JP2016125947A - 風力発電設備の診断システム及び診断方法 - Google Patents

風力発電設備の診断システム及び診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】精度の良好な異常判定が可能な風力発電設備の診断システムを提供する。【解決手段】風力発電設備の診断システムは、風力発電設備の運転状態と相関がある複数の特性項目の指標である特性値の組合せからなる複数のデータセットを単位期間ごとに取得するためのデータセット取得部と、前記単位期間内の前記複数のデータセットを、前記風力発電設備の出力を示すパラメータのクラス毎に分類するためのクラス分類部と、各クラスに分類された前記データセットを平均化し、平均データセットをクラス毎に算出する平均処理部と、前記風力発電設備の正常時における前記特性値の組合せからなる基準データセットと前記平均データセットとの偏差を示す偏差指標値をクラス毎に算出するための偏差指標値算出部と、あるクラスにおいて前記偏差指標値が閾値を上回った場合、前記単位期間において前記風力発電設備の異常が生じたと判定するための異常判定部と、を備える。【選択図】 図1

Description

本開示は風力発電設備の診断システム及び診断方法に関する。
風力発電装置の状態監視において、多次元情報の処理を行う品質工学手法を用いることが知られている。
例えば、特許文献1には、マハラノビス・タグチメソッド(以下「MT法」という。)を用いて診断対象の健全性を評価する方法及び該方法を風車に適用した風車の健全性診断装置が開示されている。この健全性評価方法では、計測時間に関連付けられた複数の特性値が特性項目別に格納された被診断データファイルから被診断データセットを抽出するとともに、特定の特性項目の特性値が予め定義されている所定の基準範囲(正常範囲)に属している比較用データファイルから基準データセットを抽出する。そして、被診断データセットと基準データセットとを用いて、風車の状態を表す状態指標値であるマハラノビス距離を算出し、該マハラノビス距離に基づいて診断対象である風車の異常を判定するようになっている。
特許第5101396号明細書
特許文献1の方法では、各特性項目について、単位期間毎(例えば1分間隔)の計測データ(特性値)からなる被診断データセット及び基準データセットを用いてマハラノビス距離を算出する。ここで、各計測データのサンプリング周期が単位期間よりも十分短い場合には、該単位期間に取得された全ての計測データの平均値を各特性項目の特性値としてマハラノビス距離が算出される。
このような、MT法をはじめとした多次元情報を扱う品質工学手法を用いた風車の健全性診断において、より精度良く異常判定を行うことが望まれる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、精度の良好な異常判定が可能な風力発電設備の診断システムを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る風力発電設備の診断システムは、
風力発電設備の健全性を評価するためのシステムであって、
前記風力発電設備の運転状態と相関がある複数の特性項目の指標である特性値の組合せからなる複数のデータセットを単位期間ごとに取得するように構成されたデータセット取得部と、
前記単位期間内の前記複数のデータセットの少なくとも一部を、前記風力発電設備の出力を示すパラメータのクラス毎に分類するためのクラス分類部と、
前記クラス分類部によって各クラスに分類された前記データセットを平均化し、平均データセットをクラス毎に算出する平均処理部と、
前記風力発電設備の正常時における前記特性値の組合せからなる基準データセットと前記平均データセットとの偏差を示す偏差指標値をクラス毎に算出するための偏差指標値算出部と、
少なくとも一つのクラスにおいて前記偏差指標値が閾値を上回った場合、前記単位期間において前記風力発電設備の異常が生じたと判定するように構成された異常判定部と、を備える。
例えば特許文献1に記載のように、データセットの単位期間内における時間平均と、基準データセットとの偏差を示す偏差指標値に基づいて風力発電設備の異常判定を行う場合、データセットに含まれる特性値(例えば出力)に大きなばらつきがあったとしても、特性値のばらつきは平均化により均される。このように平均化されたデータセットから算出された偏差指標値に基づく風力発電設備の異常判定は、単位期間内における比較的大きい又は小さい特性値の影響が低減されたものとなる。
この点、上記(1)の構成では、風力発電設備の出力を示すパラメータ(例えば出力)のクラス毎にデータセットを平均化して、クラス毎に偏差指標値を算出する。このため、単位期間内においてパラメータのばらつきが大きい場合であってもばらつきを丸めることなく、クラス毎に算出された偏差指標値をそれぞれ閾値と比較することで、精度の良好な異常判定が可能となる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記基準データセットは、前記パラメータのクラス毎に分類され、前記パラメータのクラス毎に平均化されており、
前記偏差指標値算出部は、同一クラスに属する前記平均データセットと前記基準データセットとの偏差を示す前記偏差指標値をクラス毎に算出するように構成される。
上記(2)の構成では、クラス毎に平均化された平均データセットと、クラス毎に平均化された基準データセットのうち同一クラスに属する平均データセットと基準データセットを用いて偏差指標値を算出するので、同じ状況下で取得されたデータ同士を比較することができるため、より的確な異常判定が可能となる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
条件(A)又は条件(B)の少なくとも一方からなる第1判定条件を満たさないデータセットを含む非対象単位期間に属する前記複数のデータセットを排除し、前記第1判定条件を全てのデータセットが満たす対象単位期間に属する対象データセットを選別するように構成された対象データセット選別部をさらに備え、
前記クラス分類部は、前記複数のデータセットのうち、前記対象データセットについてのみ前記パラメータのクラス毎に分類するように構成されており、
前記条件(A)は、前記風力発電設備のロータ回転数ωが、カットイン風速時におけるロータ回転数ωr0以上かつ定格回転数ωr_rated未満の閾値ωr_th以上であるという条件であり、
前記条件(B)は、前記風力発電設備の発電機回転数ωが、電力系統への発電機の併入時における発電機回転数ωg0以下の閾値ωg_th以上であるという条件である。
風力発電設備が運転中であるか否かにより、特性項目の指標である特性値が異なる場合がある。例えば、風車が運転中であれば、ロータ回転数が所定値以上であるのに対し、風車が停止中であればロータ回転数は所定値以下である。また、風力発電設備の発電機が運転中であれば、発電機回転数が所定値以上であるのに対し、発電機が停止中であれば、発電機回転数は所定値以下である。このように、風力発電設備の運転状態の違いが偏差指標値に少なからず影響するので、この影響を排除した適切な異常判定が望まれる。この点、上記(3)の構成では、風力発電設備の運転状態が所定の場合のデータセットのみを選別して偏差指標値を算出するので適切に異常判定を行うことができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、前記基準データセットは、前記条件(A)又は前記条件(B)の前記少なくとも一方を満たす。
上記(4)の構成では、条件(A)又は条件(B)を満たす対象データセットと基準データセットを用いて偏差指標値を算出するので、風力発電設備の運転状態が所定の場合のデータセットのみを選別して偏差指標値を算出するので適切に異常判定を行うことができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)の構成において、
前記対象データセット選択部は、前記第1判定条件に加えて、条件(C)又は条件(D)の少なくとも一方からなる第2判定条件を全てのデータセットが満たす前記対象単位期間におけるデータセットを前記対象データセットとして選別するように構成され、
前記条件(C)は、前記風力発電設備に一時的な出力制限が課せられていないという条件であり、
前記条件(D)は、前記風力発電設備の運転状態に応じた温度変化を示す前記風力発電設備の部位の温度変動率が閾値以下であるという条件である。
風力発電設備の運転状態によって、特性項目間(例えば発電機出力と、風車翼のピッチ角と、ロータ回転数との間)の相関関係が異なる場合がある。例えば、風力発電設備に一時的な出力制限が課せられていれば、特性項目間の相関関係が出力制限されていない場合と比べて変化する。また、風力発電設備の運転開始直後には、特性項目の指標である特性値(例えば、風力発電設備を構成する部品の温度)の変動率が通常運転時に比べて小さい。このように、風力発電設備の運転状態の違いが偏差指標値に少なからず影響するので、この影響を排除した適切な異常判定が望まれる。この点、上記(5)の構成では、風力発電設備の運転状態が所定の場合のデータセットのみを選別して偏差指標値を算出するので適切に異常判定を行うことができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の何れかの構成において、
前記偏差指標値算出部は、前記基準データセットにより構成される単位空間に対する、前記対象データセットにより構成される信号空間のマハラノビス距離を前記偏差指標値として算出するように構成され、
前記異常判定部は、前記マハラノビス距離に基づいて、前記対象単位期間における前記風力発電設備の異常の有無を判定するように構成される。
上記(6)の構成では、基準データセットおよび対象データセットに基づいてマハラノビス距離(以下において「MD値」ともいう。)を算出し、マハラノビス距離に基づいて風力発電設備の異常判定を行う。このため、例えば、ユークリッド距離を用いて異常判定を行う場合に比べて、複数の特性項目間の相関関係を考慮した評価が可能である。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の何れかの構成において、
前記対象データセットを構成する前記特性値のうち、1以上の着目特性項目以外の特性項目の特性値の組み合わせからなる分析用対象データセットと、前記基準データセットを構成する前記特性値のうち、前記着目特性項目以外の特性項目の特性値の組み合わせからなる分析用基準データセットと、の偏差を示す分析用偏差指標値を算出し、前記偏差指標値に対して該分析用偏差指標値が占める割合に基づき、各々の前記特性項目の前記偏差指標値への寄与度を算出するように構成された寄与度算出部と、
前記異常判定部により前記風力発電設備に異常があると判定された場合に、前記寄与度算出部により算出された前記寄与度に基づいて、前記複数の特性項目のうち、前記異常の要因となっている特性項目を特定するように構成された異常要因特定部と、をさらに備える。
上記(7)の構成によれば、各特性項目の偏差指標値への寄与度を算出して、該寄与度に基づいて異常の要因となっている特性項目を特定することができ、異常要因に対する適切な対応が可能となる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記偏差指標値算出部によって算出された前記マハラノビス距離と、前記寄与度算出部によって算出された前記特性項目の各々の前記寄与度とに基づいて、前記特性項目の各々のマハラノビス距離成分を算出するMD成分算出部と、
前記MD成分算出部によって算出された前記特性項目の各々の前記マハラノビス距離成分の時系列変化を表示するための表示部と、をさらに備える。
上記(8)の構成によれば、マハラノビス距離と各特性項目の寄与度とに基づいて算出される各特性項目のマハラノビス距離成分の時系列変化を表示することにより、各特性項目のマハラノビス距離成分及びマハラノビス距離成分の和であるマハラノビス距離を視覚的に認知することができる。このため、風車の異常を視覚的に判断することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(8)の何れかの構成において、
前記風力発電設備は、複数の風車翼を備えるロータと、前記ロータの回転により駆動されるように構成された発電機と、前記ロータの回転を前記発電機に伝えるためのドライブトレインと、をさらに備え、
前記特性項目は、風速、前記発電機の送電端出力、前記ロータの回転数、及び前記複数の風車翼のピッチ角を含み、
前記異常判定部は、前記ロータ、前記ドライブトレイン、または、前記発電機の少なくとも一つの異常を判定するように構成される。
上記(9)の構成によれば、風速、発電機の送電端出力、ロータの回転数、及び複数の風車翼のピッチ角を特性項目として算出された偏差指標値に基づいて、風力発電設備のロータ、ドライブトレイン、または、発電機の少なくとも一つの異常を判定することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(9)の何れかの構成において、
前記風力発電設備は、複数の風車翼を備えるロータと、前記ロータの回転により駆動されるように構成された発電機と、前記風車翼のピッチ角を制御するためのアクチュエータと、をさらに備え、
前記特性項目は、前記アクチュエータの温度、前記発電機の送電端出力及び外気温を含み、
前記異常判定部は、前記アクチュエータの異常を判定するように構成される。
上記(10)の構成によれば、風車翼のピッチ角を制御するためのアクチュエータの温度、発電機の送電端出力及び外気温を特性項目として算出された偏差指標値に基づいて、風力発電設備の風車翼のピッチ角を制御するためのアクチュエータの異常を判定することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(10)の何れかの構成において、
前記風力発電設備は、複数の風車翼を備えるロータと、前記ロータの回転により駆動されるように構成された発電機と、前記ロータに接続され、前記ロータの回転を前記発電機に伝えるように構成された主軸と、前記主軸を回転可能に支持するように構成された主軸受と、をさらに備え、
前記特性項目は、前記主軸受の温度、前記主軸受の振動情報および外気温を含み、
前記振動情報は、
前記主軸受の加速度信号を周波数解析して得られる第1信号のうち、前記主軸の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される前記主軸受の加速度レベル、
前記主軸受の加速度信号のピークを結ぶ包絡線信号を周波数解析して得られる第2信号のうち、前記主軸の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される前記主軸受の包絡線レベル、
前記主軸受の半径方向速度信号を周波数解析して得られる第3信号のオーバーオール値、または、
前記主軸受の半径方向加速度信号を周波数解析して得られる第4信号のオーバーオール値、
の少なくとも一つを含み、
前記異常判定部は、前記主軸受の異常を判定するように構成される。
上記(11)の構成によれば、主軸受の温度、主軸受の振動情報および外気温を特性項目として算出された偏差指標値に基づいて、風力発電設備の主軸受の異常を判定することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(11)の何れかの構成において、
前記風力発電設備は、複数の風車翼を備えるロータと、前記ロータの回転により駆動されるように構成された同期発電機と、前記同期発電機の界磁電流を調節して前記同期発電機の端子電圧を制御するための自動電圧調節器と、をさらに備え、
前記特性項目は、前記同期発電機の巻線温度、前記自動電圧調節器の電圧、前記自動電圧調節器の電流、前記同期発電機の界磁電圧、および、外気温を含み、
前記異常判定部は、前記同期発電機の異常を判定するように構成される。
上記(12)の構成によれば、同期発電機の巻線温度、自動電圧調節器の電圧、自動電圧調節器の電流、同期発電機の界磁電圧、および、外気温を特性項目として算出された偏差指標値に基づいて、風力発電設備の同期発電機の異常を判定することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(12)の何れかの構成において、
前記風力発電設備は、複数の風車翼を備えるロータと、前記ロータの回転により駆動されるように構成された発電機と、をさらに備え、
前記特性項目は、前記発電機の回転軸を軸支する発電機軸受の温度、前記発電機軸受の振動情報および外気温を含み、
前記振動情報は、
前記発電機軸受の加速度信号を周波数解析して得られる第5信号のうち、前記発電機の回転軸の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される前記発電機軸受の加速度レベル、
前記発電機軸受の加速度信号のピークを結ぶ包絡線信号を周波数解析して得られる第6信号のうち、前記発電機の回転軸の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される前記発電機軸受の包絡線レベル、
前記発電機軸受の半径方向速度信号を周波数解析して得られる第7信号のオーバーオール値、または、
前記発電機軸受の半径方向加速度信号を周波数解析して得られる第8信号のオーバーオール値、
の少なくとも一つを含み、
前記異常判定部は、前記発電機軸受の異常を判定するように構成される。
上記(13)の構成によれば、発電機の回転軸を軸支する発電機軸受の温度、発電機軸受の振動情報および外気温を特性項目として算出された偏差指標値に基づいて、風力発電設備の発電機軸受の異常を判定することができる。
(14)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(14)の何れかの構成において、
前記データセット取得部は、前記単位期間が1分〜60分の範囲で、好ましくは10分程度でデータセットを取得するように構成され、
前記偏差指標値算出部は、前記対象データセット選別部において前記データセット取得単位期間にわたって取得された前記複数のデータセットから選別された対象データセットを用いて、30分〜600分の範囲で好ましくは60分の期間で前記偏差指標値を含む分析値を算出するように構成される。
(15)本発明の少なくとも一実施形態に係る風力発電設備の診断方法は、
風力発電設備の健全性を評価するための方法であって、
前記風力発電設備の運転状態と相関がある複数の特性項目の指標である特性値の組合せからなる複数のデータセットを単位期間ごとに複数取得するデータセット取得ステップと、
前記単位期間内の前記複数のデータセットの少なくとも一部を、前記風力発電設備の出力を示すパラメータのクラス毎に分類するクラス分類ステップと、
前記クラス分類ステップで各クラスに分類された前記データセットを平均化し、平均データセットをクラス毎に算出する平均処理ステップと、
前記風力発電設備の正常時における前記特性値の組合せからなる基準データセットと前記平均データセットとの偏差を示す偏差指標値をクラス毎に算出する偏差指標値算出ステップと、
少なくとも一つのクラスにおいて前記偏差指標値が閾値を上回った場合、前記単位期間において前記風力発電設備の異常が生じたと判定する異常判定ステップと、を備えることを特徴とする風力発電設備の診断方法。
上記(15)の方法では、風力発電設備の出力を示すパラメータ(例えば出力)のクラス毎にデータセットを平均化して、クラス毎に偏差指標値を算出する。このため、単位期間内においてパラメータのばらつきが大きい場合であってもばらつきを丸めることなく、クラス毎に算出された偏差指標値をそれぞれ閾値と比較することで、精度の良好な異常判定(健全性診断)が可能となる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、精度の良好な健全性の診断が可能な風力発電設備の診断システムが提供される。
一実施形態に係る風力発電設備の概略構成図である。 一実施形態に係る風力発電設備の診断システムの構成の概略を示すブロック図である。 一実施形態に係るデータセットを構成するひと組の特性項目を示す表である。 一実施形態に係るデータセットのクラスの分類を示す図である。 クラス分類及び平均化を行った平均化データセットの一例を示す表である。 マハラノビス距離算出対象の単位空間データ(基準データセットの集合)の要素の一例を示す図である。 マハラノビス距離算出対象の信号空間データ(平均データセットの集合)の要素の一例を示す図である。 図5に示されるデータセットを用いてマハラノビス距離を算出した結果を示す図である。 寄与度の算出方法を説明するための表である。 一実施形態に係る表示部により表示される各特性項目のマハラノビス距離成分の時系列変化の一例である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
まず、一実施形態に係る風力発電設備の診断システムが診断対象とする風力発電設備について説明する。図1は、一実施形態に係る風力発電設備の概略構成図である。図1に示すように、風力発電設備1は、複数の風車翼2と、風車翼2が取り付けられたハブ4とを備えるロータ3と、ロータ3の回転により駆動されるように構成された発電機10と、ロータ3の回転を発電機10に伝えるためのドライブトレイン9と、を備える。風車翼2が風を受けると、風車翼2を含むロータ3が回転する。ロータ3の回転エネルギーは、ドライブトレイン9を介して発電機10に伝達され、発電機10によって電気エネルギーに変換されるようになっている。
なお、ドライブトレイン9を含む種々の機器は、水上又は地上に立設されたタワー14の上に設置されたナセル12に収納されていてもよい。また、ハブ4は、ハブカバー5によって覆われていてもよい。また、発電機10は電力系統に連系される同期発電機であってもよい。
ドライブトレイン9は、ハブ4(ロータ3)に接続される主軸6と、主軸6を回転可能に支持する主軸受7(7a,7b)と、ロータ3の回転を変速して発電機10に伝えるためのトランスミッション8と、を含む。トランスミッション8は、油圧ポンプ及び油圧モータを含む油圧トランスミッションであってもよい。あるいは、トランスミッション8は、主軸6の回転を増速して発電機10に出力するように構成された機械式(ギア式)増速機であってもよい。
なお、一実施形態では、風力発電設備1は、ドライブトレインを介さずに主軸6の回転により発電機10を駆動するダイレクトドライブ型の風力発電装置であってもよい。
一実施形態では、風力発電設備1は、風車翼2のピッチ角を制御するためのアクチュエータ(不図示)をさらに備える。該アクチュエータは、電動ピッチモータであってもよく、又は、油圧シリンダを用いた油圧アクチュエータであってもよい。
一実施形態では、発電機10は同期発電機であり、風力発電設備1は、同期発電機(発電機10)の界磁電流を調節して同期発電機(発電機10)の端子電圧を制御するための自動電圧調節器(不図示)をさらに備える。
次に、一実施形態に係る風力発電設備の診断システムについて説明する。図2は、一実施形態に係る風力発電設備の診断システムの構成の概略を示すブロック図である。図2に示すように、風力発電設備の診断システム100は、風力発電設備1の健全性を評価するための偏差指標値の算出に用いるデータセットを生成するためのデータセット生成部20及び基準データセット生成部30と、算出された偏差指標値に基づいて風力発電設備1の異常の有無を判定するための健全性評価部40と、を備える。
データセット生成部20は、データセット取得部22と、対象データセット選別部24と、クラス分類部26と、平均処理部28と、を備える。
基準データセット生成部30は、基準データセット取得部32と、基準データセット選別部34と、基準データセットクラス分類部36と、基準データセット平均処理部38と、を備える。
健全性評価部40は、偏差指標値算出部42と、異常判定部43と、寄与度算出部44と、異常要因特定部45と、MD成分算出部46と、表示部47と、を備える。
以下に、診断システム100が備える各部について、偏差指標値としてマハラノビス距離を算出する実施形態に付いて、図を参照して説明する。
データセット生成部20は、風力発電設備1の健全性を評価するためのマハラノビス距離(偏差指標値)の算出において信号空間を構成するデータセットを生成するように構成される。
データセット取得部22は、風力発電設備1の運転状態と相関がある複数の特性項目の指標である特性値の組合せからなる複数のデータセットを単位期間Ti(i=1,2,…)ごとに取得するように構成される。
図3は、一実施形態に係るデータセットを構成するひと組の特性項目を示す表である。同図に示すように、一実施形態では、発電機回転数、発電機出力(発電機10の送電端出力)、風速、及び、3枚の風車翼2(第1翼〜第3翼)それぞれのピッチ角、の6種類の特性項目により、データセットを構成する。
各特性項目の指標である特性値とは、典型的には各特性項目についての計測値である。
各特性項目によってサンプリング周期が異なる場合、全ての特性項目について単位時間あたりのデータ数を揃えるようにしてもよい。例えば、複数の特性項目のうち最も長いサンプリング周期が1分である場合、サンプリング周期が1分よりも短い他の特性項目については、1分間に計測された計測値の平均を算出し、算出された1分間平均値によりデータセットを構成するようにしてもよい。
複数の特性項目は、診断対象に応じて適宜選択できる。
例えば、ロータ3、ドライブトレイン9、または、発電機10を異常判定の対象とする場合、風速、発電機10の送電端出力、ロータ3の回転数、及び複数の風車翼2(第1翼〜第3翼)のピッチ角を特性項目としてもよい。
また、例えば、風車翼2のピッチ角を制御するためのアクチュエータを異常判定の対象とする場合、該アクチュエータの温度、発電機10の送電端出力及び外気温を特性項目としてもよい。
また、例えば、風力発電設備1の主軸受7(7a,7b)を異常判定の対象とする場合、主軸受7(7a,7b)の温度、主軸受7(7a,7b)の振動情報および外気温を特性項目としてもよい。
主軸受7(7a,7b)の振動情報は、主軸受前記の加速度信号を周波数解析して得られる第1信号のうち、主軸6の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される主軸受前記の加速度レベルであってもよく、主軸受前記の加速度信号のピークを結ぶ包絡線信号を周波数解析して得られる第2信号のうち、主軸6の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される前記主軸受の包絡線レベルであってもよく、主軸受前記の半径方向速度信号を周波数解析して得られる第3信号のオーバーオール値であってもよく、主軸受前記の半径方向加速度信号を周波数解析して得られる第4信号のオーバーオール値であってもよく、又は、これらのうち2つ以上を含んでいてもよい。
また、例えば、同期発電機(発電機10)を異常判定の対象とする場合、同期発電機(発電機10)の巻線温度、自動電圧調節器の電圧、自動電圧調節器の電流、同期発電機(発電機10)の界磁電圧、および、外気温を特性項目としてもよい。
また、例えば、発電機10の回転軸を軸支する発電機軸受を異常判定の対象とする場合、発電機軸受の温度、発電機軸受の振動情報および外気温を特性項目としてもよい。
発電機軸受の振動情報は、発電機軸受の加速度信号を周波数解析して得られる第5信号のうち、発電機10の回転軸の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される前記発電機軸受の加速度レベルであってもよく、発電機軸受の加速度信号のピークを結ぶ包絡線信号を周波数解析して得られる第6信号のうち、発電機10の回転軸の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される発電機軸受の包絡線レベルであってもよく、発電機軸受の半径方向速度信号を周波数解析して得られる第7信号のオーバーオール値であってもよく、発電機軸受の半径方向加速度信号を周波数解析して得られる第8信号のオーバーオール値であってもよく、又は、これらのうち2つ以上を含んでいてもよい。
複数の特性値の組合せからなるデータセットは、単位期間T毎に取得する。単位期間Tiの長さは、例えば1分〜60分の範囲の期間である。各単位期間Tの長さは、例えば10分間である。
対象データセット選別部24は、データセット取得部22において単位期間T毎に取得された複数のデータセットの中に、対象データセット判定条件を満たさないデータセットが含まれる時には、そのデータセットが含まれる単位期間Tを非対象単位期間とし、該非対象単位期間に属するデータセット全てを排除する。一方、対象データセット選別部24は、データセット取得部22において単位期間T毎に取得された複数のデータセットの全てが対象データセット判定条件を満たすデータセットである場合には、その単位期間Tを対象単位期間とし、該対象単位期間に含まれる複数のデータセットを対象データセットとして選別する。
風力発電設備1の運転状態の違いは偏差指標値に少なからず影響するので、この影響を排除した適切な異常判定が望まれる。そこで、上述のように対象データセット選別部24によって風力発電設備1の運転状態が所定の場合のデータセットのみを選別して偏差指標値を算出することで、適切に異常判定を行うことができる。
対象データセット選別部24が対象データセットを選別するための対象データセット判定条件は、下記条件(A)又は下記条件(B)の少なくとも一方からなる第1判定条件である。
条件(A):風力発電設備1のロータ回転数ωが、カットイン風速時におけるロータ回転数ωr0以上かつ定格回転数ωr_rated未満の閾値ωr_th以上である。
条件(B):風力発電設備1の発電機回転数ωが、電力系統への発電機の併入時における発電機回転数ωg0以下の閾値ωg_th以上である。
即ち、条件(A)により、風力発電設備1の運転中以外のデータが対象データセットから排除される。また、条件(B)により、発電機10の運転中以外のデータが対象データセットから排除される。
一実施形態では、対象データセット選別部24が対象データセットを選別するための対象データセット判定条件は、第1判定条件に加えて、下記条件(C)又は下記条件(D)の少なくとも一方からなる第2判定条件をさらに含む。他の一実施形態では、対象データセット選別部24が対象データセットを選別するための対象データセット判定条件は、下記条件(C)又は下記条件(D)の少なくとも一方からなる第2判定条件である。
条件(C):風力発電設備1に一時的な出力制限が課せられていない。
条件(D):風力発電設備1の運転状態に応じた温度変化を示す風力発電設備1の部位の温度変動率が閾値以下である。
すなわち、条件(C)により、風力発電設備1に一時的な出力制限が課せられ、例えば、発電機出力、風車翼のピッチ角及びロータ回転数といった特性項目間の相関関係が、出力制限前から変化したデータが対象データセットから排除される。また、条件(D)により、風力発電設備1の運転開始直後のみに起こる、風力発電設備1の部位(例えば、発電機の巻線や、発電機軸受)の特異的な温度変動が生じる期間のデータが対象データセットから排除される。
クラス分類部26は、単位期間Ti内の複数のデータセットのうち、対象データセット選別部24にて対象データセットとして選別されたデータセットを、風力発電設備1の出力を示すパラメータのクラス毎に分類するように構成される。クラス分類を行うことで、同一のクラスに属する対象データセット(信号空間を構成する)と基準データセット(単位空間を構成する)とからマハラノビス距離を算出することができ、これにより同じ状況下で取得されたデータ同士を比較することができるため、より的確な異常判定が可能となる。
クラス分類部26におけるクラス分類は、例えば「風速」、「発電機出力」又は、「ロータ回転数」等、風力発電設備1の出力を示す、いずれかの特性項目に着目して行うことができる。図3に示す複数の特性項目を用いて風力発電設備1の異常判定を行う場合、例えば「発電機出力」に着目してクラス分類を行うことができる。
図4は、一実施形態に係るデータセットのクラスの分類を示す図であり、図3に示す特性項目を用いて評価を行う際に用いることができるクラス分類である。
一実施形態では、図4に示すように、発電機出力(横軸)について一定の幅の区間に区切られたBIN(j=1〜n)が設定される。図4に示す例では、100kWの区間ごとにBINが設定され、BIN(650〜750kW)、BIN(750〜850kW)、BIN(850〜950kW)…等、各BIN(クラス)毎に発電機出力の区間が割り当てられる。
各対象データセットは、各データセットに含まれる特性項目「発電機出力」の特性値(計測値)に応じて、いずれかのBINに振り分けられる。(すなわち、発電機出力に着目したクラス分類が行われる。)
平均処理部28は、単位期間T毎に、クラス分類部26によって各クラスに分類された対象データセットを平均化し、クラス(BIN)毎に平均データセットDijを算出する。すなわち、各クラス毎に、対象データセットに含まれる特性項目の指標である特性値の各々について平均値を求め、各特性値の平均値の組合せからなる平均データセットDijを、単位期間T毎、かつクラス(BIN)毎に算出する。
図5は、データセット取得部22、対象データセット選別部24、クラス分類部26及び平均処理部28の処理を繰り返すことで得られる複数の平均データセットDijの一例を示す表である。
図5に示す表は、以下のように取得したものである。
まず、データセット取得部22にて、図3に示す6つの特性項目(発電機回転数、発電機出力、風速及び第1翼〜第3翼のピッチ角)からなるデータセットを、単位期間T(T〜T)にわたって取得した。なお、各単位期間T〜Tの長さは10分間である。
次に、取得したデータセットについて、クラス分類部26にて、図4に示すBIN毎にクラス分類を行った。BINは発電機出力によって分類されたクラスであり、各BINの幅は100kWである。
平均処理部28にて、BINにクラス分類されたデータセットについて、単位期間T毎の平均値(10分間平均)を算出し、平均データセットDij(D11〜D55)を得た。各平均データセットDij(D11〜D55)は、6つの特性項目の特性値の組合せ(1行ごとに示される)により構成される。
このようにして得られた平均データセットDijの各々は、後で説明する偏差指標値算出部42にて、信号空間を構成するデータセットとしてマハラノビス距離の算出に用いられる。なお、偏差指標値算出部42では、上述のようにして得られた平均データセットDij毎に、マハラノビス距離が算出される。
基準データセット生成部30は、風力発電設備1の健全性を評価するためのマハラノビス距離(偏差指標値)の算出において単位空間を構成するデータセット(基準データセット)を生成するように構成される。基準データセットは、上述した平均データセットDijと同じ特性項目についての特性値の組合せのうち、風力発電設備1の正常時における前記特性値の組合せである。
基準データセット取得部32は、データセット取得部22にて取得されるデータセットを構成する複数の特性項目の指標である特性値の組合せからなる複数のデータセットを単位期間Ti毎に取得するように構成される。
データセット取得部22にて取得されるデータセットが図3に示される特性項目により構成されるとき、基準データセット取得部32にて取得される基準データセットもまた、図3に示される特性項目により構成される。
基準データセット選別部34は、基準データセット取得部32において単位期間Ti毎に取得された複数のデータセットの中から、風力発電設備1の正常時における特性値の組合せであるデータセットを選別する。すなわち、各々の特性項目の特性値が、風力発電設備1の正常時であることを示す範囲の中に存在するデータセットのみを選別し、それ以外のデータセットは排除される。
さらに、基準データセット選別部34は、対象データセット選別部24と同様に、基準データセット取得部32において単位期間Ti毎に取得された複数のデータセットの中に、基準データセット判定条件を満たさないデータセットが含まれる時には、そのデータセットが含まれる単位期間Tを非対象単位期間とし、該非対象単位期間に属するデータセット全てを排除する。一方、基準データセット選別部34は、基準データセット取得部32において単位期間T毎に取得された複数のデータセットの全てが基準データセット判定条件を満たすデータセットである場合には、その単位期間Tを対象単位期間とし、該対象単位期間に含まれる複数のデータセットを選別する。
基準データセット選別部34による選別を行うことで、同一の条件を満たす対象データセットと基準データセットを用いて偏差指標値を算出することができる。よって、同じ条件下で取得されたデータ同士を比較することができるため、より的確な異常判定が可能となる。
基準データセット選別部34がデータセットを選別するための基準データセット判定条件は、上記対象データセット判定条件と同じ条件であり、本実施形態において、下記条件(A)又は下記条件(B)の少なくとも一方からなる第1判定条件である。
条件(A):風力発電設備1のロータ回転数ωが、カットイン風速時におけるロータ回転数ωr0以上かつ定格回転数ωr_rated未満の閾値ωr_th以上である。
条件(B):風力発電設備1の発電機回転数ωが、電力系統への発電機の併入時における発電機回転数ωg0以下の閾値ωg_th以上である。
一実施形態では、基準データセット選別部34が対象データセットを選別するための基準データセット判定条件は、第1判定条件に加えて、下記条件(C)又は下記条件(D)の少なくとも一方からなる第2判定条件をさらに含む。他の一実施形態では、基準データセット選別部34が対象データセットを選別するための基準データセット判定条件は、下記条件(C)又は下記条件(D)の少なくとも一方からなる第2判定条件である。
条件(C):風力発電設備1に一時的な出力制限が課せられていない。
条件(D):風力発電設備1の運転状態に応じた温度変化を示す風力発電設備1の部位の温度変動率が閾値以下である。
基準データセットクラス分類部36は、単位期間T内の複数のデータセットのうち、基準データセット選別部34にて選別されたデータセットを、風力発電設備1の出力を示すパラメータのクラス毎に分類するように構成される。クラス分類の際のクラスの設定は、クラス分類部26でのクラスの設定と同様である。
すなわち、本実施形態では、クラス分類部26にけるクラス分類と同様に、図4に示すように、発電機出力(横軸)について一定の幅(100kW)の区間に区切られたBIN(j=1〜n)が設定される。そして、基準データセット選別部34にて選別されたデータセットは、各データセットに含まれる特性項目「発電機出力」の特性値(計測値)に応じて、いずれかのBINに振り分けられる。(すなわち、発電機出力に着目したクラス分類が行われる。)
基準データセット平均処理部38は、単位期間T毎に、基準データセットクラス分類部36によって各クラスに分類されたデータセットを平均化し、クラス(BIN)毎に平均基準データセットSDijを算出する。すなわち、各クラス毎に、対象データセットに含まれる特性項目の指標である特性値の各々について平均値を求め、各特性値の平均値の組合せからなる平均基準データセットSDijを、単位期間T毎、かつクラス(BIN)毎に算出する。
以上に説明した基準データセット取得部32、基準データセット選別部34、基準データセットクラス分類部36及び基準データセット平均処理部38の処理を繰り返すことで、平均基準データセットSDijを複数の単位期間Tにわたって集積することで、BIN毎の基準データセットDref_jが得られる。
なお、図5に示すデータの集合を基準データセットとして用いることができる。この場合、平均データセットDijとして算出したデータセットを、平均基準データセットSDijとすることができ、平均基準データセットSDijを単位期間T〜Tにわたって集積したものを、各BINにおける基準データセットDref_jとする。
なお、後に説明する偏差指標値算出部42では、BIN毎の基準データセットDref_jを用いて、BIN毎にマハラノビス距離が算出される。
基準データセットは、診断対象の風力発電設備1の運転開始前に予め取得されたものであってもよい。この場合、基準データセットは、診断対象の風力発電設備1と同一機種の風力発電設備を用いて、同一サイトにて取得された基準データセットであってもよい。
あるいは、基準データセットは、診断対象の風力発電設備1の運転を開始してから、当該風力発電設備1の運転中に取得されるようになっていてもよい。
健全性評価部40は、データセット生成部20及び基準データセット生成部30で得られた平均データセットDij及び基準データセットDref_jに基づいて、風力発電設備1の健全性の評価を行う。
偏差指標値算出部42は、風力発電設備1の正常時における特性値の組合せからなる基準データセットDref_jと平均データセットDijとの偏差を示す偏差指標値として、マハラノビス距離MDijを算出する。すなわち、基準データセットDref_jにより構成される単位空間に対する、平均データセットDijにより構成される信号空間のマハラノビス距離MDijを偏差指標値として算出する。ここでは、同一のBIN(クラス)に属する基準データセットDref_jと平均データセットDijとの偏差を示すマハラノビス距離MDijが、各単位期間TについてBIN毎(クラス毎)に算出される。
なお、MT法では、目的に対して均質な集団(正常データの集合)を単位空間とし、対象データの単位空間の中心からの距離をマハラノビス距離(MD値)として求める。MD値が小さければその対象データは正常である可能性が大きく、MD値が大きければその対象データは異常である可能性が大きい。
ここで、図6及び図7を参照して、マハラノビス距離の算出方法について説明する。図6は、マハラノビス距離算出対象の単位空間データ(基準データセットの集合)の要素の一例を示す図であり、図7は、マハラノビス距離算出対象の信号空間データ(平均データセットの集合)の要素の一例を示す図である。
図6及び図7の「項目1」〜「項目n」の各々は特性項目を示す。
また、「data(k)」及び「data(l)」におけるk及びlは、それぞれ基準データセット及び平均データセットの番号を示す。すなわち、図6の単位空間データは、data(1)〜data(k)のk個の基準データセットを含んでいる。また、図7の信号空間データは、data(1)〜data(l)のl個の平均データセットを含んでいる。マハラノビス距離は平均データセット(信号空間データ)毎に計算されるので、図7の信号空間データを用いれば、data(1)〜data(l)の平均データセット毎に1つずつ、合計l個のマハラノビス距離が算出される。
また、Xnk及びYnlは、それぞれ、各データセットにおける各項目(特性項目)の特性値を示す。
なお、マハラノビス距離を算出するための前提条件として、単位空間を構成するデータセット数kは、特性項目の数nよりも大きい必要がある(k>n)。
Figure 2016125947

Figure 2016125947

次に、上記式(A)で算出した各項目毎の平均を用いて、下記式(B)により単位空間データについて共分散行列COV(n×n行列)を求める。
Figure 2016125947

そして、信号空間データdata(1) 〜data(l)と、上記式(A)により求めた平均及び上記式(B)により求めた共分散行列の逆行列を用いて、下記式(C)によりマハラノビス距離の2乗値Dを算出する。
Figure 2016125947

さらに、単位空間データのDの平均を1に正規化するためにDをnで除算してMD値を算出する。このMD値をマハラノビス距離(評価値)とする(MD値=D/n)。
偏差指標値算出部42は、対象データセット選別部24においてデータセット取得単位期間にわたって取得された複数のデータセットから選別された対象データセットを用いて、30分〜600分の範囲で、好ましくは60分の期間で、マハラノビス距離を算出するようになっていてもよい。
異常判定部43は、少なくとも一つのクラス(BIN)においてマハラノビス距離MDij(偏差指標値)が閾値を上回った場合、単位期間Tにおいて風力発電設備1の異常が生じたと判定するように構成される。
異常判定部43は、予めマハラノビス距離MDij(偏差指標値)の閾値が記憶された記憶部を有していてもよい。異常判定部43は、偏差指標値算出部42により算出されたマハラノビス距離を含む情報を受け取って、該マハラノビス距離と、記憶部に記憶された閾値とを比較して、算出されたマハラノビス距離が閾値よりも大きい場合に、風力発電設備1の異常が生じたと判定するようになっていてもよい。
図8は、図5に示されるデータセットを用いてマハラノビス距離を算出した結果を示す図である。図8において、横軸はデータセット番号であり、縦軸はマハラノビス距離(MD値)である。
ここで、マハラノビス距離(MD値)の算出対象は、図5の表中のデータセットNo.1〜25の各データセットである。
例えば、BINに属するデータセットNo.1〜5については、BINの基準データセットDref_1により構成される単位空間データを用いてマハラノビス距離(MD値)が算出される。同様に、BINに属するデータセットNo.6〜10については、BINの基準データセットDref_2により構成される単位空間データを用いてマハラノビス距離(MD値)が算出される。他のデータセットについても、同様にマハラノビス距離(MD値)が算出される。
なお、図5に記載される各特性項目(発電機回転数等)についての数値データは、実測値ではなく、検証用に作成したデータである。また、データセットNo.8及びNo.18の発電機回転数(図5の表においては単に「回転数」と記載される)の欄にはカッコなしの数値とカッコ付きの数値の2種類の数値が記載されているが、単位空間データを構成する基準データセットの要素としてはカッコなしの数値を用い、信号空間データを構成する平均データセットの要素としては、カッコ内の数値を用いて各マハラノビス距離(MD値)を算出した。
図8に示すグラフでは、No.8とNo.18以外のMD2値は、0付近で小さい。これらのMD値は、風力発電設備1が正常であることを示している。
これに対し、データセットNo.8とNo.18から算出されたMD2値は、他のデータセットから算出されたマハラノビス距離に比べて大きい。このことから、No.8及びNo.18のデータセットが取得された単位期間T3において、風力発電設備1に何らかの異常が発生したものと判定することができる。
なお、図8に示すようなマハラノビス距離の計算結果が得られる場合、異常判定部43においてマハラノビス距離(MD値)が50〜100の範囲内に閾値を設けておくことで、適切に風力発電設備1の異常を検出することができる。
寄与度算出部44は、偏差指標値算出部42により算出されたマハラノビス距離に対して、どの特性項目が寄与しているかを示す指標(寄与度)を算出する。また、異常要因特定部45は、異常判定部43により風力発電設備1に異常があると判定された場合に、寄与度算出部44により算出された寄与度に基づいて、複数の特性項目のうち、異常の要因となっている特性項目を特定するように構成される。
ここで、項目1〜項目3からなる3つの特性項目を用いてマハラノビス距離を算出した場合の寄与度を算出し、異常要因を特定する方法の一例について図9を用いて説明する。図9は、寄与度の算出方法を説明するための表である。なお、図9において、各検証の行の項目1〜項目3の欄に記載されている○は、各検証において当該項目がマハラノビス距離又は以下に説明する分析用マハラノビス距離の算出に用いられることを示し、×は、各検証において当該項目がマハラノビス距離又は以下に説明する分析用マハラノビス距離の算出に用いられないことを示す。
まず、上述で説明したマハラノビス距離算出方法により、対象データセット及び基準データセットを構成する項目1〜項目3の全ての特性項目の特性値を用いて、マハラノビス距離(MD値)を算出する(図9の表の検証1)。この際、特性項目数が3であるので、MD値はD/3である。
また、特性項目の中から、1つの着目特性項目を設定し、全特性項目から着目特性項目を除いた特性項目の特性値の組合せからなる分析用対象データセット及び分析用基準データセットを用いて、分析用マハラノビス距離(分析用偏差指標値)を算出する(図9の表の検証2〜4)。例えば、検証2では、項目1を着目特性項目と設定し、それ以外の項目2及び項目3を用いて分析用マハラノビス距離を算出する。この際、特性項目数が2であるので、MD値はD/2である。検証3及び検証4においては、それぞれ、項目2及び項目3を着目特性項目として、それ以外の2つの項目を用いて分析用マハラノビス距離を算出する。
そして、検証1で算出したマハラノビス距離に対して、検証2〜検証4で算出した分析用マハラノビス距離が占める割合に基づいて、各々の特性項目のマハラノビス距離への寄与度を算出する。
例えば、全ての特性項目(項目1〜項目3)を用いて算出したマハラノビス距離に対して、項目1を着目特性項目として検証2で算出したマハラノビス距離が占める割合が大きければ、項目1の寄与度は小さいと判断できる。逆に、全ての特性項目(項目1〜項目3)を用いて算出したマハラノビス距離に対して、項目1を着目特性項目として検証2で算出したマハラノビス距離が占める割合が小さければ、項目1の寄与度は大きいと判断できる。
あるいは、各着目特性項目についてSN比利得率を求めることによって寄与度を算出するようにしてもよい。この場合、算出された各々のマハラノビス距離(MD値)について、下記式(D)よりSN比を求める。
Figure 2016125947

表10に示すように検証1〜検証4のそれぞれについて、求められるSN比をη、η’、η’、η’とする。そして、着目特性項目毎に、SN比利得率を算出する。項目1、項目2、項目3がそれぞれ着目特性項目である場合、SN比利得は、それぞれ、η−η’、η−η’、η−η’である。
このようにして求めたSN比利得は、マハラノビス距離における各特性項目の寄与度を示す。例えば、着目特性項目を項目1としたときのSN比利得が大きい場合には、項目1はマハラノビス距離を大きくすることに寄与しており、風力発電設備1の異常要因となっている可能性があることを示す。また、例えば、着目特性項目を項目2としたときのSN比利得が小さい場合には、項目2はマハラノビス距離の大きさに寄与しておらず、風力発電設備1の異常要因とはなっていないと判定される。
MD成分算出部46は、偏差指標値算出部42によって算出されたマハラノビス距離と、寄与度算出部44によって算出された特性項目の各々の寄与度とに基づいて、特性項目の各々のマハラノビス距離成分を算出するように構成される。また、表示部47は、MD成分算出部46によって算出された特性項目の各々のマハラノビス距離成分の時系列変化を表示するように構成される。
図10は、表示部47により表示される各特性項目のマハラノビス距離成分の時系列変化の一例である。ここでは、項目1〜項目4の4つの特性項目によりマハラノビス距離が算出される場合の例を示している。また、図10においては、予め設定されたマハラノビス距離の閾値が合わせて表示されている。
例えば、図10においては、時刻がt〜tの間の期間にマハラノビス距離が閾値を超えているため、当該期間において風力発電設備1に異常が発生していたと判定することができる。また、風力発電設備1に異常が発生していたと判定されたt〜tの期間において項目4の寄与度が大きくなっているため、風力発電設備1の時刻t〜tにおける異常の要因は、項目4であると判定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 風力発電設備
2 風車翼
3 ロータ
4 ハブ
5 ハブカバー
6 主軸
7 主軸受
8 トランスミッション
9 ドライブトレイン
10 発電機
12 ナセル
14 タワー
20 データセット生成部
22 データセット取得部
24 対象データセット選別部
26 クラス分類部
28 平均処理部
30 基準データセット生成部
32 基準データセット取得部
34 基準データセット選別部
36 基準データセットクラス分類部
38 基準データセット平均処理部
40 健全性評価部
42 偏差指標値算出部
43 異常判定部
44 寄与度算出部
45 異常要因特定部
46 MD成分算出部
47 表示部
100 診断システム

Claims (15)

  1. 風力発電設備の健全性を評価するためのシステムであって、
    前記風力発電設備の運転状態と相関がある複数の特性項目の指標である特性値の組合せからなる複数のデータセットを単位期間ごとに取得するように構成されたデータセット取得部と、
    前記単位期間内の前記複数のデータセットの少なくとも一部を、前記風力発電設備の出力を示すパラメータのクラス毎に分類するためのクラス分類部と、
    前記クラス分類部によって各クラスに分類された前記データセットを平均化し、平均データセットをクラス毎に算出する平均処理部と、
    前記風力発電設備の正常時における前記特性値の組合せからなる基準データセットと前記平均データセットとの偏差を示す偏差指標値をクラス毎に算出するための偏差指標値算出部と、
    少なくとも一つのクラスにおいて前記偏差指標値が閾値を上回った場合、前記単位期間において前記風力発電設備の異常が生じたと判定するように構成された異常判定部と、を備えることを特徴とする風力発電設備の診断システム。
  2. 前記基準データセットは、前記パラメータのクラス毎に分類され、前記パラメータのクラス毎に平均化されており、
    前記偏差指標値算出部は、同一クラスに属する前記平均データセットと前記基準データセットとの偏差を示す前記偏差指標値をクラス毎に算出するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の風力発電設備の診断システム。
  3. 条件(A)又は条件(B)の少なくとも一方からなる第1判定条件を満たさないデータセットを含む非対象単位期間に属する前記複数のデータセットを排除し、前記第1判定条件を全てのデータセットが満たす対象単位期間に属する対象データセットを選別するように構成された対象データセット選別部をさらに備え、
    前記クラス分類部は、前記複数のデータセットのうち、前記対象データセットについてのみ前記パラメータのクラス毎に分類するように構成されており、
    前記条件(A)は、前記風力発電設備のロータ回転数ωが、カットイン風速時におけるロータ回転数ωr0以上かつ定格回転数ωr_rated未満の閾値ωr_th以上であるという条件であり、
    前記条件(B)は、前記風力発電設備の発電機回転数ωが、電力系統への発電機の併入時における発電機回転数ωg0以下の閾値ωg_th以上であるという条件であることを特徴とする請求項1又は2に記載の風力発電設備の診断システム。
  4. 前記基準データセットは、前記条件(A)又は前記条件(B)の前記少なくとも一方を満たすことを特徴とする請求項3に記載の風力発電設備の診断システム。
  5. 前記対象データセット選択部は、前記第1判定条件に加えて、条件(C)又は条件(D)の少なくとも一方からなる第2判定条件を全てのデータセットが満たす前記対象単位期間におけるデータセットを前記対象データセットとして選別するように構成され、
    前記条件(C)は、前記風力発電設備に一時的な出力制限が課せられていないという条件であり、
    前記条件(D)は、前記風力発電設備の運転状態に応じた温度変化を示す前記風力発電設備の部位の温度変動率が閾値以下であるという条件であることを特徴とする請求項3又は4に記載の風力発電設備の診断システム。
  6. 前記偏差指標値算出部は、前記基準データセットにより構成される単位空間に対する、前記対象データセットにより構成される信号空間のマハラノビス距離を前記偏差指標値として算出するように構成され、
    前記異常判定部は、前記マハラノビス距離に基づいて、前記対象単位期間における前記風力発電設備の異常の有無を判定するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の風力発電設備の診断システム。
  7. 前記対象データセットを構成する前記特性値のうち、1以上の着目特性項目以外の特性項目の特性値の組み合わせからなる分析用対象データセットと、前記基準データセットを構成する前記特性値のうち、前記着目特性項目以外の特性項目の特性値の組み合わせからなる分析用基準データセットと、の偏差を示す分析用偏差指標値を算出し、前記偏差指標値に対して該分析用偏差指標値が占める割合に基づき、各々の前記特性項目の前記偏差指標値への寄与度を算出するように構成された寄与度算出部と、
    前記異常判定部により前記風力発電設備に異常があると判定された場合に、前記寄与度算出部により算出された前記寄与度に基づいて、前記複数の特性項目のうち、前記異常の要因となっている特性項目を特定するように構成された異常要因特定部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の風力発電設備の診断システム。
  8. 前記偏差指標値算出部によって算出された前記マハラノビス距離と、前記寄与度算出部によって算出された前記特性項目の各々の前記寄与度とに基づいて、前記特性項目の各々のマハラノビス距離成分を算出するMD成分算出部と、
    前記MD成分算出部によって算出された前記特性項目の各々の前記マハラノビス距離成分の時系列変化を表示するための表示部と、をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の風力発電設備の診断システム。
  9. 前記風力発電設備は、複数の風車翼を備えるロータと、前記ロータの回転により駆動されるように構成された発電機と、前記ロータの回転を前記発電機に伝えるためのドライブトレインと、をさらに備え、
    前記特性項目は、風速、前記発電機の送電端出力、前記ロータの回転数、及び前記複数の風車翼のピッチ角を含み、
    前記異常判定部は、前記ロータ、前記ドライブトレイン、または、前記発電機の少なくとも一つの異常を判定するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の風力発電設備の診断システム。
  10. 前記風力発電設備は、複数の風車翼を備えるロータと、前記ロータの回転により駆動されるように構成された発電機と、前記風車翼のピッチ角を制御するためのアクチュエータと、をさらに備え、
    前記特性項目は、前記アクチュエータの温度、前記発電機の送電端出力及び外気温を含み、
    前記異常判定部は、前記アクチュエータの異常を判定するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の風力発電設備の診断システム。
  11. 前記風力発電設備は、複数の風車翼を備えるロータと、前記ロータの回転により駆動されるように構成された発電機と、前記ロータに接続され、前記ロータの回転を前記発電機に伝えるように構成された主軸と、前記主軸を回転可能に支持するように構成された主軸受と、をさらに備え、
    前記特性項目は、前記主軸受の温度、前記主軸受の振動情報および外気温を含み、
    前記振動情報は、
    前記主軸受の加速度信号を周波数解析して得られる第1信号のうち、前記主軸の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される前記主軸受の加速度レベル、
    前記主軸受の加速度信号のピークを結ぶ包絡線信号を周波数解析して得られる第2信号のうち、前記主軸の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される前記主軸受の包絡線レベル、
    前記主軸受の半径方向速度信号を周波数解析して得られる第3信号のオーバーオール値、または、
    前記主軸受の半径方向加速度信号を周波数解析して得られる第4信号のオーバーオール値、
    の少なくとも一つを含み、
    前記異常判定部は、前記主軸受の異常を判定するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の風力発電設備の診断システム。
  12. 前記風力発電設備は、複数の風車翼を備えるロータと、前記ロータの回転により駆動されるように構成された同期発電機と、前記同期発電機の界磁電流を調節して前記同期発電機の端子電圧を制御するための自動電圧調節器と、をさらに備え、
    前記特性項目は、前記同期発電機の巻線温度、前記自動電圧調節器の電圧、前記自動電圧調節器の電流、前記同期発電機の界磁電圧、および、外気温を含み、
    前記異常判定部は、前記同期発電機の異常を判定するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の風力発電設備の診断システム。
  13. 前記風力発電設備は、複数の風車翼を備えるロータと、前記ロータの回転により駆動されるように構成された発電機と、をさらに備え、
    前記特性項目は、前記発電機の回転軸を軸支する発電機軸受の温度、前記発電機軸受の振動情報および外気温を含み、
    前記振動情報は、
    前記発電機軸受の加速度信号を周波数解析して得られる第5信号のうち、前記発電機の回転軸の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される前記発電機軸受の加速度レベル、
    前記発電機軸受の加速度信号のピークを結ぶ包絡線信号を周波数解析して得られる第6信号のうち、前記発電機の回転軸の回転数の整数倍に対応する周波数の信号強度として定義される前記発電機軸受の包絡線レベル、
    前記発電機軸受の半径方向速度信号を周波数解析して得られる第7信号のオーバーオール値、または、
    前記発電機軸受の半径方向加速度信号を周波数解析して得られる第8信号のオーバーオール値、
    の少なくとも一つを含み、
    前記異常判定部は、前記発電機軸受の異常を判定するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の風力発電設備の診断システム。
  14. 前記データセット取得部は、前記単位期間が1分〜60分の範囲で、好ましくは10分程度でデータセットを取得するように構成され、
    前記偏差指標値算出部は、前記対象データセット選別部において前記データセット取得単位期間にわたって取得された前記複数のデータセットから選別された対象データセットを用いて、30分〜600分の範囲で好ましくは60分の期間で前記偏差指標値を含む分析値を算出するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の風力発電設備の診断システム。
  15. 風力発電設備の健全性を評価するための方法であって、
    前記風力発電設備の運転状態と相関がある複数の特性項目の指標である特性値の組合せからなる複数のデータセットを単位期間ごとに複数取得するデータセット取得ステップと、
    前記単位期間内の前記複数のデータセットの少なくとも一部を、前記風力発電設備の出力を示すパラメータのクラス毎に分類するクラス分類ステップと、
    前記クラス分類ステップで各クラスに分類された前記データセットを平均化し、平均データセットをクラス毎に算出する平均処理ステップと、
    前記風力発電設備の正常時における前記特性値の組合せからなる基準データセットと前記平均データセットとの偏差を示す偏差指標値をクラス毎に算出する偏差指標値算出ステップと、
    少なくとも一つのクラスにおいて前記偏差指標値が閾値を上回った場合、前記単位期間において前記風力発電設備の異常が生じたと判定する異常判定ステップと、を備えることを特徴とする風力発電設備の診断方法。
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