止される。
なお、この状態においては、ドロップケーブルCは溝部112の空間内において固定されていない。このため、ドロップケーブル回収装置1はドロップケーブルCに沿って自在に移動することができる。
このため、例えば、複数の引き込み線が複雑に配線され、切断対象のドロップケーブルCを正確に選別することが困難な場合には、図28に示すように、ドロップケーブルCが単独で配線されている住宅H側の接続端部において、図10の動作までを行う。その後、ドロップケーブルCに沿ってドロップケーブル回収装置1を移動させて、所望のドロップケーブルCの位置において切断作業を行うことが可能である。また、本実施形態に示すドロップケーブル回収装置1においては、第1の押さえ具131の基端部136の底辺139を直線により形成している。これにより、ドロップケーブル回収装置1をドロップケーブルCに沿って移動させるときに、ドロップケーブルCが溝部112の側辺119と底辺139との間に挟み込まれることを防止する。
本実施形態においては、電信柱等に張られたドロップケーブルCを想定しているが、ドロップケーブルが所定重さを有しており、第1の押さえ具131を押しのけて、溝部112へ挿入することができるドロップケーブルであれば、垂れ下がっている状態のドロップケーブルにも応用することができる。
続いて、カッター部200による切断動作が開始される。このとき操作ひも250(図1参照)が図11に矢印で示す操作棒30の基端部310へ向かって引かれる。操作ひも250の操作によって、第1のカッター部材210及び第2のカッター部材220が、図1に示す定位置から、それぞれ逆方向に回動する。この動作に連動して、リンク機構170が動作を開始する。第1のサイドステー173は、回動軸174を回動中心として回動するとともに、センターステー171のガイド孔178に連結された連結軸部176を操作棒30の基端部310へ向かってスライドさせる。また、第1のサイドステー173と連動して、第2のサイドステー175も同様に動作する。
第2のサイドステー175の動作に連動して、第2の押さえ具151と連結された、引張コイルばね177が基端部310へ向かって引かれる。この動作により、第2の押さえ具151は、回動軸153を回動端部として溝部112へ向かって回動する。これにより、第2の押さえ具151の先端部154に設けられた鉤部159と溝部112の内底部118の間においてドロップケーブルCを挟持する(挟持位置)。
ここで、ドロップケーブルCを挟持した段階においては、カッター部200の第1の刃211及び第2の刃221は、ドロップケーブルCに当接していない。言い換えれば、カッター部200の切断動作は、第1保持部150によりドロップケーブルCが確実に保持された後に行われるように調整されている。また、図3に示すように第2の押さえ具151は、把持プレート110を挟んで第1の面114及び第2の面116の両面に配置されている。この2枚の第2の押さえ具151で確実にドロップケーブルCは挟持されるため、把持部100とカッター部200の間で収容したドロップケーブルCが曲り、カッター部200の空間部230からドロップケーブルCが外れることがない。これにより、カッター部200の一番力が効率的に伝わる位置において切断動作を行うことができる。また、保持した後に切るため、刃がすべることがない。
さらに操作ひも250(図1参照)が矢印の方向に引かれると図12に示すように、第1保持部150により保持されているドロップケーブルCがカッター部200によって切断される。このように、切断動作時には、さらにドロップケーブルCを強固に保持することが必要となる。そこで、第2の押さえ具151は、引張コイルばね177に加えて、ワイヤー179が張られることで、ドロップケーブルCを確実に挟持する。
この状態からさらに操作ひも250が引かれ、連動する第2の押さえ具151は、回動軸153を中心に挟持位置へ向かって回動する。このとき図11に示すように、第2の押さえ具151の先端部154は、第1の押さえ具131の基端部136を押圧し、第1の押さえ具131が所定量移動したある地点おいて、図12に示すように、第2の押さえ具151の先端部154と第1の押さえ具131の基端部136との当接が外れる。先端部154と基端部136との当接が外れると、第1の押さえ具131は、引張コイルばね133の付勢力により、閉塞位置(定位置)へ向かって回動する。すると、引張コイルばね133の付勢力により閉塞位置へ回動を開始した第1の押さえ具131の基端部136が、第2の押さえ具151の先端部154に設けられた凹部157に係合し固定される。
そして、図13に示すように、カッター部200によるドロップケーブルCの切断動作が終了する。ドロップケーブルCの切断が終了すると、カッター部200の操作ひも250が緩められるとともに、ねじりコイルばね240の付勢力により第1のカッター部材210及び第2のカッター部材220が非切断位置(定位置)へ戻る。一方、把持プレート110の第1保持部150の第2の押さえ具151は、挟持位置で固定されている。このため、切断後のドロップケーブルCが、操作ひも250の動作により外れることがなく、人や民家に切断後のドロップケーブルCが落下する危険性がない。
続いて、切断対象ではないドロップケーブルDをドロップケーブル回収装置1の溝部112へ挿入した場合のドロップケーブルDのドロップケーブル回収装置1からの解除動作について図14、図15、図16を用いて説明する。
図14は、図14に示すように、ドロップケーブルDをケーブルガイド111から溝部112へ挿入し、ドロップケーブルDを保持した状態のドロップケーブル回収装置1を示している。なお、電柱に固定されているドロップケーブルDは一定の張力を持って張られているケーブルである。
まず、ドロップケーブル回収装置1の回収部10は、図15に示すように、操作棒30(図1参照)の基端部310へ向かって動かされる(図示下方へ向けて回収部10を移動させる)。この操作により、ドロップケーブルDと第1の押さえ具131の基端部136の底辺139が当接する。さらに、操作棒30を下方へ引っ張り、ドロップケーブル回収装置1を基端部310へ向かって動かすと、ドロップケーブルDは、第1の押さえ具131を矢印Iの方向へ押圧する。これにより、第1の押さえ具131を係止している第2の押さえ具151に設けられているねじりコイルばね155の付勢力に抗して、第2の押さえ具151が、回動軸153を軸として溝部112から離間する方向(矢印J)に回動する。この動作により、図15に示すように、第1の押さえ具131と第2の押さえ具151との係合が解除され、第1の押さえ具131の基端部136が矢印Iの方向へ回動するとともに、第2の押さえ具151の先端部154を乗り越える。さらに、図16に示すように、ドロップケーブル回収装置1を操作して、第1の押さえ具131を矢印の方向へ回動させる。これにより、把持プレート110の第2の傾斜部117Lと第1の押さえ具131の基端部136との間にドロップケーブルDが通過可能な隙間が形成される。この状態において、操作棒30を操作して、ドロップケーブルDをケーブルガイド111から取り除くことでドロップケーブルDの解除動作を終了する。上述の解除動作により、誤ってドロップケーブル回収装置1の溝部112へ挿入されたドロップケーブルDをドロップケーブル回収装置1から離脱させることができる。
このように、本実施形態に係るドロップケーブル回収装置1は、一度保持したドロップケーブルDを把持部100から離脱することが可能である。このため、誤ってドロップケーブルを取り込んだ場合や、ドロップケーブルの絡まり等によりケーブル回収の操作をやり直す場合等においても柔軟に対応することができる。
次に、電信柱に垂れ下がった状態にあるドロップケーブルFをドロップケーブル回収装置1を用いて回収する場合の回収動作について図17を用いて説明する。ドロップケーブルFは、例えば、ドロップケーブルの一方の端部が切断され、電信柱に垂れ下がった状態にある場合がある。このような場合、ドロップケーブルFの自重では、第1の押さえ具131を溝部112の内底部118へ向かって押し込むことができない。
そこで、作業者は、ドロップケーブルFの回収動作を開始する前に予め、図17に示すように、把持部100の抜け防止具130の第1の押さえ具131を溝部112から離間する方向(矢印方向)に回動する。第1の押さえ具131は、一周回動する手前において、把持プレート110に設けられた引張コイルばね133の一端を固定するボルト138と基端部136が当接する。言い換えれば、第1の押さえ具131は、図17に示すように、回動軸135を支点としてボルト138と当接する位置まで自在に振れる状態である。また、第1の押さえ具131の位置が移動したことにより、ケーブルガイド111から溝部112までが連通する(溝部112の開口部120が開く)。
開口部120が開口した状態のドロップケーブル回収装置1の回収部10をドロップケーブルFに接近させ、ドロップケーブルFをケーブルガイド111に案内する。溝部112の開口部120は開口されているため、ドロップケーブルFは、ケーブルガイド111を通過し、そのまま溝部112へ侵入する。
続いて、カッター部200による切断動作が開始される。なお、カッター部200によるドロップケーブルFの切断動作は、上述の図11及び図12と同様の動作であるため、その詳細な説明は省略する。ここで、抜け防止具130の第1の押さえ具131は、図17の図示右側へ回っている。
このように配置された回収部10を用いることにより、抜け防止具130をドロップケーブルの張力やケーブルの自重により押しのけて、溝部112へドロップケーブルFを挿入させることができない場合であっても、ドロップケーブルFを切断し回収することができる。
次に、ドロップケーブル回収装置1の回収部10の第1の変形例について図18、図19、図20及び図21を用いて説明する。なお、図18に示す回収部10aは、定位置にある状態を示し、図19に示す回収部10aは、切断動作中の状態を示している。また、第1の変形例において、ドロップケーブル回収装置1の回収部10と同じ部材には、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第1の変形例として記載された回収部10aと、回収部10との相違点は、図18に示すように、回収部10aは、把持プレート110の第1の面114側に第2保持部500が設けられていることである。
第2保持部500について説明する。第2保持部500は、第3の押さえ具510と、押圧部材540と、ロック部材560を有する。第3の押さえ具510は、両端部に曲り部分を有する細長い板状の部材である。第3の押さえ具510の溝部112側の端部を先端部530、反対側を基端部550とする。第3の押さえ具510は、回動可能に把持プレート110の第1の面114側の連絡部570の先端部530寄りの位置において第3の回動端部である固定軸40に貫通し、連結されている。また、第3の押さえ具510は、定位置に姿勢を維持するため、ばね部材(図示せず)が設けられていてもよい。押圧部材540は、カッター部200の第1の操作アーム213の第3の押さえ具510と対向する側の面に設けられる突起状の部材である。押圧部材540は、第3の押さえ具510の基端部550側の係止部520と当接する。ロック部材560は、図20及び図21に示すように、ロックピン561とコイルばね562とを有する。そして、ロック部材560は、把持プレート110の厚み方向に第1の面114へ向かって突没自在に設けられている。
続いて第2保持部500のドロップケーブルC(図8参照)の保持動作について詳細に説明する。なお、ドロップケーブルCの溝部112への挿入動作及びドロップケーブルCの切断動作については、ドロップケーブル回収装置1と同様のためその詳細な説明は省略する。
回収部10aは、ドロップケーブルCが溝部112へ挿入されると、ドロップケーブルCの切断動作へ移行する。回収部10aは、操作ひも250(図2参照)が引かれると、カッター部200による切断がされる前に、第2の押さえ具151が回動しドロップケーブルCを挟持する。
第3の押さえ具510は、カッター部200の第1の操作アーム213の回動動作に連動する押圧部材540により、その基端部550に設けられる係止部520が押圧される。これにより、第3の押さえ具510は、固定軸40を中心に回動する。第1の操作アーム213がさらに回動すると、第3の押さえ具510もこれに連動し、先端部530を溝部112へ向かって回動する。
図19に示すように、カッター部200が切断位置まで移動すると、図18に示す定位置において、第3の押さえ具510と重なって配置されていたロック部材560と第3の押さえ具510との重なりが解消される。第3の押さえ具510との重なりが解消されると、コイルばね562に係る押圧力が解消され、ロックピン561が把持プレート110から突出する。このときに第3の押さえ具510の先端部530は、溝部112に収容されているドロップケーブルCを溝部112の側辺119側から挟持する。
なお、上記に記載の通り、このときに第1保持部150もカッター部200の切断動作に連動して、挟持位置へ第2の押さえ具151を移動し、ドロップケーブルを挟持する。
その後、カッター部200は、操作ひも250の張力が緩められると、ねじりコイルばね240(図2参照)の復元力により切断位置から非切断位置(定位置)へ戻る。これに対して、第1保持部150は、閉塞位置(定位置)へ回動を開始した第1の押さえ具131の基端部136が第2の押さえ具151の先端部154に設けられた凹部157に係合し固定され、ドロップケーブルCを継続して挟持する。また、第2保持部500は、突出したロック部材560により第3の押さえ具510の回動が規制され、ドロップケーブルCを継続して挟持する。また、第2保持部500の第3の押さえ具510は、溝部112の側辺119との間でドロップケーブルCを強固に挟み込む。このため、回収対象となるドロップケーブルの種類によっては、曲げられ、挟み込まれて固定される。
このような構成を有する回収部10aは、回収対象のドロップケーブルCが重く、第1保持部150のみでは、十分な保持力を得られない場合であっても、確実にドロップケーブルCを挟持することが可能である。また、第1保持部150、第2保持部500の保持部を備えることにより、一つが故障して動かない場合であっても安全にドロップケーブルを回収することができる。また、第2保持部500を設けることにより、例えば、張力を有しないドロップケーブルFの回収を行う場合は、切断動作後に第1保持部150を挟持位置でロックすることができない。しかし、第2保持部500を追加した回収部10aにおいては、第2保持部500によって、ドロップケーブルFを挟持することができる。このため、回収作業中のドロップケーブルが人や建物に落下する虞が無い。なお、本実施形態において、ロック部材560は、コイルばね562を用いて突没可能に形成しているが、この構成に限られない。例えば、その他の弾性部材を内蔵することも可能である。
次に、ドロップケーブル回収装置1の回収部10の第2の変形例について、図22から図27を用いて説明する。
第2の変形例として記載された回収部10bと、回収部10との構成上の相違点は、図22に示すように、回収部10bの把持プレート110bは、回動軸174bにおいて第1のカッター部材210および第1のサイドステー173bと連結されている。これに対して、回収部10の把持プレート110は、そのような位置で連結されていない。また、把持プレート110bのケーブルガイド111bは、第1の傾斜部115L、115R(図2参照)及び段部113L、113R(図2参照)を有していない。また、回収部10bのリンク機構170bは、センターステー171(図2参照)及びワイヤー179(図2参照)を有してない点が異なっている。そして、引張コイルばね177bは、第2の押さえ具151の連結部156と連結軸部176bとを連結させている点も異なっている。また、回収部10bの抜け防止具130bの第1の押さえ具131bは、基端部136bの底辺139bが円弧状に形成されている点も異なっている。
次に、図22から図27を用いて第2の変形例である回収部10bを用いたドロップケーブルCの回収動作について説明する。なお、回収部10bにおいて、ドロップケーブル回収装置1の回収部10と同じ部材には、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図22は、切断対象であるドロップケーブルCをケーブルガイド111bへ挿入した様子を示す正面図である。図23は、ドロップケーブルCにより抜け防止具130bの第1の押さえ具131bが押圧され、溝部112bの開口部120bが開口し、ドロップケーブルCが溝部112bへ挿入された様子を示す正面図である。図24は、ドロップケーブルCが溝部112bへ挿入された後、第1の押さえ具131bへ係る付勢力により第1の押さえ具131bが閉塞位置(定位置)へ戻った様子を示す正面図である。図25は、カッター部200bが操作されるとともに、カッター部200bのドロップケーブルCの切断動作に連動して、第1保持部150が動き始めた様子を示す説明図である。図26は、第1保持部150の第2の押さえ具151がドロップケーブルCを挟持した後に、カッター部200bによりドロップケーブルCが切断された様子を示す正面図である。図27は、ドロップケーブルCが切断された後、カッター部200bが非切断位置(定位置)に戻った様子を示す正面図である。
図22に示すように、操作棒30(図3参照)の接合具34に設けられた回収部10bの把持プレート110bをドロップケーブルCに近づけるとともに、ケーブルガイド111bへドロップケーブルCを導入する。なお、第2の変形例のケーブルガイド111bは、その先端に第1の傾斜部115L、115R及び段部113L、113Rを有していない。このため、把持プレート110bを回収部10の把持プレート110に比べて軽くすることができる。
続いて、ケーブルガイド111bの内側にドロップケーブルCが導入された状態において、溝部112bをドロップケーブルCの方向へ向かって移動させる。把持プレート110bがドロップケーブルCに対して略直交する位置において、抜け防止具130bの第1の押さえ具131bとドロップケーブルCとを当接させる。第1の押さえ具131は、図23に示すように、引張コイルばね133bの付勢力を超える力で押されることにより、先端部134bに設けられた回動軸135bを軸として溝部112bへ向かって矢印の方向へ回動する。第1の押さえ具131bは、開放位置に移動する。言い換えれば、溝部112bの開口部120bが開口しケーブルガイド111bと連通する。ドロップケーブルCは、第1の押さえ具131bを開放位置へ押しのけるようにして、溝部112bの中へ挿入される。
次に、図24に示すように、ドロップケーブルCが溝部112bの所定の深さまで挿入されると、ドロップケーブルCと第1の押さえ具131bが離間し第1の押さえ具131bへの押圧力が無くなる。すると、第1の押さえ具131bは、引張コイルばね133の付勢力により図示上方に向かって回動し、溝部112の開口部120を閉じる方向に移動し、第2の押さえ具151と当接して閉塞位置(定位置)で停止する。これにより、ドロップケーブルCは、溝部112の内部に収容され、抜け防止具130bにより抜けが防止される。
なお、この状態においては、ドロップケーブルCは溝部112の空間内において固定されておらず、回収部10bはドロップケーブルCに沿って自在に移動することができる。
このため、第2の変形例の回収部10bも、回収部10を備えたドロップケーブル回収装置1と同様に、ドロップケーブルCを選択した後に所望の切断箇所に回収部10bを移動させてドロップケーブルCの切断作業を行うことができる。
続いて、図25に示すように、カッター部200bによる切断動作が開始される。回収部10と同様に配置された操作ひも(図示せず)を引くと、把持プレート110bに固定された第1のカッター部材210を定位置とした状態で、第2のカッター部材220が回動を開始する。この動作に連動して、リンク機構170bが動作を開始する。第1のサイドステー173bは、回動軸174bを回動中心として回動する。第2のサイドステー175bは、連結軸部176bで第1のサイドステー173bと連結され、第2のカッター部材220bの回動に連動して回動軸172bを回動中心として回動する。このとき、連結軸部176bに連結されている引張コイルばね177bは、第2の押さえ具151から離間する方向に引かれる。引張コイルばね177bが引かれることにより、第2の押さえ具151は、溝部112bへ向かって、回動軸153を回動端部として回動する。これにより、第2の押さえ具151の先端部154に設けられた鉤部159と溝部112bの内底部118bの間においてドロップケーブルCを挟持する(挟持位置)。
ここで、ドロップケーブルCを挟持した段階においては、カッター部200bの第1の刃211(図4参照)及び第2の刃221(図4参照)は、ドロップケーブルCに当接していない。または、当接してもドロップケーブルCの切断は開始されていない。言い換えれば、カッター部200bの切断動作は、第1保持部150によりドロップケーブルCが確実に保持された後に行われるように調整されている。このため、カッター部200bの一番力が効率的に伝わる位置において切断動作を行うことができる。また、保持した後に切るため、刃がすべることがない。
そして、図26に示すように、さらに操作ひも(図示せず)が引かれると第1保持部150により保持されているドロップケーブルCが切断される。また、操作ひも(図示せず)が引っ張られる動作に連動し、第2の押さえ具151は、回動軸153を中心に挟持位置へ向かって矢印の方向に回動する。このとき、第2の押さえ具151の先端部154は、第1の押さえ具131bの基端部136bを押圧し、第1の押さえ具131bを溝部112から退けるように開放位置へ移動させる。第1の押さえ具131bが所定量移動したある地点おいて、第2の押さえ具151の先端部154と第1の押さえ具131bの基端部136bとの当接が外れる。先端部154と基端部136bとの当接が外れると、第1の押さえ具131bは、引張コイルばね133bの付勢力により、閉塞位置(定位置)へ向かって回動する。すると、閉塞位置へ回動を開始した第1の押さえ具131bの基端部136bが第2の押さえ具151の先端部154に設けられた凹部157に係合し固定される。
そして、図27に示すように、カッター部200bによるドロップケーブルCの切断動作が終了する。ドロップケーブルCの切断が終了すると、カッター部200bの操作ひも(図示せず)が緩められるとともに、ねじりコイルばね240(図示せず)の付勢力が復元し第1のカッター部材210b及び第2のカッター部材220bが非切断位置(定位置)へ戻る。一方、把持プレート110bの第1保持部150の第2の押さえ具151は、挟持位置で固定されている。このため、切断後のドロップケーブルCが、操作ひも(図示せず)の動作により外れることがなく、人や民家に切断後のドロップケーブルCが落下すること防止する。
次に、ドロップケーブル回収装置1の第3の変形例である回収部10cについて図29乃至図37を用いて説明する。なお、第3の変形例において、第1の実施形態のドロップケーブル回収装置1の回収部10と同じ部材には、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図29は、本実施形態に係るドロップケーブル回収装置1の回収部10cの第3の変形例を示す正面図である。図30は、図29の回収部10cの背面図である。図31は、図29の回収部10cをF31側から見た図である。図32は、図29の回収部10cをF32側から見た図である。
回収部10cは、上述の通り、把持部100c及びカッター部200を備える。把持部100cは、切断対象のドロップケーブルCを保持し、ドロップケーブルCを切断する場合にドロップケーブルCを固定する。カッター部200は、把持部100cにより固定されたドロップケーブルCを切断する。
続いて、把持部100cとカッター部200の配置について説明する。回収部10cは、図32の左側に示す操作棒30の先端部に設けられた接合具34から、操作棒30の軸方向と直交する方向に向かって固定軸40が延設されている。そして、回収部10cは、この固定軸40に、接合具34側から順にカッター部200及び把持部100cが連結されている。
把持部100cは、図29に示すように、2枚の把持プレート(第1把持プレート110c、第2把持プレート110d)と、抜け防止具130と、2つの保持部(第1保持部150c、第2保持部500c)と、を備えている。また、第1保持部150cは、リンク機構170cによって、カッター部200と連動可能に連結されている。
回収部10cは、上述の通り、把持部100c及びカッター部200を備える。把持部100cは、図32に示すように、図示右側(正面側)から第1把持プレート110c、第2把持プレート110dの順番に固定軸40に固定されている。
第1把持プレート110cは、図1に示したドロップケーブル回収装置1の把持プレート110と異なり、ケーブルガイド111の先端に位置する第1の傾斜部115L、115Rと第2の傾斜部117L、117Rの先端側の一部を切り欠いた形状を有する。
第1把持プレート110cは、図31に示すように、表面側である第1の面114c側に第1保持部150cの第2の押さえ具151cと、第2保持部500cのロック部材560cと、を有する。
第2把持プレート110dは、上述の把持プレート110と同様の形状を有する。そして、第2把持プレート110dは、図32に示すように、背面側である第2の面116d側に第1保持部150cの第2の押さえ具151d、及び、抜け防止具130を備えている。
そして、第1把持プレート110cと第2把持プレート110dの間には、第2保持部500cが第2把持プレート110dの第1の面114dに沿って回動可能に設けられている。
第1保持部150cは、図29、図30及び図32に示すように、2枚の第2の押さえ具151c、151dと、回動軸153cと、連結部156cと、ねじりコイルばね155cとを有する。また、これら2枚の第2の押さえ具151c、151dは、第1把持プレート110c及び第2把持プレート110dを挟んで対向配置される。また、第1保持部150cは、リンク機構170cを介して、カッター部200の切断動作と連動する。
すなわち、第1保持部150cは、ドロップケーブルCの切断動作前においては、第2の押さえ具151c、151dを待機位置に配置する。そして、切断動作が開始されると、第1保持部150cは、第2の押さえ具151c、151dを挟持位置へ移動させ、溝部112へ導入されたドロップケーブルCを溝部112の内底部118との間で挟持する。
ここで、一方の第2の押さえ具151cは、図29に示すように鉤状を有する。第2の押さえ具151cは、第1把持プレート110cに回動軸153cで連結される基端部152cと、ドロップケーブルCを挟持する鉤部159cを備える先端部154cとを有する。また、第2の押さえ具151cは、その先端部154cの外周に凹部157cを備えている。さらに、第2の押さえ具151cは、その基端部152cにリンク機構170cと連結する連結部156cを備える。また、第2の押さえ具151cは、鉤部159cと対向する反対側の辺に突起状の摘み部161を備える。
他方の第2の押さえ具151dは、図30に示すように第2の押さえ具151cとほぼ同じ形状である鉤状を有する。第2の押さえ具151dは、第1把持プレート110cに回動軸153cを介して連結される基端部152dと、ドロップケーブルCを挟持する鉤部159dを備える先端部154dを有する。さらに、基端部152dには、リンク機構170cと連結する連結部156cを備える。
また、先端部154dには、第1の押さえ具131の基端部136が掛かり、第2の押さえ具151dを挟持位置で固定する凹部157dを鉤部159dと反対側の外周に有している。
第2の押さえ具151c及び151dは、図29及び図30に示すように、待機位置(定位置)において、第1把持プレート110c及び第2把持プレート110dのガイド突起L側の図示上方に向けて、第2の押さえ具151c及び151dの先端部154c、154dが向く位置に回動軸153に連結される。また、第2の押さえ具151c及び151dの鉤部159c、159dは、このとき溝部112側を向く位置に配置される。
回動軸153cは、2枚の第2の押さえ具151c、151dを回動可能に連結する連結部材である。ねじりコイルばね155cは、回動軸153cの第1把持プレート110cの第1の面114c側に設けられる。ねじりコイルばね155cは、第2の押さえ具151cを背部158c側から溝部112へ付勢する。また、ねじりコイルばね155cは、第2の押さえ具151cと回動軸153cで連結される第2の押さえ具151dを背部158c側から溝部112へ付勢する。
このねじりコイルばね155cの付勢力により、第2把持プレート110d側の第2の押さえ具151dは、第1の押さえ具131の基端部136と当接し、第1の押さえ具131の図示上方への回動を規制する(図30参照)。
すなわち、ねじりコイルばね155cは、第2の押さえ具151c、151dを第1の押さえ具131側へ付勢し、第1の押さえ具131の押圧力に抗して待機位置の姿勢を維持する。なお、本実施形態においては、これら2枚の第2の押さえ具151c、151dは、第1把持プレート110c及び第2把持プレート110dを挟んで対向配置され、1つのねじりコイルばね155cによりその姿勢が保持される。
また、連結部156cは、第2の押さえ具151cと第2の押さえ具151dとを連結する棒状部材である。そして、連結部156cは、図32に示すように、ワイヤー179cを介してリンク機構170cと連結される。
また、第2の押さえ具151c、151dの鉤部159c、159dの鉤形状やその大きさは、溝部112へ挿入されるケーブルの太さや材質等を考慮し、効率的にケーブルを保持することができる形状に適宜設計される。
リンク機構170cは、第1保持部150cの第2の押さえ具151c、151dをカッター部200のケーブル切断動作に連動させるための機構である。リンク機構170cの基本的な構成は、上述の第1実施形態のドロップケーブル回収装置1のリンク機構170と同じであり、その詳細な説明は省略する。そこで、以下、相違点について説明する。
図29に示すように、本変形例に係るリンク機構170cの引張コイルばね177cは、その一端をワイヤー179cと連結され、ワイヤー179cの端部が連結部156cに連結されている点が異なっている。
これにより、第2の押さえ具151c、151dが定位置にある場合には、引張コイルばね177cの張力は、働かない。このため、回収部10cは、定位置において第2の押さえ具151c、151dを安定して保持することができる。一方、切断動作を開始するときには、ワイヤー179cの長さを超えて図示下方へ引っ張られると、引張コイルばね177cの張力が働くことにより、カッター部200の切断動作よりも前にドロップケーブルCを押さえることができる。
第2保持部500cについて図29を用いて説明する。第2保持部500cの基本的な構造は、第1の変形例に示した第2保持部500と同じである。
第2保持部500と第2保持部500cとの第1の相違点は、第3の押さえ具510が把持プレート110の第1の面114側に配置されているのに対して、第3の押さえ具510cは、第1把持プレート110cと第2把持プレート110dの間に設けられている点である。また、第2保持部500と第2保持部500cとの第2の相違点は、第3の押さえ具510cをロックするロック部材560cのロック機構を設けた点である。
具体的には、ロック部材560cは、主に、図33及び図34に示すように、ロックピン561cと、コイルばね562cと、保持部材563cとを有している。ロック部材560cは、第1把持プレート110cの第1の面114cに設けられる。
保持部材563cは、図33に示すように、板を曲げ加工して形成されるU字状の部材である。保持部材563cは、フランジ状の2つの端部565cを第1把持プレート110cに固定する。保持部材563cは、その略中央に位置する第1把持プレート110cから離間した部分にロックピン561cが移動可能に貫通し配置される。
ロックピン561cは、円柱状の棒部材であり、第1把持プレート110cの第1の面114cに対して略直交する方向に、形成された第1把持プレート110cの貫通孔(図示せず)内を貫通する。ロックピン561cは、第1把持プレート110cから離間した第1の面114c側の端部に指掛け用の操作リング564cを備えている。
コイルばね562cは、保持部材563cと、第1把持プレート110cとの間に配置される。コイルばね562cは、保持部材563cを貫通するロックピン561cに固定される。コイルばね562cは、ロックピン561cを第2把持プレート110dへ向かって付勢する。また、第2把持プレート110dのロックピン561cの端部と当接する箇所は、ロックピン561cと係合する孔部580c(図36参照)が設けられている。
このようなロック部材560cは、操作リング564cを第1把持プレート110cから離れる方向に引っ張ると、第3の押さえ具510cの厚み分を少し超える程度の隙間を第2把持プレート110dとロックピン561cの端部との間に形成する。なお、定位置(非切断位置)において、第3の押さえ具510cは、ロックピン561cと第2把持プレート110dに挟まれている(図35参照)。
続いて第1保持部150c及び第2保持部500cを用いたドロップケーブルCの保持動作について詳細に説明する。図33は、第2保持部500cのロック部材560cのロックピン561cが第3の押さえ具510cと当接している状態(非ロック状態)を示した拡大図である。図34は、第2保持部500cのロック部材560cが第2把持プレート110dの孔部580cと係合している状態を示した拡大図である。図35は、定位置におけるロックピン561c、第3の押さえ具510c及び第2把持プレート110dの位置関係を示した図である(非ロック状態)。図36は、ドロップケーブルCを切断後の挟持位置にある第3の押さえ具510c、ロックピン561c、及び第2把持プレート110dの位置関係を示した図である(ロック状態)。また、図37は、第1保持部150c及び第2保持部500cを用いたドロップケーブルCの保持を示す図である。
なお、ドロップケーブルCを溝部112に挿入する動作及びドロップケーブルCの切断動作については、第1実施形態のドロップケーブル回収装置1と同様のためその詳細な説明は省略する。また、第1保持部150c及び第2保持部500の基本的な保持動作については、第1保持部150及び第2保持部500と略同じであるため、第1保持部150及び第2保持部500と異なる特徴的な部分のみ説明する。
回収部10cは、ドロップケーブルCが溝部112へ挿入されると、ドロップケーブルCの切断動作へ移行する。回収部10cは、操作ひも250(図2参照)が引かれると、カッター部200による切断がされる前に、リンク機構170cが駆動し、第1保持部150cの2つの第2の押さえ具151c、151dが回動して、ドロップケーブルCを挟持する。
第3の押さえ具510cの係止部520cは、カッター部200の第1の操作アーム213に設けられた押圧部材540cにより押圧される。これにより、第3の押さえ具510cは、固定軸40を中心に回動する。第1の操作アーム213がさらに回動すると、第3の押さえ具510cもこれに連動して回動する(図33)。このとき、第3の押さえ具510cの先端部530cは、溝部112へ向かって移動する。
カッター部200が切断位置まで移動すると、定位置において第3の押さえ具510cを押圧していたロックピン561cとの係合が解消される(図34参照)。このときに第3の押さえ具510cの先端部530は、溝部112に収容されているドロップケーブルCを溝部112の側辺119側から挟持する。
ここで、第3の押さえ具510cは、図37に示すように、第2の押さえ具151c、151dの間に配置されている。そして、第3の押さえ具510cは、2つの第2の押さえ具151c、151dにより2点で挟持されたドロップケーブルCを、その間で挟持する。これにより、ドロップケーブルCは、その軸方向において2つの第2の押さえ具151c、151d及び第3の押さえ具510cの3点で挟まれ、固定される。
その後、カッター部200は、操作ひも250の張力が緩められると、ねじりコイルばね240(図2参照)の復元力により切断位置から非切断位置(定位置)へ戻る。
一方、第1保持部150cは、閉塞位置(定位置)へ回動を開始した第1の押さえ具131の基端部136が第2の押さえ具151dの先端部154dに設けられた凹部157dに係合し固定され、ドロップケーブルCを継続して挟持する。
また、第2保持部500cは、図36に示すように、切断動作に伴いロック部材560cのロックピン561cの先端を第2把持プレート110dの孔部580cに没入し、第3の押さえ具510cをロックし、その回動を規制する。これにより、ドロップケーブルCは、第3の押さえ具510cと第2把持プレート110dの間に継続して挟持される。
このような構成を有する把持部100cは、回収対象のドロップケーブルCを第1保持部150cのみでは、十分な保持力を得られない場合であっても、第2保持部500cと共働して挟持することにより確実にドロップケーブルCを把持することが可能である。
また、第1保持部150c、第2保持部500cを備えることにより、一方の保持部が故障して動かない場合であっても安全にドロップケーブルCを把持し、回収することができる。
また、第2保持部500cを設けることにより、例えば、張力を有しないドロップケーブルFの回収を行う場合は、上述の通り第1の押さえ具131の基端部136と第2の押さえ具151dの凹部157cが係合しないため、切断動作後に第1保持部150cを挟持位置で固定して、ドロップケーブルFを把持することができない。しかし、第2保持部500cを追加した回収部10cにおいては、第2保持部500cによって、ドロップケーブルFを挟持することができる。
また、回収部10cにおいては、第2把持プレート110dの第2の面116d側に抜け防止具130及び第2の押さえ具151dを設けている。このため、ドロップケーブルCを押さえる位置とカッター部200の切断位置との距離が近接する。これにより、例えば、抜け防止具130で溝部112へ取り込んだドロップケーブルCがカッター部200の手前で湾曲し、切断位置から外れることを防ぐことができる。すなわち、ドロップケーブルCがどんな角度から第2の面116d側に設けられた抜け防止具130を通って溝部112へ挿入された場合においても、第2の押さえ具151dは、ドロップケーブルCを挟持する。そして、回収部10cにおいて、カッター部200と第2の押さえ具151dは、近接して配置されている。このため、両部材間においては、ドロップケーブルCの曲りが抑えられ、固定軸40に沿ってほぼ直線状にドロップケーブルCを配置することができる。これにより、回収部10cは、もっとも切断に適した位置でドロップケーブルCを確実に切断することができる。
また、第2の押さえ具151cは、摘み部161を備えている。これにより、回収部10cからのドロップケーブルCの回収作業において、作業者は、カッター部200側の第2の押さえ具151dに触れずに、第2保持部500cを定位置へ戻すことができる。このため、作業者が回収後のドロップケーブルCを回収部10cから取り外すときにカッター部200に触れて怪我することを防ぐことができる。
また、第1把持プレート110cの先端を切り欠いて短くしたことにより、ケーブルガイド111に対象外のドロップケーブルが入り込んだ場合でも、ドロップケーブルが引っ掛かる恐れのある段部113L、113Rが無いため、ドロップケーブルが抜き易い。
なお、本発明は上述の実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、本実施形態及び変形例においては、ケーブルとしてドロップケーブル(引き込み線)を例に挙げて説明しているが、所定の径を有するその他のケーブルにおいても、本ドロップケーブル回収装置を適用することができる。また、本実施形態及び変形例においては、カッター部の操作部材として、操作ひもを採用しているが、単一の操作棒により構成され、絶縁性を有し、軽量化できるのであれば、機械式の操作部材を適用することもできる。また、第3の変形例において、第1把持プレート110cの先端部を切り欠いているが、第1把持プレート110cと第2把持プレート110dは同じ形状とすることも可能である。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。