JP2016121430A - メルトブロー不織布およびその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる状況から明らかなように、ポリプロピレン・メルトブロー不織布を用いた液体用フィルタは、微粒子(1μm)の阻止率に限界があるのが現状である。
〔1〕平均繊維径が0.5μm以上1.0μm未満のポリプロピレン極細繊維からなり、
目付60g/m2で測定した最大孔径が5μm以下及び平均孔径が2μm以下であり、
目付15g/m2で測定した通気度が3〜7cc/cm2/秒であり、
目付60g/m2で測定した球状粒子径1.00μmのポリスチレンラテックス粒子の阻止率が100%であり、
目付60g/m2で測定した球状粒子径0.47μmのポリスチレンラテックス粒子の阻止率が10%以上であり、かつ、
目付が5〜200g/m2であることを特徴とするメルトブロー不織布。
〔2〕液体用フィルタに用いることを特徴とする前記〔1〕に記載のメルトブロー不織布。
〔3〕平均繊維径が0.5μm以上1.0μm未満のポリプロピレン極細繊維からなり、
目付60g/m2で測定した最大孔径が5μm以下及び平均孔径が2μm以下であり、
目付15g/m2で測定した通気度が3〜7cc/cm2/秒であり、
目付60g/m2で測定した球状粒子径1.00μmのポリスチレンラテックス粒子の阻止率が100%であり、
目付60g/m2で測定した球状粒子径0.47μmのポリスチレンラテックス粒子の阻止率が10%以上であり、かつ、
目付が5〜200g/m2であるメルトブロー不織布からなることを特徴とする液体用フィルタ。
〔4〕精密濾過用液体フィルタであることを特徴とする前記〔3〕に記載の液体用フィルタ。
本発明は、平均繊維径が0.5以上1.0μm未満のポリプロピレン極細繊維からなり、目付60g/m2で測定した最大孔径が5μm以下及び平均孔径が2μm以下であるメルトブロー不織布からなる液体用フィルタを提供するものである。
本発明の液体用フィルタに用いるメルトブロー不織布の原料に用いるポリプロピレンは、公知のポリプロピレンを用いることができる。ポリプロピレンとしては、通常、融点(Tm)が155℃以上、好ましくは157〜165℃の範囲にあるプロピレンの単独重合体若しくはプロピレンと極少量のエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2以上、好ましくは2〜8の1種または2種以上のα−オレフィンとの共重合体であり、プロピレン単独重合体が好ましい。
本発明に係るポリプロピレンは、溶融紡糸し得る限り、メルトフローレート(MFR:ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)は特に限定はされないが、通常1〜1000g/10分、好ましくは5〜500g/10分、さらに好ましくは10〜100g/10分の範囲にある。
本発明に係るメルトブロー不織布は、平均繊維径が0.5以上1.0μm未満のポリプロピレン極細繊維からなり、目付60g/m2で測定した最大孔径が5μm以下、好ましくは4.5μm以下及び平均孔径が2μm以下、好ましくは最小孔径が1.0μm以上の範囲にあるメルトブロー不織布である。
本発明に係るメルトブロー不織布は、より好ましくは目付60g/m2で測定した球状粒子径0.47μmのポリスチレンラテックスの阻止率が10%以上である。
本発明の液体用フィルタは、前記メルトブロー不織布からなる。本発明の液体用フィルタは、前記メルトブロー不織布の単層からなってもよいし、二層以上のメルトブロー不織布の積層体からなってもよい。液体用フィルタとして、二層以上のメルトブロー不織布の積層体を用いる場合は、単に、二層以上のメルトブロー不織布を重ねてもよい。
また、液体用フィルタの強度を強めるために、スパンボンド不織布あるいは、網状物を積層してもよい。
本発明のメルトブロー不織布は、前記ポリプロピレンを用いて、公知メルトブロー不織布製法によって得られる。例えば、原料となるポリプロピレンを溶融し、紡糸ノズルから吐出するとともに、高温高圧ガスにさらされることにより、細繊維化され、繊維化されたポリプロピレン極細繊維を多孔ベルトまたは多孔ドラムなどのコレクターに捕集して、堆積することによって製造し得る。
実施例及び比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
メルトブロー不織布を電子顕微鏡(日立製作所製S-3500N)を用いて、倍率1000倍の写真を撮影し、任意に繊維100本を選び、その繊維の幅(直径)を測定し、得られた測定結果の平均を平均繊維径とした。
目付60g/m2のメルトブロー不織布を調整し、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で、水処理用濾過材となる不織布積層体から採取した試験片をフッ素系不活性液体(3M社製 商品名:フロリナート)に浸漬し、Porous materials,Inc社製のキャピラリー・フロー・ポロメーター(Capillary Flow Porometer)「モデル:CFP-1200AE」を用いて目付60g/m2で測定した最大孔径(μm)、最小孔径(μm)及び平均孔径(μm)を測定した(表中、「最大孔径」、「最小孔径」及び「平均孔径」と示す)。
目付60g/m2のメルトブロー不織布を調整し、球状粒子径1.00μmのポリスチレンラテックス粒子を60容量%のIPA水溶液に0.01重量%の濃度で分散した試験液を用い、ろ過装置(ADVANTEC製TSU-90B)で0.3MPaの圧力のもとメルトブロー不織布(液体用フィルタ)を通過した濾液中の濃度:C1と原液の濃度:C0を測定し、次式で阻止率を求めた。
試験液および濾液の濃度は分光光度計(島津製UV3100)を使用し、波長500nmの吸光度を測定し、予め測定した検量線から求めた。
阻止率=〔(C0−C1)/C0〕×100(%)
流量(l/min)は、上記ろ過装置(ADVANTEC製TSU-90B)を用い0.3MPaの圧力のもと500ccの60容量%IPA水溶液がメルトブロー不織布(液体用フィルタ)を通過したときの時間を測定し求めた。
目付15g/m2のメルトブロー不織布を調整し、JIS L1096(8.27.1 A法;フラジール形法)に準拠して、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で水処理用濾過材となる不織布積層体から採取した20×20cmの試験片5枚を採取しフラジール形試験機を用いて試験片を通過する空気量(cm3/cm2・秒)を測定しその平均値を求めた。
メルトブロー不織布製造装置を用い、プロピレン単独重合体(MFR:25g/10分)をダイに供給し、設定温度:300℃のダイから、ノズル単孔あたりの吐出量:0.08g/分でノズルの両側から吹き出す加熱エアー(300℃、700Nm3/時/m)と伴に吐出し、DCD(紡糸口金の表面からコレクターまでの距離):150mmでコレクターに吹き付けて、目付:15g/m2のメルトブロー不織布を得た。
次いで、得られたメルトブロー不織布を4枚重ねて液体用フィルタとした。
得られた液体用フィルタの物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
メルトブロー不織布製造装置を用い、プロピレン単独重合体(MFR:25g/10分)をダイに供給し、設定温度:300℃のダイから、ノズル単孔あたりの吐出量:0.1g/分でノズルの両側から吹き出す加熱エアー(300℃、700Nm3/時/m)と伴に吐出し、DCD(紡糸口金の表面からコレクターまでの距離):150mmでコレクターに吹き付けて、目付:15g/m2のメルトブロー不織布を得た。
次いで、得られたメルトブロー不織布を4枚重ねて液体用フィルタとした。
得られた液体用フィルタの物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
メルトブロー不織布製造装置を用い、プロピレン単独重合体(MFR:25g/10分)をダイに供給し、設定温度:300℃のダイから、ノズル単孔あたりの吐出量:0.15g/分でノズルの両側から吹き出す加熱エアー(300℃、700Nm3/時/m)と伴に吐出し、DCD(紡糸口金の表面からコレクターまでの距離):350mmでコレクターに吹き付けて、目付:15g/m2のメルトブロー不織布を得た。
次いで、得られたメルトブロー不織布を4枚重ねて液体用フィルタとした。
得られた液体用フィルタの物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
メルトブロー不織布製造装置を用い、プロピレン単独重合体(MFR:25g/10分)をダイに供給し、設定温度300℃のダイから、ノズル単孔あたりの吐出量:0.5g/分でノズルの両側から吹き出す加熱エアー(300℃、700Nm3/時/m)と伴に吐出し、DCD(紡糸口金の表面からコレクターまでの距離):250mmでコレクターに吹き付けて、目付:15g/m2のメルトブロー不織布を得た。
次いで、得られたメルトブロー不織布を4枚重ねて液体用フィルタとした。
得られた液体用フィルタの物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
比較例1で得られたメルトブロー不織布原反を4枚重ねた不織布積層体をカレンダーロール加工装置を用いて、熱接合に用いる第二段目のカレンダーロールを金属ロールの組合せを使用して、カレンダーロール温度:50℃、線圧:10kg/cmに設定し、液体フィルタを得た。
得られた液体フィルタの物性を上記記載の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
Claims (4)
- 平均繊維径が0.5μm以上1.0μm未満のポリプロピレン極細繊維からなり、
目付60g/m2で測定した最大孔径が5μm以下及び平均孔径が2μm以下であり、
目付15g/m2で測定した通気度が3〜7cc/cm2/秒であり、
目付60g/m2で測定した球状粒子径1.00μmのポリスチレンラテックス粒子の阻止率が100%であり、
目付60g/m2で測定した球状粒子径0.47μmのポリスチレンラテックス粒子の阻止率が10%以上であり、かつ、
目付が5〜200g/m2であることを特徴とするメルトブロー不織布。 - 液体用フィルタに用いることを特徴とする請求項1に記載のメルトブロー不織布。
- 平均繊維径が0.5μm以上1.0μm未満のポリプロピレン極細繊維からなり、
目付60g/m2で測定した最大孔径が5μm以下及び平均孔径が2μm以下であり、
目付15g/m2で測定した通気度が3〜7cc/cm2/秒であり、
目付60g/m2で測定した球状粒子径1.00μmのポリスチレンラテックス粒子の阻止率が100%であり、
目付60g/m2で測定した球状粒子径0.47μmのポリスチレンラテックス粒子の阻止率が10%以上であり、かつ、
目付が5〜200g/m2であるメルトブロー不織布からなることを特徴とする液体用フィルタ。 - 精密濾過用液体フィルタであることを特徴とする請求項3に記載の液体用フィルタ。
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