JP2016128837A - Gnss測位装置およびgnss測位方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数のGNSS衛星の測距信号から得られる擬似距離と搬送波位相の観測値の補正量に関する補強情報を受信する補強情報受信部1と、複数のGNSS衛星から送信される測距信号を受信し、航法暦とGNSS衛星の観測値を出力するGNSS信号受信部5と、前記補強情報受信部1から得られる補強情報の時刻データに基づき推定した受信機位置誤差の第1の補正量と、前記GNSS信号受信部5から得られる航法暦に基づく衛星位置とGNSS衛星の観測値に基づく受信機位置とから推定した受信機位置誤差の第2の補正量により、受信機位置誤差の第3の補正量を算出する位置算出部9を備える。
【選択図】 図1
Description
図1は、本発明を実施するための実施の形態1における測位装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態による測位装置は、補強情報受信部1、補強情報記憶部2、補正量補間・外挿部3、受信機位置予測部4、GNSS信号受信部5、衛星位置計算部6、補正量推定部7、補正量平均化部8および位置算出部9とから構成される。さらに、本実施の形態の各部の動作について説明する。以下、補正量に次の用語を使用する。
PRC:Pseudo Range Correction(擬似距離補正量)
CPC:Carrier Phase Correction(搬送波位相補正量)
C1PRC(C/Aコードの擬似距離補正量)
=−Clk+Orb+Trop+120/154Ion+C/A_Bias
P2PRC(P2コードの擬似距離補正量)
=−Clk+Orb+Trop+154/120Ion+P2_Bias
L1CPC(L1波の搬送波位相補正量)
= −Clk + Orb + Trop − 120/154 Ion + L1_Bias
L2CPC(L2波の搬送波位相補正量)
= −Clk + Orb + Trop − 154/120 ION + L2_Bias
その他、各時刻における補正量の計算方法、補間・外挿の計算方法に測位補強サービス提供者が推奨あるいは仕様にて規定する手法があれば、それらに従い計算する。
・UDRE:補強情報や外部から取得した、補正量の標準偏差
・cur_time:補正量の標準偏差を計算する時刻t、
・ref_time:補強情報や外部から取得した補正量の標準偏差、と対応する時刻
・UDRE_grouwh_rate:補強情報や外部から取得した、補正量の時間変化率
・time_of_validity:補強情報や外部から取得した、スケール調整値
とし、次式で得られたCorrected_UDREを、時刻tにおけるσ_prc1,σ_cpc1として用いる。
Corrected_UDRE = {(cur_time−ref_time)/time_of_validity*(UDRE_growth_rate−1)+1}*UDRE
その他、サービス提供者が推奨あるいは仕様にて規定する手法があれば、それを使用する。
・prc2 = ρ−(擬似距離−衛星時計誤差−相対論効果)
・cpc2= ρ−(搬送波位相−衛星時計誤差−相対論効果)−波長×波数
標準偏差は例えば次式にて計算する。
波数の整数値が決定している衛星は、
・σ_prc2 = √(幾何学距離の誤差分散値+擬似距離の観測誤差分散値)
・σ_cpc2= √(幾何学距離の誤差分散値+搬送波位相の観測誤差分散値)
波数の整数値が決定していない衛星は、
・σ_prc2= √(幾何学距離の誤差分散値+擬似距離の観測誤差分散値)
σ_cpc2 = √(幾何学距離の誤差分散値+搬送波位相の観測誤差分散値+波長2×波数の推定誤差分散値)
幾何学距離の誤差分散値σ2 pの計算には、共分散行列の位置に関する成分の値を用い、次式にて計算する。
・第2の補正量の重みをゼロにし、第3の補正量=第1の補正量とする。
・次に補強情報を受信するまでの間、その衛星の補正量の使用を停止する。
・別途受信機に起因する誤差の推定値を保有している場合は、第2の補正量からその値を差し引く
・位置算出部9でGNSS衛星の観測値を衛星間一重差に変換している場合は、基準となる衛星を決め、第1の補正量、第2の補正量をそれぞれ衛星間一重差の補正量に変換して、補正量の平均化は衛星間一重差のレベルで行うこととする。
A)第1の補正量と第2の補正量の重み付き平均により求めた第3の補正量を位置算出に用いる構成とすることで、補正量の補間・外挿精度の低下による測位精度の低下を避けることができるとともに、時間的に均一な精度の位置算出解を得ることができる。
B)電離層遅延量等の個別の補正量ではなく、擬似距離補正量、搬送波位相補正量等の合計の補正量を、第1の補正量、第2の補正量として重み付き平均によって第3の補正量を求める構成とすることで電離層遅延以外の補正量の圧縮による誤差が低減できる。
C)第1の補正量と第2の補正量の重み付き平均により求めた第3の補正量を位置算出に用いる構成としたため、時間経過により第1の補正量の誤差が拡大して第1の補正量の重みが下がっても、第2の補正量と重み付き平均を行なうために位置算出に用いる第3の補正量の重みは上げることができる。このため、時間経過での補正量の誤差拡大による、補正したGNSS観測値の位置算出における重みの低下を避けることができる。
D)第1の補正量を計算することに加え、第2の補正量を計算する構成としたため、第1の補正量と第2の補正量を比較し、位置算出計算を行う前に補正量の信頼度を評価することが可能となる。両者の補正量の差が著しい等、補間・外挿によって求めた補正量の精度の低下が疑われる場合には、補正量の使用を停止し、大きな測位誤差が生じる危険性を避けることができる。
E)第2の補正量の計算に補強情報を直接用いない構成としたため、補強情報を取得し損ねた場合等、第1の補正量の計算に最新の補強情報が使用できず第1の補正量の信頼度が低下し、次に補強情報を受信するまで第1の補正量のみを補正量とした位置算出が不可となる場合に、第1の補正量と第2の補正量の重み付け平均によって第1の補正量よりも信頼度が高い第3の補正量を求め、位置算出を可能とすることができる。特にトンネルや高架下が多い都市部等、補強情報を受信し損ねることが頻発すると考えられる状況においては、全体として高精度な位置算出解が得られる時間の比率(アベイラビリティ)が増し、例えばモービルマッピング等により地図を作成する作業の効率を向上させることができる。
図6は、本発明を実施するための実施の形態2における測位装置の構成を示すブロック図である。図6に示した本実施の形態の測位装置は、実施の形態1で示した図1の構成に自律航法装置10およびアンビギュイティ調整部11が追加されたものである。また、位置算出部9は、自律航法装置10のセンサのスケールファクタ、バイアス等のセンサの状態量の推定値およびその共分散行列を出力に追加するように構成されている。さらに、本実施の形態の各部の動作について説明する。
<i=1〜nまで繰り返し>
<i=1〜nまで繰り返し>
・prc2 = ρ−(擬似距離−衛星時計誤差−相対論効果)
・cpc2= ρ−(搬送波位相−衛星時計誤差−相対論効果)
・σ_prc2 = √(幾何学距離の誤差分散値+擬似距離の観測誤差分散値)
・σ_cpc2= √(幾何学距離の誤差分散値+搬送波位相の観測誤差分散値)
各項の記載の詳細は、実施の形態1の説明を参照されたい。
次に、アンビギュイティ調整部11の動作を図7により説明する。アンビギュイティ調整部11は、補正量推定部7が出力した第2の補正量のうち搬送波位相補正量の波数のアンビギュイティを調整するが、時刻t−1と時刻tの間にサイクルスリップが生じたと判断された場合にのみ、その処理を行なう。すなわち、サイクルスリップが生じた場合、時刻t−1までの波数(整数値が決定している場合は整数決定値、未決定の場合は実数推定値)が用いられず、時刻tにおける第2の補正量の搬送波位相補正量は波数をゼロとして計算されるため、第2の補正量の搬送波位相補正量には波長の整数倍の曖昧さが生じている。図7では第1の補正量の搬送波位相補正量をC1、第2の補正量の波長の整数倍の曖昧さがある搬送波位相補正量をC2と表記した。そのため、第1の補正量と第2の補正量の差が大きくなり、そのまま補正量平均化部8で平均化してしまうと、第3の補正量に大きな誤差が生じてしまう。そこで第3の補正量に大きな誤差が生じることを避けるため、第1の補正量の値を利用して、第2の補正量の搬送波位相補正量の計算時に適用されるべきであった波数の仮定値を求め、その仮定値を適用した第2の補正量と、第1の補正量を平均化する。
具体的には、
差分Dif=
|第1の補正量の搬送波位相補正量−(第2の補正量の搬送波位相補正量−波長×N1)|が最小化されるようなN1と2番目に最小化されるようなN2を求め、
N1を適用した場合の差分Dif1と、N2を適用した場合の差分Dif2の差の絶対値
|Dif1−Dif2|が規定値以上の場合に、N1を前記仮定値として採用する。
|Dif1−Dif2|が規定値以上であることにより、N1が正しいことを判断する。
|Dif1−Dif2|が規定値以下の場合は、第1の補正量か第2の補正量のいずれかの精度が疑われる。この場合、システムの信頼性の要求に応じて、少なくとも次の2通りの処理の内、いずれか一方の処理を選択可能とする。
・補正量平均化部8において第2の補正量の重みをゼロにし、第3の補正量=第1の補正量とするようにする。
・次に補強情報を受信するまでの間、その衛星の補正量の使用を停止する。
補正量平均化部8の動作は、実施の形態1と同じである。
位置算出部9は、第3の補正量とその標準偏差σ_prc3、σ_cpc3とGNSS観測値および受信機と自律航法センサの状態量およびその共分散行列を用いて位置算出計算を行う。受信機の位置の推定値Xt|t−1、波数が未決定の衛星の波数の推定値Nt|t−1、センサの状態量の推定値St|t−1、および全状態変数の共分散行列Pt|t−1と、第3の補正量、GNSS観測値を用いて、例えばカルマンフィルタによる時間更新および観測更新により、時刻tにおける受信機の位置の推定値Xt|t、波数の推定値Nt|t、センサ状態量の推定値St|tおよび共分散行列Pt|tを計算する。第3の補正量の標準偏差は、観測更新における観測ノイズに加えて使用してもよい。搬送波位相の波数の整数値が決定していない衛星については、波数の実数推定値と共分散行列の波数に対応する項の値から、LAMBDA(The Least Squares Ambiguity Decorrelation Adjustment)等を用いて、整数値の候補を求める。整数解の候補がレシオテストや残差テスト等の検定に合格した場合、波数決定となり、実数推定値を整数値で置き換える。
A)アンビギュイティ調整部11を構成要素として追加することで、時刻t−1と時刻tの間にサイクルスリップが生じた場合にも、第2の補正量を利用することができる。
B)受信機位置予測部4の入力に自律航法装置10のセンサデータを追加することで、トンネルや高架下等でGNSS衛星が不可視の時間が継続しても、実施の形態1の場合と比較してより高い精度で時刻tにおける受信機位置を求めることができ、したがってより高精度な第2の補正量を推定することができる。
C) 図9は、本実施の形態による測位装置の動作効果を説明するための図である。図9に、1つの受信機((a)〜(c))を示し、左から右に時間経過に伴う受信機の位置の移動を示す。受信機が(a)の位置に移動したとき、準天頂衛星等の補強情報を配信する衛星とGNSS衛星の両方が受信機からみて可視である。受信機が(b)の位置に移動したとき、トンネル等を通過することによって、受信機からみて衛星が不可視になる区間を通っている状態である。そして、受信機がトンネル等を通過した後である(c)の位置に移動したとき、受信機からみて衛星が、再度、可視になるとする。補強情報は、受信機が(a)〜(c)のいずれの位置に移動したときでも衛星からGNSS測位装置に継続して配信されている状態にある。受信機が(a)の位置に移動したとき、受信機に接続されているGNSS測位装置は、GNSS衛星から補強情報を受信し、次に補強情報を受信するまでの間、補正量の外挿を行なう。図9中の不可視区間に入る前までの、「Fix状態」とは、前述の規定数以上のGNSS衛星の信号の波数が決定し、Xt|tが高精度に求まっている状態を示す。受信機が(b)の位置に移動したときも、GNSS衛星は、GNSS測位装置に補強情報を配信しているが、受信機は不可視区間を走行しているため、受信機に接続されているGNSS測位装置は最新の補強情報を得ることができない。そのため、再度可視になった直後は、GNSS測位装置は、(a)の位置に移動したときまでに得た補強情報から求めた第1の補正量と、不可視区間中、自律航法装置から予測した受信機の位置から計算した第2の補正量との重み付けによって第3の補正量を求め、測位計算を行う。その後の受信機が(c)の位置でGNSS測位装置が補強情報を受信するまでの間は、GNSS測位装置は、受信機が(a)の位置に移動したときに得た補強情報から求めた第1の補正量と、可視になった直後の位置算出結果による位置推定値を初期値とした航法装置から予測した受信機の位置から計算した第2の補正量、との重み付けによって第3の補正量を求め、受信機の位置算出計算を行う。図9に示すように、都市部におけるGNSS測位装置においては、受信機がトンネルや高架下を通過している場合、GNSS測位装置が補強情報を受信し損ねてしまい、補正量補間・外挿部3で第1の補正量を計算するために、最新の補強情報を利用できなくなる。このような場合、例えば過去の複数の時刻における補正量を補強情報から計算する場合、衛星が不可視の区間を出た直後のGNSS衛星の観測値の補正量は、最新の補強情報から計算できたはずの補正量の時刻に対して一つ過去の時刻における補正量から外挿して求めなければならず、補正量の精度が低下する。そこで不可視区間に入る直前で規定数以上のGNSS衛星の信号の波数が決定しXt|tが高精度に求まっている場合、それを初期値として自律航法装置で位置を予測することで、数秒〜数10秒程度であれば、第2の補正量の推定が可能な位置予測精度を維持することができ、前述の外挿による第1の補正量の精度の低下を補償することができる。自律航法装置を用いた位置予測の精度は実施の形態1における受信機位置予測部における予測精度よりも高く、トンネルや高架下を通過時などの長時間の予測に有効である。予測が可能な時間は、自律航法装置10のスペックに依存する。
Claims (3)
- 複数のGNSS衛星の測距信号から得られる擬似距離と搬送波位相の観測値の補正量に関する補強情報を受信する補強情報受信部と、
複数のGNSS衛星から送信される測距信号を受信し、航法暦とGNSS衛星の観測値を出力するGNSS信号受信部と、
前記補強情報受信部から得られる補強情報の複数の時刻データに基づき推定した受信機位置誤差の第1の補正量と、前記GNSS信号受信部から得られる航法暦に基づく衛星位置とGNSS衛星の観測値に基づく受信機位置とから推定した受信機位置誤差の第2の補正量により、受信機位置誤差の第3の補正量を算出する位置算出部と、
を備えたGNSS測位装置。 - 位置算出部は、前記第1の補正量と前記第2の補正量の差が閾値以上の場合、第2の補正量の重みをゼロとし第3の補正量として第1の補正量を採用する処理、もしくは、次に補強情報を受信するまでの間補正量の使用を停止する処理、のいずれか一方を選択可能とすることを特徴とする請求項1に記載のGNSS測位装置。
- 位置算出部は、自律航法用のセンサのデータを出力する自律航法装置を備え、自律航法用のセンサのデータを基に受信機の位置情報を特定することを特徴とする請求項1または2に記載のGNSS測位装置。
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