実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行するので、遊技者は、遊技の進行状況を把握しやすくなる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと(遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過することでもよい))した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、左中右の飾り図柄の種類は、それぞれ、9種類(例えば、「1」〜「9」)であるとする。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのみを設けるようにし、演出表示装置9の表示画面上には合算保留記憶表示部18cを設けないようにしてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、ランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cなどの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される飾り図柄やキャラクタ画像を用いて実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」になる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、飾り図柄が揃って停止表示される。
図6は、あらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、「擬似連演出」を伴わない変動パターンとして、変動パターン1(通常変動はずれ)、変動パターン2(ノーマルリーチはずれ)、変動パターン3(ノーマルリーチ当り)、変動パターン4(スーパーリーチはずれ)、変動パターン5(スーパーリーチ当り)および変動パターン13(突然確変大当り時用変動)がある。
変動パターン1(通常変動はずれ)は、リーチ演出が実行されずに最終停止図柄として「はずれ図柄」が導出表示されるような変動パターンである。変動パターン2(ノーマルリーチはずれ)は、ノーマルリーチの演出が行われた後に最終停止図柄として「はずれ図柄」が導出表示されるような変動パターンである。変動パターン3(ノーマルリーチ当り)は、ノーマルリーチの演出が行われた後に最終停止図柄として「大当り図柄」が導出表示されるような変動パターンである。変動パターン4(スーパーリーチはずれ)は、スーパーリーチの演出が行われた後に最終停止図柄として「はずれ図柄」が導出表示されるような変動パターンである。変動パターン5(スーパーリーチ当り)は、スーパーリーチの演出が行われた後に最終停止図柄として「大当り図柄」が導出表示されるような変動パターンである。変動パターン13は、突然確変大当り時に用いられる変動パターンである。
「擬似連演出」を伴う変動パターンとして、変動パターン6(擬似連(1回)→はずれ)、変動パターン7(擬似連(1回)→ノーマルリーチはずれ)、変動パターン8(擬似連(1回)→ノーマルリーチ当り)、変動パターン9(擬似連(2回)→ノーマルリーチはずれ)、変動パターン10(擬似連(2回)→ノーマルリーチ当り)、変動パターン11(擬似連(3回)→スーパーリーチはずれ)および変動パターン12(擬似連(3回)→スーパーリーチ当り)がある。
変動パターン6(擬似連(1回)→はずれ)は、1回の飾り図柄の再変動(左中右の飾り図柄を仮停止表示させた後に再び左中右の飾り図柄を変動させること)が行われた後に、左中右の飾り図柄(はずれ図柄)が確定(最終停止)するような変動パターンである。
変動パターン7(擬似連(1回)→ノーマルリーチはずれ)は、1回の飾り図柄の再変動(左中右の飾り図柄を仮停止表示させた後に再び左中右の飾り図柄を変動させること)が行われ、ノーマルリーチの演出が行われた後に、左中右の飾り図柄(はずれ図柄)が確定(最終停止)するような変動パターンである。
変動パターン8(擬似連(1回)→ノーマルリーチ当り)は、1回の飾り図柄の再変動(左中右の飾り図柄を仮停止表示させた後に再び左中右の飾り図柄を変動させること)が行われ、ノーマルリーチの演出が行われた後に、左中右の飾り図柄(大当り図柄)が確定(最終停止)するような変動パターンである。
変動パターン9(擬似連(2回)→ノーマルリーチはずれ)は、2回の飾り図柄の再変動(左中右の飾り図柄を仮停止表示させた後に再び左中右の飾り図柄を変動させること)が行われ、ノーマルリーチの演出が行われた後に、左中右の飾り図柄(はずれ図柄)が確定(最終停止)するような変動パターンである。
変動パターン10(擬似連(2回)→ノーマルリーチ当り)は、2回の飾り図柄の再変動(左中右の飾り図柄を仮停止表示させた後に再び左中右の飾り図柄を変動させること)が行われ、ノーマルリーチの演出が行われた後に、左中右の飾り図柄(大当り図柄)が確定(最終停止)するような変動パターンである。
変動パターン11(擬似連(3回)→スーパーリーチはずれ)は、3回の飾り図柄の再変動(左中右の飾り図柄を仮停止表示させた後に再び左中右の飾り図柄を変動させること)が行われ、スーパーリーチの演出が行われた後に、左中右の飾り図柄(はずれ図柄)が確定(最終停止)するような変動パターンである。
変動パターン12(擬似連(3回)→スーパーリーチ当り)は、3回の飾り図柄の再変動(左中右の飾り図柄を仮停止表示させた後に再び左中右の飾り図柄を変動させること)が行われ、スーパーリーチの演出が行われた後に、左中右の飾り図柄(大当り図柄)が確定(最終停止)するような変動パターンである。
なお、再変動が2回または3回実行される場合には、再変動が行われた後、必ず、表示結果ははずれ図柄になるもののリーチ演出が実行されるか、15R大当りになるか、突確大当りになるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、擬似連演出が行われた後にリーチ演出が実行される変動パターンがあるが、擬似連演出が行われた場合には、リーチ演出が実行されることがないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、図6に示すように、変動パターンに応じて変動時間が固定的に定められているが、例えば、同じ種類の変動パターンによる変動(可変表示)が行われる場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、スーパーリーチを伴う変動パターンによる変動が行われる場合に、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、スーパーリーチを伴う変動パターンによる変動が行われる場合に、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、遊技状態が確変状態または時短状態であるときには、各変動パターンのうち、所定の変動パターン(例えば、「通常変動はずれ」の変動パターン)の変動時間が短縮される(例えば、1/2の変動時間になる)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム2(MR2):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別判定用乱数(ランダム2)および普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。なお、図8に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図9に示す大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図9(A)には、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)が示されている。図9(B)には、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)が示されている。
通常大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が多い回数(例えば、15回)まで許容され、大当り遊技状態が終了すると、遊技状態を時短状態に変化させるような大当りである。確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が多い回数(例えば、15回)まで許容され、大当り遊技状態が終了すると、遊技状態を確変状態に変化させるような大当りである。突然確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少なく大入賞口の開放時間が極めて短い(例えば、開放時間が0.5秒で開放回数が2回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。以下、突然確変大当り(突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態は特殊遊技状態の一例)を突確大当りまたは2ラウンド(2R)大当りということがある。また、通常大当りと確変大当りとを15R大当りと総称することがある。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りの場合には大入賞口の開放回数は2回であるが、すなわち、突然確変大当りにもとづく大当り遊技のラウンド数は2であるが、突然確変大当りにもとづく大当り遊技のラウンド数を、通常大当りおよび確変大当りのラウンド数と同じ(例えば、15ラウンド)にしてもよい。その場合には、1ラウンドの開放時間をさらに短くする(例えば、0.1秒にする)。
また、この実施の形態では、一例として、突然確変大当り特別図柄の停止図柄は「3」であり、確変大当りになるときには特別図柄の停止図柄は確変大当り図柄である「7」であり、通常大当りになるときには特別図柄の停止図柄は通常大当り図柄である「5」である。すなわち、大当りの種別と特別図柄の停止図柄の種別とは対応している。
図9(A)には、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)が示されている。図9(B)には、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)が示されている。
高ベース状態では、遊技球が第1始動入賞口13に入賞することに比べて、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会が多いので、図9(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される機会が極めて多い。また、低ベース状態では、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会はないので、図9(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される。
なお、図9(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いる場合にのみ「突然確変大当り」に振り分けられることがあり、図9(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いる場合には「突然確変大当り」に振り分けられることはないが(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)、第2特別図柄の変動表示が行われる場合にも、「突然確変大当り」に振り分けられることがあるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では所定の乱数を用いて大当りの種別を決定するが、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別が決まるようにしてもよい。
また、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別を決定する場合に、ある図柄(1つでもよいし複数でもよい)については、そのときの遊技状態に応じて、大当り遊技の終了後に時短状態に移行させる場合があったり、時短状態に移行させない場合があったりしてもよい。
図10は、大当りの種別と大当り遊技後の遊技状態を示す説明図である。図10に示すように、突然確変大当りにもとづく大当り遊技後には、遊技状態は、確変状態かつ高ベース状態に制御される。確変大当りにもとづく大当り遊技後には、遊技状態は、確変状態かつ高ベース状態に制御される。通常大当りにもとづく大当り遊技後には、遊技状態は、通常状態(非確変状態)かつ高ベース状態(ただし、時短状態の終了まで)に制御される。
図11は、ROM54に記憶されている変動パターン決定テーブルを示す説明図である。図11に示すように、変動パターン決定テーブルは、「15R大当り」フィールド、「突確大当り」フィールドおよび「はずれ」フィールドを有し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
例えば、可変表示結果を通常大当りや確変大当りにする旨の判定がなされたときには、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)と「15R大当り」フィールドの値とにもとづいて決定される。また、可変表示結果を突然確変大当りにする旨の判定がなされたときには、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)と「突確大当り」フィールドの値とにもとづいて決定される。また、可変表示結果をはずれにする旨の判定がなされたときには、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)と「はずれ」フィールドの値とにもとづいて決定される。
図11に示す変動パターン決定テーブルによると、ノーマルリーチよりもスーパーリーチが実行される変動パターンが選択されたときの方が大当りとなる割合が高い。また、同じリーチが実行される場合であっても、擬似連の仮停止回数が多い方が大当りとなる割合が高い。
なお、この実施の形態では、保留記憶数に関わらず1つの変動パターン決定テーブルを使用するが、保留記憶数に応じて、異なる変動パターン決定テーブルを使用してもよい。その場合、例えば、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)が多い(例えば、3以上)場合に使用される変動パターン決定テーブルの「はずれ」フィールドでは、リーチ確率が低くなるように判定値が設定される。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび突確大当り開始指定コマンドがある。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(突確大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確率状態指定コマンド)である。なお、B001(H),B002(H)の演出制御コマンドを、背景指定コマンドということがある。
コマンドC000(H)は、合算保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶数について、保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。その場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図12に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321)。また、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、特別図柄の表示結果を導出表示し、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄の表示結果が導出表示された後、大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図14は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図15参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。なお、ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図15は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図15に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。また、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタや保留記憶数カウンタも、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、第1特別図柄保留記憶表示器18aの点灯個数を1増やす(ステップS216A)。また、合算保留記憶数加算指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS217A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。図15に示すように、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値と同数の保存領域が確保されている。CPU56は、ステップS215Bの処理において、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域に値を格納する。
次いで、CPU56は、第2特別図柄保留記憶表示器18bの点灯個数を1増やす(ステップS216B)。また、合算保留記憶数加算指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS217B)。
図16および図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。換言すれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS57)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S07の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図8参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。なお、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。
遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りになる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。また、ステップS61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、ステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用乱数(ランダム2)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「3」、「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図18は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別が15R大当り(通常大当りまたは確変大当り)である場合には(ステップS92)、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用する変動パターン判定テーブルのフィールドとして、「15R大当り」フィールド(図11参照)を選択する(ステップS93)。そして、ステップS101に移行する。
大当り種別が15R大当りでない場合には、変動パターンを決定するために使用する変動パターン判定テーブルのフィールドとして、「突確大当り」フィールド(図11参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS101に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、変動パターンを決定するために使用する変動パターン判定テーブルのフィールドとして、「はずれ」フィールド(図11参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS101に移行する。
ステップS101では、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS93,S94,S96,S97の処理で選択した変動パターン決定テーブルのフィールドを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。また、この実施の形態では、変動パターン判定用乱数を用いて直接変動パターンが決定されるが、あらかじめ変動パターンを変動パターン種別にグループ化し、まず、変動パターン種別判定用乱数を用いて変動パターン種別を決定し、決定した変動パターン種別に含まれる変動パターンの中から、変動パターン判定用乱数を用いて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、また、特別図柄の変動を開始する(ステップS105)。具体的には、例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS107)。
なお、はずれと決定されている場合において、リーチに関わりなく変動パターンを決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、変動パターンを決定するようにしてもよい。その場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン決定テーブル(非リーチの変動パターンのみを含むもの)と、リーチ用の変動パターン判定テーブル(リーチの変動パターンのみを含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン決定テーブルを選択して、変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合に、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図19は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果4指定のいずれかの演出制御コマンド(図12参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS118に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
ステップS118では、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。そして、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器の点灯個数を1減らす(ステップS119)。また、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS120)。なお、ステップS119の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1特別図柄保留記憶表示器18aの点灯個数を1減らし、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2特別図柄保留記憶表示器18bの点灯個数を1減らす。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS121)。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の停止時柄を導出表示し(ステップS127)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされている場合には、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には突確大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、開放回数カウンタに開放回数をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。なお、S138の処理では、CPU56は、大当りの種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には15回をセットし、突然確変大当りである場合には2回をセットする。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS140)。セットされている場合には、ステップS152に移行する。確変フラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。セットされていない場合には、ステップS152に移行する。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。また、CPU56は、低確率状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS146)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS152)。
図22は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行うとともに(ステップS404)、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(ステップS406)。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS415)。なお、ステップS406の処理では、CPU56は、大当りの種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には29秒に応じた値を設定し、突然確変大当りである場合には0.5秒に応じた値を設定する。
図23は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS421)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(ステップS422)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(ステップS423)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS424)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば、10)になっているか否か確認する(ステップS425)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS422の判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行う(ステップS426)。そして、入賞個数カウンタの値を0にする(ステップS427)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(ステップS430)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS431)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(ステップS432)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS433)。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS434)。
図24は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ステップS162の処理では、CPU56は、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には突確大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していない場合には処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、通常大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74の処理で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定される。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットし(ステップS167)、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば、50)をセットする(ステップS168)。そして、ステップS171に移行する。また、通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)。そして、CPU56は、時短フラグをセットし(ステップS170)、ステップS171に移行する。このような制御によって、確変大当りにもとづく大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態(時短状態でもある。)に移行され、通常大当りにもとづく大当り遊技が終了したときに遊技状態が時短状態に移行され、突然確変大当りにもとづく大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態(時短状態でもある。)に移行される。
なお、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。また、時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、時短フラグがセットされている場合には、時短フラグがセットされていない場合に比べて、普通図柄の変動表示結果を当りにするか否かの抽選における当り確率(当りに決定する割合)を高くする。すなわち、時短状態がセットされている状態は、高ベース状態である。
ステップS171では、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS171)。ステップS171では、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、高確率状態指定コマンドを送信する制御を行う。確変フラグがセットされていない場合には、低確率状態指定コマンドを送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動終了時(図21におけるステップS146参照)または大当り遊技の終了時に背景指定コマンドを送信する制御を行うが、そのような制御に代えて、特別図柄の変動開始時(例えば、特別図柄通常処理において)送信する制御を行ってもよいし、客待ちデモ指定コマンドを送信するとき(例えば、客待ちデモ指定コマンドの送信直前)に送信する制御を行ってもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS173)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図25は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S706の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図12参照)であるのか解析する。
図26〜図28は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンド)であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)をセットする(ステップS622)。なお、大当り開始指定コマンド受信フラグは、演出制御プロセス処理における大当り表示処理または飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101によって、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていることが確認されたときにリセットされたり、大当り遊技が終了したとき(大当り終了演出処理の実行時)にリセットされたりする。
受信した演出制御コマンドが突確大当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、突確大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。なお、突確大当り開始指定コマンド受信フラグは、演出制御プロセス処理における大当り表示処理または飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101によって、突確大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていることが確認されたときにリセットされたり、大当り遊技が終了したとき(大当り終了演出処理の実行時)にリセットされたりする。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。なお、大当り終了1指定コマンドと大当り終了2指定コマンドとを大当り終了指定コマンドと総称することがある。
受信した演出制御コマンドが突確大当り終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、突確大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。大当り終了指定コマンド受信フラグは、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理において、演出制御用CPU101によって、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていることが確認されたときにリセットされたり、大当り遊技が終了したとき(大当り終了演出処理の実行時)にリセットされたりする。また、突確大当り終了指定コマンド受信フラグは、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理において、演出制御用CPU101によって、突確大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていることが確認されたときにリセットされたり、大当り遊技が終了したとき(大当り終了演出処理の実行時)にリセットされたりする。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。なお、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグは、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理において、演出制御用CPU101によって、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされていることが確認されたときにリセットされる。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS648)。なお、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグは、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理において、演出制御用CPU101によって、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていることが確認されたときにリセットされる。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する保留記憶数の値を1加算する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、更新後の保留記憶数に従って、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶数の表示を更新する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域に格納する保留記憶数の値を1減算する(ステップS655)。また、演出制御用CPU101は、更新後の保留記憶数に従って、合算保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが高確率状態指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS662)。受信した演出制御コマンドが低確率状態指定コマンドであれば(ステップS665)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをリセットする(ステップS666)。また、演出表示装置9に表示される背景画面を通常状態における背景画面の色調(例えば、青色の色調の背景画面)に変更する(ステップS667)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS670)。そして、ステップS611に移行する。
図29は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図29に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用乱数SR1−1〜SR1−3と、仮停止図柄を決定するための第1〜第3仮停止図柄決定用乱数SR2−1〜SR2−3と、示唆演出を実行するか否か判定するための示唆演出実行判定用乱数SR3と、示唆演出パターンを決定するための示唆演出パターン決定用乱数SR4と、特典を付与するか否か決定するための特典決定用乱数SR5と、付与するアイテムを決定するための第1〜第3アイテム決定用乱数SR6−1〜SR6−3とを用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果となる停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。なお、飾り図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数(例えば、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1)によって決定される。
仮停止図柄決定用乱数SR2は、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに仮停止表示される飾り図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、仮停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了するまでに「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて一時的に仮停止表示される3つの飾り図柄のことである。
示唆演出実行判定用乱数SR3は、示唆演出を実行するか否かを判定するために用いられる乱数である。なお、この実施の形態では、示唆演出として、大当り遊技中(ラウンド中)に通常大当りから確変大当りに昇格するか否かを示唆する確変昇格演出を行う。示唆演出パターン決定用乱数SR4は、示唆演出を実行する場合の示唆演出パターンを決定するために用いられる乱数である。
特典決定用乱数SR5は、特典を付与するか否か決定するために用いられる乱数である。この実施の形態では、アイテムが付与されたものの、確変昇格演出に用いられなかった場合に、特典が付与される場合がある。
第1〜第3アイテム決定用乱数SR6−1〜SR6−3は、付与するアイテムを決定するために用いられる乱数である。この実施の形態では、確変昇格演出で用いられるアイテムが3つ付与される。第1アイテム決定用乱数SR6−1は、大当り遊技中の12Rに行われる確変昇格演出で用いられるアイテムを決定するために用いられる。第2アイテム決定用乱数SR6−2は、大当り遊技中の13Rに行われる確変昇格演出で用いられるアイテムを決定するために用いられる。第3アイテム決定用乱数SR6−3は、大当り遊技中の14Rに行われる確変昇格演出で用いられるアイテムを決定するために用いられる。なお、この実施の形態では、12〜14Rの各ラウンドで最大3回の確変昇格演出が実行されうるが、確変昇格演出で昇格に成功した場合(すなわち確変に昇格することが確定した場合)には、以降のラウンドでは確変昇格演出は実行されない。したがって、第1〜第3アイテム決定用乱数SR6−1〜SR6−3を用いて決定された各アイテムは、付与されたものの、確変昇格演出に用いられない場合がある。
図30は、図25に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
また、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図31は、図30に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図32は、図30に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。また、演出制御用CPU101は、RAMの表示結果特定コマンド格納領域から、受信した表示結果特定コマンドを読み出す(ステップS822)。その後、演出制御用CPU101は、読み出した変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドにもとづいて、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定し、決定した表示結果を示すデータを、RAMに形成されている飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
図33は、飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図33に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として、3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示し(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、かつ示唆演出を実行すると判定されている場合にも、演出制御用CPU101は、停止図柄として、3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示し(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、かつ示唆演出を実行しないと判定されている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。図33に示すように、この実施の形態では、示唆演出として確変昇格演出が行われることが決定されているときには、受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示していても3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。なお、この実施の形態では、示唆演出を実行するか否かを決定した後に、決定結果にしたがって、確変大当りの場合の停止図柄を決定する(通常大当りまたは確変大当りの発生を想起させるような停止図柄のいずれにするかを決定する)が、例えば、停止図柄を決定した後に、通常大当りの発生を想起させるような停止図柄に決定された場合には、示唆演出を実行すると決定してもよい。
また、はずれまたは突然確変大当りの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
また、演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄や仮停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値(判定値)とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄や仮停止図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。ただし、仮停止図柄については仮停止図柄と仮停止図柄決定用乱数による判定値とが対応するテーブルのみが設けられている。
また、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
最終停止図柄を決定するときに、具体的には、演出制御用CPU101は、読み出した表示結果特定コマンドにもとづいて、確変大当りまたは通常大当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS823)。そして、確変大当りまたは通常大当りであると判定すると、演出制御用CPU101は、示唆演出を実行するか否かを判定する示唆演出実行判定処理を行う(ステップS824A)。また、ステップS823で確変大当りまたは通常大当りではないと判定した場合には、ステップS826に移行する。
図34は、示唆演出実行判定処理の一例を示すフローチャートである。示唆演出実行判定処理において、演出制御用CPU101は、示唆演出実行判定用乱数SR3を抽出し、抽出した乱数と、図34(a)または(b)に示される示唆演出実行判定用テーブル(確変大当りまたは通常大当りであるかに応じて選択される)とにもとづいて、示唆演出を実行するか否かを決定する(ステップS8241)。そして、示唆演出を実行すると決定した場合には(ステップS8242のY)、演出制御用CPU101は、示唆演出実行設定フラグをセットする(ステップS8243)。なお、図34(a),(b)に示す例に限らず、確変大当りの場合に、必ず示唆演出を実行するようにしてもよいし、通常大当りの場合に必ず示唆演出を実行するようにしてもよいし、いずれの大当りの場合にも必ず示唆演出を実行するようにしてもよい。以上の処理によって、示唆演出を実行するか否かを決定し、示唆演出を実行すると決定した場合には示唆演出実行設定フラグがセットされる。
ステップS824Aで示唆演出実行判定処理を行うと、演出制御用CPU101は、読み出した表示結果特定コマンドおよび示唆演出実行フラグの状態にもとづいて、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS824B)。具体的には、演出制御用CPU101は、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1を抽出し、抽出した乱数にもとづいて左中右の最終停止図柄を決定する。通常大当りまたは確変大当りかつ示唆演出実行フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、3図柄が偶数図柄で揃った左中右の最終停止図柄を決定する。また、確変大当りかつ示唆演出実行フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、3図柄が奇数図柄で揃った左中右の最終停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、決定した表示結果を示すデータを、RAMに形成されている飾り図柄表示結果格納領域に格納する(ステップS825)。
ステップS826では、演出制御用CPU101は、リーチすることになるか否か確認する。リーチすることになるか否かは、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドによって確認される。リーチしない場合には、演出制御用CPU101は、第1〜第3最終停止図柄決定用乱数SR1−1〜SR1−3を抽出し、抽出した乱数にもとづいて左中右の最終停止図柄を決定する(ステップS827)。そして、ステップS825に移行する。なお、演出制御用CPU101は、決定した左中右の最終停止図柄が、リーチ図柄(左右図柄が一致)または擬似連図柄に一致した場合には、左中右のいずれかの図柄をずらして、リーチ図柄または擬似連図柄に一致しないようにする。
リーチしない場合には、演出制御用CPU101は、第1,第2最終停止図柄決定用乱数SR1−1,SR1−2を抽出し、抽出した乱数にもとづいて左中右の最終停止図柄を決定する(ステップS828)。この場合、例えば、第1最終停止図柄決定用乱数SR1−1の値に応じて左右図柄を決定し、第2最終停止図柄決定用乱数SR1−2の値に応じて中図柄を決定する。なお、決定した最終停止図柄が大当り図柄になった場合には、中図柄をずらして、大当り図柄に一致しないようにする。そして、ステップS825に移行する。
ステップS825では、演出制御用CPU101は、ステップS824B,S827,S828の処理で決定した左中右の飾り図柄を示すデータをRAMの保存領域に保存する。
ステップS832では、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS833)。
図35は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図35に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。
演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS834)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS835)。その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS836)。
また、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
図36は、図30に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS840A)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS840B)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS841)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS842)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置の制御状態を変更する(ステップS843)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS853)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS856)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS854)、確定コマンド受信フラグをリセットして(ステップS855)、ステップS856の処理を実行する。すなわち、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図37は、図30に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、まず、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS8301)。
次いで、演出制御用CPU101は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS8302)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8307に移行する。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8304)。ファンファーレ演出は、大当り種別ごとに異なる演出であってもよいし、同じ演出であってもよい。例えば、確変大当りまたは通常大当りの場合と突然確変大当りの場合とで異なるファンファーレ演出を行うようにしてもよい。演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8304)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS8305)。その後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8306)。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りにもとづく大当り遊技の終了後に遊技状態が高ベース状態に移行するが(図10参照)、突然確変大当りにもとづく大当り遊技の終了後に、高ベース状態に移行する場合と低ベース状態に移行する場合とがあるようにしてもよい。
ステップS8307では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8307)。
図38は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS901)。大入賞口開放中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS902)。そして、プロセスタイマの値が0になった(プロセスタイマがタイムアウトした)か否か確認する(ステップS903)。プロセスタイマがタイムアウトした場合には、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS904)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS905)。
大入賞口開放中フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、演出態様決定処理を行う(ステップS908)。演出態様決定処理では、演出制御用CPU101は、確変昇格演出の演出態様を決定する。なお、他のタイミング例えば大当り開始指定コマンド受信時や10R(確変昇格演出が実行されうる最初のラウンド)の大入賞口開放中指定コマンド受信時に演出態様決定処理を実行してもよい。また、大入賞口開放中指定コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS909)。なお、ステップS909では、第1ラウンドに応じたラウンド中演出が選択される。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS910)、ラウンド中演出に応じたプロセステーブル(15回開放内第1回開放中演出に応じたプロセステーブル)を選択する(ステップS911)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS912)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS913)。その後、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS914)。
図39は、大当り表示処理における演出態様決定処理(ステップS908)を示すフローチャートである。演出態様決定処理において、演出制御用CPU101は、示唆演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9081)。そして、示唆演出実行フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、示唆演出パターンを決定する(ステップS9082)。
この実施の形態では、示唆演出として、アイテムを付与する演出と、付与されたアイテムを用いた確変昇格演出とを行う。図40(a)は、示唆演出パターン決定用テーブルの説明図である。図40(a)に示されるように、この実施の形態では、4つの示唆演出パターンが設けられている。また、この実施の形態では、いずれのパターンでも11Rに3つのアイテムが付与されるが、アイテムが付与されるタイミングや個数はこれに限らず任意であってよい。例えば、飾り図柄の変動開始時や変動中、擬似連演出時、リーチ演出時等にアイテムを付与するようにしてもよい。また、一度に(1つの演出において)複数のアイテムを付与してもよい。また、この実施の形態では、アイテムは、付与されると一時的に貯留される。ここで、アイテムの貯留とはRAMに形成された記憶領域にアイテムを特定可能なデータを記憶することである。この実施の形態では、貯留されたアイテムは、示唆演出において確変昇格演出に用いられると消滅する。すなわち、記憶領域から対応するデータが消去される。また、貯留されたアイテムは、示唆演出において確変昇格演出に用いられなくても、特典が付与されたとき、または示唆演出が終了したときに消滅する。なお、貯留されたアイテムが消滅するタイミングは、この実施の形態の例に限らず、例えば、示唆演出が終了しても、次回以降の示唆演出において確変昇格演出等の演出で用いられるまで、またはアイテムと引き換えに特典が付与されるまで消滅しないようにしてもよい。
示唆演出パターン番号1に示されるパターンでは、12Rにアイテムを使用して確変昇格に成功する演出が行われ、13Rおよび14Rには演出が行われず、付与された3つのアイテムのうち2つが不使用のまま残される。
示唆演出パターン番号2に示されるパターンでは、12Rにアイテムを使用して確変昇格に失敗する演出が行われ、13Rにアイテムを使用して確変昇格に成功する演出が行われる。そして、14Rには演出が行われず、付与された3つのアイテムのうち1つが不使用のまま残される。
示唆演出パターン番号3に示されるパターンでは、12Rおよび13Rにアイテムを使用して確変昇格に失敗する演出が行われ、14Rにアイテムを使用して確変昇格に成功する演出が行われる。そのため、付与された3つのアイテムは全て使用される。
示唆演出パターン番号4に示されるパターンでは、12R、13Rおよび14Rにアイテムを使用して確変昇格に失敗する演出が行われる。そのため、付与された3つのアイテムは全て使用される。
ステップS9082では、演出制御用CPU101は、示唆演出パターン決定用乱数SR4を抽出し、抽出した乱数と大当り種別(確変大当りまたは通常大当り)とに基づいて、図40(a)に示される示唆演出パターン決定用テーブルを用いて示唆演出を決定する。なお、図40(a)に示される例では、確変大当りの場合に示唆演出パターン4が選択されないように設定されているが、選択可能に設定してもよい。ただし、示唆演出以外のタイミング(例えば、大当り遊技終了時のエンディング演出)で昇格演出が行われることが望ましい。
次いで、演出制御用CPU101は、特典を付与するか否かを決定する(ステップS9083)。図40(b)は、特典決定用テーブルの説明図である。図40(b)に示されるように、特典が付与されるか否かは、決定された示唆演出パターンによる不使用アイテムの数と乱数とによって定められ、不使用アイテム数が多い方が付与される割合が高くなるように定められている。演出制御用CPU101は、特典決定用乱数SR5を抽出し、抽出した乱数と、決定した示唆演出パターンによる不使用アイテムの数とに基づいて、図40(b)の特典決定用テーブルを用いて、特典を付与するか否かを決定する。また、特典を付与すると決定した場合には(ステップS9085のY)、演出制御用CPU101は、特典付与フラグをセットする(ステップS9085)。なお、特典とは、例えば、音楽、壁紙、待ち受け画面等のコンテンツデータ、あるいは、所定の物品と交換できる交換券を示すデータ(例えば、2次元コードやポイント(累積した後に交換))等である。また、図40(b)に示す例では、不使用アイテムがあるときにも特典が付与しない場合があるが、不使用アイテムがあれば必ず特典を付与するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、第1〜第3アイテム決定用乱数SR6−1〜3を抽出し、抽出した乱数と決定した示唆演出パターンの12〜14Rの演出内容とに基づいて、付与する3つのアイテムを決定する。
図40(c1),(c2)は、アイテム決定用テーブルの説明図である。この実施の形態では、付与されたアイテムを使用可能なタイミングがラウンド中の12R、13Rおよび14Rに設けられている。そして、各タイミングにおける演出内容は、示唆演出パターンによって決定される。具体的には、演出内容は、確変昇格に成功する演出(アイテムの使用あり)、確変昇格に失敗する演出(アイテムの使用あり)または演出が行われないもの(アイテム使用なし)のいずれかである。アイテム使用タイミングの演出内容が、確変昇格に成功する演出または確変昇格に失敗する演出である場合のアイテム(すなわち使用されるアイテム)を決定するときには、図40(c1)に示すアイテム決定用テーブルが用いられ、演出が行われない場合のアイテム(すなわち使用されないアイテム)を決定するときには、図40(c2)に示すアイテム決定用テーブルが用いられる。
図40(c1),(c2)に示すように、この実施の形態では、アイテムA、アイテムBおよびアイテムCの3種類のアイテムが設けられ、演出に用いられた場合の信頼度は、アイテムA<アイテムB<アイテムCとなっている。図40(c1)に示すように、確変昇格に成功する演出に用いられる場合には、確変昇格に成功する演出に用いられる場合に比べて、信頼度が高いアイテムに決定される割合が高い。また、図40(c2)に示すように、演出に用いられないアイテムを決定する場合には、特典を付与すると決定されているときには、特典付与しないと決定されているときに比べて、信頼度が高いアイテムに決定される割合が高い。すなわち、信頼度が低いアイテムよりも信頼度が高いアイテムが示唆演出に用いられずに残ったときのほうが、特典が付与されやすくなる。
演出制御用CPU101は、以上の処理によって決定した示唆演出パターンおよび付与アイテムを示すデータを、RAMに形成されている記憶領域に格納する。なお、この実施の形態では、示唆演出パターンを決定し、特典を付与するか否かを決定した後に付与するアイテムを決定しているが、この順番に限らず、任意の順番でそれぞれ決定してもよい。また、図40に示す例では、それぞれ独立したテーブルを用いて示唆演出パターン、特典を付与するか否かおよび付与するアイテムを決定しているが、全て併せて構成された1つのテーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、演出態様決定処理を大当り表示処理で行っているが、示唆演出を実行するか否かを決定した飾り図柄変動開始処理の示唆演出実行判定処理の後に行うようにしてもよい。
図41は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1902)。演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、ラウンドの切り替わりに関わらず(つまり、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かに関わらず)、確変昇格演出が終了するまで確変昇格演出の実行を継続するように構成されていてもよい。そのように構成された場合には、大入賞口への遊技球の入賞具合によって確変昇格演出が途中で途切れてしまうことを確実に防止することができる。
大入賞口開放後フラグもセットされていないときは、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS1906)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1907)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS1909)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS1910)。
ステップS1902の処理で大入賞口開放後フラグがセットされていることを確認した場合には、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS1911)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS1912)。なお、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理に応じた値に更新することによってラウンド後処理を実行する状態に移行するが、プロセステーブルを変更しないので、確変昇格演出が実行されていた場合には、確変昇格演出を、所定期間(例えば、確変昇格演出終了まで)継続することができる。なお、確変昇格演出中でなければ、プロセステーブルを変更してインターバル中はラウンド中と異なる演出を行ってもよい。
ステップS1901の処理で大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされていることを確認した場合には、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1919)、エンディング演出に対応するプロセステーブルを選択する(ステップS1920)。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS1921)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS1922)。また、演出制御用CPU101は、エンディング演出の期間を決めるための大当り終了演出期間タイマにエンディング演出の期間に相当する値を設定する(ステップS1923)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に応じた値に更新する(ステップS1924)。
図42は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1971)。大入賞口開放中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS1972)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1973)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS1974)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS1975)。
大入賞口開放中フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、示唆演出実行フラグがセットされており、かつ次ラウンドが示唆演出(アイテム付与演出または確変昇格演出)の実行ラウンドであるか否か確認する(ステップS1976)。示唆演出実行フラグがセットされていない、または次ラウンドが示唆演出の実行ラウンドでない場合には、ステップS1978に移行する。次ラウンドが示唆演出の実行ラウンドであるか否かは、例えば、ラウンド数を計数するためのカウンタをRAMに設け、1ラウンドが経過する毎にカウンタを+1し、カウンタのカウント値が、11〜14のいずれかであるかを確認したり、大入賞口開放中指定コマンドの2バイト目で指定されるラウンド数が、11〜14のいずれかであるかを確認することによって判定することができる。
示唆演出実行フラグがセットされており、かつ次ラウンドが示唆演出の実行ラウンドである場合には、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドの2バイト目で指定されるラウンド数、示唆演出パターンおよび付与アイテムに応じたラウンド中演出を選択する(ステップS1977)。
そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1981)、選択したラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS1982)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1983)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS1984)。その後、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS1986)。
次ラウンドが示唆演出の実行ラウンドでない場合には、演出制御用CPU101は、次ラウンドが最終ラウンド(15R)であり、かつ特典付与フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1978)。そして、次ラウンドが最終ラウンド(15R)であり、かつ特典付与フラグがセットされている場合には(ステップS1978のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドの2バイト目で指定されるラウンド数および付与する特典に応じたラウンド中演出を選択し(ステップS1979)、特典付与フラグをリセットする。具体的には、演出制御用CPU101は、特典付与演出を含む演出であって、最終ラウンドに応じたラウンド中演出を選択する。そして、演出制御用CPU101は、ステップS1981の処理に移行する。なお、この実施の形態では、最終ラウンドに特典が付与されているが、これに限らず、例えば、大当り中またはエンディング演出やそれ以降のタイミングにおいて特典が付与されるようにしてもよい。
また、次ラウンドが最終ラウンド(15R)であり、かつ特典付与フラグがセットされていない場合(ステップS1978のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドの2バイト目で指定されるラウンド数に応じたラウンド中演出を選択する(ステップS1980)。そして、演出制御用CPU101は、ステップS1981の処理に移行する。
図43は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出期間タイマの値を1減算する(ステップS970)。大当り終了演出期間タイマの値が0になった場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS977)。
大当り終了演出期間タイマの値が0になっていない場合には、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS972)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS973)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS974)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS975)。
次に、示唆演出の具体例について説明する。図44および図45は、示唆演出の具体例を示す説明図である。
図44には、図40(a)の示唆演出パターンのうち示唆演出パターン番号4のパターンが示されている。演出表示装置9において通常大当りを示す大当り図柄が表示されると(図44(a))、大当り遊技が開始される。そして、大当り遊技中の11Rにおいて、3つのアイテム(ハンマー、剣、スティック)が付与される(図44(b))。その後、12Rにおいて、付与された3つのアイテムのうちのハンマーを用いて敵との戦いが開始され(図44(c))、敵を倒せずに昇格に失敗する確変昇格失敗演出が行われる(図44(d))。
また、13Rにおいて、残りの2つのアイテムのうちの剣を用いて敵との戦いが開始され(図44(e))、敵を倒せずに昇格に失敗する確変昇格失敗演出が行われる(図44(f))。また、14Rにおいて、残りの1つのアイテムのスティックを用いて敵と戦う確変昇格演出が開始され(図44(g))、敵を倒せずに昇格に失敗する(図44(h))。その後、最終的に確変昇格に失敗し、通常大当りが確定したことが演出表示装置9に表示される(図44(i))。
図45には、図40(a)の示唆演出パターンのうち示唆演出パターン番号1のパターンが示されている。演出表示装置9において通常大当りを示す大当り図柄が表示されると(図45(a))、大当り遊技が開始される。そして、大当り遊技中の11Rにおいて、3つのアイテム(ハンマー、剣、スティック)が付与される(図45(b))。そして、12Rにおいて、付与された3つのアイテムのうちのハンマーを用いて敵との戦いが開始され(図45(c))、敵に勝利して昇格に成功する確変昇格成功演出が行われる(図45(d))。確変昇格に成功すると、以降の13Rおよび14Rでは確変昇格演出が行われず、確変大当りが確定したことが演出表示装置9に表示される(図44(e),(f))。そして、図45に示す例では、付与されたものの演出に使用されていないアイテムが残っているため、特典としてQRコード(登録商標)が演出表示装置9に表示される(図45(g))。
なお、この実施の形態では、1種類の特典を付与するか否かが不使用アイテム数に応じて決定されるが、価値の異なる複数種類の特典を付与するようにしてもよい。図46は、特典決定用テーブルおよびアイテム決定用テーブルを示す説明図である。図46(b)に示すように、特典A、特典Bおよび特典Cと3種類の特典を付与可能とし、特典A<特典B<特典Cと希少度(価値)が高くなるように設定してもよい。この場合、不使用アイテム数が多いほうが希少度が高い特典が付与される割合が高くなるようにすることができる。なお、不使用アイテムが複数ある場合には、不使用アイテムの種類の組合せに応じて特典が付与される割合や、付与される特典の種類が異なるようにしてもよい。
また、図46(c1),(c2)に示すように、演出内容と付与される特典の種類とに応じて、付与されるアイテムの割合が異なるようにしてもよい。例えば、図46(c1)に示す例では、演出内容が確変昇格演出成功時であるときに、希少度が高い特典を付与される場合の方が、希少度が低い特典を付与される場合または特典が付与されない場合に比べて、信頼度が低いアイテムが付与される割合が高い。一方、希少度が低い特典を付与される場合の方が、希少度が高い特典を付与される場合に比べて、信頼度が低いアイテムが付与される割合が高い。このように構成することで、信頼度が低いアイテムを用いて確変昇格演出に成功したときには、希少度が高い特典を付与される割合を高くすることができる。
また、例えば、図46(c2)に示す例では、演出内容が演出なしであるときに、希少度が高い特典を付与される場合の方が、希少度が低い特典を付与される場合または特典が付与されない場合に比べて、信頼度が高いアイテムが付与される割合が高い。一方、希少度が低い特典を付与される場合の方が、希少度が高い特典を付与される場合に比べて、信頼度が低いアイテムが付与される割合が高い。このように構成することで、信頼度が高いアイテムが演出に使用されずに残るっているときには、希少度が高い特典を付与される割合を高くすることができる。
以上のように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定条件が成立したとき(例えば、大当り遊技中の所定ラウンドに達したときや、擬似連演出が行われたとき、リーチが成立したとき、大当り図柄が導出表示されたとき、変動回数が所定の変動回数に達したときなど)にアイテムを付与し、付与したアイテムを複数貯留し(具体的には、RAMに形成された記憶領域にアイテムを特定可能なデータを記憶し)、特別条件(例えば、パチンコ遊技機の場合には、大当り(確変大当り)や時短の有無および回数など、スロットマシンの場合には、ボーナスや小役当選など)が成立したか否かに基づいて貯留されたアイテムを用いて有利価値が付与されるか否かを示唆する示唆演出(例えば、通常大当りから確変大当りに昇格するか否かを示唆する演出や、リーチ演出中に大当りとなるか否かを煽る演出、当該変動より前の変動にて行われた先読み演出の結果が大当りとなるか否かを煽る演出、大当り遊技後に時短状態に移行するまたは時短回数が所定回数以上となるか否かを示唆する演出など)を実行し、有利価値が付与されることを示唆する示唆演出が行われたときに、貯留されたアイテムが示唆演出に用いられずに残っていた場合に、有利価値とは異なる特典(例えば、音楽、壁紙、待ち受け画面等のコンテンツデータ、所定の物品と交換できる交換券を示すデータ(例えば、2次元コード)、大当り遊技におけるラウンド数の増加、大当り遊技後の時短回数の増加、遊技状態を認識可能な情報など)を付与するように制御する。そのため、演出に用いられなかったアイテムにも関心が向けられ、アイテムを複数集めることに関して遊技の興趣を高めることができる。
なお、この実施の形態では、示唆演出として、通常大当りから確変大当りに昇格するか否かを示唆する確変昇格演出が実行されているが、これに限らず、例えば、リーチ演出中に大当りとなるか否かを煽る演出や、当該変動より前の変動にて行われた先読み演出の結果が大当りとなるか否かを煽る演出、大当り遊技後に時短状態に移行するまたは時短回数が所定回数以上となるか否かを示唆する演出などを示唆演出として実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、貯留されたアイテムが示唆演出に用いられずに残っていた場合に、残っていたアイテムの種類に応じて異なる割合で特典を付与する。そのため、残っていたアイテムの種類に着目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、貯留されたアイテムが示唆演出に用いられずに残っていた場合に、残っていたアイテムの数に応じて異なる割合で特典を付与する。そのため、、残っていたアイテムの数に着目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、この実施の形態に限らず、例えば、貯留されたアイテムが示唆演出に用いられずに残っていた場合に、残っていたアイテムの数、種類またはその組合せに応じて付与される特典が定められていてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、有利価値が付与されることを示唆する示唆演出が行われたときに、貯留されたアイテムが示唆演出に用いられずに残っていた場合に、該示唆演出に用いられたアイテムに応じて異なる特典を付与するようにすることができる。そのため、示唆演出に用いられるアイテムに着目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、この実施の形態では、大当り遊技中にアイテムが付与される演出と、アイテムを使用する演出との両方が行われるが、例えば、変動中(例えば、擬似連演出時や飾り図柄の導出表示時、リーチが成立したとき)にアイテムが付与される演出が行われ、大当り遊技中にアイテムを使用する演出を行うようにしてもよいし、その逆のタイミングで演出を行うようにしてもよいし、アイテムが付与される演出とアイテムを使用する演出とを異なるシチュエーションで行うようにしてもよい。また、例えば、変動中にアイテムが付与される演出とアイテムを使用する演出とが行われるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、示唆演出として、大当り遊技中に確変に昇格するか否かを示唆する演出を実行しているが、これに限らず、例えば、大当り遊技中にラウンドが延長されるか否か(10R大当りから15R大当りに昇格するか否か)を示唆する演出であってもよいし、変動中や擬似連演出、リーチ演出中に大当りになるか否かを示唆する演出であってもよい。また、この実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明したが、例えば、スロットマシンにも適用可能である。この場合には、示唆演出として、ボーナスやAT、RTになることを示唆する演出を行ってもよい。
また、有利価値が付与されることを示唆する示唆演出が行われたときに、貯留されたアイテムが示唆演出に用いられずに残っていた場合に付与する特典は、例えば、出玉に関するものであってもよい。例えば、10R通常大当りの大当り遊技中において、10Rまでに確変に昇格する演出が行われ、貯留されたアイテムが使用されずに残っていた場合には、10R通常大当りから15R通常大当りに昇格することを特典として付与するようにしてもよい。なお、この場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で、15R確変大当りにすることが決定されて表示結果指定コマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動表示結果を10R通常大当りにするように制御し、大当り遊技中の示唆演出において確変に昇格する演出を行うように制御する。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技中の示唆演出において付与されたアイテムが使用されずに残っているとして、特典としてラウンド数が10Rから15Rに増えたように演出を行うように制御する。
また、有利価値が付与されることを示唆する示唆演出が行われたときに、貯留されたアイテムが示唆演出に用いられずに残っていた場合に付与する特典は、例えば、大当り遊技後の時短回数に関するものであってもよい。例えば、大当り遊技後の時短回数に上限(例えば、上限50回と100回)が設けられている確変大当りおよび通常大当りがそれぞれあり、例えば、通常大当り(時短50回)の大当り遊技中において、確変大当り(時短50回)に昇格する演出が行われ、貯留されたアイテムが使用されずに残っていた場合には、確変大当り(時短50回)から確変大当り(時短100回)に昇格することを特典として付与するようにしてもよい。
また、有利価値が付与されることを示唆する示唆演出が行われたときに、貯留されたアイテムが示唆演出に用いられずに残っていた場合に付与する特典は、例えば、遊技状態を認識できる情報であってもよい。例えば、大当り遊技後に高確率状態であるか低確率状態であるかが把握できない潜伏状態に移行する遊技機において、有利価値が付与されることを示唆する示唆演出が行われたときに、貯留されたアイテムが示唆演出に用いられずに残っていた場合には、特典として遊技状態を認識可能な情報を表示するようにしてもよい。
また、有利価値が付与されることを示唆する示唆演出が行われたときに、貯留されたアイテムが示唆演出に用いられずに残っていた場合に付与する特典は、例えば、音楽、壁紙、待ち受け画面等のコンテンツデータ、あるいは、所定の物品と交換できる交換券を示すデータ(例えば、2次元コード)等であってもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100側で示唆演出(確変昇格演出)を実行するか否かを決定しているが、これに限らず、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で表示結果とともに示唆演出(確変昇格演出)を実行するか否かを決定し、決定結果を示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100側に送信して実行させるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、示唆演出を実行するか否かの決定と示唆演出の演出態様とを異なるタイミングで決定しているが、同じタイミングで決定するようにしてもよい。また、実行タイミングは、変動開始時や変動中の所定のタイミング、大当り開始時、特定のラウンド開始時であってもよい。
また、この実施の形態では、3つのアイテムが付与されて貯留されるが、付与されて貯留されるアイテムは、4つ以上でもよいし、1つまたは2つでもよい。また、貯留されているアイテムが3つ未満であっても示唆演出を実行してもよいし、貯留されているアイテムがない場合にも示唆演出を実行してもよい。
実施の形態2.
図47は、本発明の実施形態2に係る遊技システム1001の全体構成を示す図である。遊技システム1001は、図47に示すように、本発明の実施形態2に係る遊技機を適用したスロットマシン1と、本発明の実施形態2に係る管理装置を適用した管理サーバ1200と、から構成される。
スロットマシン1は、遊技場(ホール)に設置されており、管理サーバ1200は、インターネット網900に接続されている。スロットマシン1と、管理サーバ1200と、の間のデータのやり取りは、2次元コード読み取り機能及びインターネット網900への接続機能を備える携帯端末1100を介して行われる。
図48は、本実施形態の携帯端末1100の構成を示すブロック図である。この携帯端末1100は、制御部110と、記憶部120と、操作部130と、表示部140と、無線通信部150と、アンテナ151と、カメラ部160と、を含む。
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ等の半導体メモリで構成される。記憶部120は、携帯端末1100の各種機能を制御部110に実行させるためのアプリケーションプログラム等のプログラムやデータを記憶する。
操作部130は、電話番号や各種データ等の数字やアルファベットやその他の文字等を入力するためのダイヤルキーや十字操作キーやその他のファンクションキーで構成される。あるいは、操作部130は、タッチパネルを含んで構成されてもよい。操作部130は、ユーザからの操作入力を受付けて、受け付けた操作に係る信号を制御部110に送出する。
表示部140は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、以下「LCD」という)で構成される。なお、表示部140は、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置で構成されてもよい。表示部140は、制御部110から供給される文字データや画像データを表示する。
無線通信部150は、他の携帯端末やサーバからアンテナ151を介して受信した信号を制御部110に送出し、制御部110から他の携帯端末やサーバへ送信する信号をアンテナ151から出力させる。
カメラ部160は、遊技者の操作に応じて、撮影対象を撮像し、撮像した画像を画像データに変換して、制御部110に供給する。本実施形態においては、カメラ部160は、2次元コードを撮像する。
制御部110は、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit、以下「MPU」という)で構成される。制御部110は、記憶部120に記憶されたアプリケーションプログラム等のプログラムに従って、記憶部120、操作部130、表示部140、無線通信部150部、カメラ部160からのデータ等に対して処理を施し、処理後のデータを記憶部120、表示部140、無線通信部150に供給する。
なお、携帯端末1100は、上記の構成のほか、一般の携帯電話が備える、音声入出力機能や赤外線通信機能を備えていてもよい。
図49は、管理サーバ1200の構成を示すブロック図である。管理サーバ1200は、一般的なWebサーバとしての機能を有し、図49に示すように、制御部210と、記憶部220と、操作部230と、表示部240と、通信部250と、を含む。
記憶部220は、ROMやRAM、フラッシュメモリやハードディスクドライブ等の外部記憶装置等から構成される。記憶部220には、管理サーバ1200の各種機能を制御部210に実行させるためのプログラムやデータが記憶される。
操作部230は、キーボード、マウス、キーパッド、タッチパッドやタッチパネル等の入力装置で構成される。操作部230は、管理サーバ1200の管理者等のユーザからの操作入力を受け付けて、受け付けた操作に係る信号を制御部210に送出する。
表示部240は、例えば、LCDで構成される。なお、表示部240は、CRT(Cathode RayTube)ディスプレイやELディスプレイなど他の表示装置で構成されてもよい。表示部240は、制御部210から供給される文字データや画像データを表示する。
通信部250は、携帯端末1100や他のサーバ等から、インターネット網900を介して受信したデータを制御部210に供給し、制御部210から供給されたデータを、インターネット網900を介して携帯端末1100や他のサーバ等に送信する。
制御部210は、例えば、MPUで構成される。制御部210は、記憶部220に記憶されたプログラムに従って、記憶部220、操作部230、表示部240、通信部250からのデータ等に対して処理を施し、処理後のデータを記憶部220、操作部230、表示部240、通信部250に供給する。
スロットマシン1は、遊技に関連する遊技関連情報を記憶する記憶部と、遊技関連情報を特定可能な情報を出力する手段(例えば、遊技関連情報を特定可能な二次元コードを表示する表示部)と、遊技者の操作にもとづいて、記憶する遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定を行う手段(例えば、操作部や情報処理部、記憶部によって実現される)とを備えている。
本実施形態では、スロットマシン1は、遊技開始時に、遊技者により、管理サーバ1200から発行されたパスワードが入力された場合に、遊技において、予め定められた条件が成立すると、遊技者に対して、管理サーバ1200から所定の特典の付与を受ける際の交換価値であるコイン(金、銀、銅の3種類)を付与する。特典には、例えば、音楽、壁紙、待ち受け画面等のコンテンツデータ、あるいは、所定の物品と交換できる交換券を示すデータ(例えば、2次元コード)等が含まれる。また、本実施形態のスロットマシン1では、遊技を開始する際にパスワードを入力することで、以前遊技を行った際のレベルや演出設定等、過去の遊技履歴を反映した(引き継いだ)演出を実行させることが可能となり、長期間にわたり継続性のある演出を行わせることができる。
続いて、管理サーバ1200について説明する。管理サーバ1200は、一般的なサーバコンピュータと同等のハードウェアを備える構成であり、インターネット網900を介して、携帯端末1100とのデータ通信が可能となっている。管理サーバ1200は、携帯端末1100からのアクセスの要求内容に応じて、当該遊技者に対応する遊技情報の登録や更新、パスワードの発行、特典の付与等を行う。なお、本実施形態では、管理サーバ1200には、端末識別情報(SIMデータ)が付与された携帯端末のみからアクセスが可能とされており、端末識別情報が付与されていない携帯端末や端末識別情報は付与されているものの、端末識別情報の送信を拒否した携帯端末からのアクセスは拒否される。
管理サーバ1200は、遊技者の遊技情報を管理するための遊技者データベースと、遊技者の遊技毎の遊技結果の履歴を管理する遊技履歴データベースと、遊技者に対して付与される特典データについての情報を管理するための特典データベースと、を備えている。
遊技者データベースには、遊技者の所有する携帯端末1100を識別可能な端末識別情報(SIMデータ)、現在のステータス(待機中/遊技中)、パスワード(最後に発行されたもの)、現在までの総ゲーム数、総BB回数、総RB回数、現在のレベル、(端数の)経験値、獲得コイン(金、銀、銅の各コインの枚数)、ポイント、持点、演出設定1〜3の設定内容、ミッション別の達成状況(達成済みのミッションは1、未達成のミッションは0)等からなる遊技者情報が、遊技者別(端末識別情報別)に登録されている。なお、遊技者情報には、このほかにも、図示はしないが、遊技者名(登録ネーム)、性別、生年月日、都道府県等の遊技者の個人情報(会員情報)も含まれている。
遊技履歴データベースには、遊技を行った遊技者の所有する携帯端末1100を識別可能な端末識別情報(SIMデータ)、遊技日時、当該遊技開始時にスロットマシン1に入力されたパスワード、当該遊技の遊技終了時にスロットマシン1にてランダムに取得された遊技乱数、当該遊技でのゲーム数、当該遊技でのBB回数、当該遊技でのRB回数、当該遊技の終了時のレベル値、当該遊技の終了時の(端数の)経験値、当該遊技で獲得した金、銀、銅の各コインの枚数、当該遊技の遊技終了時の演出設定1〜3の設定内容、当該遊技でのミッション別達成状況等からなる遊技履歴情報が登録されている。
特典データベースには、特典を識別可能な特典IDに対応して、特典データ(コンテンツデータ、あるいは、交換券や応募券を示す2次元コード等)の格納場所、特典データの種別、特典を付与する条件の種別、該当する種別の条件値等からなる特典データ情報が登録されている。条件の種別としては、コイン、ポイント、持点、レベル、ミッションの達成率、ゲーム数、BB回数、RB回数等が設定可能であり、その種別に応じた条件値(コインの種類及び枚数、ポイント数、点数等)が設定可能である。
本実施形態では、管理サーバ1200からパスワードの発行を受けるためには、予め携帯端末1100を用いて、管理サーバ1200にアクセスし、会員登録を行って、当該携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)を登録しておく必要がある。
上記のような構成を備えることで、例えば、遊技者の操作に従って、スロットマシン1が遊技履歴を含む二次元コードを表示部に表示する。そして、携帯端末1100によって二次元コードを読みとり、携帯端末1100から管理サーバ1200にアクセスすることによって、二次元コードが示す遊技履歴を管理サーバ1200に記憶させるとともに、遊技履歴を反映したパスワードを管理サーバ1200に発行させて取得することができる。また、取得したパスワードをスロットマシン1に入力して特典を得ることができる。
なお、本実施形態では、スロットマシン1を用いる遊技システムであるが、スロットマシンに代えて第1の実施の形態のパチンコ遊技機を用いるようにしてもよい。また、第1の実施の形態のパチンコ遊技機を用いる場合に、パスワードをパチンコ遊技機に入力している場合には、入力していない場合に比べて、有利に特典を得ることができるようにしてもよい。例えば、図50(a)(b)に示すように、パスワード非入力時に比べて、パスワード入力時の方が、特典を付与される割合が高く、さらに希少度が高い特典を付与される割合が高い。
以上のように、この実施の形態では、遊技に関連する遊技関連情報を特定可能に記憶する手段と、遊技関連情報を特定可能な情報を出力する手段と、遊技者の操作にもとづいて、記憶する遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定を行う手段とを備え、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われているときには、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われていないときと比較して有利に特典を付与される。そのため、遊技関連情報を出力するための設定を行っている遊技者に対して、特典の付与に関する興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、2つの特別図柄表示器が設けられている遊技機を例にしたが、1つの特別図柄表示器が設けられている遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態で示した示唆演出を実行する構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した示唆演出を実行する構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。
また、上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。