JP2016133049A - 排気浄化システム - Google Patents

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輝男 中田
Teruo Nakada
輝男 中田
隆行 坂本
Takayuki Sakamoto
隆行 坂本
長岡 大治
Taiji Nagaoka
大治 長岡
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Abstract

【課題】モータリング状態になる可能性がある場合はNOxパージの実施を禁止することで、燃費の悪化を効果的に防止する。【解決手段】 内燃機関10の排気通路13に設けられ、排気リーン状態で排気中のNOxを吸蔵すると共に、排気リッチ状態で吸蔵されていたNOxを還元浄化するNOx吸蔵還元型触媒32と、排気をリッチ状態にしてNOx吸蔵還元型触媒32に吸蔵されているNOxを還元浄化するNOxパージを実施するNOxパージ制御部60と、内燃機関10の燃料噴射量に基づいてモータリング状態になるか否かを判定すると共に、モータリング状態になると判定した場合は、NOxパージの実施を禁止するNOxパージ禁止処理部70とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、排気浄化システムに関する。
従来、内燃機関から排出される排気中の窒素化合物(NOx)を還元浄化する触媒として、NOx吸蔵還元型触媒が知られている。NOx吸蔵還元型触媒は、排気がリーン雰囲気のときに排気中に含まれるNOxを吸蔵すると共に、排気がリッチ雰囲気のときに排気中に含まれる炭化水素で吸蔵していたNOxを還元浄化により無害化して放出する。このため、触媒のNOx吸蔵量が所定量に達した場合は、NOx吸蔵能力を回復させるべく、排気管噴射やポスト噴射によって排気をリッチ状態にする所謂NOxパージを定期的に行う必要がある(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2008−202425号公報 特開2007−16713号公報
ところで、NOxパージの実施中にエンジンが燃料噴射を停止させるモータリング状態になると、排気をNOxパージに必要な所望の空気過剰率に維持できなくなる可能性がある。このため、NOxパージの実施中にモータリング状態になった場合は、当該NOxパージを中止させる必要がある。しかしながら、NOxパージを中止させると、それまでの間に行っていた排気リッチ噴射が無駄となり、燃費の悪化を招く課題がある。
開示のシステムは、エンジンがモータリング状態になる可能性がある場合はNOxパージの実施を禁止することで、燃費の悪化を効果的に防止することを目的とする。
開示のシステムは、内燃機関の排気系に設けられ、排気リーン状態で排気中のNOxを吸蔵すると共に、排気リッチ状態で吸蔵されていたNOxを還元浄化するNOx吸蔵還元型触媒と、排気をリッチ状態にして前記NOx吸蔵還元型触媒に吸蔵されているNOxを還元浄化する触媒再生処理を実施する触媒再生手段と、前記内燃機関の燃料噴射量に基づいて当該内燃機関が燃料噴射を停止させるモータリング状態になるか否かを判定すると共に、モータリング状態になると判定した場合は、前記触媒再生手段による触媒再生処理の実施を禁止する禁止手段と、を備える。
開示のシステムによれば、エンジンがモータリング状態になる可能性がある場合はNOxパージの実施を禁止することで、燃費の悪化を効果的に防止することができる。
本実施形態に係る排気浄化システムを示す全体構成図である。 本実施形態に係るNOxパージ制御を説明するタイミングチャート図である。 本実施形態に係るNOxパージリーン制御に用いるMAF目標値の設定処理を示すブロック図である。 本実施形態に係るNOxパージリッチ制御に用いる目標噴射量の設定処理を示すブロック図である。 本実施形態に係るNOxパージ制御の禁止処理を示すブロック図である。 本実施形態に係る禁止判定マップの一例を示す図である。 本実施形態に係る筒内インジェクタの噴射量学習補正の処理を示すブロック図である。 本実施形態に係る学習補正係数の演算処理を説明するフロー図である。 本実施形態に係るMAF補正係数の設定処理を示すブロック図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る排気浄化システムを説明する。
図1に示すように、ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)10の各気筒には、図示しないコモンレールに畜圧された高圧燃料を各気筒内に直接噴射する筒内インジェクタ11がそれぞれ設けられている。これら各筒内インジェクタ11の燃料噴射量や燃料噴射タイミングは、電子制御ユニット(以下、ECUという)50から入力される指示信号に応じてコントロールされる。
エンジン10の吸気マニホールド10Aには新気を導入する吸気通路12が接続され、排気マニホールド10Bには排気を外部に導出する排気通路13が接続されている。吸気通路12には、吸気上流側から順にエアクリーナ14、吸入空気量センサ(以下、MAFセンサという)40、可変容量型過給機20のコンプレッサ20A、インタークーラ15、吸気スロットルバルブ16等が設けられている。排気通路13には、排気上流側から順に可変容量型過給機20のタービン20B、排気後処理装置30等が設けられている。なお、図1中において、符号41はエンジン回転数センサ、符号42はアクセル開度センサ、符号46はブースト圧センサをそれぞれ示している。
EGR装置21は、排気マニホールド10Bと吸気マニホールド10Aとを接続するEGR通路22と、EGRガスを冷却するEGRクーラ23と、EGR量を調整するEGRバルブ24とを備えている。
排気後処理装置30は、ケース30A内に排気上流側から順に酸化触媒31、NOx吸蔵還元型触媒32、パティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタという)33を配置して構成されている。また、酸化触媒31よりも上流側の排気通路13には、ECU50から入力される指示信号に応じて、排気通路13内に未燃燃料(主にHC)を噴射する排気インジェクタ34が設けられている。
酸化触媒31は、例えば、ハニカム構造体等のセラミック製担体表面に酸化触媒成分を担持して形成されている。酸化触媒31は、排気インジェクタ34の排気管噴射又は筒内インジェクタ11のポスト噴射によって未燃燃料が供給されると、これを酸化して排気温度を上昇させる。
NOx吸蔵還元型触媒32は、例えば、ハニカム構造体等のセラミック製担体表面にアルカリ金属等を担持して形成されている。このNOx吸蔵還元型触媒32は、排気空燃比がリーン状態のときに排気中のNOxを吸蔵すると共に、排気空燃比がリッチ状態のときに排気中に含まれる還元剤(HC等)で吸蔵したNOxを還元浄化する。
フィルタ33は、例えば、多孔質性の隔壁で区画された多数のセルを排気の流れ方向に沿って配置し、これらセルの上流側と下流側とを交互に目封止して形成されている。フィルタ33は、排気中のPMを隔壁の細孔や表面に捕集すると共に、PM堆積推定量が所定量に達すると、これを燃焼除去するいわゆるフィルタ強制再生が実行される。フィルタ強制再生は、排気管噴射又はポスト噴射によって上流側の酸化触媒31に未燃燃料を供給し、フィルタ33に流入する排気温度をPM燃焼温度まで昇温することで行われる。
第1排気温度センサ43は、酸化触媒31よりも上流側に設けられており、酸化触媒31に流入する排気温度を検出する。第2排気温度センサ44は、NOx吸蔵還元型触媒32とフィルタ33との間に設けられており、フィルタ33に流入する排気温度を検出する。NOx/ラムダセンサ45は、フィルタ33よりも下流側に設けられており、NOx吸蔵還元型触媒32を通過した排気のNOx値及びラムダ値(以下、空気過剰率ともいう)を検出する。
ECU50は、エンジン10等の各種制御を行うもので、公知のCPUやROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えて構成されている。これら各種制御を行うため、ECU50にはセンサ類40〜46のセンサ値が入力される。また、ECU50は、NOxパージ制御部60と、NOxパージ禁止処理部70と、MAF追従制御部80と、噴射量学習補正部90と、MAF補正係数演算部95とを一部の機能要素として有する。これら各機能要素は、一体のハードウェアであるECU50に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
[NOxパージ制御]
NOxパージ制御部60は、本発明の触媒再生手段であって、排気をリッチ状態にしてNOx吸蔵還元型触媒32に吸蔵されているNOxを還元浄化により無害化して放出することで、NOx吸蔵還元型触媒32のNOx吸蔵能力を回復させる触媒再生処理(以下、この制御をNOxパージ制御という)を実行する。
NOxパージ制御の「開始要求」は、例えば、エンジン10の運転状態から単位時間当たりのNOx排出量を推定し、これを累積計算した推定累積値ΣNOxが所定の閾値を超えた場合、あるいは、エンジン10の運転状態から推定される触媒上流側のNOx排出量と、NOx/ラムダセンサ45で検出される触媒下流側のNOx量とからNOx吸蔵還元型触媒32によるNOx浄化率を演算し、このNOx浄化率が所定の判定閾値よりも低くなった場合に成立する。詳細を後述する禁止フラグFPro_NPがオフの状態で「開始要求」が成立すると、NOxパージ制御を実施するNOxパージフラグFNPはオン(FNP=1)にされる(図2の時刻t参照)。
本実施形態において、NOxパージ制御による排気のリッチ化は、空気系制御によって空気過剰率を定常運転時(例えば、約1.5)から理論空燃比相当値(約1.0)よりもリーン側の第1目標空気過剰率(例えば、約1.3)まで低下させるNOxパージリーン制御と、噴射系制御によって空気過剰率を第1目標空気過剰率からリッチ側の第2目標空気過剰率(例えば、約0.9)まで低下させるNOxパージリッチ制御とを併用することで実現される。以下、これらNOxパージリーン制御及び、NOxパージリッチ制御の詳細について説明する。
[NOxパージリーン制御]
図3は、NOxパージリーン制御部60AによるMAF目標値MAFNPL_Trgtの設定処理を示すブロック図である。第1目標空気過剰率設定マップ61は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照されるマップであって、これらエンジン回転数Neとアクセル開度Qとに対応したNOxパージリーン制御時の空気過剰率目標値λNPL_Trgt(第1目標空気過剰率)が予め実験等に基づいて設定されている。
まず、第1目標空気過剰率設定マップ61から、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてNOxパージリーン制御時の空気過剰率目標値λNPL_Trgtが読み取られて、MAF目標値演算部62に入力される。さらに、MAF目標値演算部62では、以下の数式(1)に基づいてNOxパージリーン制御時のMAF目標値MAFNPL_Trgtが演算される。
MAFNPL_Trgt=λNPL_Trgt×Qfnl_corrd×RoFuel×AFRsto/Maf_corr・・・(1)
数式(1)において、Qfnl_corrdは後述する学習補正された筒内インジェクタ11の燃料噴射量(ポスト噴射を除く)、RoFuelは燃料比重、AFRstoは理論空燃比、Maf_corrは後述するMAF補正係数をそれぞれ示している。
MAF目標値演算部62によって演算されたMAF目標値MAFNPL_Trgtは、NOxパージフラグFNPがオン(図2の時刻t参照)になるとランプ処理部63に入力される。ランプ処理部63は、各ランプ係数マップ63A,Bからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてランプ係数を読み取ると共に、このランプ係数を付加したMAF目標ランプ値MAFNPL_Trgt_Rampをバルブ制御部64に入力する。
バルブ制御部64は、MAFセンサ40から入力される実MAF値MAFActがMAF目標ランプ値MAFNPL_Trgt_Rampとなるように、吸気スロットルバルブ16を閉側に絞ると共に、EGRバルブ24を開側に開くフィードバック制御を実行する。
このように、本実施形態では、第1目標空気過剰率設定マップ61から読み取られる空気過剰率目標値λNPL_Trgtと、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量とに基づいてMAF目標値MAFNPL_Trgtを設定し、このMAF目標値MAFNPL_Trgtに基づいて空気系動作をフィードバック制御するようになっている。これにより、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けることなく、或いは、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けた場合も当該ラムダセンサのセンサ値を用いることなく、排気をNOxパージリーン制御に必要な所望の空気過剰率まで効果的に低下させることが可能になる。
また、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量として学習補正後の燃料噴射量Qfnl_corrdを用いることで、MAF目標値MAFNPL_Trgtをフィードフォワード制御で設定することが可能となり、各筒内インジェクタ11の経年劣化や特性変化等の影響を効果的に排除することができる。
また、MAF目標値MAFNPL_Trgtにエンジン10の運転状態に応じて設定されるランプ係数を付加することで、吸入空気量の急激な変化によるエンジン10の失火やトルク変動によるドライバビリティーの悪化等を効果的に防止することができる。
[NOxパージリッチ制御の燃料噴射量設定]
図4は、NOxパージリッチ制御部60Bによる排気管噴射又はポスト噴射の目標噴射量QNPR_Trgt(単位時間当たりの噴射量)の設定処理を示すブロック図である。第2目標空気過剰率設定マップ65は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照されるマップであって、これらエンジン回転数Neとアクセル開度Qとに対応したNOxパージリッチ制御時の空気過剰率目標値λNPR_Trgt(第2目標空気過剰率)が予め実験等に基づいて設定されている。
まず、第2目標空気過剰率設定マップ65から、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてNOxパージリッチ制御時の空気過剰率目標値λNPR_Trgtが読み取られて噴射量目標値演算部66に入力される。さらに、噴射量目標値演算部66では、以下の数式(2)に基づいてNOxパージリッチ制御時の目標噴射量QNPR_Trgtが演算される。
NPR_Trgt=MAFNPL_Trgt×Maf_corr/(λNPR_Trgt×RoFuel×AFRsto)−Qfnl_corrd・・・(2)
数式(2)において、MAFNPL_TrgtはNOxパージリーンMAF目標値であって、前述のMAF目標値演算部62から入力される。また、Qfnl_corrdは後述する学習補正されたMAF追従制御適用前の筒内インジェクタ11の燃料噴射量(ポスト噴射を除く)、RoFuelは燃料比重、AFRstoは理論空燃比、Maf_corrは後述するMAF補正係数をそれぞれ示している。
噴射量目標値演算部66によって演算される目標噴射量QNPR_Trgtは、NOxパージフラグFNPがオンになると、排気インジェクタ34又は各筒内インジェクタ11に噴射指示信号として送信される(図2の時刻t)。この噴射指示信号の送信は、後述するNOxパージ制御の終了判定によってNOxパージフラグFNPがオフ(図2の時刻t)にされるまで継続される。
このように、本実施形態では、第2目標空気過剰率設定マップ65から読み取られる空気過剰率目標値λNPR_Trgtと、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量とに基づいて目標噴射量QNPR_Trgtを設定するようになっている。これにより、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けることなく、或いは、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けた場合も当該ラムダセンサのセンサ値を用いることなく、排気をNOxパージリッチ制御に必要な所望の空気過剰率まで効果的に低下させることが可能になる。
また、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量として学習補正後の燃料噴射量Qfnl_corrdを用いることで、目標噴射量QNPR_Trgtをフィードフォワード制御で設定することが可能となり、各筒内インジェクタ11の経年劣化や特性変化等の影響を効果的に排除することができる。
[NOxパージ制御の禁止処理]
図5は、NOxパージ禁止処理部70による禁止処理を示すブロック図である。NOxパージ禁止処理部70は、本発明の禁止手段であって、以下の禁止条件(1)〜(8)の何れかが成立すると、NOxパージ禁止フラグFPro_NPをオン(FPro_NP=1)にして、NOxパージ制御の実施を禁止する。
(1)エンジン回転数Neが所定の上限回転数閾値Ne_maxよりも高い場合。
(2)エンジン回転数Neが所定の下限回転数閾値Ne_minよりも低い場合。
(3)筒内インジェクタ11の燃料噴射量Qfnl_corrd(ポスト噴射除く)が所定の上限噴射量閾値Q_maxよりも多い場合。
(4)筒内インジェクタ11の燃料噴射量Qfnl_corrd(ポスト噴射除く)が所定の下限噴射量閾値Q_minよりも少ない場合。
(5)エンジン10が所定の高負荷運転状態となり、ブースト圧フィードバック制御(空気系オープンループ制御)が実施される場合。
(6)NOxパージ制御の開始直後にエンジン10が燃料噴射を停止させるモータリング状態になる可能性がある場合。
(7)排気インジェクタ34の最大限界噴射量Qexh_maxから推定される到達可能な排気空気過剰率推定値λest_maxが、上述のNOxパージリッチ制御部60Bによって設定される空気過剰率目標値λNPR_Trgt(第2目標空気過剰率)よりも高くなる場合。
(8)NOx吸蔵還元型触媒32の触媒温度が所定の触媒活性温度未満の場合。
以下、これら禁止条件(1)〜(8)の詳細について説明する。
禁止条件(1)〜(4)については、予めECU50のメモリに格納された図6に示す禁止判定マップに基づいて判定される。この禁止判定マップは、エンジン回転数Ne及び燃料噴射量Q(アクセル開度)に基づいて参照される二次元マップであって、予め実験等により取得した上限回転数閾値ラインNe_max_L、下限回転数閾値ラインNe_min_L、上限噴射量閾値ラインQ_max_L及び、下限噴射量閾値ラインQ_min_Lが固定値(一定値)として設定されている。すなわち、これら4本の上下限ラインによって囲まれる略矩形状の領域がNOxパージ許可領域αに設定されている。エンジン回転数Ne及び燃料噴射量QがNOxパージ可能領域αから外れた場合は、NOxパージ制御の実施が禁止されるようになっている。
本実施形態では、このように、エンジン回転数Neが上限回転数閾値Ne_maxよりも高い場合や、筒内インジェクタ11の燃料噴射量が上限噴射量閾値Q_maxよりも多い場合にNOxパージ制御の実施を禁止することで、エンジン温度の急上昇を効果的に防止することができる。また、エンジン回転数Neが下限回転数閾値Ne_minよりも低い場合にNOxパージ制御の実施を禁止することで、HCスリップの増加を効果的に防止することができる。また、筒内インジェクタ11の燃料噴射量が下限噴射量閾値Q_minよりも少ない場合にNOxパージ制御を禁止することで、排気ラムダが下がりにくい状態で無駄なNOxパージ制御の実施を確実に抑止することが可能となり、燃費の悪化を効果的に防止することができる。
禁止条件(5)についても、禁止条件(1)〜(4)と同様に、図6に示す禁止判定マップに基づいて判定される。禁止判定マップには、上述の4本の上下限ラインに加え、さらにブースト圧フィードバック制御ラインFB_max_Lが設定されている。ブースト圧フィードバック制御ラインFB_max_Lよりも燃料噴射量Qが多くなる領域では、ブースト圧センサ46のセンサ値に基づいて可変容量型過給機20の開度をフィードバック制御するブース圧フィードバック制御(空気系はオープンループ制御)が実施されるようになっている。
ブースト圧フィードバック制御ラインFB_max_Lは、エンジン高回転側にてエンジン回転数Neの上昇に伴い燃料噴射量Qを次第に減少させるように設定され、少なくともその一部がNOxパージ許可領域α内の高負荷領域に含まれるようになっている。すなわち、燃料噴射量Qが上限噴射量閾値Q_max以下となるNOxパージ許可領域α内に、ブース圧フィードバック制御が実施される領域βが設定されている。この領域βでNOxパージ制御を実施すると、空気系制御が互いに干渉することになり、実MAFを目標MAF値に一致させられず、排気リッチ噴射量が不適切になる可能性がある。
本実施形態では、このような実MAFと目標MAF値とが一致しない領域βをNOxパージ制御の禁止領域に設定することで、排気リッチ噴射量が不適切になることで引き起こされる燃費の悪化や排気過昇温を確実に防止するようになっている。
禁止条件(6)については、上述したNOxパージ制御の「開始要求」が成立した際の筒内インジェクタ11の燃料噴射量変化に基づいて判定される。より詳しくは、NOxパージ制御の「開始要求」が成立した際に、筒内インジェクタ11の燃料噴射量Qfnl_corrdと、噴射量微分値ΔQに所定の時間定数Kを乗じた値との総和がゼロ未満(負の値)となる以下の条件式(3)を満たす場合は、エンジン10が短時間内にモータリング状態になると判定して、NOxパージ制御の実施を禁止するようになっている。
fnl_corrd−ΔQ×K<0・・・(3)
このように、NOxパージ制御の開始直後にエンジン10がモータリング状態になる可能性がある場合は、NOxパージ制御の実施を禁止することにより、無駄な燃料消費を効果的に防止することができる。
禁止条件(7)については、予めECU50のメモリに格納された排気インジェクタ34の最大限界噴射量Qexh_maxに基づいて判定される。より詳しくは、NOxパージ制御の「開始要求」が成立した際に、排気インジェクタ34の最大限界噴射量Qexh_maxに基づいて、NOxパージ制御を実施した場合の到達可能な排気空気過剰率推定値λest_maxを演算すると共に、この排気空気過剰率推定値λest_maxがNOxパージリッチ制御の空気過剰率目標値λNPR_Trgt(第2目標空気過剰率)よりも高い場合(λest_max>λNPR_Trgt)は、NOxパージ制御の実施を禁止するようになっている。
このように、NOxパージ制御を実施しても、排気インジェクタ34の最大限界噴射量Qexh_maxの制限によって排気を所望の空気過剰率まで低下させられない場合はNOxパージ制御の実施を禁止することにより、無駄な燃料消費を効果的に防止することが可能になる。
禁止条件(8)については、NOx吸蔵還元型触媒32の推定触媒温度に基づいて判定される。推定触媒温度は、例えば、第1排気温度センサ43で検出される酸化触媒31の入口温度、酸化触媒31及びNOx吸蔵還元型触媒32の内部での発熱反応等に基づいて推定され、推定触媒温度が所定の触媒活性温度未満の場合は、NOxパージ制御を禁止するようになっている。
このように、NOx吸蔵還元型触媒32の触媒温度が触媒活性温度未満のときはNOxパージを禁止することにより、白煙の発生等を効果的に防止することが可能になる。
[NOxパージ制御の終了判定]
NOxパージ制御は、(1)NOxパージフラグFNPのオンから排気管噴射又はポスト噴射の噴射量を累積し、この累積噴射量が所定の上限閾値量に達した場合、(2)NOxパージ制御の開始から計時した経過時間が所定の上限閾値時間に達した場合、(3)エンジン10の運転状態やNOx/ラムダセンサ45のセンサ値等を入力信号として含む所定のモデル式に基づいて演算されるNOx吸蔵還元型触媒32のNOx吸蔵量がNOx除去成功を示す所定の閾値まで低下した場合の何れかの条件が成立すると、NOxパージフラグFNPをオフにして終了される(図2の時刻t参照)。
このように、本実施形態では、NOxパージ制御の終了条件に累積噴射量及び、経過時間の上限を設けたことで、NOxパージが排気温度の低下等によって成功しなかった場合に燃料消費量が過剰になることを確実に防止することができる。
[MAF追従制御]
MAF追従制御部80は、(1)通常運転のリーン状態からNOxパージ制御によるリッチ状態への切り替え期間及び、(2)NOxパージ制御によるリッチ状態から通常運転のリーン状態への切り替え期間に、各筒内インジェクタ11の燃料噴射タイミング及び燃料噴射量をMAF変化に応じて補正するMAF追従制御を実行する。
[噴射量学習補正]
図7に示すように、噴射量学習補正部90は、学習補正係数演算部91と、噴射量補正部92とを有する。
学習補正係数演算部91は、エンジン10のリーン運転時にNOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λActと、推定ラムダ値λEstとの誤差Δλに基づいて燃料噴射量の学習補正係数FCorrを演算する。排気がリーン状態のときは、排気中のHC濃度が非常に低いので、酸化触媒31でHCの酸化反応による排気ラムダ値の変化は無視できるほど小さい。このため、酸化触媒31を通過して下流側のNOx/ラムダセンサ45で検出される排気中の実ラムダ値λActと、エンジン10から排出された排気中の推定ラムダ値λEstとは一致すると考えられる。すなわち、これら実ラムダ値λActと推定ラムダ値λEstとに誤差Δλが生じた場合は、各筒内インジェクタ11に対する指示噴射量と実噴射量との差によるものと仮定することができる。以下、この誤差Δλを用いた学習補正係数演算部91による学習補正係数の演算処理を図8のフローに基づいて説明する。
ステップS300では、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて、エンジン10がリーン運転状態にあるか否かが判定される。リーン運転状態にあれば、学習補正係数の演算を開始すべく、ステップS310に進む。
ステップS310では、推定ラムダ値λEstからNOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λActを減算した誤差Δλに、学習値ゲインK及び補正感度係数Kを乗じることで、学習値FCorrAdptが演算される(FCorrAdpt=(λEst−λAct)×K×K)。推定ラムダ値λEstは、エンジン回転数Neやアクセル開度Qに応じたエンジン10の運転状態から推定演算される。また、補正感度係数Kは、図7に示す補正感度係数マップ91AからNOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λActを入力信号として読み取られる。
ステップS320では、学習値FCorrAdptの絶対値|FCorrAdpt|が所定の補正限界値Aの範囲内にあるか否かが判定される。絶対値|FCorrAdpt|が補正限界値Aを超えている場合、本制御はリターンされて今回の学習を中止する。
ステップS330では、学習禁止フラグFProがオフか否かが判定される。学習禁止フラグFProとしては、例えば、エンジン10の過渡運転時、NOxパージ制御時(FNP=1)等が該当する。これらの条件が成立する状態では、実ラムダ値λActの変化によって誤差Δλが大きくなり、正確な学習を行えないためである。エンジン10が過渡運転状態にあるか否かは、例えば、NOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λActの時間変化量に基づいて、当該時間変化量が所定の閾値よりも大きい場合に過渡運転状態と判定すればよい。
ステップS340では、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照される学習値マップ91B(図7参照)が、ステップS310で演算された学習値FCorrAdptに更新される。より詳しくは、この学習値マップ91B上には、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに応じて区画された複数の学習領域が設定されている。これら学習領域は、好ましくは、使用頻度が多い領域ほどその範囲が狭く設定され、使用頻度が少ない領域ほどその範囲が広く設定されている。これにより、使用頻度が多い領域では学習精度が向上され、使用頻度が少ない領域では未学習を効果的に防止することが可能になる。
ステップS350では、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号として学習値マップ91Bから読み取った学習値に「1」を加算することで、学習補正係数FCorrが演算される(FCorr=1+FCorrAdpt)。この学習補正係数FCorrは、図7に示す噴射量補正部92に入力される。
噴射量補正部92は、パイロット噴射QPilot、プレ噴射QPre、メイン噴射QMain、アフタ噴射QAfter、ポスト噴射QPostの各基本噴射量に学習補正係数FCorrを乗算することで、これら燃料噴射量の補正を実行する。
このように、推定ラムダ値λEstと実ラムダ値λActとの誤差Δλに応じた学習値で各筒内インジェクタ11に燃料噴射量を補正することで、各筒内インジェクタ11の経年劣化や特性変化、個体差等のバラツキを効果的に排除することが可能になる。
[MAF補正係数]
MAF補正係数演算部95は、NOxパージ制御時のMAF目標値MAFNPL_Trgtや目標噴射量QNPR_Trgtの設定に用いられるMAF補正係数Maf_corrを演算する。
本実施形態において、各筒内インジェクタ11の燃料噴射量は、NOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λActと推定ラムダ値λEstとの誤差Δλに基づいて補正される。しかしながら、ラムダは空気と燃料の比であるため、誤差Δλの要因が必ずしも各筒内インジェクタ11に対する指示噴射量と実噴射量との差の影響のみとは限らない。すなわち、ラムダの誤差Δλには、各筒内インジェクタ11のみならずMAFセンサ40の誤差も影響している可能性がある。
図9は、MAF補正係数演算部95によるMAF補正係数Maf_corrの設定処理を示すブロック図である。補正係数設定マップ96は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照されるマップであって、これらエンジン回転数Neとアクセル開度Qとに対応したMAFセンサ40のセンサ特性を示すMAF補正係数Maf_corrが予め実験等に基づいて設定されている。
MAF補正係数演算部95は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号として補正係数設定マップ96からMAF補正係数Maf_corrを読み取ると共に、このMAF補正係数Maf_corrをMAF目標値演算部62及び噴射量目標値演算部66に送信する。これにより、NOxパージ制御時のMAF目標値MAFNPL_Trgtや目標噴射量QNPR_Trgtの設定に、MAFセンサ40のセンサ特性を効果的に反映することが可能になる。
[その他]
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
10 エンジン
11 筒内インジェクタ
12 吸気通路
13 排気通路
16 吸気スロットルバルブ
24 EGRバルブ
31 酸化触媒
32 NOx吸蔵還元型触媒
33 フィルタ
34 排気インジェクタ
40 MAFセンサ
45 NOx/ラムダセンサ
50 ECU





Claims (3)

  1. 内燃機関の排気系に設けられ、排気リーン状態で排気中のNOxを吸蔵すると共に、排気リッチ状態で吸蔵されていたNOxを還元浄化するNOx吸蔵還元型触媒と、
    排気をリッチ状態にして前記NOx吸蔵還元型触媒に吸蔵されているNOxを還元浄化する触媒再生処理を実施する触媒再生手段と、
    前記内燃機関の燃料噴射量に基づいて当該内燃機関が燃料噴射を停止させるモータリング状態になるか否かを判定すると共に、モータリング状態になると判定した場合は、前記触媒再生手段による触媒再生処理の実施を禁止する禁止手段と、を備える
    排気浄化システム。
  2. 前記禁止手段は、前記内燃機関の燃料噴射量と、当該燃料噴射の微分値に所定の時間定数を乗じた値との総和が負の値になる場合に、前記内燃機関がモータリング状態になると判定する
    請求項1に記載の排気浄化システム。
  3. 前記禁止手段は、前記NOx吸蔵還元型触媒のNOx吸蔵量が所定の上限閾値に達するか、或は、前記NOx吸蔵還元型触媒のNOx浄化率が所定の下限閾値まで低下する触媒再生処理の開始条件成立時に、前記モータリング状態になるか否かを判定する
    請求項1又は2に記載の排気浄化システム。





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