JP2016129474A - 電圧不平衡抑制装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンデンサの台数を削減しながら三相の線間の電圧不平衡解消を可能とした低コストな電圧不平衡抑制装置の提供を目的とする。【解決手段】三相電線路の各相間の線間電圧のそれぞれを計測可能な電圧計測部2と、三相電線路のab相間とbc相間のどちらかに開閉器SW11とSW12を介して接続されるコンデンサ部SC1と、bc相間とca相間のどちらかに開閉器SW21とSW22を介して接続されるコンデンサ部SC2と、コンデンサ部SC1とコンデンサ部SC2のどちらかに開閉器SW31とSW32を介して並列接続されるコンデンサ部SC3と、前記コンデンサ部SC1とSC2とSC3の開閉器SW11とSW12,SW21とSW22,SW31とSW32に対して開閉動作指令を出力可能な制御部3とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、コンデンサ部またはリアクトル部の台数を削減しながら三相の線間の電圧不平衡解消を可能とした低コストな電圧不平衡抑制装置に関するものである。
従来、高圧配電線には、電圧を適正範囲に維持するため自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)が設置されている。SVRとは、自動でタップ切替を行う単巻変圧器である。
SVRの一般的な制御方式は、三相のうち一相の電圧を監視し、監視している相の電圧が適正範囲を逸脱した場合に自動でタップを三相一括で動作させるものである。
近年では、住宅用太陽光発電システムの増加などにより、電圧不平衡が大きい配電線が増加しているが、SVRは三相の電圧を一括で制御するため、電圧不平衡を解消することができない。そのため電圧不平衡が大きい配電線では、電圧適正化のために、現実的な対策として、SVRの追加設置や柱上変圧器の接続相替えが行われている。将来的には、静止型無効電力補償装置(SVC:Static Var Compensator)等のパワーエレクトロニクス応用機器の設置による対策が考えられる。しかしながら、装置が高価であるため、あまり普及していないのが現状である。
これに対して、特許文献1のような単相SC(単相進相コンデンサ)を用いて電圧不平衡を抑制する手法が提案されている。この手法では、従来から一般的に高圧受変電設備で用いられているSCを用いるため、低コストで装置の製作が可能となる利点がある。
特開2012−228045号公報
上記特許文献1に開示されているような単相SCを用いた電圧不平衡抑制装置の回路構成では、各線間に独立した単相SCを接続し、各線間電圧を監視しながら、各線間電圧が基準範囲から外れた場合に当該線間に接続された単相SCを開閉することにより、電圧不平衡抑制を実現している。
この回路構成の場合、任意の相に対して2台の単相SCを投入可能とするためには、三相分で合計6台の単相SCが必要である。しかし、三相すべてに単相SCを同容量投入しても、三相の線間電圧変化分は等しいため、電圧不平衡解消には寄与しないという問題点があった。
本発明は、コンデンサ部またはリアクトル部の台数を削減しながら三相の線間の電圧不平衡解消を可能とした低コストな電圧不平衡抑制装置の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の電圧不平衡抑制装置は、
三相電線路の各相間の線間電圧のそれぞれを計測可能な電圧計測部と、
前記三相電線路のab相間とbc相間のどちらかに開閉器を介して接続可能な第一のコンデンサ部またはリアクトル部と、
前記三相電線路のbc相間とca相間のどちらかに開閉器を介して接続可能な第二のコンデンサ部またはリアクトル部と、
前記第一のコンデンサ部またはリアクトル部と前記第二のコンデンサ部またはリアクトル部のどちらかに開閉器を介して並列接続可能な第三のコンデンサ部またはリアクトル部と、
前記電圧計測部からの各相間の線間電圧に基づき前記各コンデンサ部またはリアクトル部の開閉器に対して開閉動作指令を出力可能な制御部と、
を備えてなる
ことを要旨とする。
コンデンサ部またはリアクトル部を各相で共用できるように、コンデンサ部またはリアクトル部の回路を構成したことにより、三台のコンデンサ部またはリアクトル部を複数の相に選択的に投入することができ、コンデンサ部またはリアクトル部の台数を削減しながら三相の線間の電圧不平衡を解消でき、装置の低コスト化を図ることができる。
また、本発明の電圧不平衡抑制装置は、
三相電線路の各相間の線間電圧のそれぞれを計測可能な電圧計測部と、
前記三相電線路のab相間とbc相間のどちらかに開閉器を介して接続可能な第一のコンデンサ部またはリアクトル部と、
前記三相電線路のbc相間とca相間のどちらかに開閉器を介して接続可能な第二のコンデンサ部またはリアクトル部と、
前記三相電線路のab相間とca相間のどちらかに開閉器を介して接続可能な第三のコンデンサ部またはリアクトル部と、
前記電圧計測部からの各相間の線間電圧に基づき前記各コンデンサ部またはリアクトル部の開閉器に対して開閉動作指令を出力可能な制御部と、
を備えてなる
ことを要旨とする。
このように、コンデンサ部またはリアクトル部を各相で共用できるように、コンデンサ部またはリアクトル部の回路を構成したことにより、三台のコンデンサ部またはリアクトル部を複数の相に選択的に投入することができ、コンデンサ部またはリアクトル部の台数を削減しながら三相の線間の電圧不平衡を解消でき、装置の低コスト化を図ることができる。
また、本発明の電圧不平衡抑制装置は、
三相電線路の各相間の線間電圧のそれぞれを計測可能な電圧計測部と、
前記三相電線路のb相に一次側の二端子が接続された第一の開閉器と、
前記三相電線路のa相に一端子が接続され他端子が前記第一の開閉器に接続された第二の開閉器と、
前記三相電線路のc相に一端子が接続され他端子が前記第一の開閉器に接続された第三の開閉器と、
前記三台の開閉器を介してab相間とbc相間とca相間のいずれかに接続される一台のコンデンサ部またはリアクトル部と、
前記電圧計測部からの各相間の線間電圧に基づき前記三台の開閉器に対して開閉動作指令を出力可能な制御部と、
を備えてなる
ことを要旨とする。
このように、1台のコンデンサ部またはリアクトル部を各相で共用できるように、開閉器の回路を構成したことにより、1台のコンデンサ部またはリアクトル部をいずれかの相に選択的に投入することができ、三相の線間の電圧不平衡を解消でき、装置の低コスト化を図ることができる。
また、本発明の電圧不平衡抑制装置において、前記制御部は、各相間の線間電圧の最大値と最小値の差を監視し、各相間の線間電圧の最大値と最小値の差が規定範囲から外れた場合に、各相間の線間電圧から前記開閉器動作後の各相間の線間電圧を予測し、各相間の線間電圧の最大値と最小値の差が最小となるように前記開閉器に対して開閉動作指令を出力するように構成されてなるものとすることができる。
こうすれば、制御部を介しコンデンサ部またはリアクトル部の投入を制御して、三相の線間の電圧不平衡を良好に解消できるものとなる。
電圧不平衡抑制装置の回路構成例1の図である。 電圧不平衡抑制装置の回路構成例2の図である。 電圧不平衡抑制装置の回路構成例3の図である。 電圧不平衡率と各線間の最大電圧と最小電圧の差の図である。 配電線モデルの図である。 高圧設置の場合の電圧不平衡抑制装置の概略単線結線図である。 低圧設置の場合の電圧不平衡抑制装置の概略単線結線図である。 単相SCの開閉制御フロー例の図である。 シミュレーションモデルの系統モデル図である。 シミュレーションモデルの負荷(Load)モデル図である。 シミュレーション結果を示す各線間末端電圧の図である。 シミュレーション結果を示す単相SC投入前後の末端電圧不平衡率の図である。 シミュレーション結果を示す単相SCの投入容量の図である。
本発明では、低コスト化を目指し、単相SC(単相進相コンデンサ)を必要最小限とする単相SC台数を削減した回路構成としている。
回路構成については、以下の2点を考慮することで、構成を決定している。
一つは、三相すべてに単相SCを同容量投入しても三相の電圧変動が同一であるため、電圧不平衡抑制効果はないこと。
もう一つは、実測データより、電圧不平衡抑制には、各相異容量の単相SCを投入することが効果的であることである。
具体的には、1台の単相SCを2箇所の線間に接続できるようにし、装置に設置する単相SC台数を削減する回路構成としている。
図1,図2,図3に、単相SC(図ではSCで示す),開閉器(SW)で構成される具体的な回路構成例を示す。
なお、単相SCを単相のリアクトルに置換えた構成であっても良い。
(構成例1)
構成例1の電圧不平衡抑制装置は、図1で示す回路で構成されている。
電圧不平衡抑制装置1は、
三相電線路の各相間の線間電圧のそれぞれを計測可能な電圧計測部2と、
当該三相電線路のab相間とbc相間のどちらかに開閉器SW11とSW12を介して接続されるコンデンサ部またはリアクトル部SC1と、
当該三相電線路のbc相間とca相間のどちらかに開閉器SW21とSW22を介して並列接続されるコンデンサ部またはリアクトル部SC2と、
ab相間とbc相間のどちらかに開閉器SW11とSW12を介して並列接続されるコンデンサ部またはリアクトル部SC1と、bc相間とca相間のどちらかに開閉器SW21とSW22を介して接続されるコンデンサ部またはリアクトル部SC2のどちらかに、開閉器SW31とSW32を介して並列接続されるコンデンサ部またはリアクトル部SC3と、
各コンデンサ部またはリアクトル部SC1とSC2とSC3の開閉器SW11とSW12,SW21とSW22,SW31とSW32に対して開閉動作指令を出力可能な制御部3とを備えている。
図1で示す回路の動作を説明する。
電圧計測部2は、配電系統の各線間電圧を計測し、
制御部3は、SW11とSW12に対し、どちらかをONまたは、両方ともOFFの信号を出力する。また、SW21とSW22に対し、どちらかをONまたは、両方ともOFFの信号を出力する。また、SW31とSW32に対し、どちらかをONまたは、両方ともOFFの信号を出力する。
なお、SW11とSW12,SW21とSW22,SW31とSW32の2台同時投入による短絡を防ぐためインターロック回路を設けている。
例えば、SC1を例に取ると、SW11をON,SW12をOFFとすることでSC1をab線間に接続でき、SW11をOFF,SW12をONとすることでSC1をbc線間に投入できる。同様に、SC2をbc線間とca線間のどちらか一方に投入できる。
SC1を投入する線間とSC2を投入する線間は、それぞれ独立に選択することが可能である。そして、SC3を、SC1を投入した線間またはSC2を投入した線間と同じ線間に追加して投入できる。
前述したように、既存技術では、任意の線間に2台の単相SCを投入可能な装置を構成するには、6台の単相SCが必要である。一方、構成例1の電圧不平衡抑制装置によれば、3台の単相SCのみで構成可能であり、装置の低コスト化に寄与する。
また、既存技術で、任意の線間に2台の単相SCを投入可能な装置を構成した場合、1つの線間に3台の単相SCを投入することができない。一方、構成例1の電圧不平衡抑制装置を用いれば、bc線間には、3台の単相SCを投入可能である。
(構成例2)
構成例2の電圧不平衡抑制装置は、図2で示す回路で構成されている。
電圧不平衡抑制装置1は、
三相電線路の各相間の線間電圧のそれぞれを計測可能な電圧計測部2と、
当該三相電線路のab相間とbc相間のどちらかに開閉器SW11とSW12を介して接続されるコンデンサ部またはリアクトル部SC1と、
当該三相電線路のbc相間とca相間のどちらかに開閉器SW21とSW22を介して並列接続されるコンデンサ部またはリアクトル部SC2と、
当該三相電線路のab相間とca相間のどちらかに開閉器SW31とSW32を介して並列接続されるコンデンサ部またはリアクトル部SC3と、
各コンデンサ部またはリアクトル部SC1とSC2とSC3の開閉器SW11とSW12,SW21とSW22,SW31とSW32に対して開閉動作指令を出力可能な制御部3を備えている。
図2で示す回路の動作を説明する。
電圧計測部2は、配電系統の各線間電圧を計測し、
制御部3は、SW11とSW12に対し、どちらかをONまたは、両方ともOFFの信号を出力する。また、SW21とSW22に対し、どちらかをONまたは、両方ともOFFの信号を出力する。また、SW31とSW32に対し、どちらかをONまたは、両方ともOFFの信号を出力する。
なお、SW11とSW12,SW21とSW22,SW31とSW32の2台同時投入による短絡を防ぐためインターロック回路を設けている。
例えば、SC1を例に取ると、SW11をON,SW12をOFFとすることでSC1をab線間に接続でき、SW11をOFF,SW12をONとすることでSC1をbc線間に投入できる。同様に、SC2をbc線間とca線間のどちらか一方に、SC3をab線間とca線間のどちらか一方に投入できる。SC1とSC2とSC3を投入する線間は、それぞれ独立に選択することが可能である。
既存技術で、任意の線間に2台の単相SCを投入可能な装置を構成するには、6台の単相SCが必要である。一方、構成例2の電圧不平衡抑制装置を用いれば3台の単相SCのみで構成可能であり、装置の低コスト化に寄与する。
(構成例3)
構成例3の電圧不平衡抑制装置は、図3で示す回路で構成されている。
電圧不平衡抑制装置1は、
三相電線路の各相間の線間電圧のそれぞれを計測可能な電圧計測部2と、
三相電線路のb相に一次側の二端子が接続された第一の開閉器SW11と、
三相電線路のa相に一端子が接続され他端子が第一の開閉器SW11に接続された第二の開閉器SW21と、
三相電線路のc相に一端子が接続され他端子が第一の開閉器SW11に接続された第三の開閉器SW22と、
三台の開閉器SW11,SW21,SW22を介してab相間とbc相間とca相間のいずれかに接続される一台のコンデンサ部またはリアクトル部SCと、
電圧計測部2からの各相間の線間電圧に基づき三台の開閉器SW11,SW21,SW22に対して開閉動作指令を出力可能な制御部3と、
を備えている。
図3で示す回路の動作を説明する。
電圧計測部2は、配電系統の各線間電圧を計測し、
制御部3は、SW11,SW21,SW22のうち2台のSWをON、または3台ともOFFの信号を出力する。なお、SW11,SW21,SW22の3台同時投入による短絡を防ぐためインターロック回路を設けている。
SW11をON,SW21をON,SW22をOFFとすることでSCをab線間に接続でき、SW11をON,SW21をOFF,SW22をONとすることでSCをbc線間に接続でき、SW11をOFF,SW21をON,SW22をONとすることでSCをca線間に接続できる。
既存技術で、任意の線間に1台の単相SCを投入可能な装置を構成するには、3台の単相SCが必要である。一方、構成例3の電圧不平衡抑制装置を用いれば1台の単相SCのみで構成可能であり、装置の低コスト化に寄与する。
なお、前記各構成例の電圧不平衡抑制装置における制御部3は、各相間の線間電圧の最大値と最小値の差を監視し、各相間の線間電圧の最大値と最小値の差が規定範囲から外れた場合に、各相間の線間電圧から前記開閉器動作後の各相間の線間電圧を予測し、各相間の線間電圧の最大値と最小値の差が最小となるように前記構成例1,構成例2,構成例3の各開閉器SW11,SW12,SW21,SW22,SW31,SW32に対して開閉動作指令を出力するように構成されている。
前記各構成例の電圧不平衡抑制装置における制御部3による、各線間電圧の最大値と最小値の差を監視して単相SCを開閉制御する電圧不平衡抑制手法を詳細に説明する。
(1)電圧不平衡と電圧差の関係
前記各構成例の電圧不平衡抑制装置における制御部3では、電圧不平衡率と電圧差が比例関係にあることを利用して単相SCを制御する。
ここで、電圧不平衡と電圧差の定義は、以下のとおりである。電圧の添字a,b,cは各相を示す。またMaxは最大値、Minは最小値を示す。
Figure 2016129474
図4に、5つの実在する高圧配電線の中間地点及び末端において、各線間電圧と電圧不平衡率を1分間隔で1週間実測したデータをすべて用い、電圧差と電圧不平衡率の散布図を作成した結果を示す。
図4から分かるように、電圧不平衡率と電圧差はほぼ比例している。
この結果を用いて、各構成例の電圧不平衡抑制装置における制御部3では電圧差を小さくするように単相SCを開閉制御することにより電圧不平衡を抑制している。
(2)制御方法
各構成例の電圧不平衡抑制装置は、単相SCまたは単相リアクトルの開閉によって電圧を制御しているため、単相SCまたは単相リアクトルの投入/開放時の各電圧を予測する計算法を導き、それを用いて各線間電圧を制御している。
単相SCまたは単相リアクトルの投入/開放時の電圧不平衡率ではなく各線間電圧を予測するため、電圧上昇の禁止などの制約を制御フローに加えることも可能である。
単相SCの開閉制御の例を以下に示す(後述の図8参照)。
1.各相の電圧を監視し、(3)式より電圧差を計算する。
2.電圧差が一定時間継続してしきい値を超過した時、以下の計算を行う。
(a)現在単相SCがどの相に投入されているかを取得する。
(b)現在の単相SCがすべて開放された時の各線間電圧(開放時電圧)を(15)式より計算する。
(c)開放時電圧から単相SC投入時の各線間電圧(投入時電圧)を、単相SCの全投入パターンに対して(14)式より計算する。
(d)(c)で求めた各投入時電圧の電圧差を(3)式より計算する。
(e)電圧差を最も小さくする単相SC投入パターンを決定する。
3.決定した単相SC投入パターンになるように開閉器を開閉する。
例えば、図1で示す構成例1の電圧不平衡抑制装置の回路構成(単相SC3台)における全SC投入パターンは、SC全台数開放と、各相1台または2台の6パターンと、各相1台,1台,0台の組み合わせである3パターンと、各相2台,1台,0台の組み合わせの6パターンと、bc相に3台の計17パターンある。
(3)制御に用いる電圧推定計算式の導出
説明のための配電線モデルを図5に示す。
ここで、Zは変電所から単相SC設置位置までの配電線インピーダンス、Zscは単相SCのインピーダンス、Vは変電所電圧、Vは単相SCを設置位置における単相SC投入前の電圧、V’は単相SC設置位置における単相SC投入後の電圧である。
また、Iは負荷電流を示す。なお、負荷には実際には定インピーダンス負荷,定電流負荷,定電力負荷などが混在しているが、計算を簡単化するため、定電流負荷であると仮定する。
scは単相SC電流である。添字のa,b,cは各相を示す。
図5においてab相の単相SC投入前後の電圧を推定する計算式を示す。なお、単相SCを投入する相がbc相またはca相の場合にも同様に計算ができる。
単相SC投入前後の単相SC設置位置の各相電圧は、変電所相電圧Vが単相SC投入前後で変化しないとすると、(4)式,(5)式で計算できる。よって単相SC投入による電圧変化ΔVは(6)式で計算できる。
Figure 2016129474
図5においてab相に単相SC投入後のSC電流は、SC投入後の電圧V’によって決まる。また負荷電流Iは電圧により変化しないとすると、線電流の変化は、(7)式のように近似できる。
Figure 2016129474
(7)式を(6)式に代入すると、相電圧変化は(8)式、線間電圧の変化は(9)式で計算できる。
Figure 2016129474
Figure 2016129474
<単相SC投入後の電圧推定計算式>(SC投入前の電圧VからSC投入後の電圧V’を推定)
単相SC投入後の線間電圧V’は、投入前の線間電圧Vに線間電圧変化分ΔVを足すことで求められる。よって(9)式より単相SC投入後の線間電圧V’は以下の式で計算できる。
Figure 2016129474
(10)式のab相の線間電圧について式変形すると、以下の式になる。
Figure 2016129474
よって単相SC投入後の電圧推定計算式は(12)式のようになる。
Figure 2016129474
<単相SC開放後の電圧推定計算式>(SC投入後の電圧V’からSC投入前の電圧Vを推定)
単相SC投入前の線間電圧Vは、投入前の線間電圧V’に線間電圧変化分ΔVを引くことで求められる。よって(9)式より単相SC投入前の線間電圧Vは以下の式で計算できる。
Figure 2016129474
(12)式を拡張し、三相それぞれに単相SCを投入した時の電圧推定計算式を以下に示す。nab,nbc,ncaは、各相に投入した単相SC台数である。添字は各相を示す。ここで、単相SC1台分のインピーダンスをZscとする。
ただし、以下の式において、各相に投入した単相SC台数nab、nbc、ncaのうち0となるnabまたはnbcまたはncaを含む項については0として計算する。
Figure 2016129474
(13)式を拡張し、三相それぞれの単相SCを開放した時の電圧推定計算式を以下に示す。nab,nbc,ncaは、各相の開放した単相SC台数である。添字は各相を示す。同様に、単相SC1台分のインピーダンスをZscとする。
ただし、以下の式において、各相に投入した単相SC台数nab、nbc、ncaのうち0となるnabまたはnbcまたはncaを含む項については0として計算する。
Figure 2016129474
(計算例)
単相SC開放時からab相に1台、ca相に2台投入した場合の電圧は(14)式より以下の式で計算する。
Figure 2016129474
単相SCがab相に2台、bc相に1台投入されている場合のSC全台数開放時の電圧は(15)式より以下の式で計算する。
Figure 2016129474
(1)電圧不平衡抑制装置の回路構成例
図6は、直列リアクトル(SR)と単相進相コンデンサ(SC)を高圧側に設置した(高圧設置)場合の電圧不平衡抑制装置の概略単線結線図である。
図7は、SRとSCを変圧器を介して低圧側に設置した(低圧設置)場合の電圧不平衡抑制装置の概略単線結線図である。
単相SCの開閉装置として、高圧設置では真空開閉器(VCS),低圧設置では電磁開閉器(MC)を用いる。
なお、高圧気中負荷開閉装置(LBS)はコンデンサ保護のために用いている。
(2)単相SCの開閉制御フロー例
電圧不平衡抑制装置における単相SCの開閉制御フローの例を図8に示す。
(3)電圧不平衡抑制装置の導入効果の計算例
電圧不平衡抑制装置を高圧配電線に導入した場合の、電圧不平衡抑制効果を、Matlab/simulinkを用いたシミュレーションにより計算した。
図9は、シミュレーションモデルの系統モデル図である。また図10は、シミュレーションモデルの負荷(Load)モデル図である。
シミュレーションモデルは、高圧配電線に接続された多数の高圧需要家や住宅の負荷を、4箇所に集約したモデルであり、負荷条件を表1に示す。表1では、負荷の大きさを、電圧を6600Vとしたときの有効電力で表現している。
シミュレーションモデルにおいて、配電線インピーダンスとnode0における有効・無効電力は、既存の高圧配電線の実際の値を用いた。
シミュレーションモデルの負荷モデルは、高圧需要家の三相負荷を模擬した三相電流源,高圧需要家の力率改善用進相コンデンサを模擬した三相SC,高圧需要家の単相負荷と住宅の単相負荷を合わせて模擬した単相電流源で構成されている。
三相電流源と単相電流源の電流値の比率並びに力率は、複数の需要家の測定結果から決定した。また三相SC容量の合計値を、既存の高圧配電線の配電用変電所からの送り出し点(node0)で実測した無効電力と等しくなるように決定し、node1からnode3に等容量で配置した。
シミュレーションモデルにおいてnode4に電圧不平衡抑制装置を設置する。
電圧不平衡抑制装置の仕様は、単相SC容量を100kvar/台、単相SC台数を3台、投入しきい値を電圧差100Vとする。そして、単相負荷が急増した場合を想定し、表1の単相負荷最大値を各負荷均等に0〜0.9倍に変化させる。このとき、図8の制御フローに従い電圧不平衡抑制装置の単相SCを開閉制御した場合の、node4の線間電圧と電圧不平衡率をシミュレーションにより求めた。
Figure 2016129474
図11は、シミュレーション結果を示す各線間末端電圧の図である。
図12は、シミュレーション結果を示す単相SC投入前後の末端電圧不平衡率の図である。
図13は、シミュレーション結果を示す単相SCの投入容量の図である。
図11の横軸は負荷全体に対する単相負荷比率であり、以下の式で定義している。
図より、電圧不平衡抑制装置の設置により末端であるnode4の電圧不平衡率を抑制できているのが分かる。
Figure 2016129474
1 電圧不平衡抑制装置
2 電圧計測部
3 制御部

Claims (4)

  1. 三相電線路の各相間の線間電圧のそれぞれを計測可能な電圧計測部と、
    前記三相電線路のab相間とbc相間のどちらかに開閉器を介して接続可能な第一のコンデンサ部またはリアクトル部と、
    前記三相電線路のbc相間とca相間のどちらかに開閉器を介して接続可能な第二のコンデンサ部またはリアクトル部と、
    前記第一のコンデンサ部またはリアクトル部と前記第二のコンデンサ部またはリアクトル部のどちらかに開閉器を介して並列接続可能な第三のコンデンサ部またはリアクトル部と、
    前記電圧計測部からの各相間の線間電圧に基づき前記各コンデンサ部またはリアクトル部の開閉器に対して開閉動作指令を出力可能な制御部と、
    を備えてなる
    ことを特徴とする電圧不平衡抑制装置。
  2. 三相電線路の各相間の線間電圧のそれぞれを計測可能な電圧計測部と、
    前記三相電線路のab相間とbc相間のどちらかに開閉器を介して接続可能な第一のコンデンサ部またはリアクトル部と、
    前記三相電線路のbc相間とca相間のどちらかに開閉器を介して接続可能な第二のコンデンサ部またはリアクトル部と、
    前記三相電線路のab相間とca相間のどちらかに開閉器を介して接続可能な第三のコンデンサ部またはリアクトル部と、
    前記電圧計測部からの各相間の線間電圧に基づき前記各コンデンサ部またはリアクトル部の開閉器に対して開閉動作指令を出力可能な制御部と、
    を備えてなる
    ことを特徴とする電圧不平衡抑制装置。
  3. 三相電線路の各相間の線間電圧のそれぞれを計測可能な電圧計測部と、
    前記三相電線路のb相に一次側の二端子が接続された第一の開閉器と、
    前記三相電線路のa相に一端子が接続され他端子が前記第一の開閉器に接続された第二の開閉器と、
    前記三相電線路のc相に一端子が接続され他端子が前記第一の開閉器に接続された第三の開閉器と、
    前記三台の開閉器を介してab相間とbc相間とca相間のいずれかに接続される一台のコンデンサ部またはリアクトル部と、
    前記電圧計測部からの各相間の線間電圧に基づき前記三台の開閉器に対して開閉動作指令を出力可能な制御部と、
    を備えてなる
    ことを特徴とする電圧不平衡抑制装置。
  4. 前記制御部は、各相間の線間電圧の最大値と最小値の差を監視し、各相間の線間電圧の最大値と最小値の差が規定範囲から外れた場合に、各相間の線間電圧から前記開閉器動作後の各相間の線間電圧を予測し、各相間の線間電圧の最大値と最小値の差が最小となるように前記開閉器に対して開閉動作指令を出力するように構成されてなる
    請求項1または請求項2または請求項3に記載の電圧不平衡抑制装置。
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