以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図15参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14が設けられている。また、前面枠14を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部30〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部30〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部30〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部30〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側には、下皿ユニット15が配設され、その下皿ユニット15には、上皿17に貯留しきれなかった球を貯留する下皿体300が昇降可能に保持されている。下皿体300の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿体300の正面下方部には、下皿体300に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせる(オンにする)ことにより、下皿体300の底壁部310に形成された球抜き穴311(図7参照)が開放され、その球抜き穴311から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿体300から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を下皿体300の下方に置いた状態で行われる。下皿体300の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設されている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図15参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」及び「大当たりD」の4種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」及び「大当たりD」の4種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりC」になると、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となり、「大当たりB」、「大当たりD」になると、ラウンド数が8ラウンドの特別遊技状態(8R大当たり)となる。その後、大当たり種別が「大当たりA」又は「大当たりB」であれば、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次の特別図柄が大当たりするまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。また、大当たり種別が「大当たりC」又は「大当たりD」であれば、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり、8R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。なお、本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第1入球口に付随する電動役物が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物が開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物が閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第1入球口64へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第1入球口64へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物が開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第1入球口64に付随する電動役物が開放される時間および1回の当たりで電動役物が開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第1入球口に付随する電動役物が開放される時間や、1回の当たりで電動役物を開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間のことを、特別図柄の確変状態(確変期間)と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間、即ち、「大当たりC」又は「大当たりD」終了後から特別図柄の抽選が所定回数(100回)終了するまでの間のことを、普通図柄の時短期間と称す。
また、本実施形態では、大当たり種別が「大当たりC」又は「大当たりD」になると、その「大当たりC」又は「大当たりD」終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるが、時短状態の継続期間は任意に定めればよい。
尚、「特別図柄の高確率状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の「大当たりA」又は「大当たりB」になると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の大当たりするまで継続される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC及び大当たりD)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図15参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図15参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図15参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5を参照して、下皿ユニット15の概略構成について説明する。図5は、前面枠14の分解斜視図であり、前面枠14から下皿ユニット15を取り外した状態が図示されている。なお、図5では、遊技盤13の上方部分の図示を省略している。また、以下の図中に示す矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している。
図5に示すように、下皿ユニット15は、上面が開放された略箱状の下皿体300と、その下皿体300に連設される伸縮機構400と、を主に備えている。下皿ユニット15は、上昇ボタン53又は下降ボタン54が押されることにより、伸縮機構400が伸縮し、下皿体300が上皿17に対して近接または離間する方向へ昇降可能に構成されている。
これにより、パチンコ機10の上下方向において、遊技領域が占める割合を大きくするために上皿17の位置を下方に下げたとしても、下皿体300内に貯留された球を取出しやすくしつつ、下皿体300の下方に配置した千両箱の出し入れを行いやすくすることができる。
即ち、昇降不能な下皿体300を従来のパチンコ機と同様の位置に設けたまま、上皿17の位置だけを下方に下げようとすると、上皿17と下皿体300との間隔が狭くなり、上皿17と下皿体300との間に手が入れづらくなる。その結果、下皿体300内に貯留された球を取出しにくくなり、遊技者の利便性が低下する。
一方、下皿体300の下方には、千両箱を配置するためのスペースを確保する必要がある。また、千両箱を配置したときの下皿体300と千両箱との隙間が小さいと、千両箱の出し入れが行いにくくなる。その結果、千両箱の交換に時間を要し、遊技に支障が生じる場合がある。従って、下皿体300の位置を従来の位置よりも下げることには限界がある。
このように、従来では、下皿体300の位置を下げることに限界があり、その結果として、上皿17の位置を従来の位置よりも下げることにも限界があるので、パチンコ機10の上下方向において遊技領域が占める割合を大きくすることが困難であった。
これに対し、パチンコ機10では、下皿体300が昇降可能に構成されている。よって、下皿体300内の球を取り出す際には、下皿体300を下降させることで、上皿17との間隔を広くすることができるので、下皿体300内から円滑に球を取り出すことができる。一方、千両箱の出し入れを行う際には、下皿体300を上昇させることで、千両箱の出し入れを行いやすくすることができる。
また、パチンコ機10の上下方向において、遊技領域の占める割合を大きくし、上皿17及び下皿体30をより下方へ配置できるので、パチンコ機10の設計自由度を高めることができる。
次に、図6から図9を参照して、下皿ユニット15の詳細な構成について説明する。図6は、下皿ユニット15の分解斜視図である。図7は、下皿ユニット15の分解上面図である。図8は、下皿ユニット15の側面図である。図9は、下皿ユニット15の背面図である。
図6から図9に示すように、下皿体300は、上面視略矩形状の底壁部310と、その底壁部310のうち前方側の側縁部分に立設される前壁部320と、底壁部310のうち左右両側の側縁部分に立設される一対の側壁部330と、底壁部310のうち後方側の側縁部分に立設される後壁部340と、から構成されている。
底壁部310には、上面視略円形の球抜き穴311が貫通形成されている。この球抜き穴311は、その内周面から出没する閉塞部312によって開閉可能に構成されている。この閉塞部312は、前壁部320の外側面に設けられた球抜きレバー52の操作に連動してスライドするものである。球抜きレバー52を左方向へスライドさせてオンにすると、球抜き穴311が開放され、下皿体300内に貯留された球が球抜き穴311から排出される。一方、球抜きレバー52を右方向へスライドさせてオフにすると、球抜き穴311が閉塞部312によって閉鎖され、下皿体300内に球を貯留可能な状態となる。
なお、本実施の形態では、球抜きレバー52をオンにすると、下皿体300が下降するように構成されている。これにより、下皿体300に貯留された球を排出し、下皿体300の下方に配置した千両箱に貯留する場合に、球が下皿体300から千両箱へ排出されるときの落差を小さくすることができ、下皿体300から排出された球が弾んで千両箱から飛び出ることを防止できる。
また、底壁部310は、下皿体300の貯留領域の底面部分を形成する底壁部310の上面が、球抜き穴311へ向けて下降傾斜するように形成されている。これにより、下皿体310の貯留領域内の球が球抜き穴311の形成された位置へ集まりやすくなるので、球抜き穴311から球を円滑に排出することができる。
さらに、本実施の形態には、底壁部310の下面に、千両箱を検出可能な千両箱センサ313(図15参照)が設けられている。この千両箱センサ313は、下皿体300の下方に千両箱が配置された場合に、千両箱との間隔が5mm以下となる位置まで下皿体300が下降した場合に、千両箱を検出するように構成されている。
なお、詳細は後述するが、本実施の形態では、ホール側によって操作可能な位置に設けられた後述する切替スイッチ550(図15参照)がオンである場合、千両箱センサ313がオフからオンに切り替わる位置まで、切替スイッチ550がオフである場合には、後述する初期位置センサ524(図10(b)参照)がオフからオンに切り替わる位置まで、下皿体300が下降するように設定されている。
一対の側壁部330は、それらの外側面に下皿側ローラ331が回転自在に軸支されている。この下皿側ローラ331は、後述する下皿支持部520に設けられた支持側レール522(図10(a)参照)に沿って転動可能に構成されている。さらに、一対の側壁部330の外側面には、下皿側ローラ331の上側に上下方向に沿って延設される下皿側レール332が固着されている。この下皿側レール332は、後述する下皿支持部520の支持側ローラ521(図10(a)参照)を転動させるための部位であり、側壁部330の上端よりも上方へ突出している。
下皿ユニット15が下皿支持部520に取り付けられた状態では、下皿側ローラ331が支持側レール522に、支持側ローラ521が下皿側レール332に支持され、下皿側ローラ331が支持側レール522に沿って、支持側ローラ521が下皿側レール332に沿って上下方向へ転動する。よって、下皿体300を上下方向に沿って円滑に昇降させることができる。
後壁部340には、球が通過可能な球出口341が貫通形成されている。この球出口341は、上皿17に貯留しきれずに後述する球通路540(図10(b)参照)へ案内された球を下皿体300の貯留領域内へ送るための穴である。
なお、球出口341は、下皿体300の左右方向における中心よりも左方に形成されるのに対し、球抜き穴311が底壁部310の左右方向における中心よりも右方に形成されている。よって、球出口341から排出された球は、底壁部310の上面を転動して下皿体300の右方へ向けて送られやすくなるので、球が球出口341近傍に滞留することを抑制できる。
伸縮機構400は、上皿17の下面に固定される第1分割体410と、その第1分割体410に係止可能な第2分割体420と、その第2分割体420に係止可能な第3分割体430とを備え、その第3分割体430の下端に下皿体300の後壁部340の上端が連設されている。
第1分割体410は、上面視コ字状に形成される板状の第1壁部411と、その第1壁部411の上端から外方へ張り出す第1張出部412と、第1壁部411の下端から内方へ延設される第1フランジ部413とを備えている。第1分割体410は、第1張出部412が上皿17の下面側に固着されることで、前面枠14に固定されている。
第2分割体420は、上面視コ字状に形成される板状の第2壁部421と、その第2壁部421の上端から外方へ張り出す第2張出部422と、第2壁部421の下端から内方へ延設される第2フランジ部423とを備え、第2張出部422が第1フランジ部413に係止可能に構成されている。即ち、第2壁部421の外周側における左右方向長さ(第2張出部422の内周側における左右方向長さ)が、第1フランジ部413の内周側における左右方向寸法よりも小さな寸法に設定され、第2張出部422の外周側における左右方向長さが、第1フランジ部413の内周側における左右方向長さよりも大きく、かつ、第1フランジ部413の外周側における左右方向長さ(第1壁部411の内周側における左右方向長さ)よりも小さな寸法に設定されている。また、第2壁部421は、その上下方向における長さ寸法が第1壁部411の上下方向における長さ寸法と同等に設定されている。
第3分割体430は、上面視略コ字状に形成される板状の第3壁部431と、その第3壁部431の上端から外方へ張り出す第2張出部432と、を備え、第3張出部432が第2フランジ部423に係止可能に構成されている。即ち、第3壁部431の外周側における左右方向長さ(第3張出部432の内周側における左右方向長さ)が、第2フランジ部423の内周側における左右方向寸法よりも小さな寸法に設定され、第3張出部432の外周側における左右方向長さが、第2フランジ部423の内周側における左右方向長さよりも大きく、かつ、第2フランジ部423の外周側における左右方向長さ(第2壁部421の内周側における左右方向長さ)よりも小さな寸法に設定されている。
このように、伸縮機構400は、第1分割体410に第2分割体420が、第2分割体420に第3分割体430が互いに係止可能に構成されている。
なお、第3壁部431は、その下端が下皿体300の後壁部340の上端に連設されており、第3壁部431の上下方向における長さ寸法が、第1壁部411及び第2壁部421の上下方向における長さ寸法と同等に設定されている。また、下皿ユニット15の上面視において、後壁部340は第3壁部431よりも前方へ突出している。
さらに、下皿ユニット15には、球出口341の下方に位置する後壁部340の後面側から後方へ向けて延設される誘導体440と、球出口341の上方であって第3壁部431の後面側に固着される閉鎖体450と、第3壁部431の左右方向における中心部分から後方へ向けて突設される突設体460と、が設けられている。
誘導体440は、上皿17に貯留しきれずに球通路540(図10(b)参照)へ案内された球を球出口341へ誘導するための部材である。誘導体440は、その上面が後方から前方へ向けて下降傾斜しており、球通路540を通過する球は、誘導体440の上面に沿って球出口341へ誘導される。
閉鎖部450は、開放されている球通路540の前方側を一部封鎖する部位であり、球通路540のうち球出口341よりも上方に位置する球通路540の前方側が閉鎖部450により閉鎖される。これにより、球出口341よりも上流側で球が球通路540の前方側から飛び出すことを防止できる(図11(a)参照)。
突設体460は、後述するねじ送り機構530のねじ軸531(図10(c)参照)が連結される部位であり、内周面にめねじが螺刻されたねじ穴461が上下方向に沿って貫通形成されている。
次に、図10を参照して、下皿ユニット15を支持する前面枠14の下部構造について説明する。図10(a)は、前面枠14の部分正面図であり、図10(b)は、図10(a)のXb−Xb線における前面枠14の断面図であり、図10(c)は、図10(a)のXc−Xc線における前面枠14の断面図である。なお、図10では、図面を簡素化して説明をわかりやすくするため、下皿ユニット15が取り外された状態を図示すると共に、前面枠14の主要な構成のみを図示している。
図10(a)に示すように、上皿17の下方には、前面枠14の内部と外部とを仕切る板状の仕切壁510が下方へ向けて延設され、その仕切壁510の左右両側から前方へ向けて一対の下皿支持部520が突設されている。一対の下皿支持部520は、左右方向において間隔を隔てつつ互いに対向配置されており、一対の下皿支持部520と仕切壁510とにより包囲された空間内に下皿ユニット15が収容される。
仕切壁510は、その正面左方に、上下方向を長手方向とする矩形状の第1貫通穴511が貫通形成され、仕切壁510の左右方向における中央部分に、上下方向を長手方向とする矩形状の第2貫通穴512が貫通形成されている。第1貫通穴511は、誘導体440及び閉鎖体450を仕切壁510の前方側から後方側へ貫通させるための部位であり、第2貫通穴512は、突設体460が仕切壁510の前方側から後方側へ貫通させるための部位である。
図10(a)及び図10(b)に示すように、仕切壁510の後面側には、第3分割体430を昇降させるねじ送り機構530と、上皿17に貯留しきれなくなった球が送られる球通路540とが設けられている。
ねじ送り機構530は,外周面におねじが螺刻されたねじ軸531と、そのねじ軸531の下端に連結される歯車(図示せず)と、その歯車と噛み合う駆動モータM(図15参照)と、を主に備えて構成されている。歯車および駆動モータMは、箱状のギヤボックス532の内部に収容されている。
ねじ軸531は、突設体460に形成されたねじ穴461(図7参照)に螺合可能に構成され、ねじ軸531の下端がギヤボックス532の内部に挿入された状態で歯車に連結されている。駆動モータMは、ステッピングモータから構成されており、駆動モータMを駆動させると、その駆動力が歯車を介してねじ軸531に伝達される。これにより、ねじ軸531が回転すると、突設体460は上昇し、第3分割体430及びその第3分割体430に連設された下皿体300(図8参照)が昇降する。
球通路540は、上皿17に貯留しきれなくなった球を下皿体300へ案内するための通路である。即ち、一般入賞口63や、第1入球口64等へ球が入球すると、払出モータ216(図15参照)から上皿17へ賞球が払い出される。その後、上皿17内が満タンになると、上皿17に貯留しきれなくなった球が球通路540へ送られ、下皿体300へ排出される。
球通路540は、その下流部分が仕切壁510の第1貫通穴511に後面側に配設され、第1貫通穴511と対向する球通路540の前面側が開放されている。また、球通路540は、前面側が開放されている部位よりも上流側に配設される下皿満タンセンサ541と、その下皿満タンセンサ541よりも球通路540の上流側に配設される通路満タンセンサ542と、それら下皿満タンセンサ541及び通路満タンセンサ542の間に位置し後方側へ向けて膨出される球収容部543と、を備えている。
下皿満タンセンサ541及び通路満タンセンサ542は、いずれも球通路540内に球が滞留しているか否かを検出するためのセンサであり、球が一定時間継続して球が検出されている場合には、下皿満タンセンサ541又は通路満タンセンサ542から球通路540の下流側において球が滞留していると判断する。
球収容部543は、球通路540に滞留した球を一時退避させるための部位であり、下皿満タンセンサ541よりも球通路540の上流側まで球が滞留した場合に、球を球収容部543に収容することができる。
なお、球収容部543は、その底面が後方側から前方側へ向けて下降傾斜している。よって、球収容部543のある位置まで球が滞留していない状態、又は、球通路540内の球の滞留が解消された状態では、球収容部543に球が進入した球が、球収容部543の底面を転動して球通路540の下流側へ案内される。従って、球収容部543内に球が滞留し続けることを回避できる。
一対の下皿支持部520は、それらの互いに対向する面に、回転自在に軸支される支持側ローラ521と、上下方向に沿って延設されると共に前後方向に間隔を隔てつつ並設される一対の支持側レール522とが設けられている。支持側ローラ521は、下皿体300に設けられた下皿側レール332(図8参照)に沿って転動可能に構成される部材であり、一対の支持側レール522は、下皿体300に設けられた下皿側ローラ331及び下皿側レール332(図8参照)を転動させるための部材である。なお、これら支持側ローラ521及び支持側レール522と、下皿側ローラ331及び下皿側レール332とについては、図14を用いて後述する。
また、一対の下皿支持部520には、それらの互いに対向する面のうち、一対の支持側レール522よりも後方側に配設される上限センサ523と、その上限センサ523よりも下方に位置する初期位置センサ524と、が設けられている。
上限センサ523及び初期位置センサ524は、下皿体300を検出するためのセンサである。上限523は、下皿体300が上昇可能な上限位置まで到達した場合に、下皿体300を検出可能に構成されている。初期位置センサ524は、伸縮機構400のうち第1分割体410の第1フランジ部413が第2分割体420の第2張出部422に係止されつつ、第2分割体420と第3分割体430とが前後方向において重なる状態(図12(b)参照)となる位置まで下降したときに、下皿体300を検出可能に構成されている。
なお、下皿体300(図8参照)は、初期位置センサ524により下皿体300が検出される位置よりも下方まで下降可能に構成されているが、後述する切替スイッチ550(図15参照)がオフのときには、下皿体300が初期位置センサ524により検出された場合に、下皿体300のそれ以上の下降が不能となるように設定されている。
次に、図11を参照して、前面枠14と下皿ユニット15との位置関係について説明する。図11(a)は、下皿体300が下限位置にある状態におけるパチンコ機10の部分断面図であり、図11(b)は、下皿体300が上限位置にある状態におけるパチンコ機10の部分断面図である。なお、図11(a)及び図11(b)には、図10(b)に対応する断面が図示されている。
図11(a)に示すように、下皿体300が下限位置にあるとき、伸縮機構400が最も上下方向へ伸びた状態となる。このとき、第3分割体430は、その第3張出部432の下面側が第2分割体420の第2フランジ部423の上面側に係止され、第2分割体420は、その下面側が第1分割体410の第1フランジ部413の上面側に係止される。
球通路540は、下皿満タンセンサ541よりも下方に位置する部位の前面側が開放され、第1貫通穴511に連通されている。誘導体440は、仕切壁510の前面側から第1貫通穴511に貫通されて仕切壁510の後面側へ突出し、その突出部分が球通路540の開放された前面側から内部に配設されると共に、誘導体440の後面側の端面が球通路540の後面側の内壁面に当接する。これにより、球通路540へ案内された球が誘導体440の上面に衝突し、その誘導体440の上面の傾斜に沿って球出口341へ誘導される。
また、球通路540は、その開放された前面側のうちの上方部分が閉鎖体450によって閉鎖され、閉鎖体450の後面が球通路540の前面側の内壁面としての役割を果たしている。これにより、球通路540内の球が球出口341の上方から前方へ向けて飛び出すことを防止できる。
突設体460は、仕切壁510の前面側から第2貫通穴512に貫通されて仕切壁510の後面側へ突出し、仕切壁510の後面側に配設されたねじ送り機構530のねじ軸531にねじ穴461が螺合されている。
図11(b)に示すように、図11(a)の状態から下皿体300を上昇させると、下皿体300の後壁部340に形成された球出口341も下皿体300に追随して上昇する。このように、下皿体300を昇降させても、底壁部310から球出口341までの高さ寸法を常に一定に保持し、球出口341から底壁部310までの落差を小さくすることができる。よって、下皿体300の変位に伴って球出口341から底壁部310までの落差が大きくなり、球出口341から排出された球が弾んで下皿体300の外部へ飛び出す、といった不具合の発生を回避できる。
また、第1貫通穴511及び第2貫通穴512は、上下方向を長手方向とする矩形状に形成されており、第1貫通穴511又は第2貫通穴512に貫通された誘導体440、閉鎖体450及び突設体460は、第3分割体430又は下皿体300に固定されているので、誘導体440、閉鎖体450及び突設体460も、第3分割体430及び下皿体300に追随して昇降する。
誘導体440は、その後方部分が球通路540内に収容された状態で昇降するので、球通路540内の球を誘導体440によって球出口341へ円滑に誘導することができる。また、下皿体300を上昇させても、球通路540の下端側が誘導体440によって閉塞される。よって、球通路540の下側から異物等を進入させる等の不正行為を抑制できる。
ここで、図12をを参照して、下皿ユニット15が昇降する際の動作態様について説明する。図12は、下皿体300が上昇する過程を示すパチンコ機10の部分断面図である。なお、図12(a)から図12(c)には、図11(a)及び図11(b)に対応する断面が図示されている。
図12(a)に示すように、駆動モータMを駆動してねじ軸531を回転させると、その回転に伴って突設体460がねじ軸531の軸心方向に沿って昇降する。これにより、第3分割体430及び下皿体300が上昇を開始し、第3分割体430又は下皿体300の後面側に取り付けられている誘導体440、閉鎖体450及び突設体460も、第3分割体430及び下皿体300に追随して上昇を開始する。なおこのとき、第2分割体420は、そのままの状態が維持される。
図12(b)及び図12(c)に示すように、第3分割体430が、正面視において第2分割体420と重なる位置まで上昇すると、第2分割体420の下端が一対の側壁部330及び後壁部340の上端に当接する。この状態から更に第3分割体430を上昇させると、第2分割体420は下皿体300に持ち上げられて上昇する。また、第2分割体420は、第3分割体430と上下方向における寸法が同等なので、第2分割体420は、前後方向において第3分割体430と重なり合った状態で上昇する。そして、第3張出部432及び第2張出部422が上皿17の下面に当接すると、第3分割体430及び第2分割体420のそれ以上の上昇が不可となり、このときの下皿体300の位置が下皿体300の上限位置となる。
なお、本実施の形態では、上限センサ523(図11(b)参照)が下皿体300を検出したとき、下皿体300が上限位置に到達したと判断し、駆動モータMの駆動が停止されるように構成されている。
ここで、仮に、第3分割体430の上下方向における寸法が、第1分割体410又は第2分割体420の上下方向における寸法よりも小さい場合には、第3張出部432が上皿17の下面に当接するよりも前に、第1分割体410又は第2分割体420が上皿17と下皿体300との間で挟まり、それ以上の下皿体300の上昇が不可となる。即ち、3つの各分割体410,420,430の上下方向における長さ寸法が異なる場合、それら3つの各分割体410,420,430のうち上下方向における長さ寸法が最も大きく設定されている分割体が上皿17と下皿体300との間に挟まった場合に、下皿300のそれ以上の上昇が不可となる。
この点において、本実施の形態では、第1分割体410、第2分割体420及び第3分割体430の上下方向における寸法が同等に設定されているので、下皿体300をより上皿17に近接した位置まで上昇させることができる。
なお、本実施の形態では、伸縮機構400が3つの分割体410,420,430から構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、分割体の数を2つ又は4つ以上に設定してもよい。ここで、分割体の数を4つ以上とした場合には、各分割体の上下方向における長さ寸法を小さくすることができるので、上皿17の下面に対して下皿体300をより近接した位置まで上昇させることができる。また、分割体を2つにした場合には、部品点数を少なくして部品コストの低減を図ることができる。
ここで、図13を参照し、球で満杯になった下皿体300を上昇させた場合における対処について説明する。図13(a)は、下皿体300が下限位置にある状態におけるパチンコ機10の部分断面図であり、図13(b)は、下皿体300が上限位置にある状態におけるパチンコ機10の部分断面図である。なお、図13(a)及び図13(b)には、図11(a)及び図11(b)に対応する断面が図示され、下皿体300内に球が満杯になっている状態を模式的に図示している。
図13(a)に示すように、下皿体300内が球で満杯になり、球出口341から下皿体300の貯留領域への球の排出ができなくなると、球通路540内に球が滞留する。その後、下皿満タンセンサ541のある位置まで球が滞留すると、球が滞留していることを下皿満タンセンサ541が検出される。
下皿満タンセンサ541が球を検出することにより、球の払い出しが一旦停止され、「球を抜いて下さい」とのエラーメッセージが、スピーカから音声で、第3図柄表示装置81には文字等で繰り返し出力される。これにより、遊技者に対し、下皿体300内の球を排出するように促すことができる。
なお、下皿体300内が球で満杯になった場合、下皿体300の下方に千両箱を配置し、その千両箱に球を排出することで、下皿体300及び球通路540内に滞留した球が排出される。これにより、エラーメッセージの出力が解除され、球の払い出しが再開される。しかしながら、下皿体300が満杯になったときに千両箱も満杯になった場合には、満杯の千両箱を空の千両箱に取り替える必要がある。
図13(b)に示すように、下皿満タンセンサ541のある位置まで球通路540内に球が滞留した状態で下皿体300を上昇させると、誘導体440も下皿体300に追随して上昇するため、球通路540内の球が誘導体440により持ち上げられる。このとき、下皿満タンセンサ541よりも上方へ持ち上げられた球の一部が球収容部543の内部へ流れ込む。よって、上昇する誘導体440と球通路540の内壁面との間で球を詰まらせることなく、下皿体300を円滑に上昇させることができる。
即ち、誘導体440を上昇させることで、球通路540の通路長さが実質的に短くなる。従って、球通路540に球が詰まった状態で誘導体440を上昇させると、球通路540内での球の逆流や球詰まりが発生し、球通路540へ球を送るギヤ等の故障や突設体460への亀裂等が生じるおそれがある。
これに対し、本実施の形態では、下皿満タンセンサ541のある位置まで球が滞留した場合には、それ以上の球の払い出しが停止され、その位置から下皿体300を上昇させたとしても、球通路540内の球の一部が球収容部543内に収容される。よって、球が球通路540内まで滞留していたとしても、球通路540内の球詰まりを防止できるので、下皿体300を上昇させて千両箱の取り替えを円滑に行うことができる。
また、球通路540内に滞留した球が通路満タンセンサ542のある位置まで到達すると、その球の滞留が通路満タンセンサ542により検出され、下皿体300のそれ以上の上昇が強制的に停止される。即ち、通路満タンセンサ542のある位置まで球が滞留した場合には、球収容部543内も球が満杯になっていることが想定される。よってこの場合には、下皿体300のそれ以上の上昇を規制することで、球通路540内へ球を送るギヤ等の故障や誘導体440の破損等が発生することを防止できる。
なお、上記したように、本実施の形態では、下皿満タンセンサ541により球が検出された場合に、「球を抜いて下さい」とエラーメッセージが、音声出力装置226(図15参照)から音声で、第3図柄表示装置81には文字等で繰り返し出力される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下皿体300を上昇させている場合には、音声出力装置226からの音声によるエラーメッセージの出力を中止し、第3図柄表示装置81への文字等によるエラーメッセージの出力のみを繰り返し行うように設定されていてもよい。
即ち、下皿体300を上昇させている場合には、千両箱の交換をしようとしていることが想定され、下皿体300の貯留領域が球で満杯になっていること、或いは、満杯になりつつあることを遊技者が認識していると想定されるので、そうした状況で音声によるエラーメッセージの出力を遊技者に対して行うと、遊技者に不快感を与えるおそれがある。そこで、下皿体300が上昇中である場合には、音声出力装置226による報知を停止することで、遊技者に与える不快感を低減させることができる。
次に、図14を参照して、下皿体300に設けられた下皿側ローラ331及び下皿側レール332と、下皿支持部520に設けられた支持側ローラ521及び支持側レール522とについて説明する。図14(a)は、下皿体300が下限位置にある状態における下皿体300及び下皿支持部520を模式的に表した模式図であり、図14(b)は、下皿体300が上限位置にある状態における下皿体300及び下皿支持部520を模式的に表した模式図である。
図14に示すように、下皿側ローラ331は、一対の支持側レール522のうち後方側に配置される支持側レール522に支持され、下皿側レール332は、その後方側に配置される支持側ローラ521に支持されている。このように、下皿体300は、これら支持側ローラ521、支持側レール522、下皿側ローラ331及び下皿側レール332を介して下皿支持部520に支持されている。
なお、上皿17の下面には、下皿側レール522が挿通可能な挿通孔(図示せず)が設けられ、下皿体300が上昇した場合には、下皿側レール522が挿通孔に挿通される。
ここで、第3分割体430は、その後面側が第3分割体430及び突設体460を介してねじ軸532に支持され、ねじ軸531の支持位置の下方かつ、第3分割体430の前面側で下皿体300を支持している。そのため、下皿体300及びその下皿体300に貯留される球の重量により、下皿体300を後方側へ移動させようとする回転モーメントが発生する。
これに対し、下皿側ローラ331が支持側レール522に、下皿側レール332が支持側ローラ521に支持されるので、下皿体300に貯留される球の増加に伴う下皿体300の前後方向への傾きを抑制できる。
また、下皿体300を昇降させる際、下皿側ローラ331が支持側レール522上を、支持側ローラ521が下皿側レール322上を転動するので、下皿体300及び第3分割体430を昇降させるために必要となる駆動モータMの駆動力を小さくすることができる。
また、下皿ユニット15(図5参照)が前面枠14に取り付けられた状態では、一対の支持側レール522の間に下皿側ローラ331及び下皿側レール332が挿入されている。よって、下皿体300の前後方向への変位を規制することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、上皿17に対し、下皿体300を近接または離間させる方向へ昇降させることができる。従って、パチンコ機10の上下方向において遊技領域が占める領域を広くし、上皿17をより下方に配置したとしても、下皿体300を昇降させることで、下皿体300に貯留された球の出し入れを円滑に行うことができると共に、下皿体300の下方に配置した千両箱の出し入れを円滑に行うことができる。
さらに、下皿満タンセンサ541のある位置まで球が滞留した場合には、それ以上の球の払い出しが停止され、その位置から下皿体300を上昇させたとしても、球通路540内の球の一部が球収容部543内に収容される。よって、球が球通路540内まで滞留していたとしても、下皿体300を上昇させることができ、その結果、千両箱の取り替えを円滑に行うことができる。
また、パチンコ機10の上下方向において、遊技領域の占める割合を大きくし、上皿17及び下皿体300をより下方へ配置できるので、パチンコ機10の設計自由度を高めることができる。
さらに、球収容部543は、その底面が後方側から前方側へ向けて傾斜しているので、誘導体440に持ち上げられて下皿満タンセンサ541の下流側から逆流する球は収容され、球収容部543のある位置まで球が滞留していない状態では、球収容部543に球が進入した球が、球収容部543の底面を転動して球通路540の下流側へ案内される。従って、球収容部543内に球が滞留し続けることを回避できる。
球通路540内に滞留した球が通路満タンセンサ542のある位置まで到達すると、その球の滞留が通路満タンセンサ542により検出され、下皿体300のそれ以上の上昇が強制的に停止されるので、球通路540内の球詰まりを防止できる。また、その結果、球通路540内へ球を送るギヤ等の故障や誘導体440の破損等が発生することを防止できる。
また、下皿体300を昇降させると、球出口341も下皿体300に追随して昇降するので、下皿体300を昇降させても、底壁部310から球出口341までの高さ寸法を常に一定に保持し、球出口341から底壁部310までの落差を小さくすることができる。よって、下皿体300の変位に伴って球出口341から底壁部310までの落差が大きくなり、球出口341から排出された球が弾んで下皿体300の外部へ飛び出す、といった不具合の発生を防止できる。
さらに、下皿体300を昇降させると、誘導体440に下皿体300に追随して昇降するので、球通路540から下皿体300へ球を円滑に案内することができる。
また、下皿体300を昇降させる際に、下皿側ローラ331が支持側レール522に沿って、支持側ローラ521が下皿側レール332に沿って転動する。これら下皿側ローラ331、下皿側レール332、支持側ローラ521及び支持側レール522により、ねじ送り機構530による下皿体300の昇降を補助することができるので、小さな駆動力で下皿体300の昇降を行うことができる。
なお、下皿体300には、手等の異物が接触したことを検出する接触センサ(図示せず)が設けられており、下皿体300が上昇しているときに下皿体300に異物が当たったことを検知すると、下皿体300の上昇を停止し、下皿体300が下降するように設定されている。これにより、誤って上皿17と下皿体300との間に手等が挟まれたとしても、その挟まれた状態が解除されるので、上皿17と下皿体300との間から手等を無理なく抜き出すことができる。同様に、下皿体300が下降しているときに下皿体300に異物が当たったことを検知した場合には、下皿体300の下降を停止し、下皿体300が上昇するように設定されている。これにより、誤って下皿体300と千両箱との間に手等が挟まれたとしても、その挟まれた状態が解除されるので下皿体300と千両箱との間から手等を無理なく抜き出すことができる。
また、本実施の形態では、前面枠14に上皿17を設け、その上皿17の下方に下皿体300を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上皿17を省略し、払出モータ216(図15参照)から払い出された球がすべて下皿体300に排出されるように構成されていてもよい。この場合、上皿17を省略することで、パチンコ機10の上下方向において遊技領域が占める割合をより広く設定することができる。
さらに、本実施の形態では、下皿体300が上下方向へ変位可能に構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下皿体300を上下方向へ変位可能とする代わりに、或いは、下皿体300を上下方向へ変位可能とする構成に加え、下皿体を前方へ引出可能に構成されていてもよい。これにより、下皿体に収容可能な球数を増やすことができると共に、下皿体から球を取出しやすくすることができる。
なおこの場合、下皿体の底壁部が上下に重なった2枚の板状部材から構成され、上の底壁部は下皿体の変位に伴って下の底壁部に対して変位可能とする一方、下の底壁部は変位不能とし、下の底壁部に上の底壁部と常に重ならない位置に球抜き穴を設けてもよい。これにより、下皿体を前方へ引き出したとしても、下皿体の位置が引き出す前と変わらないので、下皿体の変位に起因して下皿体から排出された球が千両箱の外側に落下する、といった不具合の発生を防止できる。
<パチンコ機の電気的構成について>
次に、図15を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図15は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図16を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図18参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図26参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図18参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図26参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この大当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図17(c)参照)。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
図17(c)に示すように、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「7」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図17(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜24」であった場合の大当たり種別は「大当たりA」、乱数値が「24〜49」であった場合の大当たり種別は「大当たりB」、乱数値が「50〜74」であった場合の大当たり種別は「大当たりC」、乱数値が「75〜99」である場合の大当たり種別は「大当たりD」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、4種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC及び大当たりD)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、大当たり種別テーブル202bにより設定されている(図17(d)参照)。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
尚、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図26参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB・大当たりC及び大当たりD共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりC用の変動パターンとして、「スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、図17(d)に示すように、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル202c(図17(d)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図17(d)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、当たりとなる乱数値の総数が24なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の高確率時には、乱数値の総数が240ある中で、当たりとなる乱数値の総数が200なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図18参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図26参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図15に戻り、説明を続ける。RAM203は、図16に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図26参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図25参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図15に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、時短中カウンタ203eと、その他記憶エリアとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図21のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図19のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図19のS206、図21のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図23のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図22のS605参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図23のS705)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図23のS703:No)。
時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203eの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
具体的には、大当たり種別が「大当たりC」又は「大当たりD」であると判定されると、時短中カウンタ203eは100に設定される(図19のS214参照)。その後、時短中カウンタ203eの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図19のS217)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203eの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図22のS610,S611参照)。
その他記憶エリア203zは、その他遊技に必要な各種データ等が記憶されるエリアである。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、下皿体300(図6参照)が満タンであることを検知する下皿満タンセンサ541、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部30〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、駆動モータM、球抜きレバー52、上昇ボタン53、下降ボタン、上限センサ523、初期位置センサ524、千両箱センサ313、切替スイッチ550、通路満タンセンサ542などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
駆動モータMは、下皿体300及び第3分割体430(図5参照)を昇降させるための駆動力を付与する駆動源となるものであり、ステッピングモータから構成されている。駆動モータMにはねじ軸531(図10(c)参照)が連結されており、駆動モータMからねじ軸531に対し、正方向へ1ステップ分回転させる駆動力が付与されると、下皿体300及び第3分割体430は下降し、負方向へ1ステップ分回転させる駆動力が付与されると、下皿体300及び第3分割体430は上昇する。
球抜きレバー52は、上記したように、下皿体300の底壁部310に貫通形成された球抜き穴311(図8参照)を開放または閉鎖する際に操作されるものである。球抜きレバー52は、左方向へスライドされるとオンとなり、球抜き穴311が開放される。これにより、下皿体300に貯留された球が球抜き穴311から排出され、その排出された球が下皿体300の下方に配置された千両箱に貯留される。また、球抜きレバー52は、右方向へスライドされるとオフになり、球抜き穴311が閉塞部312(図8参照)に閉塞され、下皿体300へ送られた球が下皿体300の貯留領域内に貯留される。
上昇ボタン53は、下皿体300を上昇させる際に押されるボタンであり、下降ボタン54は、下皿体300を下降させる際に押されるボタンである。下皿体300は、上昇ボタン53が押されると上限位置まで上昇し、下降ボタン54が押されると予め設定された下皿体300の下限位置まで下降する。
上限センサ523は、下皿体300が上限位置まで上昇したことを検出するためのセンサであり、初期位置センサ524は、予め定められた初期位置まで下降したことを検出するためのセンサである。これら上限センサ523及び初期位置センサ524は、下皿支持部520の互いに対向する面に設けられている(図10(b)及び図10(c)参照)。
千両箱センサ313は、下皿体300とその下皿体300の下方に配置された千両箱との間隔が所定間隔以下となったことを検出するためのセンサである。本実施の形態では、千両箱センサ313が下皿体300と千両箱との間隔が5mm以下となったことを検出可能に設定されており、千両箱センサ313が下皿体300の底壁部310の下面に配設されている。
切替スイッチ550は、下皿体300の下限位置を設定するためのスイッチであり、切替スイッチ550がオンである場合には、下皿体300を下降させて千両箱センサ313がオフからオンに切り替わったときの下皿体300の位置が下皿体300の下限位置として設定され、切替スイッチ550がオフである場合には、下皿体300を下降させて初期位置センサ524がオフからオンに切り替わったときの下皿体300の位置が下皿体300の下限位置として設定される。
通路満タンセンサ542は、上記したように、球通路540(図10(a)参照)内に球が滞留しているか否かを検出するためのセンサであり、通路満タンセンサ542によって球通路540内の球の貯留が検出されると、それ以上の下皿体300の上昇が不能となる。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、ステップカウンタ223e、上限ステップ数記憶エリア223f、下限位置データ記憶エリア223g、演出設定フラグ223h、演出済フラグ223i、その他記憶エリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図36のS1909参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図36のS1902参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図37のS2002参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図36のS1906参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図37のS2007参照)。
ステップカウンタ223eは、ステッピングモータから構成される駆動モータMのステップ数(パルス数)を記憶するための記憶エリアである。ステップカウンタ223kは、駆動モータMを正方向に1パルス回動させた場合に1加算されて更新され、駆動モータMを負方向に1パルス回動させた場合には、1減算して更新される。
本実施の形態では、駆動モータMを駆動させてねじ軸531(図10(c)参照)を正方向へ1ステップ分回転させる毎に、ねじ軸531に螺合された突設体460が下降し、ステップカウンタ223eの値から1が加算され、ねじ軸531を負方向へ1ステップ分回転させる毎に、突設体460が上昇し、ステップカウンタ223eの値から1減算される。
上限ステップ数記憶エリア223fは、駆動モータMを所定ステップ数以上駆動させたにも関わらず下皿体300が初期位置センサ524に検出されなかった場合に、何らかの異常があると判断できるようにするためのものである。本実施の形態では、下皿体300が上限位置から初期位置まで下降するのに必要とされるステップ数に30を加算した数値が上限ステップ数記憶エリア223fに設定されており、駆動モータMの駆動回数、即ち、ステップカウンタ223eの値が上限ステップ数記憶エリア223fの値まで到達した場合に、何らかの異常が発生していると想定されるため、エラー処理を行う(図31のS1508参照)。
下限位置データ記憶エリア223gは、切替スイッチ550がオンである場合に、下皿体300を上限位置から下降させて千両箱センサ313がオフからオンに切り替わる位置まで到達するまでに必要とされる駆動モータMのステップ数を記憶するためのものある。本実施の形態では、駆動モータMの駆動回数、即ち、ステップカウンタ223eの値が下限位置データ記憶エリアの値と一致した場合に、下皿体300が予め設定された下限位置に到達したと想定し、駆動モータMの駆動を停止する。よって、下皿体300の下方に千両箱が配置されていない状態で下皿体300を下降させたとしても、予め設定された下限位置で下皿体300の下降を停止させることができるので、千両箱と下皿体300との干渉を回避できる。
なお、本実施の形態では、初期位置から下皿体300を下降可能な下限位置まで下降させるために必要な駆動モータMのステップ数が20であるものとする。
演出設定フラグ223gは、大当たり中であってラウンド数が8ラウンド目である場合に実行される下皿演出処理(S1512)を実行するか否かを示すフラグである。この演出設定フラグ223gは、大当たり中であってラウンド数が8ラウンド目になったときにオンとなり(図33のS1606参照)、下皿演出処理S1512(図34参照)が開始された際にオフとなる(図34のS1701参照)。
演出済フラグ223iは、大当たり中であってラウンド数が8ラウンド目になったときに下皿演出の設定が実行されたことを示すフラグである。この演出済フラグは、大当たり中であってラウンド数が8ラウンド目になり、下皿演出の設定が実行された後にオンとなり(図33のS1605参照)、大当たりが終了したとき、或いはラウンド数が9ラウンド目に突入したときにオフとなる(図33のS1608参照)。
その他記憶エリア223zには、その他遊技に必要な各種データ等が記憶される記憶エリアである。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図36参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、すでに公知な構成であるので省略する。
<主制御装置110による制御処理について>
次に、図18から図26までのフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図18は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図19〜図21を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図22及び図23を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図19は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図18参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図26参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図20を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図19を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて「大当たりA」となるか、「大当たりB」となるか、「大当たりC」となるか、「大当たりD」となるか、が決定される。
尚、本実施形態では、「大当たりA」又は「大当たりB」になる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、「大当たりC」又は「大当たりD」になる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、大当たりC及び大当たりD)のうち、大当たり種別が何であるかを判定し(S212)、大当たり種別が「大当たりA」又は「大当たりB」であれば、大当たり後の遊技状態を高確率遊技状態(確変)に設定する(S213)。また、大当たり種別が「大当たりC」又は「大当たりD」であれば、時短中カウンタ203eに100を設定する(S214)。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S215)、本処理を終了する。S216の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図26参照)の大当たり制御処理(S1004)が実行された場合に、S1101:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S216)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S216:Yes)、時短中カウンタ203eの値を1減算して(S217)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S216:No)、S221の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図20は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図18参照)の特別図柄変動処理(図19参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、遊技状態が確変中であるかを判定する(S302)。確変中である場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている30の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S306の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変中でない場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、大当たりC及び大当たりD)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、特別図柄の確変)であると判定し、「25〜49」の範囲にあれば、大当たりB(8R大当たり、特別図柄の確変)であると判定し、「50〜74」の範囲にあれば、大当たりC(16R大当たり、特別図柄の低確率状態、普通図柄の時短期間100回)であると判定し、「75〜99」の範囲にあれば、大当たりD(8R大当たり、特別図柄の低確率状態、普通図柄の時短期間100回)であると判定する。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC及び大当たりD)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC及び大当たりD)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB・大当たりC及び大当たりD共用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりC用の変動パターンとしては、「スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図26)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図21は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図18参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、S415の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図26参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S406の処理で取得した各種カウンタの値に基づいて、変動開始時の当否判定結果を判別する(S407)。ここでは、変動開始時の遊技状態(確変か通常)を判別して当否判定結果を判別する。S407の処理で実行した当否判定結果が大当たりであるか判別する(S408)。当否判定結果が大当たりであると判別した場合には(S408:Yes)、大当たり入賞コマンドを設定する(S409)。一方、当否判定結果が外れであると判別した場合には(S408:No)、外れ入賞コマンドを設定する(S410)。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図26参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図22は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図18参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定する(S608)。尚、時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203eの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図17(d)参照)。
S608の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図17(d)参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図23のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図23は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図18参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が第2入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図25を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図25は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図26のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図26を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図26は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図18参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図10参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図19参照)や始動入賞処理(図21参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図26参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図22参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図20参照)のS308の処理またはS310の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図19参照)のS308の処理またはS310の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図20参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図22参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図22参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図22参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図24のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置113による制御処理について>
次に、図27から図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図27は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1419の電源断処理(図30参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図30を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、S1419の電源断処理を実行する。かかる電源断処理(S1419)の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ(S1418)、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる(S1420)。よって、S1419の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1419の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1419の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1419の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1104)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1108の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグはS1419の電源断処理の実行時にオンされる(図30のS1418参照)。つまり、電源断フラグは、S1419の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1419の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、RAM223の初期値を設定する。
S1110の処理を行った後、下皿体300(図11(a)参照)の初期位置を設定する初期位置設定処理(S1111)と、千両箱との隙間が5mm以下となる位置を下皿体300の下限位置として設定する千両箱位置設定処理(S1112)とを実行する。なお、初期位置設定処理(S1111)及び千両箱位置設定処理(S1112)の詳細は、図28及び図29を参照して詳述する。
S1112の処理を行った後は、割込み許可を設定して(S1113)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109をスキップして、処理をS1110へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、初期位置設定処理(S1111)及び千両箱位置設定処理(S1112)を実行し、割込み許可を設定して(S1113)、メイン処理へ移行する。
なお、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される初期位置設定処理(S1111)について説明する。図28は、初期位置設定処理(S1111)を示したフローチャートである。この初期位置設定処理(S1111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理(図27参照)の中で実行され、下皿体300(図11(a)参照)を上限位置まで上昇させた後に、下皿体300を初期位置センサ524がオフからオンに切り替わる位置まで下降し、その位置を下皿体300の初期位置として設定する。
図28に示すように、初期位置設定処理(S1111)では、まず、上限センサ523がオンに切り替わったか否かの判定を行う(S1201)。S1201の処理において、上限センサ523がオフのままであれば(S1201:No)、下皿体300(図11(a)参照)が上限位置まで上昇していないと判断される。この場合、ねじ軸531(図10(c)参照)を更に負方向へ回転させて突設体460(図11(a)参照)を上昇させる必要があるので、駆動モータM(図15参照)を負方向へ1ステップ分駆動するデータを設定する(S1202)。このS1202の処理は、上限センサ523がオフからオンに切り替わるまで繰り返し実行される。
S1201の処理において、上限センサ523がオンに切り替わった場合には(S1201:Yes)、下皿体300が上限位置まで上昇したと判断できる。よってこの場合には、ステップカウンタ223eの値をリセットし(S1203)、次いで、下皿体300を下降させるために駆動モータMを正方向へ1ステップ分駆動するデータを設定し(S1204)、ステップカウンタ223eの値に1を加算する(S1205)。
次に、初期位置センサ524がオンに切り替わったか否かの判定を行い(S1206)、初期位置センサ524がオフのままであれば(S1206:No)、下皿体300を現在位置から更に下降させる必要があると判断される。よってこの場合には、再度S1204の処理を実行し、初期位置センサ524がオフからオンに切り替わるまでS1204及びS1205の処理を繰り返し実行する。
S1206の処理において、初期位置センサ524がオンに切り替わった場合には(S1206:Yes)、下皿体300が初期位置まで下降したと判断されるので、次いで、S1207の処理へ移行する。
S1207の処理では、ステップカウンタ223eの値に30を加算し(S1207)、次いで、そのステップカウンタ223eの値を上限ステップ数記憶エリア223gに設定する(S1208)。この処理は、下皿体300を下降させている際に何らかの不具合が発生している場合に、その不具合の発生を検知するための前処理である。
即ち、S1206の処理後におけるステップカウンタ223eの値は、下皿体300を上限位置から初期位置まで下降させるために必要な駆動モータMのステップ数であると判断される。これに対し、上限ステップ数記憶エリア223gの値は、その必要なステップ数より30も多い値である。従って、ステップカウンタ223eの値が上限ステップ数記憶エリア223gの値まで到達した場合、通常であれば下皿体300が初期位置に到達させるために必要なステップ数よりも30ステップも多く駆動モータMを駆動させているのもかかわらず、初期位置センサ524により下皿体300が検出されないことから、何らかの不具合が発生したと予測することができる。よって、本実施の形態では、ステップカウンタ223eの値と上限ステップ数記憶エリア223gの値とが一致した場合には、エラー処理が行われる(図31のS1508参照)。
なお、本実施の形態では、S1207の処理において、ステップカウンタ223eの値に30を加算しているが、この加算値はあくまで一例であり、S1207の処理において、30以外の数値をステップカウンタ223eの値に加算するように構成されていてもよい。
S1208の処理終了後は、ステップカウンタ223eの値から30を減算し、本処理を終了する。
次に、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される千両箱位置設定処理(S1112)について説明する。図29は、千両箱位置設定処理(S1112)を示したフローチャートである。この千両箱位置設定処理(S1112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理(図27参照)の中で実行され、切替スイッチ550がオンである場合に、下皿体300を下降させて千両箱センサ313がオフからオンに切り替わった位置を、下皿体300の下限位置として設定する。
図29に示すように、千両箱位置設定処理(S1112)では、まず、切替スイッチ550がオンであるか否かの判定を行い(S1301)、切替スイッチ550がオフであれば(S1301:No)、初期位置が下皿体300の下限位置として設定され、千両箱との間隔に基づいて下皿体300の下限位置を設定する必要がないので、このまま本処理を終了する。
一方、切替スイッチ550はオンであれば(S1301:Yes)、千両箱との間隔に基づいて下皿体300の下限位置を設定する必要があるので、次に、S1302の処理を行う。
S1302の処理では、千両箱センサ313がオンであるか否かの判定を行い(S1302)、千両箱センサ313がオンであれば(S1302:Yes)、現在位置において下皿体300と千両箱との間隔が5mm以下であると判断される。この場合、下皿体300と千両箱との間隔が小さすぎ、この位置を下皿体300の下限位置として設定すると、千両箱の出し入れを円滑に行うことが困難となるおそれがある。よってこの場合には、下皿体300を一旦上昇させて千両箱との間隔を広げるため、駆動モータMを負方向へ1ステップ分駆動するデータを設定し(S1303)、ステップカウンタ223eの値から1を減算する(S1304)。これにより、駆動モータMから付与された駆動力によりねじ軸531が負方向へ回転し、その駆動力が突設体460及び第3分割体430(図6参照)を介して下皿体300に伝達され、下皿体300が上昇する。
S1304の処理後、千両箱センサ313がオンからオフに切り替わったか否かの判定を行い(S1304)、千両箱センサ313がオフに切り替わった場合には(S1304:Yes)、下皿体300と千両箱との間隔が5mmよりも大きくなったと判断できるので、S1306の処理へ移行する。これに対し、千両箱センサ313がオンのままである場合には(S1304:No)、下皿体300と千両箱とのまだ間隔が小さく、更に下皿体300を上昇させる必要があると判断されるので、S1303の処理へ戻り、千両箱センサ313がオンに切り替わるまでS1303及びS1304の処理を繰り返し実行する。
S1306の処理では、駆動モータMを正方向へ1ステップ分駆動するデータを設定し(S1307)、ステップカウンタ223eの値に1を加算する(S1306)。これにより、駆動モータMから付与された駆動力によりねじ軸531が正方向へ回転し、下皿体300が下降する。
次に、千両箱センサ313がオンであるか否かの判定を行い(S1308)、千両箱センサ313がオンであれば(S1308:Yes)、そのときの下皿体300の位置を下限位置として設定するため、ステップカウンタ223eの値を下限位置データ記憶エリア223gに設定し(S1309)、本処理を終了する。これにより、千両箱300の下方に千両箱が配置されているか否かに関わらず、ステップカウンタ223eの値が下限位置データ記憶エリア223gの値と一致している場合には、下皿体300が下限位置まで下降したと判断し、下皿体30の下降を停止することができる。
一方、千両箱センサ313がオフであれば(S1308:No)、下皿体300と千両箱との間隔がまだ大きく、現在位置から更に下皿体300を下降させる必要があると判断される。よって、この場合には、S1306の処理へ戻り、千両箱センサ313がオンに切り替わるまでS1306及びS1307の処理を繰り返し実行する。
このようにして、切替スイッチがオンである場合には、千両箱の円滑な出し入れを可能な程度に下皿体300と千両箱との間隔(本実施の形態では5mm弱)を保持しつつ、下皿体300をできる限り下方へ下降させることができるので、上皿17と下皿体300との間隔を広く確保して下皿体300内の球を取出しやすくすることができる。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1401の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1401)、1m秒以上経過していなければ(S1401:No)、S1402〜S1413の処理を行わずにS1414の処理へ移行する。S1401の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1402〜S1413が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1415の変動表示設定処理や、S1414のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1415の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1414の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1401の処理で1m秒以上経過していれば(S1401:Yes)、まず、S1403〜S1413の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1402)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1408の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1403)、その後電源投入報知処理を実行する(S1404)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1405の処理へ移行する。
S1405の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1406)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1407)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1408)、その後音編集・出力処理を実行する(S1409)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部30〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1409の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1410)、S1411の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1408のランプ編集処理が実行される。なお、S1409の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1410の処理後、上昇ボタン53又は下降ボタン54が押された場合に下皿体300の昇降を行う下皿下降処理(S1411)及び下皿上昇処理(S1412)を実行する。なお、これら下皿下降処理(S1411)及び下皿上昇処理(S1412)の詳細については、図31及び図32を参照して後述する。そして、これら下皿下降処理(S1411)及び下皿上昇処理(S1412)の後には、球抜きレバー52がオンとなった場合に下皿体300を下降させる球抜き時下皿下降処理を実行し(S1413)、その後にS1414の処理を行う。なお、この球抜き時下皿下降処理(S1413)の詳細については、図35を参照して後述する。
S1414の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1414)。このコマンド判定処理の詳細については、図36を参照して後述する。そして、このコマンド判定処理(図36、S1414)の後には、変動表示設定処理が実行される(S1415)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図37を参照して後述する。
S1415の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1416)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1416の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1416:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1418)、電源断処理を実行する(S1419)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1420)、その後、処理を無限ループする。電源断処理(S1419)では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1416の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1416:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1417)、RAM223が破壊されていなければ(S1417:No)、S1401の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1417:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される下皿下降処理(S1411)について説明する。図31は、下皿下降処理(S1411)を示したフローチャートである。この下皿下降処理(S1411)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、下降ボタン54が押された場合に、駆動モータMを正方向へ駆動させて下皿体300を下降させる。
図31に示すように、下皿下降処理S1411では、まず下降ボタン54が押されたか否かの判定を行う(S1501)。S1501の処理において、下降ボタン54が押されていない場合には(S1501:No)、下皿体300を下降させる必要がないので、そのまま本処理を終了する。一方、下降ボタン54が押された場合には(S1501:Yes)、次いで、切替スイッチ550がオンであるか否かの判定を行う(S1502)。
S1502の処理において、切替スイッチ550がオフであれば(S1502:No)、上記した初期位置設定処理(S1111)において設定された初期位置まで下皿体300を下降させる必要があるので、次に、初期位置センサ524がオンであるか否かの判定を行う(S1503)。
S1503の処理において、初期位置センサ524がオンであれば(S1503:Yes)、下皿体300が初期位置まで下降したと判断されるので、下皿体300の下降を終了し、S1509の処理へ移行する。一方、初期位置センサ524がオフであれば(S1504:No)、下皿体300がまだ初期位置まで下降しておらず、現在位置から更に下皿体300を下降させる必要があると判断されるので、S1505の処理へ移行する。
一方、S1502の処理において、切替スイッチ550がオンであれば(S1502:Yes)、千両箱位置設定処理(S1112)において設定された下皿体300の下限位置まで下皿体300を下降させる必要があるので、ステップカウンタ223eの値が下限位置データ記憶エリア223gの値と一致しているか否かの判定を行う(S1504)。
S1504の処理において、ステップカウンタ223eの値が下限位置データ記憶エリア223gの値と一致していれば(S1504:Yes)、下皿体300が下限位置まで下降したと判断できるので、下皿体300の下降を完了し、S1509の処理へ移行する。一方、ステップカウンタ223eの値が下限位置データ記憶エリア223gの値と一致していない場合には(S1504:No)、下皿体300が下限位置まで下降していないと判断される。よってこの場合には、現在位置から更に下皿体300を下降させる必要があるので、S1505の処理へ移行する。
S1505の処理では、下皿体300を下降させるため、駆動モータMを正方向へ1ステップ分駆動するデータを設定し(S1505)、次いで、ステップカウンタ223eの値に1を加算し(S1506)、S1507の処理へ移行する。
S1507の処理では、ステップカウンタ223eの値が上限ステップ数記憶エリア223fの値と一致しているか否かの判定を行う(S1507)。S1507の処理において、ステップカウンタ223eの値が上限ステップ数記憶エリア223fの値と一致していれば(S1507:Yes)、下皿体300が初期位置または下限位置まで下降させるために必要なステップ数よりも多く駆動モータMを駆動させているのも関わらず、下皿体300が初期位置または下限位置に到達していないことから、下皿体300の下降に際し何らかの不具合が発生したと予測される。よってこの場合には、エラー処理(S1508)を行い、本処理を終了する。一方、S1507の処理において、ステップカウンタ223eの値が上限ステップ数記憶エリア223fの値と一致していなければ(S1507:No)、S1508の処理をスキップして本処理を終了する。
なお、S1508の処理において実行されるエラー処理としては、駆動モータMを停止し、ホール関係者を呼ぶ等の対応を促すエラーメッセージの出力をスピーカや第3図柄表示装置81において行うこと等が例示される。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される下皿上昇処理(S1412)について説明する。図32は、下皿上昇処理(S1412)を示したフローチャートである。この下皿上昇処理(S1412)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上昇ボタン53が押された場合に、駆動モータMを負方向へ駆動させて下皿体300を上昇させる。
図32に示すように、下皿上昇処理(S1412)では、まず上昇ボタン53が押されたか否かの判定を行い(S1509)、上昇ボタン53が押されていなければ(S1509:No)、次に、ボタン演出処理(S1510)を実行し、本処理を終了する。なお、このボタン演出処理(S1510)の詳細は、図33を参照して後述する。
一方、S1509の処理において、上昇ボタン53が押されていれば(S1509)、次に、演出設定フラグ223hがオンであるか否かの判定を行う(S1511)。
S1511の処理において、演出設定フラグ223hがオンであれば(S1511:Yes)、下皿演出処理(S1512)へ移行し、その後、本処理を終了する。なお、下皿演出処理(S1512)の詳細は、図34を参照して後述する。
一方、S1511の処理において,演出設定フラグ223hがオフであれば(S1511:No)、下皿満タンセンサ541がオンであるか否かの判定を行い(S1513)、S1513の処理において、下皿満タンセンサ541がオフであれば(S1513:Yes)、S1515の処理へ移行する。一方、下皿満タンセンサ541がオンであれば(S1513:No)、音声出力装置226によるエラー処理の制限を設定する(S1514)。
このS1514では、上昇ボタン53が押され、下皿体300が上昇しているときには、音声出力装置226(スピーカ(図示せず)など)から出力される「球を抜いて下さい」との音声出力を制限するために行う処理である。
即ち、下皿体300を上昇させている場合には、千両箱の交換をしようとしていることが想定され、下皿体300の貯留領域が球で満タンになっていること、或いは、満タンになりつつあることを遊技者が認識していると想定される。音声出力装置226から出力される音量は大きいことから、そうした状況の中で音声によるエラーメッセージの出力を遊技者に対して行った場合、遊技者に不快感を与えるおそれがある。そこで、下皿体300が上昇中である場合には、第3図柄表示装置83においてエラーメッセージを表示する一方で、音声出力装置226によるエラーメッセージの音声出力を制限することで、下皿体300が満タンになっていることを報知しつつ、遊技者に与える不快感を軽減できる。
S1515の処理では、通路満タンセンサ542がオンであるか否かの判定を行い(S1515)、通路満タンセンサ542がオフであれば(S1515:No)、S1516の処理へ移行する。一方、通路満タンセンサ542がオンであれば(S1515:Yes)、球通路540において球収容部543まで球が一杯となり、通路満タンセンサ542のある位置まで球が滞留していると判断できる。この場合、下皿体300を更に上昇させると、球通路540内での球の逆流や球詰まりが発生し、球通路540へ球を送るギヤ等の故障や突設体460への亀裂等が生じるおそれがある。よって、下皿体300のそれ以上の上昇を回避するため、下皿体300を上昇させるための処理(S1517,S1518)を実行せず、そのまま本処理を終了する。
なお、通路満タンセンサ542がオンである場合に、音声出力装置226や第3図柄表示装置81等により、「これ以上、上昇させることができません。」等のエラーメッセージが出力されるように構成されていてもよい。
S1516の処理では、上限センサ523がオンであるか否かの判定を行う(S1516)。S1516の処理において、上限センサ523がオンであれば(S1516:Yes)、下皿体300が上限位置まで上昇したと判断できるので、下皿体300の上昇を完了し、本処理を終了する。その一方、上下センサ523がオフであれば(S1516:No)、下皿体300が上限位置まで上昇していないと判断されるので、現在位置から更に下皿体300を上昇させる必要がある。従って、駆動モータMを正方向へ1ステップ分駆動するデータを設定し(S1517)、ステップカウンタ223eの値に1を加算して(S1518)、本処理を終了する。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるボタン演出処理(S1510)について説明する。図33は、ボタン演出処理(S1510)を示したフローチャートである。このボタン演出処理(S1510)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される下皿上昇処理(S1412、図32参照)の中で実行され、大当たり中であってラウンド数が8ラウンド目である場合に、上昇ボタン53を押すように促す演出を行う。
図33に示すように、ボタン演出処理(S1510)では、まず演出済フラグ223iがオンであるか否かの判定を行い(S1601)、演出済フラグ223iがオフであれば(S1601:No)、S1602の処理へ移行する。
S1602の処理では、大当たり中であるか否かの判定を行い(S1602)、大当たり中でなければ(S1602:No)、そのまま本処理を終了し、大当たり中であれば(S1602:Yes)、次にラウンド数が8ラウンド目であるか否かの判定を行う(S1603)。
S1603の処理において、ラウンド数が8ラウンド目でなければ(S1603:No)、そのまま本処理を終了し、ラウンド数が8ラウンド目であれば(S1603:Yes)、次にボタン演出の設定を行う(S1604)。
このS1604の処理では、上昇ボタン53を押すように促すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する演出の設定を行い、S1604の処理後は、演出済フラグ223iをオンにし(S1605)、演出設定フラグ223hをオンにして(S1606)、本処理を終了する。
一方、S1601の処理において、演出済フラグがオンであれば(S1602:Yes)、次に、大当たりが終了したか、或いは、大当たり中であってラウンド数が9ラウンド目であるか否かの判定を行う(S1607)。このS1607の処理において、大当たりが終了しているか、或いは大当たり中であってラウンド数が9ラウンド目である場合には、後述する昇格演出(S1705、図34参照)または残念演出(S1706、図34参照)が終了したと判断されるので、演出済フラグ223iをオフにし(S1608)、本処理を終了する。一方、S1607の処理において、大当たり中であってラウンド数が9ラウンド目でなければ(S1607:No)、ラウンド数が8ラウンド目であり、後述する昇格演出または残念演出が終了していないと判断されるので、そのまま本処理を終了する。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される下皿演出処理(S1512)について説明する。図34は、下皿演出処理(S1512)を示したフローチャートである。この下皿演出処理(S1512)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される下皿上昇処理(S1412、図32参照)の中で実行され、上記したボタン演出(S1604、図33参照)に基づいて上昇ボタン53が押されたときに、大当たり種別に応じた演出の設定を行い、更に16R大当たりである場合には、下皿体300を上昇させる。
図34に示すように、下皿演出処理(S1512)では、まず演出設定フラグ223hをオフにし(S1701)、次に、16R大当たりであるか、即ち、大当たり種別が「大当たりA」又は「大当たりC」であるか否かの判定を行う(S1702)。
S1702の処理において、16R大当たりであれば(S1702:Yes)、下皿体300を上昇させるため、駆動モータMを負方向へ駆動するデータを設定し(S1703)、ステップカウンタ223eの値から1を減算する(S1704)。S1704の処理後は、昇格演出の設定を行い(S1705)、本処理を終了する。
このS1705の処理では、大当たり種別が16R大当たりであり、大当たりが継続することを報知するメッセージを第3図柄表示装置81に表示する演出の設定や、音声出力装置226における音声の出力、ランプ表示装置227における点灯の出力の設定等を行う。
一方、S1702の処理において、16R大当たりではない、即ち、大当たり種別が「大当たりB」又は「大当たりD」の8R大当たりである場合には(S1702:No)、残念演出の設定(S1706)を行い、本処理を終了する。
このS1706の処理では、大当たり種別が8R大当たりであり、大当たりが終了することを報知するメッセージを第3図柄表示装置81に表示する演出の設定や、音声出力装置226における音声の出力、ランプ表示装置227における点灯の消灯の設定等を行う。
このように、下皿下降処理(S1411)では、下降ボタン54が押されたとき、切替スイッチ550がオンである場合には千両箱位置設定処理(S1112)で設定された下限位置まで、切替スイッチ550がオフである場合には初期位置設定処理(S1111)で設定された初期位置まで、下皿体300を下降させる。また、下皿上昇処理(S1412)では、上昇ボタン53が押された場合に、下皿体300を上限位置まで上昇させる。
遊技者は、上昇ボタン53又は下降ボタン54を押すことで下皿体300を昇降させることができるので、下皿体300の昇降を円滑に行うことができる。また、ホール側は、切替スイッチ550をオン又はオフに切り替えることにより、下降ボタン54が押された場合の下皿体300の停止位置を、千両箱位置設定処理(S1112)で設定された下限位置または初期位置設定処理(S1111)で設定された初期位置のいずれかに設定することができる。これにより、ホール側は、使用される千両箱の高さ寸法に応じて切替スイッチ550のオン又はオフに切り替えることで、下皿体300を下降させる場合の停止位置を選択できる。
また、演出設定フラグ223hがオンでない(ボタン演出(S1604参照)の実行中でない)ときに上昇ボタン53が押された場合、上限位置まで下皿体300を上昇させることができるので、下皿体300と千両箱との隙間を広く確保して千両箱の交換作業を円滑に行うことができる。
さらに、大当たり中であったラウンド数が8ラウンド目であるときに上昇ボタン53を用いて行うボタン演出や、16R大当たりである場合に下皿体300を上昇させる演出が実行されるので、遊技者が享受する遊技性の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態では、主記憶装置10により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合において、その大当たり種別が第3図柄表示装置81による変動表示に基づいて判別できないように設定されている。即ち、大当たり種別が「大当たりA」であるか「大当たりB」であるかについて、遊技者は8ラウンド目に昇格演出が実行されたか否かに基づいて判断することとなる。よって、遊技者の享受する遊技性を向上させることができる。
また、球通路540において球収容部543まで球が満タンとなったときには、それ以上の下皿体300の上昇が停止される。よって、球通路540内での球の逆流や球詰まりが発生し、球通路540へ球を送るギヤ等の故障や突設体460への亀裂等が生じることを防止できる。
さらに、下皿体300が上昇しているときに下皿満タンセンサ541がオンになった場合に、音声出力装置226からのエラーメッセージの出力が制限されるので、遊技者に与える不快感を軽減できる。
なお、本実施の形態では、下皿満タンセンサ541がオンである場合のエラーメッセージは、第3図柄表示装置81に視認可能な態様でも表示され、この第3図柄表示装置による報知は下皿体300が上昇しているときであっても引き続き実行される。これにより、球通路540内に球が滞留していた状態が継続していることを遊技者に知らせることができる。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される球抜き時下皿下降処理(S1413)について説明する。図35は、球抜き時下皿下降処理(S1413)を示したフローチャートである。この球抜き時下皿下降処理(S1413)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、球抜きレバー52がオンに切り替わった場合に、球抜き穴311(図6参照)を開放しつつ、下皿体300を下降させる。
図35に示すように、球抜き時下皿下降処理(S1413)では、まず球抜きレバー52がオンに切り替わったか否かの判定を行う(S1801)。S1801の処理において、球抜きレバー52がオンに切り替わっていなければ(S1801:No)、そのまま本処理を終了し、球抜きレバー52がオンに切り替わった場合には(S1801:Yes)、次に、切替スイッチ550がオンであるか否かの判定を行う(S1802)。
S1802の処理において、切替スイッチ550がオンであれば(S1802:Yes)、下皿体300を千両箱位置設定処理(S1112)で設定した下限位置まで下皿体300を下降させる必要がある。よって、次にステップカウンタ223eの値が下限位置データ記憶エリア223gの値と一致しているか否かの判定を行う(S1803)。
S1803の処理において、ステップカウンタ223eの値が下限位置データ記憶エリア223gの値と一致した場合には(S1803:Yes)、下皿体300が下限位置まで下降したと判断できるので、そのまま本処理を終了する。一方、スタップカウンタ223eの値が下限位置データ記憶エリア223gの値と一致していない場合には(S1803:No)、下皿体300が下限位置まで下降しておらず、現在位置から更に下皿体300を下降させる必要があると判断されるので、S1805の処理へ移行する。
一方、S1802の処理において、切替スイッチ550がオフであれば(S1802:No)、下皿体300を初期位置設定処理(S1111)で設定した初期位置まで下皿体300を下降させる必要がある。よってこの場合には、初期位置センサ524がオンであるか否かの判定を行う(S1804)。
S1804の処理において、初期位置センサ524がオンであれば(S1804:Yes)、下皿体300が初期位置まで下降したと判断できるので、そのまま本処理を終了する。一方、初期位置センサ524がオフであれば(S1804:No)、下皿体300が初期位置まで下降しておらず、現在位置から更に下皿体300を下降させる必要があると判断されるので、S1805の処理へ移行する。
S1805の処理では、下皿体300を下降させるため、駆動モータMを正方向へ1ステップ分駆動するデータを設定し(S1805)、ステップカウンタ223eの値に1を加算して(S1806)、本処理を終了する。
このようにして、球抜きレバー52がオンになった場合には、球抜き穴311を開放しつつ、下皿体300が初期位置または下限位置まで下降するように構成されている。従って、球抜き穴311を開放し、下皿体300内に貯留された球を排出して千両箱に貯留しようとした場合に、球抜き穴311から千両箱へ落下する球の落差を小さくすることができる。よって、下皿体300から排出された球が弾んで千両箱から飛び出ることを防止できる。
なお、球抜きレバー52がオンになったとき、下皿体300の初期位置または下限位置への下降が完了した後に球抜き穴311が開放されるように構成されていてもよい。これにより、下皿体300が千両箱に近接させた状態で球抜き穴311が開放され、下皿体300から千両箱への球の排出が開始される。よって、下皿体300から千両箱へ排出された球が弾んで飛び出ることを確実に防止できる。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1414)について説明する。図36は、このコマンド判定処理(S1414)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1414)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
図36に示すように、コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1901)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1901:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1902)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出し(S1903)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図37参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1901:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1904)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1904:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1905)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1906)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図37参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1904:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1907)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1907:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1908)。また、S1908の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1908の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1908の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。尚、S1908の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1907の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1907:No)、次いで、主制御装置110より入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S1909)。そして、入賞コマンドを受信した場合には(S1909:Yes)、受信した入賞コマンドが示す入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納する(S1910)。ここで、この入賞情報格納エリア223aにはそれぞれの保留球の当否判定結果、大当たり種別等の入賞情報が保留球毎にそれぞれ記憶される。
一方、S1909の処理において入賞コマンドを受信していないと判別した場合には(S1909:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行する(S1911)。
次に、図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1415)について説明する。図37は、この変動表示設定処理(S1415)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1415)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S2001)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2001:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2006の処理へ移行する。
一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S2001:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S2002)、次いで、コマンド判定処理(図36参照)のS1903の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2003)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2004)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S2005)。S2005の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S2006の処理へ移行する。
S2006の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S2006)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2006:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S2006:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S2007)、次いで、コマンド判定処理(図36参照)のS1907の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S2008)。
S2009の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2009)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
以上説明したように、本実施の形態では、上昇ボタン53又は下降ボタン54が押されたときに、下皿体300を上限位置まで上昇または予め設定された初期位置あるいは下限位置まで下降させることができる。
遊技者は、上昇ボタン53又は下降ボタン54を押すことで下皿体300を昇降させることができるので、下皿体300の昇降を円滑に行うことができる。また、ホール側は、切替スイッチ550をオン又はオフに切り替えることにより、下降ボタン54が押された場合の下皿体300の停止位置を、千両箱位置設定処理(S1112)で設定された下限位置または初期位置設定処理(S1111)で設定された初期位置のいずれかに設定することができる。これにより、ホール側は、使用される千両箱の高さ寸法に応じて切替スイッチ550のオン又はオフに切り替えることで、下皿体300を下降させる場合の停止位置を選択できる。
さらに、球抜きレバー52がオンになった場合、球抜き穴311を開放しつつ、下皿体300が初期位置または下限位置まで下降するように構成されている。従って、球抜き穴311を開放し、下皿体300内に貯留された球を排出して千両箱に貯留しようとした場合に、球抜き穴311から千両箱へ落下する球の落差を小さくすることができる。よって、下皿体300から排出された球が弾んで千両箱から飛び出ることを防止できる。
また、演出設定フラグ223hがオンでない(ボタン演出(S1604参照)の実行中でない)ときに上昇ボタン53が押された場合、上限位置まで下皿体300を上昇させることができるので、下皿体300と千両箱との隙間を広く確保して千両箱の交換作業を円滑に行うことができる。
さらに、大当たり中であったラウンド数が8ラウンド目であるときに上昇ボタン53を用いて行うボタン演出や、16R大当たりである場合に下皿体300を上昇させる演出が実行されるので、遊技者が享受する遊技性の向上を図ることができる。
切替スイッチ550がオンである場合には、千両箱位置設定処理(S1112)により設定された下限位置まで下皿体300が下降する。この場合、千両箱の円滑な出し入れを可能な程度に下皿体300と千両箱との間隔(本実施の形態では5mm弱)を保持しつつ、下皿体300をできる限り下方へ下降させることができるので、上皿17と下皿体300との間隔を広く確保して下皿体300内の球を取出しやすくすることができる。
また、球通路540において球収容部543まで球が満タンとなったときには、それ以上の下皿体300の上昇が停止される。よって、球通路540内での球の逆流や球詰まりが発生し、球通路540へ球を送るギヤ等の故障や突設体460への亀裂等が生じることを防止できる。
さらに、下皿体300が上昇しているときに下皿満タンセンサ541がオンになった場合に、音声出力装置226からのエラーメッセージの出力が制限されるので、遊技者に与える不快感を軽減できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記した各実施形態では、伸縮機構400が複数の分割体410,420,430から構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば蛇腹状に形成されることにより伸縮可能に形成された一部材から構成されていてもよい。
上記した各実施の形態では、下皿体300が上昇しているときには音声出力装置226からの音声によるエラーメッセージの出力が制限される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下皿体300が上昇しているときには音声出力装置226から出力される音声の音量が小さくなるように構成されていてもよい。また、音声出力装置226からの音声出力だけでなく、音声出力装置226以外、又は、音声出力装置226に加え、他の出力装置からのエラーメッセージの出力が制限されるように構成されていてもよく、第3図柄表示装置によるエラーメッセージの表示が一定時間非表示になるように構成されていてもよい。
また、音声出力装置226からの音声によるエラーメッセージの出力が制限されてから一定時間(例えば、下皿体300の上昇が完了してから5秒)継続して下皿満タンセンサ541がオン状態である場合には、音声出力装置226からの音声によるエラーメッセージの出力制限が解除されるように構成されていてもよい。即ち、このように下皿満タンセンサ541のオン状態が一定時間経過後も解消されない場合、球抜き穴311が閉塞された状態で下皿体300に球が貯留された状態が継続していることや、それ以外の要因で球通路540内の球詰まりが発生していること等が想定される。よって、この場合、球通路540内に球詰まりが発生していることを遊技者が認識していない可能性があるので、音声によるエラーメッセージの出力を再開することで、下皿体300内の球を排出するように遊技者に促すことができる。
さらに、こうした音声出力装置226からの音声によるエラーメッセージの出力制限は、大当たり中(特定遊技状態)である場合に実行されるように構成してもよい。即ち、大当たりとなって特定入賞口65aが開放されると、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われ、下皿体300や球通路540内に球が滞留しやすい状態となる。このように特別遊技状態において下皿体300や球通路540に球が滞留しやすい状態となることを、遊技者が認識している可能性は高いことから、音声によるエラーメッセージの出力制限を行うことで、遊技者に与える不快感を軽減できる。
上記した各実施の形態では、上昇ボタン53又は下降ボタン54が押されたときに、下皿体300が上限位置まで上昇または予め設定された初期位置あるいは下限位置まで下降する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上昇ボタン53又は下降ボタンが押し続けられている間、下皿体300が上昇または下降するように構成されていてもよい。これにより、下皿体300を遊技者の所望の位置に停止させることができる。また、この場合、所定操作が行われた場合(例えば、短時間で上昇ボタン53又は下降ボタン54を連打した場合等)に、下皿体300が上限位置または予め設定された初期位置あるいは下限位置まで昇降するように設定されていてもよい。この場合には、下皿体300が上限位置または下限位置に到達するまで上昇ボタン53又は下降ボタン54を押し続ける必要がないので、遊技者の利便性を向上させることができる。
本実施の形態では、一対の側壁部330の外側面に下皿側ローラ331及び下皿側レール332を設けると共に、一対の下皿支持部520の対向する面に支持側ローラ521及び支持側レール522を設け、下皿側ローラ331を支持側レール522に沿って、支持側ローラ521を下皿側レール332に沿って転動させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の機構を用いて下皿体300を円滑に行われるように構成されていてもよい。他の機構としては、例えば、公知のスライドレールやラックピニオン機構を用いること等が例示される。
本実施の形態では、下皿体300を昇降させる駆動手段としてねじ送り機構530を用いる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の駆動手段を用いてもよい。なお、他の駆動手段としては、下皿体300の一対の側壁部330にラックを設けると共に、下皿支持部520にラックと噛合するピニオン及びそのピニオンに連結されるモータを設ける場合等が例示される。この場合、下皿体300の左右方向両側から駆動力が付与されるので、昇降させる際の下皿体300の前後方向への傾きを抑制することができる。
上記各実施の形態では、球抜きレバー52がオンになり球抜き穴311が開放された場合に、下皿体300が下降する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、球抜きレバー52がオフとなり球抜き穴311が閉鎖された場合に、下皿体300が上昇するように構成されていてもよい。これにより、球抜き穴311を閉鎖して千両箱の交換を行う場合に、球抜き穴311の閉鎖と下皿体300の上昇とを球抜きレバー52の一操作のみで行うことができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
さらに、下皿体300に球が貯留されていることを検出するセンサ(例えば、球の重量を検知する重量センサなど)を設け、上限位置にあるときに球が下皿体300に貯留されていることを検出した場合に下皿体300が下降するように構成されていてもよい。この場合、下皿体300に球が貯留されていることを知らずに遊技者が移動することを抑制できるので、遊技者に不利益が発生することを防止できる。
上記した各実施の形態では、下皿体300に手等の異物が接触したことを検出する接触センサ(図示せず)を設けることにより、下皿体300と上皿17又は千両箱との間に手等が挟まることを防止する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の方法により手等が下皿体300と上皿17又は千両箱との間に挟まることを防止してもよい。他の方法としては、例えば、両手を使って上昇ボタン53又は下降ボタン54を押す必要がある構成や、上昇ボタン53や下降ボタン54が押されている間に限り下皿体300が昇降する構成、操作ハンドル51のタッチセンタ51aがオンである場合に、下皿体300が昇降可能となるように構成されていてもよい。
即ち、タッチセンサ51aがオンである場合に下皿体300が昇降可能となる構成では、右手で操作ハンドル51を操作しつつ、左手で上昇ボタン53又は下降ボタン54を押す必要がある。このとき、両手が下皿体300から離れた状態となるので、手等が下皿体300と上皿17又は千両箱との間に手等が挟まることを防止できる。
上記した各実施の形態では、下皿体300が駆動モータMからの駆動力が付与されることにより、昇降する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下皿体300を手動で昇降させることができるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、音声ランプ制御装置113と、表示制御装置114とを別々に設けているが、代わりに、それぞれの装置113,114を一体化し、一つの装置として設けても良い。
また、上記実施形態では、まず、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へコマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりコマンドが受信されると、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114へ送信すべきコマンドが決定され、その後、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へコマンドが送信されるように構成されている。これに対して、まず、主制御装置110から表示制御装置114へコマンドが送信し、表示制御装置114によりコマンドが受信されたら、表示制御装置114において音声ランプ制御装置113へ送信すべきコマンドを決定させ、その後、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へコマンドを送信するように構成しても良い。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。
上記実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
また、上記各実施形態の全部または一部の構成を組み合わせるように構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(球出口が下皿と一体変位、球通路内での球詰まり防止)
遊技球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球を入球可能な入球部と、その入球部への遊技球の入球に基づいて遊技球を払い出す払出手段と、その払出手段により払い出された遊技球を貯留可能な貯留部と、その貯留部を変位可能に構成する変位機構部と、を備えていることを特徴とする遊技機A1。
ここで、従来より、パチンコ遊技機では、遊技球が流下する遊技領域を大型化が図られている。特開2001−231933号公報には、ガラス扉枠の下部フレームに上受皿を一体的に設けることにより、前飾り枠を省略し、ガラス扉枠の下部フレームの十分な上下幅を確保する技術が開示されている。しかしながら、上述の技術では、ガラス扉枠の下方に下受皿ユニットが設けられており、ガラス扉枠の上下寸法の大きさに制限がある。即ち、ガラス扉枠に収まる範囲に遊技領域と上受皿とを配置する必要があり、設計上の自由度が低いという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、遊技球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球を入球可能な入球部と、その入球部への遊技球の入球に基づいて遊技球を払い出す払出手段と、その払出手段により払い出された遊技球を貯留可能な貯留部と、その貯留部を変位可能に構成する変位機構部と、を備えている。よって、遊技機の設計自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記払出手段により払い出された遊技球を前記貯留部に案内する案内通路を備え、前記案内通路は、その通路長さが前記貯留部の変位に伴って伸縮することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、案内通路の通路長さを貯留部の位置に応じて伸縮させることができるので、案内通路から貯留部へ遊技球を円滑に案内できるという効果がある。
遊技機A2において、前記貯留部と前記案内通路とを連通させる連通口を備え、その連通口が前記貯留部と一体的に変位することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、連通口から貯留部までの落差を一定の保持できるので、連通口から貯留部へ排出された遊技球が弾んで貯留部から飛び出ることを防止できるという効果がある。
遊技機A2又はA3において、前記案内通路は、下流側から上流側へ逆流した遊技球を収容可能な球収容部を備えていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、案内通路に遊技球が滞留した状態で案内通路を縮小させたとしても、球収容部に遊技球が収容されるので、案内通路内での球詰まりを抑制できるという効果がある。
遊技機A4において、前記球収容部は、収容された遊技球が前記案内通路の下流側へ案内されるように構成されていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、案内通路に遊技球が滞留していないときには球収容部に進入した遊技球が案内通路の下流側へ案内されるので、球収容部に球が滞留し続けることを防止できるという効果がある。
遊技機A4又はA5において、前記貯留部が満杯であることを検出する第1センサと、その第1センサにより前記貯留部が満杯であることが検出された場合に、前記払出手段による遊技球の払出を停止する払出停止手段と、を備え、前記第1センサが前記球収容部よりも前記案内通路の下流側に配設されていることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4又はA5の奏する効果に加え、案内通路に滞留した遊技球が球収容部へ収容される前に、貯留部が満杯であることを第1センサが検出し、払出停止手段による球の払い出しが停止される。よって、その後に貯留部の変位により案内通路が短縮されたときに遊技球を確実に球収容部に案内できる。よって、案内通路内の球詰まりを防止できる。
遊技機A4からA6のいずれかにおいて、前記案内通路が満杯であることを検出する第2センサと、その第2センサにより前記案内通路が満杯であることが検出された場合に、前記貯留部の上昇を停止する上昇停止手段と、を備え、前記第2センサは、前記球収容部よりも前記案内通路の上流側に配設されていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A4からA6の奏する効果に加え、第2センサにより案内通路が満杯であることが検出されたとき、球収容部への遊技球の収容ができない状態であると推測できる。この場合に、貯留部の上昇を停止することで、案内通路の球詰まりを防止できるという効果がある。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記貯留部は、前記遊技領域の下側に配設される遊技球が貯留可能な第1貯留部と、その第1貯留部の下方に配設される球を貯留可能な第2貯留部と、を備え、前記第2貯留部は、前記第1貯留部に対して近接または離間する方向へ変位可能に構成されていることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7の奏する効果に加え、第1貯留部と第2貯留部との間隔、第2貯留部とその下方に配置された物体との間隔を状況に応じて変えることができるという効果がある。
遊技機A1からA8において、前記変位機構部は、前記貯留部を変位させるための駆動力を付与する駆動手段と、その駆動手段に従動して前記貯留部の変位を補助する従動手段と、を備えていることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変位機構部は、貯留部を変位させるための駆動力を付与する駆動手段と、その駆動手段に従動して貯留部の変位を補助する従動手段とを備えているので、貯留部の変位に必要となる駆動力を小さくしつつ、貯留部を円滑に変位させることができる。
<特徴B群>(下皿の昇降制御。下皿を上昇させているときに下皿が満杯である旨の報知を制限)
遊技球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球を入球可能な入球部と、その入球部への遊技球の入球に基づいて遊技球を払い出す払出手段と、その払出手段により払い出された遊技球を貯留可能な貯留部と、その貯留部を変位させる変位手段と、その変位手段により前記貯留部を変位させる変位制御手段と、を備えていることを特徴とする遊技機B1。
ここで、従来より、パチンコ遊技機では、遊技球が流下する遊技領域を大型化が図られている。特開2001−231933号公報には、ガラス扉枠の下部フレームに上受皿を一体的に設けることにより、前飾り枠を省略し、ガラス扉枠の下部フレームの十分な上下幅を確保する技術が開示されている。しかしながら、上述の技術では、ガラス扉枠の下方に下受皿ユニットが設けられており、ガラス扉枠の上下寸法の大きさに制限がある。即ち、ガラス扉枠に収まる範囲に遊技領域と上受皿とを配置する必要があり、設計上の自由度が低いという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、遊技球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球を入球可能な入球部と、その入球部への遊技球の入球に基づいて遊技球を払い出す払出手段と、その払出手段により払い出された遊技球を貯留可能な貯留部と、その貯留部を変位させる変位手段と、その変位手段により貯留部を変位させる変位制御手段と、を備えている。このように、貯留部を変位させることで、遊技領域の更なる大型化を図ることができ、遊技機の設計自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記払出手段により払い出された遊技球を前記貯留部へ案内する案内通路と、その案内通路の所定位置に遊技球が滞留したか否かを判定する判定手段と、その判定手段により前記案内通路の所定位置に遊技球が滞留していると判定された場合に、遊技者に報知を行う報知手段と、前記変位手段により前記貯留部が変位されている場合に、前記報知手段による報知態様を変更する報知変更手段と、を備えていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、払出手段により払い出された遊技球を貯留部へ案内する案内通路と、その案内通路の所定位置に遊技球が滞留したか否かを判定する判定手段と、その判定手段により案内通路の所定位置に遊技球が滞留していると判定された場合に、遊技者に報知を行う報知手段と、変位手段により貯留部が変位されている場合に、報知手段による報知態様を変更する報知変更手段と、を備えている。貯留部を変位させようとする遊技者は、案内通路に球が滞留していることを認識していると想定されるので、そうした遊技者に対する報知が制限されることで、遊技者に与える不快感を軽減できるという効果がある。
遊技機B2において、前記報知手段は、音声による報知を行う音声出力手段を少なくとも含むものであり、前記報知変更手段は、前記音声出力手段による報知を少なくとも含む第1報知態様から、前記音声出力手段による報知を少なくとも制限する第2報知態様へ変更することを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知手段は、音声による報知を行う音声出力手段を少なくとも含むものであり、報知変更手段は、音声出力手段による報知を少なくとも含む第1報知態様から、音声出力手段による報知を少なくとも制限する第2報知態様へ変更する。このように、第2報知態様では、少なくとも記音声出力手段による報知が制限されるので、遊技者に与える不快感を軽減できるという効果がある。
遊技機B3において、前記報知手段は、視認可能な報知を行う視認報知手段を少なくとも含むものであり、前記第2報知態様は、前記視認報知手段による報知を少なくとも含むことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知手段は、視認可能な報知を行う視認報知手段を少なくとも含むものであり、第2報知態様は、視認報知手段による報知を少なくとも含む。このように、第2報知態様では、視認報知手段による報知が少なくとも含まれるので、案内通路の所定位置に球が滞留していた状態が継続していることを遊技者に報知することができるいう効果がある。
遊技機B2からB4のいずれかにおいて、所定条件の成立に基づき、通常の遊技状態よりも前記入球部へ遊技球を入球させやすい特別遊技状態へ移行する移行手段を備え、前記報知変更手段は、前記移行手段により前記特別遊技状態へ移行した場合に、前記報知手段による報知を前記第1報知態様から前記第2報知態様に変更することを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定条件の成立に基づき、通常の遊技状態よりも入球部へ遊技球を入球させやすい特別遊技状態へ移行する移行手段を備え、報知変更手段は、移行手段により特別遊技状態へ移行した場合に、報知手段による報知を第1報知態様から第2報知態様に変更する。即ち、入球部へ遊技球を入球させやすく、払出手段から多くの遊技球が払い出されることが想定される特別遊技状態では、案内通路の所定位置に球が滞留しやすくなる。この特別遊技状態において、報知手段による報知態様を第1報知態様から第2報知態様へ変更することで、遊技者に与える不快感を軽減できるという効果がある。
遊技機B5において、抽選条件の成立に基づき抽選を行う抽選手段と、前記入球部へ入球可能な第1状態、および、その第1状態よりも前記入球部への入球が困難な第2状態のいずれかの状態へ可変可能な可変手段と、を備え、前記移行手段は、前記抽選条件が成立した場合に、前記特別遊技状態へ移行し、少なくとも前記可変手段を前記第2状態から前記第1状態へ可変させることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づき抽選を行う抽選手段と、入球部へ入球可能な第1状態、および、その第1状態よりも入球部への入球が困難な第2状態のいずれかの状態へ可変可能な可変手段と、を備え、移行手段は、抽選条件が成立した場合に、特別遊技状態へ移行し、少なくとも可変手段を第2状態から第1状態へ可変させる。このように、案内通路の所定位置に球が滞留しやすい特別遊技状態では、報知手段による報知態様が第1報知態様から第2報知態様へ変更されるので、遊技者に与える不快感を軽減できるという効果がある。
遊技機B2からB6のいずれかにおいて、前記報知変更手段により前記報知手段の報知態様が変更された後、前記判定手段により前記案内通路の所定位置に遊技球が滞留している状態が一定期間継続した場合に、前記報知手段による報知態様を、前記報知変更手段により変更された報知態様を変更前の報知態様に戻す再報知手段を備えていることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B2からB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知変更手段により報知手段の報知態様が変更された後、判定手段により案内通路の所定位置に遊技球が滞留している状態が一定期間継続した場合に、報知手段による報知態様を、報知変更手段により変更された報知態様を変更前の報知態様に戻す再報知手段を備えている。このように、報知手段による報知態様を変更した後、一定期間経過しても案内通路の所定位置に球が滞留していると判定される場合には、報知手段による報知態様を変更前の報知態様に戻すことで、案内通路内での遊技球の滞留が解消されていない旨を遊技者に再報知し、この遊技球が案内通路に滞留した状態を解消するための処理を行うように遊技者に仕向けることができるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記貯留部は、その貯留部に貫通形成された貫通穴と、その貫通穴を開閉可能な開閉手段と、その開閉手段による前記貫通穴の開閉を行う際に操作される開閉操作手段と、を備え、前記変位制御手段は、前記開閉操作手段の操作に基づいて前記貫通穴が開放または閉鎖された場合に、前記貯留部を変位させる開閉時変位制御手段を備えていることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、貯留部は、その貯留部に貫通形成された貫通穴と、その貫通穴を開閉可能な開閉手段と、その開閉手段による貫通穴の開閉を行う際に操作される開閉操作手段と、を備え、変位制御手段は、開閉操作手段の操作に基づいて貫通穴が開放または閉鎖された場合に、貯留部を変位させる開閉時変位制御手段を備えている。このように、開閉操作手段を操作することで、貫通孔の開閉と貯留部の変位とを行うことができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記貯留部が所定位置まで変位したことを検出する貯留部検出手段を備え、前記変位制御手段は、前記貯留部検出手段により前記貯留部が所定位置まで変位したことが検出された場合に、前記変位手段による前記貯留部の変位を停止することを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、貯留部が所定位置まで変位したことを検出する貯留部検出手段を備え、変位制御手段は、貯留部検出手段により貯留部が所定位置まで変位したことが検出された場合に、変位手段による貯留部の変位を停止する。このように、貯留部が所定位置まで変位した場合には、変位手段による貯留部の変位を停止させるので、貯留部を適切な位置で停止させることができるという効果がある。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記貯留部を変位させるための駆動力を付与する駆動手段を備え、前記変位制御手段は、前記駆動手段の駆動量に基づいて前記貯留部の位置を把握することを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変位手段は、貯留部を変位させるための駆動力を付与する駆動手段を備え、変位制御手段は、駆動手段の駆動量に基づいて前記貯留部の位置を把握する。このように、変位制御手段は、駆動手段の駆動量に基づいて貯留部の位置を把握するので、貯留部を適切な位置で停止させることができるという効果がある。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、前記貯留部と他の物体との間隔が所定寸法以下であるか否かを検出する間隔検出手段を備え、前記変位制御手段は、前記間隔検出手段により前記貯留部と他の物体との間隔が所定寸法以下であると判断された場合に、前記貯留部の変位を停止させることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B1からB10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、貯留部と他の物体との間隔が所定寸法以下であるか否かを検出する間隔検出手段を備え、変位制御手段は、間隔検出手段により貯留部と他の物体との間隔が所定寸法以下であると判断された場合に、貯留部の変位を停止させる。このように、間隔検出手段により貯留部と他の物体との間隔が所定寸法以下であると判断された場合には貯留部の変位を停止させるので、貯留部と台等との間に他の物体が挟まることを防止できるという効果がある。また、変位部と他の物体とが挟まる前に貯留部の変位が停止するので、変位部と他の物体との隙間を確保して他の物体の出し入れを円滑に行うことができるという効果がある。
遊技機B1からB11のいずれかにおいて、前記貯留部が一方向へ変位しているときに、前記貯留部に異物が接触したことを検出する接触検出手段を備え、前記変位制御手段は、前記接触検出手段により前記貯留部に異物が接触したことが検出された場合に、前記貯留部を他方向へ変位させることを特徴とする記載の遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B1からB11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、貯留部が一方向へ変位しているときに、貯留部に異物が接触したことを検出する接触検出手段を備え、変位制御手段は、接触検出手段により貯留部に異物が接触したことが検出された場合に、前記貯留部を他方向へ変位させる。このように、貯留部が他の物体と接触したことが検出された場合には貯留部を他方向へ変位させるので、誤って貯留部と他の物体との間手等が挟まれた場合に、その挟まれた状態を解消して手等を無理なく貯留部と他の物体との間から抜くことができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。