JP2016125351A - Rotation stop position controlling apparatus of engine - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、エンジンの停止に際して、エンジンの回転軸の回転停止位置を制御するように構成したエンジンの回転停止位置制御装置に関する。 The present invention relates to an engine rotation stop position control device configured to control a rotation stop position of a rotation shaft of an engine when the engine is stopped.
従来、この種の分野の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される内燃機関制御装置が知られている。この装置は、エンジンを自動で停止させ、自動で始動させるアイドルストップシステムに採用される。ここで、エンジンの再始動性を向上させるために、アイドル運転時にエンジンが自動停止(アイドルストップ)したとき、エンジンの回転停止位置(停止クランク角)を再始動に適したクランク角範囲に制御するようになっている。すなわち、エンジンが停止している状態で、膨張行程にある気筒内にインジェクタから燃料を噴射供給して点火燃焼させることにより、スタータモータの力を借りることなく、エンジンそれ自体の力でエンジンを再始動させる。そのために、アイドルストップ要求(燃料カット要求)が入ったとき、複数の気筒のうち特定の気筒から燃料カットを開始し、アイドルストップを行うようになっている。
Conventionally, as a technology in this type of field, for example, an internal combustion engine control device described in
ところが、特許文献1に記載の技術では、燃料カット要求が入ったとき、特定の気筒で燃料カットを開始するまでの時間が短すぎる場合があり、その場合に燃料カットの開始が間に合わず、遅れてしまうことがあった。その結果、エンジンの停止に際して、クランクシャフトをエンジンの再始動に適した所定の回転位置に停止させることができなくなるおそれがあった。
However, in the technique described in
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジンの停止に際して、回転軸をエンジンの再始動に適した所定の回転位置に安定的に停止させることを可能としたエンジンの回転停止位置制御装置を提供することにある。 The present invention has been made in view of the above circumstances, and its object is to stably stop the rotating shaft at a predetermined rotational position suitable for restarting the engine when the engine is stopped. An object of the present invention is to provide an engine rotation stop position control device.
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンの回転軸を所定の回転位置に停止させるように制御するエンジンの回転停止位置制御装置であって、エンジンは、複数の気筒を含むレシプロエンジンであり、燃料供給手段により供給される燃料を各気筒で燃焼させることにより回転軸を回転させるように構成されることと、燃料供給手段は、各気筒毎に燃料を供給するように構成されることと、回転軸の回転位置と回転速度を検出するための回転検出手段と、回転軸を所定の回転位置に停止させるために、燃料供給の停止を各気筒につき特定の気筒から順次開始させるように燃料供給手段を制御する制御手段とを備えたエンジンの回転停止位置制御装置において、制御手段は、回転軸を所定の回転位置に停止させるとき、燃料供給の停止を要求し、その要求時に、回転検出手段により検出される回転位置が特定の気筒についての次回のある特定の行程での燃料供給の停止を許容できる所定範囲内にある場合は、特定の気筒についての次回のある特定の行程で燃料供給の停止を開始させるように前記燃料供給手段を制御し、検出される回転位置が所定範囲内にない場合は、燃料供給の停止の開始を特定の気筒についての次々回のある特定の行程まで遅らせるように燃料供給手段を制御することを趣旨とする。
In order to achieve the above object, an invention according to
上記発明の構成によれば、エンジンの停止に際して、制御手段は、回転軸を所定の回転位置に停止させるために、各気筒のある特定の行程での燃料供給手段による燃料供給の停止を特定の気筒から順次開始させるように燃料供給手段を制御する。これにより、回転軸の回転が停止し始め、回転軸が所定の回転位置にて停止する。ここで、燃料供給の停止の開始は、その要求時に回転軸の回転位置が所定範囲内にある場合は、特定の気筒についての次回のある特定の行程で燃料供給の停止が開始される。一方、燃料供給の停止の開始は、その要求時に回転軸の回転位置が所定範囲内にない場合は、特定の気筒についての次々回のある特定の行程まで待って燃料供給の停止が開始される。従って、燃料供給の停止の要求タイミングがある特定の行程の間際で入っても、燃料供給の停止が、常に特定の気筒についてのある特定の行程で開始されるので、回転軸が常に所定の回転位置にて停止される。 According to the configuration of the invention described above, when the engine is stopped, the control means specifies the stop of fuel supply by the fuel supply means in a specific stroke of each cylinder in order to stop the rotating shaft at a predetermined rotational position. The fuel supply means is controlled so as to start sequentially from the cylinder. Thereby, rotation of a rotating shaft begins to stop and a rotating shaft stops in a predetermined rotation position. Here, when stopping the fuel supply, when the rotational position of the rotating shaft is within a predetermined range at the time of the request, the fuel supply is stopped at the next specific stroke for the specific cylinder. On the other hand, when stopping the fuel supply, if the rotational position of the rotating shaft is not within the predetermined range at the time of the request, the fuel supply is stopped after waiting for a specific stroke of the specific cylinder one after another. Therefore, even if the fuel supply stop request timing comes just before a specific stroke, the fuel supply stop is always started in a specific stroke for a specific cylinder. Stop at position.
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ある特定の行程は、吸気行程であることを趣旨とする。
In order to achieve the above object, the invention described in
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、燃料供給の停止の要求タイミングが吸気行程の間際で入っても、燃料供給の停止が、常に特定の気筒についての吸気行程で開始されるので、回転軸が常に所定の回転位置にて停止される。
According to the configuration of the above invention, in addition to the operation of the invention described in
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、各気筒に供給される燃料に点火するための点火手段と、点火手段による点火時期を制御するための点火時期制御手段とを更に備え、点火時期制御手段は、制御手段が燃料供給の停止を要求したとき、回転検出手段により検出される回転速度が所定の目標回転速度にならない場合は、特定の気筒で燃料供給の停止が開始されるまでの間で、回転軸の回転速度を調整するために点火手段による点火時期を変更制御することを趣旨とする。 In order to achieve the above object, according to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect of the present invention, the ignition means for igniting the fuel supplied to each cylinder, and the ignition timing by the ignition means. Ignition timing control means for controlling the ignition timing control means, the ignition timing control means, when the control means has requested to stop the fuel supply, the rotation speed detected by the rotation detection means does not reach a predetermined target rotation speed The purpose is to change and control the ignition timing by the ignition means in order to adjust the rotation speed of the rotating shaft until the fuel supply is stopped in a specific cylinder.
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、燃料供給の停止が要求されたとき、検出される回転速度が所定の目標回転速度にならない場合は、燃料供給の停止が開始されるまでの間で、点火手段による点火時期が変更制御され、回転軸の回転速度が所定の目標回転速度に近付けられる。ここで、所定の目標回転速度は、回転軸を所定の回転位置に停止させるために燃料供給の停止を開始するのに最適な回転速度である。
According to the configuration of the invention described above, in addition to the operation of the invention described in
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、制御手段は、燃料供給の停止を要求してから、回転検出手段により検出される回転速度が所定の目標回転速度にならない場合は、燃料供給の停止の開始を遅らせるように燃料供給手段を制御することを趣旨とする。 In order to achieve the above object, according to a fourth aspect of the invention, in the invention according to any one of the first to third aspects, the control means detects the stop of the fuel supply and then detects the rotation by the rotation detecting means. When the rotation speed to be achieved does not reach the predetermined target rotation speed, the fuel supply means is controlled so as to delay the start of the fuel supply stop.
上記発明の構成によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の作用に加え、燃料供給の停止が要求されてから、回転軸の回転速度が所定の目標回転速度にならない場合は、その間に燃料供給の停止が開始されない。
According to the configuration of the invention, in addition to the operation of the invention according to any one of
請求項1又は2に記載の発明によれば、エンジンの停止に際して、回転軸をエンジンの再始動に適した所定の回転位置に安定的に停止させることができる。 According to the first or second aspect of the invention, when the engine is stopped, the rotating shaft can be stably stopped at a predetermined rotational position suitable for restarting the engine.
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、エンジンの停止に際して、燃料供給停止が要求されてからの回転速度の違いによらず、回転軸をエンジンの再始動に適した所定の回転位置に精度良く停止させることができる。
According to the invention described in
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、エンジンの実際の回転速度を燃料供給停止の開始に最適な目標回転速度に近付けることができる。
According to the invention described in
<第1実施形態>
以下、この発明におけるエンジンの回転停止位置制御装置を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
<First Embodiment>
DETAILED DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS A first embodiment of an engine rotation stop position control device according to the present invention will be described below in detail with reference to the drawings.
図1に、この実施形態におけるエンジンシステムを概略構成図により示す。この実施形態で、自動車に搭載されるエンジン1は、4サイクルのレシプロエンジンであり、4つの気筒2と、本発明の回転軸であるクランクシャフト3とを含む。エンジン1には、吸気通路4と排気通路5が設けられる。吸気通路4には、上流側からエアクリーナ6、電子スロットル装置7及びサージタンク8が設けられる。電子スロットル装置7は、モータ31により開閉駆動されるスロットル弁9と、スロットル弁9の開度(スロットル開度)TAを検出するためのスロットルセンサ41とを含む。排気通路5には、排気ガスを浄化するための触媒コンバータ10が設けられる。
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing an engine system in this embodiment. In this embodiment, an
エンジン1は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とを含む。シリンダブロック11には、各気筒2にピストン13が設けられる。各ピストン13は、コンロッド14を介してクランクシャフト3に連結される。各気筒2は、燃焼室15を含む。すなわち、各気筒2にて、燃焼室15は、ピストン13とシリンダヘッド12との間に形成される。シリンダヘッド12には、各燃焼室15に連通する吸気ポート16及び排気ポート17がそれぞれ形成される。各吸気ポート16は、それぞれ吸気通路4に通じる。各排気ポート17は、それぞれ排気通路5に通じる。各吸気ポート16には、吸気バルブ18が、各排気ポート17には、排気バルブ19がそれぞれ設けられる。各吸気バルブ18及び各排気バルブ19は、クランクシャフト3の回転に連動して、つまり、各ピストン13の上下動に連動して、ひいてはエンジン1の一連の作動行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)に連動して、カムシャフト20などを含む動弁機構21により開閉駆動される。
The
シリンダヘッド12には、各気筒2のそれぞれに対応して、各燃焼室15の中へ燃料を直接噴射するインジェクタ32が設けられる。各インジェクタ32は、本発明の燃料供給手段に相当し、燃料供給装置(図示略)から供給される燃料を、対応する各燃焼室15へ噴射供給するようになっている。各燃焼室15では、吸気行程で、インジェクタ32から噴射される燃料と吸気通路4から吸入される空気とで可燃混合気が形成される。
The
シリンダヘッド12には、各気筒2のそれぞれに対応して、各燃焼室15に点火プラグ33が設けられる。各点火プラグ33は、イグニションコイル34から出力される点火信号を受けてスパーク動作する。両部品33,34は、各燃焼室15にて形成される可燃混合気に点火する本発明の点火手段に相当する点火装置を構成する。各燃焼室15の可燃混合気は圧縮行程で各点火プラグ33のスパーク動作により爆発・燃焼し、膨張行程が経過する。燃焼後の排気ガスは、排気行程で各燃焼室15から排気ポート17、排気通路5及び触媒コンバータ10を通じて外部へ排出される。各燃焼室15における可燃混合気の燃焼等に伴い、各ピストン13が上下運動し、一連の作動行程が進行してクランクシャフト3が回転することにより、エンジン1で動力が得られる。このエンジン1では、各気筒2で一連の作動行程が1回完了する毎に、クランクシャフト3が2回転(720℃A回転)するようになっている。
The
図2に、各気筒2の構成を概略図により示す。ピストン13は、クランクシャフト3の回転に伴い、上死点(TDC)と下死点(BDC)との間で上下動(ストローク運動)するようになっている。上死点(TDC)と下死点(BDC)との間の距離がピストン13の最大ストロークSTmaxとなる。
FIG. 2 schematically shows the configuration of each
シリンダヘッド12には、各気筒2のそれぞれに対応して、各燃焼室15の中の圧力を筒内圧PSとして検出するための筒内圧センサ42が設けられる。
The
図1に示すように、エンジン1に設けられる各種センサ41〜47は、エンジン1の運転状態を検出するための運転状態検出手段を構成する。運転席に設けられたアクセルペダル27には、アクセルセンサ43が設けられる。アクセルセンサ43は、アクセルペダル27の踏み込み角度をアクセル開度ACCとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた水温センサ44は、シリンダブロック11の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温)THWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた回転速度センサ45は、クランクシャフト3の回転位置(クランク角)と回転速度(エンジン回転速度)NEを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。このセンサ45は、クランクシャフト3の一端に固定されたタイミングロータ28の回転を所定の角度ごとに検出するように構成される。この実施形態で、回転速度センサ45とタイミングロータ28は、本発明の回転検出手段に相当する。サージタンク8に設けられた吸気圧センサ46は、サージタンク8の中の吸気圧PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。排気通路5に設けられた酸素センサ47は、排気通路5へ排出される排気ガス中の酸素濃度(出力電圧)Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
As shown in FIG. 1,
この実施形態の回転検出手段について詳しく説明する。図3に、回転速度センサ45とタイミングロータ28の配置の関係を正面図により示す。図3において、回転速度センサ45は、MR素子よりなるクランクセンサにより構成され、クランクシャフト3の一端に固定されたタイミングロータ28の外周に対向させて配置される。タイミングロータ28の外周には、複数の突起(歯)28aが形成され、回転速度センサ45は、各歯28aと対向可能に配置される。複数の歯28aは、大部分が、例えば、10℃A毎に形成され、一箇所のみ30℃Aの間隔に形成された欠け歯28bとなっている。回転速度センサ45は、クランクシャフト3の回転に伴ってタイミングロータ28が回転するときに、各歯28aの通過を検出してパルス信号を出力する。エンジン回転速度NEは、連続するパルス信号の間の経過時間から求めることができる。
The rotation detection means of this embodiment will be described in detail. FIG. 3 is a front view showing the relationship between the arrangement of the
このエンジンシステムは、各種制御を司る電子制御装置(ECU)50を備える。ECU50には、各種センサ41〜47がそれぞれ接続される。また、ECU50には、モータ31、各インジェクタ32及び各イグニションコイル34がそれぞれ接続される。
The engine system includes an electronic control unit (ECU) 50 that performs various controls.
この実施形態で、ECU50は、各種センサ41〜47から出力される信号を入力し、それら信号に基づき燃料噴射制御、点火時期制御及びアイドリングストップ制御などを実行するために、モータ31、各インジェクタ32及び各イグニションコイル34をそれぞれ制御するようになっている。この実施形態で、ECU50は、本発明の制御手段に相当する。
In this embodiment, the
ここで、燃料噴射制御とは、エンジン1の運転状態に応じて各インジェクタ32による燃料噴射量及びその噴射タイミングを制御することである。点火時期制御とは、エンジン1の運転状態に応じて各イグニションコイル34を制御することにより、各点火プラグ33による点火時期を制御することである。アイドリングストップ制御とは、所定の自動停止条件が成立したときに、各インジェクタ32による燃料供給を停止させてエンジン1を自動的に停止させると共に、所定の再始動条件が成立したときに、停止状態のエンジン1に各インジェクタ32から燃料を噴射供給し、各点火プラグ33を動作させることにより、燃料を燃焼させてエンジン1を自動的に再始動させることである。このアイドリングストップ制御には、後述するエンジンの回転停止位置制御が含まれる。
Here, the fuel injection control is to control the fuel injection amount and the injection timing by each
周知のようにECU50は、中央処理装置(CPU)、各種メモリ、外部入力回路及び外部出力回路等を備える。メモリには、エンジン1の各種制御に関する所定の制御プログラムが格納される。CPUは、入力回路を介して入力される各種センサ41〜47の検出信号に基づき、所定の制御プログラムに基づいて前述した各種制御を実行する。
As is well known, the
ここで、電子スロットル装置7は、各気筒2の燃焼室15に供給される吸気量を調節するために開閉動作するが、この実施形態では、クランクシャフト3の回転を調整するために動作する回転調整手段としても機能する。すなわち、アイドル運転状態からエンジン1を自動停止させるためにエンジン1に対する燃料カットが行われるときに、電子スロットル装置7を動作させてスロットル弁9をアイドル開度から開弁させることで、吸気行程の気筒2に吸気を充填すると共に、エンジン1に負荷を与え、クランクシャフト3の減速トルクを変更し、エンジン回転速度NEを調整するようになっている。
Here, the
次に、アイドリングストップ制御の中のエンジンの回転停止位置制御について説明する。図4に、その内容をフローチャートより示す。この制御は、この実施形態におけるエンジンの回転停止位置制御装置の動作を意味する。 Next, engine rotation stop position control in idling stop control will be described. FIG. 4 shows the contents from a flowchart. This control means the operation of the engine rotation stop position control device in this embodiment.
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ100で、ECU50は、エンジン1の停止条件が成立したか否かを判断する。ECU50は、例えば、エンジン回転速度NEがエンジン1を停止すべき所定の回転速度に低下したことを停止条件とし、その成立を判断することができる。この判断結果が肯定となる場合、ECU50は処理をステップ110へ移行する。
When the process proceeds to this routine, in
ステップ110では、ECU50は、燃料カットを要求し、燃料カット要求フラグXFCDを「1」に設定する。
In
次に、ステップ120で、ECU50は、回転速度センサ45の検出値に基づき、燃料カット要求時のクランクシャフト3の回転位置であるクランク角FCDAを取り込む。この実施形態では、エンジン1の各気筒2で一連の作動行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)が1回完了する毎に、クランクシャフト3が2回転(720℃A回転)することから、ECU50は「0〜720℃A」の範囲でこのクランク角FCDAを取り込むことになる。
Next, at
次に、ステップ130で、ECU50は、4つの気筒のうち特定の一つの気筒2について燃料カットタイミングを設定する。
Next, in
次に、ステップ140で、ECU50は、燃料カット要求時のクランク角FCDAが燃料カットを許容できる所定のクランク角範囲CA1内か否かを判断する。この所定のクランク角範囲CA1として、例えば「0〜540℃A」を当てはめることができる。この判断結果が否定となる場合、ECU50は、次の周期で燃料カット要求時のクランク角FCDAが所定のクランク角範囲CA1内になるのを待つ。一方、この判断結果が肯定となる場合、ECU50は処理をステップ150へ移行する。
Next, at
ステップ150では、ECU50は、回転速度センサ45の検出値に基づき、エンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲TNE内か否かを判断する。ここで、所定の目標回転速度範囲TNEとして、例えば、「800〜810rpm」を当てはめることができる。ECU50は、この判断結果が否定となる場合、処理をステップ160へ移行し、この判断結果が肯定となる場合、処理をステップ190へ移行する。
In
ステップ160では、ECU50は、回転速度センサ45の検出値に基づき、エンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲TNEより低いか否かを判断する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合、処理をステップ170へ移行し、この判断結果が否定となる場合、処理をステップ180へ移行する。
In
ステップ170では、ECU50は、点火時期を進角させる。すなわち、ECU50は、標準点火時期より進角させた目標点火時期に基づきイグニションコイル34を介して点火プラグ33を制御する。その後、ECU50は処理をステップ150へ戻す。ここで、ECU50は、エンジン回転速度NEに応じた目標点火時期を求めるために、例えば、図5に示すような点火時期マップを参照することができる。図5の点火時期マップにおいて、ECU50は、目標点火時期として、矢印で示す進角から遅角までの範囲の特性を参照することができる。
In
一方、ステップ180では、ECU50は、点火時期を遅角させる。すなわち、ECU50は、標準点火時期より遅角させた目標点火時期に基づきイグニションコイル34を介して点火プラグ33を制御する。その後、ECU50は処理をステップ150へ戻す。ここで、ECU50は、エンジン回転速度NEに応じた目標点火時期を求めるために、上記と同様に図5に示すような点火時期マップを参照することができる。
On the other hand, in
そして、ステップ150から移行してステップ190では、ECU50は、ステップ130で設定した特定の一つの気筒2につき燃料カットタイミングか否かを判断する。この判断結果が否定となる場合、ECU50は処理をステップ150へ戻す。この判断結果が肯定となる場合、ECU50は処理をステップ200へ移行する。
Then, in
そして、ステップ200で、ECU50は、吸気行程で特定の一つの気筒2から燃料カットを開始し、その後順次他の気筒2についても燃料カットを実行し、処理をステップ100へ戻す。
In
上記制御によれば、ECU50は、クランクシャフト3を所定のクランク角に停止させるとき、燃料カットを要求し、その要求時に、検出されるクランク角が特定の一つの気筒2についての次回の吸気行程での燃料カットを許容できる所定のクランク角範囲CA1内にある場合は、特定の一つの気筒2についての次回の吸気行程で燃料カットを開始させるようにインジェクタ32を制御し、検出されるクランク角が所定のクランク角範囲CA1内にない場合は、燃料カットの開始を特定の一つの気筒2についての次々回の吸気行程まで遅らせるようにインジェクタ32を制御するようになっている。
According to the above control, when the
また、上記制御によれば、ECU50は、燃料カットを要求したとき、検出されるエンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲TNEにならない場合は、特定の一つの気筒2で燃料カットが開始されるまでの間で、エンジン回転速度NEを調整するために点火装置(点火プラグ33、イグニションコイル34)による点火時期を変更制御するようになっている。
Further, according to the above control, when the
ここで、上記制御による作用結果の一例を図6を参照して説明する。図6は、(a)エンジン回転速度NE、(b)クランク角度、(c)燃料カットフラグ及び(d)燃料カット信号(F/C信号)の挙動を示すタイムチャートである。図6において、(b)に示すように、時刻t1〜時刻t3の間の所定のクランク角範囲CA1内にて、(c)に太線で示すように、時刻t2で燃料カット要求フラグXFCDが「1」になる、すなわち燃料カット要求が入る。すると、(d)に太線で示すように、すぐには燃料カットは開始されず、特定の一つの気筒2が次回の吸気行程となる時刻t5まで燃料カット信号のオン(燃料カット開始)を待つことになる。ちなみに、特定の一つの気筒2が今回の吸気行程となったのは時刻t1である。この場合、(a)に太線で示すように、エンジン回転速度NEは時刻t5から低下し始める。一方、図6において、(b)に示すように、時刻t1〜時刻t3の間の所定のクランク角範囲CA1内でなく、時刻t3〜時刻t5の間の残りのクランク角範囲CA2内にて、(c)に太破線で示すように、時刻t4で燃料カット要求フラグXFCDが「1」になる、すなわち燃料カット要求が入る。すると、(d)に太破線で示すように、すぐには燃料カットは開始されず、特定の一つの気筒2が次々回の吸気行程となる時刻t7まで燃料カット信号のオン(燃料カット開始)が遅れることになる。この場合、(a)に太破線で示すように、エンジン回転速度NEは時刻t7から低下し始める。
Here, an example of the effect of the above control will be described with reference to FIG. FIG. 6 is a time chart showing the behavior of (a) engine speed NE, (b) crank angle, (c) fuel cut flag, and (d) fuel cut signal (F / C signal). In FIG. 6, as shown in (b), within a predetermined crank angle range CA1 between time t1 and time t3, as shown by a thick line in (c), the fuel cut request flag XFCD is “ 1 ", that is, a fuel cut request is entered. Then, as shown by a thick line in (d), the fuel cut is not started immediately, and the fuel cut signal is turned on (fuel cut start) until time t5 when the specific one
以上説明したこの実施形態におけるエンジンの回転停止位置制御装置によれば、エンジン1の停止に際して、ECU50は、クランクシャフト3を所定の回転位置(所定のクランク角)に停止させるために、各気筒2の吸気行程でのインジェクタ32による燃料カットを特定の一つの気筒2から順次開始させるようにインジェクタ32を制御する。これにより、クランクシャフト3の回転が停止し始め、クランクシャフト3が所定のクランク角にて停止することになる。ここで、燃料カットの開始は、その要求時にクランク角が所定のクランク角範囲CA1内にある場合は、特定の一つの気筒2について次回の吸気行程で燃料カットが開始される。一方、燃料カットの開始は、その要求時にクランク角が所定のクランク角範囲CA1内にない場合は、特定の一つの気筒2について次々回の吸気行程まで待って燃料カットが開始される。従って、燃料カットの要求タイミングが遅れ、吸気行程の間際に要求が入っても、燃料カットが、常に特定の一つの気筒2の吸気行程で開始されるので、クランクシャフト3が常に所定のクランク角にて停止される。このため、エンジン1の停止に際して、クランクシャフト3をエンジン1の再始動に適した所定のクランク角に安定的に停止させることができる。
According to the engine rotation stop position control apparatus in this embodiment described above, when the
また、この実施形態では、燃料カットが要求されたときに、検出されるエンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲TNEにならない場合は、燃料カットが実際に開始されるまでの間で、点火装置(点火プラグ33、イグニションコイル34)による点火時期が変更制御され、エンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲TNEに近付けられる。ここで、所定の目標回転速度範囲TNEは、クランクシャフト3を所定のクランク角に停止させるために燃料カットを開始させるのに最適なエンジン回転速度である。このため、エンジン1の停止に際して、燃料カットが要求されてからのエンジン回転速度NEの違いによらず、クランクシャフト3をエンジン1の再始動に適した所定のクランク角に精度良く停止させることができる。
Further, in this embodiment, if the detected engine rotational speed NE is not within the predetermined target rotational speed range TNE when the fuel cut is requested, the ignition is performed until the fuel cut is actually started. The ignition timing by the device (
<第2実施形態>
次に、この発明におけるエンジンの回転停止位置制御装置を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
Second Embodiment
Next, a second embodiment of the engine rotation stop position control device according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
なお、以下の説明において第1実施形態と同等の構成要素につては同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。 In the following description, the same components as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, description thereof is omitted, and different points are mainly described.
この実施形態では、エンジンの回転停止位置制御の内容の点で第1実施形態と構成が異なる。図7に、その回転停止位置制御の内容をフローチャートにより示す。図7のフローチャートにおいて、ステップ100〜ステップ140の内容は図4のフローチャートと同じであり、ステップ210〜ステップ370の内容が図4のフローチャートと異なる。この制御は、この実施形態におけるエンジンの回転停止位置制御装置の動作を意味する。
This embodiment differs from the first embodiment in terms of the contents of engine rotation stop position control. FIG. 7 is a flowchart showing the contents of the rotation stop position control. In the flowchart of FIG. 7, the contents of
処理がこのルーチンへ移行すると、第1実施形態と同様にステップ100〜ステップ140の処理を実行した後、ステップ210で、ECU50は、回転速度センサ45の検出値に基づきエンジン回転速度NEを取り込む。
When the processing shifts to this routine, the processing of
次に、ステップ220で、ECU50は、取り込まれたエンジン回転速度NEと燃料カットのための基準回転速度NEcfとの差を燃料カット前の回転速度差ΔNEcfとして求める。
Next, at
次に、ステップ230で、ECU50は、回転速度差ΔNEcfが所定の第1の基準値A1より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、ECU50は、実際のエンジン回転速度NEが、所定の目標回転速度範囲よりも高くなるものとして処理をステップ250へ移行する。ここで、所定の目標回転速度範囲は、クランクシャフト3を所定の回転位置(所定のクランク角)に停止させるために燃料カットを開始させるのに最適なエンジン回転速度NEであり、この実施形態では、例えば「1000〜1010(rpm)」の範囲の回転速度を当てはめることができる。
Next, at
そして、ステップ250で、ECU50は、回転速度差ΔNEcfに応じた点火時期補正値Δaopを求める。ECU50は、例えば、図8に示すようなマップを参照することにより、回転速度差ΔNEcfに応じた点火時期補正値Δaopを求めることができる。ステップ230からステップ250へ移行した場合、回転速度差ΔNEcfは正の値となることから、図8のマップより、点火時期補正値Δaopは負の値である遅角量を求めることになる。
In
一方、ステップ230の判断結果が否定となる場合、ECU50は、処理をステップ240へ移行し、回転速度差ΔNEcfが負の値である所定の第2の基準値−B1のより小さいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、ECU50は、実際のエンジン回転速度NEが、所定の目標回転速度範囲よりも低くなるものとして処理をステップ250へ移行する。
On the other hand, if the determination result in
そして、ステップ250で、ECU50は、回転速度差ΔNEcfに応じた点火時期補正値Δaopを求める。ECU50は、図8に示すようなマップを参照することにより、回転速度差ΔNEcfに応じた点火時期補正値Δaopを求めることができる。ステップ240からステップ250へ移行した場合、回転速度差ΔNEcfは負の値となることから、図8のマップより、点火時期補正値Δaopは正の値である進角量を求めることになる。
In
次に、ステップ260では、ECU50は、標準点火時期aopに点火時期補正値Δaopを加算することにより、最終点火時期AOPを求める。ここで、点火時期補正値Δaopが正の値の進角量である場合は、最終点火時期AOPは標準点火時期aopより進角側の点火時期として求められる。一方、点火時期補正値Δaopが負の値の遅角量である場合は、最終点火時期AOPは標準点火時期aopより遅角側の点火時期として求められる。
Next, at
その後、ステップ270では、ECU50は、燃料カット要求後の最初の圧縮行程か否かを判断する。すなわち、ECU50は、燃料カット要求後に最初にある一つの気筒2が圧縮行程に入るか否かを判断する。ある一つの気筒2が圧縮行程に入るときは、別の一つの気筒2が吸気行程に入るので、このステップ270の判断は、燃料カット要求後に最初に別の一つの気筒2が吸気行程に入るか否かを判断することになる。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ280へ移行する。
Thereafter, in
そして、ステップ280で、ECU50は、最終点火時期AOPに基づき点火時期を制御する。すなわち、ECU50は、最終点火時期AOPに基づきイグニションコイル34を介して点火プラグ33を制御する。ここでは、燃料カット前の回転速度差ΔNEcfに応じて、点火時期が進角又は遅角されることになる。その後、ECU50は処理をステップ100へ戻す。
In
一方、ステップ270の判断結果が否定となる場合、ECU50は、処理をステップ290へ移行し、燃料カット要求後の次の圧縮行程か否かを判断する。すなわち、ECU50は、燃料カット要求後に次にある一つの気筒2が圧縮行程に入るか否かを判断する。ある一つの気筒2が圧縮行程に入るときは、別の一つの気筒2が吸気行程に入るので、このステップ290の判断は、燃料カット要求後に次に別の一つの気筒2が吸気行程に入るか否かを判断することになる。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ300へ移行する。
On the other hand, if the determination result of
ステップ300では、ECU50は、スロットル弁9を開弁するために、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求する。これにより、スロットル弁9は、開弁要求に少し遅れて実際に開弁されることになる。この実施形態で、ECU50は、アイドル開度にあるスロットル弁9を所定の開度(例えば「10deg」)だけ開弁することができる。
In
次に、ステップ310で、ECU50は、燃料カット要求に応じ、吸気行程で特定の一つの気筒2から燃料カットを開始し、その後順次他の気筒2についても燃料カットを実行し、処理をステップ100へ戻す。
Next, in
また、ステップ290の判断結果が否定となる場合、ECU50は、処理をステップ310へ移行し、吸気行程で特定の一つの気筒2から燃料カットを開始し、その後順次他の気筒2についても燃料カットを実行し、処理をステップ100へ戻す。
If the determination result in
一方、ステップ240の判断結果が否定となる場合、ECU50は、実際のエンジン回転速度NEが、所定の目標回転速度範囲内にあるものとして処理をステップ320へ移行し、点火時期補正値Δaopを「0」に設定する。
On the other hand, if the determination result in
次に、ステップ330で、ECU50は、標準点火時期aopに点火時期補正値Δaopを加算することにより、最終点火時期AOPを求める。ここで、点火時期補正値Δaopは「0」であることから、最終点火時期AOPは標準点火時期aopそのままとして求められる。
Next, at
その後、ステップ340では、ECU50は、燃料カット要求後の最初の圧縮行程か否かを判断する。すなわち、ECU50は、燃料カット要求後に最初にある一つの気筒2が圧縮行程に入るか否かを判断する。ある一つの気筒2が圧縮行程に入るときは、別の一つの気筒2が吸気行程に入るので、このステップ340の判断は、燃料カット要求後に最初に別の一つの気筒2が吸気行程に入るか否かを判断することになる。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ350へ移行する。
Thereafter, in
そして、ステップ350で、ECU50は、ステップ280と同様に、最終点火時期AOPに基づき点火時期を制御する。ここでは、標準点火時期aopに基づいて点火時期を制御することになる。
In
次に、ステップ360で、ECU50は、ステップ300と同様に、スロットル弁9を開弁するために、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求する。これにより、スロットル弁9は、開弁制御の要求に少し遅れて実際に開弁されることになる。
Next, in
次に、ステップ370で、ECU50は、ステップ310と同様に、燃料カット要求に応じ、吸気行程で特定の一つの気筒2から燃料カットを開始し、その後順次他の気筒2についても燃料カットを実行し、処理をステップ100へ戻す。
Next, in
一方、ステップ340の判断結果が否定となる場合、ECU50は、処理をステップ370へ移行し、燃料カット要求に応じ、吸気行程で特定の一つの気筒2から燃料カットを開始し、その後順次他の気筒2についても燃料カットを実行し、処理をステップ100へ戻す。
On the other hand, if the determination result in
以上説明したこの実施形態におけるエンジンの回転停止位置制御装置によれば、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、エンジン1の停止に際して、燃料カットの開始は、その要求時にクランク角が所定のクランク角範囲CA1内にある場合は、特定の一つの気筒2についての次回の吸気行程で燃料カットが開始される。一方、燃料カットの開始は、その要求時にクランク角が所定のクランク角範囲CA1内にない場合は、特定の一つの気筒2についての次々回の吸気行程になるのを待って燃料カットが開始される。従って、燃料カットの要求タイミングが遅れ、吸気行程の間際に要求が入っても、燃料カットが、常に特定の一つの気筒2の吸気行程で開始されるので、クランクシャフト3が常に所定のクランク角にて停止される。このため、エンジン1の停止に際して、クランクシャフト3をエンジン1の再始動に適した所定のクランク角に安定的に停止させることができる。
According to the engine rotation stop position control apparatus in this embodiment described above, the same operational effects as in the first embodiment can be obtained. That is, when the
また、この実施形態で、ECU50は、燃料カットの要求があった後、エンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲内にある場合は、燃料カット要求後にある一つの気筒2が最初に圧縮行程に入るとき(別の一つの気筒2が最初に吸気行程に入るとき)に、点火時期を標準点火時期aopに制御すると共に、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求し、また、その最初の圧縮行程に入るとき(別の一つの気筒2の吸気行程に入るとき)に燃料カットを開始するようになっている。従って、この実施形態では、燃料カット要求のタイミングがそのときどきで変化しても、燃料カットと電子スロットル装置7の開弁制御とがタイミング的に一定の関係で行われ、エンジン1の停止に対応する特定の一つの気筒2内の圧力状態が常に同じとなる。この意味でも、エンジン1の停止に際して、クランクシャフト3をエンジン1の再始動に適した所定のクランク角に安定的に停止させることができる。
In this embodiment, after the fuel cut request is made, the
更に、この実施形態で、ECU50は、燃料カットの要求があった後、エンジン回転速度NEが燃料カットの実行に最適な所定の目標回転速度範囲内にならない場合は、先ず、燃料カット要求後にある一つの気筒2が最初に圧縮行程に入るとき(別の一つの気筒2が最初に吸気行程に入るとき)に、点火時期を進角又は遅角させてエンジン回転速度NEを調整する。その後、ECU50は、燃料カット要求後にある一つの気筒2が次に圧縮行程に入るとき(別の一つの気筒2が次に吸気行程に入るとき)に、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求し、また、その圧縮行程(別の一つの気筒2の吸気行程)で燃料カットを開始するようになっている。すなわち、ECU50は、燃料カットを要求してから、検出されるエンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲内にならない場合は、燃料カットが開始されるまでの間で、点火プラグ33による点火時期を変更制御するようになっている。従って、燃料カットが要求されたとき、検出されるエンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲内にならない場合は、燃料カットが開始されるまでの間で、点火装置(点火プラグ33及びイグニションコイル34)による点火時期が変更制御され、エンジン回転速度NEが燃料カットを開始するのに最適な所定の目標回転速度に近付けられる。このため、エンジン1の停止に際して、燃料カット要求後のエンジン回転速度NEの違いによらず、クランクシャフト3をエンジン1の再始動に適した所定のクランク角に精度良く停止させることができる。
Further, in this embodiment, after the fuel cut request is made, the
ここで、上記回転停止位置制御の一例を図9を参照して説明する。図9に、(a)1番気筒#1〜4番気筒#4の作動行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)、(b)クランク角、(c)燃料カット信号(F/C信号)、(d)スロットル開度TA、(e)点火時期及び(f)エンジン回転速度NEの挙動をタイムチャートにより示す。図9において、太線は、燃料カット要求時に、エンジン回転速度NEが所定の目標回転速度(この実施形態で「600(rpm)」とする。)になっていない場合を示し、太破線は、燃料カット要求時に、エンジン回転速度NEが所定の目標回転速度になっている場合を示す。先ず、エンジン回転速度NE(アイドル回転速度)が所定の目標回転速度(600(rpm))になっている場合は、図9(a),(c)に示すように、1番気筒#1が吸気行程で燃料噴射後の時刻t1に燃料カット要求(F/C要求)が入ると、図9(c),(d)に太破線で示すように、その後に燃料カットを実際に開始できるのは、3番気筒#3が吸気行程に入る(1番気筒#1が圧縮行程に入る)時刻t2となる。また、電子スロットル装置7へ開弁制御の要求が入るのは、同じく時刻t2であり、スロットル弁9が実際に開弁されるのは、少し遅れた時刻t3となる。また、このときの点火時期は、図9(e)に示すように、燃料カット要求が入る前後で変わりがなく、標準点火時期aopで一定となる。このように、燃料カット要求後に、燃料カットが実際に開始されるタイミングとスロットル弁9がアイドル開度から開弁されるタイミングは、図9(c),(d)に破線四角S1で囲い示すように、常に一定の関係を保つことになる。この結果、図9(f)に太破線で示すように、時刻t6からのエンジン回転速度NEの低下勾配(低下率)はばらつくことなく常に一定となる。このため、エンジン1の回転停止位置(停止クランク角)やそれに対応する気筒2内の圧力状態がばらつくことなく一定となり、停止クランク角をエンジン1の始動に適したクランク角範囲に制御することができる。
Here, an example of the rotation stop position control will be described with reference to FIG. FIG. 9 shows (a) an operation stroke (intake stroke, compression stroke, expansion stroke, exhaust stroke) of No. 1
一方、エンジン回転速度NE(アイドル回転速度)が所定の目標回転速度よりも高くなる場合は、図9(a),(c)に示すように、時刻t1で燃料カット要求(F/C要求)が入ると、図9(c),(d)に太線で示すように、その後に燃料カットを実際に開始できるのは、4番気筒#4が吸気行程に入る(3番気筒#3が圧縮行程に入る)時刻t4となる。また、電子スロットル装置7へ開弁制御の要求が入るのは、同じく時刻t4であり、スロットル弁9が実際に開弁されるのは、少し遅れた時刻t5となる。また、このときの点火時期は、燃料カット要求が入ってから1番気筒#1が最初に圧縮行程に入る時刻t2で、標準点火時期aopから遅角されることになる。このように、燃料カット要求後に、燃料カットが実際に開始されるタイミングとスロットル弁9がアイドル開度から開弁されるタイミングは、図9(c),(d)に破線四角S2で囲い示すように、常に一定の関係を保つことになる。この結果、図9(f)に太線で示すように、時刻t6からのエンジン回転速度NEの低下勾配(低下率)は、太破線で示す目標の状態に近付けられる。このため、エンジン1の回転停止位置(停止クランク角)やそれに対応する気筒2内の圧力状態を目標の状態に近づけることができ、停止クランク角をエンジン1の始動に適したクランク角範囲に近付けることができる。
On the other hand, when the engine rotational speed NE (idle rotational speed) is higher than the predetermined target rotational speed, as shown in FIGS. 9A and 9C, the fuel cut request (F / C request) at time t1. 9 (c), (d), the fuel cut can actually be started after that, because the
加えて、この実施形態で、ECU50は、燃料カットの要求があった後、検出されるエンジン回転速度NEが燃料カットの実行に最適な所定の目標回転速度範囲内にならない場合は、燃料カット要求後にある一つの気筒2が最初に圧縮行程に入るとき(別の一つの気筒2が最初に吸気行程に入るとき)を過ぎ、ある一つの気筒2が次に圧縮行程に入るとき(別の一つの気筒2が次に吸気行程に入るとき)を待って、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求し、その圧縮行程(別の一つの気筒2の吸気行程)で燃料カットを開始するようになっている。すなわち、ECU50は、燃料カットを要求してから、検出されるエンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲内にならない場合は、燃料カットの開始を遅らせるようにインジェクタ32を制御するようになっている。従って、燃料カットが要求されてから、実際のエンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲内にならない場合は、その間に燃料カットが開始されない。このため、実際のエンジン回転速度NEを燃料カットの開始に最適な目標回転速度範囲内に近付けることができる。
In addition, in this embodiment, after the fuel cut is requested, the
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。 Note that the present invention is not limited to the above-described embodiments, and a part of the configuration can be changed as appropriate without departing from the spirit of the invention.
(1)前記各実施形態では、吸気行程でインジェクタ32により燃料が噴射供給され、吸気行程となる時に燃料カットを開始するようにしたが、エンジンによっては、燃料を噴射する行程が異なり、例えば、排気行程で燃料供給手段により燃料が供給され、排気行程となる時に燃料カットを開始するようにしてもよく、燃料カットを開始する行程が常に同じであればよい。
(1) In each of the above embodiments, the fuel is injected and supplied by the
(2)前記各実施形態では、本発明を4つの気筒2を有するエンジン1に具体化したが、エンジンの気筒数は4つに限られず、実現可能なあらゆる気筒数のエンジンに具体化することができる。
(2) In each of the above embodiments, the present invention is embodied in the
(3)前記各実施形態におけるエンジンシステムは、エンジン1のみを駆動原とする自動車に搭載されるものであってもよく、或いは、エンジンとモータを駆動原として併用するハイブリッド自動車に搭載されるものであってもよい。
(3) The engine system in each of the above embodiments may be mounted on a vehicle using only the
この発明は、エンジンに採用されるアイドルストップシステムに利用することができる。 The present invention can be used for an idle stop system employed in an engine.
1 エンジン
2 気筒
3 クランクシャフト(回転軸)
28 タイミングロータ
32 インジェクタ(燃料供給手段)
33 点火プラグ
34 イグニションコイル(33,34は点火手段を構成する)
45 回転速度センサ(28,45は回転検出手段を構成する)
50 ECU(制御手段、点火時期制御手段)
1
28
33
45 Rotational speed sensor (28 and 45 constitute rotation detection means)
50 ECU (control means, ignition timing control means)
Claims (4)
前記エンジンは、複数の気筒を含むレシプロエンジンであり、燃料供給手段により供給される燃料を各気筒で燃焼させることにより前記回転軸を回転させるように構成されることと、
前記燃料供給手段は、前記各気筒毎に燃料を供給するように構成されることと、
前記回転軸の回転位置と回転速度を検出するための回転検出手段と、
前記回転軸を前記所定の回転位置に停止させるために、燃料供給の停止を前記各気筒につき特定の気筒から順次開始させるように前記燃料供給手段を制御する制御手段と
を備えたエンジンの回転停止位置制御装置において、
前記制御手段は、前記回転軸を前記所定の回転位置に停止させるとき、前記燃料供給の停止を要求し、その要求時に、前記回転検出手段により検出される前記回転位置が前記特定の気筒についての次回のある特定の行程での前記燃料供給の停止を許容できる所定範囲内にある場合は、前記特定の気筒についての前記次回のある特定の行程で前記燃料供給の停止を開始させるように前記燃料供給手段を制御し、検出される前記回転位置が前記所定範囲内にない場合は、前記燃料供給の停止の開始を前記特定の気筒についての次々回のある特定の行程まで遅らせるように前記燃料供給手段を制御することを特徴とするエンジンの回転停止位置制御装置。 An engine rotation stop position control device for controlling an engine rotation shaft to stop at a predetermined rotation position,
The engine is a reciprocating engine including a plurality of cylinders, and is configured to rotate the rotating shaft by burning the fuel supplied by the fuel supply means in each cylinder;
The fuel supply means is configured to supply fuel to each cylinder;
Rotation detection means for detecting the rotation position and rotation speed of the rotation shaft;
In order to stop the rotation shaft at the predetermined rotational position, the engine is provided with a control means for controlling the fuel supply means so that the fuel supply is sequentially stopped from a specific cylinder for each cylinder. In the position control device,
The control means requests the fuel supply to be stopped when stopping the rotation shaft at the predetermined rotation position, and at the time of the request, the rotation position detected by the rotation detection means is related to the specific cylinder. When the fuel supply is stopped within a predetermined range that allows the fuel supply to be stopped at a specific stroke next time, the fuel supply is started so as to start the fuel supply stop at the specific stroke next time for the specific cylinder. The fuel supply means is controlled so as to delay the start of the stop of the fuel supply until a specific stroke one after another for the specific cylinder when the detected rotational position is not within the predetermined range. An engine rotation stop position control device characterized by controlling the engine.
前記点火手段による点火時期を制御するための点火時期制御手段と
を更に備え、
前記点火時期制御手段は、前記制御手段が前記燃料供給の停止を要求したとき、前記回転検出手段により検出される前記回転速度が所定の目標回転速度にならない場合は、前記特定の気筒で前記燃料供給の停止が開始されるまでの間で、前記回転軸の回転速度を調整するために前記点火手段による前記点火時期を変更制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの回転停止位置制御装置。 Ignition means for igniting the fuel supplied to each cylinder;
Ignition timing control means for controlling the ignition timing by the ignition means,
The ignition timing control means, when the control means requests the fuel supply to stop, if the rotation speed detected by the rotation detection means does not reach a predetermined target rotation speed, the ignition timing control means The engine rotation according to claim 1 or 2, wherein the ignition timing by the ignition means is changed and controlled in order to adjust the rotation speed of the rotating shaft until the supply stop is started. Stop position control device.
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2018025145A (en) * | 2016-08-10 | 2018-02-15 | トヨタ自動車株式会社 | Engine startup control device |
-
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- 2014-12-26 JP JP2014264008A patent/JP2016125351A/en active Pending
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